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特表2024-519320太陽エネルギー利用装置及び太陽エネルギー利用装置の組合せ構造
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-10
(54)【発明の名称】太陽エネルギー利用装置及び太陽エネルギー利用装置の組合せ構造
(51)【国際特許分類】
   F24S 23/70 20180101AFI20240501BHJP
   H02S 40/22 20140101ALI20240501BHJP
   G02B 3/08 20060101ALI20240501BHJP
   G02B 3/14 20060101ALI20240501BHJP
   G02B 5/06 20060101ALI20240501BHJP
   G02B 7/182 20210101ALI20240501BHJP
   F24S 20/00 20180101ALI20240501BHJP
   F24S 80/50 20180101ALI20240501BHJP
【FI】
F24S23/70
H02S40/22
G02B3/08
G02B3/14
G02B5/06
G02B7/182 100
F24S20/00 020
F24S80/50
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023568467
(86)(22)【出願日】2021-05-14
(85)【翻訳文提出日】2023-11-06
(86)【国際出願番号】 CN2021093806
(87)【国際公開番号】W WO2022236804
(87)【国際公開日】2022-11-17
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516162803
【氏名又は名称】ボリーメディア ホールディングス カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】BOLYMEDIA HOLDINGS CO. LTD.
【住所又は居所原語表記】3235 Kifer Rd. Suite#150 Santa Clara, California 95051 United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100104226
【弁理士】
【氏名又は名称】須原 誠
(72)【発明者】
【氏名】フー シャオピン
【テーマコード(参考)】
2H043
5F251
【Fターム(参考)】
2H043BD02
2H043BD23
5F251JA23
(57)【要約】
太陽エネルギー利用装置及びその組合せ構造であって、当該太陽エネルギー利用装置は、透光性トップカバー210、反射溝220及び光エネルギー利用装置100を備えている。透光性トップカバー210は、内側へ凹むように設けられた第1透光部211及び第1透光部211の凹部から上方に凸となるように設けられた第2透光部212を有する。当該構造により、反射して透光性トップカバー210で外側に向けて屈折した太陽光は、他の領域で透光性トップカバー210の内側に向けて再び屈折し、これによって、透光性トップカバー210内に入射する光量が増加する。また、反射溝220及び透光性トップカバー210内には、透明液体230が充填された少なくとも1つの液体集光キャビティが形成されている。当該液体集光キャビティによって、透明液体230から液体集光キャビティの内壁への太陽光の少なくとも一部は全反射現象を起こすことができる。これによって、より多くの太陽光が光エネルギー利用装置に集光され、液体集光キャビティ及び透光性トップカバーから装置の外に向かって屈折する太陽光が減少し、集光の効率が向上する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光エネルギー利用装置と、透光性トップカバー及び反射溝を含む液体集光レンズとを備えた太陽エネルギー利用装置であって、
前記透光性トップカバーは、内側へ凹むように設けられた第1透光部及び前記第1透光部の凹部から上方に凸となるように設けられた第2透光部を有し、
前記反射溝と前記透光性トップカバーとはキャビティを形成しており、前記キャビティ内には、透明液体が充填された少なくとも1つの液体集光キャビティが形成されており、前記反射溝は、前記透光性トップカバーに面する、太陽光を反射するための反射面を有し、
前記光エネルギー利用装置は、太陽光を受光、変換及び利用できる光エネルギー利用部を有し、前記光エネルギー利用装置は、太陽光を受光且つ利用するために、前記液体集光キャビティの中若しくは前記液体集光キャビティの外に配置されている、又は、前記液体集光キャビティのキャビティ壁を形成しており、
前記透光性トップカバーは、太陽光を外部から内部に向けて前記液体集光キャビティ内まで屈折させることができるような透光性材料で構成されており、前記液体集光キャビティは、前記透明液体から前記液体集光キャビティの内壁へ向かう太陽光の少なくとも一部が全反射現象を起こすことができるように構成されており、これによって、前記太陽光が前記光エネルギー利用部上に集光されることを特徴とする太陽エネルギー利用装置。
【請求項2】
前記第1透光部は、前記第2透光部の両側に又は前記第2透光部を取り囲むように配置されていることを特徴とする請求項1に記載の太陽エネルギー利用装置。
【請求項3】
前記第1透光部は、傾斜した第1透光壁を有し、前記第2透光部は、上部が小さく下部が大きい凸状構造であることを特徴とする請求項1又は2に記載の太陽エネルギー利用装置。
【請求項4】
前記透光性トップカバーと前記反射溝とは、密閉状態の前記液体集光キャビティを一体的に形成しており、
前記光エネルギー利用装置は、前記反射溝の内壁に配置されている、若しくは、前記反射溝の一部を形成しており、前記光エネルギー利用部は、前記透明液体及び前記透光性トップカバーに面して配置されている、
又は、前記光エネルギー利用装置は、前記液体集光キャビティ内に配置されており、前記光エネルギー利用部は、前記透明液体に浸漬され且つ背中合わせに配置された第1光エネルギー利用部及び第2光エネルギー利用部を有し、前記第1光エネルギー利用部は、前記透光性トップカバーに面して配置されており、前記第2光エネルギー利用部は、前記反射溝に面して配置されていることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の太陽エネルギー利用装置。
【請求項5】
太陽光を前記光エネルギー利用装置へ導くために、前記太陽エネルギー利用装置において、前記キャビティは、透光性隔壁及び/又は前記光エネルギー利用装置によって、少なくとも1つの前記液体集光キャビティと少なくとも1つの空のキャビティとに分割されていることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の太陽エネルギー利用装置。
【請求項6】
前記液体集光キャビティは、前記第2透光部に位置する中間液体集光キャビティ、並びに、前記中間液体集光キャビティの両側に位置する少なくとも1つの左液体集光キャビティ及び少なくとも1つの右液体集光キャビティを含み、少なくとも1つの前記空のキャビティは、前記中間液体集光キャビティの下方且つ前記左液体集光キャビティと前記右液体集光キャビティとの間に位置し、前記光エネルギー利用装置は、前記中間液体集光キャビティの外側に配置されている、又は、前記中間液体集光キャビティの底壁を形成しており、前記光エネルギー利用部は、互いに背中合わせに配置されており、前記中間液体集光キャビティに面して配置された第1光エネルギー利用部及び前記空のキャビティに面して配置された第2光エネルギー利用部を有することを特徴とする請求項5に記載の太陽エネルギー利用装置。
【請求項7】
前記左液体集光キャビティ及び前記右液体集光キャビティは、前記中間液体集光キャビティに対して対称に配置されていることを特徴とする請求項6に記載の太陽エネルギー利用装置。
