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特表2024-519584高荷重ディスプレイ支持システム用のチルトヘッド
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-17
(54)【発明の名称】高荷重ディスプレイ支持システム用のチルトヘッド
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/00 20060101AFI20240510BHJP
   F16C 11/04 20060101ALI20240510BHJP
   H04N 5/64 20060101ALI20240510BHJP
【FI】
G09F9/00 351
F16C11/04 B
H04N5/64 581C
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023570042
(86)(22)【出願日】2022-05-12
(85)【翻訳文提出日】2023-11-10
(86)【国際出願番号】 GB2022051213
(87)【国際公開番号】W WO2022238712
(87)【国際公開日】2022-11-17
(31)【優先権主張番号】63/187,700
(32)【優先日】2021-05-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】505018382
【氏名又は名称】コールブルック・ボッソン・アンド・サンダース・プロダクツ・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100128428
【弁理士】
【氏名又は名称】田巻 文孝
(72)【発明者】
【氏名】ラウ アレックス
(72)【発明者】
【氏名】ネジック クルーノ
【テーマコード(参考)】
3J105
5G435
【Fターム(参考)】
3J105AA02
3J105AA12
3J105AB22
3J105DA02
5G435EE50
5G435GG41
(57)【要約】
ディスプレイ装置用の支持システムが支持面から延びるよう構成された第1のアームを含む。第2のアームが第1のアームに回転可能に連結されている。第2のアームは、第1のアームに対する運動範囲を有する。リングハウジングが第2のアームに回転可能に連結されている。チルトリングがリングハウジングに可動的に連結されており、このチルトリングは、ディスプレイに結合するよう構成されている。チルトリングは、リングハウジングと摩擦係合関係をなす菱形の形態を有する。調節機構体がチルトリングをリングハウジングに対して動かしてチルトリングとリングハウジングの摩擦係合関係を調整するよう構成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスプレイ装置用の支持システムであって、
支持面から延びるよう構成された第1のアームを含み、
前記第1のアームに回転可能に連結された第2のアームを含み、前記第2のアームは、前記第1のアームに対する運動範囲を有し、
前記第2のアームに回転可能に連結されたリングハウジングを含み、
前記リングハウジングに可動的に連結されるとともに、ディスプレイに結合するよう構成されたチルトリングを含み、前記チルトリングは、前記リングハウジングと摩擦係合関係をなす菱形の形態を有し、
前記チルトリングを前記リングハウジングに対して動かして前記チルトリングと前記リングハウジングの前記摩擦係合関係を調整するよう構成された調節機構体を含む、支持システム。
【請求項2】
前記チルトリングは、切頭外縁を有する、請求項1記載の支持システム。
【請求項3】
前記調節機構体は、前記チルトリングを前記リングハウジングに対して回動させる、請求項1または2記載の支持システム。
【請求項4】
クレードルが前記リングハウジング内に位置決めされ、前記チルトリングは、前記クレードルに摺動可能に連結されている、請求項1~3のうちいずれか一に記載の支持システム。
【請求項5】
前記クレードルは、前記菱形チルトリングを受け入れるV字形の溝を備えた本体を有する、請求項4記載の支持システム。
【請求項6】
前記調節機構体は、前記クレードルを前記リングハウジングに対して回動させるよう構成されている、請求項4または5記載の支持システム。
【請求項7】
前記調節機構体は、回転部材および横断ピンを含む、請求項1~6のうちいずれか一に記載の支持システム。
【請求項8】
ディスプレイ装置用の支持システムであって、
支持面から延びるよう構成された第1のアームを含み、
前記第1のアームに回転可能に連結された第2のアームを含み、前記第2のアームは、前記第1のアームに対する運動範囲を有し、
前記第2のアームに回転可能に連結されたリングハウジングを含み、
前記リングハウジングに可動的に連結されたクレードルを含み、
