(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-21
(54)【発明の名称】水素生成システム
(51)【国際特許分類】
C25B 1/04 20210101AFI20240514BHJP
E04H 5/02 20060101ALI20240514BHJP
B01D 53/00 20060101ALI20240514BHJP
C25B 9/00 20210101ALI20240514BHJP
【FI】
C25B1/04
E04H5/02 Z
B01D53/00
C25B9/00 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023566708
(86)(22)【出願日】2022-04-26
(85)【翻訳文提出日】2023-12-26
(86)【国際出願番号】 US2022026360
(87)【国際公開番号】W WO2022232152
(87)【国際公開日】2022-11-03
(32)【優先日】2021-04-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513041244
【氏名又は名称】ミツビシ パワー アメリカズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Mitsubishi Power Americas,Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100162868
【氏名又は名称】伊藤 英輔
(74)【代理人】
【識別番号】100161702
【氏名又は名称】橋本 宏之
(74)【代理人】
【識別番号】100189348
【氏名又は名称】古都 智
(74)【代理人】
【識別番号】100196689
【氏名又は名称】鎌田 康一郎
(72)【発明者】
【氏名】ティム・ガードナー
【テーマコード(参考)】
4K021
【Fターム(参考)】
4K021AA01
4K021BC04
(57)【要約】
水素生成システムは、1つまたは複数の水素電解槽と、1つまたは複数の水素電解槽と流体連通している複数のガス分離ユニットであって、複数のガス分離ユニットのうちの少なくとも1つのガス分離ユニットは、1つまたは複数の水素電解槽の1つの幅より大きい第1の距離だけ、複数のガス分離ユニットの隣接するガス分離ユニットから横方向に離間される、複数のガス分離ユニットと、1つまたは複数の水素電解槽および複数のガス分離ユニットと電気通信している電気支持ハードウェアとを含むことができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つまたは複数の水素電解槽と、
前記1つまたは複数の水素電解槽と流体連通している複数のガス分離ユニットであって、前記複数のガス分離ユニットのうちの少なくとも1つのガス分離ユニットは、前記1つまたは複数の水素電解槽の1つの幅より大きい第1の距離だけ、前記複数のガス分離ユニットの隣接するガス分離ユニットから横方向に離間される、複数のガス分離ユニットと、
前記1つまたは複数の水素電解槽および前記複数のガス分離ユニットと電気通信している電気支持ハードウェアとを備える、水素生成システム。
【請求項2】
前記第1の距離は、前記1つまたは複数の水素電解槽の1つの前記幅より約10パーセントから約100パーセント大きい、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記1つまたは複数の水素電解槽は、少なくとも4つの水素電解槽を含み、前記複数のガス分離ユニットは、少なくとも2つのガス分離ユニットを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記複数のガス分離ユニットは、第1の軸に沿って横方向に離間されており、前記1つまたは複数の水素電解槽は、前記第1の軸に平行に前記第1の軸から長手方向にずれて延在する第2の軸に沿って横方向に離間されており、
前記1つまたは複数の水素電解槽は、前記複数のガス分離ユニットから長手方向に離間される、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記1つまたは複数の水素電解槽の各々は、前記第1の軸に直交する電解槽軸に沿って延在する長楕円本体を備え、
前記複数のガス分離ユニットの各々は、前記第2の軸に直交する分離器軸に沿って延在する長楕円本体を備え、
前記電解槽軸は前記分離器軸に平行である、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記複数のガス分離ユニットが対になって前記第1の軸に沿って配置されることで、前記複数のガス分離ユニットの全ての他のガス分離ユニットの間に前記第1の距離が画定される、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記1つまたは複数の水素電解槽は、第2の距離だけ前記複数のガス分離ユニットから長手方向に離間され、前記第2の距離は、前記1つまたは複数の水素電解槽の各々によって画定される幅より大きい、請求項5に記載のシステム。
【請求項8】
前記第2の距離は、前記1つまたは複数の水素電解槽の各々の前記幅より約10パーセントから約100パーセント大きい、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記1つまたは複数の水素電解槽の各水素電解槽の第1の電解槽面および前記複数のガス分離ユニットの各ガス分離ユニットの第1の分離器面は、互いから横方向にずれており、前記第1の電解槽面は、前記電解槽軸と共に長手方向に軸方向に延在し、前記第1の分離器面は、前記分離器軸と共に長手方向に軸方向に延在する、請求項5に記載のシステム。
【請求項10】
前記1つまたは複数の水素電解槽の各水素電解槽の各長楕円本体の第1の電解槽面および前記複数のガス分離ユニットの各ガス分離ユニットの各長楕円本体の第1の分離器面は、互いに平行であり、前記第1の電解槽面は、前記電解槽軸と共に長手方向に軸方向に延在し、前記第1の分離器面は、前記分離器軸と共に長手方向に軸方向に延在する、請求項5に記載のシステム。
【請求項11】
前記電気支持ハードウェアは、前記1つまたは複数の水素電解槽の各水素電解槽の各長楕円本体の第3の電解槽面に対して配置され、前記複数のガス分離ユニットは、前記複数のガス分離ユニットの各ガス分離ユニットの各水素電解槽の各長楕円本体の第3の分離器面に対して配置される、請求項5に記載のシステム。
【請求項12】
前記電気支持ハードウェアは、建物の中に配置される、および前記電気支持ハードウェアは前記建物の外に配置される、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記1つまたは複数の水素電解槽の各水素電解槽と前記複数のガス分離ユニットのうちの少なくとも1つのガス分離ユニットとの間に位置決めされた流体コネクタであって、気体流体を輸送するように構成され、前記1つまたは複数の水素電解槽の各水素電解槽および前記複数のガス分離ユニットのうちの少なくとも1つのガス分離ユニットより上に配設された流体コネクタをさらに備える、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記1つまたは複数の水素電解槽の各水素電解槽と前記複数のガス分離ユニットのうちの少なくとも1つのガス分離ユニットとの間に位置決めされた流体コネクタであって、気体流体を輸送するように構成され、前記1つまたは複数の水素電解槽の各水素電解槽および前記複数のガス分離ユニットのうちの少なくとも1つのガス分離ユニットの真下に配設された流体コネクタをさらに備える、請求項12に記載のシステム。
【請求項15】
水素生成設備を配置する方法であって、
複数のガス分離ユニットを第1の軸に沿って位置決めするステップと、
1つまたは複数の水素電解槽を、前記第1の軸に平行に前記第1の軸から長手方向にずれて延在する第2の軸に沿って位置決めすることで、前記複数のガス分離ユニットのうちの少なくとも1つのガス分離ユニットを、前記複数のガス分離ユニットの隣接するガス分離ユニットから、前記1つまたは複数の水素電解槽の各々の長楕円本体によって画定される幅より大きい第1の横方向の距離のところに配置するステップと、
電気支持ハードウェアと、前記1つまたは複数の水素電解槽と、前記複数のガス分離ユニットとの間の電気通信を確立するステップとを含む、水素生成設備を配置する方法。
【請求項16】
