IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ケー ピー,プラソブの特許一覧 ▶ ケー ピー,プラナブの特許一覧

特表2024-519356リフレッシュ可能な点字ディスプレイシステム
<>
  • 特表-リフレッシュ可能な点字ディスプレイシステム 図1
  • 特表-リフレッシュ可能な点字ディスプレイシステム 図2
  • 特表-リフレッシュ可能な点字ディスプレイシステム 図3A
  • 特表-リフレッシュ可能な点字ディスプレイシステム 図3B
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-10
(54)【発明の名称】リフレッシュ可能な点字ディスプレイシステム
(51)【国際特許分類】
   G09B 21/00 20060101AFI20240501BHJP
   G06F 3/01 20060101ALI20240501BHJP
【FI】
G09B21/00 B
G06F3/01 560
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023570367
(86)(22)【出願日】2022-05-16
(85)【翻訳文提出日】2024-01-09
(86)【国際出願番号】 IB2022054538
(87)【国際公開番号】W WO2022238981
(87)【国際公開日】2022-11-17
(31)【優先権主張番号】202141021853
(32)【優先日】2021-05-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IN
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】523429106
【氏名又は名称】ケー ピー,プラソブ
(71)【出願人】
【識別番号】523429117
【氏名又は名称】ケー ピー,プラナブ
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】ケー ピー,プラソブ
(72)【発明者】
【氏名】ケー ピー,プラナブ
【テーマコード(参考)】
5E555
【Fターム(参考)】
5E555AA21
5E555AA78
5E555BA08
5E555BB08
5E555BC19
5E555BE08
5E555DA25
5E555FA00
(57)【要約】
リフレッシュ可能な点字ディスプレイシステム(100)は、複数の点字セル(101)と、インターフェース(103)と、マイクロコントローラユニット(104)とを含む。各点字セル(101)は、各開口部(101a)が点字ドット要素(105)を収容するような開口部のアレイを含む。モータ(102)は、点字ドット要素を上昇または下降させるために各開口部(101a)内に位置付けられる。マイクロコントローラユニット(104)は、インターフェース(103)から受け取った入力を決定し、決定された入力に基づいて選択された点字ドット要素(105)の回転運動を引き起こすためにモータ(102)を選択的に制御するように構成される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の点字セル(101)と、インターフェース(103)と、マイクロコントローラユニット(104)とを備えるリフレッシュ可能な点字ディスプレイシステム(100)であって、前記リフレッシュ可能な点字ディスプレイシステム(100)が、
各開口部(101a)が点字ドット要素(105)を収容するような開口部のアレイと、
前記開口部のアレイの各開口部(101a)内に位置付けられた少なくとも1つのモータ(102)であって、前記少なくとも1つのモータ(102)が前記点字ドット要素(105)を上昇または下降させるように構成される、少なくとも1つのモータ(102)と、
を備える前記点字セル(101)の各々と、
前記インターフェース(103)から受け取った入力を決定し、
前記決定された入力に基づいて前記開口部(101a)のアレイの前記少なくとも1つのモータ(102)を選択的に制御する、
ように構成される前記マイクロコントローラユニット(104)と、
によって特徴付けられる、リフレッシュ可能な点字ディスプレイシステム(100)。
【請求項2】
前記点字ドット要素(105)が、機械的アクチュエータを使用して上昇または下降される、請求項1に記載のリフレッシュ可能な点字ディスプレイシステム(100)。
【請求項3】
前記少なくとも1つのモータ(102)の出力シャフト(102a)が、前記点字ドット要素(105)の内面と接触している、請求項1に記載のリフレッシュ可能な点字ディスプレイシステム(100)。
