(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-21
(54)【発明の名称】リアルタイムフィードバックを有する電気伝導性センサシステム及びデバイス
(51)【国際特許分類】
A61B 5/053 20210101AFI20240514BHJP
【FI】
A61B5/053
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023565306
(86)(22)【出願日】2022-05-23
(85)【翻訳文提出日】2023-10-23
(86)【国際出願番号】 US2022030596
(87)【国際公開番号】W WO2022246330
(87)【国際公開日】2022-11-24
(32)【優先日】2021-05-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521217884
【氏名又は名称】エイシーズ メディカル エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】弁理士法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】ノーリン、ブライアン エル.
【テーマコード(参考)】
4C127
【Fターム(参考)】
4C127AA06
4C127BB05
(57)【要約】
遠位端と近位端とを有する医療用流体を投与するための中空針であって、流体チャネルを通して医療用流体を受容するように構成された開口部を含む、中空針を有する、リアルタイムインピーダンス測定針システム。システムはまた、医療用流体を送達するように構成された開口部の近くの針の遠位端に位置する少なくとも2つの導体と、生体組織を通って少なくとも2つの導体の間を流れる電流を感知するように構成された少なくとも1つの検出器とを有し得る。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
リアルタイムインピーダンス測定針システムであって、
遠位端と近位端とを有する医療用流体を投与するための中空針であって、流体チャネルを通して医療用流体を受容するように構成された開口部を含む、中空針と、
医療用流体を送達するように構成された前記開口部の近くの前記針の前記遠位端に位置する少なくとも2つの導体と、
生体組織を通って前記少なくとも2つの導体の間を流れる電流を感知するように構成された少なくとも1つの検出器と、を備える、リアルタイムインピーダンス測定針システム。
【請求項2】
電流が前記少なくとも2つの導体の間の前記生体組織を通って流れるときに、インピーダンス測定値が、電圧、電流、又は組織特性のうちの少なくとも1つに基づく、請求項1に記載のリアルタイムインピーダンス測定針システム。
【請求項3】
前記少なくとも2つの導体の間の前記電流が、定電流又は交流電流のうちの1つである、請求項1に記載のリアルタイムインピーダンス測定針システム。
【請求項4】
針の場所の指標が、前記検出器の検出に基づく、請求項1に記載のリアルタイムインピーダンス測定針システム。
【請求項5】
検出器出力が、前記生体組織に基づく、請求項1に記載のリアルタイムインピーダンス測定針システム。
【請求項6】
前記中空針の直径が、光ファイバーを受容するのに十分な幅である、請求項1に記載のリアルタイムインピーダンス測定針システム。
【請求項7】
前記中空針が、内壁を有し、前記少なくとも2つの導体が前記内壁に取り付けられているか、又は前記少なくとも2つの導体と前記中空針との間の絶縁体を有する、請求項1に記載のリアルタイムインピーダンス測定針システム。
【請求項8】
前記少なくとも2つの導体が、前記内壁に沿って延在し、前記中空針の伝導経路を前記遠位端から前記近位端に向かって形成し、コンピューティングデバイスに接続し得る、請求項7に記載のリアルタイムインピーダンス測定針システム。
【請求項9】
前記少なくとも2つの導体と前記中空針との間の絶縁物を更に備える、請求項1に記載のリアルタイムインピーダンス測定針システム。
【請求項10】
前記少なくとも2つの導体の感知された前記電流に基づいて、通知を送信する通知システムを更に備える、請求項1に記載のリアルタイムインピーダンス測定針システム。
【請求項11】
前記中空針から前記少なくとも2つの導体の反対側に位置する、接触し得る少なくとも2つの導体上の絶縁体を更に有する、請求項1に記載のリアルタイムインピーダンス測定針システム。
【請求項12】
内側絶縁層が、少なくとも部分的にポリイミドで作られている、請求項11に記載のリアルタイムインピーダンス測定針システム。
【請求項13】
前記中空針が、内側導体及び外側導体を有する、請求項1に記載のリアルタイムインピーダンス測定針システム。
【請求項14】
前記検出器が、少なくとも1つのプロセッサ及びカプラを含む、請求項1に記載のリアルタイムインピーダンス測定針システム。
【請求項15】
前記生体組織が、材料に関連付けられた抵抗を有し、前記出力が、前記生体組織の前記抵抗を通って流れる感知された前記電流に基づく、請求項1に記載のリアルタイムインピーダンス測定針システム。
【請求項16】
前記中空針が、前記導体に接触するためのフランジを有する、請求項1に記載のリアルタイムインピーダンス測定針システム。
【請求項17】
前記出力が、生体組織を通って前記少なくとも2つの導体の間を流れる電流に基づき、第2の出力が、光信号に基づく、請求項5に記載のリアルタイムインピーダンス測定針システム。
【請求項18】
前記少なくとも1つの検出器が、1つ以上の無線インターフェースを含む回路基板を備える、請求項1に記載のリアルタイムインピーダンス測定針システム。
【請求項19】
リアルタイムインピーダンス測定針システムであって、
少なくとも1つのプロセッサとカプラとを有する検出器と、
遠位端と近位端とを有する医療用流体を投与するための中空針であって、流体チャネルを通して医療用流体を受容するように構成された開口部を含み、前記検出器が、前記中空針と連通している、中空針と、
前記針の前記遠位端の開口部に配設され、医療用流体を送達するように構成された少なくとも2つの導体と、
生体組織を通って前記少なくとも2つの導体の間を流れる電流を感知するように構成された少なくとも1つの検出器と、を備える、リアルタイムインピーダンス測定針システム。
【請求項20】
