(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-10
(54)【発明の名称】植物の栽培のための技術提案
(51)【国際特許分類】
A01G 7/04 20060101AFI20240501BHJP
A01G 9/02 20180101ALI20240501BHJP
【FI】
A01G7/04 B
A01G9/02 101W
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023571817
(86)(22)【出願日】2022-05-17
(85)【翻訳文提出日】2024-01-12
(86)【国際出願番号】 EP2022063302
(87)【国際公開番号】W WO2022243301
(87)【国際公開日】2022-11-24
(32)【優先日】2021-05-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SE
(32)【優先日】2022-05-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523436078
【氏名又は名称】アール・アンド・エム・エンジニアリング・アクシセルスカプ
【氏名又は名称原語表記】R&M ENGINEERING AS
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アリラマイ,ロザリン
【テーマコード(参考)】
2B327
【Fターム(参考)】
2B327ND01
2B327VA07
2B327VA20
(57)【要約】
提案する技術は、植物栽培アセンブリおよび植物栽培方法に関する。植物栽培アセンブリは、成長培地支持体と、成長培地支持体内の成長位置と、磁石とを備える。成長培地支持体において磁石によって磁場が生成され、生成された磁場は水平面に対して傾斜している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水平表面(102)上に支持されるように構成された成長培地支持体(101)であって、前記成長培地支持体(101)が下半分(101a)および上半分(101b)を備え、前記成長培地支持体(101)内の成長位置(108)を画定し、前記成長位置(108)が、前記成長培地支持体(101)の前記上半分(101b)かつ前記成長培地支持体(101)の中心に配置される、成長培地支持体(101)と、
水平面(102)に対して傾斜した前記成長培地支持体(101)の前記成長位置(108)に磁場を生成するように構成された磁石(103)と
を備える、植物栽培アセンブリ(100)。
【請求項2】
前記成長培地支持体(101)に支持された成長培地(106)をさらに備える、請求項1に記載の植物栽培アセンブリ(100)。
【請求項3】
前記成長位置(108)に位置する植物(107)をさらに備え、前記植物(107)が前記成長培地(106)に支持されている、請求項2に記載の植物栽培アセンブリ(100)。
【請求項4】
前記成長培地支持体(101)がポットである、請求項1~3のいずれかに記載の植物栽培アセンブリ(100)。
【請求項5】
前記磁石(103)が電磁石であり、前記電磁石が、前記電磁石を電源に接続するように構成された少なくとも1つの電気接点を備え、前記植物栽培アセンブリ(100)が、前記電磁石によって生成される前記磁場を制御するように構成された制御ユニット(105)をさらに備える、請求項1~4のいずれかに記載の植物栽培アセンブリ(100)。
【請求項6】
前記電磁石がコイルである、請求項5に記載の植物栽培アセンブリ(100)。
【請求項7】
前記電磁石がソレノイドである、請求項5に記載の植物栽培アセンブリ(100)。
【請求項8】
前記電磁石の最大直径が、前記成長培地支持体(101)の最大直径の90~100%である、請求項6または7に記載の植物栽培アセンブリ(100)。
【請求項9】
前記磁場が静的である、先行する請求項のいずれかに記載の植物栽培アセンブリ(100)。
【請求項10】
特定の地理的位置で植物(107)を栽培する方法であって、前記方法が、
目標傾斜値を有する目標磁場を取得することと、
前記特定の地理的位置で現場磁場を取得することと、
前記目標磁場と前記現場磁場との差に基づいて補償磁場を取得することと、
前記植物(107)を前記補償磁場に曝すことと
を含む、方法。
【請求項11】
前記目標磁場が目標強度値を有し、
前記現場磁場が現場強度値を有し、
前記補償磁場が、計算された強度値を有する、
請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記植物が、自然の成長季節を有し、地磁気場の季節的変動を有する地理的地域に由来し、前記植物が特定の発達段階にあり、前記目標磁場を取得することが、前記植物の前記発達段階、前記自然の成長季節、および前記地磁気場の前記季節的変動に基づく、請求項10または11に記載の方法。
【請求項13】
前記植物が種子であり、前記特定の発達段階が発芽である、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記植物が芽であり、前記特定の発達段階が実生である、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記植物がつぼみであり、前記特定の発達段階がつぼみ段階である、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
前記植物が球根であり、前記発達段階が栄養段階である、請求項12に記載の方法。
【請求項17】
発芽、実生およびつぼみ段階の間に前記補償磁場が印加される、請求項13~15に記載の方法。
【請求項18】
前記補償磁場が静的である、請求項10~17のいずれかに記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
