(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-14
(54)【発明の名称】制御された医用治療デバイスの使用を検知するためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
A61M 11/00 20060101AFI20240507BHJP
【FI】
A61M11/00 D
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023567993
(86)(22)【出願日】2021-05-06
(85)【翻訳文提出日】2023-12-27
(86)【国際出願番号】 US2021031014
(87)【国際公開番号】W WO2022235266
(87)【国際公開日】2022-11-10
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522308082
【氏名又は名称】10エックスベタ
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100221327
【氏名又は名称】大川 亮
(72)【発明者】
【氏名】ボタ,マルセル
(72)【発明者】
【氏名】クルーガー,フレデリック,ザカリアス
(72)【発明者】
【氏名】ブレデンカンプ,ヨハネス,ミシェル
(57)【要約】
鼻用噴霧デバイスが、センサを有するハウジングと、グラフィック画像とのハウジングインタフェースを有するノズルとを備えることができる。センサは、ノズルがハウジングに対し動く際、例えば鼻用噴霧デバイスからの薬品の投与中、グラフィック画像の動きを検知するように構成することができる。センサは、グラフィック画像からの赤外線反射率を検知する赤外線近接センサを含むことができる。赤外線近接センサを用いて、ハウジング内のバイアルの表面に対する距離を測定し、それによりハウジングへのバイアルの挿入を検出することもできる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
鼻用噴霧デバイスであって、
円錐ノズル部分と、バイアルに取り付けるように構成されたハウジングインタフェースと、前記ハウジングインタフェースの外面に位置決めされたグラフィック画像とを備えるノズルと、
前記バイアルを受けるような大きさのチャンバと、前記チャンバと連通した開口部と、センサとを備えるハウジングと、
を備え、
前記ハウジングインタフェースは前記開口部内に位置決めされ、前記ハウジングに対し前記ノズルが動く際に前記開口部を通って摺動するように構成され、
前記センサは、前記ハウジングに対し前記ノズルが動く際に前記グラフィック画像の動きを検出するように構成される、鼻用噴霧デバイス。
【請求項2】
前記グラフィック画像は、前記ハウジングインタフェースの前記外面に取り付けられたラベル上のプリント画像を含む、請求項1に記載の鼻用噴霧デバイス。
【請求項3】
前記グラフィック画像は、前記ハウジングインタフェースの前記外面に直接施されたプリントを含む、請求項1または2に記載の鼻用噴霧デバイス。
【請求項4】
前記グラフィック画像は、前記ハウジングインタフェースの大部分と別個の材料組成を含み、オーバーモールド成形され、および/または前記ハウジングインタフェースとコモールド成形される、請求項1~3のいずれかに記載の鼻用噴霧デバイス。
【請求項5】
前記グラフィック画像は、赤外光反射との高コントラストを含む、請求項1~4のいずれかに記載の鼻用噴霧デバイス。
【請求項6】
前記グラフィック画像は、インタリーブされた暗色の三角形および明色の三角形を含み、前記暗色の三角形の基部が前記グラフィック画像の第1の端部上に位置合わせされ、前記明色の三角形の基部が前記グラフィック画像の第2の端部上に位置合わせされ、前記グラフィック画像の前記第1の端部および前記第2の端部が長手方向に位置合わせされるようになっている、請求項1~5のいずれかに記載の鼻用噴霧デバイス。
【請求項7】
前記センサは、以前のサンプルとの比較を要することなく、単一のサンプルにおいて前記ハウジングに対する前記ノズルの位置を測定するように構成される、請求項1~6のいずれかに記載の鼻用噴霧デバイス。
【請求項8】
前記センサは、約83マイクロメートルの測定誤差で、前記ハウジングに対する前記ノズルの位置を測定するように構成される、請求項1~7のいずれかに記載の鼻用噴霧デバイス。
【請求項9】
前記センサは、ミリメートル(mm)あたり約4カウント~mmあたり約815カウントの測定分解能で構成される、請求項1~8のいずれかに記載の鼻用噴霧デバイス。
【請求項10】
前記センサは、mmあたり約500カウントの測定分解能で構成される、請求項9に記載の鼻用噴霧デバイス。
【請求項11】
前記センサは、mmあたり約500カウントの測定分解能で約47マイクロワットの平均電力において毎秒10サンプルで連続動作するように構成される、請求項10に記載の鼻用噴霧デバイス。
【請求項12】
前記ハウジングは、前記センサが取り付けられるプリント回路基板を更に備え、
前記プリント回路基板のメインボードは、前記ハウジングインタフェースから約2.5ミリメートルの距離に位置決めされる、請求項1~11のいずれかに記載の鼻用噴霧デバイス。
【請求項13】
前記センサは、前記チャンバ内の前記バイアルの存在を検出するように更に構成され、
前記センサは、前記チャンバ内への前記バイアルの挿入に応答した自動較正のために更に構成される、請求項1~12のいずれかに記載の鼻用噴霧デバイス。
【請求項14】
前記センサは、前記ハウジングに対し前記ノズルが動く際に前記グラフィック画像からの赤外線(IR)反射率の変化を検知するように構成されたIR近接センサを含み、
前記センサは、広角IR発光ダイオード(LED)を含む、請求項1~13のいずれかに記載の鼻用噴霧デバイス。
【請求項15】
前記グラフィック画像は、紙上にレーザプリントされたインクおよび/またはプラスチック上のポリ塩化ビニルを含む、請求項14に記載の鼻用噴霧デバイス。
【請求項16】
前記IR近接センサは、距離検知により、前記チャンバ内の前記バイアルの存在を検知するように構成される、請求項14または15に記載の鼻用噴霧デバイス。
【請求項17】
前記センサは可視光センサおよび可視光源を含む、請求項1~16のいずれかに記載の鼻用噴霧デバイス。
【請求項18】
前記センサは、前記グラフィック画像のライン走査を行うように構成される、請求項1~17のいずれかに記載の鼻用噴霧デバイス。
【請求項19】
鼻用噴霧デバイスであって、
円錐ノズル部分と、バイアルに取り付けるように構成されたハウジングインタフェースとを備えるノズルと、
前記バイアルを受けるような大きさのチャンバと、前記チャンバと連通した開口部と、センサとを備えるハウジングと、
を備え、
前記ハウジングインタフェースは前記開口部内に位置決めされ、前記ハウジングに対する前記ノズルが動く際に前記開口部を通って摺動するように構成され、
前記センサは、前記ハウジングに対し前記ノズルが動く際に前記ハウジングインタフェースの動きを検出するように構成され、
前記センサは、磁場センサ、容量センサ、抵抗センサ、マイクロスイッチ、運動追跡集積回路およびカラーセンサからなる群のうちの少なくとも1つを含む、鼻用噴霧デバイス。
【請求項20】
赤外線(IR)回転センサアセンブリであって、
先細りの弓状の明色バンドとインタリーブされた先細りの弓状の暗色バンドを含む画像であって、前記先細りの弓状の暗色バンドの各々は低IR反射率を有し、前記先細りの弓状の明色バンドの各々は高IR反射率を有する、画像と、
前記画像に対し前記画像の中心点の周りを回転するように構成されたIR検出器であって、前記IR検出器が前記中心点の周りを回転するとき、前記IR検出器は、前記先細りの弓状の暗色バンドおよび前記先細りの弓状の明色バンドと位置合わせされたままであるようになっている、IR検出器と、
を備える、IR回転センサアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は薬剤の分配(dispensing)を制御するためのシステムおよび方法に関し、より詳細には、ウェブプラットフォームに連結された時間制御デバイスを介して薬剤を分配するためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
鼻腔内噴霧装置のような従来の個人用薬剤分配デバイスは、霧化薬剤を送達するのに効果的に使用されることが多い。従来の鼻腔内噴霧装置は、液体がノズルを通って供給オリフィスから推進されるときに液体を霧化する細長いノズルを備えたポンプからなる。結果として生じる霧は、吸入され、組織によって効率的に吸収され、それによって効果的な処置を提供する。
【0003】
鼻腔内噴霧デバイスは、アレルギー、疼痛緩和および抑うつに及ぶ症状のための薬剤を提供するために利用されてきた。疼痛緩和および抑うつのような状態については、これらの状態を治療する薬剤の嗜癖性のために、装置内に提供される薬剤に関連する乱用の危険性が高い。例えば、ケタミンは、双極性うつ病等の重篤な状態の治療において大きな有効性を示している。しかしながら、ケタミン等の薬剤の嗜癖性を考慮すると、ヘルスケア提供者は、家庭での使用のためにそれらを投与するか、またはそうでなければ処方することをためらう。ヘルスケア提供者は、薬剤を乱用または誤用している患者、薬剤を乱用している患者以外の人、および薬剤の窃盗および/または販売に関心があることが多い。
【0004】
乱用および誤用は、薬剤の嗜癖性に起因するだけでなく、患者の状態の緩和を送達する際の薬剤の効力にも起因する。患者は、薬剤が提供する軽減のため、処方された投薬量を超えて使用するように駆り立てられ得る。結果として、そのような薬剤を必要としている患者は、ヘルスケア提供者への訪問毎に少量の投薬量または供給を受けるのみである場合がある。結果として、一部の患者は、週に複数回等、ヘルスケア提供者を頻繁に訪ねなければならない。ヘルスケア提供者への多くの訪問が必要であることは、不便であるばかりでなく、負担の多い交通費を負担すること、または長時間をかけて雇用地から離れることができない人々にとって、薬剤へのアクセスに対する障壁として働くこともあり得る。
【発明の概要】
【0005】
ロック式分配デバイスを用いて薬剤を分配するためのシステムおよび方法が提供される。分配デバイスは、医薬品バイアルの周りに外骨格を形成するように成形することができる。分配デバイスは、バイアルの取外しおよび/または投薬量の投与を防止するための1つ以上のロック機構を備えることができる。システムは、分配デバイスと、ロック機構を係合および/または脱係合するための分配デバイスのパラメータ(例えば、タイムアウト、不正変更検出、不適切な利用、生体入力、ユーザ認証)を構成するように分配デバイスにリンクさせることができるコンピューティングデバイスとを備えることができる。
【0006】
分配デバイスは、バイアルの周りに外骨格を形成するように互いに摺動可能に係合することができる一体のまたは別個の構成要素とすることができるノズルおよびハウジングを備えることができる。ノズルは、ノズルをハウジングに摺動可能に係合するように構成されたハウジングインタフェースを備えることができる。
【0007】
分配デバイスは、分配デバイスからのバイアルの取外しを防止するようにロックすることができ、分配デバイスの取外しを可能にするようにロック解除することができるバイアルロックを備えることができる。いくつかの例では、バイアルロックは、ハウジングに対するノズルの移動を制限する(例えば、ノズルの完全に伸張した位置および/またはノズルの完全に押し下げられた位置を設定する)ための係止部を更に備えることができる。ノズルがハウジングと別個である例では、バイアルロックは更に、ロック時に、ハウジングからのノズルの分離を阻止することができ、ロック解除時に、ハウジングからのノズルの分離を可能にすることができる。
【0008】
分配デバイスは、ハウジングに対するノズルの移動を防止し、これによって薬剤の投与を防止するようにロックすることができる投薬ロックを備えることができる。投薬ロックは、ノズルがハウジング内に押し下げられ、および/またはハウジングから出て延びることを可能にし、それによって薬剤の投与を可能にするようにロック解除することができる。ノズルがハウジングと別個である例では、投薬ロックは、ロック時に、ハウジングからのノズルの分離、および/またはデバイスからのバイアルの取外しを更に阻止することができる。
【0009】
分配デバイスは、ノズルの部分的押し下げを検出するように構成されたセンサと、センサからの信号に応じて投薬ロックをロックするように構成された電気回路とを備えることができる。センサは、ハウジングに対するノズルの動きを見るように位置決めされた光センサを備えることができる。
【0010】
ノズルがハウジングから切り離し可能な例では、ノズルは、ハウジングなしで、バイアルと共に薬剤を送達するように機能することができる。ハウジングは、投薬ロックおよびバイアルロックを備えることができる。ノズルは、投薬ロックおよび/またはバイアルロックを係合およびロックすることができる機能を備えることができる。ハウジングは、ノズルの動きを検出するためのセンサを備えることができる。ノズルは、ハウジングのセンサによって検出可能な特徴をノズル上に備えることができる。センサおよびノズル上の特徴は、デバイスがノズルの部分的押し下げを検出することを可能にするように位置決めおよび他の形で構成することができる。
【0011】
本発明は、添付の図面と併せて以下の詳細な説明を読むことによって、より完全に理解および認識されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明によるシステムの実施形態の斜視図である。
【
図2】線Aに沿って取得された、ロック解除位置にあるシステムの実施形態の概略断面図である。
【
図3A】線Aに沿って取得された、ロック位置にあるシステムの実施形態の概略断面図である。
【
図3B】線Bに沿って取得された、ロック位置にあるシステムの実施形態の概略断面図である。
【
図4】本発明による方法の実施形態を示す図である。
【
図5】本発明による方法の実施形態を示す図である。
【
図6】本発明による方法の実施形態を示す図である。
【
図7A】ロック位置にあるモータ組立体の実施形態の上面斜視図である。
【
