(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-10
(54)【発明の名称】ブレーキアセンブリ
(51)【国際特許分類】
F16D 55/10 20060101AFI20240501BHJP
F16D 65/00 20060101ALI20240501BHJP
F16D 65/12 20060101ALI20240501BHJP
F16D 65/847 20060101ALI20240501BHJP
【FI】
F16D55/10 A
F16D65/00 C
F16D65/12 U
F16D65/847
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023573463
(86)(22)【出願日】2022-06-10
(85)【翻訳文提出日】2023-11-28
(86)【国際出願番号】 EP2022025268
(87)【国際公開番号】W WO2022268359
(87)【国際公開日】2022-12-29
(31)【優先権主張番号】102021116119.3
(32)【優先日】2021-06-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510238096
【氏名又は名称】ドクター エンジニール ハー ツェー エフ ポルシェ アクチエンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】Dr. Ing. h.c. F. Porsche Aktiengesellschaft
【住所又は居所原語表記】Porscheplatz 1, D-70435 Stuttgart, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100202647
【氏名又は名称】寺町 健司
(72)【発明者】
【氏名】プラースト, アレクサンデル
【テーマコード(参考)】
3J058
【Fターム(参考)】
3J058AA44
3J058AA47
3J058AA53
3J058AA63
3J058AA69
3J058AA73
3J058AA77
3J058AA84
3J058AA87
3J058BA27
3J058BA28
3J058BA37
3J058BA78
3J058CA41
3J058CB18
3J058CC36
3J058CC82
3J058DC02
3J058DE02
3J058DE09
3J058DE17
3J058FA01
(57)【要約】
本発明は、互いに離隔されて配置され、回動可能に固定された様式で互いに接続され、特にホイールキャリア上で、共通回転軸の周りを回転できるように配置され得る、第1のブレーキディスク及び第2のブレーキディスクを有する、ブレーキアセンブリに関するものであり、ブレーキピストンを有するブレーキキャリパが、2つのブレーキディスクの間に軸方向に配置され、少なくとも1つの第1のブレーキピストンが提供されており、第1の配置されたブレーキパッドに圧力を印加することによって第1の配置されたブレーキパッドを第1のブレーキディスクに押し付け、更に任意に少なくとも1つの第2のブレーキピストンが提供されており、第2の配置されたブレーキパッドに圧力を印加することによって第2の配置されたブレーキパッドを第2のブレーキディスクに押し付け、又は少なくとも1つの第1のブレーキピストンが提供されており、第1の配置されたブレーキパッドに圧力を印加することによって第1の配置されたブレーキパッドを第1のブレーキディスクに押し付け、更に第2の配置されたブレーキパッドに少なくとも間接的に圧力を印加し得ることによって第2の配置されたブレーキパッドを第2のブレーキディスクに押し付け、ブレーキキャリパが、蓋のように2つのブレーキディスクにわたって半径方向外側に延在し、ブレーキディスクの間の空間領域を外側からシールドする、基体及び/又は蓋を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
