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特表2024-519537体腔における適用のためのカンナビジオールを含む組成物
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  • 特表-体腔における適用のためのカンナビジオールを含む組成物 図1
  • 特表-体腔における適用のためのカンナビジオールを含む組成物 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-15
(54)【発明の名称】体腔における適用のためのカンナビジオールを含む組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/05 20060101AFI20240508BHJP
   A61P 31/12 20060101ALI20240508BHJP
   A61P 31/14 20060101ALI20240508BHJP
   A61P 31/16 20060101ALI20240508BHJP
   A61P 31/10 20060101ALI20240508BHJP
   A61P 31/04 20060101ALI20240508BHJP
   A61P 31/00 20060101ALI20240508BHJP
   A61P 37/08 20060101ALI20240508BHJP
   A61K 45/00 20060101ALI20240508BHJP
   A61K 31/352 20060101ALI20240508BHJP
   A61K 9/06 20060101ALI20240508BHJP
   A61K 47/10 20170101ALI20240508BHJP
   A61K 47/18 20170101ALI20240508BHJP
   A61K 47/36 20060101ALI20240508BHJP
   A61K 47/24 20060101ALI20240508BHJP
   A61K 47/38 20060101ALI20240508BHJP
   A61K 47/22 20060101ALI20240508BHJP
   A61K 47/02 20060101ALI20240508BHJP
【FI】
A61K31/05
A61P31/12
A61P31/14
A61P31/16
A61P31/10
A61P31/04
A61P31/00
A61P37/08
A61K45/00
A61K31/352
A61K9/06
A61K47/10
A61K47/18
A61K47/36
A61K47/24
A61K47/38
A61K47/22
A61K47/02
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023572195
(86)(22)【出願日】2022-05-25
(85)【翻訳文提出日】2024-01-12
(86)【国際出願番号】 EP2022064271
(87)【国際公開番号】W WO2022248585
(87)【国際公開日】2022-12-01
(31)【優先権主張番号】PA202170268
(32)【優先日】2021-05-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DK
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523466710
【氏名又は名称】ロンシー メディカ (ハイナン) カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000914
【氏名又は名称】弁理士法人WisePlus
(72)【発明者】
【氏名】ヘンリクセン, ローネ
【テーマコード(参考)】
4C076
4C084
4C086
4C206
【Fターム(参考)】
4C076AA09
4C076BB25
4C076CC31
4C076CC32
4C076CC34
4C076CC35
4C076DD07F
4C076DD23
4C076DD30Z
4C076DD38
4C076DD52
4C076DD60P
4C076DD63
4C076EE32P
4C076EE37
4C076FF68
4C076GG11
4C084AA19
4C084MA28
4C084MA59
4C084NA05
4C084ZB131
4C084ZB132
4C084ZB321
4C084ZB322
4C084ZB331
4C084ZB332
4C084ZB351
4C084ZB352
4C084ZB371
4C084ZB372
4C084ZC752
4C086AA01
4C086AA02
4C086BA08
4C086MA03
4C086MA05
4C086MA28
4C086MA59
4C086NA05
4C086ZB32
4C086ZB33
4C086ZB35
4C086ZB37
4C086ZC75
4C206AA01
4C206AA02
4C206AA04
4C206CA19
4C206MA03
4C206MA05
4C206MA48
4C206MA79
4C206NA10
4C206ZB13
4C206ZB32
4C206ZB33
4C206ZB35
4C206ZB37
(57)【要約】
本発明は、鼻腔内適用のためのゲルなど、体腔における適用のために製剤化されたカンナビジオール(CBD)を含む非精神活性カンナビノイド含有化合物に関する。該組成物は、CBD、グリコール、非イオン性乳化剤などの乳化剤、NaCl、パンテノール、ヒアルロン酸/塩、フィチン酸および水、ならびに任意にゲル化物質、アラントイン、および/またはpH調整剤のうちの1つまたは複数を含む。該組成物は、病原体に対する保護の文脈で、ならびに/または感染性および/もしくは刺激性の物質、例えばほこり、花粉、微生物、細菌、真菌、および/もしくはウイルス、例えばCOVID-19の侵入の低減において用いることができる。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
体腔における適用のための組成物であって、上記組成物が、重量で、
a)カンナビジオール(CBD):0.05~2.5%
b)グリコール:12~70%
c)乳化剤、例えば非イオン性乳化剤:0.5~5.0%
d)NaCl:0.5~2.5%
e)パンテノール:0.25~2.0%
f)ヒアルロン酸/塩:0.2~2.5%
g)フィチン酸:0.05~1.0%
h)水:100%まで
を含む、組成物。
【請求項2】
ゲルとして製剤化された請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
重量で、
i)ゲル化物質、例えばヒドロキシエチルセルロース:0.5~5.0%
j)アラントイン:0.015~1.5%
k)pH調整剤:0.02~1.0%
およびそれらのあらゆる組み合わせ
のうちの1つまたは複数を更に含む請求項1または2に記載の組成物。
【請求項4】
中性または弱酸性のpH、例えばpH約5~7、例えば5.5~6.5、および/または約5.0、5.25、5.5、5.75、6.0、6.25、6.5、6.75、または7.0で製剤化された請求項1~3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
上記グリコールが、重量で、
プロピレングリコール:10~50%、
ペンチレングリコール:1~10%、および/または
ブチレングリコール:1~10%、
およびそれらのあらゆる組み合わせ
を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
上記非イオン性乳化剤が、ラウリルグルコシド、ジポリヒドロキシステアリン酸ポリグリセリル-2、およびグリセリン、例えばEumulgin VL 75からなるか、これらから本質的になるか、またはこれらを含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
上記体腔が鼻腔、例えば鼻孔である、請求項1~6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
鼻腔内適用のための鼻用ゲルとして製剤化された請求項1~7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
1つまたは複数の成分(a)~(h)が、以下の重量濃度:
a)0.05~2.5、0.1~1.0、0.15~2.5、または約0.2%のCBD;
b)12~70、20~60、35~45、または約40%のグリコール;
c)0.5~5.0、1.0~4.0、1.5~2.5、または約2%の非イオン性乳化剤;
d)0.5~2.5、0.7~1.5、0.8~1.0、または約0.9%のNaCl;
e)0.25~2、0.3~1.0、0.4~0.6、または約0.50%のパンテノール;
f)0.2~2.5、0.3~1.0、0.4~0.6、または約0.5%のヒアルロン酸/塩、例えばヒアルロン酸ナトリウム;
g)0.05~1、0.10~0.5、0.075~0.125、または約0.1%のフィチン酸;
h)水:100%まで、例えば20~70、30~60、50~56、または約53%の水
で提供される、請求項1~8のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
1つまたは複数の成分(i)~(k)が、以下の重量濃度:
i)0.5~5.0、0.75~2.5、1.5~2.0、または約1.75%のゲル化物質、例えばヒドロキシエチルセルロース;
j)0.015~1.5、0.1~1.0、0.2~0.4、または約0.3%のアラントイン;
k)0.02~1.0、0.075~0.5、0.1~0.3、または約0.04%のpH調整剤、例えば20%(w/w)のNaOH
で提供される、請求項1~9のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項11】
1つまたは複数のグリコールが、以下の重量濃度:
10~50、15~40、25~35、または約30の%プロピレングリコール;
1~10、2~8、4~6、または約5.0%のペンチレングリコール;および/または
1~10、2~8、4~6、または約5.0%のブチレングリコール
で提供される、請求項1~10のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項12】
上記CBDが、少なくとも95%(w/w)、98%(w/w)、99%(w/w)、99.5%(w/w)、または99.8%(w/w)超の純度を有する、請求項1~11のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項13】
上記組成物またはCBDが、1.5、1.0、0.5、または0.1%(w/w)未満の1つまたは複数の更なるカンナビノイド、例えば1つもしくは複数の精神活性カンナビノイドまたは1つもしくは複数の非精神活性カンナビノイド、例えばTHC(テトラヒドロカンナビノール)、THCA(テトラヒドロカンナビノール酸)、CBDA(カンナビジオール酸)、CBN(カンナビノール)、CBG(カンナビゲロール)、CBC(カンナビクロメン)、CBL(カンナビシクロール)、CBV(カンナビバリン)、THCV(テトラヒドロカンナビバリン)、THCP(テトラヒドロカンナビホロール)、CBDV(カンナビジバリン)、CBCV(カンナビクロメバリン)、CBGV(カンナビゲロバリン)、CBGM(カンナビゲロールモノメチルエーテル)、CBE(カンナビエルソイン)、およびまたはCBT(カンナビシトラン)、およびそれらのあらゆる組み合わせのうちの1つまたは複数を含むか、またはそれを含まない、請求項1~12のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項14】
請求項1~13のいずれか一項に記載の組成物を提供する方法であって、上記方法が、
個々の成分を適した量で提供する工程または行為、
水、グリコール、例えばペンチレングリコールおよびブチレングリコール、乳化剤、例えば非イオン性乳化剤、例えばEumulgin VL 75、NacCl、パンテノール、ヒアルロン酸/ヒアルロン酸塩、ならびに任意にアラントインを完全に溶解するまで混合する、例えば撹拌することにより、第1の組成物を提供する工程または行為、
フィチン酸を添加する工程または行為、
例えばNaOHの添加により、pHを調整する工程または行為(任意)、
CBDを更なるグリコール、例えばプロピレングリコールに溶解させることにより、第2の組成物を提供する工程または行為、
上記第1の組成物および上記第2の組成物を合わせる工程または行為、
合わせた組成物を均一になるまで撹拌する工程または行為、ならびに任意に
上記組成物を容器、例えば請求項24~29のうちの1つまたは複数に記載の容器に分注する工程または行為
を含む、方法。
【請求項15】
例えば上記第1の組成物および上記第2の組成物を合わせる工程または行為の後、ゲル化物質、例えばヒドロキシエチルセルロースを混合しながら添加する工程または行為を更に含む請求項14に記載の方法。
【請求項16】
請求項14または15に記載の方法により提供された組成物。
【請求項17】
薬剤として用いるための請求項1~13または16のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項18】
粒子、例えば花粉、ほこり、毛髪などによるアレルギー、病原体、例えばウイルス、微生物、細菌、酵母、もしくは真菌による感染症、および/または空気感染する病原体、例えばウイルス、微生物、細菌、酵母、もしくは真菌による感染症に関連する1つまたは複数の症状および/または状態の治療、予防的治療、緩和、および/または軽減に用いるための請求項1~13、16、または17のいずれか一項に記載の組成物であって、任意に、
a.上記感染症が、空気感染するウイルス、または微生物、例えば呼吸器系ウイルス、例えば一般的な風邪(例えば急性上咽頭炎)の原因となるウイルス、インフルエンザ、そのようなインフルエンザウイルス、RSウイルス、パラインフルエンザウイルス、メタ肺炎ウイルス、ライノウイルス、コロナウイルス、アデノウイルス、およびボカウイルス、副鼻腔炎、咽頭炎、喉頭蓋炎、ヒトコロナウイルス;SARS、MERS、COVID-19(SARS-CoV-2)、気管支炎、細気管支炎、クループ、鳥インフルエンザ、豚インフルエンザ、アデノウイルス、エンテロウイルス、ヒトメタ肺炎ウイルス、ライノウイルス(RV)、インフルエンザA&B、パラインフルエンザ、呼吸器系ウイルス感染症、およびRSウイルス(RSV)により引き起こされ、
b.上記花粉が、例えば、ブタクサ、マウンテンシダー、ライグラス、アカザ/タンブルウィード、アリゾナスギ、ハンノキ、セイヨウトネリコ、ブナノキ、カバノキ、トネリコバカエデ、ヒマラヤスギ、ハコヤナギ、ナツメヤシ、ニレ、クワ、ヒッコリー、ジュニパー、オーク、ピーカン、カナリーヤシ、アメリカハナノキ、ウラジロサトウカエデ、セイヨウカジカエデ、クルミ、ヤナギ、ギョウギシバ、ジョンソングラス、ケンタッキーブルーグラス、カモガヤ、ライグラス、ハルガヤ、オオアワガエリ、ヘラオオバコ、アカザ、アオゲイトウ、ヤマヨモギ、タンブルウィード(ロシアアザミ)、ベゴニア、サボテン、ベニヒモノキ、クレマチス、オダマキ、クロッカス、ラッパズイセン、ダスティーミラー、ゼラニウム、ギボウシ、インパチェンス、アヤメ、ユリ、パンジー、ツルニチニチソウ、ペチュニア、フロックス、バラ、サルビア、キンギョソウ、ハマカンザシ、チューリップ、バーベナ、および/またはヒャクニチソウのうちの1つまたは複数から選択され、
c.上記望ましくない物質が、例えば、環境汚染物質、粒子状物質(PM)、鉛、複合有機化学薬品、硫酸塩、硝酸塩、鉱物粉末、および空気中に浮遊した水、屋内大気汚染物質、および/またはタバコ粒子から選択され、
d.上記感染症がSTD(性感染症)である、
組成物。
【請求項19】
上記鼻腔における上記組成物の「1滴」、または0.01~1.0、0.015~0.1、0.025~0.075、もしくは約0.05gの適用を含む請求項17または18に記載の組成物。
【請求項20】
例えば約6時間の間隔で、1日当たり1回または複数回の上記組成物の適用を含む請求項17~19のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項21】
請求項1~13、16~20のいずれか一項に記載の組成物の使用を含む治療の方法であって、上記治療が、粒子、例えば花粉、ほこり、毛髪などによるアレルギー、病原体、例えばウイルス、微生物、細菌、酵母、もしくは真菌による感染症、および/または空気感染する病原体、例えばウイルス、微生物、細菌、酵母、もしくは真菌による感染症、および/または他の望ましくない物質に関連する1つまたは複数の症状および/または状態の予防的治療、緩和、および/または軽減を含み、任意に、
