(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-21
(54)【発明の名称】電気自動車充電サイト
(51)【国際特許分類】
H02J 7/00 20060101AFI20240514BHJP
H02J 3/32 20060101ALI20240514BHJP
H02J 13/00 20060101ALI20240514BHJP
H02J 7/02 20160101ALI20240514BHJP
B60L 53/62 20190101ALI20240514BHJP
B60L 53/63 20190101ALI20240514BHJP
B60L 53/67 20190101ALI20240514BHJP
【FI】
H02J7/00 303C
H02J7/00 P
H02J3/32
H02J13/00 301A
H02J7/00 301A
H02J7/02 J
B60L53/62
B60L53/63
B60L53/67
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023568426
(86)(22)【出願日】2022-05-12
(85)【翻訳文提出日】2023-11-21
(86)【国際出願番号】 US2022029059
(87)【国際公開番号】W WO2022241160
(87)【国際公開日】2022-11-17
(32)【優先日】2021-05-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】523416210
【氏名又は名称】ヴェローチェ エナジー、インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002848
【氏名又は名称】弁理士法人NIP&SBPJ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ウルフ、ジェフリー ディー.
(72)【発明者】
【氏名】シェンク、マイケル
【テーマコード(参考)】
5G064
5G066
5G503
5H125
【Fターム(参考)】
5G064AC09
5G064DA11
5G066HB09
5G066JB03
5G503AA01
5G503AA04
5G503BA04
5G503BB01
5G503CA10
5G503FA01
5G503FA06
5H125AA01
5H125AC12
5H125AC22
5H125BC21
5H125DD02
5H125FF11
(57)【要約】
本開示は、電気自動車を充電するためのシステムを提供する。システムは、電気自動車(EV)充電サイトを含み、EV充電サイトが、複数のEV充電器と複数のバッテリエネルギー貯蔵システム(BESS)とを備える電気負荷と、電気負荷を電力グリッドに接続する主ユーティリティ給電部であって、主ユーティリティ給電部が電力容量を有する、主ユーティリティ給電部と、主ユーティリティ給電部における電力を測定するように構成されたセンサと、センサ及び複数のBESSに通信可能に結合されたコントローラであって、コントローラが、(i)主ユーティリティ給電部における電力が閾値を超えない場合に、BESSのサブセットに主ユーティリティ給電部からの電力を使用して充電させ、かつ(ii)主ユーティリティ給電部における電力が閾値を超える場合に、BESSのサブセットに電力を放電させるようにプログラムされている、コントローラと、を備え得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
システムであって、
電気自動車(EV)充電サイトを含み、前記EV充電サイトが、複数のEV充電器と複数のバッテリエネルギー貯蔵システムとを備える電気負荷と、
前記電気負荷を電力グリッドに接続する主ユーティリティ給電部であって、前記主ユーティリティ給電部が電力容量を有する、主ユーティリティ給電部と、
前記主ユーティリティ給電部における電力を測定するように構成されたセンサと、
前記センサ及び前記複数のバッテリエネルギー貯蔵システムに通信可能に結合されたコントローラであって、前記コントローラが、
(i)前記主ユーティティ給電部における前記電力が閾値を超えない場合に、前記複数のバッテリエネルギー貯蔵システムのサブセットに前記主ユーティリティ給電部からの電力を使用して充電させ、かつ
(ii)前記主ユーティリティ給電部における前記電力が前記閾値を超える場合に、前記複数のバッテリエネルギー貯蔵システムのサブセットに電力を放電させるようにプログラムされている、コントローラと、を備える、システム。
【請求項2】
前記電気負荷が、建物を更に含み、(ii)における放電電力が、前記建物に伝送される、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
(ii)における前記放電電力が、前記複数のEV充電器に伝送される、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記主ユーティリティ給電部と電気的に通信する導体を更に備え、前記導体が、前記複数のEV充電器のうちの1つ以上のEV充電器、及び前記複数のバッテリエネルギー貯蔵システムのうちの1つ以上のバッテリエネルギー貯蔵システムに電力を伝送する、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記1つ以上のEV充電器が、前記導体の長さに沿って並列に配設されており、前記導体が、前記長さに沿ってサイズが低減される、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記導体が、架空ケーブル又はバス内に配置されている、請求項4に記載のシステム。
【請求項7】
前記架空ケーブルバスが、前記1つ以上のEV充電器のうちのあるEV充電器に隣接する支持脚部を備える、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記支持脚部が、電力及び通信ケーブルを前記EV充電器にルーティングするための内部空洞を備える、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記架空ケーブルバスが照明を備える、請求項6に記載のシステム。
【請求項10】
前記架空ケーブルバスが、1つ以上の電子ディスプレイを備える、請求項6に記載のシステム。
【請求項11】
前記導体が、直流(DC)電力を伝送するように構成されている、請求項4に記載のシステム。
【請求項12】
前記主ユーティリティ給電部からの交流(AC)電力をDC電力に変換し、前記DC電力を前記導体に提供するように構成された複数のAC-DC変換器を更に備える、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記導体が、前記1つ以上のEV充電器にAC電力を伝送するように構成されている、請求項4に記載のシステム。
【請求項14】
前記電力グリッドと前記1つ以上のEV充電器との間にガルバニック絶縁を提供するように構成された集中型変圧器を更に備える、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記1つ以上のEV充電器に関連付けられた1つ以上の変圧器を更に備え、前記1つ以上の変圧器が、前記電力グリッドと1つ以上のEV充電器との間にガルバニック絶縁を提供するように構成されている、請求項13に記載のシステム。
【請求項16】
前記1つ以上の変圧器が、前記電力グリッドをより低い電圧に変換するように構成されている、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記1つ以上のEV充電器が、EVにDC電力を提供するように構成されており、前記複数のEV充電器が、1つ以上のAC-DC変換器を備える、請求項13に記載のシステム。
【請求項18】
前記センサが電流リレーである、請求項1に記載のシステム。
【請求項19】
前記複数のバッテリエネルギー貯蔵システムが、前記複数のEV充電器とともに散在する、請求項1に記載のシステム。
【請求項20】
1つ以上の再生可能エネルギーソースを更に備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項21】
前記1つ以上の再生可能エネルギーソースが、太陽光アレイ又は風力タービンを含む、請求項20に記載のシステム。
【請求項22】
前記コントローラが、前記1つ以上の再生可能エネルギーソースの最大電力点追跡を実装するようにプログラムされている、請求項20に記載のシステム。
【請求項23】
前記複数のEVのうちのあるEV充電器に、アーク故障検出デバイスが設置されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項24】
前記アーク故障検出デバイスが、アーク故障検出信号の伝播を防止するように構成された直列又は並列インピーダンスを備える、請求項23に記載のシステム。
【請求項25】
前記複数のバッテリエネルギー貯蔵システムのうちのあるバッテリエネルギー貯蔵システムが、複数のキャビネットを備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項26】
前記複数のキャビネットが、開口部を介して接続されている、請求項25に記載のシステム。
【請求項27】
前記開口部が防火ダンパを備える、請求項26に記載のシステム。
【請求項28】
前記開口部が、前記キャビネットの下の台座ベースの間にある、請求項27に記載のシステム。
【請求項29】
前記複数のバッテリエネルギー貯蔵システムのうちのあるバッテリエネルギー貯蔵システムが、環境調整ユニットを備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項30】
前記複数のバッテリエネルギー貯蔵システムのうちのあるバッテリエネルギー貯蔵システムが、ホース接続部を備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項31】
前記複数のバッテリエネルギー貯蔵システムのうちのあるバッテリエネルギー貯蔵システムが、排水口を備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項32】
前記バッテリエネルギー貯蔵システムが、熱又は煙センサを備え、前記熱又は煙センサが前記コントローラに通信可能に結合されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項33】
前記複数のバッテリエネルギー貯蔵システムのうちのあるバッテリエネルギー貯蔵システムが、整流器及び電力インバータを備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項34】
前記複数のEV充電器又は前記複数のバッテリエネルギー貯蔵システムが、スキッド上に配置されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項35】
複数のEV充電ステーション又は前記複数のバッテリエネルギー貯蔵システムが、電気バックプレーンを備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項36】
前記複数のバッテリエネルギー貯蔵システムのうちのあるバッテリエネルギー貯蔵システムが、1つ以上の電気化学セル又は他のエネルギー貯蔵装置を備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項37】