特に自動車のホイール(4)のブレーキアセンブリ(1)であって、互いに離隔されて配置されており、回動で固定される様式で互いに接続されており、特にホイールキャリア(2)上で共通回転軸の周りを回転し得るように配置され得る、第1のブレーキディスク(5)及び第2のブレーキディスク(6)を有し、ブレーキピストン(9)を有するブレーキキャリパ(8)が、2つの前記ブレーキディスク(5、6)の間に軸方向に配置されており、少なくとも1つの第1のブレーキピストン(9)が提供されており、これによって、第1の配置されたブレーキパッド(10)に圧力を印加して、前記第1の配置されたブレーキパッド(10)を前記第1のブレーキディスク(5)に押し付けることができ、かつ任意選択的に、少なくとも1つの第2のブレーキピストン(9)が提供されており、これによって、第2の配置されたブレーキパッド(11)に圧力を印加して、前記第2の配置されたブレーキパッド(11)を前記第2のブレーキディスク(6)に押し付けることができるか、又は少なくとも1つの第1のブレーキピストン(9)が提供されており、これによって、第1の配置されたブレーキパッド(10)に圧力を印加して、前記第1の配置されたブレーキパッド(10)を前記第1のブレーキディスク(5)に押し付けることができ、かつ第2の配置されたブレーキパッド(11)に少なくとも間接的に圧力を印加して、前記第2の配置されたブレーキパッド(11)を前記第2のブレーキディスク(6)に押し付けることができ、前記ブレーキキャリパ(8)が、蓋のように前記2つのブレーキディスク(5、6)の上に半径方向外側に延在しており、前記ブレーキディスク(5、6)の間の空間領域(7)を外側からシールドする、基体(13)及び/又は蓋(14)を備える、ブレーキアセンブリ(1)。
【請求項2】
前記ブレーキディスク(5、6)が、互いに向かって面する内面(15)と、互いから離れる方向に面する外面(16)とを備え、前記ブレーキパッド(10、11)が、互いに向かって面する前記ブレーキディスク(5、6)の前記内面(15)に対してのみ、前記ブレーキピストン(9)によって押し付けられることを特徴とする、請求項1に記載のブレーキアセンブリ(1)。
【請求項3】
前記ブレーキディスク(5、6)の前記外面(16)又は1つのブレーキディスク(5、6)の少なくとも1つの外面(16)は、リブ(17)が前記ブレーキディスク(5、6)の前記外面(16)上に提供されて、前記ブレーキディスク(5、6)の冷却を改善し、かつ/又は前記ブレーキディスク(5、6)の曲げ剛性を増加させるという点で、冷却するように機能し、かつ/又は前記曲げ剛性を増加させるように機能することを特徴とする、請求項2に記載のブレーキアセンブリ(1)。
【請求項4】
カウンタベアリング(18)が、軸方向の屈曲に対して前記ブレーキディスク(5、6)を軸方向に支持するために、前記ブレーキディスク(5、6)のうちの少なくとも1つ又は両方のブレーキディスク(5、6)の前記外面(16)上に係合することを特徴とする、請求項2又は3に記載のブレーキアセンブリ(1)。
【請求項5】
ラビリンスシール(19)が、前記基体(13)及び/又は前記蓋(14)と前記ブレーキディスク(5、6)又は少なくとも1つのブレーキディスク(5、6)の半径方向外側領域との間に提供されて、前記2つのブレーキディスク(5、6)の間で前記空間領域(7)をシールすることを特徴とする、請求項1に記載のブレーキアセンブリ(1)。
【請求項6】
前記基体(13)及び/又は前記蓋(14)及び/又は前記ブレーキキャリパ(8)が、冷却空気を前記空間領域(7)の中に通過させるための冷却空気チャネル(20)及び/又は冷却空気開口部(21)を備えて提供されていることを特徴とする、請求項1に記載のブレーキアセンブリ(1)。
【請求項7】
ブレーキダスト収集及び保管アセンブリ(23)が、前記基体(13)及び/若しくは前記蓋(14)上に、又は前記基体(13)及び/若しくは前記蓋(14)に隣接して提供されており、これによって、ブレーキダストが収集及び保管され得ることを特徴とする、請求項1に記載のブレーキアセンブリ(1)。
【請求項8】
前記ブレーキダスト収集及び保管アセンブリ(23)が、少なくとも1つのホルダ(27)によって、前記基体(13)、前記蓋(14)、及び/又は前記ホイールキャリア(2)に締付けられているか、又は前記基体(13)、前記蓋(14)によって形成されていることを特徴とする、請求項7に記載のブレーキアセンブリ(1)。
【請求項9】
前記ブレーキダスト収集及び保管アセンブリ(23)が、ブレード(24)、特に金属ブレードを備え、前記ブレード(24)が、前記ブレーキダストを保管するために、特に交換され得るように構成されていることを特徴とする、請求項7又は8に記載のブレーキアセンブリ(1)。
【請求項10】