図7B】ロック解除位置にあるモータ組立体の実施形態の側面斜視図である。
【
図7C】ロック解除位置にあるモータ組立体の実施形態の上面図である。
【
図8A】モータ組立体を有するハウジングの第1の部分および第2の部分の実施形態の側面斜視図である。
【
図8B】ロック解除位置にあるハウジングの第1の部分および第2の部分の実施形態の別の側面斜視図である。
【
図8C】ロック位置にあるハウジングの第1の部分および第2の部分の実施形態の上面斜視図である。
【
図9】本発明による分配デバイスの別の実施形態の側面図である。
【
図10】本発明によるノズルおよびバイアルの側面図である。
【
図11】本発明による、
図10に示すノズルおよびバイアルの直交側面図である。
【
図12】本発明によるバイアル、保持リングおよびばねの側面図である。
【
図13】本発明による、投薬ロックおよびバイアルロックを可視化するために構成要素が除去された、
図9に示し、方向を合わされた分配デバイスの断面図である。
【
図14A】本発明によるハウジングの上面図である。
【
図14B】本発明による、
図14Aにおいて方向を合わされたハウジングの断面図である。
【
図15】本発明による、
図9に示す分配デバイスの展開図である。
【
図16】本発明による、
図9に示す分配デバイスのノズルの代替的なハンドル部分の図である。
【
図17】本発明による分配デバイスの別の実施形態の展開図である。
【
図18】Aは、本発明による、面Aに沿って切断された
図17に示す分配デバイスの断面図であり、Bは、本発明による、面Bに沿って切断された
図17に示す分配デバイスの断面図である。
【
図19】本発明によるシステムのブロック図である。
【
図20A】本発明による代替的なハンドル部分およびバイアルの側面図である。
【
図20B】本発明による代替的な回路基板を有する
図20Aにおけるハンドル部分およびバイアルの直交側面図である。
【
図21】本発明による回転センサに反射率を提供するように構成された画像の図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図面を参照すると、本発明は、システム、方法、および/またはコンピュータプログラム製品であってもよい。コンピュータプログラム製品は、プロセッサに本発明の態様を実行させるためのコンピュータ可読プログラム命令を有するコンピュータ可読記憶媒体を含むことができる。
【0014】
コンピュータ可読記憶媒体は、命令実行デバイスによって使用するための命令を保持し、記憶することができる有形デバイスとすることができる。コンピュータ可読記憶媒体は、例えば、限定ではないが、電子ストレージデバイス、磁気ストレージデバイス、光ストレージデバイス、電磁ストレージデバイス、半導体ストレージデバイス、または上記の任意の適切な組合せとすることができる。コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な例の非網羅的なリストは、ポータブルコンピュータディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EPROMまたはフラッシュメモリ)、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)、ポータブルコンパクトディスクリードオンリメモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、メモリスティック、フロッピーディスク、命令が記録された溝内のパンチカードまたは隆起構造等の機械的に符号化されたデバイス、および上記の任意の適切な組合せを含む。本明細書において用いられるとき、コンピュータ可読記憶媒体は、電波もしくは他の自由に伝播する電磁波、導波路もしくは他の伝送媒体を通じて伝播する電磁波(例えば、光ファイバケーブルを通る光パルス)、または配線を介して送信される電気信号等の、一過性の信号自体であると解釈されるべきではない。
【0015】
本明細書に記載のコンピュータ可読プログラム命令は、コンピュータ可読記憶媒体からそれぞれのコンピューティング/処理デバイスに、または、ネットワーク、例えばインターネット、ローカルエリアネットワーク、ワイドエリアネットワーク、および/またはワイヤレスネットワークを介して外部コンピュータまたは外部記憶デバイスにダウンロードすることができる。ネットワークは、銅伝送ケーブル、光伝送ファイバ、ワイヤレス伝送、ルータ、ファイアウォール、スイッチ、ゲートウェイコンピュータ、および/またはエッジサーバを含むことができる。各コンピューティング/処理デバイスにおけるネットワークアダプタカードまたはネットワークインタフェースが、ネットワークからコンピュータ可読プログラム命令を受信し、それらのコンピュータ可読プログラム命令を、それぞれのコンピューティング/処理デバイス内のコンピュータ可読記憶媒体への記憶のために転送する。
【0016】
本発明の動作を実行するためのコンピュータ可読プログラム命令は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、機械命令、機械依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、または、Smalltalk、C++等のオブジェクト指向プログラミング言語および「C」プログラミング言語もしくは同様のプログラム言語等の従来の手続き型プログラミング言語を含む1つまたは複数のプログラミング言語の任意の組合せで書かれたソースコードもしくはオブジェクトコードとすることができる。コンピュータ可読プログラム命令は、スタンドアロンソフトウェアパッケージとして全体がユーザのコンピュータ上で、一部がユーザのコンピュータ上で、一部がユーザのコンピュータ上かつ一部がリモートコンピュータ上で、または全体がコンピュータもしくはサーバ上で実行されてもよい。後者の場合、リモートコンピュータは、ローカルエリアネットワーク(LAN)もしくはワイドエリアネットワーク(WAN)を含む、任意のタイプのネットワークを介してユーザのコンピュータに接続することができ、または接続は外部コンピュータに対して(例えば、インターネットサービスプロバイダを使用してインターネットを介して)行ってもよい。いくつかの実施形態では、本発明の態様を実行するために、例えばプログラマブル論理回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、またはプログラマブル論理アレイ(PLA)を含む電子回路が、コンピュータ可読プログラム命令の状態情報を利用して電子回路をパーソナライズすることによって、コンピュータ可読プログラム命令を実行することができる。
【0017】
本発明の態様について、本発明の実施形態による方法、装置(システム)、およびコンピュータプログラム製品のフローチャート図および/またはブロック図を参照しながら本明細書において説明する。フローチャート図および/またはブロック図の各ブロック、ならびにフローチャート図および/またはブロック図におけるブロックの組合せは、コンピュータ可読プログラム命令によって実装することができることを理解されよう。
【0018】
これらのコンピュータ可読プログラム命令は、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、または他のプログラマブルデータ処理装置のプロセッサに提供されて、コンピュータまたは他のプログラマブルデータ処理装置のプロセッサを介して実行される命令が、フローチャートおよび/またはブロック図の単数または複数のブロックで指定される機能/動作を実装するための手段を作成するように、マシンを生成することができる。これらのコンピュータ可読プログラム命令は、コンピュータ可読記憶媒体に格納され、コンピュータ、プログラマブルデータ処理装置、および/または他のデバイスに、特定の方法で機能するように指示することができるものであってもよく、それにより、命令が格納されたコンピュータ可読記憶媒体は、フローチャートおよび/またはブロック図の単数または複数のブロックで指定された機能/動作の態様を実施する命令を含む製品を含む。
【0019】
コンピュータ可読プログラム命令はまた、コンピュータ、他のプログラマブルデータ処理装置、または他のデバイス上にロードされて、コンピュータ、他のプログラマブル装置、または他のデバイス上で一連の動作ステップを実行させ、コンピュータ実装プロセスを生成させ、コンピュータ、他のプログラマブル装置、または他のデバイス上で実行される命令が、フローチャートおよび/またはブロック図の単数または複数のブロックで指定される機能/動作を実施するようにしてもよい。
【0020】
図中のフローチャートおよびブロック図は、本発明の様々な実施形態によるシステム、方法およびコンピュータプログラム製品の可能な実装形態のアーキテクチャ、機能性および動作を示す。なお、フローチャートまたはブロック図の各ブロックは、指定される論理機能を実装するための1つまたは複数の実行可能命令を含む、命令のモジュール、セグメント、または部分を表す場合がある。いくつかの代替の実装形態では、ブロックに記載されている機能は、図に記載されている順序とは異なる順序で行われてもよい。例えば、連続して示されている2つのブロックは、関与する機能性に応じて、実際には実質的に同時に実行されてもよく、またはそれらのブロックは場合によっては逆の順序で実行されてもよい。ブロック図および/またはフローチャート図の各ブロック、ならびにブロック図および/またはフローチャート図のブロックの組合せは、指定された機能もしくは動作を実行する、または専用ハードウェアおよびコンピュータ命令の組合せを実行する専用ハードウェアベースのシステムによって実施することができることにも留意されたい。
【0021】
再び図面を参照すると、
図1には本発明によるシステムの実施形態の斜視図が示されており、同様な参照番号は全体を通して同様な部品を指している。
図1は、分配デバイス100およびコンピューティングデバイス200を含むシステムの実施形態を示す。コンピューティングデバイス200は、スマートフォン、ポータブルタブレット、ラップトップコンピュータ、デスクトップコンピュータ、および任意の他の同様の装置とすることができる。
図1はまた、分配デバイス100の実施形態の外部構成要素を示す。分配デバイス100は、第1の閉鎖端104と第2の閉鎖端106とを有する円筒形ハウジング102を含む。ノズル108は、第1の閉鎖端104の表面104aから垂直に延びている。第2の閉鎖端106は星形ねじ等の締結具でハウジング102に固定されたベースプレート106aを更に備えることができ、これにより、ハウジング102の容易な不正変更が防止される。磁性締結具、特注の「キー付き」ねじ、または類似のロッキングデバイス等の他の締結具が企図される。ハウジング102は、ディスプレイスクリーン112を内部に有する凹部110を更に含む。表示画面は例えば、モノクロOLEDグラフィックディスプレイ等のパネルディスプレイ、または他のLEDディスプレイとすることができる。
【0022】
図2を参照すると、線Aに沿って取得された、ロック解除位置におけるシステムの一実施形態の概略断面図が示されている。
図2は、ノズル108が押し下げられた、ロック解除位置における分配デバイス100の内部構成要素を示す。分配デバイス100のハウジング102は、第1の部分114および第2の部分116を更に含む。ハウジング102の第1の部分114は、第1の閉鎖端104および第2の部分116の両方に接続されている。
【0023】
図示の実施形態では、ハウジング102の第2の部分116が第2の閉鎖端106またはベースプレート106aに接続され、分配デバイス100の基部を提供する。第2の部分116は、液体医療組成物を貯蔵するように構成された液体容器118を収容する。図示の実施形態では、液体容器118は円筒形であり、同様な円筒形ハウジング102内に効率的に嵌合するようになっている。円筒形の液体容器118の例は、糸サイズのストックバイアルである。
【0024】
液体容器118の医薬内容物へのアクセスを提供するために、液体容器118はポンプ組立体120を含む。
図2に図示の実施形態では、ポンプ120は、液体容器118内に中央に配置される。ポンプ組立体120は、従来の鼻腔内噴霧デバイスで使用される標準的なポンプ組立体として実質的に構成され、動作する。第1の閉鎖端104の表面104aに向かってノズル108に圧力が加えられると、ポンプ組立体120は液体容器118内に貯蔵された液体医療組成物をノズル108内のチャネル122を通して推進し、液体医療組成物を分配デバイス100から放出する。したがって、ロック解除位置では、液体医療組成物を分配デバイス100から自由に排出することができる。
【0025】
図3A~
図3Bを参照すると、それぞれ線AおよびBに沿った、ロック位置にあるシステムの実施形態の概略断面図が示されている。図示の実施形態では、ハウジング102の第1の部分114は、その中にソレノイド124ロック機構を更に備える。ソレノイド124は、ポンプ組立体120の運動に垂直に作動する。一実施形態では、ソレノイド124が作動されると、ソレノイド124はノズル108の経路内に移動し、それにより、第1の閉鎖端104の表面104aに向かうノズル108の完全な移動を阻止し、ポンプ組立体120が液体医療組成物を分配デバイス100から放出するのを防止する。ソレノイド124は、
図2ではロック解除位置で示され、
図3A~
図3Bではロック位置で示される。代替の実施形態では、ソレノイド124は、ノズル108の経路を遮断し、ポンプ組立体120の運動を中断させるUクリップ等の取付具を備えることができる。
【0026】
引き続き
図3A~
図3Bを参照すると、図示の実施形態では、ソレノイド124は、プリント回路基板126等のプロセッサから送られる電気信号に応答して作動される。
図3A~
図3Bに示すように、プリント回路基板126は、ハウジング102の第2の部分116内で第2の閉鎖端106に向かって配置されている。プリント回路基板126は、第2の閉鎖端106において同じく第2の部分116内に配置されるバッテリ128に作動的に連結され、バッテリ128によって電力供給される。バッテリ128は、再充電可能なリチウムイオンバッテリまたは類似のタイプの電源であり得る。
【0027】
代替的な実施形態では、ロック機構はモータ組立体300である。
図7A~
図8Cには、モータ組立体300のロック機構の一実施形態の種々の図が示されている。最初に
