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特表2024-519679リチウムを抽出するためのイオン交換装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-21
(54)【発明の名称】リチウムを抽出するためのイオン交換装置
(51)【国際特許分類】
   B01D 15/04 20060101AFI20240514BHJP
   B01J 39/09 20170101ALI20240514BHJP
   B01J 39/10 20060101ALI20240514BHJP
   B01J 47/022 20170101ALI20240514BHJP
   B01J 49/06 20170101ALI20240514BHJP
   B01J 49/70 20170101ALI20240514BHJP
【FI】
B01D15/04
B01J39/09
B01J39/10
B01J47/022
B01J49/06
B01J49/70
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023565208
(86)(22)【出願日】2022-04-21
(85)【翻訳文提出日】2023-12-25
(86)【国際出願番号】 US2022025810
(87)【国際公開番号】W WO2022226219
(87)【国際公開日】2022-10-27
(31)【優先権主張番号】63/179,153
(32)【優先日】2021-04-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520301331
【氏名又は名称】ライラック ソリューションズ,インク.
(74)【代理人】
【識別番号】110003797
【氏名又は名称】弁理士法人清原国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】スナイダッカー,デイビッド ヘンリー
(72)【発明者】
【氏名】グロッソ ジョルダーノ,ニコラス アンドレス
(72)【発明者】
【氏名】インドラナダ,エイモス
(72)【発明者】
【氏名】ルキト,アリシア
(72)【発明者】
【氏名】ブートワラ,ムスタファ ジュザー
(72)【発明者】
【氏名】ラポート,ダニエル キーン
(72)【発明者】
【氏名】フレミング,クリスティーナ
【テーマコード(参考)】
4D017
【Fターム(参考)】
4D017AA01
4D017AA13
4D017BA11
4D017CA04
4D017CA17
4D017CB01
4D017DA01
4D017DB10
4D017EA03
4D017EB01
(57)【要約】
【解決手段】本発明は、天然および合成のブライン、粘土および鉱物からの浸液溶液、ならびに再生利用された生成物などの液体資源からのリチウムの抽出に関する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体資源からリチウムを抽出するための装置であって、前記装置は、
1)イオン交換材料を含む1つ以上の床と、
2)1つ以上の流れ分配器と、
を備え、
前記流れ分配器は前記1つ以上の床を通る液体の流れを方向づけるように構成され、
前記イオン交換材料はリチウムイオンと水素イオンを交換し、前記1つ以上の流れ分配器および前記1つ以上の床は、前記イオン交換材料を通って液体を流すために必要とされる静水圧を最小限に抑えるように構成される、装置。
【請求項2】
前記1つ以上の流れ分配器における前記液体資源の圧力を調節するように構成されたレギュレーターをさらに含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記1つ以上の流れ分配器は穿孔された管またはプレートを含む、請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
前記1つ以上の流れ分配器および前記イオン交換材料における前記液体の圧力は、前記1つ以上の流れ分配器のない装置と比較して低減される、請求項1~3のいずれか1つに記載の装置。
【請求項5】
前記1つ以上の流れ分配器および前記イオン交換材料における前記液体の圧力は、50psi未満である、請求項1~4のいずれか1つに記載の装置。
【請求項6】
前記1つ以上の流れ分配器および前記イオン交換材料における前記液体の圧力は、10psi未満である、請求項1~5のいずれか1つに記載の装置。
【請求項7】
前記1つ以上の流れ分配器および前記イオン交換材料における前記液体資源の圧力は、約0.1psi~約1psiである、請求項1~4のいずれか1つに記載の装置。
【請求項8】
前記1つ以上の流れ分配器および前記イオン交換材料における前記液体資源の圧力は、約1psi~約10psiである、請求項1~4のいずれか1つに記載の装置。
【請求項9】
前記1つ以上の流れ分配器および前記イオン交換材料における前記液体資源の圧力は、約10psi~約20psiである、請求項1~4のいずれか1つに記載の装置。
【請求項10】
前記1つ以上の流れ分配器および前記イオン交換材料における前記液体資源の圧力は、約20psi~約40psiである、請求項1~4のいずれか1つに記載の装置。
【請求項11】
前記1つ以上の流れ分配器および前記イオン交換材料における前記液体資源の圧力は、約40psi~約80psiである、請求項1~4のいずれか1つに記載の装置。
【請求項12】
前記1つ以上の流れ分配器および前記イオン交換材料における前記液体資源の圧力は、約80psi~約160psiである、請求項1~4のいずれか1つに記載の装置。
【請求項13】
前記1つ以上の床は複数の床であり、各床は、第1の流れ分配器を通って流体を受け取り、前記流体を第2の流れ分配器に排出するように構成される、請求項1~12のいずれか1つに記載の装置。
【請求項14】
前記液体資源は、並列にある複数の床を通って流れるように構成される、請求項1~13のいずれか1つに記載の装置。
【請求項15】
前記液体資源は、直列にある複数の床を通って流れるように構成される、請求項1~13のいずれか1つに記載の装置。
【請求項16】
前記1つ以上の床は、構造支持体とともに容器の内側に取り付けられる、請求項1~15のいずれか1つに記載の装置。
【請求項17】
液体資源からリチウムを抽出するための装置であって、前記装置は、
1)イオン交換材料を含む床と、
2)水溶液と、
2)大量のガスと、
3)液位測定装置と、
を備え、
前記イオン交換材料はリチウムイオンと水素イオンを交換し、容器中の液面は制御される、装置。
【請求項18】
前記水溶液は、液体資源、酸性溶液、または洗浄溶液である、請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記液位測定装置は液位センサーである、請求項17に記載の装置。
【請求項20】
前記容器中の前記液面は調節弁を使用して制御される、請求項17~19に記載の装置。
【請求項21】
前記容器中の前記液面は前記大量のガスの圧力を調節することにより制御される、請求項17~19に記載の装置。
【請求項22】
イオン交換材料を含む前記床は、前記容器の内部の流体中で流動化される、請求項17~21のいずれか1つに記載の装置。
【請求項23】
液体資源からリチウムを抽出するための装置であって、前記装置は、イオン交換材料が充填された内部区画を含む円筒形容器であって、前記液体資源が、前記円筒形容器に対して半径方向に配向される方向に前記イオン交換材料を通って流れるように配置された円筒形容器を備える、装置。
【請求項24】
液体資源からリチウムを抽出するための装置であって、前記装置は、2つの交差しない透過性の仕切りの間に位置するイオン交換材料の床を含む容器を備え、流れが1つの仕切りから別の仕切りへ、および前記イオン交換材料の床を横切って生じる、装置。
【請求項25】
液体資源からリチウムを抽出するための装置であって、前記装置は、2つの仕切りの間に位置するイオン交換材料を収容する容器を備える、装置。
【請求項26】
前記仕切りは円筒形である、請求項23~25のいずれか1つに記載の装置。
【請求項27】
前記仕切りは同心円状である、請求項23~26のいずれか1つに記載の装置。
【請求項28】
前記仕切りは長方形である、請求項23~25のいずれか1つに記載の装置。
【請求項29】
前記仕切りは透過性である、請求項23~28のいずれか1つに記載の装置。
【請求項30】
透過性の前記仕切りは多孔質である、請求項29に記載の装置。
【請求項31】
前記仕切りは同心円状の透過性シリンダである、請求項29に記載の装置。
【請求項32】
容器であって、イオン交換材料と、前記容器の中心付近の透過性パイプとを備え、前記容器に対して半径方向に配向された方向に前記イオン交換材料を通る液体の流れを容易にする、容器。
【請求項33】
前記イオン交換材料はリチウムイオンと水素イオンを交換する、請求項32に記載の装置。
【請求項34】
液体資源からリチウムを抽出するための装置であって、前記装置は、1)内部円筒形容器と外部円筒形容器とを備える容器ハウジングを備え、2)イオン交換材料は、前記内部円筒形容器と前記外部円筒形容器との間に収容される、装置。
【請求項35】
前記内部円筒形容器および前記外部円筒形容器は、前記イオン交換材料を通る前記液体資源の流れを容易にするために透過性である、請求項34に記載の装置。
【請求項36】
前記内部円筒形容器および/または前記外部円筒形容器は、前記容器ハウジングの内側に前記イオン交換材料を収容しつつ、前記イオン交換材料を通る前記液体資源の流れを容易にするために、穴、スリット、ノズル、メッシュ、またはそれらの組み合わせで固定される、請求項34に記載の装置。
【請求項37】
前記イオン交換材料はリチウムイオンと水素イオンを交換する、請求項34に記載の装置。
【請求項38】
液体資源からリチウムを抽出するための装置であって、前記装置は、外部の同心円状の円筒構造と内部の同心円状の円筒構造との間に位置するイオン交換材料を収容する円筒形容器を備え、前記内部の同心円状の円筒構造、前記外部の同心円状の円筒構造、および前記イオン交換材料が流体連通している、装置。
【請求項39】
前記液体資源は、前記外部の同心円状の円筒構造の外側付近から前記内部の同心円状の円筒構造の内側付近まで前記イオン交換材料を通って半径方向に流れる、請求項23~38のいずれか1つに記載の装置。
【請求項40】
前記液体資源は、前記内部の同心円状の円筒構造の内側付近から前記外部の同心円状の円筒構造の外側付近まで前記イオン交換材料を通って半径方向に流れる、請求項23~38のいずれか1つに記載の装置。
【請求項41】
液体資源からリチウムを抽出するための装置であって、前記装置は、内部流れ分配器を備えるとともにイオン交換材料を収容する容器を備える、装置
【請求項42】
液体資源からリチウムを抽出するための装置であって、前記装置は、イオン交換材料が充填された容器を備え、前記液体資源は、前記容器の2つの対向する端部の近くに位置する複数の流れ分配器から前記容器に入り、前記容器の前記2つの対向する端部の間の中心点の近くに位置する1つ以上の流れ分配器から前記容器を出る、装置。
【請求項43】
液体資源からリチウムを抽出するための装置であって、前記装置は、イオン交換材料が充填された容器を備え、前記液体資源は、前記容器の2つの対向する端部の近くに位置する複数の流れ分配器から前記容器を出て、前記容器の前記2つの対向する端部の間の中心点の近くに位置する1つ以上の流れ分配器から前記容器に入る、装置。
【請求項44】
液体資源からリチウムを抽出するための装置であって、前記装置は、1つ以上のキャンドルを含有する1つ以上の容器を備え、前記キャンドルはそれぞれ、前記液体資源の流れに対して透過性である円筒形の仕切りを備え、前記仕切りによって囲まれた空間はイオン交換材料を含有する、装置。
【請求項45】
前記液体資源は、前記容器に流入し、透過性の前記仕切りを通り、透過性の前記仕切りによって囲まれた空間に流入し、前記イオン交換材料を通り、その後、前記容器を出る、請求項44に記載の装置。
【請求項46】
前記液体資源は、前記容器に流入し、透過性の前記仕切りによって囲まれた空間に流入し、前記イオン交換材料を通り、その後、前記容器を出る、請求項44に記載の装置。
【請求項47】
前記1つ以上の容器は4個以上のキャンドルを含む、請求項44~46のいずれか1つに記載の装置。
【請求項48】
前記1つ以上の容器は8個以上のキャンドルを含む、請求項44~46のいずれか1つに記載の装置。
【請求項49】
前記1つ以上の容器は20個以上のキャンドルを含む、請求項44~46のいずれか1つに記載の装置。
【請求項50】
前記1つ以上の容器は50個以上のキャンドルを含む、請求項44~46のいずれか1つに記載の装置。
【請求項51】
前記1つ以上の容器は100個以上のキャンドルを含む、請求項44~46のいずれか1つに記載の装置。
【請求項52】
液体資源からリチウムを抽出するための装置であって、前記装置が、
a)容器と、
b)前記容器の内部の巻きつけられたイオン交換要素と、
を備え、前記イオン交換要素は、
a.非多孔質膜、
b.任意選択で第1の流れ分配足場、
c.任意選択で第1の多孔質膜、
d.イオン交換材料の床、
e.任意選択で第2の多孔質膜、
f.任意選択で第2の流れ分配足場を含む、装置。
【請求項53】
液体資源からリチウムを抽出するための装置であって、前記装置が、
a)容器と、
b)前記容器の内部の巻きつけられたイオン交換要素と、
を備え、前記イオン交換要素は、
a.非多孔質膜、
b.第1の流れ分配足場、
c.第1の多孔質膜、
d.イオン交換材料の床、
e.第2の多孔質膜、
f.第2の流れ分配足場を含む、装置。
【請求項54】
液体資源からリチウムを抽出するための装置であって、前記装置が、
a)容器と、
b)前記容器の内部の巻きつけられたイオン交換要素と、
を備え、前記イオン交換要素は、
a.非多孔質膜、
b.第1の流れ分配足場、
c.イオン交換材料の床、
d.第2の流れ分配足場を含む、装置。
【請求項55】
液体資源からリチウムを抽出するための装置であって、前記装置が、
a)容器と、
b)前記容器の内部の巻きつけられたイオン交換要素と、
を備え、前記イオン交換要素は、
a.非多孔質膜、
b.第1の多孔質膜、
c.イオン交換材料の床、
d.第2の多孔質膜を含む、装置。
【請求項56】
液体資源からリチウムを抽出するための装置であって、前記装置が、
c)容器と、
d)前記容器の内部の巻きつけられたイオン交換要素と、
を備え、前記イオン交換要素は、
a.第1の流れ分配足場、
b.第1の多孔質膜、
c.イオン交換材料の床、
d.第2の多孔質膜、
e.第2の流れ分配足場を含む、装置。
【請求項57】
前記イオン交換要素は、イオン交換材料の薄い床の物理的なフットプリントを減らす、請求項52~56のいずれか1つに記載の装置。
【請求項58】
前記イオン交換材料は2つの多孔質膜の間に収容される、請求項52~57のいずれか1つに記載の装置。
【請求項59】
前記イオン交換材料は2つの流れ分配足場の間に収容される、請求項52~58のいずれか1つに記載の装置。
【請求項60】
流れ分配足場は多孔質である、請求項52~59のいずれか1つに記載の装置。
【請求項61】
前記多孔質膜のいずれかがらせんを形成するためにロールに巻かれる、請求項52~60のいずれか1つに記載の装置。
【請求項62】
液体資源からリチウムを抽出するための装置であって、前記装置は、イオン交換材料およびフィラー材料が充填された容器を備える、装置。
【請求項63】
イオン交換床は、リチウムを水素イオンと交換しない1つ以上のフィラー材料をさらに含有する、請求項1~62のいずれか1つに記載の装置。
【請求項64】
イオン交換床は、イオン交換床の入口または出口の近くの前記フィラー材料が充填される、請求項63に記載の装置。
【請求項65】
イオン交換床は前記フィラー材料と混合される、請求項63に記載の装置。
【請求項66】
液体資源からリチウムを抽出するための装置であって、前記装置は、イオン交換材料が充填されるとともにフィラー材料と混合された容器を備える、装置。
【請求項67】
前記装置は、イオン交換材料およびフィラー材料が充填された容器を備え、前記フィラー材料は、前記イオン交換材料で圧力を下げるために前記イオン交換材料と混合される、請求項1~66のいずれか1つに記載の装置。
【請求項68】
前記装置は、イオン交換材料およびフィラー材料が充填された容器を備え、前記フィラー材料は、前記イオン交換材料の床の強度を改善するために前記イオン交換材料と混合される、請求項1~67のいずれか1つに記載の装置。
【請求項69】
前記装置は、イオン交換材料およびフィラー材料が充填された容器を備え、前記フィラー材料は、前記イオン交換材料の1つ以上の床を支持するために前記イオン交換材料と混合される、請求項1~68のいずれか1つに記載の装置。
【請求項70】
前記フィラー材料は、前記液体資源または前記容器に入る任意の他の流体が前記床を通って流れるときに、前記床の断面全体にわたって均一な圧力低下を可能にする、請求項66に記載の装置。
【請求項71】
前記フィラー材料は酸とブラインに対して不活性である、請求項62~70のいずれか1つに記載の装置。
【請求項72】
前記フィラー材料は、ポリマーまたはセラミックから構築される、請求項62~71のいずれか1つに記載の装置。
【請求項73】
前記フィラー材料はイオン交換材料を含有する細孔を有する、請求項62~71のいずれか1つに記載の装置。
【請求項74】
前記フィラー材料は、イオン交換材料を含有する約10ミクロンまたは約100ミクロンよりも大きい細孔を有する、請求項73に記載の装置。
【請求項75】
前記フィラー材料は、イオン交換材料を含有する約1ミリメートル、約1センチメートル、または約10センチメートルよりも大きい細孔を有する、請求項73に記載の装置。
【請求項76】
前記フィラー材料は、イオン交換材料を含有する約10センチメートルまたは約25センチメートルよりも大きい細孔を有する、請求項73に記載の装置。
【請求項77】
前記フィラー材料は、イオン交換材料を含有する約10ミクロンまたは約100ミクロンよりも小さい細孔を有する、請求項73に記載の装置。
【請求項78】
前記フィラー材料は、イオン交換材料を含有する約1ミリメートル、約1センチメートル、または約10センチメートルよりも小さい細孔を有する、請求項73に記載の装置。
【請求項79】
前記フィラー材料は、イオン交換材料を含有する約10センチメートルまたは約25センチメートルよりも小さい細孔を有する、請求項73に記載の装置。
【請求項80】
前記フィラー材料は剛性の足場である、請求項62~79のいずれか1つに記載の装置。
【請求項81】
液体資源からリチウムを抽出するためのシステムであって、請求項1~80に記載される1つ以上の容器のネットワークを含む、システム。
【請求項82】
液体資源からリチウムを抽出するためのシステムであって、請求項1~81に記載される複数の容器のネットワークを含み、前記液体資源は、1つの容器を通って別の容器へ流れる、システム。
【請求項83】
液体資源からリチウムを抽出するためのシステムであって、請求項1~82に記載される複数の容器のネットワークを含み、前記液体資源は、前記複数の容器のうちの1つ以上の容器を通って連続的に流れる、システム。
【請求項84】
液体資源からリチウムを抽出するためのシステムであって、請求項1~83に記載される複数の容器のネットワークを含み、前記液体資源は、1つの容器を通って、前記液体資源のpHを増加させるユニットを通って、別の容器に流れる、システム。
【請求項85】
前記イオン交換材料は多孔質イオン交換ビーズを含む、請求項1~84のいずれか1つに記載のシステム。
【請求項86】
前記イオン交換材料は、50ミクロン~100ミクロンの平均直径を有する多孔質イオン交換ビーズを含む、請求項1~85のいずれか1つに記載のシステム。
【請求項87】
前記イオン交換材料は、100ミクロン~200ミクロンの平均直径を有する多孔質イオン交換ビーズを含む、請求項1~85のいずれか1つに記載のシステム。
【請求項88】
前記イオン交換材料は、200ミクロン~300ミクロンの平均直径を有する多孔質イオン交換ビーズを含む、請求項1~85のいずれか1つに記載のシステム。
【請求項89】
前記イオン交換材料は、200ミクロン~400ミクロンの平均直径を有する多孔質イオン交換ビーズを含む、請求項1~85のいずれか1つに記載のシステム。
【請求項90】
前記イオン交換材料は、400ミクロン~600ミクロンの平均直径を有する多孔質イオン交換ビーズを含む、請求項1~85のいずれか1つに記載のシステム。
【請求項91】
前記イオン交換材料は、400ミクロン~800ミクロンの平均直径を有する多孔質イオン交換ビーズを含む、請求項1~85のいずれか1つに記載のシステム。
【請求項92】
前記液体資源が前記イオン交換材料を通って流れるときの前記液体資源の静水圧の変化は、10psi未満である、請求項1~91のいずれか1つに記載のシステム。
【請求項93】
前記液体資源が前記イオン交換材料を通って流れるときの前記液体資源の静水圧の変化は、20psi未満である、請求項1~91のいずれか1つに記載のシステム。
【請求項94】
前記液体資源が前記イオン交換材料を通って流れるときの前記液体資源の静水圧の変化は、50psi未満である、請求項1~91のいずれか1つに記載のシステム。
【請求項95】
前記液体資源が前記イオン交換材料を通って流れるときの前記液体資源の静水圧の変化は、100psi未満である、請求項1~91のいずれか1つに記載のシステム。
【請求項96】
前記液体資源が前記イオン交換材料を通って流れるときの前記液体資源の静水圧の変化は、200psi未満である、請求項1~91のいずれか1つに記載のシステム。
【請求項97】
前記容器のいずれかの入口から出口までの静水圧の変化は、10psi未満である、請求項1~91のいずれか1つに記載のシステム。
【請求項98】
前記容器のいずれかの入口から出口までの静水圧の変化は、20psi未満である、請求項1~91のいずれか1つに記載のシステム。
【請求項99】
前記容器のいずれかの入口から出口までの静水圧の変化は、50psi未満である、請求項1~91のいずれか1つに記載のシステム。
【請求項100】
前記容器のいずれかの入口から出口までの静水圧の変化は、100psi未満である、請求項1~91のいずれか1つに記載のシステム。
【請求項101】
前記容器のいずれかの入口から出口までの静水圧の変化は、200psi未満である、請求項1~91のいずれか1つに記載のシステム。
【請求項102】
前記システムにおいて前記液体資源のpHを上昇させるためのpH調節機構をさらに含む、請求項1~91のいずれか1つに記載のシステム。
【請求項103】
前記液体資源を中和するために前記システムにおいて前記液体資源のpHを上昇させるためのpH調節機構をさらに含む、請求項1~102のいずれか1つに記載のシステム。
【請求項104】
有孔材料は、前記イオン交換材料を固定化するために使用される、請求項1~103のいずれか1つに記載のシステム。
【請求項105】
メッシュ材料は、前記イオン交換材料を固定化するために使用される、請求項1~104のいずれか1つに記載のシステム。
【請求項106】
有孔材料およびメッシュ材料は、前記イオン交換材料を固定化するために使用される、請求項1~105のいずれか1つに記載のシステム。
【請求項107】
前記イオン交換材料は、プロトンを放出しながら前記液体資源からリチウムを吸収する、請求項1~106のいずれか1つに記載のシステム。
【請求項108】
前記イオン交換材料は、プロトンを吸収しながらリチウムを放出する、請求項1~107のいずれか1つに記載のシステム。
【請求項109】
前記イオン交換材料は、前記液体資源からリチウムを充填され、その後、前記リチウムは、酸を使用して前記イオン交換材料から溶出される、請求項1~108のいずれか1つに記載のシステム。
【請求項110】
前記イオン交換材料は、ポリマーまたはセラミック材料で構築されたノズル、スリット、穴、またはメッシュを使用して前記容器内に収容される、請求項1~109のいずれか1つに記載のシステム。
【請求項111】
前記イオン交換材料は、ポリエーテルエーテルケトン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスルホン、ポリエステル、ポリアミド、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、エチレンテトラフルオロエチレン、ステンレス鋼、コーティングされたステンレス鋼、ポリマーでコーティングされたステンレス鋼、チタン、高ニッケル合金、またはそれらの組み合わせで構築されたノズル、スリット、穴、メッシュ、またはそれらの組み合わせを使用して、前記容器内に収容される、請求項1~110のいずれか1つに記載のシステム。
【請求項112】
前記イオン交換材料は、LiFePO、LiMnPO、LiMO(M=Ti、Mn、Sn)、LiTi12、LiMn12、LiMn、Li1.6Mn1.6、LiMO(M=Al、Cu、Ti)、LiTiO、LiTi1124、LiVO、LiSi、LiCuP、これらの修飾物、これらの固溶体、またはこれらの組み合わせを含む、請求項1~111のいずれか1つに記載のシステム。
【請求項113】
前記イオン交換材料は、酸化物、ポリマー、またはこれらの組み合わせから選択されるコーティングを用いてコーティングされたイオン交換材料である、請求項1~112のいずれか1つに記載のシステム。
【請求項114】
前記イオン交換材料は、SiO、TiO、ZrO、ポリフッ化ビニリデン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリブタジエン、ポリジビニルベンゼン、またはこれらの組み合わせから選択されるコーティングを用いてコーティングされたイオン交換材料である、請求項1~113のいずれか1つに記載のシステム。
【請求項115】
前記液体資源は、天然ブライン、前処理ブライン、溶解塩原(salt flat)、海水、濃縮海水、脱塩流出液、濃縮ブライン、加工ブライン、油田ブライン、イオン交換プロセスからの液体、溶媒抽出プロセスからの液体、合成ブライン、鉱石もしくは鉱石の組み合わせからの浸出液、鉱物もしくは鉱物の組み合わせからの浸出液、粘土もしくは粘土の組み合わせからの浸出液、リサイクル製品からの浸出液、リサイクル材料からの浸出液、またはそれらの組み合わせである、請求項1~114のいずれか1つに記載のシステム。
【請求項116】
イオン交換床を形成するための方法であって、前記方法は、
a)イオン交換ビーズを含むスラリーを形成する工程と、
b)容器内の区画へ前記スラリーを流す工程と、
c)前記イオン交換ビーズを圧縮するために液体を前記区画に流す工程と、
を含む、方法。
【請求項117】
イオン交換床を形成するための方法であって、前記方法は、
a)イオン交換ビーズを含むスラリーを形成する工程と、
b)多孔質区画へ前記スラリーを流す工程と、
c)前記多孔質区画の区域を通る流れを方向づけるために分流装置を導入する工程と、
d)前記イオン交換ビーズを圧縮するために液体を前記多孔質区画に流す工程と、
を含む、方法。
【請求項118】
イオン交換床を形成するための方法であって、前記方法は、
a)イオン交換ビーズを含むスラリーを形成する工程と、
b)多孔質区画へ前記スラリーを流す工程と、
c)前記イオン交換ビーズを圧縮するために液体を前記多孔質区画の区域に流す工程と、
を含む、方法。
【請求項119】
イオン交換床を形成するための方法であって、前記方法は、
a)容器内の多孔質区画にイオン交換ビーズを充填する工程と、
b)前記多孔質区画の区域を通る流れを方向づけるために分流装置を導入する工程と、
c)前記イオン交換ビーズを圧縮するために液体を前記多孔質区画の前記区域に流す工程と、
を含む、方法。
【請求項120】
イオン交換床を形成するための方法であって、前記方法は、
a)容器内の多孔質区画にイオン交換ビーズを充填する工程と、
b)前記イオン交換ビーズを圧縮するために液体を前記多孔質区画の区域に流す工程と、
を含む、方法。
【請求項121】
不活性なビーズは、前記容器の特定の部品に流れを方向づける役割を果たす、請求項116~120のいずれか1つに記載の方法。
【請求項122】
イオン交換床を形成するための装置であって、前記装置は、
a)イオン交換ビーズを含むスラリーを作るための装置と、
b)容器内の区画へ前記スラリーを流すための装置と、
c)前記イオン交換ビーズを圧縮するために液体を前記区画に流すための装置と、
を含む、イオン交換床を形成するための装置。
【請求項123】
イオン交換床を形成するための装置であって、前記装置は、
a)イオン交換ビーズを含むスラリーを作るための装置と、
b)多孔質区画へ前記スラリーを流すための装置と、
c)前記イオン交換床を圧縮するために、流れを分流させ、前記多孔質区画の区域を通る流れを方向づけるための装置と、
を含む、イオン交換床を形成するための装置。
【請求項124】
イオン交換床を形成するための装置であって、前記装置は、
a)イオン交換ビーズを含むスラリーを形成するための装置と、
b)多孔質区画へ前記スラリーを流すための装置と、
c)前記イオン交換ビーズを圧縮するために液体を前記多孔質区画の区域に流すための装置と、
を含む、イオン交換床を形成するための装置。
【請求項125】
イオン交換床を形成するための装置であって、前記装置は、
a)容器内の多孔質区画にイオン交換ビーズを充填するための装置と、
b)前記イオン交換床を圧縮するために、流れを分流させ、前記多孔質区画の区域を通る流れを方向づけるための装置と、
を含む、イオン交換床を形成するための装置。
【請求項126】
イオン交換床を形成するための装置であって、前記装置は、
a)容器内の多孔質区画にイオン交換ビーズを充填するための装置と、
b)前記イオン交換ビーズを圧縮するために液体を前記多孔質区画の区域に流すための装置と、
を含む、イオン交換床を形成するための装置。
【請求項127】
イオン交換床を形成するための装置であって、前記装置は、
a)容器内の多孔質区画にイオン交換ビーズを充填するための装置と、
b)前記イオン交換ビーズを圧縮するために液体を前記多孔質区画に流すための装置と、
を含む、イオン交換床を形成するための装置。
【請求項128】
イオン交換床を形成するための装置であって、前記装置は、前記イオン交換床を圧縮するために、容器を通る流れを分流させ、前記イオン交換床の区域に前記流れを方向づけるための装置を備える、イオン交換床を形成するための装置。
【請求項129】
イオン交換床を形成するための装置であって、前記装置は、前記イオン交換床を圧縮するために、容器を通る流れを分流させ、前記イオン交換床の区域に前記流れを方向づけるための装置を備え、前記イオン交換床はリチウムイオンと水素イオンを交換する、イオン交換床を形成するための装置。
【請求項130】
リチウムを抽出するためにイオン交換床にイオン交換ビーズを形成するための装置。
【請求項131】
前記装置は前記容器の形状に一致する、請求項116~130のいずれか1つに記載の装置。
【請求項132】
前記装置は、前記イオン交換床の複数の部分に流れを制限する役割を果たす、請求項116~130のいずれか1つに記載の装置。
【請求項133】
前記装置の1つ以上は、前記イオン交換床の複数の部分に流れを制限する役割を果たす、請求項116~130のいずれか1つに記載の装置。
【請求項134】
流れ制限装置が、それに隣接している前記イオン交換床の複数の部分への流れを遮断する、請求項116~130のいずれか1つに記載の装置。
【請求項135】
前記流れ制限装置は、それに隣接している前記イオン交換床の複数の部分への流れを可能にし、前記イオン交換床の他の部分への流れを遮断する、請求項116~130のいずれか1つに記載の装置。
【請求項136】
前記流れ制限装置はその対称軸に垂直な流れを遮断する、請求項116~130のいずれか1つに記載の装置。
【請求項137】
前記流れ制限装置はその対称軸に垂直な流れを可能にする、請求項116~130のいずれか1つに記載の装置。
【請求項138】
前記流れ制限装置はその対称軸と平行な流れを遮断する、請求項116~130のいずれか1つに記載の装置。
【請求項139】
前記流れ制限装置はその対称軸と平行な流れを可能にする、請求項116~130のいずれか1つに記載の装置。
【請求項140】
前記流れ制限装置はパイプを含む、請求項116~130のいずれか1つに記載の装置。
【請求項141】
不活性なビーズは、前記容器の特定の部品に流れを方向づける役割を果たす、請求項116~130のいずれか1つに記載の装置。
【請求項142】
請求項1~115のいずれか1つに記載のシステムのイオン交換床を形成するために使用される、請求項116~130のいずれか1つに記載の装置。
【請求項143】
請求項1~115のいずれか1つに記載のシステムのイオン交換床を形成するために使用される、請求項116~130のいずれか1つに記載の方法。
【請求項144】
請求項1~115のいずれか1つに記載のシステムのいずれかの内部のイオン交換床にイオン交換ビーズを形成するための方法。
【請求項145】
請求項1~115および122~143のいずれか1つに記載の容器、装置、またはシステムを用いて液体資源からリチウムを抽出する方法。
【請求項146】
リチウム枯渇液体資源溶液であって、前記リチウム枯渇液体資源溶液は、
a)水と、
b)リチウムであって、リチウムの濃度が最大で1リットル当たり約200ミリグラムである、リチウムと、
c)ナトリウムであって、ナトリウムの濃度が1リットルあたり少なくとも約10,000ミリグラムであり、かつ1リットルあたり最大で約150,000ミリグラムである、ナトリウムと、
d)カルシウムであって、カルシウムの濃度が1リットルあたり少なくとも約100ミリグラムであり、かつ1リットルあたり最大で約30,000ミリグラムである、カルシウムと、
e)マグネシウムであって、マグネシウムの濃度が1リットルあたり少なくとも約100ミリグラムであり、かつ1リットルあたり最大で約30,000ミリグラムである、マグネシウムとを含む、リチウム枯渇液体資源溶液。
【請求項147】
前記リチウムの濃度は1リットルあたり約175ミリグラム未満である、請求項146に記載のリチウム枯渇液体資源溶液。
【請求項148】
前記リチウムの濃度は1リットルあたり約150ミリグラム未満である、請求項146に記載のリチウム枯渇液体資源溶液。
【請求項149】
前記リチウムの濃度は1リットルあたり約125ミリグラム未満である、請求項146に記載のリチウム枯渇液体資源溶液。
【請求項150】
前記リチウムの濃度は1リットルあたり約100ミリグラム未満である、請求項146に記載のリチウム枯渇液体資源溶液。
【請求項151】
前記リチウムの濃度は1リットルあたり約50ミリグラム未満である、請求項146に記載のリチウム枯渇液体資源溶液。
【請求項152】
前記リチウムの濃度が1リットルあたり少なくとも約1ミリグラムであり、かつ1リットルあたり最大で約200ミリグラムである、請求項146に記載のリチウム枯渇液体資源溶液。
【請求項153】
前記リチウムの濃度が1リットルあたり少なくとも約10ミリグラムであり、かつ1リットルあたり最大で約200ミリグラムである、請求項146に記載のリチウム枯渇液体資源溶液。
【請求項154】
前記リチウムの濃度が1リットルあたり少なくとも約100ミリグラムであり、かつ1リットルあたり最大で約200ミリグラムである、請求項146に記載のリチウム枯渇液体資源溶液。
【請求項155】
前記リチウムの濃度が1リットルあたり少なくとも約10ミリグラムであり、かつ1リットルあたり最大で約100ミリグラムである、請求項146に記載のリチウム枯渇液体資源溶液。
【請求項156】
前記リチウムの濃度が1リットルあたり少なくとも約50ミリグラムであり、かつ1リットルあたり最大で約50ミリグラムである、請求項146に記載のリチウム枯渇液体資源溶液。
【請求項157】
前記ナトリウムの濃度が1リットルあたり少なくとも約10,000ミリグラムであり、かつ1リットルあたり最大で約100,000ミリグラムである、請求項146~156のいずれか1つに記載のリチウム枯渇液体資源溶液。
【請求項158】
前記ナトリウムの濃度が1リットルあたり少なくとも約50,000ミリグラムであり、かつ1リットルあたり最大で約150,000ミリグラムである、請求項146~156のいずれか1つに記載のリチウム枯渇液体資源溶液。
【請求項159】
前記カルシウムの濃度が1リットルあたり少なくとも約1,000ミリグラムであり、かつ1リットルあたり最大で約30,000ミリグラムである、請求項146~158のいずれか1つに記載のリチウム枯渇液体資源溶液。
【請求項160】
前記カルシウムの濃度が1リットルあたり少なくとも約1,000ミリグラムであり、かつ1リットルあたり最大で約10,000ミリグラムである、請求項146~158のいずれか1つに記載のリチウム枯渇液体資源溶液。
【請求項161】
前記マグネシウムの濃度が1リットルあたり少なくとも約1,000ミリグラムであり、かつ1リットルあたり最大で約30,000ミリグラムである、請求項146~160のいずれか1つに記載のリチウム枯渇液体資源溶液。
【請求項162】
前記マグネシウムの濃度が1リットルあたり少なくとも約1,000ミリグラムであり、かつ1リットルあたり最大で約10,000ミリグラムである、請求項146~161のいずれか1つに記載のリチウム枯渇液体資源溶液。
【請求項163】
1リットルあたり少なくとも約100ミリグラム、かつ1リットルあたり最大で約30,000ミリグラムの濃度でカリウムをさらに含む、請求項146~162のいずれか1つに記載のリチウム枯渇液体資源溶液。
【請求項164】
前記カリウムの濃度が1リットルあたり少なくとも約1,000ミリグラムであり、かつ1リットルあたり最大で約20,000ミリグラムである、請求項163に記載のリチウム枯渇液体資源溶液。
【請求項165】
前記カリウムの濃度が1リットルあたり少なくとも約5,000ミリグラムであり、かつ1リットルあたり最大で約20,000ミリグラムである、請求項163に記載のリチウム枯渇液体資源溶液。
【請求項166】
前記カリウムの濃度が1リットルあたり少なくとも約1,000ミリグラムであり、かつ1リットルあたり約15,000ミリグラム未満である、請求項163に記載のリチウム枯渇液体資源溶液。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
相互参照
本特許出願は、2021年4月23日に出願された米国仮特許出願第63/179,153号の利益を主張するものであり、これは全体として引用によって本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
リチウムは、高エネルギーの充電式電池や他のテクノロジーに必須の要素である。リチウムは、鉱物やリサイクル製品からの天然および合成のブラインおよび浸出液溶液を含む様々な液体溶液で見られる。
【発明の概要】
【0003】
リチウムは、無機のイオン交換材料に基づくイオン交換プロセスを使用して、液体資源から抽出され得る。無機のイオン交換材料は水素イオンを放出しながら液体資源からリチウムイオンを吸収し、その後、水素イオンを吸収しつつ酸の中のリチウムイオンを溶出する。イオン交換プロセスは、液体資源からリチウムイオンを抽出し、かつ濃縮されたリチウムイオン溶液を生成するために繰り返され得る。濃縮されたリチウムイオン溶液はさらに、電池産業または他の産業用の化学薬品へと処理され得る。
【0004】
液体資源からリチウムを抽出するための装置が本明細書で開示され、上記装置は、1)イオン交換材料を含む1つ以上の床と、2)1つ以上の流れ分配器(flow distributors)とを備え、前記流れ分配器は1つ以上の床を通る液体の流れを方向づけるように構成され、イオン交換材料はリチウムイオンと水素イオンを交換し、1つ以上の流れ分配器および1つ以上の床は、イオン交換材料を通って液体を流すために必要とされる静水圧を最小限に抑えるように構成される。いくつかの実施形態において、装置はさらに、前記1つ以上の流れ分配器における(across)前記液体資源の圧力を調節するように構成されたレギュレーターを含む。いくつかの実施形態において、1つ以上の流れ分配器は穿孔された管またはプレートを含む。いくつかの実施形態において、前記1つ以上の流れ分配器およびイオン交換材料における前記液体の圧力は、前記1つ以上の流れ分配器のない装置と比較して低減される。いくつかの実施形態において、前記1つ以上の流れ分配器およびイオン交換材料における前記液体の圧力は、50psi未満である。いくつかの実施形態において、前記1つ以上の流れ分配器およびイオン交換材料における前記液体の圧力は、10psi未満である。いくつかの実施形態において、前記1つ以上の流れ分配器およびイオン交換材料における前記液体資源の圧力は、約0.1psi~約1psiである。いくつかの実施形態において、前記1つ以上の流れ分配器およびイオン交換材料における前記液体資源の圧力は、約1psi~約10psiである。いくつかの実施形態において、前記1つ以上の流れ分配器およびイオン交換材料における前記液体資源の圧力は、約10psi~約20psiである。いくつかの実施形態において、前記1つ以上の流れ分配器およびイオン交換材料における前記液体資源の圧力は、約20psi~約40psiである。いくつかの実施形態において、前記1つ以上の流れ分配器およびイオン交換材料における前記液体資源の圧力は、約40psi~約80psiである。いくつかの実施形態において、前記1つ以上の流れ分配器およびイオン交換材料における前記液体資源の圧力は、約80psi~約160psiである。いくつかの実施形態において、1つ以上の床は複数の床であり、各床は、第1の流れ分配器を通って流体を受け取り、流体を第2の流れ分配器に排出するように構成される。いくつかの実施形態において、前記液体資源は、並列の複数の床を通って流れるように構成される。いくつかの実施形態において、前記液体資源は、直列の複数の床を通って流れるように構成される。いくつかの実施形態において、1つ以上の床は、構造支持体とともに前記容器の内側に取り付けられる。
【0005】
液体資源からリチウムを抽出するための装置が本明細書で開示され、上記装置は、)イオン交換材料を含む床と、2)水溶液と、2)大量のガスと、3)液位測定装置とを備え、イオン交換材料はリチウムイオンと水素イオンを交換し、容器中の液面は制御される。いくつかの実施形態において、水溶液は、液体資源、酸性溶液、または洗浄溶液である。いくつかの実施形態において、液位測定装置は液位センサーである。いくつかの実施形態において、前記容器中の液面は調節弁を使用して制御される。いくつかの実施形態において、前記容器中の液面は大量のガスの圧力を調節することにより制御される。いくつかの実施形態において、イオン交換材料を含む床は、容器の内部の流体中で流動化される。
【0006】
液体資源からリチウムを抽出するための装置が本明細書で開示され、上記装置は、イオン交換材料が充填された内部区画を含む円筒形容器であって、前記液体資源が、前記円筒形容器に対して半径方向に配向される方向に前記イオン交換材料を通って流れるように配置された円筒形容器を備える。液体資源からリチウムを抽出するための装置が本明細書に開示され、上記装置は、2つの交差しない透過性の仕切りの間に位置するイオン交換材料の床を含む容器を備え、流れが1つの仕切りから別の仕切りへ、およびイオン交換床を超えて生じる。液体資源からリチウムを抽出するための装置が本明細書に開示され、上記装置は、2つの仕切りの間に位置するイオン交換材料を収容する容器を備える。いくつかの実施形態において、前記仕切りは円筒形である。いくつかの実施形態において、前記仕切りは同心円状である。いくつかの実施形態において、前記仕切りは長方形である。いくつかの実施形態において、前記仕切りは透過性である。いくつかの実施形態において、透過性の前記仕切りは多孔質である。いくつかの実施形態において、前記仕切りは同心円状の透過性円筒である。
【0007】
本明細書において容器が開示され、イオン交換材料と、容器の中心付近の透過性パイプとを備え、容器に対して半径方向に配向された方向にイオン交換材料を通る液体の流れを容易にする。いくつかの実施形態において、イオン交換材料は、リチウムイオンおよび水素イオンを交換する。
【0008】
液体資源からリチウムを抽出するための装置が本明細書で開示され、上記装置は、1)内部円筒形容器と外部円筒形容器とを備える容器ハウジングを備え、2)イオン交換材料は、前記内部円筒形容器と前記外部円筒形容器との間に収容される。いくつかの実施形態において、前記内部円筒形容器および前記外部円筒形容器は、前記イオン交換材料を通る前記液体資源の流れを容易にするために透過性である。いくつかの実施形態において、前記内部円筒形容器および/または前記外部円筒形容器は、前記容器ハウジングの内側に前記イオン交換材料を収容しつつ、前記イオン交換材料を通る前記液体資源の流れを容易にするために、穴、スリット、ノズル、メッシュ、またはそれらの組み合わせで固定される。いくつかの実施形態において、イオン交換材料は、リチウムイオンおよび水素イオンを交換する。
【0009】
液体資源からリチウムを抽出するための装置が本明細書で開示され、上記装置は、外部の同心円状の円筒構造と内部の同心円状の円筒構造との間に位置するイオン交換材料を収容する円筒形容器を備え、前記内部の同心円状の円筒構造、前記外部の同心円状の円筒構造、および前記イオン交換材料が流体連通している。いくつかの実施形態において、前記液体資源は、前記外部の同心円状の円筒構造の外側付近から前記内部の同心円状の円筒構造の内側付近まで前記イオン交換材料を通って半径方向に流れる。いくつかの実施形態において、前記液体資源は、前記内部の同心円状の円筒構造の内側付近から前記外部の同心円状の円筒構造の外側付近まで前記イオン交換材料を通って半径方向に流れる。
【0010】
液体資源からリチウムを抽出するための装置が本明細書で開示され、上記装置は、内部流れ分配器を備えるとともにイオン交換材料を収容する容器を備える。液体資源からリチウムを抽出するための装置が本明細書に開示され、上記装置は、イオン交換材料が充填された容器を備え、前記液体資源は、前記容器の2つの対向する端部の近くに位置する複数の流れ分配器から前記容器に入り、前記容器の前記2つの対向する端部の間の中心点の近くに位置する1つ以上の流れ分配器から前記容器を出る。液体資源からリチウムを抽出するための装置が本明細書に開示され、上記装置は、イオン交換材料が充填された容器を備え、前記液体資源は、前記容器の2つの対向する端部の近くに位置する複数の流れ分配器から前記容器を出て、前記容器の前記2つの対向する端部の間の中心点の近くに位置する1つ以上の流れ分配器から前記容器に入る。液体資源からリチウムを抽出するための装置が本明細書に開示され、上記装置は、1つ以上のキャンドルを含有する1つ以上の容器を備え、前記キャンドルはそれぞれ、前記液体資源の流れに対して透過性である円筒形の仕切りを備え、前記仕切りによって囲まれた空間はイオン交換材料を含有する。いくつかの実施形態において、前記液体資源は、前記容器に流入し、透過性の前記仕切りを通り、透過性の前記仕切りによって囲まれた空間に流入し、イオン交換材料を通り、その後、容器を出る。いくつかの実施形態において、前記液体資源は、前記容器に流入し、透過性の前記仕切りによって囲まれた空間に流入し、透過性の前記仕切りを通り、イオン交換材料を通り、その後、容器を出る。いくつかの実施形態において、前記1つ以上の容器は4個以上のキャンドルを含む。いくつかの実施形態において、前記1つ以上の容器は8個以上のキャンドルを含む。いくつかの実施形態において、前記1つ以上の容器は20個以上のキャンドルを含む。いくつかの実施形態において、前記1つ以上の容器は50個以上のキャンドルを含む。いくつかの実施形態において、前記1つ以上の容器は100個以上のキャンドルを含む。
【0011】
液体資源からリチウムを抽出するための装置が本明細書で開示され、上記装置は、a)容器、b)前記容器の内部の巻きつけられた(wound)イオン交換要素を備え、前記イオン交換要素は、a.非多孔質膜、b.任意選択で第1の流れ分配足場(flow distribution scaffold)、c.任意選択で第1の多孔質膜、d.イオン交換材料の床、e.任意選択で第2の多孔質膜、f.任意選択で第2の流れ分配足場を含む。液体資源からリチウムを抽出するための装置が本明細書に開示され、上記装置は、a)容器、b)容器の内部の巻きつけられたイオン交換要素を備え、前記イオン交換要素は、a.非多孔質膜、b.第1の流れ分配足場、c.第1の多孔質膜、d.イオン交換材料の床、e.第2の多孔質膜、f.第2の流れ分配足場を含む。液体資源からリチウムを抽出するための装置が本明細書に開示され、上記装置は、a)容器、b)容器の内部の巻きつけられたイオン交換要素を備え、前記イオン交換要素は、a.非多孔質膜、b.第1の流れ分配足場、c.イオン交換材料の床、d.第2の流れ分配足場を含む。液体資源からリチウムを抽出するための装置が本明細書に開示され、上記装置は、a)容器、b)容器の内部の巻きつけられたイオン交換要素を備え、前記イオン交換要素は、a.非多孔質膜、b.第1の多孔質膜、c.イオン交換材料の床、d.第2の多孔質膜を含む。液体資源からリチウムを抽出するための装置が本明細書に開示され、上記装置は、a)容器、b)容器の内部の巻きつけられたイオン交換要素を備え、前記イオン交換要素は、a.第1の流れ分配足場、b.第1の多孔質膜、c.イオン交換材料の床、d.第2の多孔質膜、e.第2の流れ分配足場を含む。いくつかの実施形態において、前記イオン交換要素は、イオン交換材料の薄い床の物理的なフットプリントを減らす。いくつかの実施形態において、イオン交換材料は2つの多孔質膜の間に収容される。いくつかの実施形態において、イオン交換材料は2つの流れ分配足場の間に収容される。いくつかの実施形態において、流れ分配足場は多孔質である。いくつかの実施形態において、膜のいずれもらせんを形成するためにロールに巻かれる。
【0012】
液体資源からリチウムを抽出するための装置が本明細書で開示され、上記装置は、イオン交換材料およびフィラー材料が充填された容器を備える。いくつかの実施形態において、イオン交換床は、リチウムを水素イオンと交換しない1つ以上のフィラー材料をさらに含有する。いくつかの実施形態において、イオン交換床は、イオン交換床の入口または出口の近くの前記フィラー材料を充填される。いくつかの実施形態において、イオン交換床は前記フィラー材料と混合される。液体資源からリチウムを抽出するための装置が本明細書に開示され、上記装置は、イオン交換材料が充填されるとともにフィラー材料と混合された容器を備える。いくつかの実施形態において、容器はイオン交換材料およびフィラー材料が充填され、フィラー材料は、イオン交換材料で圧力を下げるためにイオン交換材料と混合される。いくつかの実施形態において、容器はイオン交換材料およびフィラー材料が充填され、フィラー材料は、イオン交換材料の床の強度を改善するためにイオン交換材料と混合される。いくつかの実施形態において、容器はイオン交換材料およびフィラー材料が充填され、フィラー材料は、イオン交換材料の1つ以上の床を支持するためにイオン交換材料と混合される。いくつかの実施形態において、フィラー材料は、前記液体資源または容器に入る任意の他の流体が前記床を通って流れるときに、床の断面全体にわたって均一な圧力低下を可能にする。いくつかの実施形態において、前記フィラー材料は、酸およびブラインに対して不活性である。いくつかの実施形態において、前記フィラー材料は、ポリマーまたはセラミックから構築される。いくつかの実施形態において、前記フィラー材料は、イオン交換材料を含有する細孔を有する。いくつかの実施形態において、前記フィラー材料は、イオン交換材料を含有する約10ミクロンまたは約100ミクロンよりも大きい細孔を有する。いくつかの実施形態において、前記フィラー材料は、イオン交換材料を含有する約1ミリメートル、約1センチメートル、または約10センチメートルよりも大きい細孔を有する。いくつかの実施形態において、前記フィラー材料は、イオン交換材料を含有する約10センチメートルまたは約25センチメートルよりも大きい細孔を有する。いくつかの実施形態において、前記フィラー材料は、イオン交換材料を含有する約10ミクロンまたは約100ミクロンよりも小さい細孔を有する。いくつかの実施形態において、前記フィラー材料は、イオン交換材料を含有する約1ミリメートル、約1センチメートル、または約10センチメートルよりも小さい細孔を有する。いくつかの実施形態において、前記フィラー材料は、イオン交換材料を含有する約10センチメートルまたは約25センチメートルよりも小さい細孔を有する。いくつかの実施形態において、前記フィラー材料は剛性の足場である。
【0013】
液体資源からリチウムを抽出するためのシステムが本明細書で開示され、上記システムは、本明細書に記載される1つ以上の容器のネットワークを備える。液体資源からリチウムを抽出するためのシステムが本明細書に開示され、上記システムは、本明細書に記載される複数の容器のネットワークを含み、前記液体資源は、1つの容器を通って別の容器へ流れる。液体資源からリチウムを抽出するためのシステムが本明細書に開示され、上記システムは、本明細書に記載される複数の容器のネットワークを含み、前記液体資源は、複数の容器のうちの1つ以上の容器を通って連続的に流れる。液体資源からリチウムを抽出するためのシステムが本明細書に開示され、上記システムは、本明細書に記載される複数の容器のネットワークを含み、前記液体資源は、1つの容器を通って、液体資源のpHを上昇させるユニットを通って、別の容器に流れる。いくつかの実施形態において、イオン交換材料は多孔質イオン交換ビーズを含む。いくつかの実施形態において、前記イオン交換材料は、50ミクロン~100ミクロンの平均直径を有する多孔質イオン交換ビーズを含む。いくつかの実施形態において、前記イオン交換材料は、100ミクロン~200ミクロンの平均直径を有する多孔質イオン交換ビーズを含む。いくつかの実施形態において、前記イオン交換材料は、200ミクロン~300ミクロンの平均直径を有する多孔質イオン交換ビーズを含む。いくつかの実施形態において、前記イオン交換材料は、200ミクロン~400ミクロンの平均直径を有する多孔質イオン交換ビーズを含む。いくつかの実施形態において、前記イオン交換材料は、400ミクロン~600ミクロンの平均直径を有する多孔質イオン交換ビーズを含む。いくつかの実施形態において、前記イオン交換材料は、400ミクロン~800ミクロンの平均直径を有する多孔質イオン交換ビーズを含む。いくつかの実施形態において、液体資源がイオン交換材料を通って流れるときの液体資源の静水圧の変化は、10psi未満である。いくつかの実施形態において、液体資源がイオン交換材料を通って流れるときの液体資源の静水圧の変化は、20psi未満である。いくつかの実施形態において、液体資源がイオン交換材料を通って流れるときの液体資源の静水圧の変化は、50psi未満である。いくつかの実施形態において、液体資源がイオン交換材料を通って流れるときの液体資源の静水圧の変化は、100psi未満である。いくつかの実施形態において、液体資源がイオン交換材料を通って流れるときの液体資源の静水圧の変化は、200psi未満である。いくつかの実施形態において、容器のいずれかの入口から出口までの静水圧の変化は、10psi未満である。いくつかの実施形態において、容器のいずれかの入口から出口までの静水圧の変化は、20psi未満である。いくつかの実施形態において、容器のいずれかの入口から出口までの静水圧の変化は、50psi未満である。いくつかの実施形態において、容器のいずれかの入口から出口までの静水圧の変化は、100psi未満である。いくつかの実施形態において、容器のいずれかの入口から出口までの静水圧の変化は、200psi未満である。いくつかの実施形態において、システムはさらに、システム内の液体資源のpHを上昇させるためのpH調節機構を含む。いくつかの実施形態において、システムはさらに、液体資源を中和するためにシステム内の液体資源のpHを上昇させるためのpH調節機構を含む。いくつかの実施形態において、穿孔材料は、イオン交換材料を固定化するために使用される。いくつかの実施形態において、メッシュ材料は、イオン交換材料を固定化するために使用される。いくつかの実施形態において、穿孔材料およびメッシュ材料は、イオン交換材料を固定化するために使用される。いくつかの実施形態において、イオン交換材料は、プロトンを放出しながら液体資源からリチウムを吸収する。いくつかの実施形態において、イオン交換材料は、プロトンを吸収しながらリチウムを放出する。いくつかの実施形態において、前記イオン交換材料は、液体資源からリチウムを充填され、その後、リチウムは、酸を使用して前記イオン交換材料から溶出される。いくつかの実施形態において、前記イオン交換材料は、ポリマーまたはセラミック材料で構築されたノズル、スリット、穴、またはメッシュを使用して前記容器内に収容される。いくつかの実施形態において、前記イオン交換材料は、ポリエーテルエーテルケトン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスルホン、ポリエステル、ポリアミド、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン(polyvinylidene difluoride)、エチレンテトラフルオロエチレン、ステンレス鋼、コーティングされたステンレス鋼、ポリマーでコーティングされたステンレス鋼、チタン、高ニッケル合金、またはそれらの組み合わせで構築されたノズル、スリット、穴、メッシュ、またはそれらの組み合わせを使用して、前記容器内に収容される。いくつかの実施形態において、前記イオン交換材料は、LiFePO、LiMnPO、LiMO(M=Ti、Mn、Sn)、LiTi12、LiMn12、LiMn、Li1.6Mn1.6、LiMO(M=Al、Cu、Ti)、LiTiO、LiTi1124、LiVO、LiSi、LiCuP、これらの修飾物、これらの固溶体、またはこれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態において、前記イオン交換材料は、酸化物、ポリマー、またはこれらの組み合わせから選択されるコーティングを用いてコーティングされたイオン交換材料である。いくつかの実施形態において、前記イオン交換材料は、SiO、TiO、ZrO、ポリフッ化ビニリデン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリブタジエン、ポリジビニルベンゼン、またはこれらの組み合わせから選択されるコーティングを用いてコーティングされたイオン交換材料である。いくつかの実施形態において、前記液体資源は、天然ブライン、前処理ブライン、溶解塩原(salt flat)、海水、濃縮海水、脱塩流出液、濃縮ブライン、加工ブライン、油田ブライン、イオン交換プロセスからの液体、溶媒抽出プロセスからの液体、合成ブライン、鉱石もしくは鉱石の組み合わせからの浸出液、鉱物もしくは鉱物の組み合わせからの浸出液、粘土もしくは粘土の組み合わせからの浸出液、リサイクル製品からの浸出液、リサイクル材料からの浸出液、またはそれらの組み合わせである。
【0014】
イオン交換床を形成するための方法が本明細書に開示され、上記方法は、a)イオン交換ビーズを含むスラリーを形成する工程と、b)容器内の区画へ前記スラリーを流す工程と、c)前記イオン交換ビーズを圧縮するために液体を前記区画に流す工程とを含む。イオン交換床を形成するための方法が本明細書に開示され、上記方法は、a)イオン交換ビーズを含むスラリーを形成する工程と、b)多孔質区画へ前記スラリーを流す工程と、c)前記多孔質区画の区域を通る流れを方向づけるために分流装置を導入する工程と、d)前記イオン交換ビーズを圧縮するために液体を前記多孔質区画に流す工程とを含む。イオン交換床を形成するための方法が本明細書に開示され、上記方法は、a)イオン交換ビーズを含むスラリーを形成する工程と、b)多孔質区画へ前記スラリーを流す工程と、c)前記イオン交換ビーズを圧縮するために液体を前記多孔質区画の区域に流す工程とを含む。イオン交換床を形成するための方法が本明細書に開示され、上記方法は、a)容器内の多孔質区画にイオン交換ビーズを充填する工程と、b)前記多孔質区画の区域を通る流れを方向づけるために分流装置を導入する工程と、c)前記イオン交換ビーズを圧縮するために液体を前記多孔質区画の前記区域に流す工程とを含む。イオン交換床を形成するための方法が本明細書に開示され、上記方法は、a)容器内の多孔質区画にイオン交換ビーズを充填する工程と、b)前記イオン交換ビーズを圧縮するために液体を区画の前記区域に流す工程とを含む。いくつかの実施形態において、不活性なビーズは、容器の特定の部品に流れを方向づける役割を果たす。
【0015】
イオン交換床を形成するための装置が本明細書に開示され、上記装置は、a)イオン交換ビーズを含むスラリーを作るための装置と、b)容器内の区画へ前記スラリーを流すための装置と、c)前記イオン交換ビーズを圧縮するために液体を前記区画に流すための装置とを含む。イオン交換床を形成するための装置が本明細書に開示され、上記装置は、a)イオン交換ビーズを含むスラリーを作るための装置と、b)多孔質区画へ前記スラリーを流すための装置と、c)イオン交換床を圧縮するために、流れを分流させ、前記多孔質区画の区域を通る流れを方向づけるための装置とを含む。イオン交換床を形成するための装置が本明細書に開示され、上記装置は、a)イオン交換ビーズを含むスラリーを形成するための装置と、b)多孔質区画へ前記スラリーを流すための装置と、c)前記イオン交換ビーズを圧縮するために液体を前記多孔質区画の区域に流すための装置とを含む。イオン交換床を形成するための装置が本明細書に開示され、上記装置は、a)容器内の多孔質区画にイオン交換ビーズを充填するための装置と、b)イオン交換床を圧縮するために、流れを分流させ、前記多孔質区画の区域を通る流れを方向づけるための装置とを含む。イオン交換床を形成するための装置が本明細書に開示され、上記装置は、a)容器内の多孔質区画にイオン交換ビーズを充填するための装置と、b)前記イオン交換ビーズを圧縮するために液体を前記多孔質区画の区域に流すための装置とを含む。イオン交換床を形成するための装置が本明細書に開示され、上記装置は、a)容器内の多孔質区画にイオン交換ビーズを充填するための装置と、b)前記イオン交換ビーズを圧縮するために液体を前記多孔質区画に流すための装置とを含む。イオン交換床を形成するための装置が本明細書に開示され、上記装置は、イオン交換床を圧縮するために、容器を通る流れを分流させ、前記イオン交換床の区域に流れを方向づけるための装置を備える。イオン交換床を形成するための装置が本明細書に開示され、上記装置は、イオン交換床を圧縮するために、容器を通る流れを分流させ、前記イオン交換床の区域に流れを方向づけるための装置を備え、前記イオン交換床はリチウムイオンと水素イオンを交換する。リチウムを抽出するために、イオン交換床にイオン交換ビーズを形成するための装置が本明細書に開示される。いくつかの実施形態において、前記装置は、容器の形状に一致する。いくつかの実施形態において、前記装置は、イオン交換床の区域に流れを制限する役割を果たす。いくつかの実施形態において、前記装置の1つ以上は、イオン交換床の区域に流れを制限する役割を果たす。いくつかの実施形態において、流れ制限装置は、それに隣接している床の区域への流れを遮断する。いくつかの実施形態において、流れ制限装置は、それに隣接している床の区域への流れを可能にし、床の他の区域への流れを遮断する。いくつかの実施形態において、流れ制限装置はその対称軸に垂直な流れを遮断する。いくつかの実施形態において、流れ制限装置はその対称軸に垂直な流れを可能にする。いくつかの実施形態において、流れ制限装置はその対称軸と平行な流れを遮断する。いくつかの実施形態において、流れ制限装置はその対称軸と平行な流れを可能にする。いくつかの実施形態において、流れ制限装置はパイプを含む。いくつかの実施形態において、不活性なビーズは、容器の特定の部品に流れを方向づける役割を果たす。いくつかの実施形態において、装置は本明細書に記載されるシステムのイオン交換床を形成するために使用される。いくつかの実施形態において、装置は本明細書に記載されるシステムのイオン交換床を形成するために使用される。本明細書に記載されるシステムのいずれかの内部のイオン交換床にイオン交換ビーズを形成するための方法が本明細書で開示される。本明細書に記載される容器、装置、またはシステムを用いて液体資源からリチウムを抽出する方法が本明細書で開示される。
