(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-21
(54)【発明の名称】ウェッジボンディング装置のカッター高さを決定および/または校正する方法、および関連するウェッジボンディング装置
(51)【国際特許分類】
H01L 21/60 20060101AFI20240514BHJP
【FI】
H01L21/60 301D
H01L21/60 301G
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023571443
(86)(22)【出願日】2022-05-19
(85)【翻訳文提出日】2024-01-12
(86)【国際出願番号】 US2022030141
(87)【国際公開番号】W WO2022246137
(87)【国際公開日】2022-11-24
(32)【優先日】2021-05-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】506395943
【氏名又は名称】クリック アンド ソッファ インダストリーズ、インク.
(74)【代理人】
【識別番号】100104411
【氏名又は名称】矢口 太郎
(72)【発明者】
【氏名】クラーナー、ピーター、ジュリアス
(72)【発明者】
【氏名】スクラントン、エリック、ティー.
(72)【発明者】
【氏名】バルテ、カーシック、グンダッパ
(72)【発明者】
【氏名】ロサーノ デ アルバ、ホセ、デ ヘスス
(72)【発明者】
【氏名】シャルマ、ディビッシュ
【テーマコード(参考)】
5F044
【Fターム(参考)】
5F044BB01
5F044BB14
(57)【要約】
【要約】
ウェッジボンディング装置のカッターの高さを決定する方法が提供される。この方法は、(a)ウェッジボンディングツールをウェッジボンディング装置上の表面に向かって下降させる工程と、(b)前記ウェッジボンディングツールが前記表面に接触する時に第1の高さ測定値を決定する工程と、(c)前記ウェッジボンディングツールに対して前記ウェッジボンディング装置のカッターを下降させる工程と、(d)前記カッターが前記表面に接触した時に第2の高さ測定値を決定する工程と、(e)前記第1の高さ測定値と前記第2の高さ測定値を使用してカッター高さを決定する工程と、を有する。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウェッジボンディング装置のカッターの高さを決定する方法であって、
(a)ウェッジボンディングツールを前記ウェッジボンディング装置上の表面に向かって下降させる工程と、
(b)前記ウェッジボンディングツールが前記表面に接触する時に第1の高さ測定値を決定する工程と、
(c)前記ウェッジボンディングツールに対して前記ウェッジボンディング装置のカッターを下降させる工程と、
(d)前記カッターが前記表面に接触した時に第2の高さ測定値を決定する工程と、
(e)前記第1の高さ測定値と前記第2の高さ測定値を使用してカッター高さを決定する工程と、
を有する方法。
【請求項2】
請求項1記載の方法において、前記ウェッジボンディングツールおよび前記カッターは、前記ウェッジボンディング装置のボンドヘッドアセンブリによって運ばれ、前記ボンドヘッドアセンブリは、Z軸運動システムを使用して前記ワイヤボンディング装置のZ軸に沿って移動されるのである、方法。
【請求項3】
請求項2記載の方法において、前記ウェッジボンディングツールは、工程(a)において、前記Z軸運動システムを使用して下降されるものである、方法。
【請求項4】
請求項2記載の方法において、
前記カッターは、工程(c)において、前記Z軸運動システムを使用して下降されるものである、方法。
【請求項5】
請求項2記載の方法において、
前記カッターは、工程(c)において、前記Z軸運動システムとは異なるカッター運動システムを使用して下降されるものである、方法。
【請求項6】
請求項2記載の方法において、
前記第1の高さ測定値および前記第2の高さ測定値のそれぞれが、前記Z軸運動システムのエンコーダを使用して決定されるものである、方法。
【請求項7】
請求項1記載の方法において、
前記ボンドヘッドアセンブリは、工程(b)における前記ウェッジボンディングツールの接触後、工程(c)において前記カッターを下降させることができるようにオーバートラベル機構を含むものである、方法。
【請求項8】
請求項7記載の方法において、
前記第1の高さ測定値は、前記オーバートラベル機構のエンコーダを使用して決定されるものである、方法。
【請求項9】
請求項7記載の方法において、
前記第2の高さ測定値は、前記オーバートラベル機構のエンコーダを使用して決定されるものである、方法。
【請求項10】
請求項7記載の方法において、
前記第1の高さ測定値および前記第2の高さ測定値のそれぞれが、前記オーバートラベル機構のエンコーダを使用して決定されるものである、方法。
【請求項11】
請求項1記載の方法において、
前記カッター高さは、前記第1の高さ測定値と前記第2の高さ測定値との差を決定することによって決定されるものである、方法。
【請求項12】
請求項1記載の方法において、
前記カッター高さが、前記ウェッジボンディング装置での後続の切断作業に使用されるものである、方法。
【請求項13】
請求項1記載の方法において、
前記カッター高さは、前記ウェッジボンディング装置においてカッター深さ値と併せて後続の切断作業に使用されるものである、方法。
【請求項14】
請求項1記載の方法において、
前記方法が、前記ウェッジボンディング装置において以前のカッターから前記カッターへ変更することに関連して実行されるものである、方法。
【請求項15】
請求項1記載の方法において、
前記方法は、所定の間隔で実行されるものである、方法。
【請求項16】
請求項1記載の方法において、
前記工程(b)は、ロードセル、電気的導通接続、およびZ軸運動システム特性のうちの少なくとも1つを使用して、前記ウェッジボンディングツールが前記表面に接触する時を決定するものである、方法。
【請求項17】
請求項1記載の方法において、
工程(d)は、ロードセル、電気的導通接続、およびZ軸運動システム特性のうちの少なくとも1つを使用して、前記カッターが前記表面に接触する時を決定するものである、方法。
【請求項18】
ウェッジボンディング装置のカッター高さを決定する方法であって、
(a)ウェッジボンディングツールを、前記ウェッジボンディング装置上の表面に向かって下降させる工程であって、前記表面は、ばねアセンブリと一体化されている、工程と、
(b)前記ウェッジボンディングツールが前記表面に接触する時に第1の高さ測定値を決定する工程と、
(c)前記ウェッジボンディングツールと前記表面とが接触した後に、前記ウェッジボンディングツールをさらに下方に下げることによって、前記ばねアセンブリのばね部分を圧縮する工程と、
(d)工程(c)の後、前記カッターが前記表面に接触するまで前記ばね部分を伸ばしながら、前記ウェッジボンディングツールおよび前記表面を上昇させる工程と、
