(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-16
(54)【発明の名称】ファンアセンブリ及び空調機
(51)【国際特許分類】
F04D 29/44 20060101AFI20240509BHJP
【FI】
F04D29/44 V
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023572945
(86)(22)【出願日】2022-04-28
(85)【翻訳文提出日】2023-11-24
(86)【国際出願番号】 CN2022089939
(87)【国際公開番号】W WO2023279817
(87)【国際公開日】2023-01-12
(31)【優先権主張番号】202121538970.9
(32)【優先日】2021-07-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517416385
【氏名又は名称】広東美的暖通設備有限公司
【氏名又は名称原語表記】GD MIDEA HEATING & VENTILATING EQUIPMENT CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Penglai Industry Road,Beijiao,Shunde Foshan,Guangdong 528311,China
(71)【出願人】
【識別番号】523296704
【氏名又は名称】合肥美的暖通▲設▼▲備▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】HEFEI MIDEA HEATING & VENTILATING EQUIPMENT CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No. 88, Chuangxin Avenue, Boyan Science Park, High-Tech Zone, Hefei City, Anhui 230088, CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100205785
【氏名又は名称】▲高▼橋 史生
(74)【代理人】
【識別番号】100203297
【氏名又は名称】橋口 明子
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【氏名又は名称】小林 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100135301
【氏名又は名称】梶井 良訓
(72)【発明者】
【氏名】▲ウェイ▼ 福▲権▼
(72)【発明者】
【氏名】▲呉▼ 彦▲東▼
(72)【発明者】
【氏名】▲馬▼ ▲麗▼▲華▼
【テーマコード(参考)】
3H130
【Fターム(参考)】
3H130AA13
3H130AB12
3H130AB26
3H130AB45
3H130AC11
3H130BA14A
3H130CA10
3H130EA02A
3H130EA06A
3H130EA07A
3H130EA08A
3H130EB01A
3H130EB04A
3H130EB05A
(57)【要約】
本出願はファンアセンブリ及び空調機を提供し、ファンアセンブリは、ケーシング本体とケーシング本体の開口箇所に接続された渦巻舌とを含む渦巻ケーシングと、ケーシング本体内に少なくとも部分的に設置されたウインドホイールを含み、渦巻舌は、拡流部と過流部とを含み、ウインドホイールの軸方向に沿って、過流部は拡流部の両側に位置し、かつ、過流部は拡流部よりも高い。本出願は渦巻ケーシングの形状に対して最適化を行い、渦巻舌は協働して使われる過流部と拡流部とを含み、過流部の位置における気流の流速を減少させ、ファンアセンブリの出風の均一性を保証し、ファンアセンブリの運転性能を効果的に向上させた。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ファンアセンブリであって、
ケーシング本体と前記ケーシング本体の開口箇所に接続された渦巻舌とを含む渦巻ケーシングと、
前記ケーシング本体内に少なくとも部分的に設置されたウインドホイールと、を含み、
前記渦巻舌は、拡流部と過流部とを含み、前記ウインドホイールの軸方向に沿って、前記過流部は前記拡流部の両側に位置し、かつ、前記過流部は前記拡流部よりも高いことを特徴とするファンアセンブリ。
【請求項2】
前記渦巻舌は、舌本体をさらに含み、前記舌本体には、前記拡流部と前記過流部とが設けられ、前記拡流部は、前記舌本体に凹んで設けられていることを特徴とする請求項1に記載のファンアセンブリ。
【請求項3】
前記ウインドホイールの軸方向に沿って、前記拡流部の中間部の深さが両端部の深さよりも大きいことを特徴とする請求項2に記載のファンアセンブリ。
【請求項4】
前記ウインドホイールの軸方向に沿って前記拡流部を切り取る場合、前記拡流部は1つの円弧を含み、または複数の接続された円弧を含むことを特徴とする請求項3に記載のファンアセンブリ。
【請求項5】
前記渦巻ケーシングの出風方向において、前記拡流部の高さは徐々に高くなっていることを特徴とする請求項2から4のいずれか1項に記載のファンアセンブリ。
【請求項6】
前記ウインドホイールの径方向に沿って前記拡流部を切り取る場合、前記拡流部は直線を含み、前記直線と水平面との間の第1夾角が8°より大きく12°以下であり、または、
前記ウインドホイールの径方向に沿って前記拡流部を切り取る場合、前記拡流部は円弧線を含み、前記円弧線の前記ウインドホイールに近い一端における接線と水平面との間の第2夾角が8°より大きく12°以下であることを特徴とする請求項5に記載のファンアセンブリ。
【請求項7】
前記ウインドホイールの径方向に沿って、前記拡流部は前記ケーシング本体の内壁に結合され、または、
