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特表2024-519646環境温度が高いときの安全な電池充電
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-21
(54)【発明の名称】環境温度が高いときの安全な電池充電
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/00 20060101AFI20240514BHJP
   H04N 23/65 20230101ALI20240514BHJP
   H04N 23/667 20230101ALI20240514BHJP
   H02J 7/10 20060101ALI20240514BHJP
【FI】
H02J7/00 S
H04N23/65
H04N23/65 100
H04N23/667
H02J7/10 L
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023554816
(86)(22)【出願日】2022-12-14
(85)【翻訳文提出日】2023-11-22
(86)【国際出願番号】 US2022081580
(87)【国際公開番号】W WO2023122464
(87)【国際公開日】2023-06-29
(31)【優先権主張番号】63/293,255
(32)【優先日】2021-12-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】502208397
【氏名又は名称】グーグル エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Google LLC
【住所又は居所原語表記】1600 Amphitheatre Parkway 94043 Mountain View, CA U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ワン,デイビッド
(72)【発明者】
【氏名】ラグパティ,アルン・プラカシュ
(72)【発明者】
【氏名】イェ,チャン・ホン
(72)【発明者】
【氏名】ライランダー,フォード
【テーマコード(参考)】
5C122
5G503
【Fターム(参考)】
5C122GF05
5C122GF07
5C122HA81
5C122HA87
5G503AA01
5G503BA01
5G503BB02
5G503CB11
5G503CB13
5G503FA18
5G503GD02
5G503GD03
5G503GD04
5G503GD06
(57)【要約】
本明細書は、環境温度が高いときに電池を安全に充電するための技術を記載する。これらの技術は、環境温度が高い状況において電池を充電する可能性を高めることによって、環境温度が高いピーク使用期間中に装置の稼働時間を延長する。一例において、装置は、環境温度が高いときに、ネットワークを介して将来の環境温度をチェックして、装置性能抑制と組み合わせた場合に、次のN日以内の一定の期間中の将来の環境温度の最小値が、電池の温度を最大の充電温度未満に低下させて電池を安全に充電することを可能にすると推定される十分に低いと予測されるか否かを特定する。また、装置は、将来の環境温度を用いて、装置性能抑制を実行および/または調整することによって、現在の電池使用量を割り当てることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子装置によって実行される方法であって、前記方法は、
前記電子装置の電池の電池温度が第1の温度閾値を超えたことを判断することと、
前記電池温度が前記第1の温度閾値を超えたことに応答して、第1の充電状態閾値に基づいて、前記電池の充電を開始するか否かを判断することと、
前記電池の充電状態が前記第1の充電状態閾値未満であるという判断に応答して、前記電子装置の地理位置に基づいて、ネットワークを介して気象源からローカル天気予報データを取得することと、
前記ローカル天気予報データと前記電子装置の複数の装置性能抑制モードに関連する電池温度データとに基づいて、複数の将来の期間の各々の将来の電池温度を推定することと、
前記複数の将来の期間のうち、前記推定された将来の電池温度が前記電池の充電を可能にする第2の温度閾値未満である1つ以上の将来の期間が次のN日間に存在するか否かを特定することとを含む、方法。
【請求項2】
前記電池温度が前記電池の充電を可能にするのに十分に低いと推定された前記特定された1つ以上の将来の期間まで前記電池の現在のサイクルを延長するように、装置性能抑制を調整することによって、現在の電池使用量を割り当てることをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記複数の将来の期間のうち、前記推定された将来の電池温度が前記第2の温度閾値未満である将来の期間が前記次のN日間に存在していないと判断することと、
前記複数の将来の期間のうち、前記推定された将来の電池温度が前記第2の温度閾値未満である将来の期間が前記次のN日間に存在していないという判断に基づいて、前記複数の装置性能抑制モードのうちの1つの装置性能抑制モードに入ることとをさらに含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記電子装置によって出力される電力の低下に基づいて、前記電池温度を低下させるように、前記複数の装置性能抑制モードから前記1つの装置性能抑制モードを選択することをさらに含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記ローカル天気予報データは、前記電子装置の前記地理位置に関連する将来の環境温度および日光条件を含み、
前記将来の電池温度は、前記将来の環境温度および前記日光条件を用いて推定される、先行する請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
前記電池温度が前記第2の温度閾値未満であると推定された将来の期間を特定することと、
前記特定された将来の期間中に、前記電池温度を低下させ、前記電池の充電を可能にするように、前記複数の装置性能抑制モードのうちの前記1つの装置性能抑制モードに入ることとをさらに含む、先行する請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
前記将来の期間の特定に応答して、前記特定された将来の期間中に前記1つの装置性能抑制モードに入るために前記電子装置のユーザからの許可を要求する通知を提供することと、
前記許可を与えるユーザ入力を受信することとをさらに含み、
前記1つの装置性能抑制モードに入ることは、前記与えられた許可に基づいて、前記特定された将来の期間の開始時に、前記1つの装置性能抑制モードに入ることを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記特定された将来の期間中かつ前記1つの装置性能抑制モードに入った後、前記第2の温度閾値に対する前記電池温度を監視することと、
前記電池温度が前記第2の温度閾値未満である温度まで低下したことに応答して、前記電池を充電することとをさらに含む、請求項6または7に記載の方法。
【請求項9】
前記第2の温度閾値は、前記第1の温度閾値以下である、先行する請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
前記第1の温度閾値は、約60℃である、先行する請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
前記第2の温度閾値は、約57℃である、先行する請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
前記特定された将来の期間の終了に応答して、前記電池の充電を停止することをさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項13】
前記特定された将来の期間中に前記電池の前記充電状態が第2の充電状態閾値を超えたことに応答して、前記電池の充電を停止することをさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項14】
1つ以上の機能に電力を供給するように構成された電池と、
プロセッサと、
前記プロセッサによって実行されると、請求項1から13のいずれか一項に記載された前記方法を1つ以上のモジュールに実行させるコンピュータ可読命令を記憶するためのメモリとを含む、電子装置。
