(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-21
(54)【発明の名称】弁群統合モジュール、熱管理システム及び車両
(51)【国際特許分類】
B60K 11/04 20060101AFI20240514BHJP
B60K 1/04 20190101ALI20240514BHJP
H01M 10/613 20140101ALI20240514BHJP
H01M 10/625 20140101ALI20240514BHJP
H01M 10/6556 20140101ALI20240514BHJP
H01M 10/6569 20140101ALI20240514BHJP
H01M 10/663 20140101ALI20240514BHJP
【FI】
B60K11/04 G
B60K1/04 Z
H01M10/613
H01M10/625
H01M10/6556
H01M10/6569
H01M10/663
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023560617
(86)(22)【出願日】2022-05-27
(85)【翻訳文提出日】2023-11-27
(86)【国際出願番号】 CN2022095514
(87)【国際公開番号】W WO2022253122
(87)【国際公開日】2022-12-08
(31)【優先権主張番号】202110603393.5
(32)【優先日】2021-05-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510177809
【氏名又は名称】ビーワイディー カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100137523
【氏名又は名称】出口 智也
(72)【発明者】
【氏名】リー、シーパイ
(72)【発明者】
【氏名】チン、ウェイ
(72)【発明者】
【氏名】シュイ、ミン
(72)【発明者】
【氏名】イェー、メイチアオ
(72)【発明者】
【氏名】リー、ユイチョン
【テーマコード(参考)】
3D038
3D235
5H031
【Fターム(参考)】
3D038AA10
3D038AB01
3D038AC20
3D038AC22
3D235BB36
3D235FF25
3D235FF38
5H031AA09
5H031KK08
(57)【要約】
弁群統合モジュール、熱管理システム及び車両である。弁群統合モジュールは、複数の内部流路と、内部流路と外部熱交換アセンブリとを連通させるための複数の接続口とを備えた本体と、本体上に設置され、複数の異なる熱管理回路を形成するように複数の内部流路の一部を連通させることに使用され、複数の所定の熱管理モードのうちの少なくとも1つを実現するために、前記熱管理回路を開閉及び/又は絞り可能に配置されている、第1電動弁及び第2電動弁と、を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の種類の所定の熱管理モードを有する熱管理システム用の弁群統合モジュールであって、
複数の内部流路と、前記内部流路と前記熱管理システムの外部熱交換アセンブリとを連通させるための複数の接続口とが設置された本体(11)と、
前記本体(11)上に設置され、複数の異なる熱管理回路を形成するように複数の前記内部流路の一部を連通させることに使用され、複数の所定の熱管理モードのうちの少なくとも1つを実現するために、前記熱管理回路を開閉及び/又は絞り可能に配置されている、第1電動弁(13)及び第2電動弁(14)と、を含むことを特徴とする弁群統合モジュール。
【請求項2】
前記内部流路は、内蔵流路と外部流路とを含み、前記本体(11)は、第1接続面を有する第1分割体(1101)と、第2接続面を有する第2分割体(1102)とを含み、前記第1接続面と前記第2接続面とは密封接続され、前記第1分割体(1101)の内部には、複数の前記内蔵流路が設けられ、前記第2分割体(1102)の第2接続面には、少なくとも1つの凹溝が設けられ、前記第2接続面における前記凹溝が前記第1接続面と共に前記外部流路を画定する、ことを特徴とする請求項1に記載の弁群統合モジュール。
【請求項3】
前記第1電動弁(13)は、異なる前記熱管理回路を開閉することができるように配置され、前記第1電動弁(13)の第1端部は、圧縮機接続口(11009)と連通し、前記第1電動弁(13)の第2端部は、車内熱交換器入口接続口(11005)または車内凝縮器入口接続口(11001)と選択的に開閉し、前記第2電動弁(14)は、異なる前記熱管理回路を絞り可能に配置され、前記第2電動弁(14)の第1端部は、受液器出口接続口(11006)と連通し、前記第2電動弁(14)の第2端部は、車内蒸発器入口接続口(11004)または車外熱交換器入口接続口(11005)と選択的に絞る、ことを特徴とする請求項1または2に記載の弁群統合モジュール。
【請求項4】
前記本体(11)に設けられた逆止弁(15)をさらに含み、前記逆止弁(15)の入口が車外熱交換器入口接続口(11005)と連通し、前記逆止弁(15)の出口が前記第2電動弁(14)と連通している、ことを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の弁群統合モジュール。
【請求項5】
前記本体(11)に設けられた第1電磁弁(16)をさらに含み、前記第1電磁弁(16)の第1端部が車外熱交換器出口接続口(11008)と連通し、前記第1電磁弁(16)の第2端部が気液分離器入口接続口(11003)と連通している、ことを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の弁群統合モジュール。
【請求項6】
前記第1電動弁(13)は、異なる前記熱管理回路を開閉及び絞り可能に配置され、前記第1電動弁(13)の第1端部は、車内凝縮器出口接続口(11010)と連通し、前記第1電動弁(13)の第2端部は、車外熱交換器入口接続口(11005)と連通し、前記第2電動弁(14)は、異なる前記熱管理回路を開閉可能に配置され、前記第2電動弁(14)の第1端部は車外熱交換器出口接続口(11008)と連通し、前記第2電動弁(14)の第2端部は車内蒸発器入口接続口(11004)または気液分離器入口接続口(11003)と選択的に連通している、ことを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載の弁群統合モジュール。
