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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-21
(54)【発明の名称】アンテナチューナー
(51)【国際特許分類】
   H01Q 1/50 20060101AFI20240514BHJP
   H01Q 21/06 20060101ALI20240514BHJP
   H01Q 3/30 20060101ALI20240514BHJP
   H04B 1/3827 20150101ALI20240514BHJP
【FI】
H01Q1/50
H01Q21/06
H01Q3/30
H04B1/3827 110
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023568587
(86)(22)【出願日】2022-04-21
(85)【翻訳文提出日】2023-11-07
(86)【国際出願番号】 US2022071846
(87)【国際公開番号】W WO2022246355
(87)【国際公開日】2022-11-24
(31)【優先権主張番号】17/322,294
(32)【優先日】2021-05-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】595020643
【氏名又は名称】クゥアルコム・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】リ、ホン-ミン
(72)【発明者】
【氏名】ジェシー、ダリル・シェルドン
【テーマコード(参考)】
5J021
5J046
5K011
【Fターム(参考)】
5J021AA05
5J021AA11
5J021CA04
5J021CA05
5J021CA06
5J021DB03
5J021FA05
5J021FA17
5J021FA26
5J021FA32
5J021GA02
5J021HA05
5J021JA10
5J046AA03
5J046AB01
5J046TA03
5K011AA06
5K011DA02
5K011DA12
5K011JA01
5K011KA13
(57)【要約】
アンテナチューナーを実装するための装置が開示される。例示的な態様では、装置は、基板と、基板上にまたは基板中に配設されたアンテナと、基板上に配設された無線周波数集積回路と、アンテナチューナーとを含む。無線周波数集積回路は増幅回路を含む。アンテナチューナーは、アンテナと増幅回路との間に結合される。アンテナチューナーは、基板上にまたは基板中に配設された誘導性構成要素と、無線周波数集積回路内に実装された容量性構成要素とを含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置であって、
基板と、
前記基板上にまたは前記基板中に配設されたアンテナと、
前記基板上に配設された無線周波数集積回路と、前記無線周波数集積回路は増幅回路を備え、
前記アンテナと前記増幅回路との間に結合されたアンテナチューナーと、前記アンテナチューナーは、
前記基板上にまたは前記基板中に配設された誘導性構成要素と、
前記無線周波数集積回路内に実装された容量性構成要素と、
を備え、
を備える、装置。
【請求項2】
前記誘導性構成要素は、正のリアクタンスを提供するように構成され、
容量性構成要素は、負のリアクタンスを提供するように構成された、
請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記容量性構成要素は、前記誘導性構成要素と並列に接続された、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記容量性構成要素はバラクタを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記アンテナチューナーは、前記バラクタの負のリアクタンスを変化させるように構成された、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記誘導性構成要素は伝送線路を備える、請求項4に記載の装置。
【請求項7】
前記アンテナチューナーは、
前記増幅回路の出力インピーダンスを前記アンテナの入力インピーダンスに整合させることと、
前記アンテナの出力インピーダンスを前記増幅回路の入力インピーダンスに整合させることと、
を選択的に行うように構成された、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記アンテナは、
第1の信号特性をもつ第1の無線周波数信号を送信することと、
前記第1の信号特性とは異なる第2の信号特性をもつ第2の無線周波数信号を送信することと、を行うように構成され、
前記アンテナチューナーは、
前記アンテナが前記第1の無線周波数信号を送信したことに基づいて、第1のインピーダンスを提供することと、前記第1のインピーダンスは、前記誘導性構成要素の正のリアクタンスおよび前記容量性構成要素の負のリアクタンスに基づき、
前記第2の無線周波数信号が送信されるより前に、
前記誘導性構成要素の前記正のリアクタンス、または
前記容量性構成要素の前記負のリアクタンス、
のうちの少なくとも1つを変化させることと、
前記アンテナが前記第2の無線周波数信号を送信したことに基づいて、第2のインピーダンスを提供することと、前記第2のインピーダンスは前記第1のインピーダンスとは異なり、
を行うように構成された、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記第1の信号特性は第1の位相を備え、
前記第2の信号特性は、前記第1の位相とは異なる第2の位相を備える、
請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記第1の信号特性は第1の周波数を備え、
前記第2の信号特性は、前記第1の周波数とは異なる第2の周波数を備える、
請求項8に記載の装置。
【請求項11】
前記第1の無線周波数信号および前記第2の無線周波数信号は、24ギガヘルツ以上である少なくとも1つの周波数をそれぞれ備える、請求項8に記載の装置。
【請求項12】
前記誘導性構成要素は、第1の誘導性構成要素を備え、
前記容量性構成要素は、第1の容量性構成要素を備え、
前記アンテナチューナーは、
前記基板上にまたは前記基板中に配設された第2の誘導性構成要素と、
前記無線周波数集積回路内に実装された第2の容量性構成要素と、
前記無線周波数集積回路内に実装された第3の容量性構成要素と、
を備える、請求項1に記載の装置。
【請求項13】
前記アンテナチューナーは、
前記アンテナに結合されたアンテナノードと、
共有ノードと、
前記増幅回路に結合されたトランシーバノードと、
を備え、
前記第1の誘導性構成要素は、前記アンテナノードと前記共有ノードとの間に結合され、
前記第2の誘導性構成要素は、前記共有ノードと前記トランシーバノードとの間に結合され、
前記第1の容量性構成要素は、前記アンテナノードと前記共有ノードとの間に結合され、
前記第2の容量性構成要素が、前記共有ノードと前記トランシーバノードとの間に結合され、
前記第3の容量性構成要素は、前記共有ノードと接地との間に結合された、
請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記アンテナは、第1のアンテナを備え、
前記増幅回路は、第1の増幅回路を備え、
前記アンテナチューナーは、第1のアンテナチューナーを備え、
前記無線周波数集積回路は、第2の増幅回路を備え、
前記装置は、
前記第1のアンテナ、および
前記基板上にまたは前記基板中に配設された第2のアンテナ、
を備えるアンテナアレイと、
前記第2のアンテナと前記第2の増幅回路との間に結合された第2のアンテナチューナーと、前記第2のアンテナチューナーは、
前記基板上にまたは前記基板中に配設された誘導性構成要素、および
前記無線周波数集積回路内に実装された容量性構成要素、
を備え、
を備える、請求項1に記載の装置。
【請求項15】
前記無線周波数集積回路内に実装されたミキサと、
前記無線周波数集積回路内に実装された第1の位相シフタと、前記第1の位相シフタは、前記ミキサと前記第1の増幅回路との間に結合され、
前記無線周波数集積回路内に実装された第2の位相シフタと、前記第2の位相シフタは、前記ミキサと前記第2の増幅回路との間に結合され、
をさらに備える、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記増幅回路は、
送信のために無線周波数信号を増幅するように構成された電力増幅器、または
受信のために他の無線周波数信号を増幅するように構成された低雑音増幅器、
のうちの少なくとも1つを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項17】
アンテナモジュールをさらに備え、
前記基板と、前記アンテナと、前記無線周波数集積回路と、前記アンテナチューナーとは、前記アンテナモジュールの一部として一緒にパッケージングされた、
請求項1に記載の装置。
【請求項18】
ディスプレイスクリーンと、
前記ディスプレイスクリーンおよび前記アンテナモジュールに動作可能に結合されたプロセッサと、前記プロセッサは、前記アンテナモジュールによって通信される無線周波数信号に基づいて、前記ディスプレイスクリーン上に1つまたは複数のグラフィカル画像を提示するように構成され、
をさらに備える、請求項17に記載の装置。
【請求項19】
装置であって、
基板と、
無線周波数信号を送信および受信するためのアンテナ手段と、前記アンテナ手段は前記基板上にまたは前記基板中に配設され、
無線周波数信号を調整するための手段を含む集積回路と、前記集積回路は前記基板上に配設され、
前記アンテナ手段と調整するための前記手段との間のインピーダンス整合を提供するための同調手段と、前記同調手段は、
正のリアクタンスを提供するための誘導性手段と、前記誘導性手段は前記基板上にまたは前記基板中に配設され、
負のリアクタンスを提供するための容量性手段と、前記容量性手段は前記集積回路の一部として実装され、
を備え、
を備える、装置。
【請求項20】
前記容量性手段は、前記誘導性手段と並列に結合された、請求項19に記載の装置。
【請求項21】
前記容量性手段は、第1の負のリアクタンスおよび第2の負のリアクタンスを選択的に提供するようにさらに構成された、請求項19に記載の装置。
【請求項22】
前記誘導性手段は、第1の正のリアクタンスおよび第2の正のリアクタンスを選択的に提供するようにさらに構成された、請求項19に記載の装置。
【請求項23】
前記アンテナ手段は、
第1の信号特性をもつ前記無線周波数信号のうちの第1の無線周波数信号を送信することと、
前記第1の信号特性とは異なる第2の信号特性をもつ前記無線周波数信号のうちの第2の無線周波数信号を送信することと、を行うように構成され、
前記同調手段は、