技術分野
提案する技術は、一般に、植物の栽培の分野に関する。本技術は、特に、植物を栽培するためのアセンブリおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
背景
地球の磁場(MF)は、すべての生態系に存在する環境要因である。多くの生物学的プロセスに影響を及ぼすことが知られている。MFは、地球の様々な場所で異なる。
【0003】
1960年台に、植物に対する地球の磁場の影響に関する最初の報告があった。磁場を用いて植物の成長サイクルに影響を及ぼすことができることは十分に実証されている。例えば、植物を刺激して収量および品質を高めることができる。
【0004】
M.E.Maffeiによる「Magnetic field effect on plant growth,development,and evolution」Frontiers in Plant Science,September 2014,vol 5,article 445には、地磁気場が我々の環境の自然成分であることが記載されている。この科学論文は、植物が、それらの遺伝子発現および表現型を変化させることによって、変化するMFを受け取り、それに迅速に応答すると結論付けている。
【0005】
米国特許第8,667,732号明細書は、電磁場を用いて植物を処理する方法を開示している。この方法は、パルス発生器によってパルス電磁場中で成長中の植物または種子にパルスシーケンスを印加することからなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
目的
提案する技術は、植物の成長速度および/または植物の品質を改善することを目的とする。提案する技術は、成長速度の可能な維持および低減をさらに目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
概要
提案する技術によれば、少なくとも主要な目的は、独立請求項で定義された特徴を有する植物栽培アセンブリ、ならびに請求項で指定された植物栽培方法によって達成される。提案する技術の好ましい実施形態は、従属請求項にさらに定義される。
【0008】
提案する技術の第1の態様によれば、水平表面もしくは水平面の上、または水平表面もしくは水平面に対して、支持されるように構成された成長培地支持体を備える植物栽培アセンブリが提供され、成長培地支持体は、下半分および上半分を備え、成長培地支持体内の成長位置を含むか、または画定する。成長位置は、成長培地支持体の上半分、かつ成長培地支持体の中心、または横方向もしくは径方向の中心に配置され得る。アセンブリはさらに、水平面に対して傾斜した成長培地支持体の成長位置に磁場を生成するように構成された磁石を備える。
【0009】
成長位置は、成長培地支持体内の位置(position)、場所(location)、または場所(place)であることが理解される。植物アセンブリの使用中、植物は成長位置に配置され、これは植物の少なくとも一部が成長位置に配置されることを意味する。例えば、植物の茎が成長位置から始まっていてもよいし、種子が成長位置に位置していてもよい。
【0010】
植物栽培アセンブリは、成長培地を備えてもよく、「成長培地」という用語は、水耕栽培におけるパーライトなどの植物を支持する培地として理解されるべきである。成長培地は、土壌など、植物に栄養素をさらに提供してもよい。成長培地は、成長培地支持体によって支持され得る。例えば、成長培地支持体はポットであってもよい。成長培地支持体は、プラスチックまたはセラミック材料などの非磁性材料であってもよい。非磁性材料は、反磁性材料であってもよい。非磁性材料は、非常磁性または非強磁性材料であると理解される。成長培地支持体は、シリンダ、箱など、成長培地を支持することを可能にする任意の形状を有し得ることがさらに指摘されるべきである。
【0011】
「成長培地支持体」という用語は、植物栽培に容易に利用可能なポット、トレイ、および栽培箱を包含すると理解されるべきである。明細書および特許請求の範囲で使用される「ポット」という用語は、植物の栽培に容易に利用可能な装置として理解されるべきである。
【0012】
「植物」という用語は一般的な用語と見なされるべきであるが、これもまた指摘されるべきである。それは胚性植物、カルス、種子、芽、つぼみ、球根、実生、発根した植物および植物の挿し穂/シュートを包含すると理解されるべきであることを理解されたい。植物は、例えば、任意の段階のアマリリス、またはトマティーヨ植物とすることができる。
【0013】
植物栽培アセンブリは、成長位置に配置された植物を含み得、植物は成長培地によって支持される。
【0014】
磁石は電磁石であってもよい。電磁石は、電磁石を電源に接続するように構成された少なくとも1つの電気接点を備える。電源は、植物栽培アセンブリの一部を形成し得る。植物栽培アセンブリは、電磁石によって生成される磁場を制御するように構成された制御ユニットをさらに備えてもよい。制御ユニットは、電源を備えてもよい。
【0015】
「電磁石」という用語は、磁場が電流によって発生または生成される磁石として理解されるべきである。電流は直流である。直流電流は静磁場を発生させる。電磁石は、コイルまたはソレノイドとすることができる。電磁石は、ワイヤ、またはワイヤの組み合わせとすることができる。「コイル」という用語は、リング状または環状の形状を形成するように巻かれた固体導体またはワイヤなどの導電体を包含すると理解されるべきである。「ソレノイド」という用語は、渦巻または螺旋を形成するように巻かれた導電体を包含すると理解される。
【0016】
コイルは、成長培地支持体の下、上、または少なくとも部分的に取り囲むように配置されてもよい。コイルは、水平表面と平行であってもよいし、水平表面と平行に径方向に延びるように構成されてもよい。あるいは、コイルは、水平表面に対して傾斜していてもよく、または水平表面に対してある角度で径方向に延びるように構成されてもよい。
