(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-21
(54)【発明の名称】強化型フラッシュ・静電複合紡糸設備
(51)【国際特許分類】
D01D 5/11 20060101AFI20240514BHJP
D04H 1/724 20120101ALI20240514BHJP
D04H 1/728 20120101ALI20240514BHJP
D01D 5/04 20060101ALI20240514BHJP
【FI】
D01D5/11
D04H1/724
D04H1/728
D01D5/04
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023564012
(86)(22)【出願日】2023-02-24
(85)【翻訳文提出日】2023-10-13
(86)【国際出願番号】 CN2023078040
(87)【国際公開番号】W WO2023207293
(87)【国際公開日】2023-11-02
(31)【優先権主張番号】202210483766.4
(32)【優先日】2022-04-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523391308
【氏名又は名称】上海迅江科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100207561
【氏名又は名称】柳元 八大
(72)【発明者】
【氏名】趙 興雷
(72)【発明者】
【氏名】華 ▲ティン▼
(72)【発明者】
【氏名】蒋 攀
(72)【発明者】
【氏名】王 鵬
【テーマコード(参考)】
4L045
4L047
【Fターム(参考)】
4L045AA01
4L045AA08
4L045AA09
4L045CA28
4L045CB13
4L045CB26
4L045DA45
4L047AB02
4L047AB08
4L047EA01
(57)【要約】
【課題】 強化型フラッシュ・静電複合紡糸設備を提供することを課題とする。
【解決手段】 本発明は、フラッシュ紡糸部、静電紡糸部及び接地する捕集コンベヤーベルト(9)を含み、さらに、フラッシュ紡糸部は接地する第1のノズルを用意するフラッシュ射出ユニット(5)を含み、静電紡糸部は、高圧電源(8)と、高圧電源に接続する第2のノズルを用意する静電射出ユニット(6)とを含み、第1のノズルと第2のノズルは15~40cmの間隔Dで向かい合って一緒に捕集コンベヤーベルトの上に位置することを特徴とする強化型フラッシュ・静電複合紡糸設備を提供する。該設備は構造が簡単で、層間剥離しやすくない、優れた防水性とガス透過性を持つ繊維素材の製造に適用できる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フラッシュ紡糸部、静電紡糸部及び接地する捕集コンベヤーベルト(9)を含み、
フラッシュ紡糸部は、接地する第1の第1のノズルを含むフラッシュ射出ユニットユニット(5)を含み、静電紡糸部は、高圧電源(8)と、高圧電源(8)に接続する第2の第2のノズルを含む静電射出ユニットユニット(6)とを含み、
第1の第1のノズルと第2の第2のノズルは15~40cmの間隔Dで向かい合って一緒に捕集コンベヤーベルトの上に位置する
ことを特徴とする強化型フラッシュ・静電複合紡糸設備。
【請求項2】
フラッシュ紡糸部はまた第1の第1の吹き付け装置(4)を含み、静電紡糸部はまた第2の第2の吹き付け装置(12)を含み、
第1の第1の吹き付け装置(4)と第2の第2の吹き付け装置(12)は、いずれも、給気装置、内筒、外筒、立て板I及び立て板IIを含み、外筒は、内筒と同軸かつそれらの両端が面一であるように、内筒に外嵌され、外筒と内筒の一端は同時に立て板Iで密封され、もう一端は立て板IIにより接続され、内筒、外筒、立て板I及び立て板IIは共に密封室を形成し、外筒には、気管を介して給気装置と接続する気流導入孔が設けられ、内筒には、複数のジェット孔がランダムに分布し、
第1の第1の吹き付け装置(4)の立て板IIと第2の第2の吹き付け装置(12)の立て板IIとの間隔は0よりも大きいXであり、
第1の第1の吹き付け装置(4)の立て板Iは、第1の第1のノズルに外嵌され、それにより、第1の第1のノズルより吐出する噴流は第1の第1の吹き付け装置(4)の内筒内に射出され、第2の第2の吹き付け装置(12)の立て板Iは、第2の第2のノズルに外嵌され、それにより、第2の第2のノズルより吐出する噴流は第2の第2の吹き付け装置(12)の内筒内に射出される
ことを特徴とする請求項1に記載の強化型フラッシュ・静電複合紡糸設備。
【請求項3】
内筒の外径は0.5~3m、外筒の内径は0.3~2.7m、内筒または外筒の肉厚は0.1~0.3mであり、給気装置は圧力が2~30Mpaの気流を提供し、ジェット孔の孔径は0.4~1mmであり、ジェット孔数は500~300である
ことを特徴とする請求項2に記載の強化型フラッシュ・静電複合紡糸設備。
【請求項4】
第1の第1の吹き付け装置(4)の内筒と第2の第2の吹き付け装置(12)の内筒は同軸であり、第1の第1の吹き付け装置(4)の立て板IIと第1のノズルIとの間隔は、第2の第2の吹き付け装置(12)の立て板IIと第2の第2のノズルとの間隔に等しく、XはDの30%~60%である
ことを特徴とする請求項3に記載の強化型フラッシュ・静電複合紡糸設備。
【請求項5】
静電紡糸部はまた、液体溶剤を霧化するための溶剤霧化発生器(13)を含み、第2の第2の吹き付け装置(12)は、その立て板Iに平行し密封室を複数の子密封室に分割する複数の仕切板も含み、第2の吹き付け装置(12)の外筒における気流導入孔が複数であり、各子密封室は少なくとも1つの気流導入孔と連通し、さらに、気流導入孔に気流量制御装置が取り付けられ、噴流進行方向に沿って各気流導入孔の気流量は徐々に増大し、各子密封室の気流導入孔に接続される気管はまた溶剤霧化発生器(13)に接続される
ことを特徴とする請求項2に記載の強化型フラッシュ・静電複合紡糸設備。
【請求項6】
フラッシュ紡糸部はまた、ポリマーホッパー(1)、溶剤ホッパー(2)及び高温高圧釜(3)を含み、さらに、ポリマーホッパー(1)、溶剤ホッパー(2)及びフラッシュ射出ユニットユニット(5)は同時に高温高圧釜(3)に接続される
ことを特徴とする請求項1に記載の強化型フラッシュ・静電複合紡糸設備。
【請求項7】
静電紡糸部はまた静電射出ユニットユニット(6)に接続された静電紡糸溶液ホッパー(7)を含むことを特徴とする請求項1に記載の強化型フラッシュ・静電複合紡糸設備。
【請求項8】
第1の第1のノズルまたは第2の第2のノズルと捕集コンベヤーベルト(9)との間隔は10~60cmであることを特徴とする請求項1に記載の強化型フラッシュ・静電複合紡糸設備。
【請求項9】
捕集コンベヤーベルト(9)の上下両側に位置する上ホットプレスロール(10)と下ホットプレスロール(11)をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の強化型フラッシュ・静電複合紡糸設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は概して新素材と先端設備技術に属し、特に、一種の強化型フラッシュ・静電複合紡糸設備に関する。
【背景技術】
【0002】
フラッシュ紡糸のみより得られた超高分子量ポリエチレン素材は優れた強度、防水性及びガス透過性を持って医療、包装、建築などの分野に広く応用されているけれど、特別なケースに使われると層間剥離しやすい、防水性とガス透過性がやや低い問題はまだある。
【0003】
中国特許CN201710805631.4は一種のフラッシュ紡糸設備及びその紡糸方法を掲載し、二段延伸によって繊維直径を細くして繊維性能を増強する方法を提供したが、そんなに作る繊維素材の絡み合い程度と空隙率はまだ不十分だから、既存の問題が解決できない。
【0004】
よって、フラッシュ・静電紡糸による複合超極細ナノ繊維の製造方法に関する研究は、従来素材の層間剥離しやすい、防水性とガス透過性が低い困難を克服するのに重要な意義がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、従来技術における問題を解決するために、一種のフラッシュ・静電紡糸による複合超極細ナノ繊維の製造方法及び一種の強化型フラッシュ・静電複合紡糸設備を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以上の課題に対して、本発明は以下の解決手段を選択する。
