IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ フェニックス コンタクト ゲーエムベーハー ウント コムパニー カーゲーの特許一覧

特表2024-519471クランプばね、接続アセンブリ、および接続端子
<>
  • 特表-クランプばね、接続アセンブリ、および接続端子 図1
  • 特表-クランプばね、接続アセンブリ、および接続端子 図2
  • 特表-クランプばね、接続アセンブリ、および接続端子 図3
  • 特表-クランプばね、接続アセンブリ、および接続端子 図4
  • 特表-クランプばね、接続アセンブリ、および接続端子 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-14
(54)【発明の名称】クランプばね、接続アセンブリ、および接続端子
(51)【国際特許分類】
   H01R 4/48 20060101AFI20240507BHJP
【FI】
H01R4/48 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023566685
(86)(22)【出願日】2022-04-21
(85)【翻訳文提出日】2023-12-26
(86)【国際出願番号】 EP2022060514
(87)【国際公開番号】W WO2022228983
(87)【国際公開日】2022-11-03
(31)【優先権主張番号】LU102793
(32)【優先日】2021-04-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】LU
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】504019733
【氏名又は名称】フェニックス コンタクト ゲーエムベーハー ウント コムパニー カーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】カルステン・ノルテ
(72)【発明者】
【氏名】オラフ・シロッキ
(72)【発明者】
【氏名】マーティン・ゲープハルト
(57)【要約】
本発明の主題は、接続対象の導体(400)を電流バー(210)にクランプするためのクランプばね(100)であり、クランプばね(100)は、保持レッグ(110)と、開放位置およびクランプ位置に移動させることができるクランプレッグ(111)と、保持位置および解放位置に移動させることができるロックレッグ(112)と、を有し、保持位置において、ロックレッグ(112)は、作動要素(211)上に保持され、解放位置において、ロックレッグは、作動要素(211)から解放され、ロックレッグ(112)は、押圧表面(117)を有し、押圧表面(117)により、接続対象の導体(400)によってロックレッグ(112)を保持位置から解放位置に移動させることができ、押圧表面(117)は、クランプレッグ(111)の方向に湾曲しておりかつかつ第1の導体接触表面(120)が形成された部分(123)を有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
接続対象の導体(400)を電流バー(210)にクランプするためのクランプばね(100)であって、
保持レッグ(110)と、
開放位置およびクランプ位置に移動させることができるクランプレッグ(111)と、
保持位置および解放位置に移動させることができるロックレッグ(112)と、
を有し、
前記保持位置において、前記ロックレッグ(112)は、作動要素(211)上に保持され、前記解放位置において、前記ロックレッグは、前記作動要素(211)から解放され、
前記ロックレッグ(112)は、押圧表面(117)を有し、前記押圧表面(117)により、前記接続対象の導体(400)によって前記ロックレッグ(112)を前記保持位置から前記解放位置に移動させることができ、
前記押圧表面(117)は、前記クランプレッグ(111)の方向に湾曲しておりかつかつ第1の導体接触表面(120)が形成された部分(123)を有する、クランプばね(100)。
【請求項2】
前記ロックレッグ(112)は、自由端(118)を有し、前記自由端(118)に沿って前記押圧表面(117)が延び、前記自由端(118)上に第2の導体接触表面(121)が形成されることを特徴とする、請求項1に記載のクランプばね(100)。
【請求項3】
前記第1の導体接触表面(120)は、140°≦α≦170°の角度で前記第2の導体接触表面(121)まで延びることを特徴とする、請求項2に記載のクランプばね(100)。
【請求項4】
前記ロックレッグ(112)は、接続部分(119)によって前記保持レッグ(110)に弾性接続されることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載のクランプばね(100)。
【請求項5】
