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特表2024-519666金属処理用の非接触式ルーパ及び関連する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-21
(54)【発明の名称】金属処理用の非接触式ルーパ及び関連する方法
(51)【国際特許分類】
   B65H 20/00 20060101AFI20240514BHJP
   B65H 5/00 20060101ALI20240514BHJP
   B65H 23/188 20060101ALI20240514BHJP
   B21B 39/00 20060101ALI20240514BHJP
   F27D 19/00 20060101ALI20240514BHJP
   F27B 9/28 20060101ALI20240514BHJP
【FI】
B65H20/00 Z
B65H5/00 F
B65H5/00 Z
B65H23/188
B21B39/00 A
B21B39/00 Z
F27D19/00 Z
F27B9/28
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023562553
(86)(22)【出願日】2022-03-24
(85)【翻訳文提出日】2023-10-11
(86)【国際出願番号】 US2022071299
(87)【国際公開番号】W WO2022221807
(87)【国際公開日】2022-10-20
(31)【優先権主張番号】63/174,076
(32)【優先日】2021-04-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】506110243
【氏名又は名称】ノベリス・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】NOVELIS INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100123593
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 宣夫
(74)【代理人】
【識別番号】100208225
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 修二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100217179
【弁理士】
【氏名又は名称】村上 智史
(74)【代理人】
【識別番号】100202418
【弁理士】
【氏名又は名称】河原 肇
(72)【発明者】
【氏名】アントワーヌ ジーン ウィリー プラロング
(72)【発明者】
【氏名】ティモシー エフ.スタニストリート
(72)【発明者】
【氏名】アドルフォ レイス
(72)【発明者】
【氏名】ハンスジェルグ アルダー
(72)【発明者】
【氏名】レナート ルフィノ グザビエ
【テーマコード(参考)】
3F101
3F103
3F105
4K050
4K056
【Fターム(参考)】
3F101LA15
3F101LB10
3F103AA05
3F103EA07
3F103EA15
3F105AA08
3F105AB11
3F105BA01
3F105BA07
3F105BA12
3F105CA11
3F105DA11
3F105DA21
4K050AA01
4K050BA03
4K050CG01
4K050CG28
4K050EA02
4K056AA08
4K056CA04
4K056FA01
(57)【要約】
金属基板用の非接触式ルーパは、入口と、出口と、入口と出口との間の少なくとも1つの歪みデバイスとを含む。非接触式ルーパは、処理方向に入口から出口まで移動する金属基板を受け取り、少なくとも1つの歪みデバイスでの金属基板の位置が、ルーパの入口での金属基板の高さから垂直にオフセットされるように、金属基板において処理方向に沿って歪みを付与するように構成されている。非接触式ルーパで金属基板を処理するための方法は、非接触式ルーパの入口において金属基板をパスラインに沿って受け取ること、金属基板にルーパで歪みを付与すること、及び非接触式ルーパの出口から金属基板を通すことを含む。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
非接触式ルーパであって、
入口、
出口であって、前記非接触式ルーパが、処理方向に前記入口から前記出口まで移動する金属基板を受け取るように構成されている、前記出口、及び
前記入口と前記出口との間の少なくとも1つの歪みデバイスであって、金属基板に接触することなく、前記金属基板に歪みの力を付与し、その結果、前記金属基板の前記処理方向に沿って歪みが生じるように構成され、よって前記ルーパの前記入口から下流の前記金属基板の位置は、前記ルーパの前記入口での前記金属基板の位置から垂直にオフセットされるようにする、前記少なくとも1つの歪みデバイス、
を備える、前記非接触式ルーパ。
【請求項2】
前記少なくとも1つの歪みデバイスは、前記ルーパの前記入口から下流の前記金属基板の一部が懸垂部を形成するように、前記金属基板に、前記金属基板の重量とは釣り合わない垂直の力を付与する、請求項1に記載の非接触式ルーパ。
【請求項3】
前記少なくとも1つの歪みデバイスは、第1の歪みデバイス及び第2の歪みデバイスを含み、前記第1の歪みデバイスは、前記金属基板に第1の力を付与するように構成されており、前記第2の歪みデバイスは、前記第1の力とは異なる第2の力を前記金属基板に付与するように構成されている、請求項1に記載の非接触式ルーパ。
【請求項4】
前記少なくとも1つの歪みデバイスからの前記力は、調節可能である、請求項1に記載の非接触式ルーパ。
【請求項5】
前記少なくとも1つの歪みデバイスは、磁気ロータを含み、前記少なくとも1つの歪みデバイスからの前記力の大きさは、前記磁気ロータの回転速度を変化させることによって調整可能である、請求項4に記載の非接触式ルーパ。
【請求項6】
前記非接触式ルーパは、前記金属基板における前記歪みの振幅または張力のうちの少なくとも一方を制御するように構成されている、請求項1に記載の非接触式ルーパ。
【請求項7】
前記非接触式ルーパは、前記歪みデバイスと前記金属基板との間のギャップのサイズ、前記歪みの力の大きさ、前記歪みデバイスの垂直位置、または磁気ロータの回転速度のうちの少なくとも1つを作動させることによって、前記歪みの力を制御するように構成されている、請求項1に記載の非接触式ルーパ。
【請求項8】
前記少なくとも1つの歪みデバイスは、複数の磁気ロータを含み、
前記複数の磁気ロータの各磁気ロータは、前記処理方向に対して垂直で、前記金属基板の横方向の幅に対して平行である軸を中心として回転可能であり、
前記複数の磁気ロータは、前記金属基板に歪みの力をもたらすことによって、前記処理方向に移動する前記金属基板を浮上させるように構成されている、請求項1に記載の非接触式ルーパ。
【請求項9】
金属基板のための処理ラインであって、前記金属基板に接触することなく処理方向に移動する前記金属基板に歪みを付与するように構成された非接触式ルーパを含み、前記非接触式ルーパは、
入口、
出口、及び
前記入口と前記出口との間の少なくとも1つの歪みデバイスであって、前記非接触式ルーパは、前記金属基板のための前記入口から前記出口までのパスラインを画定し、前記入口は、前記パスラインの基部の高さを画定し、前記少なくとも1つの歪みデバイスにおける前記パスラインの位置が前記基部の高さからオフセットされるように、前記ルーパは前記パスラインを垂直にオフセットする、前記少なくとも1つの歪みデバイス、
を備える、前記処理ライン。
【請求項10】
前記少なくとも1つの歪みデバイスに通信可能に接続されたコントローラをさらに備え、前記コントローラは、少なくとも、
前記金属基板と前記少なくとも1つの歪みデバイスとの間のギャップ、
前記ルーパの少なくとも1つの歪みデバイスによって前記金属基板に加えられる前記歪みの力の大きさ、の1つを作動させることにより、前記金属基板の前記歪みの振幅を制御するように構成されている、請求項9に記載の処理ライン。
【請求項11】
前記少なくとも1つの歪みデバイスに通信可能に接続されたコントローラをさらに含み、前記コントローラは、前記金属基板の熱膨張、前記金属基板の熱収縮、または前記入口と前記出口との間に生じる前記金属基板のクリープのうちの少なくとも1つを、少なくとも、
前記金属基板の前記歪みの振幅、
前記金属基板と前記少なくとも1つの歪みデバイスとの間のギャップ、
前記ルーパの少なくとも1つの歪みデバイスによって前記金属基板に加えられる力の大きさ、の1つを作動させることにより、補うように構成されている、請求項9に記載の処理ライン。
【請求項12】
前記少なくとも1つの歪みデバイスに通信可能に接続されたコントローラをさらに備え、前記コントローラは、少なくとも、
前記金属基板の前記歪みの振幅、
前記金属基板と前記少なくとも1つの歪みデバイスとの間のギャップ、
前記ルーパの少なくとも1つの歪みデバイスによって前記金属基板に加えられる前記歪みの力の大きさ、の1つを作動させることにより、前記金属基板の前記張力を制御するように構成されている、請求項9に記載の処理ライン。
【請求項13】
前記非接触式ルーパの上流にある第1の処理設備の一部であって、前記非接触式ルーパの上流で前記金属基板に接触するように構成されている、前記第1の処理設備の一部、
前記非接触式ルーパの下流にある第2の処理設備の一部であって、前記非接触式ルーパの下流で前記金属基板に接触するように構成されている、前記第2の処理設備の一部、及び
前記第1の処理設備の一部及び前記第2の処理設備の一部に通信可能に接続されている、コントローラ、をさらに備える、請求項9に記載の処理ライン。
【請求項14】
前記コントローラは、
前記ルーパの前記入口から下流の前記パスラインの高さが、前記第1の処理設備の一部での前記金属基板のラインの速度を低下させること、または前記第2の処理設備の一部での前記金属基板のラインの速度を増加させることの少なくとも一方によって前記基部の高さからオフセットされる量を低減すること、及び
前記ルーパの前記入口から下流の前記パスラインの前記高さが、前記第1の処理設備の一部での前記金属基板の前記ラインの速度を増加させること、または前記第2の処理設備の一部での前記金属基板の前記ラインの速度を低下させることの少なくとも一方によって、前記基部の高さからオフセットされる前記量を増加させること、に対して選択的に構成されること、
をさらに含む、請求項13に記載の処理ライン。
【請求項15】
前記コントローラは、前記第1の処理設備の一部での前記金属基板のラインの速度または前記第2の処理設備の一部での前記金属基板のラインの速度のうちの少なくとも1つを作動させることにより、前記金属基板の熱膨張、前記金属基板の熱収縮、または前記上流及び下流の処理設備の間に生じる前記金属基板のクリープのうちの少なくとも1つを補うように構成されている、請求項13に記載の処理ライン。
【請求項16】
前記コントローラは、
前記第1の処理設備の一部における前記金属基板のラインの速度を低下させること、または前記第2の処理設備の一部における前記金属基板のラインの速度を増加させることの少なくとも一方によって、前記金属基板における張力を増加させること、及び