フラッシュ・静電紡糸による複合超極細ナノ繊維の製造方法は、静電紡糸でナノ繊維を作り上げながらフラッシュ紡糸でミクロン繊維を成形する場合に、静電ノズルとフラッシュノズルとを15~40cmの間隔で向かい合って一緒に捕集コンベヤーベルトの上に置いて、同時に静電ノズルを高圧電源に接続されフラッシュノズルと捕集コンベヤーベルトとを接地されて、フラッシュ・静電の複合紡糸方式で超極細ナノ繊維を製造することである。そのうちに、ノズルの間隔は狭すぎると強いフラッシュ気流が静電吐出したナノフィラメントを吹き飛ばしてしまい、広すぎるとフラッシュ吐出したミクロン繊維と静電吐出したナノ繊維の交絡があんまりできない。実際に、フラッシュは瞬間放出圧として、高圧釜放出圧のように強い気流で真正面から来たナノ繊維を吹いてその方向を変えて、フラッシュ吐出した繊維とランダムに交絡させて、そして重力により一緒に捕集コンベヤーベルトへ降っており、すなわち、静電ノズルとフラッシュノズルとが向かい合って置けるが、静電吐出した繊維は最終的にフラッシュノズルではなく捕集コンベヤーベルトの上に堆積する。一方、静電紡糸に係る高圧電場はフラッシュ吐出した繊維を帯電させ、それで電場の反発力により繊維の方向を変えるから、フラッシュ紡糸した繊維も最終的に静電ノズルではなく捕集コンベヤーベルトの上に堆積する。
【0007】
本発明の好適態様は以下に示す。
【0008】
前記フラッシュ・静電紡糸による複合超極細ナノ繊維の製造方法において、静電紡糸溶液は、ポリエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、ポリウレタンまたはポリビニルブチラールとするポリマーI、及びジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジクロロメタン、1H,6H‐パーフルオロヘキサン、n‐ペンタンまたはシクロペンタンとする溶剤I、からなる濃度の2~40wt%のものである。
【0009】
前記フラッシュ・静電紡糸による複合超極細ナノ繊維の製造方法において、静電紡糸溶液は、濃度の0.5~5wt%のシリコーン系、C6テロマー(パーフルオロヘキシル系)またはC8テロマー(パーフルオロアルキル系)の撥水剤も含む。静電紡糸溶液に撥水剤を入れるのはナノ繊維に超疎水性を与え、その水との接触角は150°より大きくなる。そして、得られたフラッシュ・静電紡糸による複合超極細ナノ繊維は疎水性が向上し、耐水圧が高くなる。実に、フラッシュ紡糸溶液に撥水剤を添加する可能もあるが、フラッシュ紡糸した繊維はミクロンサイズであって、フィラメントの互いに並べて形成する隙間がやや大きいだから、撥水剤を添付してもその耐水圧あんまり増加しない。だが、静電紡糸した繊維はナノサイズがして、フィラメント隙間が大幅に縮小する。狭いフィラメント隙間と超疎水性によって耐水圧の著しく向上を実現することができるので、本発明においては、静電紡糸溶液にのみ撥水剤を添加することが好ましい。
【0010】
前記フラッシュ・静電紡糸による複合超極細ナノ繊維の製造方法において、静電紡糸の条件は、給液速度の1~10mL/min、紡糸電圧の30~100kV、環境温度の23~25℃、環境相対湿度の20~90%とし、静電紡糸工程は、紡糸溶液を輸液ポンプでノズルへ輸送し、ノズルに与えた高電圧によりナノ繊維になさせることである。
【0011】
前記フラッシュ・静電紡糸による複合超極細ナノ繊維の製造方法において、フラッシュ紡糸溶液は、温度の160℃と5kgの荷重との下で測定するメルトフローレートが0.7g/10minであり融点が133℃であるポリエチレンとするポリマーII、及びジクロロメタン、1H,6H‐パーフルオロヘキサン、n‐ペンタンまたはシクロペンタンとする溶剤II、からなる濃度の2~35wt%のものである。
【0012】
前記フラッシュ・静電紡糸による複合超極細ナノ繊維の製造方法において、フラッシュ紡糸の条件は、圧力の8~30MPa、温度の150~300℃、攪拌速度の500~1500rpmとし、フラッシュ紡糸工程は、自動供給装置によりぽりまーIIと溶剤IIを高圧釜に輸送し、釜内を8~30MPaに加圧し150~300℃に加温し、設定条件に達した後、放圧弁を開いて瞬間放圧し、溶液が降圧室を経ってノズルより噴出してミクロン繊維になることである。
【0013】
前記フラッシュ・静電紡糸による複合超極細ナノ繊維の製造方法において、静電紡糸時には、静電紡糸ノズルより吐出した噴流にランダム気流吹き付けを行い、フラッシュ紡糸時には、フラッシュ紡糸ノズルより吐出した噴流にランダム気流吹き付けを行う。
【0014】
前記フラッシュ・静電紡糸による複合超極細ナノ繊維の製造方法において、静電紡糸時には、噴流の進行方向に沿って環境中の溶剤濃度を徐々に増加するように環境溶剤濃度を制御してノズルより遠い場所で溶剤濃度の低減を補償することがある。
【0015】
前記フラッシュ・静電紡糸による複合超極細ナノ繊維の製造方法において、静電とフラッシュ紡糸工程が済む後、ナノ繊維とミクロン繊維の交絡するものにホットプレスを与えることがある。なお、ホットプレスの温度はナノ繊維の融点とミクロン繊維の融点の間に設定し、時間は0.2~0.7minとする。ホットプレスは繊維の間の強い接着を生じさせることを目指すけれど、繊維脆化と処理効果の両方から考えると、ホットプレス時間は長すぎるとも短すぎるともべきではない。
【0016】
本発明は、前記フラッシュ・静電紡糸による複合超極細ナノ繊維の製造方法によって作り上げる繊維素材も提供する。該素材は、ナノ繊維とミクロン繊維よりなったシート構造を呈し、その中に、ミクロン繊維が絡み合って互いに侵入し、ナノ繊維がミクロン繊維の間に通って分布しさらに一部のナノ繊維がミクロン繊維と絡み合って互いに侵入し、そしてナノ繊維の互い、ミクロン繊維の互い、及びナノ繊維とミクロン繊維の互いには接着がし、ナノ繊維とミクロン繊維との質量比が1:5~2:5とする。
【0017】
好ましくは、前記フラッシュ・静電紡糸による複合超極細ナノ繊維素材について、含んだナノ繊維の平均直径が50~800nm、ミクロン繊維の平均直径が1~20μmとし、強度(GB/T328.9-2007によって測定する)が>100N/50mm、空隙率が>55%、透湿量(GB/T17146によって測定する)が>800g/m2・24h、耐水圧(GB/T4744-2013によって測定する)が>5kPaとする。
【0018】
本発明はさらに、フラッシュ紡糸部、静電紡糸部及び接地した捕集コンベヤーベルトを含む強化型フラッシュ・静電複合紡糸設備を提供する。
フラッシュ紡糸部は接地するノズル(以下第1のノズルと示す)を含むフラッシュ射出ユニットを含む一方で、静電紡糸部は、高圧電源と、高圧電源に接続するノズル(以下第2のノズルと示す)を包括する静電射出ユニットとを含む。
第1のノズルと第2のノズルは15~40cmの間隔Dで向かい合って一緒に捕集コンベヤーベルトの上に位置する。ノズル間隔Dは、狭すぎると強いフラッシュ気流が静電吐出したナノフィラメントを吹き飛ばしてしまい、広すぎるとフラッシュ吐出したミクロン繊維と静電吐出したナノ繊維の交絡があんまりできない。
【0019】
好ましくは、前記強化型フラッシュ・静電複合紡糸設備について、
フラッシュ紡糸部は第1の吹き付け装置を含み、静電紡糸部は第2の吹き付け装置を含む。第1の吹き付け装置はフラッシュ吐出したミクロン繊維をランダムに射出させており、それで得られた繊維素材にはより多くの絡み合い構造が生じ、ホットプレスした後繊維相互の抱合力が大きくなり、繊維素材の強度が増加できる。同じに、第2の吹き付け装置は、静電吐出したナノ繊維をランダムに射出させており、それでナノ繊維相互間及びナノ繊維とミクロン繊維との相互間で絡み合いが生じできる。
第1の吹き付け装置と第2の吹き付け装置は、いずれも、給気装置、内筒、外筒、立て板I及び立て板IIを含み、さらに、外筒は、内筒と同軸かつそれらの両端が面一であるように、内筒に外嵌され、外筒と内筒の一端は同時に立て板Iで密封され、もう一端は立て板IIにより接続され、内筒、外筒、立て板I及び立て板IIは共に密封室を形成し、外筒には、気管を介して給気装置と接続する気流導入孔が設けられ、内筒には、複数のジェット孔がランダムに分布する。
第1の吹き付け装置の立て板IIと第2の吹き付け装置の立て板IIとの間隔は0よりも大きいXである。
別々で、第1の吹き付け装置の立て板Iは第1のノズルに外嵌され、第2の吹き付け装置の立て板Iは第2のノズルに外嵌される。よって、ノズルより吐出する噴流は内筒内に射出し、さらに、内筒に導入したランダムな気流は噴流からなる糸条の方向を変え、それで噴流射出もランダムになる。
【0020】
前記強化型フラッシュ・静電複合紡糸設備において、内筒の外径は0.5~3m、外筒の内径は0.3~2.7m、内筒または外筒の肉厚は0.1~0.3mであり、給気装置は圧力が2~30MPaの気流を提供し、ジェット孔の孔径は0.4~1mmであり、ジェット孔数は500~300である。
【0021】
前記強化型フラッシュ・静電複合紡糸設備において、第1の吹き付け装置の内筒と第2の吹き付け装置の内筒は同軸であり、第1の吹き付け装置の立て板IIと第1のノズルIとの間隔は、第2の吹き付け装置の立て板IIと第2のノズルとの間隔に等しく、XはDの30%~60%である。
【0022】
