(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-21
(54)【発明の名称】電柱腐食防止用安全ガード
(51)【国際特許分類】
E01F 9/669 20160101AFI20240514BHJP
E04H 12/00 20060101ALI20240514BHJP
【FI】
E01F9/669
E04H12/00 F
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023571480
(86)(22)【出願日】2022-06-29
(85)【翻訳文提出日】2023-11-20
(86)【国際出願番号】 KR2022009285
(87)【国際公開番号】W WO2023277558
(87)【国際公開日】2023-01-05
(31)【優先権主張番号】10-2021-0087351
(32)【優先日】2021-07-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0149142
(32)【優先日】2021-07-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523432782
【氏名又は名称】エスビー コリア カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】キム,ソンマン
【テーマコード(参考)】
2D064
【Fターム(参考)】
2D064AA12
2D064DA05
2D064EA01
(57)【要約】
本発明は、電柱に設置されて運転者と歩行者の安全を図ることはもとより、電信柱の腐食を遮断することのできる電柱腐食防止用安全ガードを提供するために案出されたものである。すなわち、本発明は、内周面に内向き及び外向きの湾曲部12a、12bが交互に繰り返されるサイン波形曲面12状に形成されるベースプレート部10と、前記ベースプレート部10の外側の表面に異種の色合いにて交互に繰り返し形成される識別帯部20と、前記ベースプレート部10の両方の端に形成されてフック穴32が形成されるサイドプレート部30と、前記サイドプレート部30のフック穴32に嵌入結束されるように複数のフック刃42が設けられる締結バンド40と、を備え、前記ベースプレート部10は、内向き湾曲部12aが電柱外周面に局部的に接地された状態で外向き湾曲部12bと電柱1の外周面とが離れ合って非接触通気流路12cを形成するように設けられることを特徴とする。前記電柱腐食防止用安全ガードを用いると、安全ガードと電柱との間に非接触通気流路を形成して湿気による電柱の腐食を防ぎ、有色プラスチックを用いた二重押出成形により識別帯部20を形成することから、耐候性に優れており、しかも、視認性を長期にわたって保持することができるという効果がある。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内周面に内向き及び外向きの湾曲部(12a、12b)が交互に繰り返されるサイン波形曲面(12)状に形成されるベースプレート部(10)と、
前記ベースプレート部(10)の外側の表面に異種の色合いにて交互に繰り返し形成される識別帯部(20)と、
前記ベースプレート部(10)の両方の端に形成されてフック穴(32)が形成されるサイドプレート部(30)と、
前記サイドプレート部(30)のフック穴(32)に嵌入結束されるように複数のフック刃(42)が設けられる締結バンド(40)と、
を備え、
前記ベースプレート部(10)は、内向き湾曲部(12a)が電柱外周面に局部的に接地された状態で外向き湾曲部(12b)と電柱(1)の外周面とが離れ合って非接触通気流路(12c)を形成するように設けられることを特徴とする、電柱腐食防止用安全ガード。
【請求項2】
前記識別帯部(20)は、ベースプレート部(10)の表面に重なり合うように有色プラスチックを押し出して成形され、前記ベースプレート部(10)を形成する再生プラスチックと識別帯部(20)を構成する有色プラスチックの溶融点は互いに異なり、前記ベースプレート部(10)が主押出器により所定の断面の形状に押し出されるとともに、補助押出器により識別帯部(20)がベースプレート部(10)に比べて薄い厚さに押し出されることを特徴とする、請求項1に記載の電柱腐食防止用安全ガード。
【請求項3】
前記ベースプレート部(10)と識別帯部(20)との接合面には、所定の温度以上の熱により膨張または爆発される多数の粒子(50)が分布され、押出成形の過程において前記粒子(50)を加熱して膨張または爆発させてベースプレート部(10)と識別帯部(20)の表面が物理的に結合されるように設けられることを特徴とする、請求項2に記載の電柱腐食防止用安全ガード。
