(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-14
(54)【発明の名称】作動要素、接続アセンブリ、接続端子、電子機器、及び接続端子の取り付ける方法
(51)【国際特許分類】
H01R 4/48 20060101AFI20240507BHJP
【FI】
H01R4/48 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023566686
(86)(22)【出願日】2022-04-26
(85)【翻訳文提出日】2023-12-27
(86)【国際出願番号】 EP2022060975
(87)【国際公開番号】W WO2022229139
(87)【国際公開日】2022-11-03
(32)【優先日】2021-04-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】LU
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】504019733
【氏名又は名称】フェニックス コンタクト ゲーエムベーハー ウント コムパニー カーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】マルティン・ゲープハルト
(72)【発明者】
【氏名】カルステン・ノルテ
(72)【発明者】
【氏名】オラフ・シロッキ
(57)【要約】
本発明の主題は、接続アセンブリ(200)のクランプバネ(211)を作動させるための作動要素(100)であって、作動要素(100)を作動させるための把持面(113)が形成された第1の本体要素(110)と、クランプバネ(211)を作動させるための少なくとも1つの作動面(114a、114b)が設計された第2の本体要素(111)とを有し、第1の本体要素(110)は、接続アセンブリ(200)に取り付けられる前に、第2の本体要素(111)との事前掛止位置に移動される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
接続アセンブリ(200)のクランプバネ(211)を作動させるための作動要素(100)であって、
前記作動要素(100)を作動させるための把持面(113)が形成された第1の本体要素(110)と、
前記クランプバネ(211)を作動させるための少なくとも1つの作動面(114a、114b)が形成された第2の本体要素(111)と、
を有し、
前記第1の本体要素(110)が、前記接続アセンブリ(200)に取り付けられる前に、前記第2の本体要素(111)との事前掛止位置に移動される、作動要素(100)。
【請求項2】
前記第1の本体要素(110)が第1の材料から形成され、前記第2の本体要素(111)が前記第1の材料とは異なる第2の材料から形成され、
前記第2の材料が前記第1の材料よりも大きい強度を有することを特徴とする、請求項1に記載の作動要素(100)。
【請求項3】
前記第1の材料がプラスチック材料であり、前記第2の材料が金属材料であることを特徴とする、請求項2に記載の作動要素(100)。
【請求項4】
前記事前掛止位置を形成するために、前記第1の本体要素(110)が、前記第2の本体要素(111)上に形成された2つの互いに対向する掛止要素(120a、120b)を中に掛止することができる2つの互いに対向する開口部(119a、119b)を有することを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の作動要素(100)。
【請求項5】
前記第2の本体要素(111)が、少なくとも1つの作動アーム(115a、115b)と、前記作動アーム(115a、115b)に対して横方向に形成された接続ウェブ(116)とを有し、
少なくとも1つの前記作動面(114a、114b)が、少なくとも1つの前記作動アーム(115a、115b)上に形成され、
前記第2の本体要素(111)が、前記接続ウェブ(116)を介して前記事前掛止位置で前記第1の本体要素(110)上に事前に掛止されることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の作動要素(100)。
【請求項6】
前記クランプバネ(211)の開位置において、前記接続アセンブリ(200)の前記クランプバネ(211)の掛止脚部(215)を保持するための保持輪郭(125)が前記第2の本体要素(111)上に形成されることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の作動要素(100)。
【請求項7】
前記第1の本体要素(110)が、前記事前掛止位置において、前記第2の本体要素(111)に形成された開口部(122)に没入する締結ドーム(121)を有することを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の作動要素(100)。
【請求項8】
前記第1の本体要素(110)の前記締結ドーム(121)上に配置されたバネ要素(112)を特徴とし、
前記作動要素(100)が組み立てられた状態で、前記バネ要素(112)が、前記接続アセンブリ(200)の停止面または前記接続アセンブリ(200)が配置されている接続端子(300)の停止面に対して支持される、請求項1から7のいずれか一項に記載の作動要素(100)。
【請求項9】
前記事前掛止位置に移動された後に、圧入及び/または一体結合接続によって、前記第1の本体要素(110)を前記第2の本体要素(111)にさらに接続することができることを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載の作動要素(100)。
【請求項10】
前記第2の本体要素(111)が、少なくとも1つの経路制限要素(127a、127b)を有することを特徴とする、請求項1から9のいずれか一項に記載の作動要素(100)。
【請求項11】
導電体(400)を接続するための接続アセンブリ(200)であって、
電流バー(210)と、
保持脚部(212)及びクランプ脚部(213)を有するクランプバネ(211)であって、前記クランプ脚部(213)によって、接続される前記導電体(400)が前記クランプバネ(211)のクランプ位置で前記電流バー(210)に対してクランプされる、クランプバネ(211)と、
作動方向(B)に沿って案内することができ、それによって前記クランプバネ(211)を前記クランプ位置から開位置へ移動させることができる作動要素(100)と、
を有し、
前記作動要素(100)が、請求項1から10のいずれか一項に従って設計されることを特徴とする、接続アセンブリ(200)。
【請求項12】
前記作動要素(100)が、当該作動要素の前記バネ要素(112)によって前記電流バー(210)上に支持されることを特徴とする、請求項11に記載の接続アセンブリ(200)。
【請求項13】
前記作動要素(100)が、当該作動要素の前記第2の本体要素(111)とともに、前記クランプバネ(211)の前記開位置において前記クランプバネ(211)とブレース支持され、前記クランプバネ(211)を前記開位置に保持することを特徴とする、請求項11または12に記載の接続アセンブリ(200)。
