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特表2024-519439アミン及びカルボン酸又はエステルからアミドを酵素合成するためのプロセス
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  • 特表-アミン及びカルボン酸又はエステルからアミドを酵素合成するためのプロセス 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-14
(54)【発明の名称】アミン及びカルボン酸又はエステルからアミドを酵素合成するためのプロセス
(51)【国際特許分類】
   C12P 13/02 20060101AFI20240507BHJP
   C12N 11/00 20060101ALI20240507BHJP
【FI】
C12P13/02
C12N11/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2023559749
(86)(22)【出願日】2022-04-28
(85)【翻訳文提出日】2023-11-24
(86)【国際出願番号】 EP2022061321
(87)【国際公開番号】W WO2022229314
(87)【国際公開日】2022-11-03
(31)【優先権主張番号】2150548-2
(32)【優先日】2021-04-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523367808
【氏名又は名称】エックスピー ケミストリーズ エービー
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リン、シュアンジェン
(72)【発明者】
【氏名】コルドバ、アルマンド
(72)【発明者】
【氏名】デイアナ、ルカ
(72)【発明者】
【氏名】イブラヘム、イスメイル
【テーマコード(参考)】
4B033
4B064
【Fターム(参考)】
4B033NA27
4B033ND04
4B033ND08
4B033ND12
4B033ND20
4B033NF02
4B033NG09
4B033NH09
4B064AE02
4B064CA21
4B064CB02
4B064CB03
4B064CC06
4B064CC12
4B064CC30
4B064CE06
4B064CE10
4B064DA01
4B064DA16
(57)【要約】
本発明は、式Iのアミン及び式IIの化合物から式IIIのアミドを酵素合成するプロセスに関し、
【化36】
リパーゼは回転床反応器又はスピン固定床反応器に固定され、ディーン・スターク装置が脱水のために用いられることを特徴とする。(図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iのアミン及び式IIの化合物から式IIIのアミドを酵素合成するプロセスであって、
【化29】
式中Rは、C1-12アルキル、C1-12アルケニル、C1-12アルキニル、C1-12アルコキシ、C1-12アルキル-O-C1-12アルキル、C1-12アルキル-OC(O)-C1-12アルキル、C1-12アルキル-NH-C1-12アルキル、C1-12アルキル-NHC(O)-C1-12アルキル、C3-12シクロアルキル、C3-12シクロアルケニル、C5-12アリール、C3-12シクロアルキル-C1-6アルキル、C3-12シクロアルケニル-C1-6アルキル及びC5-12アリール-C1-6アルキルを含む群から選択され、
は任意選択で、水素、ヒドロキシ、オキシ、ハロゲン、カルボキシ、アミン、アミド、C1-6ヒドロキシアルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6アミンオキシアルキル、C1-6アルキルアミド、C1-6カルボキシアルキル、C1-6スルフラアルキル、C1-6アルキルスルフィド及びC1-6アルコキシを含む群から選択される1種又は複数の種の置換基で置換され得、
式中シクロアルキル、シクロアルケニル、又はアリールのうちの1又は複数の炭素は、O、N又はSから選択される1又は複数のヘテロ原子で置換され得、
式中Rは、水素、C1-30アルキル、C1-30アルケニル、C1-30アルキニル、C1-30アルコキシ、C1-30アルキル-O-C1-12アルキル、C1-30アルキル-OC(O)-C1-12アルキル、C1-30アルキル-NH-C1-12アルキル、C1-30アルキル-NHC(O)-C1-12アルキル、C3-12シクロアルキル、C3-12シクロアルケニル及びC5-12アリール、C3-12シクロアルキル-C1-6アルキル、C3-12シクロアルケニル-C1-6アルキル及びC5-12アリール-C1-6アルキルを含む群から選択され、
は、任意選択で、水素、ヒドロキシ、オキシ、ハロゲン、カルボキシ、アミド、C1-6ヒドロキシアルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6カルボキシアルキル、C1-6スルフラアルキル、C1-6アルキルスルフィド及びC1-6アルコキシを含む群から選択される1種又は複数の種の置換基で置換され得、
式中シクロアルキル、シクロアルケニル、又はアリールのうちの1又は複数の炭素は、O、N又はSから選択される1又は複数のヘテロ原子で置換され得、
式中Rは、水素、C1-6アルキル、C1-6アルケニル、C1-6アルキニル、C1-6アルコキシ、C1-6アルキル-O-C1-6アルキル、C1-6アルキル-OC(O)-C1-6アルキル、C1-6アルキル-NH-C1-6アルキル、C1-6アルキル-NHC(O)-C1-6アルキル、C3-12シクロアルキル、C3-12シクロアルケニル及びC5-12アリール、C3-12シクロアルキル-C1-6アルキル、C3-12シクロアルケニル-C1-6アルキル及びC5-12アリール-C1-6アルキルを含む群から選択され、
は任意選択で、水素、ヒドロキシ、オキシ、ハロゲン、カルボキシ、アミン、アミド、C1-6ヒドロキシアルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6アミンオキシアルキル、C1-6アルキルアミド、C1-6カルボキシアルキル、C1-6スルフラアルキル、C1-6アルキルスルフィド及びC1-6アルコキシを含む群から選択される1種又は複数の種の置換基で置換され得、
式中シクロアルキル、シクロアルケニル、又はアリールのうちの1又は複数の炭素は、O、N又はSから選択される1又は複数のヘテロ原子で置換され得、
式中Rは結合であるか、又はC1-6アルキルであり、
前記リパーゼは回転床反応器又はスピン固定床反応器に固定され、ディーン・スターク装置が脱水のために用いられる、プロセス。
【請求項2】
式中RはC1-6アルキル、C1-6アルケニル、C1-6アルコキシ、C1-6アルキル-O-C1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、C3-6シクロアルケニル、C6-7アリール、C3-6シクロアルキル-C1-3アルキル、C3-6シクロアルケニル-C1-3アルキル及びC5-7アリール-C1-3アルキルを含む群から選択され、
は、任意選択で、水素、ヒドロキシ、オキシ、ハロゲン、カルボキシ、C1-3ヒドロキシアルキル、C1-3ハロアルキル、及びC1-3アルコキシを含む群から選択される1種又は複数の種の置換基で置換され得、
式中Rは、水素、C5-15アルキル、C5-15アルケニル、C5-15アルコキシ、C5-15アルキル-O-C1-6アルキル、及びC5-15アルキル-OC(O)-C1-6アルキルを含む群から選択され、
は、任意選択で、水素、ヒドロキシ、オキシ、ハロゲン及びカルボキシを含む群から選択される、1種又は複数の種の置換基で置換され得、
式中Rは、水素、C1-3アルキル、C1-3アルコキシ及びC1-3アルキル-O-C1-3アルキルを含む群から選択され、
式中Rは結合であるか、又はC1-3アルキルである、請求項1に記載のプロセス。
【請求項3】
式中RはC5-7アリール-C1-3アルキルで、
は任意選択で水素、ヒドロキシ、及びC1-3アルコキシを含む群から選択される1種又は複数の種の置換基で置換され得、
式中Rは、C5-16アルキル及びC5-15アルケニルを含む群から選択され、
式中Rは、水素、メチル又は、エチルで、
式中Rは結合である、請求項1に記載のプロセス。
【請求項4】
式IIIの化合物が式IVの化合物で、
【化30】
IV
式中nは1又は2で、
式中Rは、水素、C3-30アルキル、C3-30アルケニル、C3-30アルキニル、C3-12シクロアルキル、C3-12シクロアルケニル及びC5-12アリールを含む群から選択され、
は、任意選択で、水素、ヒドロキシ、オキシ、ハロゲン、カルボキシ、アミド、C1-6ヒドロキシアルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6アルキルアミド、C1-6カルボキシアルキル、C1-6スルフラアルキル、C1-6アルキルスルフィド及びC1-6アルコキシ及びC5-12アリールを含む群から選択される1種又は複数の種の置換基で置換され得、
式中シクロアルキル、シクロアルケニル、又はアリールのうちの1又は複数の炭素は、O、N又はSから選択される1又は複数のヘテロ原子で置換され得、
式中R又はRは、水素、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-10シクロアルキル、C3-10シクロアルケニル及びC5-12アリールを含む群から選択され、
又はRは、任意選択で、ヒドロキシ、オキシ、ハロゲン、カルボキシ、アミン、アミド、C1-6ヒドロキシアルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6アミンオキシアルキル、C1-6アルキルアミド、C1-6カルボキシアルキル、C1-6スルフラアルキル、C1-6アルキルスルフィド及びC1-6アルコキシを含む群から選択される1種又は複数の種の置換基で置換され得、
式中シクロアルキル、シクロアルケニル、又はアリールのうちの1又は複数の炭素は、O、N又はSから選択される1又は複数のヘテロ原子で置換され得、
式中Rは、水素、ヒドロキシ、オキシ、ハロゲン、カルボキシ、アミン、アミド、C1-10アルキル、C2-10アルケニル、C2-10アルキニル、C3-12シクロアルキル、C3-12シクロアルケニル及びC5-12アリールを含む群から選択され、
は、任意選択で、水素、ヒドロキシ、オキシ、ハロゲン、カルボキシ、アミン、アミド、C1-6ヒドロキシアルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6アミンオキシアルキル、C1-6アルキルアミド、C1-6カルボキシアルキル、C1-6スルフラアルキル、C1-6アルキルスルフィド及びC1-6アルコキシを含む群から選択される1種又は複数の種の置換基で置換され得、
式中シクロアルキル、シクロアルケニル、又はアリールのうちの1又は複数の炭素は、O、N又はSから選択される1又は複数のヘテロ原子で置換され得る、請求項1に記載のプロセス。
【請求項5】
式IIIの化合物が式IVの化合物で、
【化31】
IV
式中nは1又は2で、
式中Rは、C3-18アルキル、及びC3-18アルケニルを含む群から選択され、
式中R又はRは、水素、C1-6アルキルを含む群から選択され、
が水素である、請求項4に記載のプロセス。
【請求項6】
式IIIの化合物が式IVの化合物で、
【化32】
IV
式中nは1又は2で、
式中Rは、C5-16アルキル及びC5-15アルケニルを含む群から選択され、
式中R又はRは、水素、C1-3アルキルを含む群から選択され、
が水素である、請求項4に記載のプロセス。
【請求項7】
式Iのアミン及び式IIaの化合物から式IIIのアミドを酵素合成するため、
【化33】
式中Rは、C1-12アルキル、C1-12アルケニル、C1-12アルキニル、C1-12アルコキシ、C1-12アルキル-O-C1-12アルキル、C1-12アルキル-OC(O)-C1-12アルキル、C1-12アルキル-NH-C1-12アルキル、C1-12アルキル-NHC(O)-C1-12アルキル、C3-12シクロアルキル、C3-12シクロアルケニル、C5-12アリール、C3-12シクロアルキル-C1-6アルキル、C3-12シクロアルケニル-C1-6アルキル及びC5-12アリール-C1-6アルキルを含む群から選択され、
は任意選択で、水素、ヒドロキシ、オキシ、ハロゲン、カルボキシ、アミン、アミド、C1-6ヒドロキシアルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6アミンキシアルキル、C1-6アルキルアミド、C1-6カルボキシアルキル、C1-6スルフラアルキル、C1-6アルキルスルフィド及びC1-6アルコキシを含む群から選択される1種又は複数の種の置換基で置換され得、
式中シクロアルキル、シクロアルケニル、又はアリールのうちの1又は複数の炭素は、O、N又はSから選択される1又は複数のヘテロ原子で置換され得、
式中Rは、水素、C1-30アルキル、C1-30アルケニル、C1-30アルキニル、C1-30アルコキシ、C1-30アルキル-O-C1-12アルキル、C1-30アルキル-OC(O)-C1-12アルキル、C1-30アルキル-NH-C1-12アルキル、C1-30アルキル-NHC(O)-C1-12アルキル、C3-12シクロアルキル、C3-12シクロアルケニル及びC5-12アリール、C3-12シクロアルキル-C1-6アルキル、C3-12シクロアルケニル-C1-6アルキル及びC5-12アリール-C1-6アルキルを含む群から選択され、
は、任意選択で、水素、ヒドロキシ、オキシ、ハロゲン、カルボキシ、アミン、アミド、C1-6ヒドロキシアルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6アミンキシアルキル、C1-6アルキルアミド、C1-6カルボキシアルキル、C1-6スルフラアルキル、C1-6アルキルスルフィド及びC1-6アルコキシを含む群から選択される1種又は複数の種の置換基で置換され得、
式中シクロアルキル、シクロアルケニル、又はアリールのうちの1又は複数の炭素は、O、N又はSから選択される1又は複数のヘテロ原子で置換され得、
式中Rは、水素、C1-6アルキル、C1-6アルケニル、C1-6アルキニル、C1-6アルコキシ、C1-6アルキル-O-C1-6アルキル、C1-6アルキル-OC(O)-C1-6アルキル、C1-6アルキル-NH-C1-6アルキル、C1-6アルキル-NHC(O)-C1-6アルキル、C3-12シクロアルキル、C3-12シクロアルケニル及びC5-12アリール、C3-12シクロアルキル-C1-6アルキル、C3-12シクロアルケニル-C1-6アルキル及びC5-12アリール-C1-6アルキルを含む群から選択され、
は任意選択で、水素、ヒドロキシ、オキシ、ハロゲン、カルボキシ、アミン、アミド、C1-6ヒドロキシアルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6アミンキシアルキル、C1-6アルキルアミド、C1-6カルボキシアルキル、C1-6スルフラアルキル、C1-6アルキルスルフィド及びC1-6アルコキシを含む群から選択される1種又は複数の種の置換基で置換され得、
式中シクロアルキル、シクロアルケニル、又はアリールのうちの1又は複数の炭素は、O、N又はSから選択される1又は複数のヘテロ原子で置換され得、
前記リパーゼは回転床反応器又はスピン固定床反応器に固定され、ディーン・スターク装置が脱水のために用いられる、請求項1に記載のプロセス。
【請求項8】
式中RはC5-7アリール-C1-3アルキルで、
は任意選択で水素、ヒドロキシ、及びC1-3アルコキシを含む群から選択される1種又は複数の種の置換基で置換され得、
式中RはC5-15アルキル及びC5-15アルケニルを含む群から選択され、
式中Rは、水素、メチル、又はエチルである、
請求項7に記載のプロセス。
【請求項9】
溶媒が使用されていないか、又は前記溶媒が、メチルtert-ブチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、C1-6アルキル-O-C1-6アルキルエーテル、ヘキサン及びその他のC5-10アルカン、シクロヘキサン及びその他のC5-10シクロアルカン、ベンゼン、トルエン、キシレン、tert-ブタノール、tertアミルアルコール、その他の嵩高い第二級又は第三級C5-10アルコール及びその任意のエステル又はその混合物を含む群から選択される有機溶媒である、請求項1に記載のプロセス。
【請求項10】
溶媒が使用されていないか、又は前記溶媒が、ジイソプロピルエーテル、シクロヘキサン、トルエン、又はtert-ブタノール、又はそれらの混合物を含む群から選択される有機溶媒である、請求項1に記載のプロセス。
【請求項11】
前記リパーゼが、カンジダ・アンタークティカリパーゼA、カンジダ・アンタークティカリパーゼB、架橋サブチリシンAプロテアーゼ、ブタ膵臓リパーゼ、カンジダ・シリンドラセアリパーゼ、リゾプス・アルヒズ、ペニシリウム・シクロピウム、ムコールミエヘイ、サーモマイセス・ラヌギノサスリパーゼ、カンジダ・ルゴサリパーゼ及びシュードモナスリポタンパク質リパーゼを含む群から選択される、請求項1に記載のプロセス。
【請求項12】
前記リパーゼがカンジダ・アンタークティカリパーゼである、請求項1に記載のプロセス。
【請求項13】
プロセス温度が室温及び150℃の間で、圧力が0.900及び0.200MPaの間、又は約0.1MPaである、請求項1に記載のプロセス。
【請求項14】
前記回転床反応器が、前記リパーゼについて10から75wt%で装填される、請求項1に記載のプロセス。
【請求項15】
式IIの化合物において、式中RはC6-18アルキル又はC6-18アルケニルで、それは直鎖又は分岐であり得、以下の段階を含んで調製され、
【化34】
段階A-1、反応は、無溶媒又は有機溶媒を使用して実行される、
段階B-1、溶媒は非プロトン性有機溶媒である、
段階B-1、塩基はナトリウム又はカリウムアルコキシドである、
任意選択で、異性化段階C-1、ここで触媒が、HNO、HNO、及びHNO又はHNOを生成することができるNaNO/HNO、NaNO/NaNO/HSOの組合わせを含む群から選択される、及び
水素化段階D-1、ここで触媒は不均一水素化触媒で、水素源は水素ガスである、請求項1に記載のプロセス。
【請求項16】
段階A-1の前記有機溶媒は、酢酸エチルで、
段階B-1における前記非プロトン性有機溶媒は、2-メチルテトラヒドロフラン、テトラヒドロフラン及びトルエンを含む群から選択され、
段階B-1の前記ナトリウム又はカリウムアルコキシド塩基は、NaH、KH、t-BuOK、t-BuONaを含む群から選択され、
水素化段階D-1における前記不均一水素化触媒は、Pd/C及びPd/Alを含む群から選択される、請求項15に記載のプロセス。
【請求項17】
式IIの化合物において、式中Rは8-メチル-ノナニルで、それは以下の段階を含んで調製され、
【化35】
段階A-2、反応は無溶媒又はいずれかの有機溶媒を用いて実行され、触媒はアミン及び無機塩基を含む群から選択される、
段階B-2、反応は無溶媒又は有機溶媒を用いて実行され、触媒は酸である、
段階C-2、触媒は不均一水素化触媒で、水素源は水素ガスである、
段階D-2、酸化剤は過酸化物で、触媒はリパーゼである、及び
段階E-2、反応媒体は酸性溶媒である、及び
段階F-2、触媒は不均一水素化触媒で、水素源は水素ガスである、請求項1に記載のプロセス。
【請求項18】
段階A-2の前記有機溶媒は、トルエンを含む群から選択され、触媒は、ピロリジン及び対応する塩、NaOH及びKOHを含む群から選択され、
段階B-2の前記有機溶媒は、トルエンを含む群から選択され、前記酸はp-TsOH、硫酸及びアンバーリスト-15を含む群から選択され、
段階C-2の前記触媒は、Pd/C、Pd/Alを含む群から選択され、
段階D-2における前記酸化剤は、H水溶液及び過酸を含む群から選択され、前記リパーゼはカンジダ・アンタークティカリパーゼA、カンジダ・アンタークティカリパーゼB、架橋サブチリシンAプロテアーゼ、ブタ膵臓リパーゼ、カンジダ・シリンドラセアリパーゼ、リゾプス・アルヒズ、ペニシリウム・シクロピウム、ムコールミエヘイ、サーモマイセス・ラヌギノサスリパーゼ、カンジダ・ルゴサリパーゼ及びシュードモナスリポタンパク質リパーゼを含む群から選択され、
段階E-2の前記反応媒体は、硫酸水溶液を含む群から選択され、
段階F-2の前記触媒は、Pd/C、Pd/Al、Pd/モレキュラーシーブ、Pt/C、Pt/Al、及びPt/モレキュラーシーブを含む群から選択される、請求項17に記載のプロセス。
【請求項19】
式IIIの化合物の大規模生産(>1kg)のための、請求項1に記載のプロセス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リパーゼを使用して、アミン及びカルボン酸又はエステルからアミドを酵素合成するためのプロセスに関する。
【背景技術】
【0002】
アミド結合は、医薬品やポリマーなどの多くの化合物の開発において重要である。直接的な触媒のアミド化のいくつかのプロセスが、数年にわたり開発されてきた。
【0003】
熱でのアミド化において、触媒は使用しなくともよい。このプロセスは、高い温度(>140℃)で実行され、収量は、使用する温度、基質の濃度、使用する溶媒、及びその他のパラメータ次第である。
【0004】
金属ベースのアミド化は、ホウ素ベースの触媒又はパラジウムベースの触媒を使用して行われる。熱でのアミド化と比較して、より高い収量が取得できるが、プロセスが高価で時間がかかる。触媒及び溶媒のリサイクルは難題である。
【0005】
熱での、又は金属ベースのアミド化は、環境に優しいプロセスではない。いくつかの試みが、プロセスの効率を改善し、コスト及びカーボンフットプリントを低減するためになされてきた。
【0006】
アミド化のプロセスにおいて、プロセスの収量改善のため水を除去せねばならない。そのため、アミド化のプロセスの大半は、圧力低減下で実行されている。これは、コストを増加させ、したがって大規模なアミド化をより困難にする。モレキュラーシーブが同様に使用され得るが、それらはまだ大規模に用いるには高価である。ディーン・スターク装置も、アミド化のプロセスから水を除去するのに使用され得る。
【0007】
酵素的アミド化は、リパーゼのような異なる種類の酵素を用いて何年にもわたって開発されてきた。これらのいわゆる生体触媒は、低い温度で利用でき、良好な選択性を示す。しかしながら、現代の技術は、非常に限られた基質の範囲を示し、頻繁に長い反応時間(数日)を必要とする。酵素的アミド化をパラジウム触媒と組合わせることは、Palo-Nieto et al., ACS Catal., 2016, 6, 3932-3940が示したように、約70%の収率をもたらし得る。
【0008】
生体触媒の別の欠点は、コストである。コストを低減させ、アミド化のプロセスの効率を改善させるため、酵素は、例えば反応の間ビードに固定させ得る。このことは、酵素の再循環を可能にする。フロー反応器を用いることは、さらに、生体触媒によるアミド化のプロセスを改善した。しかしながら、リパーゼの再循環は、時間及びコストの両方で、非効果的である。
【0009】
今日まで、大規模生産に使用するのに充分な効率の高いコスト効率を備えた環境に優しい触媒的アミド化プロセスは存在していない。これは、米国化学会グリーンケミストリー製薬円卓会議の最優先事項である(https://www.acsgcipr.org)。今日、大半の方法は、化学量論的な量の有毒活性化試薬を利用する、Dunetz et. Org. Process. Res. Dev. 2016, 20, 140。したがって、大規模に使用できる、より環境に優しく、よりコスト効率の高いアミド化のプロセスがいまだに必要である。
【0010】
カプサイシノイドは、環境に優しい食品で一般に用いられている。カプサイシンはまた、製薬業界で広く用いられている。カプサイシンは、例えば、局所軟膏及び皮膚パッチの鎮痛剤として、関節炎、腰痛、挫傷、及び捻挫に関連付けられる筋肉及び関節の軽い痛み及び疼痛を軽減するため、又は末梢神経障害の症状を軽減するために用いられている。
【0011】
カプサイシノイドは、天然供給源(例えば、トウガラシ属のトウガラシ果実)から単離され得るが、これにより主にカプサイシン及びジヒドロカプサイシンが生成される、なぜならば他のカプサイシノイドの多くは微量しか存在しないからである。したがって、化学的合成は、ノニバミドなどのより珍しいカプサイシノイドを取得し、非天然カプサイシノイドを製造するのに有用である。カプサイシノイドは、バニリンから、まずメタノールの過剰の金属(Zn)及びギ酸アンモニウムの混合物を還流下で使用してバニリンオキシムを還元してバニリルアミンを取得することによって、調製できる。別法として、アミド結合形成は、バニリルアミン及び様々な脂肪酸誘導体間での酵素触媒変換により達成され得る。
WO2015/144902A1は、不均一金属触媒及び有機触媒などの他の触媒系と統合されると、順番に又はワンポットでアルコールをアミン及びアミドに変換する酵素カスケード系を含む多触媒カスケードリレーシーケンスを開示している。
【0012】
US2017081277A1は、基質としてジアルキル-アミンを用いたアミド化を開示している。ビードに固定されているノボザイム435(商標)が用いられる。ディーン・スターク装置は、反応混合物からエタノールを除去するのに利用し得る。反応は、圧力低減下で実行される。大規模な製造のためには、ビードは、反応混合物からビードを分離するのにコスト及び時間がかかるため、好適ではない。さらに、大規模生産のためには、圧力低減は、プロセス全体のコスト及び時間を低減するために回避されることが好ましい。
【0013】
US6022718は、出発材料として加水分解及びカプサイシンを使用するカプサイシン類似体の調製プロセスを開示している。
【0014】
Pithani S., Using spinchem rotation bed reactor technology for immobilized enzymatic reactions:a case study, Org. Process Res. Dev., 2019, vol.23, pages 1926-1931は、回転床固定化リパーゼを使用する利点を開示している。アシル化の反応は、リパーゼ(ノボザイム435(商標))が、回転床反応器において使用され得ることを実証するのに使用される。コストが高いことに起因して、装填は10wt%に制限された。5から10wt%の装填が、6時間以内に45から50%の変換を実現するのに充分であると思われた。アップスケーリング後、全体の収率は39%であった。Pithaniは、回転床反応器がアシル化に有用であることを示しているが、それはまた費用がかかり、転換率が45から50%、全体の収率が39%になることも示している。Pithaniにおいて開示された結果は、回転床反応器を使用する大規模生産を躊躇させるものである。
【0015】
カプサイシノイドのようなアミド化合物の大規模生産がいっそう必要とされている。このようなプロセスは、効率が高く効果的で、公知のプロセスと比較して収量を向上させるものが好ましい。そのようなアミド化のプロセスは、好ましくは、環境に優しいもので、特にコスト効率が高いものである。
【発明の概要】
【0016】
上述の問題を少なくとも部分的に克服し、アミン及びカルボン酸又はエステルからアミドを合成するための改善されたプロセスを提供することが、本発明の目的である。
【0017】
この目的は、請求項において定義されているプロセスにより実現される。
【0018】
一態様は、式Iのアミン及び式IIの化合物から式IIIのアミドを酵素合成するプロセスに関し、
【化1】
【0019】