a.上記感染症が、空気感染するウイルス、または微生物、例えば呼吸器系ウイルス、例えば一般的な風邪の原因となるウイルス、インフルエンザ、そのようなインフルエンザウイルス、RSウイルス、パラインフルエンザウイルス、メタ肺炎ウイルス、ライノウイルス、コロナウイルス、アデノウイルス、およびボカウイルス、副鼻腔炎、咽頭炎、喉頭蓋炎、ヒトコロナウイルス;SARS、MERS、COVID-19(SARS-CoV-2)、気管支炎、細気管支炎、クループ、鳥インフルエンザ、豚インフルエンザ、アデノウイルス、エンテロウイルス、ヒトメタ肺炎ウイルス、ライノウイルス(RV)、インフルエンザA&B、パラインフルエンザ、呼吸器系ウイルス感染症、およびRSウイルス(RSV)により引き起こされ、
b.上記花粉が、例えば、ブタクサ、マウンテンシダー、ライグラス、アカザ/タンブルウィード、アリゾナスギ、ハンノキ、セイヨウトネリコ、ブナノキ、カバノキ、トネリコバカエデ、ヒマラヤスギ、ハコヤナギ、ナツメヤシ、ニレ、クワ、ヒッコリー、ジュニパー、オーク、ピーカン、カナリーヤシ、アメリカハナノキ、ウラジロサトウカエデ、セイヨウカジカエデ、クルミ、ヤナギ、ギョウギシバ、ジョンソングラス、ケンタッキーブルーグラス、カモガヤ、ライグラス、ハルガヤ、オオアワガエリ、ヘラオオバコ、アカザ、アオゲイトウ、ヤマヨモギ、タンブルウィード(ロシアアザミ)、ベゴニア、サボテン、ベニヒモノキ、クレマチス、オダマキ、クロッカス、ラッパズイセン、ダスティーミラー、ゼラニウム、ギボウシ、インパチェンス、アヤメ、ユリ、パンジー、ツルニチニチソウ、ペチュニア、フロックス、バラ、サルビア、キンギョソウ、ハマカンザシ、チューリップ、バーベナ、および/またはヒャクニチソウのうちの1つまたは複数から選択され、
c.上記望ましくない物質が、例えば、環境汚染物質、PM、鉛、複合有機化学薬品、硫酸塩、硝酸塩、鉱物粉末、および空気中に浮遊した水、屋内大気汚染物質、および/またはタバコ粒子から選択され、
d.上記感染症がSTDである、
方法。
【請求項22】
上記鼻腔における上記組成物の0.01~1.0、0.015~0.1、0.025~0.075、または約0.05gの適用を含む請求項21に記載の方法。
【請求項23】
例えば約6時間の間隔で、1日当たり1回または複数回の上記組成物の適用を含む請求項21または22のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項24】
請求項1~23のいずれか一項に記載の組成物を含む容器。
【請求項25】
上記容器が、少なくとも部分的に対象の鼻孔に挿入され、上記鼻孔の最外部の内壁に上記組成物を分配するように適合された塗布器を含む、請求項24に記載の容器。
【請求項26】
上記容器および/または塗布器が、上記組成物の1滴または複数滴、例えば10~250、15~100、25~75、または約50μlの液滴体積を分注するように適合されている、請求項24または25に記載の容器。
【請求項27】
上記容器および/または塗布器が、上記組成物の一滴、例えば0.01~0.250、0.015~0.1、0.025~0.075、0.40~0.60、または約0.050gの液滴重量を分注するように適合されている、請求項24~26のいずれか一項に記載の容器。
【請求項28】
上記容器が、UV光および/または可視光からの保護を提供する、請求項24~27のいずれか一項に記載の容器。
【請求項29】
上記容器が、例えば上記組成物を蒸発、汚染、および/または酸化から保護するために、再密閉可能な開口部、例えばスクリューキャップを備える、請求項24~28のいずれか一項に記載の容器。
【請求項30】
請求項24~29のいずれか一項に記載の容器、使用説明書、および任意に包装を含むキット。
【請求項31】
請求項1~30のいずれか一項に記載のCBD含有組成物。
【請求項32】
上記局所組成物の提供に用いられるCBDが結晶性である、請求項31に記載の組成物。
【請求項33】
上記局所組成物の製剤化に用いられるCBD結晶が針状結晶、例えば図1に示す結晶である、請求項31または32に記載の組成物。
【請求項34】
上記局所組成物の製剤化に用いられるCBD結晶が、図2に示す結晶と同様の結晶など、クラスター状または房状ではない、請求項31~33のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項35】
上記CBD結晶が、臨界CO2抽出を含む抽出方法により提供されない、請求項31~34のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項36】
上記CBD結晶が、C~Cアルコール、例えばイソプロパノールによる抽出、およびC~Cアルコール、例えばヘプタンによる1回または複数回の結晶化工程を含む方法により提供される、請求項31~35のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項37】
上記CBD結晶が、臨界CO抽出、およびC~Cアルカン、例えばヘプタンによる1回または複数回の結晶化工程を含む方法により提供される、請求項31~36のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項38】
上記C~Cアルコールがイソプロパノールであり、上記C~Cアルカンがヘプタンである、請求項36または37に記載の組成物。
【請求項39】
上記結晶性CBDが著しい量のテルペンを含まず、例えば0.1重量%未満、0.05重量%未満、0.02重量%未満、0.01重量%未満、0.005重量%未満、0.002重量%未満、0.001重量%未満のテルペンである、請求項31~38のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項40】
上記結晶性CBDが著しい量のテルペノイドを含まず、例えば0.1重量%未満、0.05重量%未満、0.02重量%未満、0.01重量%未満、0.005重量%未満、0.002重量%未満、0.001重量%未満のテルペノイドである、請求項31~39のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項41】
上記CBDが、針状結晶、例えば図1に示す結晶を形成可能なCBD高次構造を有する、請求項31~40のいずれか一項に記載のCBD含有組成物。
【請求項42】
上記CBDが「A型CBD」であり、かつ/または「B型CBD」ではない、請求項31~41のいずれか一項に記載のCBD含有組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非精神活性カンナビノイド含有組成物、例えば体腔における適用のために製剤化されたカンナビジオール(CBD)を含む組成物、例えば鼻腔内適用のためのゲルに関する。そのような組成物は、病原体に対する保護の文脈で、ならびに/または感染性および/もしくは刺激性の物質、例えばほこり、花粉、微生物、細菌、真菌、および/もしくはウイルス、例えばCOVID-19の侵入の低減において用いることができる。
【背景技術】
【0002】
WO2021056109の「粘膜接着性送達系へ配合するためのゲルベース組成物」は、活性成分を皮膚粘膜表面、例えば口腔、直腸腔、鼻腔、または膣腔へ送達するためのビヒクルとして用いるための、希釈してゲル投与形態に、乾燥してストリップ投与形態に加工することのできる少なくとも50,000cPsの高粘度を有する粘膜接着性濃縮ベース組成物に関する。
【0003】
US20200000693の「1つまたは複数の物質を含む二酸化ケイ素系粒子を含む組成物」は、粘膜に適用することのできる組成物に関する。これに対して、特に本発明はSiO2系粒子を含まない。
【0004】
US20100273895の「カンナビジオールの製剤およびカンナビジオールのプロドラッグならびにそれらを用いる方法」は、体腔投与可能なゲル組成物に関する。しかしながら、本発明とは対照的に、例えば組成物のいくつかの成分および/またはそれらの濃度が開示されていない。
【0005】
US20120202891の「カンナビノイド含有組成物およびその使用の方法」は、主に経口投与されるカンナビノイドゲル製剤に関する。
【0006】
WO2020024056の「カンナビノイドおよび吸収性材料を含む組成物ならびにその使用」は、鼻腔内投与することのできる組成物に関する。しかしながら、本発明とは対照的に、例えば組成物のいくつかの成分および/またはそれらの濃度が開示されていない。
【0007】
US20200170962の「経鼻用カンナビジオール組成物」は、カンナビジオールを含む医薬ゲル組成物に関する。しかしながら、本発明とは対照的に、例えば組成物のいくつかの成分および/またはそれらの濃度が開示されていない。
【0008】
季節性インフルエンザは、毎年世界的に約291243~645832の肺臓死をもたらす一般的な急性呼吸器感染症である。現在、インフルエンザAの2つのサブタイプ(H3N2、H1N1)およびインフルエンザBウイルスの2つの系統(Yamagata、Victoria)由来の株が季節的流行の主な原因である。しかしながら、これらのインフルエンザウイルスにより引き起こされる病気の重症度が成人において臨床的に似ているかどうかが議論を引き起こしている。例えば、疫学研究により、インフルエンザA(H3N2)サブタイプ感染症が、季節性ウイルスのなかでも、より高いインフルエンザ関連の入院率および死亡率をもたらしたことが示されたが、一方で、近年の病院ベースの研究から、臨床転帰、例えば滞在の長さ、死亡率、肺炎、入院、集中治療室(ICU)への入室、および死亡はウイルスの種類により差異がなかったことが示唆されている。体系的分析により、ほとんどの研究がインフルエンザ人口調査または限定された数の臨床例に基づいていることが指摘され、季節性インフルエンザウイルスにより引き起こされた病気の重症度の差異を示すエビデンスはほとんど存在しなかったと結論付けられた。従って、入院患者において2つのウイルスにより引き起こされた病気の相対的重症度を評価するためには、より包括的な研究が必要とされる。2017~2018年のシーズン中、臨床検査室で試験したB/Yamagata系統にポジティブな試料のパーセンテージが、中国において顕著に増加したが、これはアメリカ疾病予防管理センターによる知見と大部分一致していた。結果として、我々は、検査室で確認したインフルエンザAおよびBウイルス感染のある入院患者間の臨床的特徴および臨床転帰を比較するために、前向き観察研究を行った。
【0009】
COVID-19のパンデミックに関して、Mark W.Tenfordeら(2021)“Identifying COVID-19 risk through observational studies to inform control measures”、JAMA.2021;325(14):1464~1465において、著者らは、マスクを着用することが重要であると結論付けており、COVID-19では感染のクラスター化が示され、感染した個体の20%がSARS-CoV-2感染を約80%引き起こすと見積もられた。明らかなエビデンスが、危険性を同定して感染の広がりを緩和する簡易な戦略の有効性を支持しており、このエビデンスの多くは観察研究に由来している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
空気中を浮遊する粒子、例えばほこり、花粉、微生物、細菌、真菌、および/またはウイルス、例えばCOVID-19などにより引き起こされ得る感染症、アレルギー、または他の症状の危険性を予防、低減、および/または軽減するための製剤、例えば鼻腔内製剤が求められている。従って、この要求を満たす、体腔、例えば鼻腔内に適用することのできる製剤を提供することが本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0011】
第1の態様では、本発明は、体腔における適用のために適したおよび/または製剤化された組成物であって、カンナビジオール(CBD)、グリコール、非イオン性乳化剤、NaCl、パンテノール、ヒアルロン酸/塩、フィチン酸、および水を含む組成物に関する。いくつかの実施形態では、上記組成物が、ゲル化物質、アラントイン、および/もしくはpH調整剤のうちの1つまたは複数を更に含むことができる。いくつかの実施形態では、上記組成物がゲル、例えば鼻腔内ゲルとして製剤化される。いくつかの実施形態では、そのような組成物またはゲルが、中性または弱酸性のpH、例えばpH約5~7で製剤化される。いくつかの実施形態では、上記組成物が、(重量で)(a)カンナビジオール(CBD):0.05~2.5%、(b)グリコール:12~70%、(c)非イオン性乳化剤:0.5~5.0%、(d)NaCl:0.5~2.5%、(e)パンテノール:0.25~2.0%、(f)ヒアルロン酸/塩:0.2~2.5%、(g)フィチン酸:0.05~1.0%、(h)水:100%まで、(i)ゲル化物質:0.5~5.0%、(j)アラントイン:0.015~1.5%、および/または(k)pH調整剤:0.02~1.0%、およびそれらのあらゆる組み合わせのうちの1つまたは複数を含む。
【0012】
第2の態様では、本発明は、第1の態様の組成物を提供する方法に関する。いくつかの実施形態では、本発明の組成物の提供は、
個々の成分を適した量で提供する工程または行為、
水、グリコール、例えばエチレングリコールおよびブチレングリコール、乳化剤、例えば非イオン性乳化剤、例えばEumulgin VL 75、NacCl、パンテノール、ヒアルロン酸/ヒアルロン酸塩、ならびに任意にアラントインを完全に溶解するまで混合する、例えば撹拌することにより、第1の組成物を提供する工程または行為、
フィチン酸を添加する工程または行為、
例えばNaOHの添加により、pHを調整する工程または行為(任意)、
CBDをプロピレングリコールに溶解させることにより、第2の組成物を提供する工程または行為、
上記第1の組成物および上記第2の組成物を合わせる工程または行為、
合わせた組成物を均一になるまで撹拌する工程または行為、ならびに任意に
上記組成物を容器、例えば第6の態様の容器に分注する工程または行為
を含む。任意に、特にゲルとして組成物を製剤化する場合、そのような方法は、
例えば上記第1の組成物および上記第2の組成物を合わせる工程または行為の後、ゲル化物質、例えばヒドロキシエチルセルロースを混合しながら添加する行為
を含む。
【0013】
第3の態様では、本発明は、第2の態様の方法により提供された組成物に関する。
【0014】
第4の態様では、本発明は、感染性の物質、例えばほこり、花粉、環境汚染物質、細菌、および/またはウイルス、およびそれらのあらゆる組み合わせに関連する1つまたは複数の症状および/または状態の治療、予防的治療、緩和、および/または軽減におよび/または薬剤として用いるための第1または第3の態様の組成物に関する。いくつかの実施形態では、上記組成物が、例えば、
粒子、例えば花粉、ほこり、毛髪などによるアレルギーの予防、
例えば花粉、ほこり、毛髪などによるアレルギーの重症度の緩和および/もしくは低減、
病原体、例えばウイルス、微生物、細菌、酵母、もしくは真菌による感染症の予防、
空気感染する病原体、例えばウイルス、微生物、細菌、酵母、もしくは真菌による感染症の危険性の緩和、ならびに/または
病原体、例えばウイルス、微生物、細菌、酵母、もしくは真菌による感染症の重症度の低減
のうちの1つまたは複数を提供する。
【0015】
第5の態様では、本発明は、第1、第3、または第4の態様の組成物の使用を含む、1つまたは複数の症状および/または状態の治療、予防的治療、緩和、および/または軽減の方法であって、上記1つまたは複数の症状および/または状態が、感染性の物質、例えばほこり、花粉、環境汚染物質、細菌、および/またはウイルス、およびそれらのあらゆる組み合わせに関連する、方法に関する。
【0016】
第6の態様では、本発明は、第1、第3、または第4の態様の組成物を含む容器に関する。
【0017】
第7の態様では、本発明は、第6の態様の容器および任意に包装を含むキットに関する。
【0018】
第8の態様では、本発明は、CBD含有組成物、例えば局所組成物、例えば体腔における適用のために適したおよび/または製剤化された組成物、例えば鼻用ゲルであって、製剤化に用いられるCBDが結晶性である、組成物に関する。いくつかの実施形態では、上記CBDが「A型」(針状結晶)であるか、または針状結晶を形成可能である。
【0019】
第9の態様では、本発明は、局所組成物、特に本明細書で開示されるCBD含有局所組成物を投与することを含む投与レジメンに関する。いくつかの実施形態では、上記CBDが「A型」である。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】針状結晶を形成するカンナビノール(CBD)の顕微鏡写真である。CBD結晶はwww.enecta.comより供給された。
図2】クラスター状または房状結晶を形成するカンナビノール(CBD)の顕微鏡写真である。CBD結晶はwww.pharma-hemp.comより供給された。
【発明を実施するための形態】
【0021】
定義
本発明の文脈において、単語の単数形は、文脈が明らかに他のことを示さない限り、複数形を含んでもよく、逆もまた同様である。従って、「a」、「an」、および「the」とは通常、それぞれの用語の複数形を含む。例えば、「成分(an ingredient)」または「方法(a method)」とは、複数のそのような「成分」または「方法」を含んでいてもよい。
【0022】