【0016】
a)水と、b)リチウムであって、リチウムの濃度が1リットルあたり200ミリグラム未満である、リチウムと、c)ナトリウムであって、ナトリウムの濃度が1リットルあたり約10,000ミリグラムを超え、1リットルあたり約150,000ミリグラム未満である、ナトリウムと、d)カルシウムであって、カルシウムの濃度が1リットルあたり約100ミリグラムを超え、1リットルあたり約30,000ミリグラム未満である、カルシウムと、e)マグネシウムであって、マグネシウムの濃度が1リットルあたり約100ミリグラムを超え、1リットルあたり約30,000ミリグラム未満である、マグネシウムとを含む、枯渇リチウムイオン交換溶出溶液が本明細書に開示される。いくつかの実施形態において、リチウムの濃度は1リットルあたり150ミリグラム未満である。いくつかの実施形態において、リチウムの濃度は1リットルあたり100ミリグラム未満である。いくつかの実施形態において、ナトリウムの濃度は、1リットルあたり約10,000ミリグラムであり、かつ1リットルあたり約100,000ミリグラム未満である。いくつかの実施形態において、ナトリウムの濃度は、1リットルあたり約50,000ミリグラムであり、かつ1リットルあたり約150,000ミリグラム未満である。いくつかの実施形態において、カルシウムの濃度は、1リットルあたり約1,000ミリグラムであり、かつ1リットルあたり約30,000ミリグラム未満である。いくつかの実施形態において、カルシウムの濃度は、1リットルあたり約1,000ミリグラムであり、かつ1リットルあたり約10,000ミリグラム未満である。いくつかの実施形態において、マグネシウムの濃度は、1リットルあたり約1,000ミリグラムであり、かつ1リットルあたり約30,000ミリグラム未満である。いくつかの実施形態において、マグネシウムの濃度は、1リットルあたり約1,000ミリグラムであり、かつ1リットルあたり約10,000ミリグラム未満である。
【0017】
本明細書に記載される態様は、液体資源からリチウムイオンを抽出するための装置であり、上記装置は、a)イオン交換材料と、b)このイオン交換材料を床に保持して、イオン交換材料上の液体資源および他の流体の最適な流れを容易にする1つ以上の容器とを含む。
【0018】
いくつかの実施形態において、イオン交換材料は容器に充填される。いくつかの実施形態において、イオン交換材料は複数の容器に充填される。いくつかの実施形態において、容器は、イオン交換材料を通る液体資源および他の流体の流れを方向付けるための内部構造を有する。いくつかの実施形態において、内部構造は、イオン交換材料を通るポンプ圧を最小限に抑えるように配置される。いくつかの実施形態において、容器は、イオン交換材料を通る液体資源および他の流体の半径方向の流れのために構成される。
【0019】
いくつかの実施形態において、pH調節機構は、イオン交換材料が充填された容器に接続される。いくつかの実施形態において、容器はさらに、複数の注入ポートを備え、複数の注入ポートは、システム内の液体資源のpHを上昇させるために使用される。いくつかの実施形態において、pH調節機構はさらに、1つ以上のタンクを含む。
【0020】
いくつかの実施形態において、pH調節機構は、a)1つ以上の区画と、b)液体資源を1つ以上の区画を通して移動させるための手段とを含むタンクである。いくつかの実施形態において、イオン交換材料は、少なくとも1つの区画に充填される。いくつかの実施形態において、タンクはさらに、タンク全体にわたって液体資源を循環させるための手段を備える。いくつかの実施形態において、タンク全体にわたって液体資源を循環させるための手段は混合装置である。いくつかの実施形態において、タンクはさらに、注入ポートを備える。
【0021】
いくつかの実施形態において、イオン交換材料が充填された1つ以上の容器は、pH調節装置によって分離される。いくつかの実施形態において、液体資源は、1つの容器を通って流れ、塩基で処理されて液体資源のpHを上昇させ、その後、別の容器を通って流れる。
【0022】
いくつかの実施形態において、複数の容器の少なくとも1つは酸性溶液を含む。いくつかの実施形態において、複数の容器の少なくとも1つは液体資源を含む。
【0023】
いくつかの実施形態において、イオン交換材料は、複数のイオン交換粒子を含む。いくつかの実施形態において、イオン交換材料中の複数のイオン交換粒子は、コーティングされていないイオン交換粒子、コーティングされたイオン交換粒子、およびそれらの組み合わせから選択される。いくつかの実施形態において、イオン交換材料は多孔質イオン交換材料である。いくつかの実施形態において、多孔質イオン交換材料は、液体が多孔質イオン交換材料の表面から複数のイオン交換粒子に迅速に移動することを可能にする細孔のネットワークを含む。いくつかの実施形態において、イオン交換材料は多孔質イオン交換ビーズの形態である。いくつかの実施形態において、前記液体資源は、天然ブライン、溶解塩原(salt flat)、海水、濃縮海水、脱塩流出液、濃縮ブライン、加工ブライン、油田ブライン、イオン交換プロセスからの液体、溶媒抽出プロセスからの液体、合成ブライン、鉱石もしくは鉱石の組み合わせからの浸出液、鉱物もしくは鉱物の組み合わせからの浸出液、粘土もしくは粘土の組み合わせからの浸出液、リサイクル製品からの浸出液、リサイクル材料からの浸出液、またはそれらの組み合わせである。
【0024】
本明細書に記載される態様は、1つ以上の容器を備える、液体資源からリチウムを抽出するための装置であって、上記容器は、低ポンプ圧で各容器を通る液体資源の流れを同時に収容するように独立して構成される、装置である。
【0025】
本明細書に記載される態様は、イオン交換材料を通る液体資源の流れを収容するように構成されたフィルターバンクを備える、液体資源からリチウムを抽出するための装置である。本明細書に記載される態様は、イオン交換材料を通る液体資源の流れを収容するように構成されたフィルターバンクのネットワークを含む、液体資源からリチウムを抽出するための装置である。
【0026】
本明細書に記載される態様は、イオン交換材料を通る液体資源の流れを収容するために液面制御を伴う容器を備える、液体資源からリチウムを抽出するための装置である。本明細書に記載される態様は、イオン交換材料を通る液体資源の流れを収容するように構成された液面制御を伴う容器のネットワークを含む、液体資源からリチウムを抽出するための装置である。
【0027】
本明細書に記載される態様は、イオン交換材料を通る液体資源の流れを収容するために内部構造支持体を有する容器を含む、液体資源からリチウムを抽出するための装置である。本明細書に記載される態様は、イオン交換材料を通る液体資源の流れを収容するように構成された内部構造支持体を有する容器のネットワークを含む、液体資源からリチウムを抽出するための装置である。
【0028】
本明細書に記載される態様は、イオン交換材料を通る液体資源の流れを収容するように構成された半径流容器(radial-flow vessel)を備える、液体資源からリチウムを抽出するための装置である。本明細書に記載される態様は、イオン交換材料を通る液体資源の流れを収容するように構成された半径流容器のネットワークを含む、液体資源からリチウムを抽出するための装置である。
【0029】
本明細書に記載される態様は、イオン交換材料を通る液体資源の流れを収容するように構成された穿孔容器を備える、液体資源からリチウムを抽出するための装置である。本明細書に記載される態様は、イオン交換材料を通る液体資源の流れを収容するように構成された穿孔容器のネットワークを含む、液体資源からリチウムを抽出するための装置である。
【0030】
本明細書に記載される態様は、イオン交換材料を通る液体資源の流れを収容するように構成された上部と下部の入口と中央部の出口とを有する容器を含む、液体資源からリチウムを抽出するための装置である。本明細書に記載される態様は、イオン交換材料を通る液体資源の流れを収容するように構成された上部と下部の入口と中央部の出口とを有する容器のネットワークを含む、液体資源からリチウムを抽出するための装置である。
【0031】
本明細書に記載される態様は、イオン交換材料を通る液体資源の流れを収容するように構成された上部と下部の出口と中央部の入口とを有する容器を含む、液体資源からリチウムを抽出するための装置である。本明細書に記載される態様は、イオン交換材料を通る液体資源の流れを収容するように構成された上部と下部の出口と中央部の入口とを有する容器のネットワークを含む、液体資源からリチウムを抽出するための装置である。
【0032】
本明細書に記載される態様は、イオン交換材料を通る液体資源の流れを収容するように構成された上部と下部の出口と中央部の入口とを有する容器を含む、液体資源からリチウムを抽出するための装置である。本明細書に記載される態様は、イオン交換材料を通る液体資源の流れを収容するように構成された上部と下部の出口と中央部の入口とを有する容器のネットワークを含む、液体資源からリチウムを抽出するための装置である。
【0033】
本明細書に記載される態様は、イオン交換材料を通る液体資源の流れを収容するためにイオン交換材料が充填された複数の多孔質構造を含む容器を備える、液体資源からリチウムを抽出するための装置である。本明細書に記載される態様は、イオン交換材料を通る液体資源の流れを収容するように構成されたイオン交換材料が充填された複数の多孔質構造を含む容器のネットワークを備える、液体資源からリチウムを抽出するための装置である。
【0034】
本明細書に記載される態様は、イオン交換材料を通る液体資源の流れを収容するためにイオン交換材料とフィラー材料を含む容器を備える、液体資源からリチウムを抽出するための装置である。本明細書に記載される態様は、イオン交換材料を通る液体資源の流れを収容するために構成されたイオン交換材料とフィラー材料を含む容器のネットワークを備える、液体資源からリチウムを抽出するための装置である。
【0035】
本明細書に記載される態様は、液体資源からリチウムを抽出するための装置であり、上記装置は、容器であって、前記容器の内側のイオン交換材料の複数の床を通って前記液体資源の流れを方向付ける内部流れ分配器を有する容器を備える。本明細書に記載される別の態様は、液体資源からリチウムを抽出するための装置であり、上記装置は、a)容器と、b)容器内のイオン交換材料の複数の床と、c)イオン交換材料の前記床を通る前記液体資源の流れを方向付ける流れ分配器とを含む。本明細書に記載される別の態様は、液体資源からリチウムを抽出するための装置であり、上記装置は、a)複数の流れ分配器を内部に画定する容器と、b)容器内に配置され、複数の流れ分配器と流体連通するイオン交換材料の複数の床であって、流体が複数の流れ分配器を介してイオン交換材料の複数の床を超えて流れるように方向付けられるように構成される、イオン交換材料の複数の床とを備える。
【0036】
複数の床の各床は、複数の流れ分配器の対応する流れ分配器を通って流体を受け取り、複数のチャネルの別の対応する流れ分配器に流体を排出するように構成される、請求項1~3のいずれかに記載の装置。
【0037】
いくつかの実施形態において、前記液体資源は、並列にあるイオン交換材料の前記複数の床を通って流れる。いくつかの実施形態において、前記液体資源は、直列にあるイオン交換材料の前記複数の床を通って流れる。いくつかの実施形態において、イオン交換材料の前記床は、構造支持体を有する前記容器の内側に取り付けられる。
【0038】
本明細書に記載される態様は、液体資源からリチウムを抽出するための装置であり、上記装置は、イオン交換材料の床と、液位センサーを使用して制御される大量のガスとを含む容器を備える。本明細書に記載される別の態様は、液体資源からリチウムを抽出するための装置であり、上記装置は、イオン交換材料が充填された内部区画を含む円筒形容器であって、前記液体資源が、前記円筒形容器に対して半径方向に配向される方向に前記イオン交換材料を通って流れるように配置された円筒形容器を備える。本明細書に記載される別の態様は、液体資源からリチウムを抽出するための装置であり、上記装置は、2つの同心円状の円筒構造の間に位置するイオン交換材料を収容する円筒形容器を備える。本明細書に記載される別の態様は、液体資源からリチウムを抽出するための装置であり、上記装置は、容器を備え、イオン交換材料と、容器の中心付近の穿孔パイプとを含み、容器に対して半径方向に配向された方向にイオン交換材料を通る前記液体資源の流れを容易にする。本明細書に記載される別の態様は、液体資源からリチウムを抽出するための装置であり、上記装置は、内部円筒形容器と外部円筒形容器とを備え、イオン交換材料が前記内部円筒形容器と前記外部円筒形容器との間に収容される。本明細書に記載される別の態様は、液体資源からリチウムを抽出するための装置であり、上記装置は、外部の同心円状の円筒構造と内部の同心円状の円筒構造との間に位置するイオン交換材料を収容する円筒形容器を備え、円筒形容器への入口は、内部の同心円状の円筒構造によって画定される内部容積と流体連通しており、前記液体資源は、円筒形容器に入って内部容積に至り、円筒形容器を出る前に、内部の同心円状の円筒構造、イオン交換材料、および外部の同心円状の円筒構造を通過するように構成される。
【0039】
いくつかの実施形態において、本明細書に記載される装置に関して、前記内部円筒形容器および前記外部円筒形容器は、前記イオン交換材料を通る前記液体資源の流れを容易にするために透過性である。いくつかの実施形態において、本明細書に記載される装置に関して、前記内部円筒形容器および前記外部円筒形容器は、前記容器の内側に前記イオン交換材料を収容しつつ、前記イオン交換材料を通る前記液体資源の流れを容易にするために、穴、スリット、ノズル、メッシュ、またはそれらの組み合わせで固定される。いくつかの実施形態において、本明細書に記載される装置に関して、前記液体資源は、前記容器の外側付近から前記容器の内側付近まで前記イオン交換材料を通って半径方向に流れる。いくつかの実施形態において、本明細書に記載される装置について、前記液体資源は、前記容器の内側付近から前記容器の外側付近まで前記イオン交換材料を通って半径方向に流れる。
【0040】
本明細書に記載される態様は、液体資源からリチウムを抽出するための装置であり、上記装置は、内部流れ分配器を含み、イオン交換材料を収容する容器を備える。本明細書に記載される別の態様は、液体資源からリチウムを抽出するための装置であり、上記装置は、イオン交換材料が充填された容器を備え、前記液体資源は、前記容器の2つの対向する端部の近くに位置する複数の流れ分配器から前記容器に入り、前記容器の前記2つの対向する端部の間の中心点の近くに位置する1つ以上の流れ分配器から前記容器を出る。本明細書に記載される装置の別の態様は、液体資源からリチウムを抽出するための装置であり、上記装置は、イオン交換材料が充填された容器を備え、前記液体資源は、前記容器の2つの対向する端部の近くに位置する複数の流れ分配器から前記容器を出て、前記容器の前記2つの対向する端部の間の中心点の近くに位置する1つ以上の流れ分配器から前記容器に入る。
【0041】
本明細書に記載される態様は、液体資源からリチウムを抽出するための装置であり、上記装置は、1つ以上のキャンドルを含む容器を備え、前記キャンドルはそれぞれ、前記液体資源の流れに対して透過性であり、イオン交換材料を含む2つの同心構造を含む。本明細書に記載される別の態様は、液体資源からリチウムを抽出するための装置であり、上記装置は、1つ以上のキャンドルを含む容器を備え、前記キャンドルはそれぞれ、前記液体資源の流れに対して透過性であり、イオン交換材料を含む2つの同心円状の円筒構造を含む。
【0042】
いくつかの実施形態において、本明細書に記載される装置について、前記液体資源は、前記容器に流入し、外部同心構造を通過し、イオン交換材料を通過し、内部同心構造を通過し、その後、容器を出る。いくつかの実施形態において、本明細書に記載される装置について、前記液体資源は、前記容器に流入し、内部同心構造を通過し、イオン交換材料を通過し、外部同心構造を通過し、その後、容器を出る。いくつかの実施形態において、本明細書に記載される装置について、前記キャンドルの数は4を超える。いくつかの実施形態において、本明細書に記載される装置について、前記キャンドルの数は8を超える。いくつかの実施形態において、本明細書に記載される装置について、前記キャンドルの数は20を超える。いくつかの実施形態において、本明細書に記載される装置について、前記キャンドルの数は50を超える。いくつかの実施形態において、本明細書に記載される装置について、前記キャンドルの数は100を超える。
【0043】
本明細書に記載される態様は、液体資源からリチウムを抽出するための装置であり、上記装置は、イオン交換材料およびフィラー材料が充填された容器を備える。本明細書に記載される別の態様は、液体資源からリチウムを抽出するための装置であり、上記装置は、容器を備え、容器は、容器の上部および/または下部の近くにフィラー材料が充填され、イオン交換材料も充填されている。本明細書に記載される別の態様は、液体資源からリチウムを抽出するための装置であり、上記装置は、一緒に混合されたイオン交換材料およびフィラー材料が充填された容器を備える。本明細書に記載される別の態様は、液体資源からリチウムを抽出するための装置であり、上記装置は、イオン交換材料と、イオン交換材料全体の圧力を低下させるためにイオン交換材料と混合されたフィラー材料とが充填された容器を備える。本明細書に記載される別の態様は、液体資源からリチウムを抽出するための装置であり、上記装置は、イオン交換材料と、イオン交換材料の床の強度を改善するためにイオン交換材料と混合されたフィラー材料とが充填された容器を備える。
【0044】
いくつかの実施形態において、前記フィラー材料は酸とブラインに対して不活性である。いくつかの実施形態において、前記フィラー材料はポリマーまたはセラミックから構築される。いくつかの実施形態において、前記フィラー材料はイオン交換材料を含有する細孔を有する。いくつかの実施形態において、前記フィラー材料はイオン交換材料を含む10ミクロンよりも大きい小さい細孔を有する。いくつかの実施形態において、前記フィラー材料はイオン交換材料を含む100ミクロンよりも大きい小さい細孔を有する。いくつかの実施形態において、前記フィラー材料はイオン交換材料を含む1ミリメートルよりも大きい小さい細孔を有する。いくつかの実施形態において、前記フィラー材料はイオン交換材料を含む1センチメートルよりも大きい小さい細孔を有する。いくつかの実施形態において、前記フィラー材料はイオン交換材料を含む1センチメートルよりも大きい細孔を有する。いくつかの実施形態において、前記フィラー材料はイオン交換材料を含む10センチメートルよりも大きい細孔を有する。いくつかの実施形態において、前記フィラー材料は、イオン交換材料を含有する約10ミクロンまたは約100ミクロンよりも大きい細孔を有する。いくつかの実施形態において、前記フィラー材料は、イオン交換材料を含有する約1ミリメートル、約1センチメートル、または約10センチメートルよりも大きい細孔を有する。いくつかの実施形態において、前記フィラー材料は、イオン交換材料を含有する約10センチメートルまたは約25センチメートルよりも大きい細孔を有する。いくつかの実施形態において、前記フィラー材料は、イオン交換材料を含有する約10ミクロンまたは約100ミクロンよりも小さい細孔を有する。いくつかの実施形態において、前記フィラー材料は、イオン交換材料を含有する約1ミリメートル、約1センチメートル、または約10センチメートルよりも小さい大きい細孔を有する。いくつかの実施形態において、前記フィラー材料は、イオン交換材料を含有する約10センチメートルまたは約25センチメートルよりも小さい大きい細孔を有する。いくつかの実施形態において、前記フィラー材料は剛性の足場である。
【0045】
本明細書に記載される態様は、液体資源からリチウムを抽出するための装置であり、上記装置は、本明細書に記載される容器に対応する複数の容器のネットワークを含む。本明細書に記載される別の態様は、液体資源からリチウムを抽出するための装置であり、上記装置は、本明細書に記載される容器に対応する複数の容器のネットワークを含み、ブラインは1つの容器を通って別の容器へ流れる。本明細書に記載される別の態様は、液体資源からリチウムを抽出するための装置であり、上記装置は、本明細書に記載される容器に対応する複数の容器のネットワークを含み、ブラインは、1つの容器を通って、ブラインのpHを上昇させるユニットを通って、別の容器に流れる。本明細書に記載される別の態様は、液体資源からリチウムを抽出するための装置であり、上記装置は、本明細書に記載される容器に対応する複数の容器のネットワークを含み、ブラインは、1つの容器を通って、ブラインのpHを上昇させるユニットを通って、別の容器に流れる。液体資源からリチウムを抽出するための装置は、本明細書に記載される容器に対応する複数の容器のネットワークを含み、前記液体資源は、複数の容器のうちの1つ以上の容器を通って連続的に流れる。
【0046】
いくつかの実施形態において、本明細書に記載される装置について、イオン交換材料は多孔質イオン交換ビーズを含む。いくつかの実施形態において、本明細書に記載される装置について、前記イオン交換材料は、50ミクロン~100ミクロンの平均直径を有する多孔質イオン交換ビーズを含む。いくつかの実施形態において、本明細書に記載される装置について、前記イオン交換材料は、100ミクロン~200ミクロンの平均直径を有する多孔質イオン交換ビーズを含む。いくつかの実施形態において、本明細書に記載される装置について、前記イオン交換材料は、200ミクロン~300ミクロンの平均直径を有する多孔質イオン交換ビーズを含む。いくつかの実施形態において、本明細書に記載される装置について、前記イオン交換材料は、200ミクロン~400ミクロンの平均直径を有する多孔質イオン交換ビーズを含む。いくつかの実施形態において、本明細書に記載される装置について、前記イオン交換材料は、400ミクロン~600ミクロンの平均直径を有する多孔質イオン交換ビーズを含む。いくつかの実施形態において、本明細書に記載される装置について、前記イオン交換材料は、400ミクロン~800ミクロンの平均直径を有する多孔質イオン交換ビーズを含む。いくつかの実施形態において、本明細書に記載される装置について、前記イオン交換材料を通る前記液体資源の流れは、前記イオン交換材料に20psi未満の圧力をかける。いくつかの実施形態において、本明細書に記載される装置について、前記イオン交換材料を通る前記液体資源の流れは、前記イオン交換材料に50psi未満の圧力をかける。いくつかの実施形態において、本明細書に記載される装置について、前記イオン交換材料を通る前記液体資源の流れは、前記イオン交換材料に100psi未満の圧力をかける。いくつかの実施形態において、本明細書に記載される装置について、前記イオン交換材料を通る前記液体資源の流れは、前記イオン交換材料に200psi未満の圧力をかける。いくつかの実施形態において、本明細書に記載される装置について、装置はさらに、システム内の液体資源のpHを上昇させるためのpH調節機構を備える。いくつかの実施形態において、本明細書に記載される装置について、装置はさらに、流体(例えば、液体資源)を中和するためにシステム内での液体資源のpHを上昇させるためのpH調節機構を含む。いくつかの実施形態において、本明細書に記載される装置について、穿孔材料はイオン交換材料を固定化するために使用される。いくつかの実施形態において、本明細書に記載される装置について、メッシュ材料はイオン交換材料を固定化するために使用される。いくつかの実施形態において、本明細書に記載される装置について、穿孔材料およびメッシュ材料はイオン交換材料を固定化するために使用される。いくつかの実施形態において、本明細書に記載される装置について、イオン交換材料はプロトンを放出しながらブラインからリチウムを吸収する。いくつかの実施形態において、本明細書に記載される装置について、前記イオン交換材料は、ブラインからリチウムを充填され、その後、リチウムは、酸を使用して前記イオン交換材料から溶出される。いくつかの実施形態において、本明細書に記載される装置について、前記イオン交換材料は、ポリマーまたはセラミック材料で構築されたノズル、スリット、穴、またはメッシュを使用して前記容器内に収容される。いくつかの実施形態において、本明細書に記載される装置について、前記イオン交換材料は、ポリエーテルエーテルケトン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスルホン、ポリエステル、ポリアミド、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、エチレンテトラフルオロエチレン、ステンレス鋼、コーティングされたステンレス鋼、ポリマーでコーティングされたステンレス鋼、チタン、高ニッケル合金、またはそれらの組み合わせで構築されたノズル、スリット、穴、メッシュ、またはそれらの組み合わせを使用して、前記容器内に収容される。いくつかの実施形態において、本明細書に記載される装置について、前記イオン交換材料は、LiFePO、LiMnPO、LiMO(M=Ti、Mn、Sn)、LiTi12、LiMn12、LiMn、Li1.6Mn1.6、LiMO(M=Al、Cu、Ti)、LiTiO、LiTi1124、LiVO、LiSi、LiCuP、これらの修飾物、これらの固溶体、またはこれらの組み合わせから選択される。いくつかの実施形態において、本明細書に記載される装置について、前記イオン交換材料は、酸化物、ポリマー、またはこれらの組み合わせから選択されるコーティングを用いてコーティングされたイオン交換材料である。いくつかの実施形態において、本明細書に記載される装置について、前記イオン交換材料は、SiO、TiO、ZrO、ポリフッ化ビニリデン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリブタジエン、ポリジビニルベンゼン、またはこれらの組み合わせから選択されるコーティングを用いてコーティングされたイオン交換材料である。いくつかの実施形態において、本明細書に記載される装置について、前記液体資源は、天然ブライン、前処理ブライン、溶解塩原(salt flat)、海水、濃縮海水、脱塩流出液、濃縮ブライン、加工ブライン、油田ブライン、イオン交換プロセスからの液体、溶媒抽出プロセスからの液体、合成ブライン、鉱石もしくは鉱石の組み合わせからの浸出液、鉱物もしくは鉱物の組み合わせからの浸出液、粘土もしくは粘土の組み合わせからの浸出液、リサイクル製品からの浸出液、リサイクル材料からの浸出液、またはそれらの組み合わせである。
【0047】
引用による組み込み
本明細書で言及されるすべての公開物、特許、および特許出願は、あたかも個々の公開物、特許、または特許出願がそれぞれ参照により本明細書に具体的かつ個別に組み込まれるのと同じ程度にまで、参照により本明細書に組み込まれている。
【図面の簡単な説明】
【0048】
本発明の新規な特徴は添付の特許請求の範囲で詳細に記載されている。本発明の特徴と利点をより良く理解するには、本発明の原理が用いられる例示的な実施形態を説明する以下の詳細な説明と添付図面とを参照されたい。
図1】イオン交換ビーズが充填された1つ以上のフィルターバンクを有する容器を備えるリチウム抽出装置を例示する。
図2】イオン交換ビーズが充填された1つ以上の液面制御装置を有する容器を備えるリチウム抽出装置を例示する。
図3】最小限の流動抵抗を有する少なくとも1つの半径流充填イオン交換床を有する容器を備えるリチウム抽出装置を例示する。
図4】イオン交換ビーズが充填されたトレイを有する容器を備えるリチウム抽出装置を例示する。
図5】内部流れ分配器を有するイオン交換ビーズを有する容器を備えるリチウム抽出装置を例示する。
図6】イオン交換ビーズが充填された内部流れ分配器を有する容器を備えるリチウム抽出装置を例示する。
図7】不活性フィラー材料を共充填したイオン交換ビーズを充填した液面制御装置を有する容器を備えるリチウム抽出装置を例示する。
図8】イオン交換ビーズおよび不活性充填剤が充填された液面制御装置を有する容器を備えるリチウム抽出装置を例示する。
図9】pH調節ユニットに接続されたイオン交換ビーズが充填されたフィルターバンクを有する容器のネットワークを備えるリチウム抽出装置を例示する。
図10】pH調節ユニットに接続されたイオン交換ビーズが充填された液面制御装置を有する容器のネットワークを備えるリチウム抽出装置を例示する。
図11】pH調節ユニットに接続された半径流充填イオン交換床を有する容器のネットワークを備えるリチウム抽出装置を例示する。
図12】pH調節ユニットに接続されたイオン交換ビーズが充填されたトレイを含む容器のネットワークを備えるリチウム抽出装置を例示する。
図13】pH調節ユニットに接続された内部流れ分配器を有するイオン交換ビーズを有する容器のネットワークを備えるリチウム抽出装置を例示する。
図14】pH調節ユニットに接続されたイオン交換ビーズが充填されたフィルターバンクを有する容器のネットワークを備えるリチウム抽出装置を例示する。
図15】膜間に含まれ、螺旋状に巻かれたイオン交換ビーズの床を有する容器のネットワークを備えるリチウム抽出装置を例示する。
図16】イオン交換床を形成するための装置を用いて形成されたイオン交換ビーズの床を備えるリチウム抽出装置を例示する。
図17】pH調節ユニットに接続された、半径流構造のイオン交換ビーズの床を含む、容器のネットワークを備えるリチウム抽出装置を例示する。
図18】内部流れ分配器を有するイオン交換ビーズを有する容器のネットワークを備えるリチウム抽出装置を例示する。
【発明を実施するための形態】
【0049】
リチウムは電池や他のテクノロジーに必須の要素である。リチウムは、鉱物、粘土、およびリサイクル製品からの天然および合成のブラインおよび浸出液溶液を含む様々な液体資源で見られる。リチウムは、無機のイオン交換材料に基づくイオン交換プロセスを使用してそのような液体資源から抽出される。これらの無機のイオン交換材料は水素を放出しながら液体資源からリチウムイオンを吸収し、その後、水素を吸収しつつ酸の中のリチウムを溶出する。このイオン交換プロセスは、液体資源からリチウムイオンを抽出し、かつ濃縮されたリチウムイオン溶液を生成するために任意選択で繰り返される。濃縮されたリチウムイオン溶液はさらに、電池産業または他の産業用の化学薬品へと任意選択で処理される。
【0050】
イオン交換粒子、イオン交換材料、イオン交換媒体、多孔質イオン交換ビーズ、および/またはコーティングされたイオン交換粒子を含むイオン交換ビーズは、イオン交換容器に充填される。ブライン、酸、および他の溶液の交互の流れは、ブラインからリチウムを抽出し、酸を使用してカラムまたは容器から溶出されるリチウム濃縮物を生成するために、任意選択でイオン交換カラムまたは容器を通って流れる。ブラインがイオン交換カラムまたは容器を通って流れると、ビーズは水素を放出しながらリチウムを吸収し、リチウムおよび水素の両方はカチオンである。ビーズがリチウムを吸収した後、酸が使用されてイオン交換ビーズからリチウムを溶出し、溶出液またはリチウム濃縮溶液を生成する。
【0051】
イオン交換ビーズは、約1ミリメートル以下の小さい直径を有し得、床を通して液体資源および他の流体をポンプ輸送する間に、ビーズの充填床にわたって高い圧力差を引き起こす。充填床の圧力を最小限に抑え、関連するポンプエネルギーを最小限に抑えるために、最適化された幾何学的形状を有する容器が使用されることで、イオン交換ビーズの充填床を通る流動距離を減少させる。これらの容器は、液体資源のpHの適切な制御を達成するためにpH調節ユニットとネットワーク化され得る。いくつかの実施形態において、イオン交換材料が充填された容器のネットワークは、2個の容器、3個の容器、4個の容器、5個の容器、6個の容器、7個の容器、8個の容器、9個の容器、10個の容器、11個の容器、12個の容器、13~14個の容器、15~20個の容器、20~30個の容器、30~50個の容器、50~70個の容器、70~100個の容器、または100個を超える容器を含む。
【0052】
充填床の圧力を最小限に抑えることは、イオン交換ビーズによるリチウム抽出の効率を最大にするために重要である。例えば、平均粒径が約0.5mmのイオン交換ビーズは、長さ1mの流浴槽を有する床に配置される。ブラインを前記床に流すと、生じる圧力低下は75psiであり、ブライン中の利用可能なリチウムの80%が回収される。実施例4に示すように、平均粒径が約0.25mmのイオン交換ビーズを長さ1mの流浴槽を有する床に配置すると、ブラインを流したときに生じる圧力低下は100psiとなり、商業的使用には実用的ではない。その代わりに、これらのビーズは、本特許に記載されるように、最小流動距離のために設計された容器を使用して、4個の25cm床に配置される。このような容器を使用する場合、圧力低下はわずか25psiであり、ブライン中のリチウムの90%が回収される。したがって、イオン交換床の最小限の流れ距離のために設計された容器の使用は、性能を改善し、イオン交換によるリチウム抽出の商業的実施の成功を容易にすることができる。
【0053】
イオン交換の性能を最大化することは、イオン交換によるリチウム生成に有利である。イオン交換ビーズでの液体の流れに対する抵抗を最小限に抑えることによってイオン交換の性能を最大限にするためのシステムならびに関連する方法およびプロセスが本明細書に開示される。いくつかの実施形態において、リチウムが抽出される液体資源、イオン交換ビーズの洗浄に使用される水、およびリチウムを溶出するために使用される酸を含む、イオン交換床を流れる液体の流れ抵抗を最小限に抑えることは、イオン交換床を通るポンプ輸送に関連するエネルギーを低減し、プロセス性能パラメータを改善する。いくつかの実施形態において、そのような改善された性能は、本明細書に記載される容器およびシステムにおいて使用されるイオン交換材料を超える同量の液体の流れでは、より低い圧力低下になることで明らかにされる。いくつかの実施形態において、そのような改善された性能は、本明細書に記載される容器およびシステムにおいて使用するイオン交換材料を超える同量の液体の流れでは、より高いリチウム生成速度によって明らかにされる。いくつかの実施形態において、そのような改善された性能は、本明細書に記載される容器およびシステムにおいて使用するイオン交換材料を超える同量の液体の流れでは、精製されたリチウムのより高いリチウム純度によって明らかにされる。
【0054】
最小限の流動距離を有するイオン交換ビーズの床用の容器
イオン交換を使用するリチウムの商業的生産のためには、大量のイオン交換ビーズを含む大規模イオン交換モジュールを構築することが望ましい。しかしながら、約1トン以上のイオン交換ビーズを保持することができる大部分の大型容器は、約1メートル以上の大きな流体流動距離を有する。これらの流体流動距離は、大きな圧力低下を引き起こす。イオン交換床における圧力低下を低減するために、イオン交換ビーズが容器に充填され、より短い流体流動距離でイオン交換ビーズを横断する流れを促進する。これらの容器は、イオン交換ビーズを通る液体資源および他の流体の流れを均等に分配するように設計されている。
【0055】
いくつかの実施形態において、容器は、垂直に、水平に、または水平軸に対して任意の角度で配向される。いくつかの実施形態において、容器は、円筒形、長方形、球形、別の形状、またはそれらの組み合わせである。いくつかの実施形態において、容器は、一定の断面積または変化する断面積を有することができる。
【0056】
いくつかの実施形態において、容器は、約0.1未満、0.5未満、約1未満、約2未満、約5未満、約10未満、約0.1超、約0.5超、約1超、約2超、約5超、約10超の高さ対直径比を有する。1つの実施形態において、容器内部は、ポリマーまたはゴム材料でコーティングされる。1つの実施形態において、容器には出口収集トレイを装備される。1つの実施形態において、容器は、入口または出口の流れのための複数の注入ポートを有する。1つの実施形態において、流れは、容器の下部、上部、中央部、またはそれらの組み合わせから導入される。1つの実施形態において、容器は、流体ジェットを遮断するためのバッフルまたはプレートを装備されている。
【0057】
最小限の流動抵抗を有するイオン交換材料の充填床に使用される容器の種類は、実施例1~18および関連する図1~18に記載されている。
【0058】
最小限の流動距離を有する容器内に含まれるイオン交換ビーズ
いくつかの実施形態において、そのような容器内に含まれるイオン交換ビーズの平均粒径は、約10μm未満、約20μm未満、約30μm未満、約40μm未満、約50μm未満、約60μm未満、約70μm未満、約80μm未満、約90μm未満、約100μm未満、約200μm未満、約300μm未満、約400μm未満、約500μm未満、約600μm未満、約700μm未満、約800μm未満、約900μm未満、約1000μm未満、約2000μm未満である。いくつかの実施形態において、イオン交換ビーズの平均粒径は、約10μm超、約20μm超、約30μm超、約40μm超、約50μm超、約60μm超、約70μm超、約80μm超、約90μm超、約100μm超、約200μm超、約300μm超、約400μm超、約500μm超、約600μm超、約700μm超、約800μm超、約900μm超、約1000μm超、約2000μm超である。いくつかの実施形態において、イオン交換ビーズの典型的な粒径は、約10μm~約20μm、約20μm~約40μm、約40μm~約80μm、約80μm~約200μm、約100μm~約400μm、約200μm~約800μm、約400μm~約1000μm、約600μm~約2000μm、約1000μm~約2000μmである。
【0059】
いくつかの実施形態において、そのような容器内に含まれるイオン交換ビーズは、イオン交換プロセスを受けない不活性ビーズと共充填される。これは、図7および8ならびに関連する実施例7および8に例示されている。イオン交換ビーズと不活性ビーズとのそのような共充填は、プロセス流体のより最適な流れ分布、および/またはイオン交換ビーズの床を通る流れに対する抵抗の減少に役立つことができる。いくつかの実施形態において、不活性ビーズは、イオン交換ビーズに隣接して容器に充填されてもよく、イオン交換ビーズと混合されてもよく、またはそれらの組み合わせであってもよい。いくつかの実施形態において、不活性ビーズは、ポリマー、セラミック、金属、炭化物、窒化物、酸化物、リン酸塩、フッ化物、ポリマー、炭素、炭素質材料、またはそれらの組み合わせからなる。さらなる態様において、不活性ビーズはコーティングされる。いくつかの実施形態において、コーティング材料は、クロロ-ポリマー、フルオロ-ポリマー、クロロ-フルオロ-ポリマー、親水性ポリマー、疎水性ポリマー、それらのコポリマー、それらの混合物、またはそれらの組み合わせを含む。さらなる態様において、コーティング材料は、コポリマー、ブロックコポリマー、線形ポリマー、分岐ポリマー、架橋ポリマー、熱処理ポリマー、溶液処理ポリマー、それらのコポリマー、それらの混合物、またはそれらの組み合わせを含む。さらなる態様において、コーティング材料は、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリアミドの種類、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリスルホン、ポリフッ化ビニリデン(polyvinylidene fluoride)(PVDF)、ポリ(4-ビニルピリジン-co-スチレン)(PVPCS)、ポリスチレン(PS)、ポリブタジエン、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリ塩化ビニル(PVC)、エチレンテトラフルオロエチレンポリマー(ETFE)、ポリ(クロロトリフルオロエチレン)(PCTFE)、エチレンクロロトリフルオロエチレン(Halar)、ポリフッ化ビニル(PVF)、フッ素化エチレン-プロピレン(FEP)、全フッ素置換エラストマー、クロロトリフルオロエチレンビニリデンフルオライド(FKM)、ペルフルオロポリエーテル(PFPE)、ペルフルオロ-3,6-ジオキサ-4-メチル-7-オクテン-スルホン酸(NAFION(登録商標)(ペルフルオロ-3,6-ジオキサ-4-メチル-7-オクテン-スルホン酸、およびテトラフルオロエチレンのコポリマー))、ポリエチレンオキシド、ポリエチレングリコール、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチレン-ブロック-ポリ(エチレングリコール)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリクロロプレン(ネオプレン)、ポリビニルブチラール(PVB)、発泡ポリスチレン(EPS)、ポリジビニルベンゼン、これらのコポリマー、これらの混合物、またはこれらの組み合わせを含む。さらなる態様において、コーティング材料は、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリ塩化ビニル(PVC)、エチレンクロロトリフルオロエチレン(Halar)、ポリ(4-ビニルピリジン-co-スチレン)(PVPCS)、ポリスチレン(PS)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、発泡ポリスチレン(EPS)、ポリフェニレンスルフィド、スルホン化ポリマー、カルボキシル化ポリマー、他のポリマー、これらのコポリマー、これらの混合物、またはこれらの組み合わせを含む。1つの実施形態において、コーティング材料は低密度ポリエチレンを含む。1つの実施形態において、コーティング材料はポリプロピレンを含む。1つの実施形態において、コーティング材料はポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を含む。1つの実施形態において、コーティング材料はポリフッ化ビニリデン(PVDF)を含む。1つの実施形態において、コーティング材料は、ポリ塩化ビニル(PVC)を含む。1つの実施形態において、コーティング材料はエチレンテトラフルオロエチレンポリマー(ETFE)を含む。
【0060】
いくつかの実施形態において、不活性ビーズの平均粒径は、約10μm未満、約20μm未満、約30μm未満、約40μm未満、約50μm未満、約60μm未満、約70μm未満、約80μm未満、約90μm未満、約100μm未満、約200μm未満、約300μm未満、約400μm未満、約500μm未満、約600μm未満、約700μm未満、約800μm未満、約900μm未満、約1000μm未満、約2000μm未満である。いくつかの実施形態において、不活性なビーズの平均粒径は、約10μm超、約20μm超、約30μm超、約40μm超、約50μm超、約60μm超、約70μm超、約80μm超、約90μm超、約100μm超、約200μm超、約300μm超、約400μm超、約500μm超、約600μm超、約700μm超、約800μm超、約900μm超、約1000μm超、約2000μm超である。いくつかの実施形態において、不活性ビーズの典型的な粒径は、約10μm~約20μm、約20μm~約40μm、約40μm~約80μm、約80μm~約200μm、約100μm~約400μm、約200μm~約800μm、約400μm~約1000μm、約600μm~約2000μm、約1000μm~約2000μmである。
【0061】
いくつかの実施形態において、そのような容器内に含まれるイオン交換ビーズは、溶解性粒子と同時充填される。いくつかの実施形態において、溶解性粒子は、炭酸塩、硫酸塩、塩化物、フッ化物、臭化物、リン酸塩、硝酸塩、有機アニオン、ポリマー、またはそれらの組み合わせを含むことができる。いくつかの実施形態において、溶解性粒子は、ナトリウム、アンモニウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、リチウム、アルミニウム、またはそれらの組み合わせを含むことができる。いくつかの実施形態において、溶解性粒子は、床への同時充填後にイオン交換床から溶解される。いくつかの実施形態において、溶解は、水、酸、塩基、またはこれらの組み合わせでの処理により達成される。いくつかの実施形態において、溶解は、高温での水、酸、塩基、またはこれらの組み合わせによる処理によって達成される。いくつかの実施形態において、溶解のために使用される酸は、塩酸、リン酸、硫酸、クエン酸、酢酸、硝酸、炭酸、またはこれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態において、溶解のために使用される塩基は、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、またはその組み合わせを含む。
【0062】
流体流が半径方向に配向される、イオン交換ビーズの床のための容器を含む実施形態
いくつかの実施形態において、上記のイオン交換ビーズまたは不活性ビーズを収容する容器は、複数の同心壁:容器のすべての内部構成要素を含む外壁、外部穿孔壁、および内部穿孔壁で構成される。外壁の寸法は、内部穿孔壁の寸法よりも大きい外部穿孔壁の寸法よりも大きい。いくつかの実施形態において、イオン交換ビーズは、内部穿孔壁と外部穿孔壁との間の空間によって形成される区画に収容される。いくつかの実施形態において、液体の流れは、イオン交換ビーズ区画への、およびイオン交換ビーズ区画からの、内部穿孔壁の内部の空間を通って生じる。いくつかの実施形態において、液体の流れは、外部容器壁と外部穿孔壁との間の空間を通って、イオン交換ビーズ区画へ、およびイオン交換ビーズ区画から生じる。このような容器は、実施例3および11、ならびに関連する図3および11に記載されている。
【0063】
いくつかの実施形態において、前記容器は、すべてのイオン交換媒体が外部穿孔壁内に収容されるように、内部穿孔壁を収容しない。いくつかの実施形態において、前記容器は外部穿孔壁を収容せず、すべてのイオン交換媒体は容器の外壁内に収容され、内部穿孔壁を囲むようになっている。
【0064】
いくつかの実施形態において、液体資源の流れは、以下のように容器の内外で生じる。外部穿孔壁によって形成された区画の上部および下部から、容器の外壁は、外部穿孔壁を通って、イオン交換ビーズを含む区画に入り、上記区画を通って、内部穿孔壁を通って、内部穿孔壁によって形成された区画の上部および下部から出る。いくつかの実施形態において、液体資源の流れは、以下のように容器の内外で生じる。流れは内部穿孔壁によって形成された区画の上部および下部から、内部穿孔壁を通って、イオン交換ビーズを含む区画に入り、上記区画を通って、外部穿孔壁を通って、外部穿孔壁および容器の外壁によって形成された区画から出る。この後者のシナリオを図3および関連する実施例3において例示される。
【0065】
いくつかの実施形態において、酸性溶液の流れは、以下のように容器の内外で生じる。外部穿孔壁によって形成された区画の上部および下部から、容器の外壁は、外部穿孔壁を通って、イオン交換ビーズを含む区画に入って上記区画を通って、内部穿孔壁を通って、内部穿孔壁によって形成された区画の上部および下部から出る。いくつかの実施形態において、酸性溶液の流れは、以下のように容器の内外で生じる。流れは、内部穿孔壁によって形成された区画の上部および下部から、内部穿孔壁を通って、イオン交換ビーズを含む区画に入り、上記区画を通って、外部穿孔壁を通って、外部穿孔壁および容器の外壁によって形成された区画から出る。
【0066】
いくつかの実施形態において、イオン交換ビーズを、リチウムを含有する液体資源と接触させ、より大きな直径の穿孔壁からより小さな直径の穿孔壁への流れが、イオン交換ビーズ床を超える可能な最短経路を通って生じ、結果として前記イオン交換ビーズによってリチウムが吸収される。いくつかの実施形態において、イオン交換ビーズを、リチウムを含有する液体資源と接触させ、図3および関連する実施例3に例示するように、より小さい直径の穿孔壁からより大きい直径の穿孔壁への流れが生じ、結果として前記イオン交換ビーズによってリチウムが吸収される。いくつかの実施形態において、リチウムを吸収したイオン交換ビーズを、酸からの水素イオンと接触させ、より大きい直径の穿孔壁からより小さい直径の穿孔壁への流れが生じ、結果として、吸収されたリチウムが放出され、リチウム溶出液が生成される。いくつかの実施形態において、リチウムを吸収したイオン交換ビーズを、酸からの水素イオンと接触させ、より小さい直径の穿孔壁からより大きい直径の穿孔壁への流れが生じ、結果として、吸収されたリチウムが放出され、リチウム溶出液が生成される。
【0067】
いくつかの実施形態において、イオン交換ビーズを、リチウムを含有する液体資源と接触させ、イオン交換ビーズを収容する区画の上部および下部から、より小さい直径の穿孔壁の中への流れが生じ、結果として、前記イオン交換ビーズによってリチウムが吸収される。いくつかの実施形態において、イオン交換ビーズを、リチウムを含有する液体資源と接触させ、より小さい直径の穿孔壁からイオン交換ビーズを収容する区画の上部および下部への流れが生じ、結果として前記イオン交換ビーズによってリチウムが吸収される。いくつかの実施形態において、イオン交換ビーズを、リチウムを含有する液体資源と接触させ、より小さい直径の穿孔壁からイオン交換ビーズを収容する区画の上部または下部への流れが生じ、結果として前記イオン交換ビーズによってリチウムが吸収される。いくつかの実施形態において、リチウムを吸収したイオン交換ビーズを、酸からの水素イオンと接触させ、イオン交換ビーズを収容する区画の上部および下部から、より小さい直径の穿孔壁の中への流れが生じ、結果として、吸収されたリチウムが放出され、リチウム溶出液が生成される。いくつかの実施形態において、リチウムを吸収したイオン交換ビーズを、酸からの水素イオンと接触させ、より小さい直径の穿孔壁からイオン交換ビーズを収容する区画の上部および下部への流れが生じ、結果として、吸収されたリチウムが放出され、リチウム溶出液が生成される。いくつかの実施形態において、リチウムを吸収したイオン交換ビーズを、酸からの水素イオンと接触させ、より小さい直径の穿孔壁からイオン交換ビーズを収容する区画の上部または下部への流れが生じ、結果として、吸収されたリチウムが放出され、リチウム溶出液が生成される。
【0068】
いくつかの実施形態において、イオン交換ビーズを含む区画は、容器の垂直長さに沿って一定の半径を有する均一な内径および外径の穿孔壁からなる。いくつかの実施形態において、イオン交換ビーズを含有する区画は、容器の垂直長さに沿って変動する流体流動距離をもたらすように、可変直径を有する内径および外径の穿孔壁からなり、したがって、イオン交換ビーズを収容する区画の流体流動の均等分布を促進する。1つの実施形態において、容器の中心におけるイオン交換床の長さ(その長手方向軸に対する)は最小であるが、容器の上部および下部におけるイオン交換床の長さ(その長手方向軸に対する)は最大である。別の実施形態において、容器の上部および下部におけるイオン交換床の長さ(その長手方向軸に対する)は最小であるが、容器の中心におけるイオン交換床の長さ(その長手方向軸に対する)は最大である。
【0069】
いくつかの実施形態において、イオン交換ビーズを収容する区画は、容器に対して半径方向に、より短い流路を横断して流れる流体と接触する。いくつかの実施形態において、イオン交換ビーズを収容する区画は、容器に対して軸方向に、より長い流路を横断して流れる流体と接触する。いくつかの実施形態において、イオン交換ビーズを収容する区画は、容器に対して半径方向および軸方向の両方で流体と接触する。
【0070】
1つの実施形態において、イオン交換区画は、イオン交換ビーズで部分的に充填され、その結果、イオン交換ビーズは、流体との接触中に、その収容区画内で自由に移動する。いくつかの実施形態において、反応容器内のイオン交換区画は、イオン交換ビーズが定位置に固定され、流体との接触中に収容区画内で自由に移動することができないように、イオン交換ビーズをその限度容量まで充填される。1つの実施形態において、反応容器内のイオン交換仕切りは、部分的に充填され、前記ビーズを特定の流体と接触させるときに生じるイオン交換ビーズの体積の変化によって完全に充填される。いくつかの実施形態において、容器は、イオン交換ビーズが、接触している流体(この流体の流れが、軸方向または半径方向に、外から内または内から外の方向に、上から下または下から上の方向に生じるにせよ)によって運搬されるイオン交換ビーズ区画に出入りすることができるように構成される。1つの実施形態において、イオン交換ビーズは、上部もしくは下部を通って軸方向に、または内部もしくは外部の穿孔壁を通って半径方向に、前記区画に充填し、および前記区画から取り除くことができる。
【0071】
いくつかの実施形態において、反応容器の主要長さは、約10cm未満、約20cm未満、約40cm未満、約60cm未満、約80cm未満、約100cm未満、約200cm未満、約400cm未満、約600cm未満、約800cm未満、約1m未満、約2m未満、約4m未満、約6m未満、約8m未満、約10m未満、約20m未満、約40m未満である。いくつかの実施形態において、反応容器の主要長さは、約10cm超、約20cm超、約40cm超、約60cm超、約80cm超、約100cm超、約200cm超、約400cm超、約600cm超、約800cm超、約1m超、約2m超、約4m超、約6m超、約8m超、約10m超、約20m超、約40m超である。いくつかの実施形態において、反応容器の典型的な長さは、約10cm~約20cm、約20cm~約40cm、約40cm~約80cm、約80cm~約2m、約1m~約4m、約2m~約8m、約4m~約10m、約6m~約20m、約10m~約40mである。
【0072】
いくつかの実施形態において、容器内の内部穿孔壁の典型的な半径は、約1cm未満、約2cm未満、約4cm未満、約6cm未満、約8cm未満、約10cm未満、約20cm未満、約40cm未満、約60cm未満、約80cm未満、約1m未満、約2m未満、約4m未満である。いくつかの実施形態において、容器内の内部穿孔壁の典型的な半径は、約1cm超、約2cm未満、約4cm未満、約6cm未満、約8cm未満、約10cm未満、約20cm未満、約40cm未満、約60cm未満、約80cm未満、約1m未満、約2m未満、約4m未満である。いくつかの実施形態において、容器内の内部穿孔壁の典型的な半径は、約1cm~約2cm、約2cm~約4cm、約4cm~約8cm、約8cm~約20cm、約20cm~約40cm、約40cm~約80cm、約80cm~約120cm、約120cm~約2m、約2m~約4m、約4m~約8mである。
【0073】
いくつかの実施形態において、容器内の外部穿孔壁の典型的な半径は、約1cm未満、約2cm未満、約4cm未満、約6cm未満、約8cm未満、約10cm未満、約20cm未満、約40cm未満、約60cm未満、約80cm未満、約1m未満、約2m未満、約4m未満である。いくつかの実施形態において、容器内の外部穿孔壁の典型的な半径は、約1cm超、約2cm未満、約4cm未満、約6cm未満、約8cm未満、約10cm未満、約20cm未満、約40cm未満、約60cm未満、約80cm未満、約1m未満、約2m未満、約4m未満である。いくつかの実施形態において、容器内の外部穿孔壁の典型的な半径は、約1cm~約2cm、約2cm~約4cm、約4cm~約8cm、約8cm~約20cm、約20cm~約40cm、約40cm~約80cm、約80cm~約120cm、約120cm~約2m、約2m~約4m、約4m~約8mである。
【0074】
いくつかの実施形態において、内部穿孔壁の開口部のサイズは、前記内部穿孔壁の長さおよび周囲全体にわたって一定またはほぼ一定である。いくつかの実施形態において、内部穿孔壁の開口部の直径は、前記内部穿孔壁の長さに沿って変化し、上部および下部で最大かつ中心で最小であり、中心で最大かつ上部および下部で最小であり、上部で最大かつ下部で最小であり、上部で最小かつ下部で最大であり、これらの組み合わせであり、またはランダムに分布する。いくつかの実施形態において、内部穿孔壁の開口部の寸法も、前記内部穿孔壁の周囲に沿って変化する。いくつかの実施形態において、入口流および出口流に対する、内部穿孔壁の長さおよび周囲に沿った細孔開口部サイズの選択は、イオン交換ビーズの床全体にわたる流れの均等な分布に利益をもたらし、流れ抵抗が最小限となることを保証する。いくつかの実施形態において、外部穿孔壁における平方センチメートル当たりの穿孔の数は、容器およびイオン交換ビーズを通る最適な流れ分布を達成するために、外部穿孔壁に沿って変化する。いくつかの実施形態において、外部穿孔壁上の開口部は、垂直または水平のスリット、正方形、十字、長方形、三角形、不規則形状、またはそれらの組み合わせとして成形される。いくつかの実施形態において、内部穿孔壁の開口部は、約10μm未満、約20μm未満、約30μm未満、約40μm未満、約50μm未満、約60μm未満、約70μm未満、約80μm未満、約90μm未満、約100μm未満、約200μm未満、約300μm未満、約400μm未満、約500μm未満、約600μm未満、約700μm未満、約800μm未満、約900μm未満、約1000μm未満、約2000μm未満の寸法のものである。いくつかの実施形態において、内部穿孔壁の穿孔開口部は、約10μm超、約20μm超、約30μm超、約40μm超、約50μm超、約60μm超、約70μm超、約80μm超、約90μm超、約100μm超、約200μm超、約300μm超、約400μm超、約500μm超、約600μm超、約700μm超、約800μm超、約900μm超、約1000μm超、約2000μm超の寸法のものである。いくつかの実施形態において、内部穿孔壁の穿孔開口部は、約10μm~約20μm、約20μm~約40μm、約40μm~約80μm、約80μm~約200μm、約100μm~約400μm、約200μm~約800μm、約400μm~約1000μm、約600μm~約2000μm、約1000μm~約2000μmの寸法のものである。
【0075】
いくつかの実施形態において、外部穿孔壁の開口部の寸法は、前記壁の長さおよび周囲全体にわたって一定またはほぼ一定である。いくつかの実施形態において、外部穿孔壁の開口部の寸法は、前記壁の長さに沿って変化し、上部および下部で最大かつ中心で最小であり、中心で最大かつ上部および下部で最小であり、上部で最大かつ下部で最小であり、上部で最小かつ下部で最大であり、これらの組み合わせであり、またはランダムに分布する。いくつかの実施形態において、外部穿孔壁の開口部の寸法も、前記壁の周囲に沿って変化する。いくつかの実施形態において、入口流および出口流に対する、外部穿孔壁の長さおよび周囲に沿った細孔開口部の寸法の選択は、イオン交換ビーズの床全体にわたる流れの均等な分布に利益をもたらし、最小限の流れ抵抗を保証する。いくつかの実施形態において、外部穿孔壁における1平方センチメートル当たりの穴の数は、容器およびイオン交換ビーズを通る最適な流れ分布を達成するために、外部壁に沿って変化する。いくつかの実施形態において、外部穿孔壁上の開口部は、円形、楕円形、垂直または水平のスリット、正方形、十字、長方形、三角形、不規則形状、またはそれらの組み合わせとして成形される。
【0076】
いくつかの実施形態において、外部穿孔壁の開口部は、約10μm未満、約20μm未満、約30μm未満、約40μm未満、約50μm未満、約60μm未満、約70μm未満、約80μm未満、約90μm未満、約100μm未満、約200μm未満、約300μm未満、約400μm未満、約500μm未満、約600μm未満、約700μm未満、約800μm未満、約900μm未満、約1000μm未満、約2000μm未満、約4000μm未満、約8000μm未満、または約10000μm未満の開口部を有する。いくつかの実施形態において、外部穿孔壁の開口部は、約10μm超、約20μm超、約30μm超、約40μm超、約50μm超、約60μm超、約70μm超、約80μm超、約90μm超、約100μm超、約200μm超、約300μm超、約400μm超、約500μm超、約600μm超、約700μm超、約800μm超、約900μm超、約1000μm超、約2000μm超、約4000μm超、約8000μm、または約10000μm超の寸法のものである。いくつかの実施形態において、外部穿孔壁の穿孔開口部は、約10μm~約20μm、約20μm~約40μm、約40μm~約80μm、約80μm~約200μm、約100μm~約400μm、約200μm~約800μm、約400μm~約1000μm、約600μm~約2000μm、約1000μm~約2000μm、約2000μm~約4000μm、約4000μm~約8000μm、約6000μm~約10000μmの寸法のものである。
【0077】