前記アンテナ手段が前記第1の無線周波数信号を送信したことに基づいて、第1のインピーダンスを提供することと、前記第1のインピーダンスは、前記誘導性手段の前記正のリアクタンスおよび前記容量性手段の前記負のリアクタンスに基づき、
前記第2の無線周波数信号が送信されるより前に、
前記誘導性手段の前記正のリアクタンス、または
前記容量性手段の前記負のリアクタンス、
のうちの少なくとも1つを変化させることと、
前記アンテナ手段が前記第2の無線周波数信号を送信したことに基づいて、第2のインピーダンスを提供することと、前記第2のインピーダンスは前記第1のインピーダンスとは異なり、を行うように構成された、
請求項19に記載の装置。
【請求項24】
アンテナチューナーを動作させるための方法であって、
前記アンテナチューナーを介して、無線周波数集積回路の増幅回路と基板上にまたは前記基板中に配設されたアンテナとの間のインピーダンスを提供することと、前記インピーダンスは、前記アンテナチューナーの誘導性構成要素の正のリアクタンスおよび前記アンテナチューナーの容量性構成要素の負のリアクタンスに基づき、前記誘導性構成要素は前記基板上にまたは前記基板中に配設され、前記容量性構成要素は前記無線周波数集積回路内に実装され、前記無線周波数集積回路は基板上に配設され、
前記インピーダンスを有する前記アンテナチューナーを介して、前記増幅回路から前記アンテナに無線周波数信号を受け渡すことと、
前記アンテナを介して、前記無線周波数信号を送信することと、
を備える、方法。
【請求項25】
前記インピーダンスは、第1のインピーダンスを備え、
前記無線周波数信号は、第1の無線周波数信号を備え、
前記方法は、
前記誘導性構成要素の前記正のリアクタンスまたは前記容量性構成要素の前記負のリアクタンスのうちの少なくとも1つを変化させることと、
前記変化させたことに応答して、前記アンテナチューナーを介して、前記増幅回路と前記アンテナとの間の第2のインピーダンスを提供することと、前記第2のインピーダンスは前記第1のインピーダンスとは異なり、
前記第2のインピーダンスを有する前記アンテナチューナーを介して、前記増幅回路から前記アンテナに第2の無線周波数信号を受け渡すことと、
前記アンテナを介して、前記第2の無線周波数信号を送信することと、
を備える、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記第1のインピーダンスを前記提供することは、前記増幅回路の出力インピーダンスを前記アンテナの第1の入力インピーダンスに整合させることを備え、
前記第2のインピーダンスを前記提供することは、前記増幅回路の前記出力インピーダンスを前記アンテナの第2の入力インピーダンスに整合させることを備え、前記アンテナの前記第2の入力インピーダンスは前記第1の入力インピーダンスとは異なる、
請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記第2の無線周波数信号は、前記第1の無線周波数信号とは異なる位相を有する、請求項25に記載の方法。
【請求項28】
前記第2の無線周波数信号は、前記第1の無線周波数信号とは異なる周波数を有する、請求項25に記載の方法。
【請求項29】
前記容量性構成要素は、前記誘導性構成要素と並列に接続される、請求項24に記載の方法。
【請求項30】
前記容量性構成要素はバラクタを備え、
前記誘導性構成要素は伝送線路を備える、
請求項24に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本開示は、一般にワイヤレス通信に関し、より詳細には、ワイヤレスデバイスのためのアンテナチューナーに関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]電子デバイスは、ワイヤレス通信信号を送信または受信するために、無線周波数集積回路とアンテナとを使用し得る。無線周波数集積回路とアンテナとは、電力が著しい損失なしに無線周波数集積回路とアンテナとの間で効率的に転送されることを可能にする、整合しているインピーダンスを有するように設計され得る。しかしながら、整合したインピーダンスを維持することは動作中に困難であり得、その結果、何らかの電力が反射され得る。この反射された電力は、電子デバイスの送信信号強度または受信感度を低減し、それにより、電子デバイスがより遠い距離を介して他のエンティティと通信することを困難にさせ得る。
【発明の概要】
【0003】
[0003]アンテナチューナーを実装する装置が開示される。基板上に個別のアンテナチューナーを実装し、この個別のアンテナチューナーをアンテナと無線周波数集積回路との間に結合する代わりに、説明されるアンテナチューナーの構成要素は、モジュールの基板と無線周波数集積回路との間に分散される。特に、アンテナチューナーは、モジュール中にすべてパッケージングされた、基板上に配設される少なくとも1つの誘導性構成要素と、無線周波数集積回路内に組み込まれる少なくとも1つの容量性構成要素とを含むことができる。このアーキテクチャで、アンテナチューナーは、所与の電子デバイスのサイズ制約を満たすことができる省スペース設計を有することができる。またこのアーキテクチャにより、電子デバイス内への(たとえば、単一のアンテナモジュール内への)複数のアンテナチューナーの組込みが、アンテナアレイの個々のアンテナ要素に関連するインピーダンスを動的に同調させることが可能になる。
【0004】
[0004]例示的な態様では、装置が開示される。装置は、基板と、基板上にまたは基板中に配設されたアンテナと、基板上に配設された無線周波数集積回路と、アンテナチューナーとを含む。無線周波数集積回路は増幅回路を含む。アンテナチューナーは、アンテナと増幅回路との間に結合される。アンテナチューナーは、基板上に配設された誘導性構成要素と、無線周波数集積回路内に実装された容量性構成要素とを含む。
【0005】
[0005]例示的な態様では、装置が開示される。装置は、基板と、無線周波数信号を送信および受信するためのアンテナ手段とを含む。アンテナ手段は、基板上にまたは基板中に配設される。装置はまた、無線周波数信号を調整するための手段を含む集積回路を含む。集積回路は基板上に配設される。装置は、アンテナ手段と調整するための手段との間のインピーダンス整合を提供するための同調手段をさらに含む。同調手段は、正のリアクタンスを提供するための誘導性手段と、負のリアクタンスを提供するための容量性手段とを含む。誘導性手段は、基板上にまたは基板中に配設され、容量性手段は、集積回路の一部として実装される。
【0006】
[0006]例示的な態様では、アンテナチューナーを動作させるための方法が開示される。方法は、アンテナチューナーを介して、無線周波数集積回路の増幅回路と、基板上にまたは基板中に配設されたアンテナとの間のインピーダンスを提供することを含む。インピーダンスは、アンテナチューナーの誘導性構成要素の正のリアクタンスと、アンテナチューナーの容量性構成要素の負のリアクタンスとに基づく。誘導性構成要素は、基板上に配設され、容量性構成要素は、無線周波数集積回路内に実装される。無線周波数集積回路は基板上に配設される。方法はまた、インピーダンスを有するアンテナチューナーを介して、増幅回路からアンテナに無線周波数信号を受け渡すことを含む。方法は、アンテナを介して、第1の無線周波数信号を送信することをさらに含む。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】[0007]アンテナチューナーを含むデバイスのための例示的な動作環境を示す図。
図2】[0008]アンテナチューナーをもつアンテナモジュールの例示的な実装形態を示す図。
図3】[0009]複数のアンテナと、複数のアンテナチューナーと、無線周波数集積回路とをもつアンテナモジュールの例示的な実装形態を示す図。
図4-1】[0010]アンテナチューナーのインピーダンスを調整するための例示的なシーケンスフロー図。
図4-2】[0011]アンテナチューナーのインピーダンスを調整するための別の例示的なシーケンスフロー図。
図5-1】[0012]アンテナチューナーの例示的な実装形態を示す図。
図5-2】[0013]アンテナチューナーの別の例示的な実装形態を示す図。
図5-3】[0014]アンテナチューナーの追加の例示的な実装形態を示す図。
図6】[0015]アンテナチューナーを動作させるための例示的なプロセスを示すフロー図。
図7】[0016]アンテナチューナーを動作させるための別の例示的なプロセスを示す別のフロー図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[0017]電子デバイスは、ワイヤレス通信信号を送信または受信するために、無線周波数集積回路とアンテナとを使用し得る。無線周波数集積回路とアンテナとは、電力が著しい損失なしに無線周波数集積回路とアンテナとの間で効率的に転送されることを可能にする、整合しているインピーダンスを有するように設計され得る。しかしながら、アンテナのインピーダンスは、動作または環境条件の変化により変動し得る。結果的に、無線周波数集積回路とアンテナとのインピーダンスは不整合になり得、何らかの電力が反射され得る。この反射された電力は、電子デバイスの送信信号強度または受信感度を低減し、それにより、電子デバイスがより遠い距離を介して他のエンティティと通信することを困難にさせ得る。
【0009】
[0018]いくつかの技法は、アンテナチューナーを電子デバイスの各アンテナと無線周波数集積回路との間に直接接続し得る。各アンテナチューナーは対応するアンテナのインピーダンスを調整するために使用され得るが、いくつかのアンテナチューナーアーキテクチャは、かさばり、かなりのスペース量を必要とする。結果的に、特にスマートフォンまたはウェアラブルデバイスのようなポータブル電子デバイスでは、所与の電子デバイスのサイズ制約を満たしながら、アンテナアレイに複数のアンテナチューナーを装備することは困難になり得る。
【0010】
[0019]そのような困難に対処するために、本明細書ではアンテナチューナーのための技法について説明される。説明される技法は、基板上に少なくとも1つのアンテナと少なくとも1つの無線周波数集積回路(RFIC)とを一緒にパッケージングするコンパクト設計でアンテナモジュールを実装する。アンテナモジュールはまた、インピーダンス整合回路として働く、少なくとも1つのアンテナチューナーを含む。アンテナチューナーは、アンテナと無線周波数集積回路の増幅回路との間に結合される。アンテナチューナーは、アンテナの入力(または出力)インピーダンスを増幅回路の出力(または入力)インピーダンスに整合させるように調整され得る、可変インピーダンスを有する。アンテナチューナーのインピーダンスを変動させることによって、アンテナチューナーは、(たとえば、様々な位相をもつ信号にわたる)様々なビームフォーミング演算、(たとえば、様々な周波数をもつ信号にわたる)様々な周波数帯域、およびユーザとアンテナとの間の様々な距離にわたって、同様のインピーダンス整合性能を維持することができる。
【0011】
