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特表2024-519551エアロゾル供給デバイスと共に用いるための消耗品
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-16
(54)【発明の名称】エアロゾル供給デバイスと共に用いるための消耗品
(51)【国際特許分類】
   A24B 15/10 20060101AFI20240509BHJP
   A24F 40/42 20200101ALI20240509BHJP
   A24F 40/465 20200101ALI20240509BHJP
   A24F 40/70 20200101ALI20240509BHJP
   A24F 40/30 20200101ALI20240509BHJP
【FI】
A24B15/10
A24F40/42
A24F40/465
A24F40/70
A24F40/30
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023571564
(86)(22)【出願日】2022-05-19
(85)【翻訳文提出日】2024-01-15
(86)【国際出願番号】 EP2022063582
(87)【国際公開番号】W WO2022243434
(87)【国際公開日】2022-11-24
(31)【優先権主張番号】2107270.7
(32)【優先日】2021-05-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(31)【優先権主張番号】2112632.1
(32)【優先日】2021-09-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500252844
【氏名又は名称】ブリティッシュ アメリカン タバコ (インヴェストメンツ) リミテッド
【氏名又は名称原語表記】BRITISH AMERICAN TOBACCO (INVESTMENTS) LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】アシュラフ, ムハマンド ファヒム アシュラフ
(72)【発明者】
【氏名】アウン, ワリド アビ
【テーマコード(参考)】
4B043
4B162
【Fターム(参考)】
4B043BB08
4B043BB10
4B043BB22
4B043BB25
4B043BC02
4B043BC04
4B043BC18
4B043BC20
4B043BC22
4B043BC24
4B043BC27
4B162AA03
4B162AA05
4B162AA06
4B162AA22
4B162AB01
4B162AB12
4B162AB14
4B162AB22
4B162AC13
4B162AC22
4B162AC27
4B162AE02
4B162AE03
(57)【要約】
エアロゾル供給デバイス(2)と共に用いるための消耗品(24)が記載される。消耗品(24)は、支持体(28)と、エアロゾル生成材料(26)と、揮発させられ得る送達される物質(40)とを含み、支持体(28)はエアロゾル生成材料(26)を支持し、送達される物質(40)は、支持体(28)又はエアロゾル生成材料(26)のうちの一方又は両方の加熱時に揮発する。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル供給デバイスと共に用いるための消耗品であって、前記消耗品は、支持体と、エアロゾル生成材料と、揮発させられ得る送達される物質とを含み、前記支持体が前記エアロゾル生成材料を支持し、前記送達される物質が、前記支持体又は前記エアロゾル生成材料のうちの一方又は両方の加熱時に揮発する、消耗品。
【請求項2】
前記支持体が収着剤材料を含み、前記収着剤材料が、前記送達される物質を含む、請求項1に記載の消耗品。
【請求項3】
前記送達される物質が、前記収着剤材料の1つ又は複数の別個のゾーン内に位置し、これらの別個のゾーンの外側に位置しない、請求項2に記載の消耗品。
【請求項4】
前記支持体が積層であり、前記積層が、少なくとも第1及び第2の基板を含み、前記基板のうちの少なくとも1つが収着剤材料から形成される、請求項2又は3に記載の消耗品。
【請求項5】
前記収着剤材料が、前記支持体の第1又は第2の表面のうちの一方又は両方を形成する、請求項2~4のいずれか一項に記載の消耗品。
【請求項6】
前記支持体の表面が不透過性材料から形成される、請求項1~5のいずれか一項に記載の消耗品。
【請求項7】
前記支持体の表面がサセプタから形成される、請求項1~6のいずれか一項に記載の消耗品。
【請求項8】
前記サセプタが金属箔である、請求項7に記載の消耗品。
【請求項9】
前記エアロゾル生成材料が、収着剤材料である前記支持体の表面上で支持される、請求項2~8のいずれか一項に記載の消耗品。
【請求項10】
前記エアロゾル生成材料が、収着剤材料ではない前記支持体の表面上で支持される、請求項1~8のいずれか一項に記載の消耗品。
【請求項11】
前記支持体が収着剤材料から形成される、請求項1~9のいずれか一項に記載の消耗品。
【請求項12】
前記送達される物質が、前記支持体の表面上で支持される、請求項1~11のいずれか一項に記載の消耗品。
【請求項13】
収着剤材料を更に含み、前記収着剤材料が、前記送達される物質を含み、前記収着剤材料が、前記支持体の表面上で支持される、請求項12に記載の消耗品。
【請求項14】
前記送達される物質が、前記支持体又はエアロゾル生成材料の加熱の開始から或る期間PS後に揮発され、前記エアロゾル生成材料が、前記支持体又はエアロゾル生成材料の加熱の開始から或る期間PA後にエアロゾルを放出するように構成され、期間PSがPA以下である、請求項1~13のいずれか一項に記載の消耗品。
【請求項15】
期間PSがPA未満である、請求項14に記載の消耗品。
【請求項16】
前記送達される物質を揮発させるために前記送達される物質が加熱される必要がある温度が、エアロゾルを生成するために前記エアロゾル生成材料が加熱される必要がある温度よりも低い、請求項1~15のいずれか一項に記載の消耗品。
【請求項17】
少なくとも1つの別個のゾーンが形状及びサイズを有し、前記別個のゾーンの前記形状及びサイズが、前記別個のゾーンを取り囲む収着剤材料によって少なくとも部分的に画定され、前記収着剤材料は、前記別個のゾーンにおける前記収着剤材料への前記少なくとも1つの物質の収着のための容量に対し低減された、前記収着剤材料への前記少なくとも1つの物質の収着のための容量を有する、請求項3、又は請求項3に従属するときの請求項4~16のいずれか一項に記載の消耗品。
【請求項18】
前記消耗品が2つ以上の別個のゾーンを含む、請求項17に記載の消耗品。
【請求項19】
前記別個のゾーンのうちの少なくとも2つが、異なる送達される物質を含む、請求項18に記載の消耗品。
【請求項20】
前記エアロゾル生成材料が、1つ又は複数の別個の部分において前記支持体上に支持され、少なくとも1つの別個のゾーンが、エアロゾル生成材料の各別個の部分に関連付けられている、請求項3、又は請求項3に従属するときの請求項4~19のいずれか一項に記載の消耗品。
【請求項21】
別個のゾーンが、前記支持体の、前記エアロゾル生成材料の別個の部分と同じ表面上にあり、前記エアロゾル生成材料の前記別個の部分を実質的に取り囲む、請求項3、又は請求項3に従属するときの請求項4~20のいずれか一項に記載の消耗品。
【請求項22】
前記エアロゾル生成材料の別個の部分が、前記支持体の第1の表面上にあり、別個のゾーンが前記支持体の第2の表面上にあり、前記エアロゾル材料の前記別個の部分及び前記別個のゾーンが、それらのそれぞれの表面において対応する位置にある、請求項3、又は請求項3に従属するときの請求項4~21のいずれか一項に記載の消耗品。
【請求項23】
前記支持体の前記第1及び第2の表面の平面における前記エアロゾル生成材料の前記別個の部分と前記別個のゾーンの形状が実質的に同じである、請求項22に記載の消耗品。
【請求項24】
前記エアロゾル生成材料の前記別個の部分が、前記別個の部分が支持される前記支持体の前記表面上の第1のエリアを覆い、前記別個のゾーンが、前記別個のゾーンが支持される前記支持体の前記表面上の第2のエリアを覆い、前記第1及び第2のエリアのうちの一方が前記第1及び第2のエリアのうちの他方よりも大きい、請求項22に記載の消耗品。
【請求項25】
前記消耗品が、少なくとも前記支持体の第1及び第2の表面間に延びる1つ又は複数のミシン目を更に含む、請求項1~24のいずれか一項に記載の消耗品。
【請求項26】
少なくとも1つのミシン目が、前記支持体の前記第1又は第2の表面のうちの一方と、前記支持体の前記第1又は第2の表面のうちの他方に隣り合う前記消耗品の面との間に延びる、請求項25に記載の消耗品。
【請求項27】
少なくとも1つのミシン目が、前記支持体の前記第1の表面に隣り合う前記消耗品の面と、前記支持体の前記第2の面に隣り合う前記消耗品の面との間に延びる、請求項25又は26に記載の消耗品。
【請求項28】
前記ミシン目のうちの少なくとも1つが、前記送達される物質を通って延びる、請求項25~27のいずれか一項に記載の消耗品。
【請求項29】
前記ミシン目のうちの少なくとも1つが、前記エアロゾル生成材料を通って延びる、請求項25~28のいずれか一項に記載の消耗品。
【請求項30】
前記ミシン目のうちの少なくとも1つが、前記消耗品内に第1の行き止まりの端を有し、他端が、前記支持体、前記送達される物質、前記エアロゾル生成材料、又は前記消耗品の表面のうちの1つの表面を通ってあいている、請求項25~29のいずれか一項に記載の消耗品。
【請求項31】
前記ミシン目が、少なくとも0.01mm、少なくとも0.05mm、少なくとも0.1mm、少なくとも0.5mm、少なくとも1mm、少なくとも2mm、又は少なくとも3mmの断面積を有する、請求項25~30のいずれか一項に記載の消耗品。
【請求項32】
前記少なくとも1つの物質が、香味料、活性物質、香味料の混合物、活性物質の混合物、1つ若しくは複数の香味料と1つ若しくは複数の活性物質との混合物、1つ若しくは複数の溶媒、及び/又は1つ若しくは複数のエアロゾル生成剤若しくはエアロゾル形成剤材料を含む、請求項1~31のいずれか一項に記載の消耗品。
【請求項33】
前記支持体が平らである、請求項1~32のいずれか一項に記載の消耗品。
【請求項34】
エアロゾル供給デバイスと共に用いるための消耗品を製造する方法であって、前記消耗品が、支持体と、エアロゾル生成材料と、揮発させられ得る送達される物質とを含み、前記方法が、
a)支持体を用意するステップと、
b)前記エアロゾル生成材料のスラリーを前記消耗品の表面に塗布するステップと、
c)前記塗布されたエアロゾル生成材料を乾燥させるステップと、
d)前記送達される物質を前記消耗品の表面に塗布するステップと、
を含む、方法。
【請求項35】
ステップ(b)がステップ(a)の後の任意の時点に行われ、ステップ(b)にステップ(c)が続き、ステップ(d)がステップ(c)の後の任意の時点に行われる、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記方法が、収着剤材料を用意することを含むステップ(e)を含み、ステップ(e)がステップ(d)の前に行われ、ステップ(d)が、前記送達される物質を前記収着剤材料に塗布して、前記送達される物質を含む収着剤材料を形成することと、前記支持体が前記収着剤材料を含まない場合、前記送達される物質を含む前記収着剤材料を前記消耗品に塗布することとを含む、請求項34又は35に記載の方法。
【請求項37】
ステップ(e)が、前記消耗品にペーストを塗布することと、その後前記ペーストを乾燥させることとを含み、前記ペーストが乾燥して収着剤材料を形成する、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
ステップ(e)が、収着剤材料の所望の形状を形成することと、前記収着剤材料の前記形状を前記消耗品上の所望の位置に固定することとを含む、請求項36に記載の方法。
【請求項39】
ステップ(d)が、前記収着材料が前記消耗品に固定される前に行われる、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
ステップ(b)及び(c)が、ステップ(d)の前に1回又は複数回繰り返される、請求項34~39のいずれか一項に記載の方法。
【請求項41】
ステップ(c)が、時間、伝導熱、又は放射熱のうちの1つ又は複数の使用を含む、請求項34~40のいずれか一項に記載の方法。
【請求項42】
前記方法が、サセプタを用意することと、前記サセプタを前記支持体に固定することとを含む更なるステップ(f)を含む、請求項34~41のいずれか一項に記載の方法。
【請求項43】
ステップ(f)がステップ(a)の後に行われ、前記サセプタが、前記支持体の第1の表面に固定され、ステップ(b)がステップ(f)の後に行われ、前記エアロゾル生成材料の前記スラリーが、前記サセプタの表面に少なくとも部分的に塗布される、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
前記支持体が材料のシートであり、前記方法が、前記支持体を2つ以上の消耗品に切断することを含むステップ(h)を更に含む、請求項34~43のいずれか一項に記載の方法。
【請求項45】
前記方法が、前記消耗品の少なくとも一部を穿孔して1つ又は複数のミシン目を形成することを含むステップ(i)を含み、
1つ又は複数のミシン目が、少なくとも前記支持体の第1及び第2の表面間に延びる、
1つ又は複数のミシン目が、前記支持体の前記第1又は第2の表面のうちの一方と、前記支持体の前記第1又は第2の表面のうちの他方に隣り合う前記消耗品の面との間に延びる、
1つ又は複数のミシン目が、前記支持体の前記第1の表面に隣り合う前記消耗品の面と、前記支持体の前記第2の面に隣り合う前記消耗品の面との間に延びる、
1つ又は複数のミシン目が少なくとも前記収着剤材料を通って延びる、
1つ又は複数のミシン目が少なくとも前記エアロゾル生成材料を通って延びる、及び、
1つ又は複数のミシン目が、前記消耗品内に第1の行き止まりの端を有し、他端が、前記支持体、前記送達される物質、前記エアロゾル生成材料、又は前記消耗品の表面のうちの1つの表面を通ってあいている、
のうちの1つ又は複数である、請求項36~44のいずれか一項に記載の方法。
【請求項46】
請求項1~33のいずれか一項に記載の消耗品を形成する、請求項34~45のいずれか一項に記載の方法。
【請求項47】
エアロゾル供給デバイス及び請求項1~33のいずれか一項に記載の消耗品を備えるエアロゾル供給システム。
【請求項48】
請求項1~33のいずれか一項に記載の消耗品からエアロゾル生成デバイスを用いてエアロゾルを生成する方法であって、前記エアロゾル生成デバイスは、使用時に前記消耗品を燃焼させずに加熱するように配設された少なくとも1つの熱源を有し、少なくとも1つの熱源が抵抗加熱素子である、方法。
【請求項49】
請求項1~33のいずれか一項に記載の消耗品からエアロゾル生成デバイスを用いてエアロゾルを生成する方法であって、前記エアロゾル生成デバイスは、使用時に前記消耗品を燃焼させずに加熱するように配設された少なくとも1つの熱源を有し、少なくとも1つの熱源が、サセプタ内に渦電流を生じさせるのに適した磁場発生器である、方法。
【請求項50】
前記消耗品が、エアロゾル生成材料の1つ又は複数の別個の部分を含み、前記又は各熱源が、一度に1つ又は複数の前記別個の部分を加熱することが可能であるように構成される、請求項48又は49に記載のエアロゾルを生成する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、不燃式エアロゾル供給システム、特に、エアロゾル供給デバイスと共に用いるための消耗品、エアロゾル供給デバイスと共に用いるための消耗品を作製する方法、及び消耗品及びエアロゾル供給デバイスを備えるエアロゾル供給システムに関する。