【請求項14】
ブレース支持を形成するために、前記クランプバネ(211)が、前記開位置において、前記作動要素(100)の前記作動方向(B)とは反対に作用する第1の圧力(D1)と、前記作動要素(100)の前記作動方向(B)に作用する第2の圧力(D2)とを前記作動要素(100)の前記第2の本体要素(111)に加えることを特徴とする、請求項13に記載の接続アセンブリ(200)。
【請求項15】
掛止脚部(215)が前記保持脚部(212)上に配置され、前記開位置において前記第2の圧力(D2)を前記作動要素(100)に加えることを特徴とする、請求項14に記載の接続アセンブリ(200)。
【請求項16】
前記掛止脚部(215)が圧力面(217)を有し、前記クランプバネ(211)を前記開位置から前記クランプ位置に移動させるために、前記圧力面(217)を、接続される前記導体(400)によって作動させることができ、かつ、前記掛止脚部(215)の前記圧力面(217)を作動させることによって前記作動要素(100)との係合から外すことができることを特徴とする、請求項15に記載の接続アセンブリ(200)。
【請求項17】
前記作動要素(100)の前記作動方向(B)が、前記電流バー(210)と前記クランプバネ(211)との間に形成された導体接続空間(216)に接続される前記導体(400)の導体挿入方向(E)に対して横方向に形成されることを特徴とする、請求項11から16のいずれか一項に記載の接続アセンブリ(200)。
【請求項18】
ハウジング(310)と、
前記ハウジング(310)内に配置された請求項11から17のいずれか一項に記載の少なくとも1つの接続アセンブリ(200)と、
を有する接続端子(300)、特に端子台。
【請求項19】
請求項11から17のいずれか一項に記載の少なくとも1つの接続アセンブリ(200)を有する、及び/または請求項18に記載の少なくとも1つの接続端子(300)を有する、電子機器。
【請求項20】
接続端子(300)を取り付ける方法であって、
作動要素(100)を作動させるための把持面(113)が当該作動要素の上に形成された前記作動要素(100)の第1の本体要素(110)と、クランプバネ(211)を作動させるための少なくとも1つの作動面(114a、114b)が当該作動要素の上に形成された前記作動要素(100)の第2の本体要素(111)とが、前記接続端子(300)のハウジング(310)内に取り付ける前に互いに事前掛止位置へ移動される、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、接続アセンブリのクランプばねを作動させるための作動要素に関する。本発明は、このような作動要素及び接続端子を有する接続アセンブリにさらに関する。本発明は、電子機器に関し、接続端子を取り付ける方法に関する。
【背景技術】
【0002】
作動要素は、作動要素がクランプばねのクランプ脚部と相互作用することによって、接続アセンブリのクランプばねを開位置及び/またはクランプ位置に移動させるのに役立つ。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
その際、作動要素はいくつかのタスクを実行しなければならない。一方では、作動要素は、クランプばねに十分な力を加えるために高い強度を有する必要がある。その一方で、作動要素は、作動要素がユーザによって安全に作動されることを可能にするために、絶縁効果を有する必要がある。さらに、作動要素は、十分に高い安定性で接続端子のハウジング内の正しい位置に配置されなければならない。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、作動要素、接続アセンブリ、接続端子、電子機器、及び接続端子を取り付ける方法を提供する目的に基づき、改良された機能性を特徴とする。
【0005】
この目的は、本発明に従って独立請求項の特徴によって達成される。本発明の適切な実施形態及び有利な展開は、従属請求項に記載されている。
【0006】
本発明による作動要素は、作動要素を作動させるための把持面がその上に形成された第1の本体要素と、クランプばねを作動させるための少なくとも1つの作動面がその上に形成された第2の本体要素とを有し、第1の本体要素は、接続アセンブリに取り付けられる前に第2の本体要素との事前掛止位置に移動される。
【0007】
本発明によれば、作動要素は、互いに別個に設計された少なくとも2つの構成要素、すなわち第1の本体要素及び第2の本体要素から形成される。これら2つの本体要素は、各々が異なる機能を有する。作動要素は第1の本体要素を介してユーザによって作動され、第1の本体要素はこの目的のための把持面を有する。作動要素を、手動で、またはネジ回しなどの工具によって、把持面を介して作動させることができる。第2の本体要素は、クランプバネを作動させるためにクランプバネと直接相互作用する。この目的のために、第2の本体要素は、クランプバネが作動される場合にクランプバネに直接当接する少なくとも1つの作動面を有する。その一方で、第1の本体要素は、クランプバネから離間しており、クランプバネと直接接触していない。作動要素を形成するために、第1の本体要素は第2の本体要素に接続される。本発明によれば、2つの本体要素の第1の接続は、作動要素が接続アセンブリに取り付けられる前に、特に作動要素が接続端子のハウジングに取り付けられる前に、既に行われている。この第1の接続は、第1の本体要素の第2の本体要素との事前掛止位置の形成によって行われる。それに応じて、第1の本体要素は、作動要素をさらに取り付ける前に第2の本体要素と事前に掛止される。事前掛止により、第1の本体要素は第2の本体要素と係止接続を形成し、これにより、第1の本体要素は、係止接続を介して第2の本体要素に締結される。この係止接続は、必要に応じて再び解放可能であることが好ましい。したがって、2つの本体要素の接続は、作動要素、したがって2つの本体要素が接続アセンブリまたは接続端子のハウジングに挿入されたときに正確に行われなくなる。対照的に、2つの本体要素、したがって作動要素は、接続アセンブリまたは接続端子のハウジング内で、既に接続された状態で、すなわち事前掛止位置に配置される。これは、作動要素、したがって接続アセンブリまたは接続端子の取付け、したがって取扱いを容易にする。
【0008】
好ましくは、第1の本体要素は第1の材料から作られ、第2の本体要素は第1の材料とは異なる第2の材料から作られ、第2の材料は好ましくは第1の材料よりも大きい強度を有する。2つの本体要素の2つの異なる材料により、2つの本体要素の特性を2つの本体要素の特定の機能に個別に適合させることができる。それに応じて、把持面が形成された第1の本体要素は、作動面がその上に形成された第2の本体要素とは異なる材料特性を有することができる。特に、2つの本体要素を、強度が異なる材料から作ることができる。次いで、第2の本体要素の作動面を介したクランプバネの安定した規定の作動を可能にするために、第2の本体要素を第1の本体要素よりも強い材料から作ることができる。
