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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-10
(54)【発明の名称】高荷重ディスプレイ支持システム
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/00 20060101AFI20240501BHJP
   F16C 11/04 20060101ALI20240501BHJP
   F16C 11/10 20060101ALI20240501BHJP
   H04N 5/64 20060101ALI20240501BHJP
【FI】
G09F9/00 351
F16C11/04 F
F16C11/10 Z
H04N5/64 581C
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023570041
(86)(22)【出願日】2022-05-12
(85)【翻訳文提出日】2023-11-10
(86)【国際出願番号】 GB2022051211
(87)【国際公開番号】W WO2022238711
(87)【国際公開日】2022-11-17
(31)【優先権主張番号】63/187,700
(32)【優先日】2021-05-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】505018382
【氏名又は名称】コールブルック・ボッソン・アンド・サンダース・プロダクツ・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100128428
【弁理士】
【氏名又は名称】田巻 文孝
(72)【発明者】
【氏名】ラウ アレックス
(72)【発明者】
【氏名】ネジック クルーノ
【テーマコード(参考)】
3J105
5G435
【Fターム(参考)】
3J105AA04
3J105AA12
3J105AB02
3J105AB16
3J105AB17
3J105AB22
3J105AC01
3J105AC07
3J105BC02
3J105DA13
5G435EE50
5G435GG42
(57)【要約】
ディスプレイ装置用の支持システムが支持面から延びるよう構成された第1のアームを含む。第2のアームが第1のアームに回転可能に連結される。第2のアームは、第1のアームに対する運動範囲を有する。チルトヘッドが第2のアームに回転可能に連結され、このチルトヘッドは、ディスプレイに結合するよう構成されている。第1の付勢部材が第2のアーム内に位置決めされ、この第1の付勢部材は、第1の釣り合わせ力を第2のアームに提供してディスプレイの荷重を相殺するよう構成されている。第2の付勢部材が第2のアーム内に位置決めされ、この第2の付勢部材は、第2の釣り合わせ力を第2のアームに提供してディスプレイの荷重を相殺するよう構成されている。ロックアウト機構体が第2の付勢部材を係合解除し、運動範囲の少なくとも一部分にわたって第2の釣り合わせ力をなくすよう構成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスプレイ装置用の支持システムであって、
支持面から延びるよう構成された第1のアームを含み、
前記第1のアームに回転可能に連結された第2のアームを含み、前記第2のアームは、前記第1のアームに対する運動範囲を有し、
前記第2のアームに回転可能に連結されるとともにディスプレイに結合するよう構成されたチルトヘッドを含み、
前記第2のアーム内に位置決めされていて、第1の釣り合わせ力を前記第2のアームに提供して前記ディスプレイの荷重を相殺するよう構成された第1の付勢部材を含み、
前記第2のアーム内に位置決めされていて、第2の釣り合わせ力を前記第2のアームに提供して前記ディスプレイの前記荷重を相殺するよう構成された第2の付勢部材を含み、
前記第2の付勢部材を係合解除し、前記運動範囲の少なくとも一部分にわたって前記第2の釣り合わせ力をなくすよう構成されたロックアウト機構体を含む、支持システム。
【請求項2】
前記ロックアウト機構体は、第2の付勢部材の一部分を前記第1の付勢部材に対して動かして前記第2の釣り合わせ力が前記第1の釣り合わせ力と一緒に働くのを阻止する、請求項1記載の支持システム。
【請求項3】
前記第1の付勢部材は、第1のブラケットに連結され、前記第2の付勢部材は、第2のブラケットに連結されており、前記ロックアウト機構体は、前記第2のブラケットを前記第1のブラケットに対して動かして前記第2の付勢部材から係合解除させるよう構成されている、請求項1または2記載の支持システム。
【請求項4】
前記第2のアームは、第1の軸線回りに回転可能に前記第1のアームに連結され、リンクが前記第1のブラケット上に位置決めされた第1の端部および前記第2の軸線の下に位置決めされた第2の端部を有する、請求項3記載の支持システム。
