(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-21
(54)【発明の名称】色落ちを軽減するためのヘアカラー組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 8/87 20060101AFI20240514BHJP
A61Q 5/10 20060101ALI20240514BHJP
【FI】
A61K8/87
A61Q5/10
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023571341
(86)(22)【出願日】2022-05-17
(85)【翻訳文提出日】2023-11-16
(86)【国際出願番号】 US2022029534
(87)【国際公開番号】W WO2022245758
(87)【国際公開日】2022-11-24
(32)【優先日】2021-05-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】506347528
【氏名又は名称】ルブリゾル アドバンスド マテリアルズ, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】アスカル, ナルジス エー.
(72)【発明者】
【氏名】ラブニン, アレクサンダー ブイ.
(72)【発明者】
【氏名】デイム, ティナ アール.
(72)【発明者】
【氏名】シャビエル, ジーン エイチ.
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AA111
4C083AA122
4C083AB012
4C083AB232
4C083AB282
4C083AB352
4C083AB412
4C083AB442
4C083AC072
4C083AC122
4C083AC172
4C083AC182
4C083AC302
4C083AC342
4C083AC352
4C083AC422
4C083AC472
4C083AC491
4C083AC532
4C083AC542
4C083AC552
4C083AC581
4C083AC641
4C083AC642
4C083AC692
4C083AC712
4C083AC842
4C083AD071
4C083AD072
4C083AD091
4C083AD092
4C083AD131
4C083AD132
4C083AD162
4C083AD191
4C083AD202
4C083AD301
4C083AD351
4C083AD411
4C083AD421
4C083AD491
4C083AD611
4C083AD662
4C083BB04
4C083BB05
4C083BB06
4C083BB07
4C083BB11
4C083BB34
4C083BB35
4C083BB41
4C083BB45
4C083BB46
4C083BB47
4C083BB53
4C083BB60
4C083CC33
4C083CC36
4C083CC38
4C083DD08
4C083DD17
4C083DD30
4C083DD31
4C083DD39
4C083DD41
4C083EE03
4C083EE26
(57)【要約】
退色及び洗い落ちを軽減するための毛髪着色組成物が開示される。組成物は、少なくとも1つの毛髪着色剤と、任意選択で部分的又は完全に中和及び/又は四級化されているテザリング型三級アミノ基を有する少なくとも1つのポリウレタンと、を含む。永続的、半永続的、及び一時的毛髪着色組成物は、本開示の技術に従って配合され得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
毛髪を着色し、着色された毛髪の色を保持するための組成物であって、前記組成物が、
a)少なくとも1つの毛髪着色剤と、
b)ポリウレタン骨格を含む少なくとも1つのポリウレタンであって、前記ポリウレタン骨格に横方向に結合した1つ以上のテザリング型三級アミノ基を有し、前記テザリング型三級アミノ基が、少なくとも2つの介在原子を含有するテザリング部分によって前記ポリウレタン骨格から離れて位置し、前記テザリング型三級アミノ基が、任意選択で部分的又は完全に中和及び/又は四級化されている、少なくとも1つのポリウレタンと、を含む、組成物。
【請求項2】
前記少なくとも1つのポリウレタンが、
(i)少なくとも1つのポリイソシアネートと、
(ii)約2つのイソシアネート反応性水素を有する、少なくとも1つの主鎖ポリアミン、ポリオール、ポリチオール、及びそれらの混合物と、
(iii)2つのイソシアネート反応性水素含有置換基及びテザリング型三級アミノ基置換基を有する、三級窒素を含有する少なくとも1つの化合物であって、前記三級アミノ基が、少なくとも2つの介在原子を含有するテザリング部分によって前記三級窒素から離れて位置する、少なくとも1つの化合物との反応生成物を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記反応生成物が、部分的又は完全に中和及び/又は四級化されている、請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
前記部分的又は完全に中和及び/又は四級化された反応生成物が、水中に分散されて、ポリウレタンプレポリマー分散液を形成する、請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
前記部分的又は完全に中和及び/又は四級化されたプレポリマー分散液が、水、無機若しくは有機ポリアミン、及び/又は低分子量ポリオール、並びにそれらの混合物から選択される鎖延長剤で鎖延長されている、請求項4に記載の組成物。
【請求項6】
前記少なくとも1つのポリイソシアネート(i)が、脂肪族ジイソシアネート、芳香族ジイソシアネート、芳香脂肪族ジイソシアネート、及びそれらの混合物から選択される、請求項1~5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
前記少なくとも1つの主鎖ポリオール(ii)が、ポリカーボネートポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、及びそれらの混合物から選択される、請求項1~6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
三級窒素を含有する前記少なくとも1つの化合物(iii)が、2,2’-((3-ジメチルアミノ)プロピル)アザンジイル)ビス(エタン-1-オール)及び1,1’-((3-ジメチルアミノ)プロピル)アザンジイル)ビス(プロパン-2-オール)、並びにそれらの混合物から選択される、請求項1~7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
前記少なくとも1つのポリウレタンが、
(i)少なくとも1つの脂肪族ポリイソシアネートと、
(ii)ポリエーテルから選択される約2つのイソシアネート反応性水素を有する、少なくとも1つの主鎖ポリオールと、
(iii)2つのイソシアネート反応性水素含有置換基及びテザリング型三級アミノ基置換基を有する、三級窒素を含有する少なくとも1つの化合物であって、前記三級アミノ基が、少なくとも3つの介在原子を含有するテザリング部分によって前記三級窒素から離れて位置する、少なくとも1つの化合物との反応生成物を含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
前記少なくとも1つの脂肪族ポリイソシアネートが、ヘキサメチレン-1,6-ジイソシアネート、1,12-ドデカンジイソシアネート、2,2,4-トリメチル-ヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4-トリメチル-ヘキサメチレンジイソシアネート、2-メチル-1,5-ペンタメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、ビス-(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、シクロヘキサントリイソシアネート、及びそれらの混合物から選択される、請求項2~9のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項11】
前記少なくとも1つの主鎖ポリオールが、ポリテトラヒドロフラン、1,2-プロパンジオールから誘導されるポリ(プロピレングリコール)、1,3-プロパンジオールから誘導されるポリ(プロピレングリコール、及びそれらの混合物から選択される、請求項2~10のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項12】
前記テザリング型三級アミノ基が、酸で中和されている、請求項1~11のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項13】
前記テザリング型三級アミノ基が、ハロゲン化アルキル、ハロゲン化アラルキル、炭酸ジアルキル、硫酸ジアルキル、及びエポキシドから選択される四級化剤で四級化されている、請求項1~12のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項14】
前記テザリング型三級アミノ基の少なくとも25%、又は少なくとも50%、又は少なくとも75%、又は少なくとも80%、又は少なくとも85%、又は少なくとも90%、又は少なくとも95%が、中和及び/又は四級化されている、請求項1~13のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項15】
前記少なくとも1つのポリウレタンが、少なくとも1つの脂環式ジイソシアネートと、少なくとも1つのポリエーテルポリオールと、2つの活性水素基を含有する少なくとも1つのテザリング型三級アミノ基モノマーとの反応生成物を含み、前記三級アミノ基が、酸で中和されている、請求項2~14のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項16】
前記少なくとも1つのポリウレタンが、第1の脂環式ジイソシアネートと、前記第1の脂環式ジイソシアネートとは異なる第2の脂環式ジイソシアネートと、少なくとも1つのポリエーテルポリオールと、2つの活性水素基を含有する少なくとも1つのテザリング型三級アミノ基との反応生成物を含み、前記三級アミノ基が、酸で中和されている、請求項2~15のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項17】
前記少なくとも1つのポリウレタンが、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(H
12MDI)及びイソホロンジイソシアネート(IPDI)と、ポリテトラヒドロフランと、2,2’-((3-ジメチルアミノ)プロピル)アザンジイル)ビス(エタン-1-オール)及び1,1’-((3-ジメチルアミノ)プロピル)アザンジイル)ビス(プロパン-2-オール)から選択される少なくとも1つのテザリング型三級アミン基と、それらの混合物との反応生成物を含み、前記三級アミン基が、酸で中和されている、請求項2~16のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項18】
前記少なくとも1つのポリウレタンが、ポリウレタン-10から選択される、請求項1~17のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項19】
前記少なくとも1つのポリウレタンが、ポリウレタン分散液(polyurethane dispersion、PUD)である、請求項1~18のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項20】
前記毛髪着色剤が、一時的毛髪染料である、請求項1~19のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項21】
前記毛髪着色剤が、半永続的毛髪染料である、請求項1~20のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項22】
前記毛髪着色剤が、少なくとも1つの永続的毛髪染料構成成分を含む、請求項1~20のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項23】
前記毛髪着色剤が、前記組成物の総重量に基づいて、約0.0005~約20重量%、又は約0.005~10重量%、又は約0.05~約6重量%の範囲の量で存在する、請求項20~22のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項24】
前記永続的毛髪染料構成成分が、少なくとも1つの酸化染料前駆体を含む、請求項22又は23に記載の組成物。
【請求項25】
前記永続的毛髪染料構成成分が、染料カプラーを含む、請求項22又は23に記載の組成物。
【請求項26】
前記染料カプラーが、前記組成物の総重量に基づいて、約.0005~約10重量%の約0.0001~約15重量%の範囲の量で存在する、請求項25に記載の組成物。
【請求項27】
前記永続的毛髪染料構成成分が、少なくとも1つの直接染料を含む、請求項22~25のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項28】
前記少なくとも1つの直接染料が、前記組成物の総重量に基づいて、約0.0001~約20重量%の範囲の量で存在する、請求項27に記載の組成物。
【請求項29】
前記永続的毛髪染料構成成分が、少なくとも1つのアルカリ化剤を含む、請求項22~28のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項30】
前記少なくとも1つのアルカリ化剤が、約7~約12の範囲のpHを維持するのにほぼ十分な範囲の量で存在する、請求項29に記載の組成物。
【請求項31】
前記永続的毛髪染料構成成分が、少なくとも1つの還元剤を含む、請求項22~30のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項32】
前記還元剤が、前記組成物の総重量に基づいて、約0.0005~約6重量%の量で存在する、請求項31に記載の組成物。
【請求項33】
前記永続的毛髪染料構成成分が、少なくとも1つの酸化剤と混合されている、請求項22~32のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項34】
前記少なくとも1つの酸化剤が、有機過酸化物(過酸化水素、過酸化尿素、過酸化メラミン)、無機過酸化物(過酸化ナトリウム、過ヨウ素酸ナトリウム、過酸化カルシウム、過ケイ酸バリウム、過硫酸塩、臭素酸ナトリウム、過ホウ酸塩、過酸化メラミン)、アルカリ金属臭素酸塩、及びフェリシアン化物、並びにそれらの混合物から選択される、請求項33に記載の組成物。
【請求項35】
前記少なくとも1つの酸化剤が、前記組成物の総重量に基づいて、約0.0001~約25重量%の範囲の量で存在する、請求項33又は34に記載の組成物。
【請求項36】
少なくとも1つの追加のカチオン性ポリマー、少なくとも1つの両性ポリマー、及びそれらの混合物を含む、請求項1~35のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項37】
前記少なくとも1つの追加のカチオン性ポリマーが、ポリクオタニウム-6、ポリクオタニウム-7、ポリクオタニウム-10、ポリクオタニウム-11、ポリクオタニウム-16、ポリクオタニウム-28、ポリクオタニウム-30、ポリクオタニウム-36、ポリクオタ6ニウム(Polyquater6nium)-37、ポリクオタニウム-46、ポリクオタニウム-87、及びそれらの混合物から選択される、請求項36に記載の組成物。
【請求項38】
前記少なくとも1つの両性ポリマーが、ポリクオタニウム-22、ポリクオタニウム-39、ポリクオタニウム-47、及びポリクオタニウム-53から選択される、請求項37に記載の組成物。
【請求項39】
前記少なくとも1つの追加のカチオン性ポリマー又は少なくとも1つの両性ポリマーが、前記組成物の総重量に基づいて、約0.001~約20重量%の範囲の量で存在する、請求項37又は38に記載の組成物。
【請求項40】
アニオン性、カチオン性、両性、及び非イオン性界面活性剤、並びにそれらの混合物から選択される少なくとも1つの界面活性剤を含む、請求項1~39のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項41】
前記少なくとも1つの界面活性剤が、前記組成物の総重量に基づいて、約0.001~約40重量%の範囲の量で存在する、請求項40に記載の組成物。
【請求項42】
セルロース誘導体、グアー誘導体、微生物起源のガム、カゼイン、アルギネート、カルボマー、架橋アクリル酸コポリマー、及びそれらの混合物から選択される少なくとも1つの増粘剤を含む、請求項1~41のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項43】
酸化防止剤、乳化剤、湿潤剤、溶媒、コンディショニング剤、タンパク誘導体、プロビタミン、ビタミン、アミノ酸、植物抽出物、糖、pH調整剤、フィルム形成ポリマー、香水及び香料、防腐剤、緩衝剤、可溶化剤、安定剤、ラノリン誘導体、コレステロール、脂肪族アルコール、有機酸、シリコーン、天然又は合成油、タンパク質加水分解物、天然植物抽出物、UVフィルター、セラミド、コエンザイム、キレート剤、毛髪膨潤剤、及びそれらの混合物から選択される少なくとも1つの補助剤を含む、請求項1~42のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項44】
前記少なくとも1つの増粘剤が、前記組成物の総重量に基づいて、約0.001~約30重量%の範囲の量で存在する、請求項42に記載の組成物。
【請求項45】
前記少なくとも1つの水分散性ポリウレタンが、前記組成物の総重量に基づいて、約0.004~約4重量%、又は約0.2~約2.4重量%、又は約0.3~約1.2重量%の範囲の量で存在する、請求項1~44のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項46】
前記組成物が、シャンプー、コンディショナー、リンス、ローション、エマルション、クリーム、フォーム、ゲル、スプレー、ムース、ポマード、オイル、ハイライター、粉末、ペースト、タブレット、及びワックスから選択される、請求項1~45のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項47】
毛髪を着色し、着色された毛髪において色堅牢性を保持するためのプロセスであって、毛髪を請求項1~46のいずれか一項に記載の組成物と接触させることを含む、プロセス。
【請求項48】
毛髪を着色し、前記着色された毛髪の前記色堅牢性を長持ちさせるための、請求項1~46のいずれか一項に記載の組成物の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、染めた毛髪を退色又は洗い落ちから保護するためのヘアカラー組成物に関する。より具体的には、この技術は、繰り返されるシャンプー処置に対して染めた毛髪の色を保護するためのヘアカラー組成物における構造化ポリマーの使用に関する。一態様では、構造化ポリマーは、ポリウレタン骨格に横方向に結合した1つ以上のテザリング型アミノ基を有するポリウレタン骨格を含み、アミノ基は、少なくとも2つの介在原子によってポリマー骨格から離れて(離間して)テザリングされている。
【背景技術】
【0002】
毛髪の着色は、近年ますます一般的になってきている。しかしながら、人工的なヘアカラーの退色は、一般的な問題となっており、消費者による不満が頻発している。退色は、シャンプー洗浄処置中に色の洗い落ちとして起こり得るか、又は環境状況によって、例えばUV線への曝露によって引き起こされ得る。洗浄プロセスは、ヘアカラーの除去において最も重要な因子であるが、一方、UV曝露は、90時間の強い照射の後にのみ顕著な影響がある。S.Marchioretto,「The Use of Silicones as a Color Lock Aid in Rinse-Off Hair Conditioners」,J.of Cosmetic Science,2003 Annual Scientific Meeting,pp.130-131.更に、シャンプー配合物中に存在する界面活性剤は、毛幹に水分をもたらす湿潤機能を提供し、それにより染料分子の除去が容易になり、水すすぎプロセス中に出ることになる。
【0003】
鮮やかなヘアカラーを維持し、かつヘアカラーの退色を最小限に抑えることは、ヘアケア市場において非常に望ましい。毛髪染料は、個人が老化し、老化の結果として発生する白髪を隠したいときに最も頻繁に使用される。染料の色堅牢性は、広範囲に変動し得る。ヘアカラーには一般に3つのタイプがあり、永続的、半永続的(demi-permanent)、半永続的(semi-permanent)、又は一時的のタイプである。「永続的」という用語は、一般に、毛幹に見られるメラニンを脱色するとともに色を付与する酸化ヘアカラーを指す。このプロセスでは、染料前駆体を毛髪上に置き、毛幹に浸透させ、最も典型的には酸化剤で酸化させて、毛髪に所望の色をもたらす。染料組成物は、酸化染料前駆体及びカプラーの2つの主要構成成分から構成される。酸化染料前駆体及びカプラーは、それらの低分子量及び良好な水溶性のために、毛髪中に容易に拡散し、そこでカップリング又は縮合反応が起こる。酸化剤によって発色した着色生成物は、それらのより高い分子量、水中での相対的不溶性、及び内部毛髪表面への吸収親和性のために、毛髪中に捕捉されたままになる。化学酸化プロセスは、塩基の存在下で行われる。塩基は、例えば、水酸化アンモニウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、及び水酸化カルシウムであり得るアルカリ性材料である。これらの材料の使用が、ある程度毛髪に損傷を与える可能性があることが十分に確立されている。そのような酸化染色方法の目的は永続性であるが、実際には達成することが困難である。色は時間とともに退色する傾向があり、退色の寄与因子は洗浄堅牢性の欠如である。これは、繰り返し洗浄した後に色が毛髪から浸出する傾向があることを意味する。これは、適用された色の段階的な退色又は変化をもたらす。紫外線、コーミング、及び発汗などの他の因子も色に影響を及ぼす。半永続的着色組成物は、永続的な色よりも攻撃的でない酸化染料配合物のクラスである。
【0004】
酸化ヘアカラーは一般に4~6週間持続するが、酸化手順後2~3週間以内に、毛髪のある特定の範囲において退色が認められることが一般的である。
【0005】
半永続的ヘアカラーは、一般に、一時的な染料よりも持続する色を提供するが、酸化色の永続性は伴わない。半永続的ヘアカラーに使用される染料のタイプは、より大きな分子サイズを有し、正常なバージン毛髪の毛幹に浸透するには大き過ぎる。しかしながら、そのようなより大きな染料分子は、多孔性で損傷した毛髪に容易に浸透し、そのより大きなサイズにより、優先的に保持される。したがって、多くの半永続的製品に見られる小さな染料分子と大きな染料分子のバランスにより、均一な色が提供される。半永続的毛髪着色剤は、染料及び酸からなる。異なる染料は、酸性染料、塩基性染料、金属化染料、及び分散染料である。しかしながら、数回のシャンプーサイクルの間にのみ持続する一時的な着色効果のみがもたらされる。
【0006】
一時的ヘアカラーは、リンス形態で見られることが多く、典型的には1回のシャンプーの間持続する。そのようなヘアカラーは、多くの場合、特別な効果が望まれる場合(ハローウイン及びセントパトリックデーなど)に使用される。一時的な色は、その外面に浸透するには大き過ぎる着色剤で毛幹を単にコーティングする顔料及び染料で配合されたリーブイン配合物である。一時的毛髪着色剤は、染料及び酸からなる。異なる染料は、酸性染料、塩基性染料、金属化染料、及び分散染料である。損傷した又は多孔性の毛髪を有する個人では、毛幹へのわずかな浸透が起こり得るが、そのような色の適用は、1回又は2回を超えるシャンプーサイクルを通して持続することは稀である。
【0007】
上述したように、永続的、半永続的、半永続的、及び一時的な毛髪着色方法によって得られる毛髪の人工的な着色は、洗浄/シャンプーを繰り返すと徐々に減衰し、時間とともに毛髪の着色の退色につながる可能性がある。退色/浸出の防止は、現在の毛髪着色市場において非常に重要な要件である。洗浄中の退色を防止又は軽減するように設計されたヘアケア製品に対する需要が増大している。退色防止トリートメント、シャンプー、及びコンディショナーを含むいくつかの後(着色後)適用退色防止製品が、市場に存在する。これらのシャンプー及びコンディショナーは退色を防止するのに役立つが、それらは毛髪が毛髪着色製品で着色された後に適用されるように設計されており、したがって、消費者は色落ち又は退色を軽減するために追加の製品を購入して使用する必要がある。
したがって、毛髪を着色し、着色後の退色防止製品の使用を必要とせずに、繰り返される洗浄サイクルを通して色堅牢性を維持するヘアケア組成物が必要とされている。本技術は、有効量の少なくとも1つのポリウレタンポリマーを毛髪着色組成物に導入することによって、化学薬剤(シャンプー、コンディショナー、ウェーブ/ストレート化剤など)及び天然薬剤(UV、汚染、発汗など)に対する良好な色堅牢性を有する毛髪着色組成物を提供する。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】S.Marchioretto,「The Use of Silicones as a Color Lock Aid in Rinse-Off Hair Conditioners」,J.of Cosmetic Science,2003 Annual Scientific Meeting,pp.130-131.
【発明の概要】
【0009】
一態様では、本開示の技術は、色強度及び彩度(例えば、毛髪上及び毛髪内への色の沈着及び/又は拡散)を最適化し、毛髪に適用されたときにより明るい色合いをもたらす、ヘアカラー組成物を提供する。
【0010】
一態様では、本開示の技術は、従来どおりに配合されたヘアカラー組成物と比較して、退色耐性が増加し、洗い落ちが低減した、ヘアカラー組成物を提供する。
【0011】
一態様では、本開示の技術は、少なくとも30回の洗浄サイクルに対して、ヘアカラー実質性を(例えば、退色及び洗い落ちから)保護する、ヘアカラー組成物を提供する。
【0012】
一態様では、本開示の技術は、湿潤感触及び乾燥感触並びにもつれ耐性を含む毛髪のコンディショニング特性を維持又は改善する、ヘアカラー組成物を提供する。
【0013】
一態様では、ヘアケア組成物は、化粧品として許容される担体中に、少なくとも1つの色付与化合物(毛髪着色剤)と、ポリウレタン骨格を含む少なくとも1つのポリマーであって、当該ポリウレタン骨格に横方向に結合した1つ以上のテザリング型三級アミノ基を有し、当該テザリング型三級アミノ基が、少なくとも2つの介在原子を含有するテザリング部分によって当該ポリウレタン骨格から離れて位置する、少なくとも1つのポリマーと、を含む。
【0014】
一態様では、ヘアケア組成物は、化粧品として許容される担体中に、少なくとも1つの色付与化合物(毛髪着色剤)と、ポリウレタン骨格を含む少なくとも1つのポリマーであって、当該ポリウレタン骨格に横方向に結合した1つ以上のテザリング型三級アミノ基を有し、当該テザリング型三級アミノ基が、少なくとも2つの介在原子を含有するテザリング部分によって当該ポリウレタン骨格から離れて位置し、当該三級アミノ基が、中和されている、少なくとも1つのポリマーと、を含む。
【0015】
別の態様では、開示される技術は、毛髪を着色し、着色された毛髪の色を保持するためのプロセスを提供する。プロセスは、少なくとも1つの毛髪着色剤と、ポリウレタン骨格を含む少なくとも1つのポリマーであって、当該ポリウレタン骨格に横方向に結合した1つ以上のテザリング型三級アミノ基を有し、当該テザリング型三級アミノ基が、少なくとも2つの介在原子を含有するテザリング部分によって当該ポリウレタン骨格から離れて位置する、少なくとも1つのポリマーと、を含む組成物を、毛髪に適用することを含む。方法は、任意選択で、接触時間後に毛髪から組成物をすすぎ落とすことを含む。
【0016】
更に別の態様では、本開示の技術は、少なくとも1つのポリウレタン骨格を含む有孔量の少なくとも1つのポリウレタンポリマーであって、当該ポリウレタン骨格に横方向に結合した1つ以上のテザリング型三級アミノ基を有し、当該テザリング型三級アミノ基が、少なくとも2つの介在原子を含有するテザリング部分によって当該ポリウレタン骨格から離れて位置する、有孔量の少なくとも1つのポリウレタンポリマーを、ヘアケア着色組成物に導入することによって、色堅牢性をヘアケア着色組成物に付与するためのポリマーの使用に関する。
【0017】
更に別の態様では、本開示の技術は、少なくとも1つのポリウレタン骨格を含む有孔量の少なくとも1つのポリウレタンポリマーであって、当該ポリウレタン骨格に横方向に結合した1つ以上のテザリング型三級アミノ基を有し、当該テザリング型三級アミノ基が、少なくとも2つの介在原子を含有するテザリング部分によって当該ポリウレタン骨格から離れて位置し、当該三級アミノ基が、中和されている、有孔量の少なくとも1つのポリウレタンポリマーを、ヘアケア着色組成物に導入することによって、色堅牢性をヘアケア着色組成物に付与するためのポリマーの使用に関する。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本開示の技術の全ての態様では、全てのパーセンテージは、全組成物の重量によって計算される。全ての比は、重量比として表される。量の全ての数値範囲は、特に明記しない限り、包括的であり、組み合わせ可能である。
【0019】
「化粧品として許容される」という用語は、本開示の技術について記載される組成物、配合物、又は構成成分が、毒性、不適合性、不安定性、アレルギー反応を引き起こすことなく、ヒトケラチン組織(例えば、毛髪、皮膚、及び爪)に接触するのに好適であることを意味する。本明細書に記載の全ての組成物、配合物、構成成分、及び成分は、ケラチン組織に直接適用されることを目的としており、化粧品として許容されるものに限定されている。
【0020】
「着色剤」という用語は、毛髪に色を付与することを意図した材料を意味する。着色剤としては、染料、顔料、染料前駆体、染料カプラー、直接染料、及びそれらの混合物が挙げられ、当該技術分野において一般的に既知である永続的染料、半永続的染料、及び一時的染料を包含する。毛髪着色剤は、CTFA International Color Handbook,2nd Edition,Micelle Press,England(1992)及びCosmetic Handbook,US Food and Drug Administration,FDA/IAS Booklet(1992)に開示されており、これらの内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0021】
「テザリング型」アミン基という用語は、主ポリマー骨格から離れて位置するアミン基の位置を指す。そのような配置では、複数のアミン基が、スペーサーを介してポリマー骨格に連結している。このトポロジーは、以下の図によって表すことができ、
【化1】
式中、Pは、ウレタンポリマー骨格を指定し、Lは、リンク又はスペーサー(テザリング部分)であり、NR
2は、酸で中和されるか又は四級化されることができるテザリング型三級アミンである。各Rは、一般に、互いに独立して、アルキル基(例えば、1~5個の炭素原子、好ましくは1又は2個の炭素原子)であるか、又は別の三級アミン基を含むことができるアルキルアミンである。各Lは、連結基(ウレタン結合、エステル結合を含み得、炭素に加えて酸素及び窒素などのヘテロ原子を含有し得る、置換、直鎖、分岐鎖、シクロアルキル、芳香族、又はそれらの組み合わせ)であることができる。好ましく単純な実施形態では、Lは、一般に、2~6個、好ましくは2~4個、及び最も好ましくは2又は3個の炭素原子のエチレン、プロピレン、又は他のアルキレン基である。
【0022】
本開示の技術の選択された実施形態及び態様について、本開示の組成物中に含有され得る様々な構成成分及び成分について重複する重量範囲が表されているが、本開示の組成物中の各構成成分の量は、組成物中の全ての構成成分又は成分の合計が合計100重量パーセントになるように、その開示される範囲から選択される。用いられる量は、所望の製品の目的及び特性に応じて変動し、当業者によって容易に決定されることができる。
【0023】
本明細書に開示されるように、ヘアケア組成物は、当該技術分野で既知の様々な従来の添加剤及びアジュバントを含有し、それらのうちのいくつかは、複数の機能を果たすことができる。例えば、特定の構成成分は、本明細書において皮膚軟化剤として列挙され得るが、乳化剤、保湿剤などとしても機能することができる。
【0024】
本開示の技術のヘアケア組成物は、本明細書に記載の構成成分、要素、及びプロセス描写を適切に含み得るか、それらから本質的になり得るか、又はそれらからなり得る。本明細書に例示的に開示される本開示の技術は、本明細書に具体的に開示されない任意の要素の非存在下で適切に実施され得る。
【0025】
本明細書に記載の実施形態及び態様は、明示的に組み合わせて例示されていないにもかかわらず、他の実施形態及び/又は態様と組み合わせ可能であり得る。
【0026】
本開示の技術の例示的な実施形態の態様は、毛髪着色組成物及び使用方法に関する。一実施形態では、例示的な組成物は、a)少なくとも1つの毛髪着色剤と、b)ポリウレタン骨格を含む少なくとも1つのポリウレタンであって、当該ポリウレタン骨格に横方向に結合した1つ以上のテザリング型三級アミノ基を有し、当該テザリング型三級アミノ基が、少なくとも2つの介在原子を含有するテザリング部分によって当該ポリウレタン骨格から離れて位置する、少なくとも1つのポリウレタンと、を含むか、それらから本質的になるか、又はそれらからなる。
【0027】
一態様では、ポリウレタン骨格上に存在するテザリング型三級アミノ基は、任意選択で、部分的に又は完全に中和及び/又は四級化されている。
【0028】
一態様では、ヘアカラー組成物は、少なくとも1つの毛髪着色剤(染料)(a)を含む。染料の色堅牢性は、広範囲に変動する。したがって、毛髪の着色に使用される染料は、永続的、半永続的、及び一時的として分類される。永続的染料、半永続的染料、一時的染料、及びそれらの混合物から選択される。所望の毛髪着色配合物に用いられる染料のタイプは、提供される毛髪着色製品の所望のクラスに依存する。
【0029】
永続的毛髪染料
最もよく知られ、かつ広く使用されている着色用途のうちの1つは、酸化染色プロセスである。このプロセスでは、染料を毛髪上に置き、毛髪に浸透させ、最も典型的には過酸化水素で酸化させて、毛髪に所望の色をもたらす。染料組成物は、酸化染料前駆体及び染料カプラーである2つの主要構成成分から構成される。両構成成分は低分子量であるため、毛髪に浸透し、塩基及び過酸化水素の存在下で重合して、最終的なより大きな分子量の染料を形成することが可能になる。塩基及び過酸化物の存在下での化学反応プロセスは、カップリング又は縮合反応である。塩基は、例えば、水酸化アンモニウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、及び水酸化カルシウムであることができるアルカリ化材料である。
【0030】
永続的毛髪及び半永続的染料は、一般に2構成成分キットとして市販されている。一方の構成成分は、アルカリ性液体、ゲル、又はクリーム基剤中に酸化染料前駆体及び染料カプラーを含有し、他方の構成成分は、酸化剤(例えば、過酸化水素)の安定化溶液である。2つの構成成分は、使用直前に混合される。次いで、混合物を適当な時間、一般に20~60分間毛髪に適用し、そこで染料前駆体及び酸化剤が毛幹中に拡散し、一連の化学反応に続いて色形成が起こる。
【0031】
酸化染料前駆体は、一般に環のパラ及びオルト位に位置する少なくとも2つの電子供与体基(例えば、NH2及びOH)で置換されている芳香族化合物、例えばベンゼンから誘導される。酸化毛髪染料は、酸化永続的毛髪染料製品において一般的に使用される任意の酸化毛髪染料前駆体であり得る。例示的な酸化染料前駆体としては、4-アミノ-m-クレゾール、1-ヒドロキシエチル-4-5-ジアミノフィラゾールサルフェート、N,N,ビス[2-ヒドロキシエチル]-p-フェニレン-ジ-アミンサルフェート、ヒドロキシエチル-p-フェニレン-ジ-アミンサルフェート、p-アミノフェノール、m-アミノフェノール、3-メチル-4-アミノフェノール、p-メチルアミノフェノールサルフェート、p-フェニレンジアミンサルフェート、テトラアミノピリミジンサルフェート、トルエン-2-5-ジアミンサルフェート、及びそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0032】
