IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ エアー カンパニー ホールディングス インコーポレイテッドの特許一覧

特表2024-519843アルコールの選択的アップグレードの方法及び装置
<>
  • 特表-アルコールの選択的アップグレードの方法及び装置 図1
  • 特表-アルコールの選択的アップグレードの方法及び装置 図2A
  • 特表-アルコールの選択的アップグレードの方法及び装置 図2B
  • 特表-アルコールの選択的アップグレードの方法及び装置 図2C
  • 特表-アルコールの選択的アップグレードの方法及び装置 図3
  • 特表-アルコールの選択的アップグレードの方法及び装置 図4
  • 特表-アルコールの選択的アップグレードの方法及び装置 図5
  • 特表-アルコールの選択的アップグレードの方法及び装置 図6
  • 特表-アルコールの選択的アップグレードの方法及び装置 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-21
(54)【発明の名称】アルコールの選択的アップグレードの方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   C07C 29/15 20060101AFI20240514BHJP
   C07C 31/08 20060101ALI20240514BHJP
   C10G 3/00 20060101ALI20240514BHJP
   B01J 23/80 20060101ALI20240514BHJP
   B01J 29/85 20060101ALI20240514BHJP
   B01J 29/40 20060101ALI20240514BHJP
   B01J 27/125 20060101ALI20240514BHJP
   B01J 27/182 20060101ALI20240514BHJP
   B01J 35/45 20240101ALI20240514BHJP
   B01J 35/60 20240101ALI20240514BHJP
   B01J 35/40 20240101ALI20240514BHJP
   B01J 35/61 20240101ALI20240514BHJP
【FI】
C07C29/15
C07C31/08
C10G3/00
B01J23/80 M
B01J29/85 Z
B01J29/40 M
B01J29/40 Z
B01J27/125 Z
B01J27/182 Z
B01J35/45
B01J35/60 G
B01J35/40
B01J35/61
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023571494
(86)(22)【出願日】2022-05-18
(85)【翻訳文提出日】2024-01-16
(86)【国際出願番号】 US2022029834
(87)【国際公開番号】W WO2022245944
(87)【国際公開日】2022-11-24
(31)【優先権主張番号】63/189,826
(32)【優先日】2021-05-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 刊行物(論文)「1メートルトン規模でのCO▲2▼及びH▲2▼からのアルコール及びパラフィンの一段階の製造」、ACS Energy Letters、第7巻、988-992頁
(71)【出願人】
【識別番号】522058693
【氏名又は名称】エアー カンパニー ホールディングス インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Air Company Holdings, Inc.
【住所又は居所原語表記】407 Johnson Avenue, Brooklyn, New York 11206, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シーハン,スタフォード ダブリュ.
(72)【発明者】
【氏名】チェン,チー
(72)【発明者】
【氏名】シュタインケ,ニコラス ジェイ.
【テーマコード(参考)】
4G169
4H006
4H129
【Fターム(参考)】
4G169AA02
4G169AA03
4G169BA01A
4G169BA01B
4G169BA02B
4G169BA04A
4G169BA05A
4G169BA06A
4G169BA07A
4G169BA07B
4G169BA08A
4G169BB02A
4G169BB04B
4G169BB08A
4G169BB08B
4G169BB11A
4G169BC01A
4G169BC02A
4G169BC03A
4G169BC06A
4G169BC16A
4G169BC16B
4G169BC22A
4G169BC30A
4G169BC31A
4G169BC31B
4G169BC32A
4G169BC35A
4G169BC35B
4G169BC40A
4G169BC42A
4G169BC43A
4G169BC51A
4G169BC53A
4G169BC55A
4G169BC57A
4G169BC59A
4G169BC61A
4G169BC62A
4G169BC65A
4G169BC66A
4G169BC67A
4G169BC68A
4G169BC69A
4G169BC70A
4G169BC71A
4G169BC72A
4G169BC74A
4G169BC75A
4G169BD05A
4G169BD06A
4G169BD07B
4G169BD08A
4G169BD09A
4G169BD12A
4G169BD12B
4G169BD15A
4G169CB22
4G169CB41
4G169CB47
4G169CB63
4G169CB70
4G169DA06
4G169DA08
4G169EA02Y
4G169EB14Y
4G169EB19
4G169EC02X
4G169EC03X
4G169EC04X
4G169EC06X
4G169EC07X
4G169EC08X
4G169FB44
4G169FB77
4G169FC08
4G169ZA11A
4G169ZA11B
4G169ZA12A
4G169ZA13A
4G169ZA14B
4G169ZA16A
4G169ZA41B
4H006AA02
4H006AC41
4H006BD70
4H006BD84
4H006BE41
4H006BN10
4H129AA01
4H129BA12
4H129BB06
4H129BB07
4H129BC42
4H129BC44
4H129KA14
4H129KA15
4H129KC01X
4H129KC02X
4H129KC03X
4H129KC03Y
4H129KC04X
4H129KC05X
4H129KC07X
4H129KC13X
4H129KC16X
4H129KC16Y
4H129KC17X
4H129KC21X
4H129KC21Y
4H129KC23X
4H129KD02X
4H129KD03X
4H129KD04X
4H129KD08X
4H129KD10X
4H129KD11X
4H129KD15X
4H129KD17X
4H129KD19X
4H129KD21X
4H129KD22X
4H129KD24X
4H129KD25X
4H129KD26X
4H129KD27X
4H129KD28X
4H129KD29X
4H129KD30X
4H129NA23
4H129NA25
4H129NA37
(57)【要約】
多炭素製品を製造するために、二酸化炭素を利用する方法が開示される。本開示のシステム及び方法は、CO2を還元して、1種以上のアルコールを含むアルコール生成物混合物、及び1種以上のパラフィンを含むパラフィン生成物混合物を含む第1の生成物混合物を生成するステップ、アルコール生成物混合物を脱水して、1種以上のオレフィンを含むオレフィン生成物混合物を形成するステップ、オレフィン生成物混合物をオリゴマー化して、不飽和パラフィン及び場合により芳香族化合物を含む高級オレフィン生成物混合物を形成するステップ、並びに高級オレフィン生成物混合物を還元して、不飽和パラフィン及び場合により芳香族化合物を含む高級炭化水素生成物混合物を形成するステップを含む。エタノール又はジェット燃料の範囲の炭化水素に関する収率を最適化する、個々のステップに関する触媒物質及び反応条件が開示される。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アルコール又は炭化水素を製造するためのシステムであって、
CO2及び還元ガスを含む第1のガス混合物を、1種以上のアルコールを含むアルコール生成物混合物、及び場合により、1種以上のパラフィンを含むパラフィン生成物混合物を含む第1の生成物混合物に変換するためのCO2還元反応器であり、第1の触媒を含む、CO2還元反応器、
アルコール生成物混合物を脱水して1種以上のオレフィンを含むオレフィン生成物混合物にするためのATO反応器であり、第2の触媒を含む、ATO反応器、
オレフィン生成物混合物を、不飽和パラフィン及び場合により芳香族化合物を含む高級オレフィン生成物混合物へとオリゴマー化するためのオリゴマー化反応器であり、第3の触媒を含む、オリゴマー化反応器、並びに
高級オレフィン生成物混合物を、不飽和パラフィンを含む高級炭化水素生成物混合物に還元するためのオレフィン還元反応器であり、第5の触媒を含む、オレフィン還元反応器
を備える、システム。
【請求項2】
第1の触媒が、白金、パラジウム、銅、コバルト、亜鉛、セレン、ロジウム、鉄、モリブデン、硫黄、酸素、又はそれらの合金若しくは化合物を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
第1の触媒が、場合によりアルミナ担体に担持されている、CuZn、CuZnFeK、CuZnFeKC、CuZnFeAlK、CuZnFeNa、CuZnFeCoK、CuZnFeCoNaK、CuCoAl、CoMoSK、CuZnK、CuCoMn、RhRu、PdCuFe、Rh又はRhFeSiを含むナノ粒子を含む、請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項4】
第1の触媒が、場合によりアルミナ担体に担持されているCoMoSKを含むナノ粒子を含む、請求項1から3のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項5】
第1の触媒が以下:
モリブデン
第V、VI、VII、VIII、IX、X及びXI族金属(例えば、銀、コバルト、ニッケル、銅、ロジウム、ルテニウム、イリジウム、パラジウム、ニオブ及びマンガン)から選択される1種以上の第1の元素
硫黄、炭素、酸素、リン、窒素及びセレンから選択される1種以上の第2の元素、並びに
場合により1種以上の第IA族金属
を含み、
モリブデンが、1種以上の第1の元素、モリブデン、1種以上の第2の元素及び第IA族金属の総量の10~50重量%の量で存在する、
請求項1に記載のシステムシステム。
【請求項6】
1種以上の第1の元素が、銀、コバルト、ニッケル、銅、ロジウム、ルテニウム、イリジウム、パラジウム、ニオブ又はマンガンを含む、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
1種以上の第1の元素がコバルトを含む、請求項5又は6に記載のシステム。
【請求項8】
1種以上の第1の元素がニッケルを含む、請求項5から7のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項9】
1種以上の第1の元素が銀を含む、請求項5から8のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項10】
1種以上の第1の元素が銅を含む、請求項5から9のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項11】
1種以上の第1の元素がニオブを含む、請求項5から10のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項12】
1種以上の第1の元素がマンガンを含む、請求項5から11のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項13】
第1の触媒が、1種以上の第1の元素を、モリブデンに対し約0.15~約2のモル比で含む、請求項5から12のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項14】
第1の触媒が、コバルトを、モリブデンに対し約0.15~約2のモル比で含む、請求項5から13のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項15】
第1の触媒が、コバルトを、モリブデンに対し約0.29のモル比で含む、請求項5から14のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項16】
第1の触媒が、ニッケルを、モリブデンに対し約0.15~約2のモル比で含む、請求項5から15のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項17】
第1の触媒が、ニッケルを、モリブデンに対し約0.36のモル比で含む、請求項5から16のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項18】
第1の触媒が、銀を、モリブデンに対し約0.15~約2のモル比で含む、請求項5から17のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項19】
第1の触媒が、銀を、モリブデンに対し約1のモル比で含む、請求項5から18のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項20】
第1の触媒が1種以上の第IA族金属を含む、請求項5から19のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項21】
1種以上の第IA族金属がカリウムを含む、請求項20に記載のシステム。
【請求項22】
1種以上の第IA族金属がナトリウムを含む、請求項20に記載のシステム。
【請求項23】
1種以上の第IA族金属がセシウムを含む、請求項20に記載のシステム。
【請求項24】
第1の触媒が1種以上の第IA族金属を、モリブデンに対し約0.10~約0.50のモル比で含む、請求項20から23のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項25】
第1の触媒が1種以上の第IA族金属を、モリブデンに対し約0.44のモル比で含む、請求項24に記載のシステム。
【請求項26】
1種以上の第IA族金属がカリウムを含む、請求項24又は25に記載のシステム。
【請求項27】
第1の触媒が1種以上の第2の元素を、モリブデンに対し約0.3~約3.25のモル比で含む、請求項15から26のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項28】
第1の触媒が、1種以上の第2の元素を、モリブデンに対し約3~約3.25のモル比で含む、請求項27に記載のシステム。
【請求項29】
第1の触媒が、1種以上の第2の元素を、モリブデンに対し約2.5~約3.25のモル比で含む、請求項27に記載のシステム。
【請求項30】
1種以上の第2の元素が硫黄を含む、請求項5から29のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項31】
1種以上の第2の元素が炭素を含む、請求項5から30のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項32】
第1の触媒が、硫黄を、モリブデンに対し約3.25のモル比で含む、請求項30に記載のシステム。
【請求項33】
第1の触媒が、銀、モリブデン、硫黄及び第IA族金属を含む、請求項5に記載のシステム。
【請求項34】
第1の触媒が以下:
モリブデン
モリブデンに対し約1のモル比の銀、
モリブデンに対し約3のモル比の硫黄、及び
モリブデンに対し約0.4のモル比の第IA族
を含む、請求項33に記載のシステム。
【請求項35】
第1の触媒が、ニッケル、コバルト、モリブデン、硫黄及び第IA族金属を含む、請求項5に記載のシステム。
【請求項36】
第1の触媒が以下:
モリブデン
モリブデンに対し約0.36のモル比のニッケル、
モリブデンに対し約0.29のモル比のコバルト、
モリブデンに対し約3.25のモル比の硫黄、及び
モリブデンに対し約0.44のモル比の第IA族
を含む、請求項35に記載のシステム。
【請求項37】
第1の触媒が、ニオブ、コバルト、モリブデン、硫黄及び第IA族金属を含む、請求項5に記載のシステム。
【請求項38】
第1の触媒が以下:
モリブデンに対し約0.12のモル比のニオブ、
モリブデンに対し約0.6のモル比のコバルト、
モリブデンに対し約3.25のモル比の硫黄、及び
モリブデンに対し約0.4のモル比の第IA族
を含む、請求項37に記載のシステム。
【請求項39】
第1の触媒が以下:

亜鉛
コバルト、ニッケル又は鉄から選択される1種以上の第1の元素
アルミニウム
酸素
場合により、第V、VI、VII、VIII、IX、X及びXI族金属(例えば、マンガン、銀、ニオブ、ジルコニウム、モリブデン、ルテニウム又はパラジウム)から選択される1種以上の第2の元素、並びに
場合により1種以上の第IA族金属
を含み、
コバルトが、銅、亜鉛、コバルト、任意選択の第1の元素及び任意選択の第IA族金属の総量の約10~約40重量%(例えば、約25~約40重量%、約30~約40重量%又は約35~約40重量%)の量で存在する、請求項1に記載のシステムシステム。
【請求項40】
第1の触媒が1種以上の第2の元素を含む、請求項39に記載のシステム。
【請求項41】
1種以上の第1の元素が鉄を含む、請求項39又は40に記載のシステム。
【請求項42】
1種以上の第1の元素がニッケルを含む、請求項39から41のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項43】
1種以上の第2の元素がマンガンを含む、請求項39から42のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項44】
1種以上の第2の元素がジルコニウムを含む、請求項39から43のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項45】
1種以上の第2の元素がニオブを含む、請求項39から44のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項46】
1種以上の第2の元素がモリブデンを含む、請求項39から45のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項47】
第1の触媒が、銅を、第1の元素に対し約1~約3のモル比で含む、請求項39から46のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項48】