【0009】
例えば、第1の本体要素の第1の材料は、電気絶縁特性を有することができる。それに応じて、ユーザのために作動要素を作動させるための把持面を安全に形成するために、第1の材料を絶縁材料とすることができる。第1の材料は、プラスチック材料とすることができる。対照的に、第2の本体要素の第2の材料は、特に高い強度及び安定性を特徴とする金属材料とすることができる。次いで、作動要素の第2の本体要素の作動面を介したクランプバネの規定の作動を確実にすることができるように、第2の材料は特に高い曲げ剛性を有することができる。第2の本体要素はユーザによって直接作動されないため、任意の絶縁特性を必要としない。
【0010】
掛止要素が第1の本体要素及び/または第2の本体要素上に形成され、第1の本体要素及び/または第2の本体要素の対応する開口部に掛止することができるように、事前掛止位置を構成することができる。例えば、少なくとも1つの掛止要素を第1の本体要素上に形成してもよく、少なくとも1つの開口部を第2の本体要素内に形成してもよく、その逆も可能である。少なくとも1つの掛止要素は、少なくとも1つの対応する開口部内に掛着して掛止部、したがって事前掛止位置を形成することができる。
【0011】
例えば、事前掛止位置を形成するために、第1の本体要素は、第2の本体要素上に形成された2つの互いに対向する掛止要素を中に掛止することができる2つの対向する開口部を有することができる。2つの開口部及び2つの掛止要素を設けることによって、2つの本体要素の間に特に安定した傾斜を防ぐ係止または係止位置を形成することができる。しかし、2つの互いに対向する開口部が第2の本体要素内に形成され、2つの掛止要素が第1の本体要素上に形成されることもまた可能である。さらに、第1の本体要素は、それぞれ開口部及び掛止要素を有することもでき、第2の本体要素は、それぞれ開口部及び掛止要素を有することができる。
【0012】
第2の本体要素が少なくとも1つの作動アームと、作動アームに対して横方向に形成された接続ウェブとを有するように第2の本体要素を設計することができ、少なくとも1つの作動面を少なくとも1つの作動アーム上に形成することができ、第2の本体要素を、接続ウェブを介して事前掛止位置で第1の本体要素上に事前に掛止することができる。それに応じて、第2の本体要素は、互いに空間的に分離可能な2つの機能領域を有することができる。第1の機能領域を作動面の形態で作動アーム上に形成することができ、第2の機能領域は、第2の本体要素を第1の本体要素に事前に掛止するための締結面の形態で接続ウェブ上に形成することができる。作動アームは、好ましくは接続ウェブに対して90°の角度で延びる。第2の本体要素はまた、接続ウェブを介して互いに接続することができる2つの作動アームを有することができる。次いで、2つの作動アームは好ましくは互いに平行に延びる。次いで、第2の本体要素はU字形を有する。次いで、クランプバネを作動させるための作動面は、好ましくは両方の作動アーム上に形成され、これにより、第2の本体要素は、クランプバネを同時に作動させることができる2つの作動面を有する。
【0013】
クランプバネを作動させるステップに加えて、作動要素は、さらなる機能、すなわち、クランプバネの開位置においてクランプバネに対して固定位置に作動要素を保持するステップも想定することができる。この目的のために、接続アセンブリのクランプバネの掛止脚部をクランプバネの開位置に保持するための保持輪郭を、作動要素の第2の本体要素上に形成することができる。クランプ脚部及び保持脚部に加えて、クランプバネは、クランプバネの開位置において、第2の本体要素の保持輪郭上に保持することができる掛止脚部を有することができる。第2の本体要素の第2の材料が金属材料で作られている場合、クランプバネの開位置において、第2の本体要素の保持輪郭とクランプバネの掛止脚部との間に安定した金属-金属接続を形成することができる。
【0014】
第1の本体要素と第2の本体要素との間の接続は、追加的または代替的に、第1の本体要素が、事前掛止位置において、第2の本体要素に形成された開口部に没入することができる締結ドームを有するように設計することができる。締結ドームは、第2の本体要素の方向に突出するピンの形状を有することができる。例えば第2の本体要素内の開口部は、締結ドームの外径よりも小さい内径を有することができる。次いで、締結ドームを開口部に圧入して締結することができる。第2の本体要素が接続ウェブを有する場合、開口部は、好ましくは接続ウェブに形成される。
【0015】
締結要素は、さらに、バネ要素を有することができる。作動要素を、バネ要素を介してバネ付勢することができる。バネ要素は、クランプバネが開位置からクランプ位置に移動されると、作動要素を規定の再現可能な位置、特に開始位置に戻すことができる。バネ要素によって、接続アセンブリの停止面に対して、または接続構成部がバネ付勢されている接続端子の停止面に対して、作動要素をバネ付勢することができる。停止面を、例えば接続アセンブリの電流バーによって形成することができる。さらに、例えば停止面は、接続端子のハウジングのハウジング面によって形成されることが可能である。バネ要素は、第2の本体要素が第1の本体要素に事前に掛止された後に、第1の本体要素に締結されることが好ましい。したがって、バネ要素は、作動要素が接続アセンブリまたは接続端子に取り付けられる前に、第1の本体要素に締結されることが好ましい。バネ要素は、例えば渦巻バネであってもよい。
【0016】
第1の本体要素と第2の本体要素との間の締結をさらにより確実にするために、事前掛止位置に移動された後に、圧入及び/または一体結合接続によって、第1の本体要素を第2の本体要素にさらに接続することができる。事前掛止は第1の締結を構成することができ、事前掛止後には第2の締結を行うことができる。例えば、事前掛止に加えて、第1の本体要素は、さらなる掛止接続、リベット接続、溶接接続、接着接続及び/またはネジ接続を介して第2の本体要素に接続することができる。
【0017】
作動要素がその作動方向と反対に戻されるときに作動要素の規定の開始位置を達成することができるように、第2の本体要素は、少なくとも1つの経路制限要素を有することができる。少なくとも1つの経路制限要素は、作動要素がその作動方向とは反対に戻される場合に、第2の本体要素、したがって作動要素が対向停止面に当接することができる停止面を形成するかまたは有することができる。例えば接続端子のハウジングの壁面によって、対向停止面を形成することができる。さらに、接続アセンブリの電流バーによって、対向停止面を形成することもできる。少なくとも1つの経路制限要素を、第2の本体要素の一方または両方の作動アーム上に形成することができる。第2の本体要素が2つの作動アームを有する場合、経路制限要素が2つの作動アームの各々の上に配置されることが好ましい。少なくとも1つの経路制限要素を、例えば、特定の作動アームの平面から外れて曲がることができるタブまたは掛止ラグの形態で設計することができる。
【0018】