【請求項8】
前記空のキャビティは、前記第2透光部の下方に位置し、前記光エネルギー利用装置は、前記空のキャビティの下方に配置されていることを特徴とする請求項5に記載の太陽エネルギー利用装置。
【請求項9】
前記液体集光キャビティが2つ以上有り、前記液体集光キャビティの一部又は全部は、互いに密封状態で分離されており、互いに密封状態で分離された前記液体集光キャビティ内にはそれぞれ、同じ又は異なる透明液体が充填されていることを特徴とする請求項5~8のいずれか1項に記載の太陽エネルギー利用装置。
【請求項10】
前記透光性トップカバー及び前記反射溝は、前記第2透光部の垂直中心線を取り囲むように樽状に配置されていることを特徴とする請求項1~9のいずれか1項に記載の太陽エネルギー利用装置。
【請求項11】
前記透光性トップカバー及び前記反射溝は回転体構造であり、前記回転体構造の回転中心線と前記第2透光部の垂直中心線とが一致していることを特徴とする請求項10に記載の太陽エネルギー利用装置。
【請求項12】
前記透光性トップカバーと前記反射溝との垂直断面において、前記透光性トップカバーはほぼW字形状であり、前記W字形状の中央が凸状となった領域が第2透光部であり、前記第2透光部の両側の領域が第1透光部であることを特徴とする請求項10又は11に記載の太陽エネルギー利用装置。
【請求項13】
前記透光性トップカバーと前記反射溝との垂直断面において、前記反射溝はほぼW字形状であり、前記反射溝の中央凸状部と前記透光性トップカバーの中央凸状部とが対応するように配置されていることを特徴とする請求項12に記載の太陽エネルギー利用装置。
【請求項14】
前記透光性トップカバー、前記反射溝及び前記液体集光キャビティは、いずれも水平方向に延在する細長形状を有していることを特徴とする請求項1~9のいずれか1項に記載の太陽エネルギー利用装置。
【請求項15】
前記透光性トップカバーと前記反射溝との延在方向に垂直な垂直断面において、前記透光性トップカバーはほぼW字形状であり、前記W字形状の中央が凸状となった領域が第2透光部であり、前記第2透光部の両側の領域が第1透光部であることを特徴とする請求項14に記載の太陽エネルギー利用装置。
【請求項16】
前記透光性トップカバーと前記反射溝との延在方向に垂直な垂直断面において、前記反射溝はほぼW字形状であり、前記反射溝の中央凸状部と前記透光性トップカバーの中央凸状部とが対応するように配置されていることを特徴とする請求項15に記載の太陽エネルギー利用装置。
【請求項17】
前記透光性トップカバーと前記反射溝との延在方向に垂直な垂直断面において、前記透光性トップカバー、前記反射溝及び前記液体集光キャビティは、前記第2透光部の垂直中心線に対して対称構造となっていることを特徴とする請求項14~16のいずれか1項に記載の太陽エネルギー利用装置。
【請求項18】
前記透光性トップカバー及び前記反射溝は、双軸対称構造を形成していることを特徴とする請求項1~9のいずれか1項に記載の太陽エネルギー利用装置。
【請求項19】
貯蔵容器と、請求項1~18のいずれか1項に記載の少なくとも2つの太陽エネルギー利用装置とを備えた太陽エネルギー利用装置の組合せ構造であって、前記太陽エネルギー利用装置は、前記貯蔵容器内に平らに配置されており、前記貯蔵容器内には作動媒体が入れられており、前記太陽エネルギー利用装置を冷却して前記太陽エネルギー利用装置によって放散された熱を再生利用するために、前記作動媒体は、前記太陽エネルギー利用装置と接触していることを特徴とする太陽エネルギー利用装置の組合せ構造。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽エネルギー利用装置に関する。
【背景技術】
【0002】
太陽エネルギー利用装置は、例えば太陽電池パネルを介して太陽光発電等を行うように、太陽エネルギーを再生利用するために用いられる。太陽電池パネルのコストの低下及び効率の向上に伴い、太陽エネルギー利用装置の利用はますます多くなっている。しかし、現在の低倍率集光型太陽光発電装置の太陽エネルギーに対する集光効率をさらに向上させることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本開示は主に、新しい太陽エネルギー利用構造を提示するための新型太陽エネルギー利用装置及び太陽エネルギー利用装置の組合せ構造を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記の目的に基づき、1つの実施形態として、本発明は、光エネルギー利用装置と液体集光レンズとを備えている。前記液体集光レンズは、透光性トップカバー及び反射溝を含む。前記透光性トップカバーは、内側へ凹むように設けられた第1透光部及び前記第1透光部の凹部から上方に凸となるように設けられた第2透光部を有する。
【0005】
前記反射溝と前記透光性トップカバーとはキャビティを形成している。前記キャビティ内には、透明液体が充填された少なくとも1つの液体集光キャビティが形成されており、前記反射溝は、前記透光性トップカバーに面する、太陽光を反射するための反射面を有する。
【0006】
前記光エネルギー利用装置は、太陽光を受光、変換及び利用できる光エネルギー利用部を有する。前記光エネルギー利用装置は、太陽光を受光且つ利用するために、前記液体集光キャビティの中又は前記液体集光キャビティの外に配置されていてもよく、前記液体集光キャビティのキャビティ壁を形成していてもよい。
【0007】
前記透光性トップカバーは、太陽光を外部から内部に向けて前記液体集光キャビティ内まで屈折させることができるような透光性材料で構成されている。前記液体集光キャビティは、前記透明液体から前記液体集光キャビティの内壁へ向かう太陽光の少なくとも一部が全反射現象を起こすことができるように構成されており、これによって、前記太陽光が前記光エネルギー利用部上に集光される。
【0008】
1つの実施形態として、前記第1透光部は、前記第2透光部の両側に又は前記第2透光部を取り囲むように配置されている。
【0009】
1つの実施形態として、前記第1透光部は、傾斜した第1透光壁を有し、前記第2透光部は、上部が小さく下部が大きい凸状構造である。
【0010】
1つの実施形態として、前記透光性トップカバーと前記反射溝とは、密閉状態の前記液体集光キャビティを一体的に形成している。
【0011】
前記光エネルギー利用装置は、前記反射溝の内壁に配置されている、又は、前記反射溝の一部を形成している。前記光エネルギー利用部は、前記透明液体及び前記透光性トップカバーに面して配置されている。
【0012】
又は、前記光エネルギー利用装置は、前記液体集光キャビティ内に配置されており、前記光エネルギー利用部は、第1光エネルギー利用部と第2光エネルギー利用部とを有する。第1光エネルギー利用部と第2光エネルギー利用部は、いずれも前記透明液体に浸漬され且つ背中合わせに配置されている。前記第1光エネルギー利用部は、前記透光性トップカバーに面して配置されており、前記第2光エネルギー利用部は、前記反射溝に面して配置されている。
【0013】
1つの実施形態として、太陽光を前記光エネルギー利用装置へ導くために、前記太陽エネルギー利用装置において、前記キャビティは、透光性隔壁及び/又は前記光エネルギー利用装置によって、少なくとも1つの前記液体集光キャビティと少なくとも1つの空のキャビティとに分割されている。
【0014】
1つの実施形態として、前記液体集光キャビティは、前記第2透光部に位置する中間液体集光キャビティ、並びに、前記中間液体集光キャビティの両側に位置する少なくとも1つの左液体集光キャビティ及び少なくとも1つの右液体集光キャビティを含む。少なくとも1つの前記空のキャビティは、前記中間液体集光キャビティの下方且つ前記左液体集光キャビティと前記右液体集光キャビティとの間に位置する。前記光エネルギー利用装置は、前記中間液体集光キャビティの外側に配置されている、又は、前記中間液体集光キャビティの底壁を形成している。前記光エネルギー利用部は、互いに背中合わせに配置されており、前記中間液体集光キャビティに面して配置された第1光エネルギー利用部及び前記空のキャビティに面して配置された第2光エネルギー利用部を有する。
