(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-10
(54)【発明の名称】オーバーラップ型カッティングエッジチップシステム
(51)【国際特許分類】
E02F 9/28 20060101AFI20240501BHJP
【FI】
E02F9/28 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023572574
(86)(22)【出願日】2022-05-06
(85)【翻訳文提出日】2023-11-22
(86)【国際出願番号】 US2022028060
(87)【国際公開番号】W WO2022250928
(87)【国際公開日】2022-12-01
(32)【優先日】2021-05-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】391020193
【氏名又は名称】キャタピラー インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】CATERPILLAR INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ウェルズ、コーリー マイケル
(72)【発明者】
【氏名】セルリエ、ダグラス シー.
(72)【発明者】
【氏名】ジュラ、ジェイソン グラント
【テーマコード(参考)】
2D015
【Fターム(参考)】
2D015JA01
2D015JA06
(57)【要約】
カッティングエッジチップ(400)は、アダプタ収容空隙(404)を画定する取付部分(402)を含む。作業部分(411)は、取付部分(402)から前向きに延びる。第1の横方向端部分(414)は横方向(408)に沿って配置され、第1の横方向端部分(414)は横方向にジョグする第1の横方向端面(416)を画定する。また、第2の横方向端部分(418)は、第1の横方向端部分(414)の反対側に横方向(408)に沿って配置される。第2の横方向端部分(418)はまた、横方向にジョグする第2の横方向端面(420)を画定する。
【選択図】
図12
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カッティングエッジチップ(300、400、500)であって、
アダプタ収容空隙(304、404、504)、組立方向(306、406、506)、前記組立方向(306、406、506)に対して垂直な横方向(308、408、508)、及び前記組立方向(306、406、506)及び前記横方向(308、408、508)に対して垂直である垂直方向(310、410、510)を画定する取付部分(302、402、502)と、
前記組立方向(306、406、506)に沿って前記取付部分(302、402、502)から前向きに延び、前作業エッジ(312、412、512)を形成する作業部分(311、411、511)と、
前記横方向(308、408、508)に沿って配置され、横方向にジョグする第1の横方向端面(316、416、516)を画定する第1の横方向端部分(314、414、514)と、
前記第1の横方向端部分(314、414、514)の反対側に前記横方向(308、408、508)に沿って配置され、横方向にジョグする第2の横方向端面(320、420、520)を画定する第2の横方向端部分(318、418、518)とを含む、カッティングエッジチップ(300、400、500)。
【請求項2】
前記第1の横方向端面(316、416)は、前記組立方向(306、406、506)及び前記垂直方向(310、410、510)に沿って延び、前記取付部分(302、402、502)に横方向に隣接して配置される第1の横方向外端面(322、422)と、前記組立方向(306、406、506)に沿って延び、前記作業部分(311、411、511)に横方向に隣接して配置される第1の横方向内端面(324、424)と、前記第1の横方向外端面(316、416)と前記第1の横方向内端面(324、424)との間に介在し、横方向に延びる第1の移行面(326、426)とを含む、請求項1に記載のカッティングエッジチップ(300、400、500)。
【請求項3】
前記第1の移行面(326、426)が前記組立方向(306、406、506)、前記第1の横方向外端面(322、422)、及び前記第1の横方向内端面(324、424)に対して垂直である、請求項2に記載のカッティングエッジチップ(300、400、500)。
【請求項4】