【請求項7】
前記本体(11)に設置された第1電子膨張弁(17)をさらに含み、前記第1電子膨張弁(17)の第1端部は前記第2電動弁(14)と連通し、前記第1電子膨張弁(17)の第2端部は車内蒸発器入口接続口(11004)と連通している、ことを特徴とする請求項1~6のいずれか一項に記載の弁群統合モジュール。
【請求項8】
前記本体(11)に設置された第2電磁弁(20)をさらに含み、前記第2電磁弁(18)の第1端部が前記車内凝縮器出口接続口(10010)と前記第1電動弁(13)との間に管路を介して連通し、前記第2電磁弁(20)の第2端部が第2電動弁(14)と前記第1電子膨張弁(17)との間に管路を介して連通している、ことを特徴とする請求項1~7のいずれか一項に記載の弁群統合モジュール。
【請求項9】
本体(11)に設けられた第2電子膨張弁(18)をさらに含み、前記第2電子膨張弁(18)の第1端部が車外熱交換器出口接続口(11008)と連通し、前記第2電子膨張弁(18)の第2端部が前記本体(11)に設けられた電池パック熱交換器入口接続口と連通している、ことを特徴とする請求項1~8のいずれか一項に記載の弁群統合モジュール。
【請求項10】
本体(11)上に設置された電池パック熱交換器(19)をさらに含み、前記電池パック熱交換器(19)の入口が前記電池パック熱交換器入口接続口に連通し、前記電池パック熱交換器(19)の出口が気液分離器(6)に接続されている、ことを特徴とする請求項1~9のいずれか一項に記載の弁群統合モジュール。
【請求項11】
熱管理システムであって、
圧縮機(2)、車内凝縮器(3)、車外熱交換器(4)、車内蒸発器(5)、気液分離器(6)、PTC風加熱器(7)、送風機(8)、PTC水加熱器(9)のうちの複数を含む、前記熱管理システムの外部熱交換アセンブリと、請求項1~10のいずれか1項に記載の弁群統合モジュールとを含む、ことを特徴とする熱管理システム。
【請求項12】
請求項11項に記載の熱管理システムを備える、ことを特徴とする車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、2021年05月31日に中国特許局に提出された、出願番号が202110603393.5で、発明の名称が「弁群統合モジュール、熱管理システム及び車両」である中国特許出願の優先権を主張し、その全ての内容は援用により本願に組み込まれる。
【0002】
本開示は車両技術の分野に関し、具体的には、弁群統合モジュール、熱管理システム及び車両に関する。
【背景技術】
【0003】
熱管理システムは車両の重要な構成部分であり、車両内の温度環境を変えて、運転者と乗客に良好な乗車体験を得させることができる。既存の熱管理システムには、機能のニーズに応じて異なる機能を持つ多種類のバルブが配置されている。通常、多種類のバルブが独立して管路に設置されているため、システム管路の接続が複雑になり、車両プラットフォーム化の設計に不利である。また、既存のバルブは電子バルブが多いため、各電子バルブは全車の電気ハーネスに接続する必要があり、各バルブ本体が分散設置されているため、車両のハーネスのコストが高くなってしまう。従来技術では、統合弁も存在するが、既存の統合弁は統合度が低く、占有スペースが依然として比較的大きい。
【発明の概要】
【0004】
本開示の第1目的は、多種類のバルブを統合し、車両熱管理システムの構造の簡素化に有利であり、占有スペースを減らし、コストを低減させる弁群統合モジュールを提供することである。
【0005】
上記目的を実現するために、本開示は、複数の種類の所定の熱管理モードを有する熱管理システム用の弁群統合モジュールであって、
複数の内部流路と、前記内部流路と前記熱管理システムの外部熱交換アセンブリとを連通させるための複数の接続口とが設置された本体と、
前記本体上に設置され、複数の異なる熱管理回路を形成するように複数の前記内部流路の一部を連通させることに使用され、複数の所定の熱管理モードのうちの少なくとも1つを実現するために、前記熱管理回路を開閉及び/又は絞り可能に配置されている、第1電動弁及び第2電動弁と、を含む弁群統合モジュールを提供する。
【0006】
選択的に、前記内部流路は、内蔵流路と外部流路とを含み、前記本体は、第1接続面を有する第1分割体と、第2接続面を有する第2分割体とを含み、前記第1接続面と前記第2接続面とは密封接続され、前記第1分割体の内部には、複数の前記内蔵流路が設けられ、前記第2分割体の第2接続面には、少なくとも1つの凹溝が設けられ、前記第2接続面における前記凹溝が前記第1接続面と共に前記外部流路を画定する。
【0007】
選択的に、前記第1電動弁は、異なる前記熱管理回路を開閉することができるように配置され、前記第1電動弁の第1端部は、圧縮機接続口と連通し、前記第1電動弁の第2端部は、車内熱交換器入口接続口または車内凝縮器入口接続口と選択的に開閉し、前記第2電動弁は、異なる前記熱管理回路を絞り可能に配置され、前記第2電動弁の第1端部は受液器出口接続口と連通し、前記第2電動弁の第2端部は、車内蒸発器入口接続口または車外熱交換器入口接続口と選択的に絞る。
【0008】
選択的に、前記本体に設けられた逆止弁をさらに含み、前記逆止弁の入口が車外熱交換器入口接続口と連通し、前記逆止弁の出口が前記第2電動弁と連通している。
【0009】
選択的に、前記本体に設けられた第1電磁弁をさらに含み、前記第1電磁弁の第1端部が車外熱交換器出口接続口と連通し、前記第1電磁弁の第2端部が気液分離器入口接続口と連通している。
【0010】
選択的に、前記第1電動弁は、異なる前記熱管理回路を開閉及び絞り可能に配置され、前記第1電動弁の第1端部は、車内凝縮器出口接続口と連通し、前記第1電動弁の第2端部は、車外熱交換器入口接続口と連通し、前記第2電動弁は、異なる前記熱管理回路を開閉可能に配置され、前記第2電動弁の第1端部は車外熱交換器出口接続口と連通し、前記第2電動弁の第2端部は車内蒸発器入口接続口または気液分離器接続口と選択的に連通している。
【0011】
選択的に、前記本体に設置された第1電子膨張弁をさらに含み、前記第1電子膨張弁の第1端部は前記第2電動弁と連通し、前記第1電子膨張弁の第2端部は前記車内蒸発器入口接続口と連通している。
