(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-15
(54)【発明の名称】ポートコネクタ
(51)【国際特許分類】
A61L 2/26 20060101AFI20240508BHJP
【FI】
A61L2/26
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023573065
(86)(22)【出願日】2022-05-25
(85)【翻訳文提出日】2024-01-23
(86)【国際出願番号】 US2022030931
(87)【国際公開番号】W WO2022251364
(87)【国際公開日】2022-12-01
(32)【優先日】2021-05-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523444176
【氏名又は名称】アイディエイト・メディカル・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】IDEATE Medical,Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100184343
【氏名又は名称】川崎 茂雄
(74)【代理人】
【識別番号】100197561
【氏名又は名称】田中 三喜男
(72)【発明者】
【氏名】ハッカー,トム
(72)【発明者】
【氏名】コンセイユ,フィリップ
(72)【発明者】
【氏名】ウォン,ウィリアム
(72)【発明者】
【氏名】チーカトゥン,フロレンシア
【テーマコード(参考)】
4C058
【Fターム(参考)】
4C058AA12
4C058BB07
4C058CC01
4C058DD11
4C058EE26
4C058JJ06
(57)【要約】
本開示は、滅菌装置に対する滅菌対象物品の流体ポートの露出面を滅菌するためのポートコネクタに関する。ポートコネクタは、流体ポートに結合するハウジングを含むことができる。ハウジングは、流体ポートに流体結合する入口、滅菌装置に流体結合する出口、及び入口と出口とを流体結合する流体通路を画定することができる。ポートコネクタは、ハウジングによって支持される多孔質部材を含むことができる。多孔質部材は、複数の微小通路を区画する多孔質構造を有する。多孔質部材は、ポートコネクタが流体ポートに接続されるときに流体ポートと係合するようにハウジングに対して配置される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
滅菌装置に対する滅菌対象デバイスの流体ポートに接続するためのポートコネクタにおいて、前記流体ポートが流体ポート出口を画定する遠位端を有し、前記流体ポートは、前記流体ポート出口から近位側に延在するルーメンを画定し、前記ポートコネクタは、
前記流体ポートに結合するように構成されるハウジングであって、前記流体ポートの前記ルーメンに流体結合されるように構成される入口と、前記滅菌装置に流体結合されるように構成される出口と、前記入口と前記出口との間で延在して前記入口及び前記出口を流体結合する流体通路とを画定する、ハウジングと、
前記ハウジングによって支持される多孔質部材であって、複数の微小通路を画定する多孔質構造を有するとともに、前記ポートコネクタが前記流体ポートに接続されるときに前記流体ポートの前記遠位端と係合するように前記ハウジングに対して配置される多孔質部材と、
を備えるポートコネクタ。
【請求項2】
前記多孔質部材は、前記ポートコネクタが前記流体ポートに接続されるときに、前記微小通路の少なくとも一部が前記流体ポート出口を前記ポートコネクタの外部環境に流体結合するように、前記ハウジングに対して配置される、請求項1に記載のポートコネクタ。
【請求項3】
前記多孔質部材は、前記多孔質部材が前記流体ポート出口の一部を覆うように前記ハウジングに対して配置される、請求項1又は2に記載のポートコネクタ。
【請求項4】
前記多孔質部材は、前記流体ポートの前記遠位端と係合するように配置される環状面を含む、請求項1から3のいずれか一項に記載のポートコネクタ。
【請求項5】
前記環状面は、前記流体ポート出口の直径よりも小さい内径を有する、請求項4に記載のポートコネクタ。
【請求項6】
前記環状面は、前記流体ポート出口の直径よりも大きい外径を有する、請求項5に記載のポートコネクタ。
【請求項7】
ハウジングは、前記流体ポート出口に挿入されるように寸法付けられて形成される挿入部を含み、前記挿入部が前記入口を画定する、請求項1から6のいずれか一項に記載のポートコネクタ。
【請求項8】
前記多孔質部材が前記挿入部によって支持される、請求項7に記載のポートコネクタ。
【請求項9】
前記ハウジングは、前記ポートコネクタを前記流体ポートに結合するように構成されるカプラを含む、請求項1から8のいずれか一項に記載のポートコネクタ。
【請求項10】
前記カプラは、第1の弾性的に撓み可能なクリップ及び第2の弾性的に撓み可能なクリップを備え、前記第1及び第2のクリップは、前記ポートコネクタを前記流体ポートに結合するために前記流体ポートと係合するように構成される、請求項9に記載のポートコネクタ。
【請求項11】
前記第1及び第2のクリップはそれぞれ、前記流体ポートと係合して前記ポートコネクタを前記流体ポートに固定するように構成されるリテーナを含む、請求項10に記載のポートコネクタ。
【請求項12】
流体ポートを有するデバイスを滅菌する方法において、
前記流体ポートにポートコネクタを接続するステップであって、前記ポートコネクタが、前記流体ポートと流体連通する入口と、出口と、前記入口と前記出口との間で延在して前記入口及び前記出口を流体接続する流体通路とを画定し、前記ポートコネクタが前記流体ポートの端部と係合する多孔質部材を有する、ステップと、
滅菌装置を前記ポートコネクタの前記出口に流体接続するステップと、
前記ポートコネクタが前記流体ポートに接続される間に、前記多孔質部材を通じて滅菌流体を移動させることにより、前記流体ポートの前記端部を滅菌するステップと、
を含む方法。
【請求項13】
前記ポートコネクタが前記流体ポートに接続される間に前記滅菌流体で前記デバイスを滅菌するステップを更に含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記デバイスを滅菌する前記ステップは、前記デバイスのルーメンを通じて、前記流体ポートを通じて、及び前記ポートコネクタを通じて前記滅菌流体を移動させるステップを含む、請求項12又は13に記載の方法。
【請求項15】
前記ルーメン、前記流体ポート、及び前記ポートコネクタを通じて前記滅菌流体を移動させる前記ステップは、圧力源からの圧力差の印加によって前記ルーメン、前記流体ポート、及び前記ポートコネクタを通じて前記滅菌流体を引き込むステップを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記流体ポートの前記端部を滅菌する前記ステップと前記デバイスを滅菌する前記ステップとがほぼ同時に行なわれる、請求項12から15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記デバイスを洗浄チャンバ内に配置するステップと、前記滅菌流体を移動させる前に前記洗浄チャンバに前記滅菌流体を供給するステップとを更に含む、請求項12から16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
滅菌装置に対する滅菌対象デバイスの流体ポートに接続するためのポートコネクタにおいて、前記流体ポートがルーメンを画定し、前記ポートコネクタは、
複数の微小通路を画定する多孔質構造を有する多孔質部材であって、該多孔質部材が、前記流体ポートを受けるように寸法付けられて形成される受け入れチャンバの少なくとも一部を画定し、前記流体ポートが前記受け入れチャンバ内に配置されるときに前記多孔質部材の内面が前記流体ポートと係合するように配置される、多孔質部材と、
前記多孔質部材に結合されるハウジングであって、前記流体ポートの前記ルーメンに流体結合されるように構成される入口と、前記滅菌装置に流体結合されるように構成される出口と、前記入口と前記出口との間で延在して前記入口及び前記出口を流体結合する流体通路とを画定し、前記入口が、前記多孔質部材の前記内面によって画定される前記受け入れチャンバの前記少なくとも一部に配置される、ハウジングと、
を備えるポートコネクタ。
【請求項19】
前記多孔質部材の前記微小通路の少なくとも一部は、前記受け入れチャンバを前記ポートコネクタの外部環境に流体結合する、請求項18に記載のポートコネクタ。
【請求項20】
前記多孔質部材は、前記流体ポートと締まり嵌めを形成するように構成される、請求項18又は19に記載のポートコネクタ。
【請求項21】
前記多孔質部材を通じた流路を画定するために前記多孔質部材の1つ以上の表面をコーティングする多孔質制御材料を更に備える、請求項18から20のいずれか一項に記載のポートコネクタ。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
この出願は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、2021年5月26日に出願された米国仮出願第63/193,377号の優先権を主張する。
【技術分野】
【0002】
本開示は、一般に、ポートコネクタに関し、より具体的には、流体ポートの表面を滅菌するためのポートコネクタに関する。
【背景技術】
【0003】
医療機器(例えば、内視鏡)などの特定の物品は、使用間で滅菌される必要がある。これらの物品は、滅菌を必要とする内部ルーメンを含むことができる。これらの内部ルーメンを滅菌する1つの方法は、滅菌流体又は滅菌剤をルーメンを通じて移動させることである。滅菌流体をルーメンを通じて移動させるために、ポートコネクタが一般に物品の流体ポートに結合される。
【0004】
例えば、国際公開第2018/090133号は、内視鏡の流体ポートに取り付けられたポートコネクタを有するチャンバ内に内視鏡を配置する滅菌システムを記載している。ポートコネクタは、内視鏡の内部ルーメンを圧力源(例えば、負圧源)と流体結合する。内視鏡の内部ルーメンを滅菌するために、滅菌流体(過酸化水素蒸気など)が、チャンバ内に導入された後、ポートコネクタによって内視鏡に流体結合された圧力源を介して内視鏡の内部ルーメンを通じて引き込まれる。
【発明の概要】
【0005】
一態様では、滅菌装置に対する滅菌対象デバイスの流体ポートに接続するためのポートコネクタが開示される。流体ポートは、流体ポート出口を画定する遠位端を有する。流体ポートは、流体ポート出口から近位側に延びるルーメンを画定する。ポートコネクタは、流体ポートに結合するように構成されるハウジングを備える。ハウジングは、流体ポートのルーメンに流体結合されるように構成される入口と、滅菌装置に流体結合されるように構成される出口と、入口と出口との間で延在して入口及び出口を流体結合する流体通路とを画定する。多孔質部材がハウジングによって支持される。多孔質部材は、複数の微小通路を区画する多孔質構造を有する。多孔質部材は、ポートコネクタが流体ポートに接続されるときに流体ポートの遠位端と係合するようにハウジングに対して配置される。
【0006】
他の態様では、流体ポートを有するデバイスを滅菌する方法が、ポートコネクタを流体ポートに接続するステップを含む。ポートコネクタは、流体ポートと流体連通する入口、出口、及び入口と出口との間で延在して入口及び出口を流体接続する流体通路を画定する。ポートコネクタは、流体ポートの端部と係合する多孔質部材を有する。方法は、滅菌装置をポートコネクタの出口に流体接続するステップと、ポートコネクタが流体ポートに接続される間に多孔質部材を通じて滅菌流体を移動させることによって流体ポートの端部を滅菌するステップとを含む。
【0007】
他の態様では、滅菌対象デバイスの流体ポートを滅菌装置に接続するためのポートコネクタが、流体ポートに結合するように構成されるハウジングを備える。ハウジングは、滅菌装置に流体結合されるように構成される出口を画定する。シールが、流体ポートと共に流体密封シール(fluid tight seal)を形成するように配置される。ピストンが、ハウジングによって支持され、滅菌装置による圧力差の印加時にハウジングに対して移動可能である。
【0008】