前記複数のガス分離ユニットを位置決めするステップは、少なくとも2つのガス分離ユニットを前記第1の軸に沿って位置決めするステップを含み、前記1つまたは複数の水素電解槽を位置決めするステップは、少なくとも2つの水素電解槽を前記第2の軸に沿って位置決めするステップを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記複数のガス分離ユニットを位置決めするステップは、前記複数のガス分離ユニットを対にして位置決めすることで、前記複数のガス分離ユニットの全ての他のガス分離ユニットの間に前記第1の横方向の距離が画定されるステップを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記複数のガス分離ユニットを前記第1の軸に沿って位置決めするステップは、前記複数のガス分離ユニットを、前記1つまたは複数の水素電解槽から第1の長手方向の距離のところに位置決めするステップを含み、前記第1の長手方向の距離は、前記1つまたは複数の水素電解槽の各水素電解槽の前記幅と等しい距離より大きい、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記方法は、前記1つまたは複数の水素電解槽と前記複数のガス分離ユニットとの間に画定された通路を通って前記水素電解槽を並進させることによって、前記1つまたは複数の水素電解槽のうちの少なくとも1つの水素電解槽を取り出すステップをさらに含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記1つまたは複数の水素電解槽のうちの前記少なくとも1つの水素電解槽を取り出すステップは、
前記1つまたは複数の水素電解槽の隣接する水素電解槽の間で前記水素電解槽を横方向に並進させるステップと、
前記複数のガス分離ユニットの1つと前記複数のガス分離ユニットの隣接するガス分離ユニットとの間で長手方向に前記水素電解槽を並進させるステップとを含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記1つまたは複数の水素電解槽のうちの前記少なくとも1つの水素電解槽を取り出すステップは、
前記複数のガス分離ユニットの1つと前記複数のガス分離ユニットの隣接するガス分離ユニットとの間で長手方向に前記水素電解槽を並進させるステップと、
前記第2の軸に沿った前記1つまたは複数の水素電解槽と前記第1の軸に沿った前記1つまたは複数のガス分離ユニットとの間に配設されるように前記水素電解槽を90度回転させるステップとを含む、請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年4月27日に提出された米国仮特許出願シリアル番号63/180306号に対する優先権の利益を主張し、その優先権の利益はこれにより特許請求され、この特許は、その全体が参照により組み込まれている。
【0002】
この文献は一般に、限定の目的ではなく、水素生成設備に属する。より具体的には、但し限定の目的ではなく、本出願は、電気分解を行うことによって水素を生成するように構成された設備の建設およびメンテナンスのためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0003】
水素生成設備は典型的には、交流から変換された直流を水素電解槽に加えることによって電気分解を行う。水素電解槽は、電気を利用して水分子を水素と酸素に分けるデバイスであり、そのプロセスは、電気分解と呼ばれる。電気分解中、水素電解槽は、水素ガスと酸素ガスとを形成し、これらは、水素電解槽と流体連通している生成設備の複数のガス分離器ユニットによって捕らえられ抽出される。抽出された酸素は、例えば、工業プロセスを提供するため、または医療用ガスを提供するために貯蔵することができる。あるいは、抽出された酸素は、単に大気中に放出させることもできる。抽出された水素は、分散送電系統網に接続された、例えば工業用化学製品製造工場または発電所の水素ガス使用可能ガスタービンエンジンに燃料を提供するために貯蔵することができる。さらに、抽出された水素はまた、発電所が追加の燃料を必要とする可能性のあるピーク需要時など、後で使用するために貯蔵することもできる。さらに、抽出された水素はまた、例えばデータセンターまたは電気車両を含めた種々の用途において水素燃料電池に燃料を供給するのに使用することもできる。
【0004】
現在のところ、電気分解を行うように構成された多くの水素生成設備は、50メガワット未満などのプロジェクト(例えば小型)規模である。そのような生成設備では、1つまたは複数の水素電解槽およびガス分離ユニットが低密度配置で位置決めされることで、生成設備の安全で簡便な動作を促進することができる。例えば、生成設備の各水素電解槽および各ガス分離ユニットは、隣接する水素電解槽から、または隣接するガス分離ユニットから比較的大きな距離でそれぞれ離間させることができる。これは、水素生成設備の建設を簡素化し、水素電解槽の1つの保守または交換が必要とされる場合など、作業員が水素電解槽、ガス分離ユニットおよび水素生成設備の他の構成要素に簡便に到達するのを提供するのを助けることができる。
【0005】
低密度配置を含む水素生成設備は、そのような生成設備が、占拠される空間の大きさに比例して比較的少量の水素しか生成しない点において、非効率であり、望ましくない場合がある。加えて、より多数の水素電解槽およびガス分離ユニットが存在する可能性のある(例えば200メガワットを超える設備において)大規模水素生成設備では、低密度配置は、実現不可能である、あるいはさらには、建設する、または動作させるのに法外に費用がかかる場合さえある。したがって、水素生成設備は、生成設備の各水素電解槽および各ガス分離ユニットが、隣接する水素電解槽または隣接するガス分離ユニットから比較的小さい距離でそれぞれ離間されて、占拠される空間を増大させることなく、設備の水素生成能力を高める高密度配置を利用する場合がある。
【0006】
しかしながら、高密度配置を含む水素生成設備は、水素電解槽の1つの保守または交換が必要とされる場合など、作業員が、水素電解槽、ガス分離ユニットまたは生成設備の他の構成要素に簡便に到達するのを阻止する場合がある。したがって、高密度配置を含む水素生成設備は、生成設備内の種々の構成要素を移動させるためにオーバーヘッドクレーンなどの専用の輸送システムを含む場合がある。そのような輸送システムは、水素生成設備の建設コストを増大させ、動作の複雑さを高める可能性がある。例えば、オーバーヘッドクレーンは、購入し、設置し、頻繁に保守し、上手く動作させる必要がある複雑な機械構成要素を表している。
【0007】
さらに、多くの既存の輸送システムの使用は、水素生成設備内の作業員の安全性を低下させる場合がある。例えば、水素電解槽を保守または交換のために移動させるためのオーバーヘッドクレーンの使用は、水素電解槽が約50トンから約70トンの重量である場合が多いために、大きな労働力を要し危険を伴う場合がある。したがって、電解槽を地面から離れるように、例えば、ガス分離ユニットまたは設備内の作業員より上に持ち上げる作業は、作業員の大けがを回避する、または水素パイプラインなどの、傷つきやすく、場合によっては危険でもある下にある設備構成要素に対する損傷を回避するために、注意深く行う必要がある。加えて、多くの既存の輸送システムの使用は、水素生成設備の水素生成能力の中断を招く可能性がある。例えば、オーバーヘッドクレーンを使用する水素電解槽の安全な交換は、上記で考察した理由などのために、時間を消費するプロセスである場合があるため、生成設備の水素生成能力は、水素電解槽の交換中にかなり多くの時間がかかるために低下する可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記を鑑みて、本発明者等は、とりわけ、高密度水素生成設備において解決すべき問題は、高い建設コストおよび動作コスト、水素電解槽の保守または交換における作業員の安全性のリスク、および中断される水素生成能力を含み得ることを認識した。本開示は、例えば、一部の構成要素を生成設備の地面よりかなり上に持ち上げるために輸送システムを使用せずに保守することが可能な高密度水素生成システムを提供することによって、とりわけこれらの問題に対処するのを助けることができる。例えば、水素生成システムは、互いに対して第1の距離だけ第1の軸に沿って横方向に離間されたガス分離ユニットと、第1の軸に平行に第1の軸から長手方向にずれて延在する第2の軸に沿って横方向に離間された水素電解槽とを含むことができる。さらに、ガス分離ユニットの各々は、第2の距離だけ水素電解槽の各々から長手方向に離間させることができ、第1の距離と第2の距離は、個々の水素電解槽の幅より各々が大きくなり得る。
【0009】
上記を鑑みて、第1の距離および第2の距離は、第1の距離だけ隔てられ、生成設備の他の水素電解槽から第2の距離のところに配置された2つのガス分離ユニットの間を水素電解槽が通過するおかげで、作業員が水素電解槽を生成設備の地面に沿って生成設備の出口ドアまで摺動させる、転がす、またはそれ以外の方法で移動させることを可能にすることによって、生成設備内の水素電解槽のいずれの迅速な取り出しおよび交換も可能にすることができる。この方式において、水素生成システムは、オーバーヘッドクレーンまたは他の輸送システムの必要性をなくすことによって、高密度水素生成設備を建設するコストを削減し、生成設備の水素出力能力に対する水素電解槽の保守または交換の影響を低減させ、生成設備内の作業員の安全性を高めることができる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