前記ウインドホイールの径方向に沿って、前記拡流部と前記ケーシング本体の内壁との間にフィレットが設けられていることを特徴とする請求項5に記載のファンアセンブリ。
【請求項8】
前記拡流部の最大深さと前記渦巻舌の軸方向寸法との比は、0.05以上0.1以下であることを特徴とする請求項2に記載のファンアセンブリ。
【請求項9】
前記渦巻舌は、前記過流部に設置され且つ前記拡流部の両側に位置する凹台をさらに含むことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のファンアセンブリ。
【請求項10】
前記ウインドホイールの軸方向に沿って、前記渦巻ケーシングの入風口は、前記ウインドホイールの両側に位置し、
前記ファンアセンブリは前記渦巻ケーシングの入風口に設置された集流器をさらに含むことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のファンアセンブリ。
【請求項11】
請求項1~10のいずれか1項に記載のファンアセンブリを含む、空調機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2021年07月07日に中国国家知的財産局に提出された、出願番号が「202121538970.9」で、出願の名称が「ファンアセンブリ及び空調機」である中国特許出願の優先権を主張し、その全内容が引用により本出願に組み込まれている。
【0002】
本出願は、ファンの技術分野に関するものであり、具体的には、ファンアセンブリ及び空調機に関するものである。
【背景技術】
【0003】
ファンアセンブリは空調機のコア部品であり、その性能の優劣は空調機のサイズ、性能及び音の品質を決定する。関連技術では、ファンアセンブリの出風口での吹出風速が異なる(中間部の流速は周側の流速より大きい)ため、ファンアセンブリおよび空調機の騒音が大きくなり、ファンの送風効率に影響を与える。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本出願は、先行技術に存在する技術的課題の少なくとも1つを解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
このために、本出願の第1方面では、ファンアセンブリが提供される。
【0006】
本出願の第2方面では、空調機が提供される。
【0007】
本出願の第1方面は、ケーシング本体とケーシング本体の開口箇所に接続された渦巻舌とを含む渦巻ケーシングと、ケーシング本体内に少なくとも部分的に設置されたウインドホイールと、を含み、渦巻舌は、拡流部と過流部とを含み、ウインドホイールの軸方向に沿って、過流部は拡流部の両側に位置し、かつ、過流部は拡流部よりも高いファンアセンブリを提供する。
【0008】
本出願で提案されたファンアセンブリは渦巻ケーシングとウインドホイールとを含む。そのうち、渦巻ケーシングは、ケーシング本体と前記ケーシング本体の開口箇所に接続された渦巻舌とを含み、ウインドホイールは、ケーシング本体内に少なくとも部分的に設置されている。ファンアセンブリの運転中に、ウインドホイールが回転して外部からケーシング本体内に気流を吸い込むことができ、気流はウインドホイールによって加圧された後、渦巻舌を通って排出される。
【0009】
特に、ファンアセンブリの運転中に、ウインドホイールから流出される気流の分布は不均一であり、ウインドホイールの軸方向において、中間部の位置に近いほど風量が大きくなり、風量が大きいところほど気流の流速もそれに応じて速くなる。そのため、本出願は、渦巻舌の形状を最適化し、渦巻舌は、拡流部と過流部とを含み、拡流部の相対位置が低くなるように、過流部が拡流部よりも高く設定されることを保証する。このように、過流部の位置における過流面積を効果的に拡大することができ、ひいては過流部の位置における気流の流速を減少させることができ、ファンアセンブリの全体的な流速を比較的均一にすることができる。
【0010】
また、ウインドホイールの軸方向に沿って、過流部が拡流部の両側に位置し、拡流部が中間部に位置するようにして、拡流部と過流部との分布が、ウインドホイールから流出する気流量分布にマッチングするように位置することを保証する。拡流部は、その位置での過流面積を増加させ、さらにその位置での気流流速を減少させるために使用できるように、過流部よりも低く配置されている。このようにして、上記過流部と拡流部との協働により、ファンアセンブリの出風の均一性が保証される。
【0011】
このようにして、同じ作動音の場合、本出願で提案されたファンアセンブリは、より多くの風量を送り出すことができ、より広い空間の空調を満たすことができる。これに対応して、同じ風量の場合、本出願で提案されたファンアセンブリは、より低い作動音を有し、ファンアセンブリの快適性を向上させる。これに対応して、同じ風量および同じ作動音の場合、本出願で提案されたファンアセンブリは、より小さい体積を有し、より低いコストまたはより多様な取付スペースの要求を満たすことができる。
【0012】
従って、本出願は渦巻ケーシングの形状に対して最適化を行い、渦巻舌は協働して使われる過流部と拡流部とを含み、過流部の位置における気流の流速を減少させ、ファンアセンブリの出風の均一性を保証し、ファンアセンブリの運転性能を効果的に向上させる。
【0013】
本出願の上述の技術案のファンアセンブリによれば、以下の追加の技術的特徴をさらに備えることができる。
【0014】
上記の技術案において、渦巻舌は、舌本体をさらに含み、舌本体には、拡流部と過流部とが設けられ、拡流部は、舌本体に凹んで設けられている。
【0015】
いくつかの可能な設計案では、ウインドホイールの軸方向に沿って、拡流部の中間部の深さが両端部の深さよりも大きい。
【0016】
いくつかの可能な設計案では、ウインドホイールの軸方向に沿って拡流部を切り取る場合、拡流部は1つの円弧を含み、または複数の接続された円弧を含む。
