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特表2024-519693電気可逆的機械によって生成される電力を最大化するためのターボ機械設備
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  • 特表-電気可逆的機械によって生成される電力を最大化するためのターボ機械設備 図1
  • 特表-電気可逆的機械によって生成される電力を最大化するためのターボ機械設備 図2
  • 特表-電気可逆的機械によって生成される電力を最大化するためのターボ機械設備 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-21
(54)【発明の名称】電気可逆的機械によって生成される電力を最大化するためのターボ機械設備
(51)【国際特許分類】
   F01D 15/08 20060101AFI20240514BHJP
   F01D 15/10 20060101ALI20240514BHJP
   F02C 6/14 20060101ALI20240514BHJP
【FI】
F01D15/08 C
F01D15/10 A
F02C6/14
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023565911
(86)(22)【出願日】2022-04-22
(85)【翻訳文提出日】2023-11-27
(86)【国際出願番号】 EP2022025172
(87)【国際公開番号】W WO2022228723
(87)【国際公開日】2022-11-03
(31)【優先権主張番号】102021000010907
(32)【優先日】2021-04-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517029381
【氏名又は名称】ヌオーヴォ・ピニォーネ・テクノロジー・ソチエタ・レスポンサビリタ・リミタータ
【氏名又は名称原語表記】Nuovo Pignone Tecnologie S.R.L.
(74)【代理人】
【識別番号】110002871
【氏名又は名称】弁理士法人坂本国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】サンティーニ,マルコ
(72)【発明者】
【氏名】バルディーニ,マルコ
(72)【発明者】
【氏名】ガブリエリ,アンドレア
(57)【要約】
【解決手段】 ターボ機械設備は、電気可逆的機械(2)に接続された圧縮機(3)によって吸収される電力を低減することによって、発電機として機能するときに電気可逆的機械(2)によって生成される電力を最大化するように考案されている。圧縮機(3)は、ターボ機械設備に含まれるアンチサージ回路(AC)に、並びに第1のライン(L1)によって吸引ユニット(SU)に、及び第2のライン(L2)によってガス収集ユニット(CU)に接続されており、ターボ機械設備は、ガス減圧圧縮機(5)を備え、その結果、使用しているときに、ガス減圧圧縮機(5)によって吸引されたある量のガスがアンチサージ回路(AC)からガス減圧圧縮機(5)に移動し、圧縮機(3)が回転することにより、抵抗が少なくなり、吸収される電力が少なくなり、電気可逆的機械(21)によって生成される電力が最大化される。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ターボ機械設備であって、
電力を供給することができる電気可逆的機械(21)を備える可変周波数駆動電気ユニット(2)と、
前記電気可逆的機械(21)に接続された圧縮機(3)と、
吸引ユニット(SU)と、
前記吸引ユニット(SU)を前記圧縮機(3)に接続する第1のライン(L1)と、
前記第1のライン(L1)上に配置された第1の分離弁(SV1)と、
ガス収集ユニット(CU)と、
前記圧縮機(3)を前記ガス収集ユニット(CU)に接続する第2のライン(L2)と、
前記第2のライン(L2)上に配置された第2の分離弁(SV2)と、
アンチサージ回路(AC)と、を備え、前記アンチサージ回路(AC)は、前記第1のライン(L1)を前記第2のライン(L2)に接続する第3のライン(L3)と、前記第3のライン(L3)上に配置されたアンチサージ弁(AV)とを備え、
前記ターボ機械設備は、
入口(51)と出口(52)とを有し、前記入口(51)を通してある量のガスを吸引し、前記量のガスの圧力を低下させ、かつ前記出口(52)を通して前記量のガスを排出するように構成されたガス減圧圧縮機(5)と、
前記第2のライン(L2)を前記ガス減圧圧縮機(5)の前記入口(51)に接続する第4のライン(L4)と、
前記第4のライン(L4)上に配置されており、前記ガス減圧圧縮機(5)に向かうある量のガスの通過を可能にするための開状態と、前記ガス減圧圧縮機(5)に向かうある量のガスの通過を防止するための閉状態との間で可動である第1のオン/オフ弁(V1)と、
中央制御ユニット(7)と、を更に備え、前記中央制御ユニット(7)は、前記第1及び第2の分離弁(SV1、SV2)、前記アンチサージ弁(AV)、前記第1のオン/オフ弁(V1)に接続されており、