【請求項4】
前記ベースプレート部(10)の表面に内凹凸ライン(14)が形成され、内凹凸ライン(14)の表面には、均一な厚さを有する識別帯部(20)が形成され、前記識別帯部(20)には、内凹凸ライン(14)と同一のパターンの外凹凸ライン(24)が形成されることを特徴とする、請求項2に記載の電柱腐食防止用安全ガード。
【請求項5】
前記サイドプレート部(30)は、内周面に凹状のアーチ状のガイド曲面(34)が形成され、前記ガイド曲面(34)は、フック穴(32)を介して引き込まれる締結バンド(40)の端部が電柱(1)に向かって撓みながら嵌入されるように誘導することを特徴とする、請求項1に記載の電柱腐食防止用安全ガード。
【請求項6】
前記締結バンド(40)は、ジョイント工具(46)により配設張力が調整され、前記ジョイント工具(46)は、締結バンド(40)の外周面に支持されるジョイント板(46a)と、ジョイント板(46a)に一方の端が連結され、他方の端は、締結バンド(40)の内周面に延びてフック刃(42)に係止結束される一対のフォーク刃(46b)と、ジョイント板(46a)に連結されるハンドル(46c)と、を備え、前記ジョイント板(46a)とフォーク刃(46b)との間に締結バンド(40)を嵌入した状態でフォーク刃(46b)にフック刃(42)を嵌合し、ハンドル(46c)を外側に引っ張ると、締結バンド(40)が引っ張られながらフック穴(32)の内部に引き込まれるように設けられることを特徴とする、請求項1に記載の電柱腐食防止用安全ガード。
【請求項7】
前記締結バンド(40)は、2分割形成されて一方の端はそれぞれサイドプレート(30)のフック穴(32)に嵌入され、他方の端は重ね合わせる重ね合わせ部(44)を形成しながらクランプ(45)により結束され、前記重ね合わせ部(44)は、互いに対応する面に係止突起(44a)が形成されて陰陽刻構造に噛み合って係止結束されるように設けられることを特徴とする、請求項1に記載の電柱腐食防止用安全ガード。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電柱腐食防止用安全ガードに関し、これをより詳述すると、電柱に設置されて運転者と歩行者の安全を図ることはもとより、電信柱の腐食を防ぐことのできる電柱腐食防止用安全ガードに関する。
【背景技術】
【0002】
通常、電柱は、電力や通信サービスを提供するために配線線路電線や電話線を施工するために地上に起立設置される支柱型構造物であって、ほとんどの場合、道路辺などのように人々の往来が頻繁に行われる個所に設置されることはもとより、コンクリートなどのような高強度の材質から成形される円筒状の支持体として形成される。
【0003】
このような電柱は、配線線路の施工及びメンテナンス作業のしやすさのために、特別の場合を除いては、道路辺に設置されて人間や周辺機器にそのまま露出され、特に、道路の屈曲個所は車両の衝突といったような危険性が常に存在しているものの、車両の衝突によるこれといった保護手段が設けられていないため、危険性を抱えているという問題があった。
【0004】
このため、従来に開示された韓国公開特許第10-2012-0033865号公報には、電柱を保護する保護装置において、互いに対称状に電柱を包み込みながら結合する一対のバンドを備える支持バンドと、硬質と軟質の混合材質からなって前記支持バンドの外側において互いに対称状をなして前記電柱を包み込みながら結合する技術が先に開示されている。
【0005】
また、他の従来の技術である韓国公開実用新案第20-2009-0007822号公報には、緩衝部と、前記緩衝部を包み込むカバー部と、前記カバー部の一方の面に接合された反射部と、を備え、切断可能な領域を挟んで互いに連結された複数の保護ユニットから作製される安全ガードが先に開示されている。
【0006】
しかしながら、前記従来の技術は、電柱を備える構造物に設置されて衝突による危険を抑えようとするものであるが、下記のような数多くの問題を抱えていた。
【0007】
まず、第一に、カバーが電柱に密着されて水膜現象によって内部に湿気が持続的に残留し、これによって、
図8aに示すように、コンクリート電柱及び鉄心が腐食されるので、電柱の強度が弱くなって倒壊されながら大きな事故につながる安全上に深刻な問題があった。
【0008】
第二に、カバーを固定するためのバンドの設置に多大な時間と労力がかかり、特に、
図8bに示すように、バンド連結部が結び目状に突出することにつれて、端部が外部に鋭く露出されて歩行者が怪我をする場合が頻繁に起こっていた。
