(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-10
(54)【発明の名称】腫瘍検出に用いる外科用蛍光プローブ
(51)【国際特許分類】
A61B 34/10 20160101AFI20240501BHJP
A61B 1/00 20060101ALI20240501BHJP
A61B 46/23 20160101ALI20240501BHJP
A61B 50/20 20160101ALI20240501BHJP
【FI】
A61B34/10
A61B1/00 511
A61B1/00 715
A61B1/00 650
A61B1/00 731
A61B1/00 732
A61B46/23
A61B50/20
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023570446
(86)(22)【出願日】2022-05-16
(85)【翻訳文提出日】2024-01-15
(86)【国際出願番号】 IB2022054542
(87)【国際公開番号】W WO2022238982
(87)【国際公開日】2022-11-17
(32)【優先日】2021-05-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】519273267
【氏名又は名称】ストライカー・ユーロピアン・オペレーションズ・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100125380
【氏名又は名称】中村 綾子
(74)【代理人】
【識別番号】100142996
【氏名又は名称】森本 聡二
(74)【代理人】
【識別番号】100166268
【氏名又は名称】田中 祐
(74)【代理人】
【識別番号】100168642
【氏名又は名称】関谷 充司
(74)【代理人】
【識別番号】100169018
【氏名又は名称】網屋 美湖
(72)【発明者】
【氏名】バックリー,ケヴィン
(72)【発明者】
【氏名】ヌナン,ジェラード
(72)【発明者】
【氏名】ストリッチ,トーマス
【テーマコード(参考)】
4C161
【Fターム(参考)】
4C161AA23
4C161CC07
4C161FF40
4C161FF46
4C161GG13
4C161HH51
4C161JJ11
4C161QQ04
4C161QQ07
4C161WW17
(57)【要約】
外科処置中に組織タイプを検出する光センサシステムが記載される。光センサシステムは、励起光を選択的に放射するように構成される励起源と、プローブであって、励起源に結合され、標的組織を励起光によって照明するとともに、標的組織からの光を収集するように構成される少なくとも1つのファイバ、少なくとも1つのファイバに結合されるコンプライアンス部材であって、少なくとも部分的に半透明であり、外科用器具の係合に応答して変形するように構成される、コンプライアンス部材、及び、インジケータ信号の受信に応答して光を放射するように構成されるインジケータ要素、を備える、プローブと、少なくとも1つのファイバに結合され、収集された光に基づいて信号を生成するように構成される光学検出モジュールと、信号に基づいて組織特徴を確定するとともに、確定された組織特徴に基づいてインジケータ信号を生成するように構成されるコントローラと、を備える。1.外科処置中に組織タイプを検出する光センサシステムであって、光センサシステムは、プローブであって、外科用器具の係合に応答して変形するように構成される、電極を備えるコンプライアンス部材、及び、少なくとも部分的にコンプライアンス部材内に配置され、インジケータ信号の受信に応答して光を放射するように構成されるインジケータ要素、を備える、プローブと、少なくとも1つのファイバに結合され、信号に基づいて信号を生成するように構成される検出モジュールと、光学検出モジュールに作動的に接続され、信号に基づいて組織特徴を確定し、確定された組織特徴に基づいてインジケータ信号を生成するように構成されるコントローラと、を備える、光センサシステム。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外科処置中に組織タイプを検出する光センサシステムであって、
該光センサシステムは、
励起光を選択的に放射するように構成される励起源と、
プローブであって、
前記励起源に結合され、標的組織を前記励起光によって照明するとともに、標的組織からの光を収集するように構成される少なくとも1つのファイバ、
前記少なくとも1つのファイバに結合されるコンプライアンス部材であって、該コンプライアンス部材は、少なくとも部分的に半透明であり、外科用器具の係合に応答して変形するように構成され、前記少なくとも1つのファイバの一部は、該コンプライアンス部材の内部に配置される、コンプライアンス部材、及び、
インジケータ信号の受信に応答して光を放射するように構成されるインジケータ要素、
を備える、プローブと、
前記少なくとも1つのファイバに結合され、前記標的組織からの前記収集された光に基づいて信号を生成するように構成される光学検出モジュールと、
前記光学検出モジュールに作動的に接続され、前記信号に基づいて組織特徴を確定するとともに、前記確定された組織特徴に基づいて前記インジケータ信号を生成するように構成される、コントローラと、
を備える、光センサシステム。
【請求項2】
前記コンプライアンス部材は、電気絶縁性及び断熱性の材料から構築される、請求項1に記載の光センサシステム。
【請求項3】
前記コンプライアンス部材は、外面に沿って延在するリッジを備える、請求項1又は2に記載の光センサシステム。
【請求項4】
前記コンプライアンス部材は、少なくとも部分的に吸引ツールの管腔内に配置されるようなサイズである突出部を備える、請求項1~3のいずれか1項に記載の光センサシステム。
【請求項5】
前記突出部は、前記コンプライアンス部材の外面から延在する、請求項4に記載の光センサシステム。
【請求項6】
前記プローブは、前記少なくとも1つのファイバの少なくとも一部を包囲するジャケットを更に備える、請求項1~5のいずれか1項に記載の光センサシステム。
【請求項7】
前記ジャケット又は前記少なくとも1つのファイバに結合されるキャリアを更に備え、前記キャリアは、異なる形状をとるように構成される、請求項6に記載の光センサシステム。
【請求項8】
前記キャリアは、前記ジャケットの隣で前記ジャケットの第1の部分と前記ジャケットの第2の部分との間に結合されるワイヤであり、前記ジャケットの前記第1の部分と前記第2の部分との間の前記ジャケットの第3の部分が、前記キャリアの形状をとる、請求項7に記載の光センサシステム。
【請求項9】
前記プローブは、前記ジャケットに結合され、前記コンプライアンス部材の近位に位置する把持部材を備える、請求項6に記載の光センサシステム。
【請求項10】
前記把持部材は、前記プローブが所望の位置から移動することを防止するために、患者の一部に取り付けられるように構成される締結具を備える、請求項9に記載の光センサシステム。
【請求項11】
前記把持部材は、前記コンプライアンス部材を所望の位置に導くために前記外科用器具が係合するタブを含む、請求項9に記載の光センサシステム。
【請求項12】
前記少なくとも1つのファイバ又は前記ジャケットの表面は、親水性である、請求項6~11のいずれか1項に記載の光センサシステム。
【請求項13】
前記プローブは、前記少なくとも1つのファイバ又は前記ジャケットに結合され、前記少なくとも1つのファイバ又は前記ジャケットの少なくとも一部を、患者の外部に位置する位置に固定するように構成されるアンカを更に備える、請求項6~12のいずれか1項に記載の光センサシステム。
【請求項14】
前記コンプライアンス部材は、生体吸収性材料から形成される、請求項13に記載の光センサシステム。
【請求項15】
前記コンプライアンス部材は、10~50のロックウェルショア00硬さ、又は0~20のロックウェルショアA硬さを有する、請求項13に記載の光センサシステム。
【請求項16】
前記少なくとも1つのファイバの第1の部分は、外科用器具の電気ケーブルに結合され、前記少なくとも1つのファイバの第2の部分は、前記外科用器具から結合解除される、請求項1~15のいずれか1項に記載の光センサシステム。
【請求項17】
前記プローブは、第1のモード又は第2のモードで前記組織を前記励起光によって照明するように構成され、
前記第1のモードにおいて、前記少なくとも1つのファイバは、前記組織を拡散励起光によって照明し、前記第2のモードにおいて、前記少なくとも1つのファイバは、前記組織を集束励起光によって照明する、請求項1~16のいずれか1項に記載の光センサシステム。
【請求項18】
前記第1のモードにおいて、前記少なくとも1つのファイバの遠位端部は、前記コンプライアンス部材の一部に対する第1の位置に位置決めされ、前記第2のモードにおいて、前記少なくとも1つのファイバの前記遠位端部は、前記コンプライアンス部材の前記一部に対する第2の位置に位置決めされる、請求項17に記載の光センサシステム。
【請求項19】
プローブは、コネクタを備え、前記コンプライアンス部材は、前記コネクタによって前記少なくとも1つのファイバから取外し可能であり、前記コンプライアンス部材は、放射線不透過性材料を含む、請求項1~18のいずれか1項に記載の光センサシステム。
【請求項20】
前記励起源は、第1の励起源として更に画定され、前記光センサシステムは、第2の励起源を更に備え、前記インジケータ要素は、前記第2の励起源に結合されるインジケータファイバを備え、前記第2の励起源は、前記インジケータ信号に応答して光を放射するように構成される、請求項1~19のいずれか1項に記載の光センサシステム。
【請求項21】
前記コンプライアンス部材は、前記外科用器具の一部が貫通して配置されることを可能にするサイズの管腔を画定する、請求項1~20のいずれか1項に記載の光センサシステム。
【請求項22】
前記インジケータ要素は、前記インジケータ信号に応答して光を放射するように構成される発光ダイオード(LED)を含む、請求項1~21のいずれか1項に記載の光センサシステム。
【請求項23】
前記第1の励起源、前記発光ダイオード、及び前記第2の励起源のうちの少なくとも1つは、異なる状態において動作可能であり、前記異なる状態は、オン状態、オフ状態、光が第1の周波数で放射される第1の発光状態、光が前記第1の発光状態とは異なる第2の周波数で放射される第2の発光状態、光が第1の強度で放射される第1の強度状態、光が前記第1の強度とは異なる第2の強度で放射される第2の強度状態、光が第1の色で放射される第1の色状態、及び光が前記第1の色とは異なる第2の色で放射される第2の色状態のうちの少なくとも1つを含む、請求項20~22のいずれか1項に記載の光センサシステム。
【請求項24】
前記コンプライアンス部材は、球形状を画定する、請求項1~23のいずれか1項に記載の光センサシステム。
【請求項25】
前記コンプライアンス部材は、第1の半球及び第2の半球を備え、前記少なくとも1つのファイバの一部は、前記第1の半球及び前記第2の半球のうちの少なくとも一方の内に完全に配置される、請求項24に記載の光センサシステム。
【請求項26】
前記コンプライアンス部材は、シリコーン、ポリ塩化ビニル、ヒドロゲル、ポリウレタン、多糖類、セルロース、ポリ乳酸、及びそれらの組合せから選択される材料から形成される、請求項1~25のいずれか1項に記載の光センサシステム。
【請求項27】
前記少なくとも1つのファイバは、前記励起源に結合され、前記励起光を放射するように構成される励起ファイバとして更に画定され、前記光センサシステムは、前記光学検出モジュールに結合され、前記標的組織からの光を収集するように構成される収集ファイバを更に備える、請求項1~26のいずれか1項に記載の光センサシステム。
【請求項28】
前記プローブは、中心コア及び外側チャネルを備える同軸ファイバを備え、前記インジケータ要素は、前記外側チャネル内に配置され、前記少なくとも1つのファイバは、前記中心コア内に配置される、請求項1~27のいずれか1項に記載の光センサシステム。
【請求項29】
前記中心コアの先端部は、前記コンプライアンス部材の内部で、前記コンプライアンス部材の遠位部分の近位に配置される、請求項28に記載の光センサシステム。
【請求項30】
前記外側チャネルの側壁は、透明であり、前記インジケータ要素が周囲領域に光を拡散することを可能にするように構成される、請求項28に記載の光センサシステム。
【請求項31】
前記コンプライアンス部材の屈折率は、前記コンプライアンス部材と組織との間を通過する光の屈折が最小になるように、前記組織の屈折率の0.05以内である、請求項1~30のいずれか1項に記載の光センサシステム。
【請求項32】
外科処置中に組織タイプを検出する光センサシステムであって、
該光センサシステムは、
励起光を選択的に放射するように構成される励起源と、
プローブであって、
前記励起源に結合され、標的組織を励起光によって照明するとともに、標的組織からの光を収集するように構成される少なくとも1つのファイバ、
前記少なくとも1つのファイバの遠位端部に結合されるセンサ本体、
外科用器具によって操作されるように構成され、前記センサ本体の近位で前記少なくとも1つのファイバに結合される、タブ、及び、
インジケータ信号の受信に応答して、表示を提供するように構成されるインジケータ、
を備える、プローブと、
前記少なくとも1つのファイバに結合され、前記収集された光に基づいて信号を生成するように構成される光学検出モジュールと、
前記光学検出モジュールに作動的に接続され、前記信号に基づいて組織特徴を確定するとともに、前記確定された組織特徴に基づいて前記インジケータ信号を生成するように構成されるコントローラと、