前記強化型フラッシュ・静電複合紡糸設備において、静電紡糸部はまた、液体溶剤を霧化するため、溶剤霧化発生器を用意し、一方で、第2の吹き付け装置は、その立て板Iに平行し密封室を複数の亜密封室に分割する複数の仕切板も含み、その外筒上の気流導入孔も複数であって各亜密封室は少なくとも一つの気流導入孔に接続し、さらに、噴流進行方向により各気流導入孔の気流量はますます増加するために気流導入孔に流量制御器が取り付けられ、各亜密封室の気流導入孔に接続する気管はまた溶剤霧化発生器に接続させる。本発明は、風量を制御して異なる量の溶媒を放出することにより、紡糸環境中の溶媒濃度を制御する目的を達成し、すなわち、噴流進行方向によって、環境溶剤濃度を徐々に増加させる。それで、静電紡糸液の溶剤の揮発は遅くなり、ナノ繊維はある程度の接着力を持ってフラッシュ紡糸から来るミクロン繊維と接触する際に交絡構造が形成でき、ホットプレスした後の繊維間の接着強度は大幅に向上する。
【0023】
前記強化型フラッシュ・静電複合紡糸設備において、フラッシュ紡糸部はまた、ポリマーホッパー、溶剤ホッパー及び高温高圧釜を包含し、さらに、ポリマーホッパー、溶剤ホッパー及びフラッシュ射出ユニットは同時に高温高圧釜に接続する。
【0024】
前記強化型フラッシュ・静電複合紡糸設備において、静電紡糸部はまた静電射出ユニットと接続する紡糸溶液ホッパーを含む。
【0025】
前記強化型フラッシュ・静電複合紡糸設備において、第1のノズルまたは第2のノズルと捕集コンベヤーベルトとの間隔は10~60cmとする。その間隔は、狭すぎると繊維捕集は噴流からの影響が受けやすい、かつ、ナノ繊維とミクロン繊維との交絡は不十分になって交絡構造のランダム度は低下して得られたシートの強度は下降し、広すぎると生産効率は低下してしまう。
【0026】
前記強化型フラッシュ・静電複合紡糸設備において、捕集コンベヤーベルトの上下両側に位置する上ホットプレスロールと下ホットプレスロールをさらに含む。
【0027】
発明原理としては、以下のとおりである。
【0028】
本発明は、静電紡糸でナノ繊維を作りながらフラッシュ紡糸でミクロン繊維を成形する際に、静電ノズルとフラッシュノズルとの向かい合う位置を制御する。その場合に、フラッシュの瞬間放圧のため溶剤が速く揮発してミクロン繊維はすぐ乾燥し、かつ繊維のポリマー素材は非導電性であるから、向こうの静電場に当たるとミクロン繊維は帯電になって、各フィラメントは互いに反発する。つまり、フラッシュ紡糸からなるミクロン繊維は静電紡糸の静電力作用の下で、絡み合い、巻き、相互侵入などの状態を呈し、一方で、ナノ繊維はミクロン繊維の間に通って分布しさらに一部のナノ繊維がミクロン繊維と絡み合って互いに侵入し、よって、フラッシュ・静電紡糸による複合超極細ナノ繊維素材が成形できる。
【0029】
一方では、本発明の繊維素材はフラッシュ紡糸のみで作り上げされた繊維素材より有効的な絡み合い数が著しく増加し(20~50%向上)、したがって、ホットプレス処理後フラッシュ紡糸したミクロン繊維の互いに強い接着が生じるのみならず、同時に静電紡糸したナノ繊維とミクロン繊維との互いに複雑なねネットワーク交絡構造も形成でき、それで本発明における複合繊維シートの強度は大幅に向上する。
【0030】
一方では、本発明におけるフラッシュ・静電紡糸による複合超極細ナノ繊維素材は従来のフラッシュ紡糸されたミクロン繊維素材より、交絡構造の複雑性が著しく増加し、すなわち、(繊維シートの平面方向に対する)水平交絡とも垂直交絡とも増える。水平交絡数は多いほどシート強度がおおきくなり、垂直交絡数は多いほど繊維層相互の抱合力が強くなる。よって、本発明は従来技術のフラッシュ紡糸された繊維素材の層間剥離しやすい問題を解決する。
【0031】
他方では、本発明におけるフラッシュ・静電紡糸による複合超極細ナノ繊維素材は従来のフラッシュ紡糸されたミクロン繊維素材より、一定量のナノ繊維、さらに、撥水剤を含有するナノ繊維が増す。ナノ繊維の疎水性向上、ナノ繊維の狭い隙間、いずれも耐水圧向上に有利である。同時に、繊維相互の交絡数が多くなってシートの空隙率が高まるので、透湿量も増加する。したがって、本発明におけるフラッシュ・静電紡糸による複合超極細ナノ繊維素材は優れた防水性とガス透過性があって、従来技術のフラッシュ紡糸されたミクロン繊維素材の問題を解決する。
【発明の効果】
【0032】
本発明の利点としては、
(1)本発明提供するフラッシュ・静電紡糸による複合超極細ナノ繊維素材は、大幅に向上した強度、優れた耐水圧と透湿量を持って、包装または建築分野への応用機能が拡張できる。
(2)本発明提供するフラッシュ・静電紡糸による複合超極細ナノ繊維素材の製造方法は、繊維相互の交絡構造と絡み合いを増強し繊維の疎水性と空隙率を高めて、素材の使用性能を著しく改進する。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【
図1】本発明における強化型フラッシュ・静電複合紡糸設備の構造の概念図である。
【
図2】実施例1における第1の吹き付け装置の内筒の展開図であり、そのうちに、Aは内筒と立て板Iの接続端、Bは内筒と立て板IIの接続端を表し、さらに、各数字の指示対象物は以下のとおりである:1-ポリマーホッパー、2-溶剤ホッパー、3-高温高圧釜、4-第1の吹き付け装置、5-フラッシュ射出ユニット、6-静電射出ユニット、7-静電紡糸溶液ホッパー、8-高圧電源、9-捕集コンベヤーベルト、10-上ホットプレスロール、11―下ホットプレスロール、12-第2の吹き付け装置、13―溶剤霧化発生器、14-地線。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、実施例を挙げてさらに詳細に本発明を説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の実施例によって限定されるものではない。なお、本発明の内容を読んだこの分野の技術者のいろいろな本発明を改正することを許されても、それは本発明の等価形として、本発明の請求の範囲内にも限定されている。
【0035】
フラッシュ・静電紡糸による複合超極細ナノ繊維素材の製造方法は、具体的に、以下のとおりである。
静電紡糸でナノ繊維を作り上げながらフラッシュ紡糸でミクロン繊維を成形する場合に、静電ノズルとフラッシュノズルとを15~40cmの間隔で向かい合って一緒に捕集コンベヤーベルトの上に置いて、同時に静電ノズルを高圧電源に接続され、フラッシュノズルと捕集コンベヤーベルトとを接地されることにより、フラッシュ・静電の複合紡糸で超極細ナノ繊維を製造する。
静電紡糸溶液は、ポリエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、ポリウレタンまたはポリビニルブチラールとするポリマーI、及びジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジクロロメタン、1H,6H‐パーフルオロヘキサン、n‐ペンタンまたはシクロペンタンとする溶剤I、からなる濃度の2~40wt%のものである。好ましくは、静電紡糸溶液が濃度の0.5~5wt%のシリコーン系、C6テロマー(パーフルオロヘキシル系)またはC8テロマー(パーフルオロアルキル系)の撥水剤も含む。
静電紡糸の条件は、給液速度の1~10mL/min、紡糸電圧の30~100kV、環境温度の23~25℃、環境相対湿度の20~90%とする。
フラッシュ紡糸溶液は、温度の160℃と5kgの荷重との下で測定するメルトフローレートが0.7g/10minであり融点が133℃であるポリエチレンとするポリマーII、及びジクロロメタン、1H,6H‐パーフルオロヘキサン、n‐ペンタンまたはシクロペンタンとする溶剤II、からなる濃度の2~35wt%のものである。
フラッシュ紡糸の条件は、圧力の8~30MPa、温度の150~300℃、攪拌速度の500~1500rpmとする。
好ましくは、静電紡糸時には、静電紡糸ノズルより吐出した噴流にランダム気流吹き付けを行い、フラッシュ紡糸時には、フラッシュ紡糸ノズルより吐出した噴流にランダム気流吹き付けを行う。
好ましくは、静電紡糸時には、噴流の進行方向に沿って環境中の溶剤濃度を徐々に増加するように環境溶剤濃度を制御する。
好ましくは、静電とフラッシュ紡糸工程が済む後、ナノ繊維とミクロン繊維の交絡するものにホットプレスを行い、なお、ホットプレスの温度はナノ繊維の融点とミクロン繊維の融点の間に設定し、時間は0.2~0.7minとする。
最後に得られたフラッシュ・静電紡糸による複合超極細ナノ繊維素材は、ナノ繊維とミクロン繊維よりなったシート構造を呈し、その中に、ミクロン繊維が絡み合って互いに侵入し、ナノ繊維がミクロン繊維の間に通って分布しかつ一部のナノ繊維がミクロン繊維と絡み合って互いに侵入し、そこでナノ繊維の相互間、ミクロン繊維の相互間、及びナノ繊維とミクロン繊維の相互間には接着が生じ、ナノ繊維とミクロン繊維との質量比が1:5~2:5とし、ナノ繊維の平均直径が50~800nm、ミクロン繊維の平均直径が1~20μmであり、繊維シートの強度が>100N/50mm、空隙率が>55%、透湿量が>800g/m2・24h、耐水圧が>5kPaである。
【0036】
前記フラッシュ・静電紡糸による複合超極細ナノ繊維素材の製造は、様々な設備により達成でき、具体的に採用する形式が限定されないけれど、上記製造方法と同じである限り、本発明の請求の範囲内にも限定されている。以下、そのうちの一つを例として説明する。
【0037】
強化型フラッシュ・静電複合紡糸設備は、
図1に示すように、フラッシュ紡糸部、静電紡糸部及び接地した9-捕集コンベヤーベルトを含む。
