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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-20
(54)【発明の名称】2液型硬化性組成物
(51)【国際特許分類】
   C09J 4/04 20060101AFI20240513BHJP
   C09J 11/06 20060101ALI20240513BHJP
   C09J 4/02 20060101ALI20240513BHJP
【FI】
C09J4/04
C09J11/06
C09J4/02
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023568222
(86)(22)【出願日】2022-05-05
(85)【翻訳文提出日】2023-12-26
(86)【国際出願番号】 EP2022062155
(87)【国際公開番号】W WO2022234017
(87)【国際公開日】2022-11-10
(31)【優先権主張番号】21305591.6
(32)【優先日】2021-05-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】501305888
【氏名又は名称】ボスティク エス アー
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ガーラ, パッツィ
(72)【発明者】
【氏名】ソレラ センドラ, ホルディ
(72)【発明者】
【氏名】モレノ ルエダ, マリルズ
(72)【発明者】
【氏名】チャプリンスキー, ウラジミール
【テーマコード(参考)】
4J040
【Fターム(参考)】
4J040FA121
4J040FA131
4J040GA01
4J040GA09
4J040HB22
4J040HB36
4J040HD13
4J040HD19
4J040JA01
4J040JA13
4J040JB02
4J040JB04
4J040KA12
4J040KA26
4J040LA06
4J040LA08
4J040MA02
(57)【要約】
本発明は、
・第1の部分(成分A)であって、
第1の部分の総重量に対し少なくとも50重量%の、1つまたは複数のアルキルシアノアクリレートモノマーであって、前記アルキルシアノアクリレートモノマーが1つのシアノアクリレート官能基のみを含む、アルキルシアノアクリレートモノマーと、
下記の式(I):
式中、Rは有機部分であり、nは2以上の整数である、
を有する1つのポリ(2-シアノアクリレート)モノマーと、
を含む、第1の部分と、
・少なくとも2つの(メタ)アクリレート官能基を有する(メタ)アクリレート成分を含む第2の部分(成分B)と、
を含む、2液型硬化性組成物に関する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
2液型硬化性組成物であって、
・第1の部分(成分A)であって、
第1の部分の総重量に対し少なくとも50重量%の、1つまたは複数のアルキルシアノアクリレートモノマーであって、前記アルキルシアノアクリレートモノマーが1つのシアノアクリレート官能基のみを含む、アルキルシアノアクリレートモノマーと、
下記の式(I):
式中、Rは有機部分であり、nは2以上の整数である、
を有する1つのポリ(2-シアノアクリレート)モノマーと、
を含む、第1の部分と、
・少なくとも2つの(メタ)アクリレート官能基を有する(メタ)アクリレート成分を含む第2の部分(成分B)と、
を含む、2液型硬化性組成物。
【請求項2】
アルキルシアノアクリレートモノマーが、一般式(II):
式中、Rは、C-C18直鎖または分岐アルキル基、好ましくはC-C10直鎖または分岐アルキル基、さらにより好ましくはC-C直鎖または分岐アルキル基である、
を有する、請求項1に記載の2液型硬化性組成物。
【請求項3】
アルキルシアノアクリレートモノマーが、メチルシアノアクリレート、エチルシアノアクリレート、n-プロピルシアノアクリレート、イソプロピルシアノアクリレート、n-ブチルシアノアクリレート、sec-ブチルシアノアクリレート、イソブチルシアノアクリレート、tert-ブチルシアノアクリレート、n-ペンチルシアノアクリレート、1-メチルブチルシアノアクリレート、1-エチルプロピルシアノアクリレート、ネオペンチルシアノアクリレート、n-ヘキシルシアノアクリレート、1-メチルペンチルシアノアクリレート、n-ヘプチルシアノアクリレート、n-オクチルシアノアクリレート、2-オクチルシアノアクリレート、2-エチルヘキシルシアノアクリレート、n-ノニルシアノアクリレート、n-デシルシアノアクリレート、n-ウンデシルシアノアクリレートおよびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1または2に記載の2液型硬化性組成物。
【請求項4】
第1の部分におけるアルキルシアノアクリレートモノマーの総含有量が、前記第1の部分の総重量に対し、55重量%以上、好ましくは60重量%以上、より好ましくは70重量%以上、特に75重量%以上である、請求項1から3のいずれか一項に記載の2液型硬化性組成物。
【請求項5】
ポリ(2-シアノアクリレート)モノマーが、下記の式(I-1):
式中、Rは有機部分である、
を有する、請求項1から4のいずれか一項に記載の2液型硬化性組成物。
【請求項6】
式(I)および(I-1)において、Rが、アルキレン、アルケニレン、シクロアルキレン、アリーレン、アルコキシアルキレン、アラルキレン、もしくは例えばポリオレフィン、ポリシロキサン、ポリエステル、ポリエーテル、ポリウレタン、ポリエチレングリコールまたはポリプロピレングリコールなどのポリマーの二価残基であり、Rが好ましくはアルキレンを表す、請求項1から5のいずれか一項に記載の2液型硬化性組成物。
【請求項7】
式(I-1)において、Rが-(CH-を表し、mが2、3、4、5、6、8、9、10または12である、請求項5または6に記載の2液型硬化性組成物。
【請求項8】
第1の部分におけるポリ(2-シアノアクリレート)モノマーの総含有量が、第1の部分の総重量に対し、3重量%超、好ましくは3~20重量%、さらにより好ましくは5~15重量%の範囲である、請求項1から7のいずれか一項に記載の2液型硬化性組成物。
【請求項9】
組成物の第1の部分が、例えばチキソトロピー剤、増粘剤、強化剤、促進剤、接着促進剤、顔料、着色剤、安定剤、抗酸化剤、可塑剤、およびそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つの添加剤をさらに含有する、請求項1から8のいずれか一項に記載の2液型硬化性組成物。
【請求項10】
成分Bが、前記成分Bの総重量に対し、(メタ)アクリレート成分を合計で80重量%超、好ましくは90重量%超、さらにより好ましくは95重量%超含む、請求項1から9のいずれか一項に記載の2液型硬化性組成物。
【請求項11】
少なくとも2つの(メタ)アクリレート官能基を有する(メタ)アクリレート成分が、