式中Rは、C1-12アルキル、C1-12アルケニル、C1-12アルキニル、C1-12アルコキシ、C1-12アルキル-O-C1-12アルキル、C1-12アルキル-OC(O)-C1-12アルキル、C1-12アルキル-NH-C1-12アルキル、C1-12アルキル-NHC(O)-C1-12アルキル、C3-12シクロアルキル、C3-12シクロアルケニル、C5-12アリール、C3-12シクロアルキル-C1-6アルキル、C3-12シクロアルケニル-C1-6アルキル及びC5-12アリール-C1-6アルキルを含む又はからなる群から選択され、
は任意選択で、水素、ヒドロキシ、オキシ、ハロゲン、カルボキシ、アミン、アミド、C1-6ヒドロキシアルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6アミンオキシアルキル、C1-6アルキルアミド、C1-6カルボキシアルキル、C1-6スルフラアルキル、C1-6アルキルスルフィド及びC1-6アルコキシを含む又はからなる群から選択される1種又は複数の種の置換基で置換され得、
式中シクロアルキル、シクロアルケニル、又はアリールのうちの1又は複数の炭素は、O、N又はSから選択される1又は複数のヘテロ原子で置換され得、
式中Rは、水素、C1-30アルキル、C1-30アルケニル、C1-30アルキニル、C1-30アルコキシ、C1-30アルキル-O-C1-12アルキル、C1-30アルキル-OC(O)-C1-12アルキル、C1-30アルキル-NH-C1-12アルキル、C1-30アルキル-NHC(O)-C1-12アルキル、C3-12シクロアルキル、C3-12シクロアルケニル及びC5-12アリール、C3-12シクロアルキル-C1-6アルキル、C3-12シクロアルケニル-C1-6アルキル及びC5-12アリール-C1-6アルキルを含む又はからなる群から選択され、
は、任意選択で、水素、ヒドロキシ、オキシ、ハロゲン、カルボキシ、アミド、C1-6ヒドロキシアルキル、C1-6ハロイアルキル、C1-6カルボキシアルキル、C1-6スルフラアルキル、C1-6アルキルスルフィド及びC1-6アルコキシを含む又はからなる群から選択される1種又は複数の種の置換基で置換され得、
式中シクロアルキル、シクロアルケニル、又はアリールのうちの1又は複数の炭素は、O、N又はSから選択される1又は複数のヘテロ原子で置換され得、
式中Rは、水素、C1-6アルキル、C1-6アルケニル、C1-6アルキニル、C1-6アルコキシ、C1-6アルキル-O-C1-6アルキル、C1-6アルキル-OC(O)-C1-6アルキル、C1-6アルキル-NH-C1-6アルキル、C1-6アルキル-NHC(O)-C1-6アルキル、C3-12シクロアルキル、C3-12シクロアルケニル及びC5-12アリール、C3-12シクロアルキル-C1-6アルキル、C3-12シクロアルケニル-C1-6アルキル及びC5-12アリール-C1-6アルキルを含む又はからなる群から選択され、
は任意選択で、水素、ヒドロキシ、オキシ、ハロゲン、カルボキシ、アミン、アミド、C1-6ヒドロキシアルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6アミンオキシアルキル、C1-6アルキルアミド、C1-6カルボキシアルキル、C1-6スルフラアルキル、C1-6アルキルスルフィド及びC1-6アルコキシを含む又はからなる群から選択される1種又は複数の種の置換基で置換され得、
式中シクロアルキル、シクロアルケニル、又はアリールのうちの1又は複数の炭素は、O、N、又はSから選択される1又は複数のヘテロ原子で置換され得、
式中Rは結合であるか、又はC1-6アルキルであり、
リパーゼは回転床反応器又はスピン固定床反応器に固定され、ディーン・スターク装置が脱水のために用いられることを特徴とする。
【0020】
いくつかの態様において、リパーゼは、回転床反応器に固定され、ディーン・スターク装置が脱水で用いられている。
【0021】
いくつかの態様において、ビードに固定されるリパーゼが放棄されている。
【0022】
本発明のプロセスにおいては、本明細書のいずれかで定められているように、直接的な触媒によるアミド合成には、酵素触媒作用及び共沸脱水の組合わせが使用されている。酵素リパーゼは、回転床反応器又はスピン固定床反応器に固定されている。リパーゼをビードに固定するか又はシーブを用いることと比較して、本発明のプロセスにおけるリパーゼは容易に再循環できる。このことは、特に大規模な場合、プロセスを、時間及び費用対効果が高い方法で実行することを可能にする。
【0023】
回転床反応器又はスピン固定床反応器及びディーン・スターク装置独自の組合わせは、収率(>90又は99%)及び転換率(>90又は99%)を向上させる。独自の組合わせは、湿った原料の使用を可能にする。プロセスは、大気圧、及び100℃未満(60から90℃)の温度で実行され得る。プロセスは環境に優しい。プロセスは、アミドの大規模生産に好適である。
【0024】
平易な処理及び精製プロセスにより、プロセスは、大規模で用いられることが可能になる。用いられる酵素及び溶媒は、存在していれば、リサイクルが容易であり、ひいてはそれにより大規模生産が実現可能になる。固定化酵素の回転床反応器又はスピン固定床反応器及びディーントラップ装置に対する独自の組合わせは、プロセスが、他のアミド及びエステルの合成に対して拡張されるのを許容する。
【0025】
一態様において、プロセスはニートな状態で実行される。プロセスは、いずれかの溶媒なしで実行され得る。これにより、プロセスの効率及び効果的及び環境への配慮が向上する可能性がある。また、プロセスを実行するためのコストも低減される。ニートなプロセスにより、大規模なプロセスのコストがさらに低減される。
【0026】
公知のプロセスと比較して、本発明の直接的なアミド化のプロセスは、転換率が向上し、収率も向上する。アミド化には少ない工程段階が必要とされ、そのことが、時間及びコストを低減する。本発明のプロセスにおいて質量流量が改善される。酵素は固定化/固定されるので、反応生成物は容易にろ過及び精製し得る。本発明のプロセスは、反応比率が改善されている。
【0027】
プロセスは、カプサイシノイドのようなアミド化合物の効果的で効率的な大規模生産を可能にする。プロセスは、公知のプロセスと比較して収量を向上させる。アミド化のプロセスは、環境に優しいもので、特に費用対効果が高い。
【0028】
回転床反応器及びディーン・スターク装置を組合わせて使用することは、プロセスの間の含水率の制御を可能にする。低い含水率は、転換率及び収率を改善する。実施例14の表1のサイクル2の結果は、23wt%の含水率を有する原材料でさえ使用され得ることを示している。これはプロセスの柔軟性を改善する。これはまた、プロセスの大規模な使用の実現可能性を向上させる。
【0029】
いくつかの態様において、(ジアルキル)-アミンのRのオプションが放棄されている。
【0030】
本発明のいくつかの態様によると、Rは、C1-12アルキル、C1-12アルケニル、C1-12アルキニル、C1-12アルコキシ、C1-12アルキル-O-C1-12アルキル、C1-12アルキル-OC(O)-C1-12アルキル、C3-12シクロアルキル、C3-12シクロアルケニル、C5-12アリール、C3-12シクロアルキル-C1-6アルキル、C3-12シクロアルケニル-C1-6アルキル及びC5-12アリール-C1-6アルキルを含む又はからなる群から選択され、
は、任意選択で、水素、ヒドロキシ、オキシ、ハロゲン、カルボキシ、C1-6ヒドロキシアルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6カルボキシアルキル、C1-6スルフラアルキル、C1-6アルキルスルフィド及びC1-6アルコキシを含む又はからなる群から選択される1種又は複数の種の置換基で置換され得、
式中Rは、水素、C1-30アルキル、C1-30アルケニル、C1-30アルキニル、C1-30アルコキシ、C1-30アルキル-O-C1-12アルキル、C1-30アルキル-OC(O)-C1-12アルキル、C3-12シクロアルキル、C3-12シクロアルケニル及びC5-12アリール、C3-12シクロアルキル-C1-6アルキル、C3-12シクロアルケニル-C1-6アルキル及びC5-12アリール-C1-6アルキルを含む又はからなる群から選択され、
は、任意選択で、水素、ヒドロキシ、オキシ、ハロゲン、カルボキシ、C1-6ヒドロキシアルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6カルボキシアルキル、C1-6スルフラアルキル、C1-6アルキルスルフィド及びC1-6アルコキシを含む又はからなる群から選択される1種又は複数の種の置換基で置換され得、
式中Rは、水素、C1-6アルキル、C1-6アルケニル、C1-6アルキニル、C1-6アルコキシ、C1-6アルキル-O-C1-6アルキル、C1-6アルキル-OC(O)-C1-6アルキル、C3-12シクロアルキル、C3-12シクロアルケニル及びC5-12アリール、C3-12シクロアルキル-C1-6アルキル、C3-12シクロアルケニル-C1-6アルキル及びC5-12アリール-C1-6アルキルを含む又はからなる群から選択され、
は、任意選択で、水素、ヒドロキシ、オキシ、ハロゲン、カルボキシ、C1-6ヒドロキシアルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6カルボキシアルキル、C1-6スルフラアルキル、C1-6アルキルスルフィド及びC1-6アルコキシを含む又はからなる群から選択される1種又は複数の種の置換基で置換され得、
式中Rは結合であるか、又はC1-6アルキルである。
【0031】
本発明のいくつかの態様によると、Rは、C1-12アルキル、C1-12アルケニル、C1-12アルキニル、C1-12アルコキシ、C1-12アルキル-O-C1-12アルキル、C1-12アルキル-OC(O)-C1-12アルキル、C3-12シクロアルキル、C3-12シクロアルケニル、C5-12アリール、C3-12シクロアルキル-C1-6アルキル、C3-12シクロアルケニル-C1-6アルキル及びC5-12アリール-C1-6アルキルを含む又はからなる群から選択され、
は、任意選択で、水素、ヒドロキシ、オキシ及びC1-6アルコキシを含む又はからなる群から選択される1種又は複数の種の置換基で置換され得、
式中Rは、C1-30アルキル、C1-30アルケニルを含む又はからなる群から選択され、
式中Rは、水素、C1-6アルキルを含む又はからなる群から選択され、
式中Rは結合であるか、又はC1-6アルキルである。
【0032】
本発明のいくつかの態様によると、Rは、C1-6アルキル、C1-6アルケニル、C1-6アルキニル、C1-6アルコキシ、C1-6アルキル-O-C1-6アルキル、C1-6アルキル-OC(O)-C1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、C3-6シクロアルケニル、Cアリール、C3-6シクロアルキル-C1-6アルキル、C3-6シクロアルケニル-C1-6アルキル及びCアリール-C1-3アルキル、
を含む又はからなる群から選択され、
は、任意選択で、水素、ヒドロキシ、オキシ及びC1-6アルコキシを含む又はからなる群から選択される1種又は複数の種の置換基で置換され得、
式中Rは、C1-18アルキル、C1-18アルケニルを含む又はからなる群から選択され、
式中Rは、水素、C1-3アルキルを含む又はからなる群から選択され、
式中Rは結合であるか、又はC1-3アルキルである。
【0033】
本発明のいくつかの態様によると、Rは、C1-6アルキル、C1-6アルケニル、C1-6アルコキシ、C1-6アルキル-O-C1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、C3-6シクロアルケニル、C6-7アリール、C3-6シクロアルキル-C1-3アルキル、C3-6シクロアルケニル-C1-3アルキル及びC5-7アリール-C1-3アルキルを含む又はからなる群から選択され、
は、任意選択で、水素、ヒドロキシ、オキシ、ハロゲン、カルボキシ、C1-3ヒドロキシアルキル、C1-3ハロアルキル、及びC1-3アルコキシを含む又はからなる群から選択される1種又は複数の種の置換基で置換され得、
式中Rは、水素、C5-18アルキル、C5-18アルケニル、C5-15アルコキシ、C5-15アルキル-O-C1-6アルキル、及びC5-15アルキル-OC(O)-C1-6アルキルを含む又はからなる群から選択され、
は、任意選択で、水素、ヒドロキシ、オキシ、ハロゲン、及びカルボキシを含む又はからなる群から選択される1種又は複数の種の置換基で置換され得、
式中Rは、水素、C1-3アルキル、C1-3アルコキシ及びC1-3アルキル-O-C1-3アルキルを含む又はからなる群から選択され、
式中Rは結合であるか、又はC1-3アルキルである。
【0034】
本発明のいくつかの態様によると、Rは、水素、C6-7アリール及びC5-7アリール-C1-3アルキルを含む又はからなる群から選択され、
は、任意選択で、水素、ヒドロキシ、及びC1-3アルコキシを含む又はからなる群から選択される1種又は複数の種の置換基で置換され得、
式中Rは、水素、C5-15アルキル及びC5-15アルケニルを含む又はからなる群から選択され、
式中Rは、水素、C1-3アルキルを含む又はからなる群から選択され、
式中Rは結合であるか、又はC1-3アルキルである。
【0035】
本発明のいくつかの態様によると、RはC5-7アリール-C1-3アルキルであり、
は、任意選択で、水素、ヒドロキシ、及びC1-3アルコキシを含む群から選択される1種又は複数の種の置換基で置換され得、
式中RはC5-16アルキル及びC5-15アルケニルを含む群から選択され、
式中Rは、水素、メチル又はエチルであり、
式中Rは結合である。
【0036】
これらの化合物を使用したプロセスにより、収率及び転換率が向上し、これは大規模生産にとって特に重要である。
【0037】
本発明のいくつかの態様によると、RはC5-7アリール-C1-3アルキルであり、
は任意選択で水素、ヒドロキシ、及びC1-3アルコキシを含む又はからなる群から選択される1種又は複数の種の置換基で置換され得、
式中Rは、水素、C5-16アルキル及びC5-15アルケニルを含む又はからなる群から選択され、
式中Rは、水素、メチル又はエチルであり、
式中Rは結合であるか、又はC1-2アルキルである。
【0038】
本発明のいくつかの態様によると、RはCアリール-C1-2アルキルであり、
は任意選択で水素、ヒドロキシ、及びC1-2アルコキシを含む又はからなる群から選択される1種又は複数の種の置換基で置換され得、
式中Rは、水素、C7-10アルキル及びC7-10アルケニルを含む又はからなる群から選択され、
式中Rは、水素、メチル又はエチルであり、
式中Rは結合であるか、又はC1-2アルキルである。
【0039】
本発明のいくつかの態様によると、RはCアリール、又はCアリール-C1-2アルキルであり、任意選択で水素、ヒドロキシ、オキシ、及びメトキシを含む又はからなる群から選択される1種又は複数の種の置換基で置換される。
【0040】
本発明のいくつかの態様によると、Rは、水素、メタニル、エタニル、ヘプタニル、オクタニル、8-メチル-ノナニル、オクタデカニル、又は8-メチル-ノネニルである。
【0041】
これらの化合物を使用したプロセスにより、収率及び転換率が向上し、これは大規模生産にとって特に重要である。
【0042】
一態様は、式Iのアミン及び式IIaの化合物から式IIIのアミドを酵素合成するプロセスに関し、
【化2】
式中Rは、C1-12アルキル、C1-12アルケニル、C1-12アルキニル、C1-12アルコキシ、C1-12アルキル-O-C1-12アルキル、C1-12アルキル-OC(O)-C1-12アルキル、C1-12アルキル-NH-C1-12アルキル、C1-12アルキル-NHC(O)-C1-12アルキル、C3-12シクロアルキル、C3-12シクロアルケニル、C5-12アリール、C3-12シクロアルキル-C1-6アルキル、C3-12シクロアルケニル-C1-6アルキル及びC5-12アリール-C1-6アルキルを含む又はからなる群から選択され、
は任意選択で、水素、ヒドロキシ、オキシ、ハロゲン、カルボキシ、アミン、アミド、C1-6ヒドロキシアルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6アミンキシアルキル、C1-6アルキルアミド、C1-6カルボキシアルキル、C1-6スルフラアルキル、C1-6アルキルスルフィド及びC1-6アルコキシを含む又はからなる群から選択される1種又は複数の種の置換基で置換され得、
式中シクロアルキル、シクロアルケニル、又はアリールのうちの1又は複数の炭素は、O、N又はSから選択される1又は複数のヘテロ原子で置換され得、
式中Rは、水素、C1-30アルキル、C1-30アルケニル、C1-30アルキニル、C1-30アルコキシ、C1-30アルキル-O-C1-12アルキル、C1-30アルキル-OC(O)-C1-12アルキル、C1-30アルキル-NH-C1-12アルキル、C1-30アルキル-NHC(O)-C1-12アルキル、C3-12シクロアルキル、C3-12シクロアルケニル及びC5-12アリール、C3-12シクロアルキル-C1-6アルキル、C3-12シクロアルケニル-C1-6アルキル及びC5-12アリール-C1-6アルキルを含む又はからなる群から選択され、
は、任意選択で、水素、ヒドロキシ、オキシ、ハロゲン、カルボキシ、アミン、アミド、C1-6ヒドロキシアルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6アミンキシアルキル、C1-6アルキルアミド、C1-6カルボキシアルキル、C1-6スルフラアルキル、C1-6アルキルスルフィド及びC1-6アルコキシを含む又はからなる群から選択される1種又は複数の種の置換基で置換され得、
式中シクロアルキル、シクロアルケニル、又はアリールのうちの1又は複数の炭素は、O、N又はSから選択される1又は複数のヘテロ原子で置換され得、
式中Rは、水素、C1-6アルキル、C1-6アルケニル、C1-6アルキニル、C1-6アルコキシ、C1-6アルキル-O-C1-6アルキル、C1-6アルキル-OC(O)-C1-6アルキル、C1-6アルキル-NH-C1-6アルキル、C1-6アルキル-NHC(O)-C1-6アルキル、C3-12シクロアルキル、C3-12シクロアルケニル及びC5-12アリール、C3-12シクロアルキル-C1-6アルキル、C3-12シクロアルケニル-C1-6アルキル及びC5-12アリール-C1-6アルキルを含む又はからなる群から選択され、
は任意選択で、水素、ヒドロキシ、オキシ、ハロゲン、カルボキシ、アミン、アミド、C1-6ヒドロキシアルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6アミンキシアルキル、C1-6アルキルアミド、C1-6カルボキシアルキル、C1-6スルフラアルキル、C1-6アルキルスルフィド及びC1-6アルコキシを含む又はからなる群から選択される1種又は複数の種の置換基で置換され得、
式中シクロアルキル、シクロアルケニル、又はアリールのうちの1又は複数の炭素は、O、N又はSから選択される1又は複数のヘテロ原子で置換され得、
リパーゼは回転床反応器又はスピン固定床反応器に固定され、ディーン・スターク装置が脱水のために用いられることを特徴とする。
【0043】
本発明のいくつかの態様によると、Rは、C1-6アルキル、C1-6アルケニル、C1-6アルコキシ、C1-6アルキル-O-C1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、C3-6シクロアルケニル、C6-7アリール、C3-6シクロアルキル-C1-3アルキル、C3-6シクロアルケニル-C1-3アルキル及びC5-7アリール-C1-3アルキルを含む又はからなる群から選択され、
は、任意選択で、水素、ヒドロキシ、オキシ、ハロゲン、カルボキシ、C1-3ヒドロキシアルキル、C1-3ハロアルキル、及びC1-3アルコキシを含む又はからなる群から選択される1種又は複数の種の置換基で置換され得、
式中Rは、水素、C5-15アルキル、C5-15アルケニル、C5-15アルコキシ、C5-15アルキル-O-C1-6アルキル、及びC5-15アルキル-OC(O)-C1-6アルキルを含む又はからなる群から選択され、
は、任意選択で、水素、ヒドロキシ、オキシ、ハロゲン、及びカルボキシを含む又はからなる群から選択される1種又は複数の種の置換基で置換され得、
式中Rは、水素、C1-3アルキル、C1-3アルコキシ及びC1-3アルキル-O-C1-3アルキルを含む又はからなる群から選択される。
【0044】
本発明のいくつかの態様によると、RはC5-7アリール-C1-3アルキルであり、
は任意選択で水素、ヒドロキシ、及びC1-3アルコキシを含む又はからなる群から選択される1種又は複数の種の置換基で置換され得、
式中Rは、水素、C5-15アルキル及びC5-15アルケニルを含む又はからなる群から選択され、
式中Rは、水素、メチル又は、エチルである。
【0045】
本発明のいくつかの態様によると、RはCアリール-C1-2アルキルであり、
は任意選択で水素、ヒドロキシ、及びC1-2アルコキシを含む又はからなる群から選択される1種又は複数の種の置換基で置換され得、
式中Rは、C7-10アルキル及びC7-10アルケニルを含む又はからなる群から選択され、
式中Rは、水素、メチル又は、エチルである。
【0046】
プロセスは、カプサイシノイド及びその誘導体のようなアミド化合物の効果的かつ効率的な大規模生産を可能にする。プロセスは、公知のプロセスと比較して収量を向上させた。アミド化のプロセスは、環境に優しいもので、特にコスト効率が良い。
【0047】
本発明のいくつかの態様によると、式IIIの化合物は、式IVの化合物であり、
【化3】
IV
式中nは1又は2であり、
式中Rは、C3-30アルキル、C3-30アルケニル、C3-30アルキニル、C3-12シクロアルキル、C3-12シクロアルケニル及びC5-12アリールを含む又はからなる群から選択され、
は、任意選択で、水素、ヒドロキシ、オキシ、ハロゲン、カルボキシ、アミド、C1-6ヒドロキシアルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6アルキルアミド、C1-6カルボキシアルキル、C1-6スルフラアルキル、C1-6アルキルスルフィド及びC1-6アルコキシ及びC5-12アリールを含む又はからなる群から選択される1種又は複数の種の置換基で置換され得、
式中シクロアルキル、シクロアルケニル、又はアリールのうちの1又は複数の炭素は、O、N又はSから選択される1又は複数のヘテロ原子で置換され得、
式中R又はRは、水素、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-10シクロアルキル、C3-10シクロアルケニル及びC5-12アリールを含む又はからなる群から独立して選択され、
又はRは、任意選択で、ヒドロキシ、オキシ、ハロゲン、カルボキシ、アミン、アミド、C1-6ヒドロキシアルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6アミンオキシアルキル、C1-6アルキルアミド、C1-6カルボキシアルキル、C1-6スルフラアルキル、C1-6アルキルスルフィド及びC1-6アルコキシを含む又はからなる群から選択される1種又は複数の種の置換基で独立して置換され得、
式中シクロアルキル、シクロアルケニル、又はアリールのうちの1又は複数の炭素は、O、N又はSから選択される1又は複数のヘテロ原子で置換され得、
式中Rは、水素、ヒドロキシ、オキシ、ハロゲン、カルボキシ、アミン、アミド、C1-10アルキル、C2-10アルケニル、C2-10アルキニル、C3-12シクロアルキル、C3-12シクロアルケニル及びC5-12アリールを含む又はからなる群から選択され、
は、任意選択で、水素、ヒドロキシ、オキシ、ハロゲン、カルボキシ、アミン、アミド、C1-6ヒドロキシアルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6アミンオキシアルキル、C1-6アルキルアミド、C1-6カルボキシアルキル、C1-6スルフラアルキル、C1-6アルキルスルフィド及びC1-6アルコキシを含む又はからなる群から選択される1種又は複数の種の置換基で置換され得、
式中シクロアルキル、シクロアルケニル、又はアリールのうちの1又は複数の炭素は、O、N又はSから選択される1又は複数のヘテロ原子で置換され得る。
【0048】
これらの化合物を使用したプロセスにより、収率及び転換率が向上し、これは大規模生産にとって特に重要である。
【0049】
いくつかの態様において、式IIIの化合物は、式IVの化合物であり、
nは1又は2であり、
は、C3-30アルキル、C3-30アルケニルを含む又はからなる群から選択され、
又はRは、独立して、水素、C1-3アルキルを含む又はからなる群から選択され、
は水素である。
【0050】
いくつかの態様において、式IIIの化合物は、式IVの化合物であり、
nは1又は2であり、
は、C3-18アルキル及びC3-18アルケニルを含む群から選択され、
又はRは、独立して、水素、C1-6アルキルを含む群から選択され、
は水素である。
【0051】
いくつかの態様において、式IIIの化合物は、式IVの化合物であり、
nは1又は2であり、
は、C5-16アルキル及びC5-15アルケニルを含む群から選択され、
又はRは、独立して、水素、C1-3アルキルを含む群から選択され、
は水素である。
【0052】
いくつかの態様において、式IIIの化合物は、式IVの化合物であり、Rはメタニル、エタニル、ヘプタニル、オクタニル、8-メチル-ノナニル又はオクタデカニル又は8-メチル-ノネニルである。
【0053】
これらの化合物を使用したプロセスにより、収率及び転換率が向上し、これは大規模生産にとって特に重要である。
【0054】
本発明のいくつかの態様によると、溶媒を用いない。
【0055】
本発明のいくつかの態様によると、溶媒は、メチルtert-ブチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、C1-6アルキル-O-C1-6アルキルエーテル、ヘキサン及びその他のC5-10アルカン、シクロヘキサン及びその他のC5-10シクロアルカン、ベンゼン、トルエン、キシレン、tert-ブタノール、tertアミルアルコール、その他の嵩高い第二級又は第三級C5-10アルコール及びその任意のエステルを含む又はからなる群から選択される有機溶媒である。いくつかの態様において、有機溶媒は、ジイソプロピルエーテル、シクロヘキサン、トルエン、及びtert-ブタノール、又はそれらの混合物を含む又はからなる群から選択される。いくつかの態様において、溶媒は、シクロヘキサン、トルエン、又はジイソプロピルエーテル(DIPE)である。いくつかの態様において、溶媒はジイソプロピルエーテル(DIPE)である。いくつかの態様において、溶媒はシクロヘキサンである。いくつかの態様において、溶媒はトルエンである。いくつかの態様において、溶媒はtert-ブタノールである。
【0056】