(e)前記カッターが前記表面に接触する時に第2の高さ測定値を決定する工程と、
(f)前記第1の高さ測定値と前記第2の高さ測定値を使用してカッター高さを決定する工程と、
を有する方法。
【請求項19】
請求項18記載の方法において、前記ウェッジボンディングツールおよび前記カッターは、前記ウェッジボンディング装置のボンドヘッドアセンブリによって運ばれ、前記ボンドヘッドアセンブリは、Z軸運動システムを使用して前記ワイヤボンディング装置のZ軸に沿って移動されるものである、方法。
【請求項20】
請求項19記載の方法において、前記ウェッジボンディングツールは、工程(a)において、前記Z軸運動システムを使用して下降されるものである、方法。
【請求項21】
請求項19記載の方法において、前記カッターは、工程(c)において、前記Z軸運動システムを使用して下降されるものである、方法。
【請求項22】
請求項19記載の方法において、前記カッターは、工程(c)において、前記Z軸運動システムとは異なるカッター運動システムを使用して下降されるものである、方法。
【請求項23】
請求項19記載の方法において、前記第1の高さ測定値および前記第2の高さ測定値のそれぞれが、前記Z軸運動システムのエンコーダを使用して決定されるものである、方法。
【請求項24】
請求項18記載の方法において、前記ボンドヘッドアセンブリは、オーバートラベル機構を含むものである、方法。
【請求項25】
請求項24記載の方法において、前記第1の高さ測定値は、前記オーバートラベル機構のエンコーダを使用して決定されるものである、方法。
【請求項26】
請求項24記載の方法において、前記第2の高さ測定値は、前記オーバートラベル機構のエンコーダを使用して決定されるものである、方法。
【請求項27】
請求項24記載の方法において、前記第1の高さ測定値および前記第2の高さ測定値のそれぞれは、前記オーバートラベル機構のエンコーダを使用して決定されるものである、方法。
【請求項28】
請求項18記載の方法において、前記カッター高さは、前記第1の高さ測定値と前記第2の高さ測定値との差を決定することによって決定されるものである、方法。
【請求項29】
請求項18記載の方法において、前記カッター高さは、前記ウェッジボンディング装置での後続の切断作業に使用されるものである、方法。
【請求項30】
請求項18記載の方法において、前記カッター高さ測定値は、前記ウェッジボンディング装置においてカッター深さ値と併せて後続の切断操作に使用されるものである、方法。
【請求項31】
請求項18記載の方法において、前記方法は、前記ウェッジボンディング装置において以前のカッターから前記カッターへ変更することに関連して実行されるものである、方法。
【請求項32】
請求項18記載の方法において、前記方法は、所定の間隔で実行されるものである、方法。
【請求項33】
請求項18記載の方法において、工程(b)が、ロードセル、電気的導通接続、およびZ軸運動システム特性のうちの少なくとも1つを使用して、前記ウェッジボンディングツールが前記表面に接触する時を決定する工程を含むものである、方法。
【請求項34】
請求項18記載の方法において、工程(3)が、ロードセル、電気的導通接続、およびZ軸軸運動システム特性のうちの少なくとも1つを使用して、前記カッターが前記表面に接触する時を決定する工程を含むものである、方法。
【請求項35】
ウェッジボンディング装置のカッター高さを決定する方法であって、
(a)ウェッジボンディングツールを、前記ウェッジボンディング装置上の表面に向かって下降させる工程であって、前記表面は、ばねアセンブリと一体化されている、工程と、
(b)前記ウェッジボンディングツールと前記表面との間の接触後に、前記ウェッジボンディングツールをさらに下方に下げることによって、前記ばねアセンブリのばね部分を圧縮する工程と、
(c)前記カッターが前記表面に接触するまで、前記ウェッジボンディングツールおよび前記表面に対して前記カッターを下降させる工程と、
(d)前記カッターが前記表面に接触する時の高さ測定を決定する工程と、
を有する、方法。
【請求項36】
請求項35記載の方法において、前記ウェッジボンディングツールおよび前記カッターは、前記ウェッジボンディング装置のボンドヘッドアセンブリによって運ばれ、前記ボンドヘッドアセンブリは、Z軸運動システムを使用して前記ワイヤボンディング装置のZ軸に沿って移動されるものである、方法。
【請求項37】
請求項36記載の方法において、前記ウェッジボンディングツールは、工程(a)において、前記Z軸運動システムを使用して下降されるものである、方法。
【請求項38】
請求項36記載の方法において、前記カッターは、工程(c)において、前記Z軸運動システムを使用して下降されるものである、方法。
【請求項39】
請求項36記載の方法において、前記カッターは、工程(c)において、前記Z軸運動システムとは異なるカッター運動システムを使用して下降されるものである、方法。
【請求項40】
請求項35記載の方法において、
前記ボンドヘッドアセンブリがオーバートラベル機構を含むものである、方法。
【請求項41】
請求項40記載の方法において、
前記高さ測定値は、前記オーバートラベル機構のエンコーダを使用して決定されるものである、方法。
【請求項42】
請求項35記載の方法において、
前記高さ測定値は、前記ウェッジボンディング装置での後続の切断作業に使用されるものである、方法。
【請求項43】
請求項35記載の方法において、前記カッター高さ測定値は、前記ウェッジボンディング装置においてカッター深さ値と併せてその後の切断作業に使用されるものである、方法。
【請求項44】
請求項35記載の方法において、
前記方法は、前記ウェッジボンディング装置において以前のカッターから前記カッターへ変更することに関連して実行されるものである、方法。
【請求項45】
請求項35記載の方法において、前記方法は所定の間隔で実行されるものである、方法。
【請求項46】
請求項35記載の方法において、工程(3)は、ロードセル、電気的導通接続、およびZ軸運動システム特性のうちの少なくとも1つを使用して、前記カッターが前記表面に接触する時を決定する工程を含むものである、方法。
【請求項47】
ウェッジボンディング装置のカッター高さを決定する方法であって、
(a)ウェッジボンディングツールと前記ウェッジボンディング装置上の表面のうちの少なくとも1つを相対的に移動させる工程と、
(b)前記ウェッジボンディングツールが前記表面に接触する時に第1の高さ測定値を決定する工程と、
(c)前記ウェッジボンディング装置のカッターと前記表面のうちの少なくとも1つを相対的に移動させる工程と、
(d)前記カッターが前記表面に接触した時に第2の高さ測定値を決定する工程と、
(e)前記第1の高さ測定値と前記第2の高さ測定値を使用してカッター高さを決定する工程と、
を有する方法。
【請求項48】
請求項47記載の方法において、前記ウェッジボンディングツールおよび前記カッターは、前記ウェッジボンディング装置のボンドヘッドアセンブリによって運ばれ、前記ボンドヘッドアセンブリは、Z軸運動システムを使用して前記ワイヤボンディング装置のZ軸に沿って移動されるものである、方法。