【0015】
1つの実施形態として、前記左液体集光キャビティ及び前記右液体集光キャビティは、前記中間液体集光キャビティに対して対称に配置されている。
【0016】
1つの実施形態として、前記空のキャビティは、前記第2透光部の下方に位置し、前記光エネルギー利用装置は、前記空のキャビティの下方に配置されている。
【0017】
1つの実施形態として、前記液体集光キャビティが2つ以上有り、前記液体集光キャビティの一部又は全部は、互いに密封状態で分離されており、互いに密封状態で分離された前記液体集光キャビティ内にはそれぞれ、同じ又は異なる透明液体が充填されている。
【0018】
1つの実施形態として、前記透光性トップカバー及び前記反射溝は、前記第2透光部の垂直中心線を取り囲むように樽状に配置されている。
【0019】
1つの実施形態として、前記透光性トップカバー及び前記反射溝は回転体構造であり、前記回転体構造の回転中心線と前記第2透光部の垂直中心線とが一致している。
【0020】
1つの実施形態として、前記透光性トップカバーと前記反射溝との垂直断面において、前記透光性トップカバーはほぼW字形状であり、前記W字形状の中央が凸状となった領域が第2透光部であり、前記第2透光部の両側の領域が第1透光部である。
【0021】
1つの実施形態として、前記透光性トップカバーと前記反射溝との垂直断面において、前記反射溝はほぼW字形状であり、前記反射溝の中央凸状部と前記透光性トップカバーの中央凸状部とが対応するように配置されている。
【0022】
1つの実施形態として、前記透光性トップカバー、前記反射溝及び前記液体集光キャビティは、いずれも水平方向に延在する細長形状を有している。
【0023】
1つの実施形態として、前記透光性トップカバーと前記反射溝との延在方向に垂直な垂直断面において、前記透光性トップカバーはほぼW字形状であり、前記W字形状の中央が凸状となった領域が第2透光部であり、前記第2透光部の両側の領域が第1透光部である。
【0024】
1つの実施形態として、前記透光性トップカバーと前記反射溝との延在方向に垂直な垂直断面において、前記反射溝はほぼW字形状であり、前記反射溝の中央凸状部と前記透光性トップカバーの中央凸状部とが対応するように配置されている。
【0025】
1つの実施形態として、前記透光性トップカバーと前記反射溝との延在方向に垂直な垂直断面において、前記透光性トップカバー、前記反射溝及び前記液体集光キャビティは、前記第2透光部の垂直中心線に対して対称構造となっている。
【0026】
1つの実施形態として、前記透光性トップカバー及び前記反射溝は、双軸対称構造を形成している。
【0027】
上記の目的に基づき、1つの実施形態として、本発明は、貯蔵容器と、上記のいずれか1つに記載の少なくとも2つの太陽エネルギー利用装置とを備えた太陽エネルギー利用装置の組合せ構造を提供する。前記太陽エネルギー利用装置は、前記貯蔵容器内に平らに配置されており、前記貯蔵容器内には作動媒体が入れられている。前記太陽エネルギー利用装置を冷却して前記太陽エネルギー利用装置によって放散された熱を再生利用するために、前記作動媒体は、前記太陽エネルギー利用装置と接触している。
【発明の効果】
【0028】
上記の実施形態に係る太陽エネルギー利用装置であって、透光性トップカバー、反射溝及び光エネルギー利用装置を備えている。集光の際には、太陽光の一部が透光性トップカバーによって反射されることもあれば、透光性トップカバーの内側に入った太陽光は、透光性トップカバーで外部に向けて屈折することもある。したがって、当該透光性トップカバーは、内側へ凹むように配置された第1透光部及び前記第1透光部の凹部から外側に凸となるように配置された第2透光部を有している。当該構造により、反射して透光性トップカバーで外側に向けて屈折した太陽光は、他の位置で透光性トップカバーの内側に向けて再び屈折し、これによって、透光性トップカバー内に入射する光量が増加する。また、当該反射溝及び透光性トップカバー内には、透明液体が充填された少なくとも1つの液体集光キャビティが形成されている。当該液体集光キャビティによって、透明液体から液体集光キャビティの内壁への太陽光の少なくとも一部は全反射現象を起こすことができる。これによって、より多くの太陽光が光エネルギー利用装置に集光され、液体集光キャビティ及び透光性トップカバーから装置の外に向かって屈折する太陽光が減少し、集光の効率が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】本発明の実施形態1に係る太陽エネルギー利用装置の概略垂直断面図である。
図2】本発明の実施形態2に係る太陽エネルギー利用装置の概略垂直断面図である。
図3】本発明の実施形態3に係る太陽エネルギー利用装置の、透光性トップカバーと反射溝との延在方向に垂直な概略垂直断面図である。
図4】本発明の実施形態4に係る太陽エネルギー利用装置における透光性トップカバー及び反射溝の概略分解図である。
図5】本発明の実施形態5に係る太陽エネルギー利用装置の概略垂直断面図である。
図6】本発明の実施形態の1つに係る太陽エネルギー利用装置の組合せ構造の概略垂直断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、具体的な実施形態を介して図面と併せて本発明について詳細に説明する。異なる実施形態における同様の部品に関しては、関連する同様の部品符号が採用されている。以下の実施形態における多くの詳細な説明は、本発明をよりよく理解できるためのものである。しかしながら、当業者は、特徴の一部について異なる状況で省略できること、又は他の部品、材料及び方法によって置換できることを容易に認識することができる。本発明のコアな部分が過剰な記載によって埋もれてしまうことを回避するために、本発明に係る一部の操作について明細書に示していない、又は説明していない場合がある。当業者にとって、これらの関連する操作について詳細に説明する必要がなく、当業者は、本明細書の記載及び当該分野における一般的な技術知識に従って、関連する操作を十分に理解することができる。
【0031】
なお、本明細書に記載された特性、操作又は特徴は、任意の適切な方法で組み合わせて様々な実施形態を形成することができる。また、方法の記載における各ステップ又は動作についても、当業者にとって明らかな方法で順序交替又は調整することができる。したがって、明細書及び図面における各順序は、1つの実施形態を明確に説明するためだけにすぎず、特定の順序に従わなければならないことを特に明記していない限り、必須の順序を意味するものではない。
【0032】
「第1」、「第2」などのような本明細書における部品の番号自体は、記載された対象を区別するためにのみ使用されており、いかなる順序又は技術的な意味を有さない。なお、本発明に記載の「接続」は、特別な説明がない限り、直接的及び間接的な接続を含む。
【0033】
本実施形態は、太陽光を受光且つ利用してエネルギー変換を行い、人々が利用できるように、太陽光を電気エネルギー、熱エネルギー及びほかの形式のエネルギーに変換するために用いられる太陽エネルギー利用装置を提供する。
【0034】
図1図5を参照されたい。当該太陽エネルギー利用装置は、太陽光を受光、変換及び利用できる光エネルギー利用部を有する光エネルギー利用装置100と、透光性トップカバー210及び反射溝220を含む液体集光レンズ200とを備えている。反射溝220及び透光性トップカバー210によって、キャビティが形成される。当該キャビティは、密封キャビティであってもよく、非密封キャビティであってもよい。キャビティ内には、透明液体230が充填された、少なくとも1つの液体集光キャビティが形成されている。
【0035】
