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▶ サイベル マイクロバイオーム インコーポレイテッドの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-21
(54)【発明の名称】スキンケアの方法及び製剤
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/133 20060101AFI20240514BHJP
   A61K 47/10 20170101ALI20240514BHJP
   A61K 47/06 20060101ALI20240514BHJP
   A61K 47/26 20060101ALI20240514BHJP
   A61K 47/32 20060101ALI20240514BHJP
   A61K 47/12 20060101ALI20240514BHJP
   A61P 17/00 20060101ALI20240514BHJP
   A61P 17/02 20060101ALI20240514BHJP
   A61P 37/08 20060101ALI20240514BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20240514BHJP
   A61P 17/10 20060101ALI20240514BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20240514BHJP
   A61Q 19/08 20060101ALI20240514BHJP
   A61K 8/41 20060101ALI20240514BHJP
   A61K 8/34 20060101ALI20240514BHJP
【FI】
A61K31/133
A61K47/10
A61K47/06
A61K47/26
A61K47/32
A61K47/12
A61P17/00
A61P17/02
A61P37/08
A61P35/00
A61P17/10
A61P29/00
A61Q19/08
A61K8/41
A61K8/34
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023571455
(86)(22)【出願日】2022-05-20
(85)【翻訳文提出日】2024-01-16
(86)【国際出願番号】 US2022030315
(87)【国際公開番号】W WO2022246240
(87)【国際公開日】2022-11-24
(31)【優先権主張番号】63/191,230
(32)【優先日】2021-05-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TWEEN
(71)【出願人】
【識別番号】520196209
【氏名又は名称】サイベル マイクロバイオーム インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】スコット,ニコル エム.
(72)【発明者】
【氏名】ラオ,マニジ ヴィクラム
(72)【発明者】
【氏名】ラムルー,ジェームス
【テーマコード(参考)】
4C076
4C083
4C206
【Fターム(参考)】
4C076AA12
4C076BB31
4C076CC04
4C076CC18
4C076CC19
4C076CC27
4C076DD09F
4C076DD34
4C076DD38
4C076DD41
4C076EE14
4C076EE23F
4C076FF16
4C083AC111
4C083AC112
4C083AC121
4C083AC122
4C083DD23
4C083DD27
4C083EE11
4C083EE14
4C206AA01
4C206AA02
4C206FA03
4C206MA03
4C206MA05
4C206MA37
4C206NA05
4C206NA14
4C206ZA89
4C206ZA92
4C206ZB11
4C206ZB13
4C206ZB26
4C206ZC52
(57)【要約】
本明細書において記載されているのは、少なくとも約50重量%の水と約1重量%以下のスフィンゴ脂質とを含む製剤である。当該製剤は、対象の皮膚の領域に塗布することができる。当該製剤が対象の皮膚の領域に塗布された後、生化学的経路を、当該製剤によって活性化させて、対象の皮膚の領域上でセラミドの生成を引き起こすことができる。対象の皮膚の領域上で生成されるセラミドの量は、当該製剤がない状態で生成されるセラミドのベースラインの量よりも多くあり得る。様々な例において、対象の皮膚の領域に当該製剤を塗布した後に生成されるセラミドの増加量は、対象の皮膚の領域上に存在する状態を改変することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも約50重量%の水と、
約1重量%以下のスフィンゴ脂質と、
を含む製剤。
【請求項2】
前記スフィンゴ脂質はスフィンゴシンを含む、請求項1に記載の製剤。
【請求項3】
約20重量%から約40重量%の、3から6の炭素原子を有する1つ以上のジオールを含む、請求項1に記載の製剤。
【請求項4】
約20重量%から約40重量%の、3から6の炭素原子を有する第1のジオールと、約2重量%から約10重量%の、約3から6の炭素原子を有する第2のジオールとを含む、請求項3に記載の製剤。
【請求項5】
約20重量%から約30重量%の1,3-ブタンジオールと、約2重量%から約10重量%の1,2-プロパンジオールとを含む、請求項4に記載の製剤。
【請求項6】
約7重量%から約12重量%のグリセリンを含む、請求項1に記載の製剤。
【請求項7】
1つ以上の調整剤を含む、請求項1に記載の製剤。
【請求項8】
前記1つ以上の調整剤は、1,3ブタンジオール、イソヘキサデカン、又はスクアレンのうち少なくとも1つを含む、請求項7に記載の製剤。
【請求項9】
約0.5重量%以下のイソヘキサデカンを含む、請求項7に記載の製剤。
【請求項10】
約0.10重量%から約0.40重量%のイソヘキサデカンを含む、請求項7に記載の製剤。
【請求項11】
約2重量%以下のスクアレンを含む、請求項7に記載の製剤。
【請求項12】
約0.7重量%から約1.2重量%のスクアレンを含む、請求項11に記載の製剤。
【請求項13】
乳化剤を含む、請求項1に記載の製剤。
【請求項14】
約0.2重量%以下のポリソルベート80を含む、請求項13に記載の製剤。
【請求項15】
約0.06重量%から約0.15重量%のポリソルベート80を含む、請求項13に記載の製剤。
【請求項16】
乳化安定剤を含む、請求項1に記載の製剤。
【請求項17】
約1重量%以下のアクリル酸ナトリウム及びアクリロイルジメチルタウリンナトリウムのコポリマーを含む、請求項16に記載の製剤。
【請求項18】
約0.1重量%から約1.5重量%のアクリル酸ナトリウム及びアクリロイルジメチルタウリンナトリウムのコポリマーを含む、請求項16に記載の製剤。
【請求項19】
約0.005重量%以下のパルミチン酸を含む、請求項1に記載の製剤。
【請求項20】
約22重量%から約28重量%の1,3-ブタンジオールと、
約8重量%から約12重量%のグリセリンと、
約3重量%から約8重量%の1,2-プロパンジオールと、
を含む、請求項1に記載の製剤。
【請求項21】
約50重量%から約65重量%の水を含む、請求項1に記載の製剤。
【請求項22】
約0.0005重量%から約0.005重量%のスフィンゴシンを含む、請求項1に記載の製剤。
【請求項23】
約50重量%から約65重量%の水と、
約20重量%から約30重量%の1,3-ブタンジオールと、
約5重量%から約15重量%のグリセリンと、
約2重量%から約10重量%の1,2-プロパンジオールと、
約0.0005重量%から約0.005重量%のスフィンゴシンと、
を含む製剤。
【請求項24】
約0.7重量%のスクアレンから約1.2重量%のスクアレンと、
約0.0015重量%のパルミチン酸から約0.0025重量%のパルミチン酸と、
を含む、請求項1に記載の製剤。
【請求項25】
少なくとも約50重量%の水と約1重量%以下のスフィンゴ脂質とを含む製剤を対象の皮膚の領域に塗布して、スフィンゴシン-1-リン酸の生化学的経路を活性化させ、当該製剤がない状態で前記対象の皮膚の領域上に存在するセラミドのベースラインの初期量よりも多い後続の量のセラミドを前記皮膚の領域上で生成させるステップを含む方法。