を備える、光センサシステム。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
神経膠腫の腫瘍は、脳又は脊椎のグリア細胞において発生し得る。多くの場合、腫瘍を切除するために、外科処置、より具体的には腫瘍切除が行われる。腫瘍切除のための外科処置の目標は、全切除(GTR:gross total resection)を達成することである。神経膠腫の非常に悪性の形態は、神経膠芽腫である。神経膠芽腫を有する患者において、GTRにより、患者の寿命が約40%延びる(例えば、10か月から14か月になる)ということが示されている。軽度の神経膠腫を有する患者では、GTRにより、全体的な生存率が増す。
【0002】
多くの場合、5-アミノレブリン酸(5-ALA)が、手術の数時間前に患者に投与される。5-ALAは、ヘモグロビン合成経路において自然に発生する化合物である。癌細胞では、ヘモグロビン合成が阻害され、プロトポルフィリンIX(PPIX)と呼ばれる中間化合物において経路が滞る。手術中、医療従事者は、外科用顕微鏡からの励起光(すなわち、青色光)によって脳組織の領域を照明することができる。手術は、暗い又は薄暗い手術室環境で行われる場合がある。PPIXを含む重度の腫瘍細胞は、励起光を吸収し、特定の光学特性を有する赤色蛍光を放射する。この蛍光は、医療従事者が外科用顕微鏡によって見ることができる。
【0003】
標的組織が特定されると、医療従事者は、外科用顕微鏡を標準の白色光照明に戻すように切り替え、標的組織の切除を続ける。医療従事者は、外科処置の間中、腫瘍切除が完了するまで適切な標的組織が確実に切除されるように、白色光による組織の照明と励起光による組織の照明とを交互に切り替える。標的領域が外科用顕微鏡からの励起光によって照明されるたびに、腫瘍部位に存在するPPIXは、強い励起光によって照明されることによる光退色によって劣化し得る。
【0004】
蛍光ガイド手術は、例えば神経膠芽腫の腫瘍を有する重度の腫瘍におけるGTRの可能性を高める。現在、軽度の腫瘍のGTRは、比較的低い。なぜなら、腫瘍細胞が低レベルの蛍光しか放射せず、外科用顕微鏡を使用しても、人間の目にはそのような低レベルの蛍光を検出するのに十分な感度がないため、軽度の腫瘍切除の結果を向上させるために5-ALAを使用することができないからである。GTRを達成する可能性を向上させる蛍光ガイド手術のために改善されたシステムが必要とされている。
【0005】
本明細書で提供される背景技術の説明は、概して、本開示の文脈を提示することを目的とする。本発明者らの検討は、この背景技術のセクションに記載されている限りにおいて、出願時に従来技術として適格ではない可能性のある記載の態様と同様に、本開示に対する従来技術として明示的又は黙示的に認められるものではない。
【発明の概要】
【0006】
一特徴において、外科処置中に組織タイプを検出する光センサシステムが記載される。光センサシステムは、励起源と、プローブと、光学検出モジュールと、コントローラとを備える。励起源は、励起光を選択的に放射するように構成される。プローブは、励起源に結合され、標的組織を励起光によって照明するとともに、標的組織からの光を収集するように構成される少なくとも1つのファイバを備える。プローブは、少なくとも1つのファイバに結合されるコンプライアンス部材も備え、コンプライアンス部材は、少なくとも部分的に半透明であり、外科用器具の係合に応答して変形するように構成される。少なくとも1つのファイバの一部は、コンプライアンス部材の内部に配置される。プローブは、少なくとも部分的にコンプライアンス部材内に配置され、インジケータ信号の受信に応答して光を放射するように構成されるインジケータ要素も備える。光学検出モジュールは、少なくとも1つのファイバに結合され、収集された光に基づいて信号を生成するように構成される。コントローラは、光学検出モジュールに作動的に接続され、信号に基づいて組織特徴を確定するとともに、確定された組織特徴に基づいてインジケータ信号を生成するように構成される。
【0007】
一特徴において、外科処置中に組織タイプを検出する光センサシステムが記載される。光センサシステムは、励起源と、プローブと、光学検出モジュールと、コントローラとを備える。励起源は、励起光を選択的に放射するように構成される。プローブは、励起源に結合され、標的組織を励起光によって照明するとともに、標的組織からの光を収集するように構成される少なくとも1つのファイバを備える。プローブは、少なくとも1つのファイバの遠位端部に結合されるセンサ本体も備える。プローブは、外科用器具によって操作されるように構成されるタブも備える。タブは、センサ本体の近位で少なくとも1つのファイバに結合される。プローブは、インジケータ信号の受信に応答して表示を提供するように構成されるインジケータも備える。光学検出モジュールは、少なくとも1つのファイバに結合され、収集された光に基づいて信号を生成するように構成される。コントローラは、光学検出モジュールに作動的に接続され、信号に基づいて組織特徴を確定するとともに、確定された組織特徴に基づいてインジケータ信号を生成するように構成される。
【0008】
一特徴において、光学プローブのアタッチメントが記載される。光学プローブは、少なくとも1つのファイバと、インジケータ要素と、センサとを備える。少なくとも1つのファイバは、標的組織を励起光によって照明するとともに、標的組織からの蛍光を収集するように構成される。インジケータ要素は、表示光を放射するように構成される。センサ本体は、励起光、蛍光、及び表示光のうちの少なくとも1つが通過することを可能にするために、少なくとも部分的に半透明であるコンプライアント材料を含む。コンプライアント材料は、電気絶縁性及び断熱性であり、外科用器具の係合に応答して変形するように構成される材料から形成される。
【0009】
一特徴において、光センサシステムを使用して脳組織から放射された光を検出する方法が記載される。光センサシステムは、励起源と、プローブと、光学検出モジュールとを備える。プローブは、励起源に結合される少なくとも1つのファイバを備える。プローブは、少なくとも1つのファイバに結合され、変形可能であるコンプライアンス部材も更に備える。コンプライアンス部材は、少なくとも部分的に半透明である。プローブは、少なくとも部分的にコンプライアンス部材内に配置されるインジケータ要素を更に備える。光学検出モジュールは、少なくとも1つのファイバと、光学検出モジュールに作動的に接続されるコントローラとに結合される。本方法は、突出部が吸引ツールの管腔付近にくるように、吸引ツールを位置決めすることを含む。本方法は、突出部が吸引ツールの管腔内に配置されるように、吸引ツールによって吸引を印加することを更に含む。本方法は、吸引ツールによってコンプライアンス部材を所望の位置に移動させることを更に含む。本方法は、吸引がコンプライアンス部材を解放するように、吸引ツールの吸引を変更することを更に含む。本方法は、励起源によって励起光を放射することを更に含む。本方法は、少なくとも1つのファイバを用いて、脳組織を励起光によって照明することを更に含む。本方法は、少なくとも1つのファイバを用いて、脳組織からの蛍光を収集することを更に含む。本方法は、光学検出モジュールを用いて、収集された蛍光に基づいて信号を生成することを更に含む。本方法は、コントローラを用いて、信号に基づいて組織特徴を確定することを更に含む。本方法は、コントローラを用いて、確定された組織特徴に基づいてインジケータ信号を生成することを更に含む。本方法は、インジケータ信号の受信に応答して、インジケータ要素によって光を放射することを更に含む。
【0010】
一特徴において、光センサシステムを使用して脳組織から放射された光を検出する方法が記載される。光センサシステムは、励起源と、プローブと、光学検出モジュールとを備える。プローブは、励起源に結合される少なくとも1つのファイバを備える。プローブは、少なくとも1つのファイバに結合され、変形可能であるコンプライアンス部材も更に備える。コンプライアンス部材は、少なくとも部分的に半透明である。プローブは、少なくとも部分的にコンプライアンス部材内に配置されるインジケータ要素を更に備える。光学検出モジュールは、少なくとも1つのファイバと、光学検出モジュールに作動的に接続されるコントローラとに結合される。本方法は、コンプライアンス部材の少なくとも一部が変形するように、外科用器具によってコンプライアンス部材に係合することを含む。本方法は、外科用器具によってコンプライアンス部材を所望の位置に移動させることも含む。本方法は、励起源によって励起光を放射することも含む。本方法は、少なくとも1つのファイバを用いて、脳組織を励起光によって照明することも含む。本方法は、少なくとも1つのファイバを用いて、脳組織からの蛍光を収集することも含む。本方法は、光学検出モジュールを用いて、収集された蛍光に基づいて信号を生成することも含む。本方法は、コントローラを用いて、信号に基づいて組織特徴を確定することも含む。本方法は、コントローラを用いて、確定された組織特徴に基づいてインジケータ信号を生成することも含む。本方法は、インジケータ信号の受信に応答して、インジケータ要素によって光を放射することも含む。
【0011】
一特徴において、外科処置中に組織タイプを検出する光センサシステムが記載される。光センサシステムは、励起源と、プローブと、光学検出モジュールと、コントローラとを備える。励起源は、励起光を選択的に放射するように構成される。プローブは、励起源に結合され、標的組織を励起光によって照明するとともに、標的組織からの光を収集するように構成される少なくとも1つのファイバを備える。プローブは、少なくとも1つのファイバに結合され、少なくとも部分的に半透明であるコンプライアンス部材も備える。コンプライアンス部材は、外科用器具の係合に応答して変形するように構成される。少なくとも1つのファイバの一部は、コンプライアンス部材の内部に配置される。プローブは、インジケータ信号の受信に応答して表示を提供するように構成されるインジケータも備える。光学検出モジュールは、少なくとも1つのファイバに結合され、収集された光に基づいて信号を生成するように構成される。コントローラは、光学検出モジュールに作動的に接続され、信号に基づいて組織特徴を確定するとともに、確定された組織特徴に基づいてインジケータ信号を生成するように構成される。
【0012】
本開示の適用可能性の更なる領域は、詳細な説明、特許請求の範囲、及び図面から明らかになるであろう。詳細な説明及び特定の例は、例示のみを目的とするものであり、本開示の範囲の限定を意図するものではない。
【0013】
本開示は、詳細な説明及び添付の図面からより完全に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本開示の教示に係る神経外科用システムを示す図である。
【
図2】本開示の教示に係る神経外科用システムの機能ブロック図である。
【
図3】本開示の教示に係る神経外科用システムの超音波手術システムを示す図である。
【
図4】本開示の教示に係る神経外科用システムの組織検出システムを示す図である。
【
図5】本開示の教示に係る神経外科用システムの組織検出システムの機能ブロック図である。
【
図6A】本開示の教示に係る組織検出システムの光学モジュールを示す図である。
【
図6B】本開示の教示に係る組織検出システムの光学モジュールを示す図である。
【
図7A】本開示の教示に係る組織検出システムの光学モジュールのいくつかの構成要素の分解図である。
【
図7B】本開示の教示に係る組織検出システムの光学モジュールのいくつかの構成要素の分解図である。
【
図8】本開示の教示に係るキャリアを備える、組織検出システムのサンプルプローブを示す図である。
【
図9】本開示の教示に係るクリップを備える、組織検出システムのサンプルプローブを示す図である。
【
図10】本開示の教示に係る突出部を備える、組織検出システムのサンプルプローブを示す図である。
【
図11】本開示の教示に係るアンカを備える、組織検出システムのサンプルプローブを示す図である。
【
図12】本開示の教示に係る複数のリッジを有するコンプライアンス部材を備える、組織検出システムのサンプルプローブを示す図である。
【
図13】本開示の教示に係る突出部を有するコンプライアンス部材を備える、組織検出システムのサンプルプローブを示す図である。
【
図14】本開示の教示に係る円筒形状を有するコンプライアンス部材を備える、組織検出システムのサンプルプローブを示す図である。
【
図15】本開示の教示に係る円錐形状を有するコンプライアンス部材を備える、組織検出システムのサンプルプローブを示す図である。
【
図16】本開示の教示に係る矩形形状を有するコンプライアンス部材を備える、組織検出システムのサンプルプローブを示す図である。
【
図17】本開示の教示に係る反転可能なC字形状を有するコンプライアンス部材を備える、組織検出システムのサンプルプローブを示す図である。
【
図18A】本開示の教示に係る、拡散位置において示されている反転可能なC字形状を有する、組織検出システムのサンプルプローブを示す図である。
【
図18B】本開示の教示に係る、集束位置において示されている反転可能なC字形状を有する、組織検出システムのサンプルプローブを示す図である。
【
図19】本開示の教示に係る、組織検出システムのサンプルプローブの断面領域を示す図である。
【
図20】本開示の教示に係る、照明状態におけるコンプライアンス部材を備える、組織検出システムのサンプルプローブを示す図である。
【
図21】本開示の教示に係る、サンプルプローブの一部が照明状態にある、組織検出システムのサンプルプローブを示す図である。
【
図22】本開示の教示に係る同軸ファイバを備える、組織検出システムのサンプルプローブを示す図である。