【0012】
選択的に、前記本体に設置された第2電磁弁をさらに含み、前記第2電磁弁の第1端部が前記車内凝縮器出口接続口と前記第1電動弁との間に管路を介して連通し、前記第2電磁弁の第2端部が第2電動弁と前記第1電子膨張弁との間に管路を介して連通している。
【0013】
選択的に、本体に設けられた第2電子膨張弁をさらに含み、前記第2電子膨張弁の第1端部が車外熱交換器出口接続口と連通し、前記第2電子膨張弁の第2端部が前記本体に設けられた電池パック熱交換器入口接続口と連通している。
【0014】
選択的に、本体上に設置された電池パック熱交換器をさらに含み、前記電池パック熱交換器の入口が前記電池パック熱交換器入口接続口に連通し、前記電池パック熱交換器の出口が気液分離器に接続されている。
【0015】
本開示の第2目的は、圧縮機、車内凝縮器、車外熱交換器、車内蒸発器、気液分離器、PTC風加熱器、送風機、PTC水加熱器のうちの複数を含む熱管理システムの外部熱交換アセンブリと、上記のいずれか1項に記載の弁群統合モジュールとを含む熱管理システムを提供することである。
【0016】
本開示の第3目的は、上記の熱管理システムを備える車両を提供することである。
【0017】
上記の技術方案では、弁群統合モジュール本体の内部に複数の内部流路を設置して既存の接続管路を置換することにより、熱管理システムにおける接続管路の設計を簡略化するのに有利である。軽量化の観点から言えば、本体に複数の内部流路が設置されて複数の弁をモジュールに統合するように設計することで、モジュール全体の重量を下げるのに有利で、車両全体の軽量化設計に有利である。また、内部流路は、本体上に設置された異なる接続口を介して外部熱管理システムの熱交換アセンブリと連通して複数の異なる熱管理回路を形成し、モジュール上に統合された第1電動弁および第2電動弁によって熱管理回路の開閉または絞りを制御することにより、複数の所定の熱管理モードを実現する目的を達成する。
【0018】
本開示の他の特徴及び利点は、後述する具体的な実施形態部分で詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図面は、本開示をさらに理解するために提供され、明細書の一部を構成し、以下の具体的な実施形態とともに本開示を解釈するために使用され、本開示を制限するためのものではない。
【
図1】本開示の例示的な実施形態による熱管理システムの原理図である。
【
図2】本開示の例示的な実施形態による弁群統合モジュールの組立図である。
【
図3】
図2の弁群統合モジュールの別の視角からの組立図である。
【
図4】本開示の例示的な実施形態による弁群統合モジュールの分解図である。
【
図5】本開示の例示的な実施形態による弁群統合モジュールの正面図である。
【
図6】本開示の例示的な実施形態による弁群統合モジュールの底面図である。
【
図7】本開示の例示的な実施形態による弁群統合モジュールの左側面図である。
【
図8】本開示の例示的な実施形態による弁群統合モジュールの平面図である。
【
図9】本開示の例示的な実施形態による弁群統合モジュールの内部流路の配置模式図である。
【
図10】
図6の弁群統合モジュールのA-A方向断面図である。
【
図11】
図5の弁群統合モジュールのB-B方向断面図である。
【
図12】
図7の弁群統合モジュールのC-C方向断面図である。
【
図13】
図8の弁群統合モジュールのD-D方向断面図である。
【
図14】本開示の例示的な実施形態による別の熱管理システムの原理図である。
【
図15】本開示の例示的な実施形態による別の弁群統合モジュールの組立図である。
【
図16】
図15の弁群統合モジュールの別の視角からの組立図である。
【
図17】本開示の例示的な実施形態による弁群統合モジュールの正面図である。
【
図18】本開示の例示的な実施形態による弁群統合モジュールの底面図である。
【
図19】本開示の例示的な実施形態による弁群統合モジュールの右側面図である。
【
図20】本開示の例示的な実施形態による弁群統合モジュールの内部流路の配置模式図である。
【
図21】
図18の弁群統合モジュールのA-A方向断面図である。
【
図22】
図19の弁群統合モジュールのB-B方向断面図である。
【
図23】
図17の弁群統合モジュールのC-C方向断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を組み合わせて本開示の具体的な実施形態を詳細に説明する。ここで説明される具体的な実施形態は本開示を説明と解釈するためのものに過ぎず、本開示を制限するものではないことを理解すべきである。
【0021】
本開示において、逆の説明をしていない場合、方位語「内、外」は関連部品の内、外を意味する。なお、「第1」、「第2」という用語は区別して説明するためのものであり、相対的な重要性を示したり暗示したりするものとは理解できない。また、本開示の説明では、さらに説明する必要があるのは、特に明確的な規定および限定がない限り、現れた用語「設置」、「接続」、「取付」は、例えば固接するものでもよく、取り外し可能に接続するまたは一体に接続するものでもよく、直接的に相互接続するものでもよく、中間媒介を介して間接的に相互接続するものでもよく、2つの素子の内部を互いに連通するものでもよいこととして、広義に理解されるべきである。当業者は、具体的な状況に応じて、本開示における上記の用語の具体的な意味を理解することができる。
【0022】
本開示は弁群統合モジュールを提供し、該弁群統合モジュールは複数の種類の所定の熱管理モードの中の少なくとも1つを実現するために使用できる。ここでの所定の熱管理モードは、空調冷房モード、ヒートポンプ暖房モード、電池冷却モード、空調冷房及び電池冷却のデュアル運転モード、除湿モードなどを含むが、これらに制限されない。これらの熱管理モードの具体的な作動原理については、後で詳細に説明する。
【0023】
上記に挙げられた複数の種類の所定の熱管理モードを実現するために、熱管理システムは外部熱交換アセンブリと本開示で提供された弁群統合モジュールとを備え、熱交換アセンブリは圧縮機2、車内凝縮器3、車外熱交換器4、車内蒸発器5、気液分離器6、PTC風加熱器7、送風機8、PTC水加熱器9のうちの複数を備える。
【0024】
図1~