一態様では、永続的ヘアカラー組成物における酸化染料前駆体の量は、組成物の総重量に基づいて、約0.0005~約20重量%、又は約0.005~10重量%、又は約0.05~約6重量%の範囲である。
【0033】
染料カプラーは、芳香族化合物、例えば、ベンゼンから誘導され、環のメタ位に位置する電子供与基(例えば、NH2及びOH)を含有する。染料カプラーは、酸化永続的毛髪染料製品において一般的に使用される任意の染料カプラーであり得る。例示的な染料カプラーとしては、レゾルシノール、2-アミノ-3-ヒドロキシピリジン、4-アミノ-2-ヒドロキシトルエン、2-メチル-5-ヒドロキシエチルアミノフェノール、2-メチルレゾルシノール、5-アミノ-6-クロロ-o-クレゾール、2-アミノ-4-ヒドロキシエチルアミノアニソールサルフェート、1-ナプトール、2,4,ジアミノフェノキシエタノールサルフェート、m-アミノフェノール、フェニルメチルピラゾロン、4-クロロレゾルシノール、及びそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0034】
一態様では、永続的ヘアカラー組成物における染料カプラーの量は、組成物の総重量に基づいて、約0.0001~約15重量%、又は約0.0005~約10重量%の範囲の量で存在する。
【0035】
一態様では、永続的毛髪染料組成物は、アルカリ化剤を含む。アルカリ化剤は、酸化永続的毛髪染料製品において一般的に使用される任意のアルカリ化剤であり得る。例示的なアルカリ化剤としては、アンモニア、水酸化アンモニウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、アミノエチルプロパノール、エタノールアミン(例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン)、及びそれらの混合物が挙げられる。アルカリ化剤は、組成物のpHを約7~約12の範囲に維持するのに十分な量で利用される。
【0036】
一態様では、永続的毛髪染料組成物は、還元剤を含む。還元剤は、貯蔵中の酸化染料前駆体と染料カプラーとの早期反応を防止し、それによりこれらの酸化染料構成成分の貯蔵寿命を向上させることを補助する。還元剤は、永続的毛髪染料製品において一般的に使用される任意の還元剤であり得る。好適な還元剤としては、亜硫酸ナトリウム、ヒドロ亜硫酸ナトリウム、アスコルビン酸、メタ重亜硫酸ナトリウム、及びそれらの混合物が挙げられる。
【0037】
一態様では、用いられる還元剤の量は、組成物の総重量に基づいて、約0.0005~約6重量%の範囲である。
【0038】
一態様では、永続的毛髪染料組成物は、酸化防止剤を含む。酸化防止剤は、還元剤とともに、使用前に酸化剤を添加する前の酸化染料前駆体と染料カプラーとの間の早期反応を軽減する。酸化防止剤は、酸化永続的毛髪染料製品において一般的に使用される任意の酸化防止剤であり得る。例示的な酸化防止剤としては、亜硫酸ナトリウム、アスコルビン酸ナトリウム、チオグリコール酸、チオグリコール酸アンモニウム、アスコルビン酸、エリソルビン酸、及びそれらの混合物が挙げられる。
【0039】
一態様では、利用される酸化防止剤の量は、組成物の重量に基づいて、約0.1~約3重量%の範囲である。
【0040】
一態様では、永続的毛髪染料組成物は、酸化剤を含む。酸化剤は、酸化染料前駆体と染料カップリング剤との間の反応を容易にして、発色を可能にする。酸化剤は、酸化永続的毛髪染料製品において一般的に使用される任意の酸化剤であり得る。例示的な酸化剤としては、有機過酸化物(例えば、過酸化水素、過酸化尿素、過酸化メラミン)、無機過酸化物(例えば、過酸化ナトリウム、過ヨウ素酸ナトリウム、過酸化カルシウム、過ケイ酸バリウム、過硫酸塩、臭素酸ナトリウム、過ホウ酸塩、過酸化メラミン)、アルカリ金属臭素酸塩、及びフェリシアン化物、並びにそれらの混合物が挙げられる。
【0041】
一態様では、永続的ヘアカラー組成物中に存在する酸化剤の量は、組成物の総重量に基づいて、約0.0001~約25重量%の範囲である。
【0042】
一態様では、永続的ヘアカラー組成物は、酸化染料前駆体及び染料カプラーに加えて、他の毛髪染料構成成分も含有することができる。一態様では、他の毛髪染料構成成分は、直接染料である。直接染料は、酸化永続的毛髪染料製品において一般的に使用される任意の直接染料であり得る。例示的な直接染料としては、4-[4’-アミノフェニル)-(4”-イミノ-2”,5”-シクロヘキサジエン-1”-イリデン)メチル]-2-メチルアミノベンゼン一塩酸塩(C.I.42 510)、4-[4’-アミノ-3’-メチルフェニル)-(4”-イミノ-3”-メチル-2”,5”-シクロヘキサジエン-1”-イリデン)メチル]-2-メチルアミノベンゼン一塩酸塩(C.I.42 520)、4-ヒドロキシプロピルアミノ-3-ニトロフェノール、4-アミノ-3-ニトロフェノール、2-アミノ-6-クロロ-4-ニトロフェノール、HC Blue 2、HC Yellow 4、HC Red 3、Disperse Violet 4、Disperse Black 9、HC Blue 7、HC Blue 12、HC Yellow 2、HC Yellow 12、Disperse Blue 3、Disperse violet 1、及びそれらの混合物が挙げられる。
【0043】
一態様では、永続的ヘアカラー組成物中に存在する直接染料の量は、組成物の総重量に基づいて、約0.0001~約20重量%の範囲である。
【0044】
一態様では、永続的毛髪染料は、2構成成分系として配合される。各構成成分は別々に包装され、使用直前に一緒に混合される。一方の構成成分(染料構成成分)は、酸化染料前駆体、染料カップリング剤、及びアルカリ化剤(例えば、アンモニア)を含み、他方の構成成分(酸化構成成分)は、酸化剤を含む。
【0045】
染料構成成分及び酸化構成成分は、酸化永続的毛髪染料製品において一般的に使用される任意の方式で配合することができる。一態様では、酸化染料構成成分は、エマルションの形態で配合されるが、ゲル、ペースト、溶液、及び粉末などの他のビヒクルが利用される。一態様では、酸化構成成分は、酸化構成成分が染料構成成分との混合に相溶性である限り、水溶液又は粉末形態として配合することができる。安定剤は、用いられる安定剤のタイプに応じて酸化構成成分を安定化するために使用することができる。一般に、過酸化物は、特に水性媒体中では本質的に不安定である。安定剤は、酸化永続的毛髪染料製品において一般的に使用される任意の安定剤であることができる。例示的な安定剤としては、スズ酸ナトリウム、ペンテト酸五ナトリウム、フェナセチン、及びエチレンジアミン四酢酸が挙げられる。
【0046】
任意選択で部分的又は完全に中和及び/又は四級化されているテザリング型三級アミノ基を有する少なくとも1つのポリウレタンは、二液型永続的染料系の染料構成成分中に配合することができるか、酸化構成成分中に配合することができるか、又は染料構成成分及び酸化構成成分の両方中に配合することができる。
【0047】
半永続的染毛剤
半永続的」毛髪染料は、発色のために酸化反応を必要とせずに、毛髪を直接着色する。半永続的染料は、半永続的染色製品において一般的に使用される任意の染料であり得る。好適な半永続的染料は、塩基性染料、HC染料、酸性染料、直接染料、分散染料、及びそれらの混合物から選択することができる。半永続的染料として好適な他のニトロアニリンとしては、4-ヒドロキシプロピルアミノ-3-ニトロフェノール及びN、N’-ビス-(2-ヒドロキシエチル)-2-ニトロフェニレンジアミンが挙げられる。前述の染料クラスのうちのいずれか1つからの染料の混合物を用いて、所望の色又は色合いを達成することができる。
【0048】
好適な塩基性染料としては、青色、茶色、緑色、橙色、赤色、及び黄色が挙げられる。好適な青色としては、Basic Blue 3、6、7、9、26、41、47、及び99が挙げられる。好適な茶色としては、Basic Brown 4、16、及び17が挙げられる。好適な緑色としては、Basic Green 1及び4が挙げられる。好適な橙色としては、Basic Orange 1及び2が挙げられる。好適な赤色としては、Basic Red 1、2、22、46、51、76、及び118が挙げられる。好適な紫色としては、Basic Violet 1、3、4、10、11、14、及び16が挙げられる。好適な黄色としては、Basic Yellow 11、28、及び57が挙げられる。
【0049】
HC染料としては、青色、茶色、緑色、橙色、赤色、紫色、及び黄色が挙げられる。好適な青色としては、HC Blue 2、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、及び14が挙げられる。好適な茶色としては、HC Brown 1及び2が挙げられる。好適な緑色としては、HC Green 1が挙げられる。好適な橙色としては、HC Orange 1、2、3、及び5が挙げられる。好適な赤色としては、HC Red 1、3、7、8、9、10、11、13、及び14が挙げられる。好適な紫色としては、HC Violet 1及び2が挙げられる。好適な黄色としては、HC Yellow 2、4、5、6、7、8、9、10、11、13、14、及び15が挙げられる。
【0050】
酸性染料は、黒色、青色、茶色、緑色、橙色、赤色、紫色、及び黄色から選択される。Acid Blackの例は、1番及び52番である。好適な青色としては、Acid Blue 1、3、9、62、及び74が挙げられる。茶色及び緑色の例としては、それぞれ、Acid Brown 13と、Acid Green 1、25、及び50とが挙げられる。好適な橙色としては、Acid Orange 3、6、7、及び24が挙げられる。好適な赤色としては、Acid Red 14、18、27、33、35、51、52、73、87、92、95、184、及び195が挙げられる。好適な紫色としては、Acid Violet 9及び43が挙げられる。好適な黄色としては、Acid Yellow 1、3、23、及び73が挙げられる。前述の酸性染料のレーキも本技術において有用である。
【0051】
好適な直接染料としては、Direct Black 51、Direct Blue 86、Direct Red 23、80、及び81;Direct Violet 48、並びにDirect Yellow 12が挙げられる。
【0052】
好適な分散染料としては、Disperse Black 9、Disperse Blue 1、3、及び7;Disperse Brown 1、Disperse Orange 3、Disperse Red 11、15、及び17;並びにDisperse Violet 1、4、及び15が挙げられる。
【0053】
一態様では、半永続的染料は、組成物の総重量に基づいて、約0.0005~約20重量%、又は約0.005~10重量%、又は約0.05~約6重量%の範囲の量で存在する。
【0054】
半永続的着色組成物は、半永続的毛髪染料製品において一般的に使用される任意の方式で配合され得る。一態様では、半永続的染料組成物は、ローション、シャンプー、ムース、及びエマルションの形態で配合される。これらの製品形態は、適用中に流れないような粘度を有していなければならない。毛髪染色プロセスは、比較的単純であり、約5~約40分の接触時間、その後のすすぎを必要とする。
【0055】
多数の半永続的染料が良好な水溶性を有するが、選択されたニトロアニリン誘導染料は、水性媒体中での溶解性が低い場合があり、ベンジルアルコール、グリコール、又はグリコール誘導体などの特定の溶媒での配合を必要とし得る。
【0056】
一態様では、任意選択で部分的又は完全に中和及び/又は四級化されているテザリング型三級アミノ基を有する少なくとも1つのポリウレタンは、半永続的染料組成物中に直接配合することができる。
【0057】
一時的毛髪染料
一時的毛髪着色剤としては、最初のシャンプーまで持続する色を提供するカラーリンスが挙げられる。一時的な色を付与する成分は、一般にかなり高い分子量を有し、毛幹に浸透することができない。これらの材料は単に毛髪繊維上に沈着し、その後のシャンプーによって除去される。従来的に、一時的毛髪着色組成物は、化粧品効果が1日間所望される場合に使用される。
【0058】
一時的毛髪着色剤は、一時的染色製品において一般的に使用される任意の染料であり得る。一態様では、一時的着色剤は、少なくとも1つの顔料から選択される。本明細書で使用される場合、「顔料」という用語は、毛髪に色を付与する任意の顔料を意味する。
【0059】
使用され得る少なくとも1つの顔料は、Kirk-Othmer’s Encyclopaedia of Chemical Technology及びUllmann’s Encyclopaedia of Industrial Chemistryに記載されているものなどの、当技術分野で既知の有機及び/又は鉱物顔料から選択することができる。
【0060】
少なくとも1つの顔料は、粉末又は顔料ペーストの形態であり得る。顔料は、コーティングされ得るか、又はコーティングされ得ない。
【0061】
少なくとも1つの顔料は、例えば、鉱物顔料、有機顔料、レーキ、特別な効果を有する顔料、例えば真珠層又は光輝性フレーク、及びそれらの混合物から選択され得る。
【0062】
少なくとも1つの顔料は、鉱物顔料であり得る。本明細書で使用される場合、「鉱物顔料」という用語は、ウルマン百科事典の無機顔料に関する章における定義を満たす任意の顔料を意味する。本開示において有用であり得る鉱物顔料としては、酸化鉄、酸化クロム、マンガンバイオレット、ウルトラマリンブルー、クロム水和物、及びフェリックブルーが挙げられる。
【0063】
着色鉱物顔料の例としては、ベンガラ、酸化鉄、水酸化鉄、及びチタン酸鉄の赤色顔料、γ-酸化鉄などの無機茶色顔料、黄色酸化鉄及び黄土などの無機黄色顔料、黒色酸化鉄及びカーボンブラックなどの無機黒色顔料、マンガンバイオレット及びコバルトバイオレットなどの無機紫色顔料、水酸化クロム、酸化クロム、酸化コバルト、及びチタン酸コバルトなどの無機緑色顔料、紺青及びウルトラマリンブルーなどの無機青色顔料、赤色3号、赤色104号、赤色106号、赤色201号、赤色202号、赤色204号、赤色205号、赤色220号、赤色226号、赤色227号、赤色228号、赤色230号、赤色401号、赤色505号、黄色4号、黄色5号、黄色202号、黄色203号、黄色204号、黄色401号、青色1号、青色2号、青色201号、青色404号、緑色3号、緑色201号、緑色204号、緑色205号、橙色201号、橙色203号、橙色204号、橙色206号、及び橙色207などのタール系染料をフレーク化することによって得た顔料、カルミン酸、ラッカイン酸、カルタミン、及びブラジリンなどの天然顔料をフレーク化することによって得た顔料、酸化チタン被覆雲母、雲母チタン、酸化鉄処理雲母チタン、酸化チタン被覆雲母、オキシ塩化ビスマス、酸化チタン被覆オキシ塩化ビスマス、酸化チタン被覆タルク、酸化チタン被覆着色雲母、並びにアルミニウム、金、銀、銅、白金、及びステンレス鋼などの金属粉末顔料、並びにそれらの混合物が挙げられる。
【0064】
少なくとも1つの顔料は、有機顔料であり得る。本明細書で使用される場合、「有機顔料」という用語は、ウルマン百科事典の有機顔料に関する章における定義を満たす任意の顔料を意味する。例えば、少なくとも1つの有機顔料は、ニトロソ、ニトロ、アゾ、キサンテン、キノリン、アントラキノン、フタロシアニン、金属錯体、イソインドリノン、イソインドリン、キナクリドン、ペリノン、ペリレン、ジケトピロロピロール、チオインジゴ、ジオキサジン、トリフェニルメタン、及びキノフタロン化合物から選択され得る。
【0065】
白色又は着色有機顔料は、カルミン、カーボンブラック、アニリンブラック、メラニン、アゾイエロー、キナクリドン、フタロシアニンブルー、ソルガムレッド、カラーインデックスにおいて参照番号CI 42090、69800、69825、73000、74100、及び74160で体系化された青色顔料、カラーインデックスにおいて参照番号CI 11680、11710、15985、19140、20040、21100、21108、47000、及び47005で体系化された黄色顔料、カラーインデックスにおいて参照番号CI 61565、61570、及び74260で体系化された緑色顔料、カラーインデックスにおいて参照番号CI 11725、15510、45370、及び71105で体系化された橙色顔料、カラーインデックスにおいて参照番号CI 12085、12120、12370、12420、12490、14700、15525、15580、15620、15630、15800、15850、15865、15880、17200、26100、45380、45410、58000、73360、73915、及び75470で体系化された赤色顔料、並びに仏国特許公開第2679771号に記載されているようなインドール又はフェノール誘導体の酸化重合によって得られる顔料から選択され得る。
【0066】
有機顔料の例示的な顔料ペーストとしては、Pigment Yellow 3(CI 11710)、Pigment Yellow 1(CI 11680)、Pigment Orange 43(CI 71105)、Pigment Red 4(CI 12085)、Pigment Red 5(CI 12490)、Pigment Violet 23(CI 51319)、Pigment Blue 15.1(CI 74160)、Pigment Green 7(CI 74260)、Pigment Black 7(CI 77266)、及びそれらの混合物が挙げられる。
【0067】
本技術による少なくとも1つの顔料はまた、欧州特許公開第1184426号に記載されているような少なくとも1つの複合顔料の形態であり得る。これらの複合顔料は、例えば、鉱物コア、コアへの有機顔料の結合を確実にするための少なくとも1つの結合剤、及びコアを少なくとも部分的に覆う少なくとも1つの有機顔料を含む、粒子の化合物であり得る。
【0068】
有機顔料はまた、レーキであり得る。本明細書で使用される場合、「レーキ」という用語は、不溶性粒子上に吸着された染料を意味し、このようにして得られた集合体は、使用中に不溶性のままである。染料が吸着される不溶性粒子は、例えば、アルミナ、シリカ、カルシウムナトリウムボロシリケート、カルシウムアルミニウムボロシリケート、及びアルミニウムであることができる。レーキの非限定的な例は、D&C Red 7(CI 15 850:1)である。
【0069】
例示的な染料としては、コチニールカルミン、D&C Red 21(CI 45 380)、D&C Orange 5(CI 45 370)、D&C Red 27(CI 45 410)、D&C Orange 10(CI 45 425)、D&C Red 3(CI 45 430)、D&C Red 4(CI 15 510)、D&C Red 33(CI 17 200)、D&C Yellow 5(CI 19 140)、D&C Yellow 6(CI 15 985)、D&C Green(CI 61 570)、D&C Yellow 1 O(CI 77 002)、D&C Green 3(CI 42 053)、及びD&C Blue 1(CI 42 090)が挙げられる。
【0070】
少なくとも1つの顔料はまた、特別な効果を有する顔料であり得る。本明細書で使用される場合、「特別な効果を有する顔料」という用語は、観察条件(光、温度、観察角度など)の関数として変化する不均一な着色外観(ある特定の色合い、ある特定のビバシティ、及びある特定の明度によって特徴付けられる)を一般に作り出す顔料を意味する。したがって、それらは、標準的な均一な不透明、半透明、又は透明な色合いを与える白色又は着色顔料とは対照的である。特別な効果を有するいくつかのタイプの顔料には、蛍光性、光発色性、又は熱変色性顔料などの低屈折率を有するもの、及び真珠層又は光輝性フレークなどの高屈折率を有するものが存在する。
【0071】
特別な効果を付与する顔料の例としては、雲母/赤色酸化鉄、チタン又はオキシ塩化ビスマスでコーティングされた雲母などの真珠層顔料、酸化鉄を有するチタン雲母、フェリックブルー又は酸化クロムを有するチタン雲母、上記の有機顔料を有するチタン雲母などの着色真珠層顔料、及びオキシ塩化ビスマスに基づく真珠層顔料が挙げられる。例示的な真珠層顔料としては、雲母-TiO2レーキ、雲母-TiO2、雲母-Fe2O3、及び雲母-TiO2-Fe2O3が挙げられる。
【0072】
雲母支持体上の真珠層に加えて、アルミナ、シリカ、カルシウムナトリウムボロシリケート、カルシウムアルミニウムボロシリケート、及びアルミニウムなどの合成基質に基づく多層顔料が利用され得る。
【0073】
基質上に固定されていない干渉効果を有する顔料、例えば、液晶(Material District製のHelicones(商標)HC)及びホログラフィック干渉フレーク。特別な効果を有する顔料としては、蛍光性顔料、リン光性顔料、光発色性顔料、熱変色性顔料、及び量子ドットも挙げられる。
【0074】
本発明において使用され得る様々な顔料は、広範囲の色、及びまた金属効果又は干渉効果などの光学効果を得ることを可能にする。
【0075】
一態様では、本技術による化粧品組成物に使用される少なくとも1つの顔料の粒径は、10nm~200μm、又は20nm~80μm、又は30nm~50μmの範囲である。
【0076】
一態様では、少なくとも1つの顔料は、少なくとも1つの分散剤を介して一時的毛髪製品中に分散され得る。少なくとも1つの分散剤は、凝集又は凝結から分散粒子を保護する役割を果たす。少なくとも1つの分散剤は、分散される粒子の表面に対して強い親和性を有する少なくとも1つの官能基を有する、界面活性剤、オリゴマー、ポリマー、又はそれらのうちのいくつかの混合物であり得る。例えば、それらは、少なくとも1つの顔料の表面に物理的又は化学的に結合することができる。これらの分散剤はまた、連続媒体と相溶性であるか又は連続媒体中で可溶性である少なくとも1つの官能基を含有する。例えば、グリセロール又はジグリセロールなどのポリオールの12-ヒドロキシステアリン酸エステル及びC8~C20脂肪酸エステル、BASFにより市販されている商品名Dehymyls(商標)PGPHで市販されているポリグリセリル-2ジポリヒドロキシステアレート、又はCrodaにより市販されている商品名Arlacel(商標)P100で市販されているようなポリヒドロキシステアリン酸、並びにそれらの混合物。
【0077】
顔料(着色剤)は、毛髪を染色するのに有効な量で一時的染色組成物中に存在する。一態様では、一時的染色組成物中に存在する顔料の量は、組成物の総重量に基づいて、約0.0005~約20重量%、又は約0.005~10重量%、又は約0.05~約6重量%の範囲である。
【0078】
一時的着色組成物は、一時的毛髪染料製品において一般的に使用される任意の方式で配合され得る。一態様では、一時的染料組成物は、ローション、クリーム、ゲル、シャンプー、ムース、及びエマルション、又は熟練したヘアカラー配合者に既知の他の適切なビヒクルの形態で配合される。
【0079】
一態様では、任意選択で部分的又は完全に中和及び/又は四級化されているテザリング型三級アミノ基を有する少なくとも1つのポリウレタンは、一時的染料組成物中に直接配合することができる。
【0080】
一態様では、少なくとも1つのポリウレタン構成成分(b)は、
(i)少なくとも1つのポリイソシアネートと、
(ii)約2つのイソシアネート反応性水素を有する、少なくとも1つの主鎖ポリアミン、ポリオール、ポリメルカプタン、及びそれらの混合物と、
(iii)2つのイソシアネート反応性水素含有置換基及びテザリング型三級アミノ基置換基を有する三級窒素を含有する少なくとも1つの化合物であって、当該三級アミノ基が、少なくとも2つの介在原子を含有するテザリング部分によって当該ポリウレタン骨格から離れて位置する、少なくとも1つの化合物との反応生成物を含む。
【0081】
一態様では、少なくとも1つのポリウレタン構成成分b)のテザリング型三級アミノ基は、任意選択で、部分的又は完全に中和及び/又は四級化されている。
【0082】
一態様では、任意選択で部分的又は完全に中和及び/又は四級化されているテザリング型三級アミノ基を有する少なくとも1つのポリウレタンb)を水中に分散させて、ポリウレタンプレポリマー分散液を形成する。
【0083】
一態様では、当該部分的又は完全に中和及び/又は四級化されたプレポリマー水性分散液は、水、無機又は有機ポリアミン、低分子量ポリオール、及びそれらの混合物から選択される鎖延長剤で鎖延長されている。
【0084】
ポリウレタン構成成分
本技術のポリウレタンは、少なくとも1つのポリイソシアネート及び少なくとも1つのNCO反応性化合物(イソシアネート反応性化合物)から形成される。-NCO+H-X→-NH-C(=O)-Xの反応を介してイソシアネート基と反応するための活性水素源を提供する任意の化合物は、本技術においてNCO反応性化合物として使用することができる。活性水素化合物の例としては、ポリオール、ポリチオール、及びポリアミンが挙げられるが、これらに限定されない。加えて、テザリング型三級アミン基は、イソシアネートとの反応のために、少なくとも2つの活性水素基を含有するモノマーを介してポリマーに導入される。任意選択で、イソシアネート反応性鎖延長剤及び水分散性モノマーをポリウレタン骨格中に反応させることができる。
【0085】
一態様では、本技術のポリウレタンは、周知のプレポリマー方法を利用して水性ポリウレタン分散液として調製される。
【0086】
イソシアネート
好適なポリイソシアネートは、1分子当たり平均して約2つ以上のイソシアネート基、好ましくは平均して約2~約4つのイソシアネート基を有し、脂肪族、脂環式、芳香脂肪族、芳香族、及び複素環式ポリイソシアネート、並びに単独で又は2つ以上の混合物中で使用されるそれらのオリゴマー化生成物を含む。一態様では、ポリイソシアネートは、ジイソシアネートから選択されるが、単官能性イソシアネートであっても、例えば分子量制御剤として使用することができる。
【0087】
好適な脂肪族ポリイソシアネートの具体例としては、5~20個の炭素原子を有するα,ω-アルキレンジイソシアネート、例えばヘキサメチレン-1,6-ジイソシアネート、1,12-ドデカンジイソシアネート、2,2,4-トリメチル-ヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4-トリメチル-ヘキサメチレンジイソシアネート、2-メチル-1,5-ペンタメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネートなどが挙げられる。5個より少ない炭素原子を有するポリイソシアネートを使用することができるが、それらの高い揮発性及び毒性のためにあまり好ましくない。好ましい脂肪族ポリイソシアネートとしては、ヘキサメチレン-1,6-ジイソシアネート、2,2,4-トリメチル-ヘキサメチレン-ジイソシアネート、及び2,4,4-トリメチル-ヘキサメチレンジイソシアネートが挙げられる。
【0088】
好適な脂環式ポリイソシアネートの具体例としては、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、ビス-(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、シクロヘキサントリイソシアネート、それらの異性体などが挙げられる。好ましい脂環式ポリイソシアネートとしては、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート及びイソホロンジイソシアネートが挙げられる。
【0089】
好適な芳香脂肪族ポリイソシアネートの具体例としては、m-テトラメチルキシリレンジイソシアネート、p-テトラメチルキシリレンジイソシアネート、1,4-キシリレンジイソシアネート、1,3-キシリレンジイソシアネートなどが挙げられる。好ましい芳香脂肪族ポリイソシアネートは、テトラメチルキシリレンジイソシアネートである。
【0090】
好適な芳香族ポリイソシアネートの例としては、ジフェニルメチレンジイソシアネート、トルエンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、テトラヒドロナフタレンジイソシアネート、ビフェニレンジイソシアネート、ジメチルビフェニレンジイソシアネート、ジクロロビフェニレンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、それらの異性体などが挙げられる。一態様では、芳香族ポリイソシアネートとしては、4,4’-ジフェニルメチレンジイソシアネート及びトルエンジイソシアネートが挙げられる。
【0091】
好適な複素環式イソシアネートの例としては、5,5’-メチレンビスフルフリルイソシアネート及び5,5’-イソプロピリデンビスフルフリルイソシアネートが挙げられる。
【0092】
活性水素含有化合物
「活性水素含有」という用語は、活性水素源であり、かつ以下の反応を介してイソシアネート基と反応することができる化合物を指す。
-NCO+H-X→-NH-C(=O)-X
【0093】
そのような化合物は、典型的には、分子量が、水については18g/molから、アンモニアについては17g/molから約10,000g/molまでの広い範囲である。それらは通常、それらの分子量に応じて、約500~10,000g/molの数平均分子量を有するポリオール及び18~500g/molの分子量を有する鎖延長剤の2つの下位クラスに分けられる。スケールの両極端は、物理的実体を表し、高分子量ポリオールは、ポリウレタンのソフトセグメントに寄与し、低分子量短鎖延長剤は、ハードセグメントに寄与する。
【0094】
ポリオール及び活性水素含有化合物
本技術に関連する「ポリオール」という用語は、典型的には長鎖ポリオールと呼ばれる、任意の高分子量生成物(Mn>500g/mol)を意味し、イソシアネートと反応することができる活性水素を有し、1分子当たり平均約2つ以上のヒドロキシル又は他のNCO反応性基を有する材料を含む。NCO基(イソシアネート基)と反応する活性水素を含有する部分の例は、ヒドロキシル、アミノ、チオール基である。
【0095】
そのような長鎖ポリオールとしては、ポリエーテル、ポリエステル、ポリカーボネート、及びポリカプロラクトンポリオールが挙げられる。活性水素基含有ポリマーの他の例としては、ポリアミド、ポリエステルアミド、ポリアセタール、ポリチオエーテル、ポリシロキサン、エトキシ化ポリシロキサン、ハロゲン化ポリエステル及びポリエーテル、ポリブタジエン、水素化ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリイソブチレン、アルキド修飾及びポリチオエーテルポリオール、ヒドロキシル含有アクリル及びメタクリルポリマー及びコポリマー、ヒドロキシル含有エポキシなど、並びにそれらの混合物が挙げられる。異なるタイプのポリオールの組み合わせが使用され得る。一態様では、分子量(Mn)は、500g/mol超、又は約650g/mol~約8000g/mol、又は約800~約4000g/mol、又は約1000~約3000g/mol、又は約1200~約2500g/mol、又は約1400~約2000g/molの範囲である。
【0096】
ポリエーテルポリオール
ポリエーテルポリオールは、反応性水素原子を含有する出発化合物、例えば水又はポリエステルポリオールを調製するために記載されたジオールと、アルキレンオキシド、例えばエチレンオキシド、プロピレンオキシド、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、ブチレンオキシド、スチレンオキシド、テトラヒドロフラン、エピクロロヒドリン、及びそれらの混合物との反応によって、既知の方式で得られる。一態様では、ポリエーテルとしては、ポリテトラヒドロフラン(polytetrahydrofuran、PTHF)及びポリ(プロピレングリコール)(1,2-プロパンジオール又は1,3-プロパンジオールから誘導されるPPG)が挙げられる。例としては、Invista製のTerathane(登録商標)PTHFポリオール及びArco Chemical製のより低いモノール含有量を有するAcclaim(商標)PPGジオール、及びDuPont製のCerenol(商標)バイオ系PPGが挙げられる。Cerenol(商標)バイオ系PPGは、1,3-プロパンジオールから誘導される。
【0097】
一態様では、ポリエーテルポリオールは、最終ポリウレタンの乾燥重量に基づいて、約25重量%、より好ましくは約15重量%未満、及び最も好ましくは約5重量%未満のポリ(エチレンオキシド)単位を骨格(主鎖)に提供するが、それは、そのような主鎖ポリ(エチレンオキシド)単位が、水性ポリウレタン分散液中のポリウレタン粒子の膨潤を引き起こす傾向があり、ポリウレタン分散液から作製された物品の使用中(湿潤又は高湿度条件下)の引張強度の低下にも寄与するためである。
【0098】
ポリエステルポリオール
ポリエステルポリオールは、典型的には、有機ポリカルボン酸又はその無水物と化学量論的に過剰なジオールとの反応によって調製されるエステル化生成物である。反応での使用に好適なポリオールの例としては、アジピン酸ポリグリコール、ポリエチレンテレフタル酸ポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、オルソフタルポリオール、スルホン酸化ポリオールなど、及びそれらの混合物が挙げられる。
【0099】
ポリエステルポリオールの作製に使用されるジオールは、脂肪族、脂環式、又は芳香族であることができ、アルキレングリコール、例えば、エチレングリコール、1,2-及び1,3-プロピレングリコール、1,2-、1,3-、1,4-、及び2,3-ブチレングリコール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6-ヘキサンジオール、1,8-オクタンジオール、及びビスフェノールA、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール(1,4-ビス-ヒドロキシメチルシクロヘキサン)、2-メチル-1,3-プロパンジオール、2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオール、2-ブチル-2-エチルプロラン-1,3-ジオール、CARDURA(登録商標)E10P(Hexion)から生成されたVersatic(商標)アルコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ジブチレングリコール、ポリブチレングリコール、カプロラクトンジオール、ジメレートジオール、ヒドロキシル化ビスフェノール、ポリエーテルグリコール、ハロゲン化ジオールなどの他のグリコール、並びにそれらの混合物が挙げられる。一態様では、ジオールとしては、エチレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサンジオール、及びネオペンチルグリコールが挙げられる。
【0100】
ポリエステルポリオールの作製に使用される好適なカルボン酸としては、ジカルボン酸及びトリカルボン酸及び無水物、例えば、マレイン酸、無水マレイン酸、コハク酸、グルタル酸、グルタル酸無水物、アジピン酸、スベリン酸、ピメリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、クロレン酸、1,2,4-ブタン-トリカルボン酸、フタル酸、フタル酸の異性体、無水フタル酸、フマル酸、テトラブロモ無水フタル酸及び酸、オレイン酸などの二量体脂肪酸など、及びそれらの混合物が挙げられる。一態様では、ポリエステルポリオールの作製に使用されるポリカルボン酸としては、脂肪族又は芳香族二塩基酸が挙げられる。
【0101】
一態様では、ポリエステルポリオールは、ジオールである。例示的なポリエステルジオールとしては、ヘキサンジオールネオペンチルグリコールアジピン酸ポリエステルジオール、例えば、Piothane(商標)67-3000HNA(Panolam Industries)及びPiothane 67-1000HNA;並びにプロピレングリコール無水マレイン酸アジピン酸ポリエステルジオール、例えば、Piothane 50-1000OPMA;並びにヘキサンジオールネオペンチルグリコールフマル酸ポリエステルジオール、例えば、Piothane 67-500HNFが挙げられる。他の好ましいポリエステルジオールとしては、Rucoflex(商標)S1015-35、S1040-35、及びS-1040-110(RUCO Polymer Corp.)が挙げられる。
【0102】
ポリカーボネートポリオール
ポリカーボネートポリオールとしては、そのような1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコールなど、及びそれらの混合物などのジオールと、ジフェニルカーボネート又はホスゲンなどのジアリールカーボネートとの反応から得られるものが挙げられる。
