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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-21
(54)【発明の名称】薄い照明層導波路および製造方法
(51)【国際特許分類】
   G02B 27/02 20060101AFI20240514BHJP
   H04N 13/344 20180101ALI20240514BHJP
   H04N 5/64 20060101ALI20240514BHJP
【FI】
G02B27/02 Z
H04N13/344
H04N5/64 511A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023565906
(86)(22)【出願日】2022-04-28
(85)【翻訳文提出日】2023-12-14
(86)【国際出願番号】 US2022071988
(87)【国際公開番号】W WO2022232820
(87)【国際公開日】2022-11-03
(31)【優先権主張番号】63/182,617
(32)【優先日】2021-04-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】514108838
【氏名又は名称】マジック リープ, インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Magic Leap,Inc.
【住所又は居所原語表記】7500 W SUNRISE BLVD,PLANTATION,FL 33322 USA
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】シン, ビクラムジト
(72)【発明者】
【氏名】シュルツ, ジェイソン アレン
(72)【発明者】
【氏名】シュー, フランク ワイ.
(72)【発明者】
【氏名】テコルスト, ロバート ディー.
【テーマコード(参考)】
2H199
【Fターム(参考)】
2H199CA12
2H199CA24
2H199CA25
2H199CA27
2H199CA32
2H199CA42
2H199CA43
2H199CA53
2H199CA66
2H199CA67
2H199CA82
2H199CA87
2H199CA92
2H199CA93
2H199CA94
2H199CA95
2H199CA96
(57)【要約】
本明細書では、ヘッドウェアラブルデバイスなどのディスプレイ用のシステムおよび方法が開示される。例示的なディスプレイは、赤外線照明層を含むことができ、赤外線照明層は、第1の面および第2の面を有する導波路を含み、第1の面は、第2の面の反対側に配置される。照明層はまた、第1の面に配置された内部結合格子を含み得て、内部結合格子は、光を導波路に結合して、第1の方向に伝播する内部反射光を生成するように構成される。照明層はまた、第1の面および第2の面のうちの少なくとも一方に配置された複数の外部結合格子を含み得て、複数の外部結合格子は、内部反射光を受光し、導波路からの内部反射光を結合するように構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスプレイであって、
第1の面および第2の面を有する導波路であって、前記第1の面は、前記導波路に対して前記第2の面の反対側に配置される、導波路と、
前記第1の面に配置された内部結合格子であって、前記内部結合格子は、光を前記導波路に結合して内部反射光を第1の方向に伝播するように構成されている、内部結合格子と、
前記第1の面および前記第2の面のうちの少なくとも一方に配置された複数の外部結合格子であって、前記複数の外部結合格子は、前記内部反射光を受光し、前記導波路からの前記内部反射光を結合するように構成されている、複数の外部結合格子と
を備える、ディスプレイ。
【請求項2】
前記導波路の前記第1の面および前記第2の面のうちの少なくとも一方に配置されたスプレッダをさらに備え、前記スプレッダは、前記内部反射光を前記第1の方向に伝播し、前記内部反射光を第2の異なる方向にさらに伝播するように構成される、請求項1に記載のディスプレイ。
【請求項3】
前記スプレッダは、ライン、メタ格子、孔、およびピラーから選択される少なくとも1つのナノパターンを備える、請求項2に記載のディスプレイ。
【請求項4】
複数のディフューザをさらに備え、前記複数のディフューザの各ディフューザは、前記導波路に対して前記複数の外部結合格子のうちの外部結合格子に対向して配置される、請求項1に記載のディスプレイ。
【請求項5】
前記複数の外部結合格子の各外部結合格子の幅は、前記内部結合格子の幅にほぼ等しい、請求項1に記載のディスプレイ。
【請求項6】
前記複数の外部結合格子は、線、メタ格子、孔、ピラー、鋸歯、傾斜、および多層から選択される少なくとも1つのナノパターンを備える、請求項1に記載のディスプレイ。
【請求項7】
前記内部結合格子は、線、メタ格子、孔、ピラー、鋸歯、傾斜、および多層から選択される少なくとも1つのナノパターンを備える、請求項1に記載のディスプレイ。
【請求項8】
前記内部結合格子の表面および前記複数の外部結合格子のうちの外部結合格子の表面のうちの少なくとも一方に配置された高屈折率コーティングをさらに備える、請求項1に記載のディスプレイ。
【請求項9】
前記導波路は、照明層に対応する、請求項1に記載のディスプレイ。
【請求項10】
赤外線照明層は、可変厚さを有する、請求項9に記載のディスプレイ。
【請求項11】
前記照明層は、前記導波路の前記第2の面に結合されたレンズを備え、前記レンズは、曲面を含む、請求項9に記載のディスプレイ。
【請求項12】
前記複数の外部結合格子のうちの2つ以上の外部結合格子は、前記レンズの前記曲面上に配置される、請求項11に記載のディスプレイ。
【請求項13】
前記複数の外部結合格子のうちの第1の外部結合格子は、前記内部結合格子から第1の距離だけ離れて配置され、
前記複数の外部結合格子のうちの第2の外部結合格子は、前記内部結合格子から第2の距離だけ離れて配置され、前記第2の距離は、前記第1の距離よりも大きく、
前記第1の外部結合格子は、第1の回折効率を示し、前記第2の外部結合格子は、前記第1の効率よりも大きい第2の回折効率を示す、
請求項1に記載のディスプレイ。
【請求項14】
可視光導波路をさらに備え、前記可視光導波路は、デジタルコンテンツを提示するように構成されている、請求項1に記載のディスプレイ。
【請求項15】
前記導波路から結合された前記内部反射光は、外部結合光を含む、請求項1に記載のディスプレイ。
【請求項16】
光センサをさらに備え、前記光センサは、ユーザの眼から反射される前記外部結合された光の少なくとも一部を検出するように構成される、請求項15に記載のディスプレイ。
【請求項17】
前記複数の外部結合格子は、表面レリーフ格子、液晶格子、および体積位相格子のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載のディスプレイ。
【請求項18】
方法であって、
基材の第1の表面上に第1の樹脂をインプリントすることであって、前記第1の樹脂をインプリントすることは、前記第1の樹脂を第1の領域内に堆積させることを含む、ことと、
第2の領域を形成するために前記第1の領域内の前記第1の樹脂の第1の部分を除去することと、
前記第1の領域内の前記第1の樹脂を第1のナノパターンによってエッチングすることと、
前記基材を剥離することと、
前記基材を洗浄することと、
前記基材の前記第1の表面上に第2の樹脂をインプリントすることであって、前記第2の樹脂をインプリントすることは、前記第2の領域内に前記第2の樹脂を堆積させることを含む、ことと、
前記第2の領域内の前記第2の樹脂を第2のナノパターンによってエッチングすることと
を含む、方法。
【請求項19】
前記第2の樹脂は、第3の領域内に堆積され、前記第3の領域は、前記第1の領域と連続していない、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記基材の第2の表面上に第3の樹脂をインプリントすることをさらに含み、前記第3の樹脂をインプリントすることは、前記基材の第4の領域上に前記第3の樹脂を堆積させることを含み、前記基材の前記第2の表面は、前記第1の表面の反対側にあり、前記第4の領域は、前記第2の領域の反対側にある、請求項18に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年4月30日に出願された米国仮特許出願第63/182,617号の優先権を主張し、その内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
分野
本開示は、一般に、視覚情報を表示するためのシステムに関し、特に、拡張現実または複合現実環境において視覚情報を表示するためのアイピースに関する。
【背景技術】
【0003】
背景
仮想環境は、コンピューティング環境においてユビキタスであり、ビデオゲーム(仮想環境がゲーム世界を表し得る);マップ(仮想環境がナビゲートされる地形を表し得る);シミュレーション(仮想環境が現実環境をシミュレートし得る);デジタルストーリーテリング(仮想キャラクタが仮想環境において互いに相互作用し得る);および多くの他の用途において使用されている。現代のコンピュータユーザは、一般に、仮想環境を快適に知覚し、仮想環境と相互作用する。しかしながら、仮想環境に関するユーザの体験は、仮想環境を提示するための技術によって制限される可能性がある。例えば、従来のディスプレイ(例えば、2D表示画面)および音声システム(例えば、固定スピーカ)は、魅力的で現実的で没入感のある体験を生み出す方法で仮想環境を実現することができないことがある。
【0004】
仮想現実(「VR」)、拡張現実(「AR」)、複合現実(「MR」)、および関連技術(まとめて「XR」)は、XRシステムのユーザに、コンピュータシステム内のデータによって表される仮想環境に対応する感覚情報を提示する能力を共有する。本開示は、VRシステム、ARシステム、およびMRシステムの間の区別を想定している(ただし、いくつかのシステムは、1つの態様(例えば、視覚的態様)ではVRとして分類され、別の態様(例えば、音声態様)ではARまたはMRとして同時に分類され得る)。本明細書で使用される場合、VRシステムは、少なくとも1つの態様においてユーザの現実環境を置き換える仮想環境を提示する。例えば、VRシステムは、遮光ヘッドマウントディスプレイなどを用いて、現実環境の視界を同時に見えにくくしながら、仮想環境の視界をユーザに提示することができる。同様に、VRシステムは、現実環境からの音声を同時にブロック(減衰)しながら、仮想環境に対応する音声をユーザに提示することができる。
【0005】
VRシステムは、ユーザの現実環境を仮想環境に置き換えることから生じる様々な欠点を体験することがある。1つの欠点は、仮想環境におけるユーザの視野が、現実環境(仮想環境ではない)におけるユーザのバランスおよび向きを検出する自分の内耳の状態にもはや対応しないときに生じる可能性がある酔いの感覚である。同様に、ユーザは、自身の身体および手足(ユーザが現実環境において「接地している」と感じるために依拠するビュー)が直接見えないVR環境において見当識障害を体験することがある。別の欠点は、特に仮想環境にユーザを没入させようとするリアルタイムアプリケーションにおいて、完全な3D仮想環境を提示しなければならない、VRシステムに課される計算負荷(例えば、ストレージ、処理能力)である。同様に、ユーザは、仮想環境の僅かな不完全性にも敏感である傾向があり、そのいずれも仮想環境への没入感を損なう可能性があるため、そのような環境は、没入型と見なされるために非常に高い臨場感基準に達する必要があることがある。さらに、VRシステムの別の欠点は、システムのそのようなアプリケーションが、現実世界において体験する様々な光景および音などの現実環境における広範囲の感覚データを利用することができないことである。関連する欠点は、現実環境において物理的空間を共有するユーザが仮想環境において互いに直接見たり相互作用したりすることができないことがあるため、VRシステムが複数のユーザが相互作用することが可能な共有環境を作成するのに苦労する場合があることである。
【0006】
本明細書で使用されるように、ARシステムは、少なくとも1つの態様において現実環境に重複する、または現実環境にオーバーレイする仮想環境を提示する。例えば、ARシステムは、光がディスプレイを通過してユーザの眼に入ることを可能にしながら表示画像を提示する透過型ヘッドマウントディスプレイなど、現実環境のユーザのビューにオーバーレイされた仮想環境のビューをユーザに提示することができる。同様に、ARシステムは、現実環境からの音声を同時にミキシングしながら、仮想環境に対応する音声をユーザに提示することができる。同様に、本明細書で使用されるように、MRシステムは、ARシステムと同様に、少なくとも1つの態様において現実環境に重複するかまたはオーバーレイする仮想環境を提示し、さらに、MRシステム内の仮想環境が少なくとも1つの態様において現実環境と相互作用することを可能にし得る。例えば、仮想環境内の仮想キャラクタは、現実環境内のライトスイッチを切り替え、現実環境内の対応する電球をオンまたはオフにし得る。別の例として、仮想キャラクタは、現実環境の音声信号に(表情などで)反応し得る。現実環境の提示を維持することによって、ARおよびMRシステムは、VRシステムの前述の欠点のいくつかを回避し得る。例えば、現実環境(ユーザ自身の身体を含む)からの視覚的合図が視認可能なままとすることができ、そのようなシステムは没入するために完全に実現された3D環境をユーザに提示する必要がないため、ユーザの酔いが低減される。さらに、ARおよびMRシステムは、現実世界の感覚入力(例えば、風景、オブジェクト、および他のユーザのビューおよび音)を利用して、その入力を増強する新たなアプリケーションを作成することができる。
【0007】
仮想環境を現実的な方法で提示して、堅牢で費用効果の高い方法でユーザの没入体験を作成することは困難である可能性がある。例えば、ヘッドマウントディスプレイは、1つ以上の多層アイピースを有する光学系を含むことができる。アイピースは、異なる機能を果たす複数の層を含む高価で壊れやすい部品とすることができる。例えば、1つ以上の層が使用されて仮想コンテンツをユーザに表示し得て、1つ以上の層が視線追跡用の赤外線(IR)照明層として使用され得る。複数の層は、MRシステムに重量を加える大きなアイピースをもたらし得る。さらに、層の表面上の反射および曇りによる光透過損失は、仮想コンテンツの品質に影響を及ぼす可能性がある。照明層は、反射防止膜および/またはコーティングを含むことができるが、そのような膜は、光学系にコストおよび複雑さを加える可能性がある。そこで、光学系の透過率を軽量且つコンパクトなフォームファクタで向上させることが望まれている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
概要
本明細書では、ヘッドウェアラブルデバイスなどのディスプレイ用のシステムおよび方法が開示される。例示的なディスプレイは、赤外線照明層を含むことができ、赤外線照明層は、第1の面および第2の面を有する導波路を含み、第1の面は、第2の面の反対側に配置される。照明層はまた、第1の面に配置された内部結合格子を含み得て、内部結合格子は、光を導波路に結合して、第1の方向に伝播する内部反射光を生成するように構成される。照明層はまた、第1の面および第2の面のうちの少なくとも一方に配置された複数の外部結合格子を含み得て、複数の外部結合格子は、内部反射光を受光し、導波路からの内部反射光を結合するように構成される。本明細書に開示される実施形態は、照明層に関連付けられた曇りを低減することができる堅牢な照明層を提供し得る。さらに、本明細書に開示される実施形態は、軽量且つコンパクトな光学スタックを提供することができる。さらに、本明細書に開示される実施形態は、照明層からの光の向上した透過率を提供し得る。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1A図1A図1Cは、本開示の1つ以上の実施形態にかかる、例示的な複合現実環境を示している。
図1B図1A図1Cは、本開示の1つ以上の実施形態にかかる、例示的な複合現実環境を示している。
図1C図1A図1Cは、本開示の1つ以上の実施形態にかかる、例示的な複合現実環境を示している。
【0010】
図2A図2A図2Dは、本開示の1つ以上の実施形態にかかる、複合現実環境を生成し、それと相互作用するために使用されることができる例示的な複合現実システムの構成要素を示している。
図2B図2A図2Dは、本開示の1つ以上の実施形態にかかる、複合現実環境を生成し、それと相互作用するために使用されることができる例示的な複合現実システムの構成要素を示している。
図2C図2A図2Dは、本開示の1つ以上の実施形態にかかる、複合現実環境を生成し、それと相互作用するために使用されることができる例示的な複合現実システムの構成要素を示している。
図2D図2A図2Dは、本開示の1つ以上の実施形態にかかる、複合現実環境を生成し、それと相互作用するために使用されることができる例示的な複合現実システムの構成要素を示している。
【0011】
図3A図3Aは、本開示の1つ以上の実施形態にかかる、複合現実環境に入力を提供するために使用されることができる例示的な複合現実ハンドヘルドコントローラを示している。
【0012】
図3B図3Bは、本開示の1つ以上の実施形態にかかる、例示的な複合現実システムとともに使用されることができる例示的な補助ユニットを示している。
【0013】
図4図4は、本開示の1つ以上の実施形態にかかる、例示的な複合現実システムについての例示的な機能ブロック図を示している。
【0014】
図5図5は、本開示の1つ以上の実施形態にかかる、例示的な複合現実システムについての例示的な光学系を示している。
【0015】
図6図6A図6Bは、本開示の1つ以上の実施形態にかかる、例示的な複合現実システムについての照明層の例を示している。
【0016】
図7-1】図7A図7Dは、本開示の1つ以上の実施形態にかかる、例示的な複合現実システムについての照明層の例を示している。
図7-2】図7A図7Dは、本開示の1つ以上の実施形態にかかる、例示的な複合現実システムについての照明層の例を示している。
【0017】
図8図8A図8Cは、本開示の1つ以上の実施形態にかかる、例示的な複合現実システムの光学系の例を示している。
【0018】
図9図9A図9Cは、本開示の1つ以上の実施形態にかかる、例示的な複合現実システムの光学系の例を示している。
【0019】
図10図10は、本開示の1つ以上の実施形態にかかる、例示的な複合現実システムについての例示的な照明層を示している。
【0020】
図11図11A図11Cは、本開示の1つ以上の実施形態にかかる、例示的な複合現実システムについての照明層の例を示している。
【0021】
図12図12A図12Fは、本開示の1つ以上の実施形態にかかる、例示的な複合現実システムについての照明層の例を示している。
【0022】
図13図13は、本開示の1つ以上の実施形態にかかる、例示的な複合現実システムについての照明層の例示的なスプレッダ領域を示している。
【0023】
図14-1】図14A図14Iは、本開示の1つ以上の実施形態にかかる、例示的な複合現実システムについての照明層の例を示している。
図14-2】図14A図14Iは、本開示の1つ以上の実施形態にかかる、例示的な複合現実システムについての照明層の例を示している。
【0024】
図15図15A図15Cは、本開示の1つ以上の実施形態にかかる、例示的な複合現実システムについての照明層の例を示している。
【0025】
図16図16A図16Hは、本開示の1つ以上の実施形態にかかる、例示的な複合現実システムについての照明層についてのナノパターンの例を示している。
【0026】