前記閾値が、前記主ユーティリティ給電部の前記電力容量である、請求項1に記載のシステム。
【請求項38】
前記電力容量が、前記電気負荷の最大電力引き出し未満である、請求項1に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2021年5月13日に出願された出願第63/188,344号の利益を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
配電システムは、サイトにわたって多くの場所に電力を分配することができる。サイトは、電気自動車(electric vehicle、「EV」)充電サイト及び複数の建物を有し得る。EV充電サイトは、異なる使用パターンを有する複数のEV充電ステーションを有してもよい。建物は、EV充電サイトよりも予測可能な使用パターンを有する個々の負荷を有してもよい。場合によっては、配電システムは、サイトに必要な全ての電力を第1の電力使用ポイントに搬送する大型給電線に電力を分配し、サイト全体に電力を供給するようにサイズ決定された主ブレーカで電力が終端される。更なる配電は、主配電盤(main distribution panel、「MDP」)における個々のブレーカからであってもよい。この電力供給方法は、新しい負荷がMDPから給電される必要がある場合があり、高価で困難な配線引き回しを必要とする場合があるので、将来の拡張を困難にする場合がある。新しい負荷を追加することは、ユーティリティアップグレードを必要とする場合もある。
【発明の概要】
【0003】
本開示は、より安価な初期設置及び拡張を可能にする配電システムを備え得るシステム及び方法を提供する。配電システムは、低減されたサイズの主ユーティリティ給電部を有し得る。分散型エネルギー資源(例えば、バッテリエネルギー貯蔵システム)は、サイトの周りの様々な場所に位置し得る。主ユーティリティ給電部は、均一なサイズでサイトにわたって走ることができ、全てのサイトの電力を供給することができる。MDPの代わりに、ユーティリティ電力は、各場所で特定のバッテリエネルギー貯蔵システムに接続されてもよい。MDPは、各バッテリエネルギー貯蔵システム(battery energy storage system、BESS)に統合されてもよく、又は隣接して設置されてもよい。個々の過電流保護デバイスは、MDP又はBESS内に位置する代わりに、配電システム内に直接統合されてもよい。
【0004】
主ユーティリティ給電部はまた、電力潮流制御システムによって制御される電力を配分する不均一なサイズでサイトにわたって走ってもよい。この制御システムは、電力潮流を調節するパワーエレクトロニクスデバイスであってもよいし、負荷分配システムであってもよい。
【0005】
配電システムは、直流(direct current、「DC」)システムであってもよい。DCシステムは、単一のポイント又は複数のポイントに収束する複数の方向からの電力潮流をサポートすることができる。代替的に、配電システムは交流(alternating current、「AC」)システムであってもよい。ACシステムへの任意の接続点は、双方向電力潮流を有し得る(順方向及び逆方向の両方の電力潮流を可能にし得る)。ACシステムは、サイトで特有のループの絶縁を可能にする複数のスイッチを有することができる。分離されたループはリアルタイムで構成されてもよい。分離されたループは、異なる供給パターン及び負荷パターンに適応し得る。
【0006】
配電システムは、以下の原理、(1)主給電線を通る電力潮流は、法的給電線容量に能動的に制限され得ること、(2)電力は、ローカルバッテリエネルギー貯蔵システムから放電されて、給電線又はユーティリティ接続の能力を上回る任意の負荷を満たすことができこと、(3)電力は、サイトの他の場所にある非ローカル負荷にサービスを提供するためにローカルバッテリエネルギー貯蔵システムから放電されてもよいこと、(4)バッテリエネルギー貯蔵システムは、主給電線に予備電力容量があるときはいつでも再充電することができること、及び(5)規制(National Electrical Code(NEC)、National Fire Protection Association(NFPA)70E、UBCなど)は、給電線の容量のサイジング規制が生じる可能性があること、に基づいて制御され得る。場合によっては、配電システムは、負荷スケジュール、公共料金、又は他の外部影響に従って制御されてもよい。配電システムにおける電力(電流)の流れはまた、外部周囲温度に少なくとも部分的に基づいて制御されてもよい。NFPA70E、具体的にはNECは、導体が連続電流当たりのサイズ決定されていることを要求し、計算された電流の乗数を要求し得る。導体内の電流の流れは、設計中に指定されたものとは異なる可能性があるローカルに予想される周囲条件に基づくことができる。したがって、導体内の電流の流れの制限要素は、温度定格及びLMS(負荷管理システム)又はEMS(エネルギー管理システム)に依存し得る。
【0007】
一態様では、本開示は、電気自動車(EV)充電サイトを備える電気負荷を備えるシステムを提供し、EV充電サイトは、複数のEV充電器及び複数のバッテリエネルギー貯蔵システムと、電気負荷を電力グリッドに接続する主ユーティリティ給電部であって、電力容量を有する、主ユーティリティ給電部と、主ユーティリティ給電部及び/又はシステム内の他の場所における電力を測定するように構成されたセンサと、センサ及び複数のバッテリエネルギー貯蔵システムに通信可能に結合された1つ以上のコントローラであって、(i)主ユーティリティ給電部における電力が閾値を超えない場合に、複数のバッテリエネルギー貯蔵システムのサブセットに、主ユーティリティ給電部からの電力を使用して充電させることと、(ii)主ユーティリティ給電部又は配電システムの別のセクションにおける電力が閾値を超えた場合に、複数のバッテリエネルギー貯蔵システムのサブセットに、電力を放電することと、をさせるようにプログラムされている、コントローラと、を備える。
【0008】
いくつかの実施形態では、電気負荷は建物を更に含み、(ii)における放電電力は建物に伝送される。いくつかの実施形態では、(ii)における放電電力は、複数のEV充電器に伝送される。いくつかの実施形態では、システムは、主ユーティリティ給電部と電気通信する導体を更に備え、導体は、複数のEV充電器のうちの1つ以上のEV充電器及び複数のバッテリエネルギー貯蔵システムのうちの1つ以上のバッテリエネルギー貯蔵システムに電力を伝送する。いくつかの実施形態では、1つ以上のEV充電器は、導体の長さに沿って並列に配設され、導体は、長さに沿ってサイズが低減される。いくつかの実施形態では、導体は、架空ケーブル又はバスに配置される。いくつかの実施形態では、架空ケーブル又はバスは、1つ以上のEV充電器のうちのあるEV充電器に隣接する支持脚部を備える。いくつかの実施形態では、支持脚部は、電力及び通信ケーブルをEV充電器にルーティングするための内部空洞を備える。いくつかの実施形態では、架空ケーブル又はバスは照明を含む。いくつかの実施形態では、架空ケーブル又はバスは、1つ以上の電子ディスプレイを備える。いくつかの実施形態では、架空ケーブル又はバスは、1つ以上のカメラを備える。いくつかの実施形態では、架空ケーブル又はバスは、1つ以上の道案内システムを備える。いくつかの実施形態では、導体は、直流(DC)電力を伝送するように構成される。いくつかの実施形態では、システムは、主ユーティリティ給電部からの交流(AC)電力をDC電力に変換し、DC電力を導体に提供するように構成された複数のAC-DC変換器を更に備える。いくつかの実施形態では、導体は、AC電力を1つ以上のEV充電器に伝送するように構成される。いくつかの実施形態では、システムは、電力グリッドと1つ以上のEV充電器との間にガルバニック絶縁を提供するように構成された集中型変圧器を更に備える。いくつかの実施形態では、システムは、1つ以上のEV充電器に関連付けられた1つ以上の変圧器を更に備え、1つ以上の変圧器は、電力グリッドと1つ以上のEV充電器との間にガルバニック絶縁を提供するように構成される。いくつかの実施形態では、1つ以上の変圧器は、電力グリッドをより低い電圧に変換するように構成される。いくつかの実施形態では、1つ以上のEV充電器は、EVにDC電力を提供するように構成され、複数のEV充電器は、1つ以上のAC-DC変換器を備える。いくつかの実施形態では、センサは電流リレーである。いくつかの実施形態では、複数のバッテリエネルギー貯蔵システムは、複数のEV充電器とともに散在する。いくつかの実施形態では、システムは、1つ以上の再生可能エネルギーソースを更に含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の再生可能エネルギーソースは、太陽光アレイ又は風力タービンを含む。いくつかの実施形態では、コントローラは、1つ以上の再生可能エネルギーソースの最大電力点追跡を実装するようにプログラムされる。いくつかの実施形態では、複数のEV充電器のうちのあるEV充電器は、アーク故障検出デバイスとともに設置される。いくつかの実施形態では、アーク故障検出デバイスは、アーク故障検出信号の伝搬を防止するように構成された直列又は並列インピーダンスを備える。いくつかの実施形態では、複数のバッテリエネルギー貯蔵システムのうちのあるバッテリエネルギー貯蔵システムは、複数のキャビネットを備える。いくつかの実施形態では、複数のキャビネットは開口部を介して接続される。いくつかの実施形態では、開口部は防火ダンパを備える。いくつかの実施形態では、開口部は、キャビネットの下の台座ベースの間にある。いくつかの実施形態では、複数のバッテリエネルギー貯蔵システムのうちのあるバッテリエネルギー貯蔵システムは、環境調整ユニットを備える。いくつかの実施形態では、複数のバッテリエネルギー貯蔵システムのうちのあるバッテリエネルギー貯蔵システムは、ホース接続部を備える。いくつかの実施形態では、複数のバッテリエネルギー貯蔵システムのうちのあるバッテリエネルギー貯蔵システムは、排水口を備える。いくつかの実施形態では、バッテリエネルギー貯蔵システムは、熱又は煙センサを備え、熱又は煙センサは、コントローラに通信可能に結合される。いくつかの実施形態では、複数のバッテリエネルギー貯蔵システムのうちのあるバッテリエネルギー貯蔵システムは、整流器及び電力インバータを備える。いくつかの実施形態では、複数のEV充電器又は複数のバッテリエネルギー貯蔵システムは、スキッド上に配置される。いくつかの実施形態では、複数のEV充電ステーション又は複数のバッテリエネルギー貯蔵システムは、電気バックプレーンを備える。いくつかの実施形態では、複数のバッテリエネルギー貯蔵システムのうちのあるバッテリエネルギー貯蔵システムは、1つ以上の電気化学セル又は他のエネルギー貯蔵装置を備える。いくつかの実施形態では、閾値は、主ユーティリティ給電部の電力容量である。いくつかの実施形態では、電力容量は、電気負荷の最大電力引き出し未満である。
【0009】
本開示の別の態様は、1つ以上のコンピュータプロセッサによって実行されると、上記又は本明細書の他の箇所の方法のいずれかを実装する機械実行可能コードを含む非一時的コンピュータ可読媒体を提供する。
【0010】
本開示の別の態様は、上記又は本明細書の他の箇所で説明したシステムの機能を実行する方法を提供する。
【0011】
本開示の別の態様は、1つ以上のコンピュータプロセッサと、それに結合されたコンピュータメモリとを備えるシステムを提供する。コンピュータメモリは、1つ以上のコンピュータプロセッサによって実行されると、上記若しくは本明細書の他の方法のいずれか、又はAI/MLによって発見された新しい方法を実装する機械実行可能コードを自律的に修正する人工知能又は機械学習を含む。