他の態様では、滅菌装置に対する滅菌対象デバイスの流体ポートに接続するためのポートコネクタが、複数の微小通路を画定する多孔質構造を有する多孔質部材を備え、流体ポートがルーメンを画定する。多孔質部材は、流体ポートを受けるように寸法付けられて形成される受け入れチャンバの少なくとも一部を画定する。内面は、流体ポートが受け入れチャンバ内に配置されるときに流体ポートと係合するように配置される。ハウジングが多孔質部材に結合される。ハウジングは、流体ポートのルーメンに流体結合されるように構成される入口と、滅菌装置に流体結合されるように構成される出口と、入口と出口との間で延在して入口及び出口を流体結合する流体通路とを画定する。入口は、多孔質部材の内面によって画定される受け入れチャンバの前記少なくとも一部に配置される。
【0009】
本開示の他の目的及び特徴は、本明細書において部分的に明らかであり、部分的に指摘される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】流体ポートに接続される本開示の一実施形態に係るポートコネクタの斜視図である。
【
図6】
図1のポートコネクタのガスケットの断面図である。
【
図7】流体ポートに接続される本開示の他の実施形態に係るポートコネクタの斜視図である。
【
図8A】
図7のポートコネクタと同様のポートコネクタの他の実施形態の長手方向断面図である。
【
図9】ポートコネクタのガスケットが初期位置にある、
図8の拡大部分図である。
【
図10】ガスケットがシール位置にある、
図8の拡大部分図である。
【
図13】
図7のポートコネクタのスライドの斜視図である。
【
図14】
図7のポートコネクタのプランジャの斜視図である。
【
図15】本開示の他の実施形態に係るポートコネクタの斜視図である。
【
図16】流体ポートに接続される
図16のポートコネクタの斜視図である。
【
図18】流体ポートに接続される本開示の他の実施形態に係るポートコネクタの斜視図である。
【
図19】ポートコネクタが流体ポート上の初期位置にある、ポートコネクタの長手方向断面図である。
【
図21】ポートコネクタが流体ポート上の第2の位置にある、
図18の長手方向断面図である。
【
図23】
図18のポートコネクタのプランジャの斜視図である。
【
図24】本開示の他の実施形態に係るポートコネクタの斜視図である。
【
図25】流体ポートに接続される
図24のポートコネクタの斜視図である。
【
図27】内部の詳細を明らかにするために多孔質部材を取り除いた、
図24の横断面図である。
【0011】
対応する参照符号は、図面全体を通して対応する部分を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本明細書に開示されるポートコネクタは、国際公開第2018/090133号に記載されている滅菌システム及び方法と共に使用することができる。本明細書に記載のポートコネクタは、ポートコネクタが取り付けられていても流体ポート自体を滅菌できるようにする。ポートコネクタは、従来のポートコネクタを使用すると遮断され又は覆われるであろう流体ポートの内面及び/又は外面と滅菌流体が接触できるようにし、したがって一般に流体ポート全体を滅菌できるようにし、より具体的には、外面又は露出面は、これらの面が流体ポートを通じて流れる流体と接触する可能性が最も高いため、流体ポートのルーメンに最も近い。本明細書で開示されるポートコネクタは、ポートコネクタが流体ポートと共に流体密封シールを形成しない場合があり、及び/又は特定の条件下でのみ流体ポートと共に流体密封シールを形成する場合があるため、漏洩コネクタと呼ばれる場合がある。
【0013】
図1~
図6を参照すると、本開示に係るポートコネクタの一実施形態が全体的に参照番号100で示される。ポートコネクタ100は、内視鏡などの物品(図示せず)の流体ポート10に取り付けられて示される。図示の流体ポート10は、当技術分野で一般的に知られているように、流体ポートに対する構成要素及びデバイス(チューブなど)の接続及びシールを容易にするために、外部に1つ以上の周方向鉤状部(barb)を有する雄流体ポートである。
図2及び
図3に示されるように、流体ポートは、その端部(例えば、遠位端又は自由端)にある流体ポート出口16と、流体ポート出口から近位側に延在するルーメン12とを画定する。流体ポート10は、端部に遠位端面14(広義には、外面)を有する。遠位端面14は、遠位側に面し、流体ポート出口16に隣接する。流体ポートの他の構成は、本開示の範囲内である。ポートコネクタ100は、(滅菌流体によって)滅菌されるべき物品又はデバイスの流体ポート10を、国際公開第2018/090133号に記載され滅菌システムなどの滅菌システム又は装置(図示せず)の圧力源(例えば、負圧源及び/又は正圧源)に接続するために使用される。一実施形態において、圧力源は、物品及びポートコネクタ100を取り囲む環境から流体ポート10及びポートコネクタを通じて物品の内部ルーメンに流体(例えば、滅菌流体)を引き込んで物品の内面(例えば、内部ルーメン)を滅菌するために圧力差を生み出す負圧源である。負圧源は、真空、ポンプ、又は物品を取り囲む環境よりも低い圧力を有するチャンバなどの任意の適切な圧力源とすることができる。
【0014】
ポートコネクタ100は、ハウジング102を含む。ハウジング102は、近位端部と遠位端部とを有する。近位端部は、流体ポートに流体結合されるように構成される入口104(
図3)を画定する(例えば、入口は、流体ポートと流体連通するように配置される)。図示の実施形態において、近位端部は、入口104がルーメン内に配置されるように、流体ポート出口16を通じて流体ポート10のルーメン12に挿入されるように寸法付けられて形成される挿入部103を含む。挿入部103は入口104を画定する。好ましくは、挿入部103は流体ポート10と係合しない。遠位端部(例えば、遠位ポート)は、負圧源(広くは、滅菌装置)に流体結合されるように構成される出口106を画定する。言い換えると、出口106は、負圧源と流体連通するように配置される。図示の実施形態において、遠位端部は、出口106を負圧源に流体結合するために流体導管又はチューブに結合されるように構成される。遠位端部は、鉤状部付きチューブポート取付具を備える。ハウジング102は、入口104と出口106との間で延在して入口104及び出口106を流体結合する(例えば、入口104と出口106との間の流体連通を行なう)流体通路108(例えば、ルーメン、孔)を画定する。
【0015】
ハウジング102は、流体ポート10に結合されるように構成される。ハウジング102は、流体ポート10に結合(例えば、装着)するように構成されるカプラ110を含む。図示の実施形態において、カプラ110は、第1及び第2の弾性的に撓み可能なクリップ112を備える。第1及び第2のクリップ112は、流体ポート10と係合してポートコネクタ100を流体ポートに結合(例えば、固定)するように構成される。各クリップ112は、ポートコネクタ100を流体ポートに固定するために流体ポート10と係合するように構成されるリテーナ114を含む。リテーナ114は、流体ポート10の鉤状部と係合して、カプラ110を流体ポートに固定する。クリップ112は、ハウジング102の両側に配置され、流体ポート10の両側と係合する。ハウジング102は、各クリップ112をハウジングの残りの部分(例えば、中央本体)に接続するリビングヒンジ116を含む。リビングヒンジ116は、カプラを流体ポートに対して着脱できるように各クリップ112が弾性的に撓むことができるようにする。リビングヒンジ116はリテーナ114を互いに向けて付勢するので、ポートコネクタ100が流体ポート10から意図せずに切り離されることはない。各クリップ112は、クリップを撓ませる又はリビングヒンジ116を中心に回動させるためにユーザによって係合されるように構成されるフィンガタブ118を含む。カプラの他の構成が本開示の範囲内である。また、ハウジング102は、流体ポート10と係合してポートコネクタ100を流体ポート上に中心付けるのを助けるように構成される1つ以上のポートガイド120を含むこともできる。図示の実施形態において、ハウジング102は、流体ポート10の両側と係合するように、ハウジング102の両側で、2つのクリップ112の間に配置された2つのポートガイド120を含む。ポートガイド120の対向する内面は、流体ポート10と係合して、流体ポート10上のポートコネクタ100の位置決めを容易にすることができる。ハウジング102は、一体部品であってもよく、又は互いに固定された複数の部品であってもよい。ガイド120及び/又はクリップ112(広義には、ポートコネクタ100)は、流体ポート10の端部を受けるように寸法付けられて形成される空間を画定する。
【0016】
図3、
図5及び
図6を参照すると、ポートコネクタ100は、シール又はガスケット122(広義には、流体ポートインタフェース部材)を含む。ガスケット122は、ハウジング102によって支持される(例えば、ハウジング102に接続される)。
図3に示されるように、ガスケット122は、ハウジングが流体ポートに結合されるときにガスケットが流体ポート10から部分的に離間されるようにハウジング102によって支持される。具体的には、ガスケット122は、ポートコネクタ100が流体ポートに取り付けられるときに流体ポート10の遠位端面14に面してこれと隣接するように配置される。ガイド120は、流体ポート10と係合してガスケット122を遠位端面14に隣接して位置させる(例えば、長手方向又は近位方向の位置)ストッパとして機能することもできる。ポートコネクタ100が流体ポート10に取り付けられると、ポートコネクタ100(例えば、ガスケット122)は流体ポートと共に流体密封シールを形成しない。これにより、物品の流体ポート10を取り囲む環境内の滅菌流体は、さもなければポートコネクタ100が流体ポートと係合して流体密封シールを形成するときに遮断され又は覆われるであろう流体ポートの表面(例えば、端面14)と接触してこれを滅菌することができる。
【0017】
ポートコネクタ100は、負圧(すなわち、負圧差)が負圧源を介して流体ポートのルーメン12に印加されると、流体ポート10と共に流体密封シールを形成する。これは、物品を滅菌するために流体(例えば、滅菌流体)が流体ポート10を通じて物品の内部ルーメンに引き込まれるようにする。ガスケット122は、流体ポートを通じて流体を引き込むために、負圧源からの負圧の印加時に流体ポート10に向かって移動して流体ポート10と係合し、流体密封シールを形成するように構成される。本明細書で使用される「流体密封シール」という用語は、圧力差の結果として流体が他の領域から(例えば、流体ポートとは反対側の物品の内部ルーメンの端部に)流れるように流体の流れに対する十分な障害をもたらし、流体が通過できないような絶対的な流体密封シールを必要としないシールを指す。例えば、ガスケット122と流体ポート10との間の流体密封シールは、流体が物品の内部ルーメン(複数可)内へと該ルーメン(複数可)を通じて流体ポートを介してポートコネクタ100内へと引き込まれるように、ガスケット122と流体ポート10との間の流体の流れに対して十分な障害を形成しなければならない。動作中、好ましくは、ガスケット122は、流体がガスケット122と流体ポート10との間を通過できないように流体ポート10と共に絶対的な流体密封シールを形成するが、そのような絶対的な流体密封は、ポートコネクタ100の動作に必要ではない。本明細書で使用される場合、「負圧」という語句は、ポートコネクタ100などの負圧が印加されている相対的な構成要素を取り囲む環境の圧力よりも低い圧力を意味する。例えば、負圧源からポートコネクタ100に負圧を印加することは、負圧源がポートコネクタを取り囲む環境(例えば、ポートコネクタが位置される滅菌システムのチャンバ)の圧力に対して低い圧力をポートコネクタに付与することを意味する。言い換えれば、負圧は、相対的な構成要素を取り囲む環境と負圧源との間に負圧差を生じさせ、それによって流体を環境から負圧源に向けて流す。負圧は、大気圧以上の圧力又は大気圧未満の圧力(真空)であり得る。特定の好ましい実施形態では、負圧が大気圧よりも低い(真空)。
【0018】
図示の実施形態では、ガスケット122がフランジ124を含む。フランジ124は、屈曲可能(例えば、弾性的に屈曲可能)である。フランジ124はリング状である。フランジ124は、負圧の印加に起因して流体ポートと共に流体密封シールを形成するために流体ポート10に向かって移動して(
