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特表2024-519557カリウムチャネル調節剤、組成物及び使用
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-16
(54)【発明の名称】カリウムチャネル調節剤、組成物及び使用
(51)【国際特許分類】
   C07D 223/16 20060101AFI20240509BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20240509BHJP
   A61P 25/08 20060101ALI20240509BHJP
   A61P 25/04 20060101ALI20240509BHJP
   A61P 25/06 20060101ALI20240509BHJP
   A61P 25/00 20060101ALI20240509BHJP
   A61P 25/22 20060101ALI20240509BHJP
   A61P 25/24 20060101ALI20240509BHJP
   A61P 9/00 20060101ALI20240509BHJP
   A61P 25/36 20060101ALI20240509BHJP
   A61P 25/32 20060101ALI20240509BHJP
   A61P 27/16 20060101ALI20240509BHJP
   A61K 31/55 20060101ALI20240509BHJP
   C07D 495/04 20060101ALI20240509BHJP
   C07D 243/14 20060101ALI20240509BHJP
   A61K 31/551 20060101ALI20240509BHJP
   C07D 281/10 20060101ALI20240509BHJP
   A61K 31/554 20060101ALI20240509BHJP
【FI】
C07D223/16 B CSP
A61P43/00 111
A61P25/08
A61P25/04
A61P25/06
A61P25/00
A61P25/22
A61P25/24
A61P9/00
A61P25/36
A61P25/32
A61P27/16
A61K31/55
C07D495/04 102
C07D243/14
A61K31/551
C07D281/10 C
A61K31/554
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023573562
(86)(22)【出願日】2022-08-26
(85)【翻訳文提出日】2023-11-28
(86)【国際出願番号】 CN2022115057
(87)【国際公開番号】W WO2023025276
(87)【国際公開日】2023-03-02
(31)【優先権主張番号】202110988126.4
(32)【優先日】2021-08-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202210361600.5
(32)【優先日】2022-04-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523448727
【氏名又は名称】紐欧申医薬(上海)有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】胡苗
(72)【発明者】
【氏名】呉一哲
(72)【発明者】
【氏名】劉興国
(72)【発明者】
【氏名】周星露
【テーマコード(参考)】
4C086
【Fターム(参考)】
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086BC32
4C086BC56
4C086BC92
4C086CB26
4C086MA01
4C086MA04
4C086NA14
4C086ZA05
4C086ZA06
4C086ZA08
4C086ZA12
4C086ZA34
4C086ZA36
4C086ZC39
4C086ZC41
(57)【要約】
一般式Iで表される構造を有する化合物、その立体異性体、その薬学的に許容される塩、又はその溶媒和物を開示する。同時に、前記化合物を含む組成物、製剤及び使用を開示する。本発明の化合物はKCNQ2/3カリウムイオンに対して有意な活性化効果があり、特に中枢神経系疾患を治療する医薬の使用などの、カリウムチャネルイオン流れに関連する疾患の治療に使用できる。
【化1】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iで表される構造を有する化合物、その立体異性体又はその薬学的に許容される塩。
【化1】

(ただし:
環Aはベンゼン環又はN、O又はSから選択される1~2個のヘテロ原子を含む5~8員複数環であり;
は水素、ハロゲン、C~Cアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cアルケニル、C~Cアルケニルオキシ、スピロアルキル、C~Cシクロアルキル、C~Cシクロアルコキシ、C~Cヘテロシクロアルキル、C~Cヘテロシクロアルコキシ、C~Cアルキルチオ、C~Cアルカノイル、C~Cアルキルスルホニル、アミノスルホニル、C~Cハロアルキル、C~Cハロアルコキシ、C~Cハロアルケニルオキシ、C~Cハロシクロアルキル、C~Cハロシクロアルコキシ、C~Cハロヘテロシクロアルキル、C~Cハロヘテロシクロアルコキシから選択され、前記アルキル、アルコキシ、アルケニル、アルケニルオキシ、シクロアルキル、シクロアルコキシ、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルコキシ、アルキルチオ、アルカノイル、アルキルスルホニル、アミノスルホニルは更にRにより置換され得;
各Rは任意選択で水素、ハロゲン、C~Cアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cシクロアルキル、C~Cシクロアルコキシ、C~Cヘテロシクロアルキル、C~Cヘテロシクロアルコキシ、C~Cハロアルキル、C~Cハロアルコキシ、C~Cハロシクロアルキル、C~Cハロシクロアルコキシ、C~Cハロヘテロシクロアルキル、C~Cハロヘテロシクロアルコキシから選択され;
或いは、2つのRは同じ原子に連結され、2つのRは同じあっても異なってもよく、それらに連結された原子と3~6員環又は3~6員複数環を形成し;
、R、R、R、Rはそれぞれ独立して水素、ハロゲン、C~Cアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cシクロアルキル、C~Cシクロアルコキシ、C~Cヘテロシクロアルキル、C~Cヘテロシクロアルコキシ、C~Cハロアルキル、C~Cハロアルコキシ、C~Cハロシクロアルキル、C~Cハロシクロアルコキシ、C~Cハロヘテロシクロアルキル、C~Cハロヘテロシクロアルコキシ、スピロアルキルから選択され;
nは0、1、2から選択され;
mは0、1、2、3、4、5から選択され;
及びXはそれぞれ独立して-CRaRb、-NRa、-O-、-C(O)-、-S-、-S(O)-、-S(O)-から選択され;
Ra、Rbはそれぞれ独立して水素、ハロゲン、ヒドロキシル、アミノ、C~Cアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cアルキルアミノ、C~Cシクロアルキル、C~Cハロアルキル、ハC~Cハロアルコキシ、C~Cハロシクロアルキルから選択され;
【化2】

は化学結合であるか、或いは存在しないことを表し;
ZはO又は(CHから選択され、pは1~6の整数であり;
はC~Cアルキル、C~Cシクロアルキル、C~Cシクロアルケニル、C~Cアルケニル又はC~Cアルキニルであり、ここで、前記C~Cアルキル、C~Cシクロアルキル、C~Cシクロアルケニル、C~Cアルケニル又はC~Cアルキニルはハロゲン、ニトロ、シアノ、アミノ又はヒドロキシルから選択される1つ又は複数により置換される。)
【請求項2】
一般式Iで表される構造を有することを特徴とする、請求項1に記載の化合物、その立体異性体又はその薬学的に許容される塩。
【化3】

(ただし:
環Aはベンゼン環又はN、O又はSから選択される1~2のヘテロ原子を含む5~8員複数環であり;
はそれぞれ独立して水素、ハロゲン、C~Cアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cシクロアルキル、C~Cシクロアルコキシ、C~Cヘテロシクロアルキル、C~Cヘテロシクロアルコキシ、C~Cアルキルチオ、C~Cアルカノイル、C~Cアルキルスルホニル、アミノスルホニル、C~Cハロアルキル、C~Cハロアルコキシ、C~Cハロシクロアルキル、C~Cハロシクロアルコキシ、C~Cハロヘテロシクロアルキル、C~Cハロヘテロシクロアルコキシから選択され;
はそれぞれ独立して水素、ハロゲン、C~Cアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cシクロアルキル、C~Cシクロアルコキシ、C~Cヘテロシクロアルキル、C~Cヘテロシクロアルコキシ、C~Cハロアルキル、C~Cハロアルコキシ、C~Cハロシクロアルキル、C~Cハロシクロアルコキシ、C~Cハロヘテロシクロアルキル、C~Cハロヘテロシクロアルコキシから選択され;
、R、R、Rはそれぞれ独立して水素、ハロゲン、C~Cアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cシクロアルキル、C~Cシクロアルコキシ、C~Cヘテロシクロアルキル、C~Cヘテロシクロアルコキシ、C~Cハロアルキル、C~Cハロアルコキシ、C~Cハロシクロアルキル、C~Cハロシクロアルコキシ、C~Cハロヘテロシクロアルキル、C~Cハロヘテロシクロアルコキシから選択され;
nは0、1、2から選択され;
mは0、1、2、3、4、5から選択され;
及びXはそれぞれ独立して-CRaRb、-NRa、-O-、-C(O)-、-S-、-S(O)-、-S(O)-から選択され;
Ra、Rbはそれぞれ独立して水素、ハロゲン、ヒドロキシル、アミノ、C~Cアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cアルキルアミノ、C~Cシクロアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cハロアルコキシ、C~Cハロシクロアルキルから選択され;
【化4】

は化学結合であるか、或いは存在しないことを表し;
ZはO又は(CHから選択され、pは1~6の整数であり;
はC~Cアルキル、C~Cシクロアルキル、C~Cシクロアルケニル、C~Cアルケニル又はC~Cアルキニルであり、ここで、前記C~Cアルキル、C~Cシクロアルキル、C~Cシクロアルケニル、C~Cアルケニル又はC~Cアルキニルはハロゲン、ニトロ、シアノ、アミノ又はヒドロキシルから選択される1つ又は複数により置換されてもよく;
【化5】

で表される場合、X、Xはそれぞれ独立して-CRa-、-N-から選択され;
【化6】

で表され、R、R、R、Rがいずれも塩素から選択されなく、XがCH又はOであり、RがHであり、A環がベンゼン環である場合、RはC~Cアルコキシ、C~Cシクロアルコキシ、C~Cヘテロシクロアルコキシ、C~Cアルキルチオ、C~Cアルカノイル、C~Cアルキルスルホニル、アミノスルホニル、C~Cハロアルコキシ、C~Cハロシクロアルコキシ、C~Cハロヘテロシクロアルコキシから選択され;
【化7】

で表され、R、R、R、Rがいずれも塩素から選択されなく、A環がチオフェン環である場合、mは2、3、4、5から選択され、Rは水素から選択されない。)
【請求項3】
一般式IIa~IIcで表される構造を有することを特徴とする、請求項2に記載の化合物、その立体異性体又はその薬学的に許容される塩。
【化8】

(X、Xの間は二重結合又は単結合であり;
はN、O、Sから選択される。)
【請求項4】
一般式IIIで表される構造を有することを特徴とする、請求項3に記載の化合物、その立体異性体又はその薬学的に許容される塩。
【化9】

(RはC1-8アルコキシ、C3-8シクロアルコキシ、C-Cヘテロシクロアルコキシ、C1-アルキルチオ、C1-アルキルスルホニル、C1-8ハロアルコキシ、C3-8ハロシクロアルコキシから選択され;
nは1から選択される。)
【請求項5】
一般式IVで表される構造を有することを特徴とする、請求項4に記載の化合物、その立体異性体又はその薬学的に許容される塩。
【化10】

(RはC1-6アルコキシ、C3-6シクロアルコキシ、C~Cヘテロシクロアルコキシ、C~Cアルキルチオ、C~Cアルキルスルホニル、C1-6ハロアルコキシ、C3-6ハロシクロアルコキシから選択される。)
【請求項6】
一般式IIcで表される構造を有することを特徴とする、請求項1に記載の化合物、その立体異性体又はその薬学的に許容される塩。
【化11】

(X、Xの間は二重結合又は単結合であり;
nは2から選択され;
はハロゲン、C~Cアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cシクロアルキル、C~Cシクロアルコキシ、C~Cヘテロシクロアルキル、C~Cヘテロシクロアルコキシ、C~Cアルキルチオ、C~Cアルカノイル、C~Cアルキルスルホニル、アミノスルホニル、C~Cハロアルキル、C~Cハロアルコキシ、C~Cハロシクロアルキル、C~Cハロシクロアルコキシ、C~Cハロヘテロシクロアルキル、C~Cハロヘテロシクロアルコキシから選択される。)
【請求項7】
一般式IIIで表される構造を有することを特徴とする、請求項6に記載の化合物、その立体異性体又はその薬学的に許容される塩。
【化12】

(Rはハロゲン、C1-8アルコキシ、C3-8シクロアルコキシ、C~Cヘテロシクロアルコキシ、C~Cアルキルチオ、C~Cアルキルスルホニル、C1-8ハロアルコキシ、C3-8ハロシクロアルコキシから選択され;
nは2から選択される。)
【請求項8】
一般式Vで表される構造を有することを特徴とする、請求項7に記載の化合物、その立体異性体又はその薬学的に許容される塩。
【化13】

(Rはハロゲン、C1-6アルコキシ、C3-6シクロアルコキシ、C~Cヘテロシクロアルコキシ、C~Cアルキルチオ、C~Cアルキルスルホニル、C1-6ハロアルコキシ、C3-6ハロシクロアルコキシから選択される。)
【請求項9】
一般式IIa~IIcにおいて、
、XはCHであり、両者の間は単結合であり;R及びRはHであり;R及びRはメチルであり;
mは2、3、4、5から選択され;
は水素から選択されないことを特徴とする、請求項3に記載の化合物。
【請求項10】
一般式IIa~IIcにおいて
はClであり;R、R、Rの少なくとも2つは水素から選択されないことを特徴とする、請求項3に記載の化合物。
【請求項11】
一般式Vaで表される構造を有し、
【化14】

’はH、Fであり;

【化15】

であることを特徴とする、請求項1に記載の化合物。
【請求項12】
下記の化合物から選択されることを特徴とする、請求項1に記載の化合物、その立体異性体又はその薬学的に許容される塩。
【表1】


