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特表2024-519844歪みを軽減するように金属ワークピースを製造するためのマウントシステム、ピン支持システム、及び指向性エネルギー堆積の方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-21
(54)【発明の名称】歪みを軽減するように金属ワークピースを製造するためのマウントシステム、ピン支持システム、及び指向性エネルギー堆積の方法
(51)【国際特許分類】
   B23K 26/70 20140101AFI20240514BHJP
   B23K 9/04 20060101ALI20240514BHJP
   B23K 26/21 20140101ALI20240514BHJP
   B23K 26/34 20140101ALI20240514BHJP
   B23K 15/00 20060101ALI20240514BHJP
   B33Y 10/00 20150101ALI20240514BHJP
   B33Y 30/00 20150101ALI20240514BHJP
   B22F 10/22 20210101ALI20240514BHJP
   B22F 1/00 20220101ALI20240514BHJP
   C22C 33/02 20060101ALI20240514BHJP
   B22F 10/322 20210101ALI20240514BHJP
   B22F 10/362 20210101ALI20240514BHJP
【FI】
B23K26/70
B23K9/04 Y
B23K9/04 G
B23K9/04 Z
B23K26/21 Z
B23K26/34
B23K15/00 501B
B33Y10/00
B33Y30/00
B22F10/22
B22F1/00 T
C22C33/02 C
B22F10/322
B22F10/362
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2023571498
(86)(22)【出願日】2021-05-21
(85)【翻訳文提出日】2024-01-16
(86)【国際出願番号】 EP2021063608
(87)【国際公開番号】W WO2022242873
(87)【国際公開日】2022-11-24
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】512037473
【氏名又は名称】ノルスク・チタニウム・アーエス
【氏名又は名称原語表記】NORSK TITANIUM AS
【住所又は居所原語表記】Flyplassveien 20, N-3514 Hoenefoss, Norway
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100221729
【弁理士】
【氏名又は名称】中尾 圭介
(72)【発明者】
【氏名】アルメイダ、ペドロ
(72)【発明者】
【氏名】グリゴレンコ、デール
(72)【発明者】
【氏名】ロンドー、スティーヴン
【テーマコード(参考)】
4E066
4E168
4K018
【Fターム(参考)】
4E066BF03
4E066BF07
4E066CC03
4E066CC04
4E168BA35
4E168BA38
4E168BA54
4E168BA56
4E168BA81
4E168DA23
4E168DA24
4E168DA25
4E168DA26
4E168DA28
4E168FA00
4E168FB03
4K018AA33
4K018BA17
(57)【要約】
本出願は、基板(300)上で物体、特にチタン及びチタン合金物体を指向性エネルギー堆積によって製造するためのマウントシステム(100)、並びにマウントシステム(100)を使用するシステム及び方法に関する。本方法は、その上で物体が製造される基板(300)を熱的に予備的に曲げて、予備的に曲げられた基板(300)を形成することと、マウントシステム(100)を下に横たわる支持体として使用して治具に予備的に曲げられた基板(300)を取り付けることと、基板(300)を予備加熱することと、指向性エネルギー堆積技術を使用して、予備加熱された予備的に曲げられた基板(300)上で物体を形成することとを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
溶接治具とインターフェースするように構成された第1の側と、
湾曲プロファイルを画定し、基板とインターフェースするように構成された第2の側とを備え、前記第2の側は、
前記第2の側がインターフェースするように構成された前記基板の表面に対応するサイズの基板界面エリアと、
前記第2の側が前記基板とインターフェースするときに前記マウントシステムが前記基板と物理的に接触するように構成された基板接触エリアとを備え、
前記基板接触エリアは前記基板界面エリアの0.1~20パーセントを構成する、
マウントシステム。
【請求項2】
前記基板接触エリアによって構成される前記基板界面エリアのパーセントが、
a)0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、又は1以上、及び1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、又は20以下、
b)0.1~15、0.1~10、0.1~5、又は0.1~1の範囲内、
c)0.1~15、0.1~10、0.1~5、又は0.1~1の範囲内、
d)0.2~20、0.2~15、0.2~10、0.2~5、又は0.2~1の範囲内、
e)0.3~20、0.3~15、0.3~10、0.3~5、又は0.3~1の範囲内、
f)0.4~20、0.4~15、0.4~10、0.4~5、又は0.4~1の範囲内、
g)0.5~20、0.5~15、0.5~10、0.5~5、又は0.5~1の範囲内、
h)0.6~20、0.6~15、0.6~10、0.6~5、又は0.6~1の範囲内、
i)0.7~20、0.7~15、0.7~10、0.7~5、又は0.7~1の範囲内、
j)0.8~20、0.8~15、0.8~10、0.8~5、又は0.8~1の範囲内、又は、
k)0.9~20、0.9~15、0.9~10、0.9~5、又は0.9~1の範囲内、
である、請求項1に記載のマウントシステム。
【請求項3】
非磁性金属、又は1350℃以上の融点を有する金属をさらに含む、請求項1又は2に記載のマウントシステム。
【請求項4】
前記金属がオーステナイト系ステンレス鋼を含む、請求項3に記載のマウントシステム。
【請求項5】
前記オーステナイト系ステンレス鋼が、炭素、クロム、銅、マンガン、モリブデン、ニッケル、窒素、リン、ケイ素、又はそれらの任意の2つ以上の組み合わせを含む、請求項4に記載のマウントシステム。
【請求項6】
前記オーステナイト系ステンレス鋼が、少なくとも18%のクロムを含む、請求項4に記載のマウントシステム。
【請求項7】
前記オーステナイト系ステンレス鋼が、300系ステンレス鋼である、請求項4に記載のマウントシステム。
【請求項8】
前記オーステナイト系ステンレス鋼が、304系ステンレス鋼、309系ステンレス鋼、310系ステンレス鋼、316系ステンレス鋼、318系ステンレス鋼、321系ステンレス鋼又は330系ステンレス鋼を含む、請求項4に記載のマウントシステム。
【請求項9】
セラミックコーティングが、二酸化ジルコニウム、酸化イットリウムの添加によって安定化された二酸化ジルコニウム、酸化イットリウムアルミニウム、アルカリ土類金属ケイ酸塩、ZrV、Mg(VO、又はそれらの組み合わせを含む、請求項1~8のいずれか一項に記載のマウントシステム。
【請求項10】
約3mm~約35mmの公称湾曲プロファイルたわみをさらに含む、請求項1~9のいずれか一項に記載のマウントシステム。
【請求項11】
前記マウントシステムが再構成可能である、請求項1~10のいずれか一項に記載のマウントシステム。
【請求項12】
前記湾曲プロファイルが1つ又は複数のピンによって画定される、請求項1~11のいずれか一項に記載のマウントシステム。
【請求項13】
第1の基板支持高さを有するように配置された前記1つ又は複数のピンのうちの少なくとも第1のピンと、
第2の基板支持高さを有するように配置された前記1つ又は複数のピンのうちの少なくとも第2のピンとをさらに備え、
前記第1の基板支持高さは前記第2の基板支持高さと異なる、
請求項12に記載のマウントシステム。
【請求項14】
前記湾曲プロファイルが、湾曲クランプ金型によって画定される、請求項1~10のいずれか一項に記載のマウントシステム。
【請求項15】
溶接治具上の再構成可能な配置の1つ又は複数のピンを備え、
前記1つ又は複数のピンは、可変基板支持高さを有し且つ湾曲プロファイルを画定するように配置される、
ピン支持システム。
【請求項16】
前記1つ又は複数のピンの少なくとも1つが、
基板接触エリアを含むピンヘッド部分と、
カラー部分と、
前記溶接治具に係合するように構成されたベース部分とを含む、
請求項15に記載のピン支持システム。
【請求項17】
前記ピンヘッド部分が、横方向プロファイルの少なくとも一部に平坦部分をさらに含む、請求項15に記載のピン支持システム。
【請求項18】
前記ピンヘッド部分が溶接治具界面エリアを含む、請求項15に記載のピン支持システム。
【請求項19】
前記1つ又は複数のピンがオーステナイト系ステンレス鋼を含む、請求項15~18のいずれか一項に記載のピン支持システム。
【請求項20】
金属ワークピースを製造するための指向性エネルギー堆積方法であって、
溶融ツールを使用して金属材料の基板の第1の表面に複数の溶融トラックを形成することにより、前記金属材料の基板を熱エネルギーで予備的に曲げて、予備的に曲げられた基板を製造することと、
前記予備的に曲げられた基板を支持するための下に横たわる支持構造体として請求項1~14のいずれか一項に記載のマウントシステム又は請求項15~19のいずれか一項に記載のピン支持システムを使用すること、及び、前記予備的に曲げられた基板と、前記予備的に曲げられた基板を支持する前記マウントシステム又はピン支持システムとを複数のクランプを使用して治具に固定することと、
ベース材料を形成するために前記基板の第2の表面上に溶融金属の層を堆積させるように金属原料を溶融することを含み、前記ベース材料上に溶融金属の後続の層を堆積させて金属ワークピースを形成する積層造形プロセスによって、前記基板の前記第2の表面上に前記金属ワークピースを形成することとを含み、
前記基板の前記第2の表面は、前記基板の前記第1の表面の反対側にある、
方法。
【請求項21】
前記金属原料が、粉末、ワイヤ又はそれらの組み合わせの形態の金属である、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記基板の前記第2の側に熱エネルギーを適用することにより、前記治具に固定されている間に前記金属ワークピースを製造する前に、前記予備的に曲げられた基板を約400℃~約900℃の温度まで予備加熱することをさらに含む、請求項20又は21に記載の方法。
【請求項23】
前記基板を予備的に曲げることが、前記基板に熱勾配を誘導することを含む、請求項20~22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
前記溶融ツールが、レーザービーム、電子ビーム、プラズマアーク、ガスタングステンアーク、ガス金属アーク及びそれらの任意の組み合わせの中から選択される熱源を含む、請求項20~23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
前記基板の前記第1の表面を予備的に曲げる間に、熱エネルギーの適用エリアは、前記金属材料の融点である温度、又は前記金属材料の融点よりも約5℃~約50℃低い若しくは高い温度に達する、請求項20~24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
前記基板の前記第1の表面を予備的に曲げる間、前記溶融トラックの形成は、前記基板の冷却時に、溶融トラックのそれぞれの中心線における引張応力の形成と、溶融トラックのそれぞれの前記中心線から離れたエリアにおける圧縮応力の形成とをもたらす、請求項20~25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
前記溶融トラックの前記中心線における引張応力が、前記基板の降伏強度の約10%以内である、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記溶融トラックの前記中心線における前記引張応力が、前記基板の降伏強度の大きさを超える、請求項26に記載の方法。
【請求項29】
予備的に曲げるステップが、前記溶融トラックの冷却を促進するために、ガスジェット装置を使用して冷却ガスを前記溶融トラックに向けることをさらに含む、請求項20~28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
前記冷却ガスを前記溶融トラックに向けることにより前記基板に熱勾配が形成され、冷却時に前記基板に残留応力が付与される、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記ガスジェット装置が、約50L/分~約500L/分の速度で前記冷却ガスを前記溶融トラックに向ける、請求項29又は30に記載の方法。
【請求項32】
前記冷却ガスが、一定のストリームで適用される、断続的に適用される、又はパルス流で適用される、請求項29~31のいずれか一項に記載の方法。
【請求項33】
前記冷却ガスが、アルゴン、ヘリウム、ネオン、キセノン、クリプトン及びそれらの組み合わせの中から選択される不活性ガスを含む、請求項29~32のいずれか一項に記載の方法。
【請求項34】
前記冷却ガスが100℃以下の温度で適用される、請求項29~33のいずれか一項に記載の方法。
【請求項35】
前記冷却ガスが25℃以下の温度で適用される、請求項29~34のいずれか一項に記載の方法。
【請求項36】
前記ガスジェット装置が、前記冷却ガスの乱流、前記冷却ガスの層流、又は前記冷却ガスの乱流と層流の組み合わせを生成する、請求項29~35のいずれか一項に記載の方法。
【請求項37】
前記ガスジェット装置が複数のノズルを備え、前記ノズルは前記冷却ガスを前記溶融ツールの熱源から離れる方向に向け、少なくとも1つのノズルは前記冷却ガスを前記溶融トラックの固化したままの金属に向ける、請求項29~36のいずれか一項に記載の方法。
【請求項38】
前記溶融トラックが互いに等距離に形成される、請求項20~37のいずれか一項に記載の方法。
【請求項39】
前記溶融トラック間の距離が約10mm~約60mmである、請求項20~38のいずれか一項に記載の方法。
【請求項40】
前記基板の前記第2の表面上に形成されるプリフォームの各壁の中心線を決定することと、
前記基板の前記第1の表面上に、前記基板の前記第2の表面上に形成される前記プリフォームの大部分の壁の中心線から約10mm~約20mm離れて前記溶融トラックを位置決めすることと
をさらに含む、請求項20~39のいずれか一項に記載の方法。
【請求項41】
前記溶融線の大部分を、前記基板の前記第2の側上に形成される前記ワークピースの1つ又は複数の壁が占める1つ又は複数のエリアに対応する位置以外の1つ又は複数の位置で前記第1の表面上に形成することをさらに含む、請求項20~40のいずれか一項に記載の方法。
【請求項42】
前記予備的に曲げることが、均一な弾塑性曲げを有する予備的に曲げられた基板を形成する、請求項20~41のいずれか一項に記載の方法。
【請求項43】
前記基板が治具にクランプされ、前記治具から熱的に絶縁されている間に前記基板を予備的に曲げることをさらに含む、請求項20~42のいずれか一項に記載の方法。
【請求項44】
1つ又は複数のクランプが、前記予備的に曲げられた基板と接触する各表面に絶縁コーティングを含む、請求項20~43のいずれか一項に記載の方法。
【請求項45】
前記絶縁コーティングが、セラミック材料、炭化ケイ素、窒化ケイ素、炭化ホウ素、又はそれらの組み合わせを含む、請求項44に記載の方法。
【請求項46】
前記セラミック材料が、アルミナ、ジルコニア、酸化チタン、アルカリ土類金属ケイ酸塩、チタン酸アルミニウム、二酸化ジルコニウム、酸化イットリウムの添加によって安定化された二酸化ジルコニウム、酸化イットリウムアルミニウム、ZrV、Mg(VO、又はそれらの組み合わせを含む、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
前記絶縁コーティングの厚さが0.1mm~5mmである、請求項45又は46に記載の方法。
【請求項48】
前記クランプが、前記予備的に曲げられた基板と接触する表面に、ローレット加工パターン又は波形を含む、請求項44~47のいずれか一項に記載の方法。
【請求項49】
前記予備的に曲げられた基板を前記マウントシステム又は前記ピン支持システムによって画定された湾曲プロファイルに適合させるために前記クランプを締め付けることをさらに含む、請求項44~48のいずれか一項に記載の方法。
【請求項50】
前記クランプのそれぞれが、約10N・m~約100N・mのトルクまで締め付けられる、請求項49に記載の方法。
【請求項51】
製造されている前記ワークピースの壁の始点又は終点で前記クランプが交わるように、前記クランプが位置決めされる、請求項44~50のいずれか一項に記載の方法。
【請求項52】
前記予備的に曲げられた基板の前記予備加熱が、
a)溶融トラックを形成するが前記予備的に曲げられた基板の表面を溶融しない、又は
b)溶融トラックを形成し、前記溶融トラックで前記予備的に曲げられた基板の表面を溶融する、
という条件下で、DED熱源を含む1つ又は複数の溶融ツールを使用して行われる、請求項20~51のいずれか一項に記載の方法。
【請求項53】
前記ワークピースの形成に使用されるスタンドオフ位置よりも離れたスタンドオフ位置に前記溶融ツールを位置決めすることをさらに含む、請求項51に記載の方法。
【請求項54】
第1の短辺及び対向する第2の短辺、並びに第1の長辺及び対向する第2の長辺を含む前記予備的に曲げられた基板を、ワークピースを形成するDED堆積の前に予備加熱することをさらに含み、前記予備加熱することは、
a)DED熱源を含む溶融ツールを前記第1の短辺に、且つ前記治具に固定された前記予備的に曲げられた基板の前記第1の長辺から約10mm~約60mmの範囲内に位置決めすること、
b)前記溶融ツールの前記DED熱源からの熱エネルギーを、前記第1の短辺を起点として、前記予備的に曲げられた基板の表面を横切って反対側の前記第2の短辺まで、前記基板の表面を横切って適用し、前記表面に第1のエネルギー適用線を形成すること、
c)前記溶融ツールの前記DED熱源を、前記第1の短辺に対して、及び前記第1のエネルギー適用線から前記第2の長辺に向かって約10mm~約60mmの距離だけ変位させて、再び位置決めすること、及び
d)エネルギー適用線が前記第2の反対側の長辺から約10mm~約60mmの位置まで前記予備的に曲げられた基板の表面にわたって適用されるまで、ステップb)及びc)を繰り返すこと、
を含む、請求項53に記載の方法。
【請求項55】
加熱装置を用いて前記基板の表側に熱エネルギーを適用することによって、ワークピースを形成するDED堆積の前に、前記予備的に曲げられた基板を予備加熱することをさらに含む、請求項53又は54に記載の方法。
【請求項56】
前記加熱装置が赤外線ヒーター、誘導ヒーター、抵抗ヒーター、又はそれらの組み合わせを含む、請求項55に記載の方法。
【請求項57】
前記加熱装置が、コンダクタ・イン・コンジット熱源、ヒーターストリップ、抵抗加熱ストリップ、赤外線ヒーター、正熱係数セラミックヒーター、厚膜セラミックヒーター、抵抗線ヒーター、抵抗リボン加熱装置、赤外線ヒーター、及び誘導ヒーター又はそれらの組み合わせを含む、請求項55に記載の方法。
【請求項58】
前記予備加熱が、前記予備的に曲げられた基板の温度を約350℃~約650℃の温度まで上昇させる、請求項20~57のいずれか一項に記載の方法。
【請求項59】
前記金属ワークピースを形成することが、
ワイヤの形態の金属原料を提供すること、
単一の溶融ツールを使用して、前記ワイヤを加熱及び溶融し、溶融した金属材料が前記基板のエリア上に堆積してベース材料を形成するようにすること、及び
前記ベース材料上の溶融した金属材料の連続的な堆積が固化して3次元物体を形成するように、前記ベース材料を前記溶融ツールの位置に対して所定のパターンで移動させること、
を含む、請求項21~58のいずれか一項に記載の方法。
【請求項60】
前記金属ワークピースを形成することが、
a)ワイヤの形態の金属原料を提供すること、
b)第1の溶融ツールを使用して、前記基板の表面の少なくとも一部を加熱して、前記基板上に予備加熱エリアを形成すること、
c)第2の溶融ツールを使用して、前記ワイヤを加熱及び溶融し、溶融した金属材料が前記予備加熱エリア上に堆積してベース材料を形成するようすること、
d)前記ベース材料を、前記第1の溶融ツール及び前記第2の溶融ツールの位置に対して所定のパターンで相対的に移動させること、
e)前記第1の溶融ツールを使用して前記ベース材料の表面の少なくとも一部を加熱して、前記ベース材料上に予備加熱エリアを形成し、前記金属材料を溶融する前記第2の溶融ツールによって製造された溶融金属材料を前記ベース材料上の前記予備加熱エリア上に堆積させること、及び
f)前記ベース材料上の前記予備加熱エリア上への溶融金属材料の連続的な堆積が固化して3次元物体を形成するように、ステップd)及びe)を繰り返すこと、
を含む、請求項21~58のいずれか一項に記載の方法。
【請求項61】
前記溶融金属材料の表面を横切って冷却ガスを向けるように、又は前記溶融金属材料の表面に衝突するように、又は前記溶融金属材料の液体-固体境界に隣接する固化したままの材料の表面に衝突するように、又はそれらの任意の組み合わせを行うように、ガスジェット装置を使用すること、及び
溶融金属材料の連続した堆積が固化して3次元物体を形成するように、所定のパターンで前記溶融ツール及び前記ガスジェットの位置に対して前記ベース材料を移動させること、
をさらに含む、請求項59又は60に記載の方法。
【請求項62】
前記第1の溶融ツールが、PTAトーチ、レーザー装置、電子ビーム装置、又はそれらの任意の組み合わせを含み、
前記第2の溶融ツールが、PTAトーチ、レーザー装置、同軸粉末供給ノズルレーザーシステム、電子ビーム装置、又はそれらの任意の組み合わせを含む、
請求項59又は60に記載の方法。
【請求項63】
前記第1の溶融ツールが第1のPTAトーチを含み、前記第2の溶融ツールが第2のPTAトーチを含み、又は
前記第1の溶融ツールがレーザー装置を含み、前記第2の溶融ツールがPTAトーチを含み、又は
前記第1の溶融ツールがPTAトーチを含み、前記第2の溶融ツールがレーザー装置を含み、又は
前記第1の溶融ツールがレーザー装置を含み、前記第2の溶融ツールが同軸粉末供給ノズルレーザーシステムを含み、又は
前記第1の溶融ツールがPTAトーチを含み、前記第2の溶融ツールがトーチ同軸粉末供給ノズルレーザーシステムを含み、又は
前記第1の溶融ツールがPTAトーチを含み、前記第2の溶融ツールが電子ビーム装置を含み、又は
前記第1の溶融ツールが電子ビーム装置を含み、前記第2の溶融ツールがPTAトーチを含み、又は
前記第1の溶融ツールが電子ビーム装置を含み、前記第2の溶融ツールがレーザー装置を含み、又は
前記第1の溶融ツールがレーザー装置を含み、前記第2の溶融ツールが電子ビーム装置を含む、
請求項62に記載の方法。
【請求項64】
前記第2の溶融ツールがPTAトーチを含む場合、前記PTAトーチは、前記PTAトーチの電極が陰極となり、前記金属材料が陽極となる消耗電極であるように、直流電源に電気的に接続される、請求項63に記載の方法。
【請求項65】
前記基板を予備的に曲げること、前記予備的に曲げられた基板を予備加熱すること、及び金属ワークピースを形成することのそれぞれは、不活性雰囲気を含有する密閉チャンバ内で実施される、請求項15~64のいずれか一項に記載の方法。
【請求項66】
前記不活性雰囲気が、アルゴン、ネオン、キセノン、クリプトン、ヘリウム又はそれらの組み合わせを含む、請求項65に記載の方法。
【請求項67】
指向性エネルギー堆積用のシステムであって、
予備的に曲げられた基板を固定するための治具、
前記治具間に、及び前記予備的に曲げられた基板が前記治具に固定されているときに位置決めされる、請求項1~14のいずれか一項に記載のマウントシステム又は請求項15~19のいずれか一項に記載のピン支持システム、
前記予備的に曲げられた基板を前記治具に固定するためのクランプ、
金属源をベース材料の表面上に堆積される金属溶融物に溶融するためのDED熱源を備える1つ又は複数の溶融ツール、
温度勾配に影響を及ぼすように液体溶融プールの液体-固体境界に隣接する固化したままの材料に衝突するように冷却ガスを向けるためのガスジェット装置、
前記冷却ガスの供給部、及び
前記溶融ツール及び前記ガスジェット装置に対して前記ベース材料を位置決めして移動させるためのアクチュエータ、
を含むシステム。
【請求項68】
前記湾曲プロファイルが格子支持構造によって画定される、請求項1~10のいずれか一項に記載のマウントシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固体自由形状製造(solid freeform fabrication)としても知られる指向性エネルギー堆積積層造形プロセスを用いて製造された金属物体、特にチタン及びチタン合金物体における歪みを軽減するためのデバイス及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
チタン又はチタン合金で作られたものなどの構造金属部品は、鋳造、鍛造、又は中実ビレットからの機械加工などの従来の製造方法によって作られる。これらの技術には、しばしば、削り出される高価なチタン金属の多量の材料廃棄物、及び金属部品の製造に関連する長いリードタイムという欠点がある。
【0003】
全体的に高密度な物理的物体は、指向性エネルギー堆積法(DED:Directed Energy Deposition)、ラピッドプロトタイピング、ラピッドマニュファクチャリング、レイヤードマニュファクチャリング(layered manufacturing)、アディティブレイヤーマニュファクチャリング(additive layer manufacturing)、成形金属堆積(shaped metal deposition)、又は積層造形(additive manufacturing)として知られる製造技術によって作ることができる。金属のDEDは、集束された熱エネルギーを使用して材料を溶融によって融着させて、堆積させる積層造形プロセスである。積層造形法は、ニアネットシェイプ製品を層状に積み上げるため、製造の自由度がより高く、コストを削減する可能性がある。また、同じ確立された金属合金を利用しながら、鍛造などの従来のバルク成形プロセスの材料特性と一致させることが望ましい。DEDは、補修、ラピッドプロトタイピング、及び少量/多量の部品製造に使用される。
【0004】
DEDシステムには、レーザービーム(LB)、電子ビーム(EB)、又はプラズマアーク(PA)、ガスタングステンアーク(GTA)、ガス金属アーク(GMA)などのアークベースのエネルギー源の1つ又は組み合わせを使用する複数のカテゴリーの機械が含まれる。DEDシステムで使用される金属原料は、通常、粉末及び/又はワイヤの形態の金属を含む。DEDは通常、不活性ガス下(例えば、アークベース又はLBシステムを使用するDED)又は真空(EBシステム)雰囲気下で実施される。これらは実際に採用されている主な方法であるが、他のエネルギー源、原料、及び雰囲気を任意に組み合わせて使用することもできる。
【0005】
残留応力は、熱的及び/又は機械的などの外部負荷がない場合でも弾性体内に存在する自己平衡応力として定義することができる。熱源が金属材料を溶融し、それぞれの新しい金属層を堆積させ、先に固化した金属層を再溶融させる局所的な加熱と冷却のサイクルにより、金属プリフォームのDED中に大量の溶接誘起残留応力が発生し、蓄積する可能性がある。加工領域近傍の不均一な熱負荷によって引き起こされる金属のDED中に発生する適合性のない弾性及び/又は塑性ひずみ場は、層積み重ね式に製造する間に複雑な熱誘起残留応力と歪みの必然的な蓄積をもたらす。熱膨張と熱収縮は、DED中に存在し得る過渡的な熱膨張と急な熱勾配の結果として発生し得る。金属のDED中の残留応力の形成と緩和は、加工ゾーンに隣接する領域で望ましくない塑性変形を引き起こす可能性があり、この変形は堆積されたままのプリフォームに持ち越される可能性がある。堆積されたままのDEDプリフォーム内に留められた残留応力は、ワークピースの公差の永久的な損失につながる可能性がある。これは、クランプ式固定プラットフォーム又は治具から解放されたときに、ワークピースが構造内に依然として存在する残留応力場を自己平衡化するためである。残留応力に誘起される変形は、より大きな構成要素ほど懸念される。DEDビルドアッププロセスに沿ってより大きな温度差が共存するためである。設計された構成要素における残留応力の不適切な分布は、すなわち破断及び疲労しやすい高引張応力の領域において、予期せぬ故障又は早期故障につながる可能性もある。応力緩和熱処理は一般的に、DED製造シーケンスによって堆積されたままのプリフォーム内に留められたままの応力を緩和するために使用される。しかしながら、公差損失は、ほとんどのDEDプロセスにおける主要な懸念事項の1つであることに変わりはない。
【0006】
金属のDED中の残留応力は、一般に、製造される部品の異なる領域が異なる熱膨張及び熱収縮のサイクルを経験するという事実に起因する。結果として生じる熱応力は、不可逆的な材料変形の不均一な分布を引き起こす可能性があり、この変形の一部は、材料が冷却された後も残る可能性があり、この結果、ワークピース内に内部の完全に自己平衡化した応力場が生じる。この自己平衡化により、歪みや反りによって幾何学的に公差から外れた金属構造が生じることがある。すべての形態のDED処理は、適切に融着した界面を達成するために、新しい堆積層の頂部(熱源に曝される)、新しく堆積した層と前の層との界面、及び/又は基板への大量の局所的な熱供給を伴う。
【0007】
一般に、DED製造プロセスでは、急速加熱を発生させるために高熱濃度の熱源が使用される。発生した熱は、降伏強度の漸減を伴う材料の熱膨張を引き起こす可能性がある。熱源により発生した熱は、粉末及び/又はワイヤ原料を溶融し、ワークピースの一部に溶接プールを形成するために利用される。この局所的に加えられるエネルギーにより、溶接エリアは、全体を通して比較的低温のままである周辺エリアに対して急激に加熱され、局所的に融着する。溶融した材料は荷重を支えないため、熱源下の応力はゼロに近い。エネルギー適用エリアから少し離れたところ、すなわち溶融プールのすぐ近くの材料やその下のビルド層では、材料は加熱の結果として膨張するが、隣接する材料やその下のより低い温度の材料によって制限され、弾性的な圧縮ひずみが生じる。その結果、熱源に隣接するエリアの応力は圧縮される。熱源に隣接するエリアの温度は高く、材料の降伏強度は低いため、これらのエリアの応力は、対応する温度における材料の降伏強度と同じくらい高くなる可能性がある。熱エネルギー源がエネルギー適用エリアから遠ざかるにつれて、加熱された溶融材料は冷却され、固体として収縮するが、収縮する金属は、隣接する下層の材料によって機械的に抑制される。冷却が継続すると、物体内の残留応力が分散され、一般的に、材料が収縮を阻止された最上層では大きな引張応力を示し、下層では平衡圧縮応力を示す。適用によっては、最上層で発生する引張応力が材料の降伏強度に近づくこともある。平衡圧縮力については、それらが含む歪みと圧縮荷重が臨界座屈荷重を超えると、金属構造部材の座屈が発生する可能性がある。
【0008】
DEDプロセスの層ごとの性質のために、各連続層によって課される加熱及び冷却負荷の差は、材料の膨張と収縮との間の空間的な競争を引き起こし、最終的に、製造される物体に残留応力の蓄積をもたらす。溶融金属の高温層は、積み上げられる物体の前のより低温の層上に堆積されるため、熱源からの熱がワークピースを横切る際に、局所的に大きな熱勾配と大きな収縮が生じる可能性があり、適合性のないひずみ場によって生じる残留応力がワークピースに導入される。層の上で層を固化する間に発生する縦方向及び横方向の縮みは、堆積されたままのプリフォーム内の残留応力の蓄積を増幅する可能性がある。この応力は、材料の引張弾性率、熱膨張係数、及び冷却時の縮み率の関数である。このような適合性のないひずみから生じる応力が完成品に残り、緩和されない場合、残留応力が結合して反応し、物体の曲げ、座屈、回転など、物体の望ましくない歪みを引き起こす内部力が発生する可能性がある。従来の積層造形プロセス中に形成され得る残留応力は、時として、積層造形された物体に著しい歪み、不整合、裂け、又は応力誘起亀裂の形成を引き起こすのに十分な大きさである(図1A~1H参照)。
【0009】
成形品における応力誘導を測定する、又は予測するためにモデル化するための方法は、当該技術分野において知られている(例えば、(特許文献1)(Sidhuら(2017));(特許文献2)(Nguyenら(2018))参照)。これらの欠点に対処するために開発された先行技術は、限られた成功しか収めていない。例えば、後続層の形成前に統合された材料を塑性変形させるための溶接後高圧機械圧延が使用されてきた(例えば、Colegroveら、英国特許出願(特許文献3)(2012)参照)。(特許文献4)(Sidhuら(2015))で教示されているものなどのピーニングプロセスは、付加層で製造される部品の構築中に堆積された各金属層の歪みを緩和するのに有用であると教示されている。これらのプロセスでは、1つ又は複数の衝撃処理装置が、冷却後に堆積層の少なくとも一部を塑性変形させるために、ワークピース上の共通点をピーニングすなわち打撃するために使用される。各衝撃処理装置は、ワークピースを1回又は複数回打撃し得、最大20Hzの頻度で打撃することができる。レーザピーニングもまた、ワークピースに残留圧縮応力を付与するために使用されてきた((特許文献5)Kramerら(2014)参照)。これらの方法は、複雑な形状の部品向けにピーニング工具又は圧延工具がアクセスできないエリアの残留応力を緩和するのに適していない。また、これらの方法は、ワークピースを製造するための時間と複雑さを増加させる可能性があり、したがって、利用するには過度にコストがかかるか、又は実用的でない可能性がある。
【0010】
これらの方法はまた、層間の待ち時間を増加させ、生産性に悪影響を及ぼし、製造の自由度を制限する可能性がある。層堆積間の過度の冷却もまた、層間の温度差を増大させ、残留応力の発生をさらに悪化させる可能性がある。堆積された層を物理的に加工する方法の場合、積層プロセスにおいて最終製品の層間に汚染物が入り込む可能性があるため、工具からの汚染物も懸念される。
【0011】
したがって、この技術分野には、従来の積層造形プロセスで達成されるよりも低減又は最小化された残留応力、又は歪み、又はその両方を有する金属製品をもたらす積層造形システムにおいて、ある金属堆積速度で直接金属堆積を実行する経済的な方法に対する必要性が存在する。DEDで製造された物体における残留応力又は亀裂の発生率を低減するDEDプロセスを提供することが望ましいだろう。また、追加の金属層が堆積されるにつれて、造形される物体の局所的な歪みの発生率を低減するDEDプロセスを提供することも望ましいだろう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】米国特許第9,555,475号明細書
【特許文献2】米国特許第9,950,476号明細書
【特許文献3】GB2491472号明細書
【特許文献4】米国特許出願公開第2017/0326681号明細書
【特許文献5】米国特許出願公開第2014/0367894号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0013】
したがって、本明細書で提供される実施形態は、関連技術の制限及び欠点に起因する問題の1つ又は複数を実質的に回避する積層造形プロセスを使用する、低減又は最小化された残留応力、又は歪み、又はその両方を有するワークピースの製造に向けられている。具体化され、広範に記載されるように、改善された材料品質を有する製品を達成するために、金属積層造形中に残留応力又は歪み又はその両方を低減又は最小化する装置、システム及び方法が提供される。このような残留応力又は歪みの低減を有するDED製造製品は、強度、耐疲労性、及び耐久性の向上を示す。例において、提供される装置、システム及び方法は、DED形成製品のスループット及び歩留まりを向上させ、指定された公差内のワークピースをもたらすことができる。
【0014】
例において、本明細書で提供されるのは、ワークピースに実質的な欠陥又はいかなる欠陥も付与することなく、望ましくない熱伝達を軽減し得る方法及びシステムである。例において、記載したような方法及びシステムは、DED製造中に基板の下に横たわる構造の基板接触界面を制御して、基板から溶接治具又は他の下に横たわる構造への熱伝達を低減するように構成することができる。例において、熱伝達の減少は、熱エネルギーが伝達し得る表面積の減少、基板とその下に横たわる構造体との間の固体/ガス/固体熱絶縁境界の増加、又はその両方の組み合わせを提供することによって達成され得る。例において、記載したような方法及びシステムは、ワークピース上の望ましくない欠陥を回避又は最小化し得る。
【0015】
例において、本明細書で提供される方法及びシステムはまた、酸化剤及び汚染粒子の含有量が低減された雰囲気を促進することによって、DED製造を改善し得る。例において、本明細書で提供される方法及びシステムは、支持体の一部としてのセラミックシート、プレート、又はパイロンの必要性を低減又は排除し得る。例において、セラミックシート、プレート、又はパイロンが提供することができる熱絶縁は、DED製造中に使用される不活性雰囲気の低い熱伝導率を巧みに利用し得る固体/気体/固体界面の存在を増加させることによって達成することができる。例において、セラミックシート、プレート、又はパイロンを支持体として使用しないことにより、DED製造雰囲気中の水分量を低減することが可能であり得る。例において、セラミックシート、プレート、又はパイロンの使用を排除することによって、DED製造雰囲気への不要なセラミック微粒子の導入を回避することが可能であり得る。
【0016】
例において、本明細書で提供される方法及びシステムは、反復可能で予測可能な製造均一性を提供し得る弾力的で耐久性のあるシステムも提供し得る。
【0017】
例において、本明細書で提供される方法は、従来の積層造形プロセスを使用して容易に製造することができない、中型から大型(例えば、最大3m)のDED形成構成要素を製造するために使用することができる。加えて、従来のDED金属構造における典型的な大量の残留応力、歪み、又はそれらの組み合わせが低減又は除去されるため、幾何学的に公差及び仕様の範囲内にある製造される金属構造物を製造することができる。
【0018】
残留応力及び歪みは、特に安全重要用途において、金属向けDED技術が主流として受け入れられることに対する重要な障壁と見なされることが多いため、残留応力又は歪みを最小限に抑えることができる、本明細書で提供される装置、システム、及び方法は、DED製造構成要素の新しい市場を開拓するか、又はより広い受け入れを促すことができる。また、本明細書で提供される装置、システム、及び方法は、DED金属構造における残留応力及び歪みを効果的に制御できるため、基板とDED材料の両方の材料利用効率を改善することができる。このような材料利用の改善は、公差内のDED製造製品の製造と相俟って、廃棄物及び再作業の減少をもたらし、DED製造コストを大幅に削減することができる。
【0019】
例において、片面金属構造のDEDの前に、塑性的に予備的に曲げられた基板を形成するために金属基板を予備的に曲げることを含むDED製造方法が提供される。また、塑性的に予備的に曲げられた基板を形成するために金属基板を予備的に曲げることと、金属構造のDEDの前に予備的に曲げられた基板を予備加熱することとを含むDED製造方法が提供される。また、DEDによって残留応力及び歪みを低減した構成要素を製造するための装置も提供される。この装置は、金属粉末及び/又はワイヤ原料を溶融するために使用される従来のDEDエネルギー供給源と共に使用することができる。本装置は、塑性的に予備的に曲げられた基板の下に横たわる支持構造体としてマウントシステムを含み得る。また、CAD-CAMプログラム命令を使用して修正された従来のDEDエネルギー供給源を使用するシステムも提供され、このプログラム命令は実行されると、DEDプロセスが下に横たわるマウントシステムの形状に追従することを引き起こす。