【
図23】本開示の教示に係る超音波ハンドピースアセンブリが係合している組織検出システムのサンプルプローブを示す図である。
【
図24】本開示の教示に係る吸引ツールが係合している組織検出システムのサンプルプローブを示す図である。
【
図25】本開示の教示に係るバイポーラ鑷子が係合している組織検出システムのサンプルプローブを示す図である。
【
図26】管腔を画定する組織検出システムのサンプルプローブを示す図である。
【
図27A】刺激を与える及び/又は脳からの電気信号を受信する1つ以上の電極を備える組織検出システムのサンプルプローブを示す図である。
【
図27B】刺激を与える及び/又は脳からの電気信号を受信する1つ以上の電極を備える組織検出システムのサンプルプローブを示す図である。
【
図28】プローブを手術部位においてコンプライアンス部材から接続解除することが可能なコネクタと、スキャナによって撮像されるコンプライアンス部材とを備える組織検出システムのサンプルプローブを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図面において、参照符号は、類似及び/又は同一の要素を識別するために再使用され得る。
【0016】
本発明者らは、腫瘍を切除するプロセス中、白色光動作条件において(すなわち、暗い又は薄暗い手術室を必要とせずに)低レベルの蛍光を検出することが可能な神経外科用腫瘍切除システム及び/又は方法が必要とされていることを認識した。また、光退色の作用を低減するように、標的領域が励起光によって照明される時間を短縮することができるシステムも必要とされている。加えて、外科用顕微鏡では深い腔内を励起光によって適切に照明することができないため、深い腔内を励起光で照明することができるシステムが必要とされている。また、精密な病理組織学的診断及び最適な患者治療には未分化病巣の発見が不可欠であるため、重要となる腫瘍の未分化病巣の術中検出を支援するシステムも必要とされている。
【0017】
本開示は、特に、PPIXの蛍光を視覚化するために5-ALAの投与を伴う、脳腫瘍の標的組織の切除に関する外科処置について論じているが、本開示の教示は、他のタイプの組織を検出する及び他のタイプの蛍光体(ヒペリシン、ヘックスビックス(Hexvix)、イドシアニングリーン等)を検出する、他のタイプの外科処置に拡張することができる。例えば、ICGは、医療従事者が外科処置中の血管を視覚化するのに役立つように投与することができる。ICGは、血中に見られる血漿タンパク質に結合することができる。ICGは、近赤外光によって励起され、ICGを励起させた近赤外光よりも僅かに長い波長を有する近赤外光を放射する。
【0018】
図1を参照すると、従来技術の欠点を解消する神経外科用システム100が提供される。神経外科用システム100は、手術ナビゲーションシステム104と、外科用顕微鏡108と、外科用カート114とを備えることができる。手術ナビゲーションシステム104は、ナビゲーションコンピュータ110を収容するカートアセンブリ106を備える。ナビゲーションコンピュータ110は、ナビゲーションコントローラとも称することができる。ナビゲーションインタフェースが、ナビゲーションコンピュータ110と作動的に通信する。ナビゲーションインタフェースは、1つ以上の入力デバイスを備えることができ、入力デバイスは、ナビゲーションコンピュータ110に情報を入力し、又は別様にナビゲーションコンピュータ110の或る特定の態様を選択/制御するように使用することができる。ナビゲーションインタフェースは、1つ以上のディスプレイ120を備える。そのような入力デバイスは、インタラクティブタッチスクリーンディスプレイ/メニュー、キーボード、マウス、マイクロフォン(音声起動)、ジェスチャー制御デバイス等を含むことができる。
【0019】
ナビゲーションコンピュータ110は、脳の1つ以上の術前又は術中画像を記憶するように構成することができる。任意の好適な撮像デバイスを、脳の術前又は術中画像を提供するのに使用することができる。例えば、アイソセントリック透視法、バイプレーン透視法、超音波、コンピュータ断層撮影(CT)、マルチスライスコンピュータ断層撮影(MSCT)、磁気共鳴画像法(MRI)、陽電子放出断層撮影(PET)、光干渉断層撮影(OCT)等の任意の2D、3D、又は4D撮像デバイスが挙げられる。また、画像は、2次元、3次元、又は4次元で取得及び表示することができる。より発展的な形態において、アトラス若しくは解剖学的モデルマップから、又はMRI、CT、若しくは心エコーモダリティによって捕捉された術前画像データからの患者データ又は他のデータを組み込むことによって、身体の4次元表面レンダリング領域を得ることもできる。
【0020】
ナビゲーションコンピュータ110は、脳の1つ以上の画像をディスプレイ120上に生成することができる。ナビゲーションコンピュータ110は、外科用顕微鏡108に接続することもできる。例えば、ディスプレイ120は、外科用顕微鏡108の視野に対応する画像を示すことができる。ナビゲーションコンピュータ110が2つ以上のディスプレイを含むことができる場合、そのようなディスプレイの一方が外科用顕微鏡108の視野を示し、そのようなディスプレイの他方が脳の術前又は術中画像を示すことができる。
【0021】
追跡システム124が、ナビゲーションコンピュータ110に結合され、外科用器具又は患者に取り付けられた1つ以上の追跡要素の位置を検知するように構成される。追跡システム124は、外科用器具又は患者に取り付けられた能動型又は受動型赤外線追跡要素を追跡するように構成することができる。使用することができる手術ナビゲーションシステム104の一例は、Stryker社から市販されているNav3i(商標)である。手術ナビゲーションシステム104は、米国特許第7,725,162号及び米国特許出願公開第2020/0100849号に記載されているような様々な機能及び特徴を有することができる。上記文献は、引用することによりその全体が本明細書の一部をなすものとする。
【0022】
外科用顕微鏡108は、或る範囲の倍率(例えば、約2倍~約50倍)を提供するように構成される1つ以上の対物レンズを備える。外科用顕微鏡108は、所定の範囲の領域を有する視野を有することができる。外科用顕微鏡108は、例えば、PPIXを検出するように、蛍光顕微鏡法に向けて構成される。外科用顕微鏡108は、PPIXが蛍光を発するように励起光によって脳組織111を照明する、1つ以上の励起源(例えば、可視光スペクトルの光を放射するように構成される励起源、又は赤外スペクトルの光を放射するように構成される励起源)を備えることができる。外科用顕微鏡108は、PPIX又はICGの蛍光波長における放射を検出することが可能なカメラを備えることもできる。
【0023】
外科用カート114は、外科用システム112と、組織検出システム116と、超音波手術システム118とを備えることができる。ディスプレイ121は、外科用カートに結合するとともに、外科用システム112、組織検出システム116、及び超音波手術システム118に作動的に接続し、それぞれのシステム112、116、及び118ごとに関連する情報を表示することができる。医療従事者は、超音波手術システム118及び/又は外科用システム112を使用して、患者の脳の標的組織をアブレーションすることができる。超音波手術システム118は、超音波制御コンソール128及び超音波ハンドピースアセンブリ130を備えることができる。
【0024】
外科用システム112は、外科用器具と、外科用器具の様々な態様を制御する外科用制御コンソール115とを備えることができる。医療従事者は、外科用器具を使用して、組織に対して任意の外科手術を行うこともできる。例えば、組織のアブレーション、組織からの流体若しくはデブリの吸引、組織の焼灼、又はそれらの組合せが挙げられる。一例において、外科用システム112は、吸引システムに対応することができ、この場合、外科用器具は、手術部位からの流体及び/又はデブリを除去する吸引ツール156に対応する。吸引システムは、米国特許第8,267,934号に記載されているような様々な特徴を有することができる。上記文献は、引用することによりその全体が本明細書の一部をなすものとする。
【0025】
別の例において、外科用システム112は、外科用器具としてバイポーラ鑷子160を備えることができる。バイポーラ鑷子160は、米国特許第8,361,070号に記載されているような特徴を有することができる。上記文献は、引用することによりその全体が本明細書の一部をなすものとする。本開示は、外科用器具が吸引ツール156及びバイポーラ鑷子160を含むことができることを論じるとともに例示しているが、外科用システム112及び外科用器具は、他の器具を含むことができる。別の例において、外科用器具は、神経刺激器、解剖器具、又はアブレーションデバイス(例えば、RFアブレーションデバイス及び/又はレーザアブレーションデバイス)を含むことができる。医療従事者が外科処置を行う上で、任意の数の外科用システム及び任意の数の外科用器具を使用することができる。
【0026】
組織検出システム116は、制御コンソール168及びサンプルプローブ164を備えることができる。制御コンソール168は、脳組織111が標的組織に対応する場合、医療従事者にリアルタイム表示を提供することができる。組織検出システム116は、蛍光体によって生じた標的組織が放射する蛍光に基づいて、脳組織111が標的組織に対応する場合を判断する。一例において、蛍光体は、PPIXに対応することができる。別の例において、蛍光体は、ICGに対応することができる。PPIXによって放射される蛍光の強度及び波長に基づいて、組織検出システム116は、標的組織が存在することを判断することができる。
【0027】
図2を参照すると、神経外科用システム100の概略図が示されている。組織検出システム116は、外科用顕微鏡108と同様の機能(すなわち、医療従事者がPPIXの存在を検出することを可能にする)を実行することが可能であるが、外科用顕微鏡108と併用することで、腫瘍切除処置の結果及びGTR達成の可能性を向上させることができる。
【0028】
外科処置中、医療従事者は、最初に患者の脳組織111を励起光(例えば、青色光)の下で外科用顕微鏡108によって視認し、脳組織111のどの部分が、赤色蛍光によって証明される標的組織に対応するのかを特定することができる。医療従事者は、標的組織の切除を開始するためによりよい視認性を得るように、外科用顕微鏡108を標準の白色光照明に戻すように切り替えることができる。
【0029】
切除の開始前、医療従事者は、サンプルプローブ164、特にサンプルプローブ164のコンプライアンス部材272を、標的組織上に配置することができる。医療従事者は、一方の手で超音波ハンドピースアセンブリ130を用い、他方の手でバイポーラ鑷子160を用いて標的組織の切除を行うことができる。切除処置中、医療従事者は、バイポーラ鑷子160又は超音波ハンドピースアセンブリ130を用いて、コンプライアンス部材272を移動させることができる。サンプルプローブ164は、限定はしないが、バイポーラ鑷子160、超音波ハンドピースアセンブリ130、及び吸引ツール156を含む、複数の異なる外科用器具が容易に係合するように設計される。
【0030】
医療従事者が標的組織を切除する際、制御コンソール168は、サンプルプローブ164を介して、医療従事者に脳組織111内の標的組織のリアルタイム表示を提供するように機能することができる。本開示の教示に係る組織検出システム116により、医療従事者が標的組織切除を行う際に、外科用顕微鏡108の様々な照明設定(すなわち、励起光による組織の照明及び白色光による組織の照明)間を交互に切り替える必要がなくなる。これは、医療従事者が標的組織の辺縁部に接近する際に特に重要となる。なぜなら、医療従事者がGTR(標的組織の全切除)を達成しながらも、なるべく多くの健康な組織を無傷で残すことが望ましいためである。
【0031】
図3を参照すると、超音波ハンドピースアセンブリ130は、近位端部及び遠位端部を有する超音波ハンドピース132を備えることができる。超音波ハンドピースアセンブリ130は、スリーブ136と、超音波ハンドピース132の遠位端部に結合することができる超音波チップ140とを更に備えることができる。スリーブ136は、超音波チップ140及び/又は手術部位に灌流を提供するように構成することができる。スリーブ136は、超音波チップ140に吸引を提供するように構成することもできることが更に想定される。超音波チップ140は、生体組織をアブレーション、切断、整形、及び/又は除去するように構成される切断機構を備えることができる。超音波ハンドピースアセンブリ130は、米国特許第6,497,715号、同第6,955,680号、及び同第6,984,220号、並びに国際公開第2020/068756号に記載されているような様々な特徴を有することができる。上記文献は、引用することによりその全体が本明細書の一部をなすものとする。
【0032】
超音波ハンドピースアセンブリ130は、超音波ハンドピースアセンブリ130の様々な態様を制御するように構成される超音波制御コンソール128等の電源供給部に超音波ハンドピースアセンブリ130を結合するように構成される電源コネクタ148又はアダプタを備える、ケーブル144又は他の電源コードを備えることもできる。超音波制御コンソール128は、超音波ハンドピースアセンブリ130の灌流及び/又は吸引機能を制御して、超音波ハンドピースアセンブリ130の性能を最適化するように構成することもできる。使用することができる超音波手術システムの一例は、Stryker社から市販されているSonopet IQ超音波吸引器を含む。超音波制御コンソール128は、組織検出システム116から受信した信号に基づいて様々な動作パラメータを制御することができる。