【請求項13】
請求項1~12のいずれか1項に記載の化合物の1つ又は複数を含むことを特徴とする、医薬組成物。
【請求項14】
請求項1~12のいずれか一項に記載の化合物の1つ又は複数を含むことを特徴とする、医薬製剤。
【請求項15】
カリウムイオンチャネルの活性化から恩恵を受ける疾患を治療する、特に中枢神経系疾患を治療する医薬の調製における、請求項1~12のいずれか1項に記載の化合物、又はその立体異性体又はその薬学的に許容される塩の使用。
【請求項16】
前記疾患がてんかん、炎症性疼痛、神経因性疼痛、片頭痛、神経変性疾患、不安障害、うつ病、脳卒中、コカイン乱用による合併症、ニコチン離脱症候群、アルコール離脱症候群、又は耳鳴りから選択されることを特徴とする、請求項15に記載の使用。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
[技術分野]
本発明は医薬合成及び設計の技術分野に属し、具体的には、カリウムチャネルを調節するための化合物、或いはその立体異性体、又はその薬学的に許容される塩、医薬組成物及びその使用に関する。前記化合物はカリウムチャネルを調節する機能を有し、KCNQチャネルオープナーから恩恵を受ける疾患又は障害の治療に使用できる。
[背景技術]
中枢神経系疾患の治療は、医療分野において常に困難な問題であった。伝統的な医薬は、急性及び慢性の中枢神経系損傷、アルツハイマー病、パーキンソン病、てんかん等の中枢神経系疾患を予防・治療することができない。
【0002】
細胞の化学環境は細胞膜上のイオンチャネルと密接に関係しており、イオンチャネルはニューロンの興奮性を制御する鍵となるため、イオンチャネルは中枢神経系疾患の治療における最も直接的な標的となっている。10%を超えるカリウムチャネルのサブタイプがヒトの中枢神経系疾患に関連していることが知られ、例えば、ニューロンの興奮性やイオン環境の体内における恒常性の直接制御から、代謝を介した間接的な効果まで、様々な方法で具体化されている。
【0003】
現在、KCNQ1~5の5種類が発見されており、KCNQカリウムイオンチャネルはカリウムイオンチャネルスーパーファミリーの重要な分岐であり、その遺伝子突然変異は多くの遺伝性疾患に関連している。その中で、KCNQ1(KvLQT)は主に心筋に分布しており、遺伝性LQT症候群の50%はKCNQ1突然変異に関連している。KCNQ2及びKCNQ3は、神経細胞におけるM型カリウムイオンチャネルを構成する分子基盤であり、良性家族性新生児けいれん(BFNC)は、KCNQ2及びKCNQ3遺伝子突然変異によって引き起こされるM電流の下方制御に関連している。KCNQ4は、聴覚に関係する神経伝導路、神経核、及び内耳有毛細胞で主に発現されており、遺伝性難聴(DFNA)はKCNQ4遺伝子の突然変異と関連している。KCNQ5は主に筋肉組織で発現されている。
【0004】
KCNQカリウムチャネル開口薬は、抗てんかん薬研究の新たな方向となっている。レチガビンは2011年6月に米国FDAによって承認され、難治性てんかんの部分発作の治療としての、そのin vivo及びin vitroでの優れた性能とマーケティングの成功は、KCNQカリウムチャネルが薬物標的として重要であることを証明している。さらに、in vivo及びin vitroの研究により、レチガビンが不安、脳卒中、神経変性疾患、痛みに対しても潜在的な治療効果があることが示された。同時に、KCNQカリウムチャネルは生理学的機能が広いため、その開口薬はまた、多くの疾患の治療分野において非常に幅広い使用可能性がある。
[発明の概要]
本発明の目的は、カリウムチャネルを調節する機能を有する新規な化合物、その薬学的に許容される塩又は溶媒和物を提供することである。
【0005】
本発明はまた、上記の化合物、その立体異性体、その立体異性体の混合物、又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を提供する。
【0006】
本発明はまた、KCNQチャネル開口薬から恩恵を受ける疾患、障害又は病症を治療する医薬の調製における上記の化合物、立体異性体、その立体異性体の混合物、又はその薬学的に許容される塩の使用を提供する。
【0007】
本発明の前記化合物は、カリウムイオンチャネルの活性によって影響される疾患及び病症の治療及び予防に効果があり、様々な疾患、障害の治療に使用できる。
【0008】
上記の目的を実現するために、本発明は式Iで表される化合物、その立体異性体、又はその薬学的に許容される塩を提供する。
【0009】
【化1】
【0010】
ただし:
環Aはベンゼン環であるか、又はN、O又はSから選択される1~2個のヘテロ原子を含む5~8員複数環であり;
は水素、ハロゲン、C~Cアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cアルケニル、C~Cアルケニルオキシ、スピロアルキル、C~Cシクロアルキル、C~Cシクロアルコキシ、C~Cヘテロシクロアルキル、C~Cヘテロシクロアルコキシ、C~Cアルキルチオ、C~Cアルカノイル、C~Cアルキルスルホニル、アミノスルホニル、C~Cハロアルキル、C~Cハロアルコキシ、C~Cハロアルケニルオキシ、C~Cハロシクロアルキル、C~Cハロシクロアルコキシ、C~Cハロヘテロシクロアルキル、C~Cハロヘテロシクロアルコキシから選択され、前記アルキル、アルコキシ、アルケニル、アルケニルオキシ、シクロアルキル、シクロアルコキシ、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルコキシ、アルキルチオ、アルカノイル、アルキルスルホニル、アミノスルホニルは更にRにより置換され得;
はそれぞれ独立して水素、ハロゲン、C~Cアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cシクロアルキル、C~Cシクロアルコキシ、C~Cヘテロシクロアルキル、C~Cヘテロシクロアルコキシ、C~Cハロアルキル、C~Cハロアルコキシ、C~Cハロシクロアルキル、C~Cハロシクロアルコキシ、C~Cハロヘテロシクロアルキル、C~Cハロヘテロシクロアルコキシから選択され;
或いは、2つのRは同じ原子に連結され、2つのRは同じあっても異なってもよく、それらに連結された原子と3~6員環又は3~6員複数環を形成し;
、R、R、R、Rはそれぞれ独立して水素、ハロゲン、C~Cアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cシクロアルキル、C~Cシクロアルコキシ、C~Cヘテロシクロアルキル、C~Cヘテロシクロアルコキシ、C~Cハロアルキル、C~Cハロアルコキシ、C~Cハロシクロアルキル、C~Cハロシクロアルコキシ、C~Cハロヘテロシクロアルキル、C~Cハロヘテロシクロアルコキシ、スピロアルキルから選択され;
nは0、1、2から選択され;
mは0、1、2、3、4、5から選択され;
及びXはそれぞれ独立して-CRaRb、-NRa、-O-、-C(O)-、-S-、-S(O)-、-S(O)-から選択され;
Ra、Rbはそれぞれ独立して水素、ハロゲン、ヒドロキシル、アミノ、C~Cアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cアルキルアミノ、C~Cシクロアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cハロアルコキシ、C~Cハロシクロアルキルから選択され;
【0011】
【化2】
【0012】
は化学結合であるか、又は存在しないことを表し;
ZはO又は(CHから選択され、pは1~6の整数であり;
はC~Cアルキル、C~Cシクロアルキル、C~Cシクロアルケニル、C~Cアルケニル又はC~Cアルキニルから選択され、ここで、前記C~Cアルキル、C~Cシクロアルキル、C~Cシクロアルケニル、C~Cアルケニル又はC~Cアルキニルはハロゲン、ニトロ、シアノ、アミノ又はヒドロキシルから選択される1つ又は複数により置換され得る。
【0013】
更に、本発明の好ましい化合物、その立体異性体、又はその薬学的に許容される塩は、具体的には、式Iで表される構造を有する。
【0014】
ただし:
環Aはベンゼン環であるか、又はN、O又はSから選択される1~2のヘテロ原子を含む5~8員の複数環であり;
はそれぞれ独立して水素、ハロゲン、C~Cアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cシクロアルキル、C~Cシクロアルコキシ、C~Cヘテロシクロアルキル、C~Cヘテロシクロアルコキシ、C~Cアルキルチオ、C~Cアルカノイル、C~Cアルキルスルホニル、アミノスルホニル、C~Cハロアルキル、C~Cハロアルコキシ、C~Cハロシクロアルキル、C~Cハロシクロアルコキシ、C~Cハロヘテロシクロアルキル、C~Cハロヘテロシクロアルコキシから選択され;
はそれぞれ独立して水素、ハロゲン、C~Cアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cシクロアルキル、C~Cシクロアルコキシ、C~Cヘテロシクロアルキル、C~Cヘテロシクロアルコキシ、C~Cアハロルキル、C~Cハロアルコキシ、C~Cハロシクロアルキル、C~Cハロシクロアルコキシ、C~Cハロヘテロシクロアルキル、C~Cハロヘテロシクロアルコキシから選択され;
、R、R、Rはそれぞれ独立して水素、ハロゲン、C~Cアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cシクロアルキル、C~Cシクロアルコキシ、C~Cヘテロシクロアルキル、C~Cヘテロシクロアルコキシ、C~Cハロアルキル、C~Cハロアルコキシ、C~Cハロシクロアルキル、C~Cハロシクロアルコキシ、C~Cハロヘテロシクロアルキル、C~Cハロヘテロシクロアルコキシから選択され;
nは0、1、2から選択され;
mは0、1、2、3、4、5から選択され;
及びXはそれぞれ独立して-CRaRb、-NRa、-O-、-C(O)-、-S-、-S(O)-、-S(O)-から選択され;
Ra、Rbはそれぞれ独立して水素、ハロゲン、ヒドロキシル、アミノ、C~Cアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cアルキルアミノ、C~Cシクロアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cハロアルコキシ、C~Cハロシクロアルキルから選択され;
【0015】
【化3】
【0016】
は化学結合であるか、或いは存在しないことを表し;
ZはO又は(CHから選択され、pは1~6の整数であり;
はC~Cアルキル、C~Cシクロアルキル、C~Cシクロアルケニル、C~Cアルケニル又はC~Cアルキニルであり、ここで、前記C~Cアルキル、C~Cシクロアルキル、C~Cシクロアルケニル、C~Cアルケニル又はC~Cアルキニルは1つ又は複数のハロゲン、ニトロ、シアノ、アミノ又はヒドロキシルにより置換され;
【0017】
【化4】
【0018】
で表される場合、X、Xはそれぞれ独立して-CRa-、-N-から選択され;
【0019】
【化5】
【0020】
で表され、R、R、R、Rがいずれも塩素から選択されなく、XがCH又はOであり、RがHであり、A環がベンゼン環である場合、RはC~Cアルコキシ、C~Cシクロアルコキシ、C~Cヘテロシクロアルコキシ、C~Cアルキルチオ、C~Cアルカノイル、C~Cアルキルスルホニル、アミノスルホニル、C~Cハロアルコキシ、C~Cハロシクロアルコキシ、C~Cハロヘテロシクロアルコキシから選択され;
【0021】
【化6】
【0022】
で表され、R、R、R、Rがいずれも塩素から選択されなく、A環がチオフェン環である場合、mは2、3、4、5から選択され、Rは水素から選択されない。
【0023】
本発明において、n、mが1より大きい場合、複数置換であり、この時複数の置換は1つの炭素原子上で置換されてもよく、又は対応する環構造の複数の原子上で置換されてもよく;且つ、複数置換の場合、複数の置換基は同一であっても異なっていてもよい。2つの置換基が同じ炭素原子上に連結される場合、2つの置換基とそれらと結合している炭素原子は一緒にC~Cシクロアルキルを形成してもよい。
【0024】
好ましくは、環Aはベンゼン環であるか、又はN、O又はSから選択される1~2個のヘテロ原子を含む5員複数環である。
【0025】
好ましくは、RはH、C~Cアルコキシ、C~Cアルケニルオキシ、C~Cハロアルコキシ、C~Cシクロアルキル、C~Cシクロアルコキシ、C~Cヘテロシクロアルキル、C~Cヘテロシクロアルコキシ、C~Cアルキルチオ、ハロゲン、C~Cアルキルスルホニルから選択され、Rは更に、ハロゲン、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cハロアルコキシ、スピロアルキルの1つ又は複数により置換されてもよい。好ましくは、RはH、C~Cアルコキシ、C~Cハロアルコキシ、C~Cシクロアルキル、C~Cヘテロシクロアルキル、C~Cアルキルチオ、ハロゲン、C~Cアルキルスルホニルから選択される。Rは、更に好ましくは、H、F、Cl、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec-ブトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、トリフルオロエトキシ、トリフルオロプロポキシ、トリフルオロイソプロポキシ、ヘキサフルオロイソプロポキシ、トリフルオロブトキシ、シクロプロパンオキシ、シクロブタンオキシ、シクロペンタンオキシ、シクロヘキサンオキシ、オキセタンオキシ、メチルチオ、メチルスルホニル、
【0026】
【化7】
【0027】
から選択される。
【0028】
好ましくは、Rはそれぞれ独立して水素、ハロゲン、C1-アルキルから選択される。より好ましくは、RはH、メチルである。更に好ましくは、RはH又はX上のメチル置換基である。更に好ましくは、RはH、X上の1つのメチル又は2つのメチル置換基であるか、或いは2つのメチルはXとシクロアルキルを形成する。
【0029】
好ましくは、RはC~Cアルキルである。更に好ましくは、Rはtert-ブチルである。
【0030】
好ましくは、前記R、R、R、Rはそれぞれ独立してH、メチル、ハロゲン(更に好ましくは、Clである)である。更に好ましくは、前記R、RはH又はClであり;前記R、Rはメチルである。
【0031】
好ましくは、Zは(CHであり、更に好ましくは、-CH-である。
【0032】
更に、本発明の化合物、その立体異性体、又はその薬学的に許容される塩であって、好ましい前記化合物は一般式IIa、IIb、IIcで表される構造を有する。
【0033】
【化8】
【0034】
前記一般式において、X、Xの間は二重結合又は単結合である。
【0035】
好ましくは、XはN、O、Sである。
【0036】
更に、本発明の化合物、その立体異性体、又はその薬学的に許容される塩であって、好ましい前記化合物は一般式IIIで表される構造を有する。
【0037】
【化9】
【0038】
はC1-8アルコキシ、C3-8シクロアルコキシ、C~Cヘテロシクロアルコキシ、C~Cアルキルチオ、C~Cアルキルスルホニル、C1-8ハロアルコキシ、C3-8ハロシクロアルコキシから選択され;
nは1から選択される。
【0039】
更に、本発明の化合物、その立体異性体、又はその薬学的に許容される塩であって、一般式IVにおいて、
【0040】
【化10】
【0041】
はC1-6アルコキシ、C3-6シクロアルコキシ、C~Cヘテロシクロアルコキシ、C~Cアルキルチオ、C~Cアルキルスルホニル、C1-6ハロアルコキシ、C3-6ハロシクロアルコキシから選択される。
【0042】
更に、本発明の化合物、その立体異性体、又はその薬学的に許容される塩であって、一般式IIc-2において、
【0043】
【化11】
【0044】
、Xの間は二重結合又は単結合であり;
nは2から選択され;
はハロゲン、C~Cアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cシクロアルキル、C~Cシクロアルコキシ、C~Cヘテロシクロアルキル、C~Cヘテロシクロアルコキシ、C~Cアルキルチオ、C~Cアルカノイル、C~Cアルキルスルホニル、アミノスルホニル、C~Cハロアルキル、C~Cハロアルコキシ、C~Cハロシクロアルキル、C~Cハロシクロアルコキシ、C~Cハロヘテロシクロアルキル、C~Cハロヘテロシクロアルコキシから選択される。
【0045】
更に、本発明の化合物、その立体異性体、又はその薬学的に許容される塩であって、一般式IIIにおいて、
【0046】
【化12】
【0047】
はハロゲン、C1-8アルコキシ、C3-8シクロアルコキシ、C~Cヘテロシクロアルコキシ、C~Cアルキルチオ、C~Cアルキルスルホニル、C1-8ハロアルコキシ、C3-8ハロシクロアルコキシから選択され;
nは2から選択される。
【0048】
更に、本発明の化合物、その立体異性体、又はその薬学的に許容される塩であって、好ましい前記化合物は一般式Vで表される構造を有し、
【0049】
【化13】
【0050】
はハロゲン、C1-6アルコキシ、C3-6シクロアルコキシ、C~Cヘテロシクロアルコキシ、C~Cアルキルチオ、C~Cアルキルスルホニル、C1-6ハロアルコキシ、C3-6ハロシクロアルコキシから選択される。
【0051】
更に、本発明の好ましい化合物であって、一般式IIa~IIc又はIIc-2において、
、XはCHであり、両者の間は単結合であり;R及びRはHであり;R及びRはメチルであり;
mは2、3、4、5から選択され;
は水素から選択されない。
【0052】
本発明の好ましい化合物であって、一般式IIa~IIc又はIIc-2において、
はClであり;R、R、Rの少なくとも2つは水素から選択されない。
【0053】
好ましくは、前記化合物は一般式Vaで表される構造を有し、
【0054】
【化14】
【0055】
’はH、Fであり;
【0056】
【化15】
【0057】
である。
【0058】
好ましくは、下記の化合物から選択される化合物、その立体異性体、又はその薬学的に許容される塩である。
【0059】
【表1】
【0060】
好ましくは、前記化合物は下記の化合物である。
【0061】
N-(4-(7-メトキシ-1,3,4,5-テトラヒドロ-2H-ベンゾ[c]アゼピン-2-イル)-2,6-ジメチルフェニル)-3,3-ジメチルブチルアミド(001)
N-(4-(7-エトキシ-1,3,4,5-テトラヒドロ-2H-ベンゾ[c]アゼピン-2-イル)-2,6-ジメチルフェニル)-3,3-ジメチルブチルアミド(002)
N-(4-(7-イソプロポキシ-1,3,4,5-テトラヒドロ-2H-ベンゾ[c]アゼピン-2-イル)-2,6-ジメチルフェニル)-3,3-ジメチルブチルアミド(003)
N-(4-(7-(sec-ブトキシ)-1,3,4,5-テトラヒドロ-2H-ベンゾ[c]アゼピン-2-イル)-2,6-ジメチルフェニル)-3,3-ジメチルブチルアミド(004)
N-(4-(7-(ジフルオロメトキシ)-1,3,4,5-テトラヒドロ-2H-ベンゾ[c]アゼピン-2-イル)-2,6-ジメチルフェニル)-3,3-ジメチルブチルアミド(005)
N-(2,6-ジメチル-4-(7-(トリフルオロメトキシ)-1,3,4,5-テトラヒドロ-2H-ベンゾ[c]アゼピン-2-イル)フェニル)-3,3-ジメチルブチルアミド(006)
N-(2,6-ジメチル-4-(7-(2,2,2-トリフルオロエトキシ)-1,3,4,5-テトラヒドロ-2H-ベンゾ[c]アゼピン-2-イル)フェニル)-3,3-ジメチルブチルアミド(007)
N-(2,6-ジメチル-4-(7-((1,1,1-トリフルオロプロパン-2-イル)オキシ)-1,3,4,5-テトラヒドロ-2H-ベンゾ[c]アゼピン-2-イル)フェニル)-3,3-ジメチルブチルアミド(008)
N-(4-(7-シクロプロポキシ-1,3,4,5-テトラヒドロ-2H-ベンゾ[c]アゼピン-2-イル)-2,6-ジメチルフェニル)-3,3-ジメチルブチルアミド(009)
N-(4-(7-シクロブトキシ-1,3,4,5-テトラヒドロ-2H-ベンゾ[c]アゼピン-2-イル)-2,6-ジメチルフェニル)-3,3-ジメチルブチルアミド(010)
N-(4-(7-(シクロペントオキシ)-1,3,4,5-テトラヒドロ-2H-ベンゾ[c]アゼピン-2-イル)-2,6-ジメチルフェニル)-3,3-ジメチルブチルアミド(011)
N-(4-(7-(シクロヘキシルオキシ)-1,3,4,5-テトラヒドロ-2H-ベンゾ[c]アゼピン-2-イル)-2,6-ジメチルフェニル)-3,3-ジメチルブチルアミド(012)
N-(2,6-ジメチル-4-(7-(オキセタン-3-イル-オキシ)-1,3,4,5-テトラヒドロ-2H-ベンゾ[c]アゼピン-2-イル)フェニル)-3,3-ジメチルブチルアミド(013)
N-(2,6-ジメチル-4-(7-(メチルチオ)-1,3,4,5-テトラヒドロ-2H-ベンゾ[c]アゼピン-2-イル)フェニル)-3,3-ジメチルブチルアミド(014)
N-(2,6-ジメチル-4-(7-(メチルスルホニル)-1,3,4,5-テトラヒドロ-2H-ベンゾ[c]アゼピン-2-イル)フェニル)-3,3-ジメチルブチルアミド(015)
N-(4-(7-フルオロ-5,5-ジメチル-1,3,4,5-テトラヒドロ-2H-ベンゾ[c]アゼピン-2-イル)-2,6-ジメチルフェニル)-3,3-ジメチルブチルアミド(016)
