(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-21
(54)【発明の名称】デスケーリング室の構成要素及びデスケーリング方法
(51)【国際特許分類】
B21B 45/06 20060101AFI20240514BHJP
B24C 1/00 20060101ALI20240514BHJP
B24C 3/14 20060101ALI20240514BHJP
B24C 7/00 20060101ALI20240514BHJP
B24C 11/00 20060101ALI20240514BHJP
B24C 9/00 20060101ALI20240514BHJP
【FI】
B21B45/06 E
B24C1/00 C
B24C3/14
B24C7/00 B
B24C11/00 G
B24C9/00 F
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023547816
(86)(22)【出願日】2022-04-07
(85)【翻訳文提出日】2023-09-13
(86)【国際出願番号】 US2022023871
(87)【国際公開番号】W WO2022240501
(87)【国際公開日】2022-11-17
(32)【優先日】2021-05-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】505309969
【氏名又は名称】ザ マテリアル ワークス,リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】カントレル,ライアン
(72)【発明者】
【氏名】ムエス,アラン
(72)【発明者】
【氏名】ヴォス,ティム
(72)【発明者】
【氏名】ヴォージェス,ケヴィン
(57)【要約】
シートメタルをデスケーリングする方法は、第1及び第2のデスケーリング構成要素を含み、その各々は、筐体の頂部及び底部に取り付けられた、単一のモータ駆動のスラリー推進インペラを有する。第1の構成要素の、頂部及び底部に取り付けられたインペラは、筐体の一方の側部から反対側の側部まで延びた第1の方向で、シートメタルの全幅にわたって、筐体を通過するシートメタルにスラリーを促すよう構成される。第2の構成要素の、頂部及び底部に取り付けられたインペラは、第1の方向とは反対方向で、筐体の反対側の側部から一方の側部まで延びた第2の方向で、シートメタルの全幅にわたって、筐体を通過するシートメタルにスラリーを促すよう構成される。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートメタルをデスケーリングするための方法であって、
スラリーをブラストするデスケーリング室のための、第1の構成要素を提供するステップであって、前記第1の構成要素は、頂部及び底部、第1及び第2の側部、ならびに前側及び後側を有する、内部を伴う筐体を備え、前記前側は、内部への入口開口部を有し、前記後側は、内部への出口開口部を有し、前記前側及び後側は、側部に対して横断し、前記筐体は、前記筐体の前記頂部に取り付けられた、単一のモータ駆動のスラリー推進インペラを有し、前記頂部における前記単一のモータ駆動のスラリー推進インペラは、シートメタルが前記第1の構成要素の前記筐体の内部を通過するとき、前記第1の側部から前記第2の側部に向けて延びた方向で、シートメタルの全幅にわたってシートメタルの頂面に、前記筐体の内部でスラリーを促すよう適応及び構成され、前記筐体は、前記筐体の前記底部に取り付けられた、単一のモータ駆動のスラリー推進インペラを有し、前記底部における前記単一のモータ駆動のスラリー推進インペラは、前記シートメタルが前記第1の構成要素における前記筐体の内部を通過するときに、第1の方向で、シートメタルの全幅にわたってシートメタルの底面において、前記筐体内部の中にスラリーを促すよう適応及び構成される、第1の構成要素を提供するステップと、
スラリーをブラストするデスケーリング室のための、第2の構成要素を提供するステップであって、前記第2の構成要素は、頂部及び底部、第1及び第2の側部、ならびに前側及び後側を有する、内部を伴う筐体を備え、前記前側は、内部への入口開口部を有し、前記後側は内部への出口開口部を有し、前記前側及び前記後側は、前記側部に対して横断し、前記筐体は、前記躯体の前記頂部に取り付けられた、単一のモータ駆動のスラリー推進インペラを有し、前記頂部における前記単一のモータ駆動のスラリー推進インペラは、シートメタルが前記第2の構成要素における前記筐体の内部を通過するとき、前記第2の側部から前記第1の側部に向けて延びた方向で、シートメタルの全幅にわたってシートメタルの頂面に、前記筐体の内部でスラリーを促すよう適応及び構成され、前記第2の構成要素の前記筐体は、前記筐体の前記底部において、単一のモータ駆動のスラリー推進インペラを有し、前記底部における前記単一のモータ駆動のスラリー推進インペラは、シートメタルが前記第2の構成要素における前記筐体の内部を通過するときに、第2の方向で、シートメタルの全幅にわたってシートメタルの底面に、スラリーを促すよう適応及び構成される、第2の構成要素を提供するステップと、
スラリーをブラストするデスケーリング室を形成するために、前記第2の構成要素に隣接した前記第1の構成要素を配置するステップであって、前記第2の構成要素に対して前記第1の構成要素を、それらそれぞれの第1の側部が、スラリーをブラストするデスケーリング室の一方の側に整合されるよう、及びそれらそれぞれの第2の側部が、前記スラリーをブラストするデスケーリング室の反対側に整合されるよう、かつ、前記デスケーリング室で処理されるシートメタルが、前記第1の構成要素における前記前側の前記入口開口部を通過し、前記第1の構成要素の内部を通過し、前記第1の構成要素のリンスステーションを通過し、前記第1の構成要素における前記後側の前記出口開口部を通過し、前記第2の構成要素の前記前側の前記入口開口部を通過し、前記第2の構成要素の内側を通過し、及び前記第2の構成要素の前記後側の前記出口開口部を通過するよう、前記第2の構成要素に対して前記第1の構成要素を配置することを含む、配置するステップと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記第1の構成要素の筐体にリンスステーションを提供するステップであって、前記リンスステーションは、シートメタルが前記第1の構成要素における前記筐体の内部を通過するときに、前記第1の方向で、シートメタルの全幅にわたって、シートメタルの頂面にリンス液を促すよう適応される、提供するステップと、
前記第2の構成要素の筐体にリンスステーションを提供するステップであって、前記リンスステーションは、シートメタルが前記第2の構成要素における前記筐体の内部を通過するときに、前記第2の方向で、シートメタルの全幅にわたって、シートメタルの頂面にリンス液を促すよう適応及び構成される、提供するステップと、
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の構成要素に後部タンクを提供するステップであって、前記後部タンクは前部及び後部を有し、前記後部タンクの前記前部は、前記第1の構成要素の前記前部に対応した、提供ステップと、
前記後部タンクの前部におけるパイプ接続部において、前記第1の構成要素の頂部に取り付けられた、前記単一のモータ駆動のスラリー推進インペラに、スラリーを供給するエダクタを接続するステップと、
