(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-17
(54)【発明の名称】家庭用堆肥化可能及び分解性押出被覆基材
(51)【国際特許分類】
C09D 167/00 20060101AFI20240510BHJP
C09D 7/61 20180101ALI20240510BHJP
B32B 27/10 20060101ALI20240510BHJP
B32B 27/36 20060101ALI20240510BHJP
B32B 27/20 20060101ALI20240510BHJP
B65D 65/40 20060101ALI20240510BHJP
【FI】
C09D167/00
C09D7/61
B32B27/10
B32B27/36
B32B27/20 Z
B65D65/40 D
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023580618
(86)(22)【出願日】2022-03-10
(85)【翻訳文提出日】2023-11-10
(86)【国際出願番号】 US2022019672
(87)【国際公開番号】W WO2022192486
(87)【国際公開日】2022-09-15
(32)【優先日】2021-03-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2022-03-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523348656
【氏名又は名称】ダニマー・アイピーシーオー・エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110000741
【氏名又は名称】弁理士法人小田島特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ターウィルガー,アーネ・マシュー
(72)【発明者】
【氏名】デューリー,カースン
(72)【発明者】
【氏名】ムーア,ジョン
(72)【発明者】
【氏名】グラブス・ザサード,ジョー・ビー
【テーマコード(参考)】
3E086
4F100
4J038
【Fターム(参考)】
3E086AB01
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4F100AA08B
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4J038PC10
(57)【要約】
本開示は、少なくとも第1の面を有する板紙基材と、第1の面の少なくとも一部分上に適用される押出コーティングの層とを含む、家庭用堆肥化可能押出被覆基材を提供する。この押出コーティングは、約30~約99.5重量パーセントの少なくとも1種のポリ(ヒドロキシアルカノエート)と、約5重量パーセント~約69.5重量パーセントの、ポリ(乳酸)、ポリ(カプロラクトン)、ポリ(エチレンセビケート(sebicate))、ポリ(ブチレンスクシネート)、ポリ(ブチレンスクシネート-コ-アジペート)、ポリ(ブチレンアジペートテレフタレート)及びそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1種の堆肥化可能なポリマーとから構成される。好ましくは、本開示によれば、押出被覆基材が、ASTM D6868により決定して、家庭で堆肥化可能であることも好ましい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
家庭用堆肥化可能及び/又は海洋分解性の押出被覆基材であって:
第1の面を有する板紙基材と、
第1の面の少なくとも一部分上に適用される押出コーティングの層であって、押出コーティングが
30~99.5重量パーセントの少なくとも1種のポリ(ヒドロキシアルカノエート)と、
5重量パーセント~69.5重量パーセントの、ポリ(乳酸)、ポリ(カプロラクトン)、ポリ(エチレンセベケート(sebecate))、ポリ(ブチレンスクシネート)、ポリ(ブチレンスクシネート-コ-アジペート)、ポリ(ブチレンアジペートテレフタレート)及びそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1種の堆肥化可能なポリマーと
を含む、押出コーティングの層と
を含む、押出被覆基材。
【請求項2】
押出コーティングが、50~69.5重量パーセントの少なくとも1種のポリ(ヒドロキシアルカノエート)を含む、請求項1に記載の押出被覆基材。
【請求項3】
少なくとも1種のポリ(ヒドロキシアルカノエート)が、ポリ-3-ヒドロキシブチレート-コ-3-ヒドロキシヘキサノエート(「P(3HB-コ-3HHx)」)を含む、請求項1に記載の押出被覆基材。
【請求項4】
P(3HB-コ-3HHx)が、75~99モルパーセントのヒドロキシブチレート及び1~25モルパーセントのヒドロキシヘキサノエートを含む、請求項3に記載の押出被覆基材。
【請求項5】
P(3HB-コ-3HHx)が、好ましくは、93~98モルパーセントのヒドロキシブチレート及び2~7モルパーセントのヒドロキシヘキサノエートを含む、請求項3に記載の押出被覆基材。
【請求項6】
押出コーティングが、25~50モルパーセントのヒドロキシバレレート、ヒドロキシヘキサノエート、ヒドロキシオクタノエート、及び/又はヒドロキシデカノエートを含む、1~25重量%の少なくとも1種のポリヒドロキシアルカノエートを含む、請求項1に記載の押出被覆基材。
【請求項7】
少なくとも1種のポリ(ヒドロキシアルカノエート)が、75~99.9モルパーセントの3-ヒドロキシブチレートのモノマー残基、0.1~25モルパーセントの3-ヒドロキシヘキサノエートのモノマー残基、及び0.1~25モルパーセントの5~12個の炭素原子を有する第3の3-ヒドロキシアルカノエートのモノマー残基から構成されるターポリマーを含む、請求項1に記載の押出被覆基材。