【請求項15】
前記1つ以上のモジュールは、
前記電池温度が前記第1の温度閾値を超えたことを判断することと、前記第1の充電状態閾値に基づいて前記電池の充電を開始するか否かを判断することとを実行するように構成された電池マネージャモジュールと、
ローカル天気予報データを取得することと、前記将来の電池温度を推定することと、1つ以上の将来の期間が前記次のN日間に存在するか否かを特定することとを実行するように構成された充電時間予測器とを含む、請求項14に記載の電子装置。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
背景
いくつかの電子装置は、ライン電力と電池電力の両方を利用して、異なる動作を行う。例えば、ビデオ録画ドアベル装置は、ライン電力を使用してカメラを作動するが、電池電力を使用してドアベルのチャイムを作動することができる。この例では、チャイムがカメラと同じ電源から電力を引き取らず、カメラとは独立して動作するため、ユーザがドアベルのボタンを押してチャイムを鳴らしても、カメラの動作が中断されない。電池を長期間維持するために、電池の充電状態(SOC)が低下すると、電子装置は、電池を自動的に充電することができる。しかしながら、いくつかの地理的な場所において、温度の制約により電池を安全に充電することが難しい場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
従来のリチウムイオン(Liイオン)電池は、特定の内部温度(例えば、60℃)まで安全に充電および/または放電することができる。一部のLiイオン電池は、電池がより高い最大放電温度(例えば、80℃)まで安全に放電できるが、より低い最大充電温度(例えば、60℃)までしか安全に充電できない電池化学を有する。最大放電温度と充電温度との間の温度範囲において、電池を充電することができないが、放電することができる。その結果、(例えば、高い環境温度が電池温度の十分なクールダウンを妨げているため)電池温度がより低い最大充電温度未満に下げることができず、より高い最大放電温度未満に下げられる場合、電池は、完全に消耗するまで放電するか、または低電池シャットダウン状態をトリガするまで放電する可能性がある。この場合、電池によって駆動される動作が利用できなくなり、不良なユーザ経験をもたらす。
【課題を解決するための手段】
【0003】
概要
本明細書は、環境温度が高いときに電池を安全に充電するための技術を記載する。これらの技術は、環境温度が高い状況において電池を充電する可能性を高めることによって、環境温度が高いピーク使用期間中に装置の稼働時間を延長する。一例において、装置は、環境温度が高いときに、ネットワークを介して将来の環境温度をチェックし、装置性能抑制と組み合わせた場合に、次のN日以内の一定の期間中の将来の環境温度の最小値が、電池の温度を最大の充電温度未満に低下させて電池を安全に充電することを可能にすると推定される十分に低いと予測されるか否かを特定する。さらなる例において、装置は、将来の環境温度を用いて、装置性能抑制を実行および/または調整することによって、現在の電池使用量を割り当てることができる。
【0004】
一例において、電子装置によって実行される方法が説明される。この方法は、電子装置の電池の電池温度が第1の温度閾値を超えたことを判断することと、電池温度が第1の温度閾値を超えたことに応答して、第1の充電状態閾値に基づいて、電池の充電を開始するか否かを判断することとを含む。また、この方法は、ローカル天気予報データと電子装置の複数の装置性能抑制モードに関連する電池温度データとに基づいて、複数の将来の期間の各々の将来の電池温度を推定することを含む。さらに、この方法は、ローカル天気予報データを用いて、複数の将来の期間のうち、電子装置の周囲の環境温度が、電子装置の装置性能抑制と組み合わせた場合に、電池の温度を第2の温度閾値未満に低下させて電池の充電を可能にすると推定される十分に低い温度になると予測される1つ以上の将来の期間が、次のN日間に存在するか否かを特定することを含む。したがって、この方法は、複数の将来の期間のうち、推定された将来の電池温度が電池の充電を可能にする第2の温度閾値未満である1つ以上の将来の期間が次のN日間に存在するか否かを特定することを含むことができる。
【0005】
一例において、電子装置が開示される。電子装置は、1つ以上の機能に電力を供給するように構成された電池と、プロセッサと、プロセッサによって実行されると、電池マネージャモジュールおよび充電時間予測器を実装するコンピュータ可読命令を記憶するためのメモリとを含む。電池マネージャモジュールは、電子装置の電池の電池温度が第1の温度閾値を超えたことを判断し、電池温度が第1の温度閾値を超えたことに応答して、第1の充電状態閾値に基づいて、電池の充電を開始するか否かを判断するように構成されている。充電時間予測器は、電池の充電状態が第1の充電状態閾値未満であるという判断に応答して、電子装置の地理位置に基づいて、ネットワークを介して気象源からローカル天気予報データを取得するように構成されている。充電時間予測器は、ローカル天気予報データと電子装置の複数の装置性能抑制モードに関連する電池温度データとに基づいて、複数の将来の期間の各々の将来の電池温度を推定するようにさらに構成されている。また、充電時間予測器は、電子装置の装置性能抑制と組み合わせた場合に、ローカル天気予報データを用いて、複数の将来の期間のうち、電子装置の周囲の環境温度が、電池の温度を第2の温度閾値未満に低下させて電池の充電を可能にすると推定される十分に低い温度になると予測される1つ以上の将来の期間が、次のN日間に存在するか否かを特定するように構成されている。
【0006】
この概要は、環境温度が高いときの安全な電池充電に関する簡略化概念を紹介するために提供され、以下の詳細な説明においてさらに説明される。この概要は、特許請求される主題の本質的な特徴を特定することを意図しておらず、特許請求される主題の範囲を決定するときに使用されることを意図していない。
【0007】
環境温度が高いときの安全な電池充電の1つ以上の態様の詳細は、以下の図面を参照して本明細書に説明される。全ての図面において、同じ番号を用いて、同様の特徴および要素を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本明細書に記載された技術に従って、環境温度が高いときに電池を安全に充電するように構成された電子装置の例示的な実装を示す図である。
図2図1の電子装置の例示的な実装をより詳細に示す図である。
図3】装置性能抑制モードを含む熱緩和技術の例示的な実装を示す図である。
図4】環境温度が高いときに電池を安全に充電するための例示的な方法を示す図である。
図5】環境温度が高いときに電池を安全に充電するための例示的な方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
詳細な説明
本明細書は、環境温度が高いときに電池を安全に充電するための技術を記載する。本明細書に記載された技術により、電子装置は、その電池が最大充電温度を超えているが、SOCが比較的低い場合に安全対策を実施することができる。例えば、電子装置は、電子装置のローカル領域の将来の環境温度および日光条件をチェックして、装置性能抑制と組み合わせた場合に、環境温度が、電池温度を充電の安全な温度範囲内(例えば、最大充電温度未満)に低下させると推定される十分に低いと予測される一定の期間(例えば、3時間という期間)が存在するか否かを判断する。
【0010】
電子装置は、このような期間が発生するか否かおよびいつ発生するかとの推定を特定することによって、現在の電池使用量を割り当てるか否かを判断することができる。一例において、電子装置が、例えば、装置性能抑制を使用して(または使用せずに)電池を安全に充電することができる期間が次の3日間に存在していないと特定した場合(例えば、電子装置が、推定された将来の電池温度が第2の温度閾値未満である将来の期間が次のN日以内に存在していないと特定した場合)、電子装置は、電池の現在のサイクルを延長するように、電池駆動動作の現在の装置性能抑制を調整することによって、現在の電池使用量を割り当てる。別の例において、電子装置が、例えば、装置性能抑制を使用して電池を安全に充電することができる期間が次の3日間に存在すると特定した場合(例えば、将来の期間が、推定された将来の電池温度が第2の温度閾値未満である次のN日間に存在する場合)、電子装置は、ユーザに通知し、特定された期間中に抑制モードに入る許可を要求して、その期間中に電池を安全に充電する。