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記後部タンクの前部における別のパイプ接続部において、前記第1の構成要素の前記底部に取り付けられた、前記単一のモータ駆動のスラリー推進インペラに、スラリーを供給する別のエダクタを接続するステップをさらに含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記第1の構成要素に前記後部タンクの前部を提供する前記ステップは、台形形状面を伴う前記後部タンクに、前記台形形状面の短い基部に隣接した、前記エダクタのパイプ接続部を提供するステップを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記第2の構成要素に後部タンクを提供するステップであって、前記後部タンクは前部及び後部を有し、前記後部タンクの前記前部は、前記第2の構成要素の前記前部に対応する、提供するステップと、
前記後部タンクの前記前部のパイプ接続部において、前記第2の構成要素の前記頂部に取り付けられた、前記単一のモータ駆動のスラリー推進インペラに、スラリーを供給するエダクタを接続するステップと、
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記後部タンクの前部における別のパイプ接続部において、前記第2の構成要素の前記底部に取り付けられた、前記単一のモータ駆動のスラリー推進インペラに、スラリーを供給する別のエダクタを接続するステップをさらに含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記第2の構成要素に前記後部タンクの前部を提供する前記ステップは、台形形状面を伴う前記後部タンクに、前記台形形状面の短い基部に隣接した、前記エダクタのパイプ接続部を提供することを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
シートメタルを、前記第1の構成要素の前記前側における前記入口開口部を通して、前記第1の構成要素の内部を通して、前記第1の構成要素の前記後側における前記出口開口部を通して、前記第2の構成要素における前記前側の前記入口開口部を通して、前記第2の構成要素の内部を通して、及び前記第2の構成要素における前記後側の前記出口開口部を通して、前記シートメタルを進めることによって、シートメタルを、前記デスケーリング室を通して前進させるステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記第1及び前記第2の構成要素の、前記頂部における前記単一のモータ駆動のスラリー推進インペラを用いて、スラリーをシートメタルの全幅にわたって促して、シートメタルの頂面におけるスケールの全てを実質的に除去するステップと、
前記第1及び前記第2の構成要素の、前記底部における前記単一のモータ駆動のスラリー推進インペラを用いて、スラリーをシートメタルの全幅にわたって促して、シートメタルの底面におけるスケールの全てを実質的に除去するステップと、
をさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
シートメタルをデスケーリングするための方法であって、
スラリーをブラストするデスケーリング室のための第1の構成要素を提供するステップであって、前記第1の構成要素は、頂部及び底部、第1及び第2の側部、ならびに前側及び後側を有する、内部を伴う筐体を備え、前記前側は、内部への入口開口部を有し、前記後側は、内部への出口開口部を有し、前記前側及び前記後側は側部に対して横断し、前記筐体は、前記筐体の前記頂部に取り付けられた、単一のモータ駆動のスラリー推進インペラ、及び前記筐体の前記底部の、単一のスラリー推進インペラホイールを有する、提供するステップと、
スラリーをブラストするデスケーリング室のための第2の構成要素を提供するステップであって、前記第2の構成要素は、頂部及び底部、第1及び第2の側部、ならびに前側及び後側を有する、内部を伴う筐体を備え、前記前側は、内部への入口開口部を有し、前記後側は、内部への出口開口部を有し、前記前側及び前記後側は側部に対して横断し、前記筐体は、前記筐体の前記頂部に取り付けられた、単一のモータ駆動のスラリー推進インペラ、及び前記筐体の前記底部の、単一のモータ駆動のスラリー推進インペラを有する、提供するステップと、
シートメタルが前記第1の構成要素の内部を通過するときに、前記第1の側部から前記第2の側部に向かう第1の方向で、シートメタルの全幅にわたって、シートメタルの頂面及び底面それぞれで前記筐体の内部に各々がスラリーを促すよう、前記第1の構成要素において、前記頂部における前記単一のモータ駆動のスラリー推進インペラ、及び前記底部における前記単一のモータ駆動のスラリー推進インペラを配置するステップと、
シートメタルが前記第2の構成要素の内部を通過するときに、前記第2の側部から前記第1の側部に向かう第2の方向で、シートメタルの全幅にわたって、シートメタルの頂面及び底面それぞれに、前記筐体の中で各々がスラリーを促すよう、前記第2の構成要素において、前記頂部における前記単一のモータ駆動のスラリー推進インペラ、及び前記底部における前記単一のモータ駆動のスラリー推進インペラを配置するステップと、
スラリーをブラストするデスケーリング室を形成するために、前記第2の構成要素に隣接して前記第1の構成要素を配置するステップであって、前記第2の構成要素に対して前記第1の構成要素を、それらそれぞれの第1の側部が、前記スラリーをブラストするデスケーリング室の一方の側に整合されるよう、及びそれらそれぞれの第2の側部が、前記スラリーをブラストするデスケーリング室の反対側に整合されるよう、かつ、前記デスケーリング室で処理されるシートメタルが、前記第1の構成要素における前記前側の前記入口開口部を通過し、前記第1の構成要素の内部を通過し、前記第1の構成要素における前記後側の前記出口開口部を通過し、前記第2の構成要素における前記前側の前記入口開口部を通過し、前記第2の構成要素の内側を通過し、及び前記第2の構成要素における前記後側の前記出口開口部を通過するよう、前記第2の構成要素に対して前記第1の構成要素を配置することを含む、配置するステップと、
を含む、方法。
【請求項12】
前記第1の構成要素に後部タンクを提供するステップであって、前記後部タンクは前部及び後部を有し、前記後部タンクの前記前部は、前記第1の構成要素の前記前部に対応した、提供ステップと、
前記後部タンクの前記前部におけるパイプ接続部において、前記第1の構成要素の前記頂部に取り付けられた前記単一のモータ駆動のスラリー推進インペラに、スラリーを供給するエダクタを接続するステップと、
をさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記後部タンクの前記前部における別のパイプ接続部において、前記第1の構成要素の前記底部に取り付けられた、前記単一のモータ駆動のスラリー推進インペラに、スラリーを供給する別のエダクタ接続するステップをさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記第1の構成要素に前記後部タンクの前部を提供する前記ステップは、台形形状面を伴う前記後部タンクに、前記台形形状面の短い基部に隣接して、前記エダクタのパイプ接続部を提供するステップを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記第2の構成要素に後部タンクを提供するステップであって、前記後部タンクは前部及び後部を有し、前記後部タンクの前記前部は、前記第2の構成要素の前記前部に対応する、提供するステップと、
前記後部タンクの前記前部のパイプ接続部において、前記第2の構成要素の前記頂部に取り付けられた、前記単一のモータ駆動のスラリー推進インペラに、スラリーを供給するエダクタを接続するステップと、
をさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
