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▶ ドンメズ デブリヤジュ サナイ ヴェ ティカレト アノニム シルケティの特許一覧

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  • 特表-センサを有するライニングシステム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-21
(54)【発明の名称】センサを有するライニングシステム
(51)【国際特許分類】
   F16D 13/75 20060101AFI20240514BHJP
   F16D 13/46 20060101ALI20240514BHJP
   F16D 25/12 20060101ALI20240514BHJP
【FI】
F16D13/75 A
F16D13/46 A
F16D25/12 D
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022580941
(86)(22)【出願日】2022-07-20
(85)【翻訳文提出日】2023-02-06
(86)【国際出願番号】 TR2022050771
(87)【国際公開番号】W WO2023204778
(87)【国際公開日】2023-10-26
(31)【優先権主張番号】2022/006302
(32)【優先日】2022-04-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522501801
【氏名又は名称】ドンメズ デブリヤジュ サナイ ヴェ ティカレト アノニム シルケティ
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ケイナー エス
(72)【発明者】
【氏名】イブラヒム カン ケイマズ
(72)【発明者】
【氏名】オマー イルディズ
(72)【発明者】
【氏名】オルハン カラブルト
(72)【発明者】
【氏名】ウラスカン カート
【テーマコード(参考)】
3J056
3J057
【Fターム(参考)】
3J056AA37
3J056AA58
3J056AA62
3J056BD24
3J056BD34
3J056GA02
3J057BB03
3J057HH01
3J057JJ01
(57)【要約】
本発明は、自動車産業で広く使用されているクラッチシステム内の摩擦による摩耗状態を計測するシステムに関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
クラッチシステム内の摩擦による摩耗状態の計測を提供するシステムであって、
・前記システムを構成するすべての要素をまとめて保持するリテーナ、
・締結の間にエンジンからギアボックスにトルクを伝達するために必要な力を加えるダイアフラムスプリング、
・前記リテーナと前記ダイアフラムスプリングとの間に配置されることにより、前記ダイアフラムスプリング上に支持点の生成を提供する支点リング、
・前記クラッチシステムに締結及び切断を提供する圧力プレート、
・前記圧力プレート上に位置し、前記システムの動作に必要なエネルギを供給するバッテリ、
・前記バッテリに配置されるとともに、電気エネルギを供給するセルバッテリ、
・クラッチライニングの摩耗を検出する角度エンコーダ、
・受信したすべてのデータを格納し、電子回路の接続を提供するプロセッサ回路、
・前記システムから受信した情報をCAN接続の通信回路に伝達する通信回路、
・前記圧力プレート上の前記バッテリの充電を提供する充電ユニットボード、
・前記クラッチシステムにおいて分離を実行するとともに、前記圧力プレートを前記リテーナに接続するサポートシートバー、
・リベットと、接続が行われる下方部分との間の変形を防止するワッシャ、
・前記圧力プレートを前記サポートシートバーに接続する圧力プレートリベット、
・ベアリングの組み付けを提供するスペーサ部品であるリリースリング、
・前記リリースリングの移動を提供する移動セグメント、
・前記リリースリング及び前記ベアリングを接続するセグメント、
・スラストの製造時から車両への取り付けまで、前記サポートシートバーの損傷を防止するストップリング、
・前記リテーナ、前記サポートシートバー、前記ストップリング及び前記圧力プレートを組み付けるリテーナリベット
を備える、システム。
【請求項2】
前記プロセッサ回路がArduinoボードである、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記通信回路がWi-Fiカードである、請求項1又は2に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車産業で広く使用されているクラッチシステム内の摩擦による摩耗状態の計測を提供するシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
クラッチは、エンジンとギアボックスとの間の接続を切ることでギアを変更する機会を提供するパワートレインの1つである。
【0003】