システムを用いてリアルタイムで組織を測定する方法であって、
遠位端と近位端とを有する医療用流体を投与するための中空針であって、流体チャネルを通して医療用流体を受容するように構成された開口部を含む、中空針を提供することと、
医療用流体を送達するように構成された開口部の近くに、前記針の前記遠位端に位置する少なくとも2つの導体を位置決めすることと、
前記中空針を生体組織に挿入することと、
少なくとも1つの検出器を用いて、生体組織を通って前記少なくとも2つの導体の間を流れる電流を感知することと、
感知された前記電流に基づいて、出力を生成することと、
前記出力に応答して、前記中空針を再位置決めすることと、を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
<関連出願の相互参照>
本出願は、2021年5月21日に出願され、「REAL-TIME FEEDBACK OF RESISTANCE/IMPEDENCE」と題された米国仮出願第63/191,723号の利益を主張する。
【0002】
前述の特許出願は、参照により本明細書に組み込まれ、そのような組み込みは、本明細書の明示的な開示に反する主題が組み込まれないように限定される。上記の文書の参照による任意の組み込みは、文書に含まれる特許請求の範囲が参照により本明細書に組み込まれないように、更に限定される。本明細書に明示的に含まれない限り、本明細書に提供される任意の定義が参照により本明細書に組み込まれないように、上記の文書の参照による任意の組み込みは更に限定される。
【0003】
<技術分野>
本開示は、様々な組織上の医療処置におけるリアルタイムのフィードバックに有用であるセンサを有する針に関する。
【背景技術】
【0004】
特に脊椎手術又は歯科処置で、手術の転帰及びコスト構造を改善するための努力は、最小侵襲性処置の使用の増加につながっている。これらの処置では、蛍光透視、CT、神経刺激装置、及び最近ではドップラー超音波検査などの画像誘導モダリティを使用することが多い。多くの場合、手術、最小侵襲性脊髄処置、疼痛管理処置、神経ブロック、超音波誘導インターベンション、生検、及び経皮的配置又は術中の開放配置よりも少ないリスクを伴うが、壊滅的な脊髄などの臓器、軟組織、血管構造、及び神経組織を含むがこれらに限定されない様々な構造の浸透による感染、脳卒中、麻痺、及び死亡などの効果のない転帰及び医原性損傷のリスクを伴い続ける。外科用器具は、脊髄管内の所望の空間に到達するために、身体組織及び流体のいくつかの層を通って進行しなければならないため、外科医の経験にかかわらず、傷害が生じる可能性がある。
【0005】
例示するために、多くの薬物が投与される脊髄領域のくも膜下腔内(又はくも膜下)空間は、神経根及び脳脊髄液(cerebrospinal fluid、CSF)を収容し、中枢神経系を包む3つの膜のうちの2つの間に位置する。中枢神経系の最も外側の膜は硬膜であり、第2に外側の膜は、くも膜であり、第3に外側の、そして最も内側の膜は、軟膜である。くも膜下腔内空間は、くも膜と軟膜との間にある。このエリアに到達するために、外科用器具は、最初に皮膚層、脂肪層、棘間靭帯、黄靭帯、硬膜外腔、硬膜、くも膜下空間、及びくも膜下腔内空間を通過する必要がある場合がある。更に、薬物を投与するために使用される針の場合、針開口部全体が、くも膜下空間内になければならない。
【0006】
外科用器具をくも膜下腔内空間に挿入することに伴う複雑さのために、脊髄及び神経組織の貫通は、最小侵襲性脊椎処置及び脊椎手術の既知の合併症である。更に、いくつかの処置は、より大きな外科用器具の使用を必要とする。例えば、脊髄刺激は、小さいワイヤリードを脊髄硬膜外腔に挿入することができる最小侵襲性脊髄処置の一形態であり、刺激装置リードをねじ込むために、14ゲージの針を硬膜外腔に導入する必要があり得る。このゲージの針は、技術的に制御がより困難であり、罹患のリスクが高い。合併症には、硬膜破砕、脊髄液漏出、その後の血腫を伴う硬膜外静脈破裂、及び結果として生じる麻痺を伴う脊髄又は神経の直接貫通が含まれ得る。これら及び脊髄インターベンション及び高周波アブレーションなどの他の高リスクの状況は、医師が重要な解剖学的構造における針又は外科用装置の先端の配置を検出できない場合に発生する可能性がある。
【0007】
現在、そのような構造の検出は、オペレータ依存であり、オペレータは、画像誘導モダリティ下で触覚感覚、造影剤、解剖学的目印触診及び視覚化を利用する。患者の安全性は、触覚感覚及び画像の解釈における医師の訓練及び経験に依存し得る。追加の訓練及び経験が医師を助けるかもしれないが、自然に又は瘢痕組織の形態での反復処置から生じ得る解剖学的変動のために、医師の経験及びスキルとは無関係に医原性損傷が発生する可能性がある。高周波アブレーションなどのいくつかの処置におけるフェローシップ訓練は、能力を確保するのに十分に厳密ではない可能性がある。訓練を伴ったとしても、処置の結果はかなり異なる可能性がある。硬膜外注射及び脊髄手術の場合、黄靭帯の厚さ、硬膜外腔の幅、硬膜拡張、硬膜外脂肪腫症、硬膜中隔、及び瘢痕組織の変動は全て、経験豊富なオペレータにとってさえも、従来の検証方法に課題を追加する可能性がある。加えて、しばしば1年以上後に神経が再生するときに行われる高周波処置を反復することは、再生後の神経の分布が追加の解剖学的変動を生じさせるため、しばしばより効果的ではなく、より困難である。
【発明の概要】
【0008】
中空針の先端が医療用流体の注射前に接触している組織のタイプに関するリアルタイムのフィードバックを医師に提供する電気伝導性センサシステムが開示されている。このセンサシステムは、医療用流体の配置の正確な場所が望まれる医療処置に有用であり得る。
【0009】
リアルタイムの組織識別に有用な電気抵抗センサが開示されている。センサは、生体組織に医療用流体を注射することができる中空の皮下注射針を含む。電気抵抗率プローブは、中空の皮下注射針内に少なくとも部分的に覆われている。開示されるセンサはまた、電気抵抗率プローブの一端に導電性先端を含む。開示されたセンサは、医療処置中にリアルタイムで組織を識別するのに有用である。開示されたセンサは、中空の皮下注射針に医療用流体を送達するためのシリンジを更に含むことができる。いくつかの実施形態では、センサは、全て部分的に針に覆われた2つ又は4つの電気抵抗率プローブを含むことができる。
【0010】
