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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-14
(54)【発明の名称】履物具のソール構造
(51)【国際特許分類】
   A43B 13/14 20060101AFI20240507BHJP
【FI】
A43B13/14 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2023568133
(86)(22)【出願日】2022-05-04
(85)【翻訳文提出日】2023-12-27
(86)【国際出願番号】 IB2022054138
(87)【国際公開番号】W WO2022234493
(87)【国際公開日】2022-11-10
(31)【優先権主張番号】63/183,954
(32)【優先日】2021-05-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】511264353
【氏名又は名称】プーマ エス イー
【氏名又は名称原語表記】PUMA SE
【住所又は居所原語表記】Puma Way 1,91074 Herzogenaurach Germany
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】弁理士法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】フォーコニエ,シドニー
【テーマコード(参考)】
4F050
【Fターム(参考)】
4F050AA01
4F050BA05
4F050HA33
4F050HA53
4F050HA56
4F050HA58
4F050HA59
4F050HA73
4F050LA01
(57)【要約】
履物具の履物アッパー及びソール構造が提供される。前記履物ソールは、前記履物具の外側面と内側面との間に延在する第1の底部を有する足先領域と、前記履物具の前記外側面と前記内側面との間に延在する第2の底部を有する踵領域と、前記踵領域と前記足先領域との間に配置される中足領域とを含むことができる。前記第2の底部は、前記外側面と前記内側面との間に定義される傾斜面に沿って配置することができ、前記傾斜面は前記内側面から前記外側面に向かって上昇する。前記第1の底部は基準面に沿って配置され、前記傾斜面は前記基準面に対して角度を持って配置される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アッパーとソール構造を有する履物具であって、
前記ソール構造は、
外側面と内側面との間に延在する第1の底部を有する足先領域と、
前記外側面と前記内側面との間に延在する第2の底部を有する踵領域と、
前記踵領域と前記足先領域との間に配置される中足領域と、
を含み、
前記第2の底部は、前記外側面と前記内側面との間に定義される傾斜面に沿って配置され、
前記傾斜面は前記内側面から前記外側面に向かって上昇しており、
前記第1の底部は基準面に沿って配置され、
前記傾斜面は前記基準面に対して角度をなして配置される、
履物具。
【請求項2】
前記第1の底部は前記外側面に沿って凹状に湾曲する側壁を含む、請求項1に記載の履物具。
【請求項3】
前記第1の底部分の前記側壁は前記内側面に沿って凹状に湾曲している、請求項2に記載の履物具。
【請求項4】
前記第2の底部は前記外側面に沿って凸状に湾曲する側壁を含む、請求項2に記載の履物具。
【請求項5】
前記第2の底部分の前記側壁が前記内側面に沿って凸状に湾曲している、請求項4に記載の履物具。
【請求項6】
前記第1の底部の第1の複数のトレッドが第1のねじれ角で配置され、前記第2の底部の第2の複数のトレッドが前記第1のねじれ角とは異なる第2のねじれ角で配置される、請求項1に記載の履物具。
【請求項7】
前記第1の底部が前記ソール構造の最大幅部分を定義する、請求項1に記載の履物具。
【請求項8】
前記第1の底部と前記第2の底部とは異なる材料で形成されている、請求項1に記載の履物具。
【請求項9】
ソール構造を有する履物具であって、
前記ソール構造は、
外側面の反対側である内側面と、
中心面が交差する中足領域と、
第1の底部に沿って離隔し中心面に対して第1のねじれ角で配置された第1の複数のトレッドを含むと共に水平基準面を定義する前記第1の底部を有し、前記内側面と前記外側面との間に延在する、第1のアウトソールを含む足先領域と、
前記内側面と前記外側面との間に延在する第2の底部を有する第2のアウトソールを含む踵領域と、
を含み、
前記第2の底部は、前記第1の底部の前記水平基準面に対して角度をなして配置され、
前記第2の底部は、前記第2の底部に沿って離隔し前記中心面に対して第2のねじれ角で配置された第2の複数のトレッドを含み、
前記第1のねじれ角と前記第2のねじれ角とは異なる、
履物具。
【請求項10】
前記第1の底部が第1の密度を有する材料で形成され、前記第2の底部が第2の密度を有する第2の材料で形成され、前記第1の密度が前記第2の密度よりも大きい、請求項9に記載の履物具。
【請求項11】
前記第1の底部は前記外側面に沿って凹状に湾曲する側壁を含む、請求項9に記載の履物具。
【請求項12】
前記第1の底部の前記側壁は前記内側面に沿って凹状に湾曲している、請求項11に記載の履物具。
【請求項13】
前記第2の底部は前記外側面に沿って凸状に湾曲する側壁を含む、請求項9に記載の履物具。
【請求項14】
前記第2の底部の前記側壁が前記内側面に沿って凸状に湾曲している、請求項13に記載の履物具。
【請求項15】
ソール構造を有する履物具であって、
前記ソール構造は、
踵領域を含み、凸状に湾曲した側壁を構成する第1の部分と、
少なくとも足先領域を含み、凹状に湾曲した側壁を構成する第2の部分と、
を含み、
前記第1の部分は、中心線と外側面と内側面の間に延在する外側部分と、前記中心線と前記内側面との間に延在する内側部分とを含み、前記外側部分は前記中心線と前記外側面との間の第1の角度で上向きに傾斜し、
前記第2の部分は中心線と内側面との間の第2の角度で上向きに傾斜した内側部分を含み、
前記第1の角度は前記第2の角度より大きく、
前記第1の部分の内側部分は前記第1の部分の外側部分より幅が広い、
履物具。
【請求項16】
前記第1の部分の第1の複数のトレッドが第1のねじれ角で配置され、前記第2の部分の第2の複数のトレッドが前記第1のねじれ角とは異なる第2のねじれ角で配置される、請求項15に記載の履物具。
【請求項17】
前記第1の部分が第1の密度を有する材料で形成され、前記第2の部分が第2の密度を有する第2の材料で形成され、前記第1の密度が前記第2の密度より小さい、請求項15に記載の履物具。
【請求項18】
前記第2の部分の前記側壁が前記外側部分に接続して鋭角を構成する、請求項15に記載の履物具。
【請求項19】
前記第1の部分が、歩行サイクルの初期の踵の接地段階及び立脚中期を通じて回内を与えるように構成されている、請求項15に記載の履物具。
【請求項20】
前記第2の部分は前記第1の部分の表面積より大きな表面積を定義する、請求項19に記載の履物具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ソール構造を含む履物具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、履物具は、アッパー構造とソール構造を含んでいる。アッパー構造は、足を、ソール構造上に受け入れ、固定し、支持するために、任意の適切な材料から形成されてよい。アッパー構造は、靴紐、ストラップ、又は、他の留め具と協力して、足の周りのアッパー構造のフィット感を調整することができる。足の底面に近いアッパー構造の底部は、ソール構造に取り付けられる。
【0003】
ソールアセンブリは、一般に、地面とアッパー構造との間に延在する。いくつかの例では、ソール構造は、耐摩耗性及び地面との静止摩擦(traction)を提供するアウトソールを含む。アウトソールは、耐久性及び耐摩耗性を付与すると共に、地面との静止摩擦を強化するゴム又は他の材料から形成されてもよい。
【0004】
足の解剖学的構造には、足の構造及びパフォーマンス(performance)に影響を与える様々な骨、関節、及び動きが含まれる。例えば、この感度は、固有受容器感覚(proprioception)として説明でき、「第六感」としても知られ、自分の身体の位置と動きの知覚又は認識と関係する。特定の領域での快適さと柔軟性、必要な箇所の剛性と硬さを提供することによって、人の固有受容器感覚を強化し、履物具の内部での足の自然な動きと屈曲に適応する履物具を設計することは都合がよい。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書に記載される履物具は、様々な構成を有することができる。履物具は、アッパーと、アッパーに接続されたソール構造とを有してよい。