前記第2の横方向端面(420、520)は、前記組立方向(306、406、506)に沿って延び、作業部分(311、411、511)に横方向に隣接して配置される第2の横方向外端面(428、528)と、前記組立方向(306、406、506)及び前記垂直方向(310、410、510)に沿って延び、前記取付部分(302、402、502)に横方向に隣接して配置される第2の横方向内端面(430、530)と、前記第2の横方向外端面(428、528)と前記第2の横方向内端面(430、530)との間に介在し、横方向に延びる第2の移行面(432、532)とを含む、請求項2に記載のカッティングエッジチップ(300、400、500)。
【請求項5】
前記第2の移行面(432)は、前記組立方向(306、406、506)、前記第2の横方向外端面(428)、及び前記第2の横方向内端面(430)に対して垂直であり、前記第2の移行面(432)は、前記組立方向(306、406、506)に沿って後向きに前記第1の移行面(432)から所定の距離(433)だけ離間され、前記第1の横方向端面(416)は、前記第2の横方向端面(420)と少なくとも部分的に相補的な形状を有する、請求項4に記載のカッティングエッジチップ(300、400、500)。
【請求項6】
前記第1の横方向内端面(324、424)の垂直上方に配置された棚部側面(336、436)から前記取付部分(302、402、502)に向かって横方向に延びる張り出した棚部(334、434)であって、前記第2の横方向移行面(432)と同一平面上にある、又は後向きにオフセットされた後面(440)と、前記第1の横方向内端面(424)から横方向内向きにオフセットされた第3の横方向内端面(442)とによって境界が定められた第1の横方向端スロット(438)を画定する前記張り出した棚部(334、434)をさらに含み、
前記第2の横方向端部分(418、518)は、前記第2の横方向外端面(428、528)から横方向内向きにオフセットされた第3の横方向外端面(446、546)、前記第3の横方向外端面(446、546)から横方向内向きに延び、前記第1の移行面(426)と同一平面上にある、又は前記第1の移行面(426)から前向きにオフセットされた第3の移行面(448、548)、及び前記組立方向(306、406、506)に沿って後向きに、かつ前記第3の移行面(448、548)から垂直上向きに延びる第4の移行面(450、550)によって境界が定められる底部ポケット(444、544)を画定する、請求項5に記載のカッティングエッジチップ(300、400、500)。
【請求項7】
カッティングエッジチップ(400)であって、
アダプタ収容空隙(404)、組立方向(406)、前記組立方向(406)に垂直な横方向(408)、及び前記組立方向(406)及び前記横方向(408)に対して垂直である垂直方向(410)を画定する取付部分(402)と、
前記取付部分(402)から前記組立方向(406)に沿って前向きに延び、前作業エッジ(412)を形成する作業部分(411)と、
前記横方向に沿って配置され、第1の横方向端面(416)を画定する第1の横方向端部分(414)と、
前記第1の横方向端部分(414)の反対側に前記横方向に沿って配置され、第2の横方向端面(420)を画定する第2の横方向端部分(418)とを含み、
前記前作業エッジ(412)は、第1の垂直レベル(456)で前記第1の横方向端面(416)から横方向内向きに延びる第1の作業エッジ部分(454)と、前記第1の作業エッジ部分(454)から延び、前記第1の作業エッジ部分(454)の前記第1の垂直レベル(456)よりも高い第2の垂直レベル(460)に位置する第2の作業エッジ部分(458)と、前記第2の作業エッジ部分(458)から、前記第2の作業エッジ部分(458)の前記第2の垂直レベル(460)よりも高い第3の垂直レベル(464)に位置する前記第2の横方向端面(420)まで延びる第3の作業エッジ部分(462)とを含む、カッティングエッジチップ(400)。
【請求項8】
前記第1の横方向端面(416)は、前記組立方向(406)に沿って前記第1の作業エッジ部分(454)から移行軸(465)まで延び、前記移行軸(465)から前記カッティングエッジチップの第1の後先端(466)まで、前記組立方向(406)に対して斜めのランプ角(468)で延びる、請求項7に記載のカッティングエッジチップ(400)。
【請求項9】
前記第2の横方向端面(420)が、前記組立方向(406)に沿って前記第3の作業エッジ部分(462)から異なる移行軸(470)まで延びており、前記異なる移行軸(470)から前記カッティングエッジチップの第2の後先端(472)まで同じ斜めのランプ角(468)で延びる、請求項8に記載のカッティングエッジチップ(400)。
【請求項10】