【請求項49】
請求項48記載の方法において、前記ウェッジボンディングツールは、工程(a)において、前記Z軸運動システムを使用して下降されるものである、方法。
【請求項50】
請求項48記載の方法において、前記表面は、工程(a)で運動システムを使用して上昇されるものである、方法。
【請求項51】
請求項48記載の方法において、前記カッターは、工程(c)において、前記Z軸運動システムを使用して下降されるものである、方法。
【請求項52】
請求項48記載の方法において、前記カッターは、工程(c)で前記Z軸運動システムとは異なるカッター運動システムを使用して下降されるものである、方法。
【請求項53】
請求項48記載の方法において、前記表面は、工程(c)で運動システムを使用して上昇されるものである、方法。
【請求項54】
請求項48記載の方法において、前記第1の高さ測定値および前記第2の高さ測定値のそれぞれが、前記Z軸運動システムのエンコーダを使用して決定されるものである、方法。
【請求項55】
請求項48記載の方法において、工程(b)における前記ウェッジボンディングツールの接触後、工程(c)において前記表面に対して前記カッターを移動させることができるように、前記ボンドヘッドアセンブリがオーバートラベル機構を含むものである、方法。
【請求項56】
請求項55記載の方法において、前記第1の高さ測定値は、前記オーバートラベル機構のエンコーダを使用して決定されるものである、方法。
【請求項57】
請求項55記載の方法において、前記第2の高さ測定値は、前記オーバートラベル機構のエンコーダを使用して決定されるものである、方法。
【請求項58】
請求項55記載の方法において、前記第1の高さ測定値および前記第2の高さ測定値のそれぞれが、前記オーバートラベル機構のエンコーダを使用して決定されるものである、方法。
【請求項59】
請求項48記載の方法において、前記カッター高さは、前記第1の高さ測定値と前記第2の高さ測定値との差を決定することによって決定されるものである、方法。
【請求項60】
請求項48記載の方法において、前記カッター高さが、前記ウェッジボンディング装置での後続の切断作業に使用されるものである、方法。
【請求項61】
請求項48記載の方法において、前記カッター高さは、前記ウェッジボンディング装置においてカッター深さ値と併せて後続の切断操作で使用されるものである、方法。
【請求項62】
請求項48記載の方法において、前記方法は、前記ウェッジボンディング装置において以前のカッターから前記カッターへ変更することに関連して実行されるものである、方法。
【請求項63】
請求項48記載の方法において、前記方法は所定の間隔で実行されるものである、方法。
【請求項64】
請求項48記載の方法において、工程(b)は、ロードセル、電気的導通接続、およびZ軸運動システム特性のうちの少なくとも1つを使用して、前記ウェッジボンディングツールが前記表面に接触する時を決定する工程を含むものである、方法。
【請求項65】
請求項48記載の方法において、工程(d)は、ロードセル、電気的導通接続、およびZ軸運動システム特性のうちの少なくとも1つを使用して、前記カッターが前記表面に接触する時を決定する工程を含むものである、方法。
【請求項66】
ウェッジボンディング装置上のカッターの切断プロファイルを決定する方法であって、
(a)前記ウェッジボンディング装置のカッター高さを決定する工程と、
(b)工程(a)で決定された前記カッター高さを使用して、前記ウェッジボンディング装置上のカッターの切断プロファイルを決定する工程と、
を有する方法。
【請求項67】
請求項66記載の方法において、ウェッジボンディングツールのボンディング表面の下に延びるワイヤの寸法を決定する工程をさらに含み、工程(b)は、前記切断プロファイルを決定する工程に関連して前記寸法を使用する工程を含むものである、方法。
【請求項68】
請求項66記載の方法において、工程(a)は、
(a1)前記ウェッジボンディング装置の表面に向かってウェッジボンディングツールを下降させる工程と、
(a2)前記ウェッジボンディングツールが前記表面に接触する時に第1の高さ測定値を決定する工程と、
(a3)前記ウェッジボンディング装置の前記カッターを前記ウェッジボンディングツールに対して下降させる工程と、
(a4)前記カッターが前記表面に接触する時に第2の高さ測定値を決定する工程と、
(a5)前記第1の高さ測定値と前記第2の高さ測定値を使用してカッター高さを決定する工程と、
を含むものである、方法。
【請求項69】
請求項66記載の方法において、工程(a)が、
(a1)前記ウェッジボンディング装置上の表面に向かってウェッジボンディングツールを移動させる工程であって、前記表面は、ばねアセンブリと一体化されている、工程と、
(a2)前記ウェッジボンディングツールが前記表面に接触する時に第1の高さ測定値を決定する工程と、
(a3)前記ウェッジボンディングツールと前記表面との間の接触後に、前記ウェッジボンディングツールをさらに下方に下げることによって、前記ばねアセンブリのばね部分を圧縮する工程と、
(a4)工程(a3)の後、前記カッターが前記表面に接触するまで前記ばね部分を伸ばしながら、前記ウェッジボンディングツールおよび前記表面を上昇させる工程と、
(a5)前記カッターが前記表面と接触する時に第2の高さ測定値を決定する工程と、
(a6)前記第1の高さ測定値と前記第2の高さ測定値を使用してカッター高さを決定する工程とを含むものである、方法。
【請求項70】
請求項66記載の方法において、工程(a)は、
(a1)ウェッジボンディングツールおよび前記ウェッジボンディング装置上の表面のうちの少なくとも1つを相対的に移動させる工程と、
(a2)前記ウェッジボンディングツールが前記表面に接触する時に第1の高さ測定値を決定する工程と、
(a3)前記ウェッジボンディング装置のカッターと前記表面とのうちの少なくとも1つを相対的に移動させる工程と、
(a4)前記カッターが前記表面と接触する時に第2の高さ測定値を決定する工程と、
(a5)前記第1の高さ測定値と前記第2の高さ測定値を使用してカッター高さを決定する工程と、
を含むものである、方法。
【請求項71】
ウェッジボンディング装置であって、
ワイヤボンディングツールとカッターを運ぶように構成されたボンドヘッドアセンブリと、
前記カッターの高さを決定するための表面と、
を有するウェッジボンディング装置。
【請求項72】
請求項71記載のウェッジボンディング装置において、前記表面は、前記カッターの高さを決定するためのばねアセンブリと一体化されているものである、ウェッジボンディング装置。
【請求項73】
請求項71記載のウェッジボンディング装置において、
前記表面は、前記カッター高さの決定に関連して前記ウェッジボンディング装置のZ軸に沿って駆動されるものである、ウェッジボンディング装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願への相互参照)