いくつかの実施形態において、外部穿孔壁および内部穿孔壁は、イオン交換ビーズ床の支持、化学的保護、濾過の補助、またはそれらの組み合わせを提供する多孔質仕切りによって囲まれる。いくつかの実施形態において、多孔質仕切りは多孔質ポリマー仕切りである。いくつかの実施形態において、多孔質仕切りはメッシュまたはポリマー膜である。いくつかの実施形態において、多孔質仕切りは、同様のまたは異なる組成の、同様のまたは異なる開口サイズの、同様のまたは異なる開口面積パーセントの1つ以上のメッシュを含む。いくつかの実施形態において、多孔質仕切りは、構造的支持および/または濾過能力を提供するように、1つ以上のメッシュを備える。いくつかの実施形態において、多孔質仕切りは、ポリエーテルエーテルケトンメッシュ、ポリプロピレンメッシュ、ポリエチレンメッシュ、ポリスルホンメッシュ、ポリエステルメッシュ、ポリアミドメッシュ、ポリテトラフルオロエチレンメッシュ、エチレンテトラフルオロエチレンポリマーメッシュ、ステンレス鋼メッシュ、ポリマーでコーティングされたステンレス鋼メッシュ、セラミックでコーティングされたステンレス鋼メッシュ、チタンメッシュ、またはこれらの組み合わせを含み、メッシュは粗いメッシュ、微細メッシュ、またはこれらの組み合わせである。
【0078】
いくつかの実施形態において、多孔質仕切りは、約1μm未満、約2μm未満、約5μm未満、約10μm未満、約20μm未満、約30μm未満、約40μm未満、約50μm未満、約60μm未満、約70μm未満、約80μm未満、約90μm未満、約100μm未満、約200μm未満、約300μm未満、約400μm未満、約500μm未満、約600μm未満、約700μm未満、約800μm未満、約900μm未満、約1000μm未満、約2000μm未満の典型的な特徴サイズの開口部からなる。いくつかの実施形態において、多孔質仕切りは、約1μm超、約2μm超、約5μm超、約10μm超、約20μm超、約30μm超、約40μm超、約50μm超、約60μm超、約70μm超、約80μm超、約90μm超、約100μm超、約200μm超、約300μm超、約400μm超、約500μm超、約600μm超、約700μm超、約800μm超、約900μm超、約1000μm超、約2000μm超の典型的な特徴サイズの開口部からなる。いくつかの実施形態において、多孔質仕切りは、約20μm~約40μm、約40μm~約80μm、約80μm~約200μm、約100μm~約400μm、約200μm~約800μm、約400μm~約1000μm、約600μm~約2000μm、約1000μm~約2000μmの典型的な特徴サイズの開口部からなる。いくつかの実施形態において、多孔質仕切りは、約1μm~約2μm、約2μm~約4μm、約4μm~約10μm、約10μm~約20μm、約20μm~約40μm、約40μm~約100μm、約100μm~約200μm、約200μm~約400μm、約400μm~約1000μm、約1000μm~約2000μmの典型的な特徴サイズの開口部からなる。いくつかの実施形態において、多孔質仕切りは、約1μm~約10μm、約10μm~約100μm、約100μm~約1000μm、約1000μm~約10000μmの典型的な特徴的なサイズの開口部からなる。
【0079】
いくつかの実施形態において、多孔質ポリマー仕切りの典型的な特徴的な開口部は、多孔質仕切りの長さに沿って変化する。いくつかの実施形態において、多孔質仕切りの特徴的な開口部の変化は、均一な垂直流が多孔質ポリマー仕切りの全長に沿って維持されるように選択される。いくつかの実施形態において、多孔質仕切りの特徴的な開口部の変化は、イオン交換床の特定の領域に流れを方向付けるように選択される。いくつかの実施形態において、多孔質ポリマー仕切りの孔径は、多孔質仕切りに沿って変化する。いくつかの実施形態において、多孔質ポリマー仕切りの細孔密度は、多孔質仕切りに沿って変化する。いくつかの実施形態において、多孔質ポリマー仕切りの流れ抵抗は、多孔質仕切りに沿って変化する。いくつかの実施形態において、多孔質ポリマー仕切りの細孔の数は、多孔質仕切りに沿って変化する。いくつかの実施形態において、多孔質ポリマー仕切りの厚さは、多孔質仕切りに沿って変化する。いくつかの実施形態において、多孔質ポリマー仕切りは、多孔質ポリマー仕切りを介する圧力低下を制御するために、1つ以上の軸に沿って変化する。
【0080】
いくつかの実施形態において、多孔質仕切りの開口部の寸法は、多孔質仕切りの長さに沿って変化する。いくつかの実施形態において、多孔質仕切りの開口部の寸法の変化は、均一な流れが多孔質仕切りの全長に沿って維持されるように選択される。いくつかの実施形態において、多孔質仕切りの開口部の変動は、イオン交換床の特定の領域に流れを方向付けるように選択される。いくつかの実施形態において、多孔質仕切りの孔径は、多孔質仕切りに沿って変化する。いくつかの実施形態において、多孔質仕切りの細孔密度は、多孔質仕切りに沿って変化する。いくつかの実施形態において、多孔質仕切りの流れの抵抗は、多孔質仕切りに沿って変化する。いくつかの実施形態において、多孔質仕切りの細孔の数は、多孔質仕切りに沿って変化する。いくつかの実施形態において、多孔質仕切りの厚さは、多孔質仕切りに沿って変化する。いくつかの実施形態において、多孔質仕切りは、多孔質仕切りを介する圧力低下を制御するために、1つ以上の軸に沿って変化する。
【0081】
いくつかの実施形態において、多孔質仕切りは、約1μm未満、約2μm未満、約5μm未満、約10μm未満、約20μm未満、約30μm未満、約40μm未満、約50μm未満、約60μm未満、約70μm未満、約80μm未満、約90μm未満、約100μm未満、約200μm未満、約300μm未満、約400μm未満、約500μm未満、約600μm未満、約700μm未満、約800μm未満、約900μm未満、約1000μm未満、約2000μm未満の典型的な特徴的なサイズである。いくつかの実施形態において、多孔質仕切りは、約1μm超、約2μm超、約5μm超、約10μm超、約20μm超、約30μm超、約40μm超、約50μm超、約60μm超、約70μm超、約80μm超、約90μm超、約100μm超、約200μm超、約300μm超、約400μm超、約500μm超、約600μm超、約700μm超、約800μm超、約900μm超、約1000μm超、約2000μm超の典型的な特徴サイズの開口部からなる。いくつかの実施形態において、多孔質仕切りは、約20μm~約40μm、約40μm~約80μm、約80μm~約200μm、約100μm~約400μm、約200μm~約800μm、約400μm~約1000μm、約600μm~約2000μm、約1000μm~約2000μmの典型的な特徴サイズの開口部からなる。いくつかの実施形態において、多孔質仕切りは、約1μm~約2μm、約2μm~約4μm、約4μm~約10μm、約10μm~約20μm、約20μm~約40μm、約40μm~約100μm、約100μm~約200μm、約200μm~約400μm、約400μm~約1000μm、約1000μm~約2000μmの典型的な特徴サイズの開口部からなる。いくつかの実施形態において、多孔質仕切りは、約1μm~約10μm、約10μm~約100μm、約100μm~約1000μm、約1000μm~約10000μmの典型的な特徴的なサイズの開口部からなる。
【0082】
いくつかの実施形態において、容器の内部構成要素は、リチウムを含有する液体資源、水素イオンを含有する酸、および容器の動作に必要とされる任意の他の流体のための流体流の最適な分布を提供するように構成される。いくつかの実施形態において、外部穿孔壁と容器の外壁との間に形成される区画は、外部穿孔壁を通ってイオン交換ビーズ区画に出入りする流れを分配するのに役立ち、この区画は、本明細書では外部流分配区画と呼ばれる。いくつかの実施形態において、外部穿孔壁の内部に形成される区画は、内部穿孔壁を通ってイオン交換ビーズ区画に出入りする流れを分配するのに役立ち、この区画は、本明細書では内部流分配区画と呼ばれる。
【0083】
1つの実施形態において、外部流分配区画および/または内部流分配区画は、空であるか、流体で部分的に充填されるか、もしくは流体で完全に充填されるか、またはそれらの組み合わせである。いくつかの実施形態において、外部流分配区画および/または内部流分配区画は、円筒形、長方形、球形、またはそれらの組み合わせである。いくつかの実施形態において、外部流分配区画および/または内部流分配区画は、一定の断面積または変化する断面積を有する。
【0084】
1つの実施形態において、外部流分配区画および/または内部流分配区画は、より最適な流れ分配を提供しながら、容器の構造的支持を提供する内部ビームを含む。1つの実施形態において、外部流分配区画および/または内部流分配区画は、内部および外部の穿孔壁の個々の穿孔に流れを方向付けるパイプおよび管を含む。1つの実施形態において、外部流分配区画および/または内部流分配区画は、流れを方向付けるトレイを含む。いくつかの実施形態において、
【0085】
いくつかの実施形態において、外部流分配区画および/または内部流分配区画は、より最適な流れ分配を提供しながら、容器の構造的支持を提供するためにフィラー材料を含む。いくつかの実施形態において、フィラー材料は、ポリマー、セラミック、金属、イオン交換ビーズ、またはこれらの組み合わせで構成される。いくつかの実施形態において、外部流分配区画および/または内部流分配区画内に収容されるフィラー材料は、約10μm未満、約20μm未満、約30μm未満、約40μm未満、約50μm未満、約60μm未満、約70μm未満、約80μm未満、約90μm未満、約100μm未満、約200μm未満、約300μm未満、約400μm未満、約500μm未満、約600μm未満、約700μm未満、約800μm未満、約900μm未満、約1000μm未満、約2000μm未満、約10μm超、約20μm超、約30μm超、約40μm超、約50μm超、約60μm超、約70μm超、約80μm超、約90μm超、約100μm超、約200μm超、約300μm超、約400μm超、約500μm超、約600μm超、約700μm超、約800μm超、約900μm超、約1000μm超、約2000μm超、約10μm~約20μm、約20μm~約40μm、約40μm~約80μm、約80μm~約200μm、約100μm~約400μm、約200μm~約800μm、約400μm~約1000μm、約600μm~約2000μm、約1000μm~約2000μmの平均粒径を有する。
【0086】
いくつかの実施形態において、外部流分配区画に出入りする流れは、前記区画の上部、側部、下部、またはこれらの組み合わせから生じる。いくつかの実施形態において、内部流分配区画に出入りする流れは、前記区画の上部、側部、もしくは下部、またはそれらの組み合わせから生じる。
【0087】
いくつかの実施形態において、容器は、容器の上部、下部、または側部に追加の流れ分配マニホールドを含む。いくつかの実施形態において、前記流れ分配区画は、流れを、内部流分配区画の中へおよび内部流分配区画から、ならびに外部流分配区画の中へおよび外部流分配区画から方向付けるためのパイプ、管類、または内部仕切りを含む。いくつかの実施形態において、流れ分配マニホールドは、前記マニホールドの上部、下部、または側部に入口および出口を有する。
【0088】
いくつかの実施形態において、単一の容器は、内部に複数のイオン交換床が収容される1つの外部圧力支持壁を含み、各イオン交換床は、2つの交差しない同心多孔性壁の間に収容され、その結果、流れは、多孔性壁の一方から他方へ、およびイオン交換床を超えて半径方向に生じる。実施例17は、そのような容器の1つの実施形態を例証する。いくつかの実施形態において、流れは、複数のイオン交換床の内部流分配区画に入り、内部多孔質壁およびイオン交換床を通って外側に、および外部多孔質壁を通って、流体は、単一の容器の内部に集められ、そこで容器を出る。いくつかの実施形態において、流れは、複数のイオン交換床を含む容器内に入り、外部多孔質壁を通って、イオン交換床を通って内側に、内部多孔質壁を通って、複数の内部流分配区画を通って、容器の外へ出る。
【0089】
いくつかの実施形態において、このような容器は、2個超、4個超、8個超、16個超、32個超、100個超の個々のイオン交換床を含む。いくつかの実施形態において、このような容器は、2、3、4、5、8、10、15、20、25、30、40、50、60、80、または100個の個々のイオン交換床を含む。
【0090】
いくつかの実施形態において、これらのイオン交換床のうちの1つ以上の内部流分配区画は、同じ容器内に収容された別のイオン交換床の1つ以上の内部流分配区画と流体連通している。いくつかの実施形態において、これらのイオン交換床のうちの1つ以上の内部流分配区画は、異なる容器内に収容された別のイオン交換床の1つ以上の内部流分配区画と流体連通している。
【0091】
イオン交換ビーズの複数の床のための容器を含む実施形態
いくつかの実施形態において、イオン交換ビーズを含む容器は、単一の容器内に配置された複数の別個のイオン交換区画で構成される。これらの実施形態は、実施例1、4、9、12、および17、ならびに関連する図面に記載されている。
【0092】
いくつかの実施形態において、液体資源は、各イオン交換区画の一方の側に流れ込み、イオン交換プロセスを受けた交換区画の他方の側に出る。いくつかの実施形態において、容器は、流れ分配ネットワークが液体資源をこれらのイオン交換区画のそれぞれ1つに独立して送達するように構築される。いくつかの実施形態において、容器は、流れ分配ネットワークが、これらのイオン交換区画のそれぞれ1つから独立してイオン交換を受けた液体資源を回収するように構築される。いくつかの実施形態において、これは、同じ容器内での複数の同時および並行したイオン交換プロセスを可能にする。いくつかの実施形態において、いくつかの独立したイオン交換仕切りへのイオン交換媒体の分離は、イオン交換ビーズを通る最小限の流動距離をもたらす。
【0093】
いくつかの実施形態において、そのような容器は、実施例1および9ならびに関連する図面に例示されるように、一連のフィルターバンクを使用することによって構築され、フィルターはイオン交換ビーズを含む。いくつかの実施形態において、そのような容器は、複数のイオン交換仕切りが垂直または水平に配置されるように構築される。いくつかの実施形態において、そのようなフィルターバンクは、イオン交換ビーズを充填し、および取り除くするために分離される。いくつかの実施形態において、イオン交換ビーズは、イオン交換ビーズをイオン交換容器に充填するためのスラリーとしてフィルターバンクに運搬される。いくつかの実施形態において、イオン交換ビーズの充填は、イオン交換プロセス中の流れの法線方向に対して同じ方向、反対方向、直交方向、または他の方向で行われる。いくつかの実施形態において、フィルターバンクをともに保持する張力は、イオン交換プロセス中に増加、減少、または維持される。
【0094】
1つの実施形態において、最小限の流動距離を有するイオン交換ビーズの充填床のための容器内に1つのみのイオン交換区画がある。いくつかの実施形態において、最小流動距離を有するイオン交換ビーズの充填床のための容器内に1を超えるイオン交換区画が存在する。いくつかの実施形態において、容器内に約2未満、約3未満、約5未満、約10未満、約20未満、約30未満、約50未満、約100未満、約2超、約3超、約5超、約10超、約20超、約30超、約50超、約100個超のイオン交換仕切りがある。
【0095】
いくつかの実施形態において、イオン交換区画は、イオン交換区画の数が調節されるように、機械的手段によって容器に追加されるか、または容器から除去される。いくつかの実施形態において、イオン交換区画およびそれらの構成要素は、区画および区画間の仕切りを洗浄し、交換し、および充填するために、機械的に分離される。
【0096】
いくつかの実施形態において、本明細書に記載される装置、容器、システム、および方法は、流れ分配区画を利用して、装置、容器、およびシステムを通る様々な溶液またはガスの流れを最適化する。いくつかの実施形態において、流れ分配区画は、内部流分配区画および/または外部流分配区画である。いくつかの実施形態において、流れ分配区画は、容器を通って流れる流体の濃度、組成、pH、または汚染物質レベルを調整する目的で、リチウム含有資源、水素イオン含有酸、水、または他の溶液で任意選択で処理される。これは、流れ分配区画に出入りする任意選択的な入口および出口の流れによって達成される。いくつかの実施形態において、流れ分配区画に出入りする入口および出口の流れは、前記区画の上部、下部、または側部に位置する。いくつかの実施形態において、流れ分配区画に出入りする入口および出口の流れは、前記区画内に突出するパイプ、管類、または他の内部構成要素によって、前記区画の内部空間から注入および除去される。
【0097】
いくつかの実施形態において、イオン交換ビーズを含む区画は、容器を通って流れる流体の濃度、組成、pH、または汚染物質レベルを調整する目的で、任意選択で水または他の溶液で処理される。これは、前記区画に出入りする任意選択的な入口および出口の流れによって達成される。いくつかの実施形態において、このような入口および出口の流れは、前記区画の上部、下部、または側部に位置する。いくつかの実施形態において、前記区画に出入りする入口および出口の流れは、前記区画内に突出するパイプ、管類、または他の内部構成要素によって、前記区画の内部空間から注入および除去される。
【0098】
1つの実施形態において、各イオン交換区画内のイオン交換区画は、イオン交換ビーズで部分的に充填され、その結果、イオン交換ビーズは、流体との接触中に、その収容区画内で自由に移動する。いくつかの実施形態において、イオン交換区画は、イオン交換ビーズが定位置に固定され、流体との接触中に収容区画内で自由に移動することができないように、イオン交換ビーズをその限度容量まで充填される。1つの実施形態において、イオン交換仕切りは、部分的に充填され、前記ビーズを特定の流体と接触させるときに生じるイオン交換ビーズの体積の変化によって完全に充填される。いくつかの実施形態において、イオン交換区画は、イオン交換ビーズが、上から下または下から上の方向に、それらが接触している流体によって運搬されるイオン交換区画に出入りすることができるように構成される。1つの実施形態において、イオン交換ビーズは、区画の上部または下部を通って、側部を通って、または区画を露出させるためにイオン交換区画を機械的に分離および開放し、その後、前記区画にイオン交換ビーズを充填することによって、前記区画に充填され、および前記区画から取り除かれてもよい。
【0099】
いくつかの実施形態において、イオン交換区画を収容する容器の典型的な長さは、約10cm未満、約20cm未満、約40cm未満、約60cm未満、約80cm未満、約100cm未満、約200cm未満、約400cm未満、約600cm未満、約800cm未満、約1m未満、約2m未満、約4m未満、約6m未満、約8m未満、約10m未満、約20m未満、約40m未満である。いくつかの実施形態において、前記容器の典型的な長さは、約10cm超、約20cm超、約40cm超、約60cm超、約80cm超、約100cm超、約200cm超、約400cm超、約600cm超、約800cm超、約1m超、約2m超、約4m超、約6m超、約8m超、約10m超、約20m超、約40m超である。いくつかの実施形態において、前記容器の典型的な長さは、約10cm~約20cm、約20cm~約40cm、約40cm~約80cm、約80cm~約2m、約1m~約4m、約2m~約8m、約4m~約10m、約6m~約20m、約10m~約40mである。
【0100】
いくつかの実施形態において、イオン交換区画を収容する容器の高さと幅は、約1cm未満、約2cm未満、約4cm未満、約6cm未満、約8cm未満、約10cm未満、約20cm未満、約40cm未満、約60cm未満、約80cm未満、約1m未満、約2m未満、約4m未満である。いくつかの実施形態において、イオン交換区画を収容する容器の高さと幅は、約1cm超、約2cm未満、約4cm未満、約6cm未満、約8cm未満、約10cm未満、約20cm未満、約40cm未満、約60cm未満、約80cm未満、約1m未満、約2m未満、約4m未満である。いくつかの実施形態において、イオン交換区画を収容する容器の高さと幅は、約1cm~約2cm、約2cm~約4cm、約4cm~約8cm、約8cm~約20cm、約20cm~約40cm、約40cm~約80cm、約80cm~約120cm、約120cm~約2m、約2m~約4m、約4m~約8mである。
【0101】
いくつかの実施形態において、イオン交換区画を収容する容器内の分配区画の典型的な厚さは、約1cm未満、約2cm未満、約4cm未満、約6cm未満、約8cm未満、約10cm未満、約20cm未満、約40cm未満、約60cm未満、約80cm未満、約1m未満、約2m未満、約4m未満である。いくつかの実施形態において、イオン交換区画を収容する容器内の分配区画の典型的な厚さは、約1cm超、約2cm未満、約4cm未満、約6cm未満、約8cm未満、約10cm未満、約20cm未満、約40cm未満、約60cm未満、約80cm未満、約1m未満、約2m未満、約4m未満である。いくつかの実施形態において、イオン交換区画を収容する容器内の分配区画の典型的な厚さは、約1cm~約2cm、約2cm~約4cm、約4cm~約8cm、約8cm~約20cm、約20cm~約40cm、約40cm~約80cm、約80cm~約120cm、約120cm~約2m、約2m~約4mである。
【0102】
いくつかの実施形態において、イオン交換区画を収容する容器内のイオン交換ビーズを収容する区画の典型的な厚さは、約1cm未満、約2cm未満、約4cm未満、約6cm未満、約8cm未満、約10cm未満、約20cm未満、約40cm未満、約60cm未満、約80cm未満、約1m未満、約2m未満、約4m未満である。いくつかの実施形態において、イオン交換区画を収容する容器内のイオン交換ビーズを収容する区画の典型的な厚さは、約1cm超、約2cm未満、約4cm未満、約6cm未満、約8cm未満、約10cm未満、約20cm未満、約40cm未満、約60cm未満、約80cm未満、約1m未満、約2m未満、約4m未満である。いくつかの実施形態において、イオン交換区画を収容する容器内のイオン交換ビーズを収容する区画の典型的な厚さは、約1cm~約2cm、約2cm~約4cm、約4cm~約8cm、約8cm~約20cm、約20cm~約40cm、約40cm~約80cm、約80cm~約120cm、約120cm~約2m、約2m~約4mである。
【0103】
いくつかの実施形態において、本明細書に記載される装置、容器、システム、および方法は、流れ分配区画を利用して、装置、容器、およびシステムを通る様々な溶液またはガスの流れを最適化する。いくつかの実施形態において、流れ分配区画は、内部流分配区画および/または外部流分配区画である。いくつかの実施形態において、流れ分配区画と、イオン交換ビーズを収容する区画との間に仕切りがある。いくつかの実施形態において、仕切りは透過性仕切りである。いくつかの実施形態において、透過性仕切りは、イオン交換ビーズ床の支持、化学的保護、濾過の補助、またはそれらの組み合わせを提供するスリット付き仕切りである。いくつかの実施形態において、透過性仕切りは、イオン交換ビーズ床の支持、化学的保護、濾過の補助、またはそれらの組み合わせを提供する多孔質仕切りである。いくつかの実施形態において、流れ分配区画とイオン交換ビーズを含む区画との間の仕切りは、イオン交換ビーズ床の支持、化学的保護、濾過の補助、またはそれらの組み合わせを提供する多孔質仕切りからなる。いくつかの実施形態において、多孔質仕切りは多孔質ポリマー仕切りである。いくつかの実施形態において、多孔質仕切りはメッシュまたはポリマー膜である。いくつかの実施形態において、多孔質仕切りは、同様のまたは異なる組成の、同様のまたは異なる開口サイズの、同様のまたは異なる開口面積パーセントの1つ以上のメッシュを含む。いくつかの実施形態において、多孔質仕切りは、構造的支持および/または濾過能力を提供するように、1つ以上のメッシュを備える。いくつかの実施形態において、多孔質仕切りは、v-ワイヤスクリーン、焼結金属スクリーン、焼結ポリマースクリーン、フラットスクリーン、円筒形スクリーン、円筒形断面を有するワイヤで構成されるスクリーン、正方形断面を有するワイヤで構成されるスクリーン、長方形断面を有するワイヤで構成されるスクリーン、菱形断面を有するワイヤで構成されるスクリーン、三角形の断面を有するワイヤで構成されるスクリーン、不規則な断面を有するワイヤで構成されるスクリーン、スロット付きワイヤスクリーン、メッシュ、またはこれらの組み合わせを含み、前記多孔質仕切りは粗いか、微細であるか、またはこれらの組み合わせである。いくつかの実施形態において、多孔質仕切りはポリエーテルエーテルケトン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスルホンメッシュ、ポリエステルメッシュ、ポリアミド、ポリテトラフルオロエチレン、エチレンテトラフルオロエチレンポリマー、ステンレス鋼、ポリマーでコーティングされたステンレス鋼メッシュ、セラミックでコーティングされたステンレス鋼メッシュ、チタン、またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態において、多孔質仕切りはイオン交換粒子を含む。いくつかの実施形態において、多孔質仕切りは多孔質イオン交換粒子を含む。いくつかの実施形態において、多孔質仕切りは、イオン交換粒子と上記の他のポリマーとの混合物を含む。いくつかの実施形態において、多孔質仕切りは複数の層を含む。
【0104】
いくつかの実施形態において、多孔質仕切りは、約1μm未満、約2μm未満、約5μm未満、約10μm未満、約20μm未満、約30μm未満、約40μm未満、約50μm未満、約60μm未満、約70μm未満、約80μm未満、約90μm未満、約100μm未満、約200μm未満、約300μm未満、約400μm未満、約500μm未満、約600μm未満、約700μm未満、約800μm未満、約900μm未満、約1000μm未満、約2000μm未満の典型的な特徴サイズの開口部からなる。いくつかの実施形態において、多孔質仕切りは、約1μm超、約2μm超、約5μm超、約10μm超、約20μm超、約30μm超、約40μm超、約50μm超、約60μm超、約70μm超、約80μm超、約90μm超、約100μm超、約200μm超、約300μm超、約400μm超、約500μm超、約600μm超、約700μm超、約800μm超、約900μm超、約1000μm超、約2000μm超の典型的な特徴サイズの開口部からなる。いくつかの実施形態において、多孔質仕切りは、約20μm~約40μm、約40μm~約80μm、約80μm~約200μm、約100μm~約400μm、約200μm~約800μm、約400μm~約1000μm、約600μm~約2000μm、約1000μm~約2000μmの典型的な特徴サイズの開口部からなる。いくつかの実施形態において、多孔質仕切りは、約1μm~約2μm、約2μm~約4μm、約4μm~約10μm、約10μm~約20μm、約20μm~約40μm、約40μm~約100μm、約100μm~約200μm、約200μm~約400μm、約400μm~約1000μm、約1000μm~約2000μmの典型的な特徴サイズの開口部からなる。いくつかの実施形態において、多孔質仕切りは、約1μm~約10μm、約10μm~約100μm、約100μm~約1000μm、約1000μm~約10000μmの典型的な特徴的なサイズの開口部からなる。
【0105】
1つの実施形態において、流れ分配区画および/またはイオン交換ビーズ区画は、空であるか、流体で部分的に充填されるか、もしくは流体で完全に充填されるか、またはそれらの組み合わせである。いくつかの実施形態において、流れ分配区画および/またはイオン交換ビーズ区画は、円筒形、長方形、不規則形状、またはそれらの組み合わせである。いくつかの実施形態において、流れ分配区画は、一定の断面積または変化する断面積を有する。
【0106】
1つの実施形態において、流れ分配区画および/またはイオン交換ビーズ区画は、容器の構造的支持を提供するために内部ビームを含む。いくつかの実施形態において、内部ビームは、流れ分布を最適化するように位置決めされる。1つの実施形態において、流れ分配区画および/またはイオン交換ビーズ区画は、内部および外部の穿孔壁の個々の穿孔に流れを方向付けるパイプおよび管を含む。1つの実施形態において、流れ分配区画および/またはイオン交換ビーズ区画は、流れを方向付けるトレイを含む。
【0107】
いくつかの実施形態において、流れ分配区画および/またはイオン交換ビーズ区画は、より最適な流れ分布を提供しながら、容器の構造的支持を提供するためにフィラー材料を含む。いくつかの実施形態において、フィラー材料は、ポリマー、セラミック、金属、イオン交換ビーズ、またはこれらの組み合わせで構成される。いくつかの実施形態において、外部流分配区画および/または内部流分配区画内に収容されるフィラー材料は、約10μm未満、約20μm未満、約30μm未満、約40μm未満、約50μm未満、約60μm未満、約70μm未満、約80μm未満、約90μm未満、約100μm未満、約200μm未満、約300μm未満、約400μm未満、約500μm未満、約600μm未満、約700μm未満、約800μm未満、約900μm未満、約1000μm未満、約2000μm未満、約10μm超、約20μm超、約30μm超、約40μm超、約50μm超、約60μm超、約70μm超、約80μm超、約90μm超、約100μm超、約200μm超、約300μm超、約400μm超、約500μm超、約600μm超、約700μm超、約800μm超、約900μm超、約1000μm超、約2000μm超、約10μm~約20μm、約20μm~約40μm、約40μm~約80μm、約80μm~約200μm、約100μm~約400μm、約200μm~約800μm、約400μm~約1000μm、約600μm~約2000μm、約1000μm~約2000μmの平均粒径を有する。
【0108】
流れ分配器を含む容器を含む実施形態
いくつかの実施形態において、イオン交換ビーズを収容する容器は、1つ以上のイオン交換区画で構成される。いくつかの実施形態において、流れ分配器は、これらのイオン交換区画の各々内の上部、下部、および1つ以上の場所に位置する。そのような容器を例示する実施形態は、実施例4、5、6、12、13、18、および関連する図面に含まれる。
【0109】
いくつかの実施形態において、容器内の流れ分配器の数は、約1個、約2個、約3個、約4個、約5個、約6個、約7個、約8個、約9個、約10個、約15個、約20個、約25個、約30個、約40個、約50個である。いくつかの実施形態において、これらの流れ分配器の配置は、均等に間隔を置いて配置されるか、または不規則に間隔を置いて配置される。
【0110】
いくつかの実施形態において、流体は、複数の流れ分配器から前記容器に入り、複数の流れ分配器から前記容器を出る。そのような容器の1つの実施形態は、実施例18および関連する図に例示される。いくつかの実施形態において、流れは、1個、2個、4個、8個、12個、20個、1~2個、2~4個、4~8個、8~12個、12~20個の独立した流れ分配器から容器に入る。いくつかの実施形態において、流れは、1個、2個、4個、8個、12個、20個、1~2個、2~4個、4~8個、8~12個、12~20個の独立した流れ分配器から容器を出る。
【0111】
いくつかの実施形態において、流れ分配器は、互いに接続された穿孔された管またはプレートを含む。いくつかの実施形態において、これらの管またはプレートは、円形断面、楕円形断面、正方形断面、長方形断面、十字形断面、星形断面、不規則断面、別の幾何学的断面、またはそれらの組み合わせのものである。いくつかの実施形態において、容器内のすべての流れ分配器は、同じ形状およびタイプのものである。いくつかの実施形態において、容器内の異なる流れ分配器は、その形状およびサイズが異なる。
【0112】
いくつかの実施形態において、流れ分配器の開口部または穿孔は、円形、楕円形、垂直または水平のスリット、正方形、十字、長方形、三角形、不規則形状、またはそれらの組み合わせとして成形される。いくつかの実施形態において、流れ分配器の開口部は、約10μm未満、約20μm未満、約30μm未満、約40μm未満、約50μm未満、約60μm未満、約70μm未満、約80μm未満、約90μm未満、約100μm未満、約200μm未満、約300μm未満、約400μm未満、約500μm未満、約600μm未満、約700μm未満、約800μm未満、約900μm未満、約1000μm未満、約2000μm未満、約4000μm未満、約8000μm未満、または約10000μm未満の寸法を有する。いくつかの実施形態において、流れ分配器の開口部は、約10μm超、約20μm超、約30μm超、約40μm超、約50μm超、約60μm超、約70μm超、約80μm超、約90μm超、約100μm超、約200μm超、約300μm超、約400μm超、約500μm超、約600μm超、約700μm超、約800μm超、約900μm超、約1000μm超、約2000μm超、約4000μm超、約8000μm、または約10000μm超の寸法のものである。いくつかの実施形態において、流れ分配器の開口部は、約10μm~約20μm、約20μm~約40μm、約40μm~約80μm、約80μm~約200μm、約100μm~約400μm、約200μm~約800μm、約400μm~約1000μm、約600μm~約2000μm、約1000μm~約2000μm、約2000μm~約4000μm、約4000μm~約8000μm、約6000μm~約10000μmの寸法のものである。
【0113】
いくつかの実施形態において、流れ分配器の管またはプレートは、イオン交換ビーズ床の支持、化学的保護、濾過の補助、またはそれらの組み合わせを提供する多孔質仕切りによって囲まれる。いくつかの実施形態において、多孔質仕切りは多孔質ポリマー仕切りである。いくつかの実施形態において、多孔質仕切りはメッシュまたはポリマー膜である。いくつかの実施形態において、多孔質仕切りは、同様のまたは異なる組成の、同様のまたは異なる開口サイズの、同様のまたは異なる開口面積パーセントの1つ以上のメッシュを含む。いくつかの実施形態において、多孔質仕切りは、構造的支持および/または濾過能力を提供するように、1つ以上のメッシュを備える。いくつかの実施形態において、多孔質仕切りは、v-ワイヤスクリーン、焼結金属スクリーン、焼結プラスチックスクリーン、円筒形ワイヤスクリーン、スロット付きワイヤスクリーン、メッシュ、またはこれらの組み合わせを含み、前記多孔質仕切りは粗いか、微細であるか、またはこれらの組み合わせである。いくつかの実施形態において、多孔質仕切りはポリエーテルエーテルケトン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスルホンメッシュ、ポリエステルメッシュ、ポリアミド、ポリテトラフルオロエチレン、エチレンテトラフルオロエチレンポリマー、ステンレス鋼、ポリマーでコーティングされたステンレス鋼メッシュ、セラミックでコーティングされたステンレス鋼メッシュ、チタン、またはそれらの組み合わせを含む。
【0114】
いくつかの実施形態において、多孔質仕切りは、約1μm未満、約2μm未満、約5μm未満、約10μm未満、約20μm未満、約30μm未満、約40μm未満、約50μm未満、約60μm未満、約70μm未満、約80μm未満、約90μm未満、約100μm未満、約200μm未満、約300μm未満、約400μm未満、約500μm未満、約600μm未満、約700μm未満、約800μm未満、約900μm未満、約1000μm未満、約2000μm未満の典型的な特徴サイズの開口部からなる。いくつかの実施形態において、多孔質仕切りは、約1μm超、約2μm超、約5μm超、約10μm超、約20μm超、約30μm超、約40μm超、約50μm超、約60μm超、約70μm超、約80μm超、約90μm超、約100μm超、約200μm超、約300μm超、約400μm超、約500μm超、約600μm超、約700μm超、約800μm超、約900μm超、約1000μm超、約2000μm超の典型的な特徴サイズの開口部からなる。いくつかの実施形態において、多孔質仕切りは、約20μm~約40μm、約40μm~約80μm、約80μm~約200μm、約100μm~約400μm、約200μm~約800μm、約400μm~約1000μm、約600μm~約2000μm、約1000μm~約2000μmの典型的な特徴サイズの開口部からなる。いくつかの実施形態において、多孔質仕切りは、約1μm~約2μm、約2μm~約4μm、約4μm~約10μm、約10μm~約20μm、約20μm~約40μm、約40μm~約100μm、約100μm~約200μm、約200μm~約400μm、約400μm~約1000μm、約1000μm~約2000μmの典型的な特徴サイズの開口部からなる。いくつかの実施形態において、多孔質仕切りは、約1μm~約10μm、約10μm~約100μm、約100μm~約1000μm、約1000μm~約10000μmの典型的な特徴的なサイズの開口部からなる。
【0115】
いくつかの実施形態において、1つ以上の流れ分配器を使用して、液体資源、水素イオン含有酸、水、または他のプロセス流体をイオン交換区画に注入する。いくつかの実施形態において、1つ以上の流れ分配器を使用して、イオン交換区画から液体資源、水素イオン含有酸、水、または他のプロセス流体を回収する。
【0116】
いくつかの実施形態において、容器は、容器の上部、下部、または側部に追加の流れ分配マニホールドを含む。いくつかの実施形態において、前記流れ分配区画は、流れを、内部流分配区画の中へおよび内部流分配区画から、ならびに外部流分配区画の中へおよび外部流分配区画から方向付けるためのパイプ、管類、または内部仕切りを含む。いくつかの実施形態において、流れ分配マニホールドは、前記マニホールドの上部、下部、または側部に入口および出口を有する。
【0117】
いくつかの実施形態において、上記の流れ分配器はキャンドルを含み、ここで、各々は流れに対して透過性である2つの同心構造を含む。そのような容器を例示する1つの実施形態は、実施例6および関連する図に記載される。いくつかの実施形態において、1つ以上のキャンドルが各容器内に含まれる。いくつかの実施形態において、前記キャンドルは流れ分配器として機能する。いくつかの実施形態において、前記キャンドルはイオン交換材料で充填される。いくつかの実施形態において、キャンドルは、円筒形、球形、正方形、長方形として成形され、波形(scalloped)であり、またはそれらの組み合わせである。いくつかの実施形態において、前記キャンドルは、水平に、垂直に、容器の長さに対してある角度で、またはそれらの組み合わせで配向される。いくつかの実施形態において、前記キャンドルは、多孔質パイプ、ポリマーメッシュ、フィルターバッグ、スクリーン、またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態において、前記キャンドルの数は2を超える。いくつかの実施形態において、本明細書に記載される装置について、前記キャンドルの数は4を超える。いくつかの実施形態において、本明細書に記載される装置について、前記キャンドルの数は8を超える。いくつかの実施形態において、本明細書に記載される装置について、前記キャンドルの数は20を超える。いくつかの実施形態において、本明細書に記載される装置について、前記キャンドルの数は50を超える。いくつかの実施形態において、本明細書に記載される装置について、前記キャンドルの数は100を超える。
【0118】
イオン交換ビーズおよび流体で部分的に充填された容器を含む実施形態
いくつかの実施形態において、イオン交換ビーズを含む容器は、イオン交換ビーズで部分的に充填されたタンクで構成される。そのような容器の実施形態は、実施例2、7、8、10、および関連する図に記載される。
【0119】
いくつかの実施形態において、前記タンクは、リチウム含有資源、水素イオン含有酸、水、または他の溶液で選択である流体を収容し、容器を通って流れる流体の濃度、組成、pH、または汚染物質レベルを調整する。いくつかの実施形態において、液面は、タンク内のイオン交換ビーズの高さよりも高い液面を維持するように注意深く制御される。
【0120】
いくつかの実施形態において、液面は、タンクの目視検査によってモニタリングされる。いくつかの実施形態において、液面は、フロートセンサー、静電容量センサー、赤外線センサー、超音波センサー、圧力センサー、レーダーセンサー、任意の他の流体センサー、またはそれらの組み合わせに基づいて、タンク液位の測定によってモニタリングされる。いくつかの実施形態において、液位の制御は、タンクに流入するおよびタンクから流出する流体の流れの慎重な制御によって、弁、ポンプ、圧力、および容器に流入するおよび容器から流出する流体の流れに影響を及ぼす任意の他のパラメータの機械的調整によって達成される。いくつかの実施形態において、タンク内部のガスの圧力は、タンクからの排出速度、したがってタンク内の液面を制御するために使用される。
【0121】
1つの実施形態において、イオン交換ビーズは撹拌され、流体と接触している間、その収容区画内で自由に移動することができる。いくつかの実施形態において、撹拌により、イオン交換ビーズは、イオン交換ビーズと接触している液体中で流動化する。いくつかの実施形態において、撹拌は、機械的撹拌機、排出装置、流体再循環、バッフル、振盪、またはそれらの組み合わせを用いて行われる。いくつかの実施形態において、容器は、混合を改善するために、機械的撹拌機のシャフトと平行に配置された1つ以上のバッフルを含む。いくつかの実施形態において、容器は、モーターと、シャフトと、前記シャフトに取り付けられた1つ以上のインペラとを備える機械的撹拌機で撹拌される。いくつかの実施形態において、前記1つ以上のインペラは、プロペラ、アンカーインペラ、水中翼、ピッチブレードタービン、湾曲ブレードタービン、スパイラルタービン、フラットブレードタービン、ラジアルブレード、またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態において、前記インペラは、1つ以上のブレードを含む。いくつかの実施形態において、シャフトおよびインペラは、炭素鋼、ステンレス鋼、チタン、ハステロイ、またはそれらの組み合わせで構成される。いくつかの実施形態において、シャフトおよびインペラは、ガラス、エポキシ、ゴム、ポリマーコーティング、またはそれらの組み合わせでコーティングされる。
【0122】
いくつかの実施形態において、イオン交換ビーズは、流体との接触中に定位置に固定されたままであるように、撹拌されない。いくつかの実施形態において、流体との接触中のイオン交換ビーズの位置を制御し、移動を制限するために、スクリーン、メッシュ、または他の仕切りがタンク内に任意選択で含まれる。いくつかの実施形態において、タンクは、イオン交換ビーズが、上から下または下から上の方向に、それらが接触している流体によって運搬されるイオン交換区画に出入りすることができるように構成される。1つの実施形態において、イオン交換ビーズは、タンクの上部もしくは下部を通って、またはその側部を通って、前記タンクに充填し、および前記タンクから取り除くことができる。
【0123】
いくつかの実施形態において、イオン交換ビーズを収容するタンクは、容器を通って流れる流体の濃度、組成、pH、または汚染物質レベルを調整する目的で、リチウム含有資源、水素イオン含有酸、アルカリ、水、または他の溶液で任意選択で処理される。これは、タンクに出入りする任意選択的な入口および出口の流れによって達成される。いくつかの実施形態において、タンクに出入りする入口および出口の流れは、前記タンクの上部、下部、または側部に位置する。いくつかの実施形態において、タンクに出入りする入口および出口の流れは、前記区画内に突出するパイプ、管類、または他の内部構成要素によって、前記タンクの内部空間から注入および除去される。
【0124】
いくつかの実施形態において、イオン交換ビーズを収容するタンクの主要長さは、約10cm未満、約20cm未満、約40cm未満、約60cm未満、約80cm未満、約100cm未満、約200cm未満、約400cm未満、約600cm未満、約800cm未満、約1m未満、約2m未満、約4m未満、約6m未満、約8m未満、約10m未満、約20m未満、約40m未満である。いくつかの実施形態において、イオン交換ビーズを収容するタンクの主要長さは、約10cm未満、約20cm超、約40cm超、約60cm超、約80cm超、約100cm超、約200cm超、約400cm超、約600cm超、約800cm超、約1m超、約2m超、約4m超、約6m超、約8m超、約10m超、約20m超、約40m超である。いくつかの実施形態において、イオン交換ビーズを収容するタンクの主要長さは、約10cm未満~約20cm、約20cm~約40cm、約40cm~約80cm、約80cm~約2m、約1m~約4m、約2m~約8m、約4m~約10m、約6m~約20m、約10m~約40mである。
【0125】
いくつかの実施形態において、イオン交換ビーズを収容するタンクの主要な半径または幅は、約10cm未満、約20cm未満、約40cm未満、約60cm未満、約80cm未満、約100cm未満、約200cm未満、約400cm未満、約600cm未満、約800cm未満、約1m未満、約2m未満、約4m未満、約6m未満、約8m未満、約10m未満である。いくつかの実施形態において、イオン交換ビーズを収容するタンクの主要な半径または幅は、約10cm未満、約20cm超、約40cm超、約60cm超、約80cm超、約100cm超、約200cm超、約400cm超、約600cm超、約800cm超、約1m超、約2m超、約4m超、約6m超、約8m超、約10m超である。いくつかの実施形態において、イオン交換ビーズを収容するタンクの主要な半径または幅は、約10cm未満~約20cm、約20cm~約40cm、約40cm~約80cm、約80cm~約2m、約1m~約4m、約2m~約8m、約4m~約10mである。
【0126】
いくつかの実施形態において、イオン交換ビーズを含む容器は、1つ以上のイオン交換区画で構成される。いくつかの実施形態において、イオン交換ビーズを含む容器は、1つ以上の流れ分配区画で構成される。いくつかの実施形態において、容器内の区画のいずれも、円筒形、長方形、球形、十字形、波形(scalloped)、凹形、凸形、トーラス形、任意の別の形状、またはそれらの組み合わせである。いくつかの実施形態において、区画は、容器の部分的長さまたはサブ部分のみを占めることができる。
【0127】
いくつかの実施形態において、容器内の区画の数は、約1個、約2個、約3個、約4個、約5個、約6個、約7個、約8個、約9個、約10個、約15個、約20個、約25個、約30個、約40個、約50個である。いくつかの実施形態において、区画の配置は、均等に間隔を置いて配置されるか、または不規則に間隔を置いて配置される。いくつかの実施形態において、1つ以上の流れ分配区画は1つ以上のイオン交換区画内に位置する。いくつかの実施形態において、1つ以上の流れイオン交換区画は1つ以上の流れ分配区画内に位置する。
【0128】
いくつかの実施形態において、流体との接触中のイオン交換ビーズの位置を制御し、移動を制限するために、スクリーン、メッシュ、または他の仕切りがタンク内に任意選択で含まれる。いくつかの実施形態において、前記仕切りは流れ分配区画からイオン交換区画を切り離す。いくつかの実施形態において、前記区画はイオン交換区画から流れ分配区画を切り離す。いくつかの実施形態において、この多孔質仕切りは任意選択で、イオン交換ビーズ床の支持、化学的保護、濾過の補助、またはそれらの組み合わせを提供する。いくつかの実施形態において、多孔質仕切りは多孔質ポリマー仕切りである。いくつかの実施形態において、多孔質仕切りはメッシュまたはポリマー膜である。いくつかの実施形態において、多孔質仕切りは、同様のまたは異なる組成の、同様のまたは異なる開口サイズの、同様のまたは異なる開口面積パーセントの1つ以上のメッシュを含む。いくつかの実施形態において、多孔質仕切りは、構造的支持および/または濾過能力を提供するように、1つ以上のメッシュを備える。いくつかの実施形態において、多孔質仕切りは、ポリエーテルエーテルケトン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスルホン、ポリエステル、ポリアミド、ポリテトラフルオロエチレン、エチレンテトラフルオロエチレンポリマー、ステンレス鋼、ポリマーでコーティングされたステンレス鋼、セラミックでコーティングされたステンレス鋼メッシュ、コーティングされた鋼、チタン、ハステロイC276メッシュ、またはそれらの組み合わせを含み、仕切りの開口部は、粗いか、微細であるか、またはそれらの組み合わせである。1つの実施形態において、多孔質仕切りはハステロイC276スクリーンを含む。1つの実施形態において、多孔質仕切りはチタンスクリーンを含む。1つの実施形態において、多孔質仕切りは316ステンレス鋼スクリーンを含む。
【0129】
いくつかの実施形態において、前記多孔質仕切りは、容器-区画壁内に固定される。いくつかの実施形態において、多孔質仕切りは、容器-区画壁に柔軟に結合されているが、物理的には結合されていない。いくつかの実施形態において、多孔質仕切りは、容器内の1つ以上の区画内で自由に移動、振盪、波動、回転、拡張、または収縮することができる。いくつかの実施形態において、多孔質仕切りは動作中、拡張する。いくつかの実施形態において、多孔質仕切りは動作中、収縮する。
【0130】
いくつかの実施形態において、多孔質仕切りは、約1μm未満、約2μm未満、約5μm未満、約10μm未満、約20μm未満、約30μm未満、約40μm未満、約50μm未満、約60μm未満、約70μm未満、約80μm未満、約90μm未満、約100μm未満、約200μm未満、約300μm未満、約400μm未満、約500μm未満、約600μm未満、約700μm未満、約800μm未満、約900μm未満、約1000μm未満、約2000μm未満の厚さを有する。いくつかの実施形態において、多孔質仕切りは、約1μm超、約2μm超、約5μm超、約10μm超、約20μm超、約30μm超、約40μm超、約50μm超、約60μm超、約70μm超、約80μm超、約90μm超、約100μm超、約200μm超、約300μm超、約400μm超、約500μm超、約600μm超、約700μm超、約800μm超、約900μm超、約1000μm超、約2000μm超の厚さを有する。いくつかの実施形態において、多孔質仕切りは、約20μm~約40μm、約40μm~約80μm、約80μm~約200μm、約100μm~約400μm、約200μm~約800μm、約400μm~約1000μm、約600μm~約2000μm、約1000μm~約2000μmの典型的な特徴サイズの開口部からなる。いくつかの実施形態において、多孔質仕切りは、約1μm~約2μm、約2μm~約4μm、約4μm~約10μm、約10μm~約20μm、約20μm~約40μm、約40μm~約100μm、約100μm~約200μm、約200μm~約400μm、約400μm~約1000μm、約1000μm~約2000μmの厚さを有する。いくつかの実施形態において、多孔質仕切りは、約1μm~約10μm、約10μm~約100μm、約100μm~約1000μm、約1000μm~約10000μmの典型的な特徴的なサイズの開口部からなる。
【0131】
いくつかの実施形態において、多孔質仕切りは、約1μm未満、約2μm未満、約5μm未満、約10μm未満、約20μm未満、約30μm未満、約40μm未満、約50μm未満、約60μm未満、約70μm未満、約80μm未満、約90μm未満、約100μm未満、約200μm未満、約300μm未満、約400μm未満、約500μm未満、約600μm未満、約700μm未満、約800μm未満、約900μm未満、約1000μm未満、約2000μm未満の典型的な特徴サイズの開口部からなる。いくつかの実施形態において、多孔質仕切りは、約1μm超、約2μm超、約5μm超、約10μm超、約20μm超、約30μm超、約40μm超、約50μm超、約60μm超、約70μm超、約80μm超、約90μm超、約100μm超、約200μm超、約300μm超、約400μm超、約500μm超、約600μm超、約700μm超、約800μm超、約900μm超、約1000μm超、約2000μm超の典型的な特徴サイズの開口部からなる。いくつかの実施形態において、多孔質仕切りは、約20μm~約40μm、約40μm~約80μm、約80μm~約200μm、約100μm~約400μm、約200μm~約800μm、約400μm~約1000μm、約600μm~約2000μm、約1000μm~約2000μmの典型的な特徴サイズの開口部からなる。いくつかの実施形態において、多孔質仕切りは、約1μm~約2μm、約2μm~約4μm、約4μm~約10μm、約10μm~約20μm、約20μm~約40μm、約40μm~約100μm、約100μm~約200μm、約200μm~約400μm、約400μm~約1000μm、約1000μm~約2000μmの典型的な特徴サイズの開口部からなる。いくつかの実施形態において、多孔質仕切りは、約1μm~約10μm、約10μm~約100μm、約100μm~約1000μm、約1000μm~約10000μmの典型的な特徴的なサイズの開口部からなる。
【0132】
いくつかの実施形態において、イオン交換ビーズを収容するタンクは、容器のための構造的支持を提供する一方で、より最適な流れ分布も提供するために、内部ビームを含む。1つの実施形態において、流れ分配区画および/またはイオン交換ビーズ区画は、内部および外部の穿孔壁の個々の穿孔に流れを方向付けるパイプおよび管を含む。1つの実施形態において、流れ分配区画および/またはイオン交換ビーズ区画は、流れを方向付けるトレイを含む。
【0133】
いくつかの実施形態において、イオン交換ビーズを収容するタンクは、容器のための構造的支持を提供する一方で、より最適な流れ分布も提供するために、フィラー材料を含む。そのようなフィラー材料の使用を例証する実施形態は、実施7および8、ならびに関連する図に含まれる。いくつかの実施形態において、フィラー材料は、ポリマー、セラミック、金属、イオン交換ビーズ、またはこれらの組み合わせで構成される。いくつかの実施形態において、外部流分配区画および/または内部流分配区画内に収容されるフィラー材料は、約10μm未満、約20μm未満、約30μm未満、約40μm未満、約50μm未満、約60μm未満、約70μm未満、約80μm未満、約90μm未満、約100μm未満、約200μm未満、約300μm未満、約400μm未満、約500μm未満、約600μm未満、約700μm未満、約800μm未満、約900μm未満、約1000μm未満、約2000μm未満、約10μm超、約20μm超、約30μm超、約40μm超、約50μm超、約60μm超、約70μm超、約80μm超、約90μm超、約100μm超、約200μm超、約300μm超、約400μm超、約500μm超、約600μm超、約700μm超、約800μm超、約900μm超、約1000μm超、約2000μm超、約10μm~約20μm、約20μm~約40μm、約40μm~約80μm、約80μm~約200μm、約100μm~約400μm、約200μm~約800μm、約400μm~約1000μm、約600μm~約2000μm、約1000μm~約2000μmの平均粒径を有する。
【0134】
いくつかの実施形態において、容器は、タンクの上部、下部、または側部に追加の流れ分配マニホールドを含む。いくつかの実施形態において、前記流れ分配区画は、流れを、内部流分配区画の中へおよび内部流分配区画から、ならびに外部流分配区画の中へおよび外部流分配区画から方向付けるためのパイプ、管類、または内部仕切りを含む。いくつかの実施形態において、流れ分配マニホールドは、前記マニホールドの上部、下部、または側部に入口および出口を有する。
【0135】
実施形態において、容器は、イオン交換ビーズ全体に流れを均等に分配するように設計される。いくつかの実施形態において、容器は、ハブおよび側方分配器の形態の流れ分配器、ヘッダおよび側方分配器、フィルタプレート、噴霧ノズル、分配器トレイ、同心穿孔パイプ、またはそれらの組み合わせを有する。1つの実施形態において、側方分配器は、樹脂保持メッシュ、膜、スクリーン、またはフィルタノズルを装備されている。1つの実施形態において、メッシュは、強度のために二次支持層で支持される。1つの実施形態において、多孔質メッシュは、容器の中心で円筒形支持体の周囲に巻き付けられる。1つの実施形態において、メッシュは、ポリマー、セラミック、または金属から作られる。1つの実施形態において、流れ分配器は、容器内の上部、下部、中間部、任意の他の場所、またはそれらの組み合わせに位置する。1つの実施形態において、容器は、ノズルが取り付けられたプレートを有する。
【0136】
いくつかの実施形態において、イオン交換容器内の流れ分布は、パイプ、管類、チャネル、スリット、ビーム、バッフル、バスケット、スカロップ、ノズル、またはメッシュのうちの1つ以上を介して生じる。いくつかの実施形態において、容器内で流れを方向付ける構成要素は穿孔されている。いくつかの実施形態において、流れを分配する構成要素中の開口部または穿孔は、円形、楕円形、垂直または水平のスリット、正方形、十字、長方形、三角形、不規則形状、またはそれらの組み合わせとして成形される。
【0137】
1つの実施形態において、容器は、流れを均等に分配するように設計された内部ノズルを有する。1つの実施形態において、容器は、支持プレート上に互いに等距離に配置されたノズルを有する。1つの実施形態において、ノズルは、各ノズルが同じ領域をカバーするように離間される。1つの実施形態において、ノズルは0.1μm未満、1μm未満、10μm未満、100μm未満、または1mm未満の幅のスリットまたは穴を有する。1つの実施形態において、容器は、0.1μm未満、1μm未満、10μm未満、100μm未満、または1000μm未満の穴を有するメッシュを有している。
【0138】
最適な流れ分布を有する容器を含む他の実施形態
いくつかの実施形態において、容器は、イオン交換材料を収容する容器内の区画へのおよび区画からの流れを方向づけるために流れ分配器を有する。いくつかの実施形態において、流れ分布は、流体が流れる際に通過する特徴的な開口部を有する流れ分配要素によって生じる。いくつかの実施形態において、前記流れ分配要素は、パイプ、管類、チャネル、スリット、ビーム、バッフル、バスケット、スカロップ、ノズル、またはメッシュのうちの1つ以上を含む。いくつかの実施形態において、パイプ、管類、チャネル、スリット、ビーム、バッフル、バスケット、スカロップ、ノズル、またはメッシュのうちの1つ以上は、開口部または穿孔を含む。いくつかの実施形態において、前記流れ分配要素の特徴的な開口部または穿孔は、約10μm未満、約20μm未満、約30μm未満、約40μm未満、約50μm未満、約60μm未満、約70μm未満、約80μm未満、約90μm未満、約100μm未満、約200μm未満、約300μm未満、約400μm未満、約500μm未満、約600μm未満、約700μm未満、約800μm未満、約900μm未満、約1000μm未満、約2000μm未満、約4000μm未満、約8000μm未満、または約10000μm未満の寸法を有する。いくつかの実施形態において、前記流れ分配要素の1つ以上における開口部または穿孔は、約10μm未満、約20μm超、約30μm超、約40μm超、約50μm超、約60μm超、約70μm超、約80μm超、約90μm超、約100μm超、約200μm超、約300μm超、約400μm超、約500μm超、約600μm超、約700μm超、約800μm超、約900μm超、約1000μm超、約2000μm超、約4000μm超、約8000μm、または約10000μm超の寸法を有する。いくつかの実施形態において、前記流れ分配要素の1つ以上における開口部または穿孔は、約10μm未満~約20μm、約20μm~約40μm、約40μm~約80μm、約80μm~約200μm、約100μm~約400μm、約200μm~約800μm、約400μm~約1000μm、約600μm~約2000μm、約1000μm~約2000μm、約2000μm~約4000μm、約4000μm~約8000μm、約6000μm~約10000μmの寸法を有する。
【0139】
いくつかの実施形態において、イオン交換容器内の効率的な流れ分布は、イオン交換容器を含む区画の1つ以上の内部で充填される1つ以上の成形された物体または粒子を介して生じる。いくつかの実施形態において、そのような成形された物体または粒子は、「フィラー材料(filler material)」、「不活性材料」、「充填材料(packing material)」、または「充填物(packing)」と呼ばれる。これらの用語は互換的に使用される。いくつかの実施形態において、容器は、床支持または流れ分配のためにフィラー材料で充填される。1つの実施形態において、フィラー材料は、ガラス、シリカ、砂利、活性炭、セラミック、アルミナ、ゼオライト、方解石、ポリマー、コポリマー、これらの混合物、またはこれらの組み合わせから作製される。いくつかの実施形態において、フィラー材料は、ポリ塩化ビニル、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリスチレン、アクリロニトリルブタジエンスチレン、ポリエーテルエーテルケトン、それらのコポリマー、それらの混合物、または組み合わせから作製され得る。1つの実施形態において、フィラー材料は容器の上部、容器の下部、またはその両方に置かれる。1つの実施形態において、フィラー材料は、イオン交換樹脂と混合される。本明細書に記載される別の態様は、液体資源からリチウムを抽出するための装置であり、上記装置は、イオン交換材料の1つ以上の床およびフィラー材料が充填された容器を備え、フィラー材料は、イオン交換材料の1つ以上の床と混合され、それによって、1つ以上の床のための支持を提供し、および/または容器に入る前記液体資源または別の流体のより良好な流れ分布を可能にする。前記のより良好な流れ分布により、イオン交換床内のイオン交換材料のすべてが、イオン交換ビーズのすべてにわたって同じ量の液体に接触すること、および流体が床にわたって流れるのを促すのに必要な静水圧がイオン交換床の断面にわたって均一であることを確実にする。
【0140】