第1の触媒が、銅を、第1の元素に対し約2~約2.5のモル比で含む、請求項39から47のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項49】
第1の触媒が、亜鉛を、第1の元素に対し約0.5~約1.5のモル比で含む、請求項39から48のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項50】
第1の触媒が、鉄を、第1の元素に対し約0.5~約1.5のモル比で含む、請求項39から49のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項51】
第1の触媒が、アルミニウムを、第1の元素に対し約0.4~約2.1のモル比で含む、請求項39から50のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項52】
第1の触媒が、アルミニウムを、第1の元素に対し約0.5~約1のモル比で含む、請求項39から51のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項53】
第1の触媒が1種以上の第IA族金属を含む、請求項39から52のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項54】
1種以上の第IA族金属がカリウムを含む、請求項53に記載のシステム。
【請求項55】
1種以上の第IA族金属がナトリウムを含む、請求項53に記載のシステム。
【請求項56】
1種以上の第IA族金属がセシウムを含む、請求項53に記載のシステム。
【請求項57】
第1の触媒が1種以上の第IA族金属を、第1の元素に対し約0.05~約0.5のモル比で含む、請求項53から56のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項58】
第1の触媒が、1種以上の第IA族金属を第1の元素に対し約0.15のモル比で含む、請求項57に記載のシステム。
【請求項59】
第1の触媒が酸化亜鉛を含む、請求項39から58のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項60】
第1の触媒が酸化銅を含む、請求項39から59のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項61】
第1の触媒が酸化コバルトを含む、請求項39から60のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項62】
第1の触媒がアルミナを含む、請求項39から61のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項63】
第1の触媒が、コバルト、銅、酸化亜鉛及びアルミナを含む、請求項39に記載のシステム。
【請求項64】
第1の触媒が以下:
コバルトに対し約2.5のモル比の銅、
コバルトに対し約1のモル比の酸化亜鉛、及び
コバルトに対し約0.35のモル比のアルミナ
を含む、請求項63に記載のシステム。
【請求項65】
第1の触媒が、コバルト、銅、酸化亜鉛、アルミナ及び第IA族金属を含む、請求項39に記載のシステム。
【請求項66】
第1の触媒が以下:
コバルトに対し約2.5のモル比の銅、
コバルトに対し約1のモル比の酸化亜鉛、
コバルトに対し約0.35のモル比のアルミナ、及び
コバルトに対し約0.1のモル比の第IA族金属
を含む、請求項65に記載のシステム。
【請求項67】
第1の触媒が、コバルト、鉄、銅、酸化亜鉛、アルミナ及び第IA族金属を含む、請求項39に記載のシステム。
【請求項68】
第1の触媒が以下:
コバルトに対し約1のモル比の銅、
コバルトに対し約1のモル比の鉄、
コバルトに対し約1のモル比の酸化亜鉛、
コバルトに対し約0.35のモル比のアルミナ、及び
コバルトに対し約0.1のモル比の第IA族金属、
を含む、請求項67に記載のシステム。
【請求項69】
第1の触媒が担体をさらに含む、請求項5から68のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項70】
担体が、アルミニウム、ケイ素、チタン、ジルコニウム、セリウム、マグネシウム、イットリウム、ランタン、亜鉛及びスズから選択される元素の酸化物、窒化物、フッ化物又はケイ酸塩から選択される1種以上の物質を含む、請求項69に記載のシステム。
【請求項71】
担体がγ-アルミナを含む、請求項69又は70に記載のシステム。
【請求項72】
担体が1種以上の炭素系材料を含む、請求項69に記載のシステム。
【請求項73】
炭素系材料が、活性炭、カーボンナノチューブ、グラフェン及び酸化グラフェンから選択される、請求項72に記載のシステム。
【請求項74】
担体がメソ多孔性材料である、請求項69から73のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項75】
担体が約0.01~約3.0cc/gのメソ細孔体積を有する、請求項74に記載のシステム。
【請求項76】
担体が、約10m2/g~約1000m2/gの表面積を有する、請求項69から75のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項77】
第1の触媒が、約20nm~約5μmの平均サイズを有する粒子の形態にある、請求項69から76のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項78】
第1の触媒が、約50nm~約1μmの平均サイズを有する粒子の形態にある、請求項69から77のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項79】
第1の触媒が、約100nm~約500nmの平均サイズを有する粒子の形態にある、請求項69から77のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項80】
第1の触媒が、約50nm~約300nmの平均サイズを有する粒子の形態にある、請求項69から77のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項81】
還元ガスが、H2若しくは炭化水素であるか、又はフレアガス、排ガス若しくは天然ガスであるか、又はこれらから生じる、請求項1から80のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項82】
還元ガスがH2である、請求項81に記載のシステム。
【請求項83】
還元ガスが、炭化水素、例えばCH4、エタン、プロパン又はブタンである、請求項81に記載のシステム。
【請求項84】
還元ガスが、フレアガス、排ガス若しくは天然ガスであるか、又はこれらから生じる、請求項81に記載のシステム。
【請求項85】
還元ガスがCH4である、請求項81に記載のシステム。
【請求項86】
第1のガス混合物中の還元ガス:CO2のモル比が、約10:1~約1:10である、請求項1から85のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項87】
第1のガス混合物中の還元ガス:CO2のモル比が、約5:1~約0.5:1である、請求項81から88のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項88】
第1の生成物混合物が、メタノール、エタノール及びn-プロパノールを含む、請求項1から87のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項89】
エタノールの量が、第1の生成物混合物の総量の少なくとも10重量%である、請求項88に記載のシステム。
【請求項90】
液体生成物混合物中のメタノール及びn-プロパノールの総量に対するエタノールのモル比が、約1:5~約1:10である、請求項1から89のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項91】
第1の生成物混合物が10ppm未満のギ酸を含む、請求項1から90のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項92】
第1の生成物混合物が10ppm未満のイソプロパノールを含む、請求項1から91のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項93】
水及び場合により共溶媒中の亜鉛錯体の溶液を含む二酸化炭素捕捉のための装置をさらに備え、亜鉛錯体が亜鉛に配位した少なくとも1つの配位子を含む、請求項1から92のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項94】
少なくとも1つの配位子が、少なくともκ2様式で、亜鉛に配位した二座、三座、四座、五座、六座、七座又は八座配位子である、請求項93に記載のシステム。
【請求項95】
少なくとも1つの配位子が、サイクレン配位子でもポルフィリン配位子でもない、請求項93又は94に記載のシステム。
【請求項96】
亜鉛錯体が、式:
(L1)nZn(L2)m
(式中、
L1はそれぞれ、少なくともκ2様式で、Znに配位した二座、三座、四座、五座、六座、七座又は八座配位子であり、
L1はそれぞれ、O又はNから選択される少なくとも1つのドナーヘテロ原子を介してZnに結合しており、
L1はそれぞれ、モノ、ジ、トリ、テトラ、ペンタ又はヘキサ陰イオン性であり、
L2はそれぞれ、-OH又は-OH2から選択され、
nは、1又は2であり、
mは、0又は1である)
を有する、請求項93から95のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項97】
錯体が水溶性であり、錯体が塩基性条件下で安定である、請求項96に記載のシステム。
【請求項98】
亜鉛錯体が、陽イオンをさらに含み、錯体が、式:
[{(L1)nZn(L2)m}w]z[Ay]x
(式中、
zは、{(L1)nZn(L2)m}部分の電荷であり、0、-1、-2又は-3から選択され、
Aは、陽イオンであり、
xは、陽イオンAの電荷であり、+1又は+2から選択され、
wは、(y・x)/zに等しい整数であり、
yは、(w・z)/xに等しい整数である)
を有する、請求項96又は97に記載のシステム。
【請求項99】
L1が、サイクレン配位子でもポルフィリン配位子でもない、請求項96から98のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項100】
L1が、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、グルタル酸、ニトリロ三酢酸、トリアザシクロノナン、トリスピラゾリルボレート、ターピリジン、ポルフィン、コリン、トリス(2-アミノエチル)アミン、トリエチレンテトラミン、12-クラウン-4、15-クラウン-5、16-クラウン-6、(2,2,2)クリプタンド、グリシン、サレン、2-(ピリジン-2-イル)プロパン-2-オール、ナイアシン、ピコリン酸、2-アセチルピリジン、イミノ二酢酸、オキサレート、グルタル酸、エチレングリコール-ビス(β-アミノエチルエーテル)-N,N,N',N'-四酢酸(EGTA)、ジエチレントリアミン五酢酸又はエチレンジアミン-N,N'-ビス(2-ヒドロキシフェニル酢酸)(EDDHA)から選択され、これらはそれぞれ、H、OH、アミノ、イミン、サルフェート、スルホニル、アルキル、ヘテロアルキル、アルコキシ、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アセチル、カルボキシレート又はグリコレートから独立して選択される1つ以上の置換基によって場合により置換されていてもよい、請求項96から99のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項101】
L1が、式L1A、L1B、L1C又はL1Dの配位子:
【化1】
(式中、
R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8及びR9はそれぞれ、独立して出現ごとに、H、OH、アミノ、イミン、サルフェート、スルホニル、アルキル、ヘテロアルキル、アルコキシ、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アセチル、カルボキシレート、グリコレートから選択され、
Yは、NH、S又はOであり、
bは、独立して出現ごとに、0~4の整数であり、
cは、独立して出現ごとに、0~3の整数であり、
【化2】
は、単結合又は二重結合である)
である、請求項96から100のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項102】
L1が、
【化3】
から選択される、請求項99に記載のシステム。
【請求項103】
陽イオンが、アンモニウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム又はマグネシウムから選択される、請求項98から102のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項104】
錯体がpH約7~約16において安定である、請求項96から103のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項105】
錯体がpH約8~約10において安定である、請求項96から104のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項106】
亜鉛錯体の溶液が塩をさらに含む、請求項93から105のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項107】
塩が炭酸塩である、請求項106に記載のシステム。
【請求項108】
塩が炭酸カリウムである、請求項106又は107に記載のシステム。
【請求項109】
塩が約0.001M~約20Mの量で溶液中に存在する、請求項106から108のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項110】
亜鉛錯体が、約0.00001M~約10Mの量で溶液中に存在する、請求項93から109のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項111】
溶液のpHが約7~約16である、請求項93から110のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項112】
溶液のpHが約8~約10である、請求項93から111のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項113】
共溶媒が、エタノールアミン、プロピレンカーボネート又はイオン性液体から選択される、請求項93から112のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項114】
亜鉛錯体の溶液が均一である、請求項93から113のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項115】
パラフィン生成物混合物からアルコール生成物混合物を分離するよう構成されているセパレータをさらに備える、請求項1から114のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項116】
第1の生成物混合物又はアルコール生成物混合物からエタノールを分離するよう構成されているセパレータをさらに備える、請求項1から117のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項117】
第2の触媒が、結晶性ゼオライト又はシリコアルミノリン酸塩を含む流体触媒粒子を含む、請求項1から118のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項118】
流体触媒粒子が、SAPO-5、H-SAPO-34、ZSM-11、TNU-9、IM-5、ZSM-35、ZSM-22、ZSM-23、SSZ-13、UZM-12、UZM-9、UZM-5、RUB-13、ZSM-5又はZSM-34を含む、請求項117に記載のシステム。
【請求項119】
ATO反応器が、メタノール蒸気及び流体触媒粒子の懸濁物が、上に向かって分散触媒接触及び反応ゾーンを通過するよう構成されている、請求項1から120のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項120】
オレフィン生成物混合物からエチレンを分離するよう構成されているセパレータ、
エチレンと水を一緒にして、第3の供給混合物を形成するための混合用容器、及び
エチレンを水和させてエタノールを形成するエチレン水和反応器であり、第4の触媒を含む、エチレン水和反応器
をさらに備える、請求項1から119のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項121】
第4の触媒が樹脂型触媒である、請求項120に記載のシステム。
【請求項122】
第4の触媒が、スルホン化スチレン-ジビニルベンゼンコポリマー樹脂又はシリカゲル担持リン酸である、請求項1から120のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項123】
エチレン水和反応器が、エチレン及び蒸気の混合物が、分散触媒接触及び反応ゾーンを通過するよう構成されている、請求項120から122のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項124】
第3の触媒がゼオライトである、請求項1から123のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項125】
第3の触媒がアルミノケイ酸塩ゼオライトである、請求項1から124のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項126】
第3の触媒が、ZSM-5、ZSM-11、ZSM-22、ZSM-23及びZSM-35から選択される、請求項1から125のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項127】
第3の触媒がZSM-5である、請求項1から126のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項128】
高級オレフィン混合物が、約10体積%~約20体積%の芳香族化合物を含む、請求項1から127のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項129】
加圧高級オレフィン混合物が分散触媒接触及び反応ゾーンを通過するよう、オレフィン還元反応器が構成されている、請求項1から128のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項130】