ある量のガスが実質的に前記アンチサージ回路(AC)のみに流れるように、前記第1の分離弁(SV1)及び前記第2の分離弁(SV2)を閉鎖し、
前記アンチサージ弁(AV)を開放し、かつ前記ガス減圧圧縮機(5)によって吸引されたある量のガスが、前記アンチサージ回路(AC)から前記ガス減圧圧縮機(5)へ移動し、前記圧縮機(3)が回転することにより、抵抗が少なくなり、吸収される電力が少なくなり、前記電気可逆的機械(21)によって生成された前記電力が最大化されるように、前記第1のオン/オフ弁(V1)を開放し、前記ガス減圧圧縮機(5)を作動させるように構成されていることを特徴とする、ターボ機械設備。
【請求項2】
前記アンチサージ回路(AC)が、冷却デバイス(4)を備え、前記中央制御ユニット(7)が、前記冷却デバイス(4)に接続されており、前記冷却デバイス(4)を作動させるように構成されている、請求項1に記載のターボ機械設備。
【請求項3】
前記冷却デバイス(4)には、1つ以上のブレードを含む換気手段(41)が設けられており、前記中央制御ユニット(7)が、前記冷却デバイス(4)内に含まれるモータによって前記ブレードの速度を調整するように構成されており、前記モータが、前記換気手段(41)に接続されている、請求項2に記載のターボ機械設備。
【請求項4】
前記モータが、1つ以上の極対を含む多極モータ又はVFD電気モータである、請求項3に記載のターボ機械設備。
【請求項5】
前記冷却デバイス(4)には、1つ以上のブレードを含む換気手段(41)が設けられており、前記中央制御ユニット(7)が、前記冷却デバイス(4)内に含まれる油圧空気圧式、又は電気若しくは機械式、又は電気機械式アクチュエータによって前記ブレードのピッチ角に関連する値を変更することによって前記ブレードの前記速度を調整するように構成されている、請求項2に記載のターボ機械設備。
【請求項6】
前記冷却デバイス(4)が、所定量の熱を放散させるように構成及びサイズ決定されている、請求項2~5のいずれか一項に記載のターボ機械設備。
【請求項7】
前記ターボ機械設備が、
前記第1のライン(L1)を前記第3のライン(L3)に接続する第6のライン(L6)と、
前記第6のライン(L6)上に配置されており、前記吸引ユニット(SU)から前記圧縮機(3)へのある量のガスの通過を可能にするための開状態と、前記吸引ユニット(SU)から前記圧縮機(3)へのある量のガスの通過を防止するための閉状態との間で可動である第1の制御弁(FV1)と、
前記ガス減圧圧縮機(5)の前記出口(52)を前記第2のライン(L2)に接続する第7のライン(L7)と、
前記第7のライン(L7)上に配置されており、前記圧縮機(3)から前記収集ユニット(CU)へのある量のガスの通過を可能にするための開状態と、前記圧縮機(3)から前記収集ユニット(CU)へのある量のガスの通過を防止するための閉状態との間で可動である第2の制御弁(FV2)と、
前記アンチサージ回路(AC)内の前記量のガスに関する温度値を測定及び制御するように構成された温度測定制御デバイス(D1)であって、前記温度測定制御デバイス(D1)が、前記冷却デバイス(4)と前記圧縮機(3)の入口(31)との間の前記第3のライン(L3)に接続されている、温度測定制御デバイス(D1)と、
データを記憶するための記憶手段(8)と、を更に備え、
前記中央制御ユニット(7)が、前記第1の制御弁(FV1)、前記第2の制御弁(FV2)、前記温度測定制御デバイス(D1)、及び前記記憶手段(8)に接続されており、
所定の温度値を前記記憶手段(8)に記憶し、
前記温度測定制御デバイス(D1)から前記温度値を取得し、かつ
前記温度測定制御デバイス(D1)によって測定された前記温度値が前記所定の温度値よりも高いときに、
第1の温度を有する第1の量のガスが、前記第1の制御弁(FV1)を通って前記アンチサージ回路(AC)に入り、第2の温度を有する第2の量のガスが、前記アンチサージ回路(AC)を出て、前記ガス減圧圧縮機(5)に入り、前記ガス減圧圧縮機(5)を出て、前記第2の制御弁(FV2)を通って前記第2のライン(L2)に到達するような方法で、前記第1の制御弁(FV1)の開度及び前記第2の制御弁(FV2)の開度を調整するように構成されており、前記第2の量のガスが、前記第1の量のガスに等しく、前記第2の温度が、前記第1の温度よりも高い、請求項2~6のいずれか一項に記載のターボ機械設備。
【請求項8】
前記ターボ機械設備が、
前記アンチサージ回路(AC)内の前記ガスに関する圧力値を測定及び制御するように構成された圧力測定制御デバイス(D2)を更に備え、前記圧力測定制御デバイス(D2)が、前記第3のライン(L3)に接続されており、
前記中央制御ユニット(7)が、前記圧力測定制御デバイス(D2)に接続されており、
所定の圧力値を前記記憶手段(8)に記憶し、
前記圧力測定制御デバイス(D2)から前記圧力値を取得し、
前記圧力測定制御デバイス(D2)によって測定された前記圧力値が、前記所定の圧力値に等しいことを確認し、
前記圧力値が前記所定の圧力値に等しくない場合、前記アンチサージ回路(AC)内の前記ガスの前記圧力値が前記所定の圧力値に等しくなる傾向があるように、前記第1の制御弁(FV1)の前記開度及び前記第2の制御弁(FV2)の前記開度を調整するように構成されている、請求項7に記載のターボ機械設備。