本出願は、2021年5月20日に出願された米国仮出願第63/191,286号の利益を主張し、その内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
本発明は、ウェッジボンディング装置のカッターの高さを決定および/または校正するための方法、および関連するウェッジボンディング装置に関する。
【0003】
半導体パッケージング産業、および電気的相互接続を必要とする他の産業では、ワイヤボンディング機を使用するワイヤおよびリボンボンディングが広く採用されている。ワイヤおよびリボンのボンディング操作に関連して、ワイヤ/リボンの端部を第1のボンディング位置にボンディングするために、様々なタイプのエネルギー(例えば、超音波エネルギー、熱音波エネルギー、熱圧縮エネルギーなど)が使用される。第1のボンディング位置で第1のボンドが形成された後、ある長さのワイヤ/リボンが第2のボンディング位置まで延長され、その後、第2のボンディングが第2のボンディング位置で形成される。ワイヤループとは、少なくとも第1の接合部と第2の接合部とを含む構造である。
【0004】
従来のワイヤボンディング(例えば、ボールボンディング、ウェッジボンディング、リボンボンディングなど)においてワイヤ/リボンに使用される例示的な導電性材料には、とりわけ、アルミニウム、銅、金が含まれる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ウェッジボンディングおよびリボンボンディング操作では、ワイヤ構造(例えば、ワイヤループ)を形成した後、カッターツール(「カッター」)を使用してワイヤまたはリボンを切断することができる。このようなカッターは、ウェッジボンディング装置上で(例えば、ウェッジボンディングツールに対して)相対的な高さを有する。この相対高さは、たとえば摩耗および/またはカッターの交換によって変化する可能性がある。
【0006】
したがって、ウェッジボンディング装置のカッターの高さを決定および/または校正するための改良された方法を提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の例示的実施形態によるウェッジボンディング装置のカッターの高さを決定する方法が提供される。この方法は、(a)ウェッジボンディングツールをウェッジボンディング装置上の表面に向かって下降させる工程と、(b)前記ウェッジボンディングツールが前記表面に接触する時に第1の高さ測定値を決定する工程と、(c)前記ウェッジボンディングツールに対して前記ウェッジボンディング装置のカッターを下降させる工程と、(d)前記カッターが前記表面に接触した時に第2の高さ測定値を決定する工程と、(e)前記第1の高さ測定値と前記第2の高さ測定値を使用してカッター高さを決定する工程と、を有する。
【0008】
本発明の別の例示的実施形態によると、ウェッジボンディング装置のカッター高さを決定する方法で提供される。この方法は、(a)ウェッジボンディングツールを、前記ウェッジボンディング装置上の表面に向かって下降させる工程であって、前記表面は、ばねアセンブリと一体化されている、工程と、(b)前記ウェッジボンディングツールが前記表面に接触する時に第1の高さ測定値を決定する工程と、(c)前記ウェッジボンディングツールと前記表面とが接触した後に、前記ウェッジボンディングツールをさらに下方に下げることによって、前記ばねアセンブリのばね部分を圧縮する工程と、(d)工程(c)の後、前記カッターが前記表面に接触するまで前記ばね部分を伸ばしながら、前記ウェッジボンディングツールおよび前記表面を上昇させる工程と、(e)前記カッターが前記表面に接触する時に第2の高さ測定値を決定する工程と、(f)前記第1の高さ測定値と前記第2の高さ測定値を使用してカッター高さを決定する工程と、を有する。
【0009】
本発明の別の例示的実施形態によると、ウェッジボンディング装置のカッター高さを決定する方法が提供される。この方法は、(a)ウェッジボンディングツールを、前記ウェッジボンディング装置上の表面に向かって下降させる工程であって、前記表面は、ばねアセンブリと一体化されている、工程と、(b)前記ウェッジボンディングツールと前記表面との間の接触後に、前記ウェッジボンディングツールをさらに下方に下げることによって、前記ばねアセンブリのばね部分を圧縮する工程と、(c)前記カッターが前記表面に接触するまで、前記ウェッジボンディングツールおよび前記表面に対して前記カッターを下降させる工程と、(d)前記カッターが前記表面に接触する時の高さ測定を決定する工程と、を有する。
【0010】
本発明の別の例示的実施形態によると、ウェッジボンディング装置のカッター高さを決定する方法が提供される。この方法は、(a)ウェッジボンディングツールと前記ウェッジボンディング装置上の表面のうちの少なくとも1つを相対的に移動させる工程と、
(b)前記ウェッジボンディングツールが前記表面に接触する時に第1の高さ測定値を決定する工程と、(c)前記ウェッジボンディング装置のカッターと前記表面のうちの少なくとも1つを相対的に移動させる工程と、(d)前記カッターが前記表面に接触した時に第2の高さ測定値を決定する工程と、(e)前記第1の高さ測定値と前記第2の高さ測定値を使用してカッター高さを決定する工程と、を有する。
【0011】
本発明の別の例示的実施形態によると、ウェッジボンディング装置上のカッターの切断プロファイルを決定する方法が提供される。この方法は、(a)前記ウェッジボンディング装置のカッター高さを決定する工程と、(b)工程(a)で決定された前記カッター高さを使用して、前記ウェッジボンディング装置上のカッターの切断プロファイルを決定する工程と、を有する。
【0012】
本発明の他の例示的な実施形態によれば、ウェッジボンディング装置が提供される。このようなウェッジボンディング装置は、ウェッジボンディング装置のカッター高さを決定する方法に関連して上で参照した要素を含む。このようなウェッジボンディング装置は、例えば、ウェッジボンディングツール(および/またはカッター)と表面との間の接触を検出するためのロードセル、ウェッジボンディングツール(および/またはカッター)および表面の間の電気的導通を検出するための電気検出システム、本明細書に記載の表面を含むスプリングアセンブリなどを含む、本出願で参照される任意の他の要素を含むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
本発明は、添付図面と併せて以下の詳細な説明を読むことにより最もよく理解される。一般的な慣例によれば、図面のさまざまな特徴は縮尺どおりではないことを強調しておく。逆に、さまざまな機能の寸法は、わかりやすくするために任意に拡大または縮小されている。図面には次の図が含まれる。
【
図1】
図1は、本発明の様々な例示的な実施形態に関連した方法を実行するのに有用なウェッジボンディング装置のブロック側面図である。
【
図2A-2D】
図2A~
図2Dは、本発明の例示的な実施形態によるウェッジボンディング装置のカッター高さを決定する方法を示す一連のブロック図である。
【
図3A-3E】
図3A~