前記第1の横方向端部分(414)はソケット(438)を含み、前記第2の横方向端部分(418)は、前記ソケット内に嵌合するように構成されたタング(480)を含み、前記ソケットは、前記第3の作業エッジ部分(462)の前記第3の垂直レベル(464)よりも高い第4の垂直レベル(484)に配置された上フォーク部分(482)と、前記組立方向(406)に沿って前記第1の作業エッジ部分(454)から後向きに延びる底フォーク部分(486)と、前記上フォーク部分と前記底フォーク部分とを接続する接続部分(488)とを含み、前記タング(480)は、前記第2の作業エッジ部分(458)の前記第2の垂直レベル(460)で前記ソケットから横方向に離れて配置される、請求項7に記載のカッティングエッジチップ(400)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、土運搬、採鉱、建設機械などで使用されるバケットアセンブリなどの作業工具アセンブリに関する。より具体的には、本開示は、オーバーラップ型カッティングエッジチップシステムを採用するようなアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
ホイールローダ、掘削機などの機械は、土、岩石、砂などの材料に対する作業を助けるために、歯やチップが取り付けられているバケットアセンブリ、熊手、ハサミなどを含む作業工具アセンブリを採用する。例えば、歯やチップは、バケットアセンブリが地面を貫通するのを助け、バケットなどへの土の掬い上げを容易にするために、バケットアセンブリに取り付けられ得る。アダプタは、通常、バケット又は他の作業工具の作業端(例えば、ベースエッジ、側エッジなど)に取り付けられており、異なる形式の歯やチップが作業工具に取り付けられるようになっている。また、作業工具に取り付けられるアダプタを提供することにより、チップ又は歯が摩耗したときに簡単に交換することができる。
【0003】
より具体的には、いくつかの用途では、基礎などを設けるために、掘削フィーチャの底面を整地又は清掃することが望ましい。このような用途のために、オーバーラップするカッティングエッジチップが提供される。従来技術にはそのようなシステムがたくさんあるが、それらはすべての用途にとって満足できるものではない可能性があり、又は適切な寿命を提供できない可能性がある。
【0004】
日本特許第6413660B2号は、2つの隣接するカッティングエッジの間でそれらの接合部において垂直方向のオーバーラップを提供する中央カッティングエッジチップを提供する。したがって、接合部での垂直方向のサポートのみが提供されるが、スラスト荷重又は側面荷重は必ずしも共有されるわけではない。
【0005】
また、日本特許第U3216474号は、水平方向のオーバーラップを提供する中央カッティングエッジチップシステムを提供するが、アダプタ間の可変間隔を可能にするのには適していない。
【0006】
したがって、可変のアダプタ間隔にも対応でき、隣接するチップ間の接合部で多数の方向に支持を提供する、より堅牢なオーバーラップ型カッティングエッジチップシステムが保証される。
【発明の概要】
【0007】
本開示の一実施形態によるカッティングエッジチップは、アダプタ収容空隙、組立方向、組立方向に垂直な横方向、及び組立方向及び横方向に垂直な垂直方向を画定する取付部分を含み得る。作業部分は、組立方向に沿って取付部分から前向きに延び、前作業エッジを形成することができる。第1の横方向端部分は、横方向に沿って配置され得、横方向にジョグする第1の横方向端面を画定する。また、第2の横方向端部分は、第1の横方向端部分の反対側に横方向に沿って配置され得る。第2の横方向端部分はまた、横方向にジョグする第2の横方向端面を画定し得る。
【0008】
本開示の他の実施形態によるカッティングエッジチップは、アダプタ収容空隙、組立方向、組立方向に垂直な横方向、及び組立方向及び横方向に垂直な垂直方向を画定する取付部分を含み得る。作業部分は、組立方向に沿って取付部分から前向きに延び、前作業エッジを形成し得る。第1の横方向端部分は横方向に沿って配置され得、第1の横方向端面を画定するが、第2の横方向端部分は第1の横方向端部分の反対側に横方向に沿って配置され得、第2の横方向端面を画定する。前作業エッジは、第1の垂直レベルで第1の横方向端面から横方向内向きに延びる第1の作業エッジ部分と、第1の作業エッジ部分から延び、第1の作業エッジ部分の第1の垂直レベルよりも高い第2の垂直レベルに位置する第2の作業エッジ部分と、第2の作業エッジ部分から、第2の作業エッジ部分の第2の垂直レベルよりも高い第3の垂直レベルに位置する第2の横方向端面まで延びる第3の作業エッジ部分とを含み得る。
【0009】