クラッチは、エンジンが駆動モーメントをギアボックスに伝達し、そしてそれを遮断することを提供するサブシステムである。また、それは小さな負荷で高い慣性負荷を実現することを提供する。最初の発進時に必要な駆動モーメントを与えることができるようにするには、エンジンを特定の回転数にする必要がある。これは、エンジンとギアボックスへの接続が切断されている場合にのみ可能である。乾燥摩擦と流体力学の2つの種類がある。
【0004】
現在のクラッチシステムでは、摩擦に関連する摩耗はその寿命の終わりになってようやく気付かれるが、それは、クラッチが入っている間にユーザが経験する可能性のある滑り、及びその結果として生じる、エンジンの動力を動力伝達系路に伝達できないことによるか、又はCAN(コントローラエリアネットワーク)ラインに接続されたセントラルベアリングを用いることによるためである。寿命判定が遅れると、特に大型商用車両の場合、経営上の遅れが生じる可能性がある。これらの遅れは、深刻な経済的不利益を発生させる。加えて、クラッチディスクが、それが接続される下方部分に生じさせ得る損傷もまた、これらの経済的不利益を増大させ得る。
【0005】
今日、積極的に使用されているクラッチシステムにおいて、寿命をすぐに見られないという事実は、特に大型商用車両のクラスでは、重大な損失につながり、既存のシステムの限られた機能では、これらの損失を排除できない。
【0006】
この主題に関して行われた研究の結果、「ベアリング摩耗検出システム」(第2019/02359号)と題する出願が見つかった。このシステムには、ライニング摩耗検出システムが記載されており、このライニング摩耗検出システムは、自動ギャップアジャスタを有するエアドラムブレーキシステム(大型で重い荷物の輸送に使用されるセミトレーラと呼ばれる車両を減速又は停止させるために使用されている)で使用されるとともに、ライニングの摩耗状況を視覚的及び/又は聴覚的にユーザに通知している。システムは、ギアの自動ギャップアジャスタによって行われた半径方向の動きの検出に基づいて計測を実行している。
【0007】
したがって、上記の問題の存在及び既存の解決策の不十分さにより、関連する技術分野での改善を行う必要が生じた。
【0008】
[発明の目的]
本発明は現在の状況に触発されており、上記の難点を解決することを目的とする。
【0009】
本発明の主な目的は、クラッチシステムの圧力プレートにワイヤレスセンサを追加することで、クラッチの寿命を車両のCANラインに即座に提供するシステムを生成することである。
【0010】
本発明の別の目的は、圧力プレートに配置される角度エンコーダ、バッテリ、通信カード、及びwifi(登録商標)カードによる摩耗をCANラインに即座に伝達して、車両のダッシュボードに表示することを提供するシステムを生成することである。
【0011】
上記の目的を達成するために、本発明は、クラッチシステム内の摩擦による摩耗状態を計測するシステムである。したがって、システムは、
・システムを構成するすべての要素をまとめて保持するリテーナ、
・締結の間にエンジンからギアボックスにトルクを伝達するために必要な力を加えるダイアフラムスプリング、
・前記リテーナとダイアフラムスプリングとの間に配置されるとともに、前記ダイアフラムスプリング上に支持点の生成を提供する支点リング、
・クラッチシステムにおける締結と分離を提供する圧力プレート、
・システムが機能するために必要なエネルギを供給する、前記圧力プレート上のバッテリ、
・前記バッテリに配置されるとともに、電気エネルギを提供するバッテリ、
・クラッチライニングの摩耗を検出する角度エンコーダ、
・受信したすべてのデータの格納及び電子回路の接続を提供するプロセッサ回路、
・システムから受信した情報をCAN接続の通信回路に伝達する通信回路、
・言及した圧力プレートのバッテリに充電を提供する充電ユニットカード、
・クラッチシステムにおいて分離を実行するとともに、前記圧力プレート及びリテーナを接続するサポートシートバー、
・リベットと、接続が行われる下方部分との間の変形を防止するワッシャ、
・前記圧力プレート及びサポートシートバーを接続する圧力プレートリベット、
・ベアリングアセンブリの取り付けを提供する中間部分品であるリリースリング、
・前記リリースリングの移動を提供する移動セグメント、
・リリースリング及びベアリングを接続するセグメント、
・スラストの製造時から車両の設置まで、サポートシートバーの損傷を防止するストップリング、
・前記リテーナ、サポートシートバー、ストップリング、及び圧力プレートをまとめて組み付けるリテーナリベット
を含む。
【0012】
本発明の構造的かつ特有の特徴及びそのすべての利点は、以下に示す図とこれらの図を参照して書かれた詳細な説明のおかげで、より明確に理解されることになり、それ故に、これらの図と詳細な説明を考慮して評価も行われるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の主題であるシステムの図である。
【0014】
図2】断面A-Aの詳細な図である。
【0015】
図3】詳細Xの詳細な図である。
【0016】
[部品の参照符号の説明]
1.リテーナ
2.ダイアフラムスプリング
3.ストップリング
4.支点リング
5.ワッシャ
6.サポートシートバー
7.圧力プレートリベット
8.リテーナリベット
9.圧力プレート
10.リリースリング