図23に示すように、本開示で提供される弁群統合モジュールは、本体11、第1電動弁13及び第2電動弁14を含み、本体11には複数の内部流路及び内部流路と熱管理システムの外部熱交換アセンブリとを連通するための接続口が設けられている。第1電動弁13及び第2電動弁14はいずれも本体11上に設置され、複数の異なる熱管理回路を形成するように複数の内部流路のうちの一部を連通させることに使用され、且つ複数の所定の熱管理モードのうちの少なくとも1つを実現するために、第1電動弁13及び第2電動弁14は、熱管理回路を開閉及び/又は絞り可能に配置されている。
【0025】
なお、第1電動弁13及び第2電動弁14が熱管理回路を開閉及び/又は絞り可能に配置されているとは、第1電動弁13及び第2電動弁14がそれぞれ独立した1つの弁であり、所定の異なる熱管理モードを実現するために、第1電動弁13を例にすると、第1電動弁13は、開閉と絞り減圧の2つの機能の間で切り替えることができるように構成可能であり、換言すれば、第1電動弁13は電磁弁としても膨張弁としても使用してもよいし、第1電動弁13は膨張弁として異なる熱管理回路を絞ってもよいし、第1電動弁13は電磁弁として異なる熱管理回路を開閉してもよいことを指す。第2電動弁14は、第1電動弁13と同様の構成とすることにより、同様の機能を実現することができるが、ここでは割愛する。
【0026】
第1電動弁13と第2電動弁14は、開閉と絞り減圧の2つの機能の間の切り替えを実現できる任意の電動弁を使用することができる。第1電動弁13を例にすると、
図4に示すように、第1電動弁13は球状の弁体1305、調整座1307及びアクチュエータモータ1301を含むことができ、弁体1305には互いに繋がり且つ内部流路に連通するための第1通路と第2通路が設けられ、調整座1307は弁体1305を本体11内に保持するために使用され、例えば、調整座1307には雄ねじが設けられ、本体11には雄ねじに嵌合するための雌ねじが設けられ、アクチュエータモータ1301は弁体1305の回転を駆動するために使用され、弁体1305の回転に伴って、第1電動弁13が開閉と絞り減圧の2つの機能の間で切り替わる機能を実現する。さらに、第1電動弁13は、取り付け方向に沿った両端にそれぞれ接続口を閉鎖するための環状の密封ブロック1304がさらに設けられる。アクチュエータモータ1301はネジ1302によって本体11に取り付けられる。第1電動弁13と第2電動弁14は同様の構造を有することができるが、ここでは割愛する。
【0027】
上記の技術方案では、弁群統合モジュール本体11の内部に複数の内部流路を設置して既存の接続管路を置換することにより、熱管理システムにおける接続管路の設計を簡略化するのに有利である。軽量化の観点から言えば、本体に複数の内部流路が設置されて複数の弁をモジュールに統合するように設計することで、モジュール全体の重量を下げるのに有利で、車両全体の軽量化設計に有利である。また、内部流路は、本体11上に設置された異なる接続口を介して外部熱管理システムの熱交換アセンブリと連通して、複数の異なる熱管理回路を形成し、モジュール上に統合された第1電動弁13および第2電動弁14によって熱管理回路の開閉または絞りを制御することにより、複数の種類の所定の熱管理モードを実現する目的を達成する。
【0028】
本開示の一実施形態によれば、内部流路は、内蔵流路と外部流路とを含み、本体11は、第1接続面を有する第1分割体1101と、第2接続面を有する第2分割体1102とを含み、第1接続面と第2接続面とが密封的に接続されている。第1分割体1101の内部には、複数の前記内蔵流路が設けられ、第2分割体1102の第2接続面には、少なくとも1つの凹溝が設けられ、第2接続面における凹溝が第1接続面と共に外部流路を画定する。第1分割体1101の内部に複数の前記内蔵流路を設け、第1分割体1101と第2分割体1102との間に外部流路を画定し、外部流路と内蔵流路とを弁により選択的に連通させることにより、本体1の内部流路の配置を最適化し、例えば、内部流路の数を減らし、内部流路間の相互干渉を回避する。本開示は、内部流路配置の例示的な説明を後述する。
【0029】
本開示の一実施形態では、
図1~
図3に示すように、第1電動弁13は、異なる熱管理回路を開閉可能に構成され、即ち、第1電動弁13は、電磁弁として異なる熱管理回路を開閉する。ここで、第1電動弁13の第1端部は圧縮機接続口11009と連通し、第1電動弁13の第2端部は車内熱交換器入口接続口11005または車内凝縮器入口接続口11001と選択的に開閉する。ここでの選択的に開閉することとは、必要に応じて、いくつかの熱管理モードでは車内熱交換器入口接続口11005と連通し、他のいくつかの熱管理モードでは車内凝縮器入口接続口11001と連通するように第1電動弁13を制御することを指す。第2電動弁14は、異なる熱管理回路を絞る可能に構成され、即ち、第2電動弁14は、膨張弁として異なる熱管理回路を絞る。ここで、第2電動弁14の第1端部は受液器出口接続口11006と連通し、第2電動弁14の第2端部は車内蒸発器入口接続口11004または車外熱交換器入口接続口11005と選択的に絞る。ここでの選択的に絞ることとは、必要に応じて、いくつかの熱管理モードでは車内蒸発器入口接続口11004と絞り、他のいくつかの熱管理モードでは車外熱交換器入口接続口11005と絞るように第2電動弁14を制御することを指す。
【0030】
更に、弁群統合モジュールは本体11に設けられた逆止弁15をさらに含み、逆止弁15の入口が車外熱交換器入口接続口11005と連通し、逆止弁15の出口が第2電動弁14と連通している。この種類の設計により、車外熱交換器の出入口を入れ替える目的を実現することができる。例えば、空調冷房モードでは、冷媒が第1接続口から第2接続口に向かって流れ、このとき、車外熱交換器内の流路の設計が空調冷房に適合する。冷房時と暖房時とで冷媒の状態が異なり、暖房モードでは依然として車外熱交換器の第1接続口から第2接続口へ冷媒が流れるため、車外熱交換器内部の流路の設計は暖房モードでの冷媒適合性に対して理想的ではないので、車外熱交換器の出入口を入れ替えることにより上記課題を解決することができる。
【0031】
また、弁群統合モジュールは、本体11上に配置され、第1端部が車外熱交換器出口接続口11008と連通し、第2端部が気液分離器入口接続口11003と連通している第1電磁弁16を含むことができる。すなわち、第1電磁弁16の開閉を制御することにより、さらに異なる所定の熱管理モードを実現することができる。