図17図17A図17Eは、本開示の1つ以上の実施形態にかかる、例示的な複合現実システムについての照明層についてのナノパターンの例を示している。
【0027】
図18図18A図18Iは、本開示の1つ以上の実施形態にかかる、例示的な複合現実システムについての照明層についての外部結合格子の例を示している。
【0028】
図19図19A図19Cは、本開示の1つ以上の実施形態にかかる、例示的な複合現実システムの照明層からの出射光の例を示している。
【0029】
図20図20A図20Cは、本開示の1つ以上の実施形態にかかる、例示的な複合現実システムの照明層からの出射光の例を示している。
【0030】
図21-1】図21は、本開示の1つ以上の実施形態にかかる、例示的な複合現実システムについての照明層を製造するためのプロセスを示している。
図21-2】図21は、本開示の1つ以上の実施形態にかかる、例示的な複合現実システムについての照明層を製造するためのプロセスを示している。
【0031】
図22図22は、本開示の1つ以上の実施形態にかかる、例示的な複合現実システムについての照明層を製造するためのプロセスのブロック図を示している。
【発明を実施するための形態】
【0032】
詳細な説明
以下の例の説明では、本明細書の一部を形成し、実施されることができる特定の例を例示として示す添付の図面を参照する。開示された例の範囲から逸脱することなく、他の例が使用されることができ、構造的変更が行われることができることを理解されたい。
【0033】
複合現実環境
全ての人と同様に、複合現実システムのユーザは、現実環境、すなわち、ユーザによって知覚可能な「現実世界」の3次元部分およびそのコンテンツの全てに存在する。例えば、ユーザは、人間の通常の感覚(視覚、音、触覚、味覚、嗅覚)を使用して現実環境を知覚し、現実環境内で自分の身体を動かすことによって現実環境と相互作用する。現実環境における位置は、座標空間における座標として記述されることができる。例えば、座標は、海面に対する緯度、経度、および高度;基準点からの3つの直交寸法における距離;または他の適切な値を含むことができる。同様に、ベクトルは、座標空間内の方向および大きさを有する量を記述することができる。
【0034】
コンピューティングデバイスは、例えば、デバイスに関連付けられたメモリに、仮想環境の表現を維持することができる。本明細書で使用される場合、仮想環境は、3次元空間の計算表現である。仮想環境は、任意のオブジェクト、アクション、信号、パラメータ、座標、ベクトル、またはその空間に関連付けられた他の特性の表現を含むことができる。いくつかの例では、コンピューティングデバイスの回路(例えば、プロセッサ)は、仮想環境の状態を維持および更新することができる。すなわち、プロセッサは、第1の時間t0において、仮想環境に関連付けられたデータおよび/またはユーザによって提供された入力に基づいて、第2の時間t1における仮想環境の状態を決定することができる。例えば、仮想環境内のオブジェクトが時間t0において第1の座標に位置し、特定のプログラムされた物理的パラメータ(例えば、質量、摩擦係数)を有する場合、ユーザから受信した入力は、方向ベクトルにおいてオブジェクトに力が加えられるべきであることを指示する。プロセッサは、基本力学を使用して時間t1におけるオブジェクトの位置を決定するために運動学の法則を適用することができる。プロセッサは、仮想環境について知られている任意の適切な情報および/または任意の適切な入力を使用して、時間t1における仮想環境の状態を決定することができる。仮想環境の状態を維持および更新する際に、プロセッサは、仮想環境における仮想オブジェクトの作成および削除に関連するソフトウェア;仮想環境における仮想オブジェクトまたはキャラクタの挙動を定義するためのソフトウェア(例えば、スクリプト);仮想環境における信号(例えば、音声信号)の挙動を定義するためのソフトウェア;仮想環境に関連付けパラメータを作成および更新するためのソフトウェア;仮想環境において音声信号を生成するためのソフトウェア;入出力を扱うソフトウェア;ネットワーク動作を実装するためのソフトウェア;アセットデータを適用するソフトウェア(例えば、仮想オブジェクトを経時的に移動させるためのアニメーションデータ);または他の多くの可能性を含む任意の適切なソフトウェアを実行することができる。
【0035】
ディスプレイまたはスピーカなどの出力デバイスは、仮想環境の任意のまたは全ての態様をユーザに提示することができる。例えば、仮想環境は、ユーザに提示されることができる仮想オブジェクト(これは、無生物;人々;動物;ライトなどのオブジェクトの表現を含み得る)を含み得る。プロセッサは、仮想環境のビューを決定することができ(例えば、原点座標、ビュー軸、および錐台を有する「カメラ」に対応する)、ディスプレイに、そのビューに対応する仮想環境の視聴可能なシーンをレンダリングすることができる。この目的のために、任意の適切なレンダリング技術が使用され得る。いくつかの例では、視聴可能なシーンは、仮想環境内のいくつかの仮想オブジェクトのみを含み、特定の他の仮想オブジェクトを除外し得る。同様に、仮想環境は、1つ以上の音声信号としてユーザに提示され得る音声態様を含み得る。例えば、仮想環境内の仮想オブジェクトは、オブジェクトの位置座標から生じる音を生成し得る(例えば、仮想キャラクタは、発話するか、または効果音を発生させ得る)。あるいは、仮想環境は、特定の位置に関連付けられてもよく、または関連付けられなくてもよい音楽キューまたは周囲音に関連付けられてもよい。プロセッサは、「聴取者」座標に対応する音声信号、例えば、仮想環境内の音の合成に対応し、聴取者座標において聴取者が聞く音声信号をシミュレートするために混合および処理された音声信号を決定し、1つ以上のスピーカを介して音声信号をユーザに提示することができる。
【0036】
仮想環境は、計算構造としてのみ存在するため、ユーザは、通常の感覚を使用して仮想環境を直接知覚することはできない。代わりに、ユーザは、例えばディスプレイ、スピーカ、触覚出力デバイスなどによってユーザに提示されるように、仮想環境を間接的にのみ知覚することができる。同様に、ユーザは、仮想環境に直接触れたり、仮想環境を直接操作したり、仮想環境と直接相互作用したりすることはできないが、仮想環境を更新するためにデバイスまたはセンサデータを使用することができるプロセッサに、入力デバイスまたはセンサを介して入力データを提供することができる。例えば、カメラセンサは、ユーザが仮想環境内でオブジェクトを移動させようとしていることを示す光学データを提供することができ、プロセッサは、そのデータを使用して、仮想環境内でオブジェクトにそれに応じて応答させることができる。
【0037】
複合現実システムは、例えば、透過型ディスプレイおよび/または1つ以上のスピーカ(これは、例えば、ウェアラブルヘッドデバイスに組み込まれてもよい)を使用して、現実環境と仮想環境との態様を組み合わせた複合現実環境(「MRE」)をユーザに提示することができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のスピーカは、ヘッドマウントウェアラブルユニットの外部にあってもよい。本明細書で使用される場合、MREは、現実環境と対応する仮想環境との同時表現である。いくつかの例では、対応する現実環境および仮想環境は、単一の座標空間を共有する。いくつかの例では、実座標空間および対応する仮想座標空間は、変換行列(または他の適切な表現)によって互いに関連付けられる。したがって、単一の座標(いくつかの例では、変換行列とともに)は、現実環境内の第1の位置、および仮想環境内の第2の対応する位置を定義することができ、逆もまた同様である。
【0038】
MREでは、仮想オブジェクト(例えば、MREに関連付けられた仮想環境における)は、現実オブジェクト(例えば、MREに関連する現実環境における)に対応することができる。例えば、MREの現実環境が位置座標に現実のランプポスト(現実オブジェクト)を含む場合、MREの仮想環境は、対応する位置座標に仮想ランプポスト(仮想オブジェクト)を含み得る。本明細書で使用される場合、現実オブジェクトは、対応する仮想オブジェクトと組み合わせて、「複合現実オブジェクト」を構成する。仮想オブジェクトは、対応する現実オブジェクトと完全に一致または位置合わせされる必要はない。いくつかの例では、仮想オブジェクトは、対応する現実オブジェクトの単純化版とすることができる。例えば、現実環境が現実のランプポストを含む場合、対応する仮想オブジェクトは、現実のランプポストとほぼ同じ高さおよび半径の円筒を含み得る(ランプポストがほぼ円筒形の形状であり得ることを反映している)。このように仮想オブジェクトを単純化することは、計算効率を高めることができ、そのような仮想オブジェクトに対して実行される計算を単純化することができる。さらに、MREのいくつかの例では、現実環境内の全ての現実オブジェクトが対応する仮想オブジェクトに関連付けられるとは限らない。同様に、MREのいくつかの例では、仮想環境内の全ての仮想オブジェクトが対応する現実オブジェクトに関連付けられるとは限らない。すなわち、いくつかの仮想オブジェクトは、現実世界の対応物なしで、MREの仮想環境のみであってもよい。
【0039】
いくつかの例では、仮想オブジェクトは、対応する現実オブジェクトの特性とは時々大幅に異なる特性を有し得る。例えば、MRE内の現実環境は、緑色の2本腕のサボテン(とげのある無生物のオブジェクト)を含み得るが、MRE内の対応する仮想オブジェクトは、人間の顔の特徴および無表情を有する緑色の2本腕の仮想キャラクタの特性を有し得る。この例では、仮想オブジェクトは、特定の特性(色、腕の数)においてその対応する現実オブジェクトに似ているが、他の特性(顔の特徴、性格)は、現実オブジェクトとは異なる。このようにして、仮想オブジェクトは、創造的、抽象的、誇張的、または想像的な方法で現実オブジェクトを表す、または、そうでなければ無生物の現実オブジェクトに挙動(例えば、人間の性格)を与える可能性を有する。いくつかの例では、仮想オブジェクトは、現実世界の対応物のない純粋に想像力のある作成物(例えば、場合によっては現実環境内の空きスペースに対応する位置にいる仮想環境内の仮想モンスター)であり得る。
【0040】
現実環境を不明瞭にしながらユーザに仮想環境を提示するVRシステムと比較して、MREを提示する複合現実システムは、仮想環境が提示されている間に現実環境が知覚可能なままであるという利点を提供する。したがって、複合現実システムのユーザは、現実環境に関連付けられた視覚的および音声的キューを使用して、対応する仮想環境を体験し、相互作用することができる。例として、上述したように、ユーザは、仮想環境を直接知覚または相互作用することができないため、VRシステムのユーザは、仮想環境に表示された仮想オブジェクトを知覚または相互作用するのに苦労することがあるが、MRシステムのユーザは、自分自身の現実環境内の対応する現実オブジェクトを見て、聞いて、触れることによって仮想オブジェクトと相互作用することが直感的且つ自然であると見出し得る。このレベルの相互作用性は、ユーザの仮想環境との没入感、接続感、および関与感を高めることができる。同様に、現実環境と仮想環境とを同時に提示することによって、複合現実システムは、VRシステムに関連付けられた否定的な心理的感情(例えば、認知的不協和)および否定的な身体的感情(例えば、酔い)を低減することができる。複合現実システムは、現実世界の体験を増強または変更し得るアプリケーションの多くの可能性をさらに提供する。
【0041】
図1Aは、ユーザ110が複合現実システム112を使用する例示的な現実環境100を示している。複合現実システム112は、例えば以下に説明するように、ディスプレイ(例えば、透過型ディスプレイ)および1つ以上のスピーカ、ならびに1つ以上のセンサ(例えば、カメラ)を備え得る。図示の現実環境100は、ユーザ110が立っている長方形部屋104Aと、現実オブジェクト122A(ランプ)、現実オブジェクト124A(テーブル)、現実オブジェクト126A(ソファー)、および現実オブジェクト128A(絵画)とを含む。部屋104Aは、現実環境100の原点とみなし得る位置座標106をさらに含む。図1Aに示すように、その原点106(世界座標)を有する環境/世界座標系108(x軸108X、y軸108Y、およびz軸108Zを含む)は、現実環境100の座標空間を定義することができる。いくつかの実施形態では、環境/世界座標系108の原点106は、複合現実システム112の電源がオンにされた場所に対応し得る。いくつかの実施形態では、環境/世界座標系108の原点106は、動作中にリセットされてもよい。いくつかの例では、ユーザ110は、現実環境100内の現実オブジェクトとみなし得る。同様に、ユーザ110の身体部分(例えば、手、足)は、現実環境100における現実オブジェクトとみなし得る。いくつかの例では、点115(例えば、ユーザ/聴取者/頭部座標)を原点とするユーザ/聴取者/頭部座標系114(x軸114X、y軸114Y、およびz軸114Zを含む)は、複合現実システム112が配置されているユーザ/聴取者/頭部についての座標空間を定義することができる。ユーザ/聴取者/頭部座標系114の原点115は、複合現実システム112の1つ以上の構成要素に対して定義され得る。例えば、ユーザ/聴取者/頭部座標系114の原点115は、複合現実システム112の初期較正中などに、複合現実システム112のディスプレイに対して定義され得る。行列(並進行列および四元数行列または他の回転行列を含み得る)、または他の適切な表現は、ユーザ/聴取者/頭部座標系114空間と環境/世界座標系108空間との間の変換を特徴付けることができる。いくつかの実施形態では、左耳座標116および右耳座標117は、ユーザ/聴取者/頭部座標系114の原点115に対して定義され得る。行列(並進行列および四元数行列または他の回転行列を含み得る)、または他の適切な表現は、左耳座標116および右耳座標117とユーザ/聴取者/頭部座標系114空間との間の変換を特徴付けることができる。ユーザ/聴取者/頭部座標系114は、ユーザの頭部、または例えば環境/世界座標系108に対する頭部装着型デバイスに対する位置の表現を単純化することができる。同時位置推定およびマッピング(SLAM)、ビジュアルオドメトリ、または他の技術を使用して、ユーザ座標系114と環境座標系108との間の変換がリアルタイムで決定および更新されることができる。
【0042】
図1Bは、現実環境100に対応する例示的な仮想環境130を示している。図示の仮想環境130は、現実の長方形部屋104Aに対応する仮想の長方形部屋104Bと、現実オブジェクト122Aに対応する仮想オブジェクト122B;現実オブジェクト124Aに対応する仮想オブジェクト124B;現実オブジェクト126Aに対応する仮想オブジェクト126Bとを含む。仮想オブジェクト122B、124B、126Bに関連付けられたメタデータは、対応する現実オブジェクト122A、124A、および126Aから導出された情報を含むことができる。仮想環境130は、現実環境100内のいかなる現実オブジェクトにも対応しない仮想モンスター132をさらに備える。現実環境100における現実オブジェクト128Aは、仮想環境130におけるいずれの仮想オブジェクトにも対応しない。点134をその原点とする持続座標系133(x軸133X、y軸133Y、およびz軸133Zを含む)(持続座標)は、仮想コンテンツの座標空間を定義することができる。持続座標系133の原点134は、現実オブジェクト126Aなどの1つ以上の現実オブジェクトに対して/相対的に定義され得る。行列(並進行列および四元数行列または他の回転行列を含み得る)、または他の適切な表現は、持続座標系133空間と環境/世界座標系108空間との間の変換を特徴付けることができる。いくつかの実施形態では、仮想オブジェクト122B、124B、126B、および132のそれぞれは、持続座標系133の原点134に対して独自の持続座標点を有し得る。いくつかの実施形態では、複数の持続座標系が存在してもよく、仮想オブジェクト122B、124B、126B、および132のそれぞれは、1つ以上の持続座標系に対して独自の持続座標点を有してもよい。
【0043】
持続座標データは、物理的環境に対して持続的な座標データであり得る。持続座標データは、持続的仮想コンテンツを配置するためにMRシステム(例えば、MRシステム112、200)によって使用されてもよく、持続的仮想コンテンツは、仮想オブジェクトが表示されているディスプレイの動きに結び付けられなくてもよい。例えば、2次元スクリーンは、スクリーン上の位置に対する仮想オブジェクトのみを表示し得る。2次元スクリーンの移動に伴って、仮想コンテンツがスクリーンとともに移動してもよい。いくつかの実施形態では、持続的仮想コンテンツは、部屋の隅に表示され得る。MRユーザは、隅を見て、仮想コンテンツを見て、隅から外を見てもよく(ユーザの頭部の動きにより、仮想コンテンツがユーザの視野内からユーザの視野外の位置に移動した可能性があるため、仮想コンテンツはもはや見えなくなり得る)、後ろを見て隅内の仮想コンテンツを見てもよい(現実オブジェクトが挙動し得る方法と同様)。
【0044】
いくつかの実施形態では、持続座標データ(例えば、持続座標系および/または持続座標フレーム)は、原点および3つの軸を含むことができる。例えば、持続座標系は、MRシステムによって部屋の中心に割り当てられ得る。いくつかの実施形態では、ユーザは、部屋の中を動き回ったり、部屋の外に出たり、部屋に再び入ったりしてもよく、持続座標系は、(例えば、物理的環境に対して持続することから)部屋の中心に留まってもよい。いくつかの実施形態では、仮想オブジェクトは、持続的仮想コンテンツの表示を可能にし得る持続座標データへの変換を使用して表示され得る。いくつかの実施形態では、MRシステムは、持続座標データを生成するために同時位置特定およびマッピングを使用し得る(例えば、MRシステムは、持続座標系を空間内の点に割り当て得る)。いくつかの実施形態では、MRシステムは、一定の間隔で持続座標データを生成することによって環境をマッピングし得る(例えば、MRシステムは、グリッド内に持続座標系を割り当て得て、持続座標系は、別の持続座標系から少なくとも5フィート以内にあり得る)。
【0045】
いくつかの実施形態では、持続座標データは、MRシステムによって生成され、リモートサーバに送信され得る。いくつかの実施形態では、リモートサーバは、持続座標データを受信するように構成され得る。いくつかの実施形態では、リモートサーバは、複数の観測インスタンスからの持続座標データを同期させるように構成され得る。例えば、複数のMRシステムは、同じ部屋を持続座標データによってマッピングし、そのデータをリモートサーバに送信し得る。いくつかの実施形態では、リモートサーバは、この観測データを使用して、1つ以上の観測に基づき得る標準的な持続座標データを生成し得る。いくつかの実施形態では、標準的な持続座標データは、持続座標データの単一の観測よりも正確および/または信頼性が高くてもよい。いくつかの実施形態では、標準的な持続座標データは、1つ以上のMRシステムに送信され得る。例えば、MRシステムは、画像認識および/または位置データを使用して、対応する標準的な持続座標データを有する部屋に位置することを認識し得る(例えば、他のMRシステムが以前に部屋をマッピングしていることから)。いくつかの実施形態では、MRシステムは、その位置に対応する標準的な持続座標データをリモートサーバから受信し得る。
【0046】
図1Aおよび図1Bに関連して、環境/世界座標系108は、現実環境100および仮想環境130の両方についての共有座標空間を定義する。図示の例では、座標空間は、点106にその原点を有する。さらに、座標空間は、同じ3つの直交軸(108X、108Y、108Z)によって定義される。したがって、現実環境100内の第1の位置、および仮想環境130内の第2の対応する位置は、同じ座標空間に関して記述されることができる。これは、同じ座標が使用されて両方の位置を識別することができるため、現実環境および仮想環境における対応する位置の識別および表示を単純化する。しかしながら、いくつかの例では、対応する現実環境および仮想環境は、共有座標空間を使用する必要はない。例えば、いくつかの例(図示せず)では、行列(並進行列および四元数行列または他の回転行列を含み得る)、または他の適切な表現は、現実環境座標空間と仮想環境座標空間との間の変換を特徴付けることができる。