前記後部タンクの前記前部における別のパイプ接続部において、前記第2の構成要素の前記底部に取り付けられた、前記単一のモータ駆動のインペラに、スラリーを供給する別のエダクタを接続するステップをさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記第2の構成要素に前記後部タンクを提供する前記ステップは、台形形状面を伴う前記後部タンクに、前記台形形状面の短い基部に隣接して、前記エダクタのパイプ接続部を提供するステップを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
シートメタルを、前記第1の構成要素における前記入口開口部を通して、前記第1の構成要素の内部を通して、前記第1の構成要素の前記後側における前記出口開口部を通して、前記第2の構成要素における前記前側の前記入口開口部を通して、前記第2の構成要素の内部を通して、及び前記第2の構成要素における前記後側の前記出口開口部を通して、前記シートメタルを進めることによって、シートメタルを、前記デスケーリング室を通して前進させるステップをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項19】
前記第1及び前記第2の構成要素の、前記頂部における前記単一のモータ駆動のスラリー推進インペラを用いて、スラリーをシートメタルの全幅にわたって促して、シートメタルの頂面におけるスケールの全てを実質的に除去するステップと、
前記第1及び前記第2の構成要素の、前記底部における前記単一のモータ駆動のスラリー推進インペラを用いて、スラリーをシートメタルの全幅にわたって促して、シートメタルの底面におけるスケールの全てを実質的に除去するステップと、
をさらに含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記第1の構成要素の筐体にリンスステーションを提供するステップであって、前記リンスステーションは、シートメタルが前記第1の構成要素における前記筐体の内部を通過するときに、前記第1の方向で、シートメタルの全幅にわたって、シートメタルの頂面にリンス液を促すよう適応される、提供するステップと、
前記第2の構成要素の筐体にリンスステーションを提供するステップであって、前記リンスステーションは、シートメタルが前記第2の構成要素における前記筐体の内部を通過するときに、前記第2の方向で、シートメタルの全幅にわたって、シートメタルの頂面にリンス液を促すよう適応及び構成される、提供するステップと、
をさらに含む、請求項11に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、その全てが本明細書で参照として組み込まれる、2021年5月11日に提出された米国非仮特許出願第17/316,884号明細書の利益を主張する。
【背景技術】
【0002】
本開示は、それらの開示の全てが本明細書に参照として組み込まれた、米国特許第7601226号明細書、米国特許第8062095号明細書、米国特許第8066549号明細書、米国特許第8074331号明細書、及び米国特許第8128460号明細書を含んだ、本出願者が所有する他の特許に記載された、デスケーリング室の設計及びそれらの使用方法を改善する、デスケーリング室の構成要素を目的とする。以下の開示から明白となるように、このデスケーリング室は品質を向上させ、作動コスト及び維持管理コストを低下させ、より簡易な構造かつより低い製造コストのデスケーリング室のための、より標準的なプラットフォームを提供する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第7601226号明細書
【特許文献2】米国特許第8062095号明細書
【特許文献3】米国特許第8066549号明細書
【特許文献4】米国特許第8074331号明細書
【特許文献5】米国特許第8128460号明細書
【図面の簡単な説明】
【0004】
【
図1】例示的なデスケーリング構成要素を使用した処理ラインの、前端部の部分図である。
【
図2】例示的なデスケーリング構成要素を使用した処理ラインの、後端部の部分図である。
【
図3】処理ラインの駆動側から、処理ラインにおける例示的なデスケーリング構成要素を示す、
図2の3-3領域の拡大詳細図である。
【
図4】処理ラインの駆動側の反対からの、
図3を反対側から見た、
図3のデスケーリング構成要素を示す図である。
【
図5】
図3のデスケーリング構成要素の平面図である。
【
図6】リンスステーション及びデスケーリング構成要素の筐体内部を示すために、頂部及び頂部に取り付けられたインペラ、ならびにモータを取り除いた、
図3のデスケーリング構成要素における一方の平面図である。
【
図7】処理ラインの連続したデスケーリング構成要素における最初のものの、前端部を示す図である。
【
図8】処理ラインの連続したデスケーリング構成要素における次のものの、後端部を示す図である。
【
図9】処理ラインの床及び設備の穴部を示す、処理ラインの連続したデスケーリング構成要素における最初のものの斜視図である。
【
図10】デスケーリング構成要素の、ポンプ、研磨用粒子弁、及びエダクタのさらなる詳細を提供するために、床及び設備の穴部を取り除いて示す、処理ラインの連続したデスケーリング構成要素における最初のものの斜視図である。
【
図11】デスケーリング構成要素の、ポンプ、研磨用粒子弁、及びエダクタのさらなる詳細を提供するために、床及び設備の穴部を取り除いた、処理ラインの連続したデスケーリング構成要素における最初のものを示す、
図10の反対側の斜視図である。
【
図12】デスケーリング構成要素の、ポンプ、研磨用粒子弁、及びエダクタのさらなる詳細を提供するために、床及び設備の穴部を取り除いた、処理ラインの連続したデスケーリング構成要素における最初のものの、前端部を示す図である。
【
図13】例えば
図5で示されるような、連続したデスケーリング構成要素における最初のものの、ブラストパターンの概略図である。
【
図14】例えば
図5で示されるような、連続したデスケーリング構成要素における次のものの、ブラストパターンの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0005】
図1及び
図2は、例示的な処理ライン20を示す。
図1は処理ラインの前端部を示し、
図2は、
図2の詳細領域3-3に含まれたデスケーリング構成要素22を伴う、処理ラインの後端部を示す。事前に処理されたシートメタル(例えば熱延鋼板)のコイル24は、ある延長のシートメタル26を、処理ラインの残り部分に供給するために、処理ライン20に隣接して位置付けられる。シートメタルのコイル24は、任意の従来のアンコイラ28によって支持され得る。アンコイラ28は、ある延長のシートメタル26をコイルから、制御された方法で選択的に巻きを解くよう機能する。図では示されないが、代替として、シートメタルは、個々のシートとして処理ラインに供給される場合もある。アンコイラ28からの、シートメタル26の自由端部は、クロップシャー機30に導かれて、ストリップの延長縁部に対して垂直となるよう、表面が剥がされたコイルの自由端を剪断することで、ストリップを、効率的にラインを通板させるのを可能にし得る。次にシートメタル26は、スケールブレーカ32及びローラ矯正装置34に導かれ得る。ピンチローラ36は、スケールブレーカ32を通してシートメタル26を引張り、ローラ矯正装置34を通してストリップを押し込み得る。処理ラインで処理されることになる材料サイズに依存して、このラインには、材料の連続した延長を共に接続するための、スティッチング機38が設けられ得る。例えば、処理ラインが、非常に薄い規格のシートメタルを処理することが意図された場合、連続したコイルからのストリップの自由端部は、スティッチング機を用いて共にスティッチングされ、薄い規格の材料が、処理ラインを通して引っ張られるのを可能にし得る。薄い規格の材料は、処理ラインを通して押し込まれると過度に歪み、テンションリールを使用して処理ラインを通して材料を引っ張ることを必要とし得る。スティッチャは、溶接機を備え得る。スティッチング機は、省略されてもよい。スティッチング機38と共に、このラインにはエッジトリマ40が設けられ、連続したコイルの連続した端部が、手際よく接合されるのを可能にし得る。デスケーリング処理を完結させるために、処理ラインには、以下でさらに詳細に説明するように、2つのデスケーリング構成要素22が設けられ得る。スケール除去媒体は、研磨用粒子及び液体から成るスラリーを含み得る。スケール除去媒体は、研磨用粒子も含み得る。シートメタル26が、デスケーリング構成要素22を通過した後、このシートメタルは、乾燥テーブル42、クロップシャー機44を通過して、巻き取りリール46を通り得る。巻き取りリールは、例えば、その開示が本明細書に参照として組み込まれた、米国特許第8707529号明細書に記載されたようなリコイラを備え得る。