【0032】
本開示の一実施形態によれば、電池パック冷却のための熱管理モードがさらに実現される。
図1~
図3に示すように、弁群統合モジュールは、本体11に設けられた第2電子膨張弁18をさらに含むことができ、第2電子膨張弁18の第1端部が車外熱交換器出口接続口11008と連通し、第2電子膨張弁18の第2端部が本体11に設けられた電池パック熱交換器入口接続口と連通している。第2電子膨張弁18は、本体11内に挿入するための挿着部1801を有していてもよく、第2電子膨張弁18と本体11とは、本体11を貫通して設けられた尾端にねじが付いているピン1802によって固定的に接続されている。
【0033】
弁群統合モジュールは、本体11上に設置された電池パック熱交換器19をさらに含むことができ、電池パック熱交換器19は、ねじ1107によって本体11に接続されることができる。電池パック熱交換器19の入口が電池パック熱交換器入口接続口に連通し、電池パック熱交換器19の出口が気液分離器6に接続されている。電池パック熱交換器19の取り付け方法として、本体11には電池パック熱交換器19の第1端部及び第2端部に接続する接続継手1103、1105と、電池パック熱交換器19の第1端部及び第2端部を密封するOリング1104、1106とがそれぞれ設けられ、電池パック熱交換器19と本体11とをねじ締結具で接続する。
【0034】
以下、図面の
図1~
図13を参照して、上記の技術案によって達成され得る熱管理モードを例示的に説明する。
【0035】
熱管理モードの説明を容易にするために、ここではまず内部流路の配置について例示的に説明する。第1電磁弁16の出口11-102と、電池パック熱交換器19の出口1901と、接続口11-101と、車内蒸発器入口接続口11002と、気液分離器入口接続口11003とを連通させて第1内部流路11-1を形成する。第2電子膨張弁16の入口11-201、受液器出口接続口11006、接続口11-202を連通させて第2内部流路11-2を形成する。第2電子膨張弁16の出口を電池パック熱交換器の入口1902に連通させて第3内部流路11-3を形成する。第2電動弁14の入口を凝縮器出口接続口11006に連通させて第4内部流路11-4を形成する。第2電動弁14の出口を車外熱交換器入口接続口11005に連通させて第5内部流路11-5を形成する。第1電動弁13の出口と、第2電磁弁16の入口11-601と、車外熱交換器出口接続口11008とを連通させて第6内部流路11-6を形成する。PT高圧接続口は、圧縮機出口と連通して第7内部流路11-7を形成する。以上のように形成された複数の内部流路のうち、何れを内蔵流路とし、何れを外部流路とするかを必要に応じて選択することができ、例えば、第1内部流路11-1のうち、第1電磁弁16の出口11-102と接続口11-101との間の部分および第2内部流路を外部流路とし、外部流路の延在方向を干渉回避等の必要に応じて具体的に設定することができるが、ここでは限定せず、他の内部流路を内蔵流路とすることができる。
【0036】
空調冷房モード
圧縮機2は、高温高圧の気体冷媒を排出し、接続管路を介して圧縮機出口接続口11009を経由して第1電動弁13に入り、このとき、第1電動弁13は、第7内部流路11-7と第6内部流路11-6とを連通するように保持し、車外熱交換器出口接続口11008を経由して弁群統合モジュールから流出し、モジュールから流出した冷媒が接続管路を介して車外熱交換器4に入って熱交換を行い、車外熱交換器4から流出した冷媒が接続管路を介して車外熱交換器入口接続口11005を経由して逆止弁15に入り、逆止弁15を流れた後の冷媒が受液器入口接続口11007を経由して接続管路を介して受液器10と連通し、冷媒が受液器10に入り、受液器10から流出した冷媒が接続管路を介して受液器出口接続口11006を経由して第2電動弁14に入り、第2電動弁14は第4内部流路11-4と車内蒸発器入口接続口11004とを連通するように保持して絞り減圧し、冷媒が車内蒸発器5に入って環境熱を吸収して蒸発し、冷却された後の環境温度が送風機8によりメンバーキャビンに冷風を吹き込んで冷房を実現し、車内蒸発器5から流出した冷媒は、接続管路を介して車内蒸発器出口接続口11002を経て弁群統合モジュールに入り、PT低圧センサ12を通った後気液分離器入口接続口11003を経て気液分離器6に入り、最終的に圧縮機2に戻り、これにより1つの空調冷房モードサイクルを完了する。
【0037】
ヒートポンプ暖房モード
圧縮機2は、高温高圧の気体冷媒を排出し、接続管路を介して圧縮機出口接続口11009を経由して第1電動弁13に入り、このとき、第1電動弁13は、第7内部流路11-7と車内凝縮器入口接続口11001とを連通させるように保持し、モジュールから流出した冷媒は接続管路を介して車内凝縮器に入って放熱し、車内凝縮器3の放熱にPTC風加熱器7を組み合わせ、さらに送風機8により熱風を車内に吹き込んで車内を暖房し、冷媒は車内凝縮器3で放熱して液化した後、接続管路を介して受液器10に流入して貯蔵し、受液器10から流出した冷媒は接続管路を介してモジュール上の受液器出口接続口11006を経由して第2電動弁14に入り、第2電動弁は第4内部流路11-4と第5内部流路11-5を連通させるように保持し、冷媒が接続口11-501を経由して車外熱交換器入口接続口11005に流入し、モジュールから流出した冷媒は接続管路を介して車外熱交換器4と連通させ、車外熱交換器4に入って熱交換し、車外熱交換器4から流出した冷媒は、接続管路を介して車外熱交換器出口接続口11008を経由して第1電磁弁16に入り、この時、第1電磁弁16がオンになり、第1電磁弁出口11-102から流出した冷媒は、第1内部流路11-1を経て、PT低圧センサ12の接続口11-103を通過して気液分離器入口接続口11003を経由して気液分離器6に接続管路を介して接続され、最終的に圧縮機2に戻り、ヒートポンプ暖房モードサイクルを完了する。
【0038】
除湿モード
