(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-10
(54)【発明の名称】食品包装用の水分吸収装置
(51)【国際特許分類】
B65D 81/26 20060101AFI20240501BHJP
【FI】
B65D81/26 K
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023571786
(86)(22)【出願日】2022-05-23
(85)【翻訳文提出日】2024-01-10
(86)【国際出願番号】 US2022072513
(87)【国際公開番号】W WO2022246478
(87)【国際公開日】2022-11-24
(32)【優先日】2021-05-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523435668
【氏名又は名称】ノモト,ジェームス
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ノモト,ジェームス
【テーマコード(参考)】
3E067
【Fターム(参考)】
3E067AB01
3E067BA10A
3E067BC02A
3E067CA09
3E067EE25
3E067EE30
3E067FA01
3E067FC01
3E067GB12
(57)【要約】
水分吸収装置、本装置を調製する方法、及び本装置を用いて食品容器の内部の水分を減少させる方法が開示される。本装置は、キャリア層と、吸収層とを含むことができる。吸収層は、ヒドロゲル組成物と、任意選択で接着剤とを含むことができる。本装置は、通気層を更に含むことができる。本装置は、本装置を食品容器に取り付けるための接着剤材料を露出表面上に有する取り付け層を更に含むことができる。本装置を調製する方法は、ロールツーロールアセンブリプロセスを含むことができる。本装置を用いて食品容器の内部の水分を減少させる方法は、食品を食品容器の第1の表面に加えることと、水分吸収装置を食品容器の第2の表面に取り付けることと、食品容器を閉鎖することとを含むことができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用中の食品容器の内部の水分を減少させるための水分吸収装置であって、
キャリア層であって、第1の表面と、前記第1の表面から第1の離間距離であって、前記第1の離間距離が前記キャリア層の厚さを規定する、第1の離間距離だけ分離された第2の表面と、を有する、キャリア層と、
吸収層であって、前記キャリア層の前記第2の表面と連続的に接触している第3の表面と、前記第3の表面から第2の離間距離であって、前記第2の離間距離が前記吸収層の厚さを規定する、第2の離間距離だけ分離された第4の表面と、を有し、
前記吸収層がヒドロゲル組成物を含む、吸収層と、を備える、水分吸収装置。
【請求項2】
前記吸収層が接着剤を更に含む、請求項1に記載の水分吸収装置。
【請求項3】
通気層であって、前記吸収層の前記第4の表面と非連続的に接触している第5の表面と、前記第5の表面から第3の離間距離だけ分離された第6の表面と、を有する、通気層を更に備える、請求項1に記載の水分吸収装置。
【請求項4】
取り付け層であって、前記通気層の前記第6の表面と非連続的に接触している第7の表面と、前記第7の表面から第4の離間距離であって、前記第4の離間距離が前記取り付け層の厚さを規定する、第4の離間距離だけ分離された第8の表面と、を有し、
前記取り付け層が、前記装置を前記食品容器の表面に取り付けるための接着剤材料を前記第8の表面上に含む、取り付け層を更に備える、請求項3に記載の水分吸収装置。
【請求項5】
前記取り付け層の前記第8の表面を覆う取り外し可能なシートであって、前記取り外し可能なシートを取り外すと前記第8の表面上の前記接着剤材料が曝される、取り外し可能なシートを更に備える、請求項4に記載の水分吸収装置。
【請求項6】
前記キャリア層の前記第1の表面を覆う取り外し可能なライナであって、前記取り外し可能なライナを取り外すと前記キャリア層の前記第1の表面が前記食品容器の内部の水分に曝される、取り外し可能なライナを更に備える、請求項1に記載の水分吸収装置。
【請求項7】
前記ヒドロゲル組成物が、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、エチレン、無水マレイン酸コポリマー、ポリビニルエーテル、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルモルホリノン、又はそれらの塩を含む、請求項1に記載の水分吸収装置。
【請求項8】
前記ヒドロゲル組成物が、ポリビニルアルコール若しくはポリビニルアルコールのアルカリ金属塩を含むか、又は
前記ヒドロゲル組成物が、ポリアクリル酸若しくはポリアクリル酸のアルカリ金属塩を含む、請求項7に記載の水分吸収装置。
【請求項9】
前記ヒドロゲル組成物が、前記吸収層の総重量に基づいて、約5~約98重量%の量で存在する、請求項8に記載の水分吸収装置。
【請求項10】
前記通気層が、前記吸収層の前記第2の表面に沿って延在する第1の複数の開放チャネルを有する溝付き構造を備える、請求項1に記載の水分吸収装置。
【請求項11】
前記通気層が、前記吸収層の前記第2の表面に沿って延在する第1の複数の開放チャネルと、前記取り付け層の前記第7の表面に沿って延在する第2の複数の開放チャネルと、を有する、溝付き構造を備える、請求項3に記載の水分吸収装置。
【請求項12】
前記通気層が、段ボール紙、板紙、ボール紙で構成されており、溝付き、波状、回旋状、アコーディオン、又はハニカム設計に加工されている、請求項3に記載の水分吸収装置。
【請求項13】
前記キャリア層が、多孔質材料、繊維状織物、不織布、密織材料、又はそれらの組み合わせで構成されており、
前記キャリア層が、前記食品容器からの水分含有空気が前記吸収層に到達することを可能にするように構成されている、請求項1に記載の水分吸収装置。
【請求項14】