前記第1の処理設備の一部における前記金属基板のラインの速度を増加させること、または前記第2の処理設備の一部における前記金属基板のラインの速度を低下させることの少なくとも一方によって、前記金属基板における前記張力を低下させること、に対して選択的に構成される、請求項13に記載の処理ライン。
【請求項17】
前記ルーパの前記少なくとも1つの歪みデバイスが、1つまたは複数の磁気ロータを含み、
前記複数の磁気ロータの各磁気ロータは、前記処理方向に対して垂直で、前記金属基板の横方向の幅に対して平行である軸を中心として回転可能であり、
前記複数の磁気ロータは、前記処理方向に移動する前記金属基板を浮上させて加熱するように構成されており、
前記ルーパの少なくとも1つの磁気ロータによって前記金属基板に加えられる力の大きさが調整可能である、請求項9に記載の処理ライン。
【請求項18】
非接触式ルーパを用いて処理方向に移動する金属基板を処理する方法であって、
前記非接触式ルーパの入口でパスラインに沿って前記金属基板を受け取ること、
前記金属基板が前記処理方向に移動する際、前記金属基板に接触することなく、前記ルーパによって前記金属基板に歪みを付与することであって、前記歪みが前記処理方向にある、前記付与すること、及び
前記金属基板を前記非接触式ルーパの出口から通すこと、
を含む、前記方法。
【請求項19】
前記ルーパは、複数の磁気ロータを含み、
前記複数の磁気ロータの各磁気ロータは、前記処理方向に対して垂直で、前記金属基板の横方向の幅に対して平行である軸を中心として回転可能であり、
前記複数の磁気ロータは、前記金属基板に歪みの力をもたらすことによって、前記処理方向に沿って移動する前記金属基板を浮上させるように構成されており、
前記歪みを付与することは、前記ルーパの少なくとも1つの磁気ロータで前記歪みを付与することを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記金属基板の前記歪みの振幅を、少なくとも、
前記金属基板と前記歪みデバイスとの間のギャップ、または
前記ルーパの少なくとも1つの歪みデバイスによって前記金属基板に加えられる力の大きさ、の1つを作動させることにより、制御することをさらに含む、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
前記金属基板の熱膨張、前記金属基板の熱収縮、または前記入口と前記出口との間に生じる前記金属基板のクリープのうちの少なくとも1つを、少なくとも、
前記金属基板の前記歪みの振幅、
前記金属基板と前記少なくとも1つの歪みデバイスとの間のギャップ、または
前記ルーパの少なくとも1つの歪みデバイスによって前記金属基板に加えられる力の大きさ、の1つを作動させることによって補うことをさらに含む、請求項18に記載の方法。
【請求項22】
前記金属基板における張力を、少なくとも、
前記金属基板の前記歪みの振幅、
前記金属基板と前記少なくとも1つの歪みデバイスとの間のギャップ、
前記ルーパの少なくとも1つの歪みデバイスによって前記金属基板に加えられる力の大きさの1つを作動させることにより制御することをさらに含む、請求項18に記載の方法。
【請求項23】
前記歪みを付与することが、
前記処理方向に対して垂直で、前記金属基板の横方向の幅に対して平行である軸を中心として回転可能な磁気ロータを設けること、
前記非接触式ルーパの前記入口での前記パスラインの垂直位置に対する、前記ルーパの前記入口から下流の前記パスラインの垂直位置を、
前記磁気ロータの軸がオフセットされた垂直位置にあるように、前記磁気ロータを配置すること、または
前記磁気ロータによって前記金属基板に加えられる力の大きさを選択することの少なくとも1つによりオフセットすること、及び
前記金属基板が前記磁気ロータに隣接して通過しながら浮上されるように、前記磁気ロータを、前記軸を中心として回転させることを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項24】
前記金属基板の前記歪みの振幅または張力の少なくとも1つを、少なくとも、
前記金属基板のラインの速度、または
前記ルーパの少なくとも1つの歪みデバイスによって前記金属基板に加えられる力の大きさ、の1つを作動させることにより、制御することをさらに含む、請求項18に記載の方法。
【請求項25】
少なくとも1つの歪みデバイスを備えた非接触式ルーパであって、処理方向に移動する金属基板を受け取るように構成されており、前記少なくとも1つの歪みデバイスは、前記金属基板に接触することなく金属基板に歪みの力を付与し、その結果、前記金属基板における前記処理方向に沿った垂直の歪みを生じさせるように構成されており、前記少なくとも1つの歪みデバイスからの前記力は調整可能である、前記非接触式ルーパ。
【請求項26】
前記少なくとも1つの歪みデバイスの前記力は、前記歪みデバイスと前記金属基板との間のギャップのサイズのうちの少なくとも1つを作動させることによって調整可能である、請求項25に記載の非接触式ルーパ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、その全体があらゆる目的のために参照により本明細書に援用される、2021年4月13日に出願された米国仮特許出願第63/174,076号の利益及び優先権を主張する。
【0002】
本願は、概して、冶金学に関し、より具体的には、ルーパを用いて金属物品を処理するためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
ウェブ処理は、多くの製造プロセスの重要な側面である。ウェブの張力は重要なプロセスパラメータである。それというのも、過剰な張力は破損または亀裂を招く可能性があり、一方、圧縮は座屈を招く可能性があるからである。いくつかの場合に、ウェブは、比較的薄くかつ幅の広い場合がある圧延金属製品などの金属製品であり得る。金属製品における張力は、通常、金属製品が歪みロールに及ぼす力と、歪みロールに対する金属製品の歪みの角度とを記録することによって測定される。この方法では、歪みロールと金属製品との間に物理的な接触が必要とされる。品質またはその他の制約により、物理的接触が許容されない場合、張力を測定及び制御するいずれの実用的な方法も現在存在していない。例えば、加熱装置またはその他の位置もしくはデバイスは、品質またはその他の制約に起因する物理的接触を許容することができない場合がある。
【発明の概要】
【0004】
本特許の適用を受ける本発明の実施形態は、この発明の概要ではなく、下記の特許請求の範囲によって定義される。この発明の概要は、本発明の様々な実施形態の高水準の概要であり、下記の発明を実施するための形態のセクションにさらに説明される概念の一部を紹介する。この発明の概要は、特許請求される主題の重要または本質的な特徴を特定することを意図しておらず、また、特許請求される主題の範囲を決定するために単独で使用することも意図していない。主題は、本特許の明細書全体、図面のいずれかまたはすべて、及び各請求項の適切な部分を参照することによって理解されるべきである。
【0005】
特定の実施形態によれば、非接触式ルーパは、入口及び出口を含み、非接触式ルーパは、処理方向に入口から出口まで移動する金属基板を受け取る。非接触式ルーパはまた、入口と出口との間に少なくとも1つの歪みデバイスを含み、少なくとも1つの歪みデバイスは、金属基板に接触することなく、金属基板の処理方向に沿って金属基板に歪みを付与し、よって、ルーパの入口から下流の金属基板の位置は、ルーパの入口での金属基板の位置から垂直にオフセットされる。
【0006】
いくつかの実施形態によれば、金属基板のための処理ラインは、金属基板に接触することなく処理方向に移動する金属基板に歪みを付与する、非接触式ルーパを含む。非接触式ルーパは、入口と、出口と、入口と出口との間の少なくとも1つの歪みデバイスとを含む。非接触式ルーパは、入口から出口までの金属基板のためのパスラインを画定し、入口は、パスラインの基部の高さを画定する。ルーパは、少なくとも1つの歪みデバイスでのパスラインの位置が基部の高さからオフセットされるように、パスラインを垂直にオフセットする。
【0007】
様々な実施形態によれば、非接触式ルーパを用いて処理方向に移動する金属基板を処理する方法は、非接触式ルーパの入口で金属基板をパスラインに沿って受け取ることを含む。この方法はまた、金属基板が処理方向に移動する際、及び金属基板に接触することなく、ルーパによって金属基板に歪みを付与することを含み、この歪みは、垂直方向である。方法は、金属基板を非接触式ルーパの出口から通すことも含む。
【0008】
特定の実施形態によれば、連続加熱装置は、入口と、出口と、ルーパとを含む。入口と出口との間に加熱デバイスが設けられていてもよい。いくつかの実施形態では、ルーパは加熱デバイスであり得るが、他の実施形態ではそうである必要がない。処理中、加熱装置は、処理方向に入口から出口まで移動する金属基板を受け取り、金属基板を加熱する。ルーパは、入口と出口との間にあり、処理中、ルーパの入口の下流における金属基板の位置が、ルーパの入口における金属基板の位置に対して垂直にオフセットされるように、金属基板に歪みを付与する。
【0009】
いくつかの実施形態によれば、金属基板のための連続処理ラインは、処理方向に移動する金属基板を加熱する加熱装置を含む。加熱装置は、入口と、出口と、入口と出口との間のルーパとを含む。入口と出口との間に加熱デバイスが設けられていてもよい。いくつかの実施形態では、ルーパは加熱デバイスであり得るが、他の実施形態ではそうである必要がない。様々な実施形態では、加熱装置は、金属基板のための入口から出口までのパスラインを画定する。入口は、そのパスラインの基部の高さを画定し、ルーパは、ルーパの入口の下流のパスラインの位置が基部の高さに対して垂直にオフセットされるように、パスラインを垂直にオフセットする。
【0010】
いくつかの実施形態によれば、処理方向に移動する金属基板を加熱装置で連続的に処理する方法は、加熱装置の入口で金属基板をパスラインに沿って受け取り、入口の下流で金属基板を加熱することを含む。この方法は、金属基板が処理方向に移動する際、金属基板にルーパで歪みを付与することも含む。種々の実施形態によれば、歪みは垂直方向である。この方法は、加熱装置の出口から金属基板を通過させることを含む。
【0011】
本明細書に説明される様々な実施態様は、追加のシステム、方法、特徴、及び利点を含み得、これらは、必ずしも本明細書で明示的に開示できないが、以下の詳細な説明及び添付の図面を検討すれば、当業者にとって明らかであろう。すべてのこのようなシステム、方法、特徴、及び利点が、本開示の中に含まれ、添付の特許請求の範囲によって保護されることが意図される。
【0012】
本明細書は、以下の添付の図を参照しており、異なる図中での同様の参照番号の使用について、同様または類似の構成要素を示すことを意図している。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】実施形態による加熱装置を有する金属処理システムを示す。
図2】実施形態による張力制御構成における加熱装置を有する、図1の加熱装置の加熱要素を示す。
図3】実施形態による別の張力制御構成における加熱装置を有する、図1の加熱装置の加熱要素を示す。