1つの実施形態として、当該光エネルギー利用部は、太陽電池パネル、光熱利用装置、光電及び熱エネルギー総合利用装置、並びに集光型光エネルギー利用装置の1つ以上であってよい。当該太陽電池パネルは一般的に、光エネルギーを電気エネルギーに直接変換する装置全般をいい、各種半導体太陽電池パネル、フィルム型太陽電池、量子ドット光電変換素子などを含む。当該光エネルギー利用装置は、片面光エネルギー利用部であってもよく、両面光エネルギー利用部であってもよい。例えば、当該光エネルギー利用部は、背中合わせに配置された第1光エネルギー利用部及び第2光エネルギー利用部を含む。
【0036】
透光性トップカバー210は、太陽光を外部から内部に向けて液体集光キャビティ内まで屈折させることができるような透光性材料で構成されている。これによって、外部の太陽光は透光性トップカバー210を透過して装置の内部に入ることができる。より多く集光させ、太陽光が透光性トップカバー210によって過剰に反射されること、及び、反射溝220によって反射された太陽光が再び透光性トップカバー210から外部に向けて過剰に屈折することを防ぐために、透光性トップカバー210は、内側へ凹むように配置された第1透光部211及び第1透光部211の凹部から外側に凸となるように配置された第2透光部212を有している。透光性トップカバー210は、必要に応じて他の構造を含んでもよく、第1透光部211及び第2透光部212のみから構成されることに限定しない。第1透光部211の形状は、逆円錐形(図1図2参照)、V字形(図3参照)、逆四角錐形(図4参照)、U字形、円柱状、又は他の凹状であってよい。第2透光部212は凸となるように配置されている。凸状の第2透光部212と凹状の第1透光部211との間には間隙が設けられている。そして、第1透光部211及び第2透光部212によって部分反射された太陽光、並びに、反射溝220の反射に基づいて透光性トップカバー210で再び外部に向けて屈折した太陽光は、第1透光部211及び第2透光部212の表面から再び装置内に屈折することができる。これにより、透光性トップカバー210に入る光の量が増加し、反射又は屈折によって装置に入射できない太陽光が減少する。
【0037】
装置内に入射したこれらの太陽光をよりよく利用する、また、太陽光を受光且つ利用するために、光エネルギー利用装置100は、液体集光キャビティの中又は液体集光キャビティの外に配置されていてもよく、液体集光キャビティのキャビティ壁を形成していてもよい。反射溝220は、透光性トップカバー210に面する、太陽光を反射するための反射面を有する。当該反射面により、太陽光は光エネルギー利用装置100、液体集光キャビティ又は後述する空のキャビティなどの対象物体内に反射され、最終的に光エネルギー利用装置100への太陽光の収束率が高まる。反射溝220の設計により、異なる入射角で入射した太陽光が反射方式で光エネルギー利用装置100に集光されることで、集光効率が向上する。
【0038】
太陽光が光エネルギー利用部上に集光されるように、液体集光キャビティは、透明液体230から液体集光キャビティの内壁への太陽光の少なくとも一部が全反射(又は全内部反射)現象を起こすことができるように構成されている。すなわち、太陽光を透光性トップカバー210から透明液体230内に向けて屈折させることができ、また、太陽光の一部を、透明液体230内を伝播する際に、液体集光キャビティのキャビティ壁(透光性トップカバー210又はほかの構造であってもよい)から外へ向けて屈折させることなく、全反射の作用によって液体集光装置内を伝播させ続けて、最終的に光エネルギー利用部上に集光させることができる。当業者は、必要な集光効果に応じて全反射現象を柔軟に設定することができる。例えば、透光性トップカバー210、反射溝220及び液体集光キャビティのキャビティ壁のそれぞれの傾斜角と互いの角度とを設計し、屈折率の異なる透明液体230、液体集光キャビティのキャビティ壁などを選択することによって全反射現象を実現する。
【0039】
本実施形態において、透光性トップカバー210及び反射溝220の設計により、太陽光に対する集光度が増加する。また、透明液体230を光の伝播媒体として、透明液体230と他の媒体との屈折率差を利用することによって、全反射現象が生じ、より多くの太陽光が光エネルギー利用装置100の光エネルギー利用部上に集光され、集光効率が向上する。本実施形態に示された透光性トップカバー210の設計と、全反射現象とを有機的に組み合わせることができる。特に、液体集光キャビティ内の一部の太陽光は、角度の問題によって全反射現象を起こすことができず、最終的に透光性トップカバー210から出射する。このとき、透光性トップカバー210の第2透光部212によって、出射した太陽光の一部を再び液体集光キャビティ内に集光することができ、太陽光の利用率が大幅に向上する。
【0040】
1つの実施形態として、第2透光部212の頂端は第1透光部211の頂端よりも低い位置にあり、これによって、第2透光部212は、特定の角度の太陽光の第1透光部211への到達が遮断されることを回避することができる。
【0041】
1つの実施形態として、透明液体230は、純水(水)、不凍液(水とエチレングリコールとの混合液)、又はほかの環境に優しい透明液体230(例えば、水とグリセリンとの混合液)であってよい。また、透明液体230は、光エネルギー利用部と直接的又は間接的に伝熱構造を形成することができる。これにより、光エネルギー利用部に対する冷却効果又は吸熱効果が果たされ、光エネルギー利用率が向上する。
【0042】
さらに、集光の面積を拡大させるために、1つの実施形態として、第1透光部211は、第2透光部212の両側に又は第2透光部212を取り囲むように配置されている。当該実施形態において、より多くの太陽光を吸収するように、第1透光部211の異なる側面は、対応する第2透光部212と反射及び屈折効果を果たすことができる。もちろん、他の実施形態では、第1透光部211は、第2透光部212の1つの側面にのみ配置されてもよい。
【0043】
1つの実施形態として、第1透光部211は、傾斜した第1透光壁を有し、第2透光部212は、上部が小さく下部が大きい凸状構造である。図1図5に示されているように、傾斜した当該第1透光壁の外端がその内端よりも第2透光部212から離れているため、透光性トップカバー210には、外側が大きく内側が小さい開口形状が形成され、より多くの太陽光を第1透光部211及び第2透光部212に照射することができる。
【0044】
さらに、一部の実施形態では、反射溝220及び透光性トップカバー210内には、少なくとも1つの液体集光キャビティが形成されているということには、反射溝220と透光性トップカバー210とが全体として密閉状態の1つの液体集光キャビティを形成する場合も含まれるし、透光性隔壁240及び/又は光エネルギー利用装置100によって、キャビティが少なくとも1つの液体集光キャビティ(透明液体230が充填されている部分)と少なくとも1つの空のキャビティ250とに分割された場合も含まれる。透光性隔壁240及び光エネルギー利用装置100は、他の構造で代替されてもよい。当該液体集光キャビティ及び空のキャビティ250は、いずれも太陽光を光エネルギー利用装置100に導くために用いられている。ここで、反射溝220及び透光性トップカバー210がキャビティを形成する場合において、当該2つの部材のみを接合することで所望のキャビティ構造が形成されてもよく、他の構造を用いて当該2つの部材と共に取り囲むことで所要のキャビティ構造が形成されてもよい。
【0045】
液体集光装置に関しては、屈折率(臨界角及び反射損失を決定する)、凝固点、コストなど考慮すべき要素が数多くある。液体集光キャビティが2つ以上ある場合、液体集光キャビティの一部又は全部は、互いに密封状態で分離されており、互いに密封状態で分離された液体集光キャビティ内には、同じ又は異なる透明液体230がそれぞれ充填されている。当該設計によって、ニーズ(例えば費用対効果)に応じて異なる液体集光キャビティ内の透明液体230の種類を自由に選択することができる。
【0046】
液体集光キャビティが2つ以上ある場合、液体集光キャビティの一部又は全部は、対称構成又は非対称構成であってよく、達成すべき集光効果に応じて柔軟に選択され得る。
【0047】