前記クレードルおよび前記リングハウジングに可動的に連結されるとともに、ディスプレイに結合するよう構成されたチルトリングを含み、前記チルトリングは、前記リングハウジングと摩擦係合関係をなし、
前記クレードルを前記リングハウジングに対して回動させるよう構成された調節機構体を含み、前記リングハウジングに対する前記クレードルの運動により、前記チルトリングおよび前記リングハウジングの前記摩擦係合関係が調整される、支持システム。
【請求項9】
前記調節機構体は、前記クレードルを前記ハウジングに対して後方位置から回動させたり、前記クレードルを前記ハウジングに対して前方位置から回動させたりする、請求項8記載の支持システム。
【請求項10】
前記クレードルが前記前方位置にあるとき、前記クレードルは、前記調節機構の調節なしで前記後方位置に自由に動くことができる、請求項9記載の支持システム。
【請求項11】
前記調節機構体は、回転部材および横断ピンを含む、請求項8~10のうちいずれか一に記載の支持システム。
【請求項12】
前記リングハウジングは、前記横断ピンを受け入れる第1の開口部を有し、前記クレードルは、前記横断ピンを受け入れる第2の開口部を有し、前記回転部材の回転により、前記第1の開口部内における前記横断ピンの並進が生じる、請求項11記載の支持システム。
【請求項13】
前記調節部材は、ディスプレイが前記チルトリングに連結されると、ユーザに対して接近可能である、請求項8~12のうちいずれか一に記載の支持システム。
【請求項14】
前記チルトリングは、菱形の形態をしている、請求項8~13のうちいずれか一に記載の支持システム。
【請求項15】
前記チルトリングは、円形マウントを有し、VESAコネクタが前記マウントに回転可能に連結されている、請求項8~14のうちいずれか一に記載の支持システム。
【請求項16】
ディスプレイ装置用の支持システムであって、
支持面から延びるよう構成された第1のアームを含み、
前記第1のアームに回転可能に連結された第2のアームを含み、前記第2のアームは、前記第1のアームに対する運動範囲を有し、
前記第2のアームに回転可能に連結されたリングハウジングを含み、前記リングハウジングは、第1の移動経路を定める弧状スロットを有し、
前記リングハウジングに可動的に連結されたクレードルを含み、前記クレードルは、第2の弧状移動経路を定める本体を有し、
前記クレードルおよび前記リングハウジングに可動的に連結されたチルトリングを含み、前記チルトリングは、前記リングハウジングと摩擦係合関係をなし、
前記クレードルを前記リングハウジングに対して回動させて前記第2の移動経路を前記第1の移動経路に対して動かすよう構成された調節機構体を含む、支持システム。
【請求項17】
前記第2の経路に対する前記第1の経路の運動により、前記チルトリングと前記チルトハウジングとの摩擦係合関係が調整される、請求項16記載の支持システム。
【請求項18】
前記調節機構体は、前記クレードルを前記リングハウジングに対して回動させる、請求項16または17記載の支持システム。
【請求項19】
前記調節機構体は、回転部材および横断ピンを含み、前記リングハウジングは、前記横断ピンを受け入れる第1の開口部を有し、前記クレードルは、前記横断ピンを受け入れる第2の開口部を有し、前記回転部材の回転により、前記第1の開口部内における前記横断ピンの並進が生じる、請求項16~18のうちいずれか一に記載の支持システム。
【請求項20】
前記チルトリングは、菱形の形態をしている、請求項16~19のうちいずれか一に記載の支持システム。
【請求項21】
ディスプレイ装置用の支持システムであって、
支持面から延びるよう構成された第1のアームを含み、
前記第1のアームに回転可能に連結された第2のアームを含み、前記第2のアームは、前記第1のアームに対する運動範囲を有し、
前記第2のアームに回転可能に連結されたチルト機構体を含み、前記チルト機構体は、リングハウジングおよび前記リングハウジングに可動的に連結されたチルトリングを含み、
前記チルトリングに可動的に連結されたコネクタを含み、前記コネクタは、ディスプレイを取り付けるアダプタプレートを受け入れるよう構成されている、支持システム。
【請求項22】
前記チルトリングは、円形マウントを有し、前記コネクタは、前記コネクタを前記マウントに回転可能に連結するよう前記マウントを受け入れる円形開口部を有する、請求項21記載の支持システム。
【請求項23】
前記マウントは、実質的に環状のチャネルを有し、前記コネクタは、前記環状チャネルと嵌合するよう前記開口部中に延びる突出部を有する、請求項22記載の支持システム。
【請求項24】
前記コネクタは、第1の部分および前記第1の部分から隙間を隔てて位置する第2の部分を有し、前記隙間は、前記第1の部分を前記第2の部分に対して動かすよう構成された締結具によって橋渡しされている、請求項21~23のうちいずれか一に記載の支持システム。