【背景】
【0002】
紙巻きタバコ、葉巻タバコ等の喫煙品は、使用時にタバコを燃焼させてタバコの煙を生じさせる。これらのタイプの物品に対する代替は、燃焼せずに加熱することによって基板材料から化合物を放出することによって、吸入可能なエアロゾル又は蒸気を放出する。これらは、不燃式喫煙物品、エアロゾル生成アセンブリ、又はエアロゾル供給デバイスと呼ぶことができる。
【0003】
そのような製品の1つの例は、固体エアロゾル生成材料と呼ぶことができるエアロゾル化可能材料を燃焼せずに加熱することによって化合物を放出する加熱デバイスである。この固体エアロゾル生成材料は、いくつかの場合、タバコ材料を含む。加熱により、材料の少なくとも1つの構成成分が揮発し、通常、吸入可能なエアロゾルが形成される。これらの製品は、非燃焼加熱式デバイス、タバコ加熱デバイス又はタバコ加熱製品と呼ぶことができる。固体エアロゾル生成材料の少なくとも1つの構成成分を揮発させるための様々な異なる構成が既知である。
【0004】
別の例として、ハイブリッドデバイスが存在する。これらのハイブリッドデバイスは、加熱により気化して、吸入可能な蒸気又はエアロゾルを生成する液体源(ニコチンを含有していても、含有していなくてもよい)を含む。デバイスは、固体のエアロゾル生成材料(これはタバコ材料を含有していても、含有していなくてもよい)を更に含み、この材料の構成成分は、吸入される媒体を生成するために吸入可能な蒸気又はエアロゾルにおいて同伴される。
【概要】
【0005】
本開示の第1の態様によれば、エアロゾル供給デバイスと共に用いるための消耗品が提供される。消耗品は、支持体と、エアロゾル生成材料と、揮発させられ得る送達される物質とを含み、支持体はエアロゾル生成材料を支持し、送達される物質は、支持体又はエアロゾル生成材料のうちの一方又は両方の加熱時に揮発する。
【0006】
本開示の第2の態様によれば、エアロゾル供給デバイスと共に用いるための消耗品を製造する方法が提供され、消耗品は、支持体と、エアロゾル生成材料と、揮発させられ得る少なくとも1つの物質とを含む。この方法は、
a)支持体を用意するステップと、
b)エアロゾル生成材料のスラリーを消耗品の表面に塗布するステップと、
c)塗布されたエアロゾル生成材料を乾燥させるステップと、
d)少なくとも1つの物質を消耗品の表面に塗布するステップと、
を含む。
【0007】
本開示の第3の態様によれば、エアロゾル供給デバイスと、本開示の第1の態様による消耗品とを備えるエアロゾル供給システムが提供される。
【0008】
本開示の第4の態様によれば、本開示の第1の態様による消耗品からエアロゾル生成デバイスを用いてエアロゾルを生成する方法が提供され、エアロゾル生成デバイスは、使用時に消耗品を燃焼させずに加熱するように配設された少なくとも1つの熱源を有し、少なくとも1つの熱源が抵抗加熱素子である。
【0009】
本開示の更なる特徴及び利点は、例として、添付の図面を参照して与えられる本開示の実施形態の以下の説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本開示による、エアロゾル供給デバイスの実施形態及び消耗品の実施形態の概略図を示す。
図2】断面線AA’に沿った図1の消耗品の第1の実施形態を示す。
図3図1の消耗品の第1の実施形態の支持体の第2の表面を示す。
図4】断面線AA’に沿った図1の消耗品の第2の実施形態を示す。
図5図4の第2の消耗品の斜視図を示す。
図6】断面線AA’に沿った図1の消耗品の第3の実施形態を示す。
図7】断面線AA’に沿った図1の消耗品の第4の実施形態を示す。
図8】断面線AA’に沿った図1の消耗品の第5の実施形態を示す。
図9】本開示による消耗品の製造方法の概略的な第1の例を示す。
図10】本開示による消耗品の製造方法の概略的な第2の例を示す。
図11】本開示による消耗品の製造方法の概略的な第3の例を示す。
【詳細な説明】
【0011】
本明細書の消耗品は、代替的に、物品と呼ばれてもよい。
【0012】
いくつかの実施形態では、消耗品はエアロゾル生成材料を含む。消耗品は、エアロゾル生成材料保管エリア、エアロゾル生成材料移送構成要素、エアロゾル生成器、エアロゾル生成エリア、ハウジング、ラッパー、エアロゾル改質剤、1つ又は複数の活性成分、1つ又は複数の香料、1つ又は複数のエアロゾル形成剤材料、及び/又は1つ又は複数の他の機能的材料を含むことができる。
【0013】
消耗品と共に用いられるエアロゾル生成材料を加熱するための装置は、不燃式エアロゾル供給システムの一部である。不燃式エアロゾル供給システムは、エアロゾル生成材料の組合せを使用してエアロゾルを生成するための電子タバコ、タバコ加熱製品、及び混合システム等、エアロゾル生成材料を燃焼させることなくエアロゾル生成材料から化合物を放出する。
【0014】
本開示によれば、「不燃式」エアロゾル供給システムは、ユーザへの少なくとも1つの物質の送達を容易にするために、エアロゾル供給システムのエアロゾル生成構成材料(又はその構成成分)が燃焼されない又は燃やされないシステムである。
【0015】
いくつかの実施形態において、送達システムは、動力供給式の不燃式エアロゾル供給システム等の不燃式エアロゾル供給システムである。
【0016】
いくつかの実施形態において、不燃式エアロゾル供給システムは、ベイピングデバイス又は電子ニコチン送達システム(END)としても知られている電子タバコであるが、エアロゾル生成材料内のニコチンの存在は要件ではないことに留意されたい。
【0017】
いくつかの実施形態において、不燃式エアロゾル供給システムは、非燃焼加熱式システムとしても知られているエアロゾル生成材料加熱システムである。そのようなシステムの例はタバコ加熱システムである。
【0018】
いくつかの実施形態において、不燃式エアロゾル供給システムは、エアロゾル生成材料の組合せを使用してエアロゾルを生成するための混合システムであり、エアロゾル生成材料のうちの1つ又は複数を加熱することができる。エアロゾル生成材料の各々は、例えば、固体、液体又はゲルの形態とすることができ、ニコチンを含有している場合も含有していない場合もある。いくつかの実施形態において、混合システムは、液体又はゲルのエアロゾル生成材料と、固体のエアロゾル生成材料とを含む。固体のエアロゾル生成材料は、例えば、タバコ又は非タバコ製品を含むことができる。
【0019】
典型的には、不燃式エアロゾル供給システムは、不燃式エアロゾル供給デバイスと、不燃式エアロゾル供給デバイスと共に用いるための消耗品とを備えることができる。
【0020】
いくつかの実施形態において、本開示は、エアロゾル生成材料を含み、不燃式エアロゾル供給デバイスと共に用いられるように構成された、消耗品に関する。これらの消耗品は、本開示全体を通じて、場合によっては物品と呼ばれる。
【0021】
いくつかの実施形態において、不燃式エアロゾル供給システム、例えば不燃式エアロゾル供給システムの不燃式エアロゾル供給デバイスは、動力源及びコントローラを備えることができる。動力源は、例えば、電源又は発熱源とすることができる。いくつかの実施形態において、発熱源は、発熱源の近傍のエアロゾル生成材料又は熱伝達材料に熱の形態で動力を分散させるために励磁することができる炭素基質を備える。
【0022】
いくつかの実施形態において、不燃式エアロゾル供給デバイスは、消耗品を受けるためのエリア、エアロゾル生成器、エアロゾル生成エリア、ハウジング、マウスピース、フィルター、及び/又はエアロゾル変性剤を含んでもよい。
【0023】
いくつかの実施形態において、不燃式エアロゾル供給デバイスと共に使用するための消耗品は、エアロゾル生成材料、エアロゾル生成材料保管エリア、エアロゾル生成材料移送構成要素、エアロゾル生成器、エアロゾル生成エリア、ハウジング、ラッパー、フィルター、マウスピース、及び/又はエアロゾル変性剤を含んでもよい。
【0024】
本開示の第1の態様によれば、エアロゾル供給デバイスと共に用いるための消耗品が提供される。消耗品は、支持体と、エアロゾル生成材料と、揮発させられ得る送達される物質とを含む。支持体は、エアロゾル生成材料を支持し、送達される物質は、支持体又はエアロゾル生成材料の加熱時に揮発する。
【0025】
本開示の消耗品の利点は、エアロゾル生成材料及び送達される物質が必須ではないが物理的に互いに近い場合があるにもかかわらず、消耗品上又は消耗品内の異なる場所にあることができ、消耗品の製造、保管及び/又は使用中に異なる形で処置され得るか又は挙動し得るという点において、互いに別個であることである。エアロゾル生成材料及び送達される物質は、互いに異なることができ、気化又はエアロゾル形成の最適な温度範囲、エアロゾル生成材料及び送達される物質から生じる蒸気又はエアロゾルの化学的組成、保管特性、揮発性、並びに揮発の速度及び/又は率等の異なる特性を保有することができる。これは、消耗品の使用時、消耗品の使用前の消耗品の保管中、及び/又は消耗品の製造時に有利であり得る。
【0026】
本開示における送達される物質への言及は、単一の物質、又は2つ以上の物質の混合物への言及を含むことが理解される。
【0027】
上記の実施形態のうちのいくつかの実施形態において、支持体は収着剤材料を含み、収着剤は、送達される物質を含む。
【0028】
本開示において、送達される物質を含む収着剤についての考察は、送達される物質が収着剤材料に吸収又は吸着されることを指す。これは、
送達される物質が、収着剤材料における孔又は空所に入るが、収着剤材料と化学的に相互作用しない状況、
送達される物質が、収着剤材料に入り、収着剤材料と化学的に相互作用する状況、
送達される物質が、収着剤材料上で、送達される物質のフィルムを形成するが、収着剤材料と化学的に相互作用しない状況、又は、
送達される物質が、収着剤材料上で、送達される物質のフィルムを形成し、収着剤材料と化学的に相互作用して吸着質を形成する状況、
を含む。
【0029】
上記の実施形態のうちの任意のもののいくつかの実施形態において、送達される物質は、収着剤材料の1つ若しくは複数の別個のゾーン内に位置し、又はこのゾーン内で吸収/吸着され、これらの別個のゾーンの外側に位置しない。他の実施形態において、送達される物質は、収着剤材料の1つ若しくは複数の別個のゾーン内に、これらの別個のゾーン内にない収着剤材料の部分における送達される物質の濃度よりも高い濃度で位置し、又はこのゾーン内で吸収/吸着される。
【0030】
いくつかの実施形態では、送達される物質が収着剤材料に吸収又は吸着されることは、送達される物質を収着剤材料の表面に塗布し、収着剤材料への送達される物質の吸収又は吸着が行われることを可能にすることによって達成される。この塗布は、限定ではないが、噴霧、はけ塗り、ローラによる塗布、又はインクジェット若しくはバルブジェット印刷等の既知の印刷技法によるものであってもよい。
【0031】
別個のエアロゾル生成材料及び送達される物質の使用は、1つ又は複数の利点を有する。1つのそのような利点は、送達される物質を、エアロゾル生成材料からのエアロゾルの形成よりも高速に及び/又は低い温度でエアロゾルを形成するように選択することができることである。これにより、ユーザが、エアロゾル生成材料のみを含む消耗品から受けるよりも迅速にエアロゾルのパフを受けることが可能になる。
【0032】
更なる利点は、エアロゾル生成材料及び送達される物質を、パフ全体を通じて同じ風味を有するパフをユーザに与えるように選択することができるか、又はエアロゾル生成材料及び送達される物質を、送達される物質からの最初の第1の風味、それに続くエアロゾル生成材料からの第2の風味を有するパフを与えるように選択することができることである。
【0033】
更なる利点は、送達される物質が、十分低いエアロゾル形成温度を有することができることにより、その温度が、エアロゾル生成材料から発散される熱、又はそのエアロゾル生成材料が加熱されている間、そのエアロゾル生成材料に向けられていない/そのエアロゾル生成材料によって吸収されていない熱によって達成されることである。これにより、エアロゾル生成材料のみを含む消耗品と比較して、消耗品に加わる熱エネルギーの単位ごとに生成され得る(送達される物質及びエアロゾル生成材料からの)エアロゾルの全体量又は体積が増大する。
【0034】
支持体は、基板を形成するのに適した材料からなり得る。支持体は、例えば、紙、カード、段ボール、厚紙、再生材料、プラスチック材料、セラミック材料、複合材料、ガラス、金属、若しくは合金であってもよく、又はそれらを含んでもよい。いくつかの実施形態において、支持体はサセプタを備える。いくつかの実施形態において、サセプタは、支持体の材料内に埋め込まれる。いくつかの代替の実施形態において、サセプタは、材料の一方又は両方の側又は表面にあるか又は取り付けられる。
【0035】
収着剤材料は、送達される物質に関連した吸収剤又は吸着剤のいずれかであり、不燃式エアロゾル供給システムにおける使用に適した材料である。収着剤材料に適した材料は、限定ではないが、多孔質材料、乾燥ゲル(エアロゲル、キセロゲル、冷却ゲル)、繊維質材料(天然又は合成)、紙、ボール紙、セラミック、木、エアロゲル、活性炭素、多孔質ポリマー、スポンジである。本開示の消耗品において、収着剤材料は、収着剤材料の構造に吸収又は吸着される、送達される所望の物体を有する。
【0036】
収着剤材料は、送達される物質が、収着剤材料に吸収又は吸着されてエアロゾル化するようにするために加熱することができる。収着剤材料は、その電熱性、及び送達される物質がエアロゾル化することができ、エアロゾルが収着剤材料を離れる速度について選択することができる。
【0037】
上記の実施形態のうちの任意のもののうちのいくつかの実施形態において、収着剤材料に吸収又は吸着される少なくとも1つの物質は、香味料、活性物質、香味料の混合物、活性物質の混合物、1つ若しくは複数の香味料と1つ若しくは複数の活性物質との混合物、1つ若しくは複数の溶媒、及び/又は1つ若しくは複数のエアロゾル生成器剤若しくはエアロゾル形成剤材料のうちの1つ若しくは複数を含む。
【0038】
上記の実施形態のうちの任意のもののうちのいくつかの実施形態において、送達される物質は、摂氏60度以上のエアロゾル化温度を有することができる。
【0039】
上記の実施形態のうちの任意のもののうちのいくつかの実施形態において、支持体は、収着剤材料を含むことができる。上記の実施形態のうちの任意のもののうちのいくつかの実施形態において、支持体は収着剤材料から形成することができる。
【0040】
エアロゾル生成剤又はエアロゾル形成剤材料は、エアロゾルを形成することが可能な1つ又は複数の成分を含むことができる。いくつかの実施形態では、エアロゾル形成剤材料は、グリセロール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,3-ブチレングリコール、エリスリトール、メソエリスリトール、バニリン酸エチル、ラウリン酸エチル、スベリン酸ジエチル、クエン酸トリエチル、トリアセチン、ジアセチン混合物、安息香酸ベンジル、フェニル酢酸ベンジル、トリブチリン、酢酸ラウリル、ラウリン酸、ミリスチン酸、及びプロピレンカーボネートのうちの1つ又は複数を含むことができる。
【0041】
上記の実施形態のうちの任意のもののうちのいくつかの実施形態において、支持体は収着剤材料を含む。いくつかの実施形態において、支持体は積層であり、積層は、少なくとも第1及び第2の基板を含み、基板のうちの少なくとも1つは収着剤材料から形成される。いくつかの実施形態において、積層の別の基板が、構造的目的で、特に、所望のハンドリング特性を消耗品に提供するために、例えば、消耗品の変形に対する或る程度の弾性復元力を提供するために、及び/又は硬さを提供するために存在することができる。