前記接続部分(119)の領域において、前記ロックレッグ(112)は、前記保持レッグに向かって先細りになっていることを特徴とする、請求項4に記載のクランプばね(100)。
【請求項6】
前記保持レッグ(110)は、前記保持レッグ(110)を電流バー(210)上に保持するための少なくとも1つの保持アーム(124a、124b)を有することを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載のクランプばね(100)。
【請求項7】
前記保持レッグ(110)は、第1の保持アーム(124a)と第2の保持アーム(124b)とを有し、前記第1の保持アーム(124a)と前記第2の保持アーム(124b)との間に前記接続部分(119)が配置されることを特徴とする、請求項6に記載のクランプばね(100)。
【請求項8】
電流バー(210)と、クランプばね(100)と、作動要素(211)と、を有する、導電体(400)を接続するための接続アセンブリ(200)であって、前記クランプばね(100)は、請求項1から7のいずれか一項によって設計され、前記作動要素(211)は、前記クランプばね(100)の前記ロックレッグ(112)を前記保持位置に保持するための保持外形(215a、215b)を有することを特徴とする接続アセンブリ(200)。
【請求項9】
前記電流バー(210)は、少なくとも1つの開口部(216a、216b)を有し、前記開口部(216a、216b)には、前記保持レッグ(110)の少なくとも1つの保持アーム(124a、124b)によって前記クランプばね(100)がフック結合されることを特徴とする、請求項8に記載の接続アセンブリ(200)。
【請求項10】
ハウジング(310)と、前記ハウジング(310)内に配置された少なくとも1つの接続アセンブリ(200)と、を有する接続端子(300)、特に端子ブロックであって、前記接続アセンブリは、請求項8または9によって設計される、接続端子(300)。
【請求項11】
前記ハウジング(310)は、少なくとも1つの漏斗形導体挿入開口部(311)を有し、前記漏斗形導体挿入開口部(311)は、前記クランプばね(100)の前記ロックレッグ(112)の第1の導体接触表面(120)に位置合わせされた壁部分(313)を有することを特徴とする、請求項10に記載の接続端子(300)。
【請求項12】
請求項8もしくは9に記載の接続アセンブリ(200)を少なくとも1つおよび/または請求項10もしくは11に記載の接続端子(300)を少なくとも1つ有する電子デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、接続対象の導体を電流バーにクランプするためのクランプばねに関する。本発明はまた、接続アセンブリ、接続端子、および電子デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
そのような接続アセンブリは通常、レッグばねとして設計されたクランプばねを有し、クランプばねは、保持レッグとクランプレッグとを有し、接続アセンブリに挿入された導体をクランプばねのクランプレッグによって電流バーにクランプすることができる。詳細には、可撓性を有する導体をクランプする場合、導体を挿入する前に、作動要素によってクランプばねを開放位置に移動させなければならず、したがって、電流バーとクランプばねとの間に導体接続空間として設計された中間空間に導体を挿入することができるように作動要素を作動させてクランプばねまたはクランプレッグを電流バーから離れるように回動させなければならない。剛性を有し、したがって頑丈な導体の場合にのみ、ユーザがクランプレッグを電流バーから離れるように回動させるために作動要素を作動させる必要なしに、導体が、クランプレッグを電流バーから離れるように回動させることができるようにするのに十分な力をクランプばねまたはクランプばねのクランプレッグに加えることができる。可撓性を有する導体を用いる場合、ユーザはまず、可撓性を有する導体を挿入することができるように作動要素を作動させることによってクランプばねを電流バーから離れるように回動させなければならない。ここで、作動要素は通常、クランプばねのクランプレッグに押し付けられてクランプレッグを電流バーから離れるように回動させて導体接続空間を解放する。次いで、作動要素は、可撓性を有する導体が導体接続空間に挿入され、電流バーにクランプすることができるようになるまで、手動でこの開放位置に保持される。可撓性を有する導体を導体接続空間に挿入する場合、作動要素を再び作動させてクランプばねまたはクランプレッグを開放位置からクランプ位置に移動させ、導体を電流バーにクランプしなければならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、特に可撓性を有する導体を接続する間の取り扱いが簡略化されることを特徴とする、クランプばね、接続アセンブリ、接続端子、および電子デバイスを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
