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特表2024-519414微結晶セルロースを製造するためのシステム及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-13
(54)【発明の名称】微結晶セルロースを製造するためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   C08B 15/00 20060101AFI20240502BHJP
   C08H 8/00 20100101ALI20240502BHJP
【FI】
C08B15/00
C08H8/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2023566478
(86)(22)【出願日】2022-04-27
(85)【翻訳文提出日】2023-10-27
(86)【国際出願番号】 FI2022050275
(87)【国際公開番号】W WO2022229510
(87)【国際公開日】2022-11-03
(31)【優先権主張番号】20215507
(32)【優先日】2021-04-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FI
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520102646
【氏名又は名称】アンドリッツ オサケ ユキチュア
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヴァンハタロ、カリ
(72)【発明者】
【氏名】ローマルク、ハンヌ
(72)【発明者】
【氏名】ペールニレ、ソーニャ
(72)【発明者】
【氏名】ペルトネン、カリ
【テーマコード(参考)】
4C090
【Fターム(参考)】
4C090AA03
4C090AA05
4C090AA06
4C090BA24
4C090BB02
4C090BB12
4C090BB36
4C090BB52
4C090BD23
4C090CA07
4C090CA31
4C090DA21
(57)【要約】
微結晶セルロース(MCC)を製造するためのシステムが開示される。製品平均粒径及び粒径分布の調整を可能にする2段階反応器システムにおける混合を使用することによってMCCを製造するための新しい方法を提供するシステムが更に開示される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
微結晶セルロース(Microcrystalline Cellulose:MCC)を調製するための方法であって、
a.反応器内でパルプ混合物を酸加水分解して、加水分解されたプロセス混合物を得ることと、
b.前記加水分解されたプロセス混合物を混合してMCCを形成することと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記加水分解されたプロセス混合物を前記反応器から取り出すと直ちに1回の混合が行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記反応器から前記プロセス混合物を取り出した後に、追加の混合が行われる、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記MCCが連続的に形成される、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
第1の反応器からの前記加水分解されたプロセス混合物が、更なる加水分解のために第2の反応器に供給される、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
酸が、前記第1の反応器と前記第2の反応器との間で前記プロセス混合物に添加される、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記第1の反応器から取り出した前記加水分解されたプロセス混合物が、前記第2の反応器に供給する前に混合される、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記プロセス混合物が、前記加水分解プロセス中に前記少なくとも1つの反応器内で混合される、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記プロセス混合物が、前記第1の反応器と前記第2の反応器との間で少なくとも1回混合される、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記混合が、約0.01~15.0×10W/mのエネルギー散逸で行われる、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
少なくとも1つの反応器を含む、請求項1~10のいずれか一項の方法に従う、MCCを調製するためのシステム。
【請求項12】
前記システムが、前記少なくとも1つの反応器の各々に少なくとも1つのミキサを含む、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記システムが、前記プロセス混合物を輸送するための少なくとも1つのポンプを含む、請求項11又は12に記載のシステム。