【0006】
本開示のいくつかの態様では、アッパー及びソール構造を有する履物具を提供する。ソール構造は、靴の外側面と内側面との間に延在する第1の底部を有する足先領域と、靴の外側面と内側面との間に延在する第2の底部を有する踵領域と、踵領域と足先領域との間に配置される中足領域とを含むことができる。第2の底部は、外側面と内側面との間に定義される傾斜面に沿って配置され、傾斜面は内側面から外側面に向かって上昇する。第1の底部は基準面に沿って配置され、傾斜面は基準面に対して角度を持って配置されている。
【0007】
いくつかの実施形態では、第1の底部は、外側面に沿って凹状に湾曲する側壁を含む。いくつかの実施形態では、第1の底部の側壁は、内側面に沿って凹状に湾曲している。いくつかの実施形態では、第2の底部は、外側面に沿って凸状に湾曲する側壁を含む。いくつかの実施形態では、第2の底部の側壁は、内側面に沿って凸状に湾曲している。
【0008】
いくつかの実施形態では、第1の底部の第1の複数のトレッド(tread)は、第1のねじれ角で配置され、第2の底部の第2の複数のトレッドは、第1のねじれ角とは異なる第2のねじれ角で配置される。いくつかの実施形態では、第1の底部はソール構造の最大幅部分を定義する。いくつかの実施形態では、第1の底部と第2の底部は異なる材料で形成される。
【0009】
いくつかの態様では、履物具は、外側面の反対側である内側面と、中足領域と、内側面と外側面との間に定義されると共に水平基準面を定義する第1の底部を有する第1のアウトソールを含む足先領域と、内側面と外側面との間に定義される第2の底部を有する第2のアウトソールを含む踵領域と、を備えるソール構造を含み、第2の底部は第1の底部の
水平基準面に対して角度を成して配置される。
【0010】
いくつかの実施形態では、第1の底部は第1の密度を有する材料で形成され、第2の底部は第2の密度を有する第2の材料で形成される。いくつかの実施形態では、第1の密度は第2の密度よりも大きい。いくつかの実施形態では、第1の底部は、外側面に沿って凹状に湾曲する側壁を含む。いくつかの実施形態では、第1の底部の側壁は、内側面に沿って凹状に湾曲している。いくつかの実施形態では、第2の底部は、外側面に沿って凸状に湾曲する側壁を含む。いくつかの実施形態では、第2の底部の側壁は、内側面に沿って凸状に湾曲している。
【0011】
いくつかの態様では、ソール構造を有する履物具は、踵領域を含む第1の部分と、少なくとも足先領域を含む第2の部分とを含む。第1の部分は凸状に湾曲した側壁を備え、第2の部分は凹状に湾曲した側壁を備える。第1の部分は、中心線と外側面との間に延在する外側部分と、中心線と内側面との間に延在する内側部分とを含む。外側部は、中心線と外側面との間で第1の量だけ上向きに傾斜している。第2の部分は、中心線と内側面との間で第2の量だけ上向きに傾斜した内側部分を含む。第1の量は第2の量よりも大きく、第1の部分の中間部分は第1の部分の外側部分よりも広い。いくつかの実施形態では、第1の部分の第1の複数のトレッドは、第1のねじれ角で配置され、第2の部分の第2の複数のトレッドは、第1のねじれ角とは異なる第2のねじれ角で配置される。いくつかの実施形態では、間隔をあけた第1の複数のトレッドは、足先領域に沿って離間しており、内側面と外側面との間に延在している。第1の複数のトレッドは、中心面に対して第1のねじれ角で延在することができ、第1のねじれ角は1度以上45度以下であってよく、5度以上30度以下であってよく、10度以上20度以下であってよい。
【0012】
いくつかの実施形態では、第1の部分は第1の密度を有する材料で形成され、第2の部分は第2の密度を有する第2の材料で形成される。いくつかの実施形態では、第1の密度は第2の密度よりも小さい。いくつかの実施形態では、第2の部分の側壁は外側部分に接続して鋭角を形成する。いくつかの実施形態では、第1の部分は、歩行サイクルの初期の踵接地段階及び立脚中間段階を通じて、回内運動(pronation)を与えるように構成されている。いくつかの実施形態では、第2の部分は、第1の部分の表面積よりも大きな表面積を定義する。
【0013】
いくつかの実施形態では、踵領域は、踵端と中足領域との間の長手方向軸に沿った方向において、アッパーと第2の底部との間の高さが異なっていてよい。例えば、当該高さは、アッパーに形成された開孔部の下にある踵領域の一部に沿って最も高くてよい。さらに、当該高さは、内側面と外側面との間で外側方向に変化してもよい。例えば、当該高さは内側面でより大きく、外側面に向かって徐々に減少してよい。
【0014】
いくつかの実施形態では、踵領域は、内側面から外側面に向かっても減少すること、及び、踵端から中足領域に向かっても減少することなど、複数の方向で高さが変化してよい。いくつかの例では、当該高さは中足領域の外側面で最も小さくてよい。当該高さは、外側面又は縦面からの距離の関数として変化してよい。いくつかの実施形態では、第2の底部は、内側面と外側面との間に延在する第2の複数のトレッドをさらに含む。第2の複数のトレッドは、第2の底部から、第2の底部から離間した頂点まで延在する。トレッド深さは、第2の底部と頂点との間の複数のトレッドのそれぞれに沿って定義されてよく、トレッド深さは、内側面から外側面に向かって、又は、長手方向軸と平行な方向に踵領域に沿って変化してもよい。例えば、当該トレッドの深さは、内側面から外側面に向かって増加することができ、深さの増加は、いくつかの例では徐々に、他の例では不均一であり、又は、それらの組み合わせである。
【図面の簡単な説明】
【0015】
本明細書に記載される図面は、選択された構成の例示のみを目的としており、本開示の範囲を限定することを意図するものではない。
【0016】
図1図1は、アッパー及びソール構造を含む右靴として構成された履物具の側面図である。
図2図2は、図1の履物具と同様の履物具の別の例を示す等角底面投影図である。
図3図3は、図1の履物具と同様の履物具のさらに別の例の等角投影図である。
図4図4は、本発明の一実施形態による、図1の履物具と同様の履物具のさらに別の例の背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下の説明及び添付の図面は、靴及びソール構造の様々な実施形態又は構成を開示する。靴又はソール構造の実施形態は、ランニングシューズ、テニスシューズ、バスケットボールシューズなどのスポーツシューズに関して開示されているが、靴又はソール構造の実施形態に関連する概念は、例えば、クロストレーニングシューズ、サッカーシューズ、ゴルフシューズ、ハイキングシューズ、ハイキングブーツ、スキー及びスノーボードブーツ、サッカーシューズ及びクリート(cleats)、ウォーキングシューズ、及びトラッククリート(track cleats)を含む広範囲な履物及び履物様式(footwear styles)に適用することができる。靴又はソール構造の概念は、ドレスシューズ、サンダル、ローファー、スリッパ、ヒールなど、運動用ではないとみなされる履物具にも適用できる。
【0018】
本明細書で使用される「約」という用語は、例えば、本開示の実施形態を含み得る履物具又は他の製造品に使用される典型的な測定手順及び製造手順、これらの手順における不注意によるエラー、組成物や混合物の製造するために、又は、当該方法を実施するために使用される成分の製造、供給源又は純度の差、などを通じて生じ得る数量の変動を指す。本開示の全体を通して、「約」及び「およそ」という用語は、その用語に先行する数値の±5%の範囲の値を指す。
【0019】
本明細書で幾何学的記述の文脈で使用される場合、別段の限定又は定義がない限り、「実質的に」とは、同様の様式(type)の構成要素又は同様の工程(processes)を使用して形成される構成要素に対する従来の製造公差内の特定の形状又は寸法に対応することを示す。これに関して、例えば、「実質的に円形」は、許容可能な製造公差内で円形から逸脱しているプロファイルを示すことができる。本明細書で使用される場合、「角度を付けた」という用語は、3つの点、又は2つの表面、軸、平面、又はそれらの何らかの組み合わせの間の相対位置を含むことができ、線形関係及び非線形関係、例えば、曲率をさらに含むことができる。