【請求項9】
前記ターボ機械設備が、
第1の端部が前記ガス減圧圧縮機(5)の前記出口(52)に接続された第5のライン(L5)と、
前記第5のライン(L5)上に配置されており、前記ガス減圧圧縮機(5)から排出されたある量のガスが前記第5のライン(L5)に流れることを可能にするための開状態と、前記ガス減圧圧縮機(5)から排出されたある量のガスが前記第5のライン(L5)に流れることを防止するための閉状態との間で可動である第2のオン/オフ弁(V2)と、を備え、
前記中央制御ユニット(7)が、前記第2のオン/オフ弁(V2)に接続されており、
前記第1の制御弁(FV1)の前記開度及び前記第2の制御弁(FV2)の前記開度を調整するときに、前記第2のオン/オフ弁(V2)を閉鎖し、かつ
前記アンチサージ回路(AC)が空にされるときに、前記第2のオン/オフ弁(V2)を開放するように構成されている、請求項7又は8に記載のターボ機械設備。
【請求項10】
前記第5のライン(L5)が、前記第1のライン(L1)に接続された、前記第1の端部とは反対側の第2の端部を有し、前記第2のオン/オフ弁(V2)は、前記第2のオン/オフ弁(V2)が前記開状態のときに、前記ガス減圧圧縮機(5)から排出されたある量のガスが前記第1のライン(L1)に到達することを可能にし、前記第2のオン/オフ弁(V2)が前記閉状態のときに、前記ガス減圧圧縮機(5)から排出されたある量のガスが前記第1のライン(L1)に到達するのを防止する、請求項9に記載のターボ機械設備。
【請求項11】
前記ガス減圧圧縮機(5)には、前記ガス減圧圧縮機自体の流量及び/又は1分間の回転数を調整するための調整手段が設けられており、前記中央制御ユニット(7)が、前記ガス減圧圧縮機(5)に接続されており、前記ガス減圧圧縮機(5)が吸収する電力が可能な限り少なくなるように、前記ガス減圧圧縮機(5)の前記調整手段を制御するように構成されている、請求項1~10のいずれか一項に記載のターボ機械設備。
【請求項12】
前記調整手段が、前記ガス減圧圧縮機(5)内に含まれる1つ以上のそれぞれのシリンダ上に配置された少なくとも1つの弁を含み、前記中央制御ユニット(7)が、前記弁の前記開度を調整することによって前記ガス減圧圧縮機(5)の前記流量を制御するように構成されている、請求項11に記載のターボ機械設備。
【請求項13】
前記調整手段が、前記ガス減圧圧縮機(5)の毎分回転数を変更するための電気デバイス又は機械デバイスを含み、前記中央制御ユニット(7)が、前記電気デバイス又は前記機械デバイスを通じて前記毎分回転数を増加/減少させることによって、前記ガス減圧圧縮機(5)の前記流量を制御するように構成されている、請求項11又は12に記載のターボ機械設備。
【請求項14】
前記ターボ機械設備が、ガスタービン(10)を備えるタービンガスモジュール(1)を備え、前記圧縮機(3)が、前記ガスタービンモジュール(1)と前記可変周波数駆動ユニット(2)との間に配置されており、前記圧縮機(3)が、好ましくは、自己同期クラッチ(13)によって前記ガスタービン(10)に接続されている、請求項1~11のいずれか一項に記載のターボ機械設備。
【請求項15】
ターボ機械設備の電気可逆的機械(21)によって生成される電力を最大化するための方法であって、前記ターボ機械設備が、前記電気可逆的機械(21)に接続された圧縮機(3)と、吸引ユニット(SU)と、前記吸引ユニット(SU)を前記圧縮機(3)に接続する第1のライン(L1)と、前記第1のライン(L1)上に配置された第1の分離弁(SV1)と、ガス収集ユニット(CU)と、前記圧縮機(3)を前記ガス収集ユニット(CU)に接続する第2のライン(L2)と、前記第2のライン(L2)上に配置された第2の分離弁(SV2)と、前記第1のライン(L1)を前記第2のライン(L2)に接続する第3のライン(L3)、及び前記第3のライン(L3)上に配置されたアンチサージ弁(AV)を備えるアンチサージ回路(AC)と、入口(51)及び出口(52)を有し、前記入口(51)を通してある量のガスを吸引し、前記量のガスの圧力を低下させ、かつ前記出口(52)を通して前記量のガスを排出するように構成されたガス減圧圧縮機(5)と、前記第2のライン(L2)を前記ガス減圧圧縮機(5)の前記入口(51)に接続する第4のライン(L4)と、前記第4のライン(L4)上に配置されており、前記ガス減圧圧縮機(5)に向かうある量のガスの通過を可能にするための開状態と、前記ガス減圧圧縮機(5)に向かうある量のガスの通過を防止するための閉状態との間で可動である第1のオン/オフ弁(V1)と、を備え、前記方法が、
ある量のガスが実質的に前記アンチサージ回路(AC)のみに流れるように、前記第1の分離弁(SV1)及び前記第2の分離弁(SV2)を閉鎖し(101)、前記アンチサージ弁(AV)を開放する(102)ステップと、前記ガス減圧圧縮機(5)によって吸引されたある量のガスが、前記アンチサージ回路(AC)から前記ガス減圧圧縮機(5)へ移動し、前記圧縮機(3)が回転することにより、抵抗が少なくなり、吸収される電力が少なくなり、前記電気可逆的機械(21)によって生成された前記電力が最大化されるように、前記第1のオン/オフ弁(V1)を開放し(103)、前記ガス減圧圧縮機(5)を作動させる(104)ステップと、を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電気可逆的機械によって生成される電力を最大化するためのターボ機械設備に関する。