いくつかの実施形態において、イオン交換容器内の効率的な流れ分布は、イオン交換容器を含む区画の1つ以上の内部に充填される1つ以上の成形された物体または粒子を介して生じる。いくつかの実施形態において、フィラー材料は、球体、回転楕円体、楕円体、十字、管、トーラス、リング、サドルリング、管、三角形、他の複雑な幾何学的形状、またはそれらの組み合わせとして成形される。いくつかの実施形態において、充填物は、ランダムな粒子密度で分布している。いくつかの実施形態において、フィラー材料は、均一な粒子密度で分布している。いくつかの実施形態において、フィラー材料は、分配チャンバー内にランダムに添加され分配された一種以上のフィラー材料からなる。いくつかの実施形態において、フィラー材料は、明確に画定された領域内で流体分配チャンバー内に添加および分配される一種以上のフィラー材料からなる。いくつかの実施形態において、流体分配チャンバーの部品は空であり、同じチャンバーの部品はフィラー材料を収容する。いくつかの実施形態において、フィラー材料は、約10μm未満、約20μm未満、約30μm未満、約40μm未満、約50μm未満、約60μm未満、約70μm未満、約80μm未満、約90μm未満、約100μm未満、約200μm未満、約300μm未満、約400μm未満、約500μm未満、約600μm未満、約700μm未満、約800μm未満、約900μm未満、約1000μm未満、約2000μm未満、約10μm超、約20μm超、約30μm超、約40μm超、約50μm超、約60μm超、約70μm超、約80μm超、約90μm超、約100μm超、約200μm超、約300μm超、約400μm超、約500μm超、約600μm超、約700μm超、約800μm超、約900μm超、約1000μm超、約2000μm超、約10μm~約20μm、約20μm~約40μm、約40μm~約80μm、約80μm~約200μm、約100μm~約400μm、約200μm~約800μm、約400μm~約1000μm、約600μm~約2000μm、約1000μm~約2000μmの平均粒径を有する。
【0141】
いくつかの実施形態において、イオン交換ビーズは、スラリーとしてイオン交換容器に充填される。いくつかの実施形態において、このようなスラリーの液体成分は、水、酸、塩基、または溶媒である。いくつかの実施形態において、スラリー中の液体の割合は、約1%未満、約2%未満、約5%未満、約10%未満、約20%未満、約50%未満、約75%未満、約90未満%、約1%超、約2%超、約5%超、約10%超、約20%超、約50%超、約75%超、約90%超、約0%~5%、約5%~10%、約10%~20%、約20%~50%、約50%~75%、約75%~90%、約90%~100%である。いくつかの実施形態において、イオン交換ビーズは、乾燥粉末としてイオン交換容器に充填される。
【0142】
いくつかの実施形態において、上記のイオン交換ビーズを含む容器の1つ以上は、1つの容器の出口流が別の容器の入口に方向付けられるように配置される。いくつかの実施形態において、このような流れは、イオン交換容器間で処理される。いくつかの実施形態において、処理は、流れの中の流体の濃度、組成、pH、または汚染物質レベルを調整する目的で、リチウム含有資源、水素イオン含有酸、水、または他の溶液で生じる。
【0143】
巻きつけられたイオン交換要素を含む実施形態
いくつかの実施形態において、イオン交換ビーズを含む容器は、巻きつけられたイオン交換要素で構成される。このようなイオン交換要素の1つの実施形態は、実施例15および関連する図に記載されている。いくつかの実施形態において、前記要素は、(a)非多孔質膜、(b)任意選択で第1の流れ分配足場、(c)任意選択で第1の多孔質膜、(d)イオン交換材料の床、(e)任意選択で第2の多孔質膜、(f)任意選択で第2の流れ分配足場を積み重ねることによって構築される。この積層体を螺旋状に巻くことでイオン交換要素が形成される。いくつかの実施形態において、流体は、第1の流れ分配足場を通って、第1の多孔性膜を通ってイオン交換床へ流れ、第2の多孔性膜から出て、そこで、流体は収集され、第2の流れ分配足場を通って容器から出る。いくつかの実施形態において、2つの多孔質膜間にイオン交換膜を含むことによって、流れは、大きい表面積にわたって分布し、最小限の流れ距離でイオン交換床を通って流れ、流体の流れのための最小限の推進力が生じる。いくつかの実施形態において、積層体を螺旋状に巻くことによって、イオン交換要素の物理的フットプリントが最小化される。いくつかの実施形態において、要素(a)~(f)の1つ以上が存在しない。
【0144】
いくつかの実施形態において、イオン交換ビーズを含む容器は、イオン交換要素で構成される。いくつかの実施形態において、前記イオン交換要素は巻きつけられたイオン交換要素である。いくつかの実施形態において、前記イオン交換要素は膜を含む。いくつかの実施形態において、前記イオン交換要素は1つ以上の多孔質膜を含む。いくつかの実施形態において、前記イオン交換要素は1つ以上の非多孔質膜を含む。いくつかの実施形態において、前記イオン交換要素は、膜の積層体を含む。いくつかの実施形態において、前記イオン交換要素は、膜とイオン交換体の積層体を含む。いくつかの実施形態において、前記要素は、(a)非多孔質膜、(b)任意選択で第1の流れ分配足場、(c)任意選択で第1の多孔質膜、(d)イオン交換材料の床、(e)任意選択で第2の多孔質膜、(f)任意選択で第2の流れ分配足場を、記載された順序で、または、成分(a)~(f)の異なる順序で、積み重ねることによって構築される。いくつかの実施形態において、1つ以上の構成要素は、イオン交換要素を形成するように螺旋状に巻かれる。いくつかの実施形態において、流体は、1つ以上の流れ分配足場を通って流れる。いくつかの実施形態において、流体は、1つ以上の多孔質膜を通って流れる。いくつかの実施形態において、流体はイオン交換床を通って流れる。いくつかの実施形態において、流れは、流れ分配足場を使用して、大きい表面積にわたって分布し、最小流動距離がもたらされる。いくつかの実施形態において、要素は、イオン交換要素の物理的なフットプリントを最小限に抑えるように螺旋状に巻かれる。いくつかの実施形態において、要素は、平坦なイオン交換要素である。
【0145】
いくつかの実施形態において、イオン交換ビーズを含む容器は、巻きつけられたイオン交換要素で構成される。いくつかの実施形態において、前記要素は、(a)非多孔質ポリマー膜、(b)大きな開口ポリマーメッシュを含む第1の流れ分配足場、(c)第1の多孔質ポリマー膜、(d)イオン交換材料の薄い床、(e)第2の多孔質ポリマー膜、および(f)第2の流れ分配足場を積み重ねることによって構築される。その後、この積層体は、内径がイオン交換床の厚さと同じである穴を有する穿孔管の周りに巻き付けられる。この巻き付けられた積層体がイオン交換要素である。いくつかの実施形態において、流体は、第1の流れ分配足場を通って、第1の多孔性膜を通ってイオン交換床へ流れ、第2の多孔性膜から出て、そこで、流体は収集され、第2の流れ分配足場を通って容器から出る。いくつかの実施形態において、2つの多孔質膜間にイオン交換膜を含むことによって、流れは、大きい表面積にわたって分布し、最小限の流れ距離でイオン交換床を通って流れ、流体の流れのための最小限の推進力が生じる。積層体を螺旋状に巻くことによって、イオン交換要素の物理的フットプリントが最小化される。
【0146】
いくつかの実施形態において、イオン交換ビーズを含む容器は、適切に巻きつけられたイオン交換要素で構成される。いくつかの実施形態において、前記要素は、(a)非多孔質ポリマー膜、(b)約1~約5mmの開口部を有するポリマーメッシュを含む流れ分配足場、(c)約5ミクロンよりも小さい孔径を有する第1の多孔質ポリマー膜、(d)約5mmの長さのイオン交換材料の床、(e)約5ミクロンの孔径を有する第2の多孔質ポリマー膜、および(f)約4mmのメッシュ開口部を有する第2の流れ分布足場を積み重ねることによって構築される。積層体の要素は、ポリウレタン接着剤を使用して互いに接着される。第2の流れ分配足場(f)は、3mmの丸い穴を有する穿孔パイプに接着される。積層体をこの中心パイプの周りで回転させることで、第2の流れ分配足場(f)が穿孔パイプを完全に取り囲み、非多孔質膜(a)の側部の1つに接触する。この巻き付けられた積層体がイオン交換要素である。いくつかの実施形態において、流体は、第1の流れ分配足場を通って、第1の多孔性膜を通ってイオン交換床へ流れ、第2の多孔性膜から出て、そこで、流体は収集され、第2の流れ分配足場を通って容器から出る。いくつかの実施形態において、2つの多孔質膜間にイオン交換膜を含むことによって、流れは、大きい表面積にわたって分布し、最小限の流れ距離でイオン交換床を通って流れ、流体の流れのための最小限の推進力が生じる。積層体を螺旋状に巻くことによって、イオン交換要素の物理的フットプリントが最小化される。
【0147】
いくつかの実施形態において、イオン交換ビーズを含む容器は、きつく巻きつけられたイオン交換要素で構成される。いくつかの実施形態において、前記要素は、(a)非多孔質ポリマー膜、(b)約1~約5mmの開口部を有するポリマーメッシュを含む流れ分配足場、(c)約5ミクロンよりも小さい孔径を有する第1の多孔質ポリマー膜、(d)約5mmの長さのイオン交換材料の床、(e)約5ミクロンの孔径を有する第2の多孔質ポリマー膜、および(f)約4mmのメッシュ開口部を有する第2の流れ分布足場を積み重ねることによって構築される。積層体の一部の要素は、ポリウレタン接着剤を使用して互いに接着される。第2の流れ分配足場(f)は、3mmの丸い穴を有する穿孔パイプに接着される。積層体をこの中心パイプの周りで回転させることで、第2の流れ分配足場(f)が穿孔パイプを完全に取り囲み、非多孔質膜(a)の側部の1つに接触する。この巻き付けられた積層体がイオン交換要素である。いくつかの実施形態において、流体は、第1の流れ分配足場を通って、第1の多孔性膜を通ってイオン交換床へ流れ、第2の多孔性膜から出て、そこで、流体は収集され、第2の流れ分配足場を通って容器から出る。いくつかの実施形態において、2つの多孔質膜間にイオン交換膜を含むことによって、流れは、大きい表面積にわたって分布し、最小限の流れ距離でイオン交換床を通って流れ、流体の流れのための最小限の推進力が生じる。積層体を螺旋状に巻くことによって、イオン交換要素の物理的フットプリントが最小化される。
【0148】
いくつかの実施形態において、イオン交換ビーズを含む容器は、きつく巻きつけられたイオン交換要素で構成される。いくつかの実施形態において、前記要素は、84×12’’(インチ)であるいくつかの薄い要素を積み重ねることによって構築される。まず、(a)非多孔質ポリマー膜を平らに置き、(b)その後、約5mmの開口部を有するポリプロピレンを含む流れ分配メッシュをこの上に置き、次いで、(c)約5ミクロンよりも小さい孔径を有する多孔質ポリマー精密濾過ポリフッ化ビニル膜をこの上に置き、次いで、(d)厚さ約5mmのイオン交換材料の床をこの上に置き、次いで(e)約1ミクロンよりも小さい孔径を有する多孔質ポリマー精密濾過ポリフッ化ビニル膜をこの上に置き、最後に、(f)約2mmのメッシュ開口部を有する第2のポリプロピレン流れ分配足場をこの上に置く。要素(c)~(e)は共に接着され、ポリウレタン接着剤を用いて周囲を密封される。第2の流れ分配足場(f)の短辺は、長さが12インチで直径が1/2インチである3mmの丸い穴を有する穿孔パイプに接着される。積層体をこの中心パイプの周りで約30回回転させることで、第2の流れ分配足場(f)が穿孔パイプを完全に取り囲み、非多孔質膜(a)の側部の1つに接触する何度も接触する。この巻き付けられた積層体がイオン交換要素である。この要素は、長さ14インチ、直径6インチの容器内に配置される。いくつかの実施形態において、流体は、円筒形の巻かれた要素の軸方向に容器の上部に流れ込み、(b)流れ分配メッシュを通って円筒に対して軸方向に入る。この流体は、第1の多孔質膜を通ってイオン交換床に入り、第2の多孔質膜から出て、そこで第2の流れ分配足場を通って収集される。第2の流れ分配足場は穿孔管に接続されるので、穿孔管はすべての流出液を収集し、パイプを通してそれを容器から除去する。いくつかの実施形態において、2つの多孔質膜間にイオン交換膜を含むことによって、流れは、大きい表面積にわたって分布し、最小限の流れ距離でイオン交換床を通って流れ、イオン交換プロセス中の流体の流れのための最小限の推進力が生じる。積層体を螺旋状に巻くことによって、イオン交換要素の物理的フットプリントが最小化される。
【0149】
いくつかの実施形態において、イオン交換要素の長さは、5cm未満、10cm未満、20cm未満、50cm未満、100cm未満、200cm未満、500cm未満である。いくつかの実施形態において、イオン交換要素の長さは、5cm超、10cm超、20cm超、50cm超、100cm超、200cm超、500cm超である。いくつかの実施形態において、イオン交換要素の長さは、約5cm~約10cm、約10cm~約20cm、約20cm~約50cm、約50cm~約100cm、約100cm~約200cm、約200cm~約500cmである。
【0150】
いくつかの実施形態において、イオン交換要素の直径は、1cm未満、2cm未満、4cm未満、6cm未満、10cm未満、20cm未満、50cm未満、100cm未満である。いくつかの実施形態において、イオン交換要素の直径は、1cm超、2cm超、4cm超、6cm超、10cm超、20cm超、50cm超、100cm超である。いくつかの実施形態において、イオン交換要素の直径は、約1cm~約2cm、約2cm~約4cm、約4cm~約6cm、約6cm~約10cm、約10cm~約20cm、約20cm~約50cm、約50cm~約100cmである。
【0151】
いくつかの実施形態において、イオン交換要素の積み重ねられた構成要素は、それらが巻かれる前に、10cm未満、20cm未満、40cm未満、60cm未満、100cm未満、200cm未満、500cm未満、1000cm未満である幅を有する。いくつかの実施形態において、巻き付けられる前の膜積層体の幅は、10cm超、20cm超、40cm超、60cm超、100cm超、200cm超、500cm超、1000cm超である。いくつかの実施形態において、巻き付けられる前の膜積層体の幅は、約10cm~約20cm、約20cm~約40cm、約40cm~約60cm、約60cm~約100cm、約100cm~約200cm、約200cm~約500cm、約500cm~約1000cmである。
【0152】
いくつかの実施形態において、要素内の巻きつけの数は、約1超、約2超、約4超、約10超、約50超、約100超である。いくつかの実施形態において、要素内の巻きつけの数は、約1未満、約2未満、約4未満、約10未満、約50未満、約100未満である。いくつかの実施形態において、要素内の巻きつけの数は、約1~約2、約2~約4、約4~約6、約10~約50、約50~約100である。
【0153】
いくつかの実施形態において、非多孔質膜は、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、数種類のポリアミド、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリスルホン、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリ(4-ビニルピリジン-co-スチレン)(PVPCS)、ポリスチレン(PS)、ポリブタジエン、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリ塩化ビニル(PVC)、エチレンテトラフルオロエチレンポリマー(ETFE)、ポリ(クロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、エチレンクロロトリフルオロエチレン(Halar)、ポリフッ化ビニル(PVF)、フッ素化エチレン-プロピレン(FEP)、全フッ素置換エラストマー、クロロトリフルオロエチレンビニリデンフルオライド(FKM)、ペルフルオロポリエーテル(PFPE)、ペルフルオロ-3,6-ジオキサ-4-メチル-7-オクテン-スルホン酸(NAFION(登録商標)(ペルフルオロ-3,6-ジオキサ-4-メチル-7-オクテン-スルホン酸およびテトラフルオロエチレンのコポリマー))、ポリエチレンオキシド、ポリエチレングリコール、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチレン-ブロック-ポリ(エチレングリコール)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリクロロプレン(ネオプレン)、ポリビニルブチラール(PVB)、発泡ポリスチレン(EPS)、ポリジビニルベンゼン、それらのコポリマー、それらの混合物、またはそれらの組み合わせで構成される。さらなる態様において、コーティング材料は、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリ塩化ビニル(PVC)、エチレンクロロトリフルオロエチレン(Halar)、ポリ(4-ビニルピリジン-co-スチレン)(PVPCS)、ポリスチレン(PS)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、発泡ポリスチレン(EPS)、ポリフェニレンスルフィド、スルホン化ポリマー、カルボキシル化ポリマー、他のポリマー、これらのコポリマー、これらの混合物、またはこれらの組み合わせを含む。
【0154】
いくつかの実施形態において、多孔質膜は、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、数種類のポリアミド、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリスルホン、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリ(4-ビニルピリジン-co-スチレン)(PVPCS)、ポリスチレン(PS)、ポリブタジエン、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリ塩化ビニル(PVC)、エチレンテトラフルオロエチレンポリマー(ETFE)、ポリ(クロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、エチレンクロロトリフルオロエチレン(Halar)、ポリフッ化ビニル(PVF)、フッ素化エチレン-プロピレン(FEP)、全フッ素置換エラストマー、クロロトリフルオロエチレンビニリデンフルオライド(FKM)、ペルフルオロポリエーテル(PFPE)、ペルフルオロ-3,6-ジオキサ-4-メチル-7-オクテン-スルホン酸(NAFION(登録商標)(ペルフルオロ-3,6-ジオキサ-4-メチル-7-オクテン-スルホン酸およびテトラフルオロエチレンのコポリマー))、ポリエチレンオキシド、ポリエチレングリコール、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチレン-ブロック-ポリ(エチレングリコール)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリクロロプレン(ネオプレン)、ポリビニルブチラール(PVB)、発泡ポリスチレン(EPS)、ポリジビニルベンゼン、それらのコポリマー、それらの混合物、またはそれらの組み合わせで構成される。さらなる態様において、コーティング材料は、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリ塩化ビニル(PVC)、エチレンクロロトリフルオロエチレン(Halar)、ポリ(4-ビニルピリジン-co-スチレン)(PVPCS)、ポリスチレン(PS)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、発泡ポリスチレン(EPS)、ポリフェニレンスルフィド、スルホン化ポリマー、カルボキシル化ポリマー、他のポリマー、これらのコポリマー、これらの混合物、またはこれらの組み合わせを含む。
【0155】
いくつかの実施形態において、多孔質膜は開口部を有する。いくつかの実施形態において、多孔質膜は、円形、管状、正方形、長方形、菱形、星形、スリット形、不規則形状、またはそれらの組み合わせである開口部を有する。いくつかの実施形態において、多孔質膜は、約0.02μm未満、約0.1μm未満、約0.2μm未満、約1μm未満、約2μm未満、約5μm未満、約10μm未満、約25μm未満、約100μm未満、約1000μm未満の開口部を有する。いくつかの実施形態において、多孔質膜は、約0.02μm超、約0.1μm超、約0.2μm超、約1μm超、約2μm超、約5μm超、約10μm超、約25μm超、約100μm超の開口部を有する。いくつかの実施形態において、多孔質膜は、約0.02μm~約0.1μm、約0.1μm~約0.2μm、約0.2μm~約0.5μm、約0.5μm~約1μm、約1μm~約5μm、約5μm~約10μm、約10μm~約25μm、約25μm~約100μmの開口部を有する。
【0156】
いくつかの実施形態において、流れ分配足場は、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、数種類のポリアミド、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリスルホン、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリ(4-ビニルピリジン-co-スチレン)(PVPCS)、ポリスチレン(PS)、ポリブタジエン、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリ塩化ビニル(PVC)、エチレンテトラフルオロエチレンポリマー(ETFE)、ポリ(クロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、エチレンクロロトリフルオロエチレン(Halar)、ポリフッ化ビニル(PVF)、フッ素化エチレン-プロピレン(FEP)、全フッ素置換エラストマー、クロロトリフルオロエチレンビニリデンフルオライド(FKM)、ペルフルオロポリエーテル(PFPE)、ペルフルオロ-3,6-ジオキサ-4-メチル-7-オクテン-スルホン酸(NAFION(登録商標)(ペルフルオロ-3,6-ジオキサ-4-メチル-7-オクテン-スルホン酸およびテトラフルオロエチレンのコポリマー))、ポリエチレンオキシド、ポリエチレングリコール、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチレン-ブロック-ポリ(エチレングリコール)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリクロロプレン(ネオプレン)、ポリビニルブチラール(PVB)、発泡ポリスチレン(EPS)、ポリジビニルベンゼン、それらのコポリマー、それらの混合物、またはそれらの組み合わせで構成される。さらなる態様において、コーティング材料は、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリ塩化ビニル(PVC)、エチレンクロロトリフルオロエチレン(Halar)、ポリ(4-ビニルピリジン-co-スチレン)(PVPCS)、ポリスチレン(PS)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、発泡ポリスチレン(EPS)、ポリフェニレンスルフィド、スルホン化ポリマー、カルボキシル化ポリマー、他のポリマー、これらのコポリマー、これらの混合物、またはこれらの組み合わせを含む。
【0157】
いくつかの実施形態において、流れ分配足場は、流れを可能にするように開いている。いくつかの実施形態において、流れ分配足場は、円形、管状、正方形、長方形、菱形、星形、スリット形、不規則形状、またはそれらの組み合わせである開口部を有する。いくつかの実施形態において、流れ分配足場は、約2μm未満、約10μm未満、約100μm未満、約1mm未満、約1cm未満、約5cm未満、約10cm未満の開口部を有する。いくつかの実施形態において、流れ分配足場は、約2μm超、約10μm超、約100μm超、約1mm超、約1cm超、約5cm超、約10cm超の開口部を有する。いくつかの実施形態において、流れ分配足場は、約2μm~約10μm、約10μm~約100μm、約100μm~約1mm、約1cm~約5cm、約5cm~約10cmの開口部を有する。
【0158】
いくつかの実施形態において、イオン交換要素は、イオン交換容器内に配置される。いくつかの実施形態において、2つ以上のイオン交換要素がイオン交換容器内に配置される。いくつかの実施形態において、2つ以上のイオン交換要素が直列に接続される。いくつかの実施形態において、2つ以上のイオン交換要素が並列に接続される。いくつかの実施形態において、1つ以上のイオン交換要素を含む2つ以上のイオン交換容器が直列に接続される。いくつかの実施形態において、1つ以上のイオン交換要素を含む2つ以上のイオン交換容器が並列に接続される。
【0159】
いくつかの実施形態において、イオン交換容器は、イオン交換要素内に流れを分配するための分流装置を備える。いくつかの実施形態において、前記分流装置は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリクロロプレン(ネオプレン)、エチレンプロピレンジンモノマー(EPDM)、Viton、ニトリルゴム(Buna-N)、シリコーン、フルオロポリマー、ポリウレタン、フルオロシリコーン、またはそれらの組み合わせで構成される。
【0160】
いくつかの実施形態において、イオン交換容器は、イオン交換要素から流出液を収集するための流れ分配管(flow distributor tube)を含む。いくつかの実施形態において、前記流れ分配管は多孔質である。いくつかの実施形態において、多孔質の流れ分配管はポリマー、金属、またはセラミックで構成される。いくつかの実施形態において、多孔質仕切りは、ポリエーテルエーテルケトン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスルホン、ポリエステル、ポリアミド、ポリテトラフルオロエチレン、エチレンテトラフルオロエチレンポリマー、ステンレス鋼、ポリマーでコーティングされたステンレス鋼、セラミックでコーティングされたステンレス鋼、チタン、ハステロイ、ジルコニウム、タンタル、それらの複合体、それらのコポリマー、またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態において、流れ分配管は、約1μm未満、約2μm未満、約5μm未満、約10μm未満、約20μm未満、約30μm未満、約40μm未満、約50μm未満、約60μm未満、約70μm未満、約80μm未満、約90μm未満、約100μm未満、約200μm未満、約300μm未満、約400μm未満、約500μm未満、約600μm未満、約700μm未満、約800μm未満、約900μm未満、約1000μm未満、約2000μm未満の典型的な特徴サイズの開口部からなる。いくつかの実施形態において、流れ分配管は、約1μm超、約2μm超、約5μm超、約10μm超、約20μm超、約30μm超、約40μm超、約50μm超、約60μm超、約70μm超、約80μm超、約90μm超、約100μm超、約200μm超、約300μm超、約400μm超、約500μm超、約600μm超、約700μm超、約800μm超、約900μm超、約1000μm超、約2000μm超の典型的な特徴サイズの開口部からなる。いくつかの実施形態において、流れ分配管は、約20μm~約40μm、約40μm~約80μm、約80μm~約200μm、約100μm~約400μm、約200μm~約800μm、約400μm~約1000μm、約600μm~約2000μm、約1000μm~約2000μmの典型的な特徴サイズの開口部からなる。
【0161】
いくつかの実施形態において、液体リチウム資源、洗浄液、または酸などの流体は、巻きつけられたイオン交換要素を通って流れる。いくつかの実施形態において、巻きつけられたイオン交換要素を通過した流体は廃棄される。いくつかの実施形態において、巻きつけられたイオン交換要素を通過した流体は、イオン交換要素の入口に再循環される。いくつかの実施形態において、流れは、イオン交換要素の出口が入口になり、入口が出口になるように逆になる。
【0162】
いくつかの実施形態において、巻きつけられたイオン交換要素の入口における圧力は、約1psi未満、約2psi未満、約5psi未満、約10psi未満、約50psi未満、約100psi未満、約500psi未満、約1000psi未満、約5000psi未満である。いくつかの実施形態において、巻きつけられたイオン交換要素の入口における圧力は、約1psi超、約2psi超、約5psi超、約10psi超、約50psi超、約100psi超、約500psi超、約1000psi超、約5000psi超である。いくつかの実施形態において、巻きつけられたイオン交換要素の入口における圧力は、約1psi~約2psi、約2psi~約5psi、約5psi~約10psi、約10psi~約50psi、約50psi~約100psi、約100psi~約500psi、約500psi~約1000psi、約1000psi~約5000psiである。
【0163】
いくつかの実施形態において、巻きつけられたイオン交換要素の出口における圧力は、約1psi未満、約2psi未満、約5psi未満、約10psi未満、約50psi未満、約100psi未満、約500psi未満、約1000psi未満、約5000psi未満である。いくつかの実施形態において、巻きつけられたイオン交換要素の出口における圧力は、約1psi超、約2psi超、約5psi超、約10psi超、約50psi超、約100psi超、約500psi超、約1000psi超、約5000psi超である。いくつかの実施形態において、巻きつけられたイオン交換要素の出口における圧力は、約1psi~約2psi、約2psi~約5psi、約5psi~約10psi、約10psi~約50psi、約50psi~約100psi、約100psi~約500psi、約500psi~約1000psi、約1000psi~約5000psiである。
【0164】
イオン交換ビーズを容器に充填するためのシステム
イオン交換ビーズの最適な性能を確保するために、イオン交換床全体にわたって均一な流れ分布を達成することが望ましい。いくつかの実施形態において、均一な流れ分布は、床の断面積全体にわたる流体の流れについて同じ静水圧低下を意味する。いくつかの実施形態において、均一な流れ分布は、流れの方向に垂直な、床の断面積全体にわたる流体の流れについて同じ静水圧低下を意味する。いくつかの実施形態において、そのような均一な圧力低下は、同じ量の液体がイオン交換床のすべての部分を通って確実に流れるようにし、したがって、イオン交換材料と液体資源、洗浄溶液、酸性溶離液、またはそれらの任意の組み合わせとの均一な接触を確実なものにする。
【0165】
イオン交換ビーズを均一なイオン交換床に充填することで、流れ分布の均一性を改善する。この充填は、イオン交換床の均一な構造を保証する。イオン交換床を均一なイオン交換床に充填するプロセスは、イオン交換床の「充填」、「形成」、または「成形」と呼ばれる。本発明の目的のために、「充填する(packing)」、「形成する(forming)」、または「成形する(shaping)」という用語は、交換可能に使用される。
【0166】
イオン交換ビーズを、最適な流れ分布を有するイオン交換床に成形するためのシステムの1つの実施形態は、実施例16および関連する図面に記載されている。
【0167】
イオン交換ビーズをイオン交換床に成形するために、前記ビーズをまずイオン交換容器に充填する。いくつかの実施形態において、イオン交換ビーズは、スラリーとして容器に流し入れること、容器を通して真空を適用し、ビーズを容器に引き込むこと、スラリー移送装置を用いてスラリーを容器に注ぐこと、スラリー移送装置を用いてスラリーを容器にポンプ輸送すること、またはそれらの組み合わせによって容器に充填される。いくつかの実施形態において、イオン交換ビーズは、乾燥粉末として充填される。いくつかの実施形態において、イオン交換ビーズは固体として充填される。いくつかの実施形態において、イオン交換ビーズは、それらを粉末としてイオン交換容器に注ぐことによって乾燥粉末として充填される。いくつかの実施形態において、イオン交換ビーズは、充填容器を軽くたたきながらイオン交換容器に注ぐことによって乾燥粉末として充填される。いくつかの実施形態において、イオン交換ビーズは、送風機、真空、圧縮空気、コンベヤベルト、ファン、またはそれらの組み合わせを使用して、イオン交換ビーズをイオン交換容器の中に空気圧によって運搬することによって、乾燥粉末として充填される。
【0168】
いくつかの実施形態において、充填されたビーズは、イオン交換床を最適な流れ分布に成形するために充填される。いくつかの実施形態において、充填は、イオン交換ビーズを通して流体を流すことによって行われる。いくつかの実施形態において、イオン交換ビーズの均一な充填を達成するために、イオン交換床を超える流れの間、特定の流量および圧力が維持される。いくつかの実施形態において、充填用の流体は、水、水溶液、ブライン、酸性溶液、有機溶媒、空気、窒素ガス、アルゴンガス、またはこれらの組み合わせである。
【0169】
いくつかの実施形態において、充填に使用される流体速度は、1cm/分未満、5cm/分未満、10cm/分未満、20cm/分未満、30cm/分未満、40cm/分未満、50cm/分未満、100cm/分未満、200cm/分未満、500cm/分未満、10m/分未満、100m/分未満、またはこれらの組み合わせである。いくつかの実施形態において、充填に使用される流体速度は、1cm/分超、5cm/分超、10cm/分超、20cm/分超、30cm/分超、40cm/分超、50cm/分超、100cm/分超、200cm/分超、500cm/分超、10m/分超、100m/分超、またはこれらの組み合わせである。いくつかの実施形態において、流体速度は、約1cm/分~約5cm/分、約5cm/分~約20cm/分、約20cm/分~約100cm/分、約100cm/分~約200cm/分、約200cm/分~約500cm/分、約500cm/分~約10m/分、約10m/分~約100m/分、またはこれらの組み合わせである。いくつかの実施形態において、流体速度は、イオン交換床を成形するために、充填プロセスを通して変化する。いくつかの実施形態において、流体速度は、充填プロセスを通して増加する。いくつかの実施形態において、流体速度は、充填プロセスを通して減少する。いくつかの実施形態において、流体速度は、最初に増加し、その後、減少する。いくつかの実施形態において、流体速度は、時間とともに正弦波状に変化する。いくつかの実施形態において、流体速度は、上、下、正弦波状に、可変速度で、またはそれらの組み合わせで変化する。
【0170】
いくつかの実施形態において、流れは、イオン交換プロセス中の流体の流れと同じ方向に、イオン交換プロセス中の流体の流れと反対方向に、イオン交換プロセス中の流体の流れとして接線方向に、イオン交換プロセス中の流体の流れとして直交方向に、イオン交換プロセス中の流体の流れとして中間方向に、またはその組み合わせにおいて、方向づけられる。いくつかの実施形態において、流体は、イオン交換床の最長の配向に沿って軸方向に、イオン交換ビーズにわたって流れる。いくつかの実施形態において、流体は、イオン交換ビーズにわたって、イオン交換床の半径方向配向にわたって半径方向に流れる。いくつかの実施形態において、流体は、イオン交換床の最短の配向に沿って、イオン交換ビーズにわたって流れる。いくつかの実施形態において、流体は、イオン交換床の最長の配向に沿って軸方向に、イオン交換床の最短の配向に沿って、またはイオン交換床の半径方向の配向にわたって半径方向に組み合わせて流される。
【0171】
いくつかの実施形態において、イオン交換ビーズは、イオン交換プロセスが生じるのと同じチャンバーに充填される。いくつかの実施形態において、イオン交換ビーズは、イオン交換プロセスが生じる別のチャンバーに充填される。
【0172】
いくつかの実施形態において、イオン交換ビーズは、イオン交換床に圧力を加えることによって充填される。いくつかの実施形態において、圧力は、流体の流れによって引き起こされる重量または油圧力を用いて、イオン交換床に加えられる。
【0173】
いくつかの実施形態において、イオン交換床に加えられる重量は、1kg未満、5kg未満、10kg未満、50kg未満、100kg未満、500kg未満、または1000kg未満である。いくつかの実施形態において、イオン交換床に加えられる重量は、1kg超、5kg超、10kg超、50kg超、100kg超、500kg超、または1000kg超である。いくつかの実施形態において、イオン交換床に加えられる重量は、1kg~5kg、5kg~10kg、10kg~50kg、50kg~100kg、100kg~500kg、または500kg~1000kgである。
【0174】
いくつかの実施形態において、イオン交換ビーズに加えられる水力は、50psi未満、150psi未満、500psi未満、1000psi未満、2500psi未満、または5000psi未満である。いくつかの実施形態において、イオン交換ビーズに加えられる水力は、50psi超、150psi超、500psi超、1000psi超、2500psi超、または5000psi超である。いくつかの実施形態において、イオン交換ビーズに加えられる水力は、50psi~150psi、150psi~500psi、500psi~1000psi、1000psi~2500psi、2500psi~5000psiである。
【0175】
本明細書に記載される態様は、イオン交換ビーズを、イオン交換によるリチウム抽出のための均一かつ最適な流れ特性を有するイオン交換床に形成する流体分流装置である。本明細書に記載される態様は、イオン交換ビーズを、均質な密度またはほぼ均質な密度を有するイオン交換床に形成する流体分流装置である。本明細書に記載される態様は、イオン交換ビーズを、均質な密度またはほぼ均質な密度を有するイオン交換床に形成する流体分流装置である。
【0176】
いくつかの実施形態において、前記流体分流装置は、円筒形、正方形、長方形、三角形、楕円形、星形、不規則形状、それらの混合物、またはそれらの組み合わせである。いくつかの実施形態において、前記流体分流装置は、それが使用される容器の形状に適合する。いくつかの実施形態において、前記流体分流装置は、それが配置されるパイプの形状に適合する。いくつかの実施形態において、前記流体分流装置は、流体分流装置に入るか、流体分流装置から出るか、または流体分流装置を通る流体に応じて、形状を変化させる。いくつかの実施形態において、前記流体分流装置は、イオン交換床成形プロセスの前、間、いくつかの時点、または後に形状を変化させる。いくつかの実施形態において、前記流体分流装置は、流体によってそれに加えられている圧力に応じて形状を変化させる。
【0177】
いくつかの実施形態において、流体分流装置は、容器の区画を密閉することによって流体の流れを遮断する。いくつかの実施形態において、本装置は、oリング、ガスケット、拡張式可撓性リング、バルーン、またはそれらの組み合わせを用いて、流れを遮断する。いくつかの実施形態において、前記流体装置シールは、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリクロロプレン(ネオプレン)、エチレンプロピレンジンモノマー(EPDM)、Viton、ニトリルゴム(Buna-N)、シリコーン、フルオロポリマー、ポリウレタン、フルオロシリコーン、またはそれらの組み合わせを含む。
【0178】
いくつかの実施形態において、流体分流装置は、形成および充填されるイオン交換床の特定の部分に流れを方向付けるように、イオン交換床の部分を遮断する。いくつかの実施形態において、前記流体分流装置は、流れが前記流れ分配器を通ってイオン交換床に流れ込むのを防止するために、流れ分配器の内側の空間を占有することによって流れを遮断する。いくつかの実施形態において、前記流体分流装置は、流体をイオン交換床に送達する流れ分配器の部分を通る流れを遮断する。いくつかの実施形態において、前記流体分流装置は、イオン交換床から流体を収集する流れ分配器の部分を通る流れを遮断する。いくつかの実施形態において、前記流体分流装置は、イオン交換容器内の多孔質の分割区画の細孔を遮断することによって流れを遮断する。
【0179】
いくつかの実施形態において、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、または10個の流体分流装置が、単一の容器内で、それら自体で、組み合わせて、または充填処理の持続時間にわたって数および種類が変化させながら使用される。
【0180】
いくつかの実施形態において、1つを超える流体分流装置が、同じイオン交換容器内に存在する。いくつかの実施形態において、約2超、約4超、約6超、約10超、約20超、約50超の流体分流装置が、同じイオン交換容器内に存在する。いくつかの実施形態において、約2未満、約4未満、約6未満、約10未満、約20未満、約50未満の流体分流装置が、同じイオン交換容器内に存在する。いくつかの実施形態において、約1~約2、約2~約4、約4~約6、約4~約10、約10~約20、約20~約50の流体分流装置が、同じイオン交換容器内に存在する。
【0181】
いくつかの実施形態において、イオン交換床の形成は、イオン交換チャンバー全体が充填されるまで、前記流体分流装置を使用してイオン交換床の区域を充填することによって行われる。いくつかの実施形態において、イオン交換床の形成は、イオン交換容器の長さに沿って流体分流装置を連続的に移動させることによって行われる。いくつかの実施形態において、イオン交換床は、4区域未満、8区域未満、20区域未満、50区域未満、100区域未満で充填される。いくつかの実施形態において、イオン交換床は、1超の区域、4超の区域、8超の区域、20超の区域、50超の区域、100超の区域で充填される。いくつかの実施形態において、イオン交換床は、約1~約4区域、約4区域~約8区域、約8区域~約20区域、約20区域~約50区域、約50区域~約100区域で充填される。
【0182】
いくつかの実施形態において、流体は、前記流体分流装置を上、下、ある角度で、通過して、または横断して流れる。いくつかの実施形態において、前記流体分流装置は、流体が流れるパイプを含む。いくつかの実施形態において、前記流体分流装置は、パイプに沿って移動する。いくつかの実施形態において、流体は、容器の異なる位置に移動する。いくつかの実施形態において、流体は、流体の流れに応答して容器内の異なる位置に移動する。いくつかの実施形態において、流体は、圧力に応答して容器内の異なる位置に移動する。いくつかの実施形態において、流体は、容器内の液面に応答して容器内の異なる位置に移動する。
【0183】
いくつかの実施形態において、流体分流装置は、1cm未満、5cm未満、15cm未満、50cm未満、100cm未満、または200cm未満の長さを有する区域を遮断する。いくつかの実施形態において、流体分流装置は、1cm超、5cm超、15cm超、50cm超、100cm超、または200cm超の長さを有する区域を遮断する。いくつかの実施形態において、流体分流装置は、1cm~5cm、5cm~15cm、15cm~50cm、50cm~100cm、100cm~200cmの長さを有する区域を遮断する。
【0184】
いくつかの実施形態において、流体分流装置は、1cm未満、5cm未満、15cm未満、50cm未満、100cm未満、または200cm未満の長さを有する。いくつかの実施形態において、流体分流装置は、1cm超、5cm超、15cm超、50cm超、100cm超、または200cm超の長さを有する。いくつかの実施形態において、流体分流装置は、1cm~5cm、5cm~15cm、15cm~50cm、50cm~100cm、100cm~200cmの長さを有する。いくつかの実施形態において、流体分流装置は、1cm未満、5cm未満、15cm未満、50cm未満、100cm未満、または200cm未満の幅を有する。いくつかの実施形態において、流体分流装置は、1cm超、5cm超、15cm超、50cm超、100cm超、または200cm超の幅を有する。いくつかの実施形態において、流体分流装置は、1cm~5cm、5cm~15cm、15cm~50cm、50cm~100cm、100cm~200cmの幅を有する。いくつかの実施形態において、流体分流装置は、1cm未満、5cm未満、15cm未満、50cm未満、100cm未満、または200cm未満の半径を有する。いくつかの実施形態において、流体分流装置は、1cm超、5cm超、15cm超、50cm超、100cm超、または200cm超の半径を有する。いくつかの実施形態において、流体分流装置は、1cm~5cm、5cm~15cm、15cm~50cm、50cm~100cm、100cm~200cmの半径を有する。
【0185】
いくつかの実施形態において、充填は、容器の特定の区域からの流体流路を制限するために不活性ビーズを使用することによって補助される。いくつかの実施形態において、不活性ビーズは、イオン交換ビーズとは別の仕切りに充填される。これは、前記不活性ビーズを含む区画における流体の流れを制限し、イオン交換ビーズを含む区画に流れを方向づける。いくつかの実施形態において、不活性ビーズは、イオン交換ビーズと同じ区画に充填される。これは、前記不活性ビーズを含む区画の領域における流体の流れを制限し、流れをイオン交換ビーズに方向づける。
【0186】
いくつかの実施形態において、不活性なビーズは、スラリーとして容器に流し入れること、容器を通して真空を適用し、ビーズを容器に引き込むこと、スラリー移送装置を用いてスラリーを容器に注ぐこと、またはそれらの組み合わせによって容器に充填される。いくつかの実施形態において、不活性なビーズは、スラリーとして容器に流し入れること、容器を通して真空を適用し、ビーズを容器に引き込むこと、スラリー移送装置を用いてスラリーを容器に注ぐこと、またはそれらの組み合わせによって容器に取り除かれる(unloaded)。いくつかの実施形態において、不活性ビーズは乾燥粉末として充填される。いくつかの実施形態において、不活性ビーズは固体として充填される。いくつかの実施形態において、不活性ビーズは、それらを粉末としてイオン交換容器に注ぐことによって乾燥粉末として充填される。いくつかの実施形態において、不活性ビーズは、充填容器を軽くたたきながらイオン交換容器に注入することによって乾燥粉末として充填される。いくつかの実施形態において、不活性ビーズは、送風機、真空、圧縮空気、コンベヤベルト、ファン、またはそれらの組み合わせを使用して、イオン交換ビーズをイオン交換容器の中に空気圧によって運搬することによって、乾燥粉末として充填される。
【0187】
いくつかの実施形態において、不活性ビーズは、ポリマー、セラミック、金属、炭化物、窒化物、酸化物、リン酸塩、フッ化物、ポリマー、炭素、炭素質材料、またはそれらの組み合わせからなる。いくつかの実施形態において、不活性ビーズは、クロロ-ポリマー、フルオロ-ポリマー、クロロ-フルオロ-ポリマー、親水性ポリマー、疎水性ポリマー、それらのコポリマー、それらの混合物、またはそれらの組み合わせを含む。さらなる実施形態において、コーティングはこれらの不活性なビーズに塗布される。いくつかの実施形態において、コーティング材料は、コポリマー、ブロックコポリマー、線形ポリマー、分岐ポリマー、架橋ポリマー、熱処理ポリマー、溶液処理ポリマー、それらのコポリマー、それらの混合物、またはそれらの組み合わせを含む。さらなる態様において、コーティング材料は、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、数種類のポリアミド、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリスルホン、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリ(4-ビニルピリジン-co-スチレン)(PVPCS)、ポリスチレン(PS)、ポリブタジエン、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリ塩化ビニル(PVC)、エチレンテトラフルオロエチレンポリマー(ETFE)、ポリ(クロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、エチレンクロロトリフルオロエチレン(Halar)、ポリフッ化ビニル(PVF)、フッ素化エチレン-プロピレン(FEP)、全フッ素置換エラストマー、クロロトリフルオロエチレンビニリデンフルオライド(FKM)、ペルフルオロポリエーテル(PFPE)、ペルフルオロ-3,6-ジオキサ-4-メチル-7-オクテン-スルホン酸(NAFION(登録商標)(ペルフルオロ-3,6-ジオキサ-4-メチル-7-オクテン-スルホン酸およびテトラフルオロエチレンのコポリマー))、ポリエチレンオキシド、ポリエチレングリコール、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチレン-ブロック-ポリ(エチレングリコール)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリクロロプレン(ネオプレン)、ポリビニルブチラール(PVB)、発泡ポリスチレン(EPS)、ポリジビニルベンゼン、それらのコポリマー、それらの混合物、またはそれらの組み合わせで構成される。さらなる態様において、コーティング材料は、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリ塩化ビニル(PVC)、エチレンクロロトリフルオロエチレン(Halar)、ポリ(4-ビニルピリジン-co-スチレン)(PVPCS)、ポリスチレン(PS)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、発泡ポリスチレン(EPS)、ポリフェニレンスルフィド、スルホン化ポリマー、カルボキシル化ポリマー、他のポリマー、これらのコポリマー、これらの混合物、またはこれらの組み合わせを含む。
【0188】
いくつかの実施形態において、不活性ビーズは、球体、回転楕円体、楕円体、十字、管、トーラス、リング、サドルリング、管、三角形、円筒形、菱形、正方形、長方形、他の複雑な幾何学的形状、またはそれらの組み合わせとして成形される。
【0189】
いくつかの実施形態において、不活性ビーズは、約1μm未満、約10μm未満、約20μm未満、約30μm未満、約40μm未満、約50μm未満、約60μm未満、約70μm未満、約80μm未満、約90μm未満、約100μm未満、約200μm未満、約300μm未満、約400μm未満、約500μm未満、約600μm未満、約700μm未満、約800μm未満、約900μm未満、約1000μm未満、約2000μm未満の平均粒径を有する。いくつかの実施形態において、不活性ビーズは、約1μm超、約10μm超、約20μm超、約30μm超、約40μm超、約50μm超、約60μm超、約70μm超、約80μm超、約90μm超、約100μm超、約200μm超、約300μm超、約400μm超、約500μm超、約600μm超、約700μm超、約800μm超、約900μm超、約1000μm超、約2000μm超の平均粒径を有する。いくつかの実施形態において、不活性ビーズの典型的な粒径は、約10μm~約20μm、約20μm~約40μm、約40μm~約80μm、約80μm~約200μm、約100μm~約400μm、約200μm~約800μm、約400μm~約1000μm、約600μm~約2000μm、約1000μm~約2000μmである。
【0190】
いくつかの実施形態において、前記フィラー材料は酸とブラインに対して不活性である。いくつかの実施形態において、前記フィラー材料はポリマーまたはセラミックから構築される。いくつかの実施形態において、前記フィラー材料はイオン交換材料を含有する細孔を有する。いくつかの実施形態において、前記フィラー材料はイオン交換材料を含む10ミクロンよりも大きい小さい細孔を有する。いくつかの実施形態において、前記フィラー材料はイオン交換材料を含む100ミクロンよりも大きい小さい細孔を有する。いくつかの実施形態において、前記フィラー材料はイオン交換材料を含む1ミリメートルよりも大きい小さい細孔を有する。いくつかの実施形態において、前記フィラー材料はイオン交換材料を含む1センチメートルよりも大きい小さい細孔を有する。いくつかの実施形態において、前記フィラー材料はイオン交換材料を含む1センチメートルよりも大きい細孔を有する。いくつかの実施形態において、前記フィラー材料はイオン交換材料を含む10センチメートルよりも大きい細孔を有する。いくつかの実施形態において、前記フィラー材料は、イオン交換材料を含有する約10ミクロンまたは約100ミクロンよりも大きい細孔を有する。いくつかの実施形態において、前記フィラー材料は、イオン交換材料を含有する約1ミリメートル、約1センチメートル、または約10センチメートルよりも大きい細孔を有する。いくつかの実施形態において、前記フィラー材料は、イオン交換材料を含有する約10センチメートルまたは約25センチメートルよりも大きい細孔を有する。いくつかの実施形態において、前記フィラー材料は、イオン交換材料を含有する約10ミクロンまたは約100ミクロンよりも小さい細孔を有する。いくつかの実施形態において、前記フィラー材料は、イオン交換材料を含有する約1ミリメートル、約1センチメートル、または約10センチメートルよりも小さい細孔を有する。いくつかの実施形態において、前記フィラー材料は、イオン交換材料を含有する約10センチメートルまたは約25センチメートルよりも小さい大きい細孔を有する。いくつかの実施形態において、前記フィラー材料は剛性の足場である。
【0191】
いくつかの実施形態において、流体との接触中のイオン交換ビーズの位置を制御し、移動を制限するために、スクリーン、メッシュ、または他の仕切りがイオン交換容器内に任意選択で含まれる。いくつかの実施形態において、前記仕切りは流れ分配区画からイオン交換区画を切り離す。いくつかの実施形態において、前記区画はイオン交換区画から流れ分配区画を切り離す。いくつかの実施形態において、この多孔質仕切りは任意選択で、イオン交換ビーズ床の支持、化学的保護、濾過の補助、またはそれらの組み合わせを提供する。いくつかの実施形態において、多孔質仕切りは多孔質ポリマー仕切りである。いくつかの実施形態において、多孔質仕切りはメッシュまたはポリマー膜である。いくつかの実施形態において、多孔質仕切りは、同様のまたは異なる組成の、同様のまたは異なる開口サイズの、同様のまたは異なる開口面積パーセントの1つ以上のメッシュを含む。いくつかの実施形態において、多孔質仕切りは、構造的支持および/または濾過能力を提供するように、1つ以上のメッシュを備える。いくつかの実施形態において、多孔質仕切りは、ポリエーテルエーテルケトンメッシュ、ポリプロピレンメッシュ、ポリエチレンメッシュ、ポリスルホンメッシュ、ポリエステルメッシュ、ポリアミドメッシュ、ポリテトラフルオロエチレンメッシュ、エチレンテトラフルオロエチレンポリマーメッシュ、ステンレス鋼メッシュ、ポリマーでコーティングされたステンレス鋼メッシュ、セラミックでコーティングされたステンレス鋼メッシュ、チタンメッシュ、またはこれらの組み合わせを含み、メッシュは粗いメッシュ、微細メッシュ、またはこれらの組み合わせである。
【0192】
いくつかの実施形態において、多孔質仕切りは多孔質パイプである。いくつかの実施形態において、多孔質パイプは、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、数種類のポリアミド、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリスルホン、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリ(4-ビニルピリジン-co-スチレン)(PVPCS)、ポリスチレン(PS)、ポリブタジエン、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリ塩化ビニル(PVC)、エチレンテトラフルオロエチレンポリマー(ETFE)、ポリ(クロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、エチレンクロロトリフルオロエチレン(Halar)、ポリフッ化ビニル(PVF)、フッ素化エチレン-プロピレン(FEP)、全フッ素置換エラストマー、クロロトリフルオロエチレンビニリデンフルオライド(FKM)、ペルフルオロポリエーテル(PFPE)、ペルフルオロ-3,6-ジオキサ-4-メチル-7-オクテン-スルホン酸(NAFION(登録商標)(ペルフルオロ-3,6-ジオキサ-4-メチル-7-オクテン-スルホン酸およびテトラフルオロエチレンのコポリマー))、ポリエチレンオキシド、ポリエチレングリコール、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチレン-ブロック-ポリ(エチレングリコール)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリクロロプレン(ネオプレン)、ポリビニルブチラール(PVB)、発泡ポリスチレン(EPS)、ポリジビニルベンゼン、それらのコポリマー、それらの混合物、またはそれらの組み合わせで構成される。さらなる態様において、コーティング材料は、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリ塩化ビニル(PVC)、エチレンクロロトリフルオロエチレン(Halar)、ポリ(4-ビニルピリジン-co-スチレン)(PVPCS)、ポリスチレン(PS)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、発泡ポリスチレン(EPS)、ポリフェニレンスルフィド、スルホン化ポリマー、カルボキシル化ポリマー、他のポリマー、これらのコポリマー、これらの混合物、またはこれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態において、多孔質パイプは、焼結金属、ステンレス鋼、チタン、セラミックでコーティングされたステンレス鋼、ハステロイ、モネル、インコネル、またはそれらの組み合わせを含む。
【0193】
いくつかの実施形態において、多孔質パイプは、約1μm未満、約2μm未満、約5μm未満、約10μm未満、約20μm未満、約30μm未満、約40μm未満、約50μm未満、約60μm未満、約70μm未満、約80μm未満、約90μm未満、約100μm未満、約200μm未満、約300μm未満、約400μm未満、約500μm未満、約600μm未満、約700μm未満、約800μm未満、約900μm未満、約1000μm未満、約2000μm未満の典型的な特徴サイズの開口部からなる。いくつかの実施形態において、多孔質仕切りは、約1μm超、約2μm超、約5μm超、約10μm超、約20μm超、約30μm超、約40μm超、約50μm超、約60μm超、約70μm超、約80μm超、約90μm超、約100μm超、約200μm超、約300μm超、約400μm超、約500μm超、約600μm超、約700μm超、約800μm超、約900μm超、約1000μm超、約2000μm超の典型的な特徴サイズの開口部からなる。いくつかの実施形態において、多孔質仕切りは、約20μm~約40μm、約40μm~約80μm、約80μm~約200μm、約100μm~約400μm、約200μm~約800μm、約400μm~約1000μm、約600μm~約2000μm、約1000μm~約2000μmの典型的な特徴サイズの開口部からなる。いくつかの実施形態において、多孔質仕切りは、約1μm~約2μm、約2μm~約4μm、約4μm~約10μm、約10μm~約20μm、約20μm~約40μm、約40μm~約100μm、約100μm~約200μm、約200μm~約400μm、約400μm~約1000μm、約1000μm~約2000μmの典型的な特徴サイズの開口部からなる。いくつかの実施形態において、多孔質仕切りは、約1μm~約10μm、約10μm~約100μm、約100μm~約1000μm、約1000μm~約10000μmの典型的な特徴的なサイズの開口部からなる。
【0194】
液体資源からリチウムを抽出するための装置の他の実施形態
本明細書に記載される1つの態様において、1つの方向に移動するイオン交換ビーズと、交互に、正味反対方向に移動する酸、ブライン、および任意選択で他の溶液とを同時に収容するように独立して構成された1つ以上の容器を備える、液体資源からリチウムを抽出するための装置が提供される。
【0195】
本明細書に記載される1つの態様において、イオン交換容器と、イオン交換材料と、イオン交換容器内の液体資源のpHを上昇させるためのpH調節装置とを備える、液体資源からリチウムを抽出するための装置が提供される。
【0196】
本明細書に記載される1つの態様において、イオン交換容器と、イオン交換材料と、撹拌タンク反応器内の液体資源のpHを上昇させるためのpH調節機構と、イオン交換容器からの液体資源、洗浄液、および酸溶液の除去を可能にしながら撹拌タンク反応器内にイオン交換材料を収容するための区画とを含む、液体資源からリチウムを抽出するための装置が提供される。
【0197】
1つの実施形態において、1つ以上の容器の少なくとも1つは、多孔質イオン交換ビーズを上方に移動させ、同時に、酸、ブライン、および任意選択で、他の溶液の正味の流れを下方に移動させることを可能にするように適切に装備されたコンベヤシステムを装備される。1つの実施形態において、コンベヤシステムは、穴を有するフィンを備える。1つの実施形態において、フィンは、定位置に固定される摺動表面にわたって上向きに摺動する。1つの実施形態において、フィンは、定位置に固定される摺動表面にわたって上向きに摺動する。1つの実施形態において、1つ以上の容器のすべては、多孔質イオン交換ビーズを上方に移動させ、同時に、酸、ブライン、および任意選択で、他の溶液の正味の流れを下方に流れさせることを可能にするように適切に装備されたコンベヤシステムを装備される。1つの実施形態において、偶数個の容器がある。1つの実施形態において、奇数個の容器がある。1つの実施形態において、容器はカラムである。
【0198】
いくつかの実施形態において、1つ以上の容器を通してイオン交換材料を移動させるために、穴を有する構造が使用される。いくつかの実施形態において、構造内の穴は、10ミクロン未満、100ミクロン未満、1,000ミクロン未満、または10,000ミクロン未満であってもよい。いくつかの実施形態において、構造は、コンベヤシステムに取り付けられてもよい。いくつかの実施形態において、構造は、多孔質区画、多孔質仕切り、または他の多孔質構造を含んでもよい。いくつかの実施形態において、構造は、固定されたまたは流動化されたイオン交換材料の床を含有してもよい。いくつかの実施形態において、構造は、ブライン、水溶液、または酸溶液がその構造を通過することを可能にしつつ、イオン交換材料を含有してもよい。
【0199】