【請求項26】
前記セラミドの後続の量は、当該製剤が前記対象の皮膚の領域に塗布された後に少なくとも10時間、前記対象の皮膚の領域上に存在する、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記セラミドの後続の量は、当該製剤が前記対象の皮膚の領域に塗布された後に約0.5時間から約24時間、前記対象の皮膚の領域上に存在する、請求項25に記載の方法。
【請求項28】
当該製剤は、少なくとも3つの連続する48時間の期間中、個々の連続する48時間の期間内に少なくとも1回、前記対象の皮膚の領域に塗布された後に、前記対象の皮膚の領域の状態を改変する、請求項25に記載の方法。
【請求項29】
当該製剤は、少なくとも連続する4日間、1日あたり少なくとも1回、前記対象の皮膚の領域に塗布された後に、前記対象の皮膚の領域の状態を改変する、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記状態は、皮膚炎、紅斑、前がん病変、斑点、鱗屑、ダークスポット、瘢痕、発赤、線、又は皺のうち少なくとも1つを含む、請求項28に記載の方法。
【請求項31】
生成される前記セラミドの後続の量は、前記セラミドのベースラインの量よりも少なくとも約5%多い、請求項25に記載の方法。
【請求項32】
生成される前記セラミドの後続の量は、前記セラミドのベースラインの量よりも少なくとも約10%多い、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
有効量の、少なくとも約50重量%の水と約1重量%以下のスフィンゴ脂質とを含む製剤を対象の皮膚の領域に塗布するステップを含む皮膚状態を治療する方法。
【請求項34】
前記皮膚状態はアトピー性皮膚炎である、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記皮膚状態はメラノーマである、請求項33に記載の方法。
【請求項36】
前記皮膚状態は発赤である、請求項33に記載の方法。
【請求項37】
前記皮膚状態は乾燥である、請求項33に記載の方法。
【請求項38】
前記皮膚状態は瘢痕である、請求項33に記載の方法。
【請求項39】
前記皮膚状態は前がん病変である、請求項33に記載の方法。
【請求項40】
前記皮膚状態はざ瘡である、請求項33に記載の方法。
【請求項41】
前記皮膚状態は創傷である、請求項33に記載の方法。
【請求項42】
前記皮膚状態は皺である、請求項33に記載の方法。
【請求項43】
前記皮膚状態は色素沈着過剰である、請求項33に記載の方法。
【請求項44】
前記皮膚状態はダークスポットである、請求項33に記載の方法。
【請求項45】
前記皮膚状態は紅斑である、請求項33に記載の方法。
【請求項46】
前記皮膚状態は皮膚の色のむらである、請求項33に記載の方法。
【請求項47】
前記皮膚状態は鱗状である、請求項33に記載の方法。
【請求項48】
前記皮膚状態は鱗屑状である、請求項33に記載の方法。
【請求項49】
前記皮膚状態は面皰の存在である、請求項33に記載の方法。
【請求項50】
前記皮膚の領域への前記製剤の塗布は、前記領域に含まれる皮膚の水分を増加させる、請求項33に記載の方法。
【請求項51】
前記領域への前記製剤の塗布は、前記領域に含まれる皮膚の発赤を減少させる、請求項33に記載の方法。
【請求項52】
前記領域への前記製剤の塗布は、前記領域に含まれる皮膚の炎症を減少させる、請求項33に記載の方法。
【請求項53】
前記領域への前記製剤の塗布は、前記領域に含まれる皮膚の感受性を減少させる、請求項33に記載の方法。
【請求項54】
前記領域は、前記対象の顔の少なくとも一部を含む、請求項33に記載の方法。
【請求項55】
前記領域は、前記対象の首の少なくとも一部を含む、請求項33に記載の方法。
【請求項56】
前記領域は、前記対象の四肢又は付属肢のうち少なくとも1つの少なくとも一部を含む、請求項33に記載の方法。
【請求項57】
前記領域は、前記対象の胴体、背中、又は胃のうち少なくとも1つの少なくとも一部を含む、請求項33に記載の方法。
【請求項58】
前記領域は、前記対象の頭皮の少なくとも一部を含む、請求項33に記載の方法。
【請求項59】
0.15mLから0.50mLの製剤が前記領域に塗布される、請求項33に記載の方法。
【請求項60】
前記製剤は、少なくとも3日間、前記領域に塗布される、請求項33に記載の方法。
【請求項61】
前記製剤は、少なくとも3日間、1日2回前記領域に塗布される、請求項33に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権の主張及び参照による援用
本願は、2021年5月20日に出願された“Skin Care Methods and Formulations”と題する米国仮特許出願第63/191,230号に対する優先権を主張しており、その全内容を参照により本明細書に援用する。加えて、2021年4月29日に出願された“Skin Care Methods and Formulations”と題する米国仮特許出願第63/181,821号の全内容、及び2022年4月29日に出願された“Analyzing Genomics Data and Analytical Data”と題するPCT出願PCT/US2022/027148号の全内容を、いずれも参照により本明細書に援用する。
【背景技術】
【0002】
哺乳類の皮膚は、細菌、原生生物、古細菌、真菌、及びウイルスを含む多くの微生物を支えることがある。哺乳類の皮膚によって支えられる微生物は、皮膚微生物叢を含むことがある。皮膚に生息する微生物と微生物の遺伝子材料との組み合わせは、皮膚マイクロバイオームを含むことがある。微生物叢は、同じ対象の皮膚の位置によって異なり得る。加えて、皮膚微生物叢は、個々の対象にわたって異なり得る。特定の対象に対する皮膚の健康は、少なくとも部分的に、対象の皮膚微生物叢に基づき得る。
【発明の概要】
【0003】
第1の態様は、少なくとも約50重量%の水と、約1重量%以下のスフィンゴ脂質とを含む製剤に関する。
【0004】
第2の態様は、約50重量%から約65重量%の水と、約20重量%から約30重量%の1,3-ブタンジオールと、約5重量%から約15重量%のグリセリンと、約2重量%から約10重量%の1,2-プロパンジオールと、約0.0005重量%から約0.005重量%のスフィンゴシンとを含む製剤に関する。
【0005】
第3の態様は、少なくとも約50重量%の水と約1重量%以下のスフィンゴ脂質とを含む製剤を対象の皮膚の領域に塗布して、スフィンゴシン-1-リン酸の生化学的経路を活性化させ、当該製剤がない状態で対象の皮膚の領域上に存在するセラミドのベースラインの初期量よりも多い後続の量のセラミドを皮膚の領域上で生成させるステップを含む方法に関する。
【0006】
第4の態様は、有効量の、少なくとも約50重量%の水と約1重量%以下のスフィンゴ脂質とを含む製剤を対象の皮膚の領域に塗布するステップを含む皮膚状態を治療する方法に関する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
本開示は、例として例示されており、添付図面の図に限定されるものではなく、図においては、同様の参照番号は類似の要素を示している。
図1】1つ以上の例となる実施態様に従った、少なくとも約50重量%の水と、約1重量%以下のスフィンゴ脂質とを含む製剤を対象の皮膚の領域に塗布する例となる方法を例示した図である。
図2A】本明細書において記載される製剤の使用前の、研究#1における第1の対象の写真を示した図である。
図2B】当該製剤の使用後の第1の対象の写真を示した図である。
図3A】本明細書において記載される製剤の使用前の、研究#1における第2の対象の写真を示した図である。
図3B】当該製剤の使用後の第2の対象の写真を示した図である。
図4A】本明細書において記載される製剤の使用前の、研究#1における第3の対象の写真を示した図である。
図4B】当該製剤の使用後の第3の対象の写真を示した図である。
図5A】本明細書において記載される製剤の使用前の、研究#1における第4の対象の写真を示した図である。
図5B】当該製剤の使用後の第4の対象の写真を示した図である。
図6A】本明細書において記載される製剤の使用前の、研究#1における第5の対象の写真を示した図である。
図6B】当該製剤の使用後の第5の対象の写真を示した図である。
図7A】本明細書において記載される製剤の使用前の、研究#2に参加した第1の対象の写真を示した図である。