【0002】
特に、本開示は、ガスタービンモジュールと、圧縮機(プロセス圧縮機と呼ばれる)と、可変周波数駆動電気ユニットと、を備える、ターボ機械設備の構造に関し、可変周波数駆動電気ユニットは、次いで、電気可逆的機械を含み、このような構造は、圧縮機によって吸収される動力が可能な限り低くなり、電気可逆的機械によって生成される電力が最大化されるような方法で、電気可逆的機械の抵抗トルクを増加させ、圧縮機の抵抗トルクを減少させるように設計され、考案されている。
【0003】
より詳細には、このような設備の構造は、機械駆動ハイブリッドガスタービン用に設計され、考案されている。
【背景技術】
【0004】
ガスタービンのハイブリッド化の概念は、新しいユニットの機械駆動用途に、又は既存の列車のアップグレードとして適用可能である。これは、可変周波数駆動電気ユニットと組み合わせたガスタービンが提供することができる広範囲の能力の相乗作用を活用する。可変周波数駆動電気ユニットは、電気可逆的機械と、電気可逆的機械のためのVFD制御パネルと、を含む。
【0005】
電気可逆的機械は、ガスタービンのためのヘルパーデバイスとして機能するようにガスタービンに動力を供給することができ、又は電力を生み出すための発電機として機能するようにガスタービンから動力を吸収することができる。
【0006】
電気可逆的機械が発電機として機能し、最大電力を生成する必要があるとき、電気可逆的機械の抵抗トルクは、圧縮機(すなわち、プロセス圧縮機)の速度が圧縮機(及び次いで圧縮機に接続された電気可逆的機械も)の速度公称値の50%に実質的に等しい最小値に減少するまで、電気可逆的機械のVFD制御パネルによって自動的に増加される。このような最小値は、電気可逆的機械が最大電力を生成し、圧縮機が「最小動力」を吸収する平衡点を表す。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、圧縮機の速度が減少し、圧縮機によって吸収される動力量が最小であると考えられるが、このような動力量の値は依然として有意な値であり、圧縮機自体によって吸収される動力の公称値の10%に実質的に等しい。
【0008】
その結果、圧縮機によって吸収された動力量は、電気可逆的機械によって生成することができる最大電力に影響を及ぼす。実際、ガスタービンによって供給される動力が、圧縮機によって吸収される動力と電気可逆的機械によって生成される電力との合計に等しい場合、圧縮機によって吸収される動力が大きいほど、電気可逆的機械によって生成される電力は低くなる。
【0009】
したがって、電気可逆的機械によって生成される電力を最大化し、圧縮機によって吸収される動力を最小化するように考案されたターボ機械設備は、ターボ機械の技術において、特に機械駆動ガスタービンがターボ機械設備において使用されるときに歓迎される。
【0010】
一態様では、本明細書に開示される主題は、可変周波数駆動電気ユニットと、電気可逆的機械に接続された圧縮機と、アンチサージ回路と、吸引ユニットと、収集ユニットと、を備える、ターボ機械設備を対象とする。
【0011】
可変周波数駆動電気ユニットは、電力を供給することができる電気可逆的機械を含む。
【0012】
圧縮機は、電気可逆的機械に接続されている。
【0013】
第1のラインは、吸引ユニットを圧縮機に接続し、第2のラインは、圧縮機をガス収集ユニットに接続している。第1の分離弁は、第1のライン上に配置され、第2の分離弁は、第2のライン上に配置されている。
【0014】
アンチサージ回路は、第1のラインを第2のラインに接続する第3のラインを含み、アンチサージ弁は、第3のライン上に配置されている。
【0015】
ターボ機械は、入口及び出口を有するガス減圧圧縮機を備え、ガス減圧圧縮機は、入口を通してある量のガスを吸引することと、そのガス量の圧力を低下させることと、出口を通してそのガス量を排出することと、を行うように構成されている。第4のラインは、第2のラインをガス減圧圧縮機の入口に接続し、第1のオン/オフ弁は、ガス減圧圧縮機に向かうある量のガスの通過を可能にするための開状態と、ガス減圧圧縮機に向かうある量のガスの通過を防止するための閉状態との間で可動である第4のライン上に配置されている。
【0016】
中央制御ユニットは、第1及び第2の分離弁、アンチサージ弁、第1のオン/オフ弁に接続されており、ある量のガスが実質的にアンチサージ回路のみに流れるように、第1の分離弁及び第2の分離弁を閉鎖することと、アンチサージ弁を開放することと、ガス減圧圧縮機によって吸引されたある量のガスが、アンチサージ回路からガス減圧圧縮機へ移動し、圧縮機が回転することにより、抵抗が少なくなり、吸収される電力が少なくなり、電気可逆的機械によって生成される電力が最大化されるように、第1のオン/オフ弁を開放することと、ガス減圧圧縮機を作動させることと、を行うように構成されている。
【0017】