一例では、水素生成システムは、1つまたは複数の水素電解槽と、1つまたは複数の水素電解槽と流体連通している複数のガス分離ユニットであって、複数のガス分離ユニットのうちの少なくとも1つのガス分離ユニットは、1つまたは複数の水素電解槽の1つの幅より大きい第1の距離だけ、複数のガス分離ユニットの隣接するガス分離ユニットから横方向に離間される、複数のガス分離ユニットと、1つまたは複数の水素電解槽および複数のガス分離ユニットと電気通信している電気支持ハードウェアとを備える。
【0011】
別の例では、水素生成設備を配置する方法は、複数のガス分離ユニットを第1の軸に沿って位置決めするステップと、1つまたは複数の水素電解槽を、第1の軸に平行に第1の軸から長手方向にずれて延在する第2の軸に沿って位置決めすることで、複数のガス分離ユニットのうちの少なくとも1つのガス分離ユニットを、複数のガス分離ユニットの隣接するガス分離ユニットから1つまたは複数の水素電解槽の各々の長楕円本体によって画定される幅より大きい第1の横方向の距離のところに配置するステップと、電気支持ハードウェアと1つまたは複数の水素電解槽と複数のガス分離ユニットとの間の電気通信を確立するステップとを含む。
【0012】
この概要は、本特許出願の主題の要約を提供することが意図されている。本発明の排他的または網羅的説明を提供することは意図されていない。詳細な記載は、本特許出願に関するさらなる情報を提供するために含まれている。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】水素生成システムを含む一例の電力システムの概略図である。
【
図4】水素生成システムを配置する一例の方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図面は、必ずしも縮尺通りでなく、そこでは、同様の数字は、異なる図面において同様の構成要素を記載してよい。異なる添え字を有する同様の数字は、同様の構成要素の異なる例を表す場合がある。図面は全体的に、一例という目的であり、限定という目的ではなく、本文献において考察される種々の実施形態を例示する。
【0015】
図1は、水素生成システム102を含む一例の電力システム100の概略図を例示する。水素生成システム102は、建物104を含むことができる。建物104は、既存の水素生成設備に配置されるような既存の建物であり得る。建物104はまた、これに限定するものではないが、約330フィートから約335フィートの長さおよび約75フィートから約80フィートの幅を計測するなど、水素生成システム102のための特注の建物であり得る。建物104は、作業員の安全性を高め、および種々の関連する条例に準拠するために大気に通気させることができる。
図1に示されるような一例では、建物104は、矩形の形状であり得る。建物104は、地面105を画定することができる。地面105は、セメント、アスファルト、コンクリート、舗装面などの室内床面を備えることができる。
【0016】
水素生成システム102は、1つまたは複数の水素電解槽106および複数のガス分離ユニット108を含むことができる。1つまたは複数の水素電解槽106および複数のガス分離ユニット108は、地面105上の建物104内に配置することができる。例えば、1つまたは複数の水素電解槽106および複数のガス分離ユニット108は、1つまたは複数の水素電解槽106および複数のガス分離ユニット108を地面105に沿って摺動させる、転がす、またはそれ以外の方法で並進させることを可能にするように構成された可動プラットフォーム上に配置することができる。1つまたは複数の水素電解槽106は、直流の形態などの電力を受け取ることに応答して、水素ガスおよび酸素ガスを生成するように構成される。
【0017】
1つまたは複数の水素電解槽106は、種々のタイプの電解槽を含むことができ、例えば、これに限定するものではないが、プロトン電解質膜またはアルカリ電解槽などである。複数のガス分離ユニット108は、アルカリ電解質などの電解質から水素電解槽106によって生成された水素ガスおよび酸素ガスを分離するように構成される。複数のガス分離ユニット108は、1つまたは複数の水素電解槽106と流体連通することで、複数のガス分離ユニット108が1つまたは複数の水素素電解槽106によって生成された酸素ガスおよび水素ガスを受け取ることを可能にすることができる。1つまたは複数の水素電解槽106および複数のガス分離ユニット108は、
図1に示されるように、2つの平行に向かい合う列を形成するように建物104の中に配置することができる。複数のガス分離ユニット108のうちの少なくとも2つのガス分離ユニットを、1つまたは複数の水素電解槽106の1つの水素電解槽の幅より大きい横方向の距離だけ互いから横方向に離間させることで、例えば、保守または交換のために建物104から取り外す間に、1つまたは複数の水素電解槽106のいずれかが複数のガス分離ユニット108のうちの少なくとも2つのガス分離ユニットの間を通過することを可能にすることができる。
【0018】
さらに、複数のガス分離ユニット108の各ガス分離ユニットを、1つまたは複数の水素電解槽106の1つの幅より大きい長手方向の距離だけ1つまたは複数の水素電解槽106の各水素電解槽から長手方向に離間させることで、例えば、保守または交換のために建物104から取り外す間に、1つまたは複数の水素電解槽106のいずれかの配向または位置を変える、またはそれ以外の方法で変更することを可能にすることができる。したがって、複数のガス分離ユニット108のうちの少なくとも2つのガス分離ユニットの間の横方向の距離および複数のガス分離ユニット108の各ガス分離ユニットと1つまたは複数の水素電解槽106の各水素電解槽との間の長手方向の距離は、第1の取り出し経路P1を協働して画定することができる。
【0019】
第1の取り出し経路P1は、1つまたは複数の水素電解槽106のいずれかが、建物104の出口ドア109に到達するために、これに沿って並進することができる道筋を示すことができる。第1の取り出し経路P1の長手方向に反対の方向の1つまたは複数の水素電解槽106の移動は、電気支持ハードウェア110の存在のために実現不能であることに留意されたい。その後、保守された、または交換水素電解槽を、第1の取り出し経路P1を反対方向にたどるなどによって建物104内に移動させることができる。この方式では、水素生成システム102は、建設コストを削減し、オーバーヘッドクレーンまたは他の輸送システムの必要性をなくすことによって高密度水素生成設備内での作業員の安全性を高めることができ、水素電解槽を交換するのに必要な時間を短縮することによって、高密度水素生成設備の水素出力能力に対する水素電解槽の保守または交換の影響を減らすことができる。
【0020】
電気支持ハードウェア110は、1つまたは複数の水素電解槽106など、水素生成システム102の種々の構成要素に電力を提供するように構成することができる。例えば、電気支持ハードウェアは、変圧器および整流器を含むことができる。変圧器は、これに限定するものではないが約34.5キロボルトなどの標準電圧交流を受容することができ、電圧を標準電圧から好ましい動作電圧に変更することができる。変圧器は、整流器と電気通信することができる。整流器は、動作電圧での交流を1つまたは複数の水素電解槽106のための直流に変換することができる。
【0021】
電気支持ハードウェア110は、建物104の外側の位置に配置することができる。例えば、電気支持ハードウェア110は、外部に配置することができる、または電気支持ハードウェア110を収容するように構成された隣接する建物の中に配置することができる。このことは、1つまたは複数の水素電解槽106によって生成されたいずれの浮遊水素ガスまたは酸素ガスの火災または爆発の可能性を低下させることによって、水素生成システム102の安全性を高めるのを助けることができる。さらに、このことは、水素生成システム102が、電気支持ハードウェア110の動作中に存在する何らかの潜在的な発火源に対する1つまたは複数の水素電解槽106または複数のガス分離ユニット108の暴露を低下させることに関連する種々の条例に従うのを助けることができる。一部の例では、電気支持ハードウェア110は、送電系統114から交流を受け取ることができる。追加の例では、電気支持ハードウェア110は、送電系統114からの電力に加えて、またはその代替として、太陽光および風などの再生可能エネルギー源から直接、例えば直流などの電力を受け取ることができる。
【0022】