図3に矢印で示すように)流体ポート10(例えば、端面14)と係合するように構成される。フランジ124は、ポートコネクタ100が流体ポートに取り付けられるときに流体ポート10の端面14に隣接して配置される。例えば、フランジ124は、端面14から数ミリメートルだけ離間されるだけであってもよい。結果として、負圧源によって負圧が印加されると、負圧(例えば、フランジ124の全体にわたって生じる十分な圧力差)によって、フランジは、屈曲して、流体ポート10の端面と係合し、流体密封シールを形成する。一実施形態において、負圧源と物品を取り囲む環境との間の圧力差は、約1/100の比であってもよいが、他の差も本開示の範囲内である。フランジ124は、好ましくは、フランジの径方向外側部分(例えば、遠位面)がフランジに対する圧力差の影響を増大させるべく環境に晒されるように、フランジに隣接するハウジング102の部分の径方向外側で延在する。フランジ124は、フランジの屈曲の大部分が生じる屈曲セクション126を含むことができる。図示の実施形態において、屈曲セクションは、フランジ124の径方向内側縁部に隣接し、フランジのより径方向外側の部分の厚さよりも薄い厚さを有する。したがって、フランジ124の脆弱ポイントが形成され、その周りでフランジを屈曲させることができる。フランジ124は、圧力差が平衡に近づく(又は平衡になる)と、
図3に示すように、フランジ124がその非変形状態又は非屈曲状態に戻るように弾性的に変形可能である。例えば、フランジ124は、圧力差が負圧源によって最初に付与された圧力差の約半分であるときにその非屈曲状態に戻るように設計されてもよい。したがって、フランジ124は、流体ポート10から離脱し、特定の圧力差又は圧力差範囲にわたって流体密封シールを破壊するように構成することができる。
【0019】
動作中、流体ポート10を有する物品を滅菌するために、ポートコネクタ100は流体ポートに接続される。前述したように、ガスケット122は、ポートコネクタが最初に流体ポート10に接続されるときに(例えば、流体密封シールが形成される前に)流体ポート100から離間される。負圧源は、ポートコネクタ100(例えば、出口106)に流体接続される。流体ポート10を伴う物品は、チャンバ(例えば、洗浄チャンバ)内に配置される。流体(例えば、滅菌流体)がチャンバに供給又は導入される。流体は、負圧を印加する前に、5~10分間などの期間にわたってチャンバ内に留まることができる。この時間の間、流体は、自然に移動するか、又はチャンバの周りを強制的に移動され、物品及び流体ポートの表面、例えば、ポートコネクタ10が流体ポートと共に流体密封シールを形成するときに遮断され又は覆われる表面と接触して該表面を滅菌することができる。その後、操作者は、負圧源を介して負圧を印加する。その結果、ガスケット122(例えば、フランジ124)を流体ポートに向けて移動させて流体ポートと係合させることによって、ポートコネクタ100と流体ポート10(例えば、端面14)との間に流体密封シールが形成される。前述したように、流体密封シールは、フランジ124を屈曲させることによって形成される。
更に、負圧の印加は、流体を物品の内部ルーメン内へと内部ルーメンを通じて流体ポート10及びポートコネクタ100を介して移動させ(例えば、引き込み)、それによって物品の内部を滅菌する。したがって、たとえ滅菌プロセス中にポートコネクタ100が流体ポート10に取り付けられたとしても、一般に、流体ポート全体がある時点で滅菌流体に晒されて滅菌される。
【0020】
図7~
図14を参照すると、本開示に係るポートコネクタの他の実施形態が全体として参照番号200で示される。
図7~
図14のポートコネクタ200は、一般に、
図1~
図6のポートコネクタ100に類似しており、したがって、理解を容易にするために、同様の、類似する、又は同一の部分が使用される場合、より高い参照番号「100」が使用される。したがって、特に明記又は指示しない限り、
図1~
図6のポートコネクタ100に関する上記の説明は、
図7~
図14のポートコネクタ200にも適用される。
【0021】
この実施形態において、ハウジング202は、ピストン又はプランジャ230と、コネクタ本体232と、スリーブ又はスライド234と、キャップ236とを含む。キャップ236は、出口206を画定し、出口を負圧源に流体結合するために流体導管又はチューブに結合されるように構成される。プランジャ230は、挿入部203及び入口204を画定する。ガスケット222は、プランジャ230によって支持される。コネクタ本体232は、コネクタ本体232を通じて延びる長手方向孔238を画定する。プランジャ230は、長手方向孔238内に移動可能に(例えば、摺動可能に)配置される。ポートコネクタ200は、プランジャとコネクタ本体との間の流体の流れを防止するためにプランジャ230とコネクタ本体232との間に配置されるOリングなどのシール240を含むことができる。図示の実施形態において、シール240は、プランジャ230が係合してコネクタ本体232に対するプランジャの遠位方向の動きを制限するストッパとしても機能することができる。スライド234は、移動可能(例えば、摺動可能)にコネクタ本体232によって支持される(例えば、コネクタ本体232に装着される)。スライド234は、コネクタ本体232の円筒部を取り囲んで円筒部に対して移動する周壁242を有する。したがって、周壁242は、コネクタ本体232の遠位端を受けるように寸法付けられて形成されるキャビティを画定する。ポートコネクタ200は、スライドとコネクタ本体との間の流体の流れを防止するためにスライド234(例えば、周壁242)とコネクタ本体232(例えば、円筒部)との間に配置されるOリングなどの1つ以上のシール244を含むことができる。スライド234及びコネクタ本体232の一方又は両方は、シール240の一部を受けるように寸法付けられて形成される溝を画定することができる。図示の実施形態では、コネクタ本体232が溝を画定する。キャップ236は、スライド234(例えば、スライドの遠位端)に固定される。スライド234及びプランジャ230は、スライドの移動がプランジャの移動をもたらすように互いに動作可能に結合される。図示の実施形態では、プランジャ230がスライド234に直接に固定される。スライド234は、プランジャ230の遠位端を受けるように寸法付けられて形成されるプランジャ凹部258(
図13)を画定する。
【0022】
プランジャ230、コネクタ本体232、スライド234、及びキャップ236は、流体通路208を画定する。すなわち、プランジャ230、コネクタ本体232、スライド234、及びキャップ236はそれぞれ、流体通路208の一部を画定する。
図9を参照すると、プランジャ230によって画定される流体通路208の一部は、1つ以上のプランジャ開口246と、プランジャ通路(例えば、長尺な孔)248とを含む。プランジャ通路248は、入口204とプランジャ開口246との間で延在し、入口204をプランジャ開口に流体結合する。図示の実施形態において、プランジャ230は、プランジャの両側で2つのプランジャ開口246を画定する。流体通路208は、ハウジング202によって画定される流体チャンバ250を含む。1つ以上のプランジャ開口246は、流体チャンバ250と流体連通している(例えば、直接に流体連通している)。以下でより詳細に説明するように、流体チャンバ250は、負圧(すなわち、負圧差)の印加に起因してほぼ潰れる又は容積が減少するように構成される。流体チャンバ250は、コネクタ本体232及びスライド234によって少なくとも部分的に画定される。具体的には、流体チャンバ250は、コネクタ本体232の遠位端と、プランジャ230と、周壁242と、スライド234の分離壁252とによって区画されている。スライド234によって画定される流体通路208の一部は、少なくとも1つのスライド通路254(
図13)を含む。スライド通路254は、流体チャンバ250を出口206に流体結合する。図示の実施形態では、スライド234が4つのスライド通路254を含む。スライド234及びキャップ236は、出口206に流体結合される出口チャンバ256(
図8)を画定する。スライド通路254は、分離壁252の両側にある出口チャンバ256と流体チャンバ250との間で延在し、これらを流体的に接続する。
【0023】
プランジャ230は、圧力差(すなわち、負圧)の印加時に、長手方向孔238に沿って、流体ポート10に向かって又は近位側に移動して、ガスケットが流体ポートと係合して流体ポートと共に流体密封シールを形成するようにガスケット222を流体ポート10(例えば、端面14)に向けて移動させるべく構成される。具体的には、スライド234は、負圧源からの負圧の印加に起因してコネクタ本体232に対して近位側に移動し、流体チャンバ250(
図10)の容積をほぼ減少させる(例えば、潰す)。スライド234の近位方向への移動の結果として、プランジャ230は、ガスケット222が流体ポート10(例えば、端面14)と係合して流体ポートと共に流体密封シールを形成するように、ガスケットを流体ポートに向けて移動させるべく(
図9に示す初期位置から)近位方向に移動する。
図10は、負圧の印加後に流体ポート10と共に流体密封シールを形成する、シール位置にあるガスケット222を示す。好ましくは、ガスケット22は、流体ポート100と共に絶対的な流体密封シールを形成する。流体チャンバ250の潰れを容易にするために、1つ以上のスライド通路254の組み合わされた断面積は、プランジャ開口246の組み合わされた断面積よりも大きい。この構成により、プランジャ開口246は、(スライド通路254と比較して)流体の流れに制限を生じさせ、それにより、スライド234を近位側に移動させるのに十分な局所的な負圧を流体チャンバ250内に形成するのを容易にする。好ましくは、プランジャ開口246は、プランジャが近位側に移動されるときにプランジャ開口が流体チャンバ250と流体連通したままであるように構成される。図示の実施形態において、コネクタ本体232の遠位端は、長手方向孔238の遠位端に面取り又は傾斜面260も含み、プランジャが近位側に移動するときに(例えば、シール位置において)プランジャ開口246を流体チャンバ250と流体連通させたままにする。
【0024】
図示の実施形態において、ガスケット222の弾性(例えば、可撓性)、スライド234及びキャップ236の重量、並びにキャップ236に取り付けられた流体導管の重量は、一般に、カプラ210(例えば、クリップ212、ポートガイド220)が流体ポート10に取り付けられるときに負圧の印加前にスライド及びプランジャ230を初期位置(
図9)に維持する。一実施形態において、ポートコネクタ200は、初期位置においてスライド234及びプランジャ230を遠位側に付勢することができるばね(例えば、コイルばね)を含むことができる。
【0025】
図14を参照すると、プランジャ230は略円筒形である。プランジャ230は、ガスケット222が配置される溝262を画定する。溝262は、径方向又は周方向のフランジ264によって遠位側に画定される。フランジ264は、ガスケットが流体ポート10と係合するときにガスケット222を支持する。また、フランジ264は、プランジャ230の遠位方向の動きを制限する(例えば、プランジャ及びスライド234を初期位置に位置決めする)ために、コネクタ本体232、より具体的にはシール240と係合するように配置される。
【0026】
図8Aを参照すると、シール240,244のないバージョンのポートコネクタが全体的に参照番号200’で示される。
図8Aのポートコネクタ200’は、
図8のポートコネクタ200と同様であり、同様の、類似の、又は同一の要素には同じ参照番号が付され、後続プライムが付加されている。この実施形態において、コネクタ本体232’の外面とスライド234’の内面との間のクリアランスは非常に小さく、これにより、コネクタ本体とスライドとの間に、スライドがコネクタ本体に対して移動することを可能にする超低漏れ低摩擦界面が形成される。同様に、長手方向孔238’を画定するコネクタ本体232’の内面とプランジャ230’の外面との間のクリアランスも非常に小さく、やはり、コネクタ本体とプランジャとの間に、プランジャがコネクタ本体に対して移動することを可能にする超低漏れ低摩擦界面を形成する。これらの構成要素間の低漏れ界面は、それらの間の流体の流れに対して十分に大きな抵抗をもたらすのに十分であり、それにより、負圧がポートコネクタ200’に印加されると、スライド234’及びプランジャ230’は、近位方向でシール位置に移動し、