N-(4-(5,5-ジメチル-1,3,4,5-テトラヒドロ-2H-ベンゾ[c]アゼピン-2-イル)-2,6-ジメチルフェニル)-3,3-ジメチルブチルアミド(017)
N-(4-(2-クロロ-8,8-ジメチル-4,6,7,8-テトラヒドロ-5H-チエノ[3,2-c]アゼピン-5-イル)-2,6-ジメチルフェニル)-3,3-ジメチルブチルアミド(018)
N-(4-(8,8-ジメチル-4,6,7,8-テトラヒドロ-5H-チエノ[3,2-c]アゼピン-5-イル)-2,6-ジメチルフェニル)-3,3-ジメチルブチルアミド(019)
N-(4-(2-クロロ-4,4-ジメチル-4,5,6,8-テトラヒドロ-7H-チエノ[2,3-c]アゼピン-7-イル)-2,6-ジメチルフェニル)-3,3-ジメチルブチルアミド(020)
N-(4-(4,4-ジメチル-4,5,6,8-テトラヒドロ-7H-チエノ[2,3-c]アゼピン-7-イル)-2,6-ジメチルフェニル)-3,3-ジメチルブチルアミド(021)
N-(4-(7-フルオロ-3,4-ジヒドロスピロ[ベンゾ[c]アゼピン-5,1’-シクロプロパン]-2(1H)-イル)-2,6-ジメチルフェニル)-3,3-ジメチルブチルアミド(022)
N-(4-(8-フルオロ-1,2,3,5-テトラヒドロ-4H-ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン-4-イル)-2,6-ジメチルフェニル)-3,3-ジメチルブチルアミド(023)
N-(4-(8-フルオロ-1-メチル-1,2,3,5-テトラヒドロ-4H-ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン-4-イル)-2,6-ジメチルフェニル)-3,3-ジメチルブチルアミド(024)
N-(4-(8-フルオロ-2,3-ジヒドロベンゾ[f][1,4]チアゼピン-4(5H)-イル)-2,6-ジメチルフェニル)-3,3-ジメチルブチルアミド(025)
N-(4-(8-フルオロ-1,1-ジオキソ-2,3-ジヒドロベンゾ[f][1,4]チアゼピン-4(5H)-イル)-2,6-ジメチルフェニル)-3,3-ジメチルブチルアミド(026)
N-(4-(7-フルオロ-1,3-ジヒドロ-2H-ベンゾ[c]アゼピン-2-イル)-2,6-ジメチルフェニル)-3,3-ジメチルブチルアミド(027)
N-(4-(7-フルオロ-5-メチル-1,3-ジヒドロ-2H-ベンゾ[c]アゼピン-2-イル)-2,6-ジメチルフェニル)-3,3-ジメチルブチルアミド(028)
N-(3-フルオロ-4-(7-フルオロ-1,3,4,5-テトラヒドロ-2H-ベンゾ[c]アゼピン-2-イル)-2-メチルフェニル)-3,3-ジメチルブチルアミド(029)
N-(4-(7-フルオロ-1,3,4,5-テトラヒドロ-2H-ベンゾ[c]アゼピン-2-イル)-2,3,6-トリメチルフェニル)-3,3-ジメチルブチルアミド(030)
N-(3-クロロ-4-(7-フルオロ-1,3,4,5-テトラヒドロ-2H-ベンゾ[c]アゼピン-2-イル)-2,6-ジメチルフェニル)-3,3-ジメチルブチルアミド(031)
(R)-N-(2,6-ジメチル-4-(7-((1,1,1-トリフルオロプロパン-2-イル)オキシ)-1,3,4,5-テトラヒドロ-2H-ベンゾ[c]アゼピン-2-イル)フェニル)-3,3-ジメチルブチルアミド(032)
(S)-N-(2,6-ジメチル-4-(7-((1,1,1-トリフルオロプロパン-2-イル)オキシ)-1,3,4,5-テトラヒドロ-2H-ベンゾ[c]アゼピン-2-イル)フェニル)-3,3-ジメチルブチルアミド(033)
(R)-N-(2,6-ジメチル-4-(7-((1,1,1-トリフルオロプロパン-2-イル)オキシ)-1,3,4,5-テトラヒドロ-2H-ベンゾ[c]アゼピン-2-イル)フェニル)-3,3-ジメチルブチルアミド(032)
(S)-N-(2,6-ジメチル-4-(7-((1,1,1-トリフルオロプロパン-2-イル)オキシ)-1,3,4,5-テトラヒドロ-2H-ベンゾ[c]アゼピン-2-イル)フェニル)-3,3-ジメチルブチルアミド(033)
N-(4-(8-フルオロ-7-((1,1,1-トリフルオロプロパン-2-イル)オキシ)-1,3,4,5-テトラヒドロ-2H-ベンゾ[c]アゼピン-2-イル)-2,6-ジメチルフェニル)-3,3-ジメチルブチルアミド(034)
N-(4-(8-フルオロ-7-イソプロポキシ-1,3,4,5-テトラヒドロ-2H-ベンゾ[c]アゼピン-2-イル)-2,6-ジメチルフェニル)-3,3-ジメチルブチルアミド(035)
(S)-N-(4-(8-フルオロ-7-((1,1,1-トリフルオロプロパン-2-イル)オキシ)-1,3,4,5-テトラヒドロ-2H-ベンゾ[c]アゼピン-2-イル)-2,6-ジメチルフェニル)-3,3-ジメチルブチルアミド(036)
(R)-N-(4-(8-フルオロ-7-((1,1,1-トリフルオロプロパン-2-イル)オキシ)-1,3,4,5-テトラヒドロ-2H-ベンゾ[c]アゼピン-2-イル)-2,6-ジメチルフェニル)-3,3-ジメチルブチルアミド(037)
N-(4-(8-フルオロ-7-メトキシ-1,3,4,5-テトラヒドロ-2H-ベンゾ[c]アゼピン-2-イル)-2,6-ジメチルフェニル)-3,3-ジメチルブチルアミド(038)
N-(4-(7-(sec-ブトキシ)-8-フルオロ-1,3,4,5-テトラヒドロ-2H-ベンゾ[c]アゼピン-2-イル)-2,6-ジメチルフェニル)-3,3-ジメチルブチルアミド(039)
(S)-N-(4-(7-(sec-ブトキシ)-8-フルオロ-1,3,4,5-テトラヒドロ-2H-ベンゾ[c]アゼピン-2-イル)-2,6-ジメチルフェニル)-3,3-ジメチルブチルアミド(040)
(R)-N-(4-(7-(sec-ブトキシ)-8-フルオロ-1,3,4,5-テトラヒドロ-2H-ベンゾ[c]アゼピン-2-イル)-2,6-ジメチルフェニル)-3,3-ジメチルブチルアミド(041)
N-(4-(7-シクロプロポキシ-8-フルオロ-1,3,4,5-テトラヒドロ-2H-ベンゾ[c]アゼピン-2-イル)-2,6-ジメチルフェニル)-3,3-ジメチルブチルアミド(042)
N-(4-(7-シクロブトキシ-8-フルオロ-1,3,4,5-テトラヒドロ-2H-ベンゾ[c]アゼピン-2-イル)-2,6-ジメチルフェニル)-3,3-ジメチルブチルアミド(043)
N-(4-(7-(シクロペントオキシ)-8-フルオロ-1,3,4,5-テトラヒドロ-2H-ベンゾ[c]アゼピン-2-イル)-2,6-ジメチルフェニル)-3,3-ジメチルブチルアミド(044)
N-(4-(7-(シクロヘキシルオキシ)-8-フルオロ-1,3,4,5-テトラヒドロ-2H-ベンゾ[c]アゼピン-2-イル)-2,6-ジメチルフェニル)-3,3-ジメチルブチルアミド(045)
N-(4-(7,8-ジフルオロ-1,3-ジヒドロ-2H-ベンゾ[c]アゼピン-2-イル)-2,6-ジメチルフェニル)-3,3-ジメチルブチルアミド(046)
N-(4-(7,8-ジフルオロ-1,3,4,5-テトラヒドロ-2H-ベンゾ[c]アゼピン-2-イル)-2,6-ジメチルフェニル)-3,3-ジメチルブチルアミド(047)
N-(3-クロロ-4-(7,8-ジフルオロ-1,3,4,5-テトラヒドロ-2H-ベンゾ[c]アゼピン-2-イル)-2,6-ジメチルフェニル)-3,3-ジメチルブチルアミド(048)
N-(4-(7,8-ジフルオロ-3,4-ジヒドロスピロ[ベンゾ[c]アゼピン-5,1’-シクロプロパン]-2(1H)-イル)-2,6-ジメチルフェニル)-3,3-ジメチルブチルアミド(049)
(E)-N-(2,6-ジメチル-4-(7-((4,4,4-トリフルオロブタ-2-エン-1-イル)オキシ)-1,3,4,5-テトラヒドロ-2H-ベンゾ[c]アゼピン-2-イル)フェニル)-3,3-ジメチルブチルアミド(050)
N-(4-(7-((3-(ジフルオロメチル)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル)オキシ)-1,3,4,5-テトラヒドロ-2H-ベンゾ[c]アゼピン-2-イル)-2,6-ジメチルフェニル)-3,3-ジメチルブチルアミド(051)
N-(2,6-ジメチル-4-(7-(2,2,2-トリフルオロ-1-メトキシエトキシ)-1,3,4,5-テトラヒドロ-2H-ベンゾ[c]アゼピン-2-イル))フェニル)-3,3-ジメチルブチルアミド(052)
N-(2,6-ジメチル-4-(7-(3,3,3-トリフルオロ-2-メチルプロポキシ)-1,3,4,5-テトラヒドロ-2H-ベンゾ[c]アゼピン-2-イル)フェニル)-3,3-ジメチルブチルアミド(053)
N-(2,6-ジメチル-4-(7-((1-(トリフルオロメチル)シクロプロピル)メトキシ)-1,3,4,5-テトラヒドロ-2H-ベンゾ[c]アゼピン-2-イル)フェニル)-3,3-ジメチルブチルアミド(054)
N-(4-(7-((1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパ-2-イル)オキシ)-1,3,4,5-テトラヒドロ-2H-ベンゾ[c]アゼピン-2-イル)-2,6-ジメチルフェニル)-3,3-ジメチルブチルアミド(055)
N-(2,6-ジメチル-4-(7-(2-(2,2,2-トリフルオロエトキシ)エトキシ)-1,3,4,5-テトラヒドロ-2H-ベンゾ[c]アゼピン-2-イル)フェニル)-3,3-ジメチルブチルアミド(056)
N-(2,6-ジメチル-4-(7-(2,2,3,3-テトラフルオロプロポキシ)-1,3,4,5-テトラヒドロ-2H-ベンゾ[c]アゼピン-2-イル)フェニル)-3,3-ジメチルブチルアミド(057)
N-(2,6-ジメチル-4-(7-(3,3,3-トリフルオロプロポキシ)-1,3,4,5-テトラヒドロ-2H-ベンゾ[c]アゼピン-2-イル)フェニル)-3,3-ジメチルブチルアミド(058)
N-(2,6-ジメチル-4-(7-((4-(トリフルオロメチル)シクロヘキシル)オキシ)-1,3,4,5-テトラヒドロ-2H-ベンゾ[c]アゼピン-2-イル)フェニル)-3,3-ジメチルブチルアミド(059)
N-(2,6-ジメチル-4-(7-(4,4,4-トリフルオロブトキシ)-1,3,4,5-テトラヒドロ-2H-ベンゾ[c]アゼピン-2-イル)フェニル)-3,3-ジメチルブチルアミド(060)
N-(2,6-ジメチル-4-(7-((4,4,5,5,5-ペンタフルオロペンチル)オキシ)-1,3,4,5-テトラヒドロ-2H-ベンゾ[c]アゼピン-2-イル)フェニル)-3,3-ジメチルブチルアミド(061)
N-(2,6-ジメチル-4-(7-(2,2,4,4,4-ペンタフルオロブトキシ)-1,3,4,5-テトラヒドロ-2H-ベンゾ[c]アゼピン-2-イル)フェニル)-3,3-ジメチルブチルアミド(062)
N-(4-(7-(4-フルオロブトキシ)-1,3,4,5-テトラヒドロ-2H-ベンゾ[c]アゼピン-2-イル)-2,6-ジメチルフェニル)-3,3-ジメチルブチルアミド(063)
[用語説明]
別途に定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語及び科学用語は、当業者によって一般に理解されるものと同じ意味を有する。別途に説明しない限り、本発明において参照されるすべての特許文献、公開資料等は、全体が参照文献に組み込まれる。本発明において同じ用語の定義が複数ある場合には、本明細書の定義を優先する。
【0062】
前述の一般的な説明と以下の詳細な説明は例示的かつ説明的なものに過ぎず、いずれの請求項も制限しないことを理解されたい。本明細書及び添付の特許請求の範囲において、文章に別途の記載がない限り、「1つ」、「1個」、及び「当該」などの単数の指示対象は複数の指示対象を含むことに留意されたい。また、別途に説明しない限り、「又は」は「及び/又は」を意味することにも留意されたい。さらに、「含む」、「含有する」などの用語は限定的なものではない。
【0063】
「置換」とは、水素原子が置換基により置換されることを意味する。特定の原子上の置換基はその原子価によって制限されることに注意されたい。定義部分における「C~C」、「Ci-j」には、始点と終点の範囲が含まれ、ここで、iとjは両方とも炭素原子の数を表す整数である。例えば、C~C、C~C、C~C、C1-6、C3-6等である。
【0064】
本発明に記載の基及び化合物に関するC、H、O、S、N、F、Cl、Br、Iなどには、いずれもそれらの同位体が含まれる。同時に、本発明の基及び化合物に含まれるC、H、O、S、N、F、Cl、Br、Iは、必要に応じて、1つ又は複数のそれらに対応する同位体により置換され得、炭素の同位体12C、13C、14C、水素の同位体プロチウム(H)、重水素(D)、トリチウム(T)、酸素の同位体16O、17O、18O、硫黄の同位体32S、33S、34S、36S、窒素の同位体14N、15N、フッ素の同位体17F、19F、塩素の同位体35Cl、37Cl、臭素の同位体79Br、81Br等を含むが、これらに限定されない。
【0065】
本発明で使用される「アルキル」という用語は、1~8個の炭素原子を含む直鎖又は分枝鎖の飽和炭化水素基を指し、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、p-ペンチル、n-ヘキシル、イソヘキシル、ネオヘキシル、ヘプチル、イソヘプチル、ネオヘプチル、オクチル、イソオクチルなど等を含むが、これらに限定されない。アルキルは1つ又は複数の置換基で置換され得、複数置換の場合、置換基は同じであっても異なってもよく;前記置換基は独立して、D(重水素)、オキソ、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシル、アミノ、アミノアルキル、アルケニル、アルキニル、カルボキシル、カルボキシレート、アシル、アミド、メチルスルホニル、アルキルアミド、C~Cアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cヒドロキシアルキル、C~Cアルキルアミノ、C~Cハロアルキル、C~Cハロアルコキシ、C~Cハロヒドロキシアルキル、C~Cハロアルキルアミノ、C~C12シクロアルキル、C~C12ハロシクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アルコキシカルボニル、アルキルチオ、アルキルスルホニル、ヒドロキシアルキルアミド、スルホンアミノ、スピロアルキル、C~C12アリール、C~C14ヘテロアリール、C~C12ヘテロシクリルである。
【0066】
本発明で使用される「アルケニル」、「アルキレン」という用語は、1~8個の炭素原子を含み、少なくとも1つのC=C二重結合を含む直鎖又は分岐鎖の炭化水素鎖基を指し、ビニル、1-プロペニル、2-プロペニル、1-ブテニル、2-ブテニル、3-ブテニル、1-ペンテニル、2-ペンテニル、3-ペンテニル、4-ペンテニル、1-メチル-1-ブテニル、1-メチル-2-ブテニル、1-ヘキセニル、2-ヘキセニル、3-ヘキセニル、4-ヘキセニル、5-ヘキセニル、1-メチル-1-ペンテニル、2-メチル-1-ペンテニル、1-ヘプテニル、2-ヘプテニル、3-ヘプテニル、1-メチル-2-ヘキセニル、2-メチル-2-ヘキセニル、2-メチル-3-ヘキセニル、3,5-ジメチル-2-ヘキセニル、3,3-ジメチル-1-ペンテニル、3-メチル-2-エチル-1-ブテニル、1-オクテニル、2-オクテニル等を含むが、これらに限定されない。アルケニルは1つ又は複数の置換基で置換され得、複数置換の場合、置換基は同じあっても異なってもよく;前記置換基は独立して、D、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、ヒドロキシアルキル、ハロヒドロキシアルキル、アルキルアミノ、ハロアルキルアミノ、シクロアルキル、ハロシクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、ヒドロキシル、ハロゲン、シアノ、ニトロ、アミノ、アミノアルキル、カルボキシル、アミド、スルホンアミド、スピロアルキルである。
【0067】
本発明で使用される「アルキニル」という用語は、1~8個の炭素原子を含み、少なくとも1つのC≡C三重結合を含む直鎖又は分岐鎖の炭化水素鎖基を指し、エチニル、1-プロピニル、2-プロピニル、1-ブチニル、2-ブチニル、3-ブチニル、1-ペンチニル、2-ペンチニル、3-ペンチニル、4-ペンチニル、3-メチル-1-ブチニル、4-メチル-1-ブチニル、2-メチル-3-ブチニル、1-メチル-4-ブチニル、1-ヘキシニル、2-ヘキシニル、3-ヘキシニル、4-ヘキシニル、1-メチル-2-ペンチニル、1-メチル-3-ペンチニル、1-メチル-4-ペンチニル、2-メチル-3-ペンチニル、2,2-ジメチル-4-ペンチニル、1-ヘプチニル、2-ヘプチニル、3-ヘプチニル、4-ヘプチニル、5-ヘプチニル、2-メチル-3-ヘキシニル、3-メチル-1-ヘキシニル、3,3-ジメチル-1-ヘキシニル、4-メチル-1-ヘキシニル等を含むが、これらに限定されない。アルキニルは1つ又は複数の置換基で置換され得、複数置換の場合、置換基は同じあっても異なってもよく;前記置換基は独立して、D、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、ヒドロキシアルキル、ハロヒドロキシアルキル、アルキルアミノ、ハロアルキルアミノ、シクロアルキル、ハロシクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、ヒドロキシル、ハロゲン、シアノ、ニトロ、アミノ、アミノアルキル、カルボキシル、アミド、スルホンアミド、スピロアルキルである。
【0068】
本発明で使用される用語「ハロゲン」、「ハロ」は、フッ素、塩素、臭素及びヨードを指し、好ましくはフッ素、塩素及び臭素である。
【0069】
本発明で使用される「シクロアルキル」という用語は、3~12個の炭素原子を含む、単環式又は多環式(2つの単環は化学結合、架橋環、スピロ環、又は縮合によって接続される)の非芳香族一価炭化水素基を指し、1つ又は複数の化学結合が二重結合又は三重結合であってもよい。「シクロアルキル」は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル、シクロデシル、オクタヒドロインデニル、デカヒドロナフタレニル、ビシクロ[1.1.0]ブタニル、ビシクロ[2.1.0]ペンタニル、ビシクロ[2.2.0]ヘキセニル、ビシクロ[3.2.0]ヘプタニル、ビシクロ[4.2.0]オクタニル、ビシクロ[1.1.1]ペンタニル、ビシクロ[2.1.1]ヘキセニル、ビシクロ[3.1.1]ヘプタニル、ビシクロ[2.2.1]ヘプタニル、ビシクロ[4.1.1]オクタニル、ビシクロ[3.2.1]オクタニル、ビシクロ[3.2.1]オクタニル、ビシクロ[5.1.1]ノニル、ビシクロ[4.2.1]ノニル、ビシクロ[4.3.1]ノニル、ビシクロ[3.2.2]ノニル、ビシクロ[5.2.1]デシル、ビシクロ[4.2.2]デシル、スピロ[2.2]ペンタニル、スピロ[2.3]ヘキシル、スピロ[2.4]ヘプタニル、スピロ[2.5]オクチル、スピロ[2.6]ノニル、スピロ[3.5]ノニル、スピロ[3.4]オクチル、スピロ[3.3]ヘプタニル、スピロ[4.5]デシル、スピロ[4.4]ノニル等を含むが、これらに限定されない。シクロアルキルは1つ又は複数の置換基で置換され得、複数置換の場合、置換基は同じあっても異なってもよく;前記置換基は独立して、D(重水素)、オキソ、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシル、アミノ、アミノアルキル、アルケニル、アルキニル、カルボキシル、カルボキシレート、アシル、アミド、メチルスルホニル、アルキルアミド、C~Cアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cヒドロキシアルキル、C~Cアルキルアミノ、C~Cハロアルキル、C~Cハロアルコキシ、C~Cハロヒドロキシアルキル、C~Cハロアルキルアミノ、C~C12シクロアルキル、C~C12ハロシクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アルコキシカルボニル、アルキルチオ、アルキルスルホニル、ヒドロキシアルキルアミド、スルホンアミド、スピロアルキル、C~C12アリール、C~C14ヘテロアリール、C~C12ヘテロシクリルである。
【0070】