本発明のいくつかの態様によると、Rが水素ではないときに、溶媒は、メチルtert-ブチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、C1-6アルキル-O-C1-6アルキルエーテル、ヘキサン、及びその他のC5-10アルカン、シクロヘキサン及びその他のC5-10シクロアルカン、ベンゼン、トルエン、キシレン、tert-ブタノール、tertアミルアルコール、その他の嵩高い第二級又は第三級C5-10アルコール及びそのエステルを含む又はからなる群から選択される。いくつかの態様において、有機溶媒は、ジイソプロピルエーテル、シクロヘキサン、トルエン、及びtert-ブタノール、又はそれらの混合物を含む又はからなる群から選択される。いくつかの態様において、溶媒は、シクロヘキサン、トルエン、又はジイソプロピルエーテル(DIPE)である。いくつかの態様において、溶媒はジイソプロピルエーテル(DIPE)である。いくつかの態様において、溶媒はシクロヘキサンである。いくつかの態様において、溶媒はトルエンである。いくつかの態様において、溶媒はtert-ブタノールである。いくつかの態様において、溶媒はリサイクル可能である。いくつかの態様において、溶媒はリサイクルされる。いくつかの態様において、溶媒は、少なくとも70%又は80%又は90%リサイクルされる。溶媒をリサイクルすることは、プロセスの全体的なコストを低減させ、またプロセスのカーボンフットプリントを低減させる。
【0057】
本発明のいくつかの態様によると、リパーゼは、カンジダ・アンタークティカリパーゼA、カンジダ・アンタークティカリパーゼB、架橋サブチリシンAプロテアーゼ、ブタ膵臓リパーゼ、カンジダ・シリンドラセアリパーゼ、リゾプス・アルヒズ、ペニシリウム・シクロピウム、ムコールミエヘイ、サーモマイセス・ラヌギノサスリパーゼ、カンジダ・ルゴサリパーゼ及びシュードモナスリポタンパク質リパーゼを含む又はからなる群から選択される。一態様では、リパーゼはカンジダ・アンタークティカリパーゼA及びカンジダ・アンタークティカリパーゼBを含む又はからなる群から選択される。一態様では、リパーゼはカンジダ・アンタークティカリパーゼである。一態様で、リパーゼはカンジダ・アンタークティカリパーゼB(ノボザイム435(商標))である。カンジダ・アンタークティカリパーゼB又はC.アンタークティカリパーゼAのような固定化酵素は、ノボザイム435(商標)のような商品名で市販されており、容易に入手できる。比較的低コストでの利用可能性は、費用対効果が高いプロセスにとって、特に大規模なプロセスにとって重要である。
【0058】
本発明のいくつかの態様によると、プロセス温度は、15℃及び150℃の間、又は15℃及び115℃の間、又は50及び90の間、又は70から80℃である。比較的低い温度は、費用対効果が高いプロセスにとって、特に大規模なプロセスにとって重要である。
【0059】
本発明のいくつかの態様によると、プロセスは、0.900及び0.200MPaの間、又は大気圧(約0.1MPa)の圧力で実行される。大気圧でプロセスを実行することは、費用対効果が高いプロセスにとって、特に大規模なプロセスにとって重要である。
【0060】
本発明のいくつかの態様によると、回転床反応器は10から75wt%リパーゼで装填される。本発明のいくつかの態様によると、回転床反応器は11から60wt%リパーゼで装填される。本発明のいくつかの態様によると、回転床反応器は15から50wt%リパーゼで装填される。回転床反応器又はスピン固定床反応器及びディーントラップ装置における固定化酵素の独自の組合わせは、プロセスの転換率及び収量を改善する。プロセスは、時間的に効率的で、費用対効果が高いため、10wt%の装填を超えるリパーゼの装填に対する可能性がある付加的なコストは、手ごろなものとなる。
【0061】
本発明のいくつかの態様によると、攪拌の速度は150から600rpm又は200から500rpm、又は200から450rpmである。
【0062】
本発明はまた、式IIの化合物を合成するプロセスに関し、式中RはC6-18アルキル又はC6-18アルケニルである。いくつかの態様によると、式IIの化合物は、式中RがC6-18アルキル又はC6-18アルケニルであり、直鎖状であるか又は分岐し得、以下の段階
【化4】
を含んで調製され、
段階A-1、反応は、無溶媒又は有機溶媒を使用して実行され、
段階B-1、溶媒は非プロトン性有機溶媒であり、
段階B-1、塩基はナトリウム又はカリウムアルコキシドであり、
任意選択で、異性化段階C-1、触媒が、HNO、HNO、及びHNO又はHNOを生成することができるNaNO/HNO、NaNO/NaNO/HSOの組合わせを含む又はからなる群から選択され、及び
水素化段階D-1、触媒は不均一水素化触媒であり、水素源は水素ガスである。
【0063】
いくつかの態様において、RはC6-10アルキルである。
【0064】
いくつかの態様において、段階A-1の有機溶媒は、酢酸エチルであり、
、段階B-1における非プロトン性有機溶媒は、2-メチルテトラヒドロフラン、テトラヒドロフラン及びトルエンを含む又はからなる群から選択され、
、段階B-1のナトリウム又はカリウムアルコキシド塩基は、NaH、KH、t-BuOK、t-BuONaを含む又はからなる群から選択され、
、水素化段階D-1における不均一水素化触媒は、Pd/C及びPd/Alを含む又はからなる群から選択される。
【0065】
いくつかの態様において、段階A-1の有機溶媒は、酢酸エチルであり、段階B-1の非プロトン性有機溶媒は、2-メチルテトラヒドロフランであり、段階B-1のナトリウム又はカリウムアルコキシド塩基は、t-BuOKであり、水素化段階D-1の不均一水素化触媒は、Pd/Cである。
【0066】
8-メチル-6-ノネン酸の生成において、(6-カルボキシヘキシル)トリフェニルホスホニウムブロミド及びイソブチルアルデヒドの間の重要なウィッティヒ反応のリサイクル可能な溶媒として2-MeTHFを使用すると、転換率と収率が向上する。合成は、高い収量及び転換率を伴い、時間及び費用対効果が高い。このことは、大規模なプロセスに対し、特に重要である。
【0067】
さらなる溶媒は、工程段階で使用され得る。抽出及びろ過が、段階間で実行され得る。
【0068】
プロセスは、室温で実行され得る。プロセスは、大気圧(おおよそ1atm又は0.1MPa)で実行され得る。
【0069】
本発明はまた、8-メチル-6-ノナン酸の新たな合成経路のプロセスに関し、ジヒドロカプサイシンの直接的な製造に使用される。プロセスは、重要な段階としてのアルドール縮合、バイヤー・ビリガー酸化及び水素化により、原材料としてシクロヘキサノン及びイソブチルアルデヒドから開始される。
【0070】
本発明のいくつかの態様によると、Rが8-メチル-ノナニルである式IIの化合物は、以下の段階を含んで調製され、
【化5】
段階A-2、反応は溶媒を無溶媒又はいずれかの有機溶媒を用いて実行され、触媒はアミン及び無機塩基を含む又はからなる群から選択され、
段階B-2、反応は無溶媒又は有機溶媒を用いて実行され、触媒は酸であり、
段階C-2、触媒は不均一水素化触媒であり、水素源は水素ガスであり、
段階D-2、酸化剤は過酸化物であり、触媒はリパーゼであり、及び
段階E-2、反応媒体は酸性溶媒であり、及び
段階F-2、触媒は不均一水素化触媒であり、水素源は水素ガスである。
【0071】
いくつかの態様によると、段階A-2の有機溶媒は、トルエン及び芳香族溶媒、THF及びエーテル、ジクロロメタン及びハロゲン化溶媒を含む又はからなる群から選択され、触媒は、ピロリジン及び対応する塩、NaOH及びKOHを含む又はからなる群から選択され、
段階B-2の有機溶媒は、トルエンを含む又はからなる群から選択され、酸はp-TsOH、硫酸及びアンバーリスト-15を含む又はからなる群から選択され、
段階C-2の触媒は、Pd/C、Pd/Alを含む又はからなる群から選択され、
段階D-2における酸化剤は、H水溶液及び過酸を含む又はからなる群から選択され、リパーゼはカンジダ・アンタークティカリパーゼA、カンジダ・アンタークティカリパーゼB、架橋サブチリシンAプロテアーゼ、ブタ膵臓リパーゼ、カンジダ・シリンドラセアリパーゼ、リゾプス・アルヒズ、ペニシリウム・シクロピウム、ムコールミエヘイ、サーモマイセス・ラヌギノサスリパーゼ、カンジダ・ルゴサリパーゼ及びシュードモナスリポタンパク質リパーゼを含む又はからなる群から選択され、
段階E-2の反応媒体は、硫酸水溶液を含む又はからなる群から選択され、
段階F-2の触媒は、Pd/C、Pd/Al、Pd/モレキュラーシーブ、Pt/C、Pt/Al、及びPt/モレキュラーシーブを含む又はからなる群から選択される。
【0072】
ディーン・スターク・トラップは段階B-2で使用し得る。
【0073】
いくつかの態様によると、段階A-2の有機溶媒はトルエンであり、触媒はピロリジンであり、段階B-2の有機溶媒はトルエンであり、酸はp-TsOHであり、段階C-2の触媒はPd/Cであり、段階D-2の酸化剤はH水溶液であり、リパーゼはカンジダ・アンタークティカリパーゼBであり、段階E-2の反応媒体は硫酸水溶液であり、段階F-2の触媒はPd/Cである。
【0074】
合成は、高い収量及び転換率を伴い、時間及び費用対効果が高い。このことは、大規模なプロセスに対し、特に重要である。
【0075】
さらなる溶媒は、工程段階で使用され得る。抽出及びろ過が、段階間で実行され得る。
【0076】
プロセスは、室温で実行され得る。プロセスは、大気圧(おおよそ1atm又は0.1MPa)で実行され得る。
【0077】
本明細書のいずれかで定義されているプロセスは、式IIIの化合物の大規模生産に有用である。いくつかの態様において、プロセスは、式IIIの化合物の大規模生産(>0.5又は>1kg)に使用される。
【図面の簡単な説明】
【0078】
本発明がここで、本発明の種々の実施形態の説明によって、及び添付図面を参照して、より詳細に説明される。
【0079】
図1】本発明のプロセスを実行するためのシステムを示す。
【発明を実施するための形態】
【0080】
定義
室温は、15及び25C°の間の温度である。
【0081】
EtOAcは酢酸エチルである。
【0082】
DIPEはジイソプロピルエーテルである。
【0083】
KOtBuはカリウムtert-ブトキシドである。
【0084】
2-MeTHFは2-メチルテトラヒドロフランである。
【0085】
ET2Oはジエチルエーテルである。
【0086】
AcOHは酢酸である。
【0087】
p-TsOHはp-トルエンスルホン酸又はトシル酸である。
【0088】
tBuOHはtert-ブチルアルコールである。
【0089】
当量(equiv.)は、「equivalent.」、「equivalent」である。本明細書において使用される場合、「wt%」又は「w/w%」又は「w%」という用語は重量パーセントを意味し、総重量の百分率である。
【0090】
本明細書において使用される場合、「任意選択」又は「任意選択に」という用語は、その後に説明される出来事又は状況は、発生する可能性はあるが、必ず発生するわけではなく、その説明には、その出来事又は状況が発生する場合と発生しない場合が含まれるということを意味する。
【0091】
本明細書において使用される場合、単独で、又は接尾辞又は接頭辞として使用される「C」という用語は、炭化水素含有基を含むことを意図しており;nは1から30までの整数である。
【0092】
本明細書において使用される場合、単独で、又は接尾辞又は接頭辞として使用される「ハロゲン」又は「ハロ」という用語は、臭素、塩素、フッ素、及びヨウ素を含むことを意図している。
【0093】
本明細書において使用される場合、単独で、又は接尾辞又は接頭辞として使用される「ヘテロ」という用語は、炭素原子の1又は複数(及び特定の関連付けられる水素原子)が独立して同じ又は異なるヘテロ原子(S、O又はN)又はヘテロ原子団で置換されている、アルキル、シクロアルキル及びアリール基を含むことを意図している。ヘテロ原子団の例は、-O-、-S-、-O-O-、-S-S-、-O-S-、NR、=N-N=、-N=N-、-N=N-NR-、-PR-、-P(O)-、-POR-、-O-P(O)-、-SO-、-SO-、-Sn(R)-などを含むがそれらに限定されない。
【0094】
本明細書において使用される場合、単独で、又は接尾辞又は接頭辞として使用される「C1-30アルキル」という用語は、1から30個の炭素原子を有する分岐鎖及び直鎖の両方の飽和脂肪族炭化水素基を含むことが意図されている。C1-4アルキルの例は、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル、i-ブチル、sec-ブチル、及びtert-ブチルを含む。
【0095】
「アルケニル」という用語は、少なくとも1つの炭素-炭素二重結合を有し、少なくとも2から約30までの炭素原子を含む、一価の直鎖又は分枝鎖炭化水素ラジカルを示す。アルケニルの二重結合は、他の不飽和基にコンジュゲートされないか、又はコンジュゲートされ得る。好適なアルケニル基は、C2-6アルケニル基、例えばビニル、アリル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、ブタジエニル、ペンタジエニル、ヘキサジエニル、2-エチルヘキセニル、2-プロピル-2-ブテニル、4-(2-メチル-3-ブテン)-ペンテニルを含むがそれらに限定されない。アルケニルは、置換されていないか、又は1つ又は2つの適切な置換基で置換され得る。
【0096】
「アルキニル」という用語は、少なくとも1つの炭素-炭素三重結合を有し、少なくとも2から約12までの炭素原子を含む、一価の直鎖又は分枝鎖炭化水素ラジカルを示す。アルキニルの三重結合は、他の不飽和基にコンジュゲートされないか、又はコンジュゲートされ得る。好適なアルキニル基は、アセチレニル、メチルアセチレニル、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニルなどのC2-6アルキニル基を含むが、これらに限定されない。アルキニルは、置換されていないか、又は1つ又は2つの適切な置換基で置換され得る。
【0097】
本明細書において使用される場合、単独で、又は接尾辞及び接頭辞として使用される「C1-6-アルコキシ」という用語は、C1-6-アルキルラジカルを言及し、これは酸素原子を介して分子の残りの部分に結合する。C1-4アルコキシの例は、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、i-プロポキシ、n-ブトキシ、i-ブトキシ、sec-ブトキシ、及びtert-ブトキシを含む。
【0098】
本明細書において使用される場合、単独で、又は接尾辞又は接頭辞として使用される「シクロアルキル」および「シクロアルケニル」という用語は、飽和又は部分的に不飽和の環状アルキルラジカルを含むことを意図している。特定のレベルの飽和が意図されている場合、シクロアカニル又はシクロアルケニルという命名法が使用されている。シクロアルキル基の例は、シクロプロパン、シクロブテン、シクロペンタン、シクロヘキサンなどから誘導される基を含むがそれらに限定されない。
【0099】
本明細書において使用される場合、「アリール」という用語は、5又は12の環員を有する単環式芳香環、又は少なくとも1つの炭素環式芳香環、シクロアルキル環又はヘテロシクロアルキル環に縮合した少なくとも1つの炭素環式芳香環を有する多環系のいずれかを示す。例えば、アリールは、N、O、及びSから独立して選択される1又は複数のヘテロ原子を含有する5から7員のヘテロシクロアルキル環に縮合しているフェニル環を含む。
【0100】
本明細書において使用される場合、用語「C5-12-アリール-C1-6-アルキル」は、C1-6-アルキルラジカルを介して結合しているフェニル基を示す。C-アリール-C1-3-アルキルの例は、フェニルメチル(ベンジル)、1-フェニルエチル、及び2-フェニルエチルを含む。
【0101】
図1は、プロセスを実行するためのシステムを示す。反応器5では、リパーゼは回転固定台2において固定される。モータ3は、固定台2の回転のために用いられる。反応器5は、ディーン・スターク装置1に接続され、それはコンデンサ4に接続されている。
【0102】
本発明において、プロセスは、回転床反応器に固定化されたリパーゼを、脱水用のディーン・スターク装置と共に使用して実行される。
【0103】
このプロセスは、カプサイシノイドの調製のために、またカルボン酸又はエステルとの多くの他のアミンのアミド化のために使用し得る。
【0104】
プロセスは、式Iのアミン及び式II又はIIaの化合物から式IIIのアミドを合成するために、以下に示すように使用され得、
【化6】
又は
【化7】
【0105】
は、C1-12アルキル、C1-12アルケニル、C1-12アルキニル、C1-12アルコキシ、C1-12アルキル-O-C1-12アルキル、C1-12アルキル-OC(O)-C1-12アルキル、C1-12アルキル-NH-C1-12アルキル、C1-12アルキル-NHC(O)-C1-12アルキル、C3-12シクロアルキル、C3-12シクロアルケニル、C5-12アリール、C3-12シクロアルキル-C1-6アルキル、C3-12シクロアルケニル-C1-6アルキル、及びC5-12アリール-C1-6アルキルを含む群から選択され得、
は、任意選択に、水素、ヒドロキシ、オキシ、ハロゲン、カルボキシ、アミン、アミド、C1-6ヒドロキシアルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6アミンキシアルキル、C1-6アルキルアミド、C1-6カルボキシアルキル、C1-6スルフラアルキル、C1-6アルキルスルフィド及びC1-6アルコキシを含む群から選択される1種又は複数の種の置換基で置換され得る。
【0106】
は、C1-6アルキル、C1-6アルケニル、C1-6アルコキシ、C1-6アルキル-O-C1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、C3-6シクロアルケニル、C6-7アリール、C3-6シクロアルキル-C1-3アルキル、C3-6シクロアルケニル-C1-3アルキル及びC5-7アリール-C1-3アルキルを含む群から選択され得、
は、任意選択で、水素、ヒドロキシ、オキシ、ハロゲン、カルボキシ、C1-3ヒドロキシアルキル、C1-3ハロアルキル、及びC1-3アルコキシを含む群から選択される1種又は複数の種の置換基で置換され得る。
【0107】
又は、Rは、任意選択で水素、ヒドロキシ、及び/又はメトキシで置換されたC5-7アリール-C1-3アルキル、又はC6-7アリール-C1-2アルキル、又はCアリール-C1-3アルキルであり得る。
【0108】
は、水素、C1-30アルキル、C1-30アルケニル、C1-30アルキニル、C1-30アルコキシ、C1-30アルキル-O-C1-12アルキル、C1-30アルキル-OC(O)-C1-12アルキル、C1-30アルキル-NH-C1-12アルキル、C1-30アルキル-NHC(O)-C1-12アルキル、C3-12シクロアルキル、C3-12シクロアルケニル及びC5-12アリール、C3-12シクロアルキル-C1-6アルキル、C3-12シクロアルケニル-C1-6アルキル及びC5-12アリール-C1-6アルキルを含む群から選択され得、
は、任意選択に、水素、ヒドロキシ、オキシ、ハロゲン、カルボキシ、アミン、アミド、C1-6ヒドロキシアルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6アミンキシアルキル、C1-6アルキルアミド、C1-6カルボキシアルキル、C1-6スルフラアルキル、C1-6アルキルスルフィド及びC1-6アルコキシを含む群から選択される1種又は複数の種の置換基で置換され得る。
【0109】
は、水素、C3-30アルキル、C3-30アルケニル、C3-30アルキニル、C3-12シクロアルキル、C3-12シクロアルケニル及びC5-12アリールを含む群から選択され得る。
【0110】
は、水素、C5-18アルキル、C5-18アルケニル、C5-18アルコキシ、C5-18アルキル-O-C1-6アルキル、及びC5-18アルキル-OC(O)-C1-6アルキルを含む群から選択され得、
は任意選択で、水素、ヒドロキシ、オキシ、ハロゲン及びカルボキシを含む群から選択される、1種又は複数の種の置換基で置換され得る。
【0111】
又は、Rは、水素、C5-16アルキル及びC5-16アルケニル又はC7-17アルキル及びC7-16アルケニル、又はC7-10アルキル及びC7-10アルケニルを含む群から選択され得る。
【0112】
は、水素、C1-6アルキル、C1-6アルケニル、C1-6アルキニル、C1-6アルコキシ、C1-6アルキル-O-C1-6アルキル、C1-6アルキル-OC(O)-C1-6アルキル、C1-6アルキル-NH-C1-6アルキル、C1-6アルキル-NHC(O)-C1-6アルキル、C3-12シクロアルキル、C3-12シクロアルケニル及びC5-12アリール、C3-12シクロアルキル-C1-6アルキル、C3-12シクロアルケニル-C1-6アルキル及びC5-12アリール-C1-6アルキルを含む群から選択され、
は、任意選択に、水素、ヒドロキシ、オキシ、ハロゲン、カルボキシ、アミン、アミド、C1-6ヒドロキシアルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6アミンキシアルキル、C1-6アルキルアミド、C1-6カルボキシアルキル、C1-6スルフラアルキル、C1-6アルキルスルフィド及びC1-6アルコキシを含む群から選択される1種又は複数の種の置換基で置換され得、
式中シクロアルキル、シクロアルケニル、又はアリールのうちの1又は複数の炭素は、O、N又はSから選択される1又は複数のヘテロ原子で置換され得る。Rは、水素、C1-3アルキル、C1-3アルコキシ、及びC1-3アルキル-O-C1-3アルキルを含む群から選択され得る。
【0113】
又は、Rは、水素、メチル、エチルであり得る。Rは水素であり得る。
【0114】
Rは結合であり得る。RはC1-3アルキル、又はメチル又はエチルであり得る。
【0115】
式IIIの化合物は、構造IVを表し得
【化8】
IV
式中nは1又は2であり、
式中Rは、C3-20アルキル、C3-20アルケニル、C3-20アルキニル、C3-12シクロアルキル、C3-12シクロアルケニル及びC5-12アリールを含む群から選択され、
は、任意選択で、水素、ヒドロキシ、オキシ、ハロゲン、カルボキシ、アミン、アミド、C1-6ヒドロキシアルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6アミンキシアルキル、C1-6アルキルアミド、C1-6カルボキシアルキル、C1-6スルフラアルキル、C1-6アルキルスルフィド及びC1-6アルコキシ及びC5-12アリールを含む群から選択される1種又は複数の種の置換基で置換され得、
式中R又はRは、水素、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-10シクロアルキル、C3-10シクロアルケニル及びC5-12アリールを含む群から選択され、
式中Rは、水素、ヒドロキシ、オキシ、ハロゲン、カルボキシ、アミン、アミド、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-6シクロアルキル、C3-6シクロアルケニル及びC5-6アリールを含む群から選択され、
は、任意選択で、水素、ヒドロキシ、オキシ、ハロゲン、カルボキシ、アミン、アミド、C1-6ヒドロキシアルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6アミンキシアルキル、C1-6アルキルアミド、C1-6カルボキシアルキル、C1-6スルフラアルキル、C1-6アルキルスルフィド及びC1-6アルコキシを含む群から選択される1種又は複数の種の置換基で置換され得る。
【0116】
式IIIの化合物は、構造IVを表し得、
式中nは1又は2であり、
式中Rは、C5-18アルキル、C5-18アルケニル、C5-15アルコキシ、C5-18アルキル-O-C1-6アルキル-,及びC5-18アルキル-OC(O)-C1-6アルキルを含む又はからなる群から選択され、
は任意選択で、ヒドロキシ、オキシ、ハロゲン及びカルボキシを含む又はからなる群から選択される1種又は複数の種の置換基で置換され得、
式中R又はRは、水素及びC1-3アルキルを含む又はからなる群から選択され、
は、水素、ヒドロキシ、及びオキシを含む又はからなる群から選択され得る。
【0117】
式IIIの化合物は、構造IVを表し得、
式中nは1又は2であり、
式中RはC6-12アルキル及びC6-12アルケニル、又はC7-10アルキル及びC7-10アルケニルを含む群から選択され、
式中R又はRは、水素、メチル、又はエチルを含む群から選択され、
は水素である。
【0118】
カプサイシノイドを調製するための従来技術のプロセス
アシル供与体としてのエステル:かなり乾燥させたアミン(<3wt%の水含有物)が必要であり、さもなければ、水は、底のアミンを覆い、反応を遅らせる。過剰なアミンを追加せずにエステルの完全な転換に達するのは困難である。
【化9】
高価な無水溶媒及び毒性のSOClが、このプロセスで必要であった。酵素プロセスと比較して、収率は大部分大幅に低く、結果として現れる生成物は、かなり粗悪であった。生成物は茶色がかった黄色で粘着性であった。実施例25を参照されたい。
【0119】
酵素プロセス
【化10】
このプロセスは、大量のモレキュラーシーブを必要とし、それはスケールアップする場合にはより大きな施設を必要とする。ろ過及び浄化が必要であるが、それは時間及びコストがかかる。実施例23を参照されたい。
【0120】
両方の従来技術のプロセスは、時間がかかり、高価であり、収量が低すぎるため、経済的に実現可能な様式での大規模生産には使用できない。
【0121】
本発明のプロセスは、以下の模式図によるカプサイシノイドの調製のため使用され得る。
【化11】
本発明のプロセスでは、溶媒は使用されなくともよい。
【0122】
溶媒を使用する場合、溶媒は、メチルtert-ブチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、C1-6アルキル-O-C1-6アルキルエーテル、ヘキサン及びその他のC5-10アルカン、シクロヘキサン及びその他のC5-10シクロアルカン、ベンゼン、トルエン、キシレン、tert-ブタノール、tertアミルアルコール、その他の嵩高い第二級又は第三級C5-10アルコール及びその任意のエステルを含む又はからなる群から選択される有機溶媒であり得る。溶媒は、トルエン、ジイソプロピルエーテル、又はシクロヘキサンであり得る。
【0123】
が水素ではないときに、溶媒は、メチルtert-ブチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、C1-6アルキル-O-C1-6アルキルエーテル、ヘキサン、及びその他のC5-10アルカン、シクロヘキサン及びその他のC5-10シクロアルカン、ベンゼン、トルエン、キシレン、tert-ブタノール、tertアミルアルコール、その他の嵩高い第二級又は第三級C5-10アルコール及びそのエステルを含む又はからなる群から選択され得る。
【0124】
溶媒は、トルエン、ジイソプロピルエーテル、又はシクロヘキサンであり得る。
【0125】
リパーゼが、カンジダ・アンタークティカリパーゼA、カンジダ・アンタークティカリパーゼB、架橋サブチリシンAプロテアーゼ、ブタ膵臓リパーゼ、カンジダ・シリンドラセアリパーゼ、リゾプス・アルヒズ、ペニシリウム・シクロピウム、ムコールミエヘイ、サーモマイセス・ラヌギノサスリパーゼ、カンジダ・ルゴサリパーゼ及びシュードモナスリポタンパク質リパーゼを含む又はからなる群から選択され得る。
【0126】
プロセスは、室温及び150℃の間、又は室温及び115℃の間の温度で実行し得る。
【0127】
プロセスは、0.900及び0.200MPaの間、又は約0.1MPaの圧力で実行し得る。
【0128】
式IIの化合物は、以下の段階を含む又はからなり、調製され得、
【化12】
式中RはC6-18アルキル又はC6-18アルケニルであり、直鎖又は分岐鎖であり得、
段階A-1、反応は、無溶媒又はEtOAcなどの任意の有機溶媒を使用して実行される、
段階B-1、溶媒は、2-メチルテトラヒドロフラン、テトラヒドロフラン、トルエン及び任意の他の非プロトン性有機溶媒を含む又はからなる群から選択される、
段階B-1、塩基は、NaH、KH、t-BuOK、t-BuONa、及び別のナトリウム又はカリウムアルコキシドを含む又はからなる群から選択される、