フラッシュ紡糸部は5-フラッシュ射出ユニット、1-ポリマーホッパー、2-溶剤ホッパー及び3-高温高圧釜を包含し、さらに、1-ポリマーホッパー、2-溶剤ホッパー及び5-フラッシュ射出ユニットは同時に3-高温高圧釜に接続し、5-フラッシュ射出ユニットには接地した第1のノズルも含む。
静電紡糸部は、8-高圧電源、6-静電射出ユニット及び6-静電射出ユニットと接続する7-紡糸溶液ホッパーを包含し、さらに、6―静電射出ユニットには8-高圧電源に接続する第2のノズルも含む。
第1のノズルと第2のノズルは15~40cmの間隔Dで向かい合って一緒に9-捕集コンベヤーベルトの上に位置する。なお、第1のノズルまたは第2のノズルと9-捕集コンベヤーベルトとの間隔は10~60cmである。
好ましくは、フラッシュ紡糸部は4-第1の吹き付け装置を含み、静電紡糸部は12-第2の吹き付け装置を含み、4-第1の吹き付け装置と12-第2の吹き付け装置は、いずれも、給気装置、内筒、外筒、立て板I及び立て板IIを包括し、さらに、外筒は、内筒と同軸かつ両端が面一であるように、内筒に外嵌され、外筒と内筒の一端は同時に立て板Iで密封され、もう一端は立て板IIにより接続され、内筒、外筒、立て板I及び立て板IIは共に密封室を形成し、外筒には、気管を介して給気装置と接続する気流導入孔が設けられ、内筒には、複数のジェット孔がランダムに分布し、4-第1の吹き付け装置の立て板IIと12-第2の吹き付け装置の立て板IIとの間隔は0よりも大きいXであり、4-第1の吹き付け装置の立て板Iは第1のノズルに外嵌されて第1のノズルより吐出する噴流は4-第1の吹き付け装置の内筒内に射出させ、12-第2の吹き付け装置の立て板Iは第2のノズルに外嵌されて第2のノズルより吐出する噴流は12-第2の吹き付け装置の内筒内に射出させる。
もっと好ましくは、内筒の外径は0.5~3m、外筒の内径は0.3~2.7m、内筒または外筒の肉厚は0.1~0.3mであり、給気装置は圧力が2~30MPaの気流を提供し、ジェット孔の孔径は0.4~1mmであり、ジェット孔数は500~300であるる。
もっと好ましくは、4-第1の吹き付け装置の内筒と12-第2の吹き付け装置の内筒は同軸であり、4-第1の吹き付け装置の立て板IIとノズルIとの間隔は、12-第2の吹き付け装置の立て板IIと第2のノズルとの間隔に等しく、XはDの30%~60%である。
好ましくは、静電紡糸部はまた、液体溶剤を霧化するため、13-溶剤霧化発生器を包括し、一方で、12-第2の吹き付け装置は、その立て板Iに平行し密封室を複数の亜密封室に分割する複数の仕切板も含み、その外筒上の気流導入孔も複数であって各亜密封室は少なくとも一つの気流導入孔に接続し、さらに、噴流進行方向により各気流導入孔の気流量はますます増加するために気流導入孔に流量制御器が取り付けられ、各亜密封室の気流導入孔に接続する気管はまた13-溶剤霧化発生器に接続させる。
好ましくは、9-捕集コンベヤーベルトの上下両側に位置する上ホットプレスロールと下ホットプレスロールをさらに含む。
【0038】
以下実施例を挙げて、上記強化型フラッシュ・静電複合紡糸設備、及び該設備でフラッシュ・静電紡糸による複合超極細ナノ繊維素材を製造する工程をさらに詳細に説明する。
【0039】
実施例1
強化型フラッシュ・静電複合紡糸設備は、
図1に示すように、フラッシュ紡糸部、静電紡糸部、地線に接続する9-捕集コンベヤーベルト、及び9-捕集コンベヤーベルトの上下両側に位置する10-上ホットプレスロールと11-下ホットプレスロールを包括する。
フラッシュ紡糸部は、5-フラッシュ射出ユニット、4-第1の吹き付け装置、1-ポリマーホッパー、2-溶剤ホッパー及び3-高温高圧釜を含み、さらに、1-ポリマーホッパー、2-溶剤ホッパー及び5-フラッシュ射出ユニットは同時に3-高温高圧釜に接続する。
5-フラッシュ射出ユニットには、14-地線に接続する第1のノズルを含む。
静電紡糸部は、8-高圧電源、12-第2の吹き付け装置、6-静電射出ユニット、液体溶剤を霧化するための13-溶剤霧化発生器、及び6-静電射出ユニットと接続する7-紡糸溶液ホッパーを含む。
6-静電射出ユニットには、8-高圧電源に接続する第2のノズルも含む。
第1のノズルと第2のノズルは15cmの間隔Dで向かい合って一緒に9-捕集コンベヤーベルトの上に位置する。なお、第1のノズルと9-捕集コンベヤーベルトとの間隔は10cm、第2のノズルと9-捕集コンベヤーベルトとの間隔は10cmとする。
4-第1の吹き付け装置においては、給気装置、内筒、外筒、立て板I及び立て板IIを包括し、さらに、外筒は、内筒と同軸かつ両端が面一であるように、内筒に外嵌され、外筒と内筒の一端は同時に立て板Iで密封され、もう一端は、立て板IIにより接続され、内筒、外筒、立て板I及び立て板IIは共に密封室を形成し、外筒には気管を介して給気装置と接続する気流導入孔が設けられ、
図2(概略のみであって、すべてのジェット孔を完全に示していない)に示すように、内筒にランダムに分布する300個のジェット孔の孔径は0.4mmである。
第1の吹き付け装置において、内筒の外径は0.5m、外筒の内径は0.3m、内筒の肉厚は0.1m、外筒の肉厚は0.13mであり、給気装置は圧力が2MPaの気流を提供する。
4-第1の吹き付け装置の立て板Iは第1のノズルに外嵌されて第1のノズルより吐出する噴流は4-第1の吹き付け装置の内筒内に射出させる。
12-第2の吹き付け装置においては、4つの仕切板、給気装置、内筒、外筒、立て板I及び立て板IIを包括し、さらに、外筒は、内筒と同軸かつ両端が面一であるように、内筒に外嵌され、外筒と内筒の一端は同時に立て板Iで密封され、もう一端は、立て板IIにより接続され、内筒、外筒、立て板I及び立て板IIは共に密封室を形成し、仕切板らは立て板Iに平行して密封室を5つの亜密封室に分割し、外筒には5つの気流導入孔が取り付けられて各亜密封室と別々に接続し、さらに、噴流進行方向により各気流導入孔の気流量はますます増加するために気流導入孔に流量制御器が取り付けられ、各亜密封室の気流導入孔に接続する気管はまた13-溶剤霧化発生器に接続させ(すなわち気管は同時に給気装置および溶剤霧化発生器と接続される)、内筒にランダムに分布する300個のジェット孔の孔径は0.4mmである。
第2の吹き付け装置において、内筒の外径は0.5m、外筒の内径は0.3m、内筒の肉厚は0.1m、外筒の肉厚は0.1mであり、給気装置は圧力が2MPaの気流を提供する。
12-第2の吹き付け装置の立て板Iは第2のノズルに外嵌されて第2のノズルより吐出する噴流は12-第2の吹き付け装置の内筒内に射出させる。
4-第1の吹き付け装置の内筒と12-第2の吹き付け装置の内筒は同軸であり、4-第1の吹き付け装置の立て板IIと第1のノズルとの間隔は、12-第2の吹き付け装置の立て板IIと第2のノズルとの間隔に等しく、XはDの30%である。
フラッシュ・静電紡糸による複合超極細ナノ繊維素材の製造方法は、上記の強化型フラッシュ・静電複合紡糸設備を採用して行うことである。
設備の起動する前に次の用意をする。
静電紡糸溶液ホッパーに、ポリエチレン、シリコーン系撥水剤(SEAL80、アクゾノーベル社)及びジメチルホルムアミドを含み、かつポリエチレン濃度は2wt%とし、シリコーン系撥水剤濃度は0.5wt%とする静電紡糸溶液を注入する;
給液速度は1mL/min、紡糸電圧は30kV、環境温度は23℃、環境相対湿度は90%として静電紡糸条件を設置する;
溶剤霧化発生器にジメチルホルムアミドを注入する;
噴流進行方向により各亜密封室の気流導入孔の気流量は別々に10m
3/h、18m
3/h、32m
3/h、36m
3/h、40m
3/hであるように流量制御器を制御する;
設備の起動する後高温高圧釜の中で濃度の2wt%のフラッシュ紡糸溶液が形成できるように、温度の160℃と5kgの荷重との下で測定するメルトフローレートが0.7g/10minであり融点が133℃であるポリエチレンを一定量でポリマーホッパーへ、ジクロロメタンを一定量で溶剤ホッパーへ添加する;
圧力は8MPa、温度は300℃、攪拌速度は500rpmとしてフラッシュ紡糸条件を設置する;
温度は100℃、時間は0.2minとするように、ナノ繊維とミクロン繊維が形成したシートにホットプレスを与える上ホットプレスロールと下ホットプレスロールとを制御する。
上記用意を済む後、設備を起動してフラッシュ・静電紡糸による複合超極細ナノ繊維素材を製造する。
得られた繊維素材については、それが平均直径の80nmのナノ繊維と平均直径の1.2μmのミクロン繊維よりなったシート構造を呈し、その中に、ミクロン繊維が絡み合って互いに侵入し、ナノ繊維がミクロン繊維の間に通って分布しさらに一部のナノ繊維がミクロン繊維と絡み合って互いに侵入し、そしてナノ繊維の相互間、ミクロン繊維の相互間、及びナノ繊維とミクロン繊維の相互間には接着が生じ、ナノ繊維とミクロン繊維との質量比が11:50とし、なお、その強度は450N/50mm、空隙率は83%、透湿量は1600g/m
2・24h、耐水圧は45kPaである。
【0040】
実施例2
強化型フラッシュ・静電複合紡糸設備は、フラッシュ紡糸部、静電紡糸部、接地する捕集コンベヤーベルト、及び捕集コンベヤーベルトの上下両側に位置する上ホットプレスロールと下ホットプレスロールを包括する。