一部の実施形態では、太陽光を集光するために、液体集光キャビティと空のキャビティ250との組合せ方式が採用されている。利点としては、まず、水が光吸収特性を有するため、空のキャビティ250を使用して液体集光キャビティの一部を代替することによって、水中での光の移動が減少し、これによって、光の損失が減少する。次に、空のキャビティ250内の空気と水はそれぞれ、異なる屈折率を有する。当該屈折率の違いを利用して、反射溝220及び透光性トップカバー210の内部においてより多くの屈折場所を設けることができる。これによって、太陽光が好ましい方向に導かれ、より優れた集光性能が実現される。空のキャビティ250内は、気体が充填されていてもよく、真空状態であってもよい。空のキャビティ250は、密封状態であってもよく、外部環境と連通していてもよい。
【0048】
清掃を容易にするために、本実施形態における頂部には、透明な防塵カバーが設けられてもよい。
【0049】
上記の発明概念に基づき、本願の発明をよりよく示すために、いくつかの異なる実施形態を通じて以下にさらに説明する。
【0050】
<実施形態1>
図1を参照されたい。実施形態1における太陽エネルギー利用装置は、光エネルギー利用装置100と、透光性トップカバー210及び反射溝220を含む液体集光レンズ200とを備えている。透光性トップカバー210及び反射溝220は、密閉状態のキャビティとして形成された密閉構造であり、当該キャビティは、透明液体230が満杯に充填された一体的な液体集光キャビティである。光エネルギー利用装置100は、反射溝220の内壁に配置されている、又は、反射溝220の一部として形成されている。光エネルギー利用部(例えば第1光エネルギー利用部110)は、透明液体230及び透光性トップカバー210に面して配置されている。これにより、反射溝220によって反射されて透明液体230を通過した太陽光は光エネルギー利用装置100に作用することができる。
【0051】
さらに、実施形態1において、液体集光レンズ200の透光性トップカバー210及び反射溝220は、第2透光部212の垂直中心線を取り囲むように樽状に配置されている。当該樽状構造は、第2透光部212の垂直中心線Cを軸線とし、上下が密閉状態又は半密閉状態であり、樽状に似た外観を有する構造である。当該樽状構造の天壁、側壁及び底壁は、例えば図1に示されている透光性トップカバー210(天壁)及び反射溝220(側壁)の形状のように、必要に応じて所望の形状に変更されてよい。当該樽状構造は、第2透光部212の垂直中心線Cを回転中心線(すなわち軸線)とした回転体構造(図1参照)及び当該回転体構造に似た変形構造を含む。
【0052】
ここで、実施形態1及び他の実施形態で言及されている垂直方向及び水平方向は、いずれも図示した配置方向を基準とする。太陽エネルギー利用装置を実際に使用する際に、地形及び経緯度によって方向を調整する場合があるため、図示した配置方向は、太陽エネルギー利用装置の実際の配置方向と異なる可能性がある。
【0053】
図1には、液体集光レンズ200が回転体構造である場合が例示されている。透光性トップカバー210及び反射溝220のいずれか一方の垂直断面(すなわち、第2透光部212の垂直中心線Cを通過する垂直面で切断された後の断面)において、透光性トップカバー210はほぼW字形状であり、W字形状の中央が凸状となった領域が第2透光部212であり、第2透光部212の両側の領域が第1透光部211である。なお、図1には当該回転体構造の斜視図が直接示されていないが、当該回転体構造は、図示した垂直断面を、第2透光部212の垂直中心線Cを中心として楕円形破線Eに沿って1回転させることによって得られる。垂直断面の回転軌跡は、第2透光部212の垂直中心線Cを中心とした円形であるべきだが、ここでは遠近法を考慮して楕円形として描かれている。W字形状の透光性トップカバー210が回転した後、最終的に円錐形の凸となった第2透光部212と、逆円錐台状の第1透光部211とが形成されており、第2透光部212は、第1透光部211の中間部に配置されている。もちろん、透光性トップカバー210と反射溝220との垂直断面において、透光性トップカバー210は、W字形状に限定されず、「凹」字形状、「山」字形状、波形等の他の形状であってもよい。当該垂直断面において、透光性トップカバー210は、4つの折り曲げ面で構成されていてよい。他の実施形態では、透光性トップカバー210は、より多くの折り曲げ面、又は、複数の曲面若しくはフレネルレンズの歯面で構成されていてもよい。
【0054】
さらに、図1を参照されたい。実施形態1において、光エネルギー利用装置100は、反射溝220の底部に配置されている。太陽光を光エネルギー利用装置100に向かってより効果的に集光するために、反射溝220は、U字形状、V字形状、又は類似形状に形成され得るが、これらに限定されない。
【0055】
一部の実施形態では、透光性トップカバー210と反射溝220との垂直断面において、反射溝220もほぼW字形状であり、反射溝220の中央凸状部と透光性トップカバー210の中央凸状部とが対応するように配置される。
【0056】
図1は、入射光Lの一部が透光性トップカバー210の第1透光部211で屈折して、反射溝220によって反射された後、再び透光性トップカバー210の第1透光部211で屈折して外部に向かい、そして透光性トップカバー210の第2透光部212で液体集光キャビティ内へと屈折する全反射現象を起こし、最終的に光エネルギー利用装置100の光エネルギー利用部上に集光される過程を示している。実施形態1において、透光性トップカバー210における透明液体230の全反射作用を十分に利用することによって集光機能が実現される。また、透明液体230は、光エネルギー利用装置100に対して冷却又は吸熱を行い、光エネルギー利用装置100の光エネルギー利用率を向上させるためにも用いられてよい。すなわち、透光性トップカバー210は、以下の2つの機能を有する。まず一箇所の表面を介して外部からの入射光を透過させて、次に当該一箇所の表面において透明液体230からの光を全反射する。
【0057】
<実施形態2>
図2を参照されたい。実施形態2における太陽エネルギー利用装置は、光エネルギー利用装置100と、透光性トップカバー210及び反射溝220を含む液体集光レンズ200とを備えている。透光性トップカバー210及び反射溝220は、密閉状態のキャビティとして形成された密閉構造であり、当該キャビティは、透明液体230が満杯に充填された一体的な液体集光キャビティである。光エネルギー利用装置100は、液体集光キャビティ内に配置されており、光エネルギー利用部は、第1光エネルギー利用部110と第2光エネルギー利用部120とを有しており、第1光エネルギー利用部110と第2光エネルギー利用部120は、いずれも透明液体230に浸漬され且つ背中合わせに配置されている。第1光エネルギー利用部110は、透光性トップカバー210に面して配置されており、第2光エネルギー利用部120は、反射溝220に面して配置されている。これにより、反射溝220によって反射されて透明液体230を通過した太陽光は、背中合わせとなっている第1光エネルギー利用部110及び第2光エネルギー利用部120に作用することができる。
【0058】
もう1つの実施形態では、光エネルギー利用装置100は、透光性トップカバー210及び反射溝220によって形成されたキャビティ内に配置されており、第2透光部212と密封嵌合されていてもよく、これによって、当該キャビティが2つ以上の液体集光キャビティに分割される。例えば図2において、第1光エネルギー利用部110が面する液体集光キャビティ及び第2透光部212が面する液体集光キャビティは、密封状態で分割された密封キャビティであり、当該2つのキャビティ内にはそれぞれ同じ又は異なる透明液体230が充填されていてよい。
【0059】