図7Aを参照すると、モータ組立体300の上面斜視図がロック位置に示されている。モータ組立体300は、内歯車308の開口部306内に配置された第1のギア304に接続されたモータ302を含む。内歯車308は、キー溝312が貫通して延びる中央ロック310を含む。ロック機構がソレノイド124である実施形態(
図3A~
図3B)と同様に、モータ組立体300は、ポンプ組立体120の動きを中断させるか、または他の形でブロックする。
図7Aに示す実施形態では、ポンプ組立体120のシャフト314が内歯車308の中央ロック310を通って延びている。ロックを容易にするために、ポンプ組立体120のシャフト314から突出する1つまたは複数のキー316がある。キー316は、中央ロック310のキー溝312内に摺動するように構成されるか、または嵌合される。
図7Aに示す実施形態では、キー316は中央ロック310上に載り、キー溝312内への摺動が阻止される。したがって、ポンプ組立体120に取り付けられたノズル108は、キー316がキー溝312と整列していないときには圧縮可能ではない。
【0028】
次に
図7B~
図7Cを参照すると、ロック解除位置にあるモータ組立体300の側面斜視図および上面図が示されている。
図7Bに示すロック位置から、モータ302は、プリント回路基板126からの電気信号によって作動され、プリント回路基板126はギア304を回転させ、それにより、内歯車308を回転させる。内歯車308の開口部306は、内歯車308がギア304に引っ掛かるまでいずれかの方向にのみ回転することができるので、内歯車308の回転を制限する。内歯車308が回転すると、ロック310およびキー溝312も回転する。内歯車308は、
図7Bに示すロック解除位置になるまで回転する。ロック解除位置では、ポンプ組立体120のシャフト314のキー316が、ロック310を通って延びるキー溝312と整列する。モータ組立体300がロック解除位置になると、ノズル108を圧縮することができる。ノズル108が圧縮されると、
図7Cに示すように、ポンプ組立体120のシャフト314上のキー316がロック310のキー溝312内に摺動する。ノズル108が解放されると、シャフト314上のキー316はキー溝312から出て摺動し、内歯車308は、
図7Aに示すロック位置に戻るように回転されてもよい。
【0029】
次に
図8A~
図8Cを参照すると、モータ組立体300を備えたハウジング102の実施形態の第1の部分114および第2の部分116の種々の斜視図が示されている。図示の実施形態では、ハウジング102の第1の部分114は、ポンプ組立体120、プリント回路基板126、およびバッテリ128(図示せず)を含み、ハウジング102の第2の部分116は液体容器118(図示せず)を含む。最初に
図8Bを参照すると、ロック解除位置にあるハウジング102の第1の部分114およびハウジング102の第2の部分116の側面図が示されている。ハウジング102の第1の部分114は、その底面320の外周に沿ってアパーチャ318を有する。ハウジング102の第1の部分114の底面320の上に積み重ねられたディスク324は、ディスク324の外周に沿って切欠き326を有する。切欠き326は、第1の部分114の底面320のアパーチャ318と整列するように構成されている。引き続き
図8Bを参照すると、モータ組立体300のモータ302は、モータ302の第1のギア304とは反対側に第2のギア322を備える。第2のギア322は、第1の部分114の底面320上のディスク324を回転させるために用いられる。
【0030】
次に
図8Aを参照すると、ハウジング102の第2の部分116は、第2の部分116の上面330から延びる複数のL字形フランジ328を備える。L字形フランジ328は、第1の部分114の底面320のアパーチャ318およびディスク324の切欠き326を通って嵌合するように構成されている。
図8Bに示すロック解除位置では、L字形フランジ328が第1の部分114の底面320のアパーチャ318およびディスク324の切欠き326と整列している。したがって、第2の部分116は、ハウジング102の第1の部分114から引っ張って取り外すことができる。
【0031】
図8Cに示すロック位置に到達するために、モータ302は、プリント回路基板126から電気信号を受け取ると、第2のギア322を回転させ、これがディスク324を回転させる。ディスク324は、切欠き326がもはやL字形フランジ328と整列しないように回転する。したがって、L字形フランジ328、したがってハウジング102の第2の部分116は、第1の部分114から取り外すことができない。いくつかの実施形態では、ディスク324は、ロック位置がディスク324のデフォルト位置であるようにばね荷重される。
【0032】
ロック機構を作動させるように説明した回路は、
図1に示すように、ハウジング102上の1つまたは複数の信号LED130に接続することもできる。1つの実施形態では、信号LED130は、ソレノイド124が作動され、分配デバイス100がロック位置にあるときに点灯する。代替の実施形態では、信号LED130は、ソレノイド124が作動され、分配デバイス100がロック位置にあるとき、赤色で点灯し、ソレノイド124が停止しているかまたは他の形で非作動であり、分配デバイス100がロック解除位置にあるとき、緑色で点灯することができる。
【0033】
回路はまた、ハウジング102の凹部110内のスクリーン112に接続し、スクリーン112に電力を供給する。
図2および
図3Aに示す実施形態では、凹部110はレンズ132によって囲まれている。レンズ132は、液体、破片、および他の汚染物質からスクリーン112を保護する一方で、依然としてユーザがスクリーン112を明瞭に見ることを可能にする。図示の実施形態では、レンズ132はハウジング102と同一平面上にあり、ユーザが分配デバイス100を容易に操作できるようになっている。1つ実施形態では、レンズ132は内部に生体センサを含むことができる。
図1に示すような代替の実施形態では、生体センサ134は、ハウジング102に沿った別個の位置にある。生体センサ134は、指紋スキャナ、虹彩スキャナ、心拍数検出器等を含むことができる。レンズ132はまた、ユーザがスクリーン112上に表示されたキーパッド上にパスコードを入力することができるように、タッチスクリーン機能を備えることができる。生体センサ134およびパスコード要素は、装置を使用して個人を確認し、ソレノイド124をロック解除位置に移動させるためにプリント回路基板126に信号を送る、薬剤にアクセスするための追加のセキュリティ層を提供する。
【0034】
いくつかの実施形態では、分配デバイス100は、ハウジング内に配置され、回路に接続されたフォトセル136を更に備えることができる。フォトセル136は、装置内部の光状態を検出する。したがって、フォトセル136は、分配デバイス100がいつ不正変更されたか、または破壊されたかを検出することができる。他の実施形態では、分配デバイス100は、液体容器118内の薬剤のレベルを監視する回路に接続された薬剤センサ138を更に備えることができる。したがって、薬剤センサ138は、液体容器118が空であるか、または薬剤の残量が少ないときに、プリント回路基板126に信号を送ることができる。
【0035】
ポンプ組立体120は、タクタイルスイッチ140を更に備えていてもよい。タクタイルスイッチ140は、ポンプ組立体120が完全に作動されたときに起動される瞬間スイッチとして動作する。タクタイルスイッチ140は、ポンプ組立体120の完全な作動が記録されるプリント回路基板126に作動的に連結される。プリント回路基板126からの回路は更にリアルタイムクロックチップ142まで延びる。リアルタイムクロックチップ142を用いて、スクリーン112上に表示するための日付および時間を提供することができる。後述するように、リアルタイムクロックチップ142をソレノイド124およびタクタイルスイッチ140と組み合わせて用いて、分配デバイス100をロックすることもできる。
【0036】
ここで
図4~
図6を参照すると、本発明による方法の実施形態のダイヤグラム表現が示されている。使用中、分配デバイス100内の構成要素は、コンピューティングデバイス200上でアクセス可能なウェブプラットフォームと通信して、薬剤の投薬を制御することができる。プリント回路基板126は、コンピューティングデバイス200と通信するための無線プロトコルとしてブルートゥース(登録商標)・ロー・エナジー(BLE:Bluetooth(登録商標) low energy)を利用することができる。したがって、プリント回路基板126は、コンピューティングデバイス200からプログラムすることができる。例えば、ヘルスケア提供者は、コンピューティングデバイス200上の端末を介して、ウェブプラットフォーム上の設定を調整することができる。ヘルスケア提供者は、液体容器118に格納された薬剤の投薬回数と、投薬間の最短期間とを示すことができる。次に、この情報はプリント回路基板126に送信される。プリント回路基板126は、タクタイルスイッチ140からのフィードバックに基づいて投薬回数を計算し、リアルタイムクロックチップ142からのデータに基づいて投薬間の期間を決定する。
【0037】
分配デバイス100のプログラミングに加えて、ウェブプラットフォームは、分配デバイス100からのステータス情報を見るためにヘルスケア提供者によって利用されてもよい。例えば、投薬時間、ロック状態、不正変更警告、および残りの投薬量はワイヤレスネットワークおよび/またはセルラデータを介して分配デバイス100からウェブプラットフォームにプッシュされ得る情報であり、これは、最終的にはコンピューティングデバイス200上の端末においてヘルスケア提供者によってアクセス可能である。更に、ウェブプラットフォームは、患者の投薬量および処方計画を追跡するためのカレンダーインタフェースまたは他のスケジューリングフォーマットも含むことができる。したがって、分配デバイス100、ヘルスケア提供者のコンピューティングデバイス200、および患者のスマートフォン(以下に説明される)は、GSMまたは何らかの他の類似のデジタルセルラネットワークを介してステータス情報を交換することができる。
【0038】
生体センサ134は、ヘルスケア提供者の存在下で患者によってプログラムされてもよい。例えば、ヘルスケア提供者は、生体センサ134のプログラミングを可能にするために、ウェブプラットフォーム上の設定を調整することができる。次いで、生体センサ134は患者の指紋をスキャンして、例えば、患者IDを特定の分配デバイス100に割り当てることができる。プログラムされると、生体センサ134は分配デバイス100が使用され得る前に、ID検査を必要とする。
【0039】
分配デバイス100がヘルスケア提供者のコンピューティングデバイス200上のウェブプラットフォームを介してプログラムされると、患者は分配デバイス100を使用することができる。薬剤にアクセスするために、患者は、まず、指紋スキャン検証のために生体センサ134上に指を置く等、生体センサ134を作動させることによって、自身のIDを証明する。患者のIDが検証されると、患者は、薬剤の最初の用量を自己投与することができる。
【0040】
代替の実施形態では、患者のスマートフォンまたは他のコンピューティングデバイスが分配デバイス100を利用するための認証の第2の層として働くことができる。例えば、患者は、自身のスマートフォン上のウェブプラットフォームの患者インタフェースにアクセスすることができる。投薬時に、患者はスマートフォンを介して自身を認証するように要求されることがある。例えば、患者は、パスコードまたは指紋センサを介して自身の電話をロック解除することによって認証を完了することができる。別の実施形態では、ヘルスケア提供者は、ウェブプラットフォームのヘルスケア提供者インタフェースからウェブプラットフォームの患者インタフェースに、一時的または1回限りのPINコードを送信することができる。したがって、患者は自身のスマートフォン上のウェブプラットフォームにアクセスし、PINコードを検索し、分配デバイス100上でPINコードを入力してロックを解除することができる。
【0041】
第1の用量を投与するために、患者は、ノズル108が鼻孔に近接するか、または部分的に鼻孔内にあり、ノズル108に第1の閉鎖端104の表面104aに向かう圧力を加えるように、分配デバイス100を保持する。ポンプ組立体120は患者が薬剤を吸入できるように、ノズル108から薬剤を放出する。ポンプ組立体120が作動されると、タクタイルスイッチ140もトリガされる。タクタイルスイッチ140はポンプ組立体120が作動されたという信号をプリント回路基板126に送信し、用量が投与されたことを示す。同時に、プリント回路基板126は、タクタイルスイッチ140からの信号を、リアルタイムクロックチップ142によって提供される時間に関連付ける。
【0042】
ヘルスケア提供者が投薬間の最短期間を設定した場合、タクタイルスイッチ140からの信号の受信も、プリント回路基板126にソレノイド124を作動させる。ソレノイド124はノズル108の経路内に移動し、それにより、患者が薬剤の次の投与量を投与するのを防止する。分配デバイス100は、最短期間が経過するまで、ソレノイド124がノズル108の作動を阻止するロック位置に留まる。プリント回路基板126は、リアルタイムクロックチップ142から受信したデータを用いて時間を監視することができる。タクタイルスイッチ140の作動後に最短期間が経過すると、プリント回路基板126はソレノイド124を引っ込めるようにトリガし、それにより患者がノズル108を完全に押し下げて次の投薬量を投与できるようにする。その後、ロック処理が繰り返される。
【0043】
1つまたは複数の信号LED130がハウジング102上に配置される実施形態では、信号LEDは、ソレノイド124がノズル108の経路内にあるときに赤色を点灯し、投薬量が投与されないことを示し、ソレノイド124が引っ込められるときに緑色を点灯し、後続の投薬量が利用可能であることを患者に知らせることができる。プリント回路基板126はコンピューティングデバイス200と無線で通信することができるので、プリント回路基板126からの信号をコンピューティングデバイス200に送信して、次の投薬量が利用可能であることを患者に警告することができる。代替の実施形態では、薬剤センサ138が、液体容器118が空であるか、または薬剤の残量が少ないことを示す信号をプリント回路基板126に送信し、最終的にコンピューティングデバイス200に送信することができる。これは、処方を再充填するプロセスを開始するように患者に警告する。