【0012】
本開示の追加の態様及び利点は、本開示の例示的な実施形態のみが示され説明される以下の詳細な説明から当業者に容易に明らかになるであろう。理解されるように、本開示は、他の異なる実施形態が可能であり、そのいくつかの詳細は、全て本開示から逸脱することなく、様々な明白な点において修正が可能である。したがって、図面及び説明は、本質的に例示的なものとみなされるべきであり、限定的なものとみなされるべきではない。
【0013】
参照による組み込み
本明細書中で言及される全ての刊行物、特許、及び特許出願は、各個々の刊行物、特許、又は特許出願が、参照により組み込まれることが具体的かつ個々に明示されるのと同程度に、参照により本明細書中に組み込まれる。参照により組み込まれる刊行物及び特許又は特許出願が本明細書に含まれる開示と矛盾する範囲で、本明細書は、任意のそのような矛盾する材料に取って代わり、及び/又は優先することが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0014】
本発明の新規な特徴は、添付の特許請求の範囲に詳細に記載されている。本発明の特徴及び利点のより良い理解は、本発明の原理が利用される例示的な実施形態を説明する以下の詳細な説明、及び添付の図面(本明細書では「図面」及び「図」とも称する)を参照することによって得られるであろう。
【
図2】EV充電ステーションに電力を伝送する導体の一例を概略的に例示する。
【
図3】EV充電ステーション用の変圧器の一例を概略的に例示する。
【
図6】本明細書で提供される方法を実装するようにプログラム又はその他の方法で構成されたコンピュータシステムを示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の様々な実施形態が本明細書に示され、説明されてきたが、そのような実施形態は例としてのみ提供されることが当業者には明らかであろう。当業者であれば、本発明から逸脱することなく、多数の変形、変更、及び置換を思いつき得る。本明細書に記載される本発明の実施形態に対する様々な代替形態が採用され得ることを理解されたい。
【0016】
「少なくとも」、「より大きい」、又は「以上」という用語が一連の2つ以上の数値における最初の数値に先行する場合はいつでも、「少なくとも」、「より大きい」、又は「以上」という用語は、その一連の数値における数値の各々に適用される。例えば、1、2、又は3以上は、1以上、2以上、又は3以上と等価である。
【0017】
「以下」、「未満」、又は「以下」という用語が、一連の2つ以上の数値における最初の数値に先行する場合はいつでも、「以下」、「未満」、又は「以下」という用語は、その一連の数値における数値の各々に適用される。例えば、3、2、又は1以下は、3以下、2以下、又は1以下と等価である。
【0018】
本開示は、より安価な初期設置及び拡張を可能にする配電システムを備え得るシステム及び方法を提供する。配電システムは、低減されたサイズの主ユーティリティ給電部を有し得る。分散型エネルギー資源(例えば、バッテリエネルギー貯蔵システム)は、サイトの周りの様々な場所に位置し得る。主ユーティリティ給電部は、通常必要とされるよりも小さい均一なサイズで、又はより小さいが可変サイズでサイトにわたって走ることができ、全てのサイトの電力を供給することができる。主配電盤(main distribution panels、MDP)の代わりに、ユーティリティ電力は、各場所において特定のバッテリエネルギー貯蔵システムに接続されてもよい。MDPは、各バッテリエネルギー貯蔵システムに統合されてもよいし、隣接して位置してもよいし、個々のデバイス又は複合デバイスとして配電システムに沿った多くの点に統合されてもよい。システムは、他の需要応答(demand response、DR)負荷が自然災害時に低減され得る場合、緊急派遣時に許容可能な電力引き出しを増加させ得る。
【0019】
配電システムは、直流(direct current、「DC」)システムであってもよい。DCシステムは、複数の方向から共通点への電力潮流をサポートすることができる。代替的に、配電システムは交流(「AC」)システムであってもよい。ACシステムは、サイト上の特定のループの絶縁を可能にする複数のスイッチ(例えば、スイッチ、ブレーカ、接触器、リレー、又は電気の流れを物理的に遮断する他のデバイス)を有し得る。分離されたループは、リアルタイムで構成されてもよく、自律的に構成されてもよく、構成を決定するために人工知能又は機械学習を使用してもよい。分離されたループは、異なる供給パターン及び負荷パターンに適応し得る。任意のループへの、ループからの、又はループに沿った電力潮流は、任意の方向であり得る。ループはまた、種々のDER温度、負荷、全体的システム容量、及び故障特性(過剰全高調波歪み(total harmonic distortion、THD)又は雑音を含む)を有してもよく、本スイッチング挙動への入力であってもよい。
【0020】
配電システムは、以下の原理、(1)主給電線を通る電力潮流は、法的給電線容量に能動的に制限され得ること、(2)電力は、ローカルバッテリエネルギー貯蔵システムから放電されて、給電線又はユーティリティ接続の能力を上回る任意の負荷を満たすことができこと、(3)電力は、サイトの他の場所における非ローカル負荷にサービスを提供するために、ローカルバッテリエネルギー貯蔵システムから放電されてもよいこと、及び(4)バッテリエネルギー貯蔵システムは、主給電線に電力容量があるときはいつでも、又はアルゴリズム若しくは優先順位付けスキームによって決定されるように、再充電されてもよいこと、に基づいて制御することができる。場合によっては、配電システムは、負荷スケジュール、公共料金、又は他の外部影響に従って制御されてもよい。配電はまた、大量需要の時間中に、又は自然災害による、若しくは公共安全電力遮断(public safety power shutoff、PSPS、又は別の名称の下での同様の遮断)に起因する削減事象に関連付けられた制限中に、調節され得る。給電線サイジングは、熱センサの使用と結合された場合、ローカル負荷への給電線内を流れる電流の量を増加させるために使用され得る。
【0021】
図1は、電気自動車EV充電サイト100を概略的に例示する。EV充電サイト100は、分電盤110、1つ以上のEV充電ステーション120、及び1つ以上のバッテリエネルギー貯蔵システム130を有することができる。
【0022】
分電盤110は、過電流保護デバイス111(例えば、回路遮断器)を有してもよい。過電流保護デバイス111は、下流の構成要素(例えば、EV充電ステーション120)を過負荷状態及び短絡から保護することができる。過電流保護デバイス111は、そのような過負荷状態及び短絡を検出するためのセンサを有してもよい。過電流保護デバイス111はまた、過電流保護デバイスを開位置又は閉位置に自動的に作動させる機構を有してもよい。分電盤110はまた、1つ以上の接触器又はリレー(例えば、EV充電サイト100内の各EV充電ステーション120又はバッテリエネルギー貯蔵システム130のための1つの接触器若しくはリレー、及び/あるいは分電盤110全体のためのリレー)を有してもよい。過電流デバイスは、分電盤110内にあってもよく、又はMDPからEV充電器へ電力を搬送するバス導体に沿っていてもよい。いくつかの実施形態では、サイトにわたる配電は、主サイトユーティリティ分配ブレーカから連続的にサイズ決定され、電力を提供されるバス上にあり、全ての他の電気負荷又は発生ソースは、ローカルタップ、電流デバイス、及び回路遮断デバイスを介してこのバスに直接接続される。これらのデバイスは、ローカル制御、又は自動若しくは手動作動によるリモート制御を有してもよい。それらは、それらのステータスのリモート告知を有し得る。それらは、1つ以上のデバイスに電力を供給し得る。それらは、負荷によって必要とされるものに一致するように電圧を変化させるための変圧器を含み得る。
【0023】
EV充電ステーション120は、従来のEV充電ステーションであってもよい。EV充電ステーション120は、パワーエレクトロニクス、コントローラ、コネクタ、及び通信デバイスを有することができる。パワーエレクトロニクスは、変圧器、インバータ、電圧調節器、センサなどを含むことができる。EV充電ステーション120は、交流(「AC」)電力を供給することができる。AC電力は、単相又は三相電力であってもよい。場合によっては、EV充電ステーション120は、約208ボルト又は240ボルト(すなわち、1.4~19.2キロワットの電力)で、6アンペア~80アンペアの電力を供給する(ACレベル2)。代替的又は付加的に、EV充電ステーション120は、グリッドからのAC電力を整流することによって直流(「DC」)電力を供給することができる。場合によっては、EV充電ステーション120は、50~1000ボルトDCレベル1で最大80キロワットの電力を供給する。他の場合には、EV充電ステーション120は、50~1000ボルト以上で最大400キロワット以上の電力を供給する。コントローラは、EV充電ステーション120を使用するEVの充電率を制御することができる。コントローラはまた、EV充電ステーション120へのアクセスを制御することができる。例えば、コントローラは、EV又は他のソース(例えば、運転者のモバイルデバイス)からのアクセス要求を認証することができる。他の例は、コントローラが、キーパッドコード又はロックシリンダ回転に基づいてアクション(認証、充電、制御)を可能にすることができることを含む。コントローラは、支払い機能(例えば、クレジットカード処理)を実装することもできる。コントローラはまた、コネクタを介してEVに制御信号を提供することができる。制御信号は、充電プロセスに関するデータを含有することができる。コントローラはまた、充電プロセスに関してEVによって送信された信号を処理することができる。コネクタは、EV充電ステーション120とEVとの間の接続を容易にすることができる。コネクタは、電力ピン及び制御信号ピンを有してもよい。通信デバイスは、EV充電ステーション120が、有線又は無線ネットワークを介して、遠隔に位置するデバイス(例えば、他のEV充電ステーション、バッテリエネルギー貯蔵システム130、及び遠隔サーバ)にデータ及び制御信号を通信することを可能にすることができる。コントローラは、車両タイプ、車両識別番号(vehicle identification number、VIN)又はナンバープレート(読み取りによる)、RFIDタグ又はステッカ、「通行料金パス」、バーコードなどの追加の信号をカメラから取得することができる。熱撮像デバイスの使用は、充電ケーブル(ディスペンサケーブル)又はEV充電器への装填の指示を直接提供することができる。
【0024】