図7B】当該製剤の使用後の第1の対象の写真を示した図である。
図8A】本明細書において記載される製剤の使用前の、研究#2に参加した第2の対象の写真を示した図である。
図8B】当該製剤の使用後の第2の対象の写真を示した図である。
図9A】本明細書において記載される製剤の使用前の、研究#2に参加した第3の対象の写真を示した図である。
図9B】当該製剤の使用後の第3の対象の写真を示した図である。
図10A】本明細書において記載される製剤の使用前の、研究#2に参加した第4の対象の写真を示した図である。
図10B】当該製剤の使用後の第4の対象の写真を示した図である。
図11A】本明細書において記載される製剤の使用前の、研究#2に参加した第5の対象の写真を示した図である。
図11B】当該製剤の使用後の第5の対象の写真を示した図である。
図12A】本明細書において記載される製剤の使用前の、研究#2に参加した第6の対象の写真を示した図である。
図12B】当該製剤の使用後の第6の対象の写真を示した図である。
図13A】本明細書において記載される製剤の使用前の、上部の創傷及び下部の瘢痕を有するさらなる対象の写真を示した図である。
図13B】当該製剤の使用後のさらなる対象の写真を示した図である。
図14】当該製剤による治療の前後の、正常な皮膚で特徴付けられた研究#2の対象に対する多くの細菌の正規化された存在量の測定値を示した図である。
図15】当該製剤による治療の前後の、敏感肌で特徴付けられた研究#2の対象に対する多くの細菌の正規化された存在量の測定値を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
典型的には、皮膚に与えられる化粧品及び治療には、個々の皮膚状態を治療するための、又は皮膚の健康を改善するための有効な量の成分が含まれる。本明細書に記載される実施態様において、個々の生化学的経路を活性化させて、個々の皮膚状態の治療及び皮膚の健康の改善に使用される化合物を生成するプレバイオティクスを含む製剤が、個々の皮膚に塗布される。
【0009】
本明細書において記載されるのは、少なくとも約50重量%の水と、約1重量%以下のスフィンゴ脂質とを含む製剤である。当該製剤は、対象の皮膚の領域に塗布することができる。当該製剤が対象の皮膚の領域に塗布された後、生化学的経路は、当該製剤によって活性化されて、対象の皮膚の領域上でセラミドの生成を引き起こすことができる。対象の皮膚の領域上で生成されるセラミドの量は、当該製剤がない状態で生成されるセラミドのベースラインの量よりも多くなり得る。様々な例において、対象の皮膚の領域に当該製剤を塗布した後に生成されるセラミドの量の増加は、対象の皮膚の領域上に存在する状態を改変することができる。例示するために、対象の皮膚の領域上に存在するセラミドの量が、対象の皮膚の領域に当該製剤を塗布した結果としてセラミドのベースラインの量を超えて増加するに従い、対象の皮膚の領域上に存在する状態を改変することができる。1つ以上の例では、個々の皮膚の領域上に存在する状態を、当該製剤が対象の皮膚の領域に塗布される期間にわたって改善することができる。このようにして、当該製剤は、生化学的経路を活性化させて、少なくとも1つのセラミドを含むポストバイオティクスを生成するプレバイオティクスを含み得る。さらに、当該製剤は、皮膚微生物叢を抑制せず、又は対象の微生物叢に存在する微生物の生存能に影響を与えない。微生物群集の変化は、陰性及び病原性の微生物を増加させることがあり、これによって、保護的な皮膚のバリアを減少させ、皮膚の健康を低下させる恐れがある。本明細書において記載される製剤は、マイクロバイオーム的に安全であり、当該製剤を塗布することができる対象にとって安全である。様々な例において、本明細書において記載される製剤は、個々の皮膚に存在する細菌の組成及び細菌の量を改善することができる。
【0010】
図1は、1つ以上の例となる実施態様に従った、少なくとも約50重量%の水と、約1重量%以下のスフィンゴ脂質とを含む製剤を対象の皮膚の領域に塗布する例となる方法100を例示した図である。この方法は、102において、少なくとも約50重量%の水と、約1重量%以下のスフィンゴ脂質とを含む製剤を対象の皮膚の領域に塗布することを含み得る。対象は哺乳類を含んでもよい。様々な例において、対象はヒトを含んでもよい。1つ以上のさらなる例において、対象は、ウマ、イヌ、ウシ、ブタ、又はマウスのうち少なくとも1つ等、ヒトとは異なる哺乳類を含んでもよい。
【0011】
様々な例において、当該製剤は、少なくとも約40重量%の水、少なくとも42重量%の水、少なくとも約45重量%の水、少なくとも約48重量%の水、少なくとも約50重量%の水、少なくとも約52重量%の水、又は少なくとも約55重量%の水を含み得る。加えて、当該製剤は、約70重量%以下の水、約68重量%以下の水、約65重量%以下の水、約62重量%以下の水、又は約60重量%以下の水を含み得る。1つ以上の例示的な例において、当該製剤は、約40重量%の水から約70重量%の水、約50重量%の水から約65重量%の水、又は約52重量%の水から約60重量%の水を含んでもよい。
【0012】
1つ以上の例において、スフィンゴ脂質は、スフィンゴシンを含み得る。当該製剤は、少なくとも約0.0005重量%のスフィンゴシン、少なくとも約0.0008重量%のスフィンゴシン、少なくとも約0.0010重量%のスフィンゴシン、少なくとも約0.0012重量%のスフィンゴシン、少なくとも約0.0015重量%のスフィンゴシン、少なくとも約0.0018重量%のスフィンゴシン、又は少なくとも約0.002重量%のスフィンゴシンを含み得る。加えて、当該製剤は、約0.005重量%以下のスフィンゴシン、約0.008重量%以下のスフィンゴシン、約0.010重量%以下のスフィンゴシン、約0.015重量%以下のスフィンゴシン、約0.020重量%以下のスフィンゴシン、約0.030重量%以下のスフィンゴシン、又は約0.050重量%以下のスフィンゴシンを含み得る。1つ以上の例示的な例において、当該製剤は、約0.0005重量%のスフィンゴシンから約0.005重量%のスフィンゴシン、約0.0005重量%のスフィンゴシンから約0.05重量%のスフィンゴシン、又は約0.0010重量%のスフィンゴシンから約0.005重量%のスフィンゴシンを含んでもよい。
【0013】
当該製剤はまた、1つ以上のジオールを含み得る。例えば、当該製剤は、3から6の炭素原子を有する1つ以上のジオールを含んでもよい。1つ以上の例において、当該製剤は、少なくとも2つのジオールを含み得る。様々な例において、当該製剤は、約20重量%から約40重量%の、3から6の炭素原子を有する第1のジオール、及び約2重量%から約10重量%の、約3から6の炭素原子を有する第2のジオールを含んでもよい。1つ以上の例において、当該製剤は、1,3-ブタンジオールを含み得る。1つ以上のさらなる例において、当該製剤は、1,2-プロパンジオールを含み得る。1つ以上の例示的な例において、当該製剤は、1,3-ブタンジオール及び1,2-プロパンジオールを含んでもよい。
【0014】
当該製剤は、少なくとも約10重量%の1,3-ブタンジオール、少なくとも約12重量%の1,3-ブタンジオール、少なくとも約15重量%の1,3-ブタンジオール、少なくとも約18重量%の1,3-ブタンジオール、少なくとも約20重量%の1,3-ブタンジオール、少なくとも約22重量%の1,3-ブタンジオール、又は少なくとも約25重量%の1,3-ブタンジオールを含み得る。当該製剤はまた、約40重量%以下の1,3-ブタンジオール、約38重量%以下の1,3-ブタンジオール、約35重量%以下の1,3-ブタンジオール、約32重量%以下の1,3-ブタンジオール、又は約30重量%以下の1,3-ブタンジオールを含み得る。1つ以上の例示的な例において、当該製剤は、約15重量%の1,3-ブタンジオールから約30重量%の1,3-ブタンジオール、約20重量%から約30重量%の1,3-ブタンジオール、又は約22重量%の1,3-ブタンジオールから約28重量%の1,3-ブタンジオールを含んでもよい。
【0015】