電力システム100は、発電所112A、112Bおよび112Cを含むことができる。発電所112A、112Bおよび112Cのうちの少なくとも1つは、水素生成システム102によって生成された水素ガスを利用して、電力を生成し、電力を、送電系統114などの分散送電系統網(DGN)(例えば、「送電系統」)に提供することができ、これはコントローラ116を含むことができる。発電所112Aは、生成器ユニット118と、コントローラ120とを含むことができる。生成器ユニット118は、発電機122、分散制御システム(DCS)デバイスなどのエンジンコントローラ124、およびガスタービンエンジン126を備えることができる。一例では、ガスタービンエンジン126は、水素生成システム102の複数のガス分離ユニット108から水素ガスを受け取るように構成されるなどの水素使用可能ガスタービンエンジンであり得る。送電系統114は、発電機122からの電力ならびに発電所112Bおよび112Cからの電力をエンドユーザ128に届けるように構成することができ、エンドユーザは、居住用の住居ユニット130および工場132を含むことができる。
【0023】
発電所112A、112Bおよび112Cは、同じタイプの、または異なるタイプの発電所を含むことができる。一部の例では、発電所112Aは、ガスタービン発電所であってよく、発電所112Bおよび112Cは、風および太陽光などの再生可能エネルギー供給源を備えることができる。コントローラ120は、発電所112A~112Cの各々と協働して、電力供給を電力需要と均衡させることができる。加えて、風および太陽光などの再生可能エネルギー源を上手く利用する発電所112A~112Cは、環境条件が風および太陽光エネルギー生成に適さないときに後に使用するために、環境条件が風および太陽光エネルギー生成に適しているときに、これらの方法によって生成された電力を蓄えることができる。例えば、発電所112Bおよび112Cは、再生可能エネルギーが使用可能であるとき、再生可能エネルギーを水素生成システム102に電力を供給するための電気に変換することができ、これは、その後、需要が高いときの発電所112Aでの後の使用のために水素ガスの形態で蓄えることができる。上記を鑑みて、水素生成システム102は、エンドユーザ128に電気を提供するのを少なくとも助けるためなど、電力システム100の一部であり得る。
【0024】
図2は、一例の水素生成システム102の概略図を示す。
図2は、上記で
図1に示され、
図1に関して記載された水素生成システム102を参照して考察される。
図2にはまた、第1の軸A1と、第1の軸A1に平行に第1の軸A1から長手方向にずれて延在する第2の軸A2と、分離器軸A3と、電解槽軸A4と、配向指示器横方向および長手方向も示されている。
図2に示されるように、水素生成システム102は、複数のガス分離ユニット108を含むことができる。複数のガス分離ユニット108は、例えば、建物104内、または計画された建設場所で利用可能な空間に基づいて様々な数の個々のガス分離ユニットを含むことができる。例えば、複数のガス分離ユニット108は、
図2に示されるように4つのガス分離ユニットを含むことができ、複数のガス分離ユニット108の各ガス分離ユニットは、酸素分離器と、水素分離器とを含むことができる。他の例では、複数のガス分離ユニット108は、これに限定するものではないが、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10または11以上の数の個々のガス分離ユニットを含む場合がある。
【0025】
複数のガス分離ユニット108の各ガス分離ユニットは、第1の分離器面134、第2の分離器面136および第3の分離器面137を含む、長楕円本体133を画定することができる。第1の分離器面134は、第2の分離器面136に向かい合っている、またはそうでなければそれと反対側であり得る。例えば、第1の分離器面134および第2の分離器面136は、複数のガス分離ユニット108の各々の横方向の最も外側の面であり得る。一部の例では、第1の分離器面134および第2の分離器面136は、これに限定するものではないが、約20フィートから約25フィートを計測することができる。一例では、第1の分離器面134および第2の分離器面136は、約22フィートを計測することができる。
【0026】
第1の分離器面134は、分離器軸A3を画定することができる。分離器軸A3は、第1の軸A1に直交して延在することができる。第3の分離器面137は、複数のガス分離ユニット108の各々の長手方向の最も外側の面であり得る。一部の例では、第3の分離器面137は、これに限定するものではないが、約11フィートから約15フィートを計測することができる。一例では、第3の電解槽面142は、約13フィートを計測することができる。第1の軸に沿って配置されるとき、複数のガス分離ユニット108の各々の第3の分離器面137は、第1の軸A1と共に横方向に軸方向に、かつ第1の分離器面134および第2の分離器面136に直交して延在することができる。一例では、複数のガス分離ユニット108の各ガス分離ユニットは、例えば
図2の平面から外に延在することによって、これに限定するものではないが約17フィートの高さを画定することができる。複数のガス分離ユニット108の各ガス分離ユニットは、本明細書に記載される複数のガス分離ユニット108の各ガス分離ユニットの領域内に配置された酸素分離器および水素分離器を含むことができる。
【0027】
水素生成システム102は、1つまたは複数の水素電解槽106を含むことができる。1つまたは複数の水素電解槽106は、例えば、建物104内、または計画された建設場所で利用可能な空間に基づいて様々な数の個々の水素電解槽を含むことができる。例えば、1つまたは複数の水素電解槽106は、
図2に示されるように8つの水素電解槽を含むことができる。他の例では、1つまたは複数の水素電解槽は、これに限定するものではないが、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11または12の水素電解槽を含む場合がある。
【0028】
図2に示されるような一部の例では、水素生成システム102は、例えば水素生成システム102の効率を高めることによってコストの最適化を改善するために、ガス分離ユニットに対する水素電解槽の2対1の比率(例えば、列)を含むことができる。そのような例では、1つまたは複数の水素電解槽は、対になって第2の軸A2に沿って横方向に離間され得ることで、単一のガス分離ユニットと流体連通している水素電解槽の対の2つの水素電解槽の間の横方向の距離D3は、水素電解槽の対の2つの水素電解槽のうちの1つに隣接して配置された水素電解槽の別の対の水素電解槽の間の横方向の距離D4より小さくなる。
【0029】
1つまたは複数の水素電解槽106の各水素電解槽は、第1の電解槽面138、第2の電解槽面140および第3の電解槽面142を画定する長楕円本体139を含むことができる。第1の電解槽面138は、第2の電解槽面140に向かい合う、またはそうでなければ反対側であり得る。例えば、第1の電解槽面138および第2の電解槽面140は、1つまたは複数の水素電解槽106の各々の横方向の最も外側の面であり得る。一部の例では、第1の電解槽面138および第2の電解槽面140は、これに限定するものではないが、約25フィートから約30フィートを計測することができる。一例では、第1の電解槽面138および第2の電解槽面140は、約27.5フィートを計測する場合もある。
【0030】
第1の電解槽面138は、電解槽軸A4を画定することができる。電解槽軸A4は、第2の軸A2に直交して延在することができる。第3の電解槽面142は、1つまたは複数の水素電解槽106の各々の長手方向の最も外側の面であり得る。一部の例では、第3の電解槽面142は、これに限定するものではないが、約8フィートから約11フィートを計測することができる。一例では、第3の電解槽面142は、約9.5フィートを計測することができる。第2の軸A2に沿って配置されるとき、各第3の電解槽面142は、第2の軸A2と共に横方向に軸方向に、かつ第1の電解槽面138および第2の電解槽面140に直交して延在することができる。一例では、1つまたは複数の水素電解槽106の各水素電解槽は、例えば
図2の平面から外に延びることによって、これに限定するものではないが約8.5フィートの高さを画定することができる。
【0031】
一部の例では、複数のガス分離ユニット108のうちの少なくとも1つのガス分離ユニットの第1の分離器面134およびこれにより分離器軸A3が、1つまたは複数の水素電解槽106のうちの少なくとも1つの水素電解槽の第1の電解槽面138およびこれにより電解槽軸A4と共に長手方向に軸方向に、またはそうでなければこれと平行に延在するように、複数のガス分離ユニット108を1つまたは複数の水素電解槽106に対して配置することができる。