【0020】
DED製造製品の歪みを最小化又は防止するDED製造方法が提供される。これは、基板の廃棄物及び使用しなければならない堆積材料の量を最小化するなどして、製造プロセスの効率を高めることができる。特に、最も高い熱誘導応力場が第1の堆積層に導入され得、歪み効果は特に基板に見られ得るので、本明細書で提供される方法は、従来の積層造形プロセスで犠牲にされるか又は失われる基板材料を節約し得る。本方法は、従来の方法と比較して、基板及びDED材料の両方の材料利用効率の改善をもたらすことができる。本明細書で提供される方法は、DED構造における残留応力及び歪みを効果的に制御することができる。これにより、材料廃棄物を削減することができ、バイ・ツー・フライ比又はBTF比を単一に近づけることができる。材料廃棄物を削減し、再作業時間を削減又は排除することにより、製造コストを大幅に削減することができる。
【0021】
溶接治具とインターフェースするように構成された第1の側を含み得るマウントシステムが提供される。マウントシステムは、湾曲プロファイルを画定し、基板とインターフェースするように構成された第2の側を含み得る。第2の側は、第2の側がインターフェースするように構成される基板の表面に対応するサイズの基板界面エリアを含み得る。第2の側はまた、第2の側が基板とインターフェースするときにマウントシステムが基板と物理的に接触するように構成された基板接触エリアを含み得る。マウントシステムは、基板界面エリアに対する基板接触エリアの比として定義される基板接触界面を有し得る。基板接触界面は、基板接触エリアによって占有又は構成される基板界面エリアのパーセントで定義されてもよい。例において、基板接触エリアは、基板界面エリアの0.1~20パーセントを構成するか、又はそれに等しい可能性がある。
【0022】
例において、基板接触エリアによって構成される基板界面エリアのパーセントは、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、又は1以上であり、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、又は20以下であり得る。例において、基板接触エリアによって構成される基板界面エリアのパーセントが、0.1~15、0.1~10、0.1~5、又は0.1~1の範囲になり得るように、第2の側は構成される。例において、基板接触エリアによって構成される基板界面エリアのパーセントが、0.1~15、0.1~10、0.1~5、又は0.1~1の範囲になり得るように、第2の側は構成される。例において、基板接触エリアよって構成される基板界面エリアのパーセントが0.2~20、0.2~15、0.2~10、0.2~5、又は0.2~1の範囲であり得るように、第2の側は構成される。例において、基板接触エリアによって構成される基板界面エリアのパーセントが、0.3~20、0.3~15、0.3~10、0.3~5、又は0.3~1の範囲になり得るように、第2の側は構成される。例において、基板接触エリアによって構成される基板界面エリアのパーセントが、0.4~20、0.4~15、0.4~10、0.4~5、又は0.4~1の範囲になり得るように、第2の側は構成される。例において、基板接触エリアによって構成される基板界面エリアのパーセントが0.5~20、0.5~15、0.5~10、0.5~5、又は0.5~1の範囲になり得るように、第2の側は構成される。例において、基板接触エリアによって構成される基板界面エリアのパーセントが、0.6~20、0.6~15、0.6~10、0.6~5、又は0.6~1の範囲になり得るように、第2の側は構成される。例において、基板接触エリアによって構成される基板界面エリアのパーセントが、0.7~20、0.7~15、0.7~10、0.7~5、又は0.7~1の範囲になり得るように、第2の側は構成される。例において、基板接触エリアによって構成される基板界面エリアのパーセントが、0.8~20、0.8~15、0.8~10、0.8~5、又は0.8~1の範囲になり得るように、第2の側は構成される。例において、基板接触エリアによって構成される基板界面エリアのパーセントが、0.9~20、0.9~15、0.9~10、0.9~5、又は0.9~1の範囲になるように、第2の側は構成される。
【0023】
マウントシステムは、非磁性金属を含むか、又はそれから作ることができる。マウントシステムは、1350℃以上の融点を有する金属を含むか、又はそれから作ることができる。マウントシステムは、オーステナイト系ステンレス鋼であるか、又はそれを含む金属を含むか、又はそれから作ることができる。オーステナイト系ステンレス鋼は、炭素、クロム、銅、マンガン、モリブデン、ニッケル、窒素、リン、ケイ素、又はそれらの任意の2つ以上の組み合わせを含むことができる。オーステナイト系ステンレス鋼は、少なくとも18%のクロムを含むことができる。オーステナイト系ステンレス鋼は、300系ステンレス鋼であり得る。オーステナイト系ステンレス鋼は、304系ステンレス鋼、309系ステンレス鋼、310系ステンレス鋼、316系ステンレス鋼、318系ステンレス鋼、321系ステンレス鋼若しくは330系ステンレス鋼、又はそれらの組み合わせを含むことができる。
【0024】
マウントシステムのセラミックコーティングは、任意の1つ又は複数の表面に適用することができる。セラミックコーティングは、二酸化ジルコニウム、酸化イットリウムの添加によって安定化された二酸化ジルコニウム、酸化イットリウムアルミニウム、アルカリ土類金属ケイ酸塩、ZrV、Mg(VO、又はそれらの組み合わせを含むことができる。マウントシステムは、約3mm~約35mmの公称湾曲プロファイルたわみを含むことができる。マウントシステムは、セラミックコーティングが適用されるボンドコートを含むことができる。
【0025】
例において、マウントシステムは再構成可能であり得る。例において、湾曲プロファイルは、1つ又は複数のピンによって画定され得る。例において、マウントシステムは、第1の基板支持高さを有するように配置された1つ又は複数のピンのうちの少なくとも第1のピンと、第2の基板支持高さを有するように配置された1つ又は複数のピンのうちの少なくとも第2のピンとを含み得、ここで、第1の基板支持高さは、第2の基板支持高さと異なる。
【0026】
例において、湾曲プロファイルは、格子支持構造によって画定され得る。例において、湾曲プロファイルは、湾曲クランプ金型によって画定され得る。また、溶接治具上に再構成可能な配置で1つ又は複数のピンを有するピン支持システムも提供され、1つ又は複数のピンは、可変基板支持高さを有し、湾曲プロファイルを画定するように配置される。
【0027】
例において、1つ又は複数のピンの少なくとも1つは、基板接触エリアを含むピンヘッド部分と、カラー部分と、溶接治具に係合するように構成されたベース部分とを含む。例において、ピンヘッド部分は、横方向プロファイルの少なくとも一部に平坦部分を含み得る。例において、ピンヘッド部分は溶接治具界面エリアを含み得る。例において、1つ又は複数のピンはオーステナイト系ステンレス鋼を含む。
【0028】
また、金属ワークピースを製造するための指向性エネルギー堆積法が提供される。この方法は、第1の溶融ツールを使用して金属材料の基板の第1の表面に複数の溶融トラックを形成することにより、金属材料の基板を熱エネルギーで予備的に曲げて、予備的に曲げられた基板を製造すること;予備的に曲げられた基板を治具に固定する際に、予備的に曲げられた基板を支持するための下に横たわる支持構造体として本明細書に記載されるマウントシステム又はピン支持システムを使用すること;及び複数のクランプを使用して、予備的に曲げられた基板と、予備的に曲げられた基板を支持するマウントシステム又はピン支持システムとを治具に固定することを含むことができる。予備的に曲げられた基板及びマウントシステム又はピン支持システムが治具に固定された後、本方法は、a)基板の第2の表面上に溶融金属の層を堆積させてベース材料を形成し、ベース材料上に溶融金属の後続の層を堆積させて金属ワークピースを形成することができる、又はb)金属粉末の層を堆積させ、金属粉末を基板の第2の表面上で溶融させてベース材料を形成し、金属粉末の後続の層を堆積させ、粉末をベース材料上で溶融させてワークピースを形成することができる、積層造形プロセスによって、基板の第2の表面上に金属ワークピースを形成することであって、基板の第2の表面は、基板の第1の表面の反対側にある、形成することを含む。本方法は、基板の第2の側に熱エネルギーを適用することにより、治具に固定されている間に予備的に曲げられた基板を約400℃~約900℃の温度まで予備加熱することを含むことができる。基板を予備的に曲げることは、基板に熱勾配を誘導することを含むことができる。本方法では、レーザービーム、電子ビーム、プラズマアーク、ガスタングステンアーク、ガス金属アーク及びそれらの任意の組み合わせの中から選択される熱源を含む溶融ツールを使用することができる。基板の第1の表面を予備的に曲げる間に、熱エネルギーの適用エリアは、金属材料の融点である温度、又は金属材料の融点よりも約5℃~約50℃低いか高い温度に達することができる。基板の第1の表面を予備的に曲げる間、溶融トラックの形成は、基板の冷却時に、溶融トラックのそれぞれの中心線における引張応力の形成と、溶融トラックのそれぞれの中心線から離れたエリアにおける圧縮応力の形成とをもたらすことができる。溶融トラックの中心線における引張応力は、基板の降伏強度の約10%以内であり得る。溶融トラックの中心線における引張応力は、基板の降伏強度の大きさを超えることがある。
【0029】
予備的に曲げるステップは、溶融トラックの冷却を促進するために、ガスジェット装置を使用して冷却ガスを溶融トラックに向けることを含むことができる。冷却ガスを溶融トラックに向けることにより、基板に熱勾配を形成することができ、冷却時に基板に残留応力を付与することができる。ガスジェット装置は、約50L/分~約500L/分の速度で冷却ガスを溶融トラックに向けることができる。冷却ガスは、一定のストリームで適用することも、断続的に適用することも、パルス流で適用することもできる。冷却ガスは、アルゴン、ヘリウム、ネオン、キセノン、クリプトン及びそれらの組み合わせの中から選択される不活性ガスを含むことができる。冷却ガスは、100℃以下の温度で適用することができる。冷却ガスは、25℃以下の温度で適用することができる。ガスジェット装置は、冷却ガスの乱流、冷却ガスの層流、又は冷却ガスの乱流と層流の組み合わせを生成することができる。ガスジェット装置は複数のノズルを含むことができ、ノズルは冷却ガスを溶融ツールの熱源から離れる方向に向けることができ、少なくとも1つのノズルは冷却ガスを溶融トラックの固化したままの金属に向けることができる。
【0030】
本明細書で提供される方法において、溶融トラックは互いに等距離に製造することができる。溶融トラック間の距離は、約10mm~約60mmであり得る。本方法は、基板の第2の表面上に形成されるプリフォームの各壁の中心線を決定することと、基板の第1の表面上に、基板の第2の表面上に形成されるプリフォーム又はワークピースの大部分の壁の中心線から約10mm~約20mm離れて溶融トラックを位置決めすることとを含むことができる。溶融線の大部分は、基板の第2の側上に形成されるワークピースの1つ又は複数の壁が占める1つ又は複数のエリアに対応する位置以外の1つ又は複数の位置で第1の表面上に形成することができる。
【0031】
本方法において、予備曲げは、均一な弾塑性曲げを有する予備的に曲げられた基板を形成することができる。基板の予備曲げは、基板が治具にクランプされ、治具から熱的に隔絶されている間に行うことができる。基板は、複数のクランプを用いて治具にクランプすることができ、クランプの1つ又は複数は、予備的に曲げられた基板と接触する各表面に絶縁コーティングを含むことができる。絶縁コーティングは、セラミック材料、炭化ケイ素、窒化ケイ素、炭化ホウ素、又はそれらの組み合わせを含むことができる。セラミック材料は、アルミナ、ジルコニア、酸化チタン、アルカリ土類金属ケイ酸塩、チタン酸アルミニウム、二酸化ジルコニウム、酸化イットリウムの添加によって安定化された二酸化ジルコニウム、酸化イットリウムアルミニウム、ZrV、Mg(VO、又はそれらの組み合わせを含むことができる。絶縁コーティングの厚さは0.1mm~5mmであり得る。クランプは、予備的に曲げられた基板と接触する表面に、ローレット加工パターン又は波形を含むことができる。クランプは、予備的に曲げられた基板をマウントシステム又はピン支持システムによって画定された湾曲プロファイルに適合させるために締め付けることができる。クランプのそれぞれは、約10N・m~約100N・mのトルクまで締め付けることができる。クランプは、製造されているワークピースの壁の始点又は終点でクランプが交わるように位置決めすることができる。
【0032】
本明細書に提供される方法において、予備的に曲げられた基板の予備加熱は、a)溶融トラックを形成するが予備的に曲げられた基板の表面を溶融しない、又はb)溶融トラックを形成し、溶融トラックで予備的に曲げられた基板の表面を溶融する、という条件下で、DED熱源を含む1つ又は複数の溶融ツールを使用して行うことができる。溶融ツールの位置決めは、ワークピースの形成に使用されるスタンドオフ位置よりも離れたスタンドオフ位置で行うことができる。
【0033】
方法は、以下によって、第1の短辺及び対向する第2の短辺、並びに第1の長辺及び対向する第2の長辺を含む予備的に曲げられた基板を予備加熱することを含むことができる;a)DED熱源を含む溶融ツールを第1の短辺に、且つ治具に固定された予備的に曲げられた基板の第1の長辺から約10mm~約60mmの範囲内に位置決めすること;b)溶融ツールのDED熱源からの熱エネルギーを、第1の短辺を起点として、予備的に曲げられた基板の表面を横切って反対側の第2の短辺まで、基板の表面を横切って適用し、表面に第1のエネルギー適用線を形成すること;c)溶融ツールのDED熱源を、第1の短辺に対して、及び第1のエネルギー適用線から第2の長辺に向かって約10mm~約60mmの距離だけ変位させて、再び位置決めすること;及びd)エネルギー適用線が第2の反対側の長辺から約10mm~約60mmの位置まで予備的に曲げられた基板の表面にわたって適用されるまで、ステップb)及びc)を繰り返すこと。予備加熱は、予備的に曲げられた基板の温度を約350℃~約650℃の温度まで上昇させることができる。
【0034】
金属ワークピースの形成は、ワイヤの形態の金属材料を提供することと;単一の溶融ツールを使用して、金属材料を加熱及び溶融し、溶融した金属材料が基板のエリア上に堆積してベース材料を形成するようにすることと;ベース材料上の溶融した金属材料の連続的な堆積が固化して3次元物体を形成するように、ベース材料を溶融ツールの位置に対して所定のパターンで移動させることとを含むことができる。
【0035】
金属ワークピースの形成は、a)ワイヤの形態の金属材料を提供すること、b)第1の溶融ツールを使用して、基板の表面の少なくとも一部を加熱して、基板上に予備加熱エリアを形成すること、c)第2の溶融ツールを使用して、金属材料を加熱及び溶融し、溶融した金属材料が予備加熱エリア上に堆積してベース材料を形成するようすること、d)ベース材料を、第1の溶融ツール及び第2の溶融ツールの位置に対して所定のパターンで相対的に移動させること、e)第1の溶融ツールを使用してベース材料の表面の少なくとも一部を加熱して、ベース材料上に予備加熱エリアを形成し、金属材料を溶融する第2の溶融ツールによって製造された溶融金属材料をベース材料上の予備加熱エリア上に堆積させること;及び、f)ベース材料上の予備加熱エリア上への溶融金属材料の連続的な堆積が固化して3次元物体を形成するように、ステップd)及びe)を繰り返すこと、を含むことができる。
【0036】
方法は、溶融金属材料、又はそれらの任意の組み合わせの液体-固体境界に隣接する固化したままの材料の表面に衝突するように冷却ガスを向けるためにガスジェット装置を使用すること;及び、溶融金属材料の連続した堆積物が固化して3次元物体を形成するように、所定のパターンで溶融ツール及びガスジェット装置の位置に対してベース材料を移動させることを含むことができる。第1の溶融ツールは、PTAトーチ、レーザー装置、同軸粉末供給ノズルレーザーシステム、電子ビーム装置、又はそれらの任意の組み合わせを含むことができ、第2の溶融ツールは、PTAトーチ、レーザー装置、同軸粉末供給ノズルレーザーシステム、電子ビーム装置、又はそれらの任意の組み合わせを含むことができる。第1の溶融ツールは、第1のPTAトーチを含むことができ、第2の溶融ツールは、第2のPTAトーチを含むことができる。第1の溶融ツールはレーザー装置を含むことができ、第2の溶融ツールはPTAトーチを含むことができる。第1の溶融ツールはPTAトーチを含むことができ、第2の溶融ツールはレーザー装置を含むことができる。第1の溶融ツールは、同軸粉末供給ノズルレーザーシステムを含むことができ、第2の溶融ツールは、レーザー装置を含むことができる。第1の溶融ツールは、同軸粉末供給ノズルレーザーシステムを含むことができ、第2の溶融ツールは、PTAトーチを含むことができる。第1の溶融ツールはPTAトーチを含むことができ、第2の溶融ツールは電子ビーム装置を含むことができる。第1の溶融ツールは電子ビーム装置を含むことができ、第2の溶融ツールはPTAトーチを含むことができる。第1の溶融ツールは電子ビーム装置を含むことができ、第2の溶融ツールはレーザー装置を含むことができる。第1の溶融ツールはレーザー装置を含むことができ、第2の溶融ツールは電子ビーム装置を含むことができる。第2の溶融ツールがPTAトーチを含む場合、PTAトーチは、PTAトーチの電極が陰極となり、金属材料が陽極となる消耗電極となるように、直流電源に電気的に接続され得る。
【0037】
本明細書に提供される方法において、基板を予備的に曲げること、予備的に曲げられた基板を予備加熱すること、及び金属ワークピースを形成することのそれぞれを含む方法の各ステップは、不活性雰囲気を含有する密閉チャンバ内で実施することができる。不活性雰囲気は、アルゴン、ネオン、キセノン、クリプトン、ヘリウム又はそれらの組み合わせを含むことができる。
【0038】
また、指向性エネルギー堆積のためのシステムも提供される。このシステムは、予備的に曲げられた基板を固定するための治具;治具間に、及び予備的に曲げられた基板が治具に固定されるときに位置決めされる、本明細書に記載されるマウントシステム又はピン支持システム;予備的に曲げられた基板を治具に固定するための絶縁クランプ;金属源を、ベース材料の表面上に堆積される金属溶融物に溶融するためのDED熱源を備える1つ又は複数の溶融ツール;液体溶融プール、又はそれらの任意の組み合わせの液体-固体境界に隣接する固化したままの材料に衝突するように冷却ガスを向けるためのガスジェット装置;冷却ガスの供給部;及び、溶融ツール及びガスジェット装置に対してベース材料を位置決めして移動させるためのアクチュエータ、を含むことができる。
【0039】
本明細書に記載される実施形態の追加的な特徴及び利点は、以下の記載中に記載され、部分的にその記載から明らかになるか、又は本発明の実施によって知ることができる。例示的な実施形態の目的及び他の利点は、添付図面と同様に、ここに書かれた記載及び特許請求の範囲において特に指摘される構造によって実現され、達成されるであろう。
【0040】
前述の一般的な記載及び以下の詳細な記載の両方は、例示的且つ説明的であり、特許請求の範囲に記載された本発明のさらなる説明を提供することを意図していることを理解されたい。
【0041】
本発明のさらなる理解を提供するために含まれ、本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成する添付図面は、本発明の実施形態を示し、本記載とともに本発明の原理を説明する働きをする。
【図面の簡単な説明】
【0042】
図1A】応力軽減のない従来のDED積層造形法を用いて製造されたワークピースの写真である。
図1B】不整合を示す(矢印は不整合位置を指す)。
図1C】不整合を示す(矢印は不整合位置を指す)。
図1D】ワークピースの亀裂を示す(矢印は亀裂を指す)。
図1E】ワークピースの亀裂を示す(矢印は亀裂を指す)。
図1F】ワークピースの亀裂を示す(矢印は亀裂を指す)。
図1G】ワークピースの裂けを示す(矢印は裂けを指す)。
図1H】ワークピースの裂けを示す(矢印は裂けを指す)。
図2A】本明細書に記載のマウントシステムによって画定され得る例示的な湾曲プロファイルを示す図である。
図2B】本明細書に記載のマウントシステムの基板界面エリアを示す図である。
図2C】ボンドコート及びセラミックコーティングでコーティングされたローレット加工及びローレット加工の間隔又は谷の例の図である。
図3A】本明細書に記載されたピン支持システムの例として実施されるマウントシステムの例を示す。
図3B】本明細書に記載されたピン支持システムの例として実施されるマウントシステムの例を示す。
図3C】本明細書に記載されたピン支持システムの例として実施されるマウントシステムの例を示す。
図3D】本明細書に記載されたピン支持システムの例として実施されるマウントシステムの例を示す。
図3E】本明細書に記載されたピン支持システムの例として実施されるマウントシステムの例を示す。
図3F】本明細書に記載されたピン支持システムの例として実施されるマウントシステムの例を示す。
図3G】本明細書に記載されたピン支持システムの例として実施されるマウントシステムの例を示す。
図3H】本明細書に記載されたピン支持システムの例として実施されるマウントシステムの例を示す。
図3I】本明細書に記載されたピン支持システムの例として実施されるマウントシステムの例を示す。
図3J】本明細書に記載されたピン支持システムの例として実施されるマウントシステムの例を示す。
図3K】本明細書に記載されたピン支持システムの例として実施されるマウントシステムの例を示す。
図3L】本明細書に記載されたピン支持システムの例として実施されるマウントシステムの例を示す。
図3M】本明細書に記載されたピン支持システムの例として実施されるマウントシステムの例を示す。
図4A】本明細書に記載される格子支持構造の例として実施されるマウントシステムの例を示す。
図4B】本明細書に記載される格子支持構造の例として実施されるマウントシステムの例を示す。
図4C】本明細書に記載される格子支持構造の例として実施されるマウントシステムの例を示す。
図4D】本明細書に記載される格子支持構造の例として実施されるマウントシステムの例を示す。
図5A】ローレット加工された湾曲面を有する実施形態を示す湾曲クランプ金型の側面図である。
図5B】DED基板(プレート)と接触する湾曲面上の破線(図では誇張されている)によってセラミックコーティングを示す同じ湾曲クランプ金型の側面図である。図には、公称型たわみhmoldも示されている。
図5C】例示的な断面形状(拡大図)を示しており、これは錐台型、特に角錐台形状である。
図5D】同じ湾曲クランプ金型の上面図である。
図5E】同じ湾曲クランプ金型の等角投影図である。
図5F】X字形補強部材によって分離され、周縁リムを有する4つの三角形キャビティを有する湾曲クランプ金型の底面図であり、周縁リムとX字形補強部材は共通の平面を共有する。湾曲クランプ部材が治具又は溶接台上に置かれるとき、周縁リムと補強部材のみが治具又は溶接台などのクランプ用固定プラットフォームと接触する。
図6】例示的な急速冷却ガスジェット装置を示す。
図7A】基板を予備的に曲げるために基板の第1の側又は裏側に形成された溶融トラックと、基板の第2の側又は表側に形成されたワークピースのDED後壁とを示す。
図7B】基板の第1の側又は裏側に溶融トラックを生成することによって基板を予備的に曲げるための例示的なプロセスを示す図である。
図7C】熱源に向かって基板を予備的に曲げるために、基板の裏側又は第1の側の上面に溶融トラックを形成するためにDEDエネルギー源を移動させるために使用することができる例示的な加熱経路を示す。
図7D】基板の裏側又は第1の側上の加熱経路によって形成された熱的に誘導された予備的に曲げるための溶融トラックの、基板の表側又は第2の側上で製造されるオーバーレイド(灰色の破線)DEDワークピースに対する相対位置を概略的に示す。
図8A】溶融トラックを誘導し、基板を予備的に曲げるために基板を加熱したときに基板に生じる均一な長手方向の弓なりの曲がりを示す。
図8B】基板は上下反転している。描かれた基板において、プレートの平面に垂直な最大公称基板たわみ410は約15mmであった。両方の図において、予備的に曲げられた基板は治具400の上に置かれている。
図9A】例示的な絶縁高強度鋼クランプの底面図を示す。
図9B】例示的な絶縁高強度鋼クランプの側面図を示す。
図9C】例示的な絶縁された高強度鋼クランプの斜視俯瞰3次元図を示す。これらの図は、塑性的に予備的に曲げられた基板と治具を結合するためにクランプが使用されるときに、絶縁された高強度鋼クランプと予備的に曲げられた基板との間の伝導による熱流を最小化するためにセラミックコーティングでコーティングされ得る例示的な表面を示す。
図10】予備的に曲げられた基板を治具に取り付けるために絶縁されたクランプ又は波形クランプを使用する例示的なクランプ配置を示す。この図は、クランプ(複数のクランプを組み合わせて使用する場合、複数のクランプの周囲の実線枠の輪郭内に示されるものなど、クランプ実体)の中心線が、可能な限りDED壁の開始/終了位置の中心線と交わるように、クランプを位置決めできることを示している。このような基板クランプ拘束により、主に長手方向の残留応力から生じる変形効果を大幅に低減することができる。最適でないクランプは、クランプ拘束の欠如に起因する局所的な変形又は座屈をもたらす可能性がある。説明のため、図面の破線枠内に最適でないクランプ配置650を示す。ベースプレートの上方への移動を軸方向に拘束するために、中心から外れた位置に1つのクランプのみが使用される。これは、クランプ/実体の中心線がDED壁の開始/終了位置の中心線と交わらないため、最適でないクランプ配置である。
図11】DED堆積前の基板の表側における黒色の消えかかった予備加熱経路の相対位置を、形成されるワークピースの形状を重ね合わせて概略的に示している。例示的な実施形態は、短辺から短辺までx方向に熱源によって適用される低エネルギー密度の、y方向に予備的に曲げられた基板の面全体にわたる適用を示している。図には、例えば、並行に延びる2つの溶融ツールのツール経路及び予備加熱シーケンスを表す実線及び破線の黒色の消えかかった線が示されている。
図12A】例えばアルミナ絶縁シート又は他の基板支持機構を使用して基板が治具から分離され、ワークピースが層積み重ね式に製造される、従来の指向性エネルギー堆積構成の一例を概略的に示している。この構成は、DED基板から治具への熱流を最小化する一方、DEDプロセスによって発生した熱の引き出しを防止する。
図12B】本明細書で提供されるピン支持システム110を含むマウントシステム100を使用する指向性エネルギー堆積のための例示的な構成をy方向から見た図である。マウントシステムは、予備的に曲げられた基板が治具に取り付けられるとき、予備的に曲げられた基板の下に横たわる支持構造として機能する。ワークピースは、層積み重ね式に製造される。
図12C図12Bに示される本明細書で提供されるピン支持システム110を含むマウントシステム100を使用する指向性エネルギー堆積のための例示的な構成を示すが、X方向で見た図である。マウントシステムは、予備的に曲げられた基板が治具に取り付けられるとき、予備的に曲げられた基板の下に横たわる支持構造として機能する。ワークピースは、層積み重ね式に製造される。
図13A】いかなるタイプの応力軽減も受けていない9.5mmの厚さを有する第1の基板上にワークピースを形成するDED堆積によって引き起こされた変形を示す。歪みは、基板の短辺で明らかであり、堆積前の基板の平坦プロファイルと比較して上方に弓なりに曲がっている。
図13B】12.7mmの厚さを有し、いかなるタイプの応力軽減も受けていない第2の基板へのDED堆積によって生じた変形を示す。
図13C】熱的な予備曲げ、予備加熱及びDED処理を受けることによって物体の形成に使用された厚さ9.5mmの第3の基板を示す。
図14A】個々のクランプの最適でないセットアップを示す図である。破線の円は、不均一な圧力及び熱伝達分布の領域を示す。
図14B】均一な圧力及び熱伝達分布を確保するクランプ/ベースプレートの接触エリアに均等に分散された荷重を示す個々のクランプのセットアップを示す。
図15】従来のセラミックパイロンを使用する場合と、本明細書に記載のピン支持システムとして実施されるマウントシステムを使用する場合との、DED製造プロセス中に基板が保持する熱の比較データを示す。
図16A】本明細書に記載のピン支持システムとして実施されるマウントシステムの代わりにセラミックを排除することによって達成され得るDED雰囲気中の水分量の減少を示す比較データを示す。
図16B】本明細書に記載のピン支持システムとして実施されるマウントシステムの代わりにセラミックを排除することによって達成され得るDED雰囲気中の水分量の減少を示す比較データを示す。
【発明を実施するための形態】
【0043】
示される実施形態の詳細な記載
次に、添付図面にその例が示されている本発明の実施形態を詳細に参照する。
【0044】
A.定義
【0045】
本明細書で使用されるすべての技術用語及び科学用語は、他に定義されない限り、本発明が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書における開示全体を通じて参照されるすべての特許、特許出願、公開出願及び刊行物、ウェブサイト、並びに他の公開資料は、特に断りのない限り、その全体が参照により組み込まれる。本明細書において、用語の定義が複数存在する場合には、本セクションの定義が優先する。
【0046】
本明細書で使用される場合、単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈上明らかにそうでないことが指示されない限り、複数の指示対象を含む。
【0047】
本明細書で使用される場合、範囲及び量は、「約」特定の値又は範囲、として表すことができる。「約」には正確な量も含まれる。したがって、「約5%」は「約5%」及びまた「5%」を意味する。「約」は、意図する用途又は目的に対する典型的な実験誤差の範囲内を意味する。
【0048】
本明細書で使用される場合、「任意選択の」又は「任意選択的に」とは、その後に記載される事象又は状況が発生する又は発生しないこと、及びその記載には、その事象又は状況が発生する例と発生しない例が含まれることを意味する。例えば、システム内の任意選択の構成要素とは、その構成要素がシステム内に存在してもよいし、又は存在しなくてもよいことを意味する。
【0049】
本明細書で使用される場合、「組み合わせ」とは、2つのアイテム間又は2つを超えるアイテム間の任意の関連を指す。この関連は、空間的なものである場合もあれば、共通の目的のための2つ以上のアイテムの使用を指す場合もある。
【0050】
本明細書で使用される場合、「備える、含む、含有する(comprising、including、containing)」という用語は同義であり、包括的又はオープンエンドである。各用語は、追加の未言及の要素又は方法ステップが任意選択的に含まれ得ることを示す。
【0051】
本明細書で使用される場合、「及び/又は」は、そのように結合された要素の「どちらか又は両方」、すなわち、ある場合には結合的に存在し、他の場合には分離的に存在する要素を意味する。「及び/又は」とともに列挙された複数の要素も同様に解釈されるべきであり、すなわち、そのように結合された要素の「1つ又は複数」として解釈されるべきである。他の要素は、「及び/又は」の項によって具体的に特定された要素以外に、具体的に特定されたそれらの要素に関連するか否かにかかわらず、任意選択的に存在してもよい。したがって、非限定的な例として、「A及び/又はB」への言及は、「備える」などのオープンエンドの言語と組み合わせて使用される場合、ある実施形態では、Aのみ(任意選択的にB以外の要素を含む);別の実施形態では、Bのみ(任意選択的にA以外の要素を含む);さらに別の実施形態では、A及びBの両方(任意選択的に他の要素を含む)を指すことができるなどである。
【0052】
本明細書で使用される場合、「積層造形」は、「付加的製造」、「付加的層造形」、「固体自由形状製造」、「成形金属堆積」、「層化造形」としても知られており、物体の連続する層の造形を実施する積層プロセスを指す。このプロセスは、3Dモデルデータ、ワイヤ又は粉末などの金属原料源、金属源を溶融するための熱源(プラズマアーク、レーザー又は電子ビームなど)、又はそれらの組み合わせを採用することができる。
【0053】
本明細書で使用される場合、「積層造形システム」とは、積層造形に使用されるシステムを指す。
【0054】
本明細書で使用される場合、「指向性エネルギー堆積(Directed Energy Deposition)」又は「DED」は、堆積される際に溶融することによって材料、特に金属を融着するために熱源が使用される積層造形プロセスを指す。
【0055】
本明細書で交換可能に使用される「プラズマ移行アークトーチ」又は「PTAトーチ」という用語は、電気アーク放電によって不活性ガスの流れを加熱してプラズマに励起し、次いで、電気アークを含むプラズマガスの流れをオリフィス(収縮ノズルなど)を通して外部に移行して、高速でノズルオリフィスから出て、アークの高熱を金属ワイヤ又は基板などのターゲット領域に移行するイオン化プラズマガスの高度に平行化されたアークカラムを形成することができる任意の装置を指す。
【0056】
本明細書で使用される「金属材料」という用語は、3次元物体を形成するために指向性エネルギー堆積プロセスにおいて採用され得る任意の既知の又は考えられる金属又は金属合金を指す。好適な材料の例としては、チタン及びチタン合金、例えばTi-6Al-4V合金が挙げられるが、これらに限定されない。
【0057】
本明細書で使用される場合、「熱源」とは、熱エネルギーが金属ワイヤ若しくは金属粉末などの金属材料、又は基板若しくはベース材料、或いはそれらの任意の組み合わせに伝達され得る装置の一部を指す。例示的な熱源には、プラズマアーク、レーザービーム、及び電子ビームが含まれる。
【0058】
本明細書で使用される場合、「溶融ツール」は、DED積層造形プロセスにおいて、金属材料又はワークピースの表面の一部或いはその両方を予備加熱又は溶融するための熱源を生成する装置を指す。例としては、熱源として電気アークプラズマを生成するPTAトーチ、熱源としてレーザービームを生成するレーザー装置、及び熱源として電子ビームを生成する電子ビーム装置が挙げられる。
【0059】
本明細書で使用される「ベース材料」という用語は、ワークピースを形成するために溶融金属を堆積させるターゲット材料を指す。これは、金属材料の第1の層を堆積する場合、基板である。基板上に1つ又は複数の金属材料の層が堆積された場合、ベース材料は、その上に新たな金属材料層が堆積される、堆積された金属材料の一番上の層である。
【0060】
本明細書で使用される場合、「ワークピース」という用語は、指向性エネルギー堆積を使用して製造される金属体又は物体を指す。
【0061】
本明細書において交換可能に使用される「コンピュータ支援設計モデル」又は「CADモデル」という用語は、基板の位置及び移動を調節し、DED熱源及び金属粉末サプライ又は金属ワイヤ供給装置などの金属材料の供給源を操作するDEDシステムにおいて採用することができる、形成される物体の任意の既知の又は考えられる仮想3次元表現を指し、その結果、金属材料の連続的な堆積を基板上に融着させることによって物理的物体が構築され、その結果、物体の仮想3次元モデルに従って物理的物体が構築される。これは、例えば、まず仮想3次元モデルを仮想平行層の集合に分割し、次に平行層のそれぞれを仮想準1次元ピースの集合に分割することによって、3次元モデルの仮想ベクトル化層状モデルを形成することによって得ることができる。次に、コントローラを係合させて、金属材料フィードの一連の準1次元ピースを、物体の仮想ベクトル化層状モデルの第1の層に従ったパターンで基板上に堆積させ、融着させることによって、物理的物体を形成することができる。
【0062】
次いで、物体の仮想ベクトル化層状モデルの第2の層に従うパターンで溶接可能材料の一連の準1次元ピースを前の堆積された層上に堆積及び融着させることにより、物体の第2の層についてシーケンスを繰り返す。この繰り返しにより、物体全体が形成されるまで、物体の仮想ベクトル化層状モデルの各連続層について、層ごとに堆積及び融着プロセスが継続される。しかしながら、本発明は、本発明による構成のコントローラを実行するための特定のCADモデル及び/又はコンピュータソフトウェアに縛られるものではなく、また、本発明は特定のタイプのコントローラに縛られるものでもない。指向性エネルギー堆積法によって金属3次元物体を構築することができる任意の既知の又は考えられるコントローラ(CADモデル、コンピュータソフトウェア、コンピュータハードウェア及びアクチュエータ等)を使用することができる。
【0063】
本明細書で使用される場合、「冷却ガス」とは、固化したままの金属の冷却及び固化に直接影響を与え、冷却及び固化を促進するために、固化したままの表面、例えば融解トラックに向かって向けられるガスである。ガスの温度は、それが相互作用する表面を冷却する任意の温度とすることができる。温度は、100℃未満、又は50℃未満、又は30℃未満、又は25℃未満、又は10℃未満、又は5℃未満、又は0℃未満、又は約-10℃~約100℃、又は約-5℃~約90℃、又は約0℃~約80℃の範囲であり得る。温度は約25℃以下であり得る。
【0064】
本明細書で使用される場合、「残留応力」とは、残留ひずみの不均一性に起因してすべての外部荷重が除去されたとしても構造体に存在するであろう応力のことである。残留応力は通常、自己平衡化する。
【0065】
本明細書で使用される場合、「治具」とは、堆積中にワークピース、マウントシステム、及びクランプを所定の位置に保持又は固定するために使用される装置を指す。例えば、治具は、DEDプロセス中にワークピースの基板又は他の部分を固定することができるトレイ、台座、又はプラットフォームを含むことができる。
【0066】
本明細書で使用される場合、「プリフォーム」は、積層造形プロセスによって製造されるワークピースである。プリフォームは、最終的な完成部品又は半完成部品の中間体であることもある。プリフォームは、最終的な完成部品に対するニアネットシェイプを有することもあり、最小限であれば何らかのさらなる加工を必要とすることができる。例えば、プリフォームは、高公差の構成に最終仕上げ加工を必要とすることができる。
【0067】
本明細書で使用される場合、「バイ・ツー・フライ比」又は「BTF比」とは、構成要素を製造するために使用される原材料の重量と完成品の重量との重量比を指す。この比率は、最初の堆積されたままのDEDプリフォームの形状が、完成された構成要素の形状に対してどの程度近いかに依存し得る。最終構成要素を製造するためにDEDプリフォームから除去する必要がある材料が多いほど、BTF比は高くなる。
【0068】
本明細書で使用される場合、基板に関する「長さ」又は「長さ方向」は、基板の3つの寸法のうち最も大きい寸法に沿った方向を指す。
【0069】
本明細書で使用される場合、基板に関する「幅」又は「幅方向」は、基板の3つの寸法のうち2番目に大きい寸法に沿った方向を指し、典型的には、一方の短辺から他方の短辺までの測定値を指す。
【0070】
本明細書で使用される場合、基板に関する「厚さ」又は「厚さ方向」とは、基板の3つの寸法のうち最も小さい寸法に沿った方向を指す。
【0071】
本明細書で使用される場合、「高強度鋼」とは、300MPa以上の引張強度を有する鋼を指す。
【0072】
本明細書で使用される場合、「高強度低合金鋼」とは、370MPa以上の引張強度を有する鋼を指す。
【0073】
本明細書で使用される場合、「超高強度鋼」とは、780MPa以上の引張強度を有する鋼を指す。
【0074】