1つの実施形態において、多孔質イオン交換ビーズは、リチウムおよび水素を可逆的に交換するイオン交換粒子と、細孔ネットワークを有する構造マトリックス材料とを含む。1つの実施形態において、液体資源は、天然ブライン、溶解塩原、濃縮ブライン、加工ブライン、濾過ブライン、イオン交換プロセスからの液体、溶媒抽出プロセスからの液体、合成ブライン、鉱石からの浸出液、鉱物からの浸出液、粘土からの浸出液、リサイクル製品からの浸出液、リサイクル材料からの浸出液、またはそれらの組み合わせを含む。
【0200】
イオン交換材料
本明細書に記載された本発明の態様は、イオン交換材料が複数のイオン交換粒子を含むシステムである。実施形態において、イオン交換材料中の複数のイオン交換粒子は、コーティングされていないイオン交換粒子、コーティングされたイオン交換粒子、およびそれらの組み合わせから選択される。実施形態において、イオン交換材料は多孔質イオン交換材料である。実施形態において、多孔質イオン交換材料は、液体が多孔質イオン交換材料の表面から複数のイオン交換粒子に迅速に移動することを可能にする細孔のネットワークを含む。実施形態において、イオン交換材料は多孔質イオン交換ビーズの形態である。実施形態において、液体資源は、天然ブライン、溶解塩原(salt flat)、海水、濃縮海水、脱塩流出液、濃縮ブライン、加工ブライン、油田ブライン、イオン交換プロセスからの液体、溶媒抽出プロセスからの液体、合成ブライン、鉱石もしくは鉱石の組み合わせからの浸出液、鉱物もしくは鉱物の組み合わせからの浸出液、粘土もしくは粘土の組み合わせからの浸出液、リサイクル製品からの浸出液、リサイクル材料からの浸出液、またはそれらの組み合わせである。
【0201】
イオン交換材料は典型的には、共に微粉末を構成する小さな粒子である。いくつかの実施形態において、小さい粒径は、リチウムがイオン交換粒子のコア内に移動しなければならない拡散距離を最小限に抑える。場合によっては、これらの粒子は、イオン交換材料の溶解を最小限に抑えながら、粒子へのおよび粒子からのリチウムおよび水素の効率的な移動を可能にするために、保護表面コーティングで任意選択でコーティングされる。
【0202】
実施形態において、コーティングされたイオン交換粒子は、イオン交換材料およびコーティング材料で構成され、イオン交換材料は、LiMn12、Li1.6Mn1.6、LiMO(M=Ti、Mn、Sn)、LiFePO、それらの固溶体、またはそれらの組み合わせを含み、コーティング材料は、TiO、ZrO、MoO、LiTiO、LiZrO、LiNbO、AlF、SiC、Si、黒鉛炭素、非晶質炭素、ダイヤモンド様炭素、またはこれらの組み合わせを含む。コーティングされたイオン交換粒子は、約100nm未満、約1,000nm未満、または約10,000nm未満の平均直径を有し、コーティング厚さは、約1nm未満、約10nm未満、または約100nm未満である。粒子は、最初に、水熱、固体状態、またはマイクロ波などの方法を使用して、イオン交換材料を合成することによって作成される。次いで、コーティング材料は、化学蒸着、水熱、ソルボサーマル、ゾル-ゲル、沈殿、またはマイクロ波などの方法を使用して、イオン交換材料の表面上に堆積される。コーティングされたイオン交換粒子は、塩酸、硫酸、硝酸、またはこれらの組み合わせで調製された酸溶液で処理され、酸溶液の濃度は、約0.1M超、約1.0M超、約5M超、約10M超、またはこれらの組み合わせである。酸処理の間、粒子は水素を吸収し、同時にリチウムを放出する。イオン交換材料は、水素に富む組成を有する水和状態に変換される。コーティング材料は、イオン交換材料の溶解を制限する保護バリアを提供しつつ、イオン交換材料への水素およびイオン交換材料からのリチウムの拡散をそれぞれ可能にする。酸中での処理後、水和コーティングされたイオン交換粒子は液体資源で処理され、液体資源は、天然ブライン、溶解塩原、濃縮ブライン、加工ブライン、合成ブライン、イオン交換プロセスからの液体、溶媒抽出プロセスからの液体、鉱物からの浸出液、粘土からの浸出液、リサイクル製品からの浸出液、リサイクル材料からの浸出液、またはそれらの組み合わせである。コーティングされたイオン交換粒子は、水素を放出しながらリチウムを吸収する。その後、リチウム塩溶液が収集される。次いで、コーティングされたイオン交換粒子は、約10サイクル超、約30サイクル超、約100サイクル超、または約300サイクル超のサイクル数にわたって繰り返しイオン交換反応を行うことができる。
【0203】
無機イオン交換粒子を使用するリチウム抽出の1つの主要な課題は、ブラインおよび酸が任意選択で、最小限の目詰まりで、カラムを通って効率的にポンプ輸送されるように、イオン交換カラムへ粒子を充填することである。材料は任意選択でビーズに形成され、ビーズは任意選択でカラムに充填される。このビーズ充填は、ビーズ間に空隙を作り出し、これらの空隙はカラムを介するポンプ輸送を容易にする。ビーズは、イオン交換粒子を適所に保持し、カラム全体にわたる粒子の自由な移動を防止する。材料がビーズに形成されると、ブラインおよび酸溶液のビーズへの浸透が遅くなり、困難になる。ビーズへの酸およびブライン溶液の遅い速度の対流および拡散は、リチウムの吸収および放出の動態を遅らせる。こうした遅い動態は、カラム操作の問題を引き起こしかねない。遅い動態は、カラムを通るポンプ輸送速度を遅くすることを必要とする可能性がある。遅い動態はさらに、ブラインからの低いリチウム回収率、およびリチウムを溶出するための酸の非効率的な使用に陥りかねない。
【0204】
いくつかの実施形態において、イオン交換ビーズは、イオン交換カラムを通してポンプ輸送される溶液のビーズへの輸送を容易にする細孔のネットワークを有する多孔質イオン交換ビーズである。細孔ネットワークは、任意選択で、ブラインおよび酸溶液がビーズに浸透し、リチウムおよび水素をイオン交換粒子に送達するための迅速かつ分散したアクセスを提供するように戦略的に制御される。
【0205】
いくつかの実施形態において、イオン交換ビーズは、イオン交換粒子、マトリックス材料、およびフィラー材料を混合することによって形成される。これらの構成要素を混合し、ビーズに成形する。その後、フィラー材料をビーズから除去して、細孔を残す。フィラー材料は、高速動態でリチウムおよび水素の輸送を可能にする細孔構造を残すようにビーズ中に分散される。この方法は、任意選択で、複数のイオン交換材料、複数のポリマー材料、および複数のフィラー材料を含む。
【0206】
無機イオン交換材料を使用するリチウム抽出の別の主な課題は、特に酸中のリチウム溶出中だけでなく、液体資源中のリチウム取り込み中の材料の溶解および分解である。イオン交換プロセスから濃縮リチウム溶液を得るために、濃縮酸溶液を使用してリチウムを溶出することが望ましい。しかしながら、濃縮酸溶液は、無機イオン交換材料を溶解および分解し、材料の性能および寿命を低下させる。したがって、多孔質イオン交換ビーズは、任意選択で、イオン交換材料と粒子表面を保護するコーティング材料とで構成されるリチウム抽出用のコーティングされたイオン交換粒子を含む。コーティングは、酸中でのリチウム溶出の間、液体資源からのリチウム取り込みの間、およびイオン交換プロセスの他の態様の間に、イオン交換材料を溶解および分解から保護する。このコーティングされた粒子は、濃縮されたリチウム溶液を得るためにイオン交換プロセスにおける濃縮された酸の使用を可能にする。
【0207】
本発明において、イオン交換材料は、高いリチウム吸収容量、ナトリウムおよびマグネシウムなどの他のイオンと比較して液体資源中のリチウムに対する高い選択性、低濃度のリチウムを有するものを含む液体資源中の強いリチウム取り込み、小過剰の酸によるリチウムの容易な溶出、および迅速なイオン拡散のために選択される。コーティング材料は、酸中でのリチウム回収の間および様々な液体資源中でのリチウム取り込みの間に溶解および化学分解から粒子を保護するように任意選択で選択される。コーティング材料はさらに、粒子と液体資源との間のリチウムおよび水素の拡散を促進し、構造支持体への粒子の付着を可能にし、ならびに粒子の構造的および機械的劣化を抑制するように任意選択で選択されてもよい。
【0208】
多孔質イオン交換ビーズがイオン交換カラムで使用される場合、リチウムを含有する液体資源は、イオン交換粒子が水素を放出しながら液体資源からリチウムを吸収するように、イオン交換カラムを通して送り込まれる。ビーズがリチウムを吸収した後、粒子が水素を吸収しながら酸溶液中にリチウムを放出するように、酸溶液はカラムを通って送り込まれる。カラムは任意選択で、液体資源および酸溶液がカラムを通って同じ方向に交互に流れる並行流(co-flow)モードで操作されるか、またはカラムは任意選択で、液体資源および酸溶液がカラムを通って反対方向に交互に流れる向流(counter-flow)モードで操作される。液体資源と酸溶液との流れの間で、カラムは、カラム内のpHの調整または潜在的な汚染物質の除去などの目的で、水または他の溶液で任意選択で処理または洗浄される。ビーズは任意選択で固定床または移動床を形成し、移動床は任意選択でブラインおよび酸の流れとは向流で移動する。ビーズは任意選択で、移動床を有する複数のカラムの間で移動し、ここでは、ブライン、酸、水、または他の流れのために異なるカラムが使用される。液体資源がカラムを流れる前または後に、液体のpHは、イオン交換反応、ならびに使用済み液体資源の取り扱いまたは廃棄を容易にするために、NaOHまたは他の化学物質で任意選択で調整される。液体資源がカラムを通って流れる前または後に、液体資源は、リチウムを除去するため、他の化学種を除去するため、またはそうでなければブラインを処理するために、他のイオン交換プロセス、溶媒抽出、蒸発、化学処理、または沈殿を含む他のプロセスに任意選択で供される。
【0209】
イオン交換粒子が酸で処理されると、リチウム溶液が生成される。このリチウム溶液は任意選択で、リチウム化学物質を生成するためにさらに処理される。これらのリチウム化学物質は任意選択で、工業用途のために供給される。いくつかの実施形態において、イオン交換材料は、以下のリスト:酸化物、リン酸、オキシフッ化物、フルオロリン酸、またはこれらの組み合わせから選択される。いくつかの実施形態において、イオン交換材料は、以下のリスト:LiFePO、LiMnPO、LiMO(M=Ti、Mn、Sn)、LiTi12、LiMn12、LiMn、Li1.6Mn1.6、LiMO(M=Al、Cu、Ti)、LiTiO、LiTi1124、LiVO、LiSi、LiCuP、Al(OH)、LiCl.xAl(OH).yHO、SnO.xSb.yHO、TiO.xSb.yHO、これらの固溶体、またはこれらの組み合わせから選択される。さらなる態様において、イオン交換材料は、LiFePO、LiSnO、LiMnO、LiTiO、LiTi12、LiMn12、Li1.6Mn1.6、それらの固溶体、またはそれらの組み合わせを含む。
【0210】
本明細書に記載されるさらなる態様において、コーティング材料は、イオン交換材料への拡散およびイオン交換材料からの拡散を可能にする。特に、コーティング材料は、粒子と液体資源との間のリチウムおよび水素の拡散を促進し、構造支持体への粒子の付着を可能にし、粒子の構造的および機械的劣化を抑制する。本明細書に記載されるさらなる態様において、コーティング材料は、炭化物、窒化物、酸化物、リン酸塩、フッ化物、ポリマー、炭素、炭素質材料、またはそれらの組み合わせを含む。さらなる態様では、コーティング材料は、ポリフッ化ビニリデン、ポリ塩化ビニル、フルオロ-ポリマー、クロロ-ポリマー、またはフルオロ-クロロポリマーを含む。さらなる態様において、コーティング材料は、Nb、Ta、MoO、TiO、ZrO、SnO、SiO、LiO、LiTiO、LiZrO、LiMoO、LiNbO、LiTaO、LiSiO、LiSi、LiMnO、ZrSiO、AlPO、LaPO、ZrP、MoP、Mo12、BaSO、AlF、SiC、TiC、ZrC、Si、ZrN、BN、炭素、黒鉛炭素、非晶質炭素、硬質炭素、ダイヤモンド様炭素、その固溶体、またはそれらの組み合わせを含む。さらなる態様では、コーティング材料は、TiO、ZrO、SiO、LiTiO、LiZrO、LiMnO、ZrSiO、またはLiNbOを含む。さらなる態様では、コーティング材料は、クロロ-ポリマー、フルオロ-ポリマー、クロロ-フルオロ-ポリマー、親水性ポリマー、疎水性ポリマー、それらのコポリマー、それらの混合物、またはそれらの組み合わせを含む。さらなる態様において、コーティング材料は、コポリマー、ブロックコポリマー、線形ポリマー、分岐ポリマー、架橋ポリマー、熱処理ポリマー、溶液処理ポリマー、それらのコポリマー、それらの混合物、またはそれらの組み合わせを含む。さらなる態様において、コーティング材料は、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、数種類のポリアミド、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリスルホン、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリ(4-ビニルピリジン-co-スチレン)(PVPCS)、ポリスチレン(PS)、ポリブタジエン、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリ塩化ビニル(PVC)、エチレンテトラフルオロエチレンポリマー(ETFE)、ポリ(クロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、エチレンクロロトリフルオロエチレン(Halar)、ポリフッ化ビニル(PVF)、フッ素化エチレン-プロピレン(FEP)、全フッ素置換エラストマー、クロロトリフルオロエチレンビニリデンフルオライド(FKM)、ペルフルオロポリエーテル(PFPE)、ペルフルオロ-3,6-ジオキサ-4-メチル-7-オクテン-スルホン酸(NAFION(登録商標)(ペルフルオロ-3,6-ジオキサ-4-メチル-7-オクテン-スルホン酸およびテトラフルオロエチレンのコポリマー))、ポリエチレンオキシド、ポリエチレングリコール、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチレン-ブロック-ポリ(エチレングリコール)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリクロロプレン(ネオプレン)、ポリビニルブチラール(PVB)、発泡ポリスチレン(EPS)、ポリジビニルベンゼン、それらのコポリマー、それらの混合物、またはそれらの組み合わせで構成される。さらなる態様において、コーティング材料は、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリ塩化ビニル(PVC)、エチレンクロロトリフルオロエチレン(Halar)、ポリ(4-ビニルピリジン-co-スチレン)(PVPCS)、ポリスチレン(PS)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、発泡ポリスチレン(EPS)、ポリフェニレンスルフィド、スルホン化ポリマー、カルボキシル化ポリマー、他のポリマー、これらのコポリマー、これらの混合物、またはこれらの組み合わせを含む。さらなる態様において、コーティングは、乾式混合、溶媒中での混合、エマルジョン、押出、ある溶媒の別の溶媒へのバブリング、鋳造、加熱、蒸発、真空蒸発、噴霧乾燥、蒸着、化学蒸着、マイクロ波照射、水熱合成、重合、共重合、架橋、照射、触媒作用、発泡、他の堆積方法、またはそれらの組み合わせによってイオン交換粒子上に堆積される。さらなる態様において、コーティングは、N-メチル-2-ピロリドン、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、メチルエチルケトン、エタノール、アセトン、他の溶媒、またはそれらの組み合わせを含む溶媒を使用して堆積される。さらなる態様において、コーティングは、N-メチル-2-ピロリドン、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、メチルエチルケトン、エタノール、アセトン、またはそれらの組み合わせを含む溶媒を使用して堆積される。
【0211】
本明細書に記載されるさらなる態様において、コーティングされたイオン交換粒子は、約10nm未満、約100nm未満、約1,000nm未満、約10,000nm未満、または約100,000nm未満の平均直径を有する。さらなる態様において、コーティングされたイオン交換粒子は、約100nm未満、約1,000nm未満、または約10,000nm未満の平均サイズを有する。さらなる態様において、コーティングされたイオン交換粒子は、任意選択で、約10nm未満、約100nm未満、約1,000nm未満、約10,000nm未満、または約100,000nm未満の平均直径を有するより小さい一次粒子で構成される二次粒子である。さらなる態様において、コーティングは、任意選択で一次イオン交換粒子をコーティングする。さらなる態様において、コーティングは、任意選択で二次イオン交換粒子をコーティングする。さらなる態様において、コーティングは、任意選択で二次イオン交換粒子をコーティングする。さらなる態様において、コーティングは、任意選択で、一次イオン交換粒子および二次イオン交換粒子の両方をコーティングする。さらなる態様において、一次イオン交換粒子は任意選択で第1のコーティングを有し、二次イオン交換粒子は任意選択で、第1のコーティングと組成が同一、類似、または異なる第2のコーティングを有する。
【0212】
本明細書に記載されるいくつかの実施形態において、コーティング材料は、約1nm未満、約10nm未満、約100nm未満、約1,000nm未満、または約10,000nm未満の厚さを有する。さらなる実施形態において、コーティング材料は、約5nm未満、約50nm未満、または約500nm未満の厚さを有する。いくつかの実施形態において、イオン交換粒子は、以下のリスト:1nm未満、10nm未満、100nm未満、または1,000nm未満から選択される厚さを有するコーティング材料を有する。いくつかの実施形態において、コーティング材料は、以下のリスト:1nm未満、10nm未満、または100nm未満から選択される厚さを有する。特定の実施形態において、コーティング材料は、約0.5nm~約1000nmの厚さを有する。いくつかの実施形態において、コーティング材料は、約1nm~約100nmの厚さを有する。
【0213】
本明細書に記載されるさらなる態様において、イオン交換材料およびコーティング材料は、粒子の化学組成が2つ以上の組成に及ぶ1つ以上の濃度勾配を形成する。さらなる態様において、化学組成は、任意選択で、粒子の異なる領域において連続的、不連続的、または連続的かつ不連続的である様式でイオン交換材料とコーティングとの間で変化する。さらなる態様において、イオン交換材料およびコーティング材料は、約1nm未満、約10nm未満、約100nm未満、約1,000nm未満、約10,000nm未満、または約100,000nm未満の厚さに広がる濃度勾配を形成する。さらなる態様において、イオン交換材料およびコーティング材料は、約1nm~約1,000nmの厚さに広がる濃度勾配を形成する。
【0214】
本明細書に記載されるさらなる態様において、イオン交換材料は、水熱、ソルボサーマル、ゾル-ゲル、固体状態、溶融塩フラックス、イオン交換、マイクロ波、ボールミル粉砕、化学沈殿、共沈殿、蒸着、またはそれらの組み合わせなどの方法によって合成される。さらなる態様において、イオン交換材料は、化学沈殿、水熱、固体状態、またはそれらの組み合わせなどの方法によって合成される。
【0215】
本明細書に記載されるさらなる態様において、コーティング材料は、化学蒸着、原子層堆積、物理蒸着、水熱、ソルボサーマル、ゾル-ゲル、固体状態、溶融塩フラックス、イオン交換、マイクロ波、化学沈殿、共沈殿、ボールミル粉砕、熱分解、またはそれらの組み合わせなどの方法によって堆積される。さらなる態様において、コーティング材料は、ゾル-ゲル、化学沈殿、またはそれらの組み合わせなどの方法によって堆積される。さらなる態様において、コーティング材料は、任意選択でバッチタンク反応器、連続タンク反応器、バッチ炉、連続炉、管状炉、回転管状炉、またはそれらの組み合わせである反応器内に堆積される。
【0216】
いくつかの実施形態において、コーティング材料は、以下のリストから選択される物理的特性:結晶質、非晶質、完全被覆、部分被覆、均一、不均一、またはこれらの組み合わせを備えて堆積される。
【0217】
いくつかの実施形態において、複数のコーティングが、任意選択で、以下のリストから選択される配置:同心円状、パッチワーク状、またはこれらの組み合わせでイオン交換材料上に堆積される。
【0218】
いくつかの実施形態において、マトリックスは以下のリスト:ポリマー、酸化物、リン酸、またはこれらの組み合わせから選択される。いくつかの実施形態において、構造支持体は、以下のリスト:ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリフェニレンスルフィド、ポリテトラフルオロエチレン、ポリテトロフルオロエチレン、スルホン化ポリテトロフルオロエチレン、ポリスチレン、ポリジビニルベンゼン、ポリブタジエン、スルホン化ポリマー、カルボキシル化ポリマー、Nafion、これらのコポリマー、およびこれらの組み合わせから選択される。いくつかの実施形態において、構造支持体は、以下のリスト:ポリフッ化ビニリデン、ポリ塩化ビニル、スルホン化ポリテトロフルオロエチレン、ポリスチレン、ポリジビニルベンゼン、それらのコポリマー、またはそれらの組み合わせから選択される。いくつかの実施形態において、構造支持体は、以下のリスト:二酸化チタン、二酸化ジルコニウム、二酸化ケイ素、それらの固溶体、またはそれらの組み合わせから選択される。いくつかの実施形態において、マトリックス材料は、耐熱性、耐酸性、および/または他の耐薬品性について選択される。
【0219】
いくつかの実施形態において、多孔質ビーズは、イオン交換粒子、マトリックス材料、およびフィラー材料をまとめて一度に混合することによって形成される。いくつかの実施形態において、多孔質ビーズは、最初にイオン交換粒子およびマトリックス材料を混合し、その後、フィラー材料と混合することによって形成される。いくつかの実施形態において、多孔質ビーズは、最初にイオン交換粒子およびフィラー材料を混合し、その後、マトリックス材料と混合することによって形成される。いくつかの実施形態において、多孔質ビーズは、最初にマトリックス材料およびフィラー材料を混合し、その後、イオン交換粒子と混合することによって形成される。
【0220】
いくつかの実施形態において、多孔質ビーズは、イオン交換粒子、マトリックス材料、および/またはフィラー材料を、1個以上の構成要素を溶解する溶媒と混合することによって形成される。いくつかの実施形態において、多孔質ビーズは、イオン交換粒子、マトリックス材料、および/またはフィラー材料を、ミキサーまたはボールミル内で乾燥粉末として混合することによって形成される。いくつかの実施形態において、多孔質ビーズは、イオン交換粒子、マトリックス材料、および/またはフィラー材料を噴霧乾燥機中で混合することによって形成される。
【0221】
いくつかの実施形態において、マトリックス材料は、以下のリスト:n-メチル-2-ピロリドン、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、メチルエチルケトン、またはそれらの組み合わせからの溶媒を使用して、イオン交換粒子および/またはフィラー材料と溶解および混合されるポリマーである。いくつかの実施形態において、フィラー材料は、以下:水、エタノール、イソ-プロピルアルコール、アセトン、またはこれらの組み合わせのリストからの溶媒を使用して、イオン交換粒子および/またはマトリックス材料と溶解および混合される塩である。
【0222】
いくつかの実施形態において、フィラー材料は、以下のリスト:水、エタノール、イソ-プロピルアルコール、界面活性剤混合物、酸、塩基、またはそれらの組み合わせから選択される溶液を使用してビーズから溶解して細孔を形成する塩である。いくつかの実施形態において、フィラー材料は、高温で熱分解してガスを形成し、ガスがビーズから離れて細孔が形成され得る材料であり、ガスは以下のリスト:水蒸気、酸素、窒素、塩素、二酸化炭素、窒素酸化物、有機蒸気、またはこれらの組み合わせから選択される。
【0223】
いくつかの実施形態において、多孔質イオン交換ビーズは、機械プレス、ペレットプレス、錠剤プレス、ピルプレス、ロータリープレス、またはそれらの組み合わせを使用して、乾燥粉末から形成される。いくつかの実施形態において、多孔質イオン交換ビーズは、スラリーを異なる液体溶液に滴下することによって溶媒スラリーから形成される。溶媒スラリーは、任意選択で、n-メチル-2-ピロリドン、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、メチルエチルケトンの溶媒、またはそれらの組み合わせを使用して形成される。異なる液体溶液は、任意選択で、水、エタノール、イソ-プロピルアルコール、アセトン、またはそれらの組み合わせを使用して形成される。
【0224】
いくつかの実施形態において、多孔質イオン交換ビーズは、以下のリスト:10μm未満、100μm未満、1mm未満、1cm未満、または10cm未満から選択される平均直径を有するほぼ球状である。いくつかの実施形態において、多孔質イオン交換ビーズは、以下のリスト:200μm未満、2mm未満、または20mm未満から選択される平均直径を有するほぼ球状である。特定の実施形態において、多孔質イオン交換ビーズは、10μm~2mmの平均直径を有するほぼ球状である。
【0225】
いくつかの実施形態において、多孔質イオン交換ビーズは、1mm未満、2mm未満、4mm未満、8mm未満、または20mm未満の直径、および1mm未満、2mm未満、4mm未満、8mm未満、または20mm未満の高さを有する錠剤形状である。特定の実施形態において、多孔質イオン交換ビーズは、500μm~10mmの直径を有する錠剤形状である。
【0226】
いくつかの実施形態において、多孔質イオン交換ビーズは、任意選択で、膜、らせん状に巻かれた膜、中空糸膜、またはメッシュである支持構造に埋め込まれる。いくつかの実施形態において、多孔質イオン交換ビーズは、ポリマー、セラミック、またはそれらの組み合わせで構成される支持構造上に埋め込まれる。いくつかの実施形態において、多孔質イオン交換ビーズは、追加の支持構造なしでイオン交換カラムに直接充填される。
【0227】
いくつかの実施形態において、液体資源は以下のリスト:天然ブライン、溶解塩原、地熱ブライン、海水、濃縮海水、脱塩流出液、濃縮ブライン、加工ブライン、イオン交換プロセスからの液体、溶媒抽出プロセスからの液体、合成ブライン、鉱石からの浸出液、鉱物からの浸出液、粘土からの浸出液、リサイクル製品からの浸出液、リサイクル材料からの浸出液、またはそれらの組み合わせから選択される。いくつかの実施形態において、液体資源は、以下のリスト:天然ブライン、溶解塩原、濃縮ブライン、加工ブライン、合成ブライン、地熱ブライン、イオン交換プロセスからの液体、溶媒抽出プロセスからの液体、鉱物からの浸出液、粘土からの浸出液、リサイクル製品からの浸出液、リサイクル材料からの浸出液、またはそれらの組み合わせから選択される。いくつかの実施形態において、液体資源は、懸濁固形物、炭化水素、または有機分子を除去するために、イオン交換反応器に入る前に任意選択で前処理される。いくつかの実施形態において、液体資源は、任意選択で、その供給源に続くいかなる前処理も伴わずにイオン交換反応器に入る。
【0228】
いくつかの実施形態において、液体資源は、以下のリスト:100,000mg/L未満、10,000mg/L未満、1,000mg/L未満、100mg/L未満、10mg/L未満、またはこれらの組み合わせから選択されるリチウム濃度で選択される。いくつかの実施形態において、液体資源は、以下のリスト:5,000mg/L未満、500mg/L未満、50mg/L未満、またはこれらの組み合わせから選択されるリチウム濃度で選択される。
【0229】
液体資源からリチウムを抽出するプロセス
本明細書に記載される1つの態様において、液体資源からリチウムを抽出するためのプロセスが提供され、上記プロセスは、ある構成(ここで、ビーズは酸、ブライン、および任意選択で他の溶液と正味反対方向に移動する)において、イオン交換ビーズを酸、ブライン、および任意選択で他の溶液で交互に処理する工程を含み、それによって液体資源からリチウム富化溶液を生成する。1つの実施形態において、本プロセスは、(a)水素を吸収して水素富化ビーズを生成し、リチウムを放出してリチウム富化溶液を生成するのに適した条件下で、イオン交換ビーズを酸で処理する工程と、(b)任意選択で、残留酸を実質的に含まない水素富化ビーズを生成するために、水素富化ビーズを水で洗浄する工程と、(c)リチウムを吸収してリチウム富化ビーズを生成するのに適した条件下で、水素富化ビーズを液体資源で処理する工程と、(d)任意選択で、液体資源を実質的に含まないリチウム富化ビーズを生成するために、リチウム富化ビーズを水で洗浄する工程と、(e)液体資源からリチウム富化溶液を生成するために、サイクルを繰り返す工程とを含む。
【0230】
いくつかの実施形態において、リチウムを抽出するプロセスは、本明細書に開示されるリチウム抽出のための装置のうちの1つ以上の内部においてイオン交換ビーズと上記の溶液を接触させることによって行われる。そのような装置を用いるリチウム抽出の例は、実施例1~18および関連する図面に提供される。
【0231】
本明細書に記載される1つの態様において、液体資源からリチウムを抽出するためのプロセスが提供され、上記プロセスは、ある構成(ここで、イオン交換材料は酸、ブライン、および任意選択で他の溶液と正味反対方向に移動する)において、イオン交換材料を酸、ブライン、および任意選択で他の溶液で交互に処理する工程を含み、それによって液体資源からリチウム富化溶液を生成する。本明細書に記載される1つの態様において、液体資源からリチウムを抽出するためのプロセスが提供され、上記プロセスは、ある構成(ここで、イオン交換材料は酸、液体資源、および任意選択で他の溶液と正味反対方向に移動する)において、イオン交換材料を酸、液体資源、および任意選択で他の溶液で交互に処理する工程を含み、それによって液体資源からリチウム富化溶液を生成する。本明細書に記載される1つの態様において、液体資源からリチウムを抽出するためのプロセスが提供され、上記プロセスは、ある構成(ここで、上記構成において、イオン交換材料は酸、ブライン、および任意選択で他の溶液と正味反対方向に移動する)において、イオン交換材料を酸、ブライン、および任意選択で他の溶液で交互に処理する工程を含み、、それによってブラインからリチウム富化溶液を生成する。1つの実施形態において、本プロセスは、(a)水素を吸収して水素富化材料を生成し、リチウムを放出してリチウム富化溶液を生成するのに適した条件下で、イオン交換材料を酸で処理する工程と、(b)任意選択で、残留酸を実質的に含まない水素富化材料を生成するために、水素富化材料を水で洗浄する工程と、(c)リチウムを吸収してリチウム富化材料を生成するのに適した条件下で、水素富化材料を液体資源で処理する工程と、(d)任意選択で、液体資源を実質的に含まないリチウム富化ビーズを生成するために、リチウム富化ビーズを水で洗浄する工程と、(e)液体資源からリチウム富化溶液を生成するために、サイクルを繰り返す工程とを含む。
【0232】
1つの実施形態において、イオン交換ビーズは、リチウムおよび水素を可逆的に交換するイオン交換粒子と、細孔ネットワークを有する構造マトリックス材料とを含む。1つの実施形態において、液体資源は、天然ブライン、溶解塩原、濃縮ブライン、加工ブライン、濾過ブライン、イオン交換プロセスからの液体、溶媒抽出プロセスからの液体、合成ブライン、鉱石からの浸出液、鉱物からの浸出液、粘土からの浸出液、リサイクル製品からの浸出液、リサイクル材料からの浸出液、またはそれらの組み合わせを含む。
【0233】
本明細書に記載されるいくつかの実施形態において、液体資源からリチウムを抽出するためのプロセスが提供され、上記プロセスは、ある構成(ここで、ビーズは酸、ブライン、および任意選択で他の溶液と正味反対方向に移動する)において、イオン交換ビーズを酸、ブライン、および任意選択で他の溶液で交互に処理する工程を含み、それによって液体資源からリチウム富化溶液を生成し、上記プロセスは、a)水素を吸収して水素富化ビーズを生成し、リチウムを放出してリチウム富化溶液を生成するのに適した条件下で、イオン交換ビーズを酸で処理する工程と、b)任意選択で、残留酸を実質的に含まない水素富化ビーズを生成するために、水素富化ビーズを水で洗浄する工程と、c)リチウムを吸収してリチウム富化ビーズを生成するのに適した条件下で、水素富化ビーズを液体資源で処理する工程と、d)任意選択で、液体資源を実質的に含まないリチウム富化ビーズを生成するために、リチウム富化ビーズを水で洗浄する工程と、e)液体資源からリチウム富化溶液を生成するために、サイクルを繰り返す工程とを含む。
【0234】
本明細書に記載される1つの態様において、液体資源からリチウムを抽出するためのプロセスが提供され、上記プロセスは、液体資源からリチウムイオンを抽出するためのシステムにおいて、液体資源、洗浄液、および酸でイオン交換粒子を交互に処理する工程を含み、上記システムは、a.イオン交換材料と、b.イオン交換容器と、c.上記システムにおいて液体資源のpHを上昇させるためのpHを調節機構とを含む。
【0235】
本明細書に記載される1つの態様において、液体資源からリチウムを抽出するためのプロセスが提供され、上記プロセスは、液体資源からリチウムイオンを抽出するためのシステムを用いて、液体資源、洗浄液、および酸溶液でイオン交換粒子を交互に処理する工程を含み、上記システムは、撹拌タンク反応器と、イオン交換材料と、イオン交換容器内の液体資源のpHを上昇させるためのpH調節機構と、イオン交換容器から液体資源、洗浄液、および酸性溶液の除去を可能にしつつ、イオン交換容器内にイオン交換材料を収容するための区画を含む。
【0236】
リチウムの抽出のためのpHを調節するプロセス
本明細書に記載される本発明の態様は、液体資源からリチウムイオンを抽出するためのプロセスであり、上記プロセスは、a)液体資源にイオン交換材料を接触させる工程と、b)イオン交換材料との接触前、イオン交換材料との接触中、イオン交換材料との接触後、およびそれらの組み合わせにおいて液体資源のpHを上昇させる工程とを含む。
【0237】
いくつかの実施形態において、天然資源をイオン交換材料に接触させるプロセスは、本明細書に開示されるリチウム抽出のための装置のうちの1つ以上の内部において行われる。いくつかの実施形態において、複数のそのような装置が接続され、液体資源は、1つのそのような容器から次の容器に流れる際にそのpHを上昇させるための処理を受ける。液体資源のpHを上昇させるプロセスを組み込むそのような装置のネットワークの例は、実施例9~14および17ならびに関連する図面に含まれる。
【0238】
本明細書に記載される別の態様は、液体資源からリチウムイオンを抽出するためのプロセスであり、上記プロセスは、a)液体資源にイオン交換材料を接触させる工程と、b)イオン交換材料との接触前、イオン交換材料との接触中、イオン交換材料との接触後、またはそれらの組み合わせにおいて液体資源のpHを上昇させる工程とを含む。プロセスのいくつかの実施形態において、液体資源のpHを上昇させる工程は、液体資源にイオン交換材料を接触させる前である。プロセスのいくつかの実施形態において、液体資源のpHを上昇させる工程は、液体資源にイオン交換材料を接触させている間である。プロセスのいくつかの実施形態において、液体資源のpHを上昇させる工程は、液体資源にイオン交換材料を接触させた後である。プロセスのいくつかの実施形態において、液体資源のpHを上昇させる工程は、液体資源にイオン交換材料を接触させる前と接触させている間である。プロセスのいくつかの実施形態において、液体資源のpHを上昇させる工程は、液体資源にイオン交換材料を接触させる前と接触させた後である。プロセスのいくつかの実施形態において、液体資源のpHを上昇させる工程は、液体資源にイオン交換材料を接触させている間と接触させた後である。プロセスのいくつかの実施形態において、液体資源のpHを上昇させる工程は、液体資源にイオン交換材料を接触させる前、接触させている間、および接触させた後である。
【0239】
本明細書に記載される本発明の態様は、イオン交換材料がカラムに充填されるプロセスである。1つの実施形態において、プロセスはさらに、a)1つ以上の液体資源タンクに液体資源を充填する工程と、b)カラムを1つ以上の液体資源タンクに接続する工程と、c)1つ以上の液体資源タンクからカラムを通って液体資源を通過させる工程であって、液体資源の通過が少なくとも1回行われる、工程とを含む。1つの実施形態において、プロセスはさらに、1つ以上のpH上昇タンク内で液体資源のpHを上昇させる工程を含む。1つの実施形態において、プロセスはさらに、沈殿物を1つ以上の沈殿タンクに沈殿させる工程を含む。1つの実施形態において、プロセスはさらに、カラムを通して液体資源を循環させる前または後に、1つ以上の貯蔵タンクに液体資源を貯蔵する工程を含む。
【0240】
本明細書に記載される本発明の態様は、プロセスであり、このプロセスはさらに、a)1つ以上の液体資源タンクに液体資源を充填する工程と、b)カラムを1つ以上の液体資源タンクに接続する工程と、c)1つ以上の液体資源タンクからカラムを通って液体資源を通過させる工程であって、液体資源の通過が少なくとも1回行われる、工程と、d)1つ以上のpH上昇タンクにおいて、c.から生じる液体のpHを上昇させる工程と、e)1つ以上の沈殿タンクにおいて、d.から生じる液体の沈殿物を沈殿させる工程と、f)1つ以上の貯蔵タンクにおいて、e.から生じる液体を貯蔵する工程とを含む。
【0241】
本明細書に記載される本発明の態様は、イオン交換材料が複数のカラムに充填されるプロセスである。1つの実施形態において、複数のタンクは、複数のカラムに接続され、複数のタンクの各々は、複数のカラムのうちの1つに直接に接続される。1つの実施形態において、複数のカラムのうちの2つ以上が少なくとも1つの回路を形成する。1つの実施形態において、少なくとも1つの回路は、液体資源回路、水洗浄回路、および酸溶液回路から選択される。1つの実施形態において、液体資源のpHは、液体資源回路内の複数のカラムに接続された複数のタンクにおいて上昇する。1つの実施形態において、液体資源回路は、複数のタンクに接続された複数のカラムを含み、複数のタンクの各々は、複数のカラムのうちの1つに直接に接続される。
【0242】
本明細書に記載される本発明の態様は、プロセスであり、このプロセスはさらに、a)液体資源回路内の複数のカラムを通って液体資源を通過させる工程と、b)酸溶液回路内の複数のカラムを通って酸溶液を1回以上通過させる工程と、c)水洗浄回路内の複数のカラムを通って水を通過させる工程とを含む。1つの実施形態において、プロセスはさらに、a)液体資源回路内の複数のカラムの少なくとも1つが、水洗浄回路内の複数のカラムの少なくとも1つおよび/または酸溶液回路内の複数のカラムの少なくとも1つになり、b)水洗浄回路内の複数のカラムの少なくとも1つが、酸溶液回路内の複数のカラムの少なくとも1つおよび/または液体資源回路内の複数のカラムの少なくとも1つになり、ならびに/あるいは、c)酸溶液回路内の複数のカラムの少なくとも1つが、液体資源回路内の複数のカラムの少なくとも1つおよび/または水洗浄回路内の複数のカラムの少なくとも1つになるように、液体資源回路と、水洗浄回路と、酸溶液回路との間で複数のカラムを交換する工程を含む。
【0243】
本明細書に記載される本発明の態様は、イオン交換材料がタンク内の1つ以上の区画に充填されるプロセスである。1つの実施形態において、プロセスはさらに、タンク内の1つ以上の区画を通って液体資源を移動させる工程を含む。1つの実施形態において、タンクは注入ポートを含む。1つの実施形態において、プロセスはさらに、イオン交換材料との接触前、イオン交換材料との接触中、イオン交換材料との接触後、およびそれらの組み合わせにおいて、液体資源のpHを上昇させるために、注入ポートを使用する工程を含む。
【0244】
いくつかの実施形態において、プロセスはさらに、イオン交換材料との接触前、イオン交換材料との接触中、イオン交換材料との接触後、またはそれらの組み合わせにおいて、液体資源のpHを上昇させるために、注入ポートを使用する工程を含む。
【0245】
本明細書に記載される本発明の態様は、カラムがさらに複数の注入ポートを含むプロセスである。1つの実施形態において、プロセスはさらに、イオン交換材料との接触前、イオン交換材料との接触中、イオン交換材料との接触後、およびそれらの組み合わせにおいて、液体資源のpHを上昇させるために、複数の注入ポートを使用する工程を含む。
【0246】
いくつかの実施形態において、プロセスはさらに、イオン交換材料との接触前、イオン交換材料との接触中、イオン交換材料との接触後、またはそれらの組み合わせにおいて、液体資源のpHを上昇させるために、複数の注入ポートを使用する工程を含む。
【0247】
実施形態において、イオン交換材料は、複数のイオン交換粒子を含む。実施形態において、イオン交換材料中の複数のイオン交換粒子は、コーティングされていないイオン交換粒子、コーティングされたイオン交換粒子、およびそれらの組み合わせから選択される。実施形態において、イオン交換材料は1つのイオン交換材料である。実施形態において、イオン交換材料は、液体がイオン交換材料の表面から複数のイオン交換粒子に迅速に移動することを可能にする細孔のネットワークを含む。実施形態において、イオン交換材料はイオン交換ビーズの形態である。
【0248】
実施形態において、イオン交換材料は、液体資源からリチウムイオンを抽出する。イオン交換材料による液体資源からのリチウムイオンの抽出中に、液体資源のpHは任意選択で低下する。システム内の液体資源のpHを上昇させることは、イオン交換材料によるリチウムイオンの取り込みに適した範囲にpHを維持する。実施形態において、pHを上昇させることは、システムのpHを測定すること、およびリチウム抽出のための理想的なpH範囲にシステムのpHを調整することを含む。実施形態において、ブラインからリチウムを吸収するイオン交換材料について、ブラインの理想的なpH範囲は任意選択で6~9であり、好ましいpH範囲は任意選択で4~9であり、許容可能なpH範囲は任意選択で2~9である。実施形態において、pHを上昇させることは、システムのpHを測定することを含み、システムのpHは、6未満、4未満、または2未満であり、システムのpHは、2~9のpH、4~9のpH、または6~9のpHに調整される。
【0249】
リチウム抽出のための連続的なプロセス
リチウムは電池や他のテクノロジーに必須の要素である。リチウムは、鉱物、粘土、およびリサイクル製品からの天然および合成のブラインおよび浸出液溶液を含む様々な液体資源で見られる。リチウムは、無機のイオン交換材料に基づくイオン交換プロセスを使用してそのような液体資源から抽出可能である。これらの無機のイオン交換材料は水素を放出しながら液体資源からリチウムイオンを吸収し、その後、水素を吸収しつつ酸の中のリチウムを溶出する。このイオン交換プロセスは、液体資源からリチウムイオンを抽出し、かつ濃縮されたリチウムイオン溶液を生成するために選択で繰り返すことができる。濃縮されたリチウムイオン溶液はさらに、電池産業または他の産業用の化学薬品へと処理され得る。
【0250】
イオン交換材料は典型的には、共に微粉末を構成する小さな粒子である。リチウムがイオン交換粒子のコア内に移動しなければならない拡散距離を最小限に抑えるために、小さい粒径が必要とされる。場合によっては、これらの粒子は、同時係属中の米国仮特許出願第62/421,934号(2016年11月14日、“Lithium Extraction with Coated Ion Exchange Particles,”)に開示され、参照によりその全体が組み込まれるように、粒子へのおよび粒子からのリチウムおよび水素の効率的な移動を可能にしながら、イオン交換材料の溶解を最小限に抑えるために保護表面コーティングでコーティングされ得る。
【0251】
無機イオン交換粒子を使用するリチウム抽出の1つの主要な課題は、ブラインおよび酸が、最小限の目詰まりでカラムを通って効率的にポンプ輸送されるように、イオン交換カラムへ粒子を充填することである。材料はビーズに形成され、ビーズはカラムに充填される。このビーズ充填は、ビーズ間に空隙を作り出し、これらの空隙はカラムを介するポンプ輸送を容易にする。ビーズは、イオン交換粒子を適所に保持し、カラム全体にわたる粒子の自由な移動を防止する。材料がビーズに形成されると、ブラインおよび酸溶液のビーズへの浸透が遅くなり、困難になることがある。ビーズへの酸およびブライン溶液の遅い速度の対流および拡散は、リチウムの吸収および放出の動態を遅らせる。こうした遅い動態は、カラム操作の問題を引き起こしかねない。遅い動態は、カラムを通るポンプ輸送速度を遅くすることを必要とする可能性がある。遅い動態はさらに、ブラインからの低いリチウム回収率、およびリチウムを溶出するための酸の非効率的な使用に陥りかねない。
【0252】
いくつかの実施形態において、ビーズは、イオン交換カラムを通してポンプ輸送される溶液のビーズへの輸送を容易にする細孔のネットワークを有する多孔質イオンビーズである。細孔ネットワークは、選択で、ブラインおよび酸溶液がビーズに浸透し、リチウムおよび水素をイオン交換粒子に送達するための迅速かつ分散したアクセスを提供するように戦略的に制御される。
【0253】
いくつかの実施形態において、イオン交換ビーズは、イオン交換粒子、マトリックス材料、およびフィラー材料を混合することによって形成される。これらの構成要素を混合し、ビーズに成形する。その後、フィラー材料をビーズから除去して、細孔を残す。フィラー材料は、高速動態でリチウムおよび水素の輸送を可能にする細孔構造を残すようにビーズ中に分散される。この方法は、複数のイオン交換材料、複数のポリマー材料、および複数のフィラー材料を含んでもよい。
【0254】
無機イオン交換材料を使用するリチウム抽出の別の主な課題は、特に酸中のリチウム溶出中だけでなく、液体資源中のリチウム取り込み中の材料の溶解および分解である。イオン交換プロセスから濃縮リチウム溶液を得るために、濃縮酸溶液を使用してリチウムを溶出することが望ましい。しかしながら、濃縮酸溶液は、無機イオン交換材料を溶解および分解し、材料の性能および寿命を低下させる。したがって、イオン交換ビーズは、イオン交換材料と粒子表面を保護するコーティング材料とで構成されるリチウム抽出用のコーティングされたイオン交換粒子を含んでもよい。コーティングは、酸中でのリチウム溶出の間、液体資源からのリチウム取り込みの間、およびイオン交換プロセスの他の態様の間に、イオン交換材料を溶解および分解から保護する。このコーティングされた粒子は、濃縮されたリチウム溶液を得るためにイオン交換プロセスにおける濃縮された酸の使用を可能にする。
【0255】
本明細書に記載される1つの態様において、イオン交換材料は、高いリチウム吸収容量、ナトリウムおよびマグネシウムなどの他のイオンと比較して液体資源中のリチウムに対する高い選択性、低濃度のリチウムを有するものを含む液体資源中の強いリチウム取り込み、小過剰の酸によるリチウムの容易な溶出、および迅速なイオン拡散のために選択される。本明細書に記載される1つの態様において、コーティング材料は、酸中でのリチウム回収の間および様々な液体資源中でのリチウム取り込みの間に溶解および化学分解から粒子を保護するように選択で選択される。いくつかの実施形態において、コーティング材料はささらに、以下の目的:粒子と液体資源との間のリチウムおよび水素の拡散、構造支持体への粒子の付着を可能にすること、ならびに粒子の構造的および機械的劣化を抑制することの1つ以上を容易にするために選択されてもよい。
【0256】
イオン交換ビーズがイオン交換カラムで使用される場合、リチウムを含有する液体資源は、イオン粒子が水素を放出しながら液体資源からリチウムを吸収するように、イオン交換カラムを通して送り込まれる。ビーズがリチウムを吸収した後、粒子が水素を吸収しながら酸溶液中にリチウムを放出するように、酸溶液はカラムを通って送り込まれる。カラムは、液体資源および酸溶液がカラムを通って同じ方向に交互に流れる並行流(co-flow)モードで操作され得るか、またはカラムは、液体資源および酸溶液がカラムを通って反対方向に交互に流れる向流(counter-flow)モードで操作され得る。液体資源と酸溶液との流れの間で、カラムは、カラム内のpHの調整または潜在的な汚染物質の除去などの目的で、水または他の溶液で処理または洗浄され得る。ビーズは固定床または移動床を形成し得、移動床はブラインおよび酸の流れとは向流で移動してもよい。ビーズは、移動床を有する複数のカラムの間で移動し得、ここでは、ブライン、酸、水、または他の流れのために異なるカラムが使用される。液体資源がカラムを流れる前または後に、液体のpHは、イオン交換反応、および使用済み液体資源の取り扱いまたは廃棄を容易にするために、NaOHまたは他の化学物質で調整され得る。液体資源がカラムを通って流れる前または後に、液体資源は、リチウムを除去するため、他の化学種を除去するため、またはそうでなければブラインを処理するために、他のイオン交換プロセス、溶媒抽出、蒸発、化学処理、または沈殿を含む他のプロセスに供されてもよい。
【0257】
イオン交換粒子が酸で処理されると、リチウム溶液が生成される。このリチウム溶液は、リチウム化学物質を生成するためにさらに処理されてもよい。これらのリチウム化学物質は、工業用途のために供給されてもよい。
【0258】
いくつかの実施形態において、イオン交換材料は、以下のリスト:酸化物、リン酸、オキシフッ化物、フルオロリン酸、またはそれらの組み合わせから選択される。いくつかの実施形態において、イオン交換材料は、以下のリスト:LiMn12、LiTi12、LiMO(M=Ti、Mn、Sn)、LiMn、Li1.6Mn1.6、LiMO(M=Al、Cu、Ti)、LiTiO、LiTi1124、LiVO、LiSi、LiFePO、LiMnPO、LiCuP、Al(OH)、LiCl.xAl(OH).yHO、SnO.xSb.yHO、TiO.xSb.yHO、これらの固溶体、またはこれらの組み合わせから選択される。いくつかの実施形態において、イオン交換材料は、以下のリスト:LiMn12、LiTi12、Li1.6Mn1.6、LiMO(M=Ti、Mn、Sn)、LiFePO、これらの固溶体、またはこれらの組み合わせから選択される。
【0259】
いくつかの実施形態において、イオン交換材料の表面を保護するためのコーティング材料は、以下のリスト:炭化物、窒化物、酸化物、リン酸、フッ化物、ポリマー、炭素、炭素質材料、またはこれらの組み合わせから選択される。いくつかの実施形態において、コーティング材料は、以下のリスト:TiO、ZrO、MoO、SnO、Nb、Ta、SiO、LiTiO、LiZrO、LiSiO、LiMnO、LiMoO、LiNbO、LiTaO、AlPO、LaPO、ZrP、MoP、Mo12、BaSO、AlF、SiC、TiC、ZrC、Si、ZrN、BN、炭素、黒鉛炭素、非晶質炭素、硬質炭素、ダイヤモンド様炭素、これらの固溶体、またはこれらの組み合わせから選択される。いくつかの実施形態において、コーティング材料は、以下のリスト:TiO、ZrO、MoO、SiO、LiTiO、LiZrO、LiSiO、LiMnO、LiNbO、AlF、SiC、Si、黒鉛炭素、非晶質炭素、ダイヤモンド様炭素、またはそれらの組み合わせから選択される。
【0260】
いくつかの実施形態において、イオン交換粒子は、以下のリスト:10nm未満、100nm未満、1,000nm未満、10,000nm未満、または100,000nm未満から選択される平均直径を有し得る。いくつかの実施形態において、イオン交換粒子は、以下のリスト:200nm未満、2,000nm未満、または20,000nm未満から選択される平均サイズを有し得る。
【0261】
いくつかの実施形態において、イオン交換粒子は、以下のリスト:10nm未満、100nm未満、1,000nm未満、または10,000nm未満から選択される平均直径を有し得るより小さい一次粒子で構成される二次粒子であり得る。
【0262】
いくつかの実施形態において、イオン交換粒子は、以下のリスト:1nm未満、10nm未満、100nm未満、または1,000nm未満から選択される厚さを有するコーティング材料を有する。いくつかの実施形態において、コーティング材料は、以下のリスト:1nm未満、10nm未満、または100nm未満から選択される厚さを有する。
【0263】
いくつかの実施形態において、イオン交換材料およびコーティング材料は、粒子の化学組成が2つ以上の組成に及ぶ1つ以上の濃度勾配を形成することもある。いくつかの実施形態において、イオン交換材料およびコーティング材料は、以下のリスト:1nm未満、10nm未満、100nm未満、1,000nm未満、10,000nm未満、または100,000nm未満から選択される厚さの厚さに広がる濃度勾配を形成する。
【0264】
いくつかの実施形態において、イオン交換材料は、以下のリスト:水熱、ソルボサーマル、ゾル-ゲル、固体状態、溶融塩フラックス、イオン交換、マイクロ波、ボールミル粉砕、沈殿、または蒸着から選択される方法によって合成される。いくつかの実施形態において、イオン交換材料は、以下のリスト:水熱、固体状態、またはマイクロ波から選択される方法によって合成される。
【0265】
いくつかの実施形態において、コーティング材料は、以下のリスト:化学蒸着、原子層堆積、物理蒸着、水熱、ソルボサーマル、ゾル-ゲル、固体状態、溶融塩フラックス、イオン交換、マイクロ波、湿式含浸、沈殿、滴定、老化、ボールミル粉砕、またはそれらの組み合わせから選択される方法によって堆積される。いくつかの実施形態において、コーティング材料は、以下のリスト:化学蒸着、水熱、滴定、ソルボサーマル、湿式含浸、ゾル-ゲル、沈殿、マイクロ波、またはそれらの組み合わせから選択される方法によって堆積される。
【0266】
いくつかの実施形態において、コーティング材料は、以下のリスト:結晶質、非晶質、完全被覆、部分被覆、均一、不均一、またはこれらの組み合わせから選択される物理的特性を備えて堆積される。
【0267】
いくつかの実施形態において、複数のコーティングが、以下のリスト:同心円状、パッチワーク状、またはこれらの組み合わせから選択される配置でイオン交換材料上に堆積される。
【0268】
いくつかの実施形態において、マトリックスは以下のリスト:ポリマー、酸化物、リン酸、またはこれらの組み合わせから選択される。いくつかの実施形態において、構造支持体は、以下のリスト:ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリ塩化ビニル、ポリ二塩化ビニリデン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリフェニレンスルフィド、ポリテトラフルオロエチレン、ポリテトロフルオロエチレン、スルホン化ポリテトロフルオロエチレン、ポリスチレン、ポリジビニルベンゼン、ポリブタジエン、スルホン化ポリマー、カルボキシル化ポリマー、Nafion、これらのコポリマー、およびこれらの組み合わせから選択される。いくつかの実施形態において、構造支持体は、以下のリスト:ポリフッ化ビニリデン、ポリ塩化ビニル、スルホン化ポリテトロフルオロエチレン、ポリスチレン、ポリジビニルベンゼン、それらのコポリマー、またはそれらの組み合わせから選択される。いくつかの実施形態において、構造支持体は、以下のリスト:二酸化チタン、二酸化ジルコニウム、二酸化ケイ素、それらの固溶体、またはそれらの組み合わせから選択される。いくつかの実施形態において、マトリックス材料は、耐熱性、耐酸性、および/または他の耐薬品性について選択される。
【0269】
いくつかの実施形態において、多孔質ビーズは、イオン交換粒子、マトリックス材料、およびフィラー材料をまとめて一度に混合することによって形成される。いくつかの実施形態において、多孔質ビーズは、最初にイオン交換粒子およびマトリックス材料を混合し、その後、フィラー材料と混合することによって形成される。いくつかの実施形態において、多孔質ビーズは、最初にイオン交換粒子およびフィラー材料を混合し、その後、マトリックス材料と混合することによって形成される。いくつかの実施形態において、多孔質ビーズは、最初にマトリックス材料およびフィラー材料を混合し、その後、イオン交換粒子と混合することによって形成される。
【0270】
いくつかの実施形態において、多孔質ビーズは、イオン交換粒子、マトリックス材料、および/またはフィラー材料を、1個以上の構成要素を溶解する溶媒と混合することによって形成される。いくつかの実施形態において、多孔質ビーズは、イオン交換粒子、マトリックス材料、および/またはフィラー材料を、ミキサーまたはボールミル内で乾燥粉末として混合することによって形成される。いくつかの実施形態において、多孔質ビーズは、イオン交換粒子、マトリックス材料、および/またはフィラー材料を噴霧乾燥機中で混合することによって形成される。
【0271】
いくつかの実施形態において、マトリックス材料は、以下のリスト:n-メチル-2-ピロリドン、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、メチルエチルケトン、またはそれらの組み合わせからの溶媒を使用して、イオン交換粒子および/またはフィラー材料と溶解および混合されるポリマーである。いくつかの実施形態において、フィラー材料は、以下:水、エタノール、イソ-プロピルアルコール、アセトン、またはこれらの組み合わせのリストからの溶媒を使用して、イオン交換粒子および/またはマトリックス材料と溶解および混合される塩である。
【0272】
いくつかの実施形態において、フィラー材料は、以下のリスト:水、エタノール、イソ-プロピルアルコール、界面活性剤混合物、酸、塩基、またはそれらの組み合わせから選択される溶液を使用してビーズから溶解して細孔を形成する塩である。いくつかの実施形態において、フィラー材料は、高温で熱分解してガスを形成し、ガスがビーズから離れて細孔が形成され得る材料であり、ガスは以下のリスト:水蒸気、酸素、窒素、塩素、二酸化炭素、窒素酸化物、有機蒸気、またはこれらの組み合わせから選択される。
【0273】
いくつかの実施形態において、多孔質イオン交換ビーズは、機械プレス、ペレットプレス、錠剤プレス、ピルプレス、ロータリープレス、またはそれらの組み合わせを使用して、乾燥粉末から形成される。いくつかの実施形態において、多孔質イオン交換ビーズは、スラリーを異なる液体溶液に滴下することによって溶媒スラリーから形成される。溶媒スラリーは、n-メチル-2-ピロリドン、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、メチルエチルケトンの溶媒、またはそれらの組み合わせを使用して形成されてもよい。異なる液体溶液は、水、エタノール、イソ-プロピルアルコール、アセトン、またはそれらの組み合わせを使用して形成されてもよい。
【0274】
いくつかの実施形態において、多孔質イオン交換ビーズは、以下のリスト:10μm未満、100μm未満、1mm未満、1cm未満、または10cm未満から選択される平均直径を有するほぼ球状である。いくつかの実施形態において、多孔質イオン交換ビーズは、以下のリスト:200μm未満、2mm未満、または20mm未満から選択される平均直径を有するほぼ球状である。
【0275】
いくつかの実施形態において、多孔質イオン交換ビーズは、1mm未満、2mm未満、4mm未満、8mm未満、または20mm未満の直径、および1mm未満、2mm未満、4mm未満、8mm未満、または20mm未満の高さを有する錠剤形状である。
【0276】
いくつかの実施形態において、多孔質イオン交換ビーズは、膜、らせん状に巻かれた膜、中空糸膜、またはメッシュであり得る支持構造に埋め込まれる。いくつかの実施形態において、多孔質イオン交換ビーズは、ポリマー、セラミック、またはそれらの組み合わせで構成される支持構造上に埋め込まれる。いくつかの実施形態において、多孔質イオンビーズは、追加の支持構造なしでイオン交換カラムに直接充填される。
【0277】
いくつかの実施形態において、液体資源は以下のリスト:天然ブライン、溶解塩原、地熱ブライン、海水、濃縮海水、脱塩流出液、濃縮ブライン、加工ブライン、イオン交換プロセスからの液体、溶媒抽出プロセスからの液体、合成ブライン、鉱石からの浸出液、鉱物からの浸出液、粘土からの浸出液、リサイクル製品からの浸出液、リサイクル材料からの浸出液、またはそれらの組み合わせから選択される。いくつかの実施形態において、液体資源は、以下のリスト:天然ブライン、溶解塩原、濃縮ブライン、加工ブライン、合成ブライン、地熱ブライン、イオン交換プロセスからの液体、溶媒抽出プロセスからの液体、鉱物からの浸出液、粘土からの浸出液、リサイクル製品からの浸出液、リサイクル材料からの浸出液、またはそれらの組み合わせから選択される。
【0278】
いくつかの実施形態において、液体資源は、以下のリスト:100,000mg/L未満、10,000mg/L未満、1,000mg/L未満、100mg/L未満、10mg/L未満、またはこれらの組み合わせから選択されるリチウム濃度で選択される。いくつかの実施形態において、液体資源は、以下のリスト:5,000mg/L未満、500mg/L未満、50mg/L未満、またはこれらの組み合わせから選択されるリチウム濃度で選択される。
【0279】
いくつかの実施形態において、多孔質イオン交換ビーズからリチウムを回収するために使用される酸は、以下のリスト:塩酸、硫酸、リン酸、臭化水素酸、塩素酸、過塩素酸、硝酸、ギ酸、酢酸、またはこれらの組み合わせから選択される。いくつかの実施形態において、多孔質イオン交換ビーズからリチウムを回収するために使用される酸は、以下のリスト:塩酸、硫酸、硝酸、またはこれらの組み合わせから選択される。
【0280】
いくつかの実施形態において、多孔質イオン交換ビーズからリチウムを回収するために使用される酸は、以下のリスト:0.1M未満、1.0M未満、5M未満、10M未満、またはこれらの組み合わせから選択される濃度を有する。
【0281】
いくつかの実施形態において、多孔質イオン交換ビーズは、以下のリスト:10サイクル超、30サイクル超、100サイクル超、300サイクル超、または1,000サイクル超から選択されるサイクル数にわたって繰り返しイオン交換反応を行う。いくつかの実施形態において、多孔質イオン交換ビーズは、以下のリスト:50サイクル超、100サイクル超、または200サイクル超から選択されるサイクル数にわたって繰り返しイオン交換反応を行う。
【0282】