【0042】
上記の実施形態のうちの任意のもののうちのいくつかの実施形態において、収着剤材料は、支持体の第1又は第2の表面のうちの一方又は両方を形成する。いくつかの実施形態では、支持体の一方の表面は収着剤材料から構成され、支持体の他方の表面は、収着剤材料ではない材料から構成される。
【0043】
上記の実施形態のうちの任意のもののうちのいくつかの実施形態において、支持体の表面は不透過性材料から形成される。
【0044】
上記の実施形態のうちの任意のもののうちのいくつかの実施形態において、支持体の表面のうちの1つは、サセプタから形成される。
【0045】
上記の実施形態のうちの任意のもののうちのいくつかの実施形態において、支持体は、少なくとも3つの基板を含む積層であり、支持体の第1又は第2の表面を形成しない基板はサセプタである。
【0046】
サセプタは、交流磁場等の変動磁場の侵入によって加熱可能な材料である。サセプタは導電性材料であってもよく、導電性材料に変動磁場が侵入することによって、渦電流の結果としての抵抗加熱によりサセプタの誘導加熱を生じさせるようになっている。サセプタは磁性材料であってもよく、磁性材料に変動磁場が侵入することによって、サセプタの磁気ヒステリシス加熱を生じさせるようになっている。サセプタは導電性及び磁性の両方であってもよく、サセプタは両方の加熱機構によって加熱可能であるようになっている。変動磁場を生成するように構成されるデバイスは、磁場発生器と呼ばれる。
【0047】
サセプタは、鉄、又は鋼若しくは鉄ニッケル合金等の鉄合金等の強磁性金属を含むことができる。いくつかの例示的な強磁性金属は、グレード410ステンレススチール、又はグレード420ステンレススチール、又はグレード430ステンレススチール、又は類似のグレードのステンレススチール等の400シリーズステンレススチールである。代替的に、サセプタは、アルミニウム等の、好適な非磁性の、特に常磁性の導電性材料を含んでもよい。常磁性導電性材料において、誘導加熱は、渦電流に起因した抵抗加熱によってのみ生じる。代替的に、サセプタは、非導電性フェリ磁性セラミック等の非導電性フェリ磁性材料を含んでもよい。その場合、熱は、ヒステリシス損失によってのみ生成される。サセプタは、Phytherm230((重量%=wt%単位で)50wt%のNi、10wt%のCr及び残りがFeの組成を有する)又はPhytherm260(50wt%のNi、9wt%のCr及び残りがFeの組成を有する)のような市販の合金を含むことができる。
【0048】
サセプタは、上記の実施形態のうちの任意のもののうちのいくつかの実施形態において、金属箔、任意選択で、アルミニウム箔又は鉄箔とすることができる。代替的に、サセプタは、上記の実施形態のうちの任意のもののうちのいくつかの実施形態において、噴霧することができる任意の導体、又は支持体を形成する材料上に堆積される蒸気であってもよい。
【0049】
上記の実施形態のうちの任意のもののうちのいくつかの実施形態において、収着剤材料は、支持体の第1及び第2の表面のうちの両方を形成する。
【0050】
上記の実施形態のうちの任意のもののうちのいくつかの実施形態において、支持体は収着剤材料から全体的に形成される。
【0051】
上記の実施形態のうちの任意のもののうちの一実施形態において、支持体は、支持体材料の基板を含み、支持体材料は、紙、カード、ボール紙、カードボード、再構成材料、プラスチック材料、セラミック材料、複合材料、ガラス、金属又は金属合金のうちの1つ又は複数を含む。
【0052】
上記の実施形態のうちの任意のもののうちの一実施形態において、支持体は、不燃式エアロゾル供給デバイスにおいて通常直面する温度に耐え得るプラスチック材料を含む。いくつかの実施形態において、支持体はポリエーテルエーテルケトン(PEEK)を含む。そのような実施形態は、支持体を再利用することができ、消耗品が、構造的目的のために収着剤材料の使用を含む支持体を含む消耗品よりも、不燃式エアロゾル供給デバイスにおける任意の凝縮の影響をより受けないという利点を有する。
【0053】
上記の実施形態のうちの任意のもののうちのいくつかの実施形態において、エアロゾル生成材料は、収着剤材料ではない支持体の表面上で支持される。そのような構成は、消耗品の製造、後続の保管及び使用中、エアロゾル生成材料又はエアロゾル生成材料の任意の構成成分が支持体又は収着剤材料に吸着/吸収されないという利点を有する。
【0054】
上記の実施形態のうちの任意のもののうちのいくつかの実施形態において、エアロゾル生成材料は、収着剤材料から形成される支持体の表面上で支持される。
【0055】
上記の実施形態のうちの任意のもののうちのいくつかの実施形態において、送達される物質は、支持体の表面上で支持される。
【0056】
上記の実施形態のうちの任意のもののうちのいくつかの実施形態において、消耗品は、支持体の一部でなく、支持体上で支持され、送達される物質を含む、収着剤材料を更に含む。
【0057】
上記の実施形態のうちの任意のもののうちのいくつかの実施形態において、エアロゾル生成材料は支持体の第1の表面上で支持され、収着剤材料は、支持体の第1及び第2の表面のうちの一方又は両方上で支持される。これらの実施形態において、収着剤材料は支持体の一部ではなく、支持体の表面上で支持される。そのような構成は、収着剤材料にとって位置することが望ましい位置においてのみ、支持体上でサポートすることができるという利点を有する。
【0058】
上記の実施形態のうちの任意のもののうちのいくつかの実施形態において、エアロゾル生成材料及び収着剤材料は共に、エアロゾル生成材料の少なくとも1つの構成成分をエアロゾル化させるためのエアロゾル生成材料の加熱により、収着剤材料の少なくとも一部分も加熱されるように消耗品上に位置する。収着剤材料の少なくとも一部分のこの加熱は、エアロゾル生成材料及び/又はエアロゾル生成材料を支持する支持体の一部分からの熱伝導によるものであってもよい。収着剤材料のそのような加熱は、間接的加熱と考えることができる。
【0059】
そのような間接的加熱の結果として、収着剤材料が、エアロゾル生成材料が加熱される温度よりも低い温度であるが、送達される物質を揮発させるのに十分な温度まで加熱され得る。収着剤材料の加熱プロファイルは、いくつかの実施形態において、収着剤材料の形状及びエアロゾル生成材料に対する近接性による影響を受け得る。
【0060】
上記の実施形態のうちの任意のもののうちのいくつかの実施形態において、支持体は、エアロゾル生成材料及び/又はエアロゾル生成材料を支持する支持体の一部分から収着剤材料への熱の伝導を調整又は促進するための手段を含むか又は支持することができる。
【0061】
上記の実施形態のうちの任意のもののうちのいくつかの実施形態において、収着剤材料は、少なくとも1つの別個のゾーンを含む。各別個のゾーンは、エアロゾル生成材料の少なくとも1つの構成成分をエアロゾル化させるためのエアロゾル生成材料の加熱の結果として、別個のゾーン内の収着剤材料が、そこで吸収又は吸着された少なくとも1つの物質を揮発又はエアロゾル化させるのに十分高い温度まで加熱されるように、エアロゾル生成材料に対し位置することができる収着剤材料の体積である。収着剤材料は、1つ又は複数の別個のゾーンを含むことができる。
【0062】
上記の実施形態のうちの任意のもののうちのいくつかの実施形態において、送達される物質は、支持体又はエアロゾル生成材料の加熱の開始から或る期間PS後に揮発され、エアロゾル生成材料は、支持体又はエアロゾル生成材料の加熱の開始から或る期間PA後にエアロゾルを放出するように構成され、期間PSはPA以下である。いくつかの実施形態において、期間PSはPA未満である。
【0063】
上記の実施形態のうちの任意のもののうちのいくつかの実施形態において、収着剤材料は1つ又は複数の別個のゾーンを含み、別個のゾーン内の収着剤材料における送達される物質の濃度は、別個のゾーン内にない収着剤材料の部分における送達される物質の濃度よりも高く、いくつかの実施形態では大幅に高くなるようにすることができる。別個のゾーン及び別個のゾーン外に送達される物質の相対濃度は、収着剤材料に送達される物質の吸収/吸着の位置によって判断することができる。
【0064】
上記の実施形態のうちの任意のもののうちのいくつかの実施形態において、別個のゾーンは、消耗品の相対的位置によって及び/又は別個のゾーン内の収着剤材料における送達される物質の濃度によってのみ特定可能である。
【0065】
他の代替的な実施形態では、別個のゾーンは形状及びサイズを有し、この形状及びサイズは、別個のゾーンを取り囲む収着剤材料によって少なくとも部分的に画定され、この収着剤材料は、別個のゾーンにおける収着剤材料への少なくとも1つの物質の収着のための容量に対し低減された、この収着剤材料への少なくとも1つの送達される物質の収着のための容量を有する。
【0066】
別個のゾーンを少なくとも部分的に取り囲む収着剤材料の送達される物質の収着の容量は、いくつかの実施形態では、別個のゾーンを少なくとも部分的に取り囲む収着剤材料への不揮発性物質の吸着/吸収による影響を受け得る。いくつかの他の実施形態では、別個のゾーンを少なくとも部分的に取り囲む収着剤材料の表面は、送達される物質の表面の透過性を、別個のゾーンにおける表面の透過性未満となるように制限するように処置することができる。いくつかの実施形態では、別個の表面よりも少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%又は少なくとも90%低い。
【0067】
収着剤が、送達される物質を含むことが望まれていない収着剤材料のエリアにおける収着剤材料に送達される物質の吸着度を阻止又は制限することは、結果として、消耗品の製造において用いられる送達される物質の低減を、付随するコスト節減と共にもたらす可能性が高い。また、そのような阻止又は制限は、収着剤材料における送達される物質の場所が制御されない場合に達成されるよりも本開示の消耗品をむらなく利用することができる。
【0068】
上記の実施形態のうちの任意のもののうちのいくつかの実施形態において、少なくとも2つの別個のゾーンが存在し、別個のゾーンのうちの少なくとも2つは、異なる送達される物質、又は送達される物質の異なる混合物を含む。
【0069】
上記の実施形態のうちの任意のもののうちのいくつかの実施形態において、エアロゾル生成材料は、1つ又は複数の別個の部分において支持体上に支持され、少なくとも1つの別個のゾーンは、エアロゾル生成材料の各別個の部分に関連付けられている。
【0070】
上記の実施形態のうちの任意のもののうちのいくつかの実施形態において、エアロゾル生成材料の別個の部分が支持される支持体の表面は、収着剤材料を含むか又は支持し、この収着剤材料は別個のゾーンを含み、別個のゾーンは、エアロゾル生成材料の別個の部分を実質的に取り囲む。この構成は、エアロゾル生成材料の別個の部分が加熱されるとき、別個のゾーンの収着剤材料がエアロゾル生成材料の別個の部分によって間接的に加熱されるという利点を有する。
【0071】
上記の実施形態のうちの任意のもののうちのいくつかの実施形態において、消耗品は、支持体の第1の表面上にある、エアロゾル生成材料の別個の部分を含み、収着剤材料の別個のゾーンは支持体の第2の表面上にあり、エアロゾル材料の別個の部分及び別個のゾーンは、それらのそれぞれの表面において対応する位置にある。位置を対応させることによって、エアロゾル生成材料の別個の部分及び別個のゾーンのうちの一方が、それが位置する表面に対し垂直な位置から見られるとき、エアロゾル生成材料の別個の部分及び別個のゾーンのうちの一方がエアロゾル生成材料の別個の部分及び別個のゾーンのうちの他方の上に実質的に重なることを理解されたい。
【0072】
上記の実施形態のうちの任意のもののうちのいくつかの実施形態において、支持体の第1及び第2の表面の平面におけるエアロゾル生成材料の別個の部分と別個のゾーンの形状は実質的に同じである。
【0073】
上記の実施形態のうちの任意のもののうちのいくつかの実施形態において、エアロゾル生成材料の別個の部分は、この別個の部分が支持される支持体の表面上の第1のエリアを覆い、別個のゾーンは、この別個のゾーンが支持される支持体の表面上の第2のエリアを覆い、第1及び第2のエリアのうちの一方は第1及び第2のエリアのうちの他方よりも大きい。
【0074】
上記の実施形態のうちの任意のもののうちのいくつかの実施形態において、消耗品は、少なくとも支持体の第1及び第2の表面間に延びる1つ又は複数のミシン目を含む。この構成は、消耗品が用いられているとき、支持体の第1の側において又は第1の表面から生成されるエアロゾルがミシン目を通過して支持体の他方の側又は第2の表面に達するという利点を有する。これは、いくつかの実施形態において、支持体の一方の側又は表面上のエアロゾル生成材料から生成されたエアロゾルが、支持体の他方の側又は表面上の収着剤材料から生成されたエアロゾルと混合することを可能にするため有利である。これは、2つのエアロゾルが、エアロゾルがユーザによって吸入される前にマウスピースに渡される前に混合することができるという結果を有する。
【0075】
本開示において、「数」という用語は、0、1又は2以上を意味するように意図されることを理解されたい。
【0076】
上記の実施形態のうちの任意のもののうちのいくつかの実施形態において、1つ又は複数のミシン目が、支持体の第1の側又は表面のうちの一方と、支持体の他方の側又は表面に隣り合う消耗品の面との間に延びる。そのような実施形態において、ミシン目は、支持体、例えば、支持体の表面上で支持されるエアロゾル生成材料の一部分を通って、又は代替の実施例では、支持体を通って、及び支持体の表面上で支持される収着剤材料の一部分を通って延びる。
【0077】
上記の実施形態のうちの任意のもののうちのいくつかの実施形態において、1つ又は複数のミシン目が、支持体の第1の側又は表面に隣り合う消耗品の面と、支持体の第2の側又は表面に隣り合う消耗品の面との間に延びる。そのような実施形態において、ミシン目は、支持体、エアロゾル生成の一部分、及び収着剤材料の一部分を通って延びることができる。
【0078】
上記の実施形態のうちの任意のもののうちのいくつかの実施形態において、ミシン目のうちの少なくとも1つは、消耗品内に第1の行き止まりの端を有し、他端は、支持体、送達される物質、エアロゾル生成材料、又は消耗品の表面のうちの1つの表面を通ってあいている。行き止まりの端は、材料内にある端部であり、したがって、ミシン目の端部がその材料によって閉じられている。
【0079】
上記の実施形態のうちの任意のもののうちのいくつかの実施形態において、ミシン目は、少なくとも0.01mm、少なくとも0.05mm、少なくとも0.1mm、少なくとも0.5mm、少なくとも1mm、少なくとも2mm、又は少なくとも3mmの断面積を有する。
【0080】
上記の実施形態のうちの任意のもののうちの一実施形態において、支持体上で支持されるエアロゾル生成材料は、エアロゾル生成材料がない支持体の縁部から支持体上に予め定められた距離延びる、支持体の両方の表面上の支持体のバンドが存在するように位置する。そのバンドは、支持体の縁部の長さ全体について、支持体の縁部から同じ距離延びることができる。バンドは、使用中又は包装中の消耗品の扱いを支援することができる。バンドは、支持体の縁部の長さ全体に沿って連続していてもよく、又は不連続であってもよい。バンドは、支持体の縁部の周りの異なる位置において支持体の表面上に異なる距離延びることができる。
【0081】
本発明の第2の態様によれば、エアロゾル供給デバイスと共に用いるための消耗品を製造する方法が提供され、消耗品は、支持体と、エアロゾル生成材料と、少なくとも1つの物質とを含む。この方法は、
a)支持体を用意するステップと、
b)エアロゾル生成材料のスラリーを消耗品の表面に塗布するステップと、
c)塗布されたエアロゾル生成材料を乾燥させるステップと、