【0103】
ポリシロキサンポリオール
ポリシロキサンポリオールは、ポリジメチルシロキサン、ポリ(ジメチルシロキサン-コ-ジフェニルシロキサン)、ポリジフェニルシロキサン、ポリ(メチルフェニル)シロキサンなど、及びそれらの組み合わせなどのアルキル基又はアリール基を含有することができる-R1R2SiO-繰り返し単位の存在によって特徴付けられる。例としては、Momentive Performance Materials製のエトキシ化ポリ(ジメチルシロキサン)(PDMS)Y-17256、及びGelest製の側鎖PDMSジオールMCR-C61が挙げられる。
【0104】
ポリアセタール
ポリアセタールとしては、(A)ホルムアルデヒドなどのアルデヒドと、(B)ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、エトキシ化4,4’-ジヒドロキシ-ジフェニルジメチルメタン、1,6-ヘキサンジオールなどのグリコールとの反応から調製することができる化合物が挙げられる。ポリアセタールは、環状アセタールの重合によっても調製することができる。
【0105】
ポリエステルアミド及びポリアミド
長鎖ポリオールの代わりに、長鎖アミドを使用してイソシアネート末端プレポリマーを調製し得る。好適な長鎖アミドとしては、ポリエステルアミド及びポリアミド、例えば、多塩基飽和及び不飽和カルボン酸又はそれらの無水物と、多価飽和又は不飽和アミノアルコール、ジアミン、ポリアミン、及びそれらの混合物との反応から得られる主に線状の縮合物が挙げられる。
【0106】
ジアミン及びポリアミンは、前述のポリエステルアミド及びポリアミドを調製するのに有用な好ましい化合物の1つである。好適なジアミン及びポリアミンとしては、1,2-ジアミノエタン、1,6-ジアミノヘキサン、2-メチル-1,5-ペンタンジアミン、2,2,4-トリメチル-1,6-ヘキサンジアミン、1,12-ジアミノドデカン、2-アミノエタノール、2-[(2-アミノエチル)アミノ]-エタノール、ピペラジン、2,5-ジメチルピペラジン、1-アミノ-3-アミノメチル-3,5,5-トリメチルシクロヘキサン(イソホロンジアミン又はIPDA)、ビス-(4-アミノシクロヘキシル)-メタン、ビス-(4-アミノ-3-メチル-シクロヘキシル)-メタン、1,4-ジアミノシクロヘキサン、1,2-プロピレンジアミン、ヒドラジン、尿素、アミノ酸ヒドラジド、セミカルバジドカルボン酸のヒドラジド、ビス-ヒドラジド及びビス-セミカルバジド、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、N,N,N-トリス-(2-アミノエチル)アミン、N-(2-ピペラジノエチル)-エチレンジアミン、N,N-ビス-(2-アミノエチル)-ピペラジン、N,N,N’-トリス-(2-アミノエチル)-エチレンジアミン、N-[N-(2-アミノエチル)-2-アミノエチル]-N’-(2-アミノエチル)-ピペラジン、N-(2-アミノエチル)-N’-(2-ピペラジノエチル)-エチレンジアミン、N,N-ビス-(2-アミノエチル)-N-(2-ピペラジノエチル)アミン、N,N-ビス-(2-ピペラジノエチル)-アミン、ポリエチレンイミン、イミノビスプロピルアミン、グアニジン、メラミン、N-(2-アミノエチル)-1,3-プロパンジアミン、3,3’-ジアミノベンジジン、2,4,6-トリアミノピリミジン、ポリオキシプロピレンアミン、テトラプロピレンペンタミン、トリプロピレンテトラミン、N,N-ビス-(6-アミノヘキシル)アミン、N,N’-ビス-(3-アミノプロピル)エチレンジアミン、及び2,4-ビス-(4’-アミノベンジル)-アニリンなど、並びにそれらの混合物が挙げられる。好ましいジアミン及びポリアミンとしては、1-アミノ-3-アミノメチル-3,5,5-トリメチル-シクロヘキサン(イソホロンジアミン又はIPDA)、ビス-(4-アミノシクロヘキシル)-メタン、ビス-(4-アミノ-3-メチルシクロヘキシル)-メタン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、及びペンタエチレンヘキサミン、及びそれらの混合物が挙げられる。他の好適なジアミン及びポリアミンとしては、Jeffamine(商標)D-2000及びD-4000が挙げられ、これらは、アミン末端ポリプロピレングリコールであり、分子量のみが異なり、Huntsman Chemical Companyから入手可能である。
【0107】
ポリチオール
一態様では、イソシアネート末端プレポリマーを調製するために、ポリチオール化合物も使用され得る。bで表されるポリチオール化合物の典型的な例としては、1,2-エタンジチオール、プロパン-1,2-ジチオール、n-ヘキサン1,6-ジチオール、n-デカン-1,10-ジチオール、1,3-シクロヘキサンジチオール、1,4-シクロヘキサンジチオール、ビス(2-メルカプトエチル)エーテル、1,2-ビス(メルカプトメチルチオ)ベンゼン、1,4-ジメルカプトベンゼン、及びビス(2-メルカプトエチル)スルフィドが挙げられる。
【0108】
NCO:OH比
一態様では、本技術で生成されるプレポリマーは、イソシアネート末端である。このために、プレポリマー中のイソシアネート当量の活性水素に対する比率は、典型的には、約1.3/1~約2.5/1、又は約1.5/1~約2.1/1、又は約1.7/1~約2/1の範囲である。
【0109】
所望であれば、OH末端プレポリマーも作製することができる。この場合、NCOに対するOH当量のアクセスが使用される。
【0110】
テザリングモノマー
本技術のポリウレタンは、骨格にテザリングされたカチオン性基を含有する。そのようなカチオン性基は、アンモニウム、ホスホニウム、及びスルホニウム基を含む。これらの基は、イオン形態でポリマー中に組み込むことができるか、又は任意選択で、ポリウレタン骨格からテザリングされた対応する窒素部分(例えば、ハロゲン化アルキルを有する)、リン部分、若しくは硫黄部分の後中和(例えば、酸による)及び/若しくは後四級化によって生成することができる。上記の基の全ての組み合わせ、及び非イオン性安定化との組み合わせを使用することができる。アニオン性基もまた、双性イオン組成物を生成するポリマーに組み込むことができる。
【0111】
一実施形態では、テザリング型カチオン性基含有モノマーは、テザリング型三級アミンモノマー上に存在する活性水素基との従来のイソシアネート反応を通してポリウレタンを形成する他の反応物と反応し、その結果、モノマーがポリウレタンに組み込まれる場合、三級窒素原子は、一態様では少なくとも2個の原子によって、及び別の態様では少なくとも3個の原子によって、ポリウレタン骨格から離れてテザリングされる。一態様では、テザリング原子は、炭素原子を含むか、炭素原子から本質的になるか、又は炭素原子からなる。
【0112】
一態様では、テザリング型三級アミノ基を有するモノマーは、本技術のポリウレタンの構築に関与する平均2つの活性水素基を含有する。
【0113】
テザリング型アミンモノマーの例としては、2,2’-((3-ジメチルアミノ)プロピル)アザンジイル)ビス(エタン-1-オール)及び1,1’-((3-ジメチルアミノ)プロピル)アザンジイル)ビス(プロパン-2-オール)(Hunstman製のJeffcat(登録商標)DPA)が挙げられ、以下の構造によって表される。
【化2】
【0114】
一態様では、テザリング型三級アミノ基を有するモノマーは、1つのみの活性水素基を含有し得る。これらの単官能性活性水素基含有テザリング型モノマーは、ポリウレタン合成において、鎖延長剤として、又はポリエステル若しくはポリエーテルポリオールの構成成分として使用され得る。これらの単官能性活性水素基含有モノマーは、上述の二官能性テザリング型モノマーと組み合わせて、又はそれ自体のいずれかで使用することができる。
【0115】
一態様では、マイケル付加反応の変形は、ヒドロキシアルキルアクリレートがN,N-ジアルキルアルキレンジアミンと反応する場合に、単官能性活性水素基テザリング型アミンモノマーを生成することができる。したがって、2-ヒドロキシエチルアクリレートとN,N-ジメチルプロピレンジアミンとの反応により、以下のモノマーが得られる。
【化3】
【0116】
別の実施形態では、テザリング型三級アミノ基を有するアミノアルコールモノマーは、オキシラン(エポキシド)を上述の非対称ジアルキルジアミノアルキレンと反応させることによって合成することができる。
【化4】
【0117】
実質的に任意の酸で三級アミンを中和して、カチオン性塩を作製することができる。酸の例としては、酢酸、ギ酸、塩酸、リン酸、硫酸、硝酸、亜硝酸、ホウ酸、炭酸、過塩素酸、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、2-カルボキシエチルアクリレート、乳酸、アスコルビン酸、グリシン、アラニン、ロイシン、ノルロイシン、フェニルアラニン、セリン、タウリン、バリン、α-アミノ酪酸、パルミチン酸、ステアリン酸、安息香酸、メルカプト酢酸、サリチル酸、ピバル酸、クロロ酢酸、ジクロロ酢酸、トリクロロ酢酸、クエン酸、プロピオン酸、グリコール酸、1-スルホナフタレン、酒石酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、5-スルホサリチル酸、ベンゼンスルホン酸、シクロヘキサンカルボン酸、o-、m-、及びp-トルイル酸、o-、m-、及びp-アミノ安息香酸、p-ヒドロキシ安息香酸、フェニル酢酸、メチルベンゼンスルホン酸、酪酸、吉草酸、シュウ酸、マレイン酸、フマル酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、オレイン酸、o-、m-、及びp-クロロ安息香酸、o-、m-、及びp-ブロモ安息香酸、アントラニル酸、o-、m-、及びp-ニトロ安息香酸、アジピン酸、カプリル酸、カプロン酸、ラウリン酸、フルオロ酢酸、カプリン酸、ミリスチン酸、メトキシ酢酸、ドデカンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、エチルベンゼンスルホン酸、オクタンスルホン酸、ヘキサンスルホン酸、ポリアクリル酸、アクリル酸及びメタクリル酸のコポリマーが挙げられる。
【0118】
一態様では、三級アミン基は、ポリウレタンを水中にある程度分散させる前又は分散させている間に中和される。一実施形態では、テザリング型及び/又は末端三級アミン基の中和の程度は、10%超であり、別の実施形態では20超、25超、又は30モル%超であり、より好ましい実施形態では、中和の程度は、45超又は60モル%超である。一実施形態では、三級アミノ基の少なくとも80、少なくとも85、少なくとも90、又は少なくとも95モル%が中和される。複数の三級アミノ基は、間隔が密接した隣接する三級アミノ基の中和又は四級化を阻害することがあるため、四級化又は中和のパーセントを特定する場合、テザリング型基又は末端基の1つ以上の窒素原子において四級化又は中和された基のパーセントを指す(密接した物理的近接による四級化又は中和の阻害により四級化又は中和のパーセントを減少させない)。別の実施形態では、アミンに対して過剰な酸を使用することができる。
【0119】
三級アミンは、任意の既知の四級化剤で四級化され得る。一態様では、四級化剤は、ハロゲン化アルキル、ハロゲン化アラルキル、炭酸ジアルキル、硫酸ジアルキル、及びエポキシドである。一態様では、四級化剤としては、塩化メチル、塩化エチル、塩化ベンジル、臭化メチル、臭化エチル、臭化ベンジル、硫酸ジメチル、硫酸ジエチル、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、スチレンオキシド、及びエピクロルヒドリンが挙げられる。
【0120】
一態様では、三級アミン基は、ある程度まで四級化される。一実施形態では、テザリング型及び/又は末端三級アミン基の四級化の程度は、10mol%超、又は20超、25超若しくは30超、又は45超若しくは60モル%超である。一態様では、三級アミノ基の少なくとも80、又は少なくとも85、又は少なくとも90、又は少なくとも95モル%が四級化される。
【0121】
四級化と中和との組み合わせを使用することができる。
【0122】
テザリング型三級アミノ基の数は、ウレタンポリマー1グラム当たり0.1~約15又は20ミリ当量であり得る。一態様では、下限は、0.2、0.3、0.4、0.5、又は0.6ミリ当量/グラムであり、上限は、ウレタンポリマー1グラム当たり約10、8、5、4、3、2、1ミリ、又は1ミリ当量未満である。テザリング型三級アミノ基の数は、これらの基が四級化されるか又は酸で中和されるにつれて減少する(これは、これらの基を、水中でのウレタン分散液のコロイド安定化においてより有効にする)。テザリング型三級アミノ基の数はまた、非イオン性及び/又は双性イオン性基がウレタンポリマーに添加されるにつれて減少し、水中のウレタン分散液のコロイド安定化のためのカチオン性安定化効果を補う。上記範囲についてのテザリング型三級アミノ基の量の計算を容易にする目的のために、ウレタン骨格からの1つのテザリング型又は末端位置の基に複数のテザリング型三級アミノ基が存在する場合、全てのテザリング型三級アミノ基の全ては一緒に、単一のテザリング型三級アミノ基として数えられる。テザリング型三級アミノ基は、それらが四級化されているか、又は酸構成成分で中和されているかにかかわらず、同じように数えられる。いずれの非イオン性コロイド安定化部分も含まない一例では、本発明者らは、ウレタンポリマー1グラム当たりわずか0.87ミリ当量のテザリング型三級アミノ基を使用して、非常に有効なコロイド安定化を見出した。
【0123】
鎖延長剤
18~500g/モルの分子量を有する鎖延長剤、例えば、脂肪族、脂環式、又は芳香族ジオール又はアミンは、任意選択で、プレポリマーの形成の間、及びプロセスの分散工程の間に使用することができる。プレポリマーは高温で、一般に水が存在しない状態で形成されるため、温度及び混合に対するより良好な制御を提供するために、プレポリマー鎖延長には反応性の低いアルコール官能基が好ましい。
【0124】
一方、プロセスの分散段階の間、鎖延長剤は、残りのNCOとの反応に関して水と競合している。この場合、より反応性の高いアミン官能基が望ましい。
【0125】
一態様では、鎖延長剤を使用しない。
【0126】
一態様では、水、平均約2つ以上の一級及び/若しくは二級アミン基を有する無機若しくは有機ポリアミン、又はそれらの組み合わせから選択される鎖延長剤が、本技術における使用に好適である。鎖延長剤としての使用に好適な有機アミンは、ポリエステルアミド及びポリアミドを調製するためのモノマーとして上述したのと同じジアミン及びポリアミンである。
【0127】
一態様では、プレポリマーを延長するために使用される鎖延長剤は、水、エチレンジアミン、及びそれらの混合物から選択される。
【0128】
鎖延長剤の量は、典型的には、利用可能なイソシアネートに基づいて、約0.3~約1.1当量の範囲である。
【0129】
水分散性向上化合物
一態様では、少なくとも1つの親水性、イオン性、又は潜在的イオン性基を有する少なくとも1つの水分散性向上化合物(すなわち、モノマー)が、水中でのポリマー/プレポリマーの分散を補助するために、本技術のポリウレタンポリマー及びプレポリマー中に任意選択で含まれる。一態様では、テザリング型アミンモノマー又はその塩は、この水分散性向上化合物であり、その含有量は、追加の手段なしで安定な分散液を調製するのに十分である。
【0130】
別の態様では、特にテザリング型アミンモノマー又はその塩の含有量が、追加の手段なしで安定な分散液を調製するのに不十分である場合、追加の水分散性向上化合物を使用することができる。これらの化合物は、非イオン性、アニオン性、カチオン性、双性イオン性、又はそれらの組み合わせのものであり得る。例えば、カルボン酸基などのアニオン性基は、不活性形態でプレポリマーに組み込まれ、テザリング型アミン化合物又は追加の三級アミンなどの塩形成化合物によって活性化することができる。通常、カルボン酸基は、一般式(HO)×Q(COOH)y(式中、Qは1~12個の炭素原子を含有する直鎖又は分岐鎖の炭化水素ラジカルであり、x及びyは1~3である)を有するヒドロキシ-カルボン酸によって導入される。そのようなヒドロキシカルボン酸の例としては、ジメチロールプロパン酸、ジメチロールブタン酸(dimethylol butanoic acid、DMBA)、クエン酸、酒石酸、グリコール酸、乳酸、リンゴ酸など、及びそれらの混合物が挙げられる。ジヒドロキシ-カルボン酸がより好ましく、ジメチロールプロパン酸及びジメチロールブタン酸(DMBA)が最も好ましい。カルボン酸は、例えば、エポキシ四級アンモニウム化合物とジメチロールプロパン酸のカルボン酸基との反応などの後重合反応によってカチオン性中心に変換することができる。
【0131】
特に興味深い水分散性向上化合物は、側鎖親水性モノマーである。いくつかの例としては、例えば米国特許第6,897,281号(参照によりその開示は本明細書に組み込まれる)に示されるように、アルキレンオキシド基が2~10個の炭素原子を有するアルキレンオキシドポリマー及びコポリマーが挙げられる。
【0132】
そのような側鎖親水性モノマーの量は、向上したコロイド安定性が所望される場合、最終ポリウレタンの重量に基づいて、10、又は6、又は3、又は2、又は更に1%以下程度の少なさであることができ、水又は極性溶媒吸収特性が必要とされる場合、20、又は30、又は40、又は更に50%程度の多さであり得る。
【0133】
市販の側鎖親水性モノマーとしては、Evonik製のTegomer(登録商標)D-3403、並びにPerstorp製のYmer N90、N120、及びN180が挙げられる。
【0134】
触媒
ウレタンプレポリマーは、触媒を使用せずに形成され得るが、場合によっては、合成時間又は温度を低減するために触媒を用い得る。触媒の例としては、有機スズ化合物、三級アミン、及び遷移金属化合物が挙げられる。好適な触媒の具体例としては、オクタン酸第一スズ、ジラウリン酸ジブチルスズ、並びにトリエチルアミン及びビス-(ジメチルアミノエチル)エーテルなどの三級アミン化合物、β,β’-ジモルホリノジエチルエーテルなどのモルホリン化合物、カルボキシレートビスマス、カルボキシレート亜鉛ビスマス、鉄(III)塩化物、オクタン酸カリウム、酢酸カリウム、並びにKing Industries製のジルコニウム触媒K-KAT(登録商標)XC-9213及びK-KAT(登録商標)6212が挙げられる。
【0135】
一態様では、プレポリマーを形成するために使用される触媒の量は、典型的には、プレポリマー反応物の総重量の約5~約200パーツパーミリオンになる。
【0136】
溶媒
ウレタン作製反応に関して任意の有意な程度に非反応性である任意の溶媒が本技術において使用され得るが、揮発性有機構成成分(volatile organic component、VOC)を導入するため好ましくない。溶媒の使用は、プレポリマー粘度を低下させ、ヒートシンクを提供し、還流媒体としての役割を果たし、フィルム形成を補助するために望ましい場合がある。溶媒の例としては、置換ピロリジノン、アミド、エステル、エーテル、ケトンエステル、ケトン、グリコールエーテル-エステル、水素化フラン、三級アルコール、芳香族及び脂肪族炭化水素、塩素化炭化水素など、並びにそれらの混合物が挙げられる。
【0137】
具体例としては、N-メチル-2-ピロリジノン、N-エチル-2-ピロリジノンジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、アセトン、メチルエチルケトン、ジイソブチルケトン、イソブチルヘプチルケトン、ジメチルスルホキシド、N-メチルカプロラクタム、N-メチルバレロラクタム、エチレングリコールモノメチルエーテルホルマール、及びジプロピレングリコールジメチルエーテルが挙げられる。
【0138】
溶媒の量は、生成されるポリマーの特性に応じて広い範囲で変動することができる。プレポリマー100重量部当たり約0.1~30重量部の溶媒を使用することができる。
【0139】
場合によっては、分散液から溶媒の少なくとも一部分を除去することが望ましい。それは、水より低い沸点を有する溶媒を用いて行うことができる。これらの溶媒は、例えば、蒸留、真空蒸留、等方性蒸留、及び薄膜蒸発によって分散液から除去することができる。
【0140】
ポリマー調製
ポリウレタン粒子の水性分散液は、実質的に水が存在しない状態でポリウレタンプレポリマーを形成し、次いでこのプレポリマーを水性媒体中に分散させることによって、本技術に従って作製される。これは、任意の様式で行うことができる。典型的には、プレポリマーの形成は、プレポリマーの成分をバルク重合又は溶液重合することによって行われる。
【0141】
ポリウレタンプレポリマー混合物が形成されたら、それを水性媒体中に分散させて、分散液又は溶液を形成する。プレポリマーを水性媒体中に分散させることは、バルク重合又は溶液重合によって作製された他のポリウレタンプレポリマーを水中に分散させるのと同じ方式で、任意の従来の技術によって行うことができる。通常、これは、プレポリマーブレンドと水とを混合しながら組み合わせることによって行われる。プレポリマーは、水中に分散される前又は分散された直後に中和及び/又は四級化され得る。中和及び水中での分散に続いて、水、平均して約2つ以上の一級及び/若しくは二級アミン基を有する無機若しくは有機ポリアミン、ポリアルコール、尿素、又はそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つとの反応によって、プレポリマーは、鎖延長される。
【0142】
一態様では、中和及び分散されたプレポリマーは、分散媒体中に存在する水で鎖延長される。
【0143】
一態様では、本開示の技術のテザリング型ポリウレタンは、
【0144】
(A)(1)脂肪族ジイソシアネート、芳香族ジイソシアネート、芳香脂肪族ジイソシアネート、及びそれらの混合物から選択される平均約2つ以上のイソシアネート基を有する、少なくとも1つのポリイソシアネート;(2)ポリエーテルポリオール;ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリシロキサンポリオール、ポリアセタール、ポリエステルアミド;ポリエステルアミド;ポリチオール、及びそれらの混合物から選択される、少なくとも1つの活性水素基含有化合物;(3)テザリング型三級アミン基を有する少なくとも1つの活性水素基含有モノマーを反応させて、プレポリマーを形成することと、
【0145】
(B)当該プレポリマーを水中に分散させ、任意選択で、必要に応じて当該プレポリマーを中和させ、水、平均して約2つ以上の一級及び/若しくは二級アミン基を有する無機若しくは有機ポリアミン、ポリアルコール、尿素、又はそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つとの反応によって該プレポリマーを鎖延長することと、を含む、プロセスによって調製される。
【0146】
溶剤重合が用いられる場合、溶剤及び他の揮発性構成成分は、必要に応じて、最終分散液から任意選択で留去することができる。プレポリマーが、乳化剤(界面活性剤)を添加せずに安定した分散液を形成するのに十分な水分散性向上化合物(カチオン性及び任意選択の非イオン性モノマーなど)を含む場合、そのような化合物を用いずに、すなわち、必要に応じて、界面活性剤を実質的に含まない、分散液を作製することができる。このアプローチの利点は、ポリウレタンから作製されたヘアケア製品が、より低い感水性、より良好なフィルム形成、及びより少ない発泡を呈することである。
【0147】
先行技術に開示されている組成物に対する本技術の組成物の追加の利点は、可能な固形分含有量が著しく高いことである。一態様では、本技術の分散液は、典型的には、少なくとも約20重量%、又は少なくとも約25重量%、又は少なくとも約30、31.25、35、若しくは40重量%の全固形分(すなわち、ポリウレタン固形分)を有する。
【0148】
部分的又は完全に中和及び/又は四級化されているテザリング型三級アミノ基を有する少なくとも1つのポリウレタンの水性分散液は、連続的なヘアカラー配合物相中に分散された場合に比較的親水性であり、ポリマーが乾燥すると、中和剤が蒸発し、ポリマーが非中和形態に戻り、ポリマーが疎水性になる。理論に束縛されるものではないが、ポリマーは、着色された毛髪の基質上/基質中に疎水性フィルムを形成し)、これが着色剤を毛髪上又は毛髪中に固定し、それによって着色剤が浸出するのを防止すると考えられる。
【0149】
部分的又は完全に中和及び/又は四級化されているテザリング型三級アミノ基を有する少なくとも1つのポリウレタンは、永続的、半永続的、及び一時的毛髪着色組成物において一般的に使用される着色剤と相溶性である。
【0150】
一態様では、テザリング型三級アミノ基を有する少なくとも1つのポリウレタンは、少なくとも1つの脂環式ジイソシアネートと、少なくとも1つのポリエーテルポリオールと、2つの活性水素基を含有する少なくとも1つのテザリング型三級アミノ基モノマーとから調製されたポリウレタン分散液であり、当該三級アミノ基は、酸で中和されている。
【0151】
一態様では、テザリング型三級アミノ基を有する少なくとも1つのポリウレタンは、第1の脂環式ジイソシアネートと、第1の脂環式ジイソシアネートとは異なる第2の脂環式ジイソシアネートと、少なくとも1つのポリエーテルポリオールと、2つの活性水素基を含有する少なくとも1つのテザリング型三級アミノ基モノマーとから調製されたポリウレタン分散液であり、当該三級アミノ基は、酸で中和されている。
【0152】
一態様では、テザリング型三級アミノ基を有する少なくとも1つのポリウレタンは、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(H12MDI)及びイソホロンジイソシアネート(isophorone diisocyanate、IPDI)、ポリテトラヒドロフラン、2,2’-((3-ジメチルアミノ)プロピル)アザンジイル)ビス(エタン-1-オール)及び1,1’-((3-ジメチルアミノ)プロピル)アザンジイル)ビス(プロパン-2-オール)から選択される少なくとも1つのテザリング型三級アミノ基モノマー、並びにそれらの混合物から調製されるポリウレタン分散液であり、当該三級アミノ基は、酢酸で中和されている。
【0153】
一態様では、テザリング型三級アミノ基を有する少なくとも1つのポリウレタンは、Lubrizol Advanced Materials,Inc.から市販されているポリウレタン-10(INCI名)である。
【0154】
任意選択で部分的又は完全に中和及び/又は四級化されているテザリング型三級アミノ基を有する少なくとも1つのポリウレタンの量は、組成物の総重量に基づいて、約0.004~約4重量%、又は約0.2~約2.4重量%、又は約0.3~約1.2重量%(活性ポリマー基準)の範囲である。追加的に、ポリマーのカチオン性は、コンディショニング特性をポリマーにもたらす。
【0155】
本技術のヘアカラー組成物は、シャンプー、コンディショナー、リンス、ローション、エマルション、クリーム、フォーム、ゲル、スプレー、ムース、ポマード、オイル、ハイライター、粉末、ペースト、タブレット、及びワックスとして送達されるように配合することができる。本技術の永続的、半永続的、及び一時的ヘアカラー製品を配合するための成分及び技術は、ヘアカラー製品の配合者に周知である。
【0156】
補助構成成分、添加剤、及びアジュバント
毛髪着色剤と、本開示の技術の任意選択で部分的又は完全に中和及び/又は四級化されているテザリング型三級アミノ基を有する少なくとも1つのポリウレタンと、を含む製品配合物は、酸性化又はアルカリ性化pH調整剤(中和剤)及び緩衝剤を含むがこれらに限定されない、毛髪着色組成物に従来どおり又は一般的に含まれる様々な補助構成成分、添加剤、及び化粧品アジュバント;合成又は天然起源の非イオン性、アニオン性、カチオン性、又は両性ポリマーなどの補助固定剤及びフィルム形成剤;粘度増加ポリマー天然及び誘導体化ガム、樹脂増粘剤又はゲル化剤などの補助レオロジー調整剤;乳化剤、エマルション安定剤、ワックス、分散剤などの添加剤、及び溶媒、電解質などの粘度制御剤;帯電防止剤、合成油、エステル油、植物油又は動物油、セラミド、コレステロール、レシチン、シリコーン油、モノマー又はポリマー四級化アンモニウム化合物及びその誘導体、光沢増強剤、保湿剤、皮膚軟化剤、湿潤剤、潤滑剤、日焼け止め剤などの補助コンディショニング剤;アニオン性、カチオン性、非イオン性、両性、双性イオン性界面活性剤、及びそれらのシリコーン誘導体などの界面活性剤;ポリマーフィルム修飾剤(例えば、可塑剤)、毛髪膨潤剤(例えば、尿素、イソプロピルアルコール、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート)、粘着付与剤、粘着防止剤、湿潤化剤など;キレート剤、乳白剤、真珠光沢剤、タンパク質性材料及びその誘導体、ビタミン及びその誘導体、防腐剤、香料、可溶化剤、顔料及び染料などの着色剤(一時的又は永続的)、UV吸収剤及びフィルターなどの、製品安定化剤及び仕上げ剤;フッ素化炭化水素、液体揮発性炭化水素、圧縮ガスなどの噴霧剤(水混和性又は水不混和性);並びにそれらの混合物を含有し得る。
【0157】
本明細書で開示される毛髪着色組成物に用いられ得る補助構成成分、添加剤、及びアジュバント成分、製品、又は材料は、Washington D.C.の米国パーソナルケア製品評議会(Personal Care Products Council)(以前は米国化粧品工業会(Cosmetic, Toiletry, and Fragrance Association))によって発行される国際化粧品成分辞典(International Cosmetic Ingredient Dictionary)(これ以降はINCI辞書)によってそれらに割り当てられた(その任意の版、例えば、第6版、第1及び第2巻(1995)、又は第7及び8版、第1巻~3巻(1997、2000)に見出されるような)INCI名と一般的に称される国際命名法によって、又は一般的に使用されるそれらの化学名によって言及される。INCI名、商品名、又はその両方によって列挙される材料の多数の商業的供給者は、2001 McCutcheon’s Directories,Volume 1:Emulsifiers&Detergents and Volume 2:Functional Materials(McCutcheon’s Division発行),The Manufacturing Confectioner Publishing Co.,Glen Rock,NJ(2001)、及び2001 Cosmetic Bench Reference,edition of Cosmetics&Toiletries(登録商標),115(13)(Allured Publishing Corporation、Carol Stream,IL発行)(2001)を含むがこれらに限定されない、INCI辞書及び多数の商取引刊行物に見出すことができ、各々の関連する開示は、参照により本明細書に組み込まれる。組成物のそのような構成成分及び配合はまた、Cosmetics Science and Technology,First Edition(Sagarin(ed))(1957年発行),and Second Edition(Balsam,et al.(eds)(1972~74年発行)、及びThe Chemistry and Manufacture of Cosmetics,Second Edition(deNavarre(ed))(1975年発行)and Third Edition(Schlossman (ed))(2000年発行)(両方ともAllured Publishing Corporationから入手可能);Rieger(ed),Harry’s Cosmeticology,8th Edition,Chemical Publishing,Co.,Inc.,New York,NY(2000)などの周知の文献に詳細に記載されており、様々な配合が、Remington’s Pharmaceutical Sciences,Fourteenth Edition,Mack Publishing Company,Easton,PA(1970)などの、薬学分野の当業者に利用可能であり、各々の関連する開示は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0158】
溶媒
組成物は、水を含まない又は水ベースの配合物として調製することができる。組成物は、毛髪着色剤が可溶性/分散性である溶媒を含み得る。溶媒は、水、有機溶媒、及び水と有機溶媒との組み合わせから選択され得る。水以外の有機溶媒の例としては、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ヘキサノールなどの直鎖及び分岐鎖アルコール;グリコール(例えば、1,2-プロパンジオール、バイオ由来の1,3-プロパンジオール)、並びにベンジルアルコール、シクロヘキサノールなどの芳香族アルコールなどが挙げられる。非水性溶媒又は希釈剤の他の例としては、シリコーン、及びシクロメチコンなどのシリコーン誘導体、アセトン及びメチルエチルケトンなどのケトン;天然及び合成の油及びワックス、例えば、植物(vegetable)油、植物(plant)油、動物油、精油、鉱物油、C7~C40イソパラフィン、酢酸エチル、酢酸アミル、乳酸エチルなどのアルキルカルボン酸エステル、ホホバ油、サメ肝油などが挙げられる。前述の非水性補助溶媒又は希釈剤のうちのいくつかは、コンディショナー及び乳化剤としても役割を果たし得る。しかしながら、組成物における重量基準を計算する目的のために、このセクションに列挙される全ての液体は、溶媒/希釈剤と見なされる。
【0159】
レオロジー調整剤(増粘剤)
毛髪繊維によく付着する組成物を提供するために、組成物は、組成物の全体的な粘度を増加させるレオロジー調整剤又は増粘剤を含むことができる。20rpm及び室温(20~25℃)で測定される組成物のブルックフィールド粘度は、毛髪に適用されたときに、少なくとも400mPa.s、又は少なくとも1000mPa.s、又は少なくとも2000mPa.s、又は少なくとも3000mPa.sであることができ、かつ最大10,000mPa.sであることができる。
【0160】
粘度を増加させるために、組成物は、合成又は天然であることができる1つ以上のレオロジー調整剤を含み得る。
【0161】
例としては、C10~C32アルコールなどの脂肪族アルコール、例えばC12~C22アルコール、天然油、有機粘度材料、並びにアクリル酸及び/又はメタクリル酸のポリマー、例えば、カルボマーが挙げられる。例示的な天然油としては、流動パラフィンとして販売され得る鉱物油(主に、微量のシクロアルカンを含むC15~C40直鎖及び分岐鎖脂肪族アルカン)が挙げられる。例示的な有機粘土増粘剤は、ジステアルジモニウムヘクトライトである。
【0162】
例示的な合成レオロジー調整剤としては、アクリル系ポリマー及びコポリマーが挙げられる。アクリル系レオロジー調整剤の1つのクラスは、アクリル酸を単独で、又は他のエチレン性不飽和モノマーと組み合わせてフリーラジカル重合することによって生成される、カルボキシル官能性のアルカリ膨潤性及びアルカリ可溶性増粘剤(alkali-soluble thickener、AST)である。ポリマーは、溶媒/沈殿及びエマルション重合技術によって合成することができる。このクラスの例示的な合成レオロジー調整剤としては、アクリル酸又はメタクリル酸のホモポリマーと、アクリル酸、置換アクリル酸、並びにアクリル酸及び置換アクリル酸の塩及びC1~C30アルキルエステルの1つ以上のモノマーから重合されたコポリマーとが挙げられる。本明細書に定義されるように、置換アクリル酸は、分子のα及び/又はβ炭素原子上に位置する置換基を含有し、一態様では、置換基は、独立して、C1~4アルキル、-CN、及び-COOHから選択される。任意選択で、例えば、スチレン、酢酸ビニル、エチレン、ブタジエン、アクリロニトリルなどの他のエチレン性不飽和モノマー、及びそれらの混合物を、骨格に共重合させることができる。前述のポリマーは、任意選択で、エチレン性不飽和を含有する2つ以上の部分を含有するモノマーによって架橋される。一態様では、架橋剤は、1分子当たり少なくとも2つのアルケニルエーテル基を含有する多価アルコールのポリアルケニルポリエーテルから選択される。他の例示的な架橋剤は、スクロースのアリルエーテル及びペンタエリスリトールのアリルエーテル、並びにそれらの混合物から選択される。これらのポリマーは、米国特許第5,087,445号、米国特許第4,509,949号、及び米国特許第2,798,053号に更に完全に記載されている。
【0163】