【請求項14】
前記システムが、前記プロセス混合物及び/又はプロセスラインに酸を添加するための手段を含む、請求項11~13のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項15】
前記システムが、前記少なくとも1つの反応器の外側に少なくとも1つのミキサを含む、請求項11~14のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項16】
前記システムが、前記少なくとも1つの反応器の各々の出口に少なくとも1つのミキサを含む、請求項11~15のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項17】
前記システムが、前記プロセスライン内に少なくとも1つのミキサを含む、請求項11~16のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項18】
請求項1~10のいずれか一項に記載の方法によって得られるMCC。
【請求項19】
請求項1~10のいずれか一項に記載の方法を使用して請求項11~17に記載のシステムによって得られるMCC。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、微結晶セルロース(Microcrystalline Cellulose:MCC)を製造するためのシステムに関する。本開示は更に、製品平均粒径及び粒径分布の調整を可能にする2段階反応器システムにおける混合を使用することによってMCCを製造するための新しい方法を提供するシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
微結晶セルロース(MCC)は、それが製造される原料の化学パルプとは全く異なる粒子様物理的特性を有するセルロース生成物である。化学パルプは、高い長さ/厚さ比を意味する繊維様構造を有し、MCC製造プロセスでは、酸加水分解プロセスを使用して粒子様生成物に変換される。
【0003】
加水分解プロセスの強度は、生成物の特性に影響を及ぼす。使用される化学物質が多いほど、反応器内の加水分解された材料の滞留時間が長くなり、又は反応スラリーの濃度が高くなるほど、加水分解強度が高くなる。これは、MCC製造プロセスにおける酸加水分解の強度を変えることによって、様々な種類のMCC生成物を製造できることを意味する。
【0004】
物質移動が化学反応の効率に影響を及ぼすことは、化学工学科学において周知の事実である。物質移動が不十分であると、濃度勾配が形成され、反応速度が低下する。これは、例えば、MCCが製造される場合の酸加水分解プロセスにおいて起こり得る。
【0005】
混合現象は、不均一な材料混合物を均一な形態に変換することによって、1つ又は複数の反応器内の濃度勾配を平準化する。これは、例えばMCC酸加水分解における反応速度の増加をもたらし得、これはより効率的な製造プロセスを意味する。混合は物理的単位プロセスであるため、機械的手段によって生成物にも影響を及ぼす。
【0006】
したがって、MCC製造では、製品特性はいくつかの要因(化学的電荷、プロセス濃度、時間、温度、物質移動及び物理的ストレス)の組合せの結果である。
【0007】
米国特許第2,978,446号明細書は、MCCを製造する方法を開示している。当該方法では、酸を反応器に一度に添加し、反応器を始動させる。加水分解反応中の混合は言及されていない。加水分解後、1時間続く強力な機械的混合/剪断を使用して生成物を修飾して粘性ゲルを作り出す。米国特許第7,037,405号明細書は、酸を使用してMCCを製造する方法を開示しており、酸加水分解プロセス中の混合については言及していない。酸を反応器に一度に添加する。この特許は、加水分解後に過酷な機械的リファイナを使用して、1.0~10.0μmの粒径範囲を有する非常に小さいMCC粒子を製造することを教示している。国際公開第02/057540号は、乾燥されていないパルプ材料を使用してMCCを製造し、加水分解反応中に反応スラリーを混合する方法を開示している。酸を反応器に一度に添加する。米国特許出願公開第2012/0135505号明細書は、圧縮セルロース原料が酸(複数可)を使用して加水分解されるMCC製造プロセスを開示している。反応スラリーを加水分解手順中に撹拌し、酸を反応器に一度に添加する。この特許は、最終生成物に対する混合の効果を教示していない。米国特許第4391973号明細書は、セルロース原料が酸(複数可)を使用して加水分解され、反応混合物が加水分解プロセス中に撹拌されるMCCプロセスを開示しており、最終生成物に対する混合の効果については言及していない。国際公開第2019/095024号は、2つの別個の反応器を使用してMCCを作製することを開示している。反応器間で圧力を大気圧まで下げ、中間生成物の洗浄を行う。酸を反応器1及び反応器2に添加する。加水分解プロセス中の混合は言及されていない。
【0008】