本開示の一実施形態による側カッティングエッジチップは、アダプタ収容空隙、組立方向、組立方向に垂直な横方向、及び組立方向及び横方向に垂直な垂直方向を画定する取付部分を含み得る。作業部分は、組立方向に沿って取付部分から前向きに延び、前作業エッジを形成し得る。第1の横方向端部分は横方向に沿って配置され得、横方向にジョグする第1の横方向端面を画定するが、第2の横方向端部分は第1の横方向端部分の反対側に横方向に沿って配置され得、横方向にジョグする第2の横方向端面を画定する。第1の横方向端部分は、作業部分から垂直上向きに延びる側壁を含み得る。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本開示の一実施形態に係るバケットアセンブリの底部前リップにオーバーラップ型カッティングエッジチップシステム(OCETS)を使用するバケットアセンブリなどの作業工具アセンブリの斜視図である。
【
図2】バケットが掘削機などの作業機に向かって引っ張られるときに、バケットアセンブリが整地モーションで動かされていることを示す。
【
図3】
図1及び
図2のバケットアセンブリの底部前リップに取り付けられたOCETSの斜視図であり、バケットアセンブリの残りの部分から分離して示される。
【
図4】2つの異なる構成のある前リップに採用されるオーバーラップ型カッティングエッジチップシステムの上面図である。上部の実施形態は、より広いアダプタ間隔でシステムをどのように使用できるかを示すが、下部の実施形態は、より狭いアダプタ間隔で同じシステムを使用するかを示す。
【
図5】
図3のOCETSの中央カッティングエッジチップの右側面図であり、バケットへの材料の出入りを容易にするために、チップが前リップの傾斜にどのように適合するかを示す。
【
図6】OCETSに使用される左カッティングエッジチップ、中央カッティングエッジチップ、及び右カッティングエッジチップの左向きの斜視図である。
【
図7】
図6のカッティングエッジチップの右向きの斜視図である。
【
図8】
図6及び
図7の右カッティングエッジチップの上面図である。
【
図9】
図8の右カッティングエッジチップの正面図である。
【
図10】
図8の右カッティングエッジチップの左側面図である。
【
図11】
図8の右カッティングエッジチップの右側面図である。
【
図12】
図6及び7の中央カッティングエッジチップの上面図である。
【
図13】
図12の中央カッティングエッジチップの正面図である。
【
図14】
図12の中央カッティングエッジチップの左側面図である。
【
図15】
図12の中央カッティングエッジチップの右側面図である。
【
図16】
図6及び7の左カッティングエッジチップの上面図である。
【
図17】
図16の左カッティングエッジチップの正面図である。
【
図18】
図16の左カッティングエッジチップの左側面図である。
【
図19】
図16の左カッティングエッジチップの右側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本開示の実施形態を詳細に参照し、その例を添付図面に示す。可能な限り、図面において、同一の参照番号を使用して同一又は類似の部品を示す。いくつかの場合において、参照番号は本明細書で示されており、図面は、参照番号を、その後に英文字が続くように、例えば100a、100bのような形で示し、又は、その後にプライムインジケータが続くように、例えば100’、100’’のような形で示す。参照番号の直後に文字又は素数を使用することは、例えば幾何学的形状が対称平面鏡像を囲む場合によく見られるように、これらの特徴が類似した形状及び類似した機能を有することを示すことを理解されたい。本明細書において、説明を容易にするために、英文字又はプライムは通常含まれないが、本明細書で説明されるフィーチャの重複を示すために図面に示され得る。
【0012】
次に、本開示の様々な実施形態に係る右カッティングエッジチップ、中央カッティングエッジチップ(複数可)、及び左カッティングエッジチップを含み得るオーバーラップ型カッティングエッジチップシステム(OCETS)について説明する。
【0013】
図1及び2から始めると、作業工具アセンブリ100は、ほぼ囲まれた内部と連通する開口部102を画定する筐体101を含むバケットアセンブリ100aの形態を取り得る。バケットアセンブリ100aの後部から始めると、バケットアセンブリ100aは、シェル104の上端で上壁106に取り付けられる湾曲したシェルプロファイル104を含む。シェルの他端は、アセンブリ100の底板108に取り付けられる。2つの実質的に平坦な端板114が、上板106、底板108及びシェル104の側エッジに取り付けられる。
【0014】