【請求項25】
前記コネクタは、VESAプレートに摺動可能に係合するよう構成されている、請求項21~24のうちいずれか一に記載の支持システム。
【請求項26】
前記コネクタは、台形の形態を有する、請求項21~25のうちいずれか一に記載の支持システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
種々の例示の実施形態は、電子ディスプレイ、例えばモニタまたはTVを可動的に支持するために用いられる支持システムに関する。
【0002】
〔関連出願の引照〕
本願は、2021年5月12日に出願された米国特許仮出願第63/187,700号に基づく優先権出願であり、この米国特許仮出願を参照により引用し、その開示内容全体を本明細書の一部とする。
【0003】
近年のスクリーン型ディスプレイ装置は、典型的には、昇降式支持装置に取り付けられたフラットスクリーン型ディスプレイである。ある特定の支持装置は、可動支持アームを利用し、この可動支持可動アームは、次に、表面に固定されるのがよく、その結果、ディスプレイは、この表面の上方またはその前に保持されるようになっている。ディスプレイは、可動ヘッドに連結される場合があり、その結果、アームに対するディスプレイの向きを調節することができるようになっている。例えば、ディスプレイを支持アームに対して傾動させたり回転させたりすることができる。典型的なディスプレイ支持装置には、標準型ディスプレイに十分な範囲内の、例えば最大27インチまでのモニタに十分である0kgから9kgまでの範囲内の重量制限がある。かかる支持システムの一例が米国特許第9,316,346号明細書に示されており、この米国特許を参照により引用し、その開示内容全体を本明細書の一部とする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第9,316,346号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
標準重量範囲から外れた大型ディスプレイが標準型ディスプレイアームと併用される場合、ディスプレイの重量のほうがヘッドの保持力よりも大きい場合がある。この結果、ヘッドは、ディスプレイをユーザにより望まれる位置に支持することができない場合がある。したがって、大型ディスプレイは、静止マウントによって支持されるのが通例であり、それにより可動支持体によって提供される位置決めおよび融通性が制限される。
【課題を解決するための手段】
【0006】
ある特定の形態では、ディスプレイ装置用の支持システムが支持面から延びるよう構成された第1のアームを含む。第2のアームが第1のアームに回転可能に連結されている。第2のアームは、第1のアームに対する運動範囲を有する。リングハウジングが第2のアームに回転可能に連結されている。チルトリングがリングハウジングに可動的に連結されており、このチルトリングは、ディスプレイに結合するよう構成されている。チルトリングは、リングハウジングと摩擦係合関係をなす菱形の形態を有する。調節機構体がチルトリングをリングハウジングに対して動かしてチルトリングとリングハウジングの摩擦係合関係を調整するよう構成されている。
【0007】
ある特定の形態では、チルトリングは、切頭外縁を有する。
【0008】
ある特定の形態では、調節機構体は、チルトリングをリングハウジングに対して回動させる。
【0009】
ある特定の形態では、クレードルがリングハウジング内に位置決めされ、チルトリングは、クレードルに摺動可能に連結されている。
【0010】
ある特定の形態では、クレードルは、菱形チルトリングを受け入れるV字形の溝を備えた本体を有する。
【0011】
ある特定の形態では、調節機構体は、クレードルをリングハウジングに対して回動させるよう構成されている。
【0012】
ある特定の形態では、調節機構体は、回転部材および横断ピンを含む。
【0013】
ある特定の形態では、ディスプレイ装置用の支持システムが支持面から延びるよう構成された第1のアームを含む。第2のアームが第1のアームに回転可能に連結されている。第2のアームは、第1のアームに対する運動範囲を有する。リングハウジングが第2のアームに回転可能に連結されている。クレードルがリングハウジングに可動的に連結されている。チルトリングがクレードルおよびリングハウジングに可動的に連結され、このチルトリングは、ディスプレイに結合するよう構成されている。チルトリングは、リングハウジングと摩擦係合関係をなす。調節機構体がクレードルをリングハウジングに対して回動させるよう構成されている。リングハウジングに対するクレードルの運動により、チルトリングおよびリングハウジングの摩擦係合関係が調整される。
【0014】
ある特定の形態では、調節機構体は、クレードルをハウジングに対して後方位置から回動させたり、クレードルをハウジングに対して前方位置から回動させたりする。