【請求項8】
少なくとも1種のポリ(ヒドロキシアルカノエート)が、ASTM D5296-05により決定して、50,000ダルトン~250万ダルトンの重量平均分子量を有する、請求項1に記載の押出被覆基材。
【請求項9】
少なくとも1種のポリ(ヒドロキシアルカノエート)が、ASTM D5296-05により決定して、500,000ダルトン~750,000ダルトンの重量平均分子量を有する、請求項1に記載の押出被覆基材。
【請求項10】
押出コーティングが、30.5重量パーセント~49.5重量パーセントの、ポリ(乳酸)、ポリ(カプロラクトン)、ポリ(エチレンセベケート(sebecate))、ポリ(ブチレンスクシネート)、ポリ(ブチレンスクシネート-コ-アジペート)、ポリ(ブチレンアジペートテレフタレート)、ポリ(ビニルアセテート)及びそれらのいずれかの混合物からなる群から選択される少なくとも1種の堆肥化可能なポリマーを含む、請求項1に記載の押出被覆基材。
【請求項11】
少なくとも1種の堆肥化可能なポリマーがポリ(乳酸)を含む、請求項1に記載の押出被覆基材。
【請求項12】
押出コーティングが、0.05重量パーセント~10重量%の、ビニルアセテートホモポリマー又はコポリマー、過酸化物、エポキシド、イソシアネート、カルボジイミド、及びそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1種のレオロジー調整剤をさらに含む、請求項1に記載の押出被覆基材。
【請求項13】
押出コーティングが、0.1重量パーセント~10重量パーセントの、ペンタエリスリトール、窒化ホウ素、ポリ(ヒドロキシブチレート)、イノシトール、粘土、ジペンタエリスリトール、ソルビトール、及びそれらの混合物からなる群からの少なくとも1種の核剤をさらに含む、請求項1に記載の押出被覆基材。
【請求項14】
押出コーティングが、1重量パーセント~15重量パーセントの、アラゴナイト、粘土、炭酸カルシウム、セルロース、ナノセルロース、タルク、カオリナイト、モンモリロナイト、ベントナイト、シリカ、キチン、デンプン、珪藻土、二酸化チタン、ナノ粘土、雲母、及びそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1種の充填剤をさらに含む、請求項1に記載の押出被覆基材。
【請求項15】
押出コーティングが、0.1重量パーセント~50重量パーセントの、(1)2-(ヒドロキシメチル)-2-エチルプロパン-1,3-ジオール(TMP)、ジエチレングリコール、エチレングリコール、1,6ヘキサンジオール、2,2ジメチル1,3プロパンジオール(NPG)、1,4ブタンジオール、1,3プロパンジオール、1,2プロパンジオール、プロパン-1,2,3-トリオール(グリセリン)、2-メチル1,3プロパンジオール(MPD)、及びシクロヘキサンジメタノールからなる群から選択されるグリコールと、(2)1,6ヘキサン二酸(アジピン酸)、1,12ドデカン二酸(DDDA)、セバシン酸、アゼライン酸、シクロヘキサン二酸(CHDA)、1,2ベンゼンジカルボン酸(無水フタル酸)、1,3ベンゼンジカルボン酸(イソフタル酸)、1,3ベンゼンジカルボン酸(テレフタル酸)及び1,4ブタン二酸(コハク酸)からなる群から選択されるカルボン酸との重縮合反応生成物である、少なくとも1種の耐衝撃性改良剤をさらに含む、請求項1に記載の押出被覆基材。
【請求項16】
押出コーティングが、ASTM D1238-13により決定して、190℃/2.16kgで3~10g/10分の溶融流量を示す、請求項1に記載の押出被覆基材。
【請求項17】
押出コーティングが、10~50グラム/平方メートルのコーティング重量で、基材の第1の面上に適用される、請求項1に記載の押出被覆基材。
【請求項18】
板紙基材が、クラフト板紙、固体未漂白板紙、固体漂白硫酸塩(SBS)板紙、又は段ボールを含む、請求項1に記載の押出被覆基材。
【請求項19】
押出被覆基材が、カップ、プレート、ストロー、又は食品容器に形成される、請求項1に記載の押出被覆基材。
【請求項20】
押出コーティングが、TAPPI規格T441に従って測定して、30グラム/1平方メートル未満のCobb吸水値を示す、請求項1に記載の押出被覆基材。
【請求項21】
押出コーティングが、TAPPI規格T559に従って測定して、5を超えるKit Testグリース抵抗値を示す、請求項1に記載の押出被覆基材。
【請求項22】
コーティングが、ASTM D2578-04aに従って測定して、38を超えるDyne値を示す、請求項1に記載の押出被覆基材。
【請求項23】
押出被覆基材が、ASTM D6868により決定して、家庭で堆肥化可能である、請求項1に記載の押出被覆基材。
【請求項24】
押出被覆基材が、ASTM D6691-17により決定して、海洋分解性である、請求項1に記載の押出被覆基材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、堆肥化可能なポリマー組成物に関する。より詳細には、本開示は、堆肥化可能な押出コーティングを有する家庭用堆肥化可能及び/又は海洋分解性の基材に関する。
【背景技術】
【0002】
利便性のために、消費者は、プレート、ボウル、カップ、テイクアウト容器、ストロー、及び他の食事用又は飲用器具などの使い捨て食品サービス品目を頻繁に使用する。使い捨て食品サービス品目は、大規模な人々の集まりで食事を提供するために、及び屋外食事イベントで食事を提供するために特に便利である。
【0003】