[0020]基板上に個別のアンテナチューナーを実装し、この個別のアンテナチューナーをアンテナと無線周波数集積回路との間に結合する代わりに、アンテナチューナーの構成要素は、無線周波数集積回路と、無線周波数集積回路が実装されたモジュールの基板との間に分散される。特に、アンテナチューナーは、基板上に配設され、アンテナおよび無線周波数集積回路に結合された、少なくとも1つの誘導性構成要素を含むことができる。アンテナチューナーはまた、無線周波数集積回路内に組み込まれ、誘導性構成要素および無線周波数集積回路の増幅回路に結合された、少なくとも1つの容量性構成要素を含むことができる。このアーキテクチャで、アンテナチューナーは、アンテナモジュールが電子デバイスのサイズ制約を満たすことを可能にする省スペース設計を有することができる。またこのアーキテクチャにより、アンテナモジュール内への複数のアンテナチューナーの組込みが、アンテナアレイの個々のアンテナ要素に関連するインピーダンスを動的に同調させることが可能になる。
【0012】
[0021]図1は、アンテナチューナーを含むデバイスを動作させるための例示的な環境100を示す。環境100では、コンピューティングデバイス102が、ワイヤレス通信リンク106(ワイヤレスリンク106)を介して基地局104と通信する。この例では、コンピューティングデバイス102はスマートフォンとして描かれている。しかしながら、コンピューティングデバイス102は、モデム、セルラー基地局、ブロードバンドルータ、アクセスポイント、セルラーフォン、ゲームデバイス、ナビゲーションデバイス、メディアデバイス、ラップトップコンピュータ、デスクトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、ウェアラブルコンピュータ、サーバ、ネットワーク接続ストレージ(NAS)デバイス、スマートアプライアンスまたは他のモノのインターネット(IoT)デバイス、医療デバイス、車両ベースの通信システム、レーダー、無線装置など、任意の好適なコンピューティングまたは電子デバイスとして実装され得る。
【0013】
[0022]基地局104は、任意の好適なタイプのワイヤレスリンクとして実装され得るワイヤレスリンク106を介してコンピューティングデバイス102と通信する。セルラーネットワークのタワーとして描かれているが、基地局104は、衛星、サーバデバイス、地上テレビジョン放送タワー、アクセスポイント、ピアツーピアデバイス、メッシュネットワークノード、光ファイバー回線など、別のデバイスを表すかまたは別のデバイスとして実装され得る。したがって、コンピューティングデバイス102は、ワイヤード接続、ワイヤレス接続、またはそれらの組合せを介して、基地局104または別のデバイスと通信し得る。
【0014】
[0023]ワイヤレスリンク106は、基地局104からコンピューティングデバイス102に通信されるデータもしくは制御情報のダウンリンク、コンピューティングデバイス102から基地局104に通信される他のデータもしくは制御情報のアップリンク、またはダウンリンクとアップリンクの両方を含むことができる。ワイヤレスリンク106は、第2世代(2G)、第3世代(3G)、第4世代(4G)、または第5世代(5G)セルラー、IEEE802.11(たとえば、Wi-Fi(登録商標))、IEEE802.15(たとえば、Bluetooth(登録商標))、IEEE802.16(たとえば、WiMAX(登録商標))など、任意の好適な通信プロトコルまたは規格を使用して実装され得る。いくつかの実装形態では、ワイヤレスリンク106は電力をワイヤレス提供し得、基地局104は電源を備え得る。
【0015】
[0024]図示のように、コンピューティングデバイス102は、プロセッサ108と、コンピュータ可読記憶媒体110(CRM110)とを含む。プロセッサ108は、CRM110によって記憶されたプロセッサ実行可能コードを実行する、マルチコアプロセッサなどの任意のタイプのプロセッサを含むことができる。CRM110は、揮発性メモリ(たとえば、ランダムアクセスメモリ(RAM))、不揮発性メモリ(たとえば、フラッシュメモリ)、光媒体、磁気媒体(たとえば、ディスク)など、任意の好適なタイプのデータ記憶媒体を含むことができる。本開示のコンテキストでは、CRM110は、コンピューティングデバイス102の命令112、データ114、および他の情報を記憶するように実装され、したがって、一時的な伝搬信号または搬送波を含まない。
【0016】
[0025]コンピューティングデバイス102はまた、入出力ポート116(I/Oポート116)と、ディスプレイ118とを含むことができる。I/Oポート116は、他のデバイス、ネットワーク、またはユーザとのデータ交換または対話を可能にする。I/Oポート116は、シリアルポート(たとえば、ユニバーサルシリアルバス(USB)ポート)、パラレルポート、オーディオポート、赤外線(IR)ポート、タッチスクリーンなどのユーザインターフェースポートなどを含むことができる。ディスプレイ118は、オペレーティングシステム、プログラム、またはアプリケーションに関連するユーザインターフェースなど、コンピューティングデバイス102のグラフィックスを提示する。代替または追加として、ディスプレイ118は、ディスプレイポートまたは仮想インターフェースとして実装され得、これらを介してコンピューティングデバイス102のグラフィカルコンテンツが提示される。
【0017】
[0026]コンピューティングデバイス102のアンテナモジュール120は、それぞれのネットワークへの、およびネットワークに接続された他の電子デバイスへの接続性を提供する。アンテナモジュール120は、ワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLAN)、ピアツーピア(P2P)ネットワーク、メッシュネットワーク、セルラーネットワーク、ワイヤレスワイドエリアネットワーク(WWAN)、および/またはワイヤレスパーソナルエリアネットワーク(WPAN)など、任意の好適なタイプのワイヤレスネットワークを介した通信を容易にすることができる。例示的な環境100のコンテキストでは、アンテナモジュール120は、コンピューティングデバイス102が、基地局104およびそれに接続されたネットワークと通信することを可能にする。しかしながら、アンテナモジュール120は、コンピューティングデバイス102が他のデバイスまたはネットワークと「直接」通信することも可能にすることができる。
【0018】
[0027]アンテナモジュール120は、通信信号を送信および受信するための回路およびロジック(logic)を含む。特に、図示のアンテナモジュール120は、基板122(たとえば、1つまたは複数の基板層)と、少なくとも1つのアンテナ124と、少なくとも1つの無線周波数集積回路126(RFIC126)(たとえば、無線周波数フロントエンド集積回路(RFFE IC))とを含む。アンテナ124と無線周波数集積回路126は、アンテナモジュール120の一部として一緒にパッケージングされ、基板122上に配設され得る。
【0019】
[0028]アンテナ124は、パッチアンテナ、クロスパッチアンテナ要素(たとえば、クロスの形状のパッチアンテナ)、スロットアンテナ要素、ダイポールアンテナ、ボウタイアンテナ、逆F型アンテナ、別のタイプのマイクロストリップアンテナ、または別のタイプのワイヤアンテナを含むことができる。アンテナ124は、水平偏波、垂直偏波、円偏波、またはそれらの何らかの組合せであり得る。いくつかの実装形態では、アンテナモジュール120は、アンテナアレイのアンテナ要素として動作する、複数のアンテナ124をもつアンテナアレイを含む。
【0020】
[0029]無線周波数集積回路126は、アンテナ124を介して送信および受信される信号を調整(たとえば、信号を生成および/または処理)するための回路およびロジックを含む。無線周波数集積回路126の構成要素は、増幅器、位相シフタ、スイッチ、ミキサ、フィルタなどを含むことができる。特に、無線周波数集積回路126は、少なくとも1つの増幅回路128を含む。増幅回路128は、電力増幅器(PA)または低雑音増幅器(LNA)など、1つまたは複数の増幅器を含む。いくつかの場合には、無線周波数集積回路126の構成要素は、別個の送信機および受信機エンティティとして実装される。追加または代替として、無線周波数集積回路126は、それぞれの送信および受信動作を実装するために複数のまたは異なるセクション(たとえば、別個の送信および受信チェーン)を使用して実現され得る。
【0021】
[0030]無線周波数集積回路126は、ワイヤレストランシーバ(図示されず)の一部を形成することができる。ワイヤレストランシーバは、他の集積回路および/またはプロセッサを含むことができる。図示されていないが、無線周波数集積回路126は、中間周波数集積回路またはベースバンド集積回路など、ワイヤレストランシーバ内の別の集積回路に接続され得る。無線周波数集積回路126はまた、プロセッサ108、別のプロセッサ、またはワイヤレストランシーバのモデムなど、プロセッサに(間接的にまたは直接)接続され得る。
【0022】
[0031]いくつかの実装形態では、アンテナ124と無線周波数集積回路126は、24ギガヘルツ(GHz)以上である周波数を含むミリメートル波(mmW)周波数帯域内の1つまたは複数の周波数を有する無線周波数信号を送信および受信するように一緒に構成される。例示的なmmW周波数帯域は、低mmW周波数帯域(たとえば、約24~35GHzの間の周波数の少なくともサブセットを含む周波数帯域)、中間mmW周波数帯域(たとえば、約35~50GHzの間の周波数の少なくともサブセットを含む周波数帯域)、または高mmW周波数帯域(たとえば、約50~300GHzの間にある周波数の少なくともサブセットを含む周波数帯域)など、5G規格のためのmmW周波数帯域を含む。
【0023】
[0032]図1に示されているように、アンテナモジュール120は、少なくとも1つのアンテナチューナー130と、少なくとも1つのインピーダンス制御回路132とを含むことができる。アンテナチューナー130は、アンテナ124と増幅回路128との間のインピーダンス整合を提供する。特に、アンテナチューナー130は、(たとえば、様々な位相をもつ信号にわたる)様々なビームフォーミング演算、(たとえば、様々な周波数をもつ信号にわたる)様々な周波数帯域、および/またはユーザの一部分(たとえば、ユーザの指もしくは外肢)とアンテナ124との間の距離の変化などのアンテナ124のインピーダンスを変化させる様々な環境条件にわたって、同様のインピーダンス整合性能を維持するように変動され得るインピーダンスを有する。
【0024】
[0033]アンテナチューナー130は、少なくとも1つの基板同調回路134と、少なくとも1つの集積回路(IC)同調回路136とを含むことができる。アンテナチューナー130は、アンテナチューナー130の部分がアンテナモジュール120の別個の構成要素間に分散される(たとえば、それらの内に組み込まれる)ので、分散されたアンテナチューナーを表し得る。特に、基板同調回路134は基板122上に配設され、IC同調回路136は無線周波数集積回路126内に組み込まれる。無線周波数集積回路126内に構成要素のいくつかを実装することによって、アンテナチューナー130は、アンテナモジュール120がコンピューティングデバイス102のサイズ制約を満たすことを可能にするコンパクト設計を有することができる。このコンパクト設計はまた、図3に関してさらに説明されるように、複数のアンテナチューナー130が、アンテナアレイの複数のアンテナ要素の動的同調をサポートするようにアンテナモジュール120内に実装されることを可能にする。