図4】実施形態による別の張力制御構成における加熱装置を有する、図1の加熱装置の加熱要素を示す。
図5】実施形態による別の張力制御構成における加熱装置を有する、図1の加熱装置の加熱要素を示す。
図6】実施形態による非接触式ルーパを示す。
図7】実施形態による別の非接触式ルーパを示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
実施形態の主題は、法定要件を満たすために特異性をもって本明細書に説明されているが、この説明は、必ずしも特許請求の範囲を限定することを意図していない。特許請求された主題は、他の方法で具現化され得、異なる要素またはステップを含み得、他の既存のまたは将来の技術と併せて使用され得る。この説明は、個々のステップの順序または要素の配置が明示的に説明されるときを除き、様々なステップまたは要素の中のまたはそれらの間の特定の順序または配置を暗示するとして解釈するべきではない。「上」、「下」、「上部」、「底部」、「左」、「右」、「前部」、及び「後部」などの方向の参照は、とりわけ構成要素及び方向が参照している1つの図(または複数の図)中に示され、説明される向きを参照することを意図している。本明細書で説明されるシステム及び方法は、いずれの金属にも使用できるが、アルミニウムまたはアルミニウム合金に特に有用であり得る。
【0015】
本明細書において、非接触式ルーパを使用することにより、金属基板のための処理ライン上の金属基板における張力を制御するためのシステム及び方法が記載される。本明細書で使用される場合、ルーパは、処理方向(すなわち、長さ方向)に沿って金属基板に歪みを付与するためのデバイスである。種々の実施形態において、歪みは垂直方向の歪みである。さらに、本明細書で使用される場合、特に明記しない限り、歪みを付与することは、金属基板に接触せずに歪み(例えば、歪み付与デバイスは「非接触」の歪み付与デバイスである)を付与することを意味する。いくつかの実施形態では、ルーパは歪みを能動的に作り出す力を金属基板に加えることによって歪みを付与するか、またはルーパは金属基板の重量のバランスを取らない(例えば、金属基板を均一に支えない)場合があり、ルーパの入口の下流の金属基板は、歪みとして懸垂部を形成する。
【0016】
いくつかの実施形態において、加熱装置がルーパを含んでいてよいが、他の実施形態において、加熱装置内部にルーパを設ける必要はない。加熱装置が設けられているとき、加熱装置は、連続的な加熱装置であってもよいが、その他の実施形態においては、そうである必要はない。ルーパは、金属基板が加熱装置にある間及び/または金属基板に接触する処理設備間の位置で、金属基板に歪みを付与する。様々な実施形態では、ルーパは、処理方向に移動する金属基板に歪みを付与し、これにより、ルーパの入口から下流にある金属基板のパスラインは、加熱装置の入口及び/または出口(及び/または上流処理設備及び/または下流処理設備)で金属基板のパスラインから垂直にオフセットされる。本明細書で使用される場合、加熱装置の「入口」または「出口」に関するいずれの記載も、特に明記しない限り、上流処理設備及び下流処理設備(例えば、ルーパが加熱装置を備えていない実施形態)に等しく適用可能であり、入口及び出口は、ルーパの1つまたは複数の歪みデバイスの上流(入口)または下流(出口)の領域を指すために使用される。
【0017】
いくつかの実施形態において、ルーパは1つの歪みを付与するが、他の実施形態では、ルーパは複数の歪みを与えることができる。1つ以上の歪みは、入口及び/または出口において金属基板のパスラインの上方または下方に垂直にオフセットされることができる。歪みの振幅、またはルーパが入口及び/または出口に対して金属基板をオフセットさせる量は、ルーパの垂直位置、加熱装置の入口における金属基板の速度及び/または加熱装置の出口における金属基板の速度のうちの少なくとも1つを制御することによって制御することができる。いくつかの実施形態では、歪みの振幅は、金属基板に加えられる力の大きさ、方向、または他の特性を制御することによって制御することができる。このような実施形態では、少なくとも1つの歪みデバイスの垂直位置は、固定され得るか、または所望するように調整可能であり得る。非限定的な例として、少なくとも1つの歪みデバイスは、歪みを形成するために金属基板に力を付与する磁気ロータであってよく、歪みの振幅は、磁気ロータの軸の垂直位置、磁気ロータの回転速度(例えば、大きさを調整する)またはその両方を調整することによって制御され得る。加熱装置(または他の位置)におけるルーパにより設けられる歪みは、処理方向における金属基板の剛性を低下させ、加熱装置(または他の位置)における金属基板での張力制御の改善を可能にし得る。
【0018】
特定の実施形態では、ルーパは、加熱装置内部で金属基板に接触することなく金属基板に歪みを付与する。加熱装置内の金属基板に接触しないことにより、ルーパは、金属基板を損傷すること、及び/または、さもなければ、別様には加熱装置内部の金属基板との物理的接触のために生じるであろう、金属基板への悪影響を回避する。
【0019】
ルーパは、金属基板における歪みを付与しながら加熱装置内部で(または所望するようにその他の位置で)金属基板を浮上させる、または浮遊させるのに適した種々のデバイスであり得る。1つの非限定的な例として、ルーパは、金属基板を浮かさせ金属基板に対して気体を方向付けることにより金属基板に歪みを付与する1つ以上の空気ノズルまたは気体ノズルを有していてよい。別の非限定的な例として、ルーパは、導電性の金属基板と磁石との間の相対的な動きにより磁気の浮上を生じさせる少なくとも1つの磁石を含み得る。この浮上方法は、軸の周りに回転可能であり、導電性の金属基板を浮上させる磁気ロータであってよく、特定の実施形態では、ルーパは複数の磁気ロータを含む。別の非限定的な例として、ルーパは、交流電流が流れる少なくとも1つの電磁石または永電磁石を含むことができ、これにより、導電性の金属基板に影響を与える振動電磁場に起因して、磁気浮上を生じさせる。
【0020】
金属基板を浮上させる他に、ルーパが磁気ロータ(複数可)または電磁石(複数可)を含んでいるとき、ルーパの磁気ロータ(複数可)または電磁石(複数可)はまた、金属基板を加熱する加熱装置のヒータであり得る。1つの非限定的な例として、ルーパの磁気ロータ(複数可)または電磁石(複数可)は、加熱装置の浸漬セクション(及び/または任意の他のセクション)のヒータであってもよい。様々な実施形態において、金属基板を浮上させるために使用されるルーパの磁気ロータ(複数可)からの磁力は、金属基板における張力の変更を可能にし得る。磁気ロータ(複数可)またはルーパの電磁石(複数可)から金属において誘導される渦電流がまた、任意選択的に、金属製品が処理方向に移動する際に、金属製品を加熱することができる。他の実施形態において、ルーパは金属基板を加熱する必要がない、及び/またはルーパが加熱装置内部にあるときに付加的な加熱要素を設けることができる。
【0021】
図1は、金属基板104のための処理ライン100の実施形態を示している。処理ライン100は、加熱装置102を含み、この加熱装置102は、金属基板104が処理方向114に移動するときに金属基板104を所望の温度に加熱するために使用され得る。加熱装置102は、入口128と、入口128の下流の出口130とを含む。処理中、加熱装置102は、入口128で金属基板104を受け取り、入口128と出口130との間で加熱デバイス(図1には示されていない)により金属基板104を加熱し、金属基板104を通過させて出口130から出す。
【0022】
様々な実施形態では、処理ライン100は、加熱装置102の下流の少なくとも1つの処理設備108と、加熱装置102の上流の少なくとも1つの処理設備106とを含む。処理設備106及び処理設備108はそれぞれ、金属基板104が処理方向114に移動する際に金属基板104に物理的に接触することにより、金属基板104を所望するように処理するための種々のタイプの設備であり得る。いくつかの非限定的な例として、処理設備106及び/または処理設備108は、処理ライン100に対して所望されるように、ピンチロール、圧延機、コイラ、キャスタ、切断デバイス、コーティングデバイス、塗装デバイス、スリッタ、レベラ、クエンチ、及び/または他の様々な種類の処理設備であってもよい。図1の例では、処理設備106は、ピンチロール110であり、処理設備108は、圧延機112の作業台である。以下で詳細に説明するように、様々な実施形態では、処理設備106は、入口128での金属基板104の速度を制御するように制御することができ、処理設備108は、出口130での金属基板104の速度を制御するように制御することができる。
【0023】
コントローラ118が、加熱装置102、処理設備106及び/または処理設備108に通信可能に結合されていてよい。コントローラ118は、金属基板104の処理中の金属基板104の張力に対する影響を最小限にするために、及び/または金属基板104の張力を能動的に制御するために、加熱装置102で処理ライン100を選択的に制御するために種々の適切な処理デバイスまたは他のコントローラであり得る。
【0024】
図2~5は、加熱装置102を詳細に示す。図示したように、加熱装置102は、少なくとも1つの加熱デバイス134及びルーパ132を含む。図2図5に示されているルーパ132の構成は、加熱装置に限定されず、代わりに、加熱装置なしの非接触式ループとして、または他に所望されているように使用され得る。任意選択で、コントローラ118は、ルーパ132と、複数の処理設備106または108のうちの少なくとも1つとに通信可能に接続されている。少なくとも1つの加熱デバイス134は、金属基板104を加熱し、ルーパ132は、金属基板に力を加えることによって、入口128と出口130との間で金属基板104に少なくとも1つの歪み122を付与する。いくつかの場合において、また以下で詳細に説明するように、1つの構成要素を加熱デバイス134及びルーパ132の構成要素の双方とすることができるが、他の実施形態においてそうである必要はない。
【0025】
加熱デバイス(複数可)134は、所望されているように金属基板104を加熱するための様々な適切なデバイスまたはヒータであってもよく、磁気ロータ、電磁石、永電磁石、直接火炎印加デバイス、高温ガスデバイス、赤外線デバイス、それらの組み合わせ、または所望されているような他の適切なデバイスを含むが、これらに限定されない。図2~5の実施形態では、加熱装置102は、加熱デバイスとして複数の磁気ロータ116A~Gを含む。以下に述べるように、特定の実施形態では、磁気ロータ116A~Gのうちの少なくともいくつかは、ルーパ132の一部として金属基板を浮上させることもできる。しかしながら、その他の実施形態において、また、以下でも論じるように、磁気ロータ116A~Gは、ルーパ132の構成要素である必要はなく、及び/またはルーパ132の構成要素は、金属基板を加熱する必要はない。
【0026】
