(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-14
(54)【発明の名称】カカオ組成物
(51)【国際特許分類】
A23G 1/48 20060101AFI20240507BHJP
A23L 25/00 20160101ALI20240507BHJP
【FI】
A23G1/48
A23L25/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023567950
(86)(22)【出願日】2022-05-03
(85)【翻訳文提出日】2023-12-15
(86)【国際出願番号】 US2022072070
(87)【国際公開番号】W WO2022236259
(87)【国際公開日】2022-11-10
(32)【優先日】2021-05-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】397058666
【氏名又は名称】カーギル インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100106518
【氏名又は名称】松谷 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100221501
【氏名又は名称】式見 真行
(74)【代理人】
【識別番号】100197583
【氏名又は名称】高岡 健
(74)【代理人】
【識別番号】110002848
【氏名又は名称】弁理士法人NIP&SBPJ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】バリー、ヴァネッサ
【テーマコード(参考)】
4B014
4B036
【Fターム(参考)】
4B014GB01
4B014GG06
4B014GG11
4B014GG13
4B014GG14
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4B036LK06
4B036LP01
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4B036LP24
(57)【要約】
本発明は、カカオ組成物の総重量に基づいて5~30重量%の量の種子材料、好ましくはヒマワリ種子粉末を含むカカオ組成物、そのようなカカオ組成物を含む食品、並びに増量剤及び/若しくは食感改良剤としての、又はカカオ組成物中の乳固形分及び/若しくは全糖含有量を低減させるための、そのような種子材料の使用に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カカオ組成物であって、前記カカオ組成物の総重量に基づいて5~30重量%の量のヒマワリ種子粉末を含むことを特徴とする、カカオ組成物。
【請求項2】
10~20重量%のヒマワリ種子粉末を含むことを特徴とする、請求項1に記載のカカオ組成物。
【請求項3】
前記ヒマワリ種子粉末が、好ましくは前記ヒマワリ種子粉末の総重量に対して30重量%未満の脂肪含有量を有する、脱脂ヒマワリ種子粉末であることを特徴とする、請求項1又は2に記載のカカオ組成物。
【請求項4】
前記ヒマワリ種子粉末が、好ましくは前記ヒマワリ種子粉末の総重量に対して少なくとも20重量%のタンパク質含有量を有する、高タンパク質ヒマワリ種子粉末であることを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載のカカオ組成物。
【請求項5】
前記ヒマワリ種子粉末が、ヒマワリ仁粉末、好ましくは脱脂ヒマワリ仁粉末であることを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載のカカオ組成物。
【請求項6】
好ましくは少なくとも30重量%のカカオ固形分を含む、チョコレート組成物であることを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載のカカオ組成物。
【請求項7】
前記カカオ組成物の総重量に基づいて少なくとも18重量%の量のカカオバター又はカカオバター代替物を含むことを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載のカカオ組成物。
【請求項8】
5重量%未満の乳固形分、好ましくは2重量%未満の乳固形分を含むことを特徴とする、請求項1~7のいずれか一項に記載のカカオ組成物。
【請求項9】
乳固形分を実質的に含まないことを特徴とする、請求項1~8のいずれか一項に記載のカカオ組成物。
【請求項10】
45重量%以下、好ましくは40重量%以下、より好ましくは35重量%以下の全糖を含むことを特徴とする、請求項1~9のいずれか一項に記載のカカオ組成物。
【請求項11】