d)収着剤材料内への少なくとも1つの物質を消耗品の表面に塗布するステップと、
を含む。
【0082】
本開示の第2の態様の方法の利点は、エアロゾル生成材料及び送達される物質を支持体に塗布することが、時間及び空間の両方において別個に行われ得ることである。そのような能力は、エアロゾル供給デバイスと共に用いるための消耗品の製造に関する既知の課題を克服する。
【0083】
エアロゾル供給デバイスと共に用いるための消耗品の製造において、エアロゾル生成材料のスラリーが形成されることが既知であり、スラリーは、エアロゾル生成材料をスラリーにさせる溶媒と、消耗品が用いられ、エアロゾル生成材料がエアロゾル化されるときにエアロゾルの一部を形成することになる、1つ又は複数の異なる物質又は物質群(例えば、1つ又は複数の生理学的に活性な材料及び1つ又は複数の香料又は香味料)とを含む。しかしながら、溶媒及びこれらの物質は、任意の所与の温度において異なる蒸発率を有してもよい。
【0084】
消耗品の製造において、エアロゾル生成材料スラリーは、支持体の表面又は材料のシートに塗布され、それらはその後、複数の支持体を形成するように切断される。次に、スラリーは、スラリーが支持されている表面においておおよそ固定の寸法のエアロゾル生成材料を形成するように乾燥される。いくつかの実施形態では、エアロゾル生成材料は、エアロゾル生成ゲル又はエアロゾル生成フィルムを形成するように乾燥される。乾燥プロセス中、スラリーのための溶媒は、消耗品の使用時にエアロゾルの一部を形成することになる物質のいくつかと同様に蒸発する。スラリー乾燥プロセス中、エアロゾル生成材料の溶媒の異なる蒸発率、及びエアロゾル化されることになる様々な物質は、乾燥したエアロゾル材料においてエアロゾルの一部を形成することになる物質の量を正確に制御することが困難になり得るという影響を有することがわかっている。この結果、一貫した、予測可能で反復可能な市販の製品を達成することが困難となり得る。更なる影響は、スラリーに組み込まれる大量の活性物質が、スラリーがおおよそ固定の寸法のエアロゾル生成材料、エアロゾル生成ゲル又はエアロゾル生成フィルムを形成するために十分に乾燥される前に失われることである。
【0085】
本開示の方法は、スラリーが、スラリーの乾燥中に望ましくない量蒸発しない物質のみを含むように調合されることを可能にする。これらの物質は、スラリーが乾燥される条件における溶媒の蒸発率よりも高いか又は大幅に高い蒸発率を有する物質であってもよい。
【0086】
上記の実施形態のうちの任意のもののうちのいくつかの実施形態において、これまではスラリーの乾燥中に望ましくない量蒸発してきた物質は、本開示の送達される物質の全て又はいくらかを含み得る。これにより、製造プロセス中に蒸発により失われる物質の量が低下し、これによりこれらの物質の使用効率が増大し、消耗品製造プロセス中のこれらの物質の蒸発の環境問題が低下する。
【0087】
本開示の方法の更なる利点は、スラリーが、以前に可能であったよりも高い温度を伴う乾燥プロセスを受けることができ、これにより消耗品の製造時間が短くなることであり得る。
【0088】
上記の実施形態のうちの任意のもののうちのいくつかの実施形態において、ステップ(b)がステップ(a)の後の任意の時点に行われ、ステップ(b)にステップ(c)が続き、ステップ(d)がステップ(c)の後の任意の時点に行われる。例えば、ステップ(a)及び(b)間、及び/又はステップ(c)及び(d)間に数日、数週間又は数ヶ月のギャップがある場合がある。
【0089】
上記の実施形態のうちの任意のもののうちのいくつかの実施形態において、方法は、収着剤材料を用意することを含むステップ(e)を更に含む。
【0090】
上記の実施形態のうちの任意のもののうちのいくつかの実施形態において、ステップ(e)はステップ(d)の前に行われ、ステップ(d)は、送達される物質を収着剤材料に塗布して、送達される物質を含む収着剤材料を形成することと、支持体が収着剤材料を含まない場合、送達される物質を含む収着剤材料を消耗品に塗布することとを含む。
【0091】
上記の実施形態のうちの任意のもののうちのいくつかの実施形態において、収着剤材料は、製造プロセスにおける任意の時点で消耗品に固定することができる。収着剤材料は、エアロゾル生成材料スラリーのための乾燥プロセスへの露出による影響を受けないようにすることができることが理解されよう。いくつかの実施形態において、収着剤材料は支持体に固定される。
【0092】
上記の実施形態のうちの任意のもののうちのいくつかの実施形態において、ステップ(a)の支持体は収着剤材料を含む。
【0093】
上記の実施形態のうちの任意のもののうちのいくつかの実施形態において、ステップ(e)は、消耗品にペーストを塗布することと、その後ペーストを乾燥させることとを含み、ペーストが乾燥して収着剤材料を形成する。そのような方法ステップは、収着剤材料が支持体の予め定められた部分にのみ塗布されることを可能にすることができる。いくつかの実施形態において、ペーストの乾燥はステップ(c)と同時である。
【0094】
上記の実施形態のうちの任意のもののうちのいくつかの実施形態において、ステップ(e)は、収着剤材料の所望の形状を形成することと、収着剤材料のこの形状を消耗品上の所望の位置に固定することとを含む。収着剤の形を作り、次に支持体に固定するこの手法は、収着剤材料が成形されるか、又は収着剤材料のシート等の収着剤材料のより大きなユニットから切断されることを可能にする。
【0095】
上記の実施形態のうちの任意のもののうちのいくつかの実施形態において、ステップ(e)及び(d)は、収着剤材料のシートを用意することと、第1の表面上に接着剤を塗布し、その接着剤を取外し可能なキャリアシートで覆うことと、送達される物質を収着剤材料の他方の表面に塗布することと、送達される物質が、収着剤材料に吸収又は吸着されることを可能にすることと、収着剤材料を1つ又は複数の所望の形状に切断することとを含む。
【0096】
接着剤は、剥離可能な接着剤、再位置決め可能な接着剤、低粘着度の接着剤又は他の適切な接着剤であってもよい。
【0097】
次に、収着剤材料を保管するか又は消耗品に移送することができ、キャリアシートが収着剤材料から剥離され、次に収着剤材料を、所望の位置で消耗品に接着することができる。収着剤材料は、消耗品の製造中に消耗品に接着することができる。代替的に、消耗品のユーザは、消耗品の使用前に収着剤材料を消耗品に接着することができる。これにより、ユーザが、異なる送達される物質、例えば香料を含む収着材料の1つ又は複数の部分を取得し、用いることを望む香料を選択し、その香料を消耗品に塗布することが可能になる。この実施形態は、ユーザに対し、体験の選択及び制御の利点を有し、製造者にとって、はるかに多岐にわたる送達される物質と共に用いることができる限られた範囲の消耗品を製造することができるという利点を有する。
【0098】
上記の実施形態のうちの任意のもののうちのいくつかの実施形態において、ステップ(d)は、収着剤材料が消耗品に固定される前に行われる。これは、収着剤材料に送達される物質の吸収/吸着が、本開示の消耗品の製造の場所と離れた場所で行われ得るという利点を有する。
【0099】
上記の実施形態のうちの任意のもののうちのいくつかの実施形態において、ステップ(b)及び(c)が、ステップ(d)の前に1回又は複数回繰り返される。ステップ(b)及び(c)の繰り返しは、いくつかの実施形態では、エアロゾル生成材料が消耗品上の層内で構築されることを可能にすることができる。いくつかの実施形態では、これらの層は、エアロゾル生成材料の異なる組成から形成されてもよい。
【0100】
上記の実施形態のうちの任意のもののうちのいくつかの実施形態において、エアロゾル生成材料は、消耗品の1つ又は複数の別個の領域に塗布されてもよい。いくつかの実施形態では、消耗品の異なる別個の領域のうちの少なくとも2つは、互いに異なる組成のエアロゾル生成材料から形成されてもよく、ステップ(b)及びステップ(c)は、エアロゾル生成材料の各異なる組成について繰り返され得る。
【0101】
上記の実施形態のうちの任意のもののうちのいくつかの実施形態において、ステップ(c)は、時間、伝導熱、放射熱、又はエアロゾル生成材料の露出した表面にわたる空気の移動のうちの1つ又は複数の使用を含む。
【0102】
上記の実施形態のうちの任意のもののうちのいくつかの実施形態において、方法は、サセプタを用意することと、サセプタを支持体に固定することとを含む更なるステップ(f)を含む。このステップは、エアロゾル生成材料が、磁気誘導技法又は磁気誘導及び抵抗加熱技法の組合せを用いて加熱される場合に含まれる。消耗品が抵抗加熱技法のみを用いて加熱される場合、サセプタは用意される必要がないが、存在してもよい。
【0103】
上記の実施形態のうちの任意のもののうちのいくつかの実施形態において、ステップ(f)がステップ(a)の後に行われ、サセプタが、支持体の第1の表面に固定され、ステップ(b)がステップ(f)の後に行われ、エアロゾル生成材料のスラリーが、サセプタに少なくとも部分的に塗布される。いくつかの実施形態では、サセプタは金属箔のシートであり、全てのエアロゾル生成材料がサセプタに塗布される。
【0104】
上記の実施形態のうちの任意のもののうちのいくつかの実施形態において、支持体が材料のシートであり、方法が、支持体を2つ以上の消耗品に切断することを含むステップ(h)を含む。そのような手法は、製造プロセスにおける支持体の扱いを容易にするという点で有利である。なぜなら、ハンドエアロゾル供給デバイスのための消耗品を形成するために一般的に必要とされる材料のサイズよりも大きな材料シートを扱うことがより容易となり得るためである。支持体は、方形、矩形又は円形等の任意の所望の形状の消耗品を形成するように切断することができる。
【0105】
上記の実施形態のうちの任意のもののうちのいくつかの実施形態において、方法は、少なくとも支持体を穿孔して1つ又は複数のミシン目を形成することを含むステップ(i)を含む。1つ又は複数のこれらのミシン目は、少なくとも、支持体の第1及び第2の表面間に延び得ることができ、1つ又は複数のこれらのミシン目は、少なくとも、支持体の第1又は第2の表面のうちの一方と、支持体の第1又は第2の表面のうちの他方に隣り合う消耗品の面との間に延びることができ、1つ又は複数のこれらのミシン目は、支持体の第1の表面に隣り合う消耗品の面と、支持体の第2の面に隣り合う消耗品の面との間に延びることができ、1つ又は複数のこれらのミシン目は、少なくとも、収着剤材料を通って延びることができ、1つ又は複数のこれらのミシン目は、少なくとも、エアロゾル生成材料を通って延びることができ、或いは1つ又は複数のこれらのミシン目は、消耗品内の第1の行き止まりの端と、支持体、送達される物質、エアロゾル生成材料、又は消耗品の表面のうちの1つの表面を通ってあいている他端との間で延びることができる。
【0106】
上記の実施形態のうちの任意のもののうちの一実施形態において、エアロゾル生成材料及び/又は送達される物質は、活性物質を含む。
【0107】
本明細書において用いられるとき、活性物質は、生理学的反応を達成又は強化することを意図した材料である生理学的活性材料であってもよい。活性物質は、例えば、栄養補助食品、向知性薬、精神活性物質から選択されてもよい。活性物質は、天然由来であっても合成的に得られるものであってもよい。活性物質は、例えば、ニコチン、カフェイン、タウリン、非カンナビノイド由来のテルペン、テイン、B6若しくはB12若しくはC等のビタミン、メラトニン、カンナビノイド、又はそれらの成分、誘導体、若しくは組合せを含むことができる。活性物質は、タバコ、大麻、又は別の植物性物質の1つ又は複数の成分、誘導体、又は抽出物を含んでもよい。
【0108】
活性物質は、1つ又は複数のカンナビノイド又はテルペン等の、大麻の1つ又は複数の成分、誘導体、若しくは抽出物を含んでもよい。
【0109】
いくつかの実施形態において、活性物質はニコチンを含む。いくつかの実施形態において、活性物質は、カフェイン、メラトニン、又はビタミンB12を含む。
【0110】
活性物質は、1つ又は複数の植物性物質、又はその成分、誘導体、若しくは抽出物を含んでもよく、或いはこれに由来してもよい。本明細書において用いられるとき、「植物性物質」という用語は、限定ではないが、抽出物、葉、樹皮、繊維、茎、根、種、花、果実、花粉、外皮、殻等を含む植物由来の任意の材料を含む。代替的に、材料は、合成的に得られる、植物性物質に天然に存在する活性化合物を含んでもよい。材料は、液体、気体、固体、粉末、微粉、粉砕粒子、顆粒、ペレット、断片、細片、シート等の形態であってもよい。植物性物質の例は、タバコ、ユーカリ、スターアニス、麻、ココア、大麻、フェンネル、レモングラス、ペパーミント、スペアミント、ルイボス、カモミール、亜麻、ショウガ、イチョウ葉、ハシバミ、ハイビスカス、ローレル、甘草、抹茶、マテ、オレンジの皮、パパイヤ、ローズ、セージ、緑茶若しくは紅茶等の茶、タイム、クローブ、シナモン、コーヒー、アニシード(アニス)、バジル、ベイリーフ、カルダモン、コリアンダー、クミン、ナツメグ、オレガノ、パプリカ、ローズマリー、サフラン、ラベンダー、レモンピール、ミント、ジュニパー、エルダーフラワー、バニラ、ウィンターグリーン、シソ、クルクマ、ターメリック、サンダルウッド、シラントロ、ベルガモット、オレンジの花、マートル、カシス、バレリアン、ピーマン、メース、ダミアン、マジョラム、オリーブ、レモンバーム、レモンバジル、チャイブ、カーヴィ、バーベナ、タラゴン、ゼラニウム、マルベリー、朝鮮人参、テアニン、テアクリン、マカ、アシュワガンダ、ダミアナ、ガラナ、クロロフィル、バオバブ、又はこれらの任意の組合せである。ミントは、以下のミント品種、すなわち、ヨウシュハッカ(Mentha Arvensis)、グレープフルーツミント(Mentha c. v.)、エジプシャンミント(Mentha niliaca)、ペパーミント(Mentha piperita)、ライムミント(Mentha piperita citrata c. v.)、チョコレートミント(Mentha piperita c. v.)、カーリーミント(Mentha spicata crispa)、ワイルドミント(Mentha cardifolia)、ホースミント(Mentha longifolia)、パイナップルミント(Mentha suaveolens variegata)、ペニーロイヤルミント(Mentha pulegium)、イングリッシュスペアミント(Mentha spicata c. v.)、及びアップルミント(Mentha suaveolens)から選択されたものであってもよい。
【0111】
いくつかの実施形態において、活性物質は、1つ又は複数の植物性物質又はその成分、誘導体、若しくは抽出物を含むか、又はそれらに由来し、植物性物質はタバコである。
【0112】
いくつかの実施形態において、活性物質は、1つ又は複数の植物性物質又はその成分、誘導体、若しくは抽出物を含むか、又はそれらに由来し、植物性物質は、ユーカリ、スターアニス、ココア、及び麻から選択される。
【0113】
いくつかの実施形態において、活性物質は、1つ又は複数の植物性物質又はその成分、誘導体、若しくは抽出物を含むか、又はそれらに由来し、植物性物質は、ルイボス及びフェンネルから選択される。
【0114】
いくつかの実施形態では、エアロゾル生成材料及び/又は送達される物質は、香料又は香味料を含む。
【0115】