各磁気ロータ116A~Gは、回転軸を中心として回転可能である。磁気ロータ116A~Gは、ロータモータ(例えば、電気モータ、空気圧モータ、またはその他のもの)または近くの磁気供給源(例えば、別の磁気ロータまたは変化する磁界)の共振運動を含む任意の適切な方法によって回転することができる。回転動力源を磁気ロータに直接的または間接的に結合して、磁気ロータを回転させることができる。各磁気ロータ116A~Gの回転軸は、任意の適切な方向にあってよい。図2に図示される実施形態では、各磁気ロータ116A~Gは、金属基板104の横方向の幅に対してほぼ平行であり、金属基板104の縦方向軸(例えば、長さ)に対してほぼ垂直な、または処理ライン100の処理方向114に対してほぼ垂直な回転軸を有する。ほぼ垂直は、必要に応じて、垂直、または垂直から1°、2°、3°、4°、5°、6°、7°、8°、9°または10°以内、または類似したものを含むことができる。
【0027】
各磁気ロータ116A~Gは、電磁石または永久磁石など、1つまたは複数の磁気源を含むことができる。特定の磁気ロータの回転運動によって、その磁石源(複数可)に、金属基板104が通過することができる、磁気ロータに隣接する可動または変化する磁場を誘導する。金属基板104が、磁気ロータの回転によって生成された変動磁界を通過すると、金属基板104に渦電流を生成または誘導することができる。したがって、これらの渦電流は、金属基板の抵抗を通って流れるときに金属基板104を加熱することができる。付加的にもしくは代替的に、金属基板104に発生する渦電流は、磁気ロータからの磁界に対抗する磁界を形成することもでき、したがって、金属基板104を浮上させるために使用することができる反発力を形成することができる。
【0028】
同様に、所望されているように、他の種類の加熱デバイス134(または非加熱デバイス)によって浮上を達成することができ、金属基板104を浮上させるために使用される力は、磁力である必要はない。非限定的な例として、1つまたは複数の高温ガスデバイスから金属基板上に方向付けられたガスは、金属基板104が高温ガスデバイス(複数可)上を通過するときに金属基板104を加熱及び/または浮上させるために使用されてもよく、及び/または交流電流が流れる少なくとも1つの電磁石または永電磁石は、振動電磁場に起因して磁気浮上を発生させることができ、及び/または渦電流に起因する金属基板104に熱を発生させることができる。
【0029】
上述したように、加熱装置102のルーパ132は、入口128と出口130との間に位置し、処理方向114で金属基板104に少なくとも1つの歪み122を付与する。ルーパ132は、金属基板104に接触することなく加熱装置102の入口128と出口130との間で金属基板104中の少なくとも1つの歪み122を付与するための種々の適切な歪みデバイスであり得る。いくつかの非限定的な例として、ルーパ132は、金属基板104を浮かべるための1つ以上の電磁石または永電磁石、金属基板104を浮かべるためのガスを金属基板104に対して向けるための1つ以上のノズル、金属基板104を浮かべるための1つ以上の磁気ロータ、それらの組み合わせ、または必要に応じてその他の適切なデバイスを含んでもよい。図2~5の実施形態では、ルーパ132は、磁気ロータ116B~Fを含むが、ルーパ132として使用される磁気ロータ116の数は、制限するものと考えるべきではない。この実施形態では、磁気ロータ116B~Fは両方とも、(加熱デバイス134としての)金属基板104を加熱してもよく、金属基板104に磁力を加えることによって、(ルーパ132としての)金属基板104に歪み122を付与し得る。他の実施形態では、ルーパ132の磁気ロータは、金属基板104を加熱する必要がなく、加熱デバイス134として使用されるロータとは別個の磁気ロータであってもよい。
【0030】
図2に図示されるように、ルーパ132は、ルーパ132の入口から下流の金属基板104の高さが、入口128及び/または出口130における金属基板104のパスラインの高さである金属基板104のパスラインの基部の高さ120からオフセットされるように、金属基板に力を加えることによって処理方向114において金属基板104において少なくとも1つの歪み122を付与する。様々な実施形態では、金属基板104は、入口128及び出口130の両方で基部の高さ120にある。図2には1つの歪み122が示されているが、歪み122の数は制限するものとみなされるべきではない。いくつかの非限定的な例として、図3~5はそれぞれ、金属基板104に2つの対向する歪み122A~Bを付与するルーパ132を示している。さらに、基部の高さ120に対する歪み122の方向(すなわち、上方または下方)は、限定的であると考えられるべきではない。いくつかの非限定的な例として、図2において、ルーパ132は、単一の上方への歪み122を付与し、図3~5は、それぞれ、下方への歪み122A及び上方への歪み122Bを付与するルーパ132を示す。複数の歪み122がある実施形態では、ルーパ132は、それらが上下方向で対称的であるように歪み122を付与することができるが、他の例ではそうである必要はない。
【0031】
歪み122の振幅は、少なくとも1つの磁気ロータ116の垂直位置及び/または少なくとも1つの磁気ロータ116によって加えられる力の特性(例えば、力の大きさ、力の方向など)を制御することによって制御することができる。1つの非限定的な例では、歪み122の振幅は、力の大きさを制御するために磁気ロータ116の回転速度を制御することによって制御されてもよい。任意選択で、磁気ロータ116の回転方向、垂直位置及び他の態様を制御して、歪み122の振幅をさらに制御することができる。いくつかの例では、歪み122の振幅は固定される。別の実施形態では、歪み122の振幅を調節可能である。複数の磁気ロータ116(または他の歪みデバイス)が設けられているとき、1つの歪みデバイスによって金属基板104に加えられる力は、別の歪みデバイスによって金属基板104に加えられる力と同じであっても、または異なっていてもよい。同様に、複数の磁気ロータ116(または他の歪みデバイス)が設けられているとき、各歪みデバイスによって加えられる力は、所望するように固定されるかまたは調整可能であってもよい。
【0032】
様々な実施形態では、歪み122の振幅は、少なくとも部分的に、加熱デバイス134及び/またはルーパ132の磁気ロータ116であり得る別の磁気ロータ116の垂直位置からオフセットされた垂直位置に、少なくとも1つの磁気ロータ116を配置することによって、制御される。非限定的な例として、図2において、磁気ロータ116Bは、磁気ロータ116Aの上方で垂直方向にオフセットされており、磁気ロータ116Cは、磁気ロータ116Bの上方で垂直方向にオフセットされており、磁気ロータ116Dは、磁気ロータ116Cの上方で垂直方向にオフセットされており、磁気ロータ116Eは、磁気ロータ116Dの下方で垂直方向にオフセットされており、磁気ロータ116Fは、磁気ロータ116Eの下方で垂直方向にオフセットされており、磁気ロータ116Gの上方で垂直方向にオフセットされている。この実施形態では、磁気ロータ116A及び116Gは、垂直方向に整列されていてよく、金属基板104を基部の高さ120で支持することができる。別の非限定的な例として、図3において、磁気ロータ116B及び116Cは、歪み122Aが下向きのループとなるように、磁気ロータ116A及び116Gの下方に垂直方向にオフセットされており、磁気ロータ116D~Fは、歪み122Bが上向きの歪みとなるように、磁気ロータ116A及び116Gの上方に垂直方向にオフセットされている。複数の歪み122が存在する実施形態では、1つの歪み122の振幅が別の歪み122の振幅と同じである必要はない。ルーパ132(またはルーパ132として使用される他のデバイス)の磁気ロータ116B~Fの垂直方向の位置は、固定されてもよいし、所望されているように様々な適切なデバイスまたは機構を介して調整可能であってもよい。様々な実施形態では、ルーパ132の磁気ロータ116B~Fの1つ以上は、ルーパ132の入口の下流での金属基板104の垂直位置が基部の高さ120と相対的に調整可能であるように、垂直方向に調整可能である。いくつかの実施形態では、1つ以上の磁気ロータ116B~Fは、金属基板104の重量が各磁気ロータ116B~Fによって等しく支持されたままであるように、及び/または金属基板の速度及び/または長さに乱れが存在する場合であっても、金属基板104で生成される加熱の電力が等しく分配されるように、垂直方向に調整可能であり得る。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の磁気ロータ116B~Fは、金属基板104の重量が等しく支持されて金属基板の処理方向に張力または圧縮が生じないように、垂直方向に調節可能であり得る。
【0033】
図2及び図3を参照すると、いくつかの実施形態では、加熱装置102の金属基板104における張力の時間による変化がルーパ132によって最小化または排除されるように、処理ライン100が(例えば、コントローラ118によって)制御される。これらの例では、処理ライン100の制御は、ルーパ132を介して金属基板104に単一の歪み122(例えば、図2)または複数の歪み122A~B(例えば、図3)を付与することを含み得る。張力の時間による変化を最小化または排除するため処理ライン100を制御することには、処理設備106を制御することにより入口128での金属基板104の速度を制御(例えば、維持、増加、または減少)すること、及び/または歪み122または歪み122A~Bの振幅が維持されるように処理設備108を制御することにより、出口130での金属基板104の速度を制御することが、含まれ得る。これに加え、または別の選択肢として、磁気ロータ116B~Fの1つまたは複数を、任意選択で垂直方向に、歪み122もしくは歪み122A~Bの振幅が維持されるように、及び/またはストリップの張力が維持されるように、調節することができる。これらの例のいくつかでは、入口128及び/または出口130における金属基板104の速度を制御(または変化)することにより、張力の変化が歪み122または歪み122A~Bの振幅によって吸収されることを可能にする。
【0034】
図4及び5を参照すると、様々な実施形態では、加熱装置102の金属基板104における張力が、所望するように能動的に制御または調整されるように(例えば、コントローラ118によって)処理ライン100が制御される。これらの例では、処理ライン100の制御は、ルーパ132を介して金属基板104に単一の歪みまたは複数の歪み122A~Bを付与すること、及び処理設備106を制御することにより入口128での金属基板104の速度を制御し、及び/または処理設備108を制御することにより出口130での金属基板104の速度を制御して金属基板104の速度が維持されるようにすることを含んでもよい。これらの例では、熱膨張、クリープなどに起因する歪み122または歪み122A~Bの振幅の変化が、金属基板104の張力を変化させ得る。付加的にもしくは代替的に、磁気ロータ116B~Fの1つ以上は、任意選択的に、歪み122もしくは歪み122A~Bの振幅がルーパ132によって能動的に調整されるように、及び/または張力が能動的に変化するように、垂直方向に調整され得る。
【0035】
図4は、金属基板104が増加した張力(矢印424A~Bで表される)を有するようにルーパ132が制御される非限定的な例を示す。図4において、歪み122A~Bの振幅は、図3における歪み122A~Bの振幅と比較して低減されており、それにおいては、張力のいかなる変化も最小化または排除するように、ルーパが制御されている。
【0036】