【0011】
本明細書に記載された技術は、高い平均温度条件を含む高い環境温度条件において電池充電の可能性を高めることによって、環境温度が高いピーク期間中に装置の稼働時間を延長する。また、これらの技術は、高い環境温度が、電池温度を最大充電温度と最大充電温度より高い最大放電温度との間に上昇させるときに電池が枯渇する可能性を低減させることによって、電池の充電を防止すると共に、電池の放電を可能にする。
【0012】
環境温度が高いときに電池を安全に充電する技術の特徴および概念は、任意の数の異なる環境に実装されてもよいが、態様は、以下の例に関連して説明される。
【0013】
例示的な装置
図1は、本明細書に記載された技術に従って、環境温度が高いときに電池を安全に充電するように構成された電子装置の例示的な実装100を示す。図示された例は、電子装置102を備え、電子装置102は、電子装置102に電池電力を供給する電池104と、電子装置102にライン電力を供給する外部電源108(例えば、コンセント、モバイル電池、コンピューティング装置)に接続されたワイヤ106(例えば、電力コード)とを含む。
【0014】
また、電子装置102は、電池マネージャモジュール110を含み、このモジュールは、電池104の充電イベントを制御することおよび電池状態を監視することを含む、電池104を監視および管理するように構成されている。電池マネージャモジュール110は、電池状態(例えば、電池温度、SOC)をチェックし、電池104の問題を検出したときに通知(例えば、警告)を提供するように構成されている。充電イベントを制御することによって、電池マネージャモジュール110は、電池104内の化学劣化およびイオン消耗を低減するように電池104の充電を最適化することによって、電池104の寿命を延長することができる。一例において、外部電源108への接続は、(例えば、誘導コイルを使用した)無線接続である。
【0015】
電池104は、任意の適切な再充電可能電池であってもよい。例示的な電池104は、本明細書に記載されたように(図2を参照)、Liイオン電池である。任意の適切なLiイオン電池化学を実装することができる。
【0016】
電池マネージャモジュール110は、電池温度112と充電状態114(SOC114)とを決定するように構成されている。電池温度112は、電池104の現在の内部温度を示す。電池マネージャモジュール110は、電池104の最大充電温度に関連して電池温度112を監視する。また、電池マネージャモジュール110は、1つ以上のSOC範囲および/またはSOC閾値に関連して電池104のSOC114を監視して、電池104を充電する必要があるか否かを判断する。
【0017】
SOC114は、電池104の現在のSOCレベル(例えば、0%、2%、10%、23%、30%、50%、80%、98%、100%)を含むことができる。通常、SOC114は、電池104の充電容量の割合によって決められる。しかしながら、SOC114は、任意の適切な定量化可能な尺度に基づいて決められてもよい。
【0018】
また、電子装置102は、1つ以上の装置性能抑制モード118を実行するように構成された熱緩和モジュール116を含む。装置性能抑制モード118を実行することによって、電子装置102による電池の電力消費および/または電子装置102の1つ以上の構成要素(例えば、プロセッサ202)による電力消費から生じる熱放散を低減ことができる。装置性能を抑制する(例えば、1つ以上のプロセスおよび/または構成要素を停止する)ことによって、電池温度112を低下させることができる。いくつかの態様において、環境温度が低い期間中に装置性能抑制モード118を実行することによって、電池温度112を電池104の最大充電温度未満に低下させることができ、したがって電池104を安全に充電することができる。
【0019】
また、電子装置102は、充電時間予測器120を含む。充電時間予測器120は、電池104を安全に充電するために使用され得る将来の期間122を推定するように構成されたモジュールである。推定された将来の期間122の各々は、任意の適切な持続時間であってもよい。いくつかの態様において、推定された将来の期間122は、ネットワーク128を介して気象情報源(例えば、サーバ、気象サーバ、検索エンジン)から取得され得るローカル天気予報データ126から導出または決定される推定された将来の環境温度124に対応する。
【0020】
一例において、ローカル天気予報データ126は、電子装置102の位置に対応する地理領域(例えば、現地、場所、地域、都市)の7日間の1時間ごとの予報を含む。充電時間予測器120は、ローカル天気予報データ126を用いて、電子装置102の将来の環境温度124を決定すると共に、各期間122中の電子装置102の日光条件を決定する。期間122中の将来の環境温度124は、数時間の長さであり得る期間122の持続時間にわたる平均環境温度として決定されてもよい。さらに、各将来の期間122について、充電時間予測器120は、将来の環境温度および日光条件と組み合わせて、電池温度112に対する異なる装置性能抑制モード118の熱効果を推定する。このようにして、充電時間予測器120は、各将来の期間122の将来の電池温度130を推定する。電池マネージャモジュール110は、各将来の時間期間122の推定された将来の電池温度130を用いて、予測環境温度、日光条件および電子装置102の装置性能抑制モードに基づいて、将来の電池温度130が電池104の充電を可能にする温度閾値(例えば、最大充電温度)未満であると推定される期間が存在するか否かを判断することができる。
【0021】
また、電子装置102は、ネットワーク128を介して、1つ以上の装置またはサーバと通信するように構成されてもよい。限定ではなく一例として、電子装置102は、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLAN)、パーソナルエリアネットワーク(PAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、イントラネット、インターネット、ピアツーピアネットワーク、ポイントツーポイントネットワーク、またはメッシュネットワークを介して、データを通信することができる。
【0022】
以下、図1の電子装置の例示的な実装をより詳細に示す図2を検討する。図2の電子装置102は、スマートフォン102-1、タブレット102-2、ラップトップ102-3、セキュリティカメラ102-4、コンピューティング時計102-5、コンピューティング眼鏡102-6、ゲームシステム102-7、ビデオ録画ドアベル102-8、およびスピーカ102-9を含む様々な例示的な装置を含むように示されている。また、電子装置102は、他の装置、例えば、テレビ、娯楽システム、オーディオシステム、プロジェクタ、自動車、ドローン、トラックパッド、描画パッド、ネットブック、電子書籍リーダー、ホームセキュリティシステム、および他の家電製品を含むことができる。なお、電子装置102は、モバイル、ウェアラブル、ウェアラブルではないがモバイル、または比較的非モバイル(例えば、デスクトップおよびアプライアンス)であってもよい。
【0023】
電子装置102は、電池(例えば、電池104)を含む。電池104は、任意の適切な再充電可能電池であってもよい。本明細書に記載されているように、電池104は、Liイオン電池であってもよい。様々な異なるLiイオン電池化学を実装することができ、そのいくつかの例は、リン酸鉄リチウム(LiFePO)、リチウムマンガン酸化物(LiMnスピネル、またはLiMnO系リチウムリッチ層状材料、LMR-NMC)、およびリチウムニッケルマンガンコバルト酸化物(LiNiMnCoO、Li-NMC、LNMC、NMC、またはNCM)を含む。多くの電池は、(例えば、80%SOCを超える)より高い電圧および(例えば、20%SOC未満である)より低い電圧で化学劣化の影響を受けやすい。このような影響によって、(例えば、約50%を含む20%~80%)中程度のSOCに維持(使用および貯蔵)すれば、電池寿命を著しく延長することができる。また、多くの電池は、熱暴走を含む60℃を超える熱現象の影響を受けやすい。いくつかの電池は、その化学性質により、熱現象を経験する前に、80℃までの内部温度に耐えることができる。劣化および損傷を回避するために、最大充電温度(例えば、60℃)を超えて電池を充電すべきではない。ただし、一部の電池は、最大充電温度よりも高い最大放電温度を持つため、安全に充電できないが、枯渇するまでより高い温度で安全に放電し続けることができる。