本発明で使用される「シクロアルケニル」という用語は、3~12個の炭素原子を含むみ、少なくとも1つのC=C二重結合を含む単環式又は多環式(2つの単環は化学結合、架橋環、スピロ環、又は縮合によって接続される)の非芳香族一価炭化水素基を指し、シクロプロペニル、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニル、シクロアルケニル、スピロ[2.2]ペント-1-アルケニル、スピロ[2.2]ペント-1,4-ジアルケニル、スピロ[2.3]ヘキサ-1-アルケニル、スピロ[2.3]ヘキサ-1,4-ジアルケニル、スピロ[3.3]ヘプト-1-アルケニル、スピロ[3.3]ヘプト-1,5-ジアルケニル、スピロ[3.4]オクト-1-アルケニル、スピロ[3.4]オクト-1,6-ジアルケニル、スピロ[3.4]オクト-5-アルケニル、スピロ[3.4]オクト-6-アルケニル、スピロ[3.4]オクト-1-アルケニル、ビシクロ[2.1.1]ヘキサ-1-アルケニル、ビシクロ[2.1.1]ヘキサ-2-アルケニル、ビシクロ[3.1.1]ヘプト-1-アルケニル、ビシクロ[3.1.1]ヘプト-2-アルケニル、ビシクロ[2.2.1]ヘプト-1-アルケニル、ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-アルケニル等を含むがこれらに限定されない。シクロアルケニルは1つ又は複数の置換基で置換され得、複数置換の場合、置換基は同じあっても異なってもよく;前記置換基は独立して、D(重水素)、オキソ、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシル、アミノアルキル、アルケニル、アルキニル、カルボキシル、カルボキシレート、アシル、アミド、メチルスルホニル、アルキルアミド、C~Cアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cヒドロキシアルキル、C~Cアルキルアミノ、C~Cハロアルキル、C~Cハロアルコキシ、C~Cハロヒドロキシアルキル、C~Cハロアルキルアミノ、C~C12シクロアルキル、C~C12ハロシクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アルコキシカルボニル、アルキルチオ、アルキルスルホニル、ヒドロキシアルキルアミド、スルホンアミド、スピロアルキル、C~C12アリール、C~C12ヘテロアリール、C~C12ヘテロシクリルである。
【0071】
本発明で使用される用語「ヘテロシクリル」、「ヘテロシクロアルキル」は、3~15個の環原子を有する、単環式又は多環式(2つの単環は化学結合、架橋環、スピロ環、又は縮合によって接続される)、飽和又は不飽和(1つ又は複数の共役又は不完全な共役の二重結合を含む)の二価環状炭化水素基を指し、1つ又は複数のN、O、Sから選択されるヘテロ原子を有する。ヘテロシクリルは、ピリジル、ピリミジル、ピラジニル、ピリダジニル、トリアジニル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、ピラゾリル、チアゾリル、チエニル、フリル、トリアゾリル、オキサゾリル、イミダゾリル、インダゾリル、インドリジニル、インドリル、インドリニル、イソインドリニル、キノリニル、イソキノリニル、キノキサリニル、キナゾリニル、ジヒドロキノリニル、テトラヒドロキノリニル、ジヒドロイソキノリニル、ジヒドロイソキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、シンノリニル、プテリジニル、プリニル、ピラニル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、ジオキサニル、オキシラニル、オキセタニル、オキサニル、オキセパニル、オキソカニル、アジリジニル、アゼチジニル、アザシクロペンテニル、アゼパニル、アザシクロオクチル、チアシクロブタニル、チアゼピン、ジヒドロフリル、ジヒドロチエニル、ジヒドロピラニル、テトラヒドロフリル、テトラヒドロチオフェニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、テトラヒドロチアゾリル、テトラヒドロイミダゾリル、ヘキサヒドロピリダジニル、ヘキサヒドロピリミジニル、チエノアゼピン、ベンザゼピン、ベンゾイミダゾリル、ベンゾフリル、ベンゾチエニル、ベンゾチアゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾトリアジニル、ベンゾオキサジアゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンズイソオキサゾリル、イミダゾピリジル、イミダゾチアゾリル、ピロロピリジル、チエノピロリル、チエノチエニル、チエノピリジル、チエノピリミジニル、ピラゾロピリミジニル、ピロロピロリル、ピロロピリミジニル、ピロロピリダジニル、1-アザスピロ[2.2]ペンチル、1-アザスピロ[2.3]ヘキシル、4-アザスピロ[2.3]ヘキシル、5-アザスピロ[2.3]3]ヘキシル、2-アザスピロ[3.3]ヘプタン、2,6-ジアザスピロ[3.3]ヘプタン、2-オキサ-6-アザスピロ[3.3]ヘプタン、1-アザスピロ[2.5]オクチル、2-アザスピロ[3.4]オクチル、6-アザスピロ[3.4]オクチル、2,6-ジアザスピロ[3.4]オクチル、2-アザスピロ[3.5]ノニル、6-アザスピロ[3.5]ノニル、7-アザスピロ[3.5]ノニル、2,7-ジアザスピロ[3.5]ノニル、2-オキサ-7-アザスピロ[3.5]ノニル、1-アザスピロ[4.4]ノニル、2-アザスピロ[4.4]ノニル、8-アザスピロ[4.5]デシル、2,8-ジアザスピロ[4.5]デシル、1-オキサスピロ[2.2]ペンチル、1-オキサスピロ[2.3]ヘキシル、4-オキサスピロ[2.3]ヘキシル、5-オキサスピロ[2.3]ヘキシル、2-オキサスピロ[3.3]ヘプチル、1-オキサスピロ[2.5]オクチル、2-オキサスピロ[3.4]オクチル、6-オキサスピロ[3.4]オクチル、2-オキサスピロ[3.5]ノニル、6-オキサスピロ[3.5]ノニル、7-オキサスピロ[3.5]ノニル、1-オキサスピロ[4.4]ノニル、2-オキサスピロ[4.4]ノニル、8-オキサスピロ[4.5]デカン、デカヒドロキノリニル、デカヒドロイソキノリニル、2-アザビシクロ[1.1.1]ペンタニル、2-オキサビシクロ[1.1.1]ペンタニル、アザビシクロ[2.1.1]ヘキシル、オキサビシクロ[2.1.1]ヘキシル、アザビシクロ[3.1.1]ヘプタニル、オキサビシクロ[3.1.1]ヘプタニル、アザビシクロ[2.2.1]ヘプチル、アザビシクロ[4.1.1]オクタニル、アザビシクロ[3.2.1]オクタニル、アザビシクロ[3.2.1]オクタニル等を含むがこれらに限定されない。ヘテロシクリルは1つ又は複数の置換基で置換され得、複数置換の場合、置換基は同じあっても異なってもよく;前記置換基は独立して、D(重水素)、オキソ、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシル、アミノ、アミノアルキル、アルケニル、アルキニル、カルボキシル、カルボキシレート、アシル、アミド、メチルスルホニル、アルキルアミド、C~Cアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cヒドロキシアルキル、C~Cアルキルアミノ、C~Cハロアルキル、C~Cハロアルコキシ、C~Cハロヒドロキシアルキル、C~Cハロアルキルアミノ、C~C12シクロアルキル、C~C12ハロシクロアルキル、アルコキシカルボニル、アルキルチオ、アルキルスルホニル、ヒドロキシアルキルアミド、スルホンアミド、スピロアルキル、C~C12アリール、C~C14ヘテロアリール、C~C12ヘテロシクリルである。本明細書の定義によると、用語「ヘテロシクリル」は、少なくとも1つのヘテロ原子を有する芳香族複素環基、非芳香族複素環基、または脂肪族複素環基を含み得る。
【0072】
本発明で使用される「スピロアルキル」という用語は、アルキルにおける2つの炭素原子が親分子基の同じ炭素原子に結合して形成された3~12員炭素環を指す。
【0073】
本発明で使用される「アルコキシ」という用語は、アルキル-O-を指し、ここで、アルキルは上記に定義された通りである。本発明で使用される「アルコキシ」の実例は、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロポキシ、n-ブトキシ、sec-ブトキシ、tert-ブトキシ、ペントキシ、2-ペントキシ、イソペントキシ、ネオペントキシ、ヘキシルオキシ、2-ヘキシルオキシ、3-ヘキシルオキシ、3-メチルペントキシ等を含むが、それらに限定されない。「アルコキシ」は更に、置換されたアルコキシを含み、その置換はD、ハロゲン、オキソ、アミノ、ヒドロキシル、シアノ、ニトロ、カルボキシル、アミド、スルホンアミド、スピロアルキル、C~Cアルキル、C~Cヒドロキシアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cアルキルアミノ、C~Cハロアルキル、C~Cハロヒドロキシアルキル、C~Cハロアルコキシ、C~Cハロアルキルアミノ、C~C12シクロアルキル、C~C12シクロヘキシル、C~C12アリール、C~C14ヘテロアリールであってもよい。
【0074】
本発明で使用される「アルケニルオキシ」という用語は、アルケニル-O-を指し、ここで、アルケニルは上記に定義された通りである。「アルケニルオキシ」は更に、置換されたアルケニルオキを含み、その置換基はD、ハロゲン、オキソ、アミノ、ヒドロキシル、シアノ、ニトロ、カルボキシル、アミド、スルホンアミド、スピロアルキル、C~Cアルキル、C~Cヒドロキシアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cアルキルアミノ、C~Cハロアルキル、C~Cハロヒドロキシアルキル、C~Cハロアルコキシ、C~Cハロアルキルアミノ、C~C12シクロアルキル、C~C12ヘテロシクリル、C~C12アリール、C~C14ヘテロアリールであってもよい。
【0075】
本発明で使用される「シクロアルコキシ」という用語は、シクロアルキル-O-を指し、ここで、シクロアルキルは上記に定義された通りである。本発明で使用される「シクロアルコキシ」の実例は、シクロプロパニルオキシ、シクロブタニルオキシ、シクロペンタニルオキシ、シクロヘキサニルオキシ、シクロヘプタニルオキシ、シクロオクタニルオキシ、ビシクロ[1.1.0]ブタニルオキシ、ビシクロ[2.1.0]ペンタニルオキシ、ビシクロ[2.2.0]ヘキサニルオキシ、ビシクロ[1.1.1]ペンタニルオキシ、ビシクロ[2.1.1]ヘキサニルオキシなどを含むが、これらに限定されない。「シクロアルコキシ」は更に、置換されたシクロアルコキシを含み、その置換基はD、ハロゲン、オキソ、アミノ、ヒドロキシル、シアノ、ニトロ、カルボキシル、アミド、スルホンアミド、スピロアルキル、C~Cアルキル、C~Cヒドロキシアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cアルキルアミノ、C~Cハロアルキル、C~Cハロヒドロキシアルキル、C~Cハロアルコキシ、C~Cハロアルキルアミノ、C~C12シクロアルキル、C~C12ヘテロシクリル、C~C12アリール、C~C14ヘテロアリールであってもよい。
【0076】
本発明で使用される「ヘテロシクロアルコキシ」という用語は、ヘテロシクロアルキル-O-を指し、ここで、ヘテロシクロアルキルは上記に定義された通りである。本発明で使用される「ヘテロシクロアルコキシ」の実例は、オキシラニルオキシ、オキセタニルオキシ、オキソリルオキシ、オキサニルオキシ、アジリジニルオキシ、アゼチジニルオキシ、アザシクロペンチルオキシ、アザシクロヘキシルオキシ等を含むが、これらに限定されない。「ヘテロシクロアルコキシ」は更に、置換されたヘテロシクロアルコキシを含み、その置換基はD、ハロゲン、オキソ、アミノ、ヒドロキシル、シアノ、ニトロ、カルボキシル、アミド、スルホンアミド、スピロアルキル、C~Cアルキル、C~Cヒドロキシアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cアルキルアミノ、C~Cハロアルキル、C~Cハロヒドロキシアルキル、C~Cハロアルコキシ、C~Cハロアルキルアミノ、C~C12シクロアルキル、C~C12ヘテロシクリル、C~C12シクロヘキシル、C~C12アリール、C~C14ヘテロアリールであってもよい。
【0077】
本発明で使用される「ハロアルキル」という用語は、ハロゲン(好ましくは、フッ素、塩素、臭素、ヨードである)により置換された直鎖又は分岐鎖のアルキルを指し、ここで、「アルキル」は上記に定義された通りである。本発明で使用される「ハロアルキル」の実例は、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、クロロメチル、ジクロロメチル、トリクロロメチル、2,2,2-トリフルオロエチル、2-フルオロエチル、2-クロロエチル、テトラフルオロエチル、ペンタフルオロエチル、1,1,1-トリフルオロプロパン-2-イル等を含むが、これらに限定されない。「ハロアルキル」は更に、置換されたハロアルキルを含み、その置換基はD、オキソ、アミノ、ヒドロキシル、シアノ、ニトロ、カルボキシル、アミド、スピロアルキル、C~Cアルキル、C~Cヒドロキシアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cアルキルアミノ、C~C12シクロアルキル、C~C12ヘテロシクリル、C~C12アリール、C~C14ヘテロアリールであってもよい。「ハロアルキル」におけるハロゲン置換基は1つ又は複数であってもよく、1つの原子上で置換されてもよく、異なる原子上で置換されてもよい。
【0078】
本発明で使用される「ハロアルコキシ」という用語はハロアルキル-O-を指し、ここで、ハロアルキルは上記に定義された通りである。本発明で使用される「ハロアルコキシ」の実例は、モノフルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、モノフルオロエトキシ、ジフルオロエトキシ、トリフルオロエトキシ、モノフルオロプロポキシ、ジフルオロプロポキシ、トリフルオロプロポキシ、テトラフルオロプロポキシ、トリフルオロイソプロポキシ、テトラフルオロイソプロポキシ、ヘキサフルオロイソプロポキシ、モノフルオロブトキシ、ジフルオロブトキシ、トリフルオロブトキシ、トリフルオロ-sec-ブトキシ、トリフルオロ-tert-ブトキシ、トリフルオロイソブトキシ、ヘキサフルオロイソブトキシ、トリフルオロペンチルオキシ、テトラフルオロペンチルオキシ、ペンタフルオロペンチルオキシ、トリフルオロイソアミルオキシ、モノクロロメトキシ、ジクロロメトキシ、モノクロロエトキシ、ジクロロエチル、クロロプロピル等を含むが、これらに限定されない。「ハロアルコキシ」は更に、置換されたハロアルコキシを含み、その置換基はD、オキソ、アミノ、ヒドロキシル、シアノ、ニトロ、カルボキシル、アミド、スピロアルキル、C~Cアルキル、C~Cヒドロキシアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cアルキルアミノ、C~C12シクロアルキル、C~C12ヘテロシクリル、C~C12アリール、C~C14ヘテロアリールであってもよい。
【0079】
本発明で使用される「ハロシクロアルキル」という用語はハロゲン(好ましくは、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素である)により置換されたシクロアルキルを指し、ここで、シクロアルキルは上記に定義された通りである。「ハロシクロアルキル」におけるハロゲン置換基は1つ又は複数であってもよく、1つの原子上で置換されてもよく、異なる原子上で置換されてもよい。
【0080】
本発明で使用される「ハロシクロアルコキシ」という用語はハロシクロアルキル-O-を指し、ここで、「ハロシクロアルコキシ」は更に、置換されたハロシクロアルコキシを含み、その置換基はD、オキソ、アミノ、ヒドロキシル、シアノ、ニトロ、カルボキシル、アミド、スピロアルキル、C~Cアルキル、C~Cヒドロキシアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cアルキルアミノ、C~C12シクロアルキル、C~C12ヘテロシクリル、C~C12アリール、C~C14ヘテロアリールであってもよい。
【0081】
本発明で使用される「ハロヘテロシクロアルキル」という用語はハロゲン(好ましくは、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素である)により置換されたヘテロシクロアルキルを指し、ここで、ヘテロシクロアルキルは上記に定義された通りである。「ハロヘテロシクロアルキル」におけるハロゲン置換は1つ又は複数であってもよく、1つの原子上で置換されてもよく、異なる原子上で置換されてもよい。
【0082】
本発明で使用される「ハロヘテロシクロアルコキシ」という用語はハロヘテロシクロアルキル-O-を指し、ここで、ハロヘテロシクロアルキルは上記に定義された通りである。「ハロヘテロシクロアルコキシ」は更に置換された「ハロヘテロシクロアルコキシ」を含み、その置換基はD、オキソ、アミノ、ヒドロキシル、シアノ、ニトロ、カルボキシル、アミド、スピロアルキル、C~Cアルキル、C~Cヒドロキシアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cアルキルアミノ、C~C12シクロアルキル、C~C12ヘテロシクリル、C~C12アリール、C~C14ヘテロアリールであってもよい。
【0083】
本発明で使用される「アルキルチオ」という用語はアルキル-S-を指し、ここで、アルキルは上記に定義された通りである。アルキルチオはメチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、ブチルチオ等を含むが、これらに限定されない。
【0084】
本発明で使用される「アルカノイル」という用語はアルキル-C(O)-を指し、ここで、アルキルは上記に定義された通りである。
【0085】
本発明で使用される「アルキルスルホニル」という用語はアルキル-S(O)-を指し、ここで、アルキルは上記に定義された通りである。
【0086】
本発明で使用される「アミノスルホニル」という用語はアミノ-S(O)-を指す。
【0087】
「薬学的に許容される塩」とは、当業者に周知の方法によって調製できる本発明の化合物の塩を指す。前記塩は、酸又は塩基などと形成される塩であってもよい。好ましい種類の塩は、本発明の化合物と酸との塩である。塩を形成するのに適した酸は、塩酸、臭化水素酸、フッ化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、炭酸などの無機酸;ギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、ピクリン酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、クエン酸、p-トルエンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、カンファースルホン酸、リシン酸、イソニコチン酸、サリチル酸、アスコルビン酸、ゲンチシン酸、グルコン酸、ピルビン酸、ナフタレンスルホン酸、ステアリン酸、フェニル酢酸、p-アミノベンゼンスルホン酸、イセチオン酸、パモ酸、タンニン酸などの有機酸;及び、アスパラギン酸、グルタミン酸などの酸性アミノ酸を含むが、これらに限定されない。好ましい種類の塩は、本発明の化合物と塩基とで形成された塩である。塩を形成するのに適した塩基は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、リン酸ナトリウムなどの無機塩基;アンモニア、トリエチルアミン、ジエチルアミン、ピペラジン、グアニジン、ジエタノールアミンなどの有機塩基を含むが、これらに限定されない。
【0088】
本発明の第2の目的は、上記の技術的解決策のいずれか1項に記載の化合物の1つ又は複数を含む医薬組成物を提供することである。本発明に記載の医薬組成物は、上記の技術的解決策のいずれか1項に記載の化合物の1つ又は複数の化合物とその他の化合物で構成されるか、上記の技術的解決策のいずれか1項に記載の化合物の1つ又は複数で構成され得る。
【0089】
本発明のもう1つの目的は、上記のいずれか一項に記載の化合物の1つ又は複数を含む医薬製剤を提供することである。好ましくは、錠剤、粉末剤、カプセル剤、注射剤、顆粒剤、スプレー剤を含む。もう1つの方面で、本発明は、アゴニスト性KCNQから恩恵を受ける疾患、障害、又は病症の治療における本明細書に記載の一般式I~一般式Vで表される化合物、その立体異性体、その立体異性体の混合物、又は薬学的に許容される塩の使用を提供する。
【0090】
もう1つの方面において、本発明は、カリウムチャネルイオン流量の増加に敏感な疾患を治療する医薬の調製、特に中枢神経系疾患を治療する医薬の調製における本明細書に記載の一般式I~一般式Vで表される化合物の使用を提供する。
【0091】
いくつかの実施形態において、必要とする対象の疾患は、てんかん、炎症性疼痛、神経因性疼痛、片頭痛、神経変性疾患、不安障害、脳卒中、コカイン乱用による合併症、ニコチン離脱症候群、アルコール離脱症候群、又は耳鳴りを含む。
【0092】
本発明者らは、本発明の化合物がKCNQ2/3カリウムイオンに対して有意な活性化作用を有していることが実験により確認された。
【0093】
本発明者らは、本発明が半開放電圧の左シフトを誘発する有意な効果を有していることが実験により確認された。
【0094】
本発明の発明者らは、本発明がMESによって誘発されるマウスのてんかんにおいて、マウス後肢硬直の発生を有意に阻害できることが実験により確認された。
【0095】
本発明者らは、本発明の化合物がより優れた脳内曝露性を有していることが実験により確認された。
[発明を実施するための形態]
本発明の実施可能性は以下の実施例によって説明するが、当業者であれば、従来技術の教示に従って対応する技術的特徴を修正又は置き換えることも本発明の保護範囲に属することを理解すべきである。
【0096】
実施例1:N-(4-(7-メトキシ-1,3,4,5-テトラヒドロ-2H-ベンゾ[c]アゼピン-2-イル)-2,6-ジメチルフェニル)-3,3-ジメチルブチルアミド(001)