側エッジアセンブリ115は各端板114に取り付けられ、一方、前エッジアセンブリ200(以下、OCETSと呼ぶ)がバケットアセンブリ100の底板108の前エッジに取り付けられる。前エッジアセンブリ200は、ベースエッジ202(前リップとも呼ばれる)、ベースエッジ202に取り付けられた複数の中央アダプタ204、及びそれぞれが複数の中央アダプタ204のうちの1つに取り付けられる複数のカッティングエッジチップ300、400、500を含む。また、いくつかの実施形態では、ベースエッジ202及び/又は側エッジにも取り付けられ得る2つのコーナーアダプタが提供されてもよい。
【0015】
作業工具アセンブリは、レーキアセンブリ、シャーアセンブリなどを含むバケットアセンブリ以外の他の形態をとってもよいことが理解されるべきである。また、カッティングエッジチップの実施形態のいずれも、他の異なる構成のバケットアセンブリを含む、これらの他の形態の作業工具アセンブリのいずれにも使用され得る。
【0016】
ここで
図6~19を参照すると、カッティングエッジチップ300、400、500の実施形態をより詳細に説明する。
図8、
図12、及び
図16を参照すると、このようなカッティングエッジチップ300、400、500は、アダプタ収容空隙304、404、504、組立方向306、406、506、組立方向に垂直な横方向308、408、508、組立方向及び横方向に垂直な垂直方向310、410、510を画定する取付部分302、402、502を含み得る。
【0017】
作業部分311、411、511は、組立方向組立方向306、406、506に沿って取付部分302、402、502から前向きに延び、前作業エッジ312、412、512を形成し得る。また、第1の横方向端部分314、414、514は、横方向308、408、508に沿って配置され得る。第1の横方向端部分314、414、514は、横方向にジョグする第1の横方向端面316、416、516を画定し得る。同様に、第2の横方向端部分318、418、518は、第1の横方向端部分314、414、514の反対側の横方向308、408、508に沿って配置され得る。第2の横方向端部分318、418、518は、横方向にジョグする第2の横方向端面320、420、520を画定することもできる。
【0018】
図8、
図10、
図12、及び
図14に最も良く示されるように、第1の横方向端面316、416は、第1の横方向外端面322、422(横方向先端を画定する)を含み得、該第1の横方向外端面322、422は、組立方向306、406及び垂直方向310、410に沿って延び(例えば、この表面の少なくとも一部は水平面に対してある角度で延びる)、取付部分302、402に横方向に隣接して配置される。さらに、(322、422から横方向内側に間隔を置いた)第1の横方向内端面324、424は、組立方向306、406(すなわち、これがこの表面の最大の広がりの方向である)に沿って延び、作業部分311、411に横方向に隣接して配置される。第1の移行面326、426は、第1の横方向外端面322、422と第1の横方向内端面324、424との間に介在することができる。第1の移行面326、426は、これらの面322、422、324、424の間で横方向に延びることができる(すなわち、横方向がこの面の最大の広がりの方向である)。より詳細には、本発明のいくつかの実施形態では、第1の移行面326、426は、第1の横方向外端面322、422及び第1の横方向内端面324、424と同様に、組立方向306、406に対して垂直であってもよい。
【0019】
図12、
図15、
図16、及び
図19を参照すると、第2の横方向端面420、520は、組立方向406、506(最大範囲の寸法)に沿って延び、作業部分411、511に横方向に隣接して配置される第2の横方向外端面428、528を含み得ることは理解される。さらに、第2の横方向内端面430、530は、組立方向406、506及び垂直方向410、510に沿って延び(例えば、この表面の少なくとも一部が水平面に対して角度を成してもよい)、取付部分402、502に横方向に隣接して配置される。また、第2の移行面432、532は、第2の横方向外端面428、528と第2の横方向内端面430、530との間に介在することができる。この第2の移行面432、532は、本開示のいくつかの実施形態では、主に横方向に延びることができる。
【0020】
図12及び
図15に最も良く示されるように、第2の移行面432は、組立方向406、第2の横方向外端面428、及び第2の横方向内端面430に対して垂直であってもよい。
