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特表2024-519697コンタクトレンズの付着を定量化するためのマイクロ流体デバイスおよび方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-21
(54)【発明の名称】コンタクトレンズの付着を定量化するためのマイクロ流体デバイスおよび方法
(51)【国際特許分類】
   G02C 7/04 20060101AFI20240514BHJP
   G01N 37/00 20060101ALI20240514BHJP
   G01N 21/88 20060101ALI20240514BHJP
   G01N 21/94 20060101ALI20240514BHJP
【FI】
G02C7/04
G01N37/00 101
G01N21/88 K
G01N21/94
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023566434
(86)(22)【出願日】2022-04-27
(85)【翻訳文提出日】2023-11-10
(86)【国際出願番号】 IB2022053918
(87)【国際公開番号】W WO2022229880
(87)【国際公開日】2022-11-03
(31)【優先権主張番号】17/242,221
(32)【優先日】2021-04-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.MATLAB
2.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】510294139
【氏名又は名称】ジョンソン・アンド・ジョンソン・ビジョン・ケア・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Johnson & Johnson Vision Care, Inc.
【住所又は居所原語表記】7500 Centurion Parkway, Jacksonville, FL 32256, United States of America
(71)【出願人】
【識別番号】523405339
【氏名又は名称】ザ・ジョージ・ワシントン・ユニバーシティ
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】リ・ジェンユー
(72)【発明者】
【氏名】リヤン・バイリン
【テーマコード(参考)】
2G051
2H006
【Fターム(参考)】
2G051AB01
2G051BB05
2G051CA04
2G051CB05
2G051EA08
2H006BB03
2H006BB10
2H006BC07
(57)【要約】
コンタクトレンズの付着を定量化するための方法が本明細書に開示される。例示的な方法は、コンタクトレンズサンプルを流体ウェル内に配置することを含み得る。例示的な方法は、ある体積の涙液をコンタクトレンズサンプルと共にウェル内に配置することを含み得る。例示的方法は、コンタクトレンズサンプルのすすぎ前画像を捕捉することを含んでもよい。例示的な方法は、コンタクトレンズサンプルをすすぐことを含んでもよい。例示的な方法は、すすいだ後にコンタクトレンズのすすぎ後画像を捕捉することを含み得る。例示的方法は、涙画像またはすすぎ後画像のうちの1つ以上を使用して、付着メトリックを決定することを含んでもよい。例示的な方法は、付着メトリックを出力することを含んでもよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体導管と流体連通しているウェルを備えるマイクロ流体チップを使用してコンタクトレンズの付着を定量化するための方法であって、前記流体導管は、前記流体導管を通って前記ウェルの中へと向かう流体の通過を制御するために、流体入口および流体出口と選択的に連通しており、前記方法は、
前記マイクロ流体チップの前記ウェル内にコンタクトレンズサンプルを配置することと、
前記コンタクトレンズサンプルを有する前記ウェル内に第1の体積の第1の流体を配置することと、
前記コンタクトレンズサンプルの第1の画像を捕捉することと、
前記第1の体積の前記第1の流体の少なくとも一部分の蒸発を引き起こすことと、
前記コンタクトレンズサンプルを有する前記ウェル内に第2の体積の第2の流体を配置することと、
前記第2の体積の前記第2の流体の少なくとも一部分の蒸発を引き起こすことと、
ある期間にわたって湿度チャンバ内に前記マイクロ流体チップを配置することと、
前記期間が経過した後に前記コンタクトレンズサンプルの第2の画像を捕捉することと、
第3の流体で前記コンタクトレンズサンプルをすすぐことと、
前記すすいだ後の前記コンタクトレンズの第3の画像を捕捉することと、
前記第1の画像、前記第2の画像、または前記第3の画像のうちの1つ以上を使用して、付着メトリックを決定することと、
前記付着メトリックを出力することと、を含む方法。
【請求項2】
前記マイクロ流体チップは親水性材料を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ウェルまたは前記流体導管のうちの1つ以上は、親水性となるように構成される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記コンタクトレンズサンプルは1mmのレンズクーポンを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記第1の流体は水を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記第1の流体は水から本質的になる、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記第1の流体は水からなる、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記第1の体積は1μL未満である、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記第1の体積は0.3μL~3μLである、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記第1の体積の前記第1の流体の少なくとも一部分の蒸発を引き起こすことは、受動的蒸発を可能にすることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記第1の画像は、前記コンタクトレンズサンプルの光学顕微鏡画像を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記第1の画像は、前記コンタクトレンズサンプルの第1の側および反対の第2の側の光学顕微鏡画像を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記第2の流体は涙液を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記第2の流体は涙液から本質的になる、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記第2の流体は涙液からなる、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記第2の体積は1μL未満である、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記第2の体積は0.3μL~3μLである、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記第2の体積の前記第2の流体の少なくとも一部分の蒸発を引き起こすことは、受動的蒸発を可能にすることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
前記第2の画像は、前記コンタクトレンズサンプルの光学顕微鏡画像を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項20】
前記第2の画像は、前記コンタクトレンズサンプルの第1の側および反対の第2の側の光学顕微鏡画像を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項21】
前記期間は10分間~20分間である、請求項1に記載の方法。
【請求項22】
前記第3の流体は多目的溶液を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項23】
前記第3の流体は多目的溶液から本質的になる、請求項1に記載の方法。
【請求項24】
前記第3の流体は多目的溶液からなる、請求項1に記載の方法。
【請求項25】
前記第3の画像は、前記コンタクトレンズサンプルの光学顕微鏡画像を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項26】
前記第3の画像は、前記コンタクトレンズサンプルの第1の側および反対の第2の側の光学顕微鏡画像を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項27】
前記付着メトリックは、正規化された付着面積強度を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項28】
前記付着メトリックは、前記すすぎ前の正規化された付着面積強度を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項29】
前記付着メトリックは、前記すすぎ後の正規化された付着面積強度を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項30】
前記付着メトリックは、前記すすぎ前の付着面積強度と前記すすぎ後の付着面積強度との差を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項31】
流体導管と流体連通しているウェルを備えるマイクロ流体チップを使用してコンタクトレンズの付着を定量化するための方法であって、前記流体導管は、前記流体導管を通って前記ウェルの中へと向かう流体の通過を制御するために、流体入口および流体出口と選択的に連通しており、前記方法は、
前記マイクロ流体チップの前記ウェル内にコンタクトレンズサンプルを配置することと、
前記コンタクトレンズサンプルの涙滴下前画像を捕捉することと、
前記コンタクトレンズサンプルを有する前記ウェル内にある体積の涙液を配置することと、
前記コンタクトレンズサンプルの涙画像を捕捉することと、
前記コンタクトレンズサンプルをすすぐことと、