【請求項5】
前記第1の付勢部材は、前記第1のケーシング内に位置決めされ、前記第2の付勢部材は、前記第2のケーシング内に位置決めされ、前記ロックアウト機構体は、前記第2のケーシングを前記第1のケーシングに対して動かして前記第2の付勢部材から係合解除させるよう構成されている、請求項1~4のうちいずれか一に記載の支持システム。
【請求項6】
前記第2のケーシングは、前記第2のアームに摺動可能に連結されている、請求項5記載の支持システム。
【請求項7】
前記ロックアウト機構体は、回転可能な部材を含む、請求項1~6のうちいずれか一に記載の支持システム。
【請求項8】
調節機構体が前記第1の付勢部材により提供される前記第1の釣り合わせ力の大きさを変化させるよう構成されている、請求項1~7のうちいずれか一に記載の支持システム。
【請求項9】
ディスプレイ装置用の支持システムであって、
支持面から延びるよう構成された第1のアームを含み、
前記第1のアームに回転可能に連結された第2のアームを含み、前記第2のアームは、前記第1のアームに対する運動範囲を有し、
前記第2のアームに回転可能に連結されるとともにディスプレイに結合するよう構成されたチルトヘッドを含み、
前記第2のアーム内に位置決めされた第1のばねケーシングを含み、
前記第1のばねケーシング内に位置決めされた第1のばねを含み、
前記第2のアーム内に位置決めされた第2のばねケーシングを含み、
前記第2のばねケーシング内に位置決めされた第2のばねを含み、
前記第2のばねケーシングは、前記第1のばねケーシングと係合関係をなす第1の位置から前記第1のばねケーシングと係合解除関係をなす第2の位置に動くことができる、支持システム。
【請求項10】
ロックアウト機構体が前記第2のばねケーシングを前記第1の位置と前記第2の位置との間で動かすよう前記第2のばねケーシングに連結されている、請求項9記載の支持システム。
【請求項11】
前記ロックアウト機構体は、前記第2のばねケーシングの位置を調節するようユーザから接近可能な回転可能な部材を含む、請求項10記載の支持システム。
【請求項12】
前記第1のばねケーシングは、第1のブラケットに連結され、前記第2のばねケーシングは、第2のブラケットに連結され、前記第2のブラケットは、前記第1の位置では前記第1のブラケットと係合状態にあり、前記第2のブラケットは、前記第2の位置では前記第2のブラケットと係合解除状態にある、請求項9~11のうちいずれか一に記載の支持システム。
【請求項13】
前記第1のばねケーシングは、第1の溝を有し、前記第2のアームは、前記第1の溝と嵌合する第1のレールを有する、請求項9~12のうちいずれか一に記載の支持システム。
【請求項14】
前記第1のばねケーシングは、前壁を備えた突出部を有し、前記第2のばねケーシングは、前記前壁と合致する後壁を有する、請求項9~13のうちいずれか一に記載の支持システム。
【請求項15】
調節機構体が前記第1の付勢部材により提供される前記第1の釣り合わせ力の大きさを変化させるよう構成されている、請求項9~14のうちいずれか一に記載の支持システム。
【請求項16】
ディスプレイ装置用の支持システムであって、
支持面から延びるよう構成された第1のアームを含み、
前記第1のアームに回転可能に連結された第2のアームを含み、前記第2のアームは、前記第1のアームに対する運動範囲を有し、
前記第2のアームに回転可能に連結されるとともにディスプレイに結合するよう構成されたチルトヘッドを含み、
前記第2のアーム内に位置決めされた前記第1のケーシングを含み、
前記第1のケーシングに連結された第1のブラケットを含み、
前記第1のケーシング内に位置決めされていて、前記ディスプレイの荷重を相殺するために第1の釣り合わせ力を前記第2のアームに提供するよう構成された第1の付勢部材を含み、
前記第2のアーム内に位置決めされた第2のケーシングを含み、
前記第2のケーシングに連結された第2のブラケットを含み、
前記第2のケーシング内に位置決めされていて、前記ディスプレイの前記荷重を相殺するために第2の釣り合わせ力を前記第2のアームに提供するよう構成された第2の付勢部材を含み、
前記第2の付勢部材を係合解除させて前記第2の釣り合わせ力を前記運動範囲の少なくとも一部分にわたってなくすよう構成されたロックアウト機構体を含む、支持システム。
【請求項17】
前記ロックアウト機構体は、前記第2のアーム内の前記第2のケーシングおよび前記第2のブラケットを前記第1のケーシングおよび前記第1のブラケットに対して動かすよう構成されている、請求項16記載の支持システム。
【請求項18】
前記ロックアウト機構体は、前記第2のアームに設けられた開口部を通ってユーザから接近可能な回転可能な部材を含む、請求項16または17記載の支持システム。
【請求項19】
締結具が前記第2のケーシングおよび前記第2のブラケットを貫通し、前記ロックアウト機構体は、前記締結具に螺合可能に連結されている、請求項16~18のうちいずれか一に記載の支持システム。