【0044】
ハウジング102がフォトセル136を含む実施形態では、フォトセル136は、プログラムされた閾値を超える光を検出したとき、プリント回路基板126に信号を送るように構成することができる。プリント回路基板126は、ヘルスケア提供者がアクセス可能なコンピューティングデバイス200に信号を送信するようにプログラムすることができる。信号は、分配デバイス100が不正変更されたことをヘルスケア提供者に通知するウェブプラットフォーム上の警告として現れることができる。追加の実施形態では、プリント回路基板126は、分配デバイス100の任意の構成要素または構成要素の組合せから、ヘルスケア提供者および/または患者によって操作されるコンピューティングデバイス200にデータを送信するようにプログラムすることができる。次に、ヘルスケア提供者および患者は、このデータにアクセスして、治療計画の遵守を改善することができる。
【0045】
図9~
図15および
図17、
図18Aおよび
図18Bはそれぞれ、分配デバイス400、600の2つの追加の実施形態を示す。様々な分配デバイスの実施形態100、400、600の構成要素および/または設計戦略は、本開示の教示に従って関連技術分野の当業者に理解されるように組み合わせ可能または交換可能である。例えば、明示的に示されていないが、追加の実施形態400、600は、信号LED130、レンズ132、スクリーン112、フォトセル136、薬剤センサ138、タクタイルスイッチ140、リアルタイムクロック142、それらの任意の組合せ、またはそれらの変形を含むことができる。同様に、追加の実施形態400、600は、そのような構成要素を支持する適切な電気回路部および機械構造を含むことができる。
【0046】
示される実施形態400のうちの1つは、センサ442、444、446(
図14B)と、ノズル460の押し下げレベルの検出のための視覚的特徴490、492、494(
図10)とを含む。そのようなセンサおよび視覚的特徴は、本開示の教示に従って関連技術分野の当業者に理解されるように、本明細書に示される他の分配デバイスの実施形態100、600またはその変形に組み込むことができる。ノズルが長期にわたって部分的に押し下げられているとき、および/またはユーザが部分的押し下げを実行し、ノズルを完全に伸張した位置に戻すとき、分配デバイス100、400、600は、ノズル108、460、660をロックするように構成することができる。これにより、ユーザが、分配デバイス100、400、600のセキュリティを回避することを試みて複数の部分用量を投与することを防止する。
【0047】
分配デバイス100、400、600は、
図13に示す投薬ロック420および
図18Aに示す投薬ロック620等のラチェット式投薬ロックを更に含むことができる。示される投薬ロック420、620は、投薬ロック420、620がロックされた位置にあり、ノズルが部分的に押し下げられているとき、ノズル460、660が完全に伸張した位置に戻ることを可能にし、ノズルが更に押し下げられることを阻止するようにラチェット動作する。代替的に、ラチェットは、ノズルが押し下げられることを可能にし、ノズルの伸張を阻止するように成形されてもよい。各設計はいくつかの利点を有する。例えば、(ノズルの押し下げを阻止する)ロックアウトラチェットは、ロックが係合しているときに薬剤の更なる投与を即座に防止し、これは、過度に多くの薬剤の投与を防止することが主な関心事である場合に望ましい機能であり得る。(ノズルの伸張を阻止する)投薬強制ラチェットは、ロックが係合しているときに部分的押し下げが生じることを防止するが、投薬の完了は防止しないことができる。これは、少量の投薬を防止することが主な関心事である場合に望ましい機能であり得る。
【0048】
追加の実施形態400、600は、
図1に示すコンピューティングデバイス200等の1つもしくは複数のコンピューティングデバイス、本明細書に開示の他のコンピューティングデバイス、および/または本開示の教示に従って関連技術分野の当業者によって理解されるような1つもしくは複数のコンピューティングデバイスと共に機能することができる。分配デバイス400、600を用いて、
図4~
図6に示す方法を実行することができる。分配デバイス400、600は、Wi-Fi/、Bluetooth(登録商標)、セルラ等を介してコンピューティングデバイス(例えば、示されるコンピューティングデバイス200)に直接および/またはリモートで接続して、分配デバイス400、600を制御(ロック/ロック解除、生体認証をロード/新たな鼻用噴霧デバイスをロード/投薬スケジューリングを変更)することができる。分配デバイス400、600は、コンピューティングデバイス200に通信し、患者が投薬を逃したかまたはデバイスを不正変更している場合に、プッシュ通知により医師に警告することができる。分配デバイス400、600は、(例えば、医師によって)投薬すべきときを患者にリマインドするための出力を生成するように構成することができる。出力は、限定ではないが、患者のモバイルフォン等の別のデバイスへの光、表示、音または他の警告もしくは通信を含む、当該技術分野において既知の多くの異なる出力とすることができる。分配デバイス400、600は、分配デバイス400、600の患者の利用を更に監視して、患者の利用に関する情報/データを、デバイス400、600上のディスプレイまたは他の手段を介して直接、コンピューティングデバイス200に提供して、患者の服薬遵守に関して医師に通知することができる。分配デバイス400、600は、計時されたロックアウト(医者によって予め設定される)および/またはスケジューリングされたロックアウトを有することができる。計時されたロックアウトは、認可されたユーザ(例えば、医師)によって予め設定することができる。スケジューリングされたロックアウトは、医師のコンピューティングデバイスを介してアクセス可能なウェブプラットフォーム(または他のネットワーク接続されたプラットフォーム)を介してリモートで設定および/または編集することができる。
【0049】
双方のオプションが、依然としてデバイスをロック解除するのに患者の認証情報を必要とする。これは、デバイス上の生体スキャナを用いて行うことができるか、または将来的には、ユーザのモバイルフォン上の生体(指紋/顔/瞳)スキャン機能を用いて行うことができる。
【0050】
通常、分配デバイス400、600は、安全な薬物送達を提供し、薬物および再利用可能な外骨格またはハウジング構成要素を含む使い捨て部品を備える。外骨格は、薬物/薬品を含む使い捨て部分を固定し、物質がいつどのように分配されるかを制御する。いくつかの実施形態では、外骨格は、標準化された鼻用噴霧デバイス500を固定(例えば、カプセル化)することができる。外骨格は、標準化された鼻用噴霧器500のノズル移動をロックおよびロック解除することができる。デバイス400、600(投薬)のロックおよびロック解除は、医者/医師によって処方された通りに、モバイルフォンアプリケーションおよびウェブプラットフォームを介してリモートで(Wi-Fi/BT)制御および/または構成することができる。ノズルは、外骨格ロック機構と相互作用するロックの細部を含むことができる。
【0051】
標準化された鼻用噴霧デバイス/バイアル500は、限定ではないが、上部(
図9~
図15に示す分配デバイス400を参照されたい)および底部(
図17、
図18Aおよび
図18Bに示す分配デバイス600を参照されたい)を含む場所から外骨格内に挿入することができる。トップローディング式の分配デバイス400は、ハウジング402から切り離すことができるノズル460を備えることができる。ノズル460は、使い捨てとすることができ、標準化された鼻用噴霧器に取り付けることができる。代替的に、使い捨てノズル460の設計戦略に従うノズル部分を含むカスタム使い捨てバイアルを構築することができる。トップローディング式の分配デバイス400のノズル460は使い捨てであるため、ノズル460は、デバイス400の再利用可能なハウジング402と別個に廃棄および/またはクリーニングすることができ、これによって、ボトムローディング式の分配デバイス600と比較して、潜在的により良好な衛生状態を提供することができる。ボトムローディング式のデバイス600は、専用ノズル460を必要とすることなく標準的なバイアル500を受けるように構成することができ、したがって、潜在的に、トップローディング式のデバイス400よりも好便となりかつ/またはコスト節減をもたらすことができる。
【0052】
分配デバイス400、600は、ノズル移動およびデバイス不正変更を検出するためのセンサ(例えば、光/撮像)、異なるユーザがデバイス400、600を扱っているときに検出するようにユーザ固有の動きのパターンを検出するための微動センサ、および/または内部のバイアル500から放出された薬物を化学的に中和する薬物中和剤(例えば、粉体またはスポンジ)を備えることができる。上記で論じ、当業者であれば理解するように、これらの特徴のうちの1つもしくは複数を組み合わせ、かつ/またはデバイス100の特徴と交換することもできる。
【0053】
ここで、各追加の実施形態400、600の詳細を図面に関連して論じる。
【0054】
図9は、本発明による、トップローディング式の分配デバイス400の側面図である。分配デバイス400は、ハウジング402およびノズル460を備え、これらは合わせて、バイアル500(
図10)を(少なくとも部分的に)取り囲み、固定する外骨格を形成する。
【0055】
図10に示すノズル460およびバイアル500は、合わせてスナップ係合される。ノズル460はバイアル500上にスナップ係合するハウジングインタフェース480を備え、これにより、ノズル460が押し下げられることが可能になり、組み合わされたノズル460およびバイアル500をハウジング402内にロックするための特徴をもたらす。組み合わされたノズル460およびバイアル500は、製造中に嵌合されたものであれ、製造後に嵌合されたものであれ、ハウジング402ありおよびハウジング402なしの双方で薬剤を送達するように機能することができ、これによって、ヘルスケア提供者が、特定の患者が特定の薬剤を与えられるときにハウジング402内の薬剤を提供されるか否かを選択することが可能になる。ノズル460はハウジング402に一体化していないため、ノズル460は、ハウジング402と別個に廃棄またはクリーニングすることができ、これによって、一体化ノズルを有する再利用可能な分配デバイスと比較して、より衛生状態の良い製品が潜在的にもたらされる。更に、ノズル460が動作中に通過して摺動する開口部412は、バイアルが除去されるのと同じ開口部であり、バイアル除去のための第2の開口部の必要性がなくなる。バイアル除去のための第2の開口部がない場合、ハウジング402のカバー418は、より平滑な、したがって潜在的にはより不正変更耐性の強い外面を有することができる。
【0056】
デバイス400は、直交面A、Bと交差する長手方向軸L-Lの周りに垂直方向に向けられる。ハウジング402は、長手方向軸L-Lおよび面A、Bに対し直交する第1の上面404aを有する第1の上端404を有する。ハウジング402は、第1の表面404aに対し実質的に平行な第2の底面406bを有する第2の下端406を有する。ノズル460は、ハウジング402の上面404aから垂直に延びる。ハウジング402は上面404aに開口部412を有し、ノズル460は、開口部412内に位置決めされ、ハウジング402に摺動可能に係合するように構成された、ハウジングインタフェース480を有する。示されるように、ノズル460がハウジング402に摺動可能に係合され、ノズル460がロック解除されるとき、ノズル460は、
図9に示されるように完全に伸張された位置から、完全に押し下げられた位置まで並進可能であり、完全に押し下げられた位置において、ノズル460の係合リング466の底面470は、
図2に示すようにハウジング表面104aに対するノズル108の押し下げられた位置と同様にハウジング402の上面404aに接近する。
【0057】
本明細書において用いられるとき、「完全に伸張した位置」および「完全に押し下げられた位置」という用語は、ノズルが投薬量を提供する意図された目的でその間を移動する両極端を指す。
【0058】
ハウジング402は、本明細書において他の箇所に記載した生体センサ134に類似して機能することができる生体センサ408を更に含むことができる。例えば、センサ408上の指紋スキャンは、デバイス400の電気回路部によって、投薬ロックをロック解除するか否かを判断するのに用いることができる。更にまたは代替的に、(例えば、医師による)センサ上の指紋スキャンをデバイス400の電気回路によって用いて、バイアルをロック解除するか否かを判断することができる。ハウジング402は、指カバー410を含むことができる。指カバー410はディスプレイを含むことができ、かつ/またはディスプレイはハウジング402上の他の場所に位置決めすることができる。
【0059】
ディスプレイは、本明細書の他の場所に記載のディスプレイ112と同様に機能することができる。
【0060】
デバイス400は、取外し可能なノズルキャップ461を更に備えることができる。
【0061】
図10は、医薬品バイアル500に係合されたノズル460の、
図9と同じ向きにおける側面図である。
図9および
図10をまとめて参照すると、
図10において組み立てられたノズル460およびバイアル500は、ハウジング402に損傷を与えることなく、好ましくはノズル460に損傷を与えることなく、
図9においてハウジング402から除去可能である。使用中、ノズル460およびバイアル500は交換可能であり、好ましくは使い捨てである。ハウジング402は、新たなノズル460およびバイアル500組立体を再ロードすることができる。医薬品バイアル500は、ハウジング402の上面404aにおける開口部412を介してロードすることができる。したがって、ハウジング402は、医薬品バイアル500を受けるような大きさにされたチャンバ414(
図13)を備え、チャンバ414は、ハウジング402の上面404aにおける開口部412を介してアクセス可能である。