前記すすぎ後の前記コンタクトレンズのすすぎ後画像を捕捉することと、
前記涙滴下前画像、前記涙画像、または前記すすぎ後画像のうちの1つ以上を使用して、付着メトリックを決定することと、
前記付着メトリックを出力することと、を含む方法。
【請求項32】
前記コンタクトレンズサンプルは1mmのレンズクーポンを含む、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記涙滴下前画像は、前記コンタクトレンズサンプルの光学顕微鏡画像を含む、請求項31に記載の方法。
【請求項34】
前記涙滴下前画像は、前記コンタクトレンズサンプルの第1の側および反対の第2の側の光学顕微鏡画像を含む、請求項31に記載の方法。
【請求項35】
前記涙液の体積は1μL未満である、請求項31に記載の方法。
【請求項36】
前記涙液の体積は0.3μL~3μLである、請求項31に記載の方法。
【請求項37】
前記涙画像は、前記コンタクトレンズサンプルの光学顕微鏡画像を含む、請求項31に記載の方法。
【請求項38】
前記涙画像は、前記コンタクトレンズサンプルの第1の側および反対の第2の側の光学顕微鏡画像を含む、請求項31に記載の方法。
【請求項39】
前記すすぎ後画像は、前記コンタクトレンズサンプルの第1の側および反対の第2の側の光学顕微鏡画像を含む、請求項31に記載の方法。
【請求項40】
前記付着メトリックは、正規化された付着面積強度を含む、請求項31に記載の方法。
【請求項41】
前記付着メトリックは、前記すすぎ前の正規化された付着面積強度を含む、請求項31に記載の方法。
【請求項42】
前記付着メトリックは、前記すすぎ後の正規化された付着面積強度を含む、請求項31に記載の方法。
【請求項43】
前記付着メトリックが、前記すすぎ前の付着面積強度と前記すすぎ後の付着面積強度との間の差を含む、請求項31に記載の方法。
【請求項44】
流体導管と流体連通しているウェルを備えるマイクロ流体チップを使用してコンタクトレンズの付着を定量化するための方法であって、前記流体導管は、前記流体導管を通って前記ウェルの中へと向かう流体の通過を制御するために、流体入口および流体出口と選択的に連通しており、前記方法は、
前記マイクロ流体チップの前記ウェル内にコンタクトレンズサンプルを配置することと、
前記コンタクトレンズサンプルを有する前記ウェル内にある体積の涙液を配置することと、
前記コンタクトレンズサンプルの涙画像を捕捉することと、
前記コンタクトレンズサンプルをすすぐことと、
前記すすいだ後の前記コンタクトレンズのすすぎ後画像を捕捉することと、
前記涙画像または前記すすぎ後画像のうちの1つ以上を使用して、付着メトリックを決定することと、
前記付着メトリックを出力することと、を含む方法。
【請求項45】
前記コンタクトレンズサンプルは1mmのレンズクーポンを含む、請求項44に記載の方法。
【請求項46】
前記涙液の体積が1μL未満である、請求項44に記載の方法。
【請求項47】
前記涙液の体積は0.3μL~3μLである、請求項44に記載の方法。
【請求項48】
前記涙画像は、前記コンタクトレンズサンプルの光学顕微鏡画像を含む、請求項44に記載の方法。
【請求項49】
前記涙画像は、前記コンタクトレンズサンプルの第1の側および反対の第2の側の光学顕微鏡画像を含む、請求項44に記載の方法。
【請求項50】
前記すすぎ後画像が、前記コンタクトレンズサンプルの第1の側および反対の第2の側の光学顕微鏡画像を含む、請求項44に記載の方法。
【請求項51】
前記付着メトリックは、正規化された付着面積強度を含む、請求項4に記載の方法。
【請求項52】
前記付着メトリックは、前記すすぎ前の正規化された付着面積強度を含む、請求項44に記載の方法。
【請求項53】
前記付着メトリックは、前記すすぎ後の正規化された付着面積強度を含む、請求項44に記載の方法。
【請求項54】
前記付着メトリックは、前記すすぎ前の付着面積強度と前記すすぎ後の付着面積強度との間の差を含む、請求項44に記載の方法。
【請求項55】
コンタクトレンズの付着を定量化するための方法であって、
コンタクトレンズサンプルを流体ウェル内に配置することと、
前記コンタクトレンズサンプルを有する前記ウェル内にある体積の涙液を配置することと、
前記コンタクトレンズサンプルのすすぎ前画像を捕捉することと、
前記コンタクトレンズサンプルをすすぐことと、
前記すすいだ後の前記コンタクトレンズのすすぎ後画像を捕捉することと、
前記すすぎ前画像または前記すすぎ後画像のうちの1つ以上を使用して、付着メトリックを決定することと、
前記付着メトリックを出力することと、を含む方法。
【請求項56】
前記コンタクトレンズサンプルは1mmのレンズクーポンを含む、を含む、請求項55に記載の方法。
【請求項57】
前記すすぎ前画像は、前記コンタクトレンズサンプルの光学顕微鏡画像を含む、請求項55に記載の方法。
【請求項58】
前記すすぎ前画像は、前記コンタクトレンズサンプルの第1の側および反対の第2の側の光学顕微鏡画像を含む、請求項55に記載の方法。
【請求項59】
前記涙液の体積が1μL未満である、請求項55に記載の方法。
【請求項60】
前記涙液の体積は0.3μL~3μLである、請求項55に記載の方法。
【請求項61】
前記すすぎ後画像は、前記コンタクトレンズサンプルの第1の側および反対の第2の側の光学顕微鏡画像を含む、請求項55に記載の方法。
【請求項62】
前記付着メトリックは、正規化された付着面積強度を含む、請求項55に記載の方法。
【請求項63】
前記付着メトリックは、前記すすぎ前の正規化された付着面積強度を含む、請求項55に記載の方法。
【請求項64】
前記付着メトリックは、前記すすぎ後の正規化された付着面積強度を含む、請求項55に記載の方法。
【請求項65】
前記付着メトリックは、前記すすぎ前の付着面積強度と前記すすぎ後の付着面積強度との間の差を含む、請求項55に記載の方法。
【請求項66】
コンタクトレンズ装用者のレンズ材料との適合性を評価する方法であって、
コンタクトレンズサンプルを前記装用者からのある体積の涙液に曝露することと、
前記コンタクトレンズサンプルのすすぎ前データを捕捉することと、
前記コンタクトレンズサンプルをすすぐことと、
前記すすぎ後の前記コンタクトレンズサンプルのすすぎ後データを捕捉することと、
前記すすぎ前データを前記すすぎ後データと比較することと、を含む方法。
【請求項67】
前記コンタクトレンズサンプルは1mmのレンズクーポンを含む、請求項66に記載の方法。
【請求項68】
前記すすぎ前データは、前記コンタクトレンズサンプルの画像を含む、請求項66に記載の方法。
【請求項69】
前記すすぎ前データは、前記コンタクトレンズサンプルの第1の側および反対の第2の側の画像を含む、請求項66に記載の方法。
【請求項70】
前記すすぎ前データは、明視野画像、暗視野画像、位相差画像、微分干渉コントラスト(DIC)画像、もしくは蛍光顕微鏡画像、またはそれらの組み合わせを含む、請求項66に記載の方法。
【請求項71】
前記涙液の体積は1μL未満である、請求項66に記載の方法。
【請求項72】
前記涙液の体積は0.3μL~3μLである、請求項66に記載の方法。
【請求項73】
前記すすぎ後データは、前記コンタクトレンズサンプルの第1の側および反対の第2の側の光学顕微鏡画像を含む、請求項66に記載の方法。
【請求項74】
前記すすぎ後データは、明視野画像、暗視野画像、位相差画像、微分干渉コントラスト(DIC)画像、もしくは蛍光顕微鏡画像、またはそれらの組み合わせを含む、請求項66に記載の方法。
【請求項75】
前記すすぎ前データを前記すすぎ後データと比較することに少なくとも基づいて、付着メトリックを決定することをさらに含む、請求項66に記載の方法。
【請求項76】
前記付着メトリックは、正規化された付着面積強度を含む、請求項75に記載の方法。
【請求項77】
前記付着メトリックは、前記すすぎ前の正規化された付着面積強度を含む、請求項75に記載の方法。
【請求項78】
前記付着メトリックは、前記すすぎ後の正規化された付着面積強度を含む、請求項75に記載の方法。
【請求項79】
前記付着メトリックは、前記すすぎ前の付着面積強度と前記すすぎ後の付着面積強度との間の差を含む、請求項75に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
コンタクトレンズの不快感(contact lens discomfort,CLD)は一般的な問題であり、コンタクトレンズ装用者の最大で半数が、いくぶんかの頻度または程度でCLDを経験している。研究により、レンズ装用者の12%~51%がコンタクトレンズ装用を「ドロップアウト」し、CLDが中止の主な理由であることが報告されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
改善が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0003】
コンタクトレンズの付着を定量化するための方法、システム、およびデバイスが本明細書に開示される。本開示は、流体導管と流体連通するウェルを備えるマイクロ流体チップを使用する方法に関する。流体導管は、流体導管を通してウェルの中への流体の通過を制御するために、流体入口および流体出口と選択的に連通してもよい。
【0004】
例示的な方法は、マイクロ流体チップのウェル内にコンタクトレンズサンプルを配置することを含み得る。例示的な方法は、コンタクトレンズサンプルを有するウェル内に第1の体積の第1の流体を配置することを含んでもよい。例示的方法は、コンタクトレンズサンプルの第1の画像を捕捉することを含んでもよい。例示的な方法は、第1の流体の第1の体積の少なくとも一部の蒸発を引き起こすことを含み得る。例示的方法は、コンタクトレンズサンプルを有するウェル内に第2の体積の第2の流体を配置することを含んでもよい。例示的な方法は、第2の流体の第2の体積の少なくとも一部の蒸発を引き起こすことを含んでもよい。例示的な方法は、マイクロ流体チップをある期間にわたって湿度チャンバ内に配置することを含み得る。例示的な方法は、期間が終了した後にコンタクトレンズサンプルの第2の画像を捕捉することを含み得る。例示的な方法は、コンタクトレンズサンプルを第3の流体ですすぐことを含んでもよい。例示的な方法は、すすいだ後にコンタクトレンズの第3の画像を捕捉することを含んでもよい。例示的な方法は、第1の画像、第2の画像、または第3の画像のうちの1つ以上を使用して、付着メトリックを決定することを含むことができる。例示的な方法は、付着メトリックを出力することを含んでもよい。
【0005】