図5は、金属基板104が低下した張力(矢印526A~Bで表される)を有するようにルーパ132が制御される別の非限定的な例を示す。図5において、歪み122A~Bの振幅は、図3における歪み122A~Bの振幅と比較して増加されており、それにおいては、張力のいかなる変化も最小化または排除するように、ルーパが制御されている。
【0037】
図6は、ルーパ132に実質的に類似しており、複数の磁気ロータ116A~Cを含むルーパ632を示す。ルーパ132と同様に、ルーパ632と共に、所望されるように、磁気ロータ116A~Cに加えて、またはその代わりに、他のデバイスまたは機構を利用してもよい。ルーパ132と比較して、ルーパ632は、加熱装置内部に設けられず、処理設備間に設けられる。他の実施形態において、ルーパ632は、加熱装置内部に設けられていてよい。ルーパ132に比べて、ルーパ632の磁気ロータのうちの一方(磁気ロータ116B)は、金属基板104のパスラインの上方に設けられ、他の磁気ロータは、金属基板104のパスラインの下方に設けられる。磁気ロータ116A~Cのこのパターンは、金属基板がルーパ632を通過するときに、金属位置122A及び122Cに対して金属基板104に1つの歪み122Bを付与する。金属位置122A及び122Cは、上流処理設備及び/または下流処理設備における金属基板104のパスラインから垂直方向にオフセットされた歪みであり得るが、他の実施形態では、金属位置122A及び122Cは、パスラインから垂直方向にオフセットされる必要がない。金属基板104のパスラインの上方及び/または下方の種々の他のパターンの磁気ロータを、所望するように利用することができ、及び/または所望するように金属基板に歪みを付与することができる。
【0038】
図7は、ルーパ132に実質的に類似しており、複数の磁気ロータ116A~Hを含むルーパ732を示す。ルーパ132と同様に、ルーパ732と共に、所望されるように、磁気ロータ116A~Cに加えて、またはその代わりに、他のデバイスまたは機構を利用してもよい。ルーパ732は、ルーパ内部で金属基板104を完全に支持するルーパ132と比較して、金属基板104をルーパ732で完全に支持してはいない。これは、ルーパ132の長さに沿って、金属基板104を浮上させない領域が存在することを意味する。例示された実施形態では、磁気ロータ116Dと磁気ロータ116Dとの間のギャップは、金属基板104の部分731を支持されないままにし、支持されていない部分731(例えば、懸垂部を形成する部分)を残して、歪み122を形成する。歪み122の振幅は、上述したのと同様の機構(たとえば垂直位置、力の大きさなど)を介して制御され得、処理方向における歪み122のサイズは、ルーパ732の隣接する磁気ロータ116(または他の浮上デバイス)の間のギャップのサイズを調節することによって制御され得る。
【0039】
本明細書に記載のルーパは、金属基板の様々な種類の制御を可能にし得る。
【0040】
1つの非限定的な例として、ルーパは、能動的な張力制御を提供しない場合がある。これらの実施形態では、非接触式ルーパは、磁気ロータまたは他の適切な歪みデバイスと金属基板との間のギャップが減少したときに増加し得る力を金属基板に加えることができる。これらの実施形態では、処理方向における金属基板の見かけの剛性は、材料の剛性よりも小さくなり得て、処理条件の乱れ(例えば、入口及び出口での速度、熱による膨張または収縮など)により、ルーパなしと比較して、より小さな張力変動が引き起こされ得る。
【0041】
別の非限定的な例では、本明細書に記載されるルーパは、任意の適切な種類の制御方法を使用して、金属基板の制御を提供することができる。非限定的な例として、ループにより、張力、歪みの振幅、及び/または測定される変数(例えば、モーター出力)及び/または測定されない変数(例えば、物質の流量、分離された状態など)を含むがこれらに限定されない変数の制御が可能になり得る。そのような実施形態では、ルーパは、振幅センサ、垂直位置センサ、張力計/センサ、張力モデル、浮上デバイスの負荷を測定するセンサ、モータ負荷センサ、ループ電流センサ、流体流量センサ、これらの組み合わせ、または所望されているようにその他のセンサを含むがこれらに限定されない、1つ以上のセンサを含み得る。これらのセンサは、1つまたは複数の制御されている変数の実際値、測定値、または推定値を提示することができる。コントローラまたは他の適切なオペレータは、制御された値を目標値と比較することができ、コントローラは、制御値が目標値に一致するように1つまたは複数のアクチュエータの値を変更することができる。アクチュエータは、入口での速度、出口での速度、歪みの垂直位置、及び/または浮上デバイスの他の特性(例えば、ロータの速度、コイルの周波数、流体流圧)を含んでもよいが、これらに限定されない。
【0042】
別の非限定的な例として、本明細書に記載されるルーパによって、歪みの振幅の制御が可能となり得る。このような実施形態では、金属基板と浮上デバイスとの間の浮上ギャップは、所与のストリップ張力に対応するように計算することができ、入口での速度及び/または出口での速度を、歪みの実際の振幅が目標の振幅に一致するように制御することができる。
【0043】
別の非限定的な例として、本明細書に記載されるルーパにより、金属基板の入口での速度及び/または出口での速度、及び/または金属基板と浮上デバイスとの間の浮上ギャップを制御することによって、金属基板における推定される張力の制御が可能となり得る。
【0044】
金属基板104における張力の様々な他の制御または金属基板104の他の変数を、処理設備106、処理設備108、及び/またはルーパ132を所望するように制御することによって、達成することができる。
【0045】
例証
本明細書に説明された概念による、様々な例示的な実施形態のさらなる説明を提供する「例証」として明示的に列挙された少なくとも一部を含む、例示的な実施形態の集合が下記に提供される。これらの例証は、相互に排他的、網羅的、または限定的であることを意図するものではなく、本開示は、これらの例の例証に限定されるのではなく、むしろ発行された特許請求の範囲及びそれらの均等物の範囲内のすべての実現可能な修正形態及び変形形態を包含する。
【0046】
例証1.加熱装置であって、入口、出口であって、前記加熱装置が、処理方向に前記入口から前記出口まで移動する金属基板を受け取り、前記金属基板を加熱するように構成されている、前記出口、及び前記入口と前記出口との間のルーパであって、金属基板の前記処理方向に沿って歪みを付与するように構成され、よって前記ルーパの前記入口から下流の前記金属基板の高さは、前記ルーパの前記入口での前記金属基板の高さからオフセットされるようにする、前記ルーパ、を備える、前記加熱装置。
【0047】
例証2.前記少なくとも1つの歪みデバイスは、前記ルーパの前記入口から下流の前記金属基板の一部が懸垂部を形成するように、前記金属基板に、前記金属基板の重量とは釣り合わない垂直の力を付与する、いずれかの先行または後続の例証または例証の組み合わせに記載の非接触式ルーパ。
【0048】
例証3.前記少なくとも1つの歪みデバイスは、第1の歪みデバイス及び第2の歪みデバイスを含み、前記第1の歪みデバイスは、前記金属基板に第1の力を付与するように構成されており、前記第2の歪みデバイスは、前記第1の力とは異なる第2の力を前記金属基板に付与するように構成されている、いずれかの先行または後続の例証または例証の組み合わせに記載の非接触式ルーパ。
【0049】
例証4.前記少なくとも1つの歪みデバイスからの前記力は調整可能である、いずれかの先行または後続の例証または例証の組み合わせに記載の非接触式ルーパ。
【0050】
例証5.前記少なくとも1つの歪みデバイスは、磁気ロータを含み、前記少なくとも1つの歪みデバイスからの前記力の大きさは、前記磁気ロータの回転速度を変化させることによって調整可能である、いずれかの先行または後続の例証または例証の組み合わせに記載の非接触式ルーパ。
【0051】
例証6.前記少なくとも1つの歪みデバイスは、前記歪みを付与しながら前記金属基板を加熱するようにさらに構成されている、いずれかの先行または後続の例証または例証の組み合わせに記載の非接触式ルーパ。
【0052】
例証7.前記非接触式ルーパは、前記金属基板における前記歪みの振幅または張力のうちの少なくとも一方を制御するように構成されている、いずれかの先行または後続の例証または例証の組み合わせに記載の非接触式ルーパ。
【0053】
例証8.前記非接触式ルーパは、前記歪みの力を作動させることによって前記歪みの前記振幅を制御するように構成されている、いずれかの先行または後続の例証または例証の組み合わせに記載の非接触式ルーパ。
【0054】
例証9.前記非接触式ルーパは、前記歪みデバイスと前記金属基板との間のギャップのサイズ、前記歪みの力の大きさ、前記歪みデバイスの垂直位置、または磁気ロータの回転速度のうちの少なくとも1つを作動させることによって、前記歪みの力を制御するように構成されている、いずれかの先行または後続の例証または例証の組み合わせに記載の非接触式ルーパ。
【0055】
例証10.前記ルーパが、前記金属基板に接触することなく前記金属基板に前記歪みを付与するように構成されている、いずれかの先行または後続の例証または例証の組み合わせに記載の加熱装置。
【0056】
例証11.前記歪みは、第1の歪みであり、前記ルーパは、前記金属基板に前記処理方向に複数の歪みを付与するように構成されている、いずれかの先行または後続の例証または例証の組み合わせに記載の加熱装置。
【0057】
例証12.複数の磁気ロータをさらに備え、前記複数の磁気ロータの各磁気ロータは、前記処理方向に対して垂直であり、前記金属基板の横方向の幅に対して平行である軸を中心に回転可能であり、前記複数の磁気ロータは、前記処理方向に移動する前記金属基板を浮上させるように構成され、前記ルーパは、前記複数の磁気ロータのうちの少なくとも1つの磁気ロータを含む、いずれかの先行または後続の例証または例証の組み合わせに記載の加熱装置。
【0058】
例証13.前記ルーパの前記少なくとも1つの磁気ロータの垂直位置を、前記複数の磁気ロータのうちの別の磁気ロータの垂直位置からオフセットする、いずれかの先行または後続の例証または例証の組み合わせに記載の加熱装置。
【0059】
例証14.前記ルーパの前記入口から下流の前記金属基板の前記高さが垂直方向に調節可能であるように、前記ルーパの前記少なくとも1つの磁気ロータは垂直方向に調節可能である、いずれかの先行または後続の例証または例証の組み合わせに記載の加熱装置。
【0060】
例証15.前記ルーパの前記少なくとも1つの磁気ロータは、第1の磁気ロータであり、前記ルーパは、前記複数の磁気ロータのうちの第2の磁気ロータをさらに含み、前記第1の磁気ロータの垂直位置は、前記第2の磁気ロータの垂直位置からオフセットされている、いずれかの先行または後続の例証または例証の組み合わせに記載の加熱装置。
【0061】
例証16.金属基板のための処理ラインであって、処理方向に移動する前記金属基板を加熱するように構成された加熱装置を備え、前記加熱装置は、入口と、出口と、前記入口と前記出口との間のルーパとを備え、前記加熱装置は、前記金属基板のための前記入口から前記出口までのパスラインを画定し、前記入口は、前記パスラインの基部の高さを画定し、前記ルーパは、前記ルーパの前記入口から下流の前記パスラインの高さが前記基部の高さからオフセットされるように垂直に前記パスラインをオフセットする、前記処理ライン。