本明細書で使用される場合、「温間成形温度」とは、再結晶、粒成長、及び冶金的破壊を許容することなく材料の展性を最大にする材料の再結晶温度未満の温度である。温間成形温度は、材料によって約200℃から約850℃の範囲であり得る。
【0075】
本明細書で使用される場合、「熱間成形温度」とは、材料の再結晶温度を超える温度である。熱間成形温度は、材料によって約600℃から約2000℃の範囲であり得る。
【0076】
本明細書で使用される場合、「基板の裏側」とは、DED製造中に堆積装置から離れる方を向く基板の側を指す。例えば、基板の裏側は、堆積中に治具の方を向くことができる。基板の裏側は、堆積が行われる側とは反対の側である。
【0077】
本明細書で使用される場合、「基板の表側」とは、堆積装置に面する基板の側を指す。例えば、基板の表側は、DED中に溶融材料が堆積される側とすることができる。基板の表側は、DEDによってワークピースが形成される側とすることができる。基板の表側は、基板の裏側とは逆の側である。
【0078】
本明細書で使用される場合、「キャビティ」とは、穴を形成するために塊を横断しない、塊内の充填されていない空間又は空隙を指す。キャビティは、くり抜かれた空間又は切り開かれた空間、又は追加の材料を追加することによって形成された空間とすることができる。
【0079】
本明細書で使用される場合、マウントシステムの「公称たわみ」又は「h(弧形度)」は、弓形表面の中心で測定された弓形表面の最大高さとマウントシステムの縁部の上面との間の差である。
【0080】
また、明確に反対の指示がない限り、本明細書で特許請求される、複数のステップ又は行為を含む方法において、方法のステップ又は行為の順序は、方法のステップ又は行為が記載される順序に必ずしも限定されないことを理解されたい。
【0081】
B.基板マウントシステム
プリフォームを製造するための金属の従来のDEDは、プリフォームに残留応力をもたらす可能性がある。金属のDED中の残留応力は、典型的には、製造される構成要素の異なるエリアが異なる熱膨張及び熱収縮のサイクルを経験するという事実に起因する。結果として生じる熱応力は、不可逆的な材料変形の不均一な分布を引き起こす可能性があり、この変形の一部は材料が冷却された後も残り、ワークピース内に内部の完全に自己平衡化した応力場を生じさせる可能性がある。この応力は、軽減されない場合、多数の製造不良を促す可能性がある。図1A~1Hに示すように、応力を軽減しない従来のDED積層造形を用いて製造されたワークピース(図1A)は、不整合(図1B及び1C)、亀裂(図1D、1E及び1F)、及び裂け(図1G及び1H)を示すことがある。DEDによる残留応力がなく歪みもない片面金属構成要素、又は残留応力が低減された、若しくは歪みが低減された金属構成要素を製造するための、予備的に曲げられた基板の下に横たわる支持構造としての基板マウントシステム100が提供される。マウントシステム100は、金属粉末又はワイヤ原料或いはそれらの組み合わせを溶融するために使用される従来のDED熱源と共に使用することができる。
【0082】
例において、マウントシステム100は、予備的に曲げられた基板と治具との間の介在構造として採用することができる。1つ又は複数のクランプを使用して、予備的に曲げられた基板を治具に固定することができる。この結果、予備的に曲げられた基板は治具に向かって押されるため、予備的に曲げられた基板を治具に固定するのに必要な力がクランプと治具の間にかかり、マウントシステム100は基板と治具の間の支持体となる。実施形態において、予備的に曲げられた基板は軸方向下向きに押し付けられる。
【0083】
例において、本明細書で提供されるマウントシステム100は、治具の再設計をより単純に、すなわち、より軽く、より安く、より汎用的にすることを可能にし得る。現在の治具は、基板を治具に直接クランプするときやDED中に遭遇する反力及び応力を想定して過剰に設計されている可能性がある。マウントシステム100は、これらの想定される力及び応力を低減することができる。また、本明細書で提供するマウントシステム100は、従来のクランプ配置と比較して、クランプ配置の変更を可能にし得る。いくつかの応用例では、マウントシステム100が使用されるとき、基板の全周囲を治具にクランプすることができる。
【0084】
例において、マウントシステム100は、DED製造中の基板と溶接治具との間の低い又は低減された熱エネルギー伝達を可能にすることができ、絶縁セラミックの必要性を低減又は排除することができ、欠陥のない又は実質的に欠陥のない製造製品を得ることができ、又はそれらの任意の組み合わせを達成することができる。
【0085】
前述のように熱絶縁材として使用されるセラミックシート、プレート、又はパイロンは、DED製造中に放出される水分を吸収する可能性がある。環境中の水分の放出は、堆積される金属の酸化をもたらす可能性があるのでプロセスに有害となり得る酸素の存在を増加させる。例において、マウントシステム100は、セラミックシート、プレート、又はパイロンを排除し得る。例において、マウントシステム100はセラミックなしで使用することができる。例において、マウントシステム100にセラミックコーティングは使用されない。例において、マウントシステム100はいかなるセラミック材料も含まない。例において、マウントシステム100はいかなるセラミックシート、プレート、パイロンも含まない。例において、マウントシステム100はセラミック材料及び/又はセラミックコーティングを含んでもよい。
【0086】
マウントシステム100は、所定の「基板接触界面」を含むように構成されてもよい。本明細書で使用される場合、マウントシステム100に関する「基板接触界面」という用語は、マウントシステム100の基板界面面積に対するマウントシステム100の基板接触面積の比率を指す。マウントシステム100の「基板界面面積」とは、使用時にマウントシステム100に面する基板又は予備的に曲げられた基板の表面によって占有されるように構成されるマウントシステム100の一方の側の面積を指し、したがって、マウントシステム100の使用時にマウントシステム100に面する基板又は予備的に曲げられた基板の表面の面積に対応する。マウントシステム100の例示的な基板界面面積106(破線で平面として示されている)の図が、図2Bに示されている(明確にするために曲率は省略されている)。例において、マウントシステム100の基板界面面積は、マウントシステム100が使用されているときに基板又は予備的に曲げられた基板に面するように構成されたマウントシステム100の物理的表面の表面積と同じであっても異なっていてもよい。例えば、マウントシステム100が1組の別個の要素101を含み得る図2Bに示される例において、基板界面面積106は、マウントシステム100が使用されているときに基板又は予備的に曲げられた基板に面するように構成された要素101の集合的な表面積よりも大きくてもよい。本明細書で使用される「基板接触面積」という用語は、マウントシステム100が使用されているときに、マウントシステム100と基板又は予備的に曲げられた基板との間で物理的接触が行われる面積を指す。本記載の目的上、全体としてマウントシステム100の「基板接触面積」に言及することは、マウントシステム100が本明細書に記載されるように使用されているときに基板又は予備的に曲げられた基板の表面と物理的に接触するように構成されるマウントシステム100の総表面積として理解されるべきである。この定義における物理的接触には、介在するセラミックコーティング、ボンドコート、又はその両方との接触も含まれる。言及を容易にするために、基板接触界面を表す比率は、マウントシステム100の基板界面面積のうち、マウントシステム100の基板接触面積である部分の百分率として表すことができる。言い換えれば、本明細書では、比率は、マウントシステム100が使用されているときに基板又は予備的に曲げられた基板によって重ねられるように構成されたマウントシステム100の側の面積のうち、マウントシステム100が使用されているときに基板又は予備的に曲げられた基板と物理的に接触するように構成された面積によって占有される面積の百分率又は比率として表現され得る。基板接触界面は、基板又は予備的に曲げられた基板を支持するときにマウントシステム100が物理的に接触するように構成された基板又は予備的に曲げられた基板の側の表面積の割合であると同様に理解され得る。
【0087】
例において、マウントシステム100は、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、又は1以上であり、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、又は20以下である基板接触界面を含むように構成され得る。例において、マウントシステム100は、0.1~15、0.1~10、0.1~5、又は0.1~1の範囲の基板接触界面を有するように構成され得る。例において、マウントシステム100は、0.1~15、0.1~10、0.1~5、又は0.1~1の範囲の基板接触界面を有するように構成され得る。例において、マウントシステム100は、0.2~20、0.2~15、0.2~10、0.2~5、又は0.2~1の範囲の基板接触界面を有するように構成され得る。例において、マウントシステム100は、0.3~20、0.3~15、0.3~10、0.3~5、又は0.3~1の範囲の基板接触界面を有するように構成され得る。例において、マウントシステム100は、0.4~20、0.4~15、0.4~10、0.4~5、又は0.4~1の範囲の基板接触界面を有するように構成され得る。例において、マウントシステム100は、0.5~20、0.5~15、0.5~10、0.5~5、又は0.5~1の範囲の基板接触界面を有するように構成され得る。例において、マウントシステム100は、0.6~20、0.6~15、0.6~10、0.6~5、又は0.6~1の範囲の基板接触界面を有するように構成され得る。例において、マウントシステム100は、0.7~20、0.7~15、0.7~10、0.7~5、又は0.7~1の範囲の基板接触界面を有するように構成され得る。例において、マウントシステム100は、0.8~20、0.8~15、0.8~10、0.8~5、又は0.8~1の範囲の基板接触界面を有するように構成され得る。例において、マウントシステム100は、0.9~20、0.9~15、0.9~10、0.9~5、又は0.9~1の範囲の基板接触界面を有するように構成され得る。
【0088】
例において、マウントシステム100は、基板又は予備的に曲げられた基板と物理的に接触するように構成されたマウントシステム100の部分を制御又は調整することによって、所与のサイズの基板又は予備的に曲げられた基板に対して所望の基板接触界面を有するように構成され得る。例において、マウントシステム100の基板接触面積は、使用時に基板又は予備的に曲げられた基板に面し、物理的に接触するように構成されたマウントシステム100の表面(「基板接触面」)を凹凸状又は不連続にすることによって制御され得る。例において、本明細書に記載されるように、マウントシステム100の基板接触面は、波型、ローレット状にされてもよく、又は別の方法で隆起部及び谷若しくは同様の凹凸状表面輪郭を含んでもよい。例において、マウントシステム100の基板接触面は、段差、湾曲、凸面、凹面、中空、不規則性を有するように、又はマウントシステム100の基板接触面の総面積の一部のみである基板接触面積をもたらし得る任意の他の凹凸状プロファイルを有するように設計されてもよい。例において、マウントシステム100は、1組のピン又はピン構造によって、又は格子構造によってなど、離間された位置でのみ基板又は予備的に曲げられた基板を支持するように構成されてもよい。
【0089】
例において、基板接触面積を減少させることにより、基板又は予備的に曲げられた基板からマウントシステム100、溶接治具、又はその両方への伝導熱伝達の低減をもたらす可能性がある。例において、これによりDEDプロセス中の基板内の熱蓄積が促進され、したがって、跳ね返りの程度を最小限に抑える可能性がある。例において、基板又は予備的に曲げられた基板の厚さを横切る熱勾配は、第1の層の堆積中に実質的により小さくなり得るので、金属プリフォームのDED中に生じる溶接誘起残留応力は低減され得る。また、チタン及びチタン合金、例えばTi-6Al-4Vは高い降伏応力及び比較的低い弾性率を有するので、これらの金属は室温で高い跳ね返りを示す。
【0090】
例において、基板接触面積の減少により、基板又は予備的に曲げられた基板とマウントシステム100、溶接治具、又はその両方との間に1つ又は複数の隙間又は空間が形成される可能性がある。例において、これらの隙間又は空間をDEDチャンバの雰囲気、又は熱絶縁材として作用することができるアルゴンなどの希ガスで満たすことが可能な場合がある。アルゴンガスなどの希ガスは、非常に効果的な熱絶縁材である可能性がある。また、固体/ガス/固体の界面は熱伝導性がかなり低いため、予備的に曲げられた基板/アルゴンガス/マウントシステム及び/又は溶接治具の間のこれらの特定の界面は、熱バリヤとして効果的に機能する可能性がある。したがって、例において、1つ又は複数の隙間又は空間は、基板又は予備的に曲げられた基板とマウントシステム100との間の平均熱伝達率を最小化するのにも役立ち得る。
【0091】
例において、マウントシステム100は、単一の一体構造、要素又は構造のアレイ、又はその両方の組み合わせを含み得る。本明細書に記載されるマウントシステム100の設計特性を反映する任意の構造が、マウントシステム100を実践するために使用され得る。例において、マウントシステム100は、ピン支持システム110、1つ又は複数のピン112、格子支持システム150、型170、任意の同様の構造、又はそれらの任意の組み合わせを含み得る。マウントシステム100のこれらの例示的な構造は、例として提供されており、限定的なものと見なすべきではない。マウントシステム100が要素又は構造のアレイを含み、各要素又は構造がそれ自体の基板接触面及び基板接触面積を有する例において、全体としてマウントシステム100に言及する場合の先に定義した基板接触界面は、マウントシステム100の一部であるアレイ内のすべての要素又は構造からの合計基板接触面積の関数として理解されるべきである。
【0092】
例において、本明細書で提供されるマウントシステム100は、自立型であり得る。例において、マウントシステム100は、治具から分離して離すことができる。例において、マウントシステム100は、溶接治具の一部として一体化され得る。例示的な実施形態において、マウントシステム100は、溶接治具上に設置されるように構成され得る。
【0093】
例において、マウントシステム100は、少なくとも一方の側に湾曲プロファイル102を画定するように構成され得る。例において、湾曲プロファイル102はマウントシステム100の表面プロファイルに対応する。例において、湾曲プロファイル102は、画定されたマウントシステム100である平面のプロファイルである。例において、湾曲プロファイル102は、マウントシステム100の表面プロファイルである。例において、マウントシステム100が、型などの一体構造であるか、又は本明細書に記載されるような格子内に設けられ得るなど一体構造である場合、湾曲プロファイル102は、マウントシステム100の表面プロファイルであり得る。例において、マウントシステム100が、本明細書に記載されるような格子内に設けられ得るなど不連続面を含む場合、又はマウントシステム100が、記載されるようなピン支持システムなど、要素又は構造101のアレイを含む場合、湾曲プロファイル102は、図2Aに示されるように、不連続面上又はアレイ内の要素又は構造上の基板接触面積のそれぞれの遠位端を横切る平面として定義されたプロファイルであり得る。
【0094】
例において、マウントシステム100は、少なくとも溶接治具から離れる方を向く側に湾曲プロファイル102を画定するように構成され得る。例において、マウントシステム100は、一方の側に平面プロファイルを画定するように構成され得る。例において、マウントシステム100は、第1の側に平面プロファイルを、反対側の第2の側に湾曲プロファイルを画定するように構成され得る。例において、マウントシステム100は、使用時に、溶接治具に面するか、又は溶接治具に向けられるように意図された第1の側に平面又は平坦なプロファイルを画定し得る。例において、マウントシステム100は、第1の側の反対側の第2の側に湾曲プロファイル102を画定し得る。例において、マウントシステム100は、使用時に、溶接治具から離れる方を向くか、又は溶接治具から離れる方に向けられ、基板又は予備的に曲げられた基板の方を向くか、又は基板又は予備的に曲げられた基板の方に向けられることが意図される側に、湾曲プロファイル102を画定し得る。例において、マウントシステム100の湾曲プロファイル102は、マウントシステム100の使用時に基板又は予備的に曲げられた基板に面するように構成される。例において、湾曲プロファイル102は、マウントシステム100の使用時に基板又は予備的に曲げられた基板と界面を成すように構成されたマウントシステム100の側に設けられる。例において、マウントシステム100の湾曲プロファイル102は、基板又は予備的に曲げられた基板と界面を成すように構成される。
【0095】
例において、マウントシステム100の湾曲プロファイル102の曲率は、セラミックプレートを使用して実施された初期試験で収集されたデータに基づいて経験的に決定することができる。セラミックプレートを異なるサイズに切断し、それを用いて異なる現在の曲率を生成し、湾曲支持体上に準備されたプリフォームの歪みを最小化する能力について試験した。その後、モデリングを用いて、実験に使用した曲率が目標とする最終結果、すなわち歪みのないプリフォームに近いものをもたらすことを確認した。側面から見た断面において、マウントシステム100の湾曲プロファイル102の形状は、半長軸よりも半短軸がはるかに小さい楕円の上半分に似ている可能性がある。楕円は1に近いが1未満の偏心率を有し得る(1の偏心率は平坦な表面となる)。
【0096】
例において、マウントシステム100は周辺リム部分104を含み得る。この例が図2Aに示されている。例において、周辺リム部分104は、少なくとも側縁部に沿って、又はマウントシステム100の第1の側、第2の側、又は第1及び第2の側の両方によって画定されるエリアの周縁に沿って存在し得る。例において、マウントシステム100の周辺リム部分104は、マウントシステム100の使用時に基板又は予備的に曲げられた基板が溶接治具にクランプされる部分において、基板又は予備的に曲げられた基板の少なくとも一部を下支えするように構成され得る。例において、マウントシステム100の周辺リム部分104の少なくとも一部は、マウントシステム100の使用時に基板又は予備的に曲げられた基板が溶接治具にクランプされる位置で基板又は予備的に曲げられた基板を下支えするように構成され得る。
【0097】
例において、マウントシステム100と基板又は予備的に曲げられた基板との間の接触により、マウントシステム100にいくらかの圧縮応力が感じられる可能性がある。例において、マウントシステム100は、その形状を維持するのを助けるために、ねじれや変形に耐性のある剛性のある材料で作ることができる。さらに、マウントシステム100は、熱衝撃、腐食に耐性があり、及び/又は非磁性である材料で作ることができる。
【0098】
例において、マウントシステム100は、予備的に曲げられたDED基板と治具との間に位置決めされた、予備的に曲げられたDED基板の支持構造として機能することができる。例示的な配置は、治具を最下面として含むことができ、それに対してマウントシステム100が位置決めされる。
【0099】
例において、溶融トラックが存在し得る予備的に曲げられた基板の裏側(第1の側)は、治具から離れる方を向くマウントシステム100の側に面するように位置決めされ得る。この構成では、予備的に曲げられた基板の裏側は、マウントシステム100及び治具の湾曲プロファイル102に向かって下向きになる。例において、1つ又は複数のクランプが、予備的に曲げられた基板と治具の間にマウントシステム100を挟んだ状態で、予備的に曲げられた基板を治具に固定することができる。例において、クランプによって予備的に曲げられた基板に及ぼされる力は、予備的に曲げられた基板を真っ直ぐにし、マウントシステム100の湾曲プロファイル102の曲率に適合させることができる。DED基板の周辺の少なくとも一部の周りの1つ又は複数のクランプは、予備的に曲げられた基板を治具に向かって下方に均一に圧縮することができ、予備的に曲げられた基板を治具に固定することができる。
【0100】
例において、マウントシステム100は、基板の臨界座屈応力を超えると、圧縮残留応力によって生じる弾性不安定性によって引き起こされる、溶接誘起座屈歪みなどの変形を軽減するのに役立つことができる、又は排除することができる。マウントシステム100が基板又は予備的に曲げられた基板、制御された基板界面、又はそれらの組み合わせに関して有するように構成された減少した接触界面のために、例において、マウントシステム100は、大きな局所的な汚れ(stains)、及び結果として生じる変形パターンを誘起し得る局所的な温度勾配の発生を最小限に抑えることができる可能性がある。例において、マウントシステム100は、予備的に曲げられた基板全体にわたる熱的及び機械的均質性を最適化するために、予備的に曲げられた基板との一貫した界面を維持することができる。
【0101】
例において、基板の寸法は、基板上に構築される1つ又は複数のワークピースを受け入れるように選択することができる。典型的には、基板に対してマウントシステム100によって画定される湾曲プロファイル102のサイズに関する唯一の制限は、基板と治具の間にマウントシステム100が位置決めされた状態で、基板又は予備的に曲げられた基板を治具にクランプできることである。マウントシステム100は、基板又は予備的に曲げられた基板と同じサイズの湾曲プロファイル102を画定するように設計することができる。例において、マウントシステム100は、基板又は予備的に曲げられた基板を治具にクランプできる限り、基板又は予備的に曲げられた基板の接合面よりも0.5%から10%大きい湾曲プロファイル102を画定するように構成することができる。
【0102】
基板と治具の間にマウントシステム100がある状態で治具にクランプしたときに基板が治具に接触しない限り、マウントシステム100は、基板よりも0.05%から2.5%小さいサイズを有する湾曲プロファイル102を画定するように設計することができる。
【0103】
本明細書で提供する実施形態において、マウントシステム100を溶接治具上に配置したときにマウントシステム100に面する溶接治具の表面から測定すると、湾曲プロファイル102の中心又は頂点で又はその近くでマウントシステム100によって定められる湾曲プロファイル102の高さは、約3mm~約60mm、又は約12mm~約50mm、又は約15mm~約45mmの範囲であり得る。外縁部又は周辺リム部分で又はその近くで測定される湾曲プロファイル102の高さは、約0.5mm~約55mm、又は約3mm~約45mm、又は約10mm~約40mmの範囲であり得る。側面から見たときの湾曲プロファイル102の厚さプロファイルは、中心又は頂点において最大高さを有し、高さは、湾曲面の外縁部又は周辺リム部分に向かって徐々に減少し得る(the height may gradually decrease toward the outer edges or peripheral rim portion to from a curved surface)。マウントシステム100によって定められる湾曲プロファイル102の断面にわたる高さの差は、湾曲プロファイル102の上面に凹状の下向きの湾曲をもたらし得る。側面から見た断面において、湾曲プロファイル102の形状は、その半短軸がその半長軸よりもはるかに小さい楕円の上半分に似ている可能性がある。楕円は1に近いが1未満の偏心率を有し得る(1の偏心率は平坦な表面である)。
【0104】
例において、マウントシステム100は、DED処理の典型的な条件下で使用するのに十分な強度及び温度耐性を有する任意の金属から構成することができる。マウントシステム100は、耐腐食性の金属で作ることができる。マウントシステム100は、耐熱性金属で作ることができる。マウントシステム100は、非磁性金属で作ることができる。マウントシステム100は、1350℃以上の融点を有する金属で作ることができる。いくつかの構成において、マウントシステム100は、オーステナイト系ステンレス鋼を含み得る。オーステナイト系ステンレス鋼は、炭素、クロム、銅、マンガン、モリブデン、ニッケル、窒素、リン、ケイ素、又はそれらの組み合わせを含むことができる。オーステナイト系ステンレス鋼は、少なくとも18%のクロムを含むことができる。マウントシステム100は、300シリーズステンレス鋼で作ることができる。マウントシステム100は、304、309、310、316、318、321又は330シリーズのステンレス鋼で作ることができる。マウントシステム100は、グレードAISI330ステンレス鋼で作ることができる。マウントシステム100は非磁性金属製で作ることができるが、これはアークベースのDEDシステムで溶接アークを取り囲む不均衡な磁界状態を回避するためであり、これは磁気アークブローなどの数多くの処理上の問題を引き起こす可能性がある。
【0105】
例において、マウントシステム100は、セラミックシート、プレート、又はパイロンを使用せずに採用することができる、すなわちそれらを除外することができる。先に述べたように、セラミックシート、プレート、又はパイロンなどのセラミック要素を排除することは、低レベルの酸素又は無酸素雰囲気を維持する上で有利である可能性がある。例において、従来のセラミック絶縁シートをマウントシステム100に置き換えると、従来のアルミナセラミックプレートから放出される水蒸気の量に比べて、DED処理中にマウントシステム100のセラミックコーティングからチャンバ内に放出される水蒸気の量が少なくなるか、又は全くないため、処理チャンバ雰囲気が著しく安定することがある。
【0106】
例において、セラミックコーティングの使用は、所望によりマウントシステム100で実施することができる。例において、本明細書に記載するようなセラミックコーティングは、セラミックシート、プレート、又はパイロンに関して考察したのと同じ問題を提示しない場合がある。セラミックコーティングの利点は、DEDプロセス中に基板又は予備的に曲げられた基板からマウントシステム100へ、マウントシステム100から溶接治具へ、又はその両方の熱エネルギー伝達をさらに最小化するか、より良好に防止することであろう。熱エネルギー伝達のさらなる低減は、DED中の基板又は予備的に曲げられた基板からの熱損失の低減につながり得る。
【0107】
例において、マウントシステム101と基板又は予備的に曲げられた基板との間の接触界面となるように構成されたマウントシステム101の部分又はエリアにセラミックコーティングを適用することができる。例において、マウントシステム101と溶接治具との間の接触界面となるように構成されたマウントシステム101の部分又はエリアにセラミックコーティングを適用することができる。上記の任意の組み合わせを採用することもできる。また、例において、追加のセラミックコーティング又は要素を採用することもできる。例において、マウントシステム100は、金属材料によって輪郭を形成され、マウントシステム100によって画定される湾曲プロファイル102の周縁又は周辺リムにおいてセラミックコーティング又はボンドコートでコーティングされない場合がある。
【0108】
例において、セラミックコーティング108をマウントシステム100の表面に直接適用することができ、又はセラミックコーティングをマウントシステム100の表面に直接適用されるボンドコート107に適用することができる。
【0109】
セラミックコーティングは、大気圧プラズマ溶射、マグネトロンスパッタリング、電気泳動蒸着などの化学蒸着又は電気化学蒸着、或いは電子ビーム物理蒸着などの物理蒸着を含む任意のプロセスを使用して適用することができる。当該技術分野で知られている任意の高温セラミックコーティングを使用することができる(例えば以下を参照のこと。米国特許第4,321,310号明細書(Ulionら、1982)、同第5,789,330号明細書(Kondoら、1998)、同第5,304,519号明細書(Jacksonら、1994)、同第6,387,539号明細書(Subramanian、2002)、及び同第6,998,064号明細書(Gadowら、2006)。例示的な種類のセラミックコーティングには、二酸化ジルコニウム、酸化イットリウムの添加によって安定化された二酸化ジルコニウム、酸化イットリウムアルミニウム、アルカリ土類金属ケイ酸塩、ZrV、Mg(VO、及びそれらの組み合わせが含まれる。マウントシステム100は、酸化イットリウムの添加によって安定化された二酸化ジルコニウム、例えば、Metco222A、231A、233A、233B、233C及び234A(Oerlikon Metco(フランクフルト、ドイツ)から入手可能)を含むMetco(商標)22xx及び23xx粉末として市販されているものなどのプラズマ溶射ZrO 8Yでコーティングすることができる。コーティングは、異なる種類のセラミックの複数の層、又は1つの種類のセラミックの複数の層を含むことができる。
【0110】
マウントシステム100に使用されるセラミックコーティングは、従来のアルミナ絶縁よりも吸湿性が低くなるように選択することができる。マウントシステム100に使用されるセラミックコーティングは、従来のアルミナ絶縁と比較して非吸湿性であるように選択することができる。
【0111】
例において、マウントシステム100はボンドコート107を含むことができる。ボンドコートは、基板とセラミックコーティングとの間の接着性を高めることができる材料のコーティングである。ボンドコートは、それが適用される基板に耐腐食性を与えることができる。ボンドコートは単独で、或いはセラミックコーティングと組み合わせて使用することができる。ボンドコートは、クロム及びアルミニウムを含むことができる。ボンドコートは、MCrAlYを含むことができ、ここでMは、Co、Ni、Fe、Cr、Co、及びNi/Coの組み合わせからなる群から選択される金属である。いくつかの用途では、ボンドコートはMCrAlYを含み、ここでMはNi、Co又はそれらの組み合わせである。例示的なボンドコート材料としては、Amdry(商標)962、9621、9624、9625、963及び964(Oerlikon Metco(フランクフルト、ドイツ)から入手可能)などのAmdry(商標)粉末製品が挙げられる。ボンドコートは、約1~250μmの厚さで存在し得る。
【0112】
マウントシステム100に適用されるセラミックコートの厚さは、使用されるセラミックの種類、及び機械的負荷と熱的負荷の両方を支持するその能力に応じて変化し得る。いくつかの構成において、セラミックコーティング全体の厚さは、約0.1mm~約5mm、又は約0.25~約4mm、又は約0.3~約3mmであり得る。各堆積層は、適用されるセラミックコーティングの全量よりも薄いものであり得るが、セラミックのすべての適用された層を合わせると、少なくとも0.1mm、又は少なくとも0.25mm、又は少なくとも0.5mm、又は少なくとも0.75mm、又は少なくとも1mm、又は少なくとも1.25mm、又は少なくとも1.5mm、又は少なくとも2.0mm、又は少なくとも2.5mm、又は少なくとも3.0mm、又は少なくとも3.5mm、又は少なくとも4.0mm、又は少なくとも4.5mmであるセラミックコーティングを形成し得る。セラミックコーティングは、0.1mm、又は0.25mm、又は0.5mm、又は0.75mm、又は1mm、又は1.25mm、又は1.5mm、又は2.0mm、又は2.5mm、又は3.0mm、又は3.5mm、又は4.0mm、又は4.5mm、又は5mmの厚さを有することができる。
【0113】
例において、マウントシステム100は、マウントシステム100が使用されているときに、基板又は予備的に曲げられた基板に直接又はセラミックコーティングを介在させて接触するように構成された表面積の少なくとも一部にローレット加工を含み得る。ローレット加工された表面は、基板接触面上に直線パターン、斜線パターン、ダイヤモンドパターン、又はそれらの組み合わせを形成することができる。ダイヤモンド形のローレット加工は、雄又は雌のローレット加工パターンになるように行うことができる。雄型ダイヤモンドパターンでは、隆起点が形成される。雌型ダイヤモンドパターンでは、ダイヤモンドの圧痕が形成される。ローレット加工は、マウントシステム100によって画定される湾曲プロファイル102の円弧に実質的に垂直な直線状の側面をそれぞれが有する柱をもたらすことができる。柱は平面状の上面を有することができる。柱は湾曲した上面を有することができる。柱は、正方形、長方形、円形、楕円形、菱形、台形、三角形、五角形、六角形、七角形、九角形、十角形、錐台形状、角錐台形状、又はそれらの任意の組み合わせである断面を有することができる。柱は、空間によって互いに分離することができる。柱間の間隔は実質的に一定とすることができる。
【0114】
例において、マウントシステム100は、マウントシステム100が使用されているときに、基板又は予備的に曲げられた基板に直接又はセラミックコーティング108を介在させて接触するように構成された表面積の少なくとも一部に、波形又は波形表面を含むことができる。例において、マウントシステム100の表面は、交互の隆起部と溝とを含むように波形にすることができる。例において、波形はマウントシステム100の基板接触面を横切って延びることができる。例において、波形は、マウントシステム100の一方の長辺から他方の長辺まで延びることができる。例において、波形は、マウントシステム100の第1の縁部から第2の縁部まで延びることができる。例において、波形は、湾曲プロファイル102の円弧に垂直な複数の柱をもたらし得る。例において、波形は、マウントシステム100を構成する要素又は構造のアレイからの1つ又は複数の要素又は構造の少なくとも1つの縁部に沿って延びることができる。
【0115】
例において、ローレット加工103は、図2Cに図示されているように、平面状の上面を有する柱であり得る。例において、隆起部は湾曲した上面を有する柱であり得る。同じく示されているように、ローレット加工の間隔105は平面状の底面を有することができる。例において、溝は湾曲した又はU字形の底面を有することができる。溝は、応力集中及び亀裂伝播から保護するために丸みを帯びた角を含むことができる。隆起部はそれぞれ、その長手方向軸に沿って断面が増大するテーパを有することができる。断面において、隆起部は台形形状を有することができる。断面において、隆起部は等脚台形の形状を有することができ、ここで台形の長い底辺が隆起部の底部を形成し、台形の短い底辺が隆起部の頂部を形成する。断面において、隆起部は凸状の等脚台形の形状を有することができる。断面において、隆起部は正四角錐の錐体の形状を有することができる。
【0116】
断面において錐台型の形状、特に四角錐の形状を有する隆起部は、予備的に曲げられた基板が治具に対して押圧される場合に、マウントシステム100の湾曲プロファイル102が予備的に曲げられた基板を支持するときに、マウントシステム100の湾曲プロファイル102へ圧力を加えることに起因する隆起部の応力変形を回避しながら、隆起部の頂部から基部へ応力を伝達することができる。断面において錐台型の形状を有する隆起部は、DEDプロセス中に加えられ得る荷重、力、モーメントに耐えることができる。隆起部のプラトー(上部平坦面)に作用する力とモーメントは、隆起部の基部、最終的にマウントシステム100の裏側に伝達されることができる。隆起部の断面が錐台型の形状である場合、加えられた荷重を隆起部の基部のより大きな表面積に伝達することができる。例において、隆起部間のローレット加工された表面又は谷は、マウントシステム100を予備的に曲げられた基板に接触させたときに、マウントシステム100と基板又は予備的に曲げられた基板との間に追加の隙間を形成し得る。前述したように、隙間は、DEDチャンバの雰囲気、又は熱絶縁材として作用することができるアルゴンなどの希ガスで充填することができる。アルゴンガスは非常に効果的な熱絶縁材である。固体/ガス/固体の界面は伝導性がかなり低いため、熱バリヤとして効果的に機能する可能性がある。
【0117】
例において、マウントシステム100のローレット加工パターン又は波形は、上述したように、また例えば図2Cに示されるように、セラミックコーティング層108及び任意選択的にボンドコート107によって覆うことができる。例において、セラミックコーティングは、ローレット加工パターンの谷部又は波形の谷部に存在することもできる。セラミックコーティングのみの厚さは、マウントシステム100への適用の限界と、基板が治具にクランプされるときにセラミックコーティングに損傷を与えることなく予備的に曲げられた基板及び軸方向下向きのクランプ力を支持するセラミックの厚さの能力とによって制限される。コーティング技術には限界があるため、より厚いセラミック層は、支持体が治具にクランプされるときにセラミックコーティングに損傷を与えることなく予備的に曲げられた基板を支持するセラミック層の能力を維持しながら実現することがより難しくなる可能性がある。セラミックの正確な支持強度と熱伝導率は、セラミックの組成によって決定することができる。例えば、酸化イットリウムの添加によって安定化された二酸化ジルコニウムを主成分とするセラミックの2mmコーティングは、基板が治具にクランプされたときにセラミックコーティングに損傷を与えることなく、基板の良好な機械的支持と同様に良好な熱的隔絶を提供することができる。
【0118】
例において、マウントシステム100は、形状戻り構造(shaping back structure)として機能することができる。例において、マウントシステム100は支持/形状戻り構造として機能することができる。マウントシステム100は、予備的に曲げられた基板が治具に固定されるときに、予備的に曲げられた基板と治具との間に位置決めすることができる。例において、DED製造プロセスが完了すると、基板を治具に保持するクランプを解放した後に、基板及び基板上に構築されたDED構造の上方への回復(跳ね返り)を可能にする自己平衡化残留応力状態が達成され得る。基板はクランプから解放された後、真っ直ぐになる。
【0119】
例において、マウントシステム100によって提供される公称たわみ、hmount(弧形度)は、図2Aに示されるように、マウントシステム100が溶接治具上に位置決めされたときに溶接治具の表面から測定される、湾曲プロファイル102の中心における最大高さと、湾曲プロファイル102の縁部又は周辺リム部分104の上面との間の差であり得る。図2A中、湾曲プロファイル102の最大高さ198と縁部又は周辺リム部分104との間の差がhmountである。長さ比L及びマウントシステム100によって画定される表面積は、マウントシステム100によって画定される表面積の新しいx寸法Lとマウントシステム100によって画定される表面積の元の長さLとの間の比である。予測されるマウントシステム100の最大たわみhLrは、公称たわみhmountとマウントシステム100によって画定される表面積の長さ比Lの二乗との積にほぼ比例し、これは次式に従って計算され得る:
=L/L
したがって、
Lr≒hmount×L
【0120】
したがって、例えば、xy寸法が635mm×190mm(L×W)の表面積を画定するマウントシステム100の場合、予測される最大たわみhLrは約3.8mmである。xy寸法が1905mm×635mmのものなど、より長く画定された表面積は、3の長さ比(L=1905/635=3)を有し、3.8×3≒34.2mmの最大たわみhLrを有するであろう。公称たわみは約3mm~約35mmであり得る。このようにたわみの量は、マウントシステム100の特性に依存し得る。より長い基板に対応するためにマウントシステム100をより長くする必要があるほど、たわみをより高く/より大きくする必要がある。
【0121】
1.ピン支持システム及びピン