マイクロ流体チップは、親水性材料を含んでもよい。ウェルまたは流体導管のうちの1つ以上は、親水性であるように構成されてもよい。コンタクトレンズサンプルは、1mmのレンズクーポンを含み得る。第1の流体は水を含んでもよい。第1の流体は、水から本質的になってもよい。第1の流体は、水からなってもよい。第1の体積は、1μL未満であってもよい。第1の体積は、約0.5μLであってもよい。第1の流体の第1の体積の少なくとも一部の蒸発を引き起こすことは、受動的蒸発を可能にすることを含み得る。第1の画像は、コンタクトレンズサンプルの光学顕微鏡画像を含んでもよい。第1の画像は、コンタクトレンズサンプルの第1の側および反対の第2の側の光学顕微鏡画像を含んでもよい。
【0006】
第2の流体は、涙液を含んでもよい。第2の流体は、涙液から本質的になってもよい。第2の流体は、涙液からなってもよい。第2の体積は、1μL未満であってもよい。第2の体積は、約0.5μLであってもよい。第2の流体の第2の体積の少なくとも一部の蒸発を引き起こすことは、受動的蒸発を可能にすることを含んでもよい。第2の画像は、コンタクトレンズサンプルの光学顕微鏡画像を含んでもよい。第2の画像は、コンタクトレンズサンプルの第1の側および反対の第2の側の光学顕微鏡画像を含んでもよい。時間は約20分であってもよい。
【0007】
第3の流体は、多目的溶液を含んでもよい。第3の流体は、多目的溶液から本質的になってもよい。第3の流体は、多目的溶液からなってもよい。第3の画像は、コンタクトレンズサンプルの光学顕微鏡画像を含んでもよい。第3の画像は、コンタクトレンズサンプルの第1の側および反対の第2の側の光学顕微鏡画像を含んでもよい。付着メトリックは、正規化された付着面積強度を含んでもよい。付着メトリックは、すすぎ前の正規化された付着面積強度を含んでもよい。付着メトリックは、すすぎ後の正規化された付着面積強度を含んでもよい。付着メトリックは、すすぎ前の付着面積強度とすすぎ後の付着面積強度との間の差を含んでもよい。
【0008】
流体導管と流体連通しているウェルを備えるマイクロ流体チップを使用してコンタクトレンズの付着を定量化するための方法が、本明細書に開示される。流体導管は、流体導管を通ってウェルの中へと向かう流体の通過を制御するために、流体入口および流体出口と選択的に連通してもよい。例示的な方法は、マイクロ流体チップのウェル内にコンタクトレンズサンプルを配置することを含み得る。例示的方法は、コンタクトレンズサンプルの涙滴下前画像を捕捉することを含んでもよい。例示的な方法は、ある体積の涙液をコンタクトレンズサンプルと共にウェル内に配置することを含み得る。例示的方法は、コンタクトレンズサンプルの涙画像を捕捉することを含んでもよい。例示的な方法は、コンタクトレンズサンプルをすすぐことを含んでもよい。例示的な方法は、すすいだ後にコンタクトレンズのすすぎ後画像を捕捉することを含み得る。例示的な方法は、涙滴下前画像、涙画像、またはすすぎ後画像のうちの1つ以上を使用して、付着メトリックを決定することを含むことができる。例示的な方法は、付着メトリックを出力することを含んでもよい。
【0009】
流体導管と流体連通しているウェルを備えるマイクロ流体チップを使用してコンタクトレンズの付着を定量化するための方法が、本明細書に開示される。流体導管は、流体導管を通ってウェルの中へと向かう流体の通過を制御するために、流体入口および流体出口と選択的に連通してもよい。例示的な方法は、マイクロ流体チップのウェル内にコンタクトレンズサンプルを配置することを含み得る。例示的な方法は、ある体積の涙液をコンタクトレンズサンプルと共にウェル内に配置することを含み得る。例示的方法は、コンタクトレンズサンプルのすすぎ前画像を捕捉することを含んでもよい。例示的な方法は、コンタクトレンズサンプルをすすぐことを含んでもよい。例示的な方法は、すすいだ後にコンタクトレンズのすすぎ後画像を捕捉することを含み得る。例示的方法は、涙画像またはすすぎ後画像のうちの1つ以上を使用して、付着メトリックを決定することを含んでもよい。例示的な方法は、付着メトリックを出力することを含んでもよい。
【0010】
コンタクトレンズの付着を定量化するための方法が本明細書に開示される。例示的な方法は、コンタクトレンズサンプルを流体ウェル内に配置することを含み得る。例示的な方法は、ある体積の涙液をコンタクトレンズサンプルと共にウェル内に配置することを含み得る。例示的方法は、コンタクトレンズサンプルのすすぎ前画像を捕捉することを含んでもよい。例示的な方法は、コンタクトレンズサンプルをすすぐことを含んでもよい。例示的な方法は、すすいだ後にコンタクトレンズのすすぎ後画像を捕捉することを含み得る。例示的方法は、涙画像またはすすぎ後画像のうちの1つ以上を使用して、付着メトリックを決定することを含んでもよい。例示的な方法は、付着メトリックを出力することを含んでもよい。
【0011】
コンタクトレンズ装用者のレンズ材料との適合性を評価するための方法が本明細書に開示される。例示的な方法は、コンタクトレンズサンプルを装用者からのある体積の涙液に曝露することを含み得る。例示的な方法は、コンタクトレンズサンプルのすすぎ前データを捕捉することを含み得る。例示的な方法は、コンタクトレンズサンプルをすすぐことを含んでもよい。例示的な方法は、すすいだ後のコンタクトレンズサンプルのすすぎ後データを捕捉することを含み得る。例示的な方法は、すすぎ前データをすすぎ後データと比較することを含んでもよい。
【図面の簡単な説明】
【0012】
以下の図面は、例として、ただし限定としてではなく、本開示で検討される様々な実施例を一般的に示したものである。
図1A】例示的なマイクロ流体チップ製造プロセスを示す図である。
図1B】完全に組み立てられたチップの例示的画像および挿入物の例示的概略図である。
図2】ポリジメチルシロキサン-ポリエチレンオキシド(Polydimethylsiloxane-Polyethylene oxide、PDMS-PEO)マイクロ流体チップ上の直径1.5mmのマイクロ流体ウェル内にある直径1mmのコンタクトレンズの例示的な顕微鏡写真、および直径1.2mmのマイクロ流体ウェル内にある直径1mmのコンタクトレンズの例示的な光学顕微鏡写真である。
図3A】コンタクトレンズの付着定量化のためのマイクロ流体デバイスの例示的概略図である。
図3B】コンタクトレンズの付着定量化のためのマイクロ流体デバイスの例示的概略図である。
図3C】コンタクトレンズの付着定量化のためのマイクロ流体デバイスの例示的概略図である。
図4】オンチップマイクロバルブおよび電子的に制御された圧力駆動液体流を使用するマイクロ流体デバイスの例示的な実装態様を示す図である。
図5】毛管駆動液体流を使用するマイクロ流体デバイスの例示的な実装形態を示す図である。
図6A】例示的な方法フロー図である。
図6B】例示的な方法フロー図である。
図6C】例示的な方法フロー図である。
図7A】マイクロ流体ウェル内の例示的なコンタクトレンズクーポン画像、および付着スコアを伴う例示的なコンピュータ処理画像である。
図7B】マイクロ流体ウェル内の例示的なコンタクトレンズクーポン画像、および付着スコアを伴う例示的なコンピュータ処理画像である。
図8】例示的な差対すすぎ後付着スコアのプロットを示す図である。
図9】スマートフォンベースの暗視野撮像システムの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
レンズ表面の堆積(付着)は、レンズ装用の快適さおよび成功を決定する要因であり得る。したがって、臨床現場に適した、コンタクトレンズ上の脂質/タンパク質付着を再現、検出、および定量化するための使いやすい方法およびデバイスにかなりの関心が寄せられている。
【0014】
μLまたはサブμLのヒトの涙および小型コンタクトレンズクーポンを使用して、コンタクトレンズの付着を定量化するためのマイクロ流体デバイス(デバイスの設計、製造、試験、および使用を含む)および方法が本明細書に記載される。
【0015】
マイクロ流体デバイス
本明細書に記載されるのは、コンタクトレンズと涙との間の相互作用を評価するためのマイクロ流体(例えば、ラボオンチップ)システムおよび方法であり、これは、小型コンタクトレンズサンプル上への涙の付着の再現および定量化を可能にし得る。マイクロ流体デバイスは、射出成形、複製成形、ミリングまたはリソグラフィによって、ポリジメチルシロキサン(polydimethylsiloxane、PDMS)、ポリスチレン、アクリル、環状オレフィンコポリマー(cyclic olefin copolymer、COC)などから作製され得る。
【0016】
本開示のシステムおよびデバイスは、流体源、圧力源(および関連付けられた空気圧構成要素)を含み、流体ハンドリング(例えば、溶液ハンドリングおよび流量制御、試薬ハンドリング、サンプルハンドリング、電力供給/生成(例えば、電力入力のためのポート、統合バッテリ、および/または同等物)、システム制御(例えば、プロセッサ/マイクロプロセッサ、メモリ、電気および空気圧通信ライン、および/または同等物)、通信(例えば、有線通信、Bluetooth等を介した無線通信)、および/または同等物のうちの1つ以上をさらに含む、ラボオンチップシステムを備えてもよく、あるいはラボオンチップシステムとして具現化されてもよい。
【0017】
例示的なマイクロ流体チップの製造
図1Aは、例示的なマイクロ流体チップ製造プロセスを示す。図1Bは、完全に組み立てられたチップの挿入物の例示的な概略図を示す。示されるように、マイクロ流体チップ100は、1つ以上の層を含んでもよい。一例として、マイクロ流体チップ100は、流体層120、ウェル層104、基板106(例えば、スライドガラス)、またはそれらの任意の組み合わせのうちの1つ以上を備えてもよい。ウェル層104は、基板106上に配設されてよい。ウェル層104は、流体層120と基板106との間に介挿され得る。流体層120は、ポリジメチルシロキサン(PDMS)を含んでもよい。しかしながら、限定されないが、ポリスチレン、環状オレフィンコポリマー(COC)、アクリル、ポリウレタン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、もしくはガラス、またはそれらの組み合わせ等の他の材料が使用されてもよい。ウェル層104は、ポリジメチルシロキサン(PDMS)を含んでもよい。しかしながら、ポリスチレン、環状オレフィンコポリマー(COC)、アクリル、ポリウレタン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、もしくはガラス、またはそれらの組み合わせなどの他の材料が、層120、104、106のうちの1つ以上を形成するためにあってもよい。
【0018】
