(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-21
(54)【発明の名称】内視鏡デバイス、アクセスシース、及び関連の方法
(51)【国際特許分類】
A61B 1/307 20060101AFI20240514BHJP
A61B 1/01 20060101ALI20240514BHJP
A61B 1/00 20060101ALI20240514BHJP
A61B 1/06 20060101ALI20240514BHJP
【FI】
A61B1/307
A61B1/01 511
A61B1/00 715
A61B1/00 650
A61B1/00 711
A61B1/00 632
A61B1/06 531
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023571549
(86)(22)【出願日】2022-05-18
(85)【翻訳文提出日】2024-01-11
(86)【国際出願番号】 US2022029863
(87)【国際公開番号】W WO2022245965
(87)【国際公開日】2022-11-24
(32)【優先日】2021-05-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】506192652
【氏名又は名称】ボストン サイエンティフィック サイムド,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】BOSTON SCIENTIFIC SCIMED,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100224672
【氏名又は名称】深田 孝徳
(72)【発明者】
【氏名】チュー マイケル エス エイチ
(72)【発明者】
【氏名】レント エリック ノーべル
(72)【発明者】
【氏名】ラウニヤール ニラジ プラサド
(72)【発明者】
【氏名】スバシッチ ジョン
(72)【発明者】
【氏名】ストークリー エリザベス エー
(72)【発明者】
【氏名】サブラマニアム アナント ヴァイディアナサン
(72)【発明者】
【氏名】スタンホープ ウィリアム
(72)【発明者】
【氏名】デグラーフ キンバリー
(72)【発明者】
【氏名】ジョシ シャーマッド エス
(72)【発明者】
【氏名】ノーディフ アダム ペリー
(72)【発明者】
【氏名】シュアン ロンウェイ ジェイソン
(72)【発明者】
【氏名】ジェイコブス レーン
【テーマコード(参考)】
4C161
【Fターム(参考)】
4C161AA15
4C161CC06
4C161DD03
4C161FF02
4C161FF12
4C161GG11
4C161GG24
4C161JJ11
4C161LL02
4C161QQ06
(57)【要約】
【課題】尿管鏡のような内視鏡デバイス、及びそのような内視鏡デバイスを製造する及び使用する方法を提供する。
【解決手段】患者を治療するためのシステム及び方法は、単回使用可視化デバイスを用いて解剖学的構造にアクセスする段階と、解剖学的構造内で単回使用可視化デバイスの撮像機能を使用する段階と、一部の場合に単回使用可視化デバイスを解剖学的構造を超えてかつ患者内の別の解剖学的構造に向けて前進させる段階とを含むことができる。通常は再使用可能デバイスを用いて実行されるタスクを達成するために、使い捨て要素が単回使用可視化デバイスと併用される又はそれに追加される場合がある。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療システムであって、
近位端から遠位開口部まで延びる管腔を有するアクセスシースと、
前記アクセスシースの前記近位端に固定されたブリッジであって、前記ブリッジが、それを通って延びて前記アクセスシースの前記管腔と流体連通する管腔を含む前記ブリッジと、
ハンドルと前記ハンドルから遠位に延びる細長シャフトとを含む可撓性尿管鏡であって、前記細長シャフトが、長さを有し、かつ偏向可能遠位先端を含む前記可撓性尿管鏡と、
を備え、
前記細長シャフトは、前記アクセスシースの前記管腔及び前記ブリッジの前記管腔内に摺動可能に配置されるように構成され、
前記可撓性尿管鏡の前記細長シャフトは、前記細長シャフトの外面上に配置されて前記細長シャフトの前記偏向可能遠位先端を前記アクセスシースの前記遠位開口部に位置決めするように構成された少なくとも1つの十字線マーキングを含み、
前記細長シャフトの前記偏向可能遠位先端が前記アクセスシースの前記遠位開口部に位置決めされた時に、前記細長シャフトの前記長さの少なくとも20%が、前記ブリッジの近位を延びる、
医療システム。
【請求項2】
前記細長シャフトの前記偏向可能遠位先端が前記アクセスシースの前記遠位開口部に位置決めされた時に、前記細長シャフトの前記長さの少なくとも30%が、前記ブリッジの近位を延びる請求項1に記載の医療システム。
【請求項3】
アクセスシースを更に備え、
前記アクセスシースは、前記可撓性尿管鏡の前記細長シャフトと同時に前記アクセスシースの前記管腔内に摺動可能に配置されるように構成される、
請求項1又は請求項2に記載の医療システム。
【請求項4】
患者の尿路を治療するための医療システムであって、
可撓性尿管鏡であって、偏向可能遠位先端を有する細長シャフトと、それを通って延びる作動管腔と、前記偏向可能遠位先端に配置されて前記可撓性尿管鏡のハンドルと電子連通する光学系とを含む前記可撓性尿管鏡と、
前記細長シャフトに取り外し可能に取り付けられるように構成された細長アダプタ要素と、
を備え、
前記細長アダプタ要素は、前記細長アダプタ要素の近位端から前記細長アダプタ要素の遠位端まで延びる作動チャネルと、前記細長アダプタ要素の長さの大部分に沿って延びる開口スロットとを含み、
前記細長アダプタ要素は、前記細長シャフトの少なくとも一部分が前記開口スロット内に配置された時に前記細長シャフトの外面上に半径方向内向き力を印加するように構成され、
前記作動チャネルは、前記細長アダプタ要素の前記近位端から前記細長アダプタ要素の前記遠位端まで周方向に包み込まれ、かつ第1の断面積を有し、
前記開口スロットは、前記第1の断面積よりも大きい第2の断面積を有する、
医療システム。
【請求項5】
前記細長シャフトの少なくとも一部分が前記開口スロット内に配置された時に、前記細長アダプタ要素は、前記細長シャフトの円周の少なくとも60%の周りを周方向に延びる請求項4に記載の医療システム。
【請求項6】
前記細長アダプタ要素は、前記細長シャフトの少なくとも一部分が前記開口スロット内に配置された時に前記偏向可能遠位先端の近位に位置決めされるように構成される請求項4又は請求項5に記載の医療システム。
【請求項7】
前記細長アダプタ要素は、前記細長シャフトの余剰長さを前記細長アダプタ要素に対して固定するように構成された支持部材を含む請求項4、請求項5、又は請求項6のいずれか1項に記載の医療システム。
【請求項8】
前記支持部材は、前記細長シャフトの前記余剰長さをループに形成する請求項7に記載の医療システム。
【請求項9】
前記細長アダプタ要素は、前記可撓性尿管鏡の前記ハンドルに取り外し可能に取り付けられるように構成された取り付け部分を含む請求項4から請求項8のいずれか1項に記載の医療システム。
【請求項10】
前記細長アダプタ要素は、前記開口スロットと連通して前記細長アダプタ要素の前記近位端と前記細長アダプタ要素の長手中点との間に配置された横向き切り欠きを含む請求項4から請求項9のいずれか1項に記載の医療システム。
【請求項11】
前記細長シャフトの少なくとも一部分が前記開口スロット内に配置された時に、前記細長シャフトの一部分が、前記横向き切り欠きを通って延び、かつ前記細長アダプタ要素の外側に位置決めされる請求項10に記載の医療システム。
【請求項12】
モジュール式医療デバイスであって、
ハンドル部分と、
前記ハンドル部分に解除可能に接続するように構成された使い捨てシャフト部分と、
を備え、
前記ハンドル部分は、前記使い捨てシャフト部分が前記ハンドル部分に接続された時に前記使い捨てシャフト部分と通信するように構成された電子構成要素を含み、
前記ハンドル部分は、前記ハンドル部分を通って延びる近位作動チャネルを含み、
前記使い捨てシャフト部分は、前記使い捨てシャフト部分が前記ハンドル部分に接続された時に前記近位作動チャネルと流体連通するように構成された遠位作動チャネルを含み、
前記使い捨てシャフト部分は、前記使い捨てシャフト部分の遠位端に配置された照明及び撮像構成要素を含み、
前記照明及び撮像構成要素は、前記使い捨てシャフト部分が前記ハンドル部分に接続された時に前記電子構成要素と電子連通しており、
前記照明及び撮像構成要素は、前記使い捨てシャフト部分の前記遠位端に近接する区域を照明かつ撮像するように構成される、
モジュール式医療デバイス。
【請求項13】
前記使い捨てシャフト部分は、その近位端に配置されたプリント回路基板を含み、
前記プリント回路基板は、前記照明及び撮像構成要素を制御するように構成される、
請求項12に記載のモジュール式医療デバイス。
【請求項14】
前記ハンドル部分は、再使用可能ハンドル部分と使い捨てハンドル部分とを含み、
前記近位作動チャネルは、前記使い捨てハンドル部分内に配置され、
前記電子構成要素は、前記再使用可能ハンドル部分内に配置され、
前記使い捨てシャフト部分が前記ハンドル部分に接続された時に、前記使い捨てシャフト部分の近位端は、前記使い捨てハンドル部分と前記再使用可能ハンドル部分との両方に係合する、
請求項12又は請求項13に記載のモジュール式医療デバイス。
【請求項15】
前記照明及び撮像構成要素は、前記使い捨てシャフト部分内に固定的に配置された細長スリーブ内に取り外し可能に配置された撮像アセンブリ上に配置される請求項12から請求項14のいずれか1項に記載のモジュール式医療デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
〔関連出願への相互参照〕
この出願は、引用によって本明細書にその開示が組み込まれる2021年5月19日出願の米国仮特許出願第63/190,546号の利益及びそれに対する優先権を主張するものである。
【0002】
本発明の開示は、医療デバイス及びシステム、及び医療デバイス及びシステムを製造する及び使用する方法に関する。より具体的には、本発明の開示は、尿管鏡のような内視鏡デバイス、及びそのような内視鏡デバイスを製造する及び使用する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
内視鏡デバイスは、様々な診断手順及び手術手順に使用される。例えば、可撓性尿管鏡は、腎臓の検査及び治療に利用され、一般的にアクセス可能性及び患者快適性を改善する特徴を含む場合がある。可撓性尿管鏡デバイスには、視鏡のハンドルに取り付けられた様々な構成要素の操作によって医師が制御する可撓性先端セクションが設けられる場合がある。そのような操作は、医師が視鏡の先端を体内の異なる場所(例えば、腎臓内の異なる場所)まで操作することを可能にする。これに加えて、内視鏡は、医療手順中に一般的に他の医療デバイスと併用される。例えば、泌尿器科医は、腎臓結石を粉砕するために及び/又は破片を身体から除去するために可撓性尿管鏡をレーザファイバと回収デバイス(例えば、回収バスケット)との両方と組み合わせて使用することができる。従って、これらの手順は、視鏡の先端を制御するための様々な内視鏡特徴部を操作することのみならず、内視鏡と併用される補助デバイスを導入及び操作することを必要とする場合がある。一部の場合に、医師は、再使用可能膀胱鏡を用いて膀胱にアクセスし、その後に、再使用可能膀胱鏡を通して可撓性尿管鏡を挿入して腎臓にアクセスすることができる。そのような手順は、機能(例えば、視鏡機能)を重複させ、同時に手順を実行することへの設定時間及びコストを増大させる場合がある。デバイスコストを低減し、患者の安全性を最大に高め、手順時間及び複雑化を低減することは、その各々が術者に対して明確な利益を提供する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国仮特許出願第63/083,151号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
公知の医療デバイス及び方法に関して、各々は、ある一定の利点及び欠点を有する。医療デバイスを製造かつ使用するための代替医療デバイス、並びに代替方法を提供するという継続する必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の開示は、内視鏡デバイス、内視鏡システム、及び内視鏡付属品を含む医療デバイスに対する代替の設計、材料、製造方法、及び使用を提供する。
【0007】
第1の例は、医療システムである。医療システムは、アクセスシースと、ブリッジと、可撓性尿管鏡とを含む。アクセスシースは、近位端から遠位開口部まで延びる管腔を有する。ブリッジは、アクセスシースの近位端に固定される。ブリッジは、それを通って延びてアクセスシースの管腔と流体連通する管腔を含む。可撓性尿管鏡は、ハンドルと、ハンドルから遠位に延びる細長シャフトとを含む。細長シャフトは、長さを有し、かつ偏向可能遠位先端を含む。細長シャフトは、アクセスシースの管腔及びブリッジの管腔内に摺動可能に配置されるように構成される。可撓性尿管鏡の細長シャフトは、細長シャフトの外面上に配置されて細長シャフトの偏向可能遠位先端をアクセスシースの遠位開口部に位置決めするように構成された少なくとも1つの十字線マーキングを含む。細長シャフトの偏向可能遠位先端がアクセスシースの遠位開口部に位置決めされた時に、細長シャフトの長さの少なくとも20%は、ブリッジの近位を延びる。
【0008】
上記例のうちのいずれかの代わりとして又はそれに加えて、別の例では、細長シャフトの偏向可能遠位先端が、アクセスシースの遠位開口部に位置決めされ、細長シャフトの長さの少なくとも30%は、ブリッジの近位を延びる。
【0009】
上記例のうちのいずれかの代わりとして又はそれに加えて、別の例では、システムは、可撓性尿管鏡の細長シャフトと同時にアクセスシースの管腔内に摺動可能に配置されるように構成されたアクセスシースを含む。
【0010】
別の例は、患者の尿路を治療するための医療システムである。システムは、可撓性尿管鏡と細長アダプタ要素を含む。可撓性尿管鏡は、偏向可能遠位先端を有する細長シャフトと、それを通って延びる作動管腔と、偏向可能遠位先端に配置されて可撓性尿管鏡のハンドルと電子連通する光学系とを含む。細長アダプタ要素は、細長シャフトに取り外し可能に取り付けられるように構成される。細長アダプタ要素は、細長アダプタ要素の近位端から細長アダプタ要素の遠位端まで延びる作動チャネルと、細長アダプタ要素の長さの大部分に沿って延びる開口スロットとを含む。細長アダプタ要素は、細長シャフトの少なくとも一部分が開口スロット内に配置された時に細長シャフトの外面上に半径方向内向き力を印加するように構成される。作動チャネルは、細長アダプタ要素の近位端から細長アダプタ要素の遠位端まで周方向に包み込まれ、かつ第1の断面積を有する。開口スロットは、第1の断面積よりも大きい第2の断面積を有する。
【0011】
上記例のうちのいずれかの代わりとして又はそれに加えて、別の例では、細長シャフトの少なくとも一部分が開口スロット内に配置された時に、細長アダプタ要素は、細長シャフトの円周の少なくとも60%の周りを周方向に延びる。
【0012】
上記例のうちのいずれかの代わりとして又はそれに加えて、別の例では、細長シャフトの少なくとも一部分が開口スロット内に配置された時に、細長アダプタ要素は、細長シャフトの円周の少なくとも75%の周りを周方向に延びる。
【0013】
上記例のうちのいずれかの代わりとして又はそれに加えて、別の例では、細長アダプタ要素は、細長シャフトの少なくとも一部分が開口スロット内に配置された時に偏向可能遠位先端の近位に位置決めされるように構成される。
【0014】
上記例のうちのいずれかの代わりとして又はそれに加えて、別の例では、細長アダプタ要素は、細長シャフトの余剰長さを細長アダプタ要素に対して固定するように構成された支持部材を含む。
【0015】
上記例のうちのいずれかの代わりとして又はそれに加えて、別の例では、支持部材は、細長シャフトの余剰長さをループに形成する。
【0016】
上記例のうちのいずれかの代わりとして又はそれに加えて、別の例では、細長アダプタ要素は、可撓性尿管鏡のハンドルに取り外し可能に取り付けられるように構成された取り付け部分を含む。
【0017】
上記例のうちのいずれかの代わりとして又はそれに加えて、別の例では、細長アダプタ要素は、開口スロットと連通して細長アダプタ要素の近位端と細長アダプタ要素の長手中点との間に配置された横向き切り欠きを含む。
【0018】
上記例のうちのいずれかの代わりとして又はそれに加えて、別の例では、細長シャフトの少なくとも一部分が開口スロット内に配置された時に、細長シャフトの一部分は、横向き切り欠きを通って延び、かつ細長アダプタ要素の外側に位置決めされる。
【0019】
別の例は、モジュール式医療デバイスである。モジュール式医療デバイスは、ハンドル部分と使い捨てシャフト部分とを含む。使い捨てシャフト部分は、ハンドル部分に解除可能に接続するように構成される。ハンドル部分は、使い捨てシャフト部分がハンドル部分に接続された時に使い捨てシャフト部分と通信するように構成された電子構成要素を含む。ハンドル部分は、ハンドル部分を通って延びる近位作動チャネルを含む。使い捨てシャフト部分は、使い捨てシャフト部分がハンドル部分に接続された時に近位作動チャネルと流体連通するように構成された遠位作動チャネルを含む。使い捨てシャフト部分は、使い捨てシャフト部分の遠位端に配置された照明及び撮像構成要素を含む。照明及び撮像構成要素は、使い捨てシャフト部分がハンドル部分に接続された時に電子構成要素と電子連通している。照明及び撮像構成要素は、使い捨てシャフト部分の遠位端に近接する区域を照明及び撮像するように構成される。
【0020】
上記例のうちのいずれかの代わりとして又はそれに加えて、別の例では、使い捨てシャフト部分は、その近位端に配置されたプリント回路基板を含み、プリント回路基板は、照明及び撮像構成要素を制御するように構成される。
【0021】
上記例のうちのいずれかの代わりとして又はそれに加えて、別の例では、ハンドル部分は、再使用可能ハンドル部分と使い捨てハンドル部分を含む。近位作動チャネルは、使い捨てハンドル部分内に配置され、電子構成要素は、再使用可能ハンドル部分内に配置される。使い捨てシャフト部分がハンドル部分に接続された時に、使い捨てシャフト部分の近位端は、使い捨てハンドル部分と再使用可能ハンドル部分との両方に係合する。
【0022】
上記例のうちのいずれかの代わりとして又はそれに加えて、別の例では、照明及び撮像構成要素は、使い捨てシャフト部分内に固定的に配置された細長スリーブ内に取り外し可能に配置された撮像アセンブリ上に配置される。
【0023】