フラッシュ紡糸部は、フラッシュ射出ユニット、第1の吹き付け装置、ポリマーホッパー、溶剤ホッパー及び高温高圧釜を含み、さらに、ポリマーホッパー、溶剤ホッパー及びフラッシュ射出ユニットは同時に高温高圧釜に接続する。
フラッシュ射出ユニットには、接地する第1のノズルを含む。
静電紡糸部は、高圧電源、第2の吹き付け装置、静電射出ユニット、液体溶剤を霧化するための溶剤霧化発生器、及び静電射出ユニットと接続する紡糸溶液ホッパーを含む。
静電射出ユニットには、高圧電源に接続する第2のノズルも含む。
第1のノズルと第2のノズルは18cmの間隔Dで向かい合って一緒に捕集コンベヤーベルトの上に位置する。なお、第1のノズルと捕集コンベヤーベルトとの間隔は20cm、第2のノズルと捕集コンベヤーベルトとの間隔は20cmとする。
第1の吹き付け装置においては、給気装置、内筒、外筒、立て板I及び立て板IIを包括し、さらに、外筒は、内筒と同軸かつ両端が面一であるように、内筒に外嵌され、外筒と内筒の一端は同時に立て板Iで密封され、もう一端は、立て板IIにより接続され、内筒、外筒、立て板I及び立て板IIは共に密封室を形成し、外筒には気管を介して給気装置と接続する気流導入孔が設けられ、内筒にランダムに分布する350個のジェット孔の孔径は0.5mmである。
第1の吹き付け装置において、内筒の外径は1m、外筒の内径は0.7m、内筒の肉厚は0.15m、外筒の肉厚は0.18mであり、給気装置は圧力が5MPaの気流を提供する。
第1の吹き付け装置の立て板Iは第1のノズルに外嵌されて第1のノズルより吐出する噴流は4-第1の吹き付け装置の内筒内に射出させる。
第2の吹き付け装置においては、4つの仕切板、給気装置、内筒、外筒、立て板I及び立て板IIを包括し、さらに、外筒は、内筒と同軸かつ両端が面一であるように、内筒に外嵌され、外筒と内筒の一端は同時に立て板Iで密封され、もう一端は、立て板IIにより接続され、内筒、外筒、立て板I及び立て板IIは共に密封室を形成し、仕切板らは立て板Iに平行して密封室を5つの亜密封室に分割し、外筒には5つの気流導入孔が取り付けられて各亜密封室と別々に接続し、さらに、噴流進行方向により各気流導入孔の気流量はますます増加するために気流導入孔に流量制御器が取り付けられ、各亜密封室の気流導入孔に接続する気管はまた13-溶剤霧化発生器に接続させ(すなわち気管は同時に給気装置および溶剤霧化発生器と接続される)、内筒にランダムに分布する380個のジェット孔の孔径は0.52mmである。
第2の吹き付け装置において、内筒の外径は1m、外筒の内径は0.8m、内筒の肉厚は0.12m、外筒の肉厚は0.12mであり、給気装置は圧力が7.8MPaの気流を提供する。
第2の吹き付け装置の立て板Iは第2のノズルに外嵌されて第2のノズルより吐出する噴流は第2の吹き付け装置の内筒内に射出させる。
第1の吹き付け装置の内筒と第2の吹き付け装置の内筒は同軸であり、第1の吹き付け装置の立て板IIとノズルIとの間隔は、第2の吹き付け装置の立て板IIと第2のノズルとの間隔に等しく、XはDの38%である。
フラッシュ・静電紡糸による複合超極細ナノ繊維素材の製造方法は、上記の強化型フラッシュ・静電複合紡糸設備を採用して行うことである。
設備の起動する前に次の用意をする。
静電紡糸溶液ホッパーに、ポリフッ化ビニリデン、C6テロマー(Z-2001、科実社)及びジメチルアセトアミドを含み、かつポリフッ化ビニリデン濃度は4wt%とし、C6テロマー濃度は1wt%とする静電紡糸溶液を注入する;
給液速度は2mL/min、紡糸電圧は40kV、環境温度は23℃、環境相対湿度は80%として静電紡糸条件を設置する;
溶剤霧化発生器にジメチルアセトアミドを注入する;
噴流進行方向により各亜密封室の気流導入孔の気流量は別々に12m3/h、20m3/h、34m3/h、38m3/h、44m3/hであるように流量制御器を制御する;
設備の起動する後高温高圧釜の中で濃度の6wt%のフラッシュ紡糸溶液が形成できるように、温度の160℃と5kgの荷重との下で測定するメルトフローレートが0.7g/10minであり融点が133℃であるポリエチレンを一定量でポリマーホッパーへ、1H,6H‐パーフルオロヘキサンを一定量で溶剤ホッパーへ添加する;
圧力は13MPa、温度は270℃、攪拌速度は700rpmとしてフラッシュ紡糸条件を設置する;
温度は130℃、時間は0.3minとするように、ナノ繊維とミクロン繊維が形成したシートにホットプレスを与える上ホットプレスロールと下ホットプレスロールとを制御する。
上記用意を済む後、設備を起動してフラッシュ・静電紡糸による複合超極細ナノ繊維素材を製造する。
得られた繊維素材については、それが平均直径の150nmのナノ繊維と平均直径の3μmのミクロン繊維よりなったシート構造を呈し、その中に、ミクロン繊維が絡み合って互いに侵入し、ナノ繊維がミクロン繊維の間に通って分布しさらに一部のナノ繊維がミクロン繊維と絡み合って互いに侵入し、そしてナノ繊維の相互間、ミクロン繊維の相互間、及びナノ繊維とミクロン繊維の相互間には接着が生じ、ナノ繊維とミクロン繊維との質量比が1:4とし、なお、その強度は480N/50mm、空隙率は85%、透湿量は1980g/m2・24h、耐水圧は5kPaである。
【0041】
実施例3
強化型フラッシュ・静電複合紡糸設備は、フラッシュ紡糸部、静電紡糸部、接地する捕集コンベヤーベルト、及び捕集コンベヤーベルトの上下両側に位置する上ホットプレスロールと下ホットプレスロールを包括する。
フラッシュ紡糸部は、フラッシュ射出ユニット、第1の吹き付け装置、ポリマーホッパー、溶剤ホッパー及び高温高圧釜を含み、さらに、ポリマーホッパー、溶剤ホッパー及びフラッシュ射出ユニットは同時に高温高圧釜に接続する。
フラッシュ射出ユニットには、接地する第1のノズルを含む。
静電紡糸部は、高圧電源、第2の吹き付け装置、静電射出ユニット、液体溶剤を霧化するための溶剤霧化発生器、及び静電射出ユニットと接続する紡糸溶液ホッパーを含む。
静電射出ユニットには、高圧電源に接続する第2のノズルも含む。
第1のノズルと第2のノズルは22cmの間隔Dで向かい合って一緒に捕集コンベヤーベルトの上に位置する。なお、第1のノズルと捕集コンベヤーベルトとの間隔は30cm、第2のノズルと捕集コンベヤーベルトとの間隔は30cmとする。
第1の吹き付け装置においては、給気装置、内筒、外筒、立て板I及び立て板IIを包括し、さらに、外筒は、内筒と同軸かつ両端が面一であるように、内筒に外嵌され、外筒と内筒の一端は同時に立て板Iで密封され、もう一端は、立て板IIにより接続され、内筒、外筒、立て板I及び立て板IIは共に密封室を形成し、外筒には気管を介して給気装置と接続する気流導入孔が設けられ、内筒にランダムに分布する400個のジェット孔の孔径は0.6mmである。
第1の吹き付け装置において、内筒の外径は1.5m、外筒の内径は1.2m、内筒の肉厚は0.2m、外筒の肉厚は0.2mであり、給気装置は圧力が10MPaの気流を提供する。
第1の吹き付け装置の立て板Iは第1のノズルに外嵌されて第1のノズルより吐出する噴流は第1の吹き付け装置の内筒内に射出させる。
第2の吹き付け装置においては、5つの仕切板、給気装置、内筒、外筒、立て板I及び立て板IIを包括し、さらに、外筒は、内筒と同軸かつ両端が面一であるように、内筒に外嵌され、外筒と内筒の一端は同時に立て板Iで密封され、もう一端は、立て板IIにより接続され、内筒、外筒、立て板I及び立て板IIは共に密封室を形成し、仕切板らは立て板Iに平行して密封室を6つの亜密封室に分割し、外筒には5つの気流導入孔が取り付けられて各亜密封室と別々に接続し、さらに、噴流進行方向により各気流導入孔の気流量はますます増加するために気流導入孔に流量制御器が取り付けられ、各亜密封室の気流導入孔に接続する気管はまた13-溶剤霧化発生器に接続させ(すなわち気管は同時に給気装置および溶剤霧化発生器と接続される)、内筒にランダムに分布する410個のジェット孔の孔径は0.63mmである。
第2の吹き付け装置において、内筒の外径は1.5m、外筒の内径は1.4m、内筒の肉厚は0.18m、外筒の肉厚は0.18mであり、給気装置は圧力が12.9MPaの気流を提供する。
第2の吹き付け装置の立て板Iは第2のノズルに外嵌されて第2のノズルより吐出する噴流は第2の吹き付け装置の内筒内に射出させる。
第1の吹き付け装置の内筒と第2の吹き付け装置の内筒は同軸であり、第1の吹き付け装置の立て板IIとノズルIとの間隔は、第2の吹き付け装置の立て板IIと第2のノズルとの間隔に等しく、XはDの46%である。
フラッシュ・静電紡糸による複合超極細ナノ繊維素材の製造方法は、上記の強化型フラッシュ・静電複合紡糸設備を採用して行うことである。
設備の起動する前に次の用意をする。
静電紡糸溶液ホッパーに、ポリアクリロニトリル、C8テロマー(5003F、ダイキン社)及びジクロロメタンを含み、かつポリアクリロニトリル濃度は10wt%とし、C8テロマー濃度は3wt%とする静電紡糸溶液を注入する;
給液速度は4mL/min、紡糸電圧は50kV、環境温度は24℃、環境相対湿度は70%として静電紡糸条件を設置する;
溶剤霧化発生器にジクロロメタンを注入する;
