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特表2024-519416イセチオン酸塩を実質的に含まない水和性濃縮界面活性剤組成物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-13
(54)【発明の名称】イセチオン酸塩を実質的に含まない水和性濃縮界面活性剤組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/36 20060101AFI20240502BHJP
   A61K 8/34 20060101ALI20240502BHJP
   A61K 8/42 20060101ALI20240502BHJP
   A61Q 1/14 20060101ALI20240502BHJP
   A61K 8/46 20060101ALI20240502BHJP
【FI】
A61K8/36
A61K8/34
A61K8/42
A61Q1/14
A61K8/46
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2023567180
(86)(22)【出願日】2022-04-25
(85)【翻訳文提出日】2023-12-13
(86)【国際出願番号】 EP2022060870
(87)【国際公開番号】W WO2022233624
(87)【国際公開日】2022-11-10
(31)【優先権主張番号】21171969.5
(32)【優先日】2021-05-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TWEEN
(71)【出願人】
【識別番号】521042714
【氏名又は名称】ユニリーバー・アイピー・ホールディングス・ベスローテン・ヴェンノーツハップ
(74)【代理人】
【識別番号】100114188
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100119253
【弁理士】
【氏名又は名称】金山 賢教
(74)【代理人】
【識別番号】100124855
【弁理士】
【氏名又は名称】坪倉 道明
(74)【代理人】
【識別番号】100129713
【弁理士】
【氏名又は名称】重森 一輝
(74)【代理人】
【識別番号】100137213
【弁理士】
【氏名又は名称】安藤 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100143823
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 英彦
(74)【代理人】
【識別番号】100183519
【弁理士】
【氏名又は名称】櫻田 芳恵
(74)【代理人】
【識別番号】100196483
【弁理士】
【氏名又は名称】川嵜 洋祐
(74)【代理人】
【識別番号】100160749
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100160255
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 祐輔
(74)【代理人】
【識別番号】100219265
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 崇大
(74)【代理人】
【識別番号】100146318
【弁理士】
【氏名又は名称】岩瀬 吉和
(74)【代理人】
【識別番号】100127812
【弁理士】
【氏名又は名称】城山 康文
(72)【発明者】
【氏名】ヒバン,ダグラス・ジョン
(72)【発明者】
【氏名】モアデル,ティアヌーシュ
(72)【発明者】
【氏名】ヴァスデヴァン,ティルチライ・ヴァラハン
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AB032
4C083AB051
4C083AB332
4C083AC071
4C083AC072
4C083AC122
4C083AC241
4C083AC242
4C083AC301
4C083AC311
4C083AC401
4C083AC402
4C083AC471
4C083AC641
4C083AC661
4C083AC662
4C083AC711
4C083AC712
4C083AC791
4C083AC792
4C083AC851
4C083BB05
4C083BB07
4C083CC23
4C083CC24
4C083DD27
4C083EE03
4C083FF05
(57)【要約】
本発明は、水和性濃縮界面活性剤組成物に関する。この組成物は注入可能であり、希釈が容易で、硫酸塩及びオイルを実質的に含まず、C-C14の酸、アルコール、アミド又はそれらの混合物、アニオン性界面活性剤、及び両性界面活性剤、両性イオン界面活性剤又はその両方を含む。その組成物はラメラ相であり、希釈すると増粘して等方相に変化する。この組成物は実質的にイセチオン酸塩を含まず、少量の濃縮物として使用され、使用及び必要に応じて希釈することができ、又は詰め替え包装中で水によって希釈してプラスチック廃棄物の削減を確実にする濃縮物として使用することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)アニオン性界面活性剤;
b)両性及び/又は両性イオン界面活性剤;
c)C-C14酸、C-C14アルコール及び/又はC-C14アミド;
d)ラメラ前駆体組成物を形成する30~85重量%の水、又は等方性最終用途組成物を形成する65%~95重量%の水、及び
e)構造化剤
を含むクレンジング組成物であって、
前記アニオン性界面活性剤の0.0075重量%未満がイセチオン酸塩であり、
前記アニオン性界面活性剤が35~100重量%のタウレート、好ましくは100重量%のタウレートであり、さらに
前記クレンジング組成物が1重量%未満の硫酸塩を含み、好ましくは硫酸塩を全く含まず、
pHが4.9~6.0であるクレンジング組成物。
【請求項2】
前記組成物が実質的にオイル及び硫酸塩を含まず、好ましくはオイル及び硫酸塩を含まず、
前記前駆体組成物が3~20重量%、好ましくは6~15重量%又は、より好ましくは7~12重量%のアニオン性界面活性剤及び6~25重量%、好ましくは12~22重量%の両性イオン界面活性剤を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記アニオン性界面活性剤がタウレート又はタウレートとグリシネートの混合物である、前記請求項のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項4】
前記アニオン性界面活性剤がタウリン酸アシルを含む、請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
前記界面活性剤がグリシン酸アシルを含む、請求項3又は4に記載の組成物。
【請求項6】
前記組成物がさらに、レゾルシノール、ナイアシンアミド、12-ヒドロキシステアリン酸又はこれらの混合物を含む、前記請求項のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項7】
前記構造化剤がPEG150ペンタエリスリトールテトラステアレートを含む、前記請求項のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項8】
前記組成物が安息香酸ナトリウムを含む、前記請求項のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項9】
前記組成物が、当該組成物の30~85重量%の水を含む、前記請求項のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項10】
前記組成物が、65重量%超~95重量%の水を含む、請求項1~8のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項11】
前記最終用途組成物が、前記前駆体組成物の粘度より高い粘度を有する、請求項10に記載の組成物。
【請求項12】
