(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-10
(54)【発明の名称】圧延スタンドの作動のための方法
(51)【国際特許分類】
B21B 37/58 20060101AFI20240501BHJP
B21B 37/68 20060101ALI20240501BHJP
B21B 39/14 20060101ALI20240501BHJP
【FI】
B21B37/58 B
B21B37/68 A
B21B37/68 B
B21B39/14 C
B21B39/14 D
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023571876
(86)(22)【出願日】2022-05-19
(85)【翻訳文提出日】2023-12-19
(86)【国際出願番号】 EP2022063555
(87)【国際公開番号】W WO2022243425
(87)【国際公開日】2022-11-24
(31)【優先権主張番号】102021205275.4
(32)【優先日】2021-05-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390035426
【氏名又は名称】エス・エム・エス・グループ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100191835
【氏名又は名称】中村 真介
(74)【代理人】
【識別番号】100221981
【氏名又は名称】石田 大成
(72)【発明者】
【氏名】ホルン・ペーター
(72)【発明者】
【氏名】ツィーレンバッハ・ミヒャエル
(72)【発明者】
【氏名】デグナー・ミヒャエル
(72)【発明者】
【氏名】イェプゼン・オーラフ・ノルマン
(72)【発明者】
【氏名】シュピル・カースティン
【テーマコード(参考)】
4E124
【Fターム(参考)】
4E124AA05
4E124CC01
4E124EE11
4E124FF02
(57)【要約】
【解決手段】本発明は、金属ストリップの圧延のための圧延スタンド150の作動のための方法に関し、前記圧延スタンドが、この圧延スタンドの入側及び/または出側において、前記金属ストリップのガイドのための-前記金属ストリップの輸送方向に見て-両サイドの内の少なくとも1つのサイドに配置された、少なくとも1つのサイドガイド条片を有している。サイドガイド条片の制御のための力目標値または位置目標値を、圧延スタンドの出側での、金属ストリップにおける湾曲の回避を考慮して、従来技術においてよりも良好に算出可能とするために、サイドガイド条片の制御のための力目標値または位置目標値が、旋回位置制御のために既に算出された実際のくさび性に応じて、及び/または、算出された実際の位置ずれに応じて計算される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属ストリップの圧延のための圧延スタンド(150)の作動のための方法であって、
前記圧延スタンドが、
この圧延スタンドの入側及び/または出側において、前記金属ストリップのガイドのための-前記金属ストリップの輸送方向に見て-両サイドの内の少なくとも1つのサイドに配置された、少なくとも1つのサイドガイド条片を有しており、
前記方法が、以下のステップ:即ち、
前記金属ストリップの実際のくさび性が算出され、且つ、前記圧延スタンド内におけるワークロールの動力学的な調節により予め与えられた目標のくさび性へと制御される、旋回制御(100)の実施、および、
少なくとも1つの前記サイドガイド条片(350)の位置制御または力制御(300)の実施;
のステップを有し、
前記旋回制御と、前記サイドガイド条片(350)の前記位置制御または力制御(300)とが、互いに連結され得る;
前記方法において、
選択的に、前記圧延スタンド(150)の中心線に対する、前記圧延の後の前記金属ストリップの実際の位置ずれが算出されること;
前記実際のくさび性、及び/または、前記実際の位置ずれが、許容性について検査されること;および、
前記連結が、前記実際のくさび性、及び/または、前記実際の位置ずれが許容されない場合にだけ実施されること、および、この連結が、以下のステップ:即ち、
前記圧延スタンド(150)の入側及び/または出側における-前記金属ストリップの輸送方向に見て-両サイドの内の少なくとも1つのサイドでの、
算出された実際のくさび性に応じて、及び/または、算出された実際の位置ずれに応じて個々に予め与えられた力目標値または位置目標値によっての、前記圧延スタンドから走出する金属ストリップにおける湾曲の防止のための、前記サイドガイド条片(350)の個々の制御、
のステップを有する、
ことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記検査のステップが、以下の部分ステップ:即ち、
算出された実際のくさび性が予め与えられた最大に許容されるくさび性よりも小さいので、この算出された実際のくさび性は許容されている、かどうかの検査;
及び/または、
算出された前記圧延の後の実際の位置ずれが予め与えられた最大に許容される偏心性よりも小さいので、前記圧延の後の前記金属ストリップの算出されたこの実際の位置ずれは許容されている、かどうかの検査、
の部分ステップを有する、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
予め与えられた前記目標のくさび性への、前記金属ストリップの前記実際のくさび性の制御において、前記目標のくさび性と前記実際のくさび性との間の制御差分(e)が算出されること;および、
前記ワークロールの、調節要素としての調節シリンダー(140)の力及び/または位置を介して、圧延ロール間隙のための輪郭は、算出された前記制御差分(e)に応じて、
前記金属ストリップの前記圧延の後の前記制御差分が、可能な限りゼロになるように、
個々に、予め与えられるおよび調節されること、
を特徴とする請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記実際のくさび性、及び/または、実際の位置ずれ(170)の算出は、
以下の検出される量の内の少なくとも1つの量:即ち、
前記圧延スタンドの曲げシリンダーの実際の位置(160-1);及び/または、
前記調節シリンダーの実際の位置(160-2);及び/または、
前記調節シリンダーの差分力(160-3)、
からの導出によって間接的に行われるか、または、