【0015】
ある特定の形態では、クレードルが前方位置にあるとき、クレードルは、調節機構の調節なしで後方位置に自由に動くことができる。
【0016】
ある特定の形態では、調節機構体は、回転部材および横断ピンを含む。
【0017】
ある特定の形態では、リングハウジングは、横断ピンを受け入れる第1の開口部を有し、クレードルは、横断ピンを受け入れる第2の開口部を有し、回転部材の回転により、第1の開口部内における横断ピンの並進が生じる。
【0018】
ある特定の形態では、調節部材は、ディスプレイがチルトリングに連結されると、ユーザに対して接近可能である。
【0019】
ある特定の形態では、チルトリングは、菱形の形態をしている。
【0020】
ある特定の形態では、調節部材は、工具を受け入れるよう構成されたヘッドを有する。
【0021】
ある特定の形態では、チルトリングは、円形マウントを有し、VESAコネクタがマウントに回転可能に連結されている。
【0022】
ある特定の形態では、ディスプレイ装置用の支持システムが支持面から延びるよう構成された第1のアームを含む。第2のアームが第1のアームに回転可能に連結されている。第2のアームは、第1のアームに対する運動範囲を有する。リングハウジングが第2のアームに回転可能に連結されている。リングハウジングは、第1の移動経路を定める弧状スロットを有する。クレードルがリングハウジングに可動的に連結されている。クレードルは、第2の弧状移動経路を定める本体を有する。チルトリングがクレードルおよびリングハウジングに可動的に連結されている。チルトリングは、リングハウジングと摩擦係合関係をなす。調節機構体がクレードルをリングハウジングに対して回動させて第2の移動経路を第1の移動経路に対して動かすよう構成されている。
【0023】
ある特定の形態では、第2の経路に対する第1の経路の運動により、チルトリングとチルトハウジングとの摩擦係合関係が調整される。
【0024】
ある特定の形態では、調節機構体は、クレードルをリングハウジングに対して回動させる。
【0025】
ある特定の形態では、調節機構体は、回転部材および横断ピンを含み、リングハウジングは、横断ピンを受け入れる第1の開口部を有し、クレードルは、横断ピンを受け入れる第2の開口部を有し、回転部材の回転により、第1の開口部内における横断ピンの並進が生じる。
【0026】
ある特定の形態では、チルトリングは、菱形の形態をしている。
【0027】
ある特定の形態では、ディスプレイ装置用の支持システムが支持面から延びるよう構成された第1のアームを含む。第2のアームが第1のアームに回転可能に連結されている。第2のアームは、第1のアームに対する運動範囲を有する。チルト機構体が第2のアームに回転可能に連結されている。チルト機構体は、リングハウジングおよびリングハウジングに可動的に連結されたチルトリングを含む。コネクタがチルトリングに可動的に連結されている。コネクタは、ディスプレイを取り付けるアダプタプレートを受け入れるよう構成されている。
【0028】
ある特定の形態では、チルトリングは、円形マウントを有し、コネクタは、コネクタをマウントに回転可能に連結するようマウントを受け入れる円形開口部を有する。
【0029】
ある特定の形態では、マウントは、実質的に環状のチャネルを有し、コネクタは、環状チャネルと嵌合するよう開口部中に延びる突出部を有する。
【0030】
ある特定の形態では、コネクタは、第1の部分および第1の部分から隙間を隔てて位置する第2の部分を有し、隙間は、第1の部分を第2の部分に対して動かすよう構成された締結具によって橋渡しされている。
【0031】
ある特定の形態では、コネクタは、VESAプレートに摺動可能に係合するよう構成されている。
【0032】
ある特定の形態では、コネクタは、台形の形態を有する。
【0033】
種々の例示の実施形態の諸観点および諸特徴は、添付の図面を参照して行われるこれら例示の実施形態の詳細な説明から明らかになろう。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1】ディスプレイ用の支持システムの等角図である。
図2】支持システムのヘッド継手、リングハウジング、およびチルトリングの等角図である。
図3図2のコンポーネントの部分分解組立図である。
図4】リングハウジング部材の側面図である。
図5】クレードルの側面図である。
図6】クレードルの正面等角図である。
図7】チルトリングの背面等角図である。
図8】クレードルおよび調節機構体が後方位置にあるときの、組立状態のリングハウジング部材、クレードル、およびチルトリングの側面図である。
図9】クレードルおよび調節機構体が前方位置にあるときの、組立状態のリングハウジング部材、クレードル、およびチルトリングの側面図である。
図10】コネクタの正面等角図である。
図11】コネクタの背面等角図である。