加えて、当該製剤は、少なくとも約1重量%の1,2-プロパンジオール、少なくとも約2重量%の1,2-プロパンジオール、少なくとも約3重量%の1,2-プロパンジオール、少なくとも約4重量%の1,2-プロパンジオール、又は少なくとも約5重量%の1,2-プロパンジオールを含み得る。当該製剤はまた、約15重量%以下の1,2-プロパンジオール、約12重量%以下の1,2-プロパンジオール、約10重量%以下の1,2-プロパンジオール、又は約8重量%以下の1,2-プロパンジオールを含み得る。1つ以上の例示的な例において、当該製剤は、約1重量%の1,2-プロパンジオールから約15重量%の1,2-プロパンジオール、約2重量%の1,2-プロパンジオールから約10重量%の1,2-プロパンジオール、又は約2重量%の1,2-プロパンジオールから約8重量%の1,2-プロパンジオールを含んでもよい。1つ以上の例示的な例において、1,2-プロパンジオールは、当該製剤に含まれなくてもよい。
【0016】
さらに、当該製剤は、ある量のグリセリンを含み得る。様々な例において、当該製剤は、少なくとも約2重量%のグリセリン、少なくとも約3重量%のグリセリン、少なくとも約5重量%のグリセリン、少なくとも約7重量%のグリセリン、又は少なくとも約9重量%のグリセリンを含み得る。当該製剤はまた、約20重量%以下のグリセリン、約18重量%以下のグリセリン、約15重量%以下のグリセリン、又は約12重量%以下のグリセリンを含み得る。1つ以上の例示的な例において、当該製剤は、約2重量%のグリセリンから約20重量%のグリセリン、約3重量%のグリセリンから約15重量%のグリセリン、又は約7重量%のグリセリンから約12重量%のグリセリンを含んでもよい。
【0017】
当該製剤は、ある量のスクアレンを含み得る。例えば、当該製剤は、少なくとも約0.1重量%のスクアレン、少なくとも約0.3重量%のスクアレン、少なくとも約0.5重量%のスクアレン、少なくとも約0.7重量%のスクアレン、又は少なくとも約1.0重量%のスクアレンを含んでもよい。加えて、当該製剤は、約3重量%以下のスクアレン、約2.5重量%以下のスクアレン、約2.0重量%以下のスクアレン、約1.5重量%以下のスクアレン、又は約1.2重量%以下のスクアレンを含み得る。1つ以上の例示的な例において、当該製剤は、約0.1重量%のスクアレンから約3重量%のスクアレン、約0.5重量%のスクアレンから約2.0重量%のスクアレン、又は約0.7重量%のスクアレンから約1.2重量%のスクアレンを含んでもよい。
【0018】
当該製剤はまた、ある量のイソヘキサデカンを含み得る。例示するために、当該製剤は、少なくとも約0.05重量%のイソヘキサデカン、少なくとも約0.08重量%のイソヘキサデカン、少なくとも約0.10重量%のイソヘキサデカン、少なくとも約0.15重量%のイソヘキサデカン、少なくとも約0.20重量%のイソヘキサデカン、少なくとも約0.22重量%のイソヘキサデカン、又は少なくとも約0.25重量%のイソヘキサデカンを含み得る。当該製剤はまた、約0.50重量%以下のイソヘキサデカン、約0.45重量%以下のイソヘキサデカン、約0.40重量%以下のイソヘキサデカン、約0.35重量%以下のイソヘキサデカン、又は約0.30重量%以下のイソヘキサデカンを含み得る。1つ以上の例示的な例において、当該製剤は、約0.05重量%のイソヘキサデカンから約0.50重量%のイソヘキサデカン、約0.10重量%のイソヘキサデカンから約0.40重量%のイソヘキサデカン、又は約0.20重量%のイソヘキサデカンから約0.30重量%のイソヘキサデカンを含んでもよい。
【0019】
加えて、当該製剤は、ある量のパルミチン酸を含み得る。1つ以上の例において、当該製剤は、少なくとも約0.0005重量%のパルミチン酸、少なくとも約0.0008重量%のパルミチン酸、少なくとも約0.0010重量%のパルミチン酸、少なくとも約0.0012重量%のパルミチン酸、少なくとも約0.0015重量%のパルミチン酸、少なくとも約0.0018重量%のパルミチン酸、又は少なくとも約0.0020重量%のパルミチン酸を含んでもよい。当該製剤はまた、約0.0050重量%以下のパルミチン酸、約0.0045重量%以下のパルミチン酸、約0.0040重量%以下のパルミチン酸、約0.0035重量%以下のパルミチン酸、約0.0030重量%以下のパルミチン酸、又は約0.0025重量%以下のパルミチン酸を含み得る。1つ以上の例示的な例において、当該製剤は、約0.0005重量%のパルミチン酸から約0.0050重量%のパルミチン酸、約0.0010重量%のパルミチン酸から約0.0040重量%のパルミチン酸、又は約0.0015重量%のパルミチン酸から約0.0025重量%のパルミチン酸を含んでもよい。
【0020】
当該製剤は、ある量のポリソルベート80を含み得る。例示するために、当該製剤は、少なくとも約0.04重量%のポリソルベート80、少なくとも約0.05重量%のポリソルベート80、少なくとも約0.06重量%のポリソルベート80、少なくとも約0.07重量%のポリソルベート80、又は少なくとも約0.08重量%のポリソルベート80を含み得る。当該製剤はまた、約0.20重量%以下のポリソルベート80、約0.18重量%以下のポリソルベート80、約0.15重量%以下のポリソルベート80、約0.12重量%以下のポリソルベート80、又は約0.10重量%以下のポリソルベート80を含み得る。1つ以上の例示的な例において、当該製剤は、約0.04重量%のポリソルベート80から約0.20重量%のポリソルベート80、約0.06重量%のポリソルベート80から約0.15重量%のポリソルベート80、又は約0.08重量%のポリソルベート80から約0.10重量%のポリソルベート80を含んでもよい。
【0021】
当該製剤は、さらに、ある量のアクリル酸ナトリウム/アクリロイルジメチルタウリンナトリウムのコポリマー(sodium acrylate/sodium acryloyldimethyl taurate copolymer)を含み得る。例えば、当該製剤は、少なくとも約0.05重量%のアクリル酸ナトリウム/アクリロイルジメチルタウリンナトリウムのコポリマー、少なくとも約0.10重量%のアクリル酸ナトリウム/アクリロイルジメチルタウリンナトリウムのコポリマー、少なくとも約0.15重量%のアクリル酸ナトリウム/アクリロイルジメチルタウリンナトリウムのコポリマー、少なくとも約0.20重量%のアクリル酸ナトリウム/アクリロイルジメチルタウリンナトリウムのコポリマー、少なくとも約0.25重量%のアクリル酸ナトリウム/アクリロイルジメチルタウリンナトリウムのコポリマー、少なくとも約0.30重量%のアクリル酸ナトリウム/アクリロイルジメチルタウリンナトリウムのコポリマー、少なくとも約0.35重量%のアクリル酸ナトリウム/アクリロイルジメチルタウリンナトリウムのコポリマー、又は少なくとも約0.40重量%のアクリル酸ナトリウム/アクリロイルジメチルタウリンナトリウムのコポリマーを含んでもよい。さらに、当該製剤は、約1.5重量%以下のアクリル酸ナトリウム/アクリロイルジメチルタウリンナトリウムのコポリマー、約1.2重量%以下のアクリル酸ナトリウム/アクリロイルジメチルタウリンナトリウムのコポリマー、約1.0重量%以下のアクリル酸ナトリウム/アクリロイルジメチルタウリンナトリウムのコポリマー、約0.8重量%以下のアクリル酸ナトリウム/アクリロイルジメチルタウリンナトリウムのコポリマー、又は約0.5重量%以下のアクリル酸ナトリウム/アクリロイルジメチルタウリンナトリウムのコポリマーを含み得る。1つ以上の例示的な例において、当該製剤は、約0.10重量%のアクリル酸ナトリウム/アクリロイルジメチルタウリンナトリウムのコポリマーから約1.5重量%のアクリル酸ナトリウム/アクリロイルジメチルタウリンナトリウムのコポリマー、約0.20重量%のアクリル酸ナトリウム/アクリロイルジメチルタウリンナトリウムのコポリマーから約1.0重量%のアクリル酸ナトリウム/アクリロイルジメチルタウリンナトリウムのコポリマー、又は約0.40重量%のアクリル酸ナトリウム/アクリロイルジメチルタウリンナトリウムのコポリマーから約0.50重量%のアクリル酸ナトリウム/アクリロイルジメチルタウリンナトリウムのコポリマーを含んでもよい。
【0022】
1つ以上の例示的な例において、当該製剤は、ある量の水、ある量のスフィンゴ脂質、及び、1つ以上の調整剤、1つ以上の洗浄剤、1つ以上の乳化剤、又は1つ以上の乳化安定剤のうち少なくとも1つ等、1つ以上のキャリア化合物を含み得る。1つ以上のキャリア化合物は、プレバイオティクスに対する美容上満足のいく送達システムを提供することができる。当該製剤に含まれるキャリア化合物の選択に影響を与える因子は、製剤の有効性を維持するための長期安定性、疎水性、pH、及び溶解性を含み得る。1つ以上のキャリア化合物は、対象の微生物叢の健康に対する製剤のいかなる影響も最小限にするように選択される。1つ以上の例において、洗浄剤はパルミチン酸を含み得る。1つ以上の調整剤は、1,3ブタンジオール、イソヘキサデカン、又はスクアレンのうち少なくとも1つを含み得る。様々な例において、乳化剤はポリソルベート80を含み得る。乳化安定剤は、アクリル酸ナトリウム及びアクリロイルジメチルタウリンナトリウムのコポリマーを含み得る。