図8のポートコネクタ200に関連して本明細書で説明したように流体ポート10を通じて流体を引き込む。これは、これらの低漏れ界面に沿って流れ得る流体にもかかわらず生じる。したがって、
図8Aのポートコネクタ200’は、一般に、
図8のポートコネクタ200と同様に機能し、動作する。
【0027】
動作時、流体ポート10を有する物品を滅菌するために、ポートコネクタ200は流体ポートに接続される。前述したように、ガスケット222は、ポートコネクタ200が最初に流体ポートに接続されるとき(例えば、流体密封シールが形成される前)に流体ポート10から離間される。負圧源は、ポートコネクタ200(例えば、出口206)に流体接続される。流体ポート10を伴う物品は、チャンバ(例えば、洗浄チャンバ)内に配置される。流体(例えば、滅菌流体)がチャンバに供給又は導入される。流体は、負圧を印加する前に、5~10分間などの期間にわたってチャンバ内に留まることができる。この時間の間、流体は、自然に移動するか、又はチャンバの周りを強制的に移動され、物品及び流体ポートの表面、例えば、ポートコネクタ10が流体ポートと共に流体密封シールを形成するときに遮断され又は覆われる表面と接触して該表面を滅菌することができる。その後、操作者は、負圧源を介して負圧を印加する。その結果、各クリップ212(例えば、リテーナ214)によって流体ポートに接続されるときにガスケット222を流体ポートに向けて移動させて流体ポートと係合させることによってポートコネクタ200と流体ポート10(例えば、端面14)との間に流体密封シールが形成される。前述したように、ガスケット222を移動させることは、プランジャ230及びスライド234を移動させることを含む。具体的には、負圧の印加は、スライド234をコネクタ本体232に対して近位側に移動させる真空を流体チャンバ250内に作り出す。更に、負圧の印加は、流体ポート10及びポートコネクタ200を通じて流体を物品の内部ルーメンに移動させ(例えば、引き込み)、それによって物品の内部を滅菌する。
【0028】
図15~
図17を参照すると、本開示に係るポートコネクタの他の実施形態が全体として参照番号300で示される。
図15~
図17のポートコネクタ300は、一般に、
図1~
図6のポートコネクタ100に類似しており、したがって、理解を容易にするために、同様の、類似する、又は同一の部分が使用される場合、より高い参照番号「200」が使用される。したがって、特に明記又は指示しない限り、
図1~
図6のポートコネクタ100に関する上記の説明は、
図15~
図17のポートコネクタ300にも適用される。
【0029】
本実施形態のポートコネクタ300は、多孔質部材322(広義には、流体ポートインタフェース部材)を備える。多孔質部材322は、ハウジング302に支持されている。図示の実施形態では、多孔質部材322は挿入部303に装着される。
図17に示すように、多孔質部材322は、ポートコネクタ300が流体ポートに接続されるときに流体ポート10と係合するようにハウジング302に対して配置される。具体的には、多孔質部材322は、流体ポート10の遠位端(具体的には、遠位端面14)と係合するように配置される。多孔質部材322は、複数のランダムに配置される相互接続された間隙空間を画定する多孔質構造を有し、間隙空間は、多孔質部材を貫通する及び/又は多孔質部材内に複数の微小通路321を形成する。多孔質部材322は、ポートコネクタ300が流体ポートに取り付けられるときに、流体ポート10の遠位端面14に面して係合するように配置される。多孔質部材322は、ポートコネクタが流体ポート10に接続されるときに微小通路の少なくとも一部が流体ポート出口16をポートコネクタ300の外部環境に流体結合するようにハウジング302に対して配置される。したがって、ポートコネクタ300が流体ポート10に取り付けられるときに、多孔質部材322は、流体ポートと共に絶対的な流体密封シールを形成しない。代わりに、流体は、微小通路321を介して多孔質部材322を通じて移動することができる。しかしながら、以下でより詳細に説明するように、圧力差の結果として流体が他の領域から(例えば、流体ポートとは反対側の物品の内部ルーメンの端部に)流れるように多孔質部材322が流体ポート10を通じた流体の流れを十分に妨げるため、ポートコネクタ300は依然として流体ポートと共に流体密封シール(本明細書で規定される)を形成すると見なされ得る。
【0030】
多孔質部材は、好ましくは、生体適合性、疎水性、及び/又は不燃性材料で作られる。一実施形態において、多孔質部材は、FluroFlex(登録商標)ePTFEなどの拡張ポリテラフルオロエチレン(ePTFE)から形成されるが、他の適切な材料も本開示の範囲内である。一実施形態において、多孔質部材は、約0.3~0.6g/cm3の包括的範囲内、又はより好ましくは約0.4~0.5g/cm3の包括的範囲内の密度を有し得る。
【0031】
一実施形態では、図示するように、多孔質部材322の微小通路321は、多孔質部材の全体にわたってほぼランダムに配置される。一実施形態では、多孔質制御材料又はコーティング325(
図17A)が多孔質部材322に適用される。例えば、多孔質部材322の1つ以上の表面(例えば、外面)に多孔質制御材料325が塗布されてもよい。多孔質制御材料325は、多孔質部材322の表面全体に塗布されてもよく、表面の一部のみに塗布されてもよい。多孔質部材322は、多孔質制御材料325と嵌合又は被覆されてもよい。多孔質部材322の1つ以上の表面に多孔質制御材料325を塗布することにより、微小通路321のランダム性に頼るのではなく、多孔質部材を介して流路を画定することができる。多孔質制御材料325は、多孔質部材322の微小通路321の少なくとも一部を少なくとも部分的に遮断して、滅菌流体が多孔質部材を通じてどのように、どこで流れるかを制御する。多孔質制御材料325は、微小通路321を完全に遮断してもよく、又は多孔質制御材料が位置合わせされる微小通路を部分的にのみ遮断してもよい(例えば、カバー)。また、多孔質制御材料325は、適切な量の滅菌流体も物品を通じて引き込まれるようにするために、多孔質部材322を通じた滅菌流体の流れに対する抵抗を増大させることもできる。好ましくは、物品及び多孔質部材322を通る滅菌流体の流れに対する抵抗は、滅菌装置によって圧力差が印加されるときに滅菌流体が多孔質部材及び物品の両方を通じて引き込まれるようにするために比較的類似している。多孔質部材322に多孔質制御材料325を塗布することによって、流体ポート10(例えば、流体ポートの表面)に最も近い又は流体ポート10と接触する多孔質部材を通じた(微小通路321を介した)流体経路をより容易に画定して、滅菌流体が多孔質部材を通じて流れるときに滅菌流体が流体ポートと接触することをより確実にすることができる。例えば、一実施形態において、多孔質制御材料325は、流体ポート10と接触する多孔質部材の部分から離間される。多孔質制御材料325は、非多孔質であってもよいし、多孔質部材322の空隙率よりも小さい空隙率を有してもよい。多孔質制御材料325は、ポリテラフルオロエチレン(PTFE)などの任意の適切な材料で作ることができる。
【0032】
更に
図17を参照すると、多孔質部材322は、ポートコネクタ300が流体ポート10に接続されるときに多孔質部材が流体ポート出口16の一部(広義には、少なくとも一部)を覆うようにハウジング302に対して配置される。多孔質部材322は、流体ポート10の遠位端(例えば、遠位端面14)と係合するように配置される係合面323を含む。係合面323は、一般に、近位側に面する。図示の実施形態において、係合面323は、流体ポートのほぼ環状の端部と一致するようにほぼ環状の形状を有する。係合面323の内径ID(
図17A)は、流体ポート出口16の直径Dよりも小さい。同様に、係合面323は、流体ポート出口16の直径Dよりも大きい外径OD(
図17A)を有する。一実施形態では、多孔質部材322が略ドーナツ形状を有する。
【0033】
多孔質部材322は、物品の流体ポート10を取り囲む環境内の滅菌流体が流体ポートの表面(例えば、端面14)と接触して滅菌することができるようにする。負圧源を介してポートコネクタ300に負圧差力が印加されると、滅菌流体は多孔質部材322を通じて(具体的には、複数の微小通路321のうちの少なくとも一部の微小通路を通じて)移動する(例えば、引き込まれる)。これらの微小通路321の幾つかは、多孔質部材322が係合される流体ポート10の部分(例えば、端面14)に通じる及び/又は該部分に沿って通じる。結果として、滅菌流体が多孔質部材322を通過する際に、滅菌流体が端面14などの流体ポート10に接触し、それにより、多孔質部材が係合する流体ポートの部分が滅菌される。
【0034】
この実施形態において、ハウジング302は、多孔質部材322を流体ポートの端部と位置合わせするために流体ポート10と係合するように構成される複数のポートガイド320を含む。図示の実施形態では、ハウジング302が6つのポートガイド320を含み、そのうちの3つがハウジングの一方側に配置され、そのうちの3つがハウジングの反対側に配置される。各ポートガイド320は、流体ポート10上のポートコネクタ300の位置決めを容易にするために流体ポート10と係合する内縁部を含むフィン又はフランジを備える。各ポートガイド320の内縁部は、流体ポート10の外部形状と一致するように輪郭付けられ又は成形される。また、ポートガイド320は、流体ポート10に対してポートコネクタ300を位置決めする(例えば、長手方向又は近位方向に位置決めする)ストッパとしても機能する。
【0035】
動作中、流体ポート10を有する物品を滅菌するために、ポートコネクタ300が流体ポートに接続される。前述したように、多孔質部材322は、流体ポート10の端部(例えば、遠位端面14)と係合する。滅菌装置の負圧源は、ポートコネクタ300(例えば、出口306)に流体接続される。流体ポート10を伴う物品は、チャンバ(例えば、洗浄チャンバ)内に配置される。流体(例えば、滅菌流体)がチャンバに供給又は導入される。流体は、負圧を印加する前に、5~10分間などの期間にわたってチャンバ内に留まることができる。この時間中、流体は、自然に移動するか、又はチャンバの周りで強制的に移動され、露出面などの物品及び流体ポートの表面と接触して該表面を滅菌することができる。また、流体は、多孔質部材322内へと多孔質部材322を通じて移動することもできる。その後、操作者は、負圧源を介して差圧(例えば、負圧差)を印加する。結果として、負圧差は、多孔質部材を通じて滅菌流体をチャンバから流体ポート12のルーメン12内に移動させる(例えば、引き込む)。滅菌流体が多孔質部材322の微小通路321を通じて移動すると、滅菌流体が遠位端面14(及び多孔質部材によって係合される他の表面)に接触し、それにより、流体ポート10の遠位端面が滅菌される。更に、負圧差は、滅菌流体を物品の内部ルーメン内へと内部ルーメンを通じて流体ポート10及びポートコネクタ100を介して移動させ(例えば、引き込み)、それにより、物品の内部を滅菌する。物品及び多孔質部材322を通じた滅菌流体の移動は、一般に同時に起こる。物品及び多孔質部材322を通じて引き込まれた滅菌流体は、その後、ポートコネクタ300を通じて引き込まれて負圧源に向けて移動する。したがって、たとえ滅菌プロセス中にポートコネクタ300が流体ポート10に取り付けられるとしても、一般に、流体ポート全体が滅菌流体に晒されて滅菌される。
【0036】
図18~
図23を参照すると、本開示に係るポートコネクタの別の実施形態が全体的に参照番号600で示される。ポートコネクタ600は、内視鏡などの物品(図示せず)の流体ポート20に取り付けられて示される。流体ポートの他の構成は、本開示の範囲内である。ポートコネクタ600は、(滅菌流体によって)滅菌されるべき物品又はデバイスの流体ポート20を、国際公開第2018/090133号に記載され滅菌システムなどの滅菌システム又は装置(図示せず)の圧力源(例えば、負圧源及び/又は正圧源)に接続するために使用される。圧力源は、物品を取り囲む環境から物品の内部ルーメン内へと流体ポート20及びポートコネクタ600を通じて流体(例えば、滅菌流体)を移動させて物品の内面(例えば、内部ルーメン)を滅菌するために圧力差を生み出す。圧力源は、真空、ポンプ、又は物品を取り囲む環境よりも低い/高い圧力を有するチャンバなどの任意の適切な圧力源とすることができる。
【0037】