前記ストリップの実際のくさび性の測定(160-4);及び/または、
前記金属ストリップの偏心性/位置ずれの測定(160-5)、
によって直接的に行われる、
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載の方法。
【請求項5】
前記サイドガイド条片(350)の個々の前記制御は、
前記圧延スタンド(150)の入側及び/または出側における、両サイドの内の少なくとも1つのサイドで、力制御の形態で行われ、
以下の部分ステップ:即ち、
それぞれのサイドガイド条片(350)に対する、実際力(360´)の測定;
予め与えられた目標力と測定された前記実際力との間の、力の制御差分(e
k)の算出;および、
前記力の制御差分(e
k)に応じての、それぞれの前記サイドガイド条片(350)の力に関する調節のための、前記力の制御差分が可能な限りゼロのなるような、調節要素(340)の制御、
のステップを有していることを特徴とする請求項1から4のいずれか一つに記載の方法。
【請求項6】
前記サイドガイド条片(350)の個々の前記制御は、
前記圧延スタンド(150)の入側及び/または出側における、両サイドの内の少なくとも1つのサイドで、位置制御の形態で行われ、
以下の部分ステップ:即ち、
それぞれのサイドガイド条片(350)の、実際位置の測定(360);
予め与えられた目標位置と測定された前記実際位置との間の、位置の制御差分(e
p)の算出;および、
前記位置の制御差分(e
p)に応じての、それぞれの前記サイドガイド条片(350)の位置に関する調節のための、前記位置の制御差分が可能な限りゼロのなるような、調節要素(340)の制御、
のステップを有していることを特徴とする請求項1から4のいずれか一つに記載の方法。
【請求項7】
前記圧延スタンド(150)は、粗圧延スタンドまたは仕上げ圧延スタンドであることを特徴とする請求項1から6のいずれか一つに記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属ストリップの圧延のための圧延スタンドの作動のための方法に関する。この圧延スタンドは、入側及び/または出側において、前記金属ストリップのガイドのための-前記金属ストリップの輸送方向に見て-両サイドの内の少なくとも1つのサイドに配置された、サイドガイド条片を有している。
【背景技術】
【0002】
圧延スタンドの作動のためのこの様式の方法は、従来技術から、基本的に公知である。
【0003】
特許文献1は、圧延スタンドの曲げシリンダー内における位置測定の基礎のもとでの、厚さ制御のための方法を開示している。
【0004】
特許文献2は、圧延スタンドの圧延ロール間隙の制御のための方法を記載しており、その際、この圧延スタンド内において、それぞれの曲げシリンダーに、位置検出器または変位検出器が割り当てられていることが推奨される。
位置検出器または変位検出器から提供された測定値は、圧延ロール間隙のより正確な調節を可能にし、それによって、金属ストリップの最適な送り込みまたは送り出し、および、達成しようとされる平坦度および要求されるプロフィルでもっての、圧延された金属ストリップの最適な圧延が達成される。それに加えて、この特許文献2は、圧延ロール間隙の傾斜位置と、圧延スタンドの圧延ロール間隙からの圧延されるべき金属ストリップの横への移動との間の関係を説明している。
【0005】
特許文献3は、圧延スタンド内における粗ストリップ幾何学的形状の合目的な調整のための装置の方法を開示している。具体的に、この特許文献3は、圧延材の熱間圧延のための方法を請求しており、その際、この圧延材の移動制御のために、粗圧延スタンドの動力学的な調節を備える旋回制御と、この粗圧延スタンドに前接続および後接続されているサイドガイドの位置制御および力制御とが提案される。
旋回の調節の制御と、サイドガイドの調節の制御とは、1つまたは複数のパスが、合目的に、可逆運動状態または連続作動状態おいて、湾曲状(saebelig)またはくさび状のスラブを、まっすぐで且つくさび状ではない粗ストリップに変形されるように、互いに結合されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】欧州特許第698428 B号明細書
【特許文献2】国際公開第2003/053604号
【特許文献3】国際公開第2006/119984号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の課題は、傾斜位置制御と、この傾斜位置制御と連結された、サイドガイド条片の制御のための位置制御および力制御とを備える圧延スタンドの作動のための公知の方法を、
調節およびサイドガイド条片の制御のための力目標値または位置目標値が、圧延スタンドの出側での、金属ストリップにおける湾曲(Saebelbildung)の回避を考慮して、より良好に算出されるように改良することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この課題は、請求項1内において請求された方法によって解決される。
この方法は、
選択的に、前記圧延スタンドの中心線に対する、前記圧延の後の前記金属ストリップの実際の位置ずれが算出されること;
前記実際のくさび性、及び/または、前記実際の位置ずれが、許容性に基づいて検査されること;および、
前記連結が、前記実際のくさび性、及び/または、前記実際の位置ずれが許容されない場合にだけ実施されること、および、この連結が、以下のステップ:即ち、
-前記金属ストリップの輸送方向に見て-前記圧延スタンドの入側及び/または出側における、両サイドの内の少なくとも1つのサイドでの、
算出された実際のくさび性に応じて、及び/または、算出された実際の位置ずれに応じて個々に予め与えられた力目標値または位置目標値によっての、前記圧延スタンドから走出する金属ストリップにおける湾曲の防止のための、前記サイドガイド条片の個々の制御、
のステップを有する:
ことによって特徴付けられている。
【0009】
要するに、この課題の解決策は、サイドガイド条片の制御のための力目標値または位置目標値が、旋回位置制御のために既に算出された実際のくさび性に応じて、及び/または、算出された実際の位置ずれに応じて計算されることにある。
【発明の効果】
【0010】
旋回制御の形態での請求された基本制御回路は、圧延されるべき金属ストリップのくさび形状の検出および除去のために利用される。