二官能性(メタ)アクリレート成分、例えばブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレンオキシドジメタクリレート、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ビスフェノールA-ジアクリレート、ビスフェノールA-ジメタクリレート、エトキシ化ビスフェノールA-ジアクリレート、エトキシ化ビスフェノールA-ジメタクリレート、プロポキシ化ビスフェノールA-ジアクリレート、(メタ)アクリレート官能化オリゴマーおよびポリマー、ならびにそれらの混合物と、
多官能性(メタ)アクリレート成分、例えば、トリス-(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート(TMPTA)、エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPETA)、エトキシ化トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート(PETA)、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート(PETMA)、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリレート官能化オリゴマーおよびポリマー、ならびにそれらの混合物と、
それらの混合物と、
からなる群から選択される、請求項1から10のいずれか一項に記載の2液型硬化性組成物。
【請求項12】
成分Bが、二官能性(メタ)アクリレート成分と多官能性(メタ)アクリレート成分との混合物を含み、成分Bが、好ましくは、
5~40重量%、より好ましくは5~20重量%の二官能性(メタ)アクリレート成分と、
40~95重量%、より好ましくは65~85重量%の多官能性(メタ)アクリレート成分と、
を含む、請求項1から11のいずれか一項に記載の2液型硬化性組成物。
【請求項13】
二官能性および多官能性(メタ)アクリレート成分がエトキシル化されている、請求項1から12のいずれか一項に記載の2液型硬化性組成物。
【請求項14】
成分Bが、シアノアクリレート重合のための求核性開始剤を含み、前記求核性開始剤が、好ましくは、有機塩基、硬質アニオンを有する塩、反応性無機充填剤、有機対アニオンを有する金属塩、およびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項1から13のいずれか一項に記載の2液型硬化性組成物。
【請求項15】
成分Bが、チキソトロピー剤、増粘剤、強化剤、促進剤、過化合物、接着促進剤、顔料、着色剤、安定剤、抗酸化剤、可塑剤、およびそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つの添加剤をさらに含有する、請求項1から14のいずれか一項に記載の2液型硬化性組成物。
【請求項16】
第1の部分と第2の部分との体積比が、1:1から10:1、好ましくは2:1から5:1の範囲、さらにより好ましくは4:1である、請求項1から15のいずれか一項に記載の2液型硬化性組成物。
【請求項17】
請求項1から16のいずれか一項に記載の2液型硬化性組成物であって、
・第1の部分(成分A)であって、
60重量%~99重量%のアルキルシアノアクリレートモノマーであって、前記アルキルシアノアクリレートモノマーが1つのシアノアクリレート官能基のみを含む、アルキルシアノアクリレートモノマーと、
3重量%~20重量%の、請求項5から7のいずれか一項に記載の式(I-1)を有する1つのポリ(2-シアノアクリレート)モノマーと、
2重量%~10重量%の増粘剤と、
2重量%~10重量%のチキソトロピー剤と
を含む、第1の部分と、
・第2の部分(成分B)であって、
5~40重量%、より好ましくは5~20重量%の二官能性(メタ)アクリレート成分と、
40~95重量%、より好ましくは65~85重量%の多官能性(メタ)アクリレート成分と、
(二官能性および多官能性(メタ)アクリレート成分は、好ましくはエトキシル化されている)
0.01~1重量%の求核性開始剤と、
0~5%のチキソトロピー剤と、
含む、第2の部分と、
を含む、2液型硬化性組成物。
【請求項18】
成分Aが、アルコキシアルキルシアノアクリレート、例えば、メトキシエチルシアノアクリレートを含まないことを特徴とする、請求項1から17のいずれか一項に記載の2液型硬化性組成物。
【請求項19】
請求項1から18のいずれか一項に記載の2液型硬化性組成物を含むシリンジまたはカートリッジまたは分注ヘッド。
【請求項20】
基材を接合するための方法であって、
請求項1から18のいずれか一項に記載の2液型硬化性組成物の2つの成分を一緒に混合する工程と、
上記で得られた混合物を基材の少なくとも1つに適用する工程と、
合わさった基材間に接着接合を形成させるのに十分な時間、基材を一緒に合わせる工程と、
を含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シアノアクリレート系の2液型硬化性組成物の分野に関する。
【0002】
本発明はまた、2液型硬化性組成物の使用に関する。
【背景技術】
【0003】
シアノアクリレート(CA)エステル系の接着剤組成物は、例えば瞬間接着剤またはいわゆる「スーパー接着剤」として周知である。それらは、多くの用途分野において普及しており、消費者、専門職人および組立業者によって使用されている。それらは、典型的には無溶媒の100%反応性材料であり、多くの異なる基材上に強力な接着接合を迅速に形成する能力が認められる。
【0004】
この分野には、1Kまたは2K(2液型)のCA接着剤が存在する。2K手法を説明する場合、一般的に、接着剤の別個の成分もしくは部分および/またはその容器を、例えば「部分A」および「部分B」と呼ぶ。したがって、部分Aが1つの区画または貯留部においてCA組成物を含む場合、部分Bは、任意の手段によって2つの部分を混合した結果、接着剤の物性を活性化、反応および/または改変させる(可塑化、着色、強靱化など)ように選択された組成物を含み得る。
【0005】
2液型手法は、典型的には、1液型(1K)接着剤と比べていくつかの利点をもたらすが、依然として改善が必要である。市場には、間隙での硬化性があり、様々な基材における固着時間が短い、種々の2液型CA接着剤が存在する。
【0006】
従来より、シアノアクリレート組成物の硬化物の、特に80℃以上にさらされた際の耐熱性を向上させる努力がなされてきた。温度上昇が進むと、ポリシアノアクリレート系接着剤の劣化が始まり、物性が低下する。その結果、高温条件にさらされる可能性が高いシアノアクリレートの商業的適用は困難であることが証明されており、結果的に限定されている。
【0007】