圧縮機2は、高温高圧の気体冷媒を排出し、接続管路を介して圧縮機出口接続口11009を経由して第1電動弁13に入り、このとき、第1電動弁13は、第7内部流路11-7と第6内部流路11-6とを連通するように保持し、車外熱交換器出口接続口11008を経由して弁群統合モジュールから流出し、モジュールから流出した冷媒が接続管路を介して車外熱交換器4に入って熱交換を行い、車外熱交換器4から流出した冷媒が接続管路を介して車外熱交換器入口接続口11005を経由して逆止弁15に入り、逆止弁15を流れた後の冷媒が受液器入口接続口11007を経由して接続管路を介して受液器10と連通し、冷媒が受液器10に入り、受液器10から流出した冷媒が接続管路を介して受液器出口接続口11006を経由して第2電動弁14に入り、第2電動弁14は第4内部流路11ー4と車内蒸発器入口接続口11004とを連通するように保持して絞り減圧し、冷媒が車内蒸発器5に入り、冷媒が車内蒸発器5で吸熱した後冷房し、送風機8によって室内空気を車内蒸発器5と循環させ、室内水蒸気を車内蒸発器5の外側を通過する際に凝縮させて除湿の機能を果たす。
【0039】
電池冷却モード
圧縮機2は、高温高圧の気体冷媒を排出し、接続管路を介して圧縮機出口接続口11009を経由して第1電動弁13に入り、このとき、第1電動弁13は、第7内部流路11-7と第6内部流路11-6とを連通するように保持し、車外熱交換器出口接続口11008を経由して弁群統合モジュールから流出し、モジュールから流出した冷媒が接続管路を介して車外熱交換器4に入って熱交換を行い、車外熱交換器4から流出した冷媒が接続管路を介して車外熱交換器入口接続口11005を経由して逆止弁15に入り、逆止弁15を流れた後の冷媒が受液器入口接続口11007を経由して接続管路を介して受液器10と連通し、冷媒が受液器10に入り、受液器10から流出した冷媒が接続管路を介して受液器出口接続口11006を経由してモジュールに流入した後、第2電子膨張弁18により霧化された後電池パック熱交換器19に入り、低温冷媒が水路と熱交換され、電池パックを冷却させる。
【0040】
空調冷房及び電池冷却のデュアル運転モード
圧縮機2は、高温高圧の気体冷媒を排出し、接続管路を介して圧縮機出口接続口11009を経由して第1電動弁13に入り、このとき、第1電動弁13は、第7内部流路11-7と第6内部流路11-6とを連通するように保持し、車外熱交換器出口接続口11008を経由して弁群統合モジュールから流出し、モジュールから流出した冷媒が接続管路を介して車外熱交換器4に入って熱交換を行い、車外熱交換器4から流出した冷媒が接続管路を介して車外熱交換器入口接続口11005を経由して逆止弁15に入り、逆止弁15を流れた後の冷媒が受液器入口接続口11007を経由して接続管路を介して受液器10と連通し、冷媒が受液器10に入り、受液器10から流出した冷媒が接続管路を介して受液器出口接続口11006を経由して第2電動弁14に入り、第2電動弁14は第4内部流路11ー4と車内蒸発器入口接続口11004とを連通するように保持して絞り減圧し、冷媒が車内蒸発器5に入って環境熱を吸収して蒸発し、冷却された後の環境温度が送風機8によりメンバーキャビンに冷風を吹き込んで冷房を実現する。第2電子膨張弁18がオンし、冷媒が霧化した後電池パック熱交換器19に入り、低温冷媒が水路と熱交換され、電池パックを冷却させる。
【0041】
本開示の別の一実施形態では、
図14~
図16に示すように、第1電動弁13は、異なる熱管理回路を開閉及び絞り可能に構成され、即ち、第1電動弁13は、開閉位置と絞り位置との間で切り換え可能に構成されており、つまり、第1電動弁13は、電磁弁としても膨張弁としても使用可能である。ここで、第1電動弁13の第1端部は車内凝縮器出口接続口11010と連通し、第1電動弁13の第2端部は車外熱交換器入口接続口11005と連通している。第2電動弁14は、異なる熱管理回路を開閉可能に構成され、即ち、第2電磁弁14は、電磁弁として異なる熱管理回路を開閉する。ここで、第2電動弁14の第1端部は、車外熱交換器出口接続口11008と連通し、第2電動弁14の第2端部は、車内蒸発器入口接続口11004または気液分離器入口接続口11003と選択的に連通している。
【0042】
さらに、弁群統合モジュールは本体11に設置された第1電子膨張弁17をさらに含み得、第1電子膨張弁17の第1端部は第2電動弁14と連通し、第1電子膨張弁17の第2端部は車内蒸発器入口接続口11004と連通している。選択的に、弁群統合モジュールは本体11に設置された第2電磁弁20をさらに含み得、第2電磁弁20の第1端部が車内凝縮器出口接続口10010と第1電動弁13との間に管路を介して連通し、第2電磁弁20の第2端部が第2電動弁14と第1電子膨張弁17との間に管路を介して連通している。
【0043】
本開示の一実施形態によれば、電池パック冷却のための熱管理モードがさらに実現される。
図1~
図3に示すように、弁群統合モジュールは、本体11に設けられた第2電子膨張弁18をさらに含み得、第2電子膨張弁18の第1端部が車外熱交換器出口接続口11008と連通し、第2電子膨張弁18の第2端部が本体11に設けられた電池パック熱交換器入口接続口と連通している。弁群統合モジュールは、本体11上に設置された電池パック熱交換器19をさらに含むことができる。電池パック熱交換器19の入口が電池パック熱交換器入口接続口に連通し、電池パック熱交換器19の出口が気液分離器6に接続されている。
【0044】
以下、図面の
図14~
図23を参照して、上記の技術案によって達成され得る熱管理モードを例示的に説明する。
【0045】
熱管理モードの説明を容易にするために、ここではまず内部流路の配置について例示的に説明する。第2電動弁14の出口11-101’、第2電磁弁20の出口11-102’、第1電子膨張弁17の出口11-103’及び第2電子膨張弁18の入口を連通させて第1内部流路11-1’を形成し、第2電子膨張弁18出口を接続口11-201’を介して電池パック熱交換器入口1902と連通させて第2内部流路11-2’を形成し、第2電動弁14の出口すなわち11-301’を介して接続された電池パック熱交換器出口1901と気液分離器入口接続口11003、第4内部流路11-4’及びPT低圧センサ接続口11-401’及び車内蒸発器出口接続口11002と連通させて第3内部流路11-3’を形成し、第1電動弁13入口11-701’と第2電磁弁20入口すなわち車内凝縮器出口接続口11010と連通させて第5内部流路11-5’を形成する。以上のように形成された複数の内部流路のうち、何れを内蔵流路とし、何れを外部流路とするかを必要に応じて選択することができ、例えば、第1内部流路11-1’を外部流路とし、外部流路の延在方向を干渉回避等の必要に応じて具体的に設定することができるが、ここでは限定せず、他の内部流路を内蔵流路とすることができる。