本開示は、異なるインピーダンスを有する21以上の異なるタイプの組織又は生物学的材料を測定するのに有用であり得る。生体材料の独自の天然構造を使用して、センサ及び導体は、潜在的な針注射部位を識別するのに役立つように、生体組織にわたるインピーダンス測定を可能にするために有利な方法で配置され得る。システムは、抵抗を測定し、電圧を判定するための電気構成要素を更に有し、臨床医に出力を送信して、インピーダンスのレベル又は測定結果を読み取り、針が患者に流体又は薬を送達する前に正しい場所にあるかどうかを判定し得る。
【0011】
別の態様では、光ファイバーセンサを後退させる方法であって、
上記の開示による光ファイバーセンサ後退システムを提供することを含む、方法が開示されている。方法は、光ファイバー波長センサを含む針を患者に挿入すること、及び光ファイバー波長センサを使用して、針を適切に配置することを更に含む。方法は、光ファイバー波長センサを後退させ、次いで、中空針を通して医療用流体を投与することを含む。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本開示によるリアルタイムセンサシステムの実施形態の例示的な例である。
【
図2】本開示によるリアルタイムセンサシステムの実施形態の例示的な例である。
【
図3】本開示によるリアルタイムセンサシステムの実施形態の断面図の例示的な例である。
【
図4】本開示によるリアルタイムセンサシステムの先端の実施形態の例示的な例である。
【
図5】本開示によるリアルタイムセンサシステムの先端の実施形態の例示的な例である。
【
図6】本開示によるリアルタイムセンサシステムの実施形態の例示的な例である。
【
図7】本開示によるリアルタイムセンサシステムの実施形態の例示的な例である。
【
図8】本開示によるリアルタイムセンサシステムの実施形態の例示的な例である。
【
図9】本開示によるリアルタイムセンサシステムの実施形態の例示的な例である。
【
図10】本開示によるリアルタイムセンサシステムの実施形態の例示的な例である。
【
図11】本開示によるリアルタイムセンサシステムの実施形態の例示的な例である。
【
図12】本開示によるリアルタイムセンサシステムの実施形態の例示的な例である。
【
図13】本開示によるリアルタイムセンサシステムの実施形態の例示的な例である。
【
図14】本開示によるファイバーと処理構成要素との間の接続の例示的な例である。
【
図15】本開示による抵抗を測定するための回路の例示的な例である。
【
図16】本開示による複数の抵抗器を用いて抵抗を測定するための回路の例示的な例である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本開示は、血液を含む体液及び組織などの生体物質を検出するために使用されるリアルタイムインピーダンス測定針システムに関する。リアルタイムインピーダンス測定針システムの様々な実施形態が、図面を参照して詳細に説明され、同様の参照番号は、いくつかの図全体にわたって同様の部品及びアセンブリを表し得る。様々な実施形態への言及は、本明細書に開示されるリアルタイムインピーダンス測定針システムの範囲を限定しない。更に、本明細書に記載の任意の例は、限定することを意図するものではなく、リアルタイムインピーダンス測定針システムの多くの可能な実施形態のうちのいくつかを単に記載するだけである。等価物の様々な省略及び置換は、状況が示唆し得るか、又は便宜をもたらし得るように企図されるが、これらは、本開示の趣旨又は範囲から逸脱することなく、適用又は実施形態を網羅することを意図していることを理解されたい。また、本明細書で使用される表現及び専門用語は、説明の目的のためのものであり、限定するものとみなされるべきではないことが理解されるべきである。
【0014】
光ファイバー導波路は、医療処置に有用な中空針の内部に配置することができる。針の適切な配置は、神経系の外科的処置(すなわち、脊髄手術)又は歯科処置などの医療処置の成功において重要であり得る。光ファイバー導波路は、重要な生物学的構造を検出することができるセンサシステムの一部として使用することができる。例えば、歯科環境で患者に麻酔剤を注射しようとするとき、患者に望ましくない全身反応を引き起こす可能性がある、血管に薬物を注射することを避けることが望ましい場合がある。注射針内の光ファイバーセンサは、鉄イオン(例えば、血液中)を検出する検出システムの一部であり、針の不適切な配置を示し得る。この場合、針を再配置して、麻酔薬を適切に注射することができる。いくつかの実施形態では、センサは針先端又は斜角と水平に位置し得る。この場所は、センサが、薬又は流体が送達されるであろう針の先端で、又はその付近で血液又は他のバイオマーカーを検出することを可能にし得る。
【0015】
別の例では、脊髄外科医は、薬剤の投与のために針を配置するときに、様々な生物学的構造を位置特定したい場合がある。これらの場合、外科医は、脊髄液を見つけるか、又は他の生理学的構造を避けることを望み得る。光ファイバー検出器は、針開口部と接触している生体組織を識別することができる検出システムの一部であり得る針内に配置することができる。
【0016】
通常の動作では、中空針内の光ファイバー導波路センサの表面は、針(クインケ針など)の先端と大まかに面一であり得る。光ファイバー導波路は、針ボアよりもはるかに小さくすることができ、薬剤などの流体の注射が光ファイバー導波路を通過することを可能にする。いくつかの様式では、針ボア全体を光ファイバー導波路で満たすことができる。これらの場合、針は、流体の注射前に光ファイバー導波路を後退させるか、又は取り外すことができる。
【0017】
光ファイバー導波路の取り外しは、光ファイバー導波路が針ボアを離れるまで、光ファイバー導波路を誘導子臨時配置及び送達システムのY接合部に引き込むことによって、手で行うことができる。光ファイバー導波路の手での取り外しは、針先端の移動が望ましくない場合、正確な注射点での外科医又は外科スタッフによる重要な手術であり得る。このような手動処置では、処置全体に余分な時間が必要になることもある。加えて、ファイバー後退のためのハードストップが送達システムに含まれていない場合、漏れが生じる可能性がある。しかしながら、これは、密封された薬瓶又はバイアル上で使用されるものと同様の可撓性ポリマー膜を使用する手法に基づく可能性は低い。
【0018】