【請求項4】
前記出力シャフト(102a)の回転運動が、前記点字ドット要素(105)の回転運動を引き起こす、請求項3に記載のリフレッシュ可能な点字ディスプレイシステム(100)。
【請求項5】
前記出力シャフト(102a)の振動運動が、前記点字ドット要素(105)の振動運動を引き起こす、請求項3に記載のリフレッシュ可能な点字ディスプレイシステム(100)。
【請求項6】
複数の点字セル(101)と、インターフェース(103)と、マイクロコントローラユニット(104)とを備えるリフレッシュ可能な点字ディスプレイシステム(100)であって、前記リフレッシュ可能な点字ディスプレイシステム(100)が、
各開口部(101a)が点字ドット要素(105)を収容するような開口部のアレイと、
前記開口部のアレイの各開口部(101a)内に位置付けられた少なくとも1つのモータ(102)であって、前記少なくとも1つのモータ(102)が前記点字ドット要素(105)を上昇または下降させるように構成される、少なくとも1つのモータ(102)と、
を備える前記点字セル(101)の各々と、
前記インターフェース(103)から受け取った入力を決定し、前記入力は、作動されなければならない前記点字ドット要素(105)に対応する情報を含み、
前記決定された入力に基づいて前記選択された点字ドット要素(105)の回転運動を引き起こすために前記開口部(101a)のアレイの前記少なくとも1つのモータ(102)を選択的に制御する、
ように構成される前記マイクロコントローラユニット(104)と、
によって特徴付けられる、リフレッシュ可能な点字ディスプレイシステム(100)。
【請求項7】
前記点字ドット要素(105)が、機械的アクチュエータを使用して上昇または下降される、請求項6に記載のリフレッシュ可能な点字ディスプレイシステム(100)。
【請求項8】
前記少なくとも1つのモータ(102)の出力シャフト(102a)が、前記点字ドット要素(105)の内面と接触している、請求項6に記載のリフレッシュ可能な点字ディスプレイシステム(100)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、目の不自由な人のための表示システムに関する。より詳細には、本開示は、独立型デバイスとして、またはコンピューティングデバイスと共にアクセサリとして使用することができる、リフレッシュ可能な点字ディスプレイシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
世界中の人々の日常生活へのインターネットの浸透が高まるにつれて、ハンドヘルドデバイスおよびコンピューティングデバイス、例えばラップトップ、デスクトップなどを使用した情報およびコンテンツ配信の転送が標準となっている。すべてのものがデジタル化されるというこの移行は、ディスプレイシステムに関する技術革新の急増につながっている。しかしながら、視覚障害者向けに設計された既存の改良されたディスプレイシステムは、依然として高価である。例えば、従来の点字ディスプレイシステムは、ソレノイド、圧電機構から、追加の支持を必要とするかさばる薄膜および真空圧力機構に及ぶ多種多様な機構を使用する。さらに、これらの既存の装置は、タイピング中にユーザの両手を使用する必要がある。したがって、非常に高価になることなく、特に便利で使いやすい改良された点字ディスプレイシステムが望まれている。
【0003】
したがって、非常に高価であることなく、特に便利で使いやすい、リフレッシュ可能な点字ディスプレイシステムに対する長い間感じられているが未解決のニーズがある。
【発明の概要】
【0004】
本概要は、発明を実施するための形態でさらに開示される概念の選択を簡略化した形態で紹介するために提供される。本概要は、特許請求される主題の重要なまたは本質的な発明概念を特定することを意図しておらず、特許請求される主題の範囲を決定することも意図していない。
【0005】
本開示は、非常に高価であることなく、特に便利で使いやすい、リフレッシュ可能な点字ディスプレイシステムに対する上述のニーズに対処する。
【0006】
本明細書に開示されるリフレッシュ可能な点字ディスプレイシステムは、複数の点字セルと、インターフェースと、マイクロコントローラユニットとを含む。各点字セルは、各開口部が点字ドットを表すような開口部のアレイを含む。少なくとも1つのモータは、開口部のアレイの各開口部内に位置付けられる。インターフェースは、入力を受け取るように構成される。マイクロコントローラユニットは、受け取った入力を決定し、決定された入力に基づいて少なくとも1つのモータのうちの1つまたは複数を作動させるように構成される。