ウェル層104は、流体および/またはサンプル試験材料(例えば、サンプルコンタクトレンズ)等の材料を受容するように構成された1つ以上のウェル105を備えてもよい。1つ以上のウェル105は、その中にある体積の流体を保持するように構成されてもよい。1つ以上のウェル105は、コンタクトレンズサンプル108等の1つ以上のサンプルを受容するように構成されてもよい。コンタクトレンズサンプルは、コンタクトレンズまたはコンタクトレンズの一部分(例えば、クーポン)であってもよく、あるいはそれを含んでもよい。例として、ウェル105のうちの1つ以上は、コンタクトレンズサンプル108またはコンタクトレンズサンプル108の一部分を受容するように定寸されてもよい。ウェル105のうちの1つ以上は、コンタクトレンズサンプル108またはコンタクトレンズサンプル108の一部分を保持するように定寸されてもよい。
【0019】
流体層120(および/または制御層102(図1B))は、入口110および出口112を備えてもよい。入口110は、内部を通る流体の通過を可能にするオリフィスによって画定されてもよい。出口112は、内部を通る流体の通過を可能にするオリフィスによって画定されてもよい。マイクロ流体チップ100が組み立てられるとき、入口110は、流体導管115または通路を介して出口112と流体連通し得る。流体導管115は、制御層102(図1B)、流体層120、またはウェル層104のうちの1つ以上の中に少なくとも部分的に形成されてもよく、あるいはそれらによって画定されてもよい。流体導管115は、流体層120またはウェル層104のうちの1つ以上の少なくとも一部分によって画定されてもよい。
【0020】
例として、ウェル層104は、基板106上に配設されてもよい。ウェル層104および/または流体層120の1つ以上の表面は、プラズマ処理されてもよい。1つ以上のコンタクトレンズサンプル108が、それぞれのウェル105内に配置され得る。流体層120は、入口110および出口112が(例えば、流体導管115を介して)1つ以上のウェル104と流体連通するように、ウェル層104と位置合わせされ、ウェル層105に対して封止され得る。
【0021】
図1Bは、組み立てられたマイクロ流体デバイス100を示す。図示されるように、ウェル層104は基板106上に配設される。コンタクトレンズサンプル108は、ウェル層104のウェル105のそれぞれの中に配置される。流体層120は、ウェル層104上に配設され、ウェル層104のウェル105と流体層120の入口110および出口112との間で流体連通する流体導管115を画定する。流体層120は、ウェル層104と制御層102との間に介挿されてもよく、あるいは制御層102の一部として形成されてもよい。
【0022】
1つ以上の流体(例えば、涙液、多目的流体)は、流体導管115を通過させられてもよい(例えば、入口110を介して出口112に向かって)。説明のための例として、涙成分116は、ウェル105内のコンタクトレンズサンプル108上を通過するように示されている。したがって、本開示のシステム、デバイス、および方法を使用して試験され得るコンタクトレンズサンプル108上に付着が生じ得る。一例として、(例えば、制御層102内の)1つ以上の弁118は、流体導管115内およびウェル105のうちの1つ以上の間の流体の流れを制御するように構成されてもよい。
【0023】
非限定的な例として、ウェル層104を製造するために、R.S.Hughes(Sunnyvale,CA)のRTV615(PDMS)またはSylgard 184を10:1(A:B)の比で混合し、ウェル型に注ぎ、脱気し、75℃のオーブンで90分間焼成した。硬化後、PDMSを型から引き剥がし、小さな正方形に切断し、空気プラズマ(Electro-Technic Products、BD-20AC)を用いてスライドガラスに結合させた。制御層102を製造するために、RTV615を5:1の比で混合し、型上に注ぎ、脱気し、1時間にわたって半焼成した。流体層120を製造するために、RTV615を20:1の比で混合し、1100RPMで型上にスピン塗布し、1時間半焼成した。次に、制御層102を型から剥がし、小さな正方形に切断し、流体層120型の上に整列させ、さらに1時間にわたって焼成した後、持ち上げて一晩焼成した。入口/出口ポートを、0.75mm生検パンチを使用して芯抜きした。小型(直径1mm)のコンタクトレンズサンプルを、生検パンチを使用してフルサイズのコンタクトレンズヒドロゲルから採取した。チップを組み立てるために、上部マイクロ流体層(流体層120および制御層102)および底部ウェル層104をプラズマ処理し、レンズサンプルをウェル内に配置し、2つのPDMS片を整列させ、封止した後、75℃で10分間焼成した。
【0024】
さらなる例として、3つのマスター型(流体、対照、およびウェル)を、3インチのシリコンウェハ対して標準的なフォトリソグラフィを用いて作製した。流体層120と対照層102の両方について、AZ 9260を900RPMでスピンし、110℃で5分間にわたってソフトベークし、30分間にわたって再水和し、1800mJ/cm2で露光し、AZ 400K 1:3現像剤中で5分間にわたって現像し、130℃で1分間にわたってリフローした(H=19μm)。ウェル層104については、SU-8 2150を230μmの厚さにスピンコートし、95℃で1時間にわたってソフトベークし、ロングパスフィルタ(PL-360-LP)を用いて1480mJ/cm2で露光し、95℃で20分間にわたって露光後ベークし、SU-8現像液中で20分間にわたって現像し、155℃で5分間にわたってハードベークした。
【0025】
1μLmのサンプルおよび直径1mmのレンズを用いた例示的なマイクロ流体チップ操作
例示的な毛管駆動流
セットアップを単純化し、スループットを向上させるために、PDMSをPDMS-PEO(1%)と混合することによって、マイクロ流体チップを親水性となるように改変した。そのような親水性チップを用いて、涙サンプルはウェル上に滴下されても、あるいは入口にピペットで移されてもよく、次いで、涙サンプルは、能動的ポンピングなしでレンズサンプル領域に流動し得る。図2は、直径1.5mmのマイクロ流体ウェル内の直径1mmの例示的なレンズを示す。1μLのPBS溶液をウェルに導入した。
【0026】
図2は、PDMS-PEOマイクロ流体チップ上の直径1.5mmのマイクロ流体ウェル内の直径1mmの例示的なレンズの例示的な着色顕微鏡写真(左)と、直径1.2mmのマイクロ流体ウェル内の直径1mmの例示的なレンズのグレースケール光学顕微鏡写真(右)と、を示す。
【0027】
例示的な圧力駆動流
マイクロ流体チップ操作を自動化するために、液体サンプルは、マイクロピペットチップを入口(例えば、入口110(図1))に挿入すること、またはサンプルを入口ポートに滴下し、1psiの圧力を印加することによって導入され得る。そのような圧力駆動マイクロ流体流は、オンチップ弁およびポンプ、ならびに携帯用コントローラを使用することによって、自動化および制御されてもよい。
【0028】
例示的な付着試験
図3A図3Cは、例示的な付着試験プロセス中の異なるステップにおける例示的なマイクロ流体チップ300の例示的な概略側面図を示す。マイクロ流体チップ300は、内部に流体導管315が形成された本体を備え得る。流体導管315は、入口310と出口312との間に延在し得る。流体導管315は、1つ以上のウェル305と流体連通してもよい。一例として、1つ以上の弁318が、流体導管315を通る流体の流れを制御するように構成され得る。さらなる例として、1つ以上のバルブ318は、1つ以上のウェル305の上または中の流体の流れまたは保持を制御するように構成され得る。
【0029】
図3Aは、ウェル305内に配置されたコンタクトレンズサンプル308を示す。コンタクトレンズサンプル308は、コンタクトレンズまたはその一部分を含み得る。涙液316は、ウェル305内および/またはレンズサンプル308上もしくはその周囲に配置されてもよい。図3Bは、湿度チャンバ220内に配置されたマイクロ流体チップ300を示す。湿度チャンバ220は、流体221を含んでもよく、目標湿度および/または温度を維持するように構成されてもよい。したがって、マイクロ流体チップ300は、眼上の環境を模倣することができる。例として、涙液316は、レンズサンプル308上に付着物222を残し得る。図3Cは、ウェル305を包囲するように、また流体がウェル305を通って出ることなく流体導管315を通過することを可能にするようにウェルの上に配置されたカバー224を示す。すすぎ溶液または多目的溶液のような流体226は、入口310からウェル305を通って出口312に向かって流体導管315を通過させられ得る。流体226は、レンズサンプル308から付着物222の少なくとも一部分を廃棄物228としてすすぎ落とすことができる。
【0030】
説明のための例として、直径1mmのレンズクーポンが開放反応チャンバ(直径1.2mm)内に配置され得る。純水がチャンバに加えられ得る。レンズの涙滴下前の光学顕微鏡画像が撮影され得る。オンチップ弁は、チャンバ領域内に涙を閉じ込めるために閉鎖されてもよい。0.5μLの涙サンプルがレンズ上に滴下され得る。チャンバは、涙を蒸発させるために約10分間開放したままにされてもよい。マイクロ流体チップは、37℃の湿度チャンバ内にさらに20分間にわたって配置されてもよい。自動化された洗浄および処理のためにチップを閉鎖するために、取り外し可能なカバーがチャンバ上に配置されてもよい。レンズの光学顕微鏡画像は、この時点(涙滴下後)で撮影され得る。オンチップ弁は開放されていてもよく、またレンズを洗浄するために多目的溶液がチャンバ内に押し込まれてもよい。すすぎ後の光学顕微鏡画像が撮影されてもよい。
【0031】
図4図5は、オンチップマイクロ弁418および電子的に制御された圧力駆動液体流を使用するマイクロ流体デバイス400の例示的な実装態様を示す。図示のように、マイクロ流体デバイス400は、流体導管414A、414Bを介して出口412と流体連通している入口410を備える。流体導管414A、414Bは、ウェル405と流体連通するように構成される。ウェル405は、コンタクトレンズサンプル408、涙液416等の流体、または両方の組み合わせを受容するように構成される。1つ以上の弁418は、導管414A、414B、もしくはウェル405、またはその両方を通る流体の流れを制御するように構成され得る。図5に示されるように、弁418が開放しているとき、流体は、入口410からウェル405を通って出口412に向かって流れることができる。
【0032】
マイクロ流体チップ(例えば、マイクロ流体チップ100(図1)、マイクロ流体チップ300(図3))を使用してコンタクトレンズの付着を定量化するための方法は、
1)マイクロ流体チップのウェル内にコンタクトレンズサンプルを配置し、コンタクトレンズサンプルを有するウェル内に第1の体積の第1の流体を配置することと、
2)ンタクトレンズサンプルの第1の画像を捕捉することと、
3)第1の体積の第1の流体の少なくとも一部分の蒸発を引き起こすことと、
4)コンタクトレンズサンプルを有するウェル内に第2の体積の第2の流体を配置することと、