走入する金属ストリップ内における、場合によっては生じるくさび形状は、旋回基準値によって補償され、即ち、このようにして、金属ストリップの逸脱する厚さ値をこの金属ストリップの幅方向において補償するために、圧延スタンドの調節シリンダーが、この調節シリンダーの調節位置またはこの調節シリンダーの調節力に関して逸脱する値を与えられる。
総じて、この請求された方法は、平板製品のための熱間圧延ライン内における資源能率的な生産を可能にする。生産性および材料歩留りの向上は、障害時間の低減により可能である。圧延されるべき金属ストリップの特性および品質が最適化され、且つ、設備操作者は、ストリップ走行の制御の際に負荷を軽減される。
【0011】
本発明に従い、請求された連結ステップは、
算出された実際のくさび性が、予め与えられた最大の許容されるくさび性よりも大きい場合にだけ、及び/または、
この算出された実際の位置ずれが予め与えられた最大に許容される偏心性よりも大きいので、圧延の後の金属ストリップの算出された実際の位置ずれが許容されていない場合にだけ、実施される。
上述された限界の内の少なくとも1つの限界が超過されている場合にだけ、請求された旋回制御に対して付加的に、同様に請求されたサイドガイドの位置制御または力制御が作動状態にされる。
換言すれば、その場合に、旋回制御の範囲内における、調節シリンダーの調節値の補正に対して付加的に、同様にサイドガイド条片も、予め与えられた目標位置または予め与えられた目標力を考慮しての補正値によって、それぞれのサイドガイド条片の現在の調節要素に応じて調節される。
これらサイドガイド条片は、-前記金属ストリップの輸送方向に見て-それぞれのサイドで、個々に制御可能であるべきである。
【0012】
第1の実施例に従い、旋回制御は、金属ストリップの算出された実際のくさび性と予め与えられた目標のくさび性との間の制御差分が、可能な限りゼロになることを目標とする。即ち、圧延されるべき金属ストリップの厚さは、ある程度の逸脱が許容されない限りは、可能な限り、圧延スタンドの駆動側および操作側で、即ち左側および右側の縁部において、同じであるべきである。
【0013】
本発明の更に別の実施例に従い、これらの実際値が、以下の、直接的に測定可能な量の内の少なくとも1つの量から導出されることによって、実際のくさび性及び/または実際の位置ずれの算出は、間接的に行われる。このことは、例えば圧延力の差分であり、即ち、圧延スタンドの調節シリンダーにおける、駆動側と操作側の、圧力測定を介して検出された圧延力の相違である。
更に、調節シリンダーの実際位置、および、要するに圧延スタンド内における曲げシリンダーの圧延ロール間隙に近い位置測定は、直接的に測定量として比較可能である。
特に曲げシリンダーの、圧延ロール間隙に近い位置測定は、実際のくさび性の導出に関しての極めて精確な情報出力を可能にする。
【0014】
選択的に、くさび性の直接的な測定が行われることは可能である。総じて、実際のくさび性のための情報出力をこれらの測定値から導出可能とするために、上述された4つの測定の内の少なくとも1つの測定は行われる必要がある。
上述された測定値が、同様に、圧延ライン(Walzstreit)内における金属ストリップの中心的または偏心的な位置に関しての情報出力も与えるので、付加的または選択的に、同様に、金属ストリップの中心位置もしくは実際の位置ずれに関しての情報出力も導出され得る。
【0015】
サイドガイド条片のための、目標位置または目標力の計算のための、計算装置内において、
- 簡単な構成において、対の値が、表的に保管されていることは可能であり、従って、例えば、xmmのくさび値に、ymm(目標位置)だけの前記条片の移動が割り当てられる;または、
- 選択的な構成において、x-y調節曲線が保管されることは可能であり、このx-y調節曲線が、変形抵抗、スタンド強度、等の考慮のもとでの計算式に基づいている;または、
- 更に別の選択的な構成において、完全な変形モデルが保管されていることは可能であり、この変形モデルが、調節されるべき入側の条件のための、圧延スタンド内における金属ストリップの材料流動と、完全な変形とを考慮する。
【0016】
本発明は、一義的に、アクチュエータを介して、サイドガイド条片が、(フィードバック制御回路無しに)前もって与えられた目標値によって容易に制御されることを意図している。選択的に、制御は、しかしながら同様に、位置制御回路、または、力制御回路の形態でも行われ得る。
【0017】
本発明に従う方法は、粗圧延スタンドのためと同様に、仕上げ圧延スタンドのためにも使用可能である。
【0018】
この明細書には、1つの図が添付されており、この図が、本発明に従う方法を概略的に図示している。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【発明を実施するための形態】
【0020】
この図は、上側の半分において、旋回制御100の図を記載しており、および、下側の半分において、概略的に、この図内においてサイドガイド条片350の制御300が記載されている。
【0021】
旋回制御100とサイドガイド条片の制御300とは、直接的の測定された測定値、並びに、許容性のチェック200からの、金属ストリップの実際のくさび性、及び/または、この金属ストリップの実際の位置ずれの導出もしくは計算のためのブロック170を介して、連結されている。
【0022】
旋回制御100は、旧来的な制御回路によって表される。この旧来的な制御回路は、圧延スタンド150内における圧延ロール間隔の調節のための、ワークロールの予め与えられるべき目標のくさび性もしくは目標の旋回値の計算のための、計算ユニット110から成っている。
旋回制御の範囲内において、計算された目標のくさび性は、ブロック170内において計算された実際のくさび性と比較される。目標のくさび性と実際のくさび性との差分は、比較器120内において算出され、且つ、いわゆる制御差分eとして、後続された制御器130に出力される。
制御器130は、入力量としての制御差分eから、調節要素140のための位置調節信号を計算する;ここで、旋回制御の際に、この調節要素は、圧延スタンド内における、ワークロールの調節シリンダーによって形成される。これら調節シリンダーは、制御の範囲内において、上述された位置調節信号に応じて、圧延スタンド150内において、それに応じた圧延ロール間隔へと調節される。