実施形態1と同様に、実施形態2における透光性トップカバー210及び反射溝220も、第2透光部212の垂直中心線Cを取り囲むように樽状に配置されている。当該樽状構造は、第2透光部212の垂直中心線Cを軸線とし、上下が密閉状態又は半密閉状態であり、樽状に似た外観を有する構造である。当該樽状構造の天壁、側壁及び底壁は、例えば図2に示されている透光性トップカバー210(天壁)及び反射溝220(側壁及び底壁)の形状のように、必要に応じて所望の形状に変更されてよい。当該樽状構造は、第2透光部212の垂直中心線Cを回転中心線(すなわち軸線)とした回転体構造(図1参照)及び当該回転体構造に似た変形構造を含む。
【0060】
具体的には、図2には、液体集光レンズ200が回転体構造である場合が例示されている。透光性トップカバー210及び反射溝220のいずれか一方の垂直断面(すなわち、第2透光部212の垂直中心線Cを通過する垂直面で切断された後の断面)において、透光性トップカバー210はほぼW字形状であり、W字形状の中央が凸状となった領域が第2透光部212であり、第2透光部212の両側の領域が第1透光部211である。なお、図2には当該回転体構造の斜視図が直接示されていないが、当該回転体構造は、図示した垂直断面を、第2透光部212の垂直中心線Cを中心として楕円形破線Eに沿って1回転させることによって得られる。垂直断面の回転軌跡は、第2透光部212の垂直中心線Cを中心とした円形であるべきだが、ここでは遠近法を考慮して楕円形として描かれている。W字形状の透光性トップカバー210が回転した後、最終的に円錐形の凸となった第2透光部212と、逆円錐台状の第1透光部211とが形成されており、第2透光部212は、第1透光部211の中間部に配置されている。もちろん、透光性トップカバー210と反射溝220との垂直断面において、透光性トップカバー210は、W字形状に限定されず、「凹」字形状、「山」字形状、波形等の他の形状であってもよい。当該垂直断面において、透光性トップカバー210は、6つの折り曲げ面で構成されていてよい。他の実施形態では、透光性トップカバー210は、より多く若しくはより少ない折り曲げ面、又は、複数の曲面若しくはフレネルレンズの歯面で構成されていてもよい。
【0061】
さらに、図2を参照されたい。透光性トップカバー210と反射溝220との垂直断面において、反射溝220もほぼW字形状であり、反射溝220の中央凸状部と透光性トップカバー210の中央凸状部とが対応するように配置されている。一部の実施形態では、光エネルギー利用装置100は、反射溝220の底部に配置されてもよい。太陽光を光エネルギー利用装置100に向かってより効果的に集光するために、反射溝220は、U字形状、V字形状、又は類似形状に形成され得るが、これらに限定されない。
【0062】
図2は、ある角度の入射光Lが透光性トップカバー210で屈折して、反射溝220によって反射された後、液体集光レンズ200によって全反射され、そして反射溝220によって両面光エネルギー利用装置100の第2光エネルギー利用部120に向けて反射される過程を示している。
【0063】
<実施形態3>
図3を参照されたい。実施形態3における太陽エネルギー利用装置は、光エネルギー利用装置100と、透光性トップカバー210及び反射溝220を含む液体集光レンズ200とを備えている。透光性トップカバー210及び反射溝220は、密閉状態のキャビティとして形成された密閉構造である。
【0064】
液体集光レンズ200は、細長形状を有している。図3は、透光性トップカバー210及び反射溝220の延在方向に垂直な垂直断面を示している。すなわち、図3に示されているように、垂直断面が紙面に垂直な方向に延在することによって、液体集光レンズ200の3次元構造が得られる。液体集光レンズ200において、キャビティは、透光性隔壁240及び/又は光エネルギー利用装置100によって、少なくとも1つの液体集光キャビティ(透明液体230が充填されている部分)と少なくとも1つの空のキャビティ250とに分割されている。当該液体集光キャビティ内には透明液体230が満杯に充填されている。なお、当該構造は、実施形態1及び実施形態2にも適用され得る。当該液体集光キャビティ及び空のキャビティ250は、太陽光を光エネルギー利用装置100に導くために用いられている。
【0065】
具体的には、図3に示されている実施形態において、キャビティは、2つの透光性隔壁240及び光エネルギー利用装置100によって、3つの液体集光キャビティと1つの空のキャビティ250とに分割されている。当該液体集光キャビティは、第2透光部212に位置する中間液体集光キャビティと、中間液体集光キャビティの両側に位置する左液体集光キャビティ及び右液体集光キャビティとを含む。空のキャビティ250は、中間液体集光キャビティの下方且つ左液体集光キャビティと右液体集光キャビティとの間に位置する。光エネルギー利用装置100は、中間液体集光キャビティの外側に配置されている、又は、中間液体集光キャビティの底壁を形成している。光エネルギー利用部は、互いに背中合わせに配置されており、且つ中間液体集光キャビティに面して配置された第1光エネルギー利用部110及び空のキャビティ250に面して配置された第2光エネルギー利用部120を有する。図3における中間液体集光キャビティ、左液体集光キャビティ、右液体集光キャビティ及び空のキャビティ250は、それぞれ1つあるが、他の実施形態では、これらのキャビティは全反射効果や集光用件に応じて複数配置されてもよい。
【0066】
液体集光レンズ200は、細長形状を有する対称構造であってもよく、細長形状を有する非対称構造であってもよい。透光性トップカバー210と反射溝220との延在方向に垂直な垂直断面において、透光性トップカバー210、反射溝220、光エネルギー利用装置100、液体集光キャビティ及び空のキャビティ250は、対称構造であってもよく、非対称構造であってもよい。
【0067】
図3には、対称構造が例示されている。透光性トップカバー210と反射溝220との延在方向に垂直な垂直断面において、左液体集光キャビティ及び右液体集光キャビティは、中間液体集光キャビティに対して対称に配置されている。中間液体集光キャビティ自体も対称構造となっており、対称軸が中間液体集光キャビティの垂直中心線Cである。当該対称構造によって、太陽光を中央の光エネルギー利用装置100により効率的に集光することができる。
【0068】
実施形態3において、透光性隔壁240を介して液体集光レンズ200のキャビティ内により多くの屈折構造を配置することで、液体集光レンズ200のキャビティ内の太陽光をよりよく制御且つ誘導して、さらに所望の方向に移動させることができ、最終的に光エネルギー利用装置の光量が増加する。空のキャビティ250は、液体集光レンズ200内においてより多くの屈折構造を形成するのに役立つことに加えて、水中での光の移動を減少させ、光損失を減少させることができる。また、実施形態3では、光エネルギー利用装置100の第2光エネルギー利用部120は、透明液体230内に浸漬されておらず、これにより、製品の安全性が向上するだけでなく、透明液体230の影響がないため、光エネルギー利用装置100及び液体集光レンズ200の組立及び製造がより容易且つ便利になる。
【0069】
他の実施形態では、透光性隔壁は、透明液体230を図3に示す領域とは異なる領域で分離するのに用いられてもよい。このようにすることで、光エネルギー利用装置100は、同様に透明液体230内に浸漬されなくなる。液体集光キャビティが2つ以上ある場合、液体集光キャビティの一部又は全部は、互いに密封状態で分離されており、互いに密封状態で分離された液体集光キャビティ内にはそれぞれ、同じ又は異なる透明液体230が充填されている。
【0070】
<実施形態4>
図4を参照されたい。実施形態4における太陽エネルギー利用装置は、光エネルギー利用装置100と、透光性トップカバー210及び反射溝220を含む液体集光レンズ200とを備えている。
【0071】