別の例は、患者の腎臓を治療する方法である。本方法は、尿道を通してアクセスシースを患者の膀胱の中に前進させる段階と、可撓性尿管鏡をアクセスシースの管腔内に配置する段階とを含む。本方法は、更に、可撓性尿管鏡がアクセスシースの管腔内に配置されている間に可撓性尿管鏡を用いて膀胱内の尿管口を視覚的に位置付ける段階を含む。本方法は、更に、可撓性尿管鏡の作動管腔の中にガイドワイヤを挿入する段階と、可撓性尿管鏡がアクセスシースの管腔内に配置されている間にガイドワイヤを作動管腔から尿管口の中に前進させる段階とを含む。本方法は、更に、可撓性尿管鏡がアクセスシースの管腔内に配置されている間に尿管口を通して可撓性尿管鏡を前進させて腎臓の中に入れる段階と、可撓性尿管鏡がアクセスシースの管腔内に配置されている間に可撓性尿管鏡を用いて腎臓内で手順を実行する段階とを含む。
【0024】
上記例のうちのいずれかの代わりとして又はそれに加えて、別の例では、患者の腎臓を治療する本方法は、ガイドワイヤの遠位端を腎臓内に維持しながらアクセスシースの管腔から可撓性尿管鏡を取り出す段階と、可撓性尿管鏡の偏向可能遠位先端をアクセスシースの管腔を通してガイドワイヤと一緒にかつ膀胱の中に前進させる段階とを含む。
【0025】
上記例のうちのいずれかの代わりとして又はそれに加えて、別の例では、患者の腎臓を治療する本方法は、可撓性尿管鏡がアクセスシースの管腔内に配置されている間にステントをガイドワイヤの上で前進させる段階と、可撓性尿管鏡がアクセスシースの管腔内に配置されている間にステントの遠位端を腎臓内に位置決めする段階とを含む。
【0026】
上記例のうちのいずれかの代わりとして又はそれに加えて、別の例では、患者の腎臓を治療する本方法は、可撓性尿管鏡がアクセスシースの管腔内に配置されている間に可撓性尿管鏡を用いてステントの配置を視覚的に確認する段階を含む。
【0027】
上記例のうちのいずれかの代わりとして又はそれに加えて、別の例では、可撓性尿管鏡をアクセスシースの管腔内に配置する段階を含む患者の腎臓を治療する本方法は、可撓性尿管鏡の細長シャフト上の少なくとも1つの十字線マーキングをアクセスシース上の対応する十字線マーキングと位置合わせする段階と、アクセスシースに対する可撓性尿管鏡の向きをロックする段階とを含む。
【0028】
上記例のうちのいずれかの代わりとして又はそれに加えて、別の例では、患者の腎臓を治療する本方法は、アクセスシースをガイドワイヤの上に配置する段階と、可撓性尿管鏡がアクセスシースの管腔内に配置されている間にアクセスシースを尿管口の中に前進させる段階とを含む。
【0029】
上記例のうちのいずれかの代わりとして又はそれに加えて、別の例では、アクセスシースをガイドワイヤの上に配置する段階を含む患者の腎臓を治療する本方法は、アクセスシースを可撓性尿管鏡の細長シャフトの上に配置する段階を含み、可撓性尿管鏡がアクセスシースの管腔内に配置されている間にアクセスシースを尿管口の中に前進させる段階は、可撓性尿管鏡がアクセスシースの管腔内に配置されている間に尿管口を通して可撓性尿管鏡を腎臓の中に前進させた後にアクセスシースを可撓性尿管鏡の細長シャフトの上で尿管口の中に前進させる段階を含む。
【0030】
一部の実施形態、態様、及び/又は実施例の以上の要約は、本発明の開示の各実施形態又は全ての実施を説明するように意図したものではない。以下の図面及び詳細説明は、これらの実施形態をより具体的に例証するものである。
【0031】
本発明の開示は、以下の詳細説明を添付図面に関連付けて考察することでより完全に理解することができる。要素の明確な視認及び理解を容易にするために、全ての図が必ずしも正確な縮尺で作図されたものとは限らないこと及び/又は抜粋した要素が当該図内で縮尺を変える場合があることに注意されたい。縮尺の変更は当業者には明らかであり、明示的に識別する必要はないであろう。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図2】例示的アクセスシース及び拡張器を示す図である。
【
図3】
図2に示す例示的アクセスシースとピンチ弁ブリッジとを示す図である。
【
図4】
図3に示すピンチ弁ブリッジの断面図である。
【
図5】
図2に示す例示的アクセスシースと例示的Y字ブリッジとを示す図である。
【
図6】
図2に示す例示的アクセスシースと例示的Y字ブリッジとを示す図である。
【
図7】例示的医療システム及び医療システムを使用する方法の態様を示す図である。
【
図8】例示的医療システム及び医療システムを使用する方法の態様を示す図である。
【
図9】例示的医療システム及び医療システムを使用する方法の態様を示す図である。
【
図10】例示的医療システム及び医療システムを使用する方法の態様を示す図である。
【
図11】例示的医療システム及び医療システムを使用する方法の態様を示す図である。
【
図12】例示的医療システム及び医療システムを使用する方法の態様を示す図である。
【
図13】例示的医療システム及び医療システムを使用する方法の態様を示す図である。
【
図14】例示的医療システム及び医療システムを使用する方法の態様を示す図である。
【
図15】例示的医療システム及び医療システムを使用する方法の態様を示す図である。
【
図16】可撓性尿管鏡の細長シャフトに取り付けられた細長アダプタ要素の側面図である。
【
図18】可撓性尿管鏡に取り付けられた
図16の細長アダプタ要素の遠位部分の斜視図である。
【
図19】
図16の細長アダプタ要素に関連付けられた例示的支持部材を示す図である。
【
図20】
図16の細長アダプタ要素に関連付けられた例示的支持部材を示す図である。
【
図21】
図16の細長アダプタ要素に関連付けられた例示的支持部材を示す図である。
【
図22】可撓性尿管鏡のハンドルへの
図16の細長アダプタ要素の近位部分の例示的取り付けを示す図である。
【
図23】可撓性尿管鏡のハンドルへの
図16の細長アダプタ要素の近位部分の例示的取り付けを示す図である。
【
図24】可撓性尿管鏡のハンドルへの
図16の細長アダプタ要素の近位部分の例示的取り付けを示す図である。
【
図25】可撓性尿管鏡のハンドルへの
図16の細長アダプタ要素の近位部分の例示的取り付けを示す図である。
【
図26】医療システム及び医療システムを使用する方法の態様を示す図である。
【
図27】可撓性尿管鏡に取り付けられた細長アダプタ要素の代替構成を示す図である。
【
図28】モジュール式医療デバイスの態様を示す図である。
【
図29】
図28のモジュール式医療デバイスの使い捨てシャフト部分の例示的構成を示す図である。
【
図30】
図28のモジュール式医療デバイスの使い捨てシャフト部分の例示的構成を示す図である。
【
図31】
図28のモジュール式医療デバイスの使い捨てシャフト部分の例示的構成を示す図である。
【
図32】
図28のモジュール式医療デバイスのハンドル部分の代替構成を示す図である。
【
図33】
図28のモジュール式医療デバイスの使い捨てシャフト部分に関連付けられた撮像アセンブリの例示的構成を示す図である。
【
図34】
図28のモジュール式医療デバイスの使い捨てシャフト部分に関連付けられた撮像アセンブリの例示的構成を示す図である。
【0033】
本発明の開示の態様は、様々な修正及び代替形態を受けやすいが、その詳細を図面に例示的に示し、詳細に以下に説明する。しかし、説明する特定の実施形態に本発明の開示の態様を限定する意図はないことを理解しなければならない。限定とは反対に、本発明は、本発明の開示の精神及び範囲に収まる全ての修正物、均等物、及び代替物を網羅するものとする。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下の説明は、必ずしも正確な縮尺とは限らず、いくつかの図を通して類似の参照番号が類似の要素を示す図面を参照して読解しなければならない。詳細説明及び図面は、本発明の開示を示すが、限定するように意図したものではない。当業者は、説明及び/又は図示する様々な要素を本発明の開示の範囲から逸脱することなく様々な組合せ及び構成で配置することができることを認識するであろう。詳細説明及び図面は、本発明の開示の例示的実施形態を具体的に示している。しかし、明瞭化及び理解のし易さの目的で各図面に全ての特徴及び/又は要素を示さない場合があるが、他に指定しない限り、これらの特徴及び/又は要素がいずれの場合にも存在することを理解することができる。
【0035】
以下に定める用語に関して、特許請求の範囲及び本明細書の他の箇所で異なる定義を与えない限り、これらの定義が適用されるものとする。
【0036】
本明細書では、明示的に示すか否かに関わらず、全ての数値は、用語「約」によって修飾されたものであると仮定する。数値の状況での用語「約」は、一般的に当業者が列挙する値と同等(例えば、同じ機能又は結果を有する)と見なすと考えられる数字範囲を意味する。多くの事例では、用語「約」は、最も近い有効数字に四捨五入された数字を含むことができる。用語「約」の他の訳語の使用(例えば、数値以外の状況での)は、他に指定しない限り、本明細書の関連から理解され、それと矛盾しないこの用語の通常及び通例の定義を有すると仮定することができる。
【0037】
端点による数字範囲の列挙は、端点を含む当該範囲にある全ての数字を含む(例えば、1から5までは、1、1.5、2、2.75、3、3.80、4、及び5を含む)。
【0038】
様々な構成要素、特徴、及び/又は仕様に関するいくつかの適切な寸法、範囲、及び/又は値を開示するが、本発明の開示によって喚起される当業者は、望ましい寸法、範囲、及び/又は値が明示的に開示するものから外れる可能性があることを理解するであろう。
【0039】
本明細書及び特許請求の範囲内で使用する場合に、単数形「a」、「an」、及び「the」は、状況が他に明確に定めない限り複数の指示物とを含む。本明細書及び特許請求の範囲内に使用する場合に、「又は」という用語は、状況が他に明確に定めない限り、一般的に「及び/又は」を含む意味に使用する。理解を容易にするために、本発明の開示のある一定の特徴は、それが本発明の開示の実施例内で複数であるか又は繰り返す場合があったとしても単数で説明することができることに注意されたい。これらの特徴の各事例は、反意を明示しない限り、単数での開示を含むことができる。簡略化及び明瞭化の目的で、必ずしも本発明の開示の全ての要素を各図に示す又は下記で詳細に議論するとは限らない。しかし、1よりも多い構成要素が存在する場合に、反意を明示しない限り、以下の議論は、これらの構成要素のうちのいずれかのもの及び/又は全てのものに同等に適用される場合があることは理解されるであろう。更に、明瞭化の目的で、一部の要素又は特徴の全ての事例は、各図に示さない場合がある。
【0040】
「近位」、「遠位」、「前進」、「後退」、及びこれらの変形などのような相対用語は、一般的に、デバイスのユーザ/オペレータ/マニュピュレータに対する様々な要素の位置決め、方向、及び/又は操作に関して決定することができ、「近位」及び「後退」は、ユーザに近い方又は向うことを示し又は意味し、「遠位」及び「前進」は、ユーザから遠い方又は離れることを示す又は意味する。一部の事例では、本発明の開示の理解を容易にしようとする試みで「近位」及び「遠位」という用語を任意的に割り当てる場合があるが、そのような事例は、当業者には直ちに明らかであろう。「上流」、「下流」、「流入」、及び「流出」のような他の相対用語は、身体管腔、血管のような管腔の中又はデバイス内の流体流れの方向を意味する。「軸線方向」、「周方向」、「長手方向」、「横方向」、「半径方向」など及び/又はこれらの変形のような更に他の相対用語は、一般的に、本発明の開示の構造又はデバイスの中心長手軸線に関する方向及び/又は向きを意味する。
【0041】
「広がり」という用語は、説明又は識別する寸法の最小測定値を意味すると理解することができる「最小」がこのような広がり又は寸法に前置きされていないか又はこれらの広がり又は寸法が「最小」として識別されない限り、説明又は識別する寸法の最大測定値を意味すると理解することができるであろう。例えば、「外側広がり」は、外寸を意味すると理解することができ、「半径方向広がり」は、半径方向寸法を意味すると理解することができ、「長手広がり」は、長手寸法を意味すると理解することができ、その他も同じく理解することができるであろう。「広がり」の各例は、異なる(例えば、軸線方向、長手方向、横方向、半径方向、周方向のような)場合があり、当業者には個々の使用状況から明らかであろう。一般的に「広がり」は、意図する使用に従って測定された可能な最大の寸法と見なすことができ、それに対して「最小広がり」は、意図する使用に従って測定された可能な最小の寸法と見なすことができる。一部の事例では、「広がり」は、一般的に平面及び/又は断面内で直交方向に測定することができるが、特定の状況から明らかなように、例えば、角度方向、半径方向、周方向(例えば、弧に沿う)等であるがこれらに限定されない別様で測定することができる。
【0042】
「モノリシック」及び「単体」という用語は、一般的に、単一構造体又は基本ユニット/要素から製造又は構成された1又は複数の要素を意味するものとする。モノリシック及び/又は単体要素は、複数の個別の構造又は要素を互いに組み立てるか又は他に継ぎ合わせることによって製造された構造及び/又は特徴を除外するものとする。
【0043】
本明細書での「実施形態」、「一部の実施形態」、「他の実施形態」等への参照は、説明する実施形態が特定の特徴、構造、又は特質を含むことができるが、全ての実施形態がこれら特定の特徴、構造、又は特質を必ずしも含むとは限らない場合があることを示すことに注意されたい。更に、そのような語句は、必ずしも同じ実施形態を参照しているとは限らない。更に、特定の特徴、構造、又は特質を実施形態に関して説明する時に、明示的に説明するか否かに関わらず、反意を明示しない限り、他の実施形態に関してこれら特定の特徴、構造、又は特質を実施することは当業者の認識内であろう。すなわち、当業者には理解されるように、下記で説明する様々な個々の要素は、特定の組合せで指定しない場合であっても、他の追加の実施形態を形成するために又は説明する実施形態を相補及び/又は拡張するために互いに組合せ可能又は配置可能であることを依然として考えている。
【0044】
明瞭化の目的で、説明及び/又は主張する様々な特徴に命名するために及び/又はこれらの特徴の間で区別するために、本明細書及び/又は特許請求の範囲を通してある一定の識別数字命名法(例えば、第1、第2、第3、第4のような)を使用することができる。この数字命名法は、限定的であるように意図したものではなく、単に例示的であることを理解しなければならない。一部の実施形態では、簡潔化及び明瞭化の目的で、以前に用いた数字命名法の変更及びそれからの逸脱を行う場合がある。すなわち、「第1」の要素と識別した特徴は、後に「第2」の要素、「第3」の要素等と呼ぶ場合があり、又は完全に除外する場合及び/又は異なる特徴を「第1」の要素と呼ぶ場合がある。各事例での意味及び/又は表示は、当業者には明らかであろう。
【0045】
以下の図は、医療デバイス及び/又は医療システムの代表的な構成要素及び/又は配置、及び/又はこれらのデバイス及び/又はシステムを使用する方法を示している。いずれか所与の図では、簡略化の目的で一部の特徴を示していない場合があるか又は概略的にしか示していない場合があることに注意されたい。システムの構成要素のうちの一部に関する追加の詳細を他の図によって詳細に示す場合がある。尿路にアクセスし、そこを治療する状況で議論するが、システムは、患者の体での他の介入及び/又は経皮医療手順に使用することができる。一部の事例では、システムは、腎盂尿管鏡が使用される腎切石術(PCNL)手順中に使用することができる。同様に、経皮留置に関して本明細書に説明するデバイス及び方法は、他のタイプの手術手順に使用することができる。例えば、一部の例では、デバイスは、非経皮手順に使用することができる。本発明の開示によるデバイス及び方法は、解剖学的構造内の他の使用に適するように適応させること及び構成することができる。
【0046】
図1は、尿路のような患者の体内の解剖学的部位にアクセスし、そこを治療するための医療システムを示している。例えば、システムは、腎臓及び/又は尿管を含む上部尿路を治療するのに使用されるように構成することができ、又は膀胱及び/又は尿道を含む下部尿路を治療するのに使用されるように構成することができる。図示のように、医療システムは、尿管鏡20(可撓性尿管鏡とすることができる)と膀胱鏡10とを含むことができる。膀胱鏡10は、膀胱鏡10の作動管腔と連通しているカメラ又は撮像システム12を含む。膀胱鏡10は、その作動管腔と連通している側面ポート14を更に含む。膀胱鏡10は、ほぼ剛性のもの(剛性細長シャフトを含む)であり、患者の膀胱に尿道を通ってアクセスするために術者によって使用される。次に、側面ポート14を通して別個の医療デバイスを挿入し、尿道、膀胱、尿管、及び/又は腎臓にアクセス可能である。尿管鏡20は、独自のカメラ又は撮像システムを含むことができる。この配置の結果として作用及び構成要素の重複が発生し、それによって実施中の手順のコストが増加する。一部の場合に、撮像構成要素及びそれに関連付けられた電子機器は、尿管鏡20及び/又は膀胱鏡10内で最も高額な構成要素である。
【0047】
図2は、泌尿器科手順に使用するための一部の事例で尿管鏡シースとも呼ばれる場合があるアクセスシース100を示している。一部の事例では、アクセスシース100は、本発明の開示による医療システムでは膀胱鏡10の代わりに使用することができる膀胱鏡シースと見なすことができる。他の事例では、アクセスシース100は、本発明の開示による医療システムでは腎盂尿管鏡の代わりに使用することができる腎盂尿管鏡シースと見なすことができる。アクセスシース100は、管状部材とすることができ、近位端104から遠位開口部106まで延びる管腔102(例えば、
図3)を含むことができる。一部の実施形態では、アクセスシース100は、約9.1インチ(約23センチメートル)の長さを有することができる。一部の実施形態では、アクセスシース100は、約7.5インチ(約19センチメートル)、約8インチ(約20.3センチメートル)、約8.5インチ(約21.6センチメートル)、約9.5インチ(約24.1センチメートル)、約10インチ(約25.4センチメートル)、約10.5インチ(約26.7センチメートル)のような長さを有することができる。
【0048】
一部の実施形態では、医療システムは、閉塞具120を更に含むことができる。閉塞具120は、アクセスシース100を身体管腔(例えば、尿道)内で前進させる時にアクセスシース100の管腔102内に摺動可能に配置されるように構成することができる。少なくとも一部の実施形態では、アクセスシース100は、構造的に実質的に剛性とする(例えば、剛性細長シャフトを含む)ことができる。一部の実施形態では、アクセスシース100は、放射線不透過材料(例えば、金属材料、放射線不透過物質が混入されたポリマー材料のような)から形成することができる。一部の実施形態では、アクセスシース100は、それに固定された及び/又はその中に埋め込まれた1又は2以上の放射線不透過マーカーを含むことができる。一部の実施形態では、アクセスシース100は、近位端104と遠位端との間で長手方向に延びる補強編組及び/又は補強コイルを含む及び/又はそれを用いて形成することができる。