上述された旋回制御100は、フィードバックによって特徴付けられ、このフィードバックにおいて、更に別の方法のステップにおいて、調節シリンダーの位置(方法のステップ160-2)、及び/または、圧延スタンドの曲げシリンダーの位置(方法のステップ160-1)、及び/または、調節シリンダーの差分力(方法のステップ160-3)が、これらから、上述されたブロック170内において実際のくさび性及び/または実際の位置ずれを計算により導出するため、即ち間接的に検出するために直接的に測定される。
選択的に、実際のくさび性は、金属ストリップにおける直接的な測定値検出(方法のステップ160-4)から行われ得る。同じことは、金属ストリップの偏心性の測定値検出(方法のステップ160-5)に関しても言えることである。
【0023】
後続するクエリステップ200において、算出された実際の位置ずれ、及び/または、算出された実際のくさび性は、これらが許容されるかどうか、即ち、これらが、それぞれに予め与えられた最大の限界値の下方にあるかどうかについて検査される。
両方の値が、その限りでは許容されている場合、本発明に従い、サイドガイド条片350の如何なる特別の制御も行われず;むしろ、このサイドガイド条片は、圧延ロール間隔内におけるストリップの、中央でのガイドのための、不動にセッティングされたガイド位置に留まる。
許容性のチェックが、肯定される場合、このことは、圧延スタンド150から走出する金属ストリップにおいて、如何なる許容されない大きな湾曲も認識もしくは予測されないこと、および、それ故に、サイドガイド条片による、金属ストリップのストリップ走行の、いかなる修正も必要ではないことを意味する。
【0024】
両方の実際値の内の1つの実際値、即ち走出する金属ストリップの算出された実際のくさび性、または、算出された実際の位置ずれが、それぞれに予め与えられた最大に許容される限界値を超過する場合、状況は異なっている。その場合、サイドガイド条片による、金属ストリップのストリップ走行の修正は、必要である。サイドガイド条片350の制御は、位置または力で行われ得る。
この目的のために、位置計算ユニット310内において、位置目標値が計算され、この位置目標値へと、サイドガイド条片350が、調節要素340、例えば液圧シリンダーを用いて調節される。
【0025】
選択的に、力計算ユニット310´を用いて、サイドガイド条片350のための力目標値が計算され得、その際、前記条片350は、その場合に、調節要素340を用いて、力目標値へと調整もしくは調節される。基本的に、サイドガイド条片350の調節もしくは制御は、フィードバック無しに、即ち、たった今説明されたような簡単な制御の範囲内において行われる。
【0026】
選択的に、サイドガイド条片350の調節は、同様に、位置制御または力制御の形態でも行われ得る。
位置制御において、それぞれのサイドガイド条片の計算された目標位置は、前もって方法のステップ360において測定技術的に検出された、このサイドガイド条片350の実際位置と、この実際位置から位置の制御差分epを算出するために、比較される。この位置の制御差分は、入力量として位置制御器330に与えられ、この位置制御器が、この位置の制御差分から、調節要素340のための位置調節信号を算出する。調節要素340は、その場合に、サイドガイド条片350を算出された位置調節信号に応じて制御する。
類似して、力制御において、計算のステップ310´において計算された目標力は、前もって測定のステップ360´において測定技術的に検出された実際力と、比較装置320´内において、この実際力から力の制御差分ekを計算するために、比較される。この力の制御差分は、入力量として力制御器330´に与えられ、この位置制御器が、この位置の制御差分から、調節要素340のための力の調節信号を算出する。調節要素340は、その場合に、サイドガイド条片350を上述された力の調節信号に応じて制御する。
【0027】
圧延スタンド内における、または、この圧延スタンドの後のストリップ走行方向における測定が、同様にこの圧延スタンドの手前の前記条片の調節に対しても作用可能であることによって、後続のストリップ長手方向部分の、くさび性、及び/または、中心性は改善される。
圧延スタンド内における、または、この圧延スタンドの後のストリップ走行方向における測定が、同様にこの圧延スタンドの後ろの前記条片の調節に対しても作用可能であることによって、現在測定されるストリップ長手方向部分の、くさび性、及び/または、中心性は改善される。
【符号の説明】
【0028】
100 旋回制御
110 ワークロールの、くさび性もしくは旋回値のための、目標値のための計算ユニット
120 くさび性の比較器
130 旋回制御器
140 調節要素、特に、調節シリンダー
150 圧延スタンド
160-1 曲げシリンダーの位置の測定
160-2 調節シリンダーの位置の測定
160-3 調節シリンダーの差分力の測定
160-4 金属ストリップの実際のくさび性の測定
160-5 偏心性/位置ずれの測定
170 実際のくさび性及び/または実際の位置ずれのための計算装置
200 許容性のチェック
300 サイドガイド条片の制御
310 目標位置のための計算装置
310´ サイドガイド条片のための目標力のための計算装置
320 比較器
320´ 比較器
330 位置制御器
330´ 力制御器
340 サイドガイド条片の制御のための調節要素、特に液圧シリンダー
350 サイドガイド条片
360 サイドガイド条片の実際の位置の測定値の検出
360´ サイドガイド条片の実際力のための測定値の検出
【手続補正書】
【提出日】2024-03-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属ストリップの圧延のための圧延スタンドの作動のための方法に関する。この圧延スタンドは、入側及び/または出側において、前記金属ストリップのガイドのための-前記金属ストリップの輸送方向に見て-両サイドの内の少なくとも1つのサイドに配置された、サイドガイド条片を有している。
【背景技術】
【0002】
圧延スタンドの作動のためのこの様式の方法は、従来技術から、基本的に公知である。
【0003】
特許文献1は、圧延スタンドの曲げシリンダー内における位置測定の基礎のもとでの、厚さ制御のための方法を開示している。
【0004】
特許文献2は、圧延スタンドの圧延ロール間隙の制御のための方法を記載しており、その際、この圧延スタンド内において、それぞれの曲げシリンダーに、位置検出器または変位検出器が割り当てられていることが推奨される。