ポートコネクタ600はハウジング602を含む。ハウジング602は、近位端部と遠位端部とを有する。近位端部は、流体ポートに流体結合されるように構成される入口604を画定する。入口604は、流体ポート20の少なくとも一部(例えば、遠位部)を受けるように寸法付けられて形成される。図示の実施形態では、入口604が長尺な孔である。好ましくは、入口604を画定するハウジング602の部分は、流体ポート20と係合しない。遠位端部(例えば、遠位ポート)は、圧力源に流体結合されるように構成される出口606を画定する。図示の実施形態において、遠位端部は、出口606を圧力源に流体結合するために流体導管又はチューブに結合されるように構成される。入口604及び出口606は、互いに流体結合される。ハウジング602は、入口604と出口606との間で延在してこれらを流体結合する流体通路608を画定する。ハウジング602は、流体ポート20に結合されるように構成される。図示の実施形態において、ハウジング602は、互いに固定された複数の構成要素で構成される。ハウジング602は、プラスチック(例えば、ポリプロピレン)などの任意の適切な材料で作ることができる。
【0038】
ポートコネクタ600は、シール又はガスケット610(広義には、流体ポートインタフェース部材)を含む。シール610は、ハウジング602によって支持される(例えば、ハウジング602に接続される)。特に、シール610は、入口604に沿って配置される。シール610は、流体ポート20と係合するように構成される。以下でより詳細に説明するように、シール610は、流体ポート20上の第1の場所又は位置から流体ポート上の第2の場所又は位置に移動するように構成される。シール610は、流体ポート20と係合して、シールと流体ポートとの間の流体の流れを阻止する。好ましくは、シール610は、流体ポート20と共に絶対的な流体密封シールを形成する。図示の実施形態では、シール610がOリングである。ハウジング602は、シール610が配置される溝612(例えば、周方向溝)を含む。シール610は、入口610を画定する内面から内側に(例えば、径方向内側に)延びて、流体ポート20と係合する。シール610は、熱可塑性エラストマー(TPE)(例えば、スチレン-エチレン-ブチレン-スチレン(SEBS))などの任意の適切な材料で作ることができる。
【0039】
ポートコネクタ600は、ピストン又はプランジャ614を含む。プランジャ614は、ハウジング602内に移動可能に(例えば、摺動可能に)配置されている。プランジャ614は、流体通路608内に配置される。プランジャ614は、フランジ618と、フランジから近位側に延びるシャフト616とを含む。フランジ618は、略円錐形状を有する。フランジ618は、フランジがシャフト616から遠位側に延びるにつれて外側(例えば、径方向外側)に先細になる。フランジ618の外縁部(広くは、プランジャ614)は、1つ以上のスロット620を含む。スロット620は、プランジャ614の周りの流体の流れを可能にするように構成される。以下により詳細に説明するように、スロット620は、入口604から出口606への流体の流れを可能にする。プランジャ614は、プラスチック(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン)などの任意の適切な材料で作ることができる。
【0040】
プランジャ614は、ハウジング602内で初期位置(
図19及び
図20)から第2の位置(
図21及び
図22)に移動するように構成される。プランジャ614は、初期位置から第2の位置へと近位側に又は流体ポートに向かって(及び第2の位置から初期位置まで遠位側に)移動する。初期位置において、プランジャ614(及びハウジング602)は、流体が入口604と出口606との間で流れることができるようにするべく構成される。
図20に示されるように、ハウジング602はプランジャ凹部622を画定する。プランジャ614が初期位置にあるとき、フランジ618の外縁部は、プランジャ凹部622と位置合わせされる(例えば、横方向に位置合わせされる)。幾つかの実施形態において、プランジャ凹部622は、フランジ618の外縁部を受けるように寸法付けられて形成されてもよい。プランジャ凹部622は、フランジ618の外縁部とハウジング602の内面との間にクリアランスをもたらして、流体がプランジャ凹部622及びスロット620を介して出口606に向かってプランジャ(例えば、フランジ)の周りを流れることができるようにする。図示の実施形態において、フランジ618は、プランジャが初期位置にあるときにハウジング602の遠位内面624と係合する。遠位内面624は、ハウジング602に対するプランジャ614の遠位方向の移動を制限してプランジャを初期位置に位置決めするストッパとして機能する。初期位置では、プランジャ614が好ましくは流体ポート20から離間される。第2の位置では、プランジャが第2の位置に向かって近位方向に移動すると、フランジ618の外縁部がハウジング602の内面と係合する。この係合は、プランジャ614とハウジング602との間にシールを形成して、プランジャとハウジングとの間の流体の流れを防止又は阻止する。
【0041】
流体通路608は流体チャンバ626を含む。流体チャンバは、プランジャ614(例えば、フランジ618)及びハウジング602によって画定される。以下でより詳細に説明するように、流体チャンバ626は、(プランジャ614が初期位置にあるときに)圧力源からの正圧(すなわち、正圧差)の印加に起因して容積を拡張又は増大させるように構成される。また、流体チャンバ626は、(プランジャ614が第2の位置にあるときに)圧力源からの負圧(すなわち、負圧差)の印加に起因してほぼ潰れる又は容積が減少するように構成される。本明細書で使用する「正圧」という語句は、ポートコネクタ600などの、正圧が印加されている相対的な構成要素を取り囲む環境の圧力よりも高い圧力を意味する。例えば、圧力源からポートコネクタ600に正の圧力を印加することは、圧力源がポートコネクタを取り囲む環境(例えば、ポートコネクタが位置される滅菌システムのチャンバ)の圧力に対してより高い圧力をポートコネクタに付与することを意味する。言い換えれば、正圧は、相対的な構成要素を取り囲む環境と圧力源との間に正の圧力差を生じさせ、それによって流体を圧力源から環境に向かって流す。正圧は、大気圧以上の圧力又は大気圧未満の圧力(真空)であり得る。特定の好ましい実施形態では、正圧は大気圧以上である。
【0042】
プランジャ614は、圧力源からの正圧の印加時に流体ポートを押圧して、ハウジング602及びシール610を流体ポート20に対して遠位側に移動させ、それによってシールを流体ポート上の第2の場所又は位置に移動させるように構成される。具体的には、プランジャ614は、圧力差(すなわち、正圧)の印加に起因してハウジング602に対して近位側に移動して、流体チャンバ626を拡張させ、流体ポート20を押圧する。したがって、プランジャ614は、プランジャが初期位置から第2の位置に移動するときに流体ポート20と係合する。プランジャ614は、一般に、プランジャが初期位置から圧力源からの正圧の印加時まで近位側に移動するときにハウジング602と共にシール(例えば、流体密封シール)を形成して、入口604と出口606との間の流体の流れを阻止する。プランジャ凹部622及びスロット620は、正圧の印加時にフランジ618がハウジングの内面と係合するように正圧がプランジャを近位側に移動させるように、流体の流れに十分な抑制を与える。
【0043】
プランジャ614を移動させることによって流体ポート20上のシール610を移動させることにより、(さもなければ、ポートコネクタ600が最初に流体ポートに結合されたときにシール610によって遮断又は覆われていた)第1の位置の流体ポートの一部が、物品の流体ポートを取り囲む環境内の流体に晒され、第1の位置の表面の一部と接触してこれを滅菌する。後述するように、流体が最初にポートコネクタ600を通じて引き込まれたときに、第2の位置の表面の一部が流体によって事前に滅菌されたことが理解される。また、プランジャ614は、プランジャが流体ポート20を押圧した後に初期位置に向かって遠位側に移動して、圧力源からの負圧の印加時に流体チャンバ626の容積を減少させる(例えば、潰す、収縮する)ように構成される。
【0044】
図示の実施形態では、入口604の遠位部が先細になっている(例えば、入口が近位側に延びるにつれて径方向内側に先細になる)。プランジャ614(例えば、シャフト616の先端)は、入口604に沿って移動するように寸法付けられて形成される。入口604のテーパは、プランジャ614を流体ポート20と係合するように案内するのに役立つ。更に、好ましくは、入口604のテーパは、プランジャが近位側に移動するにつれてプランジャが最終的に入口を画定するハウジング602の一部と係合し、それによって更なる移動を停止するように、入口のサイズを縮小する。したがって、ハウジング602のこの部分は、プランジャ614の近位方向の移動を制限し、プランジャを第2の位置に位置決めするためのストッパとして作用する。
【0045】
動作時、流体ポート20を有する物品を滅菌するために、ポートコネクタ600は流体ポートに接続される。接続されると、シール610は、第1の位置で流体ポート20と係合する。圧力源は、ポートコネクタ600(例えば、出口606)に流体接続される。流体ポート20を伴う物品は、チャンバ(例えば、洗浄チャンバ)内に配置される。流体(例えば、滅菌流体)がチャンバに供給又は導入される。流体は、負圧を印加する前に、5~10分間などの期間にわたってチャンバ内に留まることができる。この時間の間、流体は、自然に移動するか、又はチャンバの周りで強制的に移動され、物品及び流体ポートの表面と接触して該表面を滅菌することができる。その後、操作者は、圧力源を介して負圧を印加する。負圧の印加は、流体ポート20及びポートコネクタ600を通じて流体を物品の内部ルーメンに移動させ(例えば、引き込み)、それによって物品の内部を滅菌する。流体は、入口604からプランジャ凹部622及びスロット620を介してプランジャ614の周りで流れ、出口606に入る。流体が入口604に流入すると、流体は流体ポート20上の第2の位置にわたって流れる。十分な量の流体が物品を通じて引き込まれた後、操作者は圧力源を介して正圧を印加することができる。正圧の印加の結果として、シール610は、流体ポート20に沿って第1の位置から第2の位置に移動する。前述したように、正圧の印加は、シール610を移動させるためにハウジング602に対してプランジャ614を移動させる。具体的には、正圧の印加は、流体チャンバ626を拡張させ、プランジャを押圧して流体ポート20と接触させる。プランジャ614が流体ポート20に接触すると、正圧の継続的な印加は、ハウジング602(したがって、シール610)をプランジャに対して遠位側に移動させることによって流体チャンバ626を拡張させ続ける(これは、ここでは、流体ポートとの係合により更なる近位移動を防止する)。一動作方法では、プランジャ614の移動は、ポートコネクタ600(例えば、シール610)を流体ポート20から分離又は係合解除する。具体的には、プランジャ614は、シール610を第2の位置に移動させるだけでなく、流体ポートの遠位端からシールをスライドさせることなどによって、シールが流体ポート20と係合しなくなるまでシールを移動させ続ける。別の動作方法では、正圧を印加した後、操作者は、圧力源を介して負圧を再び印加し、それによってプランジャ614を遠位側に移動させて初期位置に戻すことができる。負圧の再印加は、プランジャ614をハウジング602に対して遠位側に初期位置に移動させる真空を流体チャンバ626内に作り出す。初期位置になると、流体は再びプランジャ614の周りを自由に流れる。
【0046】
図24~
図27を参照すると、本開示に係るポートコネクタの別の実施形態を全体的に参照番号400で示す。
図25及び
図26に示されるように、ポートコネクタ400は、滅菌されるべき内視鏡などの物品(図示せず)の流体ポート10’に取り付けられる。
図25及び
図26に示される流体ポート10’は、流体ポート10’がその外部にいかなる鉤状部も有さないことを除いて、前述した流体ポート10とほぼ同じである。代わりに、流体ポート10’は、ほぼ滑らかな円筒形の外面を有する。
【0047】