目的は、本発明に従って独立請求項の特徴によって実現される。本発明の適切な実施形態および有利な開発態様は、従属請求項に明記されている。
【0005】
本発明によるクランプばねは、保持レッグと、開放位置およびクランプ位置に移動させることができるクランプレッグと、保持位置および解放位置に移動させることができるロックレッグと、を有し、保持位置において、ロックレッグは、作動要素上に保持され、解放位置において、ロックレッグは、作動要素から解放され、ロックレッグは、押圧表面を有し、押圧表面により、接続対象の導体によってロックレッグを保持位置から解放位置に移動させることができ、押圧表面は、クランプレッグの方向に湾曲しておりかつ第1の導体接触表面が形成されている部分を有する。
【0006】
本発明によれば、クランプばねはレッグばねとして設計され、クランプばねは、クランプレッグ、保持レッグ、およびロックレッグの3つのレッグを有する。クランプレッグが、接続対象の導体を導体接続空間に挿入するかまたは導体接続空間から取り除くことができる開放位置にあるとき、ロックレッグは保持位置にあり、保持位置において、ロックレッグは、作動要素上に保持され、作動要素によって、クランプレッグをクランプ位置から開放位置に移動させることができる。開放位置では、クランプレッグが作動要素に圧縮力を加えることができ、ロックレッグは、その保持位置において、第1の圧縮力とは逆に作用する第2の圧縮力を作動要素に加えることができる。したがって、開放位置において、作動要素は、クランプばねを用いて支持される。クランプばねの開放位置におけるクランプばねによる作動要素の支持構成に起因して、作動要素を自動的にこの位置に保持してクランプばねを開放位置に保持することができる。作動要素およびクランプばねは、互いを開放位置に支持する。したがって、作動要素およびクランプばねは、クランプばねの開放位置において自給力システムを形成することができ、それによって、クランプばねの開放位置において、作動要素をこの位置に手動で保持する必要もなく、または器具によって保持する必要もなしに、作動要素をクランプばねの力によってクランプばねに対して固定位置に保持することができる。小さい導体断面を有する導体、特に可撓性を有する導体を器具なしで接続するのを可能にするために、ロックレッグは、押圧表面を有することができ、クランプばねを開放位置からクランプ位置に移動させるために、接続対象の導体によって押圧表面を作動させ、ロックレッグの押圧表面を作動させることによって押圧表面を作動要素から外すことができる。押圧表面は、接続端子のハウジングの導体挿入開口部の延長部に配置することができ、それによって、導体は、導体が接続アセンブリまたは導体接続空間に挿入されたときにロックレッグの押圧表面に当接する。導体によって押圧表面に圧迫力を加えることによって、ラッチレッグを導体挿入方向に回動移動させるかまたは傾斜移動させることができ、それによって、ラッチレッグを作動要素から導体挿入方向に離れるように回動または傾斜させることができる。ロックレッグを回動移動させた結果、ロックレッグを作動要素から外し、したがって、作動要素から解放して解放位置に移動させることができ、それによって、作動要素、したがって、クランプばねのクランプレッグを手動による助けなしに開放位置からクランプ位置に移動させることができる。この特別の機構によって、導体、特に小さい導体断面を有する導体および/または可撓性を有する導体を、導体を単に挿入移動させることにより、ユーザが作動要素などのさらなる要素を移動させる必要なしに、特に簡単に接続アセンブリ上に接続してクランプばねを解放しそれをクランプ位置から開放位置に移動させることができる。これによって、接続アセンブリの取り扱いが容易になり、導体を接続する際に時間が節約される。したがって、クランプばねによるクランプばねの開放位置における作動要素の支持は、接続対象の導体によって解放するかまたは取り消すことができる。押圧表面は、クランプレッグの方向に湾曲しておりかつ第1の導体接触表面が形成されている部分を有することを特徴とする。クランプレッグの方向に湾曲しておりかつ導体接触表面が形成されているこの部分によって、前記導体が、導体接続空間への挿入時に傾斜し、この傾斜位置において、ロックレッグに当接したときに、接続対象の導体によってロックレッグを作動させることもできる。したがって、第1の導体接触表面は、所望の導体挿入方向に対して傾斜させられるかまたは斜めになっている。導体接触表面は、好ましくは、所望の導体挿入方向に対して45°≦β≦80°、特に好ましくは60°≦β≦70°の角度に傾斜させられる。湾曲部分上に形成されかつ押圧表面の一部であるこの導体接触表面によって、挿入時に所望の導体挿入方向からそれる導体はまた、ロックレッグを確実に、かつ追加の助けの必要なしにロックレッグを保持位置から解放位置に移動させるのに十分な力によって作動させることができる。導体は好ましくは、導体の端面が第1の導体接触表面にぴったりと載りかかり、それによって、最高のトリガ圧力を第1の導体接触表面、したがって、ロックレッグの押圧表面に加えることができるように押圧表面に当接する。第1の導体接触表面は押圧表面の一部上に形成され、この部分がクランプレッグの方向に湾曲しているので、接続対象の導体が、作動している間、したがって、ロックレッグに当接している間に滑るのを防止することができる。