図3Eは、本発明の例示的な実施形態によるウェッジボンディング装置のカッター高さを決定する別の方法を示す一連のブロック図である。
【
図3F-3I】
図3F~
図3Iは、本発明の例示的な実施形態によるウェッジボンディング装置のカッター高さを決定するさらに別の方法を示す一連のブロック図である。
【
図4A-4D】
図4A~
図4Dは、本発明の例示的な実施形態によるウェッジボンディング装置のカッター高さを決定するさらに別の方法を示す一連のブロック図である。
【
図5A-5D】
図5A~
図5Dは、本発明の例示的な実施形態による、ウェッジボンディング装置上のカッターの切断プロファイルを決定する方法を示す一連のブロック図である。
【
図6】
図6、
図7A-
図7B及び
図8は、本発明の様々な例示的な実施形態によるウェッジボンディング装置のカッター高さを決定する様々な方法を示すフロー図である。
【
図7A】
図6、
図7A-
図7B及び
図8は、本発明の様々な例示的な実施形態によるウェッジボンディング装置のカッター高さを決定する様々な方法を示すフロー図である。
【
図7B】
図6、
図7A-
図7B及び
図8は、本発明の様々な例示的な実施形態によるウェッジボンディング装置のカッター高さを決定する様々な方法を示すフロー図である。
【
図8】
図6、
図7A-
図7B及び
図8は、本発明の様々な例示的な実施形態によるウェッジボンディング装置のカッター高さを決定する様々な方法を示すフロー図である。
【
図9】
図9は、本発明の例示的な実施形態による、ウェッジボンディング装置上のカッターの切断プロファイルを決定する方法を示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の特定の例示的な実施形態によれば、ウェッジボンディング装置上のカッター高さ(例えば、ウェッジボンディングツールに対するカッターの相対的なカッター高さ)を決定および/または校正する方法が提供される。カッター高さ(例えば、ウェッジボンディング装置でカッターが変更されると変化する)を正確に知ることによって、ウェッジボンディング装置は、カッター高さの変更された値に調整するように操作(例えば、プログラム)可能である。
【0015】
本発明の態様は、ウェッジボンディング装置の以前のカッターから新しいカッターに変更するときのカッター高さを判定することに関する(例えば、カッターは消耗部品とみなされる場合がある)。本発明の他の態様によれば、カッター高さは、ある所定の間隔で判定可能である。
【0016】
本発明の特定の例示的な態様によれば、ワイヤ/リボン表面への切り込みを開始するためにカッターが移動しなければならない距離と、カッターがワイヤ/リボンを切り込む深さ(これは、カッターブレードの交換ごとに調整される)とを含む組み合わせの値の代わりに、本発明の例示的な方法(例えば、カッター校正方法)は、距離を(i)ボンドツール上の校正されたカッター高さ(ワイヤ/リボン位置の切断開始点に対する相対的な高さ)および(ii)ワイヤー/リボンへの実際の切断深さに分ける。このようなアプローチにより、切断深さの値をカッターから独立した変数にすることができます。したがって、切込み深さの値は、カッターの経年変化に応じて調整することができる。
【0017】
本発明の例示的な態様は、セットアップ中にカッターを校正するために作用力および/または位置フィードバックを使用することを含む。このようなアプローチは、ワイヤ切断処理とリボン切断処理の両方に適用できる。例:(i)ボンドツールに続いてカッターがロードセルに接触-接触が感知されると、カッターの位置が読み取られる、(ii)運動制御システムのモーター電流をフィードバック機構として使用して、ボンドツールに続いてカッターが硬い表面に接触する、(iii)運動制御システムの追従エラーをフィードバック機構として使用して、ボンドツールに続いてカッターが硬い表面に接触する。もちろん、他の方法も本発明の範囲内に含まれる。
【0018】
本発明の態様により、カッター交換後に、簡略化かつ自動化されたカッター高さ測定および/または校正が提供される。さらに、カッター高さを判定する際のオペレータの影響を排除することができる。
【0019】
現在、カッターの高さに関連する判定は手動プロセスであり、オペレーターの介入に大きく依存している。本明細書に記載される本発明の方法は、カッター高さの判定を自動化することを含む。
【0020】
本明細書で使用するとき、「カッター高さ」という用語は、ウェッジボンディングツールの接触部分とカッターの先端部分との間の距離である。本明細書の特定の図では、カッター高さは「RCH」(相対カッター高さ)とラベル付けされている。カッターの高さは、カッターとウェッジボンディングツールの間の相対的な高さと考えることができる。本発明の態様に従って判定されるカッター高さの例示的な範囲は、100~2500ミクロン、および100~2500ミクロン、300~1500ミクロン、400~1200ミクロンである。もちろん、異なるカッター高さ範囲も考えられる。
【0021】
本発明の特定の態様によれば、カッターの切断プロファイルを決定することができ、そのような切断プロファイルは、ウェッジボンディング装置でのカッター交換後に決定されたカッター高さを利用することができる。切削プロファイルには、特定の用途で適用される切断量(例えば、切断深さ)が含まれる。切断プロファイルには、時間や力などの他の要素も含むことができる(たとえば、切断深さ対時間、切断中に加えられる力など)。切断プロファイルの決定に関連して使用可能な別の値は、ウェッジツールのボンディング表面の下に延びるワイヤの部分の高さである(例えば、
図5B~5Dのワイヤを参照)。
【0022】
図1は、ウェッジボンディング装置100を示す。本明細書で説明され、当業者には理解されるように、
図1に示される特定の要素は、オプションであり、
図1に示される装置要素のすべてが本発明の範囲内の本発明の各ウェッジボンディング装置に含まれるわけでない。ウェッジボンディング装置100は、機械構造102(例えば、ワークピース支持構造、または他の構造)と、機械構造102上の接触構造104とを含む。接触構造104は、表面104eを含み、表面104eは、本願の様々な様態に関連する高さ測定に関連して使用されるように構成される。接触構造104は、ワイヤボンディングされるように構成された基板またはワークピース、または本発明に関連して使用するために特に構成された異なる接触構造(例えば、校正ステーションまたは測定ステーション)であり得る。接触構造104は、用途に応じて変化し得る(例えば、
図2A~2Dの接触構造104'、
図3A~3Eおよび
図3Fぁら3Iの接触構造104''、
図4A~4Dの接触構造104'''を参照)。
【0023】
本発明の特定の実施形態では、接触構造104は他の例示的な要素を含むことが可能である。以下が例である:力(荷重)センサ104a(例えば、ウェッジボンディングツール106と表面104eとの間の接触を決定するため、および/またはカッター108と表面104aとの間の接触を決定するため);電気導通検出器104b(例えば、ウェッジボンディングツール106および表面104eを含む電気回路の完成を検出するため、それらの間の接触を決定するため、および/またはカッター108および表面104e間の接触を決定するためにカッター108および表面104eを含む電気回路の完成を検出するため);ばねアセンブリ104c(例えば、