【0024】
電子装置102は、電子装置102の動作を制御し、環境温度が高いときに電池を安全に充電する技術を可能にするように、様々なコンピュータ実行可能命令を処理することができる1つ以上のプロセッサ202(例えば、マイクロプロセッサ、コントローラ、または他のコントローラのいずれか)を含む。代替的にまたは追加的に、プロセッサ202は、ハードウェア要素、ファームウェア、または処理回路および制御回路に関連して実装される固定論理回路のいずれか1つまたは組み合わせを用いて実装されてもよい。図示されていないが、電子装置102は、装置内の様々な構成要素を連結するためのシステムバスまたはデータ転送システムを含むことができる。システムバスは、異なるバス構造、例えば、メモリバスもしくはメモリコントローラ、周辺バス、ユニバーサルシリアルバス、および/または様々なバスアーキテクチャのいずれかを利用するプロセッサもしくはローカルバスのいずれか1つまたは組み合わせを含むことができる。
【0025】
また、電子装置102は、(単なる信号伝送とは対照的に)永続的なデータ記憶および/または非一時的なデータ記憶を可能にする1つ以上のメモリ装置などのコンピュータ可読媒体204(CRM204)を含む。1つ以上のメモリ装置の例は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、不揮発性メモリ(例えば、読み取り専用メモリ(ROM)、フラッシュメモリ、EPROM、EEPROMなどのいずれか1つ以上)、およびディスク記憶装置を含む。ディスク記憶装置は、任意の種類の磁気または光学記憶装置、例えば、ハードディスクドライブ、記録可能および/または書き換え可能なコンパクトディスク(CD)、任意の種類のデジタル多用途ディスク(DVD)として実装されてもよい。
【0026】
コンピュータ可読媒体204は、様々な装置アプリケーション206、オペレーティングシステム208、メモリ/ストレージ、および電子装置102の動作態様に関連する他の種類の情報および/またはデータを記憶するためのデータ記憶機構を提供する。例えば、オペレーティングシステム208は、コンピュータアプリケーションとしてコンピュータ可読媒体204に維持され、プロセッサ202によって実行されることによって、本明細書に記載された機能の一部または全部を提供することができる。装置アプリケーション206は、装置マネージャ、例えば、任意の種類の制御アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、または信号処理および制御モジュールを含むことができる。また、装置アプリケーション206は、環境温度が高いときに電池を安全に充電する技術を実装するためのシステム要素、エンジンまたはマネージャ、例えば、電池マネージャモジュール110、熱軽減モジュール116、および充電時間予測器120を含むことができる。また、電子装置102は、1つ以上の機械学習システムを含むまたは1つ以上の機械学習システムにアクセスすることができる。
【0027】
電池マネージャモジュール110、熱軽減モジュール116、および充電時間予測器120の様々な実装は、システムオンチップ(SoC)、1つ以上の集積回路(IC)、プロセッサ命令を組み込むかまたはメモリに記憶されたプロセッサ命令にアクセスするように構成されたプロセッサ、ファームウェアを組み込むハードウェア、様々なハードウェア要素を有するプリント回路基板、またはそれらの任意の組み合わせを含むかまたはそれらと通信することができる。
【0028】
また、電子装置102は、通信モジュール210(例えば、ネットワークインターフェイス)を含むことができる。電子装置102は、通信モジュール210を用いて、有線ネットワーク、無線ネットワーク、または光ネットワーク(例えば、ネットワーク128)を介してデータを通信することができる。限定ではなく一例として、通信モジュール210は、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLAN)、パーソナルエリアネットワーク(PAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、イントラネット、インターネット、ピアツーピアネットワーク、ポイントツーポイントネットワーク、またはメッシュネットワークを介して、データを通信することができる。通信モジュール210は、シリアルおよび/またはパラレルインターフェイス、ワイヤレスインターフェイス、任意の種類のネットワークインターフェイス、モデム、または他の任意の種類の通信インターフェイスのうちの1つ以上として実装されてもよい。電子装置102は、通信モジュール210を用いて、クラウドコンピューティングサービス(例えば、ネットワーク128)を介して通信することによって、リソースを有するプラットフォームにアクセスすることができる。いくつかの態様において、電子装置102は、通信モジュール210を用いてソフトウェア更新を取得して、電子装置102上で電池マネージャモジュール110を更新および/または実装することができる。
【0029】
また、電子装置102は、1つ以上のセンサ212を含む。1つ以上のセンサ212は、オーディオセンサ(例えば、マイクロホン)、タッチ入力センサ(例えば、タッチスクリーン、指紋センサ、静電容量式タッチセンサ)、画像捕捉装置(例えば、カメラまたはビデオカメラ)、近接センサ(例えば、静電容量式センサ)、温度センサ(例えば、サーミスタ)、または環境光センサ(例えば、光検出器)を含む様々なセンサのいずれかを含むことができる。
【0030】
また、電子装置102は、ディスプレイ装置(例えば、ディスプレイ装置214)を含むことができる。ディスプレイ装置214は、任意の適切なタッチ感知ディスプレイ装置、例えば、タッチスクリーン、液晶ディスプレイ(LCD)、薄膜トランジスタ(TFT)LCD、インプレーススイッチング(IPS)LCD、静電容量式タッチスクリーンディスプレイ、有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイ、アクティブマトリクス有機発光ダイオード(AMOLED)ディスプレイ、スーパーAMOLEDディスプレイを含むことができる。ディスプレイ装置214は、デジタルコンテンツをスクリーン上に表示できるディスプレイまたはスクリーンと呼ばれてもよい。
【0031】
また、電子装置102は、カメラ装置216の視野(FOV)内のシーンの画像および/またはビデオを捕捉するように構成されたカメラ装置216を含むことができる。カメラ装置216によって捕捉された画像は、検出、物体検出(例えば、顔検出)、物体識別(例えば、顔認識、動物識別)などのために使用することができる。
【0032】
図示されていないが、電子装置102は、データを受信および提供するためのI/Oインターフェイスをさらに含む。例えば、I/Oインターフェイスは、タッチセンサ式入力、静電容量式ボタン、マイクロホン、キーボード、マウス、加速度計、ディスプレイ、発光ダイオード(LED)インジケータ、スピーカ、または触覚フィードバック装置のうちの1つ以上を含んでもよい。
【0033】
上記の説明に加えて、本明細書に記載のシステム、プログラムまたは機能がユーザ情報(例えば、ユーザのソーシャルネットワーク、社会的行動または活動、職業、ユーザの好み、ユーザの現在の位置、ユーザのカレンダースケジュール、または予定されたユーザの活動に関する情報)の収集を可能にするかおよびいつ可能にするか並びにサーバからコンテンツまたは情報を送信するかを選択できるコントロールをユーザに与えてもよい。さらに、特定のデータを格納または使用する前に、特定可能な個人情報を削除するように1つ以上の方法で処理してもよい。例えば、ユーザの個人情報が特定できないように、ユーザのIDを処理してもよい。また、ユーザの場所を特定できないように、(例えば、都市、郵便番号、または州レベルなどの)位置情報を取得する場合、ユーザの地理位置を一般化することができる。したがって、ユーザは、収集されるユーザ情報、情報の用途、およびユーザに提供される情報を制御することができる。
【0034】
以下、これらおよび他の特性および構成、ならびに図1および2のエンティティの動作および相互作用をより詳細に説明する。これらのエンティティは、さらに分割されてもよく、組み合わせられてもよい。図1の実装100および図2~5の詳細な図は、記載された技術を独立してまたは組み合わせて採用することができる多くの可能な環境、装置、および方法の一部を示している。