【0007】
ロックレッグは、好ましくは、自由端を有し、この自由端に沿って押圧表面が延び、自由端上に第2の導体接触表面が形成される。自由端に形成された第2の導体接触表面は、好ましくは、所望の導体挿入方向に位置合わせされる。接続対象の導体を所望の導体挿入方向に沿って導体接続空間に挿入する場合、接続対象の導体は、押圧表面の第2の導体接触表面に当接してロックレッグを保持位置から解放位置に移動させる。したがって、押圧表面は、2つの導体接触表面を有し、これらの導体接触表面は、導体をそれぞれに異なる導体挿入角度で受け取り、ロックレッグを作動させることができる。第2の導体接触表面は、好ましくは、第1の導体接触表面に隣接する。
【0008】
第1の導体接触表面は、好ましくは、第2の導体接触表面に対してある角度を有する。第1の導体接触表面は、好ましくは140°≦α≦170°の角度、特に好ましくは、145°≦α≦165°の角度で第2の導体接触表面まで延びる。したがって、導体接続空間に挿入される間に傾斜し、所望の導体挿入方向に沿って挿入されず、その代わりに所望の導体挿入方向に対して傾斜して挿入される導体は、第2の導体接触表面から第1の導体接触表面に案内することができ、それによって、挿入される導体の角度にかかわらず、ロックレッグを確実に作動させてロックレッグを保持位置から解放位置に移動させることができる。
【0009】
ロックレッグは、好ましくは、保持レッグ、したがって、クランプレッグと一体的に形成される。したがって、クランプばねは、スタンピング成形され曲げ成形された1つの部品から3つのレッグを有するように形成することができる。
【0010】
ロックレッグは、接続部分によって保持レッグに接続することができる。接続部分は、好ましくは、ロックレッグを保持レッグに弾性接続することを可能にし、それによって、ロックレッグが保持レッグに対して回動可能になるように設計される。接続部分は、好ましくは湾曲している。接続部分は、好ましくは、ロックレッグが保持レッグから実質的に90°の角度に屈曲するように湾曲している。
【0011】
保持レッグに対するロックレッグの特に良好なばね効果を実現することができるように、ロックレッグは好ましくは、接続領域において保持レッグに向かって先細りとなっている。ロックレッグは、好ましくは、接続領域において、押圧表面の領域またはロックレッグの押圧表面の2つの導体支持表面の領域よりも実質的に小さい幅を有する。接続領域は、好ましくは、保持レッグのすぐ隣において、ロックレッグの押圧表面の幅に対して2分の1を超える量だけ小さい幅を有する。
【0012】
クランプばねは、接続アセンブリの電流バーにポジティブロック式に接続することができるように設計することができる。その結果、クランプばねと電流バーとの間に自己クランプ構造ユニットを実現することができる。その理由は、導体が挿入されないクランプ位置または初期位置において、クランプレッグは、電流バーに圧縮力を加えることができ、同時に、クランプばねをその保持レッグによって電流バーにポジティブロック式に接続することができるからである。
【0013】
クランプばねと電流バーとの間にポジティブロック接続を形成するために、保持レッグは、保持レッグを電流バー上に保持するための少なくとも1つの保持アームを有することができる。保持アームによって、保持レッグは、電流バー、詳細には電流バーの開口部または切欠きにポジティブロック式に係合することができる。保持アームは、好ましくは、保持レッグ上に形成され、それによって、保持アームは接続部分を越えて突き出る。
【0014】
クランプばねと電流バーとの間に特に安定しており、特に傾斜しにくい接続を形成することができるように、保持レッグは、第1の保持アームと第2の保持アームとを有し、その間に接続部分を配置することができる。2つの保持アームは、好ましくは互いに対称である。2つの保持アームは、好ましくは、互いに平行に延びる。
【0015】
本発明による目的はまた、電流バーと、クランプばねと、作動要素と、を有する、導電体を接続するための接続アセンブリであって、クランプばねが、上記で説明したように設計され開発され、作動要素が、クランプばねのロックレッグを保持位置に保持するための保持外形を有する、接続アセンブリによって実現される。
【0016】
クランプばねの開放位置において作動要素上にラッチレッグを保持するために、作動要素は保持外形を有することができる。保持外形は、クランプばねの開放位置においてラッチレッグを作動要素上にしっかりと確定的に保持するのを可能にする。保持外形の領域において、ラッチレッグは、クランプばねの開放位置において作動要素上に第2の圧迫力を加えることができる。保持外形は、好ましくは、作動要素自体上に特別な表面形状に形成される。