【0097】
【化16】
【0098】
ステップ1、6-ヒドロキシ-3,4-ジヒドロナフタレン-1(2H)-オン(1g、6.17mmol)を10mLのDMFに溶解させ、炭酸セシウム(4.02g、12.33mmol)を加え、0℃でヨードメタン(1.31g、9.25mmol)を加え、80℃で2時間反応させた。反応終了後、室温まで冷却させ、30mLの水を加え、酢酸エチルで抽出し、有機相を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で2回洗浄し、減圧濃縮した後、大量の白色固体が析出され、吸引濾過し、ケーキを乾燥させて粗生成物を得、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して中間体001-1:6-メトキシ-3,4-ジヒドロナフタレン-1(2H)-オン(1.06g)を得、収率は96%であった。LC-MS (ESI-MS): 177[M+H]。次のステップに直接に使用した。
【0099】
ステップ2、中間体001-1(1g、5.67mmol)を10mLの濃塩酸に溶解させ、0℃でゆっくりとアジ化ナトリウム(737.86mg、11.35mmol)を加え、徐々に室温に戻せ、6時間反応させた。反応終了後、ゆっくりと飽和炭酸カリウム水溶液を加えて、反応系のpHを約8になるようにさせ、酢酸エチルで抽出し、有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより中間体001-2:7-メトキシ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-ベンゾ[c]アゼピン-1-オン(0.52mg)を得、収率は48%であった。LC-MS (ESI-MS): 192[M+H]
【0100】
ステップ3、中間体001-2(250mg、1.31mmol)を1mLのテトラヒドロフランに溶解させ、0℃でゆっくりと水素化アルミニウムリチウム(2.6mL、5.23mmol、2M in THF)を滴下し、還流まで昇温させ、4時間反応させた。反応終了後、反応系から泡が出なくなるまでゆっくりと水を滴下し、減圧濃縮した後、酢酸エチルで残留物を溶解させ、減圧濃縮した後、中間体001-3:7-メトキシ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-ベンゾ[c]アゼピン(200mg)を得、収率は86%であった。LC-MS (ESI-MS): 178[M+H]
【0101】
ステップ4、中間体001-3(100mg、0.56mmol)を2mLの1,4-ジオキサンに溶解させ、順次にN-(2,6-ジメチル-4-ブロモフェニル)-3,3-ジメチルブチルアミド(252.38mg、0.84mmol)、Pd(dba)(25.83mg、0.02mmol)、XPhos(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2′,4′,6′-トリイソプロピルビフェニル)(26.90mg、0.05mmol)、ナトリウムtert-ブトキシド(162.66mg、1.69mmol)を加え、窒素ガスで置換した後、80℃で2時間反応させた。反応終了後、室温まで冷却させ、吸引濾過し、酢酸エチルで固体残留物を洗浄し、その後、飽和塩化アンモニウム溶液で3回洗浄し、有機相を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより標的化合物001(90mg)を得、収率は40%であった。LC-MS (ESI-MS): 395[M+H]H NMR (400 MHz、CDCl) δ 7.18 (d、J = 8.2 Hz、1H)、6.67 (d、J = 2.4 Hz、1H)、6.62 (dd、J = 8.1、2.6 Hz、1H)、6.48 (s、2H)、6.40 (brs、1H)、4.49 (s、2H)、3.75 (s、3H)、3.73 ‐ 3.70 (m、2H)、2.95 ‐ 2.88 (m、2H)、2.23 (s、2H)、2.15 (s、6H)、1.88 ‐ 1.82 (m、2H)、1.12 (s、9H).
実施例2:N-(4-(7-エトキシ-1,3,4,5-テトラヒドロ-2H-ベンゾ[c]アゼピン-2-イル)-2,6-ジメチルフェニル)-3,3-ジメチルブチルアミド(002)
【0102】
【化17】
【0103】
実施例1の合成経路及び合成方法を参照し、ヨウ化メチルを臭化エチルに置き換えることによって標的化合物002(35mg)を調製した。LC-MS (ESI-MS): 409[M+H]H NMR (400 MHz、CDCl) δ 7.16 (d、J = 8.2 Hz、1H)、6.66 (d、J = 2.5 Hz、1H)、6.61 (dd、J = 8.2、2.6 Hz、1H)、6.49 (d、J = 6.1 Hz、2H)、6.39 (brs、1H)、4.48 (s、2H)、3.97 (q、J = 7.0 Hz、2H)、3.73 ‐ 3.68 (m、2H)、2.93 ‐ 2.87 (m、2H)、2.23 (s、2H)、2.14 (s、6H)、1.88 ‐ 1.82 (m、2H)、1.37 (t、J = 7.0 Hz、3H)、1.12 (s、9H).
実施例3:N-(4-(7-イソプロポキシ-1,3,4,5-テトラヒドロ-2H-ベンゾ[c]アゼピン-2-イル)-2,6-ジメチルフェニル)-3,3-ジメチルブチルアミド(003)
【0104】
【化18】
【0105】
実施例1の合成経路及び合成方法を参照し、ヨウ化メチルを2-ブロモプロパンに置き換えることによって標的化合物003(46mg)を調製した。LC-MS (ESI-MS): 423[M+H]H NMR (400 MHz、CDCl) δ 7.15 (d、J = 8.2 Hz、1H)、6.65 (d、J = 2.4 Hz、1H)、6.60 (dd、J = 8.2、2.5 Hz、1H)、6.48 (s、2H)、6.42 (brs、1H)、4.51 ‐ 4.44 (m、3H)、3.71 (d、J = 4.6 Hz、2H)、2.92 ‐ 2.85 (m、2H)、2.23 (s、2H)、2.14 (s、6H)、1.85 (d、J = 4.3 Hz、2H)、1.30 (d、J = 6.1 Hz、6H)、1.12 (s、9H).
実施例4:N-(4-(7-(sec-ブトキシ)-1,3,4,5-テトラヒドロ-2H-ベンゾ[c]アゼピン-2-イル)-2,6-ジメチルフェニル)-3,3-ジメチルブチルアミド(004)
【0106】
【化19】
【0107】
実施例1の合成経路及び合成方法を参照し、ヨウ化メチルを2-ブロモブタンに置き換えることによって標的化合物004(60mg)を調製した。LC-MS (ESI-MS): 437[M+H]H NMR (400 MHz、CDCl) δ 7.15 (d、J = 8.2 Hz、1H)、6.65 (d、J = 2.4 Hz、1H)、6.60 (dd、J = 8.2、2.5 Hz、1H)、6.49 (d、J = 7.5 Hz、2H)、6.42 (brs、1H)、4.49 (s、2H)、4.22 (dd、J = 12.1、6.1 Hz、1H)、3.75 ‐ 3.68 (m、2H)、2.93 ‐ 2.86 (m、2H)、2.23 (s、2H)、2.15 (s、6H)、1.88 ‐ 1.80 (m、2H)、1.75 ‐ 1.68 (m、2H)、1.25 (s、3H)、1.12 (s、9H)、0.95 ‐ 0.92 (m、3H).
実施例5:N-(4-(7-(ジフルオロメトキシ)-1,3,4,5-テトラヒドロ-2H-ベンゾ[c]アゼピン-2-イル)-2,6-ジメチルフェニル)-3,3-ジメチルブチルアミド(005)
【0108】
【化20】
【0109】
ステップ1、6-ヒドロキシ-3,4-ジヒドロ-2H-1-ナフトン(2g、12.33mmol)を10mLのDMFに溶解させ、順次にヨウ化カリウム(2.07g、12.45mmol)、テトラブチルアンモニウムヨージド(4.78g、12.45mmol)、ジフルオロブロモ酢酸ナトリウム(2.45g、12.45mmol)、炭酸セシウム(8.04g、24.66mmol)を加え、100℃で1晩反応させた。反応終了後、室温まで冷却させ、酢酸エチルで希釈し、吸引濾過し、有機相を飽和炭酸水素ナトリウムで2回洗浄し、飽和塩化アンモニウムで2回洗浄し、減圧濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより生成物6-(ジフルオロメトキシ)-3,4-ジヒドロナフタレン-1(2H)-オン(1.4g)を得、収率は53%であった。LC-MS (ESI-MS): 213[M+H]
【0110】
その後のステップは実施例1の合成経路及び方法を参照し、6-メトキシ-3,4-ジヒドロナフタレン-1(2H)-オンを6-(ジフルオロメトキシ)-3,4-ジヒドロナフタレン-1(2H)-オン(1.4g)に置き換えることによって標的化合物005(28mg)を調製した。LC-MS (ESI-MS): 431[M+H]H NMR (400 MHz、CDCl) δ 7.24 (d、J = 8.2 Hz、1H)、6.90 ‐ 6.83 (m、2H)、6.47 (s、2H)、6.44 (s、1H)、6.41 (s、1H)、4.53 (s、2H)、3.77 ‐ 3.71 (m、2H)、2.97 ‐ 2.91 (m、2H)、2.23 (s、2H)、2.15 (s、6H)、1.86 (dd、J = 9.9、5.7 Hz、2H)、1.12 (s、9H).
実施例6:N-(2,6-ジメチル-4-(7-(トリフルオロメトキシ)-1,3,4,5-テトラヒドロ-2H-ベンゾ[c]アゼピン-2-イル)フェニル)-3,3-ジメチルブチルアミド(006)
【0111】
【化21】
【0112】
ステップ1、6-ヒドロキシ-3,4-ジヒドロ-2H-1-ナフトン(0.8g、5mmol)を10mLの無水DMFに溶解させ、炭酸カリウム(0.83g、6mmol)とS-(トリフルオロメチル)ジベンゾチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート(2.4g、6mmol)を加え、室温で約12時間攪拌して反応させた。反応終了後、水と酢酸エチルを加えて抽出し、有機相を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、次に、減圧濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して生成物6-(トリフルオロメトキシ)-3,4-ジヒドロナフタレン-1(2H)-オン(0.52g)を得、収率は45%であった。LC-MS (ESI-MS): 231[M+H]
【0113】
その後のステップは実施例1の合成経路及び方法を参照し、6-メトキシ-3,4-ジヒドロナフタレン-1(2H)-オンを6-(トリフルオロメトキシ)-3,4-ジヒドロナフタレン-1(2H)-オンに置き換えることによって標的化合物006(22mg)を調製した。LC-MS (ESI-MS): 449[M+H]
【0114】
実施例7:N-(2,6-ジメチル-4-(7-(2,2,2-トリフルオロエトキシ)-1,3,4,5-テトラヒドロ-2H-ベンゾ[c]アゼピン-2-イル)フェニル)-3,3-ジメチルブチルアミド(007)
【0115】
【化22】
【0116】
ステップ1、6-ヒドロキシ-3,4-ジヒドロ-2H-1-ナフトン(2g、12.33mmol)を15mLのDMFに溶解させ、順次に炭酸セシウム(20.09g、61.66mmol)、p-トルエンスルホン酸トリフルオロエチル(31.35g、123.31mmol)を加え、100℃で1晩反応させた。反応終了後、室温に冷却させ、酢酸エチルで希釈し、吸引濾過し、有機相を飽和炭酸水素ナトリウムで2回洗浄し、飽和塩化アンモニウムで2回洗浄し、減圧濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより生成物6-(2,2,2-トリフルオロエトキシ)-3,4-ジヒドロナフタレン-1(2H)-オン(1.6g)を得、収率は52%であった。LC-MS (ESI-MS): 245[M+H]
【0117】
その後のステップは実施例1の合成経路及び方法を参照し、6-メトキシ-3,4-ジヒドロナフタレン-1(2H)-オンを6-(2,2,2-トリフルオロエトキシ)-3,4-ジヒドロナフタレン-1(2H)-オンに置き換えることによって標的化合物007(50mg)を調製した。LC-MS (ESI-MS): 463[M+H]
【0118】
実施例8:N-(2,6-ジメチル-4-(7-((1,1,1-トリフルオロプロパン-2-イル)オキシ)-1,3,4,5-テトラヒドロ-2H-ベンゾ[c]アゼピン-2-イル)フェニル)-3,3-ジメチルブチルアミド(008)
【0119】
【化23】
【0120】
ステップ1、6-フルオロ-3,4-ジヒドロナフタレン-1(2H)-オン(420mg、2.56mmol)を10mLのアセトニトリルに溶解させ、順次に炭酸セシウム(1.67g、5.12mmol)、トリフルオロイソプロパノール(583.61mg、5.12mmol)を加え、一晩還流させた。反応終了後、室温まで冷却させ、酢酸エチルで希釈し、吸引濾過し、減圧濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより中間体008-1:6-((1,1,1-トリフルオロプロパン-2-イル)オキシ)-3,4-ジヒドロナフタレン-1(2H)-オン(340mg)を得、収率は51%であった。LC-MS (ESI-MS): 259[M+H]
【0121】
ステップ2、中間体008-1(1.47g、5.67mmol)を10mLの濃塩酸に溶解させ、0℃でゆっくりとアジ化ナトリウム(737.86mg、11.35mmol)を加え、徐々に室温に戻せ、6時間反応させた。反応終了後、ゆっくりと飽和炭酸カリウム水溶液を加えて、反応系のpH値を約8になるようにさせ、酢酸エチルで抽出し、有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより中間体008-2:7-((1,1,1-トリフルオロプロパン-2-イル)オキシ)-2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-ベンゾ[c]アゼピン-1-オンを得た。LC-MS (ESI-MS): 274[M+H]
【0122】
ステップ3、中間体008-2(274mg、1.0mmol)を1mLのテトラヒドロフランに溶解させ、0℃でゆっくりと水素化アルミニウムリチウム(2.6mL、5.23mmol、2M in THF)を滴下し、還流まで昇温させ、4時間反応させた。反応終了後、反応系から泡が出なくなるまでゆっくりと水を滴下し、減圧濃縮した後、酢酸エチルで残留物を溶解させ、減圧濃縮した後、中間体008-3:7-((1,1,1-トリフルオロプロパン-2-イル)オキシ)-2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-ベンゾ[c]アゼピンを得た。LC-MS (ESI-MS): 260[M+H]
【0123】
ステップ4、中間体008-3(130mg、0.50mmol)を2mLの4-ジオキサンに溶解させ、順次にN-(4-ブロモ-2,6-ジメチルフェニル)-3,3-ジメチルブチルアミド(252.38mg、0.84mmol)、Pd(dba)(25.83mg、0.02mmol)、X-Phos(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2′,4′,6′-トリイソプロピルビフェニル)(26.90mg、0.05mmol)、ナトリウムtert-ブトキシド(162.66mg、1.69mmol)を加え、窒素ガスで置換した後、80℃で2時間反応させた。反応終了後、室温まで冷却させ、吸引濾過し、酢酸エチルで固体残留物を洗浄し、その後、飽和塩化アンモニウム溶液で3回洗浄し、有機相を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより標的化合物008(90mg)を得た。LC-MS (ESI-MS): 477[M+H]H NMR (400 MHz、CDCl) δ 7.19 (d、J = 8.2 Hz、1H)、6.73 (d、J = 2.6 Hz、1H)、6.67 (dd、J = 8.2、2.6 Hz、1H)、6.47 (s、2H)、6.41 (s、1H)、4.61 ‐ 4.53 (m、1H)、4.49 (s、2H)、3.72 (s、2H)、2.96 ‐ 2.88 (m、2H)、2.23 (s、2H)、2.15 (s、6H)、1.90 ‐ 1.81 (m、2H)、1.46 (d、J = 6.4 Hz、3H)、1.12 (s、9H).
実施例9:N-(4-(7-シクロプロポキシ-1,3,4,5-テトラヒドロ-2H-ベンゾ[c]アゼピン-2-イル)-2,6-ジメチルフェニル)-3,3-ジメチルブチルアミド(009)
【0124】
【化24】
【0125】
実施例1の合成経路及び合成方法を参照し、ヨードメタンをブロモシクロプロパンに置き換えることにより標的化合物009(21mg)を調製した。LC-MS (ESI-MS): 421[M+H]
【0126】
実施例10:N-(4-(7-シクロブトキシ-1,3,4,5-テトラヒドロ-2H-ベンゾ[c]アゼピン-2-イル)-2,6-ジメチルフェニル)-3,3-ジメチルブチルアミド(010)
【0127】
【化25】
【0128】
実施例1の合成経路及び合成方法を参照し、ヨウ化メチルをブロモシクロブタンに置き換えることにより標的化合物010(63mg)を調製することができた。LC-MS (ESI-MS): 435[M+H]H NMR (400 MHz、CDCl) δ 7.13 (d、J = 8.2 Hz、1H)、6.59 (d、J = 2.4 Hz、1H)、6.52 (dd、J = 8.1、2.6 Hz、1H)、6.48 (d、J = 6.6 Hz、2H)、6.40 (s、1H)、4.57 (t、J = 7.2 Hz、1H)、4.48 (d、J = 10.8 Hz、2H)、3.70 (d、J = 4.8 Hz、2H)、2.93 ‐ 2.84 (m、2H)、2.45 ‐ 2.36 (m、2H)、2.23 (s、2H)、2.15 (s、6H)、1.88 ‐ 1.77 (m、4H)、1.25 (s、2H)、1.12 (s、9H).
実施例11:N-(4-(7-(シクロペントキシ)-1,3,4,5-テトラヒドロ-2H-ベンゾ[c]アゼピン-2-イル)-2,6-ジメチルフェニル)-3,3-ジメチルブチルアミド(011)
【0129】
【化26】
【0130】
実施例1の合成経路及び合成方法を参照し、ヨードメタンをブロモシクロペンタンに置き換えることにより標的化合物011(52mg)を調製することができた。LC-MS (ESI-MS): 449[M+H]H NMR (400 MHz、CDCl) δ 7.14 (d、J = 8.2 Hz、1H)、6.63 (d、J = 2.5 Hz、1H)、6.58 (dd、J = 8.2、2.6 Hz、1H)、6.48 (s、2H)、6.40 (brs、1H)、4.71 ‐ 4.65 (m、1H)、4.47 (s、2H)、3.75 ‐ 3.67 (m、2H)、2.93 ‐ 2.86 (m、2H)、2.23 (s、2H)、2.15 (s、6H)、1.89 ‐ 1.81 (m、6H)、1.62 ‐ 1.54 (m、4H)、1.12 (s、9H).
実施例12:N-(4-(7-(シクロヘキシルオキシ)-1,3,4,5-テトラヒドロ-2H-ベンゾ[c]アゼピン-2-イル)-2,6-ジメチルフェニル)-3,3-ジメチルブチルアミド(012)
【0131】
【化27】
【0132】
実施例1の合成経路及び合成方法を参照し、ヨードメタンのブロモシクロヘキサンに置き換えることにより標的化合物012(57mg)を調製することができた。LC-MS (ESI-MS): 463[M+H]
【0133】
実施例13:N-(2,6-ジメチル-4-(7-(オキセタン-3-イル-オキシ)-1,3,4,5-テトラヒドロ-2H-ベンゾ[c]アゼピン-2-イル)フェニル)-3,3-ジメチルブチルアミド(013)
【0134】
【化28】
【0135】
実施例1の合成経路及び合成方法を参照し、ヨウ化メチルを3-ブロモオキセタンに置き換えることにより標的化合物013(22mg)を調製することができた。LC-MS (ESI-MS): 437[M+H]
【0136】
実施例14:N-(2,6-ジメチル-4-(7-(メチルチオ)-1,3,4,5-テトラヒドロ-2H-ベンゾ[c]アゼピン-2-イル)フェニル)-3,3-ジメチルブチルアミド(014)
【0137】
【化29】
【0138】
ステップ1、反応フラスコの中で6-フルオロ-3,4-ジヒドロ-2H-1-ナフトン(1.6g)を15mLの無水DMSOに溶解させ、ナトリウムチオメトキシド(1.1g)を加え、50℃に昇温させて約3時間攪拌して反応させた。水を加えて反応をクエンチングさせ、ジクロロメタンと水を加えて抽出し、分離したジクロロメタン相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させた後濃縮し、次にシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して6-(メチルチオ)-3,4-ジヒドロナフタレン-1(2H)-オン(1.1g)を得た。LC-MS (ESI-MS):193[M+H]