本発明による目的はまた、導電体を接続するための接続アセンブリによって達成され、接続アセンブリは、電流バーと、保持脚部及びクランプ脚部を有するクランプバネであって、クランプ脚部によって、接続される導電体がクランプバネのクランプ位置で電流バーに対してクランプされる、クランプバネと、作動方向に沿って案内することができ、それによってクランプバネをクランプ位置から開位置に移動させることができる作動要素とによって達成され、作動要素は、上述のようにさらに設計されかつ展開される。
【0019】
少なくとも2つの別個の構成要素、すなわち第1の本体要素及び第2の本体要素から形成された作動要素は、接続アセンブリに取り付けられる前に事前に掛止され、多数個の作動要素を接続アセンブリに一体に配置し、かつ取り付けることができるように適切に事前に取り付けられる。
【0020】
作動要素が2つの本体要素に加えてバネ要素を有する場合、作動要素は、好ましくはそのバネ要素によって電流バー上に支持される。それに応じて、作動要素を電流バーに対してバネ付勢することができる。
【0021】
好ましくは、クランプバネの開位置において、作動要素を、その第2の本体要素とともにクランプバネとブレース支持(braced)し、クランプバネを開位置に保持することが可能なようにすることができる。クランプバネの開位置におけるクランプバネとの作動要素のブレース支持配置により、作動要素を、クランプバネを開位置に保持するためにこの位置に自動的に保持することができる。作動要素及びクランプバネは、開位置で互いを支持することができる。したがって、作動要素及びクランプバネは、クランプバネの開位置において自給力系を形成することができ、これにより、クランプバネの開位置では、作動要素を手動でまたは工具によってこの位置に保持する必要なく、クランプバネの力によって作動要素をクランプバネに対して固定位置に保持することができる。これにより、導体、特に可撓性導体を簡単かつ確実に接続することができるようにするために、ユーザによる接続アセンブリのより簡単な、特に片手の操作が可能になる。クランプ位置の開位置におけるブレース支持配置の結果として、クランプバネ及び作動要素は、所望の位置で互いを保持し、互いに対する移動を防止する。好ましくは、クランプバネが開位置にある状態でのクランプバネ内の作動要素のクランプは、好ましくは作動要素の第1の本体要素よりも大きい強度を有する作動要素の第2の本体要素の領域内で行われる。
【0022】
ブレース支持を形成するために、クランプバネは、開位置において、作動要素の作動方向とは反対に作用する第1の圧力と、作動要素の作動方向に作用する第2の圧力とを作動要素に加えることができる。クランプバネによって加えられるこれら2つの反対に作用する圧力によって、作動要素をクランプバネの力のみによって開位置に保持することができる。第1の圧力及び第2の圧力の両方はクランプバネによって作動要素に加えられ、これにより、開位置において、作動要素を、クランプバネもしくはクランプバネの下位部分の間にクランプし、かつこれら2つの対向する圧力によって静止態様で保持することができる。
【0023】
本発明によれば、掛止脚部を保持脚部上に配置することができ、かつ開位置において第2の圧力を作動要素に加えることができるように、クランプバネを設計することができる。したがって、第2の圧力は、好ましくは、クランプバネのクランプ脚部または保持脚部によって作動要素に正確に加えられないが、クランプバネは第3の脚部、すなわち掛止脚部を有することができ、これによって第2の圧力を作動要素に加えることができる。掛止脚部を、クランプ脚部から遠く離れた保持脚部の端部で保持脚部上に配置することができる。したがって、保持脚部を、クランプ脚部と掛止脚部との間に配置することができる。掛止脚部を、保持脚部と一体に形成することができ、または別個の部品として掛止脚部に接続することができ、特に、形状嵌合及び/または圧入の態様で掛止脚部に接続することができる。
【0024】
掛止脚部は、好ましくは保持脚部に弾性的に接続されるか、または保持脚部とともに形成され、これにより、掛止脚部を保持脚部に対して枢動可能とすることができる。
【0025】
特に、導体断面が小さい導体、特に可撓性導体の工具不要の接続を可能にするために、掛止脚部は圧力面を有することができ、クランプバネを開位置からクランプ位置に移動させるために、接続される導体によって圧力面を作動させることができ、掛止脚部の圧力面を作動させることによって圧力面を作動要素との係合から外すことができる。掛止脚部は、接続アセンブリへの導体の挿入領域と同一平面上に、したがって接続端子のハウジングの導体挿入開口部を延長して配置することができる圧力面を有することができ、これにより、導体は、接続アセンブリへの挿入中に掛止要素の圧力面に当接する。導体によって圧力面に圧力を加えることによって、掛止脚部は、導体挿入方向の方向に枢動運動または傾斜運動をすることができ、これにより、掛止脚部は、導体挿入方向に作動要素から離れるように枢動するかまたは傾斜することができる。掛止脚部の枢動運動の結果として、掛止脚部を作動要素との係合から外すことができ、したがって作動要素から解放することができ、これにより、作動要素、したがってクランプバネを手動の補助なしに開位置からクランプ位置へ移動させることができる。この特別な機構によって、クランプバネを解放してクランプ位置から開位置に移動させるためにユーザが接続アセンブリ上の作動要素などのさらなる要素を作動させる必要なしに、導体、特に導体断面が小さい導体及び/または可撓性導体を導体の挿入動作のみによって特に簡単な方法で接続することができる。これは、接続アセンブリの取扱いを容易にし、導体を接続する時間を節約する。したがって、クランプバネの開位置におけるクランプバネと作動要素とのブレース支持を、接続される導体によって解放するかまたは解除することができる。
【0026】
作動要素上の掛止脚部をクランプバネの開位置に保持するために、作動要素は保持輪郭を有することができる。保持輪郭は、クランプバネの開位置において作動要素上に掛止脚部を確実に画定して保持することを可能にする。保持輪郭の領域では、掛止脚部は、クランプバネの開位置において作動要素に第2の圧力を加えることができる。保持輪郭は、好ましくは、作動要素自体に特別な表面形状の形態で形成される。
【0027】
作動要素は、U字形の断面を有することができる。作動要素は、第1の作動アームと、第1の作動アームから離れて配置された第2の作動アームとを有することができ、2つの作動アームを、接続ウェブを介して互いに接続することができる。次いで、保持輪郭を第1の作動アーム上及び第2の作動アーム上に形成することができる。2つの作動アームは、好ましくは互いに平行に配向される。2つの作動アームの間には、接続される導体が挿入され、かつ接続される導体を掛止脚部の方向に案内することができる自由空間が形成される。電流バーとクランプバネとの間に形成された導体接続空間を、第1の作動アーム及び第2の作動アームによって横方向に画定することができ、これにより、2つの作動アームは、接続される導体を案内し、導体が横方向に曲がるのを防止することができる。第1の作動アーム上の保持輪郭は、好ましくは、第2の作動アーム上に配置された保持輪郭に対して対称に形成される。クランプバネの開位置では、掛止脚部を、2つの作動アーム上もしくは2つの作動アームの2つの保持輪郭上に保持することができ、特に掛止することができる。その自由端部では、掛止脚部は、掛止脚部を2つの作動アーム上に保持することができるT字形を有することができる。T字形状の結果として、掛止脚部は、第1の横方向に突出する保持アームと、第2の横方向に突出する保持アームとを有することができ、第1の保持アームは、掛止脚部を第1の作動アームの保持輪郭上に保持することができ、第2の保持アームは、掛止脚部を第2の作動アームの保持輪郭上に保持することができる。