【0047】
図1Cは、現実環境100および仮想環境130の態様を、複合現実システム112を介してユーザ110に同時に提示する例示的なMRE150を示している。図示の例では、MRE150は、現実環境100からの現実オブジェクト122A、124A、126A、および128A(例えば、複合現実システム112のディスプレイの透過部分を介して)、および仮想環境130からの仮想オブジェクト122B、124B、126B、および132(例えば、複合現実システム112のディスプレイのアクティブ表示部分を介して)をユーザ110に同時に提示する。上記のように、原点106は、MRE150に対応する座標空間の原点として機能し、座標系108は、座標空間のx軸、y軸、およびz軸を定義する。
【0048】
図示の例では、複合現実オブジェクトは、座標空間108内の対応する位置を占める現実オブジェクトと仮想オブジェクトの対応するペア(すなわち、122A/122B、124A/124B、126A/126B)を含む。いくつかの例では、現実オブジェクトと仮想オブジェクトの両方がユーザ110に同時に見えることがある。これは、例えば、仮想オブジェクトが対応する現実オブジェクトのビューを拡張するように設計された情報を提示する場合(仮想オブジェクトが古い損傷した彫刻の欠落したピースを提示する美術館アプリケーションなど)に望ましいことがある。いくつかの例では、対応する現実オブジェクト(122A、124A、および/または126A)を遮るように、仮想オブジェクト(122B、124B、および/または126B)が表示され得る(例えば、画素化遮蔽シャッタを使用するアクティブ画素化遮蔽を介して)。これは、例えば、仮想オブジェクトが対応する現実オブジェクトの視覚的置換として機能する場合(無生物の現実オブジェクトが「生きている」キャラクタになる相互作用型ストーリーテリングアプリケーションなど)に望ましいことがある。
【0049】
いくつかの例では、現実オブジェクト(例えば、122A、124A、126A)は、必ずしも仮想オブジェクトを構成しなくてもよい仮想コンテンツまたはヘルパーデータに関連付けられてもよい。仮想コンテンツまたはヘルパーデータは、複合現実環境における仮想オブジェクトの処理または取り扱いを容易にすることができる。例えば、そのような仮想コンテンツは、対応する現実オブジェクトの2次元表現;対応する現実オブジェクトに関連付けられたカスタムアセットタイプ;または対応する現実オブジェクトに関連付けられた統計データを含むことができる。この情報は、不必要な計算オーバーヘッドを招くことなく、現実オブジェクトを含む計算を可能または容易にすることができる。
【0050】
いくつかの例では、上述した提示はまた、音声態様を組み込んでもよい。例えば、MRE150では、仮想モンスター132は、モンスターがMRE150の周りを歩くときに生成される足音効果などの1つ以上の音声信号に関連付けられることができる。以下にさらに説明するように、複合現実システム112のプロセッサは、MRE150内の全てのそのような音の混合および処理された合成に対応する音声信号を計算し、複合現実システム112に含まれる1つ以上のスピーカおよび/または1つ以上の外部スピーカを介してユーザ110に音声信号を提示することができる。
【0051】
例示的な複合現実システム
例示的な複合現実システム112は、(ニアアイディスプレイであってもよい左右の透過型ディスプレイと、ディスプレイからの光をユーザの眼に結合するための関連構成要素とを備え得る)ディスプレイ;左右スピーカ(例えば、ユーザの左右の耳にそれぞれ隣接して配置される);(例えば、ヘッドデバイスのテンプルアームに取り付けられる)慣性測定ユニット(IMU);(例えば、左側のテンプル片に取り付けられる)直交コイル型電磁受信機;ユーザから離れる方向に向けられた左右のカメラ(例えば、深度(飛行時間)カメラ);および(例えば、ユーザの眼球運動を検出するための)ユーザに向けられた左右の眼のカメラを備えるウェアラブルヘッドデバイス(例えば、ウェアラブル拡張現実または複合現実ヘッドデバイス)を含むことができる。しかしながら、複合現実システム112は、任意の適切なディスプレイ技術、および任意の適切なセンサ(例えば、光学、赤外線、音響、LIDAR、EOG、GPS、磁気)を組み込むことができる。さらに、複合現実システム112は、他の複合現実システムを含む他のデバイスおよびシステムと通信するためのネットワーキング機能(例えば、Wi-Fi機能)を組み込み得る。複合現実システム112は、バッテリ(ユーザの腰の周りに装着されるように設計されたベルトパックなどの補助ユニットに装着され得る)、プロセッサ、およびメモリをさらに含み得る。複合現実システム112のウェアラブルヘッドデバイスは、ユーザの環境に対するウェアラブルヘッドデバイスの座標のセットを出力するように構成された、IMUまたは他の適切なセンサなどの追跡構成要素を含み得る。いくつかの例では、追跡構成要素は、同時位置特定およびマッピング(SLAM)および/またはビジュアルオドメトリアルゴリズムを実行するプロセッサに入力を提供し得る。いくつかの例では、複合現実システム112はまた、以下にさらに説明するように、ウェアラブルベルトパックであってもよいハンドヘルドコントローラ300および/または補助ユニット320を含んでもよい。
【0052】
図2A図2Dは、MRE(MRE150に対応し得る)または他の仮想環境をユーザに提示するために使用され得る例示的な複合現実システム200(複合現実システム112に対応し得る)の構成要素を示している。図2Aは、例示的な複合現実システム200に含まれるウェアラブルヘッドデバイス202の斜視図を示している。図2Bは、ユーザの頭部252に装着されたウェアラブルヘッドデバイス202の平面図を示している。図2Cは、ウェアラブルヘッドデバイス202の正面図を示している。図2Dは、ウェアラブルヘッドデバイス202の例示的なアイピース210の端面図を示している。図2A図2Cに示すように、例示的なウェアラブルヘッドデバイス202は、例示的な左アイピース(例えば、左透明導波路セットアイピース)208および例示的な右アイピース(例えば、右透明導波路セットアイピース)210を含む。各アイピース208および210は、現実環境が見られることができる透過要素、ならびに現実環境と重複するディスプレイ(例えば、イメージワイズ変調光を介して)を提示するためのディスプレイ要素を含むことができる。いくつかの例では、そのようなディスプレイ要素は、イメージワイズ変調光の流れを制御するための表面回折光学素子を含むことができる。例えば、左アイピース208は、左内部結合格子セット212、左直交瞳孔拡張(OPE)格子セット220、および左射出(出力)瞳孔拡張(EPE)格子セット222を含むことができる。本明細書で使用される場合、瞳は、格子セットまたは反射器などの光学素子からの光の出射を指し得る。同様に、右アイピース210は、右内部結合格子セット218、右OPE格子セット214、および右EPE格子セット216を含むことができる。イメージワイズ変調された光は、内部結合格子212および218、OPE214および220、ならびにEPE216および222を介してユーザの眼に伝達されることができる。各内部結合格子セット212、218は、光をその対応するOPE格子セット220、214に向けて偏向させるように構成されることができる。各OPE格子セット220、214は、光をその関連するEPE222、216に向かって徐々に下方に偏向させ、それによって形成される射出瞳を水平に延ばすように設計されることができる。各EPE222、216は、その対応するOPE格子セット220、214から受光した光の少なくとも一部を、アイピース208、210の背後に画定されたユーザのアイボックス位置(図示せず)に徐々に向け直すように構成されることができ、アイボックスに形成された射出瞳を垂直に延長する。あるいは、内部結合格子セット212および218、OPE格子セット214および220、ならびにEPE格子セット216および222の代わりに、アイピース208および210は、イメージワイズ変調された光のユーザの眼への結合を制御するための格子ならびに/または屈折および反射機構の他の配置を含むことができる。
【0053】
いくつかの例では、ウェアラブルヘッドデバイス202は、左テンプルアーム230および右テンプルアーム232を含むことができ、左テンプルアーム230は、左スピーカ234を含み、右テンプルアーム232は、右スピーカ236を含む。直交コイル電磁受信機238は、左テンプル片内、またはウェアラブルヘッドユニット202内の別の適切な位置に配置されることができる。慣性測定ユニット(IMU)240は、右テンプルアーム232内に、またはウェアラブルヘッドデバイス202内の別の適切な位置に配置されることができる。ウェアラブルヘッドデバイス202はまた、左深度(例えば、飛行時間)カメラ242および右深度カメラ244を含むことができる。深度カメラ242、244は、より広い視野をともにカバーするように、異なる方向に適切に配向されることができる。
【0054】
図2A図2Dに示す例では、イメージワイズ変調光の左供給源224は、左の内部結合格子セット212を介して左アイピース208に光学的に結合されることができ、イメージワイズ変調光の右供給源226は、右内部結合格子セット218を介して右アイピース210に光学的に結合されることができる。イメージワイズ変調光の供給源224、226は、例えば、光ファイバスキャナ;デジタル光処理(DLP)チップまたは液晶オンシリコン(LCoS)変調器などの電子光変調器を含むプロジェクタ;または、側面ごとに1つ以上のレンズを使用して内部結合格子セット212、218に結合されたマイクロ発光ダイオード(μLED)またはマイクロ有機発光ダイオード(μOLED)パネルなどの発光ディスプレイを含むことができる。入射結合格子セット212、218は、イメージワイズ変調光の供給源224、226からの光を、アイピース208、210の全内部反射(TIR)の臨界角を超える角度に偏向させることができる。OPE格子セット214、220は、TIRによって伝播する光をEPE格子セット216、222に向かって徐々に下方に偏向させる。EPE格子セット216、222は、ユーザの眼の瞳孔を含むユーザの顔に向かって光を徐々に結合する。
【0055】
いくつかの例では、図2Dに示すように、左アイピース208および右アイピース210のそれぞれは、複数の導波路272を含む。例えば、各アイピース208、210は、それぞれがそれぞれの色チャネル(例えば、赤色、青色および緑色)専用の複数の個々の導波路を含むことができる。いくつかの例では、各アイピース208、210は、そのような導波路の複数のセットを含むことができ、各セットは、放射された光に異なる波面曲率を付与するように構成される。波面曲率は、例えば、ユーザの前方にある距離(例えば、波面曲率の逆数に対応する距離だけ)に配置された仮想オブジェクトを提示するために、ユーザの眼に対して凸状であってもよい。いくつかの例では、EPE格子セット216、222は、各EPEを横切る出射光のポインティングベクトルを変更することによって凸波面曲率を達成する湾曲格子溝を含むことができる。
【0056】
いくつかの例では、表示されたコンテンツが3次元であるという知覚を作り出すために、立体的に調整された左右の眼の画像が、イメージワイズ光変調器224、226およびアイピース208、210を通してユーザに提示されることができる。立体的な左右の画像によって示される距離に近い距離に仮想オブジェクトが表示されるように導波路を選択する(したがって、波面曲率に対応する)ことによって、3次元仮想オブジェクトの提示の知覚される臨場感が高められることができる。この技術はまた、立体視左右眼画像によって提供される深度知覚キューと人間の眼の自律神経調節(例えば、オブジェクト距離に依存する焦点)との間の差によって引き起こされ得る、一部のユーザが体験する酔いを低減し得る。
【0057】
図2Dは、例示的なウェアラブルヘッドデバイス202の右アイピース210の上からの端面図を示している。図2Dに示すように、複数の導波路272は、3つの導波路274の第1のサブセットと、3つの導波路276の第2のサブセットとを含むことができる。導波路274、276の2つのサブセットは、出射光に異なる波面曲率を付与するために異なる格子線曲率を特徴とする異なるEPE格子によって区別されることができる。導波路274、2476の各サブセット内で、各導波路が使用されて、異なるスペクトルチャネル(例えば、赤色、緑色、および青色のスペクトルチャネルのうちの1つ)をユーザの右眼256に結合することができる。(図2Dには示されていないが、左アイピース208の構造は、右アイピース210の構造と類似している。)
【0058】
図3Aは、複合現実システム200の例示的なハンドヘルドコントローラ構成要素300を示している。いくつかの例では、ハンドヘルドコントローラ300は、グリップ部346と、上面348に沿って配置された1つ以上のボタン350とを含む。いくつかの例では、ボタン350は、カメラまたは他の光学センサ(これは、複合現実システム200のヘッドユニット(例えば、ウェアラブルヘッドデバイス202)に装着されることができる)とともに、例えば、ハンドヘルドコントローラ300の6自由度(6DOF)動きを追跡するための光学追跡ターゲットとして使用するように構成され得る。いくつかの例では、ハンドヘルドコントローラ300は、ウェアラブルヘッドデバイス202に対する位置または向きなどの位置または向きを検出するための追跡構成要素(例えば、IMUまたは他の適切なセンサ)を含む。いくつかの例では、そのような追跡構成要素は、ハンドヘルドコントローラ300のハンドル内に配置されてもよく、および/またはハンドヘルドコントローラに機械的に結合されてもよい。ハンドヘルドコントローラ300は、ボタンの押下状態;またはハンドヘルドコントローラ300の位置、向き、および/または動き(例えば、IMUを介して)のうちの1つ以上に対応する1つ以上の出力信号を提供するように構成されることができる。そのような出力信号は、複合現実システム200のプロセッサへの入力として使用され得る。そのような入力は、ハンドヘルドコントローラの位置、向き、および/または動き(および、延長により、コントローラを保持するユーザの手の位置、向き、および/または動きに)に対応し得る。そのような入力は、ユーザがボタン350を押すことにも対応し得る。
【0059】
図3Bは、複合現実システム200の例示的な補助ユニット320を示している。補助ユニット320は、システム200を動作させるためのエネルギーを供給するためのバッテリを含むことができ、システム200を動作させるためのプログラムを実行するためのプロセッサを含むことができる。図示のように、例示的な補助ユニット320は、補助ユニット320をユーザのベルトに取り付けるなどのためのクリップ228を含む。ユニットをユーザのベルトに取り付けることを伴わないフォームファクタを含む、他のフォームファクタが補助ユニット320に適しており、明らかであろう。いくつかの例では、補助ユニット320は、例えば、電線および光ファイバを含むことができる多導管ケーブルを介してウェアラブルヘッドデバイス202に結合される。補助ユニット320とウェアラブルヘッドデバイス202との間の無線接続も使用されることができる。
【0060】
いくつかの例では、複合現実システム200は、音を検出し、対応する信号を複合現実システムに提供するための1つ以上のマイクロフォンを含むことができる。いくつかの例では、マイクロフォンは、ウェアラブルヘッドデバイス202に取り付けられるか、または一体化されてもよく、ユーザの音声を検出するように構成されてもよい。いくつかの例では、マイクロフォンは、ハンドヘルドコントローラ300および/または補助ユニット320に取り付けられるか、または一体化されてもよい。そのようなマイクロフォンは、環境音、周囲の雑音、ユーザもしくは第三者の音声、または他の音を検出するように構成されてもよい。
【0061】
図4は、上述した複合現実システム200(これは、図1に関する複合現実システム112に対応し得る)などの例示的な複合現実システムに対応し得る例示的な機能ブロック図を示している。図4に示すように、例示的なハンドヘルドコントローラ400B(ハンドヘルドコントローラ300(「トーテム」)に対応し得る)は、トーテム・ツー・ウェアラブルヘッドデバイス6自由度(6DOF)トーテムサブシステム404Aを含み、例示的なウェアラブルヘッドデバイス400A(ウェアラブルヘッドデバイス202に対応し得る)は、トーテム・ツー・ウェアラブルヘッドデバイス6DOFサブシステム404Bを含む。この例では、6DOFトーテムサブシステム404Aおよび6DOFサブシステム404Bは、協働して、ウェアラブルヘッドデバイス400Aに対するハンドヘルドコントローラ400Bの6つの座標(例えば、3つの並進方向のオフセットおよび3つの軸に沿った回転)を決定する。6自由度は、ウェアラブルヘッドデバイス400Aの座標系を基準として表され得る。3つの並進オフセットは、そのような座標系におけるX、Y、およびZオフセットとして、並進行列として、または他の何らかの表現として表され得る。回転自由度は、ヨー、ピッチ、およびロール回転のシーケンスとして、回転行列として、四元数として、または他の何らかの表現として表され得る。いくつかの例では、ウェアラブルヘッドデバイス400A;ウェアラブルヘッドデバイス400Aに含まれる1つ以上の深度カメラ444(および/または1つ以上の非深度カメラ);および/または1つ以上の光学ターゲット(例えば、上述したハンドヘルドコントローラ400Bのボタン350、またはハンドヘルドコントローラ400Bに含まれる専用の光学ターゲット)が6DOF追跡に使用されることができる。いくつかの例では、ハンドヘルドコントローラ400Bは、上述したように、カメラを含むことができ、ウェアラブルヘッドデバイス400Aは、カメラと連動して光学追跡のための光学ターゲットを含むことができる。いくつかの例では、ウェアラブルヘッドデバイス400Aおよびハンドヘルドコントローラ400Bは、それぞれ、3つの識別可能な信号を無線で送受信するために使用される3つの直交して配向されたソレノイドのセットを含む。受信に使用されるコイルのそれぞれにおいて受信された3つの識別可能な信号の相対的な大きさを測定することにより、ハンドヘルドコントローラ400Bに対するウェアラブルヘッドデバイス400Aの6DOFが決定され得る。さらに、6DOFトーテムサブシステム404Aは、ハンドヘルドコントローラ400Bの迅速な動きに関する改善された精度および/またはよりタイムリーな情報を提供するのに有用な慣性測定ユニット(IMU)を含むことができる。
【0062】
いくつかの実施形態では、ウェアラブルシステム400は、ヘッドギアデバイス400A上に配置された1つ以上のマイクロフォンを含むことができるマイクロフォンアレイ407を含むことができる。いくつかの実施形態では、マイクロフォンアレイ407は、4つのマイクロフォンを含むことができる。ヘッドギア400Aの前面に2つのマイクロフォンが配置されることができ、ヘッドヘッドギア400Aの背面に2つのマイクロフォンが配置されることができる(例えば、左後方に1つ、右後方に1つ)。いくつかの実施形態では、マイクロフォンアレイ407によって受信された信号は、DSP408に送信されることができる。DSP408は、マイクロフォンアレイ407から受信された信号に対して信号処理を実行するように構成されることができる。例えば、DSP408は、マイクロフォンアレイ407から受信した信号に対してノイズ低減、音響エコー除去、および/またはビームフォーミングを実行するように構成されることができる。DSP408は、信号をプロセッサ416に送信するように構成されることができる。
【0063】