【0007】
前述の概要、ならびに本発明の以下の詳細な説明は、添付の図面と併せて読めばよりよく理解される。本発明を説明する目的で、本発明の例示的な構成が図面に示されている。しかしながら、本発明は、本明細書に開示される特定の方法および構造に限定されない。図面において符号で参照される方法ステップまたは構造の説明は、本明細書の任意の後続の図面において同じ符号で示されるその方法ステップまたは構造の説明に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】リフレッシュ可能な点字ディスプレイシステムを例示的に示す。
【0009】
図2】リフレッシュ可能な点字ディスプレイシステムの概略図を例示的に示す。
【0010】
図3A】開口部内の下降した構成の点字ドット要素を例示的に示す。
【0011】
図3B】開口部内の上昇した構成の点字ドット要素を例示的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下の参照番号は、図面の要素を参照するために説明全体を通して使用される。
100 リフレッシュ可能な点字ディスプレイシステム
101 点字セル
101a 開口部
102 モータ
103 インターフェース
104 マイクロコントローラユニット
【0013】
図1は、リフレッシュ可能な点字ディスプレイシステム100を例示的に示す。図2は、リフレッシュ可能な点字ディスプレイシステム100の概略図を例示的に示す。リフレッシュ可能な点字ディスプレイシステム100は、複数の点字セル101と、インターフェース103と、マイクロコントローラユニット104とを含む。各点字セル101は、各開口部101aが点字ドットを表すような開口部のアレイを含む。一実施形態では、リフレッシュ可能な点字ディスプレイシステム100は、14個の点字セル101を含む。各点字セル101は、6つまたは8つのドットあるいは開口部101aのアレイを含むことができる。少なくとも1つのモータ102は、開口部101aのアレイの各開口部101a内に位置付けられる。モータ102は、小さな回転モータ102の一部分がユーザの指によって触れられるために露出されるように、点字セル101の開口部101a内に回転可能に取り付けられてもよい。したがって、視覚障害者は、モータ102に触れることによって、モータが回転しているか否かにかかわらず、モータシャフトの状態を容易に区別することができる。インターフェース103は、入力を受け取るように構成される。一実施形態では、インターフェース103は、キー、例えば、入力データ用の9個のキー、次へのデータのジャンプおよびプレビューライン用の2個のキー、ナビゲーション用の5組のキー、3個の特殊機能キー、対応するアルファベットを選択するための14個のルーティングキーなどを有するキーパッドである。本開示の他の実施形態によれば、インターフェース103は、無線インターフェース、有線インターフェース、タッチ感知インターフェース、触覚インターフェースなどであってもよい。各点字ドットは、モータシャフトを回転させることによって表される。一実施形態では、リフレッシュ可能な点字ディスプレイシステム100は、手持ち式であってもよく、充電式バッテリで動作することができる携帯用デバイスの一部であってもよい。マイクロコントローラユニット104は、受け取った入力を決定し、決定された入力に基づいて少なくとも1つのモータ102のうちの1つまたは複数を作動させるように構成される。
【0014】
一実施形態では、リフレッシュ可能な点字ディスプレイシステム100は、8ドットキーおよび確認キーを有する特別に設計されたキーパッド103を有する。確認キーを押した後に初めて、リフレッシュ可能な点字ディスプレイシステム100は、ドットキーからデータを読み取る。したがって、ドットキーを同時に押下する必要がない。本開示による一実施形態では、確認キーは、ユーザの使いやすさおよび利便性を高めるために、リフレッシュ可能な点字ディスプレイシステム100の両側に変位される。このように、キーパッドがキーパッド上に含まれるモータの単一セルを有するので、ユーザは、単一の指を使用しても点字をタイプし、キーパッドからフィードバックを得ることができる。
【0015】