【0028】
開位置では、クランプバネのクランプ脚部によって第1の圧力を作動要素に加えることができ、クランプ脚部は、クランプタブと、クランプタブの横方向に配置された少なくとも1つの横タブとを有することができ、クランプ位置において電流バーに対して接続される導体をクランプするためのクランプ縁部を、クランプタブの自由端部上に形成することができ、開位置において少なくとも1つの横タブによって第1の圧力を作動要素に加えることができる。したがって、クランプ脚部自体は、作動要素の作動方向とは反対に作用することができる第1の圧力を作動要素に加えることができる。掛止脚部が作動要素とのブレース支持または掛止から解放された場合、クランプ脚部によって加えられる第1の圧力のみが作動要素に依然として作用し、これにより、クランプ脚部が作動要素を作動方向とは反対に上方に押すことができるという点で、クランプ脚部のこの圧力の結果として、クランプバネまたはクランプ脚部は開位置からクランプ位置に自動的に枢動することができる。クランプ脚部は、好ましくは、クランプタブと、クランプタブの横方向に形成することができる少なくとも1つ、好ましくは2つの横タブとに分割される。2つの横タブの場合、クランプタブは2つの横タブの間に配置される。2つの横タブは、好ましくは作動要素と直接接触しており、これにより、第1の圧力をこれらの2つの横タブを介して作動要素に加えることができる。クランプタブは、好ましくは作動要素と直接接触していないが、クランプタブは、クランプ位置において電流バーに対して導体をクランプするためにのみ使用される。少なくとも1つの横タブは、好ましくは湾曲しており、これにより、開位置及びクランプ位置に移動されている間に作動面を形成する作動要素の縁面に沿って摺動することができるランナを形成することができる。
【0029】
接続アセンブリは、好ましくは作動要素の作動方向を、電流バーとクランプバネとの間に形成された導体接続空間に接続される導体の導体挿入方向に対して横方向に形成することができるように設計される。
【0030】
本発明による目的はまた、接続端子、特に、ハウジングと、ハウジング内に配置され、かつ上述のように形成されて展開された少なくとも1つの接続アセンブリとを有する端子台によって達成される。導体挿入開口部は、ハウジング上に形成することができ、接続アセンブリの導体接続空間と同一平面上に形成され、接続される導体を、それを介してハウジング内及び接続アセンブリ内に挿入することができる。特に、支持レール上に掛止することができる端子台としての設計の場合、2つのこのような接続アセンブリをハウジング内に配置することもできる。
【0031】
さらに、本発明による目的は、上述のように形成されて展開された少なくとも1つの接続アセンブリ及び/または上述のように形成されて展開された少なくとも1つの接続端子を有する電子機器によって達成することができる。電子機器は、例えば、その中に1以上の支持レールもしくは取付けプレートを配置することができ、その上に1以上の接続端子、特に対応する接続アセンブリを有する端子台を掛止することができるスイッチキャビネットとすることができる。
【0032】
本発明による目的の解決策は、接続端子を取り付ける方法によってさらに達成することができ、この方法では、作動要素を作動させるための把持面がその上に形成された作動要素の第1の本体要素と、クランプバネを作動させるための少なくとも1つの作動面がその上に形成された作動要素の第2の本体要素とが、接続端子のハウジング内に取り付ける前に互いに事前掛止位置に移動される。
【0033】
本発明は、好ましい実施形態に基づいて添付の図面を参照して以下により詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図1】横方向側面から見た本発明による作動要素の概略分解図である。
【
図2】長手方向側面から見た
図1に示す作動要素の概略分解図である。
【
図3】横方向側面から見た事前掛止位置における作動要素の概略図である。
【
図4】長手方向側面から見た事前係合位置における
図3に示す作動要素の概略断面図である。
【
図5】クランプバネがクランプ位置にある、接続端子内の
図1~
図4に示す作動要素を含む接続アセンブリの概略図である。
【
図6】クランプバネがクランプ位置にある、
図5に示す接続端子の概略断面図である。
【
図7】クランプバネが開位置にある、本発明による接続端子の概略図である。
【
図8】クランプバネが開位置にある、
図7に示す接続端子の概略断面図である。
【
図10】さらなる実施形態における作動要素の概略図である。
【
図11】クランプ位置における接続端子の概略断面図である。
【
図12】さらなる実施形態による第2の本体要素の概略図である。
【
図13】
図12に示す第2の本体要素との接続端子の概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
図1及び
図2は、作動要素100を分解図で示している。本明細書に示す実施形態では、作動要素100は、第1の本体要素110と、第2の本体要素111と、バネ要素112とを有する。これら3つの部品は全て、互いに取り付けられて接続された個別の構成要素である。
【0036】
第1の本体要素110は、それを介して作動要素100を手動もしくは工具によって作動させることができる把持面113を有する。把持面113は第1の本体要素110の外面に形成される。例えば把持面113は、ネジ回しなどの工具が係合することができる、例えばスロットの形態の工具受入領域126を有することができる。
【0037】
その一方で、第2の本体要素111は、作動されるクランプバネ211と直接相互作用する。この目的のために、第2の本体要素111は、クランプバネ211を作動させるための少なくとも1つの作動面114a、114bを有する。作動面114a、114bは、第2の本体要素111の縁面に形成される。
【0038】
それに応じて、2つの本体要素110、111は互いに分離された2つの機能を有する。作動要素100は、第1の本体要素110を介してユーザによって作動される。第1の本体要素110はクランプバネ211から離れて配置されており、これにより、第1の本体要素110とクランプバネ211との直接的接触は形成されない。対照的に、クランプバネ211は第2の本体要素とのみ接触している。
【0039】
2つの本体要素110、111はまた、それらの材料が互いに異なる。第1の本体要素110は、例えばプラスチック材料などの絶縁材料である第1の材料から作られ、これにより、第1の本体要素110の第1の材料が電気的に絶縁される。対照的に、第2の本体要素111は、第1の本体要素110の第1の材料とは特性が異なる第2の材料から作られる。第2の本体要素111の第2の材料は、高強度材料、例えば金属材料である。