ポートコネクタ400はハウジング402を含む。ハウジング402は、近位端部と遠位端部とを有する。遠位端部(例えば、遠位ポート)は、負圧源(広くは、滅菌装置)に流体結合されるように構成される出口406を画定する。言い換えると、出口406は、負圧源と流体連通するように配置される。図示の実施形態において、遠位端部は、出口406を負圧源に流体結合するために流体導管又はチューブに結合されるように構成される。遠位端部は、鉤状部付きチューブポート取付具を備える。また、ハウジング406は、流体ポート10’、具体的にはそのルーメン12に流体結合されるように構成される入口404を画定する。言い換えれば、入口404は、流体ポート10’、具体的にはそのルーメン12と流体連通するように配置される。ハウジング402は、入口404と出口406との間で延在してこれらを流体結合する(例えば、入口404と出口406との間の流体連通を行なう)流体通路408(例えば、ルーメン、孔)を画定する。
【0048】
本実施形態のポートコネクタ400は、多孔質部材422(広義には、流体ポートインタフェース部材)を含む。多孔質部材422は、ハウジング402に結合される。図示の実施形態では、多孔質部材422がハウジング402に装着される。多孔質部材422は、可撓性を有し、変形可能であり、略管形状を有する。ハウジング402は円筒壁410を有する。多孔質部材422は、近位端部と遠位端部とを有し、いずれもハウジング402に結合される。円筒壁410には多孔質部材422の遠位端部が装着される(例えば、円筒壁は、多孔質部材内に配置される)。円筒壁410は、流体通路408の一部を画定する。ハウジング402は装着リング412も含む。装着リング412は、円筒壁410及び入口404の近位側に配置される。装着リング412には、多孔質部材422の近位端部が装着される。コネクタ400は、多孔質部材422(多孔質部材422の近位端部)を装着リング412に固定する保持リング414(広義には、リテーナ)を含む。図示の実施形態において、多孔質部材422は、装着リング412に固定されるようにそれ自体の上に折り返す。多孔質部材422の近位端部は、装着リング412の周りで屈曲する。次いで、保持リング414は、多孔質部材422の近位端部を装着リング412の外部に対してクランプ又は固定する。ハウジング402は、装着リング412を支持するための1つ以上の支持体416を含む。支持体416は、装着リング412とハウジング422の本体との間で延在して、装着リング412をハウジング422の本体に結合する。
【0049】
コネクタ400は受け入れチャンバ418を画定する。受け入れチャンバ418は、流体ポート10’を受けるように寸法付けられて形成される。多孔質部材422は、受け入れチャンバ418の少なくとも一部を画定する。ハウジング402の入口404は、受け入れチャンバ418と流体連通している。入口404は、多孔質部材422によって画定される受け入れチャンバ418の部分に配置される。図示の実施形態では、入口404は、受け入れチャンバ418の遠位端にほぼ隣接して配置される。受け入れチャンバ418は、ポート又は受け入れ入口420(
図24)を含む。ポート入口420は、流体ポートを受け入れチャンバ418に挿入できるようにするべく流体ポート10’を受けるように寸法付けられて形成される。ポート入口420は、受け入れチャンバの近位端に配置される。図示の実施形態では、ポート入口420が多孔質部材422によって画定される。多孔質部材422は、ポートコネクタ400の近位端を画定する。
【0050】
図25及び
図26に示されるように、多孔質部材422は、ポートコネクタ400が流体ポートに接続されるときに流体ポート10’と係合するように配置される。具体的には、多孔質部材422(具体的には、その内部又は係合面)は、流体ポートが受け入れチャンバ418内に配置されるときに流体ポート10’と係合するように配置される。多孔質部材422は、流体ポート10’の円筒状の外面と係合するように配置される。好ましくは、多孔質部材422は、流体ポート10’との締まり嵌め又は摩擦嵌めを形成するように構成される。多孔質部材422は、受け入れチャンバ418の最も狭いポイントに内径を有する(多孔質部材が静止しており、流体ポート10’によって撓まされていないとき)。内径は、流体ポート10’の外径に等しいか、又はより好ましくはそれよりも小さい。これにより、多孔質部材422が流体ポート10’と係合して変形し、弾性変形により流体ポートに力を加えてポートコネクタ400をその上に保持することが保証される。換言すれば、多孔質部材が流体ポートに押し当てられる。
図26は、その静止した変形していない状態の多孔質部材422を示しているが、流体ポートをポートコネクタ400で受けることができるようにするためにポート入口420及び/又は受け入れチャンバ418(例えば、受け入れチャンバの一部)を拡張することによって、流体ポート10’が多孔質部材を変形させることが理解される。
【0051】
多孔質部材422は、複数のランダムに配置される相互接続された間隙空間を画定する多孔質構造を有し、間隙空間は、多孔質部材を貫通する及び/又は多孔質部材内に複数の微小通路421を形成する。多孔質部材422は、微小通路421の少なくとも一部が受け入れチャンバ418をポートコネクタ400の外部環境に流体結合するように、ポートコネクタ400の残りの部分に対して配置される。したがって、ポートコネクタ400が流体ポート10’に取り付けられるときに、多孔質部材422は、流体ポートと共に絶対的な流体密封シールを形成しない。代わりに、流体は、微小通路を介して多孔質部材422を通じて移動することができる。しかしながら、以下でより詳細に説明するように、圧力差の結果として流体が他の領域から(例えば、流体ポートとは反対側の物品の内部ルーメンの端部に)流れるように多孔質部材422が流体ポート10’を通じた流体の流れを十分に妨げるため、ポートコネクタ400は依然として流体ポート10’と共に流体密封シール(本明細書で規定される)を形成すると見なされ得る。多孔質部材422は、多孔質部材322に関して前述したのと同じ材料で作られてもよい。
【0052】
多孔質部材422は、物品の流体ポート10’を取り囲む環境内の滅菌流体が流体ポートの表面(例えば、端面14、円筒形の外面)と接触して該表面を滅菌できるようにする。負圧源を介してポートコネクタ400に負圧差力が印加されると、滅菌流体は多孔質部材422を通じて(具体的には、複数の微小通路421のうちの少なくとも一部の微小通路を通じて)移動する(例えば、引き込まれる)。これらの微小通路421の幾つかは、多孔質部材422が係合される流体ポート10’の部分に通じる及び/又は該部分に沿って通じる。その結果、滅菌流体が多孔質部材422を通じて移動するにつれて、滅菌流体は、流体ポート10’と接触し、それによって多孔質部材によって係合された流体ポートの部分を滅菌する。
【0053】
一実施形態では、図示するように、多孔質部材422の微小通路421は、多孔質部材の全体にわたってほぼランダムに配置される。一実施形態では、多孔質制御材料又はコーティング425(
図26)が多孔質部材422に塗布される。例えば、多孔質部材422の1つ以上の表面(例えば、外面)に多孔質制御材料425が塗布されてもよい。多孔質制御材料425は、多孔質部材422の表面全体に塗布されてもよく、表面の一部のみに塗布されてもよい。多孔質部材422は、多孔質制御材料425と嵌合又は被覆されてもよい。多孔質部材422の1つ以上の表面に多孔質制御材料425を塗布することにより、微小通路421のランダム性に頼るのではなく、多孔質部材を介して流路を画定することができる。多孔質制御材料425は、多孔質部材422の微小通路421の少なくとも一部を少なくとも部分的に遮断して、滅菌流体が多孔質部材を通じてどのように、どこで流れるかを制御する。多孔質制御材料425は、微小通路421を完全に遮断してもよく、又は多孔質制御材料が位置合わせされる微小通路を部分的にのみ遮断してもよい(例えば、カバー)。また、多孔質制御材料425は、適切な量の滅菌流体も物品を通じて引き込まれるようにするために、多孔質部材422を通じた滅菌流体の流れに対する抵抗を増大させることもできる。好ましくは、物品及び多孔質部材422を通る滅菌流体の流れに対する抵抗は、滅菌装置によって圧力差が印加されるときに滅菌流体が多孔質部材及び物品の両方を通じて引き込まれるようにするために比較的類似している。多孔質部材422に多孔質制御材料425を塗布することによって、流体ポート10’(例えば、流体ポートの表面)に最も近い又は流体ポート10’と接触する多孔質部材を(微小通路421を介して)貫通する流体経路をより容易に画定して、滅菌流体が多孔質部材を通じて流れるときに滅菌流体が流体ポートと接触することをより確実にすることができる。例えば、一実施形態では、多孔質制御材料425は、多孔質部材422の近位端部の遠位側に配置され、それにより、ポート10’の外面に沿って多孔質部材の近位端部に流入して受け入れチャンバ418に入る流体経路が画定される。多孔質制御材料425は、非多孔質であってもよいし、多孔質部材422の空隙率よりも小さい空隙率を有してもよい。多孔質制御材料425は、ポリテラフルオロエチレン(PTFE)などの任意の適切な材料で作ることができる。
【0054】
図26及び
図27を参照すると、ハウジング402はストッパ424を含む。ストッパ424は、流体ポート10’と係合して流体ポートを受け入れチャンバ418内に位置決めするように配置される。ストッパ424は、流体ポート10’の遠位端14と係合するように配置される。ストッパ424は、挿入方向におけるポートコネクタ400に対する流体ポート10’の遠位方向の移動を制限する。挿入方向は、ポートコネクタが流体ポートに接続されるときに流体ポート10’がポートコネクタ400に対して移動する方向、すなわち、流体コネクタがポート入口420に挿入される方向である。図示の実施形態において、ストッパ424は、流体ポート10と係合するように配置される縁部を含む。縁部は、円筒壁410の近位端部に配置される。好ましくは、ストッパ424は、ハウジングが流体ポート10’の周りの滅菌流体の流れをさもなければ妨げるのを防ぐために、流体ポート10’と係合するように配置されるハウジング402の唯一の部分である。好ましくは、ストッパ424は、ストッパが流体ポートと係合されて圧力差が印加されるときに、滅菌流体がストッパと流体ポート10’との間で流れることができるようにする。したがって、本明細書に開示されるストッパ424の狭いエッジ状の係合は、流体ポート10’と共にシールを形成せず、それによって滅菌流体がストッパと流体ポートとの間を流れることを可能にする。一実施形態において、ストッパ424は、ストッパと流体ポート10’との間の滅菌流体の流れを更に容易にするために凹部又はチャネル(図示せず)を画定することができる。図示の実施形態では、ストッパ424が入口404を画定する。
【0055】
ポートコネクタ400はポートガイド426を含むことができる。ポートガイド426は、流体ポート10’のルーメン12を入口404とほぼ位置合わせされるように構成される。ポートガイド426は、流体ポート10’のルーメン12に受けられるように寸法付けられて形成される。図示の実施形態では、ポートガイド426の一部が流体通路408に配置されている。ポートガイド426は、ハウジング402の内壁(広くは、ポートガイドはハウジングの一部である)に装着される。内壁は、流体通路408の一部であって滅菌流体が入口404から出口406に流れるときに滅菌流体がそこを通じて流れることができるようにする1つ以上の開口428(
図27)を画定する。ポートガイド426は、ハウジング402の内壁から近位側に延在する。ポートガイド426は、入口404を通じて延在する。図示の実施形態において、ポートガイド426は、略切頭円錐形状を有するが、他の形状も本開示の範囲内である。ポートガイド426は、ポートコネクタが流体ポートに装着されるときに流体ポート10’がポートコネクタ400に対して適切に位置決めされるようにする。
【0056】