しかしながら、従来のCA接着剤は、「熱間強度」(または高い「使用温度」)(すなわち、典型的には少なくとも100℃を超える高温にさらされながら、有利には約5MPaを超える高い引張強度を保持する能力)と、耐熱性(例えば100℃を超えるような高温で劣化しない能力)とを同時に持たないため、一般に、高温環境にさらされる可能性が高い場合の商業的用途が限定されることが分かっている。接着剤の「熱間強度」または「使用温度」は、その「耐熱性」と混同されるべきではない。耐熱性とは、高温に長時間(例えば、150℃に3日間)連続的にさらされた後でも、高温時に機械的負荷を受けない限り、劣化しない接着剤の能力を指す。例えば、金属基材が非修飾エチルシアノアクリレート系接着剤によって接合される場合には、100℃を超える温度で接合強度の急速な低下が観察される。接着剤の耐熱性は重要な特徴であるが、高温環境で使用される接合部品の性能を表す唯一の方法ではない。
【0008】
この「熱間強度」の特徴は、電子機器または自動車分野など、接着剤がその寿命の初期段階で負荷をかけられ高温にさらされる多くの用途において重要である。いくつかの用途では、熱間強度をかなりの時間、例えば150℃で3日間を超えて示さなければならない。例として、高温プロセスでの自動車部品製造に使用される接着剤、または自動車エンジンの近くで部品を接合するために使用される接着剤が挙げられ得る。
【0009】
したがって、迅速な固着時間と、硬化して組み立てられた基材の良好な耐熱性および高い熱間強度とを良好に両立させる新しいCA接着剤が必要とされている。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明は、
・第1の部分(成分A)であって、
第1の部分の総重量に対し少なくとも50重量%の、1つまたは複数のアルキルシアノアクリレートモノマーであって、前記アルキルシアノアクリレートモノマーが1つのシアノアクリレート官能基のみを含む、アルキルシアノアクリレートモノマーと、
下記の式(I):
式中、Rは有機部分であり、nは2以上の整数である、
を有する1つのポリ(2-シアノアクリレート)モノマーと、
を含む、第1の部分と、
・少なくとも2つの(メタ)アクリレート官能基を有する(メタ)アクリレート成分を含む第2の部分(成分B)と、
を含む、2液型硬化性組成物に関する。
【0011】
本発明の文脈において、決定された値に言及する「約」という用語は、一般に前記値の+/-5%の特定の変動が許容されることを示すことが理解される。
【0012】
本明細書を通して用いられる「作業寿命」または「作業時間(「WT」)」という用語は、初めにシアノアクリレート組成物に硬化剤を混合してから、次に、そのようにして活性化された組成物を部材に適用するまでの時間、すなわち、活性化された生成物が静的ミキシング要素(接着剤成分を一体化させるために使用され、かつ分注ノズルとして使用される)自体に存在するかまたは留まる時間、すなわち分注動作の間を指す。硬化剤が混合されると硬化プロセスが開始し、接着剤が静的ミキシング要素から分注される間継続する。
【0013】
「オープンタイム」(「OT」)という用語は、既に活性化され、その後分注された接着剤が引き続き作業可能である時間を指し、すなわち、1つの基材上に液滴、玉または塊として塗布された場合に、第2の基材を結束するために用いると効果的な接着接合を形成できない程度に、実質的に未硬化のままである時間を指す。したがって、オープンタイムとは、接着剤が活性化されたままであるが、実質的に未硬化であり、部材を有用に接合する準備をしている時間を表す。長いOTを有する接着剤とは、単一の部材上に比較的長時間存在した後でも、部材が組み立てられる前に早期に固まらないものを指す。
【0014】
本明細書で用いられる「固着時間」(「FT」)という用語は、接合または固着速度の尺度であり、全評価が常温(約25℃)および湿度(50%HR)で行われた場合に、2つの合わさった基材上に最小量の接着剤(「小」滴)を用いた接合組立体について、250mmの接合組立体の一端に3Kgの重りを垂直方向に吊り下げたときに、3Kgの重りを10秒を超えて長く吊り下げる能力を有するためにかかる時間として定義される。
【0015】
本明細書に開示される範囲は、その下限および上限の両方を含む。例えば、「x~yの範囲」または「x~yの間」という表現は、限界xおよびyを含む。
【0016】
成分A-第1の部分
アルキルシアノアクリレートモノマー
成分Aは、成分Aの総重量に対し少なくとも50重量%の、1つまたは複数のアルキルシアノアクリレートモノマーを含み、このアルキルシアノアクリレートモノマーは、1つのシアノアクリレート官能基のみを含む。
【0017】
好ましい実施形態では、アルキルシアノアクリレートモノマーは、一般式(II):
式中、Rは、C-C18直鎖または分岐アルキル基、好ましくはC-C10直鎖または分岐アルキル基、さらにより好ましくはC-C直鎖または分岐アルキル基である、
を有する。
【0018】
アルキルシアノアクリレートモノマーは、メチルシアノアクリレート、エチルシアノアクリレート、n-プロピルシアノアクリレート、イソプロピルシアノアクリレート、n-ブチルシアノアクリレート、sec-ブチルシアノアクリレート、イソブチルシアノアクリレート、tert-ブチルシアノアクリレート、n-ペンチルシアノアクリレート、1-メチルブチルシアノアクリレート、1-エチルプロピルシアノアクリレート、ネオペンチルシアノアクリレート、n-ヘキシルシアノアクリレート、1-メチルペンチルシアノアクリレート、n-ヘプチルシアノアクリレート、n-オクチルシアノアクリレート、2-オクチルシアノアクリレート、2-エチルヘキシルシアノアクリレート、n-ノニルシアノアクリレート、n-デシルシアノアクリレート、n-ウンデシルシアノアクリレート、およびそれらの混合物からなる群から選択されてもよい。
【0019】
好ましくは、アルキルシアノアクリレートモノマーは、メチルシアノアクリレート、エチルシアノアクリレート、およびそれらの混合物からなる群から選択され、より好ましくは、アルキルシアノアクリレートモノマーは、エチルシアノアクリレートである。
【0020】
式(II)のそのようなモノマーは、例えば、米国特許第2,467,927号に記載されている方法のように、当業者に公知の方法によって調製することができる。
【0021】
それらのいくつか、例えば、エチルシアノアクリレート(ECA)およびメチルシアノアクリレート(MCA)が市販されている。
【0022】
本発明の組成物の第1の部分(成分A)において、アルキルシアノアクリレートモノマーの総含有量は、第1の部分の総重量に対し、55重量%以上、好ましくは60重量%以上、より好ましくは70重量%以上、特に75重量%以上であり得る。
【0023】
一実施形態では、本発明の組成物の第1の部分において、アルキルシアノアクリレートモノマーの総含有量は、第1の部分の総重量に対し、60~99重量%、好ましくは65~98重量%、より好ましくは70~95重量%の範囲である。
【0024】
ポリ(2-シアノアクリレート)モノマー
第1の部分(成分A)は、下記の式(I):
式中、Rは有機部分であり、nは2以上の整数である、
を有するポリ(2-シアノアクリレート)モノマーを含む。
【0025】
上記式(I)において、nは2、3または4に等しくてもよく、好ましくはnは2である。
【0026】
好ましい実施形態では、ポリ(2-シアノアクリレート)モノマーは、下記の式(I-1):
式中、Rは有機部分である、
を有する。
