(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-17
(54)【発明の名称】アレイ基板及び表示装置
(51)【国際特許分類】
G02F 1/1343 20060101AFI20240510BHJP
G02F 1/1368 20060101ALI20240510BHJP
【FI】
G02F1/1343
G02F1/1368
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022520902
(86)(22)【出願日】2022-03-29
(85)【翻訳文提出日】2022-05-19
(86)【国際出願番号】 CN2022083726
(87)【国際公開番号】W WO2023173483
(87)【国際公開日】2023-09-21
(31)【優先権主張番号】202210259582.X
(32)【優先日】2022-03-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515203228
【氏名又は名称】ティーシーエル チャイナスター オプトエレクトロニクス テクノロジー カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】TCL China Star Optoelectronics Technology Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】No.9-2,Tangming Rd,Guangming New District,Shenzhen,Guangdong,China 518132
(71)【出願人】
【識別番号】324002904
【氏名又は名称】恵州華星光電顕示有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110002181
【氏名又は名称】弁理士法人IP-FOCUS
(72)【発明者】
【氏名】嚴 允晟
(72)【発明者】
【氏名】李 吉
(72)【発明者】
【氏名】何 孝金
(72)【発明者】
【氏名】方 靖欣
(72)【発明者】
【氏名】▲ゆ▼ 云
(72)【発明者】
【氏名】張 ▲き▼
(72)【発明者】
【氏名】林 磊
【テーマコード(参考)】
2H092
2H192
【Fターム(参考)】
2H092GA14
2H092JA24
2H092JB14
2H092NA01
2H192AA24
2H192BB12
2H192BB13
2H192BB52
2H192BC22
(57)【要約】
アレイ基板及び表示装置が開示される。前記アレイ基板は、基板と、前記基板に設けられる複数の画素ユニットと、を含む。各画素ユニットは、画素電極と、前記基板における正投影と前記基板における前記画素電極の正投影とが少なくとも部分的に重なるように前記画素電極と間隔をあけて設けられる第1共通電極と、前記基板における正投影と前記基板における前記画素電極の正投影とが少なくとも部分的に重なるように前記第1共通電極と同層に設けられる少なくとも一つの第2共通電極と、を含む。前記第1共通電極と前記第2共通電極とは、互いに絶縁される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
複数のデータ線と複数の走査線とが互いに交差して形成されるように前記基板に設けられる複数の画素ユニットと、を含むアレイ基板であって、
各前記画素ユニットは、
画素電極と、
前記基板における正投影と前記基板における前記画素電極の正投影とが少なくとも部分的に重なるように前記画素電極と間隔をあけて設けられる第1共通電極と、
前記基板における正投影と前記基板における前記画素電極の正投影とが少なくとも部分的に重なるように前記第1共通電極と同層に設けられる少なくとも一つの第2共通電極と、
前記第1共通電極に接続される第1共通電極線及び前記第2共通電極に接続される第2共通電極線であって、異なる信号を供給するように構成される第1共通電極線及び第2共通電極線と、を含み、
前記第1共通電極と前記第2共通電極とは、互いに絶縁される、
アレイ基板。
【請求項2】
前記第2共通電極の数は、二つであり、
二つの前記第2共通電極は、前記データ線の延在方向又は前記走査線の延在方向に沿って前記第1共通電極の両側に配列される、
請求項1に記載のアレイ基板。
【請求項3】
基板と、
前記基板に設けられる複数の画素ユニットと、を含むアレイ基板であって、
各前記画素ユニットは、
画素電極と、
前記基板における正投影と前記基板における前記画素電極の正投影とが少なくとも部分的に重なるように前記画素電極と間隔をあけて設けられる第1共通電極と、
前記基板における正投影と前記基板における前記画素電極の正投影とが少なくとも部分的に重なるように前記第1共通電極と同層に設けられる少なくとも一つの第2共通電極と、を含み、
前記第1共通電極と前記第2共通電極とは、互いに絶縁される、
アレイ基板。
【請求項4】
前記第1共通電極及び前記第2共通電極は、前記画素電極と前記基板との間に設けられる、
請求項3に記載のアレイ基板。
【請求項5】
前記画素電極は、前記基板と前記第1共通電極及び前記第2共通電極との間に設けられる、
請求項3に記載のアレイ基板。
【請求項6】
前記第1共通電極は、前記基板に垂直な仮想平面に沿って鏡像対称な構造に形成され、
前記第2共通電極は、前記第1共通電極の外側に設けられる、
請求項3に記載のアレイ基板。
【請求項7】
複数の前記画素ユニットは、複数のデータ線と複数の走査線とが互いに交差して形成され、
前記第2共通電極の数は、二つであり、
二つの前記第2共通電極は、前記データ線の延在方向に沿って前記第1共通電極の両側に配列される、
請求項6に記載のアレイ基板。
【請求項8】
二つの前記第2共通電極は、前記仮想平面に沿って互いに鏡像対称な構造に形成される、
請求項7に記載のアレイ基板。
【請求項9】
前記画素電極は、間隔をあけて設けられる複数の第1分岐電極を有し、
隣接する第1分岐電極間には、スリットが形成され、