【請求項20】
前記第2のアームは、第1の軸線回りに回転可能に前記第1のアームに連結され、リンクが前記第1のブラケット上に位置決めされた第1の端部および前記第2の軸線の下に位置決めされた第2の端部を有する、請求項16~19のうちいずれか一に記載の支持システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
種々の例示の実施形態は、電子ディスプレイ、例えばモニタまたはTVを可動的に支持するために用いられる支持システムに関する。
【0002】
〔関連出願の引照〕
本願は、2021年5月12日に出願された米国特許仮出願第63/187,700号に基づく優先権出願であり、この米国特許仮出願を参照により引用し、その開示内容全体を本明細書の一部とする。
【背景技術】
【0003】
近年のスクリーン型ディスプレイ装置は、典型的には、昇降式支持装置に取り付けられたフラットスクリーン型ディスプレイである。ある特定の支持装置は、可動支持アームを利用し、この可動支持可動アームは、次に、表面に固定されるのがよく、その結果、ディスプレイは、この表面の上方またはその前に保持されるようになっている。典型的なディスプレイ支持装置には、標準型ディスプレイに十分な範囲内の、例えば最大27インチまでのモニタに十分である0kgから9kgまでの範囲内の重量制限がある。かかる支持システムの一例が米国特許第9,316,346号明細書に示されており、この米国特許を参照により引用し、その開示内容全体を本明細書の一部とする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第9,316,346号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
標準重量範囲から外れた大型ディスプレイが標準型アームと併用される場合、アームにより提供される釣り合わせ力よりもディスプレイの重量のほうが大きい場合がある。この結果、アームは、ユーザが望む位置にディスプレイを支持できない場合がある。したがって、大型ディスプレイは、静止マウントによって支持されるのが通例であり、それにより可動支持体によって提供される位置決めおよび融通性が制限される。
【課題を解決するための手段】
【0006】
ある特定の形態では、ディスプレイ装置用の支持システムが支持面から延びるよう構成された第1のアームを含む。第2のアームが第1のアームに回転可能に連結される。第2のアームは、第1のアームに対する運動範囲を有する。チルトヘッドが第2のアームに回転可能に連結され、このチルトヘッドは、ディスプレイに結合するよう構成されている。第1の付勢部材が第2のアーム内に位置決めされ、この第1の付勢部材は、第1の釣り合わせ力を第2のアームに提供してディスプレイの荷重を相殺するよう構成されている。第2の付勢部材が第2のアーム内に位置決めされ、この第2の付勢部材は、第2の釣り合わせ力を第2のアームに提供してディスプレイの荷重を相殺するよう構成されている。ロックアウト機構体が第2の付勢部材を係合解除し、運動範囲の少なくとも一部分にわたって第2の釣り合わせ力をなくすよう構成されている。
【0007】
ある特定の形態では、ロックアウト機構体は、第2の付勢部材の一部分を第1の付勢部材に対して動かして第2の釣り合わせ力が第1の釣り合わせ力と一緒に働くのを阻止する。
【0008】
ある特定の形態では、第1の付勢部材は、第1のブラケットに連結され、第2の付勢部材は、第2のブラケットに連結され、ロックアウト機構体は、第2のブラケットを第1のブラケットに対して動かして第2の付勢部材を係合解除させるよう構成されている。
【0009】
ある特定の形態では、第2のアームは、第1の軸線回りに回転可能に第1のアームに連結され、リンクが第1のブラケット上に位置決めされた第1の端部および第2の軸線の下に位置決めされた第2の端部を有する。
【0010】
ある特定の形態では、第1の付勢部材は、第1のケーシング内に位置決めされ、第2の付勢部材は、第2のケーシング内に位置決めされ、ロックアウト機構体は、第2のケーシングを第1のケーシングに対して動かして第2の付勢部材を係合解除させるよう構成されている。
【0011】
ある特定の形態では、第2のケーシングは、第2のアームに摺動可能に連結されている。
【0012】
ある特定の形態では、ロックアウト機構体は、回転可能な部材を含む。
【0013】
ある特定の形態では、調節機構体が第1の付勢部材により提供される第1の釣り合わせ力の大きさを変化させるよう構成されている。
【0014】