図1は、リアルタイムインピーダンス測定針システム100(本明細書では「システム」と称される)の一実施形態の図である。中空針104の遠位端(例えば、シリンジの反対側の端)では、中空針104の先端は、少なくとも2つの導体102を含むか、又はそれに取り付けることができる。これらの導体102は、少なくとも2つの導体102との電気的接続を維持し得るフランジ(図示せず)などの接続点を通って接続され得る。針先端が患者の標的場所に配置されるとき、少なくとも2つの導体102は、患者の生体組織と接触することができる。次いで、電流は、少なくとも2つの導体102の間を流れることができる。次いで、感知された信号は、システム内で更に伝送されてもよい。中空針104は、中空針104から離れた2つの異なる方向に分岐し得るYカプラ106と接続し得る。第1の分岐又はアーム136は、電気ケーブル110を介して、電気信号を通信し得る。第1の分岐、又はアーム136はまた、光ファイバーケーブル112を介して、光信号を光学的に通信し得る。中空針136は、生体組織に流体を送達するために、Yカプラの第3の分岐又はアーム138に接続してもよい。
【0019】
第1のアーム136では、電気ケーブル110は、電気光学モジュール又はデバイス118などのコンピューティングデバイス(図示せず)と接続し得る。接続は、電気コネクタ116を通る、Yカプラ106と電気光学デバイス118との間の有線又は無線であり得る。電気コネクタ116は、電気光学デバイス118に接続することができ、これは、信号変換器120(アナログ対デジタル又はデジタル対アナログなど)及び、いくつかの実施形態では、電流源122を含み得る。信号変換器120の後に、信号は、抵抗出力130に送信されてもよい。抵抗出力130での出力は、出力ディスプレイ、光、音、通知、肝臓、及びそれらの組み合わせに数値として表示又は通信され得、各々は、生体組織の測定された抵抗を示すか、又はそれに基づき得る。出力が臨床医にとって有用であるように通信され得る、多くの異なる実施形態がある。
【0020】
一実施形態では、Yカプラ106の第1のアーム136はまた、光ファイバーケーブル112に接続してもよく、光ファイバーケーブル112は、中空針104の先端における光ファイバーの先端上のセンサから収集された鉄イオン含有量に基づく情報を搬送することができる。光ファイバーケーブル112は、情報を電気光学デバイス118に送信することができる。光ファイバーケーブル112は、ファイバーコネクタ114を通って、電気光学デバイス118に接続することができる。電気光学デバイス118は、ファイバーコネクタ114を介して、情報を受信するスプリッタ124を有し得る。次いで、鉄イオン含有量などのバイオマーカー情報は、光検出器126に送信され得る第1の信号及びLED128に送信され得る他の第2の信号と共に、スプリッタ124によって分割され得る。次いで、光検出器126は、バイオマーカー情報を出力ディスプレイ132に送信してもよい。バイオマーカー含有量出力は、出力ディスプレイ132上に表示される数、光、音、通知、肝臓、及びそれらの組み合わせなどのいくつかの方法で表示又は通信され得、各々は、生体組織の測定された抵抗を示すか、又はそれに基づき得る。出力が臨床医にとって有用であるように通信され得る、多くの異なる実施形態がある。
【0021】
出力は、ユーザが間違った組織にいることを示すか、又は医療用流体の送達に望ましくない特定の生物学的材料又は組織を検出すると、ユーザは、医療用流体送達のための場所を更に判定するために、針を異なる場所に再位置決めし得る。ユーザが、針の場所が送達に好適であると判定すると、ユーザは、医療用流体を、針が入った組織に送達してもよい。いくつかの実施形態では、送達部位が医療用流体注射に好適であるときに、送達は自動化されてもよく、又はコンピューティングデバイスが制御されてもよい。
本明細書に記載されるように、電気光学デバイスは、2つ以上の実施形態を有し得る。第1のアームへの2つの接続は、少なくとも2つのタイプの情報を転送することができる多くの実施形態の1つにすぎない。
【0022】
Yカプラ106は、第1のアーム136が開始し、第2の分岐又はアーム134がシリンジ108に接続する場所で分割される第2の分岐を有することができる。第2のアーム134の接続は、シリンジ108内の医療用流体の送達のために、シリンジ108と中空針104との間に連続的な流体チャネル(図示せず)を作成し得る。Yカプラ106、シリンジ108、及び通信システム(すなわち、電気ケーブル110、光ファイバーケーブル112、及びそれに接続された他の構成要素)と調整して使用され得る中空針のいくつかの実施形態がある。
【0023】
本明細書に開示される最も単純な実施形態では、ファイバーを迅速に引き出すためのトリガ解放を備えたばねを用いることができる。この実施形態は、
図1に示されており、格納された原動力のためのばねを組み込んでもよい。示すように、ばねの解放のためのトリガ、並びにシステム内の滅菌された完全性及び圧力を維持するためのポリマー密封システムが提供される。トリガが係合されると、光ファイバー導波路(電気ケーブル110、光ファイバーケーブル112、又はその両方をホストすることができる)は、針先端の最小限の動きで針から即座に引き出すことができる。
【0024】
より具体的には、中空針200などの中空針の第1の実施形態を
図2に示す。中空針200の壁は、層を有し得る。中空針200の内部では、導体202は、内壁に取り付けられるか、又は一体的に接続されることができる。導体202は、中空針200に沿って走ってもよい。外側絶縁体206の層は、電気信号を絶縁するのを助けるために、導体202と中空針200の内壁との間にあってもよい。いくつかの実施形態では、及び
図2に示されるように、外側絶縁体206は、導体202の長さを延長する導体202上のコーティング又は層であってもよい。他の実施形態では、外側絶縁体206は、電気信号が中空針200に転送され、導体202に沿って電気信号を維持するのを防ぐために針の層又はライニングであってもよく、したがって、外側絶縁体206は、少なくとも導体がある場所、及び中空針200などの他の金属又は導電性材料の間にあってもよい。外側絶縁体206は、導体に対して外側であって(すなわち、導体の周りに巻かれていて)もよいが、中空針200の内側であり、少なくとも導体202が位置する場所で、中空針200の内壁を裏打ちする。そのような絶縁材料は、ポリイミド又は同様の材料で作られ得るが、電気信号絶縁のために他の材料が可能である。