【0017】
ソレノイドは、成長培地支持体を部分的に取り囲んでもよい。ソレノイドは、水平表面の法線と位置合わせされてもよいし、水平表面に対して直角に長手方向に延びてもよい。ソレノイドは、水平表面の法線に対して傾斜していてもよいし、水平表面に対してある角度で長手方向に延びてもよい。
【0018】
電磁石の最大直径は、成長培地支持体の最大直径、または最大横方向、または径方向、または範囲の90~100%であってもよい。コイルは、成長培地支持体の横方向または径方向、範囲よりも小さい直径を有してもよい。ソレノイドは、成長培地支持体の横方向または径方向、範囲よりも大きい直径を有してもよい。
【0019】
磁石は永久磁石であってもよい。「永久磁石」という用語は、永久磁場を生成する材料または物体として理解されるべきである。これは、例えば、常磁性または強磁性の材料または物体であり得る。
【0020】
磁場は静的であってもよい。「静的」という用語は、本質的に一定である、すなわち磁場の強度および/または傾斜の10%以下の変動などの小さな変動として理解されるべきである。「静磁場」という用語は、磁場の強度および方向が変化しないこと、または強度および/もしくは方向の変化が10%未満であることとして理解されるべきである。電磁石の場合、これは一定の電流を必要とする。ここで、「磁場の強度」は、「磁場の強さ」と交換可能であると理解される。
【0021】
提案する技術の第2の態様によれば、特定の地理的位置または場所で植物を栽培する方法がある。本方法は、目標傾斜値を有する目標磁場を決定または測定または取得することと、特定の地理的位置で現場磁場を決定または測定または取得することと、目標磁場と現場磁場との差に基づいて補償磁場を決定または測定または取得することとを含む。方法は、植物において補償磁場を生成すること、または植物を補償磁場に曝すことをさらに含む。目標磁場を決定または測定または取得することは、特定の地理的位置または場所における磁場の季節に基づく変化、または変動(variation)、または変動(fluctuation)を決定または測定または取得することを含み得る。それは、磁場の季節に基づく変化を昼光変動と同期させることをさらに含み得る。昼光変動は、照明および/または印加磁場によって制御され得る。したがって、昼光変動は、照明によって人工的に発生させ、磁場の季節に基づく変化と同期させることができる。
【0022】
地磁気の強度および傾斜値は、緯度および経度に基づいて地球上の様々な場所で変化する。傾斜の変化は、地球の水平磁場および/または垂直磁場の季節変化の間に生じる。強度および傾斜値の大きさは、太陽に対する地球の位置、および太陽の磁気活性に依存する変数である。この位置は、北半球および南半球の距離および位置が太陽に対して変化するにつれて、年の途中で変化する。磁場の大きさは、地理的位置の昼夜位置に沿って、水平方向および垂直方向の両方で変化するか、または強くなったり弱くなったりする。
【0023】
強度および傾斜値の大きさの変化のパターンは、各地理的位置について毎年繰り返される。これは、パターンが毎年ほぼ同じであることを意味する。そこで、過去の年に関する情報に基づいて、近似パターンが予測され得る。
【0024】
目標傾斜値を有する目標磁場を決定または測定または取得することは、所望のデータを取得することと理解される。所望のデータの取得は、測定などによって直接的に、またはデータベースからデータを抽出するなどによって間接的に実行されてもよい。例えば、位置における磁場、または目標磁場を、磁力計によって測定して、位置における特定の磁場を抽出または取得してもよい。測定は常時行うことが好ましい。目標磁場は、その場所に最も近い地磁気観測所によって測定され得る。測定値は、全地球観測所のデータベースに入力され得る。所望のデータは、そのデータベースから取得され得る。
【0025】
地磁気観測所からのデータまたはパターンの取得は、全地球観測所によって提供されるデータベースからこれらのデータを抽出することによって行われ得る。例えば、昼夜または1年全体の記録された磁気データを、インターマグネットのウェブサイトから取得してもよい。
【0026】
https://www.intermagnet.org/index-eng.php
したがって、「目標傾斜値を有する目標磁場を取得する」という表現は、データベースから必要なまたは所望のデータを得ることを包含し得る。同様の手法は、「特定の地理的位置で現場磁場を取得する」という用語に適用される。現場磁場は、磁力計によって測定され得る。現場磁場は、例えば、その場所に最も近い地磁気観測所によって測定されてもよく、データは対応するデータベースから抽出されてもよい。
【0027】
「傾斜値」という用語は、水平面に対する傾斜として理解されるべきである。「現場磁場」という用語は、植物を栽培するための地理的位置における磁場として理解されるべきである。「目標磁場」という用語は、植物の起源の地理的領域または場所における磁場として理解されるべきである。目標磁場は、典型的には季節によって年間を通じて変化する。目標磁場の変化は、「補償磁場」によって植物に印加される。「補償磁場」という用語は、植物に印加される磁場として理解されるべきである。補償磁場は、目標磁場と現場磁場との差に基づく。目標磁場は目標強度値を有し得、現場磁場は現場強度値を有し得、補償磁場は計算された強度値を有し得る。補償磁場は、目標磁場の正確な複製である必要はないことに留意されたい。(例えば季節的変動による)目標磁場の変化は、補償磁場によって再現されるべきである。
【0028】