前記取り外し可能なシートがアクリル系感圧接着剤で構成されている、請求項5に記載の水分吸収装置。
【請求項15】
室温を上回る温度を有する調理された食品を収容している食品容器の内部の水分を減少させる方法であって、
前記調理された食品を前記食品容器の第1の表面に加えることと、
水分吸収装置であって、
キャリア層であって、第1の表面と、前記第1の表面から第1の離間距離であって、前記第1の離間距離が前記キャリア層の厚さを規定する、第1の離間距離だけ分離された第2の表面と、を有する、キャリア層と、
吸収層であって、前記キャリア層の前記第2の表面と連続的に接触している第3の表面と、前記第3の表面から第2の離間距離であって、前記第2の離間距離が前記吸収層の厚さを規定する、第2の離間距離だけ分離された第4の表面と、を有し、
前記吸収層がヒドロゲル組成物を含む、吸収層と、を備える、水分吸収装置を前記食品容器の第2の表面に取り付けることと、
前記食品容器を閉鎖することと、を含む、方法。
【請求項16】
前記装置が、
通気層であって、前記吸収層の前記第4の表面と非連続的に接触している第5の表面と、前記第5の表面から第3の離間距離だけ分離された第6の表面と、を有する、通気層を更に備える、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記装置が、
取り付け層であって、前記通気層の前記第6の表面と非連続的に接触している第7の表面と、前記第7の表面から第4の離間距離であって、前記第4の離間距離が前記取り付け層の厚さを規定する、第4の離間距離だけ分離された第8の表面と、を有し、
前記取り付け層が、前記装置を前記食品容器の表面に取り付けるための接着剤材料を前記第8の表面上に含む、取り付け層と、
前記取り付け層の前記第8の表面を覆う取り外し可能なシートであって、前記取り外し可能なシートを取り外すと前記第8の表面上の前記接着剤材料が曝される、取り外し可能なシートと、を更に備える、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記水分吸収装置を前記食品容器の前記第2の表面に取り付ける前に、
前記取り外し可能なシートを前記取り付け層から取り外すことを更に含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記装置が、前記キャリア層の前記第1の表面を覆う取り外し可能なライナであって、前記取り外し可能なライナを取り外すと前記キャリア層の前記第1の表面が前記食品容器の内部の水分に曝される、取り外し可能なライナを更に備え、
前記方法が、前記食品容器を閉鎖する前に、前記取り外し可能なライナを前記キャリア層から取り外すことを更に含む、請求項16に記載の方法。
【請求項20】
水分吸収装置を調製する方法であって、前記水分吸収装置が、
キャリア層であって、第1の表面と、前記第1の表面から第1の離間距離であって、前記第1の離間距離が前記キャリア層の厚さを規定する、第1の離間距離だけ分離された第2の表面と、を有する、キャリア層と、
吸収層であって、前記キャリア層の前記第2の表面と連続的に接触している第3の表面と、前記第3の表面から第2の離間距離であって、前記第2の離間距離が前記吸収層の厚さを規定する、第2の離間距離だけ分離された第4の表面と、を有し、
前記吸収層がヒドロゲル組成物を含む、吸収層と、
取り付け層であって、前記通気層の前記第6の表面と非連続的に接触している第7の表面と、前記第7の表面から第4の離間距離であって、前記第4の離間距離が前記取り付け層の厚さを規定する、第4の離間距離だけ分離された第8の表面と、を有し、
前記取り付け層が、前記装置を前記食品容器の表面に取り付けるための接着剤材料を前記第8の表面上に含む、取り付け層と、を備え、
前記方法が、前記装置のロールツーロールアセンブリであって、
前記キャリア層を提供することと、
前記吸収層を前記キャリア層の前記第2の表面上に堆積させることと、
前記通気層の第5の表面を前記吸収層の前記第4の表面に接着させることと、
前記取り付け層の第7の表面を前記通気層の前記第6の表面に接着させることと、
前記取り付け層の前記第8の表面を食品容器の内部表面に接着させることと、を含む、ロールツーロールアセンブリを含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年5月21日に出願された米国仮特許出願第63/191,876号の米国特許法第119条(e)に基づく優先権の利益を主張し、その内容は、参照によりその全体が依拠され、本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、概して、水分吸収装置に関し、より具体的には、食品容器に連結するように構成された水分吸収装置に関し、より具体的には、食品容器の内部表面に連結するように構成された水分吸収装置、並びに装置を使用して、食品容器の内部に運ばれる食品を収容している食品容器の内部の湿度及び水分を減少させる方法に関する。
【背景技術】
【0003】
サクサク若しくはカリカリの食品を含む温かい若しくは熱い食品が消費者に配達されるか、又は消費者によってレストランから持ち帰られるとき、調理されたばかりの食品は、食品容器の内部の湿度及び大気水分を増加させ得る湯気(水蒸気)を生成する。消費者が食品を食べる準備が整うまでに、調理からの期間が短い場合であっても、食品の食感及び味は、食品容器内部の水分によって変わっている可能性が高い。例えば、フライドポテトを含む揚げ物は、レストランから消費者の目的地に輸送された後、サクサクではなく湿っぽい場合が多い。したがって、消費者は、メニューから特定の食品を注文することができ、ある特定の食品は輸送/配達後に食欲をそそらないため、他の食品を注文しない。冷たい食べ物及び農産物(ベリー、レタス、マイクログリーンなど)も、食品容器内部に水分をもたらす可能性がある。例えば、結露の液滴が内部表面に形成され、次いで、容器内部の食品の食感及び/又は味に影響を与える可能性がある。したがって、食品がレストランからそれを消費者が食べる場所に配達された後で食欲をそそるもののままに保つため、食品容器内部の湿度を減少させるための改善された方法及び装置が必要とされている。