位置検出器または変位検出器から提供された測定値は、圧延ロール間隙のより正確な調節を可能にし、それによって、金属ストリップの最適な送り込みまたは送り出し、および、達成しようとされる平坦度および要求されるプロフィルでもっての、圧延された金属ストリップの最適な圧延が達成される。それに加えて、この特許文献2は、圧延ロール間隙の傾斜位置と、圧延スタンドの圧延ロール間隙からの圧延されるべき金属ストリップの横への移動との間の関係を説明している。
【0005】
特許文献3は、圧延スタンド内における粗ストリップ幾何学的形状の合目的な調整のための装置の方法を開示している。具体的に、この特許文献3は、圧延材の熱間圧延のための方法を請求しており、その際、この圧延材の移動制御のために、粗圧延スタンドの動力学的な調節を備える旋回制御と、この粗圧延スタンドに前接続および後接続されているサイドガイドの位置制御および力制御とが提案される。
旋回の調節の制御と、サイドガイドの調節の制御とは、1つまたは複数のパスが、合目的に、可逆運動状態または連続作動状態おいて、湾曲状(saebelig)またはくさび状のスラブを、まっすぐで且つくさび状ではない粗ストリップに変形されるように、互いに結合されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】欧州特許第698428 B号明細書
【特許文献2】国際公開第2003/053604号
【特許文献3】国際公開第2006/119984号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の課題は、傾斜位置制御と、この傾斜位置制御と連結された、サイドガイド条片の制御のための位置制御および力制御とを備える圧延スタンドの作動のための公知の方法を、
調節およびサイドガイド条片の制御のための力目標値または位置目標値が、圧延スタンドの出側での、金属ストリップにおける湾曲(Saebelbildung)の回避を考慮して、より良好に算出されるように改良することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この課題は、請求項1内において請求された方法によって解決される。
この方法は、
選択的に、前記圧延スタンドの中心線に対する、前記圧延の後の前記金属ストリップの実際の位置ずれが算出されること;
前記実際のくさび性、及び/または、前記実際の位置ずれが、許容性に基づいて検査されること;および、
前記連結が、前記実際のくさび性、及び/または、前記実際の位置ずれが許容されない場合にだけ実施されること、および、この連結が、以下のステップ:即ち、
-前記金属ストリップの輸送方向に見て-前記圧延スタンドの入側及び/または出側における、両サイドの内の少なくとも1つのサイドでの、
算出された実際のくさび性に応じて、及び/または、算出された実際の位置ずれに応じて個々に予め与えられた力目標値または位置目標値によっての、前記圧延スタンドから走出する金属ストリップにおける湾曲の防止のための、前記サイドガイド条片の個々の制御、
のステップを有する:
ことによって特徴付けられている。
【0009】
要するに、この課題の解決策は、サイドガイド条片の制御のための力目標値または位置目標値が、旋回位置制御のために既に算出された実際のくさび性に応じて、及び/または、算出された実際の位置ずれに応じて計算されることにある。
【発明の効果】
【0010】
旋回制御の形態での請求された基本制御回路は、圧延されるべき金属ストリップのくさび形状の検出および除去のために利用される。
走入する金属ストリップ内における、場合によっては生じるくさび形状は、旋回基準値によって補償され、即ち、このようにして、金属ストリップの逸脱する厚さ値をこの金属ストリップの幅方向において補償するために、圧延スタンドの調節シリンダーが、この調節シリンダーの調節位置またはこの調節シリンダーの調節力に関して逸脱する値を与えられる。
総じて、この請求された方法は、平板製品のための熱間圧延ライン内における資源能率的な生産を可能にする。生産性および材料歩留りの向上は、障害時間の低減により可能である。圧延されるべき金属ストリップの特性および品質が最適化され、且つ、設備操作者は、ストリップ走行の制御の際に負荷を軽減される。
【0011】
本発明に従い、請求された連結ステップは、
算出された実際のくさび性が、予め与えられた最大の許容されるくさび性よりも大きい場合にだけ、及び/または、
この算出された実際の位置ずれが予め与えられた最大に許容される偏心性よりも大きいので、圧延の後の金属ストリップの算出された実際の位置ずれが許容されていない場合にだけ、実施される。
上述された限界の内の少なくとも1つの限界が超過されている場合にだけ、請求された旋回制御に対して付加的に、同様に請求されたサイドガイドの位置制御または力制御が作動状態にされる。
換言すれば、その場合に、旋回制御の範囲内における、調節シリンダーの調節値の補正に対して付加的に、同様にサイドガイド条片も、予め与えられた目標位置または予め与えられた目標力を考慮しての補正値によって、それぞれのサイドガイド条片の現在の調節要素に応じて調節される。
これらサイドガイド条片は、-前記金属ストリップの輸送方向に見て-それぞれのサイドで、個々に制御可能であるべきである。
【0012】
第1の実施例に従い、旋回制御は、金属ストリップの算出された実際のくさび性と予め与えられた目標のくさび性との間の制御差分が、可能な限りゼロになることを目標とする。即ち、圧延されるべき金属ストリップの厚さは、ある程度の逸脱が許容されない限りは、可能な限り、圧延スタンドの駆動側および操作側で、即ち左側および右側の縁部において、同じであるべきである。
【0013】
本発明の更に別の実施例に従い、これらの実際値が、以下の、直接的に測定可能な量の内の少なくとも1つの量から導出されることによって、実際のくさび性及び/または実際の位置ずれの算出は、間接的に行われる。このことは、例えば圧延力の差分であり、即ち、圧延スタンドの調節シリンダーにおける、駆動側と操作側の、圧力測定を介して検出された圧延力の相違である。
更に、調節シリンダーの実際位置、および、要するに圧延スタンド内における曲げシリンダーの圧延ロール間隙に近い位置測定は、直接的に測定量として比較可能である。
特に曲げシリンダーの、圧延ロール間隙に近い位置測定は、実際のくさび性の導出に関しての極めて精確な情報出力を可能にする。
【0014】
選択的に、くさび性の直接的な測定が行われることは可能である。総じて、実際のくさび性のための情報出力をこれらの測定値から導出可能とするために、上述された4つの測定の内の少なくとも1つの測定は行われる必要がある。