【0006】
言及したように、処理ラインは、一対のデスケーリング構成要素22を含み、それらは連続して整合されて、シートメタル26の頂面及び底面のスケールを除去する。この対のデスケーリング構成要素は、シートメタルの移動方向48の下流に沿って順次配置される。一方のデスケーリング構成要素において、単一のスラリー推進インペラホイール50A、50Bが、処理されているシートメタルの一方の側面(例えば処理ラインのオペレータ側)に隣接して配置され、他方のデスケーリング構成要素において、単一のスラリー推進インペラホイールは、処理されているシートメタルの反対側の側面(例えば処理ラインの駆動側)に隣接して配置されること以外は、デスケーリング構成要素の両方は、同じように構築される。本出願者は、このように配置された2つのデスケーリング構成要素は、以前の特許に記載された、デスケーリング室における8つのスラリーインペラホイールよりも大きい効率を提供することと、ラインスピード、スケール除去、及び処理されたシートメタルの表面組織が、以前の特許に記載された、デスケーリング室における8つのスラリーインペラホイールのものと同等であることと、を確認した。
【0007】
図3及び
図4は、処理ラインから取り外したデスケーリング構成要素22の拡大側面図である。
図3において、ある延長のシートメタルの移動方向48は、左から右である。デスケーリング構成要素は、中空の筐体52を備える。ある延長のシートメタルの一部が、デスケーリング構成要素の筐体を通過しているのが示される。ある延長のシートメタル26が、デスケーリング構成要素の筐体または箱を通過するとき、全体的に水平方向に方向付けられているのが示される。図に示されるシートメタルの水平方向は、デスケーリング室を通してシートメタルを前進させる1つの方法であり、シートメタルがデスケーリング構成要素の装置を通過するとき、シートメタルは垂直、または任意の他の方向に向けられ得ることを理解されたい。したがって、「頂部」及び「底部」、「上方」及び「下方」、ならびに「上部」及び「下部」などの用語は、装置の方向、またはある延長のシートメタルの相対的方向を限定するとは解釈するべきではなく、例示として図に示される要素の方向を指すよう解釈するべきである。
【0008】
筐体の上流側すなわち前端部54(
図7参照)は、狭い入口56の開口スロットを有し、ある延長のシートメタル26の幅及び厚さを受け入れる。筐体の反対側の下流側すなわち後端部58(
図8)は、狭いスロットの出口開口部60を有し、それも、ある延長のシートメタル26の幅及び厚さを受け入れるように寸法が決められる。これらの開口部には、シートメタルを処理する間に、筐体内または箱内にスラリーを含むよう設計された封止デバイスが装備される。デスケーリング構成要素の筐体52は、頂部62,底部64、ならびに第1及び第2の側部66、68も有し、それらは筐体の内側を画定する。筐体の底部64は、筐体の内部に連通した排出シュート70を伴って形成される。排出シュート70は、ある延長のシートメタル26から除去された材料と、筐体52の内部からの使用したスラリーの集積物と、を排出するのを可能にする。説明するように、本出願者の以前の特許に記載されたデスケーリング構成要素と比較して、本明細書のデスケーリング構成要素の相対的サイズは減少される。それに応じて、機械を通してストリップの端部を通板させる補助をするための、先行技術のデスケーリング構成要素で使用された格納支持デバイスは、もはや含まない。したがって、筐体52の内部は、筐体の出口開口部60に隣接して設けられ得る任意選択のリンスステーション(
図6参照)以外は、基本的に開放されたままとなる。
【0009】
各デスケーリング構成要素22には、筐体52の頂部62に取り付けられた、単一のモータ駆動のスラリー推進インペラ50Aが設けられる。処理ラインにおけるデスケーリング構成要素22の位置に依存して、連続したデスケーリング構成要素における最初のものは、筐体の一方の側部66に隣接した筐体52の頂部62に取り付けられた、頂部における単一のモータ駆動インペラ50Aを有し、連続したデスケーリング構成要素における次のものは、筐体の反対側の側部68に隣接した筐体の頂部に取り付けられた、頂部における単一のモータ駆動インペラを有することになる。例えば、連続したデスケーリング構成要素における最初のものは、筐体のオペレータ側で筐体52の頂部62に取り付けられた、頂部における単一のモータ駆動インペラ50Aを有し、連続したデスケーリング構成要素における次のものは、筐体の駆動側で筐体の頂部に取り付けられた、頂部における単一のモータ駆動インペラを有することになる。図には示されないが、逆の方向も可能である。各頂部におけるモータ駆動のスラリー推進インペラ50Aは、筐体52内部の中で、筐体内部を通過するシートメタルの、一方の側部66から反対側の側部68に向けて延びた方向で、シートメタルの全幅74にわたってシートメタル26頂面にスラリー72を促すよう、適応かつ構成される。
【0010】
各デスケーリング構成要素には、筐体52の底部64に取り付けられた、単一のモータ駆動のスラリー推進インペラ50Bも設けられる。処理ラインにおけるデスケーリング構成要素の位置に依存して、連続したデスケーリング構成要素における最初のものは、筐体の一方の側部66に隣接した筐体52の底部64に取り付けられた、底部における単一のモータ駆動インペラ50Bを有し、連続したデスケーリング構成要素における次のものは、筐体の反対側の側部68に隣接した筐体52の底部64に取り付けられた、底部における単一のモータ駆動インペラ50Bを有することになる。例えば、連続したデスケーリング構成要素における最初のものは、筐体のオペレータ側における筐体52の底部64に取り付けられた、底部における単一のモータ駆動インペラ50Bを有し、連続したデスケーリング構成要素における次のものは、筐体の駆動側における筐体の底部に取り付けられた、底部における単一のモータ駆動インペラ50Bを有することになる。図には示されないが、逆の方向も可能である。底部における単一のモータ駆動のスラリー推進インペラ50Bは、筐体52内部の中で、シートメタルの全幅74にわたるシートメタルの底面にスラリー72を促すよう、適応かつ構成される。
【0011】
各デスケーリング構成要素22について、底部における単一のモータ駆動のスラリー推進インペラ50Bは、筐体内部の中で、頂部における単一のモータ駆動のスラリー推進インペラ50Aと同じ方向で、シートメタルの全幅74にわたるシートメタル26の底面にスラリー72を促し得る。例えば
図13に示されるように、連続したデスケーリング構成要素における最初のものは、頂部及び底部の両方における、単一のモータ駆動インペラ50A、50Bが、筐体の一方の側部66から、筐体の反対側の側部68に向けて延びた方向で、筐体内部を通過するシートメタルにスラリーを促すよう、配置され得る。