使い捨て食品サービス品目は、板紙などの基材から容易に製造される場合があり、これらは堆肥化された際に比較的迅速に分解する。しかしながら、単純な、被覆されていない板紙基材は、一般に、板紙が水及び/又はグリースを急速に吸収し、これは最終的に板紙の強度を損なうので、食品サービス品目として機能するには不十分である。その結果、板紙から製造される食品サービス品目は、典型的には、耐水性及び耐グリース性を改善するように薄いポリマー層で被覆される。
【0004】
ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、又はポリエチレンテレフタレート(PET)などのポリマーから作製されるコーティングは、水及び/又はグリース吸収に対する板紙の耐性を著しく改善する場合があるが、このようなポリマーは堆肥化される際に容易に分解しない。
【0005】
完全に家庭で堆肥化可能な食品サービス品目のための新しいコーティングを提供することは、特にこの堆肥化可能なコーティングが良好な耐水性及び耐グリース性、すなわち、従来の堆肥化不可能なコーティングによって提供される耐水性及び耐グリース性と同等の耐水性及び耐グリース性を提供する場合、望ましいであろう。
【発明の概要】
【0006】
上記及び他の必要性は、本開示による家庭用堆肥化可能押出被覆基材によって満たされる。
【0007】
第1の局面において、本開示は、家庭用堆肥化可能及び/又は海洋分解性の押出被覆基材を提供する。一態様によれば、この押出被覆基材は、少なくとも第1の面を有する板紙基材を含む。押出被覆基材はまた、第1の面の少なくとも一部分上に適用された押出コーティングの層も含む。この押出コーティングは、約30~約99.5重量パーセントの少なくとも1種のポリ(ヒドロキシアルカノエート)と、約5重量パーセント~約69.5重量パーセントの、ポリ(乳酸)、ポリ(カプロラクトン)、ポリ(エチレンセバケート)、ポリ(ブチレンスクシネート)、ポリ(ブチレンスクシネート-コ-アジペート)、ポリ(ブチレンアジペートテレフタレート)及びそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1種の堆肥化可能なポリマーとから構成される。
【0008】
特定の態様によれば、押出コーティングは、好ましくは、約50~約69.5重量パーセントの少なくとも1種のポリ(ヒドロキシアルカノエート)から構成される。
【0009】
さらに、いくつかの態様によれば、少なくとも1種のポリ(ヒドロキシアルカノエート)は、好ましくは、ポリ-3-ヒドロキシブチレート-コ-3-ヒドロキシヘキサノエート(「P(3HB-コ-3HHx)」)を含む。より詳細には、特定の態様において、P
(3HB-コ-3HHx)は、好ましくは、約75~約99モルパーセントのヒドロキシブチレート及び約1~約25モルパーセントのヒドロキシヘキサノエートから構成される。より好ましくは、P(3HB-コ-3HHx)は、好ましくは、約93~約98モルパーセントのヒドロキシブチレート及び約2~約7モルパーセントのヒドロキシヘキサノエートから構成される。
【0010】
他の態様では、押出コーティングは、好ましくは、約25~約50モルパーセントのヒドロキシバレレート、ヒドロキシヘキサノエート、ヒドロキシオクタノエート、及び/又はヒドロキシデカノエートを含む、約1~約25重量パーセントの少なくとも1種のポリヒドロキシアルカノエートから構成される。
【0011】
さらに、場合によっては、少なくとも1種のポリ(ヒドロキシアルカノエート)は、好ましくは、約75~約99.9モルパーセントの3-ヒドロキシブチレートのモノマー残基、約0.1~約25モルパーセントの3-ヒドロキシヘキサノエートのモノマー残基、及び約0.1~約25モルパーセントの5~12個の炭素原子を有する第3の3-ヒドロキシアルカノエートのモノマー残基から構成されるターポリマーである。
【0012】
特定の態様では、少なくとも1種のポリ(ヒドロキシアルカノエート)は、好ましくは、ASTM D5296-05により決定して、約50,000ダルトン~約250万ダルトンの重量平均分子量を有する。より好ましくは、少なくとも1種のポリ(ヒドロキシアルカノエート)は、ASTM D5296-05により決定して、約500,000ダルトン~約750,000ダルトンの重量平均分子量を有する。
【0013】
ポリ(ヒドロキシアルカノエート)に加えて、押出コーティングは、場合によっては追加の堆肥化可能なポリマーを含む場合がある。いくつかの態様では、押出コーティングは、好ましくは、約30.5重量パーセント~約49.5重量パーセントの、ポリ(乳酸)、ポリ(カプロラクトン)、ポリ(エチレンセバケート)、ポリ(ブチレンスクシネート)、ポリ(ブチレンスクシネート-コ-アジペート)、ポリ(ブチレンアジペートテレフタレート)、ポリ(ビニルアセテート)及びそれらのいずれかの混合物からなる群から選択される少なくとも1種の堆肥化可能なポリマーを含む。より好ましくは、堆肥化可能なポリマーは、ポリ(乳酸)から構成される。
【0014】
押出コーティングは、少量の様々な添加剤も含む場合がある。例えば、特定の態様では、押出コーティングが、約0.05重量パーセント~約10重量%の、ビニルアセテートホモポリマー又はコポリマー、過酸化物、エポキシド、イソシアネート、カルボジイミド、及びそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1種のレオロジー調整剤も含むことが好ましい。
【0015】
特定の態様によれば、押出コーティングが、約0.1重量パーセント~約10重量パーセントの、ペンタエリスリトール、窒化ホウ素、ポリ(ヒドロキシブチレート)、イノシトール、粘土、ジペンタエリスリトール、ソルビトール、及びそれらの混合物からなる群からの少なくとも1種の核剤を含むことも好ましい。
【0016】