上述された測定値が、同様に、圧延ライン(Walzstreit)内における金属ストリップの中心的または偏心的な位置に関しての情報出力も与えるので、付加的または選択的に、同様に、金属ストリップの中心位置もしくは実際の位置ずれに関しての情報出力も導出され得る。
【0015】
サイドガイド条片のための、目標位置または目標力の計算のための、計算装置内において、
- 簡単な構成において、対の値が、表的に保管されていることは可能であり、従って、例えば、xmmのくさび値に、ymm(目標位置)だけの前記条片の移動が割り当てられる;または、
- 選択的な構成において、x-y調節曲線が保管されることは可能であり、このx-y調節曲線が、変形抵抗、スタンド強度、等の考慮のもとでの計算式に基づいている;または、
- 更に別の選択的な構成において、完全な変形モデルが保管されていることは可能であり、この変形モデルが、調節されるべき入側の条件のための、圧延スタンド内における金属ストリップの材料流動と、完全な変形とを考慮する。
【0016】
本発明は、一義的に、アクチュエータを介して、サイドガイド条片が、(フィードバック制御回路無しに)前もって与えられた目標値によって容易に制御されることを意図している。選択的に、制御は、しかしながら同様に、位置制御回路、または、力制御回路の形態でも行われ得る。
【0017】
本発明に従う方法は、粗圧延スタンドのためと同様に、仕上げ圧延スタンドのためにも使用可能である。
【0018】
この明細書には、1つの図が添付されており、この図が、本発明に従う方法を概略的に図示している。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【発明を実施するための形態】
【0020】
この図は、上側の半分において、旋回制御100の図を記載しており、および、下側の半分において、概略的に、この図内においてサイドガイド条片350の制御300が記載されている。
【0021】
旋回制御100とサイドガイド条片の制御300とは、直接的の測定された測定値、並びに、許容性のチェック200からの、金属ストリップの実際のくさび性、及び/または、この金属ストリップの実際の位置ずれの導出もしくは計算のためのブロック170を介して、連結されている。
【0022】
旋回制御100は、旧来的な制御回路によって表される。この旧来的な制御回路は、圧延スタンド150内における圧延ロール間隔の調節のための、ワークロールの予め与えられるべき目標のくさび性もしくは目標の旋回値の計算のための、計算ユニット110から成っている。
旋回制御の範囲内において、計算された目標のくさび性は、ブロック170内において計算された実際のくさび性と比較される。目標のくさび性と実際のくさび性との差分は、比較器120内において算出され、且つ、いわゆる制御差分eとして、後続された制御器130に出力される。
制御器130は、入力量としての制御差分eから、調節要素140のための位置調節信号を計算する;ここで、旋回制御の際に、この調節要素は、圧延スタンド内における、ワークロールの調節シリンダーによって形成される。これら調節シリンダーは、制御の範囲内において、上述された位置調節信号に応じて、圧延スタンド150内において、それに応じた圧延ロール間隔へと調節される。
上述された旋回制御100は、フィードバックによって特徴付けられ、このフィードバックにおいて、更に別の方法のステップにおいて、調節シリンダーの位置(方法のステップ160-2)、及び/または、圧延スタンドの曲げシリンダーの位置(方法のステップ160-1)、及び/または、調節シリンダーの差分力(方法のステップ160-3)が、これらから、上述されたブロック170内において実際のくさび性及び/または実際の位置ずれを計算により導出するため、即ち間接的に検出するために直接的に測定される。
選択的に、実際のくさび性は、金属ストリップにおける直接的な測定値検出(方法のステップ160-4)から行われ得る。同じことは、金属ストリップの偏心性の測定値検出(方法のステップ160-5)に関しても言えることである。
【0023】
後続するクエリステップ200において、算出された実際の位置ずれ、及び/または、算出された実際のくさび性は、これらが許容されるかどうか、即ち、これらが、それぞれに予め与えられた最大の限界値の下方にあるかどうかについて検査される。
両方の値が、その限りでは許容されている場合、本発明に従い、サイドガイド条片350の如何なる特別の制御も行われず;むしろ、このサイドガイド条片は、圧延ロール間隔内におけるストリップの、中央でのガイドのための、不動にセッティングされたガイド位置に留まる。
許容性のチェックが、肯定される場合、このことは、圧延スタンド150から走出する金属ストリップにおいて、如何なる許容されない大きな湾曲も認識もしくは予測されないこと、および、それ故に、サイドガイド条片による、金属ストリップのストリップ走行の、いかなる修正も必要ではないことを意味する。
【0024】
両方の実際値の内の1つの実際値、即ち走出する金属ストリップの算出された実際のくさび性、または、算出された実際の位置ずれが、それぞれに予め与えられた最大に許容される限界値を超過する場合、状況は異なっている。その場合、サイドガイド条片による、金属ストリップのストリップ走行の修正は、必要である。サイドガイド条片350の制御は、位置または力で行われ得る。
この目的のために、位置計算ユニット310内において、位置目標値が計算され、この位置目標値へと、サイドガイド条片350が、調節要素340、例えば液圧シリンダーを用いて調節される。
【0025】
選択的に、力計算ユニット310´を用いて、サイドガイド条片350のための力目標値が計算され得、その際、前記条片350は、その場合に、調節要素340を用いて、力目標値へと調整もしくは調節される。基本的に、サイドガイド条片350の調節もしくは制御は、フィードバック無しに、即ち、たった今説明されたような簡単な制御の範囲内において行われる。
【0026】
選択的に、サイドガイド条片350の調節は、同様に、位置制御または力制御の形態でも行われ得る。
位置制御において、それぞれのサイドガイド条片の計算された目標位置は、前もって方法のステップ360において測定技術的に検出された、このサイドガイド条片350の実際位置と、この実際位置から位置の制御差分epを算出するために、比較される。この位置の制御差分は、入力量として位置制御器330に与えられ、この位置制御器が、この位置の制御差分から、調節要素340のための位置調節信号を算出する。調節要素340は、その場合に、サイドガイド条片350を算出された位置調節信号に応じて制御する。
