(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-17
(54)【発明の名称】光学装備の移動装置
(51)【国際特許分類】
G01N 21/956 20060101AFI20240510BHJP
G03F 7/20 20060101ALI20240510BHJP
【FI】
G01N21/956 Z
G03F7/20 521
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023538872
(86)(22)【出願日】2022-09-28
(85)【翻訳文提出日】2023-06-22
(86)【国際出願番号】 KR2022014529
(87)【国際公開番号】W WO2023177032
(87)【国際公開日】2023-09-21
(31)【優先権主張番号】10-2022-0031205
(32)【優先日】2022-03-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523164931
【氏名又は名称】アウロス テクノロジー インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【氏名又は名称】林 一好
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100205659
【氏名又は名称】齋藤 拓也
(74)【代理人】
【識別番号】100185269
【氏名又は名称】小菅 一弘
(72)【発明者】
【氏名】ウォン デ キュン
(72)【発明者】
【氏名】ユン ソ ヨン
【テーマコード(参考)】
2G051
2H197
【Fターム(参考)】
2G051AA51
2G051AB02
2G051AC15
2H197JA23
(57)【要約】
本発明は、測定又は検査のため光学装備を精密に移動する光学装備の移動装置に関する。本発明の実施形態による光学装備の移動装置は、前面に光学装備が結合される移動ブロックと、前記移動ブロックの後方に配置されて、石定盤に結合される固定ブロックと、前記固定ブロックに配置されて、前記移動ブロックを垂直方向に移動する楔ステージモジュールと、前記移動ブロックの側端に配置されて、前記移動ブロックを垂直方向にガイドする垂直ガイドと、前記楔ステージモジュールと前記移動ブロックとの間に連結されて、水平方向への移動をガイドする水平ステージモジュールと、を含む。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
前面に光学装備が結合される移動ブロック;
前記移動ブロックの後方に配置されて、石定盤に結合される固定ブロック;
前記固定ブロックに配置されて、前記移動ブロックを垂直方向に移動する楔ステージモジュール;
前記移動ブロックの側端に配置されて、前記移動ブロックを垂直方向にガイドする垂直ガイド;及び、
前記楔ステージモジュールと前記移動ブロックとの間に連結されて、水平方向への移動をガイドする水平ステージモジュール;を含む、
光学装備の移動装置。
【請求項2】
前記楔ステージモジュールは、前記固定ブロックの後方に配置される、
請求項1に記載の光学装備の移動装置。
【請求項3】
前記楔ステージモジュールは、前記石定盤の上側に配置される、
請求項2に記載の光学装備の移動装置。
【請求項4】
前記楔ステージモジュールは、
駆動力を提供するモータ;
前記モータによって回転するボールねじ;
前記水平ステージモジュールに結合されて、下側に傾斜面が形成された楔ブロック;
上側に傾斜面が形成されて、前記ボールねじの回転によって水平方向に移動し、前記楔ブロックを垂直方向に移動するボールナットブロック;を含む、
請求項1に記載の光学装備の移動装置。
【請求項5】
前記楔ブロックは、下側に対称的にV字傾斜面が形成され、
前記ボールナットブロックは、一対で備えられ、
前記一対のボールナットブロックは、前記楔ブロックの前記V字傾斜面に対応して、互いに対称的に配置される、
請求項4に記載の光学装備の移動装置。
【請求項6】
前記一対のボールナットブロックは、前記モータの駆動時、互いに遠くなるか互いに近くなるように移動する、
請求項5に記載の光学装備の移動装置。
【請求項7】
前記モータは、回転軸が、水平方向に配置されて、前記移動ブロックの両側端方向に配置される、
請求項4に記載の光学装備の移動装置。
【請求項8】
前記楔ステージモジュールは、
前記楔ブロックと前記一対のボールナットブロックを互いに滑るように連結する、複数の楔ガイドをさらに含む、
請求項5に記載の光学装備の移動装置。
【請求項9】
前記楔ステージモジュールは、
前記固定ブロックに結合されて、前記一対のボールナットブロックが水平方向に移動可能であるように支持する楔サポータをさらに含む、
請求項5に記載の光学装備の移動装置。
【請求項10】
前記楔ステージモジュールは、
前記楔サポータと前記一対のボールナットブロックを互いに滑るように連結する、複数のサポータガイドをさらに含む、
請求項9に記載の光学装備の移動装置。