【0139】
その後のステップは実施例1の合成経路及び方法を参照し、6-メトキシ-3,4-ジヒドロナフタレン-1(2H)-オンを6-(メチルチオ)-3,4-ジヒドロナフタレン-1(2H)-オンに置き換えることにより標的化合物014(78mg)を調製することができた。LC-MS (ESI-MS):411[M+H]H NMR (400 MHz、CDCl) δ 7.18 (d、J = 7.6 Hz、1H)、7.00 (d、J = 8.2 Hz、2H)、6.47 (s、2H)、6.41 (s、1H)、4.50 (s、2H)、3.74 ‐ 3.69 (m、2H)、2.95 ‐ 2.89 (m、2H)、2.44 (s、3H)、2.23 (s、2H)、2.14 (s、6H)、1.88 ‐ 1.83 (m、2H)、1.12 (s、9H).
実施例15:N-(2,6-ジメチル-4-(7-(メチルスルホニル)-1,3,4,5-テトラヒドロ-2H-ベンゾ[c]アゼピン-2-イル)フェニル)-3,3-ジメチルブチルアミド(015)
【0140】
【化30】
【0141】
反応フラスコの中で化合物014(30mg)を3mLのジクロロメタンに溶解させ、mCPBA(35mg)(3-クロロ過安息香酸)を加え、室温下で約1時間攪拌して反応させた。次に、亜硫酸ナトリウム水溶液で反応をクエンチングさせ、ジクロロメタンと水を加えて抽出し、分離したジクロロメタン相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させた後、濃縮し、次にシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して化合物015(26mg)を得た。LC-MS (ESI-MS):443[M+H]
【0142】
実施例16:N-(4-(7-フルオロ-5,5-ジメチル-1,3,4,5-テトラヒドロ-2H-ベンゾ[c]アゼピン-2-イル)-2,6-ジメチルフェニル)-3,3-ジメチルブチルアミド(016)
【0143】
【化31】
【0144】
ステップ1、反応フラスコの中で、6-フルオロ-4,4-ジメチル-3,4-ジヒドロナフタレン-1(2H)-オン(700mg、文献Adv. Synth. Catal. 2019、361、3223‐3227を参照して合成)を7mLの塩酸に溶解させ、0℃下でゆっくりとアジ化ナトリウム(473.46mg、7.28mmol)を加え、徐々に室温戻させ、4時間反応させた。反応終了後、ゆっくりと飽和炭酸カリウム水溶液を加えて、反応系のPHを約8になるようにさせ、酢酸エチルで抽出し、有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより中間体016-1:7-フルオロ-5,5-ジメチル-2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-ベンゾ[c]アゼピン-1-オン(360mg)を得、収率は36%であった。LC-MS (ESI-MS): 208[M+H]
【0145】
ステップ2、中間体016-1(170mg、0.82mmol)を3mLのテトラヒドロフランに溶解させ、0℃でゆっくりと水素化アルミニウムリチウム(1.6mL、3.28mmol、2M in THF)を滴下し、還流まで昇温させ、4時間反応させた。反応終了後、反応系から泡が出なくなるまでゆっくりと水を滴下し、減圧濃縮した後、酢酸エチルで残留物を溶解させ、減圧濃縮した後、中間体016-2:7-フルオロ-5,5-ジメチル-2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-ベンゾ[c]アゼピン(150mg)を得、収率は94%であった。LC-MS (ESI-MS): 194[M+H]
【0146】
ステップ3、N-(2,6-ジメチル-4-ブロモフェニル)-3,3-ジメチルブチルアミド(5g、16.77mmol)を80mLの1,4-ジオキサンに溶解させ、順次にビスピナコラートジボロン(3.41g、13.41mmol)、炭酸カリウム(4.94g、50.30mmol)、Pd(dppf)Cl(614.62mg、0.83mmol)を加え、窒素ガスで置換し、90℃で3時間反応させた。反応終了後、酢酸エチルで希釈し、吸引濾過し、有機相を飽和塩化ナトリウム水溶液で1回洗浄し、乾燥させ、減圧濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより中間体016-3:(3,5-ジメチル-4-(3,3-ジメチルブチルアミド))フェニルボロン酸ピナコールエステル(4.30g)を得、収率は74%であった。LC-MS (ESI-MS): 346[M+H]
【0147】
ステップ4、中間体016-3(3g、8.69mmol)を30mLのテトラヒドロフランに溶解させ、順次に10mLの水、過ヨウ素酸ナトリウム(11.15g、52.13mmol)を加え、室温で1晩反応させた。反応終了後、個体が析出するまで水を加え、濾過し、乾燥させて中間体016-4:(3,5-ジメチル-4-(3,3-ジメチルブチルアミド))フェニルボロン酸(2.0g)を得、収率は87%であった。LC-MS (ESI-MS): 264[M+H]
【0148】
ステップ5、中間体016-2(100mg、0.51mmol)を5mLのアセトニトリルに溶解させ、順次に中間体016-4(204.24mg、0.77mmol)、ボロン酸(63.99mg、1.03mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(133.75mg、1.03mmol)、酢酸銅(93.98mg、0.51mmol)を加え、70℃で酸素ガスの雰囲気で3時間反応させた。反応終了後、室温まで冷却させ、酢酸エチルで希釈し、吸引濾過し、有機相を飽和塩化アンモニウムで2回洗浄し、乾燥させ、減圧濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより標的化合物016(70mg)を得、収率は32%であった。LC-MS (ESI-MS): 411[M+H]H NMR (400 MHz、CDCl) δ 7.22 ‐ 7.17 (m、1H)、7.07 (dd、J = 11.7、2.6 Hz、1H)、6.82 (td、J = 8.0、2.6 Hz、1H)、6.43 ‐ 6.38 (m、3H)、4.56 (s、2H)、3.61 ‐ 3.55 (m、2H)、2.23 (s、2H)、2.14 (s、6H)、2.05 ‐ 1.98 (m、2H)、1.33 (d、J = 4.0 Hz、6H)、1.12 (s、9H).
実施例17:N-(4-(5,5-ジメチル-1,3,4,5-テトラヒドロ-2H-ベンゾ[c]アゼピン-2-イル)-2,6-ジメチルフェニル)-3,3-ジメチルブチルアミド(017)
【0149】
【化32】
【0150】
実施例16の合成経路及び合成方法を参照し、6-フルオロ-4,4-ジメチル-3,4-ジヒドロナフタレン-1(2H)-オンを4,4-ジメチル-3,4-ジヒドロナフタレン-1(2H)-オン(文献Adv. Synth. Catal. 2019、361、3223‐3227を参照して合成)に置き換えることにより標的化合物017(52mg)を調製することができた。LC-MS (ESI-MS): 393[M+H]H NMR (400 MHz、CDCl) δ 7.39 (d、J = 7.0 Hz、1H)、7.24 ‐ 7.08 (m、3H)、6.42 (d、J = 5.9 Hz、3H)、4.59 (s、2H)、3.60 ‐ 3.54 (m、2H)、2.23 (s、2H)、2.14 (s、6H)、2.05 (t、J = 5.9 Hz、2H)、1.33 (s、6H)、1.12 (s、9H).
実施例18:N-(4-(2-クロロ-8,8-ジメチル-4,6,7,8-テトラヒドロ-5H-チエノ[3,2-c]アゼピン-5-イル)-2,6-ジメチルフェニル)-3,3-ジメチルブチルアミド(018)
【0151】
【化33】
【0152】
実施例16の合成経路及び合成方法を参照し、6-フルオロ-4,4-ジメチル-3,4-ジヒドロナフタレン-1(2H)-オンを2-クロロ-7,7-ジメチル-6,7-ジヒドロベンゾ[b]チオフェン-4(5H)-オン(文献Adv. Synth. Catal. 2019、361、3223‐3227を参照して合成)に置き換えることにより標的化合物018(28mg)を調製することができた。LC-MS (ESI-MS): 433[M+H]H NMR (400 MHz、CDCl) δ 6.71 (s、1H)、6.45 ‐ 6.40 (m、3H)、4.37 (s、2H)、3.76 ‐ 3.70 (m、2H)、2.25 (s、2H)、2.16 (s、6H)、1.90 ‐ 1.84 (m、2H)、1.33 (s、6H)、1.13 (s、9H).
実施例19:N-(4-(8,8-ジメチル-4,6,7,8-テトラヒドロ-5H-チエノ[3,2-c]アゼピン-5-イル)-2,6-ジメチルフェニル)-3,3-ジメチルブチルアミド(019)
【0153】
【化34】
【0154】
実施例16の合成経路及び合成方法を参照し、6-フルオロ-4,4-ジメチル-3,4-ジヒドロナフタレン-1(2H)-オンを7,7-ジメチル-6,7-ジヒドロベンゾ[b]チオフェン-4(5H)-オン(文献Adv. Synth. Catal. 2019、361、3223‐3227を参照して合成)に置き換えることにより標的化合物019(41mg)を調製することができた。LC-MS (ESI-MS): 399[M+H]H NMR (400 MHz、CDCl) δ 6.97 (d、J = 5.1 Hz、1H)、6.90 (d、J = 5.1 Hz、1H)、6.47 (s、2H)、6.42 (brs、1H)、4.48 (s、2H)、3.81 ‐ 3.76 (m、2H)、2.24 (s、2H)、2.15 (s、6H)、1.91 ‐ 1.86 (m、2H)、1.38 (s、6H)、1.12 (s、9H).
実施例20:N-(4-(2-クロロ-4,4-ジメチル-4,5,6,8-テトラヒドロ-7H-チエノ[2,3-c]アゼピン-7-イル)-2,6-ジメチルフェニル)-3,3-ジメチルブチルアミド(020)
【0155】
【化35】
【0156】
実施例16の合成経路及び合成方法を参照し、6-フルオロ-4,4-ジメチル-3,4-ジヒドロナフタレン-1(2H)-オンを2-クロロ-4,4-ジメチル-5,6-ジヒドロベンゾ[b]チオフェン-7(4H)-オン(文献Adv. Synth. Catal. 2019、361、3223‐3227を参照して合成)に置き換えることにより標的化合物020(29mg)を調製することができた。LC-MS (ESI-MS): 433[M+H]H NMR (400 MHz、CDCl) δ 6.73 (s、1H)、6.49 (s、2H)、6.44 (brs、1H)、4.44 (s、2H)、3.72 ‐ 3.68 (m、2H)、2.25 (s、2H)、2.17 (s、6H)、1.89 ‐ 1.83 (m、2H)、1.24 (s、6H)、1.13 (s、9H).
実施例21:N-(4-(4,4-ジメチル-4,5,6,8-テトラヒドロ-7H-チエノ[2,3-c]アゼピン-7-イル)-2,6-ジメチルフェニル)-3,3-ジメチルブチルアミド(021)
【0157】
【化36】
【0158】
実施例16の合成経路及び合成方法を参照し、6-フルオロ-4,4-ジメチル-3,4-ジヒドロナフタレン-1(2H)-オンを4,4-ジメチル-5,6-ジヒドロベンゾ[b]チオフェン-7(4H)-オン(文献Adv. Synth. Catal. 2019、361、3223‐3227を参照して合成)に置き換えることにより標的化合物021(18mg)を調製することができた。LC-MS (ESI-MS): 399[M+H]H NMR (400 MHz、CDCl) δ 6.98 (d、J = 5.2 Hz、1H)、6.91 (d、J = 5.2 Hz、1H)、6.53 (s、2H)、6.42 (brs、1H)、4.57 (s、2H)、3.77 ‐ 3.72 (m、2H)、2.24 (s、2H)、2.16 (s、6H)、1.92 ‐ 1.88 (m、2H)、1.28 (s、6H)、1.12 (s、9H).
実施例22:N-(4-(7-フルオロ-3,4-ジヒドロスピロ[ベンゾ[c]アゼピン-5,1’-シクロプロパン]-2(1H)-イル)-2,6-ジメチルフェニル)-3,3-ジメチルブチルアミド(022)
【0159】
【化37】
【0160】
実施例16の合成経路及び合成方法を参照し、6-フルオロ-4,4-ジメチル-3,4-ジヒドロナフタレン-1(2H)-オンを7’-フルオロ-2’,3’-ジヒドロ-4’H-スピロ[シクロプロパン-1,1’-ナフタレン]-4’-オン(文献Adv. Synth. Catal. 2019、361、3223‐3227を参照して合成)に置き換えることにより標的化合物022(33mg)を調製することができた。LC-MS (ESI-MS): 409[M+H]H NMR (400 MHz、DMSO) δ 8.72 (s、1H)、7.48 (dd、J = 8.1、6.2 Hz、1H)、6.93 (ddd、J = 11.0、9.5、2.6 Hz、2H)、6.54 (s、2H)、4.67 (s、2H)、3.78 (s、2H)、2.15 (s、2H)、2.05 (s、6H)、1.65 ‐ 1.46 (m、2H)、1.05 (s、9H)、0.96 ‐ 0.83 (m、4H).
実施例23:N-(4-(8-フルオロ-1,2,3,5-テトラヒドロ-4H-ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン-4-イル)-2,6-ジメチルフェニル)-3,3-ジメチルブチルアミド(023)
【0161】
【化38】
【0162】
実施例16の合成経路及び合成方法を参照し、6-フルオロ-4,4-ジメチル-3,4-ジヒドロナフタレン-1(2H)-オンを7-フルオロ-2,3-ジヒドロキノリン-4(1H)-オン(文献Bioorganic Chemistry,2020,99,103800を参照して合成)に置き換えることにより標的化合物023(44mg)を調製することができた。LC-MS (ESI-MS): 384[M+H]H NMR (400 MHz、CDCl) δ 7.16 (dd、J = 8.2、6.5 Hz、1H)、6.53 ‐ 6.49 (m、2H)、6.48 (s、2H)、6.39 (dd、J = 10.3、2.4 Hz、1H)、4.46 (s、2H)、3.71 ‐ 3.66 (m、2H)、3.26 ‐ 3.21 (m、2H)、2.22 (s、2H)、2.13 (s、6H)、1.11 (s、9H).
実施例24:N-(4-(8-フルオロ-1-メチル-1,2,3,5-テトラヒドロ-4H-ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン-4-イル)-2,6-ジメチルフェニル)-3,3-ジメチルブチルアミド(024)
【0163】
【化39】
【0164】
実施例16の合成経路及び合成方法を参照し、6-フルオロ-4,4-ジメチル-3,4-ジヒドロナフタレン-1(2H)-オンを7-フルオロ-1-メチル-2,3-ジヒドロキノリン-4(1H)-オンに置き換えることにより標的化合物024(52mg)を調製することができた。LC-MS (ESI-MS):398[M+H]H NMR (400 MHz、CDCl) δ 7.16 (dd、J = 8.9、6.8 Hz、1H)、6.56 (s、1H)、6.55 ‐ 6.50 (m、3H)、6.44 (brs、1H)、4.44 (s、2H)、3.66 ‐ 3.61 (m、2H)、3.15 (dd、J = 5.9、3.7 Hz、2H)、2.88 (s、3H)、2.24 (s、2H)、2.16 (s、6H)、1.12 (s、9H).
実施例25:N-(4-(8-フルオロ-2,3-ジヒドロベンゾ[f][1,4]チアゼピン-4(5H)-イル)-2,6-ジメチルフェニル)-3,3-ジメチルブチルアミド(025)
【0165】
【化40】
【0166】
実施例16の合成経路及び合成方法を参照し、6-フルオロ-4,4-ジメチル-3,4-ジヒドロナフタレン-1(2H)-オンを7-フルオロチオクロマン-4-オンに置き換えることにより標的化合物025(47mg)を調製することができた。LC-MS (ESI-MS):401[M+H]H NMR (400 MHz、CDCl) δ 7.33 (dd、J = 8.2、5.9 Hz、1H)、7.23 (dd、J = 8.8、2.5 Hz、1H)、6.86 (td、J = 8.3、2.5 Hz、1H)、6.49 ‐ 6.41 (m、3H)、4.71 (s、2H)、4.03 ‐ 3.96 (m、2H)、2.97 ‐ 2.91 (m、2H)、2.23 (s、2H)、2.15 (s、6H)、1.11 (s、9H).
実施例26:N-(4-(8-フルオロ-1,1-ジオキソ-2,3-ジヒドロベンゾ[f][1,4]チアゼピン-4(5H)-イル)-2,6-ジメチルフェニル)-3,3-ジメチルブチルアミド(026)
【0167】
【化41】
【0168】
反応フラスコの中で化合物025(25mg)を2mLのジクロロメタンに溶解させ、mCPBA(30mg)を加え、室温下で約1時間攪拌して反応させた。次に、亜硫酸ナトリウム水溶液を使用して反応をクエンチングさせ、ジクロロメタンと水を加えて抽出し、分離したジクロロメタン相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させた後濃縮し、次にシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して標的化合物026(21mg)を得た。LC-MS (ESI-MS):433[M+H]
【0169】
実施例27:N-(4-(7-フルオロ-1,3-ジヒドロ-2H-ベンゾ[c]アゼピン-2-イル)-2,6-ジメチルフェニル)-3,3-ジメチルブチルアミド(027)
【0170】
【化42】
【0171】
実施例16の合成経路及び合成方法を参照し、6-フルオロ-4,4-ジメチル-3,4-ジヒドロナフタレン-1(2H)-オンを6-フルオロナフタレン-1(2H)-オンに置き換えることにより標的化合物027(37mg)を調製することができた。LC-MS (ESI-MS): 381[M+H]H NMR (400 MHz、CDCl) δ 7.25 ‐ 7.20 (m、1H)、6.83 (t、J = 8.0 Hz、2H)、6.47 (s、2H)、6.42 ‐ 6.33 (m、2H)、6.03 ‐ 5.96 (m、1H)、4.49 (s、2H)、4.27 (s、2H)、2.23 (s、2H)、2.13 (s、6H)、1.12 (s、9H).
実施例28:N-(4-(7-フルオロ-5-メチル-1,3-ジヒドロ-2H-ベンゾ[c]アゼピン-2-イル)-2,6-ジメチルフェニル)-3,3-ジメチルブチルアミド(028)
【0172】
【化43】
【0173】
実施例16の合成経路及び合成方法を参照し、6-フルオロ-4,4-ジメチル-3,4-ジヒドロナフタレン-1(2H)-オンを6-フルオロ-4-メチルナフタレン-1(2H)-オンに置き換えることにより標的化合物028(23mg)を調製することができた。LC-MS (ESI-MS):395[M+H]H NMR (400 MHz、CDCl) δ 7.34 ‐ 7.31 (m、1H)、7.11 (dd、J = 10.2、2.6 Hz、1H)、6.97 (td、J = 8.3、2.7 Hz、1H)、6.60 (s、2H)、6.53 (s、1H)、6.07 (t、J = 5.8 Hz、1H)、4.18 (s、2H)、3.66 (d、J = 6.3 Hz、2H)、2.31 (s、2H)、2.24 (s、6H)、2.20 (s、3H)、1.19 (s、9H).
実施例29:N-(3-フルオロ-4-(7-フルオロ-1,3,4,5-テトラヒドロ-2H-ベンゾ[c]アゼピン-2-イル)-2-メチルフェニル)-3,3-ジメチルブチルアミド(029)
【0174】
【化44】
【0175】
ステップ1、N-(2-メチル-3-フルオロ-4-ブロモフェニル)-3,3-ジメチルブチルアミド(5g、16.77mmol)を80mLの1,4-ジオキサンに溶解させ、順次にビスピナコラートジボロン(3.41g、13.41mmol)、酢酸カリウム(4.94g、50.30mmol)、PdDPPFCl(614.62mg、0.83mmol)を加え、窒素ガスで置換し、90℃で3時間反応させた。反応終了後、酢酸エチルで希釈し、吸引濾過し、有機相を飽和塩化ナトリウム水溶液で1回洗浄し、乾燥させ、減圧濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによりオイル状の(3-メチル-2-フルオロ-4-(3,3-ジメチルブチルアミド))フェニルボロン酸ピナコールエステル(4g)を得、収率は69%であった。LC-MS (ESI-MS): 350[M+H]
【0176】