類似して、力制御において、計算のステップ310´において計算された目標力は、前もって測定のステップ360´において測定技術的に検出された実際力と、比較装置320´内において、この実際力から力の制御差分ekを計算するために、比較される。この力の制御差分は、入力量として力制御器330´に与えられ、この位置制御器が、この位置の制御差分から、調節要素340のための力の調節信号を算出する。調節要素340は、その場合に、サイドガイド条片350を上述された力の調節信号に応じて制御する。
【0027】
圧延スタンド内における、または、この圧延スタンドの後のストリップ走行方向における測定が、同様にこの圧延スタンドの手前の前記条片の調節に対しても作用可能であることによって、後続のストリップ長手方向部分の、くさび性、及び/または、中心性は改善される。
圧延スタンド内における、または、この圧延スタンドの後のストリップ走行方向における測定が、同様にこの圧延スタンドの後ろの前記条片の調節に対しても作用可能であることによって、現在測定されるストリップ長手方向部分の、くさび性、及び/または、中心性は改善される。
【符号の説明】
【0028】
100 旋回制御
110 ワークロールの、くさび性もしくは旋回値のための、目標値のための計算ユニット
120 くさび性の比較器
130 旋回制御器
140 調節要素、特に、調節シリンダー
150 圧延スタンド
160-1 曲げシリンダーの位置の測定
160-2 調節シリンダーの位置の測定
160-3 調節シリンダーの差分力の測定
160-4 金属ストリップの実際のくさび性の測定
160-5 偏心性/位置ずれの測定
170 実際のくさび性及び/または実際の位置ずれのための計算装置
200 許容性のチェック
300 サイドガイド条片の制御
310 目標位置のための計算装置
310´ サイドガイド条片のための目標力のための計算装置
320 比較器
320´ 比較器
330 位置制御器
330´ 力制御器
340 サイドガイド条片の制御のための調節要素、特に液圧シリンダー
350 サイドガイド条片
360 サイドガイド条片の実際の位置の測定値の検出
360´ サイドガイド条片の実際力のための測定値の検出
なお、本願は、特許請求の範囲に記載の発明に関するものであるが、他の態様として以下も包含し得る。
1. 金属ストリップの圧延のための圧延スタンド(150)の作動のための方法であって、
前記圧延スタンドが、
この圧延スタンドの入側及び/または出側において、前記金属ストリップのガイドのための-前記金属ストリップの輸送方向に見て-両サイドの内の少なくとも1つのサイドに配置された、少なくとも1つのサイドガイド条片を有しており、
前記方法が、以下のステップ:即ち、
前記金属ストリップの実際のくさび性が算出され、且つ、前記圧延スタンド内におけるワークロールの動力学的な調節により予め与えられた目標のくさび性へと制御される、旋回制御(100)の実施、および、
少なくとも1つの前記サイドガイド条片(350)の位置制御または力制御(300)の実施;
のステップを有し、
前記旋回制御と、前記サイドガイド条片(350)の前記位置制御または力制御(300)とが、互いに連結され得る;
前記方法において、
選択的に、前記圧延スタンド(150)の中心線に対する、前記圧延の後の前記金属ストリップの実際の位置ずれが算出されること;
前記実際のくさび性、及び/または、前記実際の位置ずれが、許容性について検査されること;および、
前記連結が、前記実際のくさび性、及び/または、前記実際の位置ずれが許容されない場合にだけ実施されること、および、この連結が、以下のステップ:即ち、
前記圧延スタンド(150)の入側及び/または出側における-前記金属ストリップの輸送方向に見て-両サイドの内の少なくとも1つのサイドでの、
算出された実際のくさび性に応じて、及び/または、算出された実際の位置ずれに応じて個々に予め与えられた力目標値または位置目標値によっての、前記圧延スタンドから走出する金属ストリップにおける湾曲の防止のための、前記サイドガイド条片(350)の個々の制御、
のステップを有する、
ことを特徴とする方法。
2. 前記検査のステップが、以下の部分ステップ:即ち、
算出された実際のくさび性が予め与えられた最大に許容されるくさび性よりも小さいので、この算出された実際のくさび性は許容されている、かどうかの検査;
及び/または、
算出された前記圧延の後の実際の位置ずれが予め与えられた最大に許容される偏心性よりも小さいので、前記圧延の後の前記金属ストリップの算出されたこの実際の位置ずれは許容されている、かどうかの検査、
の部分ステップを有する、
ことを特徴とする上記1に記載の方法。
3. 予め与えられた前記目標のくさび性への、前記金属ストリップの前記実際のくさび性の制御において、前記目標のくさび性と前記実際のくさび性との間の制御差分(e)が算出されること;および、
前記ワークロールの、調節要素としての調節シリンダー(140)の力及び/または位置を介して、圧延ロール間隙のための輪郭は、算出された前記制御差分(e)に応じて、
前記金属ストリップの前記圧延の後の前記制御差分が、可能な限りゼロになるように、
個々に、予め与えられるおよび調節されること、
を特徴とする上記1または2に記載の方法。
4. 前記実際のくさび性、及び/または、実際の位置ずれ(170)の算出は、
以下の検出される量の内の少なくとも1つの量:即ち、
前記圧延スタンドの曲げシリンダーの実際の位置(160-1);及び/または、
前記調節シリンダーの実際の位置(160-2);及び/または、
前記調節シリンダーの差分力(160-3)、
からの導出によって間接的に行われるか、または、
前記ストリップの実際のくさび性の測定(160-4);及び/または、
前記金属ストリップの偏心性/位置ずれの測定(160-5)、
によって直接的に行われる、
ことを特徴とする上記1から3のいずれか一つに記載の方法。
5. 前記サイドガイド条片(350)の個々の前記制御は、
前記圧延スタンド(150)の入側及び/または出側における、両サイドの内の少なくとも1つのサイドで、力制御の形態で行われ、
以下の部分ステップ:即ち、
それぞれのサイドガイド条片(350)に対する、実際力(360´)の測定;
予め与えられた前記目標力と測定された実際力との間の、力の制御差分(e
k
)の算出;および、
前記力の制御差分(e
k
)に応じての、それぞれの前記サイドガイド条片(350)の力に関する調節のための、前記力の制御差分が可能な限りゼロのなるような、調節要素(340)の制御、