いくつかの例では、例えば、座標系108に対するウェアラブルヘッドデバイス400Aの動きを補償するために、座標をローカル座標空間(例えば、ウェアラブルヘッドデバイス400Aに対して固定された座標空間)から慣性座標空間(例えば、現実環境に対して固定された座標空間)に変換することが必要になることがある。例えば、そのような変換は、現実環境に仮想オブジェクト(例えば、現実の椅子に座っており、ウェアラブルヘッドデバイスの位置および向きに関係なく、前方を向いている仮想人物)が存在するという錯覚を維持するために、ウェアラブルヘッドデバイス400Aのディスプレイが、ディスプレイ上の固定された位置および向きではなく、現実環境に対して予想される位置(例えば、ディスプレイの右下隅の同じ位置)および向きで仮想オブジェクトを提示するために必要であり得る(そして、例えば、ウェアラブルヘッドデバイス400Aが移動および回転するときに現実環境に不自然に配置されているようには見えない)。いくつかの例では、座標空間間の補償変換は、座標系108に対するウェアラブルヘッドデバイス400Aの変換を決定するために、SLAMおよび/またはビジュアルオドメトリ手順を使用して深度カメラ444からの画像を処理することによって決定されることができる。図4に示す例では、深度カメラ444は、SLAM/ビジュアルオドメトリブロック406に結合され、画像をブロック406に提供することができる。SLAM/ビジュアルオドメトリブロック406の実装は、この画像を処理し、ユーザの頭部の位置および向きを決定するように構成されたプロセッサを含むことができ、頭部座標空間と別の座標空間(例えば、慣性座標空間)との間の変換を識別するために使用されることができる。同様に、いくつかの例では、ユーザの頭部姿勢および位置に関する追加の情報源は、IMU409から取得される。IMU409からの情報は、SLAM/ビジュアルオドメトリブロック406からの情報と統合されて、ユーザの頭部姿勢および位置の迅速な調整に関する改善された精度および/またはよりタイムリーな情報を提供することができる。
【0064】
いくつかの例では、深度カメラ444は、ウェアラブルヘッドデバイス400Aのプロセッサに実装され得るハンドジェスチャトラッカ411に3D画像を供給することができる。ハンドジェスチャトラッカ411は、例えば、深度カメラ444から受信した3D画像をハンドジェスチャを表す記憶されたパターンと照合することによって、ユーザのハンドジェスチャを識別することができる。ユーザのハンドジェスチャを識別する他の適切な技術が明らかであろう。
【0065】
いくつかの例では、1つ以上のプロセッサ416は、ウェアラブルヘッドデバイスの6DOFヘッドギアサブシステム404B、IMU409、SLAM/ビジュアルオドメトリブロック406、深度カメラ444、および/またはハンドジェスチャトラッカ411からデータを受信するように構成され得る。プロセッサ416はまた、6DOFトーテムシステム404Aから制御信号を送受信することもできる。プロセッサ416は、ハンドヘルドコントローラ400Bが接続されていない例のように、6DOFトーテムシステム404Aに無線で結合されてもよい。プロセッサ416は、さらに、視聴覚コンテンツメモリ418、グラフィカル処理ユニット(GPU)420、および/またはデジタル信号プロセッサ(DSP)音声スペーシャライザ422などの追加の構成要素と通信してもよい。DSP音声スペーシャライザ422は、頭部伝達関数(HRTF)メモリ425に結合されてもよい。GPU420は、イメージワイズ変調光424の左供給源に結合された左チャネル出力と、イメージワイズ変調光426の右供給源に結合された右チャネル出力とを含むことができる。GPU420は、例えば、図2A図2Dを参照して上述したように、立体画像データをイメージワイズ変調光424、426の供給源に出力することができる。DSP音声スペーシャライザ422は、左スピーカ412および/または右スピーカ414に音声を出力することができる。DSP音声スペーシャライザ422は、ユーザから仮想音源(これは、例えば、ハンドヘルドコントローラ320を介して、ユーザによって移動され得る)への方向ベクトルを示す入力をプロセッサ419から受信することができる。方向ベクトルに基づいて、DSP音声スペーシャライザ422は、(例えば、HRTFにアクセスすることによって、または複数のHRTFを補間することによって)対応するHRTFを決定することができる。次いで、DSP音声スペーシャライザ422は、決定されたHRTFを、仮想オブジェクトによって生成された仮想音に対応する音声信号などの音声信号に適用することができる。これは、複合現実環境における仮想音に対するユーザの相対的な位置および向きを組み込むことによって、すなわち、仮想音が現実環境の現実音である場合にその仮想音がどのように聞こえるかというユーザの期待に一致する仮想音を提示することによって、仮想音の真実味および臨場感を高めることができる。
【0066】
図4に示すようないくつかの例では、プロセッサ416、GPU420、DSP音声スペーシャライザ422、HRTFメモリ425、および視聴覚コンテンツメモリ418のうちの1つ以上は、補助ユニット400C(上述した補助ユニット320に対応し得る)に含まれ得る。補助ユニット400Cは、その構成要素に電力を供給するため、および/またはウェアラブルヘッドデバイス400Aまたはハンドヘルドコントローラ400Bに電力を供給するためのバッテリ427を含み得る。ユーザの腰に装着されることができる補助ユニットにこのような構成要素を含めることは、ウェアラブルヘッドデバイス400Aのサイズおよび重量を制限することができ、ひいてはユーザの頭と首の疲労を軽減することができる。
【0067】
図4は、例示的な複合現実システムの様々な構成要素に対応する要素を示しているが、これらの構成要素の様々な他の適切な配置が当業者には明らかになるであろう。例えば、補助ユニット400Cに関連付けられているものとして図4に示されている要素は、代わりに、ウェアラブルヘッドデバイス400Aまたはハンドヘルドコントローラ400Bに関連付けられることができる。さらにまた、いくつかの複合現実システムは、ハンドヘルドコントローラ400Bまたは補助ユニット400Cを完全に取り止めてもよい。そのような変形および変更は、開示された例の範囲内に含まれると理解されるべきである。
【0068】
例示的な薄い導波路照明層
例示的な複合現実システム(例えば、複合現実システム200)のウェアラブルヘッドデバイスまたはヘッドマウントディスプレイは、ディスプレイを介してユーザに画像を提示するための光学系を含み得る。例示的な光学系は、視線追跡機能をさらに含み得る。例えば、図5図6A図6B図7A図7D図8A図8C、および図9A図9Cは、本開示の実施形態にかかるウェアラブルヘッドデバイス(例えば、ウェアラブルヘッドデバイス202)において使用されることができる光学系および/または照明層の例を示している。
【0069】
図5は、ウェアラブルヘッドデバイス(例えば、ウェアラブルヘッドデバイス202)に使用され得る例示的な光学系500に対応する光学スタックを示している。図に示されるように、光学系500は、層状に配置された複数の光学部品を含むことができる。例えば、光学系500は、外側レンズ501、調光器503、可視光導波路505、内側レンズ507、IR照明層510、および矯正処方インサート509のうちの1つ以上を含み得る。光学系500は、ユーザの眼520にデジタル画像を提示し、ユーザの環境のビューを提示し、および/またはユーザの眼球運動を追跡するように構成され得る。外側レンズおよび内側レンズは、焦点が合っているユーザの環境および/またはデジタル画像のビューを提供し得る。いくつかの例では、外側レンズ501および/または内側レンズ507は、例えば、レンズがそれらの形状を維持することができるように、剛性のためにキャリアプレート(別個には図示せず)に取り付けられることができる。調光器503は、ユーザの環境から光学系に入る光の量を調整するために設けられることができる。可視光導波路505は、デジタルコンテンツをユーザに提示するために設けられることができる。IR照明層510(本明細書では照明層とも呼ばれる)は、視線追跡能力を促進するために設けられることができる。いくつかの例では、照明層は、可視光導波路505とユーザの眼との間に位置決めされることができる。矯正処方インサート509は、光学系を特定のユーザの視力に合わせるために設けられることができる。図面は、例示を目的として含まれており、必ずしも縮尺通りでなくてもよく、および/または層の相対的な厚さを示していなくてもよい。
【0070】
図6Aは、本開示の実施形態にかかる例示的な照明層610Aを示している。照明層610Aは、光学系、例えば光学系500に含まれ得る。図に示すように、照明層610Aは、基材612および1つ以上のLED614Aを含み得る。いくつかの実施形態では、照明層は、1つ以上のLED614Aに接続された1つ以上の金属トレース(図示せず)を含み得る。LED614Aは、赤外線範囲の波長に対応するIR LEDであり得る。図に示されるように、1つ以上のLED614Aは、基材612の裏面618に配置され得る。LED614Aは、IR照明光616をユーザの眼620に提供し得る。IR照明光は、眼620の表面から反射されて、IR眼反射光622、例えば眼のグリントを形成し得る。IR反射光622の一部は、光センサ624において受光され得る。いくつかの実施形態では、光センサ624は、照明層610Aの外縁付近、例えば、光学系500の縁部付近に配置され得る。いくつかの例では、光センサ624は、光学系の一部であってもよいが、照明層上に物理的に配置されなくてもよい。IR反射光622、例えば眼のグリントの受光した部分は、眼620の眼球運動を追跡するためにMRシステムによって処理されることができる。
【0071】
図6Bは、本開示の実施形態にかかる例示的な照明層610Bを示している。照明層610Bは、光学系、例えば光学系500に含まれ得る。図に示すように、照明層610Bは、基材612および1つ以上のLED614Bを含み得る。図に示すように、1つ以上のLED614Bは、基材612の前面626に配置され得る。いくつかの実施形態では、照明層は、1つ以上のLED614Bに接続された1つ以上の金属トレース(図示せず)を含み得る。LED614Bは、図6Aに関して説明したように、IR照明光616をユーザの眼に提供し得る。LED614Bは、赤外線範囲の波長に対応するIR LEDであり得る。
【0072】
いくつかの実施形態では、基材612は、キャリアプレート、例えばガラスキャリアプレート上に積層されたポリマー層から形成された可撓性または剛性基材であり得る。例えば、基材は、ガラスキャリアプレート上に積層されたポリカーボネート(PC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、および/またはトリアセテートセルロース(TAC)を含み得る。基材612を形成するポリマー材料は、比較的安価で機械的に信頼性があり得るが、基材612は、反射および/または曇りに起因する光透過損失、ならびに材料間の界面、例えばポリマー/ガラス界面での光透過損失を受けやすいことがある。さらに、ポリマー材料は、表面化学的攻撃および膨潤などの加工上の問題を起こしやすい可能性があり、耐擦傷性が低く、これは、光透過性の低下および曇りの増加に寄与する可能性がある。光透過の損失および曇りは、光学系、例えば光学系500を通過する環境光の量に影響を及ぼし、光学系を介してユーザに提示されるデジタル画像の品質に影響を及ぼす可能性がある。
【0073】
本開示の1つ以上の実施形態では、照明層は、薄い導波路を備えることができる。いくつかの例では、本開示の実施形態にかかる導波路照明層は、LED照明層よりも薄くすることができる。図7Aおよび図7Bは、本開示の実施形態にかかる導波路照明層の例を示している。図7Aに示すように、照明層710Aは、導波路712を含み得る。導波路は、少なくとも内部結合格子732および1つ以上の外部結合格子734を含み得る。導波路712への内部結合光736を受光するために、内部結合格子732が設けられることができる。導波路712からの光716を結合するために、1つ以上の外部結合格子734が設けられることができる。図に示すように、内部結合格子712および1つ以上の外部結合格子734Aの両方は、ユーザの眼720から離れて、同じ表面718、例えば導波路712の裏面718に配置されることができる。いくつかの実施形態では、内部結合格子712および1つ以上の外部結合格子734Aの両方は、ユーザの眼720に向かって、導波路の前面726に配置されることができる。1つ以上の例では、内部結合格子および外部結合格子は、対向する面に配置されることができる。例えば、内部結合格子は裏面に配置されることができる一方で、外部結合格子は前面に配置されることができる。
【0074】
図に示すように、内部結合格子732は、例えば外部IR LEDなどのLEDから光736を受光することができる。いくつかの例では、導波路712は、内部結合格子732が光学系の照明層710Aの外部のLEDと位置合わせされるように位置決めされることができる。受光した光736は、導波路を通過し、導波路712の裏面718に配置された内部結合格子732によって導波路712内に内部結合されることができる。内部結合光は、内部全反射(TIR)を介して導波路712内で反射され、内部反射光736を形成することができる。
【0075】
1つ以上の外部結合格子734Aは、TIRを介して反射光736を受光し、導波路712からの反射光を外部結合して外部結合光716を形成することができる。外部結合光716は、ユーザの眼に向けられることができる。いくつかの例では、IR照明光は、眼の表面で反射されて、上述したように眼球運動を追跡するために使用されることができるIR眼反射光(眼のグリント)を形成し得る。いくつかの例では、1つ以上の外部結合格子734Aは、導波路712の小さな特定の領域に位置決めされることができる。例えば、1つ以上の外部結合格子734Aは、約0.5mmの直径を有することができる。いくつかの例では、1つ以上の外部結合格子は、高い効率および強度で光716を外部結合して、外部結合光716のうちの1つ以上を視線追跡のために眼に向けることができる。
【0076】
図7Bは、本開示の実施形態にかかる導波路照明層の例を示している。図に示すように、照明層710Bは、照明層710Aと実質的に同様であり得る。例えば、照明層は、導波路712を含むことができ、導波路712は、上述したように、少なくとも内部結合格子732および1つ以上の外部結合格子734Bを含むことができる。図に示すように、外部結合格子734Bは、導波路712の前面および裏面の両方に配置されることができる。内部結合格子732および外部結合格子734Bは、照明層710Aに関して説明した格子と同様に機能し得る。
【0077】
本開示の実施形態にかかる導波路照明層は、LED照明層、例えば照明層610A~610Bに関連付けられた曇りおよび光損失を被り得ない。例えば、導波路照明層710は、その上に配置された1つ以上の格子を有する導波路層712を備えることができるため、導波路照明層は、ポリマーとガラスキャリアプレートとの間を移動する光に関連付けられた光損失を示す必要はない。1つ以上の例では、導波路照明層を通る可視光の透過率を改善するために、1つ以上の反射防止層が、図7C図7Dに示すように導波路の少なくとも1つの表面に適用されることができる。
【0078】
図7Cは、本開示の実施形態にかかる導波路照明層710Cの例を示している。図に示すように、導波路照明層710Cは、導波路照明層710Aと実質的に同様であり得る。例えば、照明層710Cは、導波路712を含むことができ、導波路712は、少なくとも内部結合格子732および1つ以上の外部結合格子734Cを含むことができる。導波路照明層710Cは、導波路712の前面726に配置された反射防止コーティング754Cをさらに含むことができる。上述したように、反射防止コーティング754Cは、可視光に対する導波路照明層710Cの透過率を改善することができる。
【0079】
図7Dは、本開示の実施形態にかかる導波路照明層710Dの例を示している。図に示すように、導波路照明層710Dは、導波路照明層710Aと実質的に同様であり得る。例えば、照明層710Dは、導波路712を含むことができ、導波路712は、少なくとも内部結合格子732および1つ以上の外部結合格子734Dを含むことができる。導波路照明層710Dは、導波路712の前面726に配置された反射防止層754Dをさらに含むことができる。反射防止ナノパターンは、導波路710Dの1つ以上の表面に表面レリーフ(SR)パターンを形成する複数のナノ構造を含むことができる。いくつかの例では、反射防止ナノパターン754Dは、導波路の片面または両面に適用されることができる。図に示すように、例えば、反射防止ナノパターン754Dは、導波路710Dの前面726にわたってパターニングされることができる。図に示すように、例えば、ナノパターン754Dは、1つ以上の外部結合格子734Dの間で、導波路710Dの裏面718にわたってパターニングされることができる。反射防止ナノパターンは、例えば、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、2021年4月16日に出願された米国仮特許出願第63/176,077号においてより詳細に論じられている。上述したように、反射防止コーティング754Dは、可視光に対する導波路照明層710Dの透過率を改善することができる。
【0080】
薄い導波路を含む照明層、例えば照明層710Aおよび710Bは、光学系スタックに設計の柔軟性を提供することができる。例えば、導波路照明層は、スタック内の異なる位置に移動されることができ、および/または1つ以上の他の光学部品と併合されることができる。図8A図8Cおよび図9A図9Cは、本開示の実施形態にかかる導波路照明層を含む光学系スタックの例を示している。図面は、例示を目的として含まれており、必ずしも縮尺通りでなくてもよく、および/または層の相対的な厚さを示していなくてもよい。
【0081】
いくつかの実施形態では、導波路は、両側または同じ側に内部結合格子および外部結合格子を含むことができる。内部結合格子は、伝送モードで動作し得る。例えば、内部結合格子に関して、光は、最初に表面レリーフ格子に当たるときに結合し、次いで基材内に回折し得て、外部結合格子の場合、光は、基材内から格子に当たり得て、光の大部分は、ユーザに向かって外側に回折し得る。いくつかの実施形態では、内部結合格子は、反射モードで動作し得る。例えば、内部結合格子に関して、光は、基材を介して結合し、次いで、光を基材内に回折させる反対側の表面レリーフ格子に当たり得て、外部結合格子について、光は、基材内から格子に当たり、格子の反対側に向かって、およびユーザまたはディフューザなどの別の光学素子に向かって外側に回折し得る。いくつかの実施形態では、格子のうちの1つは反射モードで動作し、別の格子は透過モードで動作し得る。さらに、いくつかの実施形態では、本明細書に記載の外部結合格子要素は、(例えば、ユーザの眼に向かって外向きに、例えば、グリント反射を改善するために)光を拡散するためのディフューザ要素として作用する格子のピッチ内のフレネルレンズ機能を含み得る。
【0082】
図8A図8Cは、本開示の実施形態にかかる照明層を含む光学系についての光学スタックを示している。これらの図は、光学系に導波路照明層を備えることの汎用性を示している。図8Aは、例示的な光学系800Aを示している。例えば、光学系800Aは、外側レンズ801、可視光導波路805、導波路照明層810A、および内側レンズ807Aを含むことができる。外側レンズ801および内側レンズ807Aは、ユーザの環境および/またはデジタル画像の焦点を合わせたビューを提供し得る。可視光導波路805は、デジタルコンテンツをユーザに提示するために設けられた1つ以上の導波路層を含むことができる。いくつかの例では、外側レンズ801および/または内側レンズ807Aは、例えば、レンズがそれらの形状を維持することができるように、剛性のためにキャリアプレート809に取り付けられることができる。図に示すように、可視光導波路805は、外側レンズ801と内側レンズ807Aとの間に配置されることができ、照明層810Aは、可視光導波路805に対して内側レンズ807Aの外側に配置されることができる。