【0033】
図4及び
図5を参照すると、組織検出システム116は、サンプルプローブ164及び制御コンソール168を備える。サンプルプローブ164は、コネクタ299を介して制御コンソール168に接続される。サンプルプローブ164は、インジケータファイバ260と、励起ファイバ264と、収集ファイバ268と、コンプライアンス部材272とを備える。制御コンソール168は、コントローラ204と、ユーザインタフェース208と、電源供給部212と、光学モジュール215と、マイクロコントローラ220とを備えることができる。光学モジュール215は、光学ブロック216と、分光器224と、励起源228と、光コネクタ229とを備えることができる。各構成要素の機能は、より詳細に後述する。
【0034】
ユーザインタフェース208は、単一のデバイスに統合する又は互いに通信することができるコントローラ204又はマイクロコントローラ226からの出力を表示するディスプレイを備えることができる。ユーザインタフェース208は、医療従事者による係合のために構成される1つ以上の入力部(例えば、押しボタン、タッチボタン、スイッチ等)を備えることもできる。電源供給部212は、制御コンソール168の様々な構成要素に電源を供給することができる。制御コンソール168は、サンプルプローブ164のコネクタ299が接続されるプローブポート173を備えることができる。また、ファイバ260、264、268は、光コネクタ229を介して光学ブロック216に接続することができる。制御コンソール168は、外科用システム112、超音波手術システム118、又は他の任意のシステムに対する通信リンクを確立する電気ポート174を備えることもできる。
【0035】
励起源228は、励起ファイバ264を介して励起光によって標的組織を照明することができる。励起源228は、励起光(例えば、約405nmの青色光、又は400nm~500nmの範囲の青色光)を放射するように構成することができる。励起源228は、青色光以外の残りの可視光スペクトル(例えば、500nmを超えるが700nm未満)に関連する波長、紫外光スペクトル(400nm未満)に関連する波長、及び/又は赤外光スペクトル(700nmを超える)に関連する波長等の他の波長に対応する励起光を放射するように構成することもできる。励起源228は、発光ダイオード(LED)、パルスレーザ、連続波レーザ、変調レーザ、フィルタ付き白色光源等の任意の数の光源を含むことができる。
【0036】
励起源228は、異なる状態で動作可能であり、異なる状態は、オン状態、オフ状態、光が第1の周波数で放射される第1の発光状態、光が上記発光状態とは異なる第2の周波数で放射される第2の発光状態、光が第1の強度で放射される第1の強度状態、光が第1の強度とは異なる第2の強度で放射される第2の強度状態、上述したような異なる色状態(すなわち、異なる波長)のうちの少なくとも1つを含む。
【0037】
励起源228が第1の励起源、第2の励起源、及び第3の励起源等の複数の励起源を含む場合、第1の励起源は、可視光スペクトルの所定の波長における第1の励起光を放射するように構成することができ、第2の励起源は、赤外光スペクトル(例えば、700nm~1mm)に対応する第2の波長範囲における赤外光を放射するように構成することができ、第3の励起源は、第1の所定の波長とは異なる可視光の所定の波長における第3の励起光を放射するように構成することができる。換言すれば、第1の励起源は、PPIX等の第1の蛍光体を励起させる光を放射するように構成することができ、第2の励起源は、例えば緑色光を表す第2の所定の波長における可視光を放射するように構成することができ、第3の励起源は、ICG等の第2の蛍光体を励起させる赤外光を放射するように構成することができる。
【0038】
コントローラ204は、例えば、上述した状態のうちの1つにおいて励起源228を動作させるように、励起源228の動作を制御することができる。コントローラ204は、励起源228の動作パラメータを変更することによって、励起源228の動作を制御することができる。動作パラメータは、時間設定、電力設定、又は別の好適な設定に対応することができる。時間設定は、パルス幅を含むことができる。パルス幅は、分光器224の積分時間に基づくことができる。分光器224の積分時間は、より詳細に後述する。
【0039】
図6A及び
図6Bを参照すると、光学ブロック216が示されている。光コネクタ229は、光学ブロック216に結合することができる。光学ブロック216は、金属又は別の好適な材料から構築される外部ケーシング274を備えることができ、光学ブロック216の構成要素232を完全に封入することができる。
図7Bは、光学ブロック216の構成要素232が見えるように、ケーシングの頂部が取り除かれた光学ブロック216を示している。光学ブロック216は、L字形状であり、第1の部分280及び第2の部分284を含むことができる。励起源228は、光学ブロック216の第1の部分280に結合することができる。分光器224は、光学ブロック216の第2の部分284に結合することができる。
【0040】
図7A及び
図7Bを更に参照すると、光学モジュール215の構成要素232の分解図が示されており、励起光の光路285及び脳組織111から収集された光の光路287が示されている。第1の部分280は、励起光が1つ以上の励起源228から励起ファイバ(複数の場合もある)264を介して脳組織111に移動するための光路285を含むことができる。光路285は、光学ブロックの第1の部分280における構成要素232によって画定することができる。第2の部分284は、収集された光が脳組織111から収集ファイバ268を介して分光器224に移動するための光路287を含むことができる。光路287は、光学ブロックの第2の部分284における構成要素232によって画定することができる。光学ブロックの構成要素232は、レーザラインフィルタ及び1つ以上のロングパスフィルタ等の任意の光学部品を含むことができる。光学ブロック216は、1つ以上のミラー、レンズ、光コネクタ、光ファイバ、及び/又は他の任意の好適な光学部品等の他の光学部品を含むことができる。
【0041】
図7Aにおいて、励起源228は、レーザラインフィルタ及び/又はロングパスフィルタ等の1つ以上の構成要素232を通って移動する励起光を放射する。レーザラインフィルタ又はバンドパスフィルタは、励起源228によって発生する不要なノイズ(例えば、低レベル遷移、プラズマ、及びグロー)を排除するように構成することができる。換言すれば、レーザラインフィルタは、励起光をクリーンアップし、励起光をより単色にするように構成することができる。ロングパスフィルタは、光を励起ファイバ264に沿って脳組織111へと反射させるように構成することができる。励起源228は、フィルタリングされていない励起光を、励起ファイバ264を介して標的組織に送達するように構成することができる(すなわち、フィルタは省くことができる)。励起ファイバ264は、サンプルプローブ164を介して励起光を脳組織111に導くことができる。
【0042】
収集ファイバ268は、組織が励起された後、脳組織111からの光(すなわち、蛍光及び周囲光)を収集するように構成することができる。外科用顕微鏡108、外科用ランプ、又は手術室における他の任意のデバイス等の、手術室における様々な光源によって生じる周囲光及び/又は背景光の存在により、脳組織111から収集される光は、周囲光及び/又は背景光を含み得る。
図7Bを参照すると、収集ファイバによって収集された光は、光学ブロック216の第2の部分284のロングパスフィルタ等の構成要素232を通過する。光が構成要素232を通過した後、光は、光学ブロック216に結合された分光器224に入ることができる。
【0043】
励起ファイバ264及び収集ファイバ268を別々のファイバとして記載した例が提供されているが、単一のファイバを、励起ファイバ264及び収集ファイバ268の機能を実行するように提供及び構成することができる。この構成では、1つ以上の他の光学部品を必要とする場合がある。励起ファイバ264、収集ファイバ268、及びインジケータファイバ260は、単純にするために単一のファイバとして論じているが、2つ以上のファイバがあってもよいことが理解される。例えば、励起ファイバ264は、励起ファイバの束を含むことができ、収集ファイバ268は、収集ファイバの束を含むことができ、インジケータファイバ260は、インジケータファイバの束を含むことができ、その全ては、上述した単一のファイバ接続と同様の様式で接続される。別の例において、励起ファイバ264は、直列に接続される任意の数のファイバを含むことができ、収集ファイバ268は、直列に接続される任意の数のファイバを含むことができ、インジケータファイバ260は、直列に接続される任意の数のファイバを含むことができる。
【0044】
分光器224は、フィルタリングされた光信号(すなわち、フィルタリングされた光)を電気信号の形態のスペクトル信号に変換するように構成される。マイクロコントローラ220は、分光器224の動作を制御するように構成される。使用することができる分光器システムの例は、浜松ホトニクス社から市販されているミニ分光器マイクロシリーズC12880MAを含む。分光器224は、入口スリットと、コリメートレンズ/ミラーと、透過型回折格子素子と、集束ミラーと、画像センサとを備えることができる。入口スリットは、光学ブロック216から収集された光を受け取ることができ、その後、光はコリメートレンズ/ミラーを通過する。コリメートレンズ/ミラーは、入口スリットを通過した収集光をコリメートし、回折格子素子へと導く。回折格子素子は、コリメートレンズからの入射光を異なる波長に分離し、各波長の光を異なる回折角で通過又は反射させる。集束レンズ又はミラーは、回折格子素子によって波長に分散した光の画像を、画像センサの直線状に配置されたピクセル上に波長に応じて形成する。
【0045】
各波長は、電気信号(すなわち、スペクトル信号)に光電変換される。画像センサは、或る特定の時間間隔で各ピクセルに入射する光の信号を出力する(すなわち、画像センサが光信号を電気信号に変換し、それらを出力する)。この時間間隔は、積分時間刻みと称することができる。マイクロコントローラ220は、コントローラ204からの命令に基づいて、分光器224の動作、例えば、積分時間刻みを制御するように構成することができる。マイクロコントローラ220は、通信インタフェース(例えば、シリアルペリフェラルインタフェース(SPI))を介してスペクトル信号をコントローラ204に転送する。
【0046】
上述したように、周囲光が、標的組織において収集された光信号に存在し得る、したがって、分光器224によって提供されるスペクトル信号に存在し得ることから、コントローラ204は、周囲光又はスペクトル信号からのノイズ(すなわち、周囲光に関連する波長)を除去し、脳組織111が、標的組織内に存在するPPIXによって証明される標的組織に対応する場合を正確に検出する1つ以上の制御機能又は方法を実行するように構成することができる。周囲光が除去された後のスペクトル信号は、変調スペクトル信号と称することができる。
【0047】
コントローラ204は、変調スペクトル信号に基づいてインジケーション信号を生成することができる。例えば、コントローラ204は、PPIX強度を所定の強度閾値と比較することができ、PPIX強度が閾値を超えることに応答して、コントローラ204は、インジケーション信号を生成することができる。励起源228は、インジケーション信号の受信に応答して光を放射することができ、この光は、インジケータファイバ260に沿って移動するとともに、サンプルプローブ164の一部を照明する。例えば、コントローラ204は、閾値を上回るPPIXが検出されたとき、緑色光(例えば、約520nm~564nmの波長)を放射し、又は、ICGが検出されたとき、黄色光(例えば、565nm~590nmの波長)を放射するように、励起源228を制御することができる。代替的に、上述したように、コントローラ204は、インジケータファイバに結合されている以外のインジケータを制御し、例えば、インジケーション信号の受信に応答して、光源を制御する、すなわち、プローブ上の光源をオンにすることができる。
【0048】
コントローラ204は、電気ポート174を通じて確立される通信リンクを介して超音波制御コンソール128と通信することができる。例えば、コードを電気ポートに差し込み、また超音波制御コンソール128にも差し込むことで、通信リンクを確立することができる。通信リンクは、無線で確立することもできる。コントローラ204は、検出された組織のタイプに基づいて超音波制御コンソール128に通知することができる。コントローラ204は、標的組織の有無を超音波制御コンソール128に通知することができる。
【0049】
コントローラ204から提供される情報に基づいて、超音波制御コンソール128は、1つ以上の動作パラメータを調整することができる。例えば、標的組織が存在する場合、切除率は制限しないことができるが、標的組織が存在しない場合、超音波ハンドピースアセンブリ130が健康な組織を切断することを防止するように、切除率を制限することができる。そのような例において、超音波制御コンソール128は、標的組織の検出の有無に基づいて超音波ハンドピースアセンブリ130に供給される電圧、電流、又はその双方等の駆動信号を制御することができる。コントローラ204が超音波制御コンソール128と通信することができる例が提供されているが、コントローラ204は、外科用制御コンソール115等の他の外科用デバイスと通信し、標的組織の有無に基づいて様々な外科用器具(例えば、バイポーラ鑷子160、神経刺激器、解剖器具、アブレーションデバイス等)を制御することができる。