既知の方法のいずれも、加水分解中又は加水分解後に非常に短い混合を使用することによって、生成物の特性を調整することができるという事実を示していない。既知のMCC製造方法のいずれも、加水分解システムへの分割酸付加の組合せを示さない。セルロース材料の加水分解プロセスを2段階で、例えば2反応器システムで行い、反応器システムのいくつかの場所で複数の酸添加を行うことにより、2段階で加水分解を行う穏やかな加水分解と過酷な加水分解との実験でBattistaによって示されるように、プロセス効率がより高くなり(Battista,O.A.,Hydrolysis and crystallization of cellulose,IND ENG CHEM,vol.42,No.3,502-507)、収率が増加する。
【0009】
既知のプロセスを考慮すると、単純なプロセスソリューションを使用して製品特性を変えることができるMCCを製造するための新たな方法が必要とされている。
【発明の概要】
【0010】
微結晶セルロース(MCC)を製造するための方法が開示される。方法は、
a.反応器内でパルプ混合物を酸加水分解して、加水分解されたプロセス混合物を得ることと、
b.加水分解されたプロセス混合物を混合してMCCを形成することと、
を含む。
【0011】
MCCを調製するためのシステムが開示される。システムは、少なくとも1つの反応器を含み得る。
【0012】
開示された方法又はシステムによって得られる微結晶セルロース(MCC)が開示される。
【0013】
実施形態の更なる理解を提供し、本明細書の一部を構成するために含まれる添付の図面は、様々な実施形態を示す。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】システムが1つの反応器を含む、本開示によるMCCを製造するためのシステムの一実施形態の概略図である。
図2】システムが2つの反応器を含む、本開示によるMCCを製造するためのシステムの一実施形態の概略図である。
図3】切断型ミキサを使用して、異なるrpm及び混合時間を使用してMCC1を混合した後のd比の値を示す図である。
図4】混合前のMCC1の粒径分布を示す図である。
図5】15000rpmを使用して15秒間混合した後のMCC1の粒径分布を示す図である。
図6】温度80℃でrpm5000による剪断生成型ミキサを使用してMCC2を混合した後のd比値を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
微結晶セルロース(MCC)を製造するための方法が開示される。方法は、
b.反応器内でパルプ混合物を酸加水分解して、加水分解されたプロセス混合物を得ることと、
c.加水分解されたプロセス混合物を混合してMCCを形成することと、
を含んでよい。
【0016】
図1及び図2は、単一反応器システム又は2反応器システムを使用する方法の例示的な実施態様を示す。特定の実施形態では、このシステムにおける混合は、1つ又はいくつかの場所で起こり得、酸は、1つ又はいくつかの場所でシステムに添加され得る。
【0017】
プロセスシステムの初期段階では、微結晶セルロース(MCC)を製造するための原料として使用されるパルプ懸濁液がある。本発明の一実施形態では、MCC製造に使用される酸(3)は、パルプがポンプ輸送容器(2)等に入る前の初期段階で懸濁液に添加することができる。ポンプ輸送容器の目的は、連続プロセス段階に入る前に、入ってくるパルプ懸濁液流のバランスをとることである。あるいは、ポンプ輸送容器は、懸濁液又はパルプがそこに入る前に酸の添加が行われる場合、混合容器として作用することができる。
【0018】
MCCの製造に使用されるパルプは、クラフトパルプ、予備加水分解クラフト、亜硫酸パルプ、セミケミカルパルプ、機械パルプ、非木材パルプ、回収繊維、又はそれらの任意の組合せ等の任意の適切な種類の漂白化学パルプであり得る。パルプは、広葉樹、針葉樹、草、藁、古紙、竹、又はそれらの任意の組合せから製造することができる。
【0019】
特定の実施形態では、ポンプ輸送容器に導入する前のパルプの濃度は、約2~50重量%、約3~45重量%、又は約5~30重量%であり得る。
【0020】
特定の実施形態では、第1の反応器に導入する前のパルプの濃度は、約2~30重量%、約3~25重量%、又は約5~20重量%、又は約8~15重量%であり得る。一実施形態では、第1の反応器に導入する前のパルプの濃度は、約10重量%であり得る。
【0021】
パルプ懸濁液(1)は、ポンプ輸送容器(2)からプロセスライン(14)に供給される。ブースターポンプ(4)を使用して、加熱パルプ懸濁液を加水分解反応器に圧送して、所望の加水分解温度及び圧力を維持する。パルプを加水分解温度まで加熱するために使用されるプロセス蒸気(5)は、ブースターポンプの前又は後のいずれかでプロセスラインに供給される。本発明の一実施形態では、MCC製造プロセスで使用される酸(3)は、プロセスライン(14)内のブースターポンプ(4)の前及び/又は後にプロセスラインに添加することができる。
【0022】
一実施形態では、プロセス蒸気を使用して、パルプ懸濁液を約80~185℃、又は90~175℃、又は100~165℃、又は120~160℃に加熱する。一実施形態では、プロセス蒸気を使用して、パルプ懸濁液を約130~160℃に加熱する。
【0023】
特定の実施形態では、MCCを形成するためのパルプの酸加水分解は、特許出願国際公開第2011/145600号又は国際公開第2011/145601号に開示されている方法に従って実施することができる。
【0024】