【0023】
1つ以上の例において、当該製剤は、約50重量%の水から約65重量%の水、約20重量%の1,3-ブタンジオールから約30重量%の1,3-ブタンジオール、約5重量%のグリセリンから約15重量%のグリセリン、約2重量%の1,2-プロパンジオールから約10重量%の1,2-プロパンジオール、及び約0.0005重量%のスフィンゴシンから約0.005重量%のスフィンゴシンを含んでもよい。当該製剤はまた、約0.7重量%のスクアレンから約1.2重量%のスクアレン、約0.20重量%のイソヘキサデカンから約0.30重量%のイソヘキサデカン、約0.0015重量%のパルミチン酸から約0.0025重量%のパルミチン酸、約0.08重量%のポリソルベート80から約0.10重量%のポリソルベート80、及び約0.40重量%のアクリル酸ナトリウム/アクリロイルジメチルタウリンナトリウムのコポリマーから約0.50重量%のアクリル酸ナトリウム/アクリロイルジメチルタウリンナトリウムのコポリマーを含み得る。
【0024】
当該製剤は、ある量の水、ある量のグリセリン、ある量の1つ以上のジオール、ある量の1つ以上の調整剤、ある量の1つ以上の乳化剤、ある量の1つ以上の乳化安定剤、ある量の1つ以上の洗浄剤、及びある量のスフィンゴシンを組み合わせることによって作製することができる。1つ以上の例において、ある量のスフィンゴシンが加熱され、ある量のスクアレンと組み合わされて、スフィンゴシンとスクアレンとの混合物が生成される。1つ以上の例示的な例において、スフィンゴシンとスクアレンとの混合物を、水、1,3-ブタンジオール、1,2-プロパンジオール、グリセリン、パルミチン酸、イソヘキサデカン、ポリソルベート80、及びアクリル酸ナトリウム及びアクリロイルジメチルタウリンナトリウムのコポリマーと混合して、当該製剤を生成することができる。
【0025】
加えて、方法100は、104において、生化学的経路を活性化させることを含んでもよい。生化学的経路は、中間成分としてスフィンゴ脂質を含む生化学的経路を含み得る。1つ以上の例において、生化学的経路は、スフィンゴシン-1-リン酸の生化学的経路を含んでもよい。
【0026】
さらに、106において、方法100は、当該製剤がない状態で皮膚の領域に関して存在するセラミドのベースラインの量よりも多い対象の皮膚の領域に関する後続の量のセラミドを生成することを含んでもよい。1つ以上の例において、生成されるセラミドの後続の量は、セラミドのベースラインの量よりも少なくとも約2%多く、セラミドのベースラインの量よりも少なくとも約5%多く、セラミドのベースラインの量よりも少なくとも約10%多く、セラミドのベースラインの量よりも少なくとも約15%多く、セラミドのベースラインの量よりも少なくとも約20%多く、セラミドのベースラインの量よりも少なくとも約25%多く、セラミドのベースラインの量よりも少なくとも約30%多く、セラミドのベースラインの量よりも少なくとも約40%多く、セラミドのベースラインの量よりも少なくとも約50%多く、セラミドのベースラインの量よりも少なくとも約100%多く、又はセラミドのベースラインの量よりも少なくとも約200%多くなり得る。
【0027】
方法100はまた、108において、皮膚の領域の状態を改変することを含んでもよい。様々な例において、個々の皮膚の領域に当該製剤を塗布することによって生成されるセラミドの後続の量は、皮膚の領域の状態を改変することができる。1つ以上の例示的な例において、上記の状態は、皮膚炎、紅斑、前がん病変、斑点、鱗屑、ダークスポット、瘢痕、発赤、線、又は皺のうち少なくとも1つを含み得る。セラミドの後続の量は、セラミドのベースラインの量によってもたらされないであろう対象の皮膚への変化をセラミドの後続の量がもたらすという点で機能的であり得る。少なくとも一部の例では、セラミドの後続の量は、所与の期間にわたって、セラミドのベースラインの量によってもたらされないであろう対象の皮膚への変化をもたらし得る。当該製剤は、少なくとも3つの連続する48時間の期間中、個々の連続する48時間の期間内に少なくとも1回、対象の皮膚の領域に塗布された後に、対象の皮膚の領域の状態を改変することができる。さらに、当該製剤は、少なくとも連続する4日間、1日あたり少なくとも1回、対象の皮膚の領域に塗布された後に、対象の皮膚の領域の状態を改変することができる。
【0028】
1つ以上の例では、セラミドの後続の量は、当該製剤が対象の皮膚の領域に塗布された後に少なくとも10時間、対象の皮膚の領域上に存在する。加えて、セラミドの後続の量は、当該製剤が対象の皮膚の領域に塗布された後に約0.5時間から約24時間、対象の皮膚の領域上に存在する。
【0029】
様々な例において、当該製剤の用量は、少なくとも0.01ミリリットル(mL)、少なくとも0.02mL、少なくとも0.05mL、少なくとも0.08mL、少なくとも0.10mL、少なくとも0.12mL、少なくとも0.15mL、少なくとも0.18mL、少なくとも0.20mL、少なくとも0.22mL、少なくとも0.25mL、少なくとも0.28mL、少なくとも0.30mL、少なくとも0.32mL、少なくとも0.35mL、少なくとも0.38mL、又は少なくとも0.40mLを含み得る。1つ以上の例において、当該製剤の用量は、0.01mLから2mL、0.05mLから1mL、0.10mLから0.80mL、0.20mLから0.50mL、0.30mLから0.60mL、又は0.30mLから0.50mLであってもよい。1つ以上の例示的な例において、当該製剤の有効量は、少なくとも1回の投与、少なくとも2回の投与、少なくとも3回の投与、少なくとも5回の投与、少なくとも8回の投与、少なくとも10回の投与、少なくとも12回の投与、少なくとも15回の投与、少なくとも18回の投与、又は少なくとも20回の投与を含み得る。1つ以上のさらなる例において、当該製剤の有効量は、1回の投与から200回の投与まで、1回の投与から150回の投与まで、1回の投与から100回の投与まで、1回の投与から75回の投与まで、1回の投与から50回の投与まで、1回の投与から40回の投与まで、1回の投与から30回の投与まで、1回の投与から20回の投与まで、1回の投与から10回の投与まで、3回の投与から200回の投与まで、3回の投与から150回の投与まで、3回の投与から100回の投与まで、3回の投与から75回の投与まで、3回の投与から50回の投与まで、3回の投与から40回の投与まで、3回の投与から30回の投与まで、3回の投与から20回の投与まで、3回の投与から10回の投与まで、5回の投与から200回の投与まで、5回の投与から150回の投与まで、5回の投与から100回の投与まで、5回の投与から75回の投与まで、5回の投与から50回の投与まで、5回の投与から40回の投与まで、5回の投与から30回の投与まで、5回の投与から20回の投与まで、5回の投与から10回の投与まで、6回の投与から200回の投与まで、6回の投与から150回の投与まで、6回の投与から100回の投与まで、6回の投与から75回の投与まで、6回の投与から50回の投与まで、6回の投与から40回の投与まで、6回の投与から30回の投与まで、6回の投与から20回の投与まで、6回の投与から10回の投与まで、8回の投与から200回の投与まで、8回の投与から150回の投与まで、8回の投与から100回の投与まで、8回の投与から75回の投与まで、8回の投与から50回の投与まで、8回の投与から40回の投与まで、8回の投与から30回の投与まで、8回の投与から20回の投与まで、8回の投与から10回の投与まで、10回の投与から200回の投与まで、10回の投与から150回の投与まで、10回の投与から100回の投与まで、10回の投与から75回の投与まで、10回の投与から50回の投与まで、10回の投与から40回の投与まで、10回の投与から30回の投与まで、又は10回の投与から20回の投与までであってもよい。
【0030】