バッテリエネルギー貯蔵システム130は、EV充電ステーション120とともに散在してもよい。各バッテリエネルギー貯蔵システム130は、インバータ/整流器131、バッテリ132、制御システム133、及び通信システム134を有することができる。インバータ/整流器131は、グリッドからのAC電力をバッテリ132のためのDC電力に変換することができ、又はバッテリ132からのDCをACに変換することができる。インバータ/整流器131は、DC-DCコンバータを有してもよい。他の場合には、インバータ/整流器は、太陽光、燃料電池、又は別の同様のシステムなどの分散型エネルギー管理リソースシステム(distributed energy management resource system、DERMS)によって給電されるDC-DCコンバータによって置き換えられてもよい。同様に、DC-DCコンバータは、EV充電ステーションに直接DC電力を供給することもできる。DC-DCコンバータは、バッテリ132によって供給又はこれに対して提供されるDCの電圧を増加又は減少させることができる。バッテリ132は、エネルギーを記憶することができる。バッテリ132は、オフピーク時間の間(例えば、需要が最大閾値未満であるとき)、又は命令された任意の他の時間に充電することができる。バッテリ132は、いつでもEV充電ステーション120又は建物140による使用のために放電することができる。バッテリ132は、1つ以上の電気化学セルを有してもよい。1つ以上の電気化学セルの化学構造は、リチウムイオン、リチウムポリマー、ナトリウム硫黄、鉛酸、ニッケルカドミウムなどであってもよい。バッテリは、交互に、1つ以上の機械セル、1つ以上の燃料電池、又は他のエネルギー貯蔵若しくは変換機構であってもよい。制御システム133は、インバータ/整流器131及びバッテリ132の動作を制御することができる。例えば、制御システム133は、インバータ/整流器131に供給される電流の量又はバッテリ132の放電率を増加又は減少させることができる。制御システム133は、リレー、トランジスタなどを含む、バッテリエネルギー貯蔵システム130内の様々な電子構成要素に制御信号を伝送することによって、これらのパラメータを制御することができる。制御システム133は、制御信号を決定するための制御アルゴリズムを実装するようにプログラムされた1つ以上のコンピュータを有してもよい。制御アルゴリズムは、機械学習アルゴリズムであってもよい。機械学習アルゴリズムは、バッテリエネルギー貯蔵システム130の予測制御を実装し、利用可能な電力及び負荷を予測し、又はコスト、バッテリサイクル、信頼性、若しくは緊急応答に関してバッテリエネルギー貯蔵システムを最適化するように訓練され得る。通信システム134は、有線又は無線ネットワークを介してEV充電サイト100の内部及び外部の他の電子デバイスと通信することができる。例えば、通信システム134は、以下でより詳細に説明されるように、電流リレー180と通信することができる。
【0025】
EV充電サイト100は、建物140(例えば、集合住宅、食料品店、ショッピングモール、商業施設、学術的建物など)に関連付けられ得る。変圧器150は、建物140及びEV充電サイト100にグリッド電力を供給することができる。建物140は、メータ160及び主ブレーカ170を有することができる。メータ160は、建物140及びEV充電サイト100によって使用される電力量を決定することができ、主ブレーカ170は、建物140が電流制限を超えることを防止することができる。主ブレーカ170及び過電流保護デバイス111の容量の合計は、バッテリエネルギー貯蔵システム120に起因して、変圧器150の容量よりも大きくてもよい。これにより、グリッド接続を通常よりも小さくすることができ、コストを削減することができる。EV充電サイト100は、ローカル電気コードに応じて、主ブレーカ170の前(例えば、
図1に描写されるような)又は主ブレーカ170の後のいずれかでグリッド電力に接続され得る。場合によっては(例えば、EV充電サイト100が主ブレーカ170の前にグリッド電力に接続されるとき)、EV充電サイト100は、別個の電気メータを有してもよい。電流リレー180は、(例えば、
図1に描写されるように)メータ160の後に、又はメータ160の前であるが変圧器150の後に配置され得る。電流リレー180は、EV充電サイト100及び建物140によって引き出される総電流を検出することができる。追加の電流リレーは、各BESSの近く又は内部に配置することができる。
【0026】
電流リレー180は、バッテリエネルギー貯蔵システム130の通信システム134に信号を伝送することができる。信号は、EV充電サイト100及び建物140によって引き出される総電流を指定することができる。電流リレー180は、連続ベース又は周期ベースで信号を伝送し得る。例えば、電流リレー180は、約マイクロ秒、ミリ秒、秒、10秒、1分、又はそれ以上ごとに信号を伝送することができる。次いで、通信システム134は、信号を制御システム133に伝送することができる。制御システム133は、制御アルゴリズムで信号を処理して、電流を変圧器150の容量以下に維持することができる。制御アルゴリズムの出力は、インバータ/整流器131に、それがグリッドから引き出す電流を増加させ(すなわち、変圧器150が追加の容量を有する場合)、それがグリッドから引き出す電流を減少させ(すなわち、変圧器が追加の容量をほとんど又は全く有さない場合)、及び/又はバッテリ132によって提供される電流を増加又は減少させる制御信号であってもよい。電流リレー180はまた、信号をEV充電ステーション120に直接又は制御システムを介して伝送することができる。信号は、EV充電ステーション120に、それらの電流引き出しを増加又は減少させ得る。電流リレー180は、過電流保護デバイス111に信号を伝送することもできる。信号は、過負荷又は短絡の場合に過電流保護デバイス111をトリップさせることができる。場合によっては、電流リレー180の代わりに、又はそれに加えて、電力又は温度センサを使用することができる。複数のBESSがサイトにわたって分散されるとき、複数の電流センサは、バスの各セクションにおける電流の流れを増加又は減少させて、各セクションを必要な電流レベル未満に保つための信号を提供することができる。バスへの各電気接続は、kW、kWh、時間、及び方向を測定するためのメータを有することができる。このデータは、各セクションにおける総電力潮流を決定するために使用することができ、各セクションの総電力潮流を調整するために全ての電力流入及び流出を知ることを可能にする。
【0027】
図1に記載されるEV充電サイト100は、多くの利点を提供する。第1に、それは、オフピーク時間中に利用可能な予備電力を利用することができるので、ピーク時に予備電力容量を有さない建物電力システムに接続することができる。第2に、バッテリエネルギー貯蔵システムの追加又は減算、又は特定のバッテリエネルギー貯蔵システム内のバッテリの追加又は減算を通じて、建物の電力システムの変更に適応することができる。第3に、バッテリエネルギー貯蔵システムは、ピーク需要中に電力を供給することができるので、従来のEV充電サイトよりもグリッド電力への接続を小さくかつ安価にすることができる。第4に、それは、グリッド電力のみに依存する従来のEV充電サイトよりも回復力があり得る。
【0028】
図1の制御システム133aは、1つ以上のコンピューティングデバイス上に実装され得る。コンピューティングデバイスは、サーバ、デスクトップ又はラップトップコンピュータ、電子タブレット、モバイルデバイスなどであり得る。コンピューティングデバイスは、1つ以上の場所にあり得る。コンピューティングデバイスは、EV充電サイトにあってもよく、複数のEV充電サイト間に分散されていてもよく、又は他の場所にあってもよい。コンピューティングデバイスは、汎用プロセッサ、グラフィックス処理ユニット(graphics processing units、GPU)、特定用途向け集積回路(application-specific integrated circuits、ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(field-programmable gate-arrays、FPGA)などを有することができる。コンピューティングデバイスは、付加的に、メモリ、例えば、動的又は静的ランダムアクセスメモリ、読み出し専用メモリ、フラッシュメモリ、ハードドライブなどを有することができる。メモリは、実行時にコンピューティングデバイスにサブシステムの機能を実装させる命令を記憶するように構成することができる。コンピューティングデバイスは、付加的にネットワーク通信デバイスを有することができる。ネットワーク通信デバイスは、コンピューティングデバイスが、ネットワークを介して、互いに及び任意の数のユーザデバイスと通信することを可能にすることができる。ネットワークは、有線又は無線ネットワークであり得る。例えば、ネットワークは、光ファイバネットワーク、Ethernet(登録商標)ネットワーク、衛星ネットワーク、セルラーネットワーク、Wi-Fi(登録商標)ネットワーク、Bluetooth(登録商標)ネットワークなどであり得る。他の実装形態では、コンピューティングデバイスは、インターネットを介してアクセス可能ないくつかの分散コンピューティングデバイスであり得る。そのようなコンピューティングデバイスは、クラウドコンピューティングデバイスとみなされ得る。
【0029】
タップ付き導体
EV充電ステーション120及びバッテリエネルギー貯蔵システム130に給電する導体は、主分配点から電力を運び去るときに導体のサイズを低減することを可能にする保護デバイスを有するタップ付き導体であってもよい。保護デバイスは、直列ヒューズ、ブレーカ、ヒューズ付き切断器、又は電子切断デバイス(例えば、接触器又はリレー及び電流センサ)であってもよい。
図2は、そのような導体を概略的に例示する。従来のタップ付き導体では、導体は、回路上に存在する最大電流に合わせてサイズ決定されなければならない。しかしながら、成形された直列ヒューズ210a~210dが、
図2に示されるように導体に沿って設置される場合、導体は、各後続のEV充電ステーション120の後にサイズを低減することができる。例えば、主分配点において、導体は、200アンペアを支持するようにサイズ決定されてもよく、成形ヒューズ210aは、200アンペアにレーティングされてもよい。しかしながら、EV充電ステーション120Aは、200アンペアのうちの50アンペアを消費し得る。したがって、EV充電ステーション120Aの後、導体は、150アンペアのみをサポートするようにサイズ決定されてもよく、成形ヒューズ210bは、150アンペアにレーティングされてもよい。4EV充電ステーション120のストリングの端部において、導体は、50アンペアのみをサポートするようにサイズ決定され得る。各ヒューズは、分岐上の予想故障電流を処理するようにレーティングされてもよい。ヒューズは、オーバーモールドされたアセンブリ内に位置してもよい。EV充電ステーション120は、アクティブであるとき、導体又は位相損失を検出し、シャットダウンし、その問題を主制御システムに通知することができる。必要であれば、回路の絶縁を可能にするために、非ヒューズ切断スイッチ、接触器、又はリレーが各タップに設置されてもよい。タップは、コスト削減を可能にするために、より小さいサイズであってもよい。導体は、架空ケーブルトレイ、導管、若しくはバス又は地下に位置してもよい。この概念は、AC又はDCシステムに適用することができる。照明及び他の小さな負荷は、絶縁貫通コネクタIオーバーモールドアセンブリ及び直列に設置されたヒューズを有する適切にサイズ決定された導体とともに、又は別個の電力システム及び独立したコントローラとして設置されてもよく、全てが同じ筐体内に収容される。
【0030】
三相電源
図3は、本開示のいくつかの実施形態による、
図1のEV充電ステーション120を概略的に例示する。