【0050】
図8~
図23を包括的に参照しながら、サンプルプローブ164の詳細な説明を続ける。サンプルプローブ164は、ファイバ(複数の場合もある)260、264、268と、コンプライアンス部材272と、コネクタ299と、任意選択で、ジャケット292とを備えることができる。ファイバ(複数の場合もある)260、264、268は、コネクタ299とサンプルプローブ164の遠位端部358との間に結合することができる。サンプルプローブ164の遠位端部358は、標的組織との間で光の収集及び通過を可能にするレンズ又は他の光学部品を備えることができる。ジャケット292は、周囲環境からのファイバ(複数の場合もある)260、264、268の保護及び遮蔽をもたらすために、ファイバ260、264、268を包囲することができる。ジャケット292は、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニリデン等を含む任意の好適な材料によって形成することができる。ジャケット292の外面は、親水性とすることができる。ジャケット292の外面の一部は、例えば、ジャケット292と、ジャケット292に接触するあらゆる表面との間のグリップを増すために、小さなセレーションを有することもできる。いくつかの例において、光ファイバの一部は、外科用器具(すなわち、バイポーラ鑷子160、超音波ハンドピースアセンブリ130、又は吸引ツール156)の電気ケーブル(複数の場合もある)又は吸引ラインのうちの一方に結合することができ、ファイバの第2の部分は、外科用器具から結合解除することができる。これにより、使用者が組織の切除等の手術を行うために外科用器具を移動させる間、プローブを適所に置くことが可能になる。
【0051】
図8を参照すると、キャリアは、ジャケット292の少なくとも一部に結合することができる。キャリアは、異なる形状をとり、それにより、キャリアが結合されるジャケット292の部分の形状を制御するように構成することができる。キャリアは、ジャケット292の第1の部分に取り付けられるように構成される第1の取付け部分304と、ジャケット292の第2の部分に取り付けられるように構成される第2の取付け部分306とを含むワイヤ302又は他の柔軟な構成要素とすることができる。ワイヤ302は、第1の取付け部分304と第2の取付け部分306との間に取り付けることができる。医療従事者は、ジャケット292の関連部分の形状を固定するために、ワイヤ302又は柔軟な部材を所望に応じて曲げることができる。
【0052】
別の例において、キャリアは、張力調整機構を備えることができる。張力調整機構は、ジャケット292に加わる張力の量を調整するように構成することができる。張力調整部材は、第1の調整部材と、第2の調整部材と、可撓性ケーブルとを含む。第1の調整部材は、コンプライアンス部材及びジャケット292の第1の部分に結合することができる。第2の調整部材は、ジャケット292の第2の部分に結合される。可撓性ケーブルは、第1の調整部材と第2の調整部材との間に接続することができる。第2の調整部材は、ジャケット292に沿って摺動可能に移動するように、及びジャケット292に加わる張力の量を調整するために構成することができる。第2の調整部材が第1の位置にある場合、第2の調整部材は、第2の位置にあるよりもコンプライアンス部材272の近くにある。第1の位置において、可撓性ケーブルは、非剛性状態にあることができ、サンプルプローブ164は、動きを抑制する張力調整機構がないかのように自由に動かすことができる。第2の調整部材が第2の位置にある場合、可撓性ケーブルは、剛性状態にあることができ、可撓性ケーブルにおける張力が、第1の調整部材と第2の調整部材との間に結合されるジャケット292の部分の動きを抑制する。
【0053】
図9を参照すると、把持部材310を、コンプライアンス部材272の近位でジャケット292に取外し可能に結合することができる。したがって、把持部材310は、コンプライアンス部材の近位に位置することができる。把持部材310は、サンプルプローブ164が所望の位置から移動することを防止するために、患者の一部に取り付けられるように構成される締結具として実装することができる。把持部材310は、ジャケット取付け部分312及び患者係合部分314を含むことができる。ジャケット取付け部分312は、緊密な嵌合を有し、医療従事者が力を加えることでジャケット292に沿って摺動するように構成される管状スリーブを備えることができる。患者係合部分314は、ジャケット取付け部分312に装着する又は別様に取り付けることができる。患者係合部分314は、患者又は患者の近くの無生物要素に取り付けられるように構成されるクリップ又はクランプを含むことができる。
【0054】
図10を参照すると、把持部材310’は、外科用器具が係合するように構成されるタブ316として実装することもできる。タブの代替として、コンプライアンス部材は、吸引ツール156を挿通することができるように吸引ツール156の管腔よりも僅かに大きい直径の穴、開口、又は空洞を備える管状構造を画定することができる。吸引ツール156は、タブ316に係合し、例えば、脳の深く狭い腔等の脳の到達困難な部分にコンプライアンス部材272を導くことができる。
【0055】
代替的に、コンプライアンス部材は、タブ又は把持部材を有しなくてもよく、コンプライアンス部材をそれぞれ鉄系金属又は磁性材料を含む外科用器具の使用によって操作することができるように、磁性材料又は鉄系材料を含むことができる。
【0056】
図11を参照すると、アンカ320をジャケット292又はファイバ(複数の場合もある)に結合し、ジャケット292の長さに沿って摺動可能とすることができる。医療従事者は、サンプルプローブ164を対象点に固定するために、ジャケット292の長さに沿った任意の位置にアンカ320を配置することができる。対象点は、脳組織とは対照的に、患者又は接触する皮膚若しくは骨の外等の、無菌野と非無菌野との間の移行点に対応することができる。アンカ320は、円筒形状とすることができる。したがって、アンカ320は、曲面332によって接続される2底端部324、328を備えることができる。曲面332は、サンプルプローブ164が挿通される貫通ボア336を有して形成することができる。アンカ320は、サンプルプローブ164の重量に対抗して、サンプルプローブ164を特定の対象点に固定することが可能な金属又は別の好適な高密度材料から形成することができる。
【0057】
図12~
図17を更に参照すると、コンプライアンス部材272は、サンプルプローブ164の遠位端部においてジャケット292及び/又はファイバに取外し可能に結合することができる。いくつかの実施態様において、コンプライアンス部材272は、サンプルプローブ164から取外し可能であり、それにより、医療従事者は、コンプライアンス部材272が取り付けられた状態ではサンプルプローブ164が到達可能でない脳の深く狭い腔に到達することができる。
【0058】
コンプライアンス部材272は、可視光に対して少なくとも部分的に半透明であり、いくつかの実施態様において、バイポーラ鑷子160、吸引ツール156、又は超音波ハンドピースアセンブリ130等の外科用器具が係合するのに応答して変形するように構成することができる。コンプライアンス部材272は、変形可能、電気絶縁性、及び断熱性である任意の好適な材料によって形成することができる。
【0059】
コンプライアンス部材272の材料は、屈折率が整合するように選択することができる。換言すれば、コンプライアンス部材272の材料は、コンプライアンス部材272の屈折率が、組織の屈折率及び/又はファイバ264、268の屈折率の所定の閾値内にあり、ファイバ(複数の場合もある)264、268と組織との間を通過する光の屈折が最小になるように選択することができる。収集ファイバ268は、およそ1.5~1.6の範囲の屈折率を有することができ、コンプライアンス部材272は、およそ1.45の屈折率を有することができ、組織は、およそ1.395~1.410の間で変化する屈折率を有することができる。
【0060】
コンプライアンス部材272の材料は、励起ファイバ264及び/又はインジケーションファイバ260からの光を周囲環境に広く分散させる能力等の、コンプライアンス部材272の他の所望の光学特性に基づいて選択することができる。コンプライアンス部材は、ポリマーから形成することができる。或る特定の実施形態において、コンプライアンス部材は、発泡材とすることができる。コンプライアンス部材は、ポリウレタン等の生体吸収性材料を含むことができる。生体吸収性とは、人間又は動物の身体によって完全に代謝される能力のことを指す。コンプライアンス部材は、シリコーン、ポリ塩化ビニル、ヒドロゲル、ポリウレタン、多糖類、セルロース、ポリ乳酸、及びそれらの組合せから選択される材料から形成することができる。コンプライアンス部材は、10~50、10~40、若しくは10~30のロックウェルショア00硬さ、又は、0~20若しくは0~10のロックウェルショアA硬さを有することができる。
【0061】
コンプライアンス部材272は、球形状とすることができる。任意選択で、球形状の構成とともに、コンプライアンス部材272は、サンプルプローブ164の遠位端部の一部を周囲環境に露出させることができる開口を備えることができる。コンプライアンス部材272は、平滑な表面を有することができ、又は、バイポーラ鑷子160若しくは吸引ツール156等の外科用器具がコンプライアンス部材272に係合するのを容易にする1つ以上の特徴を外面に備えることができる。例えば、
図12を参照すると、1つ以上の特徴は、外面に沿って延在する第1のリッジ344及び第2のリッジ346を含む複数のリッジを含むことができる。バイポーラ鑷子160は、コンプライアンス部材272がバイポーラ鑷子160又は他の任意の外科用器具の把持から滑り落ちないように、タイン(tines)を使用して第1のリッジ344又は第2のリッジ346においてコンプライアンス部材272に係合することができる。
【0062】
コンプライアンス部材は、本開示のいくつかの態様においてコンプライアントなものとして記載されているが、いくつかの実施態様において、コンプライアンス部材は、コンプライアント又は変形可能でなくてもよく、この例では、コンプライアンス部材は、位置確定部材と称することができ、ここでは、位置確定部材は、外科用器具の係合に応答して変形する能力を除き、コンプライアンス部材に関して上述した特徴のうちの任意のものを含むことができる。
【0063】
図13を参照すると、1つ以上の特徴は、突出部348を含むことができる。突出部348は、収集ファイバ268及び/又は励起ファイバ264のうちの少なくとも一方の軸に対して横断方向(又は任意の角度)の軸に沿って延在することができる。突出部348は、少なくとも部分的に吸引ツール156又は超音波ハンドピースアセンブリ130の管腔内に配置されるようなサイズとすることができる。したがって、突出部348が管腔内に配置されているときに吸引ツール156によって吸引を印加することができ、医療従事者は、コンプライアンス部材272を所望の場所に移動することができる。突出部は任意選択であり、プローブの全ての形態に含まれる必要はない。突出部は、コンプライアンス部材の外面から延在することができ、任意選択で、コンプライアンス部材と一体とすることができる。突出部は、位置確定部材の実施態様とともに含むことができる。
【0064】
前出の図に示されているように、コンプライアンス部材272は、球形状を有するように示されているが、コンプライアンス部材272は、任意の形状をとることができることが理解される。
図14~
図17に示されているように、コンプライアンス部材272は、
図14に示されているような管形状、
図15に示されているような円錐形状、
図16に示されているような矩形若しくはキューブ形状、又は
図17に示されているような反転可能なC字形状とすることができる。反転可能なC字形状は、サンプルプローブ164が拡散モード又は集束モードにおいて標的領域を照明することが可能であるように、コンプライアンス部材272の遠位部分がサンプルプローブ164の遠位端部に対して移動することを可能にする。これは、前出の段落においてより詳細に論じている。
【0065】
図18A及び
図18Bに示されているように、コンプライアンス部材272は、第1の部分352と、中央部分354と、第2の部分356とを含むことができる。中央部分354は、サンプルプローブ164の遠位端部358が挿通される開口を備えることができる。拡散位置において、第1の部分352及び第2の部分356は、サンプルプローブ164が、拡散した励起光(すなわち、全ての方向に広がる光)を標的領域に送達するように、サンプルプローブ164の遠位端部358から前方に延在することができる。拡散位置において、第1の部分352の少なくとも一部及び第2の部分356の少なくとも一部は、互いに接触することができる。集束位置において、第1の部分352及び第2の部分356は、コンプライアンス部材272の中央部分354が第1の部分352及び第2の部分356の前方に、サンプルプローブ164の遠位端部358のより近くに配置されるように、医療従事者が折り返す又は裏返すことができる。集束位置において、サンプルプローブ164の遠位端部358は、集束した励起光(すなわち、サンプルプローブ164外に真っ直ぐに向けられ、小さな標的領域に入ることができる光)を標的領域に送達するように露出及び構成される。拡散位置において、励起光は、集束位置よりも拡散されることを理解すべきである。同様に、集束位置において、励起光は、拡散位置にあるときよりも集束される。
【0066】