図2に示されるような一部の例では、複数のガス分離ユニット108のうちの少なくとも1つのガス分離ユニットの第1の分離器面134およびこれにより分離器軸A3が、1つまたは複数の水素電解槽106のうちの少なくとも1つの水素電解槽の第1の電解槽面138およびこれにより電解槽軸A4から横方向にずれて延在するように、複数のガス分離ユニット108を1つまたは複数の水素電解槽106に対して配置することができる。
【0032】
第3の電解槽面142は、1つまたは複数の水素電解槽106の各水素電解槽の幅W1を画定することができる。幅W1は、1つまたは複数の水素電解槽106の各水素電解槽が第2の軸A2に対して横方向に延在する距離として画定することができる。電気支持ハードウェア110(
図1)は、1つまたは複数の水素電解槽106の各水素電解槽の各長楕円本体139の第3の電解槽面142に対して配置することができる。例えば、電気支持ハードウェア110は、複数のガス分離ユニット108よりも、1つまたは複数の水素電解槽106により近い、またはそうでなければより接近した、建物104の第1の壁144の外側に配置することができる。
【0033】
一部の例では、複数のガス分離ユニット108の各ガス分離ユニットが、第1の距離D1だけ、複数のガス分離ユニット108の隣接するガス分離ユニットから離間されるように、複数のガス分離ユニット108を第1の軸A1に沿って配置することができる。例えば、第1の距離D1は、複数のガス分離ユニット108のうちの1つのガス分離ユニットの第1の分離器面134と、複数のガス分離ユニット108の隣接して配置されたガス分離ユニットの第2の分離器面136との間の横方向の距離として画定することができる。第1の距離D1は、1つまたは複数の水素電解槽106のいずれかの第3の電解槽面142によって画定された幅W1より大きくなるように構成される。例えば、第1の距離D1は、これに限定するものではないが、1つまたは複数の水素電解槽106の各々の幅W1より1パーセントから約9パーセント大きい、10パーセントから約100パーセント大きい、または約1パーセントから約200パーセント大きい場合がある。一部の例では、第1の距離D1は、これに限定するものではないが、約30フィートから約40フィートを計測することができる。
【0034】
図2に示されるような一部の例では、複数のガス分離ユニット108を対にして第1の軸A1に沿って配置することができることで、第1の距離D1は、第1の軸A1に沿って配置された複数のガス分離ユニット108の全ての他のガス分離ユニットの間に画定される。そのような配置は、密度を高め、これにより水素生成システム102の縮尺サイズまたは設置面積を縮小することを助けることができ、その一方で、作業員が保守または修理のために建物104から1つまたは複数の水素電解槽106のいずれかを迅速に取り出すことを可能にする水素生成システム102の能力を維持している。他の例では、複数のガス分離ユニット108は、これに限定するものではないが、複数のガス分離ユニット108の全ての第3のガス分離ユニット、全ての第4のガス分離ユニット、または全ての第5のガス分離ユニット(
図1に示されるような)の間に第1の距離D1が画定されるように、第1の軸A1に沿って配置されることで、例えば、建物104内の利用可能な空間がより制限される例において、水素生成システム102の密度をさらに高め、これにより水素生成システム102の効率を高めることができる。
【0035】
1つまたは複数の水素電解槽106の各水素電解槽は、第1の距離D1を画定するガス分離ユニットの対の数と相対的な横方向の距離を取り出しまたは交換中に進むことができる。例えば、複数のガス分離ユニット108が全ての他のガス分離ユニットの間に第1の距離D1を画定する水素生成システム102の一例と比べたとき、複数のガス分離ユニット108が1つの第1の距離D1のみを画定する場合、1つまたは複数の水素電解槽106の水素電解槽は、距離D1を画定する複数のガス分離ユニット108のうちの2つの隣接して配置されたガス分離ユニットの間を通過し、これにより出口ドア109の1つに到達するためにより大きな横方向の距離を進む可能性がある。
【0036】
したがって、作業員が1つまたは複数の水素電解槽106の水素電解槽を建物104から取り出すために必要な時間は、第1の距離D1を画定するガス分離ユニットの対の数に反比例することができる。さらに一部の例では、建物104が含む出口ドア109の数は、例えば、1つまたは複数の水素電解槽106のいずれかの水素電解槽の建物104からの簡便な取り出しを促進するのを助けるために、第1の距離D1を画定するガス分離ユニットの対の数に一致することができる。一部の例では、第1の取り出し経路P1は第1の距離D1によって画定することができる、またはそれ以外の方法で可能にすることができる。
図2に示される第1の取り出し経路P1は、少なくとも、
図2に示される第1の取り出し経路P1は、1つまたは複数の水素電解槽106のいずれかの水素電解槽が建物104の出口ドア109の1つに到達することができるように進むことができる道筋を示すことができるという点において、
図1に示される第1の取り出し経路P1と同様であり得る。他の例では、第1の取り出し経路P1は、第1の距離D1および第2の距離D2によって画定することができる、またはそれ以外の方法で可能にすることができる。
【0037】
一部の例では、複数のガス分離ユニット108の各ガス分離ユニットは、第1の軸A1に沿って配置することができ、1つまたは複数の水素電解槽106の各水素電解槽は、第2の軸A2に沿って配置することができるため、複数のガス分離ユニット108は、第2の距離D2だけ1つまたは複数の水素電解槽から長手方向に離間されている。例えば、第2の距離D2は、複数のガス分離ユニット108の各ガス分離ユニットの第3の分離器面137と、1つまたは複数の水素電解槽106の隣接して配置された、あるいはそうでなければ反対側の、または向き合っている水素電解槽の第3の電解槽面142との間の長手方向の距離として画定することができる。第2の距離D2は、1つまたは複数の水素電解槽106の各水素電解槽の第3の電解槽面142によって画定される幅W1より大きくなるように構成することができる。例えば、第2の距離D2は、これに限定するものではないが、幅W1より1パーセントから約9パーセント大きい、10パーセントから約100パーセント大きい、または約1パーセントから約200パーセント大きい場合がある。一部の例では、第2の距離D2は、これに限定するものではないが、約20フィートから約30フィートを計測することができる。
【0038】
第2の距離D2は、第1の取り出し経路P1に沿って出口ドア109の1つまで摺動させる、転がす、またはそれ以外の方法で並進させるときなど、保守または交換のために建物104から取り出す間、1つまたは複数の水素電解槽のいずれかの水素電解槽を、例えば第2の軸A2に直交して延在する水平面に対して所定の配向に回転させる、または所定の位置に移動させることを可能にするのを助けるのに十分な長手方向の隙間を提供するように構成する(選択する)ことができる。したがって、第2の距離D2は、第1の距離D1を画定するガス分離ユニットの対の数に対応するように構成することができる。例えば、複数のガス分離ユニット108が全ての他のガス分離ユニットの間に第1の距離D1を画定する水素生成システム102の一例と比べたとき、複数のガス分離ユニット108が1つの第1の距離D1のみを画定する場合、1つまたは複数の水素電解槽106の水素電解槽は、距離D1を画定する複数のガス分離ユニット108の2つの隣接して配置されたガス分離ユニットの間を通過し、これにより出口ドア109の1つに到達するために、第2の軸A2に対して直角に延在する水平面の周りでより大きな回転を必要とし、これによりより大きな第2の距離D2を必要とする可能性がある。一部の例では、距離D2は、電解槽が、これに限定するものではないが、第2の軸A2に対して直角に延在する水平面に対して、約1度から10度、約11度から20度、または約21度から90度の間で回転されるのに十分な隙間を提供することができる。
【0039】
一部の例では、第2の距離D2は、例えば1つまたは複数の水素電解槽106と複数のガス分離ユニット108との間に画定され、1つまたは複数の水素電解槽106の水素電解槽のいずれかがその間を移動することを可能にするようにサイズが決められた通路を画定することによって、水素生成システム102が第2の取り出し経路P2を画定することを可能にするのに十分であり得る。
図2に示される第2の取り出し経路P2は、1つまたは複数の水素電解槽106のいずれかの水素電解槽が、複数のガス分離ユニット108のいずれの間も通過せずに、出口ドア146を通って建物104から出て行くように進むことができる代替の道筋を示すことができる。
図2に示されるような一部の例では、出口ドア146は、出口ドア109が配設される、建物104の壁に直交して延在する、建物104の壁に画定することができる。さらに、