【0009】
第三に、既存の安全ガードは、識別帯を塗料にて塗り付けるが、この場合、太陽光、雨、温度差をはじめとする外部の自然環境に長期にわたって露出されるとき、
図8cに示すように、夜光表示部、反射帯を含む外部が容易に脱色、腐食されてメンテナンスに多大なコストがかかり、予算が足りない自治体においては即座での取り替えが行われない他、周辺景観を損なうなど様々な問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】韓国公開特許第10-2012-0033865号公報
【特許文献2】韓国公開実用新案第20-2009-0007822号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、上記の従来の技術の諸問題を解決するために新たな技術を案出したものであって、廃プラスチックのリサイクル比重を極大化させてコスト節減及び環境へのやさしさを図ることができ、安全ガードと電柱との間に非接触通気流路を形成して湿気による電柱の腐食や折損の事故を防ぐことのできる電柱腐食防止用安全ガードを提供することを発明において解決しようとする課題とする。
【0012】
また、変色の防止のために有色プラスチックを用いた二重押出方式により所定の厚さを有するように識別帯部を形成し、保護帯を電柱に設置するときに、締結バンドをフック刃とフック穴との係止結束により結び目なしに設置することのできる電柱腐食防止用安全ガードを提供することにその目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記の発明の課題を解決するための具体的な手段として、本発明においては、電柱腐食防止用安全ガードを構成するが、内周面に内向き及び外向きの湾曲部12a、12bが交互に繰り返されるサイン波形曲面12状に形成されるベースプレート部10と、前記ベースプレート部10の外側の表面に異種の色合いにて交互に繰り返し形成される識別帯部20と、前記ベースプレート部10の両方の端に形成されてフック穴32が形成されるサイドプレート部30と、前記サイドプレート部30のフック穴32に嵌入結束されるように複数のフック刃42が設けられる締結バンド40と、を備え、前記ベースプレート部10は、内向き湾曲部12aが電柱外周面に局部的に接地された状態で外向き湾曲部12bと電柱1の外周面とが離れ合って非接触通気流路12cを形成するように設けられることを特徴とする。
【0014】
このとき、前記識別帯部20は、ベースプレート部10の表面に重なり合うように有色プラスチックを押し出して成形され、前記ベースプレート部10を形成する再生プラスチックと識別帯部20を構成する有色プラスチックの溶融点は互いに異なり、前記ベースプレート部10が主押出器により所定の断面の形状に押し出されるとともに、補助押出器により識別帯部20がベースプレート部10に比べて薄い厚さに押し出されることを特徴とする。
【0015】
また、前記ベースプレート部10と識別帯部20との接合面には、所定の温度以上の熱により膨張または爆発される多数の粒子50が分布され、押出成形の過程において前記粒子50を加熱して膨張または爆発させてベースプレート部10と識別帯部20の表面が物理的に結合されるように設けられることを特徴とする。
【0016】
さらに、前記ベースプレート部10の表面に内凹凸ライン14が形成され、内凹凸ライン14の表面には、均一な厚さを有する識別帯部20が形成され、前記識別帯部20には、内凹凸ライン14と同一のパターンの外凹凸ライン24が形成されることを特徴とする。
【0017】
さらにまた、前記サイドプレート部30は、内周面に凹状のアーチ状のガイド曲面34が形成され、前記ガイド曲面34は、フック穴32を介して引き込まれる締結バンド40が電柱1に向かって折り曲げられて搬送されるように案内することを特徴とする。
【0018】
さらにまた、前記締結バンド40は、ジョイント工具46により配設張力が調整され、前記ジョイント工具46は、締結バンド40の外周面に支持されるジョイント板46aと、ジョイント板46aに一方の端が連結され、他方の端は、締結バンド40の内周面に延びてフック刃42に係止結束される一対のフォーク刃46bと、ジョイント板46aに連結されるハンドル46cと、を備えることを特徴とする。
【0019】