【0020】
さらに、本明細書で使用される場合、特に定義又は限定されない限り、方向性のある用語は、特定の図又は例について説明するための参照の便宜のために使用される。例えば、「下方」又は他の方向、もしくは、「下」又は他の位置という表現は、特定の例又は図の一態様を説明するために使用することができるが、必ずしも、全ての配置又は構成において同様の方向又は幾何学的形状を必要とするわけではない。
【0021】
本明細書において、第1、第2、第3などの用語は、様々な要素、構成要素、領域、層及び/又はセクションを説明するために使用され得る。これらの要素、構成要素、領域、層及び/又はセクションは、これらの用語によって限定されるべきではない。これらの用語は、1つの要素、構成要素、領域、層、又はセクションを別の領域、層、又はセクションから区別するためにのみ使用され得る。「第1」、「第2」及び他の数値用語などの用語は、文脈によって明確に示されない限り、順番または順序を意味するものではない。したがって、以下に説明する第1の要素、構成要素、領域、層、またはセクションは、例示的な構成の教示から逸脱することなく、第2の要素、構成要素、領域、層、またはセクションと称することができる。
【0022】
本開示は、履物具、及び/又はアッパー及び/又はソールもしくはソール構造などの履物具の特定の構成要素を対象とする。アッパーは、ニット部品(knitted component)、織物テキスタイル(woven textile)、不織布テキスタイル(non-woven textile)を含んでもよい。ニット部品は糸(yarn)の編み込み(knitting)によって、織物テキスタイルは糸の織り込み(weaving)によって、不織物テキスタイルは一体型不織物ウェブの製造によって製造することができる。ニットテキスタイル(knitted textiles)は、経糸編み(warp knitting)、緯糸編み(weft knitting)、平編み(flat knitting)、丸編み(circular knitting)、及び/又は他の適切な編み物操作の方法によって形成されたテキスタイルを含む。ニットテキスタイルは、例えば、プレーンニット構造(plain knit structure)、メッシュニット構造(mesh knit structure)、及び/又はリブニット構造(rib knit structure)を有することができる。織物テキスタイルは、例えば、平織り(plain weave)、綾織り(twill weave)、サテン織り(satin weave)、ドビン織り(dobbin weave)、ジャカード織り(jacquard weave)、二重織り(double weaves)、及び/又はダブルクロス織り(double cloth weaves)などの多数の織り形態のいずれかの方法によって形成されるテキスタイルを含むが、これらに限定されない。不織布テキスタイルには、例えば、エアレイド法(air-laid method)及び/又はスパンレイド法(spun-laid method)によって作られたテキスタイルが含まれる。アッパーは、第1の糸、第2の糸、及び/又は第3の糸などの様々な材料から構成されてよく、それらは、様々な特性又は様々な視覚的特徴を有することができる。
【0023】
さらに、本開示は、平坦な地面に対して第1の角度で配置された第1の底部と、平坦な地面に対して第2の角度で配置された第2の底部とを含むソール構造を有する履物具に関する。第2の角度は第1の角度とは異なる。第1の底部及び第2の底部のそれぞれは、内側面から外側面まで横方向に延在し、そこから下方に延在し、それに沿って離間する第1の複数のトレッドと第2の複数のトレッドをそれぞれ含む。第1及び第2の複数のトレッドは、それぞれ第1のトレッド角度及び第2のトレッド角度で内側面と外側面との間に延在する。第1のトレッド角度と第2のトレッド角度は異なっていてもよい。いくつかの例では、ソール構造は、ソール構造の踵領域が地面に、ローリング(rolling)して相互作用できるように、側部と第2の底部との間で概して丸い踵領域を含む。いくつかの例では、足先領域は、地面から離れる方向に上方に湾曲するつま先バネと、第1の底部から上方に延在する第1の側部とを含み、第1の側部はそれ(第1の底部)に沿って凹状に湾曲した輪郭を有する。
【0024】
図1は、アッパー102及びソール構造104を含む履物具100の一例を示す。アッパー102は、つま先バネ領域108と、足先領域112と踵領域114との間に位置する中足領域110と、を含むソール構造104に取り付けられる。アッパー102及びソール構造104は共に、踵領域114に少なくとも部分的に位置する開孔部106を通して足を挿入することができる内部空洞(図示せず)を定義する。アッパー102は、履物具100の内面に接続され得る内部空洞内に配置されたインソール(図示せず)を含む。インソールは、靴の着用中に使用者の足に直接接触し得る。ソール構造104はさらに、足先領域112の一部内につま先バネ領域108を含む。
【0025】
参考までに、履物具100は、(例えば、使用者の踵に隣接する)踵端116から、(例えば、使用者のつま先に隣接する)つま先端118まで長手方向に延在する長手方向X軸に対して直交し、中足領域110を通って垂直に延在する垂直Y軸、及び、長手方向X軸に対して垂直に、かつ中足領域110を通って横方向に延在する横方向Z軸(図2を参照)を定義する。長手方向X軸は、1)踵領域114又は中足領域110、及び、2)足先領域112又は中足領域110、に配置されるソール構造104の2つの最下点に接しており、長手方向X軸はソール構造104の他の部分を通過しない。いくつかの実施形態では、履物具100が平面上に置かれているとき、垂直Y軸は、長手方向X軸の長さに沿った履物具100の中点で長手方向X軸と交差し、接地面、すなわち、平面(図示せず)に対して直交する。中央面124は、垂直Y軸に沿って垂直方向にかつ横方向Z軸に沿って横方向に延在し、かつ、足先領域112、踵領域114、又は中足領域110と交差してよい。中央面124は、ソール構造104を、中央面124とつま先端118との間の第1の部分と、中央面124と踵端116との間の第2の部分とに、二等分又は分割することができる。長手方向面126は、例えば、長手方向面126がつま先端118及び踵端116と交差するように(例えば、図2を参照)、長手方向X軸に沿った長手方向、及び、垂直Y軸に沿った垂直方向に延在する。長手方向面126は、ソール構造104の中心線を構成してよい。図2に示されるように、側面127は、横方向Z軸に沿って横方向に、長手方向X軸に沿って縦方向に延在し、長手方向X軸に接する2つの最下点と同一平面上にあってよい。いくつかの実施形態では、側面127は、履物具100が平面上に置かれているとき、平面と同一平面上にある。
【0026】
足先領域112は、一般に、つま先、足の指の付け根、及び中足骨をつま先又は指節骨と接続する関節を含む足の部分を包む履物具100の部分に対応する。中足領域110は、足先領域112に近接して隣接しており、一般に、足のアーチ(arch、例えば、土踏まず)及び足橋を覆う履物具100の部分に対応する。踵領域114は、中足領域110に近接して隣接しており、踵又は踵骨、足首、及び/又はアキレス腱を含む、足の後部を包み込む履物具100の部分に一般的に対応する。
【0027】
履物具100は、また、内側面120(例えば、図3を参照)及び外側面122(例えば、図1を参照)を含む。特に、外側面122は履物具100の外側面部分に対応し、内側面120は履物具100の内側面部分に対応する。したがって、左右の履物具は、対向する外側面及び内側面を有し、使用者が履物具100を着用しているときに互いの内側面120が互いに最も近くなるように、一方、ユーザーが履物製品100を履いているときに互いの外側面122は互いに最も遠い側として定義される。内側面120及び外側面122は、履物具100の対向する遠位端で互いに隣接する。
【0028】
特に指定のない限り、足先領域112、つま先バネ領域108、中足領域110、踵領域114、踵端116、つま先端118、内側面120、及び外側面122は、履物具100の境界又は領域を定義することを意味するものとする。そのために、足先領域112、つま先バネ領域108、中足領域110、踵領域114、踵端116、つま先端118、内側面120及び外側面122は、一般に、履物具100のセクション(section)を特徴づける。さらに、アッパー102とソール構造104の両方は、足先領域112、つま先バネ領域108、中足領域110、踵領域114、踵端116、つま先端118内部の部分、かつ、内側面120及び外側面122上の部分を含むものとして特徴づけることができる。したがって、アッパー102とソール構造104、及び/又はアッパー102及びソール構造104の個々の部分は、足先領域112、つま先バネ領域108、中足領域110、踵領域114、踵端116、つま先端118内部、及び、内側面120及び外側面122上に配置されるそれらの部分を含み得る。