【0083】
1つ以上の例では、導波路照明層は、外側レンズと内側レンズとの間に配置されることができる。いくつかの例では、照明は、外側レンズと内側レンズとの間に配置されることができ、これにより、光学スタック内の処方レンズ、例えば光学系500内の処方レンズ509に対するより良好な適合を提供することができる。例えば、図8Bは、導波路照明層810Bが外側レンズと内側レンズとの間に配置されている例示的な光学系800Bを示している。光学系800Bは、外側レンズ801、可視光導波路805、導波路照明層810B、および内側レンズ807Bを含むことができる。図に示すように、照明層810Bは、可視光導波路805に隣接する外側レンズ801と内側レンズ807Bとの間に配置されることができる。
【0084】
図8Cは、例示的な光学系800Cを示している。例えば、光学系800Cは、外側レンズ801、可視光導波路805、導波路照明層810C、および内側レンズ807を含むことができる。図に示すように、照明層810Cは、可視光導波路805によって外側レンズ801と内側レンズ807Cとの間に配置されることができる。いくつかの例では、内側レンズ807Cは、例えば、キャリアプレートに結合される代わりに、照明層810Cに結合されることができる。例えば、いくつかの実施形態では、内側レンズ807Cは、照明層810Cに成形されることができる。このようにして、照明層810Cおよび内側レンズ807Cは、単一の構成要素を形成することができる。これは、光学系スタック800Aおよび800Bと比較して、光学系スタック800Cの全体の厚さを低減することができる。
【0085】
図9A図9Cは、本開示の実施形態にかかる照明層用のアイピーススタックを示している。これらの図は、導波路照明層、例えば照明層710Aまたは710Bを使用して、薄いアイピーススタックを提供することができる方法を示している。
【0086】
図9Aは、ウェアラブルヘッドデバイス(例えば、ウェアラブルヘッドデバイス202)に使用されることができる例示的な光学系900Aを示している。図に示すように、光学系900Aは、層状に配置された複数の光学部品を含むことができる。例えば、光学系900Aは、外側レンズ901A、調光器903、可視光導波路905A、内側レンズ907A、IR照明層910A、および矯正処方インサート909のうちの1つ以上を含み得る。光学系900Aは、ユーザの眼にデジタル画像を提示し、ユーザの環境のビューを提示し、および/またはユーザの眼球運動を追跡するように構成され得る。光学系900Aのこれらの構成要素は、上述したように様々な機能を実行することができる。図に示すように、導波路照明層910Aは、可視光導波路905Aに隣接する外側レンズ901Aと内側レンズ907Aとの間に配置されることができる。光学系900Aは、薄い導波路照明層を有しない視線追跡を有する導波路光学系よりも薄くてもよい。例えば、上述した光学系500は、約8~12mmの厚さを有することができ、光学系900Aは、約4~8mmの範囲の厚さを有することができる。
【0087】
図9Bは、ウェアラブルヘッドデバイス(例えば、ウェアラブルヘッドデバイス202)に使用され得る例示的な光学系900Bを示している。図に示すように、光学系900Bは、層状に配置された複数の光学部品を含むことができる。例えば、光学系900Bは、外側レンズ901B、調光器903、可視光導波路905B、内側レンズ907B、IR照明層910B、および矯正処方インサート909のうちの1つ以上を含み得る。光学系900Bは、ユーザの眼にデジタル画像を提示し、ユーザの環境のビューを提示し、および/またはユーザの眼球運動を追跡するように構成され得る。光学系900Bのこれらの構成要素は、上述したように様々な機能を実行することができる。図に示すように、いくつかの例では、導波路照明層910Bは、可視光導波路905Bによって外側レンズ901Bと内側レンズ907Bとの間に配置されることができる。いくつかの例では、内側レンズ907Bは、例えば、キャリアプレートに結合される代わりに、照明層910B上に結合されることができる。いくつかの例では、調光器903は、外側レンズ901Bと内側レンズ907Bとの間に調光器903が位置しないように、外側レンズ901Bの外側に配置されることができる。いくつかの例では、内側レンズ907Bと導波路照明層910Bとの併合に起因して、光学系900Bの全体の厚さが低減されることができる。いくつかの例では、外側レンズ901Bは、キャリアプレートに取り付けられる必要はなく、これは、光学系900Bの厚さを低減することもできる。いくつかの例では、アイピーススタックは、約3.15mmの厚さ(t)を有することができる。
【0088】
光学系の嵩およびサイズを低減することに加えて、内側レンズ907Bを導波路照明層910Bに組み合わせることは、内側レンズ907Bの曲率に起因する厚さの変動を導波路照明層910Bに提供することができる。例えば、内側レンズ907Bおよび導波路照明層910Bの両方を含む単一構成要素を考慮すると、内側レンズ907Bの曲率は、約50~500μmの厚さ変動を提供し得る。図に示すように、TIRを介して反射された内部結合された反射光936Bは、照明層910Bと内側レンズ907Bとを組み合わせた厚さにわたって横断および反射され得る。内側レンズ907Bの曲率による厚さの変動は、内部結合された反射光936Bの光の非干渉性の量を増加させることができる。例えば、反射光936Bは、例えば厚さの変動がない平面照明層910Bよりも大きな角度変化量を有し得る。光散乱の増加は、ユーザの眼からの眼のグリントの検出を改善することができる。したがって、導波路照明層、例えば710Aまたは710Bは、改善された視線追跡能力を有する、より薄く、より軽量の光学スタックに寄与することができる。
【0089】
図9Cは、ウェアラブルヘッドデバイス(例えば、ウェアラブルヘッドデバイス202)に使用され得る例示的な光学系900Cを示している。図に示すように、光学系900Bは、層状に配置された複数の光学部品を含むことができる。例えば、光学系900Cは、図9Cと同様であり、外側レンズ901C、調光器903、可視光導波路905C、内側レンズ907C、IR照明層910C、および矯正処方インサート909のうちの1つ以上を含み得る。光学系900Bに関して上述したように、いくつかの例では、光学系900Cは、外側レンズ901Cの外側に配置された調光器を含むことができる。いくつかの例では、外側レンズ901Cは、キャリアプレートに取り付けられなくてもよい。いくつかの例では、可視光導波路905Cは、光学スタックの厚さ(t)をさらに低減させることができる単一層を含むことができる。いくつかの例では、内側レンズ907Cは、導波路照明層910Cに結合、例えば取り付けおよび/または成形されることができる。上述したように、内側レンズ内側レンズ907Cを照明層910Cに成形することは、反射光936Cの拡散を改善することができる。いくつかの例では、光学系900Cの光学スタックの厚さ(t)は、約2.4mmとすることができる。したがって、導波路照明層、例えば710Aおよび710Bは、改善された視線追跡能力を有する、より薄く、より軽量の光学スタックに寄与することができる。
【0090】
したがって、本開示にかかる実施形態は、頭部装着型MR/ARシステムの嵩を低減することができ、それによってユーザがMR/AR環境により容易に没入することを可能にする、より軽量でより薄い光学系を提供することができる。さらに、本開示にかかる実施形態は、照明層に関連付けられた曇りおよび可視光損失を低減することができる。さらに、いくつかの実施形態では、照明層の厚さの変動は、視線追跡に使用されるIR光の散乱を改善することができ、これは、以下により詳細に説明するように、眼のグリント検出を改善することができる。
【0091】
例示的な照明層構成
本開示の実施形態にかかる導波路照明層は、ヘッドウェアラブルデバイスに含まれ、ユーザの眼球運動を追跡するために使用されることができる。上述したように、照明層は、光を眼に提供して、ユーザの眼のグリントを反射させてヘッドウェアラブルデバイスに戻す。光センサは、反射された眼のグリントを受光することができ、ヘッドウェアラブルデバイスは、反射された眼のグリントを使用してユーザの眼球運動を検出することができる。比較すると、可視光導波路は、デジタルコンテンツをユーザに提示するために当該技術分野において使用されることができる。したがって、導波路照明層および可視光照明層の構造およびレイアウトは、導波路照明層および可視光導波路の異なる機能に起因して異なることができる。
【0092】
例えば、可視光導波路では、ユーザの眼の前に配置された導波路の面を横切って光を出射して、広い視野(FOV)にわたってデジタルコンテンツをユーザに提供するように構成されることができる。このようにして、ユーザは、導波路の異なる領域を見ることができ、デジタルコンテンツを有する広いFOVを有することができる。したがって、可視光導波路の外部結合格子は、例えば上述したMRシステム200のように、可視光導波路の面にまたがる連続領域にパターニングされることができる。比較すると、本開示の実施形態にかかる導波路照明層は、ユーザのFOV内の導波路照明層の複数の離散領域に配置された1つ以上の外部結合格子を含み得る。
【0093】
図10は、本開示の実施形態にかかるMRシステムについての例示的な照明層1010を示している。図に示すように、照明層1010は、導波路1012、内部結合格子1032、および1つ以上の外部結合格子1034を含むことができる。いくつかの例では、照明層1010は、スプレッダ1044を含むことができる。スプレッダ1044は、内部反射光1042を広げる、例えば扇形に広げるために設けられる一種の格子とすることができる。例えば、図に示すように、スプレッダ1044は、少なくともx方向およびy方向に内部反射光1042を伝播することができる。
【0094】
いくつかの例では、スプレッダ1044および1つ以上の外部結合格子は、領域1048に配置されることができる。領域1048は、ユーザの眼の前に配置された照明層1010の領域に対応することができる。例えば、図に示すように、外部結合格子1034およびスプレッダ1044は、ユーザの眼の前および/またはユーザの視野(FOV)内に配置されることができる。1つ以上の外部結合格子およびスプレッダは、ユーザの視野内に配置されてもよいが、これらの構成要素は、例えば、1つ以上の外部結合格子のサイズが小さいこと、および/またはこれらの構成要素に対して選択された屈折率のために、ユーザには見えない場合がある。いくつかの例では、内部結合格子1032は、ユーザのFOVの側面に配置されることができる。いくつかの例では、内部結合格子1032は、ユーザのテンプルの近くに配置されることができる。
【0095】
いくつかの例では、光1036を受信して導波路1012に内部結合するために、内部結合格子1032が設けられることができる。例えば、内部結合格子1032は、ヘッドウェアラブルデバイスの光学系のLED、例えばIR LEDと位置合わせされることができる。いくつかの例では、内部結合光1036は、第1の方向に沿って伝播されることができる。例えば、図に示すように、内部結合格子1032を出る内部反射光1042は、x軸に沿ってx方向に伝播されることができる。いくつかの例では、内部結合格子1032の格子パターンは、内部反射光1042が伝播する方向を決定することができる。様々な格子パターンについては、以下により詳細に説明する。いくつかの例では、スプレッダ1044は、少なくとも第1の方向および第2の方向に沿って、内部結合格子1032からの内部反射光1042を拡散させるために設けられることができる。このようにして、スプレッダ1044は、内部反射光1042が1つ以上の外部結合格子のそれぞれに到達することができるように、内部反射光1042を拡散させることができる。例えば、図に示すように、内部反射光1042は、スプレッダ1044内で少なくともx軸に沿っておよびy軸に沿って伝播されることができる。1つ以上の外部結合格子1034は、導波路1012の別個の位置に配置されることができる。
【0096】
1つ以上の外部結合格子1034は、導波路1012からの内部反射光1042を結合することによって外部結合光1016を生成するために設けられることができる。例えば、図に示すように、外部結合格子1034は、スプレッダ1044によってy方向に沿って広げられた内部反射光1042を受光することができる。いくつかの例では、外部結合格子のそれぞれは、約0.5mmの直径を有することができる。外部結合格子は、円として示されているが、当業者は、本開示の範囲から逸脱して様々な形状、例えば、楕円形、正方形、長方形、菱形、半円などが使用されることができることを理解するであろう。
【0097】
したがって、本開示の実施形態にかかる導波路照明層は、薄くて軽量な導波路照明層を提供することができる。さらに、導波路照明層上に配置された1つ以上の格子は、眼に見えない、例えば、ヘッドウェアラブルデバイスを装着しているユーザには気付かれないことがある。
【0098】
本開示の実施形態にかかる導波路照明層は、様々な構成の格子、例えば、内部結合格子、外部結合格子、およびスプレッダを含むことができる。図11A図11Cは、本開示の実施形態にかかる例示的な照明層1110A~1110Cを示している。これらの図は、内部結合格子、スプレッダ、および1つ以上の外部結合格子の様々な例示的な構成を示すことができる。これらの図は、例示的なものであり、当業者は、本開示の範囲から逸脱することなく、多数の異なる構成、例えば、導波路の形状、内部結合格子、スプレッダ、外部結合格子の形状および/または数、ならびにこれらの格子の相対位置が使用されることができることを理解するであろう。
【0099】
図11Aは、本開示の実施形態にかかるARシステムについての例示的な照明層1110Aを示している。図に示すように、照明層1110Aは、導波路1112A、内部結合格子1132A、1つ以上の外部結合格子1134A、およびスプレッダ1144Aを含むことができる。内部結合格子1132A、1つ以上の外部結合格子1134A、およびスプレッダ1144Aは、導波路照明層1010に関して説明した対応する構成要素と同様とすることができる。いくつかの例では、図に示すように、内部結合格子1132Aは、ユーザの視野外の位置に配置されることができる。例えば、内部結合格子1132Aの位置は、ヘッドウェアラブルデバイスのテンプル領域の近く、例えば、ユーザのテンプルの近くとすることができる。
【0100】
いくつかの例では、スプレッダ1144Aは、内部結合格子1132Aと外部結合格子1134Aとの間に配置されることができる。図に示すように、いくつかの例では、スプレッダ1144は、長方形の形状とすることができる。いくつかの例では、スプレッダ1144Aは、互いに隣接して配置された1つ以上のスプレッダ格子パターンを含むことができる。1つ以上の例では、内部反射光の全内部反射を促進するためにスプレッダが設けられることができる。いくつかの例では、スプレッダ1144Aは、所与の波長に対して外部結合格子1134Aおよび/または内部結合格子1132Aよりも小さいピッチを有することができる。
【0101】
図に示すように、いくつかの例では、導波路照明層1110Aは、1つ以上の外部結合格子1134Aを含むことができる。いくつかの例では、導波路照明層は、約5つの外部結合格子1134Aを含むことができる。外部結合格子の数は、本開示の範囲を限定することを意図するものではなく、より多くのまたはより少ない外部結合格子が使用されることができる。外部結合格子1134Aは、例えば、ユーザの視野内で、頭部装着型デバイスを装着しているユーザの眼1120Aの前に位置する照明層1110Aの一部に配置されることができる。当業者は、外部結合格子1134Aおよび/または導波路1112Aに対する様々なユーザの眼の位置が一貫していなくてもよく、眼1120が例示目的で示されていることを理解するであろう。いくつかの例では、1つ以上の外部結合格子1134Aは、ユーザの眼1120の予想位置の周りに近似リングを形成するように位置決めされることができる。このようにして、1つ以上の外部結合格子1134Aは、ユーザの眼を照らすための光を提供することができる。
【0102】
図11Bは、本開示の実施形態にかかるARシステムについての例示的な照明層1110Bを示している。図に示すように、照明層1110Bは、導波路1112、内部結合格子1132B、1つ以上の外部結合格子1134B、および1つ以上のスプレッダ1144Bを含むことができる。内部結合格子1132B、1つ以上の外部結合格子1134B、および1つ以上のスプレッダ1144Bは、導波路照明層1010に関して説明した対応する構成要素と同様とすることができる。図に示すように、内部結合格子1132Bは、それぞれ、2つ以上の格子パターン1148B、1149Bを含むことができ、2つ以上の格子パターン1148B、1149Bのそれぞれは、対応する方向に光を伝播することができる。例えば、2つ以上の格子パターン1148Bのうちの第1の格子パターンは、光1142Bを第1の方向に伝播することができ、2つ以上の格子パターン1149Bのうちの第2の格子パターンは、光1142Bを第2の異なる方向に伝播することができる。
【0103】
したがって、図に示すように、いくつかの実施形態では、照明層1110Bは、2つ以上の格子パターン1148B、1149Bのそれぞれからの内部反射光1142Bを拡散させるための1つ以上のスプレッダ1144Bを含むことができる。図に示すように、いくつかの例では、1つ以上のスプレッダ1144Bは、導波路1112の1つ以上の縁部に沿って、例えば、導波路1112の周囲付近に配置されることができる。このようにして、1つ以上の外部結合格子1134Bは、1つ以上の供給源、例えば、スプレッダ1144Bの一方または両方から光を受光することができる。図に示すように、いくつかの例では、スプレッダ1144Bは、長方形の形状とすることができる。外部結合格子1134Bは、上述した外部結合格子1134Aと同様に構成されることができる。
【0104】
図11Cは、本開示の実施形態にかかるARシステムについての例示的な照明層1110Cを示している。図に示すように、照明層1110Cは、導波路1112、内部結合格子1132C、1つ以上の外部結合格子1134C、およびスプレッダ1144Cを含むことができる。内部結合格子1132C、1つ以上の外部結合格子1134C、およびスプレッダ1144Cは、図11A図11Bに関して上述した対応する構成要素と同様とすることができる。図に示すように、例えば、スプレッダ1144Cは、外周付近の導波路1112Cの上部長にわたって配置されることができる。このようにして、スプレッダは、結合された内部反射光が導波路1112Cの面を横切って拡張されて1つ以上の外部結合格子1134Cのそれぞれに到達することを確実にすることができる。外部結合格子1134Bは、上述したように、外部結合格子1134Aと同様に構成されることができる。
【0105】
上述したように、本開示の実施形態にかかる導波路照明層は、様々な構成の格子、例えば、内部結合格子、外部結合格子、およびスプレッダを含むことができる。図12A図12Fは、それぞれ、本開示の実施形態にかかる例示的な照明層1210A~1210Fを示している。これらの図は、内部結合格子、スプレッダ、および1つ以上の外部結合格子の様々な例示的な構成を示すことができる。これらの図は例示的なものであり、当業者は、本開示の範囲から逸脱することなく、多数の変更および/または異なる構成、例えば、内部結合格子、スプレッダ、外部結合格子、およびこれらの格子の相対位置の形状および/または数が使用されることができることを理解するであろう。
【0106】
