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特表2024-519402自己給電型ダウンホール電気分解ツール
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-10
(54)【発明の名称】自己給電型ダウンホール電気分解ツール
(51)【国際特許分類】
   C25B 9/00 20210101AFI20240501BHJP
   C25B 1/04 20210101ALI20240501BHJP
   C25B 9/015 20210101ALI20240501BHJP
   H10N 30/30 20230101ALI20240501BHJP
   H10N 30/88 20230101ALI20240501BHJP
   F03G 4/00 20060101ALI20240501BHJP
【FI】
C25B9/00 A
C25B1/04
C25B9/015
H10N30/30
H10N30/88
F03G4/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024507976
(86)(22)【出願日】2022-05-19
(85)【翻訳文提出日】2023-12-07
(86)【国際出願番号】 US2022072435
(87)【国際公開番号】W WO2022226552
(87)【国際公開日】2022-10-27
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523392785
【氏名又は名称】ヒドラサーマル エナジー,エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ヘム,アレックス エム
(72)【発明者】
【氏名】シラ,ケビン ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】アレール,ブルーノ ピー
【テーマコード(参考)】
4K021
【Fターム(参考)】
4K021AA01
4K021BA02
4K021BC07
4K021CA01
4K021CA05
4K021CA09
4K021DA05
4K021DC03
(57)【要約】
ダウンホール発電システムは、井戸内における内在するダウンホールエネルギーを使用して、水素及び酸素ガスをもたらす電気分解システムを動作させる。タービンは、井戸内での移動によって駆動され得、これが発電機を駆動して電気分解をもたらし得る。他の実施形態は、圧電デバイス又は熱交換器を含む、井戸からエネルギーを得る他の方法を使用し得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
井戸のダウンホールで使用するための電気分解デバイスであって、
管状内部空洞を含む、管状ハウジングを有する管状デバイスと、
前記ハウジングの内部にあり、及び電力をもたらす発電デバイスと、
両方とも前記ハウジングの内部にあり、及び前記井戸内の水と接触するアノード電極及びカソード電極であって、前記アノード電極及び前記カソード電極の両方は、前記発電デバイスによってもたらされた電力を受け取り、及び前記井戸内の前記水を加水分解することによって水素ガスをもたらす、アノード電極及びカソード電極と、
前記アノード及び前記カソードによってもたらされたガスを受け取るパッカー接続部と、
パイプの上部において、前記アノード及び前記カソードによってもたらされた前記水素ガスをパックするガスパッカーと
を含む電気分解デバイス。
【請求項2】
前記発電デバイスは、前記井戸内の力を使用して電力を生成する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記発電デバイスは、前記井戸内の流れから駆動されるタービンと、前記タービンの移動に基づいて電気をもたらす発電機とを含む、請求項2に記載のデバイス。
【請求項4】
前記ハウジングは、前記井戸内の水を受け取るように開かれ、及び前記発電デバイスは、前記井戸内の水の力によって駆動されるタービンを含み、及び前記発電デバイスは、発電機を含み、前記タービンは、前記発電機を駆動し、及び前記発電機は、前記井戸内の前記水を電気分解するために、前記アノード電極及び前記カソード電極に接続される電気を発生させる、請求項2に記載のデバイス。
【請求項5】
前記発電デバイスは、前記井戸内の水と、前記井戸内の前記水の上方の領域との間の温度差を使用し、熱交換器を使用して電力をもたらして、前記アノード及びカソード電極を駆動するための電気をもたらす、請求項2に記載のデバイス。
【請求項6】
前記発電デバイスは、ダウンホール温度及び圧力を利用して電気をもたらすための場所に位置する圧電デバイスを含む、請求項2に記載のデバイス。
【請求項7】
温度及び圧力の差を利用するために、前記圧電デバイスの一部は、水面下に維持され、及び一部は、前記水の上に維持される、請求項6に記載のデバイス。
【請求項8】
前記圧電デバイスは、キャパシタ、電圧調整デバイス並びに前記アノード電極及びカソード電極に接続するダウンホール充電式バッテリに接続される、請求項6に記載のデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、米国仮特許出願第63/201,189号からの優先権を主張するものであり、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
背景
井戸は、多くの場合、家庭用水、潅漑用水及び産業用水の供給を含む様々な目的のために使用される。
【0003】
井戸を掘削すると、井戸は、長年にわたって使用され得る。ときに、井戸内で行う作業には電力が必要とされる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
発明の概要
本発明者は、井戸、すなわち「ダウンホール」の内部において、内在するダウンホールエネルギーに基づいて動作する電気化学装置を使用して水素及び酸素ガスを発生させることが望ましいことを認識した。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本デバイスは、タービン及び発電機を使用して、内在するダウンホールエネルギーからエネルギーをもたらす管状ダウンホール電気分解デバイスを説明するものである。
【0006】
一実施形態では、デバイスは、発電機から給電されるアノード及びカソードを有する。パッカー装置は、ダウンホール電気分解によって発生したガスを収集するように構成される。これを行うことにより、デバイスは、ダウンホールエネルギー、例えば水の循環又は地熱エネルギーを使用して電力を継続的に発生させ、そのため、電気分解プロセスを使用して水素及び酸素ガスの両方を常にもたらす。
