(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-10
(54)【発明の名称】ノンエアゾールフォーマー容器入りヘアコンディショニング剤組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 8/41 20060101AFI20240501BHJP
A61Q 5/12 20060101ALI20240501BHJP
A61K 8/60 20060101ALI20240501BHJP
A61K 8/02 20060101ALI20240501BHJP
A61K 8/73 20060101ALI20240501BHJP
A61K 8/86 20060101ALI20240501BHJP
A61K 8/39 20060101ALI20240501BHJP
A61K 8/44 20060101ALI20240501BHJP
A61K 8/894 20060101ALI20240501BHJP
【FI】
A61K8/41
A61Q5/12
A61K8/60
A61K8/02
A61K8/73
A61K8/86
A61K8/39
A61K8/44
A61K8/894
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023572789
(86)(22)【出願日】2021-05-31
(85)【翻訳文提出日】2023-11-24
(86)【国際出願番号】 JP2021020692
(87)【国際公開番号】W WO2022254525
(87)【国際公開日】2022-12-08
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】000000918
【氏名又は名称】花王株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000084
【氏名又は名称】弁理士法人アルガ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ラダワン,スムンニー
(72)【発明者】
【氏名】シャロゥイラック,プーピチャヤナン
(72)【発明者】
【氏名】横田 悠樹
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AB312
4C083AC102
4C083AC122
4C083AC152
4C083AC302
4C083AC312
4C083AC691
4C083AC692
4C083AC711
4C083AC712
4C083AD041
4C083AD042
4C083AD112
4C083AD131
4C083AD132
4C083AD161
4C083AD162
4C083AD391
4C083AD392
4C083CC33
4C083DD08
4C083DD47
4C083EE01
4C083EE07
4C083EE28
(57)【要約】
次の成分(A)~(C)を含有し、成分(B)に対する成分(C)の質量比(C)/(B)が、0.0005以上0.40以下である、ノンエアゾールフォーマー容器入りヘアコンディショニング剤組成物。
(A) カチオン界面活性剤
(B) 非イオン界面活性剤
(C) カチオン化セルロース
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の成分(A)~(C)を含有し、成分(B)に対する成分(C)の質量比(C)/(B)が、0.0005以上0.40以下である、ノンエアゾールフォーマー容器入りヘアコンディショニング剤組成物。
(A) カチオン界面活性剤
(B) 非イオン界面活性剤
(C) カチオン化セルロース
【請求項2】
成分(A)に対する成分(C)の質量比(C)/(A)が、0.0005以上0.30以下である、請求項1に記載のノンエアゾールフォーマー容器入りヘアコンディショニング剤組成物。
【請求項3】
成分(B)が、アルキルポリグルコシドを含む、請求項1又は2に記載のノンエアゾールフォーマー容器入りヘアコンディショニング剤組成物。
【請求項4】
成分(C)の含有量が、0.001質量%以上0.60質量%以下である、請求項1~3のいずれか1項に記載のノンエアゾールフォーマー容器入りヘアコンディショニング剤組成物。
【請求項5】
成分(B)の含有量が、1質量%以上10質量%以下である、請求項1~4のいずれか1項に記載のノンエアゾールフォーマー容器入りヘアコンディショニング剤組成物。
【請求項6】
成分(A)と成分(B)の含有量の合計が、2質量%以上13質量%以下である、請求項1~5のいずれか1項に記載のノンエアゾールフォーマー容器入りヘアコンディショニング剤組成物。
【請求項7】
成分(B)が、2種以上の非イオン界面活性剤の組み合わせからなる、請求項1~6のいずれか1項に記載のノンエアゾールフォーマー容器入りヘアコンディショニング剤組成物。
【請求項8】
毛髪に適用した後洗い流して使用されるものである、請求項1~7のいずれか1項に記載のノンエアゾールフォーマー容器入りヘアコンディショニング剤組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ノンエアゾールフォーマー容器入りヘアコンディショニング剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
タイなど東南アジアにおいては、長い髪を持つ女性が多く、このような女性達にとって、髪の美しさは大きな関心事である。これらの女性は、健康的でツヤがありさらさらとした髪であることを志向しているが、シャンプーにより髪が傷むことをおそれ、洗髪の頻度は抑制されがちで、一般的には2~3日に1回程度であることが多い。
【0003】
髪にツヤ、滑らかさを与えるためには、ヘアコンディショナーが使用されるが、その剤形は一般的にクリーム状である。しかし、粘度の高いクリーム状のヘアコンディショナーを長い髪の全体に適用するためには、大量の剤を必要とし、長時間を要し、また塗布状態は不均一となりやすい。また、適用したコンディショナーは、30℃前後の水を使用して洗い流すが、クリーム状の剤を洗い流すには時間がかかり、すすぎが不十分となりやすく、かつ、乾燥にも時間がかかり、乾燥後もベタツキが残る傾向がある。