同様に、単語「含む」、「含有する」、および「含有」は、排他的ではなく包括的に解釈されるべきである。本開示によって提供される実施形態は、具体的に本明細書で開示されていない要素を欠いていてもよい。従って、用語「含む」、「含有」を用いて規定される実施形態の開示は、「開示された成分からなる」および「から本質的になる」実施形態の開示でもある。従って、用語「含む」、「含有」は通常、記載した部分、工程、特徴、または成分の存在を指定するものとして解釈されるべきであるが、1つまたは複数の追加の部分、工程、特徴、または成分の存在を除外するものではない。従って、例えば、ある化合物を含む組成物は、追加の化合物を含んでいてもよい。
【0023】
通常、本明細書で開示される組成物、特に局所組成物、例えば体腔用組成物は、1つまたは複数の薬学的に許容可能なアジュバント、例えば薬学的に許容可能な担体、賦形剤、安定剤、および/または緩衝剤などを含んでもよい。
【0024】
本明細書で用いられる場合、特に用語の列挙が続く場合、「例えば」または「など」のような用語は例示的で説明的なものでしかなく、排他的または包括的と見なされるべきではない。本明細書で開示されたあらゆる実施形態は、本明細書で開示された他の何れの実施形態と組み合わせてもよい。
【0025】
特段断りがない限り、本明細書で表されたすべての百分率は、組成物の総重量に対する重量によるものである。従って、特段断りがない限り、「%」は、「重量/重量(w/w)%」を示し、「重量%」または「wt%」ともいう。
【0026】
本発明の文脈において、用語「約」、「およそ」、「ほぼ」、または記号「~」は交換可能に用いることができ、分析誤差など、当該分野で通常許容される変動および/または不確かさを含むことを意味する。従って、「約」はまた、当該分野で一般的に経験される測定上の不確かさを示していてもよく、例えば+/-1、2、5、10、またはさらに20パーセント(%)程度の大きさであり得る。さらに、「約」は、言及された数の+/-20、+/-15、+/-10、+/-5、+/-2、+/-1、+/-0.5、+/-0.1%の範囲などの数値範囲にある数を指していると理解されてもよい。また、本明細書においてすべての数値範囲は、その範囲内のすべての整数または分数を含むと理解されるべきである。
【0027】
本発明の文脈において、「滴」または「液滴」は、交換可能に用いることができる。本明細書で用いられる場合、一滴は、例えば一mlおよび/またはgの約1/20の体積であり得る。一滴はまた、より大きくてもより小さくてもよく、例えば0.01~1.0、0.015~0.1、0.025~0.075、または約0.05gの範囲であってもよい。いくつかの実施形態では、1滴の体積は、約10~250、15~100、25~75、または約50μlである。
【0028】
本明細書で用いられる場合、用語「いくつかの実施形態では」は、「1つの実施形態では」、「いくつかの実施形態では」、および「1つまたは複数の実施形態では」を含むことが意味される。
【0029】
本発明の文脈において、用語「対象」または「患者」は、交換可能に用いることができ、ヒト、動物、および/または哺乳動物を含むことが意味される。特に、ヒトの対象は、例えば、女性、男性、高齢者、成人、青年、小児、または幼児のうちの1つまたは複数から選択することができる。動物の対象は、例えば、ペット、家畜、哺乳動物、爬虫類、鳥、および/または動物園の動物から選択することができる。患者はまた、「潜在的な患者」、即ち望ましくない化合物、例えばほこり、花粉、環境汚染物質、細菌、および/またはウイルス、およびそれらのあらゆる組み合わせに感染および/または暴露される危険性のある健康な対象であり得る。
【0030】
本発明の文脈において、用語「治療」は、対象におけるあらゆる症状、状態、または疾患を予防、緩和、軽減、減少、改善、および/または治癒することを目的とする行為として意味される。本発明の文脈において、用語「治療」は予防的治療を含んでいてもよい。治療の効果はまた、疼痛および/または不快感の減少を含んでいてもよい。治療はまた、コントロールと比べてより速い回復および/または治癒をもたらすことができる。治療の更なる効果はまた、コントロールと比べて合併症の少ない回復/治癒を含むことができる。コントロールは、例えば、治療なし、またはプラセボによる治療であり得る。通常、本文脈における「治療」は、例えば本明細書で更に明らかになるように、1日当たり1回または数回、適した量の体腔用組成物を該体腔へ局所適用することを含む。
【0031】
いずれの理論によっても縛られることは望まないが、本明細書で開示される体腔用組成物の使用が、望ましくない化合物、例えばほこり、花粉、環境汚染物質、細菌、および/またはウイルス、およびそれらのあらゆる組み合わせに対する耐性の増加をもたらすことができると考えられる。この耐性により、例えば、反応、例えば感染および/またはアレルギーを引き起こすためには、そのような望ましくない化合物がより高い用量で必要とされ得る。
【0032】
いくつかの実施形態では、体腔用組成物の使用が、他の対象、例えば健康な対象を感染症、例えば一般的な風邪またはインフルエンザ、およびCOVID-19によって汚染する危険性を低減することができる。
【0033】
「皮膚」は、動物、特に脊椎動物の身体を覆う、通常は軟らかく柔軟な外側の組織の層として説明することができる。皮膚の3つの主な機能は、保護、調整、および感覚であると考えられる。皮膚は、(i)表皮、(ii)真皮、および(iii)皮下組織(subcutaneous tissue)とも呼ばれる皮下組織(hypodermis)の3つの層を含むと考えられる。
【0034】
「粘膜」は、身体における様々な腔を覆い、内部器官の表面を被覆する膜である。緩い結合組織の層上に広がる上皮細胞の1つまたは複数の層からなる。主に内胚葉由来であり、各種の身体の開口部、例えば目、耳、鼻の内部、口の内部、唇、膣、尿道口、陰茎包皮、および肛門の皮膚と連続している。いくつかの粘膜は、粘度のある保護液である粘液を分泌する。粘膜の機能は、病原体およびごみが身体に入るのを止め、身体組織が脱水されるのを防ぐことである。粘膜は、鼻孔、口の唇、まぶた、耳、生殖器部、および肛門などの皮膚と連続したものであり得る。物理的バリアを提供するとともに、免疫系の重要な一部を含み、厳密な意味での身体と微生物叢との間の界面として働く。
【0035】
本発明の文脈において、「体腔」は、例えば、目、耳、鼻の内部(本明細書において「鼻孔」とも呼ばれる)、口の内部、唇、膣、尿道口、陰茎包皮、および肛門から選択することができる。鼻孔はまた、鼻の2つのチャンネルのうちの1つであって、それらが分岐する点から外側開口部までとして定義することができる。
【0036】
いくつかの実施形態では、体腔用組成物が鼻腔内適用のために、即ち、対象の鼻孔において、通常は外側開口部に近いチャンネルの最後の1または2cm以内に、皮膚/粘膜に適用されるために製剤化される。通常、この距離は、成人のヒトの鼻骨および/または鼻中隔の骨性部分の始まりから外側開口部までの長さにほぼ相関する。いくつかの実施形態では、この距離はまた、「鼻孔のわずかに内側/内部」のようなもので呼ばれる。用量に関して、一般的な用量は、成人の対象の平均的な大きさの鼻/鼻孔の鼻孔当たり約50mgまたはμlなどの1滴の適用を含む。更なる用量が本明細書で開示される。
【0037】
第1の態様では、本発明は、CBD、ならびに少なくとも1つの浸透剤および/または浸透促進剤を含む体腔用組成物に関する。通常、組成物は、体腔、例えば粘膜組織を含む体腔、例えば鼻孔における局所適用のために製剤化される。いくつかの実施形態では、組成物は、ゲルとしておよび/または鼻腔内適用のために製剤化することができる。ゲルとして製剤化された鼻腔内適用などのために製剤化された組成物は、本明細書において「鼻用ゲル」と呼ぶことができる。
【0038】
いくつかの実施形態では、そのような体腔用組成物が、
a)0.1~5%、0.12~2%、0.15~1%、0.18~0.75%、または約0.2%(w/w)のカンナビジオール(CBD)、
b)25~85%、35~75%、45~70%もしくは50~65、または約53%(w/w)の水、ならびに
c)1つまたは複数の浸透剤および/または浸透促進剤、例えばプロピレングリコールおよび/またはペンチレングリコール
を含むことができる。
【0039】
カンナビジオール(CAS番号3956-29-1)は非精神活性カンナビノイドである。各種の純度で提供することができ、通常、当該分野で知られた方法によりCannabis sativaから抽出される。本発明の文脈において、高度の純度を有するCBD、例えば油も更なるカンナビノイド、例えば精神活性カンナビノイドまたは非精神活性カンナビノイドも著しい量で含まない「結晶性」CBDが通常は好ましい。
【0040】
特に、油および/または脂質が存在しないことが望ましい場合、CBDの一般的な供給源、例えばCBD含有油は望ましくない。従って、いくつかの実施形態では、CBDが本質的に純粋な形態、例えば結晶もしくは粉末形態で、および/または95%、98%、99%、99.5%、99.8%、もしくは99.8%超の純度で提供される。いずれの理論によっても縛られることは望まないが、結晶のCBDの使用がポジティブに更に寄与できること、例えば粗CBD調製物と比べてより少ないCBDが同様の効果を得るために必要とされることが考えられる。これは、そのような粗CBD調製物に存在する更なるカンナビノイドが相乗的な効果を提供すると考えられている一般的な考えに従えば、驚くべきことである。
【0041】
通常、製剤に用いられる水は、飲料水品質のものである。また、蒸留水または脱イオン水、例えば「MilliQ水」であってもよい。
【0042】
本明細書に記載されたCBD含有組成物は、通常、1つまたは複数の皮膚浸透促進剤、例えば2つ以上の皮膚浸透促進剤の混合物を含む。一般的に、「皮膚浸透促進剤」、「浸透促進剤」、または「浸透剤」は、3つすべての用語とも本明細書において交換可能に用いることができるが、組成物の1つまたは複数の関連する成分、例えばCBDが、皮膚の表皮層および真皮層を通過して、脂肪細胞の数および/または大きさが増加する皮膚の下にある脂肪組織に到達する能力を改善する。いずれの理論によっても縛られることは望まないが、これは、多くの異なるメカニズムによって、例えば、脂質を角質層から抽出し、活性成分の皮膚への分配を増大させ、角質層の脂質二重層を破壊し、それにより角質層構造をより流動的にし、カンナビノイドを含む組成物が角質層を通って拡散する能力を増大させることによって、達成することができると考えられる。
【0043】
いくつかの実施形態では、「浸透促進剤」が、0.1~15%(w/w)、0.5~12%(w/w)、1.0~10%(w/w)、2.0~7.5%(w/w)、4.0~6.0%(w/w)、または約5%(w/w)の濃度で提供される。適した皮膚浸透促進剤は、例えば、特にスルホキシド、アルコール、脂肪酸、脂肪酸エステル、ポリオール、アミド、界面活性剤、テルペン、アルカノン、および有機酸であり得る。適したスルホキシドの具体例としては、特にジメチルスルホキシド(DMSO)およびデシルメチルスルホキシドが挙げられる。適したアルコールとしては、アルカノール、例えばエタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、オクタノール、n-オクタノール、ノナノール、デカノール、2-ブタノール、2-ペンタノール、およびベンジルアルコール;脂肪アルコール、例えばカプリルアルコール、デシルアルコール、ラウリルアルコール、2-ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、リノレイルアルコール、およびリノレニルアルコール;ならびにイソプロピルアルコールが挙げられる。適した脂肪酸の例としては、直鎖脂肪酸、例えば吉草酸、ヘプタン酸、ペラルゴン酸、カプロン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、およびカプリル酸;ならびに分岐鎖脂肪酸、例えばイソ吉草酸、ネオペンタン酸、ネオヘプタン酸、ネオノナン酸、トリメチルヘキサン酸、ネオデカン酸、およびイソステアリン酸が挙げられる。適した脂肪酸エステルの例としては、脂肪族脂肪酸エステル、例えばn-酪酸イソプロピル、n-ヘキサン酸イソプロピル、n-デカン酸イソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、およびミリスチン酸オクチルドデシル;アルキル脂肪酸エステル、例えば酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸メチル、吉草酸メチル、プロピオン酸メチル、セバシン酸ジエチル、およびオレイン酸エチル;ならびにアジピン酸ジイソプロピルおよびジメチルイソソルビドが挙げられる。適したポリオールの例としては、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ポリエチレングリコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、エトキシジグリコール、ペンチレングリコール、グリセロール、プロパンジオール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサントリオール、およびグリセリンが挙げられる。適したアミドの例としては、尿素、ジメチルアセトアミド、ジエチルトルアミド、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルオクタミド、ジメチルデカミド、生分解性環状尿素(例えば1-アルキル-4-イミダゾリン-2-オン)、ピロリドン誘導体、生分解性ピロリドン誘導体(例えばN-(2-ヒドロキシエチル)-2-ピロリドンの脂肪酸エステル)、環状アミド、ヘキサメチレンラウラミドおよびその誘導体、ジエタノールアミン、ならびにトリエタノールアミンが挙げられる。ピロリドン誘導体の例としては、1-メチル-2-ピロリドン、2-ピロリドン、1-ラウリル-2-ピロリドン、1-メチル-4-カルボキシ-2-ピロリドン、1-ヘキシル-4-カルボキシ-2-ピロリドン、1-ラウリル-4-カルボキシ-2-ピロリドン、1-メチル-4-メトキシカルボニル-2-ピロリドン、1-ヘキシル-4-メトキシカルボニル-2-ピロリドン、1-ラウリル-4-メトキシカルボニル-2-ピロリドン、N-シクロヘキシルピロリドン、N-ジメチルアミノプロピルピロリドン、N-ココアルキピロリドン、N-獣脂アルキルピロリドン、およびN-メチルピロリドンが挙げられる。環状アミドの例としては、1-ドデシルアザシクロヘプタン-2-オン(例えばAzone)、1-ゲラニルアザシクロヘプタン-2-オン、1-ファメシルアザシクロヘプタン-2-オン、H3,7-ジメチルオクチル)アザシクロヘプタン-2-オン、1-(3,7,11-トリメチルドデシル)アザシクロヘプタン-2-オン、1-ゲラニルアザシクロヘキサン-2-オン、1-ゲラニルアザシクロペンタン-2,5-ジオン、および1-ファメシルアザシクロペンタン-2-オンが挙げられる。
【0044】
いくつかの実施形態では、浸透剤/浸透促進剤がポリオールであるか、またはそれを含む。いくつかの実施形態では、浸透剤、例えばポリオール、特にグリコールが、2~60%、10~55%、30~50%、または約40%(w/w)の濃度で存在する。いくつかの実施形態では、浸透剤/浸透促進剤がグリコールであるか、またはそれを含む。いくつかの実施形態では、浸透剤/浸透促進剤がプロピレングリコールであるか、またはそれを含む。いくつかの実施形態では、浸透剤/浸透促進剤がペンチレングリコールであるか、またはそれを含む。いくつかの実施形態では、浸透剤/浸透促進剤がブチレングリコールであるか、またはそれを含む。いくつかの実施形態では、浸透剤/浸透促進剤がプロピレングリコール、ブチレングリコール、およびペンチレングリコールのうちの少なくとも2つであるか、またはそれを含む。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の浸透剤および/または浸透促進剤がプロピレングリコール、ブチレングリコール、および/またはペンチレングリコールであるか、またはそれを含む。いくつかの実施形態では、浸透剤が、プロピレングリコール、ブチレングリコール、およびペンチレングリコールのうちの少なくとも2つ、ならびに更なるグリコールを含む。いくつかの実施形態では、組成物が、重量で約20~40%、または約30%のプロピレングリコールを含む。いくつかの実施形態では、組成物が約2~10%、または約5%のブチレングリコールを含む。いくつかの実施形態では、組成物が約2~10%、または約5%のペンチレングリコールを含む。いくつかの実施形態では、組成物が、重量で約20~40%、または約30%のプロピレングリコール、約2~10%、または約5%のブチレングリコール、および約2~10%、または約5%のブチレングリコールのうちの少なくとも2つを含む。
【0045】
いくつかの実施形態では、CBDは、浸透剤、例えばプロピレングリコールに溶解させることができる。この利点は、例えば製造方法において生かすことができる。一般的に、CBDは油またはアルコールに溶解される。しかしながら、いくつかの実施形態では、油および/またはアルコールは、本明細書で議論された理由などのために望ましくないものであり得る。