植物は、自然の成長季節または周期を有し、地磁気場の季節的変動を有する地理的地域または場所に由来し得る。植物は特定の発達段階にあってもよく、目標磁場を決定または測定または取得することは、植物の発達段階、自然の成長季節、および地磁気場の季節的変動に基づいてもよい。したがって、植物の成長または発達の特別な段階は、地磁気場の季節的変動を模倣することによって目標とされ得る。変動は、特定の季節に垂直方向および/または水平方向に発生し得る。地磁気場の強度は変動し得る。地磁気場の向きや傾斜は変動し得る。植物は、変動を感知することができる。これは、植物ホルモンが植物の特定の段階の発達を開始または停止するための重要なシグナルを活性化する。
【0029】
植物は種子であってもよく、特定の発達段階の発芽であってもよく、または植物は芽であってもよく、特定の発達段階の実生であってもよく、または植物は球根であってもよく、特定の発達段階の栄養段階であってもよい。
【0030】
提案する技術は、植物の発芽を誘発および/または加速するために使用され得る。植物はジャガイモであってもよい。植物はトマト種子であってもよい。方法は、土壌に植物を植える前に貯蔵環境で実行されてもよい。従来、このプロセスは、UV光、太陽光、または加熱および湿度処理を適用することを含む。提案する技術の利点は、発芽時間が短縮され得ることである。植物の処理は、貯蔵設備内で開始されてもよい。これにより、芽の損失が低減され得る。ジャガイモの芽の品質が高まり得る。したがって、収率が高まり得る。さらに、プロセスは、上述の追加の処理がないか、または必要性が少ないため、時間および費用効率がより高くなる。
【0031】
補償磁場は、発芽、実生、休眠およびつぼみ段階の間に印加され得る。これは、開花および/または結実段階中にも適用され得る。補償磁場は、上述の段階のうちの1つまたはいくつかの間に印加されてもよい。例えば、発芽ジャガイモを阻害するために適用することができる。補償磁場は、ジャガイモをより長い貯蔵時間にわたって保存するために印加されてもよい。これは、発芽をトリガする磁場が取り消され得ることを意味する。ジャガイモに所望の補償磁場を適用することによって、磁場の取り消しが提供されることが理解される。例えば、発芽期にジャガイモが土壌から受け取る磁場を取り消すことができる。これは、取り消されるべき磁場とは反対の補償磁場を適用することによって達成され得る。これにより、ジャガイモの発芽が抑制される。換言すれば、ジャガイモは、倉庫で休眠モードまたは段階で保存される。これは、印加された磁場とジャガイモのホルモンとの間の関係に起因して可能である。ジャガイモが例示的な例であり、他の植物が対応する方法で処理されてもよいことが理解される。
【0032】
提案する技術は、植物を保存すること、またはその成長を阻害することを提供する。追加的または代替的に、植物は、季節をずらすように、および/またはより長い期間またはより短い期間にわたって1つの段階に留まるように操作されてもよい。換言すれば、植物は、改変された季節を経験し、および/または発達段階の期間を改変するように操作され得る。
【0033】
提案する技術は、熟成プロセスを加速するために使用され得る。これは、輸送および/または貯蔵期間中に達成され得る。例えば、提案する技術は、菌類に対して使用され得る。別の例は、イチゴなどのベリー類を熟成および/または保存するための提案する技術の使用である。イチゴなどの果実またはベリーの種子は、ライフサイクルの一部であり、果実のホルモンを、それらが果実に伴う場合、能動的に調節する。これは、種子が植物から採取された後でさえ果実の甘味、熟成および/または腐敗を制御し得ることを意味する。
【0034】
提案する技術のさらなる利点および特徴は、他の従属請求項ならびに好ましい実施形態の以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
【0035】
図面の簡単な説明
提案する技術の上記および他の特徴および利点のより完全な理解は、添付の図面と併せて、提案する技術の実施形態の以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【
図9】a~dは提案する技術の一例のグラフである。
【
図11】aおよびbは提案する技術の一例のグラフである。
【
図12a】a~eは技術の第2の態様の一実施形態を示す
【
図12b】a~eは技術の第2の態様の一実施形態を示す
【
図12c】a~eは技術の第2の態様の一実施形態を示す
【
図12d】a~eは技術の第2の態様の一実施形態を示す
【
図12e】a~eは技術の第2の態様の一実施形態を示す
【発明を実施するための形態】
【0037】
図の説明
図1は、成長培地支持体101を備える植物栽培アセンブリ100の概略図を示す。
図1に示す成長培地支持体101は、円筒の形態を有するポットである。底部が閉鎖され、排水孔が設けられている。成長培地支持体101の上半分の内側かつ径方向中心には、Xと印された成長位置108がある。成長培地支持体101は、平面かつ水平な表面102上に配置される。表面102に対して傾斜したソレノイドの形態の電磁石103は、成長培地支持体101の一部を取り囲むように配置される。電磁石103は、
図5に関連して説明する実施形態のように、制御ユニット(図示せず)に接続されている。
【0038】
図2は、成長培地支持体101を備える植物栽培アセンブリ100の概略図を示す。
図2に示す成長培地支持体101は、円筒の形態を有する。成長培地支持体101は、実質的に平面/水平な表面102上に配置される。磁石103は、成長培地支持体101の下に配置される。磁石103は永久磁石である。
図2に示す植物栽培アセンブリは、成長培地106と植物107とをさらに備え、これらは両方とも成長培地支持体101内に配置されている。植物107は、成長位置108に位置する。
【0039】
図3は、成長培地支持体101を備える植物栽培アセンブリ100の概略図を示す。
図3に示す成長培地支持体101は、円筒の形態を有する。成長培地支持体101は、実質的に平面/水平な表面102に向かって角度を付けて配置されている。磁石103は、成長培地支持体101の下に配置される。磁石103は永久磁石である。成長培地支持体101の上半分の内側には、Xと印された成長位置108がある。