図12に示すように、第2の移行面432は、組立方向406に沿って第1の移行面426から後向きに所定の距離433(例えば、いくつかの実施形態では5.0mmより大きい距離)だけ離間し、第1の横方向端面416は、第2の横方向端面420と少なくとも部分的に相補的な形状を有する。これらのフィーチャの構成により、第1の横方向端部分が第2の横方向端部分と嵌合又は連結することが可能になり得る。本開示の他の実施形態では、これらのフィーチャの他の構成も可能である。
【0021】
そのために、
図8~
図10、及び
図12~
図14に示すように、張り出した棚部334、434は、第1の横方向内端面324、424の垂直上方に配置された棚部側面336、436から取付部分302、402に向かって横方向に延びることができる。
【0022】
図13及び
図14に示すように、張り出した棚部434は、第2の横方向移行面432と同一平面上にある、又は後向きにオフセットされた後面440、及び第1の横方向内端面424から横方向内向きにオフセットされる第3の横方向内端面442によって境界が定められた第1の横方向端スロット438を画定する。同様の構造が
図9と
図10に示され得る。
【0023】
ここで、
図13、
図15、
図17、及び
図19を参照すると、第2の横方向端部分418、518は、第2の横方向外端面428、528から横方向内向きにオフセットされた第3の横方向外端面446、546によって境界が定められた底部ポケット444、544を画定し得ることは理解され得る。第3の移行面448、548は、第3の横方向外端面446、546から横方向内向きに延びることができる。第3の移行面448、548は、第1の移行面426と同一平面上にあってもよく、又は第1の移行面426から前向きにオフセットされてもよい(実施形態400についてのみ示される)。第4の移行面450、550は、組立方向に沿って後向きに、かつ第3の移行面448、548から垂直上向きに延びることができる。
【0024】
ボス452、552は、作業部分411、511から第2の横方向外端面428、528まで横方向外向きに、そして、組立方向406、506に沿って、前作業エッジ412、512から後向きに延びる底部ポケット444、544の上に配置されてもよい。このボス452、552は、第3の移行面448、548のほぼ上で終端することができる。このフィーチャは、本開示の他の実施形態では異なるように構成されてもよい。
【0025】
ここで、中央カッティングエッジチップの特定の実施形態は、
図12~15を参照して説明される。
【0026】
このようなカッティングエッジチップ400は、アダプタ収容空隙404、組立方向406、組立方向406に垂直な横方向408、及び組立方向406及び横方向408に垂直な垂直方向410を画定する取付部分402を含み得る。作業部分411は、本明細書で前述したように、組立方向406に沿って取付部分402から前向きに延び、前作業エッジ412を形成することができる。
【0027】
同様に、第1の横方向端部分414は、第1の横方向端面416を画定する横方向408に沿って配置され得る。この表面は、本開示のさまざまな実施形態において、ジョグしてもよいし、ジョグしなくてもよい。
【0028】
同様に、第2の横方向端部分418は、第1の横方向端部分414の反対側に横方向408に沿って配置され得る。また、第2の横方向端部分418は、本開示の様々な実施形態において、ジョグしてもよいし、ジョグしなくてもよい第2の横方向端面420を画定し得る。
【0029】
前作業エッジ412は、第1の垂直レベル456で第1の横方向端面416から横方向内向きに延びる第1の作業エッジ部分454と、第1の作業エッジ部分454から横方向に延び、第1の作業エッジ部分454の第1の垂直レベル456よりも高い第2の垂直レベル460に位置する第2の作業エッジ部分458と、第2の作業エッジ部分458から第2の横方向端面420まで横方向に延びる第3の作業エッジ部分462とを含み得る。この第3の作業エッジ部分462は、第2の作業エッジ部分458の第2の垂直レベル460よりも高い第3の垂直レベル464に配置され得る。
【0030】
図14に示されるように、第1の横方向端面416は、第1の作業エッジ部分454から組立方向406に沿って、移行軸465を教示するまで延びることができる。次に、第1の横方向端面416は、移行軸465から、組立方向406に対して斜めのランプ角468でカッティングエッジチップの第1の後先端466まで延びることができる。これは、本開示の他の実施形態には当てはまらない場合がある。また、他の寸法及び角度も可能である。
【0031】
同様に、
図15において、第2の横方向端面420は、第3の作業エッジ部分462から組立方向406に沿って異なる移行軸470まで延びる。そこから、第2の横方向端面420は、同じ斜めのランプ角468でカッティングエッジチップの第2の後先端472まで延びる。