様々な例において、当該製剤は、1日1回、1日2回、1日3回、1日4回、又は1日5回、有効量で皮膚の領域に塗布することができる。当該製剤を、少なくとも1日、少なくとも2日、少なくとも3日、少なくとも4日、少なくとも5日、少なくとも6日、少なくとも7日、少なくとも8日、少なくとも9日、少なくとも10日、少なくとも15日、少なくとも25日、少なくとも30日、少なくとも40日、少なくとも50日、少なくとも75日、少なくとも100日、少なくとも150日、少なくとも200日、少なくとも250日、少なくとも300日、少なくとも350日、皮膚の領域に塗布して、皮膚状態を治療することもできる。様々な例において、状態がもはや皮膚上に存在しなくなるまで、当該製剤を皮膚に塗布して、その状態を治療することができる。
【0031】
1つ以上の例示的な例において、当該製剤を個々の皮膚に塗布して1つ以上の状態を治療することができる。例えば、当該製剤を個々の皮膚に塗布してアトピー性皮膚炎を治療することができる。加えて、当該製剤を個々の皮膚に塗布してメラノーマを治療することができる。さらに、当該製剤を個々の皮膚に塗布して発赤を治療することができる。また、当該製剤を個々の皮膚に塗布して乾燥を治療することができる。1つ以上の例において、当該製剤を個々の皮膚に塗布して瘢痕を治療することができる。1つ以上の追加の例において、当該製剤を個々の皮膚に塗布して前がん病変を治療することができる。1つ以上のさらなる例において、当該製剤を個々の皮膚に塗布してざ瘡を治療することができる。さらに他の例において、当該製剤を個々の皮膚に塗布して、切り傷、ただれ、咬刺傷、又は病変等の創傷を治療することができる。加えて、当該製剤を個々の皮膚に塗布して皺を治療することができる。様々な例において、当該製剤を個々の皮膚に塗布して色素沈着過剰を治療することができる。当該製剤を個々の皮膚に塗布してダークスポットを治療することもできる。さらに別の例において、当該製剤を個々の皮膚に塗布して紅斑を治療することができる。さらに追加の例において、当該製剤を個々の皮膚に塗布して皮膚の色のむらを治療することができる。1つ以上の例において、当該製剤を個々の皮膚に塗布して鱗状を治療することができる。1つ以上の追加の例において、当該製剤を個々の皮膚に塗布して鱗屑を治療することができる。1つ以上のさらなる例において、当該製剤を個々の皮膚に塗布して面皰を治療することができる。
【0032】
当該製剤を個々の皮膚に塗布して、治療されている領域に含まれる皮膚の水分を増加させることもできる。加えて、当該製剤を個々の皮膚に塗布して、治療されている領域に含まれる皮膚の発赤を減少させることができる。さらに、当該製剤を個々の皮膚に塗布して、治療されている領域に含まれる皮膚の炎症を減少させることができる。様々な例において、当該製剤を個々の皮膚に塗布して、治療されている領域に含まれる皮膚の感受性を減少させることができる。1つ以上の例示的な例では、少なくとも3日間、0.15mLから0.50mLの製剤を皮膚の領域に塗布することに応答して、皮膚の状態は改善し始めることができる。1つ以上の例では、当該製剤を、1日2回、個々の皮膚の領域に塗布することができる。様々な例において、当該製剤の用量は、ある体積の製剤を含む容器からスプレーとして分注することができる。
【0033】
当該製剤は、個々の身体の多くの部分に塗布することができる。例えば、当該製剤は、個々の顔に塗布することができる。加えて、当該製剤は、個々の首に塗布することができる。さらに、当該製剤は、個々の四肢又は付属肢のうち少なくとも1つの少なくとも一部に塗布することができる。当該製剤はまた、個々の胴体、背中、又は胃のうち少なくとも1つの少なくとも一部に塗布することができる。1つ以上の例において、当該製剤は、個々の頭皮の少なくとも一部に塗布することができる。
【0034】
番号付きの非限定的な発明特定事項の態様の列挙が以下に示される。
【0035】
態様1:約50重量%から約65重量%の水;約20重量%から約30重量%の1,3-ブタンジオール;約5重量%から約15重量%のグリセリン;約2重量%から約10重量%の1,2-プロパンジオール;及び、約0.0005重量%から約0.005重量%のスフィンゴシン;を含む製剤。
【0036】
態様2:約0.7重量%のスクアレンから約1.2重量%のスクアレンと、約0.0015重量%のパルミチン酸から約0.0025重量%のパルミチン酸とを含む、態様1に記載の製剤。
【0037】
態様3:少なくとも約50重量%の水と、約1重量%以下のスフィンゴ脂質とを含む製剤。
【0038】
態様4:スフィンゴ脂質はスフィンゴシンを含む、態様3に記載の製剤。
【0039】
態様5:約20重量%から約40重量%の、3から6の炭素原子を有する1つ以上のジオールを含む、態様3又は4に記載の製剤。
【0040】
態様6:約20重量%から約40重量%の、3から6の炭素原子を有する第1のジオールと、約2重量%から約10重量%の、約3から6の炭素原子を有する第2のジオールとを含む、態様5に記載の製剤。
【0041】
態様7:約20重量%から約30重量%の1,3-ブタンジオールと、約2重量%から約10重量%の1,2-プロパンジオールとを含む、態様6に記載の製剤。
【0042】
態様8:約7重量%から約12重量%のグリセリンを含む、態様3乃至7のいずれか1つに記載の製剤。
【0043】
態様9:1つ以上の調整剤を含む、態様3乃至8のいずれか1つに記載の製剤。
【0044】
態様10:1つ以上の調整剤は、1,3ブタンジオール、イソヘキサデカン、又はスクアレンのうち少なくとも1つを含む、態様9に記載の製剤。
【0045】
態様11:約0.5重量%以下のイソヘキサデカンを含む、態様9又は10に記載の製剤。
【0046】
態様12:約0.10重量%から約0.40重量%のイソヘキサデカンを含む、態様9乃至11のいずれか1つに記載の製剤。
【0047】
態様13:約2重量%以下のスクアレンを含む、態様9乃至12のいずれか1つに記載の製剤。
【0048】
態様14:約0.7重量%から約1.2重量%のスクアレンを含む、態様13に記載の製剤。
【0049】
態様15:乳化剤を含む、態様3乃至14のいずれか1つに記載の製剤。
【0050】
態様16:約0.2重量%以下のポリソルベート80を含む、態様15に記載の製剤。
【0051】
態様17:約0.06重量%から約0.15重量%のポリソルベート80を含む、態様15又は16に記載の製剤。
【0052】
態様18:乳化安定剤を含む、態様3乃至17のいずれか1つに記載の製剤。
【0053】
態様19:約1重量%以下のアクリル酸ナトリウム及びアクリロイルジメチルタウリンナトリウムのコポリマーを含む、態様18に記載の製剤。
【0054】
態様20:約0.1重量%から約1.5重量%のアクリル酸ナトリウム及びアクリロイルジメチルタウリンナトリウムのコポリマーを含む、態様18又は19に記載の製剤。
【0055】
態様21:約0.005重量%以下のパルミチン酸を含む、態様3乃至20のいずれか1つに記載の製剤。
【0056】
態様22:約22重量%から約28重量%の1,3-ブタンジオール;約8重量%から約12重量%のグリセリン;及び、約3重量%から約8重量%の1,2-プロパンジオール;を含む、態様3乃至21のいずれか1つに記載の製剤。
【0057】
態様23:約50重量%から約65重量%の水を含む、態様3乃至22のいずれか1つに記載の製剤。
【0058】
態様24:約0.0005重量%から約0.005重量%のスフィンゴシンを含む、態様3乃至23のいずれか1つに記載の製剤。
【0059】
態様25:少なくとも約50重量%の水と約1重量%以下のスフィンゴ脂質とを含む製剤を対象の皮膚の領域に塗布して、スフィンゴシン-1-リン酸の生化学的経路を活性化させ、製剤がない状態で対象の皮膚の領域上に存在するセラミドのベースラインの初期量よりも多い後続の量のセラミドを皮膚の領域上で生成させるステップを含む方法。
【0060】
態様26:セラミドの後続の量は、製剤が対象の皮膚の領域に塗布された後に少なくとも10時間、対象の皮膚の領域上に存在する、態様25に記載の方法。
【0061】
態様27:セラミドの後続の量は、製剤が対象の皮膚の領域に塗布された後に約0.5時間から約24時間、対象の皮膚の領域上に存在する、態様25又は26に記載の方法。
【0062】
態様28:製剤は、少なくとも3つの連続する48時間の期間中、個々の連続する48時間の期間内に少なくとも1回、対象の皮膚の領域に塗布された後に、対象の皮膚の領域の状態を改変する、態様25乃至27のいずれか1つに記載の方法。
【0063】
態様29:製剤は、少なくとも連続する4日間、1日あたり少なくとも1回、対象の皮膚の領域に塗布された後に、対象の皮膚の領域の状態を改変する、態様28に記載の方法。
【0064】
態様30:上記の状態は、皮膚炎、紅斑、前がん病変、斑点、鱗屑、ダークスポット、瘢痕、発赤、線、又は皺のうち少なくとも1つを含む、態様28又は29に記載の方法。