増量剤、可塑化成分、乳化剤、香味料及び混合物又はそれらの2つ以上からなる群から選択される1つ以上の成分を更に含むことを特徴とする、請求項1~10のいずれか一項に記載のカカオ組成物。
【請求項12】
請求項1~11のいずれか一項に記載のチョコレート組成物を、1つ以上の追加の成分と一緒に含む、食品。
【請求項13】
前記食品が、ベーカリー製品、菓子製品、及び乳製品代替製品からなる群から選択されることを特徴とする、請求項12に記載の食品。
【請求項14】
カカオ組成物における増量剤及び/又は食感改良剤としての、ヒマワリ種子材料の使用。
【請求項15】
前記カカオ組成物中の乳固形分及び/又は全糖含有量を低減させるための、請求項14に記載の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2021年5月4日に出願された欧州特許出願第21171999.2号の利益を主張するものであり、当該出願は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、カカオ組成物中の成分としての種子材料の使用、そのような種子材料を含むカカオ組成物、そのようなカカオ組成物を製造するためのプロセス、及びそれらを含む食品に関する。
【背景技術】
【0003】
チョコレート香味は、世界中で最も人気のある香味のうちの1つであり、多くの食材がチョコレート又はカカオ由来成分をなんらかの形で組み込んでいる。チョコレート菓子は、チョコレート、カカオベースのコーティング又はクーベルチュール、及びカカオベースのフィリングなどのカカオ由来成分をベースとした広範囲の甘味食品を網羅する。チョコレートは、ほろ苦いカカオの風味の急激な広がりをもたらすその典型的な口溶けのよさのために、特に人気がある。
【0004】
ほとんどのチョコレート組成物は、従来的に糖(典型的にはスクロース)を含有する。糖は、チョコレートにおいていくつかの重要な機能を果たす。最も重要なことに、それは甘味を提供する。それはまた、嵩(bulk)を提供し、最終製品の構造、体積、及び口当たりにおいて重要な役割を果たす。しかしながら、世界人口における糖消費及び関連する健康課題を低減させるために、より少ない糖を使用することへの食物産業に対する圧力が増大している。いくつかの国は、市販食品の糖含有量が特定の閾値未満となるように要求する法律を制定している。糖を含まない、又は糖含有量が低減された食品を配合することは、糖代替物が理想的には糖の甘味を置き換えるだけでなく、他の様々な機能の全てを果たすことになるため、困難である。
【0005】
多くのチョコレート組成物はまた、乳固形分を含有して、クリーミーさ及びミルクのような風味の追加的特徴を与えている。しかしながら、その魅力にもかかわらず、乳ベースのチョコレート製品は、著しい量のバター脂、乳タンパク質、及びラクトースを含有している。結果として、乳ベースのチョコレート菓子は、ラクトース不耐症又は乳アレルギーに罹患している者は消費することができない。これはまた、ビーガン食主義者、又は宗教若しくは生活習慣上の理由から乳製品を回避している者にとっても、望ましくないだろう。
【0006】
チョコレート製品中の糖及び/又は乳固形分を置き換える過去の試みは、不十分な官能特性及びレオロジー特性を有する製品をもたらした。例えば、糖の全部又は一部が増量剤及び高甘味度甘味料で置き換えられた減糖チョコレートは、消費者にあまり望ましくないと認識される傾向があり、一方で、典型的な乳製品を含まないチョコレートは、より従来的な乳ベースのチョコレート製品のクリーミーな口当たり及び風味を欠く。
【0007】
したがって、改善された品質及び食感を有する、乳固形分が低減された又は乳固形分を含まないチョコレート菓子製品に対する需要が依然として存在している。
【発明の概要】
【0008】
本発明の一態様では、カカオ組成物の総重量に基づいて5~30重量%の量でヒマワリ種子粉末を含むカカオ組成物が提供される。
【0009】
本発明の別の態様では、好ましくはカカオ組成物中の糖及び/又は乳を置き換えるための、増量剤及び/又は食感改良剤としてのヒマワリ種子粉末の使用が提供される。
【0010】
本発明の更なる態様では、1つ以上の追加の成分と一緒に、上記で定義されたカカオ組成物を含む食品が提供される。食品は、例えば、ベーカリー若しくは菓子製品又は乳製品代替製品であってもよい。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本明細書で別途指定されない限り又は文脈から明らかでない限り、全ての重量は、カカオ組成物の総重量に対する重量でのパーセンテージとして表される。
【0012】
本発明は、種子材料を含むカカオ組成物に関する。
【0013】
カカオ組成物
「カカオ組成物」という用語は、典型的には、カカオリカー及び/又はカカオ粉末、カカオバター及び/又はカカオバター代用物、等価物、改良剤、及び/又は代替物(substitute)(ともに「カカオバター代替物(alternative)」と呼ばれる、糖及び/又は糖代用物と、更に乳化剤及び/又は香味剤などの1つ以上の任意の成分との混合物を含む、実質的に均質な脂肪連続組成物を指すために使用される。