5)第2の体積の第2の流体の少なくとも一部分の蒸発を引き起こし、ある期間にわたって湿度チャンバ内にマイクロ流体チップを配置することと、
6)期間が経過した後にコンタクトレンズサンプルの第2の画像を捕捉することと、
7)第3の流体でコンタクトレンズサンプルをすすぎ、すすいだ後のコンタクトレンズの第3の画像を捕捉することと、
8)第1の画像、第2の画像、または第3の画像のうちの1つ以上を使用して、付着メトリックを決定することと、
9)付着メトリックを出力することと、のうちの1つ以上を含んでもよい。
【0033】
図6Aは、マイクロ流体チップ(例えば、マイクロ流体チップ100(図1)、マイクロ流体チップ300(図3))を使用してコンタクトレンズの付着を定量化するための例示的な方法を示す。図6Aに示される方法は、流体導管と流体連通しているウェルを備えるマイクロ流体チップを使用してもよく、流体導管は、流体導管を通ってウェルの中へと向かう流体の通過を制御するために、流体入口および流体出口と選択的に連通している。図6Aに示される方法は、ステップ600~622のうちの1つ以上を含んでもよい。
【0034】
600において、コンタクトレンズサンプルは、マイクロ流体チップのウェル内に配置され得る。コンタクトレンズサンプルは、ソフトコンタクト眼科レンズなどのコンタクトレンズの全体または一部分であってもよく、あるいはそれを含んでもよい。コンタクトレンズサンプルは、ウェルのサイズに基づいて定寸されてもよい。コンタクトレンズサンプルは、1mmのレンズクーポンであってもよく、あるいはそれを含んでもよい。一例として、マイクロ流体チップは親水性材料を含む。さらなる例として、ウェルまたは流体導管のうちの1つ以上は、親水性となるように構成される。さらに別の例として、複数の異なるタイプのコンタクトレンズクーポンまたは材料が、製造処理中にマイクロ流体チップに事前装填されてもよい。
【0035】
602において、第1の体積の第1の流体が、コンタクトレンズサンプルを有するウェル内に配置されてもよい。一例として、第1の流体は、水であってもよく、あるいは水を含んでもよい。第1の流体は、水から本質的になってもよい。第1の流体は、水からなってもよい。第1の体積は、ウェルの容積に基づいてもよい。第1の体積は、1μL未満であってもよい。第1の体積は、約0.5μLであってもよい。第1の体積は、0.3μL~3μLであってもよい。
【0036】
604において、コンタクトレンズサンプルの1つ以上の第1の画像が捕捉されてもよい。1つ以上の第1の画像は、コンタクトレンズサンプルの光学顕微鏡画像を含んでもよい。1つ以上の第1の画像は、コンタクトレンズサンプルの第1の側および反対の第2の側の光学顕微鏡画像を含んでもよい。1つ以上の第1の画像は、明視野、暗視野、位相差、微分干渉コントラスト(differential interference contrast、DIC)、もしくは蛍光顕微鏡画像、またはそれらの組み合わせであってもよい。
【0037】
606において、ウェル内にある第1の体積の第1の流体の少なくとも一部分を蒸発させてもよい。そのような蒸発は、受動的であっても能動的であってもよい。
【0038】
608において、第2の体積の第2の流体が、コンタクトレンズサンプルを有するウェル内に配置されてもよい。第2の流体は、涙液であってもよく、あるいは涙液を含んでもよい。第2の流体は、涙液から本質的になってもよい。第2の流体は、涙液からなってもよい。第2の体積は、1μL未満であってもよい。第2の体積は、約0.5μLであってもよい。第2の体積は、0.3μL~3μLであってもよい。
【0039】
610において、第2の体積の第2の流体の少なくとも一部分を蒸発させてもよい。そのような蒸発は、受動的であっても能動的であってもよい。
【0040】
612において、マイクロ流体チップは、ある期間にわたって湿度チャンバ内に配置され得る。期間は約20分であってもよい。期間は10分~20分であってもよい。期間は15分~20分であってもよい。期間は、目標条件を達成するように調整されてもよい。
【0041】
614において、コンタクトレンズサンプルの1つ以上の第2の画像が、期間が終了した後に捕捉され得る。1つ以上の第2の画像は、コンタクトレンズサンプルの光学顕微鏡画像を含んでもよい。1つ以上の第2の画像は、コンタクトレンズサンプルの第1の側および反対の第2の側の光学顕微鏡画像を含んでもよい。
【0042】
616において、コンタクトレンズサンプルは第3の流体ですすがれてもよい。第3の流体は、多目的溶液であってもよく、あるいは多目的溶液を含んでもよい。第3の流体は、多目的溶液から本質的になってもよい。第3の流体は、多目的溶液からなってもよい。第3の流体は、純水、リン酸緩衝生理食塩水(phosphate-buffered saline、PBS)溶液、または他のコンタクトレンズ洗浄液であってもよく、あるいはそれを含んでもよい。
【0043】
618において、コンタクトレンズの1つ以上の第3の画像が、すすぎ後に捕捉されてもよい。1つ以上の第3の画像は、コンタクトレンズサンプルの光学顕微鏡画像を含んでもよい。1つ以上の第3の画像は、コンタクトレンズサンプルの第1の側および反対の第2の側の光学顕微鏡画像を含んでもよい。
【0044】
620において、付着メトリックが決定され得る。付着メトリックを決定することは、第1の画像、第2の画像、または第3の画像のうちの1つ以上を使用して実現され得る。付着メトリックは、正規化された付着面積強度を含んでもよい。付着メトリックは、すすぎ前の正規化された付着面積強度を含んでもよい。付着メトリックは、すすぎ後の正規化された付着面積強度を含んでもよい。付着メトリックは、すすぎ前の付着面積強度とすすぎ後の付着面積強度との差を含む。
【0045】
622において、付着メトリックが出力され得る。そのような出力は、ユーザインターフェースを介してもよい。
【0046】
図6Bは、マイクロ流体チップ(例えば、マイクロ流体チップ100(図1)、マイクロ流体チップ300(図3))を使用してコンタクトレンズの付着を定量化するための例示的な方法を示す。図6Bに示される方法は、流体導管と流体連通しているウェルを備えるマイクロ流体チップを使用して実現されてもよく、流体導管は、流体導管を通ってウェルの中へと向かう流体の通過を制御するために、流体入口および流体出口と選択的に連通している。図6Bに示される方法は、ステップ630~642のうちの1つ以上を含んでもよい。
【0047】
630において、コンタクトレンズサンプルは、マイクロ流体チップのウェル内に配置され得る。コンタクトレンズサンプルは、ソフトコンタクト眼科レンズなどのコンタクトレンズの全体または一部分であってもよく、あるいはそれを含んでもよい。コンタクトレンズサンプルは、ウェルのサイズに基づいて定寸されてもよい。コンタクトレンズサンプルは、1mmのレンズクーポンであってもよく、あるいはそれを含んでもよい。一例として、マイクロ流体チップは親水性材料を含む。さらなる例として、ウェルまたは流体導管のうちの1つ以上は、親水性となるように構成される。
【0048】
632において、ある体積の涙液が、コンタクトレンズサンプルを有するウェル内に配置されてもよい。体積は1μL未満であってもよい。体積は、約0.5μLであってもよい。
【0049】
634において、コンタクトレンズサンプルの1つ以上のすすぎ前画像が捕捉され得る。1つ以上のすすぎ前画像は、コンタクトレンズサンプルの光学顕微鏡画像を含んでもよい。1つ以上のすすぎ前画像は、コンタクトレンズサンプルの第1の側および反対の第2の側の光学顕微鏡画像を含んでもよい。
【0050】
636において、コンタクトレンズサンプルはすすがれてもよい。コンタクトレンズサンプルは、流体ですすがれてもよい。流体は、多目的溶液であってもよく、あるいは多目的溶液を含んでもよい。流体は、多目的溶液から本質的になってもよい。流体は、多目的溶液からなってもよい。
【0051】
638では、すすぎ後のコンタクトレンズの1つ以上のすすぎ後画像が捕捉されてもよい。1つ以上のすすぎ後画像は、コンタクトレンズサンプルの光学顕微鏡画像を含んでもよい。1つ以上のすすぎ後画像は、コンタクトレンズサンプルの第1の側および反対の第2の側の光学顕微鏡画像を含んでもよい。
【0052】
640において、付着メトリックが決定され得る。付着メトリックを決定することは、すすぎ前画像またはすすぎ後画像のうちの1つ以上を使用して実現され得る。付着メトリックは、正規化された付着面積強度を含んでもよい。付着メトリックは、すすぎ前の正規化された付着面積強度を含んでもよい。付着メトリックは、すすぎ後の正規化された付着面積強度を含んでもよい。付着メトリックは、すすぎ前の付着面積強度とすすぎ後の付着面積強度との差を含む。
【0053】
642において、付着メトリックが出力され得る。そのような出力は、ユーザインターフェースを介してもよい。
【0054】
図6Cは、マイクロ流体チップ(例えば、マイクロ流体チップ100(図1)、マイクロ流体チップ300(図3))を使用してコンタクトレンズの付着を定量化するための例示的な方法を示す。図6Cに示される方法は、ステップ650~658のうちの1つ以上を含んでもよい。
【0055】
650において、コンタクトレンズサンプルは、装用者からのある体積の涙液に曝露され得る。
【0056】
652において、コンタクトレンズサンプルのすすぎ前データが捕捉され得る。すすぎ前データは、コンタクトレンズサンプルの捕捉された1つ以上のすすぎ前画像を含み得るか、あるいはそれに基づき得る。1つ以上のすすぎ前画像は、コンタクトレンズサンプルの光学顕微鏡画像を含んでもよい。1つ以上のすすぎ前画像は、コンタクトレンズサンプルの第1の側および反対の第2の側の光学顕微鏡画像を含んでもよい。
【0057】
654において、コンタクトレンズサンプルはすすがれてもよい。コンタクトレンズサンプルは、流体ですすがれてもよい。流体は、多目的溶液であってもよく、あるいは多目的溶液を含んでもよい。流体は、多目的溶液から本質的になってもよい。流体は、多目的溶液からなってもよい。
【0058】
656において、すすぎ後のコンタクトレンズサンプルのすすぎ後データが捕捉され得る。すすぎ後データは、コンタクトレンズサンプルの捕捉された1つ以上のすすぎ後画像を含み得るか、あるいはそれに基づき得る。1つ以上のすすぎ後画像は、コンタクトレンズサンプルの光学顕微鏡画像を含んでもよい。1つ以上のすすぎ後画像は、コンタクトレンズサンプルの第1の側および反対の第2の側の光学顕微鏡画像を含んでもよい。
【0059】
658において、すすぎ前データとすすぎ後データとが比較され得る。そのような比較は、付着メトリックを決定することを含んでもよい。付着メトリックは、正規化された付着面積強度を含んでもよい。付着メトリックは、すすぎ前の正規化された付着面積強度を含んでもよい。付着メトリックは、すすぎ後の正規化された付着面積強度を含んでもよい。付着メトリックは、すすぎ前の付着面積強度とすすぎ後の付着面積強度との差を含む。