いくつかの態様では、押出コーティングは、好ましくは、約1重量パーセント~約15重量パーセントの、アラゴナイト、粘土、炭酸カルシウム、セルロース、ナノセルロース、タルク、カオリナイト、モンモリロナイト、ベントナイト、シリカ、キチン、デンプン、珪藻土、二酸化チタン、ナノ粘土、雲母、及びそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1種の充填剤を含む。
【0017】
いくつかの態様では、押出コーティングはまた、約0.1重量パーセント~約50重量
パーセントの、(1)2-(ヒドロキシメチル)-2-エチルプロパン-1,3-ジオール(TMP)、ジエチレングリコール、エチレングリコール、1,6ヘキサンジオール、2,2ジメチル1,3プロパンジオール(NPG)、1,4ブタンジオール、1,3プロパンジオール、1,2プロパンジオール、プロパン-1,2,3-トリオール(グリセリン)、2-メチル1,3プロパンジオール(MPD)、及びシクロヘキサンジメタノールからなる群から選択されるグリコールと、(2)1,6ヘキサン二酸(アジピン酸)、1,12ドデカン二酸(DDDA)、セバシン酸、アゼライン酸、シクロヘキサン二酸(CHDA)、1,2ベンゼンジカルボン酸(無水フタル酸)、1,3ベンゼンジカルボン酸(イソフタル酸)、1,3ベンゼンジカルボン酸(テレフタル酸)及び1,4ブタン二酸(コハク酸)からなる群から選択されるカルボン酸との重縮合反応生成物である少なくとも1種の耐衝撃性改良剤を含む。
【0018】
別の態様では、耐衝撃性改良剤は、(1)イソソルビド;(2)コハク酸又は無水物;及び(3)1,3-プロパンジオール:から誘導される少なくとも3種の異なる種類のモノマー残基から構成されるポリエステルを含む場合がある。
【0019】
特定の態様によれば、押出コーティングは、好ましくは、ASTM D1238-13により決定して、190℃/2.16kgで約3~10g/10分の溶融流量を示す。
【0020】
好ましくは、押出コーティングは、1平方メートル当たり約10~約50グラムのコーティング重量で、基材の第1の面上に適用される。
【0021】
好ましくは、板紙基材は、クラフト板紙、固体未漂白板紙、固体漂白硫酸塩(SBS)板紙、又は段ボールから構成される。
【0022】
さらに、場合によっては、押出被覆基材は、好ましくは、カップ、プレート、ストロー又は食品容器に形成される。押出コーティングの特性は、そのような食品サービス使用によく適していることが見出されている。
【0023】
場合によっては、コーティングは、好ましくは、TAPPI規格T441に従って測定して、30グラム/平方メートル未満のCobb吸水値を示す。さらに、コーティングは、好ましくは、TAPPI規格T559に従って測定して、5を超えるKit Testグリース抵抗値を示す。コーティングはまた、好ましくは、ASTM D2578-04aに従って測定して、38を超えるDyne値を示す。
【0024】
本開示によれば、押出被覆基材が、ASTM D6868により決定して、家庭で堆肥化可能であること、及び/又はASTM D6691-17により決定して、海洋で分解可能であることも好ましい。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本開示は最初に、家庭用堆肥化可能及び/又は海洋分解性の押出被覆基材を提供する。
【0026】
基材は、典型的には、紙又は板紙ウェブである。好ましくは、基材用の紙又は板紙は、クラフト板紙、固体未漂白板紙、固体漂白硫酸塩(SBS)板紙、又は段ボールを含む。紙又は板紙基材の坪量は、典型的には、少なくとも400グラム/平方メートル(gsm)であり、より好ましくは約100gsm~約400gsmである。板紙基材は、典型的には、約1pt~約46ptのキャリパー(約0.03mm~約1.17mm)の厚さを有し、より好ましくは、約5pt~約20ptのキャリパー(約0.17mm~約0.51mm)である。
【0027】
板紙基材は、第1の面及び第2の面を含む。基材の少なくとも第1の面は、押出コーティングで被覆される。いくつかの態様では、基材の第1の面及び第2の面の両方が押出コーティングで被覆される。
【0028】
本開示による基材の第1及び任意的に第2の面に適用される押出コーティングは、好ましくは、ASTM D6868によって定義されるように家庭で堆肥化可能である。好ましくは、押出コーティングはまた、ASTM規格D5988によって定義されるように生分解性である。
【0029】
一般に、押出コーティングは、堆肥化可能な少なくとも1種のポリ(ヒドロキシアルカノエート)、並びにポリ(乳酸)、ポリ(カプロラクトン)、ポリ(エチレンセビケート(sebicate))、ポリ(ブチレンスクシネート)、ポリ(ブチレンスクシネート-コ-アジペート)、ポリ(ブチレンアジペートテレフタレート)及びそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1種の追加の堆肥化可能なポリマーを含む。
【0030】
押出コーティング中の少なくとも1種のポリ(ヒドロキシアルカノエート)の量は、一般に、押出コーティングの約30~約99.5重量パーセントである。より好ましくは、押出コーティングは、好ましくは、約50~約69.5重量パーセントの少なくとも1種のポリ(ヒドロキシアルカノエート)から構成される。
【0031】
広範囲の1種のポリ(ヒドロキシアルカノエート)が押出コーティングに組み込まれる場合がある。場合によっては、少なくとも1種のポリ(ヒドロキシアルカノエート)は、好ましくは、ポリ-3-ヒドロキシブチレート-コ-3-ヒドロキシヘキサノエート(「P(3HB-コ-3HHx)」)を含む。より好ましくは、特定の態様において、P(3HB-コ-3HHx)は、好ましくは、約75~約99モルパーセントのヒドロキシブチレート及び約1~約25モルパーセントのヒドロキシヘキサノエートを含む。さらにより好ましくは、このP(3HB-コ-3HHx)は、約93~約98モルパーセントのヒドロキシブチレート及び約2~約7モルパーセントのヒドロキシヘキサノエートを含む。