【0017】
いくつかの可能な設計案では、ウインドホイールの軸方向に沿って拡流部を切り取る場合、拡流部の高さは、拡流部の中間部から両端部に向かって同期的に上昇する。
【0018】
いくつかの可能な設計案では、渦巻ケーシングの出風方向において、拡流部の高さは徐々に高くなっている。
【0019】
いくつかの可能な設計案では、ウインドホイールの径方向に沿って拡流部を切り取る場合、拡流部は直線を含み、直線と水平面との間の第1夾角が8°より大きく12°以下である。
【0020】
いくつかの可能な設計案では、ウインドホイールの径方向に沿って拡流部を切り取る場合、拡流部は円弧線を含み、円弧線のウインドホイールに近い一端における接線と水平面との間の第2夾角が8°より大きく12°以下である。
【0021】
いくつかの可能な設計案では、拡流部はケーシング本体104の内壁に結合される。
【0022】
いくつかの可能な設計案では、拡流部とケーシング本体104の内壁との間にフィレットが設けられている。
【0023】
いくつかの可能な設計案では、拡流部の最大深さと渦巻舌の軸方向寸法との比は、0.05以上0.1以下である。
【0024】
いくつかの可能な設計案では、渦巻舌は、過流部に設置され且つ拡流部の両側に位置する凹台をさらに含む。
【0025】
いくつかの可能な設計案では、ウインドホイールの軸方向に沿って、渦巻ケーシングの入風口は、ウインドホイールの両側に位置し、ファンアセンブリは渦巻ケーシングの入風口に設置された集流器をさらに含む。
【0026】
いくつかの可能な設計案では、渦巻ケーシングは、お互いに接続された第1ケーシングと第2ケーシングとを含み、第1ケーシングには、拡流部と過流部とが設けられている。
【0027】
本出願の第2方面では上記のいずれの技術案におけるファンアセンブリを含む空調機が提案される。
【0028】
本出願で提案された空調機は上記のいずれの技術案におけるファンアセンブリを含む。したがって、上述の技術方案のファンアセンブリのすべての有益な効果を有し、ここでは割愛する。
【0029】
本出願の追加の方面および利点は、以下の説明の部分で明らかになるか、または本出願の実施によって理解されるであろう。
【0030】
本出願の上記のおよび/または追加の方面および利点は、以下の添付図面に関連した実施例の説明から明らかであり、理解しやすくなる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】本出願の一実施例に係るファンアセンブリ(ウインドホイール隠し)の構造模式図である。
【
図2】
図1に示すファンアセンブリの側面図である。
【
図3】
図1に示すファンアセンブリの断面図である。
【
図4】
図1に示すファンアセンブリにおける第1ケーシングの構造模式図である。
【
図6】
図4に示す第1ケーシングのA箇所の一部拡大図である。
【
図7】
図5に示す第1ケーシングのB箇所の一部拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
本出願の上述の目的、特徴及び利点をより明確に理解するために、以下、添付の図面および特定の実施例に関連して、本出願についてさらに詳細に説明する。なお、矛盾しない限り、本出願の実施例および実施例中の特徴は相互に結合されてもよい。
【0033】
以下の説明では、本出願を十分に理解するために多くの具体的な詳細を説明しているが、本出願は、ここに記載された方法とは異なる他の方法で実施することもできる。そのため、本出願の保護の範囲は、以下に開示される具体的な実施例によって制限されていない。
【0034】
以下に、
図1~
図7を参照して、本出願のいくつかの実施例で提供されたファンアセンブリおよび空調機について説明する。
図3中の点線矢印は、渦巻ケーシング102の出風方向を示している。
図2及び
図4中の一点鎖線L1は基準面L1を示し、
図7中の直線L2は水平面を示し、
図4中の一点鎖線Oが示す方向はウインドホイールの軸方向である。
【0035】
図1、
図2および
図3に示すように、本出願の一実施例は、渦巻ケーシング102とウインドホイール(図示せず)とを含むファンアセンブリを提案する。
【0036】
そのうち、
図3に示すように、渦巻ケーシング102は、ケーシング本体104と、ケーシング本体104の開口箇所に接続された渦巻舌112と、を含み、ウインドホイールの少なくとも一部がケーシング本体104内に設置され、ファンアセンブリの運転中に、ウインドホイールが回転して外部からケーシング本体104内に気流を吸い込むことができ、気流はウインドホイールによって加圧された後に排出される。
【0037】
特に、ファンアセンブリの運転中に、ウインドホイールから流出される気流の分布は不均一であり、ウインドホイールの軸方向において、中間部の位置に近いほど風量が大きくなり、風量が大きいところほど気流の流速もそれに応じて速くなる。そのため、
図4、
図5および
図6に示すように、本実施例は、渦巻ケーシング102の形状を最適化し、渦巻舌112は、協働して使われる過流部110と拡流部108とを含み、拡流部108の相対位置が低くなるように、過流部110が拡流部108よりも高く設定されることを保証する。このようにして、渦巻舌112において過流部110の位置における過流面積を効果的に拡大することができ、ひいては過流部110の位置における気流の流速を減少させることができ、ファンアセンブリの全体的な流速を比較的均一にすることができる。
【0038】
また、
図4、
図5および
図6に示すように、ウインドホイールの軸方向に沿って、過流部110が拡流部108の両側に位置し、拡流部108が中間部に位置するようにして、拡流部108と過流部110との分布がウインドホイールから流出する気流量分布にマッチングするように位置することを保証する。拡流部108は、その位置での過流面積を増加させ、さらにその位置での気流流速を減少させるために使用できるように、過流部110よりも低く配置されている。このようにして、上記過流部110と拡流部108との協働により、ファンアセンブリの出風の均一性が保証される。