【0027】
一実施形態では、式(I)および(I-1)において、Rは、アルキレン、アルケニレン、シクロアルキレン、アリーレン、アルコキシアルキレン、アラルキレン、または例えばポリオレフィン、ポリシロキサン、ポリエステル、ポリエーテル、ポリウレタン、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどのポリマーの二価残基であり得る。好ましくは、Rはアルキレンを表す。
【0028】
本発明によれば、「アルキレン」という用語は、直鎖および分岐アルキレンの両方を包含する。「アルケニレン」および「アルコキシアルキレン」についても同様である。
【0029】
ポリ(2-シアノアクリレート)モノマーは、好ましくは式(I-1)(式中、Rはアルキレンを表し、より好ましくは2~30個の炭素原子、さらにより好ましくは2~12個の炭素原子を含む)の化合物である。
【0030】
ポリ(2-シアノアクリレート)モノマーは、さらにより好ましくは、式(I-1)(式中、Rは-(CH-を表し、mは2、3、4、5、6、8、9、10または12である)の化合物である。これらのモノマーの望ましい例としては、1,10-デカンジオールビスシアノアクリレート、1,8-オクタンジオールビスシアノアクリレート、1,6-ヘキサンジオールビスシアノアクリレートが挙げられる。
【0031】
ポリ(2-シアノアクリレート)モノマーは、国際公開第94/15907号、米国特許出願公開第2003194389号、国際公開第2015/150882号または米国特許第6,096,848号に開示されているように調製してもよい。
【0032】
本発明の組成物の第1の部分において、ポリ(2-シアノアクリレート)モノマーの総含有量は、第1の部分の総重量に対し、3重量%超、好ましくは3~20重量%、さらにより好ましくは5~15重量%の範囲であり得る。
【0033】
添加剤
組成物の第1の部分は、例えばチキソトロピー剤、増粘剤、強化剤、促進剤、接着促進剤、顔料、着色剤、安定剤、抗酸化剤、可塑剤、およびそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つの添加剤をさらに含有してもよい。
【0034】
好適な安定剤は、ラジカル安定剤、酸安定剤、およびそれらの混合物からなる群から選択され得る。
【0035】
ラジカル安定剤は、典型的には、ラジカル重合阻害剤であり、好ましくは、4-メトキシフェノール、ヒドロキノン、ヒドロキノンモノメチルエーテル、ヒドロキシトルエンブチルエーテル、ヒドロキシアニソールブチルエーテル、4,4’-メチレンビス(2,6-ジ-tert-ブチルフェノール)、およびそれらの混合物からなる群から選択される。
【0036】
組成物の第1の部分におけるラジカル安定剤の総含有量は、第1の部分の総重量に対し、0.0001%~0.2重量%、好ましくは0.001%~0.1重量%、より好ましくは0.002%~0.06重量%の範囲であり得る。
【0037】
酸安定剤は、典型的には、アニオン重合の阻害剤である。酸安定剤は、ブレンステッド酸、ルイス酸、およびそれらの混合物からなる群から選択され得る。酸安定剤は、好ましくは、メタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、フッ化水素酸、三フッ化ホウ素、三フッ化ホウ素エーテラート錯体、フルオロホウ酸、二酸化硫黄、およびそれらの混合物からなる群から選択される。
【0038】
好ましい実施形態では、組成物の第1の部分は、メタンスルホン酸、二酸化硫黄、三フッ化ホウ素エーテラート錯体、ヒドロキノンおよびヒドロキノンモノメチルエーテルならびに4,4’-メチレンビス(2,6-ジ-tert-ブチルフェノール)を含む。
【0039】
組成物の第1の部分において、安定剤の総含有量は、一般に、第1の部分の総重量に対し、0.0001%~1重量%、好ましくは0.001~0.8重量%、より好ましくは0.0015~0.7重量%の範囲である。
【0040】
典型的には、接着促進剤は、芳香族カルボン酸または無水物の群から、好ましくはトリメリット酸、無水トリメリット酸、ピロメリット酸、無水ピロメリット酸、3,3’、4,4’-ベンゾフェノンテトラカルボン酸の二無水物、イタコン酸、無水イタコン酸、3-ブテン-1,2,3-トリカルボン酸、およびそれらの混合物からなる群から選択され得る。
【0041】
組成物の第1の部分における接着促進剤の総含有量は、第1の部分の総重量に対し、0.02~0.1重量%、より好ましくは0.03~0.08重量%の範囲であり得る。
【0042】
好適な促進剤(accelerating agent)(または促進剤(accelerator))は、カリックスアレーン、クラウンエーテル(例えば、Alfa Aesarによって市販されている15-Crown-5、18-Crown-6、Dibenzo 18-Crown-6)、シクロデキストリン、およびそれらの混合物から選択され得る。
【0043】
典型的には、組成物の第1の部分における促進剤の総含有量は、第1の部分の総重量に対し、0.01~0.8重量%、好ましくは0.05~0.5重量%、より好ましくは0.1~0.3重量%の範囲であり得る。
【0044】
好適なチキソトロープ剤は、場合によりアミン、ポリアミド、シリカおよびそれらの混合物との反応によって改質された水素化ヒマシ油からなる群から選択され得る。
【0045】
好ましくは、チキソトロープ剤はシリカであり、より好ましくはヒュームドシリカ、疎水性ヒュームドシリカ(例えば、Evonikによって市販されているAerosil(登録商標)R202)、親水性ヒュームドシリカおよび沈降シリカからなる群から選択される。
【0046】
典型的には、組成物の第1の部分におけるチキソトロープ剤の総含有量は、第1の部分の総重量に対し、2~10重量%、好ましくは3~8重量%、より好ましくは4~7重量%の範囲であり得る。
【0047】
組成物の第1の部分に好適な増粘剤(thickener)または増粘剤(thickening agent)は、ホストモノマーと適合可能なものから選択することができる。そのような増粘剤の例としては、ポリ(メタ)アクリレート、アシル化セルロースポリマー、例えば酢酸セルロース、ポリ酢酸ビニル、部分加水分解ポリ酢酸ビニル、ポリビニルピロリドン、ポリオキシレート、ポリカプロラクトン、ポリシアノアクリレート、例えば塩化ビニルとの酢酸ビニルコポリマー、(メタ)アクリレートとブタジエンおよびスチレンとのコポリマー、塩化ビニルとアクリロニトリルとのコポリマー、エチレンと酢酸ビニルとのコポリマー、ポリ[ブチレンテレフタレート-コ-ポリエチレングリコールテレフタレート、乳酸とカプロラクトンとのコポリマー、ならびにそれらの混合物が挙げられる。
【0048】