【0014】
本発明によるカカオ組成物は、好ましくは、少なくとも2重量%、より好ましくは少なくとも3重量%、より好ましくは少なくとも5重量%、より好ましくは少なくとも10重量%、より好ましくは少なくとも15重量%、好ましくは少なくとも20重量%、より好ましくは少なくとも25重量%、より好ましくは少なくとも30重量%の量でカカオ固形分を含む。例えば、組成物は、カカオ固形分を、5~50重量%の量で、好ましくは10~45重量%の量で、より好ましくは20~40重量%の量で、より好ましくは30~35重量%の量で含んでもよい。
【0015】
本明細書で使用される場合、「カカオ固形分」という用語は、これらに限定されないが、カカオリカー、カカオ粉末、及び/又はカカオバターなどのカカオ豆に由来する任意の成分を指し得る。組成物中のカカオ固形分の量を表す場合、それは、組成物中に存在する全てのそのような成分の総量を表す。
【0016】
「カカオマス」とも呼ばれるカカオリカーは、磨砕されたカカオ豆から生成される。磨砕前又は磨砕後に、豆は、当該技術分野で既知の任意の他の技術を使用して、発酵、乾燥、焙煎、アルカリ化、及び/又は処理され得る。一態様では、本発明のカカオ組成物は、5~30重量%、好ましくは10~25重量%、より好ましくは10~20重量%、より好ましくは10~15重量%のカカオリカーを含む。
【0017】
カカオバターは、典型的にはカカオリカーを圧搾することによって、カカオ豆から抽出される脂肪である。カカオバターは、強い又は望ましくない風味を取り除くために、脱臭され得る。カカオバターは、カカオバター代替物によって、全体的又は部分的に置き換えられ得る。カカオバター代替物(alternative)は、当該技術分野において周知であり、カカオバター代用物、カカオバター等価物、カカオバター改良剤、及びカカオバター代替物(substitute)が挙げられる。それらは、典型的には、カカオバターと同様の物理的又は化学的特性を有する植物性脂肪及び/又は植物性脂肪画分である。有利には、本発明のカカオ組成物は、18重量%以上、好ましくは20重量%以上、より好ましくは25重量%以上のカカオバターを含む。例えば、それは、20~40重量%、又は25~35重量%のカカオバターを含み得る。
【0018】
カカオ粉末は、圧搾後にカカオリカーから得られる「乾燥」残渣を、更に磨砕又は粉砕することによって生成される。これは、約5.5のpHを有する、天然カカオ粉末であってもよく、又は加工(例えば、アルカリ又は酸で処理)されていてもよい。これは、比較的高い脂肪含有量、例えば、15重量%超の残留カカオバター、標準的な脂肪含有量(例えば、10~15重量%のカカオバター)、又は低脂肪含有量(10重量%未満のカカオバター)を有し得る。無脂肪カカオ粉末(例えば、脂肪含有量が2重量%未満のもの)も使用され得る。
【0019】
本発明の一態様では、カカオ組成物は、チョコレート組成物である。「チョコレート組成物」及び「チョコレート」という用語は、互換的に使用される。それらは、チョコレートのいかなる特定の法的定義に限定されるものとしても解釈されるべきではないが、本発明の一態様では、チョコレート組成物は、2000年6月23日の欧州議会及び理事会の指令2000/36/ECに定義されるようなチョコレート製品である。カカオ組成物がチョコレート組成物である場合、それは、好ましくは、少なくとも30重量%、好ましくは少なくとも33重量%、より好ましくは少なくとも35重量%の量のカカオ固形分を含む。あるいは、カカオ固形分を、少なくとも40重量%、好ましくは少なくとも43重量%、より好ましくは少なくとも45重量%の量で含んでもよい。有利には、本発明によるチョコレート組成物は、少なくとも26重量%のカカオバター、より好ましくは少なくとも28重量%のカカオバター、より好ましくは少なくとも30重量%のカカオバターを含む。
【0020】
あるいは、本発明によるカカオ組成物は、コーティング(若しくはクーベルチュール)又は化合物タイプの組成物であってもよい。これらの組成物は、典型的には、カカオバターの代わりに、又はカカオバターとともに、1つ以上のカカオバター代替物を含む。そのようなカカオ組成物は、好ましくは、最大20重量%のカカオ固形分、好ましくは2~18重量%、より好ましくは3~15重量%のカカオ固形分を含む。白色化合物組成物の場合、それらはカカオ固形分を含まなくてもよい(カカオ粉末又はカカオリカーを含まず、全てのカカオバターがカカオバター代替物で置き換えられている)。有利には、それらは、18重量%以上、好ましくは20重量%以上、より好ましくは25重量%以上のカカオバター及び/又はカカオバター代替物を含む。例えば、それらは、20~40重量%、又は25~35重量%のカカオバター及び/又はカカオバター代替物を含んでもよい。