【0039】
このようにして、同じ作動音の場合、本実施例で提案されたファンアセンブリは、より多くの風量を送り出すことができ、より広い空間の空調を満たすことができる。これに対応して、同じ風量の場合、本実施例で提案されたファンアセンブリは、より低い作動音を有し、ファンアセンブリの快適性を向上させる。これに対応して、同じ風量および同じ作動音の場合、本実施例で提案されたファンアセンブリは、より小さい体積を有し、より低いコストまたはより多様な取付スペースの要求を満たすことができる。
【0040】
従って、本実施例は渦巻ケーシング102の形状に対して最適化を行い、渦巻舌112は協働して使われる過流部110と拡流部108とを含み、過流部110の位置における気流の流速を減少させ、ファンアセンブリの出風の均一性を保証し、ファンアセンブリの運転性能を効果的に向上させた。
【0041】
本出願の第2実施例は、第1実施例に基づいて以下のようなファンアセンブリをさらに提案する。
【0042】
図4および
図6に示すように、渦巻舌112は、ケーシング本体104の開口箇所に接続された舌本体106をさらに含み、拡流部108および過流部110がいずれも舌本体106に設けられている。
【0043】
また、過流部110は、舌本体106の内壁に面一に設けられ、ファンアセンブリの運転中に、舌本体106の内壁を介して気流を直接導流及び分流し、ウインドホイールによって加圧された後の気流が過流部110を通過して最終的に排出されるようになっている。具体的には、舌本体106の内壁は、上記過流部110を画定している。
【0044】
また、拡流部108は、舌本体106に凹んで設けられている。このようにして、拡流部108が過流部110よりも低く配置されることが保証され、すなわち、拡流部108が位置する位置の過流面積が、過流部110が位置する位置の過流面積よりも大きくなり、さらに、拡流部108が位置する位置の気流の流速がある程度低下し、さらに、拡流部108が位置する位置の気流の流速と過流部110が位置する位置の気流の流速とが一致することが保証され、ファンアセンブリ全体の均等な送風が実現される。具体的には、舌本体106の内部には凹溝が設けられており、この窪みによって上記拡流部108が画成されている。
【0045】
本実施例における渦巻舌112の構造は簡単であり、渦巻舌112およびファンアセンブリ全体の構造を簡素化することができ、同時に渦巻舌112およびファンアセンブリ全体の製造を容易にすることができる。また、窪みの拡流部108は、その位置での風抵抗をさらに低減することができる。これにより、同じ風量の場合、より高い静圧によって渦巻ケーシング102内の抵抗を克服することができるとともに、渦巻ケーシング102内で風量分布をより均一かつ合理的にすることができる。
【0046】
また、渦巻ケーシング102の出風方向に沿って、拡流部108とケーシング本体104とを直接結合してもよいし、拡流部108とケーシング本体104との間にフィレットを設け、さらにこのフィレットを介して拡流部108とケーシング本体104とを結合してもよい。上記の二つの方法は、いずれも拡流部108とケーシング本体104の内壁との間の滑らかな接続が保証される。
【0047】
本出願の第3実施例は、第2実施例に基づいて以下のようなファンアセンブリをさらに提案する。
【0048】
図2及び
図4に示すように、ウインドホイールの軸方向に沿って、拡流部108の中間部の深さが両端部の深さよりも大きい。具体的には、ウインドホイールの軸方向両端面までの距離が等しい平面を基準面L1とし、ウインドホイールの軸方向に沿って拡流部108の中心を基準面L1上に位置させ、ウインドホイールの軸方向に沿って基準面L1から両側に至って拡流部108の中間部の深さを両端部の深さよりも大きくする。具体的には、拡流部108の深さは、拡流部108の窪み深さである。
【0049】
本実施例では、ウインドホイールの軸方向に沿って、拡流部108の中間部の深さが両端部の深さよりも大きくなるように拡流部108の深さを最適化する。これにより、ウインドホイールの軸方向に沿って、拡流部108の深さが、中心から両側に向かって徐々に小さくなるので、ウインドホイールの軸方向に沿って、拡流部108の拡流効果が徐々に小さくなる。すなわち、ウインドホイールの軸方向に沿って、拡流部108の中間部から両側位置に至って過流面積が徐々に減少している。
【0050】
特に、ファンアセンブリの運転中に、ウインドホイールの軸方向に沿って基準面L1での風量が最大となり、基準面L1から両側に向かう風量が徐々に減少する。そのため、本実施例では、渦巻舌112に拡流部108を設けた上で、拡流部108の深さを、その位置での風量にマッチングするようにさらに最適化し、基準面L1で拡流部108の深さを最大にし、両側で深さを徐々に減少させることが保証される。これにより、拡流部108の位置における気流の流速を一致させることを保証することができる。
【0051】
この実施例では、さらに、
図4に示されるように、ウインドホイールの軸方向に沿って拡流部108を切り取る場合、拡流部108は1つの円弧を含み、または複数の接続された円弧を含むことができる。これにより、基準面L1の深さが徐々に増加または減少し、基準面L1がウインドホイールの軸方向に滑らかな状態にあることが保証され、一方で、拡流部108の全体的構造の調和が保証され、他方で、拡流部108が渦巻ケーシング102内で風抵抗を生じることがないことが保証され、ファンアセンブリの送風効率が保証される。
【0052】
本実施例では、さらに、