本明細書において用いられるとき、「香料」及び「香味料」という用語は、地域の規制が許す場合に、成人消費者向けの製品に所望の味、香り、又は他の体性感覚センセーションを作り出すために使用され得る材料を指す。それらの材料は、天然由来の香料材料、植物性物質、植物性物質の抽出物、合成的に得られる材料、又はそれらの組合せ(例えば、タバコ、大麻、甘草、アジサイ、オイゲノール、ホオノキ、カモミール、フェヌグリーク、クローブ、メープル、抹茶、メンソール、日本ミント、アニシード(アニス)、シナモン、ターメリック、インドスパイス、アジアスパイス、ハーブ、ウィンターグリーン、サクランボ、ベリー、レッドベリー、クランベリー、モモ、リンゴ、オレンジ、マンゴー、クレメンタイン、レモン、ライム、トロピカルフルーツ、パパイヤ、ルバーブ、ブドウ、ドリアン、ドラゴンフルーツ、キュウリ、ブルーベリー、マルベリー、柑橘類、ドランブイ、バーボン、スコッチ、ウィスキー、ジン、テキーラ、ラム、スペアミント、ペパーミント、ラベンダー、アロエベラ、カルダモン、セロリ、カスカリラ、ナツメグ、サンダルウッド、ベルガモット、ゼラニウム、チャット、ナスワール、キンマ、シーシャ、松、ハニーエッセンス、ローズ油、バニラ、レモン油、オレンジ油、オレンジの花、サクラの花、カシア、キャラウェイ、コニャック、ジャスミン、イランイラン、セージ、フェンネル、ワサビ、ピメンタ、ショウガ、コリアンダー、コーヒー、麻、メンタ属の任意種のミント油、ユーカリ、スターアニス、ココア、レモングラス、ルイボス、亜麻、イチョウ葉、ハシバミ、ハイビスカス、ローレル、マテ、オレンジの皮、ローズ、緑茶若しくは紅茶等の茶、タイム、ジュニパー、エルダーフラワー、バジル、ベイリーフ、クミン、オレガノ、パプリカ、ローズマリー、サフラン、レモンピール、ミント、シソ、クルクマ、シラントロ、マートル、カシス、バレリアン、ピメント、メース、ダミアン、マジョラム、オリーブ、レモンバーム、レモンバジル、チャイブ、カーヴィ、バーベナ、タラゴン、リモネン、チモール、カンフェン)、香味強化剤、苦味受容体部位遮断剤、感覚受容体部位活性化剤若しくは刺激剤、糖及び/又は代替糖(例えば、スクラロース、アセスルファムカリウム、アスパルテーム、サッカリン、チクロ、ラクトース、スクロース、グルコース、フルクトース、ソルビトール、若しくはマンニトール)、並びに、チャコール、クロロフィル、ミネラル、植物性物質、又は息清涼剤等の他の添加剤を含むことができる。それらの材料は、模造品、合成若しくは天然成分、又はそれらの混合物であってもよい。それらの材料は、任意の好適な形態、例えば、油等の液体、粉末等の固体、又は気体であってもよい。
【0116】
いくつかの実施形態において、香料は、メンソール、スペアミント、及び/又はペパーミントを含む。いくつかの実施形態において、香料は、キュウリ、ブルーベリー、柑橘類、及び/又はレッドベリーの香料構成成分を含む。いくつかの実施形態において、香料はオイゲノールを含む。いくつかの実施形態において、香料は、タバコから抽出された香料構成成分を含む。いくつかの実施形態において、香料は、大麻から抽出された香料構成成分を含む。
【0117】
いくつかの実施形態において、香料は、通常、香り若しくは味覚神経に加えて又はそれに代えて第5脳神経(三叉神経)の刺激によって化学的に誘導されて知覚される体性感覚センセーションを実現するように意図された感覚惹起物質を含むことができ、それらは加熱、冷却、ヒリヒリ感、麻酔効果を提供する薬剤を含むことができる。好適な熱効果剤は、限定ではないが、バニリルエチルエーテルであってもよく、好適な冷却剤は、限定ではないが、ユーカリプトールWS-3であってもよい。
【0118】
エアロゾル生成材料及び/又は送達される物質は、例えば加熱、照射又は任意の他の方法で活性化されたとき、エアロゾルを生成することが可能な材料である。エアロゾル生成材料及び/又は送達される物質は、例えば固体、液体、又は(ゲル等の)半固体の形態とすることができ、活性物質及び/又は香味料を含有している場合も含有していない場合もある。
【0119】
エアロゾル生成材料及び/又は送達される物質は、1つ又は複数の活性物質及び/又は香料、1つ又は複数のエアロゾル形成剤材料、並びに任意選択で1つ又は複数の他の機能的材料を含むことができる。
【0120】
エアロゾル生成材料及び/又は送達される物質は、ゲル化剤等の結合剤、及びエアロゾル形成剤材料を含むことができる。任意選択で、送達される物質及び/又は充填剤も存在してもよい。任意選択で、水等の溶媒も存在し、エアロゾル生成材料及び/又は送達される物質の1つ又は複数の他の構成成分は、溶媒内で溶融可能であっても可能でなくてもよい。いくつかの実施形態では、エアロゾル生成材料及び/又は送達される物質は、実質的に、植物性材料が使われていない。特に、いくつかの実施形態では、エアロゾル生成材料及び/又は送達される物質は、実質的に、タバコが使われていない。
【0121】
エアロゾル生成材料及び/又は送達される物質は、エアロゾル生成フィルムを含むか又はエアロゾル生成フィルムの形態をとることができる。エアロゾル生成フィルムは、ゲル化剤等の結合剤、及びエアロゾル形成剤を含むことができる。任意選択で、送達される物質及び/又は充填剤も存在してもよい。エアロゾル生成フィルムは、実質的に、植物性材料が使われていなくてもよい。特に、いくつかの実施形態では、エアロゾル生成材料及び/又は送達される物質は、実質的に、タバコが使われていない。
【0122】
エアロゾル生成フィルムは、約0.015mm~約1mmの厚みを有していてもよい。例えば、厚みは、約0.05mm、0.1mm又は0.15mm~約0.5mm又は0.3mmの範囲内にあってもよい。
【0123】
エアロゾル生成フィルムは、ゲル化剤等の結合剤を水等の溶媒、エアロゾル形成剤及び1つ又は複数の送達される物質等の1つ又は複数の他の構成成分と組み合わせて、スラリーを形成し、次にスラリーを加熱して、溶媒のうちの少なくともいくらかを揮発させて、エアロゾル生成フィルムを形成することによって形成することができる。
【0124】
スラリーは、溶媒の少なくとも約60wt%、70wt%、80wt%、85wt%又は90wt%を除去するように加熱することができる。
【0125】
エアロゾル生成材料は、「非晶質固体」を含むか、又は「非晶質固体」であってもよい。いくつかの実施形態では、エアロゾル生成材料は、非晶質固体であるエアロゾル生成フィルムを含む。非晶質固体は、「モノリシック固体」であってもよい。非晶質固体は、実質的に非繊維質であってもよい。いくつかの実施形態では、非晶質固体は、乾燥ゲルであってもよい。非晶質固体は、液体等の何らかの流体を中に保持することができる固体材料である。いくつかの実施形態において、非結晶固体は、例えば、約50wt%、60wt%、又は70wt%の非晶質固体~約90wt%、95wt%、又は100wt%の非晶質固体を含んでもよい。
【0126】
非晶質固体は、実質的に、植物性材料が使われていなくてもよい。非晶質固体は、実質的に、タバコが使われていなくてもよい。
【0127】
いくつかの実施形態では、エアロゾル生成剤は、エアロゾルを形成することが可能な1つ又は複数の成分を含むことができる。いくつかの実施形態では、エアロゾル生成剤は、グリセロール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,3-ブチレングリコール、エリスリトール、メソエリスリトール、バニリン酸エチル、ラウリン酸エチル、スベリン酸ジエチル、クエン酸トリエチル、トリアセチン、ジアセチン混合物、安息香酸ベンジル、フェニル酢酸ベンジル、トリブチリン、酢酸ラウリル、ラウリン酸、ミリスチン酸、及びプロピレンカーボネートのうちの1つ又は複数を含むことができる。特定の例において、エアロゾル生成剤はグリセロールを含む。いくつかの実施形態では、エアロゾル生成剤は、プロピレングリコール、トリエチレングリコール、1,3-ブチレングリコール及びグリセリン等の1つ又は複数の多価アルコール;グリセロールモノ-、ジ-又はトリアセテート等の多価アルコールのエステル;及び/又はドデカン二酸ジメチル及びテトラデカン二酸ジメチル等のモノ-、ジ-、若しくはポリカルボン酸の脂肪族エステルのうちの1つ又は複数を含む。
【0128】
いくつかの実施形態では、エアロゾル生成材料は、約0.1wt%、0.5wt%、1wt%、3wt%、5wt%、7wt%又は10%~約50wt%、45wt%、40wt%、35wt%、30wt%又は25wt%のエアロゾル生成剤(全て乾燥重量基準で計算される)を含んでもよい。エアロゾル生成剤は、可塑剤としての役割を果たし得る。例えば、エアロゾル生成材料は、0.5~40wt%、3~35wt%又は10~25wt%のエアロゾル生成剤を含んでもよい。
【0129】
いくつかの実施形態では、エアロゾル生成材料は、約5wt%、10wt%、20wt%、25wt%、27wt%又は30wt%~約60wt%、55wt%、50wt%、45wt%、40wt%又は35wt%のエアロゾル生成剤(DWB)を含んでもよい。例えば、エアロゾル生成材料は、10~60wt%、20~50wt%、25~40wt%又は30~35wt%のエアロゾル生成剤を含んでもよい。
【0130】
いくつかの実施形態では、エアロゾル生成材料は、約40~80wt%、40~75wt%、50~70wt%、又は55又は65wt%等、最大約80wt%のエアロゾル生成剤(DWB)を含んでもよい。
【0131】
エアロゾル生成材料は、ゲル化剤も含んでもよい。
【0132】
いくつかの実施形態では、ゲル化剤は親水コロイドを含む。いくつかの実施形態では、ゲル化剤は、アルジネート、ペクチン、デンプン(及び誘導体)、セルロース(及び誘導体)、ガム、シリカ又はシリコーン化合物、クレイ、ポリビニルアルコール及びこれらの組合せを含む群から選択される1つ又は複数の化合物を含む。例えば、いくつかの実施形態では、ゲル化剤は、アルジネート、ペクチン、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、プルラン、キサンタンガム、グアーガム、カラギーナン、アガロース、アカシアゴム、ヒュームドシリカ、PDMS、ケイ酸ナトリウム、カオリン及びポリビニルアルコールのうちの1つ又は複数を含む。いくつかの場合、ゲル化剤は、アルジネート及び/又はペクチンを含み、エアロゾル生成材料の形成中に固化剤(カルシウム元等)と組み合わされてもよい。いくつかの場合、エアロゾル生成材料は、カルシウム架橋アルギン酸及び/又はカルシウム架橋ペクチンを含むことができる。
【0133】
いくつかの実施形態では、ゲル化剤は、セルロース系ゲル化剤、非セルロース系ゲル化剤、グアーガム、アカシアゴム及びそれらの混合物から選択された1つ又は複数の化合物を含む。
【0134】
いくつかの実施形態では、セルロース系ゲル化剤は、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、メチルセルロース、エチルセルロース、セルロースアセテート(CA)、セルロースアセテートブチレート(CAB)、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)及びそれらの組合せからなる群から選択される。
【0135】
いくつかの実施形態では、ゲル化剤は、ヒドロキシルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、カルボキシメチルセルロース、グアーガム又はアカシアゴムのうちの1つ又は複数を含む(又はそれらのうちの1つ又は複数である)。
【0136】
いくつかの実施形態では、ゲル化剤は、限定ではないが、寒天、キサンタンガム、アラビアゴム、グアーガム、ローカストビーンガム、ペクチン、カラギーナン、デンプン、アルギン酸及びそれらの組合せを含む1つ又は複数の非セルロース系ゲル化剤を含む(又は1つ又は複数の非セルロース系ゲル化剤である)。好ましい実施形態において、非セルロースベースのゲル化剤は、アルギン酸又は寒天である。
【0137】
いくつかの実施形態では、ゲル化剤はアルギン酸を含み、アルギン酸は、エアロゾル生成材料において、エアロゾル生成材料の10~30wt%の量(乾燥重量基準で計算される)存在する。いくつかの実施形態では、アルギン酸は、エアロゾル生成材料内に存在する唯一のゲル化剤である。他の実施形態において、ゲル化剤は、アルギン酸と、ペクチン等の少なくとも1つの更なるゲル化剤とを含む。
【0138】
いくつかの実施形態では、エアロゾル生成材料は、約1wt%、5wt%、10wt%、15wt%、20wt%又は25wt%~約60wt%、50wt%、45wt%、40wt%又は35wt%のゲル化剤(全て乾燥重量基準で計算される)を含む。例えば、エアロゾル生成材料は、1~50wt%、5~45wt%、10~40wt%又は20~35wt%のゲル化剤を含むことができる。
【0139】
いくつかの実施形態では、エアロゾル生成材料は、約20wt%22wt%、24wt%又は25wt%~約30wt%、32wt%又は35wt%のゲル化剤(全て乾燥重量基準で計算される)を含む。例えば、エアロゾル生成材料は、20~35wt%又は25~30wt%のゲル化剤を含んでもよい。
【0140】
いくつかの場合、エアロゾル生成材料は、約1wt%、5wt%、10wt%、15wt%又は20wt%~約60wt%、50wt%、40wt%、30wt%又は25wt%のゲル化剤(DWB)を含んでもよい。例えば、エアロゾル生成材料は、10~40wt%、15~30wt%又は20~25wt%のゲル化剤(DWB)を含んでもよい。
【0141】
例において、エアロゾル生成材料は、合わせて、エアロゾル生成材料の約10wt%、20wt%、25wt%、30wt%又は35wt%~約60wt%、55wt%、50wt%又は45wt%の量のゲル化剤及び充填剤を含む。例において、エアロゾル生成材料は、合わせて、エアロゾル生成材料の約20~60wt%、25~55wt%、30~50wt%又は35~45wt%の量のゲル化剤及び充填剤を含む。
【0142】
例において、エアロゾル生成材料は、エアロゾル生成材料の約5wt%、10wt%、15wt%、20wt%、25wt%、30wt%、又は35wt%~約60wt%、55wt%、50wt%又は45wt%の量のゲル化剤を含む(すなわち、充填剤の量を考慮に入れない)。例において、エアロゾル生成材料は、エアロゾル生成材料の約5~60wt%、20~60wt%、25~55wt%、30~50wt%、又は35~45wt%の量のゲル剤を含む(すなわち、充填剤の量を考慮に入れない)。
【0143】
いくつかの例において、アルギン酸が、エアロゾル生成材料の約5~40wt%、又は15~40wt%.の量でゲル化剤に含まれる。すなわち、エアロゾル生成材料は、エアロゾル生成材料の乾燥重量で約5~40wt%又は15~40wt%の量のアルギン酸を含む。いくつかの例において、エアロゾル生成材料は、エアロゾル生成材料の約20~40wt%、又は約15wt%~35wt%の量のアルギン酸を含む。
【0144】
いくつかの例において、ペクチンが、エアロゾル生成材料の約3~15wt%の量でゲル化剤に含まれる。すなわち、エアロゾル生成材料は、エアロゾル生成材料の乾燥重量で約3~15wt%の量のペクチンを含む。いくつかの例において、エアロゾル生成材料は、エアロゾル生成材料の約5~10wt%の量のペクチンを含む。
【0145】
いくつかの例において、グアーガムが、エアロゾル生成材料の約3~40wt%の量でゲル化剤に含まれる。すなわち、エアロゾル生成材料は、エアロゾル生成材料の乾燥重量で約3~40wt%の量のグアーガムを含む。いくつかの例において、エアロゾル生成材料は、エアロゾル生成材料の約5~10wt%の量のグアーガムを含む。いくつかの例において、エアロゾル生成材料は、エアロゾル生成材料の約15~40wt%、又は約20~40wt%、又は約15~35wt%の量のグアーガムを含む。
【0146】
例において、アルギン酸は、ゲル化剤の少なくとも約50wt%の量で存在する。例において、エアロゾル生成材料は、アルギン酸及びペクチンを含み、アルギン酸とペクチンとの比は、1:1~10:1である。アルギン酸とペクチンとの比は、通常>1:1であり、すなわち、アルギン酸は、ペクチンの量よりも多い量存在する。例において、アルギン酸とペクチンとの比は、約2:1~8:1又は約3:1~6:1、又は概ね4:1である。