【0060】
例示的なアッセイプロトコル(操作手順)
例示的な試験手順は、以下のステップのうちの1つ以上を含み得る。
【0061】
ステップ1.涙を3000回転/分(revolutions per minute、rpm)で遠心分離して、涙をチューブの底に運ぶ。
【0062】
ステップ2.1ミリメートル(mm)のレンズをマイクロ流体ウェルに加える(直径1.2mm、深さ250マイクロメートル(um)、すなわち0.28マイクロリットル(μL))。
【0063】
ステップ3.0.5μLの純水をウェルに加え、カバースリップでウェルを覆い、前面および裏面(涙滴下前)のグレースケール顕微鏡画像を撮影する。
【0064】
ステップ4.純水の一部は蒸発するが、レンズは依然として湿潤しているように数分間待機し、0.5μLの涙をウェルに加える。
【0065】
ステップ5.一部の涙は蒸発するが、レンズは依然として湿潤しているように、さらに10分間待機し、マイクロ流体チップを37℃の湿度チャンバ内に置き、20分間待機し、前面および裏面(カバースリップおよび純水を含む)のグレースケール顕微鏡画像を撮影する(涙滴下後)。
【0066】
ステップ6.レンズを0.5μLの多目的溶液(例えば、MPS、Revitalens)で5回すすぎ、前面および裏面のグレースケール顕微鏡画像(カバースリップおよびMPS溶液を含む)を撮影する(すすぎ後)。
【0067】
ステップは、除去または追加されてもよい。
【0068】
例示的なコンピュータアルゴリズム
1つ以上の光学顕微鏡画像(明視野、暗視野、蛍光)は、コンピュータ画像処理アルゴリズムによって処理されて、付着面積、強度、蛍光標識、形態等、および/または前述の任意の組み合わせに基づいて、定量的数(例えば、スコア等)を与え得る。例示的なアルゴリズムステップを以下に示す。
1)トゥルーカラー(赤-緑-青(RGB))ベースラインを有するタグ付き画像ファイルフォーマット(Tagged Image File Format、TIFF)で構成されたファイルなど、1つ以上の画像ファイルが入力として受け取られ得る。
2)1つ以上の画像ファイルは、8ビットグレースケール、16ビットグレースケールなどのグレースケールに変換され得る。
3)付着領域を識別するために、閾値処理(例えば、Ostuまたは適応型)が適用され、1つ以上のグレースケール画像が白黒に変換され得る。
4)レンズ上の円形領域(例えば、関心領域)(円内にレンズ境界がない)が、手動または自動のいずれかで選択され得る。
5)正規化された付着面積強度は、すすぎ後とすすぎ前の両方において、選択された領域について計算され得る。正規化された付着面積強度は、次式:付着強度=総付着面積強度/総面積、を用いて計算され得る。
5)計算されたすすぎ後付着強度と計算されたすすぎ前付着強度との強度差が計算され得る。強度の差は、次式:強度差=すすぎ後付着強度-すすぎ前付着強度、を用いて計算され得る。
6)付着スコアは、付着面積のサイズ、形態、グレースケール強度、蛍光標識強度、および/またはすすぎ後とすすぎ前との間のそのような特徴の差異に基づいて計算され得る。
【0069】
ステップは、除去または追加されてもよい。
【0070】
説明のための例として、以下のソースMATLABコードが画像分析および付着定量化に使用され得る。
image_filename=「KC1_postrinse.tif」、
image_rgb=imread(image_filename);
%画像がcmyk色空間を使用するtiffである場合
image_gray=rgb2gray(image_rgb);
image_double=im2double(image_gray);
imshow(image_double);
h=drawcircle(「Color」,「r」);
mask=createMask(h);
bg_value=mean(mean(image_double));
bg=one(size(image_double))(1-mask)bg_value
white_bg=one(size(image_double)).(1-mask)255;
%imshow(bg);
image_roi=image_double.mask;
imshow(image_roi+white_bg);
%以下のコードは、必要でないと思われるヒストグラム均等化のためのものである。
%figure
%imhist(image_gray)
%image_gray_histeq=histeq(image_gray);
%image_gray_histeq=adapthisteq(image_gray);
[level,EM]=graythresh(image_roi)%Ostuの手法
%level=adaptthresh(image_roi);%
image_wb=imbinarize(image_roi,level1.8);%閾値レベルは、ostuの出力の1.8倍である。
image_bw=(1-image_wb).mask;
%graythreshについて、1-image_bwを使用する必要がある。
imshow((image_bw)+white_bg);
%h=drawcircle(「Color」,「r」);
%mask=createMask(h);
%imshow(image_gray,[]);
%はグレースケール付着強度画像を示す。
imshow((image_bw.image_double)+white_bg);
deposit_percentage=sum(sum((image_bw).mask))/sum(sum(mask))100%[0 100]
deposit_intensity_normalized=sum(sum(image_double.image_bw.mask))/sum(sum(mask))255%[0 255]255は、このカメラの最大グレースケールレベルである。
deposit_intensity=sum(sum(image_double.image_bw.mask))255%[0 255]255は、このカメラの最大グレースケールレベルである。
【0071】
この例示的なコードに対しては修正が行われてもよい。他のコードおよびアルゴリズムが用いられてもよい。
【0072】
涙の付着およびすすぎ後の例示的なオンチップレンズ画像
図7Aは、マイクロ流体ウェル内の例示的なコンタクトレンズクーポン画像(上側)と、付着スコアを伴う例示的なコンピュータ処理画像(下側)と、を示す。図示のように、KC1は重度に付着する涙である。特に、図7Aは、任意の涙付着前、涙付着直後、および多目的溶液ですすいだ後の例示的なレンズの明視野光学顕微鏡写真(上側)と、計算された付着スコアを伴うコンピュータ処理されたグレースケール画像(下部)と、を示す。すすぎ前(涙滴下後)とすすぎ後との間の付着スコアの差は、付着物が多目的溶液によってどれほど容易に除去され得るかを示し、差が大きいほど、付着物を除去することが容易である。付着スコアは、全ての付着ピクセル強度を合計し、その合計をレンズ面積で正規化することによって計算され得る。付着ピクセルは、グレースケール画像に閾値を適用し、閾値より高い強度を有するピクセルを選択することによって識別され得る。付着ピクセルは、図7Aの下側パネルにおいて明るい領域として示されている。図7Bは、正常な涙サンプルについての画像のセットを示し、図7Bの上側のパネルは、マイクロ流体ウェルにおける例示的なコンタクトレンズクーポン画像を示し、下側のパネルは、付着スコアを伴った例示的なコンピュータ処理画像を示し、図示のように、BL1は正常な涙である。
【0073】
すすぎ後付着スコアに対する(すすぎ前とすすぎ後との間の付着スコアにおける)差をプロットすることによって、重度のデポジタ(depositor)(すなわち、KC1)は、プロットの右上領域(すなわち、小さい差および大きいすすぎ後付着スコア)を占めることが予想される。この予想は図8において満たされている。特に、図8は、すすぎ後付着スコアに対する例示的な差のプロットを示す。高度な付着がプロットの右上領域を占めるはずである。
【0074】
要約すると、本明細書に記載される特定の実施例は、μLまたはサブμLのヒトの涙および小型コンタクトレンズクーポンを使用してコンタクトレンズの付着を定量化するための新規マイクロ流体システムおよび方法を成功裏に実証する。最初の結果は、ヒトの涙の付着の再現が約30分以内に達成され得ることを示し、コンピュータ画像分析は、重度の付着物を正常な涙から区別し得る定量的な付着スコアを提供し得る。
【0075】
撮像システム
コンタクトレンズの付着の撮像は、明視野画像を得るための従来の正立明視野顕微鏡、低バックグラウンド高コントラスト暗視野画像を得るための従来の暗視野顕微鏡、または蛍光標識画像を得るための蛍光顕微鏡(正立または倒立)によって実行され得る。
【0076】
別の態様では、内蔵型卓上システムを形成するために、特注の撮像セットアップ(明視野、暗視野または蛍光)が使用され得る。
【0077】
別の態様では、ポータブルまたはハンドヘルドシステムを形成するために、スマートフォン(カメラ付き)を含むミニチュア撮像デバイスが使用され得る。
【0078】
卓上セットアップ
卓上コンタクトレンズ付着分析システムは、
1.涙付着発生のためのオンボードレンズ材料を有するマイクロ流体カートリッジ。可能な実現形態は、図1および/または図3に示され得る;
2.マイクロ流体チップ上での液体試薬操作(例えば、導入、混合、インキュベーション、除去など)を可能にする自動液体処理システム;
3.明視野、暗視野および/または蛍光顕微鏡検査のための特注の撮像サブシステム;
4.画像分析および付着スコアリングを実行するための内蔵コンピュータまたはマイクロコントローラまたはFPGA;および
5.ユーザ入力/制御を可能にし、分析結果を表示するためのユーザインターフェース(例えば、タッチスクリーン)、を備え得る。
【0079】
スマートフォンセットアップ
図9は、スマートフォンベースの暗視野撮像システムの一例を示す。図9は、折り返し経路式のスマートフォンベースの暗視野顕微鏡900の概略図を示す。図示のように、基板902(例えば、電話ケース)は、光源904(例えば、発光ダイオード)とカメラ906とを備えて構成されてもよい。光源904から放出された光は、光学素子908を通過することができ、この光学素子は、集光レンズ910に向けて光を誘導および/または集束することができる。集光器は、光をサンプル912に向けることができる。レンズ914は、カメラ906とサンプル912との間に配設され得る。したがって、カメラ906は、サンプル912の画像を捕捉することができる。
【0080】
付加的な分析能力