図2の図では、2つの導体が存在するが、より多くの導体をシステムに追加することができる。図示の実施形態では、少なくとも2つの導体は、針の遠位端に位置する、中空針200の針先端208に位置する。
【0025】
光ファイバー(図示せず)は、流体チャネルの管腔内に移動可能又は摺動可能に適合し得、更に光学カプラを有し得る導波路であり得る。いくつかの実施形態では、光ファイバーは、電気信号が中空針200の内側に配置され得る任意の光ファイバーによって影響を受けないように、伝導経路に沿って走る内側絶縁層204などの絶縁層を有し得る。いくつかの実施形態では、内側絶縁層は、導体202の内側にあり得、他の実施形態では、内側絶縁層204は、光ファイバー外側コーティング又は層(図示せず)の一部であり得る。他の実施形態では、少なくとも2つの導体は、導体上に内側絶縁層204を有してもよい。
【0026】
図3は、
図2と同様の図であるが、絶縁層を有する中空針300の更なる詳細である。層は、中空針300の内壁からであってもよく、外側層に層状であってもよく、その結果、内側手段は内壁により近く、外側手段は外壁により近い。一実施形態では、本明細書に記載されるように、電気信号を感知又は収集する内側導体310が存在し得る。中間絶縁体304は、内側導体310と外側導体306との間にあり得る。いくつかの実施形態では、内側導体310の内側(図示せず)の外又は光ファイバーの外縁(図示せず)上にある内側絶縁体302があり得る。いくつかの実施形態では、
図3に示されるように、針300内の他の構成要素に対して最も外側の層である外側絶縁層308があり得る。
【0027】
図4は、本明細書に記載の中空針400の断面図である。
図4は、絶縁体402の外側にある導体404を示す。絶縁体402は、コア408で光ファイバー406をコーティングし得る。いくつかの実施形態では、光ファイバー406(コア408)は、中空針400内に存在しない場合がある。他の実施形態では、光ファイバー406は、絶縁体402などの外縁にコーティングを有し得る。したがって、絶縁体402は、光ファイバー406上の層若しくはコーティングであり得、又は絶縁体402は、中空針400の内壁をコーティングし得る。いくつかの実施形態では、
図4は、中空針400の反対側に2つの導体を有する
図10及び11の断面図であり得る。
【0028】
図5は、中空針の第2の実施形態を示し、中空針500の先端は、3つ以上の導体を有する。
図5において、4つの導体502a~d(集合的に)がある。導体502a~dの各々は、中空針500に沿って走るそれぞれの伝導経路504a~dに延在してもよく、又は接続してもよい。伝導経路504aに接続する導体502a、伝導経路504bに接続する導体502b、伝導経路504cに接続する導体502c、及び伝導経路504dに接続する導体502dなど、それぞれの導体502の各々に接続するためのそれぞれの伝導経路504があり得る。
図8の実施形態では、金属被覆、電極、又は伝導パッド(
図8の802)は、内壁上に配置される。
図5の実施形態は、中空針500に沿ってそれぞれ伝導パッドから延在する伝導経路を示す。経路は、信号分析及び抵抗判定のために、電気信号をコンピューティングデバイスに搬送する(例えば、
図1を参照)。
図5は、中空針500の切欠図である(システムについては、中空針104を示す
図1を参照)。
【0029】
図6は、中空針600の第3の実施例を示し、4つの導体602a~dは、
図5とは異なる代替パターンで構成されている。より具体的には、
図6の実施形態では、導体602a~dは、ずれている。数字表記「a~d」は、シーケンスa、b、c、及びd内の全ての数字を表す。この場合、それぞれの導体の各々は、中空針600に沿って、中空針600と平行に延在し得る。少なくとも1つの導体経路604a~dは、電気及び光信号通信のために導体602a~dからコンピューティングデバイス(図示せず)に接続し得る。この場合、導体602aは、導体経路604aを介して、コンピューティングデバイスに接続し得る。導体602bは、604bを介して、コンピューティングデバイスに接続することができ、導体602cは、導体経路604cを介して接続することができ、導体602dは、導体経路604dを介して、それぞれ接続することができる。いくつかの実施形態では、中空針600は、傾斜した斜角又は開口部を有してもよい。この場合、導体602a~dは、傾斜した針又は針斜角を開口部に並べるときに、ずれて見えることがある。
【0030】
図7は、中空針700の第4の実施形態を示し、中空針700は、導体702を含む内側層を含む。いくつかの実施形態では、電気信号を正しい経路に維持するために、導体と光ファイバーとの間に内側絶縁層704があり得る。中空針700は、ステンレス鋼又は針の分野で使用される他の材料などの金属で作られ得る。電気信号が接地又は導電性経路以外の経路に従わないようにするために、導体702と針壁との間の外側絶縁層706は、針と導電性経路との間に存在し得る。
【0031】
図8は、本明細書で考察されるような中空針(図示せず)の内側の断面図である。図は、4つの導体抵抗センサ802a~dを有する針の実施形態であるが、場合によっては、少なくとも2つなど4つ未満のセンサが必要とされる。
図8の実施形態では、少なくとも4つの導体802a~dを有する断面図を示す4つの導体抵抗センサ802a~dが示されている。導体802a~dは、中空針の内壁の外部上又はそれに沿って位置する金属パッド又は金属被覆であり得る。断熱材806の層は、中空針の外壁を被覆し得る。いくつかの実施形態では、ファイバー804は、外側に絶縁されたコーティング又は層806を有する光ファイバーであってもよい。いくつかの実施形態では、金属被覆802a~dは、絶縁体806の層内にあり得るが、他の実施形態では、金属被覆802a~dは、中空針が当該生体組織と係合するときに、生体組織と接触するように少なくとも部分的に露出され得る(図示されていないが、本明細書には記載されている)。
図8の実施形態では、金属被覆802a~dは、内壁の外部と同じ高さである。したがって、中空針の管腔内側の物体は、金属被覆802a~dを妨げない。そのような物体の1つは、光ファイバー804を含み得る。
【0032】
図9は、本明細書で説明されるシステムの光信号部分の一実施形態を図示する(