前記仮想平面の一方側に位置する第1分岐電極の延在方向と前記仮想平面との間の角度と、前記仮想平面の他方側に位置する第1分岐電極の延在方向と前記仮想平面との間の角度とは、同一である、
請求項7に記載のアレイ基板。
【請求項10】
前記画素電極は、二つの第1基幹電極をさらに含み、
一方の前記第1基幹電極は、複数の前記第1分岐電極の一端部に接続され、
他方の前記第1基幹電極は、複数の前記第1分岐電極の他端部に接続される、
請求項9に記載のアレイ基板。
【請求項11】
前記画素電極は、二つの前記第1基幹電極のうちの一つの第1基幹電極と制御素子との間に接続される延在電極をさらに含む、
請求項10に記載のアレイ基板。
【請求項12】
複数の前記第1分岐電極は、前記仮想平面の対向する両側に鏡像対称に設けられる、
請求項9に記載のアレイ基板。
【請求項13】
前記第1共通電極及び前記第2共通電極は、それぞれ前記基板に垂直な仮想平面に沿って鏡像対称な構造に形成される、
請求項3に記載のアレイ基板。
【請求項14】
複数の前記画素ユニットは、複数のデータ線と複数の走査線とが互いに交差して形成され、
前記第2共通電極の数は、二つであり、
二つの前記第2共通電極は、前記走査線の延在方向に沿って前記第1共通電極の両側に配列される、
請求項13に記載のアレイ基板。
【請求項15】
前記第1共通電極及び二つの前記第2共通電極は、それぞれ間隔をあけて設けられる複数の第2分岐電極を有し、
隣接する第2分岐電極間には、スリットが形成され、
前記仮想平面の一方側に位置する第2分岐電極の延在方向と前記仮想平面との間の角度と、前記仮想平面の他方側に位置する第2分岐電極の延在方向と前記仮想平面との間の角度とは、同一である、
請求項14に記載のアレイ基板。
【請求項16】
前記第1共通電極及び二つの前記第2共通電極は、それぞれ二つの第2基幹電極をさらに含み、
前記第1共通電極における一方の前記第2基幹電極は、前記第1共通電極における複数の前記第2分岐電極の一端部に接続され、
前記第1共通電極における他方の前記第2基幹電極は、前記第1共通電極における複数の前記第2分岐電極の他端部に接続され、
前記第2共通電極における一方の前記第2基幹電極は、前記第2共通電極における複数の前記第2分岐電極の一端部に接続され、
前記第2共通電極における他方の前記第2基幹電極は、前記第2共通電極における複数の前記第2分岐電極の他端部に接続される、
請求項15に記載のアレイ基板。
【請求項17】
前記画素電極は、前記仮想平面に沿って鏡像対称な構造に形成される、
請求項13に記載のアレイ基板。
【請求項18】
前記第1共通電極に接続される第1共通電極線及び前記第2共通電極に接続される第2共通電極線であって、異なる信号を供給するように構成される第1共通電極線及び第2共通電極線をさらに含む、
請求項3に記載のアレイ基板。
【請求項19】
前記画素電極と前記第1共通電極との間には、第1差圧が存在し、
前記画素電極と前記第2共通電極との間には、第2差圧が存在し、
前記第1差圧の絶対値は、前記第2差圧の絶対値よりも大きい、
請求項18に記載のアレイ基板。
【請求項20】
対向基板、液晶層及び請求項3に記載のアレイ基板を含む表示装置であって、
前記対向基板と前記アレイ基板とは、対向するように間隔をあけて設けられ、
前記液晶層は、前記対向基板と前記アレイ基板との間に設けられる、
表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示技術分野に関し、特にFFS(fringe-field switching)型アレイ基板及び表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
情報技術と生活水準の不断の向上に伴い、色域などのディスプレイ画質に対する人々の要求が高まっている。
【0003】
例えば、RGBW技術は、液晶ディスプレイ(LCD)の表示輝度を高め、LCDの消費電力を低減させることができる。しかしながら、このモードを採用する上での課題は、単色の純度と彩度が低下し、同じ解像度の画面精度がRGBスクリーンに及ばないということである。画面精度を保証する必要があるアプリケーションにおいて、色域の改善は、極めて重要である。過去にいくつかの技術が提案されてきたが、依然として改善の余地がある。
【発明の概要】
【0004】
本発明によれば、表示装置の色域を改善するためのアレイ基板及び表示装置が提供される。
【0005】
上記課題を解決するために、本発明の一態様によれば、基板と、
複数のデータ線と複数の走査線とが互いに交差して形成されるように前記基板に設けられる複数の画素ユニットと、を含むアレイ基板であって、
各前記画素ユニットは、
画素電極と、
前記基板における正投影と前記基板における前記画素電極の正投影とが少なくとも部分的に重なるように前記画素電極と間隔をあけて設けられる第1共通電極と、
前記基板における正投影と前記基板における前記画素電極の正投影とが少なくとも部分的に重なるように前記第1共通電極と同層に設けられる少なくとも一つの第2共通電極と、
前記第1共通電極に接続される第1共通電極線及び前記第2共通電極に接続される第2共通電極線であって、異なる信号を供給するように構成される第1共通電極線及び第2共通電極線と、を含み、
前記第1共通電極と前記第2共通電極とは、互いに絶縁されるアレイ基板が提供される。
【0006】
本発明の一実施例によれば、前記第2共通電極の数は、二つであり、
二つの前記第2共通電極は、前記データ線の延在方向又は前記走査線の延在方向に沿って前記第1共通電極の両側に配列される。
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の別の態様によれば、基板と、
前記基板に設けられる複数の画素ユニットと、を含むアレイ基板であって、
各前記画素ユニットは、
画素電極と、
前記基板における正投影と前記基板における前記画素電極の正投影とが少なくとも部分的に重なるように前記画素電極と間隔をあけて設けられる第1共通電極と、
前記基板における正投影と前記基板における前記画素電極の正投影とが少なくとも部分的に重なるように前記第1共通電極と同層に設けられる少なくとも一つの第2共通電極と、を含み、