【0032】
他の態様では、ポリ(ヒドロキシアルカノエート)は、より大きいモノマー単位を含む場合がある。したがって、いくつかの態様では、押出コーティングは、好ましくは、約25~約50モルパーセントのヒドロキシバレレート、ヒドロキシヘキサノエート、ヒドロキシオクタノエート、及び/又はヒドロキシデカノエートを含む、約1~約25重量パーセントの少なくとも1種のポリヒドロキシアルカノエートを含む。
【0033】
さらに他の態様では、態様、ポリ(ヒドロキシアルカノエート)は、ターポリマーを含む場合がある。例えば、特定の態様では、少なくとも1種のポリ(ヒドロキシアルカノエート)は、好ましくは、約75~約99.9モルパーセントの3-ヒドロキシブチレートのモノマー残基、約0.1~約25モルパーセントの3-ヒドロキシヘキサノエートのモノマー残基、及び約0.1~約25モルパーセントの5~12個の炭素原子を有する第3の3-ヒドロキシアルカノエートのモノマー残基を含むターポリマーである。
【0034】
少なくとも1種のポリ(ヒドロキシアルカノエート)の重量平均分子量は、好ましくは、ASTM D5296-05により決定して、約50,000ダルトン~約250万ダルトンの範囲であろう。より好ましくは、少なくとも1種のポリ(ヒドロキシアルカノエート)は、ASTM D5296-05により決定して、約500,000ダルトン~約750,000ダルトンの重量平均分子量を有する。
【0035】
ポリ(ヒドロキシアルカノエート)に加えて、押出コーティングは、ポリ(乳酸)、ポリ(カプロラクトン)、ポリ(エチレンセビケート(sebicate))、ポリ(ブチ
レンスクシネート)、ポリ(ブチレンスクシネート-コ-アジペート)、ポリ(ブチレンアジペートテレフタレート)及びそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1種の堆肥化可能なポリマーも含む。
【0036】
一般に、押出コーティングは、約5重量パーセント~約69.5重量パーセントのこの追加の堆肥化可能なポリマーを含む。押出コーティングは、場合によっては追加の堆肥化可能なポリマーを含む場合がある。いくつかの態様では、押出コーティングは、より好ましくは、約30.5重量パーセント~約49.5重量パーセントの少なくとも1種の堆肥化可能なポリマーを含む。
【0037】
一般に、追加の堆肥化可能なポリマーは、ポリ(乳酸)、ポリ(カプロラクトン)、ポリ(エチレンセベケート(sebecate))、ポリ(ブチレンスクシネート)、ポリ(ブチレンスクシネート-コ-アジペート)、ポリ(ブチレンアジペートテレフタレート)及びそれらの混合物からなる群から選択される場合がある。しかしながら、特定の態様において、堆肥化可能なポリマーは、より好ましくはポリ(乳酸)を含む。言い換えると、押出コーティングは、ポリ(乳酸)と1種以上のポリ(ヒドロキシアルカノエート)とのブレンドである。
【0038】
一般に、押出コーティングは、少量の様々な添加剤も含む場合がある。場合によっては、例えば、押出コーティングは、約0.05重量パーセント~約10重量%の、ビニルアセテートホモポリマー又はコポリマー、過酸化物、エポキシド、イソシアネート、カルボジイミド、及びそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1種のレオロジー調整剤も含む。
【0039】
特定の態様において、押出コーティングはまた、好ましくは、約0.1重量パーセント~約10重量パーセントの、ペンタエリスリトール、窒化ホウ素、ポリ(ヒドロキシブチレート)、イノシトール、粘土、ジペンタエリスリトール、ソルビトール、及びそれらの混合物からなる群からの少なくとも1種の核剤を含む。
【0040】
さらに、押出コーティングはまた、約1重量パーセント~約15重量パーセントの、アラゴナイト、粘土、炭酸カルシウム、セルロース、ナノセルロース、タルク、カオリナイト、モンモリロナイト、ベントナイト、シリカ、キチン、デンプン、珪藻土、二酸化チタン、ナノ粘土、雲母、及びそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1種の充填剤を含む場合がある。
【0041】
いくつかの態様では、押出コーティングはまた、約0.1重量パーセント~約50重量パーセントの少なくとも1種の耐衝撃性改良剤を含む場合がある。いくつかの態様では、耐衝撃性改良剤は、好ましくは、(1)2-(ヒドロキシメチル)-2-エチルプロパン-1,3-ジオール(TMP)、ジエチレングリコール、エチレングリコール、1,6ヘキサンジオール、2,2ジメチル1,3プロパンジオール(NPG)、1,4ブタンジオール、1,3プロパンジオール、1,2プロパンジオール、プロパン-1,2,3-トリオール(グリセリン)、2-メチル1,3プロパンジオール(MPD)、及びシクロヘキサンジメタノールからなる群から選択されるグリコールと、(2)1,6ヘキサン二酸(アジピン酸)、1,12ドデカン二酸(DDDA)、セバシン酸、アゼライン酸、シクロヘキサン二酸(CHDA)、1,2ベンゼンジカルボン酸(無水フタル酸)、1,3ベンゼンジカルボン酸(イソフタル酸)、1,3ベンゼンジカルボン酸(テレフタル酸)及び1,4ブタン二酸(コハク酸)からなる群から選択されるカルボン酸との重縮合反応生成物である堆肥化可能なポリマーである。
【0042】
押出被覆基材は、最初に押出コーティングポリマー混合物の装入物を提供することによ
って形成される。典型的には、押出コーティングの成分は予め組み合わされ、ペレット化樹脂の形態で提供される。このポリマー樹脂の装入物は、押出機内で、ポリマー樹脂の融点以上の温度に加熱される。ポリマー樹脂が加熱される正確な温度は、ポリマー樹脂の正確な構成(堆肥化可能なポリマーの種類、堆肥化可能なポリマーの分子量、添加剤の量など)に応じて、多少異なる場合がある。一般に、ポリマー樹脂は約125℃~約280℃の温度に加熱され、より好ましくは約135℃~約200℃の温度に加熱される。