【0049】
アクセスシース100は、閉塞具120を用いずに挿入を容易にするために嘴状部110と丸縁部とを有する非外傷性遠位先端を含むことができる。一部の実施形態では、遠位先端は、アクセスシース100の残余よりも軟質の材料から形成するか又はそれで覆うことができる。一部の実施形態では、アクセスシース100は、灌流及び/又は吸引を提供するために管腔102と流体連通する第1の側面ポート112と第2の側面ポート114とを含むことができる。第1の側面ポート112及び/又は第2の側面ポート114の各々は、そこを通る流体流れを制御するためにこれらのポートに固定された止め栓116又は他の弁を任意的に含むことができる。一部の実施形態では、止め栓116は、流体流れ(例えば、灌流、吸引のような)を必要としないか又はその利益が得られない手順でアクセスシース100のコストを低減するのに必要に応じて手順中又は手順の準備中にアクセスシース100に提供することができる。従って、少なくとも一部の実施形態では、アクセスシース100は、医療システムの使い捨て構成要素(例えば、単回使用デバイス)とすることができる。
【0050】
一部の実施形態では、管腔102は、第1の側面ポート112と第2の側面ポート114の間の方向に延びる長軸と、長軸と垂直に、更に管腔102及び/又はアクセスシース100の中心長手軸線と垂直に延びる短軸とを有する長円形又は楕円形の断面形状を有することができる。他の構成及び/又は断面形状も見込んでいる。閉塞具120は、管腔102の断面形状と同じ及び/又はそれに対して相補的な断面外形を有することができる。一部の実施形態では、閉塞具120は、それを通って延びる管腔122を含むことができる。閉塞具120の管腔122は、ガイドワイヤ、可撓性視鏡、又は他の医療デバイスを閉塞具120に通して患者の膀胱及び/又は尿路にアクセスするのに有利とすることができる。一部の実施形態では、閉塞具120は、ポリマー材料から形成することができる。閉塞具120は、女性患者の膀胱内へのブラインド挿入に有利とすることができる。少なくとも一部の実施形態では、閉塞具120は、アクセスシース100の近位ハブ108に解除可能にロックすることができる。一部の実施形態では、閉塞具120の近位部分は、閉塞具120の遠位部分よりも大きいか又は小さい外側広がり及び/又はプロファイルを有することができる。一部の実施形態では、閉塞具120の遠位先端及び/又は遠位端は、閉塞具120の残余及び/又は閉塞具120のシャフトの外側広がり及び/又はプロファイルよりも大きい外側広がり及び/又はプロファイルを有することができる。
【0051】
少なくとも一部の実施形態では、医療システムは、ブリッジ130を含むことができる。本明細書ではブリッジ130の複数の例を説明する。様々な例を参照番号に付加したアルファベット文字を用いて表示することにする(例えば、ブリッジ130A、ブリッジ130B、ブリッジ130Cのような)。本明細書ではこれらの各々を全称的な参照名「ブリッジ130」を用いて示すことができ、ブリッジ130の様々な例は、使用及び望ましい特徴に依存して交換する及び/又は入れ替えることができる。更に、ブリッジ130の様々な例の共通及び/又は類似の要素を各例で同じ参照番号を用いて示すことができる。ブリッジ130は、アクセスシース100の近位ハブ108の場所に配置する及び/又はそれに固定することができる(存在する/使用される場合に閉塞具120の取り外し後に)。一部の実施形態では、ブリッジ130は、第1の構成では閉塞具120をアクセスシース100に対して固定するように構成され、第2の構成では閉塞具120がアクセスシース100に対して移動及び/又は摺動することを可能にするように構成された弁(例えば、Touhy-Borstコネクタのような)を含むことができる。
図3は、ピンチ弁ブリッジ130Aを有するアクセスシース100を示す分解部分断面図である。
図3に示すように、管腔102は、近位ハブ108内で近位方向に半径方向外向きに先細加工することができる。近位ハブ108は、ブリッジ130を受け入れる及び/又はそれに固定するように構成することができる。
図3に示す例では、ピンチ弁ブリッジ130Aは、近位ハブ108に解除可能に取り付けられるように構成される。少なくとも一部の実施形態では、ピンチ弁ブリッジ130Aは、ツイスト-ロック機構を用いて近位ハブ108に解除可能に取り付けることができる。一部の実施形態では、ピンチ弁ブリッジ130Aは、近位ハブ108及び/又はアクセスシース100に固定的及び/又は永久的に取り付けることができる。
【0052】
ピンチ弁ブリッジ130Aは、それを通って延びる第1の管腔132と第2の管腔134とを含むことができる。ピンチ弁ブリッジ130Aは、その外面に沿って摺動可能に配置された第1のスライド136と第2のスライド138とを含むことができる。第1のスライド136と第2のスライド138とは、互いに独立に移動するように構成することができる。他の例では、第1のスライド136と第2のスライド138とは、互いに固定することができ、及び/又は単体及び/又はモノリシック構造体として形成することができ、及び/又は一緒に移動することができる。第1のスライド136は、第1の管腔132に付属させることができ、第2のスライド138は、第2の管腔134に付属させることができる。
図4に示すように、ピンチ弁ブリッジ130Aは、第1のスライド136及び第1の管腔132に関連付けられた第1の偏向可能タブ140を含むことができる。ピンチ弁ブリッジ130Aは、第2のスライド138及び第2の管腔134に関連付けられた第2の偏向可能タブ142を含むことができる。ピンチ弁ブリッジ130Aは、そこに配置されたポリマー密封要素144を含むことができる。ポリマー密封要素144は、第1の管腔132及び/又は第2の管腔134の少なくとも一部分を形成することができる。一部の実施形態では、第1の管腔132は、第2の管腔134の内側広がりよりも大きい内側広がりを有することができる。一部の実施形態では、第1の管腔132の内側広がりは、第2の管腔134の内側広がりよりも小さくすることができる。一部の実施形態では、第1の管腔132の内側広がりは、第2の管腔134の内側広がりと実質的に同じにすることができる。
【0053】
第1のスライド136は、ピンチ弁ブリッジ130Aの外面に沿い、第1の偏向可能タブ140の上で摺動し、それによって第1の偏向可能タブ140を半径方向内向きにポリマー密封要素144に接する及び/又はそれとの接触状態になるように偏向させるように構成することができる。第1の偏向可能タブ140を半径方向内向きに偏向させることにより、ポリマー密封要素144を変形させること、及び/又はポリマー密封要素144内で第1の管腔132の内側広がりを縮小することができる。明らかなように、医療デバイスが第1の管腔132内に配置されている間に第1の偏向可能タブ140を半径方向内向きに偏向させることにより、ポリマー密封要素144を医療デバイスに接するように実質的に変形させて第1の管腔132を密封することができる。医療デバイスが第1の管腔132内に配置されている間に第1の偏向可能タブ140を半径方向内向きに偏向させることにより、アクセスシース100に対する医療デバイスの向きをロックすることができる。
【0054】
同様に、第2のスライド138は、ピンチ弁ブリッジ130Aの外面に沿い、第2の偏向可能タブ142の上で摺動し、それによって第2の偏向可能タブ142を半径方向内向きにポリマー密封要素144に接する及び/又はそれとの接触状態になるように偏向させるように構成することができる。第2の偏向可能タブ142を半径方向内向きに偏向させることにより、ポリマー密封要素144を変形させること、及び/又はポリマー密封要素144内で第2の管腔134の内側広がりを縮小することができる。明らかなように、医療デバイスが第2の管腔134内に配置されている間に第2の偏向可能タブ142を半径方向内向きに偏向させることにより、ポリマー密封要素144を医療デバイスに接するように実質的に変形させて第2の管腔134を密封することができる。医療デバイスが第2の管腔134内に配置されている間に第2の偏向可能タブ142を半径方向内向きに偏向させることにより、アクセスシース100に対する医療デバイスの向きをロックすることができる。
【0055】
図5は、アクセスシース100をブリッジ130Bと共に例示している。ブリッジ130BはY字ブリッジである。ブリッジ130Bは、第1の管腔132と第2の管腔134とを含むことができる。一部の実施形態では、第1の管腔132は、真っ直ぐな管腔とすることができ、第2の管腔134は、湾曲及び/又は傾斜した管腔とすることができる。ブリッジ130Bは、第1の管腔132に関連付けられた第1の接続金具146と、第2の管腔134に関連付けられた第2の接続金具148とを含むことができる。第1の接続金具146及び第2の接続金具148には様々なタイプの接続金具を使用することができる。図示の例では、第1の接続金具146は、作動された時に接続金具内に配置されたポリマー密封部材に接するように1又は2以上のプランジャを半径方向内向きに変位させて第1の管腔132を開閉し、及び/又は第1の管腔132内に配置された医療デバイスを密封し、及び/又はアクセスシース100に対する医療デバイスの向きをロックするように構成されたレバー149を有するカム接続金具を含むことができる。
図5に示す例では、第2の接続金具148は、作動された時に第2の管腔134を開閉し、及び/又は第2の管腔134内に配置された医療デバイスを密封し、及び/又はアクセスシース100に対する医療デバイスの向きをロックするように構成された止め栓116を含むことができる。
図6に示す代替例では、ブリッジ130Cは、一方が第1の管腔132及び第2の管腔134の各々に関連付けられた2つの第1の接続金具146を含むY字ブリッジとすることができる。他の構成も見込んでいる。一部の実施形態では、ブリッジ130B/130Cは、近位ハブ108に解除可能に取り付けられるように構成することができる。一部の実施形態では、ブリッジ130B/130Cは、近位ハブ108にツイスト-ロック機構を用いて解除可能に取り付けることができる。一部の実施形態では、ツイスト-ロック機構は、近位ハブ108から半径方向外向きに延びる複数のタブ109と、ブリッジ130B/130Cの遠位カラー131内に形成された複数のL字形スロットとを含むことができ、この場合に、複数のL字形スロットは、その中に複数のタブ109を受け入れるように構成される。他の構成も見込んでいる。一部の実施形態では、ブリッジ130B/130Cは、近位ハブ108及び/又はアクセスシース100に固定的及び/又は永久的に取り付けることができる。
【0056】
図7は、使用時の医療システムの態様を示している。医療システムは、本明細書に説明するアクセスシース100を含むことができる。一部の実施形態では、逆行性手法で医療システムを使用する方法及び/又は患者の腎臓30のような患者の尿路を治療する方法は、アクセスシース100の非外傷性遠位先端を患者の尿道42を通して膀胱40の中に前進させる段階を含むことができる。女性患者を治療する時は、アクセスシース100を膀胱40の中に前進させる間にアクセスシース100の管腔102の中に閉塞具120を配置することができる。本方法は、次に、閉塞具120をアクセスシース100の管腔102から取り出す段階を含むことができる。
【0057】
一部の実施形態では、医療システムは、アクセスシース100の近位端104及び/又は近位ハブ108に解除可能に固定されたブリッジ130を含むことができる。ブリッジ130は、それを通って延びてアクセスシース100の管腔102と流体連通する管腔(例えば、第1の管腔132、第2の管腔134のような)を含むことができる。一部の実施形態では、ブリッジ130は、それを通って延びてアクセスシース100の管腔102と流体連通する複数の管腔(例えば、第1の管腔132、第2の管腔134のような)を含むことができる。一部の実施形態では、患者の腎臓30を治療する方法は、ブリッジ130の1又は複数の管腔(例えば、第1の管腔132、第2の管腔134のような)がアクセスシース100の管腔102との流体連通状態になるようにブリッジ130をアクセスシース100の近位端104及び/又は近位ハブ108に解除可能に固定する段階を含むことができる。
【0058】
医療システムは、ハンドル162と、そこから遠位に延びる細長シャフト164とを含む可撓性尿管鏡160を含むことができる。可撓性尿管鏡160の細長シャフト164は、偏向可能遠位先端166を含むことができ、約26.5インチ(約67.3センチメートル)の長さを有することができる。一部の実施形態では、細長シャフト164は、約15インチ(約38.1センチメートル)、約20インチ(約50.8センチメートル)、約25インチ(約63.5センチメートル)、約28インチ(約71.1センチメートル)、約30インチ(約76.2センチメートル)、約35インチ(約88.9センチメートル)のような長さを有することができる。細長シャフト164は、アクセスシース100の管腔102内で摺動可能に配置されるように構成することができる。一部の実施形態では、細長シャフト164は、ブリッジ130の1又は複数の管腔(例えば、第1の管腔132、第2の管腔134のような)内で摺動可能に配置されるように構成することができる。一部の実施形態では、細長シャフト164は、アクセスシース100の管腔102及びブリッジ130の1又は複数の管腔(例えば、第1の管腔132、第2の管腔134のような)内で摺動可能に配置されるように構成することができる。
【0059】
可撓性尿管鏡160のハンドル162は、遠位端と、近位端と、これらの端部の間に配置された中間領域とを含むことができる。一般的に、細長シャフト164は、ポリマー又は金属のチューブの形態を取ることができる。一部の実施形態では、細長シャフト164は、補強編組、補強ライナ、補強織物、補強織布などを用いて構成することができる。細長シャフト164は、その遠位端領域からアクセスポート168まで細長シャフト164を通って延びる及び/又はハンドル162に接続された作動チャネルを定める管腔を含むことができる。一部の実施形態では、細長シャフト164は、必要に応じて複数の作動チャネルを含むことができる。
【0060】
可撓性尿管鏡160の細長シャフト164の偏向可能遠位先端166は、そこに配置された光学系及び照明手段を含むことができる。光学系及び照明手段は、治療中及び/又は偏向可能遠位先端166が通過中の患者の部位の光学的可視化を提供するように構成することができる。可撓性尿管鏡160のハンドル162は、可撓性尿管鏡160の光学系及び照明手段をコントローラ、モニタ、ディスプレイ、コンピュータ等に接続するように構成された電子機器及び光学系のコネクタ175を含むことができる。
【0061】
ハンドル162は、作動中に細長シャフト164の偏向可能遠位先端166の移動を制御するのに使用することができる偏向ノブ170を含むことができる。例えば、偏向ノブ170は、細長シャフト164の偏向可能遠位先端166の上下の移動又は偏向を制御することができる。偏向ノブ170は、解除された後に偏向ノブ170及び/又は偏向可能遠位先端166を偏向位置に維持する自動ロック型又は摩擦ロック型のノブとすることができる。ハンドル162は、可撓性尿管鏡160の管腔を通じた空気、生理食塩水、水、及び/又は血液の灌流及び/又は吸引又は他の機能を必要に応じて作動させるのに使用することができる1又は複数のボタン172を更に含むことができる。これらは単なる例に過ぎない。可撓性尿管鏡160に対する他の構成、変形、及び/又は特徴も見込んでいる。
【0062】
一部の実施形態では、ハンドル162は、その近位端に及び/又はそれに隣接して位置決めされた開口178を含むことができる。一部の実施形態では、開口178は、ハンドル162の中に一体的に形成することができる。一部の実施形態では、開口178は、ハンドル162の近位端に固定的及び/又は永久的に取り付けることができる。一部の実施形態では、ハンドル162は、開口178を用いて懸架することができる。例えば、ハンドル162は、IVポール、患者のドレープ、術者のガウン、術者の首の周りに吊り下げることができる首紐又はストラップ、機械的アームのような上にフック、ループ、弾性コード、ネジ、及びクリップなどを用いて吊り下げることができると考えられる。一例では、ハンドル162は、可撓性尿管鏡160のハンドル162の重量に釣り合う一定の力のバネを有する伸縮性首紐を用いてこの首紐とハンドル162とが釣り合い状態に留まって手を離した時のハンドル162の懸架位置を維持するように吊り下げることができる。これは、使用中に術者が感じるハンドル162の重量を低減することができる。別の例では、ハンドル162は、爪車型のロッキング機構を有する伸縮性首紐を用いて吊り下げることができる。
【0063】
一部の実施形態では、患者の腎臓30を治療する方法は、可撓性尿管鏡160及び/又はその細長シャフト164をアクセスシース100の管腔102内に配置する段階を含むことができる。一部の実施形態では、患者の腎臓30を治療する本方法は、可撓性尿管鏡160の細長シャフト164の偏向可能遠位先端166をアクセスシース100の管腔の中に前進させる段階を含むことができる。一部の実施形態では、患者の腎臓30を治療する本方法は、可撓性尿管鏡160の細長シャフト164の偏向可能遠位先端166をアクセスシース100の遠位開口部106に及び/又はそれに近いように配置する段階を含むことができる。
【0064】
一部の実施形態では、可撓性尿管鏡160の細長シャフト164は、その外面上に配置されて偏向可能遠位先端166をアクセスシース100の遠位開口部106に位置決めするように構成された少なくとも1つの十字線マーキング174又は他の印を含むことができる。一部の実施形態では、少なくとも1つの十字線マーキング174は、偏向可能遠位先端166をアクセスシース100の遠位開口部106に対して回転方向に配置する及び/又は向けるように構成することができる。一部の実施形態では、少なくとも1つの十字線マーキング174は、偏向可能遠位先端166をアクセスシース100の遠位開口部106に対して長手方向に配置するように構成することができる。一部の実施形態では、アクセスシース100の近位ハブ108上、ブリッジ130上、及び/又は可撓性尿管鏡160と併用可能な1又は2以上の他の医療デバイス(本明細書に説明する)上に、アクセスシース100の遠位開口部106に対する可撓性尿管鏡160の細長シャフト164の偏向可能遠位先端166の位置決め及び/又は向きを容易にするための対応する十字線マーキング176又は他の印を配置することができる。
【0065】