図14に示されるように、連続したデスケーリング構成要素における次のものは、頂部及び底部の両方における、単一のモータ駆動インペラ50A、50Bが、筐体52の反対側の側部68から、筐体52の一方の側部66に向けて延びた方向で、筐体内部を通過するシートメタルにスラリー72を促すよう、配置され得る。このように、各デスケーリング構成要素22の、頂部における単一のモータ駆動のスラリー推進インペラ50A、及び底部における単一のモータ駆動のスラリー推進インペラ50B、のブラストパターンによって加えられた力は、各デスケーリング構成要素を通過するシートメタル26にわたって平衡が保たれ得る。
【0012】
隣接して配置されたデスケーリング構成要素22の間のように、連続したデスケーリング構成要素における最初のものの、頂部における単一のモータ駆動のスラリー推進インペラ50Aは、筐体の中で、筐体52の第1の側部66から、筐体の第2の側部68に向けて延びた方向で、それぞれの筐体内部を通過するシートメタル26にスラリー72を促すよう、適応かつ構成される。連続したデスケーリング構成要素における次のものの、頂部における単一のモータ駆動のスラリー推進インペラ50Aは、筐体の中で、筐体52の第2の側部62から、筐体の第1の側部66に向けて延びた方向で、それぞれの筐体内部を通過するシートメタルにスラリー72を促すよう、適応かつ構成される。このように、連続したデスケーリング構成要素における最初のものの、頂部における単一のモータ駆動のスラリー推進インペラ50Aからのブラストパターンは、連続したデスケーリング構成要素における次のものの、頂部における単一のモータ駆動のスラリー推進インペラからのブラストパターンを補完して、処理ラインを通過するシートメタルの全幅74にわたって、均一のブラストパターンを累積的に提供する。同じ方法で、連続したデスケーリング構成要素における最初のものの、底部における単一のモータ駆動のスラリー推進インペラ50Bは、筐体の中で、筐体52の第1の側部66から、筐体の第2の側部68に向けて延びた方向で、それぞれの筐体内部を通過するシートメタル26にスラリー72を促すよう、適応かつ構成される。連続したデスケーリング構成要素における次のものの、底部における単一のモータ駆動のスラリー推進インペラ50Bは、筐体の中で、筐体52の第2の側部68から、筐体の第1の側部66に向けて延びた方向で、それぞれの筐体内部を通過するシートメタル26にスラリー72を促すよう、適応かつ構成される。このように、連続したデスケーリング構成要素における最初のものの、底部における単一のモータ駆動のスラリー推進インペラ50Bからのブラストパターンは、連続したデスケーリング構成要素における次のものの、底部における単一のモータ駆動のスラリー推進インペラ50Bからのブラストパターンを補完して、処理ラインを通過するシートメタルの全幅にわたって、均一のブラストパターンを累積的に提供する。
【0013】
各デスケーリング構成要素のインペラホイール50A、50Bは、デスケーリングホイールの各々によって促されるスラリーの接触領域が、ある延長のシートメタルの幅74にわたって全体的に、かつ僅かに越えて延びるように構成される。インペラホイールの排出が、ストリップの縁部を僅かに越えるのを可能にすることで、大部分の均一範囲を保証する。インペラホイールによって促されるスラリーの、シートメタルの幅74の方向に対する移動方向は、インペラホイール径にわたるスラリーの排出位置を伴って変化するため、ホイールから最も離れて衝突するスラリーの位置について、得られたテキスチャに対していくらかの方向性が存在し得る。これは、連続したデスケーリング構成要素における次のものの、対応した(すなわち頂部または底部の)インペラホイールによって補完され得る。連続したデスケーリング構成要素における次のものの、対応したインペラホイールは、連続したデスケーリング構成要素における最初のものの、対応したインペラホイールの反対方向にも回転し得る。処理されるシートメタルにおけるスラリーの衝突密度は、インペラホイールの近くに位置された領域ほど大きくなり、シートメタルを徐々に横断すると、密度は減少することになる。さらに、連続したデスケーリング構成要素における最初のもののインペラホイールを、シートメタルの一方の側部に位置合わせして、連続したデスケーリング構成要素における次のものの、対応した(すなわち頂部または底部の)インペラホイールを、シートメタルの反対側の側部に位置合わせして、適用できる場合には、これらのインペラホイールを反対方向に回転させることで、シートメタルの幅にわたって、横並びで鏡像のスラリー衝突密度パターンを生成し、それによって材料の幅にわたって均一のブラストパターンをもたらす。
【0014】
追加として、頂部及び底部の一方または両方における、単一のモータ駆動インペラは、デスケーリング構成要素を通過するシートメタルの表面に向かうよう、及び表面から離れるよう、調整可能に位置付けられ得る。これは、異なる幅のシートメタルに使用するための、二次的な調整を提供する。インペラを、シートメタルの表面から遠ざけることによって、シートメタルの表面における衝突領域の幅は、増加され得る。インペラを、シートメタルの表面に向かって動かすことによって、シートメタルの表面における衝突領域の幅は、減少され得る。インペラの、この調整可能な位置付けは、デスケーリング構成要素が、異なる幅のシートメタルからスケールを除去するのを可能にする。シートメタルの表面にスラリーが衝突する領域の幅を調整するための、追加の方法は、入口ノズルの角度位置を、インペラケーシング/シュラウドに対して動かすことである。第3の選択肢は、インペラを、シートメタルの移動方向に対して、回転軸に直角な軸の周りに回転させ、それによって、たとえ同じ延長にとどまったとしても、各ホイールからのスラリー衝突の長円形領域は、正方形にはならず、またはシートメタルの移動方向に対して横断方向とはならない。ストリップから離れる動き、及びストリプへ向かう動きも、フローの衝突エネルギーを変化させ、その結果、錆抑制材料を生成するための、スケール除去及び表面調整の有効性を変化させることになる。
【0015】
追加として、デスケーリングホイールの軸の角度方向も、スラリーの衝突を、シートメタルの表面に対して、ある角度に導く。シートメタルの表面との、スラリーの衝突角度は、錆抑制材料を生成するために、スケール除去及び表面調整の有効性を最適にするよう選択される。15°の角度が、満足いくものであることが判明している。
【0016】
各モータ駆動のスラリー推進インペラ50A、50Bは、1列に並んだケーシング、シュラウド、またはカウリングに設定され、それらは、例えば適用できる場合には、筐体の頂部壁62または底部壁64など、デスケーリング構成要素の筐体の構造物に取り付けられる。シュラウドは中空内部を有し、それは筐体の構造物の開口部を通して、筐体の内部と連通する。電気モータが、頂部における単一のモータ駆動のスラリー推進インペラ50Aと、底部における単一のモータ駆動のスラリー推進インペラ50Bと、の各々に設けられる。それぞれの電気モータは、シュラウド及び/または筐体52のそれぞれの頂部62、ならびに底部64に取り付けられる。電気モータはアウトプットシャフトを有し、それは関連したシュラウドの壁を貫通して、このシュラウドの内部に延びる。それぞれのインペラホイール50A、50Bは、シャフトに取り付けられる。楕円形に形状付けられたノズルは、インペラの噴射側に隣接して位置付けられ、本出願者による以前の特許の記載から公知であるように、インペラの中へのスラリーの噴射速度を制御し得る。スラリー混合物72の供給は、インペラの中央部分において、シュラウドの各々の内部と連通し、インペラホイールの側部で、インペラの楕円形ノズルの中に噴射され得る。