図3A~3Eおよび
図3F~3Iに示されるばねアセンブリのばね部分150を参照);接触構造運動システム104d(例えば、
図4B~4Dのように、Z軸に沿って接触構造を移動させるための)。
ウェッジボンディング装置100はまた、ウェッジボンディングツール106(接触面106a1を有する作業端106aを含む)およびカッター108(カッター先端108aを含む)を担持するボンドヘッドアセンブリ110を含む。ボンドヘッドアセンブリ110は、Z軸運動システム114を使用してウェッジボンディング装置100のZ軸に沿って移動される。カッター108もまた、Z軸運動システム114を使用してウェッジボンディング装置100のZ軸に沿って移動できる。しかしながら、(Z軸運動システム114の使用の代わりに、またはそれに加えて)カッターをZ軸に沿って移動させるためのカッターZ軸運動システム116を任意に含めることができる。
ボンドヘッドアセンブリ110は、トランスデューサ110aを含み、以下の:力(荷重)センサ110b(例えば、ウェッジボンディングツール106と表面104eとの間の接触を決定するため、および/またはカッター108と表面104eとの間の接触を決定するため)、電気導通検出器110c(例えば、ウェッジボンディングツール106および表面104eを含む電気回路の完了を感知するため、それらの間の接触を決定するため、および/またはそれらの間の接触を決定するためにカッター108および表面104eを含む電気回路の完了を感知するため)、z軸位置検出器110d(例えば、z軸運動システムの一部の高さを決定するためのz軸エンコーダ)、オーバートラベルZ軸位置検出器110e(例えば、Z軸運動システムのオーバートラベル機構の一部の高さを決定するためのZ軸エンコーダ)、オーバートラベル機構110fの内の1つまたは複数を含む。
当業者には理解されるように、オーバートラベル機構110fは、ウェッジボンディングツールに対するカッターの独立した一定の動きを提供する。例えば、以下に説明するように、オーバートラベル機構110fは、
図2Cと
図2Dとの間に示すように、カッター108がウェッジボンディングツール106とは独立して下方に移動することを可能にする。オーバートラベル機構110fは、
図3Dと
図3Eとの間に示されるように、ウェッジボンディングツール106がカッター108とは独立して上方に移動することを可能にする。オーバートラベル機構110fは、
図3Hと
図3Iの間に示されるように、ウェッジボンディングツール106がカッター108から独立して動くことを可能にする。さらに、オーバートラベル機構110fは、
図4Cと
図4Dとの間に示されるように、ウェッジボンディングツール106がカッター108とは独立して上方に移動することを可能にする。
ウェッジボンディング装置100には、コンピューター112(1つ以上のローカルまたはリモートコンピューティングシステムを表す)も含まれる。コンピューター112は、データ収集と制御のためにZ軸運動システム114およびボンドヘッドアセンブリ110の要素と通信する。たとえば、コンピューター112は、カッターの高さを決定するために使用されるZ軸高さの測定に関連する情報(例:エンコーダーから)を受信する。
【0024】
図2A~2Dは、ウェッジボンディング装置100のカッター高さを決定する方法を示す一連のブロック図である。
図2Aに示されるように、ウェッジボンディングツール106(
図2Aには先端部分106aのみが示される)およびカッター108は、接触構造104'の表面104e'の上に配置される。
図2Aでは完全には見えていないが、ウェッジボンディングツール106は、ワイヤを受け入れるための、頂点106b1を有する溝106bを画定する。
図2Bでは、ウェッジボンディングツール106が表面104e'に向かって下げられている(例えば、z軸運動システム114を使用して)。
図2Cでは、ウェッジボンディングツール106の接触面106a1は表面104e'に接触している。この時点で、第1の高さ測定値(h1)が決定される(例えば、z軸運動システムのエンコーダなどのz軸位置検出器110dを使用して)。次に、カッター108は、(例えば、Z軸運動システム114およびオーバートラベル機構110fを使用して)ウェッジボンディングツール106に対して下降する。例えば、オーバートラベル機構110f(例えば
図1を参照)により、
図2Cに示す接触後にカッター108を下降させることができる。
図2Dでは、カッター108の先端部分108aは表面104e'に接触する。第2の高さ測定値(h2)は、この時点で決定される(例えば、z軸運動システムのエンコーダなどのz軸位置検出器110dを使用して)。h1とh2を使用して、カッターの高さが決定できる。
【0025】
別の例では、バネ部分150のバネ力が上方に押すように、Z軸運動システム114によって加えられる力を遮断してもよい。いずれの場合も、ばね部分150は、
図3Eに示すように、カッター108の先端部分108aが表面104e''と接触するまで伸びる。第2の高さ測定値(h2)は、この時点で決定される(例えば、z軸運動システムのエンコーダなどのz軸位置検出器110dを使用して)。h1とh2を使用して、カッターの高さが決定可能である。
【0026】
図3A~3Eの実施形態では、第1の高さ測定値および第2の高さ測定値が決定され、カッター高さを提供するために使用される。しかしながら、
図3F~3Iに示されるように、特定の実装形態では、単一の高さ測定を使用してカッター高さを測定することが可能である(例えば、オーバートラベル測定などの測定が既知の基準値またはゼロ基準値で開始される可能性があるため)。特に
図3Fを参照すると、ウェッジボンディングツール106(
図3Aには先端部分106aのみが示される)およびカッター108は、接触構造104''の表面104e''の上に配置される。
図3Fでは完全には見えていないが、ウェッジボンディングツールは、ワイヤを受け入れるための、頂点106b1を有する溝106bを画定する。
図3Fでは、ばねアセンブリ(ばね部分150を含む)が表面104e''と一体化されている。より具体的には、ばね部分150は、接触構造104"と機械構造102"との間に設けられる。
図3Gでは、ウェッジボンディングツール106が表面104e''に向かって下降している(例えば、z軸運動システム114を使用して)。
図3Hでは、ウェッジボンディングツール106の接触面106a1は、表面104e''に接触する。このとき、ウェッジボンディングツール106はさらに下降してバネ部150を圧縮する。その後、
図3Iに示されるようにカッター108の先端部108aが表面104eに接触するまで、ウェッジボンディングツール106および表面104e''に対してカッター108を下降させる。高さ測定値(h1)は、この時点で決定される(例えば、z軸運動システムのエンコーダまたはオーバートラベルエンコーダなどのz軸位置検出器110dを使用して)。この高さの測定値は、カッターの高さと見なすことも、カッターの高さを導き出すために使用することもできる。