例において、マウントシステム100は、ピン支持システム110を含むことができる。例において、ピン支持システム110は、1つ又は複数のピン構造又は他の固体スタンドオフ構造(本明細書では「ピン」と呼ぶ)112を含むことができる。1つ又は複数のピン112を有するピン支持システム110として実施されるマウントシステム100の例が、図3A~3Mに示されている。例において、ピン支持システム110は、単一のピン112を含み得る。例において、ピン支持システム110は、2つ以上のピン112を含み得る。例において、ピン支持システム110の1つ又は複数のピン112は、構造体の表面に係合して配置されてもよい。例において、ピン支持システム110の1つ又は複数のピン112は、DED製造に使用されるように構成された構造体に設置されてもよい。例において、ピン支持システム110の1つ又は複数のピン112は、溶接治具に係合するように配置されてもよい。例において、ピン支持システム110の1つ又は複数のピン112は、溶接治具上に設置されてもよい。例において、ピン支持システム110の1つ又は複数のピン112は溶接治具上に配置されてもよい。
【0122】
例において、マウントシステム100をピン支持システム110として実施することにより、1つ又は複数の利点を提供することができる。例において、ピン支持システム110は、セラミックシート及び/又はセラミックコーティングを使用することなく、依然として低熱伝導を達成しながら実施することができる。例において、セラミックシートを使用せずにピン支持システム110を実施することができる。例において、ピン支持システム110はコストを削減する可能性がある。例において、ピン112のアレイを使用することにより、格子や型などの他のタイプの支持構造を形成するのに必要とされる材料よりも少ない材料で済む場合がある。例において、ピン支持システム110は、他のタイプの支持構造と比較した場合、延長された寿命期間を示す可能性がある。
【0123】
例において、ピン支持システム110は再構成可能であり得る。例において、1つ又は複数のピン112を所望に応じて設置し、再設置することができる。例において、ピン支持システム110は、異なるサイズの基板又は予備的に曲げられた基板と共に使用するために再構成することができる。例において、ピン支持システム110は、取り外し可能に設置されるように構成されたピン112のアレイを含み得る。例において、ピン支持システム110は、所望の任意の配置を実現するために設置及び再設置が可能なピン112のアレイを含み得る。例において、ピン112のアレイの配置の柔軟性によるピン支持システム110の再構成可能性は、格子又は型などの他の支持構造と比較した場合、改善された又はより効果的な歪みの軽減につながる可能性がある。例において、ピン112は、製造される部品の設計に基づいて配置することができる。例において、製造される部品の設計に基づいてピン112を配置することにより、ユーザは、歪みを軽減するために最も必要な場所に支持を提供することができる可能性がある。
【0124】
例において、ピン112間の間隔は、所望の支持体に応じて変えることができる。例において、ピン112は、10mm~50mm離間して溶接治具上に配置されてもよく、例において、2つのピン112間の距離は、10mm、15mm、20mm、25mm、30mm、35mm、又は40mmであり得る。これらの範囲と測定値は例に過ぎない。例において、ピン支持システム110のすべてのピン112は、互いに等距離であり得る。例において、ピン支持システム110のピン112は互いに等距離でない可能性がある。例において、ピン支持システム110の2つ以上のピン112は、ピン支持システム110の2つ以上の他のピン112よりも互いに近接するように配置されてもよい。これらの配置の任意の組み合わせ又は変形も可能である。
【0125】
例において、1つ又は複数のピン112を含むピン支持システム110は、基板又は予備的に曲げられた基板と溶接治具の表面との間に増大した空間又は隙間を提供することができることによって、他のタイプの支持構造と比較して利点を有し得る。例において、ピン支持システム110は、1つ又は複数のピン112が、他の領域にまたがる相互接続構造なしに、所望の支持位置にのみ配置され得るので、他の支持構造よりも少ない空間を占有するように構成され得る。例において、ピン支持システム110は、大きなピン支持高さを有する1つ又は複数のピン112を採用することによって、基板又は予備的に曲げられた基板と溶接治具の表面との間の空間又は隙間を増大させる柔軟性を提供し得る。
【0126】
先に説明したように、基板又は予備的に曲げられた基板と溶接治具との間に形成される隙間又は空間を、DEDチャンバの雰囲気、又は熱絶縁材として作用し得るアルゴンなどの希ガスで満たすことが可能であり得る。これらの隙間及び空間は、熱伝導性がかなり低い固体/ガス/固体の界面も提供する。したがって、予備的に曲げられた基板/アルゴンガス/マウントシステム及び/又は溶接治具の間のこれらの界面は、熱バリヤとして効果的に機能し得る。したがって、例において、1つ又は複数の隙間又は空間は、基板又は予備的に曲げられた基板と溶接治具との間の平均熱伝達率を最小化するのにも役立ち得る。例において、これは、予備的に曲げられた基板内により多くの熱を維持するのに役立ち、それにより、不均一な温度分布をさらに低減し、予備的に曲げられた基板内の熱応力を低減する可能性がある。
【0127】
例において、ピン支持システム110の1つ又は複数のピン112は、クランプに近接した位置で基板又は予備的に曲げられた基板を支持するように配置することができる。例において、ピン支持システム110の1つ又は複数のピン112は、基板又は予備的に曲げられた基板の中央領域を支持するように配置することができる。例において、ピン支持システム110の1つ又は複数のピン112は、反りを防止するために基板又は予備的に曲げられた基板の中央領域を支持するように配置することができる。
【0128】
例において、1つ又は複数のクランプを使用して、予備的に曲げられた基板を治具に固定することができる。この結果、基板又は予備的に曲げられた基板が治具に向かって押圧されるため、基板又は予備的に曲げられた基板を治具に固定するのに必要な力がクランプと治具の間に存在し、ピン支持システム110は基板又は予備的に曲げられた基板と溶接治具との間の支持体として1つ又は複数のピン112を有する。実施形態において、予備的に曲げられた基板は軸方向下方に押圧される。例において、溶融トラックが存在し得る予備的に曲げられた基板の裏側(第1の側)は、ピン支持システム110に面するように位置決めされ得る。この構成において、予備的に曲げられた基板の裏側は、ピン支持システム110及び治具に向かって下向きになる。前述したように、予備的に曲げられた基板と治具との間にピン支持システム110を挟んで、1つ又は複数のクランプで予備的に曲げられた基板を治具に固定することができる。
【0129】
例において、ピン支持システム110のピン112は、マウントシステム100について考察するときに前述したように、DED処理の典型的な条件下で使用するのに十分な強度及び温度耐性を有する任意の金属から構成することができる。例において、ピン支持システム110のすべてのピン112は同じ材料で作られている。例において、各ピン112の材料は独立して選択することができる。例において、複数のピンの少なくとも第1のピンは、ピン支持システム110の複数のピンの少なくとも第2のピンと同じ材料を含む。例において、複数のピンの少なくとも第1のピンは、ピン支持システム110の複数のピンの少なくとも第2のピンに含まれる材料とは異なる材料を含む。
【0130】
前述したように、例において、マウントシステム100の実施においてセラミックシート、プレート、及びコーティングは使用されない。例において、ピン支持システム110、1つ又は複数のピン112、又はその両方は、セラミック及び/又はセラミックコーティングを含まない。例において、ピン支持システム110はいかなるセラミックシート、プレート及びパイロンも含まない可能性がある。例において、所望により、1つ又は複数のセラミック要素又はコーティングをピン支持システム110と組み合わせて使用することができる。例において、1つ又は複数のピン112は、前述のようにセラミック及び/又はボンドコーティングのコーティングを含み得る。例において、セラミックコーティング及び/又はボンドコーティングを少なくともピン基板接触面119に適用することができる。例において、1つ又は複数のスペーサ128がセラミックスペーサ、セラミックコーティングスペーサ、又はその両方の組み合わせである場合、本明細書で記載するように1つ又は複数の128を採用することができる。既に考察されたセラミックの種類、コーティングプロセス、及びセラミック要素及び/又はコーティングの特性は、ピン支持システム110における実装及び/又は1つ又は複数のピン112への実装にも同様に適用される。
【0131】
例において、ピンは、本明細書で記載する機能性を可能にする任意の所望の形状及びサイズを有することができる。例において、ピン112は概ね長い形、球形、立方体、台形、円筒状円盤形、円錐形、ラウンド形、角形、環状、非球形、規則的、不規則的、及びそれらの任意の組み合わせである形状を有することができる。図3Aは、ピン112のいくつかの例示的な形状を示す。例において、ピン112は、全体的に示されているような長い形を含むことができる。例において、ピン112は、例えば、サンプル114a、114b、及び114cによって示されるように、ピン又はピン構造112の長さにわたって均一である断面直径、幅、又は厚さを有することができる。例において、ピンは、例えば、サンプル115a、115b、及び116cによって示されるように、テーパプロファイルを含み得る。例において、ピン112は、例えば、サンプル115a、115b、及び116a~116fによって示されるように、ピン112の少なくとも1つの他の部分の断面直径、幅、又は厚さよりも大きい断面直径、幅、又は厚さを有する1つ又は複数の部分を含み得る。例において、ピン112は、例えばサンプル116a、116b、116d、116e、116fによって示されるように、マッシュルーム形状を有し得る。例において、ピン112の1つ又は複数の部分は、例えばサンプル116a~116fによって例示されるように、ピンの少なくとも1つの他の部分とは異なる形状を有し得る。例において、ピン112の一部分は台形形状を有し、第2の部分は、例えばサンプル116c、116d、116e、116fによって示されるように円筒形状を有し得る。例において、ピン112の一部分は球状又は半球状の形状を有し、第2の部分は、例えばサンプル116a及び116bによって示されるように円筒状の形状を有し得る。例において、示されるようなピン112は、円筒形状の代わりに台形形状を含み得る。上述の形状の2つ以上の任意の組み合わせをピン112の形状に使用することができる。例において、ピン112は、例えば図3Bに示されるような円錐形状を含み得る。例において、図3Bに示されるように、ピン112は、円筒形状を有する部分と、円錐形状を有する部分とを含み得る。例において、円錐形状は、図3Bに示されているように、反対方向に向けられた二重円錐形状を含み得る。
【0132】
例において、ピン112はピンヘッド部分118を含み得る。例において、ピンヘッド部分118はピン112の少なくとも一部を含み、この部分は、ピン112を溶接治具へ取り付けると、露出したままであるように構成される、すなわち、ピン112が接続される装置の表面を越えて延びる。例において、ピンヘッド部分118は任意の形状又はサイズを有することができる。例において、ピンヘッド部分118は、10mm~40mmの範囲の幅又は直径、及び0.05mm~10mmの範囲の長さを有し得る。これらの寸法は例に過ぎない。例において、ピンヘッド部分118は、ベース部分又は係合部分124と同じ又は異なる形状及び/又はサイズを有することができる。例において、図3Bに示されるように、ピンヘッド部分118は二重円錐形状を含み得る。例において、ピン112は、ピン112が設置される表面と同一平面の嵌合を達成するのを支援するべく、皿様ねじ又はボルトとして機能するために二重円錐形状を含み得る。例において、ピン112のピンヘッド部分118は、溶接治具と接触したときに、溶接治具の表面上に平らに据えられるように構成され得る。
【0133】
例において、ピンヘッド部分118は基板接触面119を含み得る。例において、ピン基板接触面119は、ピン支持システム110の使用時に基板又は予備的に曲げられた基板と接触するように構成されたピン112の表面積を含む。ピン基板接触面119は、任意の所望のサイズを有することができる。例において、ピン基板接触面119は、15mm~60mmの範囲の面積を占有し得る。この範囲は例に過ぎない。
【0134】
例において、ピン基板接触面119は、図3Bに同じく示されるように、平坦、凹凸、ラウンド形、凸状、凹状、中空、波形、ローレット加工、又はそれらの任意の組み合わせであり得る。ピン基板接触面119の波形及び/又はローレット加工は、マウントシステム100の考察において先に記載したように、任意の他の表面と同じ方法で達成することができる。
【0135】
例において、ピン112のピン基板接触面119の面積は、ピン112の基板接触面積であり得る。例において、ピン112の基板接触面積は、ピン基板接触面119の面積とは異なるか、又はそれ未満となるように調整又は構成されてもよい。例において、ピン112の基板接触面積は、ピン112のピン基板接触面119の面積の一部又は一分画であってもよい。例において、凹凸、ラウンド形、凸状、凹状、中空、波形、ローレット加工、又はそれらの任意の組み合わせである表面輪郭又はプロファイルを有するピンヘッド基板接触面119を有するように構成されたピン112の基板接触面積は、ピンヘッド基板接触面119の表面の面積よりも小さい可能性がある。例において、ピンヘッド基板接触面119が均一、平坦又は平面的な表面であり、使用時に、基板又は予備的に曲げられた基板に面する溶接治具の表面と平行になるように構成され、ピン支持システム110がマウントシステム100として使用されているときに基板又は予備的に曲げられた基板に接触するように構成されている場合、1つのピン112の基板接触面積は、ピンヘッド基板接触面119の表面積に対応する。例において、ピンヘッド基板接触面119が凹凸、ラウンド形、凸状、凹状、中空、波形、ローレット加工である、すなわち均一、平坦又は平面的な表面でない場合、及び/又は使用時に基板又は予備的に曲げられた基板に面する溶接治具の表面と平行を保つように構成されていない場合、1つのピン112の基板接触面積は、ピンヘッド基板接触面119の表面積よりも小さくなる。この後者の場合、ピン112の基板接触面積は、ピンヘッド基板接触面119の表面積のうち、使用時に基板又は予備的に曲げられた基板に接触するように構成された部分のみとなる。
【0136】
例において、ピンヘッド部分118は、任意の横方向プロファイルを含み得る。例において、ピンヘッド部分118の横方向プロファイルは、テーパ状、直線状、段差状、規則的、不規則的、ラウンド形、平面状若しくは平坦、又はそれらの任意の組み合わせであり得る。例において、図3Bに示されるように、ピンヘッド部分118は、1つ又は複数の平坦領域120を含み得る。例において、1つ又は複数の平坦領域120は、ピンヘッド部分118の横方向プロファイルの少なくとも一部にわたって配置され得る。例において、平坦領域120はピン112の取付けを助ける可能性がある。
【0137】
例において、ピンヘッド部分118は、ベース部分124よりも幅広になるように構成され得る。例において、ピンヘッド部分118は、ピン112が設置されると溶接治具の表面に接触するように構成され得る、より幅広のピンヘッド部分118を含み得る。これは、基板又は予備的に曲げられた基板がピン支持システム110に押し付けられたときに、ピン112のより多くの支持と改善された弾力性を可能にし得る。
【0138】
例において、図3Bに示すように、ピンヘッド部分118は、ピン112が取り付けられる溶接治具の表面に接触するか、又は他の方法でインターフェースし得るエリア121を含み得る。例において、ピンヘッド部分118は、ピンヘッド基板接触面119が位置する場所から反対側の端部に溶接治具界面エリア121を含み得る。ピンヘッド部分118と溶接治具の表面との間の界面は、ピン112が溶接治具に取り付けられたときに溶接治具の表面に面するように構成されたピンヘッド部分118の表面の輪郭によって影響を受けることがある。例において、ピンヘッド部分118は、溶接治具とインターフェースするように意図された表面121に沿って、平坦、平面、テーパ状プロファイルを有するように構成され得る。例において、表面121は平坦であり、ピン112が取り付けられたときに溶接治具の表面に対して水平になるように構成される。例において、表面121は、ピン112が取り付けられたときにピンヘッド部分118が治具の上に平らに据えられ得るように構成され得る。例において、溶接治具とインターフェースするように意図されたピンヘッド部分118の表面121は、凹凸のある、ラウンド形の、不規則な形状を有するように構成されてもよく、及び/又は、ローレット加工、波形加工が施されてもよく、又は、ピン基板接触エリア119に関して記載したような隆起部、谷若しくは同様の特性を含んでもよい。例において、溶接治具とインターフェースするように構成されたピンヘッド部分118のエリア121において、滑らかな又はより適合性の高いプロファイルを有することは、同一平面な設置を提供する可能性がある。例において、溶接治具とインターフェースするように構成されたピンヘッド部分118のエリア121に、滑らかでない、凹凸のある、波形の、又はローレット加工されたプロファイルを有することで、ピン112から溶接治具への熱伝達、及び基板又は予備的に曲げられた基板から溶接治具への間接的な熱伝達に対する追加のバリヤを提供する可能性がある。例において、ピン支持システム110のすべてのピン112の溶接治具界面エリア121は、ピン支持システム110の側を画定することができる。
【0139】
例において、ピン112は、ピンヘッド部分118とピンベース部分124との間に位置するカラー部分122を含み得る。例において、カラー部分122は、溶接治具界面エリア121の下にあり得る、溶接治具界面エリア121に近接し得る、及び/又は溶接治具界面エリア121と重なり得る。例において、カラー部分122は、任意の所望のサイズ及び/又はプロファイルを有し得る。例において、カラー部分122は、ピンベース部分124、ピンヘッド部分118、又はその両方とは異なる幅又は直径を有し得る。例において、カラー部分122は、2mm~10mmの範囲の幅又は直径、及び5mm~10mmの範囲の長さを有し得る。これらのサイズ範囲は例に過ぎない。例において、図3Cに示されるように、カラー部分122は、ピンヘッド部分118と、ピン112が設置される溶接治具の表面との間に支持を提供し、及び/又は熱絶縁を追加するために、1つ又は複数のピンスペーサ128を収容するように構成され得る。例において、ピンスペーサ128は、カラー部分122に適合できる任意のサイズ及び形状に構成され得る。例において、ピンスペーサ128は、ワッシャ、リング、プレート、又は同様の構造を含み得る。例において、ピンスペーサ128は、ピン又は構造112について記載したような、又はマウントシステム100に使用されるような金属又は同様の材料を含み得る。例において、ピンスペーサ128は、本明細書に記載されるようなセラミックを含み得る。例において、ピンスペーサ128は金属とセラミックを含み得る。
【0140】
例において、ピン112は、ベース部分又は係合部分124を含み得る。例において、ベース部分又は係合部分124は、ピン112が接続される装置の開口部、継手、ボア、又はねじ穴に係合するように構成されたピン112の部分を指す場合がある。例において、ベース部分又は係合部分124は、任意の所望の形状及びサイズを有するように構成され得る。例において、ベース部分又は係合部分124は、2mm~10mmの範囲の幅又は直径、及び10mm~50mmの範囲の長さを有し得る。これらのサイズの範囲は例に過ぎない。例において、ピン112のベース部分又は係合部分124は、溶接治具と係合するように構成され得る。例において、ベース部分又は係合部分124は、構造物に取り外し可能に係合するように構成され得る。例において、ベース部分又は係合部分124は、溶接治具に取り外し可能に係合されるように構成され得る。
【0141】
溶接治具へのピン112の設置を可能にするために、ベース部分又は係合部分124を溶接治具に係合させる任意の適切な手段を採用することができる。例において、ベース部分又は係合部分124は、ベアリング、スクリュー、ボルト又は同様の構造として構成され得る。例において、溶接治具は、ベース部分又は係合部分124を係合するための適切な開口部、継手、ボア、ねじ穴又は同様の構造を提供することができる。例において、ベース部分又は係合部分124は、溶接治具に設けられた複数の開口部、継手、ボア、ねじ穴又は同様の構造のうちの1つ又は複数から係脱可能であり得る。例において、ベース部分又は係合部分124は、溶接治具に設けられた継手、ボア、又はねじ穴又は同様の構造に恒久的に係合するように構成され得る。
【0142】
溶接治具400にピン112を設置した例を図3Cに示す。示されるように、溶接治具400は、ベース部分又は係合部分124を受けるように構成されたボア126を含み得る。同じく示されるように、ピン112が設置されると、ピンヘッド部分118は露出されたまま、溶接治具400の表面から延びる場合がある。
【0143】
例において、ベース部分又は係合部分124は、溶接治具に直接係合するか、溶接治具の表面に取り付けられた任意の構造物に係合するか、又はそれらの任意の組み合わせに係合し得る。これにより、任意の輪郭上に1つ又は複数のピン112を設置する柔軟性が得られる。溶接治具の表面上に設けられた構造物へのピン112の係合は、溶接治具に関して記載したような方法で行うことができる。例において、追加された構造体は、その1つ又は複数の表面上に1つ又は複数の開口部、継手、ボア、又はねじ穴又は継手を含み得る。例において、継手のボアは、溶接治具400のボア又はねじ穴構造126と同様に構成され得る。
【0144】
例において、ピン112は、溶接治具の表面と、使用時に基板又は予備的に曲げられた基板と物理的に接触するように構成されたピンヘッド基板接触面119の部分との間の距離を調整できるように構成され得る。本記載のために、使用時に基板又は予備的に曲げられた基板に面する溶接治具の表面と、使用時に基板又は予備的に曲げられた基板と物理的に接触するように構成されたピン基板接触面119の前記部分との間の垂直な直線距離を、図3Dに示すように「ピン支持高さ」(hpin support)と呼ぶことにする。
【0145】
例において、ピン112は、ベース部分又は係合部分124による係合の程度とは無関係に、ピン支持高さの調整を可能にするように構成され得る。例において、ピン112は伸縮可能な部分を有するように構成され得る。調整可能な部分は、ベース部分又は係合部分124、ピンヘッド部分118、又はその両方であり得る。例において、ピン112の一部分は、ピン112の別の部分にスライド式に出入りするように構成され得る。例において、ピン112の一部は、ねじ付きベアリングの第2の端部に対してねじ付きベアリングの第1の端部を回転させることによってピン112を伸縮させることができるねじ付きベアリングを含み得る。例において、ピン112のベース部分又は係合部分124は、様々な深さで継手と係合するように構成され得る。例において、ピン112のベース部分又は係合部分124は、様々な深さで溶接治具のねじ付き継手にピンを固定するように構成された伸長したねじ山を含むように構成され得る。例において、図3Dに示されるように、ピン又は構造体112のベース部分又は係合部分124を時計回り方向に回転させると、それは第1の長手方向にねじ付き継手を通って移動し、ピンヘッド部分118を溶接治具の表面に近づける可能性がある。逆に、例において、ピン又は構造体112のベース部分又は係合部分124を反時計方向に回転させると、それは第1の長手方向とは反対の第2の長手方向にねじ付き継手を通って移動し、ピンヘッド部分118を溶接治具の表面から遠ざける可能性がある。例において、ピンヘッド部分118を溶接治具の表面に向かって及び表面から離れるように並進させることにより、ピン支持高さを調整することができる。例において、ピン支持高さを調整する際に、1つ又は複数のスペーサ128を採用することができる。例において、1つ又は複数のスペーサ128を、前述のように、ピンヘッド部分118と、ピンヘッド部分118に面する溶接治具の表面との間に導入してもよい。例において、1つ又は複数のスペーサ128は、ピン112のカラー122の周囲に適合するように構成されたワッシャ又は同様の構造体であってもよい。例において、例えば図3Cに示すように、ピンヘッド部分118と溶接治具の表面との間に1つ又は複数のスペーサ128を配置することにより、ピンヘッド部分118が溶接治具の表面からさらに離れた位置に位置付けられ、その結果、ピン支持高さが増加する場合がある。例において、ピンヘッド部分118と溶接治具表面との間の空間から1つ又は複数のスペーサ128を除去すると、ピンヘッド部分118が溶接治具表面により近い位置に位置決めされ、その結果、ピン支持高さが減少する場合がある。例において、異なるピン112に異なる数のスペーサ128を使用して、ピン112のアレイ全体で異なるピン支持高さを達成することができる。例において、スペーサ128は、ピン溶接治具界面エリア121と溶接治具の表面との間の空間を埋めることによって、ピンヘッド部分118に追加の安定性及び/又は支持を提供し得る。例において、スペーサ128はまた、均一なピン支持高さ及び/又はピン支持高さ調整の実施を補助し得る。例において、上述したピン支持高さ調整方法の任意の組み合わせを使用することができる。
【0146】
例において、図3Dに示されているように、ピン112のピン支持高さは、ピン112のサイズ又はピン112のいずれかの部分のサイズに依存し得る。例において、図3Dに示されるように、ピン支持システム110に採用される異なるピン112は異なるサイズ、したがって異なるピン支持高さを有し得る。
【0147】
例において、マウントシステム100は、溶接治具400及び/又は溶接治具400の上に提供される1つ又は複数の構造物上に1つ又は複数のピン112を設置することにより、ピン支持システム110を使用して実施することができる。例において、ピン支持システム110は、ピン112のアレイを含み得る。アレイは、2つ以上のピンであり得る。
【0148】
a.マルチピンによるピン支持システム
例において、ピン支持システム110は、2つ以上のピン112のアレイを含み得る。例において、2つ以上のピン112のアレイは、前述のように、溶接治具などの構造物の表面上に配置され得る。例において、ピン支持システム110は、任意の数のピン112を含むことができる。例において、ピン支持システム内のピン112の総数は、ピン112のサイズ、ピン支持システム110が接触するように構成される基板又は予備的に曲げられた基板のサイズ、又はその両方の組み合わせによって制限され得る。2つ以上のピン112のそれぞれは、任意の所望のサイズを有することもできる。例において、1つ又は複数のピン112のサイズは、採用されるピンの数、ピン支持システム110が接触するように構成される基板又は予備的に曲げられた基板のサイズ、又はその両方の組み合わせによって制限され得る。
【0149】
ピン支持システム110は、所定の基板接触界面を含むように構成され得る。例において、ピン112のサイズ及び数は、ピン支持システム110の総基板接触面積に影響し、したがって、前述のように、ピン支持システム110の基板接触界面に影響する可能性がある。ピン支持システム110の基板接触界面の目的のために、基板界面面積は、記載したように、基板界面面積130であると理解され得る。例において、ピン支持システム110は、0.1~20の範囲内に入る制御された基板接触界面をもたらすように配置及び構成されたピン112のアレイを有するように構成され得る。例において、所与の基板界面面積130に対するピン支持システム110の基板界面は、ピン112の数、ピン112の基板接触面積のサイズ、又は両方の組み合わせによって画定され得る。例において、ピン支持システム110は、ピン112を追加又は除去することによって、及び/又は、1つ又は複数のピン112を異なるサイズの基板接触面積を有する1つ又は複数のピン112と交換することによって、基板接触界面を制御する際の増大した柔軟性を提供し得る。
【0150】
例において、ピン支持システム110は、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、又は1以上であり、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、又は20以下である基板接触界面を含むように構成され得る。例において、ピン支持システム110は、0.1~15、0.1~10、0.1~5、又は0.1~1の範囲の基板接触界面を有するように構成され得る。例において、ピン支持システム110は、0.1~15、0.1~10、0.1~5、又は0.1~1の範囲の基板接触界面を有するように構成され得る。例において、ピン支持システム110は、0.2~20、0.2~15、0.2~10、0.2~5、又は0.2~1の範囲の基板接触界面を有するように構成され得る。例において、ピン支持システム110は、0.3~20、0.3~15、0.3~10、0.3~5、又は0.3~1の範囲の基板接触界面を有するように構成され得る。例において、ピン支持システム110は、0.5~20、0.5~15、0.5~10、0.5~5、又は0.5~1の範囲の基板接触界面を有するように構成され得る。例において、ピン支持システム110は、0.6~20、0.6~15、0.6~10、0.6~5、又は0.6~1の範囲の基板接触界面を有するように構成され得る。例において、ピン支持システム110は、0.7~20、0.7~15、0.7~10、0.7~5、又は0.7~1の範囲の基板接触界面を有するように構成され得る。例において、ピン支持システム110は、0.8~20、0.8~15、0.8~10、0.8~5、又は0.8~1の範囲の基板接触界面を有するように構成され得る。例において、ピン支持システム110は、0.9~20、0.9~15、0.9~10、0.9~5、又は0.9~1の範囲の基板接触界面を有するように構成され得る。
【0151】
例において、ピン支持システム110は、1つ又は複数のピン112によって画定される第1の側111及び第2の側を含むように構成され得る。例において、ピン支持システム110の第1の側は、1つ又は複数のピン112が溶接治具とインターフェースする側に対応し得る。例において、1つ又は複数のピン112は、前述のように湾曲プロファイル102を画定し得る。例において、湾曲プロファイル102は、第1の側とは反対側のピン支持システム110の第2の側113にあり得る。例において、第2の側113は、ピン支持システム110の基板接触界面130が設けられるか、又は画定される側でもある。例において、湾曲プロファイル102は、使用時に基板又は予備的に曲げられた基板に面するように構成されたピン支持システム110の側の1つ又は複数のピン112によって画定され得る。例において、ピン支持システム110が2つ以上のピン112を含む場合、湾曲プロファイル102は、2つ以上のピン112が要素又は構造101によって表される図2Aを参照して考察されるように、2つ以上のピン112の遠位端によって画定される平面であり得る。例において、図2Aの湾曲プロファイルを画定する目的のためのピン112の遠位端は、使用時に基板又は予備的に曲げられた基板に物理的に接触するように構成されるピン基板接触面119の少なくとも一部を含み得る。例において、マウントシステム100がピン支持システム110として実施されるときに基板又は予備的に曲げられた基板を受けるように構成されたマウントシステム100のエリアは、溶接治具に設置されるときにパターンの周辺領域を画定するように配置された1つ又は複数のピン又はピン構造112によって画定され得る。
【0152】
例において、任意の望ましい方法で1つ又は複数のピン112を配置することが可能であり得る。例において、1つ又は複数のピン112は、変化するピン支持高さを有するように配置されるように構成され得る。例において、少なくとも1つ又は複数のピン112は、少なくとも1つの他のピン112のピン支持高さよりも大きいピン支持高さを有するように構成され得る。例において、1つのピン112のピン支持高さは、前述したように調整可能なピン支持高さを有するように構成されたピン112を使用することによって、異なるサイズを有するピン112を使用することによって、又は両方の組み合わせによって、少なくとも1つの他のピン112のピン支持高さによって区別され得る。
【0153】
例において、ピン支持システム110の2つ以上のピン112は、前述のように、湾曲プロファイル102を画定するように配置され得る。例において、ピン支持システム110は、第1の位置で溶接治具上に配置された第1のピン支持高さを有する1つ又は複数のピン112と、第2の位置で溶接治具上に配置された第2のピン支持高さを有する1つ又は複数のピン112とを含むように構成され得る。例において、第1のピン支持高さは第2のピン支持高さと異なる。例において、第1のピン支持高さは第2のピン支持高さより小さい。例において、より小さいピン支持高さを有する1つ又は複数のピン112は、より大きいピン支持高さを有する1つ又は複数のピン112を取り囲むように配置される。例において、ピン支持システム110は、第3のピン支持高さを有する1つ又は複数のピンを含み得る。第3のピン支持高さは、第1及び第2のピン支持高さと異なり得る。例において、ピン支持システム110は、異なるピン支持高さを有する任意の数の1つ又は複数のピン112を含み得る。例において、ピン支持システム110は、パターンに配置されたピン112のアレイを含む場合があり、パターンの周辺領域に位置する1つ又は複数のピン112は、パターンの中央領域に位置する1つ又は複数のピン112のピン支持高さよりも小さいピン支持高さを有する。例において、ピン支持システム110は、パターンの周辺領域からパターンの中心領域に向かってピン支持高さが徐々に増加するようにパターンに配置されたピン112のアレイを含み得る。例において、配置されたピン112のパターンの中心領域に向かってピン支持高さを徐々に増加させることにより、基板又は予備的に曲げられた基板をクランプすることができる湾曲プロファイル102を画定することができる。
【0154】
図3E~3Hは、前述のマウントシステム100としてのピン支持システム110の例示的な実施を示す。図3E及び3Fは、基板界面エリア130を画定するように配置されたピン112のアレイを含むピン支持システム110の例の上面図を示す。例において、ピン支持システム110の基板界面エリアは、ピン支持システム110が使用されているときに基板又は予備的に曲げられた基板に面するように構成されたピン支持システム110の物理的表面エリアよりも大きい。例において、ピン支持システム110の物理的表面エリアは、ピン支持システム110を構成する1つ又は複数のピン112の表面に限定され、一方、基板界面エリア130は、ピン支持システム110が使用されているときに基板又は予備的に曲げられた基板によって占有されることが意図される支持システム110の一方の側のエリアであると理解されるべきである。例において、示されているように、ピン支持システム110の一部である1つ又は複数のピン112は、ピン支持システム110のために意図された基板界面エリア130の周囲又は境界を描くように配置され得る。例において、1つ又は複数のピン112を再配置することによって、ピン支持システム110の基板界面エリア130の境界を再構成することが可能であり得る。例において、基板界面エリア130の境界を定めるピン支持システム110の1つ又は複数のピン112は、1つ又は複数のピン112のセット又はクラスタの周辺部に位置する1つ又は複数のピン112であり得る。例において、基板界面エリア130の周辺領域にあるピン112は、クランプ500が配置される予定の場所に近接していてもよい。これにより、ピンシステム110の使用時に、基板又は予備的に曲げられた基板をクランプすることが可能であり得る。例において、ピン112はまた、基板又は予備的に曲げられた基板300の中央部分を支持するために中央領域に配置されてもよい。例において、クランプ500に最も近い位置にあるピン112は、基板界面エリア130の中央部分に位置するピン112のピン支持高さよりも小さいピン支持高さを有するか、又はピン支持高さを有するように調整されてもよい。図3E及び3Fに示されるように、ピン支持システム110のピン112は、異なるサイズの基板又は予備的に曲げられた基板に対応するために、異なる数、異なる配置、異なる間隔、又はそれらの任意の組み合わせで提供され得る。
【0155】
例において、ピン支持システム110の1つ又は複数のピン112によって達成される湾曲プロファイルは、後述する格子又は型構造などの一体構造の湾曲プロファイルに類似することができる。例において、溶接治具の表面から測定すると、1つ又は複数のピン112は、約3mm~約60mm、又は約12mm~約50mm、又は約15mm~約45mmの範囲の湾曲プロファイル102の中心又はその近傍で測定された高さを有する湾曲プロファイル102を画定するように配置され、それらのピン支持高さが調整又は選択され得る。同様に、ピン支持システム110の1つ又は複数のピン112は、使用時に予備的に曲げられた基板に面する溶接治具表面から測定される湾曲プロファイルの高さが、湾曲プロファイル102の外縁又はその近傍で、約0.5mm~約55mm、又は約3mm~約45mm、又は約10mm~約40mmの範囲になるように、ピン支持高さを有するように選択及び/又は調整することができる。例において、側面から見たときに、ピン支持システム110の1つ又は複数のピン112によって画定される湾曲プロファイルの厚さプロファイルは、湾曲プロファイルの中央、1つ又は複数のピン112によって画定される基板界面エリア130の中央、又はその両方で最大の高さを有し、高さは、湾曲面の基板界面エリア130の外縁又は周縁に向かって徐々に減少し得る。例において、ピン支持システム100の断面を横切る高さの差は、凹状の下方曲線をもたらすことがある。側面から見た断面において、ピン支持システム110によって画定される湾曲プロファイルの形状は、その半長軸よりも半短軸がはるかに小さい楕円の上半分に似ている可能性がある。楕円は、1に近いが1未満の偏心率を有し得る(1の偏心率は平坦な表面である)。
【0156】
図3G及び3Hは、クランプ500によってその上にクランプされた基板又は予備的に曲げられた基板300を有する溶接治具400上に設けられた、使用中のピン112のアレイを含むピン支持システム110の概略側面図を示す。図3G及び3Hに示されるように、ピン支持システム110は、様々な数のピン112を用いて実施することができる。図3Iは、ピン支持システム110で使用され得る異なる形状及びサイズを有するピン112の追加の例を示す。
【0157】
図3J~3Mは、マウントシステム100として、ピン支持システム110を使用するDED製造プロセスの概略断面側面図を示す。例において、クランプ500は、基板又は予備的に曲げられた基板300の全周に沿って配置され得る。図において、クランプ500は端部にのみ示されているが、この理由は、これらが、そうでなければ予備的に曲げられた基板300及びクランプ500によって覆われてしまうであろうピン支持システム110を示すために断面側面図であるためである。図3Jに示されるように、予備的に曲げられた基板300は、クランプ500を用いて、溶接治具400上に配置された1つ又は複数のピン112を含むピン支持システム110上にクランプされ得る。図3Jに示されるように、ピン支持システム110のピン112のアレイは、基板又は予備的に曲げられた基板300が上に配置される湾曲プロファイルを提供するように構成及び配置され得る。例において、1つ又は複数のクランプ500は、基板又は予備的に曲げられた基板に十分な圧力をかけて、基板又は予備的に曲げられた基板をピン112のアレイによって画定される湾曲プロファイルに適合させ得る。予備的に曲げられた基板300は、その後、図3Kに示されるように熱処理され得る。例において、熱処理後、DED製造は、堆積装置、例えばプラズマアークトーチ250を使用して1つ又は複数の層を堆積させながら、図3Lに示されるように進行し得る。堆積プロセスが完了すると、図3Mに示されるように、クランプ500を取り除くことができる。示されるように、マウントシステム100としてピン支持システム110を、本明細書に記載されるような歪み軽減プロセスと組み合わせて使用することにより、得られるワークピースは、改善されたプロファイルを有することが予想される。
【0158】