【0017】
好ましくは、頂部及び底部インペラは、従来の研磨用粒子のブラスト作業に使用するホイール速度よりも低いホイール速度で動作する。好ましくは、頂面及び/または底部インペラは、200フィート/秒未満のスラリー排出速度を生成するよう回転する。より好ましくは、スラリー排出速度は、約100フィート/秒~200フィート/秒に設定される。さらにより好ましくは、スラリー排出速度は、約130フィート/秒~150フィート/秒に設定される。
【0018】
十分なスラリーのフローをデスケーリング構成要素へ生成して、実質的に全てのスケールをシートメタルの表面から除去するために、ブラストホイールごとに、少なくとも1300ポンド/分の研磨用粒子フローを生成することが必要である。好ましい範囲は、ブラストホイールごとに、約1300ポンド/分から約5000ポンド/分の研磨用粒子フローである。少なくとも1700ポンド/分の研磨用粒子の流量が、効率的であることが判明している。この流量を生成するために、各デスケーリング構成要素は、1つの一次エダクタ供給ポンプ90(
図10~
図12)を含み、それは1500ガロン/分の流量を生成し、10インチ径の入口パイプを流れ抜ける。エダクタ供給ポンプ90は、200hp、1750rpm、及び1500gpmで150psiの等級を有し得る。エダクタ供給ポンプ90は、1500/ガロンの流量を、2つのアウトプット部を伴うマニホルド92まで導く。2つのアウトプット部の一方は、単一で頂部に取り付けられたインペラ50Aの入口まで導かれ、他方は、単一で底部に取り付けられたインペラ50Bの入口まで導かれる。マニホルド92は、10インチ径のパイプを備え、より狭い2本の3インチ径のパイプ出口を伴って、2.5インチ径のパイプから成るエダクタ供給入口を収容し得る。130°F未満の供給液体温度のための、125psiにおける425ガロン/分のフローに定格化されたエダクタが、効果的であることが判明している。エダクタの詰まりを防止するために、液体供給は、好ましくは清潔で、比較的低温(例えば130°F未満)、かつ固体粒子を含まない。
【0019】
エダクタ94を通過した後、供給材料(通常は水)は研磨用粒子と混合されてスラリーを形成し、それは前述のように、それぞれのインペラホイール50A、50Bのインペラまで導かれる。デスケーリング構成要素においてシートメタルに衝突した後、スラリーは集積され、シュート72を下って後部タンク96まで導かれる。後部タンク96は、排出されたスラリーを沈殿させて洗浄する第1のステージを提供し、使用可能な研磨用粒子を再利用のために集積するのを可能にする。必要に応じて、スケール及び他の粒子は、第2及び第3の沈殿及び洗浄ステージに導かれるが、それらは図示しない。後部タンクからの使用可能な研磨用粒子は、エダクタ吸引ラインを通して、それぞれのエダクタまで引寄せられる。エダクタの作用によって、研磨用粒子はエダクタで液体供給材料と組み合わされて、必要に応じて、デスケーリング構成要素のインペラホイールの中に噴射されるスラリーを形成する。後部タンクから延びたエダクタ吸引ラインの各々は、4インチ径のパイプを備える。パイプ接続部は、後部タンクの前面に設けられる。頂部に取り付けられたインペラに1つのみのエダクタ、及び底部に取り付けられたインペラに1つのみのエダクタが存在するので、これらのエダクタは、後部タンクの前面に配置され得る。それによって、後部タンクの底部に4つの接続部を伴う先行技術の設計と比較して、接続を簡略化し、かつ説明するような他の利点を提供する。1つの態様において、後部タンクは、台形の前面を伴う台形の断面を有し得る。頂部に取り付けられたインペラ50Aに供給するためのエダクタ94、及び底部に取り付けられたインペラ50Bに供給するためのエダクタは、後部タンクの台形形状の前面における短い基部100(底部)に隣接した後部タンク96の前面98に設けられる。説明するように、タンクの前面にエダクタを位置付けることによって、インペラの入口までの、より短くより直接的な配管の経路を可能にする。17.5インチのブラストホイール径(すなわちブレード先端からブレード先端までの径)を提供することが、効果的であることも確認されている。
【0020】
図示しないが、後部タンク96からの流出物の一部は、強烈な濾過システムと後部タンクとの間で再循環され得る。後部タンク96からの流出物の別の一部は、沈殿タンク及び濾過ユニットを備えた、第2のステージの沈殿及び洗浄装備まで導かれ得る。第2の沈殿タンクは、磁気スキマー及び分離器のシステムを有し、金属酸化物及び他の微粒子を、プロセスから除去し得る。第2のステージの沈殿タンクからの流出物は、第2のステージの濾過システムまで導かれ得る。第2のステージの濾過システムからの流出物は、次に冷却塔まで導かれ、そこで流出物は冷却され得る。冷却及び洗浄された液体は、デスケーリング構成要素におけるさらなる処理のために、次にエダクタ供給ポンプの吸引側まで導かれ得る。スラリーの送達及び再循環システムは、必要に応じて沈殿及び洗浄の複数のステージを備え、スラリーとして十分清潔な、原動力となる供給液体を生成し得る。
【0021】
研磨用粒子のタイプ及び量は、スラリー72混合物の排出速度と共に、好ましくはデスケーリング構成要素が、市場に受け入れられる表面処理(すなわち粗度)を伴う、錆抑制処理されたシートメタルを生成するのを可能にするよう制御される。スラリー72の混合物の排出速度と共に、研磨用粒子のタイプ及び量を制御することで、スケールまたは研磨用粒子が、処理されるシートメタルの柔らかい鋼表面に埋め込まれる可能性を軽減する。スラリー及び角張った研磨用粒子を促すための、比較的低いホイール速度は、処理するシートメタルのストリップからスケール酸化層を除去すること、及び処理するシートメタルの錆抑制特性を生成すること、について効果的であることが確認されている。200フィート/秒未満の速度でスラリー72を促すことによって、角張った研磨用粒子は、大幅には砕けることはなく、処理されるスチールシートとの繰り返される衝突を受けることで、徐々に丸みを帯びた構成となる。デスケーリング処理において生じる、この研磨用粒子の丸みは、研磨用粒子のいくらかを小さいサイズにすることになる。複数の研磨用粒子サイズの混合は、処理するシートメタルの、より均一な表面範囲を保証する助けとなる。
【0022】
前述を念頭に置くと、水及びSAE G80~SAE G40の範囲のサイズを有するスチール研磨用粒子からスラリー混合物を形成することが、効果的であることが判明している。水及びSAE G50のサイズを有するスチール研磨用粒子からスラリー混合物を形成することも、効果的であることが判明している。スラリー混合物の有効性を保証するために、研磨用粒子対水の比率は、好ましくは監視及び制御される。水の各ガロンに対する研磨用粒子について、研磨用粒子と水との比率が約2ポンド対約15ポンドであることが、効果的であることが判明している。水の各ガロンに対する研磨用粒子について、研磨用粒子と水との比率が約4ポンド対約10ポンドであることも、効果的であることが判明している。研磨用粒子対水の比率は、デスケーリング構成要素22のスラリー再循環システムにおいて制御され、研磨用粒子及び液体の濃度を測定するために、エダクタ94、弁、及びポンプ90を使用し得る。
【0023】