異性化段階C-1、触媒は、HNO、HNO、及びHNO又はHNOを生成することができる他の任意の組合わせを含む又はからなる群から選択される、及び
水素化段階D-1、触媒は、Pd/C、Pd/Al及び任意の他の不均一水素化触媒を含む又はからなる群から選択され、水素源は水素ガスである。
【0129】
式IIの化合物は、以下の段階を含む又はからなり、調製され得、
【化13】
段階A-2、反応は無溶媒又はトルエンなどのいずれかの有機溶媒で実行され、触媒は、ピロリジン、他のアミン及び対応する塩、NaOH、KOH、及び他の無機塩基を含む又はからなる群から選択される、
段階B-2、反応は無溶媒、又はトルエンなどの有機溶媒で実行され、触媒は、p-TsOH、硫酸、アンバーリスト-15,及び他の酸を含む又はからなる群から選択される、
段階C-2及び段階F-2、水素源が水素ガスであり、触媒はPd/C、Pd/Al、及び別の不均一水素化触媒を含む又はからなる群から選択される、
段階D-2、酸化剤がH水溶液、過酸、及び別の過酸化物を含む又はからなる群から選択され、触媒がカンジダ・アンタークティカリパーゼA、カンジダ・アンタークティカリパーゼB、架橋サブチリシンAプロテアーゼ、ブタ膵臓リパーゼ、カンジダ・シリンドラセアリパーゼ、リゾプス・アルヒズ、ペニシリウム・シクロピウム、ムコールミエヘイ、サーモマイセス・ラヌギノサスリパーゼ、カンジダ・ルゴサリパーゼ及びシュードモナスリポタンパク質リパーゼを含む又はからなる群から選択される、及び
段階E-2、反応媒体が、硫酸水溶液又は別の強酸性溶媒を含む又はからなる群から選択される、及び
段階F-2、触媒は、Pd/C、Pd/Al、Pd/モレキュラーシーブ、Pt/C、Pt/Al、及びPt/モレキュラーシーブを含む又はからなる群から選択され、水素源は水素ガスである。
【0130】
式IIの化合物を調製するためのプロセスは、室温及び150℃の間、又は室温及び115℃の間の温度で実行され得る。これらのプロセスは、0.900及び0.200MPaの間、又は約0.1MPaの圧力で実行され得る。
【0131】
実験のセクション
バニリルアミンの調製
バニリルアミンはその塩酸塩から調製された。HCl塩は、商業供給者から購入するか、文献の手順に従って調製した(ChemBioChem 2009, 10, 823; J. Med. Chem. 2018, 61, 8225)。
【化14】
実施例1:50.00gのバニリルアミンHCl塩を500mLの冷水(約5℃)において溶解し、氷の槽で冷却させ、1当量3MのNaOH(87.9mL)を、激しく撹拌させ続けている間、10分、部分的に追加した。内部の温度は、約5℃に維持された。すべての基を追加した後、乳白色の溶液はさらに5分撹拌され、その後ろ過された。漏斗の白色生成物を2回冷水(5℃、100mL×2)で洗浄し、その後重量が同じに留まる間まで、真空下で乾燥させた。生成物37.32g(収率92.4%)が取得された。実施例2:500.0gのバニリルアミンHCl塩を5mLの水(10~15℃)において溶解し、1当量3MのNaOHを、激しく撹拌させ続けている間、20分、部分的に追加した。すべての基を追加した後、乳白色の溶液はさらに10分撹拌され、その後ろ過された。漏斗の白色生成物を2回冷水(1L×2)で洗浄し、その後50℃で、24時間真空室で乾燥させた。478.0gのオフホワイトの生成物が、19.5wt%の含水率で取得された(Kern DBS 60-3水分分析器で判定)。
【0132】
脂肪酸の調製重要な段階としてのウィッティヒ反応による脂肪酸の調製
【化15】
実施例3:(6-カルボキシヘキシル)トリフェニルホスホニウムブロミドの調製。
【0133】
1Lの丸底フラスコにおいて、97.53gの6-ブロモヘキサン酸及び131.15g(1.0当量)のトリフェニルホスフィン(PPh)が、500mLのEtOAcにおいて溶解された。混合物は、75から80℃で加熱され、7日間撹拌された。ろ過後、収集した生成物をEtOAc(50mL×2)で洗浄し、次いで真空下で乾燥させて、221.80gの白色粉末を得た(収率97.0%)。結合させたろ液は、さらなるバッチ用の溶媒としてリサイクルした。
【0134】
実施例4:(Z)-8-メチル-6-ノネン酸の調製。
【0135】
1L二口丸底フラスコにおいて、100.00g(6-カルボキシヘキシル)トリフェニルホスホニウム(PhPO)ブロミド及び49.07g(2.0当量)のKOtBuを、窒素雰囲気の保護下で300mLの2-MeTHFにおいて溶解し、氷水の槽を使用して冷却した。化合物が溶解している間に、反応混合物が明るいオレンジ色に変わった。200mLの2-MeTHF中の18.92g(1.2当量)のイソブチルアルデヒド溶液を、冷却した反応混合物にゆっくり追加すると、迅速に白くなった。追加が完了した後、反応混合物を室温に温め、6時間撹拌した。反応は、500mLのHOを追加してクエンチした。MeTHF溶媒は、蒸留により回収された。室温への冷却後、PhPOの大半は沈降し、ろ過により白色粉末として収集された。ろ液は、濃縮させたHClを酸化させてpH2にし、形成された有機層を回収し、水相をEtO(100mL×2)で抽出した。有機相を結合させ、無水NaSOで乾燥し、濃縮して、56.6gの粗生成物を生じた。この粗生成物を、その後、圧力低減下で蒸留して、(Z)-8-メチル-6-ノネン酸(32.76g、収率88%、NMR分析によるZ/E11:1)を無色の油状生成物として得た。
【0136】
実施例5:8-メチルノナン酸の調製。
【0137】
32gの(Z)-8-メチル-6-ノネン酸を150mLのジイソプロピルエーテルに溶解した。次いで、0.5mol%のPd/C粉末をこの溶液に分散させた。混合物は、一晩室温で、Hバルーンで水素化した。触媒は、ろ過により回収された。溶媒は、蒸留により回収された。8-メチルノナン酸は、>99%の収率で、無色の油として取得された。
【0138】
実施例6:(E)-8-メチル-6-ノネン酸の調製。
【0139】
1L二口丸底フラスコにおいて、100.00g(6-カルボキシヘキシル)トリフェニルホスホニウムブロミド及び49.07g(2.0当量)のKOtBuを、窒素雰囲気の保護下で300mLの2-MeTHFに溶解し、氷水の槽を使用して冷却した。化合物が溶解している間に、反応混合物が明るいオレンジ色に変わった。200mLの2-MeTHF中の18.92g(1.2当量)のイソブチルアルデヒド溶液を、冷却した反応混合物にゆっくり追加すると、迅速に白くなった。追加が完了した後、反応混合物を室温に温め、6時間撹拌した。反応は、500mLのHOを追加してクエンチした。MeTHF溶媒は、蒸留により回収された。室温への冷却後、PhPOの大半は沈降し、ろ過により白色粉末として収集された。ろ液は、濃縮させたHClを酸化させてpH2にし、形成された有機層を回収し、水相をDIPE(100mL×2)で抽出した。有機相は、組合わされて濃縮された。この粗中間物は、その後、窒素雰囲気の保護下、85℃で、濃縮させたHNO(0.03当量)で24時間処理された。冷却後、混合物は水(50mL×2)で洗浄された。水相は、DIPE(50mL×2)で結合及び抽出させた。有機相を結合させ、無水NaSOで乾燥し、濃縮されて、53.1gの粗生成物を得た。この粗生成物を、その後、圧力低減下で蒸留して、(E)-8-メチル-6-ノネン酸(30.2g、収率81%、NMR分析によるE/Z86:14)を無色の油状生成物として得た。
【0140】
シクロヘキサノン及びイソブチルアルデヒドから開始する8-メチルノナン酸の調製
【化16】
実施例7:2-(2-メチルプロピリデン)シクロヘキサン-1-オンの調製
【化17】
50gのイソブチルアルデヒド、102gのシクロヘキサノン(1.5当量)、5mol%のピロリジン及び5mol%のAcOHを、40℃で12時間加熱及び撹拌した。室温への冷却後、混合物を200mLの水と100mLのトルエンに分散させ、有機相を分離した。水相がトルエン(50mL×2)で抽出された。有機相を4mol%のp-TsOH・H2O触媒、還流条件で2時間、ディーン・スターク・トラップで結合及び処理し、生成された水を収集した。再度室温に冷却した後、酸は1MのNaOH水溶液30mLで洗浄することにより除去された。トルエン及び過剰なシクロヘキサノンは、蒸留により回収された。エノン生成物(87.6g、収率83%、明るい黄色)が、その後圧力低減下で蒸留された。
【0141】
実施例8:2-イソブチルシクロヘキサノンの調製
5gの2-(2-メチルプロピリデン)シクロヘキサン-1-オンが、10mLのEtOAcにおいて溶解された。0.2mol%のPd/Cを追加し、水素化が4時間、Hバルーンを用いて室温で行われた。完全な転換が、NMR分析に基づいて実現された。触媒は、ろ過により回収し、ろ液を直接、次の酸化に使用した。
【0142】
実施例9:7-イソブチルオキセパン-2-オンの調製2-イソブチルシクロヘキサノンのEtOAc溶液に、ノボザイム435(商標)(250mg)及び30%H水溶液(3当量)を追加した。混合物を50℃で撹拌及び加熱した。24時間後、91%の転換が、NMR分析に基づいて実現された。
室温に冷却した後、触媒リパーゼをろ過で回収した。ろ液を5%のNa水溶液及び塩水で洗浄し、過剰な過酸化物を除去した。有機相が濃縮され、粗ラクトンが生じた。
【0143】
実施例10:8-メチル-6-ノナン酸の調製上記の粗ラクトンを5MのHSO(40mL)に分散させ、油の槽で、110℃で加熱した。20時間後、混合物を室温に冷却し、DIPE(20mL×3)で抽出した。有機相を塩水で洗浄し、無水NaSOで脱水し、ろ過した。0.5mol%のPd/C粉がろ液に追加され、水素化が24時間、Hバルーンを用いて室温で行われた。ろ過してPd触媒を回収した後、ろ液を濃縮し、シリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、8-メチル-6-ノナン酸を得た(2.1g、実施例7の5gのエノン生成物から37%の収率)。
【0144】
カプサイシノイドの調製
【化18】
実施例11:DIPEにおける過剰なアミンでのカプサイシンの調製。通常の大気圧(おおよそ1atm)では、8-メチル-6-ノネン酸(3.65g)、バニリルアミン(1.1当量)、ビードのノボザイム435(商標)(498.8mg、14w/w%E/S)を、ディーン・スターク・トラップでジイソプロピルエーテル(45mL)において還流(約69℃)し、生成された水を収集した。一晩(19時間)、約300rpmで撹拌した後、混合物をろ過して触媒リパーゼを回収し、ろ液を0.5MのHCl水溶液(10mL)で洗浄した。水相が、EtO(10mL×2)で抽出され、有機相を組合わせ、無水NaSOで脱水し、濃縮されて、6.53gの生成物(収率99.7%、非常に淡い黄色)を生じた。
【0145】
実施例12:トルエンにおける過剰な脂肪酸でのノニバミドの調製。通常の大気圧(おおよそ1atm)では、バニリルアミン(4.89g、2.00wt%水)、ノナン酸(1.01当量)、およびビードのノボザイム435(商標)(1g、20w/w%E/S)を、トルエン(50mL)においてディーン・スターク・トラップで還流(約110℃)し、生成された水を収集した。約300rpmで一晩(16時間)撹拌した後、ノナン酸の変換は>99%であった。ろ過して酵素触媒を回収した後、混合物は濃縮して、9.14gの生成物を生じた(収率99.6%、白色)。
【0146】
実施例13:シクロヘキサンにおける過剰な脂肪酸でのノニバミドの調製。通常の大気圧(おおよそ1atm)では、バニリルアミン(4.89g、2.00wt%水)、ノナン酸(1.01当量)、およびビードのノボザイム435(商標)(1g、20w/w%E/S)をシクロヘキサン(50mL)においてディーン・スターク・トラップで還流(約81℃)し、生成された水を収集した。約300rpmで一晩(16時間)撹拌した後、ノナン酸の変換は>99%であった。ろ過して酵素触媒を回収した後、混合物は濃縮して、9.10gの生成物を生じた(収率99.1%、淡い黄色)。
【0147】
ビードでリパーゼを用いることは、リパーゼのろ過のような後処理にはコストがかかることなどに起因して、大規模生産には実現可能ではないので、次の実験は、回転床反応器に固定されるリパーゼを用いて実行された。
【0148】
実施例14:固定床反応器でのジヒドロカプサイシンの調製。通常の大気圧(おおよそ1atm)で、12のノボザイム435(商標)(45から60w/w%E/S)で充填された固定床反応器を備えた1L反応器において、バニリルアミン、わずかに過剰な8-メチルノナン酸(1.01当量)、及びジイソプロピルエーテル(600mL)をディーン・スターク・トラップで還流(約69℃)し、生成された水を収集した(図1)。反応の間、rpmは約300rpmに固定された。
【0149】
反応後、熱い溶液を放出して室温まで冷却した。ジヒドロカプサイシン生成物は、結晶化され、ろ過により収集された。ろ液は、さらなるバッチのために、溶媒として直接リサイクルした。結果を表1に示す。ジヒドロカプサイシンの収率は平均99.7%であった。
【0150】
表1.固定床反応器でのジヒドロカプサイシンの調製
【化19】
【表1】
結果は、良好な転換率及び6サイクル後での収率を示す。
【0151】
実施例15:固定床反応器でのカプサイシンの調製(45w/w%E/S)。実施例14の反応器システムは、残留ジヒドロカプサイシンを除去するためDIPE溶媒で還流して洗浄した。この反応器では、通常の大気圧(おおよそ1atm)で、バニリルアミン、わずかに過剰の8-メチル-6-ノネン酸(1.01当量)、及びジイソプロピルエーテル(600mL)が、ディーン・スターク・トラップを用いて還流(約69℃)され、生成された水を回収した。反応の間、rpmは約300rpmに固定された。反応後、熱い溶液を放出して室温まで冷却した。カプサイシン生成物は、結晶化され、ろ過により収集された。ろ液は、さらなるバッチのために、溶媒として直接リサイクルした。結果を表2に示す。カプサイシンの収率は平均99.4%であった。
【0152】
表2.固定床反応器でのカプサイシンの調製。
【化20】
【表2】
結果は、良好な転換率及び5サイクル後での収率を示す。
【0153】
実施例16a:固定床反応器でのノニバミドの調製(15から21w/w%E/S)。実施例15の反応器システムは、残留ジヒドロカプサイシンを除去するためDIPE溶媒で還流して洗浄した。この反応器では、通常の大気圧(おおよそ1atm)で、バニリルアミン、わずかに過剰のノナン酸(1.01当量)、及びジイソプロピルエーテル(600mL)が、ディーン・スターク・トラップを用いて還流(約69℃)され、生成された水を回収した。反応の間、rpmは約300rpmに固定された。反応後、熱い溶液を放出して室温まで冷却した。ノニバミド生成物は、結晶化され、ろ過により収集された。ろ液は、さらなるバッチのために、溶媒として直接リサイクルした。結果を表3aに示す。ノニバミドの収率は平均99.8%であった。
【0154】
表3a.固定床反応器でのノニバミドの調製。
【化21】
【表3】
結果は、良好な転換率及び11サイクル後での収率を示す。
【0155】
実施例16b:100Lの固定床反応器でのノニバミドの調製。通常の大気圧(おおよそ1atm)で、1kgのノボザイム435(商標)(50から100w/w%E/S)で充填された固定床反応器を備えた100L反応器において、バニリルアミン、過剰な8-メチルノナン酸(1.03当量)、及びジイソプロピルエーテル(90L)をディーン・スターク・トラップで還流(約69℃)し、生成された水を収集した。反応の間、rpmは約250rpmに固定された。反応後、熱い溶液を放出して15℃まで冷却した。ノニバミド生成物は、結晶化され、ろ過により収集された。ろ液は、さらなるバッチのために、溶媒として直接リサイクルした。結果を表3bに示す。結果は、本発明のプロセスが、アミドの大規模生産に使用できることを示している。
【0156】
表3b.100L固定床反応器でのノニバミドの調製。
【表4】
結果は、プロセスが大規模で使用されたとき、良好な転換率及び3サイクル後での収率を示す。
【0157】
比較例:
【0158】
乾燥剤による脂肪酸からのカプサイシンの調製
【化22】
実施例17:200mLの反応器に、トルエン(150mL)、4Åモレキュラーシーブ(10g)、固定化酵素(ノボザイム435(商標)、0.59g)、8-メチル-6-ノネン酸(2.02g)、及びバニリルアミン(2当量)を追加した。反応は、80℃で行われ、NMRにより監視されていた。6時間後、酸の変換は>99%であった。ろ過の後、有機ろ液は冷却され、連続的に、1MのHCl(20mL×2)、水(20mL×2)、及び塩水(20mL)で洗浄された。無水NaSOにより乾燥させた後、溶媒を真空下で除去した。カプサイシン3.07g(収率84.7%)が取得された。
【0159】
実施例18:25mLのフラスコに、t-BuOH(8mL)、4Åモレキュラーシーブ(600mg)、固定化酵素(ノボザイム435(商標)、75mg)、8-メチル-6-ノネン酸(341g)、及びバニリルアミン(1.06当量)を追加した。反応は、80℃で行われ、NMRにより監視されていた。10時間後、酸の変換は約95%であった。
【0160】
アシル供与体としてのエステルによるカプサイシンの調製:
【化23】
実施例19:メチルエステルの調製。4.73gの8-メチル-6-ノネン酸が、30mLのMeOHにおいて溶解された。この溶液に、5滴の濃縮されたHSOを触媒として追加した。生じた溶液は、一晩還流した。室温に冷却した後、MeOHの大半は、ロータリーエバポレーターで除去され、残渣をEtO(30mL)に溶解し、5%NaCO溶液(10mL×2)で洗浄した。有機相は、無水NaSOで乾燥させ、濃縮されて、>99%の収率のエステル生成物を生じた。
【0161】
実施例20:固定床反応器でのエステルによるカプサイシンの調製。6gのノボザイム435(商標)(10から20w/w%E/S)を充填した回転固定台を備えた1L反応器に、8-メチル6-ノネン酸のエチルエステル、過剰のバニリルアミン(1.1当量)、及びジイソプロピルエーテル(600mL)が還流された。反応後、熱い溶液を放出して室温まで冷却した。溶液は連続的に、0.5MのHCl(60mL)、水(60mL)、及び塩水(20mL)で洗浄された。無水NaSOにより乾燥させた後、溶媒を回転蒸発で回収した。カプサイシン生成物は、明るい黄色で取得された。結果を表4に示す。
【0162】
表4.固定床反応器におけるエステルによるカプサイシンの調製。
【表5】
実施例21:蒸留装置によるエステルからのカプサイシンの調製。短経路蒸留装置を備えたフラスコに対して、8-メチル-6-ノネン酸のメチルエステル923mg、200mgのビードのノボザイム435(商標)、及び1.1当量のバニリルアミンを、80℃で20mLのt-BuOHにおいて加熱した。20時間後、エステルの変換は、NMR分析によると>99%であった。
【0163】
結果は、エステルを用いることは可能だが収率は前の例14、15、及び16と比較して低くなるということを示している。メチルエステルは対応する酸から調製されるため、追加の工程段階が必要とされる。さらに、アップスケーリングの時の作業は面倒である。他に、溶媒をリサイクルするのが困難で、それは大規模生産におけるプロセスのコストと環境への影響を低減するには重要である。
【0164】
実施例22:ニートな状態(溶媒がない)でのカプサイシノイドの調製。実験結果を表5に示す。
【0165】
表5.ニートな状態でのカプサイシノイドの調製。
【表6】
真空下。
【0166】
結果は、圧力低減を使用するとプロセスの収率が低下することを示している(エントリー1)。
【0167】
実施例23:触媒リパーゼによる脱水なしのカプサイシンの調製。
【0168】
バニリルアミン(1mmol)、8-メチル-6-ノネン酸(1mmol)、及びノボザイム435(商標)(45mg)が、トルエン(4mL)において撹拌され、80℃で48時間加熱した。72%の転換が、NMR分析に基づいて実現された。
【0169】
実施例24:触媒リパーゼなしでディーン・スターク蒸留を用いたカプサイシンの調製。
【0170】
ディーン・スターク・トラップで、生成された水を収集し、バニリルアミン(1mmol)及び8-メチル-6-ノネン酸(1mmol)を、トルエン(4mL)で115℃油の槽で20時間還流した。19%の転換が、NMR分析に基づいて実現された。
【0171】
実施例25:アシル供与体としての酸塩化物によるカプサイシンの調製
【化24】
1Lのフラスコ1本において、47.17gの8-メチル-6-ノネン酸を、400mLの無水EtOに溶解させた。30.1mLのSOCl(1.5同等)を100mLの無水EtOにおいて溶解させ、ゆっくりと、酸の溶液に追加した。生じた溶液は、3時間還流され、その後過剰なSOCl及び溶媒が圧力低減下で除去された。生じた酸塩化物は、次いで、200mLの無水EtOに溶解した。400mLの無水EtOにおける84.7gのバニリルアミンのスラリー(2当量)に、酸塩化物溶液を2時間かけてゆっくりと追加した。追加した後、還流が2時間続けられた。混合物は、氷水の槽で冷却され、沈降物がろ過された。有機ろ液は連続的に、1MのHCl(50mL×2)、水(50mL×2)、及び塩水(50mL)で洗浄された。無水NaSOにより乾燥させた後、溶媒を真空下で除去した。カプサイシン54.3g(収率64.2%)が取得された。
【0172】
酵素触媒及びディーン・スターク蒸留の組合わせによるその他のアミドの調製。
【0173】
R)-2-メトキシ-N-(1-フェニルエチル)アセトアミドの調製
【化25】
実施例26.ディーン・スターク・トラップで、生成された水を収集し、1-フェニルエタン-1-アミン(1mmol)、エチル2-メトキシ酢酸エチル(2mmol)、及びビードのノボザイム435(商標)(45mg)を、ジイソプロピルエーテル(30mL)において、90℃の油の槽で10時間還流した。処理の後、(R)-2-メトキシ-N-(1-フェニルエチル)アセトアミドが85%の収率及び8%eeで取得された。
【0174】
実施例27.ディーン・スターク・トラップで、生成された水を収集し、1-フェニルエタン-1-アミン(1mmol)、エチル2-メトキシ酢酸エチル(2mmol)、及びビードのノボザイム(商標)435(45mg)を、ジイソプロピルエーテル(30mL)において、90℃の油の槽で3時間還流した。処理の後、(R)-2-メトキシ-N-(1-フェニルエチル)アセトアミドが75%の収率及び55%eeで取得された。
【0175】
実施例28.ディーン・スターク・トラップで、生成された水を収集し、1-フェニルエタン-1-アミン(1mmol)、エチル2-メトキシ酢酸エチル(2mmol)、及びビードのノボザイム435(商標)(45mg)を、ジイソプロピルエーテル(30mL)中、90℃の油の槽で1時間還流した。処理の後、(R)-2-メトキシ-N-(1-フェニルエチル)アセトアミドが48%の収率及び97%eeで取得された。
【0176】
実施例29.R)-2-メトキシ-N-(1-(4-メトキシフェニル)エチル)アセトアミドの調製。
【化26】
ディーン・スターク・トラップで、生成された水を収集し、1-(4-メトキシフェニル)エタン-1-アミン(1mmol)、2-メトキシ酢酸エチル(2mmol)、及びビードのノボザイム435(商標)(45mg)を、ジイソプロピルエーテル(30mL)において、90℃の油の槽で0.83時間還流した。処理の後、R)-2-メトキシ-N-(1-(4-メトキシフェニル)エチル)アセトアミドが44%の収率及び97%eeで取得された。
【0177】
実施例30.N-フェネチルノナンアミドの調製。
【化27】
ディーン・スターク・トラップで、生成された水を収集し、2-フェニルエタン-1-アミン(1mmol)、ノナン酸(1.05mmol)、及びビードのノボザイム435(商標)(45mg)を、ジイソプロピルエーテル(30mL)において、90℃の油の槽で10時間還流した。処理の後、N-フェネチルノナンアミドが98%の収率で取得された。
【0178】
実施例31.N-フェネチルステアラミドの調製。
【化28】
ディーン・スターク・トラップで、生成された水を収集し、2-フェニルエタン-1-アミンン(1mmol)、ステアリン酸(1.05mmol)、及びビードのノボザイム435(商標)(45mg)を、ジイソプロピルエーテル(30mL)において、90℃の油の槽で10時間還流した。処理の後、N-フェネチルステアラミドが98%の収率で取得された。
【0179】
本発明は、開示された実施形態には限定されることなく、以降の特許請求の範囲内で変更及び修正され得る。
図1
【手続補正書】
【提出日】2023-11-27
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iのアミン及び式IIの化合物から式IIIのアミドを酵素合成するプロセスであって、
【化29】
式中R、C 5-12アリールびC5-12アリール-C1-6アルキルを含む群から選択され、
は任意選択で、水素、ヒドロキシ及びC1-6アルコキシを含む群から選択される1種又は複数の種の置換基で置換され得

式中Rは、水素、C1-30アルキル、C1-30アルケニル、C 1-30アルコキシを含む群から選択され
式中Rは、水素及び1-6アルキルを含む群から選択され
式中Rは結合であるか、又はC1-6アルキルであり、
前記リパーゼは回転床反応器又はスピン固定床反応器に固定され、ディーン・スターク装置が脱水のために用いられる、プロセス。
【請求項2】
式中R 6-7アリールびC5-7アリール-C1-3アルキルを含む群から選択され、
は、任意選択で、水素、ヒドロキシ及びC1-3アルコキシを含む群から選択される1種又は複数の種の置換基で置換され得、
式中Rは、水素、C5-15アルキル、C5-15アルケニル、C5-15アルコキシ及び5-15アルキル-O-C1-6アルキルを含む群から選択され
式中Rは、水素及び1-3アルキルを含む群から選択され、
式中Rは結合であるか、又はC1-3アルキルである、請求項1に記載のプロセス。
【請求項3】
式中RはC5-7アリール-C1-3アルキルで、
は任意選択で水素、ヒドロキシ、及びC1-3アルコキシを含む群から選択される1種又は複数の種の置換基で置換され得、
式中Rは、C5-16アルキル及びC5-15アルケニルを含む群から選択され、
式中Rは、水素、メチル又は、エチルで、
式中Rは結合である、請求項1に記載のプロセス。
【請求項4】
式IIIの化合物が式IVの化合物で、
【化30】
IV
式中nは1又は2で、
式中Rは、水素、C3-30アルキル及び3-30アルケニルを含む群から選択され
式中R又はRは、水素及び1-6アルキルを含む群から選択され
式中Rは、水素、ヒドロキシ、オキシ、ハロゲン、カルボキシ、アミン、アミド、C1-10アルキル、C2-10アルケニル、C2-10アルキニル、C3-12シクロアルキル、C3-12シクロアルケニル及びC5-12アリールを含む群から選択され、
は、任意選択で、水素、ヒドロキシ及びC1-6アルコキシを含む群から選択される1種又は複数の種の置換基で置換され得る、請求項1に記載のプロセス。
【請求項5】
式IIIの化合物が式IVの化合物で、
【化31】
IV
式中nは1又は2で、
式中Rは、C3-18アルキル、及びC3-18アルケニルを含む群から選択され、
式中R又はRは、水素、C1-6アルキルを含む群から選択され、
が水素である、請求項4に記載のプロセス。
【請求項6】
式IIIの化合物が式IVの化合物で、
【化32】
IV
式中nは1又は2で、
式中Rは、C5-16アルキル及びC5-15アルケニルを含む群から選択され、
式中R又はRは、水素、C1-3アルキルを含む群から選択され、
が水素である、請求項4に記載のプロセス。
【請求項7】
式Iのアミン及び式IIaの化合物から式IIIのアミドを酵素合成するため、
【化33】
式中R、C 5-12アリール及びC5-12アリール-C1-6アルキルを含む群から選択され、