これらの増粘剤は当業者に公知であり、先行技術に記載されている。好ましくは、本発明の接着剤において、増粘剤は、ポリ(メタ)アクリレート、ポリメチル(メタ)アクリレート、ポリビニルピロリドン、ポリ酢酸ビニル、部分加水分解ポリ酢酸ビニル、酢酸ビニルコポリマー、およびアクリル化セルロースポリマーからなる群から選択される。組成物の第1の部分に好適な増粘剤は、例えば、ポリメチルメタクリレート(例えば、Degacryl(登録商標)M 449、Evonik)、酢酸ビニルとビニルアルコールとのコポリマー(例えば、Levamelt(登録商標)900、Lanxess)、塩化ビニルと酢酸ビニルとのコポリマー(例えば、Vinnol(登録商標)H 40-60、Wacker)、エチレンと酢酸ビニルとマレイン酸のエステルまたは部分エステルとのコポリマー(例えば、DuPontのVamac(登録商標)G)、およびそれらの混合物であり得る。
【0049】
典型的には、組成物の第1の部分における増粘剤の総含有量は、組成物の第1の部分の総重量に対し、2~10重量%、好ましくは3~8重量%、より好ましくは4~7重量%の範囲であり得る。
【0050】
組成物の第1の部分に好適な強化剤(toughener)または強化剤(toughening agents)は、ブロックコポリマー(例えば、ポリメチルメタクリレート-コ-ポリブチルアクリレート-コ-ポリメチルメタクリレート)、エラストマゴム、エラストマポリマー、液状エラストマ、ポリエステル、アクリル系ゴム、ブタジエン/アクリロニトリルゴム、ブナゴム、ポリイソブチレン、ポリイソプレン、天然ゴム、スチレン/ブタジエンゴム(SBR)等の合成ゴム、ポリウレタンポリマー、エチレン-酢酸ビニルポリマー、フッ素ゴム、イソプレン-アクリロニトリルポリマー、クロロスルホン化ポリエチレン、ポリ酢酸ビニルのホモポリマー、ブロックコポリマー、コアシェルゴム粒子(例えば、商品名Clearstrength(登録商標)XT100でArkemaから市販されている)、およびそれらの混合物である。
【0051】
好ましくは、組成物の第1の部分は、過化合物(per-compound)を含まず、より好ましくは過酸化物を含まない。
【0052】
好ましい実施形態では、組成物の第1の部分は、増粘剤およびチキソトロープ剤を含み、好ましくは接着促進剤および少なくとも1つの安定剤をさらに含む。
【0053】
成分A
好ましい実施形態では、成分Aは、アルコキシアルキルシアノアクリレート、例えばメトキシエチルシアノアクリレートを含まない。
【0054】
好ましい実施形態では、組成物の第1の部分は、
60重量%~99重量%のアルキルシアノアクリレートモノマーであって、前記アルキルシアノアクリレートモノマーが1つのシアノアクリレート官能基のみを含む、アルキルシアノアクリレートモノマーと、
3重量%~20重量%の上記定義の式(I-1)を有する1つのポリ(2-シアノアクリレート)モノマーと、
2重量%~10重量%の増粘剤と、
2重量%~10重量%のチキソトロピー剤と
を含む。
【0055】
成分B
成分Bは、少なくとも2つの(メタ)アクリレート官能基を有する(メタ)アクリレート成分を含む。
【0056】
「(メタ)アクリレート」という用語は、それらのビニル基が-H原子でα置換されている場合はアクリレート、またはそれらのビニル基が-CH(メチル)基でα置換されている場合はメタクリレートを指す。
【0057】
(メタ)アクリレート成分は、2つの(メタ)アクリレート官能基(二官能性)を有してもよく、または3つ以上の(メタ)アクリレート官能基(多官能性、例えば三官能性または四官能性)を有してもよい。
【0058】
(メタ)アクリレート成分は、(メタ)アクリレートモノマー、オリゴマー、ポリマー、およびそれらの混合物から選択され得る。
【0059】
成分Bは、前記成分Bの総重量に対し、(メタ)アクリレート成分を合計で80重量%超、好ましくは90重量%超、さらにより好ましくは95重量%超含み得る。
【0060】
少なくとも2つの(メタ)アクリレート官能基を有する(メタ)アクリレート成分は、
二官能性(メタ)アクリレート成分、例えばブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレンオキシドジメタクリレート、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ビスフェノールA-ジアクリレート、ビスフェノールA-ジメタクリレート、エトキシ化ビスフェノールA-ジアクリレート、エトキシ化ビスフェノールA-ジメタクリレート、プロポキシ化ビスフェノールA-ジアクリレート、(メタ)アクリレート官能化オリゴマーおよびポリマー、ならびにそれらの混合物と、
多官能性(メタ)アクリレート成分、例えば、トリス-(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート(TMPTA)、エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPETA)、エトキシ化トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート(PETA)、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート(PETMA)、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリレート官能化オリゴマーおよびポリマー、ならびにそれらの混合物と、
それらの混合物と、
からなる群から選択され得る。
【0061】
(メタ)アクリレート官能化オリゴマーまたはポリマーは、二官能性または多官能性(メタ)アクリレート末端ウレタンポリマーまたはコポリマー、例えば、CN1993CG、CN2608、CN9210の商品名でSARTOMERから市販されている製品であってもよい。
【0062】
(メタ)アクリレート成分の例は、例えば、Sartomer、ArkemaおよびBASFなどの公知の供給業者から容易に入手可能である。
【0063】
多官能性(メタ)アクリレート成分は、(メタ)アクリル酸およびジオールまたはポリオール、例えばブタンジオール、ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、トリメチロールプロパン、ネオペンチルグリコール、ペンタエリスリトール、ビスフェノールA、またはそれらのアルコキシル化誘導体から調製されるエステルであり得る。それらの調製方法は当業者に公知である。
【0064】
好ましい実施形態において、少なくとも2つの(メタ)アクリレート官能基を有する(メタ)アクリレート成分は、
二官能性(メタ)アクリレート成分、例えばブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレンオキシドジメタクリレート、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ビスフェノールA-ジアクリレート、ビスフェノールA-ジメタクリレート、エトキシ化ビスフェノールA-ジアクリレート、エトキシ化ビスフェノールA-ジメタクリレート、プロポキシ化ビスフェノールA-ジアクリレート、ならびにそれらの混合物と、