【0021】
それらは、コーティング、フィリング又は含有物を含む食材を製造するために使用され得るが、本発明のカカオ組成物自体は、そのような成分を含まない。実際、本発明の組成物は、均質な(又は「連続的な」)カカオ組成物であることが好ましい。均質な組成物は、一貫したテクスチャー及び構造を全体に有するものである。好ましくは、本発明のカカオ組成物は、連続脂肪相によって特徴付けられる。それらは、好ましくは、明らかな含有物を含まない。
【0022】
カカオ組成物は、好ましくは、成形可能な組成物である。本明細書で使用される場合、「成形可能な」という用語は、金型内である形状に形成され、(好ましくは室温で)凝固し、次いで金型を取り外した後に成形形状を保持することができる組成物を指す。したがって、本発明の組成物は、好ましくは、粉末又は粒子状材料の形態ではない。更に、本発明の組成物は、好ましくは、組成物の総重量に基づいて、10重量%未満の含水量を有する。より好ましくは、それらは、5重量%未満、より好ましくは3重量%未満、より好ましくは2重量%未満、より好ましくは1重量%未満の含水量を有する。
【0023】
種子材料
本発明によるカカオ組成物は、種子材料を、カカオ組成物の総重量に対して、好ましくは5~30重量%、より好ましくは10~20重量%、より好ましくは12~17重量%の量で含む。
【0024】
本明細書で使用される場合、「種子材料」という用語は、カカオ豆以外の1種以上の植物種子から生じる又はそれに由来する材料(又は物質)を指す(カカオ固形分は、上記のカカオ組成物中に本質的に存在する)。
【0025】
種子材料は、脱脂種子材料であってもよい。本明細書で使用される場合、「脱脂」という用語は、脂肪含有量が低減された種子材料を指し、したがって、完全に脱脂された種子材料及び部分的に脱脂された種子材料の両方を含む。脱脂種子材料は、例えば、種子を磨砕及び圧搾することによって、又は種子から油を除去若しくは抽出するための当業者に既知の任意の他の方法によって得ることができる。好ましくは、種子材料の脂肪含有量は、種子材料の元の脂肪含有量に対して、少なくとも20重量%、より好ましくは少なくとも30重量%、より好ましくは少なくとも40重量%、より好ましくは少なくとも50重量%、より好ましくは少なくとも60重量%、より好ましくは少なくとも70重量%、より好ましくは少なくとも80重量%、より好ましくは少なくとも90重量%、より好ましくは少なくとも95重量%低減されている。したがって、脱脂種子材料は、好ましくは、総種子材料重量に対して50重量%未満の脂肪を含む。より好ましくは、それは40重量%未満、より好ましくは30重量%未満、より好ましくは20重量%未満の脂肪を含む。例えば、それは、0~20重量%、好ましくは2~20重量%、より好ましくは5~20重量%の脂肪を含み得る。本発明の一態様では、種子材料は、5~18重量%、好ましくは8~15重量%、より好ましくは10~12重量%の脂肪を含む。
【0026】
種子材料は、好ましくは高いタンパク質含有量を有する。有利には、それは、総種子材料重量に対して、少なくとも20重量%のタンパク質を含む。より有利には、それは、少なくとも30重量%、より有利には少なくとも40重量%のタンパク質を含む。例えば、それは、40~80重量%のタンパク質を含み得る。好ましくは、それは、40~70重量%、より好ましくは40~60重量%、より好ましくは40~50重量%、より好ましくは40~45重量%のタンパク質を含む。高タンパク質種子材料は、高タンパク質含有量種子の選択を通して得ることができる。
【0027】
好ましくは、種子材料は粉末の形態である。したがって、単に一例として、種子材料は、全種子、種子画分、種子ミール、又は脱脂種子ミールを磨砕又は粉砕することによって得ることができる。本明細書で使用される場合、「粉末」という用語は、振動又は傾斜させた場合に自由に流動し得る粒子から構成される実質的に乾燥したバルク固体を指す。種子粉末は、好ましくは、20重量%未満、より好ましくは15重量%未満、より好ましくは10重量%未満の水分含有量(moisture content)を有する。
【0028】
本発明に従って使用される種子材料は、好ましくは、1mm未満、より好ましくは800μm(マイクロメートル)未満、より好ましくは500μm未満、より好ましくは300μm未満の平均粒子サイズを有する粉末の形態である。最終カカオ組成物においては、しかしながら、その粒子サイズは、好ましくは、加工を通して、50μm以下、より好ましくは40μm以下、より好ましくは30μm以下、より好ましくは20μm以下に低減されている。例えば、完成したカカオ組成物中の種子材料の平均粒子サイズは、好ましくは10~30μmである。本明細書で使用される場合、「平均粒子サイズ」は、D50粒子サイズ値を指す。
【0029】
種子材料は、全種子から得ることができるが、好ましくは外皮を除去した種子又は種子の仁からである。したがって、有利には、種子材料は、仁粉末であり、より有利には脱脂仁粉末である。