【0046】
本明細書で開示される体腔用組成物はまた、1つまたは複数の薬学的に許容可能なアジュバントを含むことができる。いくつかの実施形態では、アジュバントは、酸化防止剤、乳化剤、pH調整剤、例えば酸、塩基、もしくはそれらの塩、安定剤、着色剤、およびそれらのあらゆる組み合わせのうちの1つまたは複数から選択することができる。
【0047】
多くの場合、体腔用組成物は、1つまたは複数の更なる物質、例えば1つまたは複数のゲル化剤、1つまたは複数の皮膚軟化剤、1つまたは複数のスキンコンディショナー、1つまたは複数の創傷治癒化合物(例えばヒアルロン酸および/またはCBD)、1つまたは複数の抗菌剤、1つまたは複数のpH安定剤、1つまたは複数のキレート剤、および/またはNaCl、およびそれらのあらゆる組み合わせを含むこととなる。
【0048】
従って、いくつかの実施形態では、組成物が、任意に(i)~(vii)、例えば
i.1つもしくは複数のゲル化剤、例えばポリアクリル酸/ポリアクリル酸塩、例えば2-プロペン酸、ホモポリマー、カルボマー、および/もしくはヒドロキシエチルセルロース、
ii.1つもしくは複数の皮膚保湿剤および/もしくはスキンコンディショナー、例えばパンテノールおよび/もしくはアラントイン、
iii.1つもしくは複数の更なる創傷治癒化合物、例えばヒアルロン酸および/もしくはその塩、
iv.1つもしくは複数の抗菌剤、例えば塩化ベンザルコニウム、
v.1つもしくは複数のpH安定剤および/もしくは緩衝物質、例えばアミノメチルプロパノール(AMP)、
vi.1つもしくは複数のキレート剤、例えばフィチン酸および/もしくはその塩、ならびに/または
vii.NaCl、例えば0.9%(w/w)および/もしくは生理学的濃度、ならびに
(i)~(vii)のあらゆる組み合わせ
のうちの1つまたは複数を含むことができる。
【0049】
体腔用組成物は、局所適用、例えばゲルのために製剤化することができる。ゲルとして製剤化された体腔用組成物は、例えば、本明細書で開示されるように、適した用量および適用を容易にするという利点、ならびに1つまたは複数の更なる利点を提供する。
【0050】
従って、いくつかの実施形態では、組成物が、ゲル状組成物を提供するために1つまたは複数のゲル化剤を含む。「ゲル化剤」または「ゲル化物質」は、ゲルを形成可能な物質または化合物である。ゲルは、例えば、ポリマーまたはコロイドのネットワークを含むヒドロゲルであり得る。適したゲル化剤の例としては、1-メチル-2,4-ビス(N’-n-オクタデシルウレイド)ベンゼン(MBB18)、1-メチル-2,4-ビス(N’-n-ドデシルウレイド)ベンゼン(MBB12)、ビス(4’-ステアラミドフェニル)メタン(BSM18)、ビス(4’-オクタンアミドフェニル)メタン(BOM8)、12-ヒドロキシステアリン酸、核酸塩基、フェニルアラニン、d-グルコサミン、RAD 16、EAK 16、RAD 16 I、RAD 16-II、KLD-12、ヌクレオペプチド(核酸塩基に連結するフェニルアラニンジペプチド)、グアノシン誘導体、カルボマー、例えばカルボマー910、934、940、941、および934P(これらの数は、ポリマーの分子量および特定の成分を示す)、IKVAV-ペプチド両親媒性物質、ヘパリン結合ペプチド両親媒性物質LRKKLGKA-PA、グリコシル化アミノアセテート型のヒドロゲル化剤1 C33O12N3H55、Gelator 4b(d-グルコノラクトンの誘導体)C16O7N2H24、Unimer U-15、Unimer U-151、Unimer U-1946、および/またはUnimer U-6を挙げることができる。いくつかの実施形態では、ゲル化剤は、本明細書で開示された1つまたは複数のゲル化剤および/またはゲル化物質から選択することができる。
【0051】
いくつかの実施形態では、1つまたは複数のゲル化剤が、0.1~5%、0.2~3%(w/w)、0.5~2%(w/w)、0.6~1.0%(w/w)、または約0.8%(w/w)の濃度で提供される。いくつかの実施形態では、ゲル化剤が、カルボマー、ポリアクリル酸/ポリアクリル酸塩、例えばポリアクリル酸ナトリウム、および/もしくはヒドロキシエチルセルロースであるか、またはそれを含む。いくつかの実施形態では、ゲル化剤が、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸塩、および/もしくは2-プロペン酸ホモポリマーであるか、またはそれを含む。いくつかの実施形態では、ゲル化剤がカルボマーであるか、またはそれを含む。ポリ(アクリル酸)(PAA;商品名カルボマー)は、アクリル酸の高分子量合成ポリマーである。IUPAC名はポリ(1-カルボキシエチレン)である。アクリル酸のホモポリマーであってもよく、ペンタエリスリトールのアリルエーテル、スクロースのアリルエーテル、またはプロピレンのアリルエーテルで架橋されていてもよい。中性pHでの水溶液では、PAAはアニオン性ポリマーであり、即ち、PAAの側鎖の多くがそれらのプロトンを失い、負電荷を得る。これにより、PAAが、水を吸収および保持してその元の体積の何倍にも膨張する能力を有する高分子電解質になる。いくつかの実施形態では、ゲル化剤がヒドロキシエチルセルロース、例えば1~2.5重量%、または約1.75重量%である。いくつかの実施形態では、唯一のゲル化剤および/またはゲル化物質がヒドロキシエチルセルロース、例えば1~2.5重量%、または約1.75重量%である。いくつかの実施形態では、唯一のゲル化剤および/またはゲル化物質がヒドロキシエチルセルロース、例えば1~2.5重量%、または約1.75重量%であり、NaCl濃度が約0.9重量%である。
【0052】
いくつかの実施形態では、ヒアルロン酸/ヒアルロン酸塩が、単独または更なるゲル化剤および/もしくはゲル化物質との組み合わせのいずれかで、ゲル化剤として働く。いくつかの実施形態では、ゲル化剤がポリアクリル酸/ポリアクリル酸塩であるか、および/またはゲル化物質がヒドロキシエチルセルロースである。ヒアルロン酸は、交互にβ(1→4)およびβ(1→3)グリコシド結合を介して連結されたD-グルクロン酸およびN-アセチル-D-グルコサミンからなる二糖のポリマーである。ヒアルロン酸の長さは25,000個の二糖の繰り返しであり得る。ヒアルロン酸のポリマーの大きさは、インビボで5.000~20.000.000Daに及び得る。ヒト滑液における平均分子量は3~4百万Daであり、ヒト臍帯から精製されたヒアルロン酸は3.140.000Daであり、他の情報源では滑液について平均分子量が7百万Daと言及されている。ヒアルロン酸は水と結合し、膨張してゲルを形成する。更に、ヒアルロン酸はそれ自身の分子量の1000倍まで水と結合して吸収することが知られていることから、ヒアルロン酸は組織再生に関連すると考えられ、顔のしわなどのための皮膚充填剤として用いられる。いくつかの実施形態では、ヒアルロン酸/ヒアルロン酸塩が、更なるゲル化剤、例えばカルボマーなどと組み合わされてゲル化剤として働く。
【0053】
ゲル化剤の機能は、組成物のゲルまたはゲル状テクスチャの提供として説明することができる。それに対して、1つまたは複数の増粘剤またはゲル化物質が提供され得る。そのような増粘剤/ゲル化物質は、アクリレートクロスポリマー、特にC10~C30アルキルアクリレートクロスポリマー(例えば商品名Carbopol(R)で一般的に市販されているもの)、ヒドロキシエチルセルロース、キサンタンガム、および/またはそれらのあらゆる組み合わせから選択することができる。ゲル化剤および/または増粘剤の量は、ゲルが適用中に流れ落ちないことが保証されれば十分であると見なすことができる。いくつかの実施形態では、ゲルが、アクリレートクロスポリマー、ヒドロキシエチルセルロース、キサンタンガム、および/またはそれらのあらゆる組み合わせから選択される増粘剤および/またはゲル化物質を含むことができる。
【0054】
いくつかの実施形態では、ゲル化物質またはゲル化剤がヒドロキシエチルセルロース、例えばTylose H 300 NG4であるか、またはそれを含む。そのようなゲル化物質は、例えば、結合剤および/または増粘物質として働くことができる。有益となり得る非遅延性の溶解度を有する顆粒状で入手可能である。
【0055】
いくつかの実施形態では、組成物が、1つもしくは複数の皮膚保湿剤、および/または1つもしくは複数のスキンコンディショナーを含む。
【0056】
通常、用語「保湿剤」、「皮膚保湿剤」、または「皮膚軟化剤」は、交換可能に用いることができ、皮膚の保護、保湿、および/または潤滑を提供する化粧品組成物を含むことが意味される。保湿剤はまた、保湿により皮膚の乾燥および刺激を防ぐことができる。本発明の文脈において、用語「保湿剤」または「皮膚軟化剤」はまた、そのような保湿効果を提供または改善する個々の化合物に関し得る。そのような化合物の例としては、パンテノール、アラントイン、ミリスチン酸イソプロピル、パントテン酸、ヒアルロン酸ナトリウム、スクアレン、フェノキシエタノール、メチルパラベン、プロピルパラベン、エチルパラベン、ブチルパラベン、ラノリン、ソルビトール、ワセリン、ステアリン酸、シアバター、ステアリン酸グリセリル、エラスチン、ヒアルロン酸、オリーブ油、グリセリン医薬品等級99.5%植物性ガム、リゾビアン、および/または海水が挙げられ得る。
【0057】
いくつかの実施形態では、皮膚軟化剤がパンテノールであるか、またはそれを含む。いくつかの実施形態では、皮膚軟化剤がアラントインであるか、またはそれを含む。いくつかの実施形態では、皮膚軟化剤がパンテノールおよびアラントインであるか、またはそれらを含む。
【0058】
いくつかの実施形態では、ヒアルロン酸/ヒアルロン酸塩がゲル化剤および/または皮膚軟化剤として働く。
【0059】
いくつかの実施形態では、皮膚保湿剤が、0.1~5%(w/w)、0.15~3.0%(w/w)、0.2~1.5%(w/w)、0.4~0.6%(w/w)、または約0.5%(w/w)の濃度で提供される。いくつかの実施形態では、皮膚保湿剤がパンテノールであるか、またはそれを含む。いくつかの実施形態では、皮膚保湿剤がアラントインであるか、またはそれを含む。いくつかの実施形態では、皮膚保湿剤がパンテノールおよびアラントインを含む。いくつかの実施形態では、パンテノールが、0.1~5%(w/w)、0.15~3.0%(w/w)、0.2~1.5%(w/w)、0.4~0.6%(w/w)、または約0.5%(w/w)の濃度で提供される。いくつかの実施形態では、アラントインが、0.01~5%(w/w)、0.05~2%(w/w)、0.1~1%(w/w)、0.2~0.5%(w/w)、または約0.3%(w/w)の濃度で提供される。いくつかの実施形態では、パンテノールおよびアラントインが、それぞれ0.01~5%(w/w)、0.05~2%(w/w)、0.1~1%(w/w)、0.2~0.5%(w/w)、または約0.3%(w/w)の濃度で提供される。いくつかの実施形態では、パンテノールおよびアラントインが、それぞれ0.01~5%(w/w)、0.05~2%(w/w)、0.1~1%(w/w)、0.2~0.5%(w/w)、または約0.3%(w/w)の合計濃度で提供される。いくつかの実施形態では、皮膚軟化剤が、パンテノール、アラントイン、ミリスチン酸イソプロピル、パントテン酸、ヒアルロン酸ナトリウム、スクアレン、フェノキシエタノール、メチルパラベン、プロピルパラベン、エチルパラベン、ブチルパラベン、ラノリン、ソルビトール、ワセリン、ステアリン酸、シアバター、ステアリン酸グリセリル、エラスチン、ヒアルロン酸、オリーブ油、グリセリン医薬品等級99.5%植物性ガム、リゾビアン、および/もしくは海水のうちの1つまたは複数から選択される。
【0060】
いくつかの実施形態では、組成物がスキンコンディショナーを含む。本発明の文脈において、用語「スキンコンディショナー」または「スキンエッセンス」は、皮膚の軟化を提供する成分または組成物を含むことが意味される。多くの場合、スキンコンディショナーはまた、保湿剤のように、皮膚に水分を与える。いくつかの実施形態では、スキンコンディショナーが、0.1~5%(w/w)、0.15~3.0%(w/w)、0.2~1.5%(w/w)、0.6~1.0%(w/w)、または約0.8%(w/w)の濃度で提供される。いくつかの実施形態では、スキンコンディショナーがパンテノールであるか、またはそれを含む。いくつかの実施形態では、スキンコンディショナーがアラントインであるか、またはそれを含む。いくつかの実施形態では、スキンコンディショナーがパンテノールおよびアラントインを含む。いくつかの実施形態では、アラントインが、0.1~5%(w/w)、0.12~3.0%(w/w)、0.2~1.5%(w/w)、0.2~0.4%(w/w)、または約0.3%(w/w)の濃度で提供される。いくつかの実施形態では、パンテノールが、0.1~5%(w/w)、0.15~3.0%(w/w)、0.2~1.5%(w/w)、0.4~0.6%(w/w)、または約0.5%(w/w)の濃度で提供される。いくつかの実施形態では、アラントインおよびパンテノールが、0.1~5%(w/w)、0.15~3.0%(w/w)、0.2~1.5%(w/w)、0.6~1.0%(w/w)、または約0.8%(w/w)の合計濃度で提供される。
【0061】
いくつかの実施形態では、スキンコンディショナーが、パンテノール、Astrocaryum Vulgareシードバター、Gossypium Hirsutum種子抽出物、Pentaclethra Macrophylla種子油、Abies Alba抽出物、Zanthoxylum Bungeanum果皮抽出物、Zea Mays胚芽抽出物、Zymomonas発酵ろ液、Zingiber Officinale根、ジユグリコシドII、Zostera Marinaカルス抽出物、Ulva Australis抽出物、Actinidia Arguta絞り汁、アデノシン、Adonis Amurensis抽出物、Aloe Barbadensis葉抽出物、Amaranthus Spinosus種子油、Ananas Sativus果汁、アメリカミズアブ幼虫油、アジュライト、Bacillus/Corchorus Olitorius葉発酵ろ液、Cajanus Cajan葉抽出物、および/またはポリグルタミン酸カルシウムクロスポリマーのうちの1つまたは複数から選択される。
【0062】
いくつかの実施形態では、スキンコンディショナーが更なる効果、例えば保湿効果を提供することができる。
【0063】
いくつかの実施形態では、スキンコンディショナーがまた、皮膚軟化剤として働くことができ、逆もまた同様である。その例は、例えば、スキンコンディショナーおよび/または皮膚軟化剤として働くことのできるパンテノールである。
【0064】
体腔用組成物は、1つまたは複数の更なる創傷治癒化合物の存在から利益を得ることができる。いくつかの実施形態では、組成物が創傷治癒化合物を含む。本発明の文脈において、「創傷治癒化合物」は、創傷治癒および/または組織再生を促進する成分である。CBDが創傷治癒化合物の更なる例である。いくつかの実施形態では、更なる創傷治癒化合物がヒアルロン酸および/もしくはその塩であるか、またはそれを含む。創傷治癒化合物の適した濃度は様々であってもよく、例えば約0.1~5%(w/w)である。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の更なる創傷治癒化合物が、0.1~5%(w/w)、0.2~3%(w/w)、0.3~1%(w/w)、0.35~0.75%(w/w)、0.4~0.6%(w/w)、または約0.5%(w/w)の濃度で提供される。いくつかの実施形態では、更なる創傷治癒化合物が、蜂蜜(医療用)、ヒアルロン酸/塩、ビタミンE、Aloe vera、塩化ベンザルコニウム0.13%、プロピレングリコール、グリセリン20.0%、プロポリス、ワセリン、クルクミン、ニンニク、carbonoid油、コラーゲン、ソルビトール、銀、Anethum graveolens、Anethum graveolens、Cinnamomum verum、ユーカリ、Securigera securidaca、Trigonella foenum-graecum、Nelumbo nucifera、ニーム葉抽出物、Chamomilla recutita、ニトロフラゾン、ベルノキ、Moltkia coerulea、およびAllium sativum L.(ヒガンバナ科)、およびそれらのあらゆる組み合わせのうちの1つまたは複数から選択される。
【0065】
いくつかの実施形態では、ヒアルロン酸/ヒアルロン酸塩が創傷治癒化合物として働く。いくつかの実施形態では、ヒアルロン酸/ヒアルロン酸塩が、ゲル化剤、皮膚軟化剤、および/または創傷治癒化合物、およびそれらのあらゆる組み合わせのうちの1つまたは複数として働く。
【0066】