前記ブレーキダスト収集及び保管アセンブリ(23)が、実質的に円周方向及び/又は半径方向に延在する収集プレート(25)を備え、前記収集プレート(25)が、前記ブレーキダストを収集するために、特に交換され得るように構成されていることを特徴とする、請求項1に記載のブレーキアセンブリ(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブレーキアセンブリに関し、特に自動車のホイールのためのブレーキアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
駆動モータとして電気モータを有する自動車、すなわち電気車両又はハイブリッド車両では、エネルギー効率を高めるために、ブレーキングエネルギーは回生によって累増的に回収される。このような自動車の駆動抵抗を更に低減してエネルギー効率を高めることも目的である。駆動抵抗に関して、ブレーキキャリパ上の残留トルクを更に低減させる試みがなされている。より頻繁な回生により、ホイールブレーキはますます使用されなくなり、ブレーキがもはや連続的に踏み込まれないという欠点を有し、その結果、気象の影響及び気候条件に応じて、ブレーキの摩擦係数が大幅に低減され、極端な場合、ブレーキが錆びついたり、貼りついたりする可能性もある。
【0003】
また、今日のブレーキでは、ブレーキダストが粒子状物質として環境に入り、粒子状物質汚染に寄与する場合もあり、これは一般的に望ましくない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、その耐用年数にわたって良好な機能性を有し、必要に応じて確実にブレーキし、なおも粒子状物質の放出の点で改善されるブレーキアセンブリを作成することである。粒子状物質の放出の著しい低減は、任意に到達可能であり得る。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この目的は、請求項1に記載の特徴によって達成される。
【0006】
本発明の一実施形態例は、ブレーキアセンブリに関し、特に自動車のホイールで、互いに離隔されて配置されており、回動可能に固定された様式で互いに接続され、特にホイールキャリア上で、共通回転軸の周りを回転できるように配置され得る、第1のブレーキディスク及び第2のブレーキディスクを有する、ブレーキアセンブリであって、ブレーキピストンを有するブレーキキャリパが、2つのブレーキディスクの間に軸方向に配置され、少なくとも1つの第1のブレーキピストンが提供されており、第1の配置されたブレーキパッドに圧力を印加することによって第1の配置されたブレーキパッドを第1のブレーキディスクに押し付け、更に任意に第2のブレーキピストンが提供されており、第2の配置されたブレーキパッドに圧力を印加することによって第2の配置されたブレーキパッドを第2のブレーキディスクに押し付け、又は少なくとも1つの第1のブレーキピストンが提供されており、第1の配置されたブレーキパッドに圧力を印加することによって第1の配置されたブレーキパッドを第1のブレーキディスクに押し付け、更に第2の配置されたブレーキパッドに少なくとも間接的に圧力を印加し得ることによって第2の配置されたブレーキパッドを第2のブレーキディスクに押し付け、ブレーキキャリパが、蓋のように2つのブレーキディスクにわたって半径方向外側に延在し、ブレーキディスクの間の空間領域を外側からシールドする、基体及び/又は蓋を備える、ブレーキアセンブリである。これにより、基本的に閉じたブレーキアセンブリがもたらされ、これは、気候及び気象の影響にほとんど影響を受けず、生成されたブレーキダストを収集及び保管できるという利点も有する。少なくとも1つの第1のブレーキピストンのみが提供される場合、1つのピストンフローティングフレームキャリパとして構成することができ、第1のピストンは、第1のブレーキパッドに圧力を印加して、第1のブレーキパッドを第1のブレーキディスクに押し付け、反力は、反対側上のフレームを第2のブレーキパッドに対して押し付け、第2のブレーキパッドに圧力を印加して、第2のブレーキパッドを第2のブレーキディスクに押し付ける。
【0007】
一実施形態例では、ブレーキディスクが、互いに向かって面する内面と、互いから離れる方向に面する外面とを有し、ブレーキパッドが、互いに向かって面するブレーキディスクの内面に対してのみブレーキピストンによって押し付けられるのも好都合である。したがって、ブレーキングのために、内側の、一方の側のみでそれぞれのブレーキディスクに圧力が印加されるので、生成されたブレーキダストがブレーキディスク間の空間領域に蓄積し、大量のブレーキダストが逃れることを可能にせずに、標的化された様式で収集及び保管され得る。
【0008】