【0040】
特に
図1に見られるように、本明細書に示す実施形態では、第2の本体要素111はU字形を有する。第2の本体要素111は、互いに平行に延びる2つの作動アーム115a、115bを有し、これらは接続ウェブ116を介して互いに接続される。2つの作動アーム115a、115bは、各々が接続ウェブ116に対して90°の角度で延びている。各作動アーム115a、115bは作動面114a、114bを有し、これにより、2つの作動面114a、114bを介したクランプバネ211の対称的な作動が可能である。
【0041】
第2の本体要素111は、その2つの作動アーム115a、115b上に経路制限要素127a、127bを有する。経路制限要素127a、127bは、クランプバネ211が開位置からクランプ位置に移動される場合に、作動要素100を、その移動において、または作動方向Bとは反対の移動経路において制限する。
【0042】
2つの経路制限要素127a、127bは、各々が、接続アセンブリ200上もしくは接続端子300上に形成することができる対向停止面と相互作用することができる、停止面128a、128bを形成する。停止面128a、128bは、各々が経路制限要素127a、127bの自由端部に形成される。停止面128a、128bは、第1の本体要素110の方向を向いている。経路制限要素127a、127bは、各々が、特定の作動アーム115a、115bの平面から外れて曲がるタブまたは掛止ラグの形態で設計される。それに応じて、経路制限要素127a、127bは作動アーム115a、115と同じ材料から形成される。
【0043】
図1~
図11に示す実施形態では、経路制限要素127a、127bは、両方の経路制限要素127a、127bが2つの作動アーム115a、115bの間に形成された自由空間117から離れる方向を向くという点で、互いに離れる方向に向けられている。それに応じて、2つの経路制限要素127a、127bは外側に曲げられる。この実施形態では、対向停止面は、
図11に見られるように、接続端子300のハウジング310のハウジング面314によって形成される。ハウジング面314はアンダーカットの形態でこの領域に形成され、
図11に示すように作動要素100の初期位置に達したときに、2つの経路制限要素127a、127bがそれらの停止面128a、128bと当接することができる。この開始位置では、把持面113が第1の本体要素111上に形成された作動要素100は、ユーザがこの開始位置、したがってクランプバネ211のクランプ位置を外側から視覚的に認識できるように、ハウジング310の外面312と同一平面上に位置決めされる。
【0044】
経路制限要素217a、217bは、作動要素100がハウジング310の外面312から滑り落ち、したがって突出するのを防止する。したがって、経路制限要素217a、217bは、初期位置が作動要素100の規定された再現可能な位置を表すことを可能にする。
【0045】
図12及び
図13に示す実施形態では、2つの経路制限要素127a、127bは互いに向けられている。2つの経路制限要素127a、127bは、2つの作動アーム115a、115bの間の自由空間117内に突出する。
【0046】
図13の断面図に見られるように、対向停止面は、接続アセンブリ200の電流バー210によって形成される。開始位置では、
図13に示すように、移動制限要素127a、127bは、作動要素100を作動方向Bとは反対の動きに制限するために、停止面128a、128bとともに電流バー210に当接する。
【0047】
両方の実施形態では、経路制限要素127a、127bは、第2の本体要素111の作動アーム115a、115b上で全く同じ高さに形成される。
【0048】
自由空間117は2つの作動アーム115a、115bの間に形成され、それを通って電流バー210が接続アセンブリ200内に案内され、その中に、接続される導体400が挿入される。したがって、電流バー210に対して接続される導体400のクランプは、自由空間117の領域で行われる。それによって、2つの作動アーム115a、115bは、接続される導体400のための横方向ガイドを形成することができる。
【0049】
接続アセンブリ200に取り付けられた状態では、作動要素100は、接続ウェブ116とともに電流バー210上に載置され、2つの作動アーム115a、115bは電流バー210と横方向に重なる。
【0050】
作動要素100が接続アセンブリに取り付けられる前に、第1の本体要素110は第2の本体要素111と事前に掛止される。この事前掛止位置では、2つの本体要素110、111は係止接続を介して互いに接続される。
図3及び
図4に示すように事前掛止位置では、第1の本体要素110は、第2の本体要素111の接続ウェブ116を介して第2の本体要素111に掛止されている。事前掛止位置では、2つの本体要素110、111は互いに対して固定位置に配置される。
【0051】
第1の本体要素110は、対向する2つの横側面118a、118bを有する。2つの横側面118a、118bは、各々が第1の本体要素110の把持面113に対して90°の角度で延びている。第1の本体要素110の第2の本体要素111への事前掛止は、2つの横側面118a、118bを介して行われる。開口部119a、119bは、いずれの場合も2つの横側面118a、118bに形成される。2つの開口部119a、119bは互いに対向している。
【0052】
2つの対向する掛止要素120a、120bは、第2の本体要素111上に形成され、
図4の断面図から分かるように、2つの開口部119a、119bに事前掛止位置で掛着されるかまたは掛止される。2つの掛止要素120a、120bは接続ウェブ116上に形成される。2つの掛止要素120a、120bは、各々が接続ウェブ116から離れるように延びる掛止ラグの形態で設計される。2つの掛止要素120a、120bは接続ウェブ116の平面内に延びており、これにより、2つの掛止要素120a、120bは、各々が接続ウェブ116の横方向延在部を形成する。
【0053】
事前掛止位置を形成するために、第1の本体要素111は、その2つの横側面118a、118bとともに接続ウェブ116上に、したがって第1の本体要素110上に、接続ウェブ116上の掛止要素120a、120bが横側面118a、118bに形成された開口部119a、119bに入り込むことができるまで押し込まれる。
図3及び
図4に示すような事前掛止位置では、第1の本体要素110の横側面118a、118bは、それに応じて第2の本体要素111の接続ウェブ116に重なる。
【0054】
第1の本体要素110はまた、第1の本体要素110上に形成され、かつ第2の本体要素111内に形成された開口部122に入り込むことができる締結ドーム121を介して第2の本体要素111に締結される。
【0055】
ここで、締結ドーム121は第1の本体要素111の中央部を中心に形成される。締結ドーム121は、2つの横側面118a、118bの間の中央に配置される。
【0056】