【0032】
図12に示すように、カッティングエッジチップ400は、第1の後先端466、第2の後先端472、及び取付部分402によって境界が定められた部分的に台形のスロット474を画定し得る。これは、本開示の他の実施形態には当てはまらない場合がある。
【0033】
同様に、
図14及び
図15に示すように、取付部分402は、アダプタ収容空隙404を画定する角柱状の円錐形状476を含み得る。ロック収容開口478は、アダプタ収容空隙404と連通してもよい。
図14、
図15、及び
図3を一緒に参照すると、第1の横方向端部分414は、ソケット(例えば、438を参照)を含み得、第2の横方向端部分418は、ソケット内に嵌合するように構成されたタング480を含み得る。
【0034】
ソケットは、第3の作業エッジ部分462の第3の垂直レベル464よりも高い第4の垂直レベル484に配置された上フォーク部分482と、組立方向406に沿って第1の作業エッジ部分454から後向きに延びる底フォーク部分486と、上フォーク部分482と底フォーク部分486とを接続する接続部488とを含み得る。タング480は、第2の作業エッジ部分458の第2の垂直レベル456でソケットから横方向に離れて配置され得る。再び、本開示の他の実施形態では、他の構成が可能である。
【0035】
次に、
図16~
図19に示すような側カッティングエッジチップについて説明する。
【0036】
例えば、このようなカッティングエッジチップ500は、アダプタ収容空隙504、組立方向506、組立方向に対して垂直な横方向508、組立方向506及び横方向508に対して垂直である垂直方向510を画定する取付部分502を含み得る。作業部分511は、組立方向506に沿って取付部分502から前向きに延び、前作業エッジ512を形成することができる。
【0037】
第1の横方向端部分514は、横方向に沿って配置され、横方向にジョグする第1の横方向端面516を画定する。第2の横方向端部分518は、第1の横方向端部分514の反対側に横方向に沿って配置され、横方向にジョグする第2の横方向端面516を画定する。第1の横方向端部分514は、作業部分511から垂直上向きに延びる側壁590を含み得る。フィーチャが鏡像化されることを除いて、同様の説明が
図8~
図11に関してなされる。
【0038】
図16~
図19に示すように、側壁590は、前作業エッジ512から取付部分502の上面592まで組立方向506に沿って垂直上向き及び後向きに延びると共に、第1の横方向端面516も形成する。再び、フィーチャが鏡像化されることを除いて、同様の説明が
図8~
図11に関してなされる。
【0039】
図16及び
図19に示すように、第2の横方向端面520は、側カッティングエッジ500の横方向先端593を画定するタング部分580を少なくとも部分的に画定し、さらに、組立方向506に沿ってタング部分580の後方に配置され、側カッティングエッジ500の後先端572まで延びるスロット594を画定する。
【0040】
ソケット部分595は、第2の横方向端面520と取付部分502との間に横方向に配置され得、凹部596は、ソケット部分595に隣接して横方向外向きに配置され、組立方向506に沿って前作業エッジ512まで前向きに延びることができる。パッド(例えば、ボス552を参照)は、組立方向506に沿って、横方向先端593に横方向に隣接して、かつ前作業エッジ512に隣接して配置され得る。
【0041】
また、様々なフィーチャの寸法、角度、表面積、及び/又は構成のいずれもは、本明細書で具体的に言及されていないものも含め、所望又は必要に応じて変更してもよい。特に説明されていないが、フィレットなどのブレンドがさまざまな表面を接続することが示されている。これらは他の実施形態では省略されることがあり、特に明記しない限り、本明細書を読む際にはそれらの存在が無視される場合があることを理解されたい。
産業上の利用可能性
【0042】
実際には、機械、作業工具アセンブリ、OCETS、又はそのコンポーネントは、アフターマーケットの状況で現場の機械又は作業工具アセンブリを改造するために製造、購入、又は販売されることもあれば、OEM(相手先商標製造会社)の状況で製造、購入、販売、又はその他の方法で入手される場合もある。
【0043】
上記の部品は、鉄、ねずみ鋳鉄、鋼などを含む任意の適切な材料から製造されてもよい。
【0044】
OCETSのさまざまな機能により、次のようなパフォーマンスが得られる場合がある。まず、
図2に示すように、線206で明らかなように、OCETSによって形成された作業エッジは、時間の経過とともに均一に摩耗するように設計される。また、線208は、コーナーの余分な材料が、側カッティングエッジチップの摩耗寿命を通して直角コーナーを維持するのに役立つ可能性があることを示す。