は任意選択で、水素、ヒドロキシ及びC1-6アルコキシを含む群から選択される1種又は複数の種の置換基で置換され得
式中Rは、水素、C1-30アルキル、C1-30アルケニル、C 1-30アルコキシを含む群から選択され
式中Rは、水素及び1-6アルキルを含む群から選択され
前記リパーゼは回転床反応器又はスピン固定床反応器に固定され、ディーン・スターク装置が脱水のために用いられる、請求項1に記載のプロセス。
【請求項8】
式中RはC5-7アリール-C1-3アルキルで、
は任意選択で水素、ヒドロキシ、及びC1-3アルコキシを含む群から選択される1種又は複数の種の置換基で置換され得、
式中RはC5-15アルキル及びC5-15アルケニルであり
式中Rは、水素、メチル、又はエチルである、
請求項7に記載のプロセス。
【請求項9】
溶媒が使用されていないか、又は前記溶媒が、メチルtert-ブチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、C1-6アルキル-O-C1-6アルキルエーテル、ヘキサン及びその他のC5-10アルカン、シクロヘキサン及びその他のC5-10シクロアルカン、ベンゼン、トルエン、キシレン、tert-ブタノール、tertアミルアルコール、その他の嵩高い第二級又は第三級C5-10アルコール及びその任意のエステル又はその混合物を含む群から選択される有機溶媒である、請求項1に記載のプロセス。
【請求項10】
溶媒が使用されていないか、又は前記溶媒が、ジイソプロピルエーテル、シクロヘキサン、トルエン、又はtert-ブタノール、又はそれらの混合物を含む群から選択される有機溶媒である、請求項1に記載のプロセス。
【請求項11】
前記リパーゼが、カンジダ・アンタークティカリパーゼA、カンジダ・アンタークティカリパーゼB、架橋サブチリシンAプロテアーゼ、ブタ膵臓リパーゼ、カンジダ・シリンドラセアリパーゼ、リゾプス・アルヒズ、ペニシリウム・シクロピウム、ムコールミエヘイ、サーモマイセス・ラヌギノサスリパーゼ、カンジダ・ルゴサリパーゼ及びシュードモナスリポタンパク質リパーゼを含む群から選択される、請求項1に記載のプロセス。
【請求項12】
ここで前記リパーゼがカンジダ・アンタークティカリパーゼである、請求項1に記載のプロセス。
【請求項13】
プロセス温度が室温及び150℃の間で、圧力が0.09及び0.200MPaの間、又は約0.1MPaである、請求項1に記載のプロセス。
【請求項14】
プロセスが、大気圧、及び100℃未満の温度で実行される、請求項1に記載のプロセス。
【請求項15】
前記回転床反応器が、前記リパーゼについて10から75wt%で装填される、請求項1に記載のプロセス。
【請求項16】
式IIの化合物において、式中RはC6-18アルキル又はC6-18アルケニルで、それは直鎖又は分岐であり得、以下の段階を含んで調製され、
【化34】
段階A-1、ここで反応は、無溶媒又は有機溶媒を使用して実行される、
段階B-1、ここで溶媒は非プロトン性有機溶媒である、
段階B-1、ここで塩基はナトリウム又はカリウムアルコキシドである、
任意選択で、異性化段階C-1、ここで触媒が、HNO、HNO、及びHNO又はHNOを生成することができるNaNO/HNO、NaNO/NaNO/HSOの組合わせを含む群から選択される、及び
水素化段階D-1、ここで触媒は不均一水素化触媒で、水素源は水素ガスである、請求項1に記載のプロセス。
【請求項17】
段階A-1の前記有機溶媒は、酢酸エチルで、
段階B-1における前記非プロトン性有機溶媒は、2-メチルテトラヒドロフラン、テトラヒドロフラン及びトルエンを含む群から選択され、
ここで段階B-1の前記ナトリウム又はカリウムアルコキシド塩基は、NaH、KH、t-BuOK、t-BuONaを含む群から選択され、
水素化段階D-1における前記不均一水素化触媒は、Pd/C及びPd/Alを含む群から選択される、請求項16に記載のプロセス。
【請求項18】
式IIの化合物において、式中Rは8-メチル-ノナニルで、それは以下の段階を含んで調製され、
【化35】
段階A-2、反応は無溶媒又はいずれかの有機溶媒を用いて実行され、触媒はアミン及び無機塩基を含む群から選択される、
段階B-2、反応は無溶媒又は有機溶媒を用いて実行され、触媒は酸である、
段階C-2、触媒は不均一水素化触媒で、水素源は水素ガスである、
段階D-2、酸化剤は過酸化物で、触媒はリパーゼである、及び
段階E-2、反応媒体は酸性溶媒である、及び
段階F-2、触媒は不均一水素化触媒で、水素源は水素ガスである、請求項1に記載のプロセス。
【請求項19】
段階A-2の前記有機溶媒は、トルエンを含む群から選択され、触媒は、ピロリジン及び対応する塩、NaOH及びKOHを含む群から選択され、
段階B-2の前記有機溶媒は、トルエンを含む群から選択され、前記酸はp-TsOH、硫酸及びアンバーリスト-15を含む群から選択され、
段階C-2の前記触媒は、Pd/C、Pd/Alを含む群から選択され、
段階D-2における前記酸化剤は、H水溶液及び過酸を含む群から選択され、前記リパーゼはカンジダ・アンタークティカリパーゼA、カンジダ・アンタークティカリパーゼB、架橋サブチリシンAプロテアーゼ、ブタ膵臓リパーゼ、カンジダ・シリンドラセアリパーゼ、リゾプス・アルヒズ、ペニシリウム・シクロピウム、ムコールミエヘイ、サーモマイセス・ラヌギノサスリパーゼ、カンジダ・ルゴサリパーゼ及びシュードモナスリポタンパク質リパーゼを含む群から選択され、
段階E-2の前記反応媒体は、硫酸水溶液を含む群から選択され、
段階F-2の前記触媒は、Pd/C、Pd/Al、Pd/モレキュラーシーブ、Pt/C、Pt/Al、及びPt/モレキュラーシーブを含む群から選択される、請求項18に記載のプロセス。
【請求項20】
式IIIの化合物の大規模生産(>1kg)のための、請求項1に記載のプロセス。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リパーゼを使用して、アミン及びカルボン酸又はエステルからアミドを酵素合成するためのプロセスに関する。
【背景技術】
【0002】
アミド結合は、医薬品やポリマーなどの多くの化合物の開発において重要である。直接的な触媒のアミド化のいくつかのプロセスが、数年にわたり開発されてきた。
【0003】
熱でのアミド化において、触媒は使用しなくともよい。このプロセスは、高い温度(>140℃)で実行され、収量は、使用する温度、基質の濃度、使用する溶媒、及びその他のパラメータ次第である。
【0004】
金属ベースのアミド化は、ホウ素ベースの触媒又はパラジウムベースの触媒を使用して行われる。熱でのアミド化と比較して、より高い収量が取得できるが、プロセスが高価で時間がかかる。触媒及び溶媒のリサイクルは難題である。
【0005】
熱での、又は金属ベースのアミド化は、環境に優しいプロセスではない。いくつかの試みが、プロセスの効率を改善し、コスト及びカーボンフットプリントを低減するためになされてきた。
【0006】
アミド化のプロセスにおいて、プロセスの収量改善のため水を除去せねばならない。そのため、アミド化のプロセスの大半は、圧力低減下で実行されている。これは、コストを増加させ、したがって大規模なアミド化をより困難にする。モレキュラーシーブが同様に使用され得るが、それらはまだ大規模に用いるには高価である。ディーン・スターク装置も、アミド化のプロセスから水を除去するのに使用され得る。
【0007】
酵素的アミド化は、リパーゼのような異なる種類の酵素を用いて何年にもわたって開発されてきた。これらのいわゆる生体触媒は、低い温度で利用でき、良好な選択性を示す。しかしながら、現代の技術は、非常に限られた基質の範囲を示し、頻繁に長い反応時間(数日)を必要とする。酵素的アミド化をパラジウム触媒と組合わせることは、Palo-Nieto et al., ACS Catal., 2016, 6, 3932-3940が示したように、約70%の収率をもたらし得る。
【0008】
生体触媒の別の欠点は、コストである。コストを低減させ、アミド化のプロセスの効率を改善させるため、酵素は、例えば反応の間ビードに固定させ得る。このことは、酵素の再循環を可能にする。フロー反応器を用いることは、さらに、生体触媒によるアミド化のプロセスを改善した。しかしながら、リパーゼの再循環は、時間及びコストの両方で、非効果的である。
【0009】
今日まで、大規模生産に使用するのに充分な効率の高いコスト効率を備えた環境に優しい触媒的アミド化プロセスは存在していない。これは、米国化学会グリーンケミストリー製薬円卓会議の最優先事項である(https://www.acsgcipr.org)。今日、大半の方法は、化学量論的な量の有毒活性化試薬を利用する、Dunetz et. Org. Process. Res. Dev. 2016, 20, 140。したがって、大規模に使用できる、より環境に優しく、よりコスト効率の高いアミド化のプロセスがいまだに必要である。
【0010】
カプサイシノイドは、環境に優しい食品で一般に用いられている。カプサイシンはまた、製薬業界で広く用いられている。カプサイシンは、例えば、局所軟膏及び皮膚パッチの鎮痛剤として、関節炎、腰痛、挫傷、及び捻挫に関連付けられる筋肉及び関節の軽い痛み及び疼痛を軽減するため、又は末梢神経障害の症状を軽減するために用いられている。
【0011】
カプサイシノイドは、天然供給源(例えば、トウガラシ属のトウガラシ果実)から単離され得るが、これにより主にカプサイシン及びジヒドロカプサイシンが生成される、なぜならば他のカプサイシノイドの多くは微量しか存在しないからである。したがって、化学的合成は、ノニバミドなどのより珍しいカプサイシノイドを取得し、非天然カプサイシノイドを製造するのに有用である。カプサイシノイドは、バニリンから、まずメタノールの過剰の金属(Zn)及びギ酸アンモニウムの混合物を還流下で使用してバニリンオキシムを還元してバニリルアミンを取得することによって、調製できる。別法として、アミド結合形成は、バニリルアミン及び様々な脂肪酸誘導体間での酵素触媒変換により達成され得る。
WO2015/144902A1は、不均一金属触媒及び有機触媒などの他の触媒系と統合されると、順番に又はワンポットでアルコールをアミン及びアミドに変換する酵素カスケード系を含む多触媒カスケードリレーシーケンスを開示している。
【0012】
US2017081277A1は、基質としてジアルキル-アミンを用いたアミド化を開示している。ビードに固定されているノボザイム435(商標)が用いられる。ディーン・スターク装置は、反応混合物からエタノールを除去するのに利用し得る。反応は、圧力低減下で実行される。大規模な製造のためには、ビードは、反応混合物からビードを分離するのにコスト及び時間がかかるため、好適ではない。さらに、大規模生産のためには、圧力低減は、プロセス全体のコスト及び時間を低減するために回避されることが好ましい。
【0013】
US6022718は、出発材料として加水分解及びカプサイシンを使用するカプサイシン類似体の調製プロセスを開示している。
【0014】
Pithani S., Using spinchem rotation bed reactor technology for immobilized enzymatic reactions:a case study, Org. Process Res. Dev., 2019, vol.23, pages 1926-1931は、回転床固定化リパーゼを使用する利点を開示している。アシル化の反応は、リパーゼ(ノボザイム435(商標))が、回転床反応器において使用され得ることを実証するのに使用される。コストが高いことに起因して、装填は10wt%に制限された。5から10wt%の装填が、6時間以内に45から50%の変換を実現するのに充分であると思われた。アップスケーリング後、全体の収率は39%であった。Pithaniは、回転床反応器がアシル化に有用であることを示しているが、それはまた費用がかかり、転換率が45から50%、全体の収率が39%になることも示している。Pithaniにおいて開示された結果は、回転床反応器を使用する大規模生産を躊躇させるものである。
【0015】
カプサイシノイドのようなアミド化合物の大規模生産がいっそう必要とされている。このようなプロセスは、効率が高く効果的で、公知のプロセスと比較して収量を向上させるものが好ましい。そのようなアミド化のプロセスは、好ましくは、環境に優しいもので、特にコスト効率が高いものである。
【発明の概要】
【0016】
上述の問題を少なくとも部分的に克服し、アミン及びカルボン酸又はエステルからアミドを合成するための改善されたプロセスを提供することが、本発明の目的である。
【0017】
この目的は、請求項において定義されているプロセスにより実現される。
【0018】
一態様は、式Iのアミン及び式IIの化合物から式IIIのアミドを酵素合成するプロセスに関し、
【化1】
【0019】
式中Rは、C1-12アルキル、C1-12アルケニル、C1-12アルキニル、C1-12アルコキシ、C1-12アルキル-O-C1-12アルキル、C1-12アルキル-OC(O)-C1-12アルキル、C1-12アルキル-NH-C1-12アルキル、C1-12アルキル-NHC(O)-C1-12アルキル、C3-12シクロアルキル、C3-12シクロアルケニル、C5-12アリール、C3-12シクロアルキル-C1-6アルキル、C3-12シクロアルケニル-C1-6アルキル及びC5-12アリール-C1-6アルキルを含む又はからなる群から選択され、
は任意選択で、水素、ヒドロキシ、オキシ、ハロゲン、カルボキシ、アミン、アミド、C1-6ヒドロキシアルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6アミンオキシアルキル、C1-6アルキルアミド、C1-6カルボキシアルキル、C1-6スルフラアルキル、C1-6アルキルスルフィド及びC1-6アルコキシを含む又はからなる群から選択される1種又は複数の種の置換基で置換され得、
式中シクロアルキル、シクロアルケニル、又はアリールのうちの1又は複数の炭素は、O、N又はSから選択される1又は複数のヘテロ原子で置換され得、
式中Rは、水素、C1-30アルキル、C1-30アルケニル、C1-30アルキニル、C1-30アルコキシ、C1-30アルキル-O-C1-12アルキル、C1-30アルキル-OC(O)-C1-12アルキル、C1-30アルキル-NH-C1-12アルキル、C1-30アルキル-NHC(O)-C1-12アルキル、C3-12シクロアルキル、C3-12シクロアルケニル及びC5-12アリール、C3-12シクロアルキル-C1-6アルキル、C3-12シクロアルケニル-C1-6アルキル及びC5-12アリール-C1-6アルキルを含む又はからなる群から選択され、
は、任意選択で、水素、ヒドロキシ、オキシ、ハロゲン、カルボキシ、アミド、C1-6ヒドロキシアルキル、C1-6ハロイアルキル、C1-6カルボキシアルキル、C1-6スルフラアルキル、C1-6アルキルスルフィド及びC1-6アルコキシを含む又はからなる群から選択される1種又は複数の種の置換基で置換され得、
式中シクロアルキル、シクロアルケニル、又はアリールのうちの1又は複数の炭素は、O、N又はSから選択される1又は複数のヘテロ原子で置換され得、
式中Rは、水素、C1-6アルキル、C1-6アルケニル、C1-6アルキニル、C1-6アルコキシ、C1-6アルキル-O-C1-6アルキル、C1-6アルキル-OC(O)-C1-6アルキル、C1-6アルキル-NH-C1-6アルキル、C1-6アルキル-NHC(O)-C1-6アルキル、C3-12シクロアルキル、C3-12シクロアルケニル及びC5-12アリール、C3-12シクロアルキル-C1-6アルキル、C3-12シクロアルケニル-C1-6アルキル及びC5-12アリール-C1-6アルキルを含む又はからなる群から選択され、
は任意選択で、水素、ヒドロキシ、オキシ、ハロゲン、カルボキシ、アミン、アミド、C1-6ヒドロキシアルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6アミンオキシアルキル、C1-6アルキルアミド、C1-6カルボキシアルキル、C1-6スルフラアルキル、C1-6アルキルスルフィド及びC1-6アルコキシを含む又はからなる群から選択される1種又は複数の種の置換基で置換され得、
式中シクロアルキル、シクロアルケニル、又はアリールのうちの1又は複数の炭素は、O、N、又はSから選択される1又は複数のヘテロ原子で置換され得、
式中Rは結合であるか、又はC1-6アルキルであり、
リパーゼは回転床反応器又はスピン固定床反応器に固定され、ディーン・スターク装置が脱水のために用いられることを特徴とする。
【0020】
いくつかの態様において、リパーゼは、回転床反応器に固定され、ディーン・スターク装置が脱水で用いられている。
【0021】
いくつかの態様において、ビードに固定されるリパーゼが放棄されている。
【0022】
本発明のプロセスにおいては、本明細書のいずれかで定められているように、直接的な触媒によるアミド合成には、酵素触媒作用及び共沸脱水の組合わせが使用されている。酵素リパーゼは、回転床反応器又はスピン固定床反応器に固定されている。リパーゼをビードに固定するか又はシーブを用いることと比較して、本発明のプロセスにおけるリパーゼは容易に再循環できる。このことは、特に大規模な場合、プロセスを、時間及び費用対効果が高い方法で実行することを可能にする。
【0023】
回転床反応器又はスピン固定床反応器及びディーン・スターク装置独自の組合わせは、収率(>90又は99%)及び転換率(>90又は99%)を向上させる。独自の組合わせは、湿った原料の使用を可能にする。プロセスは、大気圧、及び100℃未満(60から90℃)の温度で実行され得る。プロセスは環境に優しい。プロセスは、アミドの大規模生産に好適である。
【0024】
平易な処理及び精製プロセスにより、プロセスは、大規模で用いられることが可能になる。用いられる酵素及び溶媒は、存在していれば、リサイクルが容易であり、ひいてはそれにより大規模生産が実現可能になる。固定化酵素の回転床反応器又はスピン固定床反応器及びディーントラップ装置に対する独自の組合わせは、プロセスが、他のアミド及びエステルの合成に対して拡張されるのを許容する。
【0025】
一態様において、プロセスはニートな状態で実行される。プロセスは、いずれかの溶媒なしで実行され得る。これにより、プロセスの効率及び効果的及び環境への配慮が向上する可能性がある。また、プロセスを実行するためのコストも低減される。ニートなプロセスにより、大規模なプロセスのコストがさらに低減される。
【0026】
公知のプロセスと比較して、本発明の直接的なアミド化のプロセスは、転換率が向上し、収率も向上する。アミド化には少ない工程段階が必要とされ、そのことが、時間及びコストを低減する。本発明のプロセスにおいて質量流量が改善される。酵素は固定化/固定されるので、反応生成物は容易にろ過及び精製し得る。本発明のプロセスは、反応比率が改善されている。
【0027】
プロセスは、カプサイシノイドのようなアミド化合物の効果的で効率的な大規模生産を可能にする。プロセスは、公知のプロセスと比較して収量を向上させる。アミド化のプロセスは、環境に優しいもので、特に費用対効果が高い。
【0028】
回転床反応器及びディーン・スターク装置を組合わせて使用することは、プロセスの間の含水率の制御を可能にする。低い含水率は、転換率及び収率を改善する。実施例14の表1のサイクル2の結果は、23wt%の含水率を有する原材料でさえ使用され得ることを示している。これはプロセスの柔軟性を改善する。これはまた、プロセスの大規模な使用の実現可能性を向上させる。
【0029】
いくつかの態様において、(ジアルキル)-アミンのRのオプションが放棄されている。
【0030】
本発明のいくつかの態様によると、Rは、C1-12アルキル、C1-12アルケニル、C1-12アルキニル、C1-12アルコキシ、C1-12アルキル-O-C1-12アルキル、C1-12アルキル-OC(O)-C1-12アルキル、C3-12シクロアルキル、C3-12シクロアルケニル、C5-12アリール、C3-12シクロアルキル-C1-6アルキル、C3-12シクロアルケニル-C1-6アルキル及びC5-12アリール-C1-6アルキルを含む又はからなる群から選択され、
は、任意選択で、水素、ヒドロキシ、オキシ、ハロゲン、カルボキシ、C1-6ヒドロキシアルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6カルボキシアルキル、C1-6スルフラアルキル、C1-6アルキルスルフィド及びC1-6アルコキシを含む又はからなる群から選択される1種又は複数の種の置換基で置換され得、
式中Rは、水素、C1-30アルキル、C1-30アルケニル、C1-30アルキニル、C1-30アルコキシ、C1-30アルキル-O-C1-12アルキル、C1-30アルキル-OC(O)-C1-12アルキル、C3-12シクロアルキル、C3-12シクロアルケニル及びC5-12アリール、C3-12シクロアルキル-C1-6アルキル、C3-12シクロアルケニル-C1-6アルキル及びC5-12アリール-C1-6アルキルを含む又はからなる群から選択され、
は、任意選択で、水素、ヒドロキシ、オキシ、ハロゲン、カルボキシ、C1-6ヒドロキシアルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6カルボキシアルキル、C1-6スルフラアルキル、C1-6アルキルスルフィド及びC1-6アルコキシを含む又はからなる群から選択される1種又は複数の種の置換基で置換され得、
式中Rは、水素、C1-6アルキル、C1-6アルケニル、C1-6アルキニル、C1-6アルコキシ、C1-6アルキル-O-C1-6アルキル、C1-6アルキル-OC(O)-C1-6アルキル、C3-12シクロアルキル、C3-12シクロアルケニル及びC5-12アリール、C3-12シクロアルキル-C1-6アルキル、C3-12シクロアルケニル-C1-6アルキル及びC5-12アリール-C1-6アルキルを含む又はからなる群から選択され、
は、任意選択で、水素、ヒドロキシ、オキシ、ハロゲン、カルボキシ、C1-6ヒドロキシアルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6カルボキシアルキル、C1-6スルフラアルキル、C1-6アルキルスルフィド及びC1-6アルコキシを含む又はからなる群から選択される1種又は複数の種の置換基で置換され得、
式中Rは結合であるか、又はC1-6アルキルである。
【0031】
本発明のいくつかの態様によると、Rは、C1-12アルキル、C1-12アルケニル、C1-12アルキニル、C1-12アルコキシ、C1-12アルキル-O-C1-12アルキル、C1-12アルキル-OC(O)-C1-12アルキル、C3-12シクロアルキル、C3-12シクロアルケニル、C5-12アリール、C3-12シクロアルキル-C1-6アルキル、C3-12シクロアルケニル-C1-6アルキル及びC5-12アリール-C1-6アルキルを含む又はからなる群から選択され、
は、任意選択で、水素、ヒドロキシ、オキシ及びC1-6アルコキシを含む又はからなる群から選択される1種又は複数の種の置換基で置換され得、
式中Rは、C1-30アルキル、C1-30アルケニルを含む又はからなる群から選択され、
式中Rは、水素、C1-6アルキルを含む又はからなる群から選択され、
式中Rは結合であるか、又はC1-6アルキルである。
【0032】
本発明のいくつかの態様によると、Rは、C1-6アルキル、C1-6アルケニル、C1-6アルキニル、C1-6アルコキシ、C1-6アルキル-O-C1-6アルキル、C1-6アルキル-OC(O)-C1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、C3-6シクロアルケニル、Cアリール、C3-6シクロアルキル-C1-6アルキル、C3-6シクロアルケニル-C1-6アルキル及びCアリール-C1-3アルキル、
を含む又はからなる群から選択され、
は、任意選択で、水素、ヒドロキシ、オキシ及びC1-6アルコキシを含む又はからなる群から選択される1種又は複数の種の置換基で置換され得、
式中Rは、C1-18アルキル、C1-18アルケニルを含む又はからなる群から選択され、
式中Rは、水素、C1-3アルキルを含む又はからなる群から選択され、
式中Rは結合であるか、又はC1-3アルキルである。
【0033】
本発明のいくつかの態様によると、Rは、C1-6アルキル、C1-6アルケニル、C1-6アルコキシ、C1-6アルキル-O-C1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、C3-6シクロアルケニル、C6-7アリール、C3-6シクロアルキル-C1-3アルキル、C3-6シクロアルケニル-C1-3アルキル及びC5-7アリール-C1-3アルキルを含む又はからなる群から選択され、
は、任意選択で、水素、ヒドロキシ、オキシ、ハロゲン、カルボキシ、C1-3ヒドロキシアルキル、C1-3ハロアルキル、及びC1-3アルコキシを含む又はからなる群から選択される1種又は複数の種の置換基で置換され得、
式中Rは、水素、C5-18アルキル、C5-18アルケニル、C5-15アルコキシ、C5-15アルキル-O-C1-6アルキル、及びC5-15アルキル-OC(O)-C1-6アルキルを含む又はからなる群から選択され、
は、任意選択で、水素、ヒドロキシ、オキシ、ハロゲン、及びカルボキシを含む又はからなる群から選択される1種又は複数の種の置換基で置換され得、
式中Rは、水素、C1-3アルキル、C1-3アルコキシ及びC1-3アルキル-O-C1-3アルキルを含む又はからなる群から選択され、
式中Rは結合であるか、又はC1-3アルキルである。
【0034】
本発明のいくつかの態様によると、Rは、水素、C6-7アリール及びC5-7アリール-C1-3アルキルを含む又はからなる群から選択され、
は、任意選択で、水素、ヒドロキシ、及びC1-3アルコキシを含む又はからなる群から選択される1種又は複数の種の置換基で置換され得、
式中Rは、水素、C5-15アルキル及びC5-15アルケニルを含む又はからなる群から選択され、
式中Rは、水素、C1-3アルキルを含む又はからなる群から選択され、
式中Rは結合であるか、又はC1-3アルキルである。
【0035】
本発明のいくつかの態様によると、RはC5-7アリール-C1-3アルキルであり、
は、任意選択で、水素、ヒドロキシ、及びC1-3アルコキシを含む群から選択される1種又は複数の種の置換基で置換され得、
式中RはC5-16アルキル及びC5-15アルケニルを含む群から選択され、
式中Rは、水素、メチル又はエチルであり、
式中Rは結合である。
【0036】
これらの化合物を使用したプロセスにより、収率及び転換率が向上し、これは大規模生産にとって特に重要である。
【0037】
本発明のいくつかの態様によると、RはC5-7アリール-C1-3アルキルであり、
は任意選択で水素、ヒドロキシ、及びC1-3アルコキシを含む又はからなる群から選択される1種又は複数の種の置換基で置換され得、
式中Rは、水素、C5-16アルキル及びC5-15アルケニルを含む又はからなる群から選択され、
式中Rは、水素、メチル又はエチルであり、
式中Rは結合であるか、又はC1-2アルキルである。
【0038】
本発明のいくつかの態様によると、RはCアリール-C1-2アルキルであり、
は任意選択で水素、ヒドロキシ、及びC1-2アルコキシを含む又はからなる群から選択される1種又は複数の種の置換基で置換され得、
式中Rは、水素、C7-10アルキル及びC7-10アルケニルを含む又はからなる群から選択され、
式中Rは、水素、メチル又はエチルであり、
式中Rは結合であるか、又はC1-2アルキルである。
【0039】
本発明のいくつかの態様によると、RはCアリール、又はCアリール-C1-2アルキルであり、任意選択で水素、ヒドロキシ、オキシ、及びメトキシを含む又はからなる群から選択される1種又は複数の種の置換基で置換される。
【0040】