動作時、流体ポート10’を有する物品を滅菌するために、ポートコネクタ400は、流体ポートをポート入口420を通じて受け入れチャンバ418に挿入することによって流体ポートに接続される。前述したように、多孔質部材422は流体ポート10’と係合する。滅菌装置の負圧源は、ポートコネクタ400(例えば、出口406)に流体接続される。流体ポート10’を伴う物品は、チャンバ(例えば、洗浄チャンバ)内に配置される。流体(例えば、滅菌流体)がチャンバに供給又は導入される。流体は、負圧を印加する前に、5~10分間などの期間にわたってチャンバ内に留まることができる。この時間中、流体は、自然に移動するか、又はチャンバの周りで強制的に移動され、露出面などの物品及び流体ポートの表面と接触して該表面を滅菌することができる。また、流体は、多孔質部材422内へと多孔質部材422を通じて移動することもできる。その後、操作者は、負圧源を介して差圧(例えば、負圧差)を印加する。その結果、負圧差によって、滅菌流体が多孔質部材を通じてチャンバから受け入れチャンバ418内に移動する(例えば、引き込む)。滅菌流体が多孔質部材422の微小通路421の幾つかを通じて移動するとき、滅菌流体は、円筒形の外面と接触し、それによって、ポートコネクタによって係合された流体ポート10’の部分を滅菌する。滅菌流体が受け入れチャンバ418に入った後、滅菌流体は、流体ポート10’の周りを移動し、滅菌流体がポートコネクタ400の入口404に入る前に、受け入れチャンバに収容された残りの流体ポートを滅菌する。入口404を多孔質部材422と位置合わせすること(例えば、横方向の位置合わせすること)は、多孔質部材を通る滅菌流体のより実質的な流れをもたらすと考えられる。更に、負圧差は、滅菌流体を物品の内部ルーメン内へと内部ルーメンを通じて流体ポート10’及びポートコネクタ400を介して移動させ(例えば、引き込み)、それにより、物品の内部を滅菌する。物品及び多孔質部材422を通じた滅菌流体の移動は、一般に同時に起こる。物品及び多孔質部材422を通じて引き込まれた滅菌流体は、その後、ポートコネクタ400を通じて引き込まれて負圧源に向けて移動する。したがって、たとえ滅菌プロセス中にポートコネクタ400が流体ポート10に取り付けられるとしても、一般に、流体ポート全体が滅菌流体に晒されて滅菌される。
【本開示の他の記述】
【0057】
以下は、本開示に記載された例示的な実施形態の記述である。以下の記述の幾つかは、現在、特許請求項として提示されないが、これらの記述は、特許性があると考えられ、後に特許請求項として提示される場合がある。以下の記述又は装置又はシステムに対応する関連する方法も、特許可能であると考えられ、後に特許請求項として提示される場合がある。同様に、以下の記述又は方法に対応する関連する装置又はシステムも、特許可能であると考えられ、後に特許請求項として提示される場合がある。以下の記述は、上記の実施形態のうちの1つ、2つ以上、又は全てを指し、それらによってサポートされ得ることが理解される。
【0058】
A1.滅菌装置の負圧源に対する滅菌対象デバイスの流体ポートに接続するためのポートコネクタにおいて、流体ポートに結合するように構成されるハウジングであって、流体ポートに流体結合されるように構成される入口を画定する近位端部と、負圧源に流体結合されるように構成される出口を画定する遠位端部とを有し、入口と出口との間で延在して入口及び出口を流体結合する流体通路を画定する、ハウジングと、ハウジングが流体ポートに結合されるときに流体ポートから離間されるようにハウジングによって支持されるガスケットであって、流体ポートを通じて流体を引き込むために負圧源からの負圧の印加時に流体ポートに向かって移動して流体ポートと係合し流体ポートと共に流体密封シールを形成するように構成される、ガスケットとを備える、ポートコネクタ。
【0059】
A2.近位端部は、流体ポートに挿入されるように寸法付けられて形成される挿入部を含み、挿入部が入口を画定する、記述A1のポートコネクタ。
【0060】
A3.ガスケットが屈曲可能なフランジを含み、屈曲可能なフランジは、負圧の印加に起因して流体ポートに向かって移動して流体ポートと係合し流体ポートと共に流体密封シールを形成するように構成される、記述A1~A2のいずれか1つのポートコネクタ。
【0061】
A4.ハウジングがガスケットを支持するプランジャを含み、プランジャは、ガスケットが流体ポートと係合して流体ポートと共に流体密封シールを形成するように、負圧の印加時に近位側に移動してガスケットを流体ポートに向けて移動させるように構成される、記述A1~A2のいずれか1つのポートコネクタ。
【0062】
A5.ハウジングによって画定される流体通路が流体チャンバを含み、流体チャンバは、負圧の印加に起因してほぼ潰れるように構成される、記述A1~A4のいずれか1つのポートコネクタ。
【0063】
A6.ハウジングは、コネクタ本体と、コネクタ本体によって移動可能に支持されるスライドとを含み、スライドは、スライドの移動がプランジャの移動をもたらすようにプランジャに動作可能に結合される、記述A1~A5のいずれか1つのポートコネクタ。
【0064】
A7.コネクタ本体及びスライドが流体チャンバを少なくとも部分的に画定し、スライドは、負圧の印加に起因してコネクタ本体に対して近位側に移動して、流体チャンバをほぼ潰すとともに、プランジャを近位側に移動させて、ガスケットが流体ポートと係合して流体ポートと共に流体密封シールを形成するようにガスケットを流体ポートに向かって移動させる、記述A1~A6のいずれか1つのポートコネクタ。
【0065】
A8.プランジャが入口を画定し、プランジャは、流体チャンバと流体連通する少なくとも1つのプランジャ開口と、入口と少なくとも1つのプランジャ開口とを流体結合する長尺な孔とを更に画定する、記述A1~A7のいずれか1つのポートコネクタ。
【0066】
A9.スライドは、流体チャンバを出口に流体結合する少なくとも1つのスライド通路を画定する、記述A1~A8のいずれか1つのポートコネクタ。
【0067】
A10.ハウジングは、流体ポートに結合するように構成されるカプラを含む、記述A1~A9のいずれか1つのポートコネクタ。
【0068】
A11.カプラは、第1の弾性的に撓み可能なクリップと、第2の弾性的に撓み可能なクリップとを備え、第1及び第2のクリップは、ポートコネクタを流体ポートに結合するために流体ポートと係合するように構成される、記述A1~A10のいずれか1つのポートコネクタ。
【0069】
A12.第1及び第2のクリップはそれぞれ、ポートコネクタを流体ポートに固定するために流体ポートと係合するように構成されるリテーナを含む、記述A1~A11のいずれか1つのポートコネクタ。
【0070】
B1.流体ポートを有するデバイスを滅菌する方法において、ポートコネクタを流体ポートに接続するステップであって、ポートコネクタが、流体ポートと流体連通する入口と、出口と、入口と出口との間で延在して入口及び出口を流体接続する流体通路とを有する、ステップと、負圧源をポートコネクタの出口に流体接続するステップと、ポートコネクタのガスケットを流体ポートに向けて移動させて流体ポートと係合させることによってポートコネクタと流体ポートとの間に流体密封シールを形成するステップと、流体ポート及びポートコネクタを通じて滅菌流体を移動させるステップとを含む方法。
【0071】
B2.デバイスを洗浄チャンバ内に配置するステップと、滅菌流体を移動させる前に洗浄チャンバに滅菌流体を供給するステップとを更に含む、記述B2の方法。
【0072】
B3.ガスケットが屈曲可能なフランジを含み、流体密封シールは、屈曲可能なフランジを流体ポートに向けて移動させて流体ポートと係合させるために屈曲可能なフランジを屈曲させることによって形成される、記述B1~B2のいずれか1つの方法。
【0073】
B4.ポートコネクタがガスケットを支持するプランジャを含み、流体密封シールを形成する前記ステップは、ガスケットを流体ポートに向けて移動させて流体ポートと係合させるためにプランジャを移動させるステップを含む、記述B1~B3のいずれか1つの方法。
【0074】
B5.ポートコネクタは、コネクタ本体と、コネクタ本体によって移動可能に支持されるスライドとを含み、スライドは、スライドの移動がプランジャの移動をもたらすようにプランジャに動作可能に接続され、流体密封シールを形成する前記ステップは、スライドをコネクタ本体に対して移動させてプランジャを移動させることによって、ガスケットを流体ポートに向けて移動させて流体ポートと係合させるステップを含む、記述B1~B4のいずれか1つの方法。
【0075】
B6.コネクタ本体及びスライドは、流体通路の流体チャンバを少なくとも部分的に画定し、流体密封シールを形成する前記ステップは、流体チャンバ内に真空をもたらすことによって、スライドをコネクタ本体に対して移動させて、真空の結果として流体チャンバをほぼ潰すステップを含む、記述B1~B5のいずれか1つの方法。
【0076】
B7.ガスケットは、流体密封シールを形成する前記ステップ前に流体ポートから離間される、記述B1~B6のいずれか1つの方法。
【0077】
B8.ポートコネクタは、ポートコネクタを流体ポートに接続するためのカプラを含む、記述B1~B7のいずれか1つの方法。
【0078】
B9.流体密封シールを形成する前記ステップは、負圧源を介してポートコネクタに負圧を印加するステップを含む、記述B1~B8のいずれか1つの方法。
【0079】
B10.滅菌流体を移動させる前記ステップは、負圧源からの負圧の印加によって流体ポート及びポートコネクタを通じて滅菌流体を引き込むステップを含む、記述B1~B9のいずれか1つの方法。
【0080】
C1.滅菌装置の圧力源に対する滅菌対象デバイスの流体ポートに接続するためのポートコネクタにおいて、流体ポートに結合するように構成されるハウジングであって、流体ポートに流体結合されるように構成される入口を画定する近位端部と、負圧源に流体結合されるように構成される出口を画定する遠位端部とを有し、入口が出口に流体結合される、ハウジングと、ハウジングによって支持され、第1の位置で流体ポートと係合するように構成されるシールと、ハウジング内に移動可能に配置されるピストンであって、ハウジング及びシールを流体ポートに対して遠位側に移動させてシールを流体ポート上の第2の位置に移動させるために圧力源からの正圧の印加時に流体ポートを押圧するように構成される、ピストンとを備えるポートコネクタ。
【0081】
C2.少なくともピストン及びハウジングが流体チャンバを画定し、該流体チャンバは、正圧の印加に起因して拡張するように構成される、記述C1のポートコネクタ。
【0082】
C3.ピストンは、流体チャンバを拡張させて流体ポートを押圧するために正圧の印加に起因してハウジングに対して近位側に移動する、記述C1~C2のいずれか1つのポートコネクタ。
【0083】
C4.ピストンが初期位置から移動可能であり、初期位置において、ピストンは、流体が入口と出口との間で流れることができるようにするべく構成される、記述C1~C3のいずれか1つのポートコネクタ。
【0084】
C5.ピストンは、初期位置から近位側に移動して流体ポートを押圧するように構成され、ピストンは、出口と入口との間の流体の流れを阻止するために正圧の印加時にピストンが近位側に移動するときにハウジングと共に流体密封シールをほぼ形成する、記述C1~C4のいずれか1つのポートコネクタ。
【0085】
C6.ピストンは、ピストンの周りの流体の流れを可能にするように構成される1つ以上のスロットを含む、記述C1~C5のいずれか1つのポートコネクタ。
【0086】
C7.ピストンは、圧力源からの負圧の印加時にピストンが流体ポートを押圧して流体チャンバを収縮させた後、初期位置に向けて遠位側に移動するように構成される、記述C1~C6のいずれか1つのポートコネクタ。
【0087】
D1.流体ポートを有するデバイスを滅菌する方法において、ポートコネクタのシールが第1の位置で流体ポートと係合するように流体ポートにポートコネクタを接続するステップと、圧力源をポートコネクタの出口に流体接続するステップと、圧力源からの圧力の印加によってポートコネクタのピストンをポートコネクタのハウジングに対して移動させて、シールを流体ポート上の第2の位置に移動させるステップとを含む方法。
【0088】
D2.ピストンを移動させるステップは、圧力源から正圧を印加するステップを含む、記述D1の方法。
【0089】
E1.滅菌装置に対する滅菌対象デバイスの流体ポートに接続するためのポートコネクタにおいて、流体ポートがルーメンを画定し、ポートコネクタは、複数の微小通路を画定する多孔質構造を有する多孔質部材であって、該多孔質部材が、流体ポートを受けるように寸法付けられて形成される受け入れチャンバの少なくとも一部を画定し、流体ポートが受け入れチャンバ内に配置されるときに多孔質部材の内面が流体ポートと係合するように配置される、多孔質部材と、多孔質部材に結合されるハウジングであって、流体ポートのルーメンに流体結合されるように構成される入口と、滅菌装置に流体結合されるように構成される出口と、入口と出口との間で延在して入口及び出口を流体結合する流体通路とを画定し、入口が、多孔質部材の内面によって画定される受け入れチャンバの前記少なくとも一部に配置される、ハウジングとを備える、ポートコネクタ。