【0147】
エアロゾル生成材料は、(a)エアロゾル材料又はその前駆体の構成成分を含むスラリーを形成すること、(b)スラリーの層を形成すること、(c)スラリーを固化してゲルを形成すること、及び(d)乾燥してエアロゾル生成材料を形成すること、によって形成することができる。
【0148】
(b)スラリーの層を形成することは、通常、スラリーを噴霧、キャスト又は押出することを含む。例において、スラリー層は、スラリーを静電噴霧することによって形成される。例において、スラリー層は、スラリーをキャストすることによって形成される。
【0149】
いくつかの例において、(b)及び/又は(c)及び/又は(d)は、少なくとも部分的に同時に行われる(例えば、静電噴霧中)。いくつかの例において、(b)、(c)及び(d)は連続して行われる。
【0150】
いくつかの例において、スラリーは支持体に塗布される。層は支持体上に形成することができる。
【0151】
例において、スラリーは、ゲル化剤、エアロゾル形成剤材料及び活性物質を含む。スラリーは、これらの構成成分を、エアロゾル生成材料の組成に関して本明細書において与えた比率のうちの任意のもので含むことができる。例えば、スラリーは、(乾燥重量基準で):
ゲル化剤及び任意選択で充填剤を含み、ゲル化剤及び充填剤の量は、合わせてスラリーの約10~60wt%であり、
スラリーの約40~80wt%の量のエアロゾル形成剤材料を含み、
任意選択で、スラリーの最大で約20wt%の量の活性物質を含んでもよい。
【0152】
ゲルを固化すること(c)は、固化剤をスラリーに供給することを含むことができる。例えば、スラリーは、ゲル前駆体としてアルギン酸ナトリウム、アルギン酸カリウム、アルギン酸アンモニウムを含むことができ、カルシウム源(塩化カルシウム等)を含む固化剤を、アルギン酸カルシウムゲルを形成するようにスラリーに加えることができる。
例において、固化剤は、酢酸カルシウム、ギ酸カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸水素カルシウム、塩化カルシウム、乳酸カルシウム、又はそれらの組合せを含むか又はそれらからなる。いくつかの例において、固化剤は、ギ酸カルシウム及び/又は乳酸カルシウムを含むか又はこれらからなる。特定の例において、固化剤は、ギ酸カルシウムを含むか又はギ酸カルシウムからなる。本発明者らは、通常、固化剤としてギ酸カルシウムを用いる結果として、伸張に対し、より高い抗張力及びより高い耐性を有するエアロゾル生成材料が得られることを特定した。
【0153】
カルシウム源等の固化剤の総量は、0.5~5wt%(乾燥重量基準で計算される)であってもよい。好適には、総量は、約1wt%、2.5wt%又は4wt%~約4.8wt%又は4.5wt%であってもよい。本発明者らは、固化剤の添加量が少なすぎると、エアロゾル生成材料構成成分を安定化させず、その結果これらの構成成分がエアロゾル生成材料から脱落するようなエアロゾル生成材料が得られる場合があることがわかった。本発明者らは、固化剤の添加量が多すぎると、結果として、非常に粘着性が高く、その結果扱いが不便なエアロゾル生成材料が得られることがわかった。
【0154】
エアロゾル生成材料がタバコを含有しないとき、より大量の固化剤が塗布される必要があり得る。したがって、いくつかの場合、固化剤の総量は、乾燥重量基準で計算された、5~10wt%等、0.5~12wt%であってもよい。好適には、総量は、約5wt%、6wt%又は7wt%~約12wt%又は10wt%であってもよい。この場合、エアロゾル生成材料は、通常、タバコを含有しない。
【0155】
例において、固化剤をスラリーに供給することは、固化剤を、スラリーの上面等、スラリー上に噴霧することを含む。
【0156】
アルギン酸塩はアルギン酸の誘導体であり、通常、高分子重量ポリマー(10~600kDa)である。アルギン酸は、β-D-マンヌロン酸(M)とα-L-グルロン酸(G)単位(ブロック)が(1,4)-グリコシド結合によって結合して多糖類を形成する共重合体である。カルシウム陽イオンに加えて、アルギン酸が架橋してゲルを形成する。高Gモノマー含有量を有するアルギン酸塩は、カルシウム源の添加によりゲルをより容易に形成することがわかっている。したがって、いくつかの場合、ゲル前駆体はアルギン酸塩を含んでもよく、ここで、アルギン酸共重合体におけるモノマー単位の少なくとも約40%、45%、50%、55%、60%又は70%は、α-L-グルロン酸(G)単位である。
【0157】
例において、乾燥すること(d)によって、スラリー内の約50wt%、60wt%、70wt%、80wt%又は90wt%~約80wt%、90wt%又は95wt%(WWB)の水が除去される。
【0158】
例において、乾燥すること(d)は、キャストされた材料の厚みを、少なくとも80%、好適には85%~87%低減する。例えば、スラリーは、2mmの厚みでキャストされ、結果として得られる乾燥エアロゾル生成材料は、0.2mmの厚みを有する。
【0159】
いくつかの例において、スラリー溶媒は、本質的に水からなるか又は水からなる。いくつかの例において、スラリーは、約50wt%、60wt%、70wt%、80wt%又は90wt%の溶媒(WWB)を含む。
【0160】
溶媒が水からなる例において、スラリーの乾燥重量含有量は、エアロゾル生成材料の乾燥重量含有量と一致し得る。このため、固体組成に関する本明細書における論考は、本発明のスラリーの態様と組み合わせて明示的に開示される。
【0161】
エアロゾル生成材料は、香料を含んでもよい。好適には、エアロゾル生成材料は、最大約80wt%、70wt%、60wt%、55wt%、50wt%又は45wt%の香料を含むことができる。いくつかの場合、エアロゾル生成材料は、少なくとも約0.1wt%、1wt%、10wt%、20wt%、30wt%、35wt%又は40wt%の香料(全て乾燥重量基準で計算される)を含んでもよい。例えば、エアロゾル生成材料は、1~80wt%、10~80wt%、20~70wt%、30~60wt%、35~55wt%又は30~45wt%の香料を含んでもよい。いくつかの場合、香料は、本質的にメンソールからなるか又はメンソールからなる。
【0162】
エアロゾル生成材料は、充填剤を含んでもよい。
【0163】
いくつかの実施形態では、エアロゾル生成材料は、1wt%~60wt%、又は5wt%~50wt%、又は5wt%~30wt%、又は10wt%~20wt%等、60wt%未満の充填剤を含む。
【0164】
他の実施形態において、エアロゾル生成材料は、20wt%未満、好適には、10wt%未満又は5wt%未満の充填剤を含む。いくつかの場合、エアロゾル生成材料は、1wt%未満の充填剤を含み、いくつかの場合、充填剤を含まない。
【0165】
いくつかのそのような場合、エアロゾル生成材料は、少なくとも1wt%の充填剤、例えば、少なくとも5wt%、少なくとも10wt%、少なくとも20wt%少なくとも30wt%、少なくとも40wt%又は少なくとも50wt%の充填剤を含む。いくつかの実施形態では、エアロゾル生成材料は、5~25wt%の充填剤を含む。
【0166】
充填剤は、存在する場合、炭酸カルシウム、パーライト、バーミキュライト、珪藻土、コロイドシリカ、酸化マグネシウム、硫酸マグネシウム、炭酸マグネシウム及びモレキュラーシーブ等の好適な無機吸着剤等の1つ又は複数の無機充填材料を含んでもよい。充填剤は、ウッドパルプ、セルロース及びセルロース誘導体(メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース及びカルボキシメチルセルロース(CMC)等)等の1つ又は複数の有機充填材料を含んでもよい。特定の場合、エアロゾル生成材料は、チョーク等の炭酸カルシウムを含まない。
【0167】
充填剤を含む特定の実施形態において、充填剤は繊維質である。例えば、充填剤は、ウッドパルプ、麻の繊維、セルロース又はセルロース誘導体(メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース及びカルボキシメチルセルロース(CMC)等)等の線維性有機充填材料であってもよい。
【0168】
理論に束縛されることを望まないが、エアロゾル生成材料内に線維性充填剤を含めることにより、材料の抗張力を高めることができると考えられている。これは、エアロゾル生成材料シートがエアロゾル化可能材料のロッドを取り囲むとき等、エアロゾル生成材料がシートとして用意される例において特に有利であり得る。
【0169】
いくつかの実施形態では、エアロゾル生成材料はタバコ繊維を含まない。特定の実施形態において、エアロゾル生成材料は繊維質材料を含まない。
【0170】
いくつかの実施形態では、エアロゾル生成材料はタバコ繊維を含まない。特定の実施形態において、エアロゾル生成材料は繊維質材料を含まない。
【0171】
エアロゾル生成材料は、1つ又は複数の活性物質及び/又は香料、1つ又は複数のエアロゾル形成剤材料、並びに任意選択で1つ又は複数の他の機能的材料を含んでもよい。
【0172】
いくつかの実施形態では、エアロゾル生成材料は活性物質を更に含む。例えば、いくつかの場合、エアロゾル生成材料は、タバコ材料及び/又はニコチンを更に含む。いくつかの実施形態では、エアロゾル生成材料は、粉体化されたタバコ及び/又はニコチン及び/又はタバコ抽出物を含む。
【0173】
いくつかの場合、エアロゾル生成材料は、5~60wt%(乾燥重量基準で計算される)のタバコ材料及び/又はニコチンを含んでもよい。いくつかの場合、エアロゾル生成材料は、約1wt%、5wt%、10wt%、15wt%、20wt%又は25wt%~約70wt%、60wt%、50wt%、45wt%、40wt%、35wt%又は30wt%(乾燥重量基準で計算される)活性物質を含んでもよい。いくつかの場合、エアロゾル生成材料は、約1wt%、5wt%、10wt%、15wt%、20wt%又は25wt%~約70wt%、60wt%、50wt%、45wt%、40wt%、35wt%又は30wt%(乾燥重量基準で計算される)のタバコ材料を含んでもよい。例えば、エアロゾル生成材料は、10~50wt%、15~40wt%又は20~35wt%のタバコ材料を含んでもよい。いくつかの場合、エアロゾル生成材料は、約1wt%、2wt%、3wt%又は4wt%~約20wt%、18wt%、15wt%又は12wt%(乾燥重量基準で計算される)のニコチンを含んでもよい。例えば、エアロゾル生成材料は、1~20wt%、2~18wt%又は3~12wt%のニコチンを含んでもよい。
【0174】
いくつかの場合、エアロゾル生成材料は、タバコ抽出物等の活性物質を含む。いくつかの場合、エアロゾル生成材料は、5~60wt%(乾燥重量基準で計算される)のタバコ抽出物を含んでもよい。いくつかの場合、エアロゾル生成材料は、約5wt%、10wt%、15wt%、20wt%又は25wt%~約60wt%、50wt%、45wt%、40wt%、35wt%又は30wt%(乾燥重量基準で計算される)のタバコ抽出物を含んでもよい。例えば、エアロゾル生成材料は、10~50wt%、15~40wt%又は20~35wt%のタバコ抽出物を含んでもよい。タバコ抽出物は、エアロゾル生成材料が1wt%1.5wt%、2wt%又は2.5wt%~約6wt%、5wt%、4.5wt%又は4wt%(乾燥重量基準で計算される)のニコチンを含むような濃度でニコチンを含有してもよい。いくつかの場合、エアロゾル生成材料内には、タバコ抽出物から結果として得られるもの以外のニコチンが存在しなくてもよい。
【0175】
いくつかの実施形態において、エアロゾル生成材料は、タバコ材料を含まず、ニコチンを含む。いくつかのそのような場合、エアロゾル生成材料は、約1wt%、2wt%、3wt%又は4wt%~約20wt%、18wt%、15wt%又は12wt%(乾燥重量基準で計算される)のニコチンを含んでもよい。例えば、エアロゾル生成材料は、1~20wt%、2~18wt%又は3~12wt%のニコチンを含んでもよい。
【0176】
いくつかの場合、活性物質及び/又は香料の総含有量は、少なくとも約0.1wt%、1wt%、5wt%、10wt%、20wt%、25wt%又は30wt%であってもよい。いくつかの場合、活性物質及び/又は香料の総含有量は、約90wt%、80wt%、70wt%、60wt%、50wt%又は40wt%(全て乾燥重量基準で計算される)未満であってもよい。
【0177】
いくつかの場合、タバコ材料、ニコチン及び香料の総含有量は、少なくとも約0.1wt%、1wt%、5wt%、10wt%、20wt%、25wt%又は30wt%であってもよい。いくつかの場合、活性物質及び/又は香料の総含有量は、約90wt%、80wt%、70wt%、60wt%、50wt%又は40wt%(全て乾燥重量基準で計算される)未満であってもよい。
【0178】
エアロゾル生成組成は、1つ又は複数の活性物質を含んでもよい。例において、エアロゾル生成材料は、例えば、エアロゾル生成材料の最大約20wt%の1つ又は複数の活性物質を含む。例において、エアロゾル生成材料は、エアロゾル生成材料の約1wt%、5wt%、10wt%又は15wt%~約20wt%、15wt%、15wt%又は5wt%の量の活性物質を含む。
【0179】
活性物質は、生理学的及び/又は嗅覚的反応を達成するためにエアロゾル生成組成に含まれる生理学的/又は嗅覚的活性物質を含むことができる。
【0180】
タバコ材料は、約50~95wt%又は約60~90wt%又は約70~90wt%又は約75~85wt%の量でエアロゾル生成組成内に存在してもよい。
【0181】
タバコ材料は、任意の形式で存在してもよいが、通常、細断されている(例えば、薄く裂かれている)。細断されたタバコ材料は、有利には、エアロゾル生成材料と混ぜられ、エアロゾル生成組成の全体にわたるタバコ材料及びエアロゾル生成材料の均一な分散を有するエアロゾル生成組成をもたらすことができる。
【0182】
例において、タバコ材料は、挽きタバコ、タバコ繊維、刻みタバコ、押出タバコ、タバコ茎、再生タバコ及び/又はタバコ抽出物のうちの1つ又は複数を含む。驚くべきことに、本発明者らは、エアロゾル生成組成において比較的大量のラミナタバコを用い、それでもなお、不燃式エアロゾル供給システムによって加熱されるときに受容可能なエアロゾルを提供することが可能であることを特定した。ラミナタバコは、通常、優れた官能特性を提供する。例において、タバコ材料は、タバコ材料の少なくとも約50wt%、60wt%、70wt%、80wt%、85wt%、90wt%又は95wt%の量のラミナタバコを含む。特定の例において、タバコ材料は、タバコ材料の少なくとも約50wt%、60wt%、70wt%、80wt%、85wt%、90wt%又は95wt%の量の切断されたタバコを含む。
【0183】
タバコ材料を製造するのに用いられるタバコは、バージニア種及び/又はバーレー種及び/又はオリエント種を含む、単一のグレード又はブレンド、切断ラグ又は全葉等の任意の好適なタバコであってもよい。
【0184】
いくつかの実施形態において、1つ又は複数の他の機能的材料は、pH調整剤、着色剤、防腐剤、結合剤、充填剤、安定剤、及び/又は酸化防止剤のうちの1つ又は複数を含むことができる。
【0185】
いくつかの場合、エアロゾル生成材料は、製造中に溶融した香料を乳化した乳化剤を更に含んでもよい。例えば、エアロゾル生成材料は、約5wt%~約15wt%、好適には約10wt%の乳化剤(乾燥重量基準で計算される)を含んでもよい。乳化剤は、アカシアゴムを含んでもよい。
【0186】
いくつかの実施形態では、エアロゾル生成材料はヒドロゲルであり、湿重量基準で計算された、約20wt%未満の水を含む。いくつかの場合、ヒドロゲルは、湿重量基準で計算された、約15wt%、12wt%又は10wt%未満の水を含んでもよい。いくつかの場合、ヒドロゲルは、少なくとも約1wt%、2wt%又は少なくとも約5wt%の水(WWB)を含むことができる。