例えば、一部の実施形態では、医療システムは、可撓性尿管鏡160の細長シャフト164と同時にアクセスシース100の管腔102内に摺動可能に配置されるように構成されたアクセスシース150を更に含むことができる。一部の実施形態では、アクセスシース150を可撓性尿管鏡160の細長シャフト164の上に配置することができ、及び/又は可撓性尿管鏡160の細長シャフト164をアクセスシース150の管腔内に配置することができる。一部の実施形態では、アクセスシース150は、その近位端に配置されたTouhy-Borstコネクタ152を含むことができる。一部の実施形態では、
図7に示すように、Touhy-Borstコネクタ152は、その上に配置された対応する十字線マーキング176を含むことができる。
【0066】
代替構成では、アクセスシース150は、アクセスシース100の管腔102内で可撓性尿管鏡160の細長シャフト164と一緒に配置することができる。例えば、アクセスシース150をブリッジ130の第1の管腔132内に配置することができ、可撓性尿管鏡160の細長シャフト164をブリッジ130の第2の管腔134内に配置することができ、アクセスシース150と細長シャフト164との両方は、ブリッジ130からアクセスシース100の管腔102の中に延びることができる。別の例では、アクセスシース150をブリッジ130の第2の管腔134内に配置することができ、可撓性尿管鏡160の細長シャフト164をブリッジ130の第1の管腔132内に配置することができ、アクセスシース150と細長シャフト164との両方は、ブリッジ130からアクセスシース100の管腔102の中に延びることができる。第1の管腔132及び第2の管腔134は、意図する使用及び/又はこれらの管腔内に摺動可能に配置されることが意図される医療デバイスに従ってサイズ決定することができる。
【0067】
一部の実施形態では、患者の腎臓30を治療する本方法は、アクセスシース100を尿道42を通して患者の膀胱40の中に前進させる前に可撓性尿管鏡160をアクセスシース100の管腔102内に配置する段階を含むことができる。そうすることにより、アクセスシース100を尿道42を通して膀胱40の中まで誘導する及び/又は前進させる際に術者が可撓性尿管鏡160の光学系を利用することを可能にすることができる。これは、アクセスシース100を男性患者の尿道42を通して前進させる時に有利とすることができる。患者の腎臓30を治療する本方法は、アクセスシース100を女性患者の尿道42を通して前進させる前にも可撓性尿管鏡160をアクセスシース100の管腔102内に配置する段階を含むことができる。可撓性尿管鏡160内に既に存在する光学系の使用は、手順中の機器及び機能の重複を回避し、手順コストの低減を容易にする。
【0068】
一部の実施形態では、可撓性尿管鏡160の細長シャフト164をアクセスシース100の管腔102内に配置する段階は、可撓性尿管鏡160の細長シャフト164上の少なくとも1つの十字線マーキング174をアクセスシース100の近位ハブ108上、ブリッジ130上、アクセスシース150のTouhy-Borstコネクタ152上、及び/又は可撓性尿管鏡160と併用される別の医療デバイス上の対応する十字線マーキング176と位置合わせする(長手方向及び/又は回転方向に)段階と、可撓性尿管鏡160の細長シャフト164の向きをアクセスシース100、ブリッジ130、アクセスシース150等に対して長手方向及び/又は回転方向にロックする段階とを含むことができる。
【0069】
一部の実施形態では、細長シャフト164の偏向可能遠位先端166がアクセスシース100の遠位開口部106に配置されている時に、細長シャフト164の長さの少なくとも10%は、アクセスシース100、近位ハブ108、及び/又はブリッジ130の近位を延びる。一部の実施形態では、細長シャフト164の偏向可能遠位先端166がアクセスシース100の遠位開口部106に配置されている時に、細長シャフト164の長さの少なくとも20%は、アクセスシース100、近位ハブ108、及び/又はブリッジ130の近位を延びる。一部の実施形態では、細長シャフト164の偏向可能遠位先端166がアクセスシース100の遠位開口部106に配置されている時に、細長シャフト164の長さの少なくとも30%は、アクセスシース100、近位ハブ108、及び/又はブリッジ130の近位を延びる。一部の実施形態では、細長シャフト164の偏向可能遠位先端166がアクセスシース100の遠位開口部106に配置されている時に、細長シャフト164の長さの少なくとも40%は、アクセスシース100、近位ハブ108、及び/又はブリッジ130の近位を延びる。
【0070】
一部の実施形態では、偏向可能遠位先端166は、アクセスシース100内に位置決めされ、それによって保護することができる一方で、例えば、膀胱40の可視化(例えば、照明及び撮像)を提供するために遠位開口部106を通って偏向するように構成することができる。一部の実施形態では、偏向可能遠位先端166は、可撓性尿管鏡160の細長シャフト164の中心長手軸線に対して垂直な偏向平面内で偏向する(例えば、平面的に)ように構成することができる。可撓性尿管鏡160の細長シャフト164上の少なくとも1つの十字線マーキング174をアクセスシース100の近位ハブ108上、ブリッジ130上、アクセスシース150のTouhy-Borstコネクタ152上、及び/又は可撓性尿管鏡160と併用される別の医療デバイス上の対応する十字線マーキング176と位置合わせする段階は、偏向ノブ170によって作動された時に、
図8に見られるように偏向平面をアクセスシース100の遠位先端から近位に延びることができるアクセスシース100の遠位開口部106と回転方向に位置合わせされ及び/又は向けられ、それによって偏向可能遠位先端166に対してアクセスシース100の外部への通路を与える段階を含むことができる。
【0071】
一部の実施形態では、患者の腎臓30を治療する本方法は、偏向可能遠位先端166をアクセスシース100の遠位開口部106を通して偏向させる段階を含むことができる。一部の実施形態では、患者の腎臓30を治療する本方法は、可撓性尿管鏡160の細長シャフト164がアクセスシース100の管腔102内に配置されている間に可撓性尿管鏡160の細長シャフト164の偏向可能遠位先端166を用いて膀胱40内の尿管口44を視覚的に位置付ける段階を含むことができる。可撓性尿管鏡160の偏向可能遠位先端166を使用する段階は、膀胱鏡10(例えば、
図1)内に見られる固定光学系を使用する段階よりも高い柔可撓性及び大きい視野を可能にする。
【0072】
患者の腎臓30を治療する本方法は、可撓性尿管鏡160の作動管腔の中にガイドワイヤ158を挿入する段階を含むことができる。一部の実施形態では、ガイドワイヤは、偏向可能遠位先端166を偏向させる前に可撓性尿管鏡の作動管腔の中に挿入することができる。一部の実施形態では、ガイドワイヤは、偏向可能遠位先端166を偏向させた後及び/又は尿管口44の場所を視覚的に決定した後に可撓性尿管鏡の作動管腔の中に挿入することができる。
【0073】
患者の腎臓30を治療する本方法は、ガイドワイヤ158を可撓性尿管鏡160の作動チャネルを通して
図9に示すように尿管口44の中に、可能な場合は尿管46を通して腎臓30まで前進させる段階を含むことができる。ガイドワイヤを尿管口44及び/又は腎臓30の中に前進させた後に、患者の腎臓30を治療する本方法は、
図10に示すように、可撓性尿管鏡160の細長シャフト164がアクセスシース100の管腔102内に配置されている間に可撓性尿管鏡160の偏向可能遠位先端166及び/又は細長シャフト164を尿管口44を通して腎臓30まで又はその中に前進させる段階を含むことができる。一部の実施形態では、患者の腎臓30を治療する本方法は、可撓性尿管鏡160の細長シャフト164がアクセスシース100の管腔102内に配置されている間に腎臓30内で可撓性尿管鏡160を用いて手順を実行する段階を含むことができる。一例では、可撓性尿管鏡160は、それを用いて及び/又はその作動管腔の中に及び/又はそれを通して配置された別の医療デバイス(例えば、レーザファイバ、回収ネット、鉗子、固定化デバイス、結石押し流しデバイスのような)を用いて粉砕及び/又は除去することができる腎結石を識別及び/又は見出すのに使用することができる。
【0074】
一部の実施形態では、患者の腎臓30を治療する本方法は、アクセスシース150をガイドワイヤ158の上に配置する段階を含むことができる。一部の実施形態では、患者の腎臓30を治療する本方法は、アクセスシース150を可撓性尿管鏡160の細長シャフト164の上に配置する段階を含むことができる。一部の実施形態では、アクセスシース150をガイドワイヤ158の上に配置する段階は、アクセスシース150を可撓性尿管鏡160の細長シャフト164の上に配置する段階を含むことができる。一部の実施形態では、アクセスシース150は、ガイドワイヤ158を可撓性尿管鏡160の作動管腔の中に挿入する前に、
図7~
図9に示すように可撓性尿管鏡160の細長シャフト164の上に配置することができる。一部の実施形態では、アクセスシース150をガイドワイヤ158の上に配置する段階は、ガイドワイヤ158を可撓性尿管鏡160の作動管腔を通してかつ可撓性尿管鏡160の細長シャフト164の周りに配置されたアクセスシース150の管腔を通して前進させる段階を含むことができる。
【0075】
一部の実施形態では、患者の腎臓30を治療する本方法は、ガイドワイヤ158を尿管口44及び/又は腎臓30の中に前進させる時にアクセスシース150をアクセスシース100に対して静止状態に保持する段階を含むことができる。一部の実施形態では、患者の腎臓30を治療する本方法は、
図10に示すように、可撓性尿管鏡160の偏向可能遠位先端166及び/又は細長シャフト164を尿管口44及び/又は腎臓30の中に前進させる時にアクセスシース150をアクセスシース100に対して静止状態に保持する段階を含むことができる。
【0076】
一部の実施形態では、患者の腎臓30を治療する本方法は、可撓性尿管鏡160がアクセスシース100の管腔102内に配置されている間にアクセスシース150を尿管口44の中に前進させる段階を含むことができる。一部の実施形態では、患者の腎臓30を治療する本方法は、可撓性尿管鏡160がアクセスシース100の管腔102内に配置されている間に可撓性尿管鏡160の偏向可能遠位先端166及び/又は細長シャフト164を尿管口44を通して腎臓30の中に前進させた後に、
図11に示すようにアクセスシース150を可撓性尿管鏡160の細長シャフト164の上で尿管口44の中に前進させる段階を含むことができる。一部の実施形態では、アクセスシース150は、そのTouhy-Borstコネクタ152がブリッジ130に、それに隣接して、及び/又はそれに対して位置決めされる位置まで前進させることができる。一部の実施形態では、アクセスシース150は、その遠位端が腎臓30の場所に、それに近いように、及び/又はそこに配置される位置まで前進させることができる。一部の実施形態では、アクセスシース150は、その遠位端が尿管46内に配置される位置まで前進させることができる。
【0077】
一部の実施形態では、患者の腎臓30を治療する本方法は、ガイドワイヤ158の遠位端を腎臓30及び/又は尿管46内に維持しながら可撓性尿管鏡160をアクセスシース100の管腔102から取り出す段階を含むことができる。一部の実施形態では、患者の腎臓30を治療する本方法は、可撓性尿管鏡160をアクセスシース100の管腔102から取り出した後に、
図12に見られるように可撓性尿管鏡160の偏向可能遠位先端166をアクセスシース100の管腔102を通してガイドワイヤ158と一緒に膀胱40の中に前進させる段階を含むことができる。例えば、一部の実施形態では、ガイドワイヤ158をブリッジ130の第1の管腔132及びアクセスシース100の管腔102内に維持することができ、可撓性尿管鏡160をブリッジ130の第2の管腔134を通してアクセスシース100の管腔102の中にガイドワイヤ158と一緒に挿入する及び/又は前進させることができる。一部の実施形態では、アクセスシース150は、アクセスシース100の管腔102から可撓性尿管鏡160と共に取り出し、次に、廃棄することができる。一部の実施形態では、アクセスシース150は、可撓性尿管鏡160が取り出された後に尿管46及び/又は腎臓30の中に延びるようにガイドワイヤ158に沿う予め決められた位置に維持することができる。
【0078】
患者の腎臓30を治療する本方法は、可撓性尿管鏡160の細長シャフト164がアクセスシース100の管腔102内に配置されている間にステント190をガイドワイヤ158の上で前進させる段階を含むことができる。一部の実施形態では、ステント190は、可撓性尿管鏡160の細長シャフト164がアクセスシース100の管腔102内に配置されている間にガイドワイヤ158の上でかつアクセスシース150内で前進させることができる。患者の腎臓30を治療する本方法は、可撓性尿管鏡160の細長シャフト164がアクセスシース100の管腔102内に配置されている間に
図13に示すようにステント190の遠位端192を腎臓30内に配置する段階を更に含むことができる。その後に、ガイドワイヤ158及び/又はアクセスシース150を尿管46及び膀胱40からアクセスシース100の管腔102を通して取り出すことができる。ステント190の近位端194は、膀胱40内に配置及び/又は配置することができる。例えば、ステント190は、尿管46内に配置される管状の構造体とし、流体(例えば、尿)を腎臓30から膀胱40に搬送するように構成することができる。一部の実施形態では、患者の腎臓30を治療する本方法は、可撓性尿管鏡160の細長シャフト164がアクセスシース100の管腔102内に配置されている間に可撓性尿管鏡160の光学系を用いてステント190の配置を視覚的に確認する段階を含むことができる。
【0079】
図14及び
図15は、患者の尿路を順行性アプローチで治療するための使用での医療システムの追加の態様を示している。そのような方法では、患者の腎臓30に皮膚の切開部位又は穿刺部位を通してアクセス可能である。例えば、腎臓30を通して尿路にアクセスするために、臨床医は、PCNL手順と類似の技術を使用することができる。例えば、臨床医は、最初に患者の背部にある穿刺部位を通して腎臓30まで針を進めることができる。次に、針の管腔を通してガイドワイヤをその遠位先端が腎臓30内に配置されるように前進させることができる。その後に、腎臓30へのアクセスを維持するのに適する位置にガイドワイヤを残しながら針を引き戻すことができる。針を取り出した後に、一連の拡張器をガイドワイヤの上で前進させる、及び/又は先に位置決めた拡張器に腎臓30へのアクセス経路を拡張させることができる。十分に拡張されると、剛性アクセスシース100のようなアクセスシースを穿刺部位を通して腎臓30の内部まで前進させることができる。例えば、
図14に示すように、アクセスシース100は、その遠位端を腎臓30の小腎杯、大腎杯、又は腎盂に配置することができるように穿刺部位を通して腎臓30まで前進させることができる。
【0080】
アクセスシース100が配置された状態で、可撓性尿管鏡160又は他の可撓性内視鏡デバイスの細長シャフト164をアクセスシース100の管腔を通して腎臓30の中に前進させることができる。細長シャフト164は、アクセスシース100の遠位先端の先に前進させ、次に、腎盂を通って尿管41内の治療部位まで尿管41の中に進入するように偏向させるか又は他にナビゲートすることができる。細長シャフト164は、必要に応じて患者の膀胱40及び/又は尿道42内の治療部位まで尿管41を通して更に前進させることができる。従って、尿管鏡160の細長シャフト164は、順行性経路で患者の背部にある穿刺部位に位置決めされたアクセスシース100の近位端から患者の腎臓30の中に、更に尿管41を通って膀胱40及び/又は尿道42の中に延びるほど十分な長さを有することができる。
【0081】
アクセスシース100及び/又は尿管鏡160又は本明細書に開示する他の医療デバイスを利用することができる尿路の他の手術手順は、良性前立腺肥大症(BPH)を含むことができる。そのような医療手順では、アクセスシース100及び尿管鏡160を用いて患者の前立腺に患者の尿道を通ってアクセス可能である。例えば、本明細書に説明する順行性又は逆行性の手法を用いて可撓性尿管鏡160を患者の尿道の中に進入させることができ、更に器具(例えば、レーザファイバ又は切除ツール)を可撓性尿管鏡160の管腔を通して前進させて塞いだ前立腺組織を焼灼又は切除することができる。
【0082】
図16は、膀胱のような患者の解剖学的部位を治療するための医療システムの態様を示している。医療システムは、上記及び下記で説明する可撓性尿管鏡160として例示する可撓性内視鏡デバイスを含むことができる。尿管鏡として説明するが、可撓性内視鏡デバイスは、他の解剖学的な治療及び診断のためのもの、例えば、腎盂尿管鏡、気管支鏡、子宮鏡、切除鏡、膀胱鏡、結腸鏡、十二指腸鏡、食道鏡等とすることができることに注意されたい。本明細書では可撓性尿管鏡160と記す内視鏡デバイスは、偏向可能遠位先端166を有する細長シャフト164と、それを通って延びる作動管腔と、偏向可能遠位先端166内に配置されて可撓性尿管鏡160のハンドル162と電子連通する光学系及び照明手段とを含むことができる。可撓性尿管鏡160のハンドル162は、可撓性尿管鏡160の光学系及び照明手段をコントローラ、モニタ、ディスプレイ、コンピュータ等に接続するように構成された電子機器及び光学系のコネクタ175を含むことができる。可撓性尿管鏡160の他の態様、要素、及び/又は特徴は、上記及び下記で説明する通りとすることができる。
【0083】
医療システムは、
図16に見られるように可撓性内視鏡デバイス(例えば、可撓性尿管鏡160)の細長シャフト164に取り外し可能に取り付けられるように構成された細長アダプタ要素200を含むことができる。細長アダプタ要素200は、その近位端202から遠位端204まで延びる作動チャネル210を含むことができる。一部の実施形態では、
図17に見られるように、細長アダプタ要素200は、その長さの大部分に沿って延びる開口スロット220を含むことができる。一部の実施形態では、開口スロット220は、細長アダプタ要素200の長さの全体に沿って延びることができる。他の構成も見込んでいる。少なくとも一部の実施形態では、細長アダプタ要素200の作動チャネル210の中心長手軸線を開口スロット220の中心長手軸線と平行に向けることができる。
【0084】