図4に示すように、ウインドホイールの軸方向に沿って拡流部108を切り取る場合、拡流部108の高さは、拡流部108の中間部から両端部に向かって同期的に上昇する。すなわち、ウインドホイールの軸方向に沿って拡流部108を切り取る場合、拡流部108は基準面L1に対して対称に設置される。
【0053】
特に、ファンアセンブリの運転中に、ウインドホイールから流出する気流は、基準面L1から両側に向かって徐々に小さくなり、風量の多少は、その位置から基準面L1までの距離に対して負の相関を有する。そのため、本実施例では、風量の分布規則に応じて拡流部108の形状を最適化することで、ウインドホイールの軸方向に沿って拡流部108を切り取る場合、拡流部108は基準面L1に対して対称に設置されることが保証される。すなわち、拡流部108の形状が風量分布にマッチングすることが保証され、基準面L1がウインドホイールの軸方向に滑らかな状態にあることが保証され、一方で、拡流部108の全体的な構造の調和が保証され、他方で、拡流部108が渦巻ケーシング102内で風抵抗を生じることがないことが保証され、ファンアセンブリの送風効率が保証される。
【0054】
本出願の第4実施例は、第2実施例に基づいて以下のようなファンアセンブリをさらに提案する。
【0055】
図5及び
図7に示すように、拡流部108がケーシング本体104の内壁の一端に接続されており、それは拡流部108が舌本体106の内壁の一端に接続されたことよりも低い。すなわち、渦巻ケーシング102の出風方向に沿って、拡流部108の高さは徐々に高くなっている。
【0056】
このように、拡流部108の高さを最適化することにより、拡流部108と渦巻舌112の内壁との滑らかな接続が保証される。このようにして、ファンアセンブリの運転中に、気流がケーシング本体104からスムーズに流出することが保証され、気流が拡流部108を通過する際に円滑に移行する状態にあることが保証される。
【0057】
本出願の第5実施例は、第4実施例に基づいて以下のようなファンアセンブリをさらに提案する。
【0058】
図5及び
図7に示すように、空調機の取付完了後に、渦巻ケーシング102の出風口124を水平に設置する。このうち、ウインドホイールの径方向に沿って拡流部108を切り取る場合、拡流部108は、直線を含んでいる。また、この直線と水平面L2との間の第1夾角が8°より大きく12°以下である。すなわち、渦巻ケーシング102の出風方向に沿って、拡流部108の壁面と送風方向との間に8°~12°の傾斜角が存在することが保証され、拡流部108のケーシング本体104に向かう一側の位置が低いことが保証される。
【0059】
このようにして、ファンアセンブリの運転中に、ウインドホイールによって加圧された気流は、まず、拡流部108および過流部110が位置する位置に向かって流れる。拡流部108の壁面と水平面L2との間には8°~12°の傾斜角度があるため、気流が拡流部108に向かってスムーズに流すことができる。また、拡流部108は過流部110よりも低いため、拡流部108を流れる気流の流速が低下し、過流部110を流れる気流の流速とマッチングすることが保証される。これにより、まず、ファンアセンブリ全体の送風速度が均一であることが保証され、次に、気流が拡流部108を円滑かつ効率的に流れることが保証され、ファンアセンブリの作動音を低減し、ファンアセンブリの送風効率を向上させることができる。
【0060】
具体的な実施例では、第1夾角θは8°、9°、10°、11°、12°などであってもよいが、ここでは具体的に限定するものではなく、騒音低減と送風効率の向上とが達成できるものであれば、いずれも実現可能であることは当業者にも理解可能である。
【0061】
本出願の第6実施例は、第4実施例に基づいて以下のようなファンアセンブリをさらに提案する。
【0062】
空調機の取付完了後に、渦巻ケーシング102の出風口124を水平に設置する。このうち、ウインドホイールの径方向に沿って拡流部108を切り取る場合、拡流部108は、円弧線(図面ではこの実施例を図示せず)を含んでいる。また、この円弧線のウインドホイールに近い一端における接線と水平面L2との間に第2夾角を有し、第2夾角は、8°より大きく12°以下である。すなわち、渦巻ケーシング102の出風方向に沿って、拡流部108の壁面と送風方向との間に8°~12°の傾斜角が存在することが確保され、拡流部108のケーシング本体104に向かう一側の位置が低いことが確保される。
【0063】
このようにして、ファンアセンブリの運転中に、ウインドホイールによって加圧された気流は、まず、拡流部108および過流部110が位置する位置に向かって流れる。拡流部108の壁面と水平面L2との間には8°~12°の傾斜角度があるため、気流が拡流部108に向かってスムーズに流すことができる。また、拡流部108は過流部110よりも低いため、拡流部108を流れる気流の流速が低下し、過流部110を流れる気流の流速とマッチングすることが保証される。これにより、まず、ファンアセンブリ全体の送風速度が均一であることが保証され、次に、気流が拡流部108を円滑かつ効率的に流れることが保証され、ファンアセンブリの作動音を低減し、ファンアセンブリの送風効率を向上させることができる。
【0064】
具体的な実施例では、第2夾角は8°、9°、10°、11°、12°などであってもよいが、ここでは具体的に限定するものではなく、騒音低減と送風効率の向上とが達成できるものであれば、いずれも実現可能であることは当業者にも理解可能である。
【0065】
本出願の第7実施例は、第2実施例に基づいて以下のようなファンアセンブリをさらに提案する。
【0066】
図2及び
図7に示すように、本実施例では、拡流部108の最大深さHと渦巻舌112の軸方向寸法Lとの比を最適化し、拡流部108の最大深さHと渦巻舌112の軸方向寸法Lとの比を0.05以上0.1以下とする。これにより、渦巻舌112における拡流部108の最大窪み深さがお互いにマッチングすることが保証され、すなわち渦巻舌112における拡流部108の最大窪み寸法が適合であることが保証される。