一態様では、ASTレオロジー調整剤又は増粘剤は、アクリル酸又はメタクリル酸から重合された架橋ホモポリマーであり、一般に、カルボマーのINCI名により言及される。市販のカルボマーは、Lubrizol Advanced Materials,Inc.から入手可能なCarbopol(商標)ポリマー934、940、941、956、980、及び996、並びにCarbopol Ultrez 10及び30、Carbopol Clear、及びCarbopol Style 2.0ポリマーを含む。更なる態様では、レオロジー調整剤は、アクリル酸、置換アクリル酸、アクリル酸の塩、及び置換アクリル酸の塩の1つ以上のモノマーから選択される第1のモノマーと、アクリル酸又はメタクリル酸の1つ以上のC10~C30アルキルアクリレートエステルから選択される第2のモノマーとから重合される架橋コポリマーから選択される。一態様では、モノマーは、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第5,288,814号に開示されているような立体安定剤の存在下で重合させることができる。前述のポリマーのうちのいくつかは、INCI命名法の下でアクリレート/C10~30アルキルアクリレートクロスポリマーと指定され、Carbopol(登録商標)1342及び1382、Carbopol(登録商標)Ultrez 20及び21、Carbopol(登録商標)ETD 2020及びPemulen(登録商標)TR-1及びTR-2の商品名でLubrizol Advanced Materials,Inc.から市販されている。
【0164】
別の態様では、補助レオロジー調整剤は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第7,205,271号に開示されているような架橋された直鎖ポリ(ビニルアミド/アクリル酸)コポリマーであることができる。
【0165】
組成物での使用に好適な別のクラスの合成レオロジー調整剤としては、疎水性修飾アルカリ膨潤性及びアルカリ可溶性エマルション(hydrophobically modified alkali-swellable and alkali-soluble emulsion、HASE)ポリマーと一般的に称される疎水性修飾ASTが挙げられる。典型的なHASEポリマーは、pH感受性又は親水性モノマー(例えば、アクリル酸及び/又はメタクリル酸)、疎水性モノマー(例えば、アクリル酸及び/又はメタクリル酸のC1~C30アルキルエステル、アクリロニトリル、スチレン)、「会合性モノマー」、及び任意選択の架橋性モノマーから重合されたフリーラジカル付加ポリマーである。会合性モノマーは、エチレン性不飽和重合性末端基、疎水性末端基で終端する非イオン性親水性中間セクションを含む。非イオン性親水性中間セクションは、ポリオキシアルキレン基、例えば、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、又はポリエチレンオキシド/ポリプロピレンオキシドセグメントの混合物を含む。末端疎水性末端基は、典型的にはC8~C40脂肪族部分である。例示的な脂肪族部分は、直鎖及び分岐鎖アルキル置換基、直鎖及び分岐鎖アルケニル置換基、炭素環式置換基、アリール置換基、アラルキル置換基、アリールアルキル置換基、及びアルキルアリール置換基から選択される。一態様では、会合性モノマーは、ポリエトキシ化及び/又はポリプロポキシル化脂肪族アルコール(典型的には、分岐鎖又は非分岐鎖C8~C40脂肪族部分を含有する)と、カルボン酸基(例えば、アクリル酸、メタクリル酸)、不飽和環状無水物モノマー(例えば、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸)、モノエチレン性不飽和モノイソシアネート(例、α,α-ジメチル-m-イソプロペニルベンジルイソシアネート)又はヒドロキシル基を含有するエチレン性不飽和モノマー(例えば、ビニルアルコール、アリルアルコール)との縮合によって調製することができる。ポリエトキシ化及び/又はポリプロポキシル化脂肪族アルコールは、C8~C40脂肪族部分を含有するモノアルコールのエチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシド付加物である。C8~C40脂肪族部分を含有するアルコールの非限定的な例は、カプリルアルコール、イソオクチルアルコール(2-エチルヘキサノール)、ペラルゴンアルコール(1-ノナノール)、デシルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、セテアリルアルコール(C16~C18モノアルコールの混合物)、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、エライジルアルコール、オレイルアルコール、アラキジルアルコール、ベヘニルアルコール、リグノセリルアルコール、セリルアルコール、モンタニルアルコール、メリシル、ラクセリルアルコール、ゲジルアルコール、及びC2~C20アルキル置換フェノール(例えば、ノニルフェノール)などである。
【0166】
例示的なHASEポリマーは、米国特許第3,657,175号、同第4,384,096号、同第4,464,524号、同第4,801,671号、及び同第5,292,843号に開示されている。加えて、HASEポリマーの広範なレビューは、Gregory D.Shay,Chapter 25,「Alkali-Swellable and Alkali-Soluble Thickener Technology A Review」,Polymers in Aqueous Media-Performance Through Association,Advances in Chemistry Series 223,J.Edward Glass(ed.),ACS,pp.457-494,Division Polymeric Materials,Washington,DC(1989)に見出され、この関連する開示は、参照により本明細書に組み込まれる。市販のHASEポリマーは、Dow Chemicalから、Aculyn(登録商標)22(INCI名:アクリレート/ステアレス-20メタクリレートコポリマー)、Aculyn(登録商標)44(INCI名:PEG-150/デシルアルコール/SMDIコポリマー)、Aculyn46(登録商標)(INCI名:PEG-150ステアリルアルコール/SMDIコポリマー)、及びAculyn(登録商標)88(INCI名:アクリレート/ステアレス-20メタクリレートクロスポリマー)の商品名で、並びにLubrizol Advanced Materials,Inc.からChromapol(商標)5ポリマー及びNovethix(商標)L-10(INCI名:アクリレート/ベヘネス-25メタクリレートコポリマー)の商品名で販売されている。
【0167】
別の実施形態では、酸膨潤性会合性ポリマーは、本開示の技術の疎水性修飾カチオン性ポリマーとともに使用することができる。そのようなポリマーは、一般に、カチオン特性及び会合特性を有する。これらのポリマーは、酸感受性アミノ置換親水性モノマー(例えば、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート又は(メタ)アクリルアミド)、会合性モノマー(上記で定義)、低級アルキル(メタ)アクリレート、又は(メタ)アクリル酸のヒドロキシアルキルエステル、ポリエチレングリコールのビニル及び/若しくはアリルエーテル、ポリプロピレングリコールのビニル及び/若しくはアリルエーテル、ポリエチレングリコール/ポリプロピレングリコールのビニル及び/若しくはアリルエーテル、(メタ)アクリル酸のポリエチレングリコールエステル、(メタ)アクリル酸のポリプロピレングリコールエステル、(メタ)アクリル酸のポリエチレングリコール/ポリプロピレングリコールエステル、並びにそれらの組み合わせから選択される他のフリーラジカル重合性コモノマーを含むモノマー混合物から重合されたフリーラジカル付加ポリマーである。これらのポリマーは、任意選択で架橋させることができる。酸感受性とは、アミノ置換基が、典型的には0.5~6.5の範囲の低いpH値でカチオン性になることを意味する。例示的な酸膨潤性会合性ポリマーは、NouryonからStructure(登録商標)Plus(INCI名:アクリレート/アミノアクリレート/C10~C30アルキルPEG-20イタコネート)の商品名で、及びLubrizol Advanced Materials,Inc.からCarbopol(登録商標)Aqua CC(INCI名:ポリアクリレート-1クロスポリマー)の商品名で市販されている。一態様では、酸膨潤性ポリマーは、(メタ)アクリル酸の1つ以上のC1~C5アルキルエステル、C1~C4ジアルキルアミノC1~C6アルキルメタクリレート、PEG/PPG-30/5アリルエーテル、PEG20~25C10~C30アルキルエーテルメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレートと架橋したヒドロキシC2~C6アルキルメタクリレートのコポリマーである。他の有用な酸膨潤性会合性ポリマーは、米国特許第7,378,479号に開示されている。
【0168】
疎水性修飾アルコキシ化メチルグルコシド、例えば、Lubrizol Advanced Materials,Inc.からそれぞれ、Glucamate(登録商標)DOE-120、Glucamate(商標)LT、Glucamate(商標)VLT、及びGlucamate(商標)SSE-20の商品名で入手可能なPEG-120メチルグルコースジオレエート、PEG-120メチルグルコーストリオレエート、及びPEG-20メチルグルコースセスキステアレートもまた、レオロジー調整剤として好適である。
【0169】
アラビアゴム、ガッチ(gahatti)ゴム、及びトラガカントゴムなどの木及び低木の滲出液から得られる多糖類、並びにペクチン;アルギネート及びカラギーナンなどの海藻抽出物(例えば、ラムダ、カッパ、イオタ、及びその塩);寒天などの藻類抽出物;キサンタン、ゲラン、及びウェラン(wellan)などの微生物多糖;エチルヘキシルエチルセルロース、ヒドロキシブチルメチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、及びヒドロキシプロピルセルロースセルロースエーテルなどの、セルロースエーテル;フェヌグリークガム、カシアガム、ローカストビーンガム、タラガム、グアガムなどの、ポリガラクトマンナン;コーンスターチ、タピオカデンプン、米デンプン、小麦デンプン、ジャガイモデンプン、及びソルガムデンプンなどのデンプンも、好適なレオロジー調整剤として本明細書の組成物に用いることができる。
【0170】
一態様では、好適なレオロジー調整剤は、発酵由来セルロース(fermentation derived cellulose、FDC)である。発酵由来セルロース(デュータンガムSphingomonas発酵抽出物)は、微生物発酵から得られるバイオ系材料である。レオロジー調整剤としての使用に好適な別の天然由来セルロース材料は、微細繊維状セルロース(microfibrous cellulose、MFC)である。
【0171】
レオロジー調整剤は、単独で又は組み合わせて使用することができ、組成物の総重量に基づいて、活性物質基準で、0.001~50重量%、例えば、少なくとも0.1重量%、又は少なくとも1重量%、例えば、最大20重量%、又は最大10重量%、又は最大3重量%で組成物中に存在し得る。
【0172】
界面活性剤
ヘアケア組成物はまた、アニオン性、カチオン性、両性、及び非イオン性界面活性剤、並びにそれらの混合物などの1つ以上の界面活性剤を含み得る。
【0173】
本技術の一態様では、好適なアニオン性界面活性剤としては、アルキルサルフェート、アルキルエーテルサルフェート、アルキルスルホネート、アルカリールスルホネート、α-オレフィンスルホネート、アルキルアミドスルホネート、アルカリールポリエーテルサルフェート、アルキルアミドエーテルサルフェート、アルキルモノグリセリルエーテルサルフェート、アルキルモノグリセリドサルフェート、アルキルモノグリセリドスルホネート、アルキルスクシネート、アルキルスルホスクシネート、アルキルエーテルスルホスクシネート、アルキルスルホスクシナメート、アルキルアミドスルホスクシネート;アルキルスルホアセテート、アルキルホスフェート、アルキルエーテルホスフェート、アルキルエーテルカルボキシレート、アルキルアミドエーテルカルボキシレート、アシルラクチレート、アルキルイセチオネート、アシルイセチオネート、カルボキシレート塩及びアミノ酸由来界面活性剤、例えばN-アルキルアミノ酸、N-アシルアミノ酸、並びにアルキルペプチドが挙げられるが、これらに限定されない。これらのアニオン性界面活性剤の混合物も有用である。
【0174】
一態様では、前述の界面活性剤のカチオン部分は、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、アンモニウム、及びアルカノールアンモニウムイオン、例えばモノエタノールアンモニウム、ジエタノールアンモニウムトリエタノールアンモニウムイオン、並びにモノイソプロピルアンモニウム、ジイソプロピルアンモニウム、及びトリイソプロピルアンモニウムイオンから選択される。一実施形態では、前述の界面活性剤のアルキル基及びアシル基は、一態様では約6~約24個の炭素原子、別の態様では8~22個の炭素原子、及び更なる態様では約12~18個の炭素原子を含有し、不飽和であり得る。界面活性剤中のアリール基は、フェニル又はベンジルから選択される。上記のエーテル含有界面活性剤は、一態様では、界面活性剤分子当たり1~10個のエチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシド単位を含有し得、別の態様では、界面活性剤分子当たり1~3個のエチレンオキシド単位を含有することができる。
【0175】
好適なアニオン性界面活性剤の例としては、1、2、及び3モルのエチレンオキシドでエトキシ化された、ラウレスサルフェート、トリデセスサルフェート、ミレスサルフェート、C12~C13パレスサルフェート、C12~C14パレスサルフェート、及びC12~C15パレスサルフェートのナトリウム、カリウム、リチウム、マグネシウム、及びアンモニウム塩;ラウリル硫酸、ココ硫酸、トリデシル硫酸、ミリスチル硫酸、セチル硫酸、セテアリル硫酸、ステアリル硫酸、オレイル硫酸、及び獣脂硫酸のナトリウム、カリウム、リチウム、マグネシウム、アンモニウム、及びトリエタノールアンモニウム塩、ラウリルスルホコハク酸二ナトリウム、ラウレススルホコハク酸二ナトリウム、ココイルイセチオン酸ナトリウム、ラウロイルイセチオン酸ナトリウム、ラウロイルメチルイセチオン酸ナトリウム、C12~C14オレフィンスルホン酸ナトリウム、ラウレス-6カルボン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、モノラウリルリン酸トリエタノールアミン、並びに約8~約22個の炭素原子を含有する飽和及び不飽和脂肪酸のナトリウム、カリウム、アンモニウム、及びトリエタノールアミン塩を含む脂肪酸石鹸が挙げられる。
【0176】
一態様では、アミノ酸界面活性剤は、以下の式のN-アシルアミノ酸から選択され、
【化5】
式中、R
1は、7~17個の炭素原子を含有する飽和又は不飽和の直鎖又は分岐鎖アルキル鎖であり、R
2は、H又はメチル基であり、R
3は、H、COO
-M
+、CH
2COO
-M
+、又はCOOHであり、nは0~2であり、Xは、COO
-又はSO
3
-であり、Mは、独立してH、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、又はトリエタノールアンモニウムを表す。
【0177】
一態様では、すぐ上の式によって表されるN-アシルアミノ酸界面活性剤は、タウレート、グルタメート、アラニン、アラニネート、サコシネート、アスパルテート、グリシネート、及びそれらの混合物から誘導される。
【0178】
代表的なタウレート界面活性剤は、以下の式に適合し、
【化6】
式中、R
1は、一態様では7~17個の炭素原子を含有し、別の態様では9~13個の炭素原子を含有する、飽和又は不飽和の直鎖又は分岐鎖アルキル鎖であり、R
2は、H又はメチルであり、Mは、H、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、又はトリエタノールアンモニウムである。
【0179】
タウレート界面活性剤の非限定的な例は、ココイルタウリンカリウム、ココイルメチルタウリンカリウム、カプロイルメチルタウリンナトリウム、ココイルタウリンナトリウム、ラウロイルタウリンナトリウム、ココイルメチルタウリンナトリウム、ラウロイルメチルタウリンナトリウム、ミリストイルメチルタウリンナトリウム、オレオイルメチルタウリンナトリウム、パルミトイルメチルタウリンナトリウム、ステアロイルメチルタウリンナトリウム、及びそれらの混合物である。
【0180】
代表的なグルタメート界面活性剤は、以下の式に適合し、
【化7】
式中、R
1は、一態様では7~17個の炭素原子を含有し、別の態様では9~13個の炭素原子を含有する、飽和又は不飽和の直鎖又は分岐鎖アルキル鎖であり、nは、0~2であり、Mは、独立して、H、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、又はトリエタノールアンモニウムである。
【0181】
グルタメート界面活性剤の非限定的な例は、カプリロイルグルタミン酸二カリウム、ウンデシレノイルグルタミン酸二カリウム、カプリロイルグルタミン酸二ナトリウム、ココイルグルタミン酸二ナトリウム、ラウロイルグルタミン酸二ナトリウム、ステアロイルグルタミン酸二ナトリウム、ウンデシレノイルグルタミン酸二ナトリウム、カプリロイルグルタミン酸カリウム、ココイルグルタミン酸カリウム、ラウロイルグルタミン酸カリウム、ミリストイルグルタミン酸カリウム、ステアロイルグルタミン酸カリウム、ウンデシレノイルグルタミン酸カリウム、カプリロイルグルタミン酸ナトリウム、ココイルグルタミン酸ナトリウム、ラウロイルグルタミン酸ナトリウム、ミリストイルグルタミン酸ナトリウム、オリボイルグルタミン酸ナトリウム、パルミトイルグルタミン酸ナトリウム、ステアロイルグルタミン酸ナトリウム、ウンデシレノイルグルタミン酸ナトリウム、及びそれらの混合物である。
【0182】
代表的なアラニン及びアラニネート界面活性剤は、以下の式に適合し、
【化8】
式中、R
1は、一態様では7~17個の炭素原子を含有し、別の態様では9~13個の炭素原子を含有する、飽和又は不飽和の直鎖又は分岐鎖アルキル鎖であり、R
2は、H又はメチルであり、Mは、H、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、又はトリエタノールアンモニウムである。
【0183】
アラニン及びアラニネート界面活性剤の非限定的な例は、ココイルメチルβ-アラニン、ラウロイルβ-アラニン、ラウロイルメチルβ-アラニン、ミリストイルβ-アラニン、ラウロイルメチルβ-アラニンカリウム、ココイルアラニンナトリウム、ココイルメチルβ-アラニンナトリウム、ミリストイルメチルβ-アラニンナトリウム、及びそれらの混合物である。
【0184】
代表的なグリシネート界面活性剤は、以下の式に適合し、
【化9】
式中、R
1は、一態様では7~17個の炭素原子を含有し、別の態様では9~13個の炭素原子を含有する、飽和又は不飽和の直鎖又は分岐鎖アルキル鎖であり、Mは、H、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、又はトリエタノールアンモニウムである。
【0185】
グリシネート界面活性剤の非限定的な例は、パルミトイルグリシンナトリウム、ラウロイルグリシンナトリウム、ココイルグリシンナトリウム、ミリストイルグリシンナトリウム、ラウロイルグリシンカリウム、ココイルグリシンカリウム、ステアロイルグリシンナトリウム、及びそれらの混合物である。
【0186】
代表的なサルコシネート界面活性剤は、以下の式に適合し、
【化10】
式中、R
1は、一態様では7~17個の炭素原子を含有し、別の態様では9~13個の炭素原子を含有する、飽和又は不飽和の直鎖又は分岐鎖アルキル鎖であり、Mは、H、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、又はトリエタノールアミンである。
【0187】
サルコシネート界面活性剤の非限定的な例は、ラウロイルサルコシンカリウム、ココイルサルコシンカリウム、ココイルサルコシンナトリウム、ラウロイルサルコシンナトリウム、ミリストイルサルコシンナトリウム、パルミトイルサルコシンナトリウム、及びそれらの混合物である。
【0188】
代表的なアスパルテート界面活性剤は、以下の式に適合し、
【化11】
式中、R
1は、一態様では7~17個の炭素原子を含有し、別の態様では9~13個の炭素原子を含有する、飽和又は不飽和の直鎖又は分岐鎖アルキル鎖であり、Mは、独立して、H、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、又はトリエタノールアンモニウムである。
【0189】
アスパルテート界面活性剤の非限定的な例は、ラウロイルアスパラギン酸ナトリウム、ミリストイルアスパラギン酸ナトリウム、ココイルアスパラギン酸ナトリウム、カプロイルアスパラギン酸ナトリウム、ラウロイルアスパラギン酸二ナトリウム、ミリストイルアスパラギン酸二ナトリウム、ココイルアスパラギン酸二ナトリウム、カプロイルアスパラギン酸二ナトリウム、ラウロイルアスパラギン酸カリウム、ミリストイルアスパラギン酸カリウム、ココイルアスパラギン酸カリウム、カプロイルアスパラギン酸カリウム、ラウロイルアスパラギン酸二カリウム、ミリストイルアスパラギン酸二カリウム、ココイルアスパラギン酸二カリウム、カプロイルアスパラギン酸二カリウム、及びそれらの混合物である。
【0190】
存在するカチオン性界面活性剤は、コンディショニング剤として作用し、加熱デバイスが毛髪繊維上を滑らかに動くことを確実にすることによって加熱工程を補助し得る。界面活性剤は粘度を増加させるのにも役立ち得るが、それらは、本明細書の例示的な実施形態を説明するためのレオロジー調整剤とは見なされない。
【0191】
カチオン性界面活性剤は、水性界面活性剤組成物の技術分野において既知であるか又は以前に使用されたカチオン性界面活性剤のいずれかであることができる。好適なクラスのカチオン性界面活性剤は、アルキルアミン、アルキルイミダゾリン、エトキシ化アミン、四級化合物、及び四級化エステルである。加えて、アルキルアミンオキシドは、低pHでカチオン性界面活性剤として機能することができる。
【0192】
アルキルアミン界面活性剤は、置換又は非置換の一級、二級、及び三級脂肪族C12~C22アルキルアミンであることができ、場合によっては「アミドアミン」と称される物質の塩であることができる。アルキルアミン及びその塩の例としては、ジメチルコカミン、ジメチルパルミタミン、ジオクチルアミン、ジメチルステアラミン、ジメチルソイアミン、ソイアミン、ミリスチルアミン、トリデシルアミン、エチルステアリルアミン、N-タロウプロパンジアミン、エトキシ化ステアリルアミン、ジヒドロキシエチルステアリルアミン、アラキジルベヘニルアミン、ジメチルラウラミン、ステアリルアミン塩酸塩、ソイアミンクロリド、ギ酸ステアリルアミン、二塩化N-タロウプロパンジアミン、及びアモジメチコン(シリコーンポリマーのINCI名であり、アミノエチルアミノプロピルシロキサンなどのアミノ官能基でブロックされている)が挙げられる。
【0193】
アミドアミン及びその塩の例としては、ステアラミドプロピルジメチルアミン、ステアラミドプロピルジメチルアミンシトレート、パルミタミドプロピルジエチルアミン、及びコカミドプロピルジメチルアミンラクテートが挙げられる。
【0194】
アルキルイミダゾリン界面活性剤の例としては、アルキルヒドロキシエチルイミダゾリン、例えば、ステアリルヒドロキシエチルイミダゾリン、ココヒドロキシエチルイミダゾリン、エチルヒドロキシメチルオレイルオキサゾリンなどが挙げられる。
【0195】
エトキシ化アミンの例としては、PEG-ココポリアミン、PEG-15タロウアミン、クオタニウム-52などが挙げられる。
【0196】
カチオン性界面活性剤として有用な四級アンモニウム化合物の中でも、いくつかは、一般式(R5R6R7R8N+)E-に適合し、式中、R5、R6、R7、及びR8は、独立して、1~約22個の炭素原子を有する脂肪族基、又はアルキル鎖中に1~約22個の炭素原子を有する芳香族、アルコキシ、ポリオキシアルキレン、アルキルアミド、ヒドロキシアルキル、アリール、若しくはアルキルアリール基から選択され、E-は、ハロゲン(例えば、塩化物、臭化物)、アセテート、シトレート、ラクテート、グリコレート、ホスフェート、ニトレート、サルフェート、及びアルキルサルフェートから選択されるものなどの塩形成アニオンである。脂肪族基は、炭素原子及び水素原子に加えて、エーテル結合、エステル結合、及びアミノ基などの他の基を含有することができる。より長鎖の脂肪族基、例えば、約12個以上の炭素原子のもの(アルキル鎖中のC10~C32)は、飽和又は不飽和であることができる。一態様では、アリール基は、フェニル及びベンジルから選択される。
【0197】
例示的な四級アンモニウム界面活性剤としては、セチルトリメチルアンモニウムクロリド(セトリモニウムクロリド)、セチルピリジニウムクロリド、ジセチルジメチルアンモニウムクロリド、ジヘキサデシルジメチルアンモニウムクロリド、ステアリルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、オクタデシルジメチルアンモニウムクロリド、ジエイコシルジメチルアンモニウムクロリド、ジドコシルジメチルアンモニウムクロリド、ジヘキサデシルジメチルアンモニウムクロリド、ジヘキサデシルジメチルアンモニウムアセテート、ベヘニルトリメチルアンモニウムクロリド(ベヘントリモニウムクロリド)、ベンザルコニウムクロリド、ベンゼトニウムクロリド、及びジ(ココアルキル)ジメチルアンモニウムクロリド、ジタロウジメチルアンモニウムクロリド、ジ(水素化タロウ)ジメチルアンモニウムクロリド、ジ(水素化タロウ)ジメチルアンモニウムアセテート、ジタロウジメチルアンモニウムメチルサルフェート、ジタロウジプロピルアンモニウムホスフェート、並びにジタロウジメチルアンモニウムニトレートが挙げられるが、これらに限定されない。
【0198】
低pHでは、アミンオキシドは、プロトン化し、N-アルキルアミンと同様に挙動することができる。例としては、ジメチル-ドデシルアミンオキシド、オレイルジ(2-ヒドロキシエチル)アミンオキシド、ジメチルテトラデシルアミンオキシド、ジ(2-ヒドロキシエチル)-テトラデシルアミンオキシド、ジメチルヘキサデシルアミンオキシド、ベヘンアミンオキシド、コカミンオキシド、デシルテトラデシルアミンオキシド、ジヒドロキシエチルC12~C15、アルコキシプロピルアミンオキシド、ジヒドロキシエチルコカミンオキシド、ジヒドロキシエチルラウラミンオキシド、ジヒドロキシエチルステアラミンオキシド、ジヒドロキシエチルタロウアミンオキシド、水素化パーム核アミンオキシド、水素化タロウアミンオキシド、ヒドロキシエチルヒドロキシプロピルC12~C15アルコキシプロピルアミンオキシド、ラウラミンオキシド、ミリスタミンオキシド、セチルアミンオキシド、オレアミドプロピルアミンオキシド、オレアミンオキシド、パルミタミンオキシド、PEG-3ラウラミンオキシド、ジメチルラウラミンオキシド、カリウムトリスホスホノメチルアミンオキシド、ソイアミドプロピルアミンオキシド、コカミドプロピルアミンオキシド、ステアラミンオキシド、タロウアミンタロウアミンオキシド、及びそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0199】
低pHでは、アミンオキシドは、プロトン化し、N-アルキルアミンと同様に挙動することができる。例としては、ジメチル-ドデシルアミンオキシド、オレイルジ(2-ヒドロキシエチル)アミンオキシド、ジメチルテトラデシルアミンオキシド、ジ(2-ヒドロキシエチル)-テトラデシルアミンオキシド、ジメチルヘキサデシルアミンオキシド、ベヘンアミンオキシド、コカミンオキシド、デシルテトラデシルアミンオキシド、ジヒドロキシエチルC12~15、アルコキシプロピルアミンオキシド、ジヒドロキシエチルコカミンオキシド、ジヒドロキシエチルラウラミンオキシド、ジヒドロキシエチルステアラミンオキシド、ジヒドロキシエチルタロウアミンオキシド、水素化パーム核アミンオキシド、水素化タロウアミンオキシド、ヒドロキシエチルヒドロキシプロピルC12~C15アルコキシプロピルアミンオキシド、ラウラミンオキシド、ミリスタミンオキシド、セチルアミンオキシド、オレアミドプロピルアミンオキシド、オレアミンオキシド、パルミタミンオキシド、PEG-3ラウラミンオキシド、ジメチルラウラミンオキシド、カリウムトリスホスホノメチルアミンオキシド、ソイアミドプロピルアミンオキシド、コカミドプロピルアミンオキシド、ステアラミンオキシド、タロウアミンタロウアミンオキシド、及びそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0200】
本技術の一態様では、好適な両性界面活性剤としては、アルキルベタイン、例えば、ラウリルベタイン;アルキルアミドベタイン、例えば、コカミドプロピルベタイン及びココヘキサデシルジメチルベタイン;アルキルアミドスルタイン、例えば、コカミドプロピルヒドロキシスルタイン;(モノ-及びジ-)アンホカルボキシレート、例えば、ナトリウムココアンホアセテート、ナトリウムラウロアンホアセテート、ナトリウムカプリロアンホアセテート、二ナトリウムココアンホジアセテート、二ナトリウムラウロアンホジアセテート、二ナトリウムカプリルアンホジアセテート、二ナトリウムカプリロアンホジアセテート、二ナトリウムココアンホジプロピオネート、二ナトリウムラウロアンホジプロピオネート、二ナトリウムカプリルアンホジプロピオネート、及び二ナトリウムカプリロアンホジプロピオネート;並びにそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0201】
当業者であれば、両性界面活性剤を含有する組成物のpH条件下で、これらの界面活性剤が、正電荷と負電荷のバランスをとることによって電気的に中性であるか、又は電荷バランス部分としてアルカリ金属、アルカリ土類、若しくはアンモニウムイオンなどの対イオンを含有することを認識するように、前述の両性界面活性剤(すなわち、ベタイン及びスルタインは対イオンなしで開示されている。
【0202】
非イオン性界面活性剤は、水性界面活性剤組成物の技術分野において既知であるか又は以前に使用されていた非イオン性界面活性剤のいずれであることができる。好適な非イオン性界面活性剤としては、脂肪族(C6~C18)一級又は二級直鎖又は分岐鎖酸、アルコール、又はフェノール;アルキルエトキシレート;アルキルフェノールアルコキシレート(特にエトキシレート及び混合エトキシ/プロポキシ部分);アルキルフェノールのブロックアルキレンオキシド縮合物;アルカノールのアルキレンオキシド縮合物;並びにエチレンオキシド/プロピレンオキシドブロックコポリマーが挙げられるが、これらに限定されない。他の好適な非イオン性界面活性剤としては、モノ又はジアルキルアルカノールアミド;アルキルポリグルコシド(alkyl polyglucoside、APG);ソルビタン脂肪酸エステル;ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル;ポリオキシエチレンソルビトールエステル;ポリオキシエチレン酸、及びポリオキシエチレンアルコールが挙げられる。好適な非イオン性界面活性剤の他の例としては、ココモノエタノールアミド又はココジエタノールアミド、ココグルコシド、デシルジグルコシド、ラウリルジグルコシド、ココジグルコシド、ポリソルベート20、40、60、及び80、エトキシ化直鎖アルコール、セテアリルアルコール、ラノリンアルコール、ステアリン酸、ステアリン酸グリセリル、PEG-100ステアレート、ラウレス7、及びオレス20が挙げられる。
【0203】
別の実施形態では、非イオン性界面活性剤としては、アルコキシル化メチルグルコシド、例えば、Lubrizol Advanced Materials,Inc.からそれぞれ、Glucam(登録商標)E10、Glucam(登録商標)E20、Glucam(登録商標)P10、及びGlucam(登録商標)P20の商品名で入手可能なメチルグルセス-10、メチルグルセス-20、PEG-20メチルグルコースエーテル、及びPPG-10メチルグルコースエーテル、及びPPG-20メチルグルコースエーテルが挙げられ、疎水性修飾アルコキシル化メチルグルコシド、例えば、Lubrizol Advanced Materials,Inc.からそれぞれ、Glucamate(登録商標)DOE-120、Glucamate(商標)LT、Glucamate(商標)VLT、及びGlucamate(商標)SSE-20の商品名で入手可能なPEG-120メチルグルコースジオレエート、PEG-120メチルグルコーストリオレエート、及びPEG-20メチルグルコースセスキステアレートなどもまた好適である。他の例示的な疎水性修飾アルコキシル化メチルグルコシドは、米国特許第6,573,375号及び同第6,727,357号に開示されている。
【0204】
組成物中で利用することができる他の界面活性剤は、国際公開第99/21530号、米国特許第3,929,678号、同第4,565,647号、同第5,720,964号、及び同第5,858,948号に更に詳細に記載されている。加えて、好適な界面活性剤は、McCutcheon’s Emulsifiers and Detergents(North American and International Editions,by Schwartz,Perry and Berch)にも記載されている。
【0205】
例示的な熱活性化剤を含む組成物中で利用される界面活性剤の量は、所望の用途に応じて広範囲に変動し得るが、多くの場合に利用される量は、一般に、活性物質基準で1重量%~80重量%の範囲である。例えば、界面活性剤は、活性物質基準で、0.001~20重量%、例えば、少なくとも0.1重量%の総濃度で組成物中に存在し得る。
【0206】
コンディショニング剤
コンディショニング剤は、毛髪、頭皮、及び/又は皮膚に特定のコンディショニング利益を与えるために使用される任意の材料を含む。ヘアトリートメント組成物において、好適なコンディショニング剤は、光沢、柔軟性、櫛通り性、帯電防止特性、濡れた状態での取り扱い、損傷、扱いやすさ、弾力、及びべたつきに関する1つ以上の利益を送達するものである。本技術の毛髪着色組成物での使用に好適なコンディショニング剤としては、比較的低分子量のカチオン性化合物及びカチオン性ポリマー、両性ポリマー、シリコーン(例えば、シリコーン油、カチオン性シリコーン、シリコーンガム、高屈折率シリコーン、及びシリコーン樹脂)、有機コンディショニング油(例えば、炭化水素油、ポリオレフィン、天然油、及びエステル油)、並びにそれらの組み合わせが挙げられる。
【0207】
カチオン性化合物は、少なくとも1つのカチオン性部分又はイオン化してカチオン性部分を形成することができる少なくとも1つの部分を含有する非ポリマー化合物である。典型的には、これらのカチオン性部分は、四級アンモニウム塩又はプロトン化アミノ基などの窒素含有基である。カチオン性プロトン化アミンは、一級、二級、又は三級アミンであることができる。一態様では、カチオン性コンディショニング剤としては、ヘアコンディショニングの技術分野において周知の四級窒素含有非ポリマー材料及びポリマー材料が挙げられる。一態様では、(a)とは異なる補助コンディショニング剤は、一般式(R75)(R76)(R77)(R78)N+CA-に対応するジアルキル四級アンモニウム化合物であり、式中、R75、R76、R77、及びR78のうち2つは、12~22個の炭素原子を含有するアルキル基、又はエステル基の有無にかかわらず最大約30個の炭素原子を有する芳香族、アルコキシ、ポリオキシアルキレン、アルキルアミド、ヒドロキシアルキル、アリール、若しくはアルキルアリール基から選択され、R75、R76、R77、及びR78の残りは、1~約4個の炭素原子を含有するアルキル基、又は最大約4個の炭素原子を有するアルコキシ、ポリオキシアルキレン、アルキルアミド、ヒドロキシアルキル、アリール、若しくはアルキルアリール基から独立して選択され、CA-は、ハロゲン(例えば、塩化物、臭化物)、アセテート、シトレート、ラクテート、グリコレート、ホスフェート、ニトレート、スルホネート、サルフェート、アルキルサルフェート、及びアルキルスルホネート(例えば、メトサルフェート及びエトサルフェート)部分から選択されるものなどの塩形成アニオンである。アルキル基は、炭素原子及び水素原子に加えて、エーテル結合及び/又はエステル結合、並びにアミノ基などの他の基を含有することができる。より長鎖のアルキル基、例えば、約12個以上の炭素原子のものは、飽和若しくは不飽和又は分岐鎖であることができる。一実施形態では、R75、R76、R77、及びR78のうちの2つは、一態様では12~22個の炭素原子、別の態様では14~20個の炭素原子、及び更なる態様では16~18個の炭素原子を含有するアルキル基から選択され、R75、R76、R77、及びR78の残りは、独立して、CH3、C2H5、C2H4OH、及びそれらの混合物から選択される。R75、R76、R77、及びR78のいずれか2つとともに、それらが結合している窒素原子を一緒に組み合わせて、5~6個の炭素原子を含有する環構造を形成することができ、当該炭素原子のうちの1つは、任意選択で、窒素、酸素、又は硫黄から選択されたヘテロ原子で置き換えることができる。CA-は、ハロゲン(例えば塩化物、臭化物)、アセテート、シトレート、ラクテート、グリコレート、ホスフェート、ニトレート、サルフェート、及びアルキルサルフェート(例えば、メトサルフェート、エトサルフェート)から選択される塩形成アニオンである。