第5の触媒がアルミノケイ酸塩触媒である、請求項1から129のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項131】
第5の触媒がH-ZSM-5である、請求項1から130のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項132】
高級炭化水素生成物混合物を、場合によりパラフィン生成物混合物とブレンドして、ブレンドしたパラフィン生成物混合物を生成するための装置をさらに備える、請求項1から131のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項133】
ある割合のブレンドしたパラフィン生成物混合物を異性化させて、線状パラフィン、分岐状パラフィン及び環状パラフィンを含む異性化パラフィン生成物混合物を得るための異性化反応器をさらに備え、異性化反応器が第6の触媒を含む、請求項132に記載のシステム。
【請求項134】
第6の触媒がゼオライト又はAlCl3である、請求項133に記載のシステム。
【請求項135】
第6の触媒がAlCl3である、請求項133又は134に記載のシステム。
【請求項136】
異性化反応器が連続撹拌槽型反応器である、請求項133から135のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項137】
ブレンドしたパラフィンを分画して、ジェット燃料を生成するための装置
をさらに備える、請求項1から136のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項138】
ジェット燃料が約10%~約20%の芳香族化合物を含む、請求項137に記載のシステム。
【請求項139】
CO2をアルコール又は炭化水素に変換するための方法であって、
CO2を、以下:
1種以上のアルコールを含むアルコール生成物混合物、及び
1種以上のパラフィンを含むパラフィン生成物混合物
を含む第1の生成物混合物に還元するステップであり、還元温度及び還元圧において、CO2及び還元ガスを含む第1のガス混合物を第1の触媒に接触させるステップを含む、前記還元するステップ、
場合により、パラフィン生成物混合物からアルコール生成物混合物を分離するステップ、
アルコール生成物混合物を脱水して、1種以上のオレフィンを含むオレフィン生成物混合物にするステップであり、アルコール生成物混合物をATO温度及びATO圧において、第2の触媒に接触させるステップを含む、前記脱水するステップ、
オレフィン生成物混合物を、不飽和パラフィン及び場合により芳香族化合物を含む高級オレフィン生成物混合物にオリゴマー化するステップであり、オレフィン生成物混合物をオリゴマー化温度及びオリゴマー化圧において、第3の触媒に接触させるステップを含む、前記オリゴマー化するステップ、並びに
高級オレフィン生成物混合物を、不飽和パラフィンを含む高級炭化水素生成物混合物に還元するステップであり、高級オレフィン生成物混合物を、オレフィン還元温度及びオレフィン還元圧において、第5の触媒に接触させるステップを含む、前記還元するステップ
を含む、方法。
【請求項140】
第1の触媒が、白金、パラジウム、銅、コバルト、亜鉛、セレン、ロジウム、鉄、モリブデン、硫黄、酸素、又はそれらの合金若しくは化合物を含む、請求項139に記載の方法。
【請求項141】
第1の触媒が、場合によりアルミナ担体に担持されている、CuZn、CuZnFeK、CuZnFeKC、CuZnFeAlK、CuZnFeNa、CuZnFeCoK、CuZnFeCoNaK、CuCoAl、CoMoSK、CuZnK、CuCoMn、RhRu、PdCuFe、Rh又はRhFeSiを含むナノ粒子を含む、請求項139又は140に記載の方法。
【請求項142】
第1の触媒が、場合によりアルミナ担体に担持されているCoMoSKを含むナノ粒子を含む、請求項139から141のいずれか一項に記載の方法。
【請求項143】
第1の触媒が以下:
モリブデン
第V、VI、VII、VIII、IX、X及びXI族金属(例えば、銀、コバルト、ニッケル、銅、ロジウム、ルテニウム、イリジウム、パラジウム、ニオブ及びマンガン)から選択される1種以上の第1の元素
硫黄、炭素、酸素、リン、窒素及びセレンから選択される1種以上の第2の元素、並びに
場合により1種以上の第IA族金属
を含み、
モリブデンが、1種以上の第1の元素、モリブデン、1種以上の第2の元素及び第IA族金属の総量の10~50重量%の量で存在する、
請求項139に記載の方法。
【請求項144】
1種以上の第1の元素が、銀、コバルト、ニッケル、銅、ロジウム、ルテニウム、イリジウム、パラジウム、ニオブ又はマンガンを含む、請求項143に記載の方法。
【請求項145】
1種以上の第1の元素がコバルトを含む、請求項143又は144に記載の方法。
【請求項146】
1種以上の第1の元素がニッケルを含む、請求項143から145のいずれか一項に記載の方法。
【請求項147】
1種以上の第1の元素が銀を含む、請求項143から146のいずれか一項に記載の方法。
【請求項148】
1種以上の第1の元素が銅を含む、請求項143から147のいずれか一項に記載の方法。
【請求項149】
1種以上の第1の元素がニオブを含む、請求項143から148のいずれか一項に記載の方法。
【請求項150】
1種以上の第1の元素がマンガンを含む、請求項143から149のいずれか一項に記載の方法。
【請求項151】
第1の触媒が、1種以上の第1の元素を、モリブデンに対し約0.15~約2のモル比で含む、請求項143から150のいずれか一項に記載の方法。
【請求項152】
第1の触媒が、コバルトを、モリブデンに対し約0.15~約2のモル比で含む、請求項143から151のいずれか一項に記載の方法。
【請求項153】
第1の触媒が、コバルトを、モリブデンに対し約0.29のモル比で含む、請求項143から152のいずれか一項に記載の方法。
【請求項154】
第1の触媒が、ニッケルを、モリブデンに対し約0.15~約2のモル比で含む、請求項143から153のいずれか一項に記載の方法。
【請求項155】
第1の触媒が、ニッケルを、モリブデンに対し約0.36のモル比で含む、請求項143から154のいずれか一項に記載の方法。
【請求項156】
第1の触媒が、銀を、モリブデンに対し約0.15~約2のモル比で含む、請求項143から155のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項157】
第1の触媒が、銀を、モリブデンに対し約1のモル比で含む、請求項143から156のいずれか一項に記載の方法。
【請求項158】
第1の触媒が1種以上の第IA族金属を含む、請求項143から157のいずれか一項に記載の方法。
【請求項159】
1種以上の第IA族金属がカリウムを含む、請求項158に記載の方法。
【請求項160】
1種以上の第IA族金属がナトリウムを含む、請求項158に記載の方法。
【請求項161】
1種以上の第IA族金属がセシウムを含む、請求項158に記載の方法。
【請求項162】
第1の触媒が1種以上の第IA族金属を、モリブデンに対し約0.10~約0.50のモル比で含む、請求項158から161のいずれか一項に記載の方法。
【請求項163】
第1の触媒が1種以上の第IA族金属を、モリブデンに対し約0.44のモル比で含む、請求項162に記載の方法。
【請求項164】
1種以上の第IA族金属がカリウムを含む、請求項162又は163に記載の方法。
【請求項165】
第1の触媒が1種以上の第2の元素を、モリブデンに対し約0.3~約3.25のモル比で含む、請求項155から164のいずれか一項に記載の方法。
【請求項166】
第1の触媒が、1種以上の第2の元素を、モリブデンに対し約3~約3.25のモル比で含む、請求項165に記載の方法。
【請求項167】
第1の触媒が、1種以上の第2の元素を、モリブデンに対し約2.5~約3.25のモル比で含む、請求項165に記載の方法。
【請求項168】
1種以上の第2の元素が硫黄を含む、請求項155から167のいずれか一項に記載の方法。
【請求項169】
1種以上の第2の元素が炭素を含む、請求項144から168のいずれか一項に記載の方法。
【請求項170】
第1の触媒が、硫黄を、モリブデンに対し約3.25のモル比で含む、請求項168に記載の方法。
【請求項171】
第1の触媒が、銀、モリブデン、硫黄及び第IA族金属を含む、請求項144に記載の方法。
【請求項172】
第1の触媒が以下:
モリブデン
モリブデンに対し約1のモル比の銀、
モリブデンに対し約3のモル比の硫黄、及び
モリブデンに対し約0.4のモル比の第IA族
を含む、請求項171に記載の方法。
【請求項173】
第1の触媒が、ニッケル、コバルト、モリブデン、硫黄及び第IA族金属を含む、請求項144に記載の方法。
【請求項174】
第1の触媒が以下:
モリブデン
モリブデンに対し約0.36のモル比のニッケル、
モリブデンに対し約0.29のモル比のコバルト、
モリブデンに対し約3.25のモル比の硫黄、及び
モリブデンに対し約0.44のモル比の第IA族
を含む、請求項173に記載の方法。
【請求項175】
第1の触媒が、ニオブ、コバルト、モリブデン、硫黄及び第IA族金属を含む、請求項144に記載の方法。
【請求項176】
第1の触媒が以下:
モリブデンに対し約0.12のモル比のニオブ、
モリブデンに対し約0.6のモル比のコバルト、
モリブデンに対し約3.25のモル比の硫黄、及び
モリブデンに対し約0.4のモル比の第IA族
を含む、請求項175に記載の方法。
【請求項177】
第1の触媒が以下:

亜鉛
コバルト、ニッケル又は鉄から選択される1種以上の第1の元素
アルミニウム
酸素
場合により、第V、VI、VII、VIII、IX、X及びXI族金属(例えば、マンガン、銀、ニオブ、ジルコニウム、モリブデン、ルテニウム又はパラジウム)から選択される1種以上の第2の元素、並びに
場合により1種以上の第IA族金属
を含み、
コバルトが、銅、亜鉛、コバルト、任意選択の第1の元素及び任意選択の第IA族金属の総量の約10~約40重量%(例えば、約25~約40重量%、約30~約40重量%又は約35~約40重量%)の量で存在する、請求項139に記載の方法。
【請求項178】
第1の触媒が1種以上の第2の元素を含む、請求項177に記載の方法。
【請求項179】
1種以上の第1の元素が鉄を含む、請求項177又は178に記載の方法。
【請求項180】
1種以上の第1の元素がニッケルを含む、請求項177から179のいずれか一項に記載の方法。
【請求項181】
1種以上の第2の元素がマンガンを含む、請求項177から180のいずれか一項に記載の方法。
【請求項182】
1種以上の第2の元素がジルコニウムを含む、請求項177から181のいずれか一項に記載の方法。
【請求項183】
1種以上の第2の元素がニオブを含む、請求項177から182のいずれか一項に記載の方法。
【請求項184】
1種以上の第2の元素がモリブデンを含む、請求項177から183のいずれか一項に記載の方法。
【請求項185】
第1の触媒が、銅を、第1の元素に対し約1~約3のモル比で含む、請求項177から184のいずれか一項に記載の方法。
【請求項186】
第1の触媒が、銅を、第1の元素に対し約2~約2.5のモル比で含む、請求項177から185のいずれか一項に記載の方法。
【請求項187】
第1の触媒が、亜鉛を、第1の元素に対し約0.5~約1.5のモル比で含む、請求項177から186のいずれか一項に記載の方法。
【請求項188】
第1の触媒が、鉄を、第1の元素に対し約0.5~約1.5のモル比で含む、請求項177から187のいずれか一項に記載の方法。
【請求項189】
第1の触媒が、アルミニウムを、第1の元素に対し約0.4~約2.1のモル比で含む、請求項177から188のいずれか一項に記載の方法。
【請求項190】
第1の触媒が、アルミニウムを、第1の元素に対し約0.5~約1のモル比で含む、請求項17から189のいずれか一項に記載の方法。
【請求項191】
第1の触媒が1種以上の第IA族金属を含む、請求項177から190のいずれか一項に記載の方法。
【請求項192】
1種以上の第IA族金属がカリウムを含む、請求項191に記載の方法。
【請求項193】
1種以上の第IA族金属がナトリウムを含む、請求項191に記載の方法。
【請求項194】
1種以上の第IA族金属がセシウムを含む、請求項191に記載の方法。
【請求項195】
第1の触媒が1種以上の第IA族金属を、第1の元素に対し約0.05~約0.5のモル比で含む、請求項191から194のいずれか一項に記載の方法。
【請求項196】
第1の触媒が、1種以上の第IA族金属を、第1の元素に対し約0.15のモル比で含む、請求項195に記載の方法。
【請求項197】
第1の触媒が酸化亜鉛を含む、請求項177から196のいずれか一項に記載の方法。
【請求項198】
第1の触媒が酸化銅を含む、請求項177から197のいずれか一項に記載の方法。
【請求項199】
第1の触媒が酸化コバルトを含む、請求項177から198のいずれか一項に記載の方法。
【請求項200】
第1の触媒がアルミナを含む、請求項177から199のいずれか一項に記載の方法。
【請求項201】
第1の触媒が、コバルト、銅、酸化亜鉛及びアルミナを含む、請求項177に記載の方法。
【請求項202】
第1の触媒が以下:
コバルトに対し約2.5のモル比の銅、
コバルトに対し約1のモル比の酸化亜鉛、及び
コバルトに対し約0.35のモル比のアルミナ
を含む、請求項201に記載の方法。
【請求項203】
第1の触媒が、コバルト、銅、酸化亜鉛、アルミナ及び第IA族金属を含む、請求項177に記載の方法。
【請求項204】
第1の触媒が以下:
コバルトに対し約2.5のモル比の銅、
コバルトに対し約1のモル比の酸化亜鉛、
コバルトに対し約0.35のモル比のアルミナ、及び
コバルトに対し約0.1のモル比の第IA族金属
を含む、請求項203に記載の方法。
【請求項205】
第1の触媒が、コバルト、鉄、銅、酸化亜鉛、アルミナ及び第IA族金属を含む、請求項177に記載の方法。
【請求項206】
第1の触媒が以下:
コバルトに対し約1のモル比の銅、
コバルトに対し約1のモル比の鉄、
コバルトに対し約1のモル比の酸化亜鉛、
コバルトに対し約0.35のモル比のアルミナ、及び
コバルトに対し約0.1のモル比の第IA族金属
を含む、請求項205に記載の方法。
【請求項207】
第1の触媒が担体をさらに含む、請求項139から206のいずれか一項に記載の方法。
【請求項208】
担体が、アルミニウム、ケイ素、チタン、ジルコニウム、セリウム、マグネシウム、イットリウム、ランタン、亜鉛及びスズから選択される元素の酸化物、窒化物、フッ化物又はケイ酸塩から選択される1種以上の物質を含む、請求項207に記載の方法。
【請求項209】
担体がγ-アルミナを含む、請求項207又は208に記載の方法。
【請求項210】
担体が1種以上の炭素系材料を含む、請求項207に記載の方法。
【請求項211】
炭素系材料が、活性炭、カーボンナノチューブ、グラフェン及び酸化グラフェンから選択される、請求項210に記載の方法。
【請求項212】
担体がメソ多孔性材料である、請求項207から211のいずれか一項に記載の方法。
【請求項213】
担体が約0.01~約3.0cc/gのメソ細孔体積を有する、請求項212に記載の方法。
【請求項214】
担体が、約10m2/g~約1000m2/gの表面積を有する、請求項207から213のいずれか一項に記載の方法。
【請求項215】
第1の触媒が、約20nm~約5μmの平均サイズを有する粒子の形態にある、請求項207から214のいずれか一項に記載の方法。
【請求項216】
第1の触媒が、約50nm~約1μmの平均サイズを有する粒子の形態にある、請求項207から215のいずれか一項に記載の方法。
【請求項217】
第1の触媒が、約100nm~約500nmの平均サイズを有する粒子の形態にある、請求項207から215のいずれか一項に記載の方法。
【請求項218】
第1の触媒が、約50nm~約300nmの平均サイズを有する粒子の形態にある、請求項207から215のいずれか一項に記載の方法。
【請求項219】
還元ガスがH2である、請求項139から218のいずれか一項に記載の方法。
【請求項220】
還元ガスが、炭化水素、例えばCH4、エタン、プロパン又はブタンである、請求項139から218のいずれか一項に記載の方法。
【請求項221】
還元ガスが、フレアガス、排ガス若しくは天然ガスであるか、又はこれらから生じる、請求項139から218のいずれか一項に記載の方法。
【請求項222】
還元ガスがCH4である、請求項139から218のいずれか一項に記載の方法。
【請求項223】
還元温度が約100℃~約600℃である、請求項139から222のいずれか一項に記載の方法。
【請求項224】
還元圧が500psi~3000psiである、請求項139から223のいずれか一項に記載の方法。
【請求項225】
供給混合物中の還元ガス:CO2のモル比が、約10:1~約1:10である、請求項139から224のいずれか一項に記載の方法。
【請求項226】
第1のガス混合物中の還元ガス:CO2のモル比が、約5:1~約0.5:1である、請求項139から225のいずれか一項に記載の方法。
【請求項227】
第1の生成物混合物が、メタノール、エタノール及びn-プロパノールを含む、請求項139から226のいずれか一項に記載の方法。
【請求項228】
エタノールの量が、第1の生成物混合物の総量の少なくとも約10重量%である、請求項227に記載の方法。
【請求項229】
第1の触媒を第1のガス混合物に約24時間、接触させるステップを含む、請求項139から228のいずれか一項に記載の方法。
【請求項230】
第1の触媒を第1のガス混合物に約96時間、接触させるステップを含む、請求項139から228のいずれか一項に記載の方法。
【請求項231】
第1の触媒を第1のガス混合物に約168時間、接触させるステップを含む、請求項139から228のいずれか一項に記載の方法。
【請求項232】
第1の生成物混合物中のメタノール及びn-プロパノールの総量に対するエタノールのモル比が、約1:5~約1:10である、請求項139から231のいずれか一項に記載の方法。
【請求項233】
第1の生成物混合物が10ppm未満のギ酸を含む、請求項139から232のいずれか一項に記載の方法。
【請求項234】
第1の生成物混合物が10ppm未満のイソプロパノールを含む、請求項139から233のいずれか一項に記載の方法。
【請求項235】
第1の触媒を、第1のガス混合物と反応させる前に還元ガスと反応させるステップをさらに含む、請求項139から234のいずれか一項に記載の方法。
【請求項236】
ガス供給流から二酸化炭素を捕捉するステップであり、ガス供給流を水及び場合により共溶媒中の亜鉛錯体の溶液に接触させて、二酸化炭素と水を反応させてハイドレート化二酸化炭素の溶液を形成させ、これによってハイドレート化二酸化炭素の溶液を形成するステップを含む、前記捕捉するステップをさらに含み、亜鉛錯体が、亜鉛に配位した少なくとも1つの配位子を含む、請求項1から235のいずれか一項に記載の方法。
【請求項237】
少なくとも1つの配位子が、少なくともκ2様式で、亜鉛に配位した二座、三座、四座、五座、六座、七座又は八座配位子である、請求項236に記載の方法。