【0025】
[0034]インピーダンス制御回路132は、アンテナチューナー130のインピーダンスを制御する。いくつかの実装形態では、インピーダンス制御回路132は、間接的にアンテナ124のインピーダンスを測定しおよび/またはアンテナ124のインピーダンスの変化を検出することができる。たとえば、インピーダンス制御回路132は、アンテナ124と増幅回路128との間で反射される電力量を測定することによって、反射係数の大きさを決定および監視することができる。この反射係数は、アンテナ124のインピーダンスを示す。追加または代替として、インピーダンス制御回路132は、受信信号の信号強度または受信信号に関連する信号対雑音比を測定することができる。
【0026】
[0035]インピーダンス制御回路132は、増幅回路128とアンテナチューナー130との間の無線周波数集積回路126内に実装され得る。アンテナ124のインピーダンスの測定または検出された変化に基づいて、インピーダンス制御回路132は、インピーダンス整合を容易にするために、アンテナチューナー130のインピーダンスを適切な量だけ動的に調整する。
【0027】
[0036]他の実装形態では、インピーダンス制御回路132は、コンピューティングデバイス102内のプロセッサ(たとえば、プロセッサ108、通信プロセッサ、モデムなど)に結合され得、このプロセッサによって示されるコンピューティングデバイス102の動作構成に基づいてアンテナチューナー130のインピーダンスを所定の値に設定することができる。基板122と、アンテナ124と、無線周波数集積回路126と、アンテナチューナー130と、インピーダンス制御回路132とは、図2に関してさらに説明されるように、アンテナモジュール120の一部として一緒にパッケージングされ得る。
【0028】
[0037]図2は、アンテナチューナー130をもつアンテナモジュール120の例示的な実装形態を示す。描かれた構成では、アンテナモジュール120は、アンテナ124と、無線周波数集積回路126とを含む。他の実装形態では、アンテナモジュール120は、2つ以上のアンテナ124および/または2つ以上の無線周波数集積回路126を含むことができる。
【0029】
[0038]図2に示されているように、アンテナ124と、無線周波数集積回路126と、アンテナチューナー130の基板同調回路134とは、基板122の表面202上に配設される。他の実装形態では、これらのエンティティのうちの1つまたは複数(たとえば、アンテナ124および/または基板同調回路134)は、基板122の別の表面上に、基板122内の層中に/上に配設され、および/または基板122の複数の層もしくは内部層と表面の間に分散され得る。たとえば、無線周波数集積回路126は、代わりに、基板122の下面に取り付けられ得る(たとえば、表面202の反対側にあり、図2では見えない別の表面上に配設され得る)。アンテナ124は、表面202上に形成され、および/または無線周波数集積回路126が取り付けられた表面よりも表面202により近い基板122の層中に形成され得る。これは、望ましくない結合を緩和するに役立ち得る、無線周波数集積回路126から離れて対向するアンテナ124のボアサイトをもたらし得る。他の実施形態では、アンテナ124のボアサイト(boresight)は、表面202に対してほぼ直角であり得る。
【0030】
[0039]無線周波数集積回路126はダイ204上に実装される。増幅回路128と、インピーダンス制御回路132と、アンテナチューナー130のIC同調回路136とは、ダイ204上に配設される。ダイ204は、界面(interface)206を介して基板122の表面202に取り付けられ得る。表面202上に配設された界面206は、ダイ204を受け入れ、それに接続するように構成される。明示的に描かれていないが、界面206は、無線周波数集積回路126を基板同調回路134に、または別の集積回路もしくはプロセッサなどのアンテナモジュール120の外部にある他の構成要素に接続する端子を含むことができる。
【0031】
[0040]図2に示されているように、アンテナチューナー130の構成要素(たとえば、基板同調回路134およびIC同調回路136)は、基板122と無線周波数集積回路126との間に分散され得る。特に、基板同調回路134は、基板122上に直接配設され(たとえば、基板122の少なくとも1つの層上に置かれ)、IC同調回路136は、無線周波数集積回路126のダイ204上に直接配設される。IC同調回路136が無線周波数集積回路126内に実装される(たとえば、ダイ204上に配設される)ので、IC同調回路136は基板122上に直接配設されない。アンテナ124と、基板同調回路134と、無線周波数集積回路126とは、図3に関してさらに説明されるように、互いに電気的に接続される。
【0032】
[0041]図3は、複数のアンテナ124-1~124-Nと、複数のアンテナチューナー130-1~130-Nと、無線周波数集積回路126と、をもつアンテナモジュール120の例示的な実装形態を示す。変数Nは正の整数を表す。無線周波数集積回路126は増幅回路128-1~128-Nを含む。各増幅回路128-1~128-Nは、1つまたは複数の電力増幅器、1つまたは複数の低雑音増幅器、あるいはそれらの何らかの組合せを含むことができる。たとえば、増幅回路128-1は、送信増幅器として構成され得、アンテナ124-1に結合された出力を有する電力増幅器および/またはドライバ増幅器を含み得、受信回路を省略し得る。別の例では、増幅回路128-1は、受信増幅器として構成され得、アンテナ124-1に結合された入力を有する低雑音増幅器を含み得、送信回路を省略し得る。さらに別の例では、増幅回路128-1は、送信動作と受信動作の両方のために構成され得、アンテナ124-1に結合された出力を有する電力増幅器と、アンテナ124-1に結合された入力を有する低雑音増幅器とを含み得る。
【0033】
[0042]描かれた構成では、アンテナ124-1~124-Nは、アンテナアレイ302のアンテナ要素を表す。各アンテナ124-1~124-Nは、それぞれのアンテナチューナー130-1~130-Nに結合される。たとえば、アンテナ124-1はアンテナチューナー130-1に結合され、アンテナ124-Nはアンテナチューナー130-Nに結合される。いくつかのそのような実施形態では、アンテナ124-1~124-Nは単一のフィードを有する。アンテナ124-1~124-Nが複数のフィードを有する実装形態では、各フィードは、別個のアンテナチューナー130に結合され得る。たとえば、アンテナ124-1の第1のフィードは、アンテナチューナー130-1~130-Nのうちの第1のものに結合され、アンテナ124-2の第2のフィードは、アンテナチューナー130-1~130-Nのうちの第2のものに結合される。いくつかの場合には、フィードは、様々な周波数、位相、および/または偏波に関連付けられ得る。
【0034】
[0043]各アンテナチューナー130は、(やはり図1および図2の)IC同調回路136と、(やはり図1および図2の)基板同調回路134と、アンテナノード304と、トランシーバノード306とを含む。たとえば、アンテナチューナー130-1は、基板同調回路134-1と、IC同調回路136-1と、アンテナノード304-1と、トランシーバノード306-1とを含む。基板同調回路134-1は基板122上に配設され、IC同調回路136-1は無線周波数集積回路126内に組み込まれる。アンテナノード304-1はアンテナ124-1に結合され、トランシーバノード306-1は増幅回路128-1に(間接的にまたは直接)結合される。同様に、アンテナチューナー130-Nは、基板同調回路134-Nと、IC同調回路136-Nと、アンテナノード304-Nと、トランシーバノード306-Nとを含む。基板同調回路134-Nは基板122上に配設され、IC同調回路136-Nは無線周波数集積回路126内に組み込まれる。アンテナノード304-Nはアンテナ124-Nに結合され、トランシーバノード306-Nは増幅回路128-Nに(間接的にまたは直接)結合される。基板同調回路134-1~134-NとIC同調回路136-1~136-Nは、それぞれ、アンテナノード304-1~304-Nとトランシーバノード306-1~306-Nとの間で互いに結合される。
【0035】
[0044]例示的な実装形態では、IC同調回路136-1~136-Nは、少なくとも1つの容量性構成要素308をそれぞれ含む。基板同調回路134-1~134-Nは、少なくとも1つの誘導性構成要素310をそれぞれ含む。容量性構成要素308は、負のリアクタンスを有し、誘導性構成要素310は、正のリアクタンスを有する。例示的な容量性構成要素308は、少なくとも1つのバラクタ、少なくとも1つのスイッチドキャパシタもしくは可変キャパシタ、少なくとも1つのキャパシタ、またはそれらの何らかの組合せを含むことができる。例示的な誘導性構成要素310は、少なくとも1つの伝送線路、少なくとも1つの可変インダクタ、少なくとも1つのインダクタ、またはそれらの何らかの組合せを含むことができる。各アンテナチューナー130-1~130-Nの少なくとも1つの構成要素は、同調可能(たとえば、可変)インピーダンスを有する。したがって、誘導性構成要素310の正のリアクタンスおよび/または容量性構成要素308の負のリアクタンスは、インピーダンス制御回路132によって変動され得る。
【0036】
[0045]描かれた構成では、インピーダンス制御回路132は、アンテナチューナー130-1~130-Nと増幅回路128-1~128-Nとの間に結合される。たとえば、インピーダンス制御回路132のそれぞれの部分は、アンテナチューナー130の各々とそれぞれの増幅回路128との間に直列に電気的に接続され得る。他の実施形態では、増幅回路128のうちの1つまたは複数は、それぞれのアンテナチューナー130に直接(たとえば、トランシーバノード306に直接)接続される。そのような実施形態では、インピーダンス制御回路132(またはそれの部分)は、並列または分路パスで結合され得る。いくつかの実施形態では、インピーダンス制御回路132は、上記で説明されたように、アンテナチューナー130とそれぞれの増幅回路128との間で通信される信号の一部分を、アンテナ124のインピーダンスおよび/または反射係数の大きさを測定するように構成された回路に磁気的に結合するように構成された1つまたは複数のカプラを含む。
【0037】