作動チャネル210は、細長アダプタ要素200の近位端202から遠位端204まで周方向に取り囲むことができる。作動チャネル210は、第1の断面積212を有することができる。少なくとも一部の実施形態では、作動チャネル210は、その全長に沿って一定の内側広がり及び/又は断面積を有することができる。一部の実施形態では、作動チャネル210は、先細加工することができ、及び/又は第1の断面積212は、作動チャネル210の長さに沿って変えることができる。一部の実施形態では、開口スロット220は、第1の断面積212よりも大きい第2の断面積222を有することができる。一部の実施形態では、第2の断面積222は、第1の断面積212に実質的に等しくすることができる。他の構成も見込んでいる。一部の実施形態では、細長アダプタ要素200は、開口スロット220と連通して細長アダプタ要素200の近位端202と長手中点の間に配置された横向き切り欠き230を含むことができる。
【0085】
図18に示すように、内視鏡デバイス(例えば、可撓性尿管鏡160)の細長シャフト164の少なくとも一部分が開口スロット220内に配置されている時に、細長アダプタ要素200は、可撓性尿管鏡160の細長シャフト164の円周の少なくとも50%の周りを周方向に延びることができる。一部の実施形態では、可撓性尿管鏡160の細長シャフト164の少なくとも一部分が開口スロット220内に配置されている時に、細長アダプタ要素200は、可撓性尿管鏡160の細長シャフト164の円周の少なくとも60%の周りを周方向に延びることができる。一部の実施形態では、可撓性尿管鏡160の細長シャフト164の少なくとも一部分が開口スロット220内に配置されている時に、細長アダプタ要素200は、可撓性尿管鏡160の細長シャフト164の円周の少なくとも70%の周りを周方向に延びることができる。一部の実施形態では、可撓性尿管鏡160の細長シャフト164の少なくとも一部分が開口スロット220内に配置されている時に、細長アダプタ要素200は、可撓性尿管鏡160の細長シャフト164の円周の少なくとも80%の周りを周方向に延びることができる。
【0086】
一部の実施形態では、開口スロット220は、内視鏡デバイス(例えば、可撓性尿管鏡160)の細長シャフト164にスナップ式、摩擦嵌め等によって係合するように構成することができる。一部の実施形態では、細長アダプタ要素200は、可撓性尿管鏡160の細長シャフト164の少なくとも一部分が開口スロット220内に配置されている時に、可撓性尿管鏡160の細長シャフト164の外面上に半径方向内向き力(例えば、圧縮力)を印加するように構成することができる。一部の実施形態では、細長アダプタ要素200の遠位端204は、可撓性尿管鏡160の細長シャフト164の偏向可能遠位先端166に隣接して位置決めされるように構成することができる。一部の実施形態では、細長アダプタ要素200の遠位端204は、可撓性尿管鏡160の細長シャフト164の偏向可能遠位先端166の近位に位置決めされるように構成することができる。一部の実施形態では、偏向可能遠位先端166は、細長アダプタ要素200の遠位端204の約1センチメートル(cm)、約1.5cm、約2cm、約2.5cm、約3cm等だけ遠位に延びることができる。
【0087】
図18に見ることができるように、内視鏡デバイス(例えば、可撓性尿管鏡160)の偏向可能遠位先端166及び/又は細長シャフト164は、作動チャネルと、光学系と、照明手段とを含むことができる。偏向可能遠位先端166は、偏向平面内で偏向する(例えば、上及び/又は下、左及び/又は右等に)ように構成することができる。少なくとも一部の実施形態では、偏向平面は、細長アダプタ要素200の作動チャネル210の中心長手軸線及び開口スロット220の中心長手軸線を含有する平面と平行である及び/又はそれに一致することができる。一部の実施形態では、偏向平面は、細長アダプタ要素200の作動チャネル210の中心長手軸線及び開口スロット220の中心長手軸線を含む平面に対して傾けることができる。偏向可能遠位先端166の偏向は、光学系に対する大きい視野、及び/又は細長アダプタ要素200の作動チャネルを通って延びる医療デバイスを誘導する機能を与えることができる。一部の実施形態では、作動チャネル210が中に配置された遠位端204の一部分は、作動チャネル210内に配置された医療デバイスの運動範囲及び/又はアクセス可能性を改善するために傾斜面206を含むことができる。
【0088】
一部の実施形態では、細長アダプタ要素200は、その長さに沿って実質的に剛性とすることができる。一部の実施形態では、細長アダプタ要素200は、その長さに沿って半剛性とすることができる。一部の実施形態では、細長アダプタ要素200は、押出成形構造体として形成することができる。一部の実施形態では、細長アダプタ要素200は、金属材料、ポリマー材料、及び/又は複合材料等から形成することができる。少なくとも一部の実施形態では、細長アダプタ要素200は、放射線不透過材料から形成することができ、及び/又は放射線不透過材料が中に埋め込まれた状態で形成することができる。一部の実施形態では、細長アダプタ要素200は、その中に埋め込まれた及び/又はそれに取り付けられた放射線不透過マーカーを含むことができる。他の構成も見込んでいる。
【0089】
一部の実施形態では、細長アダプタ要素200は、可撓性尿管鏡160の細長シャフト164の余剰長さを細長アダプタ要素200に対して固定するように構成された支持部材を含むことができる。支持部材は、本明細書に説明する一部の異なる形態のうちの1又は2以上を取ることができる。説明する形態を全称して「支持部材」という用語で示すことができる。
【0090】
一部の実施形態では、可撓性尿管鏡160の細長シャフト164の少なくとも一部分が開口スロット220内に配置されている時に、可撓性尿管鏡160の細長シャフト164の一部分(例えば、余剰長さ)が、横向き切り欠き230を通って延びることができ、細長アダプタ要素200及び/又は開口スロット220の外側に位置決めされる。手順に依存して可撓性尿管鏡160の細長シャフト164のこの部分(例えば、余剰長さ)をハンドル162及び/又は細長アダプタ要素200に対して本明細書に説明する支持部材を用いて固定することを有利とすることができる。
【0091】
一部の実施形態では、細長アダプタ要素200の支持部材は、
図19に見られるようにリング240を含むことができる。一部の実施形態では、支持部材及び/又はリング240は、可撓性尿管鏡160の細長シャフト164の長さの一部分及び/又は余剰長さをループに形成するように構成することができる。一部の実施形態では、支持部材及び/又はリング240は、細長アダプタ要素200に固定的に取り付けることができる。一部の実施形態では、支持部材及び/又はリング240は、細長アダプタ要素200に永久的に取り付けることができる。一部の実施形態では、支持部材及び/又はリング240は、モノリシック構造体として細長アダプタ要素200と一体的に形成することができる。一部の実施形態では、支持部材及び/又はリング240は、細長アダプタ要素200に取り外し可能に取り付けることができる。
【0092】
一部の実施形態では、支持部材及び/又はリング240は、開口スロット220及び/又は細長アダプタ要素200と一緒に配置することができる。一部の実施形態では、支持部材及び/又はリング240は、周方向に連続的な外面を含むことができる。一部の実施形態では、支持部材及び/又はリング240は、断続的な外面を含むことができる(例えば、支持部材及び/又はリング240は、開口、ノッチ、切り欠きなどを含むことができる)。一部の実施形態では、支持部材及び/又はリング240は、半径方向内向きのチャネル242を定める半円形の断面を有することができる。チャネル242は、その中に可撓性尿管鏡160の細長シャフト164の少なくとも一部分を受け入れるように構成することができる。
【0093】
一部の実施形態では、内視鏡デバイス(例えば、可撓性尿管鏡160)の細長シャフト164の少なくとも一部分がチャネル242内に配置されている時に、支持部材及び/又はリング240は、可撓性尿管鏡160の細長シャフト164の円周の少なくとも30%の周りを周方向に延びることができる。一部の実施形態では、可撓性尿管鏡160の細長シャフト164の少なくとも一部分がチャネル242内に配置されている時に、支持部材及び/又はリング240は、可撓性尿管鏡160の細長シャフト164の円周の少なくとも40%の周りを周方向に延びることができる。一部の実施形態では、可撓性尿管鏡160の細長シャフト164の少なくとも一部分がチャネル242内に配置されている時に、支持部材及び/又はリング240は、可撓性尿管鏡160の細長シャフト164の円周の少なくとも50%の周りを周方向に延びることができる。一部の実施形態では、可撓性尿管鏡160の細長シャフト164の少なくとも一部分がチャネル242内に配置されている時に、支持部材及び/又はリング240は、可撓性尿管鏡160の細長シャフト164の円周の少なくとも60%の周りを周方向に延びることができる。
【0094】
一部の実施形態では、チャネル242は、可撓性尿管鏡160の細長シャフト164にスナップ式、摩擦嵌め等によって係合するように構成することができる。一部の実施形態では、支持部材及び/又はリング240は、可撓性尿管鏡160の細長シャフト164の少なくとも一部分がチャネル242内に配置されている時に、可撓性尿管鏡160の細長シャフト164の外面上に半径方向内向き力(例えば、圧縮力)を印加するように構成することができる。一部の実施形態では、可撓性尿管鏡160の細長シャフト164は、可撓性尿管鏡160の細長シャフト164の少なくとも一部分がチャネル242内に配置されている時に、チャネル242内で摺動する及び/又は移動するように構成する及び/又は細長シャフト164がそうすることを可能にすることができる。他の構成も見込んでいる。
【0095】
一部の実施形態では、細長アダプタ要素200の支持部材は、
図20で見られるようにクリップ250を含むことができる。一部の実施形態では、支持部材及び/又はクリップ250は、可撓性尿管鏡160の細長シャフト164の長さの一部分及び/又は余剰長さをループに形成するように構成することができる。一部の実施形態では、支持部材及び/又はクリップ250は、細長アダプタ要素200に固定的に取り付けることができる。一部の実施形態では、支持部材及び/又はクリップ250は、細長アダプタ要素200に永久的に取り付けることができる。一部の実施形態では、支持部材及び/又はクリップ250は、モノリシック構造体として細長アダプタ要素200と一体的に形成することができる。一部の実施形態では、支持部材及び/又はクリップ250は、細長アダプタ要素200に取り外し可能に取り付けることができる。
【0096】
一部の実施形態では、支持部材及び/又はクリップ250は、開口スロット220及び/又は細長アダプタ要素200と一緒に配置することができる。クリップ250は、その中に可撓性尿管鏡160の細長シャフト164の少なくとも一部分を受け入れるように構成することができる。一部の実施形態では、クリップ250は、可撓性尿管鏡160の細長シャフト164にスナップ式、摩擦嵌め等によって係合するように構成することができる。一部の実施形態では、クリップ250は、閉鎖構成に向けて付勢又は自己付勢されるバネクリップとすることができる。一部の実施形態では、支持部材及び/又はクリップ250は、可撓性尿管鏡160の細長シャフト164の少なくとも一部分がクリップ250内に配置されている時に、可撓性尿管鏡160の細長シャフト164の外面上に半径方向内向き力(例えば、圧縮力)を印加するように構成することができる。一部の実施形態では、可撓性尿管鏡160の細長シャフト164は、可撓性尿管鏡160の細長シャフト164の少なくとも一部分がクリップ250内に配置されている時に、クリップ250内で摺動する及び/又は移動するように構成する及び/又は細長シャフト164がそうすることを可能にすることができる。他の構成も見込んでいる。
【0097】
一部の実施形態では、細長アダプタ要素200の支持部材は、フック260を含むことができる。一部の実施形態では、
図21に見られるように、支持部材及び/又はフック260は、可撓性尿管鏡160のハンドル162に取り付けることができる。一部の実施形態では、支持部材及び/又はフック260は、細長アダプタ要素200に取り付けることができる。一部の実施形態では、支持部材及び/又はフック260は、可撓性尿管鏡160の細長シャフト164の長さの一部分及び/又は余剰長さをループに形成するように構成することができる。一部の実施形態では、支持部材及び/又はフック260は、ハンドル162又は細長アダプタ要素200に固定的に取り付けることができる。一部の実施形態では、支持部材及び/又はフック260は、ハンドル162又は細長アダプタ要素200に永久的に取り付けることができる。一部の実施形態では、支持部材及び/又はフック260は、モノリシック構造体としてハンドル162又は細長アダプタ要素200と一体的に形成することができる。一部の実施形態では、支持部材及び/又はフック260は、ハンドル162又は細長アダプタ要素200に取り外し可能に取り付けることができる。
【0098】
フック260は、その中に内視鏡デバイス(例えば、可撓性尿管鏡160)の細長シャフト164の少なくとも一部分を受け入れるように構成することができる。一部の実施形態では、フック260は、可撓性尿管鏡160の細長シャフト164にスナップ式、摩擦嵌め等によって係合するように構成することができる。一部の実施形態では、支持部材及び/又はフック260は、可撓性尿管鏡160の細長シャフト164の少なくとも一部分がフック260内に配置されている時に、可撓性尿管鏡160の細長シャフト164の外面上に半径方向内向き力(例えば、圧縮力)を印加するように構成することができる。一部の実施形態では、可撓性尿管鏡160の細長シャフト164は、可撓性尿管鏡160の細長シャフト164の少なくとも一部分がフック260内に配置されている時に、フック260内で摺動する及び/又は移動するように構成する及び/又は細長シャフト164がそうすることを可能にすることができる。他の構成も見込んでいる。
【0099】
一部の実施形態では、細長アダプタ要素200は、近位端202の近位に位置決めされた及び/又は近位に延びる取り付け部分270を更に含むことができる。取り付け部分270は、可撓性尿管鏡160のハンドル162の遠位端に取り外し可能に取り付けられるように構成することができる。取り付け部分270は、細長アダプタ要素200と可撓性尿管鏡160の細長シャフト164及び/又はハンドル162との間の相対的な長手方向移動を防止するように構成することができる。一部の実施形態では、取り付け部分270は、細長アダプタ要素200の近位端202に固定的に取り付けることができる。一部の実施形態では、取り付け部分270は、モノリシック構造体として細長アダプタ要素200の近位端202と一体的に形成することができる。一部の実施形態では、取り付け部分270は、可撓性尿管鏡160のハンドル162の遠位端とスナップ式、摩擦嵌め等によって係合するように構成することができる。他の構成も見込んでいる。一部の実施形態では、取り付け部分270は、連結様式で互いに適合する複数のセクションを含むことができる。
【0100】
一部の実施形態では、取り付け部分270は、
図22に見られるように可撓性尿管鏡160のハンドル162の遠位端に係合及び/又は協働するように構成することができる。取り付け部分270は、可撓性尿管鏡160のハンドル162の遠位端の一部分の周りに巻き付くように構成された1又は2以上のフランジ及び/又は他の特徴部を含むことができる。取り付け部分270及び/又は可撓性尿管鏡160のハンドル162の間の接触及び/又は干渉は、可撓性尿管鏡160の細長シャフト164及び/又はハンドル162に対する細長アダプタ要素200の遠位移動を防止することができる。一部の実施形態では、取り付け部分270は、可撓性尿管鏡160のハンドル162の遠位端の少なくとも一部分を相補的に受け入れるように成形及び/又は形成することができる。一部の実施形態では、取り付け部分270は、可撓性尿管鏡160のハンドル162の遠位端の上で滑動することができる。一部の実施形態では、取り付け部分270は、可撓性尿管鏡160のハンドル162の複数の部分の周りに巻き付くことができる。一部の実施形態では、
図23に見られるように、取り付け部分270は、可撓性尿管鏡160のハンドル162の突出部分の周りに延びるように構成されたテザー272を含むことができる。一部の実施形態では、取り付け部分270は、可撓性尿管鏡160のハンドル162の中間領域に沿って延びることができる。一部の実施形態では、取り付け部分270は、そこから内向きに可撓性尿管鏡160のハンドル162に向けて延びる複数のピン274を含むことができる。一部の実施形態では、
図24に示すように、複数のピン274は、可撓性尿管鏡160のハンドル162の外面内に形成された1又は2以上の開口又は孔に係合するように構成することができる。一部の実施形態では、
図25に見られるように、取り付け部分270は、可撓性尿管鏡160のハンドル162の遠位端に配置された張力緩和部163に係合するように構成することができる。例えば、取り付け部分270は、張力緩和部163の近接リブ間を延びるように構成されたクラムシェル構成で形成することができる。別の例では、取り付け部分270は、可撓性尿管鏡160の張力緩和部163及び細長シャフト164の近位部分の上で横方向から摺動することができるように一方の側に沿って長手方向に向けられたスロットを有するように形成することができる。更に別の例では、取り付け部分270は、張力緩和部163に係合するように構成された圧縮接続金具を含むことができる。他の構成も見込んでいる。
【0101】
図26は、
図16~
図25に示す医療システムを用いて患者の膀胱40を治療する例示的方法を例示している。一部の実施形態では、可撓性尿管鏡160は、それ独自で膀胱40にアクセスする及び/又はそれを治療するのには必要以上に長い場合がある。可撓性尿管鏡160の細長シャフト164の余剰長さは、手順を妨害及び/又は複雑化する場合がある。可撓性尿管鏡160の細長シャフト164の遠位部分に細長アダプタ要素200を取り外し可能に取り付けることができる。一部の実施形態では、細長アダプタ要素200は、膀胱40にアクセスするのに可撓性尿管鏡160を膀胱鏡10と同様に機能させることができる。同様ではあるが、可撓性尿管鏡160を細長アダプタ要素200と併用することにより、可撓性尿管鏡160の利点及び特徴が保持され、それらを手順中に利用することができる。例えば、可撓性尿管鏡160は、膀胱鏡10よりも高い品質の光学系を有することができる。別の例では、偏向可能遠位先端166が依然として利用可能であり、膀胱鏡10と比較して改善された及び/又はより広い膀胱40内の視認を患者への不快感をもたらすことなく可能にすることができる。細長アダプタ要素200の作動チャネル210は、可撓性尿管鏡160の作動管腔よりも大きくすることができ、及び/又は大きい断面積を有することができ、それによって膀胱40を治療する時に単純に可撓性尿管鏡160を単独で使用する場合よりもより大きい器具及び/又は医療デバイスを使用することを可能にする。可撓性尿管鏡160を細長アダプタ要素200と併用することにより、2つの作動管腔(例えば、作動チャネル210と可撓性尿管鏡160の作動管腔)との同時使用を可能にすることができる。