開口部122は、第2の本体要素111の接続ウェブ116に形成される。開口部122はまた、接続ウェブ116の中央部を中心に形成される。事前掛止位置では、締結ドーム121は、
図4に見られるように開口部122を通って案内される。
【0057】
締結ドーム121を、開口部122に圧入して配置することができる。
【0058】
バネ要素112を、
図3に見られるように締結ドーム121に締結することができる。
図4は、バネ要素112を除いた断面図を示す。
【0059】
本明細書では、バネ要素112は、締結ドームの外周面に押し込まれるかまたは差し込まれる渦巻バネの形態で設計されている。
【0060】
図5~
図8に示すように、作動要素100が接続アセンブリ200に取り付けられている場合、作動要素100は、バネ要素112を介して電流バー210に支持される。接続アセンブリ200に取り付けられた状態で、バネ要素112を介して作動要素100をバネ付勢することができる。作動要素100が接続アセンブリ200に取り付けられる前に、バネ要素112は、締結ドーム121を介して第1の本体要素110に締結される。バネ要素112は圧縮バネとして設計される。
【0061】
第1の端部123を用いて、バネ要素112は、締結ドーム121に、したがって第1の本体要素110に締結される。第1の端部123の反対側の第2の端部124を用いて、バネ要素112は電流バー210に当接し、かつ電流バー210に支持される。
【0062】
図9は、
図1~
図4に示す実施形態に実質的に対応する作動要素100を示しており、
図9に示す作動要素100は、バネ要素112を有していない。
【0063】
図10に示す作動要素100では、バネ要素112も設けられておらず、第2の本体要素111もただ1つの作動アーム115a、したがってただ1つの作動面114aを有している。そうでない場合、
図10に示す作動要素100は、
図1~
図4に示す作動要素100に同様に対応する。
【0064】
図5~
図8は、その中に導体400を接続するための接続アセンブリ200が配置されるハウジング310を含む接続端子300を示す。ハウジング310は、好ましくは絶縁材料、例えばプラスチック材料から形成される。接続アセンブリ200は、ハウジング310の内部に配置される。
【0065】
接続アセンブリ200は電流バー210とクランプバネ211とを有し、
図5及び
図6に示すように、接続される導体400をクランプバネ211によって電流バー210に対して導電的にクランプすることができる。
【0066】
クランプバネ211は、脚バネとして設計される。クランプバネ211は、保持脚部212とクランプ脚部213とを有する。保持脚部212及びクランプ脚部213は、弓状部分214を介して互いに接続される。保持脚部212は、ハウジング310内で固定位置に配置される。クランプ脚部213は、クランプ脚部213の位置に応じて、クランプバネ211を
図7及び
図8に示すように開位置に、及び
図5及び
図6に示すようにクランプ位置に移動させて位置決めすることができるように、保持脚部212に対して枢動可能である。
【0067】
クランプバネ211はまた、掛止脚部215を有し、これにより、クランプバネ211は3つの脚部を有する。掛止脚部215は保持脚部212に接続され、これにより、保持脚部212は、クランプ脚部213と掛止脚部215との間に配置される。本明細書に示す実施形態では、掛止脚部215は保持脚部212から実質的に直角に延びる。掛止脚部215は、少なくともクランプバネ211の開位置において、保持脚部212から開始してクランプ脚部213を越えて突出するのに十分な長さに設計されている。掛止脚部215は、クランプバネ211を開位置に保持するのに役立つ。
【0068】
掛止脚部215は、保持脚部212から開始して、電流バー110とクランプバネ111との間に形成された導体接続空間216の方向に延び、接続される導体400は、導体400を接続して電流バー210に対してクランプするために、この導体接続空間216に挿入される。掛止脚部215は、導体接続空間216を導体挿入方向Eに画定するのに十分な長さに設計されている。導体400が、ハウジング310上に形成された導体挿入開口部311を介して導体接続空間216に挿入されると、導体400は掛止脚部215に当接し、その結果、掛止脚部215は、導体挿入方向Eに偏向するかまたは枢動することができる。
【0069】
掛止脚部215は、導体接続空間216の方向を向き、導体接続空間216への挿入中に導体400が当接することができる圧力面217を有する。掛止脚部215が偏向することができるように、掛止脚部215は保持脚部212に弾性的に接続される。
【0070】
クランプバネ211をクランプ位置から開位置に移動させるために、接続アセンブリ200は作動要素100を有する。作動要素100は、純粋に直線的にハウジング310内へ案内される。クランプ位置から開位置に移動させるためにクランプバネ211を作動させると、作動要素100が作動方向Bに移動し、作動要素100がクランプバネ211の方向に移動する。作動要素100は、作動要素100が作動要素100の第2の本体要素111の作動面114a、114bを介してクランプ脚部213に作動方向Bの力を及ぼすという点で、クランプバネ211のクランプ脚部213と相互作用し、これにより、クランプ脚部213は、導体接続空間216を解放するために保持脚部212の方向に枢動する。
【0071】
作動要素100が作動方向Bに移動している間、したがってクランプバネ211がクランプ位置から開位置に移動している間、
図8に見られるように、作動要素100のバネ要素112は圧縮され、したがって張力がかけられる。クランプバネ211が開位置からクランプ位置へ戻されると、バネ要素112のバネ力は、クランプバネ211のクランプ脚部213の位置とは無関係に作動方向Bとは反対にバネ要素112によって作動要素100が戻されるように、作動要素100に作用し、これにより、作動要素100の規定の位置は、
図5及び
図6に示すように、作動要素100の開始位置における、したがってクランプバネ211のクランプ位置におけるバネ要素112によって常に達成される。これにより、導体400が接続アセンブリ200または接続端子300に接続されていることをユーザに明確に視覚的に表示することが可能になる。本明細書に示される実施形態におけるこの開始位置では、作動要素100は、
図5及び
図6に示されるように、その把持面113が接続端子300のハウジング310の外面312と同一平面になるように配置される。
【0072】
バネ要素112の傾斜を防ぐ取付けのために、開口部313が接続端子300のハウジング310の内部に形成され、その開口部には、
図6に見られるように、バネ要素112がその第2の端部124とともに挿入され、これにより、第2の端部124によるバネ要素112の電流バー210への明確な接触が保証される。バネ要素112は、接続される導体400がクランプされる電流バー210の表面228の反対側に配置された電流バー210の側面227に当接する。
【0073】