【0017】
電流バーは、少なくとも1つの開口部を有することができ、この開口部には、保持レッグの少なくとも1つの保持アームによってクランプばねをフック結合することができる。それによって、電流バーとクランプばねとの間のポジティブロック接続が可能である。好ましくは、保持レッグは、2つの保持アームを有することができ、電流バーは、互いに距離をおいて配置された2つの開口部を有することができ、開口部の各々に、2つの保持アームの一方をフック結合することができる。
【0018】
本発明による目的はまた、接続クランプによって実現され、詳細には、ハウジングと、ハウジング内に配置され、上記で説明したように形成され開発された少なくとも1つの接続アセンブリと、を有する端子ブロックによって実現される。導体挿入開口部は、ハウジング上に形成することができ、接続アセンブリの導体接続空間と同一平面上に形成され、接続対象の導体は、導体挿入開口部を介してそれをハウジングに挿入し、かつ接続アセンブリに挿入することができる。詳細には、支持レール上にラッチすることができる端子ブロックとして設計する場合、2つのそのような接続アセンブリをハウジング内に配置することもできる。
【0019】
さらに、本発明による目的は、上記で説明したように形成され開発された少なくとも1つの接続アセンブリ、および/または上記で説明したように形成され開発された少なくとも1つの接続クランプを有する電子デバイスによって実現することができる。電子デバイスは、たとえば、1つまたは複数の支持レールまたは取付けプレートを配置することができるスイッチキャビネットとすることができ、これらの支持レールまたは取付けプレート上には、いくつかの接続端子、詳細には、対応する接続アセンブリを有する端子ブロックをラッチすることができる。
【0020】
本発明について、好ましい実施形態に基づいて添付の図面を参照しながら以下にさらに詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明によるクランプばねの概略図である。
図2】電流バーと、電流バー上に配置された、図1に示されたクランプばねと同様の2つのクランプばねと、を含む構成の概略図である。
図3図2に示された構成の概略断面図である。
図4】導体が挿入された接続端子の概略図である。
図5図4に示された接続端子の概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1は、クランプばね100を示す。クランプばね100は、レッグばねとして設計される。クランプばね100は、保持レッグ110と、クランプレッグ111と、ロックレッグ112と、を有する。クランプレッグ111は、弧状部分113によって保持レッグ110に接続される。クランプレッグ111は、保持レッグ110に対して回動可能であり、それによって、クランプレッグ111の位置に応じて、クランプレッグ111、したがってクランプばね100を開放位置およびクランプ位置に移動させ位置決めすることができる。
【0023】
クランプレッグは、接続アセンブリ200の作動要素211(図4および図5に示されている)によってクランプ位置から開放位置に移動させられる。
【0024】
作動要素211は、図4および図5に示されるように、接続端子300のハウジング310に純粋に直線的に案内される。クランプばね100を作動させてクランプレッグ111をクランプ位置から開放位置に移動させるとき、作動要素211は作動方向Bに移動させられ、作動要素211は、クランプばね100に向かって作動方向Bに移動させられる。作動要素211は、クランプばね100のクランプレッグ111と相互作用し、作動要素211はクランプレッグ111に作動方向Bに力を加え、それによって、クランプレッグが保持レッグ110に向かって回動させられ、クランプばね100のクランプレッグ111と接続アセンブリ200の電流バー210との間に形成された導体接続空間212を解放する。
【0025】
ここに示す実施形態では、作動要素211はU字形断面を有する。作動要素211は、互いに平行に延びる作動アーム213a、213bを有する。2つの作動アーム213a、213bの間に、自由空間が形成され、この自由空間を通して接続対象の導体400を案内することができる。2つの作動アーム213a、213bは、図4および図5を見るとわかるように、横方向に導体接続空間212を画定し、したがって、接続対象の導体400用の横方向ガイドを形成することができるような長さを有するように設計される。
【0026】
作動アーム213a、213bに属しかつクランプばね100に面する縁面上に、それぞれの作動表面214a、214bが形成されており、作動表面214a、214bは、クランプレッグ111と相互作用してクランプばね100のクランプレッグ111を作動させる。作動要素211は、クランプレッグがクランプ位置から開放位置に移動させられるときに、作動要素211の2つの作動表面214a、214bを用いて、クランプばね100のクランプレッグ111に接触する。