また、ブレーキディスクの外面又は1つのブレーキディスクの少なくとも1つの外面が、リブがブレーキディスクの外面上に提供されて、ブレーキディスクの冷却を改善し、かつ/又はブレーキディスクの曲げ剛性を増加させるように、冷却し、曲げ剛性を増加させるように機能する場合も好都合である。これによって、ブレーキングのためにブレーキディスクの一方の側のみに圧力が印加されるため、剛性を増加させる。これはまた、使用されるブレーキ及び冷却流体の冷却を改善することができる。冷却流体は、任意に空気とすることができる。
【0009】
一実施形態例では、カウンタベアリングが、軸方向の屈曲に対してブレーキディスクを軸方向に支持するために、ブレーキディスクのうちの少なくとも1つ又は両方のブレーキディスクの外面上で係合する場合も好都合である。これは、ブレーキディスクの屈曲を低減するために剛性を更に増加させることができる。
【0010】
別の実施形態例では、基体及び/又は蓋とブレーキディスク又は少なくとも1つのブレーキディスクの半径方向外側領域との間にラビリンスシールを提供して、2つのブレーキディスク間の空間領域をシールする場合も好都合である。これにより、わずかな量のブレーキダストのみが逃れ得るのを保証する。
【0011】
また、基体及び/又は蓋及び/又はブレーキキャリパに、冷却空気チャネル及び/又は冷却空気開口部が提供され、冷却空気を内部に、及び/又は冷却空気開口部を通過させる場合、有利である。これは、特にブレーキディスク自体の空気伝達効果に起因して、ブレーキアセンブリの冷却を改善することができる。
【0012】
別の実施形態では、ブレーキダスト収集及び保管アセンブリが、基体上及び/又は蓋上又はそれらに隣接して提供され、それによってブレーキダストを収集及び保管することができる場合も有利である。これにより、ブレーキダストが空間的に限定された様式で保管され、2つのブレーキディスク間の空間領域に均等に分配されないことが保証され、その結果、サービス中に、保管されたブレーキダストも除去され得る。したがって、ブレーキダストは、適切に配置することができ、制御されない様式で環境に放出されることはない。
【0013】
また、ブレーキダスト収集及び保管アセンブリが、少なくとも1つのホルダによって基体、蓋、及び/又はホイールキャリアに締付けられるか、又は基体、蓋によって形成されるのが好都合である。これにより、恒久的に安全な配置及び/又は統合を達成することが可能になる。
【0014】
また、ブレーキダスト収集及び保管アセンブリが、ブレーキダストを保管することができ、交換できるように特に構成される、ブレード、特に金属ブレードを含む場合にも有利である。これにより、ブレーキダスト用の保管庫をコスト効果高く作成することが可能になる。
【0015】
また、ブレーキダスト収集及び保管アセンブリが、実質的に円周方向に延在し、交換され得るように特に構成されるブレーキダストを収集するための収集プレートを備える場合、有利である。これにより、ブレーキダストを標的化された様式で収集することが可能になる。
【0016】
本発明は、図面を参照しながら、実施形態例に基づいて以下に詳細に記述される。図面は、以下を示す。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明によるブレーキアセンブリの第1の実施形態例の概略部分断面図である。
【
図2】本発明によるブレーキアセンブリの第2の実施形態例の概略部分断面図である。
【
図3】
図2に示す本発明によるブレーキアセンブリの第2の実施形態例の更なる概略部分断面図である。
【
図4】本発明によるブレーキアセンブリの第3の実施形態例の概略部分断面図である。
【
図5】本発明によるブレーキアセンブリの第4の実施形態例の概略部分断面図である。
【
図6】リブ設計及び冷却チャネルを有するブレーキディスクの外面の概略図である。
【
図7】本発明によるブレーキアセンブリの第5の実施形態例の概略部分断面図である。
【
図8】本発明によるブレーキアセンブリの第6の実施形態例の概略部分断面図である。
【
図9】冷却空気開口部及び冷却空気チャネルの概略巻き戻し図である。
【
図10】冷却空気開口部及び冷却空気チャネル並びにそれらの貫通流の概略巻き戻し図である。
【
図11】セクションにおけるブレーキディスクの一実施形態例の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
概略的な部分断面図では、
図1は、自動車のホイールのブレーキアセンブリ1を示し、ホイール4のリム3はホイールキャリア2上に見ることができる。
【0019】