【0004】
そこで、泡の状態で髪に適用するヘアコンディショナーが知られている。例えば特許文献1には、安定した泡が吐出でき、すすぎがなめらかな、両性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、及び高級アルコールを特定の量比で含むノンエアゾール型泡吐出容器用ヘアリンス組成物が記載されている。また、特許文献2には、髪に短時間で適用可能な、ヘアトリートメント又はリンスベース組成物と低沸点炭化水素との混合物を含むエアゾールヘアリンス/トリートメントシステムが記載されている。
【0005】
(特許文献1)特開2006-104149号公報
(特許文献2)独国特許出願公開第10304721号明細書
【発明の概要】
【0006】
本発明は、次の成分(A)~(C)を含有し、成分(B)に対する成分(C)の質量比(C)/(B)が、0.0005以上0.40以下である、ノンエアゾールフォーマー容器入りヘアコンディショニング剤組成物を提供するものである。
(A) カチオン界面活性剤
(B) 非イオン界面活性剤
(C) カチオン化セルロース
【発明の詳細な説明】
【0007】
ロングヘアは美しさへの憧れであるが、シャンプー、コンディショナー、ドライと毎日の手入れに手間がかかる。特許文献1に記載のノンエアゾール型泡状コンディショナーは、泡が不均一で不安定であり、長い髪に偏って塗布されるため、コンディショニング効果が不十分であったり、過剰に塗布されたりするという問題が依然としてある。特許文献2に記載のエアゾール型泡状コンディショナーは、噴射剤として低沸点炭化水素の使用を必要する。このため、エアゾールディスペンサーを含む容器システムが単純ではなく、また、環境上も好ましいとはいえない。
【0008】
したがって本発明は、ノンエアゾールフォーマー容器から均一で安定な泡として吐出できるヘアコンディショニング剤組成物に関する。
【0009】
〔成分(A):カチオン界面活性剤〕
成分(A)のカチオン界面活性剤としては、例えば、(i)アルキルトリメチルアンモニウム塩、(ii)アルコキシアルキルトリメチルアンモニウム塩、(iii)ジアルキルジメチルアンモニウム塩等が挙げられる。
【0010】
(i)アルキルトリメチルアンモニウム塩
アルキルトリメチルアンモニウム塩としては、例えば下記一般式(1)で表されるものが挙げられる。
R1-N+(CH3)3 X- (1)
〔式中、R1は炭素数12以上22以下のアルキル基を示し、X-は塩化物イオン、臭化物イオン等のハロゲン化物イオン;メトサルフェートイオン、メトカーボナートイオン等を示す。〕
【0011】
具体的には、セチルトリメチルアンモニウムクロリド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロリド、ベヘニルトリメチルアンモニウムクロリド、ベヘニルトリメチルアンモニウムメトサルフェート等が挙げられる。
【0012】
(ii)アルコキシアルキルトリメチルアンモニウム塩
アルコキシアルキルトリメチルアンモニウム塩としては、例えば下記一般式(2)で表されるものが挙げられる。
R2-O-R3-N+(CH3)3 X- (2)
〔式中、R2は炭素数12以上22以下のアルキル基を示し、R3はヒドロキシ基が置換していてもよいエチレン基又はプロピレン基を示し、X-は塩化物イオン、臭化物イオン等のハロゲン化物イオン;メトサルフェートイオン、メトカーボナートイオン等を示す。〕
【0013】
具体的には、ステアロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリド、ステアロキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド、ステアロキシヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリド等が挙げられる。
【0014】
(iii)ジアルキルジメチルアンモニウム塩
ジアルキルジメチルアンモニウム塩としては、例えば下記一般式(3)で表されるものが挙げられる。
(R4)2N+(CH3)2 X- (3)
〔式中、R4はそれぞれ独立して炭素数12以上22以下のアルキル基又はベンジル基を示し、X-は塩化物イオン、臭化物イオン等のハロゲン化物イオン;メトサルフェートイオン、メトカーボナートイオン等を示す。〕
【0015】
具体的には、ジラウリルジメチルアンモニウムクロリド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロリド等が挙げられる。
【0016】
これらの中で、毛髪に対して優れた感触を付与させる観点、及びアルカリ剤共存下における分解安定性の観点から、(i)アルキルトリメチルアンモニウム塩、(iii)ジアルキルジメチルアンモニウム塩が好ましい。
【0017】
これらカチオン界面活性剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。ヘアコンディショニング剤組成物中における成分(A)の含有量は、毛髪同士の摩擦を低減し、毛髪の優れた感触や組成物の安定性を高める観点から、好ましくは0.25質量%以上、より好ましくは0.80質量%以上、更に好ましくは1.0質量%以上であり、また、好ましくは3.0質量%以下、より好ましくは2.80質量%以下、更に好ましくは2.50質量%以下である。
【0018】
〔成分(B):非イオン界面活性剤〕
成分(B)の非イオン界面活性剤としては、ポリオキシアルキレンアルキル又はアルケニルエーテル、アルキルアルカノールアミド、アルキルポリグルコシド、アルキルグリセリルエーテル等が挙げられる。
【0019】
ポリオキシアルキレンアルキル又はアルケニルエーテルとしては、ポリオキシエチレンアルキル又はアルケニルエーテル、ポリオキシプロピレンアルキル又はアルケニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキル又はアルケニルエーテル等が挙げられ、好ましくは次の一般式(4)で表されるものを用いることができる。
【0020】