多官能性(メタ)アクリレート成分、例えば、トリス-(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート(TMPTA)、エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPETA)、エトキシ化トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート(PETA)、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート(PETMA)、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ならびにそれらの混合物と、
それらの混合物と、
からなる群から選択される。
【0065】
二官能性(メタ)アクリレート成分の中でも、エトキシ化ビスフェノールA-ジアクリレート、エトキシ化ビスフェノールA-ジメタクリレート、プロポキシ化ビスフェノールA-ジアクリレート、およびこれらの混合物が好ましい。
【0066】
一実施形態において、(メタ)アクリレート成分は、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレートではない。
【0067】
多官能性(メタ)アクリレート成分の中でも、トリス-(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート(TMPTA)、エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPETA)、エトキシ化トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート(PETA)、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート(PETMA)、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートおよびこれらの混合物が好ましく、エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPETA)およびエトキシ化トリメチロールプロパントリメタクリレートがさらに好ましい。
【0068】
好ましい実施形態において、成分Bは、二官能性(メタ)アクリレート成分と多官能性(メタ)アクリレート成分との混合物を含む。より好ましくは、三官能性(メタ)アクリレート成分の総含有量は、二官能性(メタ)アクリレート成分および多官能性(メタ)アクリレート成分の合計の総重量含有量に対し、50重量%超、より好ましくは70重量%超である。
【0069】
好ましい実施形態において、二官能性および多官能性(メタ)アクリレート成分はエトキシル化される。
【0070】
好ましい実施形態では、成分Bは、
5~40重量%、より好ましくは5~20重量%の二官能性(メタ)アクリレート成分と、
40~95重量%、より好ましくは65~85重量%の多官能性(メタ)アクリレート成分と、
を含む。
【0071】
好ましくは、成分Bは、
エトキシ化ビスフェノールAジメタクリレートと、
エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPETA)と、
を含む。
【0072】
開始剤
組成物の成分Bは、シアノアクリレート重合のための求核性開始剤を含み得る。
【0073】
求核性開始剤は、有機塩基、硬質アニオンを有する塩、反応性無機充填剤、有機対アニオンを有する金属塩、およびそれらの混合物からなる群から選択され得る。開始剤は、好ましくは有機塩基である。
【0074】
好適な有機塩基は、例えば、カフェイン、テオブロミン、5-クロロ-2-メチルベンゾチアゾール、2-(モルホリノチオ)ベンゾチアゾールおよびテトラヒドロキノリンである。
【0075】
好適な硬質アニオンを有する塩は、例えば、塩化コリンおよび塩化ベンザルコニウムである。
【0076】
好適な反応性無機充填剤は、例えば、Promaxon(登録商標)Dとして公知の水和ケイ酸カルシウムである。
【0077】
好適な有機対アニオンを有する金属塩は、例えば、ステアリン酸カルシウム、アクリル酸カルシウム、メタクリル酸カルシウム、アクリル酸マグネシウム、メタクリル酸マグネシウム、アクリル酸亜鉛、メタクリル酸亜鉛である。
【0078】
第2の部分は、組成物の第2の部分の総重量に対し、0.05~1重量%、より好ましくは0.1~0.5重量%の範囲の濃度の開始剤を含み得る。
【0079】
添加剤
組成物の成分Bは、例えばチキソトロピー剤、増粘剤、強化剤、促進剤、過(per)-化合物、接着促進剤、顔料、着色剤、安定剤、抗酸化剤、可塑剤、およびそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つの添加剤をさらに含有してもよい。
【0080】
好適な安定剤は、ラジカル安定剤、酸安定剤、およびそれらの混合物からなる群から選択され得る。
【0081】
ラジカル安定剤は、典型的には、ラジカル重合阻害剤であり、好ましくは、4-メトキシフェノール、ヒドロキノン、ヒドロキノンモノメチルエーテル、ヒドロキシトルエンブチルエーテル、ヒドロキシアニソールブチルエーテル、4,4’-メチレンビス(2,6-ジ-tert-ブチルフェノール)、およびそれらの混合物からなる群から選択される。
【0082】
組成物の成分Bにおけるラジカル安定剤の総含有量は、成分Bの総重量に対し、0~0.5重量%、好ましくは0.001%~0.3重量%、より好ましくは0.01%~0.1重量%の範囲であり得る。
【0083】
酸安定剤は、典型的には、アニオン重合の阻害剤である。酸安定剤は、ブレンステッド酸、ルイス酸、およびそれらの混合物からなる群から選択され得る。酸安定剤は、好ましくは、メタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、フッ化水素酸、三フッ化ホウ素、三フッ化ホウ素エーテラート錯体、フルオロホウ酸、二酸化硫黄、およびそれらの混合物からなる群から選択される。
【0084】
組成物の第2の部分において、安定剤の総含有量は、一般に、第2の部分の総重量に対し、0%~1重量%、好ましくは0.001~0.8重量%、より好ましくは0.0015~0.7重量%の範囲であり得る。
【0085】
典型的には、接着促進剤は、芳香族カルボン酸または無水物の群から、好ましくはトリメリット酸、無水トリメリット酸、ピロメリット酸、無水ピロメリット酸、3,3’、4,4’-ベンゾフェノンテトラカルボン酸の二無水物、イタコン酸、無水イタコン酸、3-ブテン-1,2,3-トリカルボン酸、およびそれらの混合物からなる群から選択され得る。
【0086】
組成物の第2の部分において、接着促進剤の総含有量は、第2の部分の総重量に対し、0~0.1重量%の範囲であり得る。
【0087】
好適な促進剤(accelerating agent)(または促進剤(accelerator))は、カリックスアレーン、クラウンエーテル(例えば、Alfa Aesarによって市販されている15-Crown-5、18-Crown-6、Dibenzo 18-Crown-6)、シクロデキストリン、およびそれらの混合物から選択され得る。
【0088】
典型的には、組成物の第2の部分における促進剤の含有量は、第2の部分の総重量に対し、0~0.8重量%の範囲であり得る。