図2は、1つまたは複数の水素電解槽106の水素電解槽の右に誘導される第2の取り出し経路P2を示しているが、第2の取り出し経路P2および出口ドア146はまた、出口ドア146が、
図2に示されるものと反対の、または向かい合う壁に配設された一例でのように、1つまたは複数の水素電解槽106の水素電解槽の左に誘導される場合もある。
【0040】
一部の例では、1つまたは複数の水素電解槽106は、流体コネクタ148を介して複数のガス分離ユニット108と流体連通することができる。流体コネクタ148は、1つまたは複数の水素電解槽106の各水素電解槽間の酸素ガスおよび水素ガスを含有する電解質を、複数のガス分離ユニット108の隣接して配置された、またはそうでなければ最も近接して配置されたガス分離ユニットまで移動させるように構成された気体および/または液体移動パイプまたはラインであり得る、またはそれらを含む場合がある。一部の例では、流体コネクタ148は、1つまたは複数の水素電解槽106、複数のガス分離ユニット108または地面105の真下に位置決めされるなど、地下に配置される場合もある。流体コネクタ148を地下に位置決めすることは、1つまたは複数の水素電解槽106と複数のガス分離ユニット108との間に延在する水素パイプまたは他の構成要素の数を削減するのを助けることができる。水素パイプは、容易に損傷する可能性があり、オーバーヘッドクレーンを使用して持ち上げられている電解槽からの接触によって生じるなどの漏れが生じた場合に危険である可能性があるため、地下の流体コネクタ148の配置は、水素生成システム102の安全性および信頼性をさらに高めることができる。
【0041】
他の例では、流体コネクタ148は、1つまたは複数の水素電解槽106、複数のガス分離ユニット108または地面105より上に位置決めされるなど、地上に配置される場合もある。流体コネクタ148を地上に位置決めすることは、建物104などの建設の複雑さを低減することができ、これにより水素生成システム102の建設コストを削減することができる。さらに、水素ガスは空気より軽いため、流体コネクタ148を地上に位置決めすることは、1つまたは複数の水素電解槽106が停止されているとき、1つまたは複数の水素電解槽106に戻る電解質の排水を促進するのを助けることができる。
【0042】
図3は、一例の水素生成システム202の概略図を示す。
図3にはまた、第1の軸A1と、第1の軸A1に平行に第1の軸A1から長手方向にずれて延在する第2の軸A2と、分離器軸A3と、電解槽軸A4と、配向指示器横方向および長手方向も示されている。水素生成システム202は、複数のガス分離ユニット208の各々が、第5の距離D5だけ複数のガス分離ユニット208の隣接するガス分離ユニットから横方向に離間され得る点以外は、上記の
図1~
図2に示され、
図1~
図2に関して記載した水素生成システム102と同様であり得る。
【0043】
第5の距離D5は、複数のガス分離ユニット208の1つのガス分離ユニットの第1の分離器面234と、複数のガス分離ユニット208の隣接して配置されたガス分離ユニットの第2の分離器面236との間の横方向の距離として画定することができる。第5の距離D5は、1つまたは複数の水素電解槽206のいずれかの第3の電解槽面242によって画定される幅W1より小さくなり得る。したがって、第5の距離D5は、1つまたは複数の水素電解槽の水素電解槽が、複数のガス分離ユニットのうちの2つの間を通過して、例えば、
図2に示される第1の取り出し経路P1に沿って配置された出口ドア109に到達することを可能にするには不十分である。第5の距離D5は、例えば
図1~
図2に示される建物104に対して、建物204の削減された設置面積または縮尺サイズの関数であり得る。
【0044】
例えば、建物204は、利用可能な建築場所のサイズに起因するなど、複数のガス分離ユニットのいずれかを互いに対して第1の距離D1(
図2)に配置するには十分な横方向の長さまたは横方向の寸法が足りない場合がある。そのような一例では、第2の距離D2が、水素生成システム202が第2の取り出し経路P2を画定することを可能にするように構成される。一部の例では、
図3に示される第2の取り出し経路P2は、1つまたは複数の水素電解槽106のための唯一の取り出し経路であり得るため、
図3に示される第2の距離D2は、
図2に示される第2の距離D2より大きくなり得る。第2の取り出し経路P2は、上記の
図2に示され、
図2に関して記載した第2の取り出し経路P2と同様であり得る。
【0045】
追加で、
図2に示される1つまたは複数の水素電解槽106および複数のガス分離ユニット108とは対照的に、
図3に示される1つまたは複数の水素電解槽206および複数のガス分離ユニット208は、例えば第6の距離D6だけ、互いに対して等距離に配置されることで、例えば
図2に示される距離D4に対して、横方向の距離を短縮することによって、水素生成システム202の密度をさらに高めることができる。上記を鑑みて、水素生成システム202は、複数のガス分離ユニット208のいずれの間にも第1の距離D1を含むことなく、かつ第1の取り出し経路P1を画定することなく、作業員が水素電解槽を生成設備の地面に沿って建物204の出口ドア246まで摺動させる、転がす、またはそれ以外の方法で移動させることを可能にすることによって、建物204内の1つまたは複数の水素電解槽206のいずれかの迅速な取り出しおよび交換を可能にすることができる。
【0046】
図4は、水素生成設備を配置する一例の方法300のフローチャートを示す。上記の
図1~
図3に示され記載される水素生成システム100~200の上記の例のいずれも、水素生成システムを配置する方法300において使用することができる。考察されるステップまたは動作は、他の動作に大きく影響を与えることなく、平行して、または異なる順序で実行される場合がある。考察される方法300は、多数の異なる行為者、デバイスおよび/またはシステムによって実行することができる動作を含む。方法300において考察される動作のサブセットは、単一の行為者、デバイスまたはシステムに起因する場合があり、別個の単独のプロセスまたは方法とみなすことができることを理解されたい。
【0047】
方法は、動作302を含むことができる。動作302は、1つまたは複数のガス分離ユニットを第1の軸に沿って位置決めするステップを含むことができる。例えば、作業員は、複数のガス分離ユニットの各ガス分離ユニットの第3の分離器面が、第1の軸A1と共に軸方向に横方向に延在し、かつ複数のガス分離ユニットの各ガス分離ユニットの第1の分離器面および第2の分離器面に対して直交して延在するように、第1の軸に対して複数のガス分離ユニットを配置することができる。
【0048】
動作302は、複数のガス分離ユニットを位置決めするステップは、少なくとも2つのガス分離ユニットを第1の軸に沿って位置決めするステップを含み、1つまたは複数の水素電解槽を位置決めするステップは、少なくとも2つのガス分離ユニットを第2の軸に沿って位置決めするステップを含むことを含み得る。例えば水素生成システムは、例えば水素生成システムの効率を高めることによってコストの最適化を改善するために、ガス分離ユニットに対する水素電解槽の2対1の比率(例えば、列)を含むことができる。そのような例では、作業員が、1つまたは複数の水素電解槽を対にして第2の軸に沿って配置することができることで、単一のガス分離ユニットと流体連通している水素電解槽の対の2つの水素電解槽の間の第3の横方向の距離は、水素電解槽の対の2つの水素電解槽のうちの1つに隣接して配置された水素電解槽の別の対の水素電解槽の間の第4の横方向の距離より小さくなる。
【0049】
動作302は、複数のガス分離ユニットを対にして位置決めするステップを含むことができることで、複数のガス分離ユニットの全ての他のガス分離ユニットの間に第1の横方向距離が画定される。例えば、第1の横方向の距離が複数のガス分離ユニットの全てのガス分離ユニットの間に画定される一例に対して、作業員は、複数のガス分離ユニットを対にして第1の軸に沿って配置することができることで、水素生成設備に利用可能な空間がより制限される例など、第1の横方向の距離が、複数のガス分離ユニットの全ての他のガス分離ユニットの間に画定されて、水素生成システムの密度をさらに高め、これにより水素生成システムの効率を高める。
【0050】
動作302は、複数のガス分離ユニットを第1の軸に沿って位置決めするステップは、複数のガス分離ユニットを1つまたは複数の水素電解槽から第1の長手方向の距離のところに位置決めするステップを含み、第1の長手方向の距離は、1つまたは複数の水素電解槽の各水素電解槽の幅に等しい距離より大きいことを含み得る。例えば、作業員は、1つまたは複数の水素電解槽のいずれかの水素電解槽を、保守または交換のために取り出す間、例えば第1の取り出し経路に沿って水素生成システムの建物の出口ドアまで摺動させる、転がす、またはそれ以外の方法で並進させるときなどに所定の配向に回転させる、または所定の位置に移動させることを可能にするのを助けるのに十分な長手方向の隙間を提供するように構成された(例えば、選択された)距離のところに、複数のガス分離ユニットを配置することができる。