図12Aは、本開示の実施形態にかかるARシステムについての例示的な照明層1210Aを示している。図に示すように、照明層1210Aは、内部結合格子1232Aおよび1つ以上の外部結合格子1234Aを含むことができる。いくつかの例では、照明層1210Aは、内部結合格子1232Aと1つ以上の外部結合格子1234Aとの間に位置決めされることができるスプレッダ1244Aを含むことができる。内部結合格子1232A、1つ以上の外部結合格子1234A、およびスプレッダ1244Aは、上述した対応する構成要素と同様とすることができる。いくつかの例では、内部結合格子1232Aは、ユーザの視野外の位置に配置されることができる。例えば、内部結合格子1232Aの位置は、ヘッドウェアラブルデバイスのテンプル領域の近く、例えば、ユーザのテンプルの近くとすることができる。いくつかの例では、図に示すように、スプレッダ1244Aは、ユーザの眼の直前ではなく、ユーザのFOVの縁部の近くに含めることができる。いくつかの例では、1つ以上の外部結合格子1234Aは、ユーザのFOV内の領域、例えばユーザの眼の前に位置決めされることができる。
【0107】
図に示すように、いくつかの例では、光を受光して照明層1210Aに内部結合するために、内部結合格子1232Aが設けられることができる。いくつかの例では、内部結合光は、第1の方向に沿って伝播されることができる。例えば、図に示すように、内部結合格子1232Aを出る内部反射光1242Aは、y軸に沿って伝播されることができる。いくつかの例では、スプレッダ1244Aは、内部結合格子1232Aからの内部反射光1242Aを少なくとも第1の方向および第2の方向に、例えばx軸およびy軸に沿って広げるために設けられることができる。このようにして、スプレッダ1244Aは、内部反射光1242Aが1つ以上の外部結合格子のそれぞれに到達するのに十分な広がりを有することを確実にすることができる。例えば、図に示すように、スプレッダ1244Aがなければ、内部反射光1242Aは、1つ以上の外部結合格子1234Aのそれぞれに到達しないことがある。図に示すように、1つ以上の外部結合格子1234Aは、照明層1210Aの別個の位置に配置されることができる。1つ以上の外部結合格子1234Aは、内部反射光1242Aを照明層1210Aからユーザの眼に向かって外部結合するために設けられることができる。
【0108】
図12Bは、本開示の実施形態にかかるARシステムについての例示的な照明層1210Bを示している。図に示すように、照明層1210Bは、内部結合格子1232Bおよび1つ以上の外部結合格子1234Bを含むことができる。いくつかの例では、照明層1210Bは、スプレッダ1244Bを含むことができる。図に示すように、スプレッダ1244Bは、1つ以上の外部結合格子1234Bと重なるように配置されることができる。内部結合格子1232B、1つ以上の外部結合格子1234B、およびスプレッダ1244Bは、上述した対応する構成要素と同様とすることができる。いくつかの例では、内部結合格子1232Bは、ユーザの視野外の位置に配置されることができる。例えば、内部結合格子1232Bの位置は、ヘッドウェアラブルデバイスのテンプル領域の近く、例えば、ユーザのテンプルの近くとすることができる。いくつかの例では、図に示すように、スプレッダ1244Bおよび1つ以上の外部結合格子1234Bは、ユーザのFOV内の領域、例えばユーザの眼の前に位置決めされることができる。そのような例では、外部結合格子1234Bによって外部結合される光は、例えば、ユーザのFOV内の領域に配置されていない外部結合格子によって外部結合される光よりも高い強度を有し得る。1つ以上の例では、1つ以上の外部結合格子1234Bは、内部結合格子のための空間が制限されている場合、例えば、内部結合格子が狭い場合、および/または単一の内部結合格子および入射源がある場合、ユーザのFOV内の領域に位置決めされることができる。
【0109】
図に示すように、いくつかの例では、光を受光して導波路照明層1210Bに内部結合するために、内部結合格子1232Bが設けられることができる。いくつかの例では、内部結合光は、第1の方向に沿って伝播されることができる。例えば、図に示すように、内部結合格子1232Bを出る内部反射光1242Bは、y方向に伝播されることができる。いくつかの例では、内部結合格子1232Bの格子パターンは、内部反射光1242Bが伝播する方向を決定することができる。いくつかの例では、スプレッダ1244Bは、内部結合格子1232Bからの内部反射光1242Bを第1の方向および第2の方向に広げるために設けられることができる。例えば、図に示すように、スプレッダ1244Bは、少なくともx軸およびy軸に沿って光を伝播することができる。このようにして、スプレッダ1244Bは、内部反射光1242Bが1つ以上の外部結合格子1234Bのそれぞれに到達するのに十分な広がりを有することを確実にすることができる。例えば、図に示すように、スプレッダ1244Bがなければ、内部反射光1242Bは、1つ以上の外部結合格子1234Aのそれぞれに到達しないことがある。図に示すように、1つ以上の外部結合格子1034Bは、照明層1210Aのスプレッダ1244B内の離散位置に配置されることができる。1つ以上の外部結合格子1234Bは、内部反射光1242Bを照明層1210Bからユーザの眼に向かって外部結合するために設けられることができる。
【0110】
スプレッダおよび1つ以上の外部結合格子がユーザのFOV内に配置される1つ以上の例では、ユーザのFOV内の照明層の透明度を維持するようにこれらの構成要素を構成することが望ましい可能性がある。例えば、図13は、内部に配置された1つ以上の外部結合格子を有するスプレッダ1344を示している。スプレッダ1344および1つ以上の外部結合格子1334は、導波路照明層1210Bに関して上述したように、ユーザのFOV内に位置決めされるように構成されることができる。ユーザのFOVの透明性を維持するために、スプレッダ1344の屈折率は、例えば約1.45~2.7の範囲内で比較的透明であるように選択されることができる。いくつかの例では、スプレッダ1344の屈折率は、約1.52~1.56の範囲内とすることができる。比較すると、1つ以上の外部結合要素1634Aは、外部結合格子1334が内部反射光を眼に効果的に外部結合することができることを確実にするために、例えば約1.45~2.7の範囲内の比較的高いインデックスを有するように製造されることができる。1つ以上の例では、外部結合格子1334の回折効率を改善するために、外部結合格子1334は、高屈折率材料、例えば炭化ケイ素、二酸化チタン、二酸化ジルコニウムなど、または金属、例えばアルミニウム、銀などによってコーティングされることができる。1つ以上の外部結合格子は、例えば、外部結合格子の直径が小さい、例えば0.5mmであるために、ARシステムのユーザには気付かない場合がある。これと比較して、スプレッダは、ユーザが気付くことができるより大きな領域を占有し得る。したがって、スプレッダ1344と1つ以上の外部結合格子1334とについて屈折率に差を持たせることは、外部結合光の効率を犠牲にすることなく、照明層の透明性を維持することができる。
【0111】
図12Cは、本開示の実施形態にかかるARシステムについての例示的な導波路照明層1210Cを示している。図に示すように、照明層1210Cは、1つ以上の内部結合格子1232Cおよび1つ以上の外部結合格子1234Cを含むことができる。いくつかの例では、照明層1210Cは、1つ以上の内部結合格子1232Cと1つ以上の外部結合格子1234Cとの間に位置決めされることができるスプレッダ1244Cを含むことができる。内部結合格子1232C、1つ以上の外部結合格子1234C、およびスプレッダ1244Cは、上述した対応する構成要素と同様とすることができる。いくつかの例では、内部結合格子1232Cは、ユーザの視野外の位置に配置されることができる。例えば、内部結合格子1232Cの位置は、ヘッドウェアラブルデバイスのテンプル領域の近く、例えば、ユーザのテンプルの近くとすることができる。いくつかの例では、図に示すように、スプレッダ1244Cは、ユーザの眼の真前ではなく、ユーザのFOVの縁部の近くに含めることができる。いくつかの例では、1つ以上の外部結合格子1234Cは、ユーザのFOV内の領域、例えばユーザの眼の前に位置決めされることができる。いくつかの例では、2つ以上の内部結合格子を含むことは、外部結合格子によって受光される光の量を増加させることができる。そのような例では、外部結合格子は、単一の内部結合格子を有する基材よりも広げられてもよく、例えば、外部結合格子間の平均距離は、より大きくすることができる。
【0112】
図に示すように、いくつかの例では、光を受光して照明層1210Cに内部結合するために、1つ以上の内部結合格子1232Cが設けられることができる。いくつかの例では、内部結合光は、第1の方向に沿って伝播されることができる。例えば、図に示すように、1つ以上の内部結合格子1232Cを出る内部反射光1242Cは、y方向に伝播されることができる。いくつかの例では、スプレッダ1244Cは、内部結合格子1232Cからの内部反射光1242Cを少なくとも第1の方向および第2の方向に、例えばx軸およびy軸に沿って広げるために設けられることができる。このようにして、スプレッダ1244Cは、内部反射光1242Cが1つ以上の外部結合格子のそれぞれによって受光されるのに十分な広がりを有することを確実にすることができる。図に示すように、1つ以上の外部結合格子1234Cは、照明層1210Cの別個の位置に配置されることができる。1つ以上の外部結合格子1234Cは、内部反射光1242Cを照明層1210Cからユーザの眼に向かって外部結合するために設けられることができる。
【0113】
図12Dは、本開示の実施形態にかかるARシステムについての例示的な照明層1210Dを示している。図に示すように、照明層1210Dは、1つ以上の内部結合格子1232Dおよび1つ以上の外部結合格子1234Dを含むことができる。いくつかの例では、照明層1210Bは、スプレッダ1244Dを含むことができる。図に示すように、スプレッダ1244Dは、1つ以上の外部結合格子1234Dと重なるように配置されることができる。1つ以上の内部結合格子1232D、1つ以上の外部結合格子1234D、およびスプレッダ1244Dは、上述した対応する構成要素と同様とすることができる。いくつかの例では、1つ以上の内部結合格子1232Dは、ユーザの視野外の位置に配置されることができる。例えば、内部結合格子1232Dの位置は、ヘッドウェアラブルデバイスのテンプル領域の近く、例えば、ユーザのテンプルの近くとすることができる。いくつかの例では、図に示すように、スプレッダ1244Dおよび1つ以上の外部結合格子1234Dは、ユーザのFOV内の領域、例えばユーザの眼の前に位置決めされることができる。いくつかの例では、2つ以上の内部結合格子を含むことは、外部結合格子によって受光される光の量を増加させることができる。
【0114】
図に示すように、いくつかの例では、光を受光して照明層1210Dに内部結合するために、1つ以上の内部結合格子1232Dが設けられることができる。いくつかの例では、内部結合光は、第1の方向に沿って伝播されることができる。例えば、図に示すように、内部結合格子1232Dを出る内部反射光1242Dは、y方向に伝播されることができる。いくつかの例では、内部結合格子1232Dの格子パターンは、内部反射光1242Dが伝播する方向を決定することができる。いくつかの例では、スプレッダ1244Dが設けられて、内部結合格子1232Dからの内部反射光1242Dを少なくとも第1の方向および第2の方向に広げることができる。例えば、図に示すように、スプレッダ1244Dは、x軸およびy軸に沿って光を伝播することができる。このようにして、スプレッダ1244Dは、内部反射光1242Dが1つ以上の外部結合格子1234Dのそれぞれに到達するのに十分な広がりを有することを確実にすることができる。図に示すように、1つ以上の外部結合格子1034Dは、照明層1010Dのスプレッダ1244D内の別個の位置に配置されることができる。1つ以上の外部結合格子1234Dは、内部反射光1242Dを照明層1210Dからユーザの眼に向かって外部結合するために設けられることができる。
【0115】
図12Eは、本開示の実施形態にかかるARシステムについての例示的な照明層1210Eを示している。図に示すように、照明層1210Eは、1つ以上の内部結合格子1232Eおよび1つ以上の外部結合格子1234Eを含むことができる。図に示すように、いくつかの例では、照明層1210Eは、内部結合格子1232Eの数のために拡散要素を省略することができる。例えば、図に示すように、各外部結合格子1234Eは、対応する内部結合格子1232Eにマッピングされることができる。いくつかの実施形態では、内部結合格子1232Eの数は、各外部結合格子1234Eが内部反射光1242Eを確実に受光するようにするためのものであってもよい。例えば、内部結合格子1232Eによって内部結合された光は、第1の方向に沿って、例えばy軸に沿って伝播されることができる。図に示すように、1つ以上の外部結合格子1234Eは、照明層1210Eの別個の位置に配置され、スプレッダなしで内部結合格子1232Eから内部反射光1242Eを受光するように配置されることができる。1つ以上の外部結合格子1234Eは、上述したように、内部反射光1242Eを照明層1210Eからユーザの眼に向けて外部結合するために設けられることができる。
【0116】
図12Fは、本開示の実施形態にかかるARシステムについての例示的な照明層1210Fを示している。図に示すように、照明層1210Fは、内部結合格子1232Fおよび1つ以上の外部結合格子1234Fを含むことができる。図に示すように、いくつかの例では、内部結合格子は、照明層1210Fの幅にわたるバー形状を有することができる。したがって、照明層1210Fは、内部結合格子1232Fのサイズおよび構成に起因してスプレッダを省略することができる。例えば、内部結合格子1232Fの寸法は、外部結合格子1234Fのそれぞれが内部反射光1242Fを確実に受信するのに十分であり得る。例えば、図に示すように、光は、内部結合格子1232Fの長さに沿って内部結合され、y方向に伝播されることができる。図に示すように、1つ以上の外部結合格子1234Fは、照明層1210Fの別個の位置に配置され、スプレッダなしで内部結合格子1232Fから内部反射光1242Fを受光するように配置されることができる。1つ以上の外部結合格子1234Fは、上述したように、内部反射光1242Fを照明層1210Fからユーザの眼に向けて外部結合するために設けられることができる。
【0117】
照明層1210A~1210Fは、特定の形状および構成要素の相対的なサイズで示されているが、これらの図面は、縮尺通りではない場合がある。例えば、内部結合格子および1つ以上の外部結合格子は、円形の形状として示されているが、これは本開示の範囲を限定することを意図するものではなく、本開示の範囲から逸脱することなく、楕円形、長方形、半円、三角形、多角形などを含む任意の適切な形状が使用されることができる。さらに、内部結合格子および1つ以上の外部結合格子は、ほぼ同じサイズであるように示され得るが、1つ以上の例では、内部結合格子および1つ以上の外部結合格子は、異なる相対サイズを有することができる。
【0118】
上述したように、本開示の実施形態にかかる導波路照明層は、格子、例えば、内部結合格子、外部結合格子、およびスプレッダ、ならびに様々な構成の他の構成要素を含むことができる。図14A図14Iは、本開示の実施形態にかかる例示的な照明層1410A~1410Fを示している。これらの図は、内部結合格子、スプレッダ、1つ以上の外部結合格子、ディフューザおよび/または屈折レンズを含む導波路部品の様々な例示的な構成を示すことができる。これらの図は例示的なものであり、当業者は、本開示の範囲から逸脱することなく、多数の異なる構成、例えば、内部結合格子、スプレッダ、外部結合格子の形状および/または数、ならびにこれらの格子の相対位置が使用されることができることを理解するであろう。例えば、図面に示される要素は、(別段の指示がない限り)縮尺通りでなくてもよく、および/または説明目的のために強調されてもよい。
【0119】
図14Aは、本開示の実施形態にかかるARヘッドウェアラブルデバイスの光学系についての導波路照明層を示している。図に示すように、照明層1410Aは、導波路1412A、内部結合格子1432A、1つ以上の外部結合格子1434A、およびスプレッダ1444Aを含むことができる。内部結合格子1432A、1つ以上の外部結合格子1434A、およびスプレッダ1444Aは、上述した対応する構成要素と同様とすることができる。図に示すように、内部結合格子1432A、スプレッダ1444A、および外部結合格子1434Aは、同じ面、例えば、導波路1412Aの裏面1418Aに配置されることができる。いくつかの実施形態では、内部結合格子1432A、スプレッダ1444A、および外部結合格子1434Aは、導波路1412Aの前面1442Aに配置されることができる。さらに、図に示すように、内部結合格子1432Aは、1つ以上の外部結合格子1434Aよりも短くてもよい。そのような実施形態では、1つまたは外部結合格子は、内部結合格子1432Aと比較して、より高い効率を有し得て、例えば、より少ない損失でより多くの量の光を結合し得る。1つ以上の例では、格子の効率を改善するために、内部結合格子1432Aおよび1つ以上の外部結合格子1434Aは、高屈折率材料および/または屈折金属1452Aによってコーティングされることができる。1つ以上の例では、内部結合格子1434Aは、レンズと同様に、ユーザの眼に向かって様々な角度で光を発散させることができる。このコーティング1452Aについては、以下により詳細に説明する。
【0120】
図14Bは、本開示の実施形態にかかるARヘッドウェアラブルデバイスの光学系についての導波路照明層を示している。図に示すように、照明層1410Bは、導波路1412B、内部結合格子1432B、1つ以上の外部結合格子1434B、およびスプレッダ1444Bを含むことができる。内部結合格子1432B、1つ以上の外部結合格子1434B、およびスプレッダ1444Bは、上述した対応する構成要素と同様とすることができる。さらに、格子の構成は、導波路照明層1410Aと同様とすることができる。しかしながら、図に示すように、導波路照明層1410Bの1つ以上の内部結合格子1434Bは、異なる効率を有してもよい。例えば、図に示すように、第1の外部結合格子1434Bは、第1の高さを有し得る一方で、第2の外部結合格子1434Bは、第2の高さを有し得て、2つの外部結合格子1434Bのうちの短い方は、効率が低く、および/または回折性が低くなり得る。いくつかの例では、1つ以上の外部結合格子1434Bの他の特徴は、効率の差、例えば異なる格子パターン、コーティングなどを提供するために異なり得る。
【0121】
1つ以上の例では、1つ以上の外部結合格子1434Bの効率は、内部結合格子1432Bにより近い外部結合格子の効率が低くなるように構成され得る。例えば、光が導波路1412B内で内部反射されるときのいくらかの光損失および/または散乱に起因して、内部結合光は、内部結合格子1432Bにより近いより大きな強度を有し得る。照明層1410Bを参照すると、内部結合格子1432Bの近くに配置された右側の外部結合格子は、左側の外部結合格子1434Bよりも大きい強度を有する内部反射光を受光し得る。したがって、1つ以上の外部結合格子1434Bの効率は、この強度の差を説明するように調整されることができる。1つ以上の例では、例えば、外部結合格子1434Bのそれぞれがほぼ同じ強度で光を外部結合することができることを確実にするために、外部結合格子の効率を調整することに加えて、またはその代わりに、追加の格子、例えば内部結合格子および/またはスプレッダが含まれることができる。
【0122】