さらにまた、前記締結バンド40は、2分割形成されて一方の端はそれぞれサイドプレート部30のフック穴32に嵌入され、他方の端は重ね合わせる重ね合わせ部44を形成しながらクランプ45により結束され、前記重ね合わせ部44は、互いに対応する面に係止突起44aが形成されて陰陽刻構造に噛み合って係止結束されるように設けられることを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
上述した課題の解決のための具体的な手段によれば、本発明は、廃プラスチックのリサイクル比重を極大させてコストの節減が図れることはもとより、環境にやさしい。
【0021】
また、安全ガードと電柱との間に非接触通気流路を形成して湿気による電柱の腐食や折損の事故を予防することができる。
【0022】
さらに、有色プラスチックを用いた二重押出成形により識別帯部が所定の厚さを有するように形成されることから、摩耗による視認性の不良がなく、耐候性に非常に優れていることから、長期にわたって鮮やかな視認性を保持することができる。
【0023】
特に、締結バンドがフック刃とフック穴との係止結束により結び目なしに設置されて関係者の他には結束の解除を行い難く、歩行者が移動の最中に突出した結び目により怪我をするなどの安全事故を予め予防することができるなどその期待される効果が多大である。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本発明において提供する電柱腐食防止用安全ガードの好ましい一実施形態を示す図。
【
図2】本発明の電柱腐食防止用安全ガードが電柱に設置された状態を示す図。
【
図3】電柱腐食防止用安全ガードのベースプレート部と識別帯部との接合状態を示す図。
【
図4】電柱腐食防止用安全ガードの識別帯部の拡大図。
【
図5】電柱腐食防止用安全ガードの締結バンドの結束構造を示す図。
【
図6】安全ガードの締結バンド用ジョイント工具を示す図。
【
図7】安全ガードの締結バンドのクランプを示す図。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本明細書中において用いられる技術用語は、実施形態における機能を考慮して選択された用語であって、その用語の意味は、発明の具体的な実施形態によって異なってくる可能性がある。そして、明細書の全般に亘って、ある部分が他の部分と「連結(接続、接触、結合)」されているとしたとき、これは、「直接的に連結(接続、接触、結合)」されている場合のみならず、これらの間に他の部材を挟んで「間接的に連結」されている場合も含む。なお、下記の説明において用いられた用語の「上側」、「下側」、及び「前後方向」などは、図面を基準として定義したものであり、これらの用語によって各構成要素の形状及び位置が制限されることはない。
【0026】
以下、添付図面の具体的な実施形態に基づいて、本発明をさらに詳述する。
図1は、本発明において提供する電柱腐食防止用安全ガード(セーフティガード)の好ましい一実施形態を示す図であり、
図2は、電柱腐食防止用安全ガードが電柱に設置された状態を示す平面図である。
【0027】
本発明は、廃プラスチックのリサイクル比重を極大化させてコストの節減及び環境へのやさしさを図ることができ、安全ガードと電柱との間に非接触通気流路を形成して湿気による電柱の腐食や折損の事故を防ぐことのできる電柱腐食防止用安全ガードに関するものであり、主な構成要素として、大きく、ベースプレート部10と、識別帯部20と、サイドプレート部30及び締結バンド40を備える。
【0028】
まず、本発明によるベースプレート部10は、所定の断面形状を有するように押出成形され、電柱の長さ及び設置位置や環境を考慮して所定の長さに切断して用いられる。
【0029】
前記ベースプレート部10の内周面が、内向き及び外向きの湾曲部12a、12bが交互に繰り返されるサイン波形曲面12状に形成される。したがって、電柱1を包み込むように設置するとき、
図2の拡大図に示されるように、サイン波形曲面12により非接触通気流路12cを形成する。
【0030】
このとき、円滑な排水のために、前記非接触通気流路12cの平断面上の高さは0.2mm以上となるサイン波形曲面12を形成する。
【0031】
上記のような構造により、ベースプレート部10は、内向き湾曲部12aが電柱の外周面に局部的に接地された状態で、外向き湾曲部12bと電柱1の外周面とが0.2mm以上離れ合う非接触通気流路12cを形成することになり、これにより、雨天時に、雨水が非接触通気流路12cに速やかに排出されるとともに、空気の循環が容易に行われるので、ベースプレート部10と電柱1とが常に乾いた状態に保持されることにより、湿気による電柱1の腐食及び折損の事故が防がれる。
【0032】