【請求項238】
少なくとも1つの配位子が、サイクレン配位子でもポルフィリン配位子でもない、請求項236又は237に記載の方法。
【請求項239】
亜鉛錯体が、式:
(L1)nZn(L2)m
(式中、
L1はそれぞれ、少なくともκ2様式で、Znに配位した二座、三座、四座、五座、六座、七座又は八座配位子であり、
L1はそれぞれ、O又はNから選択される少なくとも1つのドナーヘテロ原子を介してZnに結合しており、
L1はそれぞれ、モノ、ジ、トリ、テトラ、ペンタ又はヘキサ陰イオン性であり、
L2はそれぞれ、-OH又は-OH2から選択され、
nは、1又は2であり、
mは、0又は1である)
を有する、請求項236から238のいずれか一項に記載の方法。
【請求項240】
錯体が水溶性であり、錯体が塩基性条件下で安定である、請求項239に記載の方法。
【請求項241】
亜鉛錯体が陽イオンをさらに含み、錯体が、式:
[{(L1)nZn(L2)m}w]z[Ay]x
(式中、
zは、{(L1)nZn(L2)m}部分の電荷であり、0、-1、-2又は-3から選択され、
Aは、陽イオンであり、
xは、陽イオンAの電荷であり、+1又は+2から選択され、
wは、(y・x)/zに等しい整数であり、
yは、(w・z)/xに等しい整数である)
を有する、請求項239又は240に記載の方法。
【請求項242】
L1が、サイクレン配位子でもポルフィリン配位子でもない、請求項239から241のいずれか一項に記載の方法。
【請求項243】
L1が、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、グルタル酸、ニトリロ三酢酸、トリアザシクロノナン、トリスピラゾリルボレート、ターピリジン、ポルフィン、コリン、トリス(2-アミノエチル)アミン、トリエチレンテトラミン、12-クラウン-4、15-クラウン-5、16-クラウン-6、(2,2,2)クリプタンド、グリシン、サレン、2-(ピリジン-2-イル)プロパン-2-オール、ナイアシン、ピコリン酸、2-アセチルピリジン、イミノ二酢酸、オキサレート、グルタル酸、エチレングリコール-ビス(β-アミノエチルエーテル)-N,N,N',N'-四酢酸(EGTA)、ジエチレントリアミン五酢酸又はエチレンジアミン-N,N'-ビス(2-ヒドロキシフェニル酢酸)(EDDHA)から選択され、これらはそれぞれ、H、OH、アミノ、イミン、サルフェート、スルホニル、アルキル、ヘテロアルキル、アルコキシ、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アセチル、カルボキシレート又はグリコレートから独立して選択される1つ以上の置換基によって場合により置換されていてもよい、請求項239から242のいずれか一項に記載の方法。
【請求項244】
L1が、式L1A、L1B、L1C又はL1Dの配位子:
【化4】
(式中、
R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8及びR9はそれぞれ、独立して出現ごとに、H、OH、アミノ、イミン、サルフェート、スルホニル、アルキル、ヘテロアルキル、アルコキシ、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アセチル、カルボキシレート、グリコレートから選択され、
Yは、NH、S又はOであり、
bは、独立して出現ごとに、0~4の整数であり、
cは、独立して出現ごとに、0~3の整数であり、
【化5】
は、単結合又は二重結合である)
である、請求項239から243のいずれか一項に記載の方法。
【請求項245】
L1が、
【化6】
から選択される、請求項242に記載の方法。
【請求項246】
陽イオンが、アンモニウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム又はマグネシウムから選択される、請求項241から245のいずれか一項に記載の方法。
【請求項247】
錯体がpH約7~約16において安定である、請求項239から246のいずれか一項に記載の方法。
【請求項248】
錯体がpH約8~約10において安定である、請求項239から247のいずれか一項に記載の方法。
【請求項249】
亜鉛錯体の溶液が塩をさらに含む、請求項236から248のいずれか一項に記載の方法。
【請求項250】
塩が炭酸塩である、請求項249に記載の方法。
【請求項251】
塩が炭酸カリウムである、請求項249又は250に記載の方法。
【請求項252】
塩が約0.001M~約20Mの量で溶液中に存在する、請求項249から251のいずれか一項に記載の方法。
【請求項253】
亜鉛錯体が、約0.00001M~約10Mの量で溶液中に存在する、請求項236から252のいずれか一項に記載の方法。
【請求項254】
溶液のpHが約7~約16である、請求項236から253のいずれか一項に記載の方法。
【請求項255】
溶液のpHが約8~約10である、請求項236から254のいずれか一項に記載の方法。
【請求項256】
共溶媒が、エタノールアミン、プロピレンカーボネート又はイオン性液体から選択される、請求項236から255のいずれか一項に記載の方法。
【請求項257】
亜鉛錯体の溶液が均一である、請求項236から256のいずれか一項に記載の方法。
【請求項258】
第2の触媒が、結晶性ゼオライト又はシリコアルミノリン酸塩を含む流体触媒粒子を含む、請求項139から257のいずれか一項に記載の方法。
【請求項259】
流体触媒粒子が、SAPO-5、H-SAPO-34、ZSM-11、TNU-9、IM-5、ZSM-35、ZSM-22、ZSM-23、SSZ-13、UZM-12、UZM-9、UZM-5、RUB-13、ZSM-5又はZSM-34を含む、請求項258に記載の方法。
【請求項260】
ATO温度が、約260℃~約510℃である、請求項139から259のいずれか一項に記載の方法。
【請求項261】
ATO温度が、約315℃~約370℃である、請求項139から260のいずれか一項に記載の方法。
【請求項262】
ATO温度が約325℃である、請求項139から261のいずれか一項に記載の方法。
【請求項263】
ATO圧が約100kPa~約515kPaである、請求項139から262のいずれか一項に記載の方法。
【請求項264】
ATO圧が約100kPaである、請求項139から263のいずれか一項に記載の方法。
【請求項265】
オレフィン生成物混合物からエチレンを分離するステップ、
エチレン及び水を含む第3の供給混合物を形成するステップ、
エチレンを第3の供給混合物中で水和させるステップであり、第3の供給混合物を、エチレン水和温度及びエチレン水和圧において、第4の触媒に接触させて、エタノールを生成するステップを含む、前記水和させるステップ
をさらに含む、請求項139から264のいずれか一項に記載の方法。
【請求項266】
第4の触媒が樹脂型触媒である、請求項265に記載の方法。
【請求項267】
第4の触媒が、スルホン化スチレン-ジビニルベンゼンコポリマー樹脂又はシリカゲル担持リン酸である、請求項265又は266に記載の方法。
【請求項268】
エチレン水和温度が約100℃~約400℃である、請求項265から267のいずれか一項に記載の方法。
【請求項269】
エチレン水和温度が約250℃である、請求項265から268のいずれか一項に記載の方法。
【請求項270】
エチレン水和圧が約500psi~約1500psiである、請求項265から269のいずれか一項に記載の方法。
【請求項271】
エチレン水和圧が約1000psiである、請求項265から270のいずれか一項に記載の方法。
【請求項272】
オレフィン生成物混合物を第3の触媒に接触させるステップを、固定床流通式反応器中で行う、請求項139から271のいずれか一項に記載の方法。
【請求項273】
第3の触媒がゼオライトである、請求項139から272のいずれか一項に記載の方法。
【請求項274】
第3の触媒がアルミノケイ酸塩ゼオライトである、請求項139から273のいずれか一項に記載の方法。
【請求項275】
第3の触媒が、ZSM-5、ZSM-11、ZSM-22、ZSM-23及びZSM-35から選択されるゼオライトを含む、請求項139から274のいずれか一項に記載の方法。
【請求項276】
第3の触媒がZSM-5を含む、請求項139から275のいずれか一項に記載の方法。
【請求項277】
オリゴマー化温度が約50℃~約1000℃である、請求項139から276のいずれか一項に記載の方法。
【請求項278】
オリゴマー化温度が約250℃である、請求項139から277のいずれか一項に記載の方法。
【請求項279】
オリゴマー化圧が約0psi~約2000psiである、請求項139から278のいずれか一項に記載の方法。
【請求項280】
オリゴマー化圧が約30psiである、請求項139から279のいずれか一項に記載の方法。
【請求項281】
高級オレフィン混合物が約10重量%~約20重量%の芳香族化合物を含む、請求項139から280のいずれか一項に記載の方法。
【請求項282】
第5の触媒がアルミノケイ酸塩触媒である、請求項139から281のいずれか一項に記載の方法。
【請求項283】
第5の触媒がH-ZSM-5である、請求項139から282のいずれか一項に記載の方法。
【請求項284】
オレフィン還元温度が約100℃~約400℃である、請求項139から283のいずれか一項に記載の方法。
【請求項285】
オレフィン還元温度が約250℃である、請求項139から284のいずれか一項に記載の方法。
【請求項286】
オレフィン還元圧が約0psi~約1500psiである、請求項139から285のいずれか一項に記載の方法。
【請求項287】
オレフィン還元圧が約1000psiである、請求項139から286のいずれか一項に記載の方法。
【請求項288】
高級炭化水素混合物を、場合によりパラフィン生成物混合物とブレンドして、ブレンドしたパラフィン生成物混合物を生成するステップをさらに含む、請求項139から287のいずれか一項に記載の方法。
【請求項289】
ある割合のブレンドしたパラフィン生成物混合物を異性化させて、線状パラフィン、分岐状パラフィン及び環状パラフィンを含む異性化パラフィン生成物混合物を得るステップをさらに含み、前記異性化が、ブレンドしたパラフィン生成物混合物を第6の触媒に接触させるステップを含む、請求項288に記載の方法。
【請求項290】
第6の触媒がゼオライト又はAlCl3である、請求項289に記載の方法。
【請求項291】
第6の触媒がAlCl3である、請求項289又は290に記載の方法。
【請求項292】
異性化が連続撹拌槽型反応器中で行われる、請求項289から291のいずれか一項に記載の方法。
【請求項293】
ブレンドしたパラフィン生成物混合物を分画してジェット燃料を生成するステップをさらに含む、請求項288から292のいずれか一項に記載の方法。
【請求項294】
ジェット燃料が約10体積%~約20体積%の芳香族化合物を含む、請求項293に記載の方法。
【請求項295】
CO2をエタノールに変換するための方法であって、
CO2及び還元ガスを含む第1のガス混合物を、還元温度及び還元圧において、第1の触媒に接触させて、メタノール及びエタノールを含む第1の生成物混合物を生成するステップ、
メタノールを含む第2の供給混合物を、MTO温度及びMTO圧において、第2の触媒に接触させて、エチレン、並びにC3及び高級パラフィン、オレフィン及び他の炭化水素を含む第2の生成物混合物を生成するステップであり、MTO圧がATO圧であり、MTO温度がATO温度である、ステップ、
場合により、C3及び高級パラフィン、オレフィン及び他の炭化水素を含む第2の生成物混合物を、ジェット-A温度及びジェット-A圧において、第3の触媒に接触させて、ジェット燃料を生成するステップであり、ジェット-A圧がオレフィン還元圧であり、ジェット-A温度がオレフィン還元温度である、ステップ、
エチレン及び水を含む第3の供給混合物を、エチレン水和温度及びエチレン水和圧において、第4の触媒に接触させて、エタノールを生成するステップ
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本出願は、それらの内容の全体が参照により本明細書に組み込まれている、2021年5月18日出願の米国仮特許出願第63/189,826号への優先権の利益を主張する。
【背景技術】
【0002】
大気中の二酸化炭素の濃度が向上しているので、二酸化炭素の排出をなくす又は軽減する技術の開発には利点がある。大気中のCO2濃度の増加が引き起こす社会福祉、ヒトの健康及びエネルギー安全保障への負の影響のために、各国は温室効果ガス(GHG)の排出、具体的にはCO2に対する規制を急速に導入している。これは、企業にとってCO2を大気中に排出するのではなく、CO2から大規模な商品生産物を生産及び利用するためのさらなる経済的インセンティブを付与する。
【0003】
空気からCO2を除去する必要性は、再生可能発電方法、例えば、太陽光及び風力タービンの世界的な利用が増えていることと連携している。再生可能な発電方法は、化石燃料、例えば石炭及び天然ガスによる発電よりも、1キロワット時あたりに排出する温室効果ガスの量は少ない。したがって、CO2除去の観点から、CO2を利用するプロセスに電力を供給するため、再生可能な電力又は他の低炭素電力を使用することは有利である。CO2を試薬として利用する化学技術がいくつかあるが、水素ガスを使用する二酸化炭素の水素化は、いくつかのその競合技術よりも低炭素化学物質を生成する可能性がある。水素は、再生可能な電力によって、又はカーボンニュートラルな水素ガスを生成する他の方法、例えば、炭素隔離と組み合わせた水蒸気メタン改質によって完全に電力供給することができるので、水電解槽から生成することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
CO2の利用、及び1個超の炭素原子を含む製品、例えば高級アルコール若しくは炭化水素燃料へと変換を行うための規模拡大が可能なプロセスが必要とされており、なぜなら、これらの製品は、その製造が複雑であることが一部の理由のため、より少ない炭素原子数を含む製品よりも経済的価値が一般に高いからである。CO2を分子、例えば、一酸化炭素、メタン及びメタノールに変換するプロセスはあるが、これらの単一炭素生成物を多炭素アルコール及び炭化水素にアップグレードすることが可能な化学プロセスが必要とされている。これらの高級アルコール及び炭化水素により、経済的なCO2を利用して、化石燃料由来の対応物よりもCO2相当排出量がより少なくなる製品を製造することが可能となり得る。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一部の態様では、アルコール又は炭化水素を製造するためのシステムであって、
CO2及び還元ガスを含む第1のガス混合物を、1種以上のアルコールを含むアルコール生成物混合物、及び場合により、1種以上のパラフィンを含むパラフィン生成物混合物を含む第1の生成物混合物に変換するためのCO2還元反応器であり、第1の触媒を含む、CO2還元反応器、
アルコール生成物混合物を1種以上のオレフィンを含むオレフィン生成物混合物に脱水するためのATO反応器であり、第2の触媒を含む、ATO反応器、
オレフィン生成物混合物を、不飽和パラフィン及び場合により芳香族化合物を含む高級オレフィン生成物混合物へとオリゴマー化するためのオリゴマー化反応器であり、第3の触媒を含む、オリゴマー化反応器、並びに
高級オレフィン生成物混合物を、不飽和パラフィンを含む高級炭化水素生成物混合物に還元するためのオレフィン還元反応器であり、第5の触媒を含む、オレフィン還元反応器
を備える、システムが本明細書において提供される。
【0006】
ある特定の実施形態では、本システムは、以下:
オレフィン生成物混合物からエチレンを分離するよう構成されているセパレータ、
エチレンと水を一緒にして、第3の供給混合物(feed mixture)を形成するための混合用容器、及び
エチレンを水和させてエタノールを形成するエチレン水和反応器であり、第4の触媒を含む、エチレン水和反応器
をさらに備える。
【0007】
さらなる実施形態では、エチレン水和反応器は、エチレン及び蒸気の混合物が、分散触媒接触及び反応ゾーンを通過するよう構成されている。
【0008】
さらなる態様では、CO2をアルコール又は炭化水素に変換するための方法であって、
CO2を、以下:
1種以上のアルコールを含むアルコール生成物混合物、及び
1種以上のパラフィンを含むパラフィン生成物混合物
を含む第1の生成物混合物に還元するステップであり、
還元温度及び還元圧(reduction pressure)において、CO2及び還元ガスを含む第1のガス混合物を第1の触媒に接触させるステップを含む前記還元するステップ、
場合により、パラフィン生成物混合物からアルコール生成物混合物を分離するステップ、
アルコール生成物混合物を脱水して、1種以上のオレフィンを含むオレフィン生成物混合物にするステップであり、アルコール生成物混合物をATO温度及びATO圧において、第2の触媒に接触させるステップを含む、前記脱水するステップ、
オレフィン生成物混合物を、不飽和パラフィン及び場合により芳香族化合物を含む高級オレフィン生成物混合物にオリゴマー化するステップであり、オレフィン生成物混合物をオリゴマー化温度及びオリゴマー化圧において、第3の触媒に接触させるステップを含む、前記オリゴマー化するステップ、並びに
高級オレフィン生成物混合物を、不飽和パラフィンを含む高級炭化水素生成物混合物に還元するステップであり、高級オレフィン生成物混合物を、オレフィン還元温度及びオレフィン還元圧において、第5の触媒に接触させるステップを含む、前記還元するステップ
を含む、方法が本明細書において提供される。
【0009】
ある特定の実施形態では、本方法は、以下:
オレフィン生成物混合物からエチレンを分離するステップ、
エチレン及び水を含む第3の供給混合物を形成するステップ、
エチレンを第3の供給混合物中で水和させるステップであり、第3の供給混合物を、エチレン水和温度及びエチレン水和圧において、第4の触媒に接触させて、エタノールを生成する、ステップを含む、前記水和させるステップ
をさらに含む。
【0010】
さらにさらなる態様では、CO2をエタノールに変換するための方法であって、
CO2及び還元ガスを含む第1のガス混合物を、還元温度及び還元圧において、第1の触媒に接触させて、メタノール及びエタノールを含む第1の生成物混合物を生成するステップ、
メタノールを含む第2の供給混合物を、MTO温度及びMTO圧において、第2の触媒に接触させて、エチレン、並びにC3及び高級パラフィン、オレフィン及び他の炭化水素を含む第2の生成物混合物(ethylene and a second product mixture comprising C3 and higher paraffins, olefins, and other hydrocarbons)を生成するステップであり、MTO圧がATO圧であり、MTO温度がATO温度である、ステップ、
場合により、C3及び高級パラフィン、オレフィン及び他の炭化水素を含む第2の生成物混合物を、ジェット-A温度及びジェット-A圧において、第3の触媒に接触させて、ジェット燃料を生成するステップであり、ジェット-A圧がオレフィン還元圧であり、ジェット-A温度がオレフィン還元温度である、ステップ、