11.移動セグメント
12.セグメント
13.充電ユニットボード
14.通信回路
15.プロセッサ回路
16.角度エンコーダ
17.バッテリ
18.セルバッテリ
【発明を実施するための形態】
【0017】
この詳細な説明では、本発明の対象となるシステムの好ましい実施形態が、本主題をより良く理解するだけのために説明される。
【0018】
本発明は、クラッチシステム内の摩擦による摩耗状態を計測するためのシステムである。図1は、本発明の主題であるシステムの図を示す。したがって、システムは、システムを構成するすべての要素をまとめて保持するリテーナ(1)、締結の間にエンジンからトランスミッションにトルクを伝達するために必要な力を加えるダイアフラムスプリング(2)、前記リテーナ(1)とダイアフラムスプリング(2)との間に配置されることにより、ダイアフラムスプリング(2)上に支持点を提供する支点リング(4)、クラッチシステムに締結及び切断を提供する圧力プレート(9)、前記圧力プレート(9)上に位置し、システムの動作に必要なエネルギを提供するバッテリ(17)、前記バッテリ(17)に配置されるとともに、電気エネルギを供給するセルバッテリ(18)、クラッチライニングの摩耗を検出する角度エンコーダ(16)、受信したすべてのデータを格納し、電子回路の接続を可能にするプロセッサ回路(15)、システムから受信した情報をCAN接続の通信回路に伝達する通信回路(14)、前記圧力プレート(9)上に位置するバッテリ(17)の充電を可能にする充電ユニットボード(13)、クラッチシステムにおいて分離を実行するとともに、圧力プレート(9)及びリテーナ(1)を接続するサポートシートバー(6)、リベットと、接続が行われる下方部分との間の変形を防止するワッシャ(5)、前記圧力プレート(9)をサポートシートバー(6)に接続する圧力プレートリベット(7)、ベアリングの組み付けを可能にするスペーサ部分品であるリリースリング(10)、前記リリースリング(10)の移動を可能にする移動セグメント(11)、リリースリング(10)及びベアリングを接続するセグメント(12)、スラストの製造時から車両の設置まで、サポートプレート(6)の損傷を防止するストップリング(3)、前記リテーナ(1)、サポートシートバー(6)、ストップリング(3)及び圧力プレート(9)をまとめて組み付けるリテーナリベット(8)を備える。
【0019】
本発明の主題である、クラッチシステムのプロセッサ回路(15)に接続された構成要素を手段として、乾燥摩擦によるライニング表面の摩耗量がユーザに伝達される。
【0020】
クラッチ圧力は、リテーナ(1)、ダイアフラムスプリング(2)、ストップリング(3)、支点リング(4)、サポートシートバー(6)、圧力プレートリベット(7)、リテーナリベット(8)、圧力プレート(9)、リリースリング(10)、移動セグメント(11)、セグメント(12)及びワッシャ(5)を組み付けることによって形成される。
【0021】
リテーナ(1)は、圧力プレート(9)を取り付けることによって下方部分をまとめて保持する部品である。システムでは、それはフライホイールと共に取り付けられている。ダイアフラムスプリング(2)は、締結の間にエンジンからトランスミッションにトルクを伝達するために必要な力を加えるスプリングシステムである。ストップリング(3)は、製造時から圧力アセンブリの組み付けまで、サポートシートバー(6)の損傷を防止する部品である。支点リング(4)は、リテーナ(1)とダイアフラムスプリング(2)の間に配置されて、ダイアフラムスプリング(2)上に支持点を生成する部品である。ワッシャ(5)は、リベットと、それが接続されている下方部分との間に配置されて、変形を防止する部品である。サポートシートバー(6)は、クラッチシステムにおいて分離を実行するとともに、圧力プレート(9)をリテーナ(1)に接続する部品である。それは、ペダルを踏んだときに、圧力プレート(9)をクラッチディスクから分離させる。圧力プレートリベット(7)は、圧力プレート(9)及びサポートシートバー(6)を接続する部品である。リテーナリベット(8)は、ストップリング(3)、サポートプレート(6)、リテーナ(1)、及び圧力プレート(9)をまとめて保持するリベットである。
【0022】
圧力プレート(9)は締結を提供する部品である。角度エンコーダ(16)をクラッチシステムの圧力プレート(9)に追加することにより、クラッチ寿命が車両のCANラインに即座に送信される。新設計では、角度エンコーダ(16)、充電ユニットボード(13)、好ましくはWi-Fi(登録商標)カードとして特徴付けられる通信回路(14)、及び好ましくはArduinoカードとして特徴付けられるプロセッサ回路(15)がバッテリ圧力プレート(9)に配置される。角度エンコーダ(16)は、接触面であるフライホイールの表面に3.4mmの距離で接触することで、それがその機能を実行できるようにする補助要素である。この距離は、ライニングが摩耗するにつれて減少し、角度エンコーダ(16)は、そのラインを内側に角度をつけて移動し、その程度に従って通信回路(14)にmm値を伝達する。これらのシステムはすべてプロセッサ回路(15)に接続され、バッテリ(17)がプロセッサ回路(15)に供給する。
図1
図2
図3
【国際調査報告】