【0040】
図4は、成長培地支持体101を備える植物栽培アセンブリ100の概略図を示す。
図4に示す成長培地支持体101は、円筒の形態を有する。成長培地支持体101は、実質的に平面/水平な表面102上に配置される。成長培地支持体101は、マット104上に配置される。マット104は、
図5に関連して説明する実施形態のように、制御ユニット(図示せず)に接続されたコイルの形態の電磁石103を有する。電磁石103はマット内に配置され、成長培地支持体101はコイルの中心にある。成長培地支持体101の上半分の内側には、Xと印された成長位置108がある。
【0041】
図5は、成長培地支持体101を備える植物栽培アセンブリ100の概略図を示す。
図5に示す成長培地支持体101は、円筒の形態を有する。成長培地支持体101は、実質的に平面/水平な表面102上に配置される。電磁石の形態の磁石103は、成長培地支持体101の下に配置される。電磁石103は、電源(図示せず)に接続され、プロセッサ105と通信可能に通信する。成長培地支持体101の上半分の内側には、Xと印された成長位置108がある。
【0042】
図6a~
図6dは実験装置の概略図である。
図6aは、一群の種子ポットのための装置を示す。
図6bは、対照群のための装置を示す。
図6cおよび
図6dは、調査される植物栽培アセンブリを示す。
図6cに示すコイルを有するものと、
図6dに示すソレノイドを有するものの2種類を使用した。
【0043】
図7は、処理を受けていない植物(2)、すなわち対照植物と比較した、提案する技術による処理を受けた植物(1)を示す写真である。
【0044】
図8は、処理を受けていない植物(2)、すなわち対照植物と比較した、提案する技術による処理を受けた植物(1)を示す写真である。
【0045】
図9a~
図9dは、提案する技術による処理を受けた植物(渦巻およびソレノイドと記す)からのデータを、提案する技術を受けていない植物(対照と記す)と比較して示す。
図9aは、渦巻を使用して処理した植物、ソレノイドを使用して処理した植物、および対照群(すなわち、磁場なし)の茎の太さをcmで示す。
図9bは、渦巻を使用して処理した植物、ソレノイドを使用して処理した植物、および対照群(すなわち、磁場なし)の茎の長さをcmで示す。
図9cは、渦巻を使用して処理した植物、ソレノイドを使用して処理した植物、および対照群(すなわち、磁場なし)の葉の長さをcmで示す。
図9dは、渦巻を使用して処理した植物、ソレノイドを使用して処理した植物、および対照群(すなわち、磁場なし)の最大葉長をcmで示す。
【0046】
図10は実験装置の概略図である。
図10は、直列に接続された15個のコイルが装置によってどのように配置され得るかを示す。各コイルは7ターンを有する。コイルを備える植物栽培アセンブリは、2cm離して配置される。
【0047】
図11a~
図11bは、対照群(C)と比較した、提案する技術による処理を受けた植物からのデータを示す(T1はコイルを有する装置を表し、T2はソレノイドを有する装置を表す)。
図11aは、最初の処理後の1日当たりの茎の長さの増加をcmで示す。
図11bは、2回目の処理後の1日当たりの茎の長さの増加をcmで示す。
【0048】
図12a~
図12eは、提案する技術の第2の態様の一実施形態を示す。
図12a~
図12eは、方法のステップがどのように実行され得るかを示す。実施形態によれば、補償磁場を決定または取得することは、データベースから得られたデータに基づく。データは、地磁気観測所によって提供される。上述したように、地理的位置の傾斜値および強度の変化は、毎年ほぼ同じパターンで繰り返される。得られたデータは、目標磁場と現場磁場との差の計算を可能にする。実施形態によれば、垂直方向の一定期間にわたる大きさの平均変化が決定または取得される。この実施形態では、期間は1年である。
【0049】
この実施形態では、植物の地理的起源を考慮して、植物の栽培に適したパターンが調査される。換言すれば、植物に適したパターンは、植物の地理的起源に存在するパターンに基づく。したがって、使用されるパターンは、植物の地理的起源に最も近い地磁気観測所によって得られた1年間のパターンである。この実施形態では、データを取得するために上記のインターマグネットのウェブサイトを使用する。データ取得の対応するステップは、現場磁場に対して行われる。
【0050】
その後、各データの平均値を一定期間算出し、季節ごとの植物のライフサイクルと一致させる。
図12a~
図12eでは、プロットは下向き磁場の強度を表している。下向き磁場は垂直磁場であることが理解される。
図12a~
図12eのプロットは、下向き磁場の大きさ平均が季節中に変化していることを示す。
【0051】
図12a~
図12eのプロットは、垂直磁気強度を示す。当業者であれば、対応する方法は、水平磁気強度を計算もしくは決定もしくは取得するために、または傾斜値を計算もしくは決定するためにも使用できることを認識する。
【0052】
図12a~
図12eは、提案する技術の一実施形態を示す。本実施形態は、植物、特にジャガイモのライフサイクルの調査と、ベルギーにおけるその栽培に関する検討を対象とする。この実施形態による栽培は、ジャガイモを土壌に植えることを包含することが理解される。ここで、ジャガイモ種はPapa Amarillaであり、これはソラヌム・ツベロスム(Solanum tuberosum)のアンデス変種である。ジャガイモ種は、ペルー原産である。したがって、目標磁場を決定または取得するために、ペルーのHUA観測所からのデータを使用する。栽培地がベルギーであるため、現場磁場を決定または取得するために、ベルギーのMAB観測所からのデータを使用する。上述したように、補償磁場は、目標磁場と現場磁場との差に基づく。
【0053】
図12aは、2018年のペルーのHUA観測所からの垂直磁場のデータの平均値を示す。
【0054】