【0035】
図3は、装置性能抑制モードを含む熱緩和技術の例示的な実装300を示す。例示的な実装300は、完全な性能(ゼロ抑制)を提供することによってまたは性能を制限して消費電力を低減することによって、発熱を低減するために使用することができるいくつかの異なる装置性能抑制モードを示している。電池104を冷却するために発熱をどの程度に低減するかに応じて、異なるレベルの抑制(例えば、ゼロ抑制、軽度抑制、中度抑制、重度抑制、シャットダウン)を使用してもよい。任意の適切な数および/または構成の抑制モードを実装することができる。
【0036】
図3に示されている例は、様々な抑制モードおよび対応する遷移を示す。第1の抑制モードは、電子装置102が完全に機能する完全性能モードであるゼロ抑制302(ゼロ抑制モード302)を含むことができる。一例において、ゼロ抑制モード302は、4.5ワット(W)までの動作を許可し、30フレーム毎秒(fps)の960プログレッシブスキャン(p)および80%の機械学習(ML)を含み、高レベルの電力損失をもたらす。イベント304(例えば、カメラ装置216のFOV内の動き)が発生していない場合、電子装置102は、アイドルモード(例えば、ゼロ抑制アイドル306(ゼロ抑制アイドルモード306))に入ることができる。ゼロ抑制アイドルモード306は、ゼロ抑制モード302よりも少ない電力を使用する。一例において、ゼロ抑制アイドルモード306は、3.2Wの電力までの動作を許可し、30fpsの960pおよび40%のMLを使用する。イベント304が検出されると、電子装置102は、アイドルモードを終了し、完全性能モード(例えば、ゼロ抑制モード302)に入ることができる。
【0037】
第2の抑制モードは、軽度抑制308(軽度抑制モード308)を含むことができる。第2の抑制モードは、ゼロ抑制モード302およびゼロ抑制アイドルモード306に比べて低下した性能を有する。ゼロ抑制302に比べて、軽度抑制308は、低下したビデオ品質を含むことができる。一例において、イベント304が検出されると、軽度抑制モード308は、4.1Wまでの動作を許可し、15fpsの720pおよび80%のMLを使用する。軽度抑制モード308に従って動作しているときに、電子装置102は、イベント304が発生していない場合に、アイドルモード(例えば、軽度抑制アイドル310(軽度抑制アイドルモード310))に入ることができる。軽度抑制アイドルモード310は、軽度抑制モード308よりも少ない電力を使用する。一例において、軽度抑制アイドルモード310は、3.1Wまでの動作を許可し、15fpsの720pおよび40%のMLを使用する。
【0038】
第3の抑制モードは、中度抑制312(中度抑制モード312)を含むことができる。第3の抑制モードは、軽度抑制モード308および軽度抑制アイドルモード310に比べて低下した性能を有する。熱放散を低減するために、中度抑制モード312を実行して、ビデオの品質を低減し、機械学習動作を無効にする(オフにする)ことができる。一例において、中度抑制モード312は、高ダイナミックレンジ撮像および機械学習動作を実行せず、2.6Wまでの動作を許可し、15fpsの720pを使用する。
【0039】
熱放散をさらに低減するために、第4の抑制モードを実行することができる。第4の抑制モードは、重度抑制314(重度抑制モード314)を含むことができる。重度抑制314は、中度抑制312に比べて装置性能をさらに低下させる。一例において、重度抑制モード314は、0.6Wまでの動作を許可し、カメラおよび/またはオーディオ動作などの1つ以上の追加機能を無効にする。別の例において、重度抑制モード314を実行することによって、ビデオ録画ドアベル装置は、ビデオおよびオーディオを含む非電池駆動機能を無効にし、ドアベルチャイムなどの1つ以上の電池駆動機能のみを許可する。環境温度が十分に高い極端な状況において、(低電力ビデオおよびオーディオ機能を含む)放熱機能を併用しても、電池104を安全に充電するための最大充電温度未満まで電池温度112を冷却できない場合、重度抑制314を使用することができる。これらの機能を無効にすると、環境温度に応じて、電池温度112を充電するための安全温度範囲(例えば、最大充電温度未満)まで低下させることができる。
【0040】
環境温度が高過ぎて電池温度112を充電するための安全温度範囲まで冷却できないさらなる極端な状況において、第5の抑制モード(例えば、シャットダウン316)を実行して、電子装置102の全ての動作をオフにすることができる。一例において、シャットダウンモード316は、電子装置102を完全にオフにするため、0Wを使用する。
【0041】
図示された抑制モードは、様々な異なるレベルの装置性能抑制の例として説明される。抑制モードは、任意の適切な数の異なるレベルを実装することができ、本明細書に説明した例に限定されない。例えば、抑制モードのいずれは、説明した特定の例とは異なる機能を有効または無効にすることができ、説明した特定の例とは異なるレベルの電力および品質を使用することができる。
【0042】
例示的な方法
図4および5は、環境温度が高いときに電池を安全に充電するための例示的な方法400および500をそれぞれ示す。方法400および500は、電池管理モジュール110、熱軽減モジュール116、および/または充電時間予測器120を用いて説明した技術を実施する電子装置102によって実行されてもよい。方法400および500は、集合的に、電池104および電子装置102の安全性、信頼性、性能、および持続性を向上させる。方法500は、方法400の補足であり、必要に応じて方法400と併せて実行される。
【0043】
方法400および500は、実行される動作を特定する一組のブロックとして示されているが、各々のブロックによって示された動作を実行するための順序または組み合わせに必ずしも限定されない。さらに、1つ以上の動作のいずれかを繰り返し、組み合わせ、再編成または連結して、多種多様な追加の方法および/または代替の方法を提供することができる。以下の議論の一部において、図1の例示的な実装100、または図2および3に詳述されているエンティティもしくはプロセスを参照する場合があるが、これらは、例示のみとして参照される。本発明の技術は、1つの装置上で動作する1つのエンティティまたは複数のエンティティによる実行に限定されない。
【0044】
402において、電池の電池温度は、第1の温度閾値T1よりも高いと判断される。この電池の高い温度は、電池温度が第1の温度閾値T1を超えたことを示す電池充電器の高温故障に基づいて判断されてもよい。一例において、電池マネージャモジュール110は、電池104の電池温度112が充電するための第1の温度閾値T1(例えば、最高充電温度)を超えていると判断する。
【0045】
404において、電子装置は、電池が現在、第1のSOC閾値X(例えば、X%SOC)よりも大きい(またはよりも小さい)SOCを有するか否かを判断する。例えば、電池マネージャモジュール110は、電池104の現在のSOCが第1のSOC閾値(例えば、75%SOC)よりも大きいか否かを判断する。電池SOCが第1のSOC閾値Xよりも大きい(404で「YES」)場合、電池マネージャモジュール110は、電池104が装置の動作を維持するために充分な電力を有し、現在充電する必要がないと判断する。その後、方法400は、402に戻り、電池温度112の監視を継続する。電池マネージャモジュール110が第1のSOC閾値Xよりも小さい(または等しい)(404で「NO」)場合、電池マネージャモジュール110は、電池SOCが十分に枯渇しており、電池104を充電する必要があると判断し、方法400は、406に進む。
【0046】
406において、電子装置102は、ローカル天気予報データを取得する。一例において、充電時間予測器120は、通信モジュール210を用いて、ネットワーク128を介して気象源(例えば、汎用サーバ、気象サービス、検索エンジン)と通信することによって、ローカル天気予報データ126を取得する。ローカル天気予報データ126は、電子装置102が地理的に位置する領域のローカルな予測気象情報を含むことができる。気象情報は、1日の予報、3日の予報、5日の予報、7日の予報、10日の予報などを含む任意の適切な日数の予報を含むことができる。予測気象情報は、時間ごとの温度、日光情報(例えば、曇り、晴れ)、湿度レベル、推定降水量などを含むことができる。
【0047】