【0208】
ジアルキル四級化アンモニウム化合物の非限定的な例としては、ジココジモニウムクロリド;ジココジモニウムブロミド;ジミリスチルジオニウムクロリド;ジミリスチルジオニウムブロミド;ジセチルジモニウムクロリド;ジセチルジモニウムブロミド;ジセチルメチルベンジルモニウムクロリド;ジステアリルジモニウムクロリド;ジステアリルジモニウムブロミド;ジメチルジ(水素化タロウ)モニウムクロリド;ヒドロキシプロピルビスステアリルモニウムクロリド;ジステアリルメチルベンジルモニウムクロリド;ジベヘニル/ジアラキジルジオニウムクロリド;ジベヘニル/ジアラキジルジオニウムブロミド;ジベヘニルジオニウムクロリド;ジベヘニルジオニウムブロミド;ジベヘニルジモニウムメトサルフェート;ジベヘニルメチルベンジルモニウムクロリド;ジ水素化タロウベンジルモニウムクロリド;ジ水素化タロウエチルヒドロキシエチルモニウムメトサルフェート;ジ水素化タロウヒドロキシエチルモニウムメトサルフェート;ジ-C12~C15アルキルジオニウムクロリド;ジ-C12~C18アルキルジオニウムクロリド;ジ-C14~C18アルキルジオニウムクロリド;ジココイルエチルヒドロキシエチルモニウムメトサルフェート;ジソイオイルエチルヒドロキシエチルモニウムメトサルフェート;ジパルミトイルエチルジオニウムクロリド;ジ水素化パルモイルエチルヒドロキシエチルモニウムメトサルフェート;ジ水素化タロウアミドエチルヒドロキシエチルモニウムクロリド;ジ水素化タロウアミドエチルヒドロキシエチルモニウムメトサルフェート;ジ水素化タロウオイルエチルヒドロキシエチルモニウムメトサルフェート;ジステアロイルエチルヒドロキシエチルモニウムメトサルフェート;及びクオタニウム-82が挙げられる。
【0209】
一態様では、カチオン性化合物は、一般式:(R80)(R81)(R82)(R83)N+CA-に対応する非対称ジアルキル四級アンモニウム化合物であり、式中、R80は、12~22個の炭素原子を含有するアルキル基、又は最大約22個の炭素原子を含有する芳香族、アルコキシ、ポリオキシアルキレン、アルキルアミド、ヒドロキシアルキル、アリール、若しくはアルキルアリール基から選択され、R81は、5~12個の炭素原子を含有するアルキル基、又は最大約12個の炭素原子を含有する芳香族、アルコキシ、ポリオキシアルキレン、アルキルアミド、ヒドロキシアルキル、アリール、若しくはアルキルアリール基から選択され、R82及びR83は、独立して、1~約4個の炭素原子を含有するアルキル基、又は最大約4個の炭素原子を含有する芳香族、アルコキシ、ポリオキシアルキレン、アルキルアミド、ヒドロキシアルキル、アリール、若しくはアルキルアリール基から選択され、CA-は、例えば、ハロゲン(例えば、塩化物、臭化物)、アセテート、シトレート、ラクテート、グリコレート、ホスフェート、ニトレート、サルフェート、及びアルキルサルフェート(例えば、メトサルフェート及びエトサルフェート)などの塩形成アニオンである。アルキル基は、炭素原子及び水素原子に加えて、エーテル結合、エステル結合、及びアミノ基などの他の部分を含有することができる。より長鎖のアルキル基、例えば、約12個以上のものは、飽和若しくは不飽和並びに/又は直鎖若しくは分岐鎖であることができる。一実施形態では、R80は、一態様では12~22個の炭素原子、別の態様では14~20個の炭素原子、及び更なる態様では16~18個の炭素原子を含有する非官能化アルキル基から選択され、R81は、一態様では5~12個の炭素原子、別の態様では6~10個の炭素原子、及び更なる態様では8個の炭素原子を含有する非官能化アルキル基から選択され、R82及びR83は、独立して、CH3、C2H5、C2H4OH、及びそれらの混合物から選択され、CA-は、Cl、Br、CH3OSO3、C2H5OSO3、及びそれらの混合物から選択される。一態様では、R80は、直鎖飽和非官能化アルキル基であり、R81は、分岐鎖飽和非官能化アルキル基である。一態様では、R81の分岐基は、1~4個の炭素原子を含有する直鎖飽和アルキル基であり、別の態様では、R81は、2個の炭素原子を含有するアルキル基である。
【0210】
非対称ジアルキル四級化アンモニウム塩化合物の非限定的な例としては、ステアリルエチルヘキシルジオニウムクロリド、ステアリルエチルヘキシルジオニウムブロミド;ステアリルエチルヘキシルジモニウムメトサルフェート;セテアリルエチルヘキシルジモニウムメトサルフェートが挙げられる。
【0211】
多数の四級窒素含有化合物、それらの製造業者、及びそれらの化学特性の一般的な説明は、CTFA Dictionary及びInternational Cosmetic Ingredient Dictionary,Vol.1 and 2,5th Ed(Cosmetic Toiletry and Fragrance Association,Inc.(CTFA)発行)(1993)に見出され、これらの関連する開示は、参照により本明細書に組み込まれる。CTFAによって又は製造業者によって成分に割り当てられた名称が便宜上使用される。
【0212】
(a)とは異なる補助コンディショニング剤として有用な四級アンモニウム化合物の他の非限定的な例としては、アセトアミドプロピルトリモニウムクロリド、ベヘンアミドプロピルエチルジモニウムエトサルフェート、セチルモルホリニウムエトサルフェート、ココアミドプロピルエチルジモニウムエトサルフェート、ジセチルジモニウムクロリド、ヒドロキシエチルベヘンアミドプロピルジモニウムクロリド、クオタニウム-18、クオタニウム-26、クオタニウム-27、クオタニウム-53、クオタニウム-63、クオタニウム-70、クオタニウム-72、クオタニウム-76、クオタニウム-87、PPG-9ジエチルモニウムクロリド、PPG-25ジエチルモニウムクロリド、PPG-40ステアラルコニウムクロリド、イソステアラミドプロピルエチルジオニウムエトサルフェート、及びそれらの混合物が挙げられる。
【0213】
一態様では、(a)とは異なる補助コンディショニング剤は、以下の式によって表される四級窒素含有エーテル置換エトキシ化アルキルグルコシド化合物であり、
【化12】
式中、R
86は、C
1~C
5アルキル、例えば、メチル、エチル、プロピルを表し、R
87、R
88、R
89、及びR
90は、独立して、水素;C
1~C
22アルキル基;C
2~C
22アルケニル基;-C(O)R
95によって表されるアシル置換基であって、式中、R
95が、C
5~C
21アルキル又はC
5~C
21アルケニルから選択される、アシル置換基を表し、式中、R
87、R
88、R
89、及びR
90のうちの少なくとも1つは、以下の式によって表される四級窒素部分を表し、
【化13】
式中、R
91は、C
1~C
5アルキレン、例えば、メチレン、エチレン、プロピレン、又はC
1~C
5ヒドロキシ置換アルキレン、例えば、ヒドロキシメチレン、ヒドロキシエチレン、ヒドロキシプロピレンであり、R
92、R
93、及びR
94は、独立して、C
1~C
22アルキル、例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、デシル、ドデシル、ヘキサデシル、オクタデシル、ベヘニル;C
6~C
10アリール、例えば、フェニル、トリル、ベンジルを表し、X
-は、例えば、ハロゲン、(例えば、塩化物、臭化物)、アセテート、シトレート、ラクテート、グリコレート、ホスフェート、ニトレート、サルフェート、及びアルキルサルフェート(例えば、メトサルフェート及びエトサルフェート)などの塩形成アニオンであり、式中、s+t+u+vの合計は、約1~約200、又は約5~約100、又は約8~約50、又は約10~約25の範囲である。
【0214】
一態様では、R86は、メチル基であり、R87~R90置換基のうちの少なくとも1つは、四級窒素含有部分であり、四級窒素部分で置換されていない残りのR87~R90置換基は、水素から選択され、R91は、ヒドロキシアルキレンであり、R92~R94のうちの2つは、メチルを表し、メチルではないR92~R94の残りの置換基は、C10~C22アルキル又はC10~C22アルケニル基から選択される。
【0215】
すぐ上の構造で示される四級窒素含有エーテル置換エトキシ化アルキルグルコシド化合物は、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第5,138,043号に開示されている。一態様では、好適な四級窒素含有エーテル置換エトキシ化アルキルグルコシド化合物は、Lubrizol Advanced Materials,Inc.からGluquat(商標)125の商品名で市販されているラウリルメチルグルセス-10ヒドロキシプロピルジモニウムクロリドである。
【0216】
カチオン性ポリマーはまた、単独で、又は本明細書に記載の他のコンディショニング剤と組み合わせて、コンディショニング剤として有用である。好適なカチオン性ポリマーは、合成的に誘導することができるか、又は天然ポリマーは、カチオン性部分を含有するように合成的に修飾することができる。ポリマー四級アンモニウム部分塩含有ポリマーは、ジアルキルジアリルアンモニウム塩などのジアリルアミン又はそのコポリマーの重合によって調製することができ、アルキル基は、一態様では1~約22個の炭素原子を含有し、別の態様ではメチル又はエチルを含有する。ジアルキルジアリルアンモニウム塩から誘導される四級部分と、アクリル酸及びメタクリル酸のアニオン性モノマーから誘導されるアニオン性構成成分とを含有するコポリマーは、好適なコンディショニング剤である。また、ジメチルジアリルアンモニウム塩などのジアリルアミンの誘導体から調製されるカチオン構成成分と、アクリル酸又は2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸のアニオン性モノマーから誘導されるアニオン構成成分と、アクリルアミドの非イオン性モノマーから誘導される非イオン性構成成分とを有するポリ両性電解質ターポリマーも好適である。そのような四級アンモニウム塩部分含有ポリマーの調製は、例えば、米国特許第3,288,770号、同第3,412,019号、同第4,772,462号、及び同第5,275,809号に見出すことができ、これらの関連する開示は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0217】
そのようなポリマーの非限定的な例は、CTFAウェブサイトを介したCTFAInternational Cosmetic Ingredient Dictionary/HandbookCTFACosmetic Ingredient Handbook,Ninth Ed.,Cosmetic and Fragrance Assn.,Inc.,Washington D.C.(2002)(参照により本明細書に組み込まれる)に記載されており、使用することができる。
【0218】
一態様では、好適なカチオン性ポリマーとしては、アルキル基がメチル又はエチルである前述の四級化ホモポリマー及びコポリマーの塩化物塩が挙げられ、Lubrizol Advanced Materials,Inc.からMerquat(登録商標)シリーズの商標で市販されている。
【0219】
CTFA名ポリクオタニウム-6を有する、ジアリルジメチルアンモニウムクロリド(diallyl dimethyl ammonium chloride、DADMAC)から調製されるホモポリマーは、Merquat 100及びMerquat 106の商標で入手可能である。CTFA名ポリクオタニウム-7を有する、DADMAC及びアクリルアミドから調製されるコポリマーは、Merquat 550の商標で販売されている。CTFA名ポリクオタニウム-22を有する、DADMAC及びアクリル酸から調製される別のコポリマーは、Merquat280の商標で販売されている。ポリクオタニウム-22及びその関連ポリマーの調製は、米国特許第4,772,462号に記載されており、この関連する開示は参照により本明細書に組み込まれる。
【0220】
アクリルアミド又はメチルアクリレートから誘導される非イオン性構成成分、DADMAC又はメタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド(methacrylamidopropyl trimethyl ammonium chloride、MAPTAC)から誘導されるカチオン性構成成分、及びアクリル酸又は2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸又はアクリル酸と2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸との組み合わせから誘導されるアニオン性構成成分から調製される両性ターポリマーも有用である。CTFA名ポリクオタニウム-39を有する、アクリル酸、DADMAC、及びアクリルアミドから調製される両性ターポリマーは、Merquat Plus 3330の商標で入手可能である。CTFA名ポリクオタニウム-47を有する、アクリル酸、メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド(MAPTAC)、及びメチルアクリレートから調製される別の両性ターポリマーは、Merquat 2001の商標で入手可能である。CTFA名ポリクオタニウム-53を有する、アクリル酸、MAPTAC、及びアクリルアミドから調製される更に別の両性ターポリマーは、Merquat 2003PRの商標で入手可能である。そのようなターポリマーの調製は、米国特許第5,275,809号に記載されており、この関連する開示は参照により本明細書に組み込まれる。
【0221】
本開示の技術の毛髪着色組成物におけるコンディショナーとして好適な他のカチオン性ポリマー及びコポリマーは、CTFA名ポリクオタニウム-4、ポリクオタニウム-11、ポリクオタニウム-16、ポリクオタニウム-22、ポリクオタニウム-28、ポリクオタニウム-29、ポリクオタニウム-30、ポリクオタニウム-32、ポリクオタニウム-33、ポリクオタニウム-35、ポリクオタニウム-36、ポリクオタニウム-37、ポリクオタニウム-44、ポリクオタニウム-46、ポリクオタニウム-47、ポリクオタニウム-52、ポリクオタニウム-53、ポリクオタニウム-55、ポリクオタニウム-59、ポリクオタニウム-61、ポリクオタニウム-64、ポリクオタニウム-65、ポリクオタニウム-67、ポリクオタニウム-69、ポリクオタニウム-70、ポリクオタニウム-71、ポリクオタニウム-72、ポリクオタニウム-73、ポリクオタニウム-74、ポリクオタニウム-76、ポリクオタニウム-77、ポリクオタニウム-78、ポリクオタニウム-79、ポリクオタニウム-80、ポリクオタニウム-81、ポリクオタニウム-82、ポリクオタニウム-84、ポリクオタニウム-85、ポリクオタニウム-87、及びPEG-2-ココモニウムクロリドを有する。
【0222】
毛髪着色組成物での使用に好適な例示的なカチオン修飾天然ポリマーとしては、カチオン修飾セルロースなどのカチオン修飾多糖ポリマー、及び四級アンモニウムハロゲン化物部分で修飾されたカチオン修飾デンプン誘導体が挙げられる。例示的なカチオン修飾セルロースポリマーは、トリメチルアンモニウム置換エポキシド(CTFA、ポリクオタニウム-10)と反応させたヒドロキシエチルセルロースの塩である。他の好適なタイプのカチオン修飾セルロースとしては、ラウリルジメチルアンモニウム置換エポキシド(CTFA、ポリクオタニウム-24)と反応させたヒドロキシエチルセルロースのポリマー四級アンモニウム塩が挙げられる。CTFA名デンプンヒドロキシプロピルトリモニウムクロリドを有するカチオン修飾ジャガイモデンプンは、Lubrizol Advanced Materials,Inc.からSensomer(商標)CI-50の商標で入手可能である。
【0223】
他の好適なカチオン修飾天然ポリマーとしては、グアガム誘導体及びカシアガム誘導体などのカチオン性ポリガラクトマンナン誘導体、例えば、CTFA:グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド、ヒドロキシプロピルグアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド、及びカシアヒドロキシプロピルトリモニウムクロリドが挙げられる。グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリドは、Ashland Inc.からJaguar(商標)の商品名シリーズ及びN-Hanceの商品名シリーズで市販されている。カシアヒドロキシプロピルトリモニウムクロリドは、Lubrizol Advanced Materials,Inc.からSensomer(商標)CT-250及びSensomer(商標)CT-400の商標で市販されている。
【0224】
一態様では、ポリマーカチオン性両性ポリマーは、組成物の総重量に基づいて、約0.05~約5重量%、又は約0.1~約3重量%、又は約0.5~約2.0重量%で存在することができる。
【0225】
シリコーン
シリコーンコンディショニング剤としては、揮発性シリコーン、不揮発性シリコーン、及びそれらの混合物が挙げられ得る。揮発性シリコーンが存在する場合、それらは、典型的には、オイル及びガム及び樹脂などの不揮発性シリコーン流体コンディショニング剤の市販の形態用の溶媒又は担体として用いられる。揮発性シリコーン流体は、多くの場合、シリコーン流体沈着の有効性を改善するために、又は毛髪の輝き、つや、若しくは光沢を向上させるために、コンディショニングパッケージに含まれる。揮発性シリコーン材料は、毛髪、頭皮、及び皮膚に関する感覚的属性(例えば、感触)を向上させるために配合物に頻繁に含まれる。
【0226】
一態様では、シリコーンコンディショニング剤は、不揮発性であり、シリコーン油、ガム、樹脂、及びそれらの混合物を含む。不揮発性とは、シリコーンが周囲温度条件で非常に低い蒸気圧(例えば、20℃で2mmHg未満)を有することを意味する。不揮発性シリコーンコンディショニング剤は、一態様では約250℃超、別の態様では約260℃超、及び更なる態様では約275超の沸点を有する。シリコーン油、ガム、及び樹脂、並びにそれらの製造を考察するセクションを含むシリコーンに関する背景情報は、Encyclopedia of Polymer Science and Engineering,vol.15,2d ed.,pp204-308,John Wiley & Sons,Inc.(1989)に見出される。
【0227】
シリコーン油
一態様では、シリコーンコンディショニング剤は、ポリオルガノシロキサン材料から選択されるシリコーン油である。一態様では、ポリオルガノシロキサン材料は、ポリアルキルシロキサン、ポリアリールシロキサン、ポリアルキルアリールシロキサン、ヒドロキシル末端ポリアルキルシロキサン、ポリアリールアルキルシロキサン、アミノ官能性ポリアルキルシロキサン、四級官能性ポリアルキルシロキサン、及びそれらの混合物から選択することができる。
【0228】
一態様では、シリコーン油コンディショニング剤は、以下の式によって表されるポリオルガノシロキサンを含み、
【化14】
式中、Bは、独立して、ヒドロキシ、メチル、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、及びフェノキシを表し、R
40は、独立して、メチル、エチル、プロピル、フェニル、メチルフェニル、フェニルメチル、一級、二級、又は三級アミン、
-R
41-N(R
42)CH
2CH
2N(R
42)
2;
-R
41-N(R
42)
2;
-R
41-N
+(R
42)
3CA
-;及び
-R
41-N(R
42)CH
2CH
2N
+(R
42)H
2CA
-から選択される基から選択される四級基を表し、
式中、R
41は、2~10個の炭素原子を含有する直鎖又は分岐鎖のヒドロキシル置換又は非置換アルキレン又はアルキレンエーテル部分であり、R
42は、水素、C
1~C
20アルキル(例えば、メチル)、フェニル、又はベンジルであり、qは、約2~約8の範囲の整数であり、CA
-は、塩素、臭素、ヨウ素、及びフッ素から選択されるハロゲン化物イオンであり、xは、約7~約8000、又は約50~約5000、又は約100~約3000、又は約200~約1000の範囲の整数である。
【0229】
一態様では、アミノ官能性ポリアルキルシロキサンは、以下の式によって表すことができ、
【化15】
式中、Bは、独立して、ヒドロキシ、メチル、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、及びフェノキシを表し、R
40は、
-R
41-N(R
42)CH
2CH
2N(R
42)
2;
-R
41-N(R
42)
2;
-R
41-N
+(R
42)
3CA
-;及び
-R
41-N(R
42)CH
2CH
2N
+(R
42)H
2CA
-から選択され、
式中、R
41は、2~10個の炭素原子を含有する直鎖又は分岐鎖のヒドロキシル置換又は非置換アルキレン又はアルキレンエーテル部分であり、R
42は、水素、C
1~C
20アルキル(例えば、メチル)、フェニル、又はベンジルであり、CA
-は、塩素、臭素、ヨウ素、及びフッ素から選択されるハロゲン化物イオンであり、m+nの合計は、約7~約1000、又は約50~約250、又は約100~約200の範囲であるが、但し、m又はnは、0ではない。一態様では、Bは、ヒドロキシであり、R
40は、-(CH
2)
3NH(CH
2)
3NH
2である。別の態様では、Bは、メチルであり、R
40は、-(CH
2)
3NH(CH
2)
3NH
2である。更に別の態様では、Bは、メチルであり、R
40は、-(CH
2)
3OCH
2CH(OH)CH
2N
+(R
42)
3CA
-によって表される四級アンモニウム部分であり、式中、R
42及びCA
-は、先に定義したとおりである。
【0230】
シリコーン油コンディショニング剤は、25℃で約25超~約1,000,000mPa・s、又は約100~約600,000mPa・s、又は約1000~約100,000mPa・s、又は約2,000~約50,000mPa・s、又は約4,000~約40,000mPa・sの範囲の粘度を有することができる。粘度は、1970年7月20日付けのDow Corning Corporate Test Method CTM004に記載されているようにガラス毛細管粘度計を用いて測定される。一態様では、シリコーン油は、約200,000ダルトン未満の平均分子量を有する。平均分子量は、約400~約199,000、又は約500~約150,000ダルトン、又は約1,000~約100,000ダルトン、又は約5,000~約65,000ダルトンの範囲であり得る。
【0231】
例示的なシリコーン油コンディショニング剤としては、ポリジメチルシロキサン(ジメチコン)、ポリジエチルシロキサン、末端ヒドロキシル基を有するポリジメチルシロキサン(ジメチコノール)、ポリメチルフェニルシロキサン、フェニルメチルシロキサン、アミノ官能性ポリジメチルシロキサン(アモジメチコン)、及びそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0232】
シリコーンガム
開示される技術において有用な別のシリコーンコンディショニング剤は、シリコーンガムである。シリコーンガムは、上記のシリコーン油と同じ一般構造のポリオルガノシロキサン材料であり、式中、Bは、独立して、ヒドロキシ、メチル、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、及びフェノキシを表し、R40は、独立して、メチル、エチル、プロピル、フェニル、メチルフェニル、フェニルメチル、及びビニルを表す。シリコーンガムは、25℃で測定された1,000,000mPa・s超の粘度を有する。粘度は、シリコーン油について上記したように、ガラス毛細管粘度計を用いて測定することができる。一態様では、シリコーンガムは、約200,000ダルトン以上の平均分子量を有する。分子量は、典型的には、約200,000~約1,000,000ダルトンの範囲であり得る。本明細書に記載のシリコーンガムはまた、前述のシリコーン油といくらか重複し得ることが認識される。この重複は、これらの材料のいずれかに対する制限として意図されるものではない。
【0233】
本開示の技術の毛髪着色組成物のシリコーン構成成分での使用に好適なシリコーンガムは、任意選択で末端基を有するポリジメチルシロキサン(ジメチコン)、例えば、ヒドロキシル(ジメチコノール)、ポリメチルビニルシロキサン、ポリジフェニルシロキサン、及びそれらの混合物である。
【0234】
シリコーン樹脂
シリコーン樹脂は、本開示の技術の組成物での使用に好適なシリコーンコンディショニング剤として含めることができる。これらの樹脂は、架橋ポリシロキサンである。架橋は、シリコーン樹脂の製造中に、三官能性及び四官能性シランに単官能性及び/又は二官能性シランを組み込むことによって導入される。当該技術分野でよく理解されているように、シリコーン樹脂をもたらすために必要とされる架橋の程度は、シリコーン樹脂中に組み込まれる特定のシラン単位に応じて変動する。一般に、十分なレベルの三官能性及び四官能性シロキサンモノマー単位(したがって、十分なレベルの架橋)を有し、それらが強固又は硬質なフィルムを形成するシリコーン材料は、シリコーン樹脂と考えられる。酸素原子とケイ素原子の比は、特定のシリコーン材料の架橋レベルを示している。ケイ素原子1個当たり少なくとも約1.1個の酸素原子を有するシリコーン材料は、一般に本明細書におけるシリコーン樹脂である。一態様では、酸素原子:ケイ素原子の比は、少なくとも約1.2:1.0である。シリコーン樹脂の製造に使用されるシランとしては、モノメチル-、ジメチル-、トリメチル-、モノフェニル-、ジフェニル-、メチルフェニル-、モノビニル-、及びメチルビニル-クロロシラン、並びにテトラクロロシランが挙げられ、メチル置換シランが最も一般的に利用される。
【0235】
シリコーン材料及びシリコーン樹脂は、「MDTQ」命名法として当業者に既知の略記の命名法に従って識別することができる。この命名システムでは、シリコーンは、シリコーンを構成する様々なシロキサンモノマー単位の存在に従って記載される。「MDTQ」命名法は、「Silicones:Preparation,Properties and Performance」と題する刊行物、Dow Corning Corporation,2005、及び米国特許第6,200,554号に記載されている。
【0236】
シリコーン材料及びシリコーン樹脂は、「MDTQ」命名法として当業者に既知の略記の命名法に従って識別することができる。この命名システムでは、シリコーンは、シリコーンを構成する様々なシロキサンモノマー単位の存在に従って記載される。「MDTQ」命名法は、「Silicones:Preparation,Properties and Performance」と題する刊行物、Dow Corning Corporation,2005、及び米国特許第6,200,554号に記載されている。
【0237】
揮発性シリコーン
上で参照した任意選択の揮発性シリコーンとしては、直鎖ポリジメチルシロキサン及び環状ポリジメチルシロキサン(シクロメチコン)、並びにそれらの混合物が挙げられる。揮発性直鎖ポリジメチルシロキサン(ジメチコン)は、典型的には、線状配置で酸素原子と交互に、約2~約9個のケイ素原子を含有する。各ケイ素原子はまた、例えば、メチル基などの2つのアルキル基でも置換されている(末端のケイ素原子は3つのアルキル基で置換されている)。シクロメチコンは、典型的には、環状環構造において、酸素原子と交互に、一態様では約3~約7個、及び別の態様では約3~約5個のジメチル置換ケイ素原子を含有する。「揮発性」という用語は、シリコーンが測定可能な蒸気圧、又は20℃で少なくとも2mmのHgの蒸気圧を有することを意味している。揮発性シリコーンは、25℃で25mPa・s以下、又は約0.65約~約10mPa・s、又は約1~約5mPa・s、又は約1.5~約3.5mPa・sの粘度を有する。直鎖及び環状揮発性シリコーンに関する説明は、Todd and Byers,「Volatile Silicone Fluids for Cosmetics」,Cosmetics and Toiletries,Vol.91(1),pp.27-32(1976),及びKasprzak,「Volatile Silicones」,Soap/Cosmetics/Chemical Specialities,pp.40-43(December 1986)に見出される。
【0238】
例示的な揮発性直鎖ジメチコンの例としては、ヘキサメチルジシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、ドデカメチルペンタシロキサン、及びそれらのブレンドが挙げられるが、これらに限定されない。揮発性直鎖ジメチコン及びジメチコンブレンドは、Dow Corning CorporationからDow Corning 200(登録商標)Fluid(例えば、製品名0.65 CST、1 CST、1.5 CST、及び2CST)、及びDow Corning(登録商標)2-1184 Fluidとして市販されている。
【0239】
例示的な揮発性シクロメチコンは、D4シクロメチコン(オクタメチルシクロテトラシロキサン)、D5シクロメチコン(デカメチルシクロペンタシロキサン)、D6シクロメチコン、及びそれらのブレンド(例えば、D4/D5及びD5/D6)である。揮発性シクロメチコン及びシクロメチコンブレンドは、Momentive Performance Materials Inc.からSF1173、SF1202、SF1256、及びSF1258シリコーン流体として、並びにDow Corning CorporationからDow Corning(登録商標)244、245、246、345、及び1401シリコーン流体として市販されている。揮発性シクロメチコンと揮発性直鎖ジメチコンとのブレンドも用いることができる。
【0240】
ジメチコンコポリオール
他の好適なシリコーン油としては、アルキレンオキシド単位で修飾されたジメチルシロキサン(ジメチコン)の直鎖又は分岐鎖コポリマーであるジメチコンコポリオールが挙げられる。アルキレンオキシド単位は、ランダム又はブロックコポリマーとして配置することができる。一般的に有用なクラスのジメチコンポリオールは、ポリジメチルシロキサンの末端及び/又はペンダントブロックと、ポリアルキレンオキシドのブロック、例えば、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、又はその両方のブロックとを有するブロックコポリマーである。ポリアルキレンオキシド末端ヒドロキシル基は、C10~C22脂肪酸でエステル化され得る。エステル化ジメチコンコポリオールの例は、Lubrizol Advanced Materials,Inc.からSilsence DW18の商品名で市販されているジメチコンPEG-7イソステアレートである。ジメチコンコポリオールは、ジメチコンポリマー中に存在するポリアルキレンオキシドの量に応じて可溶性又は不溶性であり得、アニオン性、カチオン性、又は非イオン性の特性であることができる。
【0241】
一態様では、本技術の組成物中のシリコーンコンディショナーの量は、毛髪に所望のコンディショニング性能を提供するのに十分であるべきであり、一般に、組成物の総重量に基づいて、約0.01~約20重量%、又は約0.05~約15重量%、又は約0.1重量%~約10重量%、又は約1~約5重量%の範囲である。
【0242】
炭化水素油
本開示の技術の組成物のコンディショニング構成成分はまた、炭化水素油コンディショナーを含有することができる。本開示の技術の組成物中でのコンディショニング剤としての使用に好適な炭化水素油としては、少なくとも約10個の炭素原子を有する炭化水素油、例えば、環状炭化水素、直鎖脂肪族炭化水素(飽和又は不飽和)、及び分岐鎖脂肪族炭化水素(飽和又は不飽和)(それらのポリマー及び混合物を含む)が挙げられるが、これらに限定されない。直鎖炭化水素油は、典型的には、約12~19個の炭素原子を含有する。炭化水素ポリマーを含む分岐鎖炭化水素油は、典型的には、19個超の炭素原子を含有する。
【0243】
これらの炭化水素油の非限定的な具体例としては、パラフィン油、鉱物油、飽和及び不飽和ドデカン、飽和及び不飽和トリデカン、飽和及び不飽和テトラデカン、飽和及び不飽和ペンタデカン、飽和及び不飽和ヘキサデカン、ポリブテン、ポリデセン、並びにそれらの混合物が挙げられる。これらの化合物の分岐鎖異性体、及びより長い鎖長の炭化水素も使用することができ、その例としては、高度に分岐した飽和又は不飽和アルカン、例えば、パーメチル置換異性体、例えば、ヘキサデカン及びエイコサンのパーメチル置換異性体、例えば、2,2,4,4,6,6,8,8-ジメチル-10-メチルウンデカン及び2,2,4,4,6,6-ジメチル-8-メチルノナン(パーメチル Corporationから入手可能)が挙げられる。ポリブテン及びポリデセンなどの炭化水素ポリマー。好ましい炭化水素ポリマーは、イソブチレンとブテンのコポリマーなどのポリブテンである。このタイプの市販の材料は、BP Chemical Company製のL-14ポリブテンである。
【0244】
液体ポリオレフィンコンディショニング油を、本技術の毛髪着色組成物に使用することができる。液体ポリオレフィンコンディショニング剤は、典型的には、水素化されたポリα-オレフィンである。本明細書で使用するためのポリオレフィンは、C4を約C14のオレフィン性モノマーに重合することによって調製することができる。本明細書におけるポリオレフィン液体の調製に使用するためのオレフィン性モノマーの非限定的な例としては、エチレン、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-オクテン、1-デセン、1-ドデセン、1-テトラデセン、分岐鎖異性体、例えば4-メチル-1-ペンテン、及びそれらの混合物が挙げられる。本開示の技術の一態様では、水素化α-オレフィンモノマーとしては、1-ヘキセンから1-ヘキサデセン、1-オクテンから1-テトラデセン、及びそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0245】
フッ素化又は過フッ素化油も、本技術の範囲内で企図される。フッ素化油としては、欧州特許第0486135号に記載されているペルフルオロポリエーテル及び国際公開第93/11103号に記載されているフルオロ炭化水素化合物が挙げられる。フッ素化油はまた、フルオロアミン、例えば、ペルフルオロトリブチルアミンなどのフルオロカーボン、ペルフルオロデカヒドロナフタレン、フルオロエステル、及びフルオロエーテルなどのフッ素化炭化水素であり得る。
【0246】
天然油
天然油コンディショナーもまた本開示の技術の実施に有用であり、ピーナッツ、ゴマ、アボカド、ココナツ、カレンデュラ、カカオバター、シアバター、アーモンド、ベニバナ、トウモロコシ、綿実、ゴマ種子、クルミ、ヒマシ、マンゴー、オリーブ、ホホバ、ヤシ、パーム核、ダイズ、小麦胚芽、亜麻仁、ヒマワリ種子、ブドウ種子、ユーカリ、ラベンダー、ベチベル、リトセア、リツェアクベバ、レモン、ビャクダン、ローズマリー、カモミール、セイバリー、ナツメグ、シナモン、ヒソップ、キャラウェイ、オレンジ、ゼラニウム、カデ、及びベルガモット、マスクローズ油魚油、カンデリラワックス、カルナウバワックス、グリセロールトリカプロカプリレート、並びにそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0247】
エステル油
エステル油コンディショナーとしては、少なくとも10個の炭素原子を有する脂肪エステルが挙げられるが、これらに限定されない。これらの脂肪エステルは、脂肪酸又はアルコールから誘導されるエステル(例えば、モノエステル、多価アルコールエステル、並びにジカルボン酸及びトリカルボン酸エステル)を含む。本明細書の脂肪エステルは、それらに共有結合した他の相溶性官能基、例えば、アミド及びアルコキシ部分(例えば、エトキシ又はエーテル結合など)などを含み得るか又は有し得る。
【0248】