ある特定の形態では、ディスプレイ装置用の支持システムが支持面から延びるよう構成された第1のアームを含む。第2のアームが第1のアームに回転可能に連結されている。第2のアームは、第1のアームに対する運動範囲を有する。チルトヘッドが第2のアームに回転可能に連結され、このチルトヘッドは、ディスプレイに結合するよう構成されている。第1のばねケーシングが第2のアーム内に位置決めされている。第1のばねが第1のばねケーシング内に位置決めされている。第2のばねケーシングが第2のアーム内に位置決めされている。第2のばねが第2のばねケーシング内に位置決めされている。第2のばねケーシングは、第1のばねケーシングと係合関係をなす第1の位置から第1のばねケーシングと係合解除関係をなす第2の位置に動くことができる。
【0015】
ある特定の形態では、ロックアウト機構体が第2のばねケーシングを第1の位置と第2の位置との間で動かすよう第2のばねケーシングに連結されている。
【0016】
ある特定の形態では、ロックアウト機構体は、第2のばねケーシングの位置を調節するようユーザから接近可能な回転可能な部材を含む。
【0017】
ある特定の形態では、第1のばねケーシングは、第1のブラケットに連結され、第2のばねケーシングは、第2のブラケットに連結され、第2のブラケットは、第1の位置では第1のブラケットと係合状態にあり、第2のブラケットは、第2の位置では第2のブラケットと係合解除状態にある。
【0018】
ある特定の形態では、第1のばねケーシングは、第1の溝を有し、第2のアームは、第1の溝と嵌合する第1のレールを有する。
【0019】
ある特定の形態では、第1のばねケーシングは、前壁を備えた突出部を有し、第2のばねケーシングは、前壁と合致する後壁を有する。
【0020】
ある特定の形態では、調節機構体が第1の付勢部材により提供される第1の釣り合わせ力の大きさを変化させるよう構成されている。
【0021】
ある特定の形態では、ディスプレイ装置用の支持システムが支持面から延びるよう構成された第1のアームを含む。第2のアームが第1のアームに回転可能に連結されている。第2のアームは、第1のアームに対する運動範囲を有する。チルトヘッドが第2のアームに回転可能に連結され、このチルトヘッドは、ディスプレイに結合するよう構成されている。第1のケーシングが第2のアーム内に位置決めされている。第1のブラケットが第1のケーシングに連結されている。第1の付勢部材が第1のケーシング内に位置決めされ、この第1の付勢部材は、ディスプレイの荷重を相殺するために第1の釣り合わせ力を第2のアームに提供するよう構成されている。第2のケーシングが第2のアーム内に位置決めされている。第2のブラケットが第2のケーシングに連結されている。第2の付勢部材が第2のケーシング内に位置決めされ、この第2の付勢部材は、ディスプレイの荷重を相殺するために第2の釣り合わせ力を第2のアームに提供するよう構成されている。ロックアウト機構体が第2の付勢部材を係合解除させて第2の釣り合わせ力を運動範囲の少なくとも一部分にわたってなくすよう構成されている。
【0022】
ある特定の形態では、ロックアウト機構体は、第2のアーム内の第2のケーシングおよび第2のブラケットを第1のケーシングおよび第1のブラケットに対して動かすよう構成されている。
【0023】
ある特定の形態では、ロックアウト機構体は、第2のアームに設けられた開口部を通ってユーザから接近可能な回転可能な部材を含む。
【0024】
ある特定の形態では、締結具が第2のケーシングおよび第2のブラケットを貫通し、ロックアウト機構体は、締結具に螺合可能に連結されている。
【0025】
ある特定の形態では、第2のアームは、第1の軸線回りに回転可能に第1のアームに連結され、リンクが第1のブラケット上に位置決めされた第1の端部および第2の軸線の下に位置決めされた第2の端部を有する。
【0026】
種々の例示の実施形態の諸観点および諸特徴は、添付の図面を参照して行われるこれら例示の実施形態の詳細な説明から明らかになろう。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】ディスプレイ用の支持システムの等角図である。
図2】支持システムの第2のアームの部分分解組立図である。
図3】ハウジング部材を省いた状態の第2のアームの側面図である。
図4】第2のアームの付勢システムのコンポーネントの背面側等角図である。
図5図4のコンポーネントの部分分解組立図である。
図6】第2のアームの正面断面図である。
図7】第2のばねを係合させた状態の第2のアームの側面断面図である。
図8】第2のばねを係合解除させた状態の第2のアームの側面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
ディスプレイ支持システムのある特定の例示の形態は、代表的には従来型可動支持アームによって支持できる重量よりも思いディスプレイを支持するよう構成された可動アーム支持体に関する。さらに、ある特定の形態は、ユーザが必要に応じてアームの釣り合わせ力を変えることができるようにする1つ以上の力調節機構体を提供する。
【0029】