【0043】
加熱されると、ポリマー樹脂装入物は、次いで、ダイを通して押し出され、基材の第1の表面上に適用される。場合によっては、実質的に同様のプロセスを用いて、基材の第2の表面上にもコーティングを適用する場合がある。
【0044】
特定の態様によれば、押出コーティングは、好ましくは、ASTM D1238-13により決定して、190℃/2.16kgで約3~10g/10分の溶融流量を示す。
【0045】
好ましくは、押出コーティングは、1平方メートル当たり約10~約50グラムのコーティング重量で、基材の第1の面上に適用される。
【0046】
押出コーティングが適用された後、本開示による完成した基材は、様々な最終製品を形成するために使用される場合がある。押出被覆基材は、食品サービス品目を形成するための変換に特によく適している。例えば、押出被覆基材は、カップ、プレート、又は食品容器に形成される場合がある。他の態様では、押出被覆基材は、カートン、ボトル、ストロー、ボックス、又は容器を形成するように変換される場合がある。
【0047】
再度、本開示による押出被覆基材は、食品用途に使用するのによく適している。特に、被覆基材は、油、グリース及び水に対する良好な耐性を示す。
【0048】
したがって、本開示の押出被覆基材は、好ましくは、TAPPI規格T441に従って測定して、30グラム/1平方メートル未満のCobb吸水値を示す。さらに、押出被覆基材は、好ましくは、TAPPI規格T559に従って測定して、5を超えるKit Testグリース抵抗値を示す。さらに、押出被覆基材はまた、好ましくは、ASTM D2578-04aに従って測定して、38を超えるDyne値を示す。
【0049】
同時に、本開示の押出被覆基材は、従来の石油系ポリマーで被覆された基材とは異なり、家庭で堆肥化可能である。本開示によれば、押出被覆基材は、ASTM D6868により決定して、家庭で堆肥化可能であること、及び/又はASTM D6691-17により決定して、海洋で分解可能であることも好ましい。
【0050】
本開示はまた、以下の態様によってさらに例示される:
【0051】
態様1. 家庭用堆肥化可能及び/又は海洋分解性の押出被覆基材であって:
【0052】
第1の面を有する板紙基材と、
【0053】
第1の面の少なくとも一部分上に適用される押出コーティングの層であって、押出コーティングが
【0054】
30~99.5重量%の少なくとも1種のポリ(ヒドロキシアルカノエート)と、
【0055】
5重量パーセント~69.5重量パーセントの、ポリ(乳酸)、ポリ(カプロラクトン)、ポリ(エチレンセベケート(sebecate))、ポリ(ブチレンスクシネート)
、ポリ(ブチレンスクシネート-コ-アジペート)、ポリ(ブチレンアジペートテレフタレート)及びそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1種の堆肥化可能なポリマーと
を含む、押出コーティングの層と
を含む、押出被覆基材。
【0056】
態様2. 押出コーティングが、50~69.5重量パーセントの少なくとも1種のポリ(ヒドロキシアルカノエート)を含む、態様1の押出被覆基材。
【0057】
態様3. 少なくとも1種のポリ(ヒドロキシアルカノエート)が、ポリ-3-ヒドロキシブチレート-コ-3-ヒドロキシヘキサノエート(「P(3HB-コ-3HHx)」)を含む、態様1又は2の押出被覆基材。
【0058】
態様4. P(3HB-コ-3HHx)が、75~99モルパーセントのヒドロキシブチレート及び1~25モルパーセントのヒドロキシヘキサノエートを含む、態様3の押出被覆基材。
【0059】
態様5. P(3HB-コ-3HHx)が、好ましくは、93~98モルパーセントのヒドロキシブチレート及び2~7モルパーセントのヒドロキシヘキサノエートを含む、態様3の押出被覆基材。
【0060】
態様6. 押出コーティングが、25~50モルパーセントのヒドロキシバレレート、ヒドロキシヘキサノエート、ヒドロキシオクタノエート、及び/又はヒドロキシデカノエートを含む、1~25重量パーセントの少なくとも1種のポリヒドロキシアルカノエートを含む、前述の態様のいずれかの押出被覆基材。
【0061】
態様7. 少なくとも1種のポリ(ヒドロキシアルカノエート)が、75~99.9モルパーセントの3-ヒドロキシブチレートのモノマー残基、0.1~25モルパーセントの3-ヒドロキシヘキサノエートのモノマー残基、及び0.1~25モルパーセントの5~12個の炭素原子を有する第3の3-ヒドロキシアルカノエートのモノマー残基から構成されるターポリマーを含む、前述の態様のいずれかの押出被覆基材。
【0062】
態様8. 少なくとも1種のポリ(ヒドロキシアルカノエート)が、ASTM D5296-05により決定して、50,000ダルトン~250万ダルトンの重量平均分子量を有する、前述の態様のいずれかの押出被覆基材。
【0063】
態様9. 少なくとも1種のポリ(ヒドロキシアルカノエート)が、ASTM D5296-05により決定して、500,000ダルトン~750,000ダルトンの重量平均分子量を有する、前述の態様のいずれかの押出被覆基材。
【0064】
態様10. 押出コーティングが、30.5重量パーセント~49.5重量パーセントの、ポリ(乳酸)、ポリ(カプロラクトン)、ポリ(エチレンセベケート(sebecate))、ポリ(ブチレンスクシネート)、ポリ(ブチレンスクシネート-コ-アジペート)、ポリ(ブチレンアジペートテレフタレート)、ポリ(ビニルアセテート)及びそれらのいずれかの混合物からなる群から選択される少なくとも1種の堆肥化可能なポリマーを含む、前述の態様のいずれかの押出被覆基材。
【0065】