ステップ2、7-フルオロ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-2-ベンズアゼピン(90mg、0.54mmol)を5mLのアセトニトリルに溶解させ、順次に(3-メチル-2-フルオロ-4-(3,3-ジメチルブチルアミド))フェニルボロン酸ピナコールエステル(190mg、0.54mmol)、ボロン酸(70mg、1.09mmol)、酢酸銅(100mg、0.54mmol)を加え、80℃で酸素ガスの雰囲気で6時間反応させた。反応終了後、室温に冷却させ、酢酸エチルで希釈し、吸引濾過し、有機相を飽和塩化アンモニウムで2回洗浄し、乾燥させ、減圧濃縮し、カラムクロマトグラフィーにより標的化合物029(36mg)を得、収率は17%であった。LC-MS (ESI-MS):387[M+H]H NMR (400 MHz、CDCl) δ 7.23 (d、J = 8.8 Hz、1H)、7.17 ‐ 7.11 (m、1H)、6.85 (dd、J = 9.6、2.3 Hz、1H)、6.82 ‐ 6.70 (m、3H)、4.35 (s、2H)、3.60 ‐ 3.55 (m、2H)、3.00 ‐ 2.94 (m、2H)、2.23 (s、2H)、2.15 (d、J = 2.2 Hz、3H)、1.98 ‐ 1.91 (m、2H)、1.11 (s、9H).
実施例30:N-(4-(7-フルオロ-1,3,4,5-テトラヒドロ-2H-ベンゾ[c]アゼピン-2-イル)-2,3,6-トリメチルフェニル)-3,3-ジメチルブチルアミド(030)
【0177】
【化45】
【0178】
7-フルオロ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-2-ベンズアゼピン(100mg、0.60mmol)を5mLのアセトニトリルに溶解させ、順次に(2,3,5-トリメチル-4-(3,3-ジメチルブチルアミド))フェニルボロン酸ピナコールエステル(260mg、0.72mmol)、ボロン酸(75mg、1.21mmol)、酢酸銅(109mg、0.60mmol)、ピリジン(50μL、1.21mmol)を加え、80℃で酸素ガスの雰囲気で6時間反応させた。反応終了後、室温まで冷却させ、酢酸エチルで希釈し、吸引濾過し、有機相を飽和塩化アンモニウムで2回洗浄し、乾燥させ、減圧濃縮し、カラムクロマトグラフィーのより標的化合物030(38mg)を得、収率は16%であった。LC-MS (ESI-MS):397[M+H]H NMR (400 MHz、CDCl) δ 7.02 (dd、J = 8.2、5.8 Hz、1H)、6.89 ‐ 6.85 (m、2H)、6.79 (td、J = 8.4、2.6 Hz、1H)、6.58 (brs、1H)、4.01 (s、2H)、3.26 ‐ 3.21 (m、2H)、2.96 ‐ 2.90 (m、2H)、2.30 (s、2H)、2.22 (s、3H)、2.15 (s、6H)、1.94 ‐ 1.87 (m、2H)、1.16 (s、9H).
実施例31:N-(3-クロロ-4-(7-フルオロ-1,3,4,5-テトラヒドロ-2H-ベンゾ[c]アゼピン-2-イル)-2,6-ジメチルフェニル)-3,3-ジメチルブチルアミド(031)
【0179】
【化46】
【0180】
7-フルオロ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-2-ベンズアゼピン(100mg、0.60mmol)を5mLのアセトニトリルに溶解させ、順次に(2-クロロ-3,5-ジメチル-4-(3,3-ジメチルブチルアミド))フェニルボロン酸ピナコールエステル(282mg、0.66mmol)(実施例16と同様の方法で合成できる)、ボロン酸(75mg、1.21mmol)、酢酸銅(110mg、0.60mmol)、ピリジン(50μL、1.21mmol)を加え、80℃で酸素ガスの雰囲気で6時間反応させた。反応終了後、室温まで冷却させ、酢酸エチルで希釈し、吸引濾過し、有機相を飽和塩化アンモニウムで2回洗浄し、乾燥させ、減圧濃縮し、カラムクロマトグラフィーにより標的化合物031(52mg)を得、収率は20%であった。LC-MS (ESI-MS):417[M+H]H NMR (400 MHz、CDCl) δ 7.14 (dd、J = 8.3、5.9 Hz、1H)、6.89 ‐ 6.85 (m、2H)、6.80 (td、J = 8.5、2.7 Hz、1H)、6.63 (brs、1H)、4.13 (s、2H)、3.41 ‐ 3.36 (m、2H)、2.98 ‐ 2.92 (m、2H)、2.32 ‐ 2.27 (m、2H)、2.30 (s、3H)、2.19 (s、3H)、1.99‐ 1.92 (m、2H)、1.15 (s、9H).
実施例32:(R)-N-(2,6-ジメチル-4-(7-((1,1,1-トリフルオロプロパン-2-イル)オキシ)-1,3,4,5-テトラヒドロ-2H-ベンゾ[c]アゼピン-2-イル)フェニル)-3,3-ジメチルブチルアミド(032)
【0181】
【化47】
【0182】
実施例8の合成経路及び合成方法を参照し、トリフルオロイソプロパノールを(R)-1,1,1-トリフルオロプロパン-2-オールに置き換えることにより標的化合物032(50mg)を調製することができた。LC-MS (ESI-MS): 477[M+H]H NMR (400 MHz、Chloroform-d) δ 7.19 (d、J = 8.2 Hz、1H)、6.72 - 6.73 (m、1H)、6.65 - 6.68 (m、1H)、6.46 - 6.48 (m、2H)、6.41 (brs、1H)、4.53 - 4.59 (m、1H)、4.49 (s、2H)、3.71 - 3.73 (m、2H)、2.89 - 2.92 (m、2H)、2.22 (s、2H)、2.14 (s、6H)、1.83 - 1.86 (m、2H)、1.46 (d、J = 6.5 Hz、3H)、1.12 (s、9H).
実施例33:(S)-N-(2,6-ジメチル-4-(7-((1,1,1-トリフルオロプロパン-2-イル)オキシ)-1,3,4,5-テトラヒドロ-2H-ベンゾ[c]アゼピン-2-イル)フェニル)-3,3-ジメチルブチルアミド(033)
【0183】
【化48】
【0184】
実施例8の合成経路及び合成方法を参照し、トリフルオロイソプロパノールを(S)-1,1,1-トリフルオロプロパン-2-オールに置き換えることにより標的化合物033(63mg)を調製することができた。LC-MS (ESI-MS): 477[M+H]H NMR (400 MHz、Chloroform-d) δ 7.19 (d、J = 8.2 Hz、1H)、6.72 - 6.73 (m、1H)、6.65 - 6.68 (m、1H)、6.46 - 6.49 (m、2H)、6.42 (brs、1H)、4.52 - 4.60 (m、1H)、4.49 (s、2H)、3.71 - 3.73 (m、2H)、2.90 - 2.93 (m、2H)、2.22 (s、2H)、2.14 (s、6H)、1.82 - 1.88 (m、2H)、1.45 - 1.46 (m、3H)、1.12 (s、9H).
実施例34:N-(4-(8-フルオロ-7-((1,1,1-トリフルオロプロパン-2-イル)オキシ)-1,3,4,5-テトラヒドロ-2H-ベンゾ[c]アゼピン-2-イル)-2,6-ジメチルフェニル)-3,3-ジメチルブチルアミド(034)
【0185】
【化49】
【0186】
ステップ1、6,7-ジフルオロ-3,4-ジヒドロナフタレン-1(2H)-オン(2.0g、10.98mmol)を30mLのアセトニトリルに溶解させ、反応系に順次にトリフルオロイソプロパノール(2.5mL、27.45mmol)、炭酸セシウム(10.7g、32.94mmol)を加え、チューブを密封し、80℃で4時間反応させた。反応終了後、濃縮してアセトニトリルを除去し、酢酸エチルを加え、水に溶解させ、酢酸エチルで3回抽出し、有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧濃縮して、中間体034-1:7-フルオロ-6-((1,1,1-トリフルオロプロパン-2-イル)オキシ)-3,4-ジヒドロナフタレン-1(2H)-オン(3.12g)を得、収率は94%であった。次の反応に直接に使用した。ESI-MS(M+H)=277。H-NMR (400 MHz、CCl3D) δ 7.76 (d、J = 11.6 Hz、1H)、6.89 (d、J = 7.5 Hz、1H)、4.66 - 4.74 (m、1H)、2.88 - 2.91 (m、2H)、2.58 - 2.61 (m、2H)、2.09 - 2.15 (m、2H)、1.57 (dd、J = 6.5、0.9 Hz、3H).
ステップ2、中間体034-1(3.12g、11.30mmol)を40mLの濃塩酸に溶解させ、氷浴下でゆっくりとアジ化ナトリウム(1.47g、22.60mmol)を加え、室温で48時間反応させた。反応終了後、氷水と炭酸ナトリウム水溶液を低温でゆっくりと加え、反応系のpHを塩基性に調節し、酢酸エチルで3回抽出し、有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧濃縮し、カラムクロマトグラフィー(PE/EA溶出)により中間体034-2:8-フルオロ-7-((1,1,1-トリフルオロプロパン-2-イル)オキシ)-2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-ベンゾ[c]アゼピン-1-オン(750mg)を得、収率は23%であった。ESI-MS(M+H)=292。
【0187】
ステップ3、中間体034-2(400mg、1.44mmol)を100mLのテトラヒドロフランに溶解させ、水素化アルミニウムリチウム(1mmol/mL、13mL)を加え、60℃で2時間反応させた。反応終了後、水を加えてクエンチングさせ(泡が出なくなるまで)、減圧濃縮して水を除去した後、酢酸エチル(1gの生成物に1LのEA)で混合物を溶解させ、吸引濾過し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾液を減圧濃縮して、中間体034-3:8-フルオロ-7-((1,1,1-トリフルオロプロパン-2-イル)オキシ)-2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-ベンゾ[c]アゼピン350mgを得、収率は92%であった。ESI-MS(M+H)+=278。
【0188】
ステップ4、中間体034-3(230mg、0.83mmol)を10mLの1,4-ジオキサンに溶解させ、反応系に順次にN-(4-ブロモ-2,6-ジメチルフェニル)-3,3-ジメチルブチルアミド(370mg、1.24mmol)、ナトリウムtert-ブトキシド(244mg、2.49mmol)、炭酸セシウム(811mg、2.49mmol)、酢酸パラジウム(19mg、0.08mmol)、Pd(dba)(76mg、0.08mmol)、X-Phos(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2′,4′,6′-トリイソプロピルビフェニル)(79mg、0.17mmol)を加え、窒素ガスで置換し、105℃で4時間反応させた。反応終了後、減圧濃縮してジオキサンを除去し、ジクロロメタンを加え、水で混合物を溶解させ、ジクロロメタンで3回抽出し、有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧濃縮し、カラムクロマトグラフィー(PE/EA溶出)により標的化合物034(170mg)を得、収率は41%であった。ESI-MS(M+H)=495。H-NMR (400 MHz、CClD) δ 7.02 (d、J = 11.2 Hz、1H)、6.82 (d、J = 8.1 Hz、1H)、6.43 - 6.47 (m、3H)、4.45 - 4.49 (m、3H)、3.67 - 3.75 (m、2H)、2.87 - 2.90 (m、2H)、2.23 (s、2H)、2.16 (s、6H)、1.82 - 1.85 (m、2H)、1.50 (d、J = 6.5 Hz、3H)、1.12 (s、9H).
実施例35:N-(4-(8-フルオロ-7-イソプロポキシ-1,3,4,5-テトラヒドロ-2H-ベンゾ[c]アゼピン-2-イル)-2,6-ジメチルフェニル)-3,3-ジメチルブチルアミド(035)
【0189】
【化50】
【0190】
ステップ1、実施例34のステップ1、2、3の合成経路及び合成方法を参照し、トリフルオロイソプロパノールをイソプロパノールに置き換えることにより、8-フルオロ-7-イソプロポキシ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-ベンゾ[c]アゼピンを調製することができた。ESI-MS(M+H)=224。
【0191】
ステップ2、8-フルオロ-7-イソプロポキシ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-ベンゾ[c]アゼピン(540mg、2.42mmol)を15mLのアセトニトリルに溶解させ、反応系に順次に(4-(3,3-ジメチルブチルアミド)-3,5-ジメチルフェニル)ボロン酸(1.3g、4.84mmol)、酢酸銅(440mg、2.42mmol)、ボロン酸(300mg、4.84mmol)、DIPEA(940mg、7.26mmol)を加え、酸素ガスで置換し、60℃で2時間反応させた。反応終了後、飽和塩化アンモニウムの水溶液を加えて洗浄し、ジクロロメタンで3回抽出し、有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧濃縮し、カラムクロマトグラフィー(PE/EA溶出)により標的化合物035(150mg)を得、収率は14%であった。ESI-MS(M+H)=441。H-NMR (400 MHz、CClD) δ 6.97 - 7.00 (m、1H)、6.71 - 6.74 (m、1H)、6.42 - 6.48 (m、3H)、4.40 - 4.45 (m、3H)、3.67 - 3.73 (m、2H)、2.85 - 2.89 (m、2H)、2.21 (s、2H)、2.14 (s、6H)、1.81 - 1.85 (m、2H)、1.32 (d、J = 6.1 Hz、6H)、1.12 (s、9H).
実施例36:(S)-N-(4-(8-フルオロ-7-((1,1,1-トリフルオロプロパン-2-イル)オキシ)-1,3,4,5-テトラヒドロ-2H-ベンゾ[c]アゼピン-2-イル)-2,6-ジメチルフェニル)-3,3-ジメチルブチルアミド(036)
【0192】
【化51】
【0193】
実施例34の合成経路及び合成方法を参照し、ステップ1のトリフルオロイソプロパノールを(S)-1,1,1-トリフルオロプロパン-2-オールに置き換えることにより標的化合物036(58mg)を調製することができた。LC-MS (ESI-MS): 495 [M+H]
【0194】
実施例37:(R)-N-(4-(8-フルオロ-7-((1,1,1-トリフルオロプロパン-2-イル)オキシ)-1,3,4,5-テトラヒドロ-2H-ベンゾ[c]アゼピン-2-イル)-2,6-ジメチルフェニル)-3,3-ジメチルブチルアミド(037)
【0195】
【化52】
【0196】
実施例34の合成経路及び合成方法を参照し、ステップ1のトリフルオロイソプロパノールを(S)-1,1,1-トリフルオロプロパン-2-オールに置き換えることにより標的化合物037(50mg)を調製することができた。LC-MS (ESI-MS): 495 [M+H]
【0197】
実施例38:N-(4-(8-フルオロ-7-メトキシ-1,3,4,5-テトラヒドロ-2H-ベンゾ[c]アゼピン-2-イル)-2,6-ジメチルフェニル)-3,3-ジメチルブチルアミド(038)
【0198】
【化53】
【0199】
実施例34の合成経路及び合成方法を参照し、ステップ1のトリフルオロイソプロパノールをメタノールに置き換えることにより標的化合物038(47mg)を調製することができた。LC-MS (ESI-MS): 413 [M+H]
【0200】
実施例39:N-(4-(7-(sec-ブトキシ)-8-フルオロ-1,3,4,5-テトラヒドロ-2H-ベンゾ[c]アゼピン-2-イル)-2,6-ジメチルフェニル)-3,3-ジメチルブチルアミド(039)
【0201】
【化54】
【0202】
実施例34の合成経路及び合成方法を参照し、ステップ1のトリフルオロイソプロパノールをブタン-2-オールに置き換えることにより標的化合物039(62mg)を調製することができた。LC-MS (ESI-MS): 455 [M+H]
【0203】
実施例40:(S)-N-(4-(7-(sec-ブトキシ)-8-フルオロ-1,3,4,5-テトラヒドロ-2H-ベンゾ[c]アゼピン-2-イル)-2,6-ジメチルフェニル)-3,3-ジメチルブチルアミド(040)
【0204】
【化55】
【0205】
実施例34の合成経路及び合成方法を参照し、ステップ1のトリフルオロイソプロパノールを(S)-ブタン-2-オールに置き換えることにより標的化合物040(40mg)を調製することができた。LC-MS (ESI-MS): 455 [M+H]
【0206】
実施例41:(R)-N-(4-(7-(sec-ブトキシ)-8-フルオロ-1,3,4,5-テトラヒドロ-2H-ベンゾ[c]アゼピン-2-イル)-2,6-ジメチルフェニル)-3,3-ジメチルブチルアミド(041)
【0207】
【化56】
【0208】
実施例34の合成経路及び合成方法を参照し、ステップ1のトリフルオロイソプロパノールを(R)-ブタン-2-オールに置き換えることにより標的化合物041(46mg)を調製することができた。LC-MS (ESI-MS): 455 [M+H]
【0209】
実施例42:N-(4-(7-シクロプロポキシ-8-フルオロ-1,3,4,5-テトラヒドロ-2H-ベンゾ[c]アゼピン-2-イル)-2,6-ジメチルフェニル)-3,3-ジメチルブチルアミド(042)
【0210】
【化57】
【0211】
実施例34の合成経路及び合成方法を参照し、ステップ1のトリフルオロイソプロパノールをシクロプロパノールに置き換えることにより標的化合物042(35mg)を調製することができた。LC-MS (ESI-MS): 439 [M+H]
【0212】
実施例43:N-(4-(7-シクロブトキシ-8-フルオロ-1,3,4,5-テトラヒドロ-2H-ベンゾ[c]アゼピン-2-イル)-2,6-ジメチルフェニル)-3,3-ジメチルブチルアミド(043)
【0213】
【化58】
【0214】
実施例34の合成経路及び合成方法を参照し、ステップ1のトリフルオロイソプロパノールをシクロブタノールに置き換えることにより標的化合物043(34mg)を調製することができた。LC-MS (ESI-MS): 453 [M+H]
【0215】
実施例44:N-(4-(7-(シクロペントキシ)-8-フルオロ-1,3,4,5-テトラヒドロ-2H-ベンゾ[c]アゼピン-2-イル)-2,6-ジメチルフェニル)-3,3-ジメチルブチルアミド(044)
【0216】
【化59】
【0217】
実施例34の合成経路及び合成方法を参照し、ステップ1のトリフルオロイソプロパノールをシクロペンタノールに置き換えることにより標的化合物044(41mg)を調製することができた。LC-MS (ESI-MS): 467 [M+H]
【0218】
実施例45:N-(4-(7-(シクロヘキシルオキシ)-8-フルオロ-1,3,4,5-テトラヒドロ-2H-ベンゾ[c]アゼピン-2-イル)-2,6-ジメチルフェニル)-3,3-ジメチルブタンアミド(045)
【0219】
【化60】
【0220】
実施例34の合成経路及び合成方法を参照し、ステップ1のトリフルオロイソプロパノールをシクロヘキサノールに置き換えることにより標的化合物045(48mg)を調製することができた。LC-MS (ESI-MS): 481 [M+H]
【0221】
実施例46:N-(4-(7,8-ジフルオロ-1,3-ジヒドロ-2H-ベンゾ[c]アゼピン-2-イル)-2,6-ジメチルフェニル)-3,3-ジメチルブチルアミド(046)
【0222】
【化61】
【0223】
実施例34のステップ2、3、4の合成経路及び合成方法を参照し、7-フルオロ-6-((1,1,1-トリフルオロプロパン-2-イル)オキシ)-3,4-ジヒドロナフタレン-1(2H)-オンを6,7-ジフルオロナフタレン-1(2H)-オンに置き換えることにより標的化合物046(38mg)を調製することができた。LC-MS (ESI-MS): 399 [M+H]
【0224】
実施例47:N-(4-(7,8-ジフルオロ-1,3,4,5-テトラヒドロ-2H-ベンゾ[c]アゼピン-2-イル)-2,6-ジメチルフェニル)-3,3-ジメチルブチルアミド(047)
【0225】
【化62】
【0226】
実施例34のステップ2、3、4の合成経路及び合成方法を参照し、ステップ2の7-フルオロ-6-((1,1,1-トリフルオロプロパン-2-イル)オキシ)-3,4-ジヒドロナフタレン-1(2H)-オンを6,7-ジフルオロ-3,4-ジヒドロナフタレン-1(2H)-オンに置き換えることにより標的化合物047(63mg)を調製することができた。LC-MS (ESI-MS): 401 [M+H]
【0227】
実施例48:N-(3-クロロ-4-(7,8-ジフルオロ-1,3,4,5-テトラヒドロ-2H-ベンゾ[c]アゼピン-2-イル)-2,6-ジメチルフェニル)-3,3-ジメチルブチルアミド(048)
【0228】
【化63】
【0229】
実施例31の合成経路及び合成方法を参照し、7-フルオロ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-2-ベンズアゼピンを7,8-ジフルオロ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-ベンゾ[c]アゼピンに置き換えることにより標的化合物048(37mg)を調製することができた。LC-MS (ESI-MS): 435 [M+H]