いくつかの実施形態において、多孔質イオン交換ビーズから得られる濃縮されたリチウム溶液は、以下のリスト:溶媒抽出、イオン交換、化学沈殿、電気透析、電解採取、直接太陽エネルギーによる蒸発、集中型太陽エネルギーによる蒸発、集中型太陽エネルギーによって加熱された熱伝達媒体による蒸発、地熱ブラインからの熱による蒸発、燃焼からの熱による蒸発、またはそれらの組み合わせから選択される方法を使用してリチウム原材料にさらに加工される。
【0283】
いくつかの実施形態において、多孔質イオン交換ビーズから得られる濃縮されたリチウム溶液は、以下のリスト:塩化リチウム、炭酸リチウム、水酸化リチウム、リチウム金属、リチウム金属酸化物、リチウム金属リン酸、リチウムスルフィド、またはその組み合わせから選択されるリチウム化学物質にさらに加工される。いくつかの実施形態において、多孔質イオン交換ビーズから得られる濃縮されたリチウム溶液は、固体、液体、水和物、または無水物であるリチウム化学物質にさらに加工される。
【0284】
いくつかの実施形態において、多孔質イオン交換ビーズを使用して生成されるリチウム化学物質は、以下のリスト:リチウム電池、金属合金、ガラス、グリース、またはこれらの組み合わせから選択される工業用途で使用される。いくつかの実施形態において、コーティングされたイオン交換粒子を使用して生成されたリチウム化学物質は、以下のリスト:リチウム電池、リチウムイオン電池、リチウム硫黄電池、リチウム固体電池、およびこれらの組み合わせから選択される用途に使用される。
【0285】
いくつかの実施形態において、イオン交換材料は、リチウムによって完全にまたは部分的に占有された部分格子を有するリチウム化状態で合成される。いくつかの実施形態において、イオン交換材料は、水素によって完全にまたは部分的に占有された部分格子を有する水和状態で合成される。
【0286】
リチウムの抽出のためにpHを調節するシステム
ブラインのpHが熱力学的に好ましいリチウム取り込みと同時の水素排出を促すのに適切な範囲で任意選択で維持されなければ、リチウム取り込み中の水素の放出は、ブラインを酸性化し、リチウムの取り込みを制限する。ブラインのpHを制御し、イオン交換カラムにおけるリチウム取り込みに適した範囲にpHを維持するために、NaOH、Ca(OH)、CaO、KOH、またはNHなどの塩基を、固体、水溶液として、または他の形態でブラインに任意選択で添加する。Mg、Ca、Sr、またはBaなどの二価イオンを含有するブラインの場合、ブラインへの塩基の添加は、Mg(OH)またはCa(OH)などの固形物の沈殿を生じさせ、これがイオン交換反応にとっての問題を引き起こしかねない。これらの沈殿物は、少なくとも3つの方法で問題を引き起こす。第1に、沈殿は、溶液から塩基を除去し、プロトンを中和し、溶液中で利用可能な塩基を少なくすることで、イオン交換カラムにおけるリチウム取り込みに適した範囲にpHを維持する。第2に、塩基の添加により形成される沈殿物は、イオン交換ビーズの表面および細孔、ならびにイオン交換ビーズ間の空隙を詰まらせることを含んで、イオン交換カラムを詰まらせる可能性がある。この目詰まりは、リチウムがビーズに入り、イオン交換材料によって吸収されるのを防ぎかねない。目詰まりはさらに、カラム内に大きな圧力水頭を引き起こす可能性がある。第3に、カラム中の沈殿物は、酸溶出中に溶解し、それによって、イオン交換システムによって生成されたリチウム濃縮物を汚染する。ブラインからリチウムを吸収するイオン交換ビーズについて、ブラインの理想的なpH範囲は任意選択で6~9であり、好ましいpH範囲は任意選択で4~9であり、許容可能なpH範囲は任意選択で2~9である。
【0287】
本明細書に記載される本発明の態様は、ブラインまたは他のリチウムイオン含有液体資源からのリチウム取り込み中のpH制御を可能にする形態を有するリチウム抽出のためのイオン交換反応器である。この反応器は、塩基添加による沈殿に関連する問題を解決しつつ、リチウム取り込み中に放出される水素を中和するように機能する。
【0288】
本明細書に記載される本発明の態様は、液体資源からリチウムイオンを抽出するためのシステムであり、上記システムは、a)イオン交換材料と、b)上記システムにおいて液体資源のpHを上昇させるためのpH調節機構とを含む。イオン交換材料は液体資源からリチウムイオンを抽出する。イオン交換材料による液体資源からのリチウムイオンの抽出中に、液体資源のpHは任意選択で低下する。pH調節機構を使用することによってシステム内の液体資源のpHを上昇させることは、イオン交換材料によるリチウムイオンの取り込みに適した範囲にpHを維持する。1つの実施形態において、pH調節機構は、システムのpHを測定すること、およびリチウム抽出のための理想的なpH範囲にシステムのpHを調整することを含む。1つの実施形態において、ブラインからリチウムを吸収するイオン交換材料について、ブラインの理想的なpH範囲は任意選択で6~9であり、好ましいpH範囲は任意選択で4~9であり、許容可能なpH範囲は任意選択で2~9である。1つの実施形態において、pH調節機構は、システムのpHを測定することを含み、システムのpHは、6未満、4未満、または2未満であり、システムのpHは、2~9のpH、4~9のpH、または6~9のpHに調整される。
【0289】
再循環バッチシステム
システムの実施形態において、イオン交換材料はカラムに充填される。システムの1つの実施形態において、pH調節機構は、イオン交換材料が充填されたカラムに接続される。システムの1つの実施形態において、pH調節機構は、1つ以上のタンクを備える。
【0290】
本明細書に記載されるシステムのいくつかの実施形態において、イオン交換材料は容器に充填される。いくつかの実施形態において、pH調節機構は、イオン交換材料が充填された容器と流体連通している。いくつかの実施形態において、pH調節機構は、イオン交換材料が充填されたカラムと流体連通している。
【0291】
システムの1つの実施形態において、1つ以上のイオン交換カラムは、イオン交換ビーズの固定床または流動床を充填される。システムの1つの実施形態において、イオン交換カラムは、入口ポートおよび出口ポートを有する円筒形構築物である。さらなる実施形態において、イオン交換カラムは、任意選択で、入口ポートおよび出口ポートを有する非円筒形構築物である。さらなる実施形態において、イオン交換カラムは、任意選択で、ブラインのポンプ輸送のための入口ポートおよび出口ポートと、カラムにイオン交換ビーズを充填し、およびカラムからイオン交換ビーズを取り除くための追加のドアまたはハッチとを有する。さらなる実施形態において、イオン交換カラムは、任意選択で、イオン交換ビーズの盗難のリスクを減らすために、1つ以上のセキュリティ装置を装備する。1つの実施形態において、これらのビーズは、ブラインからリチウムを可逆的に吸収し、酸中でリチウムを放出することができるイオン交換材料を含有する。1つの実施形態において、イオン交換材料は、イオン交換材料の溶解または分解を制限するために、SiO、ZrO、またはTiOなどのコーティング材料で任意選択で保護される粒子で構成される。1つの実施形態において、これらのビーズは、イオン交換材料に結合する耐酸性ポリマーなどの構造成分を含有する。1つの実施形態において、ビーズは、リチウムおよび水素をビーズへおよびビーズから送達するため、またはビーズを洗浄するために、ブライン、酸、水溶液、および他の溶液のビーズへの浸透を容易にする細孔を含む。1つの実施形態において、ビーズの細孔は、細孔サイズの分布を有する細孔の連結ネットワークを形成するように構造化され、ビーズ形成中にフィラー材料を組み込み、その後、液体またはガス中でそのフィラー材料を除去することによって構造化される。
【0292】
システムの1つの実施形態において、システムは再循環バッチシステムであり、上記システムは、塩基をブラインに混合し、塩基添加後に任意の沈殿物を沈殿させ、イオン交換カラムまたは他のタンクに再注入する前にブラインを貯蔵するための1つ以上のタンクに接続されたイオン交換カラムを備える。再循環バッチシステムの1つの実施形態において、ブラインは、ループにおいて、1つ以上のタンクに充填され、イオン交換カラムを通してポンプ輸送され、一連のタンクを通ってポンプ輸送され、次いで、イオン交換カラムに戻される。1つの実施形態において、ブラインは任意選択で、このループを繰り返し横断する。1つの実施形態において、ブラインは、イオン交換カラムを通して再循環されることで、ビーズによる最適なリチウム取り込みを可能にする。1つの実施形態において、塩基は、pHがリチウム取り込みに適切なレベルに維持されるように、かつイオン交換カラム中の塩基関連沈殿物の量が最小限に抑えられるようにブラインに添加される。
【0293】
1つの実施形態において、ブラインが再循環バッチシステムを通してポンプ輸送されるにつれて、ブラインのpHは、リチウム取り込み中のイオン交換ビーズからの水素放出によりイオン交換カラム内で低下し、ブラインのpHは、固体、水溶液、または他の形態としての塩基の添加によって上方に調節される。1つの実施形態において、イオン交換システムは、イオン交換反応をほぼ完了させ、イオン交換カラムを出るブラインのpHは、イオン交換カラムに入るブラインのpHに近づく。1つの実施形態において、添加される塩基の量は、塩基性沈殿物が形成されないように、イオン交換ビーズによって放出される水素を中和するように任意選択で制御される。1つの実施形態において、過剰な塩基または一時的に過剰な塩基は、塩基性沈殿物が形成されるように任意選択で添加される。1つの実施形態において、塩基性沈殿物は一時的に形成され、その後、イオン交換カラムから放出される水素によって部分的または完全に再溶解される。システムの1つの実施形態において、塩基は、任意選択で、イオン交換カラムの前、イオン交換カラムの後、1つ以上のタンクの前、または1つ以上のタンクの後に、ブライン流に添加される。
【0294】
再循環バッチシステムの1つの実施形態において、タンクは、塩基がブラインと混合される混合タンクを含む。1つの実施形態において、タンクは沈降タンクを含み、沈降タンクの下部にMg(OH)などの沈殿物が任意選択で沈降することで、沈殿物がイオン交換カラムに注入されるのを回避する。1つの実施形態において、タンクは、イオン交換カラム、混合タンク、沈降タンク、または他のタンクへの再注入の前にブラインが貯蔵される貯蔵タンクを含む。1つの実施形態において、タンクは、酸再循環タンクを含む。1つの実施形態において、再循環バッチ反応器内のいくつかのタンクは、任意選択で、塩基混合タンク、沈降タンク、酸再循環タンク、または貯蔵タンクを含む目的の組み合わせに役立つ。任意の実施形態において、タンクは任意選択で、同時に2つの機能を果たさない。例えば、タンクは、塩基混合タンクかつ沈降タンクではない。
【0295】
再循環バッチシステムの1つの実施形態において、塩基は混合タンクに添加され、上記混合タンクは任意選択で、スタティックミキサーに追い立てられる酸性化したブライン流と塩基流の合流、パドルミキサーに追い立てられる酸性化したブライン流と塩基流の合流、タービンインペラミキサーに追い立てられる酸性化したブライン流と塩基流の合流の連続撹拌タンクシステム、または、下部でよく混合され、上部付近で沈降する垂直カラムの形状の連続撹拌タンクシステムである。1つの実施形態において、塩基は、固体としてまたは水溶液として任意選択で添加される。1つの実施形態において、塩基は任意選択で、一定速度または可変速度で連続的に添加される。1つの実施形態において、塩基は任意選択で、一定または可変のアリコートまたはバッチで別々に添加される。1つの実施形態において、塩基は任意選択で、イオン交換カラムの下流または再循環バッチシステムの他の場所でブラインを任意選択でサンプリングする1つ以上のpHメーターに従って添加される。1つの実施形態において、フィルターは任意選択で、沈殿物が混合タンクから出るのを防止するために使用される。1つの実施形態において、フィルターは任意選択で、プラスチックメッシュスクリーン、砂、シリカ、またはアルミナなどの粒状媒体を含有する小さな充填カラム、多孔質媒体フィルターを含有する小さな充填カラム、または膜である。
【0296】
再循環バッチシステムの1つの実施形態において、沈降タンクは任意選択で、下部に流入液および上部に流出液を有する沈降タンク、または一端に流入液および他端に流出液を有する沈降タンクである。1つの実施形態において、チャンバー付き堰を使用して沈殿物を完全に沈殿させた後、ブラインを反応器に再循環させる。1つの実施形態において、固体の塩基沈殿物を沈降タンクの下部に集め、ミキサーに再循環させる。1つの実施形態において、Mg(OH)などの沈殿物は、タンクの下部付近に任意選択で沈殿する。1つの実施形態において、ブラインは、懸濁した沈殿物の量が最小である沈降タンクの上部から取り除かれる。1つの実施形態において、沈殿物は、重力、遠心作用、または他の力などの力の下で任意選択で沈降する。1つの実施形態において、沈殿物が沈殿タンクから出るのを防止するために、フィルターが任意選択で使用される。1つの実施形態において、フィルターは任意選択で、プラスチックメッシュスクリーン、砂、シリカ、またはアルミナなどの粒状媒体を含有する小さな充填カラム、多孔質媒体フィルターを含有する小さな充填カラム、または膜である。1つの実施形態において、沈殿物の沈殿を確実にし、沈殿物が沈殿タンクを出てカラムに入るのを防止するために、バッフルが任意選択で使用される。
【0297】
再循環バッチシステムの1つの実施形態において、塩基性沈殿物は沈降タンクから任意選択で収集され、混合タンクまたは他の場所でブラインに再注入されることでブラインのpHを調整する。
【0298】
再循環バッチシステムの1つの実施形態において、1つ以上のイオン交換カラムは任意選択で、1つ以上のタンクまたはタンクのセットに接続される。再循環バッチシステムの1つの実施形態において、任意選択で、混合、沈降、および貯蔵のタンクの共有セットを通ってブラインを再循環させる、複数のイオン交換カラムがある。再循環バッチシステムの1つの実施形態において、任意選択で、混合、沈降、および貯蔵のタンクの複数のセットを通ってブラインを再循環させる1つのイオン交換カラムがある。
【0299】
カラム交換システム
本明細書に記載される本発明の態様は、イオン交換材料が複数のカラムに充填されるシステムである。1つの実施形態において、pH調節機構は、複数のカラムに接続された複数のタンクを含み、複数のタンクの各々は、複数のカラムのうちの1つに直接に接続される。1つの実施形態において、複数のカラムに接続された複数のタンクの2つ以上は、少なくとも1つの回路を形成する。1つの実施形態において、複数のカラムに接続された複数のタンクの3つ以上は、少なくとも2つの回路を形成する。1つの実施形態において、複数のカラムに接続された複数のタンクの3つ以上は、少なくとも3つの回路を形成する。1つの実施形態において、少なくとも1つの回路は液体資源回路である。1つの実施形態において、少なくとも1つの回路は水洗浄回路である。1つの実施形態において、少なくとも1つの回路は酸溶液回路である。1つの実施形態において、少なくとも2つの回路は水洗浄回路である。
【0300】
イオン交換システムの1つの実施形態において、システムは、一連のイオン交換カラムが接続されることで、ブライン回路、酸回路、水洗浄回路、および任意選択で他の回路を形成する、カラム交換システムである。ブライン回路の1つの実施形態において、ブラインは、ブライン回路内の第1のカラムを通り、その後、ブライン回路内の次のカラムに入り、以下同様であり、ブラインが1つ以上のカラムを通って流れるにつれて、リチウムがブラインから除去されるようになっている。ブライン回路の1つの実施形態において、塩基は、ブライン回路内の各イオン交換カラムまたは特定のイオン交換カラムの前または後に、ブラインに添加されることで、ブラインのpHを、イオン交換ビーズによるリチウム取り込みに適した範囲に維持する。酸回路の1つの実施形態において、酸は、酸回路内の第1のカラムを通過し、その後、酸回路内の次のカラムに入り、以下同様であり、リチウムが酸でカラムから溶出されてリチウム濃縮物を生成する。酸回路の1つの実施形態において、酸は、酸回路内の第1のカラムを通過し、その後、任意選択で酸回路内の次のカラムに入り、以下同様であり、リチウムが酸でカラムから溶出されてリチウム濃縮物を生成する。水洗浄回路の1つの実施形態において、水は、水洗浄回路内の第1のカラムを通過し、その後、任意選択で水洗浄回路内の次のカラムに入り、以下同様であり、水洗浄回路内のカラムの空隙空間、細孔空間、またはヘッド空間内のブラインが洗い流される。
【0301】
カラム交換システムの1つの実施形態において、イオン交換カラムは、ブライン回路と、水洗浄回路と、酸回路との間で交換される。1つの実施形態において、ブライン回路内の第1のカラムがリチウムで充填され、その後、水洗浄回路に交換して、カラムの空隙空間、細孔空間、またはヘッド空間からブラインを除去する。1つの実施形態において、水洗浄回路内の第1のカラムを洗浄してブラインを除去し、その後、酸回路に交換し、そこでリチウムを酸で溶出させてリチウム濃縮物を形成する。1つの実施形態において、酸回路の第1のカラムは、酸で溶出され、その後、ブライン回路に交換され、ブラインからリチウムを吸収する。カラム交換システムの1つの実施形態において、2つの水洗浄回路は、ブライン回路および酸回路の両方の後でカラムを洗浄するために使用される。カラム交換システムの1つの実施形態において、1つの水洗浄回路のみが、ブライン回路の後にカラムを洗浄するために使用されるが、過剰な酸は塩基で中和されるか、またはブライン回路内のカラムから洗い流される。
【0302】
カラム交換システムの1つの実施形態において、ブライン回路の第1のカラムは、水洗浄回路の最後のカラムになるように交換される。カラム交換システムの1つの実施形態において、水洗浄回路の第1のカラムは、酸回路の最後のカラムになるように交換される。カラム交換システムの1つの実施形態において、酸回路の第1のカラムは、ブライン回路の最後のカラムになるように交換される。
【0303】
カラム交換システムの1つの実施形態において、ブライン回路内の各カラムは、塩基をブラインに混合し、塩基添加後に形成される任意の塩基性沈殿物を任意選択で沈降させるための1つ以上のタンクまたは接合部を含む。カラム交換システムの1つの実施形態において、ブライン回路内の各カラムは、沈降または濾過を介して塩基性沈殿物または他の粒子を除去するための1つ以上のタンクまたは接合部を連結している。カラム交換システムの1つの実施形態において、各カラムまたはカラムの様々なクラスタは、イオン交換ビーズから切り離される粒子を含む粒子を除去する1つ以上の沈降タンクまたはフィルターを連結している。
【0304】
カラム交換システムの1つの実施形態において、ブライン回路内のカラムの数は任意選択で、約3未満、約10未満、約30未満、または約100未満である。カラム交換システムの1つの実施形態において、酸回路内のカラムの数は任意選択で、約3未満、約10未満、約30未満、または約100未満である。カラム交換システムの1つの実施形態において、水洗浄回路内のカラムの数は任意選択で、約3未満、約10未満、約30未満、または約100未満である。いくつかの実施形態において、ブライン回路内のカラムの数は1~10である。いくつかの実施形態において、酸回路内のカラムの数は1~10である。いくつかの実施形態において、洗浄回路内のカラムの数は1~10である。
【0305】
カラム交換システムの1つの実施形態において、任意選択で、1つ以上のブライン回路、1つ以上の酸回路、および1つ以上の水洗浄回路がある。カラム交換システムの1つの実施形態において、イオン交換カラムは任意選択で、操作カラムを中断することなく、新鮮なイオン交換ビーズを供給される。カラム交換システムの1つの実施形態において、容量が枯渇したビーズを有するイオン交換カラムは任意選択で、操作カラムを中断することなく、新鮮なイオン交換ビーズを有するイオン交換カラムと交換される。
【0306】
カラム交換システムの1つの実施形態において、カラムはイオン交換材料の流動床を含む。カラム交換システムの1つの実施形態において、カラムは、オーバーヘッドスターラーまたはポンプなどのイオン交換材料の流動床を作り出す手段を有する。カラム交換システムの1つの実施形態において、カラムは、イオン交換材料の流動床を含む。イオン交換システムの1つの実施形態において、システムは交換システムであり、容器はイオン交換容器である。交換システムの1つの実施形態において、塩基は、イオン交換材料を含むカラムまたは他のタンクに直接添加され得る。交換システムの1つの実施形態において、塩基は、別個の混合タンク内のブラインまたは別の溶液に添加されてもよく、その後、イオン交換材料を含むカラムまたは他のタンクに添加されてもよい。
【0307】
イオン交換システムの1つの実施形態において、イオン交換ビーズはイオン交換カラムに充填され、ブラインからのリチウム取り込み後、酸再循環ループを用いてイオン交換カラムからリチウムを溶出させる。酸再循環ループの1つの実施形態において、酸をイオン交換カラムを通してタンクに流し、その後、イオン交換カラムを通して再循環させてリチウム溶出を最適化する。イオン交換システムの1つの実施形態において、イオン交換カラムがイオン交換ビーズに充填され、ブラインからのリチウム取り込み後、酸の貫流を用いて各イオン交換カラムからリチウムを溶出させる。イオン交換システムの1つの実施形態において、イオン交換ビーズがイオン交換カラムに充填され、ブラインからのリチウム取り込み後、カラム交換回路を用いてイオン交換カラムからリチウムを溶出させる。
【0308】
イオン交換システムの1つの実施形態において、再循環バッチシステムを使用して、ブラインをカラムに流すことによって、イオン交換カラムにリチウムを充填し、その後、カラム交換システムを使用して、リチウムをカラムから溶出させる。イオン交換システムの1つの実施形態において、カラム交換システムを使用してブラインをカラムに通して流すことによってイオン交換カラムにリチウムを充填し、その後、再循環バッチシステムを使用して、リチウムをカラムから溶出させる。イオン交換の1つの実施形態において、再循環バッチシステムを使用してブラインをカラムに通して流すことによってイオン交換カラムにリチウムを充填し、その後、再循環バッチシステムを使用して、リチウムをカラムから溶出させる。イオン交換システムの1つの実施形態において、カラム交換システムを使用してブラインをカラムに通して流すことによってイオン交換カラムにリチウムを充填し、その後、カラム交換システムを使用して、リチウムをカラムから溶出させる。
【0309】
撹拌タンクシステム
本明細書に記載される本発明の態様は、pH調節機構がタンクであるシステムであり、上記タンクは、a)1つ以上の区画と、b)液体資源を1つ以上の区画を通して移動させるための手段とを含む。実施形態において、イオン交換材料は、少なくとも1つの区画に充填される。実施形態において、1つ以上の区画を通って液体資源を移動させる手段は、パイプである。さらなる実施形態において、1つ以上の区画を通って液体資源を移動させる手段は、パイプおよび適切に構成されたポンプである。実施形態において、タンクはさらに、タンク全体にわたって液体資源を循環させるための手段を備える。実施形態において、タンク全体にわたって液体資源を循環させるための手段は混合装置である。実施形態において、タンクはさらに、注入ポートを備える。
【0310】
いくつかの実施形態において、タンクはさらに、1つ以上の注入ポートを備える。いくつかの実施形態において、タンクはさらに、複数の注入ポートを備える。
【0311】
本明細書に記載される態様は、タンクを含む、液体資源からリチウムイオンを抽出するためのシステムであり、タンクはさらに、a)1つ以上の区画と、b)イオン交換材料と、c)混合装置と、d)システムのpHを変化させるためのpH調節機構とを備え、イオン交換材料は液体資源からリチウムイオンを抽出するために使用される。1つの実施形態において、pH調節機構はシステム内の液体資源のpHを変化させる。
【0312】
いくつかの実施形態において、イオン交換材料は、1つ以上の区画のうちの少なくとも1つに充填される。いくつかの実施形態において、イオン交換材料は、1つ以上の区画のうちの少なくとも1つにおいて流動化される。いくつかの実施形態において、イオン交換材料は、1つ以上の区画のうちの少なくとも1つにおいて非流動化される。いくつかの実施形態において、イオン交換材料は、1つ以上の区画のうちの少なくとも1つにおいて固定された位置を占める。
【0313】
いくつかの実施形態において、pH調節機構は、pH測定装置、および塩基を添加するための入口を含む。いくつかの実施形態において、pH測定装置はpHプローブである。いくつかの実施形態において、入口はパイプである。いくつかの実施形態において、入口は注入ポートである。
【0314】
いくつかの実施形態において、タンクはさらに多孔質仕切りを含む。いくつかの実施形態において、多孔質仕切りは多孔質ポリマー仕切りである。いくつかの実施形態において、多孔質仕切りはメッシュまたは膜である。いくつかの実施形態において、多孔質仕切りはポリマーメッシュまたはポリマー膜である。いくつかの実施形態において、多孔質仕切りはメッシュ、膜、または他の多孔質構造の1つ以上の層を含む。いくつかの実施形態において、多孔質仕切りは、構造的支持を提供する1つ以上の粗いメッシュと、濾過を提供する1つ以上の微細メッシュおよび/または膜とを含む。いくつかの実施形態において、多孔質仕切りは、ポリエーテルエーテルケトンメッシュ、ポリプロピレンメッシュ、ポリエチレンメッシュ、ポリスルホンメッシュ、ポリエステルメッシュ、ポリアミドメッシュ、ポリテトラフルオロエチレンメッシュ、エチレンテトラフルオロエチレンポリマーメッシュ、ステンレス鋼メッシュ、ポリマーでコーティングされたステンレス鋼メッシュ、セラミックでコーティングされたステンレス鋼メッシュ、またはこれらの組み合わせを含み、メッシュは粗いメッシュ、微細メッシュ、またはこれらの組み合わせである。いくつかの実施形態において、多孔質ポリマー仕切りは、ポリエーテルエーテルケトン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスルホン、ポリエステル、ポリアミド、ポリテトラフルオロエチレン、またはエチレンテトラフルオロエチレンのポリマーのうちの2つ以上の1つ以上のブレンドを含むメッシュを含む。いくつかの実施形態において、多孔質仕切りは、ポリエーテルエーテルケトン膜、ポリプロピレン膜、ポリエチレン膜、ポリスルホン膜、ポリエステル膜、ポリアミド膜、ポリテトラフルオロエチレン膜、エチレンテトラフルオロエチレンポリマー膜、またはそれらの組み合わせを含む。
【0315】
イオン交換システムの1つの実施形態において、システムは、透過性のパレット、ケース、ボックス、またはイオン交換ビーズが充填される他の容器などの透過性ビーズ区画を含むブラインのタンクで構成される撹拌タンクシステムであり、ブラインはバッチプロセスでタンクを通して撹拌される。撹拌タンクシステムの1つの実施形態において、塩基は任意選択で、固体としてまたは水溶液中で徐々にまたは一度にタンクに直接添加される。撹拌タンクシステムの1つの実施形態において、ブライン取り込み段階が完了した後、透過性ビーズ容器は任意選択で、酸溶出のために別のタンクに移される。撹拌タンクシステムの1つの実施形態において、透過性ビーズ区画は、ブライン段階中およびブライン段階が完了した後、撹拌タンクの下部に位置し、その後、ブラインが除去され、撹拌タンクの下部は、透過性ビーズ区画が最適な容量の酸で覆われるように、酸で充填されてリチウムを溶出する。
【0316】
撹拌タンクシステムの1つの実施形態において、イオン交換ビーズは、内部混合装置を有するタンク内のプラスチック構造支持体を使用して懸濁される。撹拌タンクシステムの1つの実施形態において、ブラインの流れはタンクから取り除かれ、カラムを通過し、このカラムでは、イオン交換によって生成されたブライン中の水素イオンが、溶液中の犠牲塩基を使用して中和されるか、または固体として、またはイオン交換樹脂によって添加される。このpH補正された流れは、リチウムが除去され続けるシステムに送り戻される。撹拌タンクシステムの1つの実施形態において、ビーズ区画を通過したブラインは、任意選択でタンクの内部または外部にあるパイプを通ってタンクの反対端に戻される。撹拌タンクシステムの1つの実施形態において、塩基は任意選択で、タンク内部のブラインに、またはタンク外部の塩基添加タンクに添加される。
【0317】
撹拌タンクシステムの1つの実施形態において、バッチモードの代わりに連続撹拌タンクシステムモードで動作するように、新鮮なブラインがシステムに供給される。再循環バッチシステムの1つの実施形態において、バッチモードの代わりに連続撹拌タンクシステムモードで動作するように、新鮮なブラインがシステムに供給される。
【0318】
イオン交換システムの1つの実施形態において、イオン交換材料は、撹拌タンク反応器内で液体資源と混合される。1つの実施形態において、イオン交換材料は、コーティングされた粒子、コーティングされていない粒子、多孔質ビーズ、またはそれらの組み合わせで構成され得る。
【0319】
イオン交換システムの1つの実施形態において、撹拌タンク反応器は、液体資源中のイオン交換材料を流動化して液体資源からイオン交換材料へのリチウムの吸収を可能にするために、使用される。1つの実施形態において、撹拌タンク反応器は、洗浄液中のイオン交換材料を流動化してイオン交換材料から残留ブライン、酸、または他の汚染物質を除去するために、使用される。1つの実施形態において、撹拌タンク反応器は、イオン交換材料中のリチウムをプロトンで置換しながら、酸溶液中でイオン交換材料を流動化してイオン交換材料からリチウムを溶出させるために使用される。1つの実施形態において、単一の撹拌タンク反応器は、イオン交換材料を液体資源、洗浄液、および酸溶液と混合するために使用される。
【0320】
いくつかの実施形態において、液体資源からリチウムイオンを抽出するためのシステムは、タンクを含み、タンクはさらに、a)1つ以上の区画と、b)イオン交換材料と、c)混合装置と、d)システム内の液体資源のpHを変化させるためのpH調節機構とを備え、イオン交換材料は、液体資源からリチウムイオンを抽出するために使用され、さらに、上記システムは別のタンクを含み、別のタンクはさらに、a)1つ以上の区画と、b)イオン交換材料と、c)混合装置と、d)システム内の液体資源のpHを変化させるためのpH調節機構とを備える。いくつかの実施形態において、タンクは他のタンクと流体連通している。
【0321】
いくつかの実施形態において、液体資源からリチウムイオンを抽出するためのシステムは、タンクを含み、システムはさらに、別のタンクを含み、別のタンクはさらに、a)1つ以上の区画と、b)イオン交換材料と、c)混合装置と、d)システムに酸を添加するための酸入口とを含む。さらなる実施形態において、イオン交換材料はタンクと別のタンクとの間で移動する。
【0322】
いくつかの実施形態において、液体資源からリチウムイオンを抽出するためのシステムは、タンクを含み、タンクはさらに、a)1つ以上の区画と、b)イオン交換材料と、c)混合装置と、d)システム内の液体資源のpHを変化させるためのpH調節機構とを備え、イオン交換材料は、液体資源からリチウムイオンを抽出するために使用され、上記システムはさらに、複数のタンクを含み、各タンクはさらに、a)1つ以上の区画と、b)イオン交換材料と、c)混合装置と、d)システム内の液体資源のpHを変化させるためのpH調節機構とを備える。いくつかの実施形態において、システムの各タンクはシステムの他の個々のタンクと流体連通している。
【0323】
いくつかの実施形態において、システムはさらに別の複数のタンクを含み、各タンクはさらに、a)1つ以上の区画と、b)イオン交換材料と、c)混合装置とを備える。
【0324】
いくつかの実施形態において、システムは、バッチモードで動作するように構成される。いくつかの実施形態において、システムは、連続モードで動作するように構成される。いくつかの実施形態において、システムは、バッチモードおよび連続モードで動作するように構成される。いくつかの実施形態において、システム内の1つ以上のタンクは、バッチモードで動作するように構成され、システム内の1つ以上のタンクは、連続モードで動作するように構成される。いくつかの実施形態において、システム内の1つ以上のタンクは、バッチモードで動作するように構成され、システム内の1つ以上のタンクは、半連続モードで動作するように構成される。いくつかの実施形態において、システム内の1つ以上のタンクは、半連続モードで動作するように構成され、システム内の1つ以上のタンクは、連続モードで動作するように構成される。いくつかの実施形態において、システム内の1つ以上のタンクはバッチモードで動作するように構成され、システム内の1つ以上のタンクは半連続モードで動作するように構成され、システム内の1つ以上のタンクは連続モードで動作するように構成される。いくつかの実施形態において、システムは、半連続モード、バッチモード、連続モード、またはそれらの組み合わせで動作するように構成される。
【0325】
イオン交換システムの1つの実施形態において、複数の撹拌タンク反応器は、イオン交換材料を液体資源、洗浄液、および酸溶液と混合するために使用される。1つの実施形態において、撹拌タンク反応器は、異なるサイズであってもよく、異なる体積の液体資源、洗浄液、および酸溶液を含んでもよい。1つの実施形態において、撹拌タンクは、円筒形、円錐形、長方形、ピラミッド形、またはそれらの組み合わせであってもよい。イオン交換システムの1つの実施形態において、イオン交換材料は、液体資源、洗浄液、または酸溶液の反対方向に複数の撹拌タンク反応器を通って移動することができる。
【0326】
イオン交換システムの1つの実施形態において、複数の撹拌タンク反応器を使用することができ、1つ以上の撹拌タンク反応器はイオン交換材料を液体資源と混合し、1つ以上の撹拌タンク反応器はイオン交換材料を洗浄液と混合し、1つ以上の撹拌タンク反応器はイオン交換材料を酸溶液と混合する。
【0327】
イオン交換システムの1つの実施形態において、撹拌タンク反応器は、液体資源が撹拌タンク反応器を通って連続的に、半連続的に、またはバッチ式に流れる、連続モード、半連続モード、またはバッチモードで操作することができる。イオン交換システムの1つの実施形態において、撹拌タンク反応器は、イオン交換材料が撹拌タンク反応器を通って連続的に、半連続的に、またはバッチ式に流れる、連続モード、半連続モード、またはバッチモードで操作することができる。イオン交換システムの1つの実施形態において、撹拌タンク反応器は、液体資源、洗浄液、または酸溶液の流れが連続的な流れ、半連続的な流れ、またはバッチ流でタンクを通って流れる間に、イオン交換材料がタンク内に留まるモードで操作することができる。
【0328】
1つの実施形態において、イオン交換材料は、タンクの上部、下部、または側部を通して撹拌タンク反応器に充填するか、または撹拌タンク反応器から取り除くことができる。
【0329】
イオン交換システムの1つの実施形態において、撹拌タンク反応器は、1つ以上の区画を含み得る。1つの実施形態において、区画は、流動化された、固定された、部分的に流動化された、部分的に固定された、代替的に流動化された、代替的に固定された、またはそれらの組み合わせである床にイオン交換材料を含んでもよい。1つの実施形態において、区画は、区画の下部の、区画のサイズの、区画の上部の、またはそれらの組み合わせの多孔質支持体で構成されてもよい。1つの実施形態において、区画は、円錐形、円筒形、長方形、ピラミッド形、他の形状、またはそれらの組み合わせであってもよい。1つの実施形態において、区画は、タンクの下部に位置してもよい。1つの実施形態において、区画の形状は、撹拌タンク反応器の形状に適合し得る。1つの実施形態において、区画は、撹拌タンク反応器のタンクで部分的または完全に構成され得る。
【0330】
1つの実施形態において、区画は、多孔性構造で構成されてもよい。1つの実施形態において、区画は、ポリマー、セラミック、金属、またはそれらの組み合わせで構成されてもよい。1つの実施形態において、区画は、多孔質材料またはメッシュで部分的または完全に構成されてもよい。1つの実施形態において、区画はタンクの上部にあってもよい。1つの実施形態において、区画は1つ以上の多孔質材料を用いてタンクの残りの部分から分離されてもよい。1つの実施形態において、区画はタンクの上部にあってもよい。1つの実施形態において、区画は、強度のための粗いメッシュの1つの層、および区画内により小さい粒子を含むための細かいメッシュの1つの層を含む二層メッシュを用いてタンクの残りの部分から分離されてもよい。1つの実施形態において、区画は、液体が撹拌タンク反応器を通って区画を通って自由に流れることを可能にすることができる。1つの実施形態において、区画は、上部が開いていてもよい。1つの実施形態において、区画は、タンク内にイオン交換材料を含むことができるが、イオン交換材料がタンク全体にわたって移動することを可能にすることができる。1つの実施形態において、区画は、タンク容積の大部分またはわずかを含み得る。1つの実施形態において、区画は、1パーセント超、10パーセント超、50パーセント超、90パーセント超、99パーセント超、または99.9パーセント超であるタンクの容積の割合を表すことができる。1つの実施形態において、撹拌、混合、またはポンプ輸送のための1つ以上の装置が、区画、撹拌タンク反応器、またはそれらの組み合わせを通して流体を移動させるために使用されてもよい。
【0331】
イオン交換システムの1つの実施形態において、撹拌タンク反応器は、ブライン、洗浄液、および酸溶液の流れが異なるカラムを直接通るネットワーク内に配置することができる。1つの実施形態において、撹拌タンク反応器のネットワークは、様々な撹拌タンク反応器を通るイオン交換材料の物理的移動に関与することもある。1つの実施形態において、撹拌タンク反応器のネットワークは、様々な撹拌タンク反応器を通るイオン交換材料の物理的移動に関与しないこともある。1つの実施形態において、撹拌タンク反応器のネットワークは、様々な撹拌タンク反応器を通るブライン、洗浄液、および酸溶液の流れの切り替えに関与することもある。1つの実施形態において、ブラインは、連続モードまたはバッチモードで撹拌タンク反応器に入れることができる。1つの実施形態において、ブラインは、システムを出る前に、1つ以上の反応器内でイオン交換材料と混合されてもよい。1つの実施形態において、撹拌タンク反応器のネットワークは、ブラインの流れに対するイオン交換材料の向流曝露を伴うブライン回路を含み得る。1つの実施形態において、撹拌タンク反応器のネットワークは、洗浄液の流れに対するイオン交換材料の向流曝露を伴う洗浄回路を含み得る。1つの実施形態において、撹拌タンク反応器のネットワークは、酸溶液の流れに対するイオン交換材料の向流曝露を伴う酸回路を含み得る。1つの実施形態において、洗浄液は、水、水溶液、または抗スカラント(anti-scalant)を含有する溶液であってもよい。
【0332】
撹拌タンク反応器の1つの実施形態において、酸は溶出の開始時に添加される。撹拌タンク反応器の1つの実施形態において、酸は、溶出の開始時および溶出中に再度添加される。撹拌タンク反応器の1つの実施形態において、溶出の開始時に低濃度の酸を添加し、高濃度の追加の酸を添加して溶出を継続する。
【0333】
本明細書に記載される態様は、液体資源からリチウムイオンを抽出するためのシステムであり、上記システムは、a)イオン交換材料と、b)1つ以上の区画を含むタンクと、c)混合装置とを備え、イオン交換材料は液体資源からリチウムイオンを抽出するために使用される。
【0334】
いくつかの実施形態において、イオン交換材料は、1つ以上の区画のうちの少なくとも1つに充填される。いくつかの実施形態において、イオン交換材料は、1つ以上の区画のうちの少なくとも1つにおいて流動化または部分的に流動化される。いくつかの実施形態において、イオン交換材料は、1つ以上の区画のうちの少なくとも1つにおいて固定された位置を占める。いくつかの実施形態において、イオン交換材料は、1つ以上の区画のうちの少なくとも1つにおいて取り付けられる。
【0335】
本明細書に記載される態様は、液体資源からリチウムイオンを抽出するためのシステムであり、上記システムは、a)イオン交換材料を含むカラムと、b)システム内の液体資源のpHを変化させるためのpH調節機構とを備え、pH調節機構はカラムと流体連通しており、イオン交換材料は液体資源からリチウムイオンを抽出するために使用される。
【0336】
他のタイプのシステム
本明細書に記載される態様は、液体資源からリチウムイオンを抽出するためのシステムであり、上記システムは、a)複数のカラムであって、複数のカラムの各々がイオン交換材料を含む、複数のカラムと、b)システム内の液体資源のpHを変化させるためのpH調節機構であって、pH調節機構が複数のカラムの各々と流体連通しており、イオン交換材料が液体資源からリチウムイオンを抽出するために使用される、pH調節機構とを備える。
【0337】
いくつかの実施形態において、pH調節機構は複数のタンクを含み、複数のタンクの各々は、複数のカラムのうちの1つに直接に接続される。1つの実施形態において、pH調節機構は複数のタンクを含み、複数のタンクの各々は、複数のカラムのうちの1つに直接に流体連通している。いくつかの実施形態において、複数のカラムのうちの2つ以上に接続された複数のタンクの2つ以上は、少なくとも1つの回路を形成する。いくつかの実施形態において、複数のカラムのうちの2つ以上に接続された複数のタンクの2つ以上は、少なくとも2つの回路を形成する。いくつかの実施形態において、複数のカラムのうちの3つ以上に接続された複数のタンクの3つ以上は、少なくとも2つの回路を形成する。いくつかの実施形態において、複数のカラムのうちの3つ以上に接続された複数のタンクの3つ以上は、少なくとも3つの回路を形成する。
【0338】
いくつかの実施形態において、pH調節機構は複数のタンクを含み、複数のタンクの各々は、濾過システムを介して複数のカラムに接続される。いくつかの実施形態において、複数のタンクの2つ以上は、少なくとも1つの回路を形成するために、濾過システムを介して複数のカラムのうちの2つ以上に接続される。いくつかの実施形態において、複数のタンクの2つ以上は、少なくとも2つの回路を形成するために、濾過システムを介して複数のカラムのうちの2つ以上に接続される。いくつかの実施形態において、複数のタンクの3つ以上は、少なくとも2つの回路を形成するために、濾過システムを介して複数のカラムのうちの2つ以上に接続される。いくつかの実施形態において、複数のタンクの3つ以上は、少なくとも3つの回路を形成するために、濾過システムを介して複数のカラムのうちの2つ以上に接続される。いくつかの実施形態において、濾過システムは、バッグフィルター、キャンドルフィルター、カートリッジフィルター、メディアフィルター、デプスフィルター、サンドフィルター、膜フィルター、限外濾過システム、精密濾過フィルター、ナノ濾過フィルター、十字流フィルター、デッドエンドフィルター、ドラムフィルター、フィルタプレス、またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態において、このフィルター内の開口部は、約0.02μm未満、約0.1μm未満、約0.2μm未満、約1μm未満、約2μm未満、約5μm未満、約10μm未満、約25μm未満、約100μm未満、約1000μm未満のものである。いくつかの実施形態において、外部穿孔壁内の穿孔開口部は、約0.02μm超、約0.1μm超、約0.2μm超、約1μm超、約2μm超、約5μm超、約10μm超、約25μm超、約100μm超の寸法のものである。いくつかの実施形態において、外部穿孔壁内の穿孔開口部は、約0.02μm~約0.1μm、約0.1μm~約0.2μm、約0.2μm~約0.5μm、約0.5μm~約1μm、約1μm~約5μm、約5μm~約10μm、約10μm~約25μm、約25μm~約100μmの寸法のものである。いくつかの実施形態において、フィルター材料は、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、数種類のポリアミド、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリスルホン、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリ(4-ビニルピリジン-co-スチレン)(PVPCS)、ポリスチレン(PS)、ポリブタジエン、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリ塩化ビニル(PVC)、エチレンテトラフルオロエチレンポリマー(ETFE)、ポリ(クロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、エチレンクロロトリフルオロエチレン(Halar)、ポリフッ化ビニル(PVF)、フッ素化エチレン-プロピレン(FEP)、全フッ素置換エラストマー、クロロトリフルオロエチレンビニリデンフルオライド(FKM)、ペルフルオロポリエーテル(PFPE)、ペルフルオロ-3,6-ジオキサ-4-メチル-7-オクテン-スルホン酸(NAFION(登録商標)(ペルフルオロ-3,6-ジオキサ-4-メチル-7-オクテン-スルホン酸およびテトラフルオロエチレンのコポリマー))、ポリエチレンオキシド、ポリエチレングリコール、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチレン-ブロック-ポリ(エチレングリコール)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリクロロプレン(ネオプレン)、ポリビニルブチラール(PVB)、発泡ポリスチレン(EPS)、ポリジビニルベンゼン、それらのコポリマー、それらの混合物、またはそれらの組み合わせを含む。さらなる態様において、コーティング材料は、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリ塩化ビニル(PVC)、エチレンクロロトリフルオロエチレン(Halar)、ポリ(4-ビニルピリジン-co-スチレン)(PVPCS)、ポリスチレン(PS)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、発泡ポリスチレン(EPS)、ポリフェニレンスルフィド、スルホン化ポリマー、カルボキシル化ポリマー、他のポリマー、これらのコポリマー、これらの混合物、またはこれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態において、フィルター材料は、鉄、ステンレス鋼、ニッケル、炭素鋼、チタン、ハステロイ、インコネル、ジルコニウム、タンタル、合金、それらの混合物、またはそれらの組み合わせを含む。
【0339】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つの回路は液体資源回路である。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの回路は水洗浄回路である。いくつかの実施形態において、少なくとも2つの回路は水洗浄回路である。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの回路は酸溶液回路である。
【0340】
本明細書に記載される態様は、イオン交換材料および複数の容器を含む、液体資源からリチウムイオンを抽出するためのシステムであり、複数の容器の各々は、容器の長さに沿ってイオン交換材料を輸送するように構成され、イオン交換材料は液体資源からリチウムイオンを抽出するために使用される。いくつかの実施形態において、複数の容器の少なくとも1つは酸性溶液を含む。いくつかの実施形態において、複数の容器の少なくとも1つは液体資源を含む。いくつかの実施形態において、複数の容器の各々は、パイプシステムまたは内部コンベヤシステムによってイオン交換材料を輸送するように構成される。
【0341】
本明細書に記載される態様は、イオン交換材料および複数のカラムを含む、液体資源からリチウムイオンを抽出するためのシステムであり、複数のカラムの各々は、カラムの長さに沿ってイオン交換材料を輸送するように構成され、イオン交換材料は液体資源からリチウムイオンを抽出するために使用される。
【0342】
いくつかの実施形態において、複数のカラムの少なくとも1つは酸性溶液を含む。いくつかの実施形態において、複数のカラムの少なくとも1つは液体資源を含む。いくつかの実施形態において、複数のカラムの各々は、パイプシステムまたは内部コンベヤシステムによってイオン交換材料を輸送するように構成される。
【0343】
いくつかの実施形態において、イオン交換材料はイオン交換粒子を含む。いくつかの実施形態において、イオン交換材料の少なくとも一部は、イオン交換粒子の形態である。いくつかの実施形態において、イオン交換粒子は、コーティングされていないイオン交換粒子、コーティングされたイオン交換粒子、およびそれらの組み合わせから選択される。いくつかの実施形態において、イオン交換粒子は、コーティングされていないイオン交換粒子を含む。いくつかの実施形態において、イオン交換粒子は、コーティングされたイオン交換粒子を含む。いくつかの実施形態において、イオン交換粒子は、コーティングされていないイオン交換粒子とコーティングされたイオン交換粒子との混合物を含む。
【0344】
いくつかの実施形態において、コーティングされたイオン交換粒子は、イオン交換材料およびコーティング材料を含む。
【0345】
いくつかの実施形態において、コーティングされたイオン交換粒子のコーティング材料は、炭化物、窒化物、酸化物、リン酸、フッ化物、ポリマー、炭素、炭素質材料、またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態において、コーティングされたイオン交換粒子のコーティング材料は、TiO、ZrO、MoO、SnO、Nb、Ta、SiO、LiTiO、LiZrO、LiSiO、LiMnO、LiMoO、LiNbO、LiTaO、AlPO、LaPO、ZrP、MoP、Mo12、BaSO、AlF、SiC、TiC、ZrC、Si、ZrN、BN、炭素、黒鉛炭素、非晶質炭素、硬質炭素、ダイヤモンド様炭素、それらの固溶体、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0346】
いくつかの実施形態において、コーティングされたイオン交換粒子のイオン交換材料は、酸化物、リン酸、オキシフッ化物、フルオロリン酸、またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態において、コーティングされたイオン交換粒子のイオン交換材料は、LiMn12、LiTi12、LiTiO、LiMnO、LiSnO、LiMn、Li1.6Mn1.6、LiAlO、LiCuO、LiTiO、LiTiO、LiTi1124、LiVO、LiSi、LiFePO、LiMnPO、LiCuP、Al(OH)、LiCl.xAl(OH).yHO、SnO.xSb.yHO、TiO.xSb.yHO、これらの固溶体、およびこれらの組み合わせからなる群から選択され、xは0.1~10であり、yは0.1~10である。
【0347】
いくつかの実施形態において、コーティングされていないイオン交換粒子は、イオン交換材料を含む。いくつかの実施形態において、コーティングされていないイオン交換粒子のイオン交換材料は、酸化物、リン酸、オキシフッ化物、フルオロリン酸、またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態において、コーティングされていないイオン交換粒子のイオン交換材料は、LiMn12、LiTi12、LiTiO、LiMnO、LiSnO、LiMn、Li1.6Mn1.6、LiAlO、LiCuO、LiTiO、LiTiO、LiTi1124、LiVO、LiSi、LiFePO、LiMnPO、LiCuP、Al(OH)、LiCl.xAl(OH).yHO、SnO.xSb.yHO、TiO.xSb.yHO、これらの固溶体、およびこれらの組み合わせからなる群から選択され、xは0.1~10であり、yは0.1~10である。
【0348】
いくつかの実施形態において、イオン交換材料は多孔質である。いくつかの実施形態において、多孔質イオン交換材料は、液体が多孔質イオン交換材料の表面から複数のイオン交換粒子に迅速に移動することを可能にする細孔のネットワークを含む。いくつかの実施形態において、多孔質イオン交換材料は、液体が多孔質イオン交換材料の表面から複数のイオン交換粒子に移動することを可能にする細孔のネットワークを含む。いくつかの実施形態において、多孔質イオン交換材料は、液体が多孔質イオン交換材料の表面から複数のイオン交換粒子に迅速に移動することを可能にする細孔のネットワークを含む。いくつかの実施形態において、多孔質イオン交換材料は多孔質イオン交換ビーズである。いくつかの実施形態において、多孔質イオン交換材料は、多孔質イオン交換ビーズで構成される。
【0349】
本明細書に記載されるシステムのいくつかの実施形態において、液体資源は、天然ブライン、溶解塩原、海水、濃縮海水、脱塩流出液、濃縮ブライン、加工ブライン、臭素抽出プロセスからの廃ブライン、油田ブライン、イオン交換プロセスからの液体、溶媒抽出プロセスからの液体、合成ブライン、鉱石または鉱石の組み合わせからの浸出液、鉱物または鉱物の組み合わせからの浸出液、粘土または粘土の組み合わせからの浸出液、リサイクル製品からの浸出液、リサイクル材料からの浸出液、またはそれらの組み合わせである。本明細書に記載されるシステムのいくつかの実施形態において、液体資源はブラインである。本明細書に記載されるシステムのいくつかの実施形態において、液体資源は、天然ブライン、合成ブライン、または天然ブラインと合成ブラインとの混合物を含む。本明細書に記載されるシステムのいくつかの実施形態において、液体資源は、天然ブライン、溶解塩原、海水、濃縮海水、脱塩流出液、濃縮ブライン、加工ブライン、臭素抽出プロセスからの廃ブライン、油田ブライン、イオン交換プロセスからの液体、またはそれらの組み合わせである。
【0350】
本明細書に記載される本発明の態様はシステムであって、カラムが複数の注入ポートをさらに備え、複数の注入ポートがシステム内の液体資源のpHを上昇させるために使用される、システムである。
【0351】
イオン交換システムの1つの実施形態において、システムは、イオン交換カラムと混合チャンバーとを含む混合塩基システムであり、塩基は、ブラインをカラムに注入する直前にブラインに混合される。
【0352】
イオン交換システムの1つの実施形態において、システムは、カラムを通るブライン流の方向に沿って間隔を置いて配置された水性塩基の注入のための複数のポートを有するポート付きイオン交換カラムシステムである。ブラインがカラムを通って流れるとき、ビーズがリチウム吸収の最大速度を経験するカラムの領域があり、この領域はブライン流の方向にカラムを通って動く。ポート付きイオン交換カラムシステムでは、塩基がその領域の近くに注入されることで、イオン交換反応によって放出されたプロトンを中和する。ビーズがリチウムで飽和され、プロトンの放出速度が遅くなったカラムの領域では、塩基性沈殿物の形成を回避するために、注入する塩基を減らすか、塩基注入を終了する。
【0353】
イオン交換システムの1つの実施形態において、システムは、ブラインの流れとは反対方向に移動するビーズの移動床を有し、塩基は、イオン交換反応から放出されるプロトンを中和するために、カラム内でイオン交換反応が最大速度で起こる付近の領域においてカラム内の1つ以上の固定点に注入される。イオン交換システムの1つの実施形態において、ブラインに添加される塩基は、任意選択で、NaOH、KOH、Mg(OH)、Ca(OH)、CaO、NH、NaSO、KSO、NaHSO、KHSO、NaOCl、KOCl、NaClO、KClO、NaHBO、NaHBO、NaBO、KHBO、KHBO、KBO、MgHBO、CaHBO、NaHCO、KHCO、NaCO、KCO、MgCO、CaCO、NaO、KO、NaCO、KCO、NaPO、NaHPO、NaHPO、KPO、KHPO、KHPO、CaHPO、MgHPO、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸マグネシウム、ポリ(ビニルピリジン)、ポリ(ビニルアミン)、ポリアクリロニトリル、他の塩基、またはこれらの組み合わせである。1つの実施形態において、塩基は任意選択で、その純粋な形態で、または水溶液としてブラインに添加される。1つの実施形態において、塩基は、ガス状NHなどのガス状態で任意選択で添加される。1つの実施形態において、塩基は、定常流、可変流、定常アリコート、または可変アリコートでブラインに任意選択で添加される。1つの実施形態において、塩基は任意選択で、HおよびClガスを除去するために電気化学セルを使用することによってブライン中で生成され、これを任意選択で別のシステム中で組み合わせることで、システムからリチウムを溶出するための、または他の目的で使用されるHCl酸を生成する。
【0354】
いくつかの実施形態において、固体塩基を液体資源と混合して塩基性溶液を生成する。いくつかの実施形態において、固体塩基を液体資源と混合して塩基性溶液を生成し、得られた塩基性溶液を第2の容量の液体資源に添加して、第2の容量の液体資源のpHを上昇させる。いくつかの実施形態において、固体塩基を液体資源と混合して塩基性溶液を生成し、得られた塩基性溶液を用いて第2の溶液のpHを調整または制御する。いくつかの実施形態において、固体塩基を液体資源と混合して塩基性スラリーを生成する。いくつかの実施形態において、固体塩基を液体資源と混合して塩基性スラリーを生成し、得られた塩基性スラリーを第2の容量の液体資源に添加して、第2の容量の液体資源のpHを上昇させる。いくつかの実施形態において、固体塩基を液体資源と混合して塩基性スラリーを生成し、得られた塩基性スラリーを用いて第2の溶液のpHを調整または制御する。いくつかの実施形態において、塩基は、塩基と液体資源との混合物またはスラリーとして液体資源に添加され得る。
【0355】
イオン交換システムの1つの実施形態において、ブラインは、ブラインに溶解してブラインのpHを上昇させる、NaOH、CaO、またはCa(OH)などの固体犠牲塩基粒子を含有するpH制御カラムを通って流れる。イオン交換システムの1つの実施形態において、ブラインは、水素イオンと反応する固定化された再生可能OH含有イオン交換樹脂、またはHClとコンジュゲートし、それによって酸性化ブラインを中和する固定化ポリピリジンなどの再生可能塩基種を含有するpH制御カラムを通って流れる。イオン交換樹脂は、そのOH基が枯渇しているか、またはHClで飽和している場合、任意選択でNaOHなどの塩基で再生される。
【0356】
イオン交換システムの1つの実施形態において、pHメーターは任意選択で、pHをモニタリングし、システム全体の様々な場所における塩基添加の速度および量を制御するために、システムのタンク、パイプ、カラム、および他の構成要素に設置される。
【0357】
イオン交換システムの1つの実施形態において、システムのカラム、タンク、パイプ、および他の構成要素は任意選択で、プラスチック、プラスチックライニングを有する金属、またはブラインもしくは酸による腐食に耐性である他の材料を使用して構築される。
【0358】
イオン交換システムの1つの実施形態において、イオン交換カラムは、酸溶出の前にカラムから任意の塩基性沈殿物を除去するために、任意選択で緩衝液を含む弱酸性の水で任意選択で洗浄される。
【0359】
イオン交換カラムがリチウムで飽和またはほぼ飽和した後、酸を用いてイオン交換カラムからリチウムを洗い流す。酸を任意選択でカラムに1回以上流すことでリチウムを溶出させる。1つの実施形態において、酸は任意選択で、タンクに接続されたイオン交換カラムで構成される再循環バッチシステムを使用して、イオン交換カラムを通して流される。1つの実施形態において、酸流に使用されるタンクは任意選択で、ブライン流に使用されるのと同じタンクである。さらなる実施形態において、酸流に使用されるタンクは任意選択で、ブライン流に使用されるタンクとは異なるタンクである。さらなる実施形態において、酸はイオン交換カラムの上部に分配され、浸透して、余分なタンクなくカラムに直ちに再循環される。実施形態において、酸の添加は任意選択で、酸流のために使用されるタンクなしで行われる。
【0360】
イオン交換システムの1つの実施形態において、カラムは任意選択で、ブラインおよび/または酸工程の後に水で洗浄され、洗浄からの流出水は任意選択で、pH中和および逆浸透を使用して処理されることで、処理水が得られる。
【0361】
イオン交換システムの1つの実施形態において、イオン交換カラムは任意選択で、円筒形、長方形、または別の形状に成形される。1つの実施形態において、イオン交換カラムは任意選択で、その直径よりも大きいまたは小さい高さを有する円筒形状を有する。1つの実施形態において、イオン交換カラムは任意選択で、10cm未満、1メートル未満、または10メートル未満の高さを有する円筒形状を有する。1つの実施形態において、イオン交換カラムは任意選択で、10cm未満、1メートル未満、または10メートル未満の直径を有する円筒形状を有する。
【0362】
イオン交換システムの1つの実施形態において、システムは任意選択で、イオン交換カラムを、新鮮なイオン交換ビーズが充填された新しいカラムと交換することによって、新鮮なイオン交換ビーズを再供給される。イオン交換システムの1つの実施形態において、システムは任意選択で、カラムからビーズを除去し、新しいビーズをカラムに充填することによって、新鮮なイオン交換ビーズを再供給される。イオン交換システムの1つの実施形態において、新しいビーズは任意選択で、システム内のすべてのカラムに同時に供給される。イオン交換システムの1つの実施形態において、新しいビーズは任意選択で、一度に1つ以上のカラムに供給される。イオン交換システムの1つの実施形態において、新しいビーズは、任意選択で動作し続ける他のカラムへの中断なく、任意選択で1つ以上のカラムに供給される。
【0363】