【0029】
図4を参照すると、ソール構造104は、アウトソール領域128、ミッドソール領域130、及びインソール領域132を備えることができる。アウトソール領域128、ミッドソール領域130、及びインソール領域132、及び/又はそれらの任意の構成要素は、足先領域112、つま先バネ領域108、中足領域110、踵領域114、踵端116、及び/又はつま先端118の内部の部分を含んでよい。さらに、アウトソール領域128、ミッドソール領域130、及びインソール領域132、及び/又はそれらの任意の構成要素は、内側面120及び外側面122上に配置されるそれらの部分を含み得る。いくつかの実施形態では、履物具100が着用されたときに、アウトソール領域128は、外側表面、例えば、接地面に、少なくとも部分的に接触するソール構造104の一部として定義されてよい。インソール領域132は、履物具100が着用されたときに、使用者の足に少なくとも部分的に接触するソール構造104の一部として定義されてよい。最後に、ミッドソール領域130は、アウトソール領域128とインソール領域132との間に延在し、アウトソール領域128とインソール領域132とを接続するソール構造104の少なくとも一部分として定義されてよい。
【0030】
図3を参照すると、足先領域112、中足領域110、及び踵領域114は、集合的に、つま先端118から踵端116までの、履物具100の全長に及ぶ。足先領域112は、つま先端118から履物100の最大幅部分134まで、すなわち、ソール構造104の内側面120と外側面122との間の距離、延在する。中足領域110は、履物具100の最大幅部分134から最も薄い部分136まで延在している。踵領域114は、履物具100の最も薄い部分136から踵端116まで延在している。さらに、内側面120は、長手方向面126近くのつま先端118から始まり、中足領域110に向かって足先領域112に沿って、履物具100の内側に沿って外側に湾曲している。内側面120は、最大幅部分134に達し、その点で、内側面120は、長手方向面126に向かって内側に湾曲する。すなわち、内側面120は、履物具100の最大幅部分134から履物具100の最も薄い部分136延在する。履物具100の最も薄い部分136に達すると、内側面120は踵端116に向かって外側に湾曲し、長手方向面126が履物具100の踵端116と交差する場所の近くで終端する。
【0031】
また、外側面122は、長手方向面126のつま先端118から始まり、履物具100の外側(すなわち内側の反対側)に沿って足先領域112に沿って中足領域110に向かって外側に湾曲している。外側面122は、最大幅部分134に達し、長手方向面126に向かって内側に湾曲している。すなわち、外側面122は、最大幅部分134から最も薄い部分136に向かって延在している。一旦、最も薄い部分136に到達すると、外側面122は、踵領域114に延在し、長手方向平面126から外側に向かってから離れるように湾曲する。そのとき、外側面122は、踵端116に向かって内側に反り返り、踵端116が長手方向平面126と交差する場所の近くで終端される。
【0032】
上記の説明を考慮すれば、当業者には多数の修正が明らかであり、その個々の構成要素を多数の履物具に組み込むことができることを理解されたい。したがって、履物具100及びその構成要素の態様は、本明細書に記載されるような足先領域112、中足領域110、踵領域114、外側面122、及び/又は内側面120の境界は、履物具間で異なり得ることを理解しながら、履物具100の一般的な領域又は部分を参照して説明することができる。さらに、履物具100及びその個々の構成要素の態様は、履物具100の正確な領域又は部分を参照して説明することもでき、本明細書の添付の特許請求の範囲には、本明細書で論じられる足先領域112、中足領域110、踵領域114、外側面122及び/又は内側面120のこれらの境界に関連する制限が組み込まれることがある。
【0033】
多くの従来の履物のアッパーは、縫い目での接着又は縫合によって接合される複数の要素(例えば、織物(textiles)、ポリマーフォーム(polymer foam)、ポリマーシート、革、および合成革)から形成される。いくつかの実施形態では、本発明の実施形態による履物具のアッパーは、ニット構造又はニット部品から形成される。様々な実施形態において、ニット部品は、アッパーに異なる特性を提供し得る様々なタイプの糸を組み込んでもよい。例えば、アッパーのある領域は、第1の組の特性を付与する第1の種類の糸から形成されてよく、アッパーの別の領域は、第2の組の特性を付与する第2の種類の糸から形成されてよい。この構成を使用すると、アッパーの様々な領域に特定の糸を選択することによって、アッパーの特性をアッパー全体で変えることができる。図示の実施形態では、アッパー102は、足先領域112内のつま先バネ領域108の近く又はそれに沿って配置される通気セクション(vent section)140を含み、通気セクション140は、足の指の付け根、及び中足骨と足指又は指節骨を接続する関節、つま先を含む足の部分にまたがるように構成される。通気セクション140は、内部空洞と周囲環境との間の空気流の交換を増加させるように構成されており、これにより、使用中に生じる温度、湿気、及び臭気の調節が可能になる。そのために、通気セクション140は、軽量で通気性のある材料、又は複数の開孔部又は穴を有する材料、例えばメッシュ構造で構成されてもよい。
【0034】
さらに、履物具100は、内部空洞内に使用者の足を保持するための閉鎖機構を有するように構成される。いくつかの実施形態では、アッパー102は、履物100を使用者の足の周りにフィットするように調整するための、アイレット(eyelet)、フィンガーループ(finger loop)、及びベロ(tongue)を備えた従来の靴紐システムを含んでもよい。いくつかの実施形態では、アッパー102は、使用者の足の周りに伸びてそこに圧縮力を及ぼして使用者の足を内部空洞内に保持するようなサイズ及び形状の弾性材料で形成される。すなわち、アッパー102は、履物具100がスリッポン(slip-on)又は靴ひもなしの靴として提供されるように、従来の靴ひもを使用しない閉鎖機構を含んでもよい。いくつかの実施形態では、閉鎖機構は、使用者の足の周りの履物具100の締め付けを調整するために、リール(reel)又はディスク(disc)に動作可能に接続されたケーブルを含んでもよい。例えば、閉鎖機構は、米国特許第5,325,613号、米国特許第5,600,875号、米国特許第5,606,778号、米国特許第5,638,588号、米国特許第5,651,198号及び米国特許第5,669,116号に開示されているものと同様であってもよい。これらはすべて一般にPuma SEに譲渡されており、その全体が参照により、本明細書に組み込まれる。
【0035】
ソール構造104は、アッパー102に接続又は固定され、履物具100が使用者によって着用されるとき、使用者の足と地面との間に延在する。ソール構造104は、アウトソール、ミッドソール、ラスティングボード(lasting board)、プレート(plate)、及び/又はストローベル(strobel)を含むことができる1つ又は複数の構成要素を含むことができる。例えば、いくつかの実施形態では、ソール構造104は、使用者に静止摩擦を提供するとともにソール構造に構造的完全性を提供するアウトソール、クッションシステムを提供するミッドソール、及び、使用者のアーチのサポートを提供するインソールを含むことができる。本明細書でさらに説明するように、本発明の本実施形態のソール構造104は、ソール構造104に好ましい性能特性を提供する1つ又は複数の構成要素を含む。
【0036】