加熱され酸性化されたパルプ懸濁液は、第1の反応器(7)に入り、そこでパルプ懸濁液中のセルロースが加水分解され、これは解重合され、すなわち重合度(DP)が低下することを意味する。加水分解プロセス中、局所的な濃度勾配が発生し、反応速度、すなわち加水分解の効率の低下をもたらす可能性がある。この種の状況では、プロセスは最適な状態で機能せず、均一な製品を生成しない。材料の流れの均一性を高め、濃度勾配を除去し、化学物質をよりよく混合し、加水分解効率及び生成物の均一性を高めるために、パルプ懸濁液を反応器内で混合することができる。
【0025】
一実施形態では、混合は、材料が流出する前の反応器内の任意の場所、又は反応器の入口地点の前に配置されたプレミキサ(6)内で起こり得る。プレミキサ及び反応器では、化学パルプ繊維はまだ微結晶セルロースに加水分解されておらず、セルロース又はパルプの化学的及び物理的特性を依然として有する。これは、セルロースが、国際連合食糧農業機関によって定義された微結晶セルロースの定義を満たさないことを意味する。
【0026】
一実施形態では、混合は、ミキサ(8)を使用して反応器(7)内で起こる。一実施形態では、プロセス混合物は、加水分解プロセス中に少なくとも1つの反応器内で混合される。1つ又は複数の反応器内での混合は、加水分解の効率を改善するために均質なプロセス混合物を生成するのに役立つ。
【0027】
一実施形態では、混合は、加水分解反応器の出力で、又はミキサ(9)内の反応器の出力後のプロセスラインで、又はミキサ(10)内のMCC(13)の取り出し前のプロセスライン(27)の最後で行うこともできる。
【0028】
特定の実施形態では、前述のミキサのいずれかにおける混合は、以下の代替形態の1つによって独立して説明することができる。
1.パルプ懸濁繊維が微結晶セルロースに変換されておらず(すなわち、加水分解されていない)、依然として少なくとも部分的に高重合度によって記述される固体繊維形態である場合、混合効果は均質な混合物の生成である。
2.加水分解プロセスが既に完了し、a)パルプが、必ずしも物理的な意味ではないが、化学的な意味で、微結晶セルロースに加水分解されている(パルプ及び/又はMCC粒子が依然として緩く結合しているか又は繊維様形態で凝集していることを意味する)か、又はb)パルプが、化学的及び物理的な意味で、微結晶セルロースに加水分解されている(パルプが完全に加水分解されていることを意味する)場合、混合の効果は、材料を粒子様MCCに分解すること、及び/又は粒径分布等の最終生成物の特性を調整することである。
【0029】
特定の実施形態では、生成されたMCCは、更なる処理、例えば洗浄、乾燥、及び充填等のためにプロセスライン(17)を通って流れ得る。一実施形態では、第1の反応器からの加水分解されたプロセス混合物は、更なる加水分解のために第2の反応器に供給される。
【0030】
特定の実施形態では、材料の流れは、第1の加水分解反応器を出た後、第2の加水分解反応器に導かれる。一実施形態では、依然として少なくとも部分的に繊維形態である材料の流れが、第2の加水分解反応器に導かれる。一実施形態では、プロセス混合物は、第1の反応器と第2の反応器との間で少なくとも1回混合される。
【0031】
特定の実施形態では、加水分解プロセスは、第2の加水分解反応器(19)で継続する。第2の反応器のプロセス及び反応は、上述の第1の反応器のプロセス及び反応と同様である。
【0032】
第2の反応器内の加水分解プロセス中、局所的な濃度勾配が発生し、反応速度、すなわち加水分解の効率の低下をもたらす可能性がある。この種の状況では、プロセスは最適な状態で機能せず、均一な製品を生成しない。材料の流れの均一性を高め、濃度勾配を除去し、化学物質をよりよく混合し、加水分解効率及び生成物の均一性を高めるために、パルプ懸濁液を反応器内で混合することができる。
【0033】
一実施形態では、混合は、材料が流出する前に、ミキサ(23)を使用して反応器(19)内の任意の場所で行うことができる。反応器では、化学パルプ繊維はまだ微結晶セルロースに加水分解されておらず、セルロース又はパルプの化学的及び物理的特性を依然として有する。
【0034】
特定の実施形態では、前述のミキサのいずれかにおける混合は、以下の代替形態の1つによって独立して説明することができる。
1.パルプ懸濁繊維が微結晶セルロースに変換されておらず(すなわち、加水分解されていない)、依然として少なくとも部分的に高重合度によって記述される固体繊維形態である場合、混合効果は均質な混合物の生成である。
2.加水分解プロセスが既に完了し、a)パルプが、必ずしも物理的な意味ではないが、化学的な意味で、微結晶セルロースに加水分解されている(パルプ及び/又はMCC粒子が依然として緩く結合しているか又は繊維様形態で凝集していることを意味する)か、又はb)パルプが、化学的及び物理的な意味で、微結晶セルロースに加水分解されている(パルプが完全に加水分解されていることを意味する)場合、混合の効果は、材料を粒子様MCCに分解すること、及び/又は粒径分布等の最終生成物の特性を調整することである。
【0035】
一実施形態では、混合は、ミキサ(24)を使用して第2の加水分解反応器からの材料の流出時に、又はミキサ(25)を使用して反応器に直接続くプロセスラインで行うこともできる。
【0036】