脂質またはタンパク質標識を伴う明視野、暗視野、および蛍光撮像以外に、本明細書に記載されるマイクロ流体デバイスはまた、ELISAを使用するタンパク質定量化アッセイ、脂質定量化アッセイ、潜在的感染分析のための細菌検出、または電解質等の他の測定等の他の生体分析アッセイを実行するように設計されてもよい。例えば、本明細書に記載される例示的なマイクロ流体デバイスは、脂質等のようなものに対して分析を実行するための試薬を収容する追加のリザーバを備えてもよい。
【実施例
【0081】
実施例1:流体導管と流体連通しているウェルを備えるマイクロ流体チップを使用してコンタクトレンズの付着を定量化するための方法であって、流体導管は、流体導管を通ってウェルの中へと向かう流体の通過を制御するために、流体入口および流体出口と選択的に連通しており、当該方法は、マイクロ流体チップのウェル内にコンタクトレンズサンプルを配置することと、コンタクトレンズサンプルを有するウェル内に第1の体積の第1の流体を配置することと、コンタクトレンズサンプルの第1の画像を捕捉することと、第1の体積の第1の流体の少なくとも一部分の蒸発を引き起こすことと、コンタクトレンズサンプルを有するウェル内に第2の体積の第2の流体を配置することと、第2の体積の第2の流体の少なくとも一部分の蒸発を引き起こすことと、ある期間にわたって湿度チャンバ内にマイクロ流体チップを配置することと、当該期間が経過した後にコンタクトレンズサンプルの第2の画像を捕捉することと、第3の流体でコンタクトレンズサンプルをすすぐことと、すすいだ後のコンタクトレンズの第3の画像を捕捉することと、第1の画像、第2の画像、または第3の画像のうちの1つ以上を使用して、付着メトリックを決定することと、付着メトリックを出力することと、を含む方法。
【0082】
実施例2:流体導管と流体連通しているウェルを備えるマイクロ流体チップを使用してコンタクトレンズの付着を定量化するための方法であって、流体導管は、流体導管を通ってウェルの中へと向かう流体の通過を制御するために、流体入口および流体出口と選択的に連通しており、当該方法は、マイクロ流体チップのウェル内にコンタクトレンズサンプルを配置することと、コンタクトレンズサンプルの涙滴下前画像を捕捉することと、コンタクトレンズサンプルを有するウェル内にある体積の涙液を配置することと、コンタクトレンズサンプルの涙画像を捕捉することと、コンタクトレンズサンプルをすすぐことと、すすいだ後のコンタクトレンズのすすぎ後画像を捕捉することと、涙滴下前画像、涙画像、またはすすぎ後画像のうちの1つ以上を使用して、付着メトリックを決定することと、付着メトリックを出力することと、を含む方法。
【0083】
実施例3:流体導管と流体連通しているウェルを備えるマイクロ流体チップを使用してコンタクトレンズの付着を定量化するための方法であって、流体導管は、流体導管を通ってウェルの中へと向かう流体の通過を制御するために、流体入口および流体出口と選択的に連通しており、当該方法は、マイクロ流体チップのウェル内にコンタクトレンズサンプルを配置することと、コンタクトレンズサンプルを有するウェル内にある体積の涙液を配置することと、コンタクトレンズサンプルのすすぎ前画像を捕捉することと、コンタクトレンズサンプルをすすぐことと、すすいだ後のコンタクトレンズのすすぎ後画像を捕捉することと、涙画像またはすすぎ後画像のうちの1つ以上を使用して、付着メトリックを決定することと、付着メトリックを出力することと、を含む方法。
【0084】
実施例4:コンタクトレンズの付着を定量化するための方法であって、コンタクトレンズサンプルを流体ウェル内に配置することと、コンタクトレンズサンプルを有するウェル内にある体積の涙液を配置することと、コンタクトレンズサンプルのすすぎ前画像を捕捉することと、コンタクトレンズサンプルをすすぐことと、すすいだ後のコンタクトレンズのすすぎ後画像を捕捉することと、涙画像またはすすぎ後画像のうちの1つ以上を使用して、付着メトリックを決定することと、付着メトリックを出力することと、を含む方法。
【0085】
実施例5:コンタクトレンズ装用者のレンズ材料との適合性を評価するための方法であって、コンタクトレンズサンプルを装用者からのある体積の涙液に曝露することと、コンタクトレンズサンプルのすすぎ前データを捕捉することと、コンタクトレンズサンプルをすすぐことと、すすいだ後のコンタクトレンズサンプルのすすぎ後データを捕捉することと、すすぎ前データをすすぎ後データと比較することと、を含む方法。
【0086】
実施例6:マイクロ流体チップは親水性材料を含む、実施例1~5のいずれかに記載の方法。
【0087】
実施例7:ウェルまたは流体導管のうちの1つ以上は、親水性となるように構成される、実施例1~6のいずれかに記載の方法。
【0088】
実施例8:コンタクトレンズサンプルは1mmのレンズクーポンを含む、実施例1~7のいずれかに記載の方法。
【0089】
実施例9:第1の流体は水を含む、実施例1~8のいずれかに記載の方法。
【0090】
実施例10:第1の流体は水から本質的になる、実施例1~9のいずれかに記載の方法。
【0091】
実施例11:第1の流体は水からなる、実施例1~10のいずれかに記載の方法。
【0092】
実施例12:第1の体積は1μL未満である、実施例1~11のいずれかに記載の方法。
【0093】
実施例13:第1の体積は約0.5μLである、実施例1~12のいずれかに記載の方法。
【0094】
実施例14:第1の体積の第1の流体の少なくとも一部分の蒸発を引き起こすことは、受動的蒸発を可能にすることを含む、実施例1~13のいずれかに記載の方法。
【0095】
実施例15:第1の画像は、コンタクトレンズサンプルの光学顕微鏡画像を含む、実施例1~14のいずれかに記載の方法。
【0096】
実施例16:第1の画像は、コンタクトレンズサンプルの第1の側および反対の第2の側の光学顕微鏡画像を含む、実施例1~15のいずれかに記載の方法。
【0097】
実施例17:第2の流体は涙液を含む、実施例1~16のいずれかに記載の方法。
【0098】
実施例18:第2の流体は、涙液から本質的になる、実施例1~17のいずれかに記載の方法。
【0099】
実施例19:第2の流体は涙液からなる、実施例1~18のいずれかに記載の方法。
【0100】
実施例20:第2の体積は1μL未満である、実施例1~19のいずれかに記載の方法。
【0101】
実施例21:第2の体積は約0.5μLである、実施例1~20のいずれかに記載の方法。
【0102】
実施例22:第2の体積の第2の流体の少なくとも一部分の蒸発を引き起こすことは、受動的蒸発を可能にすることを含む、実施例1~21のいずれかに記載の方法。
【0103】
実施例23:第2の画像は、コンタクトレンズサンプルの光学顕微鏡画像を含む、実施例1~22のいずれかに記載の方法。
【0104】
実施例24:第2の画像は、コンタクトレンズサンプルの第1の側および反対の第2の側の光学顕微鏡画像を含む、実施例1~23のいずれかに記載の方法。
【0105】
実施例25:期間は約20分である、実施例1~24のいずれかに記載の方法。
【0106】
実施例26:第3の流体は多目的溶液を含む、実施例1~25のいずれかに記載の方法。
【0107】
実施例27:第3の流体は、多目的溶液から本質的になる、実施例1~26のいずれかに記載の方法。
【0108】
実施例28:第3の流体は多目的溶液からなる、実施例1~27のいずれかに記載の方法。
【0109】
実施例29:第3の画像は、コンタクトレンズサンプルの光学顕微鏡画像を含む、実施例1~28のいずれかに記載の方法。
【0110】
実施例30:第3の画像は、コンタクトレンズサンプルの第1の側および反対の第2の側の光学顕微鏡画像を含む、実施例1~29のいずれかに記載の方法。
【0111】
実施例31:付着メトリックは、正規化された付着面積強度を含む、実施例1~30のいずれかに記載の方法。
【0112】
実施例32:付着メトリックは、すすぎ前の正規化された付着面積強度を含む、実施例1~31のいずれかに記載の方法。
【0113】
実施例33:付着メトリックは、すすぎ後の正規化された付着面積強度を含む、実施例1~32のいずれかに記載の方法。
【0114】
実施例34:付着メトリックは、すすぎ前の付着面積強度とすすぎ後の付着面積強度との差を含む、実施例1~33のいずれかに記載の方法。
【0115】
〔実施の態様〕
(1) 流体導管と流体連通しているウェルを備えるマイクロ流体チップを使用してコンタクトレンズの付着を定量化するための方法であって、前記流体導管は、前記流体導管を通って前記ウェルの中へと向かう流体の通過を制御するために、流体入口および流体出口と選択的に連通しており、前記方法は、
前記マイクロ流体チップの前記ウェル内にコンタクトレンズサンプルを配置することと、
前記コンタクトレンズサンプルを有する前記ウェル内に第1の体積の第1の流体を配置することと、
前記コンタクトレンズサンプルの第1の画像を捕捉することと、
前記第1の体積の前記第1の流体の少なくとも一部分の蒸発を引き起こすことと、
前記コンタクトレンズサンプルを有する前記ウェル内に第2の体積の第2の流体を配置することと、
前記第2の体積の前記第2の流体の少なくとも一部分の蒸発を引き起こすことと、
ある期間にわたって湿度チャンバ内に前記マイクロ流体チップを配置することと、
前記期間が経過した後に前記コンタクトレンズサンプルの第2の画像を捕捉することと、
第3の流体で前記コンタクトレンズサンプルをすすぐことと、
前記すすいだ後の前記コンタクトレンズの第3の画像を捕捉することと、
前記第1の画像、前記第2の画像、または前記第3の画像のうちの1つ以上を使用して、付着メトリックを決定することと、
前記付着メトリックを出力することと、を含む方法。
(2) 前記マイクロ流体チップは親水性材料を含む、実施態様1に記載の方法。
(3) 前記ウェルまたは前記流体導管のうちの1つ以上は、親水性となるように構成される、実施態様1に記載の方法。
(4) 前記コンタクトレンズサンプルは1mmのレンズクーポンを含む、実施態様1に記載の方法。
(5) 前記第1の流体は水を含む、実施態様1に記載の方法。
【0116】
(6) 前記第1の流体は水から本質的になる、実施態様1に記載の方法。
(7) 前記第1の流体は水からなる、実施態様1に記載の方法。
(8) 前記第1の体積は1μL未満である、実施態様1に記載の方法。
(9) 前記第1の体積は0.3μL~3μLである、実施態様1に記載の方法。
(10) 前記第1の体積の前記第1の流体の少なくとも一部分の蒸発を引き起こすことは、受動的蒸発を可能にすることを含む、実施態様1に記載の方法。
【0117】
(11) 前記第1の画像は、前記コンタクトレンズサンプルの光学顕微鏡画像を含む、実施態様1に記載の方法。
(12) 前記第1の画像は、前記コンタクトレンズサンプルの第1の側および反対の第2の側の光学顕微鏡画像を含む、実施態様1に記載の方法。
(13) 前記第2の流体は涙液を含む、実施態様1に記載の方法。
(14) 前記第2の流体は涙液から本質的になる、実施態様1に記載の方法。