イオン交換システムの1つの実施形態において、ブラインのポンプ輸送は任意選択で、イオン交換ビーズが任意選択で約1時間未満、約2時間未満、約4時間未満、約8時間未満、約24時間未満、約48時間未満、または約1週間未満である期間にわたってリチウム飽和点に接近するまで継続する。イオン交換システムの1つの実施形態において、ブラインのポンプ輸送は任意選択で、イオン交換ビーズが任意選択で、約1週間を超える期間にわたってリチウム飽和点に接近するまで継続する。イオン交換システムの特定の実施形態において、ブラインポンプ輸送は任意選択で、イオン交換ビーズが任意選択で30分~24時間の期間にわたってリチウム飽和点に接近するまで継続する。イオン交換システムの1つの実施形態において、酸のポンプ輸送は任意選択で、イオン交換ビーズが任意選択で約1時間未満、約2時間未満、約4時間未満、約8時間未満、約24時間未満、または約48時間未満の期間にわたって、水素飽和点に接近するまで継続する。イオン交換システムの1つの実施形態において、ブラインのポンプ輸送は任意選択で、イオン交換ビーズが任意選択で約48時間を超える期間にわたって、水素飽和点に接近するまで継続する。イオン交換システムの特定の実施形態において、ブラインのポンプ輸送は任意選択で、イオン交換ビーズが任意選択で30分~24時間の期間にわたって、水素飽和点に接近するまで継続する。
【0364】
イオン交換材料
本明細書に記載される本発明の態様は、イオン交換材料が複数のイオン交換粒子を含むシステムである。実施形態において、イオン交換材料中の複数のイオン交換粒子は、コーティングされていないイオン交換粒子、コーティングされたイオン交換粒子、およびそれらの組み合わせから選択される。実施形態において、イオン交換材料は多孔質イオン交換材料である。実施形態において、多孔質イオン交換材料は、液体が多孔質イオン交換材料の表面から複数のイオン交換粒子に迅速に移動することを可能にする細孔のネットワークを含む。実施形態において、イオン交換材料は多孔質イオン交換ビーズの形態である。実施形態において、液体資源は、天然ブライン、溶解塩原(salt flat)、海水、濃縮海水、脱塩流出液、濃縮ブライン、加工ブライン、油田ブライン、イオン交換プロセスからの液体、溶媒抽出プロセスからの液体、合成ブライン、鉱石もしくは鉱石の組み合わせからの浸出液、鉱物もしくは鉱物の組み合わせからの浸出液、粘土もしくは粘土の組み合わせからの浸出液、リサイクル製品からの浸出液、リサイクル材料からの浸出液、またはそれらの組み合わせである。
【0365】
イオン交換材料は典型的には、共に微粉末を構成する小さな粒子である。いくつかの実施形態において、小さい粒径は、リチウムがイオン交換粒子のコア内に移動しなければならない拡散距離を最小限に抑える。場合によっては、これらの粒子は、イオン交換材料の溶解を最小限に抑えながら、粒子へのおよび粒子からのリチウムおよび水素の効率的な移動を可能にするために、保護表面コーティングで任意選択でコーティングされる。
【0366】
実施形態において、コーティングされたイオン交換粒子は、イオン交換材料およびコーティング材料で構成され、イオン交換材料は、LiMn12、Li1.6Mn1.6、LiMO(M=Ti、Mn、Sn)、LiFePO、それらの固溶体、またはそれらの組み合わせを含み、コーティング材料は、TiO、ZrO、MoO、LiTiO、LiZrO、LiNbO、AlF、SiC、Si、黒鉛炭素、非晶質炭素、ダイヤモンド様炭素、またはこれらの組み合わせを含む。コーティングされたイオン交換粒子は、約100nm未満、約1,000nm未満、または約10,000nm未満の平均直径を有し、コーティング厚さは、約1nm未満、約10nm未満、または約100nm未満である。粒子は、最初に、熱水、固体状態、またはマイクロ波などの方法を使用して、イオン交換材料を合成することによって作成される。次いで、コーティング材料は、化学蒸着、熱水、ソルボサーマル、ゾル-ゲル、沈殿、またはマイクロ波などの方法を使用して、イオン交換材料の表面上に堆積される。コーティングされたイオン交換粒子は、塩酸、硫酸、硝酸、またはこれらの組み合わせで調製された酸溶液で処理され、酸溶液の濃度は、約0.1M超、約1.0M超、約5M超、約10M超、またはこれらの組み合わせである。酸処理の間、粒子は水素を吸収し、同時にリチウムを放出する。イオン交換材料は、水素に富む組成を有する水和状態に変換される。コーティング材料は、イオン交換材料の溶解を制限する保護バリアを提供しつつ、イオン交換材料への水素およびイオン交換材料からのリチウムの拡散をそれぞれ可能にする。酸中での処理後、水和コーティングされたイオン交換粒子は液体資源で処理され、液体資源は、天然ブライン、溶解塩原、濃縮ブライン、加工ブライン、合成ブライン、イオン交換プロセスからの液体、溶媒抽出プロセスからの液体、鉱物からの浸出液、粘土からの浸出液、リサイクル製品からの浸出液、リサイクル材料からの浸出液、またはそれらの組み合わせである。コーティングされたイオン交換粒子は、水素を放出しながらリチウムを吸収する。その後、リチウム塩溶液が収集される。次いで、コーティングされたイオン交換粒子は、約10サイクル超、約30サイクル超、約100サイクル超、または約300サイクル超のサイクル数にわたって繰り返しイオン交換反応を行うことができる。
【0367】
無機イオン交換粒子を使用するリチウム抽出の1つの主要な課題は、ブラインおよび酸が任意選択で、最小限の目詰まりで、カラムを通って効率的にポンプ輸送されるように、イオン交換カラムへ粒子を充填することである。材料は任意選択でビーズに形成され、ビーズは任意選択でカラムに充填される。このビーズ充填は、ビーズ間に空隙を作り出し、これらの空隙はカラムを介するポンプ輸送を容易にする。ビーズは、イオン交換粒子を適所に保持し、カラム全体にわたる粒子の自由な移動を防止する。材料がビーズに形成されると、ブラインおよび酸溶液のビーズへの浸透が遅くなり、困難になる。ビーズへの酸およびブライン溶液の遅い速度の対流および拡散は、リチウムの吸収および放出の動態を遅らせる。こうした遅い動態は、カラム操作の問題を引き起こしかねない。遅い動態は、カラムを通るポンプ輸送速度を遅くすることを必要とする可能性がある。遅い動態はさらに、ブラインからの低いリチウム回収率、およびリチウムを溶出するための酸の非効率的な使用に陥りかねない。
【0368】
いくつかの実施形態において、イオン交換ビーズは、イオン交換カラムを通してポンプ輸送される溶液のビーズへの輸送を容易にする細孔のネットワークを有する多孔質イオン交換ビーズである。細孔ネットワークは、任意選択で、ブラインおよび酸溶液がビーズに浸透し、リチウムおよび水素をイオン交換粒子に送達するための迅速かつ分散したアクセスを提供するように戦略的に制御される。
【0369】
いくつかの実施形態において、イオン交換ビーズは、イオン交換粒子、マトリックス材料、およびフィラー材料を混合することによって形成される。これらの構成要素を混合し、ビーズに成形する。その後、フィラー材料をビーズから除去して、細孔を残す。フィラー材料は、高速動態でリチウムおよび水素の輸送を可能にする細孔構造を残すようにビーズ中に分散される。この方法は、任意選択で、複数のイオン交換材料、複数のポリマー材料、および複数のフィラー材料を含む。
【0370】
無機イオン交換材料を使用するリチウム抽出の別の主な課題は、特に酸中のリチウム溶出中だけでなく、液体資源中のリチウム取り込み中の材料の溶解および分解である。イオン交換プロセスから濃縮リチウム溶液を得るために、濃縮酸溶液を使用してリチウムを溶出することが望ましい。しかしながら、濃縮酸溶液は、無機イオン交換材料を溶解および分解し、材料の性能および寿命を低下させる。したがって、多孔質イオン交換ビーズは、任意選択で、イオン交換材料と粒子表面を保護するコーティング材料とで構成されるリチウム抽出用のコーティングされたイオン交換粒子を含む。コーティングは、酸中でのリチウム溶出の間、液体資源からのリチウム取り込みの間、およびイオン交換プロセスの他の態様の間に、イオン交換材料を溶解および分解から保護する。このコーティングされた粒子は、濃縮されたリチウム溶液を得るためにイオン交換プロセスにおける濃縮された酸の使用を可能にする。
【0371】
本発明において、イオン交換材料は、高いリチウム吸収容量、ナトリウムおよびマグネシウムなどの他のイオンと比較して液体資源中のリチウムに対する高い選択性、低濃度のリチウムを有するものを含む液体資源中の強いリチウム取り込み、小過剰の酸によるリチウムの容易な溶出、および迅速なイオン拡散のために選択される。コーティング材料は、酸中でのリチウム回収の間および様々な液体資源中でのリチウム取り込みの間に溶解および化学分解から粒子を保護するように任意選択で選択される。コーティング材料はさらに、粒子と液体資源との間のリチウムおよび水素の拡散を促進し、構造支持体への粒子の付着を可能にし、ならびに粒子の構造的および機械的劣化を抑制するように任意選択で選択されてもよい。
【0372】
多孔質イオン交換ビーズがイオン交換カラムで使用される場合、リチウムを含有する液体資源は、イオン交換粒子が水素を放出しながら液体資源からリチウムを吸収するように、イオン交換カラムを通して送り込まれる。ビーズがリチウムを吸収した後、粒子が水素を吸収しながら酸溶液中にリチウムを放出するように、酸溶液はカラムを通って送り込まれる。カラムは任意選択で、液体資源および酸溶液がカラムを通って同じ方向に交互に流れる並行流(co-flow)モードで操作されるか、またはカラムは任意選択で、液体資源および酸溶液がカラムを通って反対方向に交互に流れる向流(counter-flow)モードで操作される。液体資源と酸溶液との流れの間で、カラムは、カラム内のpHの調整または潜在的な汚染物質の除去などの目的で、水または他の溶液で任意選択で処理または洗浄される。ビーズは任意選択で固定床または移動床を形成し、移動床は任意選択でブラインおよび酸の流れとは向流で移動する。ビーズは任意選択で、移動床を有する複数のカラムの間で移動し、ここでは、ブライン、酸、水、または他の流れのために異なるカラムが使用される。液体資源がカラムを流れる前または後に、液体のpHは、イオン交換反応、ならびに使用済み液体資源の取り扱いまたは廃棄を容易にするために、NaOHまたは他の化学物質で任意選択で調整される。液体資源がカラムを通って流れる前または後に、液体資源は、リチウムを除去するため、他の化学種を除去するため、またはそうでなければブラインを処理するために、他のイオン交換プロセス、溶媒抽出、蒸発、化学処理、または沈殿を含む他のプロセスに任意選択で供される。
【0373】
イオン交換粒子が酸で処理されると、リチウム溶液が生成される。このリチウム溶液は任意選択で、リチウム化学物質を生成するためにさらに処理される。これらのリチウム化学物質は任意選択で、工業用途のために供給される。いくつかの実施形態において、イオン交換材料は、以下のリストから選択される。酸化物、リン酸、オキシフッ化物、フルオロリン酸、またはそれらの組み合わせ。いくつかの実施形態において、イオン交換材料は、以下のリストから選択される。LiFePO、LiMnPO、LiMO(M=Ti、Mn、Sn)、LiTi12、LiMn12、LiMn、Li1.6Mn1.6、LiMO(M=Al、Cu、Ti)、LiTiO、LiTi1124、LiVO、LiSi、LiCuP、Al(OH)、LiCl.xAl(OH).yHO、SnO.xSb.yHO、TiO.xSb.yHO、これらの固溶体、またはこれらの組み合わせ。さらなる態様において、イオン交換材料は、LiFePO、LiSnO、LiMnO、LiTiO、LiTi12、LiMn12、Li1.6Mn1.6、それらの固溶体、またはそれらの組み合わせを含む。
【0374】
本明細書に記載されるさらなる態様において、コーティング材料は、イオン交換材料への拡散およびイオン交換材料からの拡散を可能にする。特に、コーティング材料は、粒子と液体資源との間のリチウムおよび水素の拡散を促進し、構造支持体への粒子の付着を可能にし、粒子の構造的および機械的劣化を抑制する。本明細書に記載されるさらなる態様において、コーティング材料は、炭化物、窒化物、酸化物、リン酸塩、フッ化物、ポリマー、炭素、炭素質材料、またはそれらの組み合わせを含む。さらなる態様では、コーティング材料は、ポリフッ化ビニリデン、ポリ塩化ビニル、フルオロ-ポリマー、クロロ-ポリマー、またはフルオロ-クロロポリマーを含む。さらなる態様において、コーティング材料は、Nb、Ta、MoO、TiO、ZrO、SnO、SiO、LiO、LiTiO、LiZrO、LiMoO、LiNbO、LiTaO、LiSiO、LiSi、LiMnO、ZrSiO、AlPO、LaPO、ZrP、MoP、Mo12、BaSO、AlF、SiC、TiC、ZrC、Si、ZrN、BN、炭素、黒鉛炭素、非晶質炭素、硬質炭素、ダイヤモンド様炭素、その固溶体、またはそれらの組み合わせを含む。さらなる態様では、コーティング材料は、TiO、ZrO、SiO、LiTiO、LiZrO、LiMnO、ZrSiO、またはLiNbOを含む。さらなる態様では、コーティング材料は、クロロ-ポリマー、フルオロ-ポリマー、クロロ-フルオロ-ポリマー、親水性ポリマー、疎水性ポリマー、それらのコポリマー、それらの混合物、またはそれらの組み合わせを含む。さらなる態様において、コーティング材料は、コポリマー、ブロックコポリマー、線形ポリマー、分岐ポリマー、架橋ポリマー、熱処理ポリマー、溶液処理ポリマー、それらのコポリマー、それらの混合物、またはそれらの組み合わせを含む。さらなる態様において、コーティング材料は、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、数種類のポリアミド、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリスルホン、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリ(4-ビニルピリジン-co-スチレン)(PVPCS)、ポリスチレン(PS)、ポリブタジエン、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリ塩化ビニル(PVC)、エチレンテトラフルオロエチレンポリマー(ETFE)、ポリ(クロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、エチレンクロロトリフルオロエチレン(Halar)、ポリフッ化ビニル(PVF)、フッ素化エチレン-プロピレン(FEP)、全フッ素置換エラストマー、クロロトリフルオロエチレンビニリデンフルオライド(FKM)、ペルフルオロポリエーテル(PFPE)、ペルフルオロ-3,6-ジオキサ-4-メチル-7-オクテン-スルホン酸(NAFION(登録商標)(ペルフルオロ-3,6-ジオキサ-4-メチル-7-オクテン-スルホン酸およびテトラフルオロエチレンのコポリマー))、ポリエチレンオキシド、ポリエチレングリコール、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチレン-ブロック-ポリ(エチレングリコール)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリクロロプレン(ネオプレン)、ポリビニルブチラール(PVB)、発泡ポリスチレン(EPS)、ポリジビニルベンゼン、それらのコポリマー、それらの混合物、またはそれらの組み合わせを含む。さらなる態様において、コーティング材料は、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリ塩化ビニル(PVC)、エチレンクロロトリフルオロエチレン(Halar)、ポリ(4-ビニルピリジン-co-スチレン)(PVPCS)、ポリスチレン(PS)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、発泡ポリスチレン(EPS)、ポリフェニレンスルフィド、スルホン化ポリマー、カルボキシル化ポリマー、他のポリマー、これらのコポリマー、これらの混合物、またはこれらの組み合わせを含む。さらなる態様において、コーティングは、乾式混合、溶媒中での混合、エマルジョン、押出、ある溶媒の別の溶媒へのバブリング、鋳造、加熱、蒸発、真空蒸発、噴霧乾燥、蒸着、化学蒸着、マイクロ波照射、水熱合成、重合、共重合、架橋、照射、触媒作用、発泡、他の堆積方法、またはそれらの組み合わせによってイオン交換粒子上に堆積される。さらなる態様において、コーティングは、N-メチル-2-ピロリドン、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、メチルエチルケトン、エタノール、アセトン、他の溶媒、またはそれらの組み合わせを含む溶媒を使用して堆積される。さらなる態様において、コーティングは、N-メチル-2-ピロリドン、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、メチルエチルケトン、エタノール、アセトン、またはそれらの組み合わせを含む溶媒を使用して堆積される。
【0375】
本明細書に記載されるさらなる態様において、コーティングされたイオン交換粒子は、約10nm未満、約100nm未満、約1,000nm未満、約10,000nm未満、または約100,000nm未満の平均直径を有する。さらなる態様において、コーティングされたイオン交換粒子は、約100nm未満、約1,000nm未満、または約10,000nm未満の平均サイズを有する。さらなる態様において、コーティングされたイオン交換粒子は、任意選択で、約10nm未満、約100nm未満、約1,000nm未満、約10,000nm未満、または約100,000nm未満の平均直径を有するより小さい一次粒子で構成される二次粒子である。さらなる態様において、コーティングは、任意選択で一次イオン交換粒子をコーティングする。さらなる態様において、コーティングは、任意選択で二次イオン交換粒子をコーティングする。さらなる態様において、コーティングは、任意選択で二次イオン交換粒子をコーティングする。さらなる態様において、コーティングは、任意選択で、一次イオン交換粒子および二次イオン交換粒子の両方をコーティングする。さらなる態様において、一次イオン交換粒子は任意選択で第1のコーティングを有し、二次イオン交換粒子は任意選択で、第1のコーティングと組成が同一、類似、または異なる第2のコーティングを有する。
【0376】
本明細書に記載されるいくつかの実施形態において、コーティング材料は、約1nm未満、約10nm未満、約100nm未満、約1,000nm未満、または約10,000nm未満の厚さを有する。さらなる実施形態において、コーティング材料は、約5nm未満、約50nm未満、または約500nm未満の厚さを有する。いくつかの実施形態において、イオン交換粒子は、以下のリスト:1nm未満、10nm未満、100nm未満、または1,000nm未満から選択される厚さを有するコーティング材料を有する。いくつかの実施形態において、コーティング材料は、以下のリスト:1nm未満、10nm未満、または100nm未満から選択される厚さを有する。特定の実施形態において、コーティング材料は、約0.5nm~約1000nmの厚さを有する。いくつかの実施形態において、コーティング材料は、約1nm~約100nmの厚さを有する。
【0377】
本明細書に記載されるさらなる態様において、イオン交換材料およびコーティング材料は、粒子の化学組成が2つ以上の組成に及ぶ1つ以上の濃度勾配を形成する。さらなる態様において、化学組成は、任意選択で、粒子の異なる領域において連続的、不連続的、または連続的かつ不連続的である様式でイオン交換材料とコーティングとの間で変化する。さらなる態様において、イオン交換材料およびコーティング材料は、約1nm未満、約10nm未満、約100nm未満、約1,000nm未満、約10,000nm未満、または約100,000nm未満の厚さに広がる濃度勾配を形成する。さらなる態様において、イオン交換材料およびコーティング材料は、約1nm~約1,000nmの厚さに広がる濃度勾配を形成する。
【0378】
本明細書に記載されるさらなる態様において、イオン交換材料は、水熱、ソルボサーマル、ゾル-ゲル、固体状態、溶融塩フラックス、イオン交換、マイクロ波、ボールミル粉砕、化学沈殿、共沈殿、蒸着、またはそれらの組み合わせなどの方法によって合成される。さらなる態様において、イオン交換材料は、化学沈殿、水熱、固体状態、またはそれらの組み合わせなどの方法によって合成される。
【0379】
本明細書に記載されるさらなる態様において、コーティング材料は、化学蒸着、原子層堆積、物理蒸着、水熱、ソルボサーマル、ゾル-ゲル、固体状態、溶融塩フラックス、イオン交換、マイクロ波、化学沈殿、共沈殿、ボールミル粉砕、熱分解、またはそれらの組み合わせなどの方法によって堆積される。さらなる態様において、コーティング材料は、ゾル-ゲル、化学沈殿、またはそれらの組み合わせなどの方法によって堆積される。さらなる態様において、コーティング材料は、任意選択でバッチタンク反応器、連続タンク反応器、バッチ炉、連続炉、管状炉、回転管状炉、またはそれらの組み合わせである反応器内に堆積される。
【0380】
いくつかの実施形態において、コーティング材料は、以下のリスト:結晶質、非晶質、完全被覆、部分被覆、均一、不均一、またはこれらの組み合わせから選択される物理的特性を備えて堆積される。
【0381】
いくつかの実施形態において、複数のコーティングが、任意選択で、以下のリストから選択される配置:同心円状、パッチワーク状、またはこれらの組み合わせでイオン交換材料上に堆積される。
【0382】
いくつかの実施形態において、マトリックスは以下のリスト:ポリマー、酸化物、リン酸、またはこれらの組み合わせから選択される。いくつかの実施形態において、構造支持体は、以下のリスト:ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリフェニレンスルフィド、ポリテトラフルオロエチレン、ポリテトロフルオロエチレン、スルホン化ポリテトロフルオロエチレン、ポリスチレン、ポリジビニルベンゼン、ポリブタジエン、スルホン化ポリマー、カルボキシル化ポリマー、Nafion、これらのコポリマー、およびこれらの組み合わせから選択される。いくつかの実施形態において、構造支持体は、以下のリスト:ポリフッ化ビニリデン、ポリ塩化ビニル、スルホン化ポリテトロフルオロエチレン、ポリスチレン、ポリジビニルベンゼン、それらのコポリマー、またはそれらの組み合わせから選択される。いくつかの実施形態において、構造支持体は、以下のリスト:二酸化チタン、二酸化ジルコニウム、二酸化ケイ素、それらの固溶体、またはそれらの組み合わせから選択される。いくつかの実施形態において、マトリックス材料は、耐熱性、耐酸性、および/または他の耐薬品性について選択される。
【0383】
いくつかの実施形態において、多孔質ビーズは、イオン交換粒子、マトリックス材料、およびフィラー材料をまとめて一度に混合することによって形成される。いくつかの実施形態において、多孔質ビーズは、最初にイオン交換粒子およびマトリックス材料を混合し、その後、フィラー材料と混合することによって形成される。いくつかの実施形態において、多孔質ビーズは、最初にイオン交換粒子およびフィラー材料を混合し、その後、マトリックス材料と混合することによって形成される。いくつかの実施形態において、多孔質ビーズは、最初にマトリックス材料およびフィラー材料を混合し、その後、イオン交換粒子と混合することによって形成される。
【0384】
いくつかの実施形態において、多孔質ビーズは、イオン交換粒子、マトリックス材料、および/またはフィラー材料を、1個以上の構成要素を溶解する溶媒と混合することによって形成される。いくつかの実施形態において、多孔質ビーズは、イオン交換粒子、マトリックス材料、および/またはフィラー材料を、ミキサーまたはボールミル内で乾燥粉末として混合することによって形成される。いくつかの実施形態において、多孔質ビーズは、イオン交換粒子、マトリックス材料、および/またはフィラー材料を噴霧乾燥機中で混合することによって形成される。
【0385】
いくつかの実施形態において、マトリックス材料は、以下のリスト:n-メチル-2-ピロリドン、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、メチルエチルケトン、またはそれらの組み合わせからの溶媒を使用して、イオン交換粒子および/またはフィラー材料と溶解および混合されるポリマーである。いくつかの実施形態において、フィラー材料は、以下:水、エタノール、イソ-プロピルアルコール、アセトン、またはこれらの組み合わせのリストからの溶媒を使用して、イオン交換粒子および/またはマトリックス材料と溶解および混合される塩である。
【0386】
いくつかの実施形態において、フィラー材料は、以下のリスト:水、エタノール、イソ-プロピルアルコール、界面活性剤混合物、酸、塩基、またはそれらの組み合わせから選択される溶液を使用してビーズから溶解して細孔を形成する塩である。いくつかの実施形態において、フィラー材料は、高温で熱分解してガスを形成し、ガスがビーズから離れて細孔が形成され得る材料であり、ガスは以下のリスト:水蒸気、酸素、窒素、塩素、二酸化炭素、窒素酸化物、有機蒸気、またはこれらの組み合わせから選択される。
【0387】
いくつかの実施形態において、多孔質イオン交換ビーズは、機械プレス、ペレットプレス、錠剤プレス、ピルプレス、ロータリープレス、またはそれらの組み合わせを使用して、乾燥粉末から形成される。いくつかの実施形態において、多孔質イオン交換ビーズは、スラリーを異なる液体溶液に滴下することによって溶媒スラリーから形成される。溶媒スラリーは、任意選択で、n-メチル-2-ピロリドン、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、メチルエチルケトンの溶媒、またはそれらの組み合わせを使用して形成される。異なる液体溶液は、任意選択で、水、エタノール、イソ-プロピルアルコール、アセトン、またはそれらの組み合わせを使用して形成される。
【0388】
いくつかの実施形態において、多孔質イオン交換ビーズは、以下のリスト:10μm未満、100μm未満、1mm未満、1cm未満、または10cm未満から選択される平均直径を有するほぼ球状である。いくつかの実施形態において、多孔質イオン交換ビーズは、以下のリスト:200μm未満、2mm未満、または20mm未満から選択される平均直径を有するほぼ球状である。特定の実施形態において、多孔質イオン交換ビーズは、10μm~2mmの平均直径を有するほぼ球状である。
【0389】
いくつかの実施形態において、多孔質イオン交換ビーズは、1mm未満、2mm未満、4mm未満、8mm未満、または20mm未満の直径、および1mm未満、2mm未満、4mm未満、8mm未満、または20mm未満の高さを有する錠剤形状である。特定の実施形態において、多孔質イオン交換ビーズは、500μm~10mmの直径を有する錠剤形状である。
【0390】
いくつかの実施形態において、多孔質イオン交換ビーズは、任意選択で、膜、らせん状に巻かれた膜、中空糸膜、またはメッシュである支持構造に埋め込まれる。いくつかの実施形態において、多孔質イオン交換ビーズは、ポリマー、セラミック、またはそれらの組み合わせで構成される支持構造上に埋め込まれる。いくつかの実施形態において、多孔質イオンビーズは、追加の支持構造なしでイオン交換カラムに直接充填される。
【0391】
いくつかの実施形態において、液体資源は以下のリスト:天然ブライン、溶解塩原、地熱ブライン、海水、濃縮海水、脱塩流出液、濃縮ブライン、加工ブライン、イオン交換プロセスからの液体、溶媒抽出プロセスからの液体、合成ブライン、鉱石からの浸出液、鉱物からの浸出液、粘土からの浸出液、リサイクル製品からの浸出液、リサイクル材料からの浸出液、またはそれらの組み合わせから選択される。いくつかの実施形態において、液体資源は、以下のリスト:天然ブライン、溶解塩原、濃縮ブライン、加工ブライン、合成ブライン、地熱ブライン、イオン交換プロセスからの液体、溶媒抽出プロセスからの液体、鉱物からの浸出液、粘土からの浸出液、リサイクル製品からの浸出液、リサイクル材料からの浸出液、またはそれらの組み合わせから選択される。いくつかの実施形態において、液体資源は、懸濁固形物、炭化水素、または有機分子を除去するために、イオン交換反応器に入る前に任意選択で前処理される。いくつかの実施形態において、液体資源は、任意選択で、その供給源に続くいかなる前処理も伴わずにイオン交換反応器に入る。
【0392】
いくつかの実施形態において、液体資源は、以下のリスト:100,000mg/L未満、10,000mg/L未満、1,000mg/L未満、100mg/L未満、10mg/L未満、またはこれらの組み合わせから選択されるリチウム濃度で選択される。いくつかの実施形態において、液体資源は、以下のリスト:5,000mg/L未満、500mg/L未満、50mg/L未満、またはこれらの組み合わせから選択されるリチウム濃度で選択される。
【0393】
定義
「リチウム」、「リチウムイオン」、「Li」、および「Li」という用語は、いかなる特定の対イオンも参照することなくカチオン性リチウム原子種を記載しており、本明細書において互換的に使用される。これらの用語は、反対のことが具体的に言及されない限り同義である。
【0394】
「リチウム塩」という用語は、少なくとも1つのリチウムカチオンおよび少なくとも1つのアニオンを含む化学的実体を表すために使用される。
【0395】
「水素」、「水素イオン」、「プロトン」、および「H」という用語は、カチオン性水素原子を記載しており、本明細書において互換的に使用され、これらの用語は、反対のことが具体的に言及されない限り同義である。
【0396】
本明細書で使用される場合、「カラム」および「容器」という単語は互換的に使用される。本明細書で「容器」に言及するいくつかの実施形態において、容器はカラムである。本明細書で「カラム」に言及するいくつかの実施形態において、カラムは容器である。
【0397】
pHという用語は、液体中の水素イオンの濃度を指し、その数値は、溶液中の水素イオンの活性の底を10とする対数の負数として定義される。「システムのpH」という用語またはシステムの構成要素の「pH」が使用される場合、pHは、システムに含まれるかもしくは存在するか、または前記システムの1つ以上の構成要素に含まれるかもしくは存在する液体媒体のpHを指す。いくつかの実施形態において、1つ以上の流体が、システムの1つ以上の構成要素内に存在する。いくつかの実施形態において、システムに含まれる液体媒体、またはその1つ以上の構成要素は、液体資源である。いくつかの実施形態において、システムに含まれる液体媒体、またはその1つ以上の構成要素は、ブラインである。いくつかの実施形態において、システムに含まれる液体媒体、またはその1つ以上の構成要素は、酸溶液、水溶液、洗浄溶液、塩溶液、リチウムイオンを含む塩溶液、またはリチウム富化溶液である。
【0398】
本明細書で使用する場合、イオン交換材料の「床」という用語は、イオン交換材料で充填された容器内の区画を指し、流体は、前記区画の内外に流れることができる。いくつかの実施形態において、そのような「床」は、「充填床」または「固定床」であり、イオン交換材料は、プロセス流体がイオン交換材料を含む区画を超えて流れるときに不動である。いくつかの実施形態において、そのような「床」は、「流動床」であり、イオン交換材料は、撹拌され、イオン交換材料を含む区画内に存在するプロセス流体中に懸濁される。
【0399】
本明細書で使用される場合、「流体連通」という用語は、流体が静水圧によって駆り立てられて容器のある区域から前記容器の異なる区域に自由に流れる能力を指す。いくつかの実施形態において、流体連通は、流体経路が容器の2つの部分の間に存在することを意味する。そのような経路は、区画、多孔質仕切り、パイプ、流れ分配器、および他の流れ構成要素を含み得る。
【0400】
本明細書で使用される場合、「透過性である」という用語は、前記構成要素を横断する流体連通を可能にする容器の構成要素を指す。1つの実施形態において、透過性仕切りは容器内の仕切りであり、流体は、圧力が加えられると、前記仕切りの一方の側から他方の側に自由に流れることができる。透過性仕切りの例としては、多孔質仕切り、およびスリットまたは規則的な幾何学的形状のオリフィスを有する仕切りが挙げられる。
【0401】
本明細書で使用される場合、「流れ分配器」という用語は、流路を通して1つ以上の場所から異なるセットの1つ以上の場所に流れを送達する構成要素を指す。いくつかの実施形態において、流れ分配器は、容器の入口から1つ以上のイオン交換床に流体を送達するパイプである。いくつかの実施形態において、流れ分配器は、1つ以上のイオン交換床から容器の出口まで流体を送達するパイプである。いくつかの実施形態において、流れ分配器は、パイプ、スクリーン、メッシュ、流体スプリッタ、流体濃縮器、および流れを方向付ける役割を果たす他の構成要素を備える。いくつかの実施形態において、流れ分配器は、本明細書に記載される容器、システム、および装置を通る液体の流れを最適化する。いくつかの実施形態において、流れ分配器は、本明細書に記載される容器、システム、および装置が動作するために必要とされる液体圧力の減少を可能にする。いくつかの実施形態において、流れ分配器は、本明細書に記載される容器、システム、および装置を横断して液体をポンプ輸送するために必要とされる静水圧を低減させることによって、本明細書に記載される容器、システム、および装置の効率を増加させる。静水圧の低減は、電力要件の低減につながり、構成要素のコストを低減する。いくつかの実施形態において、流れ分配器は、液体資源から抽出されるリチウムの量を増加させることによって、本明細書に記載される容器、システム、および装置の効率を増加させる。いくつかの実施形態において、流れ分配器は、流れ分配器なしで同じ圧力を使用する容器、システム、および装置と比較して、液体資源から抽出されるリチウムの量を増加させることによって、本明細書に記載される容器、システム、および装置の効率を増加させる。
【0402】
本明細書で使用される場合、イオン交換容器を超えて液体をポンプ輸送するのに必要な静水圧は、圧力測定装置によって測定される、前記容器の入口と出口との間の静水圧の差を指す。いくつかの実施形態において、そのような圧力測定装置は、圧力計、圧力インジケータ、圧力送信器、マノメーター、気圧計、アネロイド、圧力センサー、ピエゾ抵抗圧力センサー、他の圧力測定装置、またはそれらの組み合わせを含む。
【実施例
【0403】
実施例1.イオン交換ビーズを充填したフィルターバンクを有する容器を使用するリチウム抽出装置。
リチウムは、容器の長さに沿って配置されたイオン交換ビーズで充填されたフィルターバンクを含む容器を使用してブラインから抽出され、各フィルターバンクへのおよび各フィルターバンクからの平行流を伴う。(図1)。各フィルターバンクは個々のイオン交換区画として機能する。
【0404】
容器の内部特性を図1に示す。容器は長方形であり、水平に配置され、約75cmの長さであり、約15cmの幅および高さを有する。それは、セラミック内部分割部を有するポリマーコーティングされたステンレス鋼で構成される。容器は、イオン交換区画(103)として機能する3つのフィルターバンクと、流れを3つのフィルターバンクのそれぞれに分配し、3つのフィルターバンクのそれぞれから出口流を収集する空のパイプとからなる。液体送達および収集システムは、互いに独立している。入口および出口の流れ分配システムは、イオン交換区画を通してのみ互いに接続している。流れを分配するパイプは、2.5cmの幅および直径を有する長方形である。
【0405】
イオン交換区画(103)は、幅10cm、高さ10cm、長さ5cmである。イオン交換ビーズ区画の入口および出口は、ビーズの漏出を防止するために、50ミクロンの細孔径を有するポリエチレンテレフタレートメッシュからなる。各イオン交換区画において、流体は、圧力駆動流によってイオン交換床を通って、ポリマー支持体を通って、流体収集システム内に輸送される。イオン交換ビーズにおける圧力低下が入口および出口の流れ分配システムにおける摩擦損失による圧力低下よりも120倍大きいため、各イオン交換区画への均等な流れが保証される。
【0406】
イオン交換ビーズは、流れイオン交換区画をそれぞれ機械的に分離し、イオン交換ビーズを間隙空間に充填することによって、イオン交換区画の各々に充填される。多孔質イオン交換ビーズは、イオン交換粒子およびポリマーマトリックスで構成される。イオン交換粒子は、SiOコーティングを有するLiTiOコアで構成されるコーティングされたイオン交換粒子である。粒子は、5.0ミクロン~30.0ミクロンの平均直径を有するほぼ球状であり、コーティング厚さは約10.0nmである。ポリマーマトリクスはポリフッ化ビニリデンで構成される。多孔質ビーズは、ビーズ表面からビーズ内部およびイオン交換粒子への拡散チャネルを提供する、制御された細孔径分布を有する多孔質ネットワークを含む。ビーズは400ミクロンの平均直径を有する。
【0407】
液体資源は、側部フランジ(101)から容器に流入し、そこで、液体資源は流れ分配パイプに流入し、流れ分配パイプはイオン交換チャンバーのそれぞれ1つに液体資源を送達する。液体は、上記のメッシュを通って、イオン交換ビーズの床(103)を通って、上記のメッシュから出て、出口流分配パイプに流入する。その後、収集された流出液は、イオン交換容器の他方の側のフランジ(102)を通って出る。
【0408】
リチウムが抽出されるブラインは、約100mg/LのLi、60,000mg/LのNa、10,000mg/LのCa、および30,000mg/LのMg、ならびにKおよび塩化物を含む他の化学種を含有する天然塩化物水溶液からなる。この液体資源が容器に入るとき、10L/分の速度で前記液体資源を流すのに必要な圧力は10psiである。このイオン交換材料を通る流れは、約12mg/LのLi、60,000mg/LのNa、10,000mg/LのCa、および30,000mg/LのMg、ならびにKおよび塩化物を含む他の化学種を含有する出口流を生じさせる。
【0409】
実施例2.イオン交換ビーズを充填した液面制御装置を備える容器を使用するリチウム抽出装置。
イオン交換ビーズを含む容器を用いてブラインからリチウムを抽出し、容器中の液面を制御することで、イオン交換ビーズを完全に沈めた(図2)。液面制御装置を備える容器の内部特性を図2に示す。容器は円筒形であり、垂直に配置され、高さは約120cmであり、直径は約15cmであった。これはポリ塩化ビニルで構成された。
【0410】
流体は、上部フランジ(201)から容器内に流れ、容器の上部のドームに入って、そこでパイプ(205)を通って主液面(204)に流れた。液面は、液位スイッチ(206)を使用して絶えずモニタリングされ、液位は、イオン交換ビーズが絶えず沈められるような高さに留まるように連続的に調整された(204)。タンクの液面は容器の下部から100cmに維持された。タンクに供給するポンプをオン(液面がスイッチよりも下にあるとき)およびオフ(液面がスイッチよりも上にあるとき)にするオン-オフ制御装置を介して、液面の制御を達成した。タンクの上部を、ブラインを容器に送達するポンプによって15psiの一定圧力に維持した。
【0411】
イオン交換ビーズは、容器の容積を部分的に満たした。イオン交換ビーズの高さ(203)は容器の下部から18cmであり、容器の上部20cmをガスで満たした。容器の出口は、ビーズの漏出を防止するために、20ミクロンの細孔径を有するポリエチレンテレフタレートメッシュからなる多孔質ポリマー支持体を含んでいた。流体は、圧力駆動流によってイオン交換床を通って、ポリマー支持体を通って、容器の下部出口(202)を通って輸送された。
【0412】
イオン交換ビーズは、ボルト留めされたPVCフランジを通して容器の残りの部分に取り付けられた容器の上部フランジを機械的に取り除くことによって、最初の充填時に容器内に運搬された。
【0413】
イオン交換容器には多孔質イオン交換ビーズの充填床が充填された。多孔質イオン交換ビーズは、コーティングされたイオン交換粒子およびポリマーマトリックスで構成されていた。イオン交換粒子は、PVCコーティングを有するLiMnコアで構成されるコーティングされたイオン交換粒子である。粒子は、5ミクロン~10ミクロンの平均直径を有するほぼ球状であり、コーティング厚さは約6.0nmであった。ポリマーマトリクスはポリフッ化ビニリデンで構成されていた。多孔質ビーズは、ビーズ表面からビーズ内部およびイオン交換粒子への拡散チャネルを提供する、制御された細孔径分布を有する多孔質ネットワークを含んでいた。ビーズは200ミクロンの平均直径を有していた。
【0414】
リチウムが抽出されるブラインは、約2000mg/LのLi、75,000mg/LのNa、500mg/LのCa、および15,000mg/LのMg、ならびにKおよび塩化物を含む他の化学種を含有する天然塩化物水溶液からなっていた。このイオン交換材料を通る流れは、約100mg/LのLi、75,000mg/LのNa、500mg/LのCa、および15,000mg/LのMg、ならびにKおよび塩化物を含む他の化学種を含有する出口流を生じさせる。
【0415】
リチウム選択的イオン交換ビーズにリチウムを充填した後、残留ブラインをリチウム選択的イオン交換ビーズから洗い流した。その後、酸性塩化物溶液を容器に流してリチウム選択的イオン交換ビーズからリチウムを溶出させ、その間、リチウム選択的イオン交換ビーズはプロトンを吸収した。酸性塩化物溶液中のリチウムは800mg/Lのリチウム濃度で溶出したが、酸性塩化物溶液中のナトリウムの濃度は500mg/L未満であった。
【0416】
実施例3.最小限の流動抵抗を有する半径流充填イオン交換床を有する容器を使用するリチウム抽出装置
最小限の流動抵抗で半径流床に充填されたイオン交換ビーズを含む容器を使用して、ブラインからリチウムを抽出した(図3)。半径流イオン交換容器の内部特性を図3に示す。容器は円筒形であり、垂直に配置され、高さは約30cmであり、直径は約10cmである。それは、金属およびPVCプラスチックで構築された。
【0417】
液体資源または他のプロセス流体は、容器の下部のフランジ(301)からイオン交換カラムに流入した。流体は、内部流分配区画(307)から、内部穿孔壁(306)を通って、イオン交換ビーズ区画(303)を通って、外部穿孔壁(305)を通って、外部流分配区画(308)に入る。そこから、流体は容器の上部に流れ込み、上部のフランジ接続部(302)を通って容器から出る。
【0418】
この内部流分配区画(307)は、内部穿孔壁(306)内にある直径約10cmの円筒によって画定された。外部流分配区画(308)は、約8cmの直径を有する外部穿孔壁(308)と10cmの直径を有する容器外壁(304)との間の環状領域によって画定された。イオン交換ビーズ区画は、約8cmの直径を有する外部穿孔壁と約3cmの直径を有する内部穿孔壁との間の環状領域によって画定された。したがって、環状イオン交換床を通る全流路は約2.5cmであった。
【0419】
これらの区画は、10ミクロンの細孔径を有する多孔質ポリエチレン壁によって分離された。多孔質ポリマー支持体は、イオン交換区画内にイオン交換ビーズを含み、この区画からイオン交換ビーズを運ぶことなく、流体がイオン交換ビーズ区画に入り、イオン交換ビーズ区画から出ることを可能にする。
【0420】
イオン交換カラムに多孔質イオン交換ビーズを充填した。多孔質イオン交換ビーズは、イオン交換粒子およびポリマーマトリックスで構成された。イオン交換粒子は、コーティングされていないLiTi12コアで構成されるコーティングされていないイオン交換粒子であった。粒子は、3~5ミクロンの平均直径を有するほぼ球状であった。ポリマーマトリクスはポリフッ化ビニリデンで構成されていた。多孔質ビーズは、ビーズ表面からビーズ内部およびイオン交換粒子への拡散チャネルを提供する、制御された細孔径分布を有する多孔質ネットワークを含む。ビーズは150ミクロンの平均直径を有する。
【0421】
リチウムが抽出されたブラインは、約1000mg/LのLi、60,000mg/LのNa、10,000mg/LのK、5,000mg/LのCa、および5,000mg/LのMg、ならびに硫酸を含む他の化学種を含有する天然塩化物水溶液からなる。この液体資源が容器に入るとき、圧力は70psiであった。このイオン交換材料を通る流れは、100mg/LのLi、60,000mg/LのNa、10,000mg/LのK、5,000mg/LのCa、および5,000mg/LのMg、ならびに硫酸塩を含む他の化学種を含有する出口流を生じさせる。
【0422】
リチウム選択的イオン交換ビーズにリチウムを充填した後、残留ブラインをリチウム選択的イオン交換ビーズから洗い流した。その後、酸性塩化物溶液を容器に流してリチウム選択的イオン交換ビーズからリチウムを溶出させ、その間、リチウム選択的イオン交換ビーズはプロトンを吸収した。酸性塩化物溶液中のリチウムは1000mg/Lのリチウム濃度で溶出したが、酸性塩化物溶液中のナトリウムの濃度は400mg/L未満であった。
【0423】
実施例4.イオン交換ビーズを充填したトレイを含む容器を使用するリチウム抽出装置。
イオン交換ビーズを充填したトレイを含む容器を用いてブラインからリチウムを抽出する。トレイは、容器の高さに沿って垂直に積み重ねられる(図4)。各トレイは個々のイオン交換区画として機能する。容器の内部特性を図4に示す。容器は円筒形であり、垂直に配置され、約200cmの長さであり、約45cmの幅および高さを有する。これは、1mmのポリテトラフルオロエチレンでコーティングされたステンレス鋼で構成される。容器は、イオン交換ビーズが充填された4つのトレイ(403)からなる。
【0424】
液体資源は、上部フランジ(401)から容器に流入し、そこで第1のイオン交換トレイに流入する。液体は、トレイ上のイオン交換床を通って流れ、次のトレイに流入し、最終的に4つのすべてのイオン交換トレイを通って流れる。その後、収集された流出液はイオン交換容器の下部のフランジ(402)を通って出る。
【0425】
イオン交換トレイは、厚さ約25cmおよび直径45cmのイオン交換床を支持する。トレイは、トレイ上の圧力を支持するために金属で構造的に補強される。イオン交換ビーズ区画の入口および出口は、ビーズの漏出を防止するために、100ミクロンのスリットを有するポリマーノズルからなる。イオン交換ビーズは、各トレイを機械的に分離し、含有メッシュで裏打ちされた各トレイ内にイオン交換ビーズを充填することによって、イオン交換区画の各々に充填される。各トレイにおいて、流体は、圧力駆動流によってイオン交換床を通り、スリットおよびポリマーメッシュを通り、液体収集システム内に輸送される。
【0426】
多孔質イオン交換ビーズは、イオン交換粒子およびポリマーマトリックスで構成される。イオン交換粒子は、ZrOコーティングを有するLiMn12コアで構成されるコーティングされたイオン交換粒子である。粒子は、10ミクロンの平均直径を有するほぼ球状であり、コーティングは約2nmの厚さである。多孔質ビーズは、ビーズ表面からビーズ内部およびイオン交換粒子への拡散チャネルを提供する、制御された細孔径分布を有する多孔質ネットワークを含む。ポリマーマトリクスはポリ塩化ビニルで構成される。ビーズは250ミクロンの平均直径を有する。
【0427】
リチウムが抽出されるブラインは、約250mg/LのLi、80,000mg/LのNa、1,000mg/LのCa、および1,000mg/LのMg、ならびにKおよび硫酸を含む他の化学種を含有する天然塩化物水溶液からなる。この液体資源が容器に入るとき、12L/分の速度で前記液体資源を流すのに必要な圧力は25psiである。このイオン交換材料を通る流れは、約25mg/LのLi、80,000mg/LのNa、1000mg/LのCa、および1,000mg/LのMg、ならびにKおよび硫酸を含む他の化学種を含有する出口流を生じさせる。
【0428】
イオン交換ビーズが、それぞれの長さが25cmの4つのトレイ内で4つのイオン交換床に分割されるのではなく、長さ1mの1つのイオン交換カラムに配置される場合、イオン交換床にわたる圧力低下は100psiであり、出口流は50mg/LのLiを含有する。したがって、複数のイオン交換床を含むイオン交換容器の設計は、リチウムを吸収するためにイオン交換床を通って液体資源をポンプ輸送することに関連するエネルギーを低減し、リチウム回収を改善し、イオン交換を介したリチウム生成の全体的なプロセスを改善する。
【0429】
実施例5.内部流れ分配器を有する容器を使用するリチウム抽出装置
リチウムは内部流れ分配器を含む容器を使用してブラインから抽出される(図5)。容器の内部特性を図5に示す。容器は円筒形であり、垂直に配置され、約120cmの長さであり、120cmの直径を有する。容器は繊維ガラスで構成される。容器は垂直に配向される。
【0430】
容器は、イオン交換ビーズが充填される1つの内部区画を含む(503)。前記イオン交換区画はさらに、3つの流れ分配器を含む(506に示す上面図)。2つの流れ分配器は、イオン交換区画の上部および下部(504)にブラインを送達する。イオン交換床の中間の垂直点に位置する1つの流れ分配器は、イオン交換を受けた液体を収集し、それをイオン交換床から除去する(505)。流れ分配器は、穿孔されたポリ塩化ビニルパイプで構成される。流れ分配器はそれぞれ、流体がビーズをイオン交換区画から運び出すのを防ぐために、平均55ミクロンの細孔径を有するポリエステルメッシュによって囲まれている。
【0431】
液体資源は、上部および下部フランジ(501)から容器に入り、そこで上部および下部の流れ分配器(504)に入る。この分配器は、イオン交換ビーズ区画への液体資源の均一な流れを保証する。液体資源は、イオン交換ビーズ(503)を通って流れ、タンクの中央の液体分配器(505)に入る。この後者の分配器は、イオン交換を受けた液体資源を収集し、この液体資源は、側部のフランジ(502)を通って容器から出る。
【0432】
イオン交換媒体は、フランジ付き開口部を通って容器の上部を開放し、容器を閉鎖することによって充填される。イオン交換ビーズは容器全体を占める。流れ分配器は、イオン交換ビーズ内に沈められる。
【0433】
多孔質イオン交換ビーズは、イオン交換粒子およびポリマーマトリックスで構成される。イオン交換粒子は、SiOコーティングを有するLiTi12コアで構成されるコーティングされたイオン交換粒子である。粒子は、5ミクロンの平均直径を有するほぼ球状であり、コーティングは約10nmの厚さである。多孔質ビーズは、ビーズ表面からビーズ内部およびイオン交換粒子への拡散チャネルを提供する、制御された細孔径分布を有する多孔質ネットワークを含む。ポリマーマトリクスはポリフッ化ビニリデンで構成される。ビーズは400ミクロンの平均直径を有する。
【0434】
リチウムが抽出されるブラインは、約850mg/LのLi、20,000mg/LのNa、20,000mg/LのCa、および20,000mg/LのMg、ならびにKおよび硫酸を含む他の化学種を含有する天然塩化物水溶液からなる。この液体資源が容器に入るとき、圧力は150psiである。このイオン交換材料を通る流れは、約85mg/LのLi、20,000mg/LのNa、20,000mg/LのCa、および20,000mg/LのMg、ならびにKおよび硫酸を含む他の化学種を含有する出口流を生じさせる。
【0435】
実施例6.流れ分配器に充填されたイオン交換ビーズを有する容器を使用するリチウム抽出装置。
リチウムは、イオン交換ビーズで満たされた内部流れ分配器を含む容器を用いてブラインから抽出される(図6)。容器の内部特性を図6に示す。容器は円筒形であり、約150cmの長さであり、120cmの直径を有する。これはチタンで構成される。
【0436】
容器は、イオン交換容器の下部の出口(602)に接続された穿孔壁(603)を有する30個の狭い区画を含む。各区画は、イオン交換ビーズの床によって囲まれた内部穿孔パイプを含む。
【0437】
穿孔区画は、直径10cmの円筒形の穿孔されたポリ塩化ビニルパイプからなる。すべてのパイプは、流体がビーズをイオン交換区画から運び出すのを防ぐために、平均70ミクロンの細孔径を有するポリエステルメッシュによって囲まれている。イオン交換媒体は、イオン交換材料のスラリーを区画内にポンプ輸送することによって、区画の内側に充填される。
【0438】
動作中、液体資源は、上部フランジ(601)から容器に流入し、そこでイオン交換ビーズを含む穿孔区画が広がる区画に流入する。この区画は液体で満たされるようになり、その後、これは、上記の穿孔部および保持用メッシュを通して穿孔パイプ内に押し込まれる。その後、流体は、イオン交換粒子の床(603)および区画内の内部穿孔パイプを通って流れ、最終的に容器の下部(602)から出る。
【0439】
多孔質イオン交換ビーズは、イオン交換粒子およびポリマーマトリックスで構成される。イオン交換粒子は、TiOコーティングを有するLiMn12コアで構成されるコーティングされたイオン交換粒子である。粒子は、8ミクロンの平均直径を有するほぼ球状であり、コーティングは約20nmの厚さである。多孔質ビーズは、ビーズ表面からビーズ内部およびイオン交換粒子への拡散チャネルを提供する、制御された細孔径分布を有する多孔質ネットワークを含む。ポリマーマトリクスはポリフッ化ビニリデンで構成される。ビーズは150ミクロンの平均直径を有する。
【0440】
リチウムが抽出されるブラインは、約500mg/LのLi、20,000mg/LのNa、20,000mg/LのCa、および20,000mg/LのMg、ならびにKおよび硫酸を含む他の化学種を含有する天然塩化物水溶液からなる。この液体資源は60psiの圧力で容器にポンプ輸送される。このイオン交換材料を通る流れは、約75mg/LのLi、20,000mg/LのNa、20,000mg/LのCa、および20,000mg/LのMg、ならびにKおよび硫酸を含む他の化学種を含有する出口流を生じさせる。
【0441】
実施例7.不活性フィラー材料を共充填したイオン交換ビーズを充填した液面制御装置を備える容器を使用するリチウム抽出装置
イオン交換ビーズを含む容器を用いてブラインからリチウムを抽出し、容器中の液面を制御することで、イオン交換ビーズを完全に沈めた(図7)。
【0442】
液面制御装置を備える容器の内部特性を図7に示す。容器は円筒形であり、垂直に配置され、高さは約10cmであり、直径は約3cmであった。これはPVCで構築された。
【0443】
流体は、上部フランジ(701)から容器内に流れ、容器の上部のドームに入り、そこで直径0.2cmで長さ1cmのパイプ(705)を通って主液面(704)に流れた。液面は、超音波液位センサーを使用して絶えずモニタリングされ、液位は、イオン交換ビーズが絶えず沈められるような高さに留まるように連続的に調整された(704)。タンクの液面は容器の下部から6cmに維持された。液面の制御は、タンクの下部の弁(706)を通る排出速度を調節する比例・積分・微分の制御装置を介して達成された。タンクの上部を、ブラインを容器に送達するポンプによって10psiの一定圧力に維持した。
【0444】
イオン交換ビーズは、容器の容積を部分的に満たした。イオン交換ビーズ(703)の高さは容器の下部から6cmであり、容器の上部4cmをガスで満たす。容器の出口は、ビーズの漏出を防止するために100ミクロンのスリットを有する流れ分配器を含んでいた。流体は、圧力駆動流によってイオン交換床を通り、ポリマー支持体を通り、容器の下部出口(702)を通って輸送された。
【0445】
イオン交換ビーズ(707)は、ユニオンを介して容器の残りの部分に取り付けられた容器の上部を機械的に取り除くことによって、最初の充填時に容器内に運搬された。イオン交換ビーズ(707)に、24mmの平均直径を有するポリマー球体を含む不活性フィラー材料(708)を共充填した。
【0446】
多孔質イオン交換ビーズは、コーティングされたイオン交換粒子およびポリマーマトリックスを含んでいた。イオン交換粒子は、TiOコーティングを有するLiTiOコアで構成されるコーティングされたイオン交換粒子であった。粒子は、15.0ミクロン~40.0ミクロンの平均直径を有するほぼ球状であり、コーティング厚さは約3.0nmであった。ポリマーマトリクスはポリフッ化ビニリデンを含んでいた。多孔質ビーズは、ビーズ表面からビーズ内部およびイオン交換粒子への拡散チャネルを提供する、制御された細孔径分布を有する多孔質ネットワークを含んでいた。ビーズは400ミクロンの平均直径を有していた。
【0447】
リチウムが抽出されたブラインは、約350mg/LのLi、60,000mg/LのNa、5000mg/LのCa、および5,000mg/LのMg、ならびにK、塩化物、および硫酸を含む他の化学種を含有する天然塩化物水溶液からなる。この液体資源が容器に入るとき、25L/分の速度で前記液体資源を流すのに必要な圧力。このイオン交換材料を通る流れは、約45mg/LのLi、30,000mg/LのNa、5,000mg/LのCa、および5,000mg/LのMg、ならびにK、塩化物、および硫酸を含む他の化学種を含有する出口流を生じさせる。
【0448】
リチウム選択的イオン交換ビーズにリチウムを充填した後、残留ブラインをリチウム選択的イオン交換ビーズから洗い流した。その後、酸性塩化物溶液を容器に流してリチウム選択的イオン交換ビーズからリチウムを溶出させ、その間、リチウム選択的イオン交換ビーズはプロトンを吸収した。酸性塩化物溶液中のリチウムは750mg/Lのリチウム濃度で溶出したが、酸性溶液中のナトリウムの濃度は400mg/L未満で維持された。
【0449】
実施例8.イオン交換ビーズと不活性フィラー材料を充填した液面制御装置を備える容器を使用するリチウム抽出装置
イオン交換ビーズを含む容器を用いてブラインからリチウムを抽出し、容器中の液面を制御することで、イオン交換ビーズを完全に沈める(図8)。
【0450】
液面制御装置を備える容器の内部特性を図8に示す。容器は円筒形であり、垂直に配置され、約90cmの高さであり、約20cmの直径を有する。これはポリ塩化ビニルで構成される。
【0451】
流体は、上部フランジ(801)から容器内に流れ、容器の上部のドームに入り、そこで直径5cmで長さ50cmのパイプ(805)を通って主液面(804)に流れた。液面は、超音波液位センサーを使用して絶えずモニタリングされ、液面は、イオン交換媒体が絶えず沈められるような高さに留まるように連続的に調整される(804)。タンクの液面は容器の下部から60cmに維持される。液面の制御は、タンクの下部の弁(806)のアパーチャーを調節する比例・積分・微分の制御装置を介して達成される。タンクの上部を、ブラインを容器に送達するポンプによって25psiの一定圧力に維持する。
【0452】
イオン交換ビーズは、容器の容積を部分的に満たす。イオン交換ビーズの高さ(803)は容器の下部から35cmである。容器の出口は、ビーズの漏出を防止するために、45ミクロンの細孔径を有するポリエステルメッシュからなる多孔質ポリマー支持体を含む。流体は、圧力駆動流によってイオン交換床を通り、ポリマー支持体を通り、容器の下部出口(802)を通って輸送される。
【0453】
イオン交換ビーズは、ボルト留めされたステンレス鋼フランジを通して容器の残りの部分に取り付けられた容器の上部ドームを機械的に取り除くことによって、最初の充填時に容器内に運搬される。いったんイオン交換ビーズが充填されると、容器内の残りの空の空間は、50mmの幅を有するチタン十字形状のフィラー材料を含む、不活性フィラー材料で充填される(807)。
【0454】
多孔質イオン交換ビーズは、コーティングされたイオン交換粒子およびポリマーマトリックスで構成される。イオン交換粒子は、ZrOコーティングを有するLiMn12コアで構成されるコーティングされたイオン交換粒子である。粒子は、5.0ミクロン~25.0ミクロンの平均直径を有するほぼ球状であり、コーティング厚さは約10.0nmである。ポリマーマトリクスはポリフッ化ビニリデンで構成される。多孔質ビーズは、ビーズ表面からビーズ内部およびイオン交換粒子への拡散チャネルを提供する、制御された細孔径分布を有する多孔質ネットワークを含む。ビーズは600ミクロンの平均直径を有する。
【0455】
リチウムが抽出されるブラインは、約450mg/LのLi、60,000mg/LのNa、5000mg/LのCa、および15,000mg/LのMg、ならびにK、塩化物、および硫酸を含む他の化学種を含有する天然塩化物水溶液からなる。この液体資源が容器に入るとき、25L/分の速度で前記液体資源を流すのに必要な圧力。このイオン交換材料を通る流れは、約75mg/LのLi、30,000mg/LのNa、15,000mg/LのCa、および5,000mg/LのMg、ならびにK、塩化物、および硫酸を含む他の化学種を含有する出口流を生じさせる。
【0456】
実施例9.pH調節ユニットに接続されたイオン交換ビーズを充填したフィルターバンクを含む容器のネットワークを使用するリチウム抽出装置
リチウムは、イオン交換ビーズを含む容器のネットワークを用いて液体資源から抽出される。
【0457】
各容器は、容器の長さに沿って配置されたイオン交換ビーズで充填されたフィルターバンクを含み、各フィルターバンクへのおよび各フィルターバンクからの平行流を伴う。各フィルターバンクは個々のイオン交換区画として機能する。容器の内部特性を図9に示す。容器は長方形であり、水平に配置され、約180cmの長さであり、約50cmの幅および高さを有する。容器はポリマーでコーティングされたステンレス鋼で構築される。容器は、イオン交換区画(909)として機能する3つのフィルターバンクと、流れを3つのフィルターバンクのそれぞれに分配し、3つのフィルターバンクのそれぞれから出口流を収集する流路とからなる。入口および出口の流れ分配システムは、イオン交換区画を通してのみ互いに接続している。
【0458】
イオン交換区画(909)は、幅40cm、高さ40cm、長さ40cmである。各イオン交換ビーズ区画の入口および出口は、100ミクロンのスリットを有するポリマーノズルからなる。各イオン交換区画において、流体は、圧力駆動流によってイオン交換床を通って、ポリマー支持体を通って、流体収集システム内に輸送される。イオン交換ビーズにおける圧力低下が入口および出口の流れ分配器における摩擦損失による圧力低下よりも約100倍大きいため、各イオン交換区画への均等な流れが保証される。
【0459】
イオン交換ビーズは、流れイオン交換区画をそれぞれ機械的に分離し、イオン交換ビーズを間隙空間に充填することによって、イオン交換区画の各々に充填される。多孔質イオン交換ビーズは、イオン交換粒子およびポリマーマトリックスで構成される。イオン交換粒子は、TiOコーティングを有するLiMnコアで構成されるコーティングされたイオン交換粒子である。粒子は、10ミクロンの平均直径を有するほぼ球状であり、コーティング厚さは約5nmである。ポリマーマトリクスはポリ塩化ビニルで構成される。多孔質ビーズは、ビーズ表面からビーズ内部およびイオン交換粒子への拡散チャネルを提供する、制御された細孔径分布を有する多孔質ネットワークを含む。ビーズは200ミクロンの平均直径を有する。
【0460】
液体資源は、側部フランジ(907)から各容器に流入し、そこで、液体資源は流れ分配パイプに流入し、流れ分配パイプはイオン交換チャンバーのそれぞれ1つに液体資源を送達する。液体は、上記のメッシュを通って、イオン交換ビーズの床(909)を通って、上記のメッシュから出て、出口流分配パイプに流入する。その後、収集された流出液は、イオン交換容器の他方の側のフランジ(908)を通って出る。