R5-O-[(CH2)x-O]n-H (4)
〔式中、R5は炭素数8以上22以下の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を示し、xは2又は3の数、nは平均値で1以上100以下の数を示す。〕
【0021】
一般式(4)において、R5の炭素数は、泡の安定性を高める観点から、好ましくは10以上、より好ましくは12以上であり、また、好ましくは20以下、より好ましくは18以下である。また、nは、好ましくは2以上、より好ましくは4以上であり、また、好ましくは80以下、より好ましくは60以下、更に好ましくは45以下である。成分(B)として一般式(4)で示すものを用いる場合、1種を単独で使用してもよく、nが異なるものを2種以上組合せて使用してもよい。
【0022】
ポリオキシアルキレンアルキル又はアルケニルエーテルの具体例としては、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシプロピレンラウリルエーテル、ポリオキシプロピレンセチルエーテル、ポリオキシプロピレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンステアリルエーテル等が挙げられる。
【0023】
アルキルアルカノールアミドとしては、次の一般式(5)で表されるものを用いることができる。
【0024】
【0025】
〔式中、R6は炭素数5以上23以下の直鎖又は分岐鎖のアルキル基を示し、R7及びR8は各々独立に水素原子又は炭素数1以上4以下のアルカノール基を示す。ただし、R7及びR8が同時に水素原子である場合を除く。〕
【0026】
R6の炭素数は、泡の安定性を高める観点から、好ましくは8以上、より好ましくは10以上、更に好ましくは12以上であり、また、好ましくは22以下、より好ましくは20以下、更に好ましくは18以下である。
【0027】
アルキルアルカノールアミドの具体例としては、ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、ラウリン酸イソプロパノールアミド、オレイン酸ジエタノールアミド等が挙げられる。
【0028】
アルキルポリグルコシドとしては、泡の安定性を高める観点から、炭素数6以上22以下のアルキル基を有し、グルコシド単位の平均縮合度が1以上7以下のものが好ましい。具体例としては、オクチルポリグルコシド、2-エチルヘキシルポリグルコシド、デシルポリグルコシド、ラウリルポリグルコシド、ミリスチルポリグルコシド、パルミチルポリグルコシド、イソステアリルポリグルコシド、ステアリルラウリルポリグルコシド、オレイルポリグルコシド、ベヘニルポリグルコシド等が挙げられる。これらのうち、炭素数8以上18以下のアルキル基を有し、グルコシド単位の平均縮合度が1以上7以下、更には1以上2以下のものが好ましい。
【0029】
アルキルグリセリルエーテルとしては、泡の安定性を高める観点から、アルキル基の炭素数が好ましくは8以上、より好ましくは14以上であり、好ましくは30以下、より好ましくは20以下であるものが挙げられ、また分岐鎖アルキル基であるものが好ましい。具体例としては、イソデシルグリセリルエーテル、ジグリセリルイソデシルエーテル、2-エチルヘキシルグリセリルエーテル、イソステアリルグリセリルエーテル、イソステアリルペンタエリスリルグリセリルエーテル等が挙げられる。
【0030】
これらの非イオン界面活性剤の中でも、アルキルポリグルコシド、ポリオキシアルキレンアルキル又はアルケニルエーテル、なかでもアルキルポリグルコシドが、泡の安定性を高める観点から好ましい。
【0031】
成分(B)の非イオン界面活性剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができるが、2種以上の組合せであることが好ましく、また、アルキルポリグルコシドを含むことが好ましい。ヘアコンディショニング剤組成物中における成分(B)の含有量は、泡の安定性を高める観点から、好ましくは1質量%以上、より好ましくは1.2質量%以上、更に好ましくは2質量%以上であり、また、好ましくは10質量%以下、より好ましくは7質量%以下、更に好ましくは4質量%以下である。
【0032】
本発明のヘアコンディショニング剤組成物中における成分(A)と成分(B)の含有量の合計は、毛髪同士の摩擦を低減し、毛髪の優れた感触と泡の安定性を高める観点から、好ましくは2質量%以上、より好ましくは3質量%以上、更に好ましくは4質量%以上であり、また、好ましくは13質量%以下、より好ましくは10質量%以下、更に好ましくは7質量%以下、更に好ましくは6.5質量%以下、更に好ましくは6質量%以下である。
【0033】
〔成分(C):カチオン化セルロース〕
カチオン化セルロースとしては、ソフケアC-HP2-W(花王社)として市販されているPPG-2 ヒドロキシプロピルトリモニウムセルロース;ポイズC-60H、同C-150L(以上、花王社)、レオガードG、同GP(以上、ライオン社)、ポリマーJR-125、同400、同30M(以上、ダウ・ケミカル社)等として市販されている塩化O-[2-ヒドロキシ-3-(トリメチルアンモニオ)プロピル]ヒドロキシセルロース(INCI名:ポリクオタニウム-10);セルコートH-100、同L-200(アクゾノーベル社)等として市販されているヒドロキシエチルセルロースジメチルジアリルアンモニウムクロリド(INCI名:ポリクオタニウム-4)が挙げられる。
【0034】
本発明のヘアコンディショニング剤組成物中における成分(C)の含有量は、泡の安定性、泡の外観、及び毛髪の優れた感触の向上の観点から、好ましくは0.001質量%以上、より好ましくは0.003質量%以上、更に好ましくは0.020質量%以上であり、また、好ましくは0.60質量%以下、より好ましくは0.50質量%以下、更に好ましくは0.30質量%以下である。
【0035】
また、成分(B)に対する成分(C)の質量比(C)/(B)は、毛髪の優れた感触、泡の安定性、及び保存安定性を向上する観点から、0.0005以上であって、好ましくは0.0010以上、より好ましくは0.0050以上、更に好ましくは0.0070以上であり、また、0.400以下であって、好ましくは0.250以下、より好ましくは0.150以下、更に好ましくは0.145以下である