【0062】
ハウジング402の外面は、ノズル460に組み付けられているとき、締結具、またはデバイス400を開放するための他の外部からアクセス可能な手段を完全になくすことができる。いくつかの応用形態において、デバイス400内のバイアル500から放出された液体がデバイス400を出ることを可能にするための排出口419を設けることが望ましい可能性がある。他の応用形態において、デバイス400内のバイアル500から放出される液体を捕捉することが望ましい可能性がある(例えば、
図14Aおよび
図14Bに示すチャンバ414内のスポンジ)。
【0063】
図11Aおよび
図11Bは、ノズル460およびバイアル500の直交側面図であり、ここで、
図11Aは、
図10に示す組立体の左側を見たものであり、
図11Bは、
図10に示す組立体の右側を見たものである。
図12は、ノズル460が除去された
図10、
図11Aおよび
図11Bに示す組立体の図である。
図10、
図11A、
図11Bおよび
図12をまとめて参照すると、ノズル460は、円錐部462と、係合リング466と、ハウジングインタフェース480と、ばね478と、保持リング476とを備える。好ましくは、円錐部462、係合リング466およびハウジングインタフェース480は、単一部品のハンドル部分463としてモールド成形される。代替的に、円錐部462、係合リング466およびハウジングインタフェース480のうちの少なくとも1つは、個々にモールド成形し、ハンドル部分463を形成するように合わせて取り付けることができる。
【0064】
円錐部462は、分配端472と、ベース端474と、長手方向軸L-Lに沿ってベース端474および分配端474を通って延びる流体通路464とを有する。係合リング466は、円錐部のベース端474から径方向に延び、上面468を提供し、この上面468に対し、ユーザはノズル460を押し下げる力を提供することができる。係合リング466の底面470は、分配端472から離れる方に面する。デバイス400が、ハウジング402内へのハウジングインタフェース480の更なる押し下げを阻止するように組み立てられているとき、底面470は更に、ハウジング402の上面404aに接触するように成形または他の形で構成することができる。ハウジングインタフェース480は、長手方向軸L-Lを取り囲む外面482と、係合リング466に取り付けられた上端484と、開放下端486と、上端484と下端486との間に延びる通路488とを有する。製造中に組み立てられたバイアル500およびノズル460は、予め組み立てられているため、ヘルスケア提供者の側でいかなる更なる組立ても必要とせず、したがって更なる好便性をもたらす。
【0065】
ノズル460は、まず、保持リング476およびばね478をバイアル500の上に置き、次にハウジングインタフェース480をばねおよび保持リング476上で摺動させることによって、バイアル500に嵌合させることができる。ハウジングインタフェース480は、バイアル500上を動き、バイアル上の隆起部の下にスナップ係合して、ノズル460をバイアル500に係合および固定するように延びる可撓性フック481を備えることができる。円錐部462および係合リング466の内側は、バイアルノズル上に嵌合させるように成形することができる。バイアルおよびノズルの組立体は、ノズル460をバイアル500に噛み合わせるのを支援するアダプタまたはバイアルノズルカバーを更に含むことができる。このようにして、ノズル460は、既存の標準的な大きさのバイアル上に嵌合させることができる。代替的に、バイアル500およびノズル460は、一斉におよび/または一体化して特別に設計されてもよい。
【0066】
ノズル460は、以下でより詳細に説明されるように、バイアル500内の薬物の分配を制御するためにハウジング402と合わせて機能する特徴を含む。
図10、
図11Aおよび
図11Bに示すように、薬物は、ノズル460およびバイアル組立体がハウジングの外側にあるときに分配することもできる。これは、薬物が、使用中に調整されることを意図されていてもいなくても、同様にパッケージ化されることを可能にすることができ、これにより好便性が増し、潜在的にコストが節減される。
【0067】
図10を参照すると、ハウジングインタフェースは、ノズル460の部分的押し下げを検出するのを支援する、外面482における開口部490、492、494を含む。ノズル460がバイアル500上で押し下げられると、保持リング476等のノズル460の一部分に対するハウジングインタフェース480の動きが開口部490、492、494を通じて可視になる。ハウジング402は、開口部490、492、494上のノズル460の一部分(例えば、保持リング476)の動きを検出する1つまたは複数のセンサを含むことができる。
図10は、ノズル460の押し下げの3つの位置が検出可能であるように位置決めされた3つの開口部490、492、494を示す。ハウジングインタフェース480は、同じ目的を果たすために1つまたは複数のそのような開口部490、492、494を含むことができ、ここで、開口部の最大数は、本開示の教示に従って当該技術分野の当業者に理解されるように、物理的設計制約によって制限される。好ましくは、ハウジングインタフェース480の外面482は、視覚的に保持リング476との高い対照を成し、それによって、保持リング476は、光センサによってハウジングインタフェース480に対し容易に視覚化することができる。ノズル460およびバイアル500の組立体がハウジング402内に設置されているとき、保持リング476は、光センサに対し実質的に固定であるのに対し、開口部490、492、494は、保持リング476の光センサのビューを覆うようにおよび覆わないように動く。光センサは、ハウジングインタフェース480上の上部および底部の開口部490、494の動きを検出することによって、投薬の開始時および投薬の終了時の動きをチェックする。投薬が開始したが底部まで押されていない場合、投薬ロック420は係合する(
図13および
図14Bに関連してより詳細に説明される)。
【0068】
図10および
図11Aに示すように、ハウジングインタフェース480は、ハウジング402内へのノズル460の押し下げをロックする、すなわち、ユーザが投薬を受けることを阻止するための刻み目496を備える。2つの刻み目496が示されている。下側の刻み目は、ハウジングインタフェース480がハウジング402に摺動可能に係合しているときに完全に伸張した位置にノズルを維持するように位置決めされる。
【0069】
図13および
図14Bは、ノズル460上の刻み目496に係合するハウジング投薬ロック420を示す。
【0070】
図10、
図11A、
図13および
図14Bをまとめて参照すると、デバイス400の意図される使用中、ユーザは、ノズルが医薬品の各投与の後に完全に伸張した位置まで戻ることを可能にし、投与が完了すると、ノズル460は、下側の刻み目を投薬ロック420に係合させることによって完全に伸張した位置にロックされる。しかしながら、ユーザは、ハウジング402の投薬ロック420(
図13および
図14Bを参照)が係合されるのと同時に、不注意にまたは意図的にノズルを部分的に押し下げる場合がある。この場合、上側の刻み目が、投薬ロック420に係合し、ノズルが部分的に押し下げられているときに、ノズルが更に押し下げられることを阻止するように位置決めされる。少なくとも、上側の刻み目は、角度付きの形状を有し、ノズル460が更なる押し下げを阻止されているにもかかわらず、バイアルロックが刻み目496から離れて下方向に摺動し、ノズル460がハウジング402から更に伸張することを可能にするようにされる。使用時に、上側の刻み目が、押し下げ力がノズル460から取り除かれたときにノズル460がロックされた時点でバイアルによって係合される場合、ばね478は、ノズル460をハウジング402の外に完全に伸張した位置に向けて押し出す。したがって、投薬ロック420は、上側の刻み目から下側の刻み目に摺動することができる。1つの上側の刻み目が示されているが、ハウジング402は、ノズル460が複数の部分的押し下げ位置に押し下げられているときにバイアルロックに係合するように位置決めされた更なる角度付きの刻み目を更に含むことができる。したがって、角度付きノッチは、ラチェットとして機能することができ、バイアルロックが係合しているとき、ノズル460の一方向の動きを可能にする。角度付きノッチの数および位置は、当該技術分野の当業者によって理解されるように、物理的設計制約によって決定することができる。
【0071】
したがって、投薬ロック420のラチェット動作は、ユーザが(ノズル460を押し下げることによって)投薬量を投与し、次にノズル460を伸張した位置に向けて低速に解放し、完全に伸張した位置に達して下側の刻み目496(
図13も参照)に係合する僅かに手前で停止し、次にノズル460を再び押し下げようとするときに、投薬ロック420を破壊しようとするユーザをロックアウトすることができる。
【0072】
図11Bを参照すると、ハウジングインタフェース480は、バイアルロック開口部498を更に備えることができる。バイアルロック開口部498は、ハウジング402のバイアルロック430(
図13および
図14Bを参照)に係合するように成形し、大きさを設定し、および他の形で構成することができる。バイアルロックが開口部498内に延びるとき、開口部498の下側レッジ499に対するバイアルロックの係合により、ノズルがハウジング402から引き出されることを阻止することができる。開口部498は、ノズル460が薬剤を送達するように押し下げられているとき、バイアルロックが開口部498を自由に通ることができるような大きさにすることができる。開口部は、更に、バイアルロックが開口部498の上側レッジ497に係合し、ノズル460の完全に伸張した位置を設定するような大きさにすることができる。代替的に、ノズル460の完全に伸張した位置は、本開示の教示に従って当該技術分野の当業者によって理解されるように、ハウジング402上の追加の特徴とハウジングインタフェース480との係合を通じて設定および/または支援することができる。
【0073】
図13は、
図9に示されるような向きで、面Bに沿って切断されたデバイス400の断面図である。ハウジング402の構成要素のうちのいくつかは、投薬ロック420およびバイアルロック430を強調するように除去されている。ハウジング402の更なる構成要素(シャーシ416を含む)が
図14Bおよび
図15に示されている。
【0074】
ロック420、430の各々は、それぞれ、モータ426、436と、カム424、434と、摺動延長部422、432とを備える。ノズル460が図示のように完全に伸張した位置にあるとき、投薬ロックの摺動延長部422は、ハウジングインタフェース480上の下側の刻み目496に係合し、バイアルロックの摺動延長部432は、ハウジングインタフェース480のバイアルロック開口部498の下側レッジ499に係合される。
【0075】
投薬ロック420およびバイアルロック430が共にロックされ、ノズルが完全に伸張した位置にあるとき、投薬ロック420は、ノズル460の押し下げを防止し、バイアルロックはノズル460の延長を防止する。投薬ロック420が開放しているとき、バイアルロック430は、ノズル460の完全に押し下げられた位置を設定する係止部を提供する。
【0076】
バイアルロック430の摺動延長部432の表面と嵌合する、バイアルロック開口部498の下側レッジ499および底部は、各々、下方かつ内方に角度を付けられる。この位置にあるとき、バイアルロック430は、投薬ロック420が下側の刻み目496に係合している間、ハウジングインタフェース480を脱係合することを阻止される。ユーザがハウジング402からノズル460を引き出すことを試行する場合、摺動延長部432は、下側レッジ499に対し摺動し、更にハウジングインタフェース480内に延び、それによってハウジングインタフェース480に更に係合することができる。
【0077】
ノズル460およびバイアル500を除去するために、認可されたユーザ(例えば、医師または薬剤師)がバイアル500を取り外すためのコマンドを分配デバイス400に送信する。投薬ロック420は脱係合し、認可されたユーザは、ノズル460を押し下げてハウジングインタフェース480の切り下げを脱係合し、センサ(例えば、1つまたは複数の開口部490、492、494を見る光センサ)が、ノズル460が押し下げられていることを検知し、バイアルロック430がロック解除し、次にバイアル500を取り外すことができる。
【0078】
各ロック420、430の開放は、それぞれのカム242、434を回し、それぞれの摺動延長部422、432をハウジングインタフェース480から離して外方に摺動させ、それによってハウジングインタフェース480を脱係合させる、それぞれのモータ426、436の回転を含むことができる。各ロック420、430の閉鎖は、それぞれのカム242、434を開放と反対方向に回して、それぞれの摺動延長部422、432を解放し、ばね428、438(
図14Bを参照)がそれぞれの摺動延長部422、432をハウジングインタフェース480に向かって押し、それによってハウジングインタフェース480を係合させる、それぞれのモータ426、436の逆回転を含むことができる。
【0079】
投薬ロック420は、ノズル460のハウジングインタフェース480における刻み目496に係合するように成形された角度付き摺動延長部422を備えることができる。投薬ロック420の延長部422は、複数の刻み目496(
図11Aを参照)にわたってラチェット動作することができる。
【0080】
図14Aおよび
図14Bは各々、面AおよびBに直交するハウジング402の上面図である。
図14Bは、
図13に示される面Cにおいて切断されたハウジング402の断面図である。
【0081】
図14Aは、上面404a、開口部412、チャンバ空洞414、投薬ロック420の摺動延長部422、およびバイアルロック430の摺動延長部432を示す。バイアルロック430は上側および下側フィンを含む。
図13に示すように、下側フィンは、ノズル460のハウジングインタフェース480のバイアルロック開口部490の下側レッジ499に係合するように成形される。上側フィンは、ノズル460の完全に伸張した位置を設定するようにバイアルロック開口部498の上側レッジ497に係合するように成形される。開口部412はキー延長部413を含む。ハウジングインタフェース480は、ハウジングインタフェース480が開口部412内に挿入されているとき、ノズル460を適切に向けるために、