エチレン及び水を含む第3の供給混合物を、エチレン水和温度及びエチレン水和圧において、第4の触媒に接触させて、エタノールを生成するステップ
を含む、方法が本明細書において提供される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】ジェット燃料及びエタノールを同時製造するシステムのプロセス概略図である。
図2A】再生可能エネルギーによって電力供給された、二酸化炭素及び水をエタノール及びプロピレンに変換するシステムのための構成要素及び反応器を図示する、フローダイヤグラムである。
図2B】再生可能エネルギーによって電力供給された、二酸化炭素及び水をエタノール及びプロピレンに変換するシステムのための構成要素及び反応器を図示する、フローダイヤグラムである。
図2C】再生可能エネルギーによって電力供給された、二酸化炭素及び水をエタノール及びプロピレンに変換するシステムのための構成要素及び反応器を図示する、フローダイヤグラムである。
図3】二酸化炭素及び水を、芳香族化合物及びパラフィンの両方を含む持続可能なドロップイン(drop-in)航空燃料に変換するシステムのための構成要素及び反応器を図示するフローダイヤグラムである。
図4】実施例4に記載されている、本明細書において開示されている修正MTOプロセスに由来する生成物のGC-FIDクロマトグラムを示す図である。
図5】実施例5に記載されているプロピレンのオリゴマー化生成物液体のGC-FIDクロマトグラムを示す図である。
図6】異性化生成物中のパラフィン液体供給(feed)と異性化生成物に関するGC-FIDクロマトグラムの比較を示す図である。
図7】エチレン水素化液体生成物のGC-FIDクロマトグラムを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
ある特定の態様では、本開示は、CO2をアルコール及び炭化水素に変換するためのシステム及び方法を提供する。本発明の一部の実施形態では、CO2は、点源(point source)からの捕捉したものを供給源とし、場合により、アミン捕捉システム又は他の精製システムを使用して精製され、他には、CO2は空気から捕捉される。一部の実施形態では、CO2は煙道ガスの形態で使用される。本開示のシステム及び方法は、CO2源に関わりなく、使用することができる。
【0013】
プロセス全体の説明
ある特定の態様では、本開示のシステム及び方法は、以下のステップ:CO2を還元して、1種以上のアルコールを含むアルコール生成物混合物、及び1種以上のパラフィンを含むパラフィン生成物混合物を含む第1の生成物混合物を生成するステップ、アルコール生成物混合物を脱水して、1種以上のオレフィンを含むオレフィン生成物混合物を形成するステップ、オレフィン生成物混合物をオリゴマー化して、不飽和パラフィン及び場合により芳香族化合物を含む高級オレフィン生成物混合物を形成するステップ、並びに高級オレフィン生成物混合物を還元して、不飽和パラフィン及び場合により芳香族化合物を含む高級炭化水素生成物混合物を形成するステップにより作動する。当業者によって理解される通り、用語「高級オレフィン」及び「不飽和パラフィン」は同義であり、本明細書において互換的に使用される。アルコール及びパラフィン生成物混合物の両方を含む第1の生成物混合物は、アルコール生成物混合物を脱水ステップに供する前に、そのアルコール及びパラフィン構成成分に分離されてもよく、又は第1の生成物混合物全部が脱水ステップにより処理されてもよい。分離ステップが行われる場合、アルコール生成物混合物は、任意の好適な段階で、プロセス全体又はその後のブレンドステップに再導入されてもよい。各反応は、好適な触媒の存在を含めた、特定のそのような反応に好適な反応器内で行われる。本開示は、プロセス全体(ここでは、プロセスのステップは、任意の好適な順序で行われてもよい)及びシステムの両方を包含し、各反応器は、後続の反応器に操作上、連結されており、こうして、各ステップに由来する生成物が、後続反応tのための後続の反応器に移送される。
【0014】
当業者は、分離ステップが、後続ステップの反応に関する任意のステップの生成物を最適化する、又は有用な生成物を単離するかのどちらかのために、任意の好適な段階で追加されてもよいことをやはり認識している。例えば、ある特定の実施形態では、最初の還元ステップにおいて生成するアルコール生成物混合物は、エタノールを含む。エタノールは、アルコール生成物混合物(又は第1の生成物混合物)から単離されて、販売用又は他に処理するために溜めておかれてもよい。次に、アルコール生成物混合物(又は第1の生成物混合物)の残りは、残りのステップを通じて処理されてもよい。他の有用な生成物は、エチレン(これは、脱水ステップ後に分離されてもよい)、及び芳香族化合物(これは、オリゴマー化ステップの後に分離されてもよい)を含む。
【0015】
したがって、ある特定の態様では、アルコール又は炭化水素を製造するためのシステムであって、
CO2を、1種以上のアルコールを含むアルコール生成物混合物、及び場合により、1種以上のパラフィンを含むパラフィン生成物混合物を含む第1の生成物混合物に変換するためのCO2還元反応器であり、第1の触媒を含む、CO2還元反応器、
アルコール生成物混合物を脱水して1種以上のオレフィンを含むオレフィン生成物混合物にするためのATO反応器であり、第2の触媒を含む、ATO反応器、
オレフィン生成物混合物を、不飽和パラフィン及び場合により芳香族化合物を含む高級オレフィン生成物混合物へとオリゴマー化するためのオリゴマー化反応器であり、第3の触媒を含む、オリゴマー化反応器、並びに
高級オレフィン生成物混合物を、不飽和パラフィンを含む高級炭化水素生成物混合物に還元するためのオレフィン還元反応器であり、第5の触媒を含む、オレフィン還元反応器
を備える、システムが本明細書において提供される。
【0016】
さらなる態様では、CO2をアルコール又は炭化水素に変換するための方法であって、
CO2を、以下:
1種以上のアルコールを含むアルコール生成物混合物、及び
1種以上のパラフィンを含むパラフィン生成物混合物
を含む第1の生成物混合物に還元するステップであり、還元温度及び還元圧において、CO2及び還元ガスを含む第1のガス混合物を第1の触媒に接触させるステップを含む前記還元するステップ、
場合により、パラフィン生成物混合物からアルコール生成物混合物を分離するステップ、
アルコール生成物混合物を脱水して、1種以上のオレフィンを含むオレフィン生成物混合物にするステップであり、アルコール生成物混合物をATO温度及びATO圧において、第2の触媒に接触させるステップを含む、前記脱水するステップ、
オレフィン生成物混合物を、不飽和パラフィン及び場合により芳香族化合物を含む高級オレフィン生成物混合物にオリゴマー化するステップであり、オレフィン生成物混合物をオリゴマー化温度及びオリゴマー化圧において、第3の触媒に接触させるステップを含む、前記オリゴマー化するステップ、並びに
高級オレフィン生成物混合物を、不飽和パラフィンを含む高級炭化水素生成物混合物に還元するステップであり、高級オレフィン生成物混合物を、オレフィン還元温度及びオレフィン還元圧において、第5の触媒に接触させるステップを含む、前記還元するステップ
を含む、方法が本明細書において提供される。
【0017】
さらにさらなる態様では、CO2をエタノールに変換するための方法であって、
CO2及び還元ガスを含む第1のガス混合物を、還元温度及び還元圧において、第1の触媒に接触させて、メタノール及びエタノールを含む第1の生成物混合物を生成するステップ、
メタノールを含む第2の供給混合物を、MTO温度及びMTO圧において、第2の触媒に接触させて、エチレン、並びにC3及び高級パラフィン、オレフィン及び他の炭化水素を含む第2の生成物混合物を生成するステップであり、MTO圧がATO圧であり、MTO温度がATO温度である、ステップ、
場合により、C3及び高級パラフィン、オレフィン及び他の炭化水素を含む第2の生成物混合物を、ジェット-A温度及びジェット-A圧において、第3の触媒に接触させて、ジェット燃料を生成するステップであり、ジェット-A圧がオレフィン還元圧であり、ジェット-A温度がオレフィン還元温度である、ステップ、
エチレン及び水を含む第3の供給混合物を、エチレン水和温度及びエチレン水和圧において、第4の触媒に接触させて、エタノールを生成するステップ
を含む、方法が本明細書において提供される。
【0018】
CO2捕捉
本開示システム及び方法のある特定の実施形態では、利用されるCO2は、周囲空気から捕捉することができる。このCO2捕捉方法は、その全内容が参照により本明細書に明示的に組み込まれている、国際出願第PCT/US2022/021469に記載されている。
【0019】
ある特定の実施形態では、本開示のシステムは、水及び場合により共溶媒中に亜鉛錯体の溶液を含む、二酸化炭素捕捉のための装置を備えており、亜鉛錯体は、亜鉛に配位した少なくとも1つの配位子を含む。
【0020】
ある特定の実施形態では、本開示の方法は、ガス供給流から二酸化炭素を捕捉するステップであり、ガス供給流を水及び場合により共溶媒中の亜鉛錯体の溶液に接触させて、二酸化炭素と水を反応させてハイドレート化二酸化炭素の溶液を形成させ、これによってハイドレート化二酸化炭素の溶液を形成するステップを含む、前記捕捉するステップを含み、亜鉛錯体が、亜鉛に配位した少なくとも1つの配位子を含む。
【0021】
ある特定の実施形態では、少なくとも1つの配位子は、少なくともκ2様式(κ2 fashion)で、亜鉛に配位した二座、三座、四座、五座、六座、七座又は八座配位子である。さらなる実施形態では、少なくとも1つの配位子は、サイクレン配位子でもポルフィリン配位子でもない。
【0022】
ある特定の実施形態では、亜鉛錯体は、式:
(L1)nZn(L2)m
(式中、
L1はそれぞれ、少なくともκ2様式で、Znに配位した二座、三座、四座、五座、六座、七座又は八座配位子であり、
L1はそれぞれ、O又はNから選択される少なくとも1つのドナーヘテロ原子を介してZnに結合しており、
L1はそれぞれ、モノ、ジ、トリ、テトラ、ペンタ又はヘキサ陰イオン性であり、
L2はそれぞれ、-OH又は-OH2から選択され、
nは、1又は2であり、
mは、0又は1である)
を有する。
【0023】
さらなる実施形態では、亜鉛錯体は、陽イオンをさらに含み、該錯体は、式:
[{(L1)nZn(L2)m}w]z[Ay]x
(式中、
zは、{(L1)nZn(L2)m}部分の電荷であり、0、-1、-2又は-3から選択され、
Aは、陽イオンであり、
xは、陽イオンAの電荷であり、+1又は+2から選択され、
wは、(y・x)/zに等しい整数であり、
yは、(w・z)/xに等しい整数である)
を有する。
【0024】
さらにさらなる実施形態では、L1は、サイクレン配位子でもポルフィリン配位子でもない。さらにさらなる実施形態では、L1は、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、グルタル酸、ニトリロ三酢酸、トリアザシクロノナン、トリスピラゾリルボレート、ターピリジン、ポルフィン、コリン、トリス(2-アミノエチル)アミン、トリエチレンテトラミン、12-クラウン-4、15-クラウン-5、16-クラウン-6、(2,2,2)クリプタンド、グリシン、サレン、2-(ピリジン-2-イル)プロパン-2-オール、ナイアシン、ピコリン酸、2-アセチルピリジン、イミノ二酢酸、オキサレート、グルタル酸、エチレングリコール-ビス(β-アミノエチルエーテル)-N,N,N',N'-四酢酸(EGTA)、ジエチレントリアミン五酢酸又はエチレンジアミン-N,N'-ビス(2-ヒドロキシフェニル酢酸)(EDDHA)から選択され、これらはそれぞれ、H、OH、アミノ、イミン、サルフェート、スルホニル、アルキル、ヘテロアルキル、アルコキシ、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アセチル、カルボキシレート又はグリコレートから独立して選択される1つ以上の置換基によって場合により置換されていてもよい。
【0025】
ある特定の実施形態では、L1は、式L1A、L1B、L1C又はL1Dの配位子:
【0026】
【化1】
(式中、
R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8及びR9はそれぞれ、独立して出現ごとに、H、OH、アミノ、イミン、サルフェート、スルホニル、アルキル、ヘテロアルキル、アルコキシ、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アセチル、カルボキシレート、グリコレートから選択され、
Yは、NH、S又はOであり、
bは、独立して出現ごとに、0~4の整数であり、
cは、独立して出現ごとに、0~3の整数であり、
【0027】
【化2】
は、単結合又は二重結合である)
である。
【0028】
さらなる実施形態では、L1は、
【0029】
【化3】
から選択される。
【0030】
さらにさらなる実施形態では、陽イオンは、アンモニウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム又はマグネシウムから選択される。さらにさらなる実施形態では、錯体は水溶性であり、錯体は塩基性条件下で安定である。ある特定の実施形態では、錯体は、pH約7~約16において安定である。さらなる実施形態では、錯体は、pH約8~約10において安定である。
【0031】
ある特定の実施形態では、亜鉛錯体の溶液は塩をさらに含む。さらなる実施形態では、塩は炭酸塩である。さらにさらなる実施形態では、塩は炭酸カリウムである。さらにさらなる実施形態では、塩は、約0.001M~約20Mの量で溶液中に存在する。ある特定の実施形態では、亜鉛錯体は、約0.00001M~約10Mの量で溶液中に存在する。さらなる実施形態では、溶液のpHは約7~約16である。さらにさらなる実施形態では溶液のpHは、約8~約10である。
【0032】
ある特定の実施形態では、共溶媒は、エタノールアミン、プロピレンカーボネート又はイオン性液体から選択される。さらなる実施形態では、亜鉛錯体の溶液は均一である。
【0033】
CO2のアルコール及びパラフィンへの水素化
本開示システム及び方法は、CO2のパラフィン及びアルコールへの変換に特に有用である。本明細書において使用する場合、用語「パラフィン」は、長鎖炭化水素、好ましくはC8~C16炭化水素を指すために使用され、この炭化水素は、線状、分岐状、環状又はそれらの混合物であってもよい。パラフィンはまた、完全飽和、完全不飽和、部分飽和、部分不飽和又はそれらの混合物であってもよい。
【0034】
CO2をアルコールに水素化する好適な触媒のいずれも、本明細書に記載されている方法に使用することができる。本開示システム及び方法に好適な、CO2をアルコールに水素化するための例示的な触媒は、それらのそれぞれの全体が参照により組み込まれている、以下の出願:PCT公開第WO2021/226172号、同第WO2021/262922号及び同第WO2019/010095号に開示されている。
【0035】
一部の実施形態では、第1の反応器において、CO2及びH2を触媒(単数又は複数)上に通して、メタノール、エタノール及び他のアルコールの混合物を生成させる。一部の実施形態では、CO2及びH2を、触媒(単数又は複数)上に通して、実質的に純粋なメタノール(すなわち、80%、85%、90%、95%、99%など)を生成させる。このタイプのプロセスの最も一般的な触媒は、銅ベースの触媒である。以下に限定されないが、Co、Fe又はNi、ジルコニアベースの触媒、CoS、MoS、CoMoS、CoMoSK、NiCoMoSK及びいくつかの他のものを含む、修正CuZnAl触媒を含めた、いくつかの他の物質が、メタノール及びエタノールの混合物を生成することができる。
【0036】
ある特定の実施形態では、本明細書において、「第1の触媒」と称される、CO2を水素化する触媒は、白金、パラジウム、銅、コバルト、亜鉛、セレン、ロジウム、鉄、モリブデン、硫黄、酸素、又はそれらの合金若しくは化合物(platinum, palladium, copper, cobalt, zinc, selenium, rhodium, iron, molybdenum, sulfur, oxygen, or alloys or chemical compounds thereof)を含む。さらなる実施形態では、第1の触媒は、場合によりアルミナ担体に担持されている、CuZn、CuZnFeK、CuZnFeKC、CuZnFeAlK、CuZnFeNa、CuZnFeCoK、CuZnFeCoNaK、CuCoAl、CoMoSK、CuZnK、CuCoMn、RhRu、PdCuFe、Rh又はRhFeSiを含むナノ粒子を含む。さらにさらなる実施形態では、第1の触媒は、場合によりアルミナ担体に担持されているCoMoSKを含むナノ粒子を含む。
【0037】
ある特定の実施形態では、第1の触媒は、以下:
モリブデン
第V、VI、VII、VIII、IX、X及びXI族金属(例えば、銀、コバルト、ニッケル、銅、ロジウム、ルテニウム、イリジウム、パラジウム、ニオブ及びマンガン)から選択される1種以上の第1の元素
硫黄、炭素、酸素、リン、窒素及びセレンから選択される1種以上の第2の元素、並びに
場合により1種以上の第IA族金属
を含み、
モリブデンは、1種以上の第1の元素、モリブデン、1種以上の第2の元素及び第IA族金属の総量の10~50重量%の量で存在する。
【0038】
ある特定の実施形態では、1種以上の第1の元素は、銀、コバルト、ニッケル、銅、ロジウム、ルテニウム、イリジウム、パラジウム、ニオブ又はマンガンを含む。さらなる実施形態では、1種以上の第1の元素はコバルトを含む。さらにさらなる実施形態では、1種以上の第1の元素はニッケルを含む。さらにさらなる実施形態では、1種以上の第1の元素は銀を含む。ある特定の実施形態では、1種以上の第1の元素は銅を含む。さらなる実施形態では、1種以上の第1の元素はニオブを含む。さらにさらなる実施形態では、1種以上の第1の元素はマンガンを含む。
【0039】
ある特定の実施形態では、第1の触媒は、1種以上の第1の元素を、モリブデンに対し約0.15~約2のモル比で含む。さらなる実施形態では、第1の触媒は、コバルトを、モリブデンに対し約0.15~約2のモル比で含む。さらにさらなる実施形態では、第1の触媒は、コバルトを、モリブデンに対し約0.29のモル比で含む。さらにさらなる実施形態では、第1の触媒は、ニッケルを、モリブデンに対し約0.15~約2のモル比で含む。ある特定の実施形態では、第1の触媒は、ニッケルを、モリブデンに対し約0.36のモル比で含む。さらなる実施形態では、第1の触媒は、銀を、モリブデンに対し約0.15~約2のモル比で含む。さらにさらなる実施形態では、第1の触媒は、銀を、モリブデンに対し約1のモル比で含む。さらにさらなる実施形態では、第1の触媒は、1種以上の第IA族金属を含む。
【0040】
ある特定の実施形態では、1種以上の第IA族金属はカリウムを含む。さらなる実施形態では、1種以上の第IA族金属はナトリウムを含む。さらにさらなる実施形態では、1種以上の第IA族金属はセシウムを含む。さらにさらなる実施形態では、第1の触媒は、1種以上の第IA族金属を、モリブデンに対し約0.10~約0.50のモル比で含む。ある特定の実施形態では、第1の触媒は、1種以上の第IA族金属を、モリブデンに対し約0.44のモル比で含む。