図14Cは、本開示の実施形態にかかるARヘッドウェアラブルデバイスの光学系についての導波路照明層を示している。図に示すように、照明層1410Cは、導波路1412C、内部結合格子1432C、1つ以上の外部結合格子1434C、およびスプレッダ1444Cを含むことができる。内部結合格子1432C、1つ以上の外部結合格子1434C、およびスプレッダ1444Cは、上述した対応する構成要素と同様とすることができる。さらに、格子の構成は、導波路照明層1410Aと同様とすることができる。しかしながら、図に示すように、導波路照明層1410Cは、図7Cおよび図7Dに関して上述したように反射防止層1454Cを含むことができる。図に示すように、例えば、反射防止層1454Cは、1つ以上の外部結合格子1434Cとは反対側の面に配置されることができる。いくつかの例では、反射防止層1454Cは、反射防止コーティングおよび/または反射防止ナノパターンから選択される少なくとも1つを含むことができる。いくつかの例では、反射防止層1454Cは、可視光に対する導波路照明層1410Cの透過率を改善するために、ユーザの視野内の領域に配置されることができる。
【0123】
図14Dは、本開示の実施形態にかかるARヘッドウェアラブルデバイスの光学系についての導波路照明層を示している。図に示すように、照明層1410Dは、導波路1412D、内部結合格子1432D、1つ以上の外部結合格子1434D、およびスプレッダ1444Dを含むことができる。内部結合格子1432D、1つ以上の外部結合格子1434D、およびスプレッダ1444Dは、上述した対応する構成要素と同様とすることができる。さらに、格子の構成は、導波路照明層1410Cと同様とすることができる。しかしながら、図に示すように、反射防止層1454Dは、1つ以上の外部結合格子1434Dと重なるように位置決めされることができる。
【0124】
図14Eは、本開示の実施形態にかかるARヘッドウェアラブルデバイスの光学系についての導波路照明層を示している。図に示すように、照明層1410Eは、導波路1412E、内部結合格子1432E、1つ以上の外部結合格子1434E、およびスプレッダ1444Eを含むことができる。内部結合格子1432E、1つ以上の外部結合格子1434E、およびスプレッダ1444Eは、上述した対応する構成要素と同様とすることができる。さらに、格子の構成は、導波路照明層1410Aと同様とすることができる。しかしながら、図に示すように、導波路照明層1410Eは、1つ以上の外部結合格子1434Eのそれぞれの上に配置されることができる1つ以上のディフューザ1438Eをさらに含むことができる。
【0125】
いくつかの例では、1つ以上のディフューザ1438Eは、1つ以上のディフューザ1438Eのそれぞれが1つ以上の外部結合格子1438Eのそれぞれと重なり合うことができるように、導波路1412Eの前面1426Eに設けられることができる。ディフューザは、外部結合格子1434Eによって外部結合された光を拡散および/または散乱させるために設けられることができる。いくつかの例では、1つ以上の外部結合格子1434Eは、外部結合光が拡散および/または散乱しにくいように、例えば外部結合光が狭い角度またはビームを有するように、コヒーレント光を外部結合し得る。1つ以上のディフューザ1438Eは、外部結合格子1434Eからコヒーレント光を受光し、ユーザの眼によって受光された光が広角またはビームを有するように拡散および/または散乱を付与し得る。このようにして、眼は、複数の角度で外部結合された光を受光することができ、これにより、ヘッドウェアラブルデバイスの光センサによって受光され、視線追跡に使用されることができる堅牢な眼のグリント、例えば反射された眼の光を提供することができる。
【0126】
図14Fは、本開示の実施形態にかかるARヘッドウェアラブルデバイスの光学系についての導波路照明層を示している。図に示すように、照明層1410Fは、導波路1412F、内部結合格子1432F、1つ以上の外部結合格子1434F、およびスプレッダ1444Fを含むことができる。内部結合格子1432F、1つ以上の外部結合格子1434F、およびスプレッダ1444Fは、上述した対応する構成要素と同様とすることができる。さらに、格子の構成は、導波路照明層1410Aと同様とすることができる。しかしながら、図に示すように、導波路照明層1410Fは、外部結合格子1434Fのそれぞれが外部結合格子1434Fの反対側に位置する対応する外部結合格子1436Fを有することができるように、外部結合格子1436Fの追加のセットを含むことができる。図に示すように、追加のセットの外部結合格子1436Fは、高屈折率および/または反射金属コーティングを含まなくてもよい。いくつかの例では、追加のセットの外部結合格子1436Fを外部結合格子1434Fの反対側に位置決めすることは、例えば導波路照明層1410Aと比較して、外部結合される光の量を増加させることができる。1つ以上の例では、内部結合格子1436Fは、レンズとして機能し、光をユーザの眼に向かって様々な角度で発散させることができる。
【0127】
図14Gは、本開示の実施形態にかかるARヘッドウェアラブルデバイスの光学系についての導波路照明層を示している。図に示すように、照明層1410Gは、導波路1412G、内部結合格子1432G、1つ以上の外部結合格子1434G、およびスプレッダ1444Gを含むことができる。内部結合格子1432G、1つ以上の外部結合格子1434G、およびスプレッダ1444Gは、上述した対応する構成要素と同様とすることができる。さらに、格子の構成は、導波路照明層1410Aと同様とすることができる。しかしながら、図に示すように、導波路照明層1410Gは、例えば導波路810Cと同様に、導波路1412Gに結合された屈折レンズを含むことができる。上述したように、導波路1412Gを屈折レンズ1407Gに結合することは、導波路照明層1410G内の内部反射光の散乱を促進することができ、これにより、外部結合光の光散乱を増加させることができ、それにより、検出された眼のグリントが改善される。
【0128】
図14Hは、本開示の実施形態にかかるARヘッドウェアラブルデバイスの光学系についての導波路照明層を示している。図に示すように、照明層1410Hは、導波路1412H、内部結合格子1432H、1つ以上の外部結合格子1434H、およびスプレッダ1444Hを含むことができる。内部結合格子1432H、1つ以上の外部結合格子1434H、およびスプレッダ1444Hは、上述した対応する構成要素と同様とすることができる。さらに、格子の構成は、導波路照明層1410Gと同様とすることができる。しかしながら、図に示すように、導波路照明層1410Hは、例えば、外部結合格子1436Hの追加のセットが導波路1412Hの上方であるが屈折レンズ1407Hの下方に配置されるように、外部結合格子1434Hのそれぞれの反対側の、導波路1412Hの前面に配置された外部結合格子1436Hの追加のセットを含むことができる。いくつかの例では、外部結合格子1436Hをレンズ1407Hの下方に位置決めすることは、外光と外部結合格子1436Hとの間の相互作用を低減することができる。上述したように、導波路1412Hを屈折レンズ1407Hに結合することは、導波路照明層1401H内の内部反射光の散乱を促進することができ、これにより、外部結合光の光散乱を増加させることができ、それにより、検出された眼のグリントが改善される。さらに、追加のセットの外部結合格子1436Hを外部結合格子1434Hの反対側に位置決めすることは、例えば導波路照明層1410Gと比較して、外部結合される光の量を増加させることができる。さらに、外部結合格子1436Hの追加のセットは、外部結合格子1434Hからコヒーレント光を受信し、ユーザの眼によって受光された光が広角またはビームを有するように拡散および/または散乱を付与することができる。このようにして、眼は、複数の角度で外部結合された光を受光することができ、これにより、ヘッドウェアラブルデバイスの光センサによって受光され、視線追跡に使用されることができる堅牢な眼のグリント、例えば反射された眼の光を提供することができる。
【0129】
図14Iは、本開示の実施形態にかかるARヘッドウェアラブルデバイスの光学系についての導波路照明層を示している。図に示すように、照明層1410Iは、導波路1412I、内部結合格子1432I、1つ以上の外部結合格子1434I、およびスプレッダ1444Iを含むことができる。内部結合格子1432I、1つ以上の外部結合格子1434I、およびスプレッダ1444Iは、上述した対応する構成要素と同様とすることができる。さらに、格子の構成は、導波路照明層1410Gと同様とすることができる。しかしながら、図に示すように、導波路照明層1410Iは、例えば、追加のセットの外部結合格子1436Iが屈折レンズ1407Iの上方に配置されるように、外部結合格子1434Iのそれぞれの反対側に、屈折レンズ1407Iの曲面に沿って配置された追加のセットの外部結合格子1436Iを含むことができる。上述したように、導波路1412Iを屈折レンズ1407Iに結合することは、導波路照明層1410I内の内部反射光の散乱を促進することができ、これにより、外部結合光の光散乱を増加させることができ、それにより、検出された眼のグリントが改善される。さらに、追加のセットの外部結合格子1436Iを外部結合格子1434Iの反対側に位置決めすることは、例えば導波路照明層1410Gと比較して、外部結合される光の量を増加させることができる。いくつかの例では、外部結合格子1436Iをレンズ1407Iの外側に位置決めすることは、内部反射光がレンズ曲率に起因する厚さ変動を利用し、外部結合光の角度広がりを最適化することを可能にすることができる。さらに、外部結合格子1436Hの追加のセットは、外部結合格子1434Hからコヒーレント光を受信し、ユーザの眼によって受光された光が広角またはビームを有するように拡散および/または散乱を付与することができる。このようにして、眼は、複数の角度で外部結合された光を受光することができ、これにより、ヘッドウェアラブルデバイスの光センサによって受光され、視線追跡に使用されることができる堅牢な眼のグリント、例えば反射された眼の光を提供することができる。
【0130】
したがって、本開示の実施形態は、導波路照明層の様々な構成を提供する。例えば、可視光導波路とは異なり、本開示の実施形態にかかる導波路照明層は、ユーザの眼球運動を追跡するために使用されることができるインコヒーレント光の1つ以上のビームを提供するために、1つ以上の位置に外部結合格子を含み得る。本開示の実施形態にかかる1つ以上の例は、頭部装着型MR/ARシステムの嵩を低減することができ、それによってユーザがMR/AR環境により容易に没入することを可能にする、より軽量でより薄い光学系を提供することができる。
【0131】
例示的な格子構成
1つ以上の例では、格子、例えば内部結合格子、外部結合格子、および/またはスプレッダは、表面レリーフ(SR)格子、液晶(LC)格子、または体積位相(VP)格子のうちの1つ以上を含むことができる。図15A図15Cは、本開示の実施形態にかかるARシステムについての例示的な照明層を示している。図15Aは、1つ以上の表面レリーフ(SR)格子を使用することができる照明層1510Aを示している。例えば、図に示すように、内部結合格子1532Aおよび1つ以上の外部結合格子1534Aは、1つ以上のSR格子を含むことができる。本開示の実施形態によれば、SR格子は、1つ以上の格子パターン、例えばSR格子パターンを形成することができるナノ構造を含むことができる。SR格子は、1次元ナノ構造(例えば、線、メタ格子線)、2次元ナノ構造(例えば、ピラーおよび孔)、および/または3次元ナノ構造(例えば、多断面)を含むことができる。これらのナノ特徴は、例えば、バイナリ、傾斜、対称多段階、ブレーズ多段階、ブレーズ鋸歯などを含むことができる。1つ以上の例では、SR格子の屈折率は、約1.45~4.0の範囲内とすることができる。様々な表面レリーフパターンについては、以下により詳細に説明する。1つ以上の例では、格子の回折効率を高めるために、格子は、高屈折率材料および/または反射金属(例えば、アルミニウム、銀など)によってコーティングされることができる。
【0132】
図15Bは、1つ以上のLC格子を使用することができる照明層1510Bを示している。例えば、図に示すように、内部結合格子1532Bおよび1つ以上の外部結合格子1534Bは、1つ以上のLC格子を含むことができる。本開示の実施形態によれば、LC格子に特定の周波数で印加される外部電圧は、格子方向を変えることができ、それによって、例えば、内部結合光の光ビーム操向を可能にするか、または外部結合光強度を変化させて眼のグリント反射を最適化することを可能にする。図15Cは、1つ以上の体積位相(VP)格子を使用することができる照明層1510Cを示している。例えば、図に示すように、内部結合格子1532Cおよび1つ以上の外部結合格子1534Cは、1つ以上のVP格子を含むことができる。本開示の実施形態によれば、VP格子は、特定の所定の波長および光の角度に対して高い効率を提供することができる。例えば、VP格子は、IR供給源の狭帯域、例えばレーザIR供給源について、光の内部結合および外部結合において95%を超える効率を有するように調整されることができる。
【0133】
上述したように、格子、例えば内部結合格子、外部結合格子、およびスプレッダは、1つ以上の格子パターン、例えばSR格子パターンを含むことができる。いくつかの例では、格子パターンは、複数のナノ構造を含むことができる。格子に使用される1つ以上の格子パターンは、光が格子によってどのように反射されるかに影響を及ぼすことができる。いくつかの例では、格子パターンは、光が格子パターンによってどのように反射されるかに基づいて選択されることができる。図16A図16Hは、内部結合格子および外部結合格子についての例示的な格子パターンを示している。図17A図17Eは、スプレッダの例示的な格子パターンを示している。これらの格子パターンは、例示的なものであり、本開示の範囲を限定することを意図するものではない。したがって、本開示の実施形態によれば、他の格子パターンが使用されることができる。
【0134】
図16A図16Hは、内部結合格子および外部結合格子、例えば上述した内部結合格子1032および外部結合格子1034についての例示的な格子パターンを示している。これらの図に示すように、内部結合および/または外部結合格子は、様々なパターンを含むことができる。パターンのそれぞれは、それぞれの格子が光をどのように受光および反射するかに影響を及ぼし得る。例えば、いくつかの例では、内部結合格子および外部結合格子サイズは、例えば、内部結合格子を介して光を内部結合するとき、および外部結合格子を介して光を外部結合するとき、光の複数の反射による光損失を最小限に抑えるように選択されることができる。いくつかの例では、内部結合格子ピッチは、基材インデックスおよび導波される光の波長に基づくことができる。いくつかの例では、以下の式1が使用されて、内部結合格子のピッチを決定することができる。例えば、855nmにピーク強度を有するIR LEDは、n=1.45~2.0の範囲の基材インデックスについて、約698nmから570nmの範囲の内部結合格子のピッチに対応することができる。そのような例では、これらのピッチ値を用いて、50%デューティサイクル格子パターンは、例えばピッチと同様に、約285~349nmの線幅範囲および約698~570nmの高さ範囲を有することができる。
【化1】
【0135】
図16Aは、本開示の1つ以上の実施形態にかかる例示的なバイナリラインおよびスペース構造1600Aを示している。いくつかの例では、構造1600Aによって反射された光は、無指向性であり得る。例えば、構造1600Aによって反射された光は、ヘッドウェアラブルデバイスを装着しているユーザの環境に向けられ、および/または基材内に反射されることができる。図16Bは、本開示の1つ以上の実施形態にかかる例示的な傾斜(またはブレーズド)ラインおよびスペース構造1600Bを示している。いくつかの例では、傾斜の角度および方向は、光を所望の方向に向けるように調整され得る。図16Cは、本開示の1つ以上の実施形態にかかる、三角形断面1600Cを有する例示的なラインアンドスペース構造を示している。図16Dは、本開示の1つ以上の実施形態にかかる例示的な鋸歯構造1600Dを示している。いくつかの例では、鋸歯の角度および方向は、光を所望の方向に向けるように調整され得る。
【0136】
図16Eは、本開示の1つ以上の実施形態にかかる例示的なバイナリ構造1600Eを示している。いくつかの例では、構造1600Eによって反射された光は、無指向性であり得る。この図に示すように、バイナリ構造1600Eは、パターンのピッチよりも大きい高さを有することができる。図16Fは、本開示の1つ以上の実施形態にかかる例示的な多段階鋸歯構造1600Fを示している。いくつかの例では、鋸歯の角度および方向は、光を所望の方向に向けるように調整され得る。図16Gは、本開示の1つ以上の実施形態にかかる例示的なホールアンドスペース構造1600Gを示している。いくつかの例では、構造1600Gによって反射された光は、無指向性であり得る。ホールアンドスペース構造1600Gに示される孔は、例えば上面から見たときに円形断面を有することができるが、孔は、円形、楕円形、角丸長方形、菱形などを含むがこれらに限定されない任意の適切な形状を有することができる。図16Gは、本開示の1つ以上の実施形態にかかる例示的なピラー構造1600Hを示している。ピラー構造1600Hは、例えば上面から見たときに円形断面を有することができるが、ピラーは、円形、楕円形、角丸長方形、菱形などを含むがこれらに限定されない任意の適切な形状を有することができる。いくつかの例では、構造1600Hによって反射された光は、無指向性であり得る。いくつかの例では、ピラーは、45~90度の範囲の角度で傾斜されることができる。構造1600A~1600Hは、特定のピッチおよび幅で示されているが、これらの特定の例は、本開示の範囲を限定することを意図するものではない。さらに、構造1600A~1600Hは、例示的なものであり、本開示の範囲から逸脱することなく他のナノ構造パターンが使用されることができる。
【0137】
図17A図17Eは、本開示の1つ以上の実施形態にかかるスプレッダの例示的なナノ構造パターンを示している。上述したように、スプレッダは、例えば、内部結合格子からの内部反射光を拡散させるために設けられることができる。1つ以上の例では、スプレッダ1044は、1つ以上のSR格子パターンを含むことができる。いくつかの実施形態では、スプレッダは、例えば導波路1412A~1412Iのように、導波路の片側または両側にパターニングされることができる。いくつかの例では、スプレッダは、導波路の面上で光を外部結合することなく、全内部反射における回折次数の光の指向性の広がりを増加させるために、外部結合格子よりも小さいピッチを有することができる。いくつかの例では、ピッチは、約250~500nmとすることができる。
【0138】
図17Aは、本開示の実施形態にかかるスプレッダについての例示的なメタ格子構造1700Aを示している。メタ格子構造1700Aは、上述したように、光を1つ以上の方向に広げるように構成されることができる。いくつかの例では、メタ格子構造は、六角形に充填された構成のピラーまたは孔のいずれかを含むことができ、ピラーおよび/または孔は、線の交点に位置する。図17Bは、本開示の実施形態にかかるスプレッダについての例示的なラインアンドスペース構造1700Bを示している。図に示すように、構造1700Bの線は、1つ以上の方向に配向されることができる。ラインアンドスペース構造1700Bは、上述したように、光を1つ以上の方向に広げるように構成されることができる。図17Cは、本開示の実施形態にかかるスプレッダについての例示的なラインアンドスペース構造1700Cを示している。ラインアンドスペース構造1700Cは、上述したように、光を1つ以上の方向に広げるように構成されることができる。図17Dは、本開示の実施形態にかかるスプレッダのための例示的な孔構造1700Dを示している。孔構造1700Dは、上述したように、光を1つ以上の方向に広げるように構成されることができる。図17Eは、本開示の実施形態にかかるスプレッダについての例示的なピラー構造1700Eを示している。ピラー構造1700Eは、上述したように、光を1つ以上の方向に広げるように構成されることができる。例えば、光は、その元の経路に沿って回折され、および/または基材内で内部反射されるように構成されることができる。