【0046】
空調冷房モード
圧縮機2は、高温高圧の気体冷媒を排出し、車内凝縮器3に入り、冷媒は、車内凝縮器3で放熱液化した後、車内凝縮器出口接続口11010を経由して第1電動弁13に入り、このとき、第1電動弁13は、電磁弁として使用されるように切り替えられ且つオン状態にあり、そして、第1内流路11-7’の接続口11-701’と第1電動弁13の出口すなわち車外熱交換器入口11005とを連通させるように保持し、冷媒が接続管路を介して車外熱交換器4に入り、車外熱交換器4から流出した冷媒が接続管路を介して車外熱交換器出口接続口11008を経て第2電動弁14に入り、このとき、第2電動弁14は車内蒸発器出口接続口11008と第2電動弁14の出口11-101’とを連通させるように保持し、第1内流路11-1’を経て第1電子膨張弁17入口11-103’に連通し、第1電子膨張弁17を経て絞り減圧された後、車内蒸発器入口接続口11004を経由して接続管路を介して車内蒸発器5に入って環境熱を吸収して蒸発し、冷却された後の環境温度が送風機8によりメンバーキャビンに冷風を吹き込んで冷房を実現し、車内蒸発器5から流出した冷媒は、接続管路を介して車内蒸発器出口接続口11002を経て弁群統合モジュールに入り、第4内部流路11-4’を介してPT低圧センサ12の接続口を経て第3内流路11-3’に入り、そして、気液分離器入口接続口11003を経て気液分離器6に入り、最終的に圧縮機2に戻り、これにより1つの空調冷房モードサイクルを完了する。
【0047】
ヒートポンプ暖房モード
圧縮機2は、高温高圧の気体冷媒を排出し、車内凝縮器3に入って放熱し、車内凝縮器3の放熱にPTC風加熱器7を組み合わせ、さらに送風機8により熱風を車内に吹き込んで車内を暖房させ、冷媒は車内凝縮器3で放熱液化した後、車内凝縮器出口接続口11010を経由して第1電動弁13に入り、このとき、第1電動弁13は膨張弁に切り替えて使用され、第7内流路11-7’の接続口11-701’と第1電動弁13の出口すなわち車外熱交換器入口接続口11005を連通させ、絞り降圧した後の冷媒は接続管路を介して車外熱交換器4に入り、車外熱交換器4から流出した冷媒は接続管路を介して車外熱交換器出口接続口11008を経て第2電動弁14に入り、このとき、第2電動弁14は車外熱交換器出口接続口11008と第3内流路11-3’とを連通するように保持し、気液分離器入口接続口11003を介して気液分離器6に接続し、最終的に圧縮機2に戻り、ヒートポンプ暖房モードサイクルを完了する。
【0048】
除湿モード
圧縮機2は、高温高圧の気体冷媒を排出し、車内凝縮器3に入り、冷媒は、車内凝縮器3で放熱液化した後、車内凝縮器出口接続口11010を経て第1電動弁13に入り、このとき、第1電動弁13は、電磁弁として使用されるように切り替えられ且つオン状態にあり、そして、第1内流路11-7’の接続口11-701’と第1電動弁13の出口すなわち車外熱交換器入口11005とを連通させるように保持し、冷媒が接続管路を介して車外熱交換器4に入り、車外熱交換器4から流出した冷媒が接続管路を介して車外熱交換器出口接続口11008を経て第2電動弁14に入り、このとき、第2電動弁14は車内蒸発器出口接続口11008と第2電動弁14の出口11-101’とを連通させるように保持し、第1内流路11-1’を経て第1電子膨張弁17の入口11-103’に連通し、第1電子膨張弁17を経て絞り減圧された後、車内蒸発器入口接続口11004を経由して接続管路を介して車内蒸発器5に入り、冷媒は車内蒸発器5で吸熱して冷房し、送風機8により室内空気を車内蒸発器5と循環させ、室内水蒸気を車内蒸発器5の外側を通過する際に凝縮させて除湿の機能を果たす。
【0049】
電池冷却モード
圧縮機2は、高温高圧の気体冷媒を排出し、車内凝縮器3に入り、冷媒は車内凝縮器3で放熱液化した後、車内凝縮器出口接続口11010を経由して第1電動弁13に入り、このとき、第1電動弁13は電磁弁に切り替えて使用し且つオン状態になり、第1内流路11-7’の接続口11-701’と第1電動弁13の出口すなわち車外熱交換器入口11005とを連通させるように保持し、冷媒は接続管路を介して車外熱交換器4に入り、車外熱交換器4から流出した冷媒は接続管路を介して車外熱交換器出口接続口11008を経由して第2電動弁14に入り、第2電子膨張弁18によって霧化された後電池パック熱交換器19に入り、低温冷媒が水路と熱交換され、電池パックを冷却させる。
【0050】
空調冷房及び電池冷却のデュアル運転モード
圧縮機2は、高温高圧の気体冷媒を排出し、車内凝縮器3に入り、冷媒は、車内凝縮器3で放熱液化した後、車内凝縮器出口接続口11010を経由して第1電動弁13に入り、このとき、第1電動弁13は、電磁弁として使用されるように切り替えられ且つオン状態にあり、そして、第1内流路11-7’の接続口11-701’と第1電動弁13の出口すなわち車外熱交換器入口11005とを連通させるように保持し、冷媒が接続管路を通じて車外熱交換器4に入り、車外熱交換器4から流出した冷媒が接続管路を介して車外熱交換器出口接続口11008を経て第2電動弁14に入り、このとき、第2電動弁14は車内蒸発器出口接続口11008と第2電動弁14の出口11-101’とを連通させるように保持し、第1内流路11-1’を経て第1電子膨張弁17の入口11-103’と連通し、第1電子膨張弁17を経て絞り減圧された後、車内蒸発器入口接続口11004を経由して接続管路を介して車内蒸発器5に入って環境熱を吸収して蒸発し、冷却された後の環境温度が送風機8によりメンバーキャビンに冷風を吹き込んで冷房を実現する。第2電子膨張弁18がオンし、冷媒が霧化した後電池パック熱交換器19に入り、低温冷媒が水路と熱交換され、電池パックを冷却させる。
【0051】
本開示の第2の目的は、熱管理システムを提供することであり、前記熱管理システムは熱管理システムの外部熱交換アセンブリと上記のいずれかの実施形態による弁群統合モジュールとを備え、外部熱交換アセンブリは圧縮機2、車内凝縮器3、車外熱交換器4、車内蒸発器5、気液分離器6、PTC風加熱器7、送風機8、PTC水加熱器9のうちの複数を含む。