図12】チルトリングに連結されたコネクタの断面図である。
図13】チルト機構体の別の実施形態の等角図である。
図14図10の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
ディスプレイ支持システムのある特定の例示の形態は、ディスプレイ用のチルトヘッドを備えた可動アーム支持体に関する。チルトヘッドは、ディスプレイを所望の位置に保持するのに十分な保持力を提供するよう構成されている。ある特定の形態では、チルトヘッドにより、ユーザは、チルトヘッドに対する調節を行う必要なく、ディスプレイの位置を調節することができる。
【0036】
図1は、ディスプレイ用の支持システム100の例示の実施形態を示しており、この支持システムは、取り付け部分102を含む。取り付け部分102は、支持システム100を支持面(図示せず)に固定するよう構成されている。取り付け部分102は、当業者には理解されるように、種々の表面または支持体、例えばデスク、テーブル、壁などに連結することができるクランプ部材104を有するのがよい。第1のアーム106が取り付け部分102から延びている。ある特定の形態では、第1のアーム106は、取り付け部分に回転可能に連結されている。中間継手108が第1のアーム106の遠位部分に回転可能に連結されている。第2のアーム110が中間継手108に回転可能に連結されている。ヘッド継手112が第2のアーム110の遠位部分に回転可能に連結されている。チルト機構体114がヘッド継手112に可動的に連結されている。ディスプレイマウント(図示せず)、例えばVESA形ディスプレイマウントがディスプレイを受け入れるようチルト機構体114に連結されてもよく、あるいはディスプレイがチルト機構体に直接連結されてもよい。第1のアーム106、中間継手108、第2のアーム110、ヘッド継手112、およびチルト機構体114は各々、単一部品または多部品型ハウジングコンポーネントを含むのがよく、例えば、第1の部品と第2の部品は、互いに連結されている。他のハウジング部品を必要に応じて連結するのがよい。1つ以上のケーブル取り扱いまたは管理装置116がディスプレイまで延びるケーブルを組織化するとともに、これらを保持するようアームのうちの1本以上に設けられるのがよい。第1のアーム106、中間継手108、第2のアーム110、ヘッド継手112、およびチルト機構体114は、支持構造体の例示の実施形態を構成しているが、支持構造体の他の形態もまた使用できる。
【0037】
図1に最もよく示されているように、第1のアーム106は、支持体または表面に対して第1の垂直軸線A1回りに回転することができる。中間継手108は、第1のアーム106に対して第2の軸線A2回りに回転することができる。第2のアーム110は、中間継手108に対して第3の軸線A3回りに回転することができる。ヘッド継手112には、第2のアーム110に第4の軸線A4回りに回転することができる。チルト機構体114は、ヘッド継手112に対して第5の軸線A5および第6の軸線A6回りに回転することができる。図示の実施形態では、第1の軸線A1および第2の軸線A2は、垂直軸線である。第3の軸線A3および第4の軸線A4は、水平軸線である。第5の軸線A5は、垂直軸線であり、第6の軸線A6は、水平軸線である。例示の実施形態では、第6の軸線A6は、ディスプレイマウントか、このディスプレイマウントに連結されたディスプレイの一部分かのいずれかを貫通するようチルト機構体114から間隔を置いて位置する仮想軸線である。
【0038】
ある特定の形態では、直接リンク(図示せず)が中間継手108に回動可能に連結された第1の部分およびヘッド継手112に回動可能に連結された第2の部分を有する。直接リンクは、ハウジングを貫通し、第2のばねケーシングおよび第2のばねを通過するのがよい。上昇位置から下降位置までの第2のアームの運動中、直接リンクにより、水平軸線A4回りのヘッド継手の回転が生じ、その結果、取り付け状態のディスプレイは、第2のアーム110の回転中、支持面に対する位置を維持するようになっている。
【0039】
図2および図3は、ヘッド継手112およびチルト機構体114のコンポーネントを示している。ヘッド継手112は、1つ以上の継手本体部材120を有する。チルト機構体114は、ヘッド継手112に回転可能に連結されている。チルト機構体114は、リングハウジング122、リングクレードル124、およびチルトリング126を含む。リングハウジング122は、第1のリングハウジング部材および第2のリングハウジング部材を含むのがよい。リングクレードル124は、リングハウジング122に可動的に連結されている。チルトリング126は、リングクレードル124およびリングハウジング122に可動的に連結されている。調節機構体128がリングハウジングおよびクレードルに連結されている。ある特定の形態では、調節機構体128は、回転部材130および横断ピン132を含む。