自動車は、特に、純粋な電気駆動(BEV)を伴う内燃エンジンを有する自動車であるか、又は内燃エンジン及び駆動モータ(HEV、PHEV)としての電気モータを有するハイブリッド車両として構成される。PHEVは、プラグインハイブリッド車両の略である。
【0020】
ブレーキアセンブリ1は、第1のブレーキディスク5及び第2のブレーキディスク6を備え、それらは互いに離隔されて配置され、回動可能に固定された様式で互いに接続され、共通回転軸の周り、特にホイールハブ29上で回転できるように配置され得る。
【0021】
2つのブレーキディスク5、6の間には、空間領域7があり、ブレーキピストン9を有するブレーキキャリパ8が配置される。したがって、少なくとも1つのブレーキピストン9、特に複数のブレーキピストン9を有するブレーキキャリパ8は、2つのブレーキディスク5、6の間に軸方向に配置される。少なくとも1つの第1のブレーキピストン9が提供されており、第1の配置されたブレーキパッド10に圧力を印加することによって第1の配置されたブレーキパッド10を第1のブレーキディスク5に押し付けることができ、また少なくとも1つの第2のブレーキピストン9が提供されており、第2の配置されたブレーキパッド11に圧力を印加することによって第2の配置されたブレーキパッド11を第2のブレーキディスク6に押し付けることができる。ブレーキキャリパ8は、ホイールキャリア2によって支持される。
【0022】
それぞれの背面プレート12は、ブレーキピストン9からブレーキパッド10、11への押圧力を均等化するために、ブレーキピストン9とそれぞれのブレーキパッド10、11との間に提供される。
【0023】
ブレーキキャリパ8はまた、基体13及び/又は蓋14を備え、これは蓋のように2つのブレーキディスク5、6にわたって半径方向外側に延在し、ブレーキディスク5、6の間の空間領域7を外側からシールドする。これは、その中に配置された集合体及び構成要素を有する空間領域7を、気象、汚れ、及び気候から保護するものであり、ブレーキダストが逃げるのを困難にする。しかしながら、このタイプの封入はまた、発生した摩擦熱を集中させる。基体13及び蓋14は、また任意に組み合わせることができる。
【0024】
図1は、ブレーキディスク5、6が、互いに向かって面する内面15と、互いから離れる方向に面する外面16とを備え、ブレーキパッド10、11が、互いに向かって面するブレーキディスク5、6の内面15に対してのみブレーキピストン9によって押し付けられることを示す。結果として、軸方向の力は、ブレーキディスク5、6に内側から外側に向かって作用し、これにより、当該ブレーキディスクが外向きに屈曲する。
【0025】
したがって、ブレーキディスク5、6の外面16、又はブレーキディスク5、6の少なくとも1つの外面16が、リブ17がブレーキディスク5、6の外面16上に提供されて、ブレーキディスク5、6の冷却を改善し、及び/又はブレーキディスク5、6の曲げ剛性を増加させるように、ブレーキディスク5、6を冷却し、ブレーキディスク5、6の曲げ剛性を増加するように機能する場合に、有利である。
【0026】
図4は、リブのない代替的な図を示し、カウンタベアリング18は、軸方向の屈曲に対してブレーキディスク5、6を軸方向に支持するために、ブレーキディスク5、6のうちの少なくとも1つ又は両方のブレーキディスク5、6の外面16上に係合する。カウンタベアリング18は、ブレーキキャリパ8上又はブレーキキャリパ8の基体13上に支持される。カウンタベアリング18は、例えば、フローティングキャリパとして構成することができる。しかしながら、カウンタベアリング18を有する設計は、
図1に示すように、リブ17と組み合わせて提供され得る。
【0027】
図1はまた、基体13及び/又は蓋14と、ブレーキディスク5、6又は少なくとも1つのブレーキディスク5、6の半径方向外側領域との間にラビリンスシール19を提供して、2つのブレーキディスク5、6の間の空間領域7をシールすることを示す。
【0028】
図2、3、5、及び7~10は、基体13及び/又は蓋14及び/又はブレーキキャリパ8に冷却空気チャネル20及び/又は冷却空気開口部21を提供するか、又は冷却空気を内部及び/又は通過させるように構成する、異なる図におけるブレーキアセンブリ1の異なる実施形態例を示す。したがって、空気は、ブレーキキャリパ8を通過して空間領域7に入り、ブレーキパッド10、11、ブレーキディスク5、6、及びブレーキキャリパ8自体を通って、又は通過して流れて、ブレーキ流体を効果的に冷却することができる。
図7又は8を参照すると、空気の流体経路は、およそS字形状となり得る。