【0065】
態様31:生成されるセラミドの後続の量は、セラミドのベースラインの量よりも少なくとも約5%多い、態様25乃至30のいずれか1つに記載の方法。
【0066】
態様32:生成されるセラミドの後続の量は、セラミドのベースラインの量よりも少なくとも約10%多い、態様31に記載の方法。
【0067】
態様33:有効量の、少なくとも約50重量%の水と約1重量%以下のスフィンゴ脂質とを含む製剤を対象の皮膚の領域に塗布するステップを含む皮膚状態を治療する方法。
【0068】
態様34:皮膚状態はアトピー性皮膚炎である、態様33に記載の方法。
【0069】
態様35:皮膚状態はメラノーマである、態様33乃至34のいずれか1つに記載の方法。
【0070】
態様36:皮膚状態は発赤である、態様33乃至35のいずれか1つに記載の方法。
【0071】
態様37:皮膚状態は乾燥である、態様33乃至36のいずれか1つに記載の方法。
【0072】
態様38:皮膚状態は瘢痕である、態様33乃至37のいずれか1つに記載の方法。
【0073】
態様39:皮膚状態は前がん病変である、態様33乃至38のいずれか1つに記載の方法。
【0074】
態様40:皮膚状態はざ瘡である、態様33乃至39のいずれか1つに記載の方法。
【0075】
態様41:皮膚状態は創傷である、態様33乃至40のいずれか1つに記載の方法。
【0076】
態様42:皮膚状態は皺である、態様33乃至41のいずれか1つに記載の方法。
【0077】
態様43:皮膚状態は色素沈着過剰である、態様33乃至42のいずれか1つに記載の方法。
【0078】
態様44:皮膚状態はダークスポットである、態様33乃至43のいずれか1つに記載の方法。
【0079】
態様45:皮膚状態は紅斑である、態様33乃至44のいずれか1つに記載の方法。
【0080】
態様46:皮膚状態は皮膚の色のむらである、態様33乃至45のいずれか1つに記載の方法。
【0081】
態様47:皮膚状態は鱗状である、態様33乃至46のいずれか1つに記載の方法。
【0082】
態様48:皮膚状態は鱗屑状である、態様33乃至47のいずれか1つに記載の方法。
【0083】
態様49:皮膚状態は面皰の存在である、態様33乃至48のいずれか1つに記載の方法。
【0084】
態様50:皮膚の領域への製剤の塗布は、その領域に含まれる皮膚の水分を増加させる、態様33乃至49のいずれか1つに記載の方法。
【0085】
態様51:上記の領域への製剤の塗布は、上記の領域に含まれる皮膚の発赤を減少させる、態様33乃至50のいずれか1つに記載の方法。
【0086】
態様52:上記の領域への製剤の塗布は、上記の領域に含まれる皮膚の炎症を減少させる、態様33乃至51のいずれか1つに記載の方法。
【0087】
態様53:上記の領域への製剤の塗布は、上記の領域に含まれる皮膚の発赤を減少させる、態様33~52のいずれか1項に記載の方法。
【0088】
態様54:上記の領域への製剤の塗布は、上記の領域に含まれる皮膚の感受性を減少させる、態様33乃至53のいずれか1つに記載の方法。
【0089】
態様55:上記の領域は、対象の顔の少なくとも一部を含む、態様33乃至54のいずれか1つに記載の方法。
【0090】
態様56:上記の領域は、対象の首の少なくとも一部を含む、態様33乃至55のいずれか1つに記載の方法。
【0091】
態様57:上記の領域は、対象の四肢又は付属肢のうち少なくとも1つの少なくとも一部を含む、態様33乃至56のいずれか1つに記載の方法。
【0092】
態様58:上記の領域は、対象の胴体、背中、又は胃のうち少なくとも1つの少なくとも一部を含む、態様33乃至57のいずれか1つに記載の方法。
【0093】
態様59:上記の領域は、対象の頭皮の少なくとも一部を含む、態様33乃至58のいずれか1つに記載の方法。
【0094】
態様60:0.15mLから0.50mLの製剤が上記の領域に塗布される、態様33乃至59のいずれか1つに記載の方法。
【0095】
態様61:製剤は、少なくとも3日間、上記の領域に塗布される、態様33乃至60のいずれか1つに記載の方法。
【0096】
態様62:製剤は、少なくとも3日間、1日2回上記の領域に塗布される、態様33乃至61のいずれか1つに記載の方法。
【0097】
実験例
例1
第1の研究では、本明細書において記載される実施態様による製剤を治療すべき皮膚の領域に塗布するプロトコルを11人の対象に提供した。1回の塗布あたりに使用される当該製剤の量は、0.15ミリリットル(mL)から0.50mLであると推定された。対象には、2週間、治療されることになる領域に当該製剤を塗布した。
【0098】
図2Aは、本明細書において記載される製剤の使用前の、研究に参加した第1の対象の写真を示し、図2Bは、当該製剤の使用後の第1の対象の写真を示している。皮膚炎に対する改善が対象において達成された。加えて、対象における斑点及び鱗屑は減少した。紅斑及び皺も減少し、色素沈着過剰も減少し、ダークスポットも減り、肌の色合いはより均等になった。
【0099】
図3Aは、本明細書において記載される製剤の使用前の、研究に参加した第2の対象の写真を示し、図3Bは、当該製剤の使用後の第2の対象の写真を示している。にきびの減少が、本明細書において記載される製剤の塗布後に第2の対象において観察された。
【0100】
図4Aは、本明細書において記載される製剤の使用前の、研究に参加した第3の対象の写真を示し、図4Bは、当該製剤の使用後の第3の対象の写真を示している。マリオネットラインの減少及び上唇の縦溝の減少を含む皺の減少があった。第3の対象も、紅斑及び目の周りの皺の減少を経験した。
【0101】
図5Aは、本明細書において記載される製剤の使用前の、研究に参加した第4の対象の写真を示し、図5Bは、当該製剤の使用後の第4の対象の写真を示している。鱗屑及び鱗状の減少が、対象において観察された。加えて、斑点の減少及びマリオネットラインの減少も達成された。
【0102】
図6Aは、本明細書において記載される製剤の使用前の、研究に参加した第5の対象の写真を示し、図6Bは、当該製剤の使用後の第5の対象の写真を示している。前がん病変の減少が、本明細書において記載される製剤を塗布した後、3日間の使用後に、第4の対象において観察された。
【0103】
例2
第2の研究では、研究プロトコルにおいて概要が述べられた組み入れ基準全てを満たし且つ除外基準を満たさない年齢が18から74歳に及ぶ合計52名の男女の対象を研究参加者として選択した。採用は幅広く、「自然派化粧品(natural skin products)」への関心に基づいた。
【0104】
研究の概要:
- 外用剤塗布を開始する前の24時間のパッチテスト
- 各項目を0~100で採点する質問の要求を含む6つの自己評価調査
- 調査には、オープンエンドの質問及び多肢選択法も含まれた
- 研究の開始時及び終了時におけるマイクロバイオーム及びメタボロームの皮膚スワブ
- 左側、右側、及び正面の、ビフォー、中間、及びアフターの写真
- ビフォー、中間、及びアフターの写真(それぞれ3つの側)の皮膚評価をMD委員会認定の皮膚科医によって競争させた。評価方法:
(1)使用可能な写真
(2)この研究における評価を困難にし得るいかなる重篤な医学的に治療可能な(すなわち非美容的な)状態も顔の皮膚に認められないこと
(3)額の線
(4)球状のひだ
(5)目の周りの皮膚
(6)上唇の縦溝の重症度
(7)マリオネットライン
(8)口角線の重症度
(9)斑状色素沈着の重症度
(10)全体的な肌の色合い、肌の健康、及び肌の活力
(11)Glogau Wrinkleスケール
(12)紅斑(発赤)
(13)年齢推定
(14)いかなる追加的な注目すべき変化。
【0105】
本研究の参加者には、ある用量の製剤を汲み出すために使用したエアレスコンポーネントで本明細書における実施態様による外用化粧品製剤が60mL提供された。
【0106】
ポンプ装置の各作動によって、15mLから30mLの製剤が提供された。本研究の参加者には、1日2回、朝に1回、及び夕方/夜に1回、1~2回のポンプ作動を使用して製剤を塗布するプロトコルが提供された。参加者には、ある量の製剤を顔及び首に塗布するよう求めた。研究期間は15週間であった。
【0107】
統計的検定を、(各個々の自己評価スコアを自身の以前のスコアと比較する)対応のある検定(paired tests)として行った。全ての変数の正常性をチェックし、該当する場合は、ウィルコクソンの対応のある検定を使用した。
【0108】