[0046]図示されていないが、増幅回路128-1~128-Nは、位相シフタ、ミキサ、増幅器、または結合回路(たとえば、コンバイナもしくはスプリッタ)など、無線周波数集積回路126の他の構成要素(図示されず)に結合され得る。たとえば、1つまたは複数のミキサは、無線周波数集積回路126において実装され得、中間周波数通信信号を送信のためにmmW周波数にアップコンバートするように構成され得、および/またはmmW周波数信号を受信のために中間周波数にダウンコンバートするように構成され得る。さらに、少なくとも1つの位相シフタは、各増幅回路128に結合され、無線周波数集積回路126において実装され得る。たとえば、位相シフタは、1つまたは複数のミキサとそれぞれの増幅回路128との間に結合され得る。そのような実施形態では、アンテナ124はフェーズドアレイとして構成され得る。
【0038】
[0047]送信および/または受信中に、インピーダンス制御回路132は、構成信号312-1~312-Nを生成し、それぞれ、構成信号312-1~312-Nをアンテナチューナー130-1~130-Nに提供する。構成信号312-1~312-Nは、それぞれ、アンテナチューナー130-1~130-Nの特定の構成またはターゲットインピーダンスを指定する。アンテナチューナー130-1~130-Nは、構成信号312-1~312-Nを受け入れ、それに応じて基板同調回路134-1~134-Nのインピーダンスおよび/またはIC同調回路136-1~136-Nのインピーダンスを調整する(たとえば、変化させる)。特に、アンテナチューナー130-1~130-Nは、IC同調回路136-1~136-N内の容量性構成要素308のリアクタンスを同調させるか、基板同調回路134-1~134-N内の誘導性構成要素310のリアクタンスを同調させるか、またはそれらの何らかの組合せを行う。このようにして、アンテナチューナー130-1~130-Nは、インピーダンス制御回路132に従って、指定されたインピーダンスを提供する。
【0039】
[0048]いくつかの実装形態では、インピーダンス制御回路132は、コンピューティングデバイス102の動作構成(たとえば、ビームフォーミング構成および/または選定された周波数帯域)に基づいてアンテナチューナー130-1~130-Nのインピーダンスを構成する。送信中に、インピーダンス制御回路132は、追加または代替として、反射係数を測定し、反射係数を低減するようにアンテナチューナー130-1~130-Nのインピーダンスを設定することができる。受信中に、インピーダンス制御回路132は、追加または代替として、無線周波数信号318-1~318-Nに関連する信号強度を測定し、無線周波数信号318-1~318-Nに関連する信号対雑音比(SNR)を増加させるようにアンテナチューナー130-1~130-Nのインピーダンスを設定することができる。概して、インピーダンス制御回路132は、送信および/または受信中にアンテナ124-1~124-Nと増幅回路128-1~128-Nとの間のインピーダンス整合を改善するように、アンテナチューナー130-1~130-Nを適切に構成する。
【0040】
[0049]送信中に、増幅回路128-1~128-Nは、無線周波数集積回路126内の他の構成要素から、あるいはモジュール120内にあるかまたはそれの外部にある別の集積回路または構成要素から、それぞれの無線周波数信号314-1~314-Nを受け付ける。増幅回路128-1~128-Nは、無線周波数信号314-1~314-Nを増幅して、増幅された無線周波数信号316-1~316-Nを生成する。
【0041】
[0050]アンテナチューナー130-1~130-Nは、インピーダンス制御回路132によって指定された対応するインピーダンスを提供する。いくつかの場合には、インピーダンス制御回路132は、アンテナチューナー130-1~130-Nに関連する各反射係数の大きさ(または絶対値)を所定のしきい値よりも小さくさせるために、アンテナチューナー130-1~130-Nによって提供されたインピーダンスを調整する。これらのインピーダンスを提供することによって、アンテナチューナー130-1~130-Nは、それぞれ、増幅回路128-1~128-Nの出力インピーダンスをアンテナ124-1~124-Nの入力インピーダンスに実質的に整合させる。さらに、アンテナチューナー130-1~130-Nは、トランシーバノード306-1~306-Nにおいて、増幅された無線周波数信号316-1~316-Nを受け付け、アンテナノード304-1~304-Nを介して、増幅された無線周波数信号316-1~316-Nをアンテナ124-1~124-Nに受け渡す。
【0042】
[0051]描かれた構成では、アンテナチューナー130-1~130-Nは、インピーダンス制御回路132を介して、増幅回路128-1~128-Nから間接的に、増幅された無線周波数信号316-1~316-Nを受け付ける。インピーダンス制御回路132がアンテナチューナー130-1~130-Nと増幅回路128-1~128-Nとの間に電気的に結合されない他の実装形態(図示されず)では、アンテナチューナー130-1~130-Nは、増幅回路128-1~128-Nから「直接」(たとえば、他の介在する回路もあり得るが、インピーダンス制御回路132中を伝搬することなしに)、増幅された無線周波数信号316-1~316-Nを受け付けることができる。
【0043】
[0052]アンテナ124-1~124-Nは、増幅された無線周波数信号316-1~316-Nを送信する。増幅された無線周波数信号316-1~316-Nは、たとえば、(図1の)コンピューティングデバイス102によって基地局104に送信されるアップリンク信号を形成することができる。
【0044】
[0053]受信中に、アンテナ124-1~124-Nは、(図1の)基地局104によって送信されコンピューティングデバイス102において受信されるダウンリンク信号の部分を表すことができる、無線周波数信号318-1~318-Nを受信する。アンテナチューナー130-1~130-Nは、インピーダンス制御回路132によって指定された対応するインピーダンスを提供する。いくつかの場合には、インピーダンス制御回路132は、無線周波数信号318-1~318-Nに関連する信号対雑音比を所定のしきい値よりも大きくさせるために、アンテナチューナー130-1~130-Nによって提供されたインピーダンスを調整する。これらのインピーダンスを提供することによって、アンテナチューナー130-1~130-Nは、それぞれ、アンテナ124-1~124-Nの出力インピーダンスを増幅回路128-1~128-Nの入力インピーダンスに実質的に整合させる。さらに、アンテナチューナー130-1~130-Nは、アンテナノード304-1~304-Nにおいて無線周波数信号318-1~318-Nを受け付け、トランシーバノード306-1~306-Nを介して無線周波数信号318-1~318-Nを増幅回路128-1~128-Nに受け渡す。
【0045】
[0054]増幅回路128-1~128-Nは、無線周波数信号318-1~318-Nを増幅して、増幅された無線周波数信号320-1~320-Nを生成する。無線周波数集積回路126は、これらの増幅された無線周波数信号320-1~320-Nを、無線周波数集積回路126内の他の構成要素に、あるいはアンテナモジュール120内にあるかまたはそれの外部にある別の集積回路または構成要素に受け渡す。インピーダンス制御回路132は、図4-1および図4-2に関してさらに説明されるように、様々な異なるタイプの信号(たとえば、異なる周波数および/または位相をもつ信号)に対して、ならびに様々な異なる環境に対して、同様のインピーダンス整合性能を維持するように、アンテナチューナー130-1~130-Nのインピーダンスを動的に調整することができる。
【0046】
[0055]図4-1および図4-2は、時間が下向き方向に経過する、アンテナチューナー130(たとえば、図3のアンテナチューナー130-1または130-N)のインピーダンスを調整するための例示的なシーケンスフロー図400-1および400-2を示す。アンテナチューナー130のインピーダンスは、アンテナ124(たとえば、図3のアンテナ124-1または124-N)のインピーダンスを変化させる1つまたは複数のイベントに従って調整される。これらのイベントは、図4-1の402、404、および406に示されるようなコンピューティングデバイス102の動作構成の変化、または図4-2の408および410に示されるような外部環境の変化を含むことができる。
【0047】
[0056]図4-1の402において、コンピューティングデバイス102は、アンテナ124を介して第1の無線周波数(RF)信号414-1を送信する、第1の動作構成412-1にある。第1の無線周波数信号414-1は、(図3の)増幅された無線周波数信号316-1または316-Nを表し、特定の位相および/または周波数などの第1の信号特性416-1を有する。位相は、第1の動作構成412-1の一部として実施される、選択されたビームフォーミング演算に基づくことができる。このビームフォーミング演算は、(図3の)アンテナアレイ302がそれの放射パターンのメインローブを特定の方向にステアリングすることを可能にする。周波数は、第1の動作構成412-1に関連する、選択された周波数帯域に基づくことができる。第1の信号特性416-1により、アンテナ124は特定のインピーダンスを有する。
【0048】
[0057]アンテナ124と増幅回路128(たとえば、図3の増幅回路128-1または128-N)との間のインピーダンス整合を改善するために、インピーダンス制御回路132は、アンテナチューナー130に第1のインピーダンス418-1を有させる。この第1のインピーダンス418-1は、反射係数の大きさを第1の動作構成412-1の所定のしきい値未満に低減するように選択される。このようにして、アンテナチューナー130は、第1の無線周波数信号414-1の送信を容易にする。
【0049】
[0058]図4-1の404において、コンピューティングデバイス102の動作構成は、アンテナ124を介して第2の無線周波数信号414-2を送信する、第2の動作構成412-2に変化する。第2の無線周波数信号414-2はまた、(図3の)増幅された無線周波数信号316-1または316-Nを表す。第2の無線周波数信号414-2は、第1の信号特性416-1とは異なる第2の信号特性416-2を有する。たとえば、第2の無線周波数信号414-2は、第1の無線周波数信号414-1とは異なる位相および/または異なる周波数を有することができる。この変化は、第2の動作構成412-2が、第1の動作構成412-1とは異なるビームフォーミング演算を実施すること(たとえば、アンテナアレイ302のメインローブを異なる方向にステアリングすること)により生じ得る。追加または代替として、この変化は、第2の動作構成412-2が、第1の動作構成412-1とは異なる周波数帯域を使用することにより生じ得る。第2の信号特性416-2により、アンテナ124は、第2の動作構成412-2において、第1の動作構成412-1におけるのとは異なるインピーダンスを有する。
【0050】