前記最終用途組成物が7未満のpH並びに25℃でギャップ100ミクロン及びせん断速度4~15s-1を用いる流量計を用いて測定される粘度1,000~20,000cps(1,000~20,000mPa-s)、好ましくは3,000~12,000cps(3,000~12,000mPa-s)を有する、請求項10又は11に記載の組成物。
【請求項13】
前記組成物がイセチオン酸塩を全く含まず、硫酸塩を全く含まず、ベタインを含む両性イオン性界面活性剤を含む、請求項10~12のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項14】
請求項10~13のいずれか1項に記載の最終用途クレンジング組成物の製造方法であって、
a)請求項9に記載の組成物を水と組み合わせて、水と水和性組成物の混合物を製造する段階;
b)当該混合物を攪拌及び/又は剪断する段階
によって最終用途クレンジング組成物を提供することを含み、
前記最終用途組成物が、水和性前駆体クレンジング組成物の粘度より高い粘度を有する方法。
【請求項15】
皮膚をクレンジングするための請求項10~13のいずれか1項に記載の組成物の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水和性濃縮界面活性剤組成物に関する。この組成物は注入可能であり、硫酸塩及び油を実質的に含まず、C-C14の酸、アミド、アルコール又はそれらの混合物、アニオン性界面活性剤、及び両性界面活性剤、両性イオン界面活性剤又はその両方を含む。その水和性濃縮界面活性剤組成物はさらに構造化剤を含み、アニオン性界面活性剤は0.0075重量%未満のイセチオン酸塩を含む。
【背景技術】
【0002】
シャンプーやボディウォッシュなどの液体ベースのクレンジング組成物は一般的であり、多くの消費者に愛用されている。このような組成物は代表的には、主成分として水を含み、多くの場合、プラスチック製の瓶又はチューブに入れて販売される。その組成物は従来において、消費者が使用するのに慣例的であり、販売されているパッケージからの排出が容易になるような粘度を有するように製剤されている。
【0003】
世界の海には間もなく魚よりもプラスチックの方が多くなるだろうと宣伝されることが多い。環境上の懸念及び消費者や意識の高い企業が地球のためにもっと取り組みを行うという要望を考慮すると、消費者向け製品を含む製品を販売する際には、プラスチックの使用を減らしたいという強い願望がある。これを考慮して、製品を濃縮物の形で販売することで、水分の少ない製品を出荷する努力が払われてきた。濃縮物の難しさは、消費者が濃縮物にさらに水を加えたり、濃縮物を最終使用可能な製品に変えるための撹拌や振盪などのさらなる作業を好まないことが多い点である。水和製品に関しては、水を加えた後に製品が均一でない、及び/又は望ましくない粘度になるという一般的な苦情がある。
【0004】
注ぐのも水和するのも簡単で、5分以内にすぐに使用でき、粘度などの非常に望ましい特性を備えた消費者製品となる濃縮物を開発することへの関心が高まっている。また、硫酸塩を実質的に含まず、プラスチック廃棄物を減らすために詰め替えパッケージで使いやすい濃縮物を開発することも望ましい。したがって、本発明は、C-C14の酸、アミド、アルコール又はそれらの混合物、アニオン性界面活性剤、及び両性界面活性剤、両性イオン界面活性剤又はその両方を含む水和性濃縮組成物に関する。その組成物はさらに構造化剤を含み、アニオン性界面活性剤が含むイセチオン酸塩は0.0075重量%未満である。その組成物はラメラ相であり、予想外に、希釈すると増粘して等方相に変化する。この組成物は、必要に応じて希釈される、又は詰め替え包装中で水によって希釈してプラスチック廃棄物の削減を確実にする濃縮物として使用することができる。さらに、本発明の組成物は、酸性活性物質をより良く収容するために、低pHで製剤することができる。
【0005】
追加情報
洗浄組成物を製造するための努力が開示されている。米国特許出願公開第2019/0314258A1号には、流動的に液化する(rheofluidifying)濃縮発泡組成物が記載されている。
【0006】
洗浄組成物を製造するためのさらなる努力が開示されている。WO2019/074992A1及びWO2019/074993A1には、無機塩が低量である硫酸塩を含まないパーソナルクレンジング組成物が記載されている。
【0007】
洗浄組成物を製造するための他の努力も開示されている。米国特許出願公開第2018/098923A1号には、硫酸化界面活性剤を実質的に含まないパーソナルケア組成物が記載されている。
【0008】
洗浄組成物を製造するためのさらに他の取り組みが開示されている。米国特許出願第2019/282480A1号には、N-アシル酸性アミノ酸又はその塩及び両性界面活性剤を含む自己増粘性クレンジング組成物が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国特許出願公開第2019/0314258A1号
【特許文献2】WO2019/074992A1
【特許文献3】WO2019/074993A1
【特許文献4】米国特許出願公開第2018/098923A1号
【特許文献5】米国特許出願第2019/282480A1号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
いかなる追加情報も、本発明に記載及び特許請求されているような界面活性剤含有組成物を記載していない。
【課題を解決するための手段】
【0011】
第1の態様において、本発明は、25~10,000cps(好ましくは25~7,500cps、より好ましくは250~3,500cps)の粘度を有する水和性濃縮界面活性剤組成物であって、1:1~1:10(好ましくは1:1~1:7、より好ましくは1:1.5~1:6、最も好ましくは1:1.75~1:3)の組成物対水の重量比で水で希釈した場合に、当該組成物が増粘して粘度が上昇することで、1,000~20,000cps(好ましくは2,000~15,000cps、さらにより好ましくは3,000~12,000cps、最も好ましくは5,000~9,000cps)の粘度を有する最終用途組成物が製造され、当該組成物は1~30重量%のアニオン性界面活性剤を含み、前記アニオン性界面活性剤の0.0075重量%未満がイセチオン酸塩である組成物に関する。
【0012】
第2の態様において、本発明は、前記組成物が構造化剤を含み、希釈時にラメラ形態から等方性形態(すなわち微細構造)に変化する、本発明の第1の態様の水和性濃縮界面活性剤組成物に関する。
【0013】
第3の態様において、本発明は、25~10,000cpsの粘度を有する水和性濃縮界面活性剤組成物であって、当該組成物が、組成物対水の重量比1:1~1:10で水で希釈して、1,000~20,000cpsの粘度を有する最終用途組成物を製造するのに適しており、さらに当該水和性組成物が、
a)0.0075重量%未満のアシルイセチオネートを含むアニオン性界面活性剤;
b)両性及び/又は両性イオン界面活性剤;
c)C-C14の酸、アミド及び/又はアルコール;
d)30~85重量%の水;及び
e)構造化剤
を含み、
前記最終用途組成物が、水和性濃縮界面活性剤組成物の粘度よりも高い粘度を有する組成物に関するものである。
【0014】
第4の態様において、本発明は、
a)0.0075重量%未満のイセチオン酸塩を含むアニオン性界面活性剤;
b)両性及び/又は両性イオン界面活性剤;
c)C-C14の酸、アミド及び/又はアルコール;
d)30~85重量%の水;及び
f)構造化剤
を含む水和性濃縮界面活性剤組成物であって、
前記構造化剤がエトキシル化脂肪酸エステルを含む組成物に関するものである。
【0015】
第5の態様において、本発明は、本発明の最初の四つの態様の水和性濃縮界面活性剤組成物の少なくとも一つを希釈することによって製造される最終用途組成物であって、製造される前記最終用途組成物が、それが調製される水和性濃縮界面活性剤組成物の粘度より高い粘度を有する最終用途組成物に関するものである。
【0016】
第6の態様において、本発明は、皮膚をクリーニングすることによって皮膚を美容的に処置するための、本発明の第5の態様の最終用途組成物の使用に関する。
【0017】