【0067】
具体的には、拡流部108の最大深さHは、その拡流効果に直接影響する。つまり、拡流部108の最大深さHが大きいほど、その深さが最大となる位置での拡流効果が良くなり、気流に対する流速の低減効果も良くなる。このため、本実施例では、拡流部108の最大深さHと渦巻舌112の軸方向寸法Lとの比を0.05以上とすることで、拡流部108による十分な拡流効果を保証することができる。
【0068】
また、拡流部108の最大深さHと渦巻舌112の軸方向寸法Lとの比が大きすぎると、拡流部108によって渦巻舌112全体の強度が低下される。このため、本実施例では、拡流部108の最大深さHと渦巻舌112の軸方向寸法Lとの比を0.1以下とすることで、拡流部108が渦巻舌112の構造とマッチングすることが保証され、拡流効果が保証されながら渦巻舌112の強度が保証され、さらに渦巻舌112およびファンアセンブリ全体の使用寿命が保証される。
【0069】
具体的な実施例では、拡流部108の最大深さHと渦巻舌112の軸方向寸法Lとの比は0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.1等であってもよく、ここでは具体的な限定をしないが、拡流部108が十分な拡流効果と比較的強い強度を有することを含むことができるのであれば、いずれも実現可能であり、当業者でも理解できる。
【0070】
本出願の第8実施例は、第2実施例に基づいて以下のようなファンアセンブリをさらに提案する。
【0071】
図4および
図6に示すように、ファンアセンブリは凹台114をさらに含む。このうち、凹台114は、過流部110に設けられ、かつ、拡流部108の両側に位置している。過流部110に凹台114を設け、渦巻舌112で渦巻ケーシング102の内壁とウインドホイール外縁との間の最小隙間を保証すると同時に、渦巻ケーシング102に対する気流の衝撃を低減し、渦巻ケーシング102内部の流れ場を最適化し、渦巻舌112で気流による渦流の発生を効果的に抑制し、ファンアセンブリの性能を保証すると同時に、ファンの渦流騒音を効果的に低減し、さらにファンアセンブリの使用快適性を改善し、ファンアセンブリの送風効率を保証する。
【0072】
この実施例では、さらに、
図4および
図6に示されるように、渦巻舌112は、舌本体106に設置された凹台114をさらに含み、2つの凹台114の間には、拡流部108が位置する。すなわち、本実施例では、渦巻舌112の渦巻ケーシング102の両側壁に近接する位置に上記凹台114を設け、凹台114が拡流部108の両側に位置することを保証し、拡流部108が2つの凹台114の間に位置することを保証する。特に、ファンアセンブリの運転中に、上記凹台114を設けることで、渦巻舌112とウインドホイール外縁との間の最小隙間を保証すると同時に、渦巻ケーシング102に対する気流の衝撃を低減し、渦巻ケーシング102内部の流れ場を最適化し、渦巻舌112で気流による渦流の発生を効果的に抑制し、ファンアセンブリの性能を保証すると同時に、ファンの渦流騒音を効果的に低減し、さらにファンアセンブリの使用快適性を改善し、ファンアセンブリの送風効率を保証する。
【0073】
第1実施例から第8実施例に加えて、さらに、
図1に示すように、渦巻ケーシング102の入風口122はウインドホイールの軸方向の両側に位置し、渦巻ケーシング102の出風口124はウインドホイールの径方向の側方に位置する。このようにして、ファンアセンブリの運転中に、外気は、ウインドホイールの軸方向の両側から渦巻ケーシング102の内部に入り、ウインドホイールによって加圧された後、ウインドホイールの径方向の側方の出風口124から排出されることができる。
【0074】
第1実施例から第8実施例に加えて、さらに、
図1に示されるように、ファンアセンブリは集流器116をさらに含む。このうち、集流器116は、渦巻ケーシング102上に設置され、渦巻ケーシング102の入風口122に位置することができる。このようにして、ファンアセンブリの使用中に、集流器116は、渦巻ケーシング102の入風口122において良好な集流及び導流効果を発揮し、ファンアセンブリの送風量及び送風効率を向上させることができる。
【0075】
第1実施例から第8実施例に加えて、さらに、
図1に示されるように、渦巻ケーシング102は、お互いに接続された第1ケーシング118と第2ケーシング120とを含み、第1ケーシング118には、上記拡流部108と過流部110とが設けられている。具体的には、第1ケーシング118は渦巻ケーシング102の下ケーシングであり、第2ケーシング120は渦巻ケーシング102の上ケーシングであり、第1ケーシング118には上記渦巻舌112が設けられ、渦巻舌112には上記拡流部108と過流部110とが設けられている。
【0076】
本出願の第9実施例は第1実施例~第8実施例のいずれか一つの実施例のファンアセンブリを含む空調機を提案する。
【0077】
本実施例で提案された空調機は上記のいずれか一つの実施例のファンアセンブリを含む。したがって、上述のファンアセンブリのすべての有益な効果を有し、ここでは割愛する。
【0078】
図1、
図2、
図3および
図4に示すように、本出願の1番目の具体的な実施例は、渦巻ケーシング102とウインドホイールとを含むファンアセンブリを提案する。本実施例は、渦巻ケーシング102の形状を最適化し、渦巻舌112は、協働して使われる拡流部108と過流部110とを含み、拡流部108の相対位置が低くなるように、過流部110が拡流部108よりも高く設置されることを保証する。このように、渦巻舌112において過流部110の位置における過流面積を効果的に拡大することができ、ひいては過流部110の位置における気流の流速を減少させることができ、ファンアセンブリの全体的な流速を比較的均一にすることができる。
【0079】
この実施例では、さらに、