本発明の別の態様では、アンチサージ回路は、冷却デバイスを含むことができ、中央制御ユニットは、冷却デバイスに接続されており、冷却デバイスを作動させるように構成されている。冷却デバイスは、圧縮機が使用されているときに所定量の熱を放散するように構成及びサイズ決定され得る。
【0018】
本発明の別の態様では、ターボ機械設備は、第1のラインを第3のラインに接続する第6のライン上に配置され、吸引ユニットから圧縮機へのある量のガスの通過を可能にするための開状態と、吸引ユニットから圧縮機へのある量のガスの通過を防止するための閉状態との間で可動である、第1の制御弁と、ガス減圧圧縮機の出口を第2のラインに接続する第7のライン上に配置され、圧縮機から収集ユニットへのある量のガスの通過を可能にするための開状態と、圧縮機から収集ユニットへのある量のガスの通過を防止するための閉状態との間で可動である、第2の制御弁と、を備える。
【0019】
温度測定制御デバイスは、冷却デバイスと圧縮機の入口との間の第3のラインに接続されており、アンチサージ回路内のガス量に関連する温度値を測定及び制御するように構成されている。
【0020】
中央制御ユニットは、第1の制御弁及び第2の制御弁と、第1の温度測定制御デバイスと、記憶手段とに接続されており、所定の温度値を記憶手段に記憶することと、温度測定制御デバイスから温度値を取得することと、温度測定制御デバイスによって測定された温度値が所定の温度値よりも高いときに、第1の温度を有する第1の量のガスが、第1の制御弁を通ってアンチサージ回路に入り、第2の温度を有する第2の量のガスが、アンチサージ回路を出て、ガス減圧圧縮機に入り、ガス減圧圧縮機を出て、第2の制御弁を通って第2のラインに到達するような方法で、第1の制御弁の開度及び第2の制御弁の開度を調整することと、を行うように構成されている。第2の量のガスは、第1の量のガスに等しく、第2の温度は、第1の温度よりも高い。
【0021】
本発明はまた、ターボ機械設備の電気可逆的機械によって生成される電力を最大化するための方法を対象とする。具体的には、本方法は、ある量のガスが実質的にアンチサージ回路のみに流れるように、第1の分離弁及び第2の分離弁を閉鎖するステップと、ガス減圧圧縮機によって吸引されたある量のガスが、アンチサージ回路からガス減圧圧縮機へ移動し、圧縮機が回転することにより、抵抗が少なくなり、吸収される電力が少なくなり、電気可逆的機械によって生成される電力が最大化されるように、第1のオン/オフ弁を開放するステップと、ガス減圧圧縮機を作動させるステップと、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0022】
本発明の開示される実施形態、及びそれに付随する利点の多くについての完全な理解は、添付図面に関連して考慮される場合、以下の発明を実施するための形態を参照することによって、それらがより良好に理解される際、容易に得られるであろう。
図1図1は、第1の実施形態による、ターボ機械設備の概略図を例解する。
図2図2は、第2の実施形態による、ターボ機械設備の概略図を例示する。
図3図3は、電気可逆的機械に接続された圧縮機によって吸収される動力を低減することによって、電気可逆的機械によって生成される電力を最大化するための方法のフローチャートを例解する。
【発明を実施するための形態】
【0023】
電力生産の分野では、ターボ機械設備は、ガスタービンと、圧縮機(プロセス圧縮機と呼ばれる)と、ガスタービンのヘルパーデバイスとして機能するように動力を供給することができ、又は発電機として機能するように動力を吸収することができる電気可逆的機械と、を組み合わせて備える。本開示は、電気可逆的機械が発電機として機能して、ニーズによって必要とされる最大電力を生み出す場合を対象とする。圧縮機は、その速度が最小値に達するときにも特定の動力量を吸収するので、電気可逆的機械によって生成される電力を最大化するために、この動力量を可能な限り低減することが必要である。
【0024】
したがって、本主題は、電気可逆的機械に接続された圧縮機によって吸収される動力を大幅に低減することによって、電気可逆的機械によって生成される電力を最大化するように構成されたターボ機械設備を対象とする。圧縮機によって吸収される動力は、既知のタイプのターボ機械設備内の圧縮機によって吸収される動力と比較して約1桁低減される。
【0025】
特に、ターボ機械設備の構造は、圧縮機のための「真空状態」を実質的に作り出すように設計され、考案されており、その結果、圧縮機は、より少ない抵抗に遭遇するので、より少ない動力を吸収する。このようにして、電気可逆的機械によって生成される電力を最大化することが可能である。
【0026】
このような条件の結果として、電気可逆的機械の回転数を増加させることが可能であり、その結果、電力を供給するための電気可逆的機械の能力が増加する。
【0027】
ここで、図面、特に本発明によるターボ機械設備の第1の実施形態を示す図1を参照する。
【0028】
ターボ機械設備は、ガスタービン1を含むガスタービンモジュール10と、電力を供給することができる電気可逆的機械21を含む可変周波数駆動電気ユニット2と、電気可逆的機械21及びガスタービンモジュール10に接続された圧縮機3(プロセス圧縮機と呼ばれる)と、を備える。
【0029】
具体的には、圧縮機3は、入口31及び出口32を有する。