各デスケーリング構成要素22には、1つまたは複数のリンスステーションが設けられ得る。入口のリンスステーション104は、筐体の前端部54に隣接した、入口開口部56に隣接した筐体52の内部に設けられ得る。入口のリンスステーション104は、筐体の一方の側部から筐体の反対側の側部まで延びた、1本または複数本のバーを備え得る。入口のリンスステーション104におけるバーには、リンス液を、シートメタルの表面に対して垂直方向に、シートメタル26の表面に導くよう配置された噴射部が設けられ得る。頂部における入口のリンスステーションのみが示されるが、デスケーリング構成要素には、類似の構成の、底部における入口のリンスステーションが設けられ得る。シートメタルの動き48の方向に、デスケーリング構成要素の頂部のインペラ50Aにおけるスラリー衝突ゾーンの後で、ブラインドリンスステーション106も、筐体52の内部に設けられ得る。ブラインドリンスステーション106は、筐体の一方の側部から筐体の反対側の側部まで延びた、1本または複数本のバーを備え得る。ブラインドリンスステーション106におけるバーには、リンス液を、シートメタル26の表面に、シートメタルの全幅にわたって、シートメタルの表面に対して鋭角に導くよう配置された、噴射部が設けられ得る。デスケーリング構成要素の頂部のインペラ50Aから駆動側へ(すなわちオペレータ側(例えば第1の側部)から駆動側(例えば第2の側部)に、またはその逆に)促されるスラリーの方向に依存して、ブラインドリンスステーション106のバーの噴射部は、スラリーブラストからの動力、及びリンス噴射からの衝突が、スラリー及び研磨用粒子を、筐体内におけるシートメタルの頂面から除去するのを容易にするよう、同じ方向でリンス液を促すように配置され得る。説明するように、リンス液をシートメタルにおける頂面に促すために、ブラインドリンスステーションを設けることは、一般的に必要ない。出口のリンスステーション108は、筐体の後端部58に隣接した、出口開口部60に隣接した筐体52の内部に設けられ得る。出口のリンスステーション108は、筐体の一方の側部から筐体の反対側の側部まで延びた、1本または複数本のバーを備え得る。出口のリンスステーション108におけるバーには、リンス液を、シートメタルの表面に対して垂直方向に、シートメタル26の表面に導くよう配置された噴射部が設けられ得る。頂部における出口のリンスステーションのみが示されるが、デスケーリング構成要素には、類似に構成された、底部における出口のリンスステーションが設けられ得る。リンスステーション104、106、108の動作、特にブラインドリンスステーション108の作用は、以下で説明するブラインディング現象を軽減させ得る。
【0024】
処理ラインの制御を補助するために、インライン検出器が使用され、デスケーリング構成要素を通過した後に、処理されたシートメタルの頂面及び/または底面の表面状態を検出し、インライン検出器のアウトプットは、所望の表面状態を得るために、処理ラインのオペレータが、以下の内任意の1つまたは複数を調整するのを補助するために使用され得る。(i)第1のデスケーリング構成要素における頂面のインペラホイールを、枢動、回転、角度決め、及び/もしくは位置付けること;(ii)第1のデスケーリング構成要素における底面のインペラホイールを、枢動、回転、角度決め、及び/もしくは位置付けること;(iii)第2のデスケーリング構成要素における頂面のインペラホイールを、枢動、回転、角度決め、及び/もしくは位置付けること;(iv)第2のデスケーリング構成要素における底面のインペラホイールを、枢動、回転、角度決め、及び/もしくは位置付けること;または(v)処理ラインのスピードを増加または減少させること。インライン検出器は、連続したデスケーリング構成要素における次のものの後に位置付けられ得る。例えば、検出器は、2つのデスケーリング構成要素の後に、処理ラインにおける下流側に位置付けられ、かつストリップの頂部及び底部の両方における残留スケールの程度を検出するよう適応された、酸化物検出器を備え得る。検出された表面状態(すなわち検出されたスケースの程度)の一部に基づいて、第1及び/もしくは第2のデスケーリング構成要素の動作(すなわちインペラホイールのスピード、インペラホイールの角度、インペラホイールの位置)、または処理ラインのスピード(すなわちデスケーリング構成要素を通るシートメタルの前進速度)が、調整され得る。検出器は、表面仕上げ検出器、すなわち表面形状測定機でもあってもよく、検出及び制御される表面状態は、表面仕上げに対応し得る。検出器は、機械視覚システムであってもよく、検出及び制御される表面状態は、例えば傷、皮傷、残留物、金属シミ、浮き錆の塊状集積、摩耗粉など、処理されたシートにおける表面傷に対応し得る。1つまたは複数の検出器を使用して、シートメタルの頂面及び頂面における表面状態を検出し得る。表面状態の組み合わせが検出され得る。デスケーリング構成要素の各々における動作パラメータは、所望の表面状態を達成するよう変化され得る。
【0025】
デスケーリング構成要素の別の実施形態において、検出器には自動フィードバック機構が設けられ得る。それは、検出された表面状態の少なくとも一部に基づいて、処理ラインの動作パラメータを自動的に制御するのを可能にする。例えば、検出された表面状態に基づいて、スラリーの衝突速度を制御して、例えば約100Ra未満の表面仕上げなど、特定の表面状態を生成し得る。スラリーの衝突速度は、推進されたスラリーの排出速度を変化させることによって、または処理ラインのスピードすなわちシートスチールがラインを通して前進するスピードを変化させることによって、変化され得る。したがって、検出された表面状態の少なくとも一部に基づき、シート材料がデスケーリング構成要素を通る前進速度を、所望のとおり変化させ得る。追加として、または代替として、シートメタルの側部に対して、推進されるスラリーの排出速度は、検出された表面状態の少なくとも一部に基づいて変化され得る。遠心インペラを含んだシステムについて、インペラホイールの速度は、検出された表面状態の少なくとも一部に基づいて変化され得る。一般的に、所望の表面状態を得るために、以下の任意の1つまたは複数を、検出された表面状態の少なくとも一部に基づいて変化され得る。(i)第1のデスケーリング構成要素における頂面のインペラホイールを、枢動、回転、角度決め、及び/もしくは位置付けること;(ii)第1のデスケーリング構成要素における底面のインペラホイールを、枢動、回転、角度決め、及び/もしくは位置付けること;(iii)第2のデスケーリング構成要素における頂面のインペラホイールを、枢動、回転、角度決め、及び/もしくは位置付けること;(iv)第2のデスケーリング構成要素における底面のインペラホイールを、枢動、回転、角度決め、及び/もしくは位置付けること;または(v)処理ラインのスピードを増加または減少させること。1つまたは複数の検出器を使用して、シートメタルの頂面及び底面における表面状態を検出し得る。頂面の検出された表面状態、及び/または底面の検出された表面状態は、自動化された処理ラインの制御システムへのインプットを提供し得る。
【0026】
本出願者は、各デスケーリング構成要素のインペラホイールの数について、頂部に取り付けられた4つのインペラ、及び底部に取り付けられた4つのインペラを、頂部に取り付けられた1つのインペラ、及び底部に取り付けられた1つのインペラに減少させることは、大きな利点であると判断した。特に、本出願者は、頂部に取り付けられた1つのインペラ、及び底部に取り付けられた1つのインペラを伴うデスケーリング室の配置が、頂部に取り付けられたインペラからのスラリーのブラストパターンに、リンス噴射パターンが干渉することなく、より効果的にストリップを洗い流すよう、筐体におけるリンスステーションの配置を可能にすることと、先行技術で確認されたブラインディング現象を、効果的に排除することと、を予期せず確認した。ブラインディングは、研磨用粒子がストリップから適切に除去されないときに生じる。ブラインディングが生じたとき、下流側のインペラにおけるスラリーのブラストパターンは、スラリー及び研磨用粒子がシートメタルに残留するため、効果は小さくなる。換言すると、下流側のインペラにおけるブラストパターンは、シートメタルにおけるスラリー及び研磨用粒子の残留によって妨げられる。ブラインディングは、シートの底面では懸念が少ない。