【0102】
これに加えて、細長アダプタ要素200は、殺菌及び/又は修理に関連付けられたコストを低減する及び/又は排除するのに使用後に廃棄することができる使い捨てデバイス(例えば、単回使用デバイス)として構成することができる。使い捨てデバイスとして細長アダプタ要素200の構成は、単一患者に対して複数の用途及び/又は手順のための可撓性尿管鏡160の再使用を可能にすることができる。例えば、細長アダプタ要素200は、可撓性尿管鏡160が膀胱40にアクセスしてそれを治療するための膀胱鏡として作用することを可能にすることができる。膀胱40を治療した後に、細長アダプタ要素200を取り出す及び/又は廃棄することができ、同じ可撓性尿管鏡160をその後に例えば患者の腎臓を治療するための医療手順中に使用することができる。他の構成及び/又は使用も見込んでいる。
【0103】
図27は、細長アダプタ要素200の代替構成を示している。本明細書で議論するように、細長アダプタ要素200は、作動チャネル210と開口スロット220とを含むことができる。一部の実施形態では、細長アダプタ要素200は、横向き切り欠き230を欠くとすることができる。横向き切り欠き230を欠く代わりに、細長アダプタ要素200は、可撓性尿管鏡160の細長シャフト164の少なくとも一部分が開口スロット220内に配置されている時に、可撓性尿管鏡160の細長シャフト164の余剰長さを細長アダプタ要素200の近位でループに形成することができる。そうするために、細長アダプタ要素200は、その近位部分に取り付けられた固定リング290を含むことができる。固定リング290は、可撓性尿管鏡160のハンドル162が細長アダプタ要素200に対してほぼ90度に向くように可撓性尿管鏡160のハンドル162の遠位端を受け入れるように構成することができる。従って、
図27に示すように、細長アダプタ要素200の近位端202の近位に位置決めされた可撓性尿管鏡160の細長シャフト164の部分(余剰長さ)は、細長アダプタ要素200の近位端202及び可撓性尿管鏡160のハンドル162の遠位端に隣接するループを形成することができる。
【0104】
図28は、モジュール式医療デバイス300の態様を示している。一部の医療デバイスは、高額な構成要素を含み、従って、デバイスのコストの元を取るために消毒されて再使用される。しかし、患者の身体及び/又は体液との接触状態になる構成要素を再使用することは、公知及び/又は既存消毒手順を用いたとしてもある程度のリスクを有する。従って、様々な内視鏡デバイス(例えば、尿管鏡(例えば、LithoVue(登録商標)視鏡)、腎盂尿管鏡、気管支鏡、子宮鏡、切除鏡、膀胱鏡、結腸鏡、十二指腸鏡、食道鏡のような)及び本明細書に開示する他の視鏡デバイスのような一般的に使用される類似のタイプの医療デバイスに関連付けられたコストを低減するために、再使用可能構成要素と使い捨て構成要素との両方を含むモジュール式医療デバイス300を開示する。
【0105】
モジュール式医療デバイス300は、ハンドル部分310と使い捨てシャフト部分330とを含むことができ、使い捨てシャフト部分330の近位端332は、ハンドル部分310に解除可能に接続されるように構成することができる。ハンドル部分310は、使い捨てシャフト部分330の近位端332がハンドル部分310に接続された時に使い捨てシャフト部分330と通信するように構成された電子構成要素312を含むことができる。一般的に、電子構成要素312は、これらのタイプの医療デバイスでは最も高額な要素の一部であり、ハンドル部分310は、一般的に患者との直接接触状態にならず、適切な滅菌及び/又は保守の手順を使用することで再使用可能であるように適応させること及び構成することができる。
【0106】
一部の実施形態では、ハンドル部分310は、それを通って延びる近位作動チャネル314を含むことができる。ハンドル部分310は、近位作動チャネル314に関連付けられて使い捨てシャフト部分330の近位端332がハンドル部分310に接続された時に患者の体液が近位作動チャネル314との接触状態にならないように使い捨てシャフト部分330に係合するように構成された弁又はシールを含むことができる。ハンドル部分310の汚染を低減する及び/又は防止するための他の方法及び機構も見込んでいる。一部の実施形態では、近位作動チャネル314は、容易に洗浄及び消毒されるように設計及び構成することができる。少なくとも一部の実施形態では、使い捨てシャフト部分330は、その長さに沿って実質的に剛性又は半剛性とすることができる。例えば、使い捨てシャフト部分330は、金属材料(例えば、ステンレス鋼のような)、ポリマー材料、複合材料等で製造することができる。他の構成も見込んでいる。
【0107】
使い捨てシャフト部分330は、ハンドル部分310に接続された時に近位作動チャネル314と流体連通するように構成された遠位作動チャネル334を含むことができる。一部の実施形態では、遠位作動チャネル334は、そこに配置されて患者の体液がハンドル部分310及び/又は近位作動チャネル314に到達する及び/又はそれを汚染することを防止する逆流防止器又は一方向性バルブを含むことができる。一部の実施形態では、使い捨てシャフト部分330は、使い捨てシャフト部分330の近位端332及び/又はその近位に位置決めされた複数のロッキングタブ338を含むことができる。複数のロッキングタブ338は、ハンドル部分310上に形成された1又は2以上のノッチに解除可能に係合するように構成することができる。一部の実施形態では、1又は2以上のノッチは、スロットを含むことができる。一部の実施形態では、使い捨てシャフト部分330は、ツイスト-ロック機構を用いてハンドル部分310と解除可能に係合する及び/又はそれに接続することができる。これは単なる例に過ぎない。他の構成も見込んでいる。一部の実施形態では、使い捨てシャフト部分330及び/又はハンドル部分310は、複数のロッキングタブ338と1又は2以上のノッチとの係合を改善するように構成された及び/又は複数のロッキングタブ338と1又は2以上のノッチとの脱係合を防止するように構成されたバネ要素又は複数のバネ要素を含むことができる。他の構成も見込んでいる。
【0108】
一部の実施形態では、使い捨てシャフト部分330は、その遠位端336に配置された照明及び撮像構成要素を含むことができる。一部の実施形態では、照明及び撮像構成要素は、使い捨てシャフト部分330内に固定的に配置された細長スリーブ335内に配置することができる。細長スリーブ335は、必要に応じてポリマー材料、金属材料、又は他の材料で形成することができる。一部の実施形態では、細長スリーブ335は、照明及び撮像構成要素を遠位作動チャネル334及び/又は患者の体液から分離及び/又は保護することができる。一部の実施形態では、照明及び撮像構成要素は、使い捨てシャフト部分330の近位端332がハンドル部分310に接続された時にハンドル部分310の電子構成要素312と電子連通することができる。照明及び撮像構成要素は、使い捨てシャフト部分330の近位端332がハンドル部分310に接続された時に使い捨てシャフト部分330の遠位端336に近接する、近い、隣接する、及び/又はその周りにある区域を照明して撮像するように構成することができる。一部の実施形態では、照明及び撮像構成要素は、使い捨てシャフト部分330の遠位端336に固定的に取り付ける及び/又はそこに配置することができる。一部の実施形態では、照明及び撮像構成要素は、本明細書で議論するように使い捨てシャフト部分330から取り外し可能とすることができる。
【0109】
一部の実施形態では、照明は、ハンドル部分310内に配置された発光ダイオード(LED)が発生させた光を伝達する光ファイバによって使い捨てシャフト部分330を通して提供することができる。一部の実施形態では、照明は、ハンドル部分310内に配置されたLEDによって提供することができる。一部の実施形態では、LEDは、使い捨てシャフト部分330の遠位端336に配置することができる。一部の実施形態では、撮像は、使い捨てシャフト部分330を通って延び、ハンドル部分310に接続されてハンドル部分310内に配置された対物レンズを通してハンドル部分310内に配置された撮像器上に投影する光ファイバ束によって使い捨てシャフト部分330を通して提供することができる。ハンドル部分310内に配置された撮像器は、生ビデオ画像を取り込むことができ、これらの画像は、ハンドル部分310と電子連通するディスプレイ、モニタ、コンピュータ、コントローラ等に送信することができる。一部の実施形態では、撮像器は、相補的金属酸化物半導体(CMOS)撮像器とすることができる。
【0110】
図29は、使い捨てシャフト部分330に関する一例示的構成の遠位端面図である。簡潔化の目的で、上述してこの図の引き出し線に示す一部の特徴部(例えば、複数のロッキングタブ338)に対して再度説明することはしない。一部の実施形態では、遠位作動チャネル334は、使い捨てシャフト部分330の上部分内に配置する及び/又はそこに沿って延びることができる。一部の実施形態では、細長スリーブ335は、使い捨てシャフト部分330の下部分内に配置する及び/又はそこに沿って延びることができる。これらは単なる例に過ぎない。他の構成も見込んでいる。一部の実施形態では、使い捨てシャフト部分330は、遠位端336に及び/又はそこに隣接して位置決めされた1又は2以上のポート340を任意的に含むことができる。一部の実施形態では、1又は2以上のポート340は、流体の送出及び/又は除去又は他の適切な用途(例えば、レーザファイバ、ツールの送出のような)に使用することができる。1又は2以上のポート340は、使い捨てシャフト部分330に沿って延びる1又は2以上のチャネルと流体連通することができる。図示の例では、照明及び撮像のための光ファイバ束342が示されている。光ファイバ束342は、正方形形状を有するように示されている。一部の実施形態では、光ファイバ束342は、各辺が約0.5ミリメートル(mm)延びることができる。これは単なる例に過ぎない。他の形状(例えば、円形、多角形、矩形、楕円形のような)及び/又はサイズも見込んでいる。一部の実施形態では、光ファイバ束342の1又は2以上は、ハンドル部分310内に配置された撮像器と位置合わせすることができる及び/又はそれと通信することができる。
【0111】
図30は、使い捨てシャフト部分330に関する別の例示的構成の遠位端面図である。簡潔化の目的で、上述してこの図の引き出し線に示す一部の特徴部(例えば、複数のロッキングタブ338)に対して再度説明することはしない。一部の実施形態では、遠位作動チャネル334は、使い捨てシャフト部分330の上部分内に配置する及び/又はそこに沿って延びることができる。一部の実施形態では、細長スリーブ335は、使い捨てシャフト部分330の下部分内に配置する及び/又はそこに沿って延びることができる。これらは単なる例に過ぎない。他の構成も見込んでいる。一部の実施形態では、使い捨てシャフト部分330は、遠位端336に及び/又はそこに隣接して位置決めされた1又は2以上のポート340を任意的に含むことができる。一部の実施形態では、1又は2以上のポート340は、流体の送出及び/又は除去又は他の適切な用途(例えば、レーザファイバ、ツールの送出のような)に使用することができる。1又は2以上のポート340は、使い捨てシャフト部分330に沿って延びる1又は2以上のチャネルと流体連通することができる。図示の例では、撮像のための第1の光ファイバ束344が示されており、更に照明のための第2の光ファイバ束346が示されている。第1の光ファイバ束344は、円形形状を有するように示されている。第2の光ファイバ束346は、リング形状を有するように示されており、第1の光ファイバ束344の周りに配置される。これらは単なる例に過ぎない。他の形状(例えば、円形、多角形、矩形、楕円形のような)及び/又はサイズも見込んでいる。一部の実施形態では、第1の光ファイバ束344をハンドル部分310内に配置された撮像器と位置合わせすることができる及び/又はそれと通信することができる。
【0112】
図31は、使い捨てシャフト部分330に関する別の例示的構成の遠位端面図、側面図、及び近位端面図を示している。簡潔化の目的で、上述してこの図の引き出し線に示す一部の特徴部(例えば、複数のロッキングタブ338)に対して再度説明することはしない。一部の実施形態では、遠位作動チャネル334は、使い捨てシャフト部分330の上部分内に配置する及び/又はそこに沿って延びることができる。一部の実施形態では、細長スリーブ335は、使い捨てシャフト部分330の下部分内に配置する及び/又はそこに沿って延びることができる。これらは単なる例に過ぎない。他の構成も見込んでいる。
【0113】
一部の実施形態では、使い捨てシャフト部分330は、使い捨てシャフト部分330の遠位端336に配置された照明及び撮像構成要素を含む。図示の例では、使い捨てシャフト部分330の遠位端336にCMOS撮像器348が配置され、使い捨てシャフト部分330の遠位端336に照明のためのLED349が配置される。一部の実施形態では、CMOS撮像器348及び/又はLED349は、使い捨てシャフト部分330の遠位端336に及び/又はそこに配置された遠位プリント回路基板352上に配置することができる及び/又はそれに固定的に取り付けることができる。更に別の例示的遠位プリント回路基板は、米国仮特許出願第63/083,151号明細書に開示されており、この文献の開示内容は、引用によって本明細書に組み込まれている。CMOS撮像器348は、正方形形状を有するように示されている。一部の実施形態では、CMOS撮像器348は、各辺が約1mm延びることができる。これは単なる例に過ぎない。他の形状(例えば、円形、多角形、矩形、楕円形のような)及び/又はサイズも見込んでいる。一部の実施形態では、遠位プリント回路基板352は、使い捨てシャフト部分330の中心長手軸線と垂直に向けることができる。一部の実施形態では、遠位プリント回路基板352は、使い捨てシャフト部分330の中心長手軸線に対して斜角に向けることができる。例えば、遠位プリント回路基板352は、使い捨てシャフト部分330の遠位作動チャネル334に向けて傾斜させることができる。
【0114】
一部の実施形態では、使い捨てシャフト部分330は、その近位端332に及び/又はそこに配置された近位プリント回路基板354を含むことができる。近位プリント回路基板354は、遠位プリント回路基板352と電子及び/又は電気連通することができる。近位プリント回路基板354は、使い捨てシャフト部分330からハンドル部分310への電気及び/又は電子出力、及び/又はハンドル部分310から使い捨てシャフト部分330への電気及び/又は電子入力に適するように構成された複数の電気パッド356を含むことができる。少なくとも一部の実施形態では、近位プリント回路基板354は、ハンドル部分310内に配置された第3のプリント回路基板に位置合わせすること及び/又はそれに接続することができる。一部の実施形態では、ハンドル部分310及び/又は第3のプリント回路基板は、使い捨てシャフト部分330の近位プリント回路基板354上の複数の電気パッド356と電気的に接続するように構成及び/又は配置されたバネ荷重ピン、例えば、ポゴピンを含むことができる。
【0115】
一部の実施形態では、使い捨てシャフト部分330は、近位プリント回路基板354と遠位プリント回路基板352とを含むことができることを見込んでいる。一部の実施形態では、近位プリント回路基板354は、照明及び撮像構成要素が遠位プリント回路基板352上に配置されるか、又は遠位プリント回路基板352が不在及び/又はそれを用いない状態で使い捨てシャフト部分330の遠位端336に配置されるかに関わらず、使い捨てシャフト部分330の遠位端に配置された照明及び撮像構成要素を制御するように構成することができる。他の構成も見込んでいる。
【0116】
図32は、ハンドル部分310の例示的構成の部分断面図である。一部の実施形態では、ハンドル部分310は、再使用可能ハンドル部分320と使い捨てハンドル部分318とを含むことができる。使い捨てハンドル部分318は、再使用可能ハンドル部分320に解除可能に接続するように構成することができる。一例では、使い捨てハンドル部分318は、再使用可能ハンドル部分320にツイスト-ロック機構、スナップ式、カムロック等によって解除可能に接続するように構成することができる。他の構成も見込んでいる。一部の実施形態では、近位作動チャネル314は、使い捨てハンドル部分318内に配置することができる。これは、患者を治療するのに使用されるツール及び/又は患者の体液との接触状態になることが予想されるモジュール式医療デバイス300のいずれの部分をも洗浄手順及び/又は消毒手順を提供するのではなく使用後に廃棄することを可能にすることができる(例えば、単回使用デバイス)。モジュール式医療デバイス300の高額な要素は、再使用可能ハンドル部分320内に配置することができ、それによって手順毎のコストを低減することができる。
【0117】
ハンドル部分310の電子構成要素312は、再使用可能ハンドル部分320内に配置することができる。一部の実施形態では、電子構成要素312は、CMOS撮像器322及び/又はレンズ324を含むことができる。一部の実施形態では、電子構成要素312は、LED及び/又は他の要素を含むことができる。これらの特徴部のうちの1又は2以上を欠く他の構成も見込んでいる。一部の実施形態では、使い捨てシャフト部分330は、
図29~
図30に示すように構成することができる。一部の実施形態では、使い捨てシャフト部分330は、
図31に示すように構成することができる。他の構成も見込んでおり、ハンドル部分310内の要素の構成及び/又は配置は、モジュール式医療デバイス300に使用される使い捨てシャフト部分330の構成に従って変更、修正、及び/又は調節することができる。
【0118】
一部の実施形態では、使い捨てシャフト部分330の近位端332がハンドル部分310に接続された時に、使い捨てシャフト部分330の近位端332及び/又は使い捨てシャフト部分330の複数のロッキングタブ338は、使い捨てハンドル部分318と再使用可能ハンドル部分320との両方に係合することができる。一部の実施形態では、使い捨てハンドル部分318は、再使用可能ハンドル部分320よりも低いコストの材料から製造することができる。再使用可能ハンドル部分320及び使い捨てハンドル部分318の各々は、実質的に剛性とすることができる。一部の実施形態では、再使用可能ハンドル部分320は、複数のロッキングタブ338のうちの少なくとも1つを受け入れるように構成された1又は2以上のノッチ326を含むことができる。一部の実施形態では、使い捨てハンドル部分318は、複数のロッキングタブ338のうちの少なくとも1つを受け入れるように構成された1又は2以上のノッチ328を含むことができる。一部の実施形態では、再使用可能ハンドル部分320内の1又は2以上のノッチ326及び/又は使い捨てハンドル部分318内の1又は2以上のノッチ328は、使い捨てシャフト部分330の近位端332がハンドル部分310に接続された時に互いに向けて及び/又は複数のロッキングタブ338に向けてバネ荷重が掛けられる又は自己付勢することができる。他の構成も見込んでいる。