【0027】
図4A~
図4Dは、ウェッジボンディング装置100のカッター高さを決定する方法を示す一連のブロック図であり、ウェッジボンディング装置は、接触構造104'''を移動させるための接触構造運動システム104d(例えば、
図1を参照)を含む。
図4Aにおいて、ウェッジボンディングツール106(
図4Aには先端部分106aのみが示される)およびカッター108は、接触構造104'''の表面104e'''の上に配置される。
図4では完全には見えていないが、ウェッジボンディングツール106は、ワイヤを受け入れるための、頂点106b1を有する溝106bを画定する。
図4Bでは、接触構造104'''がウェッジボンディングツール106に向かって持ち上げられている(例えば、接触構造運動システム104dを使用して)。
図3Cでは、ウェッジボンディングツール106の接触面106a1は、接触面104e'''を有する。この時点で、第1の高さ測定値(h1)が決定される(例えば、z軸運動システムのエンコーダなどのz軸位置検出器110dを使用して)。次に、接触構造104'''は、(オーバートラベル機構110fによって)ウェッジボンディングツール106と接触しながらさらに上昇する。すなわち、接触構造104''は、表面104e'''がカッター108の先端部分108aと接触するまで、接触構造運動システム104dを使用してさらに上昇する(
図4Dに示すように)。第2の高さ測定値(h2)は、この時点で決定される(例えば、z軸運動システムのエンコーダなどのz軸位置検出器110dを使用して)。h1とh2を使用して、カッターの高さを決定できる。
【0028】
本発明によれば、カッター高さは、ウェッジボンディング装置での後続の切断操作と関連して(例えば、カッター深さの値と関連して)使用することができる。特定の例では、カッターの高さは、ウェッジボンディング装置上のカッターの切断プロファイルを提供することに関連して使用可能である。
図5A~5Dは、そのような切断プロファイルを決定する例示的な方法を示す。
図5Aは、カッター高さが決定されることを示す(例えば、
図2A~2D、
図3A~3E、
図3F~3I、
図4A~4Dのように、または本発明の範囲内の方法を含む任意の他の方法を使用して)。
【0029】
カッターの高さが決定された後、ワイヤ118がウェッジボンディングツール106と係合される。
図5Bでは、ウェッジボンディングツール106(
図5Bには先端部分106aのみが示されている)およびカッター108が、構造120の表面120aの上に配置されている。
図5Bには完全に示されていないが、ウェッジボンディングツール106は、ワイヤ118を受け入れるための、頂点106b1を有する溝106bを画定する。この位置で、ワイヤ118はワイヤボンディングツール106と係合する。この位置で、ワイヤ118の一部はウェッジボンディングツール106の接触面106a1の下に延在する。
図5Bのワイヤ118のこの部分の寸法は、
図1においてhwireとしてラベル付けされている。
図5Cでは、ウェッジボンディングツール106は、表面120aに向かって下降している(例えば、z軸運動システム114を使用して)。
図5Dにおいて、ワイヤ118は接触面120aを有する。この時点で高さ測定値が決定される(例えば、z軸運動システムのエンコーダなどのz軸位置検出器110dを使用して)。この高さ測定値、およびカッター高さ(カッター高さの決定に関連して決定された少なくとも第1の高さ測定値および第2の高さ測定値を含む)を使用して、切断プロファイルを決定することができる。当業者には理解されるように、
図5B~5Dに示される構造120(表面120aを含む)は、ウェッジボンディング装置上の任意の構造(および対応する表面)であり得る。実際、必要に応じて、構造120は接触構造104であってもよく、表面120aは接触表面104eであってもよい(例えば、
図1を参照)。
【0030】
図6~8は、本発明によるウェッジボンディング装置のカッター高さを決定する様々な例示的な方法を示すフロー図である。本発明によるウェッジボンディング装置上のカッターの切断プロファイルを決定する例示的な方法を示すフロー図である。当業者には理解されるように、フロー図に含まれる特定の工程は省略される場合、及び、特定の追加工程が追加される場合があり、また、工程の順序は、図示された順序から変更されてもよいが、これらはすべて本発明の範囲内である。
【0031】
ここで
図6を参照すると、工程600で、ワイヤがウェッジボンディングツールとの係合から外される。すなわち、ワイヤがウェッジボンディングツールと係合している場合(例えば、ウェッジボンディングツールの作業端の下で)、そのワイヤはその位置から取り除かれる。工程602では、ボンドヘッド(例えば、ウェッジボンディングツールおよびカッターを搭載する)が(例えば、そのxyz運動システムを使用して)テスト位置に移動される。テスト位置は、例えば、ウェッジボンディング装置上の所望の任意の位置とすることができる。工程604では、ウェッジボンディングツールがウェッジボンディング装置上の表面に向かって下降される(例えば、
図2Bを参照)。工程606では、ウェッジボンディングツールが表面に接触するときに第1の高さ測定値が決定される(例えば、
図2Cの高さh1の決定を参照)。工程608で、カッターがウェッジボンディングツールに対して下降され、工程610で、カッターが表面に接触したときの第2の高さ測定値が決定される(例えば、
図2Dの高さh2の決定を参照)。工程612では、第1の高さ測定値と第2の高さ測定値を使用して(例えば、第1の高さ測定値と第2の高さ測定値の差を求めることによって)カッター高さが決定される。
【0032】
ここで
図7Aを参照すると、工程700で、ワイヤがウェッジボンディングツールとの係合から外される。すなわち、ワイヤがウェッジボンディングツールと係合している場合(例えば、ウェッジボンディングツールの作業端の下で)、そのワイヤはその位置から取り外される。工程702では、ボンドヘッド(例えば、ウェッジボンディングツールおよびカッターを搭載する)が(例えば、そのxyz運動システムを使用して)テスト位置に移動される。テスト位置は、例えば、ウェッジボンディング装置上の所望の任意の位置とすることができる。工程704では、ウェッジボンディングツールがウェッジボンディング装置上のばねアセンブリと一体化された表面に向かって下降される(例えば、
図3Bを参照)。工程706では、ウェッジボンディングツールが表面に接触するときに第1の高さ測定値が決定される(例えば、
図3Cの高さh1の決定を参照)。工程706では、ウェッジボンディングツールが表面に接触するときに第1の高さ測定値が決定される(例えば、
図3Cの高さh1の決定を参照)。ステップ708では、ウェッジボンディングツールと表面との間の接触後にウェッジボンディングツールをさらに下降させることによって、ばねアセンブリのばね部分が圧縮される(例えば、