図1を参照)。光ファイバー904は、光を伝送するためのコア908を有し得る。コア908の外側は、光をコア908に反射する外側クラッディング910を含み得る。中空針900は、電気信号を絶縁し、中空針900を通る接地を防止し得る絶縁層912を含み得る。絶縁層904の内面に取り付けられたものは、少なくとも1つの導体906を含み得る。
図9は、電気源(図示せず)からの電気信号を感知し、コンピューティングデバイス(図示せず)に送信される4つの導体を含む。いくつかの例では、光ファイバー904の外壁は、本明細書に記載のように、電気信号がコンピューティングデバイスに送信されるときに接地から電気信号を保護するために、絶縁物でコーティングされてもよく、又は絶縁体層912などの絶縁体の層を有してもよい(例えば、
図1を参照)。いくつかの実施形態では、光ファイバー904は、光をコア908の下に反射し得るファイバークラッディング910及びコア908を含み得る。より具体的には、光ファイバー904の端の少なくとも一部分は、コーティングされてもよい。光ファイバー904の先端のコーティングは、鉄鉄と接触したときに反応を引き起こすための鉄検出コーティングであり得る。
【0033】
図10は、中空針(図示せず)の内側の別の実施形態を示す。実施形態では、2つの金属被覆1002が、光ファイバー1004の両側に示されている。金属被覆は、電気が回路に入る可能性がある導体又は電極であり得る。金属被覆1002の各々の他の配置が可能であり得る。絶縁層1006は、各金属被覆1002が中空針の先端(例えば、
図2及び
図11を参照)及び中空針の中空内側部分で少なくとも部分的に露出したまま、光ファイバー1004の外側をコーティングしてもよい。中空内部は、光ファイバー1004を含み得る。
【0034】
図11は、
図10の中空針の別の角度であり、2導体配置を除いて、
図9と同様である中空針1100の先端の図である。
図11の実施形態では、光ファイバー1104は、中空針1100内に見られる。2つの導体1102は各々、ファイバー1104の両側、及び絶縁体1106の層上に見られる。絶縁体1106の層は、導体1102の少なくとも一部分を包含し得る。いくつかの実施形態では、導体1102は、少なくとも部分的に露出され、導体1102は、導体1102が光信号を得るために生体組織に接触するように露出されてもよい。導体(又はパッド)は、その導電性材料を通して電気信号又は電流を伝送する金属被覆又は導電性部分であり得る。
【0035】
図12は、
図8からの4導体抵抗センサの実施例を示す。
図8の802a~dと同様に、導体1200は、光ファイバー1202の外壁に、又はその隣に位置し得る。いくつかの実施形態では、導体1200は、ファイバーに沿って走ってもよい。
図5~
図6及び
図8と同様に、集合的に「導体1200」と称される4つの導体が示される。
図13では、導電性トレース1300は、光ファイバー1302に沿って延在し得る(例えば、1202を参照)。回路又はデータ連続データ経路を作成するために、アーム1306は、導体又は導電性トレース1300のうちの1つと接触して、
図12の導体1200から信号及びデータを受信する電子デバイス又はコンピューティングデバイス(
図1の電気光学デバイス118を参照)への信号経路を作成し得る。アーム1306は、針1304の内壁又は他の内面に取り付けられ得る。
【0036】
図14は、電気光学デバイス1410への電気データと光学データとの間の接続の一実施形態の図である。光ファイバー1408は、図示される4つの光ファイバー導体などの少なくとも1つの導体1402を有し得る。導体1402は各々、電気接続部1404に接続される。いくつかの実施形態では、信号は無線で転送されてもよく、及び他の実施形態では、信号は、電気インターコネクタ1406となどの有線又は光接続を介して転送されてもよい。光ファイバー1408からの光学データは、光ファイバーコネクタ1414を介して、電気光学デバイス1410によって受信され、ユーザが見たり聞いたりするための出力として表示され得る。ファイバー導体1404への固定された電子的又は光学相互接続があり得る。電気データは、電気コネクタ1412を介して、電気光学デバイス1410に送信及び受信され得、電気光学デバイス1410は、抵抗を測定し、信号又は抵抗値を通信するためにカップル及びプロセッサを使用し得る。出力は、LCDディスプレイへのものであってもよいか、又はユーザが読み取り又は解釈してもよいトーン、光、又は他の指標であってもよい。
【0037】
図15は、生体組織にわたる抵抗を計算することができる電気構成要素回路の実施形態を示す。組織の抵抗率は、電気光学モジュール内のオームメータからかなりの距離に位置するプローブ先端上の2つの電極間で測定され得る。オームメータは、R
wire+traces+R
tissue+R
wire+tracesを示す
【表1】
異なるタイプの金属は、異なる温度係数を有する。電線の抵抗は、温度によって変化する場合がある。この効果は、室温が変化するにつれて顕著であり得る。抵抗に対する温度影響の一般的な式は次のとおりである(摂氏20度で)。
銅=0.00393
アルミニウム=0.004308
鉄=0.005866
ニッケル=0.005866
金=0.003715
タングステン=0.004403
銀=0.003819
【0038】
一実施形態では、2本のワイヤが、一定の電流で使用されてもよい。オームの法則は、抵抗、「R」を、構成要素にわたる電圧「V」対それを通過する電流「I」の比率又はR=V/Iとして定義する。抵抗を測定するために、試験電流をワイヤに印加し、生じた電圧降下を検出し得る。このことから、抵抗を算出することができる。
【0039】
定電流源による4線式試験方法
図15に示されるように、定電流源1518は、抵抗ループ(R1
wire+traces1504、R2
wire+traces1508、R
tissue1516を含む)と組み合わせて提供される。
図15は、第1の電極1510及び第2の電極1512から定電流ループ1501に印加され、定電流ループ1501を流れる定電流源1518を示す。第1の電極1510及び第2の電極1512は、生体材料又は組織1514上に配置される。組織1514は、第1の電極1510と第2の電極1512との間を流れる電流に影響を与える抵抗R
tissue1516を有する。生体材料又は組織1514にわたる抵抗R
tissue1516の測定は、R1