【0030】
種子材料は、穀類(トウモロコシ若しくはオート麦など)、擬穀類(ゴマ、アマランス、キノア、チーア若しくは亜麻など)、豆類(ピーナツ、大豆若しくはエンドウなど)、ナッツ類(アーモンド、カシュー若しくはヘーゼルナッツなど)、裸子植物(パインナッツなど)、又は他の植物(ヒマワリ若しくはカボチャなど)からの種子を含む任意の食用種子から得ることができる。好ましくは、種子材料は、ヒマワリ種子材料、より好ましくはヒマワリ種子粉末、より好ましくはヒマワリ仁粉末、より好ましくは脱脂ヒマワリ仁粉末である。
【0031】
有利には、種子材料は、20重量%未満、好ましくは5~15重量%の脂肪含有量、及び少なくとも30重量%、好ましくは40~60重量%のタンパク質含有量を有する脱脂ヒマワリ仁粉末である。
【0032】
本発明による使用に適した典型的な脱脂ヒマワリ仁粉末は、20%未満、好ましくは10~15%の脂肪含有量と、少なくとも30重量%、好ましくは40~50重量%のタンパク質含有量と、少なくとも10重量%、好ましくは15~25重量%の繊維含有量と、5~20重量%、好ましくは10~15重量%の炭水化物含有量と、を有する。
【0033】
種子材料は、当該技術分野で既知の任意の方法に従って加工することができる。例えば、焙煎及び/又は低温殺菌することができる。好ましくは、種子材料は、低温殺菌される。低温殺菌は、病原体を除去し、食品の貯蔵寿命を延ばすために使用される熱処理であり、典型的には、通常100℃未満の、穏やかな加熱で行われる。低温殺菌は、当該技術分野で既知の任意の方法を使用して行うこともできる。それは、全種子又は種子粉末(すなわち、磨砕前又は磨砕後)に対して行われ得る。種子材料が脱脂される場合、低温殺菌は、脱脂前又は脱脂後に行われ得る。好ましくは、種子材料は、低温殺菌脱脂ヒマワリ仁粉末である。
【0034】
好ましくは、種子材料は、ヒマワリ種子材料、より好ましくはヒマワリ種子粉末、より好ましくはヒマワリ仁粉末、より好ましくは脱脂ヒマワリ仁粉末、より好ましくは低温殺菌脱脂ヒマワリ仁粉末からなり、これらは全て上記の通りである。したがって、本発明のカカオ組成物は、有利には、上記のヒマワリ種子材料以外の種子粉末、種子ミール又は種子粉を(カカオ固形分と一緒に)含まない。
【0035】
乳製品成分
有利なことに、本明細書に記載される種子材料は、乳固形分を完全に又は部分的に置き換えるために使用され得ることが見出された。したがって、本発明は、カカオ組成物中の乳固形分を完全に又は部分的に置き換えるための増量剤及び/又は食感改良成分としてのこれらの種子材料の使用を提供する。
【0036】
したがって、本発明のカカオ組成物は、低減された乳製品含有量を有し得る。例えば、それらは、有利には、5重量%未満の量で、好ましくは4重量%未満の量で、より好ましくは3重量%未満の量で、より好ましくは2重量%未満の量で、より好ましくは1重量%未満の量で、乳固形分を含む。一態様では、本発明のカカオ組成物は、乳固形分を実質的に含まない。
【0037】
本明細書で使用される場合、「乳固形分」は、全乳、半若しくは完全脱脂乳、クリームを部分的若しくは完全に脱水することによって、又は部分的若しくは完全に脱水されたクリーム、バター若しくは乳脂肪、並びに乳脂肪画分、ラクトース、乳清、乳清粉末、カゼイン塩、及び/又は乳加水分解物を含むがこれらに限定されないそれらの任意の誘導体から、得られる成分を指す。本明細書で使用される場合、「乳(milk)」は、動物性及び特に哺乳動物由来(例えば、ウシ、スイギュウ、ヒツジ、及び/又はヤギのミルク)の乳を指す。
【0038】
有利には、本発明のカカオ組成物は、乳製品ベースのカカオ組成物であり得る。乳製品ベースのカカオ組成物は、好ましくは、少なくとも5重量%、より好ましくは少なくとも10重量%、より好ましくは少なくとも15重量%、より好ましくは少なくとも18重量%、より好ましくは少なくとも20重量%の乳固形分を含む。本発明のカカオ組成物が乳製品ベースのカカオ組成物である場合、それは好ましくは低減された糖含有量を有する。
【0039】
甘味料
本明細書に記載される種子材料は、糖を完全に又は部分的に置き換えるために使用され得ることが見出された。したがって、本発明は、カカオ組成物中の糖を完全に又は部分的に置き換えるための増量剤及び/又は食感改良成分としてのこれらの種子材料の使用を提供する。
【0040】
したがって、本発明のカカオ組成物は、同等の従来的に製造された組成物よりも低い全糖の含有量を有し得る。本明細書で使用される場合、「全糖(total sugars)」及び「全糖含有量(total sugar content)」という用語は、組成物中の全ての糖の合計を指す。これは、チョコレートに意図的に添加される糖、及びチョコレート中の他の成分に固有の糖を含み得る。全糖は、減糖チョコレートレシピにおいて時々使用され得るポリオール又は高甘味度甘味料を含まない。