【請求項11】
前記楔サポータは、前記固定ブロックと少なくとも2面が密着する、
請求項9に記載の光学装備の移動装置。
【請求項12】
前記固定ブロックを前記石定盤に結合する石定盤コネクタをさらに含み、
前記モータは、前記石定盤コネクタに結合される、
請求項4に記載の光学装備の移動装置。
【請求項13】
前記石定盤コネクタは、前記固定ブロックの側端に結合される、
請求項12に記載の光学装備の移動装置。
【請求項14】
前記垂直ガイドは、一対で備えられ、
前記一対の垂直ガイドは、前記移動ブロックの両側端にそれぞれ配置される、
請求項1に記載の光学装備の移動装置。
【請求項15】
前記垂直ガイドは、回転軸が水平方向に配置されて、隣接した対同士が直交するように配置される、複数のクロスローラを含む、
請求項1に記載の光学装備の移動装置。
【請求項16】
前記垂直ガイドは、
前記移動ブロックの側端に結合されて、垂直方向に長く形成された移動レール;及び、
前記固定ブロックに結合されて、垂直方向に長く形成された固定レール;をさらに含み、
前記複数のクロスローラは、前記移動レールと前記固定レールとの間に配置される、
請求項15に記載の光学装備の移動装置。
【請求項17】
前記移動ブロックは、前記移動レールと少なくとも2面が密着するように、垂直方向に長い段差が形成される、
請求項16に記載の光学装備の移動装置。
【請求項18】
前記移動レールは、前記移動ブロックと密着する面が、前記複数のクロスローラのいずれの回転軸とも平行するか垂直しない、
請求項17に記載の光学装備の移動装置。
【請求項19】
前記固定ブロックは、前記固定レールと少なくとも2面が密着するように、垂直方向に長い段差が形成される、
請求項16に記載の光学装備の移動装置。
【請求項20】
前記固定ブロックは、前記移動レールと密着する面が、前記複数のクロスローラのいずれの回転軸とも平行するか垂直しない、
請求項19に記載の光学装備の移動装置。
【請求項21】
前記水平ステージモジュールは、ガイドする方向が、前記複数のクロスローラのいずれの回転軸とも一致しない、
請求項15に記載の光学装備の移動装置。
【請求項22】
前記水平ステージモジュールは、互いに直交する2軸にガイドする、
請求項1に記載の光学装備の移動装置。
【請求項23】
前記水平ステージモジュールは、
前記移動ブロックに連結されるアッパーガイド;及び、
前記楔ステージモジュールに連結されるアッパーガイドがガイドする方向と直交する方向にガイドするロアガイド;を含む、
請求項1に記載の光学装備の移動装置。
【請求項24】
前記アッパーガイドは、前記移動ブロックの両側端方向である左右方向にガイドし、
前記ロアガイドは、前後方向にガイドする、
請求項23に記載の光学装備の移動装置。
【請求項25】
前記水平ステージモジュールは、前記移動ブロックを回転するか、水平方向に移動しようとする力を相殺する、
請求項1に記載の光学装備の移動装置。
【請求項26】
前記移動ブロックの上端に結合されて、後方に突出して配置されるブロックコネクタをさらに含み、
前記水平ステージモジュールは、前記ブロックコネクタの突出した部分の下側に結合される、
請求項1に記載の光学装備の移動装置。
【請求項27】
前記水平ステージモジュールは、
前記ブロックコネクタに結合される第1ステージブロック;
前記第1ステージブロックに結合されるアッパーガイド;
第1ステージブロックの下側に配置されて、前記アッパーガイドに結合される第2ステージブロック;
前記第2ステージブロックの下側に結合される第3ステージブロック;及び、
前記第3ステージブロック及び前記楔ステージモジュールに結合されて、前記アッパーガイドがガイドする方向と直交する方向にガイドするロアガイド;を含む、
請求項26に記載の光学装備の移動装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学装備の移動装置に関し、より詳細は、測定又は検査のため光学装備を精密に移動する光学装備の移動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体を製造するためには蒸着(Deposition)、露光(Photo Lithography)、エッチング(Etch)工程を繰り返しながら、ウエハにパターンを順次形成する過程を連続して行う。これらの数多い層(Layer)が積層されるとき、各パターンが必要な位置に正確に積層されると不良が発生せずに、半導体が正常に動作することができる。
【0003】
露光機を用いてウエハ上にパターンを形成する露光工程におけるオーバレイ(Overlay)の測定は、光学装備を用いて、以前工程のパターンと現在工程で形成されたパターンが正確に整列されて、設計どおりに連結されるかを測定することである。
【0004】
半導体工程は、多変化し、高くなる集積度などの理由でウエハ厚が多様になってきており、オーバレイ測定装置は、これに対応するために、ウエハを含むチャック(chuck)を垂直方向に動くか、光学装備を垂直方向に動いて、ウエハ厚に合わせて高さを調節することができる。