図2のEV充電ステーション120は、ACレベル2充電器であってもよい。ACレベル2充電器は、208ボルト又は240ボルトの単相AC電力を使用する。ACレベル2充電器は電圧を変換せず、それらは、それらに供給される電圧がどのようなものであっても、様々な量の電力を供給するにすぎない。多くのEVが264ボルト電力に制限されるので、ACレベル2充電器は、より高い電圧電力を提供する特定の単相及び三相グリッドシステムでは動作しない場合がある。例えば、北米におけるほとんど全てのより大きな電力システムは、480ボルト三相以上で動作する。50kW以上のほぼ全てのEV充電器は、400V以上の三相電力で動作する。したがって、より高い電力及びレベル2の充電器の両方を有するステーションは、2つの変圧器を必要とする場合があり、一方は、電圧分配ライン上の中間電圧から480Vに移行するためのものであり、他方は、480Vから208V又は240Vに移行するためのものである。必要な低電圧電力をACレベル2充電器に供給するために、変圧器が設けられる。これらは、1つ、2つ、3つ、又はそれ以上のレベル2充電器に正しい電圧で電力を提供するために設けられ得る。一例では、各レベル2充電器は、専用の変圧器を有し、変圧器は、充電器の近くに取り付けられてもよく、配電システムに統合されてもよく、又はレベル2充電器の一部として構築されてもよい。別の例では、1つの変圧器が、供給された電圧を充電器の適切な利用電圧に変換するために、共通の構造上に取り付けられた、又は配電システムに統合された2つ、3つ、又は4つのレベル2充電器に電力を提供することができる。
【0031】
付加的に、低電力充電器は、概して、AC電力を出力し、車両は、AC入力ポート及びオンボード電力インバータの両方と、DC入力ポートとを有することを必要とする。EV充電器が全ての電力レベルでDC入力を提供した場合、AC充電器は排除され得る。しかしながら、DC充電器は、他の全ての充電器及びユーティリティグリッドからのガルバニック絶縁を提供する必要がある。したがって、単一のDC電力給電部を使用することは、各充電器が統合された絶縁デバイスを有することを必要とする。混合充電器タイプを有するEV充電サイトを設計する際には、通常、ACレベル2充電器に適応するための変圧器サイズ決定について決定がなされる。サイト上のACレベル2充電器の数の任意の著しい変化は、過剰な(したがって、非効率的な)変圧器容量をもたらすか、又は高価な変圧器アップグレードを必要とするかのいずれかであり得る。付加的に、レベル2充電器の数のいかなる変更も、変圧器の変更を必要とし得る。1、2、3、又は4つのレベル2充電器専用の個々の変圧器を提供することによって、モジュール性は、経時的にサイトで充電を変更するための柔軟性を増加させる。個々の変圧器を使用することはまた、それらの変圧器が使用されていないときに切断されることを可能にし、サイトのエネルギー効率を増加させ、システムの耐用年数を増加させる。
【0032】
上述の課題に対処するために、個々の変圧器又は電圧変換器310が、各レベル2EV充電ステーション120のために採用されてもよく、充電ステーションは、システムの他の部分に影響を及ぼすことなく、いつでも、任意の量又は組み合わせで、追加又は除去することができる。変圧器310をレベル2EV充電ステーション120の近くに位置させることによって、導体サイズを最小化することができ、ハードウェア筐体サイズを低減することができ、米国電気コードタップ規則は、切断スイッチの排除を可能にすることができる。付加的に、個々の変圧器のサイズが小さいことにより、既存の構造配電要素上又はその内への変圧器の革新的で安価な取り付け解決策が可能になり得る。変圧器210は、別個の筐体内に含まれてもよく、又はレベル2EV充電ステーションと同じ筐体内に組み込まれてもよく、又はそれらは封入されなくてもよい。
【0033】
電気的には、変圧器に電力を供給し、レベル2EV充電ステーション120のための240ボルト又は208ボルト単相電力を生成するために、三相電力システム320の1つの相及び中性又は2つの相のいずれかが使用される。各相は、導体のサイズ及び回路保護に応じて複数の変圧器に電力を供給することができる。代替的に、EV充電ステーション120は、DC入力又はAC入力のいずれかを利用するDC出力充電器であってもよい。これは、変圧器210が排除されることを可能にする。
【0034】
EV充電ステーションの集中ガルバニック絶縁
本明細書で説明されるEV充電ステーション120は、グリッドから(例えば、変圧器を介して)ガルバニック絶縁される必要があり得る。ガルバニック絶縁は、費用のかかる要件であり得る。
図4に概略的に例示するように、ガルバニック絶縁を中央に位置させることにより、コストを削減することができる。単一の高周波変圧器410は、EV充電ステーション120をグリッドからガルバニック絶縁することができ、個々のEV充電ステーション120に給電するために使用される複数のタップを有することができる。EV充電ステーション120は、(1)ポール上、(2)架空接続内、(3)地上、又は(4)地下にテザーを介して取り付け及び接続されてもよい。ローカルDCコンバータ(例えば、DCコンバータ420a又は420b)は、各EV充電ステーションにサービスを提供し、EVに流入する電力を調節することができる。クロスレギュレーションが起こり得るので、様々なフィード間の電圧調節は困難であり得る。(例えば、フリートアプリケーションにおける)同時負荷をスケジューリングすることは、クロスレギュレーション問題を低減し得、クランプデバイスは、過剰電圧を制御するために使用され得る。クランプデバイスはまた、(1)電力を高周波変圧器に分流すること、(2)電力を別の負荷に分流すること、又は(3)より低い総電力伝送のためにコンバータのデューティサイクルをスケールバックすること、ができる。負荷の動的インピーダンス制御を使用することもできる。例えば、DC充電器は、過剰な量の電力を消費するために、電力をバッテリにパルス供給することが可能であり得る。悲惨で危機的な状況では、車両は、過剰な電力を取り出すために空調装置(又は他の大電力消費者)をオンにするように命令され得る。
【0035】
別の実施形態では、EV充電器のクラスタに給電する統合ガルバニック絶縁システムは、DC分配システムに沿って分散される。例えば、4つのDC供給EV充電器のクラスタは、単一のDCガルバニック絶縁コンバータがより少数のDC供給EV充電器に供給するように位置する。これらの分散型ガルバニック絶縁コンバータは、高速接続内に載置され、バス及び他の構成要素を含有するプレナム内を走る冷却剤を介して冷却されてもよい。次いで、より大きな非絶縁又は絶縁DCコンバータが、これらの分散型ガルバニック絶縁デバイスのうちのいくつかに電力を供給するために使用され得る。
【0036】
モジュール式システム
DCバスに電力を供給する複数のDCコンバータを並列に配設して、全体の容量を大きくし、冗長性を確保することもできる。複数のDCコンバータは、複数の負荷(例えば、EV充電ステーション)に接続されてもよい。負荷は並列に接続されてもされなくてもよい。代替的に、DCコンバータは、単一の負荷(例えば、単一の大型EV充電ステーション)に接続されてもよい。単一の負荷は、単一のケーブル若しくはバス又は複数のケーブル若しくはバスを介してDCコンバータに接続され得る。
【0037】
モジュール式EV充電器は、2つ以上のDCコンバータから電力を引き出すように動的に構成可能であり得る。一例では、EV充電器は、4つの25kWDCコンバータ、2つの50kWDCコンバータ、又は1つの100kWDCコンバータから電力を引き出すことができる。2つのEV充電器を組み合わせて単一のEV充電器を形成してもよい。単一のケーブル又はケーブルのセットが、単一のEV充電器のための電力の全て又は一部を提供するために使用されてもよい。
【0038】
場合によっては、本明細書に記載のEV充電器は、4ポートEV充電器であってもよい。3台の車両が単一の4ポートEV充電器に接続されている場合、1台は15kWに制限されてもよく(例えば、設計又は指令のいずれかによって)、他の車両は50kW以上を維持することができてもよい。より小型のEV充電器は、4ポートEV充電器閾値を下回るアイドル又は電力付与の期間中に、接続されたEVが切断されることを防止するために設置されてもよい。
【0039】
直列接続された接触器アレイは、様々なDCコンバータを互いから及び/又は他の負荷から絶縁することを可能にするように設置され得る。代替的に、双方向ブロッキング素子を有する直列接続されたシリコン又は他の半導体スイッチが、同じ目的のために使用されてもよい。電力損失による低電圧ロックアウトを防止するために、任意の所与のEV負荷に電力を供給することができる各DCコンバータの出力に、小型の絶縁電力供給部を設置することができる。複数の巻線が所与の負荷を充電するのに必要な電力を供給するために存在し、並列に接続されてもよい。DCコンバータの別個の分離されたバンクが、より大きいDCコンバータと並列に載置されてもよく、各電源は、特定の負荷に専用である。センサは、EV充電ステーション及び個々のEV充電器の複数のポイントに設置されて、任意の地絡を含む故障状態を検出し、それに基づいて自動的に動作することができる。これらのセンサ及び関連するリレー及び他のデバイスは、ガルバニック絶縁と比較して同様又はより高い程度の安全性を提供し得、ガルバニック絶縁変圧器の必要性をなくすことが可能であり得る。
【0040】
共通DCバスアーキテクチャ
複数のバッテリエネルギー貯蔵システムは、DC充電器に給電する共通DC又はACバスを介して接続されてもよく、電力潮流は、任意の1つの導体セグメントにわたる全電流を制御するように調節することができる。制御方法は、(1)外部接続を介した直接通信、(2)DCバス電圧の監視、(3)DCバス上への高周波信号の注入、(4)時刻レート、又は(5)Open Charge Point Protocol負荷集約、のうちの1つであってもよい。
【0041】
リング接続ネットワーク、又はいくつかの交差導電経路を有するネットワークでは、電流は、負荷及びソースの動的制御によって操舵され得る。例えば、複数の充電器が単一のセグメントに接続されてもよい。主DC供給部は、同じセグメントにわたって接続されるバッテリエネルギー貯蔵システムであってもよい。中央の充電器は、大量の電力を要求することがあり、その結果、過剰な電流が流れる。次いで、バッテリエネルギー貯蔵システムは、外側セグメントが過負荷になることを防止するために、追加の電力を供給するように命令され得る。負荷及びソースを動的に制御して、いずれか1つのセグメントが過負荷になるのを防止するために、人工知能を活用することができる。DCシステムにわたる電力潮流は、バッテリエネルギー貯蔵システムを能動的に制御することによって管理することができる。
【0042】
システムの信頼性は、グリッドをセグメント化することによって改善され得る。グリッドは、能動的(例えば、接触器)又は受動的(例えば、ヒューズ)手段を介してセグメント化されてもよい。代替的に、グリッドは、直列接続された電力変換デバイスを介してセグメント化されてもよい。このようなデバイスは、(1)過電圧又は過電流故障のために電流を接地に分流すること、(2)位相導体にわたる高/中インピーダンスを介して電流を分流すること、又は(3)所与のセグメントの直列インピーダンスを増加させること、をすることができる。
【0043】
移動EV充電ステーションのための急速切断
場合によっては、バッテリエネルギー貯蔵システム130及びEV充電ステーション130は、EV充電サイト100が需要の変化に応じて再構成され得るように、EV充電サイト100から容易に接続及び切断されるように構成される。バッテリエネルギー貯蔵システム120及びEV充電ステーション130はまた、容易に輸送可能であってもよい。
【0044】
バッテリエネルギー貯蔵システム130は、容易な輸送手段のためにスキッド又はトレーラに固定され得る。バッテリエネルギー貯蔵システム130は、架空バスを介して、又はスキッド内で、充電器、主ユーティリティ給電部、及び他のデバイスに接続され得る。スキッドは、容易な輸送を促進するためにフォークリフトポケット又はリフティングアイを有してもよい。
【0045】