図3Dを参照)。工程710では、工程708の後、カッターが表面に接触するまで、バネ部分を伸ばしながら、ウェッジボンディングツールおよび表面を上昇させる。工程712では、カッターが表面に接触したときに第2の高さ測定値が決定される(例えば、
図3Eの高さh2の決定を参照)。工程714では、第1の高さ測定値と第2の高さ測定値を使用して(例えば、第1の高さ測定値と第2の高さ測定値の差を求めることによって)カッター高さが決定される。
【0033】
図7Bを参照すると、工程750で、ワイヤがウェッジボンディングツールとの係合から外される。すなわち、ワイヤがウェッジボンディングツールと係合している場合(例えば、ウェッジボンディングツールの作業端の下で)、そのワイヤはその位置から取り外される。工程752では、ボンドヘッド(例えば、ウェッジボンディングツールおよびカッターを搭載する)が(例えば、そのxyz運動システムを使用して)テスト位置に移動される。テスト位置は、例えば、ウェッジボンディング装置上の所望の任意の位置とすることができる。工程754では、ウェッジボンディングツールがウェッジボンディング装置上のばねアセンブリと一体化された表面に向かって下降される(例えば、
図3Gを参照、
図3Hで接触)。工程756では、ウェッジボンディングツールと表面との間の接触後にウェッジボンディングツールをさらに下降させることによって、ばねアセンブリのばね部分が圧縮される(例えば、
図3Iを参照)。工程758では、カッターが表面と接触するまで、カッターがウェッジボンディングツールおよび表面に対して下降される(例えば、
図3Iも参照)。工程760では、カッターが表面に接触する時に高さ測定値が決定される(例えば、
図3Iの高さh1を参照)。この高さの測定値は、カッターの高さを決定するために使用される。
【0034】
図8を参照すると、工程800で、ワイヤがウェッジボンディングツールとの係合から外される。すなわち、ワイヤがウェッジボンディングツールと係合している場合(例えば、ウェッジボンディングツールの作業端の下で)、そのワイヤはその位置から取り外される。工程802では、ボンドヘッド(例えば、ウェッジボンディングツールおよびカッターを搭載する)が(例えば、そのxyz運動システムを使用して)テスト位置に移動される。テスト位置は、例えば、ウェッジボンディング装置上の所望の任意の位置とすることができる。工程804では、ウェッジボンディングツールおよび表面のうちの少なくとも1つが互いに対して移動される(
図2Bのウェッジボンディングツール106の移動、または
図4Bの表面104e'''の移動を参照)。工程806では、ウェッジボンディングツールが表面に接触する時に第1の高さ測定値が決定される(例えば、
図2Cの高さh1の決定、または
図4Cの高さh1の決定を参照)。工程808では、カッターおよび表面のうちの少なくとも一方が互いに対して移動される(
図2Dのカッター108の動き、または
図4Dの表面104e'''の動きを参照)。工程810では、カッターが表面に接触した時に第2の高さ測定値が決定される(例えば、
図2Dの高さh2の決定、または
図4Dの高さh2の決定を参照)。工程812では、第1の高さ測定値と第2の高さ測定値を使用して(例えば、第1の高さ測定値と第2の高さ測定値の差を求めることによって)カッター高さが決定される。
【0035】
図9を参照すると、工程900で、ワイヤがウェッジボンディングツールとの係合から外される。すなわち、ワイヤがウェッジボンディングツールと係合している場合(例えば、ウェッジボンディングツールの作業端の下で)、そのワイヤはその位置から取り外される。工程902では、ボンドヘッド(例えば、ウェッジボンディングツールおよびカッターを搭載する)が(例えば、そのxyz運動システムを使用して)テスト位置に移動される。テスト位置は、例えば、ウェッジボンディング装置上の所望の任意の位置とすることができる。工程904では、ウェッジボンディング装置上でカッター高さを決定する。カッター高さは、所望に応じて任意の技術(例えば、
図2A~2Dの方法、
図3A~3Eの方法、
図3F~3Iの方法、
図4A~4Dの方法)。工程906では、工程904で決定されたカッター高さを使用して切断プロファイルが決定される。
追加の工程が追加可能である。例えば、ウェッジボンディングツールの下に延びるワイヤの部分(例えば、
図5B~5Dを参照)も、切断プロファイルの決定に関連して使用可能である。このような場合、ステップ904の後、ワイヤがウェッジボンディングツールと係合される(例えば、ウェッジボンディングツールの作業端の下に配置される)- 実質的に工程900を逆にする。次に、ウェッジボンディングツール(ワイヤが係合された状態で )は、ウェッジボンディング装置上の表面に向かって降下される(例えば、
図5Cを参照)。次に、ワイヤが表面に接触するときの高さ測定値(例えば、
図5Dの高さ)が決定される-この高さ測定値は、
図5Bに示すhwireに関する情報を提供する。この情報を用いて、プロセスは工程906に進み、そこでカッターの切断プロファイルが、カッターの高さ(例えば、少なくとも第1の高さ測定値h1および第2の高さ測定値h2)および第3の高さ測定値(h2)を使用して決定される。配線)。より具体的には、カッターの高さとワイヤを使用して、切断プロファイルを決定することができる。
【0036】
当業者には理解されるように、所与の構造に関してさまざまな高さの測定値を示すことができるが、これは単に例示的なものである。例えば、
図2Cでは、カッター108の先端部分108aに対する高さh1が示されている。同様に、
図2Dでは、カッター108の先端部分108aに関して高さh2が示されている。しかしながら、これらの高さ測定値(すなわち、h1およびh2)は、その結果がカッター高さ(例えば、
図2Bに示すRCH)を決定できる限り、さまざまな構造に関して取得することができる。
【0037】
当業者には理解されるように、本明細書に記載される様々な高さ測定値(例えば、h1、h2、hwireなど)は、様々な機構を使用して決定され得る。一例では、
図1に示すように(例えば、Z軸運動システムのZ軸エンコーダ)、z軸位置検出器110dを使用することができる。別の例では、本明細書に記載される様々な高さ測定値は、
図1に示されるように(例えば、オーバートラベル機構のエンコーダ)、オーバートラベルz軸位置検出器110eを使用して決定され得る。
【0038】
本発明の様々な実施形態は、ワイヤを受け入れるように構成された溝(例えば、溝106b)を含むウェッジボンディングツールに関して示されているが、本発明は、溝の有無にかかわらず任意のタイプのウェッジボンディングツール(リボンボンディングツールを含む)に適用可能であることが理解される。
【0039】
本明細書では、特定の実施形態を参照して本発明を図示し説明したが、本発明は、示された詳細に限定されることを意図したものではない。むしろ、本発明から逸脱することなく、特許請求の範囲および均等物の範囲内で詳細に様々な修正を行うことができる。
【国際調査報告】