例示的な脂肪エステルとしては、イソステアリン酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル、ラウリン酸イソヘキシル、パルミチン酸イソヘキシル、パルミチン酸イソプロピル、オレイン酸デシル、オレイン酸イソデシル、ステアリン酸ヘキサデシル、ステアリン酸デシル、イソステアリン酸イソプロピル、アジピン酸ジヘキシルデシル、乳酸ラウリル、乳酸ミリスチル、乳酸セチル、ステアリン酸オレイル、オレイン酸オレイル、ミリスチン酸オレイル、酢酸ラウリル、プロピオン酸セチル、及びアジピン酸オレイルが挙げられるが、これらに限定されない。本開示の技術の組成物での使用に好適な他の脂肪エステルは、一般式R60C(O)OR61のモノカルボン酸エステルであり、式中、R60及びR61は、アルキル又はアルケニルラジカルであり、R60及びR61における炭素原子の和は、本開示の技術の一態様では少なくとも10であり、別の態様では少なくとも22である。
【0249】
本開示の技術の組成物での使用に好適な更に他の脂肪エステルは、カルボン酸のジアルキルエステル及びトリアルキルエステル並びにアルケニルエステル、例えば、C4~C8ジカルボン酸のエステル(例えば、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸のC1~C22エステル、好ましくはC1~C6エステル)である。カルボン酸のジアルキル及びトリアルキル並びにアルケニルエステルの非限定的な具体例としては、ステアロイルステアリン酸イソセチル、アジピン酸ジイソプロピル、及びクエン酸トリステアリルが挙げられる。本開示の技術の組成物での使用に好適な他の脂肪エステルは、多価アルコールエステルとして既知のものである。そのような多価アルコールエステルは、アルキレングリコールエステル、例えば、エチレングリコールモノ-及びジ-脂肪酸エステル、ジエチレングリコールモノ-及びジ-脂肪酸エステル、ポリエチレングリコールモノ-及びジ-脂肪酸エステル、プロピレングリコールモノ-及びジ-脂肪酸エステル、ポリプロピレングリコールモノオレエート、ポリプロピレングリコール2000モノステアレート、エトキシ化プロピレングリコールモノステアレート、グリセリルモノ-及びジ-脂肪酸エステル、ポリグリセロールポリ-脂肪酸エステル、エトキシ化グリセリルモノステアレート、1,3-ブチレングリコールモノステアレート、1,3-ブチレングリコールジステアレート、ポリオキシエチレンポリオール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、及びポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルが挙げられる。
【0250】
好適な合成脂肪エステルの非限定的な具体例としては、P-43(トリメチロールプロパンのC8~C10トリエステル)、MCP-684(3,3ジエタノール-1,5ペンタジオールのテトラエステル)、MCP 121(アジピン酸のC8~C10ジエステル)が挙げられ、これらは全てExxonMobil Chemical Companyから入手可能である。
【0251】
炭化水素及び天然コンディショニング油及びエステル油コンディショニング剤の量は、組成物の総重量に基づいて、一態様では約0.05~約10重量%、別の態様では約0.5~約5重量%、及び更なる態様では約1~約3重量%の範囲であることができる。
【0252】
本開示の技術のポリマーと組み合わせて有用である他の油性材料コンディショニング剤としては、例えば、アセチル化ラノリンアルコール;ラノリンアルコール濃縮物;ラノリン脂肪酸のイソプロピルエステルなどのラノリン脂肪酸のエステル;ポリオール脂肪酸;エトキシレート及びヒマシ油などのエトキシ化アルコール;ステロール;ステロールエステル;ステロールエトキシレートなどの材料が挙げられる。
【0253】
防腐剤
一態様では、パーソナルケアでの使用に好適な任意の防腐剤を、毛髪を改質するための組成物に使用することができる。好適な防腐剤としては、ポリメトキシ二環式オキサゾリジン、メチルパラベン、プロピルパラベン、エチルパラベン、ブチルパラベン、ベンジルトリアゾール、DMDMヒダントイン(1,3-ジメチル-5,5-ジメチルヒダントインとしても既知である)、イミダゾリジニル尿素、フェノキシエタノール、フェノキシエチルパラベン、メチルイソチアゾリノン、メチルクロロイソチアゾリノン、ベンゾイソチアゾリノン、トリクロサン、及び上記に開示された好適なポリクオタニウム化合物(例えば、ポリクオタニウム-1)が挙げられる。
【0254】
別の態様では、酸ベースの防腐剤は、例示的な組成物において有用である。酸ベースの防腐剤を使用すると、低pH範囲での製品の配合が容易になる。配合物のpHを下げることは、本質的に、改質プロセスに適していることに加えて、微生物の増殖に適さない環境を提供する。更に、低pHで配合すると、酸ベースの防腐剤の有効性が向上し、皮膚の酸性pHバランスを維持するパーソナルケア製品が得られる。パーソナルケア製品に有用である任意の酸ベースの防腐剤を例示的な組成物に使用することができる。一態様では、酸防腐剤は、式R3C(O)OHによって表されるカルボン酸化合物であり、式中、R3は、水素、1~8個の炭素原子を含有する飽和及び不飽和ヒドロカルビル基又はC6~C10アリールを表す。別の態様では、R3は、水素、C1~C8アルキル基、C2~C8アルケニル基、又はフェニルから選択される。例示的な酸は、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、ソルビン酸、カプリル酸、及び安息香酸、並びにそれらの混合物であるが、これらに限定されない。
【0255】
別の態様では、好適な酸としては、シュウ酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、フマル酸、乳酸、グリセリン酸、タルトロン酸、リンゴ酸、酒石酸、グルコン酸、クエン酸、アスコルビン酸、サリチル酸、フタル酸、マンデル酸、安息香酸、ベンジル酸、及びそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0256】
前述の酸の塩は、それらが低いpH値で有効性を保持する限り有用である。好適な塩としては、上記に列挙した酸のアルカリ金属塩(例えば、ナトリウム、カリウム、カルシウム)及びアンモニウム塩が挙げられる。
【0257】
酸ベースの防腐剤及び/又はその塩は、単独で、又はパーソナルケア、ホームケア、ヘルスケア、並びに施設及び産業用ケア製品に典型的に用いられる非酸性防腐剤と組み合わせて使用することができる。
【0258】
防腐剤は、一態様では、毛髪改質組成物の総重量の0.01重量%~3.0重量%、又は0.1重量%~1重量%、又は0.3重量%~1重量%を含み得る。
キレート剤
【0259】
金属イオンの有害な影響に対して組成物を安定化させるために、キレート剤を用いることができる。利用される場合、好適なキレート剤としては、EDTA(エチレンジアミン四酢酸)四ナトリウム及びその塩、例えば、EDTA二ナトリウム、クエン酸及びその塩、シクロデキストリン、ペンテト酸五ナトリウム、並びにそれらの混合物が挙げられる。
【0260】
そのような好適なキレート剤は、毛髪改質組成物の総重量の0.001重量%~3重量%、例えば、0.01重量%~2重量%、又は0.01重量%~1重量%を含むことができる。
【0261】
補助酸化防止剤
酸化防止剤の例としては、水溶性酸化防止剤、例えば、スルフヒドリル化合物及びその誘導体(例えば、メタ重亜硫酸ナトリウム及びN-アセチル-システイン、グルタチオン)、リポ酸及びジヒドロリポ酸、スチルベノイド、例えば、レスベラトロール及び誘導体、ラクトフェリン、並びにアスコルビン酸及びアスコルビン酸誘導体(例えば、イソアスコルビン酸ナトリウム、アスコビル-2-グルコシド、パルミチン酸アスコルビル、及びアスコルビルポリペプチド)が挙げられるが、これらに限定されない。本開示の技術の組成物での使用に好適な油溶性酸化防止剤としては、ブチル化ヒドロキシトルエン、レチノイド(例えば、パルミチン酸レチノール及びレチニル)、トコフェロール(例えば、酢酸トコフェロール)、トコトリエノール、及びユビキノンが挙げられるが、これらに限定されない。本開示の技術の組成物での使用に好適な天然抽出物含有酸化防止剤としては、フラボノイド及びイソフラボノイド並びにその誘導体(例えば、ゲニステイン及びダイゼイン)を含有する抽出物、レスベラトロールを含有する抽出物などが挙げられるが、これらに限定されない。そのような天然抽出物の例としては、ブドウ種子、緑茶、マツ樹皮、ナツシロギク、パルテノライドを含まないナツシロギク、エンバク抽出物、文旦抽出物、小麦胚芽抽出物、ヘスペリジン、ブドウ抽出物、マツバボタン抽出物、リコカルコン、カルコン、2,2’-ジヒドロキシカルコン、プリムラ抽出物、プロポリスなどが挙げられる。
【0262】
追加の酸化防止剤は、ブチルヒドロキシトルエン(butylhydroxytoluene、BHT)、ブチルヒドロキシアニソール(butylhydroxyanisole、BHA)、tert-ブチルヒドロキノン(tert-butylhydroquinone、TBHQ)、2,6,-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノール、没食子酸プロピルなどの没食子酸エステル、プロブコール、ポリフェノール、アスコルビン酸及びその塩、カタラーゼ、スーパーオキシドジスムターゼ、及びペルオキシダーゼなどの酵素;クエン酸、シトレート、モノグリセリドエステル、メタ重硫酸カルシウム、乳酸、リンゴ酸、コハク酸、酒石酸、ビタミンA又はβ-カロテン、ビタミンE及びC、トコフェロール、例えば、ビタミンEアセテート、アスコルビン酸エステル、例えばパルチミン酸アスコルビル及び酢酸アスコルビル、亜鉛、銅、マンニトール、還元グルタチオン、カロテノイド、例えばクリプトキサンチン、アスタキサンチン、及びリコペン;システイン、尿酸、カルニチン、タウリン、チロシン、ルテイン、ゼアキサンチン、N-アセチル-システイン、カルノシン、γ-グルタミルシステイン、ケルセチン、ラクトフェリン、ジヒドロリポ酸、茶カテキン、パルミチン酸レチニル及びその誘導体、重硫酸、メタ重硫酸、及び亜硫酸ナトリウム、クロマン、クロメン及びその類似体、リポクロマン-6[INCI:ジメチルメトキシクロマノール]、EDTAなどの金属のキレート剤、ソルビトール、リン酸又はdGlyage(商標)[INCI:リジンHCl、レシチン、トリペプチド-9シトルリン];Ginkgo Bilobaの抽出物、セージ、ザクロ、ローズマリー、オレガノ、ショウガ、マジョラム、クランベリー、ブドウ、トマト、緑茶葉、又は紅茶などの植物抽出物;オレオレジン抽出物、バニリン、エラグ酸、及びレスベラトロールなどのフェノールを含有する植物の抽出物;三級ブチルヒドロキノン又はそれらの混合物、セレニウム、カドミウム、バナジウム、又は亜鉛などの2価の金属塩;α-リポ酸、コエンザイムQ、イデベノン、又はその誘導体から選択され得る。
【0263】
一態様では、存在する酸化防止剤の量は、組成物の重量に基づいて、約0.001~30重量%、又は0.01~3重量%の範囲である。
【0264】
噴霧剤
必要に応じて、任意の既知のエアロゾル噴霧剤を利用して、真っ直ぐにする毛髪の表面に毛髪改質組成物を送達することができる。例示的な噴霧剤としては、C3~C6直鎖及び分岐鎖炭化水素などの低沸点炭化水素が挙げられる。例示的な炭化水噴霧剤としては、プロパン、ブタン、イソブテン、及びそれらの混合物が挙げられる。他の好適な噴霧剤としては、ジメチルエーテルなどのエーテル、1,1-ジフルオロエタンなどのハイドロフルオロカーボン、並びに空気及び二酸化炭素などの圧縮気体が挙げられる。
【0265】
一態様では、これらの組成物は、組成物の総重量に基づいて、0.1重量%~60重量%、又は0.5~35重量%の噴霧剤を含有することができる。
【0266】
香料及び香水
例示的な組成物に使用され得る香料及び香水構成成分としては、天然及び合成の香料、香水、香り、及びエッセンス、並びに香料を放出する任意の他の物質が挙げられる。天然香料としては、植物起源のもの、例えば、花(例えば、ユリ、ラベンダー、バラ、ジャスミン、ネロリ、イランイラン)、茎及び葉(ゼラニウム、パチチョリ、プチグレイン、ペパーミント)、果実(アニシード、コリアンダー、ウイキョウ、ネズ)、果皮(ベルガモット、レモン、オレンジ)、根(メイス、アンジェリカ、セロリ、カルダモン、コスタス、アイリス、ショウブ)、木材(マツ、ビャクダン、ユソウボク、スギ、ローズウッド、シナモン)、ハーブ及び草(タラゴン、レモングラス、セージ、タイム)、針葉樹及び小枝(トウヒ、パイン、ヨーロッパアカマツ、ストーンパイン)、並びに樹脂及びバルサム(ガルバヌム、エレミ、ベンゾイン、ミルラ、フランキンセンス、オポポナックス)からの油抽出物、動物起源のもの、例えば、ジャコウジカ、シベット、カストリウム、アンバーグリスなど、並びにそれらの混合物がある。
【0267】
合成香料及び香水の例は、芳香族エステル、エーテル、アルデヒド、ケトン、アルコール、及び炭化水素であり、ベンジルアセテート、フェノキシエチルイソブチレート、p-tert-ブチルシクロヘキシルアセテート、リナリルアセテート、ジメチルベンジルカルビニルアセテート、フェニルエチルアセテート、リナリルベンゾエート、ベンジルホルメート、エチルメチルフェニルグリシネート、アリルシクロヘキシルプロピオネート、スチラリルプロピオネート、及びベンジルサリチレート;ベンジルエチルエーテル;8~18個の炭素原子を有する直鎖アルカナール、シトラル、シトロネラール、シトロネリルオキシアルデヒド、シクラメンアルデヒド、ヒドロキシシトロネラール、リリアール、及びブーゲナール;イオノン化合物、α-イソメチルイオノン、及びメチルセドリルケトン;アネトール、シトロネロール、オイゲノール、イソオイゲノール、ゲラニオール、ラバンジュロール、ネロリドール、リナロール、フェニルエチルアルコール、及びテルピネオール、α-ピネン、テルペン(例えば、リモネン)、及びバルサム、並びにそれらの混合物が含まれる。
【0268】
ボタニカル
本明細書で有用である好適なボタニカル剤としては、例えば、エキナセア(例えば、sp.angustifolia、purpurea、pallida)、ユッカグラウカ、ヤナギソウ、バジルの葉、hibiscus rosa-sinensis花抽出物、hibiscus sabdariffa花抽出物、トルコオレガノ、ニンジンの根、グレープフルーツ、フェンネル種子、ローズマリー、ターメリック、タイム、ブルーベリー、ピーマン、ブラックベリー、スピルリナ、クロフサスグリの実、茶葉、例えば、中国茶、紅茶(例えば、フラワリーオレンジペコー、ゴールデンフラワリーオレンジペコー、ファインティッピーゴールデンフラワリーオレンジペコー変種)、緑茶(例えば、日本茶、グリーンダージリン変種)、ウーロン茶、コーヒー種子、タンポポの根、ナツメヤシの実、イチョウの葉、緑茶、サンザシの実、甘草、セージ、イチゴ、スイートピー、トマト、バニラの実、コンフリー、アルニカ、ツボクサ、ヤグルマギク、トチノキ、アイビー、モクレン、エンバク、パンジー、タツナミソウ、シーバックソーン、ホワイトネトル、及びウィッチヘーゼルからの抽出物が挙げられ得る。ボタニカル抽出物としては、例えば、クロロゲン酸、グルタチオン、グリチルリチン、ネオヘスペリジン、ケルセチン、ルチン、モリン、ミリセチン、アブサン、及びカモミールも挙げられ得る。
【0269】
毛髪固定剤/フィルム形成剤
ポリマー固定剤、例えば、シリコーン及びシロキサンと2-エチル-4,5-ジヒドロオキサゾールホモポリマー、エチルサルフェートとの3-アミノプロピルメチル、ジメチル反応生成物、例えば、ポリシリコーン-9を含む毛髪固定剤が、毛髪着組成物に含まれ得る。
【0270】
非イオン性、カチオン性、及び両性の毛髪硬化性ポリマー、カチオン性コンディショニングポリマー、並びにそれらの組み合わせなどの他の市販の毛髪固定剤ポリマー/フィルム形成剤ポリマーを使用することができる。当該技術分野で周知の従来のポリマー毛髪固定剤及びヘアスタイリングポリマーとしては、天然ゴム及び樹脂、並びに合成起源の中性又はアニオン性ポリマーが挙げられる。市販の毛髪固定剤及びコンディショニング固定剤ポリマーのリストは、INCI辞書、供給業者のウェブサイト、及び営業用の文献に容易に見出すことができる。例えば、Cosmetics&Toiletries(登録商標),117(12),December 2002で発行されたポリマーの百科事典(Allured Publishing Corporation、Carol Stream,IL)(関連する開示は、参照により本明細書に組み込まれる)を参照されたい。
【0271】
ヘアスタイリングポリマー又は固定剤ポリマーとして使用される好適な市販の非イオン性ポリマー(すなわち、中性)としては、ポリビニルピロリドン(polyvinylpyrrolidone、PVP)、ポリビニルピロリドン/酢酸ビニルコポリマー(polyvinylpyrrolidone/vinylacetate、PPVP/VA)などが挙げられるが、これらに限定されない。市販のカチオン性固定ポリマーとしては、ポリクオタニウム-4などのINCI名ポリクオタニウムを有するポリマー、ジアリルジオニウムクロリド/ヒドロキシエチルセルロースコポリマー(Nouryon製のCELQUAT(登録商標)H-100など)、ポリクオタニウム-11、四級化ビニルピロリドン/ジメチルアミノエチルメタクリレートコポリマー(ISPのGAFQUAT(登録商標)734、755、755Nなど);ポリクオタニウム-16、四級化ビニルピロリドン/ビニルイミダゾリウムクロリドコポリマー(BASFのLUVIQUAT(登録商標)FC-370など);ポリクオタニウム-28、ビニルピロリドン/メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリドコポリマー(ISPのGAFQUAT(登録商標)HS-100など);ポリクアテルニウム-46、四級化ビニルカプロラクタム/ビニルピロリドン/メチルビニルイミダゾリウムメトサルフェートコポリマー;ポリクアテルニウム-55、四級化ビニルピロリドン/ジメチルアミノプロピルメチルアクリルアミド/ラウリルジメチルプロピルメタクリルアミドアンモニウムクロリドコポリマー(ISPのSTYLEZE(商標)Wなど)など;及び酸性pH条件下でカチオン性であるアミノ置換ポリマー、例えば、ビニルカプロラクタム/PVP/ジメチルアミノエチルメタクリレートコポリマー(ISPのGAFFIX(登録商標)VC-713など);PVP/ジメチルアミノエチルメタクリレートコポリマー(ISPのコポリマー845など)、PVP/DMAPAアクリレートコポリマー(ISPのSTYLEZE(商標)CC-10)、INCI名キトサンPCA(AmercholのKYTAMER(登録商標)PCなど)を有するキトサンのピロリドンカルボン酸塩などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0272】
好適な両性固定ポリマーとしては、オクチルアクリルアミド/アクリレート/ブチルアミノエチルメタクリレートコポリマー(NouryonのAMPHOMER(登録商標)ポリマーなど)、アクリレート/アクリル酸ラウリル/アクリル酸ステアリル/メタクリル酸エチルアミンオキシドコポリマー(Clariant CorpのDIAFORMER(登録商標)ポリマーなど)などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0273】
ポリアクリル酸及びポリアクリル酸ナトリウムポリマー固定剤などのフィルム形成ポリマー、例えば、Lubrizol Advanced Materials,Inc.、Cleveland,Ohioから入手可能なFixate(商標)RSPも好適な固定剤である。
【0274】
毛髪固定剤は、0.001重量%~20重量%、例えば、少なくとも0.1重量%、又は最大5重量%で組成物中に存在し得る。
【0275】
皮膚軟化剤、湿潤剤、及び乳化剤
例示的な乳化剤としては、C12~C18脂肪族アルコール;アルコキシル化C12~C18脂肪族アルコール;C12~C18脂肪酸;及びアルコキシル化C12~C18脂肪酸であって、アルコキシレートが各々10~30個の単位のエチレンオキシド、プロピレンオキシド、及びエチレンオキシド/プロピレンオキシドの組み合わせを有するもの;C8~C22アルキルモノ及びオリゴグリコシド;エトキシ化ステロール;ポリグリセロールの部分エステル;2~6個の炭素原子を有するポリオールと、12~30個の炭素原子を有する飽和及び不飽和脂肪酸とのエステル及び部分エステル;ポリグリセロールの部分エステル;及びオルガノシロキサン;並びにそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0276】
脂肪族アルコール、酸、並びにアルコキシル化脂肪族アルコール及び脂肪酸は、上述の皮膚軟化剤の説明に記載されるとおりである。本開示の技術の一態様では、脂肪族アルコール及び脂肪酸は、各々、10~30個の単位のエチレンオキシドでエトキシ化される。
【0277】
C8~C22アルキルモノ及びオリゴグリコシド乳化剤は、グルコース又はオリゴ糖を、8~22個の炭素原子を有する一級脂肪族アルコールと反応させることによって調製される。商標Plantacare(登録商標)で得ることができる生成物は、平均オリゴマー化度が1~2であるオリゴグルコシド残基上にグルコシド結合されたC8~C16アルキル基を含む。例示的なアルキルグルコシド及びオリゴグリコシドは、オクチルグルコシド、デシルグルコシド、ラウリルグルコシド、パルミチルグルコシド、イソステアリルグルコシド、ステアリルグルコシド、アラキジルグルコシド、及びベヘニルグルコシド、並びにそれらの混合物から選択される。
【0278】
例示的なエトキシ化ステロールとしては、例えば、ダイズステロールなどのエトキシ化植物油ステロールが挙げられる。エトキシ化の程度は、一態様では約5超であり、別の態様では少なくとも約10である。好適なエトキシ化ステロールは、PEG-10ダイズステロール、PEG-16ダイズステロール、及びPEG-25ダイズステロールである。
【0279】
ポリグリセロールの部分エステルは、2~10個のグリセロール単位を有し、1~4個の飽和又は不飽和の、直鎖又は分岐鎖の、任意選択でヒドロキシル化されたC8~C30脂肪酸残基でエステル化されている。ポリグリセロールの代表的な部分エステルとしては、ジグリセロールモノカプリレート、ジグリセロールモノカプレート、ジグリセロールモノラウレート、トリグリセロールモノカプリレート、トリグリセロールモノカプレート、トリグリセロールモノラウレート、テトラグリセロールモノカプリレート、テトラグリセロールモノカプレート、テトラグリセロールモノラウレート、ペンタグリセロールモノカプリレート、ペンタグリセロールモノカプレート、ペンタグリセロールモノラウレート、ヘキサグリセロールモノカプリレート、ヘキサグリセロールモノカプレート、ヘキサグリセロールモノミリステート、ヘキサグリセロールモノステアレート、デカグリセロールモノカプリレート、デカグリセロールモノカプレート、デカグリセロールモノラウレート、デカグリセロールモノミリステート、デカグリセロールモノイソステアレート、デカグリセロールモノステアレート、デカグリセロールモノオレエート、デカグリセロールモノヒドロキシステアレート、デカグリセロールジカプリレート、デカグリセロールジカプレート、デカグリセロールジラウレート、デカグリセロールジミリステート、デカグリセロールジイソステアレート、デカグリセロールジステアレート、デカグリセロールジオレエート、デカグリセロールジヒドロキシステアレート、デカグリセロールトリカプリレート、デカグリセロールトリカプレート、デカグリセロールトリラウレート、デカグリセロールトリミリステート、デカグリセロールトリイソステアレート、デカグリセロールトリステアレート、デカグリセロールトリオレエート、デカグリセロールトリヒドロキシステアレート、及びそれらの混合物が挙げられる。
【0280】
飽和C12~C30脂肪族アルコール乳化剤は、上記の皮膚軟化剤の説明に記載されるとおりである。本開示の技術の一態様では、脂肪族アルコール乳化剤は、限定されないが、セチルアルコール、ステアリルアルコール、アラキジルアルコール、ベヘニルアルコール及びラノリンアルコール又はこれらのアルコールの混合物から選択され、不飽和植物油及び動物性脂肪酸の水素化において得ることができる。
【0281】
2~6個の炭素原子を有するポリオール及び12~30個の炭素原子を有する直鎖の飽和及び不飽和脂肪酸のエステル及び部分エステルに基づく乳化剤は、例えば、グリセロール若しくはエチレングリコールのモノエステル及びジエステル、又はプロピレングリコールと飽和及び不飽和C12~C30脂肪酸とのモノエステルである(例えば、PEG-3グリセリルココエート)。
【0282】
部分的にエステル化されたポリグリセロール乳化剤は、2~約10個のグリセロール単位を含み、1~5個の飽和又は不飽和の、直鎖又は分岐鎖の、任意選択でヒドロキシル化されたC8~C30脂肪酸残基でエステル化されている。
本開示の技術の一態様では、乳化剤は、それらが含まれるパーソナルケア、ホームケア、ヘルスケア、及び施設用ケア組成物の総重量に基づいて、約0.5重量%~約12重量%、別の態様では約1重量%~約15重量%、及び更なる態様では約5重量%~約10重量%の範囲の量で存在することができる。
【0283】
好適な皮膚軟化剤としては、シリコーン流体(例えば、上述の揮発性シリコーン油及び不揮発性シリコーン油)から選択される皮膚軟化剤;鉱物油;ワセリン;植物油;魚油;脂肪族アルコール;脂肪酸;脂肪酸及び脂肪族アルコールエステル;アルコキシル化脂肪族アルコール;アルコキシル化脂肪酸エステル;安息香酸エステル;ゲルベエステル;ポリエチレングリコールのアルキルエーテル誘導体、例えばメトキシポリエチレングリコール(methoxypolyethylene glycol、MPEG);及びポリアルキレングリコール;ラノリン及びラノリン誘導体などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0284】
鉱物油及びワセリンは、化粧品、USP、及びNFグレードを含み、Drakeol(登録商標)及びPenreco(登録商標)の商品名でPenrecoから市販されている。鉱物油は、ヘキサデカン及びパラフィン油を含む。
【0285】
好適な脂肪族アルコール皮膚軟化剤としては、8~30個の炭素原子を含有する脂肪族アルコールが挙げられるが、これに限定されない。例示的な脂肪族アルコールとしては、カプリルアルコール、ペラルゴンアルコール、カプリンアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、イソセチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、セテアリルアルコール、オレイルアルコール、リシノレイルアルコール、アラキジルアルコール、イコセニルアルコール、ベヘニルアルコール、及びそれらの混合物が挙げられる。
【0286】
好適な脂肪酸皮膚軟化剤としては、10~30個の炭素原子を含有する脂肪酸が挙げられるが、これに限定されない。例示的な脂肪酸は、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、アラキジン酸、ベヘン酸、及びそれらの混合物から選択される。例示的な脂肪酸及び脂肪族アルコールエステル皮膚軟化剤としては、ラウリン酸ヘキシル、オレイン酸デシル、ステアリン酸イソプロピル、イソステアリン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸オクチル、ステアリン酸セチル、ミリスチン酸ミリスチル、ステアロイルステアリン酸オクチルドデシル、ヒドロキシステアリン酸イソステアリル、ヒドロキシステアリン酸オクチル、アジピン酸ジイソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸エチルヘキシル、オレイン酸イソデシル、ネオペンタン酸イソデシル、セバシン酸ジイソプロピル、乳酸イソステアリル、乳酸ラウリル、ヘキシルマレイン酸ジエチル、PPG-14ブチルエーテル及びPPG-2ミリスチルエーテルプロピオネート、オクタン酸セテアリル、並びにそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0287】
アルコキシル化脂肪族アルコール皮膚軟化剤は、脂肪族アルコールとアルキレンオキシド、一般にエチレンオキシド又はプロピレンオキシドとの反応から形成されるエーテルである。好適なエトキシ化脂肪族アルコールは、脂肪族アルコールとポリエチレンオキシドとの付加物である。本開示の技術の一態様では、エトキシ化脂肪族アルコールは、式R’-(OCH2CH2)n’-OHによって表すことができ、式中、R’は、親脂肪族アルコールの脂肪族残基を表し、nは、エチレンオキシドの分子の数を表す。本開示の技術の別の態様では、R’は、8~30個の炭素原子を含有する脂肪族アルコールから誘導される。一態様では、n’は、2~50、別の態様では3~25、及び更なる態様では3~10の範囲の整数である。また更なる態様では、R’は、上記の脂肪族アルコール皮膚軟化剤から誘導される。例示的なエトキシ化脂肪族アルコールは、カプリルアルコールエトキシレート、ラウリルアルコールエトキシレート、ミリスチルアルコールエトキシレート、セチルアルコールエトキシレート、ステアリルアルコールエトキシレート、セテアリルアルコールエトキシレートオレイルアルコールエトキシレート、及びベヘニルアルコールエトキシレートであるが、これらに限定されず、前述のエトキシレートの各々におけるエチレンオキシド単位の数は、一態様では2以上、及び別の態様では2~約150の範囲であることができる。前述の脂肪族アルコールのプロポキシル化付加物及び前述の脂肪族アルコールのエトキシ化/プロポキシル化混合付加物もまた、本開示の技術の範囲内で企図されることを認識されたい。エトキシ化/プロポキシル化脂肪族アルコールのエチレンオキシド及びプロピレンオキシド単位は、ランダム又はブロック状の順序で配置することができる。
【0288】
エトキシ化アルコールの更なる具体例は、ベヘネス5-30(5-30は、反復するエチレンオキシド単位の範囲を意味する)、セテアレス2-100(例えば、セテアレス-20)、セテス1-45、セトレス24-25、コレス10-24、コセス3-10、C9-11パレス3-8、C11-15パレス5-40、C11-21パレス3-10、C12-13パレス3-15、デセス4-6、ドドキシノール5-12、グリセレス7-26、イソセテス10-30、イソデセス4-6、イソラウレス3-6、イソステアレス3-50、ラネス5-75、ラウレス1-40、ノノキシノール1-120、ノニルノノキシノール5-150、オクトキシノール3-70、オレス2-50(例えば、オレス-20)、PEG4-350、ステアレス2-100、及びトリデセス2-10であるが、これらに限定されない。
【0289】
プロポキシル化アルコールの具体例は、PPG-10セチルエーテル、PPG-20セチルエーテル、PPG-28セチルエーテル、PPG-30セチルエーテル、PPG-50セチルエーテル、PPG-2ラノリンアルコールエーテル、PPG-5ラノリンアルコールエーテル、PPG-10ラノリンアルコールエーテル、PPG-20ラノリンアルコールエーテル、PPG-30ラノリンアルコールエーテル、PPG-4ラウリルエーテル、PPG-7ラウリルエーテル、PPG-10オレイルエーテル、PPG-20オレイルエーテル、PPG-23オレイルエーテル、PPG-30オレイルエーテル、PPG-37オレイルエーテル、PPG-50オレイルエーテル、PPG-11ステアリルエーテル、PPG-15ステアリルエーテル、PPG-2ラノリンエーテル、PPG-5ラノリンエーテル、PPG-10ラノリンエーテル、PPG-20ラノリンエーテル、PPG-30ラノリンエーテル、及びPPG-1ミリスチルエーテルであるが、これらに限定されない。
【0290】
エトキシ化/プロポキシル化アルコールの具体例は、PPG-1ベヘネス-15、PPG-12カプリレス-18、PPG-2-PPG-2-セテアレス-9、PPG-4-セテアレス-12、PPG-10-セテアレス-20、PPG-1-セテス-1、PPG-1-セテス-5、PPG-1-セテス-10、PPG-1-セテス-20、PPG-2-セテス-1、PPG-2-セテス-5、PPG-2-セテス-10、PPG-2-セテス-20、PPG-4-セテス-1、PPG-4-セテス-5、PPG-4-セテス-10、PPG-4-セテス-20、PPG-5-セテス-20、PPG-8-セテス-1、PPG-8-セテス-2、PPG-8-セテス-5、PPG-8-セテス-10、PPG-8-セテス-20、PPG-2 C12-13パレス-8、PPG-2 C12-15パレス-6、PPG-4 C13-15パレス-15、PPG-5 C9-15パレス-6、PPG-6 C9-11パレス-5、PPG-6 C12-15パレス-12、PPG-6 C12-18パレス-11、PPG-3 C12-14 Sec-パレス-7、PPG-4 C12-14 Sec-パレス-5、PPG-5 C12-14 Sec-パレス-7、PPG-5 C12-14 Sec-パレス-9、PPG-1-デセス-6、PPG-2-デセス-3、PPG-2-デセス-5、PPG-2-デセス-7、PPG-2-デセス-10、PPG-2-デセス-12、PPG-2-デセス-15、PPG-2-デセス-20、PPG-2-デセス-30、PPG-2-デセス-40、PPG-2-デセス-50、PPG-2-デセス-60、PPG-4-デセス-4、PPG-4-デセス-6、PPG-6-デセス-4、PPG-6-デセス-9、PPG-8-デセス-6、PPG-14-デセス-6、PPG-6-デシルテトラデセス-12、PPG-6-デシルテトラデセス-20、PPG-6-デシルテトラデセス-30、PPG-13-デシルテトラデセス-24、PPG-20-デシルテトラデセス-10、PPG-2-イソデセス-4、PPG-2-イソデセス-6、PPG-2-イソデセス-8、PPG-2-イソデセス-9、PPG-2-イソデセス-10、PPG-2-イソデセス-12、PPG-2-イソデセス-18、PPG-2-イソデセス-25、PPG-4-イソデセス-10、PPG-12-ラネス-50、PPG-2-ラウレス-5、PPG-2-ラウレス-8、PPG-2-ラウレス-12、PPG-3-ラウレス-8、PPG-3-ラウレス-9、PPG-3-ラウレス-10、PPG-3-ラウレス-12、PPG-4ラウレス-2、PPG-4ラウレス-5、PPG-4ラウレス-7、PPG-4-ラウレス-15、PPG-5-ラウレス-5、PPG-6-ラウレス-3、PPG-25-ラウレス-25、PPG-7ラウリルエーテル、PPG-3-ミレス-3、PPG-3-ミレス-11、PPG-20-PEG-20水素化ラノリン、PPG-2-PEG-11水素化ラウリルアルコールエーテ、PPG-12-PEG-50ラノリン、PPG-12-PEG-65ラノリン油、PPG-40-PEG-60ラノリン油、PPG-1-PEG-9ラウリルグリコールエーテル、PPG-3-PEG-6オレイルエーテル、PPG-23-ステアレス-34、PPG-30ステアレス-4、PPG-34-ステアレス-3、PPG-38ステアレス-6、PPG-1トリデセス-6、PPG-4トリデセス-6、及びPPG-6トリデセス-8であるが、これらに限定されない。
【0291】