【0041】
ある特定の実施形態では、1種以上の第IA族金属はカリウムを含む。さらなる実施形態では、第1の触媒は、1種以上の第2の元素を、モリブデンに対し約0.3~約3.25のモル比で含む。さらにさらなる実施形態では、第1の触媒は、1種以上の第2の元素を、モリブデンに対し約3~約3.25のモル比で含む。さらにさらなる実施形態では、第1の触媒は、1種以上の第2の元素を、モリブデンに対し約2.5~約3.25のモル比で含む。ある特定の実施形態では、1種以上の第2の元素は硫黄を含む。
【0042】
ある特定の実施形態では、1種以上の第2の元素は炭素を含む。さらなる実施形態では、第1の触媒は、硫黄を、モリブデンに対し約3.25のモル比で含む。さらにさらなる実施形態では、第1の触媒は、銀、モリブデン、硫黄及び第IA族金属を含む。
【0043】
ある特定の実施形態では、第1の触媒は、以下:
モリブデン
モリブデンに対し約1のモル比の銀、
モリブデンに対し約3のモル比の硫黄、及び
モリブデンに対し約0.4のモル比の第IA族
を含む。
【0044】
さらなる実施形態では、第1の触媒は、ニッケル、コバルト、モリブデン、硫黄及び第IA族金属を含む。
【0045】
ある特定の実施形態では、第1の触媒は、以下:
モリブデン
モリブデンに対し約0.36のモル比のニッケル、
モリブデンに対し約0.29のモル比のコバルト、
モリブデンに対し約3.25のモル比の硫黄、及び
モリブデンに対し約0.44のモル比の第IA族
を含む。
【0046】
さらなる実施形態では、第1の触媒は、ニオブ、コバルト、モリブデン、硫黄及び第IA族金属を含む。
【0047】
ある特定の実施形態では、第1の触媒は、以下:
モリブデンに対し約0.12のモル比のニオブ、
モリブデンに対し約0.6のモル比のコバルト、
モリブデンに対し約3.25のモル比の硫黄、及び
モリブデンに対し約0.4のモル比の第IA族
を含む。
【0048】
さらなる実施形態では、第1の触媒は、以下:

亜鉛
コバルト、ニッケル又は鉄から選択される1種以上の第1の元素
アルミニウム
酸素
場合により、第V、VI、VII、VIII、IX、X及びXI族金属(例えば、マンガン、銀、ニオブ、ジルコニウム、モリブデン、ルテニウム又はパラジウム)から選択される1種以上の第2の元素、並びに
場合により1種以上の第IA族金属
を含み、
コバルトは、銅、亜鉛、コバルト、任意選択の第1の元素及び任意選択の第IA族金属の総量の約10~約40重量%(例えば、約25~約40重量%、約30~約40重量%又は約35~約40重量%)の量で存在する。
【0049】
ある特定の実施形態では、第1の触媒は、1種以上の第2の元素を含む。さらなる実施形態では、1種以上の第1の元素は、鉄を含む。さらにさらなる実施形態では、1種以上の第1の元素は、ニッケルを含む。さらにさらなる実施形態では、1種以上の第2の元素は、マンガンを含む。ある特定の実施形態では、1種以上の第2の元素は、ジルコニウムを含む。さらなる実施形態では、1種以上の第2の元素は、ニオブを含む。さらにさらなる実施形態では、1種以上の第2の元素は、モリブデンを含む。
【0050】
ある特定の実施形態では、第1の触媒は、銅を、第1の元素に対し約1~約3のモル比で含む。さらなる実施形態では、第1の触媒は、銅を、第1の元素に対し約2~約2.5のモル比で含む。さらにさらなる実施形態では、第1の触媒は、亜鉛を、第1の元素に対し約0.5~約1.5のモル比で含む。さらにさらなる実施形態では、第1の触媒は、鉄を、第1の元素に対し約0.5~約1.5のモル比で含む。ある特定の実施形態では、第1の触媒は、アルミニウムを、第1の元素に対し約0.4~約2.1のモル比で含む。さらなる実施形態では、第1の触媒は、アルミニウムを、第1の元素に対し約0.5~約1のモル比で含む。
【0051】
ある特定の実施形態では、第1の触媒は、1種以上の第IA族金属を含む。さらなる実施形態では、1種以上の第IA族金属は、カリウムを含む。さらにさらなる実施形態では、1種以上の第IA族金属は、ナトリウムを含む。さらにさらなる実施形態では、1種以上の第IA族金属は、セシウムを含む。ある特定の実施形態では、第1の触媒は、1種以上の第IA族金属を、第1の元素に対し約0.05~約0.5のモル比で含む。さらなる実施形態では、第1の触媒は、1種以上の第IA族金属を、第1の元素に対し約0.15のモル比で含む。
【0052】
ある特定の実施形態では、第1の触媒は酸化亜鉛を含む。さらなる実施形態では、第1の触媒は酸化銅を含む。さらにさらなる実施形態では、第1の触媒は酸化コバルトを含む。さらにさらなる実施形態では、第1の触媒はアルミナを含む。
【0053】
ある特定の実施形態では、第1の触媒は、コバルト、銅、酸化亜鉛及びアルミナを含む。さらなる実施形態では、第1の触媒は、以下:
コバルトに対し約2.5のモル比の銅、
コバルトに対し約1のモル比の酸化亜鉛、及び
コバルトに対し約0.35のモル比のアルミナ
を含む。
【0054】
ある特定の実施形態では、第1の触媒は、コバルト、銅、酸化亜鉛、アルミナ及び第IA族金属を含む。さらなる実施形態では、第1の触媒は、以下:
コバルトに対し約2.5のモル比の銅、
コバルトに対し約1のモル比の酸化亜鉛、
コバルトに対し約0.35のモル比アルミナを、及び
コバルトに対し約0.1のモル比の第IA族金属
を含む。
【0055】
ある特定の実施形態では、第1の触媒は、コバルト、鉄、銅、酸化亜鉛、アルミナ及び第IA族金属を含む。さらなる実施形態では、第1の触媒は、以下:
コバルトに対し約1のモル比の銅、
コバルトに対し約1のモル比の鉄、
コバルトに対し約1のモル比の酸化亜鉛、
コバルトに対し約0.35のモル比のアルミナ、及び
コバルトに対し約0.1のモル比の第IA族金属
を含む。
【0056】
ある特定の実施形態では、第1の触媒は担体をさらに含む。さらなる実施形態では、担体は、アルミニウム、ケイ素、チタン、ジルコニウム、セリウム、マグネシウム、イットリウム、ランタン、亜鉛及びスズから選択される元素の酸化物、窒化物、フッ化物又はケイ酸塩から選択される1種以上の物質を含む。さらにさらなる実施形態では、担体はγ-アルミナを含む。さらにさらなる実施形態では、担体は、1種以上の炭素系材料を含む。ある特定の実施形態では、炭素系材料は、活性炭、カーボンナノチューブ、グラフェン及び酸化グラフェンから選択される。さらなる実施形態では、担体はメソ多孔性材料である。さらにさらなる実施形態では、担体は、約0.01~約3.0cc/gのメソ細孔体積を有する。さらにさらなる実施形態では、担体は、約10m2/g~約1000m2/gの表面積を有する。
【0057】
ある特定の実施形態では、第1の触媒は、約20nm~約5μmの平均サイズを有する粒子の形態にある。さらなる実施形態では、第1の触媒は、約50nm~約1μmの平均サイズを有する粒子の形態にある。さらにさらなる実施形態では、第1の触媒は、約100nm~約500nmの平均サイズを有する粒子の形態にある。さらにさらなる実施形態では、第1の触媒は、約50nm~約300nmの平均サイズを有する粒子の形態にある。
【0058】
ある特定の実施形態では、第1の触媒は、モノリスに埋め込まれている、ペレットに圧縮されている、又は反応条件下で第1の触媒を支持する形態に押出されている。
【0059】
ある特定の実施形態では、還元ガスはH2である。さらなる実施形態では、還元ガスは、炭化水素、例えばCH4、エタン、プロパン又はブタンである。さらにさらなる実施形態では、還元ガスは、フレアガス、排ガス若しくは天然ガスであるか、又はこれらから生じる。さらにさらなる実施形態では、還元ガスはCH4である。
【0060】
ある特定の実施形態では、第1のガス混合物中の還元ガス:CO2のモル比は、約10:1~約1:10である。さらなる実施形態では、第1のガス混合物中の還元ガス:CO2のモル比は、約5:1~約0.5:1である。
【0061】
ある特定の実施形態では、第1の生成物混合物は、メタノール、エタノール及びn-プロパノールを含む。さらなる実施形態では、エタノールの量は、第1の生成物混合物の総量の少なくとも10重量%である。さらにさらなる実施形態では、第1の生成物混合物中のメタノール及びn-プロパノールの総量に対するエタノールのモル比(エタノール:メタノール及びn-プロパノールの総量)は、約1:5~約1:10である。
【0062】
ある特定の実施形態では、第1の生成物混合物中のギ酸の量は、10ppm未満である。さらなる実施形態では、第1の生成物混合物中のイソプロパノールの量は、10ppm未満である。
【0063】
ある特定の実施形態では、第1の触媒は、第1のガス混合物に、24時間接触させる。さらなる実施形態では、第1の触媒は、第1のガス混合物に、96時間接触させる。さらにさらなる実施形態では、第1の触媒は、第1のガス混合物に、168時間接触させる。ある特定の実施形態では、第1の触媒は、第1のガス混合物と反応させる前に、還元ガスと反応させる。
【0064】
本明細書において、「還元温度」と称される、この反応器の温度は、通常、250℃であるが、600℃と高くてもよく、又は50℃と低くてもよい。ある特定の実施形態では、還元温度は約100℃~約600℃である。さらなる実施形態では、還元温度は約100℃である。さらにさらなる実施形態では、還元温度は約200℃である。好ましい実施形態では、還元温度は約250℃である。ある特定の実施形態では、還元温度は約300℃である。さらなる実施形態では、還元温度は約400℃である。さらにさらなる実施形態では、還元温度は約500℃である。さらにさらなる実施形態では、還元温度は約600℃である。
【0065】
本明細書において、「還元圧」と称されるこのような反応器の圧力は、100psi~3000psiの間とすることができるが、通常、750psiである。ある特定の実施形態では、還元圧は、約500psi~約3000psiである。さらなる実施形態では、還元圧は約500psiである。好ましい実施形態では、還元圧は約750psiである。さらなる実施形態では、還元圧は約100psiである。さらなる実施形態では、還元圧は約1500psiである。さらなる実施形態では、還元圧は約2000psiである。さらなる実施形態では、還元圧は約2500psiである。さらなる実施形態では、還元圧は約3000psiである。
【0066】
当業者によって認識される通り、単位「ポンド毎平方インチ」(psi)の圧力の測定は、ゲージで測定された圧力(psig)(0psiが、大気圧に相当する)、又は絶対圧力(psia)(0psiが、完全な真空に相当する)のどちらかを指すことができる。本明細書において使用する場合、特に反対のことが明示的に指定されていない限り、単位「psi」とは、ゲージ圧(psig)を指す。
【0067】
CO2及びH2のアルコール及び水への変換後、未反応原料、並びに気相中のアルコール及び水は、凝縮器ループ中で冷却され、ガス-液体セパレータにおいて分離される。未反応ガスは、リサイクルループに通されて、新しい原料と一緒にされて、反応器に再導入される。反応器の1通過あたり(Per-pass)の変換率は、通常、20%程度であるが、原料ガスの時間あたりのガスの空間速度(GHSV)、触媒反応性、圧力及び温度に応じて、1%~99.9%の範囲になり得る。
【0068】
ある特定の実施形態では、CO2のアルコールへの変換後に、エタノールをアルコール生成物の残りから分離することができる。さらに、CO2のアルコールへの変換後に、アルコール生成物混合物をパラフィン生成物混合物から分離することができる。
【0069】
アルコールのオレフィンへの変換
一部の実施形態では、アルコールの生成後、このプロセスの第1のステップによって生成する典型的な液体は、アルコールと一緒になった水からなると思われる。アルコールは、主にメタノール、次にエタノールからなると思われ、n-プロパノールを含むいくつかの他の三次副生物を有することがある。一部の実施形態では、この混合物は、最大で20%のメタノール、及び最大で20%のエタノールを含有する。一部の実施形態では、この混合物は、最大で64%のメタノールを含有する。一部の実施形態では、この混合物は、最大で15%のメタノール、及び最大で3%のエタノールを含有する。本発明の目的は、CO2の反応からのメタノール生成とメタノールからのオレフィンへの反応とを統合するための最適液体濃度を開示することである。アルコール対水の重量比は、メタノールのオレフィンプロセスへのオレフィン選択性及び活性を決定する一助となる重要なパラメータである。
【0070】
一部の実施形態では、第1の反応器からのアルコールと水との混合物を液体に凝縮させる。一部の実施形態では、第1の反応器からのアルコールと水との混合物を蒸気相で第2の反応器に移行させる。一部の実施形態では、液体アルコールと水との混合物を100℃超に加熱し、そのすべての構成成分をメタノールに導入するために蒸気にし、オレフィン反応器に入れる。
【0071】
本開示システム及び方法に好適な、アルコールをオレフィンに変換するための触媒は、それらのそれぞれの全体が参照により組み込まれている、以下の特許:EP特許第0,096,996号、米国特許第4,499,327号、同第5,191,141号、同第5,126,308号、同第5,714,662号及び同第4,440,871号に開示されている。
【0072】
本開示の方法及びシステムは、完全な第1の生成物混合物(すなわち、アルコールとパラフィンの両方を含有する)又はアルコール生成物混合物だけの混合物のどちらか一方に対して行われるこの変換ステップを含むことができる。
【0073】
メタノールからオレフィンにする反応器は、通常、固定床流通式反応器であるが、トリクル床反応器、流動床反応器、沸騰床反応器、連続撹拌槽型反応器などを含む、いくつかの他の反応器タイプの1つであってもよい。メタノールからオレフィンにする反応器は、高温及び周囲圧から低圧で、メタノールをオレフィン、例えば、エチレン、プロピレン、ブチレンなどに変換する触媒を含む。
【0074】
一部の実施形態では、アルコールをオレフィン(alcohol to olefin: ATO)にする触媒、又はメタノールをオレフィン(methanol to olefin: MTO)にする触媒は、結晶性ゼオライト又はシリコアルミノリン酸塩を含む流体触媒粒子を含む。さらなる実施形態では、ATO又はMTO触媒は、SAPO-5、H-SAPO-34、ZSM-11、TNU-9、IM-5、ZSM-35、ZSM-22、ZSM-23、SSZ-13、UZM-12、UZM-9、UZM-5、RUB-13、ZSM-5又はZSM-34を含む。
【0075】
一部の実施形態では、ATO又はMTO触媒は、遷移金属により促進されるシリコアルミノリン酸塩、例えば、Ni-SAPO-34を含む。一部の実施形態では、ATO又はMTO触媒は、KIT-6、又は遷移金属により促進されるKIT-6を含む。一部の実施形態では、ATO又はMTO触媒は、メタノールの配位及び挿入を支援する活性部位を有して、副生物としての水を含むオレフィンを選択的に生成する、酸性触媒である。一部の実施形態では、ニッケル又は他の遷移金属を使用して、オリゴマー化を促進する。
【0076】
ある特定の実施形態では、ATO又はMTO反応器は、メタノール蒸気及び流体触媒粒子の懸濁物が、上に向かって分散触媒接触及び反応ゾーンを通過するよう構成されている。
【0077】
ある特定の実施形態では、ATO又はMTO温度は、約260℃~約510℃である。さらなる実施形態では、ATO又はMTO温度は、約315℃~約370℃である。さらにさらなる実施形態では、ATO又はMTO温度は約315℃である。好ましい実施形態では、ATO又はMTO温度は約325℃である。ある特定の実施形態では、ATO又はMTO温度は約335℃である。さらなる実施形態では、ATO又はMTO温度は約345℃である。さらにさらなる実施形態では、ATO又はMTO温度は約355℃である。さらにさらなる実施形態では、ATO又はMTO温度は約365℃である。ある特定の実施形態では、ATO又はMTO温度は約370℃である。
【0078】
ある特定の実施形態では、ATO又はMTO圧は、約100kPa~約515kPaである。好ましい実施形態では、ATO又はMTO圧は約100kPaである。ある特定の実施形態では、ATO又はMTO圧は約200kPaである。さらなる実施形態では、ATO又はMTO圧は約300kPaである。さらにさらなる実施形態では、ATO又はMTO圧は約400kPaである。さらにさらなる実施形態では、ATO又はMTO圧は約500kPaである。ある特定の実施形態では、ATO又はMTO圧は約515kPaである。
【0079】
一部の実施形態では、メタノールの90~100%が、オレフィンに変換される。一部の実施形態では、エチレンは、MTO又はATO反応の好ましい生成物である。一部の実施形態では、反応は周囲圧で行われる。残りのオレフィンは、副生物である水から分離されて、蒸留、膜分離、又は当業者に公知のオレフィンを分離する他の任意の技法によって精製される。一部の実施形態では、得られたエチレンは90%に精製される。一部の実施形態では、得られたエチレンは99.9%に精製される。一部の実施形態では、得られたエチレンは99.99%以上に精製される。
【0080】
エチレン水和
一部の実施形態では、アルコールからオレフィン反応器に入れられるエチレン生成物は、分離されて、エチレン水和反応器に供給される。エチレン水和反応器は、通常、固定床流通式反応器であるが、いくつかの他のタイプの反応器の1つであってもよい。エチレン水和反応器中では、エチレンは、約0.6のH2O:C2H4の比で蒸気と混合されるが、この比は、使用される触媒に応じて様々であってもよい。蒸気及びエチレンは、シリカ担持リン酸触媒の場合、100~300℃の間、通常、250℃の温度まで加熱される。
【0081】
ある特定の実施形態では、本システムは、以下:
オレフィン生成物混合物からエチレンを分離するよう構成されているセパレータ、
エチレンと水を一緒にして、第3の供給混合物を形成するための混合用容器、及び
エチレンを水和させてエタノールを形成するエチレン水和反応器であり、第4の触媒を含む、エチレン水和反応器
をさらに備える。
【0082】
さらなる実施形態では、エチレン水和反応器は、エチレン及び蒸気の混合物が、分散触媒接触及び反応ゾーンを通過するよう構成されている。
【0083】
ある特定の実施形態では、本方法は、以下:
オレフィン生成物混合物からエチレンを分離するステップ、
エチレン及び水を含む第3の供給混合物を形成するステップ、
エチレンを第3の供給混合物中で水和させるステップであり、第3の供給混合物を、エチレン水和温度及びエチレン水和圧において、第4の触媒に接触させて、エタノールを生成するステップを含む、前記水和させるステップ
をさらに含む。
【0084】
本開示システム及び方法に好適な、エチレン水和の触媒は、それらのそれぞれの全体が参照により組み込まれている、以下の特許:米国特許第1,873,536号、同第3,452,106号及び同第4,482,767号に開示されている。
【0085】
「第4の触媒」と称される、エチレン水和反応の触媒は、以下に限定されないが、シリカ担持リン酸、炭素担持リン酸、ゼオライト、例えばH-ZSM-5又はH-ベータ、酸性ポリシロキサン、ポリタングステン酸又は金属リン化物、例えばリン化ゲルマニウム、リン化チタン、リン化スズ及びリン化ケイ素を含む。