(15) 前記第2の流体は涙液からなる、実施態様1に記載の方法。
【0118】
(16) 前記第2の体積は1μL未満である、実施態様1に記載の方法。
(17) 前記第2の体積は0.3μL~3μLである、実施態様1に記載の方法。
(18) 前記第2の体積の前記第2の流体の少なくとも一部分の蒸発を引き起こすことは、受動的蒸発を可能にすることを含む、実施態様1に記載の方法。
(19) 前記第2の画像は、前記コンタクトレンズサンプルの光学顕微鏡画像を含む、実施態様1に記載の方法。
(20) 前記第2の画像は、前記コンタクトレンズサンプルの第1の側および反対の第2の側の光学顕微鏡画像を含む、実施態様1に記載の方法。
【0119】
(21) 前記期間は10分間~20分間である、実施態様1に記載の方法。
(22) 前記第3の流体は多目的溶液を含む、実施態様1に記載の方法。
(23) 前記第3の流体は多目的溶液から本質的になる、実施態様1に記載の方法。
(24) 前記第3の流体は多目的溶液からなる、実施態様1に記載の方法。
(25) 前記第3の画像は、前記コンタクトレンズサンプルの光学顕微鏡画像を含む、実施態様1に記載の方法。
【0120】
(26) 前記第3の画像は、前記コンタクトレンズサンプルの第1の側および反対の第2の側の光学顕微鏡画像を含む、実施態様1に記載の方法。
(27) 前記付着メトリックは、正規化された付着面積強度を含む、実施態様1に記載の方法。
(28) 前記付着メトリックは、前記すすぎ前の正規化された付着面積強度を含む、実施態様1に記載の方法。
(29) 前記付着メトリックは、前記すすぎ後の正規化された付着面積強度を含む、実施態様1に記載の方法。
(30) 前記付着メトリックは、前記すすぎ前の付着面積強度と前記すすぎ後の付着面積強度との差を含む、実施態様1に記載の方法。
【0121】
(31) 流体導管と流体連通しているウェルを備えるマイクロ流体チップを使用してコンタクトレンズの付着を定量化するための方法であって、前記流体導管は、前記流体導管を通って前記ウェルの中へと向かう流体の通過を制御するために、流体入口および流体出口と選択的に連通しており、前記方法は、
前記マイクロ流体チップの前記ウェル内にコンタクトレンズサンプルを配置することと、
前記コンタクトレンズサンプルの涙滴下前画像(pre-tear image)を捕捉することと、
前記コンタクトレンズサンプルを有する前記ウェル内にある体積の涙液を配置することと、
前記コンタクトレンズサンプルの涙画像を捕捉することと、
前記コンタクトレンズサンプルをすすぐことと、
前記すすぎ後の前記コンタクトレンズのすすぎ後画像を捕捉することと、
前記涙滴下前画像、前記涙画像、または前記すすぎ後画像のうちの1つ以上を使用して、付着メトリックを決定することと、
前記付着メトリックを出力することと、を含む方法。
(32) 前記コンタクトレンズサンプルは1mmのレンズクーポンを含む、実施態様31に記載の方法。
(33) 前記涙滴下前画像は、前記コンタクトレンズサンプルの光学顕微鏡画像を含む、実施態様31に記載の方法。
(34) 前記涙滴下前画像は、前記コンタクトレンズサンプルの第1の側および反対の第2の側の光学顕微鏡画像を含む、実施態様31に記載の方法。
(35) 前記涙液の体積は1μL未満である、実施態様31に記載の方法。
【0122】
(36) 前記涙液の体積は0.3μL~3μLである、実施態様31に記載の方法。
(37) 前記涙画像は、前記コンタクトレンズサンプルの光学顕微鏡画像を含む、実施態様31に記載の方法。
(38) 前記涙画像は、前記コンタクトレンズサンプルの第1の側および反対の第2の側の光学顕微鏡画像を含む、実施態様31に記載の方法。
(39) 前記すすぎ後画像は、前記コンタクトレンズサンプルの第1の側および反対の第2の側の光学顕微鏡画像を含む、実施態様31に記載の方法。
(40) 前記付着メトリックは、正規化された付着面積強度を含む、実施態様31に記載の方法。
【0123】
(41) 前記付着メトリックは、前記すすぎ前の正規化された付着面積強度を含む、実施態様31に記載の方法。
(42) 前記付着メトリックは、前記すすぎ後の正規化された付着面積強度を含む、実施態様31に記載の方法。
(43) 前記付着メトリックが、前記すすぎ前の付着面積強度と前記すすぎ後の付着面積強度との間の差を含む、実施態様31に記載の方法。
(44) 流体導管と流体連通しているウェルを備えるマイクロ流体チップを使用してコンタクトレンズの付着を定量化するための方法であって、前記流体導管は、前記流体導管を通って前記ウェルの中へと向かう流体の通過を制御するために、流体入口および流体出口と選択的に連通しており、前記方法は、
前記マイクロ流体チップの前記ウェル内にコンタクトレンズサンプルを配置することと、
前記コンタクトレンズサンプルを有する前記ウェル内にある体積の涙液を配置することと、
前記コンタクトレンズサンプルの涙画像を捕捉することと、
前記コンタクトレンズサンプルをすすぐことと、
前記すすいだ後の前記コンタクトレンズのすすぎ後画像を捕捉することと、
前記涙画像または前記すすぎ後画像のうちの1つ以上を使用して、付着メトリックを決定することと、
前記付着メトリックを出力することと、を含む方法。
(45) 前記コンタクトレンズサンプルは1mmのレンズクーポンを含む、実施態様44に記載の方法。
【0124】
(46) 前記涙液の体積が1μL未満である、実施態様44に記載の方法。
(47) 前記涙液の体積は0.3μL~3μLである、実施態様44に記載の方法。
(48) 前記涙画像は、前記コンタクトレンズサンプルの光学顕微鏡画像を含む、実施態様44に記載の方法。
(49) 前記涙画像は、前記コンタクトレンズサンプルの第1の側および反対の第2の側の光学顕微鏡画像を含む、実施態様44に記載の方法。
(50) 前記すすぎ後画像が、前記コンタクトレンズサンプルの第1の側および反対の第2の側の光学顕微鏡画像を含む、実施態様44に記載の方法。
【0125】
(51) 前記付着メトリックは、正規化された付着面積強度を含む、実施態様4に記載の方法。
(52) 前記付着メトリックは、前記すすぎ前の正規化された付着面積強度を含む、実施態様44に記載の方法。
(53) 前記付着メトリックは、前記すすぎ後の正規化された付着面積強度を含む、実施態様44に記載の方法。
(54) 前記付着メトリックは、前記すすぎ前の付着面積強度と前記すすぎ後の付着面積強度との間の差を含む、実施態様44に記載の方法。
(55) コンタクトレンズの付着を定量化するための方法であって、
コンタクトレンズサンプルを流体ウェル内に配置することと、
前記コンタクトレンズサンプルを有する前記ウェル内にある体積の涙液を配置することと、
前記コンタクトレンズサンプルのすすぎ前画像を捕捉することと、
前記コンタクトレンズサンプルをすすぐことと、
前記すすいだ後の前記コンタクトレンズのすすぎ後画像を捕捉することと、
前記すすぎ前画像または前記すすぎ後画像のうちの1つ以上を使用して、付着メトリックを決定することと、
前記付着メトリックを出力することと、を含む方法。
【0126】
(56) 前記コンタクトレンズサンプルは1mmのレンズクーポンを含む、を含む、実施態様55に記載の方法。
(57) 前記すすぎ前画像は、前記コンタクトレンズサンプルの光学顕微鏡画像を含む、実施態様55に記載の方法。
(58) 前記すすぎ前画像は、前記コンタクトレンズサンプルの第1の側および反対の第2の側の光学顕微鏡画像を含む、実施態様55に記載の方法。
(59) 前記涙液の体積が1μL未満である、実施態様55に記載の方法。
(60) 前記涙液の体積は0.3μL~3μLである、実施態様55に記載の方法。
【0127】
(61) 前記すすぎ後画像は、前記コンタクトレンズサンプルの第1の側および反対の第2の側の光学顕微鏡画像を含む、実施態様55に記載の方法。
(62) 前記付着メトリックは、正規化された付着面積強度を含む、実施態様55に記載の方法。
(63) 前記付着メトリックは、前記すすぎ前の正規化された付着面積強度を含む、実施態様55に記載の方法。
(64) 前記付着メトリックは、前記すすぎ後の正規化された付着面積強度を含む、実施態様55に記載の方法。
(65) 前記付着メトリックは、前記すすぎ前の付着面積強度と前記すすぎ後の付着面積強度との間の差を含む、実施態様55に記載の方法。
【0128】
(66) コンタクトレンズ装用者のレンズ材料との適合性を評価する方法であって、
コンタクトレンズサンプルを前記装用者からのある体積の涙液に曝露することと、
前記コンタクトレンズサンプルのすすぎ前データを捕捉することと、
前記コンタクトレンズサンプルをすすぐことと、
前記すすぎ後の前記コンタクトレンズサンプルのすすぎ後データを捕捉することと、
前記すすぎ前データを前記すすぎ後データと比較することと、を含む方法。
(67) 前記コンタクトレンズサンプルは1mmのレンズクーポンを含む、実施態様66に記載の方法。
(68) 前記すすぎ前データは、前記コンタクトレンズサンプルの画像を含む、実施態様66に記載の方法。
(69) 前記すすぎ前データは、前記コンタクトレンズサンプルの第1の側および反対の第2の側の画像を含む、実施態様66に記載の方法。
(70) 前記すすぎ前データは、明視野画像、暗視野画像、位相差画像、微分干渉コントラスト(DIC)画像、もしくは蛍光顕微鏡画像、またはそれらの組み合わせを含む、実施態様66に記載の方法。
【0129】
(71) 前記涙液の体積は1μL未満である、実施態様66に記載の方法。
(72) 前記涙液の体積は0.3μL~3μLである、実施態様66に記載の方法。
(73) 前記すすぎ後データは、前記コンタクトレンズサンプルの第1の側および反対の第2の側の光学顕微鏡画像を含む、実施態様66に記載の方法。
(74) 前記すすぎ後データは、明視野画像、暗視野画像、位相差画像、微分干渉コントラスト(DIC)画像、もしくは蛍光顕微鏡画像、またはそれらの組み合わせを含む、実施態様66に記載の方法。
(75) 前記すすぎ前データを前記すすぎ後データと比較することに少なくとも基づいて、付着メトリックを決定することをさらに含む、実施態様66に記載の方法。
【0130】
(76) 前記付着メトリックは、正規化された付着面積強度を含む、実施態様75に記載の方法。
(77) 前記付着メトリックは、前記すすぎ前の正規化された付着面積強度を含む、実施態様75に記載の方法。
(78) 前記付着メトリックは、前記すすぎ後の正規化された付着面積強度を含む、実施態様75に記載の方法。
(79) 前記付着メトリックは、前記すすぎ前の付着面積強度と前記すすぎ後の付着面積強度との間の差を含む、実施態様75に記載の方法。
図1A
図1B
図2
図3A
図3B
図3C
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図7A
図7B
図8
図9
【国際調査報告】