【0030】
更に、吸引ユニットSUは、第1のラインL1によって圧縮機3の入口31に接続されており、収集ユニットCUは、第2のラインL2によって圧縮機3の出口32に接続されている。
【0031】
ターボ機械設備は、第1のラインL1上に配置された第1の分離弁SV1と、第2のラインL2上に配置された第2の分離弁SV2と、第1のラインL1を第2のラインL2に接続する第3のラインL3、及び第3のラインL3上に配置されたアンチサージ弁AVを含むアンチサージ回路ACと、を備える。
【0032】
第1の分離弁SV1は、吸引ユニットSUから圧縮機3へのある量のガスの通過を可能にする開状態と、吸引ユニットSUから圧縮機3へのある量のガスの通過を防止する閉状態との間で可動である。
【0033】
第2の分離弁SV2は、圧縮機3から収集ユニットCUへのある量のガスの通過を可能にする開状態と、圧縮機3から収集ユニットCUへのある量のガスの通過を防止する閉状態との間で可動である。
【0034】
具体的には、ターボ機械設備は、
-入口51及び出口52を有し、入口51を通してある量のガスを吸引することと、そのガス量の圧力を低下させることと、出口52を通してそのガス量を排出することと、を行うように構成されたガス減圧圧縮機5と、
-ガス減圧圧縮機5がアンチサージ回路ACに接続されるように、第2のラインL2をガス減圧圧縮機5の入口51に接続する第4のラインL4と、
-第4のラインL4上に配置され、ガス減圧圧縮機5に向かうある量のガスの通過を可能にするための開状態と、ガス減圧圧縮機5に向かうある量のガスの通過を防止するための閉状態との間で可動である、第1のオン/オフ弁V1と、を備える。
【0035】
更に、ターボ機械設備は、第1の分離弁SV1及び第2の分離弁SV2、アンチサージ弁AV、並びに第1のオン/オフ弁V1に接続されており、
-ある量のガスが実質的にアンチサージ回路ACのみに流れるように、第1の分離弁SV1及び第2の分離弁SV2を閉鎖することと、アンチサージ弁AVを開放することと、
ガス減圧圧縮機5によって吸引されたある量のガスが、アンチサージ回路ACからガス減圧圧縮機5へ移動し、圧縮機3が回転することにより、抵抗が少なくなり、吸収される電力が少なくなり、電気可逆的機械21によって生成される電力が最大化されるように、第1のオン/オフ弁V1を開放することと、ガス減圧圧縮機5を作動させることと、を行うように構成された中央制御ユニット7を備える。
【0036】
有利なことに、電気可逆的機械21の回転数は、電気可逆的機械21が既知のタイプのターボ機械設備の電気可逆的機械よりも多くの電力を供給することができるように、増加させることができる。
【0037】
制御中央ユニット7は、I/Oモジュールと共にマイクロプロセッサ又はPLCによって実装され得るプログラマブルコントローラであり得る。
【0038】
ガス減圧圧縮機5によって吸引されたガスは、第1の端部がガス減圧圧縮機5の出口52に接続された第5のラインL5上に排出される。開示されている実施形態では、第5のラインL5の第1の端部とは反対側の第2の端部は、第1のラインL1に接続されている。したがって、ガス減圧用圧縮機5から排出されたガス量は、吸引ユニットSU側に戻りやすくなる。
【0039】
しかしながら、ガス減圧圧縮機5の出口52は、第1のラインL1に接続される必要はない。例えば、ガス減圧圧縮機5から排出されたガスは、環境中に分散させるか、又はターボ機械設備の別の部分、例えば、通気ヘッダ又はガス処理システムに向けることができる。
【0040】
ガス減圧圧縮機5に関して、ガス減圧圧縮機5には、ガス減圧圧縮機自体の流量を調整するための調整手段が設けられている。
【0041】
図1に示すように、中央制御ユニット7は、ガス減圧圧縮機5に接続されており、ガス減圧圧縮機5が可能な限り少ない動力を吸収するように、ガス減圧圧縮機5の調整手段を制御するように構成され得る。
【0042】
具体的には、このような調整手段は、ガス減圧圧縮機5に含まれる1つ以上のそれぞれのシリンダに配置された少なくとも1つの弁(好ましくは、2つの弁)を含むことができ、中央制御ユニット7は、弁の開度を調整することによってガス減圧圧縮機5の流量を制御するように構成されている。
【0043】
更に、代替的に、又はそれぞれのシリンダに配置された1つ以上の弁と組み合わせて、このような調整手段は、ガス減圧圧縮機5の毎分回転数を変更するための、電気デバイス、例えば、VFD電気モータ、又は機械デバイス、例えば、可変速度比ギアボックスを含むことができ、中央制御ユニット7は、電気デバイス又は機械デバイスを通して毎分回転数を増加/減少させることによって、ガス減圧圧縮機の流量を制御するように構成されている。
【0044】
開示されている第1の実施形態では、ガス減圧圧縮機5は、容積式機械である。
【0045】
更に、図1に示すように、アンチサージ回路ACは、アンチサージ回路ACの第3のラインL3を流れるガスを冷却するための冷却デバイス4を含むことができる。冷却デバイス4には、1つ以上のブレードを含む換気手段41が設けられている。
【0046】
中央制御ユニット7は、冷却デバイス4に接続されており、冷却デバイス4を作動させるように構成されている。
【0047】