なぜならスラリー及び研磨用粒子は、重力によってシートメタルの表面から落下するためである。しかし、先行技術の、シートメタルの頂面に意図された4つのインペラ(各デスケーリング構成要素に2つ)を伴うデスケーリング室の設計において、たとえデスケーリング室にリンスステーションを有しても、4つのインペラの内3つにブラインディングが生じ得る。従来のシステムは、シートからスラリー及び研磨用粒子を除去するためにリンスステーションを使用するが、筐体構造物のサイズの制限、ならびに多くのインペラ及びリンスステーションによって生成されるブラストパターンの領域の制限による、従来のシステムにおける相反した制限が存在する。インペラの各々のための、さらなるリンスステーションを収納するために、筐体の構造を大きくすることは望ましくない。筐体における現行の制約内で、リンスステーションの数またはリンスステーションの噴射パターンを増加させることも、望ましくない。なぜなら、増加したリンスステーション、及び/またはリンス噴射パターンは、スラリーのブラストパターンに干渉し、満足のいくスケース除去を妨げるからである。従来のシステムにおいて、さらにリンスステーションを追加すると、スラリーがシートメタルに衝突するために、筐体における利用可能な空間を、実質的に制限することになる。
【0027】
頂部に取り付けられた1つのインペラを伴う1つのデスケーリング構成要素、及び反対側の頂部に取り付けられた1つのインペラを伴う、隣接した第2のデスケーリング構成要素を設けることで、スラリー及び研磨用粒子をシートから除去してブラインディングを排除するために、リンスステーションのさらに有利な配置を可能にする。ブラインディングの排除は、リンスステーションが、シートメタルの中央からシートメタルの側部に向けて外側の方向に、角度を付けて導かれたブラインドリンス(例えば双方向のブラインドリンス)として配置されるか、またはインペラのブラストパターンと同じ方向に、シートメタルに向けて鋭角に導かれたブラインドリンスとして配置されるか、のいずれかであることが確認されている。
【0028】
インペラのブラストパターンと同じ方向に、シートメタルに向けて鋭角に導かれたブラインドリンスについて、この配置は、特定の用途においてブラインディングを排除するために、特に有利となる場合があることが確認されている。特性の用途において、スラリーの衝突後、頂部に取り付けられた単一のインペラが1つの方向に向けられ、かつ同じ方向に向けられた噴射部を伴うリンスステーション(例えばブラインドリンスステーション108)に連結された、デスケーリング構成要素において、シートメタルをより効果的に洗い流すことができ、シートメタルの表面におけるスラリー及び研磨用粒子を、より効果的に掃き取ることが、確認されている。側部から側部への方向性のあるリンスは、4つのインペラ(各デスケーリング構成要素に2つ)を伴う先行技術のデスケーリング室の設計に提供できない。それは、インペラによって生成されるスラリーのボリュームが、筐体の排出及びエダクタを通る流量における望ましくない不均衡を作り出し、さもなければインペラホイール間にリンスステーションを収納するために、筐体を不必要に長くする、という事実のためである。
【0029】
さらに、現在の設計において、筐体の頂部及び底部における単一のインペラは、筐体の頂部に取り付けられた2つのインペラ、及び筐体の底部に取り付けられた2つのインペラを含んだ、先行技術の設計とは対照的に、筐体を、長さ及び全てのサイズで小さくすることを可能にする。より小さい設置面積の筐体は、製造がより容易で、標準的な製作装備を用いた製作に追従しやすく、かつ標準的サイズの輸送コンテナにおける構成要素として梱包が容易であり、運送費を低減させる。さらに、より小さい設置面積の筐体を伴うデスケーリング構成要素は、連続したデスケーリング構成要素における最初のもの、または連続したデスケーリング構成要素における次のもの、のいずれかは、インペラ及びモータの横位置を変えるだけで使用され得る。したがって、本明細書のデスケーリング構成要素は、筐体の頂部に取り付けられた2つのインペラ、及び筐体の底部に取り付けられた2つのインペラを伴うデスケーリング構成要素と比較して、製造のために、より標準的なアイテムとなり得る。したがって、筐体の頂部及び底部に取り付けられた単一のインペラを伴うデスケーリング構成要素の、より小さい設置面積が、空間を減少させ、かつ設備の設置コストを低減させる。両方の設計は、排出シュート、タンク、ポンプ、配管、弁、及びエダクタを収納するために、設備において穴部を必要とする。従来の設計では、穴部は20フィートの深さが必要であるが、減少した設置面積及びサイズの例示的なデスケーリング室は、約6.5フィートの深さの穴部を必要とする。さらに、筐体の頂部に取り付けられた2つのインペラ、及び筐体の底部に取り付けられた2つのインペラ、を伴う従来のシステムと比較して、例示的なデスケーリング室は、処理されたシートメタルに、トン当たりで小さいエネルギーを使用する。
【0030】
より小さい筐体の設置面積は、筐体の入口開口部及び出口開口部を通るシートメタルを通板させるのを可能にする機械式構成要素の排除も可能にする。頂部に取り付けられた2つのインペラ、及び底部に取り付けられた2つのインペラを伴う先行技術のデスケーリング構成要素は、かなり長い。そのため、第1のデスケーリング構成要素及び第2のデスケーリング構成要素を通して、コイルの頭部を通板させるために、各デスケーリング構成要素には、筐体において下方に展開してコイルの頭部がデスケーリング構成要素を通して移動するときに支持する助けとなる、一連の通板アーム及び通板フィンガが設けられる。コイルの頭部が、処理ラインの端部においてリコイラで締付けられたとき、通板アーム及び通板フィンガは、筐体内の上部位置に戻ることができる。しかし、通板動作中に、構成要素は下方位置に展開され、インペラからのブラストを受ける。その結果、構成要素は著しい摩耗を受ける。頂部及び底部に取り付けられた単一のインペラを伴うデスケーリング構成要素は、延長が短い。したがって、通板動作中に、コイルの頭部は、連続したデスケーリング構成要素における最初のものと、次のものとの間に位置されたローラで支持され得る。このように、コイルの頭部が、連続したデスケーリング構成要素における最初のもの及び次のものを通して、より容易に通板され得るので、通板アーム及び通板フィンガは必要ない。通板アーム及び通板フィンガを排除することで、処理ラインを伴う全体の維持管理コストは低減される。なぜなら通板アーム及び通板フィンガは、維持に手間のかかる構成要素であるからである。
【0031】
出願者は、頂部における単一のモータ駆動インペラを伴うデスケーリング構成要素は、後部タンクに位置されたエダクタから、頂部における単一のモータ駆動インペラまでの、より効率的な研磨用粒子及びスラリーのフローを可能にすることも、確認した。デスケーリング構成要素の筐体における、より小さい設置面積は、頂部における単一のモータ駆動インペラにスラリーを供給するためのパイプの、より短く、かつ直接的な経路を可能にする。その結果、頂部のインペラのためのモータは、頂部に取り付けられた2つのインペラを伴う先行技術の設計のモータと比較して、より小さいエネルギーしか使用しない。さらに、筐体の設置面積がより小さいため、エダクタが、後部タンクの底部ではなく前面に取り付けられるのを可能にするよう、後部タンクは配置され得る。これは、スラリーを頂部における単一のモータ駆動インペラまで供給するためのパイプの、より短く、かつ直接的な経路を可能にする。
【0032】
本発明の装置及び方法が、本明細書では本発明のいくつかの実施形態を参照することで説明したが、以下の特許請求の範囲において意図された範囲から逸脱することなく、本発明の基本的な概念に対して変形及び変更を成すことができることを理解されたい。
【国際調査報告】