【0062】
例証17.コントローラをさらに含み、前記コントローラは、前記金属基板のラインの速度または前記歪みの力のうちの少なくとも一方を作動させることにより、前記金属基板における前記歪みの振幅または張力のうちの少なくとも一方を制御するように構成されている、いずれかの先行または後続の例証または例証の組み合わせに記載の処理ライン。
【0063】
例証18.前記少なくとも1つの歪みデバイスに通信可能に結合されたコントローラをさらに含み、前記コントローラは、少なくとも、前記金属基板と前記少なくとも1つの歪みデバイスとの間のギャップ、前記ルーパの少なくとも1つの歪みデバイスによって前記金属基板に加えられる前記歪みの力の大きさ、のうちの1つを作動させることによって、前記金属基板の前記歪みの振幅を制御するように構成されている、いずれかの先行または後続の例証または例証の組み合わせに記載の処理ライン。
【0064】
例証19.前記非接触式ルーパの前記入口または前記出口の前記少なくとも一方における前記金属基板の前記ラインの速度が維持されるかまたは制御されるかのいずれかである、いずれかの先行または後続の例証または例証の組み合わせに記載の処理ライン。
【0065】
例証20.前記少なくとも1つの歪みデバイスに通信可能に接続されたコントローラをさらに備え、前記コントローラは、金属基板の熱膨張、金属基板の熱収縮、または前記入口と前記出口との間に生じる前記金属基板のクリープのうちの少なくとも1つを、少なくとも、前記金属基板の前記歪みの振幅、前記金属基板と前記少なくとも1つの歪みデバイスとの間のギャップ、前記ルーパの少なくとも1つの歪みデバイスによって前記金属基板に加えられる力の大きさの1つを作動させることによって補うように構成されている、いずれかの先行または後続の例証または例証の組み合わせに記載の処理ライン。
【0066】
例証21.前記非接触式ルーパの前記入口または前記出口の前記少なくとも一方における前記金属基板の前記ラインの速度が維持されるかまたは制御されるかのいずれかである、いずれかの先行または後続の例証または例証の組み合わせに記載の処理ライン。
【0067】
例証22.前記少なくとも1つの歪みデバイスに通信可能に結合されたコントローラをさらに含み、前記コントローラは、少なくとも、前記金属基板の前記歪みの振幅、前記金属基板と前記少なくとも1つの歪みデバイスとの間のギャップ、前記ルーパの少なくとも1つの歪みデバイスによって前記金属基板に加えられる前記歪みの力の大きさのうちの1つを作動させることによって、前記金属基板の前記張力を制御するように構成されている、いずれかの先行または後続の例証または例証の組み合わせに記載の処理ライン。
【0068】
例証23.前記非接触式ルーパの前記入口または前記出口の前記少なくとも一方における前記金属基板の前記ラインの速度が維持されるかまたは制御されるかのいずれかである、いずれかの先行または後続の例証または例証の組み合わせに記載の処理ライン。
【0069】
例証24.前記加熱装置から上流にある第1の処理設備の一部であって、前記加熱装置のすぐ上流で前記金属基板に接触するように構成されている、前記第1の処理設備の一部、及び前記加熱装置の下流にある第2の処理設備の一部であって、前記加熱装置からすぐ下流で前記金属基板に接触するように構成されている、前記第2の処理設備の一部、をさらに備え、前記ルーパは前記金属基板に接触せずに前記パスラインを垂直にオフセットするように構成されている、いずれかの先行または後続の例証または例証の組み合わせに記載の処理ライン。
【0070】
例証25.前記第1の処理設備の一部及び前記第2の処理設備の一部に通信可能に接続されたコントローラをさらに備え、前記コントローラは、前記第1の処理設備の一部における前記金属基板のラインの速度を低下させること、または前記第2の処理設備の一部における前記金属基板のラインの速度を増加させることの少なくとも一方により、前記ルーパの前記入口から下流の前記パスラインの前記高さが前記基部の高さからオフセットされる量を減少させ、前記ルーパの前記入口から下流の前記パスラインの前記高さが、前記第1の処理設備の一部での前記金属基板の前記ラインの速度を増加させること、または前記第2の処理設備の一部での前記金属基板の前記ラインの速度を低下させることの少なくとも一方によって、前記基部の高さからオフセットされる前記量を増加させること、に対して選択的に構成される、いずれかの先行または後続の例証または例証の組み合わせに記載の処理ライン。
【0071】
例証26.前記歪みデバイスの垂直位置、または前記歪みデバイスによって前記金属基板に及ぼされる歪みの力のうちの少なくとも1つが維持または制御される、いずれかの先行または後続の例証または例証の組み合わせに記載の処理ライン。
【0072】
例証27.前記第1の処理設備の一部及び前記第2の処理設備の一部に通信可能に接続されたコントローラをさらに含み、前記コントローラは、前記金属基板の熱膨張、前記金属基板の熱収縮、または前記上流及び下流の処理設備の間に生じる前記金属基板のクリープのうちの少なくとも1つを補うように構成され、前記コントローラは、前記第1の処理設備の一部での前記金属基板のラインの速度または前記第2の処理設備の一部での前記金属基板のラインの速度のうちの少なくとも1つを作動させるように構成されている、いずれかの先行または後続の例証または例証の組み合わせに記載の処理ライン。
【0073】
例証28.前記歪みデバイスの垂直位置、または前記歪みデバイスによって前記金属基板に及ぼされる歪みの力のうちの少なくとも1つが維持または制御される、いずれかの先行または後続の例証または例証の組み合わせに記載の処理ライン。
【0074】
例証29.前記第1の処理設備の一部及び前記第2の処理設備の一部に通信可能に接続されたコントローラをさらに備え、前記コントローラは、前記第1の処理設備の一部における前記金属基板のラインの速度を低下させること、または前記第2の処理設備の一部における前記金属基板のラインの速度を増加させることの少なくとも一方によって、前記金属基板における前記張力を増加させること、及び前記第1の処理設備の一部における前記金属基板のラインの速度を増加させること、または前記第2の処理設備の一部における前記金属基板のラインの速度を低下させることの少なくとも一方によって、前記金属基板における前記張力を低下させること、に対して選択的に構成される、いずれかの先行または後続の例証または例証の組み合わせに記載の処理ライン。
【0075】
例証30.前記歪みデバイスの垂直位置、または歪みデバイスによって前記金属基板に及ぼされる前記歪みの力のうちの少なくとも1つが維持または制御される、いずれかの先行または後続の例証または例証の組み合わせに記載の処理ライン。
【0076】
例証31.前記ルーパが、少なくとも1つの磁気ロータを含み、前記少なくとも1つの磁気ロータは、前記処理方向に対して垂直で、前記金属基板の横方向の幅に対して平行である軸を中心に回転可能であり、前記少なくとも1つの磁気ロータは、前記処理方向に移動する前記金属基板を浮上させるように構成されている、いずれかの先行または後続の例証または例証の組み合わせに記載の処理ライン。
【0077】
例証32.前記加熱装置は複数の磁気ロータをさらに備え、前記複数の磁気ロータの各磁気ロータは、前記処理方向に対して垂直であり、前記金属基板の横方向の幅に対して平行である軸を中心に回転可能であり、前記複数の磁気ロータは、前記処理方向に移動する前記金属基板を浮上及び加熱するように構成され、前記ルーパは、前記複数の磁気ロータのうちの少なくとも1つの磁気ロータを含む、いずれかの先行または後続の例証または例証の組み合わせに記載の処理ライン。
【0078】
例証33.前記ルーパの前記少なくとも1つの磁気ロータは垂直方向に調整可能である、いずれかの先行または後続の例証または例証の組み合わせに記載の処理ライン。
【0079】
例証34.前記ルーパの前記少なくとも1つの磁気ロータの高さは、前記複数の磁気ロータのうちの別の磁気ロータに対して垂直にオフセットされており、前記ルーパの前記少なくとも1つの磁気ロータの前記高さは固定されている、いずれかの先行または後続の例証または例証の組み合わせに記載の処理ライン。
【0080】
例証35.前記ルーパの少なくとも1つの磁気ロータによって前記金属基板に加えられる力の大きさは、前記ロータの前記回転速度を変化させることによって調整される、いずれかの先行または後続の例証または例証の組み合わせに記載の処理ライン。
【0081】
例証36.加熱装置を用いて処理方向に移動する金属基板を処理する方法であって、前記加熱装置の入口でパスラインに沿って前記金属基板を受け取ること、前記入口から下流で前記金属基板を加熱すること、前記金属基板が前記処理方向に移動する際、ルーパによって前記金属基板に歪みを付与することであって、前記歪みが前記処理方向にある、前記付与すること、及び前記金属基板を前記加熱装置の前記出口から通すこと、を含む、前記方法。
【0082】
例証37.前記加熱装置は、複数の磁気ロータを含み、前記複数の磁気ロータの各磁気ロータは、前記処理方向に対して垂直で、前記金属基板の横方向の幅に対して平行である軸を中心に回転可能であり、前記複数の磁気ロータは、前記処理方向に移動する前記金属基板を浮上及び加熱させるように構成されており、前記ルーパは前記複数の磁気ロータの少なくとも1つの磁気ロータを含み、前記金属基板を加熱することは、前記ルーパの前記少なくとも1つの磁気ロータを用いて前記金属基板を加熱することを含み、前記歪みを付与することは、前記ルーパの前記少なくとも1つの磁気ロータにより前記歪みを付与することを含む、いずれかの先行または後続の例証または例証の組み合わせに記載の方法。
【0083】
例証38.前記金属基板に前記歪みを付与することは、前記金属基板に接触させることなく前記歪みを付与することを含む、いずれかの先行または後続の例証または例証の組み合わせに記載の方法。
【0084】
例証39.前記加熱装置の前記入口及び前記出口における前記金属基板のラインの速度を維持しながら前記歪みの振幅を制御することにより、前記金属基板における張力を制御することをさらに含む、いずれかの先行または後続の例証または例証の組み合わせに記載の方法。
【0085】
例証40.前記金属基板の前記歪みの振幅を、少なくとも、前記金属基板と前記歪みデバイスとの間のギャップ、または前記ルーパの少なくとも1つの歪みデバイスによって前記金属基板に加えられる力の大きさ、の1つを作動させることにより、制御することをさらに含む、いずれかの先行または後続の例証または例証の組み合わせに記載の方法。
【0086】
例証41.前記非接触式ルーパの前記入口または前記出口のうちの前記少なくとも一方において、前記金属基板のラインの速度を維持または制御することをさらに含む、いずれかの先行または後続の例証または例証の組み合わせに記載の方法。
【0087】
例証42.前記金属基板の熱膨張、前記金属基板の熱収縮、または前記入口と前記出口との間に生じる前記金属基板のクリープのうちの少なくとも1つを、少なくとも、前記金属基板の前記歪みの振幅、前記金属基板と前記少なくとも1つの歪みデバイスとの間のギャップ、または前記ルーパの少なくとも1つの歪みデバイスによって前記金属基板に加えられる力の大きさ、の1つを作動させることによって補うことをさらに含む、いずれかの先行または後続の例証または例証の組み合わせに記載の方法。
【0088】