マウントシステム100について前述したように、例において、ピン支持システム110によって提供される公称たわみ、hpin support(弧形度)は、図2Aに示されるように、ピン支持システム110が溶接治具上に位置決めされたときに溶接治具の表面から測定される、湾曲プロファイル102の中心における最大高さと、湾曲プロファイル102の縁部又は周辺リム部分104の上面との間の差であり得る。図2A中、湾曲プロファイル102の最大高さ198と縁部又は周辺リム部分104との間の差がhpin supportである。長さ比L及びピン支持システム110によって画定される表面界面エリア130は、ピン支持システム110によって画定される表面積の新しいx寸法Lとピン支持システム110によって画定される表面積の元の長さLとの間の比である。予測されるピン支持システム110の最大たわみhLrは、公称たわみhpin supportとピン支持システム110によって画定される表面積の長さ比Lの二乗との積にほぼ比例し、これは次式に従って計算され得る:
=L/L
したがって、
Lr≒hpin support×L
【0159】
したがって、例えば、xy寸法が635mm×190mm(L×W)の表面界面エリア130を画定するピン支持システム110の場合、予測される最大たわみhLrは約3.8mmである。xy寸法が1905mm×635mmのものなど、より長く画定された表面積は、3の長さ比(L=1905/635=3)を有し、3.8×3≒34.2mmの最大たわみhLrを有するであろう。公称たわみは約3mm~約35mmであり得る。このようにたわみの量は、ピン支持システム110の特性に依存し得る。より長い基板に対応するためにピン支持システム110によって画定される表面界面エリア130をより長くする必要があるほど、たわみをより高く/より大きくする必要がある。
【0160】
b.単一ピンによるピン支持システム
例において、マウントシステム100は、単一ピンによるピン支持システム110として実施され得る。例において、単一ピンによるピン支持システムは、記載したように単一ピン112を含み得る。例において、ピン支持システム110が単一ピンによるピン支持システムである場合、ピン支持システム110は、設置時にピン112について記載したように溶接治具にインターフェースする又は面する第1の側と、湾曲プロファイル102を有する又は画定する第2の側とを含み得る。例において、湾曲プロファイル102は、単一ピン112の上面のプロファイルとすることができる。例において、ピン支持システム110が単一ピンである場合、ピンは、後述する湾曲クランプ金型170に関して記載されるように、治具に設置されたときに治具から離れる方向に向けられるように構成された湾曲した物理的に修正された表面を含むように構成され得る。単一ピンによるピン支持システムのピンは、クランプ金型170に関して寸法を含めて記載したように、縁部よりも厚い中央部分を有するピンヘッド118を含み得る。また、クランプ金型170と同様に、単一ピンによるピン支持システムで使用されるピンは、周辺リムを有する第1の側を含み得る。例において、周辺リムは、少なくとも片側に平坦面又は平面的な面を有し得る。例において、クランプ金型170について考察したように、単一ピンによるピン支持システムの場合、ピンは、考察したように0.1~20の範囲又はその任意のサブレンジに入る表面接触界面を有するように構成された構造を含み得る。また、湾曲クランプ金型170の記載と同様に、単一ピンによるピン支持システム110は、1つ又は複数のセラミックコーティング、及び/又はボンドコーティングを含むことができ、湾曲クランプ金型170について記載したのと同じ又は同様の公称たわみを示す。
【0161】
2.格子支持構造
例において、マウントシステム100は、格子支持構造150として含み得る。格子支持構造150の例は、図4A~4Dに示されている。例において、格子支持構造150は、1つ又は複数の金属要素151の枠組み又は構造を含み得る。例において、格子支持構造150はフレームであり得る。
【0162】
例において、金属要素151は、任意の所望の形状及びサイズとすることができる。例において、金属要素は、長い形、球形、立方体、台形であり得、規則的又は不規則な形状、及びそれらの任意の組み合わせを有し得る。例において、格子支持構造150の金属要素151は、ストリップ、ロッド、バー、又は同様の構造を含む。格子支持構造150の図4Aに提供される概略斜視図、図4Bの平面図、及び図4Cの側面図に示されるように、金属要素151は、均一な形状及びサイズ、異なる形状及びサイズ、及びそれらの任意の組み合わせを有し得る。
【0163】
例において、格子支持構造150を構成する金属要素151は、任意の配置を有し得る。示されているように、金属要素151は互いに垂直であり、且つ平行である。例において、金属要素151は互いに斜めであってもよいし、ランダムに配置されてもよい。金属要素151は、ボルト、スクリュー、ブラケット、ピン、ベアリング、又は同様の構造などの任意の既知の留め具によって互いに接続されてもよい。例において、金属要素151は、溶接、融着、又は接着剤によって互いに取り付けられてもよい。例において、金属要素151はすべて、1つの一体的な連続した構造の一部であり得る。例において、格子支持構造150は、任意の1つ又は複数の記載された様式で、及び/又は連続した一体構造の一部として互いに接続された、金属要素151の上述の配置の任意の1つ又は複数を含み得る。
【0164】
格子支持構造150は、所定の基板接触界面を含むように構成され得る。例において、格子支持構造150は、0.1~20の範囲の基板接触界面を有するように構成され得る。例において、格子支持構造150は、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、又は1以上であり、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、又は20以下である基板接触界面を含むように構成され得る。例において、格子支持構造150は、0.1~15、0.1~10、0.1~5、又は0.1~1の範囲の基板接触界面を有するように構成され得る。例において、格子支持構造150は、0.1~15、0.1~10、0.1~5、又は0.1~1の範囲の基板接触界面を有するように構成され得る。例において、格子支持構造150は、0.2~20、0.2~15、0.2~10、0.2~5、又は0.2~1の範囲の基板接触界面を有するように構成され得る。例において、格子支持構造150は、0.3~20、0.3~15、0.3~10、0.3~5、0.3~1の範囲の基板接触界面を有するように構成され得る。例において、格子支持構造150は、0.4~20、0.4~15、0.4~10、0.4~5、又は0.4~1の範囲の基板接触界面を有するように構成され得る。例において、格子支持構造150は、0.5~20、0.5~15、0.5~10、0.5~5、又は0.5~1の範囲の基板接触界面を有するように構成され得る。例において、格子支持構造150は、0.6~20、0.6~15、0.6~10、0.6~5、又は0.6~1の範囲の基板接触界面を有するように構成され得る。例において、格子支持構造150は、0.7~20、0.7~15、0.7~10、0.7~5、又は0.7~1の範囲の基板接触界面を有するように構成され得る。例において、格子支持構造150は、0.8~20、0.8~15、0.8~10、0.8~5、又は0.8~1の範囲の基板接触界面を有するように構成され得る。例において、格子支持構造150は、0.9~20、0.9~15、0.9~10、0.9~5、又は0.9~1の範囲の基板接触界面を有するように構成され得る。
【0165】
例において、格子支持構造150は、格子支持構造150の基板界面エリア155(破線で表される)の境界を定める示されるような周辺領域154を含み得る。例において、格子支持構造150の基板界面エリアは、周辺領域154によって画定される表面領域とは異なっていてもよく、例えばそれより小さくてもよい。前述したように、基板界面エリアは、格子支持構造150が使用されているときに基板又は予備的に曲げられた基板によって重ねられるように構成されたエリアとして理解されるべきである。
【0166】
例において、所与の基板界面エリアに対する格子支持構造150の基板接触界面は、格子支持構造150の基板接触面を画定する金属要素の構成によって制御され得る。例において、格子支持構造150は、基板又は予備的に曲げられた基板とインターフェースするように構成された表面にわたって、1つ又は複数のサイズを有し、様々な角度で様々な間隔の、より多い又はより少ない数の金属要素を含むように構成され得る。使用中に基板又は予備的に曲げられた基板に接触するように意図される格子支持構造150の金属要素の数、サイズ、及び間隔を制御することによって、格子支持構造150の全体的な基板接触面積に影響を与えることが可能であり得る。例において、格子支持構造150の1つ又は複数の要素の基板接触面積が影響を受ける可能性がある。例において、格子支持構造150の1つ又は複数の要素151の基板接触面は、凹凸、角形、ラウンド形、凹状、凸状、不規則的、平面状、非平面状、又はそれらの任意の組み合わせになるように構成される。例えば、図4A~4Bに示されるように、金属要素151は、要素の全幅よりも狭い要素基板接触面156を画定するテーパ状プロファイルを有し得る。例において、より狭い要素基板接触面156は、基板接触面積の減少をもたらす可能性がある。例において、要素基板接触面156の面積は、その要素基板接触面積と等しくてもよい。例において、格子支持構造150の1つ又は複数の要素151の要素基板接触面156の基板接触面積は、要素基板接触面156の面積よりも小さくてもよい。例において、要素基板接触面156は、本明細書に記載されるように、ローレット加工されてもよく、波形にされてもよく、又は他の方法で隆起部及び谷を含んでもよい。例において、これらの表面効果は、基板又は予備的に曲げられた基板が要素151の基板接触面156に完全に接触するのを防止することによって、要素151の基板接触面156の基板接触面積を減少させる可能性がある。例において、格子支持構造150の1つ又は複数の要素の基板接触面156は、要素151の基板接触面156の1つ又は複数の部分から、クランプされた基板又は予備的に曲げられた基板の表面を離間させるように構成された1つ又は複数の突起を含み得る。格子支持構造150の1つ又は複数の要素の表面接触面に対するこれらの表面効果のいずれかを採用して、基板接触面積、したがって格子支持構造150の基板接触界面に影響を及ぼすことができる。
【0167】
例において、格子支持構造150は、格子支持構造150内に1つ又は複数の空隙エリアを形成し得る1つ又は複数のキャビティ158を含み得る。先に説明したように、隙間又は空隙をDEDチャンバの雰囲気、又は熱絶縁材として作用し得るアルゴンなどの希ガスで満たすことが可能であり得る。また、これらの隙間や空隙は、熱伝導性がかなり低い固体/ガス/固体の界面を提供する。したがって、予備的に曲げられた基板/アルゴンガス/マウントシステム及び/又は溶接治具の間のこれらの界面は、熱バリヤとして効果的に機能する可能性がある。したがって、例において、1つ又は複数の隙間又は空隙は、基板又は予備的に曲げられた基板と溶接治具との間の平均熱伝達率を最小化するのにも役立ち得る。例において、これは、予備的に曲げられた基板内により多くの熱を維持するのに役立ち、それにより、不均一な温度分布をさらに低減し、予備的に曲げられた基板内の熱応力を低減する可能性がある。
【0168】
例において、格子支持構造150は、製作するために低減した量の材料を必要とする設計を含むという利点を提供し得る。これはコスト効果的である一方、一体型自立構造体の物理的安定性を依然として維持し得る。製作に必要な非磁性金属の量を減らすことによって達成されるコスト削減に加えて、溶接治具との界面における格子支持構造150の格子構成は、格子支持構造150と溶接治具との間の表面接触面積を制限し得る。例において、格子支持構造150は、格子支持構造150と溶接治具との間の界面を画定する格子構造の1つ又は複数の要素151においてのみ溶接治具と接触するように構成され得る。例において、格子支持構造150と溶接治具との間の接触界面は、格子支持構造150の基板接触界面が前述したように構成され得るのと同じ方法で、所望通りに構成され得る。例において、格子支持構造150は、溶接治具の表面と係合するように構成された1つ又は複数の要素151を含むように構成され得る。例えば、1つ又は複数の要素151は、例えば図4A、4C及び4Dに示されるように、突起として構成され得る。例において、突出する要素151は、溶接治具に設けられた1つ又は複数の継手、開口部、ボア、又は同様の構造と嵌合するように構成され得る。例において、溶接治具との接触界面が減少することは、剛性を維持しながら、格子支持構造150から治具への伝導熱伝達を低減し得る。この熱伝達の低減は、予備的に曲げられた基板の熱保持にも寄与し、溶接治具への損失を最小限に抑える可能性がある。
【0169】
例において、格子支持構造150は、例えば、図4Cに破線で示されるような、溶接治具に向けられるように構成された、第1の、概して平面的な、平滑な、又は平坦な側153を定め得る。例において、格子支持構造150は、湾曲プロファイル(「湾曲側」)152を有する第2の側を定め得る。格子支持構造150の湾曲側152は、治具から離れる方に、予備的に曲げられた基板の方に向けられ、予備的に曲げられた基板に対して位置決めすることができる。格子支持構造150は周辺領域154も含み得る。1つ又は複数のクランプを使用して、予備的に曲げられた基板を治具に固定することができる。この結果、基板又は予備的に曲げられた基板が治具に向かって押圧され得るため、基板又は予備的に曲げられた基板を治具に固定するのに必要な力がクランプと治具の間にかかり、ここで格子支持構造150は基板と治具の間の支持体となる。実施形態において、予備的に曲げられた基板は軸方向下方に押される。
【0170】
例において、溶融トラックが存在し得る予備的に曲げられた基板の裏側(第1の側)は、格子支持構造150の側(治具から離れる方を向く側(第2の側))に面するように位置決めされ得る。この構成において、予備的に曲げられた基板の裏側は、格子支持構造150の湾曲面及び治具に向かって下向きになる。前述したように、格子支持構造150を予備的に曲げられた基板と治具の間に挟んだ状態で、1つ又は複数のクランプは予備的に曲げられた基板を治具に固定することができる。
【0171】
格子支持構造150は、縁部よりも中央部分でより厚くなるように構成することができ、その結果、湾曲面はその中央付近で最大高さを有する。本明細書で提供される実施形態において、格子支持構造150の中央部分又はその近くで測定される格子支持構造150の高さは、約3mm~約60mm、又は約12mm~約50mm、又は約15mm~約45mmの範囲とすることができる。格子支持構造150の外縁又はその近くで測定される格子支持構造150の高さは、約0.5mm~約55mm、又は約3mm~約45mm、又は約10mm~約40mmの範囲とすることができる。例において、側面から見たときの格子支持構造150の厚さプロファイルは、格子支持構造150の中央で最大高さを有し、高さは、湾曲面の外縁に向かって徐々に減少し得る。例において、格子支持構造150の断面を横切る高さの差は、格子支持構造150の上面に凹状の下向きの湾曲をもたらす場合がある。側面から見た断面において、格子支持構造150の形状は、その半長軸よりも半短軸がはるかに小さい楕円の上半分に似ている可能性がある。楕円は、1に近いが1未満の偏心率を有し得る(1の偏心率は平坦な表面である)。
【0172】
格子支持構造150は、前述したように、DED処理の典型的な条件下で使用するのに十分な強度及び温度耐性を有する任意の金属から構成することができる。例において、格子支持構造150の1つ又は複数の要素は、格子支持構造150の少なくとも1つの他の要素の材料と同じ又は異なる材料を含み得る。
【0173】
前述のように、例において、マウントシステム100の実施において、セラミックシート、プレート、又はパイロン及び/又はセラミックコーティングは使用されない。例において、格子支持構造150は、セラミックシート若しくはパイロン、セラミックコーティング、又はその両方を含まない。例において、格子支持構造150は、記載したようなセラミックコーティングを含み得る。例において、格子支持構造150はセラミックシート、プレート、又はパイロンを使用することができる。
【0174】
例において、格子支持構造150の厚さは、DEDプロセスで従来使用されているセラミック絶縁シートで達成される熱絶縁特性と同じか同様の熱絶縁特性を模倣するか提供するように設計することができる。例えば、アルミナ(Al)絶縁性の1枚又は複数枚のシート又はプレートが、従来のDEDプロセスにおいて、治具などのクランプ用固定プラットフォームから基板を熱的に分離するために使用される。絶縁シートの従来の使用は、治具への潜在的な熱損傷のリスクを低減すると同時に、DEDプロセス中のより均一な温度分布に寄与する。シート又はプレートの厚さは様々であり得るが、従来使用されているシートの厚さは約3mm~3.5mmであり得る。従来のDEDプロセスにおいて、複数のセラミック絶縁シートが使用され得る。例えば、いくつかの従来のプロセスにおいて、約12mmの絶縁層を提供するために、約4枚のセラミック絶縁シート又はプレートが使用される。より多くの、或いはより少ないセラミック絶縁シートが従来の方法で使用され得る。これらのアルミナ絶縁プレートは、サイズに合わせて切断することができる。しかしながら、そうすることでアルミナの粒子が放出され、呼吸器や目に炎症を起こす恐れがある。また、アルミナ絶縁シートは吸湿性がある傾向があり、最初にDEDプロセスの加熱温度中に水蒸気を放出し得るため、処理中に堆積環境が変動する可能性があり、これは好ましくない。また、基板と治具の間に従来から使用されているセラミック絶縁シートは、脆く壊れやすいため、使用後に廃棄しなければならず、したがってDED製造のコストを増加させる消耗品となる。
【0175】
例において、格子支持構造150を従来のセラミック絶縁プレートと組み合わせて使用することができる。格子支持構造150は、従来のセラミック絶縁プレートに取って代わることができ、同じ高さを維持しながら同様の熱絶縁を提供することができるので、熱源を提供する溶融ツールの設定又はDEDによって製造されるピースを定義するCAD-CAMパス計画に対する変更は最小限で済む。上述したように、格子支持構造150の厚さには、機械に依存する動作制約以外に物理的な制限はない。例えば、DEDシステムの高さストロークは、使用される格子支持構造150の厚さを規定することができる。格子支持構造150の厚さは、システムの高さストロークに基づいてワークピースの製造のための十分なクリアランスを許容しながら、格子支持/治具界面における熱流減少を最大にするように選択することができる。
【0176】
例において、格子支持構造150はセラミックコーティングを含むことができる。例えば、DED基板に面する格子支持構造150の表面にセラミックコーティングを適用することができる。前述のように、セラミックコーティングは、湾曲面に直接適用することができ、又はセラミックコーティングは、第2の湾曲面に直接適用されるボンドコートに適用することができる。セラミックコーティングは、ボンドコートの有無にかかわらず、格子支持構造150のいずれかの表面に直接適用することができる。例において、セラミックコーティングは、格子支持構造150と基板又は予備的に曲げられた基板との間の熱的接触を最小化又は防止するために、熱絶縁を提供することができる。
【0177】
マウントシステム100に適用され得るセラミックコーティングのプロセス及び特性は先に記載したが、同様に格子支持構造150にも適用される。また、前述のように、例において、マウントシステム100はボンドコートを含み得る。同様に、例において、格子支持構造150は前述のようにボンドコートを含み得る。
【0178】
例において、マウントシステム100は、波形表面及び/又はローレット加工表面を含み得る。同様に、例において、格子支持構造150と予備的に曲げられた基板との間の熱伝導をさらに最小化又は防止するために、格子支持構造150の湾曲面を画定し、使用時に基板及び/又は予備的に曲げられた基板と物理的に接触する格子支持構造150の部分を物理的に修正することができる。
【0179】
使用時に基板又は予備的に曲げられた基板と接触するように構成された格子支持構造150の部分に、ローレット加工表面を切り込むことができる。ローレット加工表面は、セラミックコーティング層を適用する前に切り込むことができる。隆起部と谷の組み合わせを含む波形表面は、セラミックコーティング層の適用前に切り込むことができる。1つ又は複数の隆起部の表面がローレット加工表面を有する、隆起部と谷の組み合わせを含む波形表面を、セラミックコーティング層の適用前に切り込むことができる。
【0180】
例において、使用時に基板又は予備的に曲げられた基板に接触するように構成される格子支持構造150の表面は、ローレット加工を含み得る。格子支持構造150の表面のローレット加工面は、マウントシステム100に関して先に記載したように製造することができる。
【0181】
例において、使用時に基板又は予備的に曲げられた基板に接触するように構成された格子支持構造150の表面は、波形を含むことができる、又は波形に加工される。例において、波形表面は、交互の隆起部と溝とを含み得る。波形は、使用時に基板又は予備的に曲げられた基板に接触するように構成された格子支持構造150の格子の表面を構成する1つ又は複数の要素の長さ又は幅に沿って延びることができる。隆起部は列であることができ、先に記載したのと同じ特性及び利点を有することができる。
【0182】
マウントシステム100の場合にも記載したように、格子支持構造150の表面のローレットパターン又は波形は、その表面にセラミックコーティング層を有することができる。
【0183】
マウントシステム100について前述したように、格子支持構造150の公称格子たわみhlattice(弧形度)は、格子支持構造150の湾曲面の中心における最大高さと、格子支持構造150の縁部の上面との間の差であり得る。格子支持構造150の湾曲面の最大高さと縁部との間の差がhlatticeであり得る。格子支持構造150の長さ比Lは、格子支持構造150の新しいx寸法Lと元の格子支持構造150の長さLとの間の比であり得る。予測される最大格子たわみhLrは、公称格子たわみhlatticeと格子支持構造150の長さ比Lの二乗との積にほぼ比例し、これは次式に従って計算され得る:
=L/L
したがって、
Lr≒hlattice×L
【0184】
したがって、xy寸法が635mm×190mm(L×W)の格子支持構造150の場合、予測される最大格子たわみhLrは約3.8mmである。xy寸法が1905mm×635mmの格子支持構造150など、より長い格子支持構造150は、3の長さ比(L=1905/635=3)を有し、3.8×3≒34.2mmの最大格子たわみhLrを有するであろう。公称格子たわみは約3mm~約35mmであり得る。このように格子支持構造150のたわみの量は、格子支持構造150の特性に依存し得る。より長い基板に対応するために格子支持構造150をより長くする必要があるほど、格子支持構造150のたわみをより高く/より大きくする必要がある。
【0185】
マウントシステム100に関して前述したように、例において、本明細書で提供される格子支持構造150は、自立型であり得る。格子支持構造150は、治具から分離して離すことができる。例示的な実施形態において、格子支持構造150は治具の上に平らに据えることができる。例示的な格子支持構造150は、周囲に平坦な表面又は平面を有するリムを含み得る。格子支持構造150の表面の曲率は、後述する湾曲クランプ金型170に関して考察するように、セラミックプレートを用いて実施された初期試験で収集されたデータに基づいて経験的に決定することができる。側面から見た断面において、格子支持構造によって画定されるプロファイルは、その半長軸よりも半短軸がはるかに小さい楕円の上半分に似ている可能性がある。楕円は、1に近いが1未満の偏心率を有し得る(1の偏心率は平坦な表面である)。
【0186】
3.湾曲クランプ金型
例において、マウントシステム100は、湾曲クランプ金型170を含み得る。
【0187】
例において、湾曲クランプ金型170は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる国際出願番号第PCT/EP2020/082678号明細書で考察されるのと同じ又は類似の特徴のうちの1又は複数を含み得る。湾曲クランプ金型170は、所定の基板接触界面を含むように構成され得る。例において、クランプ金型170は、0.1~20の範囲内に入る基板接触界面を有するように構成され得る。例において、クランプ金型170は、国際出願番号第PCT/EP2020/082678号明細書で考察されているのと同じ又は類似の特徴のうちの1つ又は複数を含んでもよく、0.1~20の範囲内に入る基板接触界面を有するように構成されてもよい。
【0188】
例において、湾曲クランプ金型170は、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、又は1以上であり、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、又は20以下である基板接触界面を含むように構成され得る。例において、湾曲クランプ金型170は、0.1~15、0.1~10、0.1~5、又は0.1~1の範囲の基板接触界面を有するように構成され得る。例において、湾曲クランプ金型170は、0.1~15、0.1~10、0.1~5、又は0.1~1の範囲の基板接触界面を有するように構成され得る。例において、湾曲クランプ金型170は、0.2~20、0.2~15、0.2~10、0.2~5、又は0.2~1の範囲の基板接触界面を有するように構成され得る。例において、湾曲クランプ金型170は、0.3~20、0.3~15、0.3~10、0.3~5、又は0.3~1の範囲の基板接触界面を有するように構成され得る。例において、湾曲クランプ金型170は、0.4~20、0.4~15、0.4~10、0.4~5、又は0.4~1の範囲の基板接触界面を有するように構成され得る。例において、湾曲クランプ金型170は、0.5~20、0.5~15、0.5~10、0.5~5、又は0.5~1の範囲の基板接触界面を有するように構成され得る。例において、湾曲クランプ金型170は、0.6~20、0.6~15、0.6~10、0.6~5、又は0.6~1の範囲の基板接触界面を有するように構成され得る。例において、湾曲クランプ金型170は、0.7~20、0.7~15、0.7~10、0.7~5、又は0.7~1の範囲の基板接触界面を有するように構成され得る。例において、湾曲クランプ金型170は、0.8~20、0.8~15、0.8~10、0.8~5、又は0.8~1の範囲の基板接触界面を有するように構成され得る。例において、湾曲クランプ金型170は、0.9~20、0.9~15、0.9~10、0.9~5、又は0.9~1の範囲の基板接触界面を有するように構成され得る。
【0189】
例において、湾曲クランプ金型170は、湾曲クランプ金型170の基板界面エリアを画定する示されるような上面174を含み得る。例において、湾曲クランプ金型170の基板界面エリアは、上面174の表面積とは異なっていてもよく、例えばそれより小さくてもよい。前述したように、基板界面エリアは、湾曲クランプ金型170が使用されているときに基板又は予備的に曲げられた基板によって重ねられるように構成されたエリアとして理解されるべきである。
【0190】
例において、所与の基板界面エリアに対する湾曲クランプ金型170の基板接触界面は、使用時に基板又は予備的に曲げられた基板に面するように構成された湾曲クランプ金型170の湾曲面を修正することによって調整することができる。例において、本明細書に記載されるように、湾曲クランプ金型170の湾曲表面は、平面プロファイル、不規則なプロファイル、そこから延びる1つ又は複数の突起を有するように構成されてもよく、及び/又は、本明細書に記載されるようなローレット加工表面、波形、又は他の隆起部及び谷、並びに湾曲クランプ金型170の基板接触エリアのサイズに影響を与え得る任意の同様の構造を含むように構成されてもよい。
【0191】
例において、クランプ金型170は、周辺リムを含む第1の側を含み得る。例において、周辺リムは、少なくとも一方の側に平坦な又は平面状の表面を有し得る。例において、周辺リムは、平坦な又は平面状の表面、1つ又は複数の空隙エリアを形成するキャビティ又は窪み、及び1つ又は複数の補強部材を有し得る。平面周辺部と補強部材は共通の平面を共有する。例において、周辺リムと補強部材のみが治具又はクランプ用固定プラットフォームと接触する。湾曲クランプ金型は、図5A~5Bに示すように、第1の側の反対側の第2の側も含み、第2の側は湾曲面を有する。
【0192】
使用時、クランプ金型の第1の側は溶接治具に向けることができる。クランプ金型の湾曲面は、治具から離れる方に、予備的に曲げられた基板の方に向けられ、予備的に曲げられた基板に対して位置決めされることができる。湾曲クランプ金型の周辺リム及び補強部材の平面状の表面は、治具表面上に平らに置くことができる。1つ又は複数のクランプを使用して、予備的に曲げられた基板を治具に固定することができる。これにより、基板又は予備的に曲げられた基板が治具に向かって押されるため、基板又は予備的に曲げられた基板を治具に固定するのに必要な力がクランプと治具の間にかかり、湾曲クランプ金型は基板と治具の間の支持体となる。実施形態において、予備的に曲げられた基板は軸方向下方に押し付けられる。
【0193】
湾曲クランプ金型は、湾曲クランプ金型の第1の表面が治具に面するように位置決めされ得る。例において、湾曲クランプ金型の第1の側の周辺リム及び補強部材の平面状の表面は、治具表面上に平らに置くことができる。溶融トラックが存在し得る予備的に曲げられた基板の裏側(第1の側)は、湾曲クランプ金型の側(治具から離れる方を向く側(第2の側))に面するように位置決めされる。この構成において、予備的に曲げられた基板の裏側は、湾曲クランプ金型の湾曲面及び治具に向かって下向きになる。前述したように、湾曲クランプ金型を予備的に曲げられた基板と治具の間に挟んだ状態で、1つ又は複数のクランプは予備的に曲げられた基板を治具に固定することができる。
【0194】
例において、湾曲クランプ金型は、縁部よりも中央部分においてより大きな厚さを有するように構成することができ、その結果、湾曲面はその中央付近で最大高さを有する。本明細書で提供される実施形態において、湾曲クランプ金型の中央部分又は中央部分近くで測定される湾曲クランプ金型の高さは、約3mm~約60mm、又は約12mm~約50mm、又は約15mm~約45mmの範囲であり得る。湾曲クランプ金型の外縁又はその近くで測定される湾曲クランプ金型の高さは、約0.5mm~約55mm、又は約3mm~約45mm、又は約10mm~約40mmの範囲であり得る。例において、側面から見たときの湾曲クランプ金型の厚さプロファイルは、湾曲クランプ金型の中央部分で最大高さを有し、高さは、湾曲面の外縁に向かって徐々に減少し得る。例において、湾曲クランプ金型の断面を横切る高さの差により、湾曲クランプ金型の上面に凹状の下向きの湾曲が生じる場合がある。側面から見た断面において、湾曲クランプ装置の形状は、半長軸よりも半短軸がはるかに小さい楕円の上半分に似ている可能性がある。楕円は、1に近いが1より小さい偏心率を有し得る(1の偏心率は平坦な表面である)。
【0195】
湾曲クランプ金型は、先に述べたようなDED処理の典型的な条件下で使用するのに十分な強度及び温度耐性を有する任意の金属から構成することができる。例において、湾曲クランプ金型は、その形状を維持するのに役立つように、ねじれや変形に耐性のある剛性材料で作ることができる。加えて、湾曲クランプ金型は、熱衝撃、腐食に耐性があり、非磁性である材料で作ることができる。
【0196】
前述したように、例において、マウントシステム100の実施においてセラミックシート、プレート、又はパイロン及び/又はセラミックコーティングは使用されない。例において、湾曲クランプ金型170は、セラミックシート又はパイロン、セラミックコーティング、又はその両方を含まない。例において、湾曲クランプ金型170は、記載したようにセラミックコーティングを含んでもよい。例において、湾曲クランプ金型170はセラミックシート、プレート、又はパイロンと共に使用されてもよい。
【0197】
例において、湾曲クランプ金型170の厚さは、DEDプロセスで従来使用されているセラミック絶縁シートで達成される熱絶縁特性と同じ又は同様の熱絶縁特性を模倣又は提供するように設計することができる。例えば、アルミナ(Al)絶縁性の1枚又は複数枚のシート又はプレートは、従来のDEDプロセスにおいて、治具などのクランプ用固定プラットフォームから基板を熱的に分離するために使用される。絶縁シートの従来の使用は、治具への潜在的な熱損傷のリスクを低減すると同時に、DEDプロセス中のより均一な温度分布に寄与する。シート又はプレートの厚さは様々であり得るが、従来使用されているシートの厚さは約3mm~3.5mmである。従来のDEDプロセスでは、複数のセラミック絶縁シートを使用することができる。例えば、いくつかの従来のプロセスでは、約12mmの絶縁層を提供するために、約4枚のセラミック絶縁シート又はプレートが使用される。より多くの、又はより少ないセラミック絶縁シートが、従来の方法で使用され得る。これらのアルミナ絶縁プレートは、サイズに合わせて切断することができる。しかしながら、そうすることでアルミナの粒子が放出され、呼吸器や目に炎症を起こす恐れがある。アルミナ絶縁シートはまた、吸湿性がある傾向があり、最初にDEDプロセスの加熱温度中に水蒸気を放出し得るため、処理中に堆積環境が変動する可能性があり、これは好ましくない。また、基板と治具との間で従来から使用されているセラミック絶縁シートは、脆くて壊れやすいため、使用後に廃棄しなければならず、したがって、DED製造のコストを増加させる消耗品となる。
【0198】
例において、湾曲クランプ金型170を従来のセラミック絶縁プレートと組み合わせて使用することができる。湾曲クランプ金型は、従来のセラミック絶縁プレートに取って代わることができ、同じ高さを維持しながら同様の熱絶縁を提供することができるので、熱源を提供する溶融ツールの設定又はDEDによって製造されるピースを定義するCAD-CAMパス計画に対する変更は最小限で済む。上述したように、機械に依存する動作制約以外に、湾曲クランプ金型の厚さに対する物理的な制限はない。例えば、DEDシステムの高さストロークは、使用される湾曲クランプ金型の厚さを規定することができる。湾曲クランプ金型の厚さは、システムの高さストロークに基づいてワークピースの製造に十分なクリアランスを確保しながら、型/治具界面での熱流減少を最大にするように選択することができる。
【0199】
例において、湾曲クランプ金型170はセラミックコーティングを含むことができる。例えば、図5Bに示すように、DED基板に面する湾曲クランプ金型の表面(ローレット加工又は波形を含む第2の湾曲面)にセラミックコーティングを適用することができる。セラミックコーティングは湾曲面に直接適用することができる、又は、セラミックコーティングは第2の湾曲面に直接適用されるボンドコートに適用することができる。セラミックコーティングは型の反対側の第1の平坦面に直接適用することができる、又は、セラミックコーティングは、第1の平坦面に直接適用されるボンドコートに適用することができる。セラミックコーティングは、湾曲クランプ金型と予備的に曲げられた基板との間の熱的接触を最小化又は防止するために、熱絶縁を提供することができる。
【0200】
マウントシステム100に適用され得るセラミックコーティングのプロセス及び特性は先に記載したが、湾曲クランプ金型170にも同様に適用される。同じく、先に考察したように、例において、マウントシステム100はボンドコートを含み得る。同様に、例において、湾曲クランプ金型170は、先に記載したようにボンドコートを含み得る。適用されたボンドコートの例が図5Cに概略的に示されている。ローレット加工178はボンドコート186でコーティングされ、ボンドコートはその後セラミックコーティング184でコーティングされる。
【0201】
例において、マウントシステム100は、波形表面及び/又はローレット加工表面を含み得る。同様に、例において、湾曲クランプ金型170と予備的に曲げられた基板との間の熱伝導をさらに最小化又は防止するために、湾曲クランプ金型170の湾曲面を物理的に修正することができる。
【0202】
セラミックコーティング層を適用する前に、湾曲クランプ金型の湾曲面にローレット加工表面を切り込むことができる。セラミックコーティング層を適用する前に、隆起部と谷の組み合わせを含む波形表面を湾曲クランプ金型の湾曲面に切り込むことができる。1つ又は複数の隆起部の表面がローレット加工表面を有する、隆起部と谷の組み合わせを含む波形表面を、セラミックコーティング層を適用する前に、湾曲クランプ金型の湾曲面に切り込むことができる。例示的な実施形態を図5A、5B、5D及び5Eに示す。図5Aに示される実施形態は、ローレット加工され、間隔180でローレット加工178の組み合わせを含む上面174と、平坦又は平面リム182を有する底面とを含む湾曲クランプ金型100を示す。湾曲クランプ金型は、図5Bに示されるように、各側に縁部176を含むことができる。型の各側の縁部176は、クランプ中のプレート(基板)の短い縁部の下方への移動を支持及び/又は制限するのに役立ち得る。
【0203】
例において、湾曲クランプ金型170の湾曲面は、図5D及び5Eに示すように、ローレット加工を含み得る。湾曲クランプ金型170の湾曲面上のローレット加工表面は、マウントシステム100に関して先に記載したように作製することができる。
【0204】
本明細書で提供される実施形態において、湾曲クランプ金型170の湾曲面は、波形を含むことができるか、又は波形にされることができる。型の湾曲面は、交互の隆起部と溝とを含むように波形にすることができる。波形は、湾曲クランプ金型170の一方の長辺から他方の長辺まで延びることができる。波形は、湾曲クランプ金型の一方の短辺から他方の短辺まで延びることができる。波形の結果、湾曲クランプ金型の円弧に垂直な複数の柱が形成される。湾曲面における型の周縁は、金属材料によって輪郭を形成することができ、セラミックコーティング又はボンドコートでコーティングされない。
【0205】
隆起部は列とすることができ、先に記載したのと同じ特性及び利点を有することができる。湾曲クランプ金型170に実装された例示的な隆起部は、図5A、5B、5C、及び5Eに示されている。
【0206】
マウントシステム100に関して同様に先に記載したように、例において、湾曲クランプ金型170の湾曲面上のローレットパターン又は波形は、その表面にセラミックコーティング層を有することができる。セラミックコーティング184を有する湾曲クランプ金型170を示す例示的な実施形態が図5Bに示されている。
【0207】
マウントシステム100について前述したように、湾曲クランプ金型の公称型たわみhmold(弧形度)は、図5Bに示されるように、湾曲クランプ金型の湾曲面の中心における最大高さと、湾曲クランプ金型の縁部の上面との間の差である。図5Bにおいて、湾曲クランプ金型の湾曲面の最大高さ198と縁部176との間の差がhmoldである。型の長さ比Lは、型の新しいx寸法Lと元の型の長さLとの間の比である。予測される最大型たわみhLrは、公称型たわみhmoldと型の長さ比Lの二乗との積にほぼ比例し、これは次式に従って計算される:
=L/L
したがって、
Lr≒hmold×L
【0208】
したがって、xy寸法が635mm×190mm(L×W)の湾曲クランプ金型の場合、予測される最大型たわみhLrは約3.8mmである。xy寸法が1905mm×635mmの湾曲クランプ金型など、より長い型は、3の型長さ比(L=1905/635=3)を有し、3.8×3≒34.2mmの最大型たわみhLrを有するであろう。公称型たわみは約3mm~約35mmであり得る。このように型のたわみの量は、型の特性に依存し得る。より長い基板に対応するために湾曲クランプ金型をより長くする必要があるほど、湾曲クランプ金型のたわみをより高く/より大きくする必要がある。
【0209】