【0119】
一部の実施形態では、
図33~
図34に示すように、照明及び撮像構成要素は、使い捨てシャフト部分330内に固定的に配置された細長スリーブ335内に取り外し可能及び/又は摺動可能に配置された再使用可能撮像アセンブリ350上及び/又は内に配置することができる。代替構成では、撮像アセンブリ350は、それと一緒に及び/又は同時に使い捨てシャフト部分330の中に挿入される及び/又はそこから取り出されるように構成された使い捨てポリマースリーブ内に配置することができる。撮像アセンブリ350は、撮像アセンブリ350にケーブル362によって取り付けられた近位コネクタ360を含むことができる。撮像アセンブリ350の近位コネクタ360は、ハンドル部分310(図示せず)内の電子構成要素312(図示せず)に接続するように構成することができる。
【0120】
一部の実施形態では、撮像アセンブリ350の遠位先端358は、CMOS撮像器、LED、及び/又は他の要素を含むことができる。一部の実施形態では、遠位先端358は、CMOS撮像器が前方及び/又は遠位に真っ直ぐに向かないような角度オフセットを有するように構成することができる。例えば、遠位先端358は、撮像アセンブリ350の中心長手軸線に対して斜角に向けられた遠位面を有するように構成することができる。角度オフセットは、撮像アセンブリ350が回転された場合及び/又は時に術者が使い捨てシャフト部分330の遠位端336に近いより大きい区域を視認することを可能にすることができる。一部の実施形態では、撮像アセンブリ350は、使い捨てシャフト部分330及び/又は細長スリーブ335に対して回転可能に固定することができる。従って、撮像アセンブリ350は、モジュール式医療デバイス300(図示せず)及び/又は使い捨てシャフト部分330を回転させることによって回転させることができる。一部の実施形態では、撮像アセンブリ350は、細長スリーブ335及び/又は使い捨てシャフト部分330に対して回転可能とすることができる。
【0121】
一部の実施形態では、細長スリーブ335及び/又は使い捨てポリマースリーブは、照明及び撮像構成要素を遠位作動チャネル334及び/又は患者の体液又は医療手順中に使用される材料から分離及び/又は保護することができる。従って、一部の実施形態では、
図33に見られるように、細長スリーブ335は、その遠位端にわたって配置された及び/又はそこに固定的に取り付けられた透明窓337を含むことができる。一部の実施形態では、透明窓337は、使い捨てシャフト部分330の遠位端336に配置することができる。一部の実施形態では、透明窓337は、ポリマー材料、ガラス、又は透明で生体適合性を有する別の適切な材料から形成することができる。同様に、使い捨てポリマースリーブは、照明及び撮像構成要素と協働するように構成された透明遠位端を含むことができる。一部の実施形態では、細長スリーブ335及び/又は透明窓337は、流体に対して非浸透性を有することができ、及び/又は遠位作動チャネル334から密封することができ、及び/又は患者の体液及び/又は医療手順中に使用される流体又は材料が細長スリーブ335に流入すること及び/又は撮像アセンブリ350に接触することを防止することができる。一部の実施形態では、透明窓337は、そこを通じた可視化を改善するために透明窓337の内面上に配置された反射防止コーティングを含むことができる。
【0122】
一部の実施形態では、再使用可能撮像アセンブリ350は、患者の体液及び/又は患者を治療するのに使用されるいずれのツールにも接触することが意図されないので、撮像アセンブリ350上及び/又は内に配置された照明及び撮像構成要素は、簡単な払拭及び/又は他の適切な消毒手順によって再使用可能であるように構成することができ、一方で使い捨てシャフト部分330は、使用後に廃棄することができる。比較的高額な照明及び撮像構成要素を節約及び再使用することにより、使用毎及び/又は手順毎のコストを低減することができる。
【0123】
例えば、細長スリーブ335及び/又は透明窓337が使用される少なくとも一部の実施形態では、
図33に見られるように、再使用可能撮像アセンブリ350は、使い捨てシャフト部分330の近位端332で細長スリーブ335の中に挿入される及び/又は押し込まれるように構成することができる。撮像アセンブリ350は、細長スリーブ335内で使い捨てシャフト部分330の遠位端336に向けて遠位に摺動するように構成することができる。一部の実施形態では、撮像アセンブリ350は、細長スリーブ335及び/又は使い捨てシャフト部分330の長さに実質的に類似及び/又は等しい本体長さを有することができる。撮像アセンブリ350は、それを細長スリーブ335及び/又は使い捨てシャフト部分330内の定められた位置に挿入する及び/又は押し込むことを容易にするために本体長さに沿って半剛性及び/又は剛性とすることができる。
【0124】
一部の実施形態では、撮像アセンブリ350の遠位端は、透明窓337に、それに隣接して、及び/又はそれに対して位置決めすることができる。一部の実施形態では、透明窓337は、撮像アセンブリ350の過挿入を防止することができる。一部の実施形態では、撮像アセンブリ350は、半径方向外向きに延びて撮像アセンブリ350の遠位先端358が透明窓337に、それに隣接して、及び/又はそれに対して位置決めされた時に使い捨てシャフト部分330の近位端332及び/又は細長スリーブ335の近位端に係合するように構成された近位フランジを含むことができる。
【0125】
一部の実施形態では、
図34に示すように、撮像アセンブリ350は、使い捨てシャフト部分330の遠位端336から細長スリーブ335を通して引かれるように構成することができる。従って、通して引かれる構成では、細長スリーブ335及び/又は使い捨てシャフト部分330は、透明窓337を欠くとすることができる。従って、通して引かれる構成では、使い捨てスリーブを用いて撮像アセンブリ350が患者の体液及び/又は患者を治療するのに使用されるツールに接触することを防止することができる。これに代えて、撮像アセンブリ350は、承認された手順に従って使用後に完全に洗浄及び滅菌されるように構成することができる。
【0126】
通して引かれる構成では、撮像アセンブリ350は、細長スリーブ335及び/又は使い捨てシャフト部分330よりも短い本体長さを有することができる。撮像アセンブリ350は、細長スリーブ335及び/又は使い捨てシャフト部分330内の定められた位置に押し込まれるのではなく引き込まれるので、本体長さに沿って半剛性及び/又は剛性のものである必要は必ずしもない。撮像アセンブリ350を細長スリーブ335及び/又は使い捨てシャフト部分330を通して引くことを容易にするために、
図34に見られるように、近位コネクタ360は、そこに固定的に取り付けられたフック364を含むことができる。引張ワイヤ又は他のデバイスは、フック364と係合し、かつその後に撮像アセンブリ350を細長スリーブ335及び/又は使い捨てシャフト部分330の定められた位置に引き込むのに使用することができる。
【0127】
一部の代替実施形態では、撮像アセンブリ350は、細長スリーブ335及び/又は使い捨てシャフト部分330内の定位置に螺旋ネジ山を通じてねじ込まれるように構成することができる。他の代替実施形態では、撮像アセンブリ350は、ロッキングタブ及び対応するノッチを用いて定位置に捻り込まれるように構成することができる。他の構成も見込んでいる。
【0128】
図35~
図40は、撮像アセンブリ350の遠位先端358に及び/又はその内部に配置された照明及び撮像構成要素に関する様々な構成を示している。更に、これらの構成のうちの1又は2以上は、
図29~
図31に示す使い捨てシャフト部分330に使用することができる。いずれか1つの構成では、遠位先端358は、CMOS撮像器370、1又は2以上のLED380、及び/又は複数の光ファイバ及び/又は光ファイバ束390を含むことができる。一部の実施形態では、CMOS撮像器370は、形状がほぼ正方形とすることができ、各辺が約0.65mm延びることができる。これは単なる例に過ぎない。他の形状、サイズ、及び/又は構成も見込んでいる。一部の実施形態では、1又は2以上のLED380は、形状がほぼ矩形とすることができ、その短辺が約0.35mm延び、その長辺が約0.65mm延びることができる。これは単なる例に過ぎない。他の形状、サイズ、及び/又は構成も見込んでいる。更に、一部の実施形態では、他の構成要素に加えて又はその代わりに、ステレオ撮像センサ、指定波長撮像センサ、超音波センサ、及び/又は他のセンサをサポートする構成要素を設けることができる。
【0129】
図35は、実質的に円形の断面を有する遠位先端358を示している。一部の実施形態では、円形断面は、約2.2mmの外径を有することができる。これは単なる例に過ぎない。他のサイズ及び/又は構成も見込んでいる。一部の実施形態では、遠位先端358は、撮像アセンブリ350の中心長手軸線に沿って配置された第1のCMOS撮像器370を含むことができる。一部の実施形態では、第1のCMOS撮像器370は、その中心を撮像アセンブリ350の中心長手軸線上に定めることができる。遠位先端358は、第1のLED380と第2のLED380とを含むことができる。第1のLED380と第2のLED380とは、第1のCMOS撮像器370の両側に配置することができる。一部の実施形態では、第1のLED380及び第2のLED380は、第1のCMOS撮像器370から離間させることができる。一部の実施形態では、第1のLED380と第2のLED380は、撮像アセンブリ350の中心長手軸線から等距離に離間させることができる。一部の実施形態では、第1のLED380及び第2のLED380は、第1のCMOS撮像器370の直近に及び/又はそれとの物理的接触状態に配置することができる。一部の実施形態では、第1のLED380の長軸は、第1のLED380に隣接する及び/又はそれに最も近い第1のCMOS撮像器370の辺と平行に向けることができ、第2のLED380の長軸は、第2のLED380に隣接する及び/又はそれに最も近い第1のCMOS撮像器370の辺と平行に向けることができる。他の構成も見込んでいる。
【0130】
図36は、実質的に円形の断面を有する遠位先端358を示している。一部の実施形態では、円形断面は、約1.2mmの外径を有することができる。これは単なる例に過ぎない。他のサイズ及び/又は構成も見込んでいる。一部の実施形態では、遠位先端358は、撮像アセンブリ350の中心長手軸線に沿って配置された第1のCMOS撮像器370を含むことができる。一部の実施形態では、第1のCMOS撮像器370は、その中心を撮像アセンブリ350の中心長手軸線上に定めることができる。遠位先端358は、複数の光ファイバ及び/又は光ファイバ束390を含むことができる。複数の光ファイバ及び/又は光ファイバ束390は、第1のCMOS撮像器370の複数の辺に沿って及び/又はその周りに配置することができる。一部の実施形態では、複数の光ファイバ及び/又は光ファイバ束390は、第1のCMOS撮像器370から及び互いから離間させることができる。一部の実施形態では、複数の光ファイバ及び/又は光ファイバ束390は、第1のCMOS撮像器370の複数の辺と平行な複数の直線上に配置することができる。一部の実施形態では、複数の光ファイバ及び/又は光ファイバ束390は、第1のCMOS撮像器370の複数の辺から及び互いから各辺に沿って等距離に離間させることができる。一部の実施形態では、複数の光ファイバ及び/又は光ファイバ束390は、第1のCMOS撮像器370の直近に及び/又はそれとの物理的接触状態に配置することができる。一部の実施形態では、複数の光ファイバ及び/又は光ファイバ束390は、第1のCMOS撮像器370の周りで円形に配置することができる。一部の実施形態では、複数の光ファイバ及び/又は光ファイバ束390は、撮像アセンブリ350の中心長手軸線から等距離に離間させることができる。他の構成も見込んでいる。
【0131】
図37は、実質的に円形の断面を有する遠位先端358を示している。一部の実施形態では、円形断面は、約1.7mmの外径を有することができる。これは単なる例に過ぎない。他のサイズ及び/又は構成も見込んでいる。一部の実施形態では、遠位先端358は、撮像アセンブリ350の中心長手軸線に沿って配置された第1のCMOS撮像器370を含むことができる。一部の実施形態では、第1のCMOS撮像器370の中心は、第1の方向に撮像アセンブリ350の中心長手軸線から横方向にオフセットすることができる。遠位先端358は、撮像アセンブリ350の中心長手軸線に最も近い第1のCMOS撮像器370の辺に沿って配置された第1のLED380を含むことができる。一部の実施形態では、第1のLED380の中心は、第1の方向と反対の第2の方向に撮像アセンブリ350の中心長手軸線から横方向にオフセットすることができる。一部の実施形態では、第1のLED380は、第1のCMOS撮像器370から離間させることができる。一部の実施形態では、第1のLED380は、第1のCMOS撮像器370の直近に及び/又はそれとの物理的接触状態に配置することができる。一部の実施形態では、第1のLED380の長軸は、第1のLED380に隣接する及び/又はそれに最も近い第1のCMOS撮像器370の辺と平行に向けることができる。他の構成も見込んでいる。
【0132】
図38は、実質的に円形の断面を有する遠位先端358を示している。一部の実施形態では、円形断面は、約2.2mmの外径を有することができる。これは単なる例に過ぎない。他のサイズ及び/又は構成も見込んでいる。一部の実施形態では、遠位先端358は、各々が撮像アセンブリ350の中心長手軸線に沿って配置された第1のCMOS撮像器370及び第2のCMOS撮像器370を含むことができる。一部の実施形態では、第1のCMOS撮像器370の中心は、第1の方向に撮像アセンブリ350の中心長手軸線から横方向にオフセットすることができ、第2のCMOS撮像器370の中心は、第1の方向と反対の第2の方向に撮像アセンブリ350の中心長手軸線から横方向にオフセットすることができる。少なくとも一部の実施形態では、第1のCMOS撮像器370と第2のCMOS撮像器370は、一緒にステレオ撮像器を形成することができる。遠位先端358は、第1のLED380と第2のLED380とを含むことができる。第1のLED380と第2のLED380は、第1のCMOS撮像器370の中心と第2のCMOS撮像器370の中心とを結ぶ軸線の両側に配置することができる。一部の実施形態では、第1のLED380及び第2のLED380は、第1のCMOS撮像器370及び/又は第2のCMOS撮像器370から離間させることができる。一部の実施形態では、第1のLED380と第2のLED380は、撮像アセンブリ350の中心長手軸線から等距離に離間させることができる。一部の実施形態では、第1のLED380及び第3のLED380は、第1のCMOS撮像器370及び/又は第2のCMOS撮像器370の直近に及び/又はそれとの物理的接触状態に配置することができる。一部の実施形態では、第1のLED380の長軸は、第1のCMOS撮像器370の中心と第2のCMOS撮像器370の中心とを結ぶ軸線と平行に向けることができ、第2のLED380の長軸は、第1のCMOS撮像器370の中心と第2のCMOS撮像器370の中心とを結ぶ軸線と平行に向けることができる。他の構成も見込んでいる。
【0133】
図39は、実質的に楕円形、長円形、及び/又は長楕円形の断面を有する遠位先端358を示している。一部の実施形態では、楕円形、長円形、及び/又は長楕円形の断面は、約1.6mmの長径と約1.3mmの短径とを有することができる。これは単なる例に過ぎない。他のサイズ及び/又は構成も見込んでいる。一部の実施形態では、遠位先端358は、撮像アセンブリ350の中心長手軸線に沿って配置された第1のCMOS撮像器370を含むことができる。一部の実施形態では、第1のCMOS撮像器370の中心は、第1の方向に撮像アセンブリ350の中心長手軸線から横方向にオフセットすることができる。遠位先端358は、撮像アセンブリ350の中心長手軸線に最も近い第1のCMOS撮像器370の辺に沿って配置された第1のLED380を含むことができる。一部の実施形態では、第1のLED380の中心は、第1の方向と反対の第2の方向に撮像アセンブリ350の中心長手軸線から横方向にオフセットすることができる。一部の実施形態では、第1のLED380は、第1のCMOS撮像器370から離間させることができる。一部の実施形態では、第1のLED380は、第1のCMOS撮像器370の直近に及び/又はそれとの物理的接触状態に配置することができる。一部の実施形態では、第1のLED380の長軸は、第1のLED380に隣接する及び/又はそれに最も近い第1のCMOS撮像器370の辺と平行に向けることができる。他の構成も見込んでいる。
【0134】
図40は、実質的に矩形の断面を有する遠位先端358を示している。一部の実施形態では、矩形断面は、長辺に沿って約1.3mm延びることができ、かつ短辺に沿って約0.9mm延びることができる。これは単なる例に過ぎない。他のサイズ及び/又は構成も見込んでいる。一部の実施形態では、遠位先端358は、撮像アセンブリ350の中心長手軸線に沿って配置された第1のCMOS撮像器370を含むことができる。一部の実施形態では、第1のCMOS撮像器370の中心は、第1の方向に撮像アセンブリ350の中心長手軸線から横方向にオフセットすることができる。遠位先端358は、撮像アセンブリ350の中心長手軸線に最も近い第1のCMOS撮像器370の辺に沿って配置された第1のLED380を含むことができる。一部の実施形態では、第1のLED380の中心は、第1の方向と反対の第2の方向に撮像アセンブリ350の中心長手軸線から横方向にオフセットすることができる。一部の実施形態では、第1のLED380は、第1のCMOS撮像器370から離間させることができる。一部の実施形態では、第1のLED380は、第1のCMOS撮像器370の直近に及び/又はそれとの物理的接触状態に配置することができる。一部の実施形態では、第1のLED380の長軸は、第1のLED380に隣接する及び/又はそれに最も近い第1のCMOS撮像器370の辺と平行に向けることができる。他の構成も見込んでいる。
【0135】
本明細書に開示する医療システムの様々な構成要素及びその様々な要素に使用することができる材料は、一般的に医療システム及び/又は医療デバイスに関連付けられたものを含むことができる。簡略化の目的で、以下の議論は、医療システムに関するものである。しかし、この議論は、アクセスシース100、閉塞具120、ブリッジ130、アクセスシース150、ガイドワイヤ158、可撓性尿管鏡160、ステント190、細長アダプタ要素200、取り付け部分270、モジュール式医療デバイス300、ハンドル部分310、使い捨てシャフト部分330、撮像アセンブリ350、及び/又はその要素又は構成要素等であるがこれらに限定されない本明細書に開示する他の要素、部材、構成要素、又はデバイスに当て嵌めることができ、従って、本明細書に説明するデバイス及び方法は、限定するように意図したものではない。