【0027】
クランプレッグ111は、クランプタブ114と、クランプタブ144の横に配置された2つの側部タブ115a、115bと、を有する。クランプタブ114は、その自由端にクランプ縁部116を有し、クランプ縁部116によって接続対象の導体400が電流バー210にクランプされる。
【0028】
クランプタブ114は、2つの側部タブ115a、115bの間に配置される。クランプタブ114は、2つの側部タブ115a、115bよりも長く、それによって、クランプタブ114は、2つの側部タブ115a、115bを越えて延びる。2つの側部タブ115a、115bの各々は弧状を有する。したがって、2つの側部タブ115a、115bは、作動要素211と相互作用する間作動表面214a、214bに沿って滑ることのできるそれぞれのランナーを形成することができる。したがって、作動要素211は、クランプばね100を作動させるために、クランプばね100の2つの側部タブ115a、115bに直接接触し、一方、クランプタブ114は、作動要素211に直接接触しない。クランプタブ114は、2つの作動アーム213a、213b間に形成された自由空間内に配置される。
【0029】
クランプばね100の第3のレッグであるロックレッグ112は、保持レッグ110に接続され、したがって、保持レッグ110は、クランプレッグ111とロックレッグ112との間に配置される。ここに示す実施形態では、ロックレッグ112は、保持レッグ110から離れるように実質的に直角に延びる。ロックレッグ112は、少なくともクランプレッグ111が開放位置にあるときに、保持レッグ110からクランプレッグ111を越えて突き出るような長さを有するように設計される。ロックレッグ112は、特に、クランプばね100を開放位置に保持するのを助ける働きをする。
【0030】
ロックレッグ112は、保持レッグ110から導体接続空間212に向かって延び、接続対象の導体400がこの導体接続空間212に挿入され、導体400が接続されそれが電流バー210にクランプされる。ロックレッグ112は、導体挿入方向E、Esにおいて導体接続空間212を画定するような長さを有するように設計される。ハウジング310に形成された導体挿入開口部311を介して導体400を導体接続空間212に挿入すると、導体400がロックレッグ112に当接し、その結果、ロックレッグ112が導体挿入方向E、Esにたわむかまたは回動する。
【0031】
ロックレッグ112は、その自由端118が、作動要素211上、詳細には作動要素211の2つの作動アーム213a、213b上に保持され、詳細には作動要素211上にロックされる。
【0032】
図1を見るとわかるように、ロックレッグ112の自由端118は、T字形を有する。その理由は、自由端118が、横方向外側に突き出る2つの保持アーム122a、122bを有するからである。開放位置において、ロックレッグ112は、図4および図5を見るとわかるように、その第1の保持アーム122aを用いて第1の作動アーム213a上に保持され、その第2の保持アーム122bを用いて第2の作動アーム213b上に保持される。
【0033】
開放位置においてロックレッグ112を作動要素211上に位置的に確実で、したがって、確定的に保持することができるように、2つの作動アーム213a、213bの各々上に保持外形215a、215bが形成される。保持外形215a、215bは、作動要素211上で作動表面214a、214bから離れた位置に形成される。開放位置において、ロックレッグ112の2つの保持アーム122a、122bは、作動アーム213a、213bの保持外形215a、215bに接触して、ロックレッグ112を静止位置に保持する。
【0034】
ロックレッグ112は、導体接続空間212に面する押圧表面117を有し、押圧表面117には、導体400が、導体接続空間212に挿入されるときに当接して、ロックレッグ112を作動要素211の保持外形215a、215bから解放して、したがって、ロックレッグを保持位置から解放位置に移動させることができる。押圧表面117は、ロックレッグ112の長さの大部分にわたって延びる。押圧表面117は、ロックレッグ112の自由端118からロックレッグ112の接続部分119まで延び、接続部分119によって、ロックレッグ112が保持レッグ110に接続される。
【0035】
押圧表面117は、第1の導体接触表面120を有し、第1の導体接触表面120のすぐ隣に、第2の導体接触表面121を有し、第2の導体接触表面121には、接続対象の導体400が当接してその端面410が載りかかってロックレッグ112を保持位置から解放位置に移動させることができる。
【0036】
第2の導体接触表面121は、ロックレッグ112の自由端118の領域に形成される。図5を見るとわかるように、第2の導体接触表面121は、所望の導体挿入方向Esに位置合わせされ、それによって、接続端子300の導体挿入開口部311を介して真っすぐに挿入された導体400は、この第2の導体接触表面121に当接し、それによって、ロックレッグ112を作動要素211とのロックから解放し、したがって、ロックレッグ112を保持位置から解放位置に移動させることができる。