【0040】
図示の実施形態では、ヘッド継手112およびリングハウジング124は、1つ以上の締結具を介して互いに連結された一対の本体部材を用いて形成されている。他の形態では、必要に応じてこれよりも多いまたはこれよりも少ない本体部材を利用することができる。
【0041】
図4は、第1のリングハウジング部材122の例示の実施形態を示しており、第2のリングハウジング部材は、その第1のリングハウジング部材の鏡像である。ある特定の形態では、チルトリング126は、リングハウジング122内に摺動可能に受け入れられ、クレードル124は、リングハウジング122に回動可能に連結されている。リングハウジング122は、ヘッド継手112内に回転可能に受け入れられている。
【0042】
リングハウジング122の上側部分では、横開口部134が、調節機構体128の横断ピン132をリングハウジング部材に可動的に連結するためのスロットまたは溝を構成している。開口部134は、貫通穴であってもよく止まり穴であってもよい。開口部134の長さは、調節機構体128の移動距離を規定することができる。ある特定の形態では、横開口部134は、中立位置では第2アーム110に対して斜めの角度をなし、または中間継手108の中心軸線に実質的に垂直である軸線に沿って延びている。第1のリングハウジング部材の上側部分は、クレードル124およびチルトリング126をリングハウジング122に対して動かしているときにクレードル124およびチルトリング126を挿通させることができる開口部を備えた斜めの外面136をさらに有する。
【0043】
後側チャンバ138が調節機構体128の回転部材130を受け入れるよう横開口部134に隣接して設けられている。チャンバ138は、回転部材130の少なくとも一部分を捕捉して、リングハウジング122に対する回転部材130の並進を制限するよう構成されている。ある特定の形態では、回転部材130は、ヘッドを有し、チャンバ138は、前方および後方方向におけるヘッドの並進を制限するよう構成されているのがよい。ヘッドは、後側開口部を通ってユーザによる接近が行えるよう構成されているのがよく、その結果、工具をヘッド中に差し込んでこれを用いると、回転部材130を回転させることができるようになっている。他の形態では、回転部材130の一部分がチャンバの外側に延びるのがよく、そして工具なしで直接ユーザによる係合が可能であるのがよい。
【0044】
リングハウジング122の本体は、1つ以上の横突出部140を有するのがよい。横突出部140の各々は、クレードル124を受け入れるための切除部分を有する。これら突出部140は、操作中におけるいかなる曲げまたはひねりをも制限するようクレードル124の側方運動を拘束するのに役立つ。リングハウジングの下側部分は、第1の移動経路P1を少なくとも部分的に定める曲率を備えた弧状スロット142を有する。チルトリング126の底部を挿通させる下側開口部が設けられている。下側横開口部144がクレードル124のための回動連結箇所としての役目を果たす。
【0045】
図5および図6は、クレードル124の例示の実施形態を示している。ある特定の形態では、クレードル124は、斜めの前面148、および調節機構128の横断ピン132を受け入れる一対の開口部150を備えたヘッド146を有する。リングハウジング122に連結されると、開口部150は、リングハウジング122の開口部134と実質的に整列するのがよい。
【0046】
クレードルの本体152は、チルトリング126を受け入れる弧状の実質的にV字形溝154を備えるのがよい。V字形溝154は、弧状の第2の移動経路P2を定める。突出部156が本体152の各側から延びてクレードル124をリングハウジング122に回動可能に連結するのがよい。
【0047】
図7は、チルトリング126の例示の実施形態を示している。チルトリング126は、ディスプレイに結合するよう構成されたマウント160およびリングハウジング122内に受け入れられるリング部材162を有するのがよい。延長部164がマウント160とリング162との間に延びている。マウント160は、ディスクの形態をしているのがよく、溝166がこのディスクの外周に沿ってぐるりと実質的に延びている。取り付けプレート、例えばVESA規格準拠の取り付けプレートがマウント160に連結されるのがよい。ある特定の形態では、取り付けプレートは、溝166に係合する突出部を有するのがよい。ある特定の形態では、マウント160は、ディスプレイに直接連結されるのがよい。
【0048】
リング部材162は、リングハウジング122内に摺動可能に受け入れられるようマウント160から延びている。リング162は、弧状経路に沿って延びる菱形の形態をしている。菱形の形態は、切頭外縁168および切頭内縁170を有するのがよい。組み立て時、菱形リング部材162は、リングハウジング122およびクレードル124と摩擦係合関係をなす。ある特定の形態では、他の形状をリング部材162に用いることができるが、リング部材162が菱形であることにより、他の形状に対して保持性能が予想外に向上することが判明した。