図19を参照すると、サンプルプローブ164の1つの実施態様の断面が示されている。上述したように、サンプルプローブ164のジャケット292は、周囲環境からのファイバ260、264、268の保護及び遮蔽をもたらすために、ファイバ260、264、268を包囲することができる。いくつかの例において、励起ファイバ264及び収集ファイバ268は、インジケータファイバ260よりもコンプライアンス部材272又は位置確定部材の遠位部分の近くに配置することができる。上述したように、コンプライアンス部材272は、励起ファイバ264及び収集ファイバ268を周囲環境に露出させる遠位部分において開口を備えることができ、それにより、光がコンプライアンス部材/位置確定部材を形成する材料を通って直接移動することなく、励起ファイバ264は、標的領域を励起光によって照明することが可能であり、収集ファイバ268は、標的領域から光を収集することが可能である。コンプライアンス部材272は、第1の半球及び第2の半球を備えることができ、この場合、励起ファイバ264及び収集ファイバ268は、第1の半球内に配置され、インジケータファイバ260は、第2の半球内に配置される。
【0067】
図20に示されているように、インジケータファイバ260の先端部がコンプライアンス部材272とともに配置される場合、インジケータファイバ260からの光が、コンプライアンス部材272を光らせ、標的組織の存在を示すことができる。しかしながら、
図21及び
図22に示されているようないくつかの例において、インジケータファイバ260は、コンプライアンス部材272内に全く配置されず、代わりに、インジケータファイバ260は、サンプルプローブ164の別の部分を照明することができ、コンプライアンス部材の外部にある遠位端部260Tにおいて終端することができる。
【0068】
そのような例において、
図22を参照すると、サンプルプローブ164は、中心コア362及び外側チャネル366を有する同軸ファイバ360とすることができる。外側チャネル366の側壁の少なくとも一部は、透明とすることができる。励起ファイバ264及び収集ファイバ268は、中心コア362内に配置することができ、一方、インジケータファイバ260は、外側チャネル366内に配置される。中心コア362の遠位部分は、コンプライアンス部材272内に配置することができる。インジケータファイバ260は、外側チャネル366の側壁を通して光を放射することができる。サンプルプローブ164は、露出部分368を有することができ、露出部分368では、ジャケット292が同軸ファイバ360の全長を覆わず、そのため、側壁を通して放射される光が露出部分368を介して医療従事者に見えるようになっている。露出部分368は、コンプライアンス部材272の近位に位置し、医療従事者が組織を切除する際に放射されるインジケータ光を見ることを確実に可能にすることができる。任意選択で、露出部分368は、プラスチック又は別の好適な材料によるクリアな又は透明な部片によって覆うことができる。したがって、外側チャネルの側壁は、透明であり、LED等のインジケータ要素が光を周囲領域に拡散することを可能にするように構成することができる。
【0069】
別の例において、上述したように、インジケータファイバ260は、完全に省くことができる。代わりに、サンプルプローブ164は、起動信号の受信に応答して起動される発光ダイオード(LED)を備えることができる。LEDは、コンプライアンス部材272の近位に配置し、ジャケット292の外面又はサンプルプローブ164に沿った別の好適な場所に結合することができる。別の例において、制御コンソール168に関連するスピーカによって生成される可聴表示、又はサンプルプローブ164に取り付けられる触覚デバイスによって生成される触覚表示等の他の形態の表示を提供することができる。換言すれば、インジケータ形態は、光源等のインジケータ要素の形態をとることができ、インジケータ要素は、ファイバの形態をとる必要はなく、インジケータ要素は、コンプライアンス部材若しくは位置確定部材内に又は部分的にコンプライアンス部材若しくは位置確定部材内に配置される必要はなく、むしろ、インジケータ要素は、コンプライアンス部材の近位又は遠位に位置決めすることができ、代替的に、インジケータ要素は、コンソール上のアイコン又はディスプレイ要素として現れてもよい。
【0070】
図23~
図25を参照すると、サンプルプローブ164に係合する様々な外科用器具が示されている。
図23及び
図24において、超音波ハンドピースアセンブリ130又は吸引ツール156のいずれかが、コンプライアンス部材272に直接係合しているが、上述したように、コンプライアンス部材272は、超音波ハンドピースアセンブリ130又は吸引ツール156の管腔内に嵌合することができる突出部348(管腔内に配置されているため視界から隠れている)を備えることができる。超音波ハンドピースアセンブリ130又は吸引ツール156がコンプライアンス部材272に結合されると、医療従事者は、コンプライアンス部材272を所望の場所に移動させるために吸引を印加することができる。
図24において、コンプライアンス部材272には、タイン372、376を有するバイポーラ鑷子160が係合する。図示のように、コンプライアンス部材272は、上述した複数のリッジ340、344を備える。コンプライアンス部材272は、複数のリッジ340、344の一方又は双方においてバイポーラ鑷子160によって把持することができる。
【0071】
追跡システムを使用するとともに、ナビゲーションコンピュータに結合することができる。追跡システムは、プローブに取り付けられた1つ以上の追跡要素の姿勢(すなわち、位置及び向き)を感知し、その姿勢をナビゲーションコンピュータに提供するように構成される。追跡要素は、能動型又は受動型の赤外線追跡要素とすることができる。追跡システムを含む手術ナビゲーションシステム104の一例は、Stryker社から市販されているNav3i(商標)である。手術ナビゲーションシステム104は、米国特許第7,725,162号及び米国特許出願公開第2020/0100849号に記載されているような様々な機能及び特徴を有することができる。上記文献は、引用することによりその全体が本明細書の一部をなすものとする。
【0072】
ここで
図26を参照すると、コンプライアンス部材等の部材272’は、管腔273を画定する。これにより、使用者が管腔273を通して外科用器具を位置決めすることができる。この構成において、コンプライアンス部材272’は、全体を通して記載されているように、光ファイバに結合することができる。コンプライアンス部材272’は、ドーナッツ形状又は円筒形状をとることができる。LED等のインジケータは、上述したようにコンプライアンス部材272’内に配置することができ、又は、インジケータファイバの遠位端部は、コンプライアンス部材272’内に配置することができる。管腔は、外科用器具の一部が貫通して配置されることを可能にするサイズとすることができる。管腔のサイズは変動し得るが、直径が少なくとも0.5cmであるか、又は直径が0.3cm~1.5cmの範囲である。
【0073】
図27A及び
図27Bを参照すると、位置確定部材272’’は、部材272’’の表面上に位置決めされる1つ以上の電極400を備える。位置確定部材は、全体を通して記載されているコンプライアンス部材とすることができるが、任意選択で、光学検出用の光ファイバを省いてもよい。電極400は、部材272’’の周囲又は外面に当接する組織と接触することができるように、互いに離隔することができる。電極400は、電極(複数の場合もある)が受信した電気信号を処理し、組織タイプ、例えば、電極が接触した組織が重要な構造であるか否かを判断する検出モジュールに結合することができる。例えば、電極は、脳組織の機能マッピング、生体インピーダンス分析、又は他の電気的分析を容易にすることができる。検出モジュールは、LED又は光ファイバ等のインジケータ404に結合することができる。インジケータがLED又は他の光源である例において、部材272’’は、導体406を備えることができる。インジケータ404は、標的組織が検出されると照明することができ、例えば、重要な組織タイプが検出されると赤色に光り、重要でない組織タイプが検出されると緑色に光る。例示的な処理技法及び電極の構造は、米国特許第8,442,653号及び米国特許第10,918,857号並びに米国特許出願公開第2008/0027346号に見出すことができる。上記文献は、引用することによりその全体が本明細書の一部をなすものとする。例示的な技法は、脳機能マッピング、脳波検査、脳磁図検査、皮質脳波検査、又はそれらの組合せを含む。プローブは、電極が脳の特定の領域上に配置される、及び/又は、頭蓋内若しくは頭蓋外の血管又は他の組織上に、それらを通って、又はそれらの内部に配置されるように、脳の上記特定の領域と接触しないが、脳に電気的に結合され、電極が受信した信号を通じて上記特定の領域から脳の活動を監視する第2の位置に配置することができる。
【0074】
図28を参照すると、プローブ164’は、コンプライアンス部材272’’’がファイバ及び/又は導体から取り外され、手術部位に留まることを可能にするコネクタ500を備えることができる。そのような実施態様において、コンプライアンス部材272’’’は、放射線不透過性材料を含むことができる。プローブの使用中、コンプライアンス部材272’’’は、プローブから取り外すことができ、手術部位は、MRIスキャナ又はCTスキャナ等の撮像装置を使用して撮像することができる。放射線不透過性材料をコンプライアンス部材272’’’に組み込むことにより、コンプライアンス部材を他の重要な構造に対して視覚化することが可能になる。放射線不透過性材料としてガドリニウムが想定されるが、他の放射線不透過性材料も想定される。コンプライアンス部材の一部のみがプローブから取り外され、この取り外される部分が放射線不透過性材料を含み、撮像装置によって視覚化されることも想定される。放射線不透過性材料は、コンプライアンス部材内に分散させることもでき、又はポケット内に収納することもできる。
【0075】
国際出願PCT/IB2022/052294号は、引用することによりその全体が本明細書の一部をなすものとし、態様は、本明細書に記載のプローブと併せて使用することができる。
【0076】
前述の説明は、本質的に例示的なものにすぎず、本開示、その用途、又は使用を限定することを決して意図するものではない。本開示の広範な教示は、種々の形態で実施することができる。したがって、本開示は特定の例を含むが、本開示の真の範囲はそのように限定されるべきではない。なぜなら、図面、明細書、及び以下の特許請求の範囲を検討すれば、他の修正形態が明らかになるからである。方法内の1つ以上のステップは、本開示の原理を変更することなく、異なる順序で(又は同時に)実行され得ることを理解されたい。さらに、各例は、或る特定の特徴を有するものとして上述されているが、本開示の任意の例に関して説明されるそれらの特徴のうちの任意の1つ以上は、その組合せが明示的に説明されていない場合であっても、他の例のいずれかの特徴において実装され、及び/又は他の例のいずれかの特徴と組み合わされ得る。換言すれば、説明される例は、相互排他的ではなく、1つ以上の例の互いとの置換は、本開示の範囲内に留まる。
【0077】
要素間(例えば、コントローラ、回路要素、半導体層等の間)の空間的関係及び機能的関係は、「接続される(connected)」、「係合される(engaged)」、「結合される(coupled)」、「隣接する(adjacent)」、「隣に(next to)」、「上部に(on top of)」、「上方に(above)」、「下方に(below)」、及び「配設される(disposed)」を含む様々な用語を使用して説明される。「直接的(direct)」であると明示的に説明されない限り、第1の要素と第2の要素との間の関係が上記の開示において説明される場合、その関係は、第1の要素と第2の要素との間に他の介在要素が存在しない直接的な関係であり得るが、第1の要素と第2の要素との間に1つ以上の介在要素が(空間的に又は機能的に)存在する間接的な関係であってもよい。
【0078】
本明細書において使用される場合、A、B、及びCのうちの少なくとも1つという語句は、非排他的論理ORを使用して、論理(A OR B OR C)を意味すると解釈されるべきであり、「Aのうちの少なくとも1つ、Bのうちの少なくとも1つ、及びCのうちの少なくとも1つ」を意味すると解釈されるべきではない。サブセットという用語は、必ずしも適切なサブセットを必要としない。換言すれば、第1のセットの第1のサブセットは、第1のセットと同じ対象を指す(等しい)場合がある。
【0079】
図では、矢印の方向は、矢じりによって示されるように、概して、図解で注目される情報(データ又は命令等)の流れを示している。例えば、要素Aと要素Bとが種々の情報を交換するが、要素Aから要素Bに伝達される情報が図に関連している場合、矢印は要素Aから要素Bを指すことがある。この一方向矢印は、他の情報が要素Bから要素Aに送信されないことを意味するものではない。さらに、要素Aから要素Bに送信される情報に関して、要素Bは、要素Aに情報の要求又は受信確認を送信することができる。
【0080】
以下の定義を含む本出願では、「コントローラ」又は「モジュール」という用語は、「回路」という用語で置き換えることができる。「コントローラ」という用語は、特定用途向け集積回路(ASIC)、プログラマブルシステムオンチップ(PSoC)、デジタル、アナログ、又は混合アナログ/デジタルディスクリート回路、デジタル、アナログ、又は混合アナログ/デジタル集積回路、組合せ論理回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、コードを実行するプロセッサ回路(共有、専用、又はグループ)、プロセッサ回路によって実行されるコードを記憶するメモリ回路(共有、専用、又はグループ)、説明された機能を提供する他の好適なハードウェア構成要素、又はシステムオンチップ等における上記の一部又は全ての組合せを指すか、その一部であるか、又はそれを含み得る。