【発明の概要】
【0004】
様々な実施形態では、使用中の食品容器の内部の水分を減少させるための水分吸収装置が提供される。本装置は、キャリア層であって、底部表面と、底部表面から第1の離間距離であって、第1の離間距離がキャリア層の厚さを規定する、第1の離間距離だけ分離された上部表面と、を有する、キャリア層と、吸収層であって、キャリア層の上部表面と連続的に接触している底部表面と、底部表面から第2の離間距離であって、第2の離間距離が吸収層の厚さを規定する、第2の離間距離だけ分離された上部表面と、を有し、吸収層がヒドロゲル組成物を含む、吸収層と、を備えることができる。
【0005】
いくつかの実施形態では、吸収層は、接着剤を更に含む。
【0006】
いくつかの実施形態では、水分吸収装置は、通気層であって、吸収層の上部表面と非連続的に接触している底部表面と、底部表面から第3の離間距離だけ分離された上部表面と、を有する、通気層を更に備える。
【0007】
いくつかの実施形態では、水分吸収装置は、取り付け層であって、通気層の上部表面と非連続的に接触している底部表面と、底部表面から第4の離間距離であって、第4の離間距離が取り付け層の厚さを規定する、第4の離間距離だけ分離された上部表面と、を有し、取り付け層が装置を食品容器の表面に取り付けるための接着剤材料を上部表面上に含む、取り付け層を更に備えることができる。
【0008】
いくつかの実施形態では、水分吸収装置は、取り付け層の上部表面を覆う取り外し可能なシートであって、取り外し可能なシートを取り外すと上部表面上の接着剤材料が曝される、取り外し可能なシートを更に備えることができる。
【0009】
いくつかの実施形態では、水分吸収装置は、キャリア層の底部表面を覆う取り外し可能なライナであって、取り外し可能なライナを取り外すとキャリア層の底部表面が食品容器の内部の水分に曝される、取り外し可能なライナを更に備えることができる。
【0010】
いくつかの実施形態では、ヒドロゲル組成物は、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、エチレン、無水マレイン酸コポリマー、ポリビニルエーテル、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルモルホリノン、又はそれらの塩を含むことができる。
【0011】
いくつかの実施形態では、ヒドロゲル組成物は、ポリアクリル酸又はポリアクリル酸のアルカリ金属塩を含むことができる。
【0012】
いくつかの実施形態では、ヒドロゲル組成物は、ポリビニルアルコール又はポリビニルアルコールのアルカリ金属塩を含むことができる。
【0013】
いくつかの実施形態では、ヒドロゲル組成物は、吸収層の総重量に基づいて、約5~約98重量%の量で存在する。
【0014】
いくつかの実施形態では、ヒドロゲル組成物は、その重量の少なくとも10倍の水分を吸収することができる。
【0015】
いくつかの実施形態では、通気層は、吸収層の上部表面に沿って延在する第1の複数の開放チャネルを有する溝付き構造を備える。
【0016】
いくつかの実施形態では、通気層は、吸収層の上部表面に沿って延在する第1の複数の開放チャネルと、取り付け層の底部表面に沿って延在する第2の複数の開放チャネルと、を有する、溝付き構造を備える。
【0017】
いくつかの実施形態では、通気層は、段ボール紙、板紙、ボール紙で構成されており、溝付き、波状、回旋状、アコーディオン、又はハニカム設計に加工されている。
【0018】
いくつかの実施形態では、キャリア層は、多孔質材料、繊維状織物、不織布、密織材料、又はそれらの組み合わせで構成されており、キャリア層は、食品容器からの水分含有空気が吸収層に到達することを可能にするように構成されている。
【0019】
いくつかの実施形態では、取り外し可能なシートは、アクリル系感圧接着剤で構成されている。
【0020】
様々な実施形態では、食品を収容している食品容器の内部の水分を減少させる方法が提供される。いくつかの実施形態では、食品は、室温を上回る温度を有する調理された食品である。いくつかの実施形態では、本方法は、食品を食品容器の第1の表面に加えることと、水分吸収装置であって、装置が、キャリア層であって、底部表面と、底部表面から第1の離間距離であって、第1の離間距離がキャリア層の厚さを規定する、第1の離間距離だけ分離された上部表面と、を有する、キャリア層と、吸収層であって、キャリア層の上部表面と連続的に接触している底部表面と、底部表面から第2の離間距離であって、第2の離間距離が吸収層の厚さを規定する、第2の離間距離だけ分離された上部表面と、を有し、吸収層がヒドロゲル組成物を含む、吸収層と、を備える、装置を食品容器の第2の表面に取り付けることと、食品容器を閉鎖することと、を含む。
【0021】
いくつかの実施形態では、本方法の装置中の吸収層は、接着剤を更に含み、本方法は、装置のロールツーロールアセンブリであって、キャリア層を提供することと、吸収層をキャリア層の上部表面上に堆積させることと、吸収層の上部表面を食品容器の内部表面に接着させることと、を含む、ロールツーロールアセンブリを含む。
【0022】
いくつかの実施形態では、本方法の本装置は、通気層であって、吸収層の上部表面と非連続的に接触している底部表面と、底部表面から第3の離間距離だけ分離された上部表面と、を有する、通気層を更に備える。
【0023】
いくつかの実施形態では、本方法における本装置は、取り付け層であって、通気層の上部表面と接触している底部表面と、底部表面から第4の離間距離であって、第4の離間距離が取り付け層の厚さを規定する、第4の離間距離だけ分離された上部表面と、を有し、取り付け層が、装置を食品容器の表面に取り付けるための接着剤材料を上部表面上に含む、取り付け層と、取り付け層の上部表面を覆う取り外し可能なシートであって、取り外し可能なシートを取り外すと上部表面上の接着剤材料が曝される、取り外し可能なシートと、を更に備える。
【0024】