【0049】
図8および図9は、クレードル124、リングハウジング122、および調節機構体128と組み立てられたチルトリング126を示している。組み立て時、リング162は、リングハウジング122およびクレードル124と摺動可能に係合する。この係合の結果として、リング162とリングハウジング122との間、およびリング162とクレードル124との間に摩擦力が生じる。これらのコンポーネントのある特定の形態および向きでは、リング162の外面がリングハウジング122の下側弧状部分142と係合した場合に摩擦力が最も大きいのがよい。
【0050】
調節機構体128は、クレードル124をリングハウジング122に対して回動させるよう構成されている。図示の実施形態では、クレードル124は、クレードル124の下側突出部156とリングハウジング122との連結部回りに回動する。ユーザは、横断ピン132に螺合的に連結できる回転部材130を回転させるのがよい。この回転により、前方または後方の方向におけるリングハウジング122の開口部134内におけるピン132の運動が生じる。図8は、横断ピン132を後方位置で示し、図9は、横断ピン132を前方位置で示している。
【0051】
回転部材130は、ユーザが工具を用いてまたは手で回転部材130を回転させることができるようにするユーザインターフェースを有するのがよい。例えば、回転部材130は、工具を受け入れるソケットを備えたヘッドを有してもよく、あるいは、手動による調節を可能にする蝶ねじを備えたヘッドを有してもよい。ある特定の形態では、調節機構体128は、ディスプレイがチルトリング126に連結されているとユーザに対して接近可能である。例えば、調節機構体128は、リングハウジング122の頂部またはディスプレイと反対側のリングハウジング122の後部から接近可能である。
【0052】
本明細書において説明するように、リングハウジング122は、第1の移動経路P1を定め、クレードル124は、第2の移動経路P2を定めている。第1および第2の移動経路P1,P2は、チルトリング126の運動状態を定める。クレードル124を後方位置(図8)まで回動させると、第1の移動経路P1と第2の移動経路P2は、実質的に整列する。この結果、リング162とリングハウジング122とクレードル124との間における摩擦力の大きさが最小限に抑えられる。クレードル124を前方位置(図9)まで回動させると、第2の移動経路P2は、第1の移動経路P1からオフセット状態になる。リング162がクレードル124と一緒に前方に回動すると、2つの経路相互間の位置合わせ不良により、リング162とリングハウジング122とクレードル124との間の摩擦係合度が増大する。例えば、リングハウジング122の下側部分とリング162との間の摩擦係合度を増大させることができ、リング162の上側部分とクレードル124との間の摩擦係合度を増大させることができる。ある特定の形態では、リング162の下側部分の摩擦係合度は、リング162の上側部分の摩擦係合度よりも大きいのがよい。
【0053】
横断ピン162を前方に並進させているとき、この横断ピンは、リングハウジング122の開口部134に沿って移動し、それによりリングハウジング122に対するクレードル124の回動運動が生じる。ユーザによる係合が行われない場合、横断ピン132は、代表的には、特に取り付け状態のディスプレイの重量によりクレードル124に時計回りのモーメント荷重が生じる場合、クレードル124に形成されている開口部150の後壁と係合することになる(図9に示すように)。しかしながら、クレードル124は、クレードル124の開口部150により提供される運動範囲にわたって、横断ピン132に対して自由に可動状態のままである。このよう、ユーザは、クレードル124を後方の方向に傾動させて調節機構体128を調節しないで、チルトリング126とリングハウジング122との間の摩擦力を減少させることができる。これにより、ユーザは、単にディスプレイを動かすことによって、取り付け状態のディスプレイの傾動を調節するのに必要な力を減少させることができる。ディスプレイを所望の位置で放すことにより、摩擦係合度を増大させ、ディスプレイの位置を保持することができる。
【0054】
図10図12は、マウント160に連結されて、VESAプレートを摺動可能に受け入れるよう構成されたVESAコネクタ180の例示の実施形態を示している。ある特定の形態では、VESAコネクタは、底部182、頂部184、および一対の傾斜側部186を備えた台形の形態をしている。1つ以上の頂部タブ188が頂部から延び、1つ以上の側部タブ190が側部から延びている。頂部および側部タブ188,190は、関連の取り付けプレート、例えばVESA規格の取り付けプレートに設けられた受け入れ凹部と嵌合するよう構成されている。台形の形態により、コネクタ180が楔のように動作して取り付けプレートと係合することができ、ディスプレイの重量は、かかる係合度を増大させる。