本発明のいくつかの態様によると、Rは、水素、メタニル、エタニル、ヘプタニル、オクタニル、8-メチル-ノナニル、オクタデカニル、又は8-メチル-ノネニルである。
【0041】
これらの化合物を使用したプロセスにより、収率及び転換率が向上し、これは大規模生産にとって特に重要である。
【0042】
一態様は、式Iのアミン及び式IIaの化合物から式IIIのアミドを酵素合成するプロセスに関し、
【化2】
式中Rは、C1-12アルキル、C1-12アルケニル、C1-12アルキニル、C1-12アルコキシ、C1-12アルキル-O-C1-12アルキル、C1-12アルキル-OC(O)-C1-12アルキル、C1-12アルキル-NH-C1-12アルキル、C1-12アルキル-NHC(O)-C1-12アルキル、C3-12シクロアルキル、C3-12シクロアルケニル、C5-12アリール、C3-12シクロアルキル-C1-6アルキル、C3-12シクロアルケニル-C1-6アルキル及びC5-12アリール-C1-6アルキルを含む又はからなる群から選択され、
は任意選択で、水素、ヒドロキシ、オキシ、ハロゲン、カルボキシ、アミン、アミド、C1-6ヒドロキシアルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6アミンキシアルキル、C1-6アルキルアミド、C1-6カルボキシアルキル、C1-6スルフラアルキル、C1-6アルキルスルフィド及びC1-6アルコキシを含む又はからなる群から選択される1種又は複数の種の置換基で置換され得、
式中シクロアルキル、シクロアルケニル、又はアリールのうちの1又は複数の炭素は、O、N又はSから選択される1又は複数のヘテロ原子で置換され得、
式中Rは、水素、C1-30アルキル、C1-30アルケニル、C1-30アルキニル、C1-30アルコキシ、C1-30アルキル-O-C1-12アルキル、C1-30アルキル-OC(O)-C1-12アルキル、C1-30アルキル-NH-C1-12アルキル、C1-30アルキル-NHC(O)-C1-12アルキル、C3-12シクロアルキル、C3-12シクロアルケニル及びC5-12アリール、C3-12シクロアルキル-C1-6アルキル、C3-12シクロアルケニル-C1-6アルキル及びC5-12アリール-C1-6アルキルを含む又はからなる群から選択され、
は、任意選択で、水素、ヒドロキシ、オキシ、ハロゲン、カルボキシ、アミン、アミド、C1-6ヒドロキシアルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6アミンキシアルキル、C1-6アルキルアミド、C1-6カルボキシアルキル、C1-6スルフラアルキル、C1-6アルキルスルフィド及びC1-6アルコキシを含む又はからなる群から選択される1種又は複数の種の置換基で置換され得、
式中シクロアルキル、シクロアルケニル、又はアリールのうちの1又は複数の炭素は、O、N又はSから選択される1又は複数のヘテロ原子で置換され得、
式中Rは、水素、C1-6アルキル、C1-6アルケニル、C1-6アルキニル、C1-6アルコキシ、C1-6アルキル-O-C1-6アルキル、C1-6アルキル-OC(O)-C1-6アルキル、C1-6アルキル-NH-C1-6アルキル、C1-6アルキル-NHC(O)-C1-6アルキル、C3-12シクロアルキル、C3-12シクロアルケニル及びC5-12アリール、C3-12シクロアルキル-C1-6アルキル、C3-12シクロアルケニル-C1-6アルキル及びC5-12アリール-C1-6アルキルを含む又はからなる群から選択され、
は任意選択で、水素、ヒドロキシ、オキシ、ハロゲン、カルボキシ、アミン、アミド、C1-6ヒドロキシアルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6アミンキシアルキル、C1-6アルキルアミド、C1-6カルボキシアルキル、C1-6スルフラアルキル、C1-6アルキルスルフィド及びC1-6アルコキシを含む又はからなる群から選択される1種又は複数の種の置換基で置換され得、
式中シクロアルキル、シクロアルケニル、又はアリールのうちの1又は複数の炭素は、O、N又はSから選択される1又は複数のヘテロ原子で置換され得、
リパーゼは回転床反応器又はスピン固定床反応器に固定され、ディーン・スターク装置が脱水のために用いられることを特徴とする。
【0043】
本発明のいくつかの態様によると、Rは、C1-6アルキル、C1-6アルケニル、C1-6アルコキシ、C1-6アルキル-O-C1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、C3-6シクロアルケニル、C6-7アリール、C3-6シクロアルキル-C1-3アルキル、C3-6シクロアルケニル-C1-3アルキル及びC5-7アリール-C1-3アルキルを含む又はからなる群から選択され、
は、任意選択で、水素、ヒドロキシ、オキシ、ハロゲン、カルボキシ、C1-3ヒドロキシアルキル、C1-3ハロアルキル、及びC1-3アルコキシを含む又はからなる群から選択される1種又は複数の種の置換基で置換され得、
式中Rは、水素、C5-15アルキル、C5-15アルケニル、C5-15アルコキシ、C5-15アルキル-O-C1-6アルキル、及びC5-15アルキル-OC(O)-C1-6アルキルを含む又はからなる群から選択され、
は、任意選択で、水素、ヒドロキシ、オキシ、ハロゲン、及びカルボキシを含む又はからなる群から選択される1種又は複数の種の置換基で置換され得、
式中Rは、水素、C1-3アルキル、C1-3アルコキシ及びC1-3アルキル-O-C1-3アルキルを含む又はからなる群から選択される。
【0044】
本発明のいくつかの態様によると、RはC5-7アリール-C1-3アルキルであり、
は任意選択で水素、ヒドロキシ、及びC1-3アルコキシを含む又はからなる群から選択される1種又は複数の種の置換基で置換され得、
式中Rは、水素、C5-15アルキル及びC5-15アルケニルを含む又はからなる群から選択され、
式中Rは、水素、メチル又は、エチルである。
【0045】
本発明のいくつかの態様によると、RはCアリール-C1-2アルキルであり、
は任意選択で水素、ヒドロキシ、及びC1-2アルコキシを含む又はからなる群から選択される1種又は複数の種の置換基で置換され得、
式中Rは、C7-10アルキル及びC7-10アルケニルを含む又はからなる群から選択され、
式中Rは、水素、メチル又は、エチルである。
【0046】
プロセスは、カプサイシノイド及びその誘導体のようなアミド化合物の効果的かつ効率的な大規模生産を可能にする。プロセスは、公知のプロセスと比較して収量を向上させた。アミド化のプロセスは、環境に優しいもので、特にコスト効率が良い。
【0047】
本発明のいくつかの態様によると、式IIIの化合物は、式IVの化合物であり、
【化3】
IV
式中nは1又は2であり、
式中Rは、C3-30アルキル、C3-30アルケニル、C3-30アルキニル、C3-12シクロアルキル、C3-12シクロアルケニル及びC5-12アリールを含む又はからなる群から選択され、
は、任意選択で、水素、ヒドロキシ、オキシ、ハロゲン、カルボキシ、アミド、C1-6ヒドロキシアルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6アルキルアミド、C1-6カルボキシアルキル、C1-6スルフラアルキル、C1-6アルキルスルフィド及びC1-6アルコキシ及びC5-12アリールを含む又はからなる群から選択される1種又は複数の種の置換基で置換され得、
式中シクロアルキル、シクロアルケニル、又はアリールのうちの1又は複数の炭素は、O、N又はSから選択される1又は複数のヘテロ原子で置換され得、
式中R又はRは、水素、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-10シクロアルキル、C3-10シクロアルケニル及びC5-12アリールを含む又はからなる群から独立して選択され、
又はRは、任意選択で、ヒドロキシ、オキシ、ハロゲン、カルボキシ、アミン、アミド、C1-6ヒドロキシアルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6アミンオキシアルキル、C1-6アルキルアミド、C1-6カルボキシアルキル、C1-6スルフラアルキル、C1-6アルキルスルフィド及びC1-6アルコキシを含む又はからなる群から選択される1種又は複数の種の置換基で独立して置換され得、
式中シクロアルキル、シクロアルケニル、又はアリールのうちの1又は複数の炭素は、O、N又はSから選択される1又は複数のヘテロ原子で置換され得、
式中Rは、水素、ヒドロキシ、オキシ、ハロゲン、カルボキシ、アミン、アミド、C1-10アルキル、C2-10アルケニル、C2-10アルキニル、C3-12シクロアルキル、C3-12シクロアルケニル及びC5-12アリールを含む又はからなる群から選択され、
は、任意選択で、水素、ヒドロキシ、オキシ、ハロゲン、カルボキシ、アミン、アミド、C1-6ヒドロキシアルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6アミンオキシアルキル、C1-6アルキルアミド、C1-6カルボキシアルキル、C1-6スルフラアルキル、C1-6アルキルスルフィド及びC1-6アルコキシを含む又はからなる群から選択される1種又は複数の種の置換基で置換され得、
式中シクロアルキル、シクロアルケニル、又はアリールのうちの1又は複数の炭素は、O、N又はSから選択される1又は複数のヘテロ原子で置換され得る。
【0048】
これらの化合物を使用したプロセスにより、収率及び転換率が向上し、これは大規模生産にとって特に重要である。
【0049】
いくつかの態様において、式IIIの化合物は、式IVの化合物であり、
nは1又は2であり、
は、C3-30アルキル、C3-30アルケニルを含む又はからなる群から選択され、
又はRは、独立して、水素、C1-3アルキルを含む又はからなる群から選択され、
は水素である。
【0050】
いくつかの態様において、式IIIの化合物は、式IVの化合物であり、
nは1又は2であり、
は、C3-18アルキル及びC3-18アルケニルを含む群から選択され、
又はRは、独立して、水素、C1-6アルキルを含む群から選択され、
は水素である。
【0051】
いくつかの態様において、式IIIの化合物は、式IVの化合物であり、
nは1又は2であり、
は、C5-16アルキル及びC5-15アルケニルを含む群から選択され、
又はRは、独立して、水素、C1-3アルキルを含む群から選択され、
は水素である。
【0052】
いくつかの態様において、式IIIの化合物は、式IVの化合物であり、Rはメタニル、エタニル、ヘプタニル、オクタニル、8-メチル-ノナニル又はオクタデカニル又は8-メチル-ノネニルである。
【0053】
これらの化合物を使用したプロセスにより、収率及び転換率が向上し、これは大規模生産にとって特に重要である。
【0054】
本発明のいくつかの態様によると、溶媒を用いない。
【0055】
本発明のいくつかの態様によると、溶媒は、メチルtert-ブチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、C1-6アルキル-O-C1-6アルキルエーテル、ヘキサン及びその他のC5-10アルカン、シクロヘキサン及びその他のC5-10シクロアルカン、ベンゼン、トルエン、キシレン、tert-ブタノール、tertアミルアルコール、その他の嵩高い第二級又は第三級C5-10アルコール及びその任意のエステルを含む又はからなる群から選択される有機溶媒である。いくつかの態様において、有機溶媒は、ジイソプロピルエーテル、シクロヘキサン、トルエン、及びtert-ブタノール、又はそれらの混合物を含む又はからなる群から選択される。いくつかの態様において、溶媒は、シクロヘキサン、トルエン、又はジイソプロピルエーテル(DIPE)である。いくつかの態様において、溶媒はジイソプロピルエーテル(DIPE)である。いくつかの態様において、溶媒はシクロヘキサンである。いくつかの態様において、溶媒はトルエンである。いくつかの態様において、溶媒はtert-ブタノールである。
【0056】
本発明のいくつかの態様によると、Rが水素ではないときに、溶媒は、メチルtert-ブチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、C1-6アルキル-O-C1-6アルキルエーテル、ヘキサン、及びその他のC5-10アルカン、シクロヘキサン及びその他のC5-10シクロアルカン、ベンゼン、トルエン、キシレン、tert-ブタノール、tertアミルアルコール、その他の嵩高い第二級又は第三級C5-10アルコール及びそのエステルを含む又はからなる群から選択される。いくつかの態様において、有機溶媒は、ジイソプロピルエーテル、シクロヘキサン、トルエン、及びtert-ブタノール、又はそれらの混合物を含む又はからなる群から選択される。いくつかの態様において、溶媒は、シクロヘキサン、トルエン、又はジイソプロピルエーテル(DIPE)である。いくつかの態様において、溶媒はジイソプロピルエーテル(DIPE)である。いくつかの態様において、溶媒はシクロヘキサンである。いくつかの態様において、溶媒はトルエンである。いくつかの態様において、溶媒はtert-ブタノールである。いくつかの態様において、溶媒はリサイクル可能である。いくつかの態様において、溶媒はリサイクルされる。いくつかの態様において、溶媒は、少なくとも70%又は80%又は90%リサイクルされる。溶媒をリサイクルすることは、プロセスの全体的なコストを低減させ、またプロセスのカーボンフットプリントを低減させる。
【0057】
本発明のいくつかの態様によると、リパーゼは、カンジダ・アンタークティカリパーゼA、カンジダ・アンタークティカリパーゼB、架橋サブチリシンAプロテアーゼ、ブタ膵臓リパーゼ、カンジダ・シリンドラセアリパーゼ、リゾプス・アルヒズ、ペニシリウム・シクロピウム、ムコールミエヘイ、サーモマイセス・ラヌギノサスリパーゼ、カンジダ・ルゴサリパーゼ及びシュードモナスリポタンパク質リパーゼを含む又はからなる群から選択される。一態様では、リパーゼはカンジダ・アンタークティカリパーゼA及びカンジダ・アンタークティカリパーゼBを含む又はからなる群から選択される。一態様では、リパーゼはカンジダ・アンタークティカリパーゼである。一態様で、リパーゼはカンジダ・アンタークティカリパーゼB(ノボザイム435(商標))である。カンジダ・アンタークティカリパーゼB又はC.アンタークティカリパーゼAのような固定化酵素は、ノボザイム435(商標)のような商品名で市販されており、容易に入手できる。比較的低コストでの利用可能性は、費用対効果が高いプロセスにとって、特に大規模なプロセスにとって重要である。
【0058】
本発明のいくつかの態様によると、プロセス温度は、15℃及び150℃の間、又は15℃及び115℃の間、又は50及び90の間、又は70から80℃である。比較的低い温度は、費用対効果が高いプロセスにとって、特に大規模なプロセスにとって重要である。
【0059】
本発明のいくつかの態様によると、プロセスは、0.090及び0.200MPaの間、又は大気圧(約0.1MPa)の圧力で実行される。大気圧でプロセスを実行することは、費用対効果が高いプロセスにとって、特に大規模なプロセスにとって重要である。
【0060】
本発明のいくつかの態様によると、回転床反応器は10から75wt%リパーゼで装填される。本発明のいくつかの態様によると、回転床反応器は11から60wt%リパーゼで装填される。本発明のいくつかの態様によると、回転床反応器は15から50wt%リパーゼで装填される。回転床反応器又はスピン固定床反応器及びディーントラップ装置における固定化酵素の独自の組合わせは、プロセスの転換率及び収量を改善する。プロセスは、時間的に効率的で、費用対効果が高いため、10wt%の装填を超えるリパーゼの装填に対する可能性がある付加的なコストは、手ごろなものとなる。
【0061】
本発明のいくつかの態様によると、攪拌の速度は150から600rpm又は200から500rpm、又は200から450rpmである。
【0062】
本発明はまた、式IIの化合物を合成するプロセスに関し、式中RはC6-18アルキル又はC6-18アルケニルである。いくつかの態様によると、式IIの化合物は、式中RがC6-18アルキル又はC6-18アルケニルであり、直鎖状であるか又は分岐し得、以下の段階
【化4】
を含んで調製され、
段階A-1、反応は、無溶媒又は有機溶媒を使用して実行され、
段階B-1、溶媒は非プロトン性有機溶媒であり、
段階B-1、塩基はナトリウム又はカリウムアルコキシドであり、
任意選択で、異性化段階C-1、触媒が、HNO、HNO、及びHNO又はHNOを生成することができるNaNO/HNO、NaNO/NaNO/HSOの組合わせを含む又はからなる群から選択され、及び
水素化段階D-1、触媒は不均一水素化触媒であり、水素源は水素ガスである。
【0063】
いくつかの態様において、RはC6-10アルキルである。
【0064】
いくつかの態様において、段階A-1の有機溶媒は、酢酸エチルであり、
、段階B-1における非プロトン性有機溶媒は、2-メチルテトラヒドロフラン、テトラヒドロフラン及びトルエンを含む又はからなる群から選択され、
、段階B-1のナトリウム又はカリウムアルコキシド塩基は、NaH、KH、t-BuOK、t-BuONaを含む又はからなる群から選択され、
、水素化段階D-1における不均一水素化触媒は、Pd/C及びPd/Alを含む又はからなる群から選択される。
【0065】
いくつかの態様において、段階A-1の有機溶媒は、酢酸エチルであり、段階B-1の非プロトン性有機溶媒は、2-メチルテトラヒドロフランであり、段階B-1のナトリウム又はカリウムアルコキシド塩基は、t-BuOKであり、水素化段階D-1の不均一水素化触媒は、Pd/Cである。
【0066】
8-メチル-6-ノネン酸の生成において、(6-カルボキシヘキシル)トリフェニルホスホニウムブロミド及びイソブチルアルデヒドの間の重要なウィッティヒ反応のリサイクル可能な溶媒として2-MeTHFを使用すると、転換率と収率が向上する。合成は、高い収量及び転換率を伴い、時間及び費用対効果が高い。このことは、大規模なプロセスに対し、特に重要である。
【0067】
さらなる溶媒は、工程段階で使用され得る。抽出及びろ過が、段階間で実行され得る。
【0068】
プロセスは、室温で実行され得る。プロセスは、大気圧(おおよそ1atm又は0.1MPa)で実行され得る。
【0069】
本発明はまた、8-メチル-6-ノナン酸の新たな合成経路のプロセスに関し、ジヒドロカプサイシンの直接的な製造に使用される。プロセスは、重要な段階としてのアルドール縮合、バイヤー・ビリガー酸化及び水素化により、原材料としてシクロヘキサノン及びイソブチルアルデヒドから開始される。
【0070】
本発明のいくつかの態様によると、Rが8-メチル-ノナニルである式IIの化合物は、以下の段階を含んで調製され、
【化5】
段階A-2、反応は溶媒を無溶媒又はいずれかの有機溶媒を用いて実行され、触媒はアミン及び無機塩基を含む又はからなる群から選択され、
段階B-2、反応は無溶媒又は有機溶媒を用いて実行され、触媒は酸であり、
段階C-2、触媒は不均一水素化触媒であり、水素源は水素ガスであり、
段階D-2、酸化剤は過酸化物であり、触媒はリパーゼであり、及び
段階E-2、反応媒体は酸性溶媒であり、及び
段階F-2、触媒は不均一水素化触媒であり、水素源は水素ガスである。
【0071】
いくつかの態様によると、段階A-2の有機溶媒は、トルエン及び芳香族溶媒、THF及びエーテル、ジクロロメタン及びハロゲン化溶媒を含む又はからなる群から選択され、触媒は、ピロリジン及び対応する塩、NaOH及びKOHを含む又はからなる群から選択され、
段階B-2の有機溶媒は、トルエンを含む又はからなる群から選択され、酸はp-TsOH、硫酸及びアンバーリスト-15を含む又はからなる群から選択され、
段階C-2の触媒は、Pd/C、Pd/Alを含む又はからなる群から選択され、
段階D-2における酸化剤は、H水溶液及び過酸を含む又はからなる群から選択され、リパーゼはカンジダ・アンタークティカリパーゼA、カンジダ・アンタークティカリパーゼB、架橋サブチリシンAプロテアーゼ、ブタ膵臓リパーゼ、カンジダ・シリンドラセアリパーゼ、リゾプス・アルヒズ、ペニシリウム・シクロピウム、ムコールミエヘイ、サーモマイセス・ラヌギノサスリパーゼ、カンジダ・ルゴサリパーゼ及びシュードモナスリポタンパク質リパーゼを含む又はからなる群から選択され、
段階E-2の反応媒体は、硫酸水溶液を含む又はからなる群から選択され、
段階F-2の触媒は、Pd/C、Pd/Al、Pd/モレキュラーシーブ、Pt/C、Pt/Al、及びPt/モレキュラーシーブを含む又はからなる群から選択される。
【0072】
ディーン・スターク・トラップは段階B-2で使用し得る。
【0073】
いくつかの態様によると、段階A-2の有機溶媒はトルエンであり、触媒はピロリジンであり、段階B-2の有機溶媒はトルエンであり、酸はp-TsOHであり、段階C-2の触媒はPd/Cであり、段階D-2の酸化剤はH水溶液であり、リパーゼはカンジダ・アンタークティカリパーゼBであり、段階E-2の反応媒体は硫酸水溶液であり、段階F-2の触媒はPd/Cである。
【0074】
合成は、高い収量及び転換率を伴い、時間及び費用対効果が高い。このことは、大規模なプロセスに対し、特に重要である。
【0075】
さらなる溶媒は、工程段階で使用され得る。抽出及びろ過が、段階間で実行され得る。
【0076】
プロセスは、室温で実行され得る。プロセスは、大気圧(おおよそ1atm又は0.1MPa)で実行され得る。
【0077】
本明細書のいずれかで定義されているプロセスは、式IIIの化合物の大規模生産に有用である。いくつかの態様において、プロセスは、式IIIの化合物の大規模生産(>0.5又は>1kg)に使用される。
【図面の簡単な説明】
【0078】
本発明がここで、本発明の種々の実施形態の説明によって、及び添付図面を参照して、より詳細に説明される。
【0079】
図1】本発明のプロセスを実行するためのシステムを示す。
【発明を実施するための形態】
【0080】
定義
室温は、15及び25C°の間の温度である。
【0081】
EtOAcは酢酸エチルである。
【0082】
DIPEはジイソプロピルエーテルである。
【0083】
KOtBuはカリウムtert-ブトキシドである。
【0084】
2-MeTHFは2-メチルテトラヒドロフランである。
【0085】
ET2Oはジエチルエーテルである。
【0086】
AcOHは酢酸である。
【0087】
p-TsOHはp-トルエンスルホン酸又はトシル酸である。
【0088】
tBuOHはtert-ブチルアルコールである。
【0089】
当量(equiv.)は、「equivalent.」、「equivalent」である。本明細書において使用される場合、「wt%」又は「w/w%」又は「w%」という用語は重量パーセントを意味し、総重量の百分率である。
【0090】
本明細書において使用される場合、「任意選択」又は「任意選択に」という用語は、その後に説明される出来事又は状況は、発生する可能性はあるが、必ず発生するわけではなく、その説明には、その出来事又は状況が発生する場合と発生しない場合が含まれるということを意味する。
【0091】
本明細書において使用される場合、単独で、又は接尾辞又は接頭辞として使用される「C」という用語は、炭化水素含有基を含むことを意図しており;nは1から30までの整数である。
【0092】
本明細書において使用される場合、単独で、又は接尾辞又は接頭辞として使用される「ハロゲン」又は「ハロ」という用語は、臭素、塩素、フッ素、及びヨウ素を含むことを意図している。
【0093】
本明細書において使用される場合、単独で、又は接尾辞又は接頭辞として使用される「ヘテロ」という用語は、炭素原子の1又は複数(及び特定の関連付けられる水素原子)が独立して同じ又は異なるヘテロ原子(S、O又はN)又はヘテロ原子団で置換されている、アルキル、シクロアルキル及びアリール基を含むことを意図している。ヘテロ原子団の例は、-O-、-S-、-O-O-、-S-S-、-O-S-、NR、=N-N=、-N=N-、-N=N-NR-、-PR-、-P(O)-、-POR-、-O-P(O)-、-SO-、-SO-、-Sn(R)-などを含むがそれらに限定されない。
【0094】
本明細書において使用される場合、単独で、又は接尾辞又は接頭辞として使用される「C1-30アルキル」という用語は、1から30個の炭素原子を有する分岐鎖及び直鎖の両方の飽和脂肪族炭化水素基を含むことが意図されている。C1-4アルキルの例は、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル、i-ブチル、sec-ブチル、及びtert-ブチルを含む。
【0095】
「アルケニル」という用語は、少なくとも1つの炭素-炭素二重結合を有し、少なくとも2から約30までの炭素原子を含む、一価の直鎖又は分枝鎖炭化水素ラジカルを示す。アルケニルの二重結合は、他の不飽和基にコンジュゲートされないか、又はコンジュゲートされ得る。好適なアルケニル基は、C2-6アルケニル基、例えばビニル、アリル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、ブタジエニル、ペンタジエニル、ヘキサジエニル、2-エチルヘキセニル、2-プロピル-2-ブテニル、4-(2-メチル-3-ブテン)-ペンテニルを含むがそれらに限定されない。アルケニルは、置換されていないか、又は1つ又は2つの適切な置換基で置換され得る。
【0096】
「アルキニル」という用語は、少なくとも1つの炭素-炭素三重結合を有し、少なくとも2から約12までの炭素原子を含む、一価の直鎖又は分枝鎖炭化水素ラジカルを示す。アルキニルの三重結合は、他の不飽和基にコンジュゲートされないか、又はコンジュゲートされ得る。好適なアルキニル基は、アセチレニル、メチルアセチレニル、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニルなどのC2-6アルキニル基を含むが、これらに限定されない。アルキニルは、置換されていないか、又は1つ又は2つの適切な置換基で置換され得る。
【0097】
本明細書において使用される場合、単独で、又は接尾辞及び接頭辞として使用される「C1-6-アルコキシ」という用語は、C1-6-アルキルラジカルを言及し、これは酸素原子を介して分子の残りの部分に結合する。C1-4アルコキシの例は、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、i-プロポキシ、n-ブトキシ、i-ブトキシ、sec-ブトキシ、及びtert-ブトキシを含む。
【0098】
本明細書において使用される場合、単独で、又は接尾辞又は接頭辞として使用される「シクロアルキル」および「シクロアルケニル」という用語は、飽和又は部分的に不飽和の環状アルキルラジカルを含むことを意図している。特定のレベルの飽和が意図されている場合、シクロアカニル又はシクロアルケニルという命名法が使用されている。シクロアルキル基の例は、シクロプロパン、シクロブテン、シクロペンタン、シクロヘキサンなどから誘導される基を含むがそれらに限定されない。
【0099】
本明細書において使用される場合、「アリール」という用語は、5又は12の環員を有する単環式芳香環、又は少なくとも1つの炭素環式芳香環、シクロアルキル環又はヘテロシクロアルキル環に縮合した少なくとも1つの炭素環式芳香環を有する多環系のいずれかを示す。例えば、アリールは、N、O、及びSから独立して選択される1又は複数のヘテロ原子を含有する5から7員のヘテロシクロアルキル環に縮合しているフェニル環を含む。
【0100】
本明細書において使用される場合、用語「C5-12-アリール-C1-6-アルキル」は、C1-6-アルキルラジカルを介して結合しているフェニル基を示す。C-アリール-C1-3-アルキルの例は、フェニルメチル(ベンジル)、1-フェニルエチル、及び2-フェニルエチルを含む。