一例を以下の表1に示す。表1は、7日間のローカル天気予報データ126および対応する1時間ごとの最低環境温度を示す。具体的には、表1は、電子装置102の1時間ごとの環境温度が最低である次の7日間の各日の(24時間のうちの)約3時間の時間窓を示す。3時間の時間窓は、電子装置102の電池104を完全に充電するための例示的な時間帯として使用される。
【0048】
表1 最低環境温度を含むローカル天気予報データの例
【0049】
【表1】
【0050】
表1に示されている例において、最低温度は、一般的に3AM~6AMにある。予報された曜日の大半は、約29℃の環境温度を有する。例えば、金曜日の1時間ごとの最低環境温度は、3AMのときに87°F、4AMのときに85°F、および5AMのときに83°Fであると予測されているため、約3~6AMの3時間の平均環境温度は、85°F(29.4℃)である。
【0051】
408において、電子装置102は、電池温度が第2の温度閾値T2未満であると推定される期間を決定する。第2の温度閾値T2は、第1の温度閾値T1と同じであってもよく、異なってもよい。一例において、第2の温度閾値T2は、電池104の温度を測定する温度センサ(例えば、サーミスタ)の許容誤差または余裕を考慮するように、第1の温度閾値T1より約3度低い。
【0052】
充電時間予測器120は、将来の環境温度124と、様々な状況および装置性能抑制モードの下で導出された電池温度データとを用いて、最低環境温度(例えば、最低平均環境温度)を有する将来の期間122の将来の電池温度130を予測する。電池温度データは、1つ以上の環境温度(例えば、30℃、35℃、40℃)、日光条件(例えば、直射日光)、ハウジングの色(例えば、暗い色は、明るい色よりも太陽熱をより多く吸収する傾向がある)、プロセッサ202の放熱量に影響を与える装置性能レベルなどの下で一般的に発生する電池温度を定義するルックアップテーブルに含まれてもよい。別の例において、電池温度データは、機械学習を用いて決定されてもよい。
【0053】
充電時間予測器120は、電池温度データを用いて、異なる装置性能抑制モード118に従って、将来の環境温度の最小値124を有する将来の期間122の将来の電池温度130を予測または推定する。以下の表2は、一例を示す。
【0054】
表2 異なる装置性能抑制モードに基づいて推定された将来の電池温度
【0055】
【表2】
【0056】
表2に示されている例において、表1からの7日間予報の各日の最低環境温度を含む3時間の平均環境温度と、異なる装置性能抑制モード時の電池温度データとを組み合わせて、これらの期間中に達成可能な電池温度を推定する。例えば、木曜日の3~6AMの間の平均環境温度が28.8℃であると予測されているため、軽度抑制モード308を使用する場合の電池温度は、73.8℃であると推定され、中度抑制モード312を使用する場合の電池温度は、65.8℃であると推定され、重度抑制モード314を使用する場合の電池温度は、56.8℃であると推定される。軽度抑制時の電池温度73.8℃は、最大放電温度(例えば、80℃)より低いが最大充電温度(例えば、60℃)より高いため、電池104を放電できるが充電できないことを示す。しかしながら、電池マネージャモジュール110は、木曜日の3~6AMの間に重度抑制を使用する場合、推定される電池温度が56.8℃であると判断することができる。この温度は、第2の温度閾値T2(例えば、57℃)未満であり、その期間中に電池104を充電できることを示す。
【0057】
410において、電池マネージャモジュール110は、次のN日間に電池を充電できるか否か(例えば、次のN日間の複数の将来の期間のうち、推定された将来の電池温度が第2の温度閾値T2未満である少なくとも1つの将来の期間が存在するか否か)を判断する。「N」は、例えば2、3、4、5などを含む任意の適切な値を使用することができる。上記の例を続けると、電池マネージャモジュール110は、表2の情報を用いて、次の7日のうち、(例えば、装置性能抑制を用いて)電子装置102の電力状態を低減した場合に電池104を充電できる3時間の期間を有する3日(例えば、木曜日、土曜日、日曜日)を特定する。例えば、次の3日間に電池104を充電できるため(410で「YES」)、412では電力状態(例えば、装置性能抑制モード)を変更せず、方法は、図6に進む。
【0058】
代わりに、表2の情報が、7日先の水曜日まで電池温度が第2の温度閾値T2未満に低下しないと推定される(例えば、将来の電池温度が第2の温度閾値T2未満である期間が水曜日まで存在していない)ことを示すと仮定する。これは、環境温度が(夜間であっても)複数の24時間窓を通して十分に高いと予測され、(例えば、装置性能抑制を用いて)電力状態を低下しても、電池温度112が最大充電温度(例えば、60℃)よりも高いと推定されることを示す。電池104の現在のSOC114によっては、次のN日間に充電できない場合、電池104が枯渇する可能性がある。したがって、次のN日間(例えば、3日間)以内に電池104を充電できない場合、414において、電子装置102は、応答として、装置性能抑制モードに入り、電力量または電池消費量を低減し、電池サイクルをN日以上に延長することができる。この場合、環境温度と電力低減状態温度との組み合わせは、電池温度を最大充電温度未満に低下させることができ、したがって電池104の充電を可能にするのに十分に低くなる可能性がある。一例において、電池マネージャモジュール110は、プロセッサ202を中度抑制モード312に入れる。
【0059】
416において、電池マネージャモジュール110は、ローカル天気予報データ126と電池温度情報(例えば、表1および表2)とを用いて、次のN+M日以内に、電池104の充電を可能にするのに十分に低いと予測される環境温度を有する将来の期間122を決定する。「M」は、1、2、3などを含む任意の適切な日数であってもよい。一態様において、Nは、装置性能抑制なしで電池104が(枯渇するまで)持続すると推定される日数を定義する。N+Mは、装置性能抑制を実施した場合に、電池が持続すると推定される総日数を定義する。次に、方法は、図5に進む。
【0060】
502において、電子装置102は、決定された期間中に重度抑制モードに入るための許可を、ユーザから要求する。例えば、電子装置102は、重度抑制314を適用する場合、電池104を充電するための将来の期間(例えば、将来の期間122)が特定されたことをユーザに知らせるためのプロンプトまたは通知を提示する。このように、装置性能の抑制は、ユーザの知識および許可なしにユーザ体験に影響を与えない。この例において重度抑制モード314を使用しているが、通知は、将来の期間122中に装置性能抑制モードのいずれか1つに入る許可を要求することができる。
【0061】
504において、電子装置102は、ユーザが、特定された将来の期間中に(または直ちに)装置性能抑制を実施する許可を与えたか否かを判断する。ユーザが要求を拒否する場合(504で「NO」)、506において、延期タイマを起動する。延期タイマは、電子装置102が図4の402に戻ることによって方法400を再開または反復するタイミングを遅延させるために使用される。506の延期タイマの終了は、402で方法400を再開するように電子装置102をトリガして、電池温度が電池104を充電するための第1の温度閾値T1(例えば、最大充電温度)を超えたか否かを再び判断することができる。一例において、延期タイマは、1日間(24時間)に設定される。しかしながら、延期タイマは、6時間、10時間、12時間、18時間などを含む任意の適切な時間帯に設定されてもよい。
【0062】
504に戻って、電子装置102が、特定された将来の期間に重度抑制に入る許可を与えるユーザ入力を受信した場合(504で「YES」)、508において、電子装置102は、決定された期間(例えば、特定された将来の期間)の開始時に、重度抑制モード314を適用する。一例において、特定された期間の開始時に、ビデオ録画ドアベル装置102-8は、ドアベル専用モードに入り、カメラ、マイクロホン、Wi-Fi接続などを無効にし、電池駆動ドアベルチャイムのみを機能させる。このような重度抑制は、非電池駆動機能が電池温度112を上昇させる熱および/または電池温度112を最大充電温度未満まで低下させることを妨げる熱の放散を防止する。一例において、電子装置102は、許可が与えられた装置性能抑制モードを適用する。例えば、ユーザが、要求された抑制モードとは異なる抑制モードに入る許可を選択して許可を与えた場合、電子装置102は、ユーザが選択した抑制モードに入る。いくつかの実装形態において、ユーザは、要求された抑制モードよりも厳しい抑制モードを選択することができる。
【0063】