バッテリエネルギー貯蔵システム130及びEV充電ステーション130は、迅速な設置のためにスキッド又はトレーラ上に予め接続されてもよい。バッテリエネルギー貯蔵システム120及びEV充電ステーション130は、容易な輸送を可能にする急速切断プラグ又はアンビリカルによってグリッド電力に接続されてもよい。スキッドは、迅速な輸送を可能にするために、ヒューズ(又は他の過電流保護-「Over Current Protection、「OCP」)及び変圧器とともに設置され得る。スキッドは、トレーラから押したり、引いたり、持ち上げたりすることができるように、トレーラ、ロールバック又は他のデバイスに設置されて、容易な輸送を可能にする。ケーブル配線は、OHダクト内又はスキッド内に束ねられて、容易な移送及び現場組み立てを可能にすることができる。様々な車両への容易な接続を可能にするのに十分離れて充電器を展開するために、ダクト敷設は広げられてもよく、又は離れてスライドしてもよい。バッテリは、展開されるバッテリのスタイルに応じて設置されてもよく、設置されなくてもよい。スキッドは、コンクリート、桟橋、又は砂利上に置くことを容易にする特徴を有し得る。基材が滑らかであるか又は安定していない場合、ねじ、釘、又はステープルをスキッド上に予め設置して、バッテリエネルギー貯蔵システム及びEV充電ステーションを迅速に固定することができる。システムは、入力電圧が入力に適合する任意の場所(例えば、モバイル発電機)に設置されてもよい。
【0046】
場合によっては、バッテリエネルギー貯蔵システム130は、過酷な環境で使用するために高耐久化されてもよい。例えば、バッテリエネルギー貯蔵システム130は、スパーク又は残り火の取り込みを最小限に抑えるように装備された通気孔、難燃剤でコーティングされた外面、及び耐火絶縁体を有することができる。バッテリエネルギー貯蔵システム130は、防弾強化又はカモフラージュされていてもよい。バッテリエネルギー貯蔵システム130は、格子、サージ保護、又は他の散逸デバイスなどの電磁パルスからの保護を装備することができる。場合によっては、バッテリエネルギー貯蔵システム130は、迅速な展開を可能にするためにファラデーケージ又はシールドで覆われてもよい。
【0047】
電子機器の容易な設置のためのバックプレーン
EV充電ステーション120及び/又はバッテリエネルギー貯蔵システム130及び/又は配電システム(FastConnect)は、バックプレーン、導電性バス、又はユーティリティ給電部及びパワーエレクトロニクス(例えば、インバータ、変圧器、センサ、アクセサリなど)への迅速かつ容易な接続を容易にする構造を有することができる。バックプレーンは、サーババックプレーンと同様であってもよい。バックプレーンは、電気コネクタ及びピンを有してもよい。電気コネクタ及びピンは、ばね式クランプコネクタを含んでもよい。バックプレーンはコンピュータバスを有してもよい。バックプレーンは、EV充電ステーション120又はバッテリエネルギー貯蔵システム130又は配電システム筐体の上面、底面、又は背面に位置してもよい。バックプレーンは、雨、埃、昆虫、げっ歯類及び他の破片を含む外部要素から電気コネクタ及びピンを封止するゴムカーテン、バッフル、又はガスケットを有してもよい。任意選択的に、バックプレーンは、コネクタ及びピンが損傷又は汚れるのを防止するカバーを有することができる。
【0048】
架空ケーブル又はバスバー
EV充電ステーション120及びバッテリエネルギー貯蔵システム130は、架空ケーブル又はバスバー、地下導管、又は地上に取り付けられたケーブルウェイを介して主ユーティリティ給電部に接続されてもよい。
【0049】
図5A~
図5Bは、そのような架空バスバーの実施例を描写する。架空バスバーは、波状であってもよいし、水平(直線状)であってもよいし、その他の形状であってもよい。架空バスバーは、電力及び通信分配を含む電気インフラストラクチャ、並びに他のサービス(例えば、エリア照明、セキュリティ照明、セキュリティカメラ、広告及び広告サポート、機器サポート、道案内、ワイヤレス接続性など)をサポートするように設計され得る。架空バスバー及びその支持体はまた、充電器電子機器、コントローラ、変圧器、過電流保護、リレー、センサ(例えば、電力潮流を制御するための電力及び温度センサ)などを有してもよい。
【0050】
架空バスバーは、EV充電ステーション120及びバッテリエネルギー貯蔵システム130に電力を供給する導体の周りの自然又は強制空気流を可能にして、所与の電流容量に対する導体サイズの低減を可能にすることができる。ケーブルバス内部のこの環境は、米国電気コード(National Electrical Code、「NEC」)によって「自由空気」とみなされ得、したがって、導管内にあることに基づく等級の代わりに「自由空気」電流容量等級を可能にし、又は試験及び認証を通して可能にされる導体サイズの何らかの他の低減を可能にする。導体の電流容量はまた、能動感知及びデフォルトパラメータの両方を通して、導体の温度又は他の動作条件若しくは環境によって変動させられ得る。これは、導体温度センサからの入力、外部データ又はローカルセンサからの周囲気象条件、EV充電器データなどのセンサ又は外部データからの電力潮流、電流流れ、あるいは他のデバイス又はデータセットを含むことができる。
【0051】
バスバーは、本質的に、誘電体分割要素又は複数の並列バスの使用によるその構造を通して、電圧の分離を提供し得る。バスバーは、給電線と負荷回路との間の分離、低電圧信号伝達、照明又は他の負荷、及び/又はコードによって要求される通信を提供することができる。バッテリエネルギー貯蔵システムは、通電されている間、バスバー給電線導体に直接接続されてもよい(例えば、「ホットタップ」)。
【0052】
バスバーの垂直脚部は、バスバーに構造的支持体を提供することができる。場合によっては、構造支持体は、耐震支持体を提供してもよい。垂直脚部は、電力及び通信ケーブル配線のための接地レベルへの経路を提供してもよい(例えば、導体を接地に直接もたらすための、又は同じ目的のために導管を収容するための方法として脚部を使用する)。各充電器は、その電力及び通信ケーブル配線のための経路を提供するために、それに関連付けられた垂直脚部を有し得、したがって、垂直脚部は、EV充電ケーブル管理のために付加的に使用されてもよい。EV充電器ケーブル管理の1つの困難は、十分なEV車充電ケーブルを保持し、延長されたときに十分な追加の長さを提供するのに十分な高さの支持点を見つけることであり得る。垂直脚部は、そのような高い支持点を提供することができる任意の必要とされる後退機構(ばね、ケーブル、重りなど)は、垂直脚部の内側又は外側に収容されることができる。
【0053】
垂直脚部は、より高出力の充電器のために必要とされる場合、切断スイッチのための支持を提供し得る。垂直脚部は、より小型のレベル2充電器及び関連する変圧器のための支持を提供することができる。レベル2充電器は、任意選択的に、充電コードのみが架空システムから脱落した状態で、架空バスバー自体に収容されてもよい。垂直脚部は、支払い又は他の充電起動システムを含むことができる。
図7は、EV充電環境の側面図を概略的に例示する。垂直脚部は、ケーブル配線が充電器に到達するためのルートを提供する、コンクリート又は他の脚部ベースを貫通する導管で終端してもよい。交互に、脚部は、コンクリートパッド又は他の支持ベースに直接取り付けられた保護されたケーブルウェイにケーブル配線を通すことができるように、底面に開口部を有してもよい。そのような保護されたケーブルウェイは、EV充電器の下に延在してもよい。そのような保護されたケーブルウェイはまた、EV充電器のための取り付けベースを提供することができ、取り付けベースは、多くの異なるEV充電器ベースに適合するように容易に変更される。そのような保護されたベースは、ケーブル配線が、コンクリート又は他のベースを貫通することなく、EV充電器の底部に供給されることを可能にし得る。交互に、保護されたケーブルウェイは、エネルギー貯蔵システムを越えてEV充電器又は他のデバイスの下まで延在する、エネルギー貯蔵システムのベースの延長部であってもよい。ケーブル配線は、エネルギー貯蔵システムから保護されたケーブルウェイを通ってEV充電器又は他のデバイスまで延在することができる。ケーブル配線は、取り外し可能なカバーを備えたケーブルウェイ内を走ることができる。バスバーの水平筐体の内側の空間はまた、通信、照明、カメラ、及び他のシステム、並びに電力供給部、ルータ、送信機、WiFi、及びセルラー通信を、集約、及び制御するために使用されてもよい。それはまた、中央冷却システムを使用して他のデバイスを冷却する際に使用するための配管及び流体移送及び制御システムを収容するために使用されてもよい。流体配管はまた、ケーブルの側部に沿って脚部及びケーブルウェイ内へと下方に運ばれてもよい。コード準拠システムでは、タップ導体を含む導体のサイジングは、所与の温度又は設置条件(すなわち、導管又はレースウェイ内のような)における最大電流搬送容量(特定のコードガイドラインによる)だけに制限される。導体は、送達される負荷又は負荷のセット、あるいは、典型的にはその最大消費定格における需要係数に従う負荷のセットに合わせてサイズ決定されなければならず、これは、給電線、タップ導体、又はシステムに電流を供給する他の導体のオーバーサイジングをもたらす可能性がある。負荷電流計算が実行されることを可能にするために各ノードにおいて十分な測定(電流センサ)を有する動的に構成可能なシステムは、負荷管理システム(又はEMS)が、直列に接続され動的に構成されたOCPデバイスによって制限されるように、導体上の利用可能な電力(電流)の流れを動的に制限することを可能にし得る。これにより、導体は、総負荷容量の代わりに、最適な経済的又はサイト条件、環境(周囲温度又は他の条件)のためにサイズ決定されることを可能にする。様々な分散型エネルギー資源管理システム(distributed energy resource management system、DERMS)又はBESSは、システムに沿った任意の点で接続され、負荷管理システム(load management system、LMS)、エネルギー管理システム(energy management system、EMS)、又はシステム保護システムからの動的ディスパッチを介して管理され得、付加的に、故障、短絡、誤動作デバイス、又は他のものに流れている可能性がある電流は、サイトEMS/LMSシステムによって容易に検出され得る。
【0054】
バッテリエネルギー貯蔵システム
本明細書で説明されるバッテリエネルギー貯蔵システム130は、バッテリモジュール、バッテリ管理システム(battery management systems、「BMS」)、電力変換システム(power conversion systems、「PCS」)、配電機器、制御及び通信機器、ケーブルウェイ、ベース、並びに環境調整システムを含む、複数のサブアセンブリを有してもよい。従来のバッテリエネルギー貯蔵システムでは、そのようなサブアセンブリは単一の筐体内にあってもよい。代替的に、単一の筐体がいくつかの構成要素を収容し、他の構成要素(例えば、環境調整ユニット、PCS、及び配電機器)がバッテリエネルギー貯蔵システムの外部に取り付けられてもよい。全てのサブアセンブリが単一の筐体内に収容される場合、より新しい認証規格は、任意の主要な構成要素が変更されたときにユニット全体に対して行われる、バーンダウン試験を含む広範な試験を必要とし得る。これは、サプライチェーンの柔軟性を制限し、イノベーションを遅らせ、変更のコストを増加させる。また、より良い美観、サイトへのより簡単な輸送、より簡単な設置、並びに損傷及び破壊に対するより大きな耐性を提供するために、全ての構成要素がキャビネットの内部にあることが望ましい場合がある。付加的に、全ての構成要素が内部にあり、任意のキャビネットのいずれかの端部でアクセスが必要とされない状態で、バッテリエネルギー貯蔵システム130の無限に長いラインナップを端から端まで設置することができる。