例において、湾曲クランプ金型170は、型の剛性及び変形抵抗性を保持しながら、型の下側にキャビティ又は窪みを含むように設計することもできる。例示的な設計を図5Fに示す。湾曲クランプ金型の底面にある非磁性金属のセグメントを機械加工して、2つ以上のキャビティ又は窪みを作ることができる。キャビティ又は窪みは、補強部材として機能し得る金属の未ミーリング加工エリアによって互いに分離することができる。リムを形成するために、型の底面の周縁に未ミーリング加工金属エリアを存在させることもできる。この設計は、湾曲クランプ金型170を製造するのに必要な材料の量を減少させる一方、型の物理的安定性を依然として維持する。型を形成するために使用される材料の完全な塊の必要性を低減することにより、型の構造の剛性を維持しながら型の重量を低減することができる。所望のキャビティ及び補強部材を達成するために金属をミーリング加工する代わりに、鋳型を使用して、これらの属性を含むように鋳造することによって湾曲クランプ金型170を作製することができ、所望の最終設計を達成するために除去する必要がある材料の量を最小限に抑えることができる。さらに、湾曲クランプ金型170の底面に別途用意した補強部材を取り付けるなどして、補強部材を追加することができる。補強部材は、任意の適切な方法で取り付けることができる。例示的な方法には、溶接、スクリュー、ボルト、接着剤、又はそれらの組み合わせが含まれる。
【0210】
キャビティは任意の形状を有することができる。例において、キャビティは、キャビティを互いに分離するX字形の補強部材を形成するための型材料によって分離された4つの三角形のキャビティであり得る。例示的な実施形態を図5Fに示す。示される構成において、基板を機械加工して三角形状のキャビティ188、190、192、194を形成する一方、X字形の補強部材196と平坦な周縁リム182を形成するための材料を残している。平坦な周縁リム182の外面とX字形の補強部材196の外面は同一平面上にあり、治具に固定すると治具表面上に平らに据えることができる。キャビティは、4つの正方形又は長方形のキャビティであり得、キャビティを互いに分離するH字形の補強部材を形成するために型材料によって分離される。キャビティは、正方形、長方形、長円形、楕円形、台形、平行四辺形、五角形、六角形、七角形、星形、十字形、多点星形、交差する幾何学的形状、多角形、幾何学的形状、不規則形状、規則的形状、対称形状、非対称形状、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される任意の形状であり得る。
【0211】
製作に必要な非磁性金属の量を減らすことによって達成されるコスト削減に加えて、キャビティ+補強部材+周縁リムの設計は、いくつかの機能的利点を提供する。1つの利点は、型の底面の未ミーリング加工部分のみが高強度鋼製治具と接触することである。これにより、湾曲クランプ金型の剛性を維持したまま、湾曲クランプ金型から治具への伝導熱伝達が減少する。この熱伝達の低減は、予備的に曲げられた基板における熱の保持にも寄与し、治具への損失を最小限に抑える。
【0212】
さらに、湾曲クランプ金型170の底面のキャビティは、雰囲気又はアルゴンガスを保持することができる。アルゴンは、キャビティと周縁リムの存在により、型の大部分下で熱絶縁材として効果的に使用することができる。アルゴンは非常に効果的な熱絶縁材である。湾曲クランプ金型170からその下にある鋼製治具への熱の流れは、熱勾配の結果として伝導熱伝達による固体/固体の接触界面でもっぱら生じる。固体/気体/固体の界面は熱伝導性がかなり低いため、湾曲クランプ金型170の下面のキャビティは、湾曲クランプ金型170と治具の間の熱バリヤ(例えば、空気又は不活性ガスの隙間)として効果的に機能することができる。空気又は不活性ガスの隙間は、ベースプレートとクランプ金型170との間の界面、及び/又はクランプ金型170と治具との間の界面で利用することができ、ベースプレートから治具への熱伝達を低減するのに役立つ。このように、湾曲クランプ金型170は、予備的に曲げられた基板により多くの熱を維持するのに役立ち、それにより温度分布の不均一をさらに低減し、予備的に曲げられた基板の熱応力を低減することができる。
【0213】
例において、湾曲クランプ金型170は高い耐久性を示すことができる。繰り返し使用された後、湾曲クランプ金型170は、累積的に蓄積され、型のある程度の小さな弓状の歪み(例えば、繰り返し使用後の縁部における0.05mm~約0.5mmの浮き上がり)をもたらす可能性のある熱応力を経験する可能性がある。繰り返し使用後に湾曲クランプ金型170に観察される弓状の歪みの程度は、DEDプリフォームに生じる歪み軽減効果を大きく変えることはないと予想される。異なる物体設計は、異なるサイズの基板に対応するために、異なるサイズの湾曲クランプ金型170の使用を必要とし得る。同様の湾曲クランプ金型170は、同様の形状及び/又は基板サイズを有する物体の製造に使用することができる。例えば、同様の形状及び/又は基板サイズを有する物体をファミリーにグループ化し、同じ物体ファミリー内で同じ湾曲クランプ金型設計を使用することができる。
【0214】
マウントシステム100に関して前述したように、例において、本明細書で提供される湾曲クランプ金型170は、自立型であり得る。湾曲クランプ金型170は、治具から分離して離すことができる。例示的な実施形態において、湾曲クランプ金型170は、治具上に平らに据えることができる。例示的なクランプ金型170は、周縁に平坦な表面又は平面的な表面を有するリムを含むことができる。型の曲率は、セラミックプレートを用いて行われる初期試験で収集したデータに基づいて経験的に決定することができる。セラミックプレートを異なるサイズに切断し、それを用いて異なる現在の曲率を生成し、湾曲した金型上に準備されたプリフォームの歪みを最小化する能力について試験した。その後、モデリングを用いて、実験的に使用した曲率が目標とする最終結果、すなわち歪みのないプリフォームに近いものをもたらすことを確認した。側面から見た断面において、湾曲クランプ装置の形状は、半長軸よりも半短軸がはるかに小さい楕円の上半分に似ている可能性がある。楕円は、1に近いが1未満の偏心率を有することができる(1の偏心率は平坦な表面である)。
【0215】
4.修正された治具設計
例において、マウントシステム100は溶接治具に統合することができる。例において、上述した例示的な構造、ピン112、ピン支持システム110、格子支持構造150、及び/又は湾曲クランプ金型170のいずれかを溶接治具の一体部分とすることができる。例において、溶接治具400の表面は、ピン支持システム、ピン、格子支持構造、及び/又は湾曲クランプ金型のいずれかについて記載したような湾曲面又は基板接触エリアを模倣するように構成することができる。これらの考察した特徴のいずれかを溶接治具400の表面に実装することにより、同じ又は同様の利点を達成することができる。
【0216】
C.指向性エネルギー堆積の方法
本明細書において提供されるのは、指向性エネルギー堆積を使用して製造された物体、特にチタン及びチタン合金物体における歪みを軽減又は低減する指向性エネルギー堆積の方法である。この方法は、物体がその上で製造される基板を熱的に予備的に曲げること、予備的に曲げられた基板を本明細書に提供されるマウントシステムに取り付けること、DED堆積の前に基板を予備加熱すること、及び金属層を層ごとに堆積することによって物体を製造することを含む。基板を予備的に曲げることは、基板に急峻な厚さ方向の熱勾配を誘導することを含む。
【0217】
熱的に誘導された予備的に曲げるステップでは、基板の第1の側又は裏側の表面に高エネルギー密度で熱エネルギーを適用するために熱源を使用することができる。熱エネルギーは、基板に大きな熱勾配を形成するために、基板の裏側の規定された部分に適用することができる。大きな熱勾配は、基板に高い残留応力場を導入することができる。熱エネルギーを適用した後、熱エネルギーが適用された表面の温度を低下させることができる。実施形態において、ガスジェット装置を使用して冷却ガスを適用することができる。冷却ガスの適用により、冷却速度を増加させ、それによって基板に付与される応力をさらに増加させることができる。例えば、熱源は、PTAトーチなどのプラズマトーチの電気アークを含むことができ、ガスジェット装置は、図6に示すように、プラズマトーチに対して支持体に取り付けることができる。図6において、ガスジェット装置200は支持体230に取り付けられ、ガスジェット装置200のノズル210は、PTAトーチ250によって加熱されるエリアに冷却ガスを適用することができる。
【0218】
対照的に、予備加熱ステップでは、x、y、z方向に沿った温度勾配を最小にするために、熱エネルギーが基板の表面に均一に適用される。熱エネルギーは、加熱装置が許す限り、基板の表側にできるだけ均一に適用される。予備加熱には、均一な加熱を提供する任意の加熱装置又は加熱方法を使用することができる。例えば、基板の表面全体に熱を適用するように位置決めされたヒーターを使用した直接加熱を使用することができる。加熱装置は、赤外線ヒーター、誘導ヒーター、抵抗ヒーター、又はそれらの組み合わせであるか、又はそれらを含むことができる。例示的なヒーターには、コンダクタ・イン・コンジット(conductor-in-conduit)熱源、ヒーターストリップ、抵抗加熱ストリップ、赤外線ヒーター、正熱係数セラミックヒーター、厚膜セラミックヒーター、抵抗線又は抵抗リボン加熱装置、赤外線ヒーター、及び誘導ヒーターが含まれる。基板の表面に熱エネルギーを適用するために、1つ又は複数の溶融ツールを使用して予備加熱を達成することもできる。溶融ツールは、単独で、又は赤外線ヒーター、誘導ヒーター、抵抗ヒーター、又はそれらの組み合わせと組み合わせて使用することができる。溶融ツールは、熱源として電気アークプラズマ、レーザービーム又は電子ビームを含むことができ、同じ又は異なる熱源を含む複数の溶融ツールを使用することができる。加熱面積は、より低いエネルギー密度を使用し、より大きな面積により多くの熱エネルギーを適用することによって最大化することができる。複数の熱源をタンデム、直列又は並列に使用して、基板の表側表面に適用される熱エネルギーの複数の「ライン」を生成し、基板をより均一に加熱することができる。これにより、低エネルギー密度の加熱を使用して、基板の温度をより均一に上昇させることができ、特に厚さ方向の熱勾配をほとんど発生させないか、最小限に抑えることができる。予備加熱のドライラン(溶融金属を加えない熱の適用)中に、1つ又は複数の溶融ツールを使用して熱エネルギーを適用することにより、超音波/手拭き洗浄手順によって残った汚染物質など、残留汚染物質を基板表面から効果的に除去することができる。予備加熱は、基板の目標温度に達するまで行われる。
【0219】
いくつかの用途では、予備加熱プロセスによって達成される目標温度は、DED堆積温度などのDEDプロセス温度、又はDEDプロセス温度の約±25℃である。いくつかの用途では、目標温度は基板の塑性変形温度の±25℃以内である。いくつかの用途では、基板の温度が約400~900℃になるまで予備加熱を行う。いくつかの用途では、基板が約500~850℃の温度になるまで予備加熱が行われる。他の著者は、流動応力を低減し、チタンの跳ね返りを最小限に抑えるために、200~300℃の間で温間成形を行うこともできると報告している。いくつかの用途では、基板が約595~815℃の温度になるまで予備加熱が行われる。
【0220】
マウントシステム100は、予備的に曲げられた基板が治具にクランプされる際に、予備的に曲げられた基板の支持体として機能することができる。他の利点の中でも、マウントシステム100は、より一貫性のある再現可能な端部残留応力分布を提供し、製造中及び製造後のワークピースの歪みを最小限に抑えるのに役立つ。
【0221】
DEDは、DEDプロセス中、特に厚さ方向(z方向)における熱勾配の発生を軽減するために、基板が予備加熱された(そして加熱されたままである)後に実行することができる。製造される物体に応力を導入しないことが最適であるが、DEDプロセスは事実上溶接プロセスであり、通常、製造中に溶接により誘導される残留応力と変形が不可避的に蓄積される。このような残留応力や変形を低減することにより、寸法精度が向上し、優れた機械的特性を有する物体が得られる。以下に、この方法のステップをさらに詳しく記載する。
【0222】
1.基板の予備曲げ
本明細書で提供される方法において、堆積の前に基板を予備的に曲げることができる。この基板の予備曲げは、DEDプロセスの別個のステップであり得る。本明細書で提供される方法において、基板の第1の側に熱エネルギーを適用して基板を塑性変形させ、かくして基板を永久的且つ均一に予備的に曲げることができる。実施形態において、熱エネルギーが基板の第1の側の表面を横切って適用されると、1つ又は複数の自生溶融トラック又は溶接線が形成され得る。これは、クランプを使用して基板を物理的に拘束し、機械的応力によって機械的に予備的に曲げるのとは大きく異なる。機械的な予備曲げは基板を曲げるために使用できるが、機械的応力は通常、基板表面の計画されたセグメントの局所的な溶融を伴わず、基板に所望の均一な塑性変形を導入するには不十分である。機械的な力は、基板がクランプから解放された後に局所的な加熱を適用することによって導入されるのとは異なる応力再分布パターンを導入する。例えば、機械的な力で予備的に曲げられた基板を解放すると、基板は熱による予備曲げよりもはるかに高い状態に跳ね返る。
【0223】
実施形態において、基板は、第1の側と、反対側の第2の側とを有することができる。第1の側は、DED製造中に治具の方を向く側とすることができ、第2の側は、DEDによってワークピースが形成される側とすることができる。予備曲げの場合、基板は、第1の側を上に向け、裏側を治具に向かって下に向けた状態で治具にクランプすることができる。
【0224】
基板の予備曲げは、基板が平坦な状態で行うことができる。基板の予備曲げは、複数のクランプを用いて基板を治具にしっかりと接続した状態で行うことができる。基板の予備曲げは、基板が治具から熱的に隔絶された状態で行うことができる。基板は、基板と同じ寸法を有する1枚又は複数枚のアルミナ絶縁シートを含むことにより、治具から熱的に隔絶することができる。実施形態において、4枚のアルミナ絶縁シートを使用することができる。治具から基板を熱的に隔絶できる他の材料を使用することができる。熱絶縁を提供するためのセラミックコーティングの有無は問わないが、湾曲プロファイルの代わりに平坦なプロファイルを画定する、一連の隆起部と谷を有する波形表面、ピン支持システム、格子システム、型など、マウントシステム100と同様の熱物理学的特性を有する装置を使用することができる。このような装置を使用することにより、アルミナ絶縁シート又は他の絶縁材料のシートを使用する必要が排除される可能性がある。
【0225】
基板は、基板の四辺すべてに沿って、基板の全周縁でクランプを使用して治具にクランプすることができる。いくつかの用途において、基板の対向する2つの最長辺に沿ってのみクランプを使用して、基板を治具に取り付けることができる。この構成により、電気アークプラズマ、レーザー、電子ビーム装置、又はそれらの任意の組み合わせなどの熱源が、長さ方向において基板の縁部の際まで移動することが可能になる。このクランプ配置により、縁部から縁部までエネルギーを供給することが可能になり得、基板の縁部いっぱいまで応力場を発生させることができ、これはこの特定のエリアにおいてDED製造の間に導入される後続の残留応力を相殺するのを助ける。
【0226】
縁部いっぱいまで、或いは縁部から約5mm以内まで強い熱エネルギーを適用することで、基板のねじれを最小限に抑えるか、或いは防ぐことができることが判明している。縁部から高熱エネルギーの適用終了位置までの距離が長くなるにつれて、ねじれも増大する。DED熱源を縁部から10mmまで適用した場合に発生する熱応力は、熱源を縁部の上方まで適用した場合、又は熱源を縁部から20mmまでしか適用しなかった場合に達成される熱応力と大きく異なる。応力形成が懸念されずに許容できる縁部からの距離を考慮する場合、基板の厚さはほとんど変わらないことが判明している。基板がより厚い場合、予備曲げ時に高いアークエネルギー(又は入熱量)を供給することが必要であり得、それによってより広く深い融着プロファイルを達成することができる。これは、例えば、横断速度を低下させるか、熱エネルギー適用量を増加させるか、又はその両方を組み合わせることによって達成することができる。例において、背の高いDEDプリフォームの構築物はまた、背の低い造形物と比較して歪みが少なく、これは湾曲プロファイルの曲率半径が背の低い構築物に対して増加し得ることを意味する。
【0227】
クランプは、基板を治具に取り付けるために使用することができ、一定のクランプ力をすべてのクランプに加えることができる。これは、クランプを治具に接続するボルトをトルク制御で締め付けることで実現することができる。予備曲げ段階の間、クランプと治具を接続するボルトを締め付けるのに、10ニュートンメートル(N・m)~20N・m、例えば15N・mの力を使うことができる。より厚い基板にはより高いトルクを使用することができる。
【0228】
DED熱源は、基板表面の計画されたセグメントを予め決められた順序又は位置、或いはその両方で十分に溶融させ、基板表面に自生溶融線を形成するための熱エネルギーを発生させる。溶融トラックを急速に冷却するために、冷却ガスを溶融トラックに向けるガスジェット装置を使用することができる。加熱又は加熱/冷却の熱サイクルは、基板に制御された残留応力の形成と発達を誘導することができる。その結果、基板の均一な熱誘導式予備曲げを達成すること、又は必要に応じて予め決められたレベルに制御することができる。
【0229】
DED熱源は、比較的速い速度でDED基板上に溶融トラックを誘導するのに十分な熱エネルギーを供給するように構成することができる。使用される場合、ガスジェット装置は、100L/分~200L/分などの大量の冷却ガスを供給して、基板表面に急な加熱/冷却サイクルを課すことができる。例えば、プラズマ移行アークシステム、及び9.5mm~10mmの基板厚さ、190アンペアの電流、25.5Vの電圧、10mm/sの横断速を使用して、幅約3mm、深さ最大1mmの溶融トラックを形成することができる。これは、約485J/mmのアークエネルギー供給に相当し得る。エネルギーと横断速度は、より厚い基板用に調整することができる。例示的な実施形態を図7Aに示す。示される実施形態において、第1の側310を有する基板300が、溶融トラック350及び355の間に間隔355を有する第1の側310上の溶融トラック350及び360と、基板300の第2の側320上のプリフォーム330のDEDバックウォールとを有するように示されている。
【0230】
高速冷却速度を促進するガスジェット装置からの冷却ガスに加えて、迅速に適用される高温は、溶融トラックの周囲及び基板に向かって(x、y及びz方向に沿って)非常に急な熱勾配の形成をもたらすことができる。基板の材料の材料降伏強度に近い高応力状態を達成することができる。
【0231】
基板の溶融面に冷却ガスを供給して溶融面を急速に冷却するように構成できる任意のガスジェット装置を使用することができる。Ti又はTi合金材料の場合、不活性ガスを冷却ガスとして使用することができる。不活性ガスは、アルゴン、ヘリウム、クリプトン、キセノン、又はそれらの組み合わせであり得る。ガスジェット装置は、ガス供給部から適用エリアまで冷却ガスを運ぶことができるパイプ、管、又は他の導管、又はそれらの組み合わせを含むことができる。ガスジェット装置は、ガス供給部に取り付けられた第1の端部と、冷却ガスが基板表面、特に溶融トラックの溶融金属のエリアに衝突するように、第2の端部から出る冷却ガスを基板上の所望の位置に向けるように位置決め可能な第2の端部とを含むことができる。溶融トラックの冷却を強化又は促進するために、複数のガスジェット装置を利用することができる。ガスジェット装置の第2の端部は、冷却ガスを目標位置に向けることができるように調整可能に位置決め可能な1つ又は複数のノズルを含むことができる。冷却ガスが基板表面に衝突する効果は、冷却ガスが直接衝突する近傍で最大となり得るが、基板の周辺エリアも冷却ガスの近傍の温度を低下させるように有利に影響を受けることができる。冷却ガスの供給には、パルス状のガス流を使用することができる。冷却効率を高めるために、完全な乱流ガス流を使用することができる。冷却ガスジェット装置は当該技術分野で知られている(例えば、米国特許第4,090,697号明細書(Perrine、1978);同第6,390,115号明細書(Rohwerら、2002);及び同第7,381,364号明細書(Yamashita、2008)を参照)。例示的なガスジェット装置は、米国特許出願第16/019,460号明細書(2018年6月26日提出)に記載されている。
【0232】
ガスジェット装置のパイプ、管、又は導管は、DED堆積中に存在すると予想される条件に適合する、それを通って延びるチャネルを有する任意の材料のものであり得る。ガス供給源は、ガスジェット装置と流体連通しているコンプレッサ又は高圧ガスの容器などの冷却ガスの任意の供給源であり得る。加圧ガスをガス導管に供給する方法は、当該技術分野で知られている。
【0233】
冷却ガスは、基板表面に衝突するガスの目標流量を提供するように供給することができる。ガスの流量は、50L/分超、又は100L/分超、又は150L/分超、又は200L/分超であり得る。ガスの流量は、50L/分~500L/分であり得る。ガスの流量は、50L/分~250L/分であり得る。ガスの流量は、50L/分~100L/分であり得る。流量は、高速冷却、ひいては基板における高熱及び応力勾配条件の形成のために選択することができる。
【0234】
冷却ガスは、アルゴン、ヘリウム、ネオン、キセノン、クリプトン及びそれらの組み合わせなどの不活性ガスを含むことができる。冷却ガスは、一定のストリームで適用することも、断続的に適用することも、パルス流で適用することもできる。冷却ガスの温度は任意である。冷却ガスの温度は、積層造形プロセスの周囲温度であり得る。冷却ガス温度は、約100℃以下のガス温度で適用することができる。冷却ガス温度は、約室温以下、例えば約25℃以下であり得る。冷却ガス温度は、約-10℃~約80℃の範囲であり得る。
【0235】
基板の第2の表面上に形成されるプリフォーム又はワークピースについて、基板の短辺に平行な中心線を有するDED壁の数、及び基板の長辺に平行な中心線を有するDED壁の数を決定することができる。プリフォーム又はワークピースのDED壁の大部分が、基板の短辺に平行な中心線を有する場合、基板の短辺に平行な溶融トラックを形成することができる。一般に、長さ対幅のアスペクト比が大きい基板では、最長軸、すなわち歪みの影響が最も大きくなると予想される軸に沿って溶融トラックを形成する必要がある。プリフォーム又はワークピースのDED壁の大部分が、基板の長辺に平行な中心線を有する場合、基板の長辺に平行に溶融トラックを優先的に形成して、基板の長軸に沿った歪みの最大の影響を打ち消すことができる。
【0236】
基板の第1の側又は裏側に熱的に誘導された予備曲げは、結果として生じる溶融トラック、及び溶接によって生じる長手方向及び横方向の残留応力の典型的な分布が、基板の第2の側又は表側に堆積されるプリフォーム又はワークピースのDED壁の大部分の中心線から約10mm~約20mm離れて位置決めされるように適用することができる。基板の第1の側に適用される予備曲げ形成技術は、結果として生じる溶融トラックが、基板の第2の側又は表側で基板の長辺に平行に堆積されるワークピースのDED壁の中心線から約10mm、又は11mm、又は12mm、又は13mm、又は14mm、又は15mm、又は16mm、又は17mm、又は18mm、又は19mm、又は20離れて位置決めされるように実施することができる。溶融トラックは、ワークピースのDED壁の最小面積の下に存在し得るように位置決めされ得る。例示的な実施形態を図7Aに示す。
【0237】
基板の第2の側に堆積されるDEDワークピースの形状に関する先に出た知識は、基板の第1の側に適用される予備曲げ加熱手順を決定するために使用することができる。加熱手順は、DEDワークピースが構築されるエリアの下で最小数の溶融トラックをもたらすように設計することができる。DEDと溶融トラックの両方の組み合わせから生じる最終的な集合残留応力分布は、予備曲げ溶融トラックなしのDEDの元の残留応力プロファイル(すなわち、DED中心線に高い引張ピークがあり、さらに離れたところにバランス圧縮応力がある)と比較すると、DEDの中心線により低い引張ピークがあり、DEDの中心線から離れたところにより低いバランス圧縮応力がある。
【0238】
基板上に溶融トラックを形成するための熱エネルギーの適用を示す例示的な実施形態が、図7A~7Dに示されている。図7Bの図は、溶融トラック350を形成するプロセスのダイヤグラムを示している。示されるように、基板300を溶接治具400上に置き、1つ又は複数のクランプ500でクランプすることができる。このステップでは、マウントシステム100は使用されず、基板300は溶接治具400に対して平坦に置くことができる。その後、プラズマトーチ250などのDEDも使用して、クランプされた基板300の表面に溶融トラックを形成することができる。例において、溶融トラックは、基板300の第1の端部から基板300の第2の反対側の端部まで延びる。図7Dは、熱源に向かって基板を予備的に曲げるために、基板の裏側又は第1の側の上面に溶融トラックを形成するためにDEDエネルギー源を移動させるために使用することができる例示的な加熱経路を概略的に示す。黒い矢印は、DEDエネルギー源の方向/経路を示し、XESを含む円は、基板300の第1の側310の表面を横切るXが1~6であるシーケンスXを示し、Sは加熱経路をもたらすエネルギー適用経路の始点を示し、Eは経路の終点を示す。示されるパターンにおいて、加熱は、x方向を横切る上縁部で開始することができ(1ES)、次いで、熱源を、基板を横切る半分未満の地点までy方向に移動させ、短辺から短辺までy方向に熱を適用することができる(2ES)。この手順を3ES、4ES、5ES、及び6ESについて繰り返すことができる。第1の加熱経路370は1ESに対応する。第2の加熱経路371は2ESに対応する。第3の加熱経路372は3ESに対応する。第4の加熱経路373は、4ESに対応する。第5の加熱経路374は、5ESに対応する。第6の加熱経路375は6ESに対応する。
【0239】
予め決められたDED加熱/冷却熱サイクルは、基板における残留応力の制御された形成及び発達を誘導することができる。ガスジェット装置(図示せず)を使用した冷却ガスの適用は、冷却を促進するために使用することができる。その結果、基板の均一な熱誘導式予備曲げを達成することができる/予め決められたレベルに制御することができる。
【0240】
図7Dは、基板の裏側又は第1の側上の加熱経路370~375(1ES~6ESとして示される)によって形成された熱的に誘導された予備的に曲げるための溶融トラックの、基板の反対の表側又は第2の側上で製造されるオーバーレイド(灰色の破線)DEDワークピースプリフォーム600に対する相対位置を概略的に示す。溶融トラックは、加熱経路における熱エネルギーの適用に起因し得る。
【0241】
溶融ツールの熱源は、基板の裏側を加熱して、基板上の予め定められた位置に溶融トラックを形成し、基板に熱応力を付与することができる。この熱応力は基板が曲がる原因となり得る。基板は治具にしっかりとクランプできるため、基板が治具に取り付けられている間は基板の曲がりは目立たない。クランプを取り外すと、基板は治具から離れる方向、すなわち熱源の方向に上向きに弓なりに曲がる可能性がある。均一に変形した予備的に曲げられた基板は、弓形の明確な半径によって定義され得る。治具へのクランプを取り外した後、熱エネルギーの適用によって生じる、結果として得られる基板上の均一な弾塑性予備曲げ効果を図7B及び8Aに示す。結果として得られる基板300は治具400から離れる方に上方に湾曲し、公称基板たわみを示す。図8Bにおいて、基板は上下反転している。図8Bに見られるように、予備的に曲げられた基板は、基板の裏側に大きな温度勾配と応力勾配を誘導するために強力な熱エネルギー及び冷却ガスを適用することによって生じる均一な弾塑性曲げ(弧形度)を有している。図8Bには、公称基板たわみ410が示されている。
【0242】
熱誘導式基板予備曲げ手順は、長手方向の残留応力分布をもたらす可能性がある。本明細書に記載されたように熱的に予備的に曲げられた複数の予備的に曲げられた基板の残留応力マップを比較すると、大きな引張応力が溶接中心線の所で発達し(最大600MPaの+σ)、さらに離れた圧縮応力(最大-300MPaの-σ)と釣り合う特徴的な残留応力分布が実証された。
【0243】
寸法635mm×190mm×9.5mm(L×W×T)を有する基板のz方向に沿った基板の公称基板たわみhsub(弧形度)(hsub=zmax-zmin)は、熱誘導式基板予備曲げを適用した後、15mmであり得る。これは実測値であり、モデリングによっても検証された。基板の長さ比Lは、基板の新しいx寸法Lと基板の長さL(635mm)との間の比である。予測される最大基板たわみhLrは、公称基板たわみhsubと基板の長さ比Lの二乗との積にほぼ比例し、これは次式に従って計算される:
=L/L
したがって、
Lr≒hsub×L
【0244】
一例として、基板長さ比が3(すなわち、L=1905/635=3)のより長い基板サイズは、熱誘導式基板予備曲げが適用された後、15×3=135mm弓なりに曲がると予想される。このように、基板のたわみ量は基板の特性に依存する可能性がある。基板が長ければ長いほど、たわみを高く/大きくする必要がある。
【0245】
基板の裏側に溶融トラックを形成するための熱エネルギーを供給するための熱源は、熱適用エリアで基板を溶融させて溶融トラックを形成するのに十分な熱エネルギーを供給することができる任意のエネルギー源であり得る。使用できる例示的な熱源には、電気アークプラズマ、レーザービーム、電子ビーム、及びそれらの任意の組み合わせが含まれる。いくつかの構成において、別々の熱源を提供する2つ以上の溶融ツールを使用することができる。例えば、熱源を提供する1つの溶融ツールを使用して基板を予備加熱し、熱源を提供する第2の溶融ツールを使用して予備加熱された基板を溶融して溶融トラックを形成することができる。別々の熱源を提供する複数の溶融ツールが使用される場合、それらは同じであってもよいし、互いに異なっていてもよい。DED熱源を提供する複数の溶融ツールの組み合わせ例には、電気アークプラズマを生成する2つのPTAトーチ、レーザービームを生成する2つのレーザー装置、電子ビームを生成する2つの電子ビーム装置、電気アークプラズマを生成するPTAトーチ及びレーザービームを生成するレーザー熱源、電気アークプラズマを生成するPTAトーチ及び電子ビームを生成する電子ビーム熱源、並びに電子ビームを生成するレーザー装置及び電子ビームを生成する電子ビーム装置が含まれる。
【0246】
溶融トラックを形成するために、熱適用エリアで基板の少なくとも一部を溶融するように基板を加熱するために、十分な熱を基板表面に適用することができる。熱源によって供給される目標温度は、基板材料の溶融温度、又は基板の溶融温度よりも5℃~50℃高い温度、又は基板の溶融温度よりも10℃~20℃高い温度であり得る。基板の局所的な加熱は、基板に応力を誘導して、弾塑性状態の高応力基板を生成するのに役立つ可能性があり、基板が治具からクランプ解除されると、基板は弓なりに曲がって予備的に曲げられた基板を形成し、予備曲げステップによって付与された残留応力を安定化又は平衡化させる。一般に、最も高い応力は溶融トラックにおいて誘導される可能性があり、溶融トラックの中心線の所で引張応力ピークが発生する。引張残留応力のピークは、材料の降伏強度に近い可能性がある。中心線からの距離が離れるにつれて、残留応力は圧縮性になる。十分な応力が誘導されたかどうかは、上方への変位量(すなわち弧形度)を観察することで確認することができる。変位が大きいほど、予備曲げ中に導入される残留応力は高くなる。ほとんどの基板では、最大引張残留応力はベース材料の降伏強度に近い。DEDに対するこれらの溶融トラックの順序と位置は、目標の残留応力再分配を達成するために変えることができる。
【0247】
目標とする応力を誘導するのに必要な加熱量及び基板の裏側に形成される溶融トラックの数は、実験的に決定することができる。例えば、第1の基板を予備的に曲げることなく、DEDを用いて第1の基板上に物体を製造し、その結果として生じる基板の歪みを測定することができる。次に、第1の基板と同様の特性を有する第2の基板を、第1の基板で測定された歪みの量を完全に又は部分的に補償するのに必要な量の溶融トラックを第2の基板の裏側に形成することによって、予備的に曲げることができる。目標とする応力を誘導するのに必要な加熱量及び基板の裏側に形成される溶融トラックの数もまた、モデリング予測、モデリング、計算、又はそれらの組み合わせに基づいて決定することができる。モデリングは、例えば、基板の歪みと残留応力の発達を予測するために使用することができ、実験は、モデリングの予測を確認するために使用することができる。シミュレーションは、実験データと非常によく一致することも分かっている。いくつかの実施形態において、プリフォームの中心線から約10mm~約20mmまでの溶融トラックの事前決定された配置に加えて、溶融トラックはまた、高アスペクト比を有する部品上の最長基板長さに沿って形成することができる。正方形の基板上に正方形で比較的対称的なプリフォーム形状を製造すると仮定すると、基板の下側に十字の予備曲げ熱エネルギー適用パターンを使用して、長手方向と横方向の両方に曲げを誘導することができる。その結果、マウントシステムはドーム形状をとり得る。
【0248】
形成後、予備的に曲げられた基板は、従来の基板でなされ得るのと同様に一貫した方法で取り扱うことができる。一貫性を保つために、予備的に曲げられた基板の温度を選択し、同様のプリフォームの形成に同じ温度を使用することができる。予備的に曲げられた基板の温度は、使用時及び治具への固定時に室温であり得る。予備的に曲げられた基板の温度は、治具に固定して使用する場合、50℃以上であり得る。典型的な積層造形プロセスにおいて、目標とする数のプリフォームを製造するのに必要な基板の数を決定することができ、十分な数の予備的に曲げられた基板を1つずつ製造し、その後、それぞれを個々に室温などの目標温度で治具に固定することができる。
【0249】
2.予備的に曲げられた基板の治具への固定
基板の予備曲げが完了した後、予備的に曲げられた基板を治具又は溶接台に取り付けることができる。例えば、治具に取り付けられたクランプを使用して、予備的に曲げられた基板を治具に取り付けることができる。マウントシステム100は、予備的に曲げられた基板と治具の間の下に横たわる支持体として使用することができる。予備的に曲げられた基板は、マウントシステム100と同じ曲率を有することができる。予備的に曲げられた基板は、マウントシステム100の曲率とは異なる曲率を有することができる。予備的に曲げられた基板は、溶融トラックを有する裏側がマウントシステム100の湾曲面に接触できるように位置決めされることができる。治具に取り付けられたクランプは、予備的に曲げられた基板に力を加えて、予備的に曲げられた基板を弾性変形させることができる。クランプは、予備的に曲げられた基板をマウントシステム100の曲率に強制的に適合させることができる。クランプは、高強度鋼、超高強度鋼、又は高強度低合金鋼で作ることができる。
【0250】
予備的に曲げられた基板を治具に固定するようにクランプが進行するにつれて、予備的に曲げられた基板の曲率は、マウントシステム100によって画定された湾曲プロファイルの曲率と徐々に類似するようになり、クランプの結果、予備的に曲げられた基板の曲率は、マウントシステム100によって画定された湾曲プロファイルの最大たわみと同じになり得る。クランプによって十分な力を作用させ、予備的に曲げられた基板の表面をマウントシステム100によって画定された湾曲プロファイルに適合させることができる。基板は厚くなるほど抵抗が大きくなるため、予備曲げの弾性反応に打ち勝つためにより大きな力を適用するようにクランプに要求し得る。クランプが予備的に曲げられた基板を治具に取り付け、予備的に曲げられた基板をマウントシステム100によって画定された湾曲プロファイルと一致させるのに必要な力の量は、約10Nm~約120Nmであり得る。例えば、約9.5mm~10mmの厚さを有するTi-6Al-4V基板の場合、予備的に曲げられた基板を治具に取り付け、予備的に曲げられた基板をマウントシステム100によって画定された湾曲プロファイルに適合させるために、わずか40Nmのトルクをクランプによって及ぼすことができる。
【0251】
クランプは、基板に初期締め付け力を適用するためにトルクを適用することができ、次いで、基板に最終トルクを適用するために追加トルクを適用することができる。初期締め付けは、クランプを順次締め付けることによって、又は互いに反対側に位置決めされたクランプを締め付けることによって達成することができる。予備的に曲げられた基板の曲率は、マウントシステム100によって画定された湾曲プロファイルの曲率に徐々に類似するようになり得る。
【0252】
マウントシステム100によって画定される湾曲プロファイルの曲率により、例において、クランプを介して基板に適用されるトルクは、マウントシステム100を使用せずに予備的に曲げられた基板を治具に平らに取り付けるのに必要とされるであろうトルクよりも大幅に小さくすることができる。マウントシステム100によって画定される湾曲プロファイルの曲率は、プレート境界条件によって模倣することができる。満足のいくクランプを達成するために、(a)クランプを取り付けるボルトをトルク制御式に締め付けることにより、一貫したクランプ力を使用することができる、(b)クランプから一貫した寸法を選択することができる、(c)クランプを対称的に適用することができる、(d)隙間や不均一な圧力適用を避けるために、クランプを適切に取り付けることにより、均等な圧力分布及び熱伝達分布を確保することができる、又は(e)(a)~(d)を任意に組み合わせることができる。例えば、クランプは、クランプとベースプレートとの間の均等な分布を確保するために、クランプの上面と同一平面の皿ネジを介してベースプレートに取り付けることができる。クランプの底部及び側部接触小面は、均等な圧力及び均等な熱伝達分布を確保するために、ベースプレートと同一平面で接触するように構成及び配置することができる。例えば、図14A及び14Bを参照されたい。図14Aの破線の円544、545、546、547、548、549は、皿ネジ510とナット525を介して調整されたボルト520がクランプ500を調整してベースプレート550を治具の表面530に取り付ける方法のため、圧力と熱伝達分布が不均一なエリアを示している。示される例において、ベースプレート550は、アルミナ絶縁プレート540~543の層によって治具表面530から熱絶縁されている。
【0253】
均一でない圧力及び熱伝達分布を回避するために、図14Bに示されるように、皿ネジ510の先端515がクランプ500の上面507と同一平面になるように皿ネジ510を調整することができる。そうすることにより、均一な圧力及び熱伝達分布が得られる。図14Aのボックス575、576、577、578は、皿ネジ510とナット525を介して調整されるボルト520がクランプ500を調整してベースプレート550を治具の表面530に取り付ける方法のために達成される均一な圧力及び熱伝達分布のエリアを示している。示される実施形態では、均等な圧力及び熱伝達分布を確保するために、クランプ500の底部接触小面505及び側部接触小面507が、それぞれベースプレートの上面及び側面と同一平面になるように示されている。
【0254】
マウントシステム100を下に横たわる支持体として使用して予備的に曲げられた基板を治具に取り付けると、長手方向の残留応力がわずかに再分布されることがある。例えば、溶接中心線の+σ引張応力ピークは約600Mpaから約700Mpaまで増加する可能性があり、中心線から離れた-σ圧縮応力は約-300Mpaから約-200MPaまで減少する可能性がある。
【0255】
予備的に曲げられた基板のマウントシステムへのクランプは、弾性モードで行われることができる。基板をマウントシステムにクランプすることによって課される曲率は、この時点で基板をマウントシステム100からクランプ解除すると、完全に可逆的であり得る。これは、室温で高い跳ね返りを有する金属製の基板に特に当てはまる。クランプの力によって課される弾性変形は、予備曲げステップで基板に導入された塑性変形と区別することができる。