図10に示す側に刻み目を付けられる。
【0082】
図14Bは、ハウジング402およびロック420、430の追加の構成要素部分を示す。各ロック420、430は、それぞれのカムが示されるように位置決めされているとき、ロック420、430を閉じた位置に動かすようにそれぞれの摺動延長部422、432に取り付けられたそれぞれのばね428、438を含む。カム424、434は、互いの鏡像として位置決めされ、代替的には、本開示の教示に従って当該技術分野の当業者によって理解されるように他の形で位置決めされてもよい。ロック420、430を開放するために、投薬ロック420のカム424は、時計回りに回転し、バイアルロック430のカム434は、反時計回りに(すなわち、カム424、434の鏡面対称性に起因して反対方向に)回転する。それぞれのカム424、434が回転すると、これらはそれぞれの摺動延長部422、432上のそれぞれのバンプ423、433に係合し、それによってばね428、438を押し、摺動延長部422、432を開位置に向かって外方に動かす。バンプ423、433は、延長部422、432の側方の動きを最小限にするようにそれぞれの摺動延長部422、432上に中心を合わされ、これにより、中心合わせされていない係合と比較して、ロックが詰まるリスクを低減する。バンプ423、433およびカム424、434は、好ましくは、カム424、434が小さな接触面積を有し、したがって、より大きな接触面積と比較して低い摩擦を有するように構成される。
【0083】
別のオプションは、一方または双方のカム424、434に、バンプ423、433上を90度を超えて回転させることである。このオプションは、ロック420、430を開放させておくためにモータギアボックスの摩擦に依拠せず、このため、モータ選択のより多くのオプションを可能にする。
【0084】
各ロック420、430は、カムがその回転移動の終端に達したときにそれぞれのカム424、434の垂直方向の延長部425、435が押す係止部415、417を備える。各係止部415、417は、好ましくは、それぞれの摺動延長部422、432ではなく、ハウジング402のシャーシ416(
図15も参照)に一体化される。シャーシ416と一体化した係止部415、417は、摺動延長部422、432と一体化した係止部と比較して、それぞれのカム424、434がそれぞれの係止部415、417に係合しているとき、それぞれの摺動延長部422、432の回転(したがって詰り)の尤度を低減することができる。シャーシ416はまた、ばね428、438およびモータ426、436のための構造支持体を提供するか、またはこれらに係合することができる。
【0085】
引き続き
図14Bを参照すると、ハウジング402は、電気部品が接続されたプリント回路基板440を含み、これらは合わせて、デバイス400の様々な機能を実行するための電気回路を形成する。回路基板440は、プロセッサ、および命令を有する非一時的コンピュータ可読媒体を含むことができ、命令は、プロセッサによって実行されると、電気回路を用いて、
図1に示すシステムに関連して説明した機能を含む、本明細書に記載の機能を実行させる。回路基板440は、示されるような特定の形態をとる必要がない。ハウジング402の電気回路は、例えば、リジッド基板、フレキシブル回路、ディスクリートコンポーネント、自由配線および/またはこれらの組合せを含むことができる。電気回路のいくつかの形態を利用して、本開示の教示に従って当該技術分野の当業者によって理解されるように、本明細書に記載の機能を実行することができる。デバイス400の電気回路は、薬剤センサ138、タクタイルスイッチ140および/または本明細書の他の箇所に記載のようなリアルタイムクロックを更に備えることができる。
【0086】
電気回路は、回路基板440に装着された3つの光センサ442、444、446を含む。各センサ442、444、446は、ノズル460のハウジングインタフェース480内でそれぞれの開口部494、492、490を見るように位置決めされる。各センサ442、444、446は、ハウジングインタフェースの押し下げられた位置を示すセンサ信号を提供するように構成される。少なくとも中央センサ444は、完全に伸張した位置と完全に押し下げられた位置との間のノズルの部分的に押し下げられた位置を示すセンサ信号を提供するように位置決めされる。ノズル460の部分的押し下げを監視することは、薬剤の投与を決定するため、および/または不正変更の防止のために有用であり得る。いくつかの実施形態では、電気回路は、ノズル460の長期にわたって部分的に押し下げられた位置および/または繰り返された部分的押し下げを示す中央センサからのセンサ信号を受信することに応じて、投薬ロック420を閉じるように構成することができる。いくつかの実施形態では、プロセッサは、センサ信号を受信し、メモリ内の命令を実行して、電気回路にモータ426を起動させ、それによってカム424を回し、ロック420を閉じるように構成される。
【0087】
デバイス400は、ノズル460の部分的押し下げを検出するための追加のまたは代替のセンサおよび/またはインジケータを含むことができる。1つの例として、ハウジングインタフェース480は、ハウジングインタフェース480の外面482にわたる一連の水平線等の開口部の代わりに高コントラスト画像を含むことができる。ノズル460が押し下げられる際、電気回路は、センサからの信号に基づいて、1つまたは複数の光センサ442、444、446の正面を通過した線の数を決定することができる。加えて、または代替的に、水平線は、厚みを変え、それによって、いずれの線が光センサによって見られているかに依拠して別個のセンサ信号を作成することができる。別の例として、ハウジングインタフェース480は導電性ストリップを含むことができ、回路基板440は、ノズル460が部分的に押し下げられているとき、導電性ストリップと同時に電気的に接触するように位置決めされた2つ以上のコンタクトを含むことができる。ハウジング402の電気回路は、コンタクトが短絡するときを検出し、それによって、1つまたは複数の部分的押し下げ位置におけるノズル460の部分的押し下げを検出することができる。
【0088】
上部および底部の開口部490、494を用いて、ノズル460が完全に伸張した位置または完全に押し下げられた位置にあるときを判断することができる。代替的に、ハウジング402は、ノズル460が完全に伸張したおよび/または完全に押し下げられた位置にあるときを検出するリミットスイッチを含むことができる。
【0089】
係止部415、417に対するカム424、434の係合は、それぞれのモータ426、436への電流を監視することによって検出することができる。電気回路が(例えば、メモリ内の命令によって提供されるような)所定の閾値を超える電流の増大を検出するとき、電気回路は、モータ426、436への点力を低減または除去することができる。
【0090】
電気回路は、バイアル500の検出のためのセンサ(例えば、光センサ)を更に含むことができる。
【0091】
電気回路部は、ハウジング402に一体化されたバッテリ448によって給電することができる。電気回路は、バッテリチャージ調整およびバッテリ保護回路(例えば、過電圧、不足電圧、過電流等)を含むことができる。
【0092】
電気回路は、(例えば、医師または薬剤師によって入力された)設定された投薬量について投薬ロック420を保持するように構成することができ、次に、投薬ロック420を閉じた位置/ロック位置に戻す。閉じた位置/ロック位置に戻るとき、ばね428は投薬ロック延長部422を押してハウジングインタフェース480に係合させる。
【0093】
図15は、デバイス400およびバイアル500の構成部品の展開図を示す。ノズル460は、ハンドル部分463と、ばね478と、保持リング476とを備える。バイアル500は、液体容器502と、噴霧器504と、バイアルノズル508とを備える。ハウジング402は、上部カバー451と、光ガイド453と、上部リング454とを備え、これらは合わせてハウジング402の上面404aを形成する。ハウジング402は、光ガイド453を照明するように位置決めされた発光ダイオード(LED)を含むLED基板452を更に備える。同じまたは追加のLEDは、ハウジング402内の光センサのための照明を提供することができる。投薬ロック420およびバイアルロック430の構成部品は、それぞれのロックカバー427、437によってシャーシ416に固定される。回路基板440は、装着されたスキャンネスト(scan nest)456を備え、これに生体センサ408を装着することができる。ロックカバー427、437および回路基板440は、ねじ455によってシャーシに取り付けられる。当然ながら、本開示の教示に従って当該技術分野の当業者によって理解されるように、代替的な締結具、糊、スナップまたは他の戦略を用いて、構成部品をシャーシ416におよび/またはハウジング402内に固定することができる。
【0094】
ハウジング402は、誘導充電により充電することができる。ハウジング402は、カバー418の内部のデバイス400の下端406付近に位置決めされた誘導コイル450を備える。カバー418は、充電中にデバイス400が転倒することを阻止するための更なる安定性のために、下端406付近に共成形リング457を備えることができる。ハウジング402の電子回路部は、現在利用可能な誘導式充電器およびまだ開発されていない他のそのような無線充電方式に従って設計された回路を含む、コイル450を用いてバッテリ448を誘導式に充電するための回路を備えることができる。ハウジングに無線充電を組み込むことによって、充電ポートの必要性がなくなり、これにより、ユーザの進入点がなくなり、したがって、有線充電ポートを有するデバイスと比較して、不正変更に対しよりロバストなデバイスを提供することができる。更に、ユーザは充電機構に直接アクセスを有しないため、無線充電を有するデバイスは、有線充電ポートを有するデバイスと比較して、(少なくとも充電回路に対する)損傷に対する耐性をより高くすることができる。
【0095】
組立体全体は、シャーシ416の上にクリッピングするカバー418により、露出したねじを有しない。カバー418がクリッピングされる前に、機械的および電気的部品の機能を組み立て、シャーシ416上で試験することができる。
【0096】
図16A~
図16Cは、
図11Aおよび
図11Bに示す分配デバイス400のノズルの代替的なハンドル部分463の図である。ハンドル部分463は、2つの別個の部品として製造される上側部分463aおよび下側部分463bを含む。上側部分463aおよび463bは、上側部分463aを下側部分463bに対し、不正変更耐性のある方式で固定するように互いに係合することができるクリップ465を含み、これは、上側部分463aおよび下側部分463bが薬剤の受け手によって容易に分離可能でないことを意味する。ハンドル部分463は、バイアルノズル508(
図15を参照)の押し下げタブ510を収容するような大きさにされたクレードル467を備えることができる。クレードル467は、産業において現在用いられている多くの医薬品バイアル500上で見ることができる、より大きな押し下げタブ510を収容するような大きさにすることができる。
【0097】
図16A~
図16Cに示すようなハンドル部分463を有する分配デバイス400のノズル460は、バイアルノズル508をバイアル500から除去し、保持リング476およびばね478をバイアル500の上に配置し、ハウジングインタフェース480をばねおよび保持リング476上で摺動させ、バイアルノズル508をバイアル500の上に配置し、押し下げタブ510がハンドル部分463の下側部分463bのクレードル467内に位置決めされるようにし、ハンドル部分463の上側部分463aをバイアルノズル508の上にスナップ係合し、ハンドル部分463の下側部分463bを固定することによって、バイアル500に嵌合させることができる。ノズル460をバイアル500に取り付けるシーケンスは、多岐にわたる方式で行われてもよく、ステップは、当該技術分野の当業者によって理解されるように、列挙されたものと異なる順序で行われてもよく、例えば、バイアルノズル408、ばね、および/または保持リング476は、バイアル500がハンドル部分463内に挿入される前にハンドル部分463内に固定することができる。ハウジングインタフェース480は、バイアル500上を動き、バイアル上の隆起部の下にスナップ係合して、ノズル460をバイアル500に係合および固定するように延びる可撓性フック481を備えることができる。分配デバイスのノズル460がバイアル500に取り付けられると、ノズル460は、ハウジング402内に挿入することができ、分配デバイス400は、
図9~
図15に関して説明したように機能することができる。
【0098】
図16A~
図16Cは、不正変更を防止する形式でバイアルノズル508を固定することができる別個の部分を有するハンドル部分463の1つの例示的なジオメトリを示す。当該技術分野の当業者によって理解されるように、2つの垂直方向に分割された部分および/または3つ以上の別個の部分を含むハンドル部分463を含む他の代替形態が構築されてもよい。
【0099】
図17は、本発明による分配デバイス600の別の実施形態の展開図を示す。
図18Aは、
図17に示すような面Aにおける分配デバイスの断面図を示す。
図18Bは、
図17に示すような面Bにおける分配デバイスの断面図を示す。
【0100】
図17に示す分配デバイス600と、
図9~
図15に示すデバイス400との区別は、バイアル500がデバイス600の底部からロード可能であることと、ノズルがハウジングと一体である(すなわち、損傷を与えることなく、または特殊な解体なしで切り離すことができない)ことを含む。
図17に示す分配デバイス600は、部分投薬量検出、生体スキャン、他のコンピューティングデバイスへの無線および/または有線通信、計時された投薬量に対するプログラム可能性、微動検出、薬物識別、薬剤量検知、および本明細書の他の箇所で説明した他の分配デバイス実施形態100、400に関して説明したような他の機能を実行するための電気回路および構成要素(例えば、機械的および/または電気部品)を有することができる。