図1は、ディスプレイ用の支持システム100の例示の実施形態を示しており、この支持システムは、取り付け部分102を含む。取り付け部分102は、支持システム100を支持面(図示せず)に固定するよう構成されている。取り付け部分102は、当業者には理解されるように、種々の表面または支持体、例えばデスク、テーブル、壁などに連結することができるクランプ部材104を有するのがよい。第1のアーム106が取り付け部分102から延びている。ある特定の形態では、第1のアーム106は、取り付け部分に回転可能に連結されている。中間継手108が第1のアーム106の遠位部分に回転可能に連結されている。第2のアーム110が中間継手108に回転可能に連結されている。ヘッド継手112が第2のアーム110の遠位部分に回転可能に連結されている。チルト機構体114がヘッド継手112に可動的に連結されている。ディスプレイマウント(図示せず)、例えばVESA形ディスプレイマウントがディスプレイを受け入れるようチルト機構体114に連結されてもよく、あるいはディスプレイがチルト機構体に直接連結されてもよい。第1のアーム106、中間継手108、第2のアーム110、ヘッド継手112、およびチルト機構体114は各々、単一部品または多部品型ハウジングコンポーネントを含むのがよく、例えば、第1の部品と第2の部品は、互いに連結されている。他のハウジング部品を必要に応じて連結するのがよい。1つ以上のケーブル取り扱いまたは管理装置116がディスプレイまで延びるケーブルを組織化するとともに、これらを保持するようアームのうちの1本以上に設けられるのがよい。第1のアーム106、中間継手108、第2のアーム110、ヘッド継手112、およびチルト機構体114は、支持構造体の例示の実施形態を構成しているが、支持構造体の他の形態もまた使用できる。
【0030】
図1に最もよく示されているように、第1のアーム106は、支持体または表面に対して第1の垂直軸線A1回りに回転することができる。中間継手108は、第1のアーム106に対して第2の軸線A2回りに回転することができる。第2のアーム110は、中間継手108に対して第3の軸線A3回りに回転することができる。ヘッド継手112は、第2のアーム110に第4の軸線A4回りに回転することができる。チルト機構体114は、ヘッド継手112に対して第5の軸線A5および第6の軸線A6回りに回転することができる。図示の実施形態では、第1の軸線A1および第2の軸線A2は、垂直軸線である。第3の軸線A3および第4の軸線A4は、水平軸線である。第5の軸線A5は、垂直軸線であり、第6の軸線A6は、水平軸線である。例示の実施形態では、第6の軸線A6は、ディスプレイマウントか、このディスプレイマウントに連結されたディスプレイの一部分かのいずれかを貫通するようチルト機構体114から間隔を置いて位置する仮想軸線である。
【0031】
図2および図3は、第2のアーム110の例示の1組のコンポーネントを示しており、かかるコンポーネントは、ハウジング120を含むのがよい。ハウジング120は、第1のばねケーシング122および第2のばねケーシング124を保持する。第1のばね126が第1のばねケーシング122内に位置決めされ、第2のばね128が第2のばねケーシング124内に位置決めされている。第1のばねブラケット130が第1のばねケーシング122に連結され、第2のばねブラケット132が第2のばねケーシング124に連結されている。1対のばねリンク134が第1のばねブラケット130および中間継手108に連結されている。ある特定の形態では、ばねリンク134は、第2のアーム120と中間継手108の回転可能連結具の下で第3の軸線A3回りに中間継手108に連結されるのがよい。第1のばね調節機構体136がハウジング120内に位置決めされ、この第1のばね調節機構体は、第1のばねケーシング122中に延びている。ロックアウト機構体138がハウジング120内に位置決めされ、このロックアウト機構体は、第2のばねケーシング124と係合している。
【0032】
ある特定の形態では、直接リンク140が中間継手108に回動可能に連結された第1の部分およびヘッド継手112に回動可能に連結された第2の部分を有する。直接リンク140は、ハウジング120を貫通し、第2のばねケーシング124および第2のばね128を通過するのがよい。上昇位置から下降位置までの第2のアーム110の運動中、直接リンク140により、水平軸線A4回りのヘッド継手112の回転が生じ、その結果、取り付け状態のディスプレイは、第2のアーム110の回転中、支持面に対する位置を維持するようになっている。
【0033】
図示の実施形態では、第1のばね126および第2のばね128は、ばね圧縮に応答して付勢力を及ぼすコイルばねである。この力は、第1および第2のばねブラケット130,132に及ぼされ、そしてばねリンク134経由で中間継手108に伝達される。この力は、第2のアーム110に連結されたディスプレイの荷重によって加えられる第2のアーム110への下向きの力を相殺するために用いられる。