【0005】
ウエハを含むチャックを垂直移動させる方法は、チャックの平坦度の反復性に問題が発生し得る。これによって、近年、石定盤(Granite)に固定された移動装置を用いて光学装備を移動する方法が模索されている。
【0006】
しかしながら、移動装置によって光学装備と石定盤との間の距離が遠くなると、光学装備の安全性と正確度が低下するおそれがあり、移動装置が光学装備を移動させるため重さをそのまま支えなければならないため、モータに負荷がかかり過ぎる問題があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、構造をスリム化した光学装備の移動装置を提供することである。
【0008】
本発明のさらに他の課題は、移動負荷を最小化する光学装備の移動装置を提供することである。
【0009】
本発明の課題は、以上で言及した課題に制限されず、言及していないさらに他の課題は、下記の記載から当業者にとって明確に理解することができる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を達するため本発明の実施形態による光学装備の移動装置は、前面に光学装備が結合される移動ブロックと、前記移動ブロックの後方に配置されて、石定盤に結合される固定ブロックと、前記固定ブロックに配置されて、前記移動ブロックを垂直方向に移動する楔ステージモジュールと、前記移動ブロックの側端に配置されて、前記移動ブロックを垂直方向にガイドする垂直ガイドと、前記楔ステージモジュールと前記移動ブロックとの間に連結されて、水平方向への移動をガイドする水平ステージモジュールと、を含む。
【0011】
その他実施形態の具体的な事項は、詳細な説明及び図面に含まれている。
【発明の効果】
【0012】
本発明の光学装備の移動装置によれば、次のような効果を1つ或いはそれ以上有する。
【0013】
第一に、対称的に配置される一対のボールナットブロックが互いに近くなるか遠くなるように移動され、楔ブロックを垂直方向に移動して、駆動方向の力は、互いに相殺し、移動ブロックに垂直方向の力だけ伝達される長所がある。
【0014】
第二に、「V」字の楔ブロックが正確度を増加させて、光学装備の重さによるモータの負荷を減らす長所もある。
【0015】
第三に、光学装備を移動するための駆動及びガイド機械要素を適宜配置してスリム化することによって、光学装備と石定盤との間の距離を最小化して、安全性と正確度を高める長所もある。
【0016】
第四に、光学装備に垂直方向にだけ力が伝達されるように、水平方向に2軸自由度を有するようにして、測定正確度を高める長所もある。
【0017】
本明細書の効果は、以上で言及した効果に制限されず、言及していないさらに他の効果は、請求範囲の記載から当業者にとって明確に理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の実施形態による光学装備の移動装置に関する斜視図である。
【
図2】
図1に示された光学装備の移動装置に関する他の方向の斜視図である。
【
図3】
図1に示された光学装備の移動装置から光学装備を除いた斜視図である。
【
図4】
図1に示された光学装備の移動装置に関する側面図である。
【
図5】
図1に示された光学装備の移動装置に関する分解斜視図である。
【
図6】本発明の実施形態による光学装備の移動装置の楔ステージモジュールに関する斜視図である。
【
図7】
図6に示された楔ステージモジュールに関する分解斜視図である。
【
図8】本発明の実施形態による光学装備の移動装置の水平ステージモジュールに関する斜視図である。
【
図9】
図8に示された水平ステージモジュールに関する分解斜視図である。
【
図10】
図8に示された水平ステージモジュールのアッパーガイドに関する一部斜視図である。
【
図11】本発明の実施形態による光学装備の移動装置の垂直ガイドに関する斜視図である。
【
図12】
図11に示された垂直ガイドに関する切開斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の利点及び特徴、そしてそれらを達する方法は、添付の図面と共に詳細に後述する実施形態を参照すれば明確になる。しかし、本発明は、以下で開示する実施形態に限定されるものではなく、相異する様々な形態に具現することができる。但し、本実施形態は、本発明の開示を完全にして、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に知らせるために提供されるものであり、本発明は、請求項の範疇によって定義されるだけである。全明細書における同じ参照符号は、同じ構成要素を称する。
【0020】
たとえ第1、第2などは、様々な構成要素を述べるために使われるものの、これら構成要素は、これらの用語によって制限されないことは勿論である。これらの用語は、単に一構成要素を他構成要素と区別するために使うものであって、特に逆の記載がない限り、第1構成要素は、第2構成要素であってもよいことは勿論である。
【0021】