具体的には、中央制御ユニット7は、冷却デバイス4に含まれるモータによってブレードの速度を調整するように構成されており、モータは、換気手段41に接続されている。
【0048】
モータは、1つ以上の極対を含む多極モータ又はVFD電気モータであり得る。
【0049】
代替的に、中央制御ユニット7は、冷却デバイス4に含まれる油圧アクチュエータ、又は電気式アクチュエータ、又は空気圧式アクチュエータ、又は電気機械式アクチュエータによってブレードのピッチ角に関連する値を経時的に変更することによって、ブレードの速度を調整するように構成することができる。開示されている第1の実施形態では、アクチュエータは、電気式アクチュエータである。
【0050】
冷却デバイス4は、必要に応じて、すなわち、圧縮機3が使用されているときに放散される熱の量に応じて、構成及びサイズ決定され得る。
【0051】
したがって、冷却デバイス4は、圧縮機3が使用されているときに所定量の熱を放散するように構成されている。
【0052】
図2は、ターボ機械設備の第2の実施形態を示す。
【0053】
第2の実施形態では、第1の実施形態とは異なり、ターボ機械設備は、
-第1のラインL1を第3のラインL3に接続する第6のラインL6と、
-第6のラインL6上に配置された第1の制御弁FV1と、
-ガス減圧圧縮機5の出口52を第2のラインL2に接続する第7のラインL7と、
-第7のラインL7上に配置された第2の制御弁FV2と、
-アンチサージ回路AC内のガス量に関する温度値を測定及び制御するように構成された温度測定制御デバイスD1と、を更に備える。
【0054】
第1の制御弁FV1は、吸引ユニットSUからアンチサージ回路ACへのある量のガスの通過を可能にする開状態と、吸引ユニットSUからアンチサージ回路ACへのある量のガスの通過を防止する閉状態との間で可動である。
【0055】
第2の制御弁FV2は、ガス減圧圧縮機5から第2のラインL2へのある量のガスの通過を可能にする開状態と、ガス減圧圧縮機5から第2のラインL2へのある量のガスの通過を防止する閉状態との間で可動である。
【0056】
各制御弁FV1、FV2のそれぞれの開放に従って、弁出口におけるそれぞれのガス流量を変化させることができる。
【0057】
温度測定制御デバイスD1は、冷却デバイス4と圧縮機3の入口31との間の第3のラインL3に接続されている。
【0058】
更に、ターボ機械設備は、データを記憶するための記憶手段8(メモリなど)を備え、中央制御ユニット7は、第1の制御弁FV1、第2の制御弁FV2、温度測定制御デバイスD1、記憶手段8に接続されており、
所定の温度値を記憶手段8に記憶することと、
温度測定制御デバイスD1から温度値を取得することと、
温度測定制御デバイスD1によって測定された温度値が所定の温度値よりも高いときに、第1の温度を有する第1の量のガスが、第1の制御弁FV1を通ってアンチサージ回路ACに入り、第2の温度を有する第2の量のガスが、アンチサージ回路ACを出て、ガス減圧圧縮機5に入り、ガス減圧圧縮機5を出て、第2の制御弁FV2を通って第2のラインL2に到達するような方法で、第1の制御弁FV1の開度及び第2の制御弁FV2の開度を調整することであって、第2の量のガスが、第1の量のガスに等しく、第2の温度が、第1の温度よりも高い、調整することと、を行うように構成されている。
【0059】
換言すれば、ある量の高温ガスがアンチサージ回路ACから出て、同じ量の新鮮なガスがアンチサージ回路ACに入る。
【0060】
開示されている実施形態では、中央制御ユニット7は、記憶手段8を含む。しかしながら、記憶手段8は、本発明の範囲から逸脱することなく、中央制御ユニット7の外側にあり得る。
【0061】
ガス温度値に基づく第1の制御弁FV1及び第2の制御弁FV2の開度の制御を改善するために、ガス圧力を制御してガス圧力値が所定のガス圧力値に等しいことを確認することが可能である。
【0062】
この目的のために、ターボ機械設備は、アンチサージ回路AC内のガスに関する圧力値を測定及び制御するように構成された圧力測定制御デバイスD2を更に備え、中央制御ユニット7は、圧力測定制御デバイスD2に接続されており、
所定の圧力値を記憶手段8に記憶することと、
圧力測定制御デバイスD2から圧力値を取得することと、
圧力測定制御デバイスD2によって測定された圧力値が、所定の圧力値に等しいことを確認することと、
圧力値が所定の圧力値に等しくない場合、アンチサージ回路AC内のガスの圧力値が所定の圧力値に等しくなる傾向があるように、第1の制御弁FV1の開度及び第2の制御弁FV2の開度を調整することと、を行うように構成されている。
【0063】
圧力測定制御デバイスD2は、冷却デバイス4と圧縮機3の入口31との間の、アンチサージ回路ACの第3のラインL3に接続されている。しかしながら、圧力測定制御デバイスD2は、本発明の範囲から逸脱することなく、圧縮機3の出口32と冷却デバイス4との間の第3のラインL3に接続することができる。
【0064】