【0045】
図3において、矢印210は、エッジの段階的/千鳥状のオーバーラップ212は、材料がチップの全距離にわたって流れる/通るのを防ぎ、バケット又は他の磨耗器具などを積み込んだりダンプしたりするときの磨耗を低減することを示す。同時に、アダプタ間隔214を可変にすることが可能である。この概念は
図3から取られた間隔214(上部の例200を参照)が214a(下部の例200aを参照)に縮小される
図4において強化される。これは、従来技術では教示されていない重要な結果である。
【0046】
図5は、矢印216で表される材料のスムーズな出入りを示す。OCETSのランプ面218がベースエッジ202のベベル面220の垂直下にあり、同時に平行であるため、これは真実である。
【0047】
図3に示すようなソケットとタングの接続(212を参照)はまた、上向き及び下向きの両方の垂直方向の支持を可能にし、OCETSをより堅牢にする。
【0048】
組立プロセス中に一貫性と汎用性を維持するために、右カッティングエッジチップの第1の横方向端部分は、中央カッティングエッジチップの第1の横方向端部分と同様又は同一に構成され得る。同様に、左カッティングエッジチップの第2の横方向端部分は、中央カッティングエッジチップの第2の横方向端部分などと同様に又は同一に構成されてもよい。
【0049】
組立中、通常、右カッティングエッジチップが、まず、最右のアダプタに取り付けられ、次に中央カッティングエッジチップが右から左に順番にアダプタに取り付けられ、左カッティングエッジチップが最後に最左のアダプタに取り付けられる。
【0050】
左右のカッティングエッジチップの側壁は、同様又は同一に構成されてもよい。それらは傾斜していて、バケット又は他の作業工具などに流入する材料のファネリング経路を提供する場合がある。
【0051】
前述の説明は、開示されたアセンブリ及び技術の例を提供することを理解されたい。しかしながら、本開示の他の実施態様は、細部で前述の例と異なり得ることが予想される。本開示又はその例へのすべての参照は、その点で説明されている特定の例を参照することを意図しており、本開示の範囲のより一般的ないかなる制限を示唆することを意図していない。ある特定のフィーチャに関する区別及び非難のすべての言語は、これらのフィーチャに対する選好の欠如を示すことを意図しているが、別段の記載がない限り、本開示の範囲から完全に除外されるものではない。
【0052】
本明細書で別段の指示がない限り、本明細書における値の範囲の記述は、範囲内に入っている個々の値を個別に参照するための簡潔な方法としてのみ意図されており、個々の値は、本明細書で個別に記述されているかのように本明細書に組み込まれる。
【0053】
本明細書で使用される場合、冠詞「1つ(a)」及び「1つ(an)」は、1つ又は複数の項目を含むことが意図されており、「1つ又は複数」と交換して使用され得る。1つの項目のみを使用することが意図されている場合は、用語「1つの」又は類似の用語が使用される。また、本明細書で使用される場合、「有する(has)」、「有する(have)」、「有する(having)」、「有する(with)」などの用語は、無制限の用語であることを意図しているさらに、「に基づいて」という語句は、特に明記しない限り、「少なくとも部分的に基づく」ということを意味することを意図している。
【0054】
当業者にとって明らかなように、本発明の範囲又は精神から逸脱することなく、本明細書で論じた装置及び組立方法の実施形態に様々な修正及び変更を加えることができる。本明細書に開示された様々な実施形態の仕様及び実践を考慮することによって、本開示の他の実施形態は当業者にとって明らかである。例えば、いくつかの機器は、本明細書に記載されたものとは異なる構成及び機能を有してもよく、いずれかの方法のある特定のステップは、省略されてもよく、既に具体的に言及されたものとは異なる順序で実行されてもよく、場合によっては同時に又はサブステップで実行されてもよい。さらに、様々な実施形態の特定の態様又はフィーチャは、さらなる実施形態を作成するために変更又は修正されてもよく、様々な実施形態のフィーチャ及び態様は、さらにさらなる実施形態を提供するために、他の実施形態の他のフィーチャ又は態様に追加され、又はそれらの代わりになってもよい。
【0055】
したがって、本開示は、適用法によって許容される場合には、添付の特許請求の範囲に記載された主題のすべての修正及び均など物を含む。さらに、本明細書に別段の指示がない限り、又は文脈と明らかに矛盾しない限り、そのすべての可能な変更における上記の要素の任意の組み合わせは、本開示に含まれる。
【国際調査報告】