【0187】
エアロゾル生成材料は、1wt%~15wt%.等の任意の好適な水含有量を有することができる。好適には、エアロゾル生成材料の水含有量は、約5wt%、7wt%又は9wt%~約15wt%、13wt%又は11wt%(WWB)、最も好適には約10wt%である。エアロゾル生成材料の水含有量は、例えば、カール-フィッシャー滴定又は熱伝導検出器を用いたガスクロマトグラフィー(GC-TCD)によって決定することができる。
【0188】
いくつかの場合、エアロゾル生成材料は、ゲル化剤、水、エアロゾル生成剤、香料及び任意選択で活性物質から本質的になるか又はこれらからなってもよい。
【0189】
いくつかの場合、エアロゾル生成材料は、ゲル化剤、水、エアロゾル生成剤、香料及び任意選択でタバコ材料及び/又はニコチン源から本質的になるか又はこれらからなってもよい。
【0190】
例において、エアロゾル生成材料は、ゲル化剤、エアロゾル生成剤、活性物質及び水から本質的になるか又はこれらからなってもよい。例において、エアロゾル生成材料は、ゲル化剤、エアロゾル生成剤及び水から本質的になるか又はこれらからなる。
【0191】
例において、エアロゾル生成材料は香味料を含まず、特定の例において、エアロゾル生成材料は活性物質を含まない。
【0192】
いくつかの実施形態において、エアロゾル生成材料は、
1~60wt%のゲル化剤、
0.1~50wt%のエアロゾル生成剤、及び
0.1~80wt%の香料、
を含み、これらの重量は乾燥重量基準で計算される。
【0193】
いくつかの実施形態では、エアロゾル生成材料は1~80wt%の香料を含む(乾燥重量基準)。
【0194】
いくつかの実施形態において、エアロゾル生成材料は、
1~50wt%のゲル化剤、
0.1~50wt%のエアロゾル生成剤、及び
30~60wt%の香料、
を含み、これらの重量は乾燥重量基準で計算される。
【0195】
エアロゾル生成材料の代替的な実施形態において、エアロゾル生成材料は、
1~60wt%のゲル化剤、
5~60wt%のエアロゾル生成剤、及び
10~60wt%のタバコ抽出物、
を含み、これらの重量は乾燥重量基準で計算される。
【0196】
いくつかの実施形態において、エアロゾル生成材料は、
1~60wt%のゲル化剤、
20~60wt%のエアロゾル生成剤、及び
10~60wt%のタバコ抽出物、
を含み、これらの重量は乾燥重量基準で計算される。
【0197】
いくつかの実施形態では、エアロゾル生成材料は20~35wt%のゲル化剤、10~25wt%のエアロゾル形成剤材料、5~25wt%の繊維を含む充填剤、及び35~50wt%の香味料及び/又は活性物質を含む。
【0198】
いくつかの場合、エアロゾル生成材料は、ゲル化剤、エアロゾル生成剤、タバコ抽出物、水及び任意選択で香料から本質的になるか又はこれらからなってもよい。いくつかの場合、エアロゾル生成材料は、グリセロール、アルギン酸及び/又はペクチン、タバコ抽出物及び水から本質的になるか又はこれらからなってもよい。
【0199】
いくつかの実施形態では、エアロゾル生成材料は、以下の組成(DWB):約5wt%~約40wt%又は約10wt%~30wt%又は約15wt%~約25wt%の量のゲル化剤(好ましくはアルギン酸を含む);約30wt%~約70wt%又は約40wt%~55wt%又は約45wt%~約50wt%の量のタバコ抽出物、約10wt%~約50wt%又は約20wt%~約40wt%又は約25wt%~約35wt%(DWB)の量のエアロゾル生成剤(好ましくはグリセロールを含む)を有することができる。
【0200】
1つの実施形態において、エアロゾル生成材料は、約20wt%のアルギン酸ゲル化剤、約48wt%のバージニア種タバコ抽出物及び約32wt%のグリセロール(DWB)を含む。
【0201】
エアロゾル生成材料の「厚み」は、第1の表面と第2の表面との間の最短距離を記述する。エアロゾル生成材料がシートの形態をとる実施形態において、エアロゾル生成材料の厚みは、シートの第1の平坦な表面と、シートの第1の平坦な表面に対向するシートの第2の平坦な表面との間の最短距離である。
【0202】
いくつかの場合、エアロゾルを形成するエアロゾル生成材料層は、約0.015mm~約1.5mm、好適には約0.05mm~約1.5mm又は0.05mm~約1.0mmの厚みを有する。好適には、厚みは、約0.1mm又は0.15mm~約1.0mm、0.5mm又は0.3mmの範囲にあってもよい。
【0203】
いくつかの場合、エアロゾル生成材料は、約0.015mm~約1.0mmの厚みを有することができる。好適には、厚みは、約0.05mm、0.1mm又は0.15mm~約0.5mm又は0.3mmの範囲にあってもよい。
【0204】
0.2mmの厚みを有する材料が特に好適である。エアロゾル生成材料は2つ以上の層を有してもよく、本明細書に記載の厚みは、これらの層の集約した厚みを指す。
【0205】
エアロゾル生成材料が過度に厚い場合、加熱効率が損なわれることが観測されている。これは、使用時の電力消費に悪影響を及ぼす。逆に、エアロゾル生成材料が過度に薄い場合、製造及び扱いが困難であり、非常に薄い材料のキャストがより困難である場合があり、壊れやすく、使用時のエアロゾル形成を損なう場合がある。
【0206】
本明細書において規定される厚みとは、材料の平均厚みである。いくつかの場合、エアロゾル生成材料の厚みは、25%、20%、15%、10%、5%又は1%以下変動してもよい。
【0207】
いくつかの例において、シート形態のエアロゾル生成材料は、約200N/m~900N/mの抗張力を有してもよい。エアロゾルが充填剤を含まない場合等のいくつかの例において、エアロゾル生成材料は、200N/m~400N/m、又は200N/m~300N/m、又は約250N/mの抗張力を有してもよい。
【0208】
そのような抗張力は、エアロゾル生成材料がシートとして形成され、次に裂かれ、エアロゾル生成品に組み込まれる実施形態に特に好適であり得る。エアロゾル生成材料が充填剤を含む場合等のいくつかの例において、エアロゾル生成材料は、600N/m~900N/m、又は700N/m~900N/m、又は約800N/mの抗張力を有してもよい。そのような抗張力は、エアロゾル生成材料が、ロールシートとして、好適にはチューブの形態でエアロゾル生成品/アセンブリに含まれる実施形態に特に好適であり得る。
【0209】
いくつかの例において、シート形態のエアロゾル生成材料は、約200N/m~2600N/mの抗張力を有してもよい。いくつかの例において、エアロゾル生成材料は、600N/m~2000N/m、又は700N/m~1500N/m、又は約1000N/mの抗張力を有してもよい。そのような抗張力は、エアロゾル生成材料がシートとして形成され、エアロゾル生成消耗品に組み込まれる実施形態に特に好適であり得る。
【0210】
エアロゾル生成材料は、30~120g/m等の任意の好適な面密度(単位面積あたりの質量)を有することができる。いくつかの場合、シートは、80~120g/m、又は約70~110g/m、又は特に約90~110g/m、又は好適には約100g/mの単位面積あたりの質量を有してもよい(切断ラグタバコと類似の密度を有し、これらの物質の混合物が容易に離れないようになっている)。いくつかの場合、シートは、約30~70g/m、40~60g/m、又は25~60g/mの単位面積あたりの質量を有してもよく、タバコ等のエアロゾル化可能材料を包むために用いられてもよい。
【0211】
本明細書に記載の全ての重量パーセンテージ(wt%によって表される)は、別段の明示的な指示がない限り、乾燥重量基準で計算される。全ての重量比も乾燥重量基準で計算される。乾燥重量基準で引用された重量は、水以外の、抽出物又はスラリー又は材料全体を指し、グリセロール等、それ自体が室温及び室内圧力で液体である構成成分を含んでもよい。逆に、湿重量基準で引用された重量パーセンテージは、水を含む全ての構成成分を指す。
【0212】
エアロゾル生成材料は着色剤を含んでもよい。着色剤の添加により、エアロゾル生成材料の視覚的外観が変わる場合がある。エアロゾル生成材料における着色剤の存在は、エアロゾル生成材料の視覚的外観を向上させ得る。着色剤をエアロゾル生成材料に添加することによって、エアロゾル生成材料は、エアロゾル生成材料を含む物品の他の構成成分に色が一致し得る。
【0213】
エアロゾル生成材料の所望の色に依拠して多岐にわたる着色剤が用いられてもよい。エアロゾル生成材料の色は、例えば、白、緑、赤、紫、青、茶又は黒であってもよい。他の色も考えられる。天然又は合成染料、食用グレードの着色剤及び医薬グレードの着色剤等の天然又は合成着色剤が用いられてもよい。いくつかの実施形態において、着色剤はカラメルであり、エアロゾル生成材料に茶色の外観を付与することができる。そのような実施形態において、エアロゾル生成材料の色は、エアロゾル生成材料における他の構成成分(タバコ材料等)の色に類似していてもよい。
【0214】
着色剤は、エアロゾル生成材料の形成中に組み込むことができ(例えば、エアロゾル生成材料を形成する材料を含むスラリーを形成するとき)、又はその形成後にエアロゾル生成材料に塗布することができる(例えば、これをエアロゾル生成材料に噴霧することによる)。
【0215】
上記の実施形態のうちの任意のもののうちのいくつかの実施形態において、タルカムパウダー、炭酸カルシウム粉体又は他の粉体がエアロゾル生成材料の少なくとも1つの別個の部分の露出した表面に塗布される。これにより、エアロゾル生成材料の粘着性又は接着性のレベルを低減させることができる。
【0216】
同じ要素が2つ以上の実施形態に存在する添付の図面の以下の論考において、同じ参照符号が全体を通じてその要素について用いられ、類似の要素が存在する場合、類似の参照符号(同じ符号プラス100の倍数)が用いられる。
【0217】
図1を参照すると、エアロゾル供給デバイス2は、ケーシング4を含み、その中にヒータアセンブリ6が位置する。ヒータアセンブリ6は、加熱チャンバ8及びヒータ10から構成される。ヒータ10は、電気抵抗ヒータ、又はサセプタと共に用いるための磁場発生器とすることができる。
【0218】
加熱チャンバ8は、加熱チャンバ8の第1の端部において開口部又は口部12を画定する。加熱チャンバ8の対向する端部にはアパーチャ14がある。アパーチャ14は、導管18を介してマウスピース16と流体連通する。
【0219】
ケーシング4内には、ヒータ10と電子通信し、ヒータ10の機能を制御するコントローラ20も位置する。コントローラ20は、ヒータ10の動作に関する1つ又は複数のテーブルを記憶することができるメモリ(図示せず)を含むことができる。ヒータ10及びコントローラ20は電源22によって給電される。電源22は再充電可能なバッテリである。他の実施形態において、電源は、他の適切な電力源であってもよい。
【0220】
エアロゾル供給デバイス2は、消耗品24と共に用いるのに適している。消耗品24は、支持体28の第1の表面30上に支持されるエアロゾル生成材料26の1つ又は複数の別個の部分から構成される。エアロゾル生成材料26の別個の部分は、方形グリッドパターンで支持体28上で支持される。消耗品24の他の図示されていない実施形態は、エアロゾル生成材料26の単一の部分を含む、図1に示すもの以外のエアロゾル生成材料26おおよそ別個の部分を含むことができ、これらの部分は、任意のパターンで支持体28の表面上で分散させることができる。エアロゾル生成材料26の別個の部分は、図1に適切に概ね円形の形状を有するように示され、他の実施形態では他の形状であってもよい。
【0221】
図2を参照すると、支持体28は3つの基板又は層34、36、38との積層体である。層34は第1の表面30を形成し、アルミニウム箔の層から構成される。消耗品24が用いられているとき、層34はサセプタとしての役割を果たし、エアロゾル生成材料26の別個の部分を加熱することができる。他の図示されていない実施形態において、サセプタ層34は、他のサセプタ材料から形成することができる。この実施形態において、サセプタ層34は不透過性である。
【0222】
支持体28の層36は支持体層であり、消耗品24に、消耗品24が通常使用中に変形又は屈曲しない十分な強度を与えるように存在する。層28は、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)等のカード又はプラスチック材料から形成することができる。層36は他の材料を含んでもよいことが理解されよう。
【0223】
支持体28の層38は、少なくとも1つの送達される物質40の溶媒、すなわち吸収剤又は吸着剤である材料から構成される。送達される物質40は、エアロゾル生成材料26が加熱されるときに生成されるエアロゾル内に含めることが所望され、ユーザがエアロゾル供給デバイス2からパフを吸う物質である。収着剤層38は、支持体48の第2の表面32を形成する。
【0224】
いくつかの実施形態では、送達される物質40は、支持体の第1の表面30上のエアロゾル生成材料26の別個の部分、及び収着剤層38内に拡散することを単純に許可される、送達される物質の場所に対応する第2の表面32上の場所において収着剤層38に塗布される。他の実施形態において、図3を参照すると、支持体28の第2の表面32上で、1つ又は複数の別個のゾーン42が各々境界44(線44によって表される)によって画定される。境界44は、送達される物質40を別個のゾーン42内に保持することを支援する。
【0225】
境界44は、第1のレベルの吸収度/吸着度(X)を有する別個のゾーン42内の収着剤材料と、第2のレベルの吸収度/吸着度(Y)、を有する別個のゾーン42の外側の収着剤材料との界面にあり、XはYよりも大きい。別個のゾーン42の外側の収着剤材料の吸収度/吸着度のレベルYは、その吸収度/吸着度のレベルを下げるためのその収着剤材料の処置の結果である。
【0226】
いくつかの図示されていない実施形態において、別個のゾーン42の境界44は、エアロゾル生成材料26の別個のゾーンと同じ形状であってもよい。いくつかの実施形態において、これらは、エアロゾル生成材料26の別個の部分によって覆われる支持体の第1の表面のエリアと異なる、支持体の第2の表面のエリアを取り囲むことができる。
【0227】
送達される物質40は、香味料、活性物質、香味料の混合物、活性物質の混合物、又は1つ若しくは複数の香味料と1つ若しくは複数の活性物質との混合物のうちの1つを含む。図3に示す消耗品24の1つの実施形態において、各別個のゾーン42において送達される物質40は、各他の別個のゾーン42と同じ組成である。代替的な実施形態において、別個のゾーン42のうちの少なくとも2つにおける送達される物質40は、互いに異なる組成である。
【0228】
1つ又は複数のミシン目46が、支持体28及びエアロゾル生成材料26の別個の部分を通って延びる。これらのミシン目46は、支持体の一方の表面から生成されたエアロゾルが、ミシン目に沿って、支持体の他方の側に進行することができるような寸法にされる。これは、ユーザがエアロゾル供給デバイス2からパフを吸うとき、エアロゾルがマウスピース16を出る前にエアロゾルの混合を達成することを支援することができる。ミシン目46は、少なくとも0.01mm、少なくとも0.05mm、少なくとも0.1mm、少なくとも0.5mm、少なくとも1mm、少なくとも2mm、又は少なくとも3mmの断面積を有してもよい。
【0229】
図2の消耗品24と共に用いるためのエアロゾル供給デバイス2は、1つ又は複数の磁場発生器(図示せず)から構成されるヒータ10を有する。磁場発生器は、各磁場発生器が、エアロゾル生成材料26の別個の部分を支持するサセプタの一部分を独立して加熱することになるようにヒータ10において分散される。これにより、エアロゾル生成材料の1つ又は複数の別個の部分が一度に加熱されることが可能になる。消耗品24が加熱チャンバ口部12を介して加熱チャンバ8内に配置されるとき、エアロゾル生成材料26の各別個の部分は、磁場発生器の上に重なる。コントローラ20は、エアロゾル生成材料26のいずれの別個の単数又は複数の部分が加熱され、適切な単数又は複数の磁場発生器に変動磁場を発生させるかを決定する。これにより、これらの変動磁場と交差するサセプタ層34の単数又は複数の部分が加熱し、ひいてはエアロゾル生成材料26の別個の単数又は複数の部分を加熱する。