【0256】
基板を治具又は溶接台に固定するために使用されるクランプは、通常、高い強度と低い変形性を示す材料から作ることができる。鋼は、その高い強度、熱安定性、及び変形に対する耐性のため、クランプの材料として使用することができる。鋼は通常、基板よりも高い熱伝導率を有し得る。多くの基板では、クランプ内の鋼の熱伝達は基板よりも桁違いに高くなる可能性がある。このクランプと基板間の熱伝導率の差により、クランプがヒートシンクとして機能することがある。ヒートシンクとして、DEDプロセス中、基板に直接接触するクランプは、クランプの取り付け点に隣接又は近接する基板のエリアからクランプへ、さらにクランプから治具又は溶接台へと、熱エネルギーの急速な流れをもたらす可能性がある。その結果、DEDプロセス中に、予備的に曲げられた基板に高い熱勾配が生じる可能性がある。高い熱勾配は、堆積プロセス中に基板に応力及び歪みを課す可能性がある。
【0257】
クランプがヒートシンクとして機能することによる熱勾配の形成を軽減又は防止するために、クランプを熱絶縁することができる。熱絶縁は、基板からクランプを介して治具への熱の伝達を軽減又は防止することができる。クランプの全表面に絶縁コーティングを適用することができる。基板と接触し得るクランプの全表面に絶縁コーティングを適用することができる。絶縁コーティングは、熱エネルギーを効果的に伝達しない任意のコーティングであり得る。絶縁コーティングは、セラミック材料、炭化ケイ素、窒化ケイ素、炭化ホウ素、又はそれらの任意の組み合わせで作ることができる。セラミック材料は、アルミナ、ジルコニア、酸化チタン、アルカリ土類金属ケイ酸塩、チタン酸アルミニウム、二酸化ジルコニウム、酸化イットリウムの添加によって安定化された二酸化ジルコニウム、酸化イットリウムアルミニウム、ZrV、Mg(VO、又はそれらの組み合わせであるか、又はそれらを含むことができる。当該技術分野で知られている任意の高温セラミックコーティングを使用することができる(例えば、米国特許第4,321,310号明細書(Ulionら、1982)、同第5,789,330号明細書(Kondoら、1998)、同第5,304,519号明細書(Jacksonら、1994)、同第6,387,539号明細書(Subramanian、2002)、及び同第6,998,064号明細書(Gadowら、2006)を参照のこと)。クランプは、プラズマ溶射されたZrO 8Yなどの酸化イットリウムの添加によって安定化された二酸化ジルコニウムでコーティングすることができる。絶縁コーティングは、異なる種類のセラミック、炭化物、窒化物、又はそれらの組み合わせの複数の層、又は1つの種類のセラミック、炭化物、窒化物、又はそれらの組み合わせの複数の層を含むことができる。
【0258】
これらの材料の多くは市販されており、当該技術分野で知られている様々な技術を用いて適用することができる。例えば、絶縁コーティングは、大気プラズマスプレー、マグネトロンスパッタリング、電気泳動蒸着などの化学的又は電気化学的蒸着、又は電子ビーム物理蒸着などの物理蒸着、又はそれらの任意の組み合わせを含む任意のプロセスを使用して適用することができる。
【0259】
クランプに適用される絶縁コーティングの厚さは、使用される絶縁材料のタイプ、及び圧縮力の適用によって損傷することなく荷重を支持するその能力に応じて変化し得る。いくつかの構成において、絶縁コーティングの厚さは0.1mm~5mm、又は0.25mm~4mm、又は0.3mm~3mm、0.4mm~2mm、又は0.5mm~1.5mmであり得る。絶縁コーティングは、少なくとも0.1mm、又は少なくとも0.25mm、又は少なくとも0.5mm、又は少なくとも0.75mm、又は少なくとも1mm、又は少なくとも1.25mm、又は少なくとも1.5mm、又は少なくとも2.0mm、又は少なくとも2.5mm、又は少なくとも3.0mm、又は少なくとも3.5mm、又は少なくとも4.0mm、又は少なくとも4.5mmであり得る。絶縁コーティングは、0.1mm、又は0.25mm、又は0.5mm、又は0.75mm、又は1mm、又は1.25mm、又は1.5mm、又は2.0mm、又は2.5mm、又は3.0mm、又は3.5mm、又は4.0mm、又は4.5mm、又は5mmの厚さを有することができる。絶縁コーティング層は、DED基板から治具への熱伝達を低減し、それによってDED基板からの熱損失を低減することができる。絶縁コーティングの一例は、DED基板からクランプへの伝導熱伝達の低減を助けるために、クランプの接触面にプラズマ溶射される0.5mm~1.5mmのZrO 8Yである。これにより、熱絶縁性を高め、熱伝導率を低下させることができる。
【0260】
基板からクランプを介した治具への熱伝導をさらに低減するために、基板と熱的に連通するクランプの表面を、ローレットパターンを有するように修正することができる。表面のローレット加工は、基板と接触するクランプの表面の量を減少させることができる。ローレット加工は、クランプと基板間の熱伝導の可能性を低減することができる。基板と接触する可能性のあるクランプの表面には、当技術分野で知られている任意のローレット加工パターンを使用することができる。例示的なローレット加工パターンには、対角線パターンなどの斜めのパターン、直線パターン、ダイヤモンドパターン、又はそれらの任意の組み合わせが含まれる。ローレット加工されたパターンは、その表面に絶縁コーティング層を有することもできる。
【0261】
基板からクランプを介した治具への熱伝達を低減するために、基板と熱的に連通するクランプの表面を、一連の隆起部と谷とを含む波形表面を有するように修正することができる。波形表面は、基板と接触するクランプの量を減少させることができる。波形表面は、クランプと基板間の熱伝導の可能性を低減することができる。当技術分野で知られている任意の波形パターンを使用することができる。波形は、クランプの表面上の任意の方向に存在することができる。例示的な構成としては、対角線状の波形などの斜めの波形、長辺に平行な直線の波形、短辺に平行な直線の波形、又はそれらの任意の組み合わせが含まれる。波形表面は、その表面に絶縁コーティング層を有することもできる。
【0262】
コーティング技術の限界により、予備的に曲げられた基板を治具に固定するのに必要な圧縮力に耐えることができる絶縁コーティングのより厚い層は、達成がより困難な場合がある。絶縁コーティングの特定の圧縮強度は、絶縁コーティングの組成によって決定され得る。例えば、酸化イットリウムの添加によって安定化された二酸化ジルコニウムを主成分とするセラミックの0.5~2.0mmのコーティングは、クランプを使用して基板を治具に接続する際に、絶縁コーティングに損傷を与えることなく、良好な耐圧縮性とともに良好な熱的隔絶を提供することが判明している。
【0263】
クランプの例示的な構成を図9A、9B及び9Cに示す。図9Aは、皿ネジを受け入れるためのネジ穴501とボルトを収容する穴502とを有するクランプ500の底面を示す。上面507は、ベースプレートと接触する縁部にセラミックコーティング面509を含むことができる。上面507は波形にすることができる。図9Bは、ベースプレートと接触する底部接触小面505及び側部接触小面506のセラミックコーティング面509を示すクランプ500の側面図を示す。図9Cは、クランプ500の三次元図を示す斜視俯瞰図を示し、ネジ穴501と、クランプ500のセラミックコーティングされた底部接触小面505及び側部接触小面506とを示す。同じ設計のクランプを使用することができる(例えば、すべて同じ長さ、又は同じ幅、又は同じ長さと幅を有する)。異なる長さ及び/又は幅を有するクランプを使用することもできる。
【0264】
例において、熱的に絶縁されたクランプを、予備的に曲げられた基板の全周縁に配置することができる。絶縁されたクランプのみを使用することの例外として、熱源として電気アークプラズマを供給するためにDED溶融ツールとしてPTAトーチを使用する場合があり得る。このような構成において、1つ又は複数の非絶縁クランプを使用して電流の経路を提供することができる。例えば、例示的な構成において、電源からの安定した電流経路を確保するために、2つ又は3つの非絶縁クランプを使用することができる。このような構成において、1つ又は2つの非絶縁クランプをベースプレートの短辺に位置決めし、1つの非絶縁クランプをベースプレートの最長寸法の中間セクションに位置決めすることができる。他の構成を使用することもできる。
【0265】
金属堆積及び物体製造の間の基板の応力及び歪みを軽減するために、クランプは、可能な限り、クランプの中心線がDEDストリング/壁の開始/終了位置で交わるように基板上に位置決めすることができる。例示的な構成を図10に示す。示される構成において、クランプ500は、基板300の周縁のほぼすべてが治具400にクランプされるようにプリフォーム600の周囲に位置決めされ、クランプ500の中心線が可能な限りプリフォーム600のDEDストリング/壁の開始/終了位置の中心線と交わるように位置決めされる(クランプ実体610、615、620、625、及び630として図示)。このような基板クランプ拘束により、主に堆積中の長手方向残留応力から生じる変形効果を大幅に低減することができる。最適でないクランプは、破線のボックスの輪郭650に示すように、クランプ拘束の欠如に起因する局所的な変形又は座屈をもたらす可能性がある。
【0266】
DED処理のために、予備曲げの間及び予備的に曲げられた基板を治具に取り付ける間に、異なるクランプ配置を使用することができる。クランプ配置の違いは、予備曲げの間に、DED熱源を提供する溶融ツールを使用して基板の裏側に熱エネルギーを適用する場合、最も長い基板の長さに沿って均一なたわみを生じさせるために、基板の全長又はほぼ全長への熱源によるアクセスを増加させる必要があるため、選択することができる。DED熱源を提供する溶融ツールが基板の全長に熱エネルギーを適用できるようにするため、絶縁クランプを縁部で使用しない場合がある。基板の表側への金属堆積による物体の構築中、絶縁クランプを基板の周縁、特にDED壁の開始/終了位置に配置して、残留応力の発達から生じる局所的な変形の低減に一役買うことができる。クランプ構成は、(1)プレート全体の対称性を促進し、(2)可能な場合には同一形状のクランプを使用し、(3)DED熱源を提供する溶融ツールによる基板への所望のアクセスを可能にし、(4)予備的に曲げられた基板を治具に取り付けるのに必要なトルク要件を満たすことができる。
【0267】
マウントシステム100を使用することにより、製造プロセスを大幅に改善することができるが、予備的に曲げられた基板の弧形度にほぼ一致する曲率を形成するように切断された従来のアルミナ(Al)絶縁性のシート又はプレートなどの絶縁材料のシートを使用することにより、予備的に曲げられた基板の表側でDEDプロセスを実行することが可能である。これは、本明細書で提供されるマウントシステム100を使用するよりもかなり手間がかかる。さらに、アルミナ絶縁シートの厚さにばらつきがあり、予備切断されたシートの層が予備的に曲げられた基板の曲率に一致するように形成されるため、ワークピース間でばらつきが生じる可能性がある。本明細書で提供される様々なマウントシステム100は、複数回使用可能な一貫した物理的及び機械的特性を有する構造を提供することにより、このような部品間のばらつきを軽減又は防止することができる。さらに、例において、マウントシステム100は、セラミックシート、プレート、又はパイロンを除外することができ、したがって、DED雰囲気中の湿気が少ないという付加的な利点を提供することができる。
【0268】
3.基板の予備加熱
マウントシステム100と絶縁クランプを使用して予備的に曲げられた基板を治具に固定したら、DEDプロセスを開始する前に予備的に曲げられた基板を予備加熱することができる。この予備加熱ステップは、基板の表側の表面の大部分を熱源で処理して、基板全体を目標温度まで均一に加熱し、その後、予備的に曲げられた基板がまだ熱いうちにDEDプロセスを使用してワークピースを構築することを意図している。
【0269】
予備曲げステップでは、より高い内部引張応力と圧縮応力を発生させるために急な熱勾配と高い冷却速度が選択され、基板の裏側にエネルギーが適用されるのとは逆に、予備加熱ステップでは、より穏やかで一貫した方法で基板の表側に向かってエネルギーが適用される。予備加熱ステップの間、基板表面を局所的に溶融しない条件下で、熱源を使用して基板の表側にエネルギーを向けることができる。予備加熱ステップの間、連続的な溶融トラックを形成しない条件下で、熱源を使用して基板の表側にエネルギーを向けることができる。ほぼ均一な加熱が望まれるため、熱源からのエネルギーは、熱源を提供する溶融ツールの比較的低い速度で適用することができ、熱源を提供する溶融ツールは、より低いエネルギー密度で熱エネルギーを適用するために、より高いスタンドオフ距離(基板からより遠い)に位置決めされる。さらに、予備加熱ステップは、DEDプロセスを用いたワークピース構築前に基板を加熱することを意図しているため、ガスジェット装置を使用して冷却ガスを適用することはない。したがって、冷却速度は、予備曲げステップで発生し得る冷却速度よりも著しく低い。
【0270】
予備加熱中のこの遅い加熱/冷却サイクルは、x、y及びz方向に沿って、遅い冷却速度と低い熱勾配形成を基板に促進することができる。熱は伝導によって予備的に曲げられた基板体積全体に放散することができるため、予備加熱中のエネルギーの適用は、ゆっくりとした残留熱の蓄積を可能にする方法で行うことができる。例えば、より低いエネルギー密度で、より低い熱勾配を基板に与えることができる。これらの条件は、ベースプレート全体に「ほぼ」均一な温度分布を発生させ、熱が伝導によってベースプレート体積全体に放散するため、残留熱のゆっくりとした蓄積を可能にする。予備的に曲げられた基板はマウントシステム100から熱的に隔絶されており、予備的に曲げられた基板を治具に固定するために絶縁クランプが使用されるため、残留熱をより容易に基板に保持することができる。
【0271】
低エネルギー密度は、基板の表面及び基板の厚さの両方にわたってほぼ均一な温度分布を生成するために、連続的な方法で基板に供給することができる。あるエリアが蓄積された熱エネルギーに曝されるのを避けるために、エネルギーの適用は、基板の第1の縁部で開始することができ、基板の反対側の第2の縁部に到達するまで、x方向に沿って基板の表面を横切って継続することができる。その後、熱源を提供する溶融ツールを第1の縁部に戻し、第1のエネルギー適用経路からある程度離れたy方向に再位置決めし、x方向に沿ってエネルギーを適用することができる。このプロセスは、予備的に曲げられた基板の温度が目標温度に達するまで繰り返される。基板の温度分布が均一であればあるほど、基板に発生する応力や歪みの影響を軽減するのに適している。
【0272】
予備加熱中のエネルギー適用の例示的なパターンを図11に示す。黒色の消えかかった矢印は、DEDエネルギー源の方向/経路を示し、XESを含む円は、基板300の第2の側320の表面を横切るXが1~8であるシーケンスXを示し、Sは加熱経路をもたらすエネルギー適用の経路の始点を示し、Eは経路の終点を示す。示されるパターンにおいて、x方向を横切る底縁部で加熱を開始し(1ES)、次に、熱源をy方向に移動させて、最初の加熱経路から約9分の1上方の地点まで移動させ、短辺から短辺までy方向に熱を適用する(2ES)。この手順を、基板300の表面全体に熱が適用されるまで、3ES、4ES、5ES、6ES、7ES、及び8ESについて繰り返す。第1の加熱経路700は1ESに対応する。第2の加熱経路705は、2ESに対応する。第3の加熱経路710は、3ESに対応する。第4の加熱経路715は、4ESに対応する。第5の加熱経路720は、5ESに対応する。第6の加熱経路725は、6ESに対応する。第7の加熱経路730は、7ESに対応する。第8の加熱経路735は、8ESに対応する。予備加熱経路には、単一のエネルギー源又は複数のエネルギー源を使用することができる。図には、並行して動作する2つの溶融ツールのツール経路及び予備加熱シーケンスを表す実線及び破線の黒色の消えかかった線が示されている。示される実施形態はDEDエネルギー源を使用した加熱について記載しているが、他のエネルギー源を使用することもできる。例示的な代替エネルギー源としては、例えば、1つ又は複数のレーザー、1つ又は複数の誘導ヒーター、又はレーザー、DEDエネルギー源及び誘導ヒーターのいずれかの組み合わせが挙げられる。さらに、誘導加熱、抵抗加熱、その他など、ベースプレートを均一に加熱することができる他の方法及び装置を使用することもできる。
【0273】
予備加熱の方向は、DED堆積エリアの下のエリアにおける温度及び滞留時間が同様であり得るように、プリフォームを形成する実際のDEDプロセスと同じであり得る。例えば、図11に示されるように、(黒く消えかかった矢印で示され、それぞれ円によりラベル付けされる)予備加熱熱エネルギー適用の開始位置(S)及び終了位置(E)は、DEDプロセス中の金属堆積の同じ方向にある。
【0274】
熱エネルギー適用は、熱エネルギーを発生する任意の源を使用して適用することができる。例えば、電気アークベース、レーザービーム及び電子ビーム熱源を、単独で又は組み合わせて使用して、予備加熱効果を達成することができる。例えば、予備加熱PTAトーチ及び溶融PTAトーチなどの1つ又は複数の熱アーク溶接源は、基板を横方向に横断して基板を加熱することができる。PTAトーチは、温度勾配の形成を軽減し、総予備加熱時間を短縮するように位置決めすることができる。レーザーエネルギー又は電子ビームエネルギーに基づく他の熱源も同じ目的で使用できるが、基板の同様の加熱を達成するために適切なパラメータセットを使用する。予備加熱熱エネルギー適用エリア間の間隔は、熱源によって供給される熱量に依存し得る。予備加熱熱エネルギー適用エリア間の間隔は、熱源によって供給される熱分布に依存し得る。
【0275】
例えば、2つのPTA熱電気アークプラズマ溶接トーチを同時に横方向に横断させて使用し、基板を加熱することができる。2つのトーチは、約20mm~40mmなど、互いからの相対(固定)距離を有することができる。この構成は、熱源の中心線を重ね合わせることなく、熱ができるだけ均一に供給され広がるように、x方向に沿って、且つy方向を横切って熱エネルギーを適用することができる。一方、固定された基板幅の場合、レーザーエネルギー又は電子ビームエネルギーなど、より集中した熱源をこの目的に使用する場合には、予備加熱量に差をつけることができる。レーザー又は電子ビームのスポットは、基板上でより広い加熱エリアに影響を及ぼすためにより大きくなるように設計することができる。誘導ヒーター及び抵抗ヒーターを含む、他の方法及び装置によって基板を均一に加熱することもできる。
【0276】
DED熱源を提供する溶融ツールは、均一な予備加熱を行うために使用することができる。DED熱源を提供する溶融ツールを使用して予備加熱を実行するために使用される位置決め、シーケンス及びパラメータは、基板へのエネルギーの適用が、予備曲げステップ中に基板に課されたものよりも低い熱勾配の発生をもたらすことができるように制御することができる。予備加熱は、基板の温度を均一に上昇させるように行うことができる。例示的な実施形態において、予備加熱は、基板の温度を、基板の材料に応じて、約350℃~約650℃の範囲の温度まで均一に上昇させるように行うことができる。例えば、Tiを含む基板は、約400℃~約550℃の範囲の温度に予備加熱することができる。いくつかのTi合金では、DEDを行う際の熱勾配の形成を軽減するために、基板を約450℃~約500℃の範囲の温度に予備加熱することができる。予備加熱は、溶融金属を堆積させてワークピースを構築する際の加熱による局所的な応力を低減することによって、DED処理中の内部応力の蓄積を軽減することができる。温間成形温度又は熱間成形温度などの高温に基板を予備加熱することによって、DEDワークピース形成中に基板上に溶接ビードが形成される結果、得られる熱勾配は、室温で基板上に溶接を堆積させる際に厚さ方向に生じる熱勾配よりも大幅に小さくなり得るため、ゼロに近い歪みがもたらされ得る。予備加熱は、基板表面を著しく改質又は融着するものではなく、金属を添加することなく溶接線の形成をもたらすことができる。
【0277】
予備加熱には、オーブン内で治具にクランプされた予備的に曲げられた基板を加熱して基板の温度を均一に上昇させるなど、間接加熱を使用することができる。いくつかの用途において、これは実行不可能であり、実用的でもない。基板と治具の組合せをオーブンからDEDプロセスを行うことができるチャンバに移動させるのに必要な時間は、基板からの残留熱の著しい損失につながる可能性があり、予備加熱ステップの目的を損なう。このシステムは、基板を予備加熱するためにオーブンを使用できるように、堆積チャンバを介してアクセスできるオーブンを含むように変更することができる。
【0278】
基板が治具に取り付けられたときに、基板の表面全体に熱を適用するように位置決めされた加熱装置を使用する直接加熱を使用することができる。堆積前に基板を均一に加熱することができる任意の方法及び加熱装置を使用することができる。加熱装置は、誘導ヒーター、抵抗ヒーター、又はそれらの組み合わせであり得るか、又はそれらを含み得る。例示的な加熱装置には、コンダクタ・イン・コンジット熱源、ヒーターストリップ、抵抗加熱ストリップ、赤外線ヒーター、正熱係数セラミックヒーター、厚膜セラミックヒーター、抵抗線又は抵抗リボン加熱装置、及び誘導ヒーター、並びにそれらの任意の組み合わせを含むことができるヒーターが含まれる。
【0279】
4.ワークピースを構築するDEDプロセス
基板が目標温度に予備加熱された直後に、DEDプロセスを実行して、基板上にワークピースを形成することができる。基板の表側への金属堆積による物体の構築中、残留応力の発達から生じる局所的な変形を低減するのを助けるために、DED壁の開始/終了位置にクランプを通常位置決めすることができる。
【0280】
予備加熱の前に、治具に取り付けられた絶縁/非絶縁クランプを介して、予備的に曲げられた基板をマウントシステム100に接触させることができる。例において、基板を治具から熱的に分離することができる。例において、マウントシステム100はセラミックを含まないことがある、又は予備的に曲げられた基板と接触し得る表面に絶縁セラミックコーティングを含むことがある。予備的に曲げられた基板はマウントシステムに接着しない。さらに、この配置からわかるように、予備的に曲げられた基板が治具に固定されている間に、ワークピースを予備的に曲げられた基板の表面上に構築することができる。予備的に曲げられた基板がワークピースの一部になることはあっても、マウントシステム100の一部がワークピースの一部になることはない。
【0281】
予備的に曲げられた基板は弧形度を有し、同じく弧形度を有するマウントシステムに結合されるが、予備的に曲げられた基板と治具との間の支持体としてマウントシステムを用いて治具に固定された予備的に曲げられた基板の湾曲の傾斜は、全体的な堆積条件に影響しない。マウントシステムによって画定される湾曲プロファイルの曲率半径は、重力の影響が溶接プールの力学に悪影響を及ぼさない程度に十分大きくすることができ、マウントシステムと接触している予備的に曲げられた基板への堆積は、平坦な位置の基板に堆積する場合と同様の結果を得ることができる。傾斜による重力の影響が、予備的に曲げられた基板の表面上に堆積又は形成される液体溶融プールの挙動に影響しないように、マウントシステムによって画定される湾曲プロファイルの曲率半径を選択することができる。さらに、ワークピースを構築するためのDED処理で使用されるコントローラは、ワークピースの製造中にDED処理によって一貫したエネルギー/処理条件が供給されることを確実にするために、z座標をマウントシステムによって画定された湾曲プロファイルの曲率に適合させることができる。CAD-CAMプログラム命令は、全体的な処理条件、特にスタンドオフ距離が影響を受けないことを確実にするために、マウントシステムによって画定された湾曲プロファイルの正確な形状に従ってDED熱源を提供する溶融ツールをもたらすように実行されることができる。
【0282】
DEDプロセスによって構築されるワークピースの設計は、溶融金属の堆積によって形成されるワークピースの壁の大部分が、基板の裏側の隣接する溶融トラックの間にあり、好ましくは隣接する溶融トラックから等しく離れているように、基板の表側に位置決めすることができる。この位置決めにより、ワークピースのDED製造中に溶融領域で発生し得る不均一な塑性変形及び高引張応力は、予備曲げ処理よって課される高圧縮力のエリアで発生し得、ワークピースの溶接部が冷却するにつれて形成され得る圧縮力は、予備曲げ処理によって課される高引張応力のエリアで発生し得る。したがって、基板の裏側の溶融トラックに対する基板の表側のワークピースの壁の位置決めにより、残留応力場が平衡化され、堆積されたままのプリフォームの全歪みを軽減することができる。
【0283】
プリフォーム形成のための例示的な堆積パターンを図11に示す。示されているように、溶融金属の堆積によって形成されたワークピースプリフォーム600の380、382、及び384などの壁の大部分が、基板300の裏側又は第1の側310上の隣接する予備加熱経路700、705、710、715、720、725、730、及び735の間にあり、好ましくはこれらから等しく離れているように、プリフォーム600は基板300の表側又は第2の側320上に位置決めされる。層ごとの例示的なDEDシーケンス経路は、ボックスS~Sによって順次示され、矢印は層ごとのDED方向を示す。
【0284】
本明細書で提供されるDEDプロセスを使用して金属ワークピースを製造する方法において、金属材料の三次元物体は、金属材料の連続する堆積物を基板上で融着させることによって製造することができる。ワークピースの構築に任意のDEDプロセスを使用することができる。DEDプロセスは、単独で又は組み合わせて、エネルギー源を提供する1つ又は複数の溶融ツールを使用することができる。使用できる例示的な溶融ツールには、熱源として電気アークプラズマを提供するPTAトーチ、熱源としてレーザービームを提供するレーザー装置、熱源として電子ビームを提供する電子ビーム装置、及びそれらの任意の組み合わせが含まれる。いくつかの構成において、熱源を提供する2つ以上の溶融ツールを使用することができる。例えば、DED熱源を提供する1つの溶融ツールを使用して基板を予備加熱し、DED熱源を提供する第2の溶融ツールを使用して金属材料を溶融し、予備加熱されたエリア上に堆積させることができる溶融金属を形成することができる。DED熱源を提供する複数の溶融ツールが使用される場合、それらは同じであることもできるし、互いに異なることもできる。複数の溶融ツールの例示的な組み合わせには、2つのPTAトーチ、2つのレーザービーム装置、2つの電子ビーム装置、PTAトーチとレーザービーム装置、PTAトーチと電子ビーム装置、及びレーザービーム装置と電子ビーム装置が含まれる。
【0285】
いくつかの方法において、第1の溶融ツールは、基板の表面加熱のために、ベース材料の表面の少なくとも一部、例えば金属材料が堆積される位置にエネルギーを供給するために使用することができる。これは、DEDプロセス中の熱勾配を最小化するために、基板全体の温度を目標温度まで上昇させるための予備加熱ステップとは異なる。対照的に、それが基板であろうと以前に堆積された金属の層であろうと、ベース材料の表面加熱のために、第1の溶融ツールは、ベース材料の限られたエリアに高強度エネルギーを供給し、エネルギー適用エリアにおけるベース材料の温度を、溶融温度よりわずかに低い温度、例えば溶融温度より0.1%~10%低い温度、又は溶融温度まで上昇させる。ベース材料の表面加熱は、溶接ビードの湿潤及び広がり特性を改善することができる。ベース材料の表面加熱は、溶接ビードの接触角を改善することができる。ベース材料の表面加熱は、加熱された表面に堆積される溶融金属に対して、表面をより受容的にすることができる。
【0286】
溶融金属材料が、第1の溶融ツールによって加熱されたベース材料の表面加熱エリア上に堆積されるように、第2の溶融ツールを使用して金属材料を加熱し、溶融させることができる。ガスジェット装置を使用して、冷却ガスを液体溶融プールの表面全体に向けるか、液体溶融プールの表面に衝突させるか、液体溶融プールの液体-固体境界に隣接する固化材料の表面に衝突させるか、又はそれらの任意の組み合わせを行うことができる。ベース材料は、溶融金属材料の連続的な堆積物が固化して3次元ワークピースを形成するように、所定のパターンで第1及び第2の溶融ツール並びにガスジェット装置の位置に対して相対的に移動させることができる。或いは、溶融金属材料の連続的な堆積物が固化して3次元ワークピースを形成するように、第1及び第2の溶融ツール並びにガスジェット装置を所定のパターンでベース材料の位置に対して相対的に移動させることもできる。
【0287】
本明細書で提供される方法において、冷却ガスは、アルゴン、ヘリウム、ネオン、キセノン、クリプトン及びそれらの組み合わせなどの不活性ガスであるか、又はそれらの不活性ガスを含むことができる。冷却ガスは、約1L/分~約300L/分の入口で測定される流量を有することができる。冷却ガスは、一定のストリームで適用することも、断続的に適用することも、パルス流で適用することもできる。冷却ガスの流れは、溶融プールの近傍で冷却ガスの乱流を生じさせるように調整することができる。例えば、ガスジェット装置内を流れる冷却ガスの速度を上げて、ガスジェット装置から出る冷却ガスが層流ではなく乱流を示すようにすることができる。冷却ガスは、単一のガスジェット装置上の複数のノズルを使用して、又は複数のガスジェット装置を使用して、冷却ガスの層流と乱流の組み合わせを溶融プール近傍に向けることができるように供給することができる。
【0288】
適用される冷却ガスの温度は、任意の温度であり得る。冷却ガス温度は、積層形成プロセスが実施されるチャンバの周囲温度であり得る。冷却ガス温度は、室温以下、例えば約25℃以下であり得る。冷却ガスは、約-150℃~約4℃、又は約-10℃~約10℃などの冷蔵温度であり得る。
【0289】
ガスジェット装置のノズルの数及び構成、及び/又はガスジェット装置の数、並びにそれらの構成及び配置は、移動方向に沿った、約5mm~約50mm、又は約10mm~約40mm、又は約15~約30mmの、熱エネルギー衝突エリア又はその周辺の距離など、ワークピースの長さをカバーする冷却ガスを供給するように選択することができる。
【0290】
本明細書で提供される方法において、DED熱源を提供する溶融ツールをガスジェット装置と組み合わせて使用して、溶融プール条件を制御することができ、ガスジェット装置は、約1200℃から約600℃まで、又は約1000℃から約800℃までの温度低下をもたらす冷却ガスを生成する。ワークピースがTi合金で形成されるいくつかの方法において、1000℃から800℃までの温度低下を使用することができる。
【0291】
本明細書で提供される方法は、任意の積層造形システムで実施することができる。本方法は、不活性ガスが電気アークプラズマなどの熱源のみを包含するか、熱源を含む溶融ツールを包含するか、溶融ツール及びワークピースを包含するシステムにおいて実施することができる。本方法は、全プロセスが不活性雰囲気中で実施される不活性雰囲気を提供するために不活性ガスで満たされた密閉チャンバを含むシステムで実施することができる。不活性雰囲気は、アルゴン、キセノン、ネオン、クリプトン、ヘリウム又はそれらの組み合わせであるか、又はそれらを含むことができ、不活性雰囲気堆積を可能にする。
【0292】
DEDプロセスのための従来の基板構成と、ピン支持システム110として実施されたマウントシステム100を使用する本明細書で提供されるプロセスとの例示的な相違が、図12A及び12Bに示されている。図12Aは、基板300が(図示しないクランプを介して)治具400に固定されるが、基板300と治具400との間に位置決めされたアルミナ絶縁プレート540、541、542、543によって治具400から熱的に隔絶されている、y方向から見た従来の構成を示す。応力軽減処理が施されていない基板300は平坦であり、DEDプロセス中に金属材料が基板300の上面に堆積され、プリフォーム600及び600’が製造される。
【0293】
対照的に、図12Bは、図12Aの図示と比較するためにy方向に見たピン支持システム110として実施されたマウントシステム100を使用する基板構成の例示的な実施形態を示す。図12Cは、図12Bのピン支持システム110として実施されたマウントシステム100を使用する基板構成の例示的な実施形態を示すが、プリフォーム600が基板300の長さに沿って堆積され得ることを説明するためにx方向に見た図である。示される構成において、ピン支持システム110は、基板300が(図示しないクランプを介して)治具400に固定されると、基板300の下に横たわる支持体として機能することができる。ピン支持システム110は、マウントシステム100が基板300を治具400から熱的に隔絶するように構成され得るので、基板を治具から熱的に分離するために従来使用されていたアルミナ絶縁プレート、又は他の基板支持器具を使用する必要性をなくすことができる。基板300は、本明細書で開示される応力軽減プロセスに供され、その結果、基板300の予備曲げが生じ得る。予備的に曲げられた基板300は、絶縁クランプ(図示せず)を用いてピン支持システム110にクランプすることができる。例において、ピン支持システム110によって画定される湾曲の曲率半径は、重力の影響が溶接プールの力学に悪影響を及ぼさない程度に十分大きくすることができ、それにより堆積は、平坦な位置で堆積する場合と同様に達成される。金属材料は、DEDプロセス中に基板300の上面に堆積され、プリフォーム600及び600’を製造する。
【0294】
D.システム
また、DEDプロセスによって金属ワークピースを構築するためのシステムも提供される。このシステムは、予備的に曲げられた基板が固定される治具;予備的に曲げられた基板が治具に固定される際に予備的に曲げられた基板の下に横たわる支持体として機能することができるマウントシステム100;予備的に曲げられた基板を治具に固定するための絶縁クランプ;金属源を溶融して、ベース材料の表面に堆積させることができる金属溶融材料とするためのDEDエネルギー源を備える1つ又は複数の溶融ツール(第1の層では、ベース材料は基板の表面であり;それ以降の層では、ベース材料は先に堆積された金属層の表面である);液体溶融プールを横切る冷却ガス、又は液体溶融プールに衝突する冷却ガス、又は液体溶融プールの液体-固体境界に隣接する固化材料に衝突する冷却ガス、又はそれらの任意の組み合わせを向けることができるガスジェット装置;冷却ガスの供給部;溶融ツール及びガスジェット装置に対してベース材料を位置決め及び移動させるシステム;及び、形成される金属ワークピースのコンピュータ支援設計(CAD)モデルなどの設計モデルを読み取り、その設計モデルを使用して、ベース材料を位置決め及び移動させる前記システムの位置及び移動を調節し、ワークピースを形成する金属材料の連続的な堆積を形成するためにベース材料上に金属材料を融着させることによってワークピースが構築されるように、溶解ツールとガスジェット装置を操作することができるコントローラを含むことができる。
【0295】
単一の溶融ツールを使用することができ、又は2つの溶融ツールを使用することができる。例えば、単一の予備加熱電気アークプラズマを生成する第1の予備加熱トーチと、二重電気アークプラズマを生成する第2のトーチである。2つのトーチは、タンデム構成で同時に使用することができる。予備加熱アークは、例えば、金属DED材料が堆積される位置において、基板の表面加熱、又は事前調整のために、ベース材料の表面の一部に熱エネルギーを供給することができる。さらに、二重電気アークプラズマは、別個の電気供給部によって給電することができる。二重電気アークプラズマは、金属を抵抗加熱してベース材料の表面加熱エリアに溶融させるために使用することができる。二重電気プラズマアークは、ワークピースのベース材料と、金属ワイヤ原料などの金属上の電気アークプラズマアークの作用によって生成される溶融金属との間の十分な融着を確実にすることができる。例えば、第2の溶融ツールは、二重電気アークプラズマを生成するトーチとすることができ、これにより、一方のアークは、トーチのタングステン電極とワークピースとの間で燃焼し(PTA)、他方のアークは、トーチのタングステン電極とワイヤ原料との間で燃焼し(メインアーク)、両方とも直線極性を使用する。PTA電気アークプラズマは、ベース材料の予備加熱された表面中に溶融金属の融着特性を深めることができ、これはメイン電気アークプラズマとは独立して制御することができる。メイン電気アークプラズマは、トーチと電流が流れるワイヤ原料との間に確立することができる。ワイヤ原料は、ワークピースに伝達されるPTA電気アークプラズマの柱によって発生する熱と、メイン電気アークプラズマ回路によって発生する熱とによって溶融することができる。ワイヤ原料は、ワークピース上に堆積させることができる溶融金属を生成することができる。溶融金属の液滴からの過熱により、ベース材料の表面加熱エリアの近傍に溶融プールを維持することができる。ベース材料の表面加熱により、融着が向上し、液体プールの湿潤及び広がり特性が改善され、したがって全体的により優れたDED特性が得られ得る。堆積プロファイルに関しては、基板を表面加熱することで、より浅く広い堆積プロファイルを得ることが可能であり得る。改善された溶接ビード特性は、ベース材料に対する有益な溶接ビード接触角を持つ形状をもたらし、これによりベース材料及び隣接する溶接ビードへの十分な融着を促進することができる。溶接ビード及び融着の特性が改善されると、機械的完全性が改善された製品が得られ得る。
【0296】
各溶解ツールは、別々に制御することができ、したがって、温度と圧力の別々のフィールドを生成するように個別に調節することができる。この配置の利点は、ベース材料の表面加熱エリア上に溶融される金属原料に適用される熱エネルギーの量を、ベース材料の表面に適用される熱エネルギーよりも大きくすることができ、ベース材料の過剰加熱を回避できることであり得る。
【0297】
本明細書で提供されるDED製造システムは、溶融ツールとして、PTAトーチ、レーザー装置、電子ビーム装置、又はそれらの任意の組み合わせを含むことができる。いくつかの構成において、ベース材料表面に電気的に接続された第1のPTAトーチは、ベース材料上のターゲット堆積エリアを加熱して表面加熱エリアを形成し、消耗電極に電気的に接続された第2のPTAトーチは、消耗電極を加熱して溶融し、その結果、ターゲット堆積エリアの表面加熱エリア上に落下し得る溶融金属の液滴をもたらすことができる。いくつかの構成において、PTAトーチは、ベース材料上のターゲット堆積液エリアを表面加熱して表面加熱エリアを形成することができ、レーザー装置は、金属ワイヤ又は金属粉末を加熱して溶融させることができ、その結果、ターゲット堆積エリアの表面加熱領域上に堆積させることができる溶融金属を形成することができる。いくつかの構成において、PTAトーチは、ベース材料上のターゲット堆積エリアを加熱して表面加熱エリアを形成することができ、電子ビーム装置は、金属ワイヤを加熱して溶融することができ、その結果、ターゲット堆積エリアの表面加熱エリア上に落下し得る溶融金属の液滴をもたらすことができる。
【0298】
いくつかの構成において、レーザー装置は、ベース材料上のターゲット堆積エリアをスポット加熱してスポット加熱エリアを形成することができ、消耗電極に電気的に接続されたPTAトーチは、消耗電極を加熱して溶融することができ、その結果、ターゲット堆積エリアのスポット加熱エリアに落下し得る溶融金属の液滴をもたらすことができる。いくつかの構成において、第1のレーザー装置は、ベース材料上のターゲット堆積エリアをスポット加熱してスポット加熱エリアを形成することができ、第2のレーザー装置は、金属ワイヤ又は金属粉末を加熱して溶融することができ、その結果、ターゲット堆積エリアのスポット加熱エリアに堆積させることができる溶融金属の形成をもたらすことができる。いくつかの構成において、レーザー装置は、ベース材料上のターゲット堆積エリアをスポット加熱して、スポット加熱エリアを形成することができ、電子ビーム装置は、金属ワイヤを加熱して溶融することができ、その結果、ターゲット堆積エリアのスポット加熱エリア上に落下し得る溶融金属の液滴をもたらすことができる。
【0299】