【0036】
また、成分(A)に対する成分(C)の質量比(C)/(A)は、毛髪同士の摩擦の低減、毛髪の感触と保存安定性の向上の観点から、好ましくは0.0005以上、より好ましくは0.0010以上、更に好ましくは0.010以上、更に好ましくは0.020以上であり、また、好ましくは0.300以下、より好ましくは0.200以下、更に好ましくは0.120以下、更に好ましくは0.100以下、更に好ましくは0.070以下、更に好ましくは0.0240以下である
【0037】
〔成分(D):両性界面活性剤〕
本発明のヘアコンディショニング剤組成物には、更に成分(D)として両性界面活性剤を含有することができる。両性界面活性剤としては、イミダゾリン、カルボベタイン、アミドベタイン、スルホベタイン、ヒドロキシスルホベタイン、アミドスルホベタイン等が挙げられ、アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン、脂肪酸アミドプロピルベタイン等のベタイン界面活性剤がより好ましく、脂肪酸アミドプロピルベタインが更に好ましい。
【0038】
成分(D)の両性界面活性剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。ヘアコンディショニング剤組成物中における成分(D)の含有量は、泡量の増加、増加した泡の安定性の観点から、好ましくは0.50質量%以上、より好ましくは0.75質量%以上、好ましくは0.95質量%以上であり、また、好ましくは1.5質量%以下、より好ましくは1.35質量%以下、更に好ましくは1.26質量%以下である。
【0039】
〔成分(E):その他のコンディショニング成分〕
本発明のヘアコンディショニング剤組成物には、毛髪への適用に好適なコンディショニング成分を含むことができ、コンディショニング成分は、通常、ヘアコンディショニング剤組成物に溶解又は分散可能なポリマー又はオイルであり、リンス時又は水やシャンプーで希釈された際に毛髪へ付着する。コンディショニング成分としては、成分(C)以外のカチオン性ポリマー、シリコーン、高級アルコール、有機コンディショニングオイルが挙げられる。
【0040】
・成分(C)以外のカチオン性ポリマー
カチオン性ポリマーとは、カチオン基又はカチオン基にイオン化され得る基を有するポリマーをいい、全体としてカチオン性となる両性ポリマーも含まれる。すなわち、カチオン性ポリマーとしては、ポリマー鎖の側鎖にアミノ基又はアンモニウム基を含むか、又はジアリル4級アンモニウム塩を構成単位として含むもの、例えばカチオン性澱粉、カチオン化グアーガム、ジアリル4級アンモニウム塩の重合体又は共重合体、4級化ポリビニルピロリドン等が挙げられる。
【0041】
カチオン性ポリマーの具体例としては、ジメチルジアリルアンモニウムクロリド重合体(ポリクオタニウム-6,例えばマーコート100;ルーブリゾール・アドバンスト・マテリアルズ社)、ジメチルジアリルアンモニウムクロリド/アクリル酸共重合体(ポリクオタニウム-22,例えばマーコート280,マーコート295;ルーブリゾール・アドバンスト・マテリアルズ社)、ジメチルジアリルアンモニウムクロリド/アクリルアミド共重合体(ポリクオタニウム-7,例えばマーコート550;ルーブリゾール・アドバンスト・マテリアルズ社)4級化ポリビニルピロリドン(ポリクオタニウム-11,例えばガフカット734、ガフカット755、ガフカット755N;アシュランド社)等が挙げられる。
【0042】
これら成分(C)以外のカチオン性ポリマーは、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができ、ヘアコンディショニング剤組成物中における含有量は、毛髪感触と組成物の保存安定性の向上の観点から、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.3質量%以上、更に好ましくは0.5質量%以上であり、また、好ましくは4.0質量%以下、より好ましくは2.5質量%以下、更に好ましくは1.8質量%以下である。
【0043】
・シリコーン
シリコーンとしては、ジメチルポリシロキサン、変性シリコーン(例えば、アミノ変性シリコーン、フッ素変性シリコーン、アルコール変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、アルコキシ変性シリコーン、脂肪酸変性シリコーン、カチオン化シリコーン等)、環式ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン等が挙げられ、ジメチルポリシロキサン、ポリエーテル変性シリコーン、アミノ変性シリコーンが好ましい。また、このようなシリコーンとしては、揮発性シリコーン、不揮発性シリコーン等により希釈あるいは分散されたもの、水中に分散しているものも使用できる。
【0044】
より具体的には、例えば、BY11-026、BY22-19、FZ-3125、SH200-1,000,000cs(東レ・ダウコーニング社)、TSF451-100MA(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン社)〔以上、ジメチルポリシロキサン〕、TSF4440(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン社)、KF-6005、KF-6011(信越化学工業社)〔以上、ポリエーテル変性シリコーン〕、SF8451C、SF8452C、SF8457C、SM8704C、SM8904(東レ・ダウコーニング社)、KF-867(信越化学工業社)〔以上、アミノ変性シリコーン〕、シルソフトシルク(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社)〔カチオン化シリコーン〕等を挙げることができる。
【0045】