【0041】
本発明に従って使用されてもよく、カカオ組成物の全糖含有量を構成してもよい糖の非限定的な例としては、グルコース、デキストロース、フルクトース、アルロース、又はガラクトースなどの単糖類、スクロース、ラクトース、又はマルトースなどの二糖類、並びにハチミツ、アガベシロップ、メープルシロップ、及びそれらの2つ以上の組み合わせが挙げられる。
【0042】
本明細書で使用される場合、「スクロース」という用語は、これらに限定されないが、標準(例えば、粒状又は結晶性)のテーブルシュガー、粉糖(powdered sugar)、上白糖、アイシングシュガー(icing sugar)、シュガーシロップ、シルクシュガー、未精製糖、未加工サトウキビ、及び糖蜜を含む、様々な形態のスクロースを含む。
【0043】
減糖チョコレートの法的基準を満たすために、本発明のカカオ組成物中の全糖の含有量は、好ましくは、同等の市販のチョコレートの含有量よりも少なくとも30%少ない。
【0044】
一態様では、本発明のカカオ組成物は、45重量%以下、好ましくは40重量%以下、より好ましくは36重量%以下の全糖含有量を有する。これらの組成物は、有利には、乳製品ベースのカカオ組成物(例えば、ミルクチョコレート)及びそれらの等価物(上記の乳固形分が低減された組成物を含む)である。
【0045】
別の態様では、本発明のカカオ組成物は、35重量%以下、好ましくは30重量%以下、より好ましくは27重量%以下の全糖含有量を有する。これらの組成物は、有利にはダークチョコレートタイプの組成物である。
【0046】
あるいは、本発明のカカオ組成物は、非減糖組成物であってもよい。その場合、カカオ組成物は、有利には、少なくとも20重量%、より好ましくは少なくとも25重量%、より好ましくは少なくとも30重量%、より好ましくは少なくとも35重量%、より好ましくは少なくとも40重量%の全糖含有量、好ましくはスクロース含有量を有する。例えば、全糖又はスクロース含有量は、30~55重量%、好ましくは35~50重量%、より好ましくは40~45重量%であり得る。
【0047】
好ましくは、カカオ組成物は、30重量%超の量で、より好ましくは20重量%超の量で、より好ましくは10重量%超の量で、より好ましくは5重量%超の量では、マルチトール、ラクチトール、及び/又はエリスリトールを含まない。有利には、これは、マルチトール、ラクチトール、及び/又はエリスリトールを実質的に含有しない。一態様では、これは、いかなる糖アルコールも含まない。別の態様では、組成物は、いかなる高甘味度甘味料も含まない。別の態様では、これは、いかなるノンカロリー又は低カロリー甘味料も含まない。
【0048】
本発明の一態様では、カカオ組成物は、少なくとも30重量%のスクロース、少なくとも30重量%のカカオ固形分、及び5重量%未満の乳固形分を含むチョコレート組成物であり、5~30重量%の種子材料を含むことを特徴とするチョコレート組成物である。
【0049】
本発明のより好ましい態様では、カカオ組成物は、少なくとも40重量%のスクロース、少なくとも30重量%のカカオ固形分、及び2重量%未満の乳固形分を含むチョコレート組成物であり、5~30重量%のヒマワリ種子材料を含むことを特徴とするチョコレート組成物である。
【0050】
本発明の好ましい態様では、カカオ組成物は、少なくとも30重量%のスクロース、少なくとも30重量%のカカオ固形分、及び5重量%未満の乳固形分を含むチョコレート組成物であり、5~30重量%のヒマワリ種子材料、好ましくは5~30重量%のヒマワリ種子粉末、より好ましくは5~30重量%のヒマワリ仁粉末、より好ましくは5~30重量%の脱脂ヒマワリ仁粉末を含むことを特徴とするチョコレート組成物である。
【0051】
本発明のより好ましい態様では、カカオ組成物は、少なくとも40重量%のスクロース、少なくとも40重量%のカカオ固形分を含むチョコレート組成物であり、実質的に乳固形分を含まず、かつ5~30重量%のヒマワリ種子材料、好ましくは5~30重量%のヒマワリ種子粉末、より好ましくは5~30重量%のヒマワリ仁粉末、より好ましくは5~30重量%の脱脂ヒマワリ仁粉末を含むことを特徴とするチョコレート組成物である。
【0052】
他の成分
本発明のカカオ組成物は、1つ以上の追加の増量剤、可塑化成分、乳化剤及び/又は香味料などの他の成分を含んでもよい。
【0053】
好適な増量剤は、オリゴ糖(フルクトオリゴ糖及び/又はガラクトオリゴ糖など)、多糖(デンプン、並びにマルトデキストリン、デキストリン及びグルコースシロップを含むデンプン誘導体など;フルクタン;イヌリン;ポリデキストロース;ペクチンなど)、不溶性の火(難消化性デンプン、穀類繊維、穀物繊維、果実繊維、及び豆類繊維など)、並びにこれらの2つ以上の混合物からなる群から選択することができる。
【0054】