特定の実施形態では、パルプ又はプロセス混合物の混合は、第1の反応器、第1又は第2の反応器、第1又は第2の反応器の流出地点、第1と第2の反応器の間のプロセスライン内の地点、及び/又はプロセスの流出地点に入る前から独立して選択されるプロセスの1つ又は複数の地点で行われてもよい。
【0037】
一実施形態では、プロセスは、第1の反応器に入る前のプロセス混合物又はパルプの予備混合、並びに第1又は第2の反応器、第1又は第2の反応器の流出地点、第1及び第2の反応器の間のプロセスラインの地点、及び/又はプロセスの流出地点から独立して選択されるプロセスの地点の1つ又は複数の追加の混合工程を含む。
【0038】
特定の実施形態では、酸は、プロセスの1つ又は複数の時点でパルプ又はプロセス混合物に添加され得る。一実施形態では、酸は、ブースターポンプ(4)の前又は後に、少なくともプロセスライン(14)でパルプ又はプロセス混合物に添加される。特定の実施形態では、酸は、第1の反応器を出るとき及び/又は第2の反応器(15)に入る前に、ミキサ(9)内のプロセス混合物に添加され得る。一実施形態では、酸は、第1の反応器と第2の反応器との間でプロセス混合物に添加される。
【0039】
一実施形態では、パルプを加水分解温度まで加熱するために使用されるプロセス蒸気(5)は、ブースターポンプの前又は後のいずれかでプロセスラインに供給される。一実施形態では、追加のプロセス蒸気(16)が、第1の反応器と第2の反応器との間のプロセスラインに供給される。
【0040】
一実施形態では、添加された蒸気は、プロセス混合物を約80~185℃、又は90~175℃、又は100~165℃、又は120~160℃の温度に加熱する。一実施形態では、追加された蒸気を使用して、パルプ懸濁液を約130~160℃に加熱する。
【0041】
酸をプロセス混合物に添加して、パルプを加水分解して微結晶セルロースにする。一実施形態では、酸は、鉱酸及び有機酸からなる群から選択される。使用される酸は、鉱酸であってもよい。一実施形態では、酸は、硫酸、塩酸、硝酸、又はそれらの任意の混合物からなる群から選択される。
【0042】
一実施形態では、酸は、固体の量に対して0.2~10重量%の量でプロセス混合物に添加される。
【0043】
パルプ及び製紙産業における混合用途に使用される高剪断ミキサは、パルプの濃度が6~15%のレベルまで上昇したとき、より典型的にはパルプが濃度範囲8~13%で処理されたときに形成される繊維網を破壊する能力を有する。例えば、10%の濃度では、パルプはフロックと呼ばれる繊維の群を形成し、そのサイズは2~20mmの範囲である。単一の繊維フロックは、数万本の繊維からなる。繊維網の破壊は、単一の繊維又は微小フロックを処理するため、又は繊維と接触する化学物質を得るために不可欠である。
【0044】
一実施形態では、混合は、約0.01~15.0×10W/mのエネルギー散逸で行われる。特定の実施形態では、混合は、低強度0.01~1.0×10W/m又は高強度1.0~15.0×10W/mを使用して実施することができる。一実施形態では、混合は、約1.0~5.0×10W/mのエネルギー散逸で行われる。
【0045】
一実施形態では、混合時間は0.1~180秒である。特定の実施形態では、混合時間は、0.1~30.0秒、又は0.1~10.0d、又は0.1~5.0秒である。
【0046】
一実施形態では、プロセス混合物を第1の反応器で完全に混合して、パルプ中のセルロースの完全な加水分解を達成する。加水分解が完了したら、加水分解されたパルプを第1の反応器から取り出し、短時間混合して生成物MCCを均質化する。一実施形態では、加水分解されたプロセス混合物を反応器から取り出すと直ちに混合が行われる。一実施形態では、反応器からプロセス混合物を取り出した後に、追加の混合が行われる。
【0047】
特定の実施形態では、MCCは、半バッチ又は連続的に形成される。特定の実施形態では、MCCは連続的に形成される。
【0048】
一実施形態では、加水分解されたプロセス混合物は、第1の反応器から取り出され、短時間混合されて、プロセスライン(17)に供給される完全に混合された中間プロセス混合物を提供する。一実施形態では、中間プロセス混合物の供給は、バルブ(12)によって制御される。
【0049】
一実施形態では、プロセス混合物は、ミキサ(10、25)を使用してプロセスラインから取り出す直前に混合されて、所望の特性を有するMCC生成物を生成し得る。
【0050】
プロセスラインから取り出した後、MCC生成物を乾燥等の処理工程に供することができる。
【0051】
特定の実施形態では、プロセスライン内及び/又は反応器間のプロセス混合物の流れは、ポンプ(4、11、26)及びバルブ(12、18)を使用して制御することができる。
【0052】
本開示の方法は、小さな粒径及び狭い粒径分布を有するMCCの製造を可能にするという追加の有用性を有する。
【0053】
MCCを製造するためのシステムも開示される。一実施形態では、MCCを製造するためのシステムは、上述の方法を実施する。MCCを製造するためのシステムは、少なくとも1つの反応器を含む。一実施形態では、システム内の各反応器は、少なくとも1つのミキサを含む。一実施形態では、システムは、加水分解プロセスが実行される第1の反応器を含む。特定の実施形態では、システムは、少なくとも第1及び第2の反応器を含む。パルプは、プロセスライン(14)によって第1の反応器に接続されたポンプ輸送容器(2)からシステムに供給される。