これらシリコーンは、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができ、ヘアコンディショニング剤組成物中における含有量は、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.3質量%以上、更に好ましくは0.5質量%以上であり、また、好ましくは4.0質量%以下、より好ましくは2.5質量%以下、更に好ましくは1.8質量%以下である。
【0046】
・高級アルコール
本発明のヘアコンディショニング剤組成物は、例えばセチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール等の炭素数8~22の脂肪族アルコールのような高級アルコールを含有することができる。ただし、高級アルコールとカチオン性界面活性剤により形成されるゲルネットワークの硬さによってノンエアゾール泡の吐出が妨げられたり、高級アルコールの油っぽさによってすすぎ時のすっきり感が妨げられたりするため、高級アルコールを実質的に含まないことが好ましい。ヘアコンディショニング剤組成物中における高級アルコールの含有量は、0.1質量%以下が好ましく、0.01質量%以下がより好ましく、0.001質量%以下が更に好ましい。
【0047】
・有機コンディショニングオイル
ヘアコンディショニング剤組成物は、優れた使用感を付与するために、有機コンディショニングオイルを含有することも好ましい。コンディショニング成分として好適に用いられる有機コンディショニングオイルは、好ましくは低粘度、水不溶性の液体であって、このような有機コンディショニングオイルの粘度は、40℃における測定において、好ましくは1mPa・s以上、より好ましくは2mPa・s以上であり、また、好ましくは200mPa・s以下、より好ましくは100mPa・s以下、更に好ましくは50mPa・s以下である。
【0048】
有機コンディショニングオイルとしては、炭化水素油、脂肪酸エステル及びこれらの混合物を挙げることができ、ヘアコンディショニング剤組成物中における含有量は、好ましくは0.001質量%以上、より好ましくは0.005質量%以上であり、また、好ましくは0.1質量%以下、より好ましくは0.01質量%以下である。
【0049】
炭化水素油としては、例えば環式炭化水素や飽和又は不飽和の直鎖脂肪族炭化水素や飽和又は不飽和の分岐鎖脂肪族炭化水素が挙げられ、これらのポリマーや混合物も含まれる。直鎖炭化水素オイルは、好ましくは炭素数12~19である。分岐鎖炭化水素オイルは、炭化水素ポリマーを含み、好ましくは炭素数19を超えるものであり、合成炭化水素油であるポリオレフィンも含まれる。ポリオレフィンとしては、室温で液体のポリオレフィン、より好ましくは液体ポリ-α-オレフィン、最も好ましくは、液体の水素化ポリ-α-オレフィンである。ここで用いられるポリオレフィンは、炭素数4~14、好ましくは炭素数6~12のオレフィンモノマーを重合して調製する。
【0050】
脂肪酸エステルとしては、例えば少なくとも炭素数10の脂肪酸エステルが挙げられる。これら脂肪酸エステルの例としては、脂肪酸とアルコールから誘導される炭化水素鎖を有するエステル(例えば、モノエステル、多価アルコールエステル、ジ-及びトリカルボン酸エステル)が挙げられる。これら脂肪酸エステルの炭化水素基は、アミド基やアルコキシ基等の他の相溶性官能基を置換基として有していてもよく、またそれらに共有結合していてもよい。より具体的には、炭素数10~22の脂肪族鎖を有する脂肪酸のアルキル及びアルケニルエステル、炭素数10~22のアルキル及び/又はアルケニルアルコールから誘導された脂肪族鎖を有する脂肪族アルコール・カルボン酸エステル、及びこれらの混合物が好適に用いられる。
【0051】
好ましい脂肪酸エステルの具体例としては、イソプロピルイソステアレート、ヘキシルラウレート、イソヘキシルラウレート、イソヘキシルパルミテート、イソプロピルパルミテート、デシルオレエート、イソデシルオレエート、ヘキサデシルステアレート、デシルステアレート、ジヘキサデシルアジペート、ラウリルラクテート、ミリスチルラクテート、セチルラクテート、オレイルステアレート、オレイルオレエート、オレイルミリステート、ラウリルアセテート、セチルプロピオネート及びジオレイルアジペートが挙げられる。
【0052】
〔媒体〕
本発明のヘアコンディショニング剤組成物には、媒体として水及び/又は有機溶剤を含有することができ、他の成分の溶解性、経済性の観点から水を含有することが好ましい。有機溶剤としては、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール等の低級アルカノール;ベンジルアルコール、2-ベンジルオキシエタノール等の芳香族アルコール;エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,2-ブチレングリコール、1,3-ブチレングリコール、1,4-ブチレングリコール、ペンチレングリコール、ヘキシレングリコールグリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン等のポリオール;エトキシエタノール、エトキシジグリコール、メトキシエタノール等のアルコキシアルコール; N-メチルピロリドン、N-エチルピロリドン等のN-アルキルピロリドン;炭酸プロピレン等の炭酸アルキレン、γ-バレロラクトン、γ-カプロラクトン等のラクトンなどが挙げられる。また、経時的な粘度安定性の観点から、エタノール、プロピレングリコール、1-プロパノール、2-プロパノール、ベンジルアルコール、ポリエチレングリコール、及びグリセリンから選択される1種又は2種以上が好ましく、なかでも、エタノール及びプロピレングリコールから選択される1種又は2種がより好ましい。
【0053】
本発明のヘアコンディショニング剤組成物中における水の含有量は、他の成分の溶解性、経済性の観点から、好ましくは75質量%以上、より好ましくは80質量%以上、更に好ましくは85質量%以上であり、また、乾きやすさの観点から、好ましくは98質量%以下、より好ましくは95質量%以下、更に好ましくは93質量%以下である。
【0054】