CBD含有化合物は、「防腐剤」を更に含むことができる。防腐剤は、組成物における微生物の増殖を防ぐことなどによって組成物の安定性および/または安定性の増大を提供し、本明細書において「抗菌剤」とも呼ばれる。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の適した防腐剤および/または抗菌剤が、例えば、殺生物剤、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、ブチルパラベン、有機酸、クエン酸、ソルビン酸、酢酸、プロピオン酸、亜硫酸塩、亜硝酸塩、ソルビン酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム、ソルビン酸カルシウム、安息香酸、安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム、安息香酸カルシウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、プロピレングリコール、ベンズアルデヒド、ブチル化ヒドロキシトルエン、ブチル化ヒドロキシアニソール、ホルムアルデヒド供与体、植物抽出物、モノグリセリド、フェノール、水銀成分、およびそれらのあらゆる組み合わせから選択することができる。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の適した抗菌剤が、有機酸、有機酸の塩、およびそれらのあらゆる組み合わせのうちの1つまたは複数から選択することができる。いずれの理論によっても縛られることは望まないが、CBDは、いくつかの従来の抗生物質に恐らく匹敵する抗菌効果を有すると考えられる。CBDは、病原体、例えばStaphylococcus aureus、Streptococcus pneumonie、および/またはClostridioides difficileに対して活性であると考えられる。
【0067】
体腔用組成物はまた、製品の貯蔵性および/または微生物安全性などのための1つまたは複数の抗菌剤または安定剤の存在から利益を得ることができる。いくつかの実施形態では、抗菌剤が塩化ベンザルコニウムであるか、またはそれを含む。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の抗菌剤が、0.01~5%(w/w)、0.02~2%(w/w)、0.04~1%(w/w)、0.075~0.2%(w/w)、または約0.1%(w/w)の濃度で提供される。いくつかの実施形態では、抗菌剤が、0.01~2.5%(w/w)、0.025~0.1.0%(w/w)、0.05~0.5%(w/w)、0.075~0.2%(w/w)、または約0.1%(w/w)の濃度で提供される。いくつかの実施形態では、防腐剤が更なる効果、例えばpH調整効果および/または緩衝効果を与えることができる。いくつかの実施形態では、抗菌剤が、本明細書で開示された1つまたは複数の抗菌剤/防腐剤から選択される。例えば鼻腔適用、または繊細なおよび/もしくは傷つきやすい粘膜を含む他の適用のためには、鼻孔に適用された際に不快感、例えばヒリヒリするおよび/または刺すような感覚を与えない抗菌剤を用いることが有益であり得る。いくつかの実施形態では、体腔用組成物、例えば鼻腔内組成物が、化粧品、特にリップバーム、リップグロス、リップスティック、またはアイメイクアップにおける使用が認定された抗菌剤を含む。そのような抗菌剤の例としては、例えば、ココヤシ(ココナツ)果汁(および)乳酸菌発酵液、カプリリルグリセリルエーテル、エチルヘキシルグリセリン、ヘキシルグリセリン、カプリリルグリコール、Camellia Sinensis葉抽出物(および)Zingiber Officinale(ショウガ)水(および)乳酸菌発酵液、フェニルプロパノール、カプリロイルグリシン、およびまたはカプリリルグリコール(および)カプリル酸/カプリン酸グリセリル(および)グリセリンのうちの1つまたは複数が挙げられ得る。
【0068】
規定されたpHの付与は、1つまたは複数の酸、塩基、該酸および/または塩基の塩、緩衝剤、および/またはpH安定剤、およびそれらのあらゆる組み合わせの添加を含む当該分野で知られている方法を用いて達成することができる。いくつかの実施形態では、NaOHがこの文脈において用いられる。いくつかの実施形態では、他の薬学的に許容可能な酸または塩基およびそれらの塩を用いることができる。いくつかの実施形態では、トリエタノールアミンおよび/またはクエン酸塩/クエン酸が、所望のpHの付与および/または維持に用いられる。いくつかの実施形態では、アルカノールアミン、例えばアミノメチルプロパノール(AMP)が緩衝物質として用いられる。いくつかの実施形態では、塩基、例えば強塩基、特にNaOHが、所望のpHを付与するために用いられる。
【0069】
「キレート剤」または「キレート物質」は、イオン、例えば金属イオンとキレート錯体を形成可能な化合物である。通常、金属イオンと反応してキレートを生成することが可能な有機化合物である。適したキレート剤の例としては、EDTA、クエン酸、酒石酸、フィチン酸、トリエタノールアミン、およびサリチルアルデヒドが挙げられ得る。いくつかの実施形態では、フィチン酸および/またはその塩がキレート剤として用いられる。いくつかの実施形態では、キレート物質が、0.075~0.2%(w/w)、または約0.1%(w/w)の濃度で存在する。いくつかの実施形態では、キレート物質がフィチン酸またはフィチン酸塩、例えばフィチン酸ナトリウムである。
【0070】
フィチン酸は、高濃度で軽度の角質溶解特性および角質剥離特性を有すると考えられている。フィチン酸は、メラニン形成における鉄および銅の活性を阻止することによりメラニン形成を妨げることができる。フィチン酸はキレート特性を有し、例えば、水の硬度を低減することにより泡質を改善することができる。EDTAの代替物として用いることができ、化粧用酸化防止剤と適合し、化粧用酸化防止剤と組み合わせて相乗的に作用していることさえできる。フィチン酸は、スキンケア、フェイスケア、ボディケア、サンケア、ハンドケア、フットケア、ヘアケア、アイケア、およびリップケア製品に一般的に用いられる。また、ウェットティッシュ、デオドラント、およびシャワー製品に適している。いくつかの実施形態では、フィチン酸が、Dr.Straetmans(Evonik)によりdermofeel(R)PAとして提供される。
【0071】
通常、油および/または脂質の存在は、特に対象の皮膚に適用されるゲルとして製剤化された局所組成物の文脈において、本発明のCBD含有組成物において望ましくない。いくつかの実施形態では、組成物が水中油型エマルションまたは油中水型エマルションとして製剤化されていない。従って、いくつかの実施形態では、組成物がわずかな量、例えば1.0、0.5、もしくは0.1%(w/w)未満の油、例えば食用油、脱水油、および/もしくは脱水食用油を含むか、またはそれを含まない。これは、特に従来の局所組成物、例えば、ヤギの脂質が火傷の治療に用いられるなどといった皮膚熱傷のためなどの創傷治療レシピにおいて、油/脂質は一般的に皮膚を軟らかく滑らかに保つために用いられることから、直感に反しているように思われ得る。しかしながら、本発明では、脂質/油を用いずに製剤化された体腔用組成物の潜在的なマイナス面は、特にヒアルロン酸/ヒアルロン酸塩などを含む場合、現在のCBD含有レシピの方が大きく上回ると考えられる。いずれの理論によっても縛られることは望まないが、CBDが疎水性であり、油/脂質が皮膚に一種のバリアおよび/または層を形成し、それにより関連する活性化合物が所望の効果に積極的に関与できないように妨げることから、そのような脂質および/または油の存在は製剤の効能に関してマイナスに寄与することが考えられる。更に、油および/または脂質はゲルを妨げ、遮り、または壊しさえすることができ、それにより組成物はもはや、粘膜、例えば鼻粘膜を覆う保護層を形成することができない。更に、十分な環境および/または効果はもはや達成不可能となることがあり、例えば(鼻)粘膜において望ましくない化合物/粒子、例えばほこり、花粉、環境汚染物質、細菌、およびウイルスに対する保護膜を維持できない。
【0072】
結果として、いくつかの実施形態では、本明細書で開示されるCBD含有組成物は微量の油および/または脂質しか含まないか、またはそれを含まない。いくつかの実施形態では、組成物が1.0、0.5、0.1%未満の油および/または脂質を含む。いくつかの実施形態では、組成物が、(i)油、例えば食用油、(ii)脂質、例えば食用脂のうちの1つまたは複数を含まない。通常、本明細書で開示された組成物は水中油型エマルションまたは油中水型エマルションを含まない。
【0073】
しかしながら、1つまたは複数の乳化剤の存在が、いくつかの実施形態において、例えば組成物がグリコール、例えば本明細書で開示されたグリコールを含む場合に、有益となり得る。いくつかの実施形態では、組成物が乳化剤、例えばイオン性または非イオン性乳化剤を含む。いくつかの実施形態では、乳化剤が、ラウリルグルコシド、ジポリヒドロキシステアリン酸ポリグリセリル-2、およびグリセリン、およびそれらのあらゆる組み合わせのうちの1つもしくは複数であるか、またはそれを含む。いくつかの実施形態では、乳化剤が、非イオン性のO/W乳化剤である、BASFから提供されるEUMULGIN(R)VL 75である。例えば、いくつかのスキンケアエマルション、特にスプレーおよびローションにおいて用いられる。
【0074】
いくつかの実施形態では、例えば、0.1~5%、0.11~2%、0.12~1%、0.15~0.25%、もしくは約0.2%(w/w)のCBD、25~85%、35~75%、45~70%、55~65%、もしくは約53~54%(w/w)の水、ならびに1つもしくは複数の浸透剤および/もしくは浸透促進剤、例えばプロピレングリコールおよび/もしくはペンチレングリコール、(i)1つもしくは複数のゲル化剤、例えばポリアクリル酸/ポリアクリル酸塩(例えば2-プロペン酸ホモポリマーおよび/もしくはカルボマー)、および/もしくはヒドロキシエチルセルロース、ならびに任意に(ii)1つもしくは複数の皮膚保湿剤および/もしくはスキンコンディショナー、例えばパンテノールおよび/もしくはアラントイン、(iii)1つもしくは複数の更なる創傷治癒化合物、例えばヒアルロン酸および/もしくはその塩、(iv)1つもしくは複数の抗菌剤、例えば塩化ベンザルコニウム、(v)1つもしくは複数のpH安定剤および/もしくは緩衝物質、例えばNaOH、ならびに/または(vi)1つもしくは複数のキレート剤、例えばフィチン酸および/もしくはその塩、ならびに(ii)~(vi)のあらゆる組み合わせを含む体腔用組成物、例えば鼻腔内組成物が、鼻孔内部の局所適用のために製剤化される。
【0075】
いくつかの実施形態では、体腔用組成物が、成分(i)および(ii)、ならびに任意に成分(iii)~(vi)のうちの1つまたは複数を含む。いくつかの実施形態では、組成物が、成分(i)および(iii)、ならびに任意に成分(ii)、(iv)~(vi)のうちの1つまたは複数を含む。いくつかの実施形態では、組成物が、成分(i)および(iv)、ならびに任意に成分(ii)、(iii)、(v)、(vi)のうちの1つまたは複数を含む。いくつかの実施形態では、組成物が成分(i)および(v)、ならびに任意に成分(ii)~(iv)および(vi)のうちの1つまたは複数を含む。いくつかの実施形態では、組成物が、成分(i)および(vi)、ならびに任意に成分(ii)~(v)のうちの1つまたは複数を含む。成分(i)~(vi)は本明細書において詳細に開示される。更に、いくつかの実施形態では、成分(i)~(vi)の上記の組み合わせのいずれかとは別に、組成物がNaClを通常は生理学的な濃度、例えば0.5~1.5、0.75~1.05、または約0.9重量%のNaClとして含む。
【0076】
通常、本発明の文脈において、アルコール、特に低分子量アルコール、例えばC1~C4アルコールの存在は望ましくない。C1~C4アルコールは、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、およびそれらのあらゆる異性体および/またはあらゆる組み合わせのうちの1つまたは複数から選択することができる。一般的に、アルコールは創傷をきれいにし、かつ/または消毒するために用いられる。しかしながら、低分子量アルコールは実際のところ、体腔などにおいて傷つきやすい組織、例えば粘膜に害を及ぼすことがある。更に、傷つきやすい組織、例えば体腔、例えば鼻孔の内部の粘膜に低分子量アルコールを適用することは、刺すようなおよび/またはヒリヒリする不快感を与えることになる。低分子量アルコールはまた、皮膚に望ましくない脱水効果を示す。いくつかの実施形態では、組成物が低分子量アルコールを含まないか、または少量の低分子量アルコール、特に1つまたは複数のC1~C4アルコールなどの低分子量アルコールしか含まない。いくつかの実施形態では、体腔用組成物が、0.25%(w/w)以下、例えば0.20%(w/w)以下、もしくは0.10(w/w)以下のアルコールのC1~C4アルコールを含むか、および/またはそれを含まない。
【0077】
体腔内適用にとって、塩、特にNaClの存在は望ましいものであり得る。いくつかの実施形態では、組成物が生理学的な量のNaClを含む。従って、いくつかの実施形態では、組成物が0.5~2.5重量%のNaClを含む。いくつかの実施形態では、組成物、例えば鼻用ゲルが、0.5~2.5、0.7~1.5、0.8~1.0、または約0.9重量%のNaClを含む。
【0078】
用いられる製造方法に応じて、CBD組成物には様々な大麻が用いられる。抽出された場合、様々な量の不純物、例えば更なるカンナビノイドを含み得る。通常、そのような不純物の存在は、特にこれらの不純物の性質、濃度、および/もしくは組成が知られていない場合、ならびに/またはバッチ間で著しく変化する場合、望ましくない。従って、いくつかの実施形態では、CBDが、少なくとも95%(w/w)、98%(w/w)、99%(w/w)、99.5%(w/w)、または99.8%(w/w)超の純度を有する。いくつかの実施形態では、CBDが粉末としておよび/または「結晶形態」で提供される。通常、いずれの理論によっても縛られることは望まないが、溶解したCBDの使用は、本明細書で開示された理由などから、理想的とはいえないと考えられる。
【0079】
しかしながら、いくつかの実施形態では、体腔用組成物は、1つまたは複数の更なるカンナビノイド、例えば1つもしくは複数の精神活性カンナビノイドまたは1つもしくは複数の非精神活性カンナビノイド、例えばTHC(テトラヒドロカンナビノール)、THCA(テトラヒドロカンナビノール酸)、CBDA(カンナビジオール酸)、CBG(カンナビゲロール)、CBC(カンナビクロメン)、CBL(カンナビシクロール)、CBV(カンナビバリン)、THCV(テトラヒドロカンナビバリン)、THCP(テトラヒドロカンナビホロール)、CBDV(カンナビジバリン)、CBCV(カンナビクロメバリン)、CBGV(カンナビゲロバリン)、CBGM(カンナビゲロールモノメチルエーテル)、CBE(カンナビエルソイン)、およびまたはCBT(カンナビシトラン)、およびそれらのあらゆる組み合わせのうちの1つまたは複数を含むことができる。
【0080】
しかしながら、ほとんどの場合、著しい量、特に生理学的に活性な量の1つまたは複数の更なるカンナビノイドは、通常、望ましくない。結果として、いくつかの実施形態では、組成物が、1.5、1.0、0.5、または0.1%(w/w)未満の1つまたは複数の更なるカンナビノイド、例えば1つもしくは複数の精神活性カンナビノイドまたは1つもしくは複数の非精神活性カンナビノイド、例えばTHC、THCA、CBDA、CBN、CBG、CBC、CBL、CBV、THCV、THCP、CBDV、CBCV、CBGV、CBGM、CBE、およびまたはCBT、およびそれらのあらゆる組み合わせのうちの1つまたは複数を含むか、またはそれを含まない。いくつかの実施形態では、CBDまたは組成物が0.1(w/w)未満のTHCを含む。いくつかの実施形態では、CBDまたは組成物が1.5%(w/w)未満のCBDV、CBDA、CBG、CBNのうちのいずれか1つを含む。いくつかの実施形態では、CBDが重量で1.0、0.5、0.2、または0.1%(w/w)未満のCBDV、CBDA、CBG、CBN、またはTHCを含む。
【0081】
著しい量のいずれの更なるカンナビノイドも存在しないことは、直感に反し、創傷治療および/または疼痛治療のための組成物などにおいて更なるカンナビノイドのプラスの相乗効果を主張する一般的な考えに反しているように見える。
【0082】
驚くべきことに、かつ予想外なことに、本発明者は、任意にゲルとして製剤化された本発明の体腔用組成物、例えば鼻腔内組成物が、以下の効果:
粒子、例えば花粉、ほこり、毛髪などによるアレルギーの予防、
例えば花粉、ほこり、毛髪などによるアレルギーの重症度の緩和および/もしくは低減、
病原体、例えばウイルス、微生物、細菌、酵母、もしくは真菌による感染症の予防、
空気感染する病原体、例えばウイルス、微生物、細菌、酵母、もしくは真菌による感染症の危険性の緩和、ならびに/または
病原体、例えばウイルス、微生物、細菌、酵母、もしくは真菌による感染症の重症度の低減
のうちの1つまたは複数を提供できることに気付いた。
【0083】