【0029】
図9及び10によると、空気は、異なる冷却空気開口部21の中へと流れ、次いで結合されて、冷却空気チャネル20の中へと方向付けられ得る。蓋14は、冷却空気チャネル20がバイパスされ得るか、又は追加のマニホールド28が使用され得るように構成され得る。
【0030】
例えば、
図6を参照すると、冷却空気が通過することを可能にする溝30は、ブレーキディスク5、6にも提供され得る。溝30は、ウェブ22によって互いに分離され、溝30又はウェブ22は、前方に湾曲され、後方に湾曲され、半径方向又は同心であるように構成及び配置することができる。ウェブ22は、冷却空気を溝30を通して流すために、空気伝達効果を作り出す。ウェブ22及び溝30は、ブレーキディスク5、6の一方の側、又はブレーキディスク5、6の両側に提供され得る。
【0031】
これはまた、それにもかかわらず、水又は埃がブレーキパッド10、11の領域及び対応する摩擦面に入るのを防止することを可能にする。
【0032】
有利な一実施形態例では、例えば、
図5を参照すると、ブレーキダスト収集及び保管アセンブリ23は、基体13上及び/又は蓋14上又はそれに隣接して提供することができ、それによってブレーキダストを収集及び保管することができる。
【0033】
また、
図5を参照すると、ブレーキダスト収集及び保管アセンブリ23が、少なくとも1つのホルダ27によって蓋及び/又はホイールキャリアに締付けられるか、又はホイールキャリア又は蓋によって形成される場合に、好都合である。
【0034】
ブレーキダスト収集及び保管アセンブリ23は、ブレーキダストを保管するために交換され得るように特に構成される、ブレード24、特に金属ブレードを任意に含むことができる。
【0035】
ブレーキダスト収集及び保管アセンブリ23はまた、実質的に円周方向に延在する収集プレート25を備えることができ、これは、ブレーキダストを収集するために交換され得るように特に構成される。収集プレート25は、有利なことに、空間領域7を外側に対して半径方向及び軸方向に閉鎖し、シーリング面26又は複数のシーリング面26上のブレーキキャリパ8に対してしっかりと載置される。
【0036】
ブレーキピストン9は、有利には、圧力に応答してのみ作用し、マルチピストン固定キャリパ構成、又は主に1つのブレーキピストン9又は複数のブレーキピストン9を有するフローティングピストン構成で実装され得る。また、ブレーキキャリパ8は、ブレーキダストの放出が更に制限されるように、ブレーキディスク5、6とブレーキパッド10、11との間の摩擦ペアリング作業空間のサブセグメントをラビリンスシールのタイプとして半径方向にシールすることができることも有利である。
【0037】
図11及び12は、流体流32が半径方向内側から軸方向に、及びブレーキディスク5、6に沿って半径方向外側に、ウェブ22間の溝30を通って流れることができるように、溝30をその外側上で互いに分離する環状に配置されたウェブ22を有するように構成される、ブレーキディスク5、6の別の実施形態例を示す。環状カバー部31は、ブレーキディスク5、6の外側に半径方向に提供され、流体流32がカバー部31とブレーキディスク5、6との間で半径方向外向きに流れ落ちることができるように、ブレーキディスク5、6から離隔されて配置される。
図11では、カバー部31が円錐状であり、ブレーキディスク5、6に半径方向内側から半径方向外側に向かって近づき、それにもかかわらず、ギャップ又は空間を半径方向外側上に残して、流体流32が流れ出ることを可能にすることが分かる。ウェブ22は、
【0038】
有利なことには、前方に湾曲され、又は代替的に後方に湾曲され、又は半径方向に整列されている。
【0039】
カバー部31は、熱放散を改善するために熱伝導性の仕様で任意に構成及び/又は接続される。
【符号の説明】
【0040】
1 ブレーキアセンブリ
2 ホイールキャリア
3 リム
4 ホイール
5 ブレーキディスク
6 ブレーキディスク
7 空間領域
8 ブレーキキャリパ
9 ブレーキピストン
10 ブレーキパッド
11 ブレーキパッド
12 背面プレート
13 ブレーキキャリパの基体
14 蓋
15 内面
16 外面
17 リブ
18 カウンタベアリング
19 ラビリンスシール
20 冷却空気チャネル
21 冷却空気開口部
22 溝
23 ブレーキダスト収集及び保管アセンブリ
24 ブレード
25 収集プレート
26 シーリング面
27 ホルダ
28 マニホールド
29 ホイールハブ
30 ウェブ
31 カバー部
32 流体流
【国際調査報告】