のステップを有していることを特徴とする上記1から4のいずれか一つに記載の方法。
6. 前記サイドガイド条片(350)の個々の前記制御は、
前記圧延スタンド(150)の入側及び/または出側における、両サイドの内の少なくとも1つのサイドで、位置制御の形態で行われ、
以下の部分ステップ:即ち、
それぞれのサイドガイド条片(350)の、実際力の測定(360);
予め与えられた前記目標位置と測定された実際位置との間の、位置の制御差分(e
p
)の算出;および、
前記位置の制御差分(e
p
)に応じての、それぞれの前記サイドガイド条片(350)の位置に関する調節のための、前記位置の制御差分が可能な限りゼロのなるような、調節要素(340)の制御、
のステップを有していることを特徴とする上記1から4のいずれか一つに記載の方法。
7. 前記圧延スタンド(150)は、粗圧延スタンドまたは仕上げ圧延スタンドであることを特徴とする上記1から6のいずれか一つに記載の方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属ストリップの圧延のための圧延スタンド(150)の作動のための方法であって、
前記圧延スタンドが、
この圧延スタンドの入側及び/または出側において、前記金属ストリップのガイドのための-前記金属ストリップの輸送方向に見て-両サイドの内の少なくとも1つのサイドに配置された、少なくとも1つのサイドガイド条片を有しており、
前記方法が、以下のステップ:即ち、
前記金属ストリップの実際のくさび性が算出され、且つ、前記圧延スタンド内におけるワークロールの動力学的な調節により予め与えられた目標のくさび性へと制御される、旋回制御(100)の実施、および、
少なくとも1つの前記サイドガイド条片(350)の位置制御または力制御(300)の実施;
のステップを有し、
前記旋回制御と、前記サイドガイド条片(350)の前記位置制御または力制御(300)とが、互いに連結され得る;
前記方法において、
選択的に、前記圧延スタンド(150)の中心線に対する、前記圧延の後の前記金属ストリップの実際の位置ずれが算出されること;
前記実際のくさび性、及び/または、前記実際の位置ずれが、許容性について検査されること;および、
前記連結が、前記実際のくさび性、及び/または、前記実際の位置ずれが許容されない場合にだけ実施されること、および、この連結が、以下のステップ:即ち、
前記圧延スタンド(150)の入側及び/または出側における-前記金属ストリップの輸送方向に見て-両サイドの内の少なくとも1つのサイドでの、
算出された実際のくさび性に応じて、及び/または、算出された実際の位置ずれに応じて個々に予め与えられた力目標値または位置目標値によっての、前記圧延スタンドから走出する金属ストリップにおける湾曲の防止のための、前記サイドガイド条片(350)の個々の制御、
のステップを有する、
ことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記検査のステップが、以下の部分ステップ:即ち、
算出された実際のくさび性が予め与えられた最大に許容されるくさび性よりも小さいので、この算出された実際のくさび性は許容されている、かどうかの検査;
及び/または、
算出された前記圧延の後の実際の位置ずれが予め与えられた最大に許容される偏心性よりも小さいので、前記圧延の後の前記金属ストリップの算出されたこの実際の位置ずれは許容されている、かどうかの検査、
の部分ステップを有する、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
予め与えられた前記目標のくさび性への、前記金属ストリップの前記実際のくさび性の制御において、前記目標のくさび性と前記実際のくさび性との間の制御差分(e)が算出されること;および、
前記ワークロールの、調節要素としての調節シリンダー(140)の力及び/または位置を介して、圧延ロール間隙のための輪郭は、算出された前記制御差分(e)に応じて、
前記金属ストリップの前記圧延の後の前記制御差分が、可能な限りゼロになるように、
個々に、予め与えられるおよび調節されること、
を特徴とする請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記実際のくさび性、及び/または、実際の位置ずれ(170)の算出は、
以下の検出される量の内の少なくとも1つの量:即ち、
前記圧延スタンドの曲げシリンダーの実際の位置(160-1);及び/または、
前記調節シリンダーの実際の位置(160-2);及び/または、
前記調節シリンダーの差分力(160-3)、
からの導出によって間接的に行われるか、または、
前記ストリップの実際のくさび性の測定(160-4);及び/または、
前記金属ストリップの偏心性/位置ずれの測定(160-5)、
によって直接的に行われる、
ことを特徴とする請求項
1または2に記載の方法。
【請求項5】
前記サイドガイド条片(350)の個々の前記制御は、
前記圧延スタンド(150)の入側及び/または出側における、両サイドの内の少なくとも1つのサイドで、力制御の形態で行われ、
以下の部分ステップ:即ち、
それぞれのサイドガイド条片(350)に対する、実際力(360´)の測定;
予め与えられた前記目標力と測定された実際力との間の、力の制御差分(e
k)の算出;および、
前記力の制御差分(e
k)に応じての、それぞれの前記サイドガイド条片(350)の力に関する調節のための、前記力の制御差分が可能な限りゼロのなるような、調節要素(340)の制御、
のステップを有していることを特徴とする請求項
1または2に記載の方法。
【請求項6】
前記サイドガイド条片(350)の個々の前記制御は、
前記圧延スタンド(150)の入側及び/または出側における、両サイドの内の少なくとも1つのサイドで、位置制御の形態で行われ、
以下の部分ステップ:即ち、
それぞれのサイドガイド条片(350)の、実際力の測定(360);
予め与えられた前記目標位置と測定された実際位置との間の、位置の制御差分(e
p)の算出;および、
前記位置の制御差分(e
p)に応じての、それぞれの前記サイドガイド条片(350)の位置に関する調節のための、前記位置の制御差分が可能な限りゼロのなるような、調節要素(340)の制御、
のステップを有していることを特徴とする請求項
1または2に記載の方法。
【請求項7】
前記圧延スタンド(150)は、粗圧延スタンドまたは仕上げ圧延スタンドであることを特徴とする請求項
1または2に記載の方法。
【国際調査報告】