【0101】
図1は、プロセスを実行するためのシステムを示す。反応器5では、リパーゼは回転固定台2において固定される。モータ3は、固定台2の回転のために用いられる。反応器5は、ディーン・スターク装置1に接続され、それはコンデンサ4に接続されている。
【0102】
本発明において、プロセスは、回転床反応器に固定化されたリパーゼを、脱水用のディーン・スターク装置と共に使用して実行される。
【0103】
このプロセスは、カプサイシノイドの調製のために、またカルボン酸又はエステルとの多くの他のアミンのアミド化のために使用し得る。
【0104】
プロセスは、式Iのアミン及び式II又はIIaの化合物から式IIIのアミドを合成するために、以下に示すように使用され得、
【化6】
又は
【化7】
【0105】
は、C1-12アルキル、C1-12アルケニル、C1-12アルキニル、C1-12アルコキシ、C1-12アルキル-O-C1-12アルキル、C1-12アルキル-OC(O)-C1-12アルキル、C1-12アルキル-NH-C1-12アルキル、C1-12アルキル-NHC(O)-C1-12アルキル、C3-12シクロアルキル、C3-12シクロアルケニル、C5-12アリール、C3-12シクロアルキル-C1-6アルキル、C3-12シクロアルケニル-C1-6アルキル、及びC5-12アリール-C1-6アルキルを含む群から選択され得、
は、任意選択に、水素、ヒドロキシ、オキシ、ハロゲン、カルボキシ、アミン、アミド、C1-6ヒドロキシアルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6アミンキシアルキル、C1-6アルキルアミド、C1-6カルボキシアルキル、C1-6スルフラアルキル、C1-6アルキルスルフィド及びC1-6アルコキシを含む群から選択される1種又は複数の種の置換基で置換され得る。
【0106】
は、C1-6アルキル、C1-6アルケニル、C1-6アルコキシ、C1-6アルキル-O-C1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、C3-6シクロアルケニル、C6-7アリール、C3-6シクロアルキル-C1-3アルキル、C3-6シクロアルケニル-C1-3アルキル及びC5-7アリール-C1-3アルキルを含む群から選択され得、
は、任意選択で、水素、ヒドロキシ、オキシ、ハロゲン、カルボキシ、C1-3ヒドロキシアルキル、C1-3ハロアルキル、及びC1-3アルコキシを含む群から選択される1種又は複数の種の置換基で置換され得る。
【0107】
又は、Rは、任意選択で水素、ヒドロキシ、及び/又はメトキシで置換されたC5-7アリール-C1-3アルキル、又はC6-7アリール-C1-2アルキル、又はCアリール-C1-3アルキルであり得る。
【0108】
は、水素、C1-30アルキル、C1-30アルケニル、C1-30アルキニル、C1-30アルコキシ、C1-30アルキル-O-C1-12アルキル、C1-30アルキル-OC(O)-C1-12アルキル、C1-30アルキル-NH-C1-12アルキル、C1-30アルキル-NHC(O)-C1-12アルキル、C3-12シクロアルキル、C3-12シクロアルケニル及びC5-12アリール、C3-12シクロアルキル-C1-6アルキル、C3-12シクロアルケニル-C1-6アルキル及びC5-12アリール-C1-6アルキルを含む群から選択され得、
は、任意選択に、水素、ヒドロキシ、オキシ、ハロゲン、カルボキシ、アミン、アミド、C1-6ヒドロキシアルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6アミンキシアルキル、C1-6アルキルアミド、C1-6カルボキシアルキル、C1-6スルフラアルキル、C1-6アルキルスルフィド及びC1-6アルコキシを含む群から選択される1種又は複数の種の置換基で置換され得る。
【0109】
は、水素、C3-30アルキル、C3-30アルケニル、C3-30アルキニル、C3-12シクロアルキル、C3-12シクロアルケニル及びC5-12アリールを含む群から選択され得る。
【0110】
は、水素、C5-18アルキル、C5-18アルケニル、C5-18アルコキシ、C5-18アルキル-O-C1-6アルキル、及びC5-18アルキル-OC(O)-C1-6アルキルを含む群から選択され得、
は任意選択で、水素、ヒドロキシ、オキシ、ハロゲン及びカルボキシを含む群から選択される、1種又は複数の種の置換基で置換され得る。
【0111】
又は、Rは、水素、C5-16アルキル及びC5-16アルケニル又はC7-17アルキル及びC7-16アルケニル、又はC7-10アルキル及びC7-10アルケニルを含む群から選択され得る。
【0112】
は、水素、C1-6アルキル、C1-6アルケニル、C1-6アルキニル、C1-6アルコキシ、C1-6アルキル-O-C1-6アルキル、C1-6アルキル-OC(O)-C1-6アルキル、C1-6アルキル-NH-C1-6アルキル、C1-6アルキル-NHC(O)-C1-6アルキル、C3-12シクロアルキル、C3-12シクロアルケニル及びC5-12アリール、C3-12シクロアルキル-C1-6アルキル、C3-12シクロアルケニル-C1-6アルキル及びC5-12アリール-C1-6アルキルを含む群から選択され、
は、任意選択に、水素、ヒドロキシ、オキシ、ハロゲン、カルボキシ、アミン、アミド、C1-6ヒドロキシアルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6アミンキシアルキル、C1-6アルキルアミド、C1-6カルボキシアルキル、C1-6スルフラアルキル、C1-6アルキルスルフィド及びC1-6アルコキシを含む群から選択される1種又は複数の種の置換基で置換され得、
式中シクロアルキル、シクロアルケニル、又はアリールのうちの1又は複数の炭素は、O、N又はSから選択される1又は複数のヘテロ原子で置換され得る。Rは、水素、C1-3アルキル、C1-3アルコキシ、及びC1-3アルキル-O-C1-3アルキルを含む群から選択され得る。
【0113】
又は、Rは、水素、メチル、エチルであり得る。Rは水素であり得る。
【0114】
Rは結合であり得る。RはC1-3アルキル、又はメチル又はエチルであり得る。
【0115】
式IIIの化合物は、構造IVを表し得
【化8】
IV
式中nは1又は2であり、
式中Rは、C3-20アルキル、C3-20アルケニル、C3-20アルキニル、C3-12シクロアルキル、C3-12シクロアルケニル及びC5-12アリールを含む群から選択され、
は、任意選択で、水素、ヒドロキシ、オキシ、ハロゲン、カルボキシ、アミン、アミド、C1-6ヒドロキシアルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6アミンキシアルキル、C1-6アルキルアミド、C1-6カルボキシアルキル、C1-6スルフラアルキル、C1-6アルキルスルフィド及びC1-6アルコキシ及びC5-12アリールを含む群から選択される1種又は複数の種の置換基で置換され得、
式中R又はRは、水素、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-10シクロアルキル、C3-10シクロアルケニル及びC5-12アリールを含む群から選択され、
式中Rは、水素、ヒドロキシ、オキシ、ハロゲン、カルボキシ、アミン、アミド、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-6シクロアルキル、C3-6シクロアルケニル及びC5-6アリールを含む群から選択され、
は、任意選択で、水素、ヒドロキシ、オキシ、ハロゲン、カルボキシ、アミン、アミド、C1-6ヒドロキシアルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6アミンキシアルキル、C1-6アルキルアミド、C1-6カルボキシアルキル、C1-6スルフラアルキル、C1-6アルキルスルフィド及びC1-6アルコキシを含む群から選択される1種又は複数の種の置換基で置換され得る。
【0116】
式IIIの化合物は、構造IVを表し得、
式中nは1又は2であり、
式中Rは、C5-18アルキル、C5-18アルケニル、C5-15アルコキシ、C5-18アルキル-O-C1-6アルキル-,及びC5-18アルキル-OC(O)-C1-6アルキルを含む又はからなる群から選択され、
は任意選択で、ヒドロキシ、オキシ、ハロゲン及びカルボキシを含む又はからなる群から選択される1種又は複数の種の置換基で置換され得、
式中R又はRは、水素及びC1-3アルキルを含む又はからなる群から選択され、
は、水素、ヒドロキシ、及びオキシを含む又はからなる群から選択され得る。
【0117】
式IIIの化合物は、構造IVを表し得、
式中nは1又は2であり、
式中RはC6-12アルキル及びC6-12アルケニル、又はC7-10アルキル及びC7-10アルケニルを含む群から選択され、
式中R又はRは、水素、メチル、又はエチルを含む群から選択され、
は水素である。
【0118】
カプサイシノイドを調製するための従来技術のプロセス
アシル供与体としてのエステル:かなり乾燥させたアミン(<3wt%の水含有物)が必要であり、さもなければ、水は、底のアミンを覆い、反応を遅らせる。過剰なアミンを追加せずにエステルの完全な転換に達するのは困難である。
【化9】
高価な無水溶媒及び毒性のSOClが、このプロセスで必要であった。酵素プロセスと比較して、収率は大部分大幅に低く、結果として現れる生成物は、かなり粗悪であった。生成物は茶色がかった黄色で粘着性であった。実施例25を参照されたい。
【0119】
酵素プロセス
【化10】
このプロセスは、大量のモレキュラーシーブを必要とし、それはスケールアップする場合にはより大きな施設を必要とする。ろ過及び浄化が必要であるが、それは時間及びコストがかかる。実施例23を参照されたい。
【0120】
両方の従来技術のプロセスは、時間がかかり、高価であり、収量が低すぎるため、経済的に実現可能な様式での大規模生産には使用できない。
【0121】
本発明のプロセスは、以下の模式図によるカプサイシノイドの調製のため使用され得る。
【化11】
本発明のプロセスでは、溶媒は使用されなくともよい。
【0122】
溶媒を使用する場合、溶媒は、メチルtert-ブチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、C1-6アルキル-O-C1-6アルキルエーテル、ヘキサン及びその他のC5-10アルカン、シクロヘキサン及びその他のC5-10シクロアルカン、ベンゼン、トルエン、キシレン、tert-ブタノール、tertアミルアルコール、その他の嵩高い第二級又は第三級C5-10アルコール及びその任意のエステルを含む又はからなる群から選択される有機溶媒であり得る。溶媒は、トルエン、ジイソプロピルエーテル、又はシクロヘキサンであり得る。
【0123】
が水素ではないときに、溶媒は、メチルtert-ブチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、C1-6アルキル-O-C1-6アルキルエーテル、ヘキサン、及びその他のC5-10アルカン、シクロヘキサン及びその他のC5-10シクロアルカン、ベンゼン、トルエン、キシレン、tert-ブタノール、tertアミルアルコール、その他の嵩高い第二級又は第三級C5-10アルコール及びそのエステルを含む又はからなる群から選択され得る。
【0124】
溶媒は、トルエン、ジイソプロピルエーテル、又はシクロヘキサンであり得る。
【0125】
リパーゼが、カンジダ・アンタークティカリパーゼA、カンジダ・アンタークティカリパーゼB、架橋サブチリシンAプロテアーゼ、ブタ膵臓リパーゼ、カンジダ・シリンドラセアリパーゼ、リゾプス・アルヒズ、ペニシリウム・シクロピウム、ムコールミエヘイ、サーモマイセス・ラヌギノサスリパーゼ、カンジダ・ルゴサリパーゼ及びシュードモナスリポタンパク質リパーゼを含む又はからなる群から選択され得る。
【0126】
プロセスは、室温及び150℃の間、又は室温及び115℃の間の温度で実行し得る。
【0127】
プロセスは、0.090及び0.200MPaの間、又は約0.1MPaの圧力で実行し得る。
【0128】
式IIの化合物は、以下の段階を含む又はからなり、調製され得、
【化12】
式中RはC6-18アルキル又はC6-18アルケニルであり、直鎖又は分岐鎖であり得、
段階A-1、反応は、無溶媒又はEtOAcなどの任意の有機溶媒を使用して実行される、
段階B-1、溶媒は、2-メチルテトラヒドロフラン、テトラヒドロフラン、トルエン及び任意の他の非プロトン性有機溶媒を含む又はからなる群から選択される、
段階B-1、塩基は、NaH、KH、t-BuOK、t-BuONa、及び別のナトリウム又はカリウムアルコキシドを含む又はからなる群から選択される、
異性化段階C-1、触媒は、HNO、HNO、及びHNO又はHNOを生成することができる他の任意の組合わせを含む又はからなる群から選択される、及び
水素化段階D-1、触媒は、Pd/C、Pd/Al及び任意の他の不均一水素化触媒を含む又はからなる群から選択され、水素源は水素ガスである。
【0129】
式IIの化合物は、以下の段階を含む又はからなり、調製され得、
【化13】
段階A-2、反応は無溶媒又はトルエンなどのいずれかの有機溶媒で実行され、触媒は、ピロリジン、他のアミン及び対応する塩、NaOH、KOH、及び他の無機塩基を含む又はからなる群から選択される、
段階B-2、反応は無溶媒、又はトルエンなどの有機溶媒で実行され、触媒は、p-TsOH、硫酸、アンバーリスト-15,及び他の酸を含む又はからなる群から選択される、
段階C-2及び段階F-2、水素源が水素ガスであり、触媒はPd/C、Pd/Al、及び別の不均一水素化触媒を含む又はからなる群から選択される、
段階D-2、酸化剤がH水溶液、過酸、及び別の過酸化物を含む又はからなる群から選択され、触媒がカンジダ・アンタークティカリパーゼA、カンジダ・アンタークティカリパーゼB、架橋サブチリシンAプロテアーゼ、ブタ膵臓リパーゼ、カンジダ・シリンドラセアリパーゼ、リゾプス・アルヒズ、ペニシリウム・シクロピウム、ムコールミエヘイ、サーモマイセス・ラヌギノサスリパーゼ、カンジダ・ルゴサリパーゼ及びシュードモナスリポタンパク質リパーゼを含む又はからなる群から選択される、及び
段階E-2、反応媒体が、硫酸水溶液又は別の強酸性溶媒を含む又はからなる群から選択される、及び
段階F-2、触媒は、Pd/C、Pd/Al、Pd/モレキュラーシーブ、Pt/C、Pt/Al、及びPt/モレキュラーシーブを含む又はからなる群から選択され、水素源は水素ガスである。
【0130】
式IIの化合物を調製するためのプロセスは、室温及び150℃の間、又は室温及び115℃の間の温度で実行され得る。これらのプロセスは、0.090及び0.200MPaの間、又は約0.1MPaの圧力で実行され得る。
【0131】
実験のセクション
バニリルアミンの調製
バニリルアミンはその塩酸塩から調製された。HCl塩は、商業供給者から購入するか、文献の手順に従って調製した(ChemBioChem 2009, 10, 823; J. Med. Chem. 2018, 61, 8225)。
【化14】
実施例1:50.00gのバニリルアミンHCl塩を500mLの冷水(約5℃)において溶解し、氷の槽で冷却させ、1当量3MのNaOH(87.9mL)を、激しく撹拌させ続けている間、10分、部分的に追加した。内部の温度は、約5℃に維持された。すべての基を追加した後、乳白色の溶液はさらに5分撹拌され、その後ろ過された。漏斗の白色生成物を2回冷水(5℃、100mL×2)で洗浄し、その後重量が同じに留まる間まで、真空下で乾燥させた。生成物37.32g(収率92.4%)が取得された。実施例2:500.0gのバニリルアミンHCl塩を5mLの水(10~15℃)において溶解し、1当量3MのNaOHを、激しく撹拌させ続けている間、20分、部分的に追加した。すべての基を追加した後、乳白色の溶液はさらに10分撹拌され、その後ろ過された。漏斗の白色生成物を2回冷水(1L×2)で洗浄し、その後50℃で、24時間真空室で乾燥させた。478.0gのオフホワイトの生成物が、19.5wt%の含水率で取得された(Kern DBS 60-3水分分析器で判定)。
【0132】
脂肪酸の調製重要な段階としてのウィッティヒ反応による脂肪酸の調製
【化15】
実施例3:(6-カルボキシヘキシル)トリフェニルホスホニウムブロミドの調製。
【0133】
1Lの丸底フラスコにおいて、97.53gの6-ブロモヘキサン酸及び131.15g(1.0当量)のトリフェニルホスフィン(PPh)が、500mLのEtOAcにおいて溶解された。混合物は、75から80℃で加熱され、7日間撹拌された。ろ過後、収集した生成物をEtOAc(50mL×2)で洗浄し、次いで真空下で乾燥させて、221.80gの白色粉末を得た(収率97.0%)。結合させたろ液は、さらなるバッチ用の溶媒としてリサイクルした。
【0134】
実施例4:(Z)-8-メチル-6-ノネン酸の調製。
【0135】
1L二口丸底フラスコにおいて、100.00g(6-カルボキシヘキシル)トリフェニルホスホニウム(PhPO)ブロミド及び49.07g(2.0当量)のKOtBuを、窒素雰囲気の保護下で300mLの2-MeTHFにおいて溶解し、氷水の槽を使用して冷却した。化合物が溶解している間に、反応混合物が明るいオレンジ色に変わった。200mLの2-MeTHF中の18.92g(1.2当量)のイソブチルアルデヒド溶液を、冷却した反応混合物にゆっくり追加すると、迅速に白くなった。追加が完了した後、反応混合物を室温に温め、6時間撹拌した。反応は、500mLのHOを追加してクエンチした。MeTHF溶媒は、蒸留により回収された。室温への冷却後、PhPOの大半は沈降し、ろ過により白色粉末として収集された。ろ液は、濃縮させたHClを酸化させてpH2にし、形成された有機層を回収し、水相をEtO(100mL×2)で抽出した。有機相を結合させ、無水NaSOで乾燥し、濃縮して、56.6gの粗生成物を生じた。この粗生成物を、その後、圧力低減下で蒸留して、(Z)-8-メチル-6-ノネン酸(32.76g、収率88%、NMR分析によるZ/E11:1)を無色の油状生成物として得た。
【0136】
実施例5:8-メチルノナン酸の調製。
【0137】
32gの(Z)-8-メチル-6-ノネン酸を150mLのジイソプロピルエーテルに溶解した。次いで、0.5mol%のPd/C粉末をこの溶液に分散させた。混合物は、一晩室温で、Hバルーンで水素化した。触媒は、ろ過により回収された。溶媒は、蒸留により回収された。8-メチルノナン酸は、>99%の収率で、無色の油として取得された。
【0138】
実施例6:(E)-8-メチル-6-ノネン酸の調製。
【0139】
1L二口丸底フラスコにおいて、100.00g(6-カルボキシヘキシル)トリフェニルホスホニウムブロミド及び49.07g(2.0当量)のKOtBuを、窒素雰囲気の保護下で300mLの2-MeTHFに溶解し、氷水の槽を使用して冷却した。化合物が溶解している間に、反応混合物が明るいオレンジ色に変わった。200mLの2-MeTHF中の18.92g(1.2当量)のイソブチルアルデヒド溶液を、冷却した反応混合物にゆっくり追加すると、迅速に白くなった。追加が完了した後、反応混合物を室温に温め、6時間撹拌した。反応は、500mLのHOを追加してクエンチした。MeTHF溶媒は、蒸留により回収された。室温への冷却後、PhPOの大半は沈降し、ろ過により白色粉末として収集された。ろ液は、濃縮させたHClを酸化させてpH2にし、形成された有機層を回収し、水相をDIPE(100mL×2)で抽出した。有機相は、組合わされて濃縮された。この粗中間物は、その後、窒素雰囲気の保護下、85℃で、濃縮させたHNO(0.03当量)で24時間処理された。冷却後、混合物は水(50mL×2)で洗浄された。水相は、DIPE(50mL×2)で結合及び抽出させた。有機相を結合させ、無水NaSOで乾燥し、濃縮されて、53.1gの粗生成物を得た。この粗生成物を、その後、圧力低減下で蒸留して、(E)-8-メチル-6-ノネン酸(30.2g、収率81%、NMR分析によるE/Z86:14)を無色の油状生成物として得た。
【0140】
シクロヘキサノン及びイソブチルアルデヒドから開始する8-メチルノナン酸の調製
【化16】
実施例7:2-(2-メチルプロピリデン)シクロヘキサン-1-オンの調製
【化17】
50gのイソブチルアルデヒド、102gのシクロヘキサノン(1.5当量)、5mol%のピロリジン及び5mol%のAcOHを、40℃で12時間加熱及び撹拌した。室温への冷却後、混合物を200mLの水と100mLのトルエンに分散させ、有機相を分離した。水相がトルエン(50mL×2)で抽出された。有機相を4mol%のp-TsOH・H2O触媒、還流条件で2時間、ディーン・スターク・トラップで結合及び処理し、生成された水を収集した。再度室温に冷却した後、酸は1MのNaOH水溶液30mLで洗浄することにより除去された。トルエン及び過剰なシクロヘキサノンは、蒸留により回収された。エノン生成物(87.6g、収率83%、明るい黄色)が、その後圧力低減下で蒸留された。
【0141】
実施例8:2-イソブチルシクロヘキサノンの調製
5gの2-(2-メチルプロピリデン)シクロヘキサン-1-オンが、10mLのEtOAcにおいて溶解された。0.2mol%のPd/Cを追加し、水素化が4時間、Hバルーンを用いて室温で行われた。完全な転換が、NMR分析に基づいて実現された。触媒は、ろ過により回収し、ろ液を直接、次の酸化に使用した。
【0142】
実施例9:7-イソブチルオキセパン-2-オンの調製2-イソブチルシクロヘキサノンのEtOAc溶液に、ノボザイム435(商標)(250mg)及び30%H水溶液(3当量)を追加した。混合物を50℃で撹拌及び加熱した。24時間後、91%の転換が、NMR分析に基づいて実現された。
室温に冷却した後、触媒リパーゼをろ過で回収した。ろ液を5%のNa水溶液及び塩水で洗浄し、過剰な過酸化物を除去した。有機相が濃縮され、粗ラクトンが生じた。
【0143】
実施例10:8-メチル-6-ノナン酸の調製上記の粗ラクトンを5MのHSO(40mL)に分散させ、油の槽で、110℃で加熱した。20時間後、混合物を室温に冷却し、DIPE(20mL×3)で抽出した。有機相を塩水で洗浄し、無水NaSOで脱水し、ろ過した。0.5mol%のPd/C粉がろ液に追加され、水素化が24時間、Hバルーンを用いて室温で行われた。ろ過してPd触媒を回収した後、ろ液を濃縮し、シリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、8-メチル-6-ノナン酸を得た(2.1g、実施例7の5gのエノン生成物から37%の収率)。
【0144】
カプサイシノイドの調製
【化18】
実施例11:DIPEにおける過剰なアミンでのカプサイシンの調製。通常の大気圧(おおよそ1atm)では、8-メチル-6-ノネン酸(3.65g)、バニリルアミン(1.1当量)、ビードのノボザイム435(商標)(498.8mg、14w/w%E/S)を、ディーン・スターク・トラップでジイソプロピルエーテル(45mL)において還流(約69℃)し、生成された水を収集した。一晩(19時間)、約300rpmで撹拌した後、混合物をろ過して触媒リパーゼを回収し、ろ液を0.5MのHCl水溶液(10mL)で洗浄した。水相が、EtO(10mL×2)で抽出され、有機相を組合わせ、無水NaSOで脱水し、濃縮されて、6.53gの生成物(収率99.7%、非常に淡い黄色)を生じた。
【0145】
実施例12:トルエンにおける過剰な脂肪酸でのノニバミドの調製。通常の大気圧(おおよそ1atm)では、バニリルアミン(4.89g、2.00wt%水)、ノナン酸(1.01当量)、およびビードのノボザイム435(商標)(1g、20w/w%E/S)を、トルエン(50mL)においてディーン・スターク・トラップで還流(約110℃)し、生成された水を収集した。約300rpmで一晩(16時間)撹拌した後、ノナン酸の変換は>99%であった。ろ過して酵素触媒を回収した後、混合物は濃縮して、9.14gの生成物を生じた(収率99.6%、白色)。
【0146】
実施例13:シクロヘキサンにおける過剰な脂肪酸でのノニバミドの調製。通常の大気圧(おおよそ1atm)では、バニリルアミン(4.89g、2.00wt%水)、ノナン酸(1.01当量)、およびビードのノボザイム435(商標)(1g、20w/w%E/S)をシクロヘキサン(50mL)においてディーン・スターク・トラップで還流(約81℃)し、生成された水を収集した。約300rpmで一晩(16時間)撹拌した後、ノナン酸の変換は>99%であった。ろ過して酵素触媒を回収した後、混合物は濃縮して、9.10gの生成物を生じた(収率99.1%、淡い黄色)。
【0147】
ビードでリパーゼを用いることは、リパーゼのろ過のような後処理にはコストがかかることなどに起因して、大規模生産には実現可能ではないので、次の実験は、回転床反応器に固定されるリパーゼを用いて実行された。
【0148】
実施例14:固定床反応器でのジヒドロカプサイシンの調製。通常の大気圧(おおよそ1atm)で、12のノボザイム435(商標)(45から60w/w%E/S)で充填された固定床反応器を備えた1L反応器において、バニリルアミン、わずかに過剰な8-メチルノナン酸(1.01当量)、及びジイソプロピルエーテル(600mL)をディーン・スターク・トラップで還流(約69℃)し、生成された水を収集した(図1)。反応の間、rpmは約300rpmに固定された。
【0149】
反応後、熱い溶液を放出して室温まで冷却した。ジヒドロカプサイシン生成物は、結晶化され、ろ過により収集された。ろ液は、さらなるバッチのために、溶媒として直接リサイクルした。結果を表1に示す。ジヒドロカプサイシンの収率は平均99.7%であった。
【0150】
表1.固定床反応器でのジヒドロカプサイシンの調製
【化19】
【表1】
結果は、良好な転換率及び6サイクル後での収率を示す。
【0151】
実施例15:固定床反応器でのカプサイシンの調製(45w/w%E/S)。実施例14の反応器システムは、残留ジヒドロカプサイシンを除去するためDIPE溶媒で還流して洗浄した。この反応器では、通常の大気圧(おおよそ1atm)で、バニリルアミン、わずかに過剰の8-メチル-6-ノネン酸(1.01当量)、及びジイソプロピルエーテル(600mL)が、ディーン・スターク・トラップを用いて還流(約69℃)され、生成された水を回収した。反応の間、rpmは約300rpmに固定された。反応後、熱い溶液を放出して室温まで冷却した。カプサイシン生成物は、結晶化され、ろ過により収集された。ろ液は、さらなるバッチのために、溶媒として直接リサイクルした。結果を表2に示す。カプサイシンの収率は平均99.4%であった。
【0152】
表2.固定床反応器でのカプサイシンの調製。
【化20】
【表2】
結果は、良好な転換率及び5サイクル後での収率を示す。
【0153】
実施例16a:固定床反応器でのノニバミドの調製(15から21w/w%E/S)。実施例15の反応器システムは、残留ジヒドロカプサイシンを除去するためDIPE溶媒で還流して洗浄した。この反応器では、通常の大気圧(おおよそ1atm)で、バニリルアミン、わずかに過剰のノナン酸(1.01当量)、及びジイソプロピルエーテル(600mL)が、ディーン・スターク・トラップを用いて還流(約69℃)され、生成された水を回収した。反応の間、rpmは約300rpmに固定された。反応後、熱い溶液を放出して室温まで冷却した。ノニバミド生成物は、結晶化され、ろ過により収集された。ろ液は、さらなるバッチのために、溶媒として直接リサイクルした。結果を表3aに示す。ノニバミドの収率は平均99.8%であった。
【0154】
表3a.固定床反応器でのノニバミドの調製。
【化21】
【表3】
結果は、良好な転換率及び11サイクル後での収率を示す。
【0155】