前記ベースプレート部10は、再生プラスチックを押出成形して形成され、ベースプレート部10の表面に重なり合うように有色プラスチックを押出成形して識別帯部20を形成する。
【0033】
本発明による識別帯部20は、運転者の識別し易さのために、ベースプレート部10の表面に異種系の色合いにより交互に繰り返し形成される。
【0034】
一例を挙げると、前記識別帯部20は、
図1に示すように、黄色領域と黒色領域とが交互に繰り返配置された状態で形成され、このとき、黒色領域に比べて黄色領域が狭い幅に形成(例えば、黒色領域70~80mm、黄色領域40~60mm)され、最も中心部に位置している黄色領域に危険報知文句がスクリーン印刷され、それと隣り合う黄色領域に反射紙が貼り付けられて昼間及び夜間の運転の際に運転者の識別性を高めるようにする。
【0035】
一方、前記ベースプレート部10が主押出器により所定の断面の形状に押し出されるとともに、補助押出器により識別帯部20がベースプレート部10に比べて薄い厚さに押し出されるため、多重押出方式により安全ガードが製造される。
【0036】
このとき、前記ベースプレート部10を形成する再生プラスチックと識別帯部20を構成する有色プラスチックの溶融点は互いに異なり、有色プラスチックにおいても黄色領域と黒色領域のプラスチックの溶融点も互いに異なる。一例を挙げると、有色プラスチックの溶融点の方がさらに低く設定されてもよい。
【0037】
前記樹脂の溶融点が互いに同じである場合、黄色領域と黒色領域との境目が不明であるか、あるいは、ベースプレート部10に積層される識別帯部20の厚さが一様にならない虞がある。
【0038】
図3は、本発明の一実施形態による電柱腐食防止用安全ガードのベースプレート部と識別帯部との接合状態を示す構成図であって、前記ベースプレート部10と識別帯部20との接合面には、所定の温度以上の熱により膨張または爆発される多数の粒子50が分布する。
【0039】
前記ベースプレート部10と識別帯部20を押出成形する最中に粒子50を加熱・爆発させてベースプレート部10と識別帯部20の表面とが物理的に結合されるように設けられ、これに伴い、異種の素材の間に二重押出物の一体性が強固に保持されるのである。
【0040】
このように、前記識別帯部20がベースプレート部10の上に二重押出成形されるとともに、識別帯部20が有色プラスチック(pvc)により所定の厚さ(0.2~0.4mm)を有するように形成されるので、摩耗による視認性の不良がない。また、太陽光、雪、雨、温度差をはじめとする外部の自然環境に長期にわたって露出されるとしても、変色、脱色の現象がないので、耐候性に優れており、したがって、常に鮮やかな視野が確保されて安全運転を図ることができるというメリットがある。また、前記ベースプレート部10を再生プラスチック(廃プラスチック)から形成することから、自然のリサイクルにより製造コストの節減はもとより、廃棄物のリサイクルによりカーボンニュートラル政策に寄与することができるという環境にやさしい効果がある。
【0041】
図4は、電柱腐食防止用安全ガードの識別帯部を拡大して示す構成図であって、
図4aは、識別帯部20の黒色領域を示す構成図であり、
図4bは、識別帯部20の黄色領域を示す構成図である。
【0042】
前記ベースプレート部10の表面に内凹凸ライン14が形成され、内凹凸ライン14の表面に識別帯部20が形成される。このとき、識別帯部20は、均一の厚さに形成されることにより、識別帯部20の表面には、外凹凸ライン24が形成される。
【0043】
すなわち、前記ベースプレート部10を押出する過程において押出器金型により表面に内凹凸ライン14を形成し、次いで、内凹凸ライン14の表面に識別帯部20が押し出されながら、内凹凸ライン14と同一の形状及びパターンの外凹凸ライン24が形成される。
【0044】
このような構成の内・外凹凸ライン14、24によってベースプレート部10を電柱1に巻き付けて設置するとき、円形状に形状変形される柔軟性が向上するとともに、表面にチラシをはじめとする不法貼着物の貼着面積が狭まって引き剥がし易いというメリットがある。
【0045】
図5は、本発明の一実施形態による電柱腐食防止用安全ガードの締結バンドの結束構造を示す構成図である。
【0046】
本発明によるサイドプレート部30は、前記ベースプレート部10の両方の端に形成され、それぞれにはフック穴32が形成される。サイドプレート部30の外周面には、所定の色合いをもった識別帯部20が二重射出方式により形成可能である。
【0047】
前記サイドプレート部30は、