図12bは、2018年のベルギーのMAB観測所からの垂直磁場のデータの平均値を示す。
【0055】
図12cは、2018年のペルーのHUA観測所からの垂直地磁気場のデータの反転された平均値を示す。北半球と南半球の垂直磁場は反対方向である。垂直磁場は、南半球では上向きであり、北半球では下向きである。したがって、
図12aのプロットは垂直に反転され、
図12cのプロットを形成する。プロットを反転することにより、下向きの垂直磁場に基づく変動は、北半球のように提示される。
【0056】
図12dは、2018年のペルーのHUA観測所からの垂直地磁気場データの反転および時間シフトされた平均値を示す。ライフサイクルの季節と始まりは、南半球と北半球では反対の月に始まる。したがって、
図12cのプロットは7月でカットされ、ベルギーの1月と一致するようにシフトされる。これに応じて、1~6月に対応するプロット部分がずれる。したがって、
図12cのカットおよびシフトされたプロットは、
図12dを形成する。
【0057】
図12eは、2018年のベルギーのMAB観測所からのデータの平均値と、同年のペルーのHUA観測所からの垂直地磁気のデータの反転および時間シフトされた平均値との組み合わせを示す。
【0058】
ペルーの植付け時期は9月であり、これは
図12eのパターンでは、ベルギーでジャガイモが植えられる4月の同じ時期と一致する。
【0059】
図12eに見られるように、下向き磁場は、4月にベルギー、9月にペルーで下降している。これは、下向き磁場の減少を意味し、上向き磁場の増加に等しい。植付け後、下向き磁場の増加は、ベルギーとペルーの両方で観察可能である。増加は収穫時期まで続き、これはベルギーでは9月、ペルーでは3月である。
【0060】
目標磁場と現場磁場との差に基づく補償磁場が決定または取得または計算される。次いで、植物は補償磁場に曝される。これにより、植物は、その地理的起源に従ってパターン変動を受ける。したがって、植物ホルモン生成は、パターン変動を強制することによって操作される。
【0061】
図12eの2つのグラフによって示されているように、磁場の変化はパターンに従うが、パターンは2つの半球でわずかに異なる。植物内のホルモンを活性化する季節的なトリガ期間を特定することが可能である。これらの期間を延長または短縮することにより、植物のライフサイクルを操作することが可能である。印加される補償磁場は、植物のライフサイクルの操作を提供する。
【0062】
上記のような実施形態によれば、変動の平均値を一定期間にわたって決定する。しかしながら、平均値を決定することなく、実際の変動を使用することが可能であることが理解される。
【0063】
上記では、提案する技術が、磁場の季節に基づく変動を考慮に入れてどのように使用され得るかが示されている。磁場の変動は、1日または24時間など、別の期間について考慮され得ることが理解される。
【0064】
地磁気場は、基本周期24時間の規則的な変動を有する。傾斜値は、例えば、24時間間隔に基づく平均値から1度未満離れていてもよい。磁場の強度は、例えば、24時間間隔に基づく平均値から30 nTまで離れていてもよい。上述したように、昼夜の記録された磁気データは、例えば、インターマグネットのウェブサイトから取得され得る。データに基づいて、補償磁場を24時間の期間について得てもよい。次いで、植物は補償磁場に曝され得る。
【0065】
提案する技術の別の態様によれば、植物を磁場に曝すことを含む、植物内のホルモンレベルを制御または調節する方法が提供される。この方法は、上述の方法の特徴のいずれかを含み得る。これは、上記の方法が植物のホルモンレベルに影響を及ぼし得るという認識に基づいている。
【0066】
詳細な説明
また、上(above)、下(under)、上(upper)、下(lower)などの用語に関するすべての情報は、図に従って配向されたアセンブリを有し、かつ参照が適切に読み取られるように配向された図面を有するものとして、解釈/読み取られるべきであることも指摘されるべきである。したがって、そのような用語は、示された実施形態における相互関係のみを示し、提案する機器に別の構造/設計が設けられている場合、その関係は変更され得る。
【0067】
第1の実施形態において、植物栽培アセンブリは、成長培地支持体101と、成長培地支持体101内の成長位置108と、磁石103とを備える。そのような植物栽培アセンブリ100は、例えば
図1に示されている。成長培地支持体101は、水平表面102上に支持されるように構成される。成長培地支持体101は、下半分101aまたは下部と、上半分101bまたは上部とを備える。成長位置108は、上半分101bかつ成長培地支持体101の中心に配置される。成長位置108は、成長培地支持体101の上3分の1または上4分の1に配置される。
【0068】
成長培地は、植物が配置される成長位置101を画定するように構成される。
植物栽培アセンブリ100は、磁石103をさらに備える。磁石103は、水平面102に対して傾斜した成長培地支持体101の成長位置108に磁場を生成するように構成される。成長位置108、または成長位置108に配置された植物107において、水平面102に対して傾斜した磁場を生成または印加することにより、植物107の発達に影響を与える。このため、植物107がより早く成長するように、植物107の成長速度が制御される。他の実施形態では、植物107は、例えば、より遅く成長するか、または発達を停止することによって、印加された磁場に応答することができる。応答は、印加された磁場の強度および方向または傾斜に依存する。したがって、植物栽培アセンブリ100は、強度および方向の両方に関して、植物の成長を有利に制御する。
【0069】
植物の種類に応じて、磁場の強度および方向は、所望の応答および植物107がある段階、すなわち発芽、開花、休眠など、ならびに植物107の起源に応じて決定または取得される。
【0070】
植物栽培アセンブリ100の一実施形態では、磁石102は電磁石である。電磁石は、