【0230】
エアロゾル生成材料26のその又は各別個の部分が加熱される際、サセプタ層34内で生成される熱のいくらかは、支持体層36によってサセプタ層34から離れて収着剤層38内に伝達される。その熱は、エアロゾル生成材料26のその又は各加熱された別個の部分に対応する収着剤層38のその又は各部分に吸収又は吸着される揮発性材料40をエアロゾル化させる。
【0231】
いくつかの図示されていない実施形態において、エアロゾル生成材料26の別個の部分に対応する支持体層36の部分は、これらの部分の熱伝導性を増減させるように変更されてもよい。これにより、収着剤層38の加熱率、及び収着剤層38が加熱される温度が上下することになる。
【0232】
図4及び図5を参照すると、消耗品124は、エアロゾル生成材料26の1つ又は複数の別個の部分が支持される支持体128から構成される。支持体128は、第1及び第2の基板/層34、36との積層体である。第1の層34は、アルミニウム箔の層の形態のサセプタである。
【0233】
支持体128の層36は支持体層であり、消耗品124に、消耗品124が通常使用中に変形又は屈曲しない十分な強度を与えるように存在する。層36は、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)等のカード又はプラスチック材料から形成することができる。層36は他の材料を含んでもよいことが理解されよう。
【0234】
サセプタ層34の不透過性表面上には、エアロゾル生成材料26の1つ又は複数の別個の部分と、収着剤材料50の等しい数の部分とが支持される。収着剤材料50の各部分は、環の形態を有し、収着剤材料50の各部分は、支持体128の第1の表面の平面内でエアロゾル生成材料26の別個の部分を取り囲むような位置で支持体128の第1の表面30上に支持される。
【0235】
収着剤材料50の各部分は、収着剤材料に吸収/吸着された少なくとも1つの物質を含む。収着剤材料に吸収/吸着される、送達される物質は、収着剤材料50の部分のうちの1つ又は複数について異なり得る。
【0236】
消耗品124は、図2及び図3の消耗品24と類似の形式で用いられるが、収着剤材料50の部分の加熱は、サセプタ34及び/又はエアロゾル生成材料26の別個の部分からの直接伝導によるものである点が異なる。
【0237】
図6を参照すると、消耗品224は、エアロゾル生成材料26の1つ又は複数の別個の部分が支持される支持体228から構成される。支持体228は、第1及び第2の基板/層34、36との積層体である。第1の層34は、アルミニウム箔の層の形態のサセプタである。
【0238】
支持体128の層36は支持体層であり、消耗品224に、消耗品224が通常使用中に変形又は屈曲しない十分な強度を与えるように存在する。層36は、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)等のカード又はプラスチック材料から形成することができる。層36は他の材料を含んでもよいことが理解されよう。
【0239】
サセプタ層34の不透過性の第1の表面30上には、エアロゾル生成材料26の1つ又は複数の別個の部分が支持される。収着剤材料150の1つ又は複数の部分が、第1の表面30上のエアロゾル生成材料26の別個の位置に対応する位置において第2の表面32上に支持される。収着剤材料150の部分の数は、エアロゾル生成材料26の別個の部分の数に等しい。収着剤材料150の各部分は、エアロゾル生成材料26の別個の部分と同じ形状を有し、この部分よりも大きなエリアを覆う。
【0240】
収着剤材料150の各部分は、収着剤材料に吸収/吸着された少なくとも1つの物質を含む。収着剤材料110の少なくとも1つの部分に吸収/吸着される、送達される物質は、収着剤材料150の他の部分と異なっていてもよい。
【0241】
消耗品224は、図2及び図3の消耗品24と類似の形式で用いられる。
【0242】
図7を参照すると、消耗品324は、エアロゾル生成材料26の1つ又は複数の別個の部分が支持される支持体328から構成される。支持体328は、第1及び第2の基板/層36、38との積層体である。支持体328の第1の層36は支持体層であり、消耗品324に、消耗品324が通常使用中に変形又は屈曲しない十分な強度を与えるように存在する。層36は、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)等のカード又はプラスチック材料から形成することができる。層36は他の材料を含んでもよいことが理解されよう。
【0243】
支持体328の第2の層38は収着剤材料の層である。第2の層38は、支持体328の第1の表面30を形成する。
【0244】
収着剤層38の収着剤表面上には、エアロゾル生成材料26の1つ又は複数の別個の部分が支持される。収着剤層38は、ライン344によって表される境界を有する1つ又は複数の別個のゾーン342を含む。別個のゾーン342は、エアロゾル生成材料26の別個の部分の数と等しい数であり、各別個のゾーン342は、支持体328の第1の表面の平面においてエアロゾル生成材料26の別個の部分を取り囲む。
【0245】
境界344は、第1のレベルの吸収度/吸着度(X)を有する別個のゾーン342内の収着剤材料と、第2のレベルの吸収度/吸着度(Y)、を有する別個のゾーン342の外側の収着剤材料との界面にあり、XはYよりも大きい。別個のゾーン342の外側の収着剤材料の吸収度/吸着度のレベルYは、その吸収度/吸着度のレベルを下げるための処置の結果である。
【0246】
各別個のゾーン342は、別個のゾーンの収着剤材料に吸収/吸着される、少なくとも1つの送達される物質を含む。収着剤材料に吸収/吸着される、送達される物質は、別個のゾーン342のうちの1つ又は複数について、他の別個のゾーン342に対し異なり得る。
【0247】
消耗品324は、消耗品324の加熱が抵抗ヒータによるものであるという例外を除いて、図2及び図3の消耗品24と類似の形式で用いられる。抵抗ヒータは、エアロゾル生成材料26の個々の別個の部分が加熱されることを 可能にするために、一度に1つ加熱され得る1つ又は複数の別個のゾーンを含むことができる。
【0248】
図7の消耗品324の図示されていない更なる実施形態において、支持体は収着剤材料38の単一のシートであってもよい。この実施形態の詳細の残りの部分は、図7の実施形態に関するものである。
【0249】
図8を参照すると、消耗品424は、支持体428から構成される。支持体428の第1の面30上に、エアロゾル生成材料26の1つ又は複数の別個の部分が支持される。支持体428は、収着剤材料から形成される。消耗品424は、外部加熱源(図示せず)、例えば、放射熱を発する抵抗ヒータを用いて加熱されるように適合される。
【0250】
送達される物質40が、エアロゾル生成材料26の別個の部分に対応する第2の面32の領域において支持体428の第2の面32に吸収又は吸着される。エアロゾル生成材料26の別個の部分、支持体428及び送達される物質40を通じて、1つ又は複数のミシン目446が延びる。
【0251】
図9を参照すると、消耗品の概略的な製造方法が示され、方法は、以下のステップを含む。
【0252】
サセプタ層34、支持体層36及び収着剤層38を含む支持体28がステップ60において用意される。
【0253】
ステップ62において、エアロゾル生成材料のための溶媒及び1つ又は複数の所望の活性物質を含むエアロゾル生成材料のスラリーが用意される。
【0254】
ステップ64において、エアロゾル生成材料26のスラリーが、支持体28の表面30、32上の1つ又は複数のエリアに塗布される。
【0255】
ステップ66において、塗布されるスラリーは、支持体の表面上にエアロゾル生成材料の固体又はゲルを形成するように乾燥される。乾燥プロセスは、エアロゾル生成材料の溶媒が周囲条件において蒸発することを可能にすることであり得る。代替的に、乾燥プロセスは、溶媒の蒸発を促進するためにエアロゾル生成材料がエアロゾル化を開始する温度未満の温度までスラリーを加熱することによって加速することができる。加熱は、誘導又は放射加熱方法によるものとすることができる。代替的に又は更に、ステップ66は、エアロゾル生成材料からの溶媒の蒸発を促進するために、エアロゾル生成材料にわたってエアロゾル生成材料を高気流量に曝すことを含むことができる。
【0256】
ステップ66は、エアロゾル生成材料のスラリー内にいくつかの所望の活性成分が存在する場合に、これらの活性成分を、乾燥が完了すると、残りのエアロゾル生成材料が所望の量のこれらの活性成分を含まないほど十分な速度でエアロゾル生成材料から蒸発させる技法を含むことができる。
【0257】
ステップ66が完了すると、ステップ68において、エアロゾル生成材料のスラリーを更に塗布することが必要とされるか否かを決定することができる。ステップ68における質問に対する回答が「はい」である場合、ステップ64~68が繰り返される。スラリーの第2の又は後続の塗布は、第1の用途と同じスラリーの塗布、少なくとも第1の塗布と異なる組成のスラリーの塗布であってもよい。
【0258】
ステップ68における質問に対する回答が「いいえ」になると、ステップ70において、1つ又は複数の送達される物質40が収着剤材料38に塗布される。これらの送達される物質は、高い揮発性を有していてもよい。しかしながら、これらは乾燥ステップ66の条件を受けず、このため、吸着エリアに塗布される必要がある物質の量は、乾燥ステップ66を受ける場合よりも大幅に少なくすることができる。送達される物質は、収着剤材料38の表面に塗布され、次に収着剤材料38への吸収又は吸着が続く。
【0259】
ステップ72において、少なくとも、支持体28はミシン目手段によって穿孔される。
【0260】
ステップ74において、支持体は、使用、又はユーザに販売するための包装及び流通の準備ができた2つ以上の個々の消耗品に切断される。
【0261】
図10を参照すると、消耗品の第2の概略的な製造方法が示され、方法は、以下に記載のステップを含む。図7の方法と同じこれらのステップは、同じ参照符号を有し、以下に再び説明されない。
【0262】
支持体層36を含む支持体28がステップ76において用意される。
【0263】
ステップ62~68は、図9の製造方法の通りである。
【0264】
ステップ68における質問に対する回答が「no」になると、ステップ78において、収着剤材料50、150の1つ又は複数の部分が支持体28に固定される。収着剤材料は、予備成形された支持体に、収着剤材料50、150の一部分に既に吸収/吸着された1つ又は複数の送達される物質40と共に塗布することができる。代替的に、収着剤材料50、150の一部分は、支持体に固定された後、収着剤材料50、150の部分に塗布される、送達される物質を有することができる。この代替において、送達される物質は、次に、吸収又は吸着されることが可能になる。
【0265】
ステップ72及び74がステップ78に続く。
【0266】
図11を参照すると、消耗品の第3の概略的な製造方法が示され、方法は、以下に記載のステップを含む。図9又は図10の方法と同じこれらのステップは、同じ参照符号を有し、以下に再び説明されない。
【0267】
ステップ76には、ステップ62及び64が続く。
【0268】
ステップ80において、乾燥して収着剤材料50、150を形成するペーストが支持体28に塗布されるか否かが決定される。
【0269】
ステップ80に対する回答が「はい」である場合、ステップ82においてそのペーストが提供され、支持体に塗布される。次に、プロセスが乾燥ステップ66に移る。
【0270】
ステップ80に対する回答が「いいえ」である場合、プロセスは乾燥ステップ66に移る。
【0271】
次に、ステップ68、70、72及び74が続く。
【0272】
本開示の結果である消耗品は、送達される物質が、消耗品の製造後の少なくとも90日間にわたって実質的に一貫した風味の大きさ(flavour amplitude)を維持することがわかっている点で有利な保管特性を有することがわかっている。
【0273】
シトラス系香料組成物の形態で送達される物質の長期の風味の大きさの検査が行われた。試験において、アルミニウム箔の層と重ね合わされたカード支持体を含む消耗品が製造された。アルミニウムの層によって形成される支持体の面上に、エアロゾル生成材料の層(結合剤及びエアロゾル形成剤(グリセロール)から構成される)が塗布され、エアロゾル設定材料の固化が可能にされた。エアロゾル生成材料が固化すると、ピペットを用いて、予め定められた加熱ゾーンに対応する位置においてカードから形成された消耗品の面に0.34mgのシトラス系香料の組成物が塗布された。消耗品は、予め定められた加熱ゾーンにおいて加熱されることになる。
【0274】
シトラス系香料組成物を消耗品に塗布した後、5つの期間(T)にサンプルの主観的評価が行われた。
【0275】
期間Tにおいて評価を行うために、以下の手順に従った。
【0276】
期間Tの2日前に、試験サンプルを作製するのに用いられるのと同じ技法及び支持体を用いて制御サンプルが作製された。
【0277】
期間Tにおいて、ヒータ、チャンバ(加熱時にエアロゾルが形成される)、及びマウスピースを備えるエアロゾル供給デバイスを用いて、試験消耗品上の予め定められた加熱ゾーンのうちの1つが加熱された。次に、試験者は、マウスピースから出て受けられたエアロゾルの官能評価を行った。これは、エアロゾル供給デバイスが清掃された後、制御サンプルを用いて繰り返された。
【0278】
評価結果が以下の表1に示される。
【0279】
【表1】
【0280】
表1から見てとることができるように、90日の研究にわたって最小限の香料損失しかない。
【0281】
表2に示すような様々な香料に対する消費者の反応の研究が行われた。
【0282】
【表2】
【0283】
次に、サンプルが上記のように加熱され、生成されたエアロゾルが試験者によってサンプリングされた。香料は、紙巻きタバコよりも香料においてより清潔であり、灰状の又は燃えたオフノートを含まないことがわかった。
【0284】
また、試験者は、吸入したエアロゾルを吐き出す際、紙巻きタバコの場合よりも低いレベルの視認可能なエアロゾル/粒子が存在し、試験後に、試験室内に香りがほとんど残らなかったことがわかった。
【0285】
本明細書に記載されている様々な実施形態は、特許請求される特徴の理解及び教示を支援するためにのみ提示されている。これらの実施形態は、実施形態の代表的なサンプルとしてのみ与えられており、網羅的なもの及び/又は排他的なものではない。本明細書に記載されている利点、実施形態、実施例、機能、特徴、構造、及び/又は他の態様は、特許請求の範囲によって規定される本発明の範囲に対する限定又は特許請求の範囲の均等物に対する限定と考えられるべきではないこと、並びに、特許請求される発明の範囲から逸脱することなく、他の実施形態が利用されてもよく、修正が行われてもよいことを理解されたい。本発明の様々な実施形態は、本明細書に特定的に記載されているもの以外の、開示されている要素、構成要素、特徴、部分、ステップ、手段等の好適な組合せを好適に含むことができるか、これらの組合せからなることができるか、又は本質的にこれらの組合せからなることができる。加えて、本開示は、本明細書において特許請求されないが、将来的に特許請求される可能性がある他の発明を含む場合がある。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【国際調査報告】