本明細書で使用される場合、修飾語のない「組成物」は、本発明の水和性濃縮界面活性剤組成物及び最終用途組成物を意味することを意味する。本明細書で使用される場合、水和性とは、最初に水分量が30~85重量%である組成物などの水を含む組成物に水を加えること及び/又は加えて吸収させること(すなわち希釈するため)を意味する。本明細書で使用される皮膚とは、腕(脇の下を含む)、顔、足、首、胸、手、脚、臀部及び頭皮(毛髪を含む)の皮膚を含むことを意味する。水和性濃縮界面活性剤組成物(「水和性組成物」)は、水を組成物に添加すると粘度が増加し、それによって局所適用に適した等方性最終用途組成物を生成するラメラ組成物を意味する。本明細書で使用されるラメラとは、水層によって分離された脂質二重層を有する二次元相、光学顕微鏡で見たときに複屈折パターンを有する不透明、かすんだ、及び/又は曇った組成物を意味する。等方性とは、一次元の脂質層と、光学顕微鏡で見たときに複屈折パターンを示さない透明な組成物とを有することを意味する。ラメラ相から等方相への変化は、水和性組成物が水和された後に透明な最終用途組成物になる濃縮物の目視検査によっても確認される。その水和性組成物は、任意に500~1,500cpsの粘度(1Pa-sは1000cpsに相当)を有するのに適した組成物である。最終用途組成物は、拭き取るか洗い流すのに適したものであり、好ましくは水で洗い流す。最終用途組成物はホームケアクリーニング組成物であることができるが、好ましくはシャンプー、メイクアップウォッシュ、洗顔料、ハンドウォッシュ、又はパーソナルケア液体ボディウォッシュである。本発明の1実施形態では、最終用途組成物は、任意に、ボディウォッシュの場合は6,000~12,000cps、ハンドウォッシュの場合は2,000~5,000cpsの粘度を有することができる。最終用途組成物は、任意に、医薬又は治療薬を含んでもよいが、好ましくは、洗浄剤が水溶性及び水不溶性の汚れを除去するような化粧用で非治療用の洗浄剤である。本発明の1実施形態では、最終用途組成物は、卓上又はトイレ洗浄組成物のようなホームケア組成物である。別の実施形態では、最終用途組成物はシャンプー組成物である。さらに別の実施形態では、最終用途組成物は個人用洗浄組成物であり、従って液体ボディウォッシュである。以下に記載するように、本発明の最終用途組成物は、皮膚軟化剤、ビタミン及び/又はその誘導体、レゾルシノール、レチノイン酸前駆体、着色剤、保湿剤、日焼け止め、それらの混合物などの皮膚に有益な成分を加えたものであってもよい。皮膚有益成分(又は薬剤)は、水溶性又は油溶性であり得る。使用される場合、油溶性皮膚有益剤は、代表的には、水和性組成物の最大1.5重量%を構成していることで、水溶性皮膚有益剤は、使用される場合、代表的には、本発明の水和性組成物の最大10重量%を構成する。水和性組成物及び最終用途組成物は、代表的には、pH3.5~10を有する。別断の断りがない限り、粘度は、100ミクロンのギャップ及び4~15s-1のせん断速度を有するサンドブラストプレートを使用するDiscovery HR-2レオメーターで測定される。粘度は25℃で測定される。粘度の増加は、本発明の水和性組成物が、水を添加し、得られる最終用途組成物を製造した後の最終粘度よりも低い開始粘度を有することを意味する。最終用途組成物は、水と水和性組成物を合わせ、混合して(撹拌、好ましくは振盪のような中等度の剪断力で)、それが製造される水和性濃縮物よりも高い粘度を有する最終用途組成物を生成することによって製造される。別の実施形態では、水和性組成物は、例えば消費者の皮膚に直接塗布することができ、水及び剪断力(例えば、シンク又はシャワーからの水と手による剪断)が適用されると、所望の最終用途組成物が作られ得る。本明細書で使用される場合、「硫酸塩を実質的に含まない」とは、最終用途組成物の6.0重量%未満を意味し、「オイルを実質的に含まない」とは、最終用途組成物の0.3重量%未満を意味する。イセチオン酸塩を実質的に含まないとは、アニオン性界面活性剤が、水和性組成物中に、アニオン性界面活性剤の総重量に対してイセチオン酸塩を0.0075重量%未満、好ましくは0.0050重量%未満、最も好ましくは0.0重量%(すなわち、イセチオン酸塩を含まない)含むことを意味する。構造化剤とは、イセチオン酸塩を実質的に含まない水和組成物の粘度を高めるのに適しているものを意味する。ラメラ相薬剤とは、水層によって分離された脂質二重層の形成を誘発する薬剤を意味する。「含む」という用語は、本質的にからなる、及びからなるという用語を包含することを意味する。疑義を避け、説明のために、界面活性剤、水及び活性物質を含む本発明の最終用途組成物は、本質的に同じものからなる組成物及び同じものからなる組成物を含むことを意味する。定義されたすべての範囲は、そこに含まれるすべての範囲を含むことを意味する。操作比較例を除き、又は別断で明示的に示されている場合を除き、材料の量又は比率、又は材料の条件及び/又は物理的特性及び/又は使用を示す本明細書のすべての数字は、「約」という言葉によって修飾されるものとして理解されるべきである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
アニオン性界面活性剤に関しては、アニオン性界面活性剤は代表的には水和性組成物の1.0~30重量%を構成する。本発明の1実施形態において、アニオン性界面活性剤は、水和性組成物の2.0~25重量%、好ましくは3.0~20重量%、最も好ましくは6~15重量%を構成する。さらに別の実施形態では、アニオン性界面活性剤は水和性組成物の7~14重量%を構成する。別の実施形態では、アニオン性界面活性剤は、組成物中で使用されるアニオン性界面活性剤の総重量に対して、5~100重量%、好ましくは30~100重量%、最も好ましくは35~100重量%のタウレート及び/又はグリシン酸塩である。さらに別の実施形態では、アニオン性界面活性剤は、100%タウレート、グリシン酸塩、又は両方の混合物である。
【0019】
水和性組成物に使用される両性及び/又は両性イオン性界面活性剤に関しては、それは代表的には水和性組成物の1.0~45重量%、好ましくは2.0~35重量%、最も好ましくは12~25重量%を構成する。
【0020】
例えば、水和性組成物におけるラメラ相の安定化及び水和を助けるために、C-C14の酸、アミド及び/又はアルコールのようなラメラ相剤が好ましく使用され、代表的には水和性濃縮組成物の1.0~16重量%、好ましくは1.8~12重量%、最も好ましくは3~8重量%を構成する。使用に好ましい薬剤は、ミリスチン酸、ラウリン酸、及びそれらのアルコール若しくはアミド誘導体である。最も好ましい実施形態では、使用されるラメラ相剤はラウリン酸である。さらに別の好ましい実施形態では、ラメラ相剤は、水和性濃縮組成物の4.2~5.2重量%を構成する。
【0021】
無機塩は任意であるが組成物の安定化を助けるためにしばしば望ましい成分である。NaCl、KCl、MgCl、CaCl2、それらの混合物などの代表的な塩を使用することができる。代表的には、無機塩は、水和性濃縮組成物の0~15重量%、好ましくは1~12重量%、最も好ましくは0.75~4.5重量%を構成する。本発明の1実施形態において、塩は水和性濃縮組成物の2.5~3.5重量%を構成する。
【0022】
構造化剤、多くの場合ポリマー粘性助剤は、本発明の水和性組成物における望ましい成分である。本発明での使用に適した構造化剤の具体例としては、ポリアルコキシル化ポリオールと脂肪酸のエステルなどがある。このような構造化剤の例としては、PEG 18グリセロレイン酸塩/ココ酸塩、ポリエチレングリコール6000ジステアレート、PEG-150ジステアレートのINCI名;PEG 120メチルグルコースジオレエート及びPEG 120メチルグルコーストリオレエート(Lubrizolによって入手可能なGlucomate(商標名)DOE-120及びGlucomate(商標名)VLT);PEG-150ペンタエリスリチルテトラステアレート(Crodaから入手可能なCrothix(商標名)、Crothix(商標名) Liquid、及びVersathix(商標名));PEG-150ポリグリセリル-2トリステアレート(Clariantから入手可能なGenapol(登録商標)LT);PEG/PPG-120/10-トリメチロールプロパントリオレエート(BASFによって入手可能なArlypon(登録商標)TT)などがある。親水性ポリアルコキシル化アームの数は、PEG-150ジステアレートでは二つ、Arlypon(登録商標)TTでは三つ、Genapol(登録商標)LT及びCrothix(商標名)、Crothix(商標名) Liquid、及びVersathix(商標名)では四つ、Glucomate(商標名) DOE-120では五つである。