前記有機溶剤は単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。本発明のヘアコンディショニング剤組成物中における有機溶剤の含有量は、他の含有成分の溶解性、防腐性、粘度安定性の向上の観点から、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、更に好ましくは0.3質量%以上であり、また、引火性、刺激性の抑制の観点から、好ましくは4.0質量%以下、より好ましくは2.5質量%以下、更に好ましくは1.5質量%以下である。
【0055】
〔その他〕
本発明のヘアコンディショニング剤組成物には、その安定な液状形態、及びヘアコンディショニング剤組成物としての機能を損ねない限りにおいて、通常化粧品原料として用いられる他の成分を更に加えることができる。このような任意成分としては、浸透促進剤、パール化剤、防腐剤、金属封鎖剤、安定化剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、保湿剤、賦香剤等を挙げることができ、具体的な任意成分としては、高級脂肪酸、タンパク質加水分解物、タンパク質誘導体、アミノ酸、植物抽出物、ビタミン、香料等が挙げられる。
【0056】
〔pH〕
本発明のヘアコンディショニング剤組成物のpH(30℃)は、刺激性抑制の観点から、好ましくは3.0以上、より好ましくは3.3以上、更に好ましくは3.5以上であり、また、刺激の抑制、製剤の保存性、pHの長期安定性の観点から、好ましくは5.5以下、より好ましくは4.5以下である。
【0057】
〔粘度〕
本発明のヘアコンディショニング剤組成物の液状形態での粘度は、毛髪への塗布性、手や髪から垂れ落ち防止の観点から、好ましくは1mPa・s以上、より好ましくは4.5mPa・s以上、更に好ましくは10mPa・s以上であり、また、髪への塗り伸ばしやすさの観点から、好ましくは300mPa・s以下、より好ましくは200mPa・s以下、更に好ましくは100mPa・s以下である。ここで本発明においてヘアコンディショニング剤組成物の粘度は、30℃において単一円筒型回転粘度計(スピンドルタイプ、モデルTVB-10MW、東機産業社製)とスピンドルM1を用いて、60rpmで1分間回転させて測定する。なお、粘度が100mPa・s以上である場合、測定はスピンドルM3、30rpmでやり直す。
【0058】
〔ノンエアゾールフォーマー容器〕
ノンエアゾールフォーマー容器は、容器内に充填されたヘアコンディショニング剤組成物を、噴射剤を使用することなく空気と混合して泡状に吐出させるために使用する。フォーマー容器の使用により、吐出させた剤の飛び散りを防止できるという効果も得られる。ノンエアゾールタイプの容器は、エアゾールタイプの容器に比べ、製品を安価に製造可能であり、高圧ガスの噴射剤が不要であるため、製品を流通においてより安全に取り扱うことができる。
【0059】
フォーマー容器としては、泡吐出手段を有する公知のポンプフォーマー容器、スクイズフォーマー容器、電動式泡立て器、蓄圧式ポンプフォーマー容器等を使用することができる。より具体的には、例えば、食品と容器(vol.35, No.10, p588~593(1994); vol.35, No.11, p624~627(1994); vol.36, No.3, p154~158(1995))に記載のポンプフォーマーE3タイプ、同F2タイプ(以上、大和製罐社)、スクイズフォーマー(大和製罐社)、電動泡立て器(松下電工社)、エアスプレーフォーマー(エアスプレーインターナショナル社)等が挙げられる。本発明のヘアコンディショニング剤組成物に用いるフォーマー容器としては、安価で使い勝手が良いことから、ポンプフォーマー容器及びスクイズフォーマー容器が好ましい。
【0060】
ポンプフォーマー容器又はスクイズフォーマー容器は、ネット等の泡均質化手段を有するものであり、目詰まりの発生防止の観点から薄肉のネットを有することが好ましい。この場合、ネットのメッシュとしては、50~400メッシュ、更には70~350メッシュ、更には100~320メッシュが好ましい。ここで、メッシュとは、1インチ当たりの目の数をいう。この範囲のメッシュのネットを使用することにより、クリーミーな泡を生成することができる。また、このようなメッシュの材質としては、ナイロン、ポリエステル等を好ましく例示することができる。
【0061】
本発明のヘアコンディショニング剤組成物を収容するノンエアゾールフォーマー容器には、このようなネットを少なくとも一枚、好ましくは複数枚配設し、更には経済性、泡のきめ細かさ、目詰まりにくさ等の観点から、2枚配設することが好ましい。
【0062】
〔使用方法〕
本発明のヘアコンディショニング剤組成物は、髪に適用後、洗い流して使用されるものであり、例えば、ヘアリンス、ヘアコンディショナー、ヘアトリートメント、ヘアパック等の浴室内で使用されるものが挙げられる。
【0063】
以上述べた実施形態に関し、以下に本発明の好ましい態様を更に開示する。
【0064】
<1>
次の成分(A)~(C)を含有し、成分(B)に対する成分(C)の質量比(C)/(B)が、0.0005以上0.40以下である、ノンエアゾールフォーマー容器入りヘアコンディショニング剤組成物。
(A) カチオン界面活性剤
(B) 非イオン界面活性剤
(C) カチオン化セルロース
【0065】
<2>
成分(A)が、好ましくはアルキルトリメチルアンモニウム塩、アルコキシアルキルトリメチルアンモニウム塩、及びジアルキルジメチルアンモニウム塩からなる群より選ばれる1以上である、<1>に記載のノンエアゾールフォーマー容器入りヘアコンディショニング剤組成物。
【0066】
<3>
成分(A)の含有量が、好ましくは0.25質量%以上、より好ましくは0.80質量%以上、更に好ましくは1.0質量%以上であり、また、好ましくは3.0質量%以下、より好ましくは2.80質量%以下、更に好ましくは2.50質量%以下である、<1>又は<2>に記載のノンエアゾールフォーマー容器入りヘアコンディショニング剤組成物。
【0067】
<4>
成分(B)が、好ましくはアルキルポリグルコシドを含む、<1>~<3>のいずれか1項に記載のノンエアゾールフォーマー容器入りヘアコンディショニング剤組成物。
【0068】
<5>