図4を参照されたい。分解状態の透光性トップカバー210及び反射溝220の概略図が示されている。透光性トップカバー210と反射溝220とが組み合わされると密閉状態(半密閉状態であってもよい)のキャビティとしての密閉構造を形成することができる。当該キャビティは、一体的な液体集光キャビティとして使用されてもよく、実施形態3に示すように、複数の液体集光キャビティと1つの空のキャビティとに分割されてもよい。光エネルギー利用装置100は、透光性トップカバー210の下方に配置され、且つ透明液体230内に浸漬されている。光エネルギー利用装置100は、透光性トップカバー210に面して配置された第1光エネルギー利用部110及び反射溝220に面して配置された第2光エネルギー利用部120を有する。反射溝220は通常不透明であるが、底部の三次元構造を表示するために、図4では透明に描かれている。
【0072】
実施形態4における液体集光レンズ200は、双軸対称構造である。すなわち、2つの対称軸(図4のZ1及びZ1)を有している。これら2つの軸のいずれかに沿って垂直に切断すると、対称な垂直断面が得られ、当該2つの異なる垂直断面は同じであっても、異なっていてもよい。
【0073】
図4を参照されたい。実施形態4における透光性トップカバー210の第1透光部211は、略逆四角錐台の形状を有する。第2透光部212は四角錐形であり、第1透光部211の凹部に配置されている。反射溝220は、逆四角錐台の形状を有する側溝壁及び略四角錐形状を有する底溝壁を備えるように設計されてもよい。透光性トップカバー210及び反射溝220を組み立てた後、軸Z1及び軸Z2に沿って垂直に切断して得られた垂直断面は、図2に示す垂直断面とほぼ同じである。図2を参照してよい。もちろん、双軸対称構造に適合する条件において、透光性トップカバー210及び反射溝220は、図4以外の形状として設計されてもよい。
【0074】
さらに、図4を参照され続けたい。実施形態4において、第1透光部211は、底壁が透光性隔壁(光エネルギー利用装置100で代替されてもよい)によって密閉されることで、密閉状態の四角錐構造が形成され、独立した液体集光キャビティとして形成されている。当該四角錐構造を有する液体集光キャビティにおける透明液体230は、他の透明液体230から分離されている。これには2つの利点があり、まず、光エネルギー利用装置100の第1光エネルギー利用部110は、透光性隔壁に付着しており、透明液体230に浸漬されることなく、加工や組立てが容易になる。次に、四角錐構造における透明液体230として、異なる透明液体を使用することができ、透明液体230の選択性が向上する。
【0075】
さらに、図4を参照されたい。1つの実施形態として、透光性トップカバー210の少なくとも1つの側面には、太陽エネルギー利用装置を取り付けるための掛け具260(透明材料又は非透明材料)が設けられている。例えば、掛け具260を介して太陽エネルギー利用装置全体を他の物体又は別の太陽エネルギー利用装置に掛けることができる。
【0076】
<実施形態5>
図5を参照されたい。実施形態5における太陽エネルギー利用装置は、光エネルギー利用装置100と、透光性トップカバー210及び反射溝220を含む液体集光レンズ200とを備えている。透光性トップカバー210及び反射溝220は、密閉状態のキャビティとして形成された密閉構造である。光エネルギー利用装置100は、反射溝220の内壁に配置されている、又は、反射溝220の一部を形成している。光エネルギー利用部(例えば第1光エネルギー利用部110)は、透明液体230及び透光性トップカバー210に面して配置されている。
【0077】
図5を参照されたい。実施形態3と同様に、実施形態5では、太陽光を光エネルギー利用装置100に導くために、少なくとも1つの液体集光キャビティ及び少なくとも1つの空のキャビティ250が、透光性隔壁240によって、透光性トップカバー210及び反射溝220のキャビティ内に形成されている。
【0078】
図5に示す実施形態では、当該液体集光キャビティは1つであり、空のキャビティ250は当該液体集光キャビティの中間部に位置し、当該液体集光キャビティと空のキャビティ250とが協働して液体集光レンズ200のキャビティ内の各場所において全反射現象を起こすことができ、これによって、より多くの太陽光を光エネルギー利用装置100に向かって集光することができる。
【0079】
一部の実施形態では、他の部分とは異なる種類の透明液体230を充填するために、空のキャビティ250のキャビティ壁(例えば天壁)は、第2透光部212と共に密閉状態の液体集光キャビティを形成することもできる。
【0080】
実施形態5において、液体集光レンズ200は、実施形態1及び実施形態2と同様の樽状構造であってもよく、実施形態3と同様の細長形状を有してもよい。液体集光レンズ200が樽状構造である場合において、図5に示す図は、透光性トップカバー210及び反射溝220の垂直断面である。液体集光レンズ200が細長形状である場合において、図5に示す図は、透光性トップカバー210及び反射溝220の延在方向に垂直な垂直断面である。
【0081】
図5に示す垂直断面において、空のキャビティ250は、逆三角形の透明中空カプセルである。透明中空カプセルには、気体が充填されていてもよく、真空状態であってもよい。当該透明中空カプセルは、密封キャビティであってもよく、外部と連通していてもよい。全反射効果を達成するために、逆三角形の空のキャビティ250の両側の側壁は、反射溝220の対応する部分と対になっている。当該両側の側壁は、平面、曲面又は折り曲げ面などの形状であってよい。空のキャビティ250の垂直断面は、図5に示す形状のほか、逆台形、逆錐形、逆錐台形などの他の形状であってもよい。
【0082】
図5に示す垂直断面において、空のキャビティ250は、第2透光部212の直下に位置し、光エネルギー利用装置100は、空のキャビティ250の直下に配置されている。
【0083】
図5は、入射光Lが液体集光レンズ200で屈折して、反射溝220によって反射された後、空のキャビティ250のキャビティ壁によって全反射される過程を示している。実施形態5に示す空のキャビティ250を採用することにより、光エネルギー利用装置100に入射する光の入射角が改善され、集光率が向上する。
【0084】
<実施形態6>
図6を参照されたい。実施形態6では、上記の各実施形態で示した太陽エネルギー利用装置の応用例を示すための太陽エネルギー利用装置がさらに開示されている。
【0085】
図示した組合せ構造は、貯蔵容器500と、上記のいずれかの実施形態に示した、少なくとも2つの太陽エネルギー利用装置とを備えている。当該太陽エネルギー利用装置は、貯蔵容器500内に平らに配置されており、貯蔵容器内500には作動媒体700が入っている。太陽エネルギー利用装置を冷却し且つ再生利用するために、作動媒体700は、太陽エネルギー利用装置と接触している。
【0086】
図6には、3つの太陽エネルギー利用装置が例示されている。これらの太陽エネルギー利用装置は、アレイ構造として並んで配置されている。実施形態6において、複数の透光性トップカバー210は、互いに接続されており、一度の加工で成形され得る。同様に、複数の反射溝220は、互いに接続されており、一度の加工で成形され得る。
【0087】
太陽エネルギー利用装置を保護して、防塵、防水、汚染防止の目的を果たすために、1つの実施形態では、太陽エネルギー利用装置を覆うように貯蔵容器500の上に配置された防塵カバー600がさらに備えられている。
【0088】
1つの実施形態として、当該3つの太陽エネルギー利用装置は、1つの貯蔵容器500及び防塵カバー600を共用している。
【0089】
1つの実施形態として、貯蔵容器500と3つの透光性トップカバー210とは、透明液体230が入った密閉容器を形成している。この実施形態では、反射溝220は、密閉容器内に浸漬されている。
【0090】
他の実施形態では、貯蔵容器500は、反射溝220と共に密閉容器を形成することができ、その中には熱利用を行うための作動媒体700が入っていてよい。この場合において、作動媒体700は、透明液体230と異なっていてもよい。
【0091】
以上、具体的な例を用いて本発明について詳述したが、上記の実施形態は、本発明の理解を深めるためのものにすぎず、本発明を限定するものではない。当業者は、本発明の思想に基づいて、上記の具体的な実施形態を変更することができる。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