図5に示すように、電源に接続される。植物栽培アセンブリ100は、植物栽培アセンブリ100の電磁石に動作可能に接続された制御ユニット105をさらに有する。制御ユニット105は、電磁石に供給する電流の強度を制御する。生成された補償磁場は、植物栽培アセンブリ100で現場磁場と結合し、目標磁場をもたらす。このようにして、制御ユニット105は、目標磁場の強度および/または方向、または傾斜を制御するように構成される。これは、電磁石によって生成される磁場を、植物107の種類、植物107からの所望の応答、植物107の発達段階、および/または植物107の起源に応じて制御および変更することができるという利点を有する。
【0071】
植物栽培アセンブリ100の一実施形態では、電磁石は、水平表面102に対して傾斜したコイルの形態である。傾斜磁石/コイル103は、成長位置108における補償磁場が水平面102に対して傾斜するという効果を有する。傾斜磁場は、目標磁場のすべての特徴を再現することができるという利点を提供する(特に強度および傾斜については、場合によっては偏角も再現することができる)。
【0072】
植物栽培アセンブリ100の一実施形態では、磁石103はソレノイドの形態の電磁石である。ソレノイドは、
図1に示すように、成長培地支持体101を部分的に取り囲む。成長培地支持体101は、ソレノイドによって画定された螺旋内に配置される。傾斜ソレノイドは、生成される補償磁場を水平面102に対して傾斜させる効果を有する。この実施形態では、制御ユニット105によって供給される電流は一定に保持され、生成される補償磁場は静的である。他の実施形態では、植物108は、別の種類の植物108と交換され、電流は、静的であるが異なる強度を有する補償磁場を提供するように変更される。
【0073】
植物栽培アセンブリ100の一実施形態では、アセンブリ100はマット104をさらに有する。そのような実施形態は、
図4に概略的に示されている。マット104は、1つの磁石103を有する。磁石103は、銅線のコイルとして形成された電磁石である。マット104は、可撓性かつ防水性である。電磁石は、他の金属またはグラファイトから形成することもできる。
【0074】
地球の磁場は、異なる地理的位置または場所で異なる強度および傾斜、または方向、値を有する。植物を、植物の起源における磁場と同じまたは本質的に同じ磁場に曝すことによって、植物の成長サイクルを変化させたり、影響を及ぼすことができる。したがって、植物を栽培する方法の一実施形態では、
-目標傾斜値および目標強度値を有する目標磁場を決定または測定または取得するステップと、
-傾斜値および目標強度値を有する特定の地理的位置で現場磁場を決定または測定または取得するステップと、
-目標磁場と現場磁場との差に基づいて補償磁場を決定または測定または取得するステップと、
-植物(107)を補償磁場に曝すステップと
が実行される。
【0075】
提案する技術の方法の一実施形態では、植物107は種子であり、特定の発達段階の発芽である。発芽中に補償磁場を印加することの1つの利点は、植物がより大きくより速く成長できることである。
【0076】
本方法の一実施形態では、植物は芽であり、特定の発達段階は実生である。実生中に補償磁場を印加することの1つの利点は、植物がより多くの葉を得てより大きく成長できることである。
【0077】
本方法の一実施形態では、植物107はつぼみであり、特定の発達段階はつぼみ段階である。つぼみ段階に続く発達段階は開花であり、つぼみ段階の間に補償磁場を印加することによって、つぼみが開花段階に入る時間を短縮することができる。
【0078】
提案する技術の方法の一実施形態では、植物107は球根であり、特定の発達段階は栄養段階である。球根の栄養段階中に補償磁場を印加することの1つの利点は、栄養段階を延長することができ、植物がより長い期間球根段階に留まる、すなわち開花までの期間を延長できることである。提案する技術の方法の一実施形態では、発芽、実生およびつぼみ段階の間に補償磁場が印加される。それはまた、開花、熟成および栄養などの他の/より多い/より少ない発達段階の間に印加されてもよい。いくつかの、すなわち少なくとも2つの発達段階中に補償磁場を印加することの1つの利点は、成長サイクルの速度を高めることができることである。提案する技術の1つの利点は、植物107のライフサイクルを低減または延長し、制御することができることである。例えば、提案する技術の方法に曝された植物107は、年に一度ではなく二度開花することができる。
【0079】
本方法の1つの特定の実施形態では、植物はアマリリスである。アマリリスは、南アフリカ原産の観賞用の花であり、花の茎を生成する主な球根の他に発達する小さな球根から主に繁殖する。アマリリスは一年生植物であり、年に一度、10月頃に西ケープ州で自然に開花する。北半球では、3月から4月に自然に開花する。
【0080】
花の茎および開花を生成する準備を花の球根にさせるために、植物は自然に年周期を経る。球根の準備ができ、冬の間にエネルギーを節約し、1つまたは2つの花の茎を生成し始め、春に開花し始める。植物は、開花後に葉を生成し、夏の終わりおよび冬の始まりまでに葉を失い、休眠状態に戻る。
【0081】
今日、この成長サイクルは、商業農場において、成長季節を維持し、開花を加速し、開花期を遅らせるために球根を保存するように制御される。これは、一般に、温度および/または湿度が制御される気候室の使用によって制御される。提案する技術による方法の1つの利点は、従来の人工気候室処理なしで、またはそれと組み合わせて使用できることである。
【0082】
実施形態では、花の球根が乾燥して次の季節のためのエネルギーを節約するときに、垂直下向き補償磁場が印加される。これにより、花の球根が植えられ、水を受け取ると、成長が加速され得る。処理の期間および強度は、花の種類に依存する。しかし、典型的には、数日から最大10週間までの間で変動する。この処理は、前処理として見ることができ、その後、開花期間中に二次処理が続く。