態様11. 少なくとも1種の堆肥化可能なポリマーがポリ(乳酸)を含む、前述の態様のいずれかの押出被覆基材。
【0066】
態様12. 押出コーティングが、0.05重量パーセント~10重量%の、ビニルアセテートホモポリマー又はコポリマー、過酸化物、エポキシド、イソシアネート、カルボジイミド、及びそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1種のレオロジー調整剤をさらに含む、前述の態様のいずれかの押出被覆基材。
【0067】
態様13. 押出コーティングが、0.1重量パーセント~10重量パーセントの、ペンタエリスリトール、窒化ホウ素、ポリ(ヒドロキシブチレート)、イノシトール、粘土、ジペンタエリスリトール、ソルビトール、及びそれらの混合物からなる群からの少なくとも1種の核剤をさらに含む、前述の態様のいずれかの押出被覆基材。
【0068】
態様14. 押出コーティングが、1重量パーセント~15重量パーセントの、アラゴナイト、粘土、炭酸カルシウム、セルロース、ナノセルロース、タルク、カオリナイト、モンモリロナイト、ベントナイト、シリカ、キチン、デンプン、珪藻土、二酸化チタン、ナノ粘土、雲母、及びそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1種の充填剤をさらに含む、前述の態様のいずれかの押出被覆基材。
【0069】
態様15. 押出コーティングが、0.1重量パーセント~50重量パーセントの、(1)2-(ヒドロキシメチル)-2-エチルプロパン-1,3-ジオール(TMP)、ジエチレングリコール、エチレングリコール、1,6ヘキサンジオール、2,2ジメチル1,3プロパンジオール(NPG)、1,4ブタンジオール、1,3プロパンジオール、1,2プロパンジオール、プロパン-1,2,3-トリオール(グリセリン)、2-メチル1,3プロパンジオール(MPD)、及びシクロヘキサンジメタノールからなる群から選択されるグリコールと、(2)1,6ヘキサン二酸(アジピン酸)、1,12ドデカン二酸(DDDA)、セバシン酸、アゼライン酸、シクロヘキサン二酸(CHDA)、1,2ベンゼンジカルボン酸(無水フタル酸)、1,3ベンゼンジカルボン酸(イソフタル酸)、1,3ベンゼンジカルボン酸(テレフタル酸)及び1,4ブタン二酸(コハク酸)からなる群から選択されるカルボン酸との重縮合反応生成物である少なくとも1種の耐衝撃性改良剤をさらに含む、前述の態様のいずれかの押出被覆基材。
【0070】
態様16. 押出コーティングが、ASTM D1238-13により決定して、190℃/2.16kgで3~10g/10分の溶融流量を示す、前述の態様のいずれかの押出被覆基材。
【0071】
態様17. 押出コーティングが、10~50グラム/平方メートルのコーティング重量で基材の第1の面上に適用される、前述の態様のいずれかの押出被覆基材。
【0072】
態様18. 板紙基材が、クラフト板紙、固体未漂白板紙、固体漂白硫酸塩(SBS)板紙、又は段ボールを含む、前述の態様のいずれかの押出被覆基材。
【0073】
態様19. 押出被覆基材が、カップ、プレート、ストロー、又は食品容器に形成される、前述の態様のいずれかの押出被覆基材。
【0074】
態様20. 押出コーティングが、TAPPI規格T441に従って測定して、30グラム/平方メートル未満のCobb吸水値を示す、前述の態様のいずれかの押出被覆基材。
【0075】
態様21. 押出コーティングが、TAPPI規格T559に従って測定して、5を超えるKit Testグリース抵抗値を示す、前述の態様のいずれかの押出被覆基材。
【0076】
態様22. コーティングが、ASTM D2578-04aに従って測定して、38
を超えるDyne値を示す、前述の態様のいずれかの押出被覆基材。
【0077】
態様23. 押出被覆基材が、ASTM D6868により決定して、家庭で堆肥化可能である、前述の態様のいずれかの押出被覆基材。
【0078】
態様24. 押出被覆基材が、ASTM D6691-17により決定して、海洋分解性である、前述の態様のいずれかの押出被覆基材。
【実施例】
【0079】
以下の非限定的な実施例は、本発明の様々な追加の局面を例示する。特に指示がない限り、温度は摂氏度であり、パーセンテージは、配合物の乾燥重量に基づく重量による。
【0080】
実施例1
【0081】
40mmの押出機に、58.9%の6mol% PHA、40%のポリ乳酸、0.1%の2,5-ビス(tert-ブチルペルオキシ)-2,5-ジメチルヘキサン、及び1%の窒化ホウ素の混合物を、フィーダーを通して押出機に装入した。溶融後、ダイを通してこの混合物を押し出し、切断し、冷却して、後の基材の被覆のための複数の樹脂ペレットを形成した。
【0082】
実施例2
【0083】
40mmの押出機に、58.9%の6mol% PHA、40%のポリブチレンスクシネートコアジペート(PBSA)、0.1%の2,5-ビス(tert-ブチルペルオキシ)-2,5-ジメチルヘキサン、及び1%の窒化ホウ素の混合物を、フィーダーを通して押出機に装入した。溶融後、ダイを通してこの混合物を押し出し、切断し、冷却して、後の基材の被覆のための複数の樹脂ペレットを形成した。
【0084】
実施例3
【0085】
40mmの押出機に、58.9%の6mol% PHA、20%のポリブチレンアジペートコテレフタレート(PBAT)、20%のポリ乳酸、0.1%の2,5-ビス(tert-ブチルペルオキシ)-2,5-ジメチルヘキサン、及び1%の窒化ホウ素の混合物を、フィーダーを通して押出機に装入した。溶融後、ダイを通してこの混合物を押し出し、切断し、冷却して、後の基材の被覆のための複数の樹脂ペレットを形成した。
【0086】
実施例4
【0087】