【0023】
好ましい構造化剤(高分子量エトキシル化脂肪酸エステルと分類される)は、PEG 120メチルグルコースジオレエート、並びにPEG 150ペンタエリスリチルテトラステアレートである。使用される構造化剤は、水和性組成物の0.1~1.2重量%、好ましくは0.2~1.0重量%、最も好ましくは0.25~0.8重量%を構成する。本発明の1実施形態では、構造化剤は水和性組成物の0.35~0.65重量%を構成する。
【0024】
本発明の別の実施形態では、本発明の最終用途組成物中に存在する硫酸塩は3.0重量%未満、好ましくは1.0重量%未満であり、最も好ましくは硫酸塩は全く含まれない(0.0重量%)。本発明において、水和性組成物は、希釈時に最終用途組成物中の所望の成分/成分レベル(硫酸塩レベルなど)が達成されるように製剤されるべきである。
【0025】
本発明の水和性濃縮界面活性剤組成物及び最終用途組成物での使用に適したアニオン性界面活性剤に関して、使用されるアニオン性界面活性剤には、脂肪族スルホネート、例えば一級アルカン(例えば、C-C22)スルホネート、一級アルカン(例えば、C-C22)ジスルホネート、C-C22アルケンスルホネート、C-C22ヒドロキシアルカンスルホネート、又はアルキルグリセリルエーテルスルホネート(AGS);又は芳香族スルホネート、例えばアルキルベンゼンスルホネートなどがある。アニオン性物質には、いくつかのアルキルサルフェート(例えば、C12-C18アルキルサルフェート)又はアルキルエーテルサルフェート(アルキルグリセリルエーテル硫酸塩など)などがあり得る。アルキルエーテル硫酸塩の中には、次の式を有するものがある。
RO(CHCHO)SO
式中、Rは炭素数8~18、好ましくは炭素数12~18のアルキル又はアルケニルであり、nは少なくとも1.0、好ましくは5未満、最も好ましくは1~4の平均値を有し、Mはナトリウム、カリウム、アンモニウム又は置換アンモニウムなどの可溶化カチオンである。言及したように、硫酸塩を使用する場合、それは最終用途組成物の6.0重量%未満を構成する。
【0026】
アニオン性物質には、アルキルスルホスクシネート(例えば、モノアルキル及びジアルキルC-C22スルホスクシネートなど);アルキルタウレート及びアシルタウレート(多くの場合、タウリン塩メチル)、アルキルサルコシネート及びアシルサルコシネート、スルホアセテート、C-C22アルキルホスフェート及びホスホネート、アルキルホスフェートエステル及びアルコキシルアルキルホスフェートエステル、アシルラクテート、C-C22モノアルキルスクシネート及びマレエート、スルホアセテート、アルキルグルコシド及びアシルイセチオネートなどもあり得る。
【0027】
スルホスクシネートは、次式を有するモノアルキルスルホスクシネート:
CCHCH(SOM)COM;
及び下記式のアミド-MEAスルホスクシネート:
CONHCHCHCCHCH(SOM)CO
[式中、RはC-C22アルキルの範囲である。]であることができる。
【0028】
サルコシネートは、一般に下記式によって示される。
CON(CH)CHCO
式中、RはC-C20アルキルの範囲である。
【0029】
タウレートは、一般に下記式によって同定される。
CONRCHCHSO
式中、
はC-C20アルキルであり、RはC-Cアルキルである。
Mは前述の可溶化カチオンである。
【0030】
水和性組成物中で使用されるアニオン物質の総重量の0.0075重量%未満がイセチオネートであるべきである。使用する場合、イセチオネートには、C-C18アシルイセチオネート(C1-4アルキル置換、好ましくはメチル置換などの置換されたヘッド基を有するものなど)などがあり得る。これらのエステルは、アルカリ金属イセチオネートと6~18個の炭素原子及び20未満のヨウ素化を有する混合脂肪族脂肪酸との間の反応によって製造される。多くの場合、混合脂肪酸の少なくとも75%が12~18個の炭素原子を有し、最大25%が6~10個の炭素原子を有する。
【0031】
任意に使用しても良い少量のアシルイセチオネートは、Ilardiらの米国特許第5,393,466号:発明の名称「ポリアルコキシル化イセチオン酸の脂肪酸エステル」(1995年2月28日発行;参照によって本明細書に組み込まれる。)に記載のものなどのアルコキシル化イセチオネートであることができる。この化合物は下記一般式を有する。
C--O(O)--C(X)H--C(Y)H--(OCH--CH--SO
式中、Rは8~19個の炭素を有するアルキル基であり、mは1~4の整数であり、X及びYはそれぞれ独立に水素又は1~4個の炭素を有するアルキル基であり、Mは前述の可溶化カチオンである。好ましくは、水和性濃縮組成物は実質的にイセチオネートを含まない。
【0032】
本発明の1実施形態において、使用されるアニオン性界面活性剤は、ラウロイルグリシン酸ナトリウム、ココイルグリシン酸ナトリウム、ラウロイルグルタミン酸ナトリウム、ココイルグルタミン酸ナトリウム、メチルラウロイルタウリン酸ナトリウム、メチルココイルタウリン酸ナトリウム、又はそれらの混合物である。このようなアニオン性界面活性剤は、Galaxy Surfactants、Clariant、Sino Lion、及びInnospecなどの供給者から市販されている。メチルラウロイルタウリン酸ナトリウム、ラウロイルグリシン酸ナトリウム、又はそれらの混合物が、本発明で使用される好ましいアニオン性物質である。
【0033】
本発明での使用に適した両性界面活性剤(pHに応じて両性イオンであり得る)には、アシルアンホ酢酸ナトリウム、アシルアンホプロピオン酸ナトリウム、アシルアンホ二酢酸二ナトリウム及びアシルアンホ二プロピオン酸二ナトリウムなどがあり、アシル(すなわち、アルカノイル基)はC-C18アルキル部分を含むことができる。使用に適した両性界面活性剤の具体例には、ラウロアンホ酢酸ナトリウム、ココアンホ酢酸ナトリウム、及びそれらの混合物などがある。存在する場合、そのような界面活性剤は、水和性組成物の0.01~5重量%、好ましくは0.1~2.5重量%を構成する。
【0034】
本発明で使用できる両性イオン界面活性剤に関しては、そのような界面活性剤は少なくとも一つの酸基を含む。このような酸基は、カルボン酸基又はスルホン酸基であることができる。多くの場合、それらには四級窒素が含まれているため、四級アミノ酸であることができる。それらは通常、炭素原子7~18個のアルキル又はアルケニル基を含む必要があり、一般に下記の全体的構造式に従う。
--[--C(O)--NH(CH--]--N--(R--)(R)A--B
式中、Rは炭素原子数7~18個のアルキル又はアルケニルであり、R及びRは、それぞれ独立に、炭素原子数1~3のアルキル、ヒドロキシアルキル又はカルボキシアルキルであり;qは2~4であり;rは0~1であり;Aはヒドロキシルで置換されていてもよい炭素数1~3のアルキレンであり、Bは-CO-又は-SO-である。
【0035】
本発明で使用するのに適した、上記一般式の範囲内の両性イオン界面活性剤には、次式の簡単なベタイン:
--N--(R)(R)CHCO
及び次式のアミドベタイン:
--CONH(CH--N--(R)(R)CHCO
などがあり、tは2又は3である。
【0036】
両方の式において、R、R及びRは前記で定義の通りである。Rは、特に、基Rの少なくとも半分、好ましくは少なくとも4分の3が10~14個の炭素原子を有するように、ヤシ油由来のC12及びC14アルキル基の混合物であってもよい。R及びRは好ましくはメチルである。
【0037】
さらなる可能性としては、両性イオン性界面活性剤が次の式のスルホベタイン又は--(CHSO が--CHC(OH)(H)CHSO によって置き換わっているこれらのバリアントであるというものである。
--N--(R)(R)(CHSO
又は
--CONH(CH--N--(R)(R)(CHSO
式中、
uは2又は3である。
これらの式において、R、R及びRは前に定義したとおりである。
【0038】