【0086】
ある特定の実施形態では、第4の触媒は、樹脂型触媒である。さらなる実施形態では、第4の触媒は、スルホン化スチレン-ジビニルベンゼンコポリマー樹脂又はシリカゲル担持リン酸である。
【0087】
一部の実施形態では、オレフィン反応にアルコールのC3+生成物を使用して、固定床流通式反応器中でより大きな炭化水素を生成する。一部の実施形態では、オレフィン反応にアルコールのC3+生成物と共にエチレンを使用して、より大きな炭化水素を生成する。この反応は、酸性ゼオライト、例えば、H-ZSM-5を含有する、燃料合成反応器で行われ、アルコールからのオレフィンプロセスとは異なり、オレフィンは、約100℃~400℃、好ましくは250℃の温度、及び約100psi~2000psi、好ましくは1000psiの圧力まで加熱と加圧の両方が行われる。反応器を流れる、流量及び1回の通過あたりの変換率が制御されて、燃料としての使用に好適な、C8~C16又はC10~C20の範囲の炭化水素を選択する。
【0088】
ある特定の実施形態では、エチレン水和温度は、約100℃~約400℃である。さらなる実施形態では、エチレン水和温度は約100℃である。さらにさらなる実施形態では、エチレン水和温度は約200℃である。好ましい実施形態では、エチレン水和温度は約250℃である。ある特定の実施形態では、エチレン水和温度は約300℃である。さらなる実施形態では、エチレン水和温度は約400℃である。
【0089】
ある特定の実施形態では、エチレン水和圧は、約500psi~約1500psiである。さらなる実施形態では、エチレン水和圧は約500psiである。好ましい実施形態では、エチレン水和圧は約1000psiである。ある特定の実施形態では、エチレン水和圧は約1500psiである。
【0090】
オレフィンのオリゴマー化
一部の実施形態では、オリゴマー化触媒の存在下(本明細書において、「第3の触媒」と称される)、アルコールからオレフィンへのプロセス又はメタノールからオレフィンへのプロセスから生成するオレフィンをオリゴマー化して、高級オレフィン及び場合により芳香族化合物の混合物を生成することが望ましい。本明細書において使用する場合、炭化水素又はオレフィンに関して、修飾語句「高級」とは、前駆体よりも炭素数が多い炭化水素又はオレフィンを指す。例示的な高級炭化水素及びオレフィンには、以下に限定されないが、C8~C16炭化水素及び/又はオレフィンが含まれる。前記オリゴマー化プロセスは、固定床流通式反応器、又は任意の他の好適な反応器タイプで行うことができる。
【0091】
ある特定の実施形態では、第3の触媒はゼオライトである。さらなる実施形態では、第3の触媒はアルミノケイ酸塩ゼオライトである。さらにさらなる実施形態では、第3の触媒は、ZSM-5、ZSM-11、ZSM-22、ZSM-23及びZSM-35から選択される。好ましい実施形態では、第3の触媒はZSM-5である。
【0092】
オリゴマー化を行うことができる温度は、所望の生成物の長さ及び分布に基づいて、オリゴマー化度を必要に応じて調節するため、約50℃~約1000℃の範囲とすることができる。ある特定の実施形態では、オリゴマー化温度は、約50℃~約1000℃である。さらなる実施形態では、オリゴマー化温度は約50℃である。さらにさらなる実施形態では、オリゴマー化温度は約150℃である。好ましい実施形態では、オリゴマー化温度は約250℃である。ある特定の実施形態では、オリゴマー化温度は約350℃である。さらなる実施形態では、オリゴマー化温度は約450℃である。さらにさらなる実施形態では、オリゴマー化温度は約550℃である。さらにさらなる実施形態では、オリゴマー化温度は約650℃である。ある特定の実施形態では、オリゴマー化温度は約750℃である。さらなる実施形態では、オリゴマー化温度は約850℃である。さらにさらなる実施形態では、オリゴマー化温度は約950℃である。さらにさらなる実施形態では、オリゴマー化温度は約1000℃である。
【0093】
このオリゴマー化を行うことができる圧力は、所望の生成物の長さ及び分布に基づいて、オリゴマー化度を必要に応じて調節するため、約0psi~約2000psiの範囲とすることができる。ある特定の実施形態では、オリゴマー化圧は、約0psi~約2000psiである。さらなる実施形態では、オリゴマー化圧は約0psiである。さらなる実施形態では、オリゴマー化圧は約0psiである。好ましい実施形態では、オリゴマー化圧は約30psiである。ある特定の実施形態では、オリゴマー化圧は約250psiである。さらなる実施形態では、オリゴマー化圧は約500psiである。さらにさらなる実施形態では、オリゴマー化圧は約750psiである。さらにさらなる実施形態では、オリゴマー化圧は約1000psiである。ある特定の実施形態では、オリゴマー化圧は約1250psiである。さらなる実施形態では、オリゴマー化圧は約1500psiである。さらにさらなる実施形態では、オリゴマー化圧は約1750psiである。さらにさらなる実施形態では、オリゴマー化圧は約2000psiである。
【0094】
ある特定の実施形態では、オリゴマー化ステップの間に生成する高級オレフィン生成物混合物は、約10体積%~約20体積%の芳香族化合物を含む。
【0095】
高級オレフィンの高級炭化水素への水素化
本明細書に開示されているシステム及び方法のある特定の態様は、高級オレフィン生成物混合物を水素化して、不飽和炭素-炭素結合の数を減少させて、これによって、高級炭化水素の混合物を得ることを含む。理解される通り、多数の触媒が、このような水素化に好適となり得る。本明細書において使用する場合、用語「第5の触媒」とは、この水素化反応のための触媒を指す。
【0096】
さらに、この変換は、任意の好適な反応器タイプで行うことができるが、本明細書に開示されているシステム及び方法は、固定床流通式反応器を、通常、利用する。ある特定の実施形態では、オレフィン還元反応器は、加圧高級オレフィン混合物が分散触媒接触及び反応ゾーンを通過するよう構成されている。
【0097】
ある特定の実施形態では、第5の触媒は、アルミノケイ酸塩触媒である。さらなる実施形態では、第5の触媒はH-ZSM-5である。
【0098】
ある特定の実施形態では、オレフィン還元温度は、約100℃~約400℃である。ある特定の実施形態では、オレフィン還元温度は約100℃である。さらなる実施形態では、オレフィン還元温度は約200℃である。好ましい実施形態では、オレフィン還元温度は約250℃である。ある特定の実施形態では、オレフィン還元温度は約300℃である。さらなる実施形態では、オレフィン還元温度は約400℃である。
【0099】
ある特定の実施形態では、オレフィン還元圧は、約0psi~約1500psiである。ある特定の実施形態では、オレフィン還元圧は約0psiである。さらなる実施形態では、オレフィン還元圧は約500psiである。好ましい実施形態では、オレフィン還元圧は約1000psiである。ある特定の実施形態では、オレフィン還元圧は約1500psiである。
【0100】
パラフィンのジェット燃料への変換
一部の実施形態では、メタノールからのオレフィンプロセスにより生成するC3及び高級パラフィン、オレフィン及び他の炭化水素は、ジェット燃料に変換することができる。
【0101】
オレフィンをジェット燃料として使用するのに好適な重質炭化水素に変換するための、本開示システム及び方法に好適な触媒は、それらのそれぞれの全体が参照により組み込まれている、以下の特許:米国特許第5,210,347号、同第4,504,693号、同第4,456,781号、同第4,834,949号、同第5,177,279号及びPCT公開第WO2001/062875号に開示されている。
【0102】
本開示のある特定の態様では、装置は、高級炭化水素生成物混合物を、場合によりパラフィン生成物混合物とブレンドしてブレンドしたパラフィン生成物混合物を生成するために使用され得る。
【0103】
さらに、本開示のある特定の態様では、線状パラフィン及び/又は線状高級炭化水素の一部を異性化させて、線状パラフィン、分岐状パラフィン及び環状パラフィンを含む異性化パラフィン生成物混合物を得ることが利点となり得る。このような異性化は、任意の好適な触媒、好ましくは本明細書において「第6の触媒」と称される触媒を使用して達成することができる。ある特定の実施形態では、第6の触媒は、ゼオライト又はAlCl3である。さらなる実施形態では、第6の触媒はAlCl3である。さらに、この異性化は、任意の好適な反応器中で行うことができるが、好ましくは連続撹拌槽型反応器中で行われる。
【0104】
本開示システム及び方法は、ブレンドしたパラフィン混合物を分画して、ジェット燃料を生成する追加の装置を備えることもできる。ある特定の実施形態では、生成されるジェット燃料は、約10体積%~約20体積%の芳香族化合物を含む。
【0105】
定義
本明細書において特に定義しない限り、本出願中で使用されている科学用語及び技術用語は、当業者によって一般に理解される意味を有するものとする。一般に、本明細書に記載されている、化学、細胞及び組織培養、分子生物学、細胞及びがん生物学、神経生物学、神経化学、ウイルス学、免疫学、微生物学、薬理学、遺伝学及びタンパク質及び核酸化学と関連して使用されている命名及びこれらの技法は、当分野において周知であり、一般に使用されている。
【0106】
本開示の方法及び技法は、特に示さない限り、当分野で周知の従来の方法、並びに本明細書全体を通して引用及び議論されている様々な一般的な参照文献並びにより具体的な参照文献に記載されている方法に準拠して一般に行われる。例えば、「Principles of Neural Science」、McGraw-Hill Medical、New York、N.Y.(2000);Motulsky、「Intuitive Biostatistics」、Oxford University Press, Inc.(1995);Lodishら、「Molecular Cell Biology、第4版」、W. H. Freeman & Co.、New York(2000);Griffithsら、「Introduction to Genetic Analysis、第7版」、W. H. Freeman & Co.、N.Y.(1999);及びGilbertら、「Developmental Biology、第6版」、Sinauer Associates, Inc., Sunderland、MA(2000)を参照されたい。
【0107】
本明細書において使用される化学用語は、本明細書において特に定義しない限り、「The McGraw-Hill Dictionary of Chemical Terms」、Parker S.(編)、McGraw-Hill、San Francisco、C.A.(1985)によって例示されている、当分野において慣用的な使用に準拠して使用されている。
【0108】
上記のすべて、並びに本出願において参照されている任意の他の公開物、特許及び公開特許出願は、参照により本明細書に具体的に組み込まれている。矛盾する場合、その具体的な定義を含めた本明細書が優先する。
【0109】
本明細書において使用する場合、用語「任意選択の(optional)」又は「場合により(optionally)」は、その後に記載されている事象若しくは状況が発生することがあるか、又は発生しないことがあること、並びにこの記載は、上記の事象又は状況が発生する場合、及びそれが発生しない場合を含むことを意味する。例えば、「場合により置換されているアルキル」とは、アルキルが置換されていてもよいこと、及びアルキルが置換されていないことを指す。
【0110】
本発明の化合物上の置換基及び置換パターンは、容易に入手可能な出発原料から、当分野で公知の技法、及び以下に記載されている方法によって容易に合成することができる、化学的に安定な化合物をもたらすよう、当業者によって選択することができることが理解される。置換基が、1つ超の基によってそれ自体が置換されている場合、これらの複数の基は、安定構造をもたらす限り、同一炭素上に存在してもよく、又は異なる炭素上に存在してもよいことが理解される。
【0111】
本明細書において使用する場合、用語「場合により置換されている」とは、所与の構造中の1~6個の水素ラジカルの、以下に限定されないが:ヒドロキシル、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、ハロゲン、アルキル、ニトロ、シリル、アシル、アシルオキシ、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アミノ、アミノアルキル、シアノ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、-OCO-CH2-O-アルキル、-OP(O)(O-アルキル)2又は-CH2-OP(O)(O-アルキル)2を含む、具体的な置換基のラジカルによる置き換えを指す。好ましくは、「場合により置換されている」とは、所与の構造中の1~4個の水素ラジカルの、上記の置換基による置き換えを指す。より好ましくは、1~3個の水素ラジカルは、上記の置換基によって置き換えられる。置換基は、さらに置換され得ることが理解される。
【0112】
本明細書において使用する場合、用語「アルキル」とは、以下に限定されないが、C1~C10直鎖アルキル基又はC1~C10分岐鎖アルキル基を含む、飽和脂肪族基を指す。好ましくは、「アルキル」基とは、C1~C6直鎖アルキル基又はC1~C6分岐鎖アルキル基を指す。最も好ましくは、「アルキル」基は、C1~C4直鎖アルキル基又はC1~C4分岐鎖アルキル基を指す。「アルキル」の例には、以下に限定されないが、メチル、エチル、1-プロピル、2-プロピル、n-ブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、1-ペンチル、2-ペンチル、3-ペンチル、ネオ-ペンチル、1-ヘキシル、2-ヘキシル、3-ヘキシル、1-ヘプチル、2-ヘプチル、3-ヘプチル、4-ヘプチル、1-オクチル、2-オクチル、3-オクチル又は4-オクチルなどが含まれる。「アルキル」基は、場合により置換されていてもよい。
【0113】
用語「アシル」は、当分野で認識されており、一般式ヒドロカルビルC(O)-、好ましくはアルキルC(O)-によって表される基を指す。
【0114】
用語「アシルアミノ」は、当分野で認識されており、アシル基により置換されているアミノ基を指し、例えば、式ヒドロカルビルC(O)NH-によって表すことができる。
【0115】
用語「アシルオキシ」は、当分野で認識されており、一般式ヒドロカルビルC(O)O-、好ましくはアルキルC(O)O-によって表される基を指す。
【0116】
用語「アルコキシ」とは、アルキル基であって、アルキル基に結合した酸素を有する、アルキル基を指す。代表的なアルコキシ基には、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、tert-ブトキシなどが含まれる。
【0117】
用語「アルコキシアルキル」とは、アルコキシ基により置換されているアルキル基を指し、一般式アルキル-O-アルキルによって表すことができる。
【0118】
用語「アルキル」とは、直鎖アルキル基、分岐鎖アルキル基、シクロアルキル(脂環式)基、アルキル置換シクロアルキル基及びシクロアルキル置換アルキル基を含む、飽和脂肪族基を指す。好ましい実施形態では、直鎖又は分岐鎖アルキルは、その主鎖中に、30個以下(例えば、直鎖の場合、C1~30、分岐鎖の場合、C3~30)、より好ましくは20個以下の炭素原子を有する。
【0119】
さらに、本明細書、実施例及び特許請求の範囲全体にわたり使用されている用語「アルキル」は、無置換アルキル基及び置換アルキル基の両方を含むことが意図されており、これらのうちの置換アルキル基とは、アルキル部分が炭化水素主鎖の1個以上の炭素上の水素を置き換える置換基を有することを指し、ハロアルキル基、例えばトリフルオロメチル及び2,2,2-トリフルオロエチルなどを含む。
【0120】
用語「Cx~y」又は「Cx~Cy」は、化学部分、例えば、アシル、アシルオキシ、アルキル、アルケニル、アルキニル又はアルコキシと連携して使用される場合、鎖中のx~y個の炭素を含有する基を含むことが意図される。C0アルキルは水素を示し、この基は、末端位に存在し、内部の場合、結合である。C1~6アルキル基は、例えば、鎖中に1~6個の炭素原子を含む。
【0121】
用語「アルキルアミノ」は、本明細書において使用する場合、少なくとも1つのアルキル基により置換されているアミノ基を指す。
【0122】
用語「アルキルチオ」とは、本明細書において使用する場合、アルキル基により置換されているチオール基を指し、一般式アルキルS-によって表すことができる。
【0123】
用語「アミド」は、本明細書において使用する場合、基
【0124】
【化4】
を指し、
R9及びR10は、それぞれ独立して、水素又はヒドロカルビル基を表すか、又はR9とR10は一緒になって、それらが結合しているN原子と一緒になって、環構造中に4~8個の原子を有する複素環を完成する。
【0125】
用語「アミン」及び「アミノ」は、当分野で認識されており、無置換アミン及び置換アミン及びそれらの塩、例えば、
【0126】
【化5】
によって表すことができる部分を指し、
R9、R10及びR10'は、それぞれ独立して、水素又はヒドロカルビル基を表すか、又はR9とR10は、それらが結合しているN原子と一緒になって、環構造中に4~8個の原子を有する複素環を完成する。
【0127】
用語「アミノアルキル」とは、本明細書において使用する場合、アミノ基により置換されているアルキル基を指す。
【0128】
用語「アラルキル」とは、本明細書において使用する場合、アリール基により置換されているアルキル基を指す。
【0129】
用語「アリール」とは、本明細書において使用する場合、環の各原子が炭素である、置換又は無置換の単環式芳香族基を含む。好ましくは、環は、5~7員の環、より好ましくは6員環である。用語「アリール」はまた、2つ以上の環式環(サイクリック環)を有する多環式環系を含み、この場合、2個以上の炭素が、2つの結合環に共通しており、環の少なくとも1つは芳香族であり、例えば、他方の環式環は、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル(cycloalkynyls)、アリール、ヘテロアリール及び/又はヘテロシクリルとすることができる。アリール基には、ベンゼン、ナフタレン、フェナントレン、フェノール、アニリンなどが含まれる。
【0130】
用語「カルバメート」は、当分野で認識されており、基
【0131】
【化6】
を指し、
R9及びR10は、独立して、水素又はヒドロカルビル基を表す。
【0132】
用語「カルボシクリルアルキル(carbocyclylalkyl)」とは、本明細書において使用する場合、炭素環基により置換されているアルキル基を指す。
【0133】