再び図1を参照すると、ソール構造104の第1の側部150は、足先領域112及び外側面122に沿ってつま先端118から中央面124に向かって延在し、その点で第1の側部150は踵領域114又は踵領域114に入ってよい。第1の側部150は、それに沿って表面要素、例えば、リブ152を含むことができる。いくつかの実施形態では、リブ152は、第1の側部150から突出する複数の外向きに延在するリブ154と、リブ154の間に形成される複数の谷156又は内向きに突出する凹部とを含むことができる。リブ154および谷156は、アッパー102とアウトソール領域128との間のミッドソール領域130に沿って延在してよい。より具体的には、リブ154及び谷156は、インソール領域132から足先領域112のアウトソール領域128まで、ソール構造104に沿って延在してよい。他の実施形態では、リブ154及び谷156は、インソール領域132に沿ってのみ、又は、アウトソール領域128にのみ沿って、あるいは、その両方に延在してもよい。
【0037】
さらに、第1の側部150は、第1の側部150がインソール領域132とアウトソール領域128との間に凹状に湾曲した輪郭を定義するように、長手方向面126に対して垂直範囲に沿って湾曲することができる。第1の側部150は、つま先端118と中央面124との間、又はつま先端118と中足領域110及び/又は踵領域114との間で、長手方向X軸に沿って曲率が変化する輪郭を有してもよい。例えば、第1の側部150は、つま先端118よりも中足領域110又は踵領域114の近くでより大きな曲率を有する輪郭を定義してよい。他の例では、第1の側部150は、長手方向X軸に沿って一貫した曲率を有してよく、又は、第1の側部150は凸状に湾曲してよく、又は、第1の側部150は凹状と凸状の曲率の間で変化してよく、あるいは、第1の側部150は湾曲していなくてもよい。
【0038】
いくつかの実施形態では、第1の側部150は、アウトソール領域128に沿って振幅、すなわち高さが変化する波状の形状を含む。例えば、振幅は、つま先バネ領域108とつま先端118との間よりも、中足領域110とつま先バネ領域108との間の方が大きくなり得る。いくつかの例では、振幅は、中央面124からの距離の関数であり、ここで、中央面124からの距離が増加するにつれて振幅は減少し、あるいはその逆も同様である。
【0039】
引き続き図1を参照すると、つま先バネ領域108は、中央面124に向かって足先領域112内のほぼ最大幅部分134まで延在する。ソール構造104は、履物具100の長手方向X軸が地面と平行であるときに、つま先端118のソール構造104が地面から離隔するように、中央面124に対してつま先バネ領域108に沿って上方に湾曲している。ソール構造104は、例えば、つま先端118と中央面124の間、及び、履物具100の外側面122と内側面120との間のように、アウトソール領域128及び足先領域112に沿って延在する第1の底部160を含む。第1の側部150は、第1の側部150が第1の底部160に対して垂直であるか、又は鋭角を形成するように、アウトソール領域128に沿って第1の底部160に接続される。
【0040】
したがって、第1の側部150及び第1の底部160は、履物具100を履いたときに、例えば、カッティング(cutting)などの機敏な動きをする使用者に、横方向の安定性を提供するように、地面とレバーアーム(lever arm)を形成することができる。図4に示されるように、第1の底部160は、地面に対して実質的に平行に延在する水平基準面166を少なくとも部分的に定義する。いくつかの実施形態では、第1の底部160は、水平基準面166が地面に対してある角度で延在するように、外側面122と内側面120との間、又は、内側面120と外側面122の間のアウトソール領域128にわたる隆起又は傾斜を定義する。
【0041】
ソール構造104の足先領域112は、履物具100の内側面120に沿って配置され、例えば、曲率、寸法、表面要素、外観、材質などの様々な属性において第1の側部150に類似し得る部分(図示せず)を含むことが理解されるであろう。したがって、本明細書に記載される第1の側部150の任意の属性は、履物具100の外側面122及び内側面120の両方の部分に適用可能であってよい。しかしながら、いくつかの例では、ソール構造104は、履物具100の内側面120及び外側面122に沿って実質的に異なっていてもよい。
【0042】
ここで、図2及び図3を参照すると、第1の底部160は、足先領域112に沿って離隔して配置され、内側面120と外側面122との間に延在し、第1の複数のチャネル172を定義する第1の複数のトレッド170をさらに含んでよい。第1の複数のトレッド170は、足先領域112に沿って等間隔に配置されてよく、その選択領域において不等間隔に配置されてよく、又は、中央面124からの距離の関数として間隔を置いて配置されてもよい。第1の複数のチャネル172は、内側面120と外側面122との間で連続的に延在してよく、又は、第1の複数のチャネル172は、それらの間のある点で中断されてもよい。第1の複数のトレッド170は、中央面124に対して第1のねじれ角αで延在することができ、第1のねじれ角αは、1度以上45度以下、又は、5度以上30度以下、さらには、10度以上20度以下であってもよい。
【0043】
さらに、第1のねじれ角αは、第1のねじれ角αが-1度~-45度、又は、-5度~-30度、さらには、-10度~-20度となるように逆転されてもよい。さらに、履物具100は、例えば、互いに等しく鏡像関係にある、又は、互いに異なっている、又は、互いに同一であるような、異なる第1のねじれ角αで配置された第1の複数のトレッド170をそれぞれ含む右靴及び左靴を備えていてよい。さらに、第1の複数のトレッド170は、中央面124に対して様々な角度で部分的に配置されてよいと考えられる。いくつかの例では、つま先端118の近くに配置された、又は、つま先バネ領域108に沿って配置された第1の複数のトレッド170のいくつかは、中足領域110の近くに配置された第1の複数のトレッド170のうちのいくつかとは異なる第1のねじれ角αで延在してよい。いくつかの例では、第1のねじれ角αは、中央面124からの距離が増加するにつれて増加するように、中央面124からの距離の関数として変化してよい。いくつかの例では、第1のねじれ角αは、中央面124からの距離の関数として減少してよい。
【0044】
図1及び図2を参照すると、ソール構造104の第2の側部190は、踵領域114及び外側面122に沿って踵端116から中央面124に向かって延在し、その点で第2の側部190は中足領域110及び/又は足先領域112に入ってよい。第2の側部190は、その上に形成され、踵端116と中央面124との間、及び、インソール領域132とアウトソール領域128との間で連続し得る表面要素を含むことができる。あるいは、表面要素は、例えば、インソール領域132とアウトソール領域128との間、又は、踵端116と中央面124との間など、1つ又は複数の方向において不連続であってもよい。第2の側部190は、インソール領域132とアウトソール領域128との間に凸状に湾曲した輪郭を定義するように、長手方向面126に対して垂直方向の範囲に沿って湾曲することができる。
【0045】
第2の側部190は、踵端116と中足領域110及び/又は足先領域112との間で長手方向X軸に沿って曲率が変化してもよい。例えば、第2の側部190は、踵端116より中足領域110の近くでより大きな湾曲した輪郭を定義してもよい。他の例では、第2の側部190は、長手方向X軸に沿って一貫して湾曲した輪郭を有してもよいし、第2の側部190は、凸状曲率と凹状曲率との間で変化する輪郭を定義してもよく、あるいは、第2の側部190は湾曲していなくてもよい。図3に示されるように、ソール構造104の踵領域114は、内側面120が外側面122より長手方向面126からさらに外側に湾曲するように、長手方向X軸に関して非対称である。
【0046】
ソール構造104の踵領域114は、履物具100の内側面120に沿って配置され、曲率、寸法、曲率、寸法、表面要素、外観、および材料において第2の側部190に類似し得る部分(図示せず)を含むことが理解されるであろう。したがって、本明細書に記載される第2の側部190の任意の属性は、履物具100の外側面122及び内側面120の両方の部分に適用可能であり得る。しかしながら、いくつかの例では、ソール構造104は、履物具100の内側面120及び外側面122に沿って実質的に異なっていてよい。
【0047】