【0054】
一実施形態では、プロセスラインは、パルプに酸を供給するための手段を含む。一実施形態では、プロセスラインは、パルプに酸を供給するための手段と、パルプに蒸気を供給するための手段とを含む。一実施形態では、システムは、プロセス混合物を輸送するための少なくとも1つのポンプを含む。一実施形態では、プロセスラインはまた、パルプ及び酸を混合して均質なプロセス混合物を形成するためのミキサ(6)を含む。一実施形態では、システムは、少なくとも1つの反応器の外側に少なくとも1つのミキサを含む。
【0055】
プロセスラインから、プロセス混合物を第1の反応器に供給する。第1の反応器中で所定の滞留時間の後、プロセス混合物を第1の反応器から取り出す。一実施形態では、プロセス混合物は、第1の反応器から取り出した後に短時間混合される。一実施形態では、システムは、少なくとも1つの反応器の各々の出口に少なくとも1つのミキサを含む。
【0056】
一実施形態では、第1の反応器から取り出されたプロセス混合物は、後に第1の反応器から取り出されるとすぐに短時間混合されてMCC組成物を形成し、これは第2のプロセスライン(17)に送られる。特定の実施形態では、第2のプロセスラインは、第1の反応器からのMCC組成物の流れを制御するためのポンプ及び/又はバルブを含む。一実施形態では、第2のプロセスラインは、MCC組成物がシステムから取り出される(MCCアウト、13)前にMCC組成物を混合するミキサ(10)を含む。一実施形態では、システムは、プロセスライン内に少なくとも1つのミキサを含む。
【0057】
一実施形態では、MCCを製造するためのシステムは、第2のプロセスライン(17)によって第1の反応器に接続された第2の反応器(19)を含む。特定の実施形態では、第2のプロセスラインは、第1の反応器からのプロセス混合物の流れを制御するためのポンプ及び/又はバルブを含む。特定の実施形態では、第2のプロセスラインは、第2の反応器の前にプロセス混合物を加熱するためにプロセス混合物に蒸気(16)を添加するための手段を含む。一実施形態では、第2のプロセスラインは、酸(15)をプロセス混合物に添加するための手段を含む。
【0058】
一実施形態では、酸は、第1の反応器と第2の反応器との間でプロセス混合物に添加される。一実施形態では、第1の反応器を出るプロセス混合物の混合に関連して、酸(20)をプロセス混合物に添加することができる。一実施形態では、第2のプロセスラインは、第2の反応器へのプロセス混合物の流れを制御するためのバルブ(12)を含む。一実施形態では、第2のプロセスラインは、第2の反応器に入る直前にプロセス混合物を短時間混合するためのミキサ(10)を含む。一実施形態では、システムは、酸をプロセス混合物及び/又はプロセスラインに添加するための手段を含む。
【0059】
第2の反応器では、プロセス混合物に含まれるセルロースの加水分解が完了してMCC組成物が形成される。一実施形態では、第2の反応器は、プロセス混合物の完全な混合及びセルロースの完全な加水分解を確実にするためのミキサ(23)を含む。第2の反応器中での所定の滞留時間の後、形成されたMCC組成物を取り出す。一実施形態では、MCC組成物は、第2の反応器から取り出されるとすぐに短時間混合され、第3のプロセスライン(21)に供給される。一実施形態では、第3のプロセスラインは、プロセス混合物がシステム(22)から取り出される前にプロセス混合物を混合するミキサ(25)を含む。特定の実施形態では、第3のプロセスラインは、システムからのMCC組成物の流れを制御するためのポンプ及び/又はバルブを含む。
【0060】
特定の実施形態では、システムは、半バッチ方式又は連続方式で動作する。特定の実施形態では、システムは連続的に動作する。
【0061】
MCC組成物がシステムから取り出されると、任意の最終処理がそれに適用され得る。そのような処理の非限定的な例は、MCC組成物から水を除去すること、MCCを乾燥させること、及び/又はプロセス若しくはシステムで形成されたMCCを粒径によって選別することである。
【0062】
本開示のシステムは、小さな粒径及び狭い粒径分布を有するMCCの製造を可能にするという追加の有用性を有する。
【0063】
本開示の方法又はシステムを使用して、均一なサイズ分布及び小さな粒径を有するMCCを製造することが可能である。様々な混合工程を調整することにより、製造されたMCCの粒径を所望の値に調整し、狭く均一なサイズ分布を有するMCC製品を提供することが可能である。
【0064】
上記の方法によって得られるMCCが本明細書に開示される。上記方法を使用して上記システムによって得られるMCCが本明細書に開示される。
【0065】
本明細書に記載の方法を使用して又は本明細書に記載のシステムで形成されたMCC生成物は、約10~250μmの平均粒径を有し得る。特定の実施形態では、MCCは、20~200μm、25~150μm、30~100μm、35~75μmの平均粒径を有する。
【0066】
形成されたMCCのd10は30μm未満であり得、d50は60μm未満であり得、d90は300μm未満であり得る。特定の実施形態では、MCCは、28μm未満、又は26μm未満、又は24μm未満、又は22μm未満、又は20μm未満のd10、55μm未満、又は50μm未満、又は45μm未満、又は40μm未満、又は35μm未満、又は30μm未満のd50、及び275μm未満、又は250μm未満、又は225μm未満、又は200μm未満、又は175μm未満のd90を有する。