[0059]第2の動作構成412-2に対してアンテナ124と増幅回路128との間のインピーダンス整合を改善するために、インピーダンス制御回路132は、アンテナチューナー130に、第1のインピーダンス418-1とは異なる第2のインピーダンス418-2を有させる。この第2のインピーダンス418-2は、反射係数の大きさを第2の動作構成412-2の所定のしきい値未満に低減するように選択される。このようにして、アンテナチューナー130は、第2の無線周波数信号414-2の送信を容易にする。
【0051】
[0060]図4-1の406において、コンピューティングデバイス102の動作構成は、アンテナ124を介して第3の無線周波数信号414-3を受信する、第3の動作構成412-3に変化する。第3の無線周波数信号414-3は、(図3の)無線周波数信号318-1または318-Nを表す。第3の無線周波数信号414-3は、第1の信号特性416-1または第2の信号特性416-2と同様であるかまたは異なり得る、第3の信号特性416-3を有する。アンテナ124が送信する代わりに受信すると、アンテナ124は、第3の動作構成412-3において、第1の動作構成412-1および第2の動作構成412-2におけるのとは異なるインピーダンスを有する。
【0052】
[0061]第3の動作構成412-3に対してアンテナ124と増幅回路128との間のインピーダンス整合を改善するために、インピーダンス制御回路132は、アンテナチューナー130に、第1のインピーダンス418-1および第2のインピーダンス418-2とは異なる第3のインピーダンス418-3を有させる。この第3のインピーダンス418-3は、無線周波数信号414-3の信号対雑音比を第3の動作構成412-3の所定のしきい値を超えて増加させるように選択される。このようにして、アンテナチューナー130は、第3の無線周波数信号414-3の受信を容易にする。
【0053】
[0062]図4-2の408において、コンピューティングデバイス102は、ユーザの親指がアンテナ124から離れて配置された第1の環境420-1内で動作する。この例では、ユーザの親指はアンテナ124を遮らない(または最小に遮る)。アンテナ124と増幅回路128との間のインピーダンス整合を改善するために、インピーダンス制御回路132は、反射係数または信号対雑音比を測定し、この測定に基づいて、アンテナチューナー130に第4のインピーダンス418-4を有させることができる。いくつかの場合には、第4のインピーダンス418-4は、402における第1のインピーダンス418-1、404における第2のインピーダンス418-2、406における第3のインピーダンス418-3、またはインピーダンス418-1~418-3とは異なる別のインピーダンスであり得る。第4のインピーダンス418-4は、反射係数の大きさを環境420-1の所定のしきい値未満に低減するように、および/または信号対雑音比を環境420-1の所定のしきい値を超えて増加させるように選択され得る。
【0054】
[0063]410において、コンピューティングデバイス102は、ユーザの親指がアンテナ124の近くに配置された第2の環境420-2において動作する。この例では、ユーザの親指はアンテナ124を遮る(または少なくとも部分的に遮る)。アンテナ124と増幅回路128との間のインピーダンス整合を改善するために、インピーダンス制御回路132は、反射係数または信号対雑音比を測定し、この測定に基づいて、アンテナチューナー130に第5のインピーダンス418-5を有させることができる。アンテナ124に対するユーザの親指の近接性のために、410における測定された反射係数(または測定された信号対雑音比)は、408における測定された反射係数(または測定された信号対雑音比)とは異なり得る。したがって、410におけるアンテナチューナー130の第5のインピーダンス418-5は、408における第4のインピーダンス418-4とは異なり得る。第5のインピーダンス418-5は、反射係数の大きさを環境420-2の所定のしきい値未満に低減するように、および/または信号対雑音比を環境420-2の所定のしきい値を超えて増加させるように、インピーダンス制御回路132によって選定され得る。
【0055】
[0064]インピーダンス418-1~418-5、ならびに/あるいはそのようなインピーダンスを実装するために適用される基板同調回路134および/またはIC同調回路136の設定は、異なるかまたは実質的に同じであり得るか、あるいは1つまたは複数の仕方で重複し得る。たとえば、インピーダンス418-1~418-5のうちの第1のものを実現するために使用される設定のサブセットは、インピーダンス418-1~418-5のうちの第2のものを実現するためにも使用され得る。
【0056】
[0065]408および410において、アンテナ124は、無線周波数信号を送信および/または受信していることが可能である。いくつかの状況では、インピーダンス制御回路132は、アンテナチューナー130に、動作構成と環境の両方に基づいて特定のインピーダンスを有させる。アンテナチューナー130の例示的な実装形態について、図5-1に関してさらに説明される。
【0057】
[0066]図5-1は、アンテナチューナー130の例示的な実装形態を示す。描かれた構成では、図3のアンテナチューナー130-1または130-Nを表すことができるアンテナチューナー130は、基板同調回路134とIC同調回路136とを含む。基板同調回路134とIC同調回路136とは、共有ノード502と、アンテナノード304(たとえば、図3のアンテナノード304-1または304-N)と、トランシーバノード306(たとえば、図3のトランシーバノード306-1または306-N)とに結合される。
【0058】
[0067]例示的な実装形態では、基板同調回路134は、第1の誘導性構成要素310-1と第2の誘導性構成要素310-2とを含む。図5-1には明示的に示されていないが、第1の誘導性構成要素310-1と第2の誘導性構成要素310-2とは、基板122上にまたは基板122中に配設される。第1の誘導性構成要素310-1は、アンテナノード304と共有ノード502との間に結合される。第2の誘導性構成要素310-2は、共有ノード502とトランシーバノード306との間に結合される。
【0059】
[0068]IC同調回路136は、第1の容量性構成要素308-1と、第2の容量性構成要素308-2と、第3の容量性構成要素308-3とを含む。図5-1には明示的に示されていないが、容量性構成要素308-1~308-3は、(たとえば、図2のダイ204上に配設された)無線周波数集積回路126内に組み込まれる。第1の容量性構成要素308-1は、アンテナノード304と共有ノード502との間に結合される。したがって、第1の容量性構成要素308-1と第1の誘導性構成要素310-1は、並列に互いに結合される。第2の容量性構成要素308-2は、共有ノード502とトランシーバノード306との間に結合される。したがって、第2の容量性構成要素308-2と第2の誘導性構成要素310-2は、並列に互いに結合される。第3の容量性構成要素308-3は、共有ノード502と接地504との間に結合される。接地504は、無線周波数集積回路126またはアンテナモジュール120の局所的接地であり得る。
【0060】
[0069]無線周波数集積回路126内のスペースを節約するために、容量性構成要素308-1~308-3は、誘導性構成要素310-1~310-2よりも小さいインピーダンスを有するように設計され得る。したがって、誘導性構成要素310-1~310-2のインピーダンスは、アンテナチューナー130のインピーダンスのより大きい部分に寄与することができる一方で、容量性構成要素308-1~308-3のインピーダンスは、アンテナチューナー130のインピーダンスのより小さい部分に寄与することができる。この場合、誘導性構成要素310-1~310-2は、アンテナチューナー130のインピーダンスの大部分を提供することができる一方で、容量性構成要素308-1~308-3は、アンテナチューナー130のインピーダンスを微調整するために使用され得る。一例として、IC同調回路136は、約0~150フェムトファラド(fF)の間の調整可能キャパシタンスを有することができる。他の実施形態では、容量性構成要素308-1~308-3のうちの1つまたは複数は、約0~150fFの間の調整可能キャパシタンスをそれぞれ有する。いくつかの実施形態では、基板同調回路134は、1つまたは複数の動作周波数(たとえば、1つまたは複数のmmW周波数)において約50オームである(または50オームを中心として可変であり、約50オームを含む)インピーダンスを有する。他の実施形態では、誘導性構成要素310-1および310-2のうちの一方または両方は、1つまたは複数の動作周波数(たとえば、1つまたは複数のmmW周波数)において約50オームである(または50オームを中心として可変であり、約50オームを含む)インピーダンスをそれぞれ有する。
【0061】
[0070]いくつかの場合には、図5-2に関してさらに説明されるように、可変インピーダンスを有するように容量性構成要素308-1~308-3を設計し、固定インピーダンスを有するように誘導性構成要素310-1および310-2を設計することが、より安価およびより容易であり得る。
【0062】
[0071]図5-2は、アンテナチューナー130の別の例示的な実装形態を示す。描かれた構成では、容量性構成要素308-1~308-3は、それぞれのバラクタ(varactor)506-1~506-3を使用して実装される。バラクタ506-1~506-3は可変インピーダンスを有する。誘導性構成要素310-1および310-2は、それぞれの伝送線路508-1および508-2を使用して実装される。この場合、伝送線路508-1および508-2のインピーダンスは固定である。いくつかの実施形態では、伝送線路508の設計は、バラクタ506および/またはそれの設計に固有の制約を補償するために使用され得る。たとえば、いくつかの実施形態では、バラクタ506に必要とされる同調範囲を低減するために、伝送線路508のサイズ(たとえば、長さ)は増加され得る。伝送線路508を基板122上にまたは基板122中に配設することにより、いくつかの実施形態ではそのような実装形態が可能になり得る。他の実装形態は、図5-3に関してさらに説明されるように、可変インピーダンスをもつ誘導性構成要素310を有することができる。
【0063】
[0072]図5-3は、アンテナチューナー130の追加の例示的な実装形態を示す。描かれた構成では、容量性構成要素308-1~308-3は、キャパシタ510-1~510-3を使用して実装される。キャパシタ510-1~510-3は、固定または可変インピーダンスを有することができる。誘導性構成要素310-1および310-2は、それぞれの同調可能インダクタ512-1および512-2を使用して実装される。同調可能インダクタ512-1および512-2は可変インピーダンスを有する。
【0064】