【0037】
第1の導体接触表面120は、ロックレッグ112の押圧表面117の部分123上に形成され、この部分は、クランプレッグ111の方向に湾曲している。したがって、第1の導体接触表面120は、第2の導体接触表面121に対してある角度に向けられる。ここに示す実施形態では、たとえば、図3を見るとわかるように、第1の導体接触表面120は、第2の導体接触表面121に対してα=±165°の角度に延びている。第1の導体接触表面120は、導体挿入開口部311からずれている。接続アセンブリ200を接続端子300内に設置する場合、図5を見るとわかるように、第1の導体接触表面120は、作動要素211の作動方向Bにおいて導体接続空間212への導体入口開口部311の口部312のいくらか下方に配置される。
【0038】
図5を見るとわかるように、湾曲部分123および湾曲部分123上に形成された第1の導体接触表面120に起因して、接続対象の導体400が導体接続空間212に挿入される間に傾斜し、この傾斜位置、すなわち、ここに示す導体挿入方向Eにおいて、ロックレッグ112に当接したときに前記導体によってロックレッグ112を作動させることも可能である。したがって、第1の導体接触表面120は、所望の導体挿入方向Esに対して傾斜しているかまたは斜めになっている。ここで、第1の導体接触表面120は、所望の導体挿入方向Esに対してβ=±60°の角度に向けられ傾斜している。
【0039】
ロックレッグ112は、保持レッグ110に弾性接続され、それによって、接続対象の導体400によって作動させた場合にたわんで、保持位置から解放位置に移動することができる。保持レッグ110への接続は接続部分119によって形成される。接続部分119は、ロックレッグ112の自由端118の反対側の端部に形成される。接続部分119は、押圧表面117の湾曲部分123に至る。
【0040】
接続部分119は、保持レッグ110に向かって先細りになるように設計される。したがって、接続部分119は、保持レッグ110への接続部分119の接続の領域において最小の幅を有する。ここに示す実施形態では、接続部分119は湾曲形状を有する。接続部分119は、保持レッグ110の幅のほぼ中心において保持レッグ110に一体的に接続される。
【0041】
図2および図3を見るとわかるように、保持レッグ110は、2つの保持アーム124a、124bを有し、保持アーム124a、124bによって、保持レッグ110、したがってクランプばね100を電流バー210にポジティブロック式に固定することができる。2つの保持アーム124a、124bは、保持レッグ110の端部に形成され、この端部において、ロックレッグ112も保持レッグ110に接続される。2つの保持アーム124a、124bは、互いに距離をおいて配置され、ロックレッグ112の接続部分119は、2つの保持アーム124a、124bの間に形成された自由空間において保持レッグ110に接続される。
【0042】
保持レッグ110の2つの保持アーム124a、124bは、互いに対称であり、互いに平行に延びている。各保持アーム124a、124bの自由端125a、125bは、屈曲部を有し、それによって、自由端125a、125bの各々は、一種のフックを形成し、自由端125a、125bによって、電流バー210に形成されたそれぞれの開口部216a、216bに2つの保持アーム124a、124bをフック結合することができる。
【0043】
図2および図3は、図1に示すクランプばね100が2つ固定された電流バー210を示す。クランプばね100は、保持レッグ110の2つの保持アーム124a、124bによって電流バー210上にポジティブロック式に保持され、保持アーム124a、124bは、電流バー210の開口部216a、216bに通される。ここでは、クランプばね100の初期位置が示されており、この初期位置において、クランプばね100のクランプレッグ111のクランプ縁部116が電流バー210に当接する。クランプレッグ111の予め負荷をかけることに起因して、2つのクランプばね100は電流バー210に張力を加える。したがって、各クランプばね100と電流バー210との間に閉鎖力系を形成することができる。その理由は、図2に示すように、クランプばね100は、電流バー210上で3方向(x方向、y方向、およびz方向)に固定され支持されるからである。
【0044】
図4および図5は、対応するクランプばね100を有する接続アセンブリ200が配置された接続端子300を示す。ここで、クランプばね100のクランプレッグ111は、開放位置に配置され、それによって、導体接続空間212が解放される。この開放位置において、クランプばね100と作動要素211とは互いに支持され、それによって、クランプばね100および作動要素211は閉鎖力系を形成し、この閉鎖力系では、作動要素211が、追加の助けなしにクランプばね100によって所定の位置に保持され、クランプばね100は次いで、作動要素211によって所定の位置に保持される。