全明細書において、特に逆の記載がない限り、各構成要素は、単数であってもよく、複数であってもよい。
【0022】
以下では、構成要素の「上部(又は下部)」又は構成要素の「上(又は下)」に任意の構成が配されるということは、任意の構成が上記構成要素の上面(又は下面)に接して配されるだけでなく、上記構成要素と上記構成要素上に(又は下に)配された任意の構成の間に他の構成が介在し得ることを意味する。
【0023】
また、ある構成要素が他の構成要素に「連結」、「結合」又は「接続」されると記載されている場合、上記構成要素は、互いに直接に連結されるか、或いは接続されていてもよいが、各構成要素の間に他の構成要素が「介在」するか、各構成要素が他の構成要素を介して「連結」、「結合」又は「接続」されていてもよいと理解しなければならない。
【0024】
本明細書で使われる単数の表現は、文脈上明らかに他の意味しない限り、複数の表現を含む。本出願における「構成される」又は「含む」などの用語は、明細書上に記載の複数の構成要素、又は複数の段階を必ずしも全て含むものであると解釈されてはならず、そのうち一部の構成要素又は一部の段階は、含まれていなくてもよく、又はさらなる構成要素又は段階をさらに含むことができると解釈しなければならない。
【0025】
全明細書において、「A及び/又はB」とするとき、これは特に逆の記載がない限り、A、B又はA及びBを意味し、「C~D」とするとき、これは特に逆の記載がない限り、C以上かつD以下であることを意味する。
【0026】
以下では、本発明の実施形態によって光学装備の移動装置を説明するために図面を参照して、本発明について説明することとする。
【0027】
図1は、本発明の実施形態による光学装備の移動装置に関する斜視図であり、
図2は、
図1に示された光学装備の移動装置に関する他の方向の斜視図であり、
図3は、
図1に示された光学装備の移動装置から光学装備を除いた斜視図であり、
図4は、
図1に示された光学装備の移動装置に関する側面図であり、
図5は、
図1に示された光学装備の移動装置に関する分解斜視図である。
【0028】
本発明の実施形態による光学装備の移動装置は、前面に光学装備10が結合される、起立した板状の移動ブロック192と、移動ブロック192の後方に配置されて、石定盤(不図示)に結合される、起立した板状の固定ブロック191と、固定ブロック191に配置されて、移動ブロック192を垂直方向に移動する楔ステージモジュール110と、移動ブロック192の側端に配置されて、移動ブロック192を垂直方向にガイドする垂直ガイド130と、楔ステージモジュール110と移動ブロック192との間に連結されて、水平方向への移動をガイドする水平ステージモジュール120と、を含む。
【0029】
移動ブロック192は、板状に形成されて、起立して配置される。移動ブロック192は、前面に光学装備10が固定されて、光学装備10を支持する。移動ブロック192は、固定ブロック191の前方に垂直方向に移動可能であるように配置される。
【0030】
移動ブロック192は、左右両側端が一対の垂直ガイド130によって固定ブロック191と連結される。移動ブロック192は、両側端後面に一対の垂直ガイド130がそれぞれ結合される。移動ブロック192は、垂直ガイド130と少なくとも2面が密着するように、垂直方向に長い段差が形成される。
【0031】
移動ブロック192は、楔ステージモジュール110によって垂直方向に移動する。移動ブロック192は、ブロックコネクタ197によって水平ステージモジュール120に連結される。移動ブロック192は、上端にブロックコネクタ197が結合される。
【0032】
ブロックコネクタ197は、移動ブロック192の上端に結合されて、後方に突出して配置される。ブロックコネクタ197は、略T字状に形成される。ブロックコネクタ197は、左右方向に配置される部分が移動ブロック192の上端に結合される。
【0033】
ブロックコネクタ197は、前後方向に配置される部分が水平ステージモジュール120の上端に結合される。ブロックコネクタ197は、楔ステージモジュール110によって垂直方向に移動し、移動ブロック192を移動させる。
【0034】
固定ブロック191は、板状に形成されて、起立して配置される。固定ブロック191は、移動ブロック192の後方に配置される。板状の固定ブロック191は、板状の移動ブロック192と面が対向するように配置される。固定ブロック191は、前面が移動ブロック192の後面と対向するように配置される。
【0035】
固定ブロック191は、左右両側が一対の垂直ガイド130によって移動ブロック192と連結される。固定ブロック191は、両側前面に一対の垂直ガイド130がそれぞれ結合される。固定ブロック191は、垂直ガイド130と少なくとも2面が密着するように、垂直方向に長い段差が形成される。
【0036】