好ましくは、使用される場合、増量成分は、植物繊維、デキストリン、マルトデキストリン、ポリデキストロース、イヌリン、脱水穀物シロップ(乾燥米シロップなど)、ペクチン、及びそれらの2つ以上の混合物からなる群から選択される。
【0055】
増量剤は、最大20重量%までの量で本発明のカカオ組成物に添加されてもよい。好ましくは、それらは、最大15重量%までの量で、より好ましくは最大10重量%までの量で、添加される。例えば、それらは、0.5~20重量%、好ましくは1~15重量%、より好ましくは2~12重量%、より好ましくは3~10重量%の量で添加されてもよい。
【0056】
可塑化成分を本発明のカカオ組成物に添加して、その脆性を低減させ、及び/又はよりクリーミーな口当たりを与えることができる。
【0057】
好適な可塑化成分は、植物性の脂肪及び油、特にカカオバターの溶融点より低い溶融点を有するもの(ヤシ油、パーム核油、シアバター、及びアーモンド又はヘーゼルナッツ油などのナッツ油など)、ランダム化植物性脂肪(完全又は部分的に化学的及び/又は酵素的にエステル交換された脂肪など)、植物性脂肪画分(特に低溶融点画分)、いわゆる「ソフト」カカオバター(ブラジルカカオ豆品種から得られるものなど)、並びにそれらの2つ以上の組み合わせからなる群から選択されてもよい。好適な可塑化成分は、好ましくは水素化脂肪を含まない。
【0058】
有利には、使用される場合、可塑化成分は、ランダム化カカオバター、カカオバター画分、ソフトカカオバター、及びそれらの2つ以上の混合物からなる群から選択される。
【0059】
可塑化成分は、乳化剤を除いて、最大10重量%までの量で本発明のカカオ組成物に添加されてもよい。好ましくは、それらは、0.5~10重量%の量で、より好ましくは1~9重量%の量で、より好ましくは1.5~8重量%の量で、より好ましくは2~7重量%の量で、より好ましくは3~6重量%の量で、より好ましくは4~5重量%の量で添加される。これらの量は、可塑剤成分とは別の成分と考えられる任意の乳化剤を除外する。
【0060】
本発明における使用に好適な乳化剤は、当業者に周知であり、これらとしては、単なる例として、レシチン、PGPR、及び/又はそれらのバリアント、例えば、加水分解若しくはPC富化(又はホスファチジルコリン富化)レシチンが挙げられ得る。使用される場合、乳化剤は、典型的には、1重量%未満の量、好ましくは0.7重量%未満の量、より好ましくは0.5重量%未満の量で使用される。
【0061】
好適な香味料としては、これらに限定されないが、バニラ香味、バニリン、キャラメル香味などが挙げられ得る。
【0062】
有利には、本発明によるカカオ組成物は、ミルクチョコレートなどの乳含有カカオ組成物と非常に類似した特性を示す。カカオ由来成分とともに、乳固形分は、従来的なチョコレート組成物の最も重要な特性のうちのいくつかに関与する。これらの特性としては、それらの官能的品質、例えば、クリーミーな口当たり及びスナップ性、並びにそれらの溶融挙動が挙げられる。本カカオ組成物は、砕けたり噛んだりした場合に、脆くなることなく、望ましいスナッピー効果(snappy effect)を維持することが見出された。それらはまた、乳ベースのカカオ組成物、特にミルクチョコレートに匹敵するクリーミーな口当たりを有することが見出された。
【0063】
それらは、当業者に既知のチョコレート又はカカオベースの菓子組成物を作製するための任意の従来の方法によって製造することができる。本発明によるカカオ組成物のカカオ固形分及び他の成分は、当該技術分野の当業者に既知の任意の方法を使用して、チョコレート又はカカオベースの菓子組成物を製造するのと実質的に同じ方式で混合、精製、及びコンチングされる。したがって、本発明は、(a)本明細書に記載の成分を混合するステップと、(b)ステップaの混合物を精製するステップと、(c)ステップbの精製された混合物をコンチングするステップと、(d)任意で、ステップcのコンチングされた混合物をテンパリングするステップと、(e)完成したカカオ組成物を回収するステップとを含む、カカオ組成物を製造するプロセスを含む。一度カカオ組成物が加工されると、これは、当該技術分野で既知であるように、金型内に配置され得るか、あるいは食品中及び/又は食品上に適用され得る。
【0064】
食品
したがって、本発明は、本明細書に記載されるようなカカオ組成物を含む食品に更に関する。これらの食品は、好ましくはベーカリー製品及び/又は菓子製品であるが、他の乳製品不含食品又は乳製品低減食品(「乳製品代替物」製品と称される)も含み得る。
【0065】
「ベーカリー製品」は、穀粉を使用して生地又はバッター液を生成する、あらゆる食品として定義することができる。ベーカリー製品の例は、これらに限定されないが、ベーグル、バン、ロールパン、ビスケット、及びローフブレッドなどのパン;クッキー;ブラウニー;マフィン;ケーキ、チーズケーキ、及びパイなどのデザート;スナックケーキ;ドーナツ、デニッシュ、スイートロール、シナモンロール、及びコーヒーケーキなどの甘味品である。