いずれの理論によっても縛られることは望まないが、本発明の組成物の使用が、感染性の物質、例えばほこり、花粉、環境汚染物質、細菌、および/またはウイルス、およびそれらのあらゆる組み合わせの侵入を防ぐのに役立つと考えられる。更に、いずれの理論によっても縛られることは望まないが、体腔用組成物を用いることで、望ましくない粒子および/または物質が、体腔中により遠くまでおよび/またはより深く到達する前に、体腔用組成物により少なくとも部分的に捕捉されると考えられる。鼻腔内組成物に関しては、そのような粒子/物質が、呼吸器系により深く、例えば鼻孔におよび/または肺にまでもより深く入る前に捕捉される。鼻粘膜、例えば鼻水にいわば類似し得る組成物による「機械的効果」とは別に、本発明の組成物は、抗菌効果および/または抗ウイルス効果を更に提供することができる。この抗菌効果および/または抗ウイルス効果は、体腔内組成物の成分の1つまたは複数により提供されると考えられる。これは、微生物および/またはウイルスに対する1つまたは複数の成分の直接的な作用であるか、または間接的に粘膜系にプラスの効果、例えば刺激および/または活性化する効果を提供することによるものであるかのいずれかであり得る。そのようなプラスの効果は、1つまたは複数の望ましくない効果、例えば刺激する、刺すような、ヒリヒリする感覚などを引き起こすことなく提供される。
【0084】
体腔用組成物、例えば本明細書で示される鼻腔内組成物は、(x)鼻粘膜を安定化し、(y)(鼻)粘膜を保湿し、および/または(z)適切な粘度により保護膜をより長く維持することができる(それらのあらゆる組み合わせを含む)と考えられる。
【0085】
いくつかの実施形態では、アレルギーが、花粉、ほこり、イエダニ、毛髪、皮膚、および/または他の空気中の浮遊粒子、通常はタンパク質含有粒子などにより引き起こされる呼吸アレルギーである。
【0086】
そのような呼吸アレルギーの一般的な徴候および症状は、
:鼻粘膜の腫れ(アレルギー性鼻炎)、鼻水、くしゃみ、
副鼻腔:アレルギー性副鼻腔炎、
:結膜の赤みおよびかゆみ(アレルギー性結膜炎、涙目)、
気道:くしゃみ、せき、気管支収縮、喘鳴、および呼吸困難、時として喘息の発作、重症例では喉頭水腫として知られている腫れに起因した気道の収縮、
:耳閉感、場合により疼痛、および耳管ドレナージの不足に起因した聴覚障害
を含み得る。
【0087】
通常、呼吸アレルギーは、吸入されて気道炎症をもたらす空気中のタンパク質により引き起こされる。特異的アレルギー反応、またはアレルギー症状を悪化させ得る屋内環境および屋外環境における刺激物、例えば煙および煙霧に対するより一般的な反応に起因し得る。
【0088】
いくつかの実施形態では、感染症はSTD(性感染症)である。
【0089】
いくつかの実施形態では、感染症は、空気感染するウイルス、または微生物、例えば呼吸器系ウイルス、例えば一般的な風邪、インフルエンザ、およびCOVID-19により引き起こされる。
【0090】
風土性または伝染性の病原体としてすべての大陸において最も一般的に広まる呼吸器系ウイルスは、インフルエンザウイルス、RSウイルス、パラインフルエンザウイルス、メタ肺炎ウイルス、ライノウイルス、コロナウイルス、アデノウイルス、およびボカウイルスであると考えられる。
【0091】
いくつかの実施形態では、体腔用組成物、例えば鼻腔内組成物が、病原体に対する保護および/もしくは防御を提供し、ならびに/または感染性および/もしくは抗原性の物質、例えばほこりおよび/もしくは花粉の侵入を防ぐのに役立つ。
【0092】
いくつかの実施形態では、花粉が、例えば、ブタクサ、マウンテンシダー、ライグラス、アカザ/タンブルウィード、アリゾナスギ、ハンノキ、セイヨウトネリコ、ブナノキ、カバノキ、トネリコバカエデ、ヒマラヤスギ、ハコヤナギ、ナツメヤシ、ニレ、クワ、ヒッコリー、ジュニパー、オーク、ピーカン、カナリーヤシ、アメリカハナノキ、ウラジロサトウカエデ、セイヨウカジカエデ、クルミ、ヤナギ、ギョウギシバ、ジョンソングラス、ケンタッキーブルーグラス、カモガヤ、ライグラス、ハルガヤ、オオアワガエリ、ヘラオオバコ、アカザ、アオゲイトウ、ヤマヨモギ、タンブルウィード(ロシアアザミ)、ベゴニア、サボテン、ベニヒモノキ、クレマチス、オダマキ、クロッカス、ラッパズイセン、ダスティーミラー、ゼラニウム、ギボウシ、インパチェンス、アヤメ、ユリ、パンジー、ツルニチニチソウ、ペチュニア、フロックス、バラ、サルビア、キンギョソウ、ハマカンザシ、チューリップ、バーベナ、および/またはヒャクニチソウのうちの1つまたは複数から選択される。
【0093】
いくつかの実施形態では、望ましくない物質または粒子が、例えば、環境汚染物質、粒子状物質(PM)、鉛、複合有機化学薬品、硫酸塩、硝酸塩、鉱物粉末、および空気中に浮遊した水、屋内大気汚染物質、および/またはタバコ粒子から選択される。
【0094】
いくつかの実施形態では、望ましくない細菌および/またはウイルスが、例えば、ボカウイルス、副鼻腔炎、咽頭炎、喉頭蓋炎、一般的な風邪、ヒトコロナウイルス;SARS、MERS、COVID-19(SARS-CoV-2)、気管支炎、細気管支炎、クループ、鳥インフルエンザ、豚インフルエンザ、アデノウイルス、エンテロウイルス、ヒトメタ肺炎ウイルス、ライノウイルス(RV)、インフルエンザA&B、パラインフルエンザ、呼吸器系ウイルス感染症、およびRSウイルス(RSV)から選択される。
【0095】
いくつかの実施形態では、本発明は、体腔における適用のために適したおよび/または製剤化された組成物であって、カンナビジオール(CBD)、グリコール、非イオン性乳化剤、NaCl、パンテノール、ヒアルロン酸/塩、フィチン酸、および水を含む組成物に関する。いくつかの実施形態では、組成物が、ゲル化物質、アラントイン、および/またはpH調整剤のうちの1つまたは複数を更に含んでもよい。
【0096】
いくつかの実施形態では、そのような組成物が、1つまたは複数の成分を以下の(重量)濃度:
a)カンナビジオール(CBD):0.05~2.5%
b)グリコール:12~70%
c)非イオン性乳化剤:0.5~5.0%
d)NaCl:0.5~2.5%
e)パンテノール:0.25~2.0%
f)ヒアルロン酸/塩:0.2~2.5%
g)フィチン酸:0.05~1.0%
h)水:100%まで
で含むことができる。
【0097】
いくつかの実施形態では、5つ、6つ、または7つすべての成分が上記に記載した濃度で提供される。
【0098】
いくつかの実施形態では、組成物がアラントイン、例えば0.015~1.5%重量%のアラントインを更に含んでもよい。
【0099】
いくつかの実施形態では、組成物がゲルとして製剤化される。いくつかの実施形態では、従って、組成物が1つまたは複数のゲル化物質を含むことになる。適したゲル化物質は、例えばヒドロキシエチルセルロースである。いくつかの実施形態では、ゲルとして製剤化された組成物が0.5~5.0重量%のゲル化物質、例えばヒドロキシエチルセルロースを含むことができる。
【0100】
通常、本発明の製剤は、ゲルの使用が意図される体腔に対して適したpHで製剤化されることになる。規定のpHを付与するために、1つまたは複数のpH調整剤が0.02~1.0重量%などで提供され得る。
【0101】
従って、いくつかの実施形態では、成分(a)~(h)のうちの5つ、6つ、または7つとは別に、本発明の組成物が、(重量で)
i)ゲル化物質、例えばヒドロキシエチルセルロース:0.5~5.0%
j)アラントイン:0.015~1.5%
k)pH調整剤:0.02~1.0%
およびそれらのあらゆる組み合わせ
を含むことができる。
【0102】
いくつかの実施形態では、CBD含有組成物が、規定のpHが付与されるように製剤化される。通常、中性、中性近く、および/または弱酸性のpH、例えば皮膚のpHに似たpH、例えば約6.0~6.8、または約6.5、例えば6.5±0.20、6.25±0.25、または6.0±0.25が好ましいことが多い。いくつかの実施形態では、CBD含有組成物は、5~7、5~6、5.5~6.5、または約6のpHで製剤化することができる。いくつかの実施形態では、pHが、約5.0、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、または7.0である。いくつかの実施形態では、組成物が、5.0~7.0、5.2~6.0、5.4~5.6、または約5.5のpHで製剤化される。いくつかの実施形態では、pHが、約5.2~5.8、5.6~5.7、または約5.5であり得る。いくつかの実施形態では、pHが、5.0~5.2、5.2~5.4、5.4~5.6、5.6~5.8、5.8~6.0、6.0~6.2、6.2~6.4、6.4~6.6、6.6~6.8、または6.8~7.0である。いくつかの実施形態では、本発明の組成物、例えばゲルは、中性または弱酸性のpH、例えばpH約5~7、例えば5.5~6.5、および/または約5.0、5.25、5.5、5.75、6.0、6.25、6.5、6.75、もしくは7.0で製剤化することができる。いくつかの実施形態では、pHが約5.2~5.8である。いくつかの実施形態では、pHが、約5~5.5.0、5.5~6.0、6.0~6.5.0、または6.5~7.0である。いくつかの実施形態では、pHは、組成物が製剤化される際に意図された体腔のpHに似ている。いくつかの実施形態では、pHはまた、pH7より大きくあり得る。いくつかの実施形態では、pHは5.0より小さくあり得る。
【0103】
いくつかの実施形態では、グリコールが、プロピレングリコール、ペンチレングリコール、および/またはブチレングリコール、およびそれらのあらゆる組み合わせのうちの1つまたは複数から選択される。
【0104】
いくつかの実施形態では、グリコールが、重量で、プロピレングリコール:10~50%、ペンチレングリコール:1~10%、および/またはブチレングリコール:1~10%、およびそれらのあらゆる組み合わせを含む。
【0105】
いくつかの実施形態では、非イオン性乳化剤が、ラウリルグルコシド、ジポリヒドロキシステアリン酸ポリグリセリル-2、およびグリセリン、例えばEumulgin VL 75からなるか、これらから本質的になるか、またはこれらを含む。
【0106】
いくつかの実施形態では、組成物がゲルとして製剤化される。通常、そのような組成物は、1つまたは複数のゲル化剤および/またはゲル化物質を含むことになる。
【0107】
鼻腔内適用のための鼻用ゲルとして製剤化された、先行する請求項のいずれか一項に記載の組成物。
【0108】
いくつかの実施形態では、体腔が鼻腔、特に鼻孔である。
【0109】
いくつかの実施形態では、1つまたは複数の成分(a)~(h)が、以下の重量濃度:
a)0.05~2.5、0.1~1.0、0.15~2.5、または約0.2%のCBD;
b)12~70、20~60、35~45、または約40%のグリコール;
c)0.5~5.0、1.0~4.0、1.5~2.5、または約2%の非イオン性乳化剤;
d)0.5~2.5、0.7~1.5、0.8~1.0、または約0.9%のNaCl;
e)0.25~2、0.3~1.0、0.4~0.6、または約0.50%のパンテノール;
f)0.2~2.5、0.3~1.0、0.4~0.6、または約0.5%のヒアルロン酸/塩、例えばヒアルロン酸ナトリウム;
g)0.05~1、0.10~0.5、0.075~0.125、または約0.1%のフィチン酸;
h)水:100%まで、例えば20~70、30~60、50~56、または約53%の水
で提供される、組成物が提供される。
【0110】
いくつかの実施形態では、成分(a)~(h)が、以下の重量濃度:
a)0.05~2.5、0.1~1.0、0.15~2.5、または約0.2%のCBD;
b)12~70、20~60、35~45、または約40%のグリコール;
c)0.5~5.0、1.0~4.0、1.5~2.5、または約2%の非イオン性乳化剤;
d)0.5~2.5、0.7~1.5、0.8~1.0、または約0.9%のNaCl;
e)0.25~2、0.3~1.0、0.4~0.6、または約0.50%のパンテノール;
f)0.2~2.5、0.3~1.0、0.4~0.6、または約0.5%のヒアルロン酸/塩、例えばヒアルロン酸ナトリウム;
g)0.05~1、0.10~0.5、0.075~0.125、または約0.1%のフィチン酸;
h)水:100%まで、例えば20~70、30~60、50~56、または約53%の水
で提供される、組成物が提供される。
【0111】
いくつかの実施形態では、1つまたは複数の成分(i)~(k)が、以下の重量濃度:
i)0.5~5.0、0.75~2.5、1.5~2.0、または約1.75%のゲル化物質、例えばヒドロキシエチルセルロース;
j)0.015~1.5、0.1~1.0、0.2~0.4、または約0.3%のアラントイン;
k)0.02~1.0、0.075~0.5、0.1~0.3、または約0.04%のpH調整剤、例えば20%(w/w)のNaOH
で提供される、組成物が提供される。
【0112】
いくつかの実施形態では、(i)~(k)が、以下の重量濃度:
i)0.5~5.0、0.75~2.5、1.5~2.0、または約1.75%のゲル化物質、例えばヒドロキシエチルセルロース;
j)0.015~1.5、0.1~1.0、0.2~0.4、または約0.3%のアラントイン;
k)0.02~1.0、0.075~0.5、0.1~0.3、または約0.04%のpH調整剤、例えば20%(w/w)のNaOH
で提供される。
【0113】
いくつかの実施形態では、
a)0.05~2.5、0.1~1.0、0.15~2.5、または約0.2%のCBD;
b)12~70、20~60、35~45、または約40%のグリコール;
c)0.5~5.0、1.0~4.0、1.5~2.5、または約2%の非イオン性乳化剤;
d)0.5~2.5、0.7~1.5、0.8~1.0、または約0.9%のNaCl;
e)0.25~2、0.3~1.0、0.4~0.6、または約0.50%のパンテノール;
f)0.2~2.5、0.3~1.0、0.4~0.6、または約0.5%のヒアルロン酸/塩、例えばヒアルロン酸ナトリウム;
g)0.05~1、0.10~0.5、0.075~0.125、または約0.1%のフィチン酸;
h)水:100%まで、例えば20~70、30~60、50~56、または約53%の水
を含み、1つまたは複数のグリコールが、以下の重量濃度:
10~50、15~40、25~35、または約30%のプロピレングリコール;
1~10、2~8、4~6、または約5.0%のペンチレングリコール;および
1~10、2~8、4~6、または約5.0%のブチレングリコール
で提供され、任意に、
i)0.5~5.0、0.75~2.5、1.5~2.0、または約1.75%のゲル化物質、例えばヒドロキシエチルセルロース;
j)0.015~1.5、0.1~1.0、0.2~0.4、または約0.3%のアラントイン;
k)0.02~1.0、0.075~0.5、0.1~0.3、または約0.04%のpH調整剤、例えば20%(w/w)のNaOH
を含む組成物が提供される。
【0114】
いくつかの実施形態では、
a)0.15~2.5、または約0.2%のCBD;
b)35~45、または約40%のグリコール;
c)1.5~2.5、または約2%の非イオン性乳化剤;
d)0.8~1.0、または約0.9%のNaCl;
e)0.4~0.6、または約0.50%のパンテノール;
f)0.4~0.6、または約0.5%のヒアルロン酸/塩、例えばヒアルロン酸ナトリウム;
g)0.075~0.125、または約0.1%のフィチン酸;
h)水:100%まで、例えば20~70、30~60、50~56、または約53%の水
を含み、1つまたは複数のグリコールが、以下の重量濃度:
25~35、または約30%のプロピレングリコール;
4~6、または約5.0%のペンチレングリコール;および
4~6、または約5.0%のブチレングリコール
で提供され、任意に、
i)1.5~2.0、または約1.75%のゲル化物質、例えばヒドロキシエチルセルロース;
j)0.2~0.4、または約0.3%のアラントイン;
k)0.075~0.5、0.1~0.3、または約0.04%のpH調整剤、例えば20%(w/w)のNaOH
を含む組成物が提供される。
【0115】
いくつかの実施形態では、以下を含むか、または以下から本質的になる鼻用ゲルが提供される。
【0116】
【表1】
【0117】
いくつかの実施形態では、組成物、例えば体腔用組成物、例えば鼻腔内組成物、例えば鼻用ゲルの提供に用いられるCBDが結晶性であり、例えば本明細書で開示される「A型CBD」である。いくつかの実施形態では、該CBDが針状結晶として提供されるか、または針状結晶を形成可能である。
【0118】
いくつかの実施形態では、第1の態様のCBD含有組成物が、更なるカンナビノイド、例えば、THC(テトラヒドロカンナビノール)、THCA(テトラヒドロカンナビノール酸)、CBDA(カンナビジオール酸)、CBN(カンナビノール)、CBG(カンナビゲロール)、CBC(カンナビクロメン)、CBL(カンナビシクロール)、CBV(カンナビバリン)、THCC(テトラヒドロカンナビオルコール)、THCV(テトラヒドロカンナビバリン)、THCP(テトラヒドロカンナビホロール)、CBDV(カンナビジバリン)、CBCV(カンナビクロメバリン)、CBGV(カンナビゲロバリン)、CBGM(カンナビゲロールモノメチルエーテル)、CBE(カンナビエルソイン)、CBT(カンナビシトラン)、および以下の型:CBG型、CBC型、「CBD以外のCBD型」、THC型、CBN型、CBE型、iso-THC型、CBL型、CBT型のうちの1つまたは複数のカンナビノイド、およびそれらのあらゆる組み合わせから選択される1つまたは複数のカンナビノイドを含むことができる。そのような更なるカンナビノイドは、幻覚を起こさせるカンナビノイドおよび/または幻覚を起こさせないカンナビノイドを含むことができる。通常、そのような化合物を含む組成物を用いた使用または治療に際して、特にそれらが生理学的に活性な量で存在する場合、望ましくない副作用を避けるためには、幻覚を起こさせないカンナビノイドが好ましい。