実施例16b:100Lの固定床反応器でのノニバミドの調製。通常の大気圧(おおよそ1atm)で、1kgのノボザイム435(商標)(50から100w/w%E/S)で充填された固定床反応器を備えた100L反応器において、バニリルアミン、過剰な8-メチルノナン酸(1.03当量)、及びジイソプロピルエーテル(90L)をディーン・スターク・トラップで還流(約69℃)し、生成された水を収集した。反応の間、rpmは約250rpmに固定された。反応後、熱い溶液を放出して15℃まで冷却した。ノニバミド生成物は、結晶化され、ろ過により収集された。ろ液は、さらなるバッチのために、溶媒として直接リサイクルした。結果を表3bに示す。結果は、本発明のプロセスが、アミドの大規模生産に使用できることを示している。
【0156】
表3b.100L固定床反応器でのノニバミドの調製。
【表4】
結果は、プロセスが大規模で使用されたとき、良好な転換率及び3サイクル後での収率を示す。
【0157】
比較例:
【0158】
乾燥剤による脂肪酸からのカプサイシンの調製
【化22】
実施例17:200mLの反応器に、トルエン(150mL)、4Åモレキュラーシーブ(10g)、固定化酵素(ノボザイム435(商標)、0.59g)、8-メチル-6-ノネン酸(2.02g)、及びバニリルアミン(2当量)を追加した。反応は、80℃で行われ、NMRにより監視されていた。6時間後、酸の変換は>99%であった。ろ過の後、有機ろ液は冷却され、連続的に、1MのHCl(20mL×2)、水(20mL×2)、及び塩水(20mL)で洗浄された。無水NaSOにより乾燥させた後、溶媒を真空下で除去した。カプサイシン3.07g(収率84.7%)が取得された。
【0159】
実施例18:25mLのフラスコに、t-BuOH(8mL)、4Åモレキュラーシーブ(600mg)、固定化酵素(ノボザイム435(商標)、75mg)、8-メチル-6-ノネン酸(341g)、及びバニリルアミン(1.06当量)を追加した。反応は、80℃で行われ、NMRにより監視されていた。10時間後、酸の変換は約95%であった。
【0160】
アシル供与体としてのエステルによるカプサイシンの調製:
【化23】
実施例19:メチルエステルの調製。4.73gの8-メチル-6-ノネン酸が、30mLのMeOHにおいて溶解された。この溶液に、5滴の濃縮されたHSOを触媒として追加した。生じた溶液は、一晩還流した。室温に冷却した後、MeOHの大半は、ロータリーエバポレーターで除去され、残渣をEtO(30mL)に溶解し、5%NaCO溶液(10mL×2)で洗浄した。有機相は、無水NaSOで乾燥させ、濃縮されて、>99%の収率のエステル生成物を生じた。
【0161】
実施例20:固定床反応器でのエステルによるカプサイシンの調製。6gのノボザイム435(商標)(10から20w/w%E/S)を充填した回転固定台を備えた1L反応器に、8-メチル6-ノネン酸のエチルエステル、過剰のバニリルアミン(1.1当量)、及びジイソプロピルエーテル(600mL)が還流された。反応後、熱い溶液を放出して室温まで冷却した。溶液は連続的に、0.5MのHCl(60mL)、水(60mL)、及び塩水(20mL)で洗浄された。無水NaSOにより乾燥させた後、溶媒を回転蒸発で回収した。カプサイシン生成物は、明るい黄色で取得された。結果を表4に示す。
【0162】
表4.固定床反応器におけるエステルによるカプサイシンの調製。
【表5】
実施例21:蒸留装置によるエステルからのカプサイシンの調製。短経路蒸留装置を備えたフラスコに対して、8-メチル-6-ノネン酸のメチルエステル923mg、200mgのビードのノボザイム435(商標)、及び1.1当量のバニリルアミンを、80℃で20mLのt-BuOHにおいて加熱した。20時間後、エステルの変換は、NMR分析によると>99%であった。
【0163】
結果は、エステルを用いることは可能だが収率は前の例14、15、及び16と比較して低くなるということを示している。メチルエステルは対応する酸から調製されるため、追加の工程段階が必要とされる。さらに、アップスケーリングの時の作業は面倒である。他に、溶媒をリサイクルするのが困難で、それは大規模生産におけるプロセスのコストと環境への影響を低減するには重要である。
【0164】
実施例22:ニートな状態(溶媒がない)でのカプサイシノイドの調製。実験結果を表5に示す。
【0165】
表5.ニートな状態でのカプサイシノイドの調製。
【表6】
真空下。
【0166】
結果は、圧力低減を使用するとプロセスの収率が低下することを示している(エントリー1)。
【0167】
実施例23:触媒リパーゼによる脱水なしのカプサイシンの調製。
【0168】
バニリルアミン(1mmol)、8-メチル-6-ノネン酸(1mmol)、及びノボザイム435(商標)(45mg)が、トルエン(4mL)において撹拌され、80℃で48時間加熱した。72%の転換が、NMR分析に基づいて実現された。
【0169】
実施例24:触媒リパーゼなしでディーン・スターク蒸留を用いたカプサイシンの調製。
【0170】
ディーン・スターク・トラップで、生成された水を収集し、バニリルアミン(1mmol)及び8-メチル-6-ノネン酸(1mmol)を、トルエン(4mL)で115℃油の槽で20時間還流した。19%の転換が、NMR分析に基づいて実現された。
【0171】
実施例25:アシル供与体としての酸塩化物によるカプサイシンの調製
【化24】
1Lのフラスコ1本において、47.17gの8-メチル-6-ノネン酸を、400mLの無水EtOに溶解させた。30.1mLのSOCl(1.5同等)を100mLの無水EtOにおいて溶解させ、ゆっくりと、酸の溶液に追加した。生じた溶液は、3時間還流され、その後過剰なSOCl及び溶媒が圧力低減下で除去された。生じた酸塩化物は、次いで、200mLの無水EtOに溶解した。400mLの無水EtOにおける84.7gのバニリルアミンのスラリー(2当量)に、酸塩化物溶液を2時間かけてゆっくりと追加した。追加した後、還流が2時間続けられた。混合物は、氷水の槽で冷却され、沈降物がろ過された。有機ろ液は連続的に、1MのHCl(50mL×2)、水(50mL×2)、及び塩水(50mL)で洗浄された。無水NaSOにより乾燥させた後、溶媒を真空下で除去した。カプサイシン54.3g(収率64.2%)が取得された。
【0172】
酵素触媒及びディーン・スターク蒸留の組合わせによるその他のアミドの調製。
【0173】
R)-2-メトキシ-N-(1-フェニルエチル)アセトアミドの調製
【化25】
実施例26.ディーン・スターク・トラップで、生成された水を収集し、1-フェニルエタン-1-アミン(1mmol)、エチル2-メトキシ酢酸エチル(2mmol)、及びビードのノボザイム435(商標)(45mg)を、ジイソプロピルエーテル(30mL)において、90℃の油の槽で10時間還流した。処理の後、(R)-2-メトキシ-N-(1-フェニルエチル)アセトアミドが85%の収率及び8%eeで取得された。
【0174】
実施例27.ディーン・スターク・トラップで、生成された水を収集し、1-フェニルエタン-1-アミン(1mmol)、エチル2-メトキシ酢酸エチル(2mmol)、及びビードのノボザイム(商標)435(45mg)を、ジイソプロピルエーテル(30mL)において、90℃の油の槽で3時間還流した。処理の後、(R)-2-メトキシ-N-(1-フェニルエチル)アセトアミドが75%の収率及び55%eeで取得された。
【0175】
実施例28.ディーン・スターク・トラップで、生成された水を収集し、1-フェニルエタン-1-アミン(1mmol)、エチル2-メトキシ酢酸エチル(2mmol)、及びビードのノボザイム435(商標)(45mg)を、ジイソプロピルエーテル(30mL)中、90℃の油の槽で1時間還流した。処理の後、(R)-2-メトキシ-N-(1-フェニルエチル)アセトアミドが48%の収率及び97%eeで取得された。
【0176】
実施例29.R)-2-メトキシ-N-(1-(4-メトキシフェニル)エチル)アセトアミドの調製。
【化26】
ディーン・スターク・トラップで、生成された水を収集し、1-(4-メトキシフェニル)エタン-1-アミン(1mmol)、2-メトキシ酢酸エチル(2mmol)、及びビードのノボザイム435(商標)(45mg)を、ジイソプロピルエーテル(30mL)において、90℃の油の槽で0.83時間還流した。処理の後、R)-2-メトキシ-N-(1-(4-メトキシフェニル)エチル)アセトアミドが44%の収率及び97%eeで取得された。
【0177】
実施例30.N-フェネチルノナンアミドの調製。
【化27】
ディーン・スターク・トラップで、生成された水を収集し、2-フェニルエタン-1-アミン(1mmol)、ノナン酸(1.05mmol)、及びビードのノボザイム435(商標)(45mg)を、ジイソプロピルエーテル(30mL)において、90℃の油の槽で10時間還流した。処理の後、N-フェネチルノナンアミドが98%の収率で取得された。
【0178】
実施例31.N-フェネチルステアラミドの調製。
【化28】
ディーン・スターク・トラップで、生成された水を収集し、2-フェニルエタン-1-アミンン(1mmol)、ステアリン酸(1.05mmol)、及びビードのノボザイム435(商標)(45mg)を、ジイソプロピルエーテル(30mL)において、90℃の油の槽で10時間還流した。処理の後、N-フェネチルステアラミドが98%の収率で取得された。
【0179】
本発明は、開示された実施形態には限定されることなく、以降の特許請求の範囲内で変更及び修正され得る。
以下の項目もまた、開示される。
[項目1]
式Iのアミン及び式IIの化合物から式IIIのアミドを酵素合成するプロセスであって、
[化29]
式中R は、C 1-12 アルキル、C 1-12 アルケニル、C 1-12 アルキニル、C 1-12 アルコキシ、C 1-12 アルキル-O-C 1-12 アルキル、C 1-12 アルキル-OC(O)-C 1-12 アルキル、C 1-12 アルキル-NH-C 1-12 アルキル、C 1-12 アルキル-NHC(O)-C 1-12 アルキル、C 3-12 シクロアルキル、C 3-12 シクロアルケニル、C 5-12 アリール、C 3-12 シクロアルキル-C 1-6 アルキル、C 3-12 シクロアルケニル-C 1-6 アルキル及びC 5-12 アリール-C 1-6 アルキルを含む群から選択され、
は任意選択で、水素、ヒドロキシ、オキシ、ハロゲン、カルボキシ、アミン、アミド、C 1-6 ヒドロキシアルキル、C 1-6 ハロアルキル、C 1-6 アミンオキシアルキル、C 1-6 アルキルアミド、C 1-6 カルボキシアルキル、C 1-6 スルフラアルキル、C 1-6 アルキルスルフィド及びC 1-6 アルコキシを含む群から選択される1種又は複数の種の置換基で置換され得、
式中シクロアルキル、シクロアルケニル、又はアリールのうちの1又は複数の炭素は、O、N又はSから選択される1又は複数のヘテロ原子で置換され得、
式中R は、水素、C 1-30 アルキル、C 1-30 アルケニル、C 1-30 アルキニル、C 1-30 アルコキシ、C 1-30 アルキル-O-C 1-12 アルキル、C 1-30 アルキル-OC(O)-C 1-12 アルキル、C 1-30 アルキル-NH-C 1-12 アルキル、C 1-30 アルキル-NHC(O)-C 1-12 アルキル、C 3-12 シクロアルキル、C 3-12 シクロアルケニル及びC 5-12 アリール、C 3-12 シクロアルキル-C 1-6 アルキル、C 3-12 シクロアルケニル-C 1-6 アルキル及びC 5-12 アリール-C 1-6 アルキルを含む群から選択され、
は、任意選択で、水素、ヒドロキシ、オキシ、ハロゲン、カルボキシ、アミド、C 1-6 ヒドロキシアルキル、C 1-6 ハロアルキル、C 1-6 カルボキシアルキル、C 1-6 スルフラアルキル、C 1-6 アルキルスルフィド及びC 1-6 アルコキシを含む群から選択される1種又は複数の種の置換基で置換され得、
式中シクロアルキル、シクロアルケニル、又はアリールのうちの1又は複数の炭素は、O、N又はSから選択される1又は複数のヘテロ原子で置換され得、
式中R は、水素、C 1-6 アルキル、C 1-6 アルケニル、C 1-6 アルキニル、C 1-6 アルコキシ、C 1-6 アルキル-O-C 1-6 アルキル、C 1-6 アルキル-OC(O)-C 1-6 アルキル、C 1-6 アルキル-NH-C 1-6 アルキル、C 1-6 アルキル-NHC(O)-C 1-6 アルキル、C 3-12 シクロアルキル、C 3-12 シクロアルケニル及びC 5-12 アリール、C 3-12 シクロアルキル-C 1-6 アルキル、C 3-12 シクロアルケニル-C 1-6 アルキル及びC 5-12 アリール-C 1-6 アルキルを含む群から選択され、
は任意選択で、水素、ヒドロキシ、オキシ、ハロゲン、カルボキシ、アミン、アミド、C 1-6 ヒドロキシアルキル、C 1-6 ハロアルキル、C 1-6 アミンオキシアルキル、C 1-6 アルキルアミド、C 1-6 カルボキシアルキル、C 1-6 スルフラアルキル、C 1-6 アルキルスルフィド及びC 1-6 アルコキシを含む群から選択される1種又は複数の種の置換基で置換され得、
式中シクロアルキル、シクロアルケニル、又はアリールのうちの1又は複数の炭素は、O、N又はSから選択される1又は複数のヘテロ原子で置換され得、
式中Rは結合であるか、又はC 1-6 アルキルであり、
前記リパーゼは回転床反応器又はスピン固定床反応器に固定され、ディーン・スターク装置が脱水のために用いられる、プロセス。
[項目2]
式中R はC 1-6 アルキル、C 1-6 アルケニル、C 1-6 アルコキシ、C 1-6 アルキル-O-C 1-6 アルキル、C 3-6 シクロアルキル、C 3-6 シクロアルケニル、C 6-7 アリール、C 3-6 シクロアルキル-C 1-3 アルキル、C 3-6 シクロアルケニル-C 1-3 アルキル及びC 5-7 アリール-C 1-3 アルキルを含む群から選択され、
は、任意選択で、水素、ヒドロキシ、オキシ、ハロゲン、カルボキシ、C 1-3 ヒドロキシアルキル、C 1-3 ハロアルキル、及びC 1-3 アルコキシを含む群から選択される1種又は複数の種の置換基で置換され得、
式中R は、水素、C 5-15 アルキル、C 5-15 アルケニル、C 5-15 アルコキシ、C 5-15 アルキル-O-C 1-6 アルキル、及びC 5-15 アルキル-OC(O)-C 1-6 アルキルを含む群から選択され、
は、任意選択で、水素、ヒドロキシ、オキシ、ハロゲン及びカルボキシを含む群から選択される、1種又は複数の種の置換基で置換され得、
式中R は、水素、C 1-3 アルキル、C 1-3 アルコキシ及びC 1-3 アルキル-O-C 1-3 アルキルを含む群から選択され、
式中Rは結合であるか、又はC 1-3 アルキルである、項目1に記載のプロセス。
[項目3]
式中R はC 5-7 アリール-C 1-3 アルキルで、
は任意選択で水素、ヒドロキシ、及びC 1-3 アルコキシを含む群から選択される1種又は複数の種の置換基で置換され得、
式中R は、C 5-16 アルキル及びC 5-15 アルケニルを含む群から選択され、
式中R は、水素、メチル又は、エチルで、
式中Rは結合である、項目1に記載のプロセス。
[項目4]
式IIIの化合物が式IVの化合物で、
[化30]
IV
式中nは1又は2で、
式中R は、水素、C 3-30 アルキル、C 3-30 アルケニル、C 3-30 アルキニル、C 3-12 シクロアルキル、C 3-12 シクロアルケニル及びC 5-12 アリールを含む群から選択され、
は、任意選択で、水素、ヒドロキシ、オキシ、ハロゲン、カルボキシ、アミド、C 1-6 ヒドロキシアルキル、C 1-6 ハロアルキル、C 1-6 アルキルアミド、C 1-6 カルボキシアルキル、C 1-6 スルフラアルキル、C 1-6 アルキルスルフィド及びC 1-6 アルコキシ及びC 5-12 アリールを含む群から選択される1種又は複数の種の置換基で置換され得、
式中シクロアルキル、シクロアルケニル、又はアリールのうちの1又は複数の炭素は、O、N又はSから選択される1又は複数のヘテロ原子で置換され得、
式中R 又はR は、水素、C 1-6 アルキル、C 2-6 アルケニル、C 2-6 アルキニル、C 3-10 シクロアルキル、C 3-10 シクロアルケニル及びC 5-12 アリールを含む群から選択され、
又はR は、任意選択で、ヒドロキシ、オキシ、ハロゲン、カルボキシ、アミン、アミド、C 1-6 ヒドロキシアルキル、C 1-6 ハロアルキル、C 1-6 アミンオキシアルキル、C 1-6 アルキルアミド、C 1-6 カルボキシアルキル、C 1-6 スルフラアルキル、C 1-6 アルキルスルフィド及びC 1-6 アルコキシを含む群から選択される1種又は複数の種の置換基で置換され得、
式中シクロアルキル、シクロアルケニル、又はアリールのうちの1又は複数の炭素は、O、N又はSから選択される1又は複数のヘテロ原子で置換され得、
式中R は、水素、ヒドロキシ、オキシ、ハロゲン、カルボキシ、アミン、アミド、C 1-10 アルキル、C 2-10 アルケニル、C 2-10 アルキニル、C 3-12 シクロアルキル、C 3-12 シクロアルケニル及びC 5-12 アリールを含む群から選択され、
は、任意選択で、水素、ヒドロキシ、オキシ、ハロゲン、カルボキシ、アミン、アミド、C 1-6 ヒドロキシアルキル、C 1-6 ハロアルキル、C 1-6 アミンオキシアルキル、C 1-6 アルキルアミド、C 1-6 カルボキシアルキル、C 1-6 スルフラアルキル、C 1-6 アルキルスルフィド及びC 1-6 アルコキシを含む群から選択される1種又は複数の種の置換基で置換され得、
式中シクロアルキル、シクロアルケニル、又はアリールのうちの1又は複数の炭素は、O、N又はSから選択される1又は複数のヘテロ原子で置換され得る、項目1に記載のプロセス。
[項目5]
式IIIの化合物が式IVの化合物で、
[化31]
IV
式中nは1又は2で、
式中R は、C 3-18 アルキル、及びC 3-18 アルケニルを含む群から選択され、
式中R 又はR は、水素、C 1-6 アルキルを含む群から選択され、
が水素である、項目4に記載のプロセス。
[項目6]
式IIIの化合物が式IVの化合物で、
[化32]
IV
式中nは1又は2で、
式中R は、C 5-16 アルキル及びC 5-15 アルケニルを含む群から選択され、
式中R 又はR は、水素、C 1-3 アルキルを含む群から選択され、
が水素である、項目4に記載のプロセス。
[項目7]
式Iのアミン及び式IIaの化合物から式IIIのアミドを酵素合成するため、
[化33]
式中R は、C 1-12 アルキル、C 1-12 アルケニル、C 1-12 アルキニル、C 1-12 アルコキシ、C 1-12 アルキル-O-C 1-12 アルキル、C 1-12 アルキル-OC(O)-C 1-12 アルキル、C 1-12 アルキル-NH-C 1-12 アルキル、C 1-12 アルキル-NHC(O)-C 1-12 アルキル、C 3-12 シクロアルキル、C 3-12 シクロアルケニル、C 5-12 アリール、C 3-12 シクロアルキル-C 1-6 アルキル、C 3-12 シクロアルケニル-C 1-6 アルキル及びC 5-12 アリール-C 1-6 アルキルを含む群から選択され、
は任意選択で、水素、ヒドロキシ、オキシ、ハロゲン、カルボキシ、アミン、アミド、C 1-6 ヒドロキシアルキル、C 1-6 ハロアルキル、C 1-6 アミンキシアルキル、C 1-6 アルキルアミド、C 1-6 カルボキシアルキル、C 1-6 スルフラアルキル、C 1-6 アルキルスルフィド及びC 1-6 アルコキシを含む群から選択される1種又は複数の種の置換基で置換され得、
式中シクロアルキル、シクロアルケニル、又はアリールのうちの1又は複数の炭素は、O、N又はSから選択される1又は複数のヘテロ原子で置換され得、
式中R は、水素、C 1-30 アルキル、C 1-30 アルケニル、C 1-30 アルキニル、C 1-30 アルコキシ、C 1-30 アルキル-O-C 1-12 アルキル、C 1-30 アルキル-OC(O)-C 1-12 アルキル、C 1-30 アルキル-NH-C 1-12 アルキル、C 1-30 アルキル-NHC(O)-C 1-12 アルキル、C 3-12 シクロアルキル、C 3-12 シクロアルケニル及びC 5-12 アリール、C 3-12 シクロアルキル-C 1-6 アルキル、C 3-12 シクロアルケニル-C 1-6 アルキル及びC 5-12 アリール-C 1-6 アルキルを含む群から選択され、
は、任意選択で、水素、ヒドロキシ、オキシ、ハロゲン、カルボキシ、アミン、アミド、C 1-6 ヒドロキシアルキル、C 1-6 ハロアルキル、C 1-6 アミンキシアルキル、C 1-6 アルキルアミド、C 1-6 カルボキシアルキル、C 1-6 スルフラアルキル、C 1-6 アルキルスルフィド及びC 1-6 アルコキシを含む群から選択される1種又は複数の種の置換基で置換され得、
式中シクロアルキル、シクロアルケニル、又はアリールのうちの1又は複数の炭素は、O、N又はSから選択される1又は複数のヘテロ原子で置換され得、
式中R は、水素、C 1-6 アルキル、C 1-6 アルケニル、C 1-6 アルキニル、C 1-6 アルコキシ、C 1-6 アルキル-O-C 1-6 アルキル、C 1-6 アルキル-OC(O)-C 1-6 アルキル、C 1-6 アルキル-NH-C 1-6 アルキル、C 1-6 アルキル-NHC(O)-C 1-6 アルキル、C 3-12 シクロアルキル、C 3-12 シクロアルケニル及びC 5-12 アリール、C 3-12 シクロアルキル-C 1-6 アルキル、C 3-12 シクロアルケニル-C 1-6 アルキル及びC 5-12 アリール-C 1-6 アルキルを含む群から選択され、
は任意選択で、水素、ヒドロキシ、オキシ、ハロゲン、カルボキシ、アミン、アミド、C 1-6 ヒドロキシアルキル、C 1-6 ハロアルキル、C 1-6 アミンキシアルキル、C 1-6 アルキルアミド、C 1-6 カルボキシアルキル、C 1-6 スルフラアルキル、C 1-6 アルキルスルフィド及びC 1-6 アルコキシを含む群から選択される1種又は複数の種の置換基で置換され得、
式中シクロアルキル、シクロアルケニル、又はアリールのうちの1又は複数の炭素は、O、N又はSから選択される1又は複数のヘテロ原子で置換され得、
前記リパーゼは回転床反応器又はスピン固定床反応器に固定され、ディーン・スターク装置が脱水のために用いられる、項目1に記載のプロセス。
[項目8]
式中R はC 5-7 アリール-C 1-3 アルキルで、
は任意選択で水素、ヒドロキシ、及びC 1-3 アルコキシを含む群から選択される1種又は複数の種の置換基で置換され得、
式中R はC 5-15 アルキル及びC 5-15 アルケニルを含む群から選択され、
式中R は、水素、メチル、又はエチルである、
項目7に記載のプロセス。
[項目9]
溶媒が使用されていないか、又は前記溶媒が、メチルtert-ブチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、C 1-6 アルキル-O-C 1-6 アルキルエーテル、ヘキサン及びその他のC 5-10 アルカン、シクロヘキサン及びその他のC 5-10 シクロアルカン、ベンゼン、トルエン、キシレン、tert-ブタノール、tertアミルアルコール、その他の嵩高い第二級又は第三級C 5-10 アルコール及びその任意のエステル又はその混合物を含む群から選択される有機溶媒である、項目1から8のいずれか一項に記載のプロセス。
[項目10]
溶媒が使用されていないか、又は前記溶媒が、ジイソプロピルエーテル、シクロヘキサン、トルエン、又はtert-ブタノール、又はそれらの混合物を含む群から選択される有機溶媒である、項目1に記載のプロセス。
[項目11]
前記リパーゼが、カンジダ・アンタークティカリパーゼA、カンジダ・アンタークティカリパーゼB、架橋サブチリシンAプロテアーゼ、ブタ膵臓リパーゼ、カンジダ・シリンドラセアリパーゼ、リゾプス・アルヒズ、ペニシリウム・シクロピウム、ムコールミエヘイ、サーモマイセス・ラヌギノサスリパーゼ、カンジダ・ルゴサリパーゼ及びシュードモナスリポタンパク質リパーゼを含む群から選択される、項目1に記載のプロセス。
[項目12]
前記リパーゼがカンジダ・アンタークティカリパーゼである、項目1に記載のプロセス。
[項目13]
プロセス温度が室温及び150℃の間で、圧力が0.900及び0.200MPaの間、又は約0.1MPaである、項目1に記載のプロセス。
[項目14]
前記回転床反応器が、前記リパーゼについて10から75wt%で装填される、項目1に記載のプロセス。
[項目15]
式IIの化合物において、式中R はC 6-18 アルキル又はC 6-18 アルケニルで、それは直鎖又は分岐であり得、以下の段階を含んで調製され、
[化34]
段階A-1、反応は、無溶媒又は有機溶媒を使用して実行される、
段階B-1、溶媒は非プロトン性有機溶媒である、
段階B-1、塩基はナトリウム又はカリウムアルコキシドである、
任意選択で、異性化段階C-1、ここで触媒が、HNO 、HNO 、及びHNO 又はHNO を生成することができるNaNO /HNO 、NaNO /NaNO /H SO の組合わせを含む群から選択される、及び
水素化段階D-1、ここで触媒は不均一水素化触媒で、水素源は水素ガスである、項目1に記載のプロセス。
[項目16]
段階A-1の前記有機溶媒は、酢酸エチルで、
段階B-1における前記非プロトン性有機溶媒は、2-メチルテトラヒドロフラン、テトラヒドロフラン及びトルエンを含む群から選択され、
段階B-1の前記ナトリウム又はカリウムアルコキシド塩基は、NaH、KH、t-BuOK、t-BuONaを含む群から選択され、
水素化段階D-1における前記不均一水素化触媒は、Pd/C及びPd/Al を含む群から選択される、項目15に記載のプロセス。
[項目17]
式IIの化合物において、式中R は8-メチル-ノナニルで、それは以下の段階を含んで調製され、
[化35]
段階A-2、反応は無溶媒又はいずれかの有機溶媒を用いて実行され、触媒はアミン及び無機塩基を含む群から選択される、
段階B-2、反応は無溶媒又は有機溶媒を用いて実行され、触媒は酸である、
段階C-2、触媒は不均一水素化触媒で、水素源は水素ガスである、
段階D-2、酸化剤は過酸化物で、触媒はリパーゼである、及び
段階E-2、反応媒体は酸性溶媒である、及び
段階F-2、触媒は不均一水素化触媒で、水素源は水素ガスである、項目1に記載のプロセス。
[項目18]
段階A-2の前記有機溶媒は、トルエンを含む群から選択され、触媒は、ピロリジン及び対応する塩、NaOH及びKOHを含む群から選択され、
段階B-2の前記有機溶媒は、トルエンを含む群から選択され、前記酸はp-TsOH、硫酸及びアンバーリスト-15を含む群から選択され、
段階C-2の前記触媒は、Pd/C、Pd/Al を含む群から選択され、
段階D-2における前記酸化剤は、H 水溶液及び過酸を含む群から選択され、前記リパーゼはカンジダ・アンタークティカリパーゼA、カンジダ・アンタークティカリパーゼB、架橋サブチリシンAプロテアーゼ、ブタ膵臓リパーゼ、カンジダ・シリンドラセアリパーゼ、リゾプス・アルヒズ、ペニシリウム・シクロピウム、ムコールミエヘイ、サーモマイセス・ラヌギノサスリパーゼ、カンジダ・ルゴサリパーゼ及びシュードモナスリポタンパク質リパーゼを含む群から選択され、
段階E-2の前記反応媒体は、硫酸水溶液を含む群から選択され、
段階F-2の前記触媒は、Pd/C、Pd/Al 、Pd/モレキュラーシーブ、Pt/C、Pt/Al 、及びPt/モレキュラーシーブを含む群から選択される、項目17に記載のプロセス。
[項目19]
式IIIの化合物の大規模生産(>1kg)のための、項目1に記載のプロセス。
【国際調査報告】