噴流進行方向により各亜密封室の気流導入孔の気流量は別々に10m3/h、18m3/h、32m3/h、36m3/h、40m3/h、46m3/hであるように流量制御器を制御する;
設備の起動する後高温高圧釜の中で濃度の10wt%のフラッシュ紡糸溶液が形成できるように、温度の160℃と5kgの荷重との下で測定するメルトフローレートが0.7g/10minであり融点が133℃であるポリエチレンを一定量でポリマーホッパーへ、n‐ペンタンを一定量で溶剤ホッパーへ添加する;
圧力は16MPa、温度は230℃、攪拌速度は900rpmとしてフラッシュ紡糸条件を設置する;
温度は180℃、時間は0.4minとするように、ナノ繊維とミクロン繊維が形成したシートにホットプレスを与える上ホットプレスロールと下ホットプレスロールとを制御する。
上記用意を済む後、設備を起動してフラッシュ・静電紡糸による複合超極細ナノ繊維素材を製造する。
得られた繊維素材については、それが平均直径の230nmのナノ繊維と平均直径の6μmのミクロン繊維よりなったシート構造を呈し、その中に、ミクロン繊維が絡み合って互いに侵入し、ナノ繊維がミクロン繊維の間に通って分布しさらに一部のナノ繊維がミクロン繊維と絡み合って互いに侵入し、そしてナノ繊維の相互間、ミクロン繊維の相互間、及びナノ繊維とミクロン繊維の相互間には接着が生じ、ナノ繊維とミクロン繊維との質量比が3:10とし、なお、その強度は500N/50mm、空隙率は88%、透湿量は2500g/m2・24h、耐水圧は36kPaである。
【0042】
実施例4
強化型フラッシュ・静電複合紡糸設備は、フラッシュ紡糸部、静電紡糸部、接地する捕集コンベヤーベルト、及び捕集コンベヤーベルトの上下両側に位置する上ホットプレスロールと下ホットプレスロールを包括する。
フラッシュ紡糸部は、フラッシュ射出ユニット、第1の吹き付け装置、ポリマーホッパー、溶剤ホッパー及び高温高圧釜を含み、さらに、ポリマーホッパー、溶剤ホッパー及びフラッシュ射出ユニットは同時に高温高圧釜に接続する。
フラッシュ射出ユニットには、接地する第1のノズルを含む。
静電紡糸部は、高圧電源、第2の吹き付け装置、静電射出ユニット、液体溶剤を霧化するための溶剤霧化発生器、及び静電射出ユニットと接続する紡糸溶液ホッパーを含む。
静電射出ユニットには、高圧電源に接続する第2のノズルも含む。
第1のノズルと第2のノズルは26cmの間隔Dで向かい合って一緒に捕集コンベヤーベルトの上に位置する。なお、第1のノズルと捕集コンベヤーベルトとの間隔は40cm、第2のノズルと捕集コンベヤーベルトとの間隔は40cmとする。
第1の吹き付け装置においては、給気装置、内筒、外筒、立て板I及び立て板IIを包括し、さらに、外筒は、内筒と同軸かつ両端が面一であるように、内筒に外嵌され、外筒と内筒の一端は同時に立て板Iで密封され、もう一端は、立て板IIにより接続され、内筒、外筒、立て板I及び立て板IIは共に密封室を形成し、外筒には気管を介して給気装置と接続する気流導入孔が設けられ、内筒にランダムに分布する450個のジェット孔の孔径は0.7mmである。
第1の吹き付け装置において、内筒の外径は2m、外筒の内径は1.6m、内筒の肉厚は0.22m、外筒の肉厚は0.23mであり、給気装置は圧力が15MPaの気流を提供する。
第1の吹き付け装置の立て板Iは第1のノズルに外嵌されて第1のノズルより吐出する噴流は第1の吹き付け装置の内筒内に射出させる。
第2の吹き付け装置においては、6つの仕切板、給気装置、内筒、外筒、立て板I及び立て板IIを包括し、さらに、外筒は、内筒と同軸かつ両端が面一であるように、内筒に外嵌され、外筒と内筒の一端は同時に立て板Iで密封され、もう一端は、立て板IIにより接続され、内筒、外筒、立て板I及び立て板IIは共に密封室を形成し、仕切板らは立て板Iに平行して密封室を7つの亜密封室に分割し、外筒には5つの気流導入孔が取り付けられて各亜密封室と別々に接続し、さらに、噴流進行方向により各気流導入孔の気流量はますます増加するために気流導入孔に流量制御器が取り付けられ、各亜密封室の気流導入孔に接続する気管はまた13-溶剤霧化発生器に接続させ(すなわち気管は同時に給気装置および溶剤霧化発生器と接続される)、内筒にランダムに分布する440個のジェット孔の孔径は0.75mmである。
第2の吹き付け装置において、内筒の外径は2m、外筒の内径は1.9m、内筒の肉厚は0.2m、外筒の肉厚は0.2mであり、給気装置は圧力が19MPaの気流を提供する。
第2の吹き付け装置の立て板Iは第2のノズルに外嵌されて第2のノズルより吐出する噴流は第2の吹き付け装置の内筒内に射出させる。
第1の吹き付け装置の内筒と第2の吹き付け装置の内筒は同軸であり、第1の吹き付け装置の立て板IIとノズルIとの間隔は、第2の吹き付け装置の立て板IIと第2のノズルとの間隔に等しく、XはDの51%である。
フラッシュ・静電紡糸による複合超極細ナノ繊維素材の製造方法は、上記の強化型フラッシュ・静電複合紡糸設備を採用して行うことである。
設備の起動する前に次の用意をする。
静電紡糸溶液ホッパーに、ポリウレタン、C8テロマー(5003F、ダイキン社)及び1H,6H‐パーフルオロヘキサンを含み、かつポリウレタン濃度は20wt%とし、C8テロマー濃度は5wt%とする静電紡糸溶液を注入する;
給液速度は6mL/min、紡糸電圧は70kV、環境温度は24℃、環境相対湿度は50%として静電紡糸条件を設置する;
溶剤霧化発生器に1H,6H‐パーフルオロヘキサンを注入する;
噴流進行方向により各亜密封室の気流導入孔の気流量は別々に14m3/h、17m3/h、28m3/h、33m3/h、38m3/h、43m3/h、50m3/hであるように流量制御器を制御する;
設備の起動する後高温高圧釜の中で濃度の15wt%のフラッシュ紡糸溶液が形成できるように、温度の160℃と5kgの荷重との下で測定するメルトフローレートが0.7g/10minであり融点が133℃であるポリエチレンを一定量でポリマーホッパーへ、シクロペンタンを一定量で溶剤ホッパーへ添加する;
圧力は19MPa、温度は200℃、攪拌速度は1100rpmとしてフラッシュ紡糸条件を設置する;
温度は90℃、時間は0.5minとするように、ナノ繊維とミクロン繊維が形成したシートにホットプレスを与える上ホットプレスロールと下ホットプレスロールとを制御する。
上記用意を済む後、設備を起動してフラッシュ・静電紡糸による複合超極細ナノ繊維素材を製造する。
得られた繊維素材については、それが平均直径の300nmのナノ繊維と平均直径の12μmのミクロン繊維よりなったシート構造を呈し、その中に、ミクロン繊維が絡み合って互いに侵入し、ナノ繊維がミクロン繊維の間に通って分布しさらに一部のナノ繊維がミクロン繊維と絡み合って互いに侵入し、そしてナノ繊維の相互間、ミクロン繊維の相互間、及びナノ繊維とミクロン繊維の相互間には接着が生じ、ナノ繊維とミクロン繊維との質量比が33:100とし、なお、その強度は510N/50mm、空隙率は91%、透湿量は3600g/m2・24h、耐水圧は34kPaである。
【0043】
実施例5
強化型フラッシュ・静電複合紡糸設備は、フラッシュ紡糸部、静電紡糸部、接地する捕集コンベヤーベルト、及び捕集コンベヤーベルトの上下両側に位置する上ホットプレスロールと下ホットプレスロールを包括する。
フラッシュ紡糸部は、フラッシュ射出ユニット、第1の吹き付け装置、ポリマーホッパー、溶剤ホッパー及び高温高圧釜を含み、さらに、ポリマーホッパー、溶剤ホッパー及びフラッシュ射出ユニットは同時に高温高圧釜に接続する。
フラッシュ射出ユニットには、接地する第1のノズルを含む。
静電紡糸部は、高圧電源、第2の吹き付け装置、静電射出ユニット、液体溶剤を霧化するための溶剤霧化発生器、及び静電射出ユニットと接続する紡糸溶液ホッパーを含む。
静電射出ユニットには、高圧電源に接続する第2のノズルも含む。
第1のノズルと第2のノズルは32cmの間隔Dで向かい合って一緒に捕集コンベヤーベルトの上に位置する。なお、第1のノズルと捕集コンベヤーベルトとの間隔は50cm、第2のノズルと捕集コンベヤーベルトとの間隔は50cmとする。
第1の吹き付け装置においては、給気装置、内筒、外筒、立て板I及び立て板IIを包括し、さらに、外筒は、内筒と同軸かつ両端が面一であるように、内筒に外嵌され、外筒と内筒の一端は同時に立て板Iで密封され、もう一端は、立て板IIにより接続され、内筒、外筒、立て板I及び立て板IIは共に密封室を形成し、外筒には気管を介して給気装置と接続する気流導入孔が設けられ、内筒にランダムに分布する470個のジェット孔の孔径は0.9mmである。
第1の吹き付け装置において、内筒の外径は2.5m、外筒の内径は2.3m、内筒の肉厚は0.25m、外筒の肉厚は0.27mであり、給気装置は圧力が20MPaの気流を提供する。
第1の吹き付け装置の立て板Iは第1のノズルに外嵌されて第1のノズルより吐出する噴流は第1の吹き付け装置の内筒内に射出させる。