【0055】
単一キャビネット設置の利点と、任意のアイテムが変更されたときに全てのサブアセンブリを再試験しないという柔軟性との両方を達成するための1つの方法は、サブアセンブリを、電力及び通信ケーブル並びに環境制御のための空気流の通過を可能にするために大きな開口部によって接続される異なるキャビネットに分離することである。しかしながら、大きな開口部の存在は、火災試験又はコード施行の観点から、キャビネットが単一の筐体として見られることをもたらし得る。開放された物理的接続を維持しながら筐体空間を分離する1つの方法は、開口部に防火ダンパを設置することである。防火ダンパは、異なるキャビネット領域間の防火分離を維持するように等級付けされてもよい。防火ダンパは、ヒュージブルリンク又はアクチュエータによって作動されてもよく、閉鎖後に手動又は自動で開放可能であってもよい。防火等級は、1つのキャビネットの金属壁、隣接するキャビネットの金属壁、及びキャビネット間の任意の空隙によって提供され得る。間隙は、1インチ未満であってもよく、又は1フィートを上回ってもよい。空隙は、防火ダンパスリーブ及びキャビネット間に走る通信機器の周りに美的カラーを有することができる。スリーブは、キャビネットを1つのキャビネットとして、又は間隙を有する2つの個々のキャビネットとして見せることができる。ある種の絶縁体(例えば、ミネラルウール繊維)をキャビネット壁及び屋根上に、又はキャビネット全体にわたって設置することによって、防火等級を高めることができる。
【0056】
キャビネットは、通常の通信システム又は専用通信システムのいずれかを介したローカル及び/又はリモート警報機能を有する別個の火災、煙、又は組み合わせセンサを含むこともできる。サブアセンブリは、サプライチェーン及び/又は製品ミックスの柔軟性が最も高められるように分離されてもよい。一実施形態では、バッテリモジュール及びBMSは、1つのキャビネット内にあってもよく、PCS、配電機器、制御及び通信機器、並びに環境調整システムは、別のキャビネット内にある。これは、代替バッテリ供給業者を使用するために、バッテリモジュールを伴うキャビネットのみを試験することを可能にし得る。別の実施形態では、バッテリモジュールは、モジュールのための環境調整システムを含む。これは、バッテリ環境調整システムのサイジングをPCS環境調整システムから切り離し、無限数のバッテリモジュールがPCS環境システムに影響を与えることなく設置されることを可能にする。
【0057】
通信ヘッダ、電力用のバスバー接続、導管スリーブ、ニップル、又は膨張性材料が含まれるか若しくは別個に追加された構築されたレースウェイを含むがこれらに限定されない、筐体間の通信サービスの追加方法を含めることにより、火災の延焼を阻止することに基づいて更なる実用性及び分離能力の向上が提供される。別個のパネルは、閉鎖された防火ダンパの完全性を保護するために別個のキャビネットの内部の圧力を低減するための排出パネルを含むことができる。各キャビネットは、含まれる環境調整器を有してもよく、又は環境調整は、空気循環を強化するためのブースタファンを有するか又は有しないキャビネット間で共有されてもよい。排出システムはまた、他の構成要素に統合されてもよく、又は他の構成要素は、圧力排出のために、別個に認証された、若しくは認証なしで使用されるシステムを有してもよい。
【0058】
単一キャビネット設置の利点と、任意のアイテムが変更されたときに全てのサブアセンブリを再試験しないという柔軟性との両方を達成する別の方法は、サブアセンブリを、個々のモジュール式又は一体化された台座ベース上に置かれる異なるキャビネットに分離することである。この実施形態では、全てのAC、DC、及び通信ケーブル、冷却液及び圧縮空気のホース及びパイプ、又はその他のサービスは、PCSキャビネットの底部を通って、サービスごとに専用又はグループ化される台座ベースのチャネルを通ってルーティングされ、次いで接続先のモジュールのキャビネットベースを通って上昇する。接続は、台座ベース又は個々のモジュールキャビネット内で行うことができる。モジュールは分離されてもよく、BESS台座に隣接したボラードの載置を可能にする。この実施形態では、空気流がキャビネット間を通過する必要がなく、隣接するキャビネット側面に孔を形成する必要がない。この台座は、EV充電器、液体冷却器、変圧器、その他の電気又は機械デバイスなどのサードパーティ製デバイスを、おそらくカスタム取り付けアダプタプレートを使用して、バッテリエネルギー貯蔵システムとの間で及び他の分配システムにサービスを移送できるように、バッテリエネルギー貯蔵システムのベースを超えて延在することができる。したがって、台座は、BESSを越えて他のデバイスまで、又は他のデバイスの下に延在して、ケーブルを他のデバイスに渡すことができる。延在する台座には、統合されたOCPデバイスだけでなく、計測デバイスやセンサデバイスも含有し得る。台座はまた、様々なEV充電器又は他のデバイスが設置されることを可能にするアダプタプレートと嵌合されてもよく、台座はまた、様々なそのような機械的負荷に適応するために、地震又は他の建築サイト要件を可能にする特徴を含有し得る。チャネル、レースウェイ、又はダクトは、電力、信号、冷却剤、又は他のライン若しくはパイプをルーティングするために使用され得る。台座又はベースは、その上の筐体のサイズに適合するようなサイズ決定され得る。加えて、台座は、ワイヤ又は冷却剤パイプウェイ又はチェイスとして機能してもよい。台座はまた、設置中にキャビネットを位置させるために使用されてもよい。台座は、キャビネットがその上に載置される前に予め設置される。台座は、必要に応じて、キャビネットの水平化又はわずかな左右調整を可能にする特徴を含有し得る。台座は、迅速かつ堅固なアース接地結合接続を可能にする適切な結合特徴を含有し得る。
【0059】
各バッテリキャビネットは、ホース接続部を有してもよい。ホース接続部は、バッテリキャビネットの上部にあってもよい。ホース接続部は、標準的な消火ホースクイック接続、標準的なねじ接続、又は長距離動作のための特定の接続であってもよい。交互に、キャビネットは、高圧水流が当たったときに強制的に開くことができるパネルを有してもよく、消防士がキャビネットに接近する必要なしに水をキャビネットに入れることを可能にする。
【0060】
消火のために水を導入する能力を有する任意のキャビネットは、信号(例えば、温度センサ又は湿度センサからの信号)、制御電力の損失に基づいて自動的に、又は手動で動作する排水口を底部に有してもよい。同様に、キャビネットは、キャビネットが激しい火災を有する間又は激しい火災の後に、キャビネット内に接続され、注入され、又は別様に分散される消火化学薬剤のための接続部を有してもよい。
【0061】
防火ダンパ、通信ヘッダ、導管、及びレースウェイスリーブは全て、標準アクセスプレートとサイズが等しいパネル上に事前製作されてもよく、工場又は現場のいずれかにおいて、各々に同じ締結具及びシーラント材料を使用して、事前製作された防火ダンパアセンブリパネルがアクセスパネルの代わりに使用され得、アクセスパネルが防火ダンパアセンブリパネルの代わりの使用であり得る。
【0062】
太陽光及び他のエネルギーソース
他のタイプのエネルギーソース(例えば、太陽光、風力、水素、バッテリエネルギー貯蔵システム)が、AC又はDCグリッドに接続されてもよい。電力潮流の受動変調は、(1)同期クロック、(2)バス上に存在する信号、(3)通信を介した信号、又は(4)60HzのAC信号(例えば、様々な電源機器のための電力供給において使用されるもの)からの時間同期ベースでのAC又はDC電圧の制御を介して生じ得る。次いで、グリッド内の電力潮流を変調して、セグメント内の電力の流れを制御することができる。システムのAI管理は、システムの制御を自動化することができる。ソースは、料金、運用及び保守費用、燃料費に基づいて電力生産のためにスケジュールされ得る。
【0063】
場合によっては、本明細書に記載されるEV充電サイトは、1つ以上の太陽光パネルに接続されてもよい。EV充電サイトは、周囲条件の直接及び間接感知、又は周囲光レベル若しくは熱上昇の赤外線検出を通して、最大電力点(maximum power point、MPPT)追跡を実装してもよい。情報は、コントローラ若しくは他のデバイスからアプリケーションプログラミングインターフェース(application programming interface、API)を介して、又は充電器を介した通信を介して収集され得る。次に、上記の情報を使用して、インバータ又はMPPTコントローラ内の設定値を別の指令値にリセットするか、又は他の方法で変更することができる。様々な太陽光アレイの予想される出力は、事前にプログラムされてもよく、又はそうでなければ周囲条件(例えば、測候所又はローカル若しくはリモートセンサによって検出される)に基づいてローカルシステムに伝送されてもよい。次に、動的性能に基づいてシステムの相対的健全性に関する決定を行うことができる。次いで、ローカルEMSは、接触器を循環させることによってインバータをリセットさせ、共通DCバス電圧を高にドリフトさせ、太陽光インバータをクリッピング状態にさせることができる。
【0064】
ACシステムでは、受動直列又は並列インピーダンスを使用して、力率、電圧を変更し、ネットワークにわたる電力潮流を操舵することができる。デバイスは、機械的手段(例えば、接触器)又は能動的手段(例えば、電力変換)を介してバイパスされ得る。例えば、統合電力潮流デバイスなどの能動的電力潮流デバイスを使用して、電力潮流を操舵することができる。並列接続又は直列注入変圧器又はインピーダンスが、位相にわたって電力を平衡させる(又は不平衡を引き起こす)ために使用され得る。例えば、並列接続又は直列注入変圧器を使用してインピーダンスを変更し、電力を所望の経路に沿って流すことができる。太陽光又はPVソース(又は他のデバイス)の報告された供給電力は、導体に載置された電力電流センサの代わりに使用され得る。太陽光発電又はPVソース(又はその他)は、典型的に、産業用通信プロトコルを介して平均流量パラメータを提供するが、典型的に、受動的短絡電流制限デバイス(ヒューズなど)を作動させるのに十分な故障除去電流を提供するケーブルではなく、故障を解消する電流/エネルギーがユーティリティから流れると、電流の増加又はエネルギーのスパイク、又は電圧又は電流波形の急速な変化が上流のデバイスによって観察され得、導体に故障が発生したことを明示する。更に、ソース(PVなど)が、電力が実際に流れており、他のセンサが電力潮流を裏付けていないことを示す場合、故障が報告され得る。そのような報告時に、デバイス又は導体への損傷を防止するための措置がとられ得る。
【0065】
アーク故障切断
アーク故障回路(Arc-fault circuit、「AFC」)検出デバイスは、各EV充電ステーション120の安全性を高めるために使用され得る。ローカル電力変換器、切断器、分流トリップデバイス、又は他の手段を使用して、直列故障又は並列故障の存在下で車両への電力潮流を切断することができる。AFC検出デバイスは、EV充電ステーション内に位置してもしてなくてもよい。アーク故障は、EV負荷内又は配電ネットワーク内のケーブル又はコネクタの破損の結果であり得る。アーク故障検出回路が誤ったトリップ(又は複数のEV充電器/負荷をトリップ/切断すること)を引き起こすことを防止するために、直列又は並列インピーダンスが、信号伝搬を防止するために設置され得る。代替的に、既知のシグネチャを有する電磁干渉のバーストが分配システムに注入されてもよい。バーストは、短絡が検出されてシャットダウンすることになることを他のデバイスに知らせることができる。バーストは、どのAFCデバイスが故障に最も近いかの決定を支援するために、大きさ、位相、又は他の情報などの情報を含有することができ、したがって、故障に最も近いユニットのみをトリップすることができる。