【0067】
形成されるMCCのd比は、1.0~6.0の範囲内であり得る。特定の実施形態では、MCCのd比は、6.0未満、又は5.5未満、又は5.0未満、又は4.5未満、又は4.0未満である。
【0068】
記載された方法における1つ又は複数の混合の混合速度及び混合時間を変えることにより、プロセスで形成されるMCCのサイズ及びサイズ分布の両方を制御することが可能である。
【0069】
D値(d10、d50及びd90)は、粒子の何パーセント(10%、50%、又は90%)が特定のマイクロメートルサイズを超えているかを示す。d比は
【数1】

を意味し、粒径分布の幅を表す。d比が大きいほど、サイズ分布が広くなる。通常、鋭い狭い粒径分布が望ましいのは、特定の製品により正確な特性を与えるからである。
【0070】
一実施形態では、本開示のMCC製品は、医薬品用途、化粧品、食品及び飲料用途に使用することができ、又はそれらの任意の組合せが更に開示される。
【0071】
本明細書に記載のMCC製品は、他の方法で製造されたMCCと比較して、小さい粒径及び狭い粒径分布の両方を有するという追加の有用性を有する。
【0072】
本明細書に記載のMCC組成物は、他の方法で製造されたMCCと比較して、小さい粒径及び狭い粒径分布の両方を有するという追加の有用性を有する。
【実施例
【0073】
ここで、様々な実施形態を詳細に参照する。
【0074】
以下の説明は、当業者が本開示に基づく実施形態を利用することができるような詳細ないくつかの実施形態を開示する。実施形態の全ての工程又は特徴が詳細に説明されているわけではなく、工程又は特徴の多くは、本明細書に基づいて当業者には明らかであろう。
【0075】
以下の例は、加水分解反応中又は加水分解反応後に行われる場合に、混合がMCC生成物の特性にどのように影響するかを記載する。定義:d値(d10、d50、及びd90)は、粒子の何パーセント(10%、50%、又は90%)が特定のマイクロメートルサイズを下回るかを示す。d比は
【数2】

を意味し、粒径分布の幅を表す。d比が大きいほど、サイズ分布が広いことを示す。通常、鋭い狭い粒径分布が望ましいのは、特定の製品により正確な特性を与えるからである。
【0076】
例1
加水分解後のMCC粒径分布に対する混合の効果
広葉樹ベースの化学パルプを原料として使用して、2つの微結晶セルロース生成物、MCC1及びMCC2を調製した。これらの生成物の粒径d値及びd比を表1に示す。
【表1】
【0077】
MCC1及びMCC2の平均粒径は、それぞれ55.2μm及び50.8μmであった。酸加水分解プロセスでは、穏やかな反応条件を使用したため、d90値は359.7(MCC1)及び280.5(MCC2)の高いレベルのままであった。d比は、MCC1は6.2であり、MCC2は5.2であった。したがって、両方の生成物は非常に広い粒径分布を有していた。両方の生成物を加水分解後に中性pHに洗浄した。
【0078】
平均粒径、及び特に粒径分布の幅を調整してはるかに低いd比を達成するために、MCC生成物に対して混合実験を行った。
【0079】
加水分解プロセス後に5%の濃度を使用してMCC1を混合するために高剪断ミキサを使用した。ミキサのrpm値を変更し、5秒~635秒の混合時間を使用した。
【0080】
図3は、異なるrpm及び混合時間を使用してMCC1を混合した後のd比の値を示す図である。ミキサとしては、切断型ミキサを使用した。図3は、短い5~15秒の混合後でも、d比値が約40%減少することを示す。高rpmを使用すると、MCCのd90値は、5秒後に359.7μmから230.9μmに減少し、15秒後に178.7μmに減少する。これは、より大きな粒子の部分が減少し、d比が減少し、粒径分布がより狭くなることを意味する。図4は、混合前のMCC1の粒径分布を示し、図5は、15秒混合後のMCC1の粒径分布を示す。
【0081】
サイズ分布に対する混合効果の効果は、加水分解後に短い混合を使用する場合に明らかである。短い混合は、分布三峰性形状を除去し、より均一な分布形態に変換する。同時に、平均粒径は55.2μmから42.3μmに減少する。
【0082】
図6は、MCC2に対する混合の効果を示す。使用した混合濃度は10%であり、MCC-水スラリーを80℃に加熱してから混合し、5000rpmを使用した。使用したミキサデバイスは、前の場合と比べて、剪断生成型ミキサであった。
【0083】
図6は、短い15秒の時間が、ほぼ40%の減少である、d比5.2を3.2に減少させるのに十分であることを示す。より大きな粒子の一部を示すd90値は、混合前は280.5μmであり、15秒後に124.9μmに減少する。同時に、平均粒径は50.8μmから34.9μmに減少する。
【0084】
例2
MCC粒径分布に対する加水分解中の混合の効果