【0066】
「菓子製品」は、糖が豊富な食料品である。菓子製品は、とりわけ、キャンディ、砂糖漬けナッツ、キャンディバー、キャラメル、チョコレート、チョコレートバー、チョコレート飴、中空形状又は任意の所望の形状のチョコレート、フィリング入りチョコレートバー、プラリネ、トリュフ、シリアルバー、チューインガム、パスティヤージュ、及び主に糖で作製される他の菓子であり得る。
【0067】
「乳製品代替物」製品は、従来的に乳に由来する製品の代替物であり、これらに限定されないが、例えば、非乳製品飲料;アイスクリームのような冷凍デザート;及び他の冷蔵デザート;ヨーグルト、クリーム、及びフレッシュチーズ又はクリームチーズなどの発酵乳製品の非乳製品代替物;並びにカスタードベースのデザートの乳製品代替物である。
【0068】
本発明のカカオ組成物は、任意の形態で、例えば、最終製品のレシピに溶融及び混合されて;フィリング、含有物、トッピング、若しくはコーティングの形態で;他の別個の原料、例えば、ナッツ、果実、乾燥果実、ビスケット若しくはビスケット片、キャンディ片若しくは実体などの周りに成形されて、又はそれらの2つ以上の任意の組み合わせで、食品に使用され得る。
【0069】
したがって、本発明はまた、フィリング、含有物、トッピング、及び/又はコーティングとして本発明のチョコレート組成物を含むベーカリー製品、菓子製品、及び冷凍又は冷蔵デザート、並びに1つ以上の別個の成分と一緒に本発明のチョコレート組成物を含む菓子製品に関する。
【実施例】
【0070】
本発明によるカカオ組成物の2つの試料を、参照ミルクチョコレート組成物とともに、以下の表1に示すレシピを使用して調製した。
【0071】
成分をHobartミキサー中で45~50℃の温度で10分間一緒に混合した。次いで、18~24μmの低減された粒子サイズを有する精製フレーク(refiner flakes)を製造するために、得られたチョコレートペーストをBuhler3ロール精製機で精製した。
【0072】
精製フレークを、ローター速度1000rpmで時計回りに回転する5kgバッチBuhler Elkolinoモノシャフトコンチェ中で、65℃の温度で6時間、乾式コンチングした。次いで、混合物を45℃の温度で反時計回りに1500rpmで30分間湿式コンチングした。
【0073】
次いで、得られたチョコレート塊を、コンチから取り出し、棒状に成形する前にハンドテンパリングを行った。
【0074】
次いで、得られたチョコレートのうちのいくつかを、以下に記載の方法を使用して分析し、粘度、降伏値、純度、及び色を決定した。結果を表1に示す。
【0075】
分析方法
粒子サイズ
少量の完成したチョコレートを、Mitutoyoマイクロメータ(0~25mm)の測定面上に配置する。圧搾することにより、最大の非圧縮性粒子のサイズの指標を測定することができる。
【0076】
色
色値は、HunterのL、a、及びb値として表し、L値は、製品の「明度」(黒/白スケール)を表し、「a」値は、緑/赤の量を表し、「b」値は、黄/青の量を表す。「a」/「b」の割合は、製品の赤みを表す。以下の手順を使用して、チョコレートの色値を決定する。
【0077】
50℃の少量のチョコレートを、光学的に中性のペトリ皿(直径55mm)の一番上まで注ぐ。次いで、ペトリ皿を、較正された分光比色計Minolta CM2500D(Illuminant D65、10°オブザーバ、HunterのL、a、及びb値での読み取り値、ソフトウェアMinolta SPECTRA MAGICバージョン1.00)上に配置する。次いで、チョコレート試料のL、a、及びb値を測定し、製造業者の指示に従って記録する。
【0078】
降伏値及び粘度
チョコレートの流動挙動は、レオメータRM200(Lamy Rheology Instruments、Champagne au Mont d’Or,France)を使用して、ICA法46-2000-カカオ及びチョコレート製品の粘度(Viscosity of Cocoa and Chocolate Products)により測定する。これは、速度範囲が0.3~1500rpm及びトルクが0.05~30mNmである、剪断速度を与えられたレオメータである。測定セルの温度は40℃に保つ。少量のチョコレートをチューブに入れる。チョコレートを5s-1で10分間事前剪断した後、剪断応力を測定しながら剪断速度を増減させることによって、段階的流動手順を適用する。Cassonモデルを使用して、38%未満の脂肪含有量を有するレシピについてのCasson降伏応力及びCasson粘度を定義する。38%超の脂肪含有量を有するレシピについては、多項式モデルを使用する。
【0079】
【0080】
結果
本発明に従って調製された組成物は、望ましい味、良好なスナップ及びクリーミーな口当たりとともに、従来のミルクチョコレート製品と同様の特性を有していた。
【国際調査報告】