成分(B)が、好ましくは2種以上の非イオン界面活性剤の組み合わせからなる、<1>~<4>のいずれか1項に記載のノンエアゾールフォーマー容器入りヘアコンディショニング剤組成物。
【0069】
<6>
成分(B)の含有量が、好ましくは1質量%以上、より好ましくは1.2質量%以上、更に好ましくは2質量%以上であり、また、好ましくは10質量%以下、より好ましくは7質量%以下、更に好ましくは4質量%以下である、<1>~<5>のいずれか1項に記載のノンエアゾールフォーマー容器入りヘアコンディショニング剤組成物。
【0070】
<7>
成分(A)と成分(B)の含有量の合計が、好ましくは2質量%以上、より好ましくは3質量%以上、更に好ましくは4質量%以上であり、また、好ましくは13質量%以下、より好ましくは10質量%以下、更に好ましくは7質量%以下、更に好ましくは6.5質量%以下、更に好ましくは6質量%以下である、<1>~<6>のいずれか1項に記載のノンエアゾールフォーマー容器入りヘアコンディショニング剤組成物。
【0071】
<8>
成分(C)の含有量が、好ましくは0.001質量%以上、より好ましくは0.003質量%以上、更に好ましくは0.020質量%以上であり、また、好ましくは0.60質量%以下、より好ましくは0.50質量%以下、更に好ましくは0.30質量%以下である、<1>~<7>のいずれか1項に記載のノンエアゾールフォーマー容器入りヘアコンディショニング剤組成物。
【0072】
<9>
成分(A)に対する成分(C)の質量比(C)/(A)が、好ましくは0.0005以上、より好ましくは0.0010以上、更に好ましくは0.010以上、更に好ましくは0.020以上であり、また、好ましくは0.300以下、より好ましくは0.200以下、更に好ましくは0.120以下、更に好ましくは0.100以下、更に好ましくは0.070以下、更に好ましくは0.0240以下である、<1>~<8>のいずれか1項に記載のノンエアゾールフォーマー容器入りヘアコンディショニング剤組成物。
【0073】
<10>
成分(B)に対する成分(C)の質量比(C)/(B)が、好ましくは0.0010以上、より好ましくは0.0050以上、更に好ましくは0.0070以上であり、また、好ましくは0.250以下、より好ましくは0.150以下、更に好ましくは0.145以下、更に好ましくは0.130以下である、<1>~<9>のいずれか1項に記載のノンエアゾールフォーマー容器入りヘアコンディショニング剤組成物。
【0074】
<11>
好ましくは、更に成分(D)として両性界面活性剤を含有する、<1>~<9>のいずれか1項に記載のノンエアゾールフォーマー容器入りヘアコンディショニング剤組成物。
【0075】
<12>
成分(D)の含有量が、好ましくは0.50質量%以上、より好ましくは0.75質量%以上、好ましくは0.95質量%以上であり、また、好ましくは1.5質量%以下、より好ましくは1.35質量%以下、更に好ましくは1.26質量%以下である、<11>に記載のノンエアゾールフォーマー容器入りヘアコンディショニング剤組成物。
【0076】
<13>
高級アルコールの含有量が、好ましくは0.1質量%以下、より好ましくは0.01質量%以下、更に好ましくは0.001質量%以下である、<1>~<12>のいずれか1項に記載のノンエアゾールフォーマー容器入りヘアコンディショニング剤組成物。
【0077】
<14>
毛髪に適用した後洗い流して使用されるものである、<1>~<13>のいずれか1項に記載のノンエアゾールフォーマー容器入りヘアコンディショニング剤組成物。
【実施例】
【0078】
以下、本明細書に記載のノンエアゾールヘアコンディショニング剤組成物の非限定的な実施例を示す。
【0079】
実施例1~11、比較例1
ユーロスターデジタルミキシングスターラー(IKA-Werke GmbH&Co.KG製)を備えた1000 mLガラス製ビーカーとプロペラ型撹拌羽根(3枚羽根)に、表1に示す項目1~11の成分と脱イオン水を加えた。混合物を、水浴(モデルアドバンテックTBS271SA)中、70℃、撹拌速度150rpmで1時間撹拌した。完了後、ビーカーを水浴から取り出して40℃に冷却した。その後、項目12~15の成分を混合物に添加し、混合物を撹拌速度150rpmで40分間撹拌して、表2及び3に示す実施例1~11及び比較例1のヘアコンディショニング剤組成物を得た。成分を配合しない場合は「-」で示す。
【0080】
【0081】
(粘度の測定方法)
各実施例の組成物の粘度は、単一円筒型回転粘度計(スピンドルタイプ、モデルTVB-10MW、東機産業社製)とスピンドルM1を用いて60rpmで1分間30℃で測定した。粘度が100mPa・s以上であった場合、代わりにスピンドルM3を用いて30rpmで測定をやり直した。
【0082】
(pHの測定方法)
各実施例の組成物を、実際に使用される際の濃度を想定して脱イオン水で5質量%溶液に希釈した。各溶液のpHは、InLab ExpertPro-ISMプローブを備えたpHメーター(モデルS220SevenCompact pH/イオンメーター、Mettler Toledo社製)を用いて、30℃で測定した。
【0083】
<評価方法>
●泡の安定性(30℃)
各実施例の組成物を、ポンプディスペンサー(内部に200及び350のメッシュ間隙を有する)を装着した250mLボトルに充填し、恒温水浴(モデルBK500、ヤマト科学社製)に30℃で30分以上保管した。その後、各実施例を手で10回ポンピングして150mLビーカー中に泡を作った。実施例の泡を含むビーカーは、固い床を垂直に10回トントンと叩き、空隙を取り除いた後、5分経過後、及び10分経過時に泡の高さをセンチメートル(cm)単位のラインゲージで測定した。これを3回繰り返して泡の高さを平均した。次に、この泡の高さの平均値から、以下の式(1)に従って、実施例1の平均値(標準)との差(%)を計算した。
式(1)
差(%)=[(標準の平均泡高さ-実施例の平均泡高さ)/標準の平均泡高さ]×100
【0084】
泡の安定性は、以下の5段階で評価した。
1:標準との差が0%以上10%以下
2:標準との差が10%を超え20%以下
3:標準との差が20%を超え25%以下
4:標準との差が25%を超え30%以下
5:標準との差が30%を超える