【0101】
図17、
図18Aおよび
図18Bをまとめて参照すると、分配デバイス600は、ハンドル部分663と、上部カバー651と、LED基板652と、光ガイド653と、上部リム654と、ハウジングインタフェース680と、ばね678と、シャーシ616と、バッテリ648と、生体センサ608と、摺動投薬ロック延長部622と、投薬ロックカム624と、投薬ロックモータ626と、c形状バイアルロック延長部632と、バイアルロックカム634と、バイアルロックモータ636と、回路基板640と、カバー618と、指カバー610と、カバー共成形657と、ベース658とを備える。
【0102】
上部カバー651、LED基板652、光ガイド653および上部リム654は、
図9~
図15に示す分配デバイス400の対応する構成要素451、452、453、454に類似して組み立てられる。
【0103】
デバイス600のノズルは、ハンドル部分663と、ばね678と、ハウジングインタフェース680とを備える。ハンドル部分663は、
図9~
図15に示す分配デバイス400のノズル460のハンドル部分463の円錐部462および係合リング466に類似した円錐部および係合リングを含む。ハンドル部分663およびハウジングインタフェース680は互いにクリッピングする。
【0104】
ハウジングインタフェース680は、
図9~
図15に示す分配デバイス400のハウジングインタフェース480の外面482上の特徴に類似したノズルの部分的押し下げの検出のための特徴を含む外面682を有する。同様に、デバイス600の電気回路(すなわち、回路基板640および他の電気部品)は、ハウジングインタフェース680上の特徴の位置および/または動きを検出するためのセンサを備える。
【0105】
デバイス600は、デバイス600のノズルが完全に伸張したおよび/または完全に押し下げられた位置にあるときに検出するリミットスイッチを備える。更にまたは代替的に、デバイス600は、デバイス600のノズルが完全に伸張したおよび/または完全に押し下げられた位置にあるときを検出するための、
図10に示すデバイス400の開口部490、494に類似したハウジングインタフェース480における開口部を備えることができる。
【0106】
ハウジングインタフェース680は、投薬ロック延長部622に係合するように位置決めされた刻み目696を更に備える。刻み目696は、ハンドル663が部分的に押し下げられているとき、ノズルの押し下げを阻止し、伸張を可能にするように角度を付けることができる。投薬ロック620(投薬ロック延長部622、カム624およびモータ626を含む)は、
図9~
図15に示すデバイス400の投薬ロック420および刻み目496の機能に類似して刻み目696にわたってラチェット動作することができる。投薬ロック延長部622は、角度付き刻み目696内に嵌合する角度付きレッジ695を備える。投薬ロック延長部622はリング形状を有する。投薬ロックは、ばね628によってロック位置に押し込まれる。投薬ロックのカム624およびモータ626は、投薬ロック延長部622のリングの(角度付きレッジ695と比較して)反対側に位置決めされる。投薬ロックを開放するために、モータ626は、カム624を回すように作動し、これによりばね628の力に対抗して投薬ロック延長部622を押し、刻み目696から出るように角度付きレッジ695を動かす。
【0107】
バイアルロック630は、c形状バイアルロック延長部632と、バイアルロックカム634と、バイアルロックモータ636とを備える。バイアルロック630の一般的向きは、デバイス600の底部606を介したバイアル500の除去を容易にするように、
図9~
図15に示すデバイス400のバイアルロック430と比較して上下逆である。ベース658は、シャーシ616に嵌合し、ベース658上の刻み目698へのバイアルロック延長部632の係合によって適所に保持される。バイアルロック630を開放するために、モータ636は、カム634を回転させるように作動し、それによって、バイアルロック延長部632をベース658上の刻み目698から脱係合させる。バイアルロック延長部632は、ばねによってロック位置に保持され、バイアルロックモータ636を、カム634を回転させるように作動させて、バイアルロック延長部632がばねを押すようにすることによって開放される。ベース658は、デバイス600内にベース658をラチェット動作させるための複数の角度付き刻み目を備えることができる。ラチェットは、デバイス600から出るベース658の動きを阻止し、デバイス600内へのベース658の動きを可能にすることができる。
【0108】
バイアルロック630は、代替的に、バイアル500を周回するリングギアロックを備えてもよい。代替的な設計は、システムの信頼性を高め、かつ/または製造コストを低減することができる。モータはリングギアロックを回し、それによってバイアルホルダ/ベース658が適所にある間、バイアルロックを脱係合する。バイアル500が存在しなくなると、リングギアロックはロック位置に戻る。次に、ベース658は適所にロックするように押し戻される。ロッククリップは、ベースがロックするように動くためにプラスチックのばね作動に依拠する。
【0109】
投薬ロック620およびバイアルロック630の位置は、
図9~
図15に説明したデバイス400に関連して説明したのと同様にそれぞれのカム624、634がそれぞれのモータ626、636によって係止部まで回されたときの電流の増大を測定することによって検出される。
【0110】
デバイス600は、バイアル500の存在を検出するためのセンサ(例えば、リミットスイッチまたは光センサ)を更に備える。
【0111】
組立体全体は、シャーシ616の上にクリッピングするカバー618により、露出したねじを有しないことが可能である。カバー618がクリッピングされる前に、機械的および電気的部品の機能を組み立て、シャーシ616上で試験することができる。
【0112】
デバイス600は、充電のためのミニUSBポートを備える。代替的に、デバイス600は、コイルもしくは誘導充電、および/または、USB C、専用充電ポート等の代替的な充電ポート、または本開示の教示に従って当該技術分野の当業者によって理解されるような他の充電ポートを備えることができる。
【0113】
図19は、デジタルプラットフォーム700と、ユーザデバイス800と、分配デバイス900とを備える例示的なシステムのシステム図を示す。デジタルプラットフォーム700およびユーザデバイス800はそれぞれ、本明細書に記載のコンピューティングデバイス200、その代替、および/または本開示の教示に従って当該技術分野の当業者によって認識および理解されるようなその変形を含むことができる。分配デバイス900は、本明細書に記載の分配デバイス100、400、600のうちの任意のもの、その代替、および/または本開示の教示に従って当該技術分野の当業者によって認識および理解されるようなその変形を含むことができる。
【0114】
認可されたユーザ702(例えば、医師)は、服薬遵守、ノズル位置、バイアルタイプ、患者情報、デバイス情報、処方情報、投薬量情報および分配デバイス不正変更に関する情報を、デジタルプラットフォーム700を介して受信することができる。情報は、分配デバイス900の出力904として提供することができる。認可されたユーザ702は、ノズルロック/ロック解除、バイアルロック/ロック解除、および/または生体認証ロード/クリアに関するコマンドを、デジタルプラットフォーム700を介して入力することができる。デジタルプラットフォームは、ユーザデバイス800上のアプリケーションを介して分配デバイス900に通信することができる。
【0115】
ユーザ(例えば、患者)は、ユーザデバイス800および/または生体スキャナ908を介して分配デバイス900によって認証することができる。ユーザデバイス800は、投薬スケジュール、リマインダ、服薬遵守に関する情報を分配デバイス900から更に受信することができる。
【0116】
分配デバイス900は、ノズルロック機構922に係合するように位置決めされたモータ926およびカム924を備えることができる。モータ926、カム924およびノズルロック機構922は、投薬を防止するようにノズル位置をロックするための本明細書に記載された分配デバイス100、400、600の構造に類似した構造および/または機能、その変形、または本開示の教示に従って当該技術分野の当業者によって理解されるようなその代替を有することができる。
【0117】
分配デバイス900は、バイアルロック機構932に係合するように位置決めされたモータ936およびカム934を備えることができる。モータ936、カム934およびバイアルロック機構932は、分配デバイス内にバイアルを固定するための本明細書に記載された分配デバイス100、400、600の構造に類似した構造および/または機能、その変形、または本開示の教示に従って当該技術分野の当業者によって理解されるようなその代替を有することができる。
【0118】
分配デバイス900は、バイアル500等のバイアル、その変形、または本開示の教示に従って当該技術分野の当業者によって理解されるようなその代替を収容することができる。
【0119】
分配デバイス900は、薬剤を分配するために押し下げることができるノズル960を備えることができ、分配デバイス上に、本明細書の他の箇所に記載のようなロックおよび/または投薬検出のための特徴、その変形、および本開示の教示に従って当該技術分野の当業者によって理解されるようなその代替を設けることができる。
【0120】
分配デバイス900は、ノズル960の部分的押し下げを検出し、バイアル500の存在を検出し、分配デバイス900への進入を検出するための、および/または本明細書の他の箇所に記載の光センサの他の機能、その変形、および本開示の教示に従って当該技術分野の当業者によって理解されるその代替のための光センサ944を備えることができる。
【0121】
分配デバイス900は、異なるユーザがデバイス900を扱うときに検出するためのユーザ固有の動きパターンを検出するジェスチャセンサ901(例えば、微動センサ)を備えることができる。
【0122】
図20Aおよび
図20Bは、
図9~
図16Cに示される分配デバイス400のハンドル部分463および回路基板440の代わりに用いることができる代替的なハンドル部分763および回路基板740の図である。
図20Aおよび
図20Bに示すハンドル部分763は、
図9~
図16Cに示されるハンドル部分463の対応する特徴460、466、480、496に類似して構成された、ノズル760と、係合リング766と、刻み目796を有するハウジングインタフェース780とを備えることができる。ハンドル部分763および回路基板740は本明細書に開示される他の分配デバイス、その変形、および当業者によって理解されるその代替と共に機能するように適合することができる。
【0123】
図20Aおよび
図20Bに示すハンドル部分763は、
図10、
図15、
図16Aおよび
図16Cに示す開口部490、492、494の代わりに高コントラストグラフィック画像791を含む。
図20Bに示す回路基板740は、高コントラストグラフィック画像791を見るように位置決めされたセンサ741と、センサ741を操作するための関連付けられたハードウェアおよびソフトウェアとを含む。ハンドル部分763が押し下げられるかまたは解放されると、画像791はハンドル部分763と共に動く。
【0124】
高コントラスト画像791は、いくつかの手段によってハウジングインタフェース780に適用することができ、例えば、画像791はステッカー上にプリントすることができ、次にステッカーがハウジングインタフェース780に貼り付けられ、画像791はハウジングインタフェース780上に直接プリントすることができ、および/または画像791は、可視光反射および/またはIR光反射においてハウジングインタフェース780の主要材料とコントラストを成す材料においてオーバーモールド成形/ハウジングインタフェース780とコモールド成形することができる。画像791は、約14ミリメートル(mm)×14mmのサイズにすることができる。画像サイズは、ハウジングインタフェース780の好便な部分を占有するように調整することができ、および/または画像サイズは、当業者に理解されるように本明細書における教示によるセンサ分解能を達成するように調整することができ、例えば、画像は、ハウジングインタフェース780の面積および分配デバイス400の他の幾何学的係数によって決まる最大サイズ制限、ならびに最小センサ分解能設計パラメータによって決まる最小サイズ制限を有することができる。画像791は、明色の背景に暗色の三角形793を含むか、または長手方向軸L-Lの方向において明色の空間に対する暗色の空間の量の変化を有する他のそのような画像を含むことができる。暗色および明色がインタリーブされるように、暗色の三角形の基部は、画像791の第1の端部上に位置合わせすることができ、明色の基部は、画像791の第2の端部の上に位置合わせすることができる。示されるように、暗色の三角形の基部は、画像791の上部にあり、明色の三角形の基部は画像791の底部にあるが、この向きは、当業者によって理解されるように、ソフトウェアにおける変更により、明色の三角形の基部が画像791の上部にあり、暗色の三角形の基部が画像791の底部にあるように逆にすることができる。
【0125】
センサ741は、前のサンプルとの比較を要することなく、単一のサンプルにおいてハンドル位置を測定するように構成することができる。センサ741は、高度の分解能でノズル760の押し下げの長さを特定するように構成することができる。分解能は、当業者によって理解されるようないくつかの手段によって特定することができる。本明細書における分解能の数値を提供する目的で、ハンドル部分763が約5mmの範囲にわたって数値的に制御されるポジショナによって動かされる際、センサの出力が記録される。記録される出力は、制御位置に対し統計的に比較され、センサ出力の反復性および線形性が計算される。線形性は、ハンドル部分763が5mmの範囲にわたって0.5mmのインクリメントで動かされるときに、各位置から次の位置への出力の差の標準偏差として表される。反復性は、ハンドル部分763が2mmの範囲にわたって、次に3mmの範囲にわたって5回上下に動かされるときの、位置毎の出力サンプルの標準偏差の最大値として表される。mmあたりのカウントにおける分解能は、4mm離れた2つの位置間のセンサ出力カウントの数を4で除算し、反復性を差し引き、線形性を差し引いたものとして表される。