【0034】
図示の実施形態は、第1および第2のばね126,128をハウジング120に対する上側および下側ばねとして示している。他の実施形態は、最初に釣り合わせ力をアーム110に提供するよう第1および第2のばね126,128について種々の位置および種々の形態を有することができる。他の実施形態もまた、必要に応じて種々の付勢部材を利用することができる。
【0035】
第1のばね調節機構体136は、調節可能なプレート144に連結されたシャフト142を含むのがよい。第1のばね126は、調節可能なプレート144に中間継手108に対する遠位端部のところで当接している。調節可能なプレート144は、シャフト142と螺合されるとともに、ハウジング120にキー止めされるのがよく、その結果、シャフト142の回転により、ハウジング120内における調節可能なプレート144の並進運動が生じるようになっている。シャフト142は、ディスプレイの重量に応じて、調節可能なプレート144を所望に応じてまたは必要に応じて動かすようユーザによって回転可能であるのがよい。シャフト142は、ハウジング120に設けられた開口部を通ってユーザに接近可能である後側部分を有するのがよい。シャフト142は、ユーザによる係合および回転を可能にするユーザインターフェース(例えば、サムホイール、六角ソケットなど)を有するのがよい。ユーザが調節プレート144の位置を目視することができるようにするために窓146がハウジング120に設けられるのがよい。ユーザがプレート144の調節量および位置をいっそう容易に判断することができるようにするために1つ以上の表示器が窓146または隣接のハウジング120に設けられるのがよい。
【0036】
ロックアウト機構体138は、第2のばね128を係合解除させて第2のばね128により提供される釣り合わせ力を減少させまたは除くよう構成されている。ある特定の形態では、ロックアウト機構体138は、第2のばね128を係合解除させることができ、その結果、第2のばね128から伝達される付勢力がなくなって第2のアーム110の移動距離の少なくとも一部分にわたって取り付け状態の荷重を相殺するようになっている。
【0037】
図示の実施形態は、上側ばねと関連した第1のばね調節機構体136および下側ばねと関連したロックアウト機構体138を示しているが、これらコンポーネントを逆にすることができ、あるいは互いに異なるばね形態に応じて、別の位置に動かすことができる。
【0038】
図4および図5は、第1および第2のばねケーシング122,124、第1および第2のばねブラケット130,132およびばねロックアウト機構体138の例示の実施形態を示している。ある特定の形態では、第2のばねケーシング124および第2のばねブラケット132は、第1のばねケーシング122および第1のばねブラケット130に係合して第1のばね126と第2のばね128の両方の付勢力の合計をばねリンク134に提供する。第2のばねケーシング124は、ロックアウト機構体138によって第1のばねケーシング122に対して動くことができ、その結果、第2のばねケーシング124および第2のばねブラケット132は、中間継手108に対する第2のアーム110の回転運動の少なくとも一部分にわたって、第1のばねケーシング122および第1のばねブラケット130から係合解除するようになっている。
【0039】
ある特定の形態では、第1のばねケーシング122は、第1のばね126を挿通させる実質的に開かれた第1の端部150を有する。第1のばね126をばねケーシングの実質的に閉じられた第2の端部152に着座させることができる。第1のばねケーシング122の上側部分は、湾曲した形態を有し、ただし、異なる形状および寸法をハウジング120の外側または内側表面構造に応じて使用することができる。
【0040】
第1のばねケーシング122の下側部分は、第1のばねケーシング122の外面中にかつこの第1のばねケーシングの少なくとも一部分に沿って延びる1つ以上の溝154を有する。溝154は、第1のばねケーシング122の各側に設けられるのがよい。図6に最もよく示されているように、溝154は、ハウジング120上に形成された第1のレール156を受け入れる。単一の側部しか示されていないが、第2の側部は、同一の形態を有することができる。レール156と溝154の摺動可能な係合により、第1のばねケーシング122は、ハウジング120に対して並進することができる。この並進は、第2のアーム110またはハウジングのコンポーネントの運動中に第1のばね126により生じる任意の曲げ力またはひねり力を最小限に抑えまたはなくすとともに、第2のアーム110の滑らかな運動の保証を助ける。
【0041】