いくつかの実施形態では、方法は、水分吸収装置を食品容器の第2の表面に取り付ける前に、取り外し可能なシートを取り付け層から取り外すことを更に含む。
【0025】
いくつかの実施形態では、本方法における本装置は、キャリア層の底部表面を覆う取り外し可能なライナであって、取り外し可能なライナを取り外すとキャリア層の底部表面が食品容器の内部の水分に曝される、取り外し可能なライナを更に備える。
【0026】
いくつかの実施形態では、本方法は、食品容器を閉鎖する前に、取り外し可能なライナをキャリア層から取り外すことを更に含む。
【0027】
様々な実施形態では、水分吸収装置を調製する方法であって、水分吸収装置が、キャリア層であって、底部表面と、底部表面から第1の離間距離であって、第1の離間距離がキャリア層の厚さを規定する、第1の離間距離だけ分離された上部表面と、を有する、キャリア層と、吸収層であって、キャリア層の上部表面と連続的に接触している底部表面と、底部表面から第2の離間距離であって、第2の離間距離が吸収層の厚さを規定する、第2の離間距離だけ分離された上部表面と、を有し、吸収層がヒドロゲル組成物を含む、吸収層と、を備える、方法。
【0028】
いくつかの実施形態では、本方法の本装置中の吸収層は、接着剤を更に含み、本方法は、装置のロールツーロールアセンブリであって、キャリア層を提供することと、吸収層をキャリア層の上部表面上に堆積させることと、吸収層の上部表面を食品容器の内部表面に接合することと、を含む、ロールツーロールアセンブリを含む。
【0029】
いくつかの実施形態では、本方法の装置は、通気層であって、吸収層の上部表面と非連続的に接触している底部表面と、底部表面から第3の離間距離だけ分離された上部表面と、を有する、通気層と、取り付け層であって、通気層の上部表面と非連続的に接触している底部表面と、底部表面から第4の離間距離であって、第4の離間距離が取り付け層の厚さを規定する、第4の離間距離だけ分離された上部表面と、を有し、取り付け層が、装置を食品容器の表面に取り付けるための接着剤材料を上部表面上に含む、取り付け層と、を更に備え、本方法は、装置のロールツーロールアセンブリであって、キャリア層を提供することと、吸収層をキャリア層の上部表面上に堆積させることと、通気層の底部表面を吸収層の上部表面に接着させることと、取り付け層の底部表面を通気層の上部表面に接着させることと、取り付け層の上部表面を食品容器の内部表面に接着させることと、を含む、ロールツーロールアセンブリを含む。
【0030】
上記の包括的な説明及び以下の詳細な説明の両方は、様々な実施形態を説明し、特許請求される主題の性質及び特徴を理解するための概要又は枠組みを提供することを意図していることを理解されたい。添付の図面は、様々な実施形態の更なる理解を提供するために含まれており、本明細書に組み込まれ、かつ本明細書の一部を構成する。図面は、本明細書で説明される様々な実施形態を例解し、説明とともに、特許請求される主題の原理及び動作を説明する。
【0031】
本発明の実施形態並びにその利点及び特徴の完全な理解は、以下の詳細な説明、添付の特許請求の範囲、及び添付の図面を参照することによって、より容易に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1】本明細書で説明される実施形態による、
図3のK-K′線に沿った水分吸収装置の断面図である。
【0033】
【
図2】修正された形態の
図1の水分吸収装置の断面図である。
【0034】
【
図3】本明細書で説明される実施形態による、水分吸収装置の斜視図である。
【0035】
【
図4】本明細書で説明される実施形態による、食品容器に取り付けられた後の
図3の水分吸収装置の斜視図である。
【0036】
【
図5】食品容器への取り付け後の、
図4の水分吸収装置の断面図である。
【0037】
図面は、必ずしも縮尺通りではなく、図面の特定の特徴及び特定の図は、明確さ及び簡潔さのために、同じ程度で又は概略的に誇張されて示され得る。
【発明を実施するための形態】
【0038】
ここで、その例が実施例において例解される、例示的な実施形態を詳細に参照する。例示的な実施形態を説明する前に、実施形態は、主に、水分吸収装置に関連する構成要素及び手順の組み合わせで存在することに留意されたい。したがって、構成及び方法の構成要素は、該当する場合、本明細書の説明の利益を有する当業者に容易に明らかになる詳細によって本開示を不明瞭にしないように、本開示の実施形態を理解することに関するそれらの特定の詳細のみを示して提示されている。
【0039】
本明細書で説明される様々な実施形態の具体的な詳細は、実証の目的のためにのみ使用され、そこから不必要な限定又は推論が理解されるべきではない。
【0040】
様々な実施形態では、水分吸収装置、及び本装置を使用して食品容器の内部に存在する水分を減少させる方法が提供される。本装置は、使い捨て食品容器を含む様々な食品容器に取り付けられるように構成されている。使い捨て食品容器は、紙、板紙、段ボール、プラスチック若しくはワックスコーティング紙、木材、熱成形(プラスチック)、成形パルプ、チップボード、又は他の材料であり得る。使い捨て食品容器の例としては、ボール紙のピザボックス、発泡体(例えば、発泡スチロール)クラムシェル、板紙クラムシェル、断熱紙容器、又は配達のために食品を包装するために現在利用可能な他の既存の食品容器が挙げられる。いくつかの実施形態では、使い捨て食品容器は、インライン機械を使用して製造される。
【0041】
様々な実施形態では、
図1~5に示されるように、水分吸収装置100は、食品容器Cに連結するように構成されている。いくつかの実施形態では、
図1及び2の断面図と一致して、水分吸収装置100は、複数の層の隣接する層が、次の層の上に順次位置決めされた、多層内部構造を備え、それによって、装置は、装置の底部表面104から上部表面126まで延在する。この文脈では、「上部表面」という用語は、食品容器Cの上側内部表面Dに接触して取り付けられるように構成された水分吸収装置100の表面を指し、「底部表面」という用語は、食品容器Cの下側内部表面B及び食品Fに面する水分吸収装置100の表面を指す。様々な実施形態では、水分吸収装置100の多層構造は、キャリア層110と、吸収層115と、を含む。いくつかの実施形態では、水分吸収装置100の多層構造は、キャリア層110と、吸収層115と、通気層120と、を含む。いくつかの実施形態では、水分吸収装置100は、更なる層を含む。