【0119】
更に適した濃度および/または濃度範囲が本明細書において開示され得る。
【0120】
CBD含有組成物、例えば局所製剤の調製または製剤化に用いられるCBDに関して、いくつかの実施形態では、組成物の提供に用いられるCBDが結晶性である。
【0121】
いくつかの実施形態では、上記に開示される組成物を提供するために用いられるCBDは、1つまたは複数の特徴、例えば結晶構造および/または高次構造により特徴付けられる。例えば実施例7を参照すると、針状結晶構造(=結晶構造A、図1参照)を有するCBDが、驚くべきことに、かつ予想外なことに、異なる結晶構造である非針状構造(本明細書において「房状」または「クラスター状」とも呼ばれる)(=結晶構造B、図2参照)を有するCBDより著しく効力があるように見えることが本発明者らにより観察された。
【0122】
いくつかの実施形態では、CBDが、結晶性である場合、針状結晶構造を有するか、または針状結晶構造を形成可能である。いくつかの実施形態では、結晶構造Aの(または針状結晶を形成可能な)CBDが、結晶構造Bの(またはクラスター状/房状結晶を形成可能な)CBDよりも重量/重量に基づいて少なくとも1.2、1.5、2、3、4、5、7.5、10、15、または20倍「効力がある」または「活性がある」。多くの場合、「A型」CBDが、「B型」CBDよりも重量/重量に基づいて少なくとも2.5、5、7.5、または10倍「効力がある」。
【0123】
「A型」CBDの「効力」および/または「活性」は、例えば、用いたCBDの型を除いて本質的に同一の組成物を用いた場合の効果を比較することにより決定することができる。該効力、活性、およびまたは効果は、例えば、「A型」CBDを含む製剤を「B型」CBDを含む製剤と比較することにより、実施例、例えば実施例3~5に開示されるように、変更すべきところは変更して決定することができる。あるいは、効力は、同じ効果、例えば風邪またはインフルエンザ、および/または病原体に対する保護を提供するのに必要なCBDの量で決定することができる。いくつかの実施形態では、より効力のあるCBDの使用が、病原体、例えばウイルス、例えば風邪またはインフルエンザに対する保護の増大をもたらす。いくつかの実施形態では、より効力のあるCBDの使用が、体腔用組成物、特に鼻腔内ゲル組成物の製剤化に用いられるCBDの量の低減を可能にする。いくつかの実施形態では、より効力のあるCBDの使用が、同等な効果、例えばウイルス、例えば風邪、インフルエンザ、および/またはCOVID19に対する保護を提供するのに必要な製剤の量の低減を可能にする。
【0124】
結晶構造AのCBD、または針状結晶を形成可能なCBDはまた、本明細書において「A型CBD」と呼ばれ、一方、結晶構造BのCBD、または「房状」もしくは「クラスター状」結晶を形成可能なCBDは、「B型CBD」と呼ばれる。いくつかの実施形態では、CBDが「A型CBD」である。多くの場合、「B型CBD」に対して「A型CBD」が好ましい。
【0125】
局所製剤などにおいて対象への投与の際に活性であるために、CBDが活性型であるそのような1つまたは複数の特定の高次構造である必要があるかどうかを推測することができる。活性または効力の欠如はまた、より低い取り込み率および/または皮膚の透過の困難性によって引き起こされ得る。
【0126】
いずれの理論によっても縛られることは望まないが、結晶構造の違いが、異なる分子構造、例えば異なる高次構造により引き起こされ得ることが考えられる。これは、例えば、対象の身体が「間違った」CBD高次構造などを認識できないことに起因し得る。CBD結晶構造の違いは異なる抽出法により引き起こされると想像できる。特に、図1に開示されたCBDは、イソプロパノールによる抽出、蒸留、およびヘプタンによる結晶化を含む抽出法により提供され、一方、図2に開示されたCBDは、臨界CO抽出により提供された。
【0127】
通常、結晶性CBDは、当該分野で知られている方法および技術、例えばUS10413845および/またはUS10414709に開示された方法により提供することができる。
【0128】
要するに、結晶性CBDは、
麻または大麻をイソプロパノールなどにより抽出して、カンナビノイドであるTHC、CBD、およびテルペンの豊富な抽出物を生成する工程、
抽出物の溶剤部分を蒸発させて、実質的に溶剤を含まない抽出物を生成する工程、
実質的に溶剤を含まない抽出物を蒸留して、CBDを単離する工程、ならびに
蒸留され単離されたCBDを結晶化して、結晶化され単離されたCBDを生成し、必要に応じて適した有機溶剤、例えばアルカン、例えばヘプタンの使用による1回または複数回の再結晶を行う工程、一般的にはそれに続いて、
真空乾燥などにより溶剤除去を行って、揮発性残存物を除去する工程
から本質的になる方法によって、麻または大麻(Cannabis sativa)から提供することができる。
【0129】
従って、いくつかの実施形態では、局所組成物、例えば体腔用組成物、例えば鼻腔内組成物、例えば鼻用ゲルの製剤化に用いられるCBD結晶が針状結晶、例えば図1に示す結晶である。同様に、いくつかの実施形態では、局所組成物の製剤化に用いられるCBD結晶が、図2に示す結晶と同様の結晶など、クラスター状または房状ではない。
【0130】
いくつかの実施形態では、局所組成物の製剤化に用いられるCBD結晶が、臨界CO抽出を含む抽出方法により提供されない。
【0131】
いくつかの実施形態では、局所組成物の製剤化に用いられるCBD結晶が、C~Cアルコール、例えばイソプロパノールによる抽出、およびC~Cアルカン、例えばヘプタンによる1回または複数回の結晶化工程を含む方法により提供される。いくつかの実施形態では、C~Cアルコールがイソプロパノールである。いくつかの実施形態では、C~Cアルカンがヘプタンである。いくつかの実施形態では、C~Cアルコールがイソプロパノールであり、C~Cアルカンがヘプタンである。この組み合わせは、阻害物質の非存在もしくは低減、および/またはCBDの所望の高次構造などといった十分な品質のCBD結晶を提供すると考えられる。
【0132】
いくつかの実施形態では、適したCBD製品は、CBD結晶が、臨界CO抽出およびC~Cアルカン、例えばヘプタンによる1回または複数回の結晶化工程を含む方法により提供される場合に得ることができる。
【0133】
表1に見られるように、A型CBDおよびB型CBDのカンナビノイドプロファイルはかなり類似し得ることが分かる。
【0134】
【表2】
【0135】
しかしながら、結晶構造の違いは異なる抽出法に関し、異なる抽出法により引き起こされ得るとも想像できる。異なる結晶構造はまた、異なる濃度の「CBD阻害物質」、および/または異なる濃度の「CBD促進物質」を示し得る。いくつかの実施形態では、テルペン、例えば天然に存在するテルペン、特に植物、例えばCannabis sativaに見られるテルペンがCBD阻害物質として働くため、望ましくない。
【0136】
従って、いくつかの実施形態では、結晶構造BのCBD、別名「B型CBD」は、有機抽出工程および/または再結晶工程によって、結晶構造AのCBD、別名「A型CBD」(および/または結晶構造Aを形成可能なCBD)に変換することができる。そのような実施形態では、結晶構造の変化が、追加の抽出および/または結晶化工程において著しく低減される阻害物質の存在に関連すると想像できる。あるいは、有機抽出工程はCBDの高次構造の変化をもたらして、再びそれをより活性にすることもできる。いくつかの実施形態では、ヘプタンによる再結晶は、B型CBDをA型CBDに変化させることができる。
【0137】
いくつかの実施形態では、結晶構造BのCBDが臨界CO抽出により提供されたが、例えば、www.pharma-hemp.comにより、および/または該製造業者と同様の抽出プロトコールに従って提供されるCBD結晶が挙げられる。
【0138】
いくつかの実施形態では、テルペンおよび/またはテルペノイド、特にCannabis sativaテルペンまたは本明細書で開示されるCBD含有局所組成物におけるそれらの存在は、1つまたは複数の望ましくない効果、例えば、効率もしくは効力の低減、CBDを認識する能力がないかもしくは低下すること、同様の効果を得るためにより高濃度のCBD製剤が必要となること、製剤における非CBDカンナビノイドの増加のうちの1つまたは複数を提供する。いくつかの実施形態では、該組成物が、重量で0.0001%以下、0.001%以下、0.01%以下、または0.1%以下のテルペン、特にCannabis sativaテルペンを含む。
【0139】
いくつかの実施形態では、結晶性CBDが著しい量のテルペンを含まず、例えば0.1重量%未満、0.05重量%未満、0.02重量%未満、0.01重量%未満、0.005重量%未満、0.002重量%未満、0.001重量%未満のテルペンである。
【0140】
他の植物成分、例えばテルペノイドが阻害物質として働き得ることも想像できる。いくつかの実施形態では、テルペノイド、例えばCannabis sativaテルペノイドの存在は望ましくないものであり得る。いくつかの実施形態では、結晶性CBDが著しい量のテルペノイドを含まず、例えば0.1重量%未満、0.05重量%未満、0.02重量%未満、0.01重量%未満、0.005重量%未満、0.002重量%未満、0.001重量%未満のテルペノイドである。
【0141】
いくつかの実施形態では、本明細書で開示されるCBD含有組成物における図1に示すもののような結晶構造Aの結晶を有するかまたは提供可能なCBDの使用は、プラスの効果、例えば、効率の向上、製剤においてCBDの合計量を減らす可能性、同じ効果を得るために対象が必要とする局所組成物、例えば鼻腔内製剤がより少なくなること、対象の身体による認識および/もしくはCBDの取り込みの改善、製剤における非CBDカンナビノイドおよび/もしくは他の不純物の減少のうちの1つまたは複数を提供する。
【0142】
通常、第1の態様の組成物は、当該分野で知られている方法、手順、および/または単位操作を用いて提供することができる。いくつかの実施形態では、第1の態様の組成物は、本明細書、例えば第2の態様に示されるように提供することができる。
【0143】
第2の態様では、本発明は、第1の態様の組成物を提供する方法に関する。通常、当該分野で知られている方法、装置、および/または単位操作を用いることができる。
【0144】
いくつかの実施形態では、本発明の組成物の提供は、
個々の成分を適した量で提供する工程または行為、
水、グリコール、例えばプロピレングリコールおよびブチレングリコール、乳化剤、例えば非イオン性乳化剤、例えばEumulgin VL 75、NacCl、パンテノール、ヒアルロン酸/ヒアルロン酸塩、ならびに任意にアラントインを完全に溶解するまで混合する、例えば撹拌することにより、第1の組成物を提供する工程または行為、
フィチン酸を添加する工程または行為、
例えばNaOHの添加により、pHを調整する工程または行為(任意)、
CBDを更なるグリコール、例えばエチレングリコールに溶解させることにより、第2の組成物を提供する工程または行為、
第1の組成物および第2の組成物を合わせる工程または行為、
合わせた組成物を均一になるまで撹拌する工程または行為、ならびに任意に
組成物を容器、例えば第6の態様の容器に分注する工程または行為
を含む。
【0145】
任意に、特にゲルとして組成物を製剤化する場合、そのような方法は、
例えば第1の組成物および第2の組成物を合わせる工程または行為の後、ゲル化物質、例えばヒドロキシエチルセルロースを混合しながら添加する行為
を含むことになる。
【0146】
いくつかの実施形態では、CBDは結晶性CBDである。いくつかの実施形態では、CBDは「A型CBD」である。多くの場合、「B型CBD」または他の型のCBDに対して「A型CBD」の使用が好ましい。
【0147】
第3の態様では、本発明は、第2の態様の方法により提供された組成物に関する。
【0148】
第4の態様では、本発明は、粒子、例えば花粉、ほこり、毛髪などによるアレルギー、病原体、例えばウイルス、微生物、細菌、酵母、もしくは真菌による感染症、および/または空気感染する病原体、例えばウイルス、微生物、細菌、酵母、もしくは真菌による感染症に関連する1つまたは複数の症状および/または状態の治療、予防的治療、緩和、および/または軽減におよび/または薬剤として用いるための第1、第3、または第8の態様の組成物に関する。
【0149】
いくつかの実施形態では、感染症がSTD(性感染症)である。
【0150】
いくつかの実施形態では、感染症が空気感染するウイルス、または微生物、例えば呼吸器系ウイルス、例えば一般的な風邪、インフルエンザ、およびCOVID-19により引き起こされる。
【0151】
風土性または伝染性の病原体としてすべての大陸において最も一般的に広まる呼吸器系ウイルスは、インフルエンザウイルス、RSウイルス、パラインフルエンザウイルス、メタ肺炎ウイルス、ライノウイルス、コロナウイルス、アデノウイルス、およびボカウイルスであると考えられる。
【0152】
いくつかの実施形態では、体腔用組成物、例えば鼻腔内組成物が、病原体に対する保護および/もしくは防御を提供し、ならびに/または感染性および/もしくは抗原性の物質、例えばほこりおよび/もしくは花粉の侵入を防ぐのに役立つ。
【0153】
いくつかの実施形態では、花粉が、例えば、ブタクサ、マウンテンシダー、ライグラス、アカザ/タンブルウィード、アリゾナスギ、ハンノキ、セイヨウトネリコ、ブナノキ、カバノキ、トネリコバカエデ、ヒマラヤスギ、ハコヤナギ、ナツメヤシ、ニレ、クワ、ヒッコリー、ジュニパー、オーク、ピーカン、カナリーヤシ、アメリカハナノキ、ウラジロサトウカエデ、セイヨウカジカエデ、クルミ、ヤナギ、ギョウギシバ、ジョンソングラス、ケンタッキーブルーグラス、カモガヤ、ライグラス、ハルガヤ、オオアワガエリ、ヘラオオバコ、アカザ、アオゲイトウ、ヤマヨモギ、タンブルウィード(ロシアアザミ)、ベゴニア、サボテン、ベニヒモノキ、クレマチス、オダマキ、クロッカス、ラッパズイセン、ダスティーミラー、ゼラニウム、ギボウシ、インパチェンス、アヤメ、ユリ、パンジー、ツルニチニチソウ、ペチュニア、フロックス、バラ、サルビア、キンギョソウ、ハマカンザシ、チューリップ、バーベナ、および/またはヒャクニチソウのうちの1つまたは複数から選択される。
【0154】
いくつかの実施形態では、望ましくない物質または粒子が、例えば、環境汚染物質、粒子状物質(PM)、一酸化炭素、鉛、複合有機化学薬品、硫酸塩、二酸化硫黄、硝酸塩、二酸化窒素、地表面のオゾン、鉱物粉末、および空気中に浮遊した水、二酸化硫黄、二酸化窒素、屋内大気汚染物質、および/またはタバコ粒子から選択される。
【0155】
いくつかの実施形態では、望ましくない細菌および/またはウイルスが、例えば、ボカウイルス、副鼻腔炎、咽頭炎、喉頭蓋炎、一般的な風邪、ヒトコロナウイルス;SARS、MERS、COVID-19(SARS-CoV-2)、気管支炎、細気管支炎、クループ、鳥インフルエンザ、豚インフルエンザ、アデノウイルス、エンテロウイルス、ヒトメタ肺炎ウイルス、ライノウイルス(RV)、インフルエンザA&B、パラインフルエンザ、呼吸器系ウイルス感染症、およびRSウイルス(RSV)から選択される。
【0156】
いくつかの実施形態では、該使用、症状の治療または軽減が、鼻腔における組成物の適した量、例えば「1滴」、例えば0.01~1.0、0.015~0.1、0.025~0.075、または約0.05gの適用を含む。いくつかの実施形態では、1滴の体積は、約10~250、15~100、25~75、または約50μlである。
【0157】
いくつかの実施形態では、該使用、症状の治療または軽減が、例えば約6時間の間隔で、1日当たり1回または複数回の組成物の適用を含む。
【0158】
いくつかの実施形態では、組成物の適切な量、例えば1滴が、鼻孔の最外部の内壁に、例えば外側開口部に向かう鼻孔の最後の2、1.5、1.0、または0.5cm以内に分配される。
【0159】
第5の態様では、本発明は、1つまたは複数の症状および/または状態の治療、予防的治療、予防、緩和、および/または軽減の方法であって、第1、第3、第4、または第8の態様の組成物の使用を含み、1つまたは複数の症状および/または状態が、粒子、例えば花粉、ほこり、毛髪などによるアレルギー、病原体、例えばウイルス、微生物、細菌、酵母、もしくは真菌による感染症、および/または空気感染する病原体、例えばウイルス、微生物、細菌、酵母、もしくは真菌による感染症である、方法に関する。
【0160】
いくつかの実施形態では、感染症がSTD(性感染症)である。
【0161】
いくつかの実施形態では、感染症が空気感染するウイルス、または微生物、例えば呼吸器系ウイルス、例えば一般的な風邪、インフルエンザ、およびCOVID-19により引き起こされる。
【0162】