表1は、全ての参加者に対する調査1から調査3までの、開始時点から中間時点までの調査の自己評価スコアの比較(1週と、5~6週までとの比較)を示している。
【0109】
【表1】
表2は、敏感肌の参加者のみに対する調査1から調査3までの、開始時点から中間時点までの調査の自己評価スコアの比較(1週と、5~6週までとの比較)を示している。
【0110】
【表2】
表3は、非敏感肌の参加者に対する、開始時点から中間時点までの調査の自己評価スコアの比較(1週と、5~6週までとの比較)を示している。
【0111】
【表3】
表4は、全ての参加者に対する、開始時点から終了時点(10~12週)までの調査の自己評価スコアの比較(1週と、10~12週までとの比較)を示している。
【0112】
【表4】
表5は、敏感肌の参加者に対する、開始時点から終了時点(10~12週)までの調査の自己評価スコアの比較(1週と、10~12週までとの比較)を示している。
【0113】
【表5】
表6は、非敏感肌の参加者に対する、開始時点から終了時点(10~12週)までの調査の自己評価スコアの比較(1週と、10~12週までとの比較)を示している。
【0114】
【表6】
図7Aは、本明細書において記載される製剤の使用前の、研究#2に参加した第1の対象の写真を示し、図7Bは、当該製剤の使用後の第1の対象の写真を示している。第1の対象は、本明細書において記載される製剤の使用後に色素沈着過剰の減少を経験した。
【0115】
図8Aは、本明細書において記載される製剤の使用前の、研究#2に参加した第2の対象の写真を示し、図8Bは、当該製剤の使用後の第2の対象の写真を示している。皮膚の斑点、発赤、及び色素沈着過剰の減少が、本明細書において記載される製剤の使用後に第2の対象において観察された。
【0116】
図9Aは、本明細書において記載される製剤の使用前の、研究#2に参加した第3の対象の写真を示し、図9Bは、当該製剤の使用後の第3の対象の写真を示している。第3の対象は、色素沈着過剰、発赤、及びざ瘡の減少を経験した。加えて、肌の活力の増加が観察された。
【0117】
図10Aは、本明細書において記載される製剤の使用前の、研究#2に参加した第4の対象の写真を示し、図10Bは、当該製剤の使用後の第4の対象の写真を示している。斑点及び発赤の減少が第4の対象において観察され、瘢痕の外観の改善も観察された。
【0118】
図11Aは、本明細書において記載される製剤の使用前の、研究#2に参加した第5の対象の写真を示し、図11Bは、当該製剤の使用後の第5の対象の写真を示している。色素沈着過剰及び面皰の減少が第5の対象において観察され、活力の増加も観察された。
【0119】
図12Aは、本明細書において記載される製剤の使用前の、研究#2に参加した第6の対象の写真を示し、図12Bは、当該製剤の使用後の第6の対象の写真を示している。瘢痕組織のサイズ及びその目立った状態の減少が第6の対象において観察された。
【0120】
図13Aは、本明細書において記載される製剤の使用前の、上部の創傷及び下部の瘢痕を有するさらなる対象の写真を示し、図13Bは、当該製剤の使用後のさらなる対象の写真を示している。創傷の治癒及び瘢痕の欠如がさらなる対象において観察された。
【0121】
図14は、当該製剤による治療の前後の、正常な皮膚で特徴付けられた研究#2の対象に対する多くの細菌の正規化された存在量の測定値を示している。図14は、細菌の存在量の変化を示している。よりバランスのとれた皮膚のマイクロバイオームが、当該製剤による治療後に達成され、これは、当該製剤による治療の前よりも互いに近い細菌の相対量によって示されている。
【0122】
図15は、当該製剤による治療の前後の、敏感肌で特徴付けられた研究#2の対象に対する多くの細菌の正規化された存在量の測定値を示している。図15は、細菌の存在量の変化を示している。図14及び15における細菌の正規化された存在量の違いは、敏感肌で特徴付けられた個々に対する正常な皮膚で特徴付けられた個々における皮膚のマイクロバイオームの違いを示している。
【0123】
図14及び15において示されている細菌の存在量は、以下の手順に従って決定した。
【0124】
皮膚のマイクロバイオームに対する影響を評価するために、対象に2つの15mLコニカルチューブを提供し、各チューブには、3つの顔の部位:(1)額及び頬、並びに(2)鼻の側面からサンプルを採取するために使用されることになる2つの事前に湿らせたスワブが含まれていた。1組のスワブを顔の左側から採取し、もう1組のスワブを顔の右側から採取した。サンプリングを、質量分析(MS)のために50:50エタノール/水、又は核酸分析のために50mMのTris pH7.6、1mM EDTA、及び0.5%Tween20において各部位での事前に湿らせたスワブを用いて、約10秒間、1in×1inの領域において行った。
【0125】
スワブは、対象が朝起きたとき、顔を洗う又は顔に何かを塗布する前に採取した。これらのサンプルは、研究の開始時、製剤のコースが開始され且つ使用される前、及び、研究の終了時にも採取した。
【0126】
収集後、1対のスワブ/チューブを、(質量分析のために)500μLの50:50エタノール/水、又は、細菌DNA抽出のためにTris-EDTA緩衝液(50mMのTris pH7.6、1mM EDTA、及び0.5%Tween20)において抽出した(残り2つは複製スワブ/チューブ)。次に、サンプルを-80°Cで保存した。
【0127】
エタノール/水の抽出液で抽出したスワブの第1の対又はチューブを、代謝物、ペプチド、及びタンパク質の検出のためのMALDI-TOF、及び、分子ネットワーク分析のための分子のタンデムMS(MS/MS)を含むより小さな分子の検出のためのUPLC-QTOFを含む質量分析に供した。
【0128】
収集した第2の組のスワブ(2つのスワブ複製)を、同じ場所に存在するマイクロバイオーム物質を特定するためにメタゲノムショットガンシーケンシングに供した。2つのスワブのチューブ(各チューブが2つのスワブを有する)を、研究の開始時及び終了時に収集した。
【0129】
上記の一般的な説明に記載されている活動の全てが必要であるというわけではないこと、特定の活動の一部は必要ではない可能性があること、及び記載されている活動に加えて1つ以上のさらなる活動が行われてもよいことに留意されたい。またさらに、活動が列挙されている順序は、必ずしもそれらが行われる順序であるというわけではない。
【0130】
明確にするために別々の実施態様に関連して本明細書において記載されている特定の特徴はまた、単一の実施態様において組み合わせて提供されてもよい。逆に、簡潔にするために単一の実施態様に関連して記載されている様々な特徴はまた、別々に又は任意のサブコンビネーションで提供されてもよい。さらに、範囲で記述された値の参照には、その範囲内の各々の値及び全ての値が含まれる。
【0131】
利益、他の利点、及び問題の解決策が、特定の実施態様に関して先に記載されてきた。しかし、利益、利点、問題の解決策、及び、いかなる利益、利点、又は解決策も発生させるか又はより顕著にする可能性がある任意の1つ又は複数の特徴は、特許請求の範囲の一部又は全ての重要な、必要な、又は不可欠な特徴として解釈されるべきではない。
【0132】
本明細書において記載される実施形態の仕様及び例示は、様々な実施形態の構造の一般的な理解を提供することを意図している。その仕様及び例示は、本明細書において記載される構造又は方法を使用する装置及びシステムの要素及び特徴のうち全ての網羅的且つ包括的な説明として役立つことを意図していない。別々の実施態様はまた、単一の実施態様において組み合わせて提供されてもよく、逆に、簡潔にするために単一の実施態様に関連して記載される様々な特徴はまた、別々に又は任意のサブコンビネーションで提供されてもよい。さらに、範囲で記述された値の参照には、その範囲内の各々の値及び全ての値が含まれる。多くの他の実施態様が、本明細書を読んだ後にのみ、当業者に明らかになり得る。構造的置換、論理的置換、又は別の変更を、本開示の範囲から逸脱することなく行うことができるように、他の実施態様を、本開示から使用する及び得ることができる。従って、本開示は、限定的ではなく例示的であるとみなされることになる。
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図4A
図4B
図5A
図5B
図6A
図6B
図7A
図7B
図8A
図8B
図9A
図9B
図10A
図10B
図11A
図11B
図12A
図12B
図13A
図13B
図14
図15
【国際調査報告】