いくつかの構成において、電子ビーム装置は、ベース材料上のターゲット堆積エリアをスポット加熱してスポット加熱エリアを形成することができ、消耗電極に電気的に接続されたPTAトーチは、消耗電極を加熱して溶融することができ、その結果、ターゲット堆積エリアのスポット加熱エリア上に落下し得る溶融金属の液滴をもたらすことができる。いくつかの構成において、電子ビーム装置は、ベース材料上のターゲット堆積エリアをスポット加熱して予備加熱エリアを形成することができ、レーザー装置は、金属ワイヤ又は金属粉末を加熱して溶融することができ、その結果、ターゲット堆積エリアのスポット加熱エリア上に落下し得る溶融金属の液滴をもたらすことができる。いくつかの構成において、第1の電子ビーム装置は、ベース材料上のターゲット堆積エリアをスポット加熱してスポット加熱エリアを形成することができ、第2の電子ビーム装置は、金属ワイヤ又は金属粉末を加熱して溶融させることができ、その結果、ターゲット堆積エリアのスポット加熱エリア上に落下し得る溶融金属の液滴をもたらすことができる。
【0300】
いくつかの構成において、DED製造システムは、表面加熱エリアを形成するためにベース材料のターゲットエリアにエネルギー(例えば、それぞれ、レーザーエネルギー又はプラズマ移行アーク)を向けるように配置することができるレーザー装置又はPTAトーチを含むことができ、PTAトーチ又はレーザー装置は、ベース材料の表面加熱エリアの上方に位置決めされた消耗電極又は金属ワイヤの端部にエネルギーを向けるように配置することができる。エネルギーは、消耗電極又は金属ワイヤの端部を溶融し、消耗電極又は金属ワイヤの端部の下にあるベース材料の表面加熱エリア上に落下し得る溶融金属の液滴を形成することができる。エネルギーをターゲット堆積エリアに向ける溶融ツールは、溶融金属の液滴のベース材料への溶け込みを深くすることによって、ベース材料とその上に堆積される溶融金属材料との融着を促進することができる。消耗電極又は金属ワイヤを溶融するために使用される溶融ツールはまた、ターゲット堆積エリアのスポット加熱エリアの近傍で熱エネルギーに寄与することができ、ベース材料に向けられた溶融ツールによって提供される熱エネルギーに寄与する。溶融金属の液滴からの過熱は、ベース材料のスポット加熱エリアの近傍に溶融プールを維持するのに役立ち得る。
【0301】
消耗電極又は金属ワイヤは、Al、Cr、Cu、Fe、Hf、Sn、Mn、Mo、Ni、Nb、Si、Ta、Ti、V、W、又はZr、或いはそれらの複合材料又は合金であるか、又はそれらを含むことができる。いくつかの実施形態において、消耗電極は、Ti又はTi合金を含むワイヤであり得る。消耗電極又は金属ワイヤは、TiをAl、V、Sn、Zr、Mo、Nb、Cr、W、Si、及びMnの1つ又は組み合わせと組み合わせて含むチタン合金であるか、又はそれを含むことができる。例えば、例示的なチタン合金には、Ti-6Al-4V、Ti-6Al-6V-2Sn、Ti-6Al-2Sn-4Zr-6Mo、Ti-45Al-2Nb-2Cr、Ti-47Al-2Nb-2Cr、Ti-47Al-2W-0.5Si、Ti-47Al-2Nb-1Mn-0.5W-0.5Mo-0.2Si、及びTi-48Al-2Nb-0.7Cr-0.3Siが含まれる。消耗電極又は金属ワイヤは、アルミニウム、鉄、コバルト、銅、ニッケル、炭素、チタン、タンタル、タングステン、ニオブ、金、銀、パラジウム、白金、ジルコニウム、それらの合金、及びそれらの組み合わせを含むことができる。消耗電極は、ソリッドワイヤ電極、コアードワイヤ電極、又はストリップ電極を含むことができる。
【0302】
消耗電極又は金属ワイヤの典型的な断面は円形である。消耗電極又は金属ワイヤの直径は、最大約10mmであり、約0.8mm~約5mmの範囲であり得る。消耗電極又は金属ワイヤは、実用的に実施可能な任意の断面寸法、例えば、1.0mm、1.6mm、及び2.4mm、又は約0.5mm~約3mmを有することができる。消耗電極又は金属ワイヤのフィード速度及び位置決めは、消耗電極又は金属ワイヤが連続的に加熱され、ベース材料の予備加熱エリアの上方の意図された位置に到達したときに溶融されることを確実にするために、PTAトーチ、レーザー装置、電子ビーム装置、又はそれらの任意の組み合わせへの電力供給の効果に合わせて制御及び調節することができる。
【0303】
レーザー装置は、ベース材料の表面エリアを予備加熱するために、又は金属ワイヤを溶融するために、ベース材料に熱エネルギーを伝達するのに十分なエネルギーのレーザービームを生成することができる。レーザービームからのエネルギーを介したベース材料の予備加熱は、ベース材料における溶融特性を深くすることによって、ベース材料と溶融金属材料との間の融着を促進することができる。いくつかの実施形態において、ベース材料の少なくとも一部は、レーザー装置のレーザービームからのエネルギーによって溶融され得る。いくつかの実施形態において、PTAトーチ、又は別のレーザー装置、又は電子ビーム装置によって製造された金属材料が堆積されるべき位置において、ベース材料中に溶融プールを形成するために、レーザー装置のレーザービームによって十分な熱を適用することができる。
【0304】
適切なレーザー装置の例としては、イッテルビウム(Yb)レーザー、Ybファイバーレーザー、Ybファイバー結合ダイオードレーザー、Yb:ガラスレーザー、ダイオード励起Yb:YAGレーザー、ネオジムドープイットリウムアルミニウムガーネット(Nd:YAG)レーザー、COレーザー、COレーザー、Nd:ガラスレーザー、ネオジムドープイットリウムオルトバナデート(Nd:YVO)レーザー、Cr:ルビーレーザー、ダイオードレーザー、ダイオード励起レーザー、エキシマレーザー、ガスレーザー、半導体レーザー、ソリッドステートレーザー、色素レーザー、X線レーザー、自由電子レーザー、イオンレーザー、ガス混合レーザー、化学レーザー、及びそれらの組み合わせが挙げられる。好ましいレーザーはYbレーザー、特にYbファイバーレーザーを含む。多くの用途において、Ybファイバーレーザーで使用される波長は、他のレーザー波長と比較して反射率が低くなり得る。
【0305】
PTAトーチは、ガス金属アーク溶接(GMAW)、特にアークを確立するために非反応性ガスを使用する溶接(金属不活性ガス溶接又はMIG溶接)など、消耗電極を抵抗加熱して溶融させるために、又はベース材料表面のターゲットエリアを加熱するために、電気アークプラズマを生成することができる任意の構成とすることができる。消耗電極は、電気アークを使用するPTAトーチによって生成されるプラズマ中で溶融させることができ、溶融消耗電極をワークピース上の溶融プールに堆積させて、ニアネットシェイプ金属体に追加し、ニアネットシェイプ金属体を形成することができる。PTAトーチからのエネルギーを介したベース材料の予備加熱は、ベース材料における溶融特性を深くすることによって、ベース材料と溶融金属材料との融着を促進することができる。いくつかの実施形態において、ベース材料の少なくとも一部は、PTAトーチのプラズマからのエネルギーによって溶融され得る。いくつかの実施形態において、PTAトーチのプラズマによって十分な熱を適用することができ、異なるPTAトーチ又はレーザー装置によって溶融された金属材料が堆積されるべき位置において、ベース材料中に溶融プールを形成することができる。
【0306】
溶融トラックを誘導することによる基板の熱的予備曲げ、マウントシステム100の使用、及びDEDプロセスを使用するワークピースの形成前の基板の予備加熱の組み合わせにより、多くの従来の積層造形製品に顕著な内部残留応力及び変形に関連する問題を大幅に軽減するニアネットシェイプ金属ワークピースの形成が可能になる。これにより、製造の再現性が改善され、寸法精度が向上し、強度、耐疲労性、耐久性が向上したワークピースを製造することができる。
【実施例
【0307】
E.例
以下の例は例示のみを目的として含まれ、本明細書で提供される実施形態の範囲を限定することを意図するものではない。
【0308】
例1
寸法(L×W×T)が635mm×190mm×9.5mmであり、Ti-6Al-4Vで作られた第1のベースプレート基板を、残留応力の軽減なしにたわみを測定するための第1の試験基板として使用した。この基板を治具又は溶接台にクランプし、第1のPTAトーチでベース材料を予備加熱し、第2のPTAトーチでTi-6Al-4Vワイヤを溶融して溶融金属を形成し、予備加熱されたベース材料上に堆積させることにより、ワークピースを製作した。堆積速度は7.5~10mm/sで、不活性ガスを用いて冷却ガスを高流量で導き、液体溶融プールの液体-固体境界に隣接する固化したままの材料に衝突させた。堆積が完了した後、構成要素を冷却して治具から取り外し、基板の変形を調べた。
【0309】
ひずみが基板の短辺に見られ、基板は堆積前の基板の平坦プロファイルと比較して上方に弓なりに曲がっていた。観察された変形を図13Aに示す。
【0310】
寸法(L×W×T)が635mm×190mm×12.7mmでTi-6Al-4Vで作られた第2のベースプレート基板を第2の試験基板として使用した。上述したのと同じ条件を用いて、同じワークピースを作製した。図13Bは、いかなる種類の残留応力の軽減も受けていない12.7mmの厚さを有する基板上のDED堆積によって引き起こされた変形を示し、堆積前の基板の平坦プロファイルと比較して、基板の短辺で上向きの弓なりを示し、左縁部は約7mm、右縁部は約6.0mm上向きに弓なりに曲がる。
【0311】
図13Cは、寸法(L×W×T)が635mm×190mm×9.5mmであり、本明細書に記載されるように熱的予曲げ、予備加熱及びDED処理に供されることによって物体の形成に使用されたTi-6Al-4Vで作られた第3のベースプレート基板を示す。基板は、基板の長辺の全長にわたって絶縁クランプを使用して治具にしっかりとクランプされたが、基板の短辺にはクランプは使用されなかった。基板と治具の間に、それぞれ基板と同じ寸法の厚さ約3.2mmのアルミナ絶縁プレート(RS-1200 Keranova)を4層使用して、基板を治具から熱的に隔絶した。
【0312】
PTAトーチを使用して、基板の第1の側に熱エネルギーを提供し、基板に溶融トラックを形成した。DEDと溶融トラックの組み合わせによって決定される最終的な集合残留応力分布は、予備曲げ溶融トラックなしの(すなわち、DEDの中心線において引張ピークが高く、離れた位置で平衡化圧縮応力が高い)DEDの元の残留応力プロファイルと比較すると、DEDの中心線においてより低い引張ピークを有し、DEDの中心線から離れた位置でより低い平衡化圧縮応力を有する。溶融トラックを形成するために使用されるパターンを図7C及び7Dに示す。図に示すように、DED熱源として機能するPTAトーチを、基板の一方の縁部に位置決めした。溶融トラック間の間隔は、製造されるワークピースの形状を前提とすることができる。例えば、溶融トラックは、ワークピース内の最終的な集合残留応力分布を最小にするために、形成されるワークピースの壁の下のエリアではないエリアに形成することができる。例えば、第1の表面上の溶融線の大部分は、基板の第2の側上に形成されるワークピースの1つ又は複数の壁によって占有される1つ又は複数のエリアに対応する位置以外の1つ又は複数の位置に形成することができる。基板に最大の熱応力を誘導するために、高エネルギー密度(例えば、約450J/mm~約550J/mmで供給されるアークエネルギー)を6~16mm/sの速度で適用して、基材表面の一部を急速に溶融させて自生溶接線を形成し、この自生溶接線をガスジェット装置を使用して急速に冷却して、高流量で25℃の温度の冷却ガスを溶接線に向けて導き、それによって、溶融トラックの中心線付近に高い引張応力を有し、中心線から離れた距離に高い圧縮応力を有する溶融トラックを形成した。例示的な実施形態において、基板の厚さが9.5~10mmの場合、電流が約150A~約250A、電圧が約20V~約30V、横断速度が6mm/s~16mm/sの単一熱源を使用して、幅が約3mm、深さが最大1mmの溶融トラックを形成した。
【0313】
冶具から解放すると、予備的に曲げられた基板は上方に弓なり曲がり、図8Aに示すような約15mmのたわみを示した。次に、この予備的に曲げられた基板を、下に横たわる支持体として記載した湾曲クランプ金型と絶縁クランプを使用して治具に取り付け、予備的に曲げられた基板を治具に取り付けた。予備的に曲げられた基板は、溶融トラックがある側が湾曲クランプ金型の方になるように位置決めした。予備的に曲げられた基板の予備加熱は、DED金属堆積中にベースプレート界面で融着の問題を引き起こす可能性のある局所的な溶融トラックを生成するリスクを低減するために、PTAトーチをより高いスタンドオフ距離に位置決めすることによって、予備的に曲げられた基板表面により低いエネルギー密度を供給する2つのPTAトーチを使用して達成された。例えば、150~250Aの範囲を使用しアーク電圧20~30Vの2つのPTAトーチを用いて予備加熱を行った。横断速度は6~12mm/sであった。例えば、第1のPTAトーチによって供給されるアークエネルギーは460J/mmであることができ、第2のPTAトーチによって供給されるアークエネルギーは430J/mmであることができた。もう1つの重要な側面は、トラックの予備曲げが、予備加熱で使用されたものと比較して、より高いプラズマガス流で実行されたという事実である。高いプラズマガス流量は、より硬い電気アークを発生させるため、エネルギー密度が高くなる。スタンドオフ距離に関しては、予備曲げにおいて使用されるスタンドオフ距離と比較して、予備加熱中、25%~50%、又は30%~40%高いスタンドオフ距離を使用することができる。予備加熱プロセス中、冷却ガスは使用しなかった。
【0314】
基板の温度が450℃~550℃に達した後、アルゴン不活性雰囲気を含有する密閉チャンバ内で、物体を形成するための金属のDED堆積を行った。DEDプロセスは2つのPTAトーチを使用した。第1のPTAトーチは、熱エネルギーをベース材料のターゲットエリアに向け、予備加熱エリアを形成し、第2のPTAトーチは、熱エネルギーを(1)ベース材料の予備加熱エリアの上方に位置決めされた消耗電極又は金属ワイヤの端部に、及び(2)予備加熱エリアの方に、向けた。第2のPTAトーチからのエネルギーは、消耗電極又は金属ワイヤの端部を溶融し、消耗電極又は金属ワイヤの端部の下にあるベース材料の予備加熱エリア上に落下する溶融金属の液滴を形成した。このプロセスには、ガスジェット装置を使用して、溶融金属の液体-固体の境界に隣接する固化したままの材料に向けて、25℃の温度の冷却ガスを高流量で向けることも含まれた。堆積は、ワークピースが完成するまで続けられた。ワークピースは、堆積チャンバ内で400℃以下の温度まで冷却された。その後、ワークピースは堆積チャンバから取り出され、予備的に曲げられた基板は治具から取り外された。作業者がワークピースを取り出す速さにもよるが、予備的に曲げられた基板は200~300℃、又はそれより低い温度で治具から取り外すことができる。この例では、予備的に曲げられた基板は約250℃の温度で治具から取り外された。
【0315】
図13Cに示すように、ワークピースは、基板の短辺で上方へのわずかな(わずか約0.5mmの)移動を示し、これは、従来のDEDプロセスを使用した場合に試験基板に観察されたかなりの量の残留応力が、予備曲げ及び予備加熱と組み合わせた湾曲クランプ金型を使用して除去されたことを示している。
【0316】
同様の基板と同じワークピース設計を用いて、上述したのと同じ条件下で再現性を試験した。この方法は、製造された3つのワークピースすべてにわたって一貫した再現性のある結果を示した。ワークピース#1とワークピース#2間の基板変形の偏差は約0.5mmであり、ワークピース#2とワークピース#3間の基板変形の偏差は約0.1mmであった。
【0317】
応力緩和熱処理は、ワークピースの全体寸法に大きな影響を与えなかった。例えば、応力緩和後、上方へのわずか移動が、プレートの短辺で約0.5mm生じただけであった。このことは、記載した応力軽減の結果、堆積したままの状態でのワークピースの残留応力が非常に低いことを意味する。
【0318】
例2
DED製造中の基板の温度勾配を、当該技術分野で公知のセラミックシート支持体を使用する場合と、本明細書に記載のピン支持体システムを使用する場合とで対比する比較実験を行った。同じDED製造プロセスを2つの等しいチタン基板に対して行った。第1の例において、本明細書に記載のDEDプロセス中、基板は1組のピンにクランプされた。一方、第2の例において、本明細書に記載のDEDプロセス中、基板は1組のセラミックパイロンの上にクランプされた。セラミックパイロンの全体の厚さは、ピンの基板支持高さよりも大きかった。熱電対を使用して、熱伝導と様々な構成要素の熱を測定した。データを収集し、処理されている基板の様々な位置にわたってプロットした。結果を図15に示す。示されているように、1組のピンにクランプされているDEDプロセス中の基板の回転平均温度は、基板が1組のセラミックパイロンにクランプされた場合よりも、DEDプロセス全体を通して高いままであった。このことは、既知のセラミックパイロン支持体と比較して、ここに記載したようなピン支持システムを支持構造として使用することにより、基板からの熱損失の低減が得られる可能性があることを示している。
【0319】
例3
セラミックパイロンで形成された支持体に対して、本明細書に記載するようなピン支持システムなど、セラミックシート、プレート、又はパイロンを含まない支持システムを使用した場合に、DEDプロセス中に達成される水分量の減少を実証するための比較実験も行った。例において、DEDプロセスを2つの等しい基板上で例2と同様に実行した。最初の実験の間、セラミックシート、プレート、又はパイロンを含まない、本明細書に記載のピン支持システムに基板をクランプした。2回目の実験の間、基板をセラミックパイロン支持体にクランプした。雰囲気中の水分及び酸素含有量がモニターされ、その測定値が、基板がセラミックフリーピン支持システムで支持された場合の図16Aと、基板がセラミック製パイロンで支持された場合の図16Bに反映されている。この測定データは、セラミックパイロン支持体を使用した場合に対して、セラミックシート、プレート、又はパイロンを一切使用せずに本明細書に記載したようなピン支持システムを使用した場合に、DED雰囲気中の水分量がプロセス全体を通してはるかに低いことを示している。
【0320】
本発明の趣旨又は範囲から逸脱することなく、本発明において様々な修正及び変形を行うことができることは、当業者には明らかであろう。したがって、本発明は、添付の特許請求の範囲及びその均等物の範囲内に入るものであれば、本発明の修正及び変形をカバーすることを意図している。
【0321】
以下は本記載及び添付図面で使用される参照番号のリストである。
【符号の説明】
【0322】
100 基板マウントシステム
101 マウントシステム要素
102 マウントシステム湾曲プロファイル
103 ローレット加工
104 周辺リム部分
105 ローレット加工間隔
106 マウントシステム基板界面エリア
107 ボンドコート
108 セラミックコーティング
110 ピン支持システム
112 ピン
114 均一幅を有するピン
115 不均一幅を有するピン
116 組み合わせた形状を有するピン
118 ピンヘッド部分
119 ピン基板接触面
120 ピンヘッド平坦領域
122 ピンのカラー部分
124 ピンベース又は係合部分
126 ピン構造用溶接治具継手
128 ピンスペーサ
130 ピン支持システムの基板界面エリア
150 格子支持システム
151 格子要素
152 格子支持システムの湾曲面
153 格子支持システムの平坦面
154 格子支持システムの周辺エリア
155 格子支持システムの基板表面界面
156 格子要素基板接触面
158 格子キャビティ
170 湾曲クランプ金型
172 ローレット加工又は波形面
174 上面/基板界面エリア
176 金型縁部
178 ローレット加工
180 ローレット加工間隔
182 平坦リム
184 セラミックコーティング
186 ボンドコート
188 キャビティ
190 キャビティ
192 キャビティ
194 キャビティ
196 補強部材
198 最大高さ
200 ガスジェット装置
210 ノズル
230 支持体
250 PTAトーチ
300 基板
310 第1の側
320 第2の側
330 プリフォームのDED後壁
350 溶融トラック
355 溶融トラック間の間隔
370 第1の予備的に曲がる加熱経路
371 第2の予備的に曲がる加熱経路伝達分布
372 第3の予備的に曲がる加熱経路
373 第4の予備的に曲がる加熱経路
374 第5の予備的に曲がる加熱経路
375 第6の予備的に曲がる加熱経路
380 プリフォーム壁
382 プリフォーム壁
384 プリフォーム壁
400 治具
410 公称基板たわみ
500 クランプ
501 ネジ穴
502 穴
505 底部接触小面
506 側部接触小面
540 アルミナ絶縁プレート
541 アルミナ絶縁プレート
507 クランプの上面
509 セラミックコーティング表面
510 皿ネジ
515 皿ネジの先端
520 ボルト
525 ナット
530 治具の上面
542 アルミナ絶縁プレート
543 アルミナ絶縁プレート
544 不均一な圧力及び熱伝達分布のエリア
545 不均一な圧力及び熱のエリア
546 不均一な圧力及び熱伝達分布のエリア
547 不均一な圧力及び熱伝達分布のエリア
548 不均一な圧力及び熱伝達分布のエリア
549 不均一な圧力及び熱伝達分布のエリア
550 ベースプレート
575 不均一な圧力及び熱伝達分布のエリアを示す枠
576 不均一な圧力及び熱伝達分布のエリアを示す枠
577 不均一な圧力及び熱伝達分布のエリアを示す枠
578 不均一な圧力及び熱伝達分布のエリアを示す枠
600 プリフォーム
600’ プリフォーム
610 クランプ実体
615 クランプ実体
620 クランプ実体
625 クランプ実体
630 クランプ実体
650 最適でないクランプエリア
700 第1の予備的に加熱する加熱経路
705 第2の予備的に加熱する加熱経路
710 第3の予備的に加熱する加熱経路
715 第4の予備的に加熱する加熱経路
720 第5の予備的に加熱する加熱経路
725 第6の予備的に加熱する加熱経路
730 第7の予備的に加熱する加熱経路
735 第8の予備的に加熱する加熱経路
図0A
図0B
図0C
図1A
図2
図3A
図3B
図3C
図4
図5
図6A
図7
【図
【図
【図
【図
【図
【図
【図
【図
【図
【図
【図
【図
【図
【図
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【図
【図
【図
【図
【図
【図
【図
【図
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【図
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【図
【図
【図
【図
【図
【図
【図
【図
【手続補正書】
【提出日】2024-02-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
指向性エネルギー堆積用のシステムであって、
予備的に曲げられた基板を固定するための溶接治具、
前記治具間に、及び前記予備的に曲げられた基板が前記治具に固定されているときに位置決めされる、ピン支持システム、
前記予備的に曲げられた基板を前記治具に固定するためのクランプ、
金属源をベース材料の表面上に堆積される金属溶融物に溶融するためのDED熱源を備える1つ又は複数の溶融ツール、
温度勾配に影響を及ぼすように液体溶融プールの液体-固体境界に隣接する固化したままの材料に衝突するように冷却ガスを向けるためのガスジェット装置、
前記冷却ガスの供給部、及び
前記溶融ツール及び前記ガスジェット装置に対して前記ベース材料を位置決めして移動させるためのアクチュエータ、
を含み、
前記ピン支持システムは、前記溶接治具上の再構成可能な配置の1つ又は複数のピンを備え、
前記1つ又は複数のピンは、可変基板支持高さを有し且つ湾曲プロファイルを画定するように配置される、システム
【請求項2】
前記1つ又は複数のピンの少なくとも1つが、
基板接触エリアを含むピンヘッド部分と、
カラー部分と、
前記溶接治具に係合するように構成されたベース部分とを含む、
請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記ピンヘッド部分が、横方向プロファイルの少なくとも一部に平坦部分をさらに含む、請求項に記載のシステム。
【請求項4】
前記ピンヘッド部分が溶接治具界面エリアを含む、請求項に記載のピン支持システム。
【請求項5】
前記1つ又は複数のピンがオーステナイト系ステンレス鋼を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項6】
金属ワークピースを製造するための指向性エネルギー堆積方法であって、
溶融ツールを使用して金属材料の基板の第1の表面に複数の溶融トラックを形成することにより、前記金属材料の基板を熱エネルギーで予備的に曲げて、予備的に曲げられた基板を製造することと、
前記予備的に曲げられた基板を支持するための下に横たわる支持構造体として請求項1~5のいずれか一項に記載の指向性エネルギー堆積用のシステムのピン支持システムを使用すること、及び、前記予備的に曲げられた基板と、前記予備的に曲げられた基板を支持する前記マウントシステム又はピン支持システムとを複数のクランプを使用して治具に固定することと、
ベース材料を形成するために前記基板の第2の表面上に溶融金属の層を堆積させるように金属原料を溶融することを含み、前記ベース材料上に溶融金属の後続の層を堆積させて金属ワークピースを形成する積層造形プロセスによって、前記基板の前記第2の表面上に前記金属ワークピースを形成することとを含み、
前記基板の前記第2の表面は、前記基板の前記第1の表面の反対側にある、
方法。
【請求項7】
前記金属原料が、粉末、ワイヤ又はそれらの組み合わせの形態の金属である、請求項に記載の方法。
【請求項8】
前記基板の前記第2の側に熱エネルギーを適用することにより、前記治具に固定されている間に前記金属ワークピースを製造する前に、前記予備的に曲げられた基板を約400℃~約900℃の温度まで予備加熱することをさらに含む、請求項又はに記載の方法。
【請求項9】
前記基板を予備的に曲げることが、前記基板に熱勾配を誘導することを含む、請求項6~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記溶融ツールが、レーザービーム、電子ビーム、プラズマアーク、ガスタングステンアーク、ガス金属アーク及びそれらの任意の組み合わせの中から選択される熱源を含む、請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記基板の前記第1の表面を予備的に曲げる間に、熱エネルギーの適用エリアは、前記金属材料の融点である温度、又は前記金属材料の融点よりも約5℃~約50℃低い若しくは高い温度に達する、請求項10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記基板の前記第1の表面を予備的に曲げる間、前記溶融トラックの形成は、前記基板の冷却時に、溶融トラックのそれぞれの中心線における引張応力の形成と、溶融トラックのそれぞれの前記中心線から離れたエリアにおける圧縮応力の形成とをもたらす、請求項11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記溶融トラックの前記中心線における引張応力が、前記基板の降伏強度の約10%以内である、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記溶融トラックの前記中心線における前記引張応力が、前記基板の降伏強度の大きさを超える、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
予備的に曲げるステップが、前記溶融トラックの冷却を促進するために、ガスジェット装置を使用して冷却ガスを前記溶融トラックに向けることをさらに含む、請求項14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記冷却ガスを前記溶融トラックに向けることにより前記基板に熱勾配が形成され、冷却時に前記基板に残留応力が付与される、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記ガスジェット装置が、約50L/分~約500L/分の速度で前記冷却ガスを前記溶融トラックに向ける、請求項15又は16に記載の方法。
【請求項18】
前記冷却ガスが、一定のストリームで適用される、断続的に適用される、又はパルス流で適用される、請求項1517のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記冷却ガスが、アルゴン、ヘリウム、ネオン、キセノン、クリプトン及びそれらの組み合わせの中から選択される不活性ガスを含む、請求項1518のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記冷却ガスが100℃以下の温度で適用される、請求項1519のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
前記冷却ガスが25℃以下の温度で適用される、請求項1520のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
前記ガスジェット装置が、前記冷却ガスの乱流、前記冷却ガスの層流、又は前記冷却ガスの乱流と層流の組み合わせを生成する、請求項1521のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
前記ガスジェット装置が複数のノズルを備え、前記ノズルは前記冷却ガスを前記溶融ツールの熱源から離れる方向に向け、少なくとも1つのノズルは前記冷却ガスを前記溶融トラックの固化したままの金属に向ける、請求項1522のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
前記溶融トラックが互いに等距離に形成される、請求項23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
前記溶融トラック間の距離が約10mm~約60mmである、請求項24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
前記基板の前記第2の表面上に形成されるプリフォームの各壁の中心線を決定することと、
前記基板の前記第1の表面上に、前記基板の前記第2の表面上に形成される前記プリフォームの大部分の壁の中心線から約10mm~約20mm離れて前記溶融トラックを位置決めすることと
をさらに含む、請求項25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
前記溶融線の大部分を、前記基板の前記第2の側上に形成される前記ワークピースの1つ又は複数の壁が占める1つ又は複数のエリアに対応する位置以外の1つ又は複数の位置で前記第1の表面上に形成することをさらに含む、請求項26のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
前記予備的に曲げることが、均一な弾塑性曲げを有する予備的に曲げられた基板を形成する、請求項27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
前記基板が治具にクランプされ、前記治具から熱的に絶縁されている間に前記基板を予備的に曲げることをさらに含む、請求項28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
1つ又は複数のクランプが、前記予備的に曲げられた基板と接触する各表面に絶縁コーティングを含む、請求項29のいずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
前記絶縁コーティングが、セラミック材料、炭化ケイ素、窒化ケイ素、炭化ホウ素、又はそれらの組み合わせを含む、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記セラミック材料が、アルミナ、ジルコニア、酸化チタン、アルカリ土類金属ケイ酸塩、チタン酸アルミニウム、二酸化ジルコニウム、酸化イットリウムの添加によって安定化された二酸化ジルコニウム、酸化イットリウムアルミニウム、ZrV2O7、Mg3(VO4)2、又はそれらの組み合わせを含む、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記絶縁コーティングの厚さが0.1mm~5mmである、請求項31又は32に記載の方法。
【請求項34】
前記クランプが、前記予備的に曲げられた基板と接触する表面に、ローレット加工パターン又は波形を含む、請求項3033のいずれか一項に記載の方法。
【請求項35】
前記予備的に曲げられた基板を前記マウントシステム又は前記ピン支持システムによって画定された湾曲プロファイルに適合させるために前記クランプを締め付けることをさらに含む、請求項3034のいずれか一項に記載の方法。
【請求項36】
前記クランプのそれぞれが、約10N・m~約100N・mのトルクまで締め付けられる、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
製造されている前記ワークピースの壁の始点又は終点で前記クランプが交わるように、前記クランプが位置決めされる、請求項3036のいずれか一項に記載の方法。
【請求項38】
前記予備的に曲げられた基板の前記予備加熱が、
a)溶融トラックを形成するが前記予備的に曲げられた基板の表面を溶融しない、又は
b)溶融トラックを形成し、前記溶融トラックで前記予備的に曲げられた基板の表面を溶融する、
という条件下で、DED熱源を含む1つ又は複数の溶融ツールを使用して行われる、請求項37のいずれか一項に記載の方法。
【請求項39】
前記ワークピースの形成に使用されるスタンドオフ位置よりも離れたスタンドオフ位置に前記溶融ツールを位置決めすることをさらに含む、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
第1の短辺及び対向する第2の短辺、並びに第1の長辺及び対向する第2の長辺を含む前記予備的に曲げられた基板を、ワークピースを形成するDED堆積の前に予備加熱することをさらに含み、前記予備加熱することは、
a)DED熱源を含む溶融ツールを前記第1の短辺に、且つ前記治具に固定された前記予備的に曲げられた基板の前記第1の長辺から約10mm~約60mmの範囲内に位置決めすること、
b)前記溶融ツールの前記DED熱源からの熱エネルギーを、前記第1の短辺を起点として、前記予備的に曲げられた基板の表面を横切って反対側の前記第2の短辺まで、前記基板の表面を横切って適用し、前記表面に第1のエネルギー適用線を形成すること、
c)前記溶融ツールの前記DED熱源を、前記第1の短辺に対して、及び前記第1のエネルギー適用線から前記第2の長辺に向かって約10mm~約60mmの距離だけ変位させて、再び位置決めすること、及び
d)エネルギー適用線が前記第2の反対側の長辺から約10mm~約60mmの位置まで前記予備的に曲げられた基板の表面にわたって適用されるまで、ステップb)及びc)を繰り返すこと、
を含む、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
加熱装置を用いて前記基板の表側に熱エネルギーを適用することによって、ワークピースを形成するDED堆積の前に、前記予備的に曲げられた基板を予備加熱することをさらに含む、請求項39又は40に記載の方法。
【請求項42】
前記加熱装置が赤外線ヒーター、誘導ヒーター、抵抗ヒーター、又はそれらの組み合わせを含む、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
前記加熱装置が、コンダクタ・イン・コンジット熱源、ヒーターストリップ、抵抗加熱ストリップ、赤外線ヒーター、正熱係数セラミックヒーター、厚膜セラミックヒーター、抵抗線ヒーター、抵抗リボン加熱装置、赤外線ヒーター、及び誘導ヒーター又はそれらの組み合わせを含む、請求項41に記載の方法。
【請求項44】
前記予備加熱が、前記予備的に曲げられた基板の温度を約350℃~約650℃の温度まで上昇させる、請求項43のいずれか一項に記載の方法。
【請求項45】
前記金属ワークピースを形成することが、
ワイヤの形態の金属原料を提供すること、
単一の溶融ツールを使用して、前記ワイヤを加熱及び溶融し、溶融した金属材料が前記基板のエリア上に堆積してベース材料を形成するようにすること、及び
前記ベース材料上の溶融した金属材料の連続的な堆積が固化して3次元物体を形成するように、前記ベース材料を前記溶融ツールの位置に対して所定のパターンで移動させること、
を含む、請求項44のいずれか一項に記載の方法。
【請求項46】
前記金属ワークピースを形成することが、
a)ワイヤの形態の金属原料を提供すること、
b)第1の溶融ツールを使用して、前記基板の表面の少なくとも一部を加熱して、前記基板上に予備加熱エリアを形成すること、
c)第2の溶融ツールを使用して、前記ワイヤを加熱及び溶融し、溶融した金属材料が前記予備加熱エリア上に堆積してベース材料を形成するようすること、
d)前記ベース材料を、前記第1の溶融ツール及び前記第2の溶融ツールの位置に対して所定のパターンで相対的に移動させること、
e)前記第1の溶融ツールを使用して前記ベース材料の表面の少なくとも一部を加熱して、前記ベース材料上に予備加熱エリアを形成し、前記金属材料を溶融する前記第2の溶融ツールによって製造された溶融金属材料を前記ベース材料上の前記予備加熱エリア上に堆積させること、及び
f)前記ベース材料上の前記予備加熱エリア上への溶融金属材料の連続的な堆積が固化して3次元物体を形成するように、ステップd)及びe)を繰り返すこと、
を含む、請求項45のいずれか一項に記載の方法。
【請求項47】
前記溶融金属材料の表面を横切って冷却ガスを向けるように、又は前記溶融金属材料の表面に衝突するように、又は前記溶融金属材料の液体-固体境界に隣接する固化したままの材料の表面に衝突するように、又はそれらの任意の組み合わせを行うように、ガスジェット装置を使用すること、及び
溶融金属材料の連続した堆積が固化して3次元物体を形成するように、所定のパターンで前記溶融ツール及び前記ガスジェットの位置に対して前記ベース材料を移動させること、
をさらに含む、請求項45又は46に記載の方法。
【請求項48】
前記第1の溶融ツールが、PTAトーチ、レーザー装置、電子ビーム装置、又はそれらの任意の組み合わせを含み、
前記第2の溶融ツールが、PTAトーチ、レーザー装置、同軸粉末供給ノズルレーザーシステム、電子ビーム装置、又はそれらの任意の組み合わせを含む、
請求項45又は46に記載の方法。
【請求項49】
前記第1の溶融ツールが第1のPTAトーチを含み、前記第2の溶融ツールが第2のPTAトーチを含み、又は
前記第1の溶融ツールがレーザー装置を含み、前記第2の溶融ツールがPTAトーチを含み、又は
前記第1の溶融ツールがPTAトーチを含み、前記第2の溶融ツールがレーザー装置を含み、又は
前記第1の溶融ツールがレーザー装置を含み、前記第2の溶融ツールが同軸粉末供給ノズルレーザーシステムを含み、又は
前記第1の溶融ツールがPTAトーチを含み、前記第2の溶融ツールがトーチ同軸粉末供給ノズルレーザーシステムを含み、又は
前記第1の溶融ツールがPTAトーチを含み、前記第2の溶融ツールが電子ビーム装置を含み、又は
前記第1の溶融ツールが電子ビーム装置を含み、前記第2の溶融ツールがPTAトーチを含み、又は
前記第1の溶融ツールが電子ビーム装置を含み、前記第2の溶融ツールがレーザー装置を含み、又は
前記第1の溶融ツールがレーザー装置を含み、前記第2の溶融ツールが電子ビーム装置を含む、
請求項47に記載の方法。
【請求項50】
前記第2の溶融ツールがPTAトーチを含む場合、前記PTAトーチは、前記PTAトーチの電極が陰極となり、前記金属材料が陽極となる消耗電極であるように、直流電源に電気的に接続される、請求項49に記載の方法。
【請求項51】
前記基板を予備的に曲げること、前記予備的に曲げられた基板を予備加熱すること、及び金属ワークピースを形成することのそれぞれは、不活性雰囲気を含有する密閉チャンバ内で実施される、請求項50のいずれか一項に記載の方法。
【請求項52】
前記不活性雰囲気が、アルゴン、ネオン、キセノン、クリプトン、ヘリウム又はそれらの組み合わせを含む、請求項51に記載の方法。
【国際調査報告】