【0081】
コントローラは、1つ以上のトランシーバを備えた1つ以上のインタフェース回路を含み得る。いくつかの例において、インタフェース回路(複数の場合もある)は、ローカルエリアネットワーク(LAN)又は無線パーソナルエリアネットワーク(WPAN)に接続する有線又は無線インタフェースを実装してもよい。LANの例は、電気電子技術者協会(IEEE)規格802.11-2016(WIFI無線ネットワーキング規格としても既知である)及びIEEE規格802.3-2015(ETHERNET有線ネットワーキング規格としても既知である)である。WPANの例は、Bluetooth Special Interest GroupのBLUETOOTH無線ネットワーキング規格及びIEEE規格802.15.4である。
【0082】
コントローラは、インタフェース回路(複数の場合もある)を使用して他のコントローラと通信することができる。コントローラは、他のコントローラと論理的に直接通信するものとして本開示で描写され得るが、様々な実施態様において、コントローラは、実際には、通信システムを介して通信してもよい。通信システムは、ハブ、スイッチ、ルータ、ゲートウェイ、及びトランシーバ等の物理及び/又は仮想ネットワーキング機器を含み得る。いくつかの実施態様において、通信システムは、インターネット等のワイドエリアネットワーク(WAN)に接続するか、又はそれを横断する。例えば、通信システムは、マルチプロトコルラベルスイッチング(MPLS)及び仮想プライベートネットワーク(VPN)を含む技術を使用して、インターネット又はポイントツーポイント専用回線を介して互いに接続された複数のLANを含み得る。
【0083】
様々な実施態様において、コントローラの機能は、通信システムを介して接続された複数のコントローラに分散されてもよい。例えば、複数のコントローラが、負荷分散システムによって分散された同じ機能を実装してもよい。更なる例では、コントローラの機能は、サーバ(リモート又はクラウドとしても既知である)コントローラとクライアント(又はユーザ)コントローラとの間で分割することができる。
【0084】
コントローラの一部又は全てのハードウェア機能は、ハードウェア記述のための言語、例えばIEEE規格1364-2005(概して「Verilog」と称される)及びIEEE規格1076-2008(概して「VHDL」と称される)等を使用して定義することができる。ハードウェア記述言語は、ハードウェア回路を製造及び/又はプログラムするために使用され得る。いくつかの実施態様において、コントローラの一部又は全ての特徴は、以下で説明するコードとハードウェア記述との両方を包含するIEEE1666-2005(概して「SystemC」と称される)等の言語によって定義され得る。
【0085】
上記で使用されるコードという用語は、ソフトウェア、ファームウェア、及び/又はマイクロコードを含むことができ、プログラム、ルーチン、関数、クラス、データ構造、及び/又はオブジェクトを指すことがある。共有プロセッサ回路という用語は、複数のコントローラからの一部又は全てのコードを実行する単一のプロセッサ回路を包含する。グループプロセッサ回路という用語は、追加のプロセッサ回路と組み合わせて、1つ以上のコントローラからのコードの一部又は全部を実行するプロセッサ回路を包含する。複数のプロセッサ回路への言及は、個別のダイ上の複数のプロセッサ回路、単一のダイ上の複数のプロセッサ回路、単一のプロセッサ回路の複数のコア、単一のプロセッサ回路の複数のスレッド、又は上記の組合せを包含する。共有メモリ回路という用語は、複数のコントローラからの一部又は全てのコードを記憶する単一のメモリ回路を包含する。グループメモリ回路という用語は、追加のメモリと組み合わせて、1つ以上のコントローラからのコードの一部又は全部を記憶するメモリ回路を包含する。
【0086】
メモリ回路という用語は、コンピュータ可読媒体という用語のサブセットである。コンピュータ可読媒体という用語は、本明細書で使用される場合、(搬送波上等の)媒体を通って伝播する一時的な電気信号又は電磁信号を包含しない。したがって、コンピュータ可読媒体という用語は、有形かつ非一時的とみなされ得る。非一時的コンピュータ可読媒体の非限定的な例は、不揮発性メモリ回路(フラッシュメモリ回路、消去可能プログラマブル読出し専用メモリ回路、又はマスク読出し専用メモリ回路等)、揮発性メモリ回路(スタティックランダムアクセスメモリ回路又はダイナミックランダムアクセスメモリ回路等)、磁気記憶媒体(アナログ若しくはデジタル磁気テープ又はハードディスクドライブ等)、及び光記憶媒体(CD、DVD、又はBlu-rayディスク等)である。
【0087】
本出願で説明される装置及び方法は、コンピュータプログラムで具現化される1つ以上の特定の機能を実行するように汎用コンピュータを構成することによって作成された専用コンピュータによって、部分的に又は完全に実装され得る。上述した機能ブロック及びフローチャート要素は、ソフトウェア仕様として機能することができ、熟練技術者又はプログラマのルーチン作業によってコンピュータプログラムに変換することができる。コンピュータプログラムは、少なくとも1つの非一時的コンピュータ可読媒体に記憶されたプロセッサ実行可能命令を含む。コンピュータプログラムはまた、記憶されたデータを含むか、又はそれに依存し得る。コンピュータプログラムは、専用コンピュータのハードウェアとインタラクトする基本入出力システム(BIOS)、専用コンピュータの特定のデバイスとインタラクトするデバイスドライバ、1つ以上のオペレーティングシステム、ユーザアプリケーション、バックグラウンドサービス、バックグラウンドアプリケーション等を包含することができる。
【0088】
コンピュータプログラムとして、(i)HTML(ハイパーテキストマークアップ言語)、XML(拡張可能マークアップ言語)、又はJSON(JavaScript Object Notation)等の解析される記述テキスト、(ii)アセンブリコード、(iii)コンパイラによってソースコードから生成されるオブジェクトコード、(iv)インタプリタによる実行のためのソースコード、(v)ジャストインタイムコンパイラによるコンパイル及び実行のためのソースコード等が挙げられ得る。単なる例として、ソースコードは、C、C++、C#、Objective C、Swift、Haskell、Go、SQL、R、Lisp、Java(商標)、Fortran、Perl、Pascal、Curl、OCaml、JavaScript(商標)、HTML5(ハイパーテキストマークアップ言語5th revision)、Ada、ASP(Active Server Pages)、PHP(Hypertext Preprocessor)、Scala、Eiffel、Smalltalk、Erlang、Ruby、Flash(商標)、Visual Basic(商標)、Lua、MATLAB、SIMULINK、及びPython(商標)を含む言語からの構文を使用して記述することができる。
【0089】
追加の保護に関する条項:
I.外科処置中に組織タイプを検出する光センサシステムであって、光センサシステムは、励起光を選択的に放射するように構成される励起源と、プローブであって、励起源に結合され、標的組織を励起光によって照明するとともに、標的組織からの光を収集するように構成される少なくとも1つのファイバ、少なくとも1つのファイバに結合されるコンプライアンス部材であって、コンプライアンス部材は、少なくとも部分的に半透明であり、外科用器具の係合に応答して変形するように構成され、少なくとも1つのファイバの一部は、コンプライアンス部材の内部に配置される、コンプライアンス部材、及び、インジケータ信号の受信に応答して表示を提供するように構成されるインジケータ要素、を備える、プローブと、少なくとも1つのファイバに結合され、収集された光に基づいて信号を生成するように構成される光学検出モジュールと、光学検出モジュールに作動的に接続され、信号に基づいて組織特徴を確定するとともに、確定された組織特徴に基づいてインジケータ信号を生成するように構成される、コントローラと、を備える、光センサシステム。
II.インジケータファイバを更に備え、励起源は、第1の励起源として更に画定され、インジケータは、インジケータファイバに結合される第2の励起源を備え、表示は、インジケータ信号の受信に応答して第2の励起源によって生成される光を含む、条項Iに記載の光センサシステム。
III.インジケータは、インジケータ信号の受信に応答して起動される発光ダイオード(LED)を含む、条項Iに記載の光センサシステム。
IV.インジケータは、スピーカを含み、表示は、インジケータ信号の受信に応答してスピーカによって生成される可聴音を含む、条項Iに記載の光センサシステム。
V.インジケータは、外科用器具及び少なくとも1つのファイバのうちの少なくとも一方に結合されるように構成される触覚デバイスであり、表示は、インジケータ信号の受信に応答して触覚デバイスによって生成される触覚フィードバックの形態である、条項IIに記載の光センサシステム。
VI.標的組織を励起光によって照明し、標的組織からの蛍光を収集するように構成される少なくとも1つのファイバを備える光学プローブのアタッチメントであって、光学プローブは、表示光を放射するように構成されるインジケータ要素を更に備え、アタッチメントは、励起光、蛍光、及び表示光のうちの少なくとも1つが通過することを可能にするために、少なくとも部分的に半透明であるコンプライアント材料を含むセンサ本体を備え、コンプライアント材料は、電気絶縁性及び断熱性であり、外科用器具の係合に応答して変形するように構成される材料から形成される、アタッチメント。
VII.光センサシステムを使用して、脳組織から放射された光を検出する方法であって、光センサシステムは、励起源と、励起源に結合される少なくとも1つのファイバを備えるプローブであって、プローブは、少なくとも1つのファイバに結合され、少なくとも部分的に半透明であるコンプライアンス部材を更に備え、コンプライアンス部材は、突出部を備え、プローブは、少なくとも部分的にコンプライアンス部材内に配置されるインジケータ要素を更に備える、プローブと、少なくとも1つのファイバに結合される光学検出モジュールと、光学検出モジュールに作動的に接続されるコントローラと、を備え、方法は、突出部が吸引ツールの管腔付近にくるように吸引ツールを位置決めすることと、突出部が吸引ツールの管腔内に配置されるように、吸引ツールによって吸引を印加することと、吸引ツールによってコンプライアンス部材を所望の位置に移動させることと、吸引がコンプライアンス部材を解放するように、吸引ツールの吸引を変更することと、励起源によって励起光を放射することと、少なくとも1つのファイバを用いて、脳組織を励起光によって照明することと、少なくとも1つのファイバを用いて、脳組織からの蛍光を収集することと、光学検出モジュールを用いて、収集された蛍光に基づいて信号を生成することと、コントローラを用いて、信号に基づいて組織特徴を確定することと、コントローラを用いて、確定された組織特徴に基づいてインジケータ信号を生成することと、インジケータ信号の受信に応答して、インジケータ要素によって光を放射することとを含む、方法。
VIII.外科処置中に組織タイプを検出するセンサシステムであって、センサシステムは、
プローブであって、
外科用器具の係合に応答して変形するように構成される、電極を備えるコンプライアンス部材、及び、
インジケータ信号の受信に応答して光を放射するように構成されるインジケータ要素、
を備える、プローブと、
電極に結合され、電極が受信した電気信号に基づいて、検出信号を生成するように構成される検出モジュールと、
検出モジュールに作動的に接続され、検出信号に基づいて組織特徴を確定し、確定された組織特徴に基づいてインジケータ信号を生成するように構成される、コントローラと、
を備える、センサシステム。
IX.外科処置中に組織タイプを検出する光センサシステムであって、光センサシステムは、励起光を選択的に放射するように構成される励起源と、プローブであって、励起源に結合され、標的組織を励起光によって照明するとともに、標的組織からの光を収集するように構成される少なくとも1つのファイバ、少なくとも1つのファイバに結合されるコンプライアンス部材であって、コンプライアンス部材は、少なくとも部分的に半透明であり、外科用器具の係合に応答して変形するように構成され、少なくとも1つのファイバの一部は、コンプライアンス部材の内部に配置される、コンプライアンス部材、及び、インジケータ信号の受信に応答して表示を提供するように構成されるインジケータ、を備える、プローブと、少なくとも1つのファイバに結合され、収集された光に基づいて信号を生成するように構成される光学検出モジュールと、光学検出モジュールに作動的に接続され、信号に基づいて組織特徴を確定するとともに、確定された組織特徴に基づいてインジケータ信号を生成するように構成されるコントローラと、を備える、光センサシステム。