さらに、第2の底部192は、踵端116と中央面124との間など、踵領域114及びアウトソール領域128に沿ったソール構造104の一部から延在するか、又はそこに取り付けられる。底部192もまた、外側面122と履物具100の内側面120との間に延在する。第2の底部192は、凸状に湾曲した輪郭がインソール領域132からミッドソール領域130を通ってアウトソール領域128まで延在するように、地面に面し、第2の側部190に接続して、長手方向X軸の周りにほぼ湾曲した半径を形成する。いくつかの例では、長手方向X軸の周りの一定の曲率半径が、インソール領域132とアウトソール領域128との間の第2の底部192及び第2の底部192の一部に沿って画定され得てよい。曲率半径は、踵端116と中足領域110又は足先領域112との間の踵領域114において長手方向X軸に沿って変化してよい。したがって、第2の底部192及び第2の側部190は、地面とレバーアームを形成しない。このように、ソール構造104の踵領域114の湾曲した輪郭は、長手方向X軸の周りでの履物具100の回転、例えば、ローリング(rolling)を可能にする。組み合わせにおいて、足先領域112及び踵領域114は、踵領域114に沿ってではなく、足先領域112に沿って横方向の力を分散させることによって、横方向の安定性を促進する。
【0048】
図1に示されるように、踵領域114は、スタック高さHS、すなわち、アッパー102と第2の底部192との間の距離が変化してもよい。例えば、スタック高さHSは、踵端116と中足領域110及び/又は足先領域112との間で長手方向X軸に沿って変化してよい。追加的に又は代替的に、スタック高さHSは、開孔部106の下、又は着用者の足首もしくは踵骨に対応する位置の下の踵領域114の一部に沿って最大であってもよい。さらに、スタック高さHSは、内側面120と外側面122との間で横方向Z軸に沿って変化してもよい。例えば、スタック高さHSは、内側面120でより大きく、外側面122に向かって徐々に減少してよく、又はその逆であってもよい。いくつかの例では、踵領域114は、内側面120から外側面122へ、また、踵端116から中足領域110へ減少するなど、複数の方向でスタック高さHSが変化してもよい。いくつかの例では、スタック高さHSは、中足領域110の外側面122で最も小さくなってよい。スタック高さHSは、外側面122からの距離、又は、長手方向面Lからの距離の関数として変化してよい。いくつかの例では、スタック高さHSは、外側面122と内側面120の間の中間で最大になってよい。
【0049】
図1及び図2を参照すると、いくつかの例では、第2の底部192は、内側面120と外側面122との間に延在する第2の複数のトレッド204をさらに含む。第2の複数のトレッド204は、第2の底部192から、第2の底部192から離隔した頂点208まで延在する。トレッド深さTDは、第2の底部192と第2の複数のトレッド204のそれぞれの遠位端、すなわち、頂点208との間に定義されてよい。トレッド深さTDは、内側面120から外側面122まで、又は、ヒール領域114内の長手方向X軸に沿って変化してよい。例えば、トレッド深さTDは、内側面120から外側面122まで増加することができ、深さの増加はいくつかの例では徐々にであり、他の例では不均一であり、又はそれらの組み合わせである。第2の複数のトレッド204は、第2の複数のトレッド204のそれぞれの間に第2の複数のチャネル210を定義することができる。第2の複数のチャネル210は、外側面122から内側面120まで連続的に延在することができ、又は、第2の複数のチャネル210は、それらの間のある点で中断されてよい。
【0050】
再び図1及び図2を参照すると、中足領域110は、踵領域114と足先領域112との間に延在して、履物具100の使用中に地面に面する第3の底部214を定義する。足先領域112の第1の底部160は第1の表面領域を定義し、踵領域114の第2の底部192は第2の表面領域を定義し、第3の底部214は第3の表面領域を定義する。第1の表面領域は第2の表面領域より大きく、第2の表面領域は第3の表面領域より大きい。いくつかの例では、第1及び第2の表面領域は等しくてよく、又は、第2の表面領域が第1の表面領域積より大きくてもよい。
【0051】
図4を参照すると、第2の底部192は、横方向Z軸と長手方向X軸とによって定義される横平面127に対してオフセット角θで延在するオフセット平面216を、さらに定義する。オフセット平面216は、第2の底部192の一部または全部に沿って定義することができる。オフセット平面216、又は傾斜面は、内側面120から外側面122に移動する方向に連続的に(例えば、直線的に)上昇する。他の例では、第2の底部192は、非線形の上昇を含むオフセット面216を定義してもよい。オフセット角θは、1度以上45度以下、又は、5度以上30度以下、さらには、10度以上20度以下であってよい。第2の底部192は、外側面122から内側面120へ向かう方向に上昇するオフセット面216を定義することが考えられる。さらに、オフセット面216は、左靴及び右靴として構成された履物具100で、同一であってよく、鏡像化されていてもよい。さらに、左靴のオフセット角θが右靴のオフセット角θより大きくても小さくてもよいように、他の構成の間ではオフセット角θが左靴と右靴に対してカスタマイズされてもよいことが考えられる。いくつかの例では、スタック高さHSは、オフセット面216に対応してよい。例えば、オフセット面216は、内側面120から外側面122に減少する踵領域114のスタック高さHSによって定義されてよい。いくつかの例では、第2の底部192は、スタック高さHSが外側面122及び内側面120にわたって一定のままである一方で、オフセット面216を定義してよい。
【0052】
図2及び図3を参照すると、第2の複数のトレッド204は、第2のねじれ角βを定義するように中央面124に対してある角度で延在することができる。第2のねじれ角βは、1度以上45度以下、又は、5度以上30度以下、さらには、10度以上20度以下であってよい。さらに、第2のねじれ角βは、-1度~-45度、又は、-5度~-30度、さらには、-10度~-20度となるように、逆転されてもよい。さらに、履物具100は、例えば、互いに等しく鏡像関係にある、互いに異なっている、又は、互いに同一であるように、異なる第2のねじれ角βで配置された第2の複数のトレッド204をそれぞれ含む右靴及び左靴を備えていてもよい。さらに、いくつかの例では、第2のねじれ角βと図4に示すオフセット角θとの間に数学的関係があってよい。オフセット角θ及び第2のねじれ角βが数学的関係、例えば比によって定義される所定の範囲から選択されるように、使用者がソール構造104をカスタマイズできることが考えられる。例えば、第2のツイスト角βをオフセット角θで除算して、スタンス(stance)係数を定義することができる。スタンス係数は、特定の活動、使用者の好み、足の構造、ソール構造104に使用される材料、靴のサイズなどに対応してよい。スタンス係数は、マーケティング目的であろうと識別目的であろうと、アッパー102又はソール構造104に表示されてよい。
【0053】
図3及び図4を参照すると、第1の底部160は、長手方向面126と内側面120との間に延在する第1の内側部分220を含み、第2の底部192は、長手方向面126と内側面120との間に延在する第2の内側部分222を含む。さらに、第1の底部160は、長手方向面126と外側面122との間に延在する第1の外側部分224を含み、第2の底部192は、長手方向面126と外側面122との間に延在する第2の外側部分226を含む。したがって、第1の内側部分220及び第1の外側部分224は足先領域112内に配置され、第2の内側部分222及び第2の外側部分226は踵領域114内に配置されるが、他の構成も可能である。図示の実施形態では、第1の内側部分220、第2の内側部分222、第1の外側部分224、及び第2の外側部分226はアウトソール領域128内に配置されているが、他の構成も可能である。いくつかの実施形態では、第1の内側部分220、第2の内側部分222、第1の外側部分224、又は第2の外側部分226のうちの少なくとも1つは、中足領域110内に延在する。
【0054】
図示の実施形態では、最大幅部分134は、第1の内側部分220と第1の外側部分224にわたっている。いくつかの実施形態では、第1の内側部分220は、第1の外側部分224よりも最大幅部分134のより大きな割合を構成する。いくつかの実施形態では、第1の内側部分220は、第1の外側部分224が中心線126から外向きに延在する距離よりも長い距離、中心線126から外向きに延在する。いくつかの実施形態では、第1の外側部分224は、第1の内側部分220が中心線126から外向きに延在する距離よりも長い距離、中心線126から外向きに延びる。いくつかの実施形態では、第1の外側部分224と第1の内側部分220は、実質的に同一であり、中心線126に関して対称である。
【0055】