風土性または伝染性の病原体としてすべての大陸において最も一般的に広まる呼吸器系ウイルスは、インフルエンザウイルス、RSウイルス、パラインフルエンザウイルス、メタ肺炎ウイルス、ライノウイルス、コロナウイルス、アデノウイルス、およびボカウイルスであると考えられる。
【0163】
いくつかの実施形態では、体腔用組成物、例えば鼻腔内組成物が、病原体に対する保護および/もしくは防御を提供し、ならびに/または感染性および/もしくは抗原性の物質、例えばほこり、および/もしくは花粉の侵入を防ぐのに役立つ。
【0164】
いくつかの実施形態では、花粉が、例えば、ブタクサ、マウンテンシダー、ライグラス、アカザ/タンブルウィード、アリゾナスギ、ハンノキ、セイヨウトネリコ、ブナノキ、カバノキ、トネリコバカエデ、ヒマラヤスギ、ハコヤナギ、ナツメヤシ、ニレ、クワ、ヒッコリー、ジュニパー、オーク、ピーカン、カナリーヤシ、アメリカハナノキ、ウラジロサトウカエデ、セイヨウカジカエデ、クルミ、ヤナギ、ギョウギシバ、ジョンソングラス、ケンタッキーブルーグラス、カモガヤ、ライグラス、ハルガヤ、オオアワガエリ、ヘラオオバコ、アカザ、アオゲイトウ、ヤマヨモギ、タンブルウィード(ロシアアザミ)、ベゴニア、サボテン、ベニヒモノキ、クレマチス、オダマキ、クロッカス、ラッパズイセン、ダスティーミラー、ゼラニウム、ギボウシ、インパチェンス、アヤメ、ユリ、パンジー、ツルニチニチソウ、ペチュニア、フロックス、バラ、サルビア、キンギョソウ、ハマカンザシ、チューリップ、バーベナ、および/またはヒャクニチソウのうちの1つまたは複数から選択される。
【0165】
いくつかの実施形態では、望ましくない物質または粒子が、例えば望ましくない物質が、例えば、環境汚染物質、粒子状物質(PM)、鉛、複合有機化学薬品、硫酸塩、硝酸塩、鉱物粉末、および空気中に浮遊した水(例えばエアロゾル)、屋内大気汚染物質、および/またはタバコ粒子から選択される。
【0166】
いくつかの実施形態では、望ましくない細菌および/またはウイルスが、例えば、ボカウイルス、副鼻腔炎、咽頭炎、喉頭蓋炎、一般的な風邪、ヒトコロナウイルス;SARS、MERS、COVID-19(SARS-CoV-2)、気管支炎、細気管支炎、クループ、鳥インフルエンザ、豚インフルエンザ、アデノウイルス、エンテロウイルス、ヒトメタ肺炎ウイルス、ライノウイルス(RV)、インフルエンザA&B、パラインフルエンザ、呼吸器系ウイルス感染症、およびRSウイルス(RSV)から選択される。
【0167】
いくつかの実施形態では、該使用、症状、汚染、および/または感染症の治療、予防的治療、予防、緩和、および/または軽減が、体腔、例えば鼻腔における組成物の適した量、例えば「1滴」、例えば0.01~1.0、0.015~0.1、0.025~0.075、または約0.05mgの適用を含む。いくつかの実施形態では、1滴の体積は、約10~250、15~100、25~75、または約50μlである。
【0168】
いくつかの実施形態では、該使用、症状の治療または軽減が、例えば約6時間の間隔で、1日当たり1回または複数回の組成物の適用を含む。
【0169】
いくつかの実施形態では、組成物の適切な量、例えば1滴が、鼻孔の最外部の内壁に、例えば最も外側の0.5~2、または1~2cm以内に分配される。通常、この距離は、鼻孔の外側開口部から鼻骨および/または鼻中隔の骨性部分の始まりまでの距離に対応する。
【0170】
第6の態様では、本発明は、第1、第3、または第4の態様の組成物を含む容器に関する。
【0171】
いくつかの実施形態では、容器は、少なくとも部分的に対象の鼻孔に挿入されるように適合された塗布器の使用を含むことができる。いくつかの実施形態では、組成物、例えば鼻腔内適用のための鼻用ゲルの適用は、塗布器を鼻孔にわずかに(例えば0.5~2cm)挿入する行為、適した量、例えば一滴を分注する行為、および塗布器を回転させて、例えば鼻孔の最外部の内壁に組成物を分配する行為を含む。
【0172】
いくつかの実施形態では、適切な量の組成物が指先に分注され、その指先は、その後鼻孔にわずかに(例えば0.5~2cm)挿入し、回転させて、例えば鼻孔の最外部の内壁に組成物を分配する。
【0173】
いくつかの実施形態では、適切な量の組成物が綿棒に分注され、その綿棒は、その後鼻孔にわずかに(例えば0.5~2cm)挿入し、回転させて、例えば鼻孔の最外部の内壁に組成物を分配する。
【0174】
いくつかの実施形態では、容器が、1つまたは複数の液滴を分注して、例えば意図された適用、例えば鼻腔内適用のための組成物の体積および/または重量に関して適切な用量を提供するように適合される。いくつかの実施形態では、液滴体積が、約10~250、15~100、25~75、または約50μlである。いくつかの実施形態では、液滴重量が、約0.01~0.250、0.015~0.1、0.025~0.075、0.40~0.60、または約0.050gである。
【0175】
いくつかの実施形態では、容器が、UV光および/または可視光の保護を提供して、例えば組成物の分解および/または劣化を保護する。
【0176】
いくつかの実施形態では、容器が、例えば組成物を蒸発、汚染、および/または酸化から保護するために、再密閉可能な開口部、例えばスクリューキャップを備える。
【0177】
第7の態様では、本発明は、第6の態様の容器および任意に包装を含むキットに関する。
【0178】
いくつかの実施形態では、キットが1つまたは複数の更なるスクリューキャップを含む。
【0179】
いくつかの実施形態では、キットが1つまたは複数の更なる塗布器を含む。
【0180】
1つまたは複数の更なる塗布器および/またはスクリューキャップの提供により、組成物のより衛生的な使用が可能となる。更に、塗布器は、例えば対象間で、例えば幼児から成人で顕著に異なり得る非常に異なる鼻孔の大きさの場合に使用を容易するために、各種の大きさで提供することができる。
【0181】
第8の態様では、本発明は、CBD含有組成物であって、製剤に用いられるCBDが結晶性および/または「A型」である、組成物に関する。いくつかの実施形態では、該組成物が、本明細書で開示される局所組成物、例えば体腔用組成物、例えば本明細書で、例えば第1、第3、および/または第4の態様で開示される鼻用ゲルである。いくつかの実施形態では、CBDが、本明細書で、例えば第1の態様および/または実施例で開示されるように、A型(針状結晶)であるか、または針状結晶を形成可能である。
【0182】
第9の態様では、本発明は、局所組成物、特に本明細書で開示されるCBD含有局所組成物を投与することを含む投与レジメンに関する。いくつかの実施形態では、CBDが「A型」である。
【実施例
【0183】
通常、パーセンテージは重量%である。特段断りがない限り、結晶性CBDはEnectaより供給される。
【0184】
実施例1
当該分野の慣習に従った方法、単位操作、プロトコール、および/またはノウハウを用いて本発明のCBD含有組成物を提供することができる。これは、例えば、本明細書で開示されたように、例えば本発明の第3の態様および/または特に以下の実施例に従って実施することができる。
【0185】
組成物の調製
工程/第I相:

ペンチレングリコール
ブチレングリコール
Eumulgin VL 75
塩化ナトリウム
パンテノール
ヒアルロン酸
アラントイン
完全に溶解するまで混合および撹拌する(加熱する)
【0186】
工程/第II相:
Dermofeelを添加し、pHを約PH5.5に調整する
【0187】
工程/第III相:
プロピレングリコール
CBD
CBDをプロピレングリコールに溶解させて撹拌する
第II相および第III相を合わせて均一になるまで撹拌する
【0188】
工程/第IV相:
Tylose H 300 NG4
分散させて添加する
【0189】
【表3】
【0190】
【表4】
【0191】
【表5】
【0192】
実施例2-選択/除外基準
研究に適格な年齢: 18歳~65歳(成人、高齢者)
研究に適格な性別: すべて
健常人受け入れ: 有り
【0193】
選択基準
年齢:18~65歳
・スクリーニング評価および主任研究員の判断により決定される健康な参加者
・詳しい病歴および手術歴、バイタルサインを含む完全な身体検査の結果、いずれの活動性疾患または慢性疾患のエビデンスも存在しないことにより、健康状態を定義する。
・50~100kgの範囲の体重で、18~30kg/m2の肥満度指数(BMI)
【0194】
スクリーニングが行われる調査研究の計画期間に参加可能。
【0195】
インフォームドコンセントプロセスを完了することが可能およびその意思がある。
【0196】
除外基準
いずれかの臨床的に関連する病歴、または例えば呼吸器、腎臓、肝臓、胃腸、血液、リンパ、神経、心臓血管、精神科などの疾患の存在(HIV、梅毒、結核、B型肝炎、またはC型肝炎の感染が分かっている)。
【0197】
・中枢神経系の障害、精神障害、行動障害(例えば脳血管イベント、うつ病、心的外傷後ストレス障害[PTSD]、不安、双極性障害、重症の片頭痛、パーキンソン病)
・スクリーニング前3ヵ月以内のまたは1年当たり4回を超えた調査的な薬物研究または装置研究への参加
・研究の遂行を妨げ得る、またはその治療が研究の遂行を妨げ得る、または研究員の考えによれば本研究において対象への許容できない危険性を有し得る、付随する疾患または状態
【0198】
参加者の健康または幸福に対する深刻な危機を回避するために活発な医学的介入またはモニタリングが必要な状態。
【0199】
妊娠中または授乳中であることが分かっている。
【0200】
実施例3 試験設定
インフルエンザ(インキュベーション時間:1~4日)または風邪(インキュベーション時間:1~3日)に対する保護用鼻用ゲルのみまたは免疫ブースター(栄養補助食品)との組み合わせの試験
【0201】
インフルエンザまたは風邪の患者に暴露された健常者
【0202】
選択/除外基準については実施例2を参照のこと。
【0203】
臨床改善の順序尺度
【0204】
【表6】
【0205】
近年、免疫血しょうのランダム化比較試験(RCT)における転帰の事後分析において、入院患者状態の新たな順序尺度のエンドポイントが導入された。この尺度は、患者を1(通常の機能を有し退院)から8(死亡)にわたる8つの相互排他的な臨床カテゴリーのうちの1つに置く。
【0206】
主な目的は、インフルエンザまたは風邪の患者に暴露しながら、被験者が病気になるのを防ぐこと、特に被験者が臨床改善の順序尺度に入るのを防ぐことである(1(正常に活動し退院)から8(死亡)にわたる8カテゴリーの順序尺度、または28日目までに退院)。
【0207】
耳による温度測定:体温は、発熱(高温)または低体温症(低温)により異常となり得る。37℃の平熱を超えて約1℃以上体温が上昇する場合、発熱が示される。
【0208】
温度測定の仕方-安静時:耳式体温計による
【0209】
呼吸数:成人では、上昇した呼吸数のカットオフは、通常、1分当たり20呼吸を超える数であると見なされ、1分当たり24呼吸を超える数は、(精神的状態、例えばパニック発作というよりむしろ身体的状態に関する場合)非常に深刻な状態を示す。
【0210】
発熱:熱により上昇した呼吸数は、より速く呼吸することにより熱を失おうとする身体の試みである。これは、速い呼吸数が悪化している感染症の徴候であり得ること、および呼吸数の解釈において発熱が考慮される必要があることの両方から重要である。
【0211】
感染症:一般的な感染症および一般的ではない感染症、例えば風邪、インフルエンザ、肺炎、および結核は、速い呼吸をもたらし得る。
【0212】
測定の仕方-安静時:呼吸数を測定するために、丸々1分間呼吸の数を数える
【0213】
健康な成人の正常な脈拍は、1分当たり60~100拍に及ぶ。脈拍数は、運動、(インフルエンザおよび風邪、けが、および情動のような)病気により変動および上昇し得る。
【0214】
測定の仕方-安静時
【0215】
親指の下の手首の内側で脈拍を容易にチェックすることができる。
1.反対の手の2本の指をこの動脈に軽く置く。
2.親指は感じることのできるそれ自身の脈拍を有するため、親指を使用しない。
3.30秒間拍を数え、次いで結果を倍にして1分当たりの拍数を得るか、または60秒間拍を数える。
【0216】
2つの病気の区別をつける別の方法は、症状が起こり始めるのが如何に速いかである。WebMDによれば、風邪の症状は一度に少しずつ徐々に増大する傾向があるが、インフルエンザははるかに速く起こり始める傾向がある。
【0217】
一般的な風邪および季節性インフルエンザが見分けるのが難しい理由は、それらが多くの類似点を共有するという事実であり得る。それらは両方ともウイルスにより引き起こされ、それらは両方とも呼吸器系の病気であり、それらは、ほとんどの他の病気とともに、心臓を正常より少し速く鼓動させ得る。MD Healthによれば、身体が感染症と戦っている場合に心臓は異なった機能を示すが、安静時の心拍数が絶えず上昇して85を超える場合はすぐに受診する。
【0218】
2020年3月の時点で、アメリカ疾病予防管理センター(CDC)は、ウイルスの地域感染についてより多くのニュースが入っているように、新型コロナウイルス(COVID-19)に曝露されたかもしれない人への曝露の2および14日以内に現れる発熱、せき、および息切れを含む症状は、医療提供者に連絡する時期であることを意味し得ると指摘している。
【0219】
実施例4-鼻用ゲルの使い方
ゲルは、適用間に少なくとも6時間空けて1日当たり2回まで適用することができる。
【0220】
適した量、例えば一滴が、容器を絞ることにより提供される。次いで、該一滴は、傷つけないように鼻用塗布器を鼻に注意深くかつ深くなりすぎずに(例えば、鼻中隔の骨性部分および/または鼻骨よりも深くはない)導入することにより、鼻の皮膚/粘膜に適用される。
【0221】
用いた量が偶然に多くなりすぎて不快に感じる場合、過剰な量は、ハンカチに鼻を勢いよくかむことにより除去することができる。
【0222】
実施例5 試験結果
【0223】
【表7】
【0224】
【表8】
【0225】
実施例6-アルコール抽出、蒸留、および結晶化によるCBDの提供
結晶性CBDは、当該分野で知られている方法および技術、例えばUS10413845および/またはUS10414709に開示された方法により提供することができる。
【0226】
要するに、結晶性CBDは、
麻または大麻を、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、およびオクタノールからなる群から選択される溶剤により抽出して、テトラヒドロカンナビノール、テルペン、またはカンナビジオールから本質的になる抽出された麻または大麻から本質的になる抽出物を生成する工程、
抽出物の溶剤部分を蒸発させて、CBDを含む実質的に溶剤を含まない抽出物を生成する工程、
実質的に溶剤を含まない抽出物を蒸留して、CBDを単離する工程、ならびに
蒸留され単離されたCBDを結晶化して、結晶化され単離されたCBDを生成する工程
から本質的になる方法によって、麻または大麻(Cannabis sativa)から提供することができる。
【0227】
多くの場合、結晶化され単離されたCBDは真空乾燥に供されて、揮発性残存物、特に結晶化または必要に応じて再結晶化に用いた溶剤が除去される。
【0228】
特に、イソプロパノールによる抽出およびヘプタンの使用による結晶化(1回または複数回の任意の再結晶工程を含む)、その後の真空乾燥を含む方法は、結晶構造A、即ち針状結晶を有するCBDを提供することができる。更に、そのようなCBDは、望ましくない化合物、例えばテルペンが非常に少ないものであり得る。
【0229】
プロセスをモニタリングして、例えば所望の製品の高収率および/または高純度を確保するために、GCクロマトグラフィーまたは当該分野で知られている他の分析方法を用いることができる。
【0230】
原料に関して、2~3%のCBDなどを含む麻を乾燥および粉砕してから、イソプロパノール、例えば食品等級のイソプロパノールにより抽出する。
【0231】
各種の化合物の沸点または沸点範囲に基づいた適切な反応を選択するためのガイダンスは、例えば、ここ:www.nwsci.com/customer/docs/SKUDocs/RMR/Technical%20Data_Extractions_03.28.18.pdfに見出すことができる。
【0232】
結晶構造Aを有するCBDは、例えば、www.enecta.comから、ならびに/または該製造業者と同様の抽出および/もしくは精製プロトコールに従って提供することができる。
【0233】
実施例7-各種の結晶性CBDを用いて製剤化された組成物の比較
2つの組成物を実施例1の例えば製剤Aに従って調製するが、相違点は、製剤に用いた結晶性CBDがA型(針状結晶、図1)またはB型(房状/クラスター状、図2)のいずれかであることのみである。
【0234】
A型結晶性CBDはEnectaより供給され、一方、B型CBDはPharma Hempより供給される。
【0235】
両方の組成物を試験したところ、驚くべきことに、かつ予想外なことに、A型CBDがB型CBDよりも病原体、例えばウイルス、例えば風邪および/もしくはインフルエンザに対する保護において著しく活性であることが分かり、かつ/またはそのように結論付けることができる。そのような試験は、例えば、実施例、例えば実施例3~5に従って、変更すべきところは変更して行うことができる。
図1
図2
【国際調査報告】