【0042】
水分吸収装置100は、例えば、概ね立方体、矩形の立方体、円筒体、半球、角柱などの形状を含む、任意の好適な三次元形状を有することができる。そのような実施形態では、水分吸収装置100は、
図2に示されるように、所定の高さHを有する。この文脈では、装置の特定の部分が特定の形状内に嵌まらない場合があるため、「概ね」という用語が修飾語として使用される。例えば、装置は、パウチとしてパッケージされている場合、圧着された境界部分を有することができ、したがって、装置の大部分(例えば、75%、80%、85%、90%、95%、98%など)は、記載された形状を有するであろうが、境界部分の縁部は、パウチを密封するためにテーパ状にされて圧着され得る。いくつかの実施形態では、
図3及び4の斜視図と一致して、水分吸収装置100は、概ね立方体又は矩形の立方体形状を備える。そのような実施形態では、キャリア層110、吸収層115、及び任意の追加の層は、相補的な概ね立方体又は矩形の立方体形状を有し、通気層120は、
図1及び2に示されるように、概ね立方体又は矩形の立方体の空隙を埋めるように構成された形状を有する。
【0043】
水分吸収装置100は、任意の好適な長さL及び幅Wを有することができる。いくつかの実施形態では、長さ及び幅は、同一である(例えば、正方形)。他の実施形態では、長さ及び幅は、異なる(例えば、矩形)。長さ及び幅が異なる場合、
図3に示されるように、幅は、x軸を中心に横方向に延在し、長さは、y軸を中心に長手方向に延在する。高さは、z軸に沿って延在する。
図1及び2の断面図は、幅Wを示す。いくつかの実施形態では、長さL及び幅Wは、約1cm~約50cm、又は約2cm~約40cm、又は約3cm~約30cm、又は約4cm~約20cm、又は約5cm~約10cmなどに及ぶことができる。
【0044】
いくつかの実施形態では、水分吸収装置100は、ラベルが食品容器に取り付けられる方法と同様の方法で適用されることができるように、実質的に平坦かつ平面的な形状を有する。例えば、いくつかの実施形態では、水分吸収装置100は、例えば、ロールツーロール製作プロセスの作製ステップ中に食品容器C上にロール展開され得る。そのような実施形態では、水分吸収装置100は、
図2に示されるように、所定の高さHを有するが、高さは、短い距離(例えば、2mm、3mm、4mmなどを含む1~10mm)に及ぶことができるため、特定の観点からは、平坦又は同一表面上の装置であるように見える。様々な実施形態では、水分吸収装置100の高さHは、食品容器の内部空間とともに、食品容器内部に収容される食品と水分吸収装置100との間の距離を決定する。使用中、装置と食品との間の距離は、好ましくは、少なくとも1cmであるか、又は約2cm~約5cmなどのような任意のサブ範囲を含む、約1cm~約10cmの範囲である。装置と食品との間の所定の距離は、食品から放出された水分(例えば、湯気)が装置によって効率的に捕捉されることを可能にする。
【0045】
いくつかの実施形態では、使用中、キャリア層110は、
図1~5に示されるように、食品容器Cの下側内部表面Bに位置する食品Fに面する底部表面109と、食品容器Cの上側内部表面Dに面する上部表面111と、を備える。いくつかの実施形態では、キャリア層110は、吸収層115と食品Fとの間に物理的バリアを提供する。そのような実施形態では、キャリア層110は、食品Fを吸収層115から分離する。いくつかの実施形態では、キャリア層110は、食品容器内に存在する水分に加えて、吸収層115の1つ以上の成分を吸収することができる材料で構成されている。そのような実施形態では、吸収層115内の1つ以上の成分が漏れた場合、キャリア層110は、それらの成分を吸収し、それが食品Fに接触するのを防止する。
【0046】
いくつかの実施形態では、キャリア層110は、
図5に示されるように、食品Fから放出される湯気Sが吸収層115まで浸透することを可能にするほど十分に効率的である水蒸気透過率を含む。いくつかの実施形態では、キャリア層110は、多孔質材料、繊維状織物、不織布、密織材料、又はそれらの組み合わせを含み、これは、食品Fから放出される湯気Sが、食品容器C内部の大気から吸収層115まで浸透することを可能にする。いくつかの実施形態では、キャリア層110は、繊維状織物、不織布、密織材料、多孔質材料、又はそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、繊維状織物、不織布、及び/又は多孔質材料は、容器から吸収層への空気の流れを補助するための1つ以上の通気孔、スロット、及び/又はチャネルを備える。いくつかの実施形態では、キャリア層110は、容器から吸収層115への空気の流れを補助するための1つ以上の通気孔、スロット、及び/又はチャネルを備える。
【0047】
いくつかの実施形態では、キャリア層110は、吸収層115に面する上部表面111を備える。いくつかの実施形態では、上部表面111は、吸収層115の底部表面114と接触している。いくつかの実施形態では、キャリア層110は、吸収層115が担持、成型、及び/又は確立され得る基部として機能する。そのような実施形態では、吸収層115は、作製プロセス中に吸収層115を担持するキャリア層110上に堆積させることができる。そのような実施形態では、キャリア層110及び吸収層115は、物理的及び/又は化学的結合を通じて一緒に融着される。いくつかの実施形態では、物理的及び/又は化学的結合は、任意選択で、接着剤材料によって促進され、触媒され、又は生成される。
【0048】