【手続補正書】
【提出日】2023-11-07
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光エネルギー利用装置と、透光性トップカバー及び反射溝を含む液体集光レンズとを備えた太陽エネルギー利用装置であって、
前記透光性トップカバーは、全体として内側へ凹むことによって第1透光部が形成され、前記第1透光部の中央領域が上方に凸となることによって第2透光部が形成されたものであって
前記反射溝と前記透光性トップカバーとはキャビティを形成しており、前記キャビティ内には、透明液体が充填された少なくとも1つの液体集光キャビティが形成されており、前記反射溝は、前記透光性トップカバーに面する、太陽光を反射するための反射面を有し、
前記光エネルギー利用装置は、太陽光を受光、変換及び利用できる光エネルギー利用部を有し、前記光エネルギー利用装置は、太陽光を受光且つ利用するために、前記液体集光キャビティの中若しくは前記液体集光キャビティの外に配置されている、又は、前記液体集光キャビティのキャビティ壁を形成しており、
前記透光性トップカバーは、太陽光を外部から内部に向けて前記液体集光キャビティ内まで屈折させることができるような透光性材料で構成されており、前記液体集光キャビティは、前記透明液体から前記液体集光キャビティの内壁へ向かう太陽光の少なくとも一部が全反射現象を起こすことができるように構成されており、これによって、前記太陽光が前記光エネルギー利用部上に集光されることを特徴とする太陽エネルギー利用装置。
【請求項2】
前記第1透光部は、前記第2透光部の両側に又は前記第2透光部を取り囲むように配置されていることを特徴とする請求項1に記載の太陽エネルギー利用装置。
【請求項3】
前記第1透光部は、傾斜した第1透光壁を有し、前記第2透光部は、上部が小さく下部が大きい凸状構造であることを特徴とする請求項1又は2に記載の太陽エネルギー利用装置。
【請求項4】
前記透光性トップカバーと前記反射溝とは、密閉状態の前記液体集光キャビティを一体的に形成しており、
前記光エネルギー利用装置は、前記反射溝の内壁に配置されている、若しくは、前記反射溝の一部を形成しており、前記光エネルギー利用部は、前記透明液体及び前記透光性トップカバーに面して配置されている、
又は、前記光エネルギー利用装置は、前記液体集光キャビティ内に配置されており、前記光エネルギー利用部は、前記透明液体に浸漬され且つ背中合わせに配置された第1光エネルギー利用部及び第2光エネルギー利用部を有し、前記第1光エネルギー利用部は、前記透光性トップカバーに面して配置されており、前記第2光エネルギー利用部は、前記反射溝に面して配置されていることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の太陽エネルギー利用装置。
【請求項5】
太陽光を前記光エネルギー利用装置へ導くために、前記太陽エネルギー利用装置において、前記キャビティは、透光性隔壁及び/又は前記光エネルギー利用装置によって、少なくとも1つの前記液体集光キャビティと少なくとも1つの空のキャビティとに分割されていることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の太陽エネルギー利用装置。
【請求項6】
前記液体集光キャビティは、前記第2透光部に位置する中間液体集光キャビティ、並びに、前記中間液体集光キャビティの両側に位置する少なくとも1つの左液体集光キャビティ及び少なくとも1つの右液体集光キャビティを含み、少なくとも1つの前記空のキャビティは、前記中間液体集光キャビティの下方且つ前記左液体集光キャビティと前記右液体集光キャビティとの間に位置し、前記光エネルギー利用装置は、前記中間液体集光キャビティの外側に配置されている、又は、前記中間液体集光キャビティの底壁を形成しており、前記光エネルギー利用部は、互いに背中合わせに配置されており、前記中間液体集光キャビティに面して配置された第1光エネルギー利用部及び前記空のキャビティに面して配置された第2光エネルギー利用部を有することを特徴とする請求項5に記載の太陽エネルギー利用装置。
【請求項7】
前記左液体集光キャビティ及び前記右液体集光キャビティは、前記中間液体集光キャビティに対して対称に配置されていることを特徴とする請求項6に記載の太陽エネルギー利用装置。
【請求項8】
前記空のキャビティは、前記第2透光部の下方に位置し、前記光エネルギー利用装置は、前記空のキャビティの下方に配置されていることを特徴とする請求項5に記載の太陽エネルギー利用装置。
【請求項9】
前記液体集光キャビティが2つ以上有り、前記液体集光キャビティの一部又は全部は、互いに密封状態で分離されており、互いに密封状態で分離された前記液体集光キャビティ内にはそれぞれ、同じ又は異なる透明液体が充填されていることを特徴とする請求項5~8のいずれか1項に記載の太陽エネルギー利用装置。
【請求項10】
前記透光性トップカバー及び前記反射溝は、前記第2透光部の垂直中心線を取り囲むように樽状に配置されていることを特徴とする請求項1~9のいずれか1項に記載の太陽エネルギー利用装置。
【請求項11】
前記透光性トップカバー及び前記反射溝は回転体構造であり、前記回転体構造の回転中心線と前記第2透光部の垂直中心線とが一致していることを特徴とする請求項10に記載の太陽エネルギー利用装置。
【請求項12】
前記透光性トップカバーと前記反射溝との垂直断面において、前記透光性トップカバーはほぼW字形状であり、前記W字形状の中央が凸状となった領域が第2透光部であり、前記第2透光部の両側の領域が第1透光部であることを特徴とする請求項10又は11に記載の太陽エネルギー利用装置。
【請求項13】
前記透光性トップカバーと前記反射溝との垂直断面において、前記反射溝はほぼW字形状であり、前記反射溝の中央凸状部と前記透光性トップカバーの中央凸状部とが対応するように配置されていることを特徴とする請求項12に記載の太陽エネルギー利用装置。
【請求項14】
前記透光性トップカバー、前記反射溝及び前記液体集光キャビティは、いずれも水平方向に延在する細長形状を有していることを特徴とする請求項1~9のいずれか1項に記載の太陽エネルギー利用装置。
【請求項15】
前記透光性トップカバーと前記反射溝との延在方向に垂直な垂直断面において、前記透光性トップカバーはほぼW字形状であり、前記W字形状の中央が凸状となった領域が第2透光部であり、前記第2透光部の両側の領域が第1透光部であることを特徴とする請求項14に記載の太陽エネルギー利用装置。
【請求項16】
前記透光性トップカバーと前記反射溝との延在方向に垂直な垂直断面において、前記反射溝はほぼW字形状であり、前記反射溝の中央凸状部と前記透光性トップカバーの中央凸状部とが対応するように配置されていることを特徴とする請求項15に記載の太陽エネルギー利用装置。
【請求項17】
前記透光性トップカバーと前記反射溝との延在方向に垂直な垂直断面において、前記透光性トップカバー、前記反射溝及び前記液体集光キャビティは、前記第2透光部の垂直中心線に対して対称構造となっていることを特徴とする請求項14~16のいずれか1項に記載の太陽エネルギー利用装置。
【請求項18】
前記透光性トップカバー及び前記反射溝は、双軸対称構造を形成していることを特徴とする請求項1~9のいずれか1項に記載の太陽エネルギー利用装置。
【請求項19】
貯蔵容器と、請求項1~18のいずれか1項に記載の少なくとも2つの太陽エネルギー利用装置とを備えた太陽エネルギー利用装置の組合せ構造であって、前記太陽エネルギー利用装置は、前記貯蔵容器内に平らに配置されており、前記貯蔵容器内には作動媒体が入れられており、前記太陽エネルギー利用装置を冷却して前記太陽エネルギー利用装置によって放散された熱を再生利用するために、前記作動媒体は、前記太陽エネルギー利用装置と接触していることを特徴とする太陽エネルギー利用装置の組合せ構造。
【国際調査報告】