510において、電子装置102は、電池温度が第2の温度閾値T2未満であるか否かを判断する。例えば、電池マネージャモジュール110は、電池104を充電する前に、電池温度が最大充電温度未満であることを保証するために、電池温度112を確認する。電池温度112が第2の温度閾値T2未満ではない場合(510で「NO」)、電池管理モジュール110は、電池温度112の監視を継続する。いくつかの態様において、電池温度112が電池104を充電するための許容レベルまで低下するのに数秒または数分かかる場合がある。
【0064】
電池温度112が第2の温度閾値T2未満である(または第1の温度閾値T1未満である)場合(510で「YES」)、512において電池104を充電する。高速充電、低速充電、または他の標準充電を含む任意の適切な充電技術を実施して、電池104を充電することができる。
【0065】
514において、電子装置102は、電池104のSOC114を監視して、電池の充電が完了したか否かを判断する。一例において、電池マネージャモジュール110は、電池104のSOC114がSOC閾値(例えば、X%SOC)以上であるか否かを判断する。いくつかの態様において、リチウムイオン電池の劣化を低減するために、X%SOCは、80%SOCに設定されてもよい。しかしながら、X%SOCは、100%、80%、75%、60%などを含む任意の適切な値であってもよい。電池104のSOC114が100%未満であってもよいが、SOC閾値(例えば、X%SOC)以上である場合、電池104は、「完全に充電された」(または電池の充電が「完了した」)と見なされる場合がある。SOC114がSOC閾値(例えば、X%SOC)以上であるように電池104を完全に充電した場合(514で「YES」)、516において電池の充電を終了する。例えば、電池マネージャモジュール110は、SOC114がSOC閾値に達したまたは超えた場合、電池104の充電を停止する。
【0066】
電池104がまだ完全に充電されていない場合(514で「NO」)、518において、電池管理モジュール110は、期間が終了しているか否かを判断する。期間がまだ終了していない場合(518で「NO」)、電子装置102は、電池104の充電を継続する。期間が終了している場合(518で「YES」)、電子装置102は、電池温度の上昇を引き起こす環境温度の上昇を予期して、516において電池104の充電を停止することができる。しかしながら、電子装置102は、(測定された)電池温度が第2の温度閾値未満である限り、電池104の充電を継続することができる。516の後、方法500は、方法400に戻り、電池104の電池温度112および電池104のSOC114の監視を継続する。
【0067】
以下、いくつかの例を提供する。
例1
電子装置によって実行される方法であって、この方法は、
電子装置の電池の電池温度が第1の温度閾値を超えたことを判断することと、
電池温度が第1の温度閾値を超えたことに応答して、第1の充電状態閾値に基づいて、電池の充電を開始するか否かを判断することと、
電池の充電状態が第1の充電状態閾値未満であるという判断に応答して、電子装置の地理位置に基づいて、ネットワークを介して気象源からローカル天気予報データを取得することと、
ローカル天気予報データと電子装置の複数の装置性能抑制モードに関連する電池温度データとに基づいて、複数の将来の期間の各々の将来の電池温度を推定することと、
ローカル天気予報データを用いて、電子装置の周囲の環境温度が、電子装置の装置性能抑制と組み合わせた場合に、電池の温度を第2の温度閾値未満に低下させて電池の充電を可能にすると推定される十分に低い温度になると予測される1つ以上の将来の期間が、次のN日間に存在するか否かを特定することとを含む。
【0068】
例2
電池温度が電池の充電を可能にするのに十分に低いと推定された特定された1つ以上の将来の期間まで電池の現在のサイクルを延長するように、装置性能抑制を調整することによって、現在の電池使用量を割り当てることをさらに含む、例1に記載の方法。
【0069】
例3
複数の将来の期間のうち、推定された将来の電池温度が第2の温度閾値未満である将来の期間が次のN日間に存在していないと判断することと、複数の将来の期間のうち、推定された将来の電池温度が第2の温度閾値未満である将来の期間が次のN日間に存在していないという判断に基づいて、複数の装置性能抑制モードのうちの1つの装置性能抑制モードに入ることとをさらに含む、例1または2に記載の方法。
【0070】
例4
電子装置によって出力される電力の低下に基づいて、電池温度を低下させるように、複数の装置性能抑制モードから1つの装置性能抑制モードを選択することをさらに含む、例3に記載の方法。
【0071】
例5
ローカル天気予報データは、電子装置の地理位置に関連する将来の環境温度および日光条件を含み、将来の電池温度は、将来の環境温度および日光条件を用いて推定される、前述した例のいずれかに記載の方法。
【0072】
例6
電池温度が第2の温度閾値未満であると推定された将来の期間を特定することと、
特定された将来の期間中に、電池温度を低下させ、電池の充電を可能にするように、複数の装置性能抑制モードのうちの1つの装置性能抑制モードに入ることとをさらに含む、前述した例のいずれかに記載の方法。
【0073】
例7
将来の期間の特定に応答して、特定された将来の期間中に1つの装置性能抑制モードに入るために電子装置のユーザからの許可を要求する通知を提供することと、許可を与えるユーザ入力を受信することとをさらに含み、1つの装置性能抑制モードに入ることは、与えられた許可に基づいて、特定された将来の期間の開始時に、1つの装置性能抑制モードに入ることを含む、例6に記載の方法。
【0074】
例8
特定された将来の期間中かつ1つの装置性能抑制モードに入った後、第2の温度閾値に対する電池温度を監視することと、電池温度が第2の温度閾値未満である温度まで低下したことに応答して、電池を充電することとをさらに含む、例6または7に記載の方法。
【0075】
例9
第2の温度閾値は、第1の温度閾値以下である、前述した例のいずれかに記載の方法。
【0076】
例10
第1の温度閾値は、約60℃である、例8に記載の方法。
【0077】
例11
第2の温度閾値は、約57℃である、前述した例のいずれかに記載の方法。
【0078】
例12
特定された将来の期間の終了に応答して、電池の充電を停止することをさらに含む、例8に記載の方法。
【0079】
例13
特定された将来の期間中に電池の充電状態が第2の充電状態閾値を超えたことに応答して、電池の充電を停止することをさらに含む、例8に記載の方法。
【0080】
例14
電子装置であって、
1つ以上の機能に電力を供給するように構成された電池と、プロセッサと、プロセッサによって実行されると、電池マネージャモジュールおよび充電時間予測器を実装するコンピュータ可読命令を記憶するためのメモリとを含む。電池マネージャモジュールは、電子装置の電池の電池温度が第1の温度閾値を超えたことを判断し、電池温度が第1の温度閾値を超えたことに応答して、第1の充電状態閾値に基づいて、電池の充電を開始するか否かを判断するように構成されている。充電時間予測器は、電池の充電状態が第1の充電状態閾値未満であるという判断に応答して、電子装置の地理位置に基づいて、ネットワークを介して気象源からローカル天気予報データを取得し、ローカル天気予報データと電子装置の複数の装置性能抑制モードに関連する電池温度データとに基づいて、複数の将来の期間の各々の将来の電池温度を推定し、電子装置の装置性能抑制と組み合わせた場合に、ローカル天気予報データを用いて、複数の将来の期間のうち、電子装置の周囲の環境温度が、電池の温度を第2の温度閾値未満に低下させて電池の充電を可能にすると推定される十分に低い温度になると予測される1つ以上の将来の期間が、次のN日間に存在するか否かを特定するように構成されている。
【0081】
例15
ローカル天気予報データは、電子装置の地理位置に関連する将来の環境温度および日光条件を含み、将来の電池温度は、将来の環境温度および日光条件を用いて推定される、例14の電子装置。
【0082】
例16
電池マネージャモジュールは、ローカル天候予報データに基づいて、電池温度が電池の充電を可能にするのに十分に低いと推定される特定された1つ以上の将来の期間まで電池の現在のサイクルを延長するように、装置性能抑制を調整することによって、現在の電池使用量を割り当てるか否かを判断するようにさらに構成されている、例14に記載の電子装置。
【0083】
例17