いくつかの実施形態では、吸収層115は、キャリア層110と通気層120との間に位置決めされている。いくつかの実施形態では、吸収層115は、液体若しくは気体の状態の、又は液滴、蒸気、湯気などの形態の水分を吸収可能である1つ以上の材料又は構成要素を含む。1つ以上の吸収材料は、物理的手段、化学的手段、又はそれらの組み合わせによって水分を吸収することができる。吸収層115に好適な吸収材料には、繊維状材料及びポリマー材料などの有機材料、並びに無機材料が含まれる。有機繊維状材料には、コットン、コンバインドコットン、レーヨン、リサイクル紙、及びパルプフラフなどの木質又は非木質パルプが含まれる。有機ポリマー材料には、高吸収性材料が含まれる。この文脈では、「高吸収性」材料は、好ましい条件下で、0.9重量%の塩化ナトリウムを含有する水溶液中でその重量の少なくとも約10倍、又はその重量の少なくとも約20倍を吸収可能な、水膨張性の水溶性有機又は無機材料を指す。好適な有機高吸収性材料には、グアーガム、寒天、ゼラチン、コラーゲン、ペクチンなどの天然材料、及びヒドロゲルポリマーなどの合成材料が含まれる。
【0049】
いくつかの実施形態では、吸収層115は、液体若しくは気体の状態の、又は液滴、蒸気、湯気などの形態の水分を吸収可能であるヒドロゲル組成物を含む。そのような実施形態では、ヒドロゲル組成物は、例えば、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、エチレン、無水マレイン酸コポリマー、ポリビニルエーテル、セルロース、オカラセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルモルホリノンのアルカリ金属塩、並びにビニルスルホン酸、ポリアクリレート、ポリアクリルアミド、ポリビニルピリジンなどのポリマー及びコポリマーのうちの1つ以上を含むことができる。他の好適な高吸収性材料には、加水分解アクリロニトリルグラフトデンプン、アクリル酸グラフトデンプン、ヒアルロン酸、キトサン、アルギン酸塩、及びイソブチレン無水マレイン酸ポリマー、並びにそれらの混合物が含まれる。
【0050】
いくつかの実施形態では、ヒドロゲル組成物は、架橋されて材料を実質的に非水溶性にするポリマーを含む。そのような実施形態では、架橋は、例えば、照射によって、又は共有結合、イオン結合、ファンデルワールス結合、若しくは水素結合によって達成され得る。高吸収性材料は、例えば、粒子、繊維、フレーク、球などを含む、吸収層115での使用に好適な任意の形態であってもよい。いくつかの実施形態では、吸収層115は、吸収層の総重量に基づいて約5~約98重量%の量の高吸収性材料を含み、それによって、記載される範囲は、任意の中間の端点及びサブ範囲(例えば、約10~約95重量%、約15~約90重量%、約20~約85重量%など)を含む。
【0051】
いくつかの実施形態では、吸収層115は、水分吸収装置100の作製及び/又はアセンブリプロセス中に乾燥されるほど十分に安定しているヒドロゲル組成物を含む。そのような実施形態では、例えば、吸収層115又は水分吸収装置100は、ヒドロゲル、吸収層115、キャリア層110、及び/又は通気層120に存在するいかなる水分も完全に除去するためにオーブンに入れられ得る。
【0052】
いくつかの実施形態では、吸収層115は、吸収層115又はそこに含まれる高吸収性ヒドロゲルにおける凝縮(液滴形成)及び/又は吸湿の速度を増加させる1つ以上の吸収促進剤を更に含む。いくつかの実施形態では、吸収促進剤は、塩又は塩の混合物である。いくつかの実施形態では、塩は、塩化カルシウム(CaCl2)などである。様々な実施形態では、1つ以上の吸収材料と吸収促進剤との組み合わせは、吸収層115が布地又は同様の織物ベースの吸収材料のみで構成されている場合よりも、装置が実質的により多くの水分(例えば、水)を吸収及び保持することを可能にする。
【0053】
いくつかの実施形態では、吸収層115は、水分吸収装置100を食品容器の内部表面に取り付けるように構成された1つ以上の接着剤を更に含む。そのような実施形態では、接着剤は、合成ゴム系又は水系アクリル系感圧接着剤(PSA)材料であり得る。いくつかの実施形態では、接着剤は、ホットグルーガンなどを介して適用するように構成されたホットメルト接着剤である。使用することができる既存のホットメルト接着剤には、例えば、粘着性樹脂、ワックス、可塑剤、一時的な糊などが含まれる。
【0054】
いくつかの実施形態では、吸収層115は、上部表面116に取り外し可能に取り付けられ、上部表面116を覆うように構成されたシートを備える。取り外し可能なシートは、任意の好適な材料であり、それによって、その適合性は、吸収層115が食品容器に取り付けられるその能力を維持することを可能にしながら、吸収層115から容易に解放されるその能力に基づく。例えば、いくつかの実施形態では、吸収層115は、水分吸収装置100の食品容器への連結を容易にすることができる接着剤又は他の締結材料を含むが、取り外し可能なシートは、非反応性でなければならず、吸収層115がその接着及び締結特性を維持することを可能にしなければならない。いくつかの実施形態では、吸収層115は、合成ゴム系又は水系アクリル系感圧接着剤(PSA)材料を含む。
【0055】
いくつかの実施形態では、水分吸収装置100は、通気層120を更に備える。そのような実施形態では、通気層120は、吸収層115の上部表面116に固定されている。いくつかの実施形態では、通気層120は、吸収層115の上部表面116と連続的に接触している。他の実施形態では、通気層120は、吸収層115の上部表面116と非連続的に接触している。いくつかの実施形態では、通気層120は、吸収層115の上部表面116の露出表面積を増加させるように設計された、溝付き、波状、回旋状、アコーディオン、又はハニカム設計を含む。いくつかの実施形態では、例えば、
図1及び2に示されるように、通気層120は、溝付き構造を含む。そのような実施形態では、溝付き構造は、吸収層115の上部表面116の表面に沿って、チャネル119a、119b、119cを含む複数の下側チャネルを含む。複数の下側チャネルは、吸収層115へのアクセスを提供し、したがって、水分吸収装置100の使用中に水蒸気に曝される吸収層115の表面積を増加させる。
【0056】