前記第1共通電極と前記第2共通電極とは、互いに絶縁されるアレイ基板が提供される。
【0008】
本発明の一実施例によれば、前記第1共通電極及び前記第2共通電極は、前記画素電極と前記基板との間に設けられる。
【0009】
本発明の一実施例によれば、前記画素電極は、前記基板と前記第1共通電極及び前記第2共通電極との間に設けられる。
【0010】
本発明の一実施例によれば、前記第1共通電極は、前記基板に垂直な仮想平面に沿って鏡像対称な構造に形成され、
前記第2共通電極は、前記第1共通電極の外側に設けられる。
【0011】
本発明の一実施例によれば、複数の前記画素ユニットは、複数のデータ線と複数の走査線とが互いに交差して形成され、
前記第2共通電極の数は、二つであり、
二つの前記第2共通電極は、前記データ線の延在方向に沿って前記第1共通電極の両側に配列される。
【0012】
本発明の一実施例によれば、二つの前記第2共通電極は、前記仮想平面に沿って互いに鏡像対称な構造に形成される。
【0013】
本発明の一実施例によれば、前記画素電極は、間隔をあけて設けられる複数の第1分岐電極を有し、
隣接する第1分岐電極間には、スリットが形成され、
前記仮想平面の一方側に位置する第1分岐電極の延在方向と前記仮想平面との間の角度と、前記仮想平面の他方側に位置する第1分岐電極の延在方向と前記仮想平面との間の角度とは、同一である。
【0014】
本発明の一実施例によれば、前記画素電極は、二つの第1基幹電極をさらに含み、
一方の前記第1基幹電極は、複数の前記第1分岐電極の一端部に接続され、
他方の前記第1基幹電極は、複数の前記第1分岐電極の他端部に接続される。
【0015】
本発明の一実施例によれば、前記画素電極は、二つの前記第1基幹電極のうちの一つの第1基幹電極と制御素子との間に接続される延在電極をさらに含む。
【0016】
本発明の一実施例によれば、複数の前記第1分岐電極は、前記仮想平面の対向する両側に鏡像対称に設けられる。
【0017】
本発明の一実施例によれば、前記第1共通電極及び前記第2共通電極は、それぞれ前記基板に垂直な仮想平面に沿って鏡像対称な構造に形成される。
【0018】
本発明の一実施例によれば、複数の前記画素ユニットは、複数のデータ線と複数の走査線とが互いに交差して形成され、
前記第2共通電極の数は、二つであり、
二つの前記第2共通電極は、前記走査線の延在方向に沿って前記第1共通電極の両側に配列される。
【0019】
本発明の一実施例によれば、前記第1共通電極及び二つの前記第2共通電極は、それぞれ間隔をあけて設けられる複数の第2分岐電極を有し、
隣接する第2分岐電極間には、スリットが形成され、
前記仮想平面の一方側に位置する第2分岐電極の延在方向と前記仮想平面との間の角度と、前記仮想平面の他方側に位置する第2分岐電極の延在方向と前記仮想平面との間の角度とは、同一である。
【0020】
本発明の一実施例によれば、前記第1共通電極及び二つの前記第2共通電極は、それぞれ二つの第2基幹電極をさらに含み、
前記第1共通電極における一方の前記第2基幹電極は、前記第1共通電極における複数の前記第2分岐電極の一端部に接続され、
前記第1共通電極における他方の前記第2基幹電極は、前記第1共通電極における複数の前記第2分岐電極の他端部に接続され、
前記第2共通電極における一方の前記第2基幹電極は、前記第2共通電極における複数の前記第2分岐電極の一端部に接続され、
前記第2共通電極における他方の前記第2基幹電極は、前記第2共通電極における複数の前記第2分岐電極の他端部に接続される。
【0021】
本発明の一実施例によれば、前記画素電極は、前記仮想平面に沿って鏡像対称な構造に形成される。
【0022】
本発明の一実施例によれば、前記第1共通電極に接続される第1共通電極線及び前記第2共通電極に接続される第2共通電極線であって、異なる信号を供給するように構成される第1共通電極線及び第2共通電極線をさらに含む。
【0023】
本発明の一実施例によれば、前記画素電極と前記第1共通電極との間には、第1差圧が存在し、
前記画素電極と前記第2共通電極との間には、第2差圧が存在し、
前記第1差圧の絶対値は、前記第2差圧の絶対値よりも大きい。
【0024】
上記課題を解決するために、本発明の別の態様によれば、対向基板、液晶層及び上記アレイ基板を含む表示装置であって、
前記対向基板と前記アレイ基板とは、対向するように間隔をあけて設けられ、
前記液晶層は、前記対向基板と前記アレイ基板との間に設けられる表示装置が提供される。
【発明の効果】
【0025】
本発明のアレイ基板及び表示装置によれば、前記第1共通電極は、前記基板における正投影と前記基板における前記画素電極の正投影とが少なくとも部分的に重なるように前記画素電極と間隔をあけて設けされ、前記第2共通電極は、前記基板における正投影と前記基板における前記画素電極の正投影とが少なくとも部分的に重なるように前記第1共通電極と同層に設けられ、前記第1共通電極と前記第2共通電極とは、互いに絶縁される。これにより、光透過率を維持する場合においては、中低階調の色域を向上させ、光透過率を向上させる場合においては、255階調の色域をわずかに低下させ、中低階調の色域を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
本発明の実施例における技術的手段をより明確に説明するために、以下では、実施例の説明において使用する必要がある図面を簡単に説明する。明らかに、以下の説明における図面は、本発明のいくつかの実施例にすぎず、当業者にとって、創造的な労力を払わずにこれらの図面に基づいて他の図面を得ることができる。
【0027】
【
図1】本発明の第1実施例に係るアレイ基板の平面視を示す概略図である。
【
図2A】
図1におけるアレイ基板の画素電極及び異なる共通電極の輪郭を示す概略図である。
【
図2B】
図1におけるアレイ基板の異なる共通電極にチップオンフィルムを適用するための配線を示す概略図である。
【
図3】本発明の第2実施例に係るアレイ基板の平面視を示す概略図である。