【0126】
好ましい例において、センサは、少なくともmmあたり約4カウント、最大でmmあたり500超カウントの分解能を有することができる。mmあたり約815カウントにおいて、検知される押し下げは、約64カウントまたは約83マイクロメートルの測定誤差まで正確であり得る。センサ741は、mmあたり約815カウントの分解能で、約47マイクロワットの平均電力消費において、毎秒10サンプルのサンプルレートで連続動作することができる。別の例において、センサは、少なくともmmあたり約4カウント、最大でmmあたり約2350カウントの分解能を有することができる。mmあたり2350カウントにおいて、検知される押し下げは、約20カウントまたは約8マイクロメートルの測定誤差で反復可能であり得る。センサ741は、mmあたり2350カウントの分解能において、0.015ミリアンペア(mA)の電流で連続動作することができる。センサ741は、mmあたり約500カウントの分解能において、約0.004mAの電流で連続動作することができる。
【0127】
センサ741および画像791は、低プロファイルとすることができ、好ましくは、回路基板740のメインボードは、ハウジングインタフェース780から約2.5ミリメートルの距離D1とすることができる。センサ741は、ハウジングインタフェース780と別個とし、グラフィック画像791がセンサ741と接触しないことにより、ハウジングインタフェース780の押し下げによりグラフィック画像791にもセンサ741にも損傷が生じないようにすることができる。センサ741は、太陽光、磁石等の外場および影響に対し反応しないことができる。センサ741は製造公差およびドリフトに対しロバストであり得る。センサ741は、迅速な部分投薬を検出することができるような高サンプルレートを有するように構成することができる。センサ741は、バイアルの存在を検出するように構成することができる。センサ741および回路基板740は、ハンドル部分763およびバイアル500がハウジング402に挿入されるとき、自動化較正手順を実行するように構成することができる。センサ741は単一のセンサのみを有してもよく、または較正および/または冗長性のための第2のセンサを有してもよい。センサ741は、レンズまたは他のそのような光学特徴を用いずに動作することができる。
【0128】
センサ741は、画像791の反射率を検知するように構成することができる。センサ741は、赤外線(IR)近接センサを含み、好ましくは、広角IR発光ダイオード(LED)も含む。IR LEDは、画像791を照明するように位置決めすることができる。センサ741は、画像791が動く際、センサ741に対し提示されるIR反射率の変化を検知するように構成することができる。センサ741は、IR距離検知を用いてバイアル500の存在を検出するように構成することができる。
【0129】
一般的に、IR近接センサは、動きを検出するか、または距離を測定するための、オートフォーカス、ジェスチャ認識等のいくつかの用途において現在用いられている。距離を測定するとき、IR光のビームが発せられ、IR近接センサは、物体から検出器に反射されるIR光の強度を測定する。ここで、強度は、物体から検出器までの距離に反比例する。良好な性能を達成するために、これらのセンサは、いくつかの技法を用いて、強力な干渉(例えば、太陽光)の存在下で、非常に低電力で大きなダイナミック測定範囲を提供する。IR近接センサは、太陽光、磁石等の外場および影響に反応しない結果をもたらすために、当該技術分野において既知のものを含む回路、材料、および技法を含むことができる。
【0130】
IR近接センサは通常、
図20Bに示すようなセンサ741と画像791との間の分離D1よりもはるかに大きな距離に位置決めされたターゲットを検知するように設計される。したがって一般的なIR近接センサは、検出器から離間されたナロービームIRエミッタを含む。ナロービームは、より大きい距離において正確な測定を達成することが望ましい。分配デバイス400におけるセンサ741は、好ましくは、ナロービームIRエミッタの代わりに、またはそれに加えて用いられる広角IR光源(例えば、LED)を含む。例えば、ナロービームIRエミッタを用いて、バイアル500の存在を特定することができる一方、広角IR光源を用いて画像791の動きを特定することができる。
【0131】
画像791は、好ましくは、IR反射率に関し高コントラストを有する。画像791は、非限定例として、白色プラスチックに対する黒色ポリ塩化ビニル(PVC)、および/または白色の紙上の黒色のレーザプリントされた画像を含むことができる。白色の紙上の黒色の感熱プリントされた画像は、白色プラスチックに対する黒色ポリ塩化ビニル(PVC)、および/または白色の紙上の黒色のレーザプリントされた画像と比較して、IR反射率に関し、大幅に低いコントラストを有する場合がある。
【0132】
更にまたは代替的に、センサ741は、ハンドル部分763の押し下げを検出するための可視光センサおよび可視光源を含むことができる。可視光センサは、ハンドル部分763の押し下げを検知するためのIR近接センサに置き換わることができ、かつ/または、ハンドル部分763の押し下げのための冗長および/もしくは較正センサとしてIR近接センサに加えて用いることができる。
【0133】
センサ741は、画像791のライン走査を行うように構成することができ、ライン走査は、ハンドル部分763が動く際に変化する。センサ741は、長手方向軸L-Lの方向において短い寸法を有し、長手方向軸L-Lに垂直に長い寸法を有することができ、長い寸法は実質的に短い寸法よりも大きい。
【0134】
図21は、回転センサに反射率を提供するように構成された画像791aの図である。
図20Aおよび
図20Bに関して説明されるセンサ741および画像791に関して説明される原理を他の用途(すなわち、分配デバイス400に限定されない)において用いて、機械的装置またはシステム内のコンポーネント部分の位置および/または角度回転を特定するための非接触高分解能センサを提供することができる。例示的な画像791aは、第1の回転角としての広い基部と、第2の回転角における先細りの端部とを有する先細りの弓状のバンドを含むことができる。角度を反時計回りに測定して、
図21は、ゼロ度における基部と、180度における先細りの端部とを有する先細りの弓状の暗色バンドと、180度における広い基部と、ゼロ度における先細りの端部とを有するインタリーブされた先細りの弓状の明色バンドとを示す。画像791aは、扇形、環帯、環帯セクタ等の、円に幾何学的に関係する形状を有することができる。画像791は、先細りの弓状のバンドの軌道によって定義される中心点を有することができる。画像791aおよびセンサ741は、画像791aの中心点において互いに対し固定することができる。センサ741および画像791aのうちの少なくとも1つは、中心点の周りを回転するように構成することができ、それによって、センサ741は、弓状のバンドの弧を辿るように動き、かつ/または画像791aはセンサ741にわたって弓状のバンドの弧を動かすように動く。センサ741の分解能は、単位角(例えば、度またはラジアン)あたりのカウントで特定することができる。
【0135】
ハンドル部分の押し下げを検知するための更なる代替手段も検討される。検知手段は、分配デバイスにおける冗長性および/または較正のために組み合わせることができる。線形磁場センサは、ハンドル部分の磁気双極子の動きを検知するように位置決めすることができ、そのようなセンサにおける磁場強度および磁場の方向は、ハンドル部分が動く際に変化する。容量センサは、回路基板上の金属プレートおよびハンドル部分上の金属プレートを含むことができ、それによって、プレートの重複に比例する大きさを有する電場がセンサプレート間で結合され、プレートの重複は、回路基板に対しハンドル部分が動く際に変化する。抵抗センサは、ハンドル部分が回路基板に対し動き、それによってポテンショメータの抵抗を変化させるとき、ハンドル部分上のリブに対し回転するノブを有する、回路基板上に位置決めされたポテンショメータを含むことができる。ハンドル部分が回路基板に対し動かされ、マイクロスイッチを、ハンドル部分の押し下げに基づいて開閉間でトグルさせるとき、ハンドル上の機械的リブに係合するロッカを有する1つまたは複数のマイクロスイッチを回路基板上に位置決めすることができる。光遮断センサは、ハンドル部分上の開口部を通る光を検知するように位置決めされた光センサと、ハンドル部分における開口部を通して光を提供するように位置決めされた光源とを備えることができ、開口部は、水平リブまたは変調されたスケールを含むことができる。磁場センサは、ハンドル部分と共にスケールが動くにつれ、センサにおける磁場が交番するように、ハンドル部分の磁気スケールを検知するように位置決めすることができる。運動追跡集積回路は、ハンドルが運動追跡集積回路に対し動く際に、運動追跡集積回路が画像の動きを検知するようにハンドル上の画像をとらえる(view)ように位置決めすることができる。カラーセンサは、画像がハンドル部分と共に動く際、カラーセンサに反射される光の色が変化するように白色光源によって照明されるハンドル部分上の色勾配を有する画像をとらえるように位置決めすることができる。画像からセンサに反射される光の総量がハンドル部分の位置と共に変化するように、ハンドル部分上の画像は白黒の境界(border)を有することができ、回路基板上のセンサは、IR光反射センサ、IR近接センサ、および周囲光センサのうちの1つまたは複数を含むことができる。
【0136】
本発明は特定の例示的な実施形態を参照して示され、説明されたが、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、また本明細書において特許請求される本発明を制限することなく、様々な詳細変更を行うことができることが、当業者によって理解される。更に、例示的な実施形態が特定の数の要素を参照して説明される場合、例示的な実施形態は、特定の数の要素よりも少ないかまたは多いかのいずれかを利用して実施され得ることが理解される。
【符号の説明】
【0137】
100 分配デバイス
102 ハウジング
104 第1の閉鎖端
104a 表面
106 第2の閉鎖端
106a ベースプレート
108 ノズル
110 凹部
112 ディスプレイ、ディスプレイスクリーン
114 第1の部分
116 第2の部分
118 液体容器
120 ポンプ、ポンプ組立体
122 チャネル
124 ソレノイド
126 プリント回路基板
128 バッテリ
130 信号LED
132 レンズ
134 生体センサ
136 フォトセル
138 薬剤センサ
140 タクタイルスイッチ
142 リアルタイムクロック、リアルタイムクロックチップ
200 コンピューティングデバイス
242 カム
300 モータ組立体
302 モータ
304 第1のギア
306 開口部
308 内歯車
310 中央ロック
312 キー溝
314 シャフト
316 キー
318 アパーチャ
320 底面
322 第2のギア
324 ディスク
326 切欠き
328 L字形フランジ
330 上面
400 分配デバイス
402 ハウジング
404 第1の上端
404a 第1の表面、第1の上面
406 第2の下端
406b 第2の底面
408 生体センサ
410 指カバー
412 開口部
413 キー延長部
414 チャンバ、チャンバ空洞
415 係止部
416 シャーシ
417 係止部
418 カバー
419 排出口
420 投薬ロック
422 摺動延長部
423 バンプ
424 カム
425 延長部
426 モータ
427 ロックカバー
428 ばね
430 バイアルロック
432 摺動延長部
433 バンプ
434 カム
435 延長部
436 モータ
437 ロックカバー
438 ばね
440 回路基板
442 光センサ
444 光センサ、中央センサ
446 光センサ
448 バッテリ
450 誘導コイル
451 上部カバー
452 LED基板
453 光ガイド
454 上部リング
455 ねじ
456 スキャンネスト
457 共成形リング
460 使い捨てノズル、専用ノズル
461 ノズルキャップ
462 円錐部
463 ハンドル部分
463a 上側部分
463b 下側部分
464 流体通路
465 クリップ
466 係合リング
467 クレードル
468 上面
470 底面
472 分配端
474 ベース端
476 保持リング
478 ばね
480 ハウジングインタフェース
481 可撓性フック
482 外面
484 上端
486 下端
488 通路
490 視覚的特徴、バイアルロック開口部
492 視覚的特徴、開口部
494 視覚的特徴、開口部
496 刻み目
497 上側レッジ
498 バイアルロック開口部
499 下側レッジ
500 鼻用噴霧器、医薬品バイアル、鼻用噴霧デバイス
502 液体容器
504 噴霧器
508 バイアルノズル
510 押し下げタブ
600 分配デバイス
606 底部
608 生体センサ
610 指カバー
616 シャーシ
618 カバー
620 投薬ロック
622 摺動投薬ロック延長部
624 投薬ロックカム
626 投薬ロックモータ
628 ばね
630 バイアルロック
632 c形状バイアルロック延長部
634 バイアルロックカム
636 バイアルロックモータ
640 回路基板
648 バッテリ
651 上部カバー
652 LED基板
653 光ガイド
654 上部リム
657 カバー共成形
658 ベース
660 ノズル
663 ハンドル部分
678 ばね
680 ハウジングインタフェース
682 外面
695 角度付きレッジ
696 刻み目
698 刻み目
700 デジタルプラットフォーム
702 ユーザ
740 回路基板
741 センサ
760 ノズル
763 ハンドル部分
766 係合リング
780 ハウジングインタフェース
791 高コントラストグラフィック画像
793 三角形
796 刻み目
800 ユーザデバイス
900 分配デバイス
901 ジェスチャセンサ
904 出力
908 生体スキャナ
922 ノズルロック機構
924 カム
926 モータ
932 バイアルロック機構
934 カム
936 モータ
944 光センサ
960 ノズル
【国際調査報告】