通気層120は、任意の好適な材料で構成され得る。例えば、いくつかの実施形態では、通気層120は、溝付き、波状、回旋状、アコーディオン、又はハニカム設計に加工され得る段ボール紙、板紙、ボール紙、又は同様の材料である。いくつかの実施形態では、通気層120は、単一の材料層を備え、他の実施形態では、通気層120は、複数の材料層を備える。例えば、片面段ボール紙は、一般に、三次元設計(溝付き、波状など)を含む中間層と、それに取り付けられた平坦な表面を有するライナ材料と、を備える。単一の材料層を備える実施形態では、段ボール紙の中間層は、通気層120として、すなわち、ライナ層なしで利用することができる。
【0057】
いくつかの実施形態では、水分吸収装置100は、
図1及び2に示されるように、取り付け層125を更に備える。そのような実施形態では、取り付け層125は、上部表面126及び底部表面124を備える。そのような実施形態では、取り付け層125は、水分吸収装置100を食品容器の内部表面に取り付けるように構成されている。
図4及び5の図は、例えば、食品容器Cの上側表面Dに取り付けられた水分吸収装置100を示している。水分吸収装置100は、物理的な取り付け及び/又は化学的な取り付けを含む、任意の好適な手段を使用して食品容器Cに取り付けることができる。この文脈では、物理的な取り付けは、接着剤を用いることなく装置を容器に連結することを含む。例えば、装置が矩形の形状を有する場合、その2つ以上の角部を、食品容器Cの表面に存在するスロット内に摺動させることができる。
【0058】
図1に示されるように、取り付け層125は、通気層120に連結することができる。そのような実施形態では、通気層120は、吸収層115と取り付け層125との間に位置決めされている。そのような実施形態では、通気層120の溝付き構造は、取り付け層125の底部表面124に沿って、チャネル121a、121b、121cを含む複数の上側チャネルを備える。
【0059】
いくつかの実施形態では、取り付け層125は、上部表面126に取り外し可能に取り付けられ、上部表面126を覆うように構成されたシートを備える。取り外し可能なシートは、任意の好適な材料であり、それによって、その適合性は、取り付け層125が食品容器に取り付けられるその能力を維持することを可能にしながら、取り付け層125から容易に解放されるその能力に基づく。例えば、いくつかの実施形態では、取り付け層125は、水分吸収装置100の食品容器への連結を容易にすることができる接着剤又は他の締結材料を含むが、取り外し可能なシートは、非反応性でなければならず、取り付け層125がその接着及び締結特性を維持することを可能にしなければならない。いくつかの実施形態では、取り付け層125は、合成ゴム系又は水系アクリル系感圧接着剤(PSA)材料を含む。いくつかの実施形態では、接着剤は、ホットグルーガンなどを介して適用するように構成されたホットメルト接着剤である。使用することができる既存のホットメルト接着剤には、例えば、粘着性樹脂、ワックス、可塑剤、一時的な糊などが含まれる。
【0060】
いくつかの実施形態では、水分吸収装置100は、
図1に示されるように、キャリア層110の底部表面109に接着されて底部表面109を覆う、取り外し可能なライナ105を更に備える。
図2は、ライナ105が取り外され、キャリア層110の上部表面111が露出した状態の水分吸収装置100を示す。使用中、
図4と
図5との違いにおいて示されるように、ライナ105は、取り外され、キャリア層110の底部表面109は、食品容器C内の任意の水分(例えば、湯気S)に曝され、アクセス可能であり、したがって、水分吸収装置100を作動させる。ライナ105は、任意の好適な材料であり得、それによって、その適合性は、キャリア層110から容易に解放されるその能力に基づく。
【0061】
使用中、本明細書で説明される水分吸収装置は、食品容器の内部空間から水分を除去するように構成されている。この文脈における水分を吸収する機能は、迅速に開始されなければならず、約5~60分、又は約10~45分、又は約15~30分の範囲である、食品の配達又は持ち帰りに典型的な時間の間持続しなければならない。そのような期間中、水分吸収装置は、大気中に存在する水分を吸収することによって機能し、これにより、より食欲をそそる食品(例えば、乾燥した又は油で揚げられた熱い食品)がもたらされる。
【0062】
水分吸収装置100の多層構造の隣接する層は、例えば、両面テープ、糊若しくは別の液体接着剤、又はエアロゾル接着剤を含む、任意の好適な方法を使用して組み立てることができる。水分吸収装置100は、手動で又は機械的に作製することができる。いくつかの実施形態では、例えば、水分吸収装置100は、ロールツーロールプロセスで組み立てることができる。いくつかの実施形態では、水分吸収装置100のアセンブリは、食品容器の作製プロセスに連結することができる。そのような実施形態では、食品容器は、機械的システムを使用して作製され、次に、ロールツーロールプロセスを使用して装置を食品容器に接着する機械に送ることができる。ロールツーロールプロセスでは、水分吸収装置100は、接着剤の有無にかかわらず、食品容器に適用することができる。いくつかの実施形態では、水分吸収装置100は、装置を食品容器に接合するための接着剤材料を備える。他の実施形態では、接着剤材料は、水分吸収装置100には存在せず、プロセスは、装置を食品容器に接合する前に、接着剤層を装置に適用するように構成されたロールツーロール機械を使用する。また更なる実施形態では、水分吸収装置100は、接着剤を用いることなく食品容器に接合される。そのような実施形態では、装置は、食品容器に機械的に接合される。例えば、食品容器の蓋は、水分吸収装置100を受け入れるように構成されたスリット又はタブを含むことができる。
【0063】
以下の実施例は、本開示の理解を補助するために提供され、その真の範囲は、添付の特許請求の範囲に記載されている。当業者は、本開示の趣旨から逸脱することなく、記載された手順において修正を加えることができることを理解するであろう。
【0064】
実施例1.