【
図4A】
図3におけるアレイ基板の画素電極及び異なる共通電極の輪郭を示す概略図である。
【
図4B】
図3におけるアレイ基板の異なる共通電極にチップオンフィルムを適用するための配線を示す概略図である。
【
図5】本発明の実施例に係る二つの共通電極の入力信号を示す概略図である。
【
図6】本発明の実施例に係る二つの共通電極の別の入力信号を示す概略図である。
【
図7】本発明の第1実施例に係るアレイ基板の色域形態を示す概略図である。
【
図8】本発明の第2実施例に係るアレイ基板の色域形態を示す概略図である。
【
図9】本発明の実施例に係る二つの共通電極の色域曲線を示す概略図である。
【
図10】単一の共通電極を備えるアレイ基板の平面視を示す概略図である。
【
図11】
図10におけるアレイ基板のIII-III’線の断面を示す概略図である。
【
図12】複数の共通電極を備えるアレイ基板と、単一の共通電極を備えるアレイ基板との第1の色域比較を示す概略図である。
【
図13】複数の共通電極を備えるアレイ基板と、単一の共通電極を備えるアレイ基板との第2の色域比較を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の実施例における図面を参照しながら本発明の実施例における技術的手段について明確かつ完全に説明する。明らかに、説明される実施例は、本発明の一部の実施例にすぎず、すべての実施例ではない。本発明の実施例に基づいて、当業者は、創造的な労働を払わないことを前提に得られる他のすべての実施例は、いずれも本発明の保護範囲に属する。
【0029】
なお、本明細書の説明において、「中心」、「縦方向」、「横方向」、「長さ」、「幅」、「厚さ」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「頂」、「底」、「内」、「外」、「時計回り」、「反時計回り」などの用語で示す方位又は位置関係は、図面に示す方位又は位置関係に基づくものであり、本発明の説明の便宜及び説明の簡略化のためであり、示される装置又は要素が特定の方位を有し、特定の方位で構成及び動作することを示し、又は暗示するものではないため、本発明を限定するものとして理解することができない。
【0030】
なお、本明細書の説明において、「第1」及び「第2」という用語は、説明のみを目的としており、相対的な重要性を示し若しくは暗示し、又は示される技術的特徴の数を暗黙的に示すものとして理解することができない。したがって、「第1」及び「第2」に限定される特徴は、一つ又はより多くの前記特徴を明示的又は暗黙的に含むことができる。本発明の説明において、「複数」とは、特に限定されない限り二つ又は二つ以上を意味する。
【0031】
本明細書では、本発明の異なる構造を実現するために多くの異なる実施形態又は例を提供する。本発明の開示内容を簡略化するために、以下、特定の実施例の構成要素及び設定について説明する。もちろん、それらは一例にすぎず、本発明を限定するものではない。また、本発明では、異なる例において符号及び/又は参照文字を繰り返すことができるが、このような繰り返しは、簡略化及び明確化の目的で、それ自体が議論される種々の実施形態及び/又は設定の間の関係を示すものではない。また、本明細書に提供される様々な特定のプロセス及び材料の例は、当業者であれば、他のプロセスの適用及び/又は他の材料の使用を認識することができる。
【0032】
液晶表示装置において、画面精度を保証する場合は、色域の改善が極めて重要である。以下に例示するが、これに限定されない。
【0033】
本発明の一態様によれば、例えば、複数の表示ドメインを備える液晶表示装置に適用することができるFFS(fringe-field switching)型アレイ基板などのアレイ基板が提供されるが、これに限定されない。
【0034】
以下、前記アレイ基板の実施形態を例示するが、これに限定されない。
【0035】
第1実施例において、
図1及び
図2Aに示すように、前記アレイ基板は、基板Uと、前記基板Uに設けられる複数の画素ユニットEとを含む。各画素ユニットEは、画素電極P、第1共通電極MC及び少なくとも一つの第2共通電極(SC1及び/又はSC2)を含む。前記第2共通電極の数は、一つ又は複数であってもよい。前記画素電極Pは、例えば、第1電極層L1に設けられる。前記第1共通電極MCは、前記基板Uにおける正投影と基板Uにおける前記画素電極Pの正投影とが少なくとも部分的に重なるように前記画素電極Pと間隔をあけて設けられる。前記第2共通電極(SC1及び/又はSC2)は、前記第1共通電極MCと同層に設けられ、例えば、第2電極層L2に設けられる。例えば、前記第2共通電極(SC1及び/又はSC2)は、基板Uにおける正投影と基板Uにおける前記画素電極Pの正投影とが少なくとも部分的に重なるようにデータ線Dの延在方向に沿って前記第1共通電極MCの外側に位置する。ここで、前記第1共通電極MCと前記第2共通電極(SC1及び/又はSC2)とは、互いに絶縁される。
【0036】
例えば、
図1及び
図2Aに示すように、前記基板Uは、例えば、ガラスなど、前記アレイ基板を設ける多くの材料層に適した板材であってもよく、例えば、導電層、絶縁層及びパッシベーション層などの異なる材料層を積層して設けるためのものである。例えば、異なる導電層(例えば電極層)が互いに絶縁されるように異なる導電層間には、絶縁層が設けられてもよい。ここでは、説明を簡略化するために、本発明の実施例の特性に関連する例示的な構成のみを例示する。例えば、一つの画素ユニットEのみを例として説明するが、これに限定されず、関連説明は、複数の画素ユニットにも適用可能である。
【0037】
なお、異なる前記材料層は、例えば、データ線、走査線、共通線、共通電極、薄膜トランジスタ及び画素電極など、実際のニーズに応じて異なる部材として合理的に構成することができる。以下では、主に二つの第2共通電極を例として説明するが、これに限定されず、関連説明は、一つ又は複数の第2共通電極にも適用可能である。
【0038】
例えば、