いくつかの実施形態では、第2の内側部分222は、第2の外側部分226が中心線126から外向きに延在する距離よりも長い距離、中心線126から外向きに延在する。いくつかの実施形態では、第2の外側部分226は、第2の内側部分222が中心線126から外向きに延在する距離よりも長い距離、中心線126から外向きに延在する。いくつかの実施形態では、第2の外側部分226及び第2の内側部分222が、実質的に同一であり、中心線126に関して対称である。いくつかの実施形態では、第2の内側部分222は、第1の内側部分220が中心線126から外向きに延在する距離よりも長い距離、中心線126から外向きに延在する。
【0056】
図4を参照すると、第1の内側部分220は、中心線126付近の水平基準面166に沿って地面に対して実質的に水平に延在する。さらに、第1の内側部分220は、第1の内側部分220が内側面120に接続されるにつれて、水平基準面166及び/又は地面から遠ざかるように上方に湾曲する、すなわち、上昇する。第1の外側部分224は、中心線126付近の水平基準面166に沿って地面に対して実質的に水平に延びている。さらに、第1の外側部分224は、第1の外側部分224が外側面122に接続されるにつれて、水平基準面166及び/又は地面から遠ざかるように上方に湾曲する、すなわち、上昇する。第1の内側部分220全体及び第1の外側部分224全体は、水平基準面166に沿って地面と実質的に平行に延在し得ることが考えられる。いくつかの実施形態では、第1の内側部分220及び第1の外側部分224は、中心線126を中心に鏡映されるように上方に湾曲するか、又は、等しい量だけ上昇する。いくつかの実施形態では、第1の外側部分224は、第1の内側部分220が上方に湾曲又は上昇する量よりも大きい上方に湾曲するか、又は、上昇する。
【0057】
引き続き図4を参照すると、第2の内側部分222及び第2の外側部分226は、第2の内側部分222及び第2の外側部分226の両方が水平基準面166及び/又は地面に対してオフセット角度θで配置されるように、オフセット面216を少なくとも部分的に定義する。いくつかの実施形態では、第2の内側部分222は、オフセット面216に対してある角度で配置されてよく、例えば、第2の内側部分222は、オフセット面216に向かって、又はオフセット面216から遠ざかるように湾曲してよい。そのために、オフセット面は、第2の外側部分226によって定義されてよい。いくつかの実施形態では、第2の外側部分226は、オフセット面216に対してある角度で配置されてよく、例えば、第2の外側部分226は、オフセット面216に向かって、又はオフセット面から離れるように湾曲してよい。そのために、オフセット面216は、第2の内側部分222によって定義されてよい。図示の実施形態では、第2の外側部分226は、第1の外側部分224と比較して、水平基準面166及び/又は地面に対して、第2の内側部分222に比べてより大きく盛り上がる。同様に、第2の内側部分222は、水平基準面166及び/又は地面に対して、第1の内側部分220より大きく盛り上がっている。
【0058】
特に図3を参照すると、ソール構造104は、歩行サイクル全体にわたって方向を誘導するように構成されてよい。いくつかの実施形態では、ソール構造104は、第1の底部160及び第2の底部192が履物具100の母趾領域、すなわち足の母趾が位置する場所に向かって傾斜するように、母趾方向誘導を有する。そのために、第2の底部192は、中央面124から踵端に向かって傾斜し、かつ、内側面120から外側面122に向かって傾斜するオフセット面216を定義する。いくつかの実施形態では、第2の底部192の残りの部分がオフセット面216から離れるように上方に湾曲するにつれて、オフセット面216が第2の内側部分222又は第2の外側部分226のうちの一方の一部と接し、かつ、同一平面上にあるように、第2の底部192は、内側面120と外側面122との間で横方向に凸状に湾曲する。
【0059】
いくつかの実施形態では、第2の底部192は、オフセット面216が外側面127に対して凸状に湾曲するように、踵端116から中足領域110の最も薄い部分136に向かって長手方向に湾曲する。いくつかの実施形態では、第2の底部192がそれに沿って湾曲及び/又は傾斜するとき、スタック高さHSは踵領域114内で一定である。いくつかの実施形態では、第2の底部192がそれに沿って湾曲及び/又は傾斜するにつれて、スタック高さHSは踵領域114内で変化する。さらに、第2の複数のトレッド204の第2のねじれ角βは、アウトソール領域128を横切って母趾領域に向かって延在するベクトル230と直角を形成するように配置されてよい。このように、第2の底部192は、オフセット面216の傾斜により、歩行サイクルの初期の踵の接地段階及び立脚中期を通じて回内(pronation)を与え、第2の複数のトレッド204の配置により、摩擦力をベクトル230に沿って母趾に向けるように構成される。
【0060】
さらに、第1の複数のトレッド170の第1のねじれ角αは、摩擦力をベクトル230に沿って母趾領域に向けるように配置されてよい。さらに、第1の底部160は、第1の底部160と地面との間の接触面積を最大にするために、水平基準面166が地面と実質的に平行となるように横方向に略平面であってよい。このように、第1の底部160は、歩行サイクルの立脚中間段階及びつま先離陸段階を通じて母趾領域に向かう摩擦力を増加させるように構成されている。さらに、第1の底部160は、図1に示されるように、足先領域112及びつま先バネ領域108に沿ってつま先端118まで上方に湾曲してよい。いくつかの実施形態では、ソール構造104のスタック高さHSは、第1の底部160の湾曲により、中足領域110からつま先端118まで減少する。したがって、ソール構造104は、母趾領域に向かって角度を付けることができ、前方への回転(roll)を提供するように構成され、歩行サイクルのつま先を離す段階での推進力の増加をさらに促進する。
【0061】
したがって、ソール構造104の第1の底部160及び第2の底部192は、歩行サイクル全体を通じて意図された又は特定の方向の案内(guidance)のために配置されてよい。いくつかの実施形態では、第2の底部192は、様々な回転傾向、例えば回外(supination)又は回内(pronation)に対抗するためにオフセット平面216を定義することができる。いくつかの実施形態では、第2の底部192はオフセット面216を定義することができ、第1の底部160は基準面166を定義して、例えば、平らなアーチ又は高いアーチなどの特定のアーチの高さに適応するように互いに補完することができる。いくつかの実施形態では、第1の複数のトレッド170及び第2の複数のトレッド204は、推進力を方向付け及び/又は増加させるために、互いに対して配置されてよい。さらに、トレッド深さTDは、第1の複数のトレッド170及び第2の複数のトレッド204に沿って変化し、特定の位置でトレッド深さTDを増加させて、推進力を高めるためのバネ状レバー(spring-like lever)を提供することができる。
【0062】
いくつかの例では、ソール構造104の足先領域112及び踵領域114は、発泡材料、複合材料、オルガノシート、及び熱可塑性ポリマー材料などの異なる材料で形成される。発泡材料の例には、エチレン酢酸ビニル(EVA)コポリマー、ポリウレタン、ポリエーテル、オレフィンブロックポリマーが含まれる。発泡材料は、単一のポリマー材料、又はポリエーテルブロックアミド(PEBA)コポリマー、EVAコポリマー、熱可塑性ポリマーウレタン(TPU)、及び/又はオレフィンブロックコポリマーを含む2つ以上のポリマー材料のブレンドを含むこともできる。いくつかの実施形態では、第1の底部160は第1の密度を有する材料で形成され、第2の底部192は第1の密度よりも密度が低い第2の密度を有する第2の材料で形成される。すなわち、第2の底部192はクッション性と柔軟性を提供するために密度の低い材料で形成され、第1の底部160は安定性と牽引力を高めるためにより密度の高い材料で形成されてよい。
【0063】