【0066】
コンピュータシステム
本開示は、本開示の方法を実装するようにプログラムされたコンピュータシステムを提供する。
図6は、
図1のEV充電ステーション120及びバッテリエネルギー貯蔵システム130を制御するようにプログラムされるか、又は別様に構成されるコンピュータシステム601を示す。コンピュータシステム601は、本開示の様々な態様を調節することができる。コンピュータシステム601は、ユーザの電子デバイス又は電子デバイスに対して遠隔に位置するコンピュータシステムであり得る。電子デバイスは、モバイル電子デバイスであり得る。
【0067】
コンピュータシステム601は、シングルコア若しくはマルチコアプロセッサ、又は並列処理のための複数のプロセッサであり得る、中央処理装置(central processing unit、CPU、本明細書では「プロセッサ」及び「コンピュータプロセッサ」とも称する)605を含む。コンピュータシステム601はまた、メモリ又はメモリロケーション610(例えば、ランダムアクセスメモリ、読み取り専用メモリ、フラッシュメモリ)、電子記憶ユニット615(例えば、ハードディスク)、1つ以上の他のシステムと通信するための通信インターフェース620(例えば、ネットワークアダプタ)、及びキャッシュ、他のメモリ、データストレージ、及び/又は電子ディスプレイアダプタなどの周辺デバイス625を含む。メモリ610、記憶ユニット615、インターフェース620、及び周辺デバイス625は、マザーボードなどの通信バス(実線)を介してCPU605と通信する。記憶ユニット615は、データを記憶するためのデータ記憶ユニット(又はデータリポジトリ)とすることができる。コンピュータシステム601は、通信インターフェース620の助けを借りてコンピュータネットワーク(「ネットワーク」)630に動作可能に結合され得る。ネットワーク630は、インターネット、インターネット及び/若しくはエクストラネット、又はインターネットと通信するイントラネット及び/若しくはエクストラネットであり得る。ネットワーク630は、場合によっては、電気通信及び/又はデータネットワークである。ネットワーク630は、クラウドコンピューティングなどの分散コンピューティングを可能にすることができる1つ以上のコンピュータサーバを含むことができる。ネットワーク630は、場合によっては、コンピュータシステム601の助けを借りて、コンピュータシステム601に結合されたデバイスがクライアント又はサーバとして挙動することを可能にし得るピアツーピアネットワークを実装することができる。
【0068】
CPU605は、プログラム又はソフトウェアにおいて具現化され得る機械可読命令のシーケンスを実行することができる。命令は、メモリ610などのメモリロケーションに記憶され得る。命令は、CPU605に向けることができ、これは、その後、本開示の方法を実装するようにCPU605をプログラムするか、又は他の方法で構成することができる。CPU605によって実行される動作の例は、フェッチ、デコード、実行、及びライトバックを含むことができる。
【0069】
CPU605は、集積回路などの回路の一部とすることができる。システム601の1つ以上の他の構成要素を回路に含めることができる。場合によっては、回路は特定用途向け集積回路(application specific integrated circuit、ASIC)である。
【0070】
記憶ユニット615は、ドライバ、ライブラリ、及び保存されたプログラムなどのファイルを記憶することができる。記憶ユニット615は、ユーザデータ、例えば、ユーザプリファレンス及びユーザプログラムを記憶することができる。コンピュータシステム601は、場合によっては、イントラネット又はインターネットを通してコンピュータシステム601と通信するリモートサーバ上に位置するなど、コンピュータシステム601の外部にある1つ以上の追加のデータ記憶ユニットを含むことができる。
【0071】
コンピュータシステム601は、ネットワーク630を介して1つ以上のリモートコンピュータシステムと通信することができる。例えば、コンピュータシステム601は、ユーザのリモートコンピュータシステム(例えば、車両内のコンピュータシステム)と通信することができる。リモートコンピュータシステムの例としては、パーソナルコンピュータ(例えば、ポータブルPC)、スレート若しくはタブレットPC(例えば、Apple(登録商標)iPad、Samsung(登録商標)Galaxy Tab)、電話、スマートフォン(例えば、Apple(登録商標)iPhone、Android対応デバイス、Blackberry(登録商標))、又は携帯情報端末が挙げられる。ユーザは、ネットワーク630を介してコンピュータシステム601にアクセスすることができる。
【0072】
本明細書で説明される方法は、例えば、メモリ610又は電子記憶ユニット615などのコンピュータシステム601の電子記憶場所に記憶された機械(例えば、コンピュータプロセッサ)実行可能コードによって実装されることができる。機械実行可能コード又は機械可読コードは、ソフトウェアの形態で提供され得る。使用中、コードはプロセッサ605によって実行することができる。場合によっては、コードは、記憶ユニット615から取り出され、プロセッサ605による容易なアクセスのためにメモリ610上に記憶され得る。いくつかの状況では、電子記憶ユニット615を除外することができ、機械実行可能命令がメモリ610に記憶される。
【0073】
コードは、コードを実行するように適合されたプロセッサを有する機械とともに使用するためにプリコンパイル及び構成され得るか、又はランタイム中にコンパイルされ得る。コードは、コードがプリコンパイルされた方式又はコンパイルされたままの方式で実行できるように選択することができるプログラミング言語で供給することができる。
【0074】
コンピュータシステム601など、本明細書で提供されるシステム及び方法の態様は、プログラミングにおいて具現化され得る。本技術の様々な態様は、典型的には機械(又はプロセッサ)実行可能コード及び/又はあるタイプの機械可読媒体上で搬送されるか又はその中で具現化される関連データの形態の「製品」又は「製造品」と考えることができる。機械実行可能コードは、メモリ(例えば、読み出し専用メモリ、ランダムアクセスメモリ、フラッシュメモリ)又はハードディスクなどの電子記憶ユニットに記憶することができる。「記憶装置」タイプの媒体は、ソフトウェアプログラミングのためにいつでも非一時的記憶装置を提供することができる、様々な半導体メモリ、テープドライブ、ディスクドライブなど、コンピュータ、プロセッサなどの有形メモリ、又はそれらの関連モジュールのいずれか又は全てを含むことができる。ソフトウェアの全て又は一部は、時々、インターネット又は様々な他の電気通信ネットワークを介して通信され得る。そのような通信は、例えば、1つのコンピュータ又はプロセッサから別のコンピュータ又はプロセッサへの、例えば、管理サーバ又はホストコンピュータからアプリケーションサーバのコンピュータプラットフォームへのソフトウェアのロードを可能にし得る。したがって、ソフトウェア要素を担持することができる別のタイプの媒体は、ローカルデバイス間の物理インターフェースにわたって、有線及び光地上通信線ネットワークを通して、様々なエアリンクを介して使用されるような、光、電気、及び電磁波を含む。有線又は無線リンク、光リンクなど、そのような波を搬送する物理的要素も、ソフトウェアを担持する媒体とみなすことができる。本明細書で使用される場合、非一時的、有形「記憶」媒体に限定されない限り、コンピュータ又は機械「可読媒体」などの用語は、実行のためにプロセッサに命令を提供することに関与する任意の媒体を指す。
【0075】
したがって、コンピュータ実行可能コードなどの機械可読媒体は、有形記憶媒体、搬送波媒体、又は物理的伝送媒体を含むがこれらに限定されない多くの形態をとることができる。不揮発性記憶媒体は、例えば、図面に示されるデータベースなどを実装するために使用され得るような、任意のコンピュータなどにおける記憶デバイスのうちのいずれかなどの光学又は磁気ディスクを含む。揮発性記憶媒体は、そのようなコンピュータプラットフォームの主メモリなどのダイナミックメモリを含む。有形伝送媒体は、同軸ケーブルと、コンピュータシステム内のバスを構成するワイヤを含む、銅線及び光ファイバと、を含む。搬送波伝送媒体は、電気信号若しくは電磁信号、又は無線周波数RF及び赤外線(IR)データ通信中に生成されるような音波若しくは光波の形態をとることができる。したがって、コンピュータ可読媒体の一般的な形態は、例えば、フロッピーディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ、任意の他の磁気媒体、CD-ROM、DVD又はDVD-ROM、任意の他の光媒体、パンチカード紙テープ、穴のパターンを有する任意の他の物理記憶媒体、RAM、ROM、PROM及びEPROM、FLASH-EPROM、任意の他のメモリチップ又はカートリッジ、データ又は命令を運ぶ搬送波、そのような搬送波を運ぶケーブル又はリンク、あるいはコンピュータがプログラミングコード及び/又はデータを読み取ることができる任意の他の媒体を含む。コンピュータ可読媒体のこれらの形態の多くは、実行のために1つ以上の命令の1つ以上のシーケンスをプロセッサに搬送することに伴われ得る。
【0076】
コンピュータシステム601は、例えば、EV充電器のための支払い機能を提供するためのユーザインターフェース(user interface、UI)640を備える電子ディスプレイ635を含むか、又はそれと通信することができる。UIの例としては、グラフィカルユーザインターフェース(graphical user interface、GUI)及びウェブベースのユーザインターフェースが挙げられるが、これらに限定されない。
【0077】
本開示の方法及びシステムは、1つ以上のアルゴリズムによって実装することができる。アルゴリズムは、中央処理装置605による実行時にソフトウェアによって実装することができる。
【0078】
本発明の好ましい実施形態が本明細書に示され、説明されてきたが、そのような実施形態が例としてのみ提供されることが当業者には明らかであろう。本発明は、本明細書内に提供される特定の実施例によって限定されることは意図されない。本発明を前述の明細書を参照して説明してきたが、本明細書における実施形態の説明及び例示は、限定的な意味で解釈されることを意図していない。当業者であれば、本発明から逸脱することなく、多数の変形、変更、及び置換を思いつくであろう。更に、本発明の全ての態様は、様々な条件及び変数に依存する、本明細書に記載される特定の描写、構成、又は相対的比率に限定されないことを理解されたい。本明細書に記載される本発明の実施形態に対する様々な代替物が、本発明を実施する際に採用され得ることが理解されるべきである。したがって、本発明は、任意のそのような代替形態、修正形態、変形形態又は均等物も包含するものとすることが企図される。以下の特許請求の範囲が本発明の範囲を定義し、これらの特許請求の範囲内の方法及び構造並びにそれらの均等物がそれによって包含されることが意図されている。
【国際調査報告】