作動要素100の第2の本体要素111の2つの作動アーム115a、115bは、それらが導体接続空間216を横方向に画定し、したがって、接続される導体400のための横方向ガイドを形成することができるのに十分な長さに設計される。
【0074】
その2つの作動面114a、114bにより、作動要素100は、前記クランプ脚部がクランプ位置から開位置へ移動されるときにクランプバネ211のクランプ脚部213上に載置される。
【0075】
クランプ脚部213は、クランプタブ221と、クランプタブ221に対して横方向に配置された2つの横タブ222a、222bとを有する。クランプタブ221は、その自由端部でクランプ縁部223を有し、それによって、
図6に示すように、接続される導体400が電流バー210に対してクランプされる。
【0076】
クランプタブ221は、2つの横タブ222a、222bの間に配置される。クランプタブ221は、クランプタブ221が2つの横タブ222a、222bを越えて延びるように、2つの横タブ222a、122bよりも長い。2つの横タブ222a、222bは、それぞれ弓状である。それに応じて、2つの横タブ222a、222bはそれぞれ、作動要素100と相互作用するときに作動面114a、114bに沿って摺動することができるランナを形成することができる。クランプバネ211をその第2の本体要素111を介して作動させるために、作動要素100は、クランプバネ211の2つの横タブ222a、122bと適切に直接接触しているが、クランプタブ221は作動要素100と直接接触していない。クランプタブ221は、2つの作動アーム115a、115bの間に形成された自由空間117内で配置されるかまたは移動可能である。
【0077】
図7及び
図8は、接続される導体400を導体接続空間216に挿入することができ、再び導体接続空間216から案内することもできるように、導体接続空間216が解放される開位置におけるクランプバネ211を示している。この開位置では、クランプバネ211及び作動要素100は、クランプバネ211及び作動要素100が閉力系を形成するように互いにブレース支持され、作動要素100は追加の補助手段なしでクランプバネ211によって定位置に保持され、クランプバネ211は作動要素100によって定位置に保持される。
【0078】
作動要素100は、開位置において、クランプバネ211が作動要素100、特に作動要素100の第2の本体要素111に2つの対向する圧力D1、D2を加えるという点で、クランプバネ211とブレース支持される。これらの2つの反対に作用する圧力D1、D2の結果として、作動要素100、したがってクランプバネ211もまた安定した静止位置に保持することができる。
【0079】
第1の圧力D1は、作動方向Bとは反対に作動要素100に作用する。第1の圧力D1は、クランプ脚部213によって、特にクランプ脚部213の横タブ222a、222bによって、作動要素100の第2の本体要素111に加えられる。この工程では、横タブ222a、222bは、クランプ脚部213のバネ効果によって加えられる第1の圧力D1で、作動要素100の第2の本体要素111の作動面114a、114bを押圧する。
【0080】
第2の圧力D2は、作動方向Bにおいて作動要素100に作用する。第2の圧力D2は、クランプバネ211の掛止脚部215によって作動要素100に加えられる。掛止脚部215は、その自由端部224とともに作動要素100上に、特に作動要素100の2つの作動アーム115a、115b上に保持され、特に作動要素100に掛止される。自由端部224は、自由端部224が横方向外側に突出する2つの保持アーム225を有するという点で、T字形状を有する。開位置では、掛止脚部215は、一方の保持アーム225によって第1の作動アーム115aに保持され、他方の保持アーム225によって第2の作動アーム115bに保持される。
【0081】
開位置における作動要素100上の掛止脚部215の位置固定、したがって明確な保持を確実にすることができるように、保持輪郭125は、2つの作動アーム115a、115bの各々に形成される。保持輪郭125は、作動要素100上の作動面114a、114bから離れて形成される。開位置では、掛止脚部215の2つの保持アーム225は、掛止脚部215を静止位置に保持するために作動アーム115a、115bの保持輪郭125に当接する。
【0082】
クランプバネ211の開位置において、接続される導体400が、導体挿入方向Eにおいてハウジング310の導体挿入開口部311を介して導体接続空間216に挿入されると、導体400は、クランプバネ211の掛止脚部215の、導体挿入開口部311と同一平面上に配置された圧力面217に当接する。導体400が圧力面217に当接することによって、掛止脚部215は導体挿入方向Eに枢動し、これにより、掛止脚部215が作動要素100の保持輪郭125との係合から外れる。
【0083】
掛止脚部215が作動要素100から解放されるとすぐに、掛止脚部115は作動要素100に第2の圧力D2をもはや加えないため、作動要素100とのクランプバネ211のブレース支持が解放される。したがって、クランプ脚部213によって作動要素100に加えられる第1の圧力D1のみが作動要素100に作用し、その結果、クランプ脚部213は、クランプ脚部213のバネ力によって作動要素100を作動方向Bとは反対に上方に変位させることができ、その結果、クランプ脚部213はまた、前記導体をクランプ脚部213のクランプタブ221を介して電流バー210に押し付け、したがって導体400を電流バー210にクランプして接続するために、導体接続空間216に挿入された導体400の方向に移動する。クランプバネ211のこのクランプ位置は、
図5及び
図6に示されている。
【0084】
これにより、追加の補助なしに、導体400、特に導体断面が小さい導体400を接続してクランプすることが可能になる。
【0085】
本明細書では、導体400は、作動要素100の作動方向Bに対して横方向に、導体接続空間216内へ、したがって接続アセンブリ200内もしくは接続端子300内へ挿入される。
【符号の説明】
【0086】
100 作動要素
110 第1の本体要素
111 第2のハウジング部
112 バネ要素
113 把持面
114a、114b 作動面
115a、115b 作動アーム
116 接続ウェブ
117 自由空間
118a、118b 横側面
119a、119b 開口部
120a、120b 係止要素
121 締結ドーム
122 開口部
123 第1の端部
124 第2の端部
125 保持輪郭
126 工具受入領域
127a、127b 経路制限要素
128a、128b 停止面
200 接続アセンブリ
210 電流バー
211 クランプバネ
212 保持脚部
213 クランプ脚部
214 弓状部分
215 掛止脚部
216 導体接続空間
217 圧力面
221 クランプタブ
222a、222b 横タブ
223 クランプ縁部
224 自由端部
225 保持アーム
227 外側面
228 表面
300 接続端子
310 ハウジング
311 導体挿入開口部
312 外面
313 開口部
314 ハウジング面
400 導体
D1 第1の圧力
D2 第2の圧力
B 作動方向
E 導体挿入方向
【国際調査報告】