【0230】
実施例49:N-(4-(7,8-ジフルオロ-3,4-ジヒドロスピロ[ベンゾ[c]アゼピン-5,1’-シクロプロパン]-2(1H)-イル)-2,6-ジメチルフェニル)-3,3-ジメチルブチルアミド(049)
【0231】
【化64】
【0232】
実施例34のステップ2、3、4の合成経路及び合成方法を参照し、7-フルオロ-6-((1,1,1-トリフルオロプロパン-2-イル)オキシ)-3,4-ジヒドロナフタレン-1(2H)-オンを6’,7’-ジフルオロ-2’,3’-ジヒドロ-4’H-スピロ[シクロプロパン-1,1’-ナフタレン]-4’-オンに置き換えることにより標的化合物049(38mg)を調製することができた。LC-MS (ESI-MS): 427 [M+H]
【0233】
実施例50:(E)-N-(2,6-ジメチル-4-(7-((4,4,4-トリフルオロブタ-2-エン-1-イル)オキシ)-1,3,4,5-テトラヒドロ-2H-ベンゾ[c]アゼピン-2-イル)フェニル)-3,3-ジメチルブチルアミド(050)
【0234】
【化65】
【0235】
実施例8の合成経路及び合成方法を参照し、ステップ1のトリフルオロイソプロパノールを(E)-4,4,4-トリフルオロブト-2-エン-1-オールに置き換えることにより標的化合物050(50mg)を調製することができた。LC-MS (ESI-MS): 489 [M+H]
【0236】
実施例51:N-(4-(7-((3-(ジフルオロメチル)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イル)オキシ)-1,3,4,5-テトラヒドロ-2H-ベンゾ[c]アゼピン-2-イル)-2,6-ジメチルフェニル)-3,3-ジメチルブチルアミド(051)
【0237】
【化66】
【0238】
実施例8の合成経路及び合成方法を参照し、ステップ1のトリフルオロイソプロパノールを3-(ジフルオロメチル)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-オールに置き換えることにより標的化合物051(42mg)を調製することができた。LC-MS (ESI-MS): 497 [M+H]
【0239】
実施例52:N-(2,6-ジメチル-4-(7-(2,2,2-トリフルオロ-1-メトキシエトキシ)-1,3,4,5-テトラヒドロ-2H-ベンゾ[c]アゼピン-2-イル))フェニル)-3,3-ジメチルブチルアミド(052)
【0240】
【化67】
【0241】
実施例8の合成経路及び合成方法を参照し、ステップ1のトリフルオロイソプロパノールを2,2,2-トリフルオロ-1-メトキシエタン-1-オールに置き換えることにより標的化合物052(52mg)を調製することができた。LC-MS (ESI-MS): 493 [M+H]
【0242】
実施例53:N-(2,6-ジメチル-4-(7-(3,3,3-トリフルオロ-2-メチルプロポキシ)-1,3,4,5-テトラヒドロ-2H-ベンゾ[c]アゼピン-2-イル)フェニル)-3,3-ジメチルブチルアミド(053)
【0243】
【化68】
【0244】
実施例8の合成経路及び合成方法を参照し、ステップ1のトリフルオロイソプロパノールを3,3,3-トリフルオロ-2-メチルプロパン-1-オールに置き換えることにより標的化合物053(46mg)を調製することができた。LC-MS (ESI-MS): 491 [M+H]
【0245】
実施例54:N-(2,6-ジメチル-4-(7-((1-(トリフルオロメチル)シクロプロピル)メトキシ)-1,3,4,5-テトラヒドロ-2H-ベンゾ[c]アゼピン-2-イル)フェニル)-3,3-ジメチルブチルアミド(054)
【0246】
【化69】
【0247】
実施例8の合成経路及び合成方法を参照し、ステップ1のトリフルオロイソプロパノールを(1-(トリフルオロメチル)シクロプロピル)メタノールに置き換えることにより標的化合物054(34mg)を調製することができた。LC-MS (ESI-MS): 503 [M+H]
【0248】
実施例55:N-(4-(7-((1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパ-2-イル)オキシ)-1,3,4,5-テトラヒドロ-2H-ベンゾ[c]アゼピン-2-イル)-2,6-ジメチルフェニル)-3,3-ジメチルブチルアミド(055)
【0249】
【化70】
【0250】
実施例8の合成経路及び合成方法を参照し、ステップ1のトリフルオロイソプロパノールをヘキサフルオロイソプロパノールに置き換えることにより標的化合物055(49mg)を調製することができた。LC-MS (ESI-MS): 531 [M+H]
【0251】
実施例56:N-(2,6-ジメチル-4-(7-(2-(2,2,2-トリフルオロエトキシ)エトキシ)-1,3,4,5-テトラヒドロ-2H-ベンゾ[c]アゼピン-2-イル)フェニル)-3,3-ジメチルブチルアミド(056)
【0252】
【化71】
【0253】
実施例8の合成経路及び合成方法を参照し、ステップ1のトリフルオロイソプロパノールを2-(2,2,2-トリフルオロイソエトキシ)エタノールに置き換えることにより標的化合物056(62mg)を調製した。LC-MS (ESI-MS): 507 [M+H]
【0254】
実施例57:N-(2,6-ジメチル-4-(7-(2,2,3,3-テトラフルオロプロポキシ)-1,3,4,5-テトラヒドロ-2H-ベンゾ[c]アゼピン-2-イル)フェニル)-3,3-ジメチルブチルアミド(057)
【0255】
【化72】
【0256】
実施例8の合成経路及び合成方法を参照し、ステップ1のトリフルオロイソプロパノールをテトラフルオロプロパノールに置き換えることにより標的化合物057(53mg)を調製することができた。LC-MS (ESI-MS): 495 [M+H]
【0257】
実施例58:N-(2,6-ジメチル-4-(7-(3,3,3-トリフルオロプロポキシ)-1,3,4,5-テトラヒドロ-2H-ベンゾ[c]アゼピン-2-イル)フェニル)-3,3-ジメチルブチルアミド(058)
実施例8の合成経路及び合成方法を参照し、ステップ1のトリフルオロイソプロパノールをトリフルオロプロパノールに置き換えることにより標的化合物058(48mg)を調製することができた。LC-MS (ESI-MS): 477 [M+H]
【0258】
実施例59:N-(2,6-ジメチル-4-(7-((4-(トリフルオロメチル)シクロヘキシル)オキシ)-1,3,4,5-テトラヒドロ-2H-ベンゾ[c]アゼピン-2-イル)フェニル)-3,3-ジメチルブチルアミド(059)
【0259】
【化73】
【0260】
実施例8の合成経路及び合成方法を参照し、ステップ1のトリフルオロイソプロパノールを4-(トリフルオロメチル)シクロヘキサノールに置き換えることにより標的化合物059(50mg)を調製することができた。LC-MS (ESI-MS): 531 [M+H]
【0261】
実施例60:N-(2,6-ジメチル-4-(7-(4,4,4-トリフルオロブトキシ)-1,3,4,5-テトラヒドロ-2H-ベンゾ[c]アゼピン-2-イル)フェニル)-3,3-ジメチルブチルアミド(060)
【0262】
【化74】
【0263】
実施例8の合成経路及び合成方法を参照し、ステップ1のトリフルオロイソプロパノールをトリフルオロブタノールに置き換えることにより標的化合物060(63mg)を調製することができた。LC-MS (ESI-MS): 491 [M+H]
【0264】
実施例61:N-(2,6-ジメチル-4-(7-((4,4,5,5,5-ペンタフルオロペンチル)オキシ)-1,3,4,5-テトラヒドロ-2H-ベンゾ[c]アゼピン-2-イル)フェニル)-3,3-ジメチルブチルアミド(061)
【0265】
【化75】
【0266】
実施例8の合成経路及び合成方法を参照し、ステップ1のトリフルオロイソプロパノールを4,4,5,5,5-ペンタフルオロペンタノール(49mg)を調製することができた。LC-MS (ESI-MS): 541 [M+H]
【0267】
実施例62:N-(2,6-ジメチル-4-(7-(2,2,4,4,4-ペンタフルオロブトキシ)-1,3,4,5-テトラヒドロ-2H-ベンゾ[c]アゼピン-2-イル)フェニル)-3,3-ジメチルブチルアミド(062)
【0268】
【化76】
【0269】
実施例8の合成経路及び合成方法を参照し、ステップ1のトリフルオロイソプロパノールを2,2,4,4,4-ペンタフルオロブタノール(57mg)を調製することができた。LC-MS (ESI-MS): 527 [M+H]
【0270】
実施例63:N-(4-(7-(4-フルオロブトキシ)-1,3,4,5-テトラヒドロ-2H-ベンゾ[c]アゼピン-2-イル)-2,6-ジメチルフェニル)-3,3-ジメチルブチルアミド(063)
【0271】
【化77】
【0272】
実施例8の合成経路及び合成方法を参照し、ステップ1のトリフルオロイソプロパノールを4-フルオロブタノールに置き換えることにより標的化合物063(45mg)を調製することができた。LC-MS (ESI-MS): 455 [M+H]
【0273】
生物学的試験
実施例64:KCNQ2/3カリウムイオンチャネル活性試験
ステップ
1.細胞の培養
hKCNQ-CHO細胞を5%のCOの加湿雰囲気下で、37℃で培養した。
【0274】
2.溶液
2.1.細胞外液(mM):NaCl 145、KCl 4、CaCl 2、MgCl 1、Glucose 10、HEPES 10。細胞外液のpH値はNaOHで7.4に調節し、浸透圧は約295mOsmに調節した。
【0275】
2.2.細胞内液(mM(mmol/L)):KOH 31.25、KCl 120、EGTA 10、MgCl1.75、CaCl5.374、HEPES 10、Na-ATP 4。細胞内液のpH値はHClで7.4に調節し、浸透圧は約285mOsmに調節した。
【0276】
2.3.細胞外液は週に1回調製し、細胞内液は調製後-20℃で保存する必要がある。
【0277】
3.作業溶液の調製
モデル陽性参照化合物であるレチガビン(Retigabine、RTG)を100%のDMSOに溶解させ、10mMの作業溶液に調製して保存した。試験化合物を100%のDMSOに溶解させ、10mMの作業溶液に調製して保存した。試験溶液におけるDMSOの最終濃度は0.3%未満である必要がある。
【0278】
4.全細胞電圧クランプ記録
全細胞パッチクランプを室温で実施した。EPC 10 USBアンプ(HEKA Elektronik、ドイツ)を使用して記録した電気信号を3kHzローパスによってフィルタリングし、最終的にPatchMaster 2×90.5ソフトウェア(HEKA Elektronik、ドイツ)に記録した。このステップにおける品質管理基準は、細胞の高抵抗シールが500MOhmsより大きく、検出電流が0.4nAより大きいことである。
【0279】
記録電極は、ホウケイ酸ガラス毛細管(GC150tF-10、Harvard Apparatus Co.、イギリス)を使用して垂直引抜き機(NARISHIGE PC-10、日本)を通して引かれ、研磨された。このステップにおいて、品質管理基準は、電極抵抗が2~5MΩであることである。
【0280】
全細胞パッチクランプ記録中、連続灌流システム(BT100-2J、LongerPump、中国)を使用して細胞外液を連続的に灌流した。灌流システムは正立顕微鏡(FN-S2N、ニコン、日本)のステージに設置され、灌流ヘッドは顕微鏡の下に手動で配置された。
【0281】
hKCNQ電流振幅検出の電圧コマンド:細胞は1500ms間-80mVのクランプ電位から-30mVまでステップアップさせ;その後、クランプ電圧を500ms間-120mVまで低下させ;最後に電圧を-80mVのクランプ電位に戻せた。検出電圧コマンドは15,000msごとに繰り返され、このコマンドは複合テスト中継続的に実行された。化合物効果の安定性に関する品質管理基準は、5つの連続した電圧コマンドの下での電流振幅であり、その変動係数は<5%であった。化合物がhKCNQ電流振幅にいかなる効果もない場合は、5分間の継続的なモニタリングが必要であった。
【0282】
5.データ分析
データ分析は、PatchMaster 2×90.5ソフトウェア(HEKA Elektronik、ドイツ)とExcel 2013ソフトウェア(マイクロソフト、アメリカ)を使用して実行された。各細胞のパッチクランプ記録では、試験化合物の濃度に対応するhKCNQチャネル電流振幅(Itest)を取得する必要があった。Itestから細胞の元のチャネル電流(Icontrol)を引いて強化されたチャネル電流を得、Icontrolで除算して電流強化係数を得た。即ち、電流強化係数(強化%)=(Itest-Icontrol)/Icontrol*100%である。実験結果は表1に示される通りである。
【0283】
【表2】
【0284】
表中、「0.05μM」、「3μM」は、試験化合物の試験濃度を表す。A>100%、50%<B<100%、C<50%。「-」は、対応するテストが実行されていないことを表す。
【0285】
ここで、化合物aは対照化合物であり、その構造は
【0286】
【化78】
【0287】
である。
【0288】
は、10μMの濃度でのKCNQ2/3カリウムイオンチャネルに対するレチガビンの活性化活性を表す。
【0289】
表1の結果は、KCNQ2/3カリウムイオンチャネル活性化に対する3μM濃度での化合物aと10μM濃度でのレチガビンの活性は50%未満であり、KCNQ2/3カリウムイオンチャネル活性化に対する3μM濃度での本発明の化合物の活性は50%を超えることを示している。
【0290】
実施例65:半開放電圧左シフト試験
ステップ
1.細胞の培養
hKCNQ-CHO細胞を5%のCOの加湿雰囲気下で、37℃で培養した。
【0291】
2.溶液
a)細胞外液(mM):NaCl 145、KCl 4、CaCl 2、MgCl 1、Glucose 10、HEPES 10。細胞外液のpH値はNaOHで7.4に調節し、浸透圧は約295mOsmに調節した。
【0292】
b)細胞内液(mM):KOH 31.25、KCl 120、EGTA 10、MgCl1.75、CaCl5.374、HEPES 10、Na-ATP 4。細胞内液のpH値はHClで7.4に調節し、浸透圧は約285mOsmに調節した。
【0293】
c)細胞外液は週に1回調製し、細胞内液は調製後、分注して-20℃で保存する必要がある。
【0294】
3.作業溶液の調製
モデル陽性参照化合物のレチガビン(Retigabine、RTG)を100%のDMSOで溶解させ、10mMの作業溶液に調製して保存した。試験する化合物を100%のDMSOに溶解させ、10mMの作業溶液に調製して保存した。試験溶液におけるDMSOの最終濃度は0.3%未満である必要がある。
【0295】
4.全細胞電圧クランプ記録
全細胞パッチクランプを室温で実施した。EPC 10 USBアンプ(HEKA Elektronik、ドイツ)を使用して記録した電気信号を3kHzローパスによってフィルタリングし、最後にPatchMaster 2×90.5ソフトウェア(HEKA Elektronik、ドイツ)に記録した。このステップにおける品質管理基準は、細胞の高抵抗シールが500MOhmsより大きく、検出電流が0.4nAより大きいことである。
【0296】
記録電極は、ホウケイ酸ガラス毛細管(GC150tF-10、Harvard Apparatus Co.、イギリス)を使用して垂直引抜き機(NARISHIGE PC-10、日本)を通して引かれ、研磨された。このステップにおいて、品質管理基準は、電極抵抗が2~5MΩであることである。
【0297】
全細胞パッチクランプ記録中、連続灌流システム(BT100-2J、LongerPump、中国)を使用して細胞外液を連続的に灌流した。灌流システムは正立顕微鏡(FN-S2N、ニコン、日本)のステージに設置され、灌流ヘッドは顕微鏡の下に手動で配置された。
【0298】
hKCNQ電流振幅検出の電圧指令:細胞のクランプ電位-80mVから-120mVまで低下させ、掃引ごとに10mVの電圧を増加させて、+60mVまで1500ms間細胞を継続的にクランプし;次に、クランプ電圧を500ms間-120mvに低下させ;最後は、電圧をクランプ電位-80mVに戻させた。テスト電圧コマンドを15000msごとに繰り返し、化合物試験中はこのコマンドを継続的に実行した。細胞hKCNQの半分の電圧は、さまざまなクランプ電位(-120mVから+60mV)における細胞の電流振幅の非線形フィッティングによって得る必要がある。
【0299】
5.データ分析
データ分析は、PatchMaster 2×90.5ソフトウェア(HEKA Elektronik、ドイツ)とExcel 2013ソフトウェア(マイクロソフト、アメリカ)を使用して実行された。各細胞のパッチクランプ記録では、試験化合物の濃度に対応するhKCNQ半分の電圧(V1/2-test)を取得する必要がある。V1/2-testから化合物作用前のhKCNQの半分の電圧(V1/2-control)を差し引いたものは左にシフトした半分の電圧値ΔV1/2(V1/2 Shift(mV))である。
【0300】
実験結果は表2に示される通りである。
【0301】
【表3】
【0302】
表において:「50nM」、「300nM」は試験化合物の試験濃度である。「-」は対応するテストが実行されていないことを表す。
【0303】
化合物Xen-1101は対照化合物であり、その構造は:
【0304】
【化79】
【0305】
(WO2008024398A2)である。
【0306】
表2の試験結果は、本発明で設計した化合物が半開放電圧の左シフトを有意に誘発する効果を有することを示している。
【0307】
実施例66:マウスの脳の実験
実験ステップ
1.薬物の調製
投与量:5mg/kg
薬物を比例(溶媒:5%のDMSO+5%のSolutol+90%の生理食塩水)に従って0.5mg/mLの濃度の溶液に調製し、マウスに0.1mL/10gで胃内投与し、各時点で3匹のマウスを並行して実行した。
【0308】
2.時間点で脳組織を取る
マウスに投与した後、マウスに麻酔をかけ、心臓を生理食塩水で灌流し、脳組織を解剖し、生理食塩水で洗浄した後に水分を拭き取って乾燥させ、重量を量ってから2mLのEPチューブに移し、脳組織:生理食塩水=1:1(g/mL)の比で生理食塩水を加え、組織グラインダー上の各チューブに鋼球3個を置き、60HZで、60s間ホモジナイズさせ、15000rpm、4℃で10分間遠心分離し、上清を採取し、これが脳組織ホモジネートであった。
【0309】
3.試料の処理
3.1.標準曲線と品質管理試料の調製・処理
薬物ストック溶液(0.5mg/mL)を取り、アセトニトリルで希釈して、濃度がそれぞれ50、100、200、500、1000、2000、5000、10000、20000ng/mLの標準曲線作業溶液、100、2000、10000ng/mLの品質管理作業溶液に調製した。それぞれ47.5μLのブランクマトリックスを取り、2.5μLの標準曲線作業溶液と品質管理作業溶液を加えて、濃度が2.5、5、10、25、50、100、250、500、1000ng/mLの標準曲線試料、濃度が5、100、500ng/mLの品質管理試料に調製し、それぞれ200μLのアセトニトリル(内部標準ロラタジン5ng/mLを含む)を加え、3分間ボルテックスし、15000rpm、4℃で10分間遠心分離し、上清を取ってLC-MS/MS分析を実行し、標準曲線を得た。
【0310】
3.2試料の調製・処理
脳組織ホモジネート試料50μLを取り、200μLのアセトニトリル(内部標準ロラタジン5ng/mLを含む)を加え、3分間ボルテックスした後、15000rpm、4℃で10分間遠心分離し、上清を取ってLC-MS/MS分析を実行し、標準曲線と組み合わせて、対応する脳内濃度を得た。
【0311】
実験結果は表3に示される通りである。
【0312】
【表4】
【0313】
表3の試験結果は、胃内投与後にマウスにおける化合物の脳内濃度は所定の増加があったことを示している。
【0314】
実施例67:MESマウスてんかんモデル
実験ステップ:
1.マウス(群当たり10匹)を実験の30分前に環境に適応させるために手術室に移した。
【0315】
2.特定の時間に試験化合物又は陽性薬物(バルプロ酸ナトリウム、Valproate)を投与した。バルプロ酸を投与してから30分後、又は試験化合物を投与してから30分後、耳電極により電気刺激を与え、刺激パラメータは合計持続時間:0.8s、周波数:50Hz、振幅:50mAの方形波であって、方形波の間隔は10msecであった。
【0316】
3.電気刺激の完了後1分以内に、動物の後肢の硬直の回数と発症時間、及び発生する可能性のある死亡と死亡時間を記録した。
【0317】
4.投与後、薬剤によって誘発される可能性のある副作用を観察・記録し、次の4つのレベルに分類した:
・無し:正常
・軽い鎮静(Mild sedation)
・中程度の鎮静(Moderate sedation)
・重度の鎮静(Severe sedation)
実験結果は表4に示される通りである。
【0318】
【表5】
【0319】
表4の試験結果は、マウスのMES誘発性てんかんにおいて、化合物がマウスの後肢硬直の発生を有意に阻害できることを示している。
【国際調査報告】