【0461】
リチウムが抽出されるブラインは、約1000mg/LのLi、60,000mg/LのNa、10,000mg/LのCa、および30,000mg/LのMg、ならびにKおよび塩化物を含む他の化学種を含有する天然塩化物水溶液からなる。
【0462】
3つのそのような容器はネットワークを形成するために接続される。容器は、図9に示すように、ブラインのpHが調整されるタンクを介して接続される。ネットワークは、イオン交換容器(901、903、905)と、塩基およびブラインのための混合タンク(902、904、906)とからなる。ブライン回路内の混合タンク(902、904、906)について、NaOHの塩基水溶液を添加して、ブラインのpHを7.5に上昇させる。ブライン回路内の各混合タンクの前後でブラインのpHをモニタリングして、塩基水溶液の添加速度を制御する。
【0463】
この例の目的のために、流れ構成は以下の通りである。液体資源はタンク902に入り、その後、容器903に入り、タンク904に入り、容器905に入り、タンク906に入り、そこからシステムを出る。酸は同時に容器901を通って流れる。
【0464】
3つの容器のネットワークの動作中の任意の時点で、リチウムは2つの容器でブラインから抽出されている。ブラインは、6.5のpHで第1の混合タンク(例えば、902)に流入し、そのpHは7.5の値に調整される。このブラインを第1のイオン交換容器(例えば、902)に供給する。第1の容器はリチウムの大部分を吸収し(例えば、903)、プロトンを放出する。これにより、Li濃度が1000mg/Lから200mg/Lに低下し、pHが3.0の値に低下する。その後、後続の混合タンク(例えば、904)において、前記ブラインのpHを約7.5に上昇させ、ブラインを第2のカラム(例えば、905)に流し、ここで、残留リチウムが吸収され、Li濃度は200g/Lから90g/Lに低下する。
【0465】
第3の容器(例えば、901)は、前のイオン交換サイクルからのリチウムで飽和され、したがって、1.0Mの塩酸で処理されて、塩化リチウム濃縮物を得る。酸溶液はイオン交換容器を通って流れ、そこで、酸からのプロトンがイオン交換ビーズに入り、リチウムと交換される。これにより、リチウムがビーズから放出され、酸性溶液に入る。
【0466】
イオン交換ビーズによるリチウムの取り込み速度が遅くなると、システムを通るポンプ輸送が終了し、ブラインを含む容器を水で洗浄する。その後、ブライン、水、および酸の流れは、新しい容器が酸で処理され、他の容器がブラインで処理されるように再度方向づけられる。
【0467】
これらのシステム動作を繰り返し、飽和するまで各カラムにリチウムを充填し、飽和カラムを酸で処理してリチウムを放出する間に流れを次の流れ構成に再度方向づける。このプロセスはブラインからリチウムを抽出し、塩化リチウム濃縮物を得て、その後、これを炭酸ナトリウムで処理することで炭酸リチウム生成物を沈殿させる。
【0468】
実施例10.pH調節ユニットに接続されたイオン交換ビーズを充填した液面調節装置を含む容器のネットワークを使用するリチウム抽出装置
イオン交換ビーズを含む容器のネットワークを用いてブラインからリチウムを抽出し、容器中の液面を制御することで、イオン交換ビーズを完全に沈める(図10)。ネットワーク中の容器はpH調節タンクによって接続される。
【0469】
液面制御装置を備える容器の内部特性を図10に示す。容器は円筒形であり、垂直に配置され、約150cmの高さであり、約150cmの直径を有する。これはチタンで構成される。
【0470】
流体は、上部フランジ(1007)から容器内に、容器の上部のドームに入って、そこでパイプ(1011)を通って主液面(1010)に流れる。液面は、超音波液位センサーを使用して絶えずモニタリングされ、液面は、イオン交換媒体が絶えず沈められるような高さに留まるように連続的に調整される(1010)。タンクの液面は容器の下部から100cmに維持される。液面の制御は、タンクの下部の弁(1012)のアパーチャーを調節する比例・積分・微分の制御装置を介して達成される。ブラインは120psiで容器にポンプ輸送される。
【0471】
イオン交換ビーズは、容器の容積を部分的に満たす。イオン交換ビーズの高さ(1009)は容器の下部から70cmである。容器の出口は、100ミクロンのスリットを有するノズルを有する分配器を含む。流体は、圧力駆動流によってイオン交換床を通り、ポリマー支持体を通り、容器の下部出口(1008)を通って輸送される。
【0472】
イオン交換ビーズは、ボルト留めされたステンレス鋼フランジを通して容器の残りの部分に取り付けられた容器の上部ドームを機械的に取り除くことによって、最初の充填時に容器内に運搬される。
【0473】
多孔質イオン交換ビーズは、コーティングされたイオン交換粒子およびポリマーマトリックスで構成される。イオン交換粒子は、PVCコーティングを有するLiTiOコアで構成されるコーティングされたイオン交換粒子である。粒子は、5ミクロンの平均直径を有するほぼ球状であり、コーティング厚さは約10nmである。ポリマーマトリクスはポリフッ化ビニリデンで構成される。多孔質ビーズは、ビーズ表面からビーズ内部およびイオン交換粒子への拡散チャネルを提供する、制御された細孔径分布を有する多孔質ネットワークを含む。ビーズは250ミクロンの平均直径を有する。
【0474】
リチウムが抽出されるブラインは、約450mg/LのLi、80,000mg/LのNa、5,000mg/LのCa、および5,000mg/LのMg、ならびにKおよび塩化物を含む他の化学種を含有する天然塩化物水溶液からなる。
【0475】
3つのそのような容器はネットワークを形成するために接続される。容器は、図10に示すように、ブラインのpHが調整されるタンクを介して接続される。ネットワークは、イオン交換容器(1001、1003、1005)と、塩基およびブラインのための混合タンク(1002、1004、1006)とからなる。ブライン回路内の混合タンク(1002、1004、1006)について、NaOHの塩基水溶液を添加して、ブラインのpHを7.5に上昇させる。ブライン回路内の各混合タンクの前後でブラインのpHをモニタリングして、塩基水溶液の添加速度を制御する。
【0476】
この例の目的のために、流れ構成は以下のようになる。液体資源はタンク1002に入り、その後、容器1003に入り、タンク1004に入り、容器1005に入り、タンク1006に入り、そこからシステムを出る。酸は容器1001を通って流れる。
【0477】
3つの容器のネットワークの動作中の任意の時点で、リチウムは2つの容器でブラインから抽出されている。前のイオン交換サイクルからのリチウムで飽和された第3の容器(例えば、1001)は、したがって、0.1Mの塩酸で処理されて、塩化リチウム物が得られる。酸溶液はイオン交換容器を通って流れ、そこで、酸からのプロトンがイオン交換ビーズに入り、リチウムと交換される。これにより、リチウムがビーズから放出され、酸性溶液に入る。
【0478】
イオン交換ビーズによるリチウムの取り込み速度が遅くなると、システムを通るポンプ輸送が終了し、ブラインを含む容器は水で洗浄される。その後、ブライン、水、および酸の流れは、ブラインで直近に処理された容器の酸容器で処理するために、再度方向づけられる。
【0479】
これらのシステム動作を繰り返し、飽和するまで各カラムにリチウムを充填し、飽和カラムを酸で処理してリチウムを放出する間に流れを次の流れ構成に再度方向づける。このプロセスは、ブラインからリチウムを抽出し、塩化リチウム濃縮物を得て、これを炭酸ナトリウムで処理して炭酸リチウムを沈殿させ、その後、石灰で処理することで水酸化リチウムを得て、これを蒸発器中で結晶化させる。
【0480】
実施例11.pH調節ユニットに接続された半径流充填イオン交換床を含む容器のネットワークを使用するリチウム抽出装置
最小限の流動抵抗で半径流の床に充填されたイオン交換ビーズを含む容器のネットワークを使用して、ブラインからリチウムを抽出する(図11)。ネットワーク中の容器はpH調節タンクによって接続される。
【0481】
半径流イオン交換容器の内部特性を図11に示す。容器は円筒形であり、垂直に配置され、約300cmの高さであり、約80cmの直径を有する。容器はポリマーでコーティングされたステンレス鋼で構築される。
【0482】
液体資源または他のプロセス流体は、容器の下部のフランジ(1107)からイオン交換容器に流れる。流体は、内部流分配区画(1110)から、内部穿孔壁(1113)を通って、イオン交換ビーズ区画(1109)を通って、外部穿孔壁(1112)を通って、外部流分配区画(1114)に入る。そこから、流体は容器の上部に流れ、上部のフランジ接続部(1108)を通って容器から出る。
【0483】
この内部流分配区画(1110)は、内部穿孔壁(1113)内にある直径約7.5cmの円筒によって画定される。外部流分配区画(1114)は、約75cmの直径を有する外部穿孔壁(1112)と80cmの直径を有する容器外壁(1111)との間の環状領域によって画定される。イオン交換ビーズ区画は、約75cmの直径を有する外部穿孔壁と約7.5cmの直径を有する内部穿孔壁との間の環状領域によって画定される。したがって、環状イオン交換床を通る全流路は67.5cmである。
【0484】
これらの区画は、直径1/8インチの均等に離間した穿孔を有する穿孔壁によって分離される。外部穿孔壁の内径および内部穿孔壁の内径には、50ミクロンの細孔径を有するポリプロピレンメッシュからなる多孔質ポリマー支持体がある。多孔質ポリマー支持体は、イオン交換区画内にイオン交換ビーズを含み、この区画からイオン交換ビーズを運ぶことなく、流体がイオン交換ビーズ区画に入り、イオン交換ビーズ区画から出ることを可能にする。
【0485】
イオン交換容器には多孔質イオン交換ビーズの放射状の床を充填される。多孔質イオン交換ビーズは、イオン交換粒子およびポリマーマトリックスで構成される。イオン交換粒子は、TiOコーティングを有するLiMnコアで構成されるコーティングされたイオン交換粒子である。粒子は、20ミクロンの平均直径を有するほぼ球状であり、コーティングは約10nmの厚さである。多孔質ビーズは、ビーズ表面からビーズ内部およびイオン交換粒子への拡散チャネルを提供する、制御された細孔径分布を有する多孔質ネットワークを含む。ポリマーマトリクスはポリ塩化ビニルで構成される。ビーズは350ミクロンの平均直径を有する。
【0486】
リチウムが抽出されるブラインは、約200mg/LのLi、100,000mg/LのNa、3,000mg/LのCa、および3,000mg/LのMg、ならびにKおよび塩化物を含む他の化学種を含有する天然塩化物水溶液からなる。
【0487】
3つのそのような容器はネットワークを形成するために接続される。容器は、図11に示すように、ブラインのpHが調整されるタンクを介して接続される。ネットワークは、イオン交換容器(1101、1103、1105)と、塩基およびブラインのための混合タンク(1102、1104、1106)とからなる。ブライン回路内の混合タンク(1102、1104、1106)について、NaOHの塩基水溶液を添加して、ブラインのpHを7.5に上昇させる。ブライン回路内の各混合タンクの前後でブラインのpHをモニタリングして、塩基水溶液の添加速度を制御する。
【0488】
この例の目的のために、流れ構成は以下のようになる。液体資源はタンク1102に入り、その後、容器1103に入り、タンク1104に入り、容器1105に入り、タンク1106に入り、そこからシステムを出る。酸は同時に容器1101を通って流れる。
【0489】
3つの容器のネットワークの動作中の任意の時点で、リチウムは2つの容器でブラインから抽出されている。ブラインは、4のpHで第1の混合タンク(例えば、1102)に流入し、そのpHは8の値に調整される。このブラインを第1のイオン交換容器(例えば、1102)に供給する。第1の容器はリチウムの大部分を吸収し(例えば、1103)、プロトンを放出する。これにより、Li濃度が200mg/Lから120mg/Lに低下し、pHが4の値に低下する。その後、後続の混合タンク(例えば、1104)において、前記ブラインのpHを約8に上昇させ、ブラインを第2のカラム(例えば、1105)に流し、ここで、残留リチウムが吸収され、Li濃度は120g/Lから40g/Lに低下する。
【0490】
第3の容器(例えば、1101)は、前のイオン交換サイクルからのリチウムで飽和され、したがって、1.0Mの塩酸で処理されて、塩化リチウム濃縮物を得る。酸溶液はイオン交換容器を通って流れ、そこで、酸からのプロトンがイオン交換ビーズに入り、リチウムと交換される。これにより、リチウムがビーズから放出され、酸性溶液に入る。
【0491】
イオン交換ビーズによるリチウムの取り込み速度が遅くなると、システムを通るポンプ輸送が終了し、ブラインを含む容器は水で洗浄される。その後、ブライン、水、および酸の流れは、容器がブラインで直近で処理され、その後、酸で処理されるように再度方向づけられる。
【0492】
これらのシステム動作を繰り返し、飽和するまで各カラムにリチウムを充填し、飽和カラムを酸で処理してリチウムを放出する間に流れを次の流れ構成に再度方向づける。このプロセスは、ブラインからリチウムを抽出し、炭酸リチウムおよび他のリチウム化学物質の生成のために塩化リチウム濃縮物を得る。
【0493】
実施例12.pH調節ユニットに接続されたイオン交換ビーズを充填したトレイを含む容器のネットワークを使用するリチウム抽出装置
イオン交換ビーズを充填したトレイを含む容器のネットワークを用いてブラインからリチウムを抽出する。ネットワーク中の容器はpH調節タンクによって接続される。
【0494】
各容器内では、トレイは、容器の高さに沿って垂直に積み重ねられる(図12)。各トレイは個々のイオン交換区画として機能する。容器の内部特性を図12に示す。容器は四角形であり、垂直に配置され、約50cmの長さであり、約10cmの幅および高さを有する。これはチタンで構成される。容器は、イオン交換ビーズが充填された4つのトレイ(1209)からなる。
【0495】
液体資源は、上部フランジ(1207)から容器に流入し、そこで第1のイオン交換トレイに流入する。液体は、トレイ上のイオン交換床を通って流れ、次のトレイに流入し、最終的に4つのすべてのイオン交換トレイを通って流れる。その後、収集された流出液はイオン交換容器の下部のフランジ(1208)を通って出る。
【0496】
イオン交換トレイは、厚さ約7.5cmおよび直径10cmのイオン交換床を支持する。トレイを構成する金属の厚さは1/4インチである。イオン交換ビーズ区画の入口および出口は、ビーズの漏出を防止するために、50ミクロンの細孔径を有するポリエステルメッシュからなる。トレイの下部はトレイの全幅に及ぶ細いスリットを含む。各スリットは幅1/8インチであり、各スリットは1/4インチ離れている。イオン交換ビーズは、各トレイを機械的に分離し、含有メッシュで裏打ちされた各トレイ内にイオン交換ビーズを充填することによって、イオン交換区画の各々に充填される。各トレイにおいて、流体は、圧力駆動流によってイオン交換床を通り、スリットおよびポリマーメッシュを通り、液体収集システム内に輸送される。
【0497】
多孔質イオン交換ビーズは、イオン交換粒子およびポリマーマトリックスで構成される。イオン交換粒子は、コーティングされていないLiMn12コアで構成されるコーティングされていないイオン交換粒子である。粒子は10ミクロンの平均直径を有するほぼ球状である。多孔質ビーズは、ビーズ表面からビーズ内部およびイオン交換粒子への拡散チャネルを提供する、制御された細孔径分布を有する多孔質ネットワークを含む。ビーズは250ミクロンの平均直径を有する。
【0498】
リチウムが抽出されるブラインは、約1000mg/LのLi、75,000mg/LのNa、5,000mg/LのCa、および5,000mg/LのMg、ならびにKおよび塩化物を含む他の化学種を含有する天然塩化物水溶液からなる。
【0499】
3つのそのような容器はネットワークを形成するために接続される。容器は、図12に示すように、ブラインのpHが調整されるタンクを介して接続される。ネットワークは、イオン交換容器(1201、1203、1205)と、塩基およびブラインのための混合タンク(1202、1204、1206)とからなる。ブライン回路内の混合タンク(1202、1204、1206)について、NaOHの塩基水溶液を添加して、ブラインのpHを7.5に上昇させる。ブライン回路内の各混合タンクの前後でブラインのpHをモニタリングして、塩基水溶液の添加速度を制御する。
【0500】
この例の目的のために、流れ構成は以下のようになる。液体資源はタンク1202に入り、その後、容器1203に入り、タンク1204に入り、容器1205に入り、タンク1206に入り、そこからシステムを出る。酸は同時に容器1201を通って流れる。
【0501】
3つの容器のネットワークの動作中の任意の時点で、リチウムは2つの容器でブラインから抽出されている。ブラインは、6.5のpHで第1の混合タンク(例えば、1202)に流入し、そのpHは7.5の値に調整される。このブラインを第1のイオン交換容器(例えば、1202)に供給する。第1の容器はリチウムの大部分を吸収し(例えば、1203)、プロトンを放出する。これにより、Li濃度が1000mg/Lから300mg/Lに低下し、pHが3.0の値に低下する。その後、後続の混合タンク(例えば、1204)において、前記ブラインのpHを約7.5に上昇させ、ブラインを第2のカラム(例えば、1205)に流し、ここで、残留リチウムが吸収され、Li濃度は300g/Lから100g/Lに低下する。
【0502】
第3の容器(例えば、1201)は、前のイオン交換サイクルからのリチウムで飽和され、したがって、0.1Mの塩酸で処理されて、塩化リチウム濃縮物を得る。酸溶液はイオン交換容器を通って流れ、そこで、酸からのプロトンがイオン交換ビーズに入り、リチウムと交換される。これにより、リチウムがビーズから放出され、酸性溶液に入る。
【0503】
イオン交換ビーズによるリチウムの取り込み速度が遅くなると、システムを通るポンプ輸送が終了し、ブラインを含む容器は水で洗浄される。その後、ブライン、水、および酸の流れは、容器がブラインで直近で処理され、その後、酸で処理されるように再度方向づけられる。
【0504】
これらのシステム動作を繰り返し、飽和するまで各カラムにリチウムを充填し、飽和カラムを酸で処理してリチウムを放出する間に流れを次のセットのカラムに再度方向づける。このプロセスは、ブラインからリチウムを抽出し、炭酸リチウムまたは他のリチウム化学物質の生成のために塩化リチウム濃縮物を得る。
【0505】
実施例13.内部流れ分配器を備えたイオン交換ビーズを充填した容器のネットワークを使用するリチウム抽出装置
リチウムは内部流れ分配器を含む容器のネットワークを使用してブラインから抽出される(図13)。容器の内部特性を図13に示す。容器は円筒形であり、垂直に配置され、約150cmの長さであり、120cmの直径を有する。これはファイバーグラス強化ポリマーで構築される。容器は垂直に配向される。
【0506】
容器は、イオン交換ビーズが充填される1つの内部区画を含む(1306)。2つの流れ分配器は、イオン交換区画(1307)の上部および下部にブラインを送達する。イオン交換床の中間の垂直点に位置する1つの流れ分配器は、イオン交換を受けた液体を収集し、それをイオン交換床(1308)から除去する。流れ分配器は、ビーズを固定しながら流れを容易にするために100ミクロンのスリットを有するポリマーノズルとともに、直径2~4cmの穿孔ポリ塩化ビニルパイプで構成される。
【0507】
液体資源は、上部および下部フランジ(1304)から容器に入り、そこで上部および下部の流れ分配器(1307)に入る。この分配器は、イオン交換ビーズ区画への液体資源の均一な流れを保証する。液体資源は、イオン交換ビーズ(1306)を通って流れ、タンクの中央の液体分配器(1308)に入る。この後者の分配器は、イオン交換を受けた液体資源を収集し、この液体資源は、側部のフランジ(1305)を通って容器から出る。
【0508】
イオン交換媒体は、フランジ付き開口部を通って容器の上部を開放し、容器を閉鎖することによって充填される。イオン交換ビーズは容器全体を占める。流れ分配器は、イオン交換ビーズ内に沈められる。
【0509】
多孔質イオン交換ビーズは、イオン交換粒子およびポリマーマトリックスで構成される。イオン交換粒子は、ZrOコーティングを有するLiTi12コアで構成されるコーティングされたイオン交換粒子である。粒子は、10ミクロンの平均直径を有するほぼ球状であり、コーティングは約5nmの厚さである。多孔質ビーズは、ビーズ表面からビーズ内部およびイオン交換粒子への拡散チャネルを提供する、制御された細孔径分布を有する多孔質ネットワークを含む。ポリマーマトリクスはポリフッ化ビニリデンで構成される。ビーズは100ミクロンmmの平均直径を有する形状分布がある。
【0510】
リチウムが抽出されるブラインは、約300mg/LのLi、100,000mg/LのNa、1,000mg/LのCa、および2,000mg/LのMg、ならびにKおよび塩化物を含む他の化学種を含有する天然塩化物水溶液からなる。
【0511】
3つのそのような容器は、図13に例示されるように、ネットワークを形成するために接続される。ネットワークはイオン交換容器(1301、1302、1303)からなる。この例の目的のために、流れ構成は以下のようになる。液体資源は容器1301に入り、容器1302に入り、そこからシステムを出る。酸は同時に容器1303を通って流れる。
【0512】
3つの容器のネットワークの動作中の任意の時点で、リチウムは2つの容器でブラインから抽出されている。このブラインを第1のイオン交換容器(例えば、1301)に供給する。第1の容器はリチウムの大部分を吸収し(例えば、1301)、プロトンを放出する。これにより、Li濃度が300mg/Lから180mg/Lに低下し、ブラインは第2のカラム(例えば、1302)に流れ、ここで、残留リチウムが吸収され、Li濃度は180g/Lから50g/Lに低下する。
【0513】
第3の容器(例えば、1303)は、前のイオン交換サイクルからのリチウムで飽和され、したがって、1.0Mの塩酸で処理されて、塩化リチウム濃縮物を得る。酸溶液はイオン交換容器を通って流れ、そこで、酸からのプロトンがイオン交換ビーズに入り、リチウムと交換される。これにより、リチウムがビーズから放出され、酸性溶液に入る。
【0514】
イオン交換ビーズによるリチウムの取り込み速度が遅くなると、システムを通るポンプ輸送が終了し、リチウムで飽和したビーズを含む容器は水で洗浄される。その後、ブライン、水、および酸の流れは、容器がリチウムで直近で飽和され、その後、酸で処理されるように再度方向づけられる。
【0515】
これらのシステム動作を繰り返し、飽和するまで各カラムにリチウムを充填し、飽和カラムを酸で処理してリチウムを放出する間に流れを次のセットのカラムに再度方向づける。このプロセスは、ブラインからリチウムを抽出し、炭酸リチウムおよび他のリチウム化学物質の生成のために塩化リチウム濃縮物を得る。
【0516】
実施例14.pH調節ユニットに接続されたイオン交換ビーズを充填したフィルターバンクを含む容器のネットワークを使用するリチウム抽出装置
リチウムは、イオン交換ビーズを含む容器のネットワークを用いて液体資源から抽出された。
【0517】
各容器は、容器の長さに沿って配置されたイオン交換ビーズで充填されたフィルターバンクを含んでいた。各フィルターバンクは個々のイオン交換区画として機能した。容器の内部特性を図14に示す。容器は円筒形であり、水平に配置され、約25cmの長さであり、約2mの幅および高さを有していた。これはPVCで構築された。容器は、イオン交換区画(1409)として作用した1つのフィルターバンクと、流れをフィルターバンクに分配して、3つのフィルターバンクのそれぞれから出口流を収集する流れ分配器とからなっていた。
【0518】
イオン交換区画(1409)は、幅1.5cm、高さ24cm、長さ24cmであった。各イオン交換ビーズ区画の入口および出口は、50ミクロンのスリットを有するポリマーメッシュからなっていた。各イオン交換区画において、流体は、圧力駆動流によってイオン交換床を通って、ポリマー支持体を通って、流体収集システム内に輸送された。イオン交換ビーズにおける圧力低下が入口および出口の流れ分配器における摩擦損失による圧力低下よりも約100倍大きいため、各イオン交換区画への均等な流れが保証された。
【0519】
イオン交換ビーズは、イオン交換区画を機械的に分離し、イオン交換ビーズを間隙空間に充填することによって、イオン交換区画の各々に充填された。多孔質イオン交換ビーズは、イオン交換粒子およびポリマーマトリックスを含んでいた。イオン交換粒子は、TiOコーティングを有するLiMnコアで構成されるコーティングされたイオン交換粒子であった。粒子は、10ミクロンの平均直径を有するほぼ球状であり、コーティング厚さは約5nmであった。ポリマーマトリクスはポリ塩化ビニルで構成されていた。多孔質ビーズは、ビーズ表面からビーズ内部およびイオン交換粒子への拡散チャネルを提供する、制御された細孔径分布を有する多孔質ネットワークを含んでいた。ビーズは200ミクロンの平均直径を有していた。
【0520】
液体資源はユニオン(1407)の各容器に流れ込み、そこで、液体資源は流れ分配メッシュとイオン交換チャンバーに流れ込んだ。液体は、上記のメッシュを通って、イオン交換ビーズの床(1409)を通って流れ、上記のメッシュから出て、出口流分配パイプに流入する。その後、収集された流出液は、イオン交換容器の他方の側のユニオン(1408)を通って出る。
【0521】
リチウムが抽出されるブラインは、約275mg/LのLi、100,000mg/LのNa、500mg/LのCa、および4,000mg/LのMg、ならびにKおよび塩化物を含む他の化学種を含有する天然塩化物水溶液からなっていた。
【0522】
3つのそのような容器はネットワークを形成するために接続された。容器は、図14に示すように、ブラインのpHが調整されるタンクを介して接続された。ネットワークは、イオン交換容器(1401、1403、1405)と、塩基およびブラインのための混合タンク(1402、1404、1406)とからなっていた。ブライン回路内の混合タンク(1402、1404、1406)について、NaOHの塩基水溶液を添加して、ブラインのpHを7.5に上昇させた。ブライン回路内の各混合タンクの前後でブラインのpHをモニタリングして、塩基水溶液の添加速度を制御する。
【0523】
この例の目的のために、流れ構成は以下のようになる。液体資源はタンク1402に流れ込み、その後、容器1403に入り、タンク1404に入り、容器1405に入り、タンク1406に入り、そこからシステムを出る。酸は同時に容器1401を通って流れる。
【0524】
3つの容器のネットワークの動作中の任意の時点で、リチウムは2つの容器でブラインから抽出された。ブラインは、6.5のpHで第1の混合タンク(例えば、1402)に流れ込み、そのpHは7.5の値に調整される。このブラインを第1のイオン交換容器(例えば、1402)に供給した。第1の容器はリチウムの大部分を吸収し(例えば、1403)、プロトンを放出した。これにより、Li濃度が275mg/Lから75mg/Lに低下し、pHが3.0の値に低下する。その後、後続の混合タンク(例えば、1404)において、前記ブラインのpHを約7.5に上昇させ、ブラインを第2のカラム(例えば、1405)に流し、ここで残留リチウムが吸収され、Li濃度は75mg/Lから50mg/Lに低下した。
【0525】
第3の容器(例えば、1401)は、前のイオン交換サイクルからのリチウムで飽和され、したがって、1.0Mの塩酸で処理されて、塩化リチウム濃縮物を得た。酸溶液はイオン交換容器を通って流れ、そこで、酸からのプロトンがイオン交換ビーズに入り、リチウムと交換された。これにより、リチウムがビーズから放出され、酸性溶液に入った。リチウムは2000mg/Lのリチウム濃度で溶出したが、酸性溶液中のナトリウムの濃度は700mg/L未満で維持された。
【0526】
イオン交換ビーズによるリチウムの取り込み速度が遅くなると、システムを通るポンプ輸送が終了し、ブラインを含む容器は水で洗浄される。その後、ブライン、水、および酸の流れは、新しい容器が酸で処理され、他の容器がブラインで処理されるように再度方向づけられた。
【0527】
これらのシステム動作を繰り返し、飽和するまで各カラムにリチウムを充填し、飽和カラムを酸で処理してリチウムを放出する間に流れを次の流れ構成に再度方向づける。このプロセスはブラインからリチウムを抽出し、塩化リチウム濃縮物を得て、その後、これを炭酸ナトリウムで処理することで炭酸リチウム生成物を沈殿させる。
【0528】
実施例15.最小限の流れ距離のために膜間に含有される充填イオン交換床を有する容器を用いるリチウム抽出
リチウムは、巻きつけられたイオン交換要素を形成する2つの膜間に含有されるイオン交換ビーズを含む容器を使用して、ブラインから抽出され、最小限の流れ距離が生じる(図15)。イオン交換容器の内部特性を図15に示す。容器は円筒形であり、垂直に配置され、約60cmの高さであり、約12cmの直径を有する。これは繊維強化プラスチックで構築される。
【0529】
液体資源または他のプロセス流体は、容器の上部の入口(1501)からイオン交換容器内に流れ込み、EPDMガスケット(1514)によって容器の下部から分離された上部の流れ分配チャンバー内に入り、そこでは、流れは、前記要素の軸方向に沿って接線方向に、巻きつけられたイオン交換要素流路(1502)を通って流れるように分配される。
【0530】
膜断面1506を図15に示す。膜は、複数の構成成分を積み重ねることによって構築される。まず、ポリエチレン1512を含む非透過性膜を置き、その後、ポリエチレンで構成される5mmの菱形の開口部を有するスペーサー(1507)、および0.2ミクロンの多孔質開口部を有するポリフッ化ビニルで構成される多孔性の精密濾過膜(1510)を置く。これに続いて、多孔質イオン交換粒子の薄い4mmの層が堆積され(1511)、別の精密濾過膜(1510)およびポリエチレンで構成される7mmの菱形開口部を伴う下流収集スペーサー(1508)によって覆われる。この積層体の片側は、穿孔収集管(1505)に取り付けられ、要素は螺旋状に巻かれる。この例において、膜は50cmおよび10cmの幅であり、その短い端部の周りで1.5倍回転させる。
【0531】
リチウムに富むブラインは、1L/秒の流量で流路(1502)を通過し、800mL/秒の流量で出口1503を通って容器の下部から排出される。流体は、それぞれ10および8psiの圧力で1501を通って入り、1503を通って膜要素から出る。流体が流路1502を通過すると、ある部分(200mL/秒)が精密濾過膜(1510)を通って透過し、イオン交換ビーズ(1511)を通って透過し、下流収集空間(1508)に入る。リチウム枯渇ブラインは、螺旋状に巻かれた要素の周りを角度を付けて流れ(1509)、この収集空間を通り、穿孔収集管に流入し、そこから容器を出る(1504)。したがって、イオン交換ビーズにわたる全圧力低下は10psi未満である。イオン交換ビーズに浸透せず、1503を通って容器から出たブラインは、イオン交換ビーズがそれ以上リチウムを吸収しなくなるまで、再循環されてイオン交換容器に戻される。
【0532】
イオン交換ビーズは多孔質イオンビーズである。多孔質イオン交換ビーズは、イオン交換粒子およびポリマーマトリックスで構成される。イオン交換粒子は、コーティングされていないLiTi12コアで構成されるコーティングされていないイオン交換粒子である。粒子は、3~5ミクロンの平均直径を有するほぼ球状である。ポリマーマトリクスはポリフッ化ビニリデンで構成される。多孔質ビーズは、ビーズ表面からビーズ内部およびイオン交換粒子への拡散チャネルを提供する、制御された細孔径分布を有する多孔質ネットワークを含む。ビーズは25ミクロンの平均直径を有する。
【0533】
リチウムが抽出されるブラインは、約250mg/LのLi、70,000mg/LのNa、10,000mg/LのK、3,000mg/LのCa、および2,000mg/LのMg、ならびに硫酸を含む他の化学種を含有する天然塩化物水溶液からなる。この液体資源が容器に入るとき、圧力は70psiである。このイオン交換材料を通る流れは、50mg/LのLi、70,000mg/LのNa、10,000mg/LのK、3,000mg/LのCa、および2,000mg/LのMg、ならびに硫酸塩を含む他の化学種を含有する出口流を生じさせる。
【0534】
実施例16.フィルターバンク内に充填されたイオン交換ビーズの形成された床を有する容器を用いるリチウム抽出
イオン交換ビーズはフィルターバンクを含む容器内に充填される(図16)。イオン交換容器の内部特性を図16に示す。容器は、容器の長さに沿って配置されたイオン交換ビーズで充填されたフィルターバンクで構成される。各フィルターバンクは個々のイオン交換区画として機能する。容器の内部特性を図16に示す。容器は四角形であり、水平に配置され、約20cmの長さであり、約2mの幅および高さを有する。これは炭素鋼で構成される。容器は、イオン交換区画(1601)として機能する1つのフィルターバンクと、流れをフィルターバンクに分配して、そのそれぞれから出口流を収集する流路とからなる。イオン交換床の厚さは10cmである。容器は、2つの流体分流装置1604および1605を含む。これらは、容器の側部ポートに接続され、容器の端部を開くことによって定位置に移動される。
【0535】
多孔質イオン交換ビーズは、イオン交換粒子およびポリマーマトリックスで構成される。イオン交換粒子は、コーティングされていないLiTi12コアで構成されるコーティングされていないイオン交換粒子である。粒子は、5~10ミクロンの平均直径を有するほぼ球状である。ポリマーマトリクスはPVCで構成される。多孔質ビーズは、ビーズ表面からビーズ内部およびイオン交換粒子への拡散チャネルを提供する、制御された細孔径分布を有する多孔質ネットワークを含む。
【0536】
イオン交換床を均一でコンパクトな粉末に圧縮して最適な流動特性を確保するために、流体分流装置(1604および1605)が使用される。前記流体分流装置は、イオン交換床の特定の部分のみに流れを方向付ける。水を含む流体は、1ガロン/分の流量でイオン交換装置に流れ込み、フランジ付き接続部(1602)を通って前記容器に入って流体分配区画(1608)に至る。流体は、入口流体分配区画の長さに沿って摺動し、容器の側部ポートに接続されたパイプを通って流体分流装置に注入される圧縮空気で膨張する固体EPDM膨張可能プラグからなる第1の分流装置(1604)に遭遇する。膨張すると、この流体分流装置は、その最長寸法に沿って血管の断面全体を占める。前記第1の流体分流装置に遭遇すると、流れは、フィルターバンクの濾過布内に含まれるイオン交換床(1601)に分流される。水は、少なくとも1cm/秒の速度でイオン交換床を通って流れる。イオン交換床を横断すると、流体は、出口流体分配区画(1609)へ出ていく。容器のフランジ付き出口(1603)は、ガスケット付きブランクフランジで塞がれる。これにより、流体は、出口流体分配区画(1609)内の第2の流体分流装置(1605)に含まれるパイプを通って出る。この第2の流体分流装置は固体EPDMプラグ装置からなり、これは、その最長寸法に沿って容器の断面全体を占め、それを横断して流体区画に接続されるパイプを含む。このパイプは、側部ポートを介して容器の外部に接続される。流れが遮断され、流れが血管1607の限定された区域を通って生じることを強制するため、流れは流体分流装置の位置の上または下には生じない。これにより、区域1607内のイオン交換ビーズの圧縮が生じる。
【0537】
流体が容器以外の他の領域に流れるのを防止するために、流れが望ましくない出口流れ分配区画の区域内に酸化アルミニウム不活性ビーズが充填され(1606)、これらのビーズのサイズは50~100μmである。これらのビーズは、充填プロセスの完了時に出口ポート1603で除去される。
【0538】
イオン交換床の1つの区域(1607)が充填された後、流体分流装置は、膨張可能な充填装置(1604)を収縮させることによって、または固体充填装置(1605)を容器に沿って上方に移動させることによって、容器のすべての区画が処理されるまで、床の異なる区画に移される。6回の反復または区域がこの容器上で行われる。
【0539】
上記のように容器に充填されたビーズを用いてブラインからリチウムを抽出する。リチウムが抽出されたブラインは、約800mg/LのLi、65,000mg/LのNa、5,000mg/LのK、5,000mg/LのCa、および5,000mg/LのMg、ならびに硫酸を含む他の化学種を含有する天然塩化物水溶液からなる。このイオン交換材料を通る流れは、100mg/LのLi、65,000mg/LのNa、5,000mg/LのK、5,000mg/LのCa、および5,000mg/LのMg、ならびに硫酸塩を含む他の化学種を含有する出口流を生じさせる。
【0540】
実施例17.pH調節ユニットに接続された複数の半径流充填イオン交換床を含む容器を含む容器のネットワークを使用するリチウム抽出装置
リチウムは複数の半径流充填イオン交換床を含む容器のネットワークを使用してブラインから抽出される(図17)。ネットワーク中の容器はpH調節タンクによって接続される。
【0541】
各容器(1715)は、イオン交換床(1709)を含む管状区画(1709)を含む。これらの管状区画の2つは直列に接続され、これらの2区画ユニット3つが各容器内に収容される。2区画ユニットの各々は、個々のイオン交換ユニットとして機能する。容器の内部特性を図17に示す。容器は円筒形であり、水平に配置され、約100cmの長さであり、約50cmの幅および高さを有する。これはチタンで裏打ちされた炭素鋼で構成される。各イオン交換区画は、長さ40cm、直径10cmである。
【0542】
各管状区画の側面図(1710)および断面図(1711)が図17に示されている。各区画は半径流床を含み、ここで、環状イオン交換区画(1714)は、液体が流れる内部穿孔管状仕切り(1713)を包囲する。この内部管状仕切り(1713)は、2cmの直径を有する円筒によって画定され、20μmの平均開口部を有する多孔質チタン壁内に含まれる。イオン交換床(1714)は、この内部管状仕切りと管状のイオン交換区画(1709)の外壁との間の環状領域内に含まれる。この外壁は10cmの直径を有し、20μmの平均開口部を有する多孔質チタン壁で構成される。したがって、環状イオン交換床を通る全流路は約4cmである。
【0543】
液体資源は、それぞれ2つの区画ユニットに接続される管(1707)を通って容器に流入し、内部管状仕切り(1713)に流入し、そこからイオン交換床(1714)を通って半径方向外向きに流れ、主容器(1715)に流入し、そこで容器の下部に収集され、出口フランジ(1708)を通って容器を出る。流れは圧力によって駆動され、入口(1707)と出口(1708)との間の全圧力低下は10psiである。
【0544】
イオン交換ビーズは多孔質イオン交換ビーズであり、イオン交換粒子およびポリマーマトリックスで構成される。イオン交換粒子は、コーティングされていないLiMn12コアで構成されるコーティングされていないイオン交換粒子である。粒子は5ミクロンの平均直径を有するほぼ球状である。多孔質ビーズは、ビーズ表面からビーズ内部およびイオン交換粒子への拡散チャネルを提供する、制御された細孔径分布を有する多孔質ネットワークを含む。ビーズは150ミクロンの平均直径を有する。
【0545】
リチウムが抽出されるブラインは、約1000mg/LのLi、75,000mg/LのNa、5,000mg/LのCa、および5,000mg/LのMg、ならびにKおよび塩化物を含む他の化学種を含有する天然塩化物水溶液からなる。
【0546】
3つのそのような容器(1715)はネットワークを形成するために接続される。容器は、図17に示すように、ブラインのpHが調整されるタンクを介して接続される。ネットワークは、イオン交換容器(1701、1703、1705)と、塩基およびブラインのための混合タンク(1702、1704、1706)とからなる。ブライン回路内の混合タンク(1702、1704、1706)について、NaOHの塩基水溶液を添加して、ブラインのpHを7.5に上昇させる。ブライン回路内の各混合タンクの前後でブラインのpHをモニタリングして、塩基水溶液の添加速度を制御する。5ミクロンの特徴的な最大開口部を有するフィルターバックは、これらのタンクの各々の出口に設置される。
【0547】
この例の目的のために、流れ構成は以下のようになる。液体資源はタンク1702に入り、その後、容器1703に入り、タンク1704に入り、容器1705に入り、タンク1706に入り、そこからシステムを出る。酸は同時に容器1701を通って流れる。
【0548】
3つの容器のネットワークの動作中の任意の時点で、リチウムは2つの容器でブラインから抽出されている。ブラインは、6.5のpHで第1の混合タンク(例えば、1702)に流入し、そのpHは7.5の値に調整される。このブラインを第1のイオン交換容器(例えば、1702)に供給する。第1の容器はリチウムの大部分を吸収し(例えば、1703)、プロトンを放出する。これにより、Li濃度が1000mg/Lから300mg/Lに低下し、pHが3.0の値に低下する。その後、後続の混合タンク(例えば、1704)において、前記ブラインのpHを約7.5に上昇させ、ブラインを第2のカラム(例えば、1705)に流し、ここで、残留リチウムが吸収され、Li濃度は300mg/Lから100mg/Lに低下する。
【0549】
第3の容器(例えば、1701)は、前のイオン交換サイクルからのリチウムで飽和され、したがって、0.25Mの塩酸で処理されて、塩化リチウム濃縮物を得る。酸溶液はイオン交換容器を通って流れ、そこで、酸からのプロトンがイオン交換ビーズに入り、リチウムと交換される。これにより、リチウムがビーズから放出され、酸性溶液に入る。
【0550】
イオン交換ビーズによるリチウムの取り込み速度が遅くなると、システムを通るポンプ輸送が終了し、ブラインを含む容器は水で洗浄される。その後、ブライン、水、および酸の流れは、容器がブラインで直近で処理され、その後、酸で処理されるように再度方向づけられる。
【0551】
これらのシステム動作を繰り返し、飽和するまで各カラムにリチウムを充填し、飽和カラムを酸で処理してリチウムを放出する間に流れを次のセットのカラムに再度方向づける。このプロセスは、ブラインからリチウムを抽出し、炭酸リチウムまたは他のリチウム化学物質の生成のための塩化リチウム濃縮物を得る。
【0552】
実施例18.複数の内部流れ分配器を有する容器を使用するリチウム抽出装置
リチウムは内部流れ分配器を含む容器を使用してブラインから抽出される(図18)。容器の内部特性を図18に示す。容器は円筒形であり、垂直に配置され、約140cmの長さであり、30cmの直径を有する。これはハステロイC276で構成される。容器は垂直に配向される。
【0553】
主容器はイオン交換ビーズを充填される。前記容器内には、8つの流れ分配器(詳細は1804)が位置し、20cm離れて容器に沿って均等に分配される。4つの流れ分配器は、ブラインをイオン交換区画(1801)に送達し、一方で、4つの出口流れ分配器(1802)は、イオン交換を受けた液体を収集し、それをイオン交換床から除去する。流れ分配器は、その円周に沿って切り込まれたスリットを有するポリ塩化ビニルパイプで構成される。スリットは5mm離れており、50ミクロンの開口部を有し、流体がイオン交換区画からビーズを運び出すことを防止する。
【0554】
液体資源は、入口流れ分配器(1801)から容器に流入し、イオン交換ビーズ(1803)を通って、流体が容器から出る出口流れ分配器(1802)を通って容器から出る。これらの分配器は、イオン交換ビーズ区画への、およびイオン交換ビーズ区画を通る液体資源の均一な流れを保証する。
【0555】
イオン交換媒体は、フランジ付き開口部を通って容器の上部を開放し、容器を閉鎖することによって充填される。イオン交換ビーズは容器全体を占める。流れ分配器は、イオン交換ビーズ内に沈められる。
【0556】
多孔質イオン交換ビーズは、イオン交換粒子およびポリマーマトリックスで構成される。イオン交換粒子は、SiOコーティングを有するLiMn12コアで構成されるコーティングされたイオン交換粒子である。粒子は、10ミクロンの平均直径を有するほぼ球状であり、コーティングは約5nmの厚さである。多孔質ビーズは、ビーズ表面からビーズ内部およびイオン交換粒子への拡散チャネルを提供する、制御された細孔径分布を有する多孔質ネットワークを含む。ポリマーマトリクスはポリフッ化ビニリデンで構成される。ビーズは200ミクロンの平均直径を有する。
【0557】
リチウムが抽出されるブラインは、約1000mg/LのLi、20,000mg/LのNa、20,000mg/LのCa、および20,000mg/LのMg、ならびにKおよび硫酸を含む他の化学種を含有する天然塩化物水溶液からなる。この液体資源が容器に入るとき、圧力は10psiである。このイオン交換材料を通る流れは、約150mg/LのLi、20,000mg/LのNa、20,000mg/LのCa、および20,000mg/LのMg、ならびにKおよび硫酸を含む他の化学種を含有する出口流を生じさせる。
【0558】
追加の実施形態
実施形態1.液体資源からリチウムを抽出するための装置であって、上記装置は、容器であって、前記容器の内側のイオン交換材料の複数の床を通って前記液体資源の流れを方向付ける内部流路を有する容器、を備える、装置。
【0559】
実施形態2.液体資源からリチウムを抽出するための装置であって、
a)容器と、
b)容器内のイオン交換材料の複数の床と、
c)イオン交換材料の前記複数の床を通る前記液体資源の流れを方向付ける流路と、
を含む、装置。
【0560】
実施形態3.液体資源からリチウムを抽出するための装置であって、
a)複数の流路器を内部に画定する容器と、
b)容器内に配置され、複数の流路と流体連通するイオン交換材料の複数の床であって、流体が複数の流路を介してイオン交換材料の複数の床を超えて流れるように方向付けられるように構成される、イオン交換材料の複数の床と、
を備える、装置。
実施形態4.複数の床の各床は、複数の流路の対応する流路を通って流体を受け取り、複数の流路の別の対応する流路に流体を排出するように構成される、実施形態1~3のいずれか1つに記載の装置。
【0561】
実施形態5.前記液体資源は、並列にあるイオン交換材料の前記複数の床を通って流れる、実施形態1~4のいずれか1つに記載の装置。
【0562】
実施形態6.前記液体資源は、直列にあるイオン交換材料の前記複数の床を通って流れる、実施形態1~2に記載の装置。
【0563】
実施形態7.イオン交換材料の前記複数の床は、構造支持体を有する前記容器の内側に取り付けられる、実施形態1~4に記載の装置。
【0564】
実施形態8.液体資源からリチウムを抽出するための装置であって、上記装置は、イオン交換材料の床と、液位センサーを使用して制御される大量のガスとを含む容器を備える、装置。
【0565】
実施形態9.液体資源からリチウムを抽出するための装置であって、イオン交換材料が充填された内部区画を含む円筒形容器であって、前記液体資源が、前記円筒形容器に対して半径方向に配向される方向に前記イオン交換材料を通って流れるように配置された円筒形容器を備える、装置。
【0566】
実施形態10.液体資源からリチウムを抽出するための装置であって、上記装置は、2つの同心円状の円筒構造の間に位置するイオン交換材料を含む円筒形容器を備える、装置。
【0567】
実施形態11.液体資源からリチウムを抽出するための装置であって、前記装置は、容器を備え、前記容器は、イオン交換材料と、容器の中心付近の穿孔パイプとを含み、容器に対して半径方向に配向された方向にイオン交換材料を通る前記液体資源の流れを容易にする、装置。
【0568】
実施形態12.液体資源からリチウムを抽出するための装置であって、上記装置は、内部円筒形容器と外部円筒形容器とを備える容器ハウジングを備え、イオン交換材料は、前記内部円筒形容器と前記外部円筒形容器との間に収容される、装置。
【0569】
実施形態13.前記内部円筒形容器および前記外部円筒形容器は、前記イオン交換材料を通る前記液体資源の流れを容易にするために透過性である、実施形態12に記載の装置。
【0570】
実施形態14.前記内部円筒形容器および/または前記外部円筒形容器は、前記容器ハウジングの内側に前記イオン交換材料を収容しつつ、前記イオン交換材料を通る前記液体資源の流れを容易にするために、穴、スリット、ノズル、メッシュ、またはそれらの組み合わせで固定される、実施形態12に記載の装置。
【0571】
実施形態15.液体資源からリチウムを抽出するための装置であって、上記装置は、外部の同心円状の円筒構造と内部の同心円状の円筒構造との間に位置するイオン交換材料を含む円筒形容器を備え、円筒形容器への入口は、内部の同心円状の円筒構造によって画定される内部容積と流体連通しており、前記液体資源は、円筒形容器に入って内部容積に至り、円筒形容器を出る前に、内部の同心円状の円筒構造、イオン交換材料、および外部の同心円状の円筒構造を通過するように構成される、装置。
【0572】
実施形態16.前記液体資源は、前記容器の外側付近から前記容器の内側付近まで前記イオン交換材料を通って半径方向に流れる、実施形態8~15のいずれか1つに記載の装置。
【0573】
実施形態17.前記液体資源は、前記容器の内側付近から前記容器の外側付近まで前記イオン交換材料を通って半径方向に流れる、実施形態8~15のいずれか1つに記載の装置。
【0574】
実施形態18.液体資源からリチウムを抽出するための装置であって、上記装置は、内部流れ分配器を含み、イオン交換材料を含む容器を備える、装置。
【0575】
実施形態19.液体資源からリチウムを抽出するための装置であって、上記装置は、イオン交換材料が充填された容器を備え、前記液体資源は、前記容器の2つの対向する端部の近くに位置する複数の流れ分配器から前記容器に入り、前記容器の前記2つの対向する端部の間の中心点の近くに位置する1つ以上の流れ分配器から前記容器を出る、装置。
【0576】
実施形態20.液体資源からリチウムを抽出するための装置であって、上記装置は、イオン交換材料が充填された容器を備え、前記液体資源は、前記容器の2つの対向する端部の近くに位置する複数の流れ分配器から前記容器を出て、前記容器の前記2つの対向する端部の間の中心点の近くに位置する1つ以上の流れ分配器から前記容器に入る、装置。
【0577】
実施形態21.液体資源からリチウムを抽出するための装置であって、上記装置は、1つ以上のキャンドルを含む容器を備え、前記キャンドルはそれぞれ、前記液体資源の流れに対して透過性であり、イオン交換材料を含む2つの同心構造を含む、装置。
【0578】
実施形態22.液体資源からリチウムを抽出するための装置であって、上記装置は、1つ以上のキャンドルを含む容器を備え、前記キャンドルはそれぞれ、前記液体資源の流れに対して透過性であり、イオン交換材料を含む2つの同心円状の円筒構造を含む、装置。
【0579】
実施形態23.前記液体資源は、前記容器に流入し、外部同心構造を通過し、イオン交換材料を通過し、内部同心構造を通過し、その後、容器を出る、実施形態21~22のいずれか1つに記載の装置。
【0580】
実施形態24.前記液体資源は、前記容器に流入し、内部同心構造を通過し、イオン交換材料を通過し、外部同心構造を通過し、その後、容器を出る、実施形態21~22のいずれか1つに記載の装置。
【0581】
実施形態25.前記1つ以上のキャンドルは4個以上のキャンドルを含む、実施形態21~24のいずれか1つに記載の装置。
【0582】
実施形態26.前記1つ以上のキャンドルは8個以上のキャンドルを含む、実施形態21~24のいずれか1つに記載の装置。
【0583】
実施形態27.前記1つ以上のキャンドルは20個以上のキャンドルを含む、実施形態21~24のいずれか1つに記載の装置。
【0584】
実施形態28.前記1つ以上のキャンドルは50個以上のキャンドルを含む、実施形態21~24のいずれか1つに記載の装置。
【0585】
実施形態29.前記1つ以上のキャンドルは100個以上のキャンドルを含む、実施形態21~24のいずれか1つに記載の装置。
【0586】
実施形態30.液体資源からリチウムを抽出するための装置であって、上記装置は、イオン交換材料およびフィラー材料が充填された容器を備える、装置。
【0587】
実施形態31.液体資源からリチウムを抽出するための装置であって、容器を備え、容器は、1)容器の上部および/または下部の近くに1つ以上のフィラー材料と、2)イオン交換材料とが充填される、装置。
【0588】
実施形態32.液体資源からリチウムを抽出するための装置であって、一緒に混合されたイオン交換材料およびフィラー材料が充填された容器を備える、装置。
【0589】
実施形態33.液体資源からリチウムを抽出するための装置であって、上記装置は、イオン交換材料およびフィラー材料が充填された容器を備え、フィラー材料は、イオン交換材料で圧力を下げるためにイオン交換材料と混合される、装置。
【0590】
実施形態34.液体資源からリチウムを抽出するための装置であって、上記装置は、イオン交換材料およびフィラー材料が充填された容器を備え、フィラー材料は、イオン交換材料の床の強度を改善するためにイオン交換材料と混合される、装置。
【0591】
実施形態35.液体資源からリチウムを抽出するための装置であって、上記装置は、イオン交換材料の1つ以上の床およびフィラー材料が充填された容器を備え、フィラー材料は、イオン交換材料の1つ以上の床と混合され、それによって、1つ以上の床のための支持を提供し、および/または容器に入る前記液体資源または別の流体のより良好な流れ分布を可能にする、装置。
【0592】
実施形態36.前記フィラー材料は酸とブラインに対して不活性である、実施形態30~35のいずれか1つに記載の装置。
【0593】
実施形態37.前記フィラー材料は、ポリマーまたはセラミックから構築される、実施形態30~36のいずれか1つに記載の装置。
【0594】
実施形態38.前記フィラー材料はイオン交換材料を収容する細孔を有する、実施形態30~37のいずれか1つに記載の装置。
【0595】
実施形態39.前記フィラー材料は、イオン交換材料を収容する約10ミクロンまたは約100ミクロンよりも大きい細孔を有する、実施形態30~38のいずれか1つに記載の装置。
【0596】
実施形態40.前記フィラー材料は、イオン交換材料を収容する約1ミリメートル、約1センチメートル、または約10センチメートルよりも大きい細孔を有する、実施形態30~38のいずれか1つに記載の装置。
【0597】
実施形態41.前記フィラー材料は、イオン交換材料を収容する約10センチメートルまたは約25センチメートルよりも大きい細孔を有する、実施形態30~38のいずれか1つに記載の装置。
【0598】
実施形態42.前記フィラー材料は、イオン交換材料を収容する約10ミクロンまたは約100ミクロンよりも小さい細孔を有する、実施形態30~38のいずれか1つに記載の装置。
【0599】
実施形態43.前記フィラー材料は、イオン交換材料を収容する約1ミリメートル、約1センチメートル、または約10センチメートルよりも小さい細孔を有する、実施形態30~38のいずれか1つに記載の装置。
【0600】
実施形態44.前記フィラー材料は、イオン交換材料を収容する約10センチメートルまたは約25センチメートルよりも小さい細孔を有する、実施形態30~38のいずれか1つに記載の装置。
【0601】
実施形態45.前記フィラー材料は剛性の足場である、実施形態30~44のいずれか1つに記載の装置。
【0602】
実施形態46.液体資源からリチウムを抽出するための装置であって、実施形態1~45に記載される複数の容器のネットワークを含む、装置。
【0603】
実施形態47.液体資源からリチウムを抽出するための装置であって、実施形態1~45に記載される複数の容器のネットワークを含み、前記液体資源が、1つの容器を通って別の容器へ流れる、装置。
【0604】
実施形態48.液体資源からリチウムを抽出するための装置であって、実施形態1~45に記載される複数の容器のネットワークを含み、前記液体資源は、複数の容器のうちの1つ以上の容器を通って連続的に流れる、装置。
【0605】
実施形態49.液体資源からリチウムを抽出するための装置であって、実施形態1~45に記載される複数の容器のネットワークを含み、前記液体資源は、1つの容器を通って、液体資源のpHを増加させるユニットを通って、別の容器に流れる、装置。
【0606】
実施形態50.液体資源からリチウムを抽出するための装置であって、実施形態1~45に記載される複数の容器のネットワークを含み、前記液体資源は、1つの容器を通って、液体資源のpHを増加させるユニットを通って、別の容器に流れる、装置。
【0607】
実施形態51.イオン交換材料は多孔質イオン交換ビーズを含む、実施形態1~50のいずれか1つに記載の装置。
【0608】
実施形態52.前記イオン交換材料は、50ミクロン~100ミクロンの平均直径を有する多孔質イオン交換ビーズを含む、実施形態1~51のいずれか1つに記載の装置。
【0609】
実施形態53.前記イオン交換材料は、100ミクロン~200ミクロンの平均直径を有する多孔質イオン交換ビーズを含む、実施形態1~51のいずれか1つに記載の装置。
【0610】
実施形態54.前記イオン交換材料は、200ミクロン~300ミクロンの平均直径を有する多孔質イオン交換ビーズを含む、実施形態1~51のいずれか1つに記載の装置。
【0611】
実施形態55.前記イオン交換材料は、200ミクロン~400ミクロンの平均直径を有する多孔質イオン交換ビーズを含む、実施形態1~51のいずれか1つに記載の装置。
【0612】
実施形態56.前記イオン交換材料は、400ミクロン~600ミクロンの平均直径を有する多孔質イオン交換ビーズを含む、実施形態1~51のいずれか1つに記載の装置。
【0613】
実施形態57.前記イオン交換材料は、400ミクロン~800ミクロンの平均直径を有する多孔質イオン交換ビーズを含む、実施形態1~51のいずれか1つに記載の装置。
【0614】
実施形態58.前記イオン交換材料を通る前記液体資源の流れは、前記イオン交換材料に20psi未満の圧力をかける、実施形態1~57のいずれか1つに記載の装置。
【0615】
実施形態59.前記イオン交換材料を通る前記液体資源の流れは、前記イオン交換材料に50psi未満の圧力をかける、実施形態1~57のいずれか1つに記載の装置。
【0616】
実施形態60.前記イオン交換材料を通る前記液体資源の流れは、前記イオン交換材料に100psi未満の圧力をかける、実施形態1~57のいずれか1つに記載の装置。
【0617】
実施形態61.前記イオン交換材料を通る前記液体資源の流れは、前記イオン交換材料に200psi未満の圧力をかける、実施形態1~57のいずれか1つに記載の装置。
【0618】
実施形態62.上記システムにおいて液体資源のpHを上昇させるためのpH調節機構をさらに含む、実施形態1~61のいずれか1つに記載の装置。
【0619】
実施形態63.液体資源を中和するために液体資源のpHを上昇させるためのpH調節機構をさらに含む、実施形態1~61のいずれか1つに記載の装置。
【0620】
実施形態64.穿孔材料はイオン交換材料を固定化するために使用される、実施形態1~63のいずれか1つに記載の装置。
【0621】
実施形態65.メッシュ材料はイオン交換材料を固定化するために使用される、実施形態1~63のいずれか1つに記載の装置。
【0622】
実施形態66.穿孔材料およびメッシュ材料はイオン交換材料を固定化するために使用される、実施形態1~63のいずれか1つに記載の装置。
【0623】
実施形態67.イオン交換材料は、プロトンを放出しながら液体資源からリチウムを吸収する、実施形態1~66のいずれか1つに記載の装置。
【0624】
実施形態68.前記イオン交換材料は、液体資源からリチウムを充填され、その後、リチウムは、酸を使用して前記イオン交換材料から溶出される、実施形態1~67のいずれか1つに記載の装置。
【0625】
実施形態69.前記イオン交換材料は、ポリマーまたはセラミック材料で構築されたノズル、スリット、穴、またはメッシュを使用して前記容器内に収容される、実施形態1~68のいずれか1つに記載の装置。
【0626】
実施形態70.前記イオン交換材料は、ポリエーテルエーテルケトン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスルホン、ポリエステル、ポリアミド、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、エチレンテトラフルオロエチレン、ステンレス鋼、コーティングされたステンレス鋼、ポリマーでコーティングされたステンレス鋼、チタン、高ニッケル合金、またはそれらの組み合わせで構築されたノズル、スリット、穴、メッシュ、またはそれらの組み合わせを使用して、前記容器内に収容される、実施形態1~68のいずれか1つに記載の装置。
【0627】
実施形態71.前記イオン交換材料は、LiFePO、LiMnPO、LiMO(M=Ti、Mn、Sn)、LiTi12、LiMn12、LiMn、Li1.6Mn1.6、LiMO(M=Al、Cu、Ti)、LiTiO、LiTi1124、LiVO、LiSi、LiCuP、これらの修飾物、これらの固溶体、またはこれらの組み合わせを含む、実施形態1~70のいずれか1つに記載の装置。
実施形態72.前記イオン交換材料は、酸化物、ポリマー、またはこれらの組み合わせから選択されるコーティングを用いてコーティングされたイオン交換材料である、実施形態1~71のいずれか1つに記載の装置。
【0628】
実施形態73.前記イオン交換材料は、SiO、TiO、ZrO、ポリフッ化ビニリデン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリブタジエン、ポリジビニルベンゼン、またはこれらの組み合わせから選択されるコーティングを用いてコーティングされたイオン交換材料である、実施形態1~72のいずれか1つに記載の装置。
【0629】
実施形態74.前記液体資源は、天然ブライン、前処理ブライン、溶解塩原(salt flat)、海水、濃縮海水、脱塩流出液、濃縮ブライン、加工ブライン、油田ブライン、イオン交換プロセスからの液体、溶媒抽出プロセスからの液体、合成ブライン、鉱石もしくは鉱石の組み合わせからの浸出液、鉱物もしくは鉱物の組み合わせからの浸出液、粘土もしくは粘土の組み合わせからの浸出液、リサイクル製品からの浸出液、リサイクル材料からの浸出液、またはそれらの組み合わせである、実施形態1~73のいずれか1つに記載の装置。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
【国際調査報告】