【0007】
別の実施形態は、地表に置かれた太陽電池パネルなどの外部電源を使用し得る。
【0008】
別の実施形態は、圧電デバイスを使用する。
【0009】
本デバイスは、タービン及び発電機又は熱交換器若しくは圧電回路のいずれかを使用して、内在するダウンホールエネルギーからエネルギーをもたらす管状ダウンホールデバイスを説明するものである。圧電デバイス又は熱交換器は、井戸が静電気性であるか、又は流体の循環が起こらない用途で使用される。
【0010】
図面の簡単な説明
各図面には、以下が示される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】タービン駆動型発電機を使用する本発明の一実施形態を示す。
図2】熱交換器を使用する一実施形態を示す。
図3】太陽電池の使用を示す。
図4】圧電デバイスの使用を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
詳細な説明
本出願は、ダウンホール環境において水素及び酸素ガスを発生させるためのシステム及び方法を説明する。
【0013】
一実施形態は、ダウンホール発電を使用して、ダウンホール電気化学装置に給電する。電気化学装置は、内在するエネルギー源、例えば地熱を有するダウンホール環境内に導入されるか、又は放棄された非生産の炭化水素井戸孔などの別の井戸内に導入される。
【0014】
一実施形態は、発電機105に接続されたタービン100及びインバータ110を使用して、アノード120及びカソード125に接続される電気を発生させる。部品のすべては、円筒状及びモジュール式構成で組み立てられる。円筒状ハウジング99は、外壁130及び内壁135を含む。井戸の内部から垂直軸に沿って流体の流れを循環させるための内部中空空間がある。
【0015】
内部中空空間は、アノード120及びカソード125を収容する。
【0016】
この実施形態では、井戸孔の内部で元来循環している水は、ハウジング99の内部に導入される。循環によって生じるこの水流は、タービン100の回転を引き起こし、これが発電機105及びインバータ110からエネルギーをもたらす。インバータからの電力を使用してアノード及びカソードに給電し、したがって加水分解により水素及び酸素の気泡が生じる。この「生成ガス」は、水素ガス及び酸素ガスを含む。
【0017】
生成ガスの気泡は、電気化学装置と、ケーシング層によって画定された井戸孔の内径との間の環状空間を上方に移動する。これらは、気泡140が上部へと上方に移動するにつれて移動し、そこで、生産管に取り付けられたコンプリーションパッカー150によってパッケージされ、したがって流離した生成ガスが無制御に移動することをなくす。ガスは、井戸口及び配送管を通して地表で収集される。
【0018】
図2に示される代替的な実施形態では、エネルギーは、井戸内の温度差に基づいて電力を発生させる、井戸内の熱交換器によってもたらされる。ハウジング200は、熱交換器のうちの第1の熱交換器205が水線210の下にあり、及び熱交換器のうちの第2の熱交換器215が水線210の上にある状態で井戸内に位置する。水中の熱交換器205と、水の上方の熱交換器215との間の温度差は、発電機222にアノード225及びカソード230への電気を発生させ、第1の実施形態におけるような気泡を発生させる。図2の実施形態も、本明細書に記載のすべての他の実施形態と同様に、加水分解されたガスを受け取るための同様の種類のコンプリーションパッカーとともに使用されることを意図する。
【0019】
これは、循環水がない井戸、例えば地熱井戸以外の井戸内で電気分解を行うために使用され得る。例えば、静電気性の枯渇した炭化水素井戸は、この代替的方法を使用することができる。
【0020】
図3のような別の実施形態は、外部電源、一実施形態では地表に置かれた太陽電池パネル300を使用して、電力をダウンホール電解槽に提供することができる。例えば、十分な熱又はエネルギーダウンホールがない井戸孔内でこれを使用して、熱交換器に給電することができる。
【0021】
図4に示される別の実施形態は、発電に圧電回路を使用する。この実施形態では、管状ハウジング400は、井戸内の水位405の下に配置される。圧電デバイス410は、水密スリーブの内部にあり得るか、又は防水性材料であり得る。
【0022】
圧電デバイスは、ダウンホール温度及び圧力を利用するための場所に位置する。一実施形態では、例えば、温度及び圧力の差を利用するために、デバイスの一部は、水面下に維持され、及び一部は、水の上に維持される。
【0023】
圧電材料410は、前記材料に加えられるダウンホール圧力及び温度に起因して電圧を発生させる。圧電材料は、キャパシタ430に接続される。キャパシタの出力側では、単純に抵抗器であり得るか、又は電圧調整器チップ若しくはツェナーダイオードを含み得る電圧調整デバイス440が一定の出力電圧450を維持する。この出力定電圧がダウンホール充電式バッテリ460に給電する。バッテリ460からの出力は、アノード及びカソードとして示されるダウンホール電解槽デバイスに供給される。電気分解の電圧要件に応じて、より多い又はより少ない圧電デバイスがこのダウンホールデバイスの発電セグメントに加えられ得る。
【0024】
必要に応じて、ダウンホールエネルギーを地表に引き出して、油田の石油生産装置などの他のデバイスに給電することもできる。別の実施形態では、石油を生産していない井戸を電源に転換して、例えば石油を生産している井戸内のポンプ装置に給電することができる。
【0025】
特定の用途がこの解決策を必要とする場合、ダウンホール発電を地表で使用して、地表での電気分解に給電することもできる。
【0026】
そのため、代替実施形態により、熱交換器をダウンホール又は地表のいずれかに位置させて、ダウンホール電解槽に電力を提供する太陽電池パネルに接続させることが可能になる。
【0027】
開示される例示的な実施形態の前述の説明は、当業者が本発明を作成又は使用することができるように提供されている。これらの例示的な実施形態に対する様々な修正形態は、当業者に容易に明らかになり、本明細書に定義される包括的な原理は、本発明の趣旨又は範囲から逸脱することなく、他の実施形態に適用され得る。したがって、本発明は、本明細書に示される実施形態に限定されることを意図するものではなく、本明細書に開示される原理及び新規な特徴と合致する最も広い範囲を与えられるものとする。
図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】