【0051】
方法300は、動作304を含むことができる。動作304は、第1の軸に平行に第1の軸から長手方向にずれて延在する第2の軸に沿って1つまたは複数の水素電解槽を位置決めすることで、複数のガス分離ユニットのうちの少なくとも1つのガス分離ユニットを、複数のガス分離ユニットの隣接するガス分離ユニットから1つまたは複数の水素電解槽の各々の長楕円本体によって画定される幅より大きい第1の横方向の距離のところに配置するステップを含むことができる。例えば、作業員は、1つまたは複数の水素電解槽を第2の軸に対して配置することができることで、1つまたは複数の水素電解槽のうちの少なくとも1つの水素電解槽の第1の電解槽面を、第1の横方向の距離だけ、1つまたは複数の水素電解槽の隣接して配置される水素電解槽の第2の分離器面から横方向に離間させることができる。
【0052】
方法300は、動作306を含むことができる。動作306は、電気支持ハードウェアと、1つまたは複数の水素電解槽と、複数のガス分離ユニットとの間に電気通信を確立するステップを含むことができる。例えば、作業員は、1つまたは複数の水素電解槽を電気支持ハードウェアの1つまたは複数の整流器および変圧器に電気的に結合することで、1つまたは複数の水素電解槽が、電気支持ハードウェアの整流器から、例えば直流の形態で電力を受け取ることに応答して水素ガスおよび酸素ガスを生成することを可能にすることができる。
【0053】
方法300は、任意選択で動作308を含むことができる。動作308は、水素電解槽を複数のガス分離ユニットの1つと隣接するガス分離ユニットとの間で並進させることによって、1つまたは複数の水素電解槽のうちの少なくとも1つの水素電解槽を取り出すステップを含むことができる。例えば、作業員は、1つまたは複数の水素電解槽のうちの少なくとも1つの水素電解槽を第1の取り出し経路に沿って水素生成設備の建物の出口ドアまで摺動させる、転がす、またはそれ以外の方法で移動させることができ、第1の取り出し経路は、第1の横方向の距離だけ、またはそれ以外で上記に記載される第1の距離だけ離間された複数のガス分離ユニットの2つの隣接して配置されるガス分離ユニットの間に少なくとも部分的に画定される。
【0054】
動作308は、1つまたは複数の水素電解槽と複数のガス分離ユニットの間に画定される通路を通って水素電解槽を並進させることによって、1つまたは複数の水素電解槽のうちの少なくとも1つの水素電解槽を取り出すステップを含むことができる。例えば、作業員は、第1の長手方向の距離または上記に記載した第2の距離の寸法によって可能になり、複数のガス分離ユニットの各ガス分離ユニットから1つまたは複数の水素電解槽の各水素電解槽を隔てている通路または上記に記載した第2の取り出し経路に沿って水素電解槽を摺動させる、転がす、またはそれ以外の方法でまず移動させることで、水素生成システムの建物の出口ドアに到達することができる。
【0055】
動作308は、水素電解槽を、複数のガス分離ユニットの1つと、複数のガス分離ユニットの隣接するガス分離ユニットとの間で長手方向に並進させるステップと、水素電解槽を、第2の軸に沿った1つまたは複数の水素電解槽と、第1の軸に沿った1つまたは複数のガス分離ユニットとの間に配設されるように90度回転させるステップとを含むことができる。例えば、交換水素電解槽の設置の間、作業員は、第1の横方向の距離、または上記に記載された第1の距離を画定する、複数のガス分離ユニットの隣接して配置された2つのガス分離ユニットの間で交換水素電解槽を、1つまたは複数の水素電解槽の他の水素電解槽に向かって長手方向に、摺動させる、転がす、またはそれ以外の方法で移動させることができる。その後、作業員は、交換水素電解槽を、例えば第2の軸に直交して延在する水平面に対して回転させることで、1つまたは複数の水素電解槽の他の水素電解槽と共に第2に軸に沿って配置される所定の位置に交換水素電解槽を移動させることを可能にすることができる。
【0056】
上述のシステムおよびデバイスなどは、本開示による例を実行する際に利用することができる構成要素、相互作用、通信、機能などの単なる例示である。異なるタイプおよび組み合わせのセンサまたは他の可搬電子機器デバイス、クライアントおよびサーバを含めたコンピュータ、インプラントならびに他のシステムおよびデバイスを本開示による例において利用することができる。
【0057】
上記の詳細な記載は、添付の図面に対する参照を含んでおり、添付の図面は、詳細な記載の一部を形成する。図面は、例示の目的で、本発明が実施され得る特有の実施形態を示している。これらの実施形態はまた、「実施例」とも本明細書では呼ばれている。そのような実施例は、示されるまたは記載されるものに加えて要素を含むことができる。しかしながら本発明者等は、示されるまたは記載されるそれらの要素のみが提供される実施例も企図している。
【0058】
さらに、本発明者等は、特定の実施例(あるいは1つまたは複数のその態様)に関して、または本明細書に示されるまたは記載される他の実施例(あるいは1つまたは複数のその態様)に関してのいずれかで、示されるまたは記載されるそれらの要素(あるいは1つまたは複数のその態様)の何らかの組み合わせまたは変形を使用する実施例も企図している。本文献および参照によりそのように組み込まれる任意の文献との間に矛盾する語法が生じた場合、本文献における語法が統制する。
【0059】
本文献において、用語「1つの(a)」または「1つの(an)」は、特許文献において共通であるように、「少なくとも1つの」または「1つまたは複数の」の任意の他の例または語法から独立して、1つまたは2つ以上を含めるために使用される。本文献において、用語「または(or)」は、非排他的であるものを指すように、あるいは、「AまたはB」が、そうでないことが指摘されなければ、「Aであり、Bではない」、「Bであり、Aではない」ならびに「AおよびB」を含むように使用される。本文献において、用語「含む(including)」および「そこでは(in which)」は、それぞれの用語「備える(comprising)」および「そこでは(wherein)」の平易な英語の同等のものとして使用される。また、以下の特許請求の範囲では、用語「含む(including)」および「備える(comprising)」は、オープンエンドであり、すなわち、ある請求項中のそのような用語の後に列挙されたものに加えて要素を含む、システム、デバイス、物品、組成物、配合物またはプロセスがなおも、その請求項の範囲内にあるとみなされる。さらに、以下の特許請求の範囲では、用語「第1の」「第2の」および「第3の」などは、単なる標識として使用されており、その対象物に対して数値的な要件を課すことは意図されていない。
【0060】
上記の記載は、実例となることが意図されており、制限することは意図されていない。例えば、上記に記載される例(あるいは1つまたは複数のその態様)は、互いと組み合わせて使用されてもよい。例えば上記の記載を検討するとき当業者の1人によって、他の実施形態が使用される場合がある。要約書が37 C.F.R.§1.72(b)に準拠するために提供されることで、読み手が技術的開示の性質をすぐに確認することを可能にする。それは、特許請求の範囲の範囲または意味を解釈したり制限したりするために使用されるのではないとの理解と共に提出される。また、上記の発明を実施するための形態では、種々の特徴は、本開示を簡素化するために一緒に分類されてもよい。
【0061】
これは、特許請求されない開示される特徴が任意の特許請求の範囲にとって必須であることを意図するものとして解釈されるべきではない。むしろ、発明の主題は、特定の開示される実施形態の全ての特徴より少ない場合もある。よって、以下の特許請求の範囲は、これにより、実施例または実施形態として発明を実施するための形態に組み込まれ、各請求項は、別個の実施形態としてそのままで自立しており、そのような実施形態は、種々の組み合わせまたは変形において互いと組み合わせることができることが企図されている。本発明の範囲は、そのような特許請求の範囲が授与される等価物の完全な範囲と共に、添付の特許請求の範囲を参照して決定されるべきである。
【0062】
(実施例)
以下の非制限的な例は、とりわけ本明細書で考察される難問を解決し、利点を提供するために、本主題の特定の態様を詳細に記載する。
【0063】
実施例1は、1つまたは複数の水素電解槽と、1つまたは複数の水素電解槽と流体連通している複数のガス分離ユニットであって、複数のガス分離ユニットのうちの少なくとも1つのガス分離ユニットが、1つまたは複数の水素電解槽の1つの幅より大きい第1の距離だけ、複数のガス分離ユニットの隣接するガス分離ユニットから横方向に離間される、複数のガス分離ユニットと、1つまたは複数の水素電解槽および複数のガス分離ユニットと電気通信している電気支持ハードウェアとを備えるような、水素生成システムである。