例証43.前記非接触式ルーパの前記入口または前記出口のうちの前記少なくとも一方において、前記金属基板のラインの速度を維持または制御することをさらに含む、いずれかの先行または後続の例証または例証の組み合わせに記載の方法。
【0089】
例証44.前記金属基板における張力を、少なくとも、前記金属基板の前記歪みの振幅、前記金属基板と前記少なくとも1つの歪みデバイスとの間のギャップ、前記ルーパの少なくとも1つの歪みデバイスによって前記金属基板に加えられる力の大きさ、の1つを作動させることにより制御することをさらに含む、いずれかの先行または後続の例証または例証の組み合わせに記載の方法。
【0090】
例証45.前記非接触式ルーパの前記入口または前記出口のうちの前記少なくとも一方において、前記金属基板のラインの速度を維持または制御することをさらに含む、いずれかの先行または後続の例証または例証の組み合わせに記載の方法。
【0091】
例証46.前記歪みを付与することが、前記処理方向に対して垂直で、前記金属基板の横方向の幅に対して平行である軸を中心に回転可能な磁気ロータを提供すること、前記ルーパの前記入口から下流にある前記パスラインの前記高さが前記加熱装置の前記入口の前記パスラインの高さからオフセットされるように、垂直位置において前記軸と前記磁気ロータを配置すること、及び前記金属基板が前記磁気ロータに隣接して通過しながら浮上されるように、前記磁気ロータを、前記軸を中心に回転させることを含む、いずれかの先行または後続の例証または例証の組み合わせに記載の方法。
【0092】
例証47.前記磁気ロータの前記軸の前記垂直位置を維持しながら前記歪みの振幅を制御することにより前記金属基板の加熱プロファイルを制御することであって、前記振幅を制御することは、前記ルーパの前記入口から下流の前記パスラインの前記高さが、前記入口での前記金属基板のラインの速度を低下させること、または前記出口の前記金属基板のラインの速度を増加させることのうちの少なくとも1つによって前記入口での前記パスラインの前記高さからオフセットされる量を減少させること、または前記ルーパの前記入口から下流の前記パスラインの前記高さが、前記入口での前記金属基板の前記ラインの速度を増加させること、または前記出口の前記金属基板の前記ラインの速度を低下させることのうちの少なくとも1つによって前記入口での前記パスラインの前記高さからオフセットされる前記量を増加させることの少なくとも1つを含む、前記制御することをさらに含む、いずれかの先行または後続の例証または例証の組み合わせに記載の方法。
【0093】
例証48.非接触式ルーパであって、入口、出口であって、前記非接触式ルーパが、処理方向に前記入口から前記出口まで移動する金属基板を受け取るように構成されている、前記出口、及び前記入口と前記出口との間の少なくとも1つの歪みデバイスであって、金属基板に接触することなく、前記金属基板に力を付与し、その結果、前記金属基板の前記処理方向に沿って歪みが生じるように構成され、よって前記ルーパの前記入口から下流の前記金属基板の位置は、前記ルーパの前記入口での前記金属基板の位置から垂直にオフセットされるようにする、前記少なくとも1つの歪みデバイス、を備える、前記非接触式ルーパ。
【0094】
例証49.前記少なくとも1つの歪みデバイスは、前記ルーパの前記入口から下流の前記金属基板の一部が懸垂部を形成するように、前記金属基板に、前記金属基板の前記重量とは釣り合わない垂直の力を付与する、いずれかの先行または後続の例証または例証の組み合わせに記載の非接触式ルーパ。
【0095】
例証50.前記少なくとも1つの歪みデバイスは、第1の歪みデバイス及び第2の歪みデバイスを含み、前記第1の歪みデバイスは、前記金属基板に第1の力を加えるように構成されており、前記第2の歪みデバイスは、前記第1の力とは異なる第2の力を前記金属基板に付与するように構成されている、いずれかの先行または後続の例証または例証の組み合わせに記載の非接触式ルーパ。
【0096】
例証51.前記少なくとも1つの歪みデバイスからの前記力は調整可能である、いずれかの先行または後続の例証または例証の組み合わせに記載の非接触式ルーパ。
【0097】
例証52.前記少なくとも1つの歪みデバイスは、磁気ロータを含み、前記少なくとも1つの歪みデバイスからの前記力の大きさは、前記磁気ロータの前記回転速度を変化させることによって調整可能である、いずれかの先行または後続の例証または例証の組み合わせに記載の非接触式ルーパ。
【0098】
例証53.前記少なくとも1つの歪みデバイスは、前記歪みを付与しながら前記金属基板を加熱するようにさらに構成されている、いずれかの先行または後続の例証または例証の組み合わせに記載の非接触式ルーパ。
【0099】
例証54.前記非接触式ルーパは、加熱装置内部にあるいずれかの先行または後続の例証または例証の組み合わせに記載の非接触式ルーパ。
【0100】
例証55.前記歪みは、第1の歪みであり、前記ルーパは、前記金属基板に前記処理方向に複数の歪みを付与するように構成されている、いずれかの先行または後続の例証または例証の組み合わせに記載の非接触式ルーパ。
【0101】
例証56.前記少なくとも1つの歪みデバイスが、複数の磁気ロータを備え、前記複数の磁気ロータの各磁気ロータは、前記処理方向に対して垂直であり、前記金属基板の横方向の幅に対して平行である軸を中心に回転可能であり、前記複数の磁気ロータは、前記処理方向に移動する前記金属基板を、前記金属基板へ前記力をもたらすことによって浮上させるように構成される、いずれかの先行または後続の例証または例証の組み合わせに記載の非接触式ルーパ。
【0102】
例証57.前記複数の磁気ロータの少なくとも1つの磁気ロータの垂直位置を、前記複数の磁気ロータのうちの別の磁気ロータの垂直位置からオフセットする、いずれかの先行または後続の例証または例証の組み合わせに記載の非接触式ルーパ。
【0103】
例証58.前記複数の磁気ロータの第1の磁気ロータは、前記金属基板に第1の力を付与し、前記複数の磁気ロータの第2の磁気ロータは、前記第1の力とは異なる第2の力を前記金属基板に付与する、いずれかの先行または後続の例証または例証の組み合わせに記載の非接触式ルーパ。
【0104】
例証59.前記複数の磁気ロータのうちの少なくとも1つの磁気ロータは、前記ルーパの前記入口から下流にある前記金属基板の前記位置が垂直方向に調整可能であるように、垂直方向に調整可能である、請求項4に記載の非接触式ルーパ。
【0105】
例証60.前記複数の磁気ロータのうちの第1の磁気ロータは、前記金属基板に第1の力を付与し、前記第1の力は調整可能である、いずれかの先行または後続の例証または例証の組み合わせに記載の非接触式ルーパ。
【0106】
例証61.前記複数の磁気ロータは、第1の磁気ロータ及び第2の磁気ロータを備え、前記第1の磁気ロータの垂直位置は、前記第2の磁気ロータの垂直位置からオフセットされている、いずれかの先行または後続の例証または例証の組み合わせに記載の非接触式ルーパ。
【0107】
例証62.金属基板のための処理ラインであって、前記金属基板に接触することなく処理方向に移動する前記金属基板に歪みを付与するように構成された非接触式ルーパを含み、前記非接触式ルーパは、入口、出口、及び前記入口と前記出口との間の少なくとも1つの歪みデバイスであって、前記非接触式ルーパは、前記金属基板のための前記入口から前記出口までのパスラインを画定し、前記入口は、前記パスラインの基部の高さを画定し、前記少なくとも1つの歪みデバイスにおける前記パスラインの位置が前記基部の高さからオフセットされるように、前記ルーパは前記パスラインを垂直にオフセットする、前記少なくとも1つの歪みデバイスを備える、前記処理ライン。
【0108】
例証63.前記非接触式ルーパから上流にある第1の処理設備の一部であって、前記非接触式ルーパの上流で前記金属基板に接触するように構成されている、前記第1の処理設備の一部、及び前記非接触式ルーパの下流にある第2の処理設備の一部であって、前記非接触式ルーパから下流で前記金属基板に接触するように構成されている、前記第2の処理設備の一部をさらに備える、いずれかの先行または後続の例証または例証の組み合わせに記載の処理ライン。
【0109】
例証64.前記第1の処理設備の一部及び前記第2の処理設備の一部に通信可能に接続されたコントローラをさらに備え、前記コントローラは、前記第1の処理設備の一部における前記金属基板のラインの速度を低下させること、または前記第2の処理設備の一部における前記金属基板のラインの速度を増加させること、の少なくとも一方により、前記ルーパの前記入口から下流の前記パスラインの前記高さが前記基部の高さからオフセットされる量を減少させ、前記ルーパの前記入口から下流の前記パスラインの前記高さが、前記第1の処理設備の一部での前記金属基板の前記ラインの速度を増加させること、または前記第2の処理設備の一部での前記金属基板の前記ラインの速度を低下させることの少なくとも一方によって、前記基部の高さからオフセットされる前記量を増加させること、に対して選択的に構成される、いずれかの先行または後続の例証または例証の組み合わせに記載の処理ライン。
【0110】
例証65.前記少なくとも1つの歪みデバイスは磁気ロータを有し、前記磁気ロータの軸の垂直位置と、前記磁気ロータの回転速度とが維持される、いずれかの先行または後続の例証または例証の組み合わせに記載の処理デバイス。
【0111】
例証66.前記第1の処理設備の一部及び前記第2の処理設備の一部に通信可能に接続されたコントローラをさらに含み、前記コントローラは、前記金属基板の熱膨張、前記金属基板の熱収縮、または前記上流及び下流の処理設備の間に生じる前記金属基板のクリープのうちの少なくとも1つを補うように構成され、前記コントローラは、前記第1の処理設備の一部での前記金属基板のラインの速度または前記第2の処理設備の一部での前記金属基板のラインの速度のうちの少なくとも1つを制御するように構成されている、いずれかの先行または後続の例証または例証の組み合わせに記載の処理ライン。
【0112】
例証67.前記少なくとも1つの歪みデバイスは磁気ロータを有し、前記磁気ロータの軸の垂直位置と、前記磁気ロータの回転速度とが維持される、いずれかの先行または後続の例証または例証の組み合わせに記載の処理ライン。
【0113】
例証68.前記第1の処理設備の一部及び前記第2の処理設備の一部に通信可能に接続されたコントローラをさらに備え、前記コントローラは、前記第1の処理設備の一部における前記金属基板のラインの速度を低下させること、または前記第2の処理設備の一部における前記金属基板のラインの速度を増加させることの少なくとも一方によって、前記金属基板における前記張力を増加させること、及び前記第1の処理設備の一部における前記金属基板のラインの速度を増加させること、または前記第2の処理設備の一部における前記金属基板のラインの速度を低下させることの少なくとも一方によって、前記金属基板における前記張力を低下させること、に対して選択的に構成される、いずれかの先行または後続の例証または例証の組み合わせに記載の処理ライン。
【0114】
例証69.前記少なくとも1つの歪みデバイスは磁気ロータを有し、前記磁気ロータの軸の垂直位置と、前記磁気ロータの回転速度とが維持される、いずれかの先行または後続の例証または例証の組み合わせに記載の処理ライン。
【0115】