いくつかの例では、ソール構造104は、足先領域112、踵領域114、中足領域110、又はそれらの何らかの組み合わせの一部内、並びに、インソール領域132、ミッドソール領域130、又はアウトソール領域128、又はそれらの何らかの組み合わせ内、に配置されたプレートを含む。例えば、プレートは、安定性のために、又は使用中に蓄積されたエネルギーを伝達するバネ状の特徴を提供するために、又は着用者の足にカスタマイズするための局所的な剛性を提供するために、又は足の変形又は不規則性を補償するために提供されてよい。プレートは、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)、炭素繊維、ホウ素繊維、ガラス繊維、及びポリマー繊維のうちの少なくとも1つを含む一方向テープ(unidirectional tape)から形成されてよい。追加的に又は代替的に、プレートは、多軸織物を含む繊維シート(fiber sheet)又は織物を使用して、又は基材に固定された1つ又は複数のタイプの繊維の複数のフィラメントから形成されたストランド(strand)によって製造されてよい。いくつかの例では、プレートは、織り(weaving)、オープンリード織り(open reed weaving)、編み物(knitting)、縫い合わせ(stitching)、刺繍(embroidery)、積層造形、熱成形、射出成形、又は任意の他の適切な方法によって製造されてよい。いくつかの実施形態では、例えば、矯正インサートが回内又は回外にさらに対抗することが可能なようにソール構造104の特定の構成に対応するように、又は、低いアーチ高さを補償することに対応するように、又は、例えば、足の変形、長時間の立ち仕事などの作業環境条件、及びカスタマイズされたサポートと快適さを必要とするその他の条件などのような特定の状況に対して快適性と局所的なサポートを提供することに対応するように、矯正インサート(orthotic insert)又はフットベッド(footbed)が提供されてよい。
【0064】
さらに、第1の底部160又は第2の底部192は、地面と係合するためにそこから下方に延在する地面係合部材(例えば、スパイク、歯(teeth)及び/又はバーブ(barb))の任意の組み合わせを含むことができる。スパイク地面係合部材は、サイズ又は形状、材料、及び取り付け(例えば、取り外し可能又は永久的に固定)が異なっていてもよい。
【0065】
他の実施形態では、他の構成が可能である。例えば、上記の議論において特定の実施形態に関して提示された特定の特徴及び特徴の組み合わせは、必要に応じて、他の実施形態及び他の組み合わせで利用することができる。さらに、本明細書で説明される実施形態のいずれも、他の実施形態に関連して開示された構造又は方法論のいずれかを含むように修正することができる。さらに、本開示は、具体的に示されるタイプの履物具に限定されない。さらに、本明細書に開示される実施形態のいずれかの履物具の態様は、任意の種類の履物、衣料品、又は他の運動用具で機能するように変更されてよい。
【0066】
前に述べたように、本発明を特定の実施形態及び実施例に関連して説明してきたが、本発明は必ずしもここで説明した特定の実施形態及び実施例に限定されるものではなく、他の多くの実施形態、実施例、用途、変更、及び、実施形態、実施例及び用途からの逸脱が、本明細書に添付の特許請求の範囲に包含されることが意図されていることは、当業者には、理解可能であろう。本明細書で引用される各特許及び刊行物の開示の全体は、かかる各特許又は刊行物のそれぞれが参照により個別に本明細書に組み込まれるかのように、参照により組み込まれる。本発明の様々な特徴及び利点は、特許請求の範囲に記載されている。
【産業上の利用可能性】
【0067】
本発明に対する多くの修正は、前述の説明を考慮すれば当業者には明らかであろう。したがって、この説明は例示的なものとしてのみ解釈され、当業者が本発明を作成及び使用できるようにする目的で提示される。添付の特許請求の範囲に含まれるすべての変更に対する独占的権利が留保される。
図1
図2
図3
図4
【手続補正書】
【提出日】2023-03-03
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アッパーとソール構造を有する履物具であって、
前記ソール構造は、
外側面と内側面との間に延在する第1の底部を有する足先領域と、
前記外側面と前記内側面との間に延在する第2の底部を有する踵領域と、
前記踵領域と前記足先領域との間に配置される中足領域と、
を含み、
中央面は、前記中足領域と交差し、つま先端と踵端との間の前記ソール構造を二分し、
前記第2の底部は、前記外側面と前記内側面との間、及び、前記踵端と前記中央面との間に定義される傾斜面に沿って配置され、
前記傾斜面は前記内側面から前記外側面に向かって上昇しており、
前記第2の底部は、前記中央面から前記踵端、及び、前記外側面から前記内側面まで凸状に湾曲し、
前記第1の底部は基準面に沿って配置され、
前記傾斜面は前記基準面に対して角度をなして配置される、
履物具。
【請求項2】
前記第1の底部は前記外側面に沿って凹状に湾曲する側壁を含む、請求項1に記載の履物具。
【請求項3】
前記第1の底部分の前記側壁は前記内側面に沿って凹状に湾曲している、請求項2に記載の履物具。
【請求項4】
前記第2の底部は前記外側面に沿って凸状に湾曲する側壁を含む、請求項2に記載の履物具。
【請求項5】
前記第2の底部分の前記側壁が前記内側面に沿って凸状に湾曲している、請求項4に記載の履物具。
【請求項6】
前記第1の底部の第1の複数のトレッドが第1のねじれ角で配置され、前記第2の底部の第2の複数のトレッドが前記第1のねじれ角とは異なる第2のねじれ角で配置される、請求項1に記載の履物具。
【請求項7】
前記第1の底部が前記ソール構造の最大幅部分を定義する、請求項1に記載の履物具。
【請求項8】
前記第1の底部と前記第2の底部とは異なる材料で形成されている、請求項1に記載の履物具。
【請求項9】
ソール構造を有する履物具であって、
前記ソール構造は、
外側面の反対側である内側面と、
中心面が交差する中足領域と、
第1の底部に沿って離隔し中心面に対して第1のねじれ角で配置された第1の複数のトレッドを含むと共に水平基準面を定義する前記第1の底部を有し、前記内側面と前記外側面との間に延在する、第1のアウトソールを含む足先領域と、
前記内側面と前記外側面との間に延在する第2の底部を有する第2のアウトソールを含む踵領域と、
を含み、
前記第2の底部は、前記第1の底部の前記水平基準面に対して角度をなして配置され、
前記第2の底部は、前記第2の底部に沿って離隔し前記中心面に対して第2のねじれ角で配置された第2の複数のトレッドを含み、
前記第1のねじれ角と前記第2のねじれ角とは異なる、
履物具。
【請求項10】
前記第1の底部が第1の密度を有する材料で形成され、前記第2の底部が第2の密度を有する第2の材料で形成され、前記第1の密度が前記第2の密度よりも大きい、請求項9に記載の履物具。
【請求項11】
前記第1の底部は前記外側面に沿って凹状に湾曲する側壁を含む、請求項9に記載の履物具。
【請求項12】
前記第1の底部の前記側壁は前記内側面に沿って凹状に湾曲している、請求項11に記載の履物具。
【請求項13】
前記第2の底部は前記外側面に沿って凸状に湾曲する側壁を含む、請求項9に記載の履物具。
【請求項14】
前記第2の底部の前記側壁が前記内側面に沿って凸状に湾曲している、請求項13に記載の履物具。
【請求項15】
ソール構造を有する履物具であって、
前記ソール構造は、
踵領域を含み、凸状に湾曲した側壁を構成する第1の部分と、
少なくとも足先領域を含み、凹状に湾曲した側壁を構成する第2の部分と、
を含み、
前記第1の部分は、中心線と外側面と内側面の間に延在する外側部分と、前記中心線と前記内側面との間に延在する内側部分とを含み、前記外側部分は前記中心線と前記外側面との間の第1の角度で上向きに傾斜し、
前記第2の部分は中心線と内側面との間の第2の角度で上向きに傾斜した内側部分を含み、
前記第1の角度は前記第2の角度より大きく、
前記第1の部分の内側部分は前記第1の部分の外側部分より幅が広い、
履物具。
【請求項16】
前記第1の部分の第1の複数のトレッドが第1のねじれ角で配置され、前記第2の部分の第2の複数のトレッドが前記第1のねじれ角とは異なる第2のねじれ角で配置される、請求項15に記載の履物具。
【請求項17】
前記第1の部分が第1の密度を有する材料で形成され、前記第2の部分が第2の密度を有する第2の材料で形成され、前記第1の密度が前記第2の密度より小さい、請求項15に記載の履物具。
【請求項18】
前記第2の部分の前記側壁が前記外側部分に接続して鋭角を構成する、請求項15に記載の履物具。
【請求項19】
前記第1の部分が、歩行サイクルの初期の踵の接地段階及び立脚中期を通じて回内を与えるように構成されている、請求項15に記載の履物具。
【請求項20】
前記第2の部分は前記第1の部分の表面積より大きな表面積を定義する、請求項19に記載の履物具。
【国際調査報告】