アルコキシル化脂肪酸皮膚軟化剤は、脂肪酸をアルキレンオキシド又は事前に形成されたポリマーエーテルと反応させたときに形成される。得られる生成物は、モノエステル、ジエステル、又はそれらの混合物であり得る。本開示の技術における使用に好適な、好適なエトキシ化脂肪酸エステル皮膚軟化剤は、脂肪酸にエチレンオキシドを付加した生成物である。生成物は、脂肪酸のポリエチレンオキシドエステルである。本開示の技術の一態様では、エトキシ化脂肪酸エステルは、式R”-C(O)O(CH2CH2O)n”-H,によって表すことができ、式中、R”は、脂肪酸の脂肪族残基を表し、nは、エチレンオキシドの分子の数を表す。別の態様では、n”は、2~50、別の態様では3~25、及び更なる態様では3~10の範囲の整数である。本開示の技術の更なる別の態様では、R”は、8~24個の炭素原子を含有する脂肪酸から誘導される。また更なる態様では、R”は、上記の脂肪酸皮膚軟化剤から誘導される。前述の脂肪酸のプロポキシル化及びエトキシ化/プロポキシル化生成物もまた、本開示の技術の範囲内で企図されることが認識されたい。例示的なアルコキシル化脂肪酸エステルとしては、カプリン酸エトキシレート、ラウリン酸エトキシレート、ミリスチン酸エトキシレート、ステアリン酸エトキシレート、オレイン酸エトキシレート、ココナツ脂肪酸エトキシレート、及びポリエチレングリコール400プロポキシル化モノラウレートが挙げられるが、これらに限定されず、前述のエトキシレートの各々におけるエチレンオキシド単位の数は、一態様では2以上、及び別の態様では2~約50の範囲であることができる。エトキシ化脂肪酸の更なる具体例は、PEG-8ジステアレート(8は反復するエチレンオキシド単位の範囲を意味する)、PEG-8ベヘネート、PEG-8カプレート、PEG-8カプリレート、PEG-8カプリレート/カプレート、PEGココエート(番号指定のないPEGは、エチレンオキシド単位の数が2~50の範囲であることを意味する)、PEG-15ジココエート、PEG-2ジイソノナノエート、PEG-8ジイソステアレート、PEG-ジラウレート、PEG-ジオレエートPEG-ジステアレート、PEGジタレート、PEG-イソステアレート、PEG-ホホバ酸、PEG-ラウレート、PEG-リノレネート、PEG-ミリステート、PEG-オレエート、PEG-パルミテート、PEG-リシンオレエート、PEG-ステアレート、PEG-タレートなどである。ゲルベエステル皮膚軟化剤は、ゲルベアルコールとカルボン酸とのエステル化反応から形成される。ゲルベエステル皮膚軟化剤は、Lubrizol Advanced Materials,Inc.のNoveon Consumer Specialties Divisionから、製品名G-20、G-36、G-38、及びG-66で市販されている。ラノリン及びラノリン誘導体は、ラノリン、ラノリンワックス、ラノリン油、ラノリンアルコール、ラノリン脂肪酸、アルコキシル化ラノリン、ラノリン酸イソプロピル、アセチル化ラノリンアルコール、及びそれらの組み合わせから選択される。ラノリン及びラノリン誘導体は、Lubrizol Advanced Materials,Inc.から、商品名ラノリンLP 108 USP、ラノリンUSP AAA、Acetulan(商標)、Ceralan(商標)、Lanocerin(商標)、Lanogel(商標)(製品名21及び41)、Lanogene(商標)、Modulan(商標)、Ohlan(商標)、Solulan(商標)(製品名16、75、L-575、98、及びC-24)、Vilvanolin(商標)(製品名C、CAB、L-101、及びP)で市販されている。皮膚軟化剤は、一態様では全パーソナルケア組成物の約0.5重量%~約30重量%、別の態様では0.1重量%~25重量%、及び更なる態様では5重量%~20重量%の範囲の量で利用することができる。皮膚軟化剤は、一般にパーソナルケア組成物に用いられるが、それらがそのような組成物において所望の物理的属性(例えば、湿潤特性)をもたらす限り、パーソナルケア組成物について記載されたものと同じ重量比でホームケア、ヘルスケア、及び施設用ケア組成物に用いることができる。
【0292】
好適な湿潤剤としては、アラントイン、ピロリドンカルボン酸及びその塩、ヒアルロン酸及びその塩、ソルビン酸及びその塩、尿素、リジン、アルギニン、シスチン、グアニジン、及び他のアミノ酸、ポリヒドロキシアルコール及びそのエステル(例えば、グリセリン、プロピレングリコール、ヘキシレングリコール、ヘキサントリオール、エトキシジグリコール、ジメチコンコポリオール、メチルグルコースジオレエート、メチルグルコースセスキステアレート、及びソルビトール)、ポリエチレングリコール、グリコール酸及びグリコール酸塩(例えば、アンモニウム及び四級アルキルアンモニウム)、乳酸及び乳酸塩(例えば、アンモニウム及び四級アルキルアンモニウム)、糖及びデンプン、糖及びデンプン誘導体(例えば、アルコキシル化グルコース)、dl-パンテノールなどのパンテノール、ラクトアミドモノエタノールアミン、アセトアミドモノエタノールアミンなど、並びにそれらの混合物が挙げられる。一実施形態では、湿潤剤としては、C3~C6ジオール及びトリオール、例えば、グリセリン、プロピレングリコール、ヘキシレングリコール、ヘキサントリオールなど、及びそれらの混合物が挙げられる。そのような好適な湿潤剤は、典型的には、本開示の技術のパーソナルケア組成物の総重量の約1重量%~約10重量%、好ましくは約2重量%~約8重量%、及びより好ましくは約3重量%~約5重量%を含む。
【0293】
緩衝剤
緩衝剤を例示的な組成物に使用することができる。好適な緩衝剤としては、アルカリ又はアルカリ土類金属の炭酸塩、リン酸塩、炭酸水素塩、クエン酸塩、ホウ酸塩、酢酸塩、酸無水物、コハク酸塩など、例えば、リン酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、及び炭酸ナトリウムが挙げられる。
【0294】
pH調整剤
組成物のpHは、1.5~9.5、例えば、少なくとも2.0、又は少なくとも2.5であることができる。いくつかの実施形態では、pHは、最大4.0、又は最大6.5、又は最大8である。選択されたpHを提供するために、組成物は、有機及び無機の酸及び塩基から選択される1つ以上のpH調整剤を含み得る。
【0295】
組成物のpHは、当該技術分野で既知の酸性及び/又は塩基性のpH調整剤の任意の組み合わせを用いて調整することができる。酸性材料としては、有機酸及び無機酸、具体的にはモノカルボン酸、ジカルボン酸、及びトリカルボン酸、例えば、酢酸、クエン酸、酒石酸、α-ヒドロキシ酸、β-ヒドロキシ酸、サリチル酸、リンゴ酸、イタコン酸、マレイン酸、アルギン酸、グルタミン酸、ガラクテリン酸、フマル酸、コハク酸、安息香酸、エチドロン酸、及びアミノ酸(グリシン、タウリン、アラニン、システイン、シスチン、クレアチン、バリン、グルタミン、ロイシン、アルギニン、リジンなど)及び天然のフルーツ酸、又は無機酸、例えば、塩酸、硝酸、硫酸、スルファミン酸、リン酸、並びにそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0296】
α-ヒドロキシ酸(alpha-hydroxy acid、AHA)、β-ヒドロキシ酸(beta-hydroxy acid、BHA)、α-アミノ酸、α-ケト酸(alpha-keto acid、AKA)、及びそれらの混合物などのカルボン酸などの他の酸を使用することもできる。そのような化粧品において、AHAとしては、乳酸、グリコール酸、フルーツ酸(リンゴ酸、クエン酸、酒石酸など)、AHAを含有する天然化合物の抽出物(リンゴ抽出物、アンズ抽出物など)、ハチミツ抽出物、2-ヒドロキシオクタン酸、グリセリン酸(ジヒドロキシプロピオン酸)、タルトロン酸(ヒドロキシプロパン二酸)、グルコン酸、マンデル酸、ベンジル酸、アゼライン酸、α-リポ酸、サリチル酸、AHA塩及び誘導体、例えば、グリコール酸アルギニン、グリコール酸アンモニウム、グリコール酸ナトリウム、乳酸アルギニン、乳酸アンモニウム、乳酸ナトリウム、α-ヒドロキシ酪酸、α-ヒドロキシイソ酪酸、α-ヒドロキシイソカプロン酸、α-ヒドロキシイソ吉草酸、アトロラクチン酸などが挙げられ得るが、これらに限定されない。BHAとしては、3-ヒドロキシプロパン酸、β-ヒドロキシ酪酸、β-フェニル乳酸、β-フェニルピルビン酸などが挙げられ得るが、これらに限定されない。α-アミノ酸としては、フルーツ酸と組み合わせて用いられることがある、アスパラギン酸、グルタミン酸、及びそれらの混合物などのα-アミノジカルボン酸が挙げられるが、これらに限定されない。AKAは、ピルビン酸を含む。いくつかの抗老化組成物において、酸性活性剤は、レチノイン酸、トリクロロ酢酸などのハロカルボン酸、アスコルビン酸(ビタミンC)などの酸性酸化防止剤、鉱酸、フィチン酸、リゾホスファチジン酸などであり得る。いくつかの酸性抗ニキビ活性剤としては、例えば、サリチル酸、5-オクタノイルサリチル酸などのサリチル酸の誘導体、レチノイン酸、及びその誘導体が挙げられ得る。
【0297】
塩基性材料は、無機及び有機の塩基、並びにそれらの組み合わせを含む。無機塩基の例としては、アルカリ金属の水酸化物(特にナトリウム、カリウム、及びアンモニウム)、及びアルカリ金属塩、例えば、ホウ酸ナトリウム(ホウ砂)、リン酸ナトリウム、ピロリン酸ナトリウムなど、並びにそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。有機塩基の例としては、トリエタノールアミン(triethanolamine、TEA)、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、アミノメチルプロパノール、ドデシルアミン、コカミン、オレアミン、モルホリン、トリアミルアミン、トリエチルアミン、テトラキス(ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン、L-アルギニン、アミノメチルプロパノール、トロメタミン(2-アミノ2-ヒドロキシメチル-1,3-プロパンジオール)、及びPEG-15コカミンが挙げられる。
【0298】
そのようなpH調整剤は、活性構成成分に基づいて、0.0001重量%~50重量%で存在し得る。
【0299】
真珠光沢剤/不透明化剤
一部の配合物は、多くの場合、真珠光沢として知られる化粧品的に魅力的な真珠のような外観を達成するために、真珠光沢材料を意図的に組み入れることにより不透明化される。乳白剤は、多くの場合、審美的に望ましくない特性をマスクするために、例えば、微粒子成分の存在に起因して暗い色になった組成物の色を改善するために、又は組成物中の微粒子材料の存在をマスクするために、組成物中に含められる。乳白剤はまた、別様に審美的に不快な組成物の審美性及び消費者の許容性を改善するためにも、水性組成物に含まれる。例えば、乳白剤は、透明な組成物に真珠光沢のある外観を付与することができ、それによってクリーミーでマイルドな、かつ弾力のある外観を消費者に伝えることができる。当業者は、安定した真珠光沢のある配合物を調製する際に配合者が常に直面する問題を認識している。詳細な考察は、参照により本明細書に組み込まれる、論文「Opacifiers and pearling agents in shampoos」Hunting,Cosmetic and Toiletries,Vol.96,pages 65-78(July 1981)に見出される。
【0300】
不透明化又は真珠光沢材料は、有機化合物及び無機化合物を含む。有機化合物の典型的な例としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、又はテトラエチレングリコールのモノエステル及び/又はジエステルであり、脂肪酸は、一態様では約6~約22個の炭素原子、及び別の態様では約12~約18個の炭素原子を含有する。そのような脂肪酸としては、カプロン酸、カプリル酸、2-エチルヘキサン酸、カプリン酸、ラウリン酸、イソトリデカン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、パルミトリン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、エライジン酸、ペトロセリン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキン酸、ガドレイン酸、ベヘン酸、エルカ酸、及びそれらの混合物が挙げられる。一態様では、エチレングリコールモノステアレート(ethylene glycol monostearate、EGMS)及び/又はエチレングリコールジステアレート(polyethyleneglycol distearate、EGDS)及び/又はポリエチレングリコールモノステアレート(polyethylene glycol monostearate、PGMS)及び/又はポリエチレングリコールジステアレート(polyethyleneglycol distearate、PGDS)は、組成物に使用される好適な真珠光沢剤である。
【0301】
無機真珠光沢剤は、雲母、金属酸化物被覆雲母、シリカ被覆雲母、オキシ塩化ビスマス被覆雲母、オキシ塩化ビスマス、ミリスチルミリステート、ガラス、金属酸化物被覆ガラス、様々なアルミニウム及びマグネシウム塩、グアニン、魚鱗、グリッター(ポリエステル又はメタリック)、及びそれらの混合物からなる群から選択されるものを含む。
【0302】
好適な雲母としては、白雲母又は水酸化カリウムアルミニウムフッ化物(potassium aluminum hydroxide fluoride)が挙げられる。板状の雲母は、金属酸化物の薄層でコーティングすることができる。金属酸化物は、ルチル、二酸化チタン、酸化第二鉄、酸化スズ、アルミナ、及びそれらの混合物からなる群から選択される。
【0303】
乳白剤の代表的なリストは、CTFA Cosmetic Ingredient Handbook,J.Nikitakis,ed.,1988,page 75に見出される。他の真珠光沢又は不透明化材料は、米国特許第4,654,207号、米国特許第5,019,376号、及び米国特許第5,384,114号に開示されており、これらは、参照により本明細書に組み込まれる。
【0304】
一態様では、真珠光沢又は不透明化材料の量は、組成物の総重量に基づいて、一態様では約0.01~約10重量%、別の態様では約0.1%~約5重量%、及び更なる態様では0.5~約3重量%の範囲の量で使用することができる。
他の不溶性構成成分
【0305】
本組成物での使用に好適な他の一般に不溶性の構成成分、UV吸収剤、抗菌組成物、抗しわ及び抗老化組成物、マイクロスポンジ、化粧品ビーズ、及びフレーク。化粧品ビーズ、フレーク、及びカプセルは、審美的外観のために組成物中に含めることができるか、又は毛髪及び皮膚に有益な薬剤を送達するためのマイクロカプセル及びマクロカプセルとして機能することができる。例示的なビーズ構成成分としては、寒天ビーズ、アルギネートビーズ、ホホバビーズ、ゼラチンビーズ、Styrofoam(商標)ビーズ、ポリアクリレート、ポリメチルメタクリレート(polymethylmethacrylate、PMMA)、ポリエチレンビーズ、Unispheres(商標)及びUnipearls(商標)化粧品ビーズ(Induchem USA,Inc.、New York,NY)、Lipocapsule(商標)、Liposphere(商標)、及びLipopearl(商標)マイクロカプセル(Lipo Technologies Inc.、Vandalia,OH)、及びConfetti II(商標)皮膚送達用フレーク(United-Guardian,Inc.,Hauppauge,NY)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0306】
親水性の化粧品活性成分及び/又はアジュバントの性質は、合成若しくは天然であることができるか、又は生物工学的手順に由来することができるか、又は合成手順と生物工学的手順との組み合わせに由来することができる。好ましくは、ナノカプセルの親水性活性成分は、熱不安定性である。熱不安定性の活性成分は、80℃の温度に2時間供された後、0.5%以上の分解を示すものであると理解される。
【0307】
化粧品活性成分は、アミノ酸、ペプチド、タンパク質、加水分解タンパク質、酵素、コエンザイム、ホルモン、ビタミン、鉱物塩、ヌクレオチド、核酸、分子、及び生物学的及び生物工学的起源の抽出物、合成若しくは部分的に合成の親水性分子、並びに/又はそれらの混合物によって形成される群から選択されるが、これらに限定されない。
【0308】
アミノ酸、その塩及び/又は誘導体、並びにそれらを含有する市販の混合物は、例えば、セリン、プロリン、アラニン、グルタメート、アルギニン、グリシン、メチオニン、シトルリン、メチルグリシン二酢酸ナトリウム(BASFによって市販されているTRILON(登録商標)M)、システインを含有するアミノ酸の誘導体、具体的にはN-アセチルシステイン、エルゴチオネイン又はS-カルボキシメチルシステイン、及び/又はそれらの混合物によって形成される群から選択されるが、これらに限定されない。
【0309】
ペプチド又はそれらを含有する市販の混合物は、例えば、化粧品使用のペプチド、例えば、とりわけ、GHK[INCI:トリペプチド-1]、アセチル-グルタミル-メチオニル-アラニル-イソロイシン、アセチル-アルギニル-フェニルグリシル-フェニルグリシン、Bodyfensine(商標)[INCI:アセチルジペプチド-3アミノヘキサノエート]、Relistase(商標)[INCI:アセチルアルギニルトリプトフィルジフェニルグリシン]、アセチル-アルギニル-フェニルグリシル-バリル-グリシン、アセチル-アルギニル-フェニルグリシル-バリル-フェニルグリシン、ジアミノプロピオニル-アラニル-アスパラギニル-ヒスチジン、アセチル-アルギニル-アスパラギニル-ヒスチジル-シトルリン-アミド、Aldenine(登録商標)[INCI:加水分解小麦タンパク質、加水分解ダイズタンパク質、トリペプチド-1]、Decorinyl(登録商標)[INCI:トリペプチド-10シトルリン]、Serilesine(登録商標)[INCI:ヘキサペプチド-10]、ペプチドAC29[INCI:アセチルトリペプチド-30シトルリン]、Vilastene(商標)[INCI:リジンHCl、レシチン、トリペプチド-10シトルリン]、dGlyage(商標)[INCI:リジンHCl、レシチン、トリペプチド-9シトルリン]、Eyeseryl(登録商標)[INCI:アセチルテトラペプチド-5]、Preventhelia(登録商標)[INCI:ジアミノプロピオノイルトリペプチド-33]、Argireline(登録商標)[INCI:アセチルヘキサペプチド-8]、SNAP-7[INCI:アセチルヘプタペプチド-4]、SNAP-8[INCI:アセチルオクタペプチド-3]、Leuphasyl(登録商標)[INCI:ペンタペプチド-18]、Trylagen(登録商標)[INCI:Pseudoalteromonas発酵抽出物、加水分解小麦タンパク質、加水分解ダイズタンパク質、トリペプチド-10シトルリン、トリペプチド-1]、Inyline(商標)[INCI:アセチルヘキサペプチド-30]、Melatime(商標)[INCI:アセチルトリペプチド-40]、Thermostressine(商標)[INCI:アセチルテトラペプチド-22]若しくはLiporeductyl(登録商標)[INCI:カフェイン、ブッチャーブルーム(Ruscus Aculeatus)根抽出物、TEA-ヨウ化水素酸塩、カルニチン、アイビー(Hedera Helix)抽出物、エスチン、トリペプチド-1](Lipotecより市販)、Matrixyl(登録商標)[INCI:パルミトイルペンタペプチド-4]、Matrixyl(登録商標)3000[INCI:パルミトイルテトラペプチド-7、パルミトイルオリゴペプチド]、Dermaxyl(登録商標)[INCI:パルミトイルオリゴペプチド]、Calmosensine(商標)[INCI:アセチルジペプチド-1]、バイオペプチドCL(商標)[INCI:グリセリルポリメタクリレート、プロピレングリコール、パルミトイルオリゴペプチド]若しくはバイオペプチドEL(商標)[INCI:パルミトイルオリゴペプチド](Sedermaより市販)、シュードジペプチド、IP2000[INCI:デキストラン、トリフルオロアセチルトリペプチド-2](IEB及びAtriumより市販)、Pepha(登録商標)-Timp[INCI:ヒトオリゴペプチド-20]、ECM-Protect(登録商標)[INCI:水(アクア)、デキストラン、トリペプチド-2]若しくはMelanostatine(登録商標)-5[INCI:デキストラン、ノナペプチド-1](Atrium Innovationsより市販)、Timp-Peptide[提案されたINCI:アセチルヘキサペプチド]、Bronzing S.F.[提案されたINCI:ブチリルペンタペプチド]、BONT-L-ペプチド[INCI:パルミトイルヘキサペプチド-19]、若しくはECM Moduline[提案されたINCI:パルミトイルトリペプチド](Infinitec Activosより市販)、IP2000[INCI:デキストラン、トリフルオロアセチルトリペプチド-2](Institut Europeen de Biologie Cellulaireより市販)、Syn(登録商標)-Coll[INCI:パルミトイルトリペプチド-5](Pentapharmより市販)、Neutrazen(商標)[INCI:水、ブチレングリコール、デキストラン、パルミトイルトリペプチド-8]、ChroNOline(商標)[INCI:カプロイルテトラペプチド-3]若しくはThymulen-4[INCI:アセチルテトラペプチド-2](Atrium Innovations/Unipex Groupより市販)、Meliprene(登録商標)[INCI:デキストラン、アセチルヘプタペプチド-1]若しくはMelitane(登録商標)[INCI:アセチルヘキサペプチド-1](Institut Europeen de Biologie Cellulaire/Unipex Groupより市販)、Skinasensyl(商標)[INCI:アセチルテトラペプチド-15](Laboratoires Serobiologiques/Cognisより市販)、Vialox(登録商標)[INCI:ペンタペプチド-3]、Syn(登録商標)-Ake(登録商標)[INCI:ジペプチドジアミノブチロイルベンジルアミドジアセテート]、Syn(登録商標)-Coll[INCI:パルミトイルトリペプチド-5]、Syniorage(商標)[INCI:アセチルテトラペプチド-11]、Dermican(商標)[INCI:アセチルテトラペプチド-9](Laboratoires Serobiologiques/Cognisより市販)、Kollaren(登録商標)[INCI:トリペプチド-1、デキストラン](Institut Europeen de Biologie Cellulaireより市販)、Collaxyl(登録商標)IS[INCI:ヘキサペプチド-9]、Laminixyl IS(商標)[INCI:ヘプタペプチド]、Quintescine(商標)IS[INCI:ジペプチド-4]、UCペプチド(商標)V[INCI:ペンタペプチド]、若しくはATペプチド(商標)IS[INCI:トリペプチド-3](Vincience/ISPより市販)、グルタチオン、カルノシン、及び/又はそれらの混合物;並びに薬学的使用のペプチド、例えば、グルカゴン、ロイプロリド、ゴセレリン、トリプトレリン、ブセレリン、ナファレリン、デスロレリン、ヒストレリン、アボレリン、アバレリクス、セトロレリクス、ガニレリクス、デガレリクス、デスモプレシン、ソマトスタチン及びソマトスタチンの類似体、例えばオクトレオチド、バプレオチド、及びランレオチドによって形成される群から選択されるが、これらに限定されない。
【0310】
タンパク質、加水分解タンパク質、酵素、及びホルモン、並びにそれらを含有する市販の混合物は、例えば、Elhibin(登録商標)[INCI:Glycine Soja(大豆)タンパク質]、Preregen(登録商標)[INCI:Glycine Soja(大豆)タンパク質、オキシドレダクターゼ]、又はRegu(登録商標)-Age[INCI:加水分解米ぬかタンパク質、Glycine Soja(ダイズ)タンパク質、オキシドレダクターゼ](Pentapharm/DSMにより市販)、カドヘリン、インテグリン、セレクチン、ヒアルロン酸受容体、免疫グロブリン、線維芽細胞成長因子、結合組織成長因子、血小板由来成長因子、血管内皮成長因子、上皮成長因子、インスリン様成長因子、ケラチノサイト成長因子、コロニー刺激成長因子、トランスフォーミング増殖因子β、腫瘍壊死因子α、インターフェロン、インターロイキン、基質メタロプロテイナーゼ、受容体タンパク質チロシンホスファターゼ、タンパク質加水分解物、加水分解植物性タンパク質(加水分解小麦タンパク質、加水分解ダイズタンパク質若しくは加水分解乳清タンパク質など)、Lipeptide[INCI:加水分解植物性タンパク質](Lipotecより)、Collalift(登録商標)[INCI:加水分解麦芽抽出物](Coletica/Engelhardより市販)、Colhibin[INCI:加水分解米タンパク質](Pentapharmより市販)、Cytokinol(登録商標)LS[INCI:加水分解カゼイン、加水分解酵母タンパク質、リジンHCL](Laboratoires Serobiologiques/Cognisにより市販)、Liftline(登録商標)[INCI:加水分解小麦タンパク質]若しくはRidulisse C(登録商標)[加水分解ダイズタンパク質](Silabより市販)、カタラーゼ、スーパーオキシドジスムターゼ、ラクトペルオキシダーゼ、グルタチオンペルオキシダーゼ、乳タンパク質、カゼイン、ラクトペルオキシダーゼ、リゾチーム、グリコシダーゼ、角質層キモトリプシン酵素、若しくはSCCE、プロテアーゼ(トリプシン、キモトリプシン、スチライン、パパイン、又はブロメラインなど)、DNA修復酵素(光回復酵素又はT4エンドヌクレアーゼVなど)、リパーゼ、黄体形成ホルモン(LH)、卵胞刺激ホルモン(FSH)、成長ホルモン、インスリン、並びに/又はそれらの混合物によって形成される群から選択されるが、これらに限定されない。
【0311】
ビタミンは、例えば、ビタミンC、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB3、ビタミンB5、ビタミンB6、ビタミンB7、ビタミンB9、ビタミンB12、カルニチン、及び/又はそれらの混合物などの水溶性ビタミンによって形成される群から選択されるが、これらに限定されない。
【0312】
化学的に修飾することができる生物学的又は生物工学的起源の抽出物、並びにそれらを含有する市販の混合物は、例えば、植物抽出物、海洋抽出物、細胞抽出物、及び微生物によって生成される抽出物によって形成される群から選択されるが、これらに限定されない。
【0313】
植物抽出物は、水溶性植物抽出物、例えば、とりわけ、カモミール、アイビー、レモン、チョウセンニンジン、ラズベリー、Roast amaranth、Rehmannias radix、クチナシ、ニンジン、オレンジ、モモ、パイナップル、リンドウ、ハイビスカス花、クルミの葉、カボチャ、シャクヤク、キノア、ボルドー(boldo)、ラフバインドウィード(rough bindweed)、サルビア、ザクロ、オレガノ、ショウガ、マジョラム、クランベリー、ブドウ、トマト、緑茶、紅茶、アロエベラ(Aloe Barbadensis)、Saphora japonica、パパイヤ、パイナップル、カボチャ、サツマイモ、Bupleurum Chinensis、Cecropia Obtusifolia、Celosia Cristata、Centella Asiatica、Chenopodium Quinoa、Chrysanthellum Indicum、Citrus Aurantium Amara、Coffea Arabica、Coleus Forskohlii、Commiphora Myrrha、Crithmum Maritimum、Eugenia Caryophyllus、Ginkgo Biloba、Hedera Helix(アイビー)、Hibiscus Sabdariffa、Ilex Paraguariensis、Laminaria Digitata、Nelumbium Speciosum、Paullinia Cupana、Peumus Boldus、Phyllacantha Fibrosa、Prunella Vulgaris、Prunus Amygdalus Dulcis、Ruscus Aculeatus(ブッチャーブルーム抽出物)、Sambucus Nigra、Spirulina Platensis藻類、Uncaria Tomentosa、Verbena Officinalis、Opuntia ficus indica、Salix alba、Lupinus spp.、Secale cereale、Tussilago farfara、Achillea millefolium、Aradirachta indica、Asmuna japonica、Autocarpus incisus、Bidens pilosa、Broussonetia papyrifera、Chlorella vulgaris、Cimicifuga racemosa、Emblica officinalis、Glycyrrhiza glabra、Glycyrrhiza uralensis、Ilex purpurea、Ligusticum lucidum、Ligusticum wallichii、Mitracarpus scaber、Morinda citrifolia、Morus alba、Morus bombycis、Naringi crenulata、Prunus domesticus、Pseudostellariae radix、Rumex crispus、Rumex occidentalis、Sapindus mukurossi、Saxifragia sarmentosa、Scutellaria Galericulate、Sedum sarmentosum Bunge、Stellaria medica、Triticum Vulgare、Uva ursi、Whitania somnifera、Aristoloquia clematis、Rosa moschata、Echinacea angustifolia、Symphytum officinale、Equisetum arvense、Hypericum perforatum、Mimosa tenuiflora、Persea gratissima、Prunus africanum、Tormentilla erectea、Solanum tuberosum、Rosmarinus officinalis、Vaccinium angustifolium、Macrocystis pyrifera 藻類、Padina pavonica、Malpighia punicitolia、Cynara scolymus、Gossypium herbaceum、Panicum miliaceum、Morus nigra、Sesamum indicum、Glycine soja、Triticum vulgare、Glycine Max(大豆)、麦芽、亜麻、ムラサキツメクサ、葛根湯、シロバナルピナス、ヘーゼルナッツ、トウモロコシ、ブナの木の芽、Trifolium pratense(ムラサキツメクサ)、Phormium tenax(ニュージーランド麻)、Cinnamommum zeylanicum、Laminaria saccharina、Spiraea ulmaria、ネトルルート、Pygeum africanum、Avena Sativa、Arnica montana、Cinchona succirubra、Eugenia caryophyllata、Humulus lupulus、Hypericum perforatum、Mentha piperita、Rosmarinus officinalis、Thymus vulgaricusの水溶性抽出物、Silybum属の植物抽出物、マメ科種子の抽出物、Porphyra属からの紅藻類の抽出物、Phytovityl C(登録商標)[INCIアクア、Zea Mays抽出物](Solabiaより市販)、Micromerol(商標)[INCI:Pyrus Malus抽出物]又はHeather Extract[INCI:Calluna Vulgaris抽出物](Coletica/Engelhard/BASFより市販)、Proteasyl(登録商標)TP LS8657[INCI:Pisum Sativum抽出物](Laboratoires Serobiologiques/Cognisより市販)、Radicaptol[INCI:プロピレングリコール、水、Passiflora Incarnata花抽出物、Ribes Nigrum(ブラックカラント)葉抽出物、Vitis Vinifera(ブドウ)葉抽出物](Solabiaにより市販)又はViaPure(商標)Boswellia[INCI:Olivanum(Boswellia Serrata)抽出物](Solianceより市販)、EquiStat[INCI Pyrus Malus)果実抽出物、Glycine Soja種子抽出物](Coletica/Engelhardより市販)、Litchiderm(商標)[INCI:Litchi Chinensis果皮抽出物又はArganyl(商標)[INCI:Argania Spinosa葉抽出物](Laboratories Serobiologiques/Cognisより市販)、Dakaline[INCI:Prunus amygdalus dulcis、Anogeissus leiocarpus樹皮抽出物](Solianceより市販)、Actimp 1.9.3(登録商標)[INCI:加水分解ルピナスタンパク質](Expanscience Laboratoriosより市販)、Pronalen(登録商標)Refirming HSC[INCI:Triticum vulgare、Silybum Marianum、Glycine Soy、Equisetum Arvense、Alchemilla Vulgaris、Medicago Sativa、Raphanus Sativus]又はPolyplant(登録商標)Refirming[INCI:コーンフラワー、Asiatic Centella、Fucus、Fenugreek](Provitalより市販)、Lanablue(登録商標)[INCI:ソルビトール、藻類抽出物](Atrium Innovationsより市販)、Firmiderm(登録商標)LS9120[INCI:Terminalia Catappa葉抽出物、Sambucus Negra花抽出物、PVP、タンニン酸](Laboratoires Serobiologiques/Cognisより市販)によって形成される群から選択されるが、これらに限定されない。
【0314】
細胞抽出物及び微生物によって産生される抽出物、又はそれらを含有する市販の混合物は、水溶性細胞抽出物及び微生物によって産生される水溶性抽出物、例えば、とりわけ、Antarcticine(登録商標)[INCI:Pseudoalteromonas発酵抽出物]及びTrylagen(登録商標)[INCI:Pseudoalteromonas発酵抽出物、加水分解小麦タンパク質、加水分解ダイズタンパク質、トリペプチド-10シトルリン、トリペプチド-1](Lipotecより販売)、酵母抽出物、Saccharomyces cerivisiaeの抽出物及びLactobacillus Bulgaricusによる乳発酵産物によって形成される群から選択されるが、これらに限定されない。
【0315】
送達系に含有される活性成分の量は、0.00001~50重量%、好ましくは0.0001~40重量%、及びより好ましくは0.001~30重量%の範囲である。
【0316】
ナノカプセルは、任意の性質の他の化粧品及び/又は活性成分及び/又はアジュバント、疎水性物質、親水性物質及び両親媒性物質を含み、これらは、溶液中若しくは脂質マトリックス中の懸濁液中、又はヘアカラー組成物の水相中に見出すことができる。具体的には、化粧品及び/又は栄養活性成分及び/又はアジュバントは、例えば、界面活性剤、湿潤剤又は水分を保持する物質、保湿剤又は皮膚軟化剤、治癒を刺激する薬剤、コアジュバント治癒剤、再上皮化を刺激する薬剤、コアジュバント再上皮化剤、真皮又は上皮の巨大分子を合成する薬剤、固化剤及び/又は密度向上剤及び/又は再構築剤、サイトカイン成長因子、毛細血管循環及び/又は微小循環に作用する薬剤、抗糖化剤、フリーラジカルスカベンジャー及び/又は抗大気汚染剤、反応性カルボニル種スカベンジャー、5α-レダクターゼ阻害剤、リジル-及び/又はプロリルヒドロキシラーゼ阻害剤、デフェンシン合成刺激剤、殺菌剤及び/又は静菌剤及び/又は抗菌剤及び/又は殺菌消毒剤及び/又は殺真菌剤及び/又は静真菌剤及び/又は病原菌抑制剤、抗ウイルス剤、抗寄生虫剤、抗ヒスタミン剤、NOシンターゼ阻害剤、落屑剤又は角質溶解剤及び/又は剥脱剤、コメド溶解剤、抗乾癬剤、フケ防止剤、抗炎症剤及び/又は鎮痛薬、麻酔剤、しわ防止及び/又は老化防止剤、化粧品及び/又は吸収性及び/又は体臭防止消臭剤、制汗剤、芳香物質及び/又は香油及び/又は単離された芳香族化合物、抗酸化剤、血管透過性を阻害する薬剤、加水分解性上皮酵素、美白又は皮膚脱色剤、汗分解酵素を阻害する薬剤、紫外線をフィルタリングすることが可能な薬剤、ケラチノサイトの分化を刺激又は制御する薬剤、抗掻痒剤、メラニンの合成を刺激又は阻害する薬剤、着色促進剤、セルフタンニング剤、メラノサイト増殖刺激剤、液体噴射剤、ビタミン、アミノ酸、タンパク質、バイオポリマー、ゲル化ポリマー、皮膚弛緩剤、目の下のくまを低減させる又は処理することが可能な薬剤、敏感肌の処置及び/又は手入れのための薬剤、収斂剤、皮脂産生を調整する薬剤、抗ストレッチマーク剤、脂肪分解剤又は脂肪分解を刺激する薬剤、静脈強壮剤、抗セルライト剤、鎮静剤、細胞代謝に作用する薬剤、真皮-上皮接合部を改善する薬剤、発毛誘発剤又は脱毛遅延剤、体毛成長の阻害又は遅延剤、熱ショックタンパク質合成刺激剤、筋弛緩剤、筋収縮阻害剤、アセチルコリン受容体のクラスタ化を抑制する薬剤、抗コリン薬、エラスターゼ阻害剤、基質メタロプロテイナーゼ阻害剤、キレート剤、植物抽出物、精油、海洋抽出物、鉱物塩、細胞抽出物、乳化剤、脂質及び角質層成分の合成を刺激する薬剤(セラミド、脂肪酸など)、バイオ発酵プロセスから得られる薬剤並びに/又はそれらの混合物によって形成される群から選択されるが、これらに限定されない。これらの活性成分及び/又は化粧品アジュバント及び/又は栄養アジュバントの性質は、合成若しくは植物抽出物などの天然であることができるか、又は生物工学的プロセスに由来することができるか、又は合成プロセスと生物工学的プロセスとの組み合わせに由来することができる。追加の例は、CTFA International Cosmetic Ingredient Dictionary&Handbook,12th Edition(2008)に見出すことができる。本開示の技術に関して、生物工学的プロセスは、生物又はその一部において活性成分又はその一部を産生する任意のプロセスであると理解される。