泡の吐出ができなかった場合、測定データは利用できず、「N/A」で示した。
【0085】
●泡の外観
各実施例の組成物を、ポンプディスペンサー(内部に200及び350のメッシュ間隙を有する)を装着した250mLボトルに充填し、恒温水浴(モデルBK500、ヤマト科学社製)に30℃で30分以上保管した。その後、各実施例を手で4回ポンピングして、6×6cmのプラスチック製実験用トレイ中に泡を作った。以下の5段階の判定により、泡の外観を観察・評価した。評価は2回繰り返した。
1:均一で細かい泡
2:1~5個の小さな気泡(直径0.1~0.2cm)が存在
3:1~5個の中型の気泡(直径0.3~0.6cm)が存在
4:1~5個の大きな気泡(直径0.7~1.5cm)が存在
5:6個以上の大きな気泡(直径0.7~1.5cm)が存在
泡の吐出ができなかった場合、測定データは利用できず、「N/A」で示した。
【0086】
●保存前の吐出性(30℃)
各実施例の組成物を、ポンプディスペンサー(内部に200及び350のメッシュ間隙率を有する)を装着した250mLボトルに充填し、恒温水浴(モデルBK500、ヤマト科学社製)に30℃で30分以上保管した。その後、各実施例を手で4回ポンピングして、6×6cmのプラスチック製実験用トレイ中に泡を作った。以下の5段階の判定により、吐出性を評価した。評価は2回繰り返した。
1:ポンピングが簡単(4回のポンピングが4~6秒で可能)
2:ポンピングがやや簡単(4回のポンピングが7~9秒で可能)
3:通常(4回のポンピングが7~9秒で可能であり、中型の気泡(直径0.4~0.6cm)が形成される)
4:ポンピングがやや難しい(4回のポンピングが7~9秒で可能であり、1~5個の大きな気泡(直径0.7~1.5cm)が形成される)
5:ポンピングが難しい、又は吐出時に目詰まり(4回のポンピングが7~9秒で可能であり、6個以上の大きな気泡(直径0.7~1.5cm)で目詰まりする)
泡の吐出ができなかった場合、測定データは利用できず、「N/A」で示した。
【0087】
●1週間保存後の吐出性(10℃、30℃、50℃)
各実施例の組成物を、ポンプディスペンサー(内部に200及び350のメッシュ間隙率を有する)を装着した250mLボトル3本に充填した。その後、次に、ボトルの1本を空気雰囲気下で保管し、1本を10℃の温度制御インキュベーター(モデル3770、Thermo Electron Corporation製)に保管し、もう1本を50℃の温度制御インキュベーターに保管した(モデル600、Memmert GmbH + Co. KG製)。1週間の保管後、各実施例の組成物を恒温水浴(モデルBK500、ヤマト科学社製)に移し、30℃で30分以上保管した。各実施例を手で4回ポンピングして、6×6cmのプラスチック製実験用トレイ中に泡を作った。以下の5段階の判定により、吐出性を評価した。評価は2回繰り返した。
1:ポンピングが簡単(4回のポンピングが4~6秒で可能)
2:ポンピングがやや簡単(4回のポンピングが7~9秒で可能)
3:通常(4回のポンピングが7~9秒で可能であり、中型の気泡(直径0.4~0.6cm)が形成される)
4:ポンピングがやや難しい(4回のポンピングが7~9秒で可能であり、1~5個の大きな気泡(直径0.7~1.5cm)が形成される)
5:ポンピングが難しい、又は吐出時に目詰まり(4回のポンピングが7~9秒で可能であり、6個以上の大きな気泡(直径0.7~1.5cm)で目詰まりする)
泡の吐出ができなかった場合、測定データは利用できず、「N/A」で示した。
【0088】
【0089】
【手続補正書】
【提出日】2023-12-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の成分(A)~(C)を含有し、成分(B)に対する成分(C)の質量比(C)/(B)が、0.0005以上0.40以下
であり、成分(B)がアルキルポリグルコシドを含む、ノンエアゾールフォーマー容器入りヘアコンディショニング剤組成物。
(A) カチオン界面活性剤
(B) 非イオン界面活性剤
(C) カチオン化セルロース
【請求項2】
成分(A)に対する成分(C)の質量比(C)/(A)が、0.0005以上0.30以下である、請求項1に記載のノンエアゾールフォーマー容器入りヘアコンディショニング剤組成物。
【請求項3】
成分(C)の含有量が、0.001質量%以上0.60質量%以下である、請求項1
又は2に記載のノンエアゾールフォーマー容器入りヘアコンディショニング剤組成物。
【請求項4】
成分(B)の含有量が、1質量%以上10質量%以下である、請求項1~
3のいずれか1項に記載のノンエアゾールフォーマー容器入りヘアコンディショニング剤組成物。
【請求項5】
成分(A)と成分(B)の含有量の合計が、2質量%以上13質量%以下である、請求項1~
4のいずれか1項に記載のノンエアゾールフォーマー容器入りヘアコンディショニング剤組成物。
【請求項6】
成分(B)が、2種以上の非イオン界面活性剤の組み合わせからなる、請求項1~
5のいずれか1項に記載のノンエアゾールフォーマー容器入りヘアコンディショニング剤組成物。
【請求項7】
更に、少なくとも一つの有機溶剤を含有し、その含有量が0.01質量%以上4.0質量%以下である、請求項1~6のいずれか1項に記載のノンエアゾールフォーマー容器入りヘアコンディショニング剤組成物。
【請求項8】
高級アルコールの含有量が0.1質量%以下である、請求項1~7のいずれか1項に記載のノンエアゾールフォーマー容器入りヘアコンディショニング剤組成物。
【請求項9】
成分(B)に対する成分(C)の質量比(C)/(B)が、0.0010以上0.150以下である、請求項1~8のいずれか1項に記載のノンエアゾールフォーマー容器入りヘアコンディショニング剤組成物。
【請求項10】
成分(B)に対する成分(C)の質量比(C)/(B)が、0.0070以上0.150以下である、請求項1~9のいずれか1項に記載のノンエアゾールフォーマー容器入りヘアコンディショニング剤組成物。
【請求項11】
毛髪に適用した後洗い流して使用されるものである、請求項1~
10のいずれか1項に記載のノンエアゾールフォーマー容器入りヘアコンディショニング剤組成物。
【国際調査報告】