図5に示されるように、渦巻舌112は、ケーシング本体104の開口箇所に接続された舌本体106をさらに含み、拡流部108および過流部110がいずれも舌本体106に設けられ、過流部110は舌本体106の内壁に面一に設けられ、拡流部108は舌本体106に凹んで設けられている。
【0080】
本実施例では、さらに、
図4に示されるように、ウインドホイールの軸方向に沿って、拡流部108の中間部の深さが両端部の深さよりも大きくなるように、拡流部108の深さを最適化する。即ち、ウインドホイールの軸方向に沿って、拡流部108の深さが、中心から両側に向かって徐々に小さくなるため、ウインドホイールの軸方向に沿って、拡流部108の拡流効果が徐々に小さくなる。また、ウインドホイールの軸方向に沿って拡流部108を切り取る場合、拡流部108は1つの円弧を含み、または複数の接続された円弧を含むことができ、基準面L1がウインドホイールの軸方向に滑らかな状態にあることが保証されている。また、ウインドホイールの軸方向に沿って拡流部108を切り取る場合、拡流部108は基準面L1に対して対称に設置され、拡流部108の形状は風量分布にマッチングすることが保証される。また、渦巻ケーシング102の出風方向に沿って、拡流部108の高さが徐々に高くなっているため、気流が拡流部108をスムーズに流れることが保証され、気流が拡流部108を通過する際に円滑に移行する状態にあることが保証される。
【0081】
本実施例では、さらに、
図7に示すように、空調機の取付完了後に、渦巻ケーシング102の出風口124を水平に設置する。ウインドホイールの径方向に沿って拡流部108を切り取り、拡流部108が直線を含む場合、当該直線と水平面L2との間に第1夾角θが形成され、第1夾角θは、8°より大きく12°以下である。拡流部108が円弧線を含む場合、当該円弧線のウインドホイールに近い一端における接線と水平面L2との間に第2夾角が形成され、第2夾角が8°より大きく12°以下である。
【0082】
この実施例では、さらに、拡流部108の最大深さHと渦巻舌112の軸方向寸法Lとの比を最適化し、拡流部108の最大深さHと渦巻舌112の軸方向寸法Lとの比を0.05以上0.1以下とする。
【0083】
この実施例では、さらに、
図6に示されるように、渦巻舌112は、過流部110に設置され且つ拡流部108の両側に位置する凹台114をさらに含む。このように、渦巻ケーシング102の内壁とウインドホイール外縁との間の最小隙間を保証すると同時に、渦巻ケーシング102に対する気流の衝撃を低減し、渦巻ケーシング102内部の流れ場を最適化し、渦巻舌112で気流による過流の発生を効果的に抑制し、ファンアセンブリの性能を保証すると同時に、ファンの渦流騒音を効果的に低減し、さらにファンアセンブリの使用快適性を改善し、ファンアセンブリの送風効率を保証する。具体的には、渦巻舌112に凹台114を設置し、拡流部108が二つの凹台114の間に位置する。
【0084】
当該実施例において、さらに、
図1に示すように、渦巻ケーシング102の入風口122はウインドホイールの軸方向の両側に位置し、渦巻ケーシング102の出風口124はウインドホイールの径方向の側方に位置する。また、渦巻ケーシング102の入風口122に集流器116が設置され、集流器116は、渦巻ケーシング102の入風口122において良好な集流及び導流効果を発揮し、ファンアセンブリの送風量及び送風効率を向上させることができる。
【0085】
具体的な実施例において、ファンアセンブリは空調機のコア部品であり、その性能の優劣は空調機のサイズ、性能及び音の品質を決定する。現在、ファンアセンブリの技術上の制約を受け、空調機は一般的に騒音が比較的に大きく、サイズも比較的に大きく、熱交換効果が悪い。本出願は、騒音が大きく、サイズが大きく、熱交換効果が悪いという課題を解決するファンアセンブリを提案する。
【0086】
図1、
図2、
図3及び
図4に示すように、本出願から提案されたファンアセンブリは、渦巻ケーシング102と、ウインドホイールと、拡流部108と、過流部110と、を含む。渦巻ケーシング102は、ケーシング本体104と、ケーシング本体104の開口箇所に接続された渦巻舌112と、を含む。ここで、渦巻舌112は、
図4に示すように、協働して使われる拡流部108と過流部110とを含み、拡流部108は下凹状であり、かつ過流部110よりも低くなっている(下凹方向が渦巻舌112の外部を向いている)。また、
図4に示すように、ウインドホイールの軸方向の両端面までの距離が等しい平面を基準面L1とし、ウインドホイールの軸方向に沿って拡流部108を切り取る場合、拡流部108は基準面L1に対して対称に設置される。また、ウインドホイールの径方向に沿って拡流部108を切り取り、
図7に示すように、拡流部108が直線を含む場合、直線と水平面L2との間に第1夾角θが形成され、第1夾角θは、8°より大きく12°以下である。拡流部108が円弧線を含む場合、円弧線のウインドホイールに近い一端における接線と水平面L2との間に第2夾角が形成され、第2夾角が8°より大きく12°以下である。また、拡流部108の最大深さHと渦巻舌112の軸方向寸法との比は、0.05以上0.1以下である。また、ウインドホイールの軸方向に沿って拡流部108を切り取る場合、拡流部108は1つの円弧を含み、または複数の接続された円弧を含む。また、渦巻ケーシング102の送風方向において、拡流部108はケーシング本体104の内壁に直接結合してもよいし、拡流部108とケーシング本体104の内壁との間にフィレットを設けてもよい。また、
図6に示すように、過流部110の位置に凹台114を設けてもよい。
【0087】
同じ騒音の場合、本出願で提案されたファンアセンブリを適用する空調機は、より多くの風量を送り出すことができ、より広い空間の空調を満たすことができる。これに対応して、同じ風量の場合、本出願で提案されたファンアセンブリを適用する空調機は、より低い騒音を有し、空調機の快適性を効果的に向上させることができる。