【0055】
VESAコネクタ180は、マウント160に回転可能に連結されるのがよい。一実施形態では、VESAコネクタ180は、中央開口部を備えるのがよく、突出部192が内面から中央開口部まで延びている。図12に最もよく示すように、突出部192は、マウント160の溝166と嵌合する。これにより、VESAコネクタ180は、マウント160周りに回転することができる。
【0056】
VESAコネクタ180の頂部184は、締結具194によって橋渡しされている第1の部分184aと第2の部分184bを備えたスプリット(割り)形態をしているのがよい。ある特定の形態では、締結具194は、ヘッドおよび拘束ナットを有するのがよい。ヘッドは、締結具194を調節するとともに第1および第2の頂部分の位置を調節するために、ユーザによって接近可能であるのがよい。これにより、ユーザは、VESAコネクタ180とマウント160との間の摩擦係合度を増減することができる。VESAコネクタ180とマウント160の摩擦係合をユーザによって調節することができ、その結果、連結予定のディスプレイを回転させることができるが、この連結予定のディスプレイは、マウント160に対するその位置を維持することができるようになっている。
【0057】
図13および図14は、別の実施形態としてのチルト機構体214を示しており、このチルト機構体214は、リングハウジング222、チルトリング226、および調節機構体228を含む。この実施形態では、チルト機構体214は、可動クレードルを利用することはない。これに代えて、チルトリング226の位置が調節機構体228によって直接的に調整されて、静的な状態に保持される。
【0058】
チルトリング226は、マウント230、リング部材232、およびリング232の上方に延びる上側突出部234を有する。上側突出部234は、調節機構体228を受け入れる開口部を有する。
【0059】
調節機構228は、締結具236の軸方向に垂直に延びる軸線を備えたピボット箇所240のところでリングハウジング222に回転可能に連結されたねじ締結具236を含む。蝶ねじ238が締結具236に回転可能に連結されている。蝶ネジ238は、チルトリング226の上側突出部234を受けることができる溝を有するのがよい。
【0060】
蝶ネジ238の回転により、この蝶ネジ238は、締結具236の軸方向に移動する。この運動により、チルトリング226は、リングハウジング222内で摺動し、上側の位置と下側の位置との間で動く。この調節機構228は、荷重としての重量が摩擦係合によって許容できるレベルよりも高い場合に、チルトリング226の傾動位置を保持することができる。
【0061】
ある特定の例示の実施形態についての上述の詳細な説明は、一般的な原理および実用的用途を説明する目的で提供されており、それにより当業者であれば、種々の実施形態についての開示内容および想定される特定の使用にあった種々の改造を施すことを理解することができる。本明細書は、網羅的であることまたは本開示内容を開示した例示の実施形態に限定することを必ずしも意図していない。本明細書において開示した実施形態および/または要素のうちの任意のものを互いに組み合わせて具体的には開示されていない種々の追加の実施形態を構成することができる。したがって、追加の実施形態が可能でありかつ本明細書および特許請求の範囲に記載された本発明の範囲に含まれるものである。本明細書は、別の仕方で達成可能なより一般的な目的を達成するための特定の実施例を記載している。
【0062】
本明細書で用いられる「前側」、「後側」、「上側」、「下側」、「上方」、「下方」という用語および他の方向を指示する用語は、本発明の例示の実施形態の説明を容易にすることを意図しており、本発明の例示の実施形態の構造を任意特定の位置または向きに限定することを意図していない。程度を表す用語、例えば「実質的に」または「約」という用語は、所与の値から外れた妥当な範囲、例えば説明した実施形態の製造、組み立て、および使用と関連した一般的な公差を意味するものとして当業者により理解される。別段の指定または限定がなければ、用語「取り付けられ」、「連結され」、「支持され」、および「結合され」ならびにこれら用語の変化語は、広義に用いられ、また、これら用語は、直接的取り付け、直接的連結、直接的支持および直接的結合と、間接的取り付け、間接的連結、間接的支持および間接的結合との両方の意味を含む。
図1
図2
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図10
図11
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【国際調査報告】