【0083】
特定の実施形態では、花の球根が開花しているときにも、垂直下向き補償磁場が印加される。これは、茎の伸長を可能にし、および/または葉の発達を引き起こし得る。これは、例えば、花の茎を発達させることができるまで2~3年間の葉の発達を経る必要がある、若い花の球根に使用することができる。提案する技術による処理により、そのようなプロセスを高速化することができる。
【0084】
特定の実施形態では、開花後の植物に上向き補償磁場が印加される。これにより、葉の老化が加速され、植物が休眠段階に戻る準備が整う。商業農場では、このプロセスは通常、高温を10~15日間適用することによって行われる。
【0085】
概念実証
本例は、例示のみを目的として提供されており、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲を限定すると解釈されるべきではない。
【0086】
例1:トマティーヨ
種子の発芽から結実段階まで成長した2つの異なる組のトマティーヨ植物を実験に使用した。
【0087】
第1試験は、2つの異なるサンプル群における3種類のトマティーヨ種子のセットであった。サンプル種子を別々に植え、各々を4×4×6cmの寸法を有する四角いプラスチックの繁殖ポットに入れた。すべてのポットを直径21cmのプラスチックポットに入れた。合計で18個の小型の四角いポット、および2個の大型の丸いポット。
【0088】
各々1つのトマティーヨ種子を含む、9個の小型の四角いポット。合計9つの種子(SIQUIROS種の種子3つ、DALI種の種子3つ、TOMAYO種の種子3つ)において、9個のポットすべてをより大きなポットに入れ、対照群として保った。
図6a~
図6dは実験装置の概略図を示す。
図6aは、2群の種子ポットのための装置を示す。
図6bは、対照群のための装置を示す。
図6cおよび
図6dは、電流発生器に接続された試験ポストの装置を示す。試験群について同様に設定した。丸いポット中の両群を、四角いマットの上に置いた。マットの1つには、マットの中央に配置された渦巻コイルがあった。試験群を渦巻コイル付きマットの上に置いた。
【0089】
トマティーヨ試験は、異なる3種類の種子、すなわち、Siquiros、Dali、およびTomayoを使用して行った。
【0090】
1.第1試験
第1試験では、被験体(種子)を2群、すなわち、対照および処理に分けた。各群は、各種子種類の3つの種子を有していた。両群とも同じ種類のポットを使用し、マット上に置いた。処理群のマットは電磁石を含んでいたので、処理群は磁場に曝された。対照群には磁場を印加しなかった。まとめについては表1を参照されたい。
【0091】
【0092】
発芽率の比較
試験群は、対照群と比較して33%高い発芽率を有していた。まとめを表2に示す。処理(1)と対照(2)とのサイズ差の例示的な例は、
図7および
図8に見ることができる。
図7および
図8に見られるように、処理サンプルの葉、茎および根は、対照サンプルの対応するものよりも大きい。
【0093】
【0094】
2.第2試験
トマティーヨのTOMAYO種に関する第2の実験は、追加型の処理で試験した。
【0095】
-3つの種子、処理1:ソレノイド上方磁場7.5μT(直径24cmのポット、ワイヤ40ターン、ソレノイド長さ20cm、電流30mA)
-5つの種子、処理2:扁平渦巻コイル
-3つの種子、対照(磁場なし)
2つの処理および対照群間の試験結果の比較を以下の表3~6および
図9a~
図9dに示す。
【0096】
【0097】
【0098】
【0099】
【0100】
この試験によれば、発芽および実生の茎伸長速度は、上向き磁場を有する基本のソレノイドを有する種子の方が速く、それらはより強い茎を発達させた。下向き磁場を有する渦巻を有する植物は、より大きな葉を発達させた。
【0101】
平均茎太さは、第2の試験で対照群と比較して20%増加し、茎伸長は12%増加し、葉のサイズは7%増加した。
【0102】
植物の発芽率、速度およびサイズはすべて、それぞれの対照群と比較して両方の処理群で増加した。
【0103】
植物の品質とは別に、果実のサイズおよび収量は、処理植物、すなわち傾斜磁場で処理した植物で有意に高かった。
【0104】
例2:アマリリス
球根15個の3群における45個のアマリリス球根(処理1、処理2、対照)
球根はすべて休眠期間の終わりにあり、茎を成長させる準備ができており、すべて上向きである。
【0105】
各群の球根を、直径8cmの植物栽培アセンブリ内の40×60cmトレイに植えた。植物栽培アセンブリを2cm離して配置した(
図10の概略図を参照)。対照群を通常のプラスチックトレイ上に置いた。処理群を2つの異なる方法で、1回目は休眠期に、2回目は開花期に処理した。処理は並行して行った。
【0106】
・処理1:直列に接続された15個のコイルを含み、各コイルが7ターンであるプラスチックトレイ。40mA電流、垂直磁場仕様:下方、根元レベルで0.8μT。
【0107】
・処理2:直列に接続された15個のコイルを含み、各コイルが7ターンであるプラスチックトレイ。40mA電流、垂直磁場仕様:上方、根元レベルで0.8μT。
【0108】
電流は12V DC電流発生器によって印加した。磁場は最上層の2cm上と10cm上で測定した。
【0109】
結果を以下の表ならびに
図11aおよび
図11bに示す。
図11aは、最初の処理後の茎の長さの増加を示す。
図11bは、処理2後の茎の長さの増加を示す。散水開始後30日目にそれぞれの茎の長さを測定した。
【0110】
【0111】
【0112】
処理1を継続すると、サイクルにおける植物の老化を加速させ、葉がより速く乾燥し、季節のより早い時期に休眠に戻ることを可能にする。(ライフサイクルの開始時期によるこの特定の植物における秋効果と同様)。表9は、異なる処理後の茎上の花の数を示す。
【0113】
【国際調査報告】