使用に適した両性イオン界面活性剤の例示的な例としては、ココジメチルカルボキシメチルベタイン、コカミドプロピルベタイン及びラウリルアミドプロピルベタインのようなベタイン類などがある。使用に適した追加の両性イオン界面活性剤には、コカミドプロピルスルタインなどがある。このような界面活性剤は、Stepan Companyなどの供給者から市販されており、前述の界面活性剤の混合物を使用することは本発明の範囲内である。好ましい実施形態では、本発明の組成物に使用される両性イオン界面活性剤はコカミドプロピルベタインである。
【0039】
両性イオン界面活性剤が好ましくは使用され、水和性組成物の2~28重量%、好ましくは6~25重量%、最も好ましくは12~22重量%を構成する。本発明の1実施形態において、両性イオン界面活性剤は、水和性濃縮物の16~21重量%を構成する。
【0040】
ノニオン性界面活性剤は、本発明の水和性組成物及び最終用途組成物において任意に使用することができる。非イオン性界面活性剤を使用する場合、それは代表的には、最終用途組成物の0.5、1、1.5又は2重量%という低レベル、及び6、8、10又は12重量%という高レベルで使用される。使用され得るノニオン性物質には、特に、疎水性基及び反応性水素原子を有する化合物、例えば脂肪族アルコール、酸、アミド又はアルキルフェノールとアルキレンオキシド、特にエチレンオキシド単独又はプロピレンオキシドと一緒のものとの反応生成物が挙げられる。具体的なノニオン性界面活性剤化合物は、アルキル(C-C22)フェノールエチレンオキシド縮合物、脂肪族(C-C18)一級若しくは二級直鎖若しくは分枝アルコールとエチレンオキシドとの縮合生成物、及びプロピレンオキシドとエチレンジアミンの反応生成物とエチレンオキシドとの縮合によって製造される生成物である。他のノニオン性界面活性剤には、長鎖三級アミンオキサイド、長鎖三級ホスフィンオキサイド、ジアルキルスルホキシドなどがある。
【0041】
本発明の1態様において、使用されてもよいノニオン性界面活性剤は、以下の構造a)HOCH(CH(CHCHO)H又はb)HOOC(CH(CHCHO)Hを有する脂肪酸/アルコールエトキシレートを含むことができ、式中、s及びvは、それぞれ独立に最大18の整数であり、c及びdは、それぞれ独立に1以上の整数である。本発明の1態様において、s及びvは、それぞれ独立に6~18であり、c及びdは、それぞれ独立に1~30である。ノニオン性界面活性剤の他の選択肢としては、式HOOC(CH-CH=CH--(CH(CHCHO)Hを有するものが挙げられ、式中、i、kは、それぞれ独立に5~15であり、zは5~50である。本発明の別の態様において、i及びkは、それぞれ独立に6~12であり、zは15~35である。
【0042】
ノニオン性物質は、多糖アミドなどの糖アミドも含み得る。具体的には、界面活性剤は、参照により本明細書に組み入れられる1995年2月14日に発行された「Compositions Comprising Nonionic Glycolipid Surfactants」と題されたAuらの米国特許第5,389,279号に記載されているラクトビオナミドの一つであり得、又は界面活性剤は、参照により本出願に組み入れられる1991年4月23日に発行された「Use of N-Poly Hydroxyalkyl Fatty Acid Amides as Thickening Agents for Liquid Aqueous Surfactant Systems」と題されたKelkenbergの米国特許第5,009,814号に記載されている糖アミドの一つであり得る。
【0043】
本発明の1態様において、カチオン性界面活性剤が、本発明の水和性組成物及び最終用途組成物において使用されてもよい。
【0044】
使用されてもよいカチオン性界面活性剤の一つのクラスには、セチル又はステアリルピリジニウムクロリド、アルキルアミドエチルピリリノジウムメチルサルフェート及びラピリウムクロリドなどの複素環式アンモニウム塩などがある。
【0045】
テトラアルキルアンモニウム塩は、必要に応じての使用に適した別の有用なクラスのカチオン性界面活性剤である。例としては、セチル又はステアリルトリメチルアンモニウムクロリド又はブロミド;水添パーム又はタロウトリメチルアンモニウムハライド;ベヘニルトリメチルアンモニウムハライド又はメチルサルフェート;デシルイソノニルジメチルアンモニウムハライド;ジタロウ(又はジステアリル)ジメチルアンモニウムハライド及びベヘニルジメチルアンモニウムクロリドなどがある。
【0046】
使用され得るカチオン性界面活性剤のさらに他のタイプは、様々なエトキシル化された四級アミン及びエステル四級アミンである。例としては、PEG-5ステアリルアンモニウムラクテート(例えば、Clariant製のGenamin KSL)、PEG-2ココアンモニウムクロリド、PEG-15水添獣脂アンモニウムクロリド、PEG15ステアリルアンモニウムクロリド、ジパルミトイルエチルメチルアンモニウムクロリド、ジパルミトイルヒドロキシエチルメチルサルフェート及びステアリルアミドプロピルジメチルアミンラクテートなどがある。
【0047】
必要に応じての使用に適したさらに他の有用なカチオン性界面活性剤には、絹、小麦及びケラチンタンパク質の四級化加水分解物が含まれ、上述のカチオン性界面活性剤の混合物を使用することは本発明の範囲内である。
【0048】
使用される場合、カチオン性界面活性剤は、水和性組成物の1.0重量%以下を構成する。存在する場合、カチオン性界面活性剤は、代表的には、最終用途組成物の0.01~0.7重量%、より代表的には0.1~0.5重量%を構成し、その中に包含される全ての範囲を含む。
【0049】
本発明の1態様において、本発明の最終用途組成物は、ポリマー性四級アンモニウム化合物(その塩を含む)を実質的に含まない。別の態様において、最終用途組成物は、0.1重量%未満のポリマー性四級アンモニウム化合物を含む。さらに別の態様において、最終用途組成物は、0.01重量%未満のポリマー性四級アンモニウム化合物を含む。さらに別の態様において、水和性組成物及び最終用途組成物は、ポリマー性四級アンモニウム化合物を含まない(すなわち、0.0%)。
【0050】
水は、水和性組成物の30~85重量%、代表的には30~78重量%、好ましくは35~75重量%、最も好ましくは、水和性組成物の40~70重量%を構成する。
【0051】
水和性組成物及び最終用途組成物のpHは、代表的には3.5~10、好ましくは4.5~9、最も好ましくは4.7~7.5であり、その中に包含される全ての範囲を含む。pHを改変/緩衝するのに適した調整剤が使用され得る。このようなpH調整剤としては、トリエチルアミン、NaOH、KOH、HSO、HCl、C(すなわち、クエン酸)又はこれらの混合物が挙げられる。pH調整剤は、所望の最終pHをもたらす量で添加される。pH値は、Thermo Scientific(登録商標)から市販されているpH計などの市販の機器を用いて評価され得る。本発明の1実施形態において、最終用途組成物のpHは、4.8~7であり、別の実施形態では4.9~6である。
【0052】
本発明での使用に適した必要に応じて使用される皮膚有益作用物質は、局所的に適用することができる程度のみに限定され、水和性組成物及び最終用途組成物中に所望のpHで溶解するのに適している。
【0053】
組成物の水部分中に含めるのに適した有益作用物質の実例は、ビタミンB、ナイアシンアミド(ビタミンB)、ビタミンB、ビタミンC、これらの混合物などが挙げられる。このようなビタミンの水溶性誘導体も使用され得る。例えば、テトライソパルミチン酸アスコルビル、リン酸アスコルビルマグネシウム及びアスコルビルグリコシドなどのビタミンC誘導体が、単独で又は互いに組み合わせて使用され得る。使用に適した他の水溶性有益作用物質としては、4-エチルレゾルシノール、セージ、アロエベラ、緑茶、ブドウ種子、タイム、カモミール、ノコギリソウ、キュウリ、甘草、ローズマリー抽出物又はこれらの混合物などの抽出物が挙げられる。エンスリゾールのような水溶性日焼け止めも使用され得る。本発明に存在する場合の必要に応じて存在する水溶性有益作用物質(混合物を含む)の総量は、最終用途組成物の総重量に基づいて、0.0~10重量%、好ましくは0.001~8重量%、最も好ましくは0.01~6重量%の範囲であり得る。