図2に示される装置と一致するように構成された、吸収層、キャリア層、通気層、及び取り付け層を備える水分吸収装置。吸収層は、ヒドロゲル組成物及び塩化カルシウム吸収促進剤を含む。ヒドロゲル組成物は、ポリビニルアルコールのアルカリ金属塩を含む。キャリア層は、吸収層がその上に堆積された多孔質生地を備える。装置は、約10cmの長さ、約5cmの幅、及び約3mmの高さに及ぶ。装置を、取り付け層の上部表面に含まれる接着剤を使用して、第1の食品容器に連結した。第1の食品容器には、レストランから購入されてから持ち帰られた、フライドポテトを含む熱い食品が含まれていた。同じ食品を収容している第2の食品容器も、対照として使用するためにレストランから購入した。第2の食品容器は、水分吸収装置を含んでいなかった。第1及び第2の食品容器内部の食品を、およそ30分間保管し、次いで試験した。第1の食品容器に収容されていた食品は、第2の食品容器に収容されていた食品よりも新鮮でサクサクであるとみなされた。第2の食品容器内の食品は、やや湿っていた。第1の食品容器内の食品は、湿っていなかった。第1の食品容器内の食品は、およそ30分の移動時間後の食品の新鮮でサクサクの性質により、より食欲をそそるものであった。
【0065】
実施例2.
図2に示される装置の修正バージョンである、キャリア層及び吸収層を含む水分吸収装置であって、それによって、修正は、通気層の非存在及び取り付け層の非存在を含む、水分吸収装置。この実施例では、吸収層は、ヒドロゲル組成物及び接着剤材料を含む。ヒドロゲル及び接着剤の組み合わせは、吸収層に2つの機能を提供する。より具体的には、ヒドロゲル組成物は、食品を内部に収容している食品容器内部の大気から水分を吸収することが可能であり、接着剤は、装置を食品容器に取り付けることが可能である。この実施例では、接着剤層115の上部表面116は、食品容器Cの内部表面Dに直接接合されている。
【0066】
本明細書における値の範囲の言及は、本明細書中に別段の指示がない限り、単に、範囲に含まれる各個別の値を個々に参照する簡略方法として役立つことを意図しており、各個別の値は本明細書に個々に言及されているかのように、本明細書に組み入れられる。当業者によって理解されるように、本明細書に開示される範囲は、ありとあらゆる可能なサブ範囲及びそのサブ範囲の組み合わせを包含する。いずれかの列挙された範囲は、同じ範囲が少なくとも等しい半分、3分の1、4分の1、5分の1、10分の1などに分解されることを十分に説明するものとして容易に認識することができる。非限定的な例として、本明細書で考察される各範囲は、下位3分の1、中位3分の1、及び上位3分の1などに容易に分解することができる。また当業者によって理解されるように、「最大」、「少なくとも」、「より大きい」、「より小さい」などの文言は、列挙された数を含み、上記で考察されたようにサブ範囲にその後分解することができる範囲を指す。最後に、当業者によって理解されるであろうように、範囲は、各個々のメンバーを含む。したがって、例えば、1~3グラムで提供される成分は、1、2、又は3グラムで提供される成分を指す。
【0067】
本明細書で使用される場合、例、又は例示的な文言(例えば、「など」)の使用は、実施形態を示すことを意図しており、別段の記載がない限り、特許請求の範囲の範囲の限定を提示するものではない。本明細書中のいかなる文言も、不可欠なものとして、特許請求されない要素を示すとして解釈されるべきではない。
【0068】
本明細書で使用される場合、「約」及び「実質的に」という用語は、当業者によって理解され、それが使用される文脈に応じてある程度変化するであろう。当業者には明らかでない用語の使用が存在する場合、それが使用される文脈を考慮すると、「約」及び「実質的に」は、特定の用語のプラス又はマイナス10%までを意味する。
【0069】
方法の例示的な実施形態は、上記で詳細に説明されている。方法は、本明細書で説明される特定の実施形態に限定されず、むしろ、方法のステップは、本明細書で説明される他のステップとは独立してかつ別個に利用され得る。本明細書で説明される全ての方法は、本明細書中で別段の指示がない限り、又はそうでなければ文脈によって明らかに矛盾しない限り、任意の好適な順序で実施され得る。
【0070】
この書面による説明は、実施例を使用して、最良の態様を含む本発明の実施形態を開示し、かつ当業者が、水分吸収装置の製造及び使用又は任意の方法の実施を含む本発明の実施形態を実践することも可能にする。本発明の実施形態の特許可能な範囲は、特許請求の範囲によって規定され、また、当業者に想起される他の例を含み得る。そのような他の例は、それらが特許請求の範囲の文字通りの文言と異ならない要素を有する場合、又はそれらが特許請求の範囲の文字通りの文言とわずかに異なる等価な要素を含む場合、特許請求の範囲の範囲内であることが意図される。
【国際調査報告】