【0139】
上述したように、1つ以上の例では、1つ以上の外部結合格子は、高屈折率(例えば、酸化チタン、酸化ジルコニウム、炭化ケイ素)材料および/または反射金属(例えば、アルミニウム、銀など)によってコーティングされることができる。例えば、図18A図18Hは、本開示の実施形態にかかる照明層の1つ以上の格子1830A~1830Hを示している。さらに、これらの図は、異なるナノ構造幾何形状を有する1つ以上の格子をコーティングするための異なる堆積プロセスを示している。これらの図に示すように、格子の形状ならびに堆積プロセスを変えることは、コーティングがナノ構造体の表面にわたってどのように堆積されるかに影響を与える可能性があり、これは、ひいては異なる角度の光に対するナノ構造体の回折効率に影響を与える可能性がある。
【0140】
例えば、図18A図18Cは、本開示の実施形態にかかる1つ以上の例示的な鋸歯格子1830A~1830Cを示している。図18Aは、その上にコーティング1852Aが配置された鋸歯格子1830Aを示している。コーティング1852Aは、例えば、高屈折率材料および/または反射金属とすることができる。コーティング1852Aは、コンフォーマル方法、例えばスパッタリングプロセスおよび/または低圧蒸着プロセスを使用して堆積されることができる。この図に示すように、コンフォーマル堆積法は、ほぼ均一な厚さを有するコーティング1852Aを提供することができる。図18Bは、その上にコーティング1852Bが配置された鋸歯格子1830Bを示している。コーティング1852Bは、例えば、高屈折率材料および/または反射金属とすることができる。コーティング1852Bは、コーティングを真っ直ぐに、例えばオーバーヘッド方式で堆積させる蒸着プロセスを使用して堆積されることができる。図に示すように、蒸着プロセスは、水平成分を有する表面、例えば垂直面ではない表面上にコーティング1852Bを提供し得て、および/またはコーティングは、急な角度で傾斜した表面上でより薄くされ得る。図18Cは、その上にコーティング1852Cが配置された鋸歯格子1830Cを示している。コーティング1852Cは、例えば、高屈折率材料および/または反射金属とすることができる。コーティング1852Cは、コーティングを斜めに堆積させる斜め蒸着プロセスを使用して堆積されることができる。図に示すように、蒸着プロセスは、堆積角度にさらされる表面上にコーティング1852Cを提供し得る。図に示すように、鋸歯格子の裏面1854Aは、その上に配置されたコーティング1852Cを有する必要はない。
【0141】
図18D図18Fは、本開示の実施形態にかかる1つ以上の例示的な多段階格子1830D~1830Fを示している。図18Dは、その上にコーティング1852Dが配置された多段階格子1830Dを示している。コーティング1852Dは、例えば、高屈折率材料および/または反射金属とすることができる。コーティング1852Dは、コンフォーマル方法、例えばスパッタリングプロセスおよび/または低圧蒸着プロセスを使用して堆積されることができる。この図に示すように、コンフォーマル堆積法は、ほぼ均一な厚さを有するコーティング1852Dを提供することができる。図18Eは、その上にコーティング1852Eが配置された鋸歯格子1830Eを示している。コーティング1852Eは、例えば、高屈折率材料および/または反射金属とすることができる。コーティング1852Eは、コーティングを真っ直ぐに、例えばオーバーヘッド方式で堆積させる蒸着プロセスを使用して堆積されることができる。図に示すように、蒸着プロセスは、水平成分を有する表面、例えば垂直面ではない表面上にコーティング1852Eを提供し得る。例えば、垂直面1854Eは、その上に配置されたコーティング1852Eを有する必要はない。図18Fは、コーティング1852Fが配置された多段階格子1830Fを示している。コーティング1852Fは、例えば、高屈折率材料および/または反射金属とすることができる。コーティング1852Fは、コーティングを斜めに堆積させる斜め蒸着プロセスを使用して堆積されることができる。図に示すように、蒸着プロセスは、堆積角度にさらされる表面上にコーティング1852Fを提供し得る。図に示すように、垂直面1854Fは、その上に配置されたコーティング1852Fを有する必要はない。
【0142】
図18G図18Iは、本開示の実施形態にかかる1つ以上の例示的な鮫鰭格子1830G~1830Iを示している。図18Gは、その上にコーティング1852Gが配置された鮫鰭格子1830Gを示している。コーティング1852Gは、例えば、高屈折率材料および/または反射金属とすることができる。コーティング1852Gは、コンフォーマル方法、例えばスパッタリングプロセスおよび/または低圧蒸着プロセスを使用して堆積されることができる。鋸歯格子1830Aおよび多段階格子1830Dのコンフォーマルコーティングとは異なり、コーティング1852Gは、格子1830Gの表面にわたって均一な厚さを有する必要はない。例えば、コーティング1852Gは、その角度のために表面1854G上に堆積する必要はない。例えば、導波路基材に対する表面1854Gの角度は、スパッタリングおよび/または低蒸着によって堆積された粒子がその上に堆積されることを困難にすることがある。図18Hは、その上にコーティング1852Hが配置された鮫鰭格子1830Hを示している。コーティング1852Hは、例えば、高屈折率材料および/または反射金属とすることができる。コーティング1852Hは、コーティングを真っ直ぐに、例えばオーバーヘッド方式で堆積させる蒸着プロセスを使用して堆積されることができる。表面1854Gと同様に、コーティング1852Hは、その角度のために表面1854H上に堆積される必要はない。図18Iは、その上にコーティング1852Iが配置された鮫鰭格子1830Iを示している。コーティング1852Iは、例えば、高屈折率材料および/または反射金属とすることができる。コーティング1852Iは、コーティングを斜めに堆積させる斜め蒸着プロセスを使用して堆積されることができる。図に示すように、蒸着プロセスは、堆積角度にさらされる表面上にコーティング1852Iを提供し得る。図に示すように、垂直面1854Iは、その上に配置されたコーティング1852Iを有する必要はない。
【0143】
図19A図19Cおよび図20A図20Cは、ベア格子と、高屈折率材料および/または反射金属によってコーティングされた格子との間の効率の差を示している。図19A図19Cは、ベア格子に対応するが、図20A図20Cは、高屈折率材料および/または反射金属によってコーティングされた格子に対応する。例えば、図19Aは、1.65のインデックスおよび40mAの入力LED入力アンペア数を有するブレーズド構造を有する直径1mmの多角形外部結合要素から外部結合されることができる例示的な光強度1900Aを示している。図19Bは、1.65のインデックスおよび300mAの入力LED入力アンペア数を有するブレーズド構造を有する直径1mmの多角形外部結合要素から外部結合されることができる例示的な光強度1900Bを示している。図19Cは、例示的な光強度1900Bの外部結合光の輝度に対応するグラフ1900Cを示している。図19Cに示すように、コーティングされていない格子の最大強度は、約900単位とすることができる。
【0144】
図20Aは、アルミニウムによってコンフォーマルにコーティングされた1.65のインデックスおよび40mAの入力LEDアンペア数を有するブレーズド構造を有する直径1mmの多角形外部結合素子から外部結合されることができる例示的な光強度2000Aを示している。図20Bは、コンフォーマルにコーティングされた1.65のインデックスおよび300mAの入力LEDアンペア数を有するブレーズド構造を有する直径1mmの多角形外部結合素子から外部結合されることができる例示的な光強度2000Bを示している。光強度1900Aおよび1900Bと比較して、光強度2000Aおよび2000Bは、明らかに明るく、例えば、同じアンペア数で光を外部結合する際により効率的である。実際に、光強度2000A(40mAの入力アンペア数に対応する)は、光強度1900B(300mAの入力アンペア数に対応する)よりも明るく見える。図20Cは、例示的な光強度2000Bの外部結合光の輝度に対応するグラフ2000Cを示している。図20Cに示すように、コーティングされていない格子の最大強度は、約20,000単位とすることができる。グラフ1900Cに示される最大強度と比較して、グラフ2000Cのコーティングされた格子は、約2000%の光スループットの改善をもたらす。
【0145】
製造プロセス
図21は、本開示の実施形態にかかる導波路照明層を製造するための例示的なプロセス2100を示している。例えば、図21は、製造プロセス中の様々な段階における導波路照明層を示している。図22は、本開示の実施形態にかかる導波路照明層を製造するためのプロセス2200に向けられた例示的なブロック図を示している。例えば、プロセス2200は、導波路照明層を製造するためのステップに向けられることができる。製造プロセスを説明するために、プロセス2100および2200は、一緒に参照され得る。プロセス2100および2200は、例示的なものであり、本開示の範囲から逸脱することなく導波路照明層を製造するために他のプロセスが使用されることができる。
【0146】
1つ以上の実施形態では、2101に示すように、基材2112には、スプレッダ2144が配置される領域に材料2160がインプリントされることができる(ステップ2202)。いくつかの例では、材料は、樹脂、例えばUV感受性樹脂とすることができる。1つ以上の実施形態では、2102に示すように、金属マスク2162が基材2112上に重ねられることができる。金属マスク2162は、外部結合格子の所望の位置に対応する1つ以上の開口部2164を含むことができる。開口部の下方に位置する樹脂が除去されることができる(ステップ2204)。例えば、UV光が基材2112に印加されて、UV感受性樹脂を除去することができる。結果として得られる構造が2103に示されており、基材2112は、外部結合格子の所望の位置に対応する1つ以上の孔2166を有するインプリント材料2160を含む。
【0147】
1つ以上の実施形態では、2104に示すように、インプリント材料2160がエッチングされて(ステップ2206)、スプレッダ2144用のナノ構造、例えばSR格子を形成することができる。1つ以上の実施形態では、2105に示すように、基材が剥離され、洗浄されることができる(ステップ2208)。1つ以上の実施形態では、2106に示すように、基材2112は、内部結合格子および外部結合格子に対応する基材の領域にインプリント材料2160によってインプリントされることができる(ステップ2210)。インプリント材料は、例えば、UV感受性樹脂とすることができる。1つ以上の実施形態では、2107に示すように、金属マスク2162が基材2112上に重ねられることができる。金属マスク2162は、内部結合格子および外部結合格子の所望の位置に対応する1つ以上の開口部2164を含むことができる。開口部の下方に位置する樹脂がエッチングされることができる(ステップ2212)。内部結合格子および外部結合格子は、上述した1つ以上のパターンにしたがってエッチングされることができる。したがって、2108に示すように、内部結合格子2132、外部結合格子2134、およびスプレッダ2144を有する照明層2112が製造されることができる。
【0148】
当業者は、プロセス2100および2200が例示的であり、本開示の範囲から逸脱することなく導波路照明層を製造するために他のプロセスが使用されることができることを理解するであろう。例えば、いくつかの実施形態では、導波路照明層を製造するためにマスタテンプレートが使用されることができ、マスタテンプレートは、内部結合格子、外部結合格子、およびスプレッダについてのSR格子パターンを含む。例えば、そのようなプロセスは、ジェットおよびフラッシュインプリントリソグラフィプロセスを含むことができる。いくつかの例では、その全体が本開示に組み込まれる、Nanoimprint Lithography Methods on Curved Substratesに記載されているように、軟質モールドが使用されて照明導波路の1つ以上の部分を製造することができる。
【0149】
本明細書では、ヘッドウェアラブルデバイスなどのディスプレイ用のシステムおよび方法が開示される。本開示にかかる実施形態は、赤外線照明層を含むことができるディスプレイであって、赤外線照明層が、第1の面および第2の面を有する導波路を含み、第1の面が、第2の面の反対側に配置される、ディスプレイを提供することができる。いくつかの例では、照明層はまた、第1の面に配置された内部結合格子を含み得て、内部結合格子が、光を導波路に結合して、第1の方向に伝播する内部反射光を生成するように構成される。いくつかの例では、照明層はまた、第1の面および第2の面のうちの少なくとも一方に配置された複数の外部結合格子を含み得て、複数の外部結合格子は、内部反射光を受光し、導波路からの内部反射光を結合するように構成されることができる。
【0150】
1つ以上の例では、ディスプレイは、導波路の第1の面および第2の面のうちの少なくとも一方に配置されたスプレッダを含むことができ、スプレッダは、内部結合光を第1の方向に、さらに第2の異なる方向に伝播するように構成されることができる。1つ以上の例では、スプレッダは、ライン、メタ格子、孔、およびピラーから選択される少なくとも1つのナノパターンを含むことができる。1つ以上の例では、スプレッダのピッチは、約250~500nmの範囲内とすることができる。
【0151】
1つ以上の例では、ディスプレイは、複数のディフューザを含むことができ、各ディフューザは、複数の外部結合格子のそれぞれに対向する導波路面上に配置されることができる。1つ以上の例では、複数の外部結合格子のそれぞれの幅および内部結合格子の幅は、ほぼ同じとすることができる。1つ以上の例では、ディスプレイの外部結合格子の直径は、約0.5mmとすることができる。1つ以上の例では、複数の外部結合格子は、線、メタ格子、孔、ピラー、鋸歯、ブレーズド、および多層から選択される少なくとも1つのナノパターンを含むことができる。1つ以上の例では、内部結合格子は、線、メタ格子、孔、ピラー、鋸歯、ブレーズド、および多層から選択される少なくとも1つのナノパターンを含むことができる。1つ以上の例では、ディスプレイは、内部結合格子の表面、および複数の外部結合格子のうちの外部結合格子の表面のうちの少なくとも一方に配置された高屈折率コーティングを含むことができる。1つ以上の例では、ディスプレイは、導波路の第2の面に結合されたレンズを含むことができ、レンズは、曲面を含むことができる。1つ以上の例では、複数の外部結合格子のうちの2つ以上がレンズの曲面上に配置されることができる。1つ以上の例では、レンズの曲面は、約50~100μmの厚さ変動を有することができる。
【0152】
1つ以上の例では、ディスプレイは、複数の外部結合格子のうちの第1の外部結合格子を含むことができ、第1の外部結合格子は、内部結合格子から第1の距離だけ離れて配置されることができる。いくつかの例では、ディスプレイは、複数の外部結合格子のうちの第2の外部結合格子であって、内部結合格子から第1の距離だけ離れて配置されることができる第2の外部結合格子をさらに含むことができ、第2の距離は、第1の距離よりも大きい。いくつかの例では、第1の外部結合格子は、第1の回折効率を示すことができ、第2の外部結合格子は、第1の効率よりも高い第2の回折効率を示す。
【0153】
本開示にかかる実施形態は、第1の面および第2の面を有する導波路を含む照明層を含むことができるディスプレイであって、第1の面が、第2の面の反対側に配置される、ディスプレイを提供することができる。いくつかの例では、照明層は、第1の面に配置された内部結合格子を含むことができ、内部結合格子が、光を導波路に結合して、第1の方向に伝播する内部反射光を生成するように構成される。いくつかの例では、照明層は、第1の面および第2の面のうちの少なくとも一方に配置された複数の外部結合格子を含むことができ、複数の外部結合格子は、内部反射光を受光し、導波路からの内部反射光を結合して外部結合光を生成するように構成されることができる。
【0154】
1つ以上の例では、ディスプレイは、可視光導波路を含むことができ、可視光導波路は、デジタルコンテンツを提示するように構成されることができる。1つ以上の例では、ディスプレイは、光センサを含むことができ、光センサは、ユーザの眼から反射された外部結合光の少なくとも一部を検出するように構成されることができる。1つ以上の例では、ディスプレイは、導波路の第1の面および第2の面のうちの少なくとも一方に配置されることができるスプレッダを含むことができ、スプレッダは、内部結合光を第1の方向に、さらに第2の異なる方向に伝播するように構成されることができる。1つ以上の例では、ディスプレイは、複数のディフューザを含むことができ、複数のディフューザの各ディフューザは、複数の外部結合格子の外部結合格子に対向する導波路面上に配置されることができる。1つ以上の例では、ディスプレイは、導波路の第2の面に結合されたレンズを含むことができ、レンズは、曲面を含むことができる。
【0155】
本開示にかかる実施形態は、基材の第1の表面上に第1の樹脂をインプリントすることを含む方法であって、樹脂が、第1の領域内に堆積されることができる、方法を提供することができる。いくつかの例では、本方法は、第1の領域内の第1の樹脂の第1の部分を除去して第2の領域を形成することを含むことができる。いくつかの例では、本方法は、第1のナノパターンによって第1の領域の第1の樹脂をエッチングすることを含むことができる。いくつかの例では、本方法は、基材の剥離および洗浄を含むことができる。いくつかの例では、本方法は、基材の第1の表面上に第2の樹脂をインプリントすることを含むことができ、第2の樹脂は、第2の領域内に堆積される。いくつかの例では、本方法は、第2のナノパターンによって第2の領域の第2の樹脂をエッチングすることを含むことができる。
【0156】
1つ以上の例では、本方法は、第2の樹脂を基材の第1の表面上にインプリントすることを含むことができ、第2の樹脂は、第3の領域内に堆積され、第3の領域は、第1の領域と連続していない。1つ以上の例では、本方法は、第3の樹脂を基材の第2の表面上にインプリントすることを含むことができ、第3の樹脂は、基材の第4の領域上に堆積され、基材の第2の表面は、第1の表面の反対側にあり、第4の領域は、第2の領域の反対側にある。
【0157】
開示された例は、添付の図面を参照して十分に説明されているが、様々な変形および変更が当業者には明らかになることに留意されたい。例えば、図面に示される要素および/または構成要素は、縮尺通りでなくてもよく、および/または説明目的のために強調されてもよい。別の例として、1つ以上の実装の要素が組み合わせられ、削除され、変更され、または補足されて、さらなる実装を形成してもよい。他の組み合わせおよび変更は、添付の特許請求の範囲によって定義される開示された例の範囲内に含まれると理解されるべきである。
図1A
図1B
図1C
図2A
図2B
図2C
図2D
図3A
図3B
図4
図5
図6A
図6B
図7A
図7B
図7C
図7D
図8A
図8B
図8C
図9A
図9B
図9C
図10
図11A
図11B
図11C
図12A-12F】
図13
図14A
図14B
図14C
図14D
図14E
図14F
図14G
図14H
図14I
図15A
図15B
図15C
図16A
図16B
図16C
図16D
図16E
図16F
図16G
図16H
図17A
図17B
図17C
図17D
図17E
図18A
図18B
図18C
図18D
図18E
図18F
図18G
図18H
図18I
図19
図20
図21-1】
図21-2】
図22
【国際調査報告】