【0054】
油(すなわち、非水)溶性有益作用物質を含んでもよいことも本発明の範囲内である。最終用途組成物は、実質的に油を含まず、好ましくは0.15重量%未満の油を有し、最も好ましくは油を有さず(0.0%)、ここで、油は、香料由来の任意の油を含むことを意図されない。したがって、油溶性活性物質又は有益作用物質は、使用される界面活性剤中に可溶化される。このような油溶性有益作用物質に関する唯一の制約は、局所的に適用されたときにこのような油溶性有益作用物質が利益を与えるのに適していることである。組成物は、好ましくは0.15%未満のペトロラタム(ワセリン)を有し、より好ましくはペトロラタムを含まない。
【0055】
本発明の組成物において使用されてもよい油溶性有益作用物質の種類の実例としては、ステアリン酸のような成分、ビタミンA、D、E及びKのようなビタミン(及びそれらの油溶性誘導体)、エチルヘキシルメトキシシンナメート、ビス-エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェノールトリアジン、2-エチルヘキシル-2-シアノ-3,3-ジフェニル-2-プロパン酸、ドロメトリゾールトリシロキサン、3,3,5-トリメチルシクロヘキシル2-ヒドロキシベンゾエート、2-エチルヘキシル-2-ヒドロキシベンゾエート又はこれらの混合物のような日焼け止め剤が挙げられる。
【0056】
使用に適した他の必要に応じて使用される油溶性有益作用物質には、4-ヘキシルレゾルシノール、4-フェニルエチルレゾルシノール、4-シクロペンチルレゾルシノール、4-シクロヘキシルレゾルシノール4-イソプロピルレゾルシノール又はこれらの混合物のようなレゾルシノール類が含まれる。また、4-シクロヘキシル-5-メチルベンゼン-1,3-ジオール、4-イソプロピル-5-メチルベンゼン-1,3-ジオール、これらの混合物などのような5-置換されたレゾルシノールが使用され得る。5-置換されたレゾルシノール及びその合成は、本発明の譲受人に譲渡された米国特許出願公開第2016/0000669号に記載されている。
【0057】
使用に適したさらに他の油溶性活性物質には、ω-3脂肪酸、ω-6脂肪酸、クリンバゾール、ファルネソール、ウルソール酸、ミリスチン酸、ゲラニルゲラニオール、オレイルベタイン、ココイルヒドロキシエチルイミダゾリン、ヘキサノイルスフィンゴシン、12-ヒドロキシステアリン酸、ペトロセリン酸、共役リノール酸、テルピネオール、チモールこれらの混合物などが含まれる。
【0058】
本発明の1態様において、必要に応じて使用される油溶性有益作用物質はレチノイン酸前駆体である。本発明の1態様において、レチノイン酸前駆体は、レチノール、レチナール、プロピオン酸レチニル、パルミチン酸レチニル、酢酸レチニル又はこれらの混合物である。プロピオン酸レチニル、パルミチン酸レチニル及びこれらの混合物が代表的には好ましい。さらに、12-ヒドロキシステアリン酸が多くの場合で使用に好ましい。
【0059】
必要に応じて使用される油溶性活性物質が本発明の組成物において使用される場合、油溶性活性物質は、代表的には、最終用途組成物の0.0~1.5重量%、好ましくは0.001~1.5重量%、最も好ましくは0.05~1.2重量%を構成する。さらに別の態様において、油は、最終用途組成物の総重量の0.1~0.5重量%を構成する。
【0060】
潜在的に有害な微生物の増殖から保護するために、防腐剤を水和性濃縮界面活性剤組成物及び最終用途組成物中に望ましく組み込むことができる。化粧品化学者は、適切な防腐剤に精通しており、保存効力試験を満たすために及び製品の安定性を付与するために、定型作業として適切な防腐剤を選択することができる。使用に適した伝統的な防腐剤には、ヒダントイン誘導体及びプロピオン酸塩が含まれる。特に好ましい防腐剤は、ブチルカルバミン酸ヨウ化プロピニル、フェノキシエタノール、安息香酸ナトリウム、ヒドロキシアセトフェノン、エチルヘキシルグリセリン、ヘキシレングリコール、メチルパラベン、プロピルパラベン、イミダゾリジニル尿素、デヒドロ酢酸ナトリウム、ジメチル-ジメチル(DMDM)ヒダントイン及びベンジルアルコール並びにこれらの混合物である。使用に適した他の防腐剤としては、デヒドロ酢酸ナトリウム、クロロフェネシン及びデシレングリコールが挙げられる。防腐剤は、組成物の使用並びに防腐剤とエマルジョン中の他の成分間で起こり得る不適合性に関心を持って選択されるべきである。防腐剤は、好ましくは、最終用途組成物の総重量の0.01重量%~2.0重量%(総水和性濃縮界面活性剤組成物の最大7重量%)の範囲の量で使用され、その中に包含される全ての範囲を含む。単独で又は他の防腐剤との混合物中にヒドロキシアセトフェノンを有する防腐剤系も好ましい。隣接ジオール(例えば、1,2-ヘキサンジオール及び/又は1,2-オクタンジオール)のような標準的な皮膚軟化剤を防腐剤とともに使用することができる。本発明の1実施形態において、使用される防腐剤は、組成物のpHが7以下、好ましくは6以下の場合は安息香酸ナトリウムである。
【0061】
増粘剤は、場合により、本発明の組成物に使用するのに適している。特に有用なのは、多糖類である。例には、繊維、デンプン、天然/合成のガム及びセルロース誘導体が含まれる。デンプンの代表は、ヒドロキシプロピルデンプンリン酸ナトリウム及びオクテニルコハク酸デンプンアルミニウムなどの化学的に修飾されたデンプンである。マルトデキストリンのようなタピオカデンプンが、好ましいことが多い。適切なガムには、キサンタン、スクレロチウム、ペクチン、カラヤ、アラビア、寒天、グアー(アカシアセネガルグアーを含む。)、カラギーナン、アルギネート及びこれらの組み合わせが含まれる。適切なセルロース誘導体には、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム(セルロースガム/カルボキシメチルセルロース)及びセルロース(例えば、セルロースミクロフィブリル、セルロースナノクリスタル又は微結晶セルロース)が含まれる。セルロースミクロフィブリルの採取源には、二次細胞壁材料(例えば、木材パルプ、綿)、バクテリアセルロース及び一次細胞壁材料が含まれる。好ましくは、一次細胞壁材料の採取源は、果実、根、球根、塊茎、種子、葉及びこれらの組み合わせから得られる実質組織から選択され、より好ましくは、かんきつ類の果実、トマトの果実、モモの果実、カボチャの果実、キウイの果実、リンゴの果実、マンゴの果実、サトウダイコン(sugar beet)、ビートの根、カブ、アメリカボウフウ、トウモロコシ、オート、小麦、豆及びこれらの組み合わせから選択され、さらにより好ましくは、かんきつ類の果実、トマトの果実及びこれらの組み合わせから選択される。一次細胞壁材料の最も好ましい採取源は、かんきつ類の果実から得られる実質組織である。Herbacel(登録商標)によってAQ Plusとして販売されているものなどのかんきつ類の繊維も、セルロースミクロフィブリルの採取源として使用することができる。セルロース源は、Colloidal Polymer Science,Kalia et al.,‘‘Nanofibrillated cellulose:surface modification and potential applications’’(2014),Vol 292,Pages 5-31に記載されている方法などの、公知の方法のいずれによっても表面修飾され得る。
【0062】
合成ポリマーは、構造化剤に加えて、必要に応じて使用することができる増粘剤のさらに別のクラスである。このカテゴリーには、Carbomerなどの架橋されたポリアクリレート、Sepigel(登録商標)305などのポリアクリルアミド並びにSimulgel(登録商標)EG及びAristoflex(登録商標)AVCなどのタウレートコポリマーが含まれ、これらのコポリマーは、それぞれのINCI命名法によって、アクリル酸ナトリウム/アクリロイルジメチルタウリン酸ナトリウム及びアクリロイルジメチルタウレート/ビニルピロリドンコポリマーとして特定される。増粘に適した別の好ましい合成ポリマーは、Seppicによって市販されており、Simulgel INS100の名称で販売されているアクリレートをベースとするポリマーである。炭酸カルシウム、フュームドシリカ及びケイ酸マグネシウムアルミニウムも使用され得る。
【0063】