第2の実施形態では、第2のオン/オフ弁V2が、第5のラインL5上に配置されている。このような第2のオン/オフ弁V2は、ガス減圧圧縮機5から排出されたある量のガス(すなわち、第2の温度を有する第2の量のガス)が第5のラインL5に流れることを可能にするための開状態と、ガス減圧圧縮機から排出されたある量のガス(すなわち、第2の温度を有する第2の量のガス)が第5のラインL5に流れるのを防止するための閉状態との間で可動であり、中央制御ユニット8は、第2のオン/オフ弁V2に接続されており、第1の制御弁FV1及び第2の制御弁FV2の開度を調整するときに、第2のオン/オフ弁V2を閉鎖することと、アンチサージ回路ACを空にするときに、第2のオン/オフ弁V2を開放することと、を行うように構成されている。
【0065】
開示されている第2の実施形態では、第1の実施形態について既に述べたように、第5のラインL5の第2の端部は、第1のラインL1に接続されている。したがって、第2のオン/オフ弁V2は、第2のオン/オフ弁V2が開状態のときに、ガス減圧圧縮機5から排出されたある量のガスが第1のラインL1に到達することを可能にし、第2のオン/オフ弁V2が閉状態のときに、ガス減圧圧縮機5から排出されたある量のガスが第1のラインL1に到達するのを防止する。
【0066】
上記に開示された各実施形態を参照すると、圧縮機3は、ガスタービンモジュール1のガスタービン10と可変周波数駆動ユニット2との間に配置され、圧縮機3は、好ましくは、自己同期クラッチ13によってガスタービン10に接続されている。
【0067】
上記に開示されたターボ機械設備の電気可逆的機械によって生成される電力を最大化するための方法は、
ある量のガスが実質的にアンチサージ回路ACのみに流れるように、101で、第1の分離弁SV1及び第2の分離弁SV2を閉鎖するステップと、102で、アンチサージ弁AVを開放するステップと、
ガス減圧圧縮機5によって吸引されたある量のガスが、アンチサージ回路ACからガス減圧圧縮機5へ移動し、圧縮機3が回転することにより、抵抗が少なくなり、吸収される電力が少なくなり、電気可逆的機械21によって生成される電力が最大化されるように、103で、第1のオン/オフ弁V1を開放するステップと、104で、ガス減圧圧縮機5を作動させるステップと、を含む。
【0068】
本技術的解決手段の利点は、電気可逆的機械2が発電機として機能して電力を生み出すときに、電気可逆的機械2によって生成される電力を最大化することである。ガスタービン1の全出力が同じ場合、圧縮機3によって吸収される動力は、既知のタイプのターボ機械設備に含まれる圧縮機によって吸収される動力よりも小さく、次いで、電気可逆的機械2によって生成される電力は、最大化される。更に、その結果、電気可逆的機械の能力を増加させて電力を供給するように、電気可逆的機械2の回転数を増加させることが可能である。
【0069】
更に、第2の利点は、電気可逆的機械の回転数が増加するという事実により、ガスタービンの回転数も増加することができ、次いで、ガスタービンの回転速度を増加させることができ、その結果、ガスタービン効率が高まることである。実際、ガスタービン効率は、パーセンテージの値で2%~4%向上している。
【0070】
第3の利点は、得られる利点に関して低い製造コストを有する技術的解決策によって、電気可逆的機械によって生成される電力を最大化することが可能であることである。したがって、この技術的解決策のための経常支出及び資本支出は、既知のタイプのターボ機械設備に対して低減される。
【0071】
別の利点は、機械駆動ハイブリッドガスタービンを使用する可能性によって与えられる。
【0072】
本発明の態様は、様々な特定の実施形態に関して説明されてきたが、当業者には、特許請求の範囲の趣旨及び範囲を逸脱することなく多くの修正、変更、及び省略が可能であることが、当業者には明らかであろう。加えて、本明細書で別段の指定がない限り、いずれのプロセス又は方法ステップの順序又は配列も、代替的な実施形態に従って変更又は再配列され得る。
【0073】
本開示の実施形態に対して詳細な参照がなされており、これらの1つ以上の例は、図面に例解されている。各例は、本開示を限定するものではなく、本開示の説明として提供するものである。実際には、本開示の範囲又は趣旨から逸脱しない限り、本開示に様々な修正及び変形を加えることができるということが、当業者には明らかであろう。本明細書全体を通して「ある実施形態」又は「一実施形態」又は「いくつかの実施形態」への言及は、一実施形態に関して説明される特定の特徴、構造、又は特性が、開示される主題の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書全体を通して様々な個所における「ある実施形態では」又は「一実施形態では」又は「いくつかの実施形態では」という句が現れると、それは、必ずしも同一の実施形態を指しているものではない。また、特定の特徴、構造、又は特性は、1つ以上の実施形態において、任意の好適な様式において組み合わされ得る。
【0074】
様々な実施形態の要素を提示する際、冠詞「a」、「an」、「the」、及び「当該(said)」は、要素のうちの1つ以上があることを意味することを意図している。「備える(comprising)」、「含む(including)」、及び「有する(having)」という用語は、非排他的であることが意図され、列記された要素以外の追加の要素が存在し得ることを意味するものである。
図1
図2
図3
【国際調査報告】