図1に示すように、前記アレイ基板は、複数のデータ線D及び複数の走査線(ゲート線とも呼ばれる)Aをさらに含んでもよい。複数の前記データ線Dと複数の前記走査線Aとは、互いに交差して複数の画素ユニットEに形成される。各画素ユニットEは、画素電極P、第1共通電極MC、二つの第2共通電極SC1及びSC2並びに薄膜トランジスタTを有する。前記薄膜トランジスタTは、空間における液晶材料の形態を制御して前記アレイ基板の機能を完成させるように前記画素ユニットEの電界を制御することができる。
【0039】
第1実施例において、
図1及び
図2Aに示すように、前記アレイ基板は、横方向スリット(slit)FFSモードに構成される。前記第1電極層L1及び前記第2電極層L2は、異なる導電層である。前記第1電極層L1は、前記画素電極Pを有するように構成される。前記第2電極層L2は、前記第1共通電極MC及び二つの前記第2共通電極SC1、SC2を有するように構成される。前記第1共通電極MC及び二つの前記第2共通電極SC1、SC2は、前記画素電極Pと前記基板Uとの間に位置する。
図1及び
図2Aに示すように、
図1における円形領域は、
図1におけるI-I’線の断面拡大図であり、前記第1共通電極MC及び前記第2共通電極SC1が前記画素電極Pの下側にあることを示す。二つの第2共通電極を例として、二つの前記第2共通電極SC1、SC2が同層に設けられるので、前記第1共通電極MC及び二つの前記第2共通電極SC1、SC2は、前記画素電極Pの下側に位置するが、これに限定されない。
【0040】
例えば、第1実施例において、
図1及び
図2Aに示すように、前記第1共通電極MCは、一つのメイン共通電極(MAIN COM)として構成されてもよい。二つの前記第2共通電極SC1、SC2は、二つのサブ共通電極(SUB COM)とみなされてもよい。前記第1共通電極MCは、前記基板Uに垂直な仮想平面Nに沿って鏡像対称な構造に形成される。例えば、前記第1共通電極MCは、仮想平面Nに沿って鏡像対称な台形構造に形成されるが、これに限定されない。二つの前記第2共通電極SC1、SC2は、前記第1共通電極MCの両側に対称に設けられてもよい。例えば、二つの前記第2共通電極SC1、SC2は、前記データ線Dの延在方向に沿って前記第1共通電極MCの両側に配列される。二つの前記第2共通電極SC1、SC2は、仮想平面Nに沿って互いに鏡像対称な構造に形成される。例えば、二つの前記第2共通電極SC1、SC2は、仮想平面Nに沿って互いに鏡像対称な台形構造に形成されるが、これに限定されず、他の形状に形成されるように構成されてもよい。これにより、一つのメイン共通電極及び二つのサブ共通電極の構成を採用することで、異なる共通電圧による走査線方向に沿って隣接する画素電極に対する結合作用を低減させることができ、信号クロストークを低減させることが可能である。
【0041】
したがって、第1実施例において、
図1及び
図2Aに示すように、前記画素電極Pは、前記仮想平面Nに沿って鏡像対称な構造に形成される。例えば、前記画素電極Pは、間隔をあけて設けられる複数の第1分岐電極Yを有する。隣接する第1分岐電極Y間には、スリットが形成される。前記仮想平面Nの一方側に位置する第1分岐電極Yの延在方向F11と前記仮想平面Nとの間の角度θ1と、前記仮想平面Nの他方側に位置する第1分岐電極Yの延在方向F12と前記仮想平面Nとの間の角度θ1とは、同一である。例えば、前記第1分岐電極Yの延在方向(F11、F12)は、第1分岐電極Yの片側辺縁に沿って延在する方向又は第1分岐電極Yの両側辺縁の中間の仮想中心線に沿って延在する方向を指すことを意味する。前記角度は、前記仮想平面Nから両側に向かった同じ距離における前記第1分岐電極Yの延在方向と前記仮想平面Nとの角度を指すことを意味する。また、複数の前記第1分岐電極の特性(例えば、電極幅又はスリット幅)は、必要に応じて微調整することができる。一例において、複数の前記第1分岐電極Yは、前記仮想平面Nの対向する両側に鏡像対称に設けられる。
【0042】
例えば、隣接する前記分岐電極Y間のスリット形態(幅や延在方向など)は、前記第1共通電極MC及び二つの前記第2共通電極SC1、SC2のレイアウトに対応することができる。例えば、前記第1共通電極MC及び単一の第2共通電極(SC1又はSC2)との間には、電極間隙を有し、前記電極間隙の延在方向と隣接する前記分岐電極Y間のスリットの延在方向とは、同一であってもよい。前記電極間隙に最も近いスリットの幅は、他のスリットの幅よりも大きい。前記電極間隙に最も近いスリットの幅は、前記電極間隙の幅よりも大きいが、これに限定されない。
【0043】
例えば、前記画素電極Pは、二つの第1基幹電極Zをさらに含んでもよい。一方の前記第1基幹電極Zは、複数の前記第1分岐電極Yの一端部に接続され、他方の前記第1基幹電極Zは、複数の前記第1分岐電極Yの他端部に接続される。例えば、二つの第1基幹電極Zは、互いに平行する。また、前記画素電極Pは、延在電極Xをさらに含んでもよい。前記延在電極Xは、二つの前記第1基幹電極Zのうちの一つの第1基幹電極Zと制御素子(例えば、薄膜トランジスタTなど)との間に接続されることにより、異なる表示ドメインの表示効果が制御されるように前記制御素子は、信号を送信して前記画素電極Pを制御することができる。
【0044】
一適用例において、
図2Aに示すように、前記アレイ基板は、異なる信号を伝送するために使用できる第1共通電極線Ma及び第2共通電極線Saをさらに含んでもよい。前記第1共通電極線Maは、前記第1共通電極MCに接続され、前記第2共通電極線Saは、前記第2共通電極SC1及びSC2に接続される。前記第1共通電極線Ma及び前記第2共通電極線Saは、異なる信号を供給するように構成される。
【0045】
例示的には、
図2A及び
図2Bに示すように、チップオンフィルム(COF)技術を例として、アレイ基板K1とカラーフィルム基板K2とが重なる領域におけるアクティブ表示領域(active area)AAにおいて、多くの第1共通電極MCは、前記第1共通電極線Maに接続され、多くの第2共通電極SC1及びSC2は、前記第2共通電極線Saに接続される。例えば、前記第1共通電極線Ma及び前記第2共通電極線Saは、例えば、アレイ基板K1とカラーフィルム基板K2とが重なっていない領域における多くの金バンプ(Gold Bump)GBからの異なる信号などの異なる信号を供給するように構成されてもよい。