[0073]概して、アンテナチューナー130の実装形態は、IC同調回路136の容量性構成要素308-1~308-3、基板同調回路134の誘導性構成要素310-1~310-2、またはその両方を使用してインピーダンス同調を提供することができる。いくつかの実施形態では、誘導性構成要素310のうちの1つまたは複数を基板122上にまたは基板122中に実装するとき、設計の追加のスペースおよび/またはフレキシビリティが利用可能である。
【0065】
[0074]図5-1、図5-2、および図5-3の基板同調回路134が2つの誘導性構成要素310-1および310-2を含むことが示されているが、基板同調回路134は、1つの誘導性構成要素または3つ以上の誘導性構成要素を含む、任意の量の誘導性構成要素310を含むことができることを理解されたい。同様に、図5-1、図5-2、および図5-3のIC同調回路136は、1つの容量性構成要素、2つの容量性構成要素、または4つ以上の容量性構成要素を含む、任意の量の容量性構成要素308を含むことができる。いくつかの実施形態では、3つ以上の誘導性構成要素310が実装され、容量性構成要素308は、誘導性構成要素310の各々と並列に実装され、それぞれの他の容量性構成要素は、容量性構成要素と誘導性構成要素のペアを互いに結合する各ノードと、接地との間に結合される。概して、より大きい量の構成要素をもつ基板同調回路134および/またはIC同調回路136の実装形態は、アンテナチューナー130の(図4-1または図4-2の)インピーダンス418に対して、より広いインピーダンス範囲と、より細かい制御とを可能にすることができる。
【0066】
[0075]アンテナチューナー130の誘導性構成要素310と容量性構成要素308とは、アンテナノード304と、トランシーバノード306と、接地504との間で任意のタイプの回路網に構成され得る。例示的な回路網は、直列回路網、並列回路網、T形回路網、π形回路網、Δ形回路網、Y形回路網、またはそれらの何らかの組合せを含む。概して、アンテナチューナー130のアーキテクチャは、コンピューティングデバイス102の様々な動作構成412および/またはコンピューティングデバイス102が動作し得る様々な環境420にインピーダンス整合を提供するために、アンテナチューナー130が特定のインピーダンス同調範囲および分解能を有することを可能にするように設計される。
【0067】
[0076]当業者は、図1図5-3に示されたもの以外の構成が、本明細書で説明される概念に従って実装され得ることを諒解されよう。たとえば、いくつかの実施形態では、アンテナ124はアンテナモジュール120から省略される。そのような実施形態では、アンテナ124は、別個のモジュール中にまたは基板122とは別個の基板上に実装され、アンテナノード304に結合され得る。いくつかの実施形態では、増幅回路128は、IC同調回路136が実装されたICとは異なるIC中に実装される。したがって、無線周波数集積回路126は、同じモジュール中にまたは異なるモジュール中に配設され得るいくつかのICにスプリットされ得る。いくつかの実施形態では、アンテナモジュール120は、中間周波数とmmW周波数との間で変換するように構成されたミキサを含み、および/または相互接続を通して増幅回路128に結合された位相シフタを含む、ICを含む別のモジュールに結合される。いくつかの実施形態では、基板同調回路134とIC同調回路136とは、モジュール内に含まれていないが、周波数変換および/または位相シフト回路を、アンテナ124が実装された基板またはボードに結合する、フレキシブルプリント回路などの基板上に実装される。
【0068】
[0077]図6は、アンテナチューナー130を動作させるための例示的なプロセス600を示すフロー図である。プロセス600は、実施され得る動作を指定するブロック602~606のセットの形式で説明される。しかしながら、動作は、代替の順序で、または完全にもしくは部分的に重複する様式で実装され得るので、動作は、図6に示されているまたは本明細書で説明される順序に必ずしも限定されない。また、より多くの、より少ない、および/または異なる動作が、プロセス600または代替プロセスを実施するように実装され得る。プロセス600の図示のブロックによって表される動作は、(たとえば、図1の)コンピューティングデバイス102または(たとえば、図1図2、もしくは図3の)アンテナモジュール120によって実施され得る。より詳細には、プロセス600の動作は、部分的に、図1図5-3に示されているアンテナチューナー130によって実施され得る。
【0069】
[0078]ブロック602において、無線周波数集積回路の増幅回路とアンテナとの間のインピーダンスを提供する。アンテナと無線周波数集積回路とは、基板上に(または、たとえばアンテナに関しては、基板中に)配設され得る。インピーダンスは、アンテナチューナーによって提供され、アンテナチューナーの誘導性構成要素の正のリアクタンスと、アンテナチューナーの容量性構成要素の負のリアクタンスとに基づく。誘導性構成要素は基板上にまたは基板中に配設され得、容量性構成要素は無線周波数集積回路内に実装され得る。
【0070】
[0079]たとえば、アンテナチューナー130は、無線周波数集積回路126の増幅回路128とアンテナ124との間のインピーダンス(たとえば、図4-1および図4-2のインピーダンス418-1、418-2、418-4、または418-5のうちの1つ)を提供する。アンテナ124と無線周波数集積回路126とは、図2に示されているように、基板122上に(または、たとえばアンテナ124に関して、基板122中に)配設される。アンテナチューナー130のインピーダンスは、基板122上にまたは基板122中に配設された、アンテナチューナー130の1つまたは複数の誘導性構成要素310の正のリアクタンスに基づく。さらに、インピーダンスは、(たとえば、図2のダイ204上に配設された)無線周波数集積回路126内に実装された、アンテナチューナー130の1つまたは複数の容量性構成要素308の負のリアクタンスに基づく。いくつかの状況では、インピーダンスは、アンテナ124と増幅回路128との間の反射係数の大きさが所定のしきい値以下になることを可能にする。このようにして、アンテナチューナーは、アンテナ124と増幅回路128との間のインピーダンス整合を提供する。
【0071】
[0080]ブロック604において、インピーダンスを有するアンテナチューナーを介して、増幅回路からアンテナに無線周波数信号を受け渡す。たとえば、アンテナチューナー130は、増幅回路128(たとえば、図3の増幅回路128-1または128-N)からアンテナ124(たとえば、図3のアンテナ124-1または124-N)に、増幅された無線周波数信号(たとえば、図3の増幅された無線周波数信号316-1または316-N)を受け渡す。
【0072】
[0081]ブロック606において、アンテナを介して、無線周波数信号を送信する。たとえば、アンテナ124は、図4-1の無線周波数信号414-1または414-2などの無線周波数信号を送信する。送信に関して説明されているが、同様の動作は、図7に関してさらに説明されるように、受信のために実施され得る。
【0073】
[0082]図7は、アンテナチューナー130を動作させるための例示的なプロセス700を示す別のフロー図である。プロセス700は、実施され得る動作を指定するブロック702~706のセットの形式で説明される。しかしながら、動作は、代替の順序で、または完全にもしくは部分的に重複する様式で実装され得るので、動作は、図7に示されているまたは本明細書で説明される順序に必ずしも限定されない。また、より多くの、より少ない、および/または異なる動作が、プロセス700または代替プロセスを実施するように実装され得る。プロセス700の図示のブロックによって表される動作は、(たとえば、図1の)コンピューティングデバイス102または(たとえば、図1図2、もしくは図3の)アンテナモジュール120によって実施され得る。より詳細には、プロセス700の動作は、部分的に、図1図5-3に示されているアンテナチューナー130によって実施され得る。
【0074】
[0083]ブロック702において、基板上にまたは基板中に配設されたアンテナを介して、無線周波数信号を受信する。たとえば、アンテナ124は、図4-1の無線周波数信号414-3を受信する。アンテナ124は、図2に示されているように、基板122上にまたは基板122中に配設され得る。
【0075】
[0084]ブロック704において、無線周波数集積回路の増幅回路とアンテナとの間のインピーダンスを提供する。無線周波数集積回路は基板上に配設され得る。インピーダンスは、アンテナチューナーによって提供され、アンテナチューナーの誘導性構成要素の正のリアクタンスと、アンテナチューナーの容量性構成要素の負のリアクタンスとに基づく。誘導性構成要素は基板上にまたは基板中に配設され得、容量性構成要素は無線周波数集積回路内に実装され得る。
【0076】
[0085]たとえば、アンテナチューナー130は、無線周波数集積回路126の増幅回路128とアンテナ124との間のインピーダンス(たとえば、図4-1および図4-2のインピーダンス418-3~418-5のうちの1つ)を提供する。無線周波数集積回路126は、図2に示されているように、基板122上に配設される。アンテナチューナー130のインピーダンスは、基板122上にまたは基板122中に配設された、アンテナチューナー130の1つまたは複数の誘導性構成要素310の正のリアクタンスに基づく。さらに、インピーダンスは、(たとえば、図2のダイ204上に配設された)無線周波数集積回路126内に実装された、アンテナチューナー130の1つまたは複数の容量性構成要素308の負のリアクタンスに基づく。いくつかの状況では、インピーダンスは、受信された無線周波数信号414-3の信号対雑音比が所定のしきい値以上になることを可能にする。このようにして、アンテナチューナーは、アンテナ124と増幅回路128との間のインピーダンス整合を提供する。
【0077】
[0086]ブロック706において、インピーダンスを有するアンテナチューナーを介して、アンテナから増幅回路に無線周波数信号を受け渡す。たとえば、アンテナチューナー130は、アンテナ124(たとえば、図3のアンテナ124-1または124-N)から増幅回路128(たとえば、図3の増幅回路128-1または128-N)に、無線周波数信号414-3(たとえば、図3の無線周波数信号318-1または318-N)を受け渡す。
【0078】
[0087]コンテキストが別段に規定しない限り、本明細書における「または」という単語の使用は、「包含的なまたは」あるいは単語「または」によってリンクされた1つまたは複数の項目の包含または適用を可能にする用語の使用と見なされ得る(たとえば、「AまたはB」という句は、単に「A」を可能にすることとして、単に「B」を可能にすることとして、または「A」と「B」の両方を可能にすることとして解釈され得る)。さらに、添付の図に表される項目、および本明細書で論じられる用語は、1つまたは複数の項目または用語を示し得、したがって、この書面による記述では、項目および用語の単数形または複数形に対して交換可能に言及されることがある。最後に、主題について構造的特徴または方法的動作に特有の文言で記述されたが、添付の特許請求の範囲において定義される主題は、特徴が配置される組成または動作が実施される順序に必ずしも限定されないことを含めて、前述の具体的な特徴または動作に必ずしも限定されないことを理解されたい。