【0317】
湿潤剤又は水分を保持する物質、保湿剤又は皮膚軟化薬は、ポリオール及びポリエーテル、例えば、グリセリン、エチルヘキシルグリセリン、カプリリルグリコール、ペンチレングリコール、プロピレングリコール及びその誘導体、グリセレス-26、ソルベス-30;パンテノール;ピログルタミン酸並びにその塩及び誘導体;セリン、プロリン、アラニン、グルタメート、又はアルギニンなどのアミノ酸;エクトイン及びその誘導体;N-(2-ヒドロキシエチル)アセトアミド;N-ラウロイル-ピロリドンカルボン酸;N-ラウロイル-L-リジン;N-α-ベンゾイル-L-アルギニン;尿素;クレアチン;乳酸、グリコール酸、リンゴ酸、クエン酸、サリチル酸などのα-及びβ-ヒドロキシ酸、並びにその塩;ポリグリセリルアクリレート;グルクロン酸ナトリウム、カラグナート(Chondrus crispus)、又はキトサン;ヒアルロン酸などのグリコサミノグリカン及びその誘導体;その形態のいずれかのアロエベラ;ハチミツ;可溶性コラーゲン;レシチン及びホスファチジルコリン;セラミド;コレステロール及びそのエステル;酢酸トコフェリル又はリノール酸トコフェリルなどのトコフェロール及びそのエステル;セテアリルアルコール、ステアリルアルコール、セチルアルコール、オレイルアルコール、イソセチルアルコール、又はオクタデカン-2-オールなどの長鎖アルコール;乳酸ラウリル、乳酸ミリスチル、又は安息香酸C12~C15アルキルなどの長鎖アルコールエステル;ステアリン酸、イソステアリン酸、パルミチン酸などの脂肪酸;多価不飽和脂肪酸(polyunsaturated fatty acid、PUFA);ソルビタンジステアレートなどのソルビタン;グリセリルモノリシノレート、グリセリルモノステアレート、グリセリルステアレートシトレート、又はカプリル酸及びカプリン酸トリグリセリドなどのグリセリド;パルミチン酸サッカロース又はオレイン酸サッカロースなどのサッカロースエステル;ジカプリレート及びジカプレートなどのブチレングリコールエステル;イソプロピルイソステアレート、イソブチルパルミテート、イソセチルステアレート、イソプロピルラウレート、ヘキシルラウレート、デシルオレエート、セチルパルミテート、ジ-n-ブチルセバケート、イソプロピルミリステート、イソプロピルパルミテート、イソプロピルステアレート、ブチルステアレート、ブチルミリステート、イソプロピルリノレエート、2-エチルヘキシルパルミテート、2-エチルヘキシルココエート、デシルオレエート、ミリスチルミリステートなどの脂肪酸エステル;スクアレン;ミンク油;ラノリン及びその誘導体;アセチル化ラノリンアルコール;シクロメチコン、ジメチコン、又はジメチルポリシロキサンなどのシリコーン誘導体;Antarcticine(登録商標)[INCI:Pseudoalteromonas発酵抽出物]又はLipotecによって市販されているアセチル-グルタミル-メチオニル-アラニル-イソロイシン、アセチル-アルギニル-フェニルグリシル-フェニルグリシン、又はアセチル-アルギニル-6-アミノヘキサノイル-アラニン、ワセリン;鉱物油;鉱物及び合成ワックス;蜜蝋(セラアルバ);パラフィン;又は植物起源のワックス及び油、例えば、とりわけ、カンデリラワックス(Euphorbia cerifera)、カルナバワックス(Copernicia cerifera)、シアバター(Butirospermum parkii)、カカオバター(Theobroma cacao)、ヒマシ油(Ricinus communis)、ヒマワリ油(Helianthus annuus)、オリーブ油(Olea europaea)、ココナツ油(Cocos nucifera)、ヤシ油(Elaeis guineensis)、小麦胚芽油(Triticum vulgare)、スィートアーモンド油(Prunus amygdalus dulces)、マスクローズ油(Rosa moschata)、大豆油(Glycine soja)、ブドウ種子油(Vitis vinifera)、カレンデュラ油(Calendula officinalis)、ホホバ油(Simmonsis chinensis)、マンゴー油(Mangifera indica)、アボカド油(Persea gratissima)、及び/又はそれらの混合物によって形成される群から選択されるが、これらに限定されない。
【0318】
殺菌剤及び/又は静菌剤及び/又は抗菌剤及び/又は殺菌消毒剤及び/又は殺真菌剤及び/又は静真菌剤及び/又は病原菌抑制剤は、例えば、とりわけ、マクロライド、ピラノシド、カルシウムチャネル遮断薬、例えば、限定されないが、シンナリジン及びジルチアゼム;ホルモン、例えば、限定されないが、エストリール、その類似体又はチロキシン及び/若しくはその塩、カプリリルグリコール、イミダゾリジニル尿素、メチル4-ヒドロキシベンゾエート[INCI:メチルパラベン]、エチル4-ヒドロキシベンゾエート[INCI:エチルパラベン]、プロピル4-ヒドロキシベンゾエート[INCI:プロピルパラベン]、ブチル4-ヒドロキシベンゾエート[INCI:ブチルパラベン]、イソブチル4-ヒドロキシベンゾエート[INCI:イソブチルパラベン]、1,3-ビス(ヒドロキシメチル)-5,5-ジメチルイミダゾリジン-2,4-ジオン[INCI:DMDMヒダントイン]、ベンジル4-ヒドロキシベンゾエート[INCI:ベンジルパラベン]、ベンジルアルコール、デヒドロ酢酸、安息香酸、ソルビン酸、サリチル酸、ギ酸、プロピオン酸、2-ブロモ-2-ニトロプロパン-1,3-ジオール、3-p-クロロフェノキシ-1,2-プロパノジオール[INCI:クロルフェネシン]、ジクロロベンジルアルコール、ヨードプロピニルブチルカルバメート、ベンザルコニウムクロリド、臭気吸収殺真菌剤(リシノール酸亜鉛など)、シクロデキストリン、塩化ベンゼトニウム、クロルヘキシジン、エタノール、プロパノール、1,3-ブタンジオール、1,2-プロピレングリコール、ウンデシレン酸、デヒドロ酢酸、N-メチルモルホリンアセトニトリル(methylmorpholine acetonitrile、MMA)、イソプロパノール、メタノール、1,2-ヘキサンジオール、1,2-オクタンジオール、ペンチレングリコール、ラウリン酸グリセリン、カプリル酸グリセリン、カプリン酸グリセリン、過酸化ベンゾイル、グルコン酸クロルヘキシジン、トリクロサン及びその誘導体、フェノキシエタノール、テルピネン-4-オール、α-テルピネオール、レゾルシノール、スチエマイシン(stiemycin)、エリスロマイシン、ネオマイシン、クリンダマイシン及びそのエステル、テトラサイクリン、メトロニダゾール、アゼライン酸、トルナフテート、ニスタチン、クロトリマゾール、ケトコナゾール、亜鉛の誘導体(ピリチオン酸亜鉛又はトリチオン酸亜鉛、酸化亜鉛及びウンデシレン酸亜鉛など)、ピロクトンオラミン、イソチアゾリノン、セレン硫黄、ベンジルヘミホルマール、ホウ酸、ホウ酸ナトリウム、6,6-ジブロモ-4,4-ジクロロ-2,2’-メチレンジフェノール[INCI:ブロモクロロフェン]、5-ブロモ-5-ニトロ-1,3-ジオキサン、トシルクロルアミドナトリウム[INCI:クロラミンT]、クロロアセトアミド、p-クロロ-m-クレゾール、2-ベンジル-4-クロロフェノール[INCI:クロロフェン]、ジメチルオキサゾリジン、ドデシルジメチル-2-フェノキシエチルアンモニウムブロミド[INCI:臭化ドミフェン]、7-エチルビシクロオキサゾリジン、ヘキセチジン、グルタルアルデヒド、N-(4-クロロフェニル)-N-[4-クロロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-尿素[INCI:クロフルカルバン]、2-ヒドロキシ-4-イソプロピル-2,4,6-シクロヘプタトリエン-1-オン[INCI:ヒノキチオール]、イソプロピルメチルフェノール、水銀塩、アルミニウム塩、ナイシン、フェノキシイソプロパノール、o-フェニルフェノール、3-ヘプチル-2-[(3-ヘプチル-4-メチル-3H-チアゾール-2-イリデン)メチル]-4-メチルチアゾールヨウ化物[INCI:クオタニウム-73]、塩化銀、ヨウ化ナトリウム、チモール、ウンデシレン酸、ジエチレントリアミン五酢酸、エチレンジアミン四酢酸及びエチレンジアミン四酢酸塩、ラクトペルオキシダーゼ、グルコースオキシダーゼ、ラクトフェリン、アルキルアリールスルホネート、ハロゲン化フェノール、フェノール酢酸水銀及び/又はそれらの混合物、ベンズアミジン、イソチアゾリン、フタルイミドの誘導体、ピリジンの誘導体、グアニジン、キノリン、1,2-ジブロモ-2,4-ジシアノブタン、ヨード-2-プロピルブチルカルバメート、ヨウ素、ヨードホール(tamed iodine)、ペルオキソ化合物、4-クロロ-3,5-ジメチルフェノール、2,2’-メチレン-ビス(6-ブロモ-4-クロロフェノール)、3-メチル-4-(1-メチルエチル)フェノール、3-(4-クロロフェノキシ)-1,2-プロパンジオール、3,4,4’-トリクロロカルバニリド(TTC)、チアミンエッセンス、オイゲノール、ファルネソール、モノラウリン酸グリセリン、ジグリセリンモノカプリネート(diglycerin monocaprinate)、N-アルキルサリチル酸アミド(n-オクチルサリチル酸アミド又はn-デシルサリチル酸アミドなど)、ハロゲン化キシレン及びクレゾールの誘導体(p-クロロ-メタ-クレゾール又はp-クロロ-メタ-キシレンなど)、Allium sativum、Calendula officinalis、Chamomilla recutita、Echinacea Purpura、Hyssopus Officinalis、Melaleuca alternifoliaの抽出物、又はティーツリー油、カーネーションエッセンス、メントール及びミントエッセンスによって形成される群から選択されるが、これらに限定されない。
【0319】
毛髪成長誘導剤、毛細血管循環及び/又は微小循環に作用する薬剤、又は脱毛遅延剤は、例えば、Tussilago farfara又はAchillea millefoliumの抽出物、ニコチン酸エステル、例えば、ニコチン酸メチル若しくはヘキシルなどのC3~C6アルキルニコチネート、ニコチン酸ベンジル、又はニコチン酸トコフェリル;ビオチン、5α-レダクターゼ阻害剤、抗炎症剤、レチノイド、例えば、限定されないが、オール-トランス-レチノイン酸又はトレチノイン、イソトレチノイン、レチノール、又はビタミンA、及びその誘導体、例えば、アセテート、パルミテート、プロピオネート、モトレチニド、エトレチネート、及びトランス-レチノエートの亜鉛塩;抗菌剤、カルシウムチャネル遮断薬、例えば、限定されないが、シンナリジン及びジルチアゼム;ホルモン、例えば、限定されないが、エストリオール、その類似体又はチロキシン、その類似体及び/又は塩;抗アンドロゲン剤、例えば、限定されないが、オキセンドロン、スピロノラクトン、又はジエチルスチルベストロール;抗ラジカル剤、エステル化オリゴ糖、例えば、限定されないが、欧州特許第0211610号及び欧州特許第0064012号に記載されているもの;ヘキソ糖酸の誘導体、例えば、限定されないが、グルコ糖酸又は欧州特許第0375388号に記載されているもの;グルコシダーゼ阻害剤、例えば、限定されないが、D-グルカロ-1,5-ラクタム又は欧州特許第0334586号に記載されているもの;グリコサミノグリカナーゼ及びプロテオグリカナーゼ阻害剤、例えば、限定されないが、L-ガラクトノ-1,4-ラクトン又は欧州特許第0277428号に記載されているもの;チロシンキナーゼ阻害剤、例えば、限定されないが、1-アミド-1-シアノ(3,4-ジヒドロキシフェニル)エチレン又は欧州特許第0403238号に記載されているもの、例えば、限定されないが、7-(アセチルチオ)-4’,5’-ジヒドロスピロ[アンドロスト-4-エン-17,2’-(3H)フラン]-3-オン、3-メチル-7-クロロ[2H]-1,2,4-ベンゾチアジアジンの1,1-ジオキサイド又はスピロオキサジン;リン脂質、例えば、限定されないが、レシチン;サリチル酸及びその誘導体、ヒドロキシカルボン酸又はケトカルボン酸及びそのエステル、ラクトン及びその塩;アントラリン、エイコサ-5,8,11-トリエン酸及びそのエステル又はアミド、とりわけ、ミノキシジル及びその誘導体又は混合物によって形成される群から選択されるが、これらに限定されない。
【0320】
酸化防止剤は、例えば、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、tert-ブチルヒドロキノン(TBHQ)、2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノール、没食子酸プロピルなどの没食子酸エステル、プロブコール、ポリフェノール、アスコルビン酸及びその塩、カタラーゼ、スーパーオキシドジスムターゼ、及びペルオキシダーゼなどの酵素;クエン酸、シトレート、モノグリセリドエステル、メタ重硫酸カルシウム、乳酸、リンゴ酸、コハク酸、酒石酸、ビタミンA又はβ-カロテン、ビタミンE及びC、トコフェロール、例えばビタミンEアセテート、アスコルビン酸エステル、例えばパルミチン酸アスコルビル及び酢酸アスコルビル、亜鉛、銅、マンニトール、還元グルタチオン、カロテノイド、例えばクリプトキサンチン、アスタキサンチン、及びリコペン;システイン、尿酸、カルニチン、タウリン、チロシン、ルテイン、ゼアキサンチン、N-アセチル-システイン、カルノシン、γ-グルタミルシステイン、ケルセチン、ラクトフェリン、ジヒドロリポ酸、茶カテキン、パルミチン酸レチニル及びその誘導体、重亜硫酸、メタ重亜硫酸、及び亜硫酸ナトリウム、クロマン、クロメン及びその類似体、リポクロマン-6[INCI:ジメチルメトキシクロマノール]、EDTAなどの金属のキレート剤、ソルビトール、リン酸又はdGlyage(商標)[INCI:リジンHCl、レシチン、トリペプチド-9シトルリン];Ginkgo Bilobaの抽出物、セージ、ザクロ、ローズマリー、オレガノ、ショウガ、マジョラム、クランベリー、ブドウ、トマト、緑茶、又は紅茶などの植物抽出物;オレオレジン抽出物、バニリン、エラグ酸、及びレスベラトロールなどのフェノールを含有する植物の抽出物;三級ブチルヒドロキノン又はそれらの混合物、セレニウム、カドミウム、バナジウム、又は亜鉛などの2価の金属塩;α-リポ酸、コエンザイムQ、イデベノン、又はその誘導体によって形成される群から選択されるが、これらに限定されない。
【0321】
紫外線をフィルタリングすることができる薬剤は、A及び/又はB紫外線に対して活性な有機又は鉱物光保護剤、例えば、置換ベンゾトリアゾール、置換ジフェニルアクリレート、有機ニッケル錯体、ウンベリフェロン、ウロカニン酸、ビフェニル誘導体、スチルベン、3-ベンジリデンカンファー、及び3-(4-メチルベンジリデン)カンファーなどのその誘導体;4-アミノ安息香酸、2-エチルヘキシル4-(ジメチルアミノ)ベンゾエート、2-オクチル4-(ジメチルアミノ)ベンゾエート、及びアミル4-(ジメチルアミノ)ベンゾエートの誘導体;2-エチルヘキシル4-メトキシシンナメート又はジエチルアミノヒドロキシベンゾイルヘキシルベンゾエート、プロピル4-メトキシシンナメート、イソアミル4-メトキシシンナメート、2-エチルヘキシル(オクトクリレン)2-シアノ-3,3-フェニルシンナメートなどの桂皮酸エステル;2-エチルヘキシルサリチレート、4-イソプロピルベンジルサリチレート、ホモメンチルサリチレートなどのサリチル酸エステル;2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシ-4’-メチルベンゾフェノン、2,2’-ジヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノンなどのベンゾフェノン誘導体;ジ-2-エチルヘキシル4-メトキシベンザルマロネートなどのベンザルマロン酸エステル;2,4,6-トリアニリノ、p-カルボ-2’-エチル-1’-ヘキシルオキシ-1,3,5-トリアジン、オクチルトリアゾン、又はジオクチルブタミドトリアゾンなどのトリアジン誘導体;1-(4-tert-ブチルフェニル)-3-(4’-メトキシフェニル)プロパン-1,3-ジオンなどのプロパン-1,3-ジオン;ケトトリシクロ(5.2.1.0)デカン誘導体;2-フェニルベンズイミダゾール-5-スルホン酸;2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン-5-スルホン酸などのベンゾフェノンスルホン酸誘導体及びその塩;4-(2-オキソ-3-ボルニリデンメチル)ベンゼンスルホン酸、ベンゾイルメタン誘導体、例えば、ベンゾイルメタン2-メチル-5-(2-オキソ-3-ボルニリデン)スルホン酸、例えば、1-(4’-tert-ブチルフェニル)-3-(4’-メトキシフェニル)プロパン-1,3-ジオン、4-tert-ブチル-4’-メトキシジベンゾイルメタン、1-フェニル-3-(4’-イソプロピルフェニル)-プロパン-1,3-ジオン、エナミン化合物、アントラニレート、ケイ素、ベンズイミダゾール誘導体、イミダゾリン、ベンゾイル誘導体、Chromabright(商標)[INCI:ジメチルメトキシクロマニルパルミテート]又はPreventhelia(登録商標)[INCI:ジアミノプロピオノイルトリペプチド-33](両方ともLipotecより市販)、酸化亜鉛、チタン、鉄、ジルコニウム、ケイ素、マンガン、アルミニウム、及びセリウムなどの金属酸化物;シリケート、タルク、硫酸バリウム、ステアリン酸亜鉛、カーボンナノチューブ、及び/又はそれらの混合物によって形成される群から選択されるが、これらに限定されない。
【0322】
以下の実施例は、本技術の範囲内の実施形態を更に説明し、実証する。これらの実施例は、例示のみの目的で提示されており、本技術の主旨及び範囲から逸脱することなくその多くの変形例が可能であるため、本技術の制限として解釈されるべきではない。別途指定のない限り、重量パーセント(重量%)は、全組成物の重量に基づいて重量パーセントで示される。実施例の表に報告された全ての成分の量は、製造業者によって「供給されたまま」である。100パーセント活性物質として供給されない任意の成分は、製造業者により供給される活性材料パーセンテージによって識別される。例示された組成物中で利用される活性成分の量を計算するために、活性材料パーセントに成分(供給されたままの)の総量を掛ける。例えば、製造業者によって供給される成分が30重量%の活性ポリマー材料を含有する場合、残りは不活性担体構成成分である。
【0323】
実施例1(PUD合成)
ポリテトラヒドロフラン(PTHF)1000(1,536グラム)、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(H12MDI)(747グラム)、及びイソホロンジイソシアネート(IPDI)(633グラム)を、乾燥窒素のブランケット下、215~225°F(102~107℃)で約1時間反応させた。反応混合物を170°F(77℃)に冷却し、314グラムのJeffcat(商標)DPAテザリング型アミンモノマーを添加した。反応混合物を175~185°F(79~85℃)で40分間撹拌して、NCO末端プレポリマーを生成した。混合物を145°F(63℃)に冷却し、69グラムの氷酢酸を撹拌しながら15分かけて添加した。部分的に中和されたプレポリマーの一部分(3,060グラム)を、98グラムの氷酢酸及び5グラムのDeeFo(商標)97-3消泡剤を含有する65°F(18℃)の4,000gの水中に約10~15分間にわたって混合しながら添加して、カチオン性NCO末端ポリウレタンプレポリマーの水性分散液を形成した。残りのNCOを水と一晩反応させ、それによって、全固形分含有量-43.6%、pH4.7、及びブルックフィールド粘度-70cPの特性を有するカチオン性ポリウレタンの清浄な(凝塊及びフロックがない)安定な水性分散液を生成した。粒径分布の平均直径は26nmであった(Malvernによって測定し、強度平均ガウス分布として報告した)。重量平均分子量は、42,500g/molと測定された。極限引張は、3,750psi(標準偏差=170psi)と測定され、破断点伸び-620%(標準偏差=30%)、及び100%伸びにおける弾性率-1,025psi(標準偏差=35psi)であった。
【0324】
実施例2(永続的毛髪着色組成物)
酸化染料前駆体及び染料カプラーを含む酸化毛髪着色剤を、表1に列挙した成分及び量から配合した。配合物Aは、本技術のテザリング型三級アミンポリウレタンで調製したが、配合物B及びCは、それぞれ非イオン性ポリウレタン及びカチオン性ポリウレタンで調製した。配合物Dは、酸化毛髪着色系において一般的に使用されるベンチマーク両性ポリマーを使用して調製した。配合物Dは、ポリマーを含有しないブランク配合物である。
【表1】
1比較配合物
2Brookfield(登録商標)粘度計モデルDV-II+Pro(25℃、10rpm、スピンドル6)
【0325】
永続的ヘアカラー組成物の成分を、以下の手順に従って配合した。
【0326】
脱イオン水をビーカーに添加し、中程度の速度(500rpm)でミキサーを開始する。
【0327】
成分No.2、No.3、及びNo.4を添加し、均質になるまで混合する。
【0328】
別のビーカーに相A成分No.5~7を添加し、十分混合する。これをバッチに添加する。
【0329】
脱イオン水成分No.8を使用してビーカーをすすぎ、洗浄液を主バッチに添加する。
【0330】
バッチをホイルで覆い、空気が入らないようにする。バッチを窒素でブランケット処理して、酸化を防止する。
【0331】
相A成分No.9~12を主バッチに添加する。成分の添加後、バッチを覆って空気を密封する。均質になるまで混合する。
【0332】
バッチを65~70℃に加熱し始める。
【0333】
別のビーカーに相B成分を添加し、65~70℃に加熱する。
【0334】
これを主バッチに添加し、温度を65~70℃に維持しながら均質になるまで高速(900rpm)で15分間混合する。相Bの添加後、バッチを覆って空気を密封する。
【0335】
バッチを50℃に冷却し始める。バッチをホイルで覆っておく。
【0336】
相C成分No.19を50℃で添加し、均質になるまで混合する。
【0337】
バッチを30℃に冷却する。
【0338】
相C成分No.20~22を1つずつ添加し、均質になるまで混合する。各添加後にバッチを覆って空気を密封する。バッチを窒素でブランケット処理して、酸化を防止する。
【0339】
バッチを実験室用ホモジナイザーを用いて1000rpmで1~2分間均質化する。
【0340】
染色プロトコル
表1に記載のカラー配合物の各々を、市販の発色剤(Matrix 20 V発色剤)と1:1の重量比で各々混合し、軟質の見本結合具を含めて各々長さ6インチ×幅3/4インチ及び重量2.5gの純白ブロンド毛髪見本(International Hair Importers)にすぐに適用した。見本は、以下の手順に従って調製した。
【0341】
1.毛髪見本を、互いに重ならないようにプラスチックラップ上に置いた。5グラムの着色組成物を見本の片側に均一に適用し、続いて5gを反対側に適用した。ヘアカラー組成物を見本に適用した後、カラー適用ブラシを使用して組成物を毛髪内に作用させた。
【0342】
2.処置した見本をプラスチックで包み、30分間発色させた。
【0343】
3.10分後、包まれた見本を、2回繰り返して指で根元から先端まで穏やかに滑らかにした。
【0344】
4.30分後(工程2)、処置した見本を、38~40℃の温度で1分間、3.8L/分で流れる水道水ですすいだ。
【0345】
5.次いで、すすいだ見本を、以下の手順に従って、10%ラウリルエーテル硫酸ナトリウム(sodium lauryl ether sulfate、SLES-2)溶液でシャンプーした。
【0346】
6.各々の事前洗浄した見本の乾燥重量を測定し、記録する。秤の上に秤量ボードを置き、風袋を計る。見本を脱イオン水の下で、根元から先端まで10回のストロークで濡らす。過剰な水を軽く絞り出し、見本を秤量ボード上に置く。希釈は1:5であるべきである。見本の重量を記録する。
【0347】
7.0.4gのSLES-2シャンプーを適用する。指での2~3回のストロークを使用して、見本の長さに沿って見本の両側に生成物を分配する。
【0348】
8.生成物を毛髪見本に20回のストロークで40秒間(1ストローク当たり2秒間)穏やかにマッサージする。生成物を根元から先端まで一方向にマッサージする。水平剪断及び垂直剪断を使用して、生成物を分配する。生成物の適切な分布を確実にするように、最初の20秒後に見本をひっくり返してマッサージする。
【0349】
9.毛髪見本を水道水(シャワーモード)で45秒間完全にすすぐ。水温を38℃(±2℃)に設定し、流速を3.8L/分又は1gal/分に設定する。人差し指と中指との間に見本を穏やかに保持し、人差し指と中指を見本の根元から先端に通すことによって、すすぎ中に見本をマッサージする。20回のストロークを使用して、すすぎ中、ストローク当たり2~2.5秒の速度でマッサージする。
【0350】
10.室温及び相対湿度55~60%の湿度チャンバにおいて一晩乾燥させる。
【0351】
色測定
L、a、bスケールを使用して、Hunter LabScan(商標)XE比色計を用いて各配合物について3つの見本の色を測定した。表1で配合された配合物A、B、C、及びDで処置した見本上で色を測定した。Hunter L、a、bスケールにおいて、「L」は、明度の尺度であり、完全な白色の100から完全な黒の0まで変動する。デルタLは、洗浄前後の処置した毛髪見本の彩度(強度)の差に対応する。より低いΔLは、より少ない量の色の鈍化に対応する。「a」は、「a」の値が正である場合、赤色度の尺度であり、負である場合、緑色度の尺度である。デルタ「a」は、洗浄前後の色の明るさ又は暗さの尺度である。より低いΔaは、より良好な色保護を示す。「b」は、「b」の値が正である場合、黄色度の尺度であり、負である場合、青色度の尺度である。E(全色値)は、E=(L2+a2+b2)1/2として計算することができ、結果として生じるΔEは、洗浄前後の処置した毛髪における全色変化又は色の違いである。
【0352】
1回洗浄後の見本のL値を測定し、記録して、色強度及び彩度における改善を確認した。結果を表2に提示する。
【表2】
1試験配合物を1:1の比(重量:重量)で発色剤と混合した。
【0353】
本開示の技術のポリマーを含む配合物Aで配合された永続的ヘアカラーは、着色された毛髪の色強度及び彩度を改善する。理論に束縛されるものではないが、本開示の技術のポリマーは、毛皮質の内部深くの染料の浸透を補助すると考えられる。L値が低いほど、色が濃く鮮やかであることを意味する。
【0354】
実施例1のポリマーで配合された永続的ヘアカラーは、30回までの洗浄に対して色を保護する。より低いΔE値は、ヘアカラーが保持されていることを示す。
【0355】
ΔE、ΔL、及びΔaは、前述の染色プロトコルの工程5及び6に概説したシャンプー及び乾燥手順に従って、5、10、15、20、25、及び30回のシャンプー洗浄後に測定した。結果を表3、4、及び5に報告する。
【表3】
1試験配合物を1:1の比(重量:重量)で発色剤と混合した。
【0356】
本開示の技術のポリマーを含む配合物Aで配合された永続的ヘアカラーは、着色された毛髪の色保護を改善する。実施例1のポリマーで配合された永続的ヘアカラーは、30回までの洗浄に対して色を保護する。より低いΔE値は、ヘアカラーが保持されていることを意味する。
【表4】
1試験配合物を1:1の比(重量:重量)で発色剤と混合した。
【0357】
結果は、非イオン性ポリウレタンを含有する配合物B、カチオン性ポリウレタンを含有する配合物C、及びベンチマーク両性ポリマーを含有する配合物Dと比較した場合、実施例1のポリマーを含有する配合物Aで色保護が達成されることを示す。実施例1のポリマーで配合された永続的ヘアカラーは、30回までの洗浄に対して、着色された毛髪の強度及び彩度を保護する。より低いΔLは、ヘアカラー強度が保持されていることを意味する。
【表5】
1試験配合物を1:1の比(重量:重量)で発色剤と混合した。
【0358】
非イオン性ポリウレタンを含有する配合物B、カチオン性ポリウレタンを含有する配合物C、及びベンチマーク両性ポリマーを含有する配合物Dと比較した場合、実施例1のポリマーを含有する配合物Aで、より良好な色保護が達成される。実施例1のポリマーで配合された永続的ヘアカラーは、30回までの洗浄に対して、着色された毛髪の色調を保護する。より低いΔaは、毛髪の色調及び価値が保持されていることを意味する。
【0359】
処置した毛髪見本を、湿潤状態及び乾燥状態におけるコンディショニング特性について評価した。湿潤状態では、湿潤時もつれほぐし及びコーミング試験を行って、コンディショニングを測定し、乾燥状態では、毛髪の柔軟性及び滑らかさを摩擦係数試験によって測定した。
【0360】
湿潤時もつれほぐし及びコーミング試験
MTTWINバージョン5.0ソフトウェアを備えたDia-Stron MTT175 Mini Tensile Testerを使用して、処置した見本上で、湿潤毛髪のコーミング及びもつれほぐしに対する耐性を試験した。300mm/分のコーミング速度及び2000の最大コーミング力(gmf)で、処置当たり6つの見本及び見本当たり5回の操作を実行した。より低い値の平均総仕事量は、湿潤時コーミングにおける改善を示す。より低い平均破断荷重値は、湿潤時もつれほぐし特性における改善を表す。結果を表6に提示する。
【表6】
1試験配合物を1:1の比(重量:重量)で発色剤と混合した。
【0361】
ポリマーを含有しない対照配合物Eと比較した場合、実施例1のポリマーを含有する配合物A及びベンチマーク両性コンディショニングポリマーを含有する配合物Dで着色された毛髪によって、より良好な湿潤時もつれほぐし属性が実証された。より低い平均破断荷重値は、湿潤時もつれほぐし特性における改善を示し、これは、本技術の配合物によるカラー処置後の毛髪のもつれほぐしがより容易であることを示す。
【0362】
結果は、ポリマーなしで配合された対照と比較した場合、配合物A及びベンチマーク両性ポリマーによる、より良好な湿潤時コーミングを示す。より低い値の平均総仕事量は、カラー処置後の毛髪のコーミングがより容易であるため、湿潤時コーミングにおける改善を示す。
【0363】
毛髪の柔軟性及び滑らかさ試験
毛髪の柔軟性は、Bruker Universal Mechanical Tester(UMT)を用いて毛髪繊維表面上の摩擦の低減によって測定した。機器は、装置のスレッディングモードを利用して、乾燥した毛髪表面上の摩擦係数の高感度試験を容易にする。試験前に、見本を染色プロトコルの工程5及び工程6に記載の方法を利用して2回洗浄する。3つの処置した見本について測定を行い、対照配合物(ポリマーなし)及びベンチマークポリマーと比較する。プローブ速度:0.1mm/秒、1サイクルを含む毛髪キューティクルに対してプローブを移動させ、1回の操作で2サイクルを完了し、各見本に対して2回の操作を行う。摩擦係数を測定し、各操作後に記録する。結果を表7に提示する。
【表7】
1試験配合物を1:1の比(重量:重量)で発色剤と混合した。
【0364】
本技術のポリマー及びベンチマークポリマーを添加することによって配合された永続的カラーは、ポリマーなしで配合された対照と比較して、乾燥特性においてより良好な改善を示した。より低い摩擦係数値は、処置した毛髪見本がより柔らかく、より滑らかで、かつより保湿されていることを示す。
【0365】
実施例3(半永続的毛髪着色組成物)
半永続的酸性染料を含む半永続的毛髪着色剤を、表8に列挙した成分及び量から配合した。配合物Fは、本技術のテザリング型三級アミンポリウレタンで調製したが、配合物Gは、半永続的毛髪染色系において一般的に使用されるベンチマーク両性ポリマーを使用して調製した。
【表8】
1ベンチマーク配合物
2対照配合物
3Brookfield(登録商標)粘度計モデルDV-II+Pro(25℃、10rpm、スピンドル6)
【0366】
半永続的ヘアカラー組成物の成分を、以下の手順に従って配合した。
【0367】
成分No.1を主ビーカーに添加し、ライトニンミキサーを使用して混合する。
【0368】
成分No.2を成分No.3及びNo.4の一部と小ビーカーにおいて混合し、それをバッチに添加する。
【0369】
残りのDI水成分No.4を使用してビーカーを洗浄し、洗浄液をバッチに添加する。
【0370】
成分No.5~10を1つずつ添加し、均質になるまで混合する。
【0371】
相Aを70℃に加熱する。
【0372】
別の容器で、相B成分No.11~15を混合し、70℃に加熱する。
【0373】
相A及び相Bの両方が70℃になったら、相Bを相Aに添加し、10分間混合する。
【0374】
50℃に冷却し、相C成分番号16を添加する。均質になるまで混合する。
【0375】
バッチを30℃に冷却する。
【0376】
相C成分No.17~19を1つずつ添加し、均質になるまで混合する。
【0377】
成分No.20を使用してpHを4.5~4.8に調整する。均質になるまで混合する。
【0378】
色測定
純白ブロンドの毛髪見本を、実施例2に概説した処置及び色測定プロトコルと実質的に同様の方式で、表8で識別された成分から配合された半永続的毛髪着色組成物で処置した。各配合物からの3つの処置した見本を色について測定した。5回及び10回洗浄後のΔE、L及びαの値を、それぞれ表9、10、及び11に報告する。
【表9】
【0379】
実施例1のポリマーを含有する配合物Fは、ベンチマーク両性ポリマーと比較した場合、より良好な色保護を実証する。実施例1のポリマーで配合された半永続的ヘアカラーは、着色された毛髪の色保護を改善する。実施例1のポリマーを用いた半永続的なヘアカラーは、少なくとも10回までの洗浄に対して色を保護する。従来の半永続的毛髪着色組成物は、一般に、5~7回までの洗浄を保護する。より低いΔE値は、ベンチマーク標準と比較した場合、より多くのヘアカラーが保持されることを示す。
【表10】
【0380】
実施例1のポリマーで配合された半永続的ヘアカラー組成物は、着色された毛髪の色保護を改善する。より低いΔL値は、より良好なヘアカラー強度及び色堅牢性を示す。
【表11】
【0381】
実施例1のポリマーで配合された半永続的ヘアカラー組成物は、着色された毛髪の色保護を改善する。配合物Fは、少なくとも10回の洗浄に対して色を保護する。配合物Fについてのより低いΔa値は、ヘアカラー色調が保存され、退色しないことを示す。
【0382】
湿潤時もつれほぐし及びコーミング試験
実施例2に記載したプロトコルを使用して、処置した見本について、湿潤毛髪のコーミング及びもつれほぐしに対する耐性を試験した。結果を表12に記載する。
【表12】
【0383】
結果は、実施例1のポリマー及びベンチマークポリマーをそれぞれ含有する配合物F及びGが、ポリマーを含有しない対照配合物Hよりも良好な湿潤時コーミング属性を有することを実証する。より低い平均総仕事量値は、配合物Fによるカラー処置後の毛髪のコーミングがより容易であるため、湿潤時コーミングにおける改善を示す。
【0384】
実施例1のポリマー及びベンチマークポリマーをそれぞれ含有するカラー配合物F及びGを使用して処置した毛髪は、配合物H(ポリマーなし)で着色した毛髪よりも、湿潤時もつれほぐしにおける改善を実証する。より低い平均破断荷重値は、対照配合物Hと比較して、配合物F及びGによるカラー処置後の毛髪のもつれほぐしがより容易であるため、湿潤時もつれほぐし属性における改善を示す。
【0385】
毛髪の柔軟性及び滑らかさ試験
着色した毛髪見本の毛髪柔軟性を、実施例2に記載のプロトコルによって評価した。結果を表13に提示する。
【表13】
【0386】
実施例1のポリマー(配合物F)及びベンチマークポリマー(配合物G)で配合された半永続的カラーは、対照(配合物H)と比較して、乾燥特性においてより良好な改善を示した。より低い摩擦係数値は、処置した毛髪見本がより柔らかく、より滑らかで、かつより保湿されていることを示す。
【0387】
実施例4
一時的ヘアカラーを、表14に示す成分及び量から配合した。
【表14】
1Brookfield(登録商標)粘度計モデルDV-II+Pro(25℃、10rpm、スピンドル6)
【0388】
実施例5
酸化毛髪染料発色剤組成物を、表15に列挙した構成成分から配合した。
【表15】
1Brookfield(登録商標)粘度計モデルDV-II+Pro(25℃、10rpm、スピンドル6)
【国際調査報告】