【0046】
また、第2実施例において、
図3及び
図4Aに示すように、前記アレイ基板は、基板U’と前記基板U’に設けられる複数の画素ユニットE’とを含む。各画素ユニットE’は、画素電極P’、第1共通電極MC’及び少なくとも一つの第2共通電極(SC1’及び/又はSC2’)を含む。画素電極P’は、例えば、第1電極層L1’に設けられる。第1共通電極MC’は、前記基板U’における正投影と前記基板U’における前記画素電極P’の正投影とが少なくとも部分的に重なるように前記画素電極P’と間隔をあけて設けられる。第2共通電極SC1’又はSC2’は、前記第1共通電極MC’と同層に設けられ、例えば、第2電極層L2’に設けられる。前記第2共通電極SC1’又はSC2’は、基板U’における正投影と基板U’における前記画素電極P’の正投影とが少なくとも部分的に重なるように走査線Aの延在方向に沿って前記第1共通電極MC’の外側に位置する。
【0047】
例えば、
図3及び
図4Aに示すように、前記基板U’は、例えば、ガラスなど、前記アレイ基板を設ける多くの材料層に適した板材であってもよく、導電層、絶縁層及びパッシベーション層などの異なる材料層を積層して設けるためのものである。例えば、異なる導電層(例えば電極層)が互いに絶縁されるように異なる導電層間には、絶縁層が設けられてもよい。ここでは、説明を簡略化するために、本発明の実施例の特性に関連する例示的な構成のみを例示する。例えば、一つの画素ユニットE’のみを例として説明するが、これに限定されず、関連説明は、複数の画素ユニットにも適用可能である。
【0048】
例えば、
図3に示すように、前記アレイ基板は、複数のデータ線D及び複数の走査線Aをさらに含んでもよい。複数の前記データ線Dと複数の前記走査線Aとは、互いに交差して複数の画素ユニットE’に形成される。各画素ユニットE’は、画素電極P’、第1共通電極MC’、二つの第2共通電極SC1’及びSC2’並びに薄膜トランジスタを有する。前記薄膜トランジスタは、空間における液晶材料の形態を制御して前記アレイ基板の機能を完成させるように前記画素ユニットの電界を制御することができる。
【0049】
第2実施例において、
図3及び
図4Aに示すように、前記アレイ基板は、縦方向スリット(slit)FFSモードに構成される。前記第1電極層L1’及び前記第2電極層L2’は、異なる導電層である。前記第1電極層L1’は、前記画素電極P’を有するように構成され、前記第2電極層L2’は、前記第1共通電極MC’及び二つの前記第2共通電極SC1’、SC2’を有するように構成される。前記画素電極P’は、前記基板P’と前記第1共通電極MC’及び前記第2共通電極(SC1’及び/又はSC2’)との間に位置する。例えば、前記第1共通電極MC’並びに前記第2共通電極SC1’及び/又はSC2’は、前記基板に垂直な仮想平面N’に沿ってそれぞれ鏡像対称構造に形成される。
図3及び
図4Aに示すように、
図3における円形領域は、
図3におけるII-II’線の断面拡大図であり、前記第1共通電極MC’並びに二つの前記第2共通電極SC1’及びSC2’が前記画素電極P’の下側にあることを示す。二つの第2共通電極を例として、二つの前記第2共通電極SC1’、SC2’が同層に設けられるので、前記第1共通電極MC’及び二つの前記第2共通電極SC1’、SC2’は、前記画素電極P’の下側に位置するが、これに限定されない。
【0050】
例えば、第2実施例において、
図3及び
図4Aに示すように、前記第1共通電極MC’は、一つのメイン共通電極(MAIN COM)として構成されてもよい。二つの前記第2共通電極SC1’、SC2’は、二つのサブ共通電極(SUB COM)とみなされてもよい。例えば、二つの前記第2共通電極SC1’、SC2’は、前記走査線Aの延在方向に沿って前記第1共通電極MC’の両側に配列される。前記第1共通電極MC’及び二つの前記第2共通電極SC1’、SC2’は、それぞれ前記基板U’に垂直な仮想平面N’(例えば、共通線に位置する)に沿って鏡像対称な構造に形成される。例えば、前記第1共通電極MC’及び二つの前記第2共通電極SC1’、SC2’は、それぞれ間隔をあけて設けられる複数の第2分岐電極を有する。例えば、前記第1共通電極MC’は、間隔をあけて設けられる複数の第2分岐電極Y1’を有し、二つの前記第2共通電極SC1’、SC2’は、それぞれ間隔をあけて設けられる複数の第2分岐電極Y2’を有し、隣接する第2分岐電極(Y1’及びY2’)間には、スリットが形成される。
【0051】
前記第1共通電極MC’を例として、前記仮想平面N’の一方側に位置する第2分岐電極Y1’の延在方向F21と前記仮想平面N’との間の角度θ2と、前記仮想平面N’の他方側に位置する第2分岐電極Y1’の延在方向F22と前記仮想平面との間の角度θ2とは、同一である。例えば、前記第2分岐電極Y1’の延在方向(F21、F22)は、第2分岐電極Y1’の片側辺縁に沿って延在する方向又は第2分岐電極Y1’の両側辺縁の中間の仮想中心線に沿って延在する方向を指すことを意味する。
図3では、説明の便宜上、第2分岐電極Y1’の主な延在方向のみをまっすぐな破線で示しており、前記角度は、前記仮想平面N’から両側に向かった同じ距離における前記第2分岐電極Y1’の延在方向と前記仮想平面N’との角度を指すことを意味する。関連説明は、二つの前記第2共通電極SC1’、SC2’にも適用可能である。
【0052】
一例において、複数の前記第2分岐電極(Y1’、Y2’)は、前記仮想平面N’の対向する両側に鏡像対称に設けられる。前記第1共通電極MC’及び二つの前記第2共通電極SC1’、SC2’の第2分岐電極(Y1’、Y2’)の特徴(幅や延在方向など)は、特定のレイアウトが形成されるように必要に応じて微調整することができる。例えば、前記第1共通電極MC’に形成される複数のスリットは、均一に分布され、前記第2共通電極SC1’、SC2’に形成される単一のスリットは、前記第1共通電極MC’に近接するが、これに限定されない。