固定ブロック191は、一対の石定盤コネクタ195によって石定盤(不図示)に連結される。固定ブロック191は、両側端に一対の石定盤コネクタ195がそれぞれ結合される。一対の石定盤コネクタ195は、固定ブロック191の両側端にそれぞれ結合される。石定盤コネクタ195は、固定ブロック191の前面及び側面と密着して固定される。石定盤コネクタ195は、後方に突出して、石定盤の上面に結合される。石定盤コネクタ195は、固定ブロック191の垂直方向にレベルを調節できるボルトが備えられる。
【0037】
固定ブロック191は、石定盤に結合して固定される。石定盤は、固定ブロック191の後方に配置されて、固定ブロック191を支持する。
【0038】
固定ブロック191は、上端に楔ステージモジュール110が配置される。固定ブロック191の上端の中間部分は、下側に引き込まれて、引込み部分に楔ステージモジュール110が結合される。
【0039】
固定ブロック191は、両側端に一対のサイドカバー193が結合される。一対のサイドカバー193は、固定ブロック191の両側端にそれぞれ結合される。一対のサイドカバー193は、それぞれ「C」字状に形成されて、前方に突出するように配置される。一対のサイドカバー193は、それぞれ光学装備10の両側面に離隔して配置されて、光学装備10を保護する。
【0040】
一対のサイドカバー193は、前端にフロントカバー194が結合される。フロントカバー194は、一対のサイドカバー193の前端に結合されて、光学装備10から離隔して配置される。フロントカバー194は、光学装備10を保護する。
【0041】
楔ステージモジュール110は、固定ブロック191の上端の引込み部分に結合されて、固定ブロック191の後方に配置される。楔ステージモジュール110は、固定ブロック191と少なくとも2面が密着するように、下端に段差が形成される。楔ステージモジュール110は、石定盤の上側に配置される。
【0042】
楔ステージモジュール110は、移動ブロック192と連結されて、移動ブロック192を垂直方向に移動する。楔ステージモジュール110は、移動ブロック192を垂直方向に移動する電動ステージであって、2本の楔が備えられ、精密な移動が可能であり、電動負荷を最小化する。楔ステージモジュール110は、上端が水平ステージモジュール120と結合される。
【0043】
楔ステージモジュール110に関する詳説は、
図6及び
図7を参照して後述する。
【0044】
水平ステージモジュール120は、移動ブロック192を互いに直交する2軸にガイドする。水平ステージモジュール120は、2本の水平ステージのガイド方向が直交するように結合して構成される。水平ステージモジュール120は、移動ブロック192を前後方向及び左右方向にガイドする。水平ステージモジュール120は、移動ブロック192と楔ステージモジュール110との間に連結されて、移動ブロック192に前後方向及び左右方向に自由度を付与する。
【0045】
光学装備10が取り付けられた移動ブロック192は、垂直方向に移動するとき、垂直ガイド130及び/又は楔ステージモジュール110で発生する反発力、推力又は振動によって水平方向に移動するか、水平又は垂直方向を軸として回転することができる。移動ブロック192が水平方向に移動するか回転する場合、光学装備10は、正確な測定をすることができない。水平ステージモジュール120は、移動ブロック192を回転するか、水平方向に移動しようとする力を相殺して、移動ブロック192が垂直方向にだけ移動できるようにする。
【0046】
水平ステージモジュール120は、移動ブロック192の後方に配置される。水平ステージモジュール120は、下端が楔ステージモジュール110と結合される。水平ステージモジュール120は、上端がブロックコネクタ197の突出した部分の下側に結合される。水平ステージモジュール120は、ブロックコネクタ197によって移動ブロック192と連結される。
【0047】
水平ステージモジュール120に関する詳説は、
図8~
図10を参照して後述する。
【0048】
一対の垂直ガイド130は、移動ブロック192の両側端と、固定ブロック191の両側前方にそれぞれ結合される。一対の垂直ガイド130は、移動ブロック192が垂直方向に移動可能であるように、移動ブロック192を固定ブロック191に連結する。一対の垂直ガイド130は、移動ブロック192の両側端にそれぞれ配置されて、移動ブロック192を垂直方向にガイドする。
【0049】
垂直ガイド130は、垂直方向にガイドする線状ガイドであって、クロスローラガイドであるのが好ましい。
【0050】
垂直ガイド130に関する詳説は、
図11及び
図12を参照して後述する。
【0051】
図6は、本発明の実施形態による光学装備の移動装置の楔ステージモジュールに関する斜視図であり、
図7は、
図6に示された楔ステージモジュールに関する分解斜視図である。
【0052】