【0089】
好適なチキソトロープ剤は、場合によりアミン、ポリアミド、シリカおよびそれらの混合物との反応によって改質された水素化ヒマシ油からなる群から選択され得る。
【0090】
好ましくは、チキソトロープ剤はシリカであり、より好ましくはヒュームドシリカ、疎水性ヒュームドシリカ(例えば、Evonikによって市販されているAerosil(登録商標)R202)、親水性ヒュームドシリカおよび沈降シリカからなる群から選択される。
【0091】
典型的には、組成物の第2の部分におけるチキソトロープ剤の含有量は、第2の部分の総重量に対し、2~10重量%、好ましくは3~8重量%、より好ましくは4~7重量%の範囲であり得る。
【0092】
組成物の第2の部分に好適な増粘剤(thickener)または増粘剤(thickening agent)は、それを含有するモノマーと適合可能なものから選択することができる。その中でも、ポリ(メタ)アクリレート、アシル化セルロースポリマー、例えば酢酸セルロース、ポリ酢酸ビニル、部分加水分解ポリ酢酸ビニル、ポリビニルピロリドン、ポリオキシレート、ポリカプロラクトン、ポリシアノアクリレート、例えば塩化ビニルとの酢酸ビニルコポリマー、(メタ)アクリレートとブタジエンおよびスチレンとのコポリマー、塩化ビニルとアクリロニトリルとのコポリマー、エチレンと酢酸ビニルとのコポリマー、ポリ[ブチレンテレフタレート-コ-ポリエチレングリコールテレフタレート、乳酸とカプロラクトンとのコポリマー、ならびにそれらの混合物が言及され得る。
【0093】
これらの増粘剤は当業者に公知であり、先行技術に記載されている。好ましくは、本発明の組成物において、増粘剤は、ポリ(メタ)アクリレート、ポリビニルピロリドン、ポリ酢酸ビニル、部分加水分解ポリ酢酸ビニル、酢酸ビニルコポリマー、およびアシル化セルロースポリマーからなる群から選択される。組成物の第1の部分に好適な増粘剤は、例えば、ポリメチルメタクリレート(例えば、Degacryl(登録商標)M 449、Evonik)、酢酸ビニルとビニルアルコールとのコポリマー(例えば、Levamelt(登録商標)900、Lanxess)、塩化ビニルと酢酸ビニルとのコポリマー(例えば、Vinnol(登録商標)H 40-60、Wacker)、エチレンと酢酸ビニルとマレイン酸のエステルまたは部分エステルとのコポリマー(例えば、DuPontのVamac(登録商標)G)、およびそれらの混合物であり得る。ポリシアノアクリレート自体をシアノアクリレート組成物に添加して、ある程度の増粘性を付与してもよい。さらに、任意の追加のポリマー添加剤の代わりに、粘性官能化樹脂も増粘剤として作用し得る。
【0094】
過化合物は、構造中にO-O基を含有する化合物、例えば、パーエステル、過ホウ酸塩、過硫酸塩、パーアセタールまたは過酸化物である。
【0095】
好適な過化合物は、例えば、過安息香酸tert-ブチル(TBPB)または過酸化tert-ブチル(TBP)である。
【0096】
存在する場合、過化合物の総含有量は、好ましくは、組成物の第2の部分の総重量に対し、0.1~1重量%、好ましくは0.1~0.5重量%の間に含まれる。
【0097】
好ましい実施形態では、成分Bはシアノアクリレート化合物を含まない。
【0098】
組成物
2液型組成物は、容器(2液シリンジなど)または貯留ポットから分注され得る。前者は、一般に手動での適用に便利であり、第1の部分と第2の部分との体積比は、1:1から10:1の範囲、より好ましくは2:1または4:1であり得る。2液型組成物はまた、自動化装置を用いて分注してもよく、混合比は、1:1から10:1の間で連続的に調整可能であってもよい。
【0099】
2液型組成物において、第1の部分と第2の部分との体積比は、1:1から10:1、好ましくは2:1から5:1の範囲、さらにより好ましくは4:1であり得る。
【0100】
好ましい2液型硬化性組成物は、
・第1の部分(成分A)であって、
60重量%~99重量%のアルキルシアノアクリレートモノマーであって、前記アルキルシアノアクリレートモノマーが1つのシアノアクリレート官能基のみを含む、アルキルシアノアクリレートモノマーと、
3重量%~20重量%の上記の式(I-1)を有する1つのポリ(2-シアノアクリレート)モノマーと、
2重量%~10重量%の増粘剤と、
2重量%~10重量%のチキソトロピー剤と、
を含む、第1の部分と、
・第2の部分(成分B)であって、
5~40重量%、より好ましくは5~20重量%の二官能性(メタ)アクリレート成分と、
40~95重量%、より好ましくは65~85重量%の多官能性(メタ)アクリレート成分と、
(二官能性および多官能性(メタ)アクリレート成分は、好ましくはエトキシル化されている)
0.01~1重量%の求核性開始剤と、
0~5%のチキソトロピー剤と、
含む、第2の部分と、
を含む。
【0101】
シリンジまたはカートリッジまたは分注ヘッド
本発明はまた、上記で定義された2液型硬化性組成物を含むシリンジまたはカートリッジまたは分注ヘッドに関する。
【0102】
好ましくは、シリンジ(またはカートリッジ)は、それぞれ異なる容積の2つのチャンバを有するシリンジ(それぞれカートリッジ)であり、一方は上記で定義した組成物の第1の部分用であり、他方は組成物の第2の部分用である。
【0103】
組成物の第1の部分は、好ましくは、容積のより大きなチャンバに配置される。
【0104】
接着剤の調製は、組成物の2つの部分を混合することによって行われ、好ましくは、シリンジまたはカートリッジのプランジャへの手動圧力により、またはガンによって補助されて、チャンバの内容物が静的ミキサーに入れられ、その出口で本発明の接着剤が得られる。接着剤において、2つの成分は有利には緊密に混合される。
【0105】
接着剤の自動分注調製は、好ましくは、分注ヘッドを構成するバルブおよびミキシング要素に組成物の2つの部分を一緒に押し込み混合することによって行われ、特定の量の、所望の組成物の混合物を部材に分注することができる。
【0106】
組成物の使用
本発明はまた、基材を接合するための、上記で定義した2液型硬化性組成物の使用に関する。
【0107】
本発明はまた、基材を接合するための方法であって、
上記で定義した2液型硬化性組成物の2つの成分を一緒に混合する工程と、
上記で得られた混合物を基材の少なくとも1つに適用する工程と、
合わさった基材間に接着接合を形成させるのに十分な時間、基材を一緒に合わせる工程と、
を含む方法に関する。
【0108】
本発明の2液型接着剤組成物は、有利には、以下の特性間の良好な構成を示す。
・好ましくは1分未満の、迅速な固着時間、
・間隙なし、さらには2mmの間隙有りでの高い接合強度、
・高い耐熱老化性、
・熱水中における高い耐浸水性(例えば、60℃の中性水への浸水および3日間の連続曝露後の清浄なABS基材上の接合強度によって測定される)、
・有機溶媒に対する耐性(例えば、室温におけるアセトン中24時間の高い不溶度によって示される)、
・熱間強度(使用温度)、
・優れた貯蔵寿命安定性。
【0109】
より詳細には、本発明による2液型硬化性組成物は、有利には、「熱間強度」および耐熱性を同時に示す。