MCC製造における酸加水分解中の混合の効果を見るために、Lodige DVT5反応器を使用した。反応器に加熱ジャケットを装備し、蒸気を熱媒体として使用した。Lodigeの反応器チャンバの直径は200mm、高さは230mmであり、反応器の体積は7.2dmであった。制御ユニットから、チョッパー(直径50mm、最大rpm3000、最大達成可能周速7.9m/s)及び混合ブレード(直径190mm、最大rpm250、最大達成可能周速2.5m/s)のrpmを調整することが可能であった。チョッパーミキサは、反応スラリーに高い剪断力を与えるために使用される流動化ミキサであったが、ブレードは撹拌用であった。10%の反応濃度、1.5%の硫酸投入量、150℃の温度、30のPファクターをMCC製造に使用した。表2は、3つの試験点の得られた粒径を示す。
【表2】
【0085】
表2より、混合強度を大きくすることにより、製造される粒径が小さくなり、粒径分布が狭くなり、d比が小さくなることが分かる。
【0086】
技術の進歩に伴い、基本的な考え方が様々な方法で実現され得ることは当業者には明らかである。したがって、実施形態は上記の例に限定されず、代わりに、それらは特許請求の範囲内で変化し得る。
【0087】
上述した実施形態は、互いに任意の組合せで使用することができる。いくつかの実施形態を組み合わせて、更なる実施形態を形成してもよい。本明細書中に開示される方法、システム又はMCC組成物は、本明細書中で上に記載される実施形態のうちの少なくとも1つを含み得る。上記の利益及び利点は、1つの実施形態に関連してもよく、又はいくつかの実施形態に関連してもよいことが理解されよう。実施形態は、記載された問題のいずれか又は全てを解決するもの、又は記載された利益及び利点のいずれか又は全てを有するものに限定されない。「ある(an)」項目への言及は、それらの項目のうちの1つ又は複数を指すことが更に理解されよう。「含む(comprising)」という用語は、本明細書では、1つ又は複数の追加の特徴又は動作の存在を除外することなく、その後に続く特徴(複数可)又は動作(複数可)を含むことを意味するために使用される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【手続補正書】
【提出日】2023-05-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
微結晶セルロース(Microcrystalline Cellulose:MCC)を調製するための方法であって、
a.反応器内でパルプ混合物を酸加水分解して、加水分解されたプロセス混合物を得ることと、
b.前記加水分解されたプロセス混合物を混合してMCCを形成することであって、前記プロセス混合物が、前記加水分解プロセス中に前記少なくとも1つの反応器内で混合され、前記混合が、約1.0~15.0×10 W/m のエネルギー散逸及び5~180秒の混合時間で行われることと、
含み
形成されるMCCのd比は、6.0未満である、方法。
【請求項2】
前記加水分解されたプロセス混合物を前記反応器から取り出すと直ちに1回の混合が行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記反応器から前記プロセス混合物を取り出した後に、追加の混合が行われる、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記MCCが連続的に形成される、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
第1の反応器からの前記加水分解されたプロセス混合物が、更なる加水分解のために第2の反応器に供給される、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
酸が、前記第1の反応器と前記第2の反応器との間で前記プロセス混合物に添加される、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記第1の反応器から取り出した前記加水分解されたプロセス混合物が、前記第2の反応器に供給する前に混合される、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記プロセス混合物が、前記第1の反応器と前記第2の反応器との間で少なくとも1回混合される、請求項1~のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
少なくとも1つの反応器を含む、請求項1~のいずれか一項の方法に従う、MCCを調製するためのシステムであって、前記システムが前記少なくとも1つの反応器の各々に少なくとも1つのミキサを含み、混合が、約1.0~15.0×10 W/m のエネルギー散逸で行われ、及び前記プロセス混合物及び/又はプロセスラインに酸を添加するための手段を含む、システム
【請求項10】
前記システムが、前記プロセス混合物を輸送するための少なくとも1つのポンプを含む、請求項に記載のシステム。
【請求項11】
前記システムが、前記少なくとも1つの反応器の外側に少なくとも1つのミキサを含む、請求項9又は10に記載のシステム。
【請求項12】
前記システムが、前記少なくとも1つの反応器の各々の出口に少なくとも1つのミキサを含む、請求項11のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項13】
前記システムが、前記プロセスライン内に少なくとも1つのミキサを含む、請求項12のいずれか一項に記載のシステム。
【国際調査報告】