例証70.前記ルーパの前記少なくとも1つの歪みデバイスが、少なくとも1つの磁気ロータを含み、前記少なくとも1つの磁気ロータは、前記処理方向に対して垂直で、前記金属基板の横方向の幅に対して平行である軸を中心に回転可能であり、前記少なくとも1つの磁気ロータは、前記金属基板に力をもたらすことにより前記処理方向に移動する前記金属基板を浮上させるように構成されている、いずれかの先行または後続の例証または例証の組み合わせに記載の処理ライン。
【0116】
例証71.前記ルーパの前記少なくとも1つの歪みデバイスが、複数の磁気ロータを備え、前記複数の磁気ロータの各磁気ロータは、前記処理方向に対して垂直であり、前記金属基板の横方向の幅に対して平行である軸を中心に回転可能であり、前記複数の磁気ロータは、前記処理方向に移動する前記金属基板を、浮上及び加熱させるように構成される、いずれかの先行または後続の例証または例証の組み合わせに記載の処理ライン。
【0117】
例証72.前記ルーパの少なくとも1つの磁気ロータは垂直方向に調整可能である、いずれかの先行または後続の例証または例証の組み合わせに記載の処理ライン。
【0118】
例証73.前記ルーパの少なくとも1つの磁気ロータの高さは、前記複数の磁気ロータのうちの別の磁気ロータにから垂直にオフセットされており、前記ルーパの前記少なくとも1つの磁気ロータの前記高さは固定されている、いずれかの先行または後続の例証または例証の組み合わせに記載の処理ライン。
【0119】
例証74.非接触式ルーパを用いて処理方向に移動する金属基板を処理する方法であって、前記非接触式ルーパの入口でパスラインに沿って前記金属基板を受け取ること、前記金属基板が前記処理方向に移動する際、前記金属基板に接触することなく、前記ルーパによって前記金属基板に歪みを付与することであって、前記歪みが前記処理方向にある、前記付与すること、及び前記金属基板を前記非接触式ルーパの出口から通すこと、を含む、前記方法。
【0120】
例証75.前記ルーパは、複数の磁気ロータを含み、前記複数の磁気ロータの各磁気ロータは、前記処理方向に対して垂直で、前記金属基板の横方向の幅に対して平行である軸を中心に回転可能であり、前記複数の磁気ロータは、前記金属基板に力をもたらすことによって、前記処理方向に沿って移動する前記金属基板を浮上させるように構成されており、前記歪みを付与することは、前記ルーパの少なくとも1つの磁気ロータで前記歪みを付与することを含む、いずれかの先行または後続の例証または例証の組み合わせに記載の方法。
【0121】
例証76.前記金属基板を、前記歪みを付与しながら加熱することをさらに含む、いずれかの先行または後続の例証または例証の組み合わせに記載の方法。
【0122】
例証77.前記非接触式ルーパの前記入口及び前記出口において前記金属基板のラインの速度を維持しながら、前記金属基板と前記少なくとも1つの歪みとの間のギャップを制御することによって、前記金属基板における張力を制御することをさらに含む、いずれかの先行または後続の例証または例証の組み合わせに記載の方法。
【0123】
例証78.前記非接触式ルーパの前記入口及び前記出口において前記金属基板のラインの速度を維持しながら、前記ルーパの少なくとも1つの歪みデバイスによって前記金属基板に及ぼされる力の大きさを制御することによって、前記金属基板における張力を制御することをさらに含む、いずれかの先行または後続の例証または例証の組み合わせに記載の方法。
【0124】
例証79.前記少なくとも1つの歪みデバイスは、磁気ロータを含み、前記ルーパの少なくとも1つの磁気ロータによって前記金属基板に及ぼされる前記力の大きさは、前記ロータの前記回転速度を変化させることによって調整される、いずれかの先行または後続の例証または例証の組み合わせに記載の方法。
【0125】
例証80.前記歪みを付与することは、前記処理方向に対して垂直で、前記金属基板の横方向の幅に対して平行である軸を中心に回転可能な磁気ロータを提供すること、前記非接触式ルーパの前記入口での前記パスラインの垂直位置に対する、前記ルーパの前記入口から下流の前記パスラインの垂直位置を、前記磁気ロータの軸が前記オフセットされた垂直位置にあるように、前記磁気ロータを配置すること、または前記磁気ロータによって前記金属基板に及ぼされる力の大きさを選択することの少なくとも1つによりオフセットすること、及び前記金属基板が前記磁気ロータに隣接して通過しながら浮上されるように、前記磁気ロータを、前記軸を中心に回転させることを含む、いずれかの先行または後続の例証または例証の組み合わせに記載の方法。
【0126】
例証81.前記磁気ロータによって前記金属基板に加えられる力の大きさの前記選択は、前記ロータの前記回転速度を変化させることによって達成される、いずれかの先行または後続の例証または例証の組み合わせに記載の方法。
【0127】
例証82.前記磁気ロータの前記軸の前記垂直位置及び前記磁気ロータの前記回転速度を維持しながら前記歪みの振幅を制御することであって、前記振幅を制御することは、前記ルーパの前記入口から下流の前記パスラインの前記高さが、前記入口での前記パスラインの前記高さからオフセットされる量を、前記入口での前記金属基板のラインの速度を低下させること、または前記出口の前記金属基板のラインの速度を増加させることのうちの少なくとも1つによって減少させること、または前記ルーパの前記入口から下流の前記パスラインの前記高さが前記入口の前記パスラインの前記高さからオフセットされる前記量を、前記入口での前記金属基板の前記ラインの速度を増加させること、または前記出口の前記金属基板の前記ラインの速度を低下させることのうちの少なくとも1つによって増加させることの少なくとも1つを含む、前記制御することをさらに含む、いずれかの先行または後続の例証または例証の組み合わせに記載の方法。
【0128】
例証83.前記ルーパの前記入口から下流の前記パスラインの前記垂直位置が、前記入口での前記金属基板のラインの速度を低下させること、または前記出口の前記金属基板のラインの速度を増加させることのうちの少なくとも1つによって前記入口での前記パスラインの基部の高さからオフセットされる量を減少させること、または前記ルーパの前記入口から下流の前記パスラインの前記垂直位置が、前記入口での前記金属基板の前記ラインの速度を増加させること、または前記出口の前記金属基板の前記ラインの速度を低下させることのうちの少なくとも1つによって前記入口での前記パスラインの前記基部の高さからオフセットされる前記量を増加させることの少なくとも1つによって前記歪みの振幅を制御することをさらに含む、いずれかの先行または後続の例証または例証の組み合わせに記載の方法。
【0129】
例証84.前記金属基板のラインの速度または前記歪みの力のうちの少なくとも一方を作動させることにより、前記金属基板における前記歪みの振幅または張力のうちの少なくとも一方を制御することをさらに含む、いずれかの先行または後続の例証または例証の組み合わせに記載の方法。
【0130】
例証85.前記ルーパの前記入口から下流の前記パスラインの前記垂直位置が、前記非接触式ルーパの前記入口での前記金属基板のラインの速度を低下させること、または前記非接触式ルーパの前記出口の前記金属基板のラインの速度を増加させることのうちの少なくとも1つによって前記パスラインの基部の高さからオフセットされる量を減少させること、または前記ルーパの前記入口から下流の前記パスラインの前記垂直位置が、前記非接触式ルーパの前記入口での前記金属基板の前記ラインの速度を増加させること、または前記非接触式ルーパの前記出口の前記金属基板の前記ラインの速度を低下させることのうちの少なくとも1つによって前記基部の高さからオフセットされる前記量を増加させることの少なくとも1つをさらに含む、いずれかの先行または後続の例証または例証の組み合わせに記載の方法。
【0131】
例証4864.前記ルーパの前記歪みデバイスの垂直位置、または前記歪みデバイスによって前記金属基板に及ぼされる前記歪みの力の少なくとも一方を維持または制御することの少なくとも1つをさらに含む、いずれかの先行または後続の例証または例証の組み合わせに記載の方法。
【0132】
例証87.前記金属基板の熱膨張、前記金属基板の熱収縮、または前記入口と前記出口との間に生じる前記金属基板のクリープのうちの少なくとも1つを、前記非接触式ルーパの前記入口における前記金属基板のラインの速度、または前記非接触式ルーパの前記出口における前記金属基板のラインの速度のうちの少なくとも1つを作動させることによって、補うことをさらに含む、いずれかの先行または後続の例証または例証の組み合わせに記載の方法。
【0133】
例証88.前記ルーパの歪みデバイスの垂直位置、または前記歪みデバイスによって前記金属基板に及ぼされる前記歪みの力の少なくとも一方を制御または維持することの少なくとも1つをさらに含む、いずれかの先行または後続の例証または例証の組み合わせに記載の方法。
【0134】
例証89.前記非接触式ルーパの前記入口における前記金属基板のラインの速度を低下させること、または前記非接触式ルーパの前記出口における前記金属基板のラインの速度を増加させることの少なくとも1つにより前記金属基板の張力を増加させること、または前記非接触式ルーパの前記入口における前記金属基板のラインの速度を増加させること、または前記非接触式ルーパの前記出口における前記金属基板のラインの速度を低下させることの少なくとも1つにより前記金属基板の張力を減少させることの少なくとも1つをさらに含む、いずれかの先行または後続の例証または例証の組み合わせに記載の方法。
【0135】
例証90.前記ルーパの歪みデバイスの垂直位置、または前記歪みデバイスによって前記金属基板に及ぼされる前記歪みの力の少なくとも一方を維持または制御することの少なくとも1つをさらに含む、いずれかの先行または後続の例証または例証の組み合わせに記載の方法。
【0136】
例証91.少なくとも1つの歪みデバイスを備えた非接触式ルーパであって、処理方向に移動する金属基板を受け取るように構成されており、前記少なくとも1つの歪みデバイスは、前記金属基板に接触することなく金属基板に歪みの力を付与し、その結果、前記金属基板における前記処理方向に沿った垂直の歪みを生じさせるように構成されており、前記少なくとも1つの歪みデバイスからの前記力は調整可能である、前記非接触式ルーパ。
【0137】
例証92.前記少なくとも1つの歪みデバイスの前記力は、前記歪みデバイスと前記金属基板との間のギャップのサイズのうちの少なくとも1つを作動させることによって調整可能である、いずれかの先行または後続の例証または例証の組み合わせに記載の非接触式ルーパ。
【0138】
上述の態様は、実施態様の考えられる単なる例であり、単に、本開示の原理を明確に理解するために記述されている。本開示の主旨及び原理から実質的に逸脱することなく、上述の実施形態(複数可)に、多くの変形及び修正を加えることができる。そのようなすべての修正及び変形は、本開示の範囲内で本明細書に含まれることが意図され、要素またはステップの個々の態様または組み合わせに対するすべての考えられる請求項は、本開示によって立証されることが意図される。さらに、特定の用語が本明細書及び以下の特許請求の範囲で使用されているが、それらは一般的かつ説明的な意味でのみ使用されており、説明された実施形態または以下の特許請求の範囲を限定する目的ではない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】