動作中、リフレッシュ可能な点字ディスプレイシステム100は、デジタルデータを開口部101a内に位置付けられたモータ102の回転運動に変換する。デジタルデータは、キーパッドを介して、またはBluetoothネットワーク、Wi-Fiネットワークなどの通信ネットワークを介して受け取ることができる。モータ102の回転運動は、リフレッシュ可能な点字ディスプレイシステム100の読み取り領域(ディスプレイ)に接触している間に、ユーザの指先に感覚(振動に類似)を生成する。読み取り領域は、4行×28列(8ドット14セル)を有する小さな垂直に整列したモータ102のアレイからなる。命令スイッチを作動させ、それによってディスプレイを6ドットディスプレイ(6ドット14セル)にすることによって、行のうちの1つを完全に非アクティブにすることができる。データが利用可能である場合、マイクロコントローラユニット104は、データを決定し、対応するモータ102を作動させ、残りのモータ102が静止し続けている間にそれらを回転させる。視覚障害のあるユーザは、点字を読み取る通常の手順としてこのディスプレイ上で手を動かさなければならない場合があり、そのため、ユーザは、モータシャフトの状態を検知することによって効果的かつ迅速にデータを検知することができる。したがって、点字を学習して使用し、スマートフォンなどの最新技術を利用したい視覚障害者は、限定されないが、リフレッシュ可能な点字ディスプレイシステム100によって容易になる。特別に設計されたキーパッドは、生徒が点字を非常に速く学習するのを助け、タイプをすることが容易である。さらに、リフレッシュ可能な点字ディスプレイシステム100の価格の大幅な低減、サイズ、およびアップグレードされた機能は、ユーザにさらなる有用性を提供し、それによって商業的使用を増加させる。リフレッシュ可能な点字ディスプレイシステム100は、デバイスをより安価で、コンパクトで、サイズをより小さくするタッチレセプタではなく、指先の振動レセプタに焦点を合わせるようにユーザを支援する。対照的に、現在入手可能な高コスト製品は、ソレノイドまたは圧電アクチュエータによって作動されるリフレッシュ可能な点字ディスプレイに突起を使用する。
【0016】
図3Aは、開口部内の下降した構成の点字ドット要素105を例示的に示す。図3Bは、開口部内の上昇した構成の点字ドット要素105を例示的に示す。図1~2の詳細な図に開示されるように、リフレッシュ可能な点字ディスプレイシステム100は、複数の点字セル101と、インターフェース103と、マイクロコントローラユニット104とを含む。点字セル101の各々は、図3A図3Bに例示的に示されるように、各開口部101aが点字ドット要素105と、点字ドット要素105を上昇または下降させるために開口部のアレイの各開口部101a内に位置付けられた少なくとも1つのモータ102を収容するような開口部のアレイを含む。一実施形態では、点字ドット要素105は、機械的アクチュエータ、例えば、格納式アセンブリ、拡張可能アセンブリ、ねじ山構成などを使用して上昇または下降される。マイクロコントローラユニット104は、インターフェース103から受け取った入力を決定し、決定された入力に基づいて開口部101aのアレイのモータ102を選択的に制御するように構成される。モータ102の出力シャフト102aは、点字ドット要素105の内面に接触している。一実施形態では、入力は、作動されなければならない点字ドット要素105に対応する情報を含む。いくつかの実施形態では、マイクロコントローラユニット104は、決定された入力に基づいて選択された点字ドット要素105の回転運動を引き起こすために開口部101aのアレイの少なくとも1つのモータ102を選択的に制御する。代替で、マイクロコントローラユニット104は、決定された入力に基づいて選択された点字ドット要素105の振動運動を引き起こすために開口部101aのアレイの少なくとも1つのモータ102を選択的に制御する。
【0017】
前述の例は、単に説明の目的で提供されており、本明細書に開示されるリフレッシュ可能な点字ディスプレイシステム100を限定するものとして解釈されるべきではない。リフレッシュ可能な点字ディスプレイシステム100は、様々な実施形態を参照して説明されているが、本明細書で使用されている単語は、限定的な単語ではなく、説明および例示の単語であることが理解される。さらに、リフレッシュ可能な点字ディスプレイシステム100は、特定の手段、材料、および実施形態を参照して本明細書に記載されているが、リフレッシュ可能な点字ディスプレイシステム100は、本明細書に開示された事項に限定されるようには意図されていない。むしろ、リフレッシュ可能な点字ディスプレイシステム100は、添付の特許請求の範囲内にあるような、すべての機能的に同等な構造、方法、および使用に及ぶ。本明細書の教示の利益を有する当業者は、本明細書の態様において開示されたリフレッシュ可能な点字ディスプレイシステム100の範囲および精神から逸脱することなく、本明細書の教示に多数の修正を加えることができ、変更がなされてもよい。

図1
図2
図3A
図3B
【国際調査報告】