本発明の実施形態による楔ステージモジュール110は、駆動力を提供するモータ111と、モータによって回転するボールねじ116と、水平ステージモジュール120に結合されて、下側に傾斜面が形成された楔ブロック112と、各々の上側に傾斜面が形成されて、ボールねじ116の回転によって水平方向に移動し、楔ブロック112を垂直方向に移動する一対のボールナットブロック115と、楔ブロック112と一対のボールナットブロック115を互いに滑るように連結する複数の楔ガイド113と、固定ブロック191に結合されて、一対のボールナットブロック115が水平方向に移動可能であるように支持する楔サポータ119と、楔サポータ119と一対のボールナットブロック115を互いに滑るように連結する複数のサポータガイド118と、を含む。
【0053】
モータ111は、電動式モータであって、駆動時に回転力を発生する。モータ111の回転軸は、ボールねじ116に連結されて、駆動時にボールねじ116を回転する。モータ111は、回転軸が水平方向に配置される。モータ111は、回転軸が移動ブロック192の両側端方向(左右方向)に配置される。モータ111は、一対の石定盤コネクタ195のいずれか石定盤コネクタ195に安着して結合される。一対の石定盤コネクタ195のうち1つは、モータ111を支持する。
【0054】
楔ブロック112は、下側に対称的に「V」字傾斜面が形成される。楔ブロック112は、複数の楔ガイド113によって、一対のボールナットブロック115と互いに滑るように連結される。楔ブロック112は、垂直方向に移動可能であるように、一対のボールナットブロック115に連結される。楔ブロック112は、モータ111の駆動時、一対のボールナットブロック115によって垂直方向に移動する。
【0055】
楔ブロック112は、上端が水平ステージモジュール120と結合される。楔ブロック112は、水平ステージモジュール120及びブロックコネクタ197によって移動ブロック192と結合される。楔ブロック112がモータ111の駆動によって垂直方向に移動すると、移動ブロック192は、垂直方向に移動する。
【0056】
ボールねじ116は、モータ111と連結されて、モータ111の駆動時に回転する。ボールねじ116は、周にネジ山が形成される。ボールねじ116は、一対のボールナットブロック115がはめ込まれる。ボールねじ116は、リターンチューブ式、デフレクタ式、エンドキャップ式のいずれか式であってもよい。
【0057】
ボールねじ116は、回転時、一対のボールナットブロック115が相異する方向に移動することができるように、一対のボールナットブロック115にそれぞれ対応して、ネジ山が逆に形成されるのが好ましい。
【0058】
ボールねじ116は、一対のボールナットブロック115と共にモータ111の回転運動を直線運動に変更する。ボールねじ116は、一方向回転の際、一対のボールナットブロック115を互いに近くなるように移動し、他方向回転の際、一対のボールナットブロック115を互いに遠くなるように移動する。
【0059】
一対のボールナットブロック115は、ボールねじ116にはめ込まれて、ボールねじ116の回転時、水平方向に移動する。一対のボールナットブロック115は、モータ111の駆動時、互いに遠くなるか、互いに近くなるように移動する。
【0060】
一対のボールナットブロック115は、それぞれ上側に傾斜面が形成される。一対のボールナットブロック115は、楔ブロック112の「V」字傾斜面に対応して、互いに対称的に配置される。一対のボールナットブロック115は、傾斜面が互いに低くなる方向に配置される。
【0061】
一対のボールナットブロック115は、複数の楔ガイド113によって楔ブロック112と互いに滑るように連結される。一対のボールナットブロック115は、モータ111の駆動時、楔ブロック112を垂直方向に移動させる。一対のボールナットブロック115は、楔ブロック112と共に水平方向の直線運動を垂直方向の直線運動に変更して、移動ブロック192を垂直方向に移動する。
【0062】
一対のボールナットブロック115は、複数のサポータガイド118によって楔サポータ119と互いに滑るように連結される。一対のボールナットブロック115は、水平方向に移動可能であるように、楔サポータ119に連結される。
【0063】
楔サポータ119は、固定ブロック191の上端の引込み部分に結合される。楔サポータ119は、固定ブロック191と少なくとも2面が密着するように、下端に段差が形成される。楔サポータ119は、下端の段差が固定ブロック191の上面及び後面と密着する。
【0064】
楔サポータ119は、上側に複数のサポータガイド118が結合される。楔サポータ119は、両側端にボールねじ116が貫通する孔が形成される。楔サポータ119は、固定ブロック191に結合されて、ボールねじ116、一対のボールナットブロック115及び楔ブロック112を支持する。
【0065】
複数の楔ガイド113は、楔ブロック112と一対のボールナットブロック115を滑り結合する。複数の楔ガイド113は、それぞれ線状ガイドであって、LMガイド(Linear Motion Guide)であるのが好ましい。
【0066】
複数の楔ガイド113は、それぞれ楔ブロック112の「V」字傾斜面に結合される複数の第1楔レール1131と、複数の第1楔レール1131にそれぞれはめ込まれて、互いに滑り、ボールナットブロック115の上側傾斜面に結合される複数の第2楔レール1132とを含む。