第1のばねケーシング122の下側部分は、溝154の下にかつ第1のばねケーシング122の後部に向かって延びる突出部158を備えたベースをさらに有する。突出部158は、前壁160を有するのがよい。締結具162を受け入れて第1のばねブラケット130を第1のばねケーシング122に連結するために開口部が突出部158に形成されている。ある特定の形態では、締結具162は、第1のばねケーシング122と第1のばねブラケット130の水平位置を互いに対して固定する。締結具162は、水平に延びるピンとして示されているが、他の締結具または異なる機械的連結具を用いることができる。
【0042】
ある特定の形態では、第2のばねケーシング124は、第2のばね128を挿通させる実質的に開いた第1の端部166を有する。第2のばね128を第2のばねケーシング124の実質的に閉じられた第2の端部168に着座させることができる。第2のばねケーシング124の下側部分は、湾曲した形態を有し、ただし、異なる形状および寸法をハウジング120の外側または内側表面構造に応じて使用することができる。
【0043】
第2のばねケーシング124の上側部分は、第2のばねケーシング124の外面中にかつこの第2のばねケーシングの少なくとも一部分に沿って延びる1つ以上の溝170を有する。これらの溝は、第2のばねケーシングの各側に設けられるのがよい。図6に最もよく示されているように、溝170は、ハウジング120上に形成された第2のレール172を受け入れる。レール172と溝170の摺動可能な係合により、第2のばねケーシング124は、ハウジング120に対して並進することができる。この並進は、第2のアーム110またはハウジング120のコンポーネントの運動中に第2のばね128により生じる任意の曲げ力またはひねり力を最小限に抑えまたはなくすとともに、第2のアーム110の滑らかな運動の保証を助ける。
【0044】
第2のばねケーシング124の上側部分は、後壁174をさらに有する。第2のばねケーシング124の後壁174は、組み立て時、第1のばねケーシング122の前壁160と整列する。後側突出部176が後壁174から外方に延びている。後側突出部176は、組み立て時、第2のばねブラケット132に係合する。締結具178を受け入れて第2のばねブラケット132を第2のばねケーシング124に連結するために開口部が第2のばねケーシング124に形成されるのがよい。ある特定の形態では、締結具178は、第2のばねケーシング124と第2のばねブラケット130の水平位置を互いに対して固定する。締結具178は、水平に延びるピンとして示されているが、他の締結具または異なる機械的連結具を用いることができる。
【0045】
ある特定の形態では、第2のばねケーシング124は、斜めの角度をなして下方にかつ第2のばねケーシング124の端部分から遠ざかって延びる1つ以上のフランジ180を有する。直接リンク140の各側をまたぐ1対のフランジ180が利用されるのがよい。これらフランジ180は、ロックアウト機構体138により設定された第2のばねケーシング124の位置を確認するためにハウジング120の外部に延びてユーザによって見えるようになるのがよい。フランジ180の角度は、第1のアーム106および中間継手108に対する第2のアーム110の運動を可能にする隙間を提供するよう設定されているのがよい。
【0046】
ある特定の形態では、第1のばねブラケット130は、壁182およびこの壁182から延びる1対のアーム184を有する。第1のばねブラケット130の後側端部は、壁182に係合するのがよい。壁182は、調節機構体136を通過させることができる開口部を有するのがよい。第1および第2のアーム184は、第1のばねケーシング122の外部に延びるよう位置決めされるのがよい。締結具162を受け入れて第1のばねブラケット130を第1のばねケーシング122に連結するために開口部が第1および第2のアーム184の各々に設けられている。
【0047】
ある特定の形態では、第2のばねブラケット132は、ベース186およびこのベース186から延びる1対のアーム188を有する。第2のばねケーシング124の突出部176を受け入れるベース186とアーム188の間にはスロットが形成されるのがよい。締結具178を受け入れて第2のばねブラケット132を第2のばねケーシング124に連結するために開口部が第1および第2のアーム188の各々に設けられている。
【0048】
ある特定の形態では、ロックアウト機構体138は、第2のばねケーシング124の締結具178に連結された回転可能な部材190を含む。回転可能な部材190は、第2のばねブラケット132を第2のばねケーシング124に連結する締結具178に螺合可能に連結されるのがよい。ハウジング120は、少なくとも1つの軸方向における回転可能部材190の運動を制限するよう構成されているのがよい。図示の実施形態では、回転可能部材190は、図3に最もよく示されているように回転可能部材190の後方運動を制限するようハウジング120に形成されている1つ以上の突出部によって捕捉されるヘッドを有する。第2のばねケーシング124と関連したロックアウト機構体138は、上昇位置から下降位置への第2のアーム110の運動中、前方の方向に動くことができるのがよい。