用語「炭素環」は、5~7員の単環式環及び8~12員の二環式環を含む。二環式炭素環の各環は、飽和環、不飽和環及び芳香族環から選択することができる。炭素環は、2つの環の間で、1個、2個若しくは3個又はそれ以上の原子が共有される、二環式分子を含む。用語「縮合(fused)炭素環」とは、各環が他の環と2個の隣接原子を共有する二環式炭素環を指す。縮合炭素環の各環は、飽和環、不飽和環及び芳香族環から選択することができる。例示的な実施形態では、芳香族環、例えばフェニルは、飽和環又は不飽和環、例えば、シクロヘキサン、シクロペンタン又はシクロヘキセンに縮合していてもよい。価数が許す限り、飽和二環式環、不飽和二環式環及び芳香族二環式環の任意の組合せが、炭素環式の定義に含まれる。例示的な「炭素環」には、シクロペンタン、シクロヘキサン、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、1,5-シクロオクタジエン、1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン、ビシクロ[4.2.0]オクタ-3-エン、ナフタレン及びアダマンタンが挙げられる。例示的な縮合炭素環には、デカリン、ナフタレン、1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン、ビシクロ[4.2.0]オクタン、4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インデン及びビシクロ[4.1.0]ヘプタ-3-エンが挙げられる。「炭素環」は、水素原子を有することが可能な任意の1つ以上の位置において置換されていてもよい。
【0134】
用語「カルボシクリルアルキル」とは、本明細書において使用する場合、炭素環基により置換されているアルキル基を指す。
【0135】
用語「炭酸塩」は、当分野で認識されており、基-OCO2-を指す。
【0136】
用語「カルボキシ」とは、本明細書において使用する場合、式-CO2Hによって表される基を指す。
【0137】
用語「エステル」とは、本明細書において使用する場合、基-C(O)OR9を指し、R9は、ヒドロカルビル基を表す。
【0138】
用語「エーテル」とは、本明細書において使用する場合、ヒドロカルビル基であって、酸素を介して別のヒドロカルビル基に連結している、ヒドロカルビル基を指す。したがって、ヒドロカルビル基のエーテル置換基は、ヒドロカルビル-O-であってもよい。エーテルは、対称又は非対称のどちらであってもよい。エーテルの例には、以下に限定されないが、複素環-O-複素環及びアリール-O-複素環が挙げられる。エーテルは、「アルコキシアルキル」基を含み、これは、一般式アルキル-O-アルキルによって表すことができる。
【0139】
用語「ハロ」及び「ハロゲン」は、本明細書において使用する場合、ハロゲンを意味し、クロロ、フルオロ、ブロモ及びヨードが挙げられる。
【0140】
用語「ヘトアラルキル(hetaralkyl)」及び「ヘテロアラルキル」とは、本明細書において使用する場合、ヘトアリール基(hetaryl)により置換されているアルキル基を指す。
【0141】
用語「ヘテロアリール」及び「ヘトアリール」は、置換又は無置換の芳香族単環構造、好ましくは5~7員の環、より好ましくは5~6員の環を含み、これらの環構造は、少なくとも1個のヘテロ原子、好ましくは1~4個のヘテロ原子、より好ましくは1個又は2個のヘテロ原子を含む。用語「ヘテロアリール」及び「ヘトアリール」はまた、2つ以上の環式環を有する多環式環系を含み、2個以上の炭素が、2つの結合環に共通しており、環の少なくとも一方は複素芳香族であり、例えば、他方の環式環は、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリール、ヘテロアリール及び/又はヘテロシクリルとすることができる。ヘテロアリール基には、例えば、ピロール、フラン、チオフェン、イミダゾール、オキサゾール、チアゾール、ピラゾール、ピリジン、ピラジン、ピリダジン及びピリミジンなどが挙げられる。
【0142】
用語「ヘテロ原子」は、本明細書において使用する場合、炭素又は水素以外の任意の元素の原子を意味する。好ましいヘテロ原子は、窒素、酸素及び硫黄である。
【0143】
用語「ヘテロシクリルアルキル」とは、本明細書において使用する場合、複素環基により置換されているアルキル基を指す。
【0144】
用語「ヘテロシクリル」、「複素環」及び「複素環式」は、置換又は無置換の非芳香族環構造、好ましくは3~10員の環、より好ましくは3~7員の環を指し、これらの環構造は、少なくとも1個のヘテロ原子、好ましくは1~4個のヘテロ原子、より好ましくは1個又は2個のヘテロ原子を含む。用語「ヘテロシクリル」及び「複素環式」はまた、2つ以上の環式環を有する多環式環系を含み、2個以上の炭素が、2つの結合環に共通しており、環の少なくとも一方は複素環式であり、例えば、他方の環式環は、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリール、ヘテロアリール及び/又はヘテロシクリルとすることができる。ヘテロシクリル基には、例えば、ピペリジン、ピペラジン、ピロリジン、モルホリン、ラクトン、ラクタムなどが挙げられる。
【0145】
用語「ヒドロカルビル」とは、本明細書において使用する場合、炭素原子を介して結合している基であって、=O又は=S置換基を有さない上記の基を指し、通常、少なくとも1つの炭素-水素結合及び主に炭素主鎖を有するが、場合によりヘテロ原子を含んでもよい。したがって、メチル、エトキシエチル、2-ピリジル及びさらにはトリフルオロメチルのような基は、本出願の目的の場合、ヒドロカルビルと見なされるが、置換基、例えばアセチル(これは、連結炭素上に=O置換基を有する)及びエトキシ(これは、炭素ではなく、酸素を介して連結している)は見なされない。ヒドロカルビル基には、以下に限定されないが、アリール、ヘテロアリール、炭素環、複素環、アルキル、アルケニル、アルキニル(alkynyl)及びそれらの組合せが挙げられる。
【0146】
用語「ヒドロキシアルキル」とは、本明細書において使用する場合、ヒドロキシ基により置換されているアルキル基を指す。
【0147】
用語「低級」は、化学部分、例えばアシル、アシルオキシ、アルキル、アルケニル、アルキニル又はアルコキシと連携して使用される場合、置換基中に10個以下の原子、好ましくは6個以下の原子が存在する基を含むことが意図される。「低級アルキル」とは、例えば、10個以下、好ましくは6個以下の炭素原子を含有するアルキル基を指す。ある特定の実施形態では、本明細書において定義されているアシル、アシルオキシ、アルキル、アルケニル、アルキニル又はアルコキシ置換基とは、それらは、単独で現れるか、又は他の置換基、例えば、ヒドロキシアルキル及びアラルキルで列挙したものと組み合わせて現れるかどうかに関わらず(この場合、例えば、アルキル置換基中の炭素原子を数える場合、アリール基中の原子は数に入れない)、それぞれ低級アシル、低級アシルオキシ、低級アルキル、低級アルケニル、低級アルキニル又は低級アルコキシのことである。
【0148】
用語「ポリシクリル(polycyclyl)」、「多環(polycycle)」及び「多環式」とは、2つ以上の環(例えば、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリール、ヘテロアリール及び/又はヘテロシクリル)を指し、2個以上の原子が、2つの結合している環に共通しており、例えば、環は「縮合環」である。多環の環の各々は、置換されることができるか、又は置換され得ない。ある特定の実施形態では、多環の各環は、環中に3~10個、好ましくは5~7個の原子を含有する。
【0149】
用語「サルフェート」は、当分野で認識されており、基-OSO3H又は薬学的に許容されるその塩を指す。
【0150】
用語「スルホンアミド」は、当分野で認識されており、一般式
【0151】
【化7】
によって表される基を指し、
R9及びR10は、独立して、水素又はヒドロカルビルを表す。
【0152】
用語「スルホキシド」は、当分野で認識されており、基-S(O)-を指す。
【0153】
用語「スルホネート」は、当分野で認識されており、基SO3H又は薬学的に許容されるその塩を指す。
【0154】
用語「スルホン」は、当分野で認識されており、基-S(O)2-を指す。
【0155】
用語「置換されている」とは、部分が、主鎖の1個以上の炭素上の水素を置き換える置換基を有することを指す。「置換」又は「により置換されている」は、このような置換が、置換されている原子及び置換基の許容される価数に従うこと、並びにこの置換が、例えば、転位、環化、脱離などによって変換を例えば自発的に受けない安定な化合物になるという暗黙の前提を含むことが理解されよう。本明細書において使用する場合、用語「置換されている」は、有機化合物の許容される置換基のすべてを含むことが企図されている。広い態様では、許容される置換基は、有機化合物の、非環式及び環式、分岐状及び非分岐状の炭素環式並びに複素環式、並びに芳香族及び非芳香族置換基を含む。許容される置換基は、適切な有機化合物にとって、1つ以上とすることができ、同一又は異なることができる。本発明の目的として、ヘテロ原子、例えば窒素は、水素置換基、及び/又はヘテロ原子の原子価を満足する、本明細書に記載されている有機化合物の任意の許容される置換基を有することができる。置換基は、本明細書に記載されている任意の置換基、例えば、ハロゲン、ヒドロキシル、カルボニル(例えば、カルボキシル、アルコキシカルボニル、ホルミル又はアシル)、チオカルボニル(例えば、チオエステル、チオアセテート又はチオフォーメート)、アルコキシル、ホスホリル、ホスフェート、ホスホネート、ホスフィネート(phosphinate)、アミノ、アミド、アミジン、イミン、シアノ、ニトロ、アジド、スルフヒドリル、アルキルチオ、サルフェート、スルホネート、スルファモイル、スルホンアミド、スルホニル、ヘテロシクリル、アラルキル、又は芳香族部分若しくは複素芳香族部分を含むことができる。炭化水素鎖上で置換されている部分は、適切な場合、それ自体、置換され得ることが当業者によって理解されよう。
【0156】
用語「チオアルキル」とは、本明細書において使用する場合、チオール基により置換されているアルキル基を指す。
【0157】
用語「チオエステル」とは、本明細書において使用する場合、基-C(O)SR9又は-SC(O)R9を指し、
R9はヒドロカルビルを表す。
【0158】
用語「チオエーテル」は、本明細書において使用する場合、エーテルと等価であり、酸素が硫黄により置き換えられている。
【0159】
用語「尿素(urea)」は、当分野で認識されており、一般式
【0160】
【化8】
によって表すことができ、
R9及びR10は、独立して、水素又はヒドロカルビルを表す。
【0161】
用語「モジュレートする(modulate)」とは、本明細書において使用する場合、機能若しくは活性(例えば、細胞増殖)の阻害又は抑制、及び機能又は活性の増強を含む。
【0162】
用語「溶解度の対数」、「LogS」又は「logS」は、本明細書において使用する場合、化合物の水溶解度を定量するために当分野において使用される。化合物の水溶解度は、その吸収及び分布特徴に有意な影響を及ぼす。溶解度が低いことは、多くの場合、吸収の不良を伴うことが多い。LogS値は、mol/リットルで測定される溶解度の単位を除いた対数(底10)である。
【0163】
本明細書において使用する場合、用語「ハイドレート化二酸化炭素」は、限定するものではないが、炭酸、炭酸塩及び/若しくはイオン、並びに重炭酸塩及び/又はイオンを含む触媒の存在下で、二酸化炭素ガスと水との反応に由来するすべての反応生成物を包含する。
【0164】
[実施例]
本発明を一般化されて記載され、本発明は、ある特定の態様及び本発明の実施形態の単なる例示目的のために含まれており、且つ本発明を限定することを意図するものではない、以下の実施例を参照することによって一層容易に理解される。
【0165】
[実施例1]
固定床流通式反応器中でのCO2及びH2のメタノールへの変換
CO2水素化は、ほぼ9リットルの内部容積を有する固定床流通式反応器中で行った。63重量%の酸化銅、27重量%の酸化亜鉛及び10重量%の酸化アルミニウムからなる触媒10キログラムをこのフロー反応器に搭載し、高さ6mm及び直径4mmの円筒に圧縮した。触媒を活性化するため、1分間あたり30標準リットル(SLPM)の流量、100psiの圧力でH2ガスをこの反応器に流しながら、反応器をほぼ300℃まで加熱した。この活性化時間の間、フロー反応器の下流のセパレータにおいて、水を採集した。触媒活性化の後、反応器の温度を250℃まで低下させて、圧力を750psiに昇圧した。H2及びCO2をそれぞれ、30SLPM及び10SLPMの流量で反応器に流した。ガスを触媒の表面で反応させ、水中ほぼ64%のメタノールに相当する0.89g/mLの密度を有するメタノール水混合物を時間あたりほぼ0.4リットル生成させ、こうして、メタノール生成に関して定量的選択性を達成した。未反応ガスは、リサイクルループ及びコンプレッサによって反応器からリサイクルされ、メタノール生成の収率を改善した。
【0166】
[実施例2]
メタノールのオレフィンへの変換の一般手順
エチレン、プロピレン及び他の炭化水素を生成するメタノールの脱水は、固定床流通式反応器で実施する。50重量%酸化アルミニウム、30~45重量%の酸化リン及び20~5重量%の酸化ケイ素からなるチャバザイト構造物質である、シリコアルミノリン酸塩触媒H-SAPO-34を10kg、フロー反応器に搭載する。反応器を450℃の温度まで加熱する。40%メタノール及び60%水からなる供給混合物を180℃超まで加熱し、メタノール及び水を蒸気にして、次に、50PSI及び時間あたりの重量空間速度5.0h-1で反応器に導入する。メタノールは、エチレン、プロピレン、ブテン、ペンテン、パラフィン、オレフィン及び芳香族化合物からなる混合物に変換され、主要生成物は、蒸留によって他の生成物から分離されるエチレンである。
【0167】
[実施例3]
オレフィンのジェット燃料への変換の一般手順
C3及び高級パラフィン、オレフィン及び他の炭化水素からなる混合物を、固定床流通式反応器中でジェット燃料に変換する。C3及び高級炭化水素原料の混合物は、メタノールのオレフィンシステムへの生成物であり、エチレンは蒸留によって取り出される。ほぼ70:1のシリカ対アルミナの比の酸化アルミニウム及び酸化ケイ素からなるアルミノケイ酸塩触媒H-ZSM-5を10kg、フロー反応器に搭載する。反応器をほぼ250℃まで加熱する。C3及び高級炭化水素の混合物をほぼ30~1000psiまで加圧し、反応器に導入する。C3及び高級炭化水素供給(feed)の流量を制御し、C8~C16炭化水素の混合物になるよう、反応器への1回の通過あたりほぼ50重量%の変換率を達成させる。C8~C16炭化水素を蒸留して、パラフィンワックスの重質画分を取り除き、ほぼ11.3kWh/Lのエネルギー密度を有しており、特にジェット燃料として好適な炭化水素液体となる。
【0168】
[実施例4]
メタノールからオレフィンへのプロセスによるオレフィン形成
1インチ径のフロー反応器に、7.6mmの直径及び2.5mmの厚さの円筒にペレット化したH-SAPO-34触媒15gを搭載した。窒素を0.1SLPMで反応器に供給した。本システムに15分間、N2を勢いよく流した後、炉を450℃までゆっくりと昇温した。40%メタノール及び60%水を含有するCO2水素化反応器から直接、採取した液体混合物を、180℃、2.5mL/分で予め加熱したゾーンに供給し、メタノール及び水を蒸気にした。次に、この蒸気を50PSI及び時間あたりの重量空間速度5.0h-1で反応器に導入した。主にエチレン、プロピレン、並びにいくつかの他のアルカン及びオレフィンを含有する生じたガス混合物をガス-液体セパレータの後に採集し、GC-TCDで分析した。水及び未反応メタノールを含有する液体産出物をガス-液体セパレータから採取し、GC-FIDで分析した。
【0169】
メタノールの変換率が90%未満まで低下した後に、SAPO触媒を再生した。反応器を650℃まで加熱し、0.75mL/分で、40分間、DI水を反応器に供給した。次に、この反応器を450℃まで冷却し、メタノールからオレフィンへのプロセスを再開した。
【0170】
【表1】
【0171】
図4は、本明細書において開示されているMTOプロセスに由来する生成物のGC-FIDクロマトグラムを示す。
【0172】
[実施例5]
プロピレンオリゴマー化からの芳香族形成
ZSM-5触媒20gを有する固定床流通式反応器(2mmの直径、10mmの長さを有する)に、プロピレンを供給した。アルミナを不活性体として使用し、反応器に充填した。2.5SCFH(1.2SLPM)、30PSIで10分間、プロピレンを反応器に供給した後、反応器を250℃までゆっくりと加熱した。2.5SCFH(1.2SLPM)で、1時間、プロピレンを供給し、100mLの黄金色の黄色液体を採取した。得られた液体をガス-液体セパレータから採集し、GC-FIDで分析した。
【0173】
図5は、プロピレンのオリゴマー化生成物液体のGC-FIDクロマトグラムを示す。
【0174】
[実施例6]
パラフィン異性化からのイソ-パラフィン形成
600mLの連続撹拌槽型反応器に、10gのAlCl3、及びC7~C28の98%線状n-パラフィンを含む50mLのパラフィンを加えた。反応器を密封し、H2を100PSIで3回、勢いよく流し、残留空気を除去した。次に、このシステムにH2を500PSIで加圧し、6時間、激しく撹拌しながら、150℃まで加熱した。次に、この反応器を室温まで冷却し、圧力を解除した。次に、得られた明黄色液体を採取し、GC-FIDにより分析した。19%のn-パラフィンが異性化を受けて、イソ-パラフィン及びシクロ-パラフィン異性体をもたらした。
【0175】
図6は、異性化生成物中のパラフィン液体供給(feed)と異性化生成物に関するGC-FIDクロマトグラムの比較を示す。
【0176】
[実施例7]
エチレン水和からのエタノール生成
1インチの直径の固定床反応器に、リン酸処理シリカを含有する触媒15gを加えた。アルミナを不活性体として使用し、反応器の残りの部分に充填した。システムを密封し、N2を20分間、勢いよく流した後に、エチレンを150PSIで供給した。次に、この反応器を250℃までゆっくりと加熱した。高圧用シリンジポンプにより水を反応器に供給し、蒸気/エチレン比2を維持した。液体を液体ガスセパレータから採取してGC-FIDで分析し、エタノール形成量を求めた。
【0177】
図7は、エチレン水素化液体生成物のGC-FIDクロマトグラムを示す。
【0178】
参照による組込み
本明細書において言及したすべての公開物及び特許の全体が、個々の公開物又は特許のそれぞれが、あたかも参照により組み込まれていると具体的且つ個々に示されているかのごとく、参照により本明細書に組み込まれている。矛盾がある場合、本明細書におけるあらゆる定義を含めた本出願が優先する。
【0179】
均等形態
主題発明の特定の実施形態が議論されているが、上記の明細書は例示的であり、限定的ではない。本発明の多数の変形形態が、本明細書及び以下の特許請求の範囲を精読すると、当業者には明白となろう。本発明の全範囲は、特許請求の範囲をそれらの均等形態の全範囲と共に及び本明細書をこのような変形形態と共に参照することによって、決定すべきである。
図1
図2A
図2B
図2C
図3
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】