wire+traces1504にわたって電圧計1502の1つの入力に到達し、R2
wire+tracesトレース1508にわたって第2の電極1512に戻るループで流れる電気信号によって達成される。電圧計は、オームメータ1500内にあり、電圧計を横切る読み取り値は、第1の電極1510と第2の電極1512との間の読み取り値であり、それは、組織1514の抵抗R
tissue1516である。オームメータ1500は、
図1の電気光学デバイスに含まれ得る。「トレース(trace)」又は「トレースインピーダンス(trace impedance)」という用語は、使用される材料に起因して、回路基板構成要素及びインピーダンスから生成され得る。
【0040】
一般に、4線式測定は、組織抵抗の正確な抵抗値を得るために、固定抵抗(リードワイヤ)の影響を排除し得る。異なる組織は異なる抵抗率を有し、以下は生体組織及び抵抗率のいくつかの例である:
【表2】
【0041】
本発明において、Rtissueの読み取り精度は、電圧測定ポイントを嵌合ピンのエンドポイントに移動させることによって改善され得る。したがって、リードワイヤで発生し得る任意の電圧降下をバイパスする。いくつかの実施形態は、2本ではなく4本のリードワイヤを使用するため、この手法は、「4線式測定」、又は代替的に「4線式ケルビン」と称される。
【0042】
いくつかの実施形態では、電圧計1502は非常に高いインピーダンスを有するため、4線式システムの電圧測定回路を流れる電流は非常に小さく、典型的にはマイクロアンプの分数の次数であるため、これらのリードワイヤにわたって事実上電圧降下は発生せず、抵抗測定への影響は無視できる。要約すると、ワイヤに流れる電流がない場合、ワイヤ全体に電圧降下がない可能性がある。一実施形態では、電圧計は、アナログ-デジタル変換器チップであってもよい。
【0043】
定電圧源による2線式試験方法
別の実施形態では、一定の電圧が検出電極に印加され得、引き出された電流が測定される。この実施形態では、回路は
図15と同様であるが、定電流ループ1518は存在し得ない。オームの法則は、抵抗、「R」を、構成要素にわたる電圧「V」対それを通過する電流「I」の比率として定義する。R=V
ref/I。したがって、電流引き込みは次のようになる:I=V
ref/R。したがって、抵抗は次と等しい:R=Vref/I。
【0044】
4端子バルク抵抗率測定
更に別の実施形態では、4つの等間隔の共線形プローブ(4点プローブとして知られる)を使用して、材料と電気的に接触することを伴う4つのプローブ方法を使用してもよい。他の構成も、幾何学的空間の制約に応じて好適である。この電気インピーダンス測定技術は、電流通搬送電極と電圧感知電極の別々の対を使用して、より単純でより一般的な2端子感知よりも正確な測定を行う。電流は、電圧感知が内側プローブ上で行われる間、2つの外側プローブ間を流れてもよい。
【0045】
電流電極と電圧電極を分離することで、リードと接触抵抗を測定から排除する。これは、低抵抗値の正確な測定のための利点である。交流電流は、センサ内の組織のインピーダンスを測定するために使用することもできる。更に、異なる周波数での試験は、試験対象の組織について更に多くの情報を提供することができる。
【0046】
抵抗R0は、所望の組織抵抗率測定値であり、R1及びR2は、電流ループ接触抵抗であり、R3及びR4は、電圧ループ接触抵抗であり、R5及びR6は、電流ループ接触部と電圧ループ接触部との間の抵抗である。抵抗には、異なる構成が可能である。
【0047】
図16は、4プローブ法でバルク抵抗を測定するために使用される典型的な技術を示している。そのような技術では、材料と電気的に接触するために、4つの等間隔の共線形プローブ(4点プローブとして知られている)があり得る。他の実施形態は、幾何学的空間の制約に応じて追加の構成を含み得る。
図16は、第1の電極1620、第2の電極1622、第3の電極1624、及び第4の電極1626からのループに印加され、流れる定電流源1618を示す。電圧計1602は、オームメータ1600内にある。そのような電気インピーダンス測定技術は、電流通搬送電極と電圧感知電極の別々の対を使用して、より単純な2端子感知技術よりも正確な測定を行うことができる。好ましい実施形態では、電圧感知が2つの内側プローブ上で行われる間、2つの外側プローブ間を流れてもよい電流を含み得る。電流と電圧の電極の分離は、抵抗測定からリードと接触抵抗を排除することができる。これは、低抵抗値の正確な測定に有利であり得る。抵抗R01610は、所望の組織抵抗率測定値であり、R1及びR2は、それぞれ、電流ループ接触抵抗1612a及び1612bである。R3及びR4は、それぞれ、電圧ループ接触抵抗1614a及び1614bである。R5及びR6は、それぞれ、電流ループ接触部1616aと電圧ループ接触部1616bとの間の抵抗である。
【0048】
本開示及び本明細書の主題に関連する当業者は、実施形態が、実施例によって説明される、又は他の方法で本明細書において企図される任意の個々の実施形態に示されるよりも少ない特徴を含み得ることを認識するであろう。本明細書で説明される実施形態は、様々な特徴が組み合わされ、及び/又は配置され得る方法の網羅的な提示であることを意図するものではない。したがって、実施形態は、特徴の相互排他的な組み合わせではなく、むしろ、実施形態は、関連技術分野の当業者によって理解されるように、異なる個々の実施形態から選択される異なる個々の特徴の組み合わせを含むことができる。更に、別段の記載がない限り、一実施形態に関して説明された要素は、そのような実施形態に記載されていない場合でも、他の実施形態で実装することができる。従属特許請求の範囲は、特許請求の範囲において、1つ以上の他の特許請求の範囲との特定の組み合わせを指し得るが、他の実施形態はまた、従属特許請求の範囲と各々の他の従属特許請求の範囲の主題との組み合わせ、又は1つ以上の特徴と他の従属特許請求の範囲又は独立した特許請求の範囲との組み合わせを含むことができる。かかる組み合わせは、特定の組み合わせが意図されていないと明記されない限り、本明細書で提案される。更に、本特許請求の範囲が独立特許請求の範囲に直接依存するものではない場合でも、任意の他の独立特許請求の範囲に特許請求の範囲の特徴を含むことも意図されている。
【手続補正書】
【提出日】2023-12-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0032