【0067】
複数のサポータガイド118は、一対のボールナットブロック115と楔サポータ119を滑り結合する。複数のサポータガイド118は、それぞれ線状ガイドであって、LMガイド(Linear Motion Guide)であるのが好ましい。
【0068】
複数のサポータガイド118は、それぞれ一対のボールナットブロック115の下面に結合される複数の第1サポータレール1181と、複数の第1サポータレール1181にそれぞれはめ込まれて、互いに滑り、楔サポータ119の上面に結合される複数の第2サポータレール1182とを含む。
【0069】
図8は、本発明の実施形態による光学装備の移動装置の水平ステージモジュールに関する斜視図であり、
図9は、
図8に示された水平ステージモジュールに関する分解斜視図であり、
図10は、
図8に示された水平ステージモジュールのアッパーガイドに関する一部斜視図である。
【0070】
本発明の実施形態による水平ステージモジュール120は、ブロックコネクタ197に結合される第1ステージブロック121と、第1ステージブロック121に結合されるアッパーガイド122と、第1ステージブロック121の下側に配置されて、アッパーガイド122に結合される第2ステージブロック125と、第2ステージブロック125の下側に結合される第3ステージブロック123と、第3ステージブロック123及び楔ブロック112に結合されて、アッパーガイド122がガイドする方向と直交する方向にガイドするロアガイド124と、を含む。
【0071】
第1ステージブロック121は、ブロックコネクタ197によって移動ブロック192に連結される。第1ステージブロック121は、上端がブロックコネクタ197の突出した部分の下側に結合される。第1ステージブロック121は、アッパーガイド122によって第2ステージブロック125と滑り結合される。第1ステージブロック121は、下側がアッパーガイド122に結合される。
【0072】
アッパーガイド122は、移動ブロック192に連結されて、移動ブロック192を左右方向にガイドする。アッパーガイド122は、移動ブロック192が左右方向に移動されるか、前後方向を軸として回転(ローリング、Rolling)されるか、上下方向を軸として回転(ヨーイング、Yawing)されないように、左右方向の負荷を相殺する。
【0073】
アッパーガイド122は、水平方向にガイドする線状ガイドであって、クロスローラガイドであるのが好ましい。アッパーガイド122は、第1ステージブロック121に結合される第1アッパーレール1222と、第2ステージブロック125に結合される第2アッパーレール1221と、回転軸が垂直方向における前方に傾斜して配置される複数の第1アッパーローラ1223と、回転軸が垂直方向における後方に傾斜して配置される複数の第2アッパーローラ1224と、を含む。
【0074】
第1アッパーレール1222及び第2アッパーレール1221は、左右方向に長く「V」字溝でころがり面が形成される。複数の第1アッパーローラ1223と複数の第2アッパーローラ1224は、回転軸が互いに直交するように配置される。
【0075】
第2ステージブロック125は、アッパーガイド122によって第1ステージブロック121と滑り結合される。第2ステージブロック125は、第3ステージブロック123と固定結合される。
【0076】
第3ステージブロック123は、上端が第2ステージブロック125に結合される。第3ステージブロック123は、ロアガイド124によって楔ステージモジュール110と滑り結合される。第3ステージブロック123は、下側がロアガイド124に結合される。
【0077】
ロアガイド124は、アッパーガイド122がガイドする方向と直交する方向にガイドする。ロアガイド124は、移動ブロック192に連結されて、移動ブロック192を前後方向にガイドする。ロアガイド124は、移動ブロック192が前後方向に移動されるか、左右方向を軸として回転(ピッチング、Pitching)されるか、上下方向を軸として回転(ヨーイング、Yawing)されないように、前後方向の負荷を相殺する。
【0078】
ロアガイド124は、水平方向にガイドする線状ガイドであって、クロスローラガイドであるのが好ましい。ロアガイド124は、上述したアッパーガイド122と同様、第1ロアレール(不図示)、第2ロアレール(不図示)、複数の第1ロアローラ(不図示)、および複数の第2ロアローラ(不図示)を含んで構成される。
【0079】
上述した実施形態におけるアッパーガイド122は、左右方向をガイドし、ロアガイド124は、前後方向をガイドすると説明したが、アッパーガイド122が前後方向をガイドし、ロアガイド124が左右方向をガイドするように配置されても結構である。
【0080】
また、実施形態によって第2ステージブロック125は、省略され、アッパーガイド122が第1ステージブロック121と第3ステージブロック123を滑り結合することができる。
【0081】
図11は、本発明の実施形態による光学装備の移動装置の垂直ガイドに関する斜視図であり、
図12は、