【0049】
回転可能部材190は、ユーザによる係合および回転を可能にするユーザインターフェース(例えば、サムホイール、六角ソケットなど)を有するのがよい。ユーザは、回転可能部材190を回転させることができ、それにより、回転可能部材190の軸方向における締結具178の並進が生じる。締結具178の運動により、これに対応して第2のばねブラケット132および第2のばねケーシング124は、第1のばねブラケット130および第1のばねケーシング122に近づいたりこれから遠ざかったりする。ハウジング120に対する第2のばねブラケット132および第2のばねケーシング124の制限された運動を提供するようハウジング120には1つ以上のスロットまたは溝194が設けられるのがよい。
【0050】
図7に最もよく示されているように、ある特定の実施形態では、ロックアウト機構体138を係合解除させると、第2のばねブラケット132が第1のばねブラケット130に係合し、第2のばねケーシング124が第1のばねケーシング122に係合し、ただし、一方だけの係合を用いることができる。この形態では、第1のばね126および第2のばね128の力は、ディスプレイの荷重を釣り合わせるためにばねリンク134に及ぼされる。
【0051】
いくつかの用途では、ディスプレイの重量は、両方のばね126,128の力を必要としない場合がある。かかる場合、ユーザは、ロックアウト機構体138係合させるのがよく、それにより締結具178を前方に駆動する。これにより、第2のばねブラケット132および第2のばねケーシング124は、前方に動かされて図8に示すように第2アームの運動の少なくとも一部分にわたって第1のばねブラケット130および第1のばねケーシング122から係合解除する。
【0052】
ある特定の形態では、アームが最も下方の位置にあるとき、第1のばねケーシング122をばねリンク134によって前方に駆動することができ、その結果、第1のばねブラケット130および第1のばねケーシング122は、ロックアウト機構体138を完全に係合させているときでさえも第2のばねブラケット132および第2のばねケーシング124と係合するようになっている。ある特定の形態では、ロックアウト機構体138を用いて第2のばねケーシング124を位置決めすることができ、その結果、第2のばね128を、第2のアーム110が第1のアーム106に対して回転しているときに第2のアーム110についてある特定の移動箇所のところ(例えば、中間位置のところ)で係合するようになっている。
【0053】
上述の例示の実施形態では、第2のばねケーシング124を動かして第2のばね128から係合解除させるが、他の想定される実施形態は、第2のばね128を係合解除させるために異なる機構体を利用することができる。例えば、別個のプレートまたは他の部材を例えばばねの後側端部をハウジングの内部に動かすことによってばねを係合解除させるよう位置決めできる。かかるプレートは、ケーシング内に位置決めされてもよく、あるいは、ケーシングとは別個のハウジング内で利用されてもよい。
【0054】
ある特定の例示の実施形態についての上述の詳細な説明は、一般的な原理および実用的用途を説明する目的で提供されており、それにより当業者であれば、種々の実施形態についての開示内容および想定される特定の使用にあった種々の改造を施すことを理解することができる。本明細書は、網羅的であることまたは本開示内容を開示した例示の実施形態に限定することを必ずしも意図していない。本明細書において開示した実施形態および/または要素のうちの任意のものを互いに組み合わせて具体的には開示されていない種々の追加の実施形態を構成することができる。したがって、追加の実施形態が可能でありかつ本明細書および特許請求の範囲に記載された本発明の範囲に含まれるものである。本明細書は、別の仕方で達成可能なより一般的な目的を達成するための特定の実施例を記載している。
【0055】
本明細書で用いられる「前側」、「後側」、「上側」、「下側」、「上方」、「下方」という用語および他の方向を指示する用語は、本発明の例示の実施形態の説明を容易にすることを意図しており、本発明の例示の実施形態の構造を任意特定の位置または向きに限定することを意図していない。程度を表す用語、例えば「実質的に」または「約」という用語は、所与の値から外れた妥当な範囲、例えば説明した実施形態の製造、組み立て、および使用と関連した一般的な公差を意味するものとして当業者により理解される。別段の指定または限定がなければ、用語「取り付けられ」、「連結され」、「支持され」、および「結合され」ならびにこれら用語の変化語は、広義に用いられ、また、これら用語は、直接的取り付け、直接的連結、直接的支持および直接的結合と、間接的取り付け、間接的連結、間接的支持および間接的結合との両方の意味を含む。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】