第2の吹き付け装置においては、7つの仕切板、給気装置、内筒、外筒、立て板I及び立て板IIを包括し、さらに、外筒は、内筒と同軸かつ両端が面一であるように、内筒に外嵌され、外筒と内筒の一端は同時に立て板Iで密封され、もう一端は、立て板IIにより接続され、内筒、外筒、立て板I及び立て板IIは共に密封室を形成し、仕切板らは立て板Iに平行して密封室を8つの亜密封室に分割し、外筒には5つの気流導入孔が取り付けられて各亜密封室と別々に接続し、さらに、噴流進行方向により各気流導入孔の気流量はますます増加するために気流導入孔に流量制御器が取り付けられ、各亜密封室の気流導入孔に接続する気管はまた13-溶剤霧化発生器に接続させ(すなわち気管は同時に給気装置および溶剤霧化発生器と接続される)、内筒にランダムに分布する460個のジェット孔の孔径は0.88mmである。
第2の吹き付け装置において、内筒の外径は2.5m、外筒の内径は2.3m、内筒の肉厚は0.23m、外筒の肉厚は0.23mであり、給気装置は圧力が25.9MPaの気流を提供する。
第2の吹き付け装置の立て板Iは第2のノズルに外嵌されて第2のノズルより吐出する噴流は第2の吹き付け装置の内筒内に射出させる。
第1の吹き付け装置の内筒と第2の吹き付け装置の内筒は同軸であり、第1の吹き付け装置の立て板IIとノズルIとの間隔は、第2の吹き付け装置の立て板IIと第2のノズルとの間隔に等しく、XはDの54%である。
フラッシュ・静電紡糸による複合超極細ナノ繊維素材の製造方法は、上記の強化型フラッシュ・静電複合紡糸設備を採用して行うことである。
設備の起動する前に次の用意をする。
静電紡糸溶液ホッパーに、ポリビニルブチラール及びn‐ペンタンを含み、かつポリビニルブチラール濃度は30wt%とする静電紡糸溶液を注入する;
給液速度は8mL/min、紡糸電圧は80kV、環境温度は25℃、環境相対湿度は35%として静電紡糸条件を設置する;
溶剤霧化発生器にn‐ペンタンを注入する;
噴流進行方向により各亜密封室の気流導入孔の気流量は別々に6m3/h、12m3/h、18m3/h、27m3/h、34m3/h、36m3/h、39m3/h、45m3/hであるように流量制御器を制御する;
設備の起動する後高温高圧釜の中で濃度の27wt%のフラッシュ紡糸溶液が形成できるように、温度の160℃と5kgの荷重との下で測定するメルトフローレートが0.7g/10minであり融点が133℃であるポリエチレンを一定量でポリマーホッパーへ、ジクロロメタンを一定量で溶剤ホッパーへ添加する;
圧力は25MPa、温度は180℃、攪拌速度は1300rpmとしてフラッシュ紡糸条件を設置する;
温度は110℃、時間は0.6minとするように、ナノ繊維とミクロン繊維が形成したシートにホットプレスを与える上ホットプレスロールと下ホットプレスロールとを制御する。
上記用意を済む後、設備を起動してフラッシュ・静電紡糸による複合超極細ナノ繊維素材を製造する。
得られた繊維素材については、それが平均直径の580nmのナノ繊維と平均直径の16μmのミクロン繊維よりなったシート構造を呈し、その中に、ミクロン繊維が絡み合って互いに侵入し、ナノ繊維がミクロン繊維の間に通って分布しさらに一部のナノ繊維がミクロン繊維と絡み合って互いに侵入し、そしてナノ繊維の相互間、ミクロン繊維の相互間、及びナノ繊維とミクロン繊維の相互間には接着が生じ、ナノ繊維とミクロン繊維との質量比が7:20とし、なお、その強度は550N/50mm、空隙率は91%、透湿量は4200g/m2・24h、耐水圧は26kPaである。
【0044】
実施例6
強化型フラッシュ・静電複合紡糸設備は、フラッシュ紡糸部、静電紡糸部、接地する捕集コンベヤーベルト、及び捕集コンベヤーベルトの上下両側に位置する上ホットプレスロールと下ホットプレスロールを包括する。
フラッシュ紡糸部は、フラッシュ射出ユニット、第1の吹き付け装置、ポリマーホッパー、溶剤ホッパー及び高温高圧釜を含み、さらに、ポリマーホッパー、溶剤ホッパー及びフラッシュ射出ユニットは同時に高温高圧釜に接続する。
フラッシュ射出ユニットには、接地する第1のノズルを含む。
静電紡糸部は、高圧電源、第2の吹き付け装置、静電射出ユニット、液体溶剤を霧化するための溶剤霧化発生器、及び静電射出ユニットと接続する紡糸溶液ホッパーを含む。
静電射出ユニットには、高圧電源に接続する第2のノズルも含む。
第1のノズルと第2のノズルは40cmの間隔Dで向かい合って一緒に捕集コンベヤーベルトの上に位置する。なお、第1のノズルと捕集コンベヤーベルトとの間隔は60cm、第2のノズルと捕集コンベヤーベルトとの間隔は60cmとする。
第1の吹き付け装置においては、給気装置、内筒、外筒、立て板I及び立て板IIを包括し、さらに、外筒は、内筒と同軸かつ両端が面一であるように、内筒に外嵌され、外筒と内筒の一端は同時に立て板Iで密封され、もう一端は、立て板IIにより接続され、内筒、外筒、立て板I及び立て板IIは共に密封室を形成し、外筒には気管を介して給気装置と接続する気流導入孔が設けられ、内筒にランダムに分布する500個のジェット孔の孔径は1mmである。
第1の吹き付け装置において、内筒の外径は3m、外筒の内径は2.7m、内筒の肉厚は0.3m、外筒の肉厚は0.3mであり、給気装置は圧力が30MPaの気流を提供する。
第1の吹き付け装置の立て板Iは第1のノズルに外嵌されて第1のノズルより吐出する噴流は第1の吹き付け装置の内筒内に射出させる。
第2の吹き付け装置においては、8つの仕切板、給気装置、内筒、外筒、立て板I及び立て板IIを包括し、さらに、外筒は、内筒と同軸かつ両端が面一であるように、内筒に外嵌され、外筒と内筒の一端は同時に立て板Iで密封され、もう一端は、立て板IIにより接続され、内筒、外筒、立て板I及び立て板IIは共に密封室を形成し、仕切板らは立て板Iに平行して密封室を9つの亜密封室に分割し、外筒には5つの気流導入孔が取り付けられて各亜密封室と別々に接続し、さらに、噴流進行方向により各気流導入孔の気流量はますます増加するために気流導入孔に流量制御器が取り付けられ、各亜密封室の気流導入孔に接続する気管はまた13-溶剤霧化発生器に接続させ(すなわち気管は同時に給気装置および溶剤霧化発生器と接続される)、内筒にランダムに分布する500個のジェット孔の孔径は1mmである。
第2の吹き付け装置において、内筒の外径は3m、外筒の内径は2.7m、内筒の肉厚は0.3m、外筒の肉厚は0.3mであり、給気装置は圧力の30MPaの気流を提供する。
第2の吹き付け装置の立て板Iは第2のノズルに外嵌されて第2のノズルより吐出する噴流は第2の吹き付け装置の内筒内に射出させる。
第1の吹き付け装置の内筒と第2の吹き付け装置の内筒は同軸であり、第1の吹き付け装置の立て板IIとノズルIとの間隔は、第2の吹き付け装置の立て板IIと第2のノズルとの間隔に等しく、XはDの59%である。
フラッシュ・静電紡糸による複合超極細ナノ繊維素材の製造方法は、上記の強化型フラッシュ・静電複合紡糸設備を採用して行うことである。
設備の起動する前に次の用意をする。
静電紡糸溶液ホッパーに、ポリビニルブチラール及びシクロペンタンを含み、かつポリビニルブチラール濃度は40wt%とする静電紡糸溶液を注入する;
給液速度は10mL/min、紡糸電圧は100kV、環境温度は25℃、環境相対湿度は20%として静電紡糸条件を設置する;
溶剤霧化発生器にシクロペンタンを注入する;
噴流進行方向により各亜密封室の気流導入孔の気流量は別々に3m3/h、7m3/h、10m3/h、15m3/h、18m3/h、21m3/h、26m3/h、31m3/h、36m3/hであるように流量制御器を制御する;
設備の起動する後高温高圧釜の中で濃度の35wt%のフラッシュ紡糸溶液が形成できるように、温度の160℃と5kgの荷重との下で測定するメルトフローレートが0.7g/10minであり融点が133℃であるポリエチレンを一定量でポリマーホッパーへ、1H,6H‐パーフルオロヘキサンを一定量で溶剤ホッパーへ添加する;
圧力は30MPa、温度は150℃、攪拌速度は1500rpmとしてフラッシュ紡糸条件を設置する;
温度は110℃、時間は0.7minとするように、ナノ繊維とミクロン繊維が形成したシートにホットプレスを与える上ホットプレスロールと下ホットプレスロールとを制御する。
上記用意を済む後、設備を起動してフラッシュ・静電紡糸による複合超極細ナノ繊維素材を製造する。
得られた繊維素材については、それが平均直径の760nmのナノ繊維と平均直径の20μmのミクロン繊維よりなったシート構造を呈し、その中に、ミクロン繊維が絡み合って互いに侵入し、ナノ繊維がミクロン繊維の間に通って分布しさらに一部のナノ繊維がミクロン繊維と絡み合って互いに侵入し、そしてナノ繊維の相互間、ミクロン繊維の相互間、及びナノ繊維とミクロン繊維の相互間には接着が生じ、ナノ繊維とミクロン繊維との質量比が2:5とし、なお、その強度は580N/50mm、空隙率は93%、透湿量は5900g/m2・24h、耐水圧は18kPaである。
【0045】
実施例7
強化型フラッシュ・静電複合紡糸設備は、第1の吹き付け装置、第2の吹き付け装置、溶剤霧化発生器及び流量制御器がないこと以外に、実施例1と大体同じである。
フラッシュ・静電紡糸による複合超極細ナノ繊維素材の製造方法においては、上記設備を採用し、さらに、設備の起動する前に次の用意をする:
静電紡糸溶液ホッパーに、ポリエチレン、シリコーン系撥水剤(SEAL80、アクゾノーベル社)及びジメチルホルムアミドを含み、かつポリエチレン濃度は2wt%とし、シリコーン系撥水剤濃度は0.5wt%とする静電紡糸溶液を注入する;