【0079】
[0088]本明細書で説明される概念によるいくつかの構成について説明するいくつかの態様が以下に含まれる。
【0080】
[0089]態様1:装置であって、
基板と、
基板上にまたは基板中に配設されたアンテナと、
基板上に配設された無線周波数集積回路と、無線周波数集積回路が増幅回路を備える、
アンテナと増幅回路との間に結合されたアンテナチューナーと、アンテナチューナーが、
基板上に配設された誘導性構成要素と、
無線周波数集積回路内に実装された容量性構成要素と
を備える、
装置。
【0081】
[0090]態様2:
誘導性構成要素が、正のリアクタンスを提供するように構成され、
容量性構成要素が、負のリアクタンスを提供するように構成された、
態様1の装置。
【0082】
[0091]態様3:容量性構成要素が、誘導性構成要素と並列に接続された、態様1または2の装置。
【0083】
[0092]態様4:容量性構成要素がバラクタを備える、いずれかの先行する態様の装置。
【0084】
[0093]態様5:アンテナチューナーが、バラクタの負のリアクタンスを変化させるように構成された、態様4の装置。
【0085】
[0094]態様6:誘導性構成要素が伝送線路を備える、いずれかの先行する態様の装置。
【0086】
[0095]態様7:アンテナチューナーが、選択的に、
増幅回路の出力インピーダンスをアンテナの入力インピーダンスに整合させることと、
アンテナの出力インピーダンスを増幅回路の入力インピーダンスに整合させることと
を行うように構成された、いずれかの先行する態様の装置。
【0087】
[0096]態様8:
アンテナが、
第1の信号特性をもつ第1の無線周波数信号を送信することと、
第1の信号特性とは異なる第2の信号特性をもつ第2の無線周波数信号を送信することと
を行うように構成され、アンテナチューナーは、
アンテナが第1の無線周波数信号を送信したことに基づいて、第1のインピーダンスを提供することと、第1のインピーダンスが、誘導性構成要素の正のリアクタンスおよび容量性構成要素の負のリアクタンスに基づく、
第2の無線周波数信号が送信されるより前に、
誘導性構成要素の正のリアクタンス、または
容量性構成要素の負のリアクタンス
のうちの少なくとも1つを変化させることと、
アンテナが第2の無線周波数信号を送信したことに基づいて、第2のインピーダンスを提供することと、第2のインピーダンスが第1のインピーダンスとは異なる、
を行うように構成された、いずれかの先行する態様の装置。
【0088】
[0097]態様9:
第1の信号特性が第1の位相を備え、
第2の信号特性が、第1の位相とは異なる第2の位相を備える、
態様8の装置。
【0089】
[0098]態様10:
第1の信号特性が第1の周波数を備え、
第2の信号特性が、第1の周波数とは異なる第2の周波数を備える、
態様8の装置。
【0090】
[0099]態様11:第1の無線周波数信号および第2の無線周波数信号が、24ギガヘルツ以上である少なくとも1つの周波数をそれぞれ備える、態様8の装置。
【0091】
[0100]態様12:
誘導性構成要素が、第1の誘導性構成要素を備え、
容量性構成要素が、第1の容量性構成要素を備え、
アンテナチューナーが、
基板上にまたは基板中に配設された第2の誘導性構成要素と、
無線周波数集積回路内に実装された第2の容量性構成要素と、
無線周波数集積回路内に実装された第3の容量性構成要素と
を備える、
いずれかの先行する態様の装置。
【0092】
[0101]態様13:
アンテナチューナーが、
アンテナに結合されたアンテナノードと、
共有ノードと、
増幅回路に結合されたトランシーバノードと
を備え、
第1の誘導性構成要素が、アンテナノードと共有ノードとの間に結合され、
第2の誘導性構成要素が、共有ノードとトランシーバノードとの間に結合され、
第1の容量性構成要素が、アンテナノードと共有ノードとの間に結合され、
第2の容量性構成要素が、共有ノードとトランシーバノードとの間に結合され、
第3の容量性構成要素が、共有ノードと接地との間に結合された、
態様12の装置。
【0093】
[0102]態様14:
アンテナが、第1のアンテナを備え、
増幅回路が、第1の増幅回路を備え、
アンテナチューナーが、第1のアンテナチューナーを備え、
無線周波数集積回路が、第2の増幅回路を備え、
装置は、
第1のアンテナ、および
基板上にまたは基板中に配設された第2のアンテナ
を備えるアンテナアレイと、
第2のアンテナと第2の増幅回路との間に結合された第2のアンテナチューナーと、第2のアンテナチューナーが、
基板上にまたは基板中に配設された誘導性構成要素、および
無線周波数集積回路内に実装された容量性構成要素
を備える、
を備える、
いずれかの先行する態様の装置。
【0094】
[0103]態様15:
無線周波数集積回路内に実装されたミキサと、
無線周波数集積回路内に実装された第1の位相シフタと、第1の位相シフタが、ミキサと第1の増幅回路との間に結合された、
無線周波数集積回路内に実装された第2の位相シフタと、第2の位相シフタが、ミキサと第2の増幅回路との間に結合された、
をさらに備える、態様14の装置。
【0095】
[0104]態様16:増幅回路が、
送信のために無線周波数信号を増幅するように構成された電力増幅器、または
受信のために他の無線周波数信号を増幅するように構成された低雑音増幅器
のうちの少なくとも1つを備える、いずれかの先行する態様の装置。
【0096】
[0105]態様17:
アンテナモジュールをさらに備え、
ここにおいて、基板と、アンテナと、無線周波数集積回路と、アンテナチューナーとが、アンテナモジュールの一部として一緒にパッケージングされた、
いずれかの先行する態様の装置。
【0097】
[0106]態様18:
ディスプレイスクリーンと、
ディスプレイスクリーンおよびアンテナモジュールに動作可能に結合されたプロセッサと、プロセッサが、アンテナモジュールによって通信される無線周波数信号に基づいて、ディスプレイスクリーン上に1つまたは複数のグラフィカル画像を提示するように構成された、
をさらに備える、態様17の装置。
【0098】
[0107]態様19:装置であって、
基板と、
無線周波数信号を送信および受信するためのアンテナ手段と、アンテナ手段が基板上にまたは基板中に配設された、
無線周波数信号を調整するための手段を備える集積回路と、集積回路が基板上に配設された、
アンテナ手段と調整するための手段との間のインピーダンス整合を提供するための同調手段と、同調手段は、
正のリアクタンスを提供するための誘導性手段と、誘導性手段が基板上にまたは基板中に配設された、
負のリアクタンスを提供するための容量性手段と、容量性手段が集積回路の一部として実装された、
を備える、
を備える、装置。
【0099】
[0108]態様20:容量性手段が、誘導性手段と並列に結合された、態様19の装置。
【0100】
[0109]態様21:容量性手段が、第1の負のリアクタンスおよび第2の負のリアクタンスを選択的に提供するようにさらに構成された、態様19または20の装置。
【0101】
[0110]態様22:誘導性手段が、第1の正のリアクタンスおよび第2の正のリアクタンスを選択的に提供するようにさらに構成された、態様19~21のいずれか1つの装置。
【0102】
[0111]態様23:
アンテナ手段が、
第1の信号特性をもつ無線周波数信号のうちの第1の無線周波数信号を送信することと、
第1の信号特性とは異なる第2の信号特性をもつ無線周波数信号のうちの第2の無線周波数信号を送信することと
を行うように構成され、同調手段は、
アンテナ手段が第1の無線周波数信号を送信したことに基づいて、第1のインピーダンスを提供することと、第1のインピーダンスが、誘導性手段の正のリアクタンスおよび容量性手段の負のリアクタンスに基づく、
第2の無線周波数信号が送信されるより前に、
誘導性手段の正のリアクタンス、または
容量性手段の負のリアクタンス
のうちの少なくとも1つを変化させることと、
アンテナ手段が第2の無線周波数信号を送信したことに基づいて、第2のインピーダンスを提供することと、第2のインピーダンスが第1のインピーダンスとは異なる、
を行うように構成された、態様19~22のいずれか1つの装置。
【0103】
[0112]態様24:アンテナチューナーを動作させるための方法であって、方法は、
アンテナチューナーを介して、無線周波数集積回路の増幅回路と基板上にまたは基板中に配設されたアンテナとの間のインピーダンスを提供することと、インピーダンスが、アンテナチューナーの誘導性構成要素の正のリアクタンスおよびアンテナチューナーの容量性構成要素の負のリアクタンスに基づき、誘導性構成要素が基板上にまたは基板中に配設され、容量性構成要素が無線周波数集積回路内に実装され、無線周波数集積回路が基板上に配設された、
インピーダンスを有するアンテナチューナーを介して、増幅回路からアンテナに無線周波数信号を受け渡すことと、
アンテナを介して、無線周波数信号を送信することと
を備える、方法。
【0104】
[0113]態様25:
インピーダンスが、第1のインピーダンスを備え、
無線周波数信号が、第1の無線周波数信号を備え、
方法が、
誘導性構成要素の正のリアクタンスまたは容量性構成要素の負のリアクタンスのうちの少なくとも1つを変化させることと、
変化させたことに応答して、アンテナチューナーを介して、増幅回路とアンテナとの間の第2のインピーダンスを提供することと、第2のインピーダンスが第1のインピーダンスとは異なる、
第2のインピーダンスを有するアンテナチューナーを介して、増幅回路からアンテナに第2の無線周波数信号を受け渡すことと、
アンテナを介して、第2の無線周波数信号を送信することと
を備える、態様24の方法。
【0105】
[0114]態様26:
第1のインピーダンスを提供することが、増幅回路の出力インピーダンスをアンテナの第1の入力インピーダンスに整合させることを備え、
第2のインピーダンスを提供することが、増幅回路の出力インピーダンスをアンテナの第2の入力インピーダンスに整合させることを備え、アンテナの第2の入力インピーダンスが第1の入力インピーダンスとは異なる、
態様25の方法。
【0106】
[0115]態様27:第2の無線周波数信号が、第1の無線周波数信号とは異なる位相を有する、態様25または26の方法。
【0107】
[0116]態様28:第2の無線周波数信号が、第1の無線周波数信号とは異なる周波数を有する、態様25~27のいずれか1つの方法。
【0108】
[0117]態様29:容量性構成要素が、誘導性構成要素と並列に接続される、態様24~28のいずれか1つの方法。
【0109】
[0118]態様30:
容量性構成要素がバラクタを備え、
誘導性構成要素が伝送線路を備える、
態様24~29のいずれか1つの方法。
図1
図2
図3
図4-1】
図4-2】
図5-1】
図5-2】
図5-3】
図6
図7
【国際調査報告】