必要に応じて使用される増粘剤の量は、使用される場合、組成物の0.001~5重量%の範囲であり得る。マルトデキストリン、キサンタンガム及びカルボキシメチルセルロースは、好まれることが多い、必要に応じて使用される増粘剤である。
本発明の1実施形態において、そして本発明の組成物が実質的にイセチオン酸塩を含まないことを考慮すると、組成物のpHは酸性の範囲であることから、7以下、好ましくは6以下である。そのような組成物において、所望の防腐剤は安息香酸ナトリウムであり、最終用途組成物は、0.01~4重量%、好ましくは0.05~1.5重量%、最も好ましくは0.05~0.6重量%の酸性活性剤又は皮膚有益剤を含んで製剤される。多くの場合で好まれる酸性活性剤には、クエン酸、グリコール酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸又はそれらの混合物のようなαヒドロキシ酸などがある。βヒドロキシ酸も使用に好適であり、それには、サリチル酸、サリチル酸塩、サリチル酸ナトリウム、ウィロウ(willow)、βヒドロキシ酪酸、トロパ酸、トレトカン酸又はそれらの混合物などがある。アミノ酸も使用に望ましく、それにはアルギニン、バリン及び/又はヒスチジンなどがある。
【0064】
香料、固定剤、キレート剤(EDTAなど)及びスクラブ剤が、本発明の組成物中に含まれていてもよい。これらの物質のそれぞれは、最終用途組成物の総重量の約0.03~約5重量%、好ましくは0.1~3重量%の範囲であり得、その中に包含される全ての範囲を含む。スクラブ剤が使用される限りにおいて、選択されるスクラブ剤は、本発明の組成物を分配するために使用される任意のパッケージの性能を妨げないように十分小さな粒径のものでなければならない。
【0065】
8を超えるHLBを有する従来の乳化剤を使用してもよい。実例としては、Tween、40、60、80、ポリソルベート20及びこれらの混合物が挙げられる。代表的には、水連続系用の乳化剤は、最終用途組成物の0.3~2.5重量%を構成する。
【0066】
従来の保湿剤は、そのような最終用途組成物(すなわち乳濁液)が局所的に適用される場合に皮膚の保湿を補助するために、本発明において添加剤として使用してもよい。これらは、一般的には多価アルコール類の物質である。代表的な多価アルコールには、グリセロール(すなわち、グリセリン(glycerine)又はグリセリン(glycerin))、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール(例えば、PPG-9)、ポリエチレングリコール、ソルビトール、ヒドロキシプロピルソルビトール、ヘキシレングリコール、1,3-ブチレングリコール、イソプレングリコール、1,2,6-ヘキサントリオール、エトキシ化グリセロール、プロポキシ化グリセロール及びこれらの混合物が含まれる。最も好ましいのは、グリセリン、プロピレングリコール又はこれらの混合物である。使用される保湿剤の量は、組成物の総重量の0.0~15重量%のいずれの範囲であってもよい。多くの場合、保湿剤は、最終用途組成物の総重量の0.1~10重量%、好ましくは0.1~2.5重量%(最も好ましくは、0.2~1.5重量%)を構成する。
【0067】
本発明の最終用途組成物に関して、最終用途組成物は、代表的には、最終用途組成物の総重量に基づいて1~35重量%、好ましくは2~30%、最も好ましくは3~16重量%の総界面活性剤を有し、その中に包含される全ての範囲を含む。本発明の1態様において、最終用途組成物は、最終用途組成物の総重量に基づいて7~10重量%の総界面活性剤を含み、その中に包含される全ての範囲を含む。
【0068】
本発明は、水と混合され、希釈された場合に、増粘し、したがって粘度の増加を示す水和性濃縮された界面活性剤組成物を対象とする。本発明の1態様において、組成物中の双性イオン性界面活性剤の重量パーセント対アニオン性界面活性剤の重量パーセントが3:1を超える場合、構造化剤(例えば、ラウリン酸)が、組成物中の界面活性剤の総重量の15重量%超で存在すべきである。さらに、本発明の別の態様において、双性イオン性界面活性剤対アニオン性界面活性剤の重量比が1.5未満である場合、構造化剤は、組成物中の界面活性剤の総重量の27重量%以下を構成する。別の態様において、組成物中の双性イオン性界面活性剤の重量パーセント対アニオン性界面活性剤の重量パーセントが3:1を超える場合、構造化剤(例えば、ラウリン酸)は、組成物中の界面活性剤の総重量の15重量%超で存在すべきであり、双性イオン性界面活性剤対アニオン性界面活性剤の重量比が1.5未満である場合、構造化剤は、組成物中の界面活性剤の総重量の27重量%以下を構成する。
【0069】
本発明の水和性組成物を製造する場合、所望の成分は、中程度の剪断及び大気条件下で従来の装置を用いて混合することができ、温度は35~80℃である。最終用途組成物を生成するために、水和性組成物に水が添加される。容器中での振盪(又は撹拌)などの中程度の剪断は、5分未満、好ましくは3分未満、最も好ましくは2分未満で最終用途組成物を生じる。本発明の1態様において、最終用途組成物は、1分未満、さらに好ましくは30秒未満で作製される。最終用途組成物は、最終用途組成物の総重量に対して代表的には65~95重量%、好ましくは65~90重量%、最も好ましくは65~88重量%の水を含む。本発明の1実施形態において、水は最終用途組成物の68~85重量%を構成し、別の実施形態においては最終用途組成物の72~80重量%である。
【0070】
したがって、本発明は、さらなる局面において、最終用途組成物を調製するための方法であって、本発明の水和性組成物を水で希釈する工程を含む、方法に関する。好ましくは、組成物は、1:1~1:10の組成物対水の重量比で希釈される。水和性濃縮された界面活性剤組成物は、25~10,000cpsの粘度を有し、希釈すると粘度が増加し、1,000~20,000cpsの粘度を有する最終用途組成物が得られる。粘度は、100ミクロンの間隙及び4~15s-1の剪断速度を有する、砂を吹き付けて磨かれたプレートを使用し、25℃の温度でDiscovery HR-2流量計を用いて測定される。
【0071】
組成物のためのパッケージは、水和性組成物を水和させることができ、水の添加時に最終用途組成物を作製することができる限り、代表的には、制限されない。本発明の1態様において、水和性組成物は、ボトル又はキャニスタに付随し、その中に挿入されているパウチ(ポリビニルアルコール小袋を含む)又はカートリッジに入れて販売される。ボトル又はキャニスタは、水で満たされており、水と混合するために水和性組成物をその中に放出することを可能にするものである。代表的には、ボトル又はキャニスタは、水和性組成物を水中に放出して最終用途組成物を作製するために、小袋又はキャニスタを開くポンプを伴う蓋を有する。このような水和性組成物は、消費者によって認識される望ましい特徴を有する身体洗浄剤などの最終用途組成物を予想外にもたらす。パッケージは、環境内のプラスチック廃棄物を常に削減するために、無数の詰め替えを可能にする。
【0072】
水和性濃縮組成物は、好ましくは詰め替えパッケージ中に梱包される。好ましくは、水和性濃縮組成物は、詰め替え組成物として使用される。使用済み樹脂を含む包装が好ましい場合が多い。
【0073】
提供されている実施例は、本発明の理解を容易にするためのものである。それらは、特許請求の範囲を限定することを意図するものではない。
【実施例
【0074】
実施例I
本発明に適合し、実施例IIで評価された例示的な水和性濃縮界面活性剤組成物を、以下で特定される成分を組み合わせることによって調製した。
表に示すこの実施例の各サンプルは、従来の手段によって、したがって約35~75℃の温度で大気条件下に成分を中等度の剪断力で混合することによって作製した。Versathix(商標名)は、PEG 150ペンタエリスリトールテトラステアレートである。
【0075】
【表1】
【0076】
実施例II
表中の組成物(すなわち、最終用途/希釈組成物)を、水和性濃縮界面活性剤組成物(実施例1から)を水和することによって製造した。水和性組成物を、重量比2:1(水:組成物)で希釈した。誤解を避けるために、「濃縮粘度」は水和性組成物の粘度を意味し、「希釈粘度」は製造された最終用途洗浄組成物の粘度を意味しており、両方ともセンチポアズ(cps)で表示される。水及び水和性組成物を容器中で混合し、穏やかに振盪しながら撹拌した。1分未満で、予想外に、粘度が増加した所望の最終用途洗浄組成物(透明/等方性及び均質)が得られた。