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0032】
図9は、本明細書で説明されるシステムの光信号部分の一実施形態を図示する(
図1を参照)。光ファイバー904は、光を伝送するためのコア908を有し得る。コア908の外側は、光をコア908に反射する外側クラッディング910を含み得る。中空針900は、電気信号を絶縁し、中空針900を通る接地を防止し得る絶縁層912を含み得る。絶縁層904の内面に取り付けられたものは、少なくとも1つの導体906を含み得る。
図9は、電気源(図示せず)からの電気信号を感知し、コンピューティングデバイス(図示せず)に送信される4つの導体を含む。いくつかの例では、光ファイバー904の外壁は、本明細書に記載のように、電気信号がコンピューティングデバイスに送信されるときに接地から電気信号を保護するために、絶縁物でコーティングされてもよく、又は絶縁体層912などの絶縁体の層を有してもよい(例えば、
図1を参照)。いくつかの実施形態では、光ファイバー904は、光をコア908の下に反射し得るファイバークラッディング910及びコア908を含み得る。より具体的には、光ファイバー904の端の少なくとも一部分は、コーティングされてもよい。光ファイバー904の先端のコーティングは、鉄
イオンと接触したときに反応を引き起こすための鉄検出コーティングであり得る。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
リアルタイムインピーダンス測定針システムであって、
遠位端と
、近位端と
、内部を通って配設された流体チャネルとを有す
る針であって、
前記近位端及び前記遠位端が各々、開口部を含む
、針と、
前記針の前記遠位端
の前記開口部の近くに配設された少なくとも2つの導体と、
前記少なくとも2つの導体の間
に配設された生体組織を通って流れる電流を感知するように構成された少なくとも1つの検出器と、を備える、リアルタイムインピーダンス測定針システム。
【請求項2】
インピーダンス測定値が、
前記少なくとも
2つの導体の間に
配設された前記生体組織の前記電流から導出される、請求項1に記載のリアルタイムインピーダンス測定針システム。
【請求項3】
前記少なくとも2つの導体の間の前記電流が、定電流又は交流電流のうちの1つである、請求項1に記載のリアルタイムインピーダンス測定針システム。
【請求項4】
前記針の場所の指標が、前記検出器の
出力である、請求項1に記載のリアルタイムインピーダンス測定針システム。
【請求項5】
前記出力が、前記生体組織
の抵抗率に
よって変化する、請求項
4に記載のリアルタイムインピーダンス測定針システム。
【請求項6】
前記出力が、前記生体組織の抵抗に基づく数値表現を更に含む、請求項5に記載のリアルタイムインピーダンス測定針システム。
【請求項7】
前記流体チャネルの直径が、光ファイバーを受容する
ように構成されている、請求項
5に記載のリアルタイムインピーダンス測定針システム。
【請求項8】
前記少なくとも2つの導体が、前記
針の両側にあり、前記光ファイバーが、前記流体チャネル内に配設されている、請求項7に記載のリアルタイムインピーダンス測定針システム。
【請求項9】
前記光ファイバーが、鉄検出コーティングを更に
含む、請求項
8に記載のリアルタイムインピーダンス測定針システム。
【請求項10】
内壁を有する前記針を更に備え、前記少なくとも2つの導体
が、前記
内壁から絶縁されて、前記内壁に
取り付けられているか、又はその中に統合されている、請求項1に記載のリアルタイムインピーダンス測定針システム。
【請求項11】
前
記少なくとも2つの導体
が、前記針の
前記内壁に
沿って延在し、伝導経路を前記遠位端から前記近位端まで形成し、かつ更に前記伝導経路が、コンピューティングデバイスに接続する、請求項
10に記載のリアルタイムインピーダンス測定針システム。
【請求項12】
前
記針が、内側導体及び外側導体を有する、請求項1に記載のリアルタイムインピーダンス測定針システム。
【請求項13】
前記検出器が、少なくとも1つのプロセッサ及びカプラを含む、請求項1に記載のリアルタイムインピーダンス測定針システム。
【請求項14】
前
記針が、前記導体に接触するためのフランジを有する、請求項1に記載のリアルタイムインピーダンス測定針システム。
【請求項15】
第2の出力が、
前記光ファイバーを介して、前記検出器によって受信された光信号に基づく、請求項
7に記載のリアルタイムインピーダンス測定針システム。
【請求項16】
前記少なくとも1つの検出器が、1つ以上の無線インターフェースを含む回路基板を備える、請求項1に記載のリアルタイムインピーダンス測定針システム。
【請求項17】
リアルタイムインピーダンス測定針システムであって、
ボアと、近位端と
、内部を通って配設された管腔とを有する針と、
前記ボアに配設された少なくとも2つの導体と、
少なくとも1つの検出器と、を備
え、
各検出器が、少なくとも1つのプロセッサを含み、
かつ更に前記少なくとも1つの検出器が、前記少なくとも2つの導体の間に配設された生体組織内の電流を感知するように構成されている、リアルタイムインピーダンス測定針システム。
【請求項18】
カプラを有する検出器を更に備える、請求項17に記載のリアルタイムインピーダンス測定針システム。
【請求項19】
リアルタイムで組織インピーダンスを測定する方法であって、
遠位端と、近位端と、内部を通って配設された流体チャネルとを有する針であって、前記近位端及び前記遠位端が各々、開口部を含む、針と、
前記針の前記遠位端の前記開口部の近くに配設された少なくとも2つの導体と、
前記少なくとも2つの導体の間に配設された生体組織を通って流れる電流を感知するように構成された少なくとも1つの検出器とを提供するステップと、
前記針を前記生体組織に挿入するステップと、
前記少なくとも1つの検出器を用いて、前記少なくとも2つの導体の間に配設された前記生体組織を通って流れる電流を感知するステップと、
前記電流に基づいて、出力を生成するステップと、を含む、リアルタイムで組織インピーダンスを測定する方法。
【請求項20】
所望の出力
が生成
されるまで、
前記出力に応答し
て前記針を再位置決めする
更なるステップを含む、
請求項19に記載のリアルタイムで組織インピーダンスを測定する方法。
【国際調査報告】