【0052】
本開示の第3の目的は、車両を提供することであり、前記車両は上記熱管理システムを備え、該熱管理システムのすべての所定の熱管理モードを実現することができるが、ここでは割愛する。以上で図面を組み合わせて本開示の好ましい実施形態を詳細に説明したが、本開示は上記実施形態における具体的な細部に制限されず、本開示の技術的構想範囲内で、本開示の技術的解決手段に対して様々な簡単な変形を行うことができ、これらの簡単な変形はいずれも本開示の保護範囲に属する。
【0053】
また、説明する必要がある点として、上記具体的な実施形態に説明される各具体的な技術的特徴は、矛盾しない場合、任意の適切な方式で組み合わせることができる。不必要な繰り返しを避けるために、本開示は様々な可能な組み合わせ方式を別途に説明しない。
【0054】
なお、本開示の様々な異なる実施形態を任意に組み合わせることができ、本開示の思想を逸脱しない限り、同様に本開示で開示された内容として見なされるべきである。
【手続補正書】
【提出日】2023-11-27
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の種類の所定の熱管理モードを有する熱管理システム用の弁群統合モジュールであって、
複数の内部流路と、前記内部流路と前記熱管理システムの外部熱交換アセンブリとを連通させるための複数の接続口とが設置された本体(11)と、
前記本体(11)上に設置され、複数の異なる熱管理回路を形成するように複数の前記内部流路の一部を連通させることに使用され、複数の所定の熱管理モードのうちの少なくとも1つを実現するために、前記熱管理回路を開閉及び/又は絞り可能に配置されている、第1電動弁(13)及び第2電動弁(14)と、を含むことを特徴とする弁群統合モジュール。
【請求項2】
前記内部流路は、内蔵流路と外部流路とを含み、前記本体(11)は、第1接続面を有する第1分割体(1101)と、第2接続面を有する第2分割体(1102)とを含み、前記第1接続面と前記第2接続面とは密封接続され、前記第1分割体(1101)の内部には、複数の前記内蔵流路が設けられ、前記第2分割体(1102)の第2接続面には、少なくとも1つの凹溝が設けられ、前記第2接続面における前記凹溝が前記第1接続面と共に前記外部流路を画定する、ことを特徴とする請求項1に記載の弁群統合モジュール。
【請求項3】
前記第1電動弁(13)は、異なる前記熱管理回路を開閉することができるように配置され、前記第1電動弁(13)の第1端部は、圧縮機接続口(11009)と連通し、前記第1電動弁(13)の第2端部は、車内熱交換器入口接続口(11005)または車内凝縮器入口接続口(11001)と選択的に開閉し、前記第2電動弁(14)は、異なる前記熱管理回路を絞り可能に配置され、前記第2電動弁(14)の第1端部は、受液器出口接続口(11006)と連通し、前記第2電動弁(14)の第2端部は、車内蒸発器入口接続口(11004)または車外熱交換器入口接続口(11005)と選択的に絞る、ことを特徴とする請求項
1に記載の弁群統合モジュール。
【請求項4】
前記本体(11)に設けられた逆止弁(15)をさらに含み、前記逆止弁(15)の入口が車外熱交換器入口接続口(11005)と連通し、前記逆止弁(15)の出口が前記第2電動弁(14)と連通している、ことを特徴とする請求項
1に記載の弁群統合モジュール。
【請求項5】
前記本体(11)に設けられた第1電磁弁(16)をさらに含み、前記第1電磁弁(16)の第1端部が車外熱交換器出口接続口(11008)と連通し、前記第1電磁弁(16)の第2端部が気液分離器入口接続口(11003)と連通している、ことを特徴とする請求項
1に記載の弁群統合モジュール。
【請求項6】
前記第1電動弁(13)は、異なる前記熱管理回路を開閉及び絞り可能に配置され、前記第1電動弁(13)の第1端部は、車内凝縮器出口接続口(11010)と連通し、前記第1電動弁(13)の第2端部は、車外熱交換器入口接続口(11005)と連通し、前記第2電動弁(14)は、異なる前記熱管理回路を開閉可能に配置され、前記第2電動弁(14)の第1端部は車外熱交換器出口接続口(11008)と連通し、前記第2電動弁(14)の第2端部は車内蒸発器入口接続口(11004)または気液分離器入口接続口(11003)と選択的に連通している、ことを特徴とする請求項
1に記載の弁群統合モジュール。
【請求項7】
前記本体(11)に設置された第1電子膨張弁(17)をさらに含み、前記第1電子膨張弁(17)の第1端部は前記第2電動弁(14)と連通し、前記第1電子膨張弁(17)の第2端部は車内蒸発器入口接続口(11004)と連通している、ことを特徴とする請求項
1に記載の弁群統合モジュール。
【請求項8】
前記本体(11)に設置された第2電磁弁(20)をさらに含み、前記第2電磁弁(18)の第1端部が前記車内凝縮器出口接続口(10010)と前記第1電動弁(13)との間に管路を介して連通し、前記第2電磁弁(20)の第2端部が第2電動弁(14)と前記第1電子膨張弁(17)との間に管路を介して連通している、ことを特徴とする請求項
1に記載の弁群統合モジュール。
【請求項9】
本体(11)に設けられた第2電子膨張弁(18)をさらに含み、前記第2電子膨張弁(18)の第1端部が車外熱交換器出口接続口(11008)と連通し、前記第2電子膨張弁(18)の第2端部が前記本体(11)に設けられた電池パック熱交換器入口接続口と連通している、ことを特徴とする請求項
1に記載の弁群統合モジュール。
【請求項10】
本体(11)上に設置された電池パック熱交換器(19)をさらに含み、前記電池パック熱交換器(19)の入口が前記電池パック熱交換器入口接続口に連通し、前記電池パック熱交換器(19)の出口が気液分離器(6)に接続されている、ことを特徴とする請求項
1に記載の弁群統合モジュール。
【請求項11】
熱管理システムであって、
圧縮機(2)、車内凝縮器(3)、車外熱交換器(4)、車内蒸発器(5)、気液分離器(6)、PTC風加熱器(7)、送風機(8)、PTC水加熱器(9)のうちの複数を含む、前記熱管理システムの外部熱交換アセンブリと、請求項1~10のいずれか1項に記載の弁群統合モジュールとを含む、ことを特徴とする熱管理システム。
【請求項12】
請求項11に記載の熱管理システムを備える、ことを特徴とする車両。
【国際調査報告】