【実施例
【0110】
以下のすべての原料を使用した。
エチルシアノアクリレート(ECA):Cartell Chemical Co Ltd
メトキシエチルシアノアクリレート(MECA):Cartell Chemical Co.Ltd
SO:Carburos Metalicos SA
Sartomer SR 454:Arkemaから市販されているエトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート
Sartomer SR349:Arkemaから市販されているエトキシ化ビスフェノールAジメタクリレート
Degacryl 449:Evonikから市販されているポリメチルメタクリレート
米国特許第9,670,145号明細書に従って合成された、式(I-1)、式中、R=-(CH-である、のビスシアノアクリレート(1,6-ヘキサンジオールビスシアノアクリレート)
Aerosil(登録商標)R202:Evonikから市販されている疎水性ヒュームドシリカ
【0111】
以下の生成物をSigma Aldrich Merckから入手した。メタンスルホン酸、TBPB(tert-ブチルペルオキシベンゾエート)、ヒドロキノン、4-メトキシフェノール、イタコン酸、2,2’-メチレンビス(6-tert-ブチル-4-メチルフェノール)。
【0112】
以下の材料を実施例において使用した。
グリットブラスト軟鋼(GBMS)ラップシェア(すべての機械的試験用)
軟鋼(MS)ラップシェア(固着時間評価用)
【0113】
以下の方法を使用して、組成物の性能を評価した。
引張剪断強度試験データは、ASTM D1002に従って測定された、接触面積250mmの重なり合うラップシェア(グリットブラスト軟鋼(GBMS)の標準試験片)を組み立てた後にMPaで測定された接合強度を反映する。試験前に組み立てた後、まず接合されたラップシェアを固締し、室温(23℃±2℃)で24時間「静置」した。試験は、クロスヘッド速度1.3mm/分で動作するインストロン引張試験機を用いて行った。
【0114】
硬化体積(cure through volume)(CTV)または間隙の試験は、ゲル状接着剤を塗布した厚さ2mmの小さな馬蹄形スペーサを使用して行った。
【0115】
耐熱水性の試験は、組み立てたGBMSラップシェア試料に実施され、この試料を熱水(60℃)中に3日間完全に浸水させ、次いで室温で24時間静置し、破壊試験を行った。
【0116】
耐熱性の試験は、GBMSラップシェアに実施され、この試料を3日間連続して150℃に曝露し、次いで室温まで冷却し、24時間静置し、次いで破壊試験を行った。
【0117】
熱間強度(「使用温度」)の試験は、100℃または125℃または150℃の特定の個々の温度に加熱されたGBMSラップシェアに実施した。加熱された試料は、破壊試験中の実際の温度を追跡することができるように、基材表面の隣に熱電対も配置された布製の熱被覆材で断熱した。試料は、実際の破壊試験プロセス中に、高温を維持しながら引張荷重を受けた。
【0118】
耐溶媒性および不溶性の試験は、試料をアセトン(20mL)に24時間浸漬した後のバルク硬化ポリマー(0.3g)について測定する。不溶性部分を濾過し、60℃で一定質量まで乾燥させ、元の質量または硬化材料と比較する。
【0119】
固着時間(FT)とは、接着接合(250mm2)が、相対湿度(RH)50%下、室温(23±2℃)で10秒間、3kgの荷重を支持することができるようになる時間である。FTは軟鋼(MS)で測定した。
【0120】
実施例1:2液型接着剤組成物
以下の表1に示す組成に従って、数種類の部分Aおよび2種類の部分Bを調製した。部分Aの配合物のために、最初に、粉末PMMA増粘剤を、65℃以下の温度で安定化単官能性CAモノマーに溶解した。透明な混合物が室温に冷却されると、固体ビスシアノアクリレートを室温で溶解し、続いてヒュームドシリカで混合物の粘度を上げた。成分Aにさらに安定剤を添加した。必要に応じて、成分Aを100重量%に到達させるのに十分な量の接着促進剤を添加した。
【0121】
部分Bの配合物は、特別な予備措置を行わず、加熱なしで調製した。
【0122】
表1の第1の部分および第2の部分を体積比4:1で混合し、分注した。2つの部分を、4:1静的ミキサー付きの4:1シリンジに入れた。第1の部分が体積の最も大きな部分であった。
【0123】
接着剤組成物の性能を以下の表2にまとめる。表2の列は、
・室温(23℃±2℃)で24時間後のGBMS接合ラップシェア(基材間の間隙0および間隙2mmの両方)の引張剪断強度。
・150℃に3日間曝露し、次いで室温(23℃±2℃)で測定されたGBMS接合ラップシェア(基材間の間隙0)の引張剪断強度。
・100℃で試験したときに測定されたGBMS接合ラップシェア(基材間の間隙0)の引張剪断強度(熱間強度)。
・125℃で試験したときに測定されたGBMS接合ラップシェア(基材間の間隙0)の引張剪断強度(熱間強度)。
・150℃で試験したときに測定されたGMBS接合ラップシェア(基材間の間隙0)の引張剪断強度(熱間強度)。
・150℃に3日間曝露した後、125℃で試験したときに測定されたGMBS接合ラップシェア(基材間の間隙0)の引張剪断強度(熱間強度)(第1の工程で、部材を150℃に3日間負荷なしで曝露し、次いで室温に戻し、第2の工程で、部材を125℃で試験した(熱間強度)。
・150℃に3日間曝露した後、150℃で試験したときに測定されたGMBS接合ラップシェア(基材間の間隙0)の引張剪断強度(熱間強度)(第1の工程で、部材を150℃に3日間負荷なしで曝露し、次いで室温に戻し、第2の工程で、部材を150℃で試験した(熱間強度)。
【0124】
本発明による組成物C1は、有利には、
・迅速な固着時間(45秒)、
・間隙設定なしでの高い接合強度(16MPa)、
・間隙2mmでの高い接合強度(9MPa)、
・高い耐熱性(150℃に3日間の後、18MPa)、
・熱間強度値(100℃で8MPa、125℃で6MPa、150℃で2MPa)によって示される、さらには熱に長時間さらされた後にも示される(150℃に3日間の後、125℃で5MPa、150℃で2MPa)、高温時の高い引張剪断強度、
・良好な経時的耐水性を表す、60℃の水中に3日間の後の高い引張剪断強度(13MPa)、
の両方を示す。
【0125】
比較組成物C2、C3およびC4は、本発明による組成物(それぞれ100℃で8MPaおよび125℃で6MPa)と比較して、100℃(C2:4MPa、C3:2.5MPa)および125℃(C2:2MPa、C3:0MPa、C4:0.5MPa)で低い(ゼロでさえある)熱間強度を示す。
【0126】
本発明による組成物C1はまた、比較組成物C2、C3およびC4(15MPa、11MPaおよび4MPa)よりも高い耐熱性(18MPa)を示す。
【0127】
本発明による組成物C1はまた、長期の熱曝露(150℃、3日間)後に125℃(5MPa)および150℃(2MPa)で示す熱間強度が、比較組成物C2、C3およびC4(C3およびC4では125℃で0MPa、C2、C3およびC4では150℃で0MPa)よりも高い。
【国際調査報告】