【0053】
例えば、前記第1共通電極MC’は、二つの第2基幹電極Z1’をさらに含み、二つの前記第2共通電極SC1’、SC2’は、二つの第2基幹電極Z2’をさらに含む。前記第1共通電極MC’は、一方の前記第2基幹電極Z1’が前記第1共通電極MC’における複数の前記第2分岐電極Y1’の一端部に接続され、他方の前記第2基幹電極Z1’が前記第1共通電極MC’における複数の前記第2分岐電極Y1’の他端部に接続される。異なる表示ドメインが形成されるように、前記第2共通電極(SC1’、SC2’)は、一方の前記第2基幹電極Z2’が前記第2共通電極(SC1’、SC2’)における複数の前記第2分岐電極Y2’の一端部に接続され、他方の前記第2基幹電極Z2’が前記第2共通電極(SC1’、SC2’)における複数の前記第2分岐電極Y2’の他端部に接続される。
【0054】
これにより、二つのサブ共通電極の構造によれば、異なる共通電圧による両側のデータ線信号に対する結合作用を低減させることができ、信号クロストークを低減させることが可能である。
【0055】
したがって、第2実施例において、
図3及び
図4Aに示すように、前記画素電極P’は、前記第1共通電極MC’及び二つの前記第2共通電極SC1’、SC2’の鏡像対称構造に対応するように前記仮想平面N’に沿って鏡像対称な構造に形成される。
【0056】
一適用例において、
図4Aに示すように、前記アレイ基板は、異なる信号を伝送するために使用できる第1共通電極線Ma’及び第2共通電極線Sa’をさらに含んでもよい。前記第1共通電極線Ma’は、前記第1共通電極MC’に接続され、前記第2共通電極線Sa’は、前記第2共通電極SC1’及びSC2’に接続される。前記第1共通電極線Ma’及び前記第2共通電極線Sa’は、異なる信号を供給するように構成される。
【0057】
例えば、
図4に示すように、チップオンフィルム技術を例として、アレイ基板K1とカラーフィルム基板K2とが重なる領域におけるアクティブ表示領域AAにおいて、多くの第1共通電極MC’は、前記第1共通電極線Ma’に接続され、多くの第2共通電極SC1’及びSC2’は、前記第2共通電極線Sa’に接続される。例えば、前記第1共通電極線Ma’及び前記第2共通電極線Sa’は、例えば、アレイ基板K1とカラーフィルム基板K2とが重なっていない領域における多くの金バンプ(Gold Bump)GBからの異なる信号などの異なる信号を供給するように構成されてもよい。
【0058】
なお、前記アレイ基板の使用過程において、前記第1共通電極及び二つの前記第2共通電極は、異なる給電構成により色域を微調整することができる。説明を簡略化するために、第1実施例に係る前記第1共通電極MC及び二つの前記第2共通電極SC1、SC2のみ(
図1及び
図2Aに示す)を例として説明する。関連説明は、第2実施例に係る前記第1共通電極MC’及び二つの前記第2共通電極SC1’、SC2’(
図3及び
図4Aに示す)にも適用可能である。
【0059】
例えば、給電構成では、例えば前記アレイ基板の多くの電極が適切な電源に接続される。一例において、
図5に示すように、四フレームを例として、第1、第2、第3、第4フレームは、それぞれ「+」、「-」、「+」、「-」反転電位である。VMC、VSCは、それぞれ第1、第2共通電極(すなわち、メイン共通電極、サブ共通電極)の電圧を示す。図から分かるように、前記第1共通電極の電圧VMCと前記第2共通電極の電圧VSCとの間には、電圧差を有する。例えば、異なるフレームの電位反転過程において、前記第1共通電極の電圧VMC及び前記第2共通電極の電圧VSCは、いずれも電圧極性を変換する。すなわち、前記第1共通電極の電圧VMC及び前記第2共通電極の電圧VSCは、交流(A/C)形式に構成される。前記第1共通電極の電圧VMCの電圧振幅の絶対値は、前記第2共通電極の電圧VSCの電圧振幅の絶対値よりも大きい。これにより、前記画素電極と前記第1共通電極との間に第1差圧が存在し、前記画素電極と前記第2共通電極との間に第2差圧が存在し、前記第1差圧の絶対値は、前記第2差圧の絶対値よりも大きくなる。中低階調又は高階調表示状態にかかわらず、常に差圧が存在し、異なる給電構成により色域を微調整することができるが、これに限定されない。
【0060】
例えば、別の例において、
図6に示すように、四フレームを例として、第1、第2、第3、第4フレームは、それぞれ「+」、「-」、「+」、「-」反転電位である。VMC、VSCは、それぞれ第1、第2共通電極の電圧を示す。図から分かるように、前記第1共通電極の電圧VMCと前記第2共通電極の電圧VSCとの間には、電圧差を有する。例えば、異なるフレームの電位反転過程において、前記第1共通電極の電圧VMCは、電圧極性を変換し、前記第2共通電極の電圧VSCは、電圧極性を変換しない。すなわち、前記第1共通電極の電圧VMCは、交流(A/C)形式に構成され、前記第2共通電極の電圧VSCは、直流(D/C)形式に構成される。前記第1共通電極の電圧VMCの電圧振幅の絶対値は、前記第2共通電極の電圧VSCの電圧振幅の絶対値よりも大きい。これにより、前記画素電極と前記第1共通電極との間に第1差圧が存在し、前記画素電極と前記第2共通電極との間に第2差圧が存在し、前記第1差圧の絶対値は、前記第2差圧の絶対値よりも大きくなる。中低階調又は高階調表示状態にかかわらず、常に差圧が存在し、異なる給電構成により色域を微調整することができる。
【0061】
例えば、赤(R)、緑(G)、青(B)色サブ画素を例として、
図2A及び
図7に示すように、第1実施例のアレイ基板における赤、緑、青サブ画素の色域形態を左から右にそれぞれ示す。例えば、左方部分は、前記第1共通電極MCの表示領域R1における赤色サブ画素の色域が、二つの前記第2共通電極SC1、SC2の表示領域R21、R22の色域よりも高いことを示し、中間部分は、前記第1共通電極MCの表示領域G1における緑色サブ画素の色域が、二つの前記第2共通電極SC1、SC2の表示領域G21、G22の色域よりも高いことを示し、右方部分は、前記第1共通電極MCの表示領域B1における青色サブ画素の色域が、二つの前記第2共通電極SC1、SC2の表示領域B21、B22の色域よりも高いことを示す。