【0090】
E2.多孔質部材の微小通路の少なくとも一部は、受け入れチャンバをポートコネクタの外部環境に流体結合する、記述E1のポートコネクタ。
【0091】
E3.多孔質部材は、流体ポートと締まり嵌めを形成するように構成される、記述E1~E2のいずれか1つのポートコネクタ。
【0092】
E4.多孔質部材は、受け入れチャンバの最も狭いポイントに内径を有し、内径が流体ポートの外径以下である、記述E1~E3のいずれか1つのポートコネクタ。
【0093】
E5.多孔質部材が略管形状を有する、記述E1~E4のいずれか1つのポートコネクタ。
【0094】
E6.ハウジングは、流体ポートと係合して流体ポートを受け入れチャンバ内に位置するように配置されるストッパを含む、記述E1~E5のいずれか1つのポートコネクタ。
【0095】
E7.ストッパは、挿入方向におけるコネクタに対する流体ポートの移動を制限し、挿入方向は、ポートコネクタが流体ポートに接続されるときに流体ポートがポートコネクタに対して移動する方向である、記述E1~E6のいずれか1つのポートコネクタ。
【0096】
E8.ストッパは、流体ポートの遠位端と係合するように配置される、記述E1~E7のいずれか1つのポートコネクタ。
【0097】
E9.ストッパが縁部を含み、縁部が流体ポートと係合するように配置される、記述E1~E8のいずれか1つのポートコネクタ。
【0098】
E10.流体ポートと係合するように配置されるハウジングの唯一の部分がストッパの縁部である、記述E1~E9のいずれか1つのポートコネクタ。
【0099】
E11.流体ポートのルーメンを入口とほぼ位置合わせさせるように構成されるガイドを更に備える、記述E1~E10のいずれか1つのポートコネクタ。
【0100】
E12.ガイドは、流体ポートのルーメン内に受けられるように寸法付けられて形成される、記述E1~E11のいずれか1つのポートコネクタ。
【0101】
E13.ガイドが入口を通って延在する、記述E1~E12のいずれか1つのポートコネクタ。
【0102】
E14.ガイドがハウジングの一部であり、ガイドがハウジングの内壁から近位側に延在する、記述E1~E13のいずれか1つのポートコネクタ。
【0103】
E15.多孔質部材がポートコネクタの近位端を画定する、記述E1~E14のいずれか1つのポートコネクタ。
【0104】
E16.多孔質部材は、受け入れチャンバの近位端に受け入れ入口を画定し、受け入れ入口は、流体ポートを受けるように寸法付けられて形成される、記述E1~E15のいずれか1つのポートコネクタ。
【0105】
E17.多孔質部材が近位端部及び遠位端部を有し、近位端部及び遠位端部がハウジングに結合される、記述E1~E16のいずれか1つのポートコネクタ。
【0106】
E18.ハウジングが円筒壁及び装着リングを含み、多孔質部材の遠位端部は円筒壁に装着され、多孔質部材の近位端部が装着けリングに装着される、記述E1~E17のいずれか1つのポートコネクタ。
【0107】
E19.保持リングを更に備え、保持リングは、多孔質部材の近位端部を装着リングに固定する、記述E1~E18のいずれか1つのポートコネクタ。
【0108】
E20.近位端部が装着リングの周りで屈曲される、記述E1~E19のいずれか1つのポートコネクタ。
【0109】
E21.ハウジングは、装着リングを支持する1つ以上の支持体を含む、記述E1~E20のいずれか1つのポートコネクタ。
【0110】
E22.流体ポートと組み合わせて、流体ポートがその外部に鉤状部がない、記述E1~E21のいずれか1つのポートコネクタ。
【0111】
E23.流体ポートが略円筒状の外面を有し、該外面が滑らかである、記述E1~E22のいずれか1つのポートコネクタ。
【0112】
F1.滅菌対象デバイスの流体ポートを滅菌装置に接続するためのポートコネクタにおいて、流体ポートに結合するように構成され、滅菌装置に流体結合されるように構成される出口を画定するハウジングと、流体ポートと共に流体密封シールを形成するように配置されるシールと、ハウジングによって支持され、滅菌装置による圧力差の印加時にハウジングに対して移動可能なピストンとを備えるポートコネクタ。
【0113】
F2.シールは、ピストンによって支持されるとともに、流体ポートと係合して流体ポートと共に流体密封シールを形成するために圧力差の印加時にピストンと共に移動する、記述F1のポートコネクタ。
【0114】
F3.シールは、第1の位置で流体ポートと係合するように構成され、ピストンは、シールを流体ポート上の第2の位置に移動させるために圧力差の印加時に流体ポートを押圧するように構成される、記述F1~F2のいずれか1つのポートコネクタ。
【0115】
本明細書に開示された各実施形態に記載される要素、特徴、及び/又は教示は、要素、特徴、及び/又は教示が記載される特定の実施形態に限定されないことが明らかであり、理解される。したがって、一実施形態に記載される要素、特徴、及び/又は教示は、本明細書に開示される他の実施形態の1つ以上に適用され得ることが明らかであり、理解される。
【0116】
本発明又はその実施形態の要素を導入する場合、冠詞「1つ(a)」、「1つ(an)」、「その(the)」及び「前記(said)」は、1つ以上の要素があることを意味することを意図している。「備える(comprising)」、「含む(including)」、及び「有する(having)」という用語は、包括的であることを意図しており、列挙された要素以外の追加の要素が存在し得ることを意味する。
【0117】
添付の特許請求の範囲で規定される本発明の範囲から逸脱することなく、開示された実施形態の変更及び変形が可能である。例えば、特定の寸法が与えられている場合、それらは例示的なものにすぎず、他の寸法も可能であることが理解され得る。本発明の範囲から逸脱することなく、上記の構造、製品、及び方法に様々な変更を加えることができるので、上記の説明に含まれ、添付図面に示される全ての事項は、限定的な意味ではなく例示的なものとして解釈されるべきであることが意図される。
【手続補正書】
【提出日】2024-01-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正の内容】
【手続補正書】
【提出日】2024-02-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
滅菌装置に対する滅菌対象デバイスの流体ポートに接続するためのポートコネクタにおいて、前記流体ポートが流体ポート出口を画定する遠位端を有し、前記流体ポートは、前記流体ポート出口から近位側に延在するルーメンを画定し、前記ポートコネクタは、
前記流体ポートに結合するように構成されるハウジングであって、前記流体ポートの前記ルーメンに流体結合されるように構成される入口と、前記滅菌装置に流体結合されるように構成される出口と、前記入口と前記出口との間で延在して前記入口及び前記出口を流体結合する流体通路とを画定する、ハウジングと、
前記ハウジングによって支持される多孔質部材であって、複数の微小通路を画定する多孔質構造を有するとともに、前記ポートコネクタが前記流体ポートに接続されるときに前記流体ポートの前記遠位端と係合するように前記ハウジングに対して配置される多孔質部材と、
を備えるポートコネクタ。
【請求項2】
前記多孔質部材は、前記ポートコネクタが前記流体ポートに接続されるときに、前記微小通路の少なくとも一部が前記流体ポート出口を前記ポートコネクタの外部環境に流体結合するように、前記ハウジングに対して配置される、請求項1に記載のポートコネクタ。
【請求項3】
前記多孔質部材は、前記多孔質部材が前記流体ポート出口の一部を覆うように前記ハウジングに対して配置される、請求項
1に記載のポートコネクタ。
【請求項4】
前記多孔質部材は、前記流体ポートの前記遠位端と係合するように配置される環状面を含む、請求項
1に記載のポートコネクタ。
【請求項5】
前記環状面は、前記流体ポート出口の直径よりも小さい内径を有する、請求項4に記載のポートコネクタ。
【請求項6】
前記環状面は、前記流体ポート出口の直径よりも大きい外径を有する、請求項5に記載のポートコネクタ。
【請求項7】
ハウジングは、前記流体ポート出口に挿入されるように寸法付けられて形成される挿入部を含み、前記挿入部が前記入口を画定する、請求項
1に記載のポートコネクタ。
【請求項8】
前記多孔質部材が前記挿入部によって支持される、請求項7に記載のポートコネクタ。
【請求項9】
前記ハウジングは、前記ポートコネクタを前記流体ポートに結合するように構成されるカプラを含む、請求項
1に記載のポートコネクタ。
【請求項10】
前記カプラは、第1の弾性的に撓み可能なクリップ及び第2の弾性的に撓み可能なクリップを備え、前記第1及び第2のクリップは、前記ポートコネクタを前記流体ポートに結合するために前記流体ポートと係合するように構成される、請求項9に記載のポートコネクタ。
【請求項11】
前記第1及び第2のクリップはそれぞれ、前記流体ポートと係合して前記ポートコネクタを前記流体ポートに固定するように構成されるリテーナを含む、請求項10に記載のポートコネクタ。
【請求項12】
流体ポートを有するデバイスを滅菌する方法において、
前記流体ポートにポートコネクタを接続するステップであって、前記ポートコネクタが、前記流体ポートと流体連通する入口と、出口と、前記入口と前記出口との間で延在して前記入口及び前記出口を流体接続する流体通路とを画定し、前記ポートコネクタが前記流体ポートの端部と係合する多孔質部材を有する、ステップと、
滅菌装置を前記ポートコネクタの前記出口に流体接続するステップと、
前記ポートコネクタが前記流体ポートに接続される間に、前記多孔質部材を通じて滅菌流体を移動させることにより、前記流体ポートの前記端部を滅菌するステップと、
を含む方法。
【請求項13】
前記ポートコネクタが前記流体ポートに接続される間に前記滅菌流体で前記デバイスを滅菌するステップを更に含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記デバイスを滅菌する前記ステップは、前記デバイスのルーメンを通じて、前記流体ポートを通じて、及び前記ポートコネクタを通じて前記滅菌流体を移動させるステップを含む、請求項1
2に記載の方法。
【請求項15】
前記ルーメン、前記流体ポート、及び前記ポートコネクタを通じて前記滅菌流体を移動させる前記ステップは、圧力源からの圧力差の印加によって前記ルーメン、前記流体ポート、及び前記ポートコネクタを通じて前記滅菌流体を引き込むステップを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記流体ポートの前記端部を滅菌する前記ステップと前記デバイスを滅菌する前記ステップとがほぼ同時に行なわれる、請求項1
2に記載の方法。
【請求項17】
前記デバイスを洗浄チャンバ内に配置するステップと、前記滅菌流体を移動させる前に前記洗浄チャンバに前記滅菌流体を供給するステップとを更に含む、請求項1
2に記載の方法。
【請求項18】
滅菌装置に対する滅菌対象デバイスの流体ポートに接続するためのポートコネクタにおいて、前記流体ポートがルーメンを画定し、前記ポートコネクタは、
複数の微小通路を画定する多孔質構造を有する多孔質部材であって、該多孔質部材が、前記流体ポートを受けるように寸法付けられて形成される受け入れチャンバの少なくとも一部を画定し、前記流体ポートが前記受け入れチャンバ内に配置されるときに前記多孔質部材の内面が前記流体ポートと係合するように配置される、多孔質部材と、
前記多孔質部材に結合されるハウジングであって、前記流体ポートの前記ルーメンに流体結合されるように構成される入口と、前記滅菌装置に流体結合されるように構成される出口と、前記入口と前記出口との間で延在して前記入口及び前記出口を流体結合する流体通路とを画定し、前記入口が、前記多孔質部材の前記内面によって画定される前記受け入れチャンバの前記少なくとも一部に配置される、ハウジングと、
を備えるポートコネクタ。
【請求項19】
前記多孔質部材の前記微小通路の少なくとも一部は、前記受け入れチャンバを前記ポートコネクタの外部環境に流体結合する、請求項18に記載のポートコネクタ。
【請求項20】
前記多孔質部材は、前記流体ポートと締まり嵌めを形成するように構成される、請求項1
8に記載のポートコネクタ。
【請求項21】
前記多孔質部材を通じた流路を画定するために前記多孔質部材の1つ以上の表面をコーティングする多孔質制御材料を更に備える、請求項1
8に記載のポートコネクタ。
【国際調査報告】