給液速度は1mL/min、紡糸電圧は30kV、環境温度は23℃、環境相対湿度は90%として静電紡糸条件を設置する;
高温高圧釜の中で濃度の2wt%のフラッシュ紡糸溶液が形成できるように、温度の160℃と5kgの荷重との下で測定するメルトフローレートが0.7g/10minであり融点が133℃であるポリエチレンを一定量でポリマーホッパーへ、ジクロロメタンを一定量で溶剤ホッパーへ添加する;
圧力は8MPa、温度は300℃、攪拌速度は500rpmとしてフラッシュ紡糸条件を設置する;
温度は100℃、時間は0.2minとするように、ナノ繊維とミクロン繊維が形成したシートにホットプレスを与える上ホットプレスロールと下ホットプレスロールとを制御する。
上記用意を済む後、設備を起動してフラッシュ・静電紡糸による複合超極細ナノ繊維素材を製造する。
得られた繊維素材は、強度が320N/50mm、空隙率が68%、透湿量が830g/m2・24h、耐水圧が9kPaとする。
【0046】
実施例8
強化型フラッシュ・静電複合紡糸設備は、第1の吹き付け装置、第2の吹き付け装置、溶剤霧化発生器及び流量制御器がないこと以外に、実施例2と大体同じである。
フラッシュ・静電紡糸による複合超極細ナノ繊維素材の製造方法においては、上記設備を採用し、さらに、設備の起動する前に次の用意をする:
静電紡糸溶液ホッパーに、ポリフッ化ビニリデン、C6テロマー(Z-2001、科実社)及びジメチルアセトアミドを含み、かつポリフッ化ビニリデン濃度は4wt%とし、C6テロマー濃度は1wt%とする静電紡糸溶液を注入する;
給液速度は2mL/min、紡糸電圧は40kV、環境温度は23℃、環境相対湿度は80%として静電紡糸条件を設置する;
高温高圧釜の中で濃度の6wt%のフラッシュ紡糸溶液が形成できるように、温度の160℃と5kgの荷重との下で測定するメルトフローレートが0.7g/10minであり融点が133℃であるポリエチレンを一定量でポリマーホッパーへ、1H,6H‐パーフルオロヘキサンを一定量で溶剤ホッパーへ添加する;
圧力は13MPa、温度は270℃、攪拌速度は700rpmとしてフラッシュ紡糸条件を設置する;
温度は130℃、時間は0.3minとするように、ナノ繊維とミクロン繊維が形成したシートにホットプレスを与える上ホットプレスロールと下ホットプレスロールとを制御する。
上記用意を済む後、設備を起動してフラッシュ・静電紡糸による複合超極細ナノ繊維素材を製造する。
得られた繊維素材は、強度が278N/50mm、空隙率が62%、透湿量が990g/m2・24h、耐水圧が10.6kPaとする。
【0047】
実施例9
強化型フラッシュ・静電複合紡糸設備は、第2の吹き付け装置の仕切板、溶剤霧化発生器及び流量制御器がないこと以外に、実施例1と大体同じである。
フラッシュ・静電紡糸による複合超極細ナノ繊維素材の製造方法においては、上記設備を採用し、さらに、設備の起動する前に次の用意をする:
静電紡糸溶液ホッパーに、ポリエチレン、シリコーン系撥水剤(SEAL80、アクゾノーベル社)及びジメチルホルムアミドを含み、かつポリエチレン濃度は2wt%とし、シリコーン系撥水剤濃度は0.5wt%とする静電紡糸溶液を注入する;
給液速度は1mL/min、紡糸電圧は30kV、環境温度は23℃、環境相対湿度は90%として静電紡糸条件を設置する;
高温高圧釜の中で濃度の2wt%のフラッシュ紡糸溶液が形成できるように、温度の160℃と5kgの荷重との下で測定するメルトフローレートが0.7g/10minであり融点が133℃であるポリエチレンを一定量でポリマーホッパーへ、ジクロロメタンを一定量で溶剤ホッパーへ添加する;
圧力は8MPa、温度は300℃、攪拌速度は500rpmとしてフラッシュ紡糸条件を設置する;
温度は100℃、時間は0.2minとするように、ナノ繊維とミクロン繊維が形成したシートにホットプレスを与える上ホットプレスロールと下ホットプレスロールとを制御する。
上記用意を済む後、設備を起動してフラッシュ・静電紡糸による複合超極細ナノ繊維素材を製造する。
得られた繊維素材は、強度が260N/50mm、空隙率が58%、透湿量が880g/m2・24h、耐水圧が8.1kPaとする。
【0048】
実施例10
強化型フラッシュ・静電複合紡糸設備は、第2の吹き付け装置の仕切板、溶剤霧化発生器及び流量制御器がないこと以外に、実施例2と大体同じである。
フラッシュ・静電紡糸による複合超極細ナノ繊維素材の製造方法においては、上記設備を採用し、さらに、設備の起動する前に次の用意をする:
静電紡糸溶液ホッパーに、ポリフッ化ビニリデン、C6テロマー(Z-2001、科実社)及びジメチルアセトアミドを含み、かつポリフッ化ビニリデン濃度は4wt%とし、C6テロマー濃度は1wt%とする静電紡糸溶液を注入する;
給液速度は2mL/min、紡糸電圧は40kV、環境温度は23℃、環境相対湿度は80%として静電紡糸条件を設置する;
高温高圧釜の中で濃度の6wt%のフラッシュ紡糸溶液が形成できるように、温度の160℃と5kgの荷重との下で測定するメルトフローレートが0.7g/10minであり融点が133℃であるポリエチレンを一定量でポリマーホッパーへ、1H,6H‐パーフルオロヘキサンを一定量で溶剤ホッパーへ添加する;
圧力は13MPa、温度は270℃、攪拌速度は700rpmとしてフラッシュ紡糸条件を設置する;
温度は130℃、時間は0.3minとするように、ナノ繊維とミクロン繊維が形成したシートにホットプレスを与える上ホットプレスロールと下ホットプレスロールとを制御する。
上記用意を済む後、設備を起動してフラッシュ・静電紡糸による複合超極細ナノ繊維素材を製造する。
得られた繊維素材は、強度が340N/50mm、空隙率が69%、透湿量が1180g/m2・24h、耐水圧が12kPaとする。
【0049】
実施例11
強化型フラッシュ・静電複合紡糸設備は、捕集コンベヤーベルトの上下両側に位置する上ホットプレスロールと下ホットプレスロールがないこと以外に、実施例1と大体同じである。
フラッシュ・静電紡糸による複合超極細ナノ繊維素材の製造方法においては、上記設備を採用し、さらに、設備の起動する前に次の用意をする:
静電紡糸溶液ホッパーに、ポリエチレン、シリコーン系撥水剤(SEAL80、アクゾノーベル社)及びジメチルホルムアミドを含み、かつポリエチレン濃度は2wt%とし、シリコーン系撥水剤濃度は0.5wt%とする静電紡糸溶液を注入する;
給液速度は1mL/min、紡糸電圧は30kV、環境温度は23℃、環境相対湿度は90%として静電紡糸条件を設置する;
溶剤霧化発生器にジメチルホルムアミドを注入する;
噴流進行方向により各亜密封室の気流導入孔の気流量は別々に10m3/h、18m3/h、32m3/h、36m3/h、40m3/hであるように流量制御器を制御する;
高温高圧釜の中で濃度の2wt%のフラッシュ紡糸溶液が形成できるように、温度の160℃と5kgの荷重との下で測定するメルトフローレートが0.7g/10minであり融点が133℃であるポリエチレンを一定量でポリマーホッパーへ、ジクロロメタンを一定量で溶剤ホッパーへ添加する;
圧力は8MPa、温度は300℃、攪拌速度は500rpmとしてフラッシュ紡糸条件を設置する;
上記用意を済む後、設備を起動してフラッシュ・静電紡糸による複合超極細ナノ繊維素材を製造する。
得られた繊維素材は、強度が110N/50mm、空隙率が75%、透湿量が1300g/m2・24h、耐水圧が6kPaとする。
【0050】
実施例12
強化型フラッシュ・静電複合紡糸設備は、捕集コンベヤーベルトの上下両側に位置する上ホットプレスロールと下ホットプレスロールがないこと以外に、実施例2と大体同じである。
フラッシュ・静電紡糸による複合超極細ナノ繊維素材の製造方法においては、上記設備を採用し、さらに、設備の起動する前に次の用意をする:
静電紡糸溶液ホッパーに、ポリフッ化ビニリデン、C6テロマー(Z-2001、科実社)及びジメチルアセトアミドを含み、かつポリフッ化ビニリデン濃度は4wt%とし、C6テロマー濃度は1wt%とする静電紡糸溶液を注入する;
給液速度は2mL/min、紡糸電圧は40kV、環境温度は23℃、環境相対湿度は80%として静電紡糸条件を設置する;
溶剤霧化発生器にジメチルアセトアミドを注入する;
噴流進行方向により各亜密封室の気流導入孔の気流量は別々に12m3/h、20m3/h、34m3/h、38m3/h、44m3/hであるように流量制御器を制御する;
高温高圧釜の中で濃度の6wt%のフラッシュ紡糸溶液が形成できるように、温度の160℃と5kgの荷重との下で測定するメルトフローレートが0.7g/10minであり融点が133℃であるポリエチレンを一定量でポリマーホッパーへ、1H,6H‐パーフルオロヘキサンを一定量で溶剤ホッパーへ添加する;
圧力は13MPa、温度は270℃、攪拌速度は700rpmとしてフラッシュ紡糸条件を設置する;
上記用意を済む後、設備を起動してフラッシュ・静電紡糸による複合超極細ナノ繊維素材を製造する。
得られた繊維素材は、強度が105N/50mm、空隙率が72%、透湿量が1280g/m2・24h、耐水圧が5.5kPaとする。
【国際調査報告】