図5に示されるように、平断面視にて、内周面に凹状のアーチ状のガイド曲面34が形成され、外側面も外部への突出量が最小限に抑えられるように全体として湾曲した形状を呈する。前記ガイド曲面34は、フック穴32を介して引き込まれる締結バンド40の端部が電柱1に向かって折り曲げられて搬送されるように案内する。
【0048】
これにより、前記締結バンド40がサイドプレート部30のガイド曲面34に乗って内側に撓みながら引っかかることなく速やかに嵌入されるように誘導されて締結作業が効果的に行われ、かつ、締結バンド40がフック穴32の内側に密着されて、フック刃42とフック穴32との結束力が強固に保持されることが可能になる。
【0049】
本発明による締結バンド40は、柔軟さと弾性を有する合成樹脂材質から形成され、前記サイドプレート部30のフック穴32に嵌入・結束されるように一方の面に複数のフック刃42が斜めに突設される。
【0050】
前記フック刃42は、
図1に示されるように、締結バンド40の両側の領域に互いに逆方向に形成される。すなわち、締結バンド40の両終端に配置されるフック刃42は、締結バンドとなす角度が鋭角になるように形成されて、一方のフック刃42をサイドプレート部30のフック穴32に締結した状態で、他方の締結バンド40を反対側のサイドプレート部30のフック穴32に嵌入して締結するように設けられる。
【0051】
このように、前記締結バンド40をフック刃42とフック穴32との係止結束により結び目なしに安全ガードを支柱に強固に設置することができ、締結部が外部に露出されないことから、関係者以外には結束の解除を行うことができない。
【0052】
また、既存の金属結び目が外部に突出して見栄えを悪くして歩行者が移動の最中にけがをするなどの安全事故を予め予防することができるというメリットがある。
【0053】
図6は、安全ガードのジョイント工具を示す構成図であって、安全ガードが電柱に強固に締結できるように締結バンド40の張力を容易に調整するために用いられる。
【0054】
具体的には、前記ジョイント工具46は、締結バンド40の外周面に支持されるジョイント板46aと、ジョイント板46aに一方の端が連結され、他方の端は締結バンド40の内周面に延びてフック刃42に係止結束される一対のフォーク刃46bと、ジョイント板46aに連結されるハンドル46cと、を備える構成となっている。
【0055】
使用に際して、締結バンド40を引っ張る力を向上させるように、前記ハンドル46cは、ジョイント板46aに一直線の上に配置されずに交差するように形成する。
【0056】
使用状態を調べてみると、前記ジョイント板46aとフォーク刃46bとの間に締結バンド40を嵌入した状態でフォーク刃46bにフック刃42を嵌合し、ハンドル46cを図示の矢印の方向である外側に引っ張ると、てこの原理により締結バンド40が手軽に引っ張られてフック穴32の内部に手軽に入り込ませることが可能になり、したがって、安全ガードを電柱に緩みなく強固な状態で締結することができる。
【0057】
図7は、本発明の電柱腐食防止用安全ガードにおいて、締結バンドクランプの実施形態を示す構成図である。
【0058】
この場合、締結バンド40は、2分割形成されて、それぞれ一方の端はサイドプレート部30のフック穴32に嵌入され、他方の端は重なり合う重ね合わせ部44を形成しながらクランプ45により結束される。
【0059】
そして、前記重ね合わせ部44の互いに対応する面に係止突起44aが形成されて陰陽刻構造に噛み合って係止結束されるように設けられる。
【0060】
このとき、前記クランプ45は、重ね合わせ部44をすべて収容可能な孔が貫通され、一方の側にねじ式により締結される締め付けボルトが設けられることにより、重ね合わせ部44をクランプ45に嵌入した状態で、締め付けボルトを締結して重なり合わせ部44を密着させると、係止突起44aが噛み合って強固な結束状態を保持することになる。
【0061】
以上述べたように、本発明の詳細な説明の欄においては、本発明の最も好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれに何ら限定されるものではなく、本発明の技術範囲を逸脱しない範囲内においては、種々の変形実施も行うことが可能であるといえる。よって、本発明の保護範囲は、前記実施形態に限定して定められるものではなく、後述する特許請求の範囲の技術とこれらの技術から均等な技術手段にまで保護範囲が認められるべきである。
【産業上の利用可能性】
【0062】
本発明において提供する安全ガードは、安全ガードと電柱との間に非接触通気流路を形成して湿気による電柱の腐食や折損の事故を防ぐことができ、優れた耐候性と視認性を提供することができて産業上の利用可能性が非常に高い。
【国際調査報告】