【0088】
同じ風量の場合、本出願で提案されたファンアセンブリを適用する空調機は、より高い静圧を有し、送風管路内の抵抗を克服し、空調機における設備の取付を減少させる。これに対応して、同じ風量の場合、本出願で提案されたファンアセンブリを適用する空調機の熱交換器表面はより均一な風速分布を有する。
【0089】
同じ風量および同じ騒音の場合、本出願で提案されたファンアセンブリを適用する空調機は、より小さい体積を有し、より低いコストまたはより多様な取付スペースの要求を満たすことができる。
【0090】
本出願の説明において、「複数」という用語は2つ以上を意味するが、追加の明確な限定がない限り、「上」、「下」などの用語が示す方位または位置関係は、図面に基づいて示される方位または位置関係であり、単に、本出願をより便利に説明し、説明をより簡単にするためであって、特定の方位を有し、特定の方位で構成され、操作しなければならないことを示しまたは暗示するためではなく、したがって、これらの説明は、本出願を限定するものとして理解されない。用語「接続」、「取り付け」、「固定」などは、広義の理解をすべきであり、例えば、「接続」は、固定接続であってもよいし、取り外し可能な接続であってもよいし、または、一体的に接続されていてもよいし、直接的な接続であってもよいし、中間媒体を介した間接的な接続であってもよい。当業者であれば、本出願における上記用語の具体的な意味は、具体的な状況に応じて理解することができる。
【0091】
本願の説明において、用語「一実施例」、「いくつかの実施例」、「具体的な例」などの説明は、本願の少なくとも1つの実施例または例に関連して説明された特定の特徴、構造、材料、または特点が本願の少なくとも1つの実施例または例に含まれることを意味する。本願の明細書では、上述の用語の概略的な表現は、同じ実施例または例を示していなければならないものではない。さらに、説明された特定の特徴、構造、材料、または特点は、任意の1つまたは複数の実施例または例において、適切な方法で組み合わされてもよい。
【0092】
以上は、本出願の好ましい実施例に過ぎず、本出願を限定するものではなく、本出願は、当業者にとって様々な変更および変更が可能である。本出願の精神及び原則において行われたいずれかの補正、均等置換、改良等も本出願の保護の範囲内に含まれるものとする。
【0093】
図1~
図7の符号と部材名との対応関係は、以下のとおりである。
【符号の説明】
【0094】
102…渦巻ケーシング、104…ケーシング本体、106…舌本体、108…拡流部、110…過流部、112…渦巻舌、114…凹台、116…集流器、118…第1ケーシング、120…第2ケーシング、122…入風口、124…出風口。
【手続補正書】
【提出日】2023-11-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ファンアセンブリであって、
ケーシング本体と前記ケーシング本体の開口箇所に接続された渦巻舌とを含む渦巻ケーシングと、
前記ケーシング本体内に少なくとも部分的に設置されたウインドホイールと、を含み、
前記渦巻舌は、拡流部と過流部とを含み、前記ウインドホイールの軸方向に沿って、前記過流部は前記拡流部の両側に位置し、かつ、前記過流部は前記拡流部よりも高いことを特徴とするファンアセンブリ。
【請求項2】
前記渦巻舌は、舌本体をさらに含み、前記舌本体には、前記拡流部と前記過流部とが設けられ、前記拡流部は、前記舌本体に凹んで設けられていることを特徴とする請求項1に記載のファンアセンブリ。
【請求項3】
前記ウインドホイールの軸方向に沿って、前記拡流部の中間部の深さが両端部の深さよりも大きいことを特徴とする請求項2に記載のファンアセンブリ。
【請求項4】
前記ウインドホイールの軸方向に沿って前記拡流部を切り取る場合、前記拡流部は1つの円弧を含み、または複数の接続された円弧を含むことを特徴とする請求項3に記載のファンアセンブリ。
【請求項5】
前記渦巻ケーシングの出風方向において、前記拡流部の高さは徐々に高くなっていることを特徴とする請求項2から4のいずれか1項に記載のファンアセンブリ。
【請求項6】
前記ウインドホイールの径方向に沿って前記拡流部を切り取る場合、前記拡流部は直線を含み、前記直線と水平面との間の第1夾角が8°より大きく12°以下であり、または、
前記ウインドホイールの径方向に沿って前記拡流部を切り取る場合、前記拡流部は円弧線を含み、前記円弧線の前記ウインドホイールに近い一端における接線と水平面との間の第2夾角が8°より大きく12°以下であることを特徴とする請求項5に記載のファンアセンブリ。
【請求項7】
前記ウインドホイールの径方向に沿って、前記拡流部は前記ケーシング本体の内壁に結合され、または、
前記ウインドホイールの径方向に沿って、前記拡流部と前記ケーシング本体の内壁との間にフィレットが設けられていることを特徴とする請求項5に記載のファンアセンブリ。
【請求項8】
前記拡流部の最大深さと前記渦巻舌の軸方向寸法との比は、0.05以上0.1以下であることを特徴とする請求項2に記載のファンアセンブリ。
【請求項9】
前記渦巻舌は、前記過流部に設置され且つ前記拡流部の両側に位置する凹台をさらに含むことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のファンアセンブリ。
【請求項10】
前記ウインドホイールの軸方向に沿って、前記渦巻ケーシングの入風口は、前記ウインドホイールの両側に位置し、
前記ファンアセンブリは前記渦巻ケーシングの入風口に設置された集流器をさらに含むことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のファンアセンブリ。
【請求項11】
請求項1に記載のファンアセンブリを含む、空調機。
【国際調査報告】