図11に示された垂直ガイドに関する切開斜視図である。
【0082】
本発明の実施形態による垂直ガイド130は、移動ブロック192の側端に結合されて、垂直方向に長く形成された移動レール132と、固定ブロック191に結合されて、垂直方向に長く形成された固定レール131と、回転軸が水平方向に配置され、隣接した対同士が直交するように配置される複数のクロスローラ133,134と、を含む。
【0083】
移動レール132は、垂直方向に長く「V」字溝でころがり面が形成される。移動レール132は、垂直方向に長く配置される。移動レール132は、移動ブロック192の側端に垂直方向に長く形成された段差に2面が密着する。移動レール132は、移動ブロック192と密着する面が、複数のクロスローラ133,134のいずれの回転軸とも平行するか垂直しない。
【0084】
固定レール131は、垂直方向に長く「V」字溝でころがり面が形成される。固定レール131は、垂直方向に長く配置される。固定レール131は、固定ブロック191の両側前面に垂直方向に長く形成された段差に2面が密着する。固定レール131は、固定ブロック191と密着する面が、複数のクロスローラ133,134のいずれの回転軸とも平行するか垂直しない。
【0085】
複数のクロスローラ133,134は、固定レール131及び移動レール132に「V」字に形成されたころがり面に配置される。複数のクロスローラ133,134は、回転軸が前後方向における右側に斜めに配置される複数の第1クロスローラ133と、回転軸が前後方向における左側に斜めに配置される複数の第2クロスローラ134とを含む。複数の第1クロスローラ133と複数の第2クロスローラ134は、1つずつ交差して、垂直方向に配置される。
【0086】
水平ステージモジュール120は、ガイドする方向が、複数のクロスローラ133,134のいずれの回転軸とも一致しないのが好ましい。複数のクロスローラ133,134の回転軸は、水平ステージモジュール120がガイドする方向である前後方向及び左右方向と一致しない前後方向と左右方向との間に斜めに配置される。これによって、水平ステージモジュール120は、垂直ガイド130による水平方向の負荷を解消するだけであり、これによる隙間が発生しない。
【0087】
上記のように構成される本発明の実施形態による光学装備の移動装置の作用を説明すれば、次のとおりである。
【0088】
モータ111が駆動されて、ボールねじ116が一方向に回転すると、一対のボールナットブロック115がサポータガイド118によって滑り、互いに近くなる方向に水平移動する。一対のボールナットブロック115が互いに近くなると、楔ブロック112が楔ガイド113によって滑り、上側に移動される。楔ブロック112が上側に移動されると、水平ステージモジュール120及びブロックコネクタ197によって、楔ブロック112と連結された移動ブロック192が上側に移動する。移動ブロック192は、垂直ガイド130によって、固定ブロック191に対して垂直方向にだけ移動する。移動ブロック192が上側に移動すると、移動ブロック192に固定された光学装備10は、上側に移動する。
【0089】
モータ111が駆動されて、ボールねじ116が他方向に回転すると、一対のボールナットブロック115は、サポータガイド118によって滑り、互いに遠くなる方向に水平移動する。一対のボールナットブロック115が互いに遠くなると、楔ブロック112は、楔ガイド113によって滑り、下側に移動される。楔ブロック112が下側に移動されると、水平ステージモジュール120及びブロックコネクタ197によって楔ブロック112と連結された移動ブロック192は、下側に移動する。移動ブロック192が下側に移動すると、移動ブロック192に固定された光学装備10は、下側に移動する。
【0090】
移動ブロック192が垂直方向に移動時、垂直ガイド130及び/又は楔ステージモジュール110で発生する反発力、推力又は振動による負荷は、水平ステージモジュール120によって解消される。
【0091】
以上では、本発明の好ましい実施形態について示して説明したが、本発明は、上述した特定の実施形態に限定されず、特許請求の範囲で請求する本発明の要旨を外れることなく、当該発明の属する技術分野における通常の知識を有する者によって様々な変形実施が可能であることは勿論であり、これら変形実施は、本発明の技術的思想や展望から個別に理解してはならない。
【符号の説明】
【0092】
10 光学装備
110 楔ステージモジュール
111 モータ
112 楔ブロック
113 楔ガイド
115 ボールナットブロック
116 ボールねじ
118 サポータガイド
119 楔サポータ
120 水平ステージモジュール
121 第1ステージブロック
122 アッパーガイド
123 第3ステージブロック
124 ロアガイド
125 第2ステージブロック
130 垂直ガイド
131 固定レール
132 移動レール
133 第1クロスローラ
134 第2クロスローラ
191 固定ブロック
192 移動ブロック
195 石定盤コネクタ
197 ブロックコネクタ
【国際調査報告】