【0136】
一部の実施形態では、医療システム及び/又はその構成要素は、金属、金属合金、ポリマー(その一部の例を下記に開示する)、金属-ポリマー複合材、セラミック、及びその組合せなど、又は他の適切な材料から製造することができる。
【0137】
適切なポリマーの一部の例は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、エチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)、フッ素化エチレンプロピレン(FEP)、ポリオキシメチレン(POM、例えば、DuPontから入手可能なDELRIN(登録商標))、ポリエーテルブロックエステル、ポリウレタン(例えば、ポリウレタン85A)、ポリプロピレン(PP)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエーテル-エステル(例えば、DSM Engineering Plasticsから入手可能なARNITEL(登録商標))、エーテル系又はエステル系のコポリマー(例えば、ブチレン/ポリ(アルキレンエーテル)フタレート及び/又は他のポリエステルエラストマー、例えば、DuPontから入手可能なHYTREL(登録商標))、ポリアミド(例えば、Bayerから入手可能なDURETHAN(登録商標)又はElf Atochemから入手可能なCRISTAMID(登録商標))、弾性ポリアミド、ブロックポリアミド/エーテル、ポリエーテルブロックアミド(PEBA、例えば、PEBAX(登録商標)という商品名の下で入手可能)、エチレンビニルアセテートコポリマー(EVA)、シリコーン、ポリエチレン(PE)、MARLEX(登録商標)密度ポリエチレン、MARLEX(登録商標)低密度ポリエチレン、直鎖低密度ポリエチレン(例えば、REXELL(登録商標))、ポリエステル、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリイミド(PI)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリフェニレンオキシド(PPO)、ポリパラフェニレンテレフタルアミド(例えば、KEVLAR(登録商標))、ポリスルホン、ナイロン、ナイロン12(EMS American Grilonから入手可能なGRILAMID(登録商標)のような)、ペルフルオロ(プロピルビニルエーテル)(PFA)、エチレンビニルアルコール、ポリオレフィン、ポリスチレン、エポキシ、ポリビニリデンクロリド(PVdC)、ポリ(スチレン-b-イソブチレン-b-スチレン)(例えば、SIBS及び/又はSIBS50A)、ポリカーボネート、ポリウレタンシリコーンコポリマー(例えば、AorTech BiomaterialsからのElastEon(登録商標)又はAdvanSource BiomaterialsからのChronoSil(登録商標))、生体適合性ポリマー、他の適切な材料、又はこれらの混合物、組合せ、コポリマー、及びポリマー/金属複合材などを含むことができる。一部の実施形態では、シースに液体結晶ポリマー(LCP)を混合することができる。例えば、この混合物は、約6パーセントまでのLCPを含有することができる。
【0138】
適切な金属及び金属合金の一部の例は、304Vステンレス鋼、304Lステンレス鋼、及び316LVステンレス鋼のようなステンレス鋼、軟鋼、線形弾性ニチノール及び/又は超弾性ニチノールのようなニッケル-チタン合金、他のニッケル合金、例えば、ニッケル-クロム-モリブデン合金(例えば、INCONEL(登録商標)625のようなUNS:N06625、HASTELLOY(登録商標)C-22(登録商標)のようなUNS:N06022、HASTELLOY(登録商標)C276(登録商標)、他のHASTELLOY(登録商標)合金、などのようなUNS:N10276)、ニッケル-銅合金(例えば、MONEL(登録商標)400、NICKELVAC(登録商標)400、及びNICORROS(登録商標)400などのようなUNS:N04400)、ニッケル-コバルト-クロム-モリブデン合金(例えば、MP35-N(登録商標)などのようなUNS:R30035)、ニッケル-モリブデン合金(例えば、HASTELLOY(登録商標)ALLOY B2(登録商標)のようなUNS:N10665)、他のニッケル-クロム合金、他のニッケル-モリブデン合金、他のニッケル-コバルト合金、他のニッケル-鉄合金、他のニッケル-銅合金、及び他のニッケル-タングステン合金又はタングステン合金など、コバルト-クロム合金、コバルト-クロム-モリブデン合金(例えば、ELGILOY(登録商標)及びPHYNOXR(登録商標)などのようなUNS:R30003)、プラチナ富化ステンレス鋼、チタン、プラチナ、パラジウム、金、その組合せ、又はいずれかの他の適切な材料を含む。
【0139】
一部の実施形態では、線形弾性及び/又は非超弾性のニッケル-チタン合金は、ニッケルを約50重量パーセントから約60重量パーセントの範囲とし、残りを基本的にチタンとすることができる。一部の実施形態では、組成は、ニッケルが約54重量パーセントから57重量パーセントの範囲にある。適切なニッケル-チタン合金の一例は、日本国神奈川県のFurukawa Techno Material Co.から市販のFHP-NT合金である。他の適切な材料は、ULTANIUM(登録商標)(Neo-Metricsから入手可能)及びGUM METAL(登録商標)(Toyotaから入手可能)を含むことができる。一部の他の実施形態では、望ましい特性を達成するために超弾性合金、例えば、超弾性ニチノールを使用することができる。
【0140】
少なくとも一部の実施形態では、医療システム及び/又はその構成要素の各部分又は全ては、放射線不透過性材料でドーピングされる、製造される、又は他にそれを含むことができる。放射線不透過性材料は、医療手順中に蛍光透視画面上に比較的高輝度の画像又は別の撮像技術を生成する機能を有する材料であると理解されるものとする。この比較的高輝度の画像は、医療システムのユーザがその場所を決定するのを助ける。放射線不透過性材料の一部の例は、金、プラチナ、パラジウム、タンタル、タングステン合金、及び放射線不透過性充填材が充填されたポリマー材料などを含むことができるがこれらに限定されない。更に、同じ結果を達成するために、他の放射線不透過性のマーカーバンド及び/又はコイルを医療システムの設計の中に組み込むことができる。
【0141】
一部の実施形態では、ある程度の核磁気共鳴撮像(MRI)適合性が本明細書に開示する医療システム及び/又は他の要素の中に与えられる。例えば、医療システム及び/又はその構成要素又は一部分は、画像を実質的にひずませることがなく実質的なアーチファクト(すなわち、画像内の間隙)を発生させることのない材料で製造することができる。例えば、ある一定の強磁性材料は、MRI画像内にアーチファクトを発生させる可能性があることで適切ではない場合がある。医療システム又はその一部分は、MRI機械が撮像することができる材料から製造することができる。これらの特質を示す一部の材料は、例えば、タングステン、コバルト-クロム-モリブデン合金(例えば、ELGILOY(登録商標)及びPHYNOX(登録商標)などのようなUNS:R30003)、ニッケル-コバルト-クロム-モリブデン合金(例えば、MP35-N(登録商標)などのようなUNS:R30035)、及びニチノールなど、並びにその他を含む。
【0142】
一部の実施形態では、本明細書に開示する医療システム及び/又は他の要素は、構造体の上に又は内に配置された織物材料を含むことができる。織物材料は、組織内殖を容易にするのに適するポリマー材料又は生体材料のような生体適合性材料を含むことができる。一部の実施形態では、織物材料は、生体吸収性材料を含むことができる。適切な織物材料の一部の例は、ポリエチレングリコール(PEG)、ナイロン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE、ePTFE)、ポリオレフィン系材料、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリウレタン、及び/又はこれらの混合物又は組合せを含むがこれらに限定されない。
【0143】
一部の実施形態では、本明細書に開示する医療システム及び/又は他の要素は、織物材料を含む及び/又はそれから形成することができる。適切な織物材料の一部の例は、扁平糸、有形糸、撚糸、嵩高加工糸、防縮加工糸、又は無収縮糸とすることができる合繊糸を含むことができる。本発明の開示での使用に適する生体適合性合繊糸は、ポリエチレンテレフタレート(PET)ポリエステルを含むポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリウレタン、ポリオレフィン、ポリビニル、ポリメチルアセテート、ポリアミド、ナフタレンジカルボキシレン誘導体、天然絹糸、及びポリテトラフルオロエチレンを含むがこれらに限定されない。更に、合繊糸のうちの少なくとも1つは、金属糸又はガラス又はセラミックの織糸又は繊維とすることができる。有利な金属糸は、ステンレス鋼、プラチナ、金、チタン、タンタル、又はNi-Co-Cr基合金から製造された又はこれらを含有する織糸を含む。これらの織糸は、炭素、ガラス、又はセラミックの繊維を更に含むことができる。望ましくは、織糸は、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリウレタン、ポリナフタレン、及びポリテトラフルオロエチレンなどを含むがこれらに限定されない熱可塑性材料から製造される。織糸は、マルチフィラメント、モノフィラメント、又は紡糸類とすることができる。選択織糸のタイプ及びデニールは、生体適合性埋込可能人工器官、より具体的には、望ましい特性を有する血管構造体を形成するように選択することができる。
【0144】
一部の実施形態では、本明細書に開示する医療システム及び/又は他の要素は、適切な治療剤を含む及び/又はそれを用いて処理することができる。適切な治療剤の一部の例は、抗血栓形成剤(ヘパリン、ヘパリン誘導体、ウロキナーゼ、及びPPack(デキストロフェニルアラニンプロリンアルギニンクロロメチルケトン)のような)、抗増殖剤(エノキサパリン、アンジオペプチン、平滑筋細胞の増殖を阻害する機能を有するモノクローナル抗体、ヒルジン、及びアセチルサリチル酸のような)、抗炎症剤(デキサメタゾン、プレドニゾロン、コルチコステロン、ブデソニド、エストロゲン、スルファサラジン、及びメサラミンのような)、抗腫瘍/抗増殖/抗有糸分裂剤(パクリタキセル、5-フルオロウラシル、シスプラチン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、エポチロン、エンドスタチン、アンジオスタチン、及びチミジンキナーゼ阻害剤のような)、麻酔剤(リドカイン、ブピバカイン、及びロピバカインのような)、抗凝固剤(D-Phe-Pro-Argクロロメチルケトン、RGDペプチド含有化合物、ヘパリン、抗トロンビン化合物、血小板受容体拮抗剤、抗トロンビン抗体、抗血小板受容体抗体、アスピリン、プロスタグランジン阻害剤、血小板阻害剤、及びダニ抗血小板ペプチドのような)、血管細胞成長促進剤(成長因子阻害剤、成長因子受容体拮抗剤、転写活性剤、及び翻訳促進剤のような)、血管細胞成長阻害剤(成長因子阻害剤、成長因子受容体拮抗剤、転写抑制因子、翻訳抑制因子、複製阻害剤、阻害性抗体、成長因子に対する抗体、成長因子と細胞毒とで構成される二官能性分子、抗体と細胞毒とで構成される二官能性分子のような)、コレステロール低下剤、血管拡張剤、及び内因性血管作用機構を妨害する薬剤を含むことができる。
【0145】
本発明の開示は、多くの点に関して例示的ものに過ぎないことを理解しなければならない。詳細、特に形状、サイズ、及び段階の配置に関して本発明の開示の範囲を超えることなく変更を加えることができる。この変更は、適切である限り、1つの例示的実施形態の特徴のうちのいずれかが他の実施形態に使用される場合の使用を含むことができる。当然ながら、本発明の開示の範囲は、添付の特許請求の範囲が表現される文言で定められる。
【符号の説明】
【0146】
10 膀胱鏡
12 カメラ又は撮像システム
14 側面ポート
20 尿管鏡
【手続補正書】
【提出日】2024-01-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療システムであって、
近位端から遠位開口部まで延びる管腔を有するアクセスシースと、
前記アクセスシースの前記近位端に固定されたブリッジであって、前記ブリッジが、それを通って延びて前記アクセスシースの前記管腔と流体連通する管腔を含む前記ブリッジと、
ハンドルと前記ハンドルから遠位に延びる細長シャフトとを含む可撓性尿管鏡であって、前記細長シャフトが、長さを有し、かつ偏向可能遠位先端を含む前記可撓性尿管鏡と、
を備え、
前記細長シャフトは、前記アクセスシースの前記管腔及び前記ブリッジの前記管腔内に摺動可能に配置されるように構成され、
前記可撓性尿管鏡の前記細長シャフトは、前記細長シャフトの外面上に配置されて前記細長シャフトの前記偏向可能遠位先端を前記アクセスシースの前記遠位開口部に位置決めするように構成された少なくとも1つの十字線マーキングを含み、
前記細長シャフトの前記偏向可能遠位先端が前記アクセスシースの前記遠位開口部に位置決めされた時に、前記細長シャフトの前記長さの少なくとも20%が、前記ブリッジの近位を延びる、
医療システム。
【請求項2】
前記細長シャフトの前記偏向可能遠位先端が前記アクセスシースの前記遠位開口部に位置決めされた時に、前記細長シャフトの前記長さの少なくとも30%が、前記ブリッジの近位を延びる請求項1に記載の医療システム。
【請求項3】
アクセスシースを更に備え、
前記アクセスシースは、前記可撓性尿管鏡の前記細長シャフトと同時に前記アクセスシースの前記管腔内に摺動可能に配置されるように構成される、
請求項1又は請求項2に記載の医療システム。
【請求項4】
患者の尿路を治療するための医療システムであって、
可撓性尿管鏡であって、偏向可能遠位先端を有する細長シャフトと、それを通って延びる作動管腔と、前記偏向可能遠位先端に配置されて前記可撓性尿管鏡のハンドルと電子連通する光学系とを含む前記可撓性尿管鏡と、
前記細長シャフトに取り外し可能に取り付けられるように構成された細長アダプタ要素と、
を備え、
前記細長アダプタ要素は、前記細長アダプタ要素の近位端から前記細長アダプタ要素の遠位端まで延びる作動チャネルと、前記細長アダプタ要素の長さの大部分に沿って延びる開口スロットとを含み、
前記細長アダプタ要素は、前記細長シャフトの少なくとも一部分が前記開口スロット内に配置された時に前記細長シャフトの外面上に半径方向内向き力を印加するように構成され、
前記作動チャネルは、前記細長アダプタ要素の前記近位端から前記細長アダプタ要素の前記遠位端まで周方向に包み込まれ、かつ第1の断面積を有し、
前記開口スロットは、前記第1の断面積よりも大きい第2の断面積を有する、
医療システム。
【請求項5】
前記細長シャフトの少なくとも一部分が前記開口スロット内に配置された時に、前記細長アダプタ要素は、前記細長シャフトの円周の少なくとも60%の周りを周方向に延びる請求項4に記載の医療システム。
【請求項6】
前記細長アダプタ要素は、前記細長シャフトの少なくとも一部分が前記開口スロット内に配置された時に前記偏向可能遠位先端の近位に位置決めされるように構成される請求項4又は請求項5に記載の医療システム。
【請求項7】
前記細長アダプタ要素は、前記細長シャフトの余剰長さを前記細長アダプタ要素に対して固定するように構成された支持部材を含む請求項4又は請求項5に記載の医療システム。
【請求項8】
前記支持部材は、前記細長シャフトの前記余剰長さをループに形成する請求項7に記載の医療システム。
【請求項9】
前記細長アダプタ要素は、前記可撓性尿管鏡の前記ハンドルに取り外し可能に取り付けられるように構成された取り付け部分を含む請求項4又は請求項5に記載の医療システム。
【請求項10】
前記細長アダプタ要素は、前記開口スロットと連通して前記細長アダプタ要素の前記近位端と前記細長アダプタ要素の長手中点との間に配置された横向き切り欠きを含む請求項4又は請求項5に記載の医療システム。
【請求項11】
前記細長シャフトの少なくとも一部分が前記開口スロット内に配置された時に、前記細長シャフトの一部分が、前記横向き切り欠きを通って延び、かつ前記細長アダプタ要素の外側に位置決めされる請求項10に記載の医療システム。
【請求項12】
モジュール式医療デバイスであって、
ハンドル部分と、
前記ハンドル部分に解除可能に接続するように構成された使い捨てシャフト部分と、
を備え、
前記ハンドル部分は、前記使い捨てシャフト部分が前記ハンドル部分に接続された時に前記使い捨てシャフト部分と通信するように構成された電子構成要素を含み、
前記ハンドル部分は、前記ハンドル部分を通って延びる近位作動チャネルを含み、
前記使い捨てシャフト部分は、前記使い捨てシャフト部分が前記ハンドル部分に接続された時に前記近位作動チャネルと流体連通するように構成された遠位作動チャネルを含み、
前記使い捨てシャフト部分は、前記使い捨てシャフト部分の遠位端に配置された照明及び撮像構成要素を含み、
前記照明及び撮像構成要素は、前記使い捨てシャフト部分が前記ハンドル部分に接続された時に前記電子構成要素と電子連通しており、
前記照明及び撮像構成要素は、前記使い捨てシャフト部分の前記遠位端に近接する区域を照明かつ撮像するように構成される、
モジュール式医療デバイス。
【請求項13】
前記使い捨てシャフト部分は、その近位端に配置されたプリント回路基板を含み、
前記プリント回路基板は、前記照明及び撮像構成要素を制御するように構成される、
請求項12に記載のモジュール式医療デバイス。
【請求項14】
前記ハンドル部分は、再使用可能ハンドル部分と使い捨てハンドル部分とを含み、
前記近位作動チャネルは、前記使い捨てハンドル部分内に配置され、
前記電子構成要素は、前記再使用可能ハンドル部分内に配置され、
前記使い捨てシャフト部分が前記ハンドル部分に接続された時に、前記使い捨てシャフト部分の近位端は、前記使い捨てハンドル部分と前記再使用可能ハンドル部分との両方に係合する、
請求項12又は請求項13に記載のモジュール式医療デバイス。
【請求項15】
前記照明及び撮像構成要素は、前記使い捨てシャフト部分内に固定的に配置された細長スリーブ内に取り外し可能に配置された撮像アセンブリ上に配置される請求項12又は13に記載のモジュール式医療デバイス。
【国際調査報告】