【0064】
実施例2では、実施例1の主題は、第1の距離が、1つまたは複数の水素電解槽の1つの幅より約10パーセントから約100パーセント大きいことを含む。
【0065】
実施例3では、実施例1~2の主題は、1つまたは複数の水素電解槽が、少なくとも4つの水素電解槽を含み、複数のガス分離ユニットが、少なくとも2つのガス分離ユニットを含むことを含む。
【0066】
実施例4では、実施例3の主題は、複数のガス分離ユニットは、第1の軸に沿って横方向に離間されており、1つまたは複数の水素電解槽は、第1の軸に平行に第1の軸から長手方向にずれて延在する第2の軸に沿って横方向に離間されており、1つまたは複数の水素電解槽は、複数のガス分離ユニットから長手方向に離間されることを含む。
【0067】
実施例5では、実施例4の主題は、1つまたは複数の水素電解槽の各々が、第1の軸に直交する電解槽軸に沿って延在する長楕円本体を備え、複数のガス分離ユニットの各々は、第2の軸に直交する分離器軸に沿って延在する長楕円本体を備え、電解槽軸は分離器軸に平行であることを含む。
【0068】
実施例6では、実施例5の主題は、複数のガス分離ユニットが対になって第1の軸に沿って配置されることで、複数のガス分離ユニットの全ての他のガス分離ユニットの間に第1の距離が画定されることを含む。
【0069】
実施例7では、実施例5~6の主題は、1つまたは複数の水素電解槽が、第2の距離だけ複数のガス分離ユニットから長手方向に離間され、第2の距離は、1つまたは複数の水素電解槽の各々によって画定される幅より大きいことを含む。
【0070】
実施例8では、実施例7の主題は、第2の距離が、1つまたは複数の水素電解槽の各々の幅より約10パーセントから約100パーセント大きいことを含む。
【0071】
実施例9では、実施例5~8の主題は、1つまたは複数の水素電解槽の各水素電解槽の第1の電解槽面および複数のガス分離ユニットの各ガス分離ユニットの第1の分離器面が、互いから横方向にずれており、第1の電解槽面が、電解槽軸と共に長手方向に軸方向に延在し、第1の分離器面が、分離器軸と共に長手方向に軸方向に延在することを含む。
【0072】
実施例10では、実施例5~9の主題は、1つまたは複数の水素電解槽の各水素電解槽の各長楕円本体の第1の電解槽面および複数のガス分離ユニットの各ガス分離ユニットの各長楕円本体の第1の分離器面は、互いに平行であり、第1の電解槽面は、電解槽軸と共に長手方向に軸方向に延在し、第1の分離器面は、分離器軸と共に長手方向に軸方向に延在することを含む。
【0073】
実施例11では、実施例5~10の主題は、電気支持ハードウェアは、1つまたは複数の水素電解槽の各水素電解槽の各長楕円本体の第3の電解槽面に対して配置され、複数のガス分離ユニットは、複数のガス分離ユニットの各ガス分離ユニットの各長楕円本体の第3の分離器面に対して配置されることを含む。
【0074】
実施例12では、実施例11の主題は、電気支持ハードウェアが、建物の中に配置されること、および電気支持ハードウェアが建物の外に配置されることを含む。
【0075】
実施例13では、実施例12の主題は、1つまたは複数の水素電解槽の各水素電解槽と、複数のガス分離ユニットのうちの少なくとも1つのガス分離ユニットとの間に位置決めされた流体コネクタであって、気体流体を輸送するように構成され、1つまたは複数の水素電解槽の各水素電解槽および複数のガス分離ユニットのうちの少なくとも1つのガス分離ユニットより上に配設された流体コネクタを含む。
【0076】
実施例14では、実施例12~13の主題は、1つまたは複数の水素電解槽の各水素電解槽と、複数のガス分離ユニットのうちの少なくとも1つのガス分離ユニットとの間に位置決めされた流体コネクタであって、気体流体を輸送するように構成され、1つまたは複数の水素電解槽の各水素電解槽および複数のガス分離ユニットのうちの少なくとも1つのガス分離ユニットの真下に配設された流体コネクタを含む。
【0077】
実施例15は、水素生成設備を配置する方法であり、方法は、例えば、複数のガス分離ユニットを第1の軸に沿って位置決めするステップと、1つまたは複数の水素電解槽を、第1の軸に平行に第1の軸から長手方向にずれて延在する第2の軸に沿って位置決めすることで、複数のガス分離ユニットのうちの少なくとも1つのガス分離ユニットを、複数のガス分離ユニットの隣接するガス分離ユニットから、1つまたは複数の水素電解槽の各々の長楕円本体によって画定される幅より大きい第1の横方向の距離のところに配置するステップと、電気支持ハードウェアと、1つまたは複数の水素電解槽と、複数のガス分離ユニットとの間の電気通信を確立するステップとを含む。
【0078】
実施例16では、実施例15の主題は、複数のガス分離ユニットを位置決めするステップは、少なくとも2つのガス分離ユニットを第1の軸に沿って位置決めするステップを含むことと、1つまたは複数の水素電解槽を位置決めするステップは、少なくとも2つの水素電解槽を第2の軸に沿って位置決めするステップを含むこととを含む。
【0079】
実施例17では、実施例16の主題は、複数のガス分離ユニットを位置決めするステップは、複数のガス分離ユニットを対にして位置決めすることで、複数のガス分離ユニットの全ての他のガス分離ユニットの間に第1の横方向の距離が画定されるステップを含むことを含む。
【0080】
実施例18では、実施例17の主題は、複数のガス分離ユニットを第1の軸に沿って位置決めするステップは、複数のガス分離ユニットを、1つまたは複数の水素電解槽から第1の長手方向の距離のところに位置決めするステップを含むことと、第1の長手方向の距離が、1つまたは複数の水素電解槽の各水素電解槽の幅と等しい距離より大きいこととを含む。
【0081】
実施例19では、実施例18の主題は、方法は、1つまたは複数の水素電解槽と複数のガス分離ユニットとの間に画定された通路を通って水素電解槽を並進させることによって、1つまたは複数の水素電解槽のうちの少なくとも1つの水素電解槽を取り出すステップをさらに含むことを含む。
【0082】
実施例20では、実施例19の主題は、1つまたは複数の水素電解槽のうちの少なくとも1つの水素電解槽を取り出すステップは、1つまたは複数の水素電解槽の隣接する水素電解槽の間で水素電解槽を横方向に並進させるステップと、複数のガス分離ユニットの1つと複数のガス分離ユニットの隣接するガス分離ユニットとの間で長手方向に水素電解槽を並進させるステップとを含むことを含む。
【0083】
実施例21では、実施例19~20の主題は、1つまたは複数の水素電解槽のうちの少なくとも1つの水素電解槽を取り出すステップは、複数のガス分離ユニットの1つと複数のガス分離ユニットの隣接するガス分離ユニットとの間で長手方向に水素電解槽を並進させるステップと、第2の軸に沿った1つまたは複数の水素電解槽と第1の軸に沿った1つまたは複数のガス分離ユニットとの間に配設されるように水素電解槽を90度回転させるステップとを含むことを含む。
【0084】
実施例22は、処理回路によって実行されるとき、実施例1~21のいずれかを履行するための動作を処理回路に実行させる命令を含む少なくとも1つの機械可読媒体である。
【0085】
実施例23は、実施例1~21のいずれかを履行するための手段を備える装置である。
【0086】
実施例24は、実施例1~21のいずれかを履行するためのシステムである。
【0087】
実施例25は、実施例1~21のいずれかを履行するための方法である。
【符号の説明】
【0088】
100 電力システム
102 水素生成システム
104 建物
105 地面
106 水素電解槽
108 ガス分離ユニット
109 出口ドア
110 電気支持ハードウェア
112A、112B、112C 発電所
114 送電系統
116 コントローラ
118 生成器ユニット
120 コントローラ
122 発電機
124 エンジンコントローラ
126 ガスタービンエンジン
128 エンドユーザ
130 住居ユニット
132 工場
133 長楕円本体
134 第1の分離器面
136 第2の分離器面
137 第3の分離器面
138 第1の電解槽面
139 長楕円本体
140 第2の電解槽面
142 第3の電解槽面
144 壁
146 出口ドア
148 流体コネクタ
202 水素生成システム
204 建物
206 水素電解槽
208 ガス分離ユニット
234 第1の分離器面
236 第2の分離器面
242 第3の電解槽面
246 出口ドア
300 方法
A1 第1の軸
A2 第2の軸
A3 分離器軸
A4 電解槽軸
D1 第1の距離
D2 第2の距離
D3 横方向の距離
D4 横方向の距離
D5 第5の距離
D6 第6の距離
P1 第1の取り出し経路
P2 第2の取り出し経路
W1 電解槽の幅
【国際調査報告】