40mmの押出機に、79.9%の2mol% PHA、10%のポリブチレンアジペートコテレフタレート(PBAT)、10%のポリ乳酸、10%のポリカプロラクトン、及び0.1%の2,5-ビス(tert-ブチルペルオキシ)-2,5-ジメチルヘキサンを、フィーダーを通して押出機に装入した。溶融後、ダイを通してこの混合物を押し出し、切断し、冷却して、後の基材の被覆のための複数の樹脂ペレットを形成した。
【0088】
実施例5
【0089】
40mmの押出機に、79.9%の2mol% PHA、20%のポリブチレンアジペートコテレフタレート(PBAT)、及び0.1%の2,5-ビス(tert-ブチルペルオキシ)-2,5-ジメチルヘキサンを、フィーダーを通して押出機に装入した。溶融
後、ダイを通してこの混合物を押し出し、切断し、冷却して、後の基材の被覆のための複数の樹脂ペレットを形成した。
【0090】
実施例6
【0091】
40mmの押出機に、79.9%の2mol% PHA、20%のポリカプロラクトン及び0.1%の2,5-ビス(tert-ブチルペルオキシ)-2,5-ジメチルヘキサンを、フィーダーを通して押出機に装入した。溶融後、ダイを通してこの混合物を押し出し、切断し、冷却して、後の基材の被覆のための複数の樹脂ペレットを形成した。
【0092】
実施例7
【0093】
40mmの押出機に、58.9%の6mol% PHA、40%のポリ乳酸、0.1%の2,5-ビス(tert-ブチルペルオキシ)-2,5-ジメチルヘキサン、及び1%のペンタエリスリトールの混合物を、フィーダーを通して押出機に装入した。溶融後、ダイを通してこの混合物を押し出し、切断し、冷却して、後の基材の被覆のための複数の樹脂ペレットを形成した。
【0094】
実施例8
【0095】
40mmの押出機に、58.9%の2mol% PHA、40%のポリ乳酸、0.1%の2,5-ビス(tert-ブチルペルオキシ)-2,5-ジメチルヘキサン、及び1%のペンタエリスリトールの混合物を、フィーダーを通して押出機に装入した。溶融後、ダイを通してこの混合物を押し出し、切断し、冷却して、後の基材の被覆のための複数の樹脂ペレットを形成した。
【0096】
実施例9
【0097】
40mmの押出機に、59%の6mol% PHA、36%のポリ乳酸、1%の窒化ホウ素及び4%のポリビニルアルコールの混合物を、フィーダーを通して押出機に装入した。溶融後、ダイを通してこの混合物を押し出し、切断し、冷却して、後の基材の被覆のための複数の樹脂ペレットを形成した。
【0098】
実施例10
【0099】
実施例1のポリマーを、15ポンド/連のコーティング厚さでカーテンコーターを用いて軽量紙(light paper)に適用した。その後のコーティングは、火炎又はコロナ処理などの追加の表面調製なしに、100%繊維引き裂きによって検証された適用の容易さ及び良好な接着性を示す。さらに、コーティングは、0.17~0.21のCobb試験値、10+のKit試験値、及び42~44のDyne値を示す。
【0100】
実施例11
【0101】
実施例1のポリマーを、12ポンド/連のコーティング厚さでカーテンコーターを用いて軽量紙に適用した。その後のコーティングは、火炎又はコロナ処理などの追加の表面調製なしに、100%繊維引き裂きによって検証された適用の容易さ及び良好な接着性を示す。
【0102】
実施例12
【0103】
実施例1のポリマーを、9ポンド/連のコーティング厚さでカーテンコーターを用いて軽量紙に適用した。その後のコーティングは、火炎又はコロナ処理などの追加の表面調製なしに、100%繊維引き裂きによって検証された適用の容易さ及び良好な接着性を示す。
【0104】
実施例13
【0105】
実施例1のポリマーを、6ポンド/連のコーティング厚さでカーテンコーターを用いて軽量紙に適用した。その後のコーティングは、火炎又はコロナ処理などの追加の表面調製なしに、100%繊維引き裂きによって検証された適用の容易さ及び良好な接着性を示す。
【0106】
実施例14
【0107】
実施例9のポリマーを、15ポンド/連のコーティング厚さでカーテンコーターを用いて軽量紙に適用した。その後のコーティングは、火炎又はコロナ処理などの追加の表面調製なしに、100%繊維引き裂きによって検証された適用の容易さ及び良好な接着性を示す。
【0108】
実施例15
【0109】
実施例9のポリマーを、12ポンド/連のコーティング厚さでカーテンコーターを用いて軽量紙に適用した。その後のコーティングは、火炎又はコロナ処理などの追加の表面調製なしに、100%繊維引き裂きによって検証された適用の容易さ及び良好な接着性を示す。
【0110】
実施例16
【0111】
実施例9のポリマーを、9ポンド/連のコーティング厚さでカーテンコーターを用いて軽量紙に適用した。その後のコーティングは、火炎又はコロナ処理などの追加の表面調製なしに、100%繊維引き裂きによって検証された適用の容易さ及び良好な接着性を示す。
【0112】
実施例17
【0113】
実施例9のポリマーを、6ポンド/連のコーティング厚さでカーテンコーターを用いて軽量紙に適用した。その後のコーティングは、火炎又はコロナ処理などの追加の表面調製なしに、100%繊維引き裂きによって検証された適用の容易さ及び良好な接着性を示す。
【0114】
本発明についての好ましい態様の前述の説明を、例示及び説明のために提示してきた。それらは、網羅的であること、又は開示された正確な形態に本発明を限定することを意図するものではない。上記の教示に照らして、明らかな修正又は変更が可能である。態様は、本発明の原理及びその実践的な適用の最良の例示を提供し、それにより当業者が本発明を様々な態様で、及び企図される特定の使用に適するように様々な修正を用いて使用できるようにするために選択及び説明されている。そのような修正又は変更の全ては、それらが適正に、合法的に、及び公平に権威を付与される広さに従って解釈される場合、添付の特許請求の範囲によって決定される本発明の範囲内に含まれる。
【国際調査報告】