X.光センサシステムを使用して脳組織から放射された光を検出する方法であって、光センサシステムは、励起源と、励起源に結合される少なくとも1つのファイバを備えるプローブであって、プローブは、少なくとも1つのファイバに結合され、変形可能であるコンプライアンス部材を更に備え、コンプライアンス部材は、少なくとも部分的に半透明であり、プローブは、少なくとも部分的にコンプライアンス部材内に配置されるインジケータ要素を更に備える、プローブと、少なくとも1つのファイバに結合される光学検出モジュールと、光学検出モジュールに作動的に接続されるコントローラと、を備え、方法は、コンプライアンス部材の少なくとも一部が変形するように、外科用器具によってコンプライアンス部材に係合することと、外科用器具によってコンプライアンス部材を所望の位置に移動させることと、励起源によって励起光を放射することと、少なくとも1つのファイバを用いて、脳組織を励起光によって照明することと、少なくとも1つのファイバを用いて、脳組織からの蛍光を収集することと、光学検出モジュールを用いて、収集された蛍光に基づいて信号を生成することと、コントローラを用いて、信号に基づいて組織特徴を確定することと、コントローラを用いて、確定された組織特徴に基づいてインジケータ信号を生成することと、インジケータ信号の受信に応答して、インジケータ要素によって光を放射することとを含む、方法。
XI.外科処置中に組織タイプを検出するセンサシステムであって、
光センサシステムは、
プローブであって、
電極又は光ファイバを備える部材、及び、
部材に結合され、インジケータ信号の受信に応答して光を放射するように構成されるインジケータ要素、
を備える、プローブと、
電極又はファイバに結合され、電極又はファイバが受信した信号に基づいて検出信号を生成するように構成される検出モジュールと、
検出モジュールに作動的に接続され、信号に基づいて組織特徴を確定するとともに、確定された組織特徴に基づいてインジケータ信号を生成するように構成されるコントローラと、
を備える、センサシステム。
XII.部材は、外科用器具の一部が貫通して配置されることを可能にするサイズの管腔を画定する、条項XIに記載のセンサシステム。
XIII.プローブは、コネクタを備え、部材は、コネクタによって少なくとも1つのプローブから取外し可能であり、部材は、放射線不透過性材料を含む、条項XIに記載のセンサシステム。
XIV.放射線不透過性材料は、ガドリニウムを含む、条項XIIIに記載のセンサシステム。
XV.部材は、生体吸収性である、条項XIに記載のセンサシステム。
XVI.部材は、シリコーン、ポリ塩化ビニル、ヒドロゲル、ポリウレタン、多糖類、セルロース、ポリ乳酸、及びそれらの組合せから選択される材料から形成される、条項XIに記載のセンサシステム。
XVII.インジケータ要素は、部材とともに配置される、条項XIに記載のセンサシステム。
XVIII.部材は、コンプライアンス部材として更に画定される、条項XIに記載のセンサシステム。
XIX.コンプライアンス部材は、10~50のロックウェルショア00硬さ、又は0~20のロックウェルショアA硬さを有する、条項XVIIIに記載のセンサシステム。
【手続補正書】
【提出日】2024-01-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外科処置中に組織タイプを検出する光センサシステムであって、該光センサシステムは、
励起光を選択的に放射するように構成される励起源と、
プローブであって、
前記励起源に結合され、標的組織を前記励起光によって照明するとともに、標的組織からの光を収集するように構成される少なくとも1つのファイバ、
前記少なくとも1つのファイバに結合されるコンプライアンス部材であって、該コンプライアンス部材は、少なくとも部分的に半透明であり、外科用器具の係合に応答して変形するように構成され、前記少なくとも1つのファイバの一部は、該コンプライアンス部材の内部に配置される、コンプライアンス部材、及び、
インジケータ信号の受信に応答して光を放射するように構成されるインジケータ要素、
を備える、プローブと、
前記少なくとも1つのファイバに結合され、前記標的組織からの前記収集された光に基づいて信号を生成するように構成される光学検出モジュールと、
前記光学検出モジュール
及び前記プローブに作動的に接続され、前記信号に基づいて組織特徴を確定するとともに、前記確定された組織特徴に基づいて前記インジケータ信号を生成するように構成される、コントローラと、
を備える、光センサシステム。
【請求項2】
前記コンプライアンス部材は、前記コンプライアンス部材の外面から延在し、少なくとも部分的に吸引ツールの管腔内に配置されるようなサイズである突出部を備える、請求項1に記載の光センサシステム。
【請求項3】
前記プローブは、
前記少なくとも1つのファイバの少なくとも一部を包囲するジャケットと、
前記ジャケットに結合され、異なる形状をとるように構成されるキャリアと、
を更に備える、請求項1に記載の光センサシステム。
【請求項4】
前記プローブは、前記ジャケットに結合され、前記コンプライアンス部材の近位に位置する把持部材を備え、
前記把持部材は、
前記プローブが所望の位置から移動することを防止するために、患者の一部に取り付けられるように構成される締結具と、
前記コンプライアンス部材を所望の位置に導くために前記外科用器具が係合するタブと、
のうちの少なくとも一方を含む、請求項3に記載の光センサシステム。
【請求項5】
前記プローブは、前記少なくとも1つのファイバ又は前記ジャケットに結合され、前記少なくとも1つのファイバ又は前記ジャケットの少なくとも一部を、患者の外部に位置する位置に固定するように構成されるアンカを更に備える、請求項3に記載の光センサシステム。
【請求項6】
前記プローブは、第1のモード又は第2のモードで前記組織を前記励起光によって照明するように構成され、
前記第1のモードにおいて、前記少なくとも1つのファイバは、前記組織を拡散励起光によって照明し、前記第2のモードにおいて、前記少なくとも1つのファイバは、前記組織を集束励起光によって照明する、請求項1~5のいずれか1項に記載の光センサシステム。
【請求項7】
前記第1のモードにおいて、前記少なくとも1つのファイバの遠位端部は、前記コンプライアンス部材の一部に対する第1の位置に位置決めされ、前記第2のモードにおいて、前記少なくとも1つのファイバの前記遠位端部は、前記コンプライアンス部材の前記一部に対する第2の位置に位置決めされる、請求項6に記載の光センサシステム。
【請求項8】
前記コンプライアンス部材は、放射線不透過性材料を含む、請求項1に記載の光センサシステム。
【請求項9】
前記励起源は、第1の励起源として更に画定され、前記光センサシステムは、第2の励起源を更に備え、前記インジケータ要素は、前記第2の励起源に結合されるインジケータファイバを備え、前記第2の励起源は、前記インジケータ信号に応答して光を放射するように構成される、請求項1に記載の光センサシステム。
【請求項10】
前記コンプライアンス部材は、前記外科用器具の一部が貫通して配置されることを可能にするサイズの管腔を画定する、請求項1に記載の光センサシステム。
【請求項11】
前記インジケータ要素は、前記インジケータ信号に応答して光を放射するように構成される発光ダイオード(LED)を含む、請求項1に記載の光センサシステム。
【請求項12】
前記コンプライアンス部材は、球形状を画定し、
前記コンプライアンス部材は、第1の半球及び第2の半球を備え、前記少なくとも1つのファイバの一部は、前記第1の半球及び前記第2の半球のうちの少なくとも一方の内に完全に配置される、請求項1に記載の光センサシステム。
【請求項13】
前記少なくとも1つのファイバは、前記励起源に結合され、前記励起光を放射するように構成される励起ファイバとして更に画定され、前記光センサシステムは、前記光学検出モジュールに結合され、前記標的組織からの光を収集するように構成される収集ファイバを更に備える、請求項1に記載の光センサシステム。
【請求項14】
前記プローブは、中心コア及び外側チャネルを備える同軸ファイバを備え、前記インジケータ要素は、前記外側チャネル内に配置され、前記少なくとも1つのファイバは、前記中心コア内に配置される、請求項1に記載の光センサシステム。
【請求項15】
前記中心コアの先端部は、前記コンプライアンス部材の内部で、前記コンプライアンス部材の遠位部分の近位に配置される、請求項14に記載の光センサシステム。
【請求項16】
前記外側チャネルの側壁は、透明であり、前記インジケータ要素が周囲領域に光を拡散することを可能にするように構成される、請求項14に記載の光センサシステム。
【請求項17】
外科処置中に組織タイプを検出する光センサシステムであって、該光センサシステムは、
励起光を選択的に放射するように構成される励起源と、
プローブであって、
前記励起源に結合され、標的組織を前記励起光によって照明するとともに、標的組織からの光を収集するように構成される少なくとも1つのファイバ、
前記少なくとも1つのファイバの遠位端部に結合されるセンサ本体、
外科用器具によって操作されるように構成され、前記センサ本体の近位で前記少なくとも1つのファイバに結合される、タブ、及び、
インジケータ信号の受信に応答して、表示を提供するように構成されるインジケータ、
を備える、プローブと、
前記少なくとも1つのファイバに結合され、前記収集された光に基づいて信号を生成するように構成される光学検出モジュールと、
前記光学検出モジュール及び前記プローブに作動的に接続され、前記信号に基づいて組織特徴を確定するとともに、前記確定された組織特徴に基づいて前記インジケータ信号を生成するように構成されるコントローラと、
を備える、光センサシステム。
【請求項18】
光センサシステムを使用して脳組織から放射された光を検出する方法であって、
前記光センサシステムは、励起源と、前記励起源に結合される少なくとも1つのファイバを備えるプローブであって、該プローブは、前記少なくとも1つのファイバに結合され、少なくとも部分的に半透明であるコンプライアンス部材を更に備え、前記コンプライアンス部材は、突出部を備え、該プローブは、少なくとも部分的に前記コンプライアンス部材内に配置されるインジケータ要素を更に備える、プローブと、前記少なくとも1つのファイバに結合される光学検出モジュールと、前記光学検出モジュールに作動的に接続されるコントローラと、を備え、
該方法は、
前記突出部が吸引ツールの管腔付近にくるように前記吸引ツールを位置決めすることと、
前記突出部が前記吸引ツールの前記管腔内に配置されるように、前記吸引ツールによって吸引を印加することと、
前記吸引ツールによって前記コンプライアンス部材を所望の位置に移動させることと、
吸引が前記コンプライアンス部材を解放するように、前記吸引ツールの吸引を変更することと、
前記励起源によって励起光を放射することと、前記少なくとも1つのファイバを用いて、前記脳組織を前記励起光によって照明することと、前記少なくとも1つのファイバを用いて、前記脳組織からの蛍光を収集することと、
前記光学検出モジュールを用いて、前記収集された蛍光に基づいて信号を生成することと、
前記コントローラを用いて、前記信号に基づいて組織特徴を確定することと、
前記コントローラを用いて、前記画定された組織特徴に基づいてインジケータ信号を生成することと、
前記インジケータ信号の受信に応答して、前記インジケータ要素によって光を放射することと、
を含む、方法。
【請求項19】
外科処置中に組織タイプを検出する光センサシステムであって、該光センサシステムは、
励起光を選択的に放射するように構成される励起源と、
プローブであって、
前記励起源に結合され、標的組織を励起光によって照明するとともに、標的組織からの光を収集するように構成される少なくとも1つのファイバ、
前記少なくとも1つのファイバに結合されるコンプライアンス部材であって、該コンプライアンス部材は、少なくとも部分的に半透明であり、外科用器具の係合に応答して変形するように構成され、前記少なくとも1つのファイバの一部は、該コンプライアンス部材の内側に配置される、コンプライアンス部材、及び、
インジケータ信号の受信に応答して表示を提供するように構成されるインジケータ、
を備える、プローブと、
前記少なくとも1つのファイバに結合され、前記収集された光に基づいて信号を生成するように構成される光学検出モジュールと、
前記光学検出モジュールに作動的に接続され、前記信号に基づいて組織特徴を確定するとともに、前記確定された組織特徴に基づいて前記インジケータ信号を生成するように構成されるコントローラと、
を備える、光センサシステム。
【請求項20】
光センサシステムを使用して脳組織から放射された光を検出する方法であって、
前記光センサシステムは、励起源と、前記励起源に結合される少なくとも1つのファイバを備えるプローブであって、該プローブは、前記少なくとも1つのファイバに結合され、変形可能であるコンプライアンス部材を更に備え、前記コンプライアンス部材は、少なくとも部分的に半透明であり、該プローブは、少なくとも部分的に前記コンプライアンス部材内に配置されるインジケータ要素を更に備える、プローブと、前記少なくとも1つのファイバに結合される光学検出モジュールと、前記光学検出モジュールに作動的に接続されるコントローラと、を備え、
該方法は、
前記コンプライアンス部材の少なくとも一部が変形するように、外科用器具によって前記コンプライアンス部材に係合することと、
前記外科用器具によって前記コンプライアンス部材を所望の位置に移動させることと、前記励起源によって励起光を放射することと、
前記少なくとも1つのファイバを用いて、前記脳組織を前記励起光によって照明することと、
前記少なくとも1つのファイバを用いて、前記脳組織からの蛍光を収集することと、
前記光学検出モジュールを用いて、前記収集された蛍光に基づいて信号を生成することと、
前記コントローラを用いて、前記信号に基づいて組織特徴を確定することと、
前記コントローラを用いて、前記確定された組織特徴に基づいてインジケータ信号を生成することと、
前記インジケータ信号の受信に応答して、前記インジケータ要素によって光を放射することと、
を含む、方法。
【国際調査報告】