【0045】
作動要素211は、クランプばね100によって支持され、開放位置において、クランプばね100は、2つの互いに逆方向に作用する圧縮力D1、D2を作動要素211に加える。この2つの互いに逆方向に作用する圧縮力D1、D2の結果として、作動要素211、したがって、クランプばね100を安定した静止位置に保持することもできる。
【0046】
第1の圧縮力D1は、作動方向Bとは逆に作動要素211に作用する。第1の圧縮力D1は、クランプレッグ111、詳細にはクランプレッグ111の側部タブ115a、115bによって作動要素211に加えられる。側部タブ115a、115bは、クランプレッグ111のばね効果によって加えられる第1の圧縮力D1によって作動要素211の作動表面214a、214bを圧迫する。
【0047】
第2の圧縮力D2は作動方向Bにおいて作動要素211に作用する。第2の圧縮力D2は、クランプばね100のロックレッグ112によって作動要素211に加えられ、ロックレッグ112の保持アーム122a、122bは、作動要素211の保持外形215a、215b上に保持される。
【0048】
ここに示す接続対象の導体400は、所望の導体挿入方向Esからそれている。その理由は、図5を見るとわかるように、この導体は、小さい導体断面を有し、それによって、導体400は導体挿入開口部311を介して接続端子300に挿入される間に傾斜するからである。したがって、この場合、導体400は、所望の導体挿入方向Esに対して斜めになるかまたは傾斜するように導体接続空間212に導体挿入方向Eに挿入される。
【0049】
漏斗形導体挿入開口部311は、クランプばね100のロックレッグ112の第1の導体接触表面120に位置合わせされた壁部分313を有する。図5を見るとわかるように、導体400は、傾斜すると、導体400は漏斗形導体挿入開口部のこの壁部分313に接触し、それによって、導体400はこの壁部分313に沿ってロックレッグ112の押圧表面117の第1の導体接触表面120に案内され、導体400の端面410が第1の導体接触表面120に接触する。導体400は、第1の導体接触表面120、したがって、押圧表面117から滑る恐れなしに、導体はここで圧縮力をロックレッグ112に加えることができ、それによって、ロックレッグを、図4および図5に示される保持位置から解放位置に回動させることができる。保持位置から解放位置に移動する間のロックレッグ112の支点は、接続部分119の領域内にある。
【0050】
導体400の端面410が、第1の導体接触表面120との接触によって押圧表面117に当接した結果として、ロックレッグ112は所望の導体挿入方向Esに回動させられ、それによって、ロックレッグ112は作動要素211の保持外形215a、215bから外れる。
【0051】
ロックレッグ112が、作動要素211から解放され、したがって、解放位置に入った直後に、ロックレッグ112はもはや作動要素211に第2の圧縮力D2を加えなくなるので、作動要素211によるクランプばね100の支持が解放される。したがって、クランプレッグ111によって作動要素211に加えられる第1の圧縮力D1のみが依然として、作動要素211に作用し、したがって、クランプレッグ111は、クランプレッグ111のばね力によって作動要素211を作動方向Bとは逆に上向きに変位させることができ、その結果、クランプレッグ111はまた、導体接続空間212に挿入された導体400に向かって移動して、クランプレッグ111のクランプタブ114によって前記導体を電流バー210に押し付け、したがって、導体400を電流バー210にクランプし接続する。
【0052】
これによって、導体400、詳細には、小さい導体断面を有する導体300を追加の助けなしに接続しクランプすることが確実に可能になる。
【符号の説明】
【0053】
100 クランプばね
110 保持レッグ
111 クランプレッグ
112 ロックレッグ
113 弧状部分
114 クランプタブ
115a、115b 側部タブ
116 クランプ縁部
117 押圧表面
118 自由端
119 接続部分
120 第1の導体接触表面
121 第2の導体接触表面
123 湾曲部分
124a、124b 保持アーム
125a、125b 自由端
200 接続アセンブリ
210 電流バー
211 作動要素
212 導体接続空間
213a、213b 作動アーム
214a、214b 作動表面
215a、215b 保持外形
216a、216b 開口部
300 接続端子
310 ハウジング
311 導体挿入開口部
312 口部
313 壁部分
400 導体
410 端面
B 作動方向
D1 第1の圧力
D2 第2の圧力
E 導体挿入方向
Es 所望の導体挿入方向
α 角度
β 角度
図1
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】