電池マネージャモジュールは、次のN日間に電池温度が第2の温度閾値未満に低下する可能性が低いと判断することと、次のN日間に電池温度が第2の温度閾値未満である可能性が低いという判断に基づいて、プロセッサに、複数の装置性能抑制モードのうち、1つの装置性能抑制モードに入らせるようにさらに構成されている、例14に記載の電子装置。
【0084】
例18
電池マネージャモジュールは、電子装置によって出力される電力の低下に基づいて電池温度を低下させるように、複数の装置性能抑制モードから1つの装置性能抑制モードを選択するように構成されている、例17に記載の電子装置。
【0085】
例19
電池マネージャモジュールは、将来の環境温度と複数の装置性能抑制モードのうちの1つの装置性能抑制モードとの組み合わせに基づいて、電池温度が第2の温度閾値未満であると推定される将来の期間を特定し、特定された将来の期間中に、プロセッサを複数の装置性能抑制モードのうちの1つの装置性能抑制モードに入れることによって、電池温度を低下させ、電池の充電を可能にするようにさらに構成されている、例14に記載の電子装置。
【0086】
例20
電池マネージャモジュールは、将来の期間の特定に応答して、特定された将来の期間中に1つの装置性能抑制モードに入るために電子装置のユーザからの許可を要求する通知を提供し、許可を与えるユーザ入力を受信するようにさらに構成され、1つの装置性能抑制モードに入ることは、与えられた許可に基づいて、特定された将来の期間の開始時に、1つの装置性能抑制モードに入ることを含む、例19に記載の電子装置。
【0087】
結び
特徴および/または方法に特有の文言で環境温度が高いときに安全な電池充電の態様を説明してきたが、添付の特許請求の範囲の主題は、必ずしも説明した特定の特徴または方法に限定されない。むしろ、特定の特徴および方法は、環境温度が高いときに電池を安全に充電する技術の例示的な実装として開示され、他の同等の特徴および方法は、添付の特許請求の範囲内にあることが意図される。さらに、様々な異なる態様が説明され、説明された各態様は、独立してまたは説明された1つ以上の他の態様に関連して実装されてもよい。
図1
図2
図3
図4
図5
【手続補正書】
【提出日】2023-11-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子装置によって実行される方法であって、前記方法は、
前記電子装置の電池の電池温度が第1の温度閾値を超えたことを判断することと、
前記電池温度が前記第1の温度閾値を超えたことに応答して、前記電池の充電状態が第1の充電状態閾値を超えているか否かを判断することと、
前記電池の充電状態が前記第1の充電状態閾値未満であるという判断に応答して、前記電子装置の地理位置に基づいて、ネットワークを介して気象源からローカル天気予報データを取得することと、
前記ローカル天気予報データと前記電子装置の複数の装置性能抑制モードに関連する電池温度データとに基づいて、複数の将来の期間の各々の将来の電池温度を推定することと、
前記複数の将来の期間のうち、前記推定された将来の電池温度が前記電池の充電を可能にする第2の温度閾値未満である1つ以上の将来の期間が次のN日間に存在するか否かを特定することとを含む、方法。
【請求項2】
前記電池温度が前記電池の充電を可能にするのに十分に低いと推定された前記特定された1つ以上の将来の期間まで前記電池の現在のサイクルを延長するように、装置性能抑制を調整することによって、現在の電池使用量を割り当てることをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記複数の将来の期間のうち、前記推定された将来の電池温度が前記第2の温度閾値未満である将来の期間が前記次のN日間に存在していないと判断することと、
前記複数の将来の期間のうち、前記推定された将来の電池温度が前記第2の温度閾値未満である将来の期間が前記次のN日間に存在していないという判断に基づいて、前記複数の装置性能抑制モードのうちの1つの装置性能抑制モードに入ることとをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記電子装置によって出力される電力の低下に基づいて、前記電池温度を低下させるように、前記複数の装置性能抑制モードから前記1つの装置性能抑制モードを選択することをさらに含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記ローカル天気予報データは、前記電子装置の前記地理位置に関連する将来の環境温度および日光条件を含み、
前記将来の電池温度は、前記将来の環境温度および前記日光条件を用いて推定される、請求項に記載の方法。
【請求項6】
前記電池温度が前記第2の温度閾値未満であると推定された将来の期間を特定することと、
前記特定された将来の期間中に、前記電池温度を低下させ、前記電池の充電を可能にするように、前記複数の装置性能抑制モードのうちの前記1つの装置性能抑制モードに入ることとをさらに含む、請求項に記載の方法。
【請求項7】
前記将来の期間の特定に応答して、前記特定された将来の期間中に前記1つの装置性能抑制モードに入るために前記電子装置のユーザからの許可を要求する通知を提供することと、
前記許可を与えるユーザ入力を受信することとをさらに含み、
前記1つの装置性能抑制モードに入ることは、前記与えられた許可に基づいて、前記特定された将来の期間の開始時に、前記1つの装置性能抑制モードに入ることを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記特定された将来の期間中かつ前記1つの装置性能抑制モードに入った後、前記第2の温度閾値に対する前記電池温度を監視することと、
前記電池温度が前記第2の温度閾値未満である温度まで低下したことに応答して、前記電池を充電することとをさらに含む、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記第2の温度閾値は、前記第1の温度閾値以下である、請求項に記載の方法。
【請求項10】
前記第1の温度閾値は、約60℃である、請求項に記載の方法。
【請求項11】
前記第2の温度閾値は、約57℃である、請求項に記載の方法。
【請求項12】
前記特定された将来の期間の終了に応答して、前記電池の充電を停止することをさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項13】
前記特定された将来の期間中に前記電池の前記充電状態が第2の充電状態閾値を超えたことに応答して、前記電池の充電を停止することをさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項14】
1つ以上の機能に電力を供給するように構成された電池と、
プロセッサと、
前記プロセッサによって実行されると、請求項1から13のいずれか一項に記載された前記方法を1つ以上のモジュールに実行させるコンピュータ可読命令を記憶するためのメモリとを含む、電子装置。
【請求項15】
前記1つ以上のモジュールは、
前記電池温度が前記第1の温度閾値を超えたことを判断することと、前記第1の充電状態閾値に基づいて前記電池の充電を開始するか否かを判断することとを実行するように構成された電池マネージャモジュールと、
ローカル天気予報データを取得することと、前記将来の電池温度を推定することと、1つ以上の将来の期間が前記次のN日間に存在するか否かを特定することとを実行するように構成された充電時間予測器とを含む、請求項14に記載の電子装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0057
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0057】
410において、電池マネージャモジュール110は、次のN日間に電池を充電できるか否か(例えば、次のN日間の複数の将来の期間のうち、推定された将来の電池温度が第2の温度閾値T2未満である少なくとも1つの将来の期間が存在するか否か)を判断する。「N」は、例えば2、3、4、5などを含む任意の適切な値を使用することができる。上記の例を続けると、電池マネージャモジュール110は、表2の情報を用いて、次の7日のうち、(例えば、装置性能抑制を用いて)電子装置102の電力状態を低減した場合に電池104を充電できる3時間の期間を有する3日(例えば、木曜日、土曜日、日曜日)を特定する。例えば、次の3日間に電池104を充電できるため(410で「YES」)、412では電力状態(例えば、装置性能抑制モード)を変更せず、方法は、図に進む。
【国際調査報告】