【0062】
同様に、赤(R)、緑(G)、青(B)色サブ画素を例として、
図4A及び
図8に示すように、第2実施例のアレイ基板における赤、緑、青サブ画素の色域形態を左から右にそれぞれ示す。例えば、左方部分は、前記第1共通電極MC’の表示領域R1’における赤色サブ画素の色域が、二つの前記第2共通電極SC1’、SC2’の表示領域R21’、R22’の色域よりも高いことを示し、中間部分は、前記第1共通電極MC’の表示領域G1’における緑色サブ画素の色域が、二つの前記第2共通電極SC1’、SC2’の表示領域G21’、G22’の色域よりも高いことを示し、右方部分は、前記第1共通電極MC’の表示領域B1’における青色サブ画素の色域が、二つの前記第2共通電極SC1’、SC2’の表示領域B21’、B22’の色域よりも高いことを示す。ただし、これに限定されず、上記の説明は、異なる共通電極の給電構成により色域を微調整するために、例えば、RGBW構成などの他のサブ画素構成にさらに適用することができる。
【0063】
なお、本発明の実施例に係るアレイ基板は、複数種類の共通電極を備えており、ここでは、二種類の給電構成により色域を微調整するために、二種類の共通電極のみを例として説明するが、これに限定されない。例えば、二種類の上記共通電極を例として、複数種類の前記共通電極は、n種類の共通電極であってもよく、nは、例えば、n=2、3、4、...などの2以上の正の整数として選択することができる。n=3を例として、前記第2電極層は、一つの第1共通電極、二つの第2共通電極及び二つの第3共通電極を有するように構成されてもよい。前記第1共通電極は、二つの前記第2共通電極間に位置し、二つの前記第3共通電極は、前記第1共通電極の両側に位置し、二つの前記第2共通電極は、前記第1共通電極と二つの前記第3共通電極との間に位置する。上記説明によれば、複数種類の前記共通電極の残りの構成は理解することができる。例えば、前記第1共通電極は、二つの前記第2共通電極間に位置し、残りの複数の共通電極群(例えば、二つの第3共通電極、二つの第4共通電極、...)は、二つの前記第2共通電極の外側に順次並列されるように前記第1共通電極の両側に位置するが、詳細は省略する。
【0064】
以下、本発明の実施例に係る複数種類の共通電極を備えるアレイ基板の色域表現を例示するが、これに限定されない。
【0065】
例示的に、
図9は、本発明の実施例に係る複数種類の共通電極を備えるアレイ基板の色域曲線を示す概略図である。例えば、曲線C1は、第1共通電極の透過率(Transmittance,Tr)と電圧との関係を示し、曲線C2は、第2共通電極の透過率と電圧との関係を示し、曲線C1は、第1共通電極が全色域の82%を包含することを示し、曲線C2は、第2共通電極が全色域の65%を包含することを示す。
【0066】
以下、本発明の上記実施例に係る複数種類の共通電極を備えるアレイ基板の色域効果について説明する。対照的に、
図10に示すように、単一の共通電極を備えるアレイ基板9は、単一の画素電極91及び単一の共通電極92を含む。ここで、III-III’線の断面概略図は、
図11に示すように、前記共通電極92は、前記画素電極91の下方にある。
【0067】
例示的に、色域増大の表現において、
図12に示すように、曲線C3は、上記単一の共通電極を備えるアレイ基板の色域対階調の関係を示し、曲線C4は、本発明の上記実施例に係る複数種類の共通電極を備えるアレイ基板の色域対階調の関係を示す。曲線C3及びC4に示すように、本発明の上記実施例に係る複数種類の共通電極を備えるアレイ基板は、単一の共通電極を備えるアレイ基板と比較して、透過率を維持する場合において中低階調の色域を向上させることができる。
【0068】
例示的に、RGBW表示効果の表現において、
図13に示すように、曲線C5は、上記単一の共通電極を備えるアレイ基板の色域対階調の関係を示し、曲線C6は、本発明の上記実施例に係る複数種類の共通電極を備えるアレイ基板の色域対階調の関係を示す。曲線C5及びC6に示すように、本発明の上記実施例に係る複数種類の共通電極を備えるアレイ基板は、単一の共通電極を備えるアレイ基板と比較して、透過率を向上させる場合において255階調の色域をわずかに低減させ、中低階調の色域を向上させることができる。
【0069】
また、本発明の他の態様によれば、例えば液晶表示装置などの表示装置が提供される。例えば、前記表示装置は、対向基板、液晶層及び上記アレイ基板を含む。前記対向基板と前記アレイ基板とは、対向するように間隔をあけて設けられ、前記液晶層は、前記対向基板と前記アレイ基板との間に設けられる。前記アレイ基板の実施内容及び有益な効果は、上述したため、詳細は省略する。
【0070】
本発明の上記実施例に係るアレイ基板及び表示装置によれば、前記第1共通電極は、前記基板における正投影と前記基板における前記画素電極の正投影とが少なくとも部分的に重なるように前記画素電極と間隔をあけて設けされ、前記第2共通電極は、前記基板における正投影と前記基板における前記画素電極の正投影とが少なくとも部分的に重なるように前記第1共通電極と同層に設けられ、前記第1共通電極と前記第2共通電極とは、互いに絶縁される。これにより、光透過率を維持する場合においては、中低階調の色域を向上させ、光透過率を向上させる場合においては、255階調の色域をわずかに低下させ、中低階調の色域を向上させることができる。
【0071】
以上、本発明の実施例について詳細に説明したが、本明細書では、具体例を適用して本発明の原理及び実施形態を説明した。以上の実施例の説明は、本発明の技術的手段及びそのコア思想の理解を助けるためだけであり、当業者は、依然として前記各実施例に記載された技術的手段を変更したり、その技術的特徴の一部を同等に置き換えたりすることができ、これらの修正又は置換は、本発明の各実施例の技術的手段の範囲から対応する技術的手段の本質を逸脱させるものではないことを理解すべきである。
【国際調査報告】