【0077】
【表2】
CALB-コカミドプロピルベタイン
グリシネート-ラウロイルグリシン酸ナトリウム
タウレート-メチルラウロイルタウリン酸ナトリウム
Versathix-PEG150ペンタエリスリトールテトラステアレート
【0078】
提供されたデータからわかるように、本発明に従って製造された最終用途組成物は、1分未満の撹拌で調製され、水と組み合わせると驚くほど増粘した(粘度が増加した)。その水和性組成物は曇っていて(ラメラ)、最終用途組成物は目視検査後、驚くほど厚いにもかかわらず透明(等方性)であった。ラメラ相から等方相への転移は、組成物をスライドガラス上に置き、交差偏光子を取り付けた光学顕微鏡で評価した場合にも確認された。最終用途組成物は複屈折パターンを示さなかった。
【手続補正書】
【提出日】2023-05-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)アニオン性界面活性剤;
b)両性及び/又は両性イオン界面活性剤;
c)C-C14酸、C-C14アルコール及び/又はC-C14アミド;
d)ラメラ前駆体組成物を形成する30~85重量%の水及び
e)構造化剤
を含むクレンジング組成物であって、
前記アニオン性界面活性剤の0.0075重量%未満がイセチオン酸塩であり、
前記アニオン性界面活性剤が35~100重量%のタウレート、好ましくは100重量%のタウレートであり、さらに
前記クレンジング組成物が1重量%未満の硫酸塩を含み、好ましくは硫酸塩を全く含まず、
pHが4.9~6.0であるクレンジング組成物。
【請求項2】
前記組成物が実質的にオイル及び硫酸塩を含まず、好ましくはオイル及び硫酸塩を含まず、
前記前駆体組成物が3~20重量%、好ましくは6~15重量%又は、より好ましくは7~12重量%のアニオン性界面活性剤及び6~25重量%、好ましくは12~22重量%の両性イオン界面活性剤を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記アニオン性界面活性剤がタウレート又はタウレートとグリシネートの混合物である、前記請求項のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項4】
前記アニオン性界面活性剤がタウリン酸アシルを含む、請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
前記界面活性剤がグリシン酸アシルを含む、請求項3又は4に記載の組成物。
【請求項6】
前記組成物がさらに、レゾルシノール、ナイアシンアミド、12-ヒドロキシステアリン酸又はこれらの混合物を含む、前記請求項のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項7】
前記構造化剤がPEG150ペンタエリスリトールテトラステアレートを含む、前記請求項のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項8】
前記組成物が安息香酸ナトリウムを含む、前記請求項のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項9】
前記組成物がイセチオン酸塩を全く含まず、硫酸塩を全く含まず、ベタインを含む両性イオン性界面活性剤を含む、前記請求項のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項10】
65重量%超~95重量%の水を含む最終用途クレンジング組成物の製造方法であって、
a)請求項1~9のいずれか1項に記載の組成物を水と組み合わせて、水と水和性組成物の混合物を製造する段階;
b)当該混合物を攪拌及び/又は剪断する段階
によって最終用途クレンジング組成物を提供することを含み、
前記最終用途組成物が、水和性前駆体クレンジング組成物の粘度より高い粘度を有する方法。
【請求項11】
前記最終用途組成物が7未満のpH並びに25℃でギャップ100ミクロン及び剪断速度4~15s -1 を用いる流量計を用いて測定される粘度1,000~20,000cps(1,000~20,000mPa-s)、好ましくは3,000~12,000cps(3,000~12,000mPa-s)を有する、請求項10に記載の方法
【請求項12】
組成物の水への希釈時に皮膚をクレンジングするための請求項1~9のいずれか1項に記載の組成物の使用。
【手続補正書】
【提出日】2024-01-05
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)アニオン性界面活性剤;
b)両性及び/又は両性イオン界面活性剤;
c)C-C14酸、C-C14アルコール及び/又はC-C14アミド;
d)ラメラ前駆体組成物を形成する30~85重量%の水、及び
e)構造化剤
を含むクレンジング組成物であって、
前記アニオン性界面活性剤の0.0075重量%未満がイセチオン酸塩であり、
前記アニオン性界面活性剤が35~100重量%のタウレート、好ましくは100重量%のタウレートであり、さらに
前記クレンジング組成物が1重量%未満の硫酸塩を含み、好ましくは硫酸塩を全く含まず、
前記クレンジング組成物が無機塩を含み、
pHが4.9~6.0であるクレンジング組成物。
【請求項2】
前記組成物が実質的にオイル及び硫酸塩を含まず、好ましくはオイル及び硫酸塩を含まず、
前記前駆体組成物が3~20重量%、好ましくは6~15重量%又は、より好ましくは7~12重量%のアニオン性界面活性剤及び6~25重量%、好ましくは12~22重量%の両性イオン界面活性剤を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記アニオン性界面活性剤がタウレート又はタウレートとグリシネートの混合物である、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項4】
前記アニオン性界面活性剤がタウリン酸アシルを含む、請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
前記界面活性剤がグリシン酸アシルを含む、請求項3に記載の組成物。
【請求項6】
前記組成物がさらに、レゾルシノール、ナイアシンアミド、12-ヒドロキシステアリン酸又はこれらの混合物を含む、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項7】
前記構造化剤がPEG150ペンタエリスリトールテトラステアレートを含む、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項8】
前記組成物が安息香酸ナトリウムを含む、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項9】
前記組成物がイセチオン酸塩を全く含まず、硫酸塩を全く含まず、ベタインを含む両性イオン性界面活性剤を含む、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項10】
65重量%超~95重量%の水を含む最終用途クレンジング組成物の製造方法であって、
a)請求項1または2に記載の組成物を水と組み合わせて、水と水和性組成物の混合物を製造する段階;
b)当該混合物を攪拌及び/又は剪断する段階
によって最終用途クレンジング組成物を提供することを含み、
前記最終用途組成物が、水和性前駆体クレンジング組成物の粘度より高い粘度を有する方法。
【請求項11】
前記最終用途組成物が7未満のpH並びに25℃でギャップ100ミクロン及び剪断速度4~15s -1を用いる流量計を用いて測定される粘度1,000~20,000cps(1,000~20,000mPa-s)、好ましくは3,000~12,000cps(3,000~12,000mPa-s)を有する、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